(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-10
(54)【発明の名称】接続アセンブリ、および、回転可能な位置保証手段を有するコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/641 20060101AFI20230703BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20230703BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
H01R13/641
H01R13/639
H01R13/52 301E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575316
(86)(22)【出願日】2021-06-08
(85)【翻訳文提出日】2023-02-06
(86)【国際出願番号】 EP2021065201
(87)【国際公開番号】W WO2021249961
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】102020207291.4
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ロイター,ユーレク
(72)【発明者】
【氏名】ロート,コンラート ヘルムート
(72)【発明者】
【氏名】クレスマン,マルクス
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FA08
5E021FB07
5E021FC31
5E021FC36
5E021FC38
5E021FC40
5E021HA07
5E021HC09
5E021JA05
5E021KA01
5E087EE02
5E087LL03
5E087LL12
5E087MM05
5E087RR04
5E087RR12
5E087RR26
(57)【要約】
本発明は、コネクタ、特に高電圧コネクタの接続アセンブリ(2)に関する。この接続アセンブリ(2)は、接続軸(8)に沿って対向接続ハウジング(7)に接続可能な接続ハウジング(4)と;対向接続ハウジング(7)を接続ハウジング(4)に固定するためのロック位置から、対向接続ハウジング(7)を接続ハウジング(4)から解放するための解放位置へ可動であるロック要素(5)と;位置保証手段(6)と、を備える。位置保証手段(6)は、位置保証手段(6)がロック位置から解放位置へのロック要素(5)の移動を可能にする解除位置(T)から、位置保証手段(6)がロック要素(5)をロック位置にブロックするブロック位置(S)へ移動可能である。本発明によれば、位置保証手段(6)は、解除位置(T)からブロック位置(S)へ移動するために、接続軸(8)を中心に回転可能に接続ハウジング(4)に配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ、特に高電圧コネクタの接続アセンブリ(2)であって、
前記接続アセンブリ(2)は、
●接続軸(8)に沿って対向接続ハウジング(7)に相互接続可能な接続ハウジング(4)と、
●前記対向接続ハウジング(7)を前記接続ハウジング(4)に固定するためのロック位置から、前記対向接続ハウジング(7)を前記接続ハウジング(4)から解放するための解放位置へ可動であるロック要素(5)と、
●位置保証手段(6)であって、前記位置保証手段(6)が前記ロック位置から前記解放位置への前記ロック要素(5)の移動を可能にする解除位置(T)から、前記位置保証手段(6)が前記ロック要素(5)を前記ロック位置にブロックするブロック位置(S)へ移動可能な位置保証手段と、
を備えており、
前記位置保証手段(6)は、前記解除位置(T)から前記ブロック位置(S)へ移動するために、前記接続軸(8)を中心に回転可能に前記接続ハウジング(4)に配置されていることを特徴とする、
接続アセンブリ(2)。
【請求項2】
前記位置保証手段(6)は、固定手段(9)を介して前記接続ハウジング(4)に接続されていることを特徴とする、
請求項1に記載の接続アセンブリ(2)。
【請求項3】
前記固定手段(9)は、前記接続軸(8)を中心とした前記位置保証手段(6)の回転移動を案内するためのピボット軸受(18)を形成することを特徴とする、
請求項2に記載の接続アセンブリ(2)。
【請求項4】
前記ロック要素(5)を前記ロック位置から前記解放位置へ移動させるための作動要素(28)を特徴とする、
請求項1から3のいずれか一項に記載の接続アセンブリ(2)。
【請求項5】
前記位置保証手段(6)は、前記ロック要素(5)を前記ブロック位置(S)に固定するブロック領域(31)を含むことを特徴とする、
請求項1から4のいずれか一項に記載の接続アセンブリ(2)。
【請求項6】
前記ブロック領域(31)は、前記作動要素(28)を前記ブロック位置(S)にブロックすることを特徴とする、
請求項5に記載の接続アセンブリ(2)。
【請求項7】
前記位置保証手段(6)は、ケーブル側端部(14)で前記接続ハウジング(4)に配置されていることを特徴とする、
請求項1から6のいずれか一項に記載の接続アセンブリ(2)。
【請求項8】
前記位置保証手段(6)はキャップ状であることを特徴とする、
請求項1から7のいずれか一項に記載の接続アセンブリ(2)。
【請求項9】
シール要素(37)が前記位置保証手段(6)に配置されていることを特徴とする、
請求項1から8のいずれか一項に記載の接続アセンブリ(2)。
【請求項10】
前記シール要素(37)はケーブル用開口部(38)を含むことを特徴とする、
請求項9に記載の接続アセンブリ(2)。
【請求項11】
