(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-10
(54)【発明の名称】マルチカートリッジおよびこれを含むエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/30 20200101AFI20230703BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20230703BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20230703BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20230703BHJP
【FI】
A24F40/30
A24F40/10
A24F40/40
A24F40/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572727
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2022-12-01
(86)【国際出願番号】 KR2022004203
(87)【国際公開番号】W WO2022211382
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0043059
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ヨン ジューン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA07
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC16
4B162AD23
(57)【要約】
マルチカートリッジおよびこれを含むエアロゾル発生装置が提供される。本開示の幾つかの実施形態によるエアロゾル発生装置は、第1液状組成物が貯蔵された第1液状貯蔵槽と、第1液状組成物と異なる第2液状組成物が貯蔵された第2液状貯蔵槽と、第1液状組成物および第2液状組成物のうち少なくとも1つを気化させることによってエアロゾルを発生させる気化要素と、を含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1液状組成物が貯蔵された第1液状貯蔵槽と、
前記第1液状組成物と異なる第2液状組成物が貯蔵された第2液状貯蔵槽と、
前記第1液状組成物および前記第2液状組成物のうち少なくとも1つを気化させることによってエアロゾルを発生させる気化要素と、を含む、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
エアロゾル発生物品を収容するための収容空間を形成するハウジングをさらに含み、
前記発生したエアロゾルが前記収容空間に収容された前記エアロゾル発生物品を通過するように気流パスが形成され、
前記第1液状組成物は、エアロゾル形成剤を含み、
前記第2液状組成物は、香味剤を含む、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記第1液状組成物は、香味剤とエアロゾル形成剤を含み、
前記第2液状組成物は、香味剤とエアロゾル形成剤を含む、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記気化要素は、気化空間で前記第1液状組成物および前記第2液状組成物を共に気化させる、請求項1から3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記気化要素は、第1液状組成物を気化させて第1エアロゾルを発生させる第1気化要素と、第2液状組成物を気化させて第2エアロゾルを発生させる第2気化要素と、を含み、
前記第1エアロゾルと前記第2エアロゾルが混合されるように気流パスが形成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記第1液状貯蔵槽は、第1カートリッジに含まれ、
前記第2液状貯蔵槽は、第2カートリッジに含まれ、
前記第1カートリッジおよび前記第2カートリッジが装着されるカートリッジホルダーをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記第1液状組成物および前記第2液状組成物の気化程度は、ユーザ入力に基づいて調節される、請求項1から6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記気化要素は、第1液状組成物を気化させて第1エアロゾルを発生させる第1気化要素と、第2液状組成物を気化させて第2エアロゾルを発生させる第2気化要素と、を含み、
前記第1気化要素および前記第2気化要素に供給される電力を制御することによって、前記第1液状組成物および前記第2液状組成物の気化程度を調節する制御部をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記第1液状組成物は、第1伝達経路を通じて前記気化要素に伝達され、かつ、
前記第1液状組成物の気化程度は、前記第1伝達経路の開放程度によって調節される、請求項1から8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記第1伝達経路上に配置され、互いに異なるサイズの複数個のホールが形成された回転板をさらに含み、かつ、
前記回転板は、回転によって前記複数個のホールのうち少なくとも1つを前記第1伝達経路上に位置させることによって、前記第1伝達経路の開放程度を調節するように構成される、請求項9に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
第1液状組成物が貯蔵された第1液状貯蔵槽と、
前記第1液状組成物と異なる第2液状組成物が貯蔵された第2液状貯蔵槽と、
前記第1液状組成物および前記第2液状組成物のうち少なくとも1つを気化させるための気化要素と、を含む、マルチカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マルチカートリッジおよびこれを含むエアロゾル発生装置に関する。より詳細には、異なる組成を有する多数の液状組成物を貯蔵および供給できるマルチカートリッジおよびこれを含むエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、伝統シガレットの短所を克服する代替物品に関する需要が増加している。例えば、シガレットを電気的に加熱することによってエアロゾルを発生させる装置(e.g.シガレット型電子タバコ)に関する需要が増加していて、これによって、電気加熱式エアロゾル発生装置に対する研究が活発に行われている。
【0003】
近年、エアロゾル形成剤を含む液状組成物が収納されたカートリッジとシガレットを共に用いるハイブリッド型エアロゾル発生装置が提案されたことがある。提案されたエアロゾル発生装置では、カートリッジ内の液状組成物が気化するにつれてエアロゾルが形成され、形成されたエアロゾルがシガレットを通過してユーザの口部に吸入される。
【0004】
