(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-10
(54)【発明の名称】繊維を基材とした靴中敷きおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
A43B 17/00 20060101AFI20230703BHJP
D04H 1/435 20120101ALI20230703BHJP
D04H 1/485 20120101ALI20230703BHJP
【FI】
A43B17/00 A
D04H1/435
D04H1/485
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572541
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(85)【翻訳文提出日】2023-01-24
(86)【国際出願番号】 US2021035597
(87)【国際公開番号】W WO2021247797
(87)【国際公開日】2021-12-09
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520457203
【氏名又は名称】オーツー・パートナーズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100210398
【氏名又は名称】横尾 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ファルケン,ロバート
【テーマコード(参考)】
4F050
4L047
【Fターム(参考)】
4F050EA01
4F050HA20
4F050HA26
4F050HA79
4L047AA08
4L047AA21
4L047AA23
4L047AB02
4L047BA01
4L047BA08
4L047BA24
4L047CA04
4L047CA19
4L047CB08
4L047EA02
(57)【要約】
靴中敷きは、下表面および上表面を有する中敷き詰め物を含む。中敷き詰め物は、垂直に配向された不織繊維からなる。中敷き詰め物を構成する不織繊維は、中敷き詰め物の下表面および上表面に対して概して垂直に配向される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下表面および上表面を有しかつ不織繊維からなる中敷き詰め物を備え、
前記不織繊維が、前記中敷き詰め物の前記下表面および前記上表面に対して概して垂直に配向されている、
靴中敷き。
【請求項2】
前記中敷き詰め物を少なくとも部分的に包む編まれたカバーをさらに備える、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項3】
前記編まれたカバーが、前記中敷き詰め物と同じタイプの繊維からなる、
請求項2に記載の靴中敷き。
【請求項4】
前記編まれたカバーが前記中敷き詰め物を完全に包む、
請求項2に記載の靴中敷き。
【請求項5】
前記不織繊維がリサイクル材料からなる、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項6】
前記中敷きが、もっぱら機械的な力および熱接合によって互いに結び付いている、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項7】
前記靴中敷きがいかなる化学由来の発泡体または接着剤も含まない、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項8】
前記靴中敷き全体が生分解性である、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項9】
前記靴中敷き全体が単一のタイプの材料からなる、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項10】
前記不織繊維が綿、ポリエステル、およびナイロンのうちの1つまたは複数からなる、 請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項11】
前記不織繊維がエラストマーポリエステル繊維からなる、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項12】
前記中敷き詰め物が、約0.13g/cm
3から約0.16g/cm
3の範囲の比重を有する、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項13】
前記中敷き詰め物が、約92μL/Pa・sから約98μL/Pa・sの範囲の透気度を有する、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項14】
前記中敷き詰め物が、約4ミリメートルから約6ミリメートルの範囲の厚みを有する、 請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項15】
前記中敷き詰め物が、少なくとも4ミリメートルの厚みを有する、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項16】
前記中敷き詰め物が、
概して凹形の形状を有するかかと部分と、
概して平坦であるつま先部分と、
形状が概して凸形であり、前記かかと部分から前記つま先部分へと延在する土踏まず部分と
を含む、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項17】
靴中敷きであって、
エラストマーポリマー繊維からなる不織繊維からなる中敷き詰め物と、
前記中敷き詰め物を少なくとも部分的に包むカバーであって、前記カバーが、編まれたエラストマーポリマー繊維からなり、前記カバーの前記エラストマーポリマー繊維が、前記中敷き詰め物の前記エラストマーポリマー繊維と同じ材料である、カバーと
を備え、
前記靴中敷きが、いかなる発泡体材料または接着剤も含まず、
前記中敷き詰め物が、約92μL/Pa・sから約98μL/Pa・sの範囲の透気度、および少なくとも4ミリメートルの範囲の厚みを有する、
靴中敷き。
【請求項18】
前記中敷き詰め物の前記不織繊維が、前記中敷き詰め物の下表面に対して概して垂直に配向されている、
請求項17に記載の靴中敷き。
【請求項19】
複数本の不連続な繊維を準備することと、
複数本の平行に配向された繊維を形成するように、前記不連続な繊維を配置、分離、および配向することと、
前記複数本の平行に配向された繊維を打って上表面および下表面を有する詰め物シートにすることであって、前記平行に配向された繊維が、前記詰め物シートの前記下表面および前記上表面に対して概して垂直に配向されていることと、
前記詰め物シートを所望の中敷き形状へと切断することと
を含む、
繊維を基材とした靴中敷きを形成する方法。
【請求項20】
前記所望の中敷き形状に形成された前記詰め物シートを編まれたカバーに入れることをさらに含む、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記平行に配向された繊維を打つことが、前記平行に配向された繊維を部分的に絡み合わせることを含む、
請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記詰め物シートを形成するのに化学発泡剤が使用されない、
請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記所望の中敷き形状が使用者の足の裏の形状と概して適合する、
請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記配置、分離、および配向することがカード機によって実施される、
請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記詰め物シートを前記靴中敷きに形成することが、前記詰め物シートを機械打抜きすることを含む、
請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記複数本の不連続な繊維がリサイクル繊維からなる、
請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記靴中敷き全体が生分解性である、
請求項19に記載の方法。
【請求項28】
前記靴中敷き全体がいかなる化学由来の軟質発泡体または接着剤も含まない、
