(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-10
(54)【発明の名称】取り出されたPLMデータに基づくインサイト生成
(51)【国際特許分類】
G06F 30/10 20200101AFI20230703BHJP
【FI】
G06F30/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575313
(86)(22)【出願日】2021-06-08
(85)【翻訳文提出日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 US2021036333
(87)【国際公開番号】W WO2021252445
(87)【国際公開日】2021-12-16
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520069604
【氏名又は名称】アプリオリ テクノロジーズ インク.
【氏名又は名称原語表記】APRIORI TECHNOLOGIES INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】オ’ブライエン,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】フェラデイ,ステファニー
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146AA07
5B146BA01
5B146DC06
5B146DE12
5B146DE16
5B146DG01
5B146DL02
5B146DL05
5B146DL08
5B146EA06
5B146EC01
(57)【要約】
PLMデータベースからパーツデータを抽出し、パーツの製造の変更を提案することが可能なシステム及び方法を提供する。一実施例では、本方法は、データベースに格納されているコンピュータ支援設計(CAD)ファイルの複数のフィールドにある、製造されるパーツの複数の値に関してデータベースにクエリするステップと、データベースのタイプに応じて、CADファイルの複数のフィールドを、ホストプラットフォームの複数の対応するフィールドにマッピングするステップと、CADファイルから複数の値を抽出し、その複数の値を、マッピングされた、ホストプラットフォームの複数の対応するフィールドに転送するステップと、転送された複数の値に基づいて、製造されるパーツの1つ以上の製造属性の変更を決定するステップと、変更をディスプレイに出力するステップと、を含んでよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサであって、
データベースに格納されているコンピュータ支援設計(CAD)ファイルの複数のフィールドにある、製造されるパーツの複数の値に関して前記データベースにクエリするステップと、
前記データベースのタイプに応じて、前記CADファイルの前記複数のフィールドを、ホストプラットフォームの複数の対応するフィールドにマッピングするステップと、
前記CADファイルから前記複数の値を抽出し、前記複数の値を、マッピングされた、前記ホストプラットフォームの前記複数の対応するフィールドに転送するステップと、
前記転送された複数の値に基づいて、前記製造されるパーツの1つ以上の製造属性の変更を決定するステップと、
前記変更をディスプレイに出力するステップと、
を実施するように構成された前記プロセッサ
を含むコンピューティングシステム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記CADファイルの前記複数のフィールドを識別するアプリケーションプログラミングインタフェース(API)呼び出しを生成して前記データベースに送るステップを実施するように構成されている、請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項3】
前記データベースは製品ライフサイクル管理(PLM)データベースを含み、前記プロセッサは、前記PLMデータベースにあるフィールドを、ホストプラットフォームの対応するフィールドにマッピングするステップを実施するように構成されており、前記ホストプラットフォームの前記対応するフィールドは、前記PLMデータベースにある前記フィールドと異なるフィールド名を有する、請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記製造されるパーツのパーツ識別子値、パーツ番号値、及び改訂番号値を含む複数のフィールドが埋め込まれているクエリステートメントを前記データベースに送るステップを実施するように構成されている、請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記データベースと前記ホストプラットフォームとの間に介在するコンピューティングシステムにインストールされているエージェントを介して、前記CADファイルの前記複数のフィールドを、前記ホストプラットフォームの前記複数の対応するフィールドにマッピングするステップを実施するように構成されている、請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記CADファイルが第1のタイプのデータベース又は第2のタイプのデータベースのいずれから抽出されるかに応じて異なるマッピングを生成するステップを実施するように構成されている、請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは更に、前記ホストプラットフォームにある前記複数の対応するフィールドの識別子を含むクエリを受け取るステップと、前記クエリを、前記データベースのアプリケーションプログラミングインタフェース(API)に基づくAPI呼び出しに翻訳してから前記データベースにクエリするステップと、を実施するように構成されている、請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記製造されるパーツの1つ以上の属性に対する、製造コストを減らす為の変更を特定するステップと、前記特定された変更をユーザインタフェースに表示するステップと、を実施するように構成されている、請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項9】
データベースに格納されているコンピュータ支援設計(CAD)ファイルの複数のフィールドにある、製造されるパーツの複数の値に関して前記データベースにクエリするステップと、
前記データベースのタイプに応じて、前記CADファイルの前記複数のフィールドを、ホストプラットフォームの複数の対応するフィールドにマッピングするステップと、
前記CADファイルから前記複数の値を抽出し、前記複数の値を、マッピングされた、前記ホストプラットフォームの前記複数の対応するフィールドに転送するステップと、
前記転送された複数の値に基づいて、前記製造されるパーツの1つ以上の製造属性の変更を決定するステップと、
前記変更をディスプレイに出力するステップと、
を含む方法。
【請求項10】
前記クエリするステップは、前記CADファイルの前記複数のフィールドを識別するアプリケーションプログラミングインタフェース(API)呼び出しを生成して前記データベースに送るステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記データベースは製品ライフサイクル管理(PLM)データベースを含み、前記マッピングするステップは、前記PLMデータベースにあるフィールドを、ホストプラットフォームの対応するフィールドにマッピングするステップを含み、前記ホストプラットフォームの前記対応するフィールドは、前記PLMデータベースにある前記フィールドと異なるフィールド名を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記クエリするステップは、前記製造されるパーツのパーツ識別子値、パーツ番号値、及び改訂番号値を含む複数のフィールドが埋め込まれているクエリステートメントを前記データベースに送るステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記マッピングするステップは、前記データベースと前記ホストプラットフォームとの間に介在するコンピューティングシステムにインストールされているエージェントを介して、前記CADファイルの前記複数のフィールドを、前記ホストプラットフォームの前記複数の対応するフィールドにマッピングするステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記CADファイルの前記複数のフィールドを、前記ホストプラットフォームの前記複数の対応するフィールドにマッピングする前記ステップは、前記CADファイルが第1のタイプのデータベース又は第2のタイプのデータベースのいずれから抽出されるかに応じて異なるマッピングを生成するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記ホストプラットフォームにある前記複数の対応するフィールドの識別子を含むクエリを受け取るステップと、前記クエリを、前記データベースのアプリケーションプログラミングインタフェース(API)に基づくAPI呼び出しに翻訳してから前記データベースにクエリするステップと、を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記決定するステップは、前記製造されるパーツの1つ以上の属性に対する、製造コストを減らす為の変更を特定するステップと、前記特定された変更をユーザインタフェースに表示するステップと、を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
プロセッサによって実行されたときに、
データベースに格納されているコンピュータ支援設計(CAD)ファイルの複数のフィールドにある、製造されるパーツの複数の値に関して前記データベースにクエリするステップと、
前記データベースのタイプに応じて、前記CADファイルの前記複数のフィールドを、ホストプラットフォームの複数の対応するフィールドにマッピングするステップと、
前記CADファイルから前記複数の値を抽出し、前記複数の値を、マッピングされた、前記ホストプラットフォームの前記複数の対応するフィールドに転送するステップと、
前記転送された複数の値に基づいて、前記製造されるパーツの1つ以上の製造属性の変更を決定するステップと、
前記変更をディスプレイに出力するステップと、
を含む方法をコンピュータに実施させる命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記クエリするステップは、前記CADファイルの前記複数のフィールドを識別するアプリケーションプログラミングインタフェース(API)呼び出しを生成して前記データベースに送るステップを含む、請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記データベースは製品ライフサイクル管理(PLM)データベースを含み、前記マッピングするステップは、前記PLMデータベースにあるフィールドを、ホストプラットフォームの対応するフィールドにマッピングするステップを含み、前記ホストプラットフォームの前記対応するフィールドは、前記PLMデータベースにある前記フィールドと異なるフィールド名を有する、請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記クエリするステップは、前記製造されるパーツのパーツ識別子値、パーツ番号値、及び改訂番号値を含む複数のフィールドが埋め込まれているクエリステートメントを前記データベースに送るステップを含む、請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月8日に出願された米国特許仮出願第63/036,050号、並びに2021年5月27日に出願された米国特許非仮出願第17/331,786号の、米国特許法119条(e)に基づく利益を主張するものであり、これらの出願は両方とも、米国特許商標局に出願されており、それらの開示内容の全体があらゆる目的の為に本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ支援設計(CAD)は、(例えば、コンポーネントやパーツを製造する為の)コンポーネント設計図の作成、修正、及び最適化を、コンピュータを使用して支援する技術である。CADソフトウェアは、オブジェクトを描写する為に、従来の手描きに頼る代わりに、ベクトルベースのグラフィックスを使用してよい。場合によっては、CADソフトウェアは、設計されるオブジェクトの全体の外観を表示するラスタグラフィックスを生成してよい。CADソフトウェアは、単なる形状以上のものを包含してよい。例えば、CADは、用途固有の決まり事に従って、材料、工程、寸法、公差等の情報を伝達してよい。
【0003】
パーツ設計者は、CADソフトウェアを使用して、パーツのモデルを組み立てることが多い。そしてパーツ設計者は、そのモデル(CAD図面)を製造会社に渡す。典型的には、設計者は、性能に影響を及ぼしうる要因(例えば、サイズ、形状、材料、公差等)に重点を置いてよい。しかしながら、設計者は、そのような設計を製造する際の複雑さ/コストを理解していないことがある。例えば、特定の形状のコンポーネントに1インチの穴を設けるのに異なる3つの特殊なドリル作業が製造時に必要である一方、そのコンポーネントの同じような場所に0.5インチの穴を設けるのであれば1つの標準的なドリル作業で済む場合がある。別の例として、シートメタル片内のカットが、形状によっては、シートメタルの厚さが原因で製造できないことがある。設計者は、そのような問題に全く気づかないことがある。場合によっては、設計者がその問題に気づくのが、設計図を製造の為に提出して何週間も経ってから、ということもあり、その場合は大きな遅延が発生することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来の技術における課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一例示的実施形態の一態様によれば、プロセッサを含むコンピューティングシステムが提供され、プロセッサは、データベースに格納されているコンピュータ支援設計(CAD)ファイルの複数のフィールドにある、製造されるパーツの複数の値に関してデータベースにクエリするステップと、データベースのタイプに応じて、CADファイルの複数のフィールドを、ホストプラットフォームの複数の対応するフィールドにマッピングするステップと、CADファイルから複数の値を抽出し、その複数の値を、マッピングされた、ホストプラットフォームの複数の対応するフィールドに転送するステップと、転送された複数の値に基づいて、製造されるパーツの1つ以上の製造属性の変更を決定するステップと、変更をディスプレイに出力するステップと、を実施するように構成されてよい。
【0006】
別の例示的実施形態の一態様によれば、方法が提供され、この方法は、データベースに格納されているコンピュータ支援設計(CAD)ファイルの複数のフィールドにある、製造されるパーツの複数の値に関してデータベースにクエリするステップと、データベースのタイプに応じて、CADファイルの複数のフィールドを、ホストプラットフォームの複数の対応するフィールドにマッピングするステップと、CADファイルから複数の値を抽出し、その複数の値を、マッピングされた、ホストプラットフォームの複数の対応するフィールドに転送するステップと、転送された複数の値に基づいて、製造されるパーツの1つ以上の製造属性の変更を決定するステップと、変更をディスプレイに出力するステップと、を含んでよい。
【0007】
別の例示的実施形態の一態様によれば、非一時的コンピュータ可読媒体が、データベースに格納されているコンピュータ支援設計(CAD)ファイルの複数のフィールドにある、製造されるパーツの複数の値に関してデータベースにクエリするステップと、データベースのタイプに応じて、CADファイルの複数のフィールドを、ホストプラットフォームの複数の対応するフィールドにマッピングするステップと、CADファイルから複数の値を抽出し、その複数の値を、マッピングされた、ホストプラットフォームの複数の対応するフィールドに転送するステップと、転送された複数の値に基づいて、製造されるパーツの1つ以上の製造属性の変更を決定するステップと、変更をディスプレイに出力するステップと、を実施してよい。
【0008】
以下の詳細説明を添付図面と併せて参照することにより、本例示的実施形態の特徴及び利点、並びにそれらの達成方法がより容易に明らかになるであろう。
【0009】
