(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-10
(54)【発明の名称】ファスティング状態を維持及び延長する断続的なファスティングバー/ドリンク
(51)【国際特許分類】
A23L 33/00 20160101AFI20230703BHJP
A23L 2/39 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
A23L33/00
A23L2/00 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577111
(86)(22)【出願日】2021-06-14
(85)【翻訳文提出日】2023-02-10
(86)【国際出願番号】 US2021037251
(87)【国際公開番号】W WO2021257465
(87)【国際公開日】2021-12-23
(32)【優先日】2020-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522484375
【氏名又は名称】エル-ニュートラ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スキラーノ,ファブリッツィオ
【テーマコード(参考)】
4B018
4B117
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018LB10
4B018MD15
4B018MD26
4B018MD33
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4B117LK22
(57)【要約】
断続的な断食模倣食に使用されるファスティングバーは、マカダミアナッツ、ハチミツ、ペカン、アーモンド、アーモンドバター、ココナッツ、イヌリン、亜麻種子、ココナッツ油、カカオ由来物及びココナッツパウダーの任意の組み合わせを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断続的なファスティング又は断食模倣食のためのファスティングバーであって、前記ファスティングバーが、
ファスティングバー100グラム当たり約350~約700kcalを提供する量の総脂質、
ファスティングバー100グラム当たり約75~135kcalを提供する量の炭水化物、及び
ファスティングバー100グラム当たり約30~約60kcalを提供する量のタンパク質、
を含む、ファスティングバー。
【請求項2】
ファスティングバー100グラム当たり約80~130kcalの飽和脂肪酸を提供する量の飽和脂肪酸をさらに含む、請求項1に記載のファスティングバー。
【請求項3】
ファスティングバー100グラム当たり約2~10グラムの繊維をさらに含む、請求項1に記載のファスティングバー。
【請求項4】
約40~60グラムの総脂質、
任意選択的に、ファスティングバー100グラム当たり約8~15グラムが飽和脂肪酸である、
ファスティングバー100グラム当たり約20~40グラムの炭水化物、及び
ファスティングバー100グラム当たり約5~15グラムのタンパク質、
を含む、請求項1に記載のファスティングバー。
【請求項5】
脂質が、40~60重量パーセントの量で存在し、
炭水化物が、約20~40重量パーセントの量で存在し、
タンパク質が、約5~20重量パーセントの量で存在する、
請求項1に記載のファスティングバー。
【請求項6】
マカダミアナッツ、ペカン、アーモンド、アーモンドミール、アーモンドバター、ココナッツ、イヌリン、亜麻種子、カカオ由来物及びココナッツ粉からなる群から選択される少なくとも3つの成分の組み合わせを含む、請求項1に記載のファスティングバー。
【請求項7】
ファスティングバーが、対象をファスティング状態に保ち、ファスティングを延長し、食事の間に前記ファスティングを中断せず、前記対象がファスティングしている間、食物をファスティングするか、又はより長くファスティングするか、又は空腹を抑制することを可能にし、前記ファスティングバーが、夕方に消費されたときに一晩ファスティングを中断しない、請求項1に記載のファスティングバー。
【請求項8】
ファスティングバーをコーヒー及び茶と共に消費してもファスティング状態を中断しない、請求項1に記載のファスティングバー。
【請求項9】
断続的なファスティング又は断食模倣食のためのファスティングバーであって、前記ファスティングバーが、
ファスティングバー100グラム当たり約250~約500kcalを提供する量の総脂質、
任意選択的に、ファスティングバー100グラム当たり約25~70kcalの飽和脂肪酸を提供する量の飽和脂肪酸、
ファスティングバー100グラム当たり約100~160kcalを提供する量の炭水化物、及び
ファスティングバー100グラム当たり約30~約60kcalを提供する量のタンパク質、
を含む、ファスティングバー。
【請求項10】
ファスティングバー100グラム当たり約2~10グラムの繊維をさらに含む、請求項9に記載のファスティングバー。
【請求項11】
約25グラム~55グラムの総脂質、
ファスティングバー100グラム当たり約2~8グラムが飽和脂肪酸である、
ファスティングバー100グラム当たり約25~50グラムの炭水化物、及び
ファスティングバー100グラム当たり約5~15グラムのタンパク質、
を含む、請求項10に記載のファスティングバー。
【請求項12】
脂質が、30~60重量パーセントの量で存在し、
炭水化物が、約20~50重量パーセントの量で存在し、
タンパク質が、約5~20重量パーセントの量で存在する、
請求項10に記載のファスティングバー。
【請求項13】
マカダミアナッツ、ペカン、アーモンド、アーモンドミール、アーモンドバター、ココナッツ、イヌリン、亜麻種子、カカオ由来物及びココナッツ粉からなる群から選択される少なくとも3つの成分の組み合わせを含む、請求項10に記載のファスティングバー。
【請求項14】
ファスティングバーが、対象をファスティング状態に保ち、ファスティングを延長し、食事の間に前記ファスティングを中断せず、前記対象がファスティングしている間、食物をファスティングするか、又はより長くファスティングするか、又は空腹を抑制することを可能にし、前記ファスティングバーが、夕方に消費されたときに一晩ファスティングを中断しない、請求項1に記載のファスティングバー。
【請求項15】
断続的なファスティング又は断食模倣食のためのファスティングバーであって、前記ファスティングバーが、
ファスティングバー100グラム当たり約130~約300kcalを提供する量の総脂質、
ファスティングバー100グラム当たり約130~300kcalを提供する量の炭水化物、及び
ファスティングバー100グラム当たり約30~約55kcalを提供する量のタンパク質、
を含む、ファスティングバー。
【請求項16】
ファスティングバー100グラム当たり約20~60kcalの飽和脂肪酸を提供する量の飽和脂肪酸をさらに含む、請求項15に記載のファスティングバー。
【請求項17】
ファスティングバー100グラム当たり約2~10グラムの繊維をさらに含む、請求項15に記載のファスティングバー。
【請求項18】
約15~35グラムの総脂質、
ファスティングバー100グラム当たり約1~5グラムが飽和脂肪酸である、
ファスティングバー100グラム当たり約40~70グラムの炭水化物、及び
ファスティングバー100グラム当たり約5~15グラムのタンパク質、
を含む、請求項15に記載のファスティングバー。
【請求項19】
脂質が、10~25重量パーセントの量で存在し、
炭水化物が、約40~70重量パーセントの量で存在し、
タンパク質が、約5~20重量パーセントの量で存在する、
請求項15に記載のファスティングバー。
【請求項20】
マカダミアナッツ、ペカン、アーモンド、アーモンドミール、アーモンドバター、ココナッツ、イヌリン、亜麻種子、カカオ由来物及びココナッツ粉からなる群から選択される少なくとも3つの成分の組み合わせを含む、請求項15に記載のファスティングバー。
【請求項21】
ファスティングバーが、対象をファスティング状態に保ち、ファスティングを延長し、食事の間に前記ファスティングを中断せず、前記対象がファスティングしている間、食物をファスティングするか、又はより長くファスティングするか、又は空腹を抑制することを可能にし、前記ファスティングバーが、夕方に消費されたときに一晩ファスティングを中断しない、請求項15に記載のファスティングバー。
【請求項22】
請求項1に記載のファスティングバーを含む、断食模倣食パッケージ。
【請求項23】
ファスティングバーが、朝食、昼食又は夕食を置き換えることができる断食模倣食事代替バー又は断食模倣軽食バーである、請求項1に記載のファスティングバー。
【請求項24】
断続的なファスティング又は時間制限摂食又は時間制限栄養補給の方法であって、
請求項1に記載のファスティングバーを所定の食事回数摂取するだけで12時間から最大24時間の対象によるファスティングを含む、方法。
【請求項25】
所定の食事回数が、1回、2回又は3回の食事である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
方法であって、
断食模倣食を必要とする対象を識別するステップ、及び
タンパク質源からのカロリーが約10パーセント未満である前記断食模倣食を前記対象に提供するステップであって、前記断食模倣食が、前記対象の通常のカロリー摂取量の多くとも50%を提供し、提供されるキロカロリーの少なくとも50%が脂質に由来する、ステップ、を含み、前記断食模倣食が、請求項1に記載のファスティングバーを含む、方法。
【請求項27】
断食模倣食が、対象に1日当たり約300~1200kcalを提供する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
対象のグルコース及び/又はIGF-1レベルを監視することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
断食模倣食が、1日~14日間の第1の期間の間、対象に投与される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
断食模倣食が、対象のポンド当たり3~7キロカロリーを提供する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
断食模倣食に続く第2の期間、対象に第2の食餌を投与することをさらに含み、前記第2の食餌が、25~26日間、対象の通常のカロリー消費量の20パーセント以内のカロリー消費量全体を提供する、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
断食模倣食が、アミノ酸特異的サプリメントを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
断食模倣食が、対象に食物をファスティングさせ、代謝健康、細胞の自食作用、内臓脂肪の減量、食物との関係の改善又は食物欲求の減少、エネルギーの増加及び精神的清澄性を含む、長期ファスティングの多くの利益を受けることを可能にする、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
ファスティングを延長するための方法であって、前記方法が、
ファスティング状態を延長するためにファスティングバーを対象に提供することを含み、前記ファスティングバーが、
前記ファスティングバー100グラム当たり約350~約700kcalを提供する量の総脂質、
