(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-10
(54)【発明の名称】LPA受容体アンタゴニスト及びそれらの使用
(51)【国際特許分類】
C07D 401/04 20060101AFI20230703BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230703BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20230703BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230703BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20230703BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20230703BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20230703BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230703BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20230703BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230703BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230703BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20230703BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20230703BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20230703BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20230703BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20230703BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20230703BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20230703BHJP
C07D 498/04 20060101ALI20230703BHJP
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A61K 31/4709 20060101ALI20230703BHJP
C07D 413/04 20060101ALI20230703BHJP
A61K 31/536 20060101ALI20230703BHJP
A61K 31/538 20060101ALI20230703BHJP
A61K 31/4192 20060101ALI20230703BHJP
C07D 403/04 20060101ALI20230703BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20230703BHJP
C07D 403/14 20060101ALI20230703BHJP
A61K 31/498 20060101ALI20230703BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20230703BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20230703BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20230703BHJP
A61K 31/216 20060101ALI20230703BHJP
A61K 31/22 20060101ALI20230703BHJP
A61K 38/22 20060101ALI20230703BHJP
A61K 38/17 20060101ALI20230703BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
A61K45/00
A61P17/02
A61P35/00
A61P25/04
A61P11/00
A61P37/08
A61P25/00
A61P9/00
A61P29/00
A61P43/00 105
A61P13/12
A61P1/16
A61P27/02
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A61P29/00 101
A61P17/00
A61P37/02
A61P11/06
C07D498/04 111
A61K31/5383
A61K31/4709
C07D413/04
A61K31/536
A61K31/538
A61K31/4192
C07D403/04
C07D413/14
C07D403/14
A61K31/498
A61K31/55
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A61K31/4439
A61K31/216
A61K31/22
A61K38/22
A61K38/17
A61K39/395 D
A61K39/395 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574534
(86)(22)【出願日】2021-05-13
(85)【翻訳文提出日】2022-12-13
(86)【国際出願番号】 US2021032202
(87)【国際公開番号】W WO2021247215
(87)【国際公開日】2021-12-09
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500029420
【氏名又は名称】ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス, バートン タブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】タン, ドリス ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ベンカタラマニ, チャンドラセカール
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, キン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ザゴルスカ, アンナ
【テーマコード(参考)】
4C063
4C072
4C084
4C085
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB01
4C063CC42
4C063CC54
4C063DD06
4C063DD10
4C063DD12
4C063DD14
4C063DD34
4C063DD42
4C063EE01
4C072AA01
4C072BB02
4C072CC02
4C072CC11
4C072EE06
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4C072FF07
4C072GG07
4C072GG10
4C072HH07
4C072UU01
4C084AA19
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA19
4C084BA23
4C084DB01
4C084DB35
4C084DB63
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA01
4C084ZA08
4C084ZA33
4C084ZA36
4C084ZA59
4C084ZA61
4C084ZA75
4C084ZA81
4C084ZA89
4C084ZA96
4C084ZB07
4C084ZB11
4C084ZB13
4C084ZB15
4C084ZB21
4C084ZB26
4C084ZC01
4C084ZC42
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB31
4C085CC22
4C085CC23
4C085EE01
4C085EE03
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC17
4C086BC60
4C086BC72
4C086BC74
4C086CB22
4C086CB26
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA08
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZA59
4C086ZA61
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZB07
4C086ZB11
4C086ZB13
4C086ZB15
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZC01
4C086ZC42
4C206AA01
4C206AA02
4C206AA03
4C206DB09
4C206DB25
4C206DB43
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA14
4C206MA17
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA01
4C206ZA08
4C206ZA33
4C206ZA36
4C206ZA59
4C206ZA61
4C206ZA75
4C206ZA81
4C206ZA89
4C206ZA96
4C206ZB07
4C206ZB11
4C206ZB13
4C206ZB15
4C206ZB21
4C206ZB26
4C206ZC01
4C206ZC42
(57)【要約】
本開示は、概して、リゾホスファチジン酸受容体1(LPAR1)に結合し、LPAR1のアンタゴニストとして作用する化合物に関する。本開示は、線維症及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などの肝臓疾患を含む疾患及び/又は状態の、LPAR1の結合を通じた治療のための医薬品の調製のための化合物の使用に更に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、
【化74】
又はその薬学的に許容される塩であって、
式中、
R
1が、水素、又は各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルコキシ、及びC
3~10シクロアルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~6アルキルであるか、あるいは
R
1が、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルコキシ、及びC
1~6アルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
3~6シクロアルキルであり、
同じであっても異なっていてもよい各R
2が、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、オキソ、C
1~4アルキル、C
3~10シクロアルキル、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、独立して、窒素、酸素、又は硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール、-N(R
2A1)(R
2A2)、-O-R
2A1、-S-R
2A1、-C(O)N(R
2A1)(R
2A2)、-NR
2A1C(O)R
2A2、-NR
2A1C(O)N(R
2A2)(R
2A3)、-S(O)
0-2R
2A1、-S(O)
2N(R
2A1)(R
2A2)、並びに-NR
2A1S(O)
2R
2A2から選択され、各R
2A1、R
2A2、及びR
2A3が、独立して、水素又はC
1~6アルキルであり、各R
2アルキル、シクロアルキル、複素環式、アリール、及びヘテロアリールが、任意選択的に、同じであっても異なっていてもよい1~4つのR
2Bで置換され、各R
2Bが、独立して、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、又はシアノであり、
同じであっても異なっていてもよい各R
3が、独立して、重水素、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
3~10シクロアルキル、又はC
1~4アルコキシから選択され、各C
1~6アルキル及びC
3~10シクロアルキルが、任意選択的に、1~3個のハロゲンで置換され、
R
4が、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルコキシ、-C(O)N(R
4A1)、及び-N(R
4A1)(R
4A2)から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~6アルキルであり、各R
4A1及びR
4A2が、独立して、H、C
1~6アルキル、又はC
3~10シクロアルキルであるか、あるいは
R
4はが、C
3~6シクロアルキル、又は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1若しくは2個のヘテロ原子を有する3~6員ヘテロシクリルであり、前記シクロアルキル又はヘテロシクリルが、任意選択的に、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルキル及びC
1~4アルコキシから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換され、
mが、0、1、2、3、又は4であり、
nが、0、1、2、又は3であり、
oが、0、1、2、又は3であり、
X
1、X
2、及びX
3の各々が、独立して、CH及びNから選択され、
各Uが、独立して、-CH=、-CH
2-、-N=、-NH-、又は-O-であり、
各Y
1及びY
2が、独立して、水素、重水素、又は各々独立して、重水素、ハロゲン、シアノ、C
2~3アルキニル、C
1~4アルコキシ、及び-C(O)NH-(C
1~4H
3-9)から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3個の置換基で任意選択的に置換されたC
1~6アルキルであり、
Zが、C
1~8アルキル、C
1~6アルコキシ、C
3~6シクロアルキル、C
6~12アリール、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~12員ヘテロシクリル、又は独立して窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~12員ヘテロアリールであり、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールが、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、及びC
3~6シクロアルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で各々任意選択的に置換され、前記
1~4アルキルが、任意選択的に、C
1~4アルコキシ及びハロゲンから各々選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換されるか、あるいは
Y
1及びZが、それらが結合している炭素と一緒になってC
3~6シクロアルキル、C
6~12アリール、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~12員ヘテロシクリル、又は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~12員ヘテロアリールを形成し、前記シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールが、各々独立して、シアノ、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
6~10アリール及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で各々任意選択的に置換され、前記C
1~4アルキルが、任意選択的に、各々独立して、C
1~4アルコキシ及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換され、前記C
6~10アリールが、任意選択的に、各々独立して、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換され、Y
2が、水素又は重水素である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記化合物が、式(Ia):
【化75】
のものである、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
R
1が、水素である、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
R
4が、独立して、シアノ及びFから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~3アルキルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
R
4が、-CH
3である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
前記化合物が、式(II)のものであり、
【化76】
式中、
R
1が、水素であり、
各R
2が、独立して、重水素、シアノ、ヒドロキシ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
3~10シクロアルキル、又はC
1~4アルコキシから選択され、前記C
1~6アルキル又はC
3~10シクロアルキルが、任意選択的に、1~3個のハロゲンで置換され、
W
1が、-CH
2-であり、
W
2が、-CH=、-CH
2-、又は-O-であり、
W
3が、-CH=、-CH
2-、-O-、又は-NH-であり、
p及びqが、各々独立して、0又は1である、請求項1又は3~5のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
前記化合物が、式(IIa):
【化77】
のものである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
pが0であり、qが0である、請求項6又は7に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
pが0であり、qが1である、請求項6又は7に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
pが1であり、qが1である、請求項6又は7に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
前記化合物が、式(IIIa)のものであり、
【化78】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
前記化合物が、式(IIIb)のものであり、
【化79】
式中、
mが、0、1、2、3、又は4であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
前記化合物が、式(IIIc)のものであり、
【化80】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
前記化合物が、式(IIId)のものであり、
【化81】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
前記化合物が、式(IIIe)のものであり、
【化82】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
前記化合物が、式(IIIf)のものであり、:
【化83】
式中、
mが、0、1、2、又は3であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
前記化合物が、式(IIIg)のものであり、:
【化84】
式中、
mが、0、1、2、3、又は4であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
式(IVa)の化合物:
【化85】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
式(IVb)の化合物:
【化86】
式中、
mが、0、1、2、3、又は4であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
式(IVc)の化合物:
【化87】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
式(IVd)の化合物:
【化88】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
式(IVe)の化合物:
【化89】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、又は2である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
式(IVf)の化合物:
【化90】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
式(IVg)の化合物:
【化91】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、又は2である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
式(IVh)の化合物:
【化92】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、又は2である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
式(IVi)の化合物:
【化93】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
式(IVj)の化合物:
【化94】
式中、
mが、0、1、2、3、又は4であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
mが、0、1、又は2である、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
oが、0又は1である、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
mが0であり、oが0である、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項31】
mが1であり、oが0である、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
mが2であり、oが0である、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
mが0であり、oが1である、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項34】
同じであっても異なっていてもよい各R
2が、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、オキソ、C
1~4アルキル、C
3~10シクロアルキル、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、独立して、窒素、酸素、又は硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール、-N(R
2A1)(R
2A2)、-O-R
2A1、-S-R
2A1、-C(O)N(R
2A1)(R
2A2)、-NR
2A1C(O)R
2A2、-NR
2A1C(O)N(R
2A2)(R
2A3)、-S(O)
0-2R
2A1、-S(O)
2N(R
2A1)(R
2A2)、及び-NR
2A1S(O)
2R
2A2から、独立して選択され、各R
2A1、R
2A2、及びR
2A3が、独立して、水素又はC
1~6アルキルであり、各R
2アルキル、シクロアルキル、複素環式、アリール、及びヘテロアリールが、任意選択的に、同じであっても異なっていてもよい1~4つのR
2Bで置換され、各R
2Bが、独立して、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、又はシアノである、請求項1~33のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項35】
同じであっても異なっていてもよい各R
2が、独立して、C
1~4アルキル、6~10員アリール、C
1~4アルコキシ、又はハロゲンであり、各C
1~4アルキルが、任意選択的に、1~4個のハロゲンで置換される、請求項1~34のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項36】
同じであっても異なっていてもよい各R
2が、独立して、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、又はハロゲンである、請求項1~34のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項37】
同じであっても異なっていてもよい各R
2が、独立して、-CH
3、-CF
3、-C
2H
5、フェニル、又は-Fである、請求項1~34のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項38】
各R
2が、ハロゲンである、請求項1~37のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項39】
各R
2が、-Fである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項40】
同じであっても異なっていてもよい各R
3が、独立して、重水素、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
3~10シクロアルキル、又はC
1~4アルコキシから選択され、各C
1~6アルキル及びC
3~10シクロアルキルが、任意選択的に、1~3個のハロゲンで置換される、請求項1~39のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項41】
R
3が、ハロゲンである、請求項1~40のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項42】
R
3が、-Fである、請求項1~41のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項43】
Y
1が、水素、重水素、又は各々独立して、重水素、ハロゲン、シアノ、C
2~3アルキニル、C
1~4アルコキシ、及び-C(O)NH-(C
1~4H
3-9)から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~6アルキルである、請求項1~42のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項44】
Y
1が、各々独立して、ハロゲン、シアノ、及びC
1~4アルコキシから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~3アルキルである、請求項43に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項45】
Y
1が、各々独立して、-F、-Cl、-CN、及び-O-CH
3から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたメチルである、請求項43に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項46】
Y
1が、-CH
3又は-CH
2Fである、請求項45に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項47】
Zが、C
1~8アルキル、C
1~6アルコキシ、C
3~6シクロアルキル、C
6~12アリール、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~12員ヘテロシクリル、又は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~12員ヘテロアリールであり、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールが、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、及びC
3~6シクロアルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で各々任意選択的に置換され、前記C
1~4アルキルが、任意選択的に、各々C
1~4アルコキシ及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換される、請求項1~46のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項48】
Zが、各々独立して、ハロゲン及びC
1~4アルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたフェニルである、請求項1~47のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項49】
Zが、各々独立して、-F及び-Clから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたフェニルである、請求項48に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項50】
Zが、
【化95】
である、請求項49に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項51】
Zが、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~3個のヘテロ原子を有する5又は6員ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールが、任意選択的に、独立して、ハロゲン及びC
1~4アルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3個の置換基で置換される、請求項47に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項52】
Zが、各々独立して、-F、-Cl、-Br、及び-CH
3から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたピリジルである、請求項51に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項53】
Zが、
【化96】
である、請求項52に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項54】
Y
1が、-CH
3であり、Zが、
【化97】
である、請求項1~42のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項55】
Y
1が、-CH
3であり、Zが、
【化98】
である、請求項1~42のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項56】
【化99】
【化100】
からなる群から選択される、化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項57】
【化101】
からなる群から選択される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項58】
前記化合物が、
【化102】
である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項59】
前記化合物が、
【化103】
である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項60】
前記化合物が、
【化104】
である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項61】
前記化合物が、
【化105】
である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項62】
治療有効量の請求項1~61のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物。
【請求項63】
追加の治療剤を更に含む、請求項62に記載の医薬組成物。
【請求項64】
LPAR1媒介性の疾患若しくは状態を治療若しくは安定化するか、又はその重症度若しくは進行を減少させる方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の請求項1~61のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項62若しくは63に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項65】
前記LPAR1媒介性の疾患又は状態が、創傷治癒、がん、疼痛、呼吸器障害、アレルギー性障害、神経系障害、心血管障害、及び炎症性障害からなる群から選択される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記LPAR1媒介性の疾患又は状態が、線維症を含む、請求項64又は65に記載の方法。
【請求項67】
線維症が、肺線維症、腎線維症、肝線維症、眼線維症、心線維症、又は全身性硬化症である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
肺線維症が、特発性肺線維症(IPF)又は進行性線維化間質性肺疾患(PF-ILD)である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記肺線維症が、全身性炎症性疾患に対して続発性である、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記全身性炎症性疾患が、関節リウマチ、強皮症、狼瘡、原因不明性線維化性肺胞炎、放射線誘発性線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、強皮症、慢性喘息、珪肺症、アスベスト誘発性肺若しくは胸膜線維症、急性肺損傷又は急性呼吸窮迫である、請求項67に記載の方法。
【請求項71】
前記腎線維症が、糖尿病性腎臓疾患に関連する、請求項67に記載の方法。
【請求項72】
前記LPAR1媒介性の疾患又は状態が、肝臓疾患である、請求項67に記載の方法。
【請求項73】
前記肝臓疾患が、肝臓線維症である、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記肝臓疾患が、非アルコール性脂肪性肝臓疾患(NAFLD)を含む、請求項72又は73に記載の方法。
【請求項75】
前記肝臓疾患が、脂肪症を含む、請求項72~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記肝臓疾患が、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む、請求項72~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記肝臓疾患が、肝硬変を含む、請求項72~76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記肝硬変が、代償性肝硬変である、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記肝硬変が、非代償性肝硬変である、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記肝臓疾患が、肝細胞がん(HCC)を含む、請求項72~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記肝臓疾患が、原発性胆汁性硬変(PBC)又は原発性硬化性胆管炎(PSC)を含む、請求項72~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記肝臓疾患が、門脈圧亢進を含む、請求項72~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記化合物又はその薬学的に許容される塩が、追加の治療剤と組み合わせて投与される、請求項72~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記追加の治療剤が、1、2、3、又は4つの追加の治療剤である、請求項63に記載の医薬組成物又は請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記追加の治療剤が、アセチル-CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、アポトーシスシグナル調節キナーゼ(ASK-1)阻害剤、ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト、魚油、グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アルファ(PPARα)アゴニスト、又はTGFβアンタゴニストを含む、請求項63に記載の医薬組成物、又は請求項83若しくは84に記載の方法。
【請求項86】
前記ACC阻害剤が、フィルソコスタットである、請求項85に記載の医薬組成物又は方法。
【請求項87】
前記ASK1阻害剤が、セロンセルチブである、請求項85に記載の医薬組成物又は方法。
【請求項88】
前記FXRアゴニストが、シロフェクサーである、請求項85に記載の医薬組成物又は方法。
【請求項89】
前記PPARαアゴニストが、フィブラートである、請求項85に記載の医薬組成物又は方法。
【請求項90】
前記魚油が、イコサペント酸エチルである、請求項85に記載の医薬組成物又は方法。
【請求項91】
前記GLP-1受容体アゴニストが、リラグルチド又はセマグルチドである、請求項85に記載の医薬組成物又は方法。
【請求項92】
前記TGFβアンタゴニストが、抗TGFβ1特異的抗体である、請求項85に記載の医薬組成物又は方法。
【請求項93】
前記TGFβアンタゴニストが、TGFβ受容体である、請求項85に記載の医薬組成物又は方法。
【請求項94】
前記追加の治療剤が、フィルソコスタット及びシロフェクサーを含む、請求項85に記載の医薬組成物又は方法。
【請求項95】
前記追加の治療剤が、フィルソコスタット及びリラグルチド又はセマグルチドを含む、請求項85に記載の医薬組成物又は方法。
【請求項96】
前記追加の治療剤が、フィブラート又はイコサペント酸エチルを含む、請求項94又は95に記載の医薬組成物又は方法。
【請求項97】