請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記靴中敷き全体が単一のタイプの材料からなる、
請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記詰め物シートが前記所望の中敷き形状へと成形される、
請求項19に記載の方法。
【請求項31】
前記複数本の平行に配向された繊維を打って詰め物シートにすることが、前記複数本の平行に配向された繊維を熱接合することを含む、
請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0002]本出願は、「Machine Washable and Dryable Shoe Insoles and a Method of Manufacturing the Same」と題する、2020年6月3日出願の米国仮特許出願第63/034,151号の利益を主張し、これは参照により本明細書に全体として援用される。
【0002】
[0003]本発明は、一般に靴中敷きおよびその製造方法に関し、より詳細には、リサイクル可能繊維および/または生分解性繊維からなる取外し可能な靴中敷きに関する。
【背景技術】
【0003】
[0004]ソック・ライナ(sock liner)としても知られている従来の靴中敷きは、空気透過性とも呼ばれる通気性が関係するとき、通常は連続気泡ポリウレタン発泡体などの化学由来の発泡体から作製される。連続気泡ポリウレタン発泡体の製造には、環境に有害な場合があるイソシアネートの使用を必要とすることが多い。さらに、靴中敷きの製造に使用される連続気泡ポリウレタン発泡体は、靴中敷きを形成するために、接着剤と布との異なる化学的性質が層状構成に配向されることを必要とする。接着剤と布との層状構成により、容易にリサイクルまたは生分解することができない最終製品が形成される。さらに、連続気泡ポリウレタン発泡体から作成される従来の靴中敷きを使用するには、足の臭いを防止するために、靴の着用者が着用する靴下を使用することが必要とされる。さらに、従来の靴中敷きを製造する際に接着剤および化学由来の発泡体を使用することにより、機械洗いおよび/または機械乾燥されているときに靴中敷きが反り、バラバラになり、かつ/または裂ける恐れがある。連続気泡発泡体を基材とした中敷きは、機械洗いされているときに水を蓄える恐れもあり、これにより、水を除去するために追加の乾燥が必要になり、したがって中敷きがさらに反る恐れがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0005]本開示の靴中敷きは、従来の発泡体を基材とした靴中敷きの代替物となる、繊維を基材とした靴中敷きである。一実施形態では、靴中敷きは、下表面および上表面を有しかつ不織繊維からなる中敷き詰め物を含み、不織繊維は、中敷き詰め物の下表面および上表面に対して概して垂直に配向される。いくつかの実施形態では、靴中敷きは、中敷き詰め物を少なくとも部分的に包む編まれたカバーをさらに含む。いくつかの実施形態では、編まれたカバーは、中敷き詰め物と同じタイプの繊維からなる。いくつかの実施形態では、編まれたカバーは完全に中敷き詰め物を包む。いくつかの実施形態では、不織繊維はリサイクル材料からなる。いくつかの実施形態では、中敷きは、もっぱら機械的な力および熱接合によって互いに結び付いている。いくつかの実施形態では、靴中敷きはいかなる化学由来の発泡体または接着剤も含まない。いくつかの実施形態では、靴中敷き全体は生分解性である。いくつかの実施形態では、靴中敷き全体は単一のタイプの材料からなる。いくつかの実施形態では、不織繊維は綿、ポリエステル、およびナイロンのうちの1つまたは複数からなる。
【0005】
[0006]いくつかの実施形態では、不織繊維はエラストマーポリエステル繊維からなる。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物は約0.13g/cm3から約0.16g/cm3の範囲の比重を有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物は約92μL/Pa・sから約98μL/Pa・sの範囲の透気度を有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物は約4ミリメートルから約6ミリメートルの範囲の厚みを有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物は少なくとも4ミリメートルの厚みを有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物は、概して凹形の形状を有するかかと部分と、概して平坦であるつま先部分と、形状が概して凸形であり、かかと部分からつま先部分へと延在する土踏まず部分とを含む。
【0006】
[0007]一実施形態では、エラストマーポリマー繊維からなる不織繊維からなる中敷き詰め物と、中敷き詰め物を少なくとも部分的に包むカバーであって、カバーが、編まれたエラストマーポリマー繊維からなり、カバーのエラストマーポリマー繊維が、中敷き詰め物のエラストマーポリマー繊維と同じ材料である、カバーとを含む靴中敷きが存在する。靴中敷きは、いかなる発泡体材料または接着剤も含まず、中敷き詰め物は、約92μL/Pa・sから約98μL/Pa・sの範囲の透気度および約4ミリメートルから約6ミリメートルの範囲の厚みを有する。いくつかの実施形態では、不織繊維は、中敷き詰め物の下表面に対して概して垂直に配向される。
【0007】
[0008]一実施形態では、複数本の不連続な繊維を準備するステップと、複数本の平行に配向された繊維を形成するように、不連続な繊維を配置、分離、および配向するステップと、複数本の平行に配向された繊維を打って(bat)上表面および下表面を有する詰め物シートにするステップであって、平行に配向された繊維が、詰め物シートの下表面および上表面に対して概して垂直に配向されている、ステップと、詰め物シートを所望の中敷き形状へと切断するステップとを含む、繊維を基材とした靴中敷きを形成する方法が存在する。いくつかの実施形態では、方法は、所望の中敷き形状に形成された詰め物シートを編まれたカバーに入れるステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、平行に配向された繊維を打つステップは、平行に配向された繊維を部分的に絡み合わせるステップを含む。いくつかの実施形態では、詰め物シートを形成するのに化学発泡剤が使用されない。いくつかの実施形態では、所望の中敷き形状は、使用者の足の裏の形状と概して適合する。いくつかの実施形態では、配置、分離、および配向するステップは、カード機によって実施される。
【0008】
[0009]いくつかの実施形態では、詰め物シートを靴中敷きに形成するステップは、詰め物シートを機械打抜きするステップを含む。いくつかの実施形態では、複数本の不連続な繊維はリサイクル繊維からなる。いくつかの実施形態では、靴中敷き全体は生分解性である。いくつかの実施形態では、靴中敷き全体はいかなる化学由来の軟質発泡体または接着剤も含まない。いくつかの実施形態では、靴中敷き全体は単一のタイプの材料からなる。いくつかの実施形態では、詰め物シートは所望の中敷き形状へと成形される。いくつかの実施形態では、複数本の平行に配向された繊維を打って詰め物シートにするステップは、複数本の平行に配向された繊維を熱接合するステップを含む。
【0009】
[0010]繊維を基材とした靴中敷きおよびその製造方法の実施形態の前述の概要および以下の詳細な説明は、例示的な実施形態の添付の図面と併せて読まれると、より良く理解されよう。しかし、本発明は示されている厳密な構成および手段に限定されないことを理解されたい。
【0010】
[0011]その図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】[0012]
図1Aは、本開示の例示的な一実施形態による、繊維を基材とした靴中敷きの斜視図である。
【
図1B】[0013]
図1Bは、
図1Aの繊維を基材とした靴中敷きの一部を構成する、垂直に配向された平行な繊維の断面概略図である。
【
図2A】[0014]
図2Aは、任意選択の靴下状カバーに入れられた、
図1Aの繊維を基材とした靴中敷きの斜視図である。
【
図2B】[0015]
図2Bは、
図2Aに示された繊維を基材とした靴中敷きの断面概略図である。
【
図3】[0016]本開示の例示的な一実施形態による、靴中敷き詰め物を形成し、それを
図2Bの靴下状構造体に入れるためのシステムを示す図である。
【
図4】[0017]本開示の例示的な一実施形態による、