解放可能な回転ブロック(42)が、前記解除位置(T)から前記ブロック位置(S)への前記位置保証手段(6)の移動を防ぐことを特徴とする、
請求項1から10のいずれか一項に記載の接続アセンブリ(2)。
【請求項12】
前記回転ブロック(42)は、可動ブロック要素(43)と剛性ブロック体(44)とを含むことを特徴とする、
請求項11に記載の接続アセンブリ(2)。
【請求項13】
前記剛性ブロック体(44)は前記接続ハウジング(4)に形成され、前記可動ブロック要素(43)は前記位置保証手段(6)に形成されていることを特徴とする、
請求項12に記載の接続アセンブリ(2)。
【請求項14】
前記接続ハウジング(4)は少なくとも1つの接続ガイド(50)を含むことを特徴とする、
請求項1から13のいずれか一項に記載の接続アセンブリ(2)。
【請求項15】
前記接続ガイド(50)は、前記回転ブロック(42)に位置合わせされていることを特徴とする、
請求項14に記載の接続アセンブリ(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ、特に高電圧コネクタの接続アセンブリであって、接続軸に沿って対向接続ハウジングに接続可能な接続ハウジングと、対向接続ハウジングを接続ハウジングに固定するためのロック位置から、対向接続ハウジングを接続ハウジングから解放するための解放位置へ可動であるロック要素と、位置保証手段であって、位置保証手段がロック位置から解放位置へのロック要素の移動を可能にする解除位置(disconnection position)から、位置保証手段がロック要素をロック位置にブロックするブロック位置へ移動可能な位置保証手段とを備える接続アセンブリに関する。
【0002】
本発明はさらに、コネクタの接続セットであって、接続ハウジングおよびロック要素を有する接続アセンブリと、対向接続ハウジング、および接続アセンブリのロック要素に係合可能な結合要素を有する対向接続アセンブリとを備える接続セットに関する。
【背景技術】
【0003】
接続ハウジングと位置保証手段とを有する接続アセンブリおよび接続セットが、従来技術から知られている。コンタクト位置保証手段(CPA)としても知られる位置保証手段は、最終接続位置において接続ハウジングと対向接続ハウジングとのインターロックを固定し、この接続の解放を防ぐように構成されている。このために、位置保証手段は、軸方向に変位されて、ロック要素と結合要素とのインターロックをブロックする。
【0004】
特に自動車分野、輸送、および高電圧コネクタの使用において、位置保証手段を作動させると、シール要素の着座が変化し、例えば、ケーブルが貫通するマットシールに関するシールの問題が生じることがあり、望ましくない。加えて、位置保証手段を有する接続アセンブリは多くの部品を必要とし、複雑で大きなスペースを取る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、シールに関する従来技術の解決策を改良した、簡単で小型の設計の接続アセンブリおよび接続セットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、位置保証手段が、解除位置からロック位置へ移動するために、接続軸を中心に回転可能に接続ハウジングに配置されているという点で、最初に述べた接続アセンブリの上記の問題を解決する。すなわち、位置保証手段は、接続ハウジングの接続軸を中心に回転可能に配置されている。
【0007】
本発明は、本発明による接続アセンブリと結合要素を有する対向接続ハウジングとを設け、結合要素は接続アセンブリのロック要素に係合可能であることにより、最初に述べた接続セットの上記の問題を解決する。
【0008】
本発明による接続アセンブリおよび本発明による接続セットは、位置保証手段を作動または移動または作動させるために、ケーブルに沿った相対移動に起因して、かつ漏れが発生し得ることに起因してシールを損傷させるおそれがある軸方向移動が必要ないという利点を有する。加えて、位置保証手段を作動するために回転移動が行われることにより、接続アセンブリを非常に小型に構成することができる。位置保証手段は、軸方向移動によって作動され得る前、すなわち解除位置からブロック位置へ移動され得る前に、突出する必要がない。
【0009】
接続アセンブリおよび接続セットを、より詳細に説明する以下の構成によってさらに改良することができる。これらの構成の追加の技術的特徴を、互いに任意に組み合わせることができ、または、技術的特徴により実現される技術的効果が重要でない場合には、その技術的特徴を省略することができる。
【0010】
位置保証手段を、固定手段を介して接続ハウジングに接続することができる。この構成において、接続アセンブリを一体に取り扱うことができ、位置保証手段は接続ハウジングに捕捉された状態で配置されている。固定手段は、形状嵌合要素、例えばラッチ手段であってよく、これは、互いに繰り返し解放可能に係合することができ、したがって、所望の回数だけ互いに接続および解放することができる。
【0011】
ラッチ手段は、互いに形状嵌合係合させることができるラッチ受け(latching receptacle)、例えば溝と、ラッチ突起、例えばラッチラグとを有することができる。例えば、ラッチ受けを接続ハウジングに形成することができ、位置保証手段にラッチ突起を設けることができる。当然、ラッチ受けを位置保証手段に設け、接続ハウジングにラッチ突起を構成してもよい。
【0012】
一構成において、固定手段は、接続軸を中心とした位置保証手段の回転移動を案内するためのピボット軸受を形成することができる。ラッチ受けは、接続軸を中心に少なくとも部分的にまたは完全に径方向に延びる溝であってよい。このようにして、ラッチ手段が接続軸を中心とした位置保証手段の回転移動のガイドを形成する構成を提供することができる。ラッチ溝に受け入れられたラッチ突起をラッチ溝において可動に保持して、ラッチ受けの位置合わせにより回転移動を画定するようにしてもよい。