前記ファスティングバー100グラム当たり約75~135kcalを提供する量の炭水化物、及び
前記ファスティングバー100グラム当たり約30~約60kcalを提供する量のタンパク質、
を含む、方法。
【請求項35】
ファスティングバーが、ファスティングバー100グラム当たり約80~130kcalの飽和脂肪酸を提供する量の飽和脂肪酸をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
ファスティングバーが、ファスティングバー100グラム当たり約2~10グラムの繊維をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
ファスティングバーが、
約40~60グラムの総脂質、
任意選択的に、ファスティングバー100グラム当たり約8~15グラムが飽和脂肪酸である、
ファスティングバー100グラム当たり約20~40グラムの炭水化物、及び
ファスティングバー100グラム当たり約5~15グラムのタンパク質、
を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
ファスティングバーが、
40~60重量パーセントの量の脂質、
約20~40重量パーセントの量の炭水化物、
約5~20重量パーセントの量のタンパク質、
を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
ファスティングバーが、マカダミアナッツ、ペカン、アーモンド、アーモンドミール、アーモンドバター、ココナッツ、イヌリン、亜麻種子、カカオ由来物及びココナッツ粉からなる群から選択される少なくとも3つの成分の組み合わせを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
ファスティングバーが、対象をファスティング状態に保ち、ファスティングを延長し、食事の間にファスティングを中断せず、前記対象がファスティングしている間に、食物をファスティングするか、又はより長くファスティングするか、又は空腹を抑制することを可能にする、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
ファスティングドリンクを作製するためのドリンク粉末組成物であって、
前記ドリンク粉末組成物100グラム当たり約300~約700kcalを提供する量の総脂質、
前記ドリンク粉末組成物100グラム当たり約50~150kcalを提供する量の炭水化物、及び
前記ドリンク粉末組成物100グラム当たり約30~約60kcalを提供する量のタンパク質、
を含む、ドリンク粉末組成物。
【請求項42】
エキストラバージンオリーブ油、可溶性タピオカ繊維、ヒヨコ豆タンパク質濃縮物、ショ糖、バニラ、ガムブレンド(グアーガム、アカシアゴム、キサンタンガム)、リン酸三カルシウム、植物ブレンド(ブロッコリー、ホウレンソウ、ケール、カボチャ、サツマイモ、ヒマワリ種子、クランベリー、クロレラ、マイタケ及びシイタケ)、中鎖トリグリセリド、アカシアガム、トコフェロール並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される成分から形成される、請求項41に記載のドリンク粉末組成物。
【請求項43】
エキストラバージンオリーブ油、可溶性タピオカ繊維、ヒヨコ豆タンパク質濃縮物、ココナッツパームシュガー、バニラ、ガムブレンド(グアーガム、アカシアゴム、キサンタンガム)、リン酸三カルシウム、植物ブレンド(ブロッコリー、ホウレンソウ、ケール、カボチャ、サツマイモ、ヒマワリ種子、クランベリー、クロレラ、マイタケ及びシイタケ)、中鎖トリグリセリド、アカシアガム、トコフェロール並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される成分から形成される、請求項41に記載のドリンク粉末組成物。
【請求項44】
ファスティングドリンクが、対象をファスティング状態に保ち、ファスティングを延長し、食事の間にファスティングを中断せず、前記対象がファスティングしている間に、食物をファスティングするか、又はより長くファスティングするか、又は空腹を抑制することを可能にし、前ファスティングドリンクが、夕方に消費されたときに一晩ファスティングを中断しない、請求項41に記載のドリンク粉末組成物。
【請求項45】
ファスティングドリンクをコーヒー及び茶と共に消費してもファスティング状態を中断しない、請求項41に記載のドリンク粉末組成物。
【請求項46】
ドリンク粉末組成物が、その成分から粉砕及び/又は凍結乾燥によって形成される、請求項41に記載のドリンク粉末組成物。
【請求項47】
レディ・トゥ・ドリンクのファスティングドリンク組成物であって、
ドリンク粉末組成物100グラム当たり約300~約700kcalを提供する量の総脂質、
ドリンク粉末組成物100グラム当たり約50~150kcalを提供する量の炭水化物、及び
ドリンク粉末組成物100グラム当たり約30~約60kcalを提供する量のタンパク質、
を含む、レディ・トゥ・ドリンクのファスティングドリンク組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年10月25日に出願された米国仮出願第63/105,322号及び2020年6月14日に出願された米国仮出願第63/038,894号の利益を主張し、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、対象に栄養素を提供する断食模倣食のファスティングバー又はドリンク成分に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、断食模倣食が多くの健康上の利益を提供することが見出された。例えば、断食模倣食は、体重、加齢性マーカー群、炎症性マーカー群、メタボリックシンドローム、糖尿病及び高血圧症を含む代謝健康の改善、並びに化学療法及びアルツハイマー病の症状を緩和するのに有用であることが見出された。
【0004】
米国特許出願15/432,803号は、断食模倣食に従って対象に毎日の食品成分を提供するように設計されたダイエットパッケージを提供する。このダイエットパッケージは、スープミックス、ファスティングバー及びクラッカーなどの様々な成分を含み、これらはすべてファスティングを模倣する。先行技術の断食模倣食成分は、よく機能するが、改善された配合及び魅力的な味覚の特性を有する組成物が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第15/432,803号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、断続的なファスティング又は断食模倣食で使用される新規なファスティングバーが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
少なくとも1つの態様では、断続的なファスティング又は断食模倣食のための第1の高脂質/低炭水化物ファスティングバーが提供される。第1の高脂質/低炭水化物ファスティングバーは、ファスティングバー又はドリンク/シェイク100グラム当たり約350~約700kcalを提供する量の総脂質、任意選択的に、ファスティングバー100グラム当たり約80~130kcalの飽和脂肪酸を提供する量の飽和脂肪酸、ファスティングバー100グラム当たり約75~135kcalを提供する量の炭水化物及びファスティングバー100グラム当たり約30~約60kcalを提供する量のタンパク質を含む。
【0008】
別の態様では、断続的なファスティング又は断食模倣食のための第2の高脂質/低炭水化物ファスティングバーが提供される。第2の高脂質/低炭水化物ファスティングバーは、ファスティングバー又はドリンク/シェイク100グラム当たり約250~約500kcalを提供する量の総脂質、任意選択的に、ファスティングバー100グラム当たり約25~70kcalの飽和脂肪酸を提供する量の飽和脂肪酸、ファスティングバー100グラム当たり約100~160kcalを提供する量の炭水化物及びファスティングバー100グラム当たり約30~約60kcalを提供する量のタンパク質を含む。
【0009】
別の態様では、断続的なファスティング又は断食模倣食のための高脂質/高炭水化物ファスティングバーが提供される。ファスティングバーは、ファスティングバー100グラム当たり約130~約300kcalを提供する量の総脂質、任意選択的に、ファスティングバー100グラム当たり約20~60kcalの飽和脂肪酸を提供する量の飽和脂肪酸、ファスティングバー100グラム当たり約130~300kcalを提供する量の炭水化物及びファスティングバー100グラム当たり約30~約55kcalを提供する量のタンパク質を含む。
【0010】
別の態様では、断続的なファスティング又は時間制限摂食又は時間制限栄養補給の方法が提供される。この方法は、所定の食事回数のためにファスティングバーを摂取するだけで、12時間から最大24時間対象をファスティングさせるステップを含む。この方法のファスティングバー又はドリンク/シェイクは、本明細書に記載のファスティングバー又はドリンクのいずれかであり得る。
【0011】
別の変形例では、断食模倣食を投与するための方法が提供される。この方法は、断食模倣食を必要とする対象を識別するステップを含む。次いで、対象に、タンパク質源からのカロリーが約10パーセント未満の断食模倣食を提供する。断食模倣食は、対象の通常のカロリー摂取量の多くとも50%を提供し、キロカロリーの少なくとも50%は脂質に由来する。特徴的には、断食模倣食は、本明細書に記載のファスティングバーのいずれかを含む。
【0012】
別の態様では、ファスティングドリンク若しくはシェイク、又はレディ・トゥ・ドリンクファスティングドリンクを作製するためのドリンク粉末組成物が提供される。ドリンク粉末組成物は、ドリンク粉末又はレディ・トゥ・ドリンク組成物100グラム当たり約300~約700kcalを提供する量の総脂質、ドリンク粉末又はレディ・トゥ・ドリンク組成物100グラム当たり約50~150kcalを提供する量の炭水化物、及びドリンク粉末組成物又はレディ・トゥ・ドリンク組成物100グラム当たり約30~約60kcalを提供する量のタンパク質を含む。
【0013】
別の態様では、本明細書に記載のファスティングバー及び/又はファスティングドリンク/シェイクは、ファスティング状態を中断することなくファスティングしている対象によって消費され得る。そのような対象は、断続的なファスティング、ファスティングを模倣するバー若しくはドリンクの摂取、又は所定の時間間隔で完全に食品を控えることができる。
【0014】
別の態様では、ファスティングバー及び/又はファスティングドリンクとコーヒー及び茶との消費は、ファスティング状態を中断しない。
【0015】
別の態様では、対象は、ファスティング状態を中断することなく、カフェイン入り飲料(例えば、コーヒー、茶など)と共に本明細書に記載のファスティングバー及び/又はファスティングドリンクを消費することができる。
【0016】
前述の概要は、例示にすぎず、決して限定することを意図するものではない。上述の例示的な態様、実施形態及び特徴に加えて、さらなる態様、実施形態及び特徴が、図面及び以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【0017】
本開示の性質、目的及び利点をさらに理解するために、以下の図面と併せて以下の詳細な説明を参照する必要があり、同様の参照番号は、同様の要素を示す:
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2A】ナッツを含まないファスティングドリンクの例の栄養情報である。
