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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-10
(54)【発明の名称】可燃性ガス希釈器及びその方法
(51)【国際特許分類】
   B01F 23/10 20220101AFI20230703BHJP
   F04B 37/16 20060101ALI20230703BHJP
   B01F 25/10 20220101ALI20230703BHJP
   B01F 25/30 20220101ALI20230703BHJP
   B01F 35/22 20220101ALI20230703BHJP
【FI】
B01F23/10
F04B37/16 D
B01F25/10
B01F25/30
B01F35/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575778
(86)(22)【出願日】2021-06-07
(85)【翻訳文提出日】2022-12-08
(86)【国際出願番号】 GB2021051406
(87)【国際公開番号】W WO2021250384
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】2009009.8
(32)【優先日】2020-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507261364
【氏名又は名称】エドワーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【弁理士】
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】グリーンウッド ジョアン レイチェル
【テーマコード(参考)】
3H076
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
3H076AA21
3H076AA38
3H076BB11
3H076BB28
3H076CC95
4G035AB02
4G035AC22
4G035AE02
4G035AE13
4G037AA01
4G037AA18
4G037EA01
(57)【要約】
可燃性ガスの流れを可燃性ガスの可燃限界未満の濃度に確実に希釈するための可燃性ガス希釈器(5)を開示する。希釈器(5)は、入口(11)から出口(12)までの長手流路を定める外側エンベロープを備える希釈容器(10)と、希釈容器(10)の入口(11)に空気の流れを向けるための少なくとも1つの空気入口(16,17)アセンブリと、希釈容器(10)の入口(11)端に向けて位置付けられた可燃性ガス入口(15)配置と、空気入口(16,17)アセンブリの中に空気の流れを排気するように構成されて可燃性ガス入口(15)配置の上流に位置付けられる2つのガス流れ発生器とを備える。2つのガス流れ発生器は、作動及び予備ガス流れ発生器として作動するように構成される。可燃性ガス希釈器(10)は、2つの緩衝器(16A,17A)を備え、一方の緩衝器(16A,17A)は、ガス流れ発生器の各々に関連付けられ、緩衝器(16A)の各々は、対応するガス流れ発生器と希釈容器(10)の間に装着される。緩衝器(16A,17A)は、閉鎖時に対応するガス流れ発生器と希釈容器(10)の間の通路を覆い隠し、開放時にガス流れ発生器と希釈容器(10)の間の通路を開放するように構成され、制御回路(80)は、緩衝器(16A)の開閉を制御するように構成され、制御回路(80)は、対応するガス流れ発生器の作動モード中に緩衝器(16A,17A)を開放し、対応するガス流れ発生器が待機モードで停止されている時に緩衝器(16A,17A)を閉鎖するように構成される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃性ガスの流れを該可燃性ガスの可燃限界未満の濃度まで希釈するための可燃性ガス希釈器であって、
入口から出口までの長手流路を定める外側エンベロープを備える希釈容器と、
前記希釈容器の前記入口の中に空気の流れを向けるための少なくとも1つの空気入口アセンブリと、
前記希釈容器の入口端に向けて位置付けられた可燃性ガス入口配置と、
前記空気入口アセンブリの中に空気の流れをポンピングするように構成され、前記可燃性ガス入口配置の上流に位置付けられ、作動及び予備ガス流れ発生器として作動するように構成された2つのガス流れ発生器と、
2つの緩衝器であって、一方の緩衝器が、前記ガス流れ発生器の各々に関連付けられ、該緩衝器の各々が、対応する該ガス流れ発生器と前記希釈容器の間に装着され、該緩衝器が、閉鎖時に該対応するガス流れ発生器と該希釈容器の間の通路を覆い隠し、かつ開放時に該ガス流れ発生器と該希釈容器の間の該通路を開放するように構成される前記2つの緩衝器と、
前記緩衝器の前記開放及び閉鎖を制御するように構成される制御回路であって、前記対応するガス流れ発生器の作動モード中に該緩衝器を開放し、かつ該対応するガス流れ発生器が待機モードで停止されている時に該緩衝器を閉鎖するように構成される前記制御回路と、
を備えることを特徴とする可燃性ガス希釈器。
【請求項2】
前記制御回路は、現在作動のガス流れ発生器が停止されることになり、かつ現在待機モードのガス流れ発生器が始動されることになることを示す信号に応答して、
待機モードの前記ガス流れ発生器を始動するように制御し、かつ予め決められた遅延の後に、
前記始動されたガス流れ発生器に関連付けられた前記緩衝器を開放するように制御する、
ように構成されることを特徴とする請求項1に記載の可燃性ガス希釈器。
【請求項3】
前記予め決められた遅延は、待機モードの前記ガス流れ発生器が通常作動速度の少なくとも70%の回転速度を達成するための時間を備えることを特徴とする請求項2に記載の可燃性ガス希釈器。
【請求項4】
前記制御回路は、停止されることになる前記ガス流れ発生器に関連付けられた前記緩衝器を前記予め決められた遅延の後に閉鎖するように制御し、かつ該ガス流れ発生器を停止するように制御するように構成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の可燃性ガス希釈器。
【請求項5】
前記制御回路は、前記希釈器が始動されることになることを示す信号に応答して、
前記予備ガス流れ発生器に関連付けられた前記緩衝器が開放されるように、かつ前記作動ガス流れ発生器に関連付けられた該緩衝器が閉鎖されるように制御し、かつ該予備ガス流れ発生器を始動するように制御し、
設定された試験時間の後に前記作動ガス流れ発生器を始動するように制御し、
予め決められた遅延の後に、前記作動ガス流れ発生器に関連付けられた前記緩衝器を開放するように、かつ前記予備ガス流れ発生器に関連付けられた該緩衝器を閉鎖するように制御し、かつ
前記予備ガス流れ発生器を、作動を停止するように制御する、
ように構成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の可燃性ガス希釈器。
【請求項6】
半導体処理ツール内の少なくとも1つの真空チャンバから空気を抜くための真空ポンピングシステムであって、
前記少なくとも1つの真空チャンバから空気を抜くための複数の真空ポンプと、
前記少なくとも1つの真空チャンバのうちの少なくとも1つからの排気を受け入れるための除去システムであって、請求項1から5のいずれか一項に記載の可燃性ガス希釈器を備える前記除去システムと、
を備えることを特徴とする真空ポンピングシステム。
【請求項7】