図面及び詳細説明の全体を通して、別段の記載がない限り、同じ図面参照符号は、同じ要素、特徴、及び構造を参照するものと理解されたい。それらの要素の相対的なサイズ及び描写は、明確さ、例示、及び/又は利便性の為に誇張又は調整されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】一例示的実施形態による、PLMデータ抽出及びインサイト生成の為のシステムを示す図である。
【
図1B】一例示的実施形態による、製造性分析の結果の表示を含むユーザインタフェースを示す図である。
【
図1C】一例示的実施形態による、製造工程の提案された変更を含むユーザインタフェースを示す図である。
【
図2A】一例示的実施形態による、PLMサーバにインストールされたエージェントソフトウェアプログラムのプロセスを示す図である。
【
図2C】一例示的実施形態による、
図2Aのエージェントソフトウェアプログラムのマッピングテーブルを示す図である。
【
図3B】一例示的実施形態による、エージェントソフトウェアによりクエリを翻訳するプロセスを示す図である。
【
図4】一例示的実施形態による、PLMデータを抽出してコンポーネントのインサイトを生成する方法を示す図である。
【
図5】一例示的実施形態によるコンピューティングシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明では、様々な例示的実施形態の十分な理解が得られるように具体的な詳細を示す。当然のことながら、当業者であれば、それらの実施形態に対する様々な修正が容易に明らかであろうし、本明細書で示される一般原理は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱しない限り、別の実施形態や用途に適用されてよい。更に、以下の説明では、説明を目的として多くの詳細を示す。しかしながら、当業者であれば理解されるように、そのような具体的な詳細を用いなくても実施形態が実施されてよい。又、場合によっては、不要な詳細によって説明が不明瞭になることを避けるべく、よく知られている構造や工程の図示又は説明を行わない。従って、本開示は、示された実施形態に限定されるものではなく、本明細書に開示の原理及び特徴と整合する最も広い範囲を与えられるものとする。
【0012】
製造されるパーツの設計者が、パーツの製造の複雑さに大きな影響を及ぼしうる要因に気づかないことが多い。特殊なツーリングや追加のツーリング工程のような複雑さは、設計における様々なジオメトリフィーチャが原因となる可能性があり、遅延、設計上の欠陥、製造コストの増加等のような様々な障害を引き起こす可能性がある。例えば、カット、曲げ、穴、形状等のようなジオメトリフィーチャは、(基本的なツールによる)基本的な製造ではなく(特殊なツールによる)特殊な製造を必要とする場合がある。別の例として、設計者が位置、サイズ、公差仕様等の選択を、別の位置、サイズ、パターン等のほうがより簡単な工程で製造可能であることを全く理解せずに好みに基づいて行う場合がある。更に、コンポーネントの1つの設計属性の変更が、そのコンポーネントの他の設計属性において問題を引き起こす可能性がある。
【0013】
パーツの設計段階では、設計者は、パーツのレンダリング/可視化を含むテクニカルモデル(例えば、ファイルに格納されたコンピュータ支援設計(CAD)モデル)を生成してよい。CADファイルは、パーツの構造設計(ジオメトリ形状)に加えて、CADファイル自体のメタデータに格納されるか、CADファイルとペアになるパーツオブジェクトに格納される追加属性を含んでよい。追加属性は、製造されるパーツの数量/金額、使用される材料、製造工程、寸法、公差等を含んでよい。設計が終了したら、CADファイル及びそれに対応するパーツオブジェクトが、パーツを量産する製造業者に提出されてよい。
【0014】
多くの設計者は、製品ライフサイクル管理(PLM)ソフトウェアを使用してCADファイルを作成する。そしてPLMソフトウェアは、自身のPLMデータベースにCADファイルのコピーを格納する。PLMデータベースは、CADファイル及びパーツオブジェクトに格納されるデータの為の様々な構成を有する。ほんの数例を挙げると、PTC WINDCHILL(R)及びSAP TEAMCENTER(R)は、様々なフィールド名、データ型等を使用する様々なAPIを有する。
【0015】
例示的実施形態は、パーツ/コンポーネントの設計修正を発見及び提案することによって製造の複雑さ及びコストを減らすことが可能なホストプラットフォーム及び方法を対象とする。ホストプラットフォーム(例えば、ウェブサーバ、クラウドプラットフォーム、自社運用サーバ等)は、CADファイルの提出をユーザに要求するよりはむしろ、パーツデータを、製品ライフサイクル管理(PLM)データベース等のようなリモートデータベース(例えば、ウェブサーバ、クラウドプラットフォーム、自社運用サーバ等)にクエリしてよい。具体的には、ホストプラットフォーム上の接続プログラムが、PLMシステムにインストールされているエージェントにクエリメッセージを送ってよい。クエリメッセージは、ホストプラットフォームが理解するデータフィールドを含んでよい。応答として、エージェントは、それらのデータフィールド及び他の値をPLMシステムのフォーマットに翻訳/変換してよい。変換されたクエリメッセージは、PLMシステムのAPIを介してエージェントからPLMデータベースに送られてよい。エージェントは、PLMデータベースからクエリ値を受け取り、それらの結果をホストプラットフォームのコネクタに渡してよい。ここで、エージェントは、それらの結果を、ホストプラットフォームが理解するフォーマットに変換してよい。
【0016】
様々な実施形態によれば、エージェントは、エージェントがクエリ内の値を、エージェントがインストールされているそれぞれのPLMデータベースが理解するフォーマット(これにはPLMデータベースのアプリケーションプログラミングインタフェース(API)が理解するフォーマットが含まれる)の値に変換することを可能にするマッピングを含んでよい。エージェントは、様々なタイプのPLMデータベースに対応する様々なマッピングを含んでよい。そうする場合、エージェントは、クエリソフトウェアがデータフォーマット及びPLM APIの機能を理解することを必要とせずに、PLMデータベースに格納されたCADファイルからパーツ/コンポーネントデータが抽出されることを可能にする。そうしない場合、エージェントは、エージェントは、フィールド名、値、データ型等の違いを無視して、異なるPLMデータベース間でのシームレスなエクスペリエンスを創出する。
【0017】
エージェントによってPLMデータベースから抽出されたデータに基づいて、本システムは、パーツの1つ以上の関心対象のジオメトリフィーチャを識別し、それらの1つ以上のジオメトリフィーチャに対して、製造性及びコストを考慮した設計(DFMC)を向上させる修正を推奨してよい。例えば、必要なツールの数を減らす為の修正、特殊なツーリング工程を基本的(標準的)なツーリング工程に変更する為の修正、製造時間を短縮する為の修正、製造コストを減らす為の修正、使用する材料の数を減らす為の修正等が提案されてよい。これらの修正は、ジオメトリフィーチャ/設計の形状、サイズ、位置、深さ、タイプ等の変更を含んでよい。別の例として、修正は、公差の大きさ(即ち、設計/CADと実製品との間で許容される差異の大きさ)を増やす提案を含んでよい。提案された変更はユーザインタフェースに出力されてよく、そこでは、パーツの視覚的な表現が表示され、パーツが視覚的に識別されるように、パーツのジオメトリフィーチャがハイライトされてよく、又は他の形でフラグを立てられてよい。更に、ハイライトされたパーツに関連付けられた推奨された変更を説明するテキストコンテンツが提出されてよい。これでユーザ/設計者は、その提案を見て設計を変更してから最終提出してよい。
【0018】