図1Aの繊維を基材とした靴中敷きを作製する方法を示す方法フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0018]同様の参照符号が全体を通して同様の要素を指している図面を詳細に参照すると、
図1A~
図2Bには、本発明の例示的な一実施形態による、全体を100で示された、繊維を基材とした靴中敷きが示してある。
【0013】
[0019]靴中敷き100は、従来の発泡体を基材とした靴中敷きの代替物となる、繊維を基材とした靴中敷きである。靴中敷き100は、不織繊維からなることができる。靴中敷き100を製造および処分する環境への影響を軽減するため、従来の靴中敷きとは対照的に、靴中敷き100は化学物質ならびに/または化学由来の軟質発泡体および接着剤を含まないことが可能である。中敷き詰め物を形成するために使用される繊維は、リサイクル繊維および/または生分解性繊維からなることができる。以下でより詳細に説明されるように、不織繊維に使用される構成、配向、および/または材料により、靴中敷きが従来の軟質発泡体を基材とした中敷きと等しいかまたはそれより大きい圧縮特性、反発特性、および/または空気透過特性を有することが可能になり得る。中敷き詰め物を形成するために使用される繊維により、靴中敷きを容易に機械で洗いかつ/または乾燥させることが可能になり得る。さらに、化学物質、化学由来の軟質発泡体および/または接着剤を欠いていることにより、靴中敷きを反らせ、または裂くことなしに、靴中敷きを機械洗いおよび/または機械乾燥することが可能になり得る。靴中敷きは、任意選択で、中敷き詰め物を包む靴下状カバーを含み、それにより、着用者が靴下を着用する必要性に取って代わり、かつ/または着用者の環境への影響を軽減しながら着用者の快適さを向上させることができる。
【0014】
[0020]
図1A~
図1Bを参照すると、一実施形態における、中敷き詰め物102を含むことができる靴中敷き100が示してある。いくつかの実施形態では、靴中敷き100は、使用者の足の下で靴(図示せず)の中で使用するための詰め物が入った層であり、かつ靴から取外し可能に構成することができる。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、靴中敷き100を靴の中に再挿入する前に機械洗いおよび/または機械乾燥することができるように、機械洗い可能および/または機械乾燥可能に構成され得る。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102の機械洗い可能および/または機械乾燥可能な側面は、従来の靴中敷き詰め物に使用されるいかなる発泡体材料および/または化学由来の軟質発泡体も含まないことによって実現することができる。いくつかの実施形態では、化学由来の軟質発泡体の使用を含まないことにより、中敷き詰め物102は、従来の軟質発泡体の製造で使用されるいかなる化学発泡剤も含まない場合がある。
【0015】
[0021]中敷き詰め物102は、不織繊維からなることができる。中敷き詰め物102は繊維からなるが、発泡体状の構造体を有することができる。たとえば、発泡体状の繊維構造体を形成するような形で繊維を配向する(たとえば隣接する繊維と絡み合わせ、かつ/または熱接合させる)ことができる。言い換えれば、中敷き詰め物102により、空気透過性としても知られている通気性を維持しながら、中敷き詰め物102が反発特性および圧縮特性を有することが可能になり得る。繊維構造体は、中敷き詰め物102が中敷き詰め物102の上に立っている使用者およびその人の足が中敷き詰め物102を構成する繊維へと下向きに圧力を加えることによる繰り返す荷重に耐えることができるように、繊維が概して垂直に配向された、ボリュームのある嵩高の三次元不織構造体でもよい。
【0016】
[0022]いくつかの実施形態では、不織繊維は、(
図1Bに概略的に示してあるように)概して垂直に配向される。本明細書で議論されるように、垂直に配向された繊維とは、中敷き詰め物102の上表面104および下表面106に対して概して垂直である垂直方向に概して配向された繊維を指すことができる。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維の概ねすべてが垂直に配向される。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維の少なくとも99%が垂直に配向される。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維の少なくとも98%が垂直に配向される。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維の少なくとも97%が垂直に配向される。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維の少なくとも95%が垂直に配向される。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維の少なくとも94%が垂直に配向される。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維の少なくとも93%が垂直に配向される。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維の少なくとも92%が垂直に配向される。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維の少なくとも91%が垂直に配向される。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維の少なくとも90%が垂直に配向される。いくつかの実施形態では、垂直に配向された繊維は、中敷き詰め物の上表面104および/または下表面106に対して約88°の角度である垂直方向に配向され得る。いくつかの実施形態では、垂直に配向された繊維は、中敷き詰め物の上表面104および/または下表面106に対して約86°の角度である垂直方向に配向され得る。いくつかの実施形態では、垂直に配向された繊維は、中敷き詰め物の上表面104および/または下表面106に対して約84°の角度である垂直方向に配向され得る。いくつかの実施形態では、垂直に配向された繊維は、中敷き詰め物の上表面104および/または下表面106に対して約82°の角度である垂直方向に配向され得る。いくつかの実施形態では、垂直に配向された繊維は、中敷き詰め物の上表面104および/または下表面106に対して約82°から約75°の間の角度である垂直方向に配向され得る。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維は、水平またはランダムな配向などの様々な角度で配向され得る。
【0017】
[0023]いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、中敷き詰め物102を構成する繊維を互いに接合するためのいかなる化学接合材または化学接合層(たとえば板)も含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維は、機械的接合および/または熱接合によって互いに接合される。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、従来の軟質発泡体製造に使用される化学発泡剤などのいかなる化学物質も含まない。
【0018】
[0024]一実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維は、エラストマーポリエステル繊維である。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102はリサイクル材料(たとえばリサイクル繊維)からなることができる。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は全体的にリサイクル繊維からなる。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は約95%がリサイクル繊維からなる。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は90%がリサイクル繊維からなる。他の実施形態では、中敷き詰め物102はリサイクル可能繊維からなる。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は全体的にリサイクル可能繊維からなる。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は95%がリサイクル可能繊維からなる。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は90%がリサイクル可能繊維からなる。