ところが、提案されたエアロゾル発生装置では、シガレットの除去能によって実際発現する霧化量が、カートリッジで形成されたエアロゾルに比べて非常に少なくなる。しかも、液状組成物に香味剤を添加すると、エアロゾル形成剤の比重が減少して、霧化量がさらに減少する。また、そのため、液状組成物に添加される香味剤の量に制限が生じて、香り発現性を向上させにくいという問題も発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の幾つかの実施形態を通じて解決しようとする技術的課題は、異なる組成を有する多数の液状組成物を貯蔵および供給できるマルチカートリッジおよびこれを含むエアロゾル発生装置を提供することにある。
【0006】
本開示の幾つかの実施形態を通じて解決しようとする他の技術的課題は、マルチカートリッジに貯蔵された多数の液状組成物に対する気化程度を調節できる方法を提供することにある。
【0007】
本開示の幾つかの実施形態を通じて解決しようとするさらに他の技術的課題は、マルチカートリッジを用いてユーザーカスタマイズ型喫煙体験を提供できるエアロゾル発生装置を提供することにある。
【0008】
本開示の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は、下記の記載から本開示の技術分野における通常の技術者が明確に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を解決するための、本開示の幾つかの実施形態によるエアロゾル発生装置は、第1液状組成物が貯蔵された第1液状貯蔵槽と、前記第1液状組成物と異なる第2液状組成物が貯蔵された第2液状貯蔵槽と、前記第1液状組成物および前記第2液状組成物のうち少なくとも1つを気化させることによってエアロゾルを発生させる気化要素と、を含んでもよい。
【0010】
幾つかの実施形態において、エアロゾル発生物品を収容するための収容空間を形成するハウジングをさらに含み、前記発生したエアロゾルが前記収容空間に収容されたエアロゾル発生物品を通過するように気流パスが形成され、前記第1液状組成物は、エアロゾル形成剤を含み、前記第2液状組成物は、香味剤を含んでもよい。
【0011】
幾つかの実施形態において、前記気化要素は、気化空間で前記第1液状組成物および前記第2液状組成物を共に気化させることができる。
【0012】
幾つかの実施形態において、前記気化要素は、第1液状組成物を気化させて第1エアロゾルを発生させる第1気化要素と、第2液状組成物を気化させて第2エアロゾルを発生させる第2気化要素と、を含み、前記第1エアロゾルと前記第2エアロゾルが混合されるように気流パスを形成することができる。
【0013】
幾つかの実施形態において、前記第1液状貯蔵槽は、第1カートリッジに含まれ、前記第2液状貯蔵槽は、第2カートリッジに含まれ、前記第1カートリッジおよび前記第2カートリッジが装着されるカートリッジホルダーをさらに含んでもよい。
【0014】
幾つかの実施形態において、前記第1液状組成物と前記第2液状組成物の気化程度は、ユーザ入力に基づいて調節することができる。
【0015】
幾つかの実施形態において、前記気化要素は、第1液状組成物を気化させて第1エアロゾルを発生させる第1気化要素と、第2液状組成物を気化させて第2エアロゾルを発生させる第2気化要素と、を含み、前記第1気化要素および前記第2気化要素に供給される電力を制御することによって前記第1液状組成物および前記第2液状組成物の気化程度を調節する制御部をさらに含んでもよい。
【0016】
幾つかの実施形態において、前記第1液状組成物は、第1伝達経路を通じて前記気化要素に伝達され、かつ、前記第1液状組成物の気化程度は、前記第1伝達経路の開放程度によって調節することができる。
【0017】
前記技術的課題を解決するための、本開示の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジは、第1液状組成物が貯蔵された第1液状貯蔵槽と、前記第1液状組成物と異なる第2液状組成物が貯蔵された第2液状貯蔵槽と、前記第1液状組成物および前記第2液状組成物のうち少なくとも1つを気化させるための気化要素と、を含んでもよい。
【発明の効果】
【0018】
上述した本開示の幾つかの実施形態によれば、異なる組成を有する多数の液状組成物を貯蔵および供給するマルチカートリッジを提供することができる。例えば、エアロゾル形成剤を含有する第1液状組成物および香味剤を含有する第2液状組成物を供給するマルチカートリッジを提供することができる。このようなマルチカートリッジは、エアロゾル形成剤と香味剤の比重を同時に増加させることができて、霧化量と香り発現性を共に増大させることができる。
【0019】
また、液状組成物が伝達される経路の開放程度を調節したり、気化要素に供給される電力を調節したりすることによって、各液状組成物の気化程度を正確に調節することができる。
【0020】
また、液状組成物の気化程度をユーザにより調節することによって、ユーザにカスタマイズ型喫煙体験を提供することができる。例えば、ユーザは、互いに異なる香味剤が貯蔵されたマルチカートリッジにおいて各香味剤の気化程度を自由に調節することによって、カスタマイズ型喫煙体験を提供することができる。
【0021】
本開示の技術的思想による効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていない他の効果は、下記の記載から通常の技術者が明確に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジを説明するための例示図である。
【
図2】本開示の他の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジを説明するための例示図である。
【
図3】本開示のさらに他の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジを説明するための例示図である。
【
図4】本開示の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジの気化程度調節方式を説明するための例示図である。
【
図5】本開示の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジの気化程度調節方式を説明するための例示図である。
【
図6】本開示の他の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジを用いてユーザーカスタマイズ型喫煙体験を提供する方法を説明するための例示図である。
【
図7】本開示の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジが適用可能な多様な類型のエアロゾル発生装置を例示する。
【
図8】本開示の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジが適用可能な多様な類型のエアロゾル発生装置を例示する。
【