最も効率的な製造設計が決定するまで設計者に対して何度でも提案が行われる、という点で、この工程は反復的であってよい。この例では、本システムは、パーツの設計中、並びにパーツモデルが製造の為に提出される前に、設計ガイダンスを自動的にチェックして、提案された設計変更があればこれを設計者に通知する。更に、本システムは、製造要件を満たす為に設計の変更を提案してよい。本システムは又、所定期間(例えば、ここ30日等)の間に提出された多数の(例えば、1000以上の)パーツを処理して、ユーザの努力をどのパーツに傾注すべきかを、問題の数/規模に基づいてユーザに知らせる機能を有する。先行技術のシステムが原始的なジオメトリ解析を実施しうるのに対し、本明細書に記載のシステムは、製造工程の完全シミュレーションを実施でき、それによって、結果がより完璧なものになって「誤警報」をある程度回避することが可能になる。異常値(例えば、製造性の見地からクリティカル/高リスクであるパーツ)を見つける為にインサイトサービスが使用するアルゴリズムは、問題の数/規模への関与にとどまらず、より深く関与してよい。例えば、各製造工程群(例えば、鍛造、鋳造、プラスチック等)は、異常値を検出するように構成されてよい、それぞれ固有のアルゴリズムを有してよい。
【0019】
更に、本システムは、ホストシステムのユーザインタフェースを介してユーザに提案を出力してよい。例えば、提案の提供は、(例えば、CAD作成中に)コンポーネントがレビューされている間にホストシステムによって行われてよく、それによって、コンポーネントが製造される前にそのような提案が行われる。本システムは、コンポーネントの現在の製造評価に関するフィードバックを表示して、効率を高められる方法をユーザに提案してよい。本システムは、ユーザインタフェースを介して、ユーザが製品の設計を変更している間にフィードバックを反復的に提供する反復的プロセスを通して、ユーザをより効率的な複雑さに導くことが可能である。更に、ユーザは、本システムによって識別された製造の問題を掘り下げて、そのような製造の問題の根本原因を考察することが可能である。
【0020】
図1Aは、一例示的実施形態による、PLMデータ抽出及びインサイト生成の為のシステム100を示す。
図1Aを参照すると、ホストプラットフォーム130が、製造されるパーツの修正を推奨するインサイト生成サービス132をホストしてよい。ここで、インサイト生成サービス132は、推奨された修正を1つ以上のユーザ装置140及び150に出力してよい。推奨される修正を生成する為に、ホストプラットフォーム130は、製造されるパーツの設計図/CADモデルを格納する1つ以上のPLMサーバ110及び120からデータを抽出してよい。ここで、ホストプラットフォーム130はウェブサーバ、クラウドプラットフォーム等であってよく、PLMサーバ110及び120は、自社運用サーバ、クラウドサーバ、ウェブサーバ等であってよい。更に、ユーザ装置140及び150は、パーソナルコンピュータ、タブレット、携帯電話、ラップトップ等であってよい。ホストプラットフォーム130、PLMサーバ110及び120、並びにユーザ装置140及び150は、インターネット等のネットワークを介して互いに接続してよい。
【0021】
データ抽出を実施する為に、ホストプラットフォーム130は、ホストプラットフォーム130にインストールされているコネクタ131と、PLMサーバ110及び120にそれぞれリモートインストールされているエージェント133及びエージェント134とを含んでよい。ユーザは、ユーザ装置140及び150の一方により、インサイトサービス132を介して特定のパーツ/モデルについてのインサイトを要求してよく、これはコネクタ131に転送される。別の例として、ホストプラットフォーム130は、一度に複数のパーツ/モデルに関して、PLMサーバ110及び120を、定期的に又は特定の条件に基づいて、自動的にスキャンしてよい。例えば、ホストプラットフォーム130は、ここ30日の間にユーザAによって製造された全てのパーツについてPLMサーバ110にクエリを行い、それらのパーツの全てに対して同時に製造性及びコストの分析を実施してよい。分析の結果は、インサイトサービス132のユーザインタフェースを介して出力されてよく、これはユーザ装置140及び150の一方又は両方に表示される。
【0022】
様々な実施形態によれば、ホストプラットフォーム130は、様々なタイプのPLMデータベースから、そこにインストールされている様々なエージェントを使用して、様々なタイプのPLMデータを自動的にクエリして取得してよい。クエリされた情報は、設計工程、並びにサプライヤ管理の他の領域(パーツをビルドする為の見積もりを取る等)において、製造にとって貴重である。そしてホストプラットフォーム130は、インサイトサービス132を介して製造ガイダンスを生成してよく、これは、CAD設計図のうちの、製造がより困難な(よりコストがかかる)パーツを設計技術者に伝える。このガイダンスは、ツーリングの変更、設計の変更等をもたらす、提案された設計修正を含んでよい。ホストプラットフォーム130は又、(パーツを作成する際の手順を削減する)スキップ又は削減されてよいルーティングの順序等を提供してよい。更に、設計者の教育に役立つコスト内訳が提示されてよい。
【0023】
人間がPLMサーバ110及び120のユーザインタフェースと対話してパーツデータを閲覧することが可能である。しかしながら、このプロセスはユーザにとってあまり価値のあるものではない。それは、インサイトが作成されておらず、パーツデータがPLMシステム内にとどまっている為である。これに対し、本例示的実施形態では、ホストプラットフォーム130は、ユーザがPLMサーバ110及び120と対話することを不要にして、パーツデータをPLMサーバから直接引き出す/抽出する。PLMサーバ110及び120内のCADモデルは、製造に備えて、製品構造(ジオメトリ形状)、並びに製造に持ち込まれる他の障害に関する情報(例えば、材料、処理情報、公差等)を保持する。ホストプラットフォーム130は、PLMサーバ110及び120からデータを引き出し、設計されているパーツに対する、コストを減らす修正を自動的に決定して、提案されたガイダンスをユーザインタフェースに出力してよい。幾つかの実施形態では、ユーザは、コスト及び製造性の両方のガイダンスを示す詳細レポートをアタッチするワークフローを構成してよく、このレポートは、PLMシステム内のパーツオブジェクトにアタッチされてよい。そうすれば、人間/ユーザは、PLMサーバのユーザインタフェース内で作業し続けて幾らかのメリットを得ることが可能である。しかしながら、更なるガイダンスの為には、ユーザは、インサイトサービスが提供するユーザインタフェースを開いてこれと対話することが必要になる場合がある。
【0024】
幾つかの実施形態では、コネクタ131は、ワークフローによってPLMサーバ110及び120からPLMデータを取得してよい。ここで、ワークフローは、PLMシステムから何を引き出すかを指定する(例えば、パーツの値、提出の時間範囲等)。ワークフローは、コネクタ131からエージェント133及び134の一方又は両方へのクエリを開始/トリガする。エージェント133及び134は、ホストプラットフォーム130から要求されたデータ値と、対応するPLMサーバ110及び120に格納されているデータ値との間のマッピングを提供する仲介役である。このエージェントは、顧客の居場所(例えば、クラウド又は自社施設)に位置する。エージェントは又、PLMサーバ110及び120が必要とするAPIを理解するマッピングが埋め込まれている。エージェント133及び134は、PLMサーバからCADファイルを取り出してよく、それらをコネクタ131に渡す。
【0025】
エージェント133及び134は、それぞれ、PLMサーバ110及び120に格納されているPLMデータをクエリしてよい。クエリは、ホストプラットフォーム130のコネクタ131によって一般的なフォーマットで定義され、その後、エージェント133及び134によって、対応するPLMサーバ110及び120のAPIが理解しうる固有フォーマットに変換される。そして、一般的な表現による最初のクエリがCICアプリケーションから来る。このクエリは、抽出されるデータ値を有するフィールドの名前、時間範囲、クエリ演算子(例えば、AND、OR等)等を含んでよい。クエリの結果として得られたデータは、コネクタ131及びインサイトサービス132に返されてよい。
【0026】
複雑さは、複数の要因によってもたらされうる。例えば、特殊な製造工程を必要とする公差を有するフィーチャは、著しい複雑さを引き起こしうる。別の例として、あるカット工程は別のタイプのカット工程より時間がかかるかもしれないが、カット工程の時間を短縮する為には設計を修正する必要があるかもしれない。複雑さを認識するだけでは十分ではないが、複雑さから何が得られるかを理解することにはメリットもある。インサイトサービス132は、一度に複数の異なるパーツを解析し、