前記追加の治療剤が、シロフェクサー及びリラグルチド又はセマグルチドを含む、請求項85に記載の医薬組成物又は方法。
【請求項98】
ACC媒介性の疾患又は状態の治療のための医薬品の製造のための、請求項1~61のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月3日に出願された米国仮出願第63/034190号の米国特許法119条(e)の下での利益を主張し、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、LPAR1などのリゾホスファチジン酸(lysophosphatidic acid、LPA)受容体に結合し、そのアンタゴニストとして作用する、化合物に関する。本開示は更に、1つ以上のLPA受容体に関連する疾患及び/又は状態、例えば、LPAR1関連疾患又は状態の治療及び/又は予防のための化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
リゾホスファチジン酸(モノ-アシル-グリセロール-3-ホスフェート、LPA)は、例えば、酵素オートタキシンによって、リゾホスファチジルコリン(lysophosphatidyl choline、LPC)から生成され得る生物学的に活性なリン脂質のクラスである。典型的なLPAは、グリセロール、sn-1位でのエステル結合脂肪酸、及びsn-3位でのホスフェート頭部基(phosphate head group)を有する。パルミトイルLPA(16:0)、ステアロイルLPA(18:0)、オレオイルLPA(18:1)、リノレオイルLPA(18:2)及びアラキドニルLPA(20:4)を含む、様々な脂肪酸を有するLPAが特定されている。LPAは、ロドプシン様Gタンパク質共役型受容体(G protein-coupled receptor、GPCR)のファミリーを通じて増殖、分化、生存、移動、接着、侵入、及び形態形成などの広範囲の細胞性応答を発揮する。6つのLPA受容体が特徴付けられており、それらの組織分布及び下流シグナル伝達経路において異なることが見出された。これらの6つのLPA受容体は、多くの場合、LPAR1~6(遺伝子)又はLPA1~6(タンパク質)と互換的に称される。LPA受容体媒介性シグナル伝達は、創傷治癒、免疫、発がん、血管新生及び神経新生などの多くの生物学的プロセスに影響を与えることが示されている。
【0004】
LPA受容体欠損マウス又はある特定のツール化合物を伴うインビボ研究は、がん、線維症、炎症、疼痛、及び心血管疾患を含む多様な疾患における潜在的な薬物標的としてのLPA受容体の可能性を示唆している。より最近では、LPAR1アンタゴニストは、特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis、IPF)及び全身性硬化症などの線維性疾患状態と関連して臨床的に研究されている。
【0005】
望ましい選択性、効力、代謝安定性、又は低減した有害影響を有するLPAアンタゴニストに対する需要が残っている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、リゾホスファチジン酸受容体1(LPAR1)の阻害剤として有用な化合物を提供する。本開示は更に、当該化合物によるLPAR1の結合を通じた疾患及び/又は状態の治療及び/又は予防のための化合物の使用に関する。
【0007】
一実施形態では、本明細書で提供されるのは、式(I)の化合物、
【0008】
【化1】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
R
1は、水素、又は各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルコキシ、及びC
3~10シクロアルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~6アルキルであるか、あるいは
R
1は、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルコキシ、及びC
1~6アルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
3~6シクロアルキルであり、
同じであっても異なっていてもよい各R
2は、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、オキソ、C
1~4アルキル、C
3~10シクロアルキル、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、独立して、窒素、酸素、又は硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール、-N(R
2A1)(R
2A2)、-O-R
2A1、-S-R
2A1、-C(O)N(R
2A1)(R
2A2)、-NR
2A1C(O)R
2A2、-NR
2A1C(O)N(R
2A2)(R
2A3)、-S(O)
0-2R
2A1、-S(O)
2N(R
2A1)(R
2A2)、並びに-NR
2A1S(O)
2R
2A2から選択され、各R
2A1、R
2A2、及びR
2A3は、独立して、水素又はC
1~6アルキルであり、各R
2アルキル、シクロアルキル、複素環式、アリール、及びヘテロアリールは、任意選択的に、同じであっても異なっていてもよい1~4つのR
2Bで置換され、各R
2Bは、独立して、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、又はシアノであり、
同じであっても異なっていてもよい各R
3は、独立して、重水素、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
3~10シクロアルキル、又はC
1~4アルコキシから選択され、各C
1~6アルキル及びC
3~10シクロアルキルが、任意選択的に、1~3個のハロゲンで置換され、
R
4は、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルコキシ、C(O)N(R
4A1)、及び-N(R
4A1)(R
4A2)から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~6アルキルであり、各R
4A1及びR
4A2は、独立して、H、C
1~6アルキル、又はC
3~10シクロアルキルであるか、あるいは
R
4は、C
3~6シクロアルキル、又は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1若しくは2個のヘテロ原子を有する3~6員ヘテロシクリルであり、シクロアルキル又はヘテロシクリルは、任意選択的に、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルキル及びC
1~4アルコキシから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換され、
mは、0、1、2、3、又は4であり、
nは、0、1、2、又は3であり、
oは、0、1、2、又は3であり、
X
1、X
2、及びX
3の各々は、独立して、CH及びNから選択され、
各Uは、独立して、-CH=、-CH
2-、-N=、-NH-、又は-O-であり、
各Y
1及びY
2は、独立して、水素、重水素、又は各々独立して、重水素、ハロゲン、シアノ、C
2~3アルキニル、C
1~4アルコキシ、及び-C(O)NH-(C
1~4H
3-9)から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3個の置換基で任意選択的に置換されたC
1~6アルキルであり、
Zは、C
1~8アルキル、C
1~6アルコキシ、C
3~6シクロアルキル、C
6~12アリール、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~12員ヘテロシクリル、又は独立して窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~12員ヘテロアリールであり、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールは、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、及びC
3~6シクロアルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で各々任意選択的に置換され、C
1~4アルキルは、任意選択的に、C
1~4アルコキシ及びハロゲンから各々選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換されるか、あるいは
Y
1及びZは、それらが結合している炭素と一緒になってC
3~6シクロアルキル、C
6~12アリール、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~12員ヘテロシクリル、又は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~12員ヘテロアリールを形成し、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールは、各々独立して、シアノ、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
6~10アリール及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で各々任意選択的に置換され、C
1~4アルキルは、任意選択的に、各々独立して、C
1~4アルコキシ及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換され、C
6~10アリールは、任意選択的に、各々独立して、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換され、Y
2は、水素又は重水素である。
【0009】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物、又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤又は担体と、を含む医薬組成物が、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、治療有効量の本明細書で提供される化合物、又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤又は担体と、を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、1つ若しくは2つ、1つ~3つ、又は1つ~4つ)の追加の治療剤、又はその薬学的に許容される塩を更に含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、治療有効量の1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、1つ若しくは2つ、1つ~3つ、又は1つ~4つ)の追加の治療剤、又はその薬学的に許容される塩を更に含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、本開示は、LPAR1活性の阻害を必要とする対象においてそれを行う方法であって、治療有効量の本明細書で提供される化合物(例えば、式(I)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、(VIa)~(Vj)の化合物)、若しくはその薬学的に許容される塩、又は本明細書で提供される医薬組成物を、対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0012】
いくつかの実施形態では、本開示は、LPAR1媒介性の状態を有する患者を治療する方法であって、治療有効量の本明細書で提供される化合物(例えば、式(I)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、(VIa)~(Vj)の化合物)、若しくはその薬学的に許容される塩、又は本明細書で提供される医薬組成物を、患者に投与することを含む、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、LPAR1のアンタゴニストなどのLPA受容体アンタゴニストに関する。本開示はまた、LPAR1アンタゴニストに関連する組成物及び方法、並びにLPAR1媒介性の疾患及び状態の治療及び/又は予防のための、このような化合物の使用に関する。本開示はまた、1つ以上の追加の治療剤と組み合わせたLPAR1アンタゴニストを含む、肝臓疾患を治療及び/又は予防する組成物及び方法に関する。
【0014】
がん、線維症、炎症、疼痛、及び心血管疾患、又は非アルコール性脂肪性肝臓疾患(NAFLD)及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む肝臓疾患などの、ある特定のLPAR1媒介性の疾患を有する患者には、LPAR1アンタゴニスト及び任意選択的な1つ以上の追加の治療剤を用いた治療が、有益となり得ることが、一般的に考えられている。
【0015】
定義及び一般的なパラメータ
以下の説明は、本開示が、請求項に記載した主題の例示として考慮されるべきであり、添付の特許請求の範囲を、例示される特定の実施形態に限定することを意図したものではない、との理解のもとに行われる。本開示全体を通して使用される見出しは便宜上のものであり、決して特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。いずれかの見出しの下に例示される実施形態を、他のいずれかの見出しの下で例示される実施形態と組み合わせることができる。
【0016】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「a」、「and」、及び「the」という単数形は、別途文脈で明確に示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「化合物」への言及は、複数のこのような化合物を含み、「アッセイ」への言及は、当業者などに公知の1つ以上のアッセイ及びその等価物への言及を含む。
【0017】
本明細書で使用するとき、以下の単語及び語句は、使用される文脈により他の意味であることが示唆されない限り、概して、以下に述べる意味を有することが意図されている。
【0018】
2つの文字又は記号の間にはないダッシュ(「-」)は、置換基についての結合点を示すために使用される。例えば、-CONH2は、炭素原子を通じて結合している。化学基の前部又は末端のダッシュは、便宜上のものであり、化学基は、それらの通常の意味を失うことなく、1つ以上のダッシュを伴うか又は伴わずに示され得る。構造内の線を横切って引かれた波線は、基の結合点を示す。化学的又は構造的に必要とされない限り、化学基が書かれている又は呼称されている順序によって、方向性が示されている又は含意されているものではない。環の中心から突き出た実線は、その環での置換基の結合点が、いずれの環原子にあってもよいことを示す。例えば、以下の構造におけるRaは、5個の炭素環原子のうちのいずれに結合することもでき、又は、Raは、窒素環原子に結合した水素を置き換えることもできる:
【0019】
【0020】
「Cu~v」という接頭辞は、以下の基が、u~v個の炭素原子を有することを示す。例えば、「C1~6アルキル基」は、アルキル基が1~6個の炭素原子を有することを示す。同様に、x及びyが数値範囲である「x~y員」環という用語(例えば、3~12員ヘテロシクリル」など)は、x~y個(例えば、3~12個)の原子を有する環を意味し、これらの原子のうち最大80%は、N、O、S、Pなどのヘテロ原子であってよく、残りの原子は炭素である。
【0021】
また、ある特定の一般的に使用される代替的な化学名称を使用する場合もあれば、使用しない場合もある。例えば、二価「アルキル」基、二価「アリール」基などの二価基はまた、それぞれ、「アルキレン」基又は「アルキレニル」基、又はアルキリル基、「アリーレン」基又は「アリーレニル」基、又はアリーリル基と称されてもよい。
【0022】
「本明細書で開示される化合物」又は「本開示の化合物」又は「本明細書で提供される化合物」又は「本明細書に記載の化合物」は、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、(VIa)~(Vj)の化合物を指す。本明細書に提供される特定の化合物1~32(例えば、実施例1~33)もまた、含まれる。
【0023】
本明細書における「約」の値又はパラメータへの言及は、その値又はパラメータそれ自体に関する実施形態を含む(かつ説明する)。ある特定の実施形態では、「約」という用語は、示された量±10%を含む。他の実施形態では、「約」という用語は、示された量±5%を含む。ある特定の他の実施形態では、「約」という用語は、示された量±1%を含む。また、その用語に対して、「約X」は、「X」の説明を含む。また、「a」及び「the」という単数形は、文脈上他に明確に示されない限り、複数の指示を含む。したがって、例えば、「化合物」への言及は、複数のこのような化合物を含み、「アッセイ」への言及は、当業者に公知の1つ以上のアッセイ及びその等価物への言及を含む。
【0024】
「アルキル」は、非分枝状又は分岐状の飽和炭化水素鎖を指す。本明細書で使用される場合、アルキルは、1~20個の炭素原子(すなわち、C1~20アルキル)、1~8個の炭素原子(すなわち、C1~8アルキル)、1~6個の炭素原子(すなわち、C1~6アルキル)、1~4個の炭素原子(すなわち、C1~4アルキル)、又は1~3個の炭素原子(すなわち、C1~3アルキル)を有する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、2-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、及び3-メチルペンチルが挙げられる。特定の数の炭素を有するアルキル残基が化学名によって呼称されている、又は分子式によって特定されているとき、その炭素数を有する全ての位置異性体が包含されることができ、したがって、例えば、「ブチル」は、n-ブチル(すなわち、-(CH2)3CH3)、sec-ブチル(すなわち、-CH(CH3)CH2CH3)、イソブチル(すなわち、-CH2CH(CH3)2)及びtert-ブチル(すなわち、-C(CH3)3)を含み、「プロピル」は、n-プロピル(すなわち、-(CH2)2CH3)及びイソプロピル(すなわち、-CH(CH3)2)を含む。
【0025】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有し、かつ2~20個の炭素原子(すなわち、C2~20アルケニル)、2~8個の炭素原子(すなわち、C2~8アルケニル)、2~6個の炭素原子(すなわち、C2~6アルケニル)、又は2~4個の炭素原子(すなわち、C2~4アルケニル)を有する、脂肪族基を指す。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル、ブタジエニル(1,2-ブタジエニル及び1,3-ブタジエニルを含む)が挙げられる。
【0026】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含有し、かつ2~20個の炭素原子(すなわち、C2~20アルキニル)、2~8個の炭素原子(すなわち、C2~8アルキニル)、2~6個の炭素原子(すなわち、C2~6アルキニル)、又は2~4個の炭素原子(すなわち、C2~4アルキニル)を有する、脂肪族基を指す。「アルキニル」という用語はまた、1つの三重結合と1つの二重結合とを有するアルキニル基も含む。
【0027】
「アルコキシ」は、「アルキル-O-」基を指す。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、iso-プロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ、及び1,2-ジメチルブトキシが挙げられる。
【0028】
「アシル」は、-C(=O)R基を指し、式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル、又はヘテロアリールであり、その各々は、任意選択的に、本明細書で定義されるように置換されてもよい。アシルの例としては、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチル-カルボニル、及びベンゾイルが挙げられる。
【0029】
「アミノ」は、-NRyRz基を指し、式中、Ry及びRzは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリルからなる群から選択され、その各々は、任意選択的に、置換されてもよい。
【0030】
「アリール」は、単環を有する(例えば、単環式)、又は縮合系を含む多環を有する(例えば、二環式又は三環式)、芳香族炭素環式基を指す。本明細書で使用される場合、アリールは、6~20個の環の炭素原子(すなわち、C6~20アリール)、6~12個の炭素環原子(すなわち、C6~12アリール)、又は6~10個の炭素環原子(すなわち、C6~10アリール)を有する。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、フルオレニル、及びアントリルが挙げられる。しかしながら、アリールは、以下に定義されるヘテロアリールを、いかようにも包含せず、かつこのヘテロアリールと重複しない。1個以上のアリール基がヘテロアリール環と縮合している場合、結果として生じる環系はヘテロアリールである。
【0031】
「シアノ」又は「カルボニトリル」は、-CN基を指す。
【0032】
「シクロアルキル」は、縮合した環系、架橋した環系、及びスピロ環系を含む単環又は多環を有する飽和又は部分飽和環状アルキル基を指す。「シクロアルキル」という用語は、シクロアルケニル基(すなわち、少なくとも1つの二重結合を有する環状基)を含む。本明細書で使用される場合、シクロアルキルは、3~20個の環炭素原子(すなわち、C3~20シクロアルキル)、3~12個の環炭素原子(すなわち、C3~12シクロアルキル)、3~10個の環炭素原子(すなわち、C3~10シクロアルキル)、3~8個の環炭素原子(すなわち、C3~8シクロアルキル)、又は3~6個の環炭素原子(すなわち、C3~6シクロアルキル)を有する。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルが挙げられる。
【0033】
「縮合」は、隣接する環に結合している環を指す。いくつかの実施形態では、縮合環系は、ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、縮合環系は、オキサビシクロヘキサニルである。いくつかの実施形態では、縮合環系は、
【0034】
【0035】
「架橋」は、環上の非隣接原子が、アルキレニル基、1個若しくは2個のヘテロ原子を含有するアルキレニル基、又は単一のヘテロ原子などの二価置換基によって結合される環縮合を指す。キヌクリジニル及びアドマンタニル(admantanyl)は、架橋環系の例である。いくつかの実施形態では、架橋環は、ビシクロペンタニル(ビシクレ(bicycle)[1.1.1]ペンタニル]又はビシクロオクタニル(ビシクレ[2.2.2]オクタニル)である。いくつかの実施形態では、架橋環は、
【0036】
【0037】
「スピロ」は、同じ炭素原子において2つの結合によって結合される環置換基を指す。スピロ基の例としては、それぞれ、シクロペンタン及びピペリジンがスピロ置換基である、1,1-ジエチルシクロペンタン、ジメチル-ジオキソラン、及び4-ベンジル-4-メチルピペリジンが挙げられる。いくつかの実施形態では、スピロ置換基は、スピロペンタニル(スピロ[a.b]ペンタニル)、スピロヘキサニル、スピロヘプタニル、又はスピロデカニルである。いくつかの実施形態では、スピロ置換基は、
【0038】
【0039】
「ハロゲン」又は「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを含む。
【0040】
「ヘテロアリール」は、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個以上の環ヘテロ原子を有する、単環、多環、又は縮合多環を有する芳香族基を指す。本明細書で使用される場合、ヘテロアリールは、1~20個の炭素環原子(すなわち、C1~20ヘテロアリール)、3~12個の炭素環原子(すなわち、C3~12ヘテロアリール)、又は3~8個の炭素環原子(すなわち、C3~8ヘテロアリール)、並びに窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される、1~5個の環ヘテロ原子、1~4個の環ヘテロ原子、1~3個の環ヘテロ原子、1~2個の環ヘテロ原子、又は1個の環ヘテロ原子を含む。ヘテロアリール基の例としては、ピリミジニル、プリニル、ピリジル、ピリダジニル、ベンゾチアゾリル、及びピラゾリルが挙げられる。ヘテロアリールは、先に定義したようにアリールを包含せず、かつアリールと重複しない。
【0041】
「ヘテロシクリル」又は「複素環式環」又は「複素環」は、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1つ以上の環ヘテロ原子を有する非芳香族環状アルキル基を指す。本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」又は「複素環式環」又は「複素環」は、別段示されない限り、飽和又は部分的に飽和されている環を指し、例えば、いくつかの実施形態では、「ヘテロシクリル」又は「複素環式環」又は「複素環」は、特定された場合に部分的に飽和された環を指す。「ヘテロシクリル」又は「複素環式環」又は「複素環」という用語は、ヘテロシクロアルケニル基(すなわち、少なくとも1つの二重結合を有するヘテロシクリル基)を含む。ヘテロシクリルは、単環又は多環であってもよく、多環は、縮合、架橋、又はスピロであってもよい。本明細書で使用される場合、ヘテロシクリルは、2~20個の炭素環原子(すなわち、C2~20ヘテロシクリル)、2~12個の炭素環原子(すなわち、C2~12ヘテロシクリル)、2~10個の炭素環原子(すなわち、C2~10ヘテロシクリル)、2~8個の炭素環原子(すなわち、C2~8ヘテロシクリル)、3~12個の炭素環原子(すなわち、C3~12ヘテロシクリル)、3~8個の炭素環原子(すなわち、C3~8ヘテロシクリル)、又は3~6個の炭素環原子(すなわち、C3~6ヘテロシクリル)を有し、独立して、窒素、硫黄又は酸素から選択される1~5個の環ヘテロ原子、1~4個の環ヘテロ原子、1~3個の環ヘテロ原子、1~2個の環ヘテロ原子、又は1個の環ヘテロ原子を有する。ヘテロシクリル基の例としては、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキセタニル、ジオキソラニル、アゼチジニル、及びモルホリニルが挙げられる。本明細書で使用される場合、「複素環」、「ヘテロシクリル」、及び「複素環式環」という用語は互換的に使用される。
【0042】
「ヒドロキシ」又は「ヒドロキシル」は、-OH基を指す。
【0043】
「オキソ」は、(=O)基又は(O)基を指す。
【0044】
「スルホニル」は、-S(O)2Rc基を指し、式中、Rcは、アルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール、又はアリールである。スルホニルの例は、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、及びトルエンスルホニルである。
【0045】
基のグラフ表示が単独で結合した窒素原子で終わる場合はいつでも、その基は、別段示されない限り、-NH2基を表す。同様に、別段明記されない限り、水素原子は、当業者の知識を考慮して、原子価を完全にするか、又は安定性を提供するために必要な場合に、暗示され、存在するとみなされる。
【0046】
「任意選択的な」又は「任意選択的に」という用語は、その後に説明される事象又は状況が発生しても発生しなくてもよいこと、及び当該事象又は状況が発生する場合と当該事象又は状況がない場合とをその説明が含むことを意味する。また、「任意選択的に置換された」という用語は、指定された原子又は基の上のいずれか1つ以上の水素原子が、水素以外の部分によって置き換えられてもよく、又は置き換えられていなくてもよいことを意味する。
【0047】
「置換された」という用語は、指定された原子又は基の上のいずれかの1つ以上の水素原子が水素以外の1つ以上の置換基で置き換えられることを意味し、但し、指定された原子の正常な原子価が超過されないことを条件とする。1つ以上の置換基としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アシル、アミノ、アミド、アミジノ、アリール、アジド、カルバモイル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、グアニジノ、ハロ、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ヒドラジノ、イミノ、オキソ、ニトロ、アルキルスルフィニル、スルホン酸、アルキルスルホニル、チオシアナート、チオール、チオン、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。無限に付加された更なる置換基で置換基を定義することによって得られるポリマー又は同様の不定構造(例えば、置換アルキルを有する置換アリールであって、置換アルキル自体が置換アリール基で置換されており、これが置換ヘテロアルキル基で更に置換されている、置換アリールなど)は、本明細書に含めるように意図されない。別段注記されない限り、本明細書に説明する化合物における連続置換の最大数は3である。例えば、置換アリール基の、2つの他の置換アリール基による連続置換は、((置換アリール)置換アリール)置換アリールに限定される。同様に、先の定義は、許容不可能な置換パターン(例えば、5個のフッ素で置換されたメチル又は2個の隣接する酸素環原子を有するヘテロアリール基)を含むことを意図するものではない。このような許容不可能な置換パターンは、当業者に周知である。化学基を修飾するために使用されるとき、「置換された」という用語は、本明細書で定義される他の化学基を説明することができる。例えば、「置換アリール」という用語は、「アルキルアリール」を含むが、これらに限定されない。別段の指定がない限り、基が任意選択的に置換されたものとして説明されている場合、基のいかなる置換基もそれ自体が非置換である。
【0048】
いくつかの実施形態では、「置換アルキル」という用語は、ヒドロキシル、ハロ、アミノ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールを含む1つ以上の置換基を有するアルキル基を指す。追加の実施形態では、「置換シクロアルキル」は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、アルコキシ、ハロ、オキソ、及びヒドロキシルを含む1つ以上の置換基を有するシクロアルキル基を指し、「置換ヘテロシクリル」は、アルキル、アミノ、ハロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、ハロ、オキソ、及びヒドロキシルを含む1つ以上の置換基を有するヘテロシクリル基を指し、「置換アリール」は、ハロ、アルキル、アミノ、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルコキシ、及びシアノを含む1つ以上の置換基を有するアリール基を指し、「置換ヘテロアリール」は、ハロ、アミノ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルコキシ、及びシアノを含む1つ以上の置換基を有するヘテロアリール基を指し、「置換スルホニル」は、-S(O)2R基を指し、Rは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールを含む1つ以上の置換基で置換されている。他の実施形態では、1つ以上の置換基は、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールで更に置換されてもよく、その各々は置換されている。他の実施形態では、置換基は、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールで更に置換されてもよく、その各々は、非置換である。
【0049】
いくつかの実施形態では、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクリル、置換アリール、及び/又は置換ヘテロアリールは、環原子上に置換基を有する、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及び/又はヘテロアリールを含み、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及び/又はヘテロアリールは、化合物の残部に結合している。例えば、以下の部分では、シクロプロピルは、メチル基で置換されている:
【0050】
【0051】
本明細書に例示的に記載される開示は、本明細書に具体的に開示されていない任意の要素又は複数の要素、制限又は複数の制限の非存在下で好適に実施され得る。したがって、例えば、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」などの用語は、拡張的に読み取られ、限定するものではない。更に、本明細書で用いられる用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定するものではなく、図示及び記載された特徴のいかなる等価物、又はその一部も除外するこのような用語及び表現を使用する意図はないが、特許請求される開示の範囲内で様々な修正が可能であることが認識されている。
【0052】
本開示の化合物は、薬学的に許容される塩の形態であり得る。「薬学的に許容される塩」という用語は、無機塩基又は酸及び有機塩基又は酸を含む、薬学的に許容される非毒性塩基又は酸から調製される塩を指す。本開示の化合物は、薬学的に許容される塩の形態であり得る。「薬学的に許容される塩」という用語は、無機塩基又は酸及び有機塩基又は酸を含む、薬学的に許容される非毒性塩基又は酸から調製される塩を指す。本開示の化合物が1つ以上の酸性基又は塩基性基を含有する場合、本開示はまた、化合物の対応する薬学的又は毒物学的に許容される塩、特に化合物の薬学的に利用可能な塩を含む。したがって、酸性基を含有する本開示の化合物は、これらの基に存在し得、本開示に従って、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩として使用され得る。このような塩のより正確な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、又はアンモニア若しくは有機アミン、例えば、エチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノ酸、若しくは当業者に既知の他の塩基との塩が挙げられる。1つ以上の塩基性基、すなわち、プロトン化され得る基を含有する本開示の化合物は、存在する可能性があり、無機酸又は有機酸を有するそれらの付加塩の形態で本開示に従って使用され得る。好適な酸の例としては、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、シュウ酸、酢酸、酒石酸、乳酸、サリチル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、スルファミン酸、フェニルプロピオン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、イソニコチン酸、クエン酸、アジピン酸、及び当業者に既知の他の酸が挙げられる。
【0053】
本開示の化合物が分子中に酸性基及び塩基性基を同時に含有する場合、本開示はまた、言及された塩形態に加えて、分子内塩又はベタイン(双性イオン)を含む。それぞれの塩は、例えば、これらの塩を溶媒又は分散剤において有機酸若しくは無機酸又は塩基と接触させることによって、あるいは他の塩とのアニオン交換又はカチオン交換によって、当業者に既知である慣習的な方法によって得ることができる。
【0054】
本開示はまた、生理的適合性が低いため、医薬品での使用に直接的に好適ではないが、例えば、化学反応のための中間体として、又は薬学的に許容される塩の調製のために使用され得る、本開示の化合物の全ての塩を含む。薬学的に許容される塩(それぞれ、酸付加塩又は塩基付加塩)を形成するために、下地化合物との反応に有用な酸及び塩基は、当業者に既知である。同様に、下地化合物(開示時)から薬学的に許容される塩を調製する方法は、当業者に既知であり、例えば、Berge,at al.Journal of Pharmaceutical Science,Jan.1977 vol.66,No.1、及び他のソースに開示されている。
【0055】
更に、本明細書に開示される化合物は、互変異性の影響を受け得る。互変異性、例えば、化合物又はそれらのプロドラッグのケト-エノール互変異性が発生し得る場合、例えば、ケト形態及びエノール形態のような個々の形態は、各々、任意の比率のそれらの混合物と同様に本開示の範囲内にある。同じことが、例えば、鏡像異性体、シス/トランス異性体、ジアステレオマー、配座異性体などのような、立体異性体に当てはまる。
【0056】
「保護基」という用語は、官能基の特性又は化合物の特性を全体として遮蔽又は変化させる化合物の部分を指す。保護/脱保護のための化学保護基及び戦略は、当該技術分野において周知である。例えば、Protective Groups in Organic Chemistry,Theodora W.Greene,John Wiley & Sons,Inc.,New York,1991.を参照されたい。保護基は、多くの場合、ある特定の官能基の反応性を遮蔽して、所望の化学反応の有効性を助け、例えば、規則的にかつ計画的に化学結合を生成及び切断するのに利用される。「脱保護」という用語は、保護基を除去することを指す。
【0057】
代替的な置換基のリストが、メンバーの原子価要件又は他の理由のために、特定のグループを置換するために使用することができないメンバーを含む場合、リストは、特定のグループを置換するのに好適であるリストのメンバーのみを含むように当業者の知識で読み取られることが意図されることが当業者には理解されよう。
【0058】
更に、本開示の化合物は、溶媒和水、又はアルコール、特にエタノールなどの薬学的に許容される溶媒和物として含む溶媒和物などの溶媒和物の形態で存在し得る。「溶媒和物」は、溶媒と化合物との相互作用によって形成される。
【0059】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物若しくはその薬学的に許容される塩の光学異性体、ラセミ化合物、若しくはこれらの他の混合物又はこれらの混合物が提供される。所望の場合、異性体は、当該技術分野において周知の方法によって、例えば、液体クロマトグラフィによって分離することができる。これらの状況では、単一の鏡像異性体又はジアステレオマー、すなわち、光学活性形態は、不斉合成によって又は分割能によって得ることができる。分割は、例えば、分割剤の存在下での結晶化、又は例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィ(high-pressure liquid chromatography、HPLC)カラムを使用したクロマトグラフィなどの従来の方法によって達成することができる。
【0060】
「立体異性体」は、同じ結合によって結合している同じ原子で構成されているが、互換的ではない、異なる三次元構造を有する化合物を指す。本発明は、様々な立体異性体及びこれらの混合物を意図し、その分子が互いの重ねることができない鏡像である2つの立体異性体を指す「鏡像異性体」を含む。「ジアステレオマー」は、少なくとも2つの不斉原子を有するが、互いの鏡像ではない立体異性体である。
【0061】