前記半導体処理ツールは、極紫外リソグラフィツールを備え、前記可燃性ガスは、水素を備えることを特徴とする請求項6に記載の真空ポンピングシステム。
【請求項8】
前記複数のポンプを収容するためのハウジングと、
前記ハウジングからの空気を受け入れるための空気流れダクトと、
を更に備え、
前記空気流れダクトは、前記空気を前記可燃性ガス希釈器に供給するために前記少なくとも1つの空気入口アセンブリと流体連通しており、それにより空気が、前記ガス流れ発生器のうちの少なくとも1つの作動に応答して前記ハウジングを通って該空気ダクトに沿って該希釈器の中に流れる、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の真空ポンピングシステム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の可燃性ガス希釈器にガス流れを供給するために2つのガス流れ発生器の作動を制御する方法であって、
現在待機モードの前記2つのガス流れ発生器の第1の1つを該第1のガス流れ発生器と前記希釈容器の間の前記緩衝器を閉鎖位置に保ちながら始動するように制御する段階と、
予め決められた遅延の後に、
前記第1のガス流れ発生器に関連付けられた前記緩衝器を開放するように制御する段階と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項10】
停止されることになる第2のガス流れ発生器に関連付けられた前記緩衝器を前記予め決められた遅延の後に閉鎖するように制御する段階と、
前記第2のガス流れ発生器を停止するように制御する段階と、
を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記希釈器が始動されることになることを示す信号に応答して、
前記予備ガス流れ発生器に関連付けられた前記緩衝器が開放されるように、かつ前記作動ガス流れ発生器に関連付けられた該緩衝器が閉鎖されるように制御する段階と、
前記予備ガス流れ発生器を始動するように制御する段階と、
設定された試験時間の後に前記作動ガス流れ発生器を始動するように制御する段階と、
予め決められた遅延の後に前記作動ガス流れ発生器に関連付けられた前記緩衝器を開放するように制御する段階と、
前記予備ガス流れ発生器に関連付けられた前記緩衝器を閉鎖するように制御する段階と、
前記予備ガス流れ発生器を、作動を停止するように制御する段階と、
を備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、可燃性ガス希釈に及び一部の実施形態では真空ポンピング及び除去システムに関する。
【背景技術】
【0002】
排気及び除去されることになるガスが水素のような可燃性ガスである半導体製作工程が存在する。例えばリソグラフィでは、製品は、放射線源への制御された露出によって製造される。この場合に、放射線源は、極紫外EUV放射線である。この工程では、水素は、リソグラフィツール内でEUV光を放射するためにレーザによって励起されるスパッタ錫から光学系及びミラーを遮蔽するための障壁ガスとして益々大量に使用されている。これらの工程は真空内で行われ、真空システムは、この工程が行われるのに必要な真空圧力を提供し、かつ水素を安全に除去されるように運び去る。
【0003】
多くの除去システムでは、真空処理チャンバから取り出された可燃性ガスは、燃焼させてガスを取り除く。これに関連付けられた環境的含蓄が存在し、それは、一般的に2つの除去ツール、すなわち、稼働する1つと、稼働する除去ツール内の燃焼器が消えた場合の予備の1つとを必要とする。この配置は、燃料及び空間の両方で高価である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガスストリームを安全に排気することができるようにガスストリームから可燃性ガスを除去する代替方法を提供することが望ましいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様は、可燃性ガスの流れを可燃性ガスの可燃限界未満の濃度に希釈するための可燃性ガス希釈器を提供し、希釈器は、入口から出口までの長手流路を定める外側エンベロープを備える希釈容器と、希釈容器の入口の中に空気の流れを向けるための少なくとも1つの空気入口アセンブリと、希釈容器の入口端に向けて位置付けられた可燃性ガス入口配置と、空気入口アセンブリの中に空気の流れをポンピングするように構成された2つのガス流れ発生器であって、可燃性ガス入口配置の上流に位置付けられ、稼働及び予備ガス流れ発生器として作動するように構成された上記2つのガス流れ発生器と、2つの緩衝器であって、一方の緩衝器が、ガス流れ発生器の各々に関連付けられ、緩衝器の各々が、対応するガス流れ発生器と希釈容器の間に装着され、緩衝器が、閉鎖時に対応するガス流れ発生器と希釈容器の間の通路を覆い隠し、かつ開放時にガス流れ発生器と希釈容器の間の通路を開放するように構成された上記2つの緩衝器と、緩衝器の開閉を制御するように構成された制御回路であって、対応するガス流れ発生器の稼働モード中に緩衝器を開放し、かつ対応するガス流れ発生器が待機モードで停止されている時に緩衝器を閉鎖するように構成された上記制御回路を備える。
【0006】
可燃性ガスは、取扱い及び処分が困難である。これらの理由から、システムから排気される可燃性ガスは、一般的に燃焼器内で場合によりメタンを燃料として使用して燃焼させることで処理される。この方法は環境への影響があり、燃料及び空間の両方で比較的高価であり、信頼性問題を有する可能性がある。可燃性ガスの取り扱いに関連付けられた困難にも関わらず、可燃性ガスを可燃限界未満に安全に希釈することができれば、多くの可燃性ガスは簡単に大気に通気することができると考えられる。
【0007】
これまでは可燃性ガスが希釈される場合に、不活性ガスである窒素を使用して大気圧以上で行うのが一般的であった。しかし、可燃性ガスの量が多いシステムでは、可燃性ガスの濃度を可燃性ガスの可燃レベル未満に低減するのに必要な窒素の量は、多くの場合に法外に高価である。更に、高圧での稼働は、それ独自の課題を有する。
【0008】
可燃性ガスの希釈は、それを安全かつ確実に行うことができれば、可燃性ガスの燃焼に代わる除去手段として許容されると思われる。可燃性ガスの濃度が上昇した場合に、安全性に影響するだけでなく、可燃性ガスが生成されるシステムを停止させる必要があり、これは高価である可能性がある。
【0009】
実施形態は、少なくとも2つのガス流れ発生器から空気の供給を受け、各々が稼働モード又は予備として作動するように構成された可燃性ガス希釈器を使用してこれらの問題に対処する。従って、一方のガス流れ発生器が必要な空気流れを発生させているのに対して、他方は、作動ガス流れ発生器に保守点検を必要とする場合にいつでも使用することもできる待機モードで予備として機能することができる。
【0010】
ガス流れ発生器を2つ設けることに関する潜在的な問題の1つは、非作動ガス流れ発生器を通じた希釈システム外へのガス流れの漏出経路が存在する恐れがあることである。これは、システム内の圧力変動を引き起こして警報及びシステムの停止を誘発する可能性があるのみならず、ガス流れ発生器をその作動方向と逆の方向に通過する流れは、それを逆回転させることになり、必要な時に始動することが困難又は不可能になる。これは、各ガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器を設けることで対処される。これらの緩衝器は、ガス流れ発生器と希釈容器の間でガス流路を開放する又は覆い隠すように構成され、必要に応じて自動的に開閉することができるように制御回路で制御される。このようにして、非作動時には、非作動ガス流れ発生器を通過する「逆方向」の経路が少なくとも部分的に遮断され、ガスがシステムから漏出してガス流れ発生器の逆回転をもたらすことを抑制することができる。