図1Bに示すように、解析結果のインサイト通知160をユーザ装置140及び150の一方又は両方に提示してよい。例えば、インサイト通知160は、ユーザ装置140の画面に表示されたインサイトサービス132のユーザインタフェースに出力されてよい。別の例として、インサイト通知160は、電子メール、テキストメッセージ等に埋め込まれて、ユーザ装置140上の対応する電子メールアプリケーション、メッセージングアプリケーション等に送信されてよい。
【0027】
ここで、インサイト通知160は、実施された処理とユーザが行うべき手順の説明161を含む。インサイト通知160は更に、インタラクティブなパーツID値162を含む、値のテーブルを含む。パーツID値162をクリックすると、ユーザインタフェースは、例えば、
図1Cに示すように、推奨事項画面170に移動してよい。この例では、ユーザが、
図1Bに示されたテーブルからインタラクティブなパーツID値163を選択し、それによって、ユーザインタフェースが、
図1Cに示された推奨事項画面170にリダイレクトされる。
図1Cを参照すると、推奨事項画面170は、第1の推奨される変更の説明171と、第2の推奨される変更の説明172と、第1の推奨される変更のフィーチャをハイライトした可視化173及び174と、第2の推奨される変更のフィーチャをハイライトした可視化175と、を含む。ここで、ハイライトする処理は、様々なオーバレイ色、太字化、円、マーク、又は他の任意のしるしを画面上に含んでよく、これらは、推奨される変更がどのフィーチャに関連付けられているかをユーザが理解することに役立つ。
【0028】
インサイトサービス132が生成する提案/ガイダンスのタイプは、製造工程(例えば、プラスチック、金属、鋳造、組立等)に応じて様々であってよい。複雑さに影響を及ぼす為に様々な材料、工程、機械、ジオメトリフィーチャ等が変更されてよい。提案された変更には、最初こそ(例えば、型を作成する為に)コストがかさむものの、後でその型を基にパーツを大量生産することでコストを節約できるものがある。パーツの製造は、様々な一連の方法で行われてよい。それらの制約条件の全てが考慮されてよく、それをよりシンプルにする又はそもそも可能にするガイダンスを与えうる。更に、インサイトサービス132は、CADモデル内のフィーチャのジオメトリを、実施されている処理のタイプに応じて様々に解釈してよい。例えば、コンポーネントがシートメタルであれば、曲面は曲げであってよく、プラスチックパーツであれば、単に成形エッジであってよい(明確なフィーチャでなくてよい)。インサイトサービス132は、ジオメトリ、及びジオメトリが表すもの、そしてそれがどのように製造されうるかをアセスメントしてよい。
【0029】
図2Aは、一例示的実施形態による、PLMサーバ210にインストールされているエージェント226がインサイト生成用データを抽出するプロセス200を示す。
図2Aを参照すると、ホストプラットフォーム220がコネクタ222及びインサイトサービス224を含む。インサイトサービス224は、コスト及び/又は複雑さを減らす為にパーツ設計(例えば、CADモデル等)に対する修正の提案を生成するように構成されてよい。一方、コネクタ222は、PLMサーバ210にインストールされているエージェント226と通信するソフトウェアプログラムである。幾つかの実施形態では、コネクタ222は、インサイトサービス224からCADファイル/データのデータ要求を受け取ってよい。別の例として、コネクタ222は、ホストプラットフォーム220内で内部的に動作しているワークフロープロセスからCADファイル/データのデータ要求を受け取ってよい。ワークフローは、定期的に又は条件に応じて自動的にコネクタ222にデータを要求してよい。
【0030】
コネクタ222は、CADファイル/データの要求を受け取り、クエリをエージェント226に送ってよい。エージェント226は、PLMサーバのAPI212を介してPLMサーバ210のデータベース214と通信していてよい。API212は、データがいかにしてデータベース214からアクセスされるかを制御することが可能である。様々な実施形態によれば、エージェント226は、コネクタ222/ホストプラットフォーム220からのクエリを、API212で指定されているデータベース214の仕様に従ってフォーマットされたクエリステートメントに変換する翻訳プロセスを含んでよい。ここで、エージェントは、
図2Bに示され、これに関して説明されるようなマッピングテーブルを使用して、データフィールド/値を別のデータ値にマッピングし、その別のデータ値をクエリステートメントで使用してよい。
【0031】
エージェント226は、生成したクエリステートメントを、API212を介してデータベース214に送ってよい。応答として、データベース214は、クエリステートメントに基づいて1つ以上のCADファイル(及びそれらのパーツオブジェクト)をエージェント226に返してよい。別の例として、データベース214は、CADファイル/パーツオブジェクトからデータを抽出し、抽出したデータ値をエージェント226に返してよい。応答として、エージェント226は、コネクタ222を介して、CADファイル/パーツオブジェクトをインサイトサービス224に転送してよい。ここで、エージェント226は、PLMサーバ210上でインストールされて動作しているエージェント226ソフトウェアと、ホストプラットフォーム220でインストールされて動作しているコネクタ222ソフトウェアとの間で確立されているインターネット通信チャネルを介してCADファイル/パーツオブジェクトを送ってよい。
【0032】
CADファイル/パーツオブジェクトを受け取ったことの応答として、インサイトサービス224は、製造の複雑さ及びコストを減らすためにパーツの設計に対して実施可能な修正を識別し、ユーザインタフェース228に通知を出力してよい。通知は、
図1B及び1Cの例を含んでよく、これらに限定されない。ここで、ユーザインタフェース228は、インターネットを介してホストプラットフォーム220と接続されているユーザ装置にあってよい。例えば、ホストプラットフォーム220はクラウドプラットフォームであってよく、ユーザインタフェース228は、インターネットを介してクラウドプラットフォームと接続されていてユーザ装置(例えば、タブレット、ラップトップ、携帯電話等)上で動作しているブラウザの中にあってよい。
【0033】
インサイトサービス224の中に原価計算エンジン(図示せず)があってよい。様々な実施形態によれば、製造されるパーツのジオメトリ特性が、インサイトサービス224を介してCADファイルから抽出されて、パーツの設計の変更/修正を決定する為に原価計算エンジンで使用されてよい。例えば、パーツの原価計算を進める為に使用されるフィールド(例えば、材料、処理グループ、年間数量、VPE、バッチサイズ、公差、二次処理、工程順序等)が様々なソース(例えば、PLMフィールド、CADファイル属性(PMI)、ワークフロー設定、VPEデフォルト、及びユーザデフォルト)から引き出されてよい。但し、これらの入力によって原価計算のプロセスがどのようにガイドされるかに関係なく、CADモデルが読み出されて、原価計算エンジン向けにジオメトリが抽出されて、コスト値及び製造ガイダンスが生成されてよい。
【0034】
図2Aの例では、エージェント226は、PLM DB214からデータをキャプチャし、コネクタ222に転送してよい。そしてコネクタ222は、それらのデータがインサイトサービス224内の原価計算エンジンに転送されるように取り計らうことが可能である。例えば、原価計算エンジンにたどりつくのは別のインタフェースであってよい。ここで、コネクタ222は、インサイトサービス224に転送される入力を準備してよい。例えば、パーツがチューブ、シートメタル等であると考えられるかどうかは、CADファイル内から識別されてよい。更に、パーツについての他の詳細もCADファイルから抽出されてよく、これについては後で詳述する。コネクタ222はデータをしかるべき場所から抽出することを担っており、そしてインサイト生成サービス224内の原価計算エンジンは推奨事項を生成してよい。原価計算エンジンは、モデルベースの設計を実施してよい。例えば、原価計算エンジンは、CADファイルからジオメトリ値、公差情報等を読み出してよい。インサイトサービス224は、CADファイルに入力されるコードを有し、ジオメトリを処理し、物同士の空間的なつながりを認識する。ジオメトリ抽出、並びに、そのジオメトリ及びオブジェクトのサイズを全て取得することが、原価計算エンジンによって、CADファイルに対して行われる。
【0035】