【
図2B】ナッツを含まないファスティングドリンクの例の栄養情報である。
【
図2C】ナッツを含むファスティングドリンクの例の栄養情報である。
【
図3A】被験者のコホートによる、朝食、ファスティングバー及び水の消費後の時間に対する平均グルコースレベルのプロットである。
【
図3B】被験者のコホートによる朝食、ファスティングバー及び水の消費後0~4時間のグルコースレベル(すなわち、曲線下面積)の散布図である。
【
図3C】被験者のコホートによる朝食、ファスティングバー及び水の消費後1日目のグルコースレベルの散布図である。
【
図3D】被験者のコホートによる朝食、ファスティングバー及び水の消費後0時間のグルコースレベルの散布図である。
【
図3E】被験者のコホートによる朝食、ファスティングバー及び水の消費後1時間のグルコースレベルの散布図である。
【
図3F】被験者のコホートによる朝食、ファスティングバー及び水の消費後2時間のグルコースレベルの散布図である。
【
図3G】被験者のコホートによる朝食、ファスティングバー及び水の消費後3時間のグルコースレベルの散布図である。
【
図3H】被験者のコホートによる朝食、ファスティングバー及び水の消費後4時間のグルコースレベルの散布図である。
【
図4A】被験者のコホートによる、朝食、ファスティングバー及び水の消費後の時間に対する平均ケトンレベルのプロットである。
【
図4B】被験者のコホートによる朝食、ファスティングバー及び水の消費後0~4時間のケトンレベル(すなわち、曲線下面積)の散布図である。
【
図4C】被験者のコホートによる朝食、ファスティングバー及び水の消費後1日目のケトンレベルの散布図である。
【
図4D】被験者のコホートによる朝食、ファスティングバー及び水の消費後0時間のケトンレベルの散布図である。
【
図4E】被験者のコホートによる朝食、ファスティングバー及び水の消費後1時間のケトンレベルの散布図である。
【
図4F】被験者のコホートによる朝食、ファスティングバー及び水の消費後2時間のケトンレベルの散布図である。
【
図4G】被験者のコホートによる朝食、ファスティングバー及び水の消費後3時間のケトンレベルの散布図である。
【
図4H】被験者のコホートによる朝食、ファスティングバー及び水の消費後4時間のケトンレベルの散布図である。
【
図5A】(a)ケトンレベルを、時間0及び時間毎に4時間測定した図である。
【
図5B】(b)実験群が試験食品を消費した3時間後の血中ケトンレベルを示す図である。
【
図5C】(c)実験群が試験食品を消費した0~4時間後のケトン曲線下面積(AUC
0-4)を示す図である。
【
図5D】(d)グルコースレベルを、時間0及び時間毎に4時間測定した図である。
【
図5E】(e)実験群が試験食品を消費した1時間後の血中グルコースレベルを示す図である。
【
図5F】(f)実験群が試験食品を消費した0~4時間後のグルコース曲線下面積(AUC
0-4)を示す図である。一晩の15時間のファスティング後、朝食及びFast bar(商標)群について試験食品を時間0に消費した。データは、平均及び標準誤差を表す。**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001、Fast bar(商標)又は朝食群を、Tukeyの多重比較検定による一元配置ANOVAで、水ファスティング群と比較した。
【
図6A】Fast bar(商標)消費の3時間後の主観的尺度の変化:(A)「食欲はどれくらい強いですか?」
【
図6B】Fast bar(商標)消費の3時間後の主観的尺度の変化:(B)「どのくらい空腹を感じますか?」
【
図6C】Fast bar(商標)消費の3時間後の主観的尺度の変化:(C)「満腹感はどのくらいですか?」
【
図6D】Fast bar(商標)消費の3時間後の主観的尺度の変化:(D)どれくらいの量の食べ物を食べることができると思いますか?」。*p<0.05、Fasting bar(商標)群と水ファスティング群とを比較した対応なし、ノンパラメトリック、片側、マンホイットニー検定。
【
図7A】(A)実験群が試験食品を消費した後0~4時間のケトン曲線下面積(AUC
0-4)を示す図である。
【
図7B】(B)実験群が試験食品を消費した後0~4時間のグルコース曲線下面積(AUC
0-4)を示す図である。データは、平均及び標準誤差を表す。*p<0.05、***p<0.001、実験群と朝食群とを比較する対応のない一方向ANOVA、テューキーの多重比較検定。
【
図8A】(a)1日目の午後5時までに標準化された夕食を消費した後のケトンレベルを示す図である。
【
図8B】(b)1日目の午後5時までに標準化された夕食を消費した後のグルコースレベルを示す図である。
【
図8C】(c)一晩の15時間のファスティング後0時間~4時間後のケトン曲線下面積(AUC
0-4)、及び2日目に試験食品を消費する実験群を示す図である。
【
図8D】(d)一晩の15時間のファスティング後0時間~4時間後のグルコース曲線下面積(AUC
0-4)、及び2日目に試験食品を消費する実験群を示す図である。対象は、1日目の午後5時までに標準化された夕食を消費した。対象は、水をファスティングし続け、午後8時(Bar pm、夕食後3時間)にFast bar(商標)を食べるか、又は一晩の15時間のファスティング後にFast bar(Bar am)又は朝食を食べた。ケトン及びグルコースのベースライン(BL)ファスティングレベルを1日目の午前中に測定した。データは、平均及び標準誤差を表す。*p<0.05、***p<0.001、実験群と水ファスティング群とを比較する対応のない一方向ANOVA、テューキーの多重比較検定。
【
図9A】(A)対象が試験食品を消費した3時間後の血中ケトンレベルを示す図である。
【
図9B】(B)実験群が試験食品を消費した0~4時間後のケトン曲線下面積(AUC
0-4)を示す図である。
【
図9C】(D)対象が試験食品を消費した1時間後の血中グルコースレベルを示す図である。
【
図9D】(D)実験群が試験食品を消費した後のグルコースAUC
0-4を示す図である。データは、平均及び標準誤差を表す。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001、FMD群又は朝食群は、テューキーの多重比較検定による一元配置分散分析で、朝食群と比較した。
【発明を実施するための形態】
【0019】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態を本明細書に開示するが、開示された実施形態は、様々な代替形態で具体化され得る本発明の単なる例示であることを理解されたい。図は必ずしも原寸比例ではなく、特定の構成要素の詳細を示すために、いくつかの特徴を誇張又は最小化し得る。したがって、本明細書に開示された特定の構造的及び機能的詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に本発明を様々に用いることを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0020】
実施例を除いて、又は他に明示的に示されている場合を除いて、材料の量又は反応及び/又は使用の条件を示すこの説明におけるすべての数値は、本発明の最も広い範囲を説明する際に「約」という語によって修飾されると理解されるべきである。記載された数値範囲内で実施することが一般的に好ましい。また、そうではないと明示的に述べられていない限り、本発明に関連する所与の目的に適した又は好ましい材料の群又はクラスの説明は、群又はクラスのメンバーのうちの任意の2つ以上の混合物が等しく適している又は好ましいことを含意し、化学的用語での構成要素の記載は、本明細書で指定された任意の組み合わせへの添加時の構成要素を指し、混合された後の混合物の構成要素間の化学的相互作用を必ずしも排除するものではなく、頭字語又は他の略語の第1の定義は、同じ略語の本明細書におけるすべての後続の使用に適用され、最初に定義された略語の通常の文法的変形に準用され、そうではないと明示的に述べられていない限り、特性の測定は、同じ特性について以前又は後に参照されるのと同じ技術によって決定される。
【0021】
また、本発明は、特定の構成要素及び/又は条件が当然変動し得るので、以下に記載される特定の実施形態及び方法に限定されないことも理解されるべきである。さらに、本明細書で使用される専門用語は、本発明の特定の実施形態を説明する目的でのみ使用され、決して限定することを意図するものではない。
【0022】
また、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a、」、「an、」及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。例えば、単数形の構成要素への言及は、複数の構成要素を含むことを意図している。
【0023】
「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」又は「によって特徴付けられる(characterized by)」と同義である。これらの用語は、包括的かつオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素又は方法ステップを排除するものではない。
【0024】
「からなる(consisting of)」という語句は、特許請求の範囲に明記されていないあらゆる要素、ステップ又は成分を除外する。この語句が請求項の本文の節に現れる場合、前文の直後ではなく、その節に記載された要素のみを限定し、他の要素は、全体として請求項から除外されない。
【0025】
「から本質的になる(consisting essentially of)」という語句は、特定の材料又はステップに加えて、特許請求される主題の基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさないものに特許請求の範囲を限定する。
【0026】
これら3つの用語のうちの1つが本明細書で使用される「含む(comprising)」、「からなる(consisting of)」及び「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語に関して、ここに開示され特許請求される主題は、他の2つの用語のいずれかの使用を含むことができる。
【0027】
整数範囲は、介在するすべての整数を明示的に含むことも理解されたい。例えば、整数範囲1~10は、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10を明示的に含む。同様に、範囲1~100は、1、2、3、4....97、98、99、100を含む。同様に、任意の範囲が必要とされる場合、上限値と下限値との差を10で割った増分である介在する数を代替的な上限値又は下限値と見なすことができる。例えば、範囲が1.1~2.1である場合、以下の数1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9及び2.0を下限又は上限として選択することができる。
【0028】
本明細書に記載の例では、組成物、濃度、食餌成分の量及び他の条件は、示された値のプラス又はマイナス50パーセントを実施例で提供された値の有効数字2桁に四捨五入するか又は切り捨てて実施することができる。調整例では、組成物、濃度、食餌成分の量及び他の条件は、示された値のプラス又はマイナス30パーセントを実施例で提供された値の有効数字2桁に四捨五入するか又は切り捨てて実施することができる。別の調整例では、組成物、濃度、食餌成分の量及び他の条件は、示された値のプラス又はマイナス10パーセントを実施例で提供された値の有効数字2桁に四捨五入するか又は切り捨てて実施することができる。