【0011】
緩衝器はいくつかの形態を有するが、一部の実施形態では、ルーバタイプ配置を形成するスラットを含む。スラットは、幅狭断面と幅広断面を有し、閉鎖位置では幅広断面がガス通路断面に平行にかつそれを横切って横たわり、開放位置では幅広断面が通路断面に垂直に横たわるので、この向きでガス通路の障壁になるのは幅狭断面だけであるように回転自在に装着される。閉鎖した場合に、スラットは断面の面積の95%超を覆うことができる。
【0012】
一部の実施形態では、制御回路は、現在作動のガス流れ発生器を停止させ、現在待機モードにあるガス流れ発生器を始動させるべきであることを示す信号に応答して待機モードにあるガス流れ発生器を制御して始動させ、予め決められた遅延の後に、始動したガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器を開放するように制御するように構成される。
【0013】
ガス流れ発生器間で切り換える場合に、恐らくは作動ガス流れ発生器を保守のために交換しなければならない場合に、現在非作動のガス流れ発生器を通じたガス漏出及びガス流れ発生器の逆回転を抑制するために、緩衝器を開放する前にこのガス流れ発生器を始動させ、予め決められた遅延の後にのみ緩衝器を開放すると有利であることが見出されている。このようにして、ガスの漏出とそれに対応するシステム内の変動とを抑制することができる。停止したガス流れ発生器を逆向きに通過するガス漏出は、その始動を困難にするだけでなく、望ましくないシステム内の圧力変動及び可燃性ガス濃度の上昇をもたらし、警告信号と希釈中のシステムの停止とを誘発する可能性がある。現在稼働中のガス流れ発生器を停止しなければならないことを示す信号は、作動ガス流れ発生器を感知するセンサから受信した信号に応答して生成することができる。これらの信号が、例えば、ガス流れ発生器に温度の上昇又は振動の増加があることを示す場合に、制御回路は、ガス流れ発生器を停止させて予備ガス流れ発生器と交換しなければならないことを示す信号を生成することができる。
【0014】
予め決められた遅延は、ガス流れ発生器がその通常作動速度に達するまでの時間とすることができ、又は通常作動速度の70%超又は場合により80%超のようなその通常作動速度の何分の1かに達するか又はそれを超えるまでの時間とすることができる。通常作動速度は、ガス流れ発生器の最高速度よりも実質的に低いとすることができる。遅延は、時間として設定することができ、又は例えばガス流れ発生器がある一定の作動速度に達したことを感知するセンサによって決定することができる。
【0015】
一部の実施形態では、制御回路は、作動ガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器を閉鎖するように制御する及び作動ガス流れ発生器を制御して停止させるように構成される。
【0016】
制御回路は、新たに始動したガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器の開放時又はその少し後に他方のガス流れ発生器の緩衝器を閉鎖するように制御することができ、同じく、関連する緩衝器の閉鎖時又はその後にガス流れ発生器の作動を停止させるように制御することができる。
【0017】
一部の実施形態では、制御回路は、希釈器を始動しなければならないことを示す信号に応答して予備ガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器を制御して開放させ、作動ガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器を制御して閉鎖させ、予備ガス流れ発生器を始動するように制御するように、設定された試験時間の後に作動ガス流れ発生器を始動するように制御するように、予め決められた遅延の後に作動ガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器を制御して開放させ、予備ガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器を閉鎖するように制御するように、かつ予備ガス流れ発生器の作動を停止させるように制御するように構成される。
【0018】
システムを始動させる場合に、始動の前に予備ガス流れ発生器が機能することを確かめることが有利である。従って、予備ガス流れ発生器を一定の試験時間だけ作動させることによって開始することが有利である場合がある。この試験時間中に、このガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器は開放され、他方のガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器は閉鎖している必要がある。一定の試験時間が終了した後に、作動ガス流れ発生器を始動させることができる。この時に、それに関連付けられる緩衝器はまだ閉鎖している。予め決められた遅延の後に、その緩衝器が開放され、予備ガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器が閉鎖され、かつ予備流れ発生器がオフにされる。予備ガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器の閉鎖は、作動ガス流れ発生器の緩衝器の開放と実質的に同時とすることができ、又はその少し後とすることができる。この点に関して両方のガス流れ発生器を作動状態にし、両方の緩衝器を開放状態にすることは問題ではない。一方のガス流れ発生器を非作動状態にし、その緩衝器を開放状態にすることは、ガス漏出と逆回転をもたらすものである。
【0019】
一部の実施形態では、可燃性ガス入口配置は、希釈容器の外側エンベロープから異なる距離で希釈容器の断面にわたって希釈容器の入口端に向けて少なくとも一部が配置された複数の開口と、可燃性ガス入口配置と出口の間に配置されて各々が希釈容器の長さに沿って異なる位置にある複数のガスストリーム誘導構成とを含み、複数のガスストリーム構成の少なくとも1つは、ガスストリームを外側エンベロープから離れるように向けるための内向き誘導ガスストリーム構成であり、ガスストリーム構成の少なくとも1つは、ガスストリームを外側エンベロープに向けて向けるための外向き誘導ガスストリーム構成である。
【0020】
希釈器は、少数の可動部品を有する簡単な設計であることが有利である可能性があり、その理由は、希釈器をロバストで信頼性が高く故障しにくいものにすることができるからである。これは、除去ユニットの故障がシステムへの可燃性ガスを止める可能性があり、それにより、次に、システムを直ちに停止させることが必要になる場合があり、その結果、システムに損傷をもたらす可能性があるシステムでは、非常に重要であるとすることができる。
【0021】
可燃性ガスの希釈は、そのように安全に行うことができるのであれば、可燃性ガスの燃焼に代わる除去手段として許容されるように思われる。本発明者は、可燃性ガスの取扱いに関連付けられた危険の多くは、可燃性ガスを使用地点から安全に除去することができる地点まで搬送することに関連していることを認識している。従って、困難の多くは、設計が簡単で比較的コンパクトであり、可動部品の少ない希釈器を設けることによって対処することができ、使用される地点又はその近くの地点で可燃性ガスを希釈するためのユースポイント希釈器として使用することを可能にする。