【0013】
さらなる実施形態によれば、接続アセンブリは、ロック要素をロック位置から解放位置へ移動させるための作動要素(actuation element)を特徴とすることができる。これにより、ロック位置から解放位置へ、かつ必要であれば解放位置からロック位置へのロック要素の移動が容易になる。作動要素を介してロック要素を移動させることができ、ロック要素をロック位置から解放位置へ移動させるために作動要素をロック要素自体に直接当てる必要がないため、最終接続位置において接続ハウジングを対向接続ハウジングに固定するロック要素の損傷を避けることができる。
【0014】
小型の構成において、作動要素を、接続軸に対して径方向に動作可能に、例えば、接続ハウジングの内部の方向へ径方向に可動であるように構成することができる。移動を伝達するように、作動要素をロック要素に結合することができる。例えば、ロッカ軸受(rocker bearing)などの軸受を設けることができ、その一側に、ロック要素がロッカ方式で設けられ、他側に作動要素が設けられる。作動要素が動作されると、その移動を結合部によってロック要素に伝達することができる。
【0015】
ロック要素は、ロックアーム、例えば偏向可能なロックアームであってよい。例えば作動要素の動作によりロックアームが偏向すると、ロック要素はロック位置から解放位置へ移動することができる。ロック要素は、偏向可能な弾性ロックアームであってよい。ロック要素は、本発明による接続アセンブリの接続ハウジングが対向接続ハウジングに接続されると偏向し、最終接続位置に達すると自動的にロック位置に戻ることができる。
【0016】
操作性を向上させるために、動作要素は、フィンガキー、フィンガ隆起または、別の触覚要素を有することができ、これは、触覚によって感じることができ、接続アセンブリの残りの部分から突出し、操作者が視認せずに位置を特定することができる。これにより、見ることが困難なアクセスしにくい位置における作動要素の動作が容易になる。
【0017】
最も小型の構成に関して、ロック要素、特にロック要素およびその動作要素を、接続ハウジングの容積(cubature)に組み込むことができる。「容積」という用語は、接続ハウジングのボリュームを指し、接続ハウジングの形状として理解することができる。したがって、この構成において、位置保証手段は、接続ハウジング「内」に配置され、接続ハウジングから突出しない。
【0018】
別の実施形態において、位置保証手段は、ロック要素をブロック位置に固定するブロック領域を含むことができる。ブロック領域は、ロック要素に係合可能なブロック器(blocking organ)、例えばブロックラッチを含むことができる。特に、ブロック器は、作動要素をブロックすることにより、作動要素の動作または移動および作動要素に結合されたロック要素の解放を防ぐことができる。ブロック器とロック要素との形状嵌合により、位置保証手段は、ロック要素をブロック位置に固定して、ロック要素がロック位置から解放位置へ移動できなくなるようにすることができる。
【0019】
ブロック領域またはブロック器を、例えば作動要素に係合させることができる。ブロック位置において、ブロック器は、作動要素がロック要素をロック位置から解放位置へ移動させることを防ぐ。
【0020】
ブロック器は、湾曲部分、例えば、湾曲したブロックアームまたはカラーを有することができる。このようにして、ブロック器は、位置保証手段によって行われる回転移動に最適に適合し、ブロック器の湾曲は、行われる回転移動に略対応する。ブロック領域の自由端または前端部に、面取り部または挿入面取り部を設けることができる。これにより、ブロック領域がロック部材に係合してロック要素をロック位置に固定することが容易になる。
【0021】
別の実施形態によれば、位置保証手段を、ケーブル側端部で接続ハウジングに配置することができる。接続ハウジングのケーブル側端部は、ケーブル、例えば、シースを有する単芯ケーブルまたは多芯ケーブルが接続ハウジングに挿入される側である。ケーブル側端部は、接続ハウジングのコネクタ面とは反対側の端部であってよい。コネクタ面は、接続ハウジングが対向接続ハウジングに接続される領域を画定する。
【0022】
別の実施形態によれば、位置保証手段をキャップの形状に構成することができる。位置保証手段を、例えば、かぶせキャップ(slip-on-cap)として構成することができる。かぶせキャップを、接続ハウジングのケーブル端部に、簡単でスペースを取らない方法で配置することができる。加えて、かぶせキャップは、接続ハウジングを密閉し、接続ハウジングを外部汚染から保護する。
【0023】
かぶせキャップとしての位置保証手段の構成により、接続ハウジングへの取付けも容易になり得る。加えて、ケーブル側端部に配置されたかぶせキャップにより、特に、このかぶせキャップがコネクタ面とは反対側のケーブル側端部に配置されているため容易にアクセスできる場合に、位置保証手段の動作が容易になる。ケーブルを接続ハウジングの内部に挿入するために、位置保証手段、例えばキャップ状位置保証手段は、接続ハウジングの内部にアクセスできるケーブル通路を含むことができる。ケーブル通路を、ケーブル入口またはケーブル受入開口部と呼ぶこともできる。
【0024】
電気コンタクトが収容される接続ハウジングの内部を水および/または埃から保護するために、接続アセンブリはシール要素を含むことができる。一実施形態において、シール要素を位置保証手段に配置することができる。このようにして、位置保証手段は、シールシートまたはシールホルダを形成する。シールを所定位置に保持するため、またはシールを覆うための追加の部品は不要であり、接続アセンブリに必要な部品の総数が少なくなる。