図9】本開示の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジが適用可能な多様な類型のエアロゾル発生装置を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して本開示の好ましい実施形態を詳細に説明する。本開示のメリットおよび特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述している実施形態を参照すれば明確になるだろう。しかしながら、本開示の技術的思想は、以下の実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形状に具現でき、単に以下の実施形態は、本開示の技術的思想が完全になるようにし、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者に本開示の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本開示の技術的思想は、請求項の範疇によって定義されるのみである。
【0024】
各図面の構成要素に参照符号を付加するに際して、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、できるだけ同じ符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本開示を説明するに際して、関連した公知構成または機能に関する具体的な説明が本開示の要旨を不明にすることができると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0025】
別途の定義がない限り、本明細書において使用されるすべての用語(技術および科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に共通して理解され得る意味で使用され得る。また、一般的に使用される辞書に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的にまたは過度に解析されない。 本明細書において使用される用語は、実施形態を説明するためのものであり、本開示を制限しようとするものではない。本明細書において、単数型は、文章において特に言及しない限り、複数型も含む。
【0026】
また、本開示の構成要素を説明するに際して、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用できる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語により当該構成要素の本質や手順または順序などが限定されない。任意の構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は、当該他の構成要素に直接的に連結されるか、または接続され得るが、各構成要素の間にさらに他の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」され得ると理解しなければならない。
【0027】
本開示において使用される「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素、段階、動作および/または素子は、一つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0028】
本開示の多様な実施形態に関する説明に先立って、以下の実施形態において使用される幾つかの用語について明確にする。
【0029】
以下の実施形態において、「エアロゾル形成剤」は、エアロゾル(aerosol)の形成を容易にすることができる物質を意味し得る。エアロゾル形成剤の例としては、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびオレイルアルコールが挙げられるが、これに限定されるものではない。当該技術分野において、エアロゾル形成剤は、保湿剤、湿潤剤などのような用語と混用して使用することができる。
【0030】
以下の実施形態において、「エアロゾル形成基材」は、エアロゾルを形成できる物質を意味し得る。エアロゾルは、揮発性化合物を含んでもよい。エアロゾル形成基材は、固体または液状であってもよい。
【0031】
例えば、固体のエアロゾル形成基材は、板状葉タバコ、刻み、再構成タバコなどタバコ原料を基礎にする固体物質を含んでもよいし、液状のエアロゾル形成基材は、ニコチン、タバコ抽出物および/または多様な香味剤を基礎にする液状組成物を含んでもよい。しかしながら、本開示の範囲がこのような例示に限定されるものではない。エアロゾル形成基材は、エアロゾルを安定的に形成するためにエアロゾル形成剤をさらに含んでもよい。
【0032】
以下の実施形態において、「エアロゾル発生装置」は、ユーザの口を通じてユーザの肺に直接的に吸入可能なエアロゾルを発生させるためにエアロゾル形成基材を用いてエアロゾルを発生させる装置を意味し得る。エアロゾル発生装置の幾つかの例示については、
図7~
図9を参照する。
【0033】
以下の実施形態において、「エアロゾル発生物品」は、エアロゾルを発生させることができる物品を意味し得る。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基材を含んでもよい。エアロゾル発生物品の代表的な例としては、シガレットが挙げられるが、本開示の範囲がこれに限定されるものではない。
【0034】
以下の実施形態において、「パフ」(puff)は、ユーザの吸入(inhalation)を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を通じてユーザの口腔内、鼻腔内または肺に引き寄せる状況を意味し得る。
【0035】
以下の実施形態において、「長さ方向」(longitudinal direction)は、エアロゾル発生物品の長さ方向軸に相当する方向を意味し得る。
【0036】
以下の実施形態において、「マルチカートリッジ」(multi cartridge)は、多数の液状組成物を貯蔵および供給できるカートリッジおよび/またはカートリッジシステムを概念的に指す用語であってもよい。例えば、マルチカートリッジは、多数の液状組成物が貯蔵された単一構造物形態のカートリッジ、少なくとも1つの液状組成物が貯蔵された多数のカートリッジを含むカートリッジシステムを全部含んでもよい。マルチカートリッジの多様な例示に関しては、
図1~
図3を参照する。
【0037】
以下、本開示の多様な実施形態について詳細に説明する。
【0038】
本開示の多様な実施形態によれば、互いに異なる組成を有する多数の液状組成物(またはこれから形成されたエアロゾル)に貯蔵および供給機能を具備するマルチカートリッジを提供することができる。ここで、液状組成物の組成が異なるというのは、組成成分が異なる場合だけでなく、組成比が異なる場合も含んでもよい。このようなマルチカートリッジは、液状型またはハイブリッド型エアロゾル発生装置(e.g.
図7~
図9の100-1~100-3)に適用されて、香り発現性、霧化量などを増大させることができ、ユーザにカスタマイズ型喫煙体験を提供することができるが、これと関連しては後述する。
【0039】
上述したマルチカートリッジを具現する方式は多様である。例えば、マルチカートリッジは、多数の液状組成物が単一構造物形態のカートリッジに貯蔵される形態で具現されてもよく、複数のカートリッジがカートリッジホルダー(e.g.