製造の複雑さを高める原因である特定の属性が、CADファイル自体(例えば、メタデータ内)から、又はCADファイルとペアになっている追加データファイルであるパーツオブジェクトから抽出されてよい。それらの属性は、ツーリング情報、公差情報、材料情報、プロセス情報等のうちの1つ以上を含んでよい。ツーリング情報は、CAD内のモデルから検出されたジオメトリフィーチャを設計する為にどのツールが必要か、例えば、モデルから検出されたジオメトリフィーチャを製造する為に特殊なツール又は追加ツーリングコンポーネントが必要かどうか、についての情報を提供しうる。ツーリング情報は、どのフィーチャが特殊なツーリング、基本的なツーリング、多数のツール等を必要とするかを特定しうる。公差情報は、カット、穴、曲げ等に関して要求される公差レベルに対する、達成可能な公差レベルを特定しうる。例えば、公差情報は、特殊なツーリング工程から基本的なツーリング工程に後退する為に必要となる緩和量等を明らかにしうる。材料情報は、特定されたジオメトリフィーチャを作成するのに必要な材料の量及びタイプ、並びにそれらの材料が複雑さにどのように影響するか等を特定しうる。プロセス情報は、実施される製造工程(例えば、鋳造、プラスチック成形、シートメタル等)のタイプによって異なる複雑さ情報を提供しうる。又、当然のことながら、他の情報も複雑さの決定に役立つ場合があり、これらの情報タイプはあくまで例である。
【0036】
複雑さは、複数の要因によってもたらされうる。例えば、特殊な製造工程を必要とする公差を有するフィーチャは、著しい複雑さを引き起こしうる。別の例として、あるカット工程は別のタイプのカット工程より時間がかかるかもしれないが、カット工程の時間を短縮する為には設計を修正する必要があるかもしれない。従って、複雑さだけでは十分でないかもしれないが、複雑さから何が得られるかを理解することにもメリットもある。インサイトサービス224は、パーツの設計図/CADモデルに対する1つ以上の提案を作成し、修正されるべきフィーチャを、CADモデル内の他のフィーチャより目立たせるように(例えば、明るい色等で)ハイライトしたパーツの可視化を表示してよい。提案は、画像として表示されるが、ユーザインタフェース228を通して出力されてよく、これによって、ユーザが変更を視覚的に確認することが可能になる。ユーザインタフェース228は又、提案された修正を説明するテキスト/記述を提示してよい。更に、インサイトサービス224は、最も効率的なコンポーネント設計が生成されるまで、複雑さの複数の側面を減らす提案を反復的に生成してよい。
【0037】
幾つかの実施形態では、パーツ内のフィーチャに、そのフィーチャを作成する為に使用可能な設計プロセスが複数あるものがある。プロセスをふるい落とす為に1つ以上のルールが作られてよい又は使用されてよい。インサイトサービス224は、製造される製品の所望の結果(設計)を達成する為に実行可能でありうるかなりの量の製造選択肢並びに様々な規準及び方法を解析してよい。例えば、インサイトサービス224は、実行可能な複数の設計バリエーションを識別し、最小コストの設計バリエーション、最短所要時間の時間バリエーション、(最も製造しやすい)基本的な設計バリエーション等を特定してよい。インサイトサービス224は、ユーザインタフェースに出力される複数の提案であって、最適な進め方についての最終的な選択を設計者が行うことを可能にする複数の提案を作成してよい。特定のフィーチャの存在が、複雑さを引き起こし、効率的な製造を妨げる可能性があり、それらは、不要な公差、大きすぎる寸法、小さすぎる寸法、特定の製造工程に適合しない材料等を含みうる。インサイトサーバ120は、これらの問題を特定し、設計されるコンポーネントの目的をやはり達成する別の選択肢を提案してよい。場合によっては、提案された変更は、コンポーネントの製造を可能にするものである。この修正によって、コストが増えるものの複雑さが将来的に抑えられる場合がある。
【0038】
幾つかの実施形態では、ユーザ(例えば、設計者)は、パーツを機械加工パーツ、シートメタルパーツ、砂型鋳造パーツ等に分類することによって、インサイトサービス224との高レベルの接続を確立してよい。そしてインサイトサービス224は、取得されたCADファイルに含まれるモデルに基づいて、ツール、特殊な機械加工、基本的な機械加工、ジオメトリフィーチャ(公差、表面、曲げ、穴、位置、サイズ、コーナー等の属性を含む)を識別してよい。更に、インサイトサービス224は次に、モデルから識別されたコンポーネントの1つ以上のジオメトリフィーチャの変更方法に関する提案を行ってよい。又、当然のことながら、設計者は、製造されるパーツに関する様々な属性をユーザインタフェース228から入力してよく、これらは、インサイトサービス224が識別及び提案を行うのを更に支援しうる。例えば、ユーザは、材料タイプ、製造タイプ、製造量、所要製造時間等に関する情報を入力してよい。
【0039】
インサイトサーバ120によって行われる提案は、ツーリングの変更、処理の変更、材料の変更等を行う、設計の訂正又は他の修正を含んでよい。例えば、鋭い内角が、円筒形のツールではあまり簡単には作れず、手に入りにくくて高価な特殊ツールを必要とする場合がある。これは、丸みの付いたエッジを追加することで解決できる。別の例として、公差によって製造の強化(特殊な製造)が必要になる可能性がある。公差が厳しいと、特殊な仕上げが必要になる場合が多い。従って、公差の緩和を提案すると、特殊な仕上げが不要になる場合がある。別の例として、ジオメトリフィーチャのサイズ又は形状を変更すると、そのような設計を製造するのに必要なツールの数(及び時間)が減る場合がある。例えば、シートメタルの穴の公差が1インチの4/1000であれば別々の3つのドリル作業が必要になる場合があるが、この穴の公差を1インチの8/1000に緩和すれば1つの標準的なドリル作業で事足りる場合がある。多くの場合、複雑さが増える設計のフィーチャは、必須のものではなく、設計者が設計の美観を好むだけのものである。従って、提案された修正は、コンポーネントの性能に影響しうるものではない。
【0040】
図2B及び2Cは、一例示的実施形態による、
図2Aのエージェント226のマッピングテーブル230及び240の例を示す。
図2Aを参照すると、マッピングテーブル230は、「標準」PLMフィールドの場合のマッピングを提供しうる。ここでのマッピングでは、ホストプラットフォーム220にあるデータ値のフィールド名が、PLMデータベース214にあるデータ値のフィールド名にマッピングされる。例えば、マッピングエントリ231は、ホストプラットフォーム220にあるフィールド名232を、PLMデータベース214のフィールド名234にマッピングする。マッピングエントリ231は又、PLMデータベース214にあるデータに関して実施するアクションのタイプ(例えば、そこから読み出す、そこに書き込む等)を指定するアクション識別子233と、読み出されるデータ値の型を指定するデータ型値235とを含む。この例では、マッピングエントリ231は、ホストプラットフォーム220のメモリにローカルに格納されている、「Part Identifier」(パーツ識別子)という名前のフィールドが、PLMデータベース214にあるPart_IDという名前のフィールドにマッピングされることを示している。
【0041】
エージェント226は、フィールド名「Part Identifier」からのデータの要求を含むクエリをコネクタ222から受け取ると、マッピングテーブル230をレビューし、マッピングテーブルに基づいて、そのクエリを、フィールド名「Part Identifier」の代わりにフィールド名「Part_ID」を使用する同様のクエリに変換する。次にエージェント226が、「Part_ID」を有するクエリステートメントを含むAPI呼び出しを生成し、そのAPI呼び出しをAPI212に送ると、API212は、PLMデータベース214からデータを引き出す。応答として、エージェント226は、PLMデータベース214からの戻りとしてデータ値及び/又はデータ値に関連付けられたCADファイルを受け取ってよい。各追加フィールド(例えば、Part Number(パーツ番号)、Revision Number(改訂番号)等)が、クエリされているパーツ、又はクエリされているパーツのグループを識別することに更に役立ちうる。
【0042】
この例では、マッピングテーブル230は、ホストプラットフォーム220とPLMデータベース214との間のマッピングに含まれてよい「標準」PLMフィールドを含む。これらのフィールドのそれぞれは、ユーザが修正、削除等を行ってよい。更に、