本明細書に開示される化合物及びそれらの薬学的に許容される塩は、いくつかの実施形態では、不斉中心を含み得、したがって、絶対立体化学に関して、(R)-若しくは(S)-として、又はアミノ酸については(D)-若しくは(L)-として定義され得る鏡像異性体、ジアステレオマー、及び他の立体異性体形態を生じさせ得る。いくつかの実施形態は、全てのこのような可能な異性体、並びにそれらのラセミ形態及び光学的に純粋な形態を含む。光学活性な(+)及び(-)、(R)-及び(S)-、又は(D)-及び(L)-異性体は、キラルシントン若しくはキラル試薬を使用して調製されても、従来の技術、例えば、クロマトグラフィ及び分別結晶化を使用して分割されてもよい。個々の鏡像異性体の調製/単離のための従来の技術には、好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、あるいは例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)を使用したラセミ化合物(又は塩若しくは誘導体のラセミ化合物)の分割が含まれる。本明細書に記載されている化合物が、オレフィン性二重結合、又は他の幾何学的な不斉中心を含有するとき、かつ別段特定されない限り、化合物はE及びZ幾何異性体の両方を含むことが意図される。
【0062】
本明細書に記載されている化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、若しくは混合物を含む本明細書において提供する組成物は、ラセミ混合物、又は鏡像体過剰の1つの鏡像異性体若しくは単一のジアステレオマーを含有する混合物、又はジアステレオマー混合物を含み得る。これらの化合物のこのような異性体形態は全て、あたかも各々のかつあらゆる異性体形態が具体的かつ個別に列挙されているかのように本明細書に明白に含まれる。
【0063】
本明細書で与えられるいかなる式又は構造はまた、化合物の非標識形態及び同位体標識形態を表すことも意図している。同位体標識化合物は、1つ以上の原子が、選択された原子質量又は質量数を有する原子によって交換されていることを除き、本明細書で与えられる式によって示される構造を有する。本開示の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、限定されないが、2H(重水素、D)、3H(トリチウム)、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl及び125Iなどの、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体が挙げられる。本開示の様々な同位体標識化合物は、例えば、3H、13C及び14Cなどの放射性同位体が組み込まれたものである。このような同位体標識化合物は、代謝研究、反応速度論研究、ポジトロン断層撮影法(positron emission tomography、PET)又は薬物若しくは基質の組織分布アッセイを含む単光子放射型コンピュータ断層撮影法(single-photon emission computed tomography、SPECT)などの検出技術若しくは撮像技術において、又は患者の放射性治療において、有用であり得る。本開示の同位体標識化合物及びそのプロドラッグは、概して、容易に入手可能な同位体標識試薬を非同位体標識試薬と置換することによって、スキーム又は以下に説明される例及び調製において開示される手順を実施することによって調製することができる。
【0064】
本開示はまた、炭素原子に結合した1~n個の水素が重水素によって置換された、本明細書に開示された化合物の「重水素化類似体」を含み、nは、分子中の水素の数である。このような化合物は、代謝に対する増加した抵抗性を呈し得、したがって、哺乳動物、例えば、ヒトに投与されるとき、式(I)の任意の化合物の半減期を増加させるのに有用であり得る。例えば、Foster,「Deuterium Isotope Effects in Studies of Drug Metabolism」,Trends Pharmacol.Sci.5(12):524-527(1984)を参照されたい。このような化合物は、当該技術分野において周知の手段によって、例えば、1つ以上の水素が重水素によって交換された出発材料を用いることによって合成される。
【0065】
本開示の重水素標識された又は重水素置換された治療化合物は、分布、代謝及び排泄(ADME)に関して改善されたDMPK(drug metabolism and pharmacokinetics、薬物代謝及び薬物動態)特性を有し得る。重水素などのより重い同位体による置換は、より大きな代謝安定性に起因するある特定の治療上の利点、例えば、インビボでの半減期の延長、投与量必要条件の低減及び/又は治療指数の改善をもたらし得る。18F標識化合物は、PET又はSPECTの試験において有用であり得る。
【0066】
このようなより重い同位体、具体的には重水素の濃度は、同位体濃縮係数によって定義され得る。本開示の化合物において、特定の同位体として特に指定されない任意の原子は、その原子の任意の安定的な同位体を表すことを意味する。別段明示されない限り、位置が「H」又は「水素」として具体的に指定されているとき、その位置は、水素の自然存在比の同位体組成でその水素を有すると理解される。したがって、本開示の化合物では、重水素(D)として具体的に指定されるいかなる原子も、重水素を表すことを意味する。
【0067】
更に、本開示は、有効な成分としての、本開示の化合物、又はそのプロドラッグ化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を、薬学的に許容される担体と一緒に含む医薬組成物を提供する。
【0068】
「医薬組成物」とは、1つ以上の活性成分、及び担体を構成する1つ以上の不活性成分、並びに成分のうちの任意の2つ以上の組み合わせ、錯体形成若しくは凝集から、又は成分のうちの1つ以上の解離から、又は成分のうちの1つ以上の他のタイプの反応若しくは相互作用又は1つ以上の成分の相互作用から直接的に若しくは間接的に生じる任意の生成物を意味する。したがって、本開示の医薬組成物は、本開示の少なくとも1つの化合物と薬学的に許容される担体とを混和することによって製造された任意の組成物を包含することができる。
【0069】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、開示された化合物又はその使用に有害ではない、溶媒、希釈剤、分散媒体、コーティング、抗細菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などの賦形剤又は薬剤を含む。薬学的に活性な物質の組成物を調製するためのそのような担体及び薬剤の使用は、当該技術分野において周知である(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mace Publishing Co.,Philadelphia,PA 17th Ed.(1985)、及びModern Pharmaceutics,Marcel Dekker,Inc.3rd Ed.(G.S.Banker&C.T.Rhodes,Eds.を参照されたい)。
【0070】
「IC50」又は「EC50」は、最大の所望の効果の50%を達成するために必要とされる阻害濃度を指す。本明細書で多くの場合、最大の所望の効果は、LPA誘導性LPAR1活性化の阻害である。この用語は、LPA誘導性LPAR1活性の濃度依存的阻害を評価する、カルシウム動員アッセイなどのインビトロアッセイを使用して得られる。
【0071】
「治療」又は「治療すること」は、臨床結果を含む有益な結果又は所望の結果を得るためのアプローチである。有益な結果又は所望の臨床結果は、以下のうちの1つ以上を含むことができる。すなわち、a)疾患若しくは状態を阻害すること(例えば、疾患若しくは状態から結果として生じる1つ以上の症状を減少させること、及び/又は疾患若しくは状態の程度を減退させること)、b)疾患若しくは状態と関係する1つ以上の臨床症状の発症を遅延させるか、若しくは阻止すること(例えば、疾患若しくは状態を安定化すること、疾患若しくは状態の悪化若しくは進行を予防するか、若しくは遅延させること、及び/又は疾患若しくは状態の拡散(例えば、転移)を予防するか、若しくは遅延させること)、並びに/あるいは、c)疾患を緩和すること、すなわち、臨床症状の後退を引き起こすこと(例えば、疾患状態を改善すること、疾患若しくは状態の部分寛解若しくは完全寛解を提供すること、別の薬剤の効果を増強すること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を高めること、及び/又は生存を延長させることである。いくつかの実施形態では、「治療」又は「治療すること」という用語は、(i)疾患の発症を遅延させること、すなわち、疾患の臨床症状が発症しないようにすること、若しくはその発症を遅延させること、(ii)疾患を阻害すること、すなわち、臨床症状の発症を阻止すること、及び/又は(iii)疾患を緩和させること、すなわち、臨床症状若しくはその重症度の後退を引き起こすことの目的のために、式(I)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、(VIa)~(Vj)の化合物又は薬学的に許容される塩を投与することを意味する。
【0072】
「予防」又は「予防すること」は、疾患又は状態の臨床症状を発症させない、疾患又は状態のあらゆる治療を意味する。いくつかの実施形態では、化合物は、リスクがあるか、又は疾患若しくは状態の家族歴を有する対象(ヒトを含む)に投与され得る。
【0073】
「対象」は、治療、観察、又は実験の目的であったことがあるか、又は目的となる哺乳動物(ヒトを含む)などの動物を指す。本明細書に説明する方法は、ヒトの療法及び/又は獣医学への応用において有用であり得る。いくつかの実施形態では、対象は、哺乳動物である。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0074】
本明細書に説明する化合物又はその薬学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、若しくは重水素化類似体の「治療有効量」又は「有効量」という用語は、対象へ投与すると治療をもたらして、症状の改善又は疾患の進行の遅滞などの治療上の利益を提供するのに十分な量を意味する。例えば、治療有効量は、LPAR1アンタゴニストに応答して疾患又は状態の症状を減少させるのに十分な量であり得る。治療有効量は、対象、治療される疾患又は状態、対象の体重及び齢、疾患又は状態の重症度、及び投与様式に応じて変えてもよく、当業者によって容易に判断することができる。
【0075】
【表1】
本明細書で使用される場合、「LPAR1阻害剤」は、LPAR1に結合し、それを阻害することができるいずれの薬剤をも指す。LPA
1としても知られているLPAR1は、脂質シグナル伝達分子リゾホスファチジン酸(LPA)に結合するGPCRである。LPAR1の例示的な参照配列は、NCBI参照配列NP_001392(ヒトタンパク質)、NP_001277415(マウスタンパク質)、NM_001401(ヒトmRNA)、及びNM_001290486(マウスmRNA)を含む。LPAR1アンタゴニストは、完全又は部分的なLPAR1アゴニストの競合阻害剤として、又は逆アゴニストとして作用することができる。LPARアンタゴニストの活性は、Castelino et al.,2010 Arthritis Rheum.2011 May;63(5):1405-1415又はSwaney et al.,J Pharmacol Exp Ther.2011 Mar;336(3):693-700に記載及び引用されるものなどの、当該技術分野において既知の方法によって測定され得る。
【0076】
本明細書で使用される場合、「ACC阻害剤」は、アセチル-CoAカルボキシラーゼ(Acetyl-CoA carboxylase、ACC)に結合し、それを阻害することができるいずれの薬剤をも指す。ACC阻害剤は、ACCの阻害剤又は部分的阻害剤として作用し得る。薬剤は、化学化合物又は生物学的分子(例えば、タンパク質又は抗体)であり得る。ACC阻害剤の活性は、全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,969,557号及び/又は米国特許第10,208,063号に記載及び引用されるものなどの、当該技術分野において既知の方法によって測定され得る。
【0077】
本明細書で言及される場合、「ASK1阻害剤」は、アポトーシスシグナル調節キナーゼ1(apoptosis signal regulating kinase 1、ASK1)タンパク質を不活性化することができるいずれの薬剤でもあり得る。薬剤は、化学化合物又は生物学的分子(例えば、タンパク質又は抗体)であり得る。ASK1タンパク質活性は、いくつかの異なる方法によって測定され得る。例えば、ASK1タンパク質の活性は、ASK1タンパク質が基質タンパク質をリン酸化する能力に基づいて決定され得る。ASK1阻害剤を特定するための方法は、既知である(例えば、米国特許出願公開第2007/0276050号を参照されたい)。例示的なASK1基質タンパク質としては、MAPKK3、MAPKK4、MAPKK6、MAPKK7、又はこれらの断片が挙げられる。ASK1タンパク質活性はまた、ASK1タンパク質のリン酸化レベル、例えば、ヒト完全長ASK1タンパク質のトレオニン838(T838)又はマウス完全長ASK1タンパク質のトレオニン845(T845)に対応するASK1タンパク質中のトレオニン残基のリン酸化レベルによって測定され得る。例えば、ASK1タンパク質が完全長ヒトASK1タンパク質配列を含む場合、ASK1阻害剤は、全長ヒトASK1タンパク質配列におけるT838のリン酸化を減衰させ得る。ヒトASK1 T838又はマウスASK1 T845に対する部位特異的抗体を使用して、リン酸化レベルを検出することができる。
【0078】
本明細書で使用される場合、「FXRアゴニスト」は、胆汁酸受容体(bile acid receptor、BAR)又はNR1H4(核受容体サブファミリー1、グループH、メンバー4(nuclear receptor subfamily 1, group H, member 4))と称され得るファルネソイドX受容体(farnesoid X receptor、FXR)に結合し、それを活性化することができるいずれの薬剤をも指す。FXRアゴニストは、FXRのアゴニスト又は部分的アゴニストとして作用し得る。薬剤は、化学化合物又は生物学的分子(例えば、タンパク質又は抗体)であり得る。FXRアゴニストの活性は、例えば、Pellicciari,et al.Journal of Medicinal Chemistry,2002 vol.15,No.45:3569-72に記載されるような蛍光共鳴エネルギー移動(fluorescence resonance energy transfer、FRET)無細胞アッセイを使用するインビトロアッセイにおいて、いくつかの異なる方法よって測定され得る。
【0079】
化合物
一実施形態では、本明細書で提供されるのは、式(I)の化合物、
【0080】
【化7】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
R
1は、水素、又は各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルコキシ、及びC
3~10シクロアルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~6アルキルであるか、あるいは
R
1は、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルコキシ、及びC
1~6アルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
3~6シクロアルキルであり、
同じであっても異なっていてもよい各R
2は、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、オキソ、C
1~4アルキル、C
3~10シクロアルキル、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、独立して、窒素、酸素、又は硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール、-N(R
2A1)(R
2A2)、-O-R
2A1、-S-R
2A1、-C(O)N(R
2A1)(R
2A2)、-NR
2A1C(O)R
2A2、-NR
2A1C(O)N(R
2A2)(R
2A3)、-S(O)
0-2R
2A1、-S(O)
2N(R
2A1)(R
2A2)、及び-NR
2A1S(O)
2R
2A2から選択され、各R
2A1、R
2A2、及びR
2A3は、独立して、水素又はC
1~6アルキルであり、各R
2アルキル、シクロアルキル、複素環式、アリール、及びヘテロアリールは、任意選択的に、同じであっても異なっていてもよい1~4つのR
2Bで置換され、各R
2Bは、独立して、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、又はシアノであり、
同じであっても異なっていてもよい各R
3は、独立して、重水素、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
3~10シクロアルキル、又はC
1~4アルコキシから選択され、各C
1~6アルキル及びC
3~10シクロアルキルが、任意選択的に、1~3個のハロゲンで置換され、
R
4は、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルコキシ、-C(O)N(R
4A1)、及び-N(R
4A1)(R
4A2)から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~6アルキルであり、各R
4A1及びR
4A2は、独立して、H、C
1~6アルキル、又はC
3~10シクロアルキルであるか、あるいは
R
4は、C
3~6シクロアルキル、又は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1若しくは2個のヘテロ原子を有する3~6員ヘテロシクリルであり、シクロアルキル又はヘテロシクリルは、任意選択的に、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルキル及びC
1~4アルコキシから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換され、
mは、0、1、2、3、又は4であり、
nは、0、1、2、又は3であり、
oは、0、1、2、又は3であり、
X
1、X
2、及びX
3の各々は、独立して、CH及びNから選択され、
各Uは、独立して、-CH=、-CH
2-、-N=、-NH-、又は-O-であり、
各Y
1及びY
2は、独立して、水素、重水素、又は各々独立して、重水素、ハロゲン、シアノ、C
2~3アルキニル、C
1~4アルコキシ、及び-C(O)NH-(C
1~4H
3-9)から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3個の置換基で任意選択的に置換されたC
1~6アルキルであり、
Zは、C
1~8アルキル、C
1~6アルコキシ、C
3~6シクロアルキル、C
6~12アリール、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~12員ヘテロシクリル、又は独立して窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~12員ヘテロアリールであり、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールは、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、及びC
3~6シクロアルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で各々任意選択的に置換され、C
1~4アルキルは、任意選択的に、C
1~4アルコキシ及びハロゲンから各々選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換されるか、あるいは
Y
1及びZは、それらが結合している炭素と一緒になってC
3~6シクロアルキル、C
6~12アリール、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~12員ヘテロシクリル、又は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~12員ヘテロアリールを形成し、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールは、各々独立して、シアノ、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
6~10アリール及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で各々任意選択的に置換され、C
1~4アルキルは、任意選択的に、各々独立して、C
1~4アルコキシ及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換され、C
6~10アリールは、任意選択的に、各々独立して、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換され、Y
2は、水素又は重水素である。
【0081】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(Ia)の化合物、
【0082】
【0083】
式(I)又は(Ia)の化合物のいくつかの実施形態では、R1は、水素である。
【0084】
式(I)又は(Ia)の化合物のいくつかの実施形態では、R4は、独立して、-CN及び-FCから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で各々任意選択的に置換されたC1~3アルキルである。式(I)又は(Ia)の化合物のいくつかの実施形態では、R4は、-CH3である。
【0085】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(II)の化合物、
【0086】
【化9】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
R
1は、水素であり、
各R
2は、独立して、重水素、シアノ、ヒドロキシ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
3~10シクロアルキル、又はC
1~4アルコキシから選択され、C
1~6アルキル又はC
3~10シクロアルキルは、任意選択的に、1~3個のハロゲンで置換され、
W
1は、-CH
2-であり、
W
2は、-CH=、-CH
2-、又は-O-であり、
W
3は、-CH=、-CH
2-、-O-、又は-NH-であり、
p及びqは、各々独立して、0又は1である。
【0087】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、若しくは(II)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(IIa):
【0088】
【0089】
式(I)、(Ia)、(II)、又は(IIa)の化合物のいくつかの実施形態では、pは0であり、qは0である。式(I)、(Ia)、(II)、又は(IIa)の化合物のいくつかの実施形態では、pは0であり、qは1である。式(I)、(Ia)、(II)、又は(IIa)の化合物のいくつかの実施形態では、pは1であり、qは1である。
【0090】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(IIIa)の化合物、
【0091】
【化11】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
mは、0、1、又は2であり、
oは、0、1、2、又は3である。
【0092】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(IIIb)の化合物、
【0093】
【化12】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
mは、0、1、2、3、又は4であり、
oは、0、1、2、又は3である。
【0094】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(IIIc)の化合物、
【0095】
【化13】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
mは、0、1、又は2であり、
oは、0、1、2、又は3である。
【0096】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(IIId)の化合物、
【0097】
【化14】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
mは、0、1、又は2であり、
oは、0、1、2、又は3である。
【0098】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(IIIe)の化合物、
【0099】
【化15】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
mは、0、1、又は2であり、
oは、0、1、2、又は3である。
【0100】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(III)の化合物、
【0101】
【化16】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
mは、0、1、2、又は3であり、
oは、0、1、2、又は3である。
【0102】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(IIIg)の化合物、
【0103】
【化17】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
mは、0、1、2、3、又は4であり、
oは、0、1、2、又は3である。
【0104】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(IVa)の化合物、
【0105】
【化18】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
mは、0、1、又は2であり、
oは、0、1、2、又は3である。
【0106】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(IVb)の化合物、
【0107】
【化19】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
mは、0、1、2、3、又は4であり、
oは、0、1、2、又は3である。
【0108】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(IVc)の化合物、
【0109】
【化20】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
mは、0、1、又は2であり、
oは、0、1、2、又は3である。
【0110】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(IVd)の化合物、
【0111】
【化21】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
mは、0、1、又は2であり、
oは、0、1、2、又は3である。
【0112】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(IVe)の化合物、
【0113】
【化22】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
mは、0、1、又は2であり、
oは、0、1、又は2である。
【0114】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(IVf)の化合物、
【0115】
【化23】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
mは、0、1、又は2であり、
oは、0、1、2、又は3である。
【0116】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(IVg)の化合物、
【0117】
【化24】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
mは、0、1、又は2であり、
oは、0、1、又は2である。
【0118】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(IVh)の化合物、
【0119】
【化25】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
mは、0、1、又は2であり、
oは、0、1、又は2である。
【0120】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(IVi)の化合物、
【0121】
【化26】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
mは、0、1、又は2であり、
oは、0、1、2、又は3である。
【0122】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、式(IVj)の化合物、
【0123】
【化27】
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
mは、0、1、2、3、又は4であり、
oは、0、1、2、又は3である。
【0124】
式(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、mは、0、1、又は2である。式(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、oは、0又は1である。式(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、mは0であり、oは0である。式(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、mは1であり、oは0である。式(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、mは2であり、oは0である。式(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、mは0であり、oは1である。
【0125】
式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、同じであっても異なっていてもよい各R2は、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、オキソ、C1~4アルキル、C3~10シクロアルキル、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、独立して、窒素、酸素、又は硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール、-N(R2A1)(R2A2)、-O-R2A1、-S-R2A1、-C(O)N(R2A1)(R2A2)、-NR2A1C(O)R2A2、-NR2A1C(O)N(R2A2)(R2A3)、-S(O)0-2R2A1、-S(O)2N(R2A1)(R2A2)、並びに-NR2A1S(O)2R2A2から選択され、各R2A1、R2A2、及びR2A3は、独立して、ハロゲン又はC1~6アルキルであり、各R2アルキル、シクロアルキル、複素環式、アリール、及びヘテロアリールは、任意選択的に、同じであっても異なっていてもよい1~4つのR2Bで置換され、各R2Bは、独立して、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、又はシアノである。式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、同じであっても異なっていてもよい各R2は、独立して、C1~4アルキル、6~10員アリール、C1~4アルコキシ、又はハロゲンであり、各C1~4アルキルは、任意選択的に、1~4個のハロゲンで置換される。式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、同じであっても異なっていてもよい各R2は、独立して、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、及びハロゲンから選択される。式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、同じであっても異なっていてもよい各R2は、独立して、-CH3、-CF3、-C2H5、フェニル、又は-Fから選択される。式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、各R2は、ハロゲンである。式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、各R2は、-Fである。
【0126】
式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、同じであっても異なっていてもよい各R3は、独立して、重水素、ハロゲン、C1~6アルキル、C3~10シクロアルキル、又はC1~4アルコキシであり、各C1~6アルキル及びC3~10シクロアルキルは、任意選択的に、1~3個のハロゲンで置換される。式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、各R3は、ハロゲンである。式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、各R3は、-Fである。
【0127】
式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、Y1は、独立して、水素、重水素、又は各々独立して、重水素、ハロゲン、シアノ、C2~3アルキニル、C1~4アルコキシ、及び-C(O)NH-(C1~4H3-9)から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3個の置換基で任意選択的に置換されたC1~6アルキルである。式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、Y1は、各々独立して、ハロゲン、シアノ、及びC1~4アルコキシから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3個の置換基で任意選択的に置換されたC1~4アルキルである。式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、Y1は、各々独立して、-F、-Cl、-CN、及び-O-CH3から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3個の置換基で任意選択的に置換されたメチルである。式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、Y1は、-CH3又は-CH2Fである。
【0128】
式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、Zは、C1~8アルキル、C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキル、C6~12アリール、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~12員ヘテロシクリル、又は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~12員ヘテロアリールであり、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールは、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、及びC3~6シクロアルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で各々任意選択的に置換され、C1~4アルキルは、任意選択的に、各々C1~4アルコキシ及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換される。式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、Zは、各々独立して、ハロゲン及びC1~4アルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換されたフェニルである。式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、Zは、各々独立して、-F及び-Clから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換されたフェニルである。式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、Zは、
【0129】
【化28】
である。式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、Zは、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員ヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、任意選択的に、独立して、ハロゲン及びC
1~4アルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換される。式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、Zは、各々独立して、-F、-Cl、-Br、及び-CH
3から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換されたピリジルである。式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、Zは、
【0130】
【0131】
式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、Y1は-CH3であり、Zは、
【0132】
【0133】
式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態では、Y1は-CH3であり、Zは、
【0134】
【0135】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、
【0136】
【0137】
【化33】
又はそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0138】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、
【0139】
【化34】
又はそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0140】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、
【0141】
【0142】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、
【0143】
【0144】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、