図3の33)に装着される形態で具現されてもよい。以下では、マルチカートリッジの多様な実施(具現)例示について図面を参照して詳細に説明するが、説明の便宜上、液状組成物を「液状」と略称する。
【0040】
図1は、本開示の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジ10を説明するための例示図である。
【0041】
図1に示されたように、本実施形態によるマルチカートリッジ10は、気化空間内で多数の液状L1、L2が共に気化する構造からなり得る。
【0042】
具体的に、図示のように、マルチカートリッジ10は、多数の液状貯蔵槽11、12、ウィク要素(wicking element)14、気化要素15および気流管13を含んでもよい。ただし、
図1には、本開示の実施形態と関連した構成要素のみが示されている。したがって、本開示の属する技術分野における通常の技術者なら、
図1に示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素をさらに含んでもよいことが分かる。
【0043】
また、
図1に示されたすべての構成要素がマルチカートリッジ10の必須構成要素でなくてもよい。例えば、マルチカートリッジ10は、
図1に示された構成要素のうち一部の構成要素が省略された形態で具現されてもよい。より具体的な例として、マルチカートリッジ10は、ウィク要素14、気化要素15、気流管13などが省略された形態で具現されてもよい。
【0044】
また、
図1は、マルチカートリッジ10が2個の液状貯蔵槽11、12(または液状の個数)を具備する場合を例示しているが、液状貯蔵槽(または液状)の個数は、3個以上になってもよいことはもちろんである。ただし、以下では、理解の便宜を提供するために、他の言及がない限り、液状貯蔵槽(または液状)の個数が2個である場合を仮定して説明を継続する。以下、マルチカートリッジ10の各構成要素について説明する。
【0045】
多数の液状貯蔵槽11、12のうち第1液状貯蔵槽11は、第1液状L1を貯蔵することができ、第2液状貯蔵槽12は、第2液状L2を貯蔵することができる。換言すれば、第1液状貯蔵槽11と第2液状貯蔵槽12は、互いに分離した液状貯蔵空間を具備していて、互いに異なる種類の液状L1、L2を貯蔵することができる。例えば、所定の液状貯蔵空間が隔壁により分離することによって、第1液状貯蔵槽21と第2液状貯蔵槽22を形成することができる。しかしながら、本開示の範囲がこれに限定されるものではない。
【0046】
上記で説明したように、第1液状L1は、第2液状L2と異なる組成を有していてもよい。しかしながら、各液状L1、L2の詳細組成は、実施形態によって変わることができる。
【0047】
幾つかの実施形態において、第1液状L1は、エアロゾル形成剤を含み、第2液状L2は、香味剤を含んでもよい。この場合、第1液状L1が気化するにつれて霧化量が増大し、これと同時に第2液状L2が気化するにつれて香り発現性も増大することができる。換言すれば、第1液状L1を通じてエアロゾル形成剤の比重を増加させることができ、これとは別に、第2液状L2を通じて香味剤の比重も増加させることができて、霧化量と香り発現性が同時に増大することができる。
【0048】
また、幾つかの実施形態において、第1液状L1は、第1香味剤を含み、第2液状L2は、第1香味剤と異なる第2香味剤を含んでもよい。この場合、第1液状L1が気化するにつれて第1香味剤に対する発現性が増大し、これと同時に第2液状L2が気化するにつれて第2香味剤に対する発現性も増大することができる。換言すれば、第1液状L1を通じて第1香味剤の比重を増加させることができ、これとは別に第2液状L2を通じて第2香味剤の比重も増加させることができて、第1香味剤と第2香味剤に対する発現性が同時に増大することができる。
【0049】
また、幾つかの実施形態において、第1液状L1は、香味剤とエアロゾル形成剤を含み、第2液状L2も、香味剤とエアロゾル形成剤を含んでもよい。ここで、第1液状L1に含まれた香味剤と第2液状L2に含まれた香味剤とは、同一でも異なっていてもよい。この場合にも、霧化量と香り発現性が同時に増大することができる。
【0050】
次に、ウィク要素14は、各液状貯蔵槽11、12に貯蔵された多数の液状L1、L2を吸収して気化要素15に伝達することができる。ウィク要素14は、例えばコットン(cotton)、シリカ(silica)、ビーズ集合体、多孔体(e.g.多孔性セラミック)などのように液状の物質をよく吸収できる素材で具現されてもよいが、本開示がこれに限定されるものではない。ウィク要素14は、液状L1、L2を吸収できると、いかなる素材(または形態)で具現されても関係ない。ウィク要素14は、当該技術分野において公知となった他の類型の液状伝達手段に代替することもできる。
【0051】
次に、気化要素15は、ウィク要素14により伝達された液状L1、L2を気化させることによって、エアロゾルを発生させることができる。図示のように、気化要素15は、加熱を通じて液状L1、L2を気化させる加熱要素(e.g.加熱コイル)で具現されてもよいが、本開示の範囲がこれに限定されるものではない。例えば、気化要素15は、振動を通じて液状を気化させる振動要素で具現されてもよい。ただし、以下では、理解の便宜を提供するために、気化要素15が加熱要素で具現されたことを仮定して説明を継続する。
【0052】
図1は、1つの気化要素15を通じて多数の液状L1、L2が共に気化することを例示しているが、本開示の範囲がこれに限定されるものではなく、気化要素15は、第1液状L1を気化させる第1気化要素と、第2液状L2を気化させる第2気化要素とで構成されてもよい。例えば、気化要素15は、ウィク要素14が第1液状L1を主に吸収して伝達する部位(e.g.左側部位)を加熱する第1加熱要素と、第2液状L2を主に吸収して伝達する部位(e.g.右側部位)を加熱する第2加熱要素とで構成されてもよい。この場合、各気化要素に供給される電力を通じて液状L1、L2の気化程度(または供給程度)を独立に調節することができる。