図2Cに示すような別のマッピングがユーザによって追加されてよい。この例では、マッピングテーブル240はユーザインタフェースによって可視化されてよく、これにより、ユーザがマッピングと対話することが可能になる。
図2Cを参照すると、ユーザがマッピングテーブル240を選択し、「マッピングを追加」ボタン241を選択している。応答として、マッピングテーブルは、複数のドロップダウンボックスを有する新たなマッピングエントリ242を初期化し、これらのドロップダウンボックスにより、ユーザは、ホストフィールド名243、アクション244、PLMフィールド名245、及びデータ型246を選択することが可能になる。このようにして、ユーザは新しいPLMマッピングを作成することが可能である。図示していないが、ユーザは、マッピング230又はマッピング240にある既存のマッピングを編集ボタンで編集することも可能である。追加マッピングテーブル240は、ユーザの関心、及び取り出されるデータの型に応じて様々であってよい。
【0043】
図3A~3Bは、一例示的実施形態による、エージェントによりクエリを翻訳するプロセスを示す。
図3Aを参照すると、クエリ300Aがホストプラットフォーム(例えば、コネクタ等)によって生成され、エージェント226に送られる。この例では、エージェント226はPLMサーバにインストールされている。ここで、クエリ300Aは、鍛造工程で作成されるパーツのCADファイルの要求であり、そのCADファイルはPLMデータベースにあり、ユーザAの電子メールを属性として含むか、レビュー担当者(reviewer)としてのユーザAを属性として含む。言い換えると、クエリ300Aは、鍛造工程を必要としていて、(例えば、レビュー担当者としての、又はユーザAの電子メールに格納されている)ユーザAに関連付けられているパーツの全てのCADファイルを要求している。
【0044】
クエリ300Aは、データの型についての情報を指定する第1のステートメントを含む。ここで、第1のステートメントはフィールド310A、311、及び312を含み、これらは、鍛造処理グループにあるCADファイルの要求を指定する。ここで、フィールド310Aはフィールドの名前を指定し、イコールは値がイコールであるべきことを指定し、313は値自体を指定する。従って、要求は、鍛造工程を必要とする全てのCADファイルに対するものである。この場合の演算子302は使用されておらず、従って、デフォルトのANDに設定されている。但し、含まれるクエリステートメントは1つだけなので、結合演算子は不要である。一方、第2のステートメントはフィールド320A、321、及び322を含み、第3のステートメントはフィールド330A、331、及び332を含み、これらは両方とも、データの属性を指定する。ここで、第2のステートメントと第3のステートメントは演算子304(即ち、OR)で結合されており、これは、CADファイルが第2のステートメント又は第3のステートメントのいずれかを含みうることを指定する。この例では、第2のステートメントは、CADファイルがユーザAの電子メールに含まれること、又はCADファイルがファイルのレビュー担当者としてユーザAを有することを要求する。
【0045】
クエリ300Aを受け取ったことの応答として、エージェント226は、マッピングテーブル230及び/又は240に格納されているマッピングに基づいて、個々のステートメントに値を含むクエリタームを翻訳してよい。
図3A及び3Bを参照すると、エージェント226は、クエリ300Aをクエリ300Bに翻訳する。ここで、クエリ300Aのフィールド310A、320A、及び330Aにある値は、クエリ300Bのフィールド310B、320B、及び330Bに示された値に修正/変換される。この場合、フィールド310Aの値「Process Group」(処理グループ)は、フィールド310Bの「Pro_Group」に変換される。同様に、フィールド320Aの値「Check in User Email」(ユーザの電子メールをチェックイン)はクエリ300Bのフィールド320Bの値「User_Email」に変換され、フィールド330Aの値「Reviewer」はフィールド330Bでも同じままである。
【0046】
クエリ300Aがクエリ300Bに変換されたら、エージェント226は、PLMデータベースのAPIを介して、クエリ300Bを表すAPI呼び出しをPLMデータベースに送ってよい。幾つかの実施形態では、クエリ300Bは、エージェント226が受け取るクエリと同じクエリであってよく、修正されたデータ値を中に含んでよい。別の例として、クエリ300Bは、クエリ300Aを受け取ったことの応答として、エージェント226によってインスタンス化された別のクエリであってよい。
【0047】
図4は、一例示的実施形態による、PLMデータを抽出してコンポーネントのインサイトを生成する方法400を示す。一例として、方法400は、サーバ、ユーザ装置、クラウドプラットフォーム、又は他のコンピューティングシステム、或いはシステムの組み合わせによって実施されてよい。
図4を参照すると、本方法は、410で、データベースに格納されているコンピュータ支援設計(CAD)ファイルの複数のフィールドにある、製造されるパーツの複数の値に関してデータベースにクエリするステップを含んでよい。クエリは、PLMデータベースから取得されるCADファイルのデータ値、及びCADファイルの属性を指定する1つ又は複数のステートメントを含んでよい。
【0048】
本方法は、420で、データベースのタイプに応じて、CADファイルの複数のフィールドを、ホストプラットフォームの複数の対応するフィールドにマッピングするステップを含んでよい。本方法は、430で、CADファイルからその複数の値を抽出し、その複数の値を、マッピングされた、ホストプラットフォームの複数の対応するフィールドに転送するステップを含んでよい。本方法は、440で、転送された複数の値に基づいて、製造されるパーツの1つ以上の製造属性の変更を決定するステップを含んでよい。本方法は、450で、変更をディスプレイに出力するステップを含んでよい。幾つかの実施形態では、ステップ430とステップ440との間で、CADファイルに埋め込まれている、製造されるパーツのジオメトリ値(サイズ、角度、形状等)が抽出されて処理されてよい。例えば、ジオメトリを読み出してGCDを生成するステップが、原価計算手段への入力として使用されてよい。従って、原価計算処理は自動化できる。更に、原価計算をすべきパーツを見つけるステップ、原価計算入力を取り出し、セットアップするステップ、CADモデルを取り出すステップ、インサイトサービス224を起動するステップ、通知及びレポートをプッシュ配信するステップ、並びにPLMデータベースに値をライトバックするステップも全て、この例示的実施形態によって自動化される。
【0049】
幾つかの実施形態では、クエリするステップは、CADファイルの複数のフィールドを識別するアプリケーションプログラミングインタフェース(API)呼び出しを生成してデータベースに送るステップを含んでよい。幾つかの実施形態では、データベースは製品ライフサイクル管理(PLM)データベースを含んでよく、マッピングするステップは、PLMデータベースにあるフィールドを、ホストプラットフォームの対応するフィールドにマッピングするステップを含んでよく、ホストプラットフォームの対応するフィールドは、PLMデータベースにあるフィールドと異なるフィールド名を有する。幾つかの実施形態では、クエリするステップは、製造されるパーツのパーツ識別子値、パーツ番号値、及び改訂番号値を含む複数のフィールドが埋め込まれているクエリステートメントをデータベースに送るステップを含んでよい。
【0050】
幾つかの実施形態では、マッピングするステップは、データベース、及びデータベースとホストプラットフォームとの間に介在するコンピューティングシステムの少なくとも一方にインストールされているエージェントを介して、CADファイルの複数のフィールドを、ホストプラットフォームの複数の対応するフィールドにマッピングするステップを含んでよい。幾つかの実施形態では、CADファイルの複数のフィールドを、ホストプラットフォームの複数の対応するフィールドにマッピングするステップは、CADファイルが第1のタイプのデータベース又は第2のタイプのデータベースのいずれから抽出されるかに応じて異なるマッピングを生成するステップを含んでよい。幾つかの実施形態では、本方法は更に、ホストプラットフォームにある複数の対応するフィールドの識別子を含むクエリを受け取るステップと、そのクエリを、データベースのアプリケーションプログラミングインタフェース(API)に基づくAPI呼び出しに翻訳してからデータベースにクエリするステップと、を含んでよい。幾つかの実施形態では、決定するステップは、製造されるパーツの1つ以上の属性に対する、製造コストを減らす為の変更を特定するステップと、特定された変更をユーザインタフェースに表示するステップと、を含んでよい。