【0022】
一部の実施形態では、希釈容器は狭窄部分を含み、可燃性ガス入口配置が狭窄部分内に位置付けられて可燃性ガス入口を通過する前に空気が加速されるようになっている。
【0023】
可燃性ガスは、希釈器に投入される場合に、初期にその可燃上限を超えている可能性があるが、希釈時に、その可燃下限未満に希釈されるまで可燃性になってこれらの時点間の発火のリスクを軽減するための措置を講じる必要がある。狭窄部分を使用して可燃性ガス入口の空気流れを増大することは、特に、増加した流量が可燃性ガスの火炎速度を超える場合に、初期に比較的急速にガスを希釈して発火を抑制する1つの方法である。
【0024】
一部の実施形態では、希釈器は、可燃性ガスを希釈してシステムの出口でその可燃下限の何分の1よりも少なく、場合により半分未満に、かつ場合により4分の1未満にするように構成される。安全上の理由からかつロバストなシステムを提供するために、システムが可燃下限の何分の1かまでガスを希釈し、出口で可燃下限の何分の1かを超えた場合はセンサが警告を発することが有利である場合がある。
【0025】
狭窄部分は希釈容器の長さの何分の1かにわたって延びるに過ぎず、希釈容器は狭窄部分を超えて延びるので、ガスストリームが減速する。これは、制約された空間内で可燃性ガスと空気の混合を助ける。
【0026】
一部の実施形態では、可燃性ガス希釈器は、その空気入口アセンブリの中に空気流れをポンピングするために少なくとも1つのガス流れ発生器を含み、少なくとも1つのガス流れ発生器は、可燃性ガス入口配置の上流に位置付けられる。
【0027】
上述のように、希釈器内の可燃性ガスの濃度は、可燃性ガス入口の下流で希釈器の長さの一部分にわたって可燃上限と可燃下限の間にある。従って、希釈器のこの部分にわたって潜在的な発火源が一切ないことが有利であり、希釈器は、ファンの形態とすることができるガス流れ発生器に存在するような可動部品が可燃性ガス入口の上流にあるように構成されるので、可燃性ガス入口の下流は、潜在的な発火原因になる可能性がある可動部品が存在しない。
【0028】
一部の実施形態では、可燃性ガス希釈器は、作動及び予備ガス流れ発生器として作動するように構成された2つのガス流れ発生器を含む。
【0029】
可燃性ガスを取り出す及び除去する必要がある多くのシステムでは、可燃性ガスの濃度が一定レベルを超えないことが重要であり、すなわち、可燃性ガスを使用地点で希釈する場合に、システムが信頼することができ、故障しないことが特に重要である。従って、一部の実施形態では、2つのガス流れ発生器を設け、一方は1次ガス流れ発生器として作動するように構成され、他方は1次ガス流れ発生器に故障が生じた場合に機能する予備ガス流れ発生器として構成される。希釈器は可動部品が少ない簡単な設計であるので、可動部品を有する構成要素、この事例ではガス流れ発生器が二重化される場合に信頼性の高いシステムを提供することができる。
【0030】
一部の実施形態では、空気入口アセンブリは、希釈容器の入口の中に空気を向ける導管を含み、2つのガス流れ発生器は、導管上の実質的に同じ長手位置に設けられ、一部の実施形態ではガス導管の周囲の異なる位置に設けられる。
【0031】
一部の実施形態では、2つのガス流れ発生器は、垂直方向配置の導管に沿って異なる長手位置に上下に設置することができる。別の実施形態では、それらは、導管の両側に設置して希釈器の高さを低減し、よりコンパクトにすることができる。導管の両側に設置する場合に、ガス流れ発生器の一方は、2つのガス流れ発生器の空気入口が互いに直接向き合わないように他方に対して回転的に相殺させることができる。
【0032】
一部の実施形態では、少なくとも1つのガス流れ発生器及び希釈容器は、可燃性ガス入口配置での空気の流速が可燃性ガスの火炎速度より大きくなるように構成される。
【0033】
上述のように、可燃性ガスが、その濃度が最も高くなる可燃性ガスの入口に特の近い希釈器内にある時に、可燃性ガスの発火を妨げることが重要である。従って、可燃性ガス入口配置では、可燃性ガスの火炎速度よりも大きい速度で空気を供給することにより、その発火が妨げられることになる。この点に関して、例えば、水素の火炎速度は毎秒3~4メートルなので、水素ガス入口での空気速度が毎秒3~4メートルより大きくなるように水素希釈器を構成しなければならない。一部の実施形態では、それは、毎秒20メートルより大きく、好ましくは毎秒25又は30メートルより大きくなるように構成される。
【0034】
一部の実施形態では、この加速された空気の流れを供給することに加えて、可燃性ガス入口に火炎拘束コーンが存在することができる。
【0035】
一部の実施形態では、可燃性ガス入口配置は、開口がガス出口から離れる方向を向くように構成される。
【0036】
開口がガス出口から離れる方向を向く場合及び一部の実施形態ではガス入口の方向を向く場合に、可燃性ガスの空気との混合が改善することが見出されている。
【0037】
一部の実施形態では、可燃性ガス入口配置の開口は、直径が2~5mmである。
【0038】
可燃性ガス開口のサイズの選択は、希釈器内への可燃性ガスの流れに影響を与え、開口が希釈のための空気流れの方を向いている場合に特にそうである。開口が大きすぎると可燃性ガスの流出を妨げることになり、実際に、真空システムに流入する空気による汚染を引き起こす場合があり、小さすぎると開口がガス流れを抑制することになる。直径2~5mmの開口サイズにより、特に有効な可燃性ガスの流れが希釈器内に供給されることが見出されている。
【0039】
一部の実施形態では、可燃性ガス入口配置は、外側リングチャネルと、外側リングチャネルからリングの中心に向けて延びる半径方向チャネルとを含み、半径方向チャネルが開口を含む。
【0040】
2つのガス流れ間の混合を促進にする方法で空気流れの中に可燃性ガスの流れを供給するためには、形成されるのが単一プルームではなく、むしろ異なる半径方向位置にある異なる開口からの可燃性ガスのいくつかの流れが存在するように、ガス流れにわたって異なる半径方向位置に入口配置の開口を設けることが有利であることが見出されている。同じく、希釈器の断面を横切るアームの使用は、空気の流れが過度に抑制されず、従って真空ポンプが過剰に圧迫されない有効な配置を提供することも見出されている。水素がポンピングシステムから拡散器に導入される場合に拡散器を取り囲むカラー又は外側リングチャネルは、内周付近でスパイダーアームに対する実質的に均等で制限されない流れを可能にするようにサイズ決定される。一部の実施形態では、スパイダーは、拡散器又は希釈器の入口にわたって4~8個のアームを含む。スパイダーアームは、拡散器の空気流路を30%以上制限しないようにサイズ決定される。スパイダーアームの開口は、一部の実施形態では、アームの長さに沿って実質的に均等に分配され、希釈ガスの流れに面するように配置される。
【0041】
外側リングチャネルは希釈容器内にある場合があるが、一部の実施形態では、外側リングは、希釈チャネルの外側エンベロープの周りにあり、半径方向チャネルは、外側エンベロープの内面から延びる半径方向アームの中を走り、チャネルは、希釈容器壁を通って延び、外側リングチャネルと流体連通する。
【0042】
可燃性ガス希釈器は、様々な可燃性ガスを希釈するのに適するが、特に水素に好適である。水素は非常に軽い気体であるので、実質的にポンピングすることが困難になる。水素はまた、流量が少ない場合にシステムの上部に向けて溜まりやすい。従って、水素の除去には課題があり、実施形態の希釈器は、これらの課題に対処するのに特に有効である。特に、可動部品の少ないシステムの信頼性により、流量は、一般的に比較的一定の値に維持され、水素は複数の開口を通して実質的に拡散することになる。更に、水素は大気中に存在するので、十分に希釈された場合は大気中に放出することができる。一般的に、水素の可燃限界は4%の濃度であるので、4%未満であれば発火の恐れはないはずである。しかし、ロバストで安全なシステムを提供するために、一般的に出口で1%という希釈レベルの限界が設定される。