【0053】
次に、気流管13は、気化要素15により形成された(発生した)エアロゾル(A)、空気などの気体が伝達される構造物を意味し得る。
図1は、気流管13がマルチカートリッジ10の中央に位置することを例示しているが、これは、気流パスの設計によっていくらでも変形可能である。
【0054】
以上では、
図1を参照して本開示の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジ10について説明した。以下では、
図2を参照して本開示の他の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジ20について説明する。ただし、本開示の明瞭さのために、前述した実施形態と重複する内容に関する説明は省略する。
【0055】
図2に示されたように、本実施形態によるマルチカートリッジ20は、多数の液状L1、L2が互いに独立に気化してエアロゾルを形成し、形成されたエアロゾルが混合される構造からなり得る。
【0056】
具体的に、図示のように、マルチカートリッジ20は、多数の液状貯蔵槽21、22、多数のウィク要素24、26、多数の気化要素25、27および気流管23を含んでもよい。
【0057】
液状貯蔵槽21、22は、前述した実施形態の液状貯蔵槽11、12に対応する。したがって、これに関する説明は省略する。
【0058】
次に、多数のウィク要素のうち第1ウィク要素24は、第1液状貯蔵槽21から第1液状L1を吸収して第1気化要素25に伝達することができる。また、第2ウィク要素26は、第2液状貯蔵槽22から第2液状L2を吸収して第2気化要素27に伝達することができる。
【0059】
次に、多数の気化要素25、27のうち第1気化要素25は、第1液状L1を気化させて第1エアロゾルを発生させることができ、第2気化要素27は、第2液状L2を気化させて第2エアロゾルを発生させることができる。発生した第1エアロゾルと第2エアロゾルは、所定の混合空間で会って混合されて気流管23を通じて移動することができる。または、第1エアロゾルと第2エアロゾルは、気流管23内で混合されることもできる。
【0060】
次に、気流管23は、前述した実施形態の気流管13に対応する。したがって、これに関する説明は省略する。
【0061】
以上では、
図2を参照して本開示の他の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジ20について説明した。以下では、
図3を参照して本開示のさらに他の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジ30について説明する。
【0062】
図3に示されたように、本実施形態によるマルチカートリッジ30は、多数のカートリッジ31、32が装着される構造からなり得る。このために、マルチカートリッジ30は、多数のカートリッジ31、32およびカートリッジホルダー33を含むように構成されてもよい。
【0063】
各カートリッジ31、32は、単一カートリッジまたは上述したマルチカートリッジ(e.g.10、20)に対応する。各カートリッジ31、32は、液状L1、L2に対する貯蔵機能のみを具備することもでき、液状L1、L2に対する気化機能まで具備することもできる。各カートリッジ31、32は、カートリッジホルダー33に装着したり脱着したりすることができる。重複説明を排除するために、カートリッジ31、32に関するさらなる説明は省略する。
【0064】
次に、カートリッジホルダー33は、多数のカートリッジ31、32が装着される構造物を意味し得る。カートリッジホルダー33は、多数のカートリッジ31、32に対する装着機能のみを具備することもでき、カートリッジ31、32に貯蔵された液状L1、L2の供給程度または気化程度を調節する機能をさらに具備することもできる。液状L1、L2の気化程度を調節する方式に関しては、
図4および
図5を参照して詳細に後述する。
【0065】
以上では、
図3を参照して本開示のさらに他の実施形態によるマルチカートリッジ30について説明した。以下では、上述したマルチカートリッジ10~30で貯蔵された液状(e.g.L1)の気化程度(または供給程度)を調節する多様な方式について
図4以降の図面を参照して説明する。
【0066】
図4および
図5は、本開示の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジ40の気化程度調節方式を説明するための例示図である。特に、
図4および
図5では、理解の便宜を提供するために、ウィク要素(e.g.14)、気化要素(e.g.15)、気流管(e.g.13)などのような構成要素の図示が省略された。また、
図4および
図5に例示されたマルチカートリッジ40は、
図1~
図3を参照して上述したマルチカートリッジ10~30に対応し、
図4および
図5に表示された矢印の方向および厚さは、それぞれ液状の伝達(移送)方向および量を意味する。また、
図4および
図5は、第2液状L2の伝達量が第1液状L1より多いように調節した場合を例示している。
【0067】
図4および
図5に示されたように、第1液状貯蔵槽41に貯蔵された第1液状L1は、第1伝達経路43を通じて伝達することができ、第2液状貯蔵槽42に貯蔵された第2液状L2は、第2伝達経路44を通じて伝達することができる。例えば、第1液状L1は、第1伝達経路43を通じてウィク要素(e.g.14)または気化要素(e.g.15)に伝達することができる。
【0068】