【0025】
シール要素を、位置保証手段に、例えば形状嵌合または材料嵌合方式で保持することができる。形状嵌合配置の場合、位置保証手段は、シールシートまたはシールホルダを含むことができる。材料嵌合固定の場合、二成分注型(two-component casting)によってシール要素を位置保証手段に直接接続することができる。シール要素を外的影響から保護するために、位置保証手段はシール要素を覆うことができる。例えば、かぶせキャップの形状の位置保証手段は、シール要素をキャップ内に収容して保持することができる。
【0026】
シール要素はケーブル通路を含むことができる。シール要素は、通路開口部を有する径方向シール、例えばケーブルのマットシールであってよい。マットシールの通路開口部または通路を、接続軸において位置保証手段のケーブル通路と位置合わせすることができる。このようにして、ケーブルを、ケーブル通路およびシールの通路を通して接続ハウジングの内部へまっすぐに案内することができるため、組立てが容易になる。
【0027】
さらなる実施形態において、回転ブロックが、解除位置からブロック位置への位置保証手段の移動を防ぐことができる。回転ブロックは、接続ハウジングと位置保証手段との解放可能な形状嵌合を形成することができ、位置保証手段が解除位置からブロック位置へ移動され得る前に、回転ブロックを最初に解放しなければならないようになっている。
【0028】
例えば、回転ブロックは、可動ブロック要素と剛性ブロック体とを含むことができる。この文脈において、位置保証手段は可動ブロック要素を含むことができる。剛性ブロック体を接続ハウジングに形成することができる。当然、位置保証手段に剛性ブロック体を形成し、接続ハウジングに可動ブロック要素を形成してもよい。
【0029】
ブロック要素の静止位置で、剛性ブロック体は、位置保証手段の回転移動を制限およびブロックし、位置保証手段を解除位置に保持する。ブロック要素が静止位置から移動すると、回転ブロックは解放され、位置保証手段が解除位置からブロック位置へ移動するときに、可動ブロック要素は剛性ブロック体を通過することができる。可動ブロック要素を、例えば、静止位置から接続方向に対して径方向に偏向するように構成することができる。可動ブロック要素を、偏向可能な形状嵌合要素、例えば偏向可能な突起、偏向可能なロックラグまたはタブとして構成することができる。
【0030】
剛性ブロック体は、可動ブロック要素が静止位置にある限り、解除位置からブロック位置への位置保証手段の移動をブロックする。ブロック体は、静止位置において解除位置からブロック位置への位置保証手段のブロック要素の移動をブロックする止め肩部(stop shoulder)を有することができる。このために、ブロック体は、静止位置において可動ブロック要素の経路をブロックする止め肩部を有することができる。可動ブロック要素が静止位置から外れたときにのみ、ブロック要素は、回転移動によって位置保証手段を解除位置からブロック位置へ移動させるために、ブロック体、特にその止め肩部を通過することができる。
【0031】
位置保証手段がブロック位置から解除位置へいつでも戻ることができるように、ブロック体はオーバーラン斜面(overrun slope)を有することができ、このオーバーラン斜面により、ブロック要素は、静止位置にある場合でも、オーバーラン斜面上でブロック体を越えて滑ることができる。
【0032】
したがって、回転ブロックは、位置保証手段が解除位置からブロック位置へ移動することを防ぐ。回転ブロックが解放されたとき、例えば可動ブロック要素が静止位置から外れたときにのみ、位置保証手段をブロック位置へ移動させることができる。逆に、すなわち、位置保証手段がブロック位置から解除位置へ移動したときには、回転ブロックは恒久的に開くことができ、すなわち、ブロック体のオーバーラン斜面により、ブロック位置から解除位置への位置保証手段の移動がブロックされない。当然、回転ブロックは、ブロック位置でアクティブであってもよく、ブロック位置から解除位置への位置保証手段の移動は、回転ブロックが必要に応じて事前に解放される場合にのみ、可能であってもよい。
【0033】
別の実施形態によれば、接続ハウジングは少なくとも1つの接続ガイドを含むことができる。接続ガイドは、ガイド要素であってよく、したがって、接続ハウジングを接続軸に沿って対向接続ハウジングに接続するためのガイド配置の一部を形成することができる。接続ガイドは、接続ハウジングと対向接続ハウジングとの互いに対する相対移動を規定する(prescribe)ことによって、接続ハウジングと対向接続ハウジングとの相互接続を容易にする。接続ガイドは、例えば、接続軸に平行に延びることができ、接続軸に沿った接続方向の接続を容易にすることができる。
【0034】
一実施形態において、接続ガイドを、回転ブロックに位置合わせすることができる。例えば、接続ガイドは、接続方向に沿って回転ブロックの方を向くことができる。接続ハウジングと対向接続ハウジングとが相互接続されると、対向接続ハウジングは回転ブロックに向かって案内され、対向接続アセンブリの一部は、接続ハウジングが対向接続ハウジングに完全に接続される最終接続位置において、回転ブロックを解放することができる。
【0035】
接続ガイドは、例えば、回転ブロックの領域に開くガイドチャネルを有することができる。例えば、対向接続アセンブリのリブまたは突起を、ガイドチャネルに挿入することができ、接続中に、ガイドチャネルで案内して、回転ブロックに向けることができる。回転ブロックは、最終接続位置において自動的に解放され得る。
【0036】