【0145】
【0146】
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、
【0147】
【0148】
医薬組成物及び投与様式
更に、本開示は、少なくとも、有効な成分としての、本開示の化合物、又はそのプロドラッグ化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を、薬学的に許容される担体と一緒に含む医薬組成物を提供する。
【0149】
本開示の医薬組成物は、プロドラッグ化合物又は他の酵素阻害剤のような有効な成分として1つ以上の他の化合物を更に含み得る。
【0150】
組成物は、経口投与、直腸内投与、局所投与、非経口投与(皮下投与、筋肉内投与、及び静脈内投与を含む)、眼内投与(眼科投与)、肺内投与(経鼻投与若しくは頬側吸入投与)又は経鼻投与に好適であるが、任意の所与の場合における最も好適な経路は、治療される状態の特性及び重症度並びに有効な成分の特性に依存する。組成物は単位剤形で便利に提示されてもよく、薬学の分野において周知の方法のうちのいずれかによって調製されてもよい。
【0151】
実際の使用において、本開示の化合物は、従来の薬学的配合技術に従って、医薬担体との均質混加物における有効な成分として組み合わせることができる。担体は、投与に望ましい調製物の形態、例えば、経口又は非経口(静脈内を含む)に応じて多種多様な形態をとり得る。経口剤形のための組成物を調製する際に、例えば、懸濁液、エリキシル剤、及び溶液などの経口液体調製物の場合、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、防腐剤、着色剤など、又は例えば、粉末、ハードカプセル及びソフトカプセル並びに錠剤などの経口固形調製物の場合、デンプン、糖、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などの担体など、通常の薬学的媒体のうちの任意のものが用いられてもよく、固形経口調製物は、液体調製物よりも好ましい。
【0152】
それらの投与の容易さのため、錠剤及びカプセルが、最も有利な経口単位剤形を表し、この場合、固形医薬担体が使用される。所望に応じて、錠剤は、標準的な水性又は非水性技術によってコーティングされ得る。このような組成物及び調製物は、少なくとも0.1パーセントの活性化合物を含有するべきである。これらの組成物中の活性化合物の割合は、当然ながら多様であり得、都合よくは、単位重量の約2パーセント~約60パーセントであり得る。このような治療的に有用な組成物中の活性化合物の量は、有効投与量が得られるような量である。活性化合物はまた、例えば、液滴又は噴霧として鼻腔内投与され得る。
【0153】
錠剤、丸剤、カプセルなどはまた、ガムトラガカン、アカシア、トウモロコシデンプン、又はゼラチンなどの結合剤、リン酸二カルシウムなどの賦形剤、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、及びスクロース、ラクトース、又はサッカリンなどの甘味剤を含有してもよい。単位剤形がカプセルである場合、上記の種類の材料に加えて、脂肪油などの液体担体を含有してもよい。
【0154】
様々な他の材料が、コーティングとして、又は単位剤形の物理的形状を改善するように存在してもよい。例えば、錠剤は、シェラック、糖、又はその両方でコーティングされてもよい。シロップ又はエリキシル剤は、有効な成分に加えて、甘味剤としてのスクロース、保存剤としてのメチルパラベン及びプロピルパラベン、染料、及びチェリー又はオレンジ風味などの香味剤を含有してもよい。
【0155】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物はまた、様々な対カチオンを有する塩として使用されて、経口的に利用可能な配合物を得ることができる。
【0156】
本開示の化合物はまた、非経口投与され得る。これらの活性化合物の溶液又は懸濁液は、ヒドロキシ-プロピルセルロースなどの界面活性剤と好適に混合された水中で調製することができる。分散液は、油中のグリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びこれらの混合物中で調製され得る。保管及び使用の通常の条件下では、これらの調製物は、微生物の増殖を防ぐための防腐剤を含有する。
【0157】
注射で使用するために好適な医薬形態には、滅菌水溶液又は分散液、及び滅菌注射用溶液又は分散液の即時調製のための滅菌粉末が含まれる。全ての場合において、形態は無菌でなければならず、注射器に入れやすい程度まで流体でなければならない。形態は、製造及び保管の条件下で安定でなければならず、細菌及び真菌などの微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール)、これらの好適な混合物、及び植物油を含有する溶媒又は分散媒であり得る。
【0158】
投与の任意の好適な経路は、有効用量の本開示の化合物を哺乳動物、特にヒトに提供するために用いられ得る。例えば、経口、直腸内、局所、非経口、眼内、肺内、鼻内などを用いることができる。剤形には、錠剤、トローチ、分散液、懸濁液、溶液、カプセル、クリーム、軟膏、エアロゾルなどが含まれる。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は経口投与される。
【0159】
キット
本開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、若しくは重水素化類似体と、適切な包装と、を含むキットもまた本明細書で提供される。一実施形態では、キットは、使用説明書を更に含む。一態様では、キットは、本開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、若しくは重水素化類似体と、本明細書で説明される疾患又は状態を含む適応症の治療における当該化合物の使用のためのラベル及び/又は説明書と、を含む。
【0160】
本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、若しくは重水素化類似体を好適な容器内に含む製造物品もまた本明細書で提供される。容器は、バイアル、広口瓶、アンプル、充填済み注射器、及び点滴用バッグであり得る。
【0161】
治療方法及び使用
本開示は更に、本明細書に開示される化合物の使用であって、当該化合物によるLPAR1の結合を通じた疾患及び/又は状態の治療及び/又は予防のための使用に関する。更に、本開示は、当該化合物によるLPAR1の結合を通じた疾患及び/又は状態の治療及び/又は予防のための医薬品の調製のための、当該化合物の使用に関する。
【0162】
本明細書で言及される医薬品は、本開示による化合物と薬学的に許容される担体との組み合わせを含む従来のプロセスによって調製され得る。
【0163】
いくつかの実施形態では、LPAR1媒介性の疾患又は状態の治療及び/又は予防を必要とする患者においてそれを行う方法であって、治療有効量の式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、あるいは式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物を患者に投与することを含む、方法が、本明細書で提供される。
【0164】
いくつかの実施形態では、LPAR1媒介性の疾患又は状態は、LP Aの絶対又は相対過剰が存在し、かつ/又は観察されるものを含む。
【0165】
いくつかの実施形態では、LPAR1媒介性の疾患又は状態は、線維症、創傷治癒、がん、疼痛、呼吸器障害、アレルギー障害、神経系障害、心血管障害、又は炎症性障害を含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、LPAR1媒介性の疾患又は状態は、線維症を含む。いくつかの実施形態では、線維症は、肺線維症、腎線維症、肝線維症、眼線維症、又は心線維症を含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、LPAR1媒介性の疾患又は状態は、肺線維症を含む。いくつかの実施形態では、肺線維症は、特発性肺線維症(IPF)を含む。いくつかの実施形態では、肺線維症は、進行性線維化間質性肺疾患(Progressive Fibrotic interstitial lung disease、PF-ILD)を含む。いくつかの実施形態では、肺線維症は、関節リウマチ、強皮症、狼瘡、原因不明性線維化性肺胞炎、放射線誘発性線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、強皮症、慢性喘息、珪肺症、アスベスト誘発性肺若しくは胸膜線維症、急性肺損傷及び急性呼吸窮迫(細菌性肺炎誘発性、外傷誘発性、ウイルス性肺炎誘発性、人工呼吸器誘発性、非肺敗血症誘発性、及び吸引誘発性を含む)などの全身性炎症性疾患に対して続発性の肺線維症を含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、LPAR1媒介性の疾患又は状態は、腎線維症を含む。いくつかの実施形態では、腎線維症は、損傷/イブローシス(ibrosis)に関連する慢性腎症(腎臓線維症)、例えば、狼瘡及び強皮症、糖尿病、糸球体腎炎、巣状分節性糸球体硬化症、IgA腎症、高血圧症、同種移植片、及びAlportなどの、全身性炎症性疾患に対して続発性の糸球体腎炎;腸線維症、例えば、強皮症、及び放射線誘発性腸線維症を含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、LPAR1媒介性の疾患又は状態は、肝臓線維症を含む。いくつかの実施形態では、肝臓線維症は、肝硬変、アルコール誘発性肝臓線維症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、胆管損傷、原発性胆汁性硬変、感染症、又はウイルス誘発性肝臓線維症(例えば、慢性HCV感染症)、及び自己免疫性肝炎を含む。
【0170】
いくつかの実施形態では、LPAR1媒介性の疾患又は状態は、例えば、放射線誘発性の頭頸部線維症を含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、LPAR1媒介性疾患又は状態は、例えば、LASIK(レーザー支援インサイツ角膜屈折矯正術)、角膜移植、又は線維柱帯切除術を含む。いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、LASIK又は白内障手術などの角膜手術によって引き起こされた角膜感受性(corneal sensitivity)減少、角膜変性によって引き起こされた角膜感受性減少、及びそれらによって引き起こされたドライアイ症状を改善するために使用される。いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、眼炎症及びアレルギー性結膜炎、春季結膜炎、及び乳頭結膜炎の治療又は予防において使用される。いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、シェーグレン疾患又はドライアイを伴う炎症性疾患の治療又は予防において使用される。
【0172】
いくつかの実施形態では、LPAR1媒介性の疾患又は状態は、例えば、熱傷又は外科手術の肥厚性瘢痕及びケロイド、サルコイドーシス、強皮症、脊髄損傷/線維症、骨髄線維症、血管再狭窄、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、ウェゲナー肉芽腫症、混合性結合組織疾患、及びペイロニー病などの別の線維性状態を含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、LPAR1媒介性疾患又は状態は、疼痛を含む。いくつかの実施形態では、疼痛は、神経因性疼痛を含む。いくつかの実施形態では、疼痛は、急性疼痛を含む。いくつかの実施形態では、疼痛は、慢性疼痛を含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、LPAR1媒介性の疾患又は状態は、がんを含む。いくつかの実施形態では、がんは、卵巣がん、結腸がん、前立腺がん、乳がん、黒色腫、頭頸部がん、腸がん(結腸直腸がん)、及び甲状腺がんを含む。いくつかの実施形態では、がんは、(転移の有無に関わらない疾患の任意の段階での膀胱、腸、脳、乳房、子宮内膜、心臓、腎臓、肺、リンパ組織(リンパ腫)、卵巣、膵臓、若しくは他の内分泌器官(甲状腺)、前立腺、皮膚(黒色腫又は基礎細胞がん)などのなどの固形腫瘍又は血液腫瘍(白血病など)を含む。いくつかの実施形態では、がんは、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質がん、肛門がん、虫垂がん、星細胞腫、非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、基底細胞がん、胆管がん、膀胱がん、骨がん(骨肉腫及び悪性線維性組織球腫)、脳幹グリオーマ、脳腫瘍、脳及び脊髄腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、子宮頸がん、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸がん、結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、胎児性腫瘍、子宮内膜がん、上衣芽細胞腫、上衣腫、食道がん、ユーイング肉腫ファミリーの腫瘍、眼がん、網膜芽細胞腫、胆嚢がん、胃(胃)がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、消化管間質細胞腫瘍、胚細胞腫瘍、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部がん、肝細胞(肝臓)がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼内黒色腫、膵島細胞腫瘍(内分泌膵臓)、カポジ肉腫、腎臓がん、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭がん、白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、毛髪)細胞白血病、肝臓がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、バーキットリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、中皮腫、口腔がん、慢性骨髄性白血病、骨髄性白血病、多発性骨髄腫、上咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口腔がん、中咽頭がん、骨肉腫、悪性骨線維性組織球腫、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓がん、乳頭腫症、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、中分化型松果体実質腫瘍、松果体芽腫及びテント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺がん、直腸がん、腎細胞(腎臓)がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、ユーイング肉腫ファミリーの腫瘍、肉腫、カポジ、セザリー症候群、皮膚がん、小細胞肺がん、小腸がん、軟部肉腫、扁平上皮がん、胃(胃)がん、テント上原始、神経外胚葉性腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣がん、咽喉がん、胸腺腫及び胸腺がん、甲状腺がん、尿道がん、子宮がん、子宮肉腫、膣がん、外陰がん、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、並びにウィルムス腫瘍を含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、LPAR1媒介性の疾患又は状態は、呼吸器又はアレルギー障害を含む。いくつかの実施形態では、呼吸器又はアレルギー障害は、喘息、細気管支周囲線維症、閉塞性細気管支炎、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含む。いくつかの実施形態では、COPDは、慢性気管支炎又は肺気腫、肺高血圧症、間質性肺線維症及び/又は気道炎症、並びに嚢胞性線維症を含む。いくつかの実施形態では、呼吸器疾患は、成人呼吸窮迫症候群及びアレルギー(外因性)喘息、非アレルギー(内因性)喘息、急性重症喘息、慢性喘息、臨床喘息、夜間喘息、アレルゲン誘発性喘息、アスピリン感受性喘息、運動誘発性喘息、等炭酸ガス血性過換気、小児発症喘息、成人発症喘息、咳喘息、職業性喘息、ステロイド抵抗性喘息、季節性喘息、季節性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、及び低酸素症を含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、LPAR1媒介性の疾患又は状態は、神経系障害を含む。いくつかの実施形態において、神経系障害は、アルツハイマー病、脳浮腫、脳虚血、脳卒中、多発性硬化症、神経障害、パーキンソン病、鈍麻又は外科的外傷後に見つかった神経状態(術後認知機能障害及び脊髄又は脳幹損傷を含む)、同様に変性椎間板疾患及び坐骨神経痛などの障害の神経学的態様を含む。
【0177】
いくつかの実施形態では、LPAR1媒介性疾患又は状態は、心血管障害を含む。いくつかの実施形態では、心血管障害は、不整脈(心房若しくは心室又は両方);アテローム性動脈硬化症及びその後遺症;狭心症;心拍機能不全;心筋虚血;心筋梗塞;心又は血管動脈瘤;血管炎;脳卒中;肢、器官、又は組織の末梢閉塞性動脈症;脳、心臓、又は他の器官若しくは組織の虚血後の再灌流損傷;内毒素、外科的、又は外傷性ショック;高血圧症;心臓弁膜症;心不全;異常血圧;ショック;血管収縮(片頭痛に関連するものを含む);血管異常、及び単一器官又は組織に限定される心血管不全を含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、LPAR1媒介性の疾患又は状態は、肺線維症、腎臓線維症、肝臓線維症、瘢痕、喘息、鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺高血圧症、間質性肺線維症、関節炎、アレルギー、乾癬、炎症性腸疾患、成人呼吸窮迫症候群、心筋梗塞、動脈瘤、脳卒中、がん、疼痛、増殖性障害及び炎症状態を含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、LPAR1媒介性の疾患又は状態は、代謝障害又は肝臓疾患である。いくつかの実施形態では、肝臓疾患は、C型肝炎、肝臓がん、家族性複合型高脂血症、非アルコール性脂肪性肝臓疾患(NAFLD)、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症、原発性胆汁性硬変(PBC)、又は原発性硬化性胆管炎(PSC)である。いくつかの実施形態では、肝臓疾患は、PSCである。いくつかの実施形態では、肝臓疾患は、門脈圧亢進を含む。いくつかの実施形態では、肝臓がんは、肝細胞がん(hepatocellular carcinoma、HCC)、胆管がん、脈管肉腫、又は血管肉腫を含む。いくつかの実施形態では、肝臓がんは、HCCを含む。いくつかの実施形態では、NAFLDは、脂肪症を含む。いくつかの実施形態では、NAFLDは、NASHを含む。いくつかの実施形態では、NAFLD又はNASHは、肝臓線維症を含む。いくつかの実施形態では、NAFLD又はNASHは、肝硬変を含む。いくつかの実施形態では、NAFLD又はNASHは、代償性肝硬変を含む。いくつかの実施形態では、NAFLD又はNASHは、非代償性肝臓線維症を含む。いくつかの実施形態では、NAFLDは、HCCを含む。いくつかの実施形態では、肝臓疾患は、NASHである。
【0180】
いくつかの実施形態では、NAFLD又はNASHの治療及び/又は予防を必要とする患者においてそれを行う方法であって、治療有効量の式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、あるいは(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物を患者に投与することを含む、方法が、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、NAFLD又はNASHは、肝臓線維症を含む。いくつかの実施形態では、NAFLD又はNASHは、肝硬変を含む。いくつかの実施形態では、肝硬変は、代償性肝硬変である。いくつかの実施形態では、肝硬変は、非代償性肝硬変である。いくつかの実施形態では、NAFLD又はNASHは、HCCを含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、肝臓疾患又は状態の予防を必要とする患者においてそれを行う方法であって、治療有効量の式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、あるいは(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物を患者に投与することを含む、方法が、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、肝臓の疾患又は状態は、肝臓線維症である。いくつかの実施形態では、肝臓疾患又は状態は、肝硬変である。いくつかの実施形態では、肝硬変は、代償性肝硬変である。いくつかの実施形態では、肝硬変は、非代償性肝硬変である。いくつかの実施形態では、肝臓疾患又は状態は、HCCである。
【0182】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に開示されるLPAR1媒介性の疾患又は状態の予防及び/又は治療のための医薬品の調製における、式(I)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、又は(IVa)~(IVj)による化合物の使用に関する。
【0183】
投与量
使用される有効な成分の有効投与量は、使用される特定の化合物、投与の様式、治療される状態、及び治療される状態の重症度に応じて変化し得る。このような投与量は、当業者によって容易に確認され得る。
【0184】
本開示の化合物が必要となるLPAR1媒介性の疾患又は状態を治療又は予防するとき、本開示の化合物が、動物体重1キログラム当たり約0.1ミリグラム~約300ミリグラムの1日投与量で投与される場合に、概ね満足のいく結果が得られる。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、単回の1日用量若しくは1日2~6回の分割用量として、又は持続放出形態で与えられる。ほとんどの大型哺乳動物について、総1日投与量は、約1ミリグラム~約1000ミリグラム、又は約1ミリグラム~約50ミリグラムである。70kgの成人ヒトの場合、総1日用量は、概して約0.1ミリグラム~約200ミリグラムとなる。この投与量レジメンは、最適な治療応答を提供するように調整され得る。いくつかの実施形態では、総1日投与量は、約1ミリグラム~約900ミリグラム、約1ミリグラム~約800ミリグラム、約1ミリグラム~約700ミリグラム、約1ミリグラム~約600ミリグラム、約1ミリグラム~約400ミリグラム、約1ミリグラム~約300ミリグラム、約1ミリグラム~約200ミリグラム、約1ミリグラム~約100ミリグラム、約1ミリグラム~約50ミリグラム、約1ミリグラム~約20ミリグラム、又は約1ミリグラム~約10ミリグラムである。
【0185】
本出願の化合物又はその組成物は、上述した任意の好適な様式を使用して、1日1回、2回、3回、又は4回投与されてもよい。また、化合物による投与又は治療は、数日間継続されてもよく、例えば、通常、治療は、1つの治療サイクルについて、少なくとも7日間、14日間、又は28日間継続するであろう。治療サイクルは、サイクル間で約1~28日間、通常約7日間又は約14日間の休止期間と周期的に交替する。治療サイクルはまた、他の実施形態では、連続的であってもよい。
【0186】
いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載の化合物の約1~800mgの初回1日用量を対象に投与することと、臨床的有効性が達成されるまで増分だけ用量を増加させることと、を含む。約5、10、25、50、又は100mgの増分を使用して、用量を増加させることができる。投与量は、毎日、隔日、週2回、又は週1回増加させることができる。
【0187】
組み合わせ
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、本明細書に開示される疾患又は状態を治療又は予防するために1つ以上の追加の治療剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療剤は、1、2、3、又は4つの追加の治療剤である。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療剤は、1つの追加の治療剤である。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療剤は、2つの追加の治療剤である。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療剤は、3つの追加の治療剤である。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療剤は、4つの追加の治療剤である。
【0188】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、本明細書で提供される式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩と、1つ以上の追加の治療剤と、を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療剤は、1、2、3、又は4つの追加の治療剤である。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療剤は、1つの追加の治療剤である。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療剤は、2つの追加の治療剤である。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療剤は、3つの追加の治療剤である。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療剤は、4つの追加の治療剤である。
【0189】
いくつかの実施形態では、1種類以上の追加の治療剤は、アンジオテンシン変換酵素(angiotensin converting enzyme、ACE)阻害剤、アデノシンA3受容体アゴニスト、アディポネクチン受容体アゴニスト、AKTプロテインキナーゼ阻害剤、AMPキナーゼ活性化剤、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMP-activated protein kinase、AMPK)活性化剤、アミリン受容体アゴニスト、アンジオテンシンII AT-1受容体アンタゴニスト、アンドロゲン受容体アゴニスト、アポトーシスシグナル調節キナーゼ1(ASK1)阻害剤、ATPクエン酸リアーゼ阻害剤、アポリポタンパク質C3(Apolipoprotein C3、APOC3)アンタゴニスト、オートファジータンパク質モジュレーター、オートタキシン阻害剤、Axlチロシンキナーゼ受容体阻害剤、Baxタンパク質刺激剤、生物活性脂質、カルシトニンアゴニスト、カンナビノイド受容体モジュレーター、カスパーゼ阻害剤、カスパーゼ-3刺激剤、カテプシン阻害剤(例えば、カテプシンB阻害剤)、カベオリン1阻害剤、CCR2ケモカインアンタゴニスト、CCR3ケモカインアンタゴニスト、CCR5ケモカインアンタゴニスト、CD3アンタゴニスト、クロライドチャネル刺激剤、コレステロール可溶化剤、CNR1阻害剤、サイクリンD1阻害剤、シトクロムP450 7A1阻害剤、シトクロムP450 2E1(Cytochrome P450 2E1、CYP2E1)阻害剤、ジアシルグリセロールOアシルトランスフェラーゼ1阻害剤(Diacylglycerol O acyltransferase 1、DGAT1)阻害剤、ジアシルグリセロールOアシルトランスフェラーゼ1阻害剤(DGAT2)阻害剤、CXCR4ケモカインアンタゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、エンドシアリン(Endosialin)モジュレーター、内皮型一酸化窒素シンターゼ刺激剤、エオタキシンリガンド阻害剤、細胞外マトリックスタンパク質モジュレーター、ファルネソイドX受容体アゴニスト、脂肪酸シンターゼ阻害剤、FGF1受容体アゴニスト、線維芽細胞活性化タンパク質(Fibroblast activation protein、FAP)阻害剤、線維芽細胞増殖因子受容体リガンド(例えば、FGF-15、FGF-19、FGF-21)、魚油、ガレクチン-3阻害剤、グルカゴン受容体アゴニスト、グルカゴン様ペプチド1受容体アゴニスト、グルココルチコイド受容体アンタゴニスト、グルコース6-リン酸1-デヒドロゲナーゼ阻害剤、グルタミナーゼ阻害剤、グルタチオン前駆体、Gタンパク質共役型胆汁酸受容体1アゴニスト、Gタンパク質共役型受容体84アンタゴニスト、ヘッジホッグ(Hedgehog、Hh)モジュレーター、C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤、肝細胞核因子4アルファモジュレーター(Hepatocyte nuclear factor 4 alpha modulator、HNF4A)、肝細胞増殖因子モジュレーター、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、HMG CoAレダクターゼ阻害剤、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(11β-Hydroxysteroid dehydrogenase、11β-HSD1)阻害剤、低酸素誘導因子-2アルファ阻害剤、IL-1βアンタゴニスト、IL-6受容体アゴニスト、IL-10アゴニスト、IL-11アンタゴニスト、IL-17アンタゴニスト、回腸ナトリウム-胆汁酸共輸送体阻害剤、インスリン増感剤、インスリンリガンドアゴニスト、インスリン受容体アゴニスト、インテグリンモジュレーター、インテグリンアンタゴニストインターオイキン-1受容体関連キナーゼ4(Integrin antagonist intereukin-1 receptor-associated kinase 4、IRAK4)阻害剤、Jak2チロシンキナーゼ阻害剤、ケトヘキソキナーゼ(Ketohexokinase、KHK)阻害剤、Klothoベータ刺激剤、レプチン、レプチン類似体、5-リポキシゲナーゼ阻害剤、リポタンパク質リパーゼ阻害剤、肝臓X受容体、LPL遺伝子刺激剤、リゾホスファチジン酸-1受容体(Lysophosphatidate-1 receptor、LPAR-1)アンタゴニスト、リシルオキシダーゼホモログ2(Lysyl oxidase homolog 2、LOXL2)阻害剤、LXRインバースアゴニスト、マクロファージマンノース受容体1モジュレーター、マトリックスメタロプロテイナーゼ(Matrix metalloproteinase、MMP)阻害剤、MCH受容体-1アンタゴニスト、MEKK-5プロテインキナーゼ阻害剤、膜銅アミンオキシダーゼ(VAP-1)阻害剤、メチオニンアミノペプチダーゼ-2阻害剤、メチルCpG結合タンパク質2モジュレーター、MicroRNA-132(miR-132)アンタゴニスト、MicroRNA-21(miR-21)阻害剤、ミトコンドリア脱共役剤、混合系統キナーゼ-3阻害剤、ミエリン塩基性タンパク質刺激剤、NACHT LRR PYDドメインタンパク質3(NACHT LRR PYD domain protein 3、NLRP3)阻害剤、NAD依存性デアセチラーゼサーチュイン-1刺激剤、NADPHオキシダーゼ阻害剤(NADPH oxidase、NOX)、ニコチン酸受容体1アゴニスト、P2X7プリン受容体モジュレーター、P2Y13プリン受容体刺激剤、PDE 3阻害剤、PDE 4阻害剤、PDE 5阻害剤、PDGF受容体ベータモジュレーター、ペプチジル-プロリルシス-トランスイソメラーゼA阻害剤、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ刺激剤、ホスホリパーゼC阻害剤、PPARアルファアゴニスト、PPARガンマアゴニスト、PPARデルタアゴニスト、PPARガンマモジュレーター、PPARアルファ/デルタアゴニスト、PPARアルファ/ガンマ/デルタアゴニスト、プロテアーゼ活性化受容体2アンタゴニスト、プロテインキナーゼモジュレーター、Rho関連タンパク質キナーゼ2(Rho associated protein kinase 2、ROCK2)阻害剤、Sニトロソグルタチオンレダクターゼ(Snitrosoglutathione reductase、GSNOR)酵素阻害剤、ナトリウムグルコース輸送体-2(Sodium glucose transporter-2、SGLT2)阻害剤、SREBP転写因子阻害剤、STAT-1阻害剤、STAT-3モジュレーター、ステアロイルCoAデサチュラーゼ-1阻害剤、Sニトロソグルタチオンレダクターゼ(GSNOR)酵素阻害剤、サイトカインシグナリング-1刺激剤のサプレッサー、サイトカインシグナリング-3刺激剤のサプレッサー、脾臓チロシンキナーゼ(Spleen tyorosine kinase、SYK)阻害剤、形質転換増殖因子β(Transforming growth factor β、TGF-β)、TGF-βアンタゴニスト(例えば、TGF-β1アンタゴニスト、TGF-β2アンタゴニスト、TGF-β3アンタゴニスト、潜在型TGF-β複合体モジュレーター)、TGF-β受容体アンタゴニスト、形質転換増殖因子β活性化キナーゼ1(ransforming growth factor β activated Kinase 1、TAK1)、甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニスト、Toll様受容体(Toll-like receptor、TLR)-4アンタゴニスト、トランスグルタミナーゼ阻害剤、腫瘍壊死因子アルファ(Tumor necrosis factor α、TNFα)リガンド阻害剤、腫瘍進行遺伝子座2(Tumor Progression Locus 2、Tpl2)キナーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ受容体モジュレーター、GPCRモジュレーター、核ホルモン受容体モジュレーター、WNTモジュレーター、YAP/TAZモジュレーター、及びゾヌリン阻害剤から選択される。
【0190】
1つ以上の追加の治療剤の非限定的な例には、以下が含まれる。
エナラプリルなどのACE阻害剤;
NDI-010976(フィルソコスタット)、DRM-01、ゲムカベン、PF-05175157、QLT-091382又はPF-05221304などのアセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤;
PF-07055341などのアセチルCoAカルボキシラーゼ/ジアシルグリセロールOアシルトランスフェラーゼ2阻害剤;
ADX-629などのアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤;
CF-102(ナモデノソン)、CF-101、CF-502、又はCGS21680などのアデノシン受容体アゴニスト;
ADP-355又はADP-399などのアディポネクチン受容体アゴニスト;
KBP-042又はKBP-089などのアミリン/カルシトニン受容体アゴニスト;
PXL-770又はO-304などのAMP活性化プロテインキナーゼ刺激剤;
ベムペド酸(ETC-1002、ESP-55016)などのAMPキナーゼ活性化剤/ATPクエン酸リアーゼ阻害剤;
NS-0200(ロイシン+メトホルミン+シルデナフィル)などのAMP活性化プロテインキナーゼ/内皮型一酸化窒素シンターゼ/NAD依存性デアセチラーゼサーチュイン-1刺激剤;
LPCN-1144などのアンドロゲン受容体アゴニスト;
イルベサルタンなどのアンジオテンシンII AT-1受容体アンタゴニスト;
IONIS-ANGPTL3-LRxなどのアンジオポエチン関連タンパク質-3阻害剤;
PAT-505、PAT-048、GLPG-1690、X-165、PF-8380、AM-063、又はBBT-877などのオートタキシン阻害剤;
ベムセンチニブ(BGB-324、R-428)などのAxlチロシンキナーゼ受容体阻害剤;
CBL-514などのBaxタンパク質刺激剤;
DS-102などの生物活性脂質;
ナマシズマブ、GWP-42004、REV-200、又はCRB-4001などの1型カンナビノイド受容体(CNR1)阻害剤;
エムリカサンなどの、カスパーゼ阻害剤;
VBY-376などの全カテプシンB阻害剤;
VBY-825などの全カテプシン阻害剤;
セニクリビロック(cenicriviroc)、マラビロック(maraviroc)、CCX-872、又はWXSH-0213などのCCR2/CCR5ケモカインアンタゴニスト;
プロパゲルマニウムなどのCCR2ケモカインアンタゴニスト;
DMX-200、又はDMX-250などのCCR2ケモカイン/アンジオテンシンII AT-1受容体アンタゴニスト;
LJC-242(トロピフェクサー+セニビリビロック)などのCCR2/CCR5ケモカインアンタゴニスト及びFXRアゴニスト;ベルチリムマブなどのCCR3ケモカインアンタゴニスト;
コビプロストン又はルビプロストンなどのクロライドチャネル刺激剤;
NI-0401(フォラルマブ)などのCD3アンタゴニスト;
AD-214などのCXCR4ケモカインアンタゴニスト;
GSK-3008356などのジグリセリドアシルトランスフェラーゼ1(DGAT1)阻害剤;
SNP-610などの、ジアシルグリセロールOアシルトランスフェラーゼ1(DGAT1)/シトクロムP450 2E1阻害剤(Cytochrome P450 2E1 inhibitors、CYP2E1);
IONIS-DGAT2Rx、又はPF-06865571などのジグリセリドアシルトランスフェラーゼ2(DGAT2)阻害剤;
リナグリプチン又はエボグリプチンなどのジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤;
ベルチリムマブ又はCM-101などのエオタキシンリガンド阻害剤;
CNX-024などの細胞外マトリックスタンパク質モジュレーター;
AGN-242266、AGN-242256、EP-024297、RDX-023、BWL-200、AKN-083、EDP-305、GNF-5120、GS-9674、LMB-763、オベチコール酸、Px-102、Px-103、M790、M780、M450、M-480、MET-409、PX20606、EYP-001、TERN-101、TC-100、INT-2228などのファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト;
INT-767などのファルネソイドX受容体(FXR)/Gタンパク質共役型胆汁酸受容体1(TGR5)アゴニスト;
TVB-2640などの脂肪酸シンターゼ阻害剤;
BFKB-8488A(RG-7992)などのFGF受容体アゴニスト/Klothoベータ刺激剤;
NGM-282などの線維芽細胞増殖因子19(rhFGF19)/シトクロムP450(CYP)7A1阻害剤;
BMS-986171、BIO89-100、B-1344、又はBMS-986036などの線維芽細胞増殖因子21(FGF-21)リガンド;
YH-25723(YH-25724、YH-22241)又はAKR-001などの線維芽細胞増殖因子21(FGF-21)/グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)アゴニスト;
イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))などの魚油組成物;
GR-MD-02、GB-1107(Gal-300)、又はGB1211(Gal-400)などのガレクチン-3阻害剤;
AC-3174、リラグルチド、コタデュチド(MEDI-0382)、エキセナチド、SAR-425899、LY-3305677、HM-15211、YH-25723、YH-GLP1、RPC-8844、PB-718、又はセマグルチドなどのグルカゴン様ペプチド1受容体(GLP1R)アゴニスト;
CORT-118335(ミリコリラント)などのグルココルチコイド受容体アンタゴニスト;
ST001などのグルコース6-リン酸1-デヒドロゲナーゼ阻害剤;
RDX-009又はINT-777などのGタンパク質共役型胆汁酸受容体1(TGR5)アゴニスト;
ND-L02-s0201などの熱ショックタンパク質47(HSP47)阻害剤;
アトルバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、又はシンバスタチンなどのHMG CoAレダクターゼ阻害剤;
PT-2567などの低酸素誘導性因子-2アルファ阻害剤;
peg-イロデカキンなどのIL-10アゴニスト;
オデビキシバット(A-4250)、ボリキシバットカリウムエタノール付加物水和物(SHP-262)、GSK2330672、CJ-14199、又はエロビキシバット(A-3309)などの回腸ナトリウム-胆汁酸共輸送体阻害剤;
KBP-042、MSDC-0602K、MSDC-5514、Px-102、RG-125(AZD4076)、VVP-100X、CB-4211、又はETI-101などのインスリン増感剤;
ORMD-0801などのインスリンリガンド/dsインスリン受容体アゴニスト;
IDL-2965などのインテグリンアンタゴニスト;
KM-2702などのIL-6受容体アゴニスト;
PF-06835919などのケトヘキソキナーゼ(KHK)阻害剤;
MK-3655(NGM-313)などのベータKlotho(KLB)-FGF1cアゴニスト;
チペルカスト(MN-001)、DS-102(AF-102)などの5-リポキシゲナーゼ阻害剤;
CAT-2003などのリポタンパク質リパーゼ阻害剤;
アリポジーンティパルボベクなどのLPL遺伝子刺激剤;
PX-L603、PX-L493、BMS-852927、T-0901317、GW-3965、又はSR-9238などの肝臓X受容体(LXR)モジュレーター;
BMT-053011、UD-009(CP-2090)、AR-479、ITMN-10534、BMS-986020、又はKI-16198などのリゾホスファチジル酸-1受容体アンタゴニスト;
シムツズマブ又はPXS-5382A(PXS-5338)などのリシルオキシダーゼホモログ2阻害剤;
チルマノセプト-Cy3(テクネチウムTc 99mチルマノセプト)などのマクロファージマンノース受容体1モジュレーター;
TERN-201などの膜銅アミンオキシダーゼ(VAP-1)阻害剤;
GS-4997、SRT-015、又はGS-444217、GST-HG-151などのMEKK-5プロテインキナーゼ(ASK-1)阻害剤;
CSTI-100(ALB-127158)などのMCH受容体-1アンタゴニスト;
ZGN-839、ZGN-839、又はZN-1345などのメチオニンアミノペプチダーゼ-2阻害剤;
メルカプタミンなどのメチルCpG結合タンパク質2モジュレーター;
2,4-ジニトロフェノール又はHU6などのミトコンドリア脱共役剤;
URMC-099-Cなどの混合系統キナーゼ-3阻害剤;
オレソキシムなどのミエリン塩基性タンパク質刺激剤;
GKT-831又はAPX-311などのNADPHオキシダーゼ1/4阻害剤;
ARI-3037MOなどのニコチン酸受容体1アゴニスト;
ニタゾキシニド(Nitazoxinide);
KDDF-201406-03、NBC-6、IFM-514、又はJT-194(JT-349)などのNACHT LRR PYDドメインタンパク質3(NLRP3)阻害剤;
DUR-928(DV-928)などの核受容体モジュレーター;
SGM-1019などのP2X7プリン受容体モジュレーター;
CER-209などのP2Y13プリン受容体刺激剤;
チペルカスト(MN-001)などのPDE 3/4阻害剤;
シルデナフィル又はMSTM-102などのPDE 5阻害剤;
BOT-191又はBOT-509などのPDGF受容体βモジュレーター;
CRV-431(CPI-432-32)、NVP-018、又はNV-556(NVP-025)などのペプチジル-プロリルシス-トランスイソメラーゼ阻害剤;
HepaStemなどのフェニルアラニンヒドロキシラーゼ刺激剤;
エラフィブラノル(GFT-505)、MBX-8025、重水素化ピオグリタゾンR-エナンチオマー、ピオグリタゾン、DRX-065、サログリタザル、又はIVA-337などのPPARアゴニスト(PPARアルファアゴニスト、PPARアルファ/デルタアゴニスト、PPARアルファ/デルタ/ガンマアゴニスト、PPARデルタアゴニストを含む); クロフィブラートアルミニウム、ベザフィブラート、シプロフィブラート、コリンフェノフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、クロフィブリド、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、ペマフィブラート(pemafibrate)、ロニフィブラート、シムフィブラート(simfibrate)、オメガ-3脂肪酸(魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))、又はドコサヘキサエン酸)、ピリニクス酸、GW409544、AZ 242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザル、ムラグリトザル(muraglitzar)、又はサログリタザルなどのPPARアルファアゴニスト;
エラフィブラノルなどのPPARアルファ/デルタアゴニスト;
ラニフィブラノルなどのPPARアルファ/デルタ/ガンマアゴニスト;
セラデルパルなどのPPARデルタアゴニスト;
PZ-235などのプロテアーゼ活性化受容体-2アンタゴニスト;
CNX-014などのプロテインキナーゼモジュレーター;
REDX-10178(REDX-10325)又はKD-025などのRho関連プロテインキナーゼ(ROCK)阻害剤;
PXS-4728Aなどのセミカルボアジド感受性アミンオキシダーゼ/血管接着タンパク質-1(SSAO/VAP-1)阻害剤;
SL-891などのS-ニトロソグルタチオンレダクターゼ(GSNOR)酵素阻害剤;
イプラグリフロジン、レモグリフロジンエタボン酸エステル、エルツグリフロジン、ダパグリフロジン、トホグリフロジン、又はソタグリフロジンなどのナトリウム-グルコース輸送体-2(SGLT2)阻害剤;
CAT-2003又はMDV-4463などのSREBP転写因子阻害剤;
アラムコールなどのステアロイルCoAデサチュラーゼ-1阻害剤;
レスメトリオム(MGL-3196)、MGL-3745、又はVK-2809などの甲状腺ホルモン受容体(THR)ベータアゴニスト;
VB-201(CI-201)などのTLR-2/TLR-4アンタゴニスト;
JKB-121などのTLR-4アンタゴニスト;
CNX-025又はGFE-2137(転用ニタゾキサニド)などのチロシンキナーゼ受容体モジュレーター;
CNX-023などのGPCR調節剤;
Px-102などの核ホルモン受容体モジュレーター;
RLBN-1001、RLBN-1127などのキサンチンオキシダーゼ/尿酸アニオン交換体1(URAT1)阻害剤;並びに
ロラゾチド酢酸塩(INN-202)などのゾヌリン阻害剤が挙げられる。
【0191】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療剤は、A-4250、AC-3174、アセチルサリチル酸、AK-20、アリポジーンティパルボベク、AMX-342、AN-3015、アラムコール、ARI-3037MO、ASP-8232、AZD-2693、ベルチリムマブ、無水ベタイン、BI-1467335、BMS-986036、BMS-986171、BMT-053011、BOT-191、BTT-1023、CAT-2003、セニクリビロック、CBW-511、CER-209、CF-102、CGS21680、CNX-014、CNX-023、CNX-024、CNX-025、コビプロストン、コレセベラム、ダパグリフロジン、DCR-LIV1、重水素化ピオグリタゾンR-エナンチオマー、2,4-ジニトロフェノール、DRX-065、DS-102、DUR-928、EDP-305、エラフィブラノル(GFT-505)、エムリカサン、エナラプリル、エルツグリフロジン、エボグリプチン、F-351、フルアステロン(ST-002)、FT-4101、GKT-831、GNF-5120、GRI-0621、GR-MD-02、GS-300、GS-4997、GS-9674、HTD-1801、HST-202、HST-201、ヒドロクロロチアジド、イコサブテート(PRC-4016)、イコサペント酸エチルエステル、IMM-124-E、INT-767、INV-240、IONIS-DGAT2Rx、イプラグリフロジン、イルベサルタ、プロパゲルマニウム、IVA-337、JKB-121、KB-GE-001、KBP-042、KD-025、M790、M780、M450、メトホルミン、シルデナフィル、LC-280126、リナグリプチン、リラグルチド、LJN-452(トロピフェクサー)、LM-011、LM-002(CVI-LM-002)、LMB-763、LYN-100、MBX-8025、MDV-4463、メルカプタミン、MGL-3196、MGL-3745、MP-301、MSDC-0602K、ナマシズマブ、NC-101、NDI-010976、ND-L02-s0201(BMS-986263)、NGM-282、NGM-313、NGM-386、NGM-395、NP-160、ノルウルソデオキシコール酸、NVP-022、O-304、オベチコール酸(OCA)、25HC3S、オレソキシム、PAT-505、PAT-048、PB-4547、peg-イロデカキン、ピオグリタゾン、ピルフェニドン、PRI-724、PX20606、Px-102、PX-L603、PX-L493、PXS-4728A、PZ-235、RDX-009、レモグリフロジンエタボン酸エステル、RG-125(AZD4076)、RPI-500、サログリタザル、セマグルチド、シムツズマブ、ソリスロマイシン、ソタグリフロジン、スタチン(アトルバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン)、共生剤、TCM-606F、TEV-45478、TQA-3526、チペルカスト(MN-001)、TLY-012、TRX-318、TVB-2640、UD-009、ウルソデオキシコール酸、VBY-376、VBY-825、VK-2809、ビスモデギブ、ボリキシバットカリウムエタノール付加物水和物(SHP-626)、VVP-100X、WAV-301、WNT-974、XRx-117、ZGN-839、ZG-5216、ZSYM-008、ZYSM-007から選択される。
【0192】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法及び医薬組成物は、治療有効量のアポトーシスシグナル調節キナーゼ1(ASK1)阻害剤及び治療有効量のLPAR1アンタゴニストを含み、LPAR1アンタゴニストは、本明細書で提供される式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0193】
本明細書に開示される方法及び医薬組成物のいくつかの実施形態では、ASK1阻害剤は、GS-4997(セロンセルチブ、SEL)である。
【0194】
ASK1阻害剤は、米国特許出願公開第2007/0276050号、米国特許出願公開第2011/0009410号、及び米国特許出願公開第2013/0197037号に記載されるものなどの、当業者に既知の方法を使用して合成し、特定することができる。
【0195】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法及び医薬組成物は、治療有効量のアセチル-CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤及び治療有効量のLPAR1アンタゴニストを含み、LPAR1アンタゴニストは、本明細書で提供される式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0196】
本明細書に開示される方法及び医薬組成物のいくつかの実施形態では、ACC阻害剤は、GS-0976(フィルソコスタット、FIR)である。
【0197】
ACC阻害剤は、米国特許第9,453,026号及び米国特許第10,183,951号に記載されるものなどの、当業者に既知の方法を使用して合成し、特定することができる。
【0198】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法及び組成物は、治療有効量のPPARアゴニスト(例えば、PPARアルファアゴニスト、PPARアルファ/デルタアゴニスト、PPARアルファ/デルタ/ガンマアゴニスト、PPARデルタアゴニスト)又は魚油、治療有効量のGS-0976(フィルソコスタット、FIR)などのアセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、及び治療有効量のLPAR1アンタゴニストを含み、LPAR1アンタゴニストは、本明細書で提供される式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PPARアゴニストは、PPARアルファアゴニストである。いくつかの実施形態では、PPARアルファアゴニストは、クロフィブラートアルミニウム、ベザフィブラート、シプロフィブラート、コリンフェノフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、クロフィブリド、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、ペマフィブラート、ロニフィブラート、シムフィブラート、ピリニクス酸、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザル、ムラグリトザル、及びサログリタザルから選択される。いくつかの実施形態では、PPARアゴニスト(例えば、PPARアルファアゴニスト)は、フィブラートである。いくつかの実施形態では、PPARアゴニスト(例えば、PPARアルファアゴニスト)は、フェノフィブラートである。いくつかの実施形態では、PPARアゴニストは、PPARアルファ/デルタアゴニスト(例えば、エラフィブラノル)である。いくつかの実施形態では、PPARアゴニストは、PPARアルファ/デルタ/ガンマアゴニスト(例えば、ラニフィブラノル)である。いくつかの実施形態では、PPARアゴニストは、PPARデルタアゴニスト(例えば、セラデルパル)である。いくつかの実施形態では、魚油は、オメガ-3脂肪酸又はドコサヘキサエン酸である。いくつかの実施形態では、魚油は、イコサペント酸エチル(例えば、Vascepa(登録商標))である。
【0199】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法及び組成物は、治療有効量のファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト及び治療有効量のアセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤を含み、ACC阻害剤は、本明細書に提供される式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0200】
本明細書に開示される方法及び医薬組成物のいくつかの実施形態では、FXRアゴニストは、GS-9674(シロフェクサー(cilofexor)、CILO)である。
【0201】
本明細書に開示される方法及び医薬組成物のいくつかの実施形態では、FXRアゴニストは、以下の構造を有する化合物、
【0202】
【0203】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法及び組成物は、治療有効量のGLP-1受容体アゴニスト及び治療有効量のLPAR1アンタゴニストを含み、LPAR1アンタゴニストは、本明細書に提供される式(I)、(Ia)、(II)、若しくは(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、GLP-1受容体アゴニストは、リラグルチド又はセマグルチドである。いくつかの実施形態では、GLP-1受容体アゴニストは、セマグルチドである。
【0204】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法及び組成物は、治療有効量のTGFβアンタゴニスト及び治療有効量のLPAR1アンタゴニストを含み、LPAR1アンタゴニストは、本明細書に提供される式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIIa)~(IIIg)、若しくは(IVa)~(IVj)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、TGFβアンタゴニストは、TGFβ1特異的抗体である。TGFβ1特異的抗体は、PCT国際公開第2018/129329号及び米国特許第9,518,112号に記載されるものなどの当業者に既知の方法を使用して調製及び特定されることができる。いくつかの実施形態では、TGFβアンタゴニストは、TGFβ潜在型関連ペプチド(latency-associated peptide、LAP)、例えば、TGFβ1-LAPに結合する。TGFβ1-LAP特異的抗体は、米国特許第8,198,412号又は米国特許第10,017,567号に記載のものなどの、当業者に既知の方法を使用して調製及び特定されることができる。いくつかの実施形態では、TGFβアンタゴニストは、状況から独立した様式(例えば、特定の組織又は器官におけるTGFβの提示とは独立した)で、TGFβ(例えば、TGFβ1)に結合する。いくつかの実施形態では、TGFβアンタゴニストは、状況依存的様式でTGFβ(例えば、TGFβ1)に結合する。いくつかの実施形態では、TGFβアンタゴニストは、細胞外マトリックス、例えば、肝臓の結合組織に局在する潜在型TGFβ(例えば、潜在型TGFβ1)の活性化を遮断する。いくつかの実施形態では、TGFβアンタゴニストは、胸腺、リンパ節、又は腫瘍微小環境(例えば、肝臓がんを有する患者における)に局在する潜在型TGFβ(例えば、潜在型TGFβ1)の活性化を遮断する。いくつかの実施形態では、TGFβアンタゴニストは、潜在型TGFβ結合タンパク質(Latent TGFβ Binding Protein、LTBP)によって潜在型TGFβ(例えば、潜在型TGFβ1)の活性化を遮断する。いくつかの実施形態では、TGFβアンタゴニストは、例えば、米国特許第10,000,572号に記載されるように、糖タンパク質-A反復優位型タンパク質(Glycoprotein-A Repetitions Predominant protein、GARP)によって潜在型TGFβ(例えば、潜在型TGFβ1)の活性化を遮断する。いくつかの実施形態では、TGFβアンタゴニストは、ARGX-115である。いくつかの実施形態では、TGFβアンタゴニストは、LAP-TGFβ1複合体に特異的に結合する抗潜在型関連ペプチド(LAP)抗体である。いくつかの実施形態では、抗LAP抗体は、例えば、肝臓内の結合組織の、細胞外マトリックス(extracellular matrix、ECM)中のLAP-TGFβ1複合体に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、抗LAP抗体は、例えば、腫瘍微小環境において、制御性T細胞(Treg)、腫瘍関連マクロファージ、又は骨髄由来サプレッサー細胞などのある特定の免疫抑制細胞型の表面上のLAP-TGFβ1複合体に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、抗LAP抗体は、TLS-01抗体である。いくつかの実施形態では、抗LAP抗体は、任意の状況においてLAP-TGFβ1複合体に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、抗LAP抗体は、TLS-02抗体である。いくつかの実施形態では、TGFβアンタゴニストは、TGFβ受容体を含む。いくつかの実施形態では、TGFβアンタゴニストは、TGFβ受容体-Fc融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、TGFβアンタゴニストは、TGFβ受容体を含む抗体である。本明細書で提供される組成物及び方法に関連して有用であり得るTGFβ受容体を含むTGFβアンタゴニストは、例えば、PCT国際公開第2019/113123(A1)号及び同第2019/113464(A1)号に記載されている。
【実施例】
【0205】
以下の実施例は、本開示の特定の実施形態を実証するために含まれる。当業者には、以下の実施例に開示される技術は、本開示の実施において十分に機能する技術を表し、したがって、その実施のための特定の様式を構成するとみなすことができることが理解されるべきである。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、これらの実施例が例示的であり、網羅的ではないことを理解するべきである。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、開示され、依然として類似の又は同様の結果を得る特定の実施形態では、多くの変更を行うことができる。
【0206】
本明細書に開示される化合物は、適切な材料を使用して、以下のスキーム及び実施例の手順に従って調製することができ、以下の特定の実施例により更に例示される。更に、本明細書に記載の手順を通常の当業者と併せて利用することにより、本明細書に特許請求される本開示の追加の化合物を容易に調製することができる。実施例は、本開示の化合物の調製の詳細を更に示す。当業者は、以下の調製手順の条件及びプロセスの既知の変形が、これらの化合物を調製するために使用され得ることを容易に理解するであろう。本開示に説明する実施形態である化合物を合成するために、合成される化合物の構造の検査は、それぞれの置換基の同一性を提供する。いくつかの場合には、最終的な生成物の同一性は、本明細書の実施例を考慮して、必要な出発材料の同一性を検査プロセスにより明らかにすることができる。化合物は、上記のものなどの、その薬学的に許容される塩の形態で単離され得る。本明細書に説明する化合物は典型的には、室温及び圧力で安定であり、単離可能である。
【0207】
本明細書に開示される化合物の調製の例示を以下に示す。別段示されない限り、変数は、上記と同じ意味を有する。以下に提示される実施例は、本開示の特定の実施形態を例示することを意図している。以下に記載されるような合成で用いられる好適な出発材料、ビルディングブロック、及び試薬は、例えば、AbovChem、Acros Organics、Astatech、Combi Blocks、Oakwood Chemical、若しくはSigma-Aldrichから市販されているか、又は、文献、例えば、「March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure」,5th Edition;John Wiley & Sons若しくはT.Eicher,S.Hauptmann「The Chemistry of Heterocycles;Structures,Reactions,Synthesis and Application」,2nd edition,Wiley-VCH 2003;Fieser et al.「Fiesers’ Reagents for organic Synthesis」John Wiley & Sons 2000に記載された手順によりルーチン的に調製することができる。
【0208】
一般スキーム
【0209】
【0210】
スキームAは、二環式トリアゾールカルバメート(IX)の一般的な合成を提供する。二環式ハロゲン化物VIIは、対応する窒素含有自転車の求電子芳香族ハロゲン化から容易に調製することができる。工程1は、クロスカップリング反応を介した二環式含有トリアゾールカルボン酸(VIII)の一般的な合成を記載する。二環式ハロゲン化物(VII)は、最初に、宮浦ホウ酸化を介して、ピナコールボロネート(pinacol boronate)などの対応するボロン酸エステルに変換され、次いで、ブロモトリアゾールカルボン酸(III)を用いて鈴木反応条件に供されて、所望の二環式トリアゾールカルボン酸(VIII)を完成させることができる。代替的には、ブロモトリアゾールカルボン酸(III)は、最初に、リチウム-ハロゲン交換及び塩化亜鉛でのトラップを介して、有機亜鉛種に変換されることができる。次に、二環式ハロゲン化物(VII)との根岸クロスカップリングは、所望の二環式トリアゾールカルボン酸(VIII)を提供する。
【0211】
工程2は、カルバメート含有二環式トリアゾール(IX)の一般的な合成を記載する。二環式トリアゾールカルボン酸(VIII)は、ジフェニルホスホリルアジド(diphenylphosphoryl azide、DPPA)で、又は代替的に1-プロパンホスホン酸無水物(T3P)溶液及びアジドトリメチルシランで処理されたときに、クルチウス転移を受ける。次いで、中間体イソシアネートは、アルコール(V)でトラップされて、所望の二環式トリアゾールカルバメート(IX)を提供する。
【0212】
【0213】
スキームBは、アリール、ヘテロアリール、又は二環式トリアゾールカルバメート(VI及びIX)の一般的な代替合成を提供する。工程1は、カルバメート含有ブロモトリアゾール(X)の一般的な合成を記載する。グロモトリアゾールカルボン酸(III)は、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)で、又は代替的に1-プロパンホスホン酸無水物(T3P)溶液及びアジドトリメチルシランと反応したときに、クルチウス転移を受ける。次いで、中間体イソシアネートは、アルコール(V)でトラップされて、所望のブロモトリアゾールカルバメート(X)を提供する。
【0214】
工程2は、クロスカップリング反応を介した二環式トリアゾールカルバメート(IX)の一般的な合成を記載する。ブロモトリアゾールカルバメート(X)は、最初に、リチウム-ハロゲン交換及び塩化亜鉛でのトラップを介して、有機亜鉛種に変換されることができる。次に、二環式ハロゲン化物(VII)との根岸クロスカップリングは、所望の二環式トリアゾールカルバメート(IX)を提供する。代替的には、二環式ハロゲン化物(VII)は、最初に、宮浦ホウ酸化を介して、ピナコールボロネートなどの対応するボロン酸エステルに変換され、次いで、ブロモトリアゾールカルバメートXを用いて鈴木反応条件に供されて、所望の二環式トリアゾールカルバメート(IX)を完成させることができる。
【0215】
実施例1:4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸(中間体1)の調製:
【0216】
【0217】
工程1:4,5-ジブロモ-2H-1,2,3-トリアゾール
臭素(2.8mol)を、40℃の水(600mL)中の2H-1,2,3-トリアゾール(1.4mol)の溶液に添加した。得られた混合物を、40℃で2時間撹拌した。室温に冷却した後、沈殿物を濾過によって収集した。固体を、水(2×300mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、4,5-ジブロモ-2H-1,2,3-トリアゾールを得た。
【0218】
工程2:4,5-ジブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール
THF(1000mL)中の4,5-ジブロモ-2H-1,2,3-トリアゾール(704mmol)とK2CO3(1.4mol)との混合物に、ヨードメタン(1.0mol)を、添加した。混合物を、室温で12時間撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(2×500mL)で洗浄し、濾液を40℃で濃縮して粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィで精製して、4,5-ジブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾールを得た。
【0219】
工程3:4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルバルデヒド
THF(600mL)中の4,5-ジブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール(168.0mmol)の溶液に、-10℃でイソプロピルマグネシウムクロリド(252.0mmol)を、添加した。混合物を15分間撹拌し、DMF(840mmol)を添加した。1時間後、混合物を、250mLの飽和塩化アンモニウムで処理し、DCM(2×350mL)で抽出した。合わせた有機物を、250mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルバルデヒドを得た。
【0220】
工程4:4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸
オキソン(651mmol)をDMF(800mL)中の4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルバルデヒド(536mmol)の溶液に添加し、得られた懸濁液を室温で一晩撹拌した。混合反応物を、H2O(1000mL)で希釈し、1N HClでpH3に調整し、水相を酢酸エチル(3×800mL)で抽出した。合わせた有機物を、飽和Na2CO3で洗浄し(2×500mL)、水相を1N HClでpH3に調整した。沈殿物を、濾過によって単離し、減圧下で乾燥させて、4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸(中間体1)を提供した。
【0221】
実施例2:(R)-1-(2-クロロフェニル)エチル(4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(中間体2A)の調製
【0222】
【0223】
トルエン(80mL)中の4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸(24.3mmol)の懸濁液に、DPPA(24.5mmol)、トリエチルアミン(24.5mmol)、及び(R)-1-(2-クロロフェニル)エタン-1-オール(36.5mmol)を、添加した。混合物を80℃で3時間加熱した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィによって精製して、(R)-1-(2-クロロフェニル)エチル(4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(中間体2A)を得た。
【0224】
実施例3:(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(中間体2B)の調製
【0225】
【0226】
4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸(95mmol)、DMF中の50%1-プロパンホスホン酸無水物溶液(143mmol)、及びアジドトリメチルシラン(143mmol)を、アルゴンの雰囲気下、THF(350mL)中に懸濁させた。トリエチルアミン(143mmol)を添加し、得られた溶液を30分間撹拌した。(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エタン-1-オール(143mmol)を添加し、混合物を還流で加熱し、二次バブラーを取り付けて、12時間、通気を可能にした。反応混合物を室温まで冷却し、THFを真空中で除去した。得られた粗材料を、500mLの酢酸エチルに溶解し、300mLの水で3回抽出した。粗混合物を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮した。粗製物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィによって精製して、(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(中間体2B)を提供した。
【0227】
実施例4:(R)-1-(2-フルオロピリジン-3-イル)エチル(4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(中間体2C)の調製:
【0228】
【0229】
(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(中間体2B)の合成のための実施例3に記載の手順に従って、(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エタン-1-オールの代わりに(R)-1-(2-フルオロピリジン-3-イル)エタン-1-オール(143mmol)を使用して、(R)-1-(2-フルオロピリジン-3-イル)エチル(4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメートを得た(中間体2C)。
【0230】
実施例5:1-メチル-4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸(中間体4)の調製
【0231】
【0232】
4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸、中間体1(10.8mmol)を、98mLのテトラヒドロフランに溶解し、-78℃の浴に15分間浸漬した。テトラヒドロフラン(11.7mmol)中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1M溶液は、15分にわたって液滴であった。ヘキサン中のn-ブチリチウム(butylithium)(19.6mmol)の2.5M溶液を、20分かけて滴加し、更に1時間撹拌した。2-メチルテトラヒドロフラン中の塩化亜鉛(24.5mmol)の1.9M溶液を、15分かけて滴加した。反応混合物を、水浴に浸漬することによって周囲温度に温め、30分間撹拌した。得られた混合物をアルゴンガスで10分間スパージし、次いでジクロロメタン(1mmol)との6-ヨード-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2-オン(9.78mmol)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、錯体を、添加した。反応物を、70℃で1時間加熱し、次いで周囲温度に冷却した。反応物を、100mLの水酸化ナトリウムの2M水溶液及び100mLのジエチルエーテルで希釈した。水層を分離し、有機層は水酸化ナトリウムの2M水溶液(50mL)を有する抽出物であった。合わせた水層を、酢酸エチルとジエチルエーテルとの1:1混合物(100mL×2)で洗浄した。25mLの濃塩酸は、pHを4に調整するための激しい撹拌下で15分にわたって液滴であった。混合物を濾過し、濾過ケーキを水(50mL)及び酢酸エチルとジエチルエーテルとの1:1混合物(50mL×2)で洗浄した。沈殿物を減圧下で乾燥させて、1-メチル-4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸(中間体4)を提供した。
【0233】
実施例6:1-メチル-4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸(中間体4)の代替調製
-78℃のテトラヒドロフラン(14.5mL)中の4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸、中間体1(2.17mmol)の混合物に、テトラヒドロフラン中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(2.17mmol)の1M溶液を、添加した。10分後、ヘキサン中のn-ブチルリチウム(4.35mmol)の2.5M溶液を、添加した。45分後、2-メチルテトラヒドロフラン中の塩化亜鉛(6.52mmol)の1.9M溶液を添加し、反応物を室温で45分間撹拌した。この時点で、6-ヨード-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2-オン(1.45mmol)及びジクロロメタン(0.145mmol)を有する[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体を反応物に添加し、反応混合物を70℃に1時間加熱した。反応の完了後、混合物を、冷却し、酢酸でクエンチした。混合物を、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィによって精製して、1-メチル-4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸(中間体4)を提供した。
【0234】
実施例7:1-(2-クロロ-6-フルオロピリジン-3-イル)エタン-1-オールの調製
【0235】
【0236】
メチルテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した2-クロロ-6-フルオロニコチンアルデヒド(2.51mmol)を氷/アセトニトリル浴で冷却し、次いで、臭化メチルマグネシウム溶液(3.0M、7.20mmol)を滴加した。反応混合物を、エタノールの添加でクエンチし、次いで酢酸エチルで希釈し、10%クエン酸で洗浄した。有機層を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィによって精製して、1-(2-クロロ-6-フルオロピリジン-3-イル)エタン-1-オールを得た。
【0237】
実施例8:1-(2-フルオロ-5-メチルピリジン-4-イル)エタン-1-オールの調製:
【0238】
【0239】
20mLのTHF中の2-フルオロ-4-ヨード-5-メチルピリジン(4.22mmol)の溶液を0℃に冷却し、ヘキサン(5.06mmol)中1.6M nBuLiで処理した。15分後、DMF(12.7mmol)を、滴加した。反応物を、30分間撹拌し、次いで室温に加温し、飽和NH4Clでクエンチした。混合物を、EtOAcで抽出し、MgSO4で乾燥させ、濃縮して、2-フルオロ-5-メチルイソニコチンアルデヒドを提供した。2-フルオロ-5-メチルイソニコチンアルデヒド(5.5mmol)を、25mLのTHFに取り込み、氷アセトン浴中で-15℃に冷却した。THF(11.2mmol)中の3M MeMgBrで処理し、20分間撹拌した。飽和NH4Clでクエンチし、EtOAcで抽出し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、1-(2-フルオロ-5-メチルピリジン-4-イル)エタン-1-オール(MS(M/z)155.9[M+H]+)を提供する。
【0240】
実施例9:1-(2,5-ジフルオロピリジン-4-イル)エタン-1-オールの調製
【0241】
【0242】
1-(2-フルオロ-5-メチルピリジン-4-イル)エタン-1-オールの合成のための実施例8に記載の手順に従って、2-フルオロ-5-メチルイソニコチンアルデヒドの代わりに2,5-ジフルオロイソニコチンアルデヒド(11.9mmol)を使用して、1-(2,5-ジフルオロピリジン-4-イル)エタン-1-オールを得た。(MS(m/z)160.11[M+H]+)
【0243】
実施例10:1-(5-ブロモ-2-フルオロピリジン-3-イル)エタン-1-オールの調製
【0244】
【0245】