【0019】
[0025]いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は綿、ポリエステル、ナイロン、またはその組合せからなることができる。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は生分解性材料からなることができる。たとえば、中敷き詰め物102を構成する繊維は、生分解性材料(たとえば綿)から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、全体的に単一のタイプの繊維および/または材料からなることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は全体的に綿繊維からなることができる。
【0020】
[0026]いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は任意の望ましい審美性に適するように色付けすることができる。たとえば、発泡体状繊維構造体を形成する繊維は、任意の望ましい審美性に適するように染められ、または色付けされてもよい(たとえば、同じかまたは異なる色を有する繊維の組合せが使用されてもよい)。いくつかの実施形態では、靴中敷き詰め物102は、靴中敷き100を継続して着用することに関連付けられる足の臭いを防止するように構成された抗菌剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、抗菌剤は、ペパーミント油またはその派生物などの、自然に存在する抗菌剤でもよい。いくつかの実施形態では、抗菌剤は中敷き詰め物102内に散布され得る。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は低アレルギー性材料からなることができる。いくつかの実施形態では、中敷き102は難燃性材料からなることができる。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、イルーシブ黄変(elusive yellowing)などの変色に耐性のある材料からなることができる。
【0021】
[0027]上表面104および下表面106に対して垂直な方向に測定した中敷き100の厚みは、既存の発泡体の中敷きと類似していてもよい。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、約1ミリメートルから約7ミリメートルの範囲の厚みを有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、約2ミリメートルから約6ミリメートルの範囲の厚みを有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、約3ミリメートルから約5ミリメートルの範囲の厚みを有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、少なくとも3ミリメートルの厚みを有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は少なくとも4ミリメートルの厚みを有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は少なくとも5ミリメートルの厚みを有する。いくつかの実施形態では、厚み中敷き詰め物102は約5ミリメートルである。
【0022】
[0028]いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102の密度は、1平方メートル当たり約100グラム(GSM)から約600GSMの範囲である。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102の密度は約150GSMから約550GSMの範囲である。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102の密度は約200GSMから約400GSMの範囲である。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102の密度は約250GSMから約350GSMの範囲である。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102の密度は少なくとも100GSMである。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102の密度は少なくとも150GSMである。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102の密度は少なくとも200GSMである。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102の密度は少なくとも250GSMである。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102の密度は少なくとも300GSMである。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102の密度は少なくとも350GSMである。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102の密度は少なくとも400GSMである。一実施形態では、中敷き詰め物102の密度は約350GSMである。
【0023】
[0029]いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は約35kg/cm2から約55kg/cm2の範囲の引張り強度を有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は約40kg/cm2から約50kg/cm2の範囲の引張り強度を有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は約46kg/cm2の引張り強度を有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は約20%から約40%の範囲の伸び率を有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は約22%から約38%の範囲の伸び率を有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は約24%から約36%の範囲の伸び率を有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は約26%から約34%の範囲の伸び率を有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は約28%から約32%の範囲の伸び率を有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は約25%から約30%の範囲の伸び率を有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維は約27%の伸び率を有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は40%未満の圧縮永久ひずみを有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は38%未満の圧縮永久ひずみを有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は36%未満の圧縮永久ひずみを有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は34%未満の圧縮永久ひずみを有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は32%未満の圧縮永久ひずみを有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は30%未満の圧縮永久ひずみを有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は28%未満の圧縮永久ひずみを有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は24%未満の圧縮永久ひずみを有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は22%未満の圧縮永久ひずみを有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は20%未満の圧縮永久ひずみを有する。