【0029】
「対象」という用語は、霊長類(特に高等霊長類)、ヒツジ、イヌ、げっ歯類(例えば、マウス又はラット)、モルモット、ヤギ、ブタ、ネコ、ウサギ及びウシなどのすべての哺乳動物を含むヒト又は動物を指す。
【0030】
「断食模倣及び強化食」という用語は、典型的には対象に通常のカロリー摂取量の多くとも50%を提供することによってファスティングの効果を模倣する食餌を意味する。「断食模倣及び強化食」という用語は、単に「断食模倣食」と呼ばれることもある。これらの食餌には、断食模倣食と呼ばれている食餌が含まれる。本発明の文脈において、IGF-1及びIGFBP1などのマーカーに対するこれらの食餌の効果を監視するための有用な断食模倣及び強化食及び方法の例は、2014年11月6日に公開された米国特許出願公開第2014/0328863号明細書、2015年5月14日に公開された米国特許出願公開第2015/0133370号明細書、2011年5月19日に公開された米国特許出願公開第2011/0118528号明細書、2013年2月21日に公開された米国特許出願公開第2013/0045215号明細書、2013年11月28日に公開された米国特許出願公開第2013/0316948号明細書、2018年7月10日に発行された米国特許第10,015,980号明細書、2016年1月19日に発行された米国特許第9,237,761号明細書、2016年7月12日に発行された米国特許第9,386,790号明細書、2019年1月8日に発行された米国特許第10,172,839号明細書に記載されており、これらの特許出願の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。米国特許第10,015,980号明細書及び同第9,237,761号明細書に記載された断食模倣食は、本発明において特に有用であることが分かる。
【0031】
調整例では、「ファスティング状態」という用語は、カロリーを完全に控えた後に対象が達成する生理学的状態を意味する。別の調整例では「ファスティング状態」という用語は、対象が少なくとも1時間にわたり0.3mM/lを超える量のケトン(例えば、β-ヒドロキシブチレート)及び100mg/dL未満のグルコースレベルを示す生理学的状態を指す。
【0032】
本明細書に記載のすべての組成物では、ビタミン及びミネラルなどの微量栄養素は、任意成分である。
【0033】
反対の記載がない限り、ファスティングバーの成分の量は、100gのファスティングバーに対するものである。
【0034】
反対の記載がない限り、ファスティングドリンクの成分の量は、100gのファスティングドリンクに対するものである。
【0035】
反対の記載がない限り、ファスティングドリンク粉末組成物の成分の量は、100gのファスティングドリンク粉末組成物に対するものである。
【0036】
略語:
「AUC」は、曲線下面積を意味する。
【0037】
「BMI」は、ボディマス指数を意味する。
【0038】
「glc」は、グルコースを意味する。
【0039】
「SEM」は、平均の標準誤差を意味する。
【0040】
「WF」は、水ファスティングを意味する。
【0041】
断食模倣食で、及び/又は断続的なファスティング若しくは時間制限摂食若しくは時間制限栄養補給に使用することができるファスティングバーのいくつかの実施形態が提供される。「ファスティングバー」は、「ファストバー(fast bar)」と呼ばれることもある。有利には、これらのファスティングバーは、「断食模倣食事代替食」バーとして、又は朝食、昼食若しくは夕食に取って代わることができる「断食模倣」軽食(light meal)バーとして、又は食事の合間の軽食として使用することができる。
【0042】
一実施形態では、第1の高脂質/低炭水化物ファスティングバーが提供される。第1の高脂質/低炭水化物栄養の栄養成分の例を表1に示す。調整例では、成分は、表1に示される値の+/-30パーセントで存在することができる。本変形例は、ファスティングバーの1食分の量によって限定されないが、ただし、サイズは、所定数のキロカロリー又は脂質若しくは炭水化物を提供するのに十分でなければならない。典型的には、第1の高脂質/低炭水化物ファスティングバーは、30グラム~150グラムの量で提供される。好ましいサイズは、30グラム、40グラム、45グラム及び100グラムである。調整例では、ファスティングバーは、ファスティングバー100グラム当たり約350~約700kcalの脂質を含む。調整例では、第1の高脂質/低炭水化物ファスティングバーはまた、ファスティングバー100グラム当たり約80~130kcalの飽和脂肪酸を含む。別の調整例では、第1の高脂質/低炭水化物ファスティングバーはまた、ファスティングバー100グラム当たり約20~80kcalの飽和脂肪酸を含む。第1の高脂質/低炭水化物ファスティングバーはまた、ファスティングバー100グラム当たり約75~135kcalの炭水化物を含む。第1の高脂質/低炭水化物ファスティングバーはまた、ファスティングバー100グラム当たり約30~約60kcalの総タンパク質を含む。第1の高脂質/低炭水化物ファスティングバーは、任意選択的に、ファスティングバー100グラム当たり約2~18グラムの繊維を含む。調整例では、第1の高脂質/低炭水化物ファスティングバーは、任意選択的に、ファスティングバー100グラム当たり約2~12グラムの繊維を含む。
【0043】
【0044】
別の変形例では、第1の高脂質/低炭水化物ファスティングバーは、少なくとも、好ましい順に、30重量パーセント、40重量パーセント、45重量パーセント又は50重量パーセントの量の脂質、かつ多くとも、好ましい順に、70重量パーセント、65重量パーセント、60重量パーセント又は55重量パーセントの量の脂質を含む。調整例では、第1の高脂質/低炭水化物ファスティングバーは、少なくとも、好ましい順に、8重量パーセント、5重量パーセント、2重量パーセント又は1重量パーセントの量の飽和脂肪酸、かつ多くとも、好ましい順に、20重量パーセント、15重量パーセント、10重量パーセント又は8重量パーセントの量の飽和脂肪酸を含む。ファスティングバーはまた、少なくとも、好ましい順に、1重量パーセント、3重量パーセント、10重量パーセント、15重量パーセント、20重量パーセント又は25重量パーセントの量の炭水化物、かつ多くとも、好ましい順に、35重量パーセント、30重量パーセント、40重量パーセント、38重量パーセント、35重量パーセント又は30重量パーセントの量の炭水化物を含む。ファスティングバーはまた、少なくとも、好ましい順に、1重量パーセント、2重量パーセント、3重量パーセント、5重量パーセント又は8重量パーセントの量のタンパク質、かつ多くとも、好ましい順に、20重量パーセント、18重量パーセント、17重量パーセント、16重量パーセント又は15重量パーセントの量のタンパク質を含む。反対の記載がない限り、すべてのパーセンテージは、ファスティングバーの総重量の重量パーセンテージである。
【0045】
別の変形例では、第1の高脂質/低炭水化物ファスティングバーはまた、約40~60グラムの総脂質を含み、そのうちの8~15グラムは、ファスティングバー100グラム当たり任意選択的に飽和脂肪酸である。ファスティングバーはまた、ファスティングバー100グラム当たり約20~40グラムの炭水化物を含む。ファスティングバーはまた、ファスティングバー100グラム当たり約5~15グラムのタンパク質を含む。
【0046】
他の変形例では、第1の高脂質/低炭水化物ファスティングバーは、ファスティングバー100g当たり少なくとも、好ましい順に、10グラム、15グラム、20グラム、25グラム、又は30グラムの量の脂質、かつファスティングバー100g当たり多くとも、好ましい順に、60グラム、50グラム、45グラム、40グラム又は35グラムの量の脂質を含む。調整例では、第1の高脂質/低炭水化物ファスティングバーは、ファスティングバー100g当たり少なくとも、好ましい順に、2.5グラム、2グラム、1.5グラム、1グラム又は0.5グラムの量の飽和脂肪酸、かつファスティングバー100g当たり多くとも、好ましい順に、10グラム、8グラム、5グラム、4グラム又は3グラムの量の飽和脂肪酸を含む。ファスティングバーは、ファスティングバー100g当たり少なくとも、好ましい順に、5グラム、10グラム、15グラム、20グラム又は25グラムの量の炭水化物、かつファスティングバー100g当たり多くとも、好ましい順に、40グラム、38グラム、35グラム、33グラム又は30グラムの量の炭水化物を含む。ファスティングバーはまた、ファスティングバー100g当たり少なくとも、好ましい順に、1グラム、2グラム、5グラム、8グラム又は10グラムの量のタンパク質、かつファスティングバー100g当たり多くとも、好ましい順に、30グラム、25グラム、20グラム、15グラム又は12グラムの量のタンパク質を含む。本明細書に記載の変形例及び調整例のすべてを、単一のファスティングバーに組み合わせることができることを理解されたい。
【0047】
別の実施形態では、第2の高脂質/低炭水化物ファスティングバーが提供される。第2の高脂質/低炭水化物ファスティングバーの代表的な栄養成分を表2に示す。表3及び表4は、40gの1食分の量及び100gの第2の高脂質/低炭水化物ファスティングバーの例を提供する。調整例では、成分は、表2~4に示される値の+/-30パーセントで存在することができる。本変形例は、ファスティングバーの1食分の量によって限定されないが、ただし、サイズは、所定数のキロカロリー又は脂質若しくは炭水化物を提供するのに十分でなければならない。典型的には、ファスティングバーは、30グラム~150グラムの量で提供される。好ましいサイズは、30グラム、40グラム、45グラム及び100グラムである。調整例では、第2の高脂質/低炭水化物ファスティングバーは、ファスティングバー100グラム当たり約250~約500kcalの脂質を含む。調整例では、第2の高脂質/低炭水化物ファスティングバーはまた、ファスティングバー100グラム当たり約25~70kcalの飽和脂肪酸を含む。第2の高脂質/低炭水化物ファスティングバーはまた、ファスティングバー100グラム当たり約100~160kcalの炭水化物を含む。第2の高脂質/低炭水化物ファスティングバーはまた、ファスティングバー100グラム当たり約30~約60kcalの総タンパク質を含む。第2の高脂質/低炭水化物ファスティングバーは、任意選択的に、ファスティングバー100グラム当たり約12~23グラムの繊維を含む。
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
別の変形例では、第2の高脂質/低炭水化物ファスティングバーは、少なくとも、好ましい順に、25重量パーセント、30重量パーセント、35重量パーセント又は40重量パーセントの量の脂質、かつ多くとも、好ましい順に、65重量パーセント、60重量パーセント、55重量パーセント、又は50重量パーセントの量の脂質を含む。調整例では、第2の高脂質/低炭水化物ファスティングバーは、少なくとも、好ましい順に、8重量パーセント、5重量パーセント、2重量パーセント又は1重量パーセントの量の飽和脂肪酸、かつ多くとも、好ましい順に、20重量パーセント、15重量パーセント、10重量パーセント、又は8重量パーセントの量の飽和脂肪酸を含む。ファスティングバーはまた、少なくとも、好ましい順に、1重量パーセント、3重量パーセント、10重量パーセント、15重量パーセント、20重量パーセント、25重量パーセント又は30重量パーセントの量の炭水化物、かつ多くとも、好ましい順に、55重量パーセント、50重量パーセント、45重量パーセント、40重量パーセント又は35重量パーセントの量の炭水化物を含む。ファスティングバーはまた、少なくとも、好ましい順に、1重量パーセント、2重量パーセント、3重量パーセント、5重量パーセント又は8重量パーセントの量のタンパク質、かつ多くとも、好ましい順に、20重量パーセント、18重量パーセント、17重量パーセント、16重量パーセント又は15重量パーセントの量のタンパク質を含む。反対の記載がない限り、すべてのパーセンテージは、ファスティングバーの総重量の重量パーセンテージである。