【0043】
一部の実施形態では、希釈容器、可燃性ガス入口構成、及びガス誘導構成は、金属から形成され、かつ接地される。
【0044】
上述のように、希釈器内のガス流れから発火源を取り除くことが好ましい場合があり、すなわち、一部の実施形態では、可燃性ガス希釈器は、静電気スパークのあらゆる可能性を低減するために接地された金属によって形成される。一部の実施形態では、金属はステンレス鋼である。このようにして、金属希釈器を提供し、可燃性ガス流れの中に可動部品を持たず、一部の実施形態では可燃性ガスの火炎速度を超える流速を有することにより、あらゆる発火の可能性は実質的に取り除かれる。
【0045】
内向き誘導ガス流れ構成及び外向き誘導ガス流れ構成は、いくつかの形態を有することができるが、一部の実施形態では、内向き誘導ガス流れ構成は、外側エンベロープから内部に突出するリング状バッフルを含み、外向き誘導ガス流れ構成は、中心に位置付けられたコーン形状バッフルを含み、そのコーンの頂点は、希釈容器の入口を向いている。
【0046】
希釈容器を通してガス流路の中心に向けて、次にそこから遠ざかるようにガスを向けるこれらのガス流れ構成は、ガスの有効な混合を提供し、従って比較的小さい容積内で可燃性ガスを実質的に希釈する。これは、ユースポイント除去システムとして使用するのに有利なコンパクトな希釈容器をもたらす。
【0047】
一部の実施形態では、複数の内向き及び外向き誘導ガス流れ構成は、希釈容器の長さに沿って交互に配置される。従って、内向き誘導ガス流れ構成に続いて外向き誘導ガス流れ構成が続く。
【0048】
一部の実施形態では、希釈容器は、70リットル未満の容積を含み、可燃性ガス希釈器は、1000SLM(標準状態リットル/分)までの可燃性ガスの流れを希釈するように構成される。
【0049】
実施形態の希釈器は、その設計により、コンパクトであり、比較的小さい容積内で比較的大きい可燃性ガスの流れを希釈することができる。従って、70リットルの希釈器、一部の事例では50リットルの希釈器は、1000SLMまでの可燃性ガスの流れを希釈することができる。
【0050】
一部の実施形態では、可燃性ガス希釈器は、出口に隣接する可燃性ガス試料採取器を含み、可燃性ガス試料採取器は、可燃性ガスセンサと流体連通しており、可燃性ガス希釈器は、更に、可燃性ガスセンサが予め決められたレベルを超える可燃性ガスの濃度を示すことに応答して希釈器への可燃性ガスの流れを抑制するための制御回路を含む。
【0051】
一部の実施形態では、可燃性ガス試料採取器は、外側リングチャネルと、外側リングチャネルからリングの中心に向けて延びる半径方向チャネルとを含み、半径方向チャネルは、開口を含む。
【0052】
システムの安全性を保証するために、希釈器から出るガスの濃度は、そのガスの可燃限界未満である必要があり、従って、一部の実施形態では、これを保証するために出口の近くに試料採取器が存在する。濃度が望ましい可燃濃度限界を超えて上昇した場合に、配線接続された安全制御回路が、希釈器への可燃性ガスの流れを抑制することになる。この点に関して、それがユースポイント希釈器である場合に、それが取り付けられて水素流れを発生させているツールを停止させる段階を伴う場合がある。
【0053】
一部の実施形態では、ガス流れ発生器は、可燃性ガス希釈器に大気圧の空気を供給するように構成される。
【0054】
第2の態様は、半導体処理ツール内の少なくとも1つの真空チャンバから空気を抜くための真空ポンピングシステムを提供し、真空ポンピングシステムは、少なくとも1つの真空チャンバから空気を抜くための複数の真空ポンプと、少なくとも1つの真空チャンバの少なくとも1つからの排気を受け入れるための除去システムとを含み、除去システムは、第1の態様による可燃性ガス希釈器を備える。
【0055】
第1の態様の希釈器は、可燃性排気ガスを排気する半導体処理ツール内の空気抜きチャンバのための真空ポンピングシステムと一体化したシステムとして提供することができる有効な除去システムを提供する。すなわち、可燃性ガスに関するユースポイント除去が存在し、それを他所に配管する又は燃焼器除去システムが有する欠点と共に除去システム内でそれを燃焼させる必要はない。
【0056】
一部の実施形態では、半導体処理ツールは、極紫外リソグラフィツールを含み、可燃性ガスは、水素を備える。
【0057】
極紫外リソグラフィは、増大する水素を使用する技術であり、従って、この水素の有効な希釈を提供し、水素を他所に配管する又は燃焼させることなく使用地点で安全に希釈することができる除去システムは、そのようなシステムから空気を抜いて除去する特に効率的な方法である。
【0058】
一部の実施形態では、真空ポンピングシステムは、更に、複数のポンプを収容するためのハウジングと、ハウジングから空気を受け入れるための空気流れダクトとを含み、空気流れダクトは、空気を可燃性ガス希釈器に供給するために少なくとも1つの空気入口アセンブリと流体連通し、ガス流れ発生器の少なくとも1つの作動に応答して空気がハウジングを通り、空気ダクトに沿って希釈器に流入するようになっている。
【0059】
空気流れは、可燃性ガスの希釈に必要であり、場合により、キャビネット抽出流れが存在する場合があり、これは、特に可燃性ガスである場合に問題になる可能性があるポンプから漏出している恐れのあるガスを除去するためにシステムから空気を抜いているポンプ上を通過する空気流れである。従って、可燃性ガスをポンピングする多くの処理システムでは、既に予め決められた位置に空気の流れが存在し、この空気の流れを直接希釈器に向けることができるので、ダクトと空気流れ発生器の両方が節約される。それにより、チャンバから抜かれる水素を希釈するために、ポンピングシステムのハウジングを通る空気流れを再利用する効率的な方法を提供する。
【0060】
第3の態様は、いずれかの先行する請求項に記載の可燃性ガス希釈器にガス流れを供給するために2つのガス流れ発生器の作動を制御する方法を提供し、その方法は、現在待機モードにある2つのガス流れ発生器の第1のものを第1のガス流れ発生器と希釈容器の間にある緩衝器を閉鎖位置に保ちながら始動させるように制御する段階と、予め決められた遅延の後に第1のガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器を開放させるように制御する段階とを含む。
【0061】
現在待機モードにあって緩衝器を通してシステムから隔離されているガス流れ発生器が始動する場合に、空気流れ発生器が非作動の間に緩衝器を開いてしまうと非作動ガス流れ発生器を通して希釈器から外部への漏出経路を提供することになるので、緩衝器を開放する前に始動させることが有利である。この漏出経路は、希釈器内の流れの乱れを引き起こして警報を作動させ、それを停止させる可能性がある。
【0062】
一部の実施形態では、本方法は、更に、停止させる第2のガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器を予め決められた遅延の後に閉鎖するように制御する段階と、第2のガス流れ発生器を停止させるように制御する段階とを含む。
【0063】