接続ハウジングへの対向接続ハウジングの正確な挿入を確実にするために、接続ガイドは、有極化要素(polarizing element)であってもよい。このような有極化要素(符号化要素(coding element)とも呼ばれる)は、対向接続要素を、本発明による接続ハウジングに、所定の位置合わせでのみ確実に接続できるようにする。本発明による接続セットの接続ハウジングと対向接続ハウジングとの正確な相互接続は、このようにして確実になる。不正確な取扱いは排除される。
【0037】
以下で、図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。図面は、単に例として述べられる本発明の特別な構成を説明する。図面の技術的特徴を、本発明に従って互いに任意に組み合わせることができる。図面における技術的特徴の重複する説明は省略する。同一の技術的特徴および同一の機能を有する特徴は、同じ参照符号で示される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明による接続アセンブリまたは接続セットの例示的な実施形態の分解図である。
【
図2】最終接続位置における
図1による接続セットの斜視図である。位置保証手段は解除位置にあり、作動していない。
【
図3】
図2による接続アセンブリの概略上側面図である。
【
図5】最終接続位置における
図1の接続セットの斜視図である。位置保証手段はブロック位置にあり、作動している。
【
図6】交差線が
図3の線A-Aに対応する、
図5の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、第1の実施形態の接続セット1を示す。接続セット1は、本発明による接続アセンブリ2と対向接続アセンブリ3とを含む。
【0040】
接続アセンブリ2は、接続ハウジング4と、ロック要素5と、位置保証手段6とを含む。
【0041】
接続ハウジング4は、対向接続アセンブリ3、より正確には対向接続ハウジング7に、接続軸8に沿って相互接続可能に構成される。
【0042】
ロック要素5は、対向接続ハウジング7を固定するためのロック位置から、対向接続ハウジング7を接続ハウジング4から解放するための解放位置へ可動である。
【0043】
位置保証手段6は、位置保証手段6がロック位置から解放位置へのロック要素5の移動を可能にする解除位置T(
図2~
図4参照)から、位置保証手段6がロック要素5をロック位置にブロックするブロック位置S(
図5および
図6参照)へ移動可能であるように構成される。このために、例えば
図2~
図6に見られ、以下で詳細に説明するように、位置保証手段6は、解除位置Tからブロック位置Sへ移動するために、接続軸8を中心に回転可能に接続ハウジング4に配置される。
【0044】
位置保証手段6は、固定手段9を介して接続ハウジング4に接続される。これにより、接続アセンブリを一体に取り扱うことができる。位置保証手段6は、接続ハウジング4に捕捉された状態で接続される。図示の実施形態において、位置保証手段6は、接続ハウジング4にラッチ止めされる。このために、位置保証手段6は、固定手段9としてラッチ手段10を含む。接続ハウジング4に、対応する対向ラッチ手段11が設けられる。図示の実施形態において、接続ハウジング4は、周溝13として形成されたラッチ受け12を含む。ラッチ受け12は、接続ハウジング4の外向き外殻面(shell surface)15における、接続ハウジング4または接続アセンブリ2のケーブル側端部14に形成される。ラッチ受け12は、本質的に接続軸8に垂直な平面に延びる。
【0045】
位置保証手段6は、ラッチ手段10としてラッチ突起16を含む。ラッチ突起16は、ラッチ受け12に係合することができる。これにより、位置保証手段6を接続ハウジング4に接続する形状嵌合を形成し、位置保証手段6と接続ハウジング4を一体に取り扱うことが可能になる。ラッチ突起16は、偏向可能なラッチアーム17の遠位端に形成される。このようにして、位置保証手段6を、接続軸8に沿って接続ハウジング4のケーブル側端部14に押し付けることができる。接続ハウジング4に押し付けられると、ラッチ突起16は接続ハウジング4に当たり、径方向外方に偏向することにより弾性変形する。
ラッチ突起16がラッチ受け12の領域に達するとすぐに、偏向したラッチアーム17の復元力によって、ラッチアーム17は確実に静止位置に戻り、そのプロセスにおいて、ラッチ突起16はラッチ受け12に挿入され、形状嵌合が形成され、位置保証手段6は接続ハウジング4にポジティブに接続される。
【0046】
図示の実施形態において、固定手段9は、接続軸8を中心とした位置保証手段6の回転移動をガイドするためのピボット軸受18を形成する。ラッチ手段10および対向ラッチ手段11、したがって、ラッチ受けに配置されたラッチ突起16は、接続軸を中心とした接続ハウジング4に対する位置保証手段6の回転移動をガイドするピボット軸受18を形成する。したがって、ピボット軸受18は、基本的に、接続軸8を中心とした接続ハウジング4に対する位置保証手段6の回転を可能にする。特に接続軸8に沿った軸方向変位に対抗するすべての他の方向において、位置保証手段6は接続ハウジング4に固定されている。位置保証手段6は、例えば、交換が必要な場合、固定手段9が最初に解放された場合、すなわちラッチ手段10と対向ラッチ手段11とのラッチがロック解除された場合にのみ、接続ハウジング4から取り外すことができる。
このために、ラッチアーム17が弾性偏向し、ラッチ突起16がラッチ受け12から外れる。
【0047】
位置保証手段6は、接続ハウジング4と対向接続ハウジング7とが完全に相互接続される最終接続位置E(
図2~