【0052】
別の変形例では、第2の高脂質/低炭水化物ファスティングバーは、約30~55グラムの脂質を含み、そのうちの2~8グラムは、ファスティングバー100グラム当たり任意選択的に飽和脂肪酸である。ファスティングバーはまた、ファスティングバー100グラム当たり約25~50グラムの炭水化物を含む。ファスティングバーはまた、ファスティングバー100グラム当たり約5~15グラムのタンパク質を含む。
【0053】
別の変形例では、第2の高脂質/低炭水化物ファスティングバーは、ファスティングバー100g当たり少なくとも、好ましい順に、20グラム、25グラム、30グラム、35グラム又は40グラムの量の脂質、かつファスティングバー100g当たり多くとも、好ましい順に、65グラム、60グラム、55グラム、50グラム又は45グラムの量の脂質を含む。調整例では、第2の高脂質/低炭水化物ファスティングバーは、ファスティングバー100g当たり少なくとも、好ましい順に、2.5グラム、2グラム、1.5グラム、1グラム又は0.5グラムの量の飽和脂肪酸、かつファスティングバー100g当たり多くとも、好ましい順に、10グラム、8グラム、5グラム、4グラム又は3グラムの量の飽和脂肪酸を含む。ファスティングバーは、ファスティングバー100g当たり少なくとも、好ましい順に、10グラム、15グラム、20グラム、25グラム又は30グラムの量の炭水化物、かつファスティングバー100g当たり多くとも、好ましい順に、55グラム、50グラム、45グラム、40グラム又は35グラムの量の炭水化物を含む。ファスティングバーはまた、ファスティングバー100g当たり少なくとも、好ましい順に、1グラム、2グラム、5グラム、8グラム又は10グラムの量のタンパク質、かつファスティングバー100g当たり多くとも、好ましい順に、30グラム、25グラム、20グラム、15グラム又は12グラムの量のタンパク質を含む。本明細書に記載の変形例及び調整例のすべてを、単一のファスティングバーに組み合わせることができることを理解されたい。
【0054】
別の実施形態では、高脂質/高炭水化物ファスティングバーが提供される。第2の高脂質/低炭水化物ファスティングバーの代表的な栄養成分を表5に示す。23gの1食分の量、40gの1食分の量及び100gのファスティングバーの栄養成分の例を表6に示す。調整例では、成分は、表5及び表6に示される値の+/-30パーセントで存在することができる。本変形例は、ファスティングバーの1食分の量によって限定されないが、ただし、サイズは、所定数のキロカロリー又は脂質若しくは炭水化物を提供するのに十分でなければならない。典型的には、ファスティングバーは、30グラム~150グラムの量で提供される。好ましいサイズは、30グラム、40グラム、45グラム及び100グラムである。調整例では、高脂質/高炭水化物ファスティングバーはまた、ファスティングバー100グラム当たり約130~300kcalの脂質を含む。調整例では、高脂質/高炭水化物ファスティングバーはまた、ファスティングバー100グラム当たり約20~60kcalの飽和脂肪酸を含む。高脂質/高炭水化物ファスティングバーはまた、ファスティングバー100グラム当たり約130~300kcalの炭水化物を含む。高脂質/高炭水化物ファスティングバーはまた、ファスティングバー100グラム当たり約30~約55kcalの総タンパク質を含む。高脂質/高炭水化物ファスティングバーは、任意選択的に、ファスティングバー100グラム当たり約16~30グラムの繊維を含む。
【0055】
【0056】
【0057】
別の変形例では、高脂質/高炭水化物ファスティングバーは、少なくとも、好ましい順に、5重量パーセント、10重量パーセント、15重量パーセント又は18重量パーセントの量の脂質、かつ多くとも、好ましい順に、35重量パーセント、30重量パーセント、25重量パーセント又は20重量パーセントの量の脂質を含む。ファスティングバーはまた、少なくとも、好ましい順に、1重量パーセント、3重量パーセント、35重量パーセント、40重量パーセント、45重量パーセント、50重量パーセント又は55重量パーセントの量の炭水化物、かつ多くとも、好ましい順に、40重量パーセント、70重量パーセント、68重量パーセント、65重量パーセント又は60重量パーセントの量の炭水化物を含む。ファスティングバーはまた、少なくとも、好ましい順に、1重量パーセント、2重量パーセント、3重量パーセント、5重量パーセント又は8重量パーセントの量のタンパク質、かつ多くとも、好ましい順に、20重量パーセント、18重量パーセント、17重量パーセント、16重量パーセント又は15重量パーセントの量のタンパク質を含む。反対の記載がない限り、すべてのパーセンテージは、ファスティングバーの総重量の重量パーセンテージである。
【0058】
別の変形例では、高脂質/高炭水化物ファスティングバーはまた、約15~35グラムの脂質を含み、そのうちの1~5グラムは、ファスティングバー100グラム当たり任意選択的に飽和脂肪酸である。ファスティングバーはまた、ファスティングバー100グラム当たり約40~70グラムの炭水化物を含む。ファスティングバーはまた、ファスティングバー100グラム当たり約5~15グラムのタンパク質を含む。
【0059】
別の変形例では、高脂質/高炭水化物ファスティングバーは、ファスティングバー100g当たり少なくとも、好ましい順に、10グラム、12グラム、15グラム、18グラム又は20グラムの量の脂質、かつファスティングバー100g当たり多くとも、好ましい順に、40グラム、35グラム、30グラム、25グラム又は22グラムの量の脂質を含む。調整例では、高脂質/高炭水化物ファスティングバーは、ファスティングバー100g当たり少なくとも、好ましい順に、2.5グラム、2グラム、1.5グラム、1グラム又は0.5グラムの量の飽和脂肪酸、かつファスティングバー100g当たり多くとも、好ましい順に、10グラム、8グラム、5グラム、4グラム、又は3グラムの量の飽和脂肪酸を含む。ファスティングバーは、ファスティングバー100g当たり少なくとも、好ましい順に、40グラム、45グラム、50グラム、55グラム又は58グラムの量の炭水化物、かつ多くとも、好ましい順に、75グラム、70グラム、65グラム、62グラム又は60グラムの量の炭水化物を含む。ファスティングバーはまた、少なくとも、好ましい順に、1グラム、2グラム、5グラム、8グラム又は10グラムの量のタンパク質、かつ多くとも、好ましい順に、30グラム、25グラム、20グラム、15グラム又は12グラムの量のタンパク質を含む。本明細書に記載の変形例及び調整例のすべてを、単一のファスティングバーに組み合わせることができることを理解されたい。
【0060】
本明細書に記載のファスティングバーのいくつかの変形例では、バーを以下の成分:アボカド、マカダミアナッツ、ハチミツ、アーモンド粉(湯通し済み)、アーモンドミール(w/スキン)、ペカン、ココナッツ、アーモンドバター、ココナッツパウダー、イヌリン、亜麻仁、ココナッツ油、天然香料、海塩、ローズマリー抽出物、混合トコフェロール、ヒマワリレシチン、クエン酸、アスコルビン酸、ココナッツパームシュガー、ショ糖、オリーブ油/ハコエンドウ豆ブレンド、果実&植物ブレンド(30%dv)、アカシア、グアー&キサンタンガムブレンド、及び甘味アーモンドミルクの任意の組み合わせ又はすべてとして形成することによって、表1~6の食事要件を満たす。調整例では、ファスティングバーは、これらの成分の任意の3、4、5、6、7、8、9又は10を含む。ファスティングバー(及びファスティングドリンク)は、表及び説明のファスティングバー及びファスティングドリンクについて本明細書に記載された指定された総カロリー数、脂質からのカロリー、脂質飽和脂肪酸からのカロリー、タンパク質のグラム、炭水化物のグラム、総食物繊維のグラム、総糖質のグラム、脂質のグラム及び飽和脂肪酸のグラム(g)を満たすために、これらの成分の任意の組み合わせ又はすべてを含むことができる。変形例では、ファスティングバーは、マカダミアナッツ、ペカン、アーモンド、アーモンドミール、アーモンドバター(生又は乾燥したタマネギから形成)、ココナッツ、イヌリン、亜麻種子、カカオ由来物(cacao derivatives)及びココナッツパウダーの任意の組み合わせ又はすべてを含む。変形例では、ファスティングバーは、マカダミアナッツ、ハチミツ、ペカン、アーモンド又はアーモンドミール、アーモンドバター、イヌリン、亜麻種子又は亜麻仁ミール及びココナッツパウダーの任意の組み合わせ又はすべてである。調整例では、ファスティングバーは、ココナッツ及び/又はココナッツ油をさらに含む。さらなる調整例では、ファスティングバーは、カカオ由来物をさらに含む。各成分の列挙は、粉砕、細断及び/又は乾燥することができるそのような成分の一部を含むことを理解されたい。例えば、マカダミアナッツ、ハチミツ、ペカン、アーモンド、ココナッツ及び亜麻種子の列挙は、そのような成分の一部、すなわち殻のないナッツ及びココアナッツを含む。ファスティングバーの変形例に使用される脂質には、中鎖トリグリセリド及び/又は単飽和脂肪酸及び/又は多価不飽和脂肪酸が含まれる。単飽和脂肪酸の適切な供給源は、限定されないが、ピーナッツバター、オリーブ、ナッツ(例えば、アーモンド、ペカン、ピスタチオ、カシュー)、アボカド、種子(例えば、ゴマ)、油(例えば、オリーブ、ゴマ、ピーナッツ、キャノーラ)などである。多価不飽和脂肪酸の適切な供給源には、クルミ、種子(例えば、カボチャ、ヒマワリ)、亜麻仁及び油(例えば、ベニバナ、ダイズ、トウモロコシ)が含まれるが、これらに限定されない。
【0061】
表7は、ファスティングバー組成物のための成分の例を提供する。典型的には、表7に記載の範囲は、30パーセント延長することができる。
【0062】
【0063】
典型的には、アーモンドミール及び/又は他のナッツ成分を焙煎することができる(例えば、対流式オーブン内で)。調整例では、カカオ由来物には、カカオマス、カカオパウダー、ココアバター、ココアニブ及びそれらの組み合わせが含まれる。調整例では、ファスティングバーは、オレオレジン、ローズマリー、香味添加剤(例えば、バニラパウダー、レモン、ベリーなど)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される成分を含む。調整例では、各ファスティングバーは、80~300kcalを提供する。さらなる調整例では、各ファスティングバーは、100~300kcalを提供する。特徴的には、ファスティングバーは、1日あたりの推奨食事値(例えば、英国保健省及び欧州連合の欧州食品安全機関によって2019年11月1日に使用された1日当たり2000kcalの食餌に基づく栄養要件)の15~38重量パーセントの脂質及び1日あたりの推奨食事値の1~10重量パーセントkcalの炭水化物を提供する。調整例では、ファスティングバーは、1日あたりの推奨される脂質の食事価値の25~38重量パーセント、及び炭水化物の推奨1日食事値の1~10重量パーセントkcalを提供する。