一部の実施形態では、本方法は、希釈器を始動しなければならないことを示す信号に応答して予備ガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器を開放するように制御し、作動ガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器を閉鎖するように制御する階と、予備ガス流れ発生器を始動するように制御する段階と、設定された試験時間の後に作動ガス流れ発生器を始動するように制御する段階と、予め決められた遅延の後に作動ガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器を開放するように制御する段階と、予備ガス流れ発生器に関連付けられた緩衝器を閉鎖するように制御する段階と、予備ガス流れ発生器の作動を停止させるように制御する段階とを含む。
【0064】
更に別の特定のかつ好ましい態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に提示している。従属請求項の特徴は、適宜、独立請求項の特徴と組み合わせることができ、同じく、請求項に明示的に示されているもの以外の組合せで組み合わせることができる。
【0065】
機能を提供するように作動可能であると装置特徴を説明する場合に、これは、その機能を提供する装置特徴又はその機能を提供するように適合又は構成される装置特徴を含むことは認められるであろう。
【0066】
ここで、添付図面を参照して本発明の実施形態を更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】実施形態による可燃性ガス希釈器を示す図である。
図2】実施形態による希釈容器を示す図である。
図3】実施形態による可燃性ガス希釈器の別の図である。
図4】実施形態による希釈容器を通過する流れ経路を模式的に示す図である。
図5】実施形態による真空及び除去システムを示す図である。
図6】実施形態による希釈器を通過するガスの流れを示す図である。
図7】実施形態に従って希釈器に隣接して上下に装着された2つのガス流れ発生器を示す図である。
図8】更に別の実施形態に従って希釈器の両側に互いに隣接して装着された2つのガス流れ発生器を示す図である。
図9】ガス流れ発生器を示す図である。
図10】実施形態による方法内の段階を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
実施形態をより詳細に議論する前に、最初に概観を以下に与える。
【0069】
EUVツールから水素を排出するためのようにシステムから多くの可燃性ガスを排出するために希釈は許容されるオプションである。従来、可燃性ガスの希釈は不活性ガスを使用して行われてきたが、水素流れの増大と共に大流量が必要であり、かつ追加のリスクと環境破壊をもたらすので、不活性ガスでの希釈は許容することができない。
【0070】
空気による希釈は、費用効果が高く、環境にも優しい代替手段を提供する。
【0071】
基礎理論
EUVからの水素のようなシステムからの可燃性ガスは、初期に酸素をほとんど又は全く含まないので、UFL(可燃上限)を超えており、水素の場合に、これは75体積%である。
【0072】
実施形態は、可燃下限LFL(4体積%水素)未満に希釈することを目指している。安全なUFL超過から安全なLFL未満に到達するために、混合物は可燃範囲(水素75体積%から4体積%)を通過する必要がある。可燃性混合物の発火は、爆燃/爆発を引き起こすことになる。そのリスクは、可燃性ガス(水素)の体積と、ガスを搬送するめに使用されるダクトのサイズ及び長さとを用いてスケーリングされる。
【0073】
水素の特性は、以下の通りである。
2のMIE(最小発火エネルギ)は17μJであり、これに対してガソリン800μJ、メタン300μJである。
空気中でのH2の火炎速度は2.88m/sであり、これに対してガソリン0.2~0.5m/s、メタン0.356m/sである。
【0074】
水素導入地点の空気速度≫水素の火炎速度(30m/s)であれば、バックフラッシュのリスクは回避されるか又は少なくとも低減される。
【0075】
水素ガスは、拡散性が高くて浮力が大きく、急速に空気と混合し合う。
【0076】
リスクは、以下の通りである。
水素混合物を発火させるのは非常に簡単である。
発火した状態で、火炎が非常に速く伝播することになる。
【0077】
これらのリスクを軽減するために、可能な限り早い機会に使用地点の近くで空気による希釈を達成することが有利であると考えられる。それにより、可燃性混合物を発火させる可能性がある場所が減り、パイプラインでの爆発のリスクが低減し、同じくパイプ経路指定及び環境を毎回分析することなく、どの場所でも検査、認証、及び再現することができる設計を提供する。
【0078】
システム
希釈ユニットの実施形態は、可燃性ガスをその可燃下限未満、一部の事例ではその可燃下限の1/4未満に希釈し、可燃性ガスがそのLFLとUFLの間にある可燃ゾーンを管理することを目指し、潜在的な発火源を排除するか又は少なくとも低減する。
【0079】
一部の実施形態では、本発明のシステムは、ポンピングシステムキャビネットから空気を引き出す追加のファンに対する必要性を低減するためにキャビネット抽出空気を希釈剤として利用する。
【0080】
図1は、実施形態による希釈器5を示している。希釈器5は、入口11から出口12まで延びる希釈容器10を備える。入口11は、2つの空気入口16及び17を有する空気提供部分14に接続される。これらは、空気入口16の場合は1次ファンから及び空気入口17の場合は予備ファンから空気を受け入れるように構成される。空気入口の各々は、それに関連付けられた緩衝器16a,17aを有する。緩衝器は、緩衝器16aの場合の1次ファンが作動している開放位置と、緩衝器17aの場合の2次ファンが待機モードにある閉鎖位置との間で回転するスラットを含む。閉鎖した緩衝器17aは、空気提供部分14からの空気が2次ファンを通して外部に漏出ないように防止する。緩衝器は、希釈器の作動状態に応じて自動的に開閉するように制御回路(図示せず)によって制御される。空気入口からの空気は、空気提供部分14のパイプに沿って希釈ユニットの空気入口11に送られる。希釈ユニット10は狭窄部分18を有し、その内部に可燃性ガス入口配置15が設けられる。従って、狭窄部分に到達する時に空気は加速され、その結果、高速度でかつ可燃性ガスの火炎速度よりも大きい速度で可燃性ガス入口構成を通過する。その後に、希釈ユニット10は、より大きい直径に延びてガスは減速し、混合を改善する。
【0081】
次に、ガスは、外側エンベロープに向けて又は外側エンベロープから離れる方向にガスを向けるための様々なガス誘導構成を通過して流れ、それによりそれらは、出口12に到達するまで可燃性ガスの可燃下限未満の均一濃度を有するほどに混合される。この点について、入口15で進入する可燃性ガスは、一般的に可燃上限を超える濃度であり、出口12で出て行く前に可燃下限未満の濃度に達するまでは希釈器を通過する時に勿論可燃性である濃度を通過する。
【0082】
希釈容器10、特に、可燃性ガスと空気との混合を促進するためのガス誘導構成は、図2により詳細に示している。この実施形態では、これらのガス誘導構成は、外壁に向けて流れを誘導するためのコーン30,34と中心に向けて流れを誘導するためのバッフル32,36との形態を取る。
【0083】
可燃性ガスは、入口スパイダー15の形態の入口配置を通して狭窄部分で希釈容器に入る。これは、水素ガスが流入するガス希釈容器10の外側の周りのカラー又はリングの形態を取る。希釈容器の壁を通って外側リングからガス流れ部分に延びる半径方向アームが存在する。これらは、狭窄部分の断面にわたって延び、アーム上の開口は、空気流れに水素を分注する。これらの開口は、ガス希釈容器10の空気入口11の方を向いている。