図6参照)において、接続ハウジング4と対向接続ハウジング7とのインターロック19を固定するように機能する。一方で、このインターロック19は、接続アセンブリ2のロック要素5を含む。最終接続位置において、このロック要素5は、対向接続ハウジング3の結合要素20と形状嵌合を形成する。この形状嵌合接続、すなわちインターロック19は、最終接続位置において、接続ハウジング4と対向接続ハウジング7とを固定する。インターロック19が解放されたときにのみ、接続ハウジング4と対向接続ハウジング7とを再び切り離すことができる。インターロックを解放するためには、ロック要素5をロック位置から解放位置へ移動させなければならない。
【0048】
図示の実施形態において、接続ハウジング4にロックラグ21が設けられている。ロックラグ21は、コネクタ面22に向いた端部において、接続ハウジング4の容積23から接続軸8に対して径方向に偏向可能である。コネクタ面22は、ケーブル側端部14とは反対側の接続ハウジング4の端部に位置し、相互接続中に対向接続ハウジング7が接続ハウジング4に挿入される領域となる。
【0049】
ロックラグ21にロックスロット24が設けられ、このロックスロット24は、接続方向ERに本質的に平行に延び、コネクタ面22の方向を向いた側にロック止め25を有する。ロック止め25において、ロック要素5は結合要素20に係合する。
【0050】
結合要素22は結合リブ26として形成される。結合リブ26は、対向接続ハウジング7の外側に配置され、接続軸8に本質的に平行に延びる。接続ハウジング4と対向接続ハウジング7とを相互接続するときに、結合リブ26は、ロックスロット24の高さで、ロックラグ21の下方に沿って案内される。ロックラグ21が結合リブ26に当たるとすぐに、結合リブ26、詳細にはその結合肩部27が止め25を越えて案内されるまで、コネクタ面22の方向を向いたロックラグ21の自由移動部分(free-moving part)が、径方向外方に偏向する。結合肩部27の後で、結合リブ26は終わり、したがって、ロックラグ21は、接続ハウジング4の容積23に本質的に配置される静止位置に戻ることができる。
最終接続位置Eにおいて、結合肩部27はロック止め25に係合し、接続方向ERに沿ってロック止め25の後ろに係合する。最終接続位置において、接続ハウジング4と対向接続ハウジング7とは互いにラッチ止めされ、互いに固定される。コネクタ面22の方向を向いたロックラグ21の自由移動端部を径方向外方に持ち上げることによって、ロックラグ21の形状嵌合が解放されたときにのみ、結合肩部27がその後はロック止め25に係合しなくなるため、対向接続ハウジング7を、接続方向ERとは逆に接続軸8に沿って接続ハウジング4から引き出すことができる。
【0051】
ロックラグ21が径方向外方に持ち上げられているこの解放位置を生じさせるために、例示的な実施形態において、作動要素28が動作される。作動要素28は、接続軸8に対して径方向に動作されてよく、ロック要素5に結合される。例示的な実施形態において、ロッカ軸受29が結合部として設けられる。ロッカ軸受29の一側に、ケーブル側端部14の方向を向いた領域を有してロックラグ21が取り付けられ、ロックラグ21は全体として、コネクタ面22の方向を向いたロッカ軸受29の側に位置する。作動要素28は、ケーブル側端部14の方向を向いたロッカ軸受29の反対側に配置される。図示の実施形態において、作動要素28は、フィンガキー30として構成される。
フィンガキー30は、作動要素28を取り付ける触覚的に認識可能な圧力場(haptically recognizable pressure field)を形成し、接続軸8に対して径方向に動作可能であるように、詳細には、接続ハウジング4の内部の方向に接続軸8に向かって下方へ移動可能であるようになっている。動作中、作動要素28は接続ハウジング4の内部に向かって内方へ移動し、ロック止め25を有するロックラグ21の自由端は、反対方向、すなわち径方向外方に持ち上げられ、インターロック19が解放される。
【0052】
ロック要素5が意図せず解放位置へ移動すること、したがって、作動要素28のブロック動作を防ぐために、位置保証手段6が設けられ、この位置保証手段6は、ブロック位置で、ロック要素6をロック位置にブロックする。
【0053】
位置保証手段6は、ロック要素5をブロック位置に固定するブロック領域31を含む。ブロック器32がブロック領域31に設けられ、このブロック器32は、図示の実施形態において、ブロックラッチ33として構成される。位置保証手段6が、接続軸8を中心に接続ハウジング4に対して回転することによって移動すると、ブロック器32、詳細にはブロックラッチ33は、ロック要素5をラッチ止めロック位置(latched locking position)(
図5および
図6参照)にブロックする位置へ移動する。図示の実施形態において、ブロックラッチ33は作動要素28に係合して、作動要素28が動作できないようにする。位置保証手段6の作動回転中、ブロックラッチ33は作動要素28の下を移動する。
その後は、作動要素28を、接続ハウジング4の内部に向かって径方向下方へ押すことができない。作動要素28は、ブロックラッチ33によってブロックされ、作動要素28に結合されたロック要素5を、対向接続ハウジング7を解放するための持上げ解放位置(lifted release position)へ移動させることができない。したがって、ブロック器32は、作動要素28をブロックする。
【0054】
ブロックラッチ33は湾曲形状に形成され、その湾曲は、接続ハウジング4の外側の湾曲に本質的に対応する。このようにして、非常に小型の形状が実現される。湾曲したブロックラッチ33は、接続ハウジング4の外側に沿って回転することができる。ブロックラッチ33の自由前端部に挿入面取り部34が設けられ、この自由前端部は、作動要素28の特定の実施形態において、位置保証手段6を作動するときに、ロック要素5と最初に相互作用する。この面取り部は、ブロックラッチ33を、作動要素28の下で、作動要素28と接続ハウジング4の外殻面15の外側との間に径方向に位置する空間へ移動させるのに有利であり、動作中、作動要素28はこの空間に下がる(dip)。