【0064】
変形例では、ファスティングバーは、塩(例えば、海塩)をさらに含むことができる。海塩は、海水の蒸発から得られる塩を指す。海塩の主成分は、塩化物及び硫酸塩のカルシウム塩、カリウム塩及びマグネシウム塩などの他の塩の0.2~10%未満の塩化ナトリウムである。調整例では、ファスティングバーは、ココナッツ油をさらに含んでも含まなくてもよい。特徴的には、ファスティングバーの成分は、イヌリン、アーモンドバター、ハチミツ及びココナッツなどの濃厚な粘性液体成分によって一緒に保持される。これに関して、アーモンドバターは、最も粘稠な成分(例えば、アーモンドバターペースト)であり、それによって成分の凝集の大部分を一緒に提供する。調整例では、ファスティングバーは、香味料、混合トコフェロール、無水クエン酸及びアスコルビン酸をさらに含む。調整例では、ファスティングバーの組成は、天然成分のみを含む。さらに、成分を粉砕、細断及び/又は乾燥して、滑らかな口当たりのよい形態のバーを形成することができる。
【0065】
ファスティングバーは、ファスティングを模倣して、ボディマス指数(BMI)、コレステロール及び血液中のグリセミック指数に関連する代謝の健康を改善するように配合されている。ファスティングバーは、断続的な断食模倣食の一部として1日1回以上の食事をシュミレートするように配合される。ファスティングバーは、時間制限栄養補給(time restricted feeding)(時間制限摂食(time restricted eating)としても知られる)の実施と併せて使用されてもよい。時間制限栄養補給は、インスリン感受性、血圧、及び酸化ストレスの改善を含む多くの健康上の利点を有することが示されている。例えば、Sutton et al.,Cell Metabolism 27,1212-1221,2018年6月5日、Amandine et al,Cell Metab.,20(6):991-1005,2014年12月2日、Longo、Cell Metab.23(6):1048-1059,2016年6月14日、Shubhroz,Cell Metab,22(5):789-798,2015年11月3日を参照されたい。ファスティングバーは、個人が朝食を抜く健康上のリスクなしに一晩ファスティングを延長することを可能にする。例えば、Sharma K et al.,QJM,111(10):715-719,2018年10月1日、Peignalvo et al.,JACC,70(15):1833~1842、2017年10月10日、これらの刊行物の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0066】
ファスティングバーはまた、個人の毎日の栄養を補足する。ファスティングバーは、好ましくは食事又は軽食として消費される。時間制限栄養補給(time restricted feeding)を行う場合、個人は、1日当たり1回又は2回又は3回の食事を消費する。一般に、個人は、12、18又は24時間の断続的なファスティングを達成するためにファスティングバーを食べる。時間制限栄養補給は、個人がカロリーを消費する時間量を圧縮し、個人がファスティングに費やす時間量を増加させる。消費後、ファスティングバーは、対象をファスティング状態に保ち、対象が食事の間にファスティングを中断しないように対象のファスティングを延長し、それによって対象がファスティングしている間、より長い間ファスティング又はファスティングすることを可能にするか、又は空腹を抑制する。調整例では、ファスティングバーは、夕方に消費されたときに一晩ファスティングを中断しない。これに関して、ファスティングは、断食模倣食プロトコル又は断続的なファスティングの一部であり得る。
【0067】
別の実施形態では、ファスティングバーは、すべての原料を計量し、(必要に応じて)予混合することによって製造され得る。材料は、大きな容器に入れられ、均質な混合を確実にするためにブレンドされる。材料が混合されたら、ブレンドをプレスし、圧縮(スラブ)して、混合された材料の平坦なシートを形成する。調整例では、材料は、互いに接着し、少なくとも部分的に互いに作用することができる。次いで、混合材料のシートを所定のサイズに切断し、乾燥させて完成したファスティングバーを形成する。次いで、ファスティングバーをホイルスリーブに包装し、コールドシール又はヒートシールによって密封され得る。
【0068】
上記のように、ファスティングバーは、2018年8月16日に公開された米国特許出願公開第2018/0228198号明細書に記載されているような断食模倣食に有利に組み込まれ、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。典型的には、本明細書に記載のファスティングバーの代わりに上記のファスティングバーを含むことができる、断食模倣食を投与するためのダイエットパッケージが提供される。断食模倣食パッケージは、所定の日数、毎日の食事部分を提供する。典型的には、1日~10日間(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10日間)である。特に有用な変形例では、所定の日数は、5日又は6日間である。いくつかの変形例では、本明細書に記載の断食模倣食は、多くとも、好ましい順に、対象の通常のカロリー摂取量又は対象に対する1日あたりの推奨カロリー摂取量の75%、50%、40%、30%又は10%を対象に提供する。調整例では、断食模倣食は、少なくとも、好ましい順に、対象の通常のカロリー摂取量又は対象に対する1日あたりの推奨されるカロリー摂取量の5%、10%又は20%を提供する。しかしながら、本発明者らの現在及び以前の所見に基づいて、断食模倣食組成物が維持される場合、通常のカロリー摂取量の100%が対象に提供されたとしても、部分的な疾患予防及び治療効果が予想される。対象の通常のカロリー摂取量は、対象が体重を維持するために消費するkcal数である。対象の通常のカロリー摂取量は、対象に質問することによって、又は対象の体重を考慮することによって推定され得る。大まかな目安として、対象の通常のカロリー摂取量は、男性では平均2600kcal/日、女性では平均1850kcal/日である。特定の場合では、断食模倣食は、対象に700~1200kcal/日を提供する。特に有用な調整例では、断食模倣食は、平均体重の男性対象に約1100kcal/日、平均体重の女性対象に900kcal/日を提供する。いくつかの変形例では、ダイエットパッケージからの食餌を連続した日に投与する。別の変形例では、毎日の食事部分は、少なくとも1ヶ月間、週に1日のみ提供される。断食模倣食は、対象が食物をファスティングすることを可能にし、いくつか例を挙げると、代謝健康、細胞の自食作用、内臓脂肪の減量、食物との関係の改善又は食物欲求の減少、エネルギーの増加及び精神的清澄性などの長期ファスティングの多くの利益を受けることを可能にする。
【0069】
一実施形態では、上記のように、断食模倣食パッケージは、所定の日数、毎日の食事部分を提供する。断食模倣食パッケージは、ケールクラッカー組成物、第1の野菜スープ組成物、マッシュルームスープ組成物、トマトスープ組成物、キヌア含有ミネストローンスープ組成物、豆含有ミネストローンスープ組成物及びカボチャスープ組成物を含む。特徴的には、毎日の食事部分は、ミールサービングに、又は食事に分割される1日の合計のサービングに包装される。調整例では、断食模倣食パッケージは、上記のファスティングバー(例えば、ココア含有ファスティングバー)、第1のオリーブ含有組成物、第1の野菜ブロス組成物、スペアミントを含む茶組成物、エネルギードリンク組成物、微量栄養組成物及び藻類油組成物をさらに含む。さらなる調整例では、断食模倣食パッケージは、第2のオリーブ含有組成物、第2の野菜ブロス組成物、スペアミント、レモン果皮及びレモングラスを含む茶組成物、並びにハイビスカスを含む茶組成物をさらに含む。
【0070】
上記の実施形態の変形例では、断食模倣食パッケージは、1日目に40グラム未満の糖、2日目~5日目及び任意の残りの日に30グラム未満の糖、1日目に28グラム未満のタンパク質、2日目~5日目及び任意の残りの日に18グラム未満のタンパク質、任意選択的に、1日目の所望のカロリー摂取量(すなわち、所定のカロリー摂取量)に達するために20~30グラム以上のモノ不飽和脂肪酸、1日目の所望のカロリー摂取量に達するために6~10グラム以上の多価不飽和脂肪酸、任意選択的に、1日目の所望のカロリー摂取量に達するために2~12グラム以上の飽和脂肪酸、任意選択的に、2日目~5日目及び任意の残りの日に所望のカロリー摂取量に達するために10~15グラム以上のモノ不飽和脂肪酸、2日目~5日目及び任意の残りの日に所望のカロリー消費に達するために3~5グラム以上の多価不飽和脂肪酸、任意選択的に、2日目~5日目又は任意の残りの日に所望のカロリー摂取量に達するために1~6グラム以上の飽和脂肪酸、並びに各日及び任意の残りの日に微量栄養素組成物を含む。
【0071】
上記の実施形態の別の変形例では、断食模倣食パッケージは、各食餌日用に体重1キログラム当たり8~10kcalを提供する毎日の食事部分を含む。この変形例では、断食模倣食は、各食餌日用に30グラム未満の糖、各食餌日用に18グラム未満のタンパク質、任意選択的に、各食餌日用の所望のカロリー摂取量に達するために9~15グラム以上のモノ不飽和脂肪酸、及び各食餌日用の所望のカロリー摂取量に達するために2.5~4.5グラム以上の多価不飽和脂肪酸、任意選択的に、各食餌日用の所望のカロリー摂取量に達するために1~5.5グラム以上の飽和脂肪酸を提供する。対象に通常のカロリー摂取量の最大100%を提供するより高いFMD配合には、上に列挙した脂質のより高いレベルを提供することができる。
【0072】
別の変形例では、断食模倣食を投与するための方法が提供される。この方法は、断食模倣食を必要とする対象を識別するステップを含む。断食模倣食を必要とする対象は、糖尿病、メタボリックシンドローム、糖尿病及び高血圧症、並びに/又はアルツハイマー病を有し得る。断食模倣食を必要とする追加の対象は、体重減少又は脂質パネルの調整を必要とする肥満対象、又はがんを有し、かつ化学療法を受けている対象であり得る。次いで、対象に、タンパク質源からのカロリーが約10パーセント未満の断食模倣食を提供する。調整例では、断食模倣食は、上記のダイエットパッケージの形態で提供される。断食模倣食は、対象の通常のカロリー摂取量の多くとも50%を提供し、キロカロリーの少なくとも50%は脂質に由来する。特徴的には、断食模倣食は、上記のファスティングバーを含む。上記のように、ファスティングバーは、マカダミアナッツ、ハチミツ、ペカン、アーモンド、アーモンドバター、ココナッツ、イヌリン、カカオ由来物、亜麻種子及びココナッツパウダーの任意の組み合わせを含む。特徴的には、ファスティングバーは、100~300kcalを提供し、そのうち40パーセントkcalは、脂質由来であり、10~30パーセントkcalは、10グラム未満のタンパク質を含む炭水化物由来である。調整例では、断食模倣食は、対象に1日当たり約300~1200kcalを提供する。別の調整例では、この方法は、対象のグルコース及び/又はIGF-1レベルを監視するステップをさらに含む。
【0073】
有利には、断食模倣食は、対象が食物をファスティングすることを可能にし、代謝健康、細胞の自食作用、内臓脂肪の減量、食物との関係の改善又は食物欲求の減少、エネルギーの増加及び精神的清澄性などの長期ファスティングの多くの利益を受けることを可能にする。
【0074】