【0084】
ガス誘導構成30,32,34,36は、希釈容器10の長さに沿って異なる長手位置に配置され、希釈容器の外縁に向けて流れを誘導するためのコーンと、中心に向けて流れを戻すためのバッフルとを交互に含む。従って、空気及び水素の入口に近い下端は、容器の外壁に向けてガス混合物を迂回し、更に、狭窄部分18で加速された流れを減速させるように作用するコーン30が存在する。ガス流路上で次にあるのは、空気を誘導して中心に向けて戻すバッフル32であり、この後にコーン34、次にバッフル36が続く。この実施形態では、出て行く前にガスをサンプリングするためのサンプリングスパイダー40が存在する。これを水素センサに誘導し、出口12から出て行く水素の濃度が水素の可燃下限未満であると決定することができる。水素センサからの信号は、次に、制御回路に送信され、それは、次に、水素濃度のレベルが予め決められた限界値を超えていると決定することに応答して希釈器への水素供給を停止させる制御信号を生成することができ、これは、そこから水素を受け入れる真空チャンバ内での処理停止を伴う場合がある。
【0085】
図3は、ダクト及び空気流れ発生器に接続して配置された希釈器10を示している。空気流れ発生器は、ファン20及び22の形態であり、希釈器の空気入口16及び17(図1参照)に取り付けられる。ファン20は1次ファンであり、ファン22は2次ファン又は予備ファンである。希釈容器10が示されており、スパイダーからのアームとアーム上の開口とを見ることができる。これらの開口は、出口に向いているように見えるが、多くの実施形態では、入口に向くことになり、それは、これらの開口によるガスの混合及び流れがこの配置で増加することが見出されているからである。アーム自体は、空気流れを過度に妨げないように設計されるが、空気流れの異なる部分に可燃性ガス流れを供給し、混合を改善してフリュームの生成を抑制する結果に至る。
【0086】
この実施形態では、システムの真空ポンプを含むポンピングキャビネットの周囲を流れる空気を受け入れるキャビネット抽出パイプ64が存在し、この空気流れは、キャビネットに集まるポンプ又はそれらのパイプから漏出する可能性がある可燃性ガスを抑制するのに使用される。この実施形態では、この空気流れが希釈のための空気源として再利用される。それにより、この空気を屋上にポンピングするための追加のファンと勿論追加の配管とが節約される。
【0087】
図4は、希釈器を通過するガスの流れ及びガス流れの速度と水素の濃度とが希釈器の長さに沿ってどのように変化するかを模式的に示している。左側の図は、空気入口16からのガスと水素入口15からのガスを示し、水素が加えられる狭窄部分で空気流れが速くなって遅くなり、次に、排気口12に向けて再び加速し、偏向板30,32,34,36の各々で多少遅くなる方式を示している。それにより、混合が改善し、比較的小さい体積で混合を行うことができる。
【0088】
右図は、流れが希釈容器内を進行し、混合が生じた時の水素のモル分率を示している。従って、モル分率は、可燃上限を超える高濃度から可燃範囲の濃度に及び次に可燃限界を下回って容器から安全に排気することができる濃度になる。この実施形態では、3つのコーン30,34,38が存在し、第3のコーンの後でモル濃度は約1%であり、従って、必要であるレベルである。見て分るように、1次流れは、スパイダーの全開口から均一に出るので、その中で水素の有効な混合が行われる。
【0089】
図5は、実施形態による真空ポンピング及び除去システムを示している。この実施形態は、極紫外放射線リソグラフィ工程をポンピングさせるためのものである。この配置は、ウェーハをレーザ光に露出する露出チャンバを排気するセクション50内のポンプと、レーザと錫の流れから極紫外放射線が発生し、錫のスパッタリングから様々な光学要素を保護するために水素を遮蔽物として使用するソースチャンバを排気するセクション52のポンプとを含む。発生した極紫外線は、光学要素を使用するチャネルを通して露出チャンバに送り込まれる。従って、ソースチャンバ内の水素の量は、露出チャンバ内のそれよりも著しく多く、希釈すべき主成分はこの水素である。
【0090】
この実施形態では、ポンピングセクション50及び52を形成する複数のポンプ60を収容するハウジング62が存在する。このハウジングを通過するガス流れがあり、これはキャビネット抽出流れであり、ポンプを冷却すると共に、ポンプから漏出する可能性があるガスを除去するのに使用される。この実施形態では、キャビネットから実施形態のガス希釈器10に向けてキャビネット抽出ガスを流すダクト64が存在する。ガス希釈器10には、ガス希釈容器10に空気を送り込むファン20,22と、チャンバを排気するポンプのフォアラインから排出する水素が投入される入口15とが存在する。この入口は、希釈器の限定された部分に配置され、スパイダーを含む。混合が行われて希釈されたガスは、排気ガス流れ66を通して排出される。この実施形態では、ファン20及び22が並んで配置され、それにより、希釈器の高さが低くなる。
【0091】
この実施形態では、異なる流れ内の酸素レベルと水素レベルの両方を感知するためにセンサ70及び72が存在する。同じく、希釈器10の出口の近くに水素センサが存在することができ、これらのセンサは、水素又は酸素の濃度レベルが排気されているガスに可燃性の問題があるようになっていると決定された場合に、工程を抑制するために制御回路と共に使用することができる。
【0092】
図6は、希釈システム内の異なるゾーンを模式的に示している。初期ゾーンでは、引き出された空気が1次及び予備の遠心ファンから投入される。引き出された空気は、内部の水素レベルが非常に低いために可燃下限未満である。ガスは、スキャナ又は露出チャンバ100とソースチャンバ120からそれぞれスキャナチャンバからは132SLM(標準状態リットル/分)のN2と12SLMのH2、ソースチャンバからは600SLMのH2という組成で導管を通して受け入れられる。導管内では、水素の濃度は可燃上限を超えるのに対して、酸素レベルは限界酸素濃度未満である。水素は入口スパイダー15を通して投入され、このガス流れが空気と遭遇した時の発火を妨げるために、火炎拘束コーン75が存在する。ここ(ゾーン0)を流れるガス流れは、可燃下限を超え、可燃上限未満であり、限界酸素濃度を超えているので、発火の可能性がある。発火を回避し、又は少なくとも発火を妨げるために、希釈器のこの部分には可動部品がなく、希釈器の材料は接地された金属によって形成され、流量は可燃性混合物の火炎速度を超えるように保たれる。
【0093】
可燃性混合物が希釈容器内を流れる時に、ゾーン2で可燃性物質の濃度が可燃下限の4分の1未満に低下するまでバッフル及びコーンによって混合が生じ、ここでガスを安全に空気中に放出することが可能になる。混合ガスが実質的に可燃下限未満であることを確認するために、出口と希釈容器の更に内部との両方に可燃性ガスセンサ72が存在する。センサ72に関連付けられた制御回路80が存在し、これは、センサから信号を受信し、可燃下限又は可燃下限の予め決められた割合を超えたことに応答して警報を作動させる及び/又はシステムを停止させるように構成される。制御回路80はまた、始動中に、作動停止中に、及びファンを交換する時にファン20,22及び緩衝器16a,17a(図1参照)を制御するように構成され、それによりそのような交換中に連続作動を行うことができる。
【0094】
1次及び2次又は予備のファン20,22が存在し、この実施形態では、4000m3/hまでの流速を提供することができる速度制御を有する遠心ファンである。それにより、約14m/sという投入空気の速度が得られ、狭窄部分18で加速された状態で、水素の火炎速度の約10倍である30m/s超まで増加する。