この場合、マルチカートリッジ40は、液状伝達経路43、44の開放程度を調節する調節部材45~48を通じて液状L1、L2の気化程度を調節することができる。具体的に、マルチカートリッジ40は、第1伝達経路43の開放程度を調節する第1調節部材45、47と第2伝達経路44の開放程度を調節する第2調節部材46、48を含んでもよい。そして、各調節部材45~48により各伝達経路43、44の開放程度を調節することによって、液状L1、L2の供給程度(e.g.供給速度、供給量)を調節することができる。また、その結果、各液状L1、L2の気化程度を調節することができる。例えば、第1調節部材45が第1伝達経路43を閉鎖するにつれて第1液状L1の気化を中断することもでき、第1調節部材45が第1伝達経路43を完全開放するにつれて第1液状L1の気化を加速化することもできる。
【0069】
一方、調節部材45~48を具現する方式は多様である。
【0070】
一例として、
図4に示されたように、調節部材45、46は、液状伝達経路43、44の垂直に配置され、液状伝達経路43、44を開放したり閉鎖したりする構造物で具現されてもよい。
【0071】
他の例として、
図5に示されたように、調節部材47、48は、互いに異なるサイズの複数のホール481、482が形成された回転板で具現されてもよい。回転板48は、複数のホール481、482を通じて液状L1、L2の供給程度を調節することができる。例えば、相対的にサイズの小さい第1ホール481が回転によって第2液状伝達経路44上に位置するにつれて第2液状L2の供給量が相対的に減少することができ、相対的にサイズの大きい第2ホール482が回転によって第2液状伝達経路44上に位置するにつれて第2液状L2の供給量が相対的に増加することもできる。もちろん、回転によってホール(e.g.481、482)が形成されていない部分が第2液状伝達経路44上に位置するにつれて第2液状L2の供給が中断されることもできる。
【0072】
しかしながら、本開示の範囲が上述した例示によって限定されるものではなく、調節部材45~48は、当該技術分野において公知となった多様な形態のバルブ構造物に基づいて具現されてもよい。
【0073】
一方、本開示の他の幾つかの実施形態によれば、気化要素(e.g.25、27)に供給される電力を通じて液状L1、L2の気化程度を調節することもできる。例えば、第1液状L1を気化させる第1気化要素(e.g.25)に供給される電力を調節することによって第1液状L1の気化程度を調節することができる。第1気化要素(e.g.25)に供給される電力が増加するほど第1液状L1の気化量(または気化速度)も増加するためである。気化要素(e.g.25、27)に供給される電力は、制御部(e.g.
図7の120)により制御することができる。
【0074】
以上では、
図4および
図5を参照してマルチカートリッジ40において液状L1、L2の気化程度を調節する方式について説明した。上述したことによれば、調節部材45~48を通じて液状伝達経路43、44の開放程度を調節したり、気化要素(e.g.25、27)に供給される出力を調節したりすることによって、液状L1、L2の気化程度が正確かつ容易に調節することができる。
【0075】
以下では、
図6を参照して上述したマルチカートリッジ40を用いてユーザーカスタマイズ型喫煙体験を提供する方法に関して説明する。特に、
図6は、マルチカートリッジが3個のカートリッジ51~53(または液状貯蔵槽)で構成され、各カートリッジ51~53が互いに異なる液状L1~L3を貯蔵している場合を例示している。以下、
図6を参照して説明する。
【0076】
上述したように、各液状L1~L3の気化程度を調節する場合、ユーザにカスタマイズ型喫煙体験を提供することができる。具体的に、各液状L1~L3の気化程度がユーザ入力に基づいて調節するように具現された場合、ユーザ入力によってエアロゾル(e.g.A1、A2)に含まれた成分の種類および量が変更されることによって、ユーザーカスタマイズ型喫煙体験を提供することができる。換言すれば、ユーザが自分の嗜好によって各液状L1~L3の気化程度を調節することによって、ユーザーカスタマイズ型喫煙体験を提供することができる。例えば、制御部(e.g.
図7の120)が受信されたユーザの入力に基づいて各液状L1~L3の気化程度を調節することによって、ユーザーカスタマイズ型エアロゾル(e.g.A1、A2)を発生させることができる。
【0077】
しかしながら、本開示の範囲がこれに限定されるものではない。
【0078】
具体的な例として、図示のように、ユーザは、第1液状L1と第2液状L2が同じ割合で気化するように調節することによって、第1液状L1と第2液状L2の成分が均一に組み合わせられたカスタマイズ型エアロゾルA1を発生させることができる。例えば、ユーザは、第1香味剤の成分と第2香味剤の成分が均一に組み合わせられたエアロゾルを発生させることができる。
【0079】
または、ユーザは、第1液状L1、第2液状L2および第3液状L3それぞれを互いに異なる割合で気化するように調節することによって、第1~第3液状L1~L3の成分が互いに異なる割合で組み合わせられたカスタマイズ型エアロゾルA2を発生させることができる。例えば、ユーザは、第1香味剤~第3香味剤の成分が互いに異なる割合で組み合わせられたエアロゾルを発生させることができる。
【0080】
幾つかの実施形態では、マルチカートリッジが
図3に例示されたように構成されてもよい。この場合、ユーザは、好む液状が収納されたカートリッジをカートリッジホルダー(e.g.33)に装着し、液状の気化程度を変更しながらカスタマイズ型喫煙体験の提供を受けることができる。また、ユーザは、カートリッジホルダー(e.g.33)に装着されたカートリッジを変更しながら多様な喫煙体験の提供を受けることができる。
【0081】
また、本開示の幾つかの実施形態によれば、マルチカートリッジが適用されたエアロゾル発生装置(e.g.