調整例では、断食模倣食は、1日~14日間(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14日間)の第1の期間の間、対象に投与される。
【0075】
いくつかの調整例では、断食模倣食は、断食模倣食の各日について対象1ポンド当たり3~7キロカロリーを提供する。さらなる調整例では、断食模倣食は、断食模倣食の1日目に対象1ポンド当たり4.5~7キロカロリーを提供し、断食模倣食の他の各日に対象1ポンド当たり3~5キロカロリーを提供する。
【0076】
典型的には、この方法は、低タンパク質食に続いて第2の期間、第2の食餌を対象に投与するステップをさらに含み、第2の食餌は、25~26日間、対象の通常のカロリー消費量の20パーセント以内のカロリー消費量全体を提供する。
【0077】
別の実施形態では、ファスティングドリンクが提供される。ファスティングドリンクは、典型的には、水に溶解したファスティングドリンク粉末組成物から形成される。調整例では、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物は、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物100グラム当たり約200~約600kcalを提供する量の総脂質、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物100グラム当たり約40~70kcalの量の飽和脂肪酸、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物100グラム当たり約100~200kcalを提供する量の炭水化物、並びにファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物100グラム当たり約30~約60kcalを提供する量のタンパク質を含む。いくつかの変形例では、ドリンク粉末組成物は、成分が液体担体と合わせてドリンクを形成するのに適した形態(例えば、粉末)に形成されたファスティングバーについて上記したのと同じ栄養範囲(例えば、カロリー及び成分)を有する。
【0078】
図2A及び
図2Bは、ナッツフリードリンク粉末組成物及びレディ・トゥ・ドリンクファスティングドリンク組成物(液体担体成分なし)の一例のための栄養成分及び微量栄養素を示す。ナッツフリードリンク粉末組成物の代表的な多量栄養素を表8に示す。表9に、ナッツフリードリンク粉末組成物の具体例を示す。ドリンク粉末組成物の変形例は、表8及び9に示す値のプラス又はマイナス30パーセントの範囲であり得る。ビタミン及びミネラルは、任意成分であることを理解されたい。レディ・トゥ・ドリンクファスティングドリンク組成物は、液体担体を除いて、表8及び9に示すものと同じ成分を含むことができる。このドリンク粉末組成物は、以下の成分:エキストラバージンオリーブ油、ヒヨコ豆タンパク質濃縮物、ショ糖、天然香料、ガムブレンド(グアーガム、アカシアゴム、キサンタンガム)、植物ブレンド(ブロッコリー、ホウレンソウ、ケール、カボチャ、サツマイモ、ヒマワリ種子、クランベリー、クロレラ、マイタケ及びシイタケ)、中鎖トリグリセリド並びにそれらの組み合わせの任意の組み合わせ又はすべてから形成することができる。変形例では、オリーブ油は、オリーブ油とヒヨコ豆とのブレンドを形成することによって粉末の形態で提供される。調整例では、粉末化されたオリーブ油は、微粒子化され、ヒヨコ豆、マルトデキストリン(例えば、タピオカマルトデキストリン)若しくは他のデンプン、又はそれらの組み合わせで噴霧乾燥されたオリーブ油を含む。
【0079】
【0080】
【0081】
図2Cは、ファスティングドリンク用の粉末組成物及びレディ・トゥ・ドリンクファスティングドリンク組成物(液体担体成分なし)の一例の栄養成分及び微量栄養素を提供する。ナッツフリードリンク粉末組成物の代表的な多量栄養素を表10に示す。表11に、ナッツフリードリンク粉末組成物の具体例を示す。ドリンク粉末組成物の変形例は、表10及び11に示す値のプラス又はマイナス30パーセントの範囲であり得る。レディ・トゥ・ドリンクファスティングドリンク組成物は、液体担体を除いて、表10及び11に示すものと同じ成分を含むことができる。ミネラルは、任意成分であることを理解されたい。粉末の変形例は、示された値のプラス又はマイナス30パーセントの範囲であり得る。このドリンク粉末組成物は、以下の成分:マカダミアナッツ、アーモンド粉(湯通し)、ペカン、ココナッツパウダー、イヌリン、亜麻仁、天然香料、海塩、ローズマリー抽出物、ココナッツパームシュガー、エキストラバージンオリーブ油、ヒヨコ豆タンパク質濃縮物、ココナッツパームシュガー、バニラ、ガムブレンド(グアーガム、アカシアゴム、キサンタンガム)、リン酸三カルシウム植物ブレンド(ブロッコリー、ホウレンソウ、ケール、カボチャ、サツマイモ、ヒマワリ種子、クランベリー、クロレラ、マイタケ及びシイタケ)、中鎖トリグリセリド並びにそれらの組み合わせの任意の組み合わせ又はすべてから形成することができる。
【0082】
【0083】
【0084】
ユーザは、ドリンク粉末組成物を水、非甘味アーモンドミルク、又は別の低カロリー飲料に混合して添加することによってファスティングドリンクを形成する。典型的には、低カロリー飲料は、20キロカロリー未満を提供する。調整例では、低カロリー飲料は、10キロカロリー未満を提供する。調整例では、粉末は、茶又はコーヒーなどのカフェイン入り飲料に添加される。ファスティングドリンク粉末組成物は、その成分から、粉砕、粉末成分のブレンド、噴霧乾燥、凍結乾燥及びそれらの組み合わせによって形成することができる。したがって、ファスティングドリンク及びファスティングドリンク粉末組成物は、同じ栄養成分及び特性を有することができる。
【0085】
別の変形例では、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物は、少なくとも、好ましい順に、30重量パーセント、40重量パーセント、45重量パーセント又は50重量パーセントの量の脂質、かつ多くとも、好ましい順に、70重量パーセント、65重量パーセント、60重量パーセント又は55重量パーセントの量の脂質を含む。調整例では、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物は、少なくとも、好ましい順に、8重量パーセント、5重量パーセント、2重量パーセント又は1重量パーセントの量の飽和脂肪酸、かつ多くとも、好ましい順に、20重量パーセント、15重量パーセント、10重量パーセント又は8重量パーセントの量の飽和脂肪酸を含む。ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物はまた、少なくとも、好ましい順に、1重量パーセント、3重量パーセント、10重量パーセント、15重量パーセント、20重量パーセント又は25重量パーセントの量の炭水化物、かつ多くとも、好ましい順に、35重量パーセント、30重量パーセント、40重量パーセント、38重量パーセント、35重量パーセント又は30重量パーセントの量の炭水化物を含む。ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物はまた、少なくとも、好ましい順に、1重量パーセント、2重量パーセント、3重量パーセント、5重量パーセント又は8重量パーセントの量のタンパク質、かつ多くとも、好ましい順に、20重量パーセント、18重量パーセント、17重量パーセント、16重量パーセント又は15重量パーセントの量のタンパク質を含む。反対の記載がない限り、すべてのパーセンテージは、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物の総重量の重量パーセンテージである。ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物に使用される脂質には、中鎖トリグリセリド及び/又は単飽和脂肪酸及び/又は多価不飽和脂肪酸が含まれる。単飽和脂肪酸の適切な供給源は、限定されないが、ピーナッツバター、オリーブ、ナッツ(例えば、アーモンド、ペカン、ピスタチオ、カシュー)、アボカド、種子(例えば、ゴマ)、油(例えば、オリーブ、ゴマ、ピーナッツ、キャノーラ)などである。多価不飽和脂肪酸の適切な供給源には、クルミ、種子(例えば、カボチャ、ヒマワリ)、亜麻仁及び油(例えば、ベニバナ、ダイズ、トウモロコシ)が含まれるが、これらに限定されない。
【0086】
別の変形例では、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物は、約40~60グラムの総脂質を含み、そのうちの8~15グラムは、それぞれファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物100グラム当たり任意選択的に飽和脂肪酸である。ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物はまた、それぞれ、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物100グラム当たり約20~40グラムの炭水化物を含む。ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物はまた、それぞれ、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物100グラム当たり約5~15グラムのタンパク質を含む。
【0087】
他の変形例では、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物は、それぞれ、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物100g当たり少なくとも、好ましい順に、10グラム、15グラム、20グラム、25グラム又は30グラムの量の脂質、かつ多くとも、好ましい順に、60グラム、50グラム、45グラム、40グラム又は35グラムの量の脂質を含む。調整例では、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物は、それぞれ、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物100g当たり少なくとも、好ましい順に、2.5グラム、2グラム、1.5グラム、1グラム又は0.5グラムの量の飽和脂肪酸、かつそれぞれ、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物100g当たり多くとも、好ましい順に、10グラム、8グラム、5グラム、4グラム又は3グラムの量の飽和脂肪酸を含む。ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物は、それぞれ、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物100g当たり少なくとも、好ましい順に、5グラム、10グラム、15グラム、20グラム又は25グラムの量の炭水化物、かつ多くとも、好ましい順に、40グラム、38グラム、35グラム、33グラム又は30グラムの量の炭水化物を含む。ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物はまた、それぞれ、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物100g当たり少なくとも、好ましい順に、1グラム、2グラム、5グラム、8グラム又は10グラムの量のタンパク質、かつ多くとも、好ましい順に、30グラム、25グラム、20グラム、15グラム又は12グラムの量のタンパク質を含む。本明細書に記載のすべての変形例及び調整例は、単一のファスティングドリンク又はファスティングドリンク粉末組成物に組み合わせることができることを理解されたい。