【0051】
図5は、一例示的実施形態による、オブジェクトコピー操作を実施できるコンピューティングシステム500を示す。例えば、コンピューティングシステム500は、データベースノード、サーバ、クラウドプラットフォーム、ユーザ装置等であってよい。幾つかの実施形態では、コンピューティングシステム500は、複数装置間に分散していてよい。
図5を参照すると、コンピューティングシステム500は、ネットワークインタフェース510、プロセッサ520、出力530、及び記憶装置540(例えば、インメモリ)を含む。
図5には示していないが、コンピューティングシステム500は又、他のコンポーネント(例えば、ディスプレイ、入力装置、受信器、送信器、永続ディスク等)を含んでよく、又はそれらと電子的に接続されてよい。プロセッサ520は、コンピューティングシステム500のそれらの他のコンポーネントを制御してよい。
【0052】
ネットワークインタフェース510は、ネットワーク(例えば、インターネット、プライベートネットワーク、パブリックネットワーク、エンタプライズネットワーク等)を介してデータを送信及び受信してよい。ネットワークインタフェース510は、無線用インタフェース、有線用インタフェース、又はこれらの組み合わせであってよい。プロセッサ520は、それぞれが1つ以上の処理コアを含む1つ以上の処理装置を含んでよい。幾つかの実施例では、プロセッサ520は、1つ又は複数のマルチコアプロセッサである。又、プロセッサ520は固定されていてよく、再構成可能であってもよい。
【0053】
出力530は、コンピューティングシステム500の埋め込みディスプレイ、外部接続されたディスプレイ、クラウドプラットフォームに接続されたディスプレイ、別のコンピューティング装置等にデータを出力してよい。例えば、出力530は、入出力機能を有するポート、インタフェース、ケーブル、ワイヤ、基板等であってよい。ネットワークインタフェース510、出力530、又はこれらの組み合わせは、他の装置上で実行されているアプリケーションと相互作用してよい。記憶装置540は特定の記憶装置に限定されず、任意の既知のメモリデバイス(例えば、RAM、ROM、ハードディスク等)を含んでよく、クラウド環境に含まれても含まれなくてもよい。記憶装置540は、
図4に示された方法400を実施する為にプロセッサ520によって実行可能なソフトウェアモジュール又は他の命令を記憶してよい。
【0054】
様々な実施形態によれば、プロセッサ520は、コンポーネントのジオメトリ設計を含む画像を受け取ってよい。画像は、CAD等のテクニカルモデル、その他を含んでよい。プロセッサ520は、複数のタイプの製造工程の中から、そのコンポーネントに対応するタイプの製造工程の識別を受け取ってよい。それらのタイプとして、プラスチック成形工程、シートメタル工程、鋳造工程等があってよい。プロセッサ520は、製造工程のタイプに基づいて、画像からコンポーネントのジオメトリフィーチャを認識し、製造の複雑さを減らす為の、認識されたジオメトリフィーチャのサイズ、形状、及び位置のうちの1つ以上に対する、提案される修正を決定してよい。ジオメトリフィーチャは、入力されたモデル内のコンポーネント/パーツのジオメトリ境界表現から表現されてよい。更に、出力530は、認識されたジオメトリフィーチャの決定された修正に基づく、コンポーネントのジオメトリ設計の修正方法に関する提案をユーザインタフェースに出力してよい。
【0055】
幾つかの実施形態では、プロセッサ520は、図面に含まれる幾何学的な線、断線、形状、穴等に基づいて、画像からコンポーネントの曲がり、コーナー、穴、及び表面のうちの1つ以上を認識してよい。プロセッサ520は、認識されたジオメトリフィーチャの作成に使用されるツールのタイプ、認識されたジオメトリフィーチャの作成に使用されるツールの数、認識されたジオメトリフィーチャの公差、認識されたジオメトリフィーチャの材料、認識されたジオメトリフィーチャの製造に要する時間の予想等のうちの1つ以上に基づいて訂正を決定してよい。プロセッサは、使用される1つ以上の異なるツールを自動的に検出してよい。場合によっては、ユーザは、図面とともに使用したいタイプのツールを指定してよく、プロセッサ520は、複雑さの改善を支援する為に、代替又は追加として使用可能な他のツールを1つ以上見つけることが可能である。
【0056】
上述の明細書から理解されるように、上述の本開示の各実施例は、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はこれらの任意の組み合わせ又はサブセットを含むコンピュータプログラミング技術又はコンピュータエンジニアリング技術を用いて実施されてよい。そのようにして得られる、コンピュータ可読コードを有するプログラムはいずれも、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体に埋め込まれるか用意されてよく、それによって、本開示の説明された各実施例に準じたコンピュータプログラム製品(即ち、製造物)が作成される。例えば、非一時的コンピュータ可読媒体は、固定ドライブ、ディスケット、光ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、外部ドライブ、半導体メモリ(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM))、及び/又は他の任意の非一時的送信及び/又は受信媒体(例えば、インターネット、クラウドストレージ、インターネットオブシングス(IoT)、又は他の通信ネットワーク又はリンク)であってよく、これらに限定されない。コンピュータコードを収容する製造物は、コードを1つの媒体から直接実行することによって、又はコードを1つの媒体から別の媒体にコピーすることによって、又はコードをネットワーク経由で送ることによって作られてよく、且つ/又は使用されてよい。
【0057】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、「アプリ(apps)」、又はコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサ用のマシン命令を含んでよく、高級手続き型プログラミング言語及び/又はオブジェクト指向プログラミング言語、及び/又はアセンブリ/マシン言語で実施されてよい。本明細書では、「マシン可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、マシン命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサ(これはマシン命令をマシン可読信号として受け取るマシン可読媒体を含む)に提供する為に使用される任意のコンピュータプログラム製品、装置、クラウドストレージ、インターネットオブシングス、及び/又はデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を意味する。但し、「マシン可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」は、一時的信号を含まない。「マシン可読信号」という用語は、マシン命令及び/又は他の任意の種類のデータをプログラマブルプロセッサに提供する為に使用可能な任意の信号を意味する。
【0058】
上述のプロセスの説明及び図解は、本明細書においては、各プロセスステップを実施する順序が固定されていることを意味するものと見なされてはならない。むしろ、各プロセスステップは、少なくとも幾つかのステップを同時に実施することを含めて、実施可能な任意の順序で実施されてよい。本開示を具体的な実施例と関連させて説明してきたが、当然のことながら、添付の特許請求項において明記されている本開示の趣旨及び範囲から逸脱しない限り、本開示の実施形態に対して、当業者であれば明らかな、様々な変更、置換、及び修正が行われてよい。
【国際調査報告】