1-(2-フルオロ-5-メチルピリジン-4-イル)エタン-1-オールの合成のための実施例8に記載の手順に従って、2-フルオロ-5-メチルイソニコチンアルデヒドの代わりに5-ブロモ-2-フルオロニコチンアルデヒド(7.35mmol)を使用して、1-(5-ブロモ-2-フルオロピリジン-3-イル)エタン-1-オールを得た。(MS(m/z)220.01[M+H]+)
【0246】
実施例11:1-(5-ブロモ-2-クロロピリジン-3-イル)エタン-1-オールの調製
【0247】
【0248】
1-(2-フルオロ-5-メチルピリジン-4-イル)エタン-1-オールの合成のための実施例8に記載の手順に従って、2-フルオロ-5-メチルイソニコチンアルデヒドの代わりに5-ブロモ-2-クロロニコチンアルデヒド(10.6mmol)を使用して、1-(5-ブロモ-2-クロロピリジン-3-イル)エタン-1-オールを得た。(MS(m/z)235.99[M+H]+)
【0249】
実施例12:1-(2,5-ジフルオロピリジン-4-イル)エタン-1-オールの調製
【0250】
【0251】
1-(2-フルオロ-5-メチルピリジン-4-イル)エタン-1-オールの合成のための実施例8に記載の手順に従って、2-フルオロ-5-メチルイソニコチンアルデヒドの代わりに5-ブロモ-2-フルオロニコチンアルデヒド(7.4mmol)を使用して、1-(5-ブロモ-2-フルオロピリジン-3-イル)エタン-1-オール。(MS(m/z)220.01[M+H]+)
【0252】
実施例13:化合物1~5の調製
化合物1~5を、概してスキームA、工程2に従って合成した。例えば、(R)-1-(2-クロロ-5-フルオロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物1)を、以下のように調製した。
【0253】
【0254】
THF(1.24mL)中の1-メチル-4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸、(中間体4)(0.247mmol)、1-プロパンホスホン酸環状無水物(DMF中50%、0.371mmol)、及びアジドトリメチシラン(azidotrimethysilane)(0.371mmol)酸の混合物に、トリメチルアミン(0.494mmol)を滴加した。(1R)-1-(2-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)エタノール(0.333mmol)を添加し、反応物を70℃で1時間加熱した。反応の完了後、混合物を、冷却し、水で希釈した。混合物を、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCによって精製して、(R)-1-(2-クロロ-5-フルオロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物1)を提供した。(MS(m/z)448.1[M+H]+)。1H NMR(400MHz,Methanol-d4)δ8.27(s,1H),7.95(dd,J=9.0,3.2Hz,1H),7.64(d,J=8.0Hz,1H),7.32(s,1H),6.05(q,J=6.5Hz,1H),4.82(s,2H),3.99(s,3H),1.64(s,3H)。
【0255】
化合物2~5(表1)を、化合物1について記載された一般的なプロセスに従って、(1R)-1-(2-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)エタノールの代わりに表1に列挙された試薬と、中間体4(実施例5又は6)を反応させることによる、スキームA、工程2に従って調製した。
【0256】
【0257】
【0258】
実施例14:[(1R)-1-(2-クロロ-3-ピリジル)エチル]N-[5-(7-フルオロ-2-オキソ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-6-イル)-3-メチル-トリアゾール-4-イル]カルバメート(化合物6)の調製
【0259】
【0260】
工程1:7-フルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オン
1,4-ジオキサン(12mL)中の6-ブロモ-7-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オン(1.23mmol)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(0.123mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.84mmol)、及び酢酸カリウム(1.84mmol)の混合物を、100℃に4時間加熱した。反応の完了後、混合物を、冷却し、水で希釈した。混合物を、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィによって精製して、7-フルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オンを提供した。
【0261】
工程2:[(1R)-1-(2-クロロ-3-ピリジル)エチル]N-[5-(7-フルオロ-2-オキソ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-6-イル)-3-メチル-トリアゾール-4-イル]カルバメート(化合物6)
3:1の1,4-ジオキサン/水(3mL)中の7-フルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オン(0.211mmol)、(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(中間体2B)(0.222mmol)、及び炭酸カリウム(0.444mmol)の混合物を、80℃に30分間加熱した。反応の完了後、混合物を、冷却し、水で希釈した。混合物を、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCによって精製して、[(1R)-1-(2-クロロ-3-ピリジル)エチル]N-[5-(7-フルオロ-2-オキソ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-6-イル)-3-メチル-トリアゾール-4-イル]カルバメート(化合物6)を提供した。(MS(m/z)445.1[M+H]+)。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.33(s,1H),8.00(s,1H),7.42(d,J=7.6Hz,2H),6.67(d,J=11.2Hz,1H),6.04(s,1H),3.95(s,3H),2.95(t,J=7.6Hz,2H),2.60(dd,J=8.5,6.6Hz,2H),1.60(s,3H)。
【0262】
実施例15:(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-(5-フルオロ-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物7)の調製
【0263】
【0264】
工程1における[(1R)-1-(2-クロロ-3-ピリジル)エチル]N-[5-(7-フルオロ-2-オキソ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-6-イル)-3-メチル-トリアゾール-4-イル]カルバメートに関する実施例14に記載の合成に従って、6-ブロモ-7-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オンの代わりの6-ブロモ-5-フルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン(1.23mmol)、(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-(5-フルオロ-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物7)を得た。(MS(m/z)445.1[M+H]+)。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.36(s,1H),8.03(s,1H),7.44(q,J=11.0,7.9Hz,2H),6.78(d,J=8.4Hz,1H),6.09(s,1H),3.98(s,3H),2.99(q,J=7.3Hz,2H),2.63(t,J=7.8Hz,2H),1.63(s,3H)。
【0265】
実施例16:(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-7-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物8)の調製
【0266】
【0267】
工程1における[(1R)-1-(2-クロロ-3-ピリジル)エチル]N-[5-(7-フルオロ-2-オキソ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-6-イル)-3-メチル-トリアゾール-4-イル]カルバメートに関する実施例14に記載の合成に従って、6-ブロモ-7-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オンの代わりに7-ブロモ-4H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3-オン(1.31mmol)を使用して、(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-7-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物8)を得た。(MS(m/z)430.1[M+H]+)。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.33(s,1H),8.25(d,J=1.9Hz,1H),8.04(s,1H),7.59(d,J=1.9Hz,1H),7.49(s,1H),6.09(q,J=6.6Hz,1H),4.70(s,2H),3.94(s,3H),1.63(s,3H)。
【0268】
実施例17:(R)-1-(2-フルオロピリジン-3-イル)エチル(4-(4,4-ジメチル-2-オキソ-1,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-6-イル)-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物9)の調製
【0269】
【0270】
工程1における7-フルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オンに関する実施例14に記載の合成に従って、6-ブロモ-7-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オンの代わりに6-ブロモ-4,4-ジメチル-1H-3,1-ベンゾオキサジン-2-オン(1.17mmol)を使用して、4,4-ジメチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-3,1-ベンゾオキサジン-2-オンを得た。
【0271】
工程2における[(1R)-1-(2-クロロ-3-ピリジル)エチル]N-[5-(7-フルオロ-2-オキソ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-6-イル)-3-メチル-トリアゾール-4-イル]カルバメートに関する実施例14に記載の合成に従って、(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(中間体2B)の代わりに(R)-1-(2-フルオロピリジン-3-イル)エチル(4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(中間体2C)を使用して、(R)-1-(2-フルオロピリジン-3-イル)エチル(4-(4,4-ジメチル-2-オキソ-1,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-6-イル)-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物9)を得た。(MS(m/z)441.1[M+H]+)。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.18(s,1H),8.05(s,1H),7.59(d,J=15.0Hz,2H),7.37(s,1H),6.93(d,J=8.3Hz,1H),6.02(s,1H),3.94(s,3H),1.67(s,9H)。
【0272】
実施例18:(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-7-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物10)の調製
【0273】
【0274】
工程1における7-フルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オンに関する実施例14に記載の合成に従って、6-ブロモ-7-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オンの代わりに7-ブロモ-1,3,4,5-テトラヒドロ-1-ベンズアゼピン-2-オン(0.833mmol)を使用して、7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-1-ベンズアゼピン-2-オンを得た。
【0275】
工程2における[(1R)-1-(2-クロロ-3-ピリジル)エチル]N-[5-(7-フルオロ-2-オキソ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-6-イル)-3-メチル-トリアゾール-4-イル]カルバメートに関する実施例14に記載の合成に従って、炭酸カリウムの代わりに炭酸ナトリウム(0.416mmol)を使用して、(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-7-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物10)を得た。(MS(m/z)441.2[M+H]+)。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.36(s,1H),8.07(s,1H),7.67-7.58(m,2H),7.49(s,1H),7.09(d,J=8.3Hz,1H),6.13(s,1H),3.96(s,3H),2.82(t,J=7.0Hz,2H),2.32(d,J=6.7Hz,2H),2.27(q,J=7.0Hz,2H),1.67(s,3H)。
【0276】
実施例19:化合物11~20の調製
化合物11~20を、概してスキームB、工程2に従って合成した。例えば、(R)-1-(2-クロロフェニル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物11)を、以下のように調製した。
【0277】
【0278】
3:1の1,4-ジオキサン/水(7mL)中の6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オン(1.67mmol)、(R)-1-(2-クロロフェニル)エチル(4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(中間体2A)(0.556mmol)、及び炭酸ナトリウム(1.67mmol)の混合物を、100℃に1時間加熱した。混合物を、室温に冷却し、水で希釈した。混合物を、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCによって精製して、(R)-1-(2-クロロフェニル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物 11)を提供した。(MS(m/z)426.1[M+H]+)。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ7.61(s,1H),7.54(d,J=1.7Hz,1H),7.51(d,J=8.4Hz,1H),7.36(d,J=33.0Hz,3H),6.91(d,J=8.2Hz,1H),6.19(s,1H),3.92(s,3H),2.95(t,J=7.6Hz,2H),2.58(t,J=7.6Hz,2H),1.61(s,3H)。
【0279】
化合物12~15(表2)を、化合物11について記載された一般的なプロセスに従って、(R)-1-(2-クロロフェニル)エチル(4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(中間体2A)(実施例2)を、6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オンの代わりに表2に列挙された試薬と反応させることによって、スキームB、工程2に従って、同様に調製した。
【0280】
化合物16~18(表2)を、化合物11について記載された一般的なプロセスに従って、(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(中間体2B)(実施例3)を、6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オンの代わりに表2に列挙された試薬と反応させることによって、スキームB、工程2に従って、同様に調製した。
【0281】
【0282】
【0283】
【0284】
【0285】
実施例20:(R)-1-(2-クロロフェニル)エチル(1-メチル-4-(4-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物19)の調製
【0286】
【0287】
1,4-ジオキサン(3mL)中の6-ブロモ-4-メチル-1,3-ジヒドロキノキサリン-2-オン(0.556mmol)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリド、ジクロロメタン錯体(0.0278mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.834mmol)、及び酢酸カリウム(0.834mmol)の混合物を、100℃に1時間加熱した。この時点で、反応物を室温に冷却し、(R)-1-(2-クロロフェニル)エチル(4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(中間体2A)(0.278mmol)、炭酸カリウム(0.834mmol)、及び水(1mL)を、反応物に添加した。反応物を、窒素でパージし、100℃に1時間加熱した。反応の完了後、混合物を、冷却し、水で希釈した。混合物を、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCによって精製して、(R)-1-(2-クロロフェニル)エチル(1-メチル-4-(4-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物19)を提供した。(MS(m/z)441.1[M+H]+)。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ7.61(s,1H),7.48-7.24(m,3H),7.12(s,2H),6.85(d,J=8.1Hz,1H),6.22(q,J=6.3,5.9Hz,1H),3.92(s,3H),3.73(s,2H),2.82(s,3H),1.59(d,J=6.6Hz,3H)。
【0288】
実施例21:(R)-1-(2-クロロ-5-フルオロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物20)の調製
【0289】
【0290】
工程1:3-メチル-5-(2-オキソ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-6-イル)トリアゾール-4-カルボン酸
3:1の1,4-ジオキサン/水(6mL)中の6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オン(0.583mmol)、4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸(中間体1)(0.485mmol)、及び炭酸カリウム(1.46mmol)の混合物を、100℃に6時間加熱した。反応の完了後、混合物を、冷却し、1M HCl(5mL)でクエンチし、沈殿物形成をもたらした。沈殿した固体を濾過して、3-メチル-5-(2-オキソ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-6-イル)トリアゾール-4-カルボン酸を提供した。
【0291】
工程2:[(1R)-1-(2-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)エチル]N-[3-メチル-5-(2-オキソ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-6-イル)トリアゾール-4-イル]カルバメート(化合物20)
THF(1.5mL)中の3-メチル-5-(2-オキソ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-6-イル)トリアゾール-4-カルボン酸(0.294mmol)、1-プロパンホスホン酸環状無水物(DMF中50%、0.441mmol)、及びアジドトリメチシラン(0.441mmol)酸の混合物に、トリエチルアミン(0.588mmol)を滴加した。(1R)-1-(2-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)エタノール(0.396mmol)を添加し、フラスコを70℃で1時間加熱した。反応の完了後、混合物を、冷却し、水で希釈した。混合物を、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCによって精製して、(R)-1-(2-クロロ-5-フルオロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物20)(MS(m/z)445.1[M+H]+)を提供した。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.18(s,1H),9.96(s,1H),8.49(s,1H),7.99(s,1H),7.59-7.36(m,2H),6.87(d,J=8.2Hz,1H),5.91(s,1H),3.84(s,3H),2.87(t,J=7.6Hz,2H),2.45(d,J=7.7Hz,2H),1.61(s,3H)。
【0292】
実施例22:(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-(3,3-ジメチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物21)の調製
【0293】
【0294】
工程1:6-ブロモ-3,3-ジメチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2-オン
アセトニトリル(56mL)中の3,3-ジメチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2-オン(5.61mmol)の懸濁液に、N-ブロモスクシンイミド(6.17mmol)、続いてトリフルオロ酢酸(1.12mmol)を、添加した。次いで、反応物を、70℃で8時間加熱した。反応の完了後、混合物を、水で希釈した。混合物を、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィによって精製して、6-ブロモ-3,3-ジメチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2-オンを得た。
【0295】
工程2:(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-(3,3-ジメチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物21)
-78℃のTHF(4.2mL)中の(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(中間体2B)(0.42mmol)の混合物に、THF中(0.46mmol)のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1M溶液を、添加した。10分後、ヘキサン中のn-ブチルリチウム(0.83mmol)の2.5M溶液を、添加した。45分後、2-MeTHF中の塩化亜鉛(1.3mmol)の1.9M溶液を添加し、反応物を室温で45分間撹拌した。この時点で、6-ブロモ-3,3-ジメチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2-オン(0.39mmol)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)を反応物に添加し、反応混合物を70℃に1時間加熱した。反応の完了後、混合物を、冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。混合物を酢酸エチルで希釈し、有機物を分離した。水層を、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCによって精製して、(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-(3,3-ジメチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物21)(MS(m/z)458.1[M+H]+)を提供した。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.38-7.93(m,2H),7.62(d,J=8.0Hz,1H),7.52-7.35(m,1H),7.35-7.24(m,1H),6.08(q,J=6.4Hz,1H),3.95(s,3H),1.74-1.43(m,9H)。
【0296】
実施例23:(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物22)の調製
【0297】
【0298】
(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-(3,3-ジメチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物21)に関する実施例19に記載の合成に従って、工程1において3,3-ジメチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2-オンの代わりに3-メチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2-オン(0.609mmol)を使用して、(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物22)を得た(MS(m/z)444.1[M+H]+)。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.42-7.92(m,2H),7.62(d,J=8.0Hz,1H),7.42(s,1H),7.31(s,1H),6.08(q,J=6.6Hz,1H),4.94-4.90(m,1H),4.58(s,3H),3.95(s,3H),1.58(d,J=6.9Hz,3H)。
【0299】
実施例24:(R)-1-(2-クロロフェニル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物23)の調製
【0300】
【0301】
-78℃のTHF(1.4mL)中の(R)-1-(2-クロロフェニル)エチル(4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(中間体2A)(0.139mmol)の混合物に、ヘキサン中のn-ブチルリチウム(0.417mmol)の2.5M溶液を、添加した。30分後、2-MeTHF中の塩化亜鉛(0.417mmol)の1.9M溶液を添加し、反応物を室温で45分間撹拌した。この時点で、6-ブロモ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2-オン(0.139mmol)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタン錯体(0.0139mmol)を反応物に添加し、反応混合物を70℃に1時間加熱した。反応の完了後、混合物を、冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。混合物を酢酸エチルで希釈し、有機物を分離した。水層を、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCによって精製して、(R)-1-(2-クロロフェニル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物23)(MS(m/z)429.0[M+H]+)を提供した。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ7.64-7.50(m,2H),7.37(d,J=7.9Hz,1H),7.34-7.17(m,3H),6.16(q,J=6.6Hz,1H),4.82(s,2H),3.94(s,3H),1.56(s,3H)。
【0302】
実施例25:(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメートの(化合物24)調製
【0303】
【0304】
-78℃のTHF(28mL)中の(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(中間体2B)(2.77mmol)の混合物に、THF中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(3.05mmol)の1M溶液を、添加した。10分後、ヘキサン中のn-ブチルリチウム(6.93mmol)の2.5M溶液を、添加した。45分後、2-MeTHF中の塩化亜鉛(9.71mmol)の1.9M溶液を添加し、反応物を室温で45分間撹拌した。この時点で、6-ヨード-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2-オン(2.77mmol)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタン錯体(0.277mmol)を反応物に添加し、反応混合物を70℃に1時間加熱した。反応の完了後、混合物を、冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。混合物を酢酸エチルで希釈し、有機物を分離した。水層を、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCによって精製して、(R)-1-(2-2-クロロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物24)(MS(m/z)430.0[M+H]+)を提供した。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.30(s,1H),8.12(s,1H),7.60(d,J=8.4Hz,1H),7.45(s,1H),7.31(s,1H),6.11(dd,J=22.0,6.6Hz,1H),4.90(s,2H),3.95(s,3H),1.63(d,J=6.6Hz,3H)。
【0305】
実施例26:[(1R)-1-(2-クロロ-3-ピリジル)エチル]N-[3-メチル-5-(2-オキソ-1,4-ジヒドロピリド[3,2-d][1,3]オキサジン-6-イル)トリアゾール-4-イル]カルバメート(化合物25)の調製
【0306】
【0307】
(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン)-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメートに関する実施例25に記載の合成に従って、6-ヨード-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オンの代わりに6-ブロモ-1,4-ジヒドロ-2H-ピリド[3,2-d][1,3]オキサジン-2-オン(0.277mmol)、及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタン錯体の代わりに(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(0.0277mmol)を使用して、[(1R)-1-(2-クロロ-3-ピリジル)エチル]N-[3-メチル-5-(2-オキソ-1,4-ジヒドロピリド[3,2-d][1,3]オキサジン-6-イル)トリアゾール-4-イル]カルバメート(化合物25)を得た。(MS(m/z)430.0[M+H]+)。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.31(d,J=19.5Hz,1H),8.05(s,1H),7.87(d,J=8.4Hz,1H),7.43(s,1H),7.30(s,1H),6.11(s,1H),5.33(s,2H),3.99(s,3H),1.63(d,J=17.1Hz,3H)。
【0308】
実施例27:(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-(3-エチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物26)の調製
【0309】
【0310】
(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメートに関する実施例25に記載の合成に従って、6-ヨード-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オンの代わりに6-ブロモ-3-エチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(0.555mmol)を使用して、(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-(3-エチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン)-6-イル)-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物26)を得た。(MS(m/z)458.0[M+H]+)。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.30(s,1H),8.11(s,1H),7.60(dd,J=8.0,3.2Hz,1H),7.41(s,1H),7.29(d,J=7.8Hz,1H),6.08(d,J=6.5Hz,1H),4.79-4.71(m,1H),3.96(s,3H),2.09-1.82(m,2H),1.62(s,3H),1.08(q,J=7.1Hz,3H)。
【0311】
実施例28:(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物27)の調製
【0312】
【0313】
(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメートに関する実施例25に記載の合成に従って、6-ヨード-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オンの代わりに6-ブロモ-3-フェニル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(0.555mmol)を使用して、(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物27)を得た。(MS(m/z)506.0[M+H]+)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ11.19(d,J=4.6Hz,1H),9.82(s,1H),8.30(d,J=26.8Hz,1H),7.96(s,1H),7.64(t,J=7.5Hz,1H),7.48-7.31(m,6H),7.27(s,1H),6.01(d,J=13.3Hz,1H),5.86(s,1H),3.86(s,3H),1.35(d,J=83.8Hz,3H)。
【0314】
実施例29:(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-(7-フルオロ-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物28)の調製
【0315】
【0316】
(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメートに関する実施例25記載の合成に従って、6-ヨード-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オンの代わりに6-ブロモ-7-フルオロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(0,555mmol)、及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタン錯体の代わりに(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(0,0555mmol)を使用して、(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-(7-フルオロ-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン)-6-イル)-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物28)を得た。(MS(m/z)448.0[M+H]+)。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.32(s,1H),8.06(s,1H),7.45(d,J=5.7Hz,1H),7.12(s,1H),6.09-6.00(m,1H),4.82(s,2H),3.97(s,3H),1.63(d,J=6.8Hz,3H)。
【0317】
実施例30:(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-(8-フルオロ-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物29)の調製
【0318】
【0319】
工程1における[(1R)-1-(2-クロロ-3-ピリジル)エチル]N-[5-(7-フルオロ-2-オキソ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-6-イル)-3-メチル-トリアゾール-4-イル]カルバメートに関する実施例14に記載の合成に従って、6-ブロモ-7-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オンの代わりの6-ブロモ-8-フルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン(0.82mmol)、(R)-1-(2-クロロピリジン-3-イル)エチル(4-(8-フルオロ-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物29)を得た。(MS(m/z)445.2[M+H]+)。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.34(s,1H),8.05(s,1H),7.48(s,1H),7.38(d,J=5.5Hz,1H),7.35(d,J=1.7Hz,1H),6.11(s,1H),3.93(s,3H),3.02(t,J=7.6Hz,2H),2.69-2.51(m,2H),1.75-1.22(m,3H)。