【0088】
別の変形例では、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物は、少なくとも、好ましい順に、5重量パーセント、10重量パーセント、15重量パーセント又は18重量パーセントの量の脂質、かつ多くとも、好ましい順に、35重量パーセント、30重量パーセント、25重量パーセント又は20重量パーセントの量の脂質を含む。ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物はまた、少なくとも、好ましい順に、1重量パーセント、3重量パーセント、35重量パーセント、40重量パーセント、45重量パーセント、50重量パーセント又は55重量パーセントの量の炭水化物、かつ多くとも、好ましい順に、40重量パーセント、70重量パーセント、68重量パーセント、65重量パーセント又は60重量パーセントの量の炭水化物を含む。ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物はまた、少なくとも、好ましい順に、1重量パーセント、2重量パーセント、3重量パーセント、5重量パーセント又は8重量パーセントの量のタンパク質、かつ多くとも、好ましい順に、20重量パーセント、18重量パーセント、17重量パーセント、16重量パーセント又は15重量パーセントの量のタンパク質を含む。反対の記載がない限り、すべてのパーセンテージは、ファスティングドリンク又はファスティングドリンク粉末組成物の総重量の重量パーセンテージである。
【0089】
別の変形例では、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末はまた、約15~35グラムの脂質を含み、そのうちの1~5グラムは、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末100グラム当たり任意選択的に飽和脂肪酸である。ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末はまた、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末100グラム当たり約40~70グラムの炭水化物を含む。ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末組成物はまた、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末100グラム当たり約5~15グラムのタンパク質を含む。
【0090】
別の変形例では、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末は、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末100g当たり少なくとも、好ましい順に、10グラム、12グラム、15グラム、18グラム又は20グラムの量の脂質(例えば、総脂質)、かつ多くとも、好ましい順に、40グラム、35グラム、30グラム、25グラム又は22グラムの量の脂質を含む。ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末は、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末100g当たり少なくとも、好ましい順に、40グラム、45グラム、50グラム、55グラム又は58グラムの量の炭水化物、かつ多くとも、好ましい順に75グラム、70グラム、65グラム、62グラム又は60グラムの量の炭水化物を含む。ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末はまた、ファスティングドリンク及び/又はファスティングドリンク粉末100g当たり少なくとも、好ましい順に、1グラム、2グラム、5グラム、8グラム又は10グラムの量のタンパク質、かつ多くとも、好ましい順に30グラム、25グラム、20グラム、15グラム又は12グラムの量のタンパク質を含む。本明細書に記載の変形例及び調整例のすべてを、単一のファスティングドリンクに組み合わせることができることを理解されたい。
【0091】
別の実施形態では、本明細書に記載のファスティングバー及び/又はファスティングドリンクでファスティングを延長するための方法が提供される。この方法は、ファスティング状態を延長するためにファスティングバー及び/又はファスティングを対象に提供するステップを含む。上記のように、ファスティングバーは、ファスティングバー100グラム当たり約350~約700kcalを提供する量の総脂質、ファスティングバー100グラム当たり約75~135kcalを提供する量の炭水化物及びファスティングバー100グラム当たり約30~約60kcalを提供する量のタンパク質を含む。特に、対象は、断続的なファスティング又は時間制限食(すなわち、対象は、1日以上の間、各々所定の時間の間のみ)を受けることができる。調整例では、所定の期間にわたってファスティングを受けているか、又は受けることを意図している対象が識別される。さらなる調整例では、所定の期間は、4~24時間、特に約18時間(例えば、18:6の断続的なファスティング)である。
【0092】
変形例では、ファスティングドリンク(例えば、レディ・トゥ・ドリンクファスティングドリンク)は、ファスティングドリンク100グラム当たり80~200kcal、ファスティングドリンク100グラム当たり60~150kcalの脂質を提供し、そのうち2~30kcalは、飽和脂肪酸由来である。このファスティングドリンクは、ファスティングドリンク100グラム当たり1~4グラムのタンパク質、3~8グラムの炭水化物、任意選択的に1~5グラムの食物繊維、1~7グラムの総糖質、1~5グラムの添加糖類、2~7の正味炭水化物グラム、8~15グラムの脂質、1~4グラムの飽和脂肪酸、0.0~0.0005グラムのトランス脂肪酸の任意の組み合わせ又はすべてを含む。調整例では、このファスティングドリンクは、ファスティングドリンク100グラム当たり1~3mcgのビタミンD、100~250mgのカルシウム、0.3~2mgの鉄分、100~200mgのカリウム及び80~150mgのナトリウムの任意の組み合わせ又はすべてを含む。調整例では、このファスティングドリンクは、約3~10重量パーセントの量のマカダミアナッツ、約3~10重量パーセントの量のアーモンドミール(例えば、スキンを有する)、約3~8重量パーセントの量のペカン、約1~4重量パーセントの量のココナッツ、約0.5~2重量パーセントの量の亜麻仁、約0.5~2重量パーセントの量のココナッツ油、任意選択的に、約0.05~1重量パーセントの量の天然香料、任意選択的に、約0.05~0.5重量パーセントの量の海塩、約3~8重量パーセントの量のココナッツパームシュガー、任意選択的に、無水アーモンドミルク若しくは水若しくは水又は別の低カロリー飲料(すなわち、約60~85重量パーセントの量の20キロカロリー未満の飲料の任意の組み合わせ又はすべてを含む。
【0093】
以下の実施例及び考察は、本発明の様々な実施形態を例示する。当業者は、本発明の趣旨及び特許請求の範囲内にある多くの変形例を認識するであろう。
【0094】
1.食事代替試験
断食模倣食の利益の維持において、上記のファスティングバーは、朝食及び/又は昼食及び/又は夕食又は軽食に取って代わることができる断食模倣「完全食」バー又は断食模倣「軽食」バーとして使用される。特に、上記のファスティングバーは、対象が12~24時間ファスティングする断続的なファスティングのために使用することができるが、所定の食事回数のためにのみファスティングバーを消費するために使用することができる。上記のように、ファスティングバーは、マカダミアナッツ、ハチミツ、ペカン、アーモンド、アーモンドバター、ココナッツ、イヌリン、カカオ由来物、亜麻種子及びココナッツパウダーの任意の組み合わせを含むことができる。特徴的には、ファスティングバーは、100~300kcalを提供し、そのうち40パーセントkcalは、脂質由来であり、10~30パーセントkcalは、10グラム未満のタンパク質を含む炭水化物由来である。調整例として、所定の食事回数は、1回、2回又は3回である。
【0095】
a.作用機序:
分子レベルでは、ファスティングは、細胞内に存在する栄養感知経路のトリガーが存在しないことである。細胞は、栄養素の存在からの手がかりを得て、それらが成長するべきか、又は静止する/回復するべきかを決定する。細胞が体内の栄養素を検出すると、これらの細胞の栄養感知経路(NSP)が活性化され、細胞の成長及び複製の下流効果につながる。身体がファスティング状態にあるとき、これらのNSPは、下方制御され、細胞は、回復モードに入る。様々な栄養素について細胞内に異なる栄養素センサーがある。例えば、m-Tor及びIGF-1経路は、アミノ酸及びタンパク質の存在によって活性化される。炭水化物の存在は、PKA(プロテインキナーゼA)を活性化する。ファスティングバーは、特定の量のタンパク質を含有し、消費されたときに独特の成分混合物を有する炭水化物は、細胞内の栄養素感知経路を引き起こさない。その結果、身体がファスティングバーを消費すると、細胞は、ファスティング状態に留まる。ファスティングバーは、PROLON(R)と同じ断食模倣技術を使用して開発された。
【0096】
b.試験方法及び結果
図3及び
図4は、ファスティングバーの有効性を実証する試験の結果を提供する。試験パラメータは、以下の通りである:108人の対象、15時間の一晩のファスティング、次いで3群に無作為化した(朝食対ファスティングバー対水のみ)。対象を、バーの消費後4時間毎にグルコース及びケトンについて試験する。主な結果は、バー消費の3時間後のグルコース及びケトン、並びにグルコース及びケトンの4時間AUCである。グルコースの結果を
図3A及び
図3Bに要約する。有意に、ファスティングバーに対するグルコースAUCは、朝食群(4時間)よりも有意に低い(p=0.0012)。驚くべきことに、4時間にわたる水のみ対ファスティングバーについてのグルコースAUC間に差はない(p=0.9890)。また、任意の群間で3時間目のグルコースレベルに差がないことが観察される。グルコースレベルは、ファスティングバー群と水のみの群との間で同様に追跡する。
【0097】
図4A及び4Bは、ケトンの結果をまとめたものである。ファスティングバー群に対するケトンAUCは、朝食群(4時間)よりも有意に高い(p=<0.0001)。ファスティングバー群と水のみの群との間でケトンAUCに有意差はない(p=0.4850)。ファスティングバー群に対するケトンレベルは、3時間で朝食群よりも有意に高い(p<0.0001)。ファスティングバー群に対するケトンレベルは、3時間で水のみの群と異ならない(p=0.9857)。
【0098】
2.ファスティングバー試験1
図9A~
図9Fを参照すると、一晩の15時間のファスティング後、断食模倣食バー(FMD Bar(商標)又はFasting bar(商標)とも称される)の消費は、水のみのファスティングと同様のレベルの食後3時間血中ケトン及びケトンAUC
0-4をもたらした。Fasting bar(商標)は、栄養素を含有するにもかかわらず、朝食とは対照的に、食後1時間のグルコース上昇を誘発しなかった。ヒトの研究