【0095】
空気流れ内への水素の分配はまた、フラッシュバックを防止し、コーン及びバッフルは、空気流れ内への水素の混合を促進して最終バッフル板に到達するまでに水素濃度が1v/v%未満になるようにする。
【0096】
図7は、緩衝器16a,17aを有するファン20,22を示し、緩衝器は共にファン20,22を希釈器の空気提供部分14から分離する閉鎖位置に示している。この実施形態では、2つのファンは、一方が他方の上に装着される。
【0097】
図8は、2つのファン22,22の代替配置を示し、ここでは、それらは同じ高さに装着されてコンパクトな配置をもたらす。この図は、ファンの空気出口が、水素希釈器の空気提供部分14の対応する空気入口16,17に空気の流れを提供することを示している。ファンは、異なる回転方向に装着されるので、ファン22から希釈器への空気入口17は、ファン20からの空気入口16に対してオフセットされ、2つの開口が互いに直接向き合わない。
【0098】
それぞれのファン20,22に対する空気ファン入口21,23も示している。空気ファン入口21,23を水素希釈器から分離するギロチン弁(図示せず)が存在し、ファンをシステムから取り外すことができる。この配置は特にコンパクトであるが、作動中のファンに非常に接近した非作動ファンからの空気漏出を抑制するためにファン及び緩衝器の慎重な制御を必要とする。これについては、図10を参照してより詳細に説明する。
【0099】
図9は、ファン20と、ファン空気入口21及びファン空気出口又は希釈器空気入口16の位置とを示している。
【0100】
図10は、実施形態によるファン交換方法の段階を示している。従って、作動中のファンの交換又は保守点検が必要である場合に、段階S10で待機モードの予備ファンを始動させ、予め決められた遅延の後にファンを通じた逆方向への漏出が抑制されるだけの高い回転数に達したと決定されると(段階D5)、段階S20でこのファンに関連付けられたファン緩衝器を開放する。この時点で、保守点検又は交換されるファンに関連付けられた1次ファン緩衝器を閉鎖し(段階S30)、次にこのファンを段階S40で停止させることができる。このようにして、ファンに関連付けられた緩衝器の慎重な制御により、非作動ファンを通って外に漏出するあらゆる経路が抑制される。
【0101】
一例として、1次ファンが稼働しており、巻線又は軸受の温度上昇又は振動の増加に起因して交換する必要がある場合に、以下の手順を使用してツールへのOK信号を維持し、この信号を取り消すことのないようにし、そうでなければ、水素流れを遮断することになり、システムを停止させる可能性がある。
・1次緩衝器が開いた状態で1次ファンが作動する。
・2次ファンを始動させ、5秒(0rpmからデフォルト速度になるまでの時間)待ってから、
・2次緩衝器を開放し、1次緩衝器を閉鎖し、
・1次ファンをオフにする。
【0102】
ファン交換は、減速中のファンが発生させるトルクに起因して、この時点で少なくとも80秒間は行えないことに注意されたい。
【0103】
2次ファンが故障した場合に、80秒待ってから1次ファンを再始動させる必要がある。
【0104】
希釈システムからの空気の過度な漏出を回避するために、始動時にも類似の注意が必要である。
ファン始動試験のシーケンス:
ファンがその始動試験を行う場合に、以下のシーケンスで空気通過量を維持することができる:
・2次緩衝器を開放し、
・2次ファンを始動させ、
・タイマー...ファンを1分間軌道してその作動を確認し、
・1次ファンを始動させ、5秒待ってから、
・1次緩衝器を開放し、2次緩衝器を閉鎖し、
・2次ファンをオフにする。
【0105】
ファン交換は、減速中のファンが発生させるトルクに起因して、現時点で少なくとも80秒間は行えないことに注意されたい。
【0106】
1次ファンが故障した場合に、80秒待ってから2次ファンを再始動させる必要がある。
【0107】
要約すると、実施形態は、キャビネット抽出空気を希釈空気として使用し、多重開口入口スパイダーを使用することで並列経路から空気を集め、一体式送風機から原動力を供給し、すなわち、予め決められた可燃ゾーンを提供するシステムを提供する。可燃性ガス濃度、空気流れ、温度のような重要なパラメータをモニタして制御信号と連動させるので、これらの信号に応答してシステムの制御及び/又はシステムの停止を提供することができる。
【0108】
1次ファンの予備として2次ファンが利用可能である。H2がファンを流れないので、ツールの作動中にファンを整備し、保守点検することができる。
【0109】
希釈器の実施形態は、可動部品が少なく、そのモニタ及び制御システムの大部分に冗長性と多様性を使用するので信頼性が高くて共通モード故障に鈍感なシステムを提供する。特に、予備ファンが存在し、空気流れは、ポンプモジュールにわたって流量の均衡を提供するキャビネット抽出部から来る。
【0110】
一部の実施形態では、1つの4kWインバータ駆動ファンは、キャビネット抽出と希釈の両方を提供するのに十分である。2次ファンは待機状態にあり、作動中のファンに対して予防保守モニタを使用して待機ファンを作動させる必要がある時を検出する。1次ファンの性能低下が検出された場合に、2次ファンが始動し、1次ファンは分離されて停止することになる。各ファンに対して、軸受とモータをその位置で維持することができる。ファンの入口と出口は独立に分離される。
【0111】
一部の実施形態では、2次ファンが最高速度まで立ち上がるのに5秒掛かる。これは、1次ユニットと予備ユニットの両方が作動する給油式燃焼器を有するものよりも有意にコスト及び電力効率的である。
【0112】
更に、希釈ユニットは、ユースポイントユニットであるので、稼働していないか又はスキャナ水素流れだけを稼働しているシステムから抽出する必要はない。
【0113】
NOK信号の事象でも、希釈器は作動を継続して希釈を行う。システムの作動停止があった場合に、ポンピングシステムは、OK信号を除去し、これは、ツールへのH2供給を止める。
【0114】
予期しない停止の場合に、残留H2はポンピングシステム内で均一化され、ガスの一部はシステム内に残って一部は希釈器に進入し、空気と共に拡散して施設の排気口に入ることになる。希釈器の再始動に続いてポンピングシステムが始動し、予期しない停止の後に、現在行っているのと同じ方法でパージを行う。
【0115】
添付図面を参照して本発明の例示的実施形態を本明細書に詳細に開示したが、本発明は、その実施形態通りには限定されず、特許請求の範囲及びその均等物によって定められる本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によってそこに様々な変形及び修正を達成することができることは理解される。
【0116】
参照符号
5 希釈器
10 希釈容器
11 希釈容器への入口
12 出口
14 空気供給パイプ
15 可燃性ガス入口スパイダー
16 空気入口
16a 緩衝器
17 予備空気入口
17a 緩衝器
18 狭窄部
20,22 空気ファン
21,23 ファン空気入口
30,34 コーン
32,36 バッフル
40 サンプリングスパイダー
50 露出チャンバポンピングセクション
52 ソースチャンバポンピングセクション
60 真空ポンプ
62 ポンプチャンバ
64 導管
66 排気口
70,72 センサ
75 火炎拘束コーン
80 制御回路
100 スキャナチャンバ
120 ソースチャンバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】