【0055】
図示の例示的な実施形態において、位置保証手段6は、ケーブル側端部14で接続ハウジング4に取り付けられる。位置保証手段6は、かぶせキャップの形状のキャップ状である。かぶせキャップとしての構成により、位置保証手段6は、1つの部品で2つの機能を好ましい方法で果たす。第1に、位置保証手段6は、確実にロック要素5をブロック位置にブロックする。さらに、キャップ状位置保証手段6は、確実に接続ハウジング4のケーブル側端部14を覆い、埃および湿気から保護する。
【0056】
接続ハウジング4の内部へのケーブル(図示せず)のアクセスを可能にするために、キャップ状位置保証手段6はケーブル通路35を含む。ケーブル通路35は、キャップ状位置保証手段6の端面36の中央に形成され、この端面36は、組立状態で、接続軸8に垂直な平面に配置され、接続ハウジング4のケーブル側端部14を覆う。ケーブル入口またはケーブル受け開口部とも呼ぶことができるこのケーブル通路35を通して、ケーブルを接続ハウジングの内部へ送ることができ、そこでケーブルはコンタクト装置(図示せず)に接続される。
【0057】
ケーブル通路35を密閉するために、図示の接続アセンブリ2にシール要素37が設けられる。シール要素37は、位置保証手段6に配置される。図示のシール要素37は、ケーブル用開口部38を含む。シール要素37のケーブル用開口部38は、接続軸8において、キャップ状位置保証手段6の端面36のケーブル通路35に位置合わせされる。したがって、ケーブル通路35とケーブル用開口部38とは、接続方向ERにおいて、ケーブルを接続ハウジング4の内部に通すためのケーブルダクト(cable duct)を形成する。シール要素37は、ケーブルを径方向に囲んで密閉するための径方向シールとして設けられる。図示の実施形態において、シール要素37は、ケーブルのマットシールとして形成される。
【0058】
したがって、図示の実施形態の位置保証手段6は、さらなる機能、すなわち、シールシートまたはシールホルダ39の機能を果たす。シールホルダ39として、ケーブル用開口部38の縁部が、キャップ内を向いた突出カラー40として設計され、この突出カラー40は、組立状態で、シール要素37がケーブル側端部14において接続ハウジング4の開口部から外れることを防ぐ。反対方向において、シール要素37は、接続ハウジングの内壁で接続ハウジング4の内部に突出するシール突起41によって固定される。径方向において、シール要素37は、接続ハウジング4の内壁に隣接する。
【0059】
最終接続位置Eにおいて接続ハウジング4が対向接続ハウジング7に完全に組み立てられる前に、位置保証手段6が接続軸8を中心に接続ハウジング4に対して移動することを防ぐために、回転ブロック42が設けられる。
【0060】
回転ブロック42は、解除位置Tからブロック位置Sへの位置保証手段6の移動を防ぐ。図示の実施形態において、回転ブロック42は、接続ハウジング4と位置保証手段6との解放可能な形状嵌合として構成される。回転ブロック42は、可動ブロック要素43と剛性ブロック体44とを含む。剛性ブロック体44は接続ハウジング4に形成され、可動ブロック要素43は位置保証手段6に形成される。
【0061】
図示の実施形態において、可動ブロック要素43は、接続軸8に対して径方向に静止位置から偏向可能な形状嵌合要素である。詳細には、偏向可能な形状嵌合要素はブロック舌部45であり、このブロック舌部45は、位置保証手段6が接続ハウジング4に接続されたときに、位置保証手段6のキャップ状ベース本体からコネクタ面22の方向に突出し、接続軸8に本質的に平行に延びる。
【0062】
第1の受入ポケット46が、接続ハウジング4の外側に設けられる。位置保証手段6を接続ハウジング4のケーブル側端部14に配置することによって位置保証手段6が接続ハウジング4に接続されると、ブロック舌部45の遠位端が、解放ポケットとも呼ぶことができるこの第1の受入ポケット46に入る。ブロックポケットとも呼ぶことができる第2の受入ポケット47が、接続ハウジング4の外側に設けられる。ブロックポケット47は、解放ポケット46と同じ高さで接続軸8に沿って位置する。周方向において、受入ポケット46、47は互いに隣接して位置する。2つの受入ポケット46、47は、剛性ブロック体44によって互いに分離される。したがって、ブロック体44は、2つの受入ポケット46、47を互いに分離する。解放ポケット46に面したブロック体44の一側に、ブロック体44は止め肩部48を有する。
この止め肩部48は、ブロック舌部45を第1の受入ポケット46において制限し、これにより、位置保証手段6を解除位置Tからブロック位置Sへ移動させるのに必要な、ブロック要素43の回転移動をブロックする。
【0063】
第2の受入ポケット47、すなわちブロックポケット内を向いたブロック体44の領域に、傾斜部(ramp slope)49が設けられる。壁を形成し、かつ静止位置においてブロック舌部45がそれを通過できない止め肩部48とは対照的に、傾斜部49は、斜面を形成し、回転ブロック42を最初に解放する必要なく、位置保証手段6がブロック位置Sから解除位置Tへ戻ることを可能にする。ブロック舌部45がブロックポケット47にある場合、位置保証手段6はブロック位置Sにあり、位置保証手段6が回転してブロック位置Sから解除位置Tへ戻ると、ブロック舌部45はブロック体44の傾斜部49を上方に滑ることにより、静止位置から偏向し、ブロック舌部45が止め肩部48を通過するとすぐに、第1の受入ポケット46における静止位置に戻る。
【0064】