図7の100-1)の制御部(e.g.
図7の120)がカスタマイズ型喫煙体験のための多様な便宜機能を提供することができる。
【0082】
例えば、制御部(e.g.
図7の120)は、液状の組み合わせ情報に対する貯蔵およびロード(load)機能を提供することができる。ここで、組み合わせ情報は、液状の種類と気化程度に関する情報を含んでもよい。本例示において、ユーザは、自分が好む特性を有するエアロゾルが形成された場合、液状の種類と気化程度を含む組み合わせを貯蔵し、後ほど貯蔵された情報をロードして、さらに、好むエアロゾルの提供を受けることができる。
【0083】
他の例として、制御部(e.g.
図7の120)は、液状の組み合わせ情報に対する履歴保存機能を提供することができる。また、制御部は、ユーザが繰り返し利用した液状組み合わせや連続して利用した液状組み合わせを別に保存したり、ユーザに推薦したりすることもできる。
【0084】
さらに他の例として、制御部(e.g.
図7の120)は、自動液状組み合わせ機能を提供することができる。より具体的な例として、制御部は、多数の液状をランダムに組み合わせて(e.g.液状の種類と気化程度をランダムに決定して組み合わせる)、ユーザに提供することができる(e.g.パフ時ごとに液状の種類および気化程度をランダムに組み合わせてユーザに提供する)。または、制御部は、ユーザがベース液状を指定した場合、ベース液状に他の液状をランダムに組み合わせてユーザに提供することができる。または、制御部は、液状組み合わせの履歴を基礎としてベース液状を決定し(e.g.利用頻度が高い液状、利用間隔が短い液状、最近利用した液状などをベース液状として決定)、決定されたベース液状に他の液状をランダムに組み合わせてユーザに提供することができる。または、制御部は、液状組み合わせの履歴を基礎としてユーザが体験しないレシピで液状を組み合わせてユーザに提供することができる(e.g.既存の履歴に存在しない割合で液状を組み合わせる)。または、制御部は、液状の消尽程度に基づいて液状の組み合わせを変更して提供することができる(e.g.多く消尽したり消尽程度が速い液状の気化程度を減少させるまたは少なく消尽したり消尽程度が遅い液状の気化程度を増加させる)。
【0085】
以上では、
図6を参照して本開示の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジ(e.g.40)を用いてユーザーカスタマイズ型喫煙体験を提供する方法について説明した。以下では、
図7~
図9を参照して上述したマルチカートリッジ(e.g.10~40)が適用可能な(または、上述したマルチカートリッジを含む)多様な類型のエアロゾル発生装置100-1~100-3について説明する。
【0086】
図7は、本開示の幾つかの実施形態によるエアロゾル発生装置100-1を概略的に示す例示図である。
【0087】
図7に示されたように、エアロゾル発生装置100-1は、ハウジング、マウスピース110、気化器1、バッテリー130および制御部120を含んでもよい。ただし、
図7には、本開示の実施形態と関連した構成要素のみが示されている。したがって、本開示の属する技術分野における通常の技術者なら、
図7に示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素をさらに含んでもよいことが分かる。例えば、エアロゾル発生装置100-1は、ユーザから命令などの入力を受けるための入力モジュール(e.g.ボタン、タッチ可能なディスプレイなど)と装置の状態、喫煙情報などのような情報を出力するための出力モジュール(e.g.LED、ディスプレイ、振動モーターなど)をさらに含んでもよい。以下、エアロゾル発生装置100-1の各構成要素について説明する。
【0088】
ハウジングは、エアロゾル発生装置100-1の全般的な外観を形成することができる。ハウジングは、内部の構成要素を保護できる素材で具現されることが好ましい。
【0089】
次に、マウスピース110は、エアロゾル発生装置100-1の一端に位置し、ユーザの口部と接触することができる。ユーザは、マウスピース110を口で噛んでパフすることで、気化器1から発生したエアロゾルを吸入することができる。
【0090】
次に、気化器1は、液状組成物を気化させることによって、エアロゾルを発生させることができる。気化器1は、上述したマルチカートリッジ(e.g.10~40)に対応する構成要素であってもよく、上述したマルチカートリッジ(e.g.10~40)を含む構成要素であってもよい。重複説明を排除するために、気化器1に関するさらなる説明は省略する。
【0091】
次に、バッテリー130は、エアロゾル発生装置100-1が動作するのに用いられる電力を供給することができる。例えば、バッテリー130は、気化器1がエアロゾルを発生させることができるように電力を供給することができ、制御部120が動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0092】
また、バッテリー130は、エアロゾル発生装置100-1に設置されたディスプレイ(不図示)、センサー(不図示)、モーター(不図示)などの電気的構成要素が動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0093】
次に、制御部120は、エアロゾル発生装置100-1の動作を全般的に制御することができる。例えば、制御部120は、気化器1およびバッテリー130の動作を制御することができ、エアロゾル発生装置100-1に含まれた他の構成要素の動作も制御することができる。制御部120は、バッテリー130が供給する電力、気化器1の気化速度などを制御することができる。また、制御部120は、エアロゾル発生装置100-1の構成それぞれの状態を確認して、エアロゾル発生装置100-1が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0094】