【0024】
[0030]いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、28%未満の圧縮永久ひずみ、約2ミリメートルから約6ミリメートルの間の範囲の厚み、および約250GSMから約450GSMの範囲の密度を有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、24%未満の圧縮永久ひずみ、約3ミリメートルから約5ミリメートルの間の範囲の厚み、および約300GSMから約400GSMの範囲の密度を有する。一実施形態では、中敷き詰め物102は、20%未満の圧縮永久ひずみ、少なくとも4ミリメートルの厚み、および約350GSMの密度を有する。
【0025】
[0031]中敷き詰め物102は、従来の軟質ポリウレタン発泡体の中敷き詰め物よりも概して通気性があり、重量が軽くなるように構成され得る。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、従来の軟質ポリウレタン発泡体の中敷きと同等の、またはそれより優れた性能特性を有するように構成され得る。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は約90μL/Pa・sから約100μL/Pa・sの範囲の透気度を有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は約92μL/Pa・sから約98μL/Pa・sの範囲の透気度を有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は約94μL/Pa・sから約96μL/Pa・sの範囲の透気度を有する。一実施形態では、中敷き詰め物102の透気度は約95μL/Pa・sである。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、約0.13g/cm3から約0.16g/cm3の範囲の比重を有する。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は約0.14g/cm3から約0.15g/cm3の範囲の比重を有する。
【0026】
[0032]いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、中敷き詰め物102が製造中に受ける成形工程および/または加熱工程によって生じる模様および/または形状を有する場合がある。たとえば、中敷き詰め物102の上表面104は、中敷き詰め物102が製造中に受ける加熱工程によって生じる、
図1Aに示されているような概してキルト状の模様を有してもよい。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、概して着用者の足の裏の形状に対応する形状を有するように成形および/または切断される。たとえば、中敷き詰め物102は、着用者の足のかかとの裏の形状に対応する概して凹形の形状を有するかかと部分108を有するように成形および/または切断される。中敷き詰め物102は、概して平坦であり着用者の足の前部(たとえばつま先および中足部(ball of foot))の輪郭と概して同様に形状設定されたつま先部分112を有するように成形および/または切断され得る。中敷き詰め物は、形状が概して凸形でありかかと部分108からつま先部分112へと延在する土踏まず部分110を有するように成形および/または切断され得る。土踏まず部分110は、着用者の足の土踏まずの形状および/またはサイズに対応するように形状設定および/または寸法設定され得る。
【0027】
[0033]
図2A~
図2Bを参照すると、靴中敷き100は、中敷き詰め物102に結合された任意選択の靴下状カバー108を含むことができる。靴下状カバー108は、靴中敷き100の使用者にさらなる快適さをもたらし、使用者の足から出る汗を吸収し、かつ/または使用者の足から出る臭いを軽減することができる。本明細書で議論される靴下状の、とは、芯材(たとえば中敷き詰め物102)を少なくとも部分的に包むかまたは全体的に包むように構成された、編まれかつ/または織られた布構造体を指すことができる。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108は、靴下状カバー108が中敷き詰め物102を少なくとも部分的に包むように中敷き詰め物102に結合される。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108は、中敷き詰め物102を完全に包む。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108は、中敷き詰め物102の上表面104全体を覆うように構成される。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108は、中敷き詰め物から選択的に取外し可能であるように構成される。たとえば、靴下状カバー108は、中敷き詰め物102を靴下状カバー108に挿入し、または靴下状カバー108から取り出すことができるように、開口(たとえばかかと近くの中敷き詰め物の下の穴またはスロット)を含むことができる。他の実施形態では、靴下状カバー108は中敷き詰め物102に機械的に結合される(たとえば、中敷き詰め物102に縫い付けられ、または縫い合わされる)。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102および靴下状カバー108は、使用者が両方を同時に靴から取り出すことができるように互いに結合される。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108は全体的に省略されてもよく、別個のアクセサリとして提供されてもよい。
【0028】
[0034]いくつかの実施形態では、靴下状カバー108の厚みは、約0.5ミリメートルから約4.0ミリメートルの範囲である。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108の厚みは、約1.0ミリメートルから約3.5ミリメートルの範囲である。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108の厚みは、約1.5ミリメートルから約3.0ミリメートルの範囲である。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108の厚みは、約2.0ミリメートルから約2.5ミリメートルの範囲でもよい。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108の厚みは、少なくとも0.5ミリメートルである。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108の厚みは、少なくとも1.0ミリメートルである。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108の厚みは、少なくとも1.3ミリメートルである。一実施形態では、靴下状カバー108の厚みは、約0.7ミリメートルである。
【0029】