したがって、図示の例示的な実施形態における回転ブロック42は、単方向の指向性ブロック(unilateral、directional block)であり、回転ブロック42が解放された後にのみ、解除位置Tからブロック位置Sへの位置保証手段6の移動が可能になるが、ブロック位置Sから解除位置Tへの逆の移動はいつでも可能である。
【0065】
位置保証手段6の解除位置Tにおいて回転ブロック42を解放するために、可動ブロック要素43を静止位置から持ち上げなければならず、すなわち、以下で詳細に説明するように、ブロック舌部45を、径方向に外方に、接続ハウジング4の内部から解放ポケット46外へ移動させなければならない。
【0066】
図示の接続アセンブリ2の例示的な実施形態は、少なくとも1つの接続ガイド50を含む。接続ガイド50は、接続軸8に平行に延び、回転ブロック42、詳細には第1の受入ポケット46に位置合わせされる。対向接続アセンブリ3の有極化リブ(polarizing rib)52を受け入れるためのガイドチャネル51が、接続ハウジング4に接続ガイド50として設けられる。したがって、接続ガイド50は、接続ハウジング4と対向接続ハウジング7との相互接続を案内するガイドを形成するだけでなく、同時に、接続アセンブリ2と対向接続アセンブリ3とが、接続軸を中心とした回転に関して互いに正確に接続されることも確実にする。
【0067】
接続ガイド50は第1の受入ポケット46に通じているため、相互接続中に、有極化リブ52の一部を解放ポケット46まで挿入することができる。したがって、最終接続位置Eにおいて、コネクタ面22に最初に挿入される有極化リブ52の前部が、解放ポケット46内に延び、ブロック舌部45の下に係合し、それにより、ブロック舌部45は、径方向外方に持ち上げられ、解放ポケット46から外れる。この位置(
図2~
図4参照)で、回転ブロック42が解放される。
【0068】
以下は、接続アセンブリ2または接続セット1を組み立てて機能的に取り扱う方法の簡単な概要である。
【0069】
最初に、キャップ状位置保証手段6を接続ハウジング4のケーブル側端部14に配置することによって、接続アセンブリ2が取り付けられる。この配置中、位置保証手段6のラッチアーム17は、接続ハウジング4の外側の周溝13に挿入され、位置保証手段6は接続ハウジング4にポジティブに接続される。さらに、ブロック要素43の遠位端が解放ポケット46に入り、シール要素37は、一方で接続ハウジング4のシール突起41によって、他方で位置保証手段6のカラー40によって、接続軸8に沿って固定される。
【0070】
次に、接続アセンブリ2を対向接続アセンブリ3に相互接続することができる。このために、対向接続ハウジング7は、有極化リブ52が接続ガイド50のガイドチャネル51にねじ込まれている状態で、接続軸8に沿って、詳細には接続方向ERにおいてコネクタ面22に挿入される。接続セット1が最終接続位置Eにあるときに、接続アセンブリ2と対向接続アセンブリ3とは互いに完全に接合され、ロック要素5は結合要素20にラッチ止めされ、このインターロック19により、接続アセンブリ2と対向接続アセンブリ3とが接続方向ERとは逆に互いに切り離されることを防ぐ。作動要素28を動作させることによってロック要素5が解放位置に入り、接続アセンブリ2と対向接続アセンブリ3とのインターロック19が解放されたときにのみ、解除が可能である。
【0071】
ロック要素5が解放位置へ意図せず移動することを防ぐために、位置保証手段6を回転させることにより、解除位置Tからブロック位置Sへ移動させる。最終接続位置Eにおいて、有極化リブ52の前部が、解放ポケット46内に突出し、ブロック舌部45を解放ポケット46から持ち上げる。これにより、回転ブロック42は最終接続位置Eで解放され、位置保証手段6が接続軸8を中心に接続ハウジング4に対して解除位置Tからブロック位置Sへ回転することを可能にする。この回転中、ブロック舌部45は、ブロック体44を越えて案内され、最終的にブロックポケット47における静止位置で静止する。同時に、ブロック領域31、すなわちブロックラッチ33が作動要素28の下を滑り、それにより、作動要素28はブロックされ、ロック要素を解放位置に移動させるように動作することができなくなる。
【0072】
位置保証手段6がブロック位置Sから解除位置Tへ戻ったときにのみ、作動要素28を再び動作させることができ、すなわち径方向下方へ押すことができ、ロック要素5は解放位置に入って、結合要素20とのインターロック19を解除し、接続アセンブリ2と対向接続アセンブリ3との解除を可能にする。
【符号の説明】
【0073】
1 接続セット
2 接続アセンブリ
3 対向接続アセンブリ
4 接続ハウジング
5 ロック要素
6 位置保証手段
7 対向接続ハウジング
8 接続軸
9 固定手段
10 ラッチ手段
11 対向ラッチ手段
12 ラッチ受け
13 溝
14 ケーブル側端部
15 外殻面
16 ラッチ突起
17 ラッチアーム
18 ピボット軸受
19 インターロック
20 結合要素
21 ロックラグ
22 コネクタ面
23 容積
24 ロックスロット
25 ロック止め
26 結合リブ
27 結合肩部
28 作動要素
29 ロッカ軸受
30 フィンガキー
31 ブロック領域
32 ブロック器
33 ブロックラッチ
34 挿入面取り部
35 ケーブル通路
36 端面
37 シール要素
38 ケーブル用開口部
39 シールシート/シールホルダ
40 カラー
41 シール突起
42 回転ブロック
43 ブロック要素
44 ブロック体
45 ブロック舌部
46 第1の受入ポケット、解放ポケット
47 第2の受入ポケット、ブロックポケット
48 止め肩部
49 傾斜部
50 接続ガイド
51 ガイドチャネル
52 有極化リブ
E 最終接続位置
ER 接続方向
T 解除位置
S ブロック位置
【国際調査報告】