制御部120は、少なくとも1つの制御部(processor)により具現されてもよい。前記制御部は、多数の論理ゲートのアレイで具現されてもよく、汎用的なマイクロ制御部とこのマイクロ制御部で実行され得るプログラムが保存されたメモリーの組み合わせで具現されてもよい。また、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者なら、制御部120が他の形態のハードウェアで具現されてもよいことを自明に理解することができる。
【0095】
以下では、
図8および
図9を参照して他の類型のエアロゾル発生装置100-2、100-3について説明する。ただし、本開示の明瞭さのために、前述した実施形態と重複する内容に関する説明は省略する。
【0096】
図8および
図9は、本開示の他の幾つかの実施形態によるエアロゾル発生装置100-2、100-3を説明するための図である。特に、
図8以降の図面は、エアロゾル発生物品150が装置100-2、100-3に収容された(挿入された)状態を例示している。
【0097】
図8および
図9に示されたように、本実施形態によるエアロゾル発生装置100-2、100-3は、エアロゾル発生物品150を加熱するヒーター部140をさらに含んでもよい。そして、エアロゾル発生装置100-2、100-3は、気化器1で発生したエアロゾルがエアロゾル発生物品150を通過してユーザに伝達されるように形成された気流パスを有していてもよい。
【0098】
図8は、ヒーター部140(またはエアロゾル発生物品150)と気化器1が並列に配置されたことを例示し、
図9は、ヒーター部140(またはエアロゾル発生物品150)と気化器1が一列に配置されたことを例示している。しかしながら、エアロゾル発生装置100-2、100-3の内部構造が
図8および
図9の例示に限定されるものではなく、構成要素の配置は、いくらでも変更可能である。
【0099】
ヒーター部140は、収容空間に収容されたエアロゾル発生物品150を加熱することができる。収容空間は、エアロゾル発生装置100-2、100-3のハウジングにより形成することができる。具体的に、エアロゾル発生物品150がエアロゾル発生装置100-2、100-3の収容空間内に収容されると、ヒーター部140は、バッテリー130から供給された電力によりエアロゾル発生物品150を加熱することができる。
【0100】
ヒーター部140の動作方式および/または具現形態は多様である。
【0101】
例えば、ヒーター部140は、抵抗加熱方式で動作することができる。例えば、ヒーター部140は、電気絶縁性基質(例えば、ポリイミド(polyimide)で形成された基質)および電気伝導性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れるにつれて発熱する電気抵抗性加熱要素を含んでもよい。
【0102】
他の例として、ヒーター部140は、誘導加熱方式で動作することができる。例えば、ヒーター部140は、誘導コイルと誘導コイルにより誘導加熱される加熱要素(すなわち、サセプタ)を含んでもよい。サセプタ(susceptor)は、エアロゾル発生物品150の外部に位置してもよく、内部に位置してもよい。
【0103】
しかしながら、本開示の範囲が上述した例示に限定されるものではなく、希望温度までエアロゾル発生物品150を加熱することができると、ヒーター部140は、いかなる方式で動作しても関係ない。ここで、希望温度は、エアロゾル発生装置100-2、100-3に既設定(e.g.温度プロファイルがあらかじめ保存されている場合)されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定することもできる。
【0104】
エアロゾル発生物品150は、一般的な燃焼型シガレットと類似した構造を有していてもよい。例えば、エアロゾル発生物品150は、エアロゾル形成基材(e.g.エアロゾル形成剤、ニコチン発生基材など)を含むエアロゾル形成基材部と、フィルター物質を含むフィルター部とに区分される。エアロゾル発生装置100-2、100-3の内部には、エアロゾル形成基材部の少なくとも一部が挿入され、フィルター部は、外部に露出してもよいが、これに限定されるものではない。ユーザは、フィルター部を口で噛んだ状態で喫煙を行うことができる。
【0105】
以上では、
図7~
図9を参照して本開示の幾つかの実施形態によるマルチカートリッジ(e.g.10~40)が適用可能な多様な類型のエアロゾル発生装置100-1~100-3について説明した。
【0106】
以上、本開示の実施形態を構成するすべての構成要素が1つで結合したり、結合して動作したりするものと説明されているといって、本開示の技術的思想が必ずこのような実施形態に限定されるわけではない。すなわち、本開示の目的範囲内で、すべての構成要素が1つ以上で選択的に結合して動作することもできる。
【0107】
以上、添付の図面を参照して本開示の実施形態を説明したが、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者は、その技術的思想や必須の特徴を変更することなく、本開示が他の具体的な形態で実施可能であることが理解できる。したがって、以上で記述した実施形態は、すべての面において例示的なものであり、限定的なものでないことを理解しなければならない。本開示の保護範囲は、下記の請求範囲により解されるべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は、本開示により定義される技術的思想の権利範囲に含まれるものと解されるべきである。
【国際調査報告】