[0035]いくつかの実施形態では、靴下状カバー108によって包まれた中敷き詰め物102を含む靴中敷き100の厚みは、約4ミリメートルから約8ミリメートルの範囲である。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108によって包まれた中敷き詰め物102を含む靴中敷き100の厚みは、約5ミリメートルから約7ミリメートルの範囲である。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108によって包まれた中敷き詰め物102を含む靴中敷き100の厚みは、約6ミリメートルである。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108によって包まれた中敷き詰め物102を含む靴中敷き100の厚みは、少なくとも3ミリメートルである。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108によって包まれた中敷き詰め物102を含む靴中敷き100の厚みは、少なくとも4ミリメートルである。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108によって包まれた中敷き詰め物102を含む靴中敷き100の厚みは、少なくとも5ミリメートルである。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108によって包まれた中敷き詰め物102を含む靴中敷き100の厚みは、少なくとも6ミリメートルである。
【0030】
[0036]靴下状カバー108は、リサイクル材料および/またはリサイクル可能材料(たとえばリサイクル繊維)からなることができる。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108は、全体的にリサイクル繊維からなる。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108は、約95%がリサイクル繊維からなる。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108は、90%がリサイクル繊維からなる。他の実施形態では、靴下状カバー108はリサイクル可能繊維からなる。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108は、全体的にリサイクル可能繊維からなる。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108は、95%がリサイクル可能繊維からなる。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108は、90%がリサイクル可能繊維からなる。
【0031】
[0037]中敷き詰め物102および靴下状カバー108は、互いと同じタイプの材料からなることができる。一実施形態では、中敷き詰め物102および靴下状カバー108は、同じタイプの繊維からなることができる。一実施形態では、中敷き詰め物102および靴下状カバーは、靴中敷き100が全体的にリサイクル可能または生分解性であることを確実とするために、同じリサイクル材料および/またはリサイクル繊維からなる。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108は、ポリエステル、ナイロン、ウールなどであるがこれらに限定されない繊維からなる。いくつかの実施形態では、2つ以上の繊維の組合せの組合せが靴下状カバー108に含まれる。いくつかの実施形態では、靴下状カバーは、異なる水準の弾性を有する同じタイプの繊維(たとえばポリエステル)からなることができる。たとえば、同じタイプの繊維(たとえばポリエステル)が、異なる処理方法および/または製造方法に起因する異なる水準の弾性を有する場合がある。単一のタイプの繊維が、編み地/織り地をより緊密にすることにより、編み地/織り地に別の繊維を導入することにより、またはデンプンなどの補強製品を導入することにより、異なる弾性値を有する場合がある。
【0032】
[0038]いくつかの実施形態では、靴下状カバー108は、中敷き詰め物102の1つまたは複数の特性を改善するように構成された材料からなる。たとえば、靴下状カバー108は、使用者の足の裏から水分(たとえば汗)を吸収するように構成された吸収性材料からなることができる。靴下状カバー108は、中敷き詰め物102が裂け、変色し、かつ/または反ることを防ぐように構成された材料からなることができる。靴下状カバー108は、中敷き詰め物102の装飾的外観を改善するように構成された材料からなることができる。たとえば、靴下状カバー108は、審美的に有益な模様で染め、印刷し、または織ることができる材料でもよい。靴下状カバー108は、着用されたときに靴下状カバー108に対して使用者の足が動かないように抵抗する滑らない材料を含むことができる。靴下状カバー108は、使用者によって着用されたときに中敷き詰め物102と組み合わせて2つの圧縮段階を提供するために、中敷き詰め物102よりも柔軟なかつ/または剛性の材料からなることができる。いくつかの実施形態では、靴下状カバー108は別の靴下状カバーと交換可能に構成される。
【0033】
[0039]いくつかの実施形態では、靴中敷き100により、靴の構成要素の環境への影響および靴の着用者の環境への影響を軽減することができる。いくつかの実施形態では、靴中敷き100は、クローズドループ製造システムの持続可能な実践を遵守することができる単一の材料タイプ(たとえば繊維)からなる。さらに、靴下状カバー108に包まれた中敷き詰め物102を提供することにより、靴の着用者が所有および/または使用しなければならない靴下の数が減り、それによって消費者による消費を減少させることができる。言い換えれば、靴中敷き100は、着用者が従来の靴下を所有または着用する必要性を低減し、かつ/またはなくすことができるので、靴中敷き100により、靴の着用者が所有する製品をより少なくし、それらを回転させることが可能になり得る。
【0034】
[0040]
図3を参照すると、靴中敷き詰め物102を形成し、それを靴下状カバー108に入れるための、全体を300と示されたシステムの図が示してある。いくつかの実施形態では、複数本の不連続な繊維302をカード機304に提供することができる。いくつかの実施形態では、複数本の不連続な繊維302はリサイクル材料からなることができる。いくつかの実施形態では、カード機304は、繊維が互いに対して概して平行になるように、複数本の不連続な繊維302を配置し、分離し、平行に配向するように構成され得る。いくつかの実施形態では、複数本の不連続な繊維302は、カード機304により、垂直に直立した姿勢で平行に配向される。いくつかの実施形態では、平行に配向された繊維を打って詰め物シート306にすることができる。いくつかの実施形態では、詰め物シート306は任意の所望の厚みに形成することができる。いくつかの実施形態では、詰め物シート306は約3mmから約6mmの範囲の厚みを有することができる。いくつかの実施形態では、詰め物シート306は約5mmの厚みを有することができる。
【0035】
[0041]いくつかの実施形態では、カード機304は機械的機械加工、空気圧式機械加工、ならびに/または吸引装置および/もしくはブロアが使用される「空気タイプ」機械加工によって動作して、繊維を垂直に配向し、繊維の全体的な厚みを連続的なシートへと構成することができる。いくつかの実施形態では、機械的機械加工および/または空気圧式機械加工によって動作するカード機304は、第1の回転リッカイン構成要素および第2の回転ドラム構成要素(図示せず)からなることができる。第1の回転リッカイン構成要素および第2の回転ドラム構成要素は、作動経路に沿って不連続な繊維302を通すことにより、協調して不連続な繊維302を動かすように構成され得る。いくつかの実施形態では、「空気タイプ」機械加工によって動作するカード機304は、吸引装置の近くに不連続な繊維302を運搬し、またはブロアの助けを借りて吸引装置の近くに不連続な繊維302を運搬することによって行われる空気処理を含むことができる。
【0036】
[0042]詰め物シート306は、所与の技術的仕様を満たすように、厚みおよび密度が様々な複数枚のシートにすることができる。いくつかの実施形態では、詰め物シート306を中敷き詰め物(たとえば中敷き詰め物102)へと形成することができる。上で議論したように、カード機304は、不連続な繊維302を垂直に直立した姿勢で配置し、分離し、平行に配向させて、詰め物シート306を形成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、繊維シート306は、繊維が発泡体状構造体として機能する発泡体状繊維構造体を形成するような形で絡み合わせることができる。発泡体状繊維構造体は、空気透過性としても知られている通気性を維持しながら、知られている発泡体中敷きと同様の反発特性および圧縮特性を有することができる。発泡体状繊維構造体は、その組立てにおいて化学物質の使用を必要としない場合がある。任意の望ましい技術的仕様を遵守するために、発泡体状繊維構造体はより高密度または低密度にされてもよい。いくつかの実施形態では、任意の望ましい技術的仕様を遵守するために、発泡体状繊維構造体は、変動的な繊維直径および変動的な繊維長さを有する繊維を利用してもよい。