【0320】
実施例31:(R)-1-(2-クロロ-5-フルオロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-3-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物30)の調製
【0321】
【0322】
工程1:2-[(6-ブロモ-3-ニトロ-2-ピリジル)オキシ]-3,3,3-トリフルオロ-プロパノエート
THF(6mL)中の2,6-ジブロモ-3-ニトロ-ピリジン(3.55mmol)及びメチル3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-プロパノエート(3.90mmol)の懸濁液に、0℃の水素化ナトリウム(4.26mmol)を、添加した。反応物を、室温で撹拌した。反応の完了後、混合物を、水で希釈した。反応混合物を、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、メチル2-[(6-ブロモ-3-ニトロ-2-ピリジル)オキシ]-3,3,3-トリフルオロ-プロパノエートを提供した。この材料を、更に精製することなく進めた。
【0323】
工程2:6-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2-オン
酢酸(10mL)中の2-[(6-ブロモ-3-ニトロ-2-ピリジル)オキシ]-3,3,3-トリフルオロ-プロパノエート(3.55mmol)の懸濁液に、鉄粉末(24.8mmol)を、添加し、80℃に30分間加熱した。反応の完了後、反応混合物を、室温に冷却し、セライトを通して濾過した。濾過ケーキを酢酸エチルで洗浄し、合わせた濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィによって精製して、6-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2-オンを提供した。
【0324】
工程3:1-メチル-4-(2-オキソ-3-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸
4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸、中間体1(2.43mmol)を、24mLのテトラヒドロフランに溶解し、-78℃の浴に15分間浸漬した。テトラヒドロフラン(2.67mmol)中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1M溶液は、15分にわたって液滴であった。ヘキサン中のn-ブチリチウム(4.85mmol)の2.5M溶液を、20分かけて滴加し、更に1時間撹拌した。2-メチルテトラヒドロフラン中の塩化亜鉛(7.52mmol)の1.9M溶液を、15分かけて滴加した。反応混合物を、水浴に浸漬することによって周囲温度に温め、30分間撹拌した。得られた混合物を、アルゴンガスで10分間スパージし、次いで6-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2-オン(1.70mmol)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.24mmol)を、添加した。反応物を、70℃で1時間加熱し、次いで周囲温度に冷却した。反応物を、20mLの水酸化ナトリウムの2M水溶液及び20mLのジエチルエーテルで希釈した。水層を分離し、有機層を水酸化ナトリウムの2M水溶液(20mL)で抽出した。合わせた水層を、酢酸エチルとジエチルエーテルとの1:1混合物(20mL×2)で洗浄した。5mLの濃塩酸は、pHを4に調整するための激しい撹拌下で15分にわたって液滴であった。混合物を濾過し、濾過ケーキを水(10mL)及び酢酸エチルとジエチルエーテルとの1:1混合物(10mL×2)で洗浄した。沈殿物を減圧下で乾燥させて、1-メチル-4-(2-オキソ-3-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸を提供した。
【0325】
工程4:(R)-1-(2-クロロ-5-フルオロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-3-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート
THF(1.05mL)中の1-メチル-4-(2-オキソ-3-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸(0.208mmol)、1-プロパンホスホン酸環状無水物(DMF中50%、0.312mmol)、及びアジドトリメチルシラン(0.312mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.417mmol)を、滴加した。(1R)-1-(2-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)エタノール(0.309mmol)を添加し、反応物を70℃で1時間加熱した。反応の完了後、混合物を、冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCによって精製して、(R)-1-(2-クロロ-5-フルオロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(2-オキソ-3-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物30)を提供した。(MS(m/z)516.0[M+H]+)。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.27(s,1H),7.92(s,1H),7.73(dd,J=8.0,3.1Hz,1H),7.39(d,J=8.0Hz,1H),6.05(d,J=6.9Hz,1H),5.64-5.44(m,1H),3.99(s,3H),1.64(s,3H)。
【0326】
実施例32:(R)-1-(2-クロロ-5-フルオロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物31)の調製(化合物31)
【0327】
【0328】
工程1:6-ブロモ-3-メチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オン
アセトニトリル(60mL)中の3-メチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(6.09mmol)の懸濁液に、N-ブロモスクシンイミド(6.70mmol)、続いてトリフルオロ酢酸(1.22mmol)を、添加した。次いで、反応物を、70℃で8時間加熱した。反応の完了後、混合物を、水で希釈した。混合物を、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィによって精製して、6-ブロモ-3-メチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オンを得た。
【0329】
工程2:1-メチル-4-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸
4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸、中間体1(2.43mmol)を、24mLのテトラヒドロフランに溶解し、-78℃の浴に15分間浸漬した。テトラヒドロフラン(2.67mmol)中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1M溶液は、15分にわたって液滴であった。ヘキサン中のn-ブチリチウム(4.85mmol)の2.5M溶液を、20分かけて滴加し、更に1時間撹拌した。2-メチルテトラヒドロフラン中の塩化亜鉛(7.52mmol)の1.9M溶液を、15分かけて滴加した。反応混合物を、水浴に浸漬することによって周囲温度に温め、30分間撹拌した。得られた混合物をアルゴンガスで10分間スパージし、6-ブロモ-3-メチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(1.70mmol)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.24mmol)を、添加した。反応物を、70℃で1時間加熱し、次いで周囲温度に冷却した。反応物を、20mLの水酸化ナトリウムの2M水溶液及び20mLのジエチルエーテルで希釈した。水層を分離し、有機層を水酸化ナトリウムの2M水溶液(20mL)で抽出した。合わせた水層を、酢酸エチルとジエチルエーテルとの1:1混合物(20mL×2)で洗浄した。5mLの濃塩酸は、pHを4に調整するための激しい撹拌下で15分にわたって液滴であった。混合物を濾過し、濾過ケーキを水(10mL)及び酢酸エチルとジエチルエーテルとの1:1混合物(10mL×2)で洗浄した。沈殿物を減圧下で乾燥させて、1-メチル-4-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸を提供した。
【0330】
工程3:(R)-1-(2-クロロ-5-フルオロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート
THF(1.05mL)中の1-メチル-4-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸(0.211mmol)、1-プロパンホスホン酸環状無水物(DMF中50%、0.312mmol)、及びアジドトリメチルシラン(0.316mmol)酸の混合物に、トリエチルアミン(0.422mmol)を、滴加した。(1R)-1-(2-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)エタノール(0.313mmol)を添加し、反応物を70℃で1時間加熱した。反応の完了後、混合物を、冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCによって精製して、(R)-1-(2-クロロ-5-フルオロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物31)を提供した。(MS(m/z)462.0[M+H]+)。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.24(s,1H),7.90(s,1H),7.63(d,J=8.0Hz,1H),7.30(s,1H),6.04(q,J=6.6Hz,1H),4.95-4.87(m,1H),3.97(s,3H),1.61(s,3H),1.56(d,J=6.9Hz,3H)。
【0331】
実施例33:(R)-1-(2,5-ジフルオロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物32)の調製
【0332】
【0333】
工程1:6-ブロモ-3-メチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オン
アセトニトリル(60mL)中の3-メチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(6.09mmol)の懸濁液に、N-ブロモスクシンイミド(6.70mmol)、続いてトリフルオロ酢酸(1.22mmol)を、添加した。次いで、反応物を、70℃で8時間加熱した。反応の完了後、混合物を、水で希釈した。混合物を、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィによって精製して、6-ブロモ-3-メチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オンを得た。
【0334】
工程2:tert-ブチル1-メチル-4-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボキシレート
tert-ブチル4-ブロモ-1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボキシレート(1.53mmol)を、5.5mLのテトラヒドロフランに溶解し、-78℃の浴に15分間浸漬した。テトラヒドロフラン(1.68mmol)中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1M溶液は、15分にわたって液滴であった。ヘキサン中のn-ブチリチウム(3.05mmol)の2.5M溶液を、20分かけて滴加し、更に1時間撹拌した。2-メチルテトラヒドロフラン中の塩化亜鉛(4.73mmol)の1.9M溶液を、15分かけて滴加した。反応混合物を、水浴に浸漬することによって周囲温度に温め、30分間撹拌した。得られた混合物をアルゴンガスで10分間スパージし、6-ブロモ-3-メチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(1.53mmol)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタン(0.15mmol)との錯体を、添加した。反応物を、70℃で1時間加熱した。反応の完了後、混合物を、室温に冷却し、塩化アンモニウムでクエンチした。混合物を、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィによって精製して、tert-ブチル1-メチル-4-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボキシレートを得た。
【0335】
工程3:1-メチル-4-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸
tert-ブチル1-メチル-4-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボキシレート(0.20mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.98mmol)を添加した。反応を、3時間後に完了し、減圧下で濃縮して、1-メチル-4-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸を得た。材料を、更に精製することなく次に進めた。
【0336】
工程4:(R)-1-(2,5-ジフルオロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート
THF(1.05mL)中の1-メチル-4-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸(0.211mmol)、1-プロパンホスホン酸環状無水物(DMF中50%、0.313mmol)、及びアジドトリメチルシラン(0.316mmol)酸の混合物に、トリエチルアミン(0.422mmol)を、滴加した。(1R)-1-(2,5-ジフルオロ-3-ピリジル)エタノール(0.313mmol)を添加し、反応物を70℃で1時間加熱した。反応の完了後、混合物を、冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCによって精製して、(R)-1-(2,5-ジフルオロピリジン-3-イル)エチル(1-メチル-4-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)カルバメート(化合物32)を提供した。(MS(m/z)446.0[M+H]+)。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ7.96(d,J=44.1Hz,2H),7.62(d,J=8.0Hz,1H),7.31(d,J=8.0Hz,1H),6.05-5.86(m,1H),4.94-4.89(m,1H),3.96(s,3H),1.73-1.42(m,6H)。
【0337】
実施例34:カルシウムアッセイ
インビトロLPAR1活性を、細胞内カルシウム動員アッセイにおいて測定した。
【0338】
ヒトLPAR1(NM_001401.3)を発現するCHO-K1 EDG2細胞(DiscoverXカタログ番号93-0644C2)を、10%ウシ胎仔血清、1×PenStrepGlutamine、300ug/mlのハイグロマイシン、及び800ug/mlのG418を有するダルベッコ改変イーグル培地の25μLの総体積で、15,000個の細胞/ウェルで384ウェル組織培養プレート(Grenier番号781091)に播種し、37℃で一晩インキュベートした。試験前に、ハンクス平衡塩溶液(Corning番号21-023-CV)中の25μLのカルシウム負荷色素成分A(FLIPRカルシウム6アッセイキット分子デバイス番号R8190)及び2.5mMのプロベネシド(Invitrogen番号P36400、新鮮調製)、20mM HEPES(Corning番号25-060-CI)、0.1%ウシ血清アルブミン(Sigma-Aldrich番号A7906-500G)を、37℃で60分間細胞に添加した。
【0339】
LPA18:2のアゴニスト用量曲線(Avanti極性脂質カタログ番号857138、0.5nM~10μM)を記録して、その後のアンタゴニストアッセイのためにLPA 18:2のEC80を決定した。アゴニスト用量曲線について、細胞を、色素負荷の2時間後にインキュベーターから除去し、FLIPR Tetra機器(Molecular Devices、San Jose,CA)に移した。カルシウム動員を5分間監視し、HBSS/20mM HEPES/0.1%ウシ血清アルブミン(bovine serum albumin、BSA)中の10μLの6×LPAを、アッセイ中の5秒間細胞に添加した。
【0340】
試験化合物のLPAR1アンタゴニスト活性を決定するために、細胞を、0.5nM~10μMの用量範囲、続いてEC80濃度(100nM)で試験化合物とともにプレインキュベートした。色素負荷後、細胞をインキュベーターから除去し、0.3μLの200×アンタゴニストを添加した。細胞を、37℃で60分間インキュベートした。アンタゴニスト活性を、FLIPR Tetraで測定した。カルシウム動員を3.5分間モニタリングし、10μLの6×EC80 LPA、20mM HEPES、及び0.1%のBSAを、アッセイ中で5秒間細胞に添加した。信号振幅(最大マイナス最小)値を、用量応答ツール(Gilead Sciences Inc.)を使用してアンタゴニスト濃度のlog10に対してプロットして、EC50を決定した。
【0341】
例示された化合物のアンタゴニスト可能性を評価するために、EC50値を、LPAR1カルシウム動員アッセイにおいて、化合物1~32について決定した。結果を表3(LPAR1 EC50)に示す。化合物番号は、実施例1~33の化合物番号に対応する。
【0342】
【0343】
別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が関連する当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0344】
したがって、本開示は、好ましい実施形態により具体的に開示されてきたが、本明細書に開示される本明細書に具体化される開示の任意の特徴、修正、改善、及び変形は、当業者には再利用され得、このような修正、改善、及び変形は、本開示の範囲内にあるとみなされることを理解されたい。本明細書で提供される材料、方法、及び実施例は、好ましい実施形態を代表するものであり、例示的であり、本開示の範囲に対する限定として意図されない。
【0345】
本開示は、本明細書において広範かつ包括的に記載されてきた。包括的な開示内に属するより狭義の種及び亜属群のそれぞれもまた、本開示の一部を形成する。これは、削除された材料が本明細書に具体的に明記されているかどうかに関わらず、属から任意の対象を除去する条件付き又は否定的制限付きでの本開示の一般的な説明を含む。
【0346】
加えて、本開示の特徴又は態様がマーカッシュ群の観点で記載されている場合、当業者は、本開示がまた、マーカッシュ群の任意の個々のメンバー又はメンバーのサブグループの観点で記載されていることを認識するであろう。
【0347】
本開示は上記の実施形態と併せて説明されてきたが、前述の説明及び実施例は例示を意図し、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。本開示の範囲内の他の態様、利点、及び修正は、本開示が関連する当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、
【化74】
又はその薬学的に許容される塩であって、
式中、
R
1が、水素、又は各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルコキシ、及びC
3~10シクロアルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~6アルキルであるか、あるいは
R
1が、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルコキシ、及びC
1~6アルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
3~6シクロアルキルであり、
同じであっても異なっていてもよい各R
2が、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、オキソ、C
1~4アルキル、C
3~10シクロアルキル、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、独立して、窒素、酸素、又は硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール、-N(R
2A1)(R
2A2)、-O-R
2A1、-S-R
2A1、-C(O)N(R
2A1)(R
2A2)、-NR
2A1C(O)R
2A2、-NR
2A1C(O)N(R
2A2)(R
2A3)、-S(O)
0-2R
2A1、-S(O)
2N(R
2A1)(R
2A2)、並びに-NR
2A1S(O)
2R
2A2から選択され、各R
2A1、R
2A2、及びR
2A3が、独立して、水素又はC
1~6アルキルであり、各R
2アルキル、シクロアルキル、複素環式、アリール、及びヘテロアリールが、任意選択的に、同じであっても異なっていてもよい1~4つのR
2Bで置換され、各R
2Bが、独立して、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、又はシアノであり、
同じであっても異なっていてもよい各R
3が、独立して、重水素、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
3~10シクロアルキル、又はC
1~4アルコキシから選択され、各C
1~6アルキル及びC
3~10シクロアルキルが、任意選択的に、1~3個のハロゲンで置換され、
R
4が、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルコキシ、-C(O)N(R
4A1)、及び-N(R
4A1)(R
4A2)から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~6アルキルであり、各R
4A1及びR
4A2が、独立して、H、C
1~6アルキル、又はC
3~10シクロアルキルであるか、あるいは
R
4はが、C
3~6シクロアルキル、又は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1若しくは2個のヘテロ原子を有する3~6員ヘテロシクリルであり、前記シクロアルキル又はヘテロシクリルが、任意選択的に、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルキル及びC
1~4アルコキシから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換され、
mが、0、1、2、3、又は4であり、
nが、0、1、2、又は3であり、
oが、0、1、2、又は3であり、
X
1、X
2、及びX
3の各々が、独立して、CH及びNから選択され、
各Uが、独立して、-CH=、-CH
2-、-N=、-NH-、又は-O-であり、
各Y
1及びY
2が、独立して、水素、重水素、又は各々独立して、重水素、ハロゲン、シアノ、C
2~3アルキニル、C
1~4アルコキシ、及び-C(O)NH-(C
1~4H
3-9)から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3個の置換基で任意選択的に置換されたC
1~6アルキルであり、
Zが、C
1~8アルキル、C
1~6アルコキシ、C
3~6シクロアルキル、C
6~12アリール、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~12員ヘテロシクリル、又は独立して窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~12員ヘテロアリールであり、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールが、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、及びC
3~6シクロアルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で各々任意選択的に置換され、前記
1~4アルキルが、任意選択的に、C
1~4アルコキシ及びハロゲンから各々選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換されるか、あるいは
Y
1及びZが、それらが結合している炭素と一緒になってC
3~6シクロアルキル、C
6~12アリール、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~12員ヘテロシクリル、又は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~12員ヘテロアリールを形成し、前記シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールが、各々独立して、シアノ、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
6~10アリール及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で各々任意選択的に置換され、前記C
1~4アルキルが、任意選択的に、各々独立して、C
1~4アルコキシ及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換され、前記C
6~10アリールが、任意選択的に、各々独立して、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換され、Y
2が、水素又は重水素である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記化合物が、式(Ia):
【化75】
のものである、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
R
1が、水素である、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
R
4が、独立して、シアノ及びFから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~3アルキルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
R
4が、-CH
3である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
前記化合物が、式(II)のものであり、
【化76】
式中、
R
1が、水素であり、
各R
2が、独立して、重水素、シアノ、ヒドロキシ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
3~10シクロアルキル、又はC
1~4アルコキシから選択され、前記C
1~6アルキル又はC
3~10シクロアルキルが、任意選択的に、1~3個のハロゲンで置換され、
W
1が、-CH
2-であり、
W
2が、-CH=、-CH
2-、又は-O-であり、
W
3が、-CH=、-CH
2-、-O-、又は-NH-であり、
p及びqが、各々独立して、0又は1である、請求項1又は3~5のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
前記化合物が、式(IIa):
【化77】
のものである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
pが0であり、qが0である、請求項6又は7に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
pが0であり、qが1である、請求項6又は7に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
pが1であり、qが1である、請求項6又は7に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
前記化合物が、式(IIIa)のものであり、
【化78】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
前記化合物が、式(IIIb)のものであり、
【化79】
式中、
mが、0、1、2、3、又は4であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
前記化合物が、式(IIIc)のものであり、
【化80】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
前記化合物が、式(IIId)のものであり、
【化81】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
前記化合物が、式(IIIe)のものであり、
【化82】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
前記化合物が、式(IIIf)のものであり、:
【化83】
式中、
mが、0、1、2、又は3であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
前記化合物が、式(IIIg)のものであり、:
【化84】
式中、
mが、0、1、2、3、又は4であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
式(IVa)の化合物:
【化85】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
式(IVb)の化合物:
【化86】
式中、
mが、0、1、2、3、又は4であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
式(IVc)の化合物:
【化87】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
式(IVd)の化合物:
【化88】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
式(IVe)の化合物:
【化89】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、又は2である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
式(IVf)の化合物:
【化90】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
式(IVg)の化合物:
【化91】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、又は2である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
式(IVh)の化合物:
【化92】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、又は2である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
式(IVi)の化合物:
【化93】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
式(IVj)の化合物:
【化94】
式中、
mが、0、1、2、3、又は4であり、
oが、0、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
mが、0、1、又は2である、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
oが、0又は1である、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
mが0であり、oが0である、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項31】
mが1であり、oが0である、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
mが2であり、oが0である、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
mが0であり、oが1である、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項34】
同じであっても異なっていてもよい各R
2が、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、オキソ、C
1~4アルキル、C
3~10シクロアルキル、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、独立して、窒素、酸素、又は硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール、-N(R
2A1)(R
2A2)、-O-R
2A1、-S-R
2A1、-C(O)N(R
2A1)(R
2A2)、-NR
2A1C(O)R
2A2、-NR
2A1C(O)N(R
2A2)(R
2A3)、-S(O)
0-2R
2A1、-S(O)
2N(R
2A1)(R
2A2)、及び-NR
2A1S(O)
2R
2A2から、独立して選択され、各R
2A1、R
2A2、及びR
2A3が、独立して、水素又はC
1~6アルキルであり、各R
2アルキル、シクロアルキル、複素環式、アリール、及びヘテロアリールが、任意選択的に、同じであっても異なっていてもよい1~4つのR
2Bで置換され、各R
2Bが、独立して、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、又はシアノである、請求項1~33のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項35】
同じであっても異なっていてもよい各R
2が、独立して、C
1~4アルキル、6~10員アリール、C
1~4アルコキシ、又はハロゲンであり、各C
1~4アルキルが、任意選択的に、1~4個のハロゲンで置換される、請求項1~34のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項36】
同じであっても異なっていてもよい各R
2が、独立して、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、又はハロゲンである、請求項1~34のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項37】
同じであっても異なっていてもよい各R
2が、独立して、-CH
3、-CF
3、-C
2H
5、フェニル、又は-Fである、請求項1~34のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項38】
各R
2が、ハロゲンである、請求項1~37のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項39】
各R
2が、-Fである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項40】
同じであっても異なっていてもよい各R
3が、独立して、重水素、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
3~10シクロアルキル、又はC
1~4アルコキシから選択され、各C
1~6アルキル及びC
3~10シクロアルキルが、任意選択的に、1~3個のハロゲンで置換される、請求項1~39のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項41】
R
3が、ハロゲンである、請求項1~40のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項42】
R
3が、-Fである、請求項1~41のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項43】
Y
1が、水素、重水素、又は各々独立して、重水素、ハロゲン、シアノ、C
2~3アルキニル、C
1~4アルコキシ、及び-C(O)NH-(C
1~4H
3-9)から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~6アルキルである、請求項1~42のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項44】
Y
1が、各々独立して、ハロゲン、シアノ、及びC
1~4アルコキシから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~3アルキルである、請求項43に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項45】
Y
1が、各々独立して、-F、-Cl、-CN、及び-O-CH
3から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたメチルである、請求項43に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項46】
Y
1が、-CH
3又は-CH
2Fである、請求項45に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項47】
Zが、C
1~8アルキル、C
1~6アルコキシ、C
3~6シクロアルキル、C
6~12アリール、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~12員ヘテロシクリル、又は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~12員ヘテロアリールであり、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールが、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、及びC