【0037】
[0043]いくつかの実施形態では、詰め物シート306は、詰め物シート306を所望の形状(たとえば中敷き詰め物102の形状)に形成するように構成されたあるタイプの形成機308に提供され得る。いくつかの実施形態では、詰め物シート306は、当業者に知られている方法により、機械打抜き、スライシング、および/または成形によって中敷き詰め物102へと形成することができる。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、所与の靴のサイズ、形状、および/または所与の靴のタイプに合うように形成され得る。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、中敷き詰め物102を柔らかくするために、約160℃から約180℃の範囲の温度、また一実施形態では約170℃の温度で、50秒から100秒の間にわたって蒸気に当てられてもよい。いくつかの実施形態では、柔らかくされた中敷き詰め物102は当業者に知られている方法によって圧縮成形されて、起伏の付いた靴中敷き形状になることができる。いくつかの実施形態では、起伏の付いた靴中敷き形状は、個々の中敷き詰め物102の形状へと打ち抜かれ得る。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102の形状は、着用者の足の裏の形状に概して対応することができる。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、概して凹形の形状を有するかかと部分と、概して平坦であるつま先部分と、形状が概して凸形であり、かかと部分からつま先部分へと延在する土踏まず部分とを有することができる。
【0038】
[0044]いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102は、使用者の足の裏に概して適合するように形成され得る。一実施形態では、形成機308は、機械打抜きを実施するように構成された装置でもよい。機械打抜き装置は、所与のサイズ(たとえば所与の靴のサイズ)に合わせて詰め物シート306を中敷き詰め物102の形状へと機械プレスするように構成され得る。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を編み機310に提供(たとえば手動で供給)することができる。いくつかの実施形態では、編み機310は、中敷き詰め物102が靴下状カバーによって少なくとも部分的に包まれるように、中敷き詰め物102の周りに編まれた靴下状カバー(たとえば靴下状カバー108)を構築するように構成され得る。いくつかの実施形態では、編み機310は、中敷き詰め物102を靴下状カバー108内に完全に包むように構成される。いくつかの実施形態では、システム300によって生産される中敷き詰め物102および靴下状カバー108は、機械洗い可能かつ機械乾燥可能でもよい。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102および靴下状カバー108は、1つまたは複数の同じ材料からなることができる。
【0039】
[0045]いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102および/または靴下状カバー108を構成する繊維は、エラストマー繊維でもよい。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102および/または靴下状カバー108を構成する繊維は、1つまたは複数のタイプのエラストマー繊維の混紡でもよい。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維は、約75%の1.5デニールのポリエステル繊維と、約25%の2デニールの複合繊維との混紡である。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維は、約80%の6デニールのポリエステル繊維と、約20%の4デニールの複合繊維との混紡である。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維は、約80%の15デニールのポリエステル繊維と、約20%の4デニールの複合繊維との混紡である。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102を構成する繊維は、約80%の25デニールのポリエステル繊維と、約20%の4デニールの複合繊維との混紡である。
【0040】
[0046]いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102および/または靴下状カバー108を構成する繊維は、所与の需要に適するように、他のタイプの繊維と混紡されてもよい。たとえば、いくつかの条件においては、ジュート、フラックスヘンプ、または綿などの天然繊維の使用が望ましい場合がある。いくつかの条件においては、ハイテク繊維(たとえばKevlarおよびDyneema)などの他の材料が望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、混紡されようとそれ自体で使用されようと、所与の市場需要に適した任意の繊維タイプを利用して、中敷き詰め物102および/または靴下状カバー108を形成することができる。いくつかの実施形態では、中敷き詰め物102および靴下状カバー108は、完全に生分解性であるかまたは完全にリサイクル可能な構造的繊維からなることができ、したがって、靴中敷き100は完全に生分解性であるかまたは完全にリサイクル可能である。いくつかの実施形態では、布の上部シート(図示せず)が中敷き詰め物102の上表面104に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、布の上部シートは、ホットメルト接着(同様の材料をそれらが融着するまで一緒に融解すること)により、中敷き詰め物102の上表面104に結合され得る。
【0041】
[0047]
図4を参照すると、いくつかの実施形態では、全体を400と示された、本開示の例示的な一実施形態による、機械洗い可能な靴中敷き(たとえば、靴中敷き100)を形成する方法が存在する。いくつかの実施形態では、方法400に先立って、1つまたは複数の適したタイプの繊維を選択することができる。いくつかの実施形態では、適した繊維は、繊維のタイプ、繊維の直径、繊維の色、および/または繊維の長さに基づいて選択され得る。いくつかの実施形態では、適した繊維はエラストマー繊維でもよい。いくつかの実施形態では、複数の適した繊維(たとえばエラストマー繊維)が方法400で使用され得る。いくつかの実施形態では、方法400は、複数本の不連続な繊維を準備し、複数本の不連続な繊維はリサイクル材料からなる、ステップ402を含む。たとえば、
図3を参照して上に述べたように、不連続な繊維302がカード機304に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、複数本の不連続な繊維は、選択された適した繊維からなる。
【0042】
[0048]いくつかの実施形態では、方法400は、不連続な繊維を、概して垂直であり、概して直立し、概して平行に配向された姿勢へと配置、分離、および配向して、複数本の平行に配向された繊維を形成するステップ404を含むことができる。たとえば、カード機304は、不連続な繊維302を、概して垂直であり、概して直立し、概して平行に配向された姿勢へと配置、分離、および配向するように構成され得る。いくつかの実施形態では、方法400は、平行に配向された繊維を打って発泡体状繊維構造体を有する詰め物シートにするステップ406を含むことができる。たとえば、カード機304によって生産された平行に配向された繊維を打って詰め物シート306にすることができる。詰め物シート306を形成する繊維は、絡み合わされて発泡体状繊維構造体を形成することができる。いくつかの実施形態では、方法400は、詰め物シートを所望の中敷き形状へと形成するステップ408を含むことができる。たとえば、詰め物シート306を、詰め物シート306を中敷き詰め物102の形状に形成するように構成された形成機308に供給することができる。いくつかの実施形態では、方法400は、所望の中敷き形状に形成された詰め物シートを靴下状カバーに入れることを含むことができる。たとえば、中敷き詰め物102を編み機310に供給することができ、編み機310は、中敷き詰め物102を靴下状カバー108に入れるように構成され得る。
【0043】
[0049]その広範な発明概念から逸脱しない限り、上に示され、説明された例示的な実施形態に変更が加えられてもよいことが、当業者には理解されよう。したがって、本発明は示され、説明された例示的な実施形態に限定されず、特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲に含まれる修正形態を包含することを意図していることが理解される。たとえば、例示的な実施形態の具体的な特徴は、特許請求された発明の一部である場合もそうでない場合もあり、開示された実施形態の種々の特徴は組み合わせられてもよい。本明細書に具体的に記載されていなければ、用語「a」、「an」および「the」は1つの要素に限定されず、むしろ「少なくとも1つの」を意味するものと読まれるべきである。
【0044】
[0050]本発明を明確に理解することに関連する要素に焦点を当てるために、本発明の図および説明の少なくとも一部は簡略化され、説明を明瞭にするために、やはり本発明の一部を構成し得ることを当業者は理解するであろう他の要素は排除されていることを理解されたい。しかし、こうした要素は当技術分野でよく知られており、それらは本発明をより良く理解することを必ずしも容易にするわけではないので、こうした要素の説明は本明細書では提供されない。
【0045】
[0051]さらに、本発明の方法が本明細書に記載のステップの特定の順序に依存しない範囲において、各ステップの特定の順序は、特許請求の範囲に対する限定と解釈されるべきではない。本発明の方法を対象とする任意の請求項は、それらのステップを書かれている順序で実施することに限定されるべきではなく、当業者は各ステップが変動してもよく、依然として本発明の精神および範囲内にとどまり得ることを容易に理解することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下表面および上表面を有しかつ不織繊維からなる中敷き詰め物を備え、
前記不織繊維が、前記中敷き詰め物の前記下表面および前記上表面に対して
略垂直に配向されている、
靴中敷き。
【請求項2】
前記中敷き詰め物を少なくとも部分的に包む編まれたカバーをさらに備える、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項3】
前記編まれたカバーが、前記中敷き詰め物と同じタイプの繊維からなる、
請求項2に記載の靴中敷き。
【請求項4】
前記編まれたカバーが前記中敷き詰め物を完全に包む、
請求項2に記載の靴中敷き。
【請求項5】
前記不織繊維がリサイクル材料からなる、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項6】
前記中敷きが
、機械的な力および熱接合によって互いに結び付いている、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項7】
前記靴中敷きがいかなる化学由来の発泡体または接着剤も含まない、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項8】
前記靴中敷き全体が生分解性である、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項9】
前記靴中敷き全体が単一のタイプの材料からなる、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項10】
前記不織繊維が綿、ポリエステル、およびナイロンのうちの1つまたは複数からなる、 請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項11】
前記不織繊維がエラストマーポリエステル繊維からなる、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項12】
前記中敷き詰め物が
、0.13g/cm
3か
ら0.16g/cm
3の範囲の比重を有する、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項13】
前記中敷き詰め物が
、92μL/Pa・sか
ら98μL/Pa・sの範囲の透気度を有する、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項14】
前記中敷き詰め物が
、4ミリメートルか
ら6ミリメートルの範囲の厚みを有する、 請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項15】
前記中敷き詰め物が、少なくとも4ミリメートルの厚みを有する、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項16】
前記中敷き詰め物が、
略凹形の形状を有するかかと部分と、
略平坦であるつま先部分と、
形状が
略凸形であり、前記かかと部分から前記つま先部分へと延在する土踏まず部分と
を含む、
請求項1に記載の靴中敷き。
【請求項17】
靴中敷きであって、
エラストマーポリマー繊維からなる不織繊維からなる中敷き詰め物と、
前記中敷き詰め物を少なくとも部分的に包むカバーであって、前記カバーが、編まれたエラストマーポリマー繊維からなり、前記カバーの前記エラストマーポリマー繊維が、前記中敷き詰め物の前記エラストマーポリマー繊維と同じ材料である、カバーと
を備え、
前記靴中敷きが、いかなる発泡体材料または接着剤も含まず、
前記中敷き詰め物が
、92μL/Pa・sか
ら98μL/Pa・sの範囲の透気度、および少なくとも4ミリメートルの範囲の厚みを有する、
靴中敷き。
【請求項18】
前記中敷き詰め物の前記不織繊維が、前記中敷き詰め物の下表面に対して
略垂直に配向されている、
請求項17に記載の靴中敷き。
【請求項19】
複数本の不連続な繊維を準備することと、
複数本の平行に配向された繊維を形成するように、前記不連続な繊維を配置、分離、および配向することと、
前記複数本の平行に配向された繊維を打って上表面および下表面を有する詰め物シートにすることであって、前記平行に配向された繊維が、前記詰め物シートの前記下表面および前記上表面に対して
略垂直に配向されていることと、
前記詰め物シートを所望の中敷き形状へと切断することと
を含む、
繊維を基材とした靴中敷きを形成する方法。
【請求項20】
前記所望の中敷き形状に形成された前記詰め物シートを編まれたカバーに入れることをさらに含む、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記平行に配向された繊維を打つことが、前記平行に配向された繊維を部分的に絡み合わせることを含む、
請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記詰め物シートを形成するのに化学発泡剤が使用されない、
請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記所望の中敷き形状が使用者の足の裏の形状
と適合する、
請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記配置、分離、および配向することがカード機によって実施される、
請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記詰め物シートを前記靴中敷きに形成することが、前記詰め物シートを機械打抜きすることを含む、
請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記複数本の不連続な繊維がリサイクル繊維からなる、
請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記靴中敷き全体が生分解性である、
請求項19に記載の方法。
【請求項28】
前記靴中敷き全体がいかなる化学由来の軟質発泡体または接着剤も含まない、
請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記靴中敷き全体が単一のタイプの材料からなる、
請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記詰め物シートが前記所望の中敷き形状へと成形される、
請求項19に記載の方法。
【請求項31】
前記複数本の平行に配向された繊維を打って詰め物シートにすることが、前記複数本の平行に配向された繊維を熱接合することを含む、
請求項
19に記載の方法。
【国際調査報告】