3~6シクロアルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で各々任意選択的に置換され、前記C
1~4アルキルが、任意選択的に、各々C
1~4アルコキシ及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換される、請求項1~46のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項48】
Zが、各々独立して、ハロゲン及びC
1~4アルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたフェニルである、請求項1~47のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項49】
Zが、各々独立して、-F及び-Clから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたフェニルである、請求項48に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項50】
Zが、
【化95】
である、請求項49に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項51】
Zが、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~3個のヘテロ原子を有する5又は6員ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールが、任意選択的に、独立して、ハロゲン及びC
1~4アルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3個の置換基で置換される、請求項47に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項52】
Zが、各々独立して、-F、-Cl、-Br、及び-CH
3から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたピリジルである、請求項51に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項53】
Zが、
【化96】
である、請求項52に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項54】
Y
1が、-CH
3であり、Zが、
【化97】
である、請求項1~42のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項55】
Y
1が、-CH
3であり、Zが、
【化98】
である、請求項1~42のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項56】
【化99】
【化100】
からなる群から選択される、化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項57】
【化101】
からなる群から選択される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項58】
前記化合物が、
【化102】
である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項59】
前記化合物が、
【化103】
である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項60】
前記化合物が、
【化104】
である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項61】
前記化合物が、
【化105】
である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項62】
治療有効量の請求項1~61のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物。
【請求項63】
追加の治療剤を更に含む、請求項62に記載の医薬組成物。
【請求項64】
LPAR1媒介性の疾患若しくは状態を治療若しくは安定化するか、又はその重症度若しくは進行を減少させる
ための、請求項1~61のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項62若しくは63に記載の医薬組成物
を含む、組成物。
【請求項65】
前記LPAR1媒介性の疾患又は状態が、創傷治癒、がん、疼痛、呼吸器障害、アレルギー性障害、神経系障害、心血管障害、及び炎症性障害からなる群から選択される、請求項64に記載の
組成物。
【請求項66】
前記LPAR1媒介性の疾患又は状態が、線維症を含む、請求項64又は65に記載の
組成物。
【請求項67】
線維症が、肺線維症、腎線維症、肝線維症、眼線維症、心線維症、又は全身性硬化症である、請求項66に記載の
組成物。
【請求項68】
肺線維症が、特発性肺線維症(IPF)又は進行性線維化間質性肺疾患(PF-ILD)である、請求項67に記載の
組成物。
【請求項69】
前記肺線維症が、全身性炎症性疾患に対して続発性である、請求項67に記載の
組成物。
【請求項70】
前記全身性炎症性疾患が、関節リウマチ、強皮症、狼瘡、原因不明性線維化性肺胞炎、放射線誘発性線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、強皮症、慢性喘息、珪肺症、アスベスト誘発性肺若しくは胸膜線維症、急性肺損傷又は急性呼吸窮迫である、請求項67に記載の
組成物。
【請求項71】
前記腎線維症が、糖尿病性腎臓疾患に関連する、請求項67に記載の
組成物。
【請求項72】
前記LPAR1媒介性の疾患又は状態が、肝臓疾患である、請求項67に記載の
組成物。
【請求項73】
前記肝臓疾患が、肝臓線維症である、請求項72に記載の
組成物。
【請求項74】
前記肝臓疾患が、非アルコール性脂肪性肝臓疾患(NAFLD)を含む、請求項72又は73に記載の
組成物。
【請求項75】
前記肝臓疾患が、脂肪症を含む、請求項72~74のいずれか一項に記載の
組成物。
【請求項76】
前記肝臓疾患が、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む、請求項72~75のいずれか一項に記載の
組成物。
【請求項77】
前記肝臓疾患が、肝硬変を含む、請求項72~76のいずれか一項に記載の
組成物。
【請求項78】
前記肝硬変が、代償性肝硬変である、請求項77に記載の
組成物。
【請求項79】
前記肝硬変が、非代償性肝硬変である、請求項77に記載の
組成物。
【請求項80】
前記肝臓疾患が、肝細胞がん(HCC)を含む、請求項72~79のいずれか一項に記載の
組成物。
【請求項81】
前記肝臓疾患が、原発性胆汁性硬変(PBC)又は原発性硬化性胆管炎(PSC)を含む、請求項72~79のいずれか一項に記載の
組成物。
【請求項82】
前記肝臓疾患が、門脈圧亢進を含む、請求項72~81のいずれか一項に記載の
組成物。
【請求項83】
前記
組成物が、追加の治療剤と組み合わせて投与される
ことを特徴とする、請求項72~82のいずれか一項に記載の
組成物。
【請求項84】
前記追加の治療剤が、1、2、3、又は4つの追加の治療剤である、請求項63に記載の医薬組成物又は請求項83に記載の
組成物。
【請求項85】
前記追加の治療剤が、アセチル-CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、アポトーシスシグナル調節キナーゼ(ASK-1)阻害剤、ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト、魚油、グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アルファ(PPARα)アゴニスト、又はTGFβアンタゴニストを含む、請求項63に記載の医薬組成物、又は請求項83若しくは84に記載の
組成物。
【請求項86】
前記ACC阻害剤が、フィルソコスタットである、請求項85に記載の医薬組成物又は
組成物。
【請求項87】
前記ASK1阻害剤が、セロンセルチブである、請求項85に記載の医薬組成物又は
組成物。
【請求項88】
前記FXRアゴニストが、シロフェクサーである、請求項85に記載の医薬組成物又は
組成物。
【請求項89】
前記PPARαアゴニストが、フィブラートである、請求項85に記載の医薬組成物又は
組成物。
【請求項90】
前記魚油が、イコサペント酸エチルである、請求項85に記載の医薬組成物又は
組成物。
【請求項91】
前記GLP-1受容体アゴニストが、リラグルチド又はセマグルチドである、請求項85に記載の医薬組成物又は
組成物。
【請求項92】
前記TGFβアンタゴニストが、抗TGFβ1特異的抗体である、請求項85に記載の医薬組成物又は
組成物。
【請求項93】
前記TGFβアンタゴニストが、TGFβ受容体である、請求項85に記載の医薬組成物又は
組成物。
【請求項94】
前記追加の治療剤が、フィルソコスタット及びシロフェクサーを含む、請求項85に記載の医薬組成物又は
組成物。
【請求項95】
前記追加の治療剤が、フィルソコスタット及びリラグルチド又はセマグルチドを含む、請求項85に記載の医薬組成物又は
組成物。
【請求項96】
前記追加の治療剤が、フィブラート又はイコサペント酸エチルを含む、請求項94又は95に記載の医薬組成物又は
組成物。
【請求項97】
前記追加の治療剤が、シロフェクサー及びリラグルチド又はセマグルチドを含む、請求項85に記載の医薬組成物又は
組成物。
【請求項98】
ACC媒介性の疾患又は状態の治療のための医薬品の製造のための、請求項1~61のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の、使用。
【請求項99】
ACC媒介性の疾患又は状態の治療のための、請求項1~61のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0347
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0347】
本開示は上記の実施形態と併せて説明されてきたが、前述の説明及び実施例は例示を意図し、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。本開示の範囲内の他の態様、利点、及び修正は、本開示が関連する当業者には明らかであろう。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
式(I)の化合物、
【化74】
又はその薬学的に許容される塩であって、
式中、
R
1
が、水素、又は各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4
アルコキシ、及びC
3~10
シクロアルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~6
アルキルであるか、あるいは
R
1
が、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4
アルコキシ、及びC
1~6
アルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
3~6
シクロアルキルであり、
同じであっても異なっていてもよい各R
2
が、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、オキソ、C
1~4
アルキル、C
3~10
シクロアルキル、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、独立して、窒素、酸素、又は硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール、-N(R
2A1
)(R
2A2
)、-O-R
2A1
、-S-R
2A1
、-C(O)N(R
2A1
)(R
2A2
)、-NR
2A1
C(O)R
2A2
、-NR
2A1
C(O)N(R
2A2
)(R
2A3
)、-S(O)
0-2
R
2A1
、-S(O)
2
N(R
2A1
)(R
2A2
)、並びに-NR
2A1
S(O)
2
R
2A2
から選択され、各R
2A1
、R
2A2
、及びR
2A3
が、独立して、水素又はC
1~6
アルキルであり、各R
2
アルキル、シクロアルキル、複素環式、アリール、及びヘテロアリールが、任意選択的に、同じであっても異なっていてもよい1~4つのR
2B
で置換され、各R
2B
が、独立して、C
1~4
アルキル、C
1~4
アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、又はシアノであり、
同じであっても異なっていてもよい各R
3
が、独立して、重水素、ハロゲン、C
1~6
アルキル、C
3~10
シクロアルキル、又はC
1~4
アルコキシから選択され、各C
1~6
アルキル及びC
3~10
シクロアルキルが、任意選択的に、1~3個のハロゲンで置換され、
R
4
が、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4
アルコキシ、-C(O)N(R
4A1
)、及び-N(R
4A1
)(R
4A2
)から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~6
アルキルであり、各R
4A1
及びR
4A2
が、独立して、H、C
1~6
アルキル、又はC
3~10
シクロアルキルであるか、あるいは
R
4
はが、C
3~6
シクロアルキル、又は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1若しくは2個のヘテロ原子を有する3~6員ヘテロシクリルであり、前記シクロアルキル又はヘテロシクリルが、任意選択的に、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4
アルキル及びC
1~4
アルコキシから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換され、
mが、0、1、2、3、又は4であり、
nが、0、1、2、又は3であり、
oが、0、1、2、又は3であり、
X
1
、X
2
、及びX
3
の各々が、独立して、CH及びNから選択され、
各Uが、独立して、-CH=、-CH
2
-、-N=、-NH-、又は-O-であり、
各Y
1
及びY
2
が、独立して、水素、重水素、又は各々独立して、重水素、ハロゲン、シアノ、C
2~3
アルキニル、C
1~4
アルコキシ、及び-C(O)NH-(C
1~4
H
3-9
)から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3個の置換基で任意選択的に置換されたC
1~6
アルキルであり、
Zが、C
1~8
アルキル、C
1~6
アルコキシ、C
3~6
シクロアルキル、C
6~12
アリール、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~12員ヘテロシクリル、又は独立して窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~12員ヘテロアリールであり、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールが、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4
アルキル、C
1~4
アルコキシ、及びC
3~6
シクロアルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で各々任意選択的に置換され、前記
1~4
アルキルが、任意選択的に、C
1~4
アルコキシ及びハロゲンから各々選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換されるか、あるいは
Y
1
及びZが、それらが結合している炭素と一緒になってC
3~6
シクロアルキル、C
6~12
アリール、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~12員ヘテロシクリル、又は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~12員ヘテロアリールを形成し、前記シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールが、各々独立して、シアノ、C
1~4
アルキル、C
1~4
アルコキシ、C
6~10
アリール及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で各々任意選択的に置換され、前記C
1~4
アルキルが、任意選択的に、各々独立して、C
1~4
アルコキシ及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換され、前記C
6~10
アリールが、任意選択的に、各々独立して、C
1~4
アルキル、C
1~4
アルコキシ、及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換され、Y
2
が、水素又は重水素である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目2)
前記化合物が、式(Ia):
【化75】
のものである、項目1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目3)
R
1
が、水素である、項目1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目4)
R
4
が、独立して、シアノ及びFから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~3
アルキルである、項目1~3のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目5)
R
4
が、-CH
3
である、項目1~4のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目6)
前記化合物が、式(II)のものであり、
【化76】
式中、
R
1
が、水素であり、
各R
2
が、独立して、重水素、シアノ、ヒドロキシ、ハロゲン、C
1~6
アルキル、C
3~10
シクロアルキル、又はC
1~4
アルコキシから選択され、前記C
1~6
アルキル又はC
3~10
シクロアルキルが、任意選択的に、1~3個のハロゲンで置換され、
W
1
が、-CH
2
-であり、
W
2
が、-CH=、-CH
2
-、又は-O-であり、
W
3
が、-CH=、-CH
2
-、-O-、又は-NH-であり、
p及びqが、各々独立して、0又は1である、項目1又は3~5のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目7)
前記化合物が、式(IIa):
【化77】
のものである、項目1~6のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目8)
pが0であり、qが0である、項目6又は7に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目9)
pが0であり、qが1である、項目6又は7に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目10)
pが1であり、qが1である、項目6又は7に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目11)
前記化合物が、式(IIIa)のものであり、
【化78】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目12)
前記化合物が、式(IIIb)のものであり、
【化79】
式中、
mが、0、1、2、3、又は4であり、
oが、0、1、2、又は3である、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目13)
前記化合物が、式(IIIc)のものであり、
【化80】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目14)
前記化合物が、式(IIId)のものであり、
【化81】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目15)
前記化合物が、式(IIIe)のものであり、
【化82】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目16)
前記化合物が、式(IIIf)のものであり、:
【化83】
式中、
mが、0、1、2、又は3であり、
oが、0、1、2、又は3である、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目17)
前記化合物が、式(IIIg)のものであり、:
【化84】
式中、
mが、0、1、2、3、又は4であり、
oが、0、1、2、又は3である、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目18)
式(IVa)の化合物:
【化85】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目19)
式(IVb)の化合物:
【化86】
式中、
mが、0、1、2、3、又は4であり、
oが、0、1、2、又は3である、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目20)
式(IVc)の化合物:
【化87】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目21)
式(IVd)の化合物:
【化88】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目22)
式(IVe)の化合物:
【化89】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、又は2である、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目23)
式(IVf)の化合物:
【化90】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目24)
式(IVg)の化合物:
【化91】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、又は2である、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目25)
式(IVh)の化合物:
【化92】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、又は2である、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目26)
式(IVi)の化合物:
【化93】
式中、
mが、0、1、又は2であり、
oが、0、1、2、又は3である、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目27)
式(IVj)の化合物:
【化94】
式中、
mが、0、1、2、3、又は4であり、
oが、0、1、2、又は3である、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目28)
mが、0、1、又は2である、項目1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目29)
oが、0又は1である、項目1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目30)
mが0であり、oが0である、項目1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目31)
mが1であり、oが0である、項目1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目32)
mが2であり、oが0である、項目1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目33)
mが0であり、oが1である、項目1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目34)
同じであっても異なっていてもよい各R
2
が、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、オキソ、C
1~4
アルキル、C
3~10
シクロアルキル、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、独立して、窒素、酸素、又は硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール、-N(R
2A1
)(R
2A2
)、-O-R
2A1
、-S-R
2A1
、-C(O)N(R
2A1
)(R
2A2
)、-NR
2A1
C(O)R
2A2
、-NR
2A1
C(O)N(R
2A2
)(R
2A3
)、-S(O)
0-2
R
2A1
、-S(O)
2
N(R
2A1
)(R
2A2
)、及び-NR
2A1
S(O)
2
R
2A2
から、独立して選択され、各R
2A1
、R
2A2
、及びR
2A3
が、独立して、水素又はC
1~6
アルキルであり、各R
2
アルキル、シクロアルキル、複素環式、アリール、及びヘテロアリールが、任意選択的に、同じであっても異なっていてもよい1~4つのR
2B
で置換され、各R
2B
が、独立して、C
1~4
アルキル、C
1~4
アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、又はシアノである、項目1~33のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目35)
同じであっても異なっていてもよい各R
2
が、独立して、C
1~4
アルキル、6~10員アリール、C
1~4
アルコキシ、又はハロゲンであり、各C
1~4
アルキルが、任意選択的に、1~4個のハロゲンで置換される、項目1~34のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目36)
同じであっても異なっていてもよい各R
2
が、独立して、C
1~4
アルキル、C
1~4
アルコキシ、又はハロゲンである、項目1~34のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目37)
同じであっても異なっていてもよい各R
2
が、独立して、-CH
3
、-CF
3
、-C
2
H
5
、フェニル、又は-Fである、項目1~34のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目38)
各R
2
が、ハロゲンである、項目1~37のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目39)
各R
2
が、-Fである、項目1~38のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目40)
同じであっても異なっていてもよい各R
3
が、独立して、重水素、ハロゲン、C
1~6
アルキル、C
3~10
シクロアルキル、又はC
1~4
アルコキシから選択され、各C
1~6
アルキル及びC
3~10
シクロアルキルが、任意選択的に、1~3個のハロゲンで置換される、項目1~39のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目41)
R
3
が、ハロゲンである、項目1~40のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目42)
R
3
が、-Fである、項目1~41のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目43)
Y
1
が、水素、重水素、又は各々独立して、重水素、ハロゲン、シアノ、C
2~3
アルキニル、C
1~4
アルコキシ、及び-C(O)NH-(C
1~4
H
3-9
)から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~6
アルキルである、項目1~42のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目44)
Y
1
が、各々独立して、ハロゲン、シアノ、及びC
1~4
アルコキシから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたC
1~3
アルキルである、項目43に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目45)
Y
1
が、各々独立して、-F、-Cl、-CN、及び-O-CH
3
から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたメチルである、項目43に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目46)
Y
1
が、-CH
3
又は-CH
2
Fである、項目45に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目47)
Zが、C
1~8
アルキル、C
1~6
アルコキシ、C
3~6
シクロアルキル、C
6~12
アリール、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~12員ヘテロシクリル、又は独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~12員ヘテロアリールであり、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールが、各々独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~4
アルキル、C
1~4
アルコキシ、及びC
3~6
シクロアルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で各々任意選択的に置換され、前記C
1~4
アルキルが、任意選択的に、各々C
1~4
アルコキシ及びハロゲンから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で置換される、項目1~46のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目48)
Zが、各々独立して、ハロゲン及びC
1~4
アルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたフェニルである、項目1~47のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目49)
Zが、各々独立して、-F及び-Clから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたフェニルである、項目48に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目50)
Zが、
【化95】
である、項目49に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目51)
Zが、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~3個のヘテロ原子を有する5又は6員ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールが、任意選択的に、独立して、ハロゲン及びC
1~4
アルキルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3個の置換基で置換される、項目47に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目52)
Zが、各々独立して、-F、-Cl、-Br、及び-CH
3
から選択される、同じであっても異なっていてもよい1~3つの置換基で任意選択的に置換されたピリジルである、項目51に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目53)
Zが、
【化96】
である、項目52に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目54)
Y
1
が、-CH
3
であり、Zが、
【化97】
である、項目1~42のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目55)
Y
1
が、-CH
3
であり、Zが、
【化98】
である、項目1~42のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目56)
【化99】
【化100】
からなる群から選択される、化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(項目57)
【化101】
からなる群から選択される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(項目58)
前記化合物が、
【化102】
である、項目1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目59)
前記化合物が、
【化103】
である、項目1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目60)
前記化合物が、
【化104】
である、項目1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目61)
前記化合物が、
【化105】
である、項目1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目62)
治療有効量の項目1~61のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物。
(項目63)
追加の治療剤を更に含む、項目62に記載の医薬組成物。
(項目64)
LPAR1媒介性の疾患若しくは状態を治療若しくは安定化するか、又はその重症度若しくは進行を減少させる方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の項目1~61のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は項目62若しくは63に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
(項目65)
前記LPAR1媒介性の疾患又は状態が、創傷治癒、がん、疼痛、呼吸器障害、アレルギー性障害、神経系障害、心血管障害、及び炎症性障害からなる群から選択される、項目64に記載の方法。
(項目66)
前記LPAR1媒介性の疾患又は状態が、線維症を含む、項目64又は65に記載の方法。
(項目67)
線維症が、肺線維症、腎線維症、肝線維症、眼線維症、心線維症、又は全身性硬化症である、項目66に記載の方法。
(項目68)
肺線維症が、特発性肺線維症(IPF)又は進行性線維化間質性肺疾患(PF-ILD)である、項目67に記載の方法。
(項目69)
前記肺線維症が、全身性炎症性疾患に対して続発性である、項目67に記載の方法。
(項目70)
前記全身性炎症性疾患が、関節リウマチ、強皮症、狼瘡、原因不明性線維化性肺胞炎、放射線誘発性線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、強皮症、慢性喘息、珪肺症、アスベスト誘発性肺若しくは胸膜線維症、急性肺損傷又は急性呼吸窮迫である、項目67に記載の方法。
(項目71)
前記腎線維症が、糖尿病性腎臓疾患に関連する、項目67に記載の方法。
(項目72)
前記LPAR1媒介性の疾患又は状態が、肝臓疾患である、項目67に記載の方法。
(項目73)
前記肝臓疾患が、肝臓線維症である、項目72に記載の方法。
(項目74)
前記肝臓疾患が、非アルコール性脂肪性肝臓疾患(NAFLD)を含む、項目72又は73に記載の方法。
(項目75)
前記肝臓疾患が、脂肪症を含む、項目72~74のいずれか一項に記載の方法。
(項目76)
前記肝臓疾患が、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む、項目72~75のいずれか一項に記載の方法。
(項目77)
前記肝臓疾患が、肝硬変を含む、項目72~76のいずれか一項に記載の方法。
(項目78)
前記肝硬変が、代償性肝硬変である、項目77に記載の方法。
(項目79)
前記肝硬変が、非代償性肝硬変である、項目77に記載の方法。
(項目80)
前記肝臓疾患が、肝細胞がん(HCC)を含む、項目72~79のいずれか一項に記載の方法。
(項目81)
前記肝臓疾患が、原発性胆汁性硬変(PBC)又は原発性硬化性胆管炎(PSC)を含む、項目72~79のいずれか一項に記載の方法。
(項目82)
前記肝臓疾患が、門脈圧亢進を含む、項目72~81のいずれか一項に記載の方法。
(項目83)
前記化合物又はその薬学的に許容される塩が、追加の治療剤と組み合わせて投与される、項目72~82のいずれか一項に記載の方法。
(項目84)
前記追加の治療剤が、1、2、3、又は4つの追加の治療剤である、項目63に記載の医薬組成物又は項目83に記載の方法。
(項目85)
前記追加の治療剤が、アセチル-CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、アポトーシスシグナル調節キナーゼ(ASK-1)阻害剤、ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト、魚油、グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アルファ(PPARα)アゴニスト、又はTGFβアンタゴニストを含む、項目63に記載の医薬組成物、又は項目83若しくは84に記載の方法。
(項目86)
前記ACC阻害剤が、フィルソコスタットである、項目85に記載の医薬組成物又は方法。
(項目87)
前記ASK1阻害剤が、セロンセルチブである、項目85に記載の医薬組成物又は方法。
(項目88)
前記FXRアゴニストが、シロフェクサーである、項目85に記載の医薬組成物又は方法。
(項目89)
前記PPARαアゴニストが、フィブラートである、項目85に記載の医薬組成物又は方法。
(項目90)
前記魚油が、イコサペント酸エチルである、項目85に記載の医薬組成物又は方法。
(項目91)
前記GLP-1受容体アゴニストが、リラグルチド又はセマグルチドである、項目85に記載の医薬組成物又は方法。
(項目92)
前記TGFβアンタゴニストが、抗TGFβ1特異的抗体である、項目85に記載の医薬組成物又は方法。
(項目93)
前記TGFβアンタゴニストが、TGFβ受容体である、項目85に記載の医薬組成物又は方法。
(項目94)
前記追加の治療剤が、フィルソコスタット及びシロフェクサーを含む、項目85に記載の医薬組成物又は方法。
(項目95)
前記追加の治療剤が、フィルソコスタット及びリラグルチド又はセマグルチドを含む、項目85に記載の医薬組成物又は方法。
(項目96)
前記追加の治療剤が、フィブラート又はイコサペント酸エチルを含む、項目94又は95に記載の医薬組成物又は方法。
(項目97)
前記追加の治療剤が、シロフェクサー及びリラグルチド又はセマグルチドを含む、項目85に記載の医薬組成物又は方法。
(項目98)
ACC媒介性の疾患又は状態の治療のための医薬品の製造のための、項目1~61のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の、使用。
【国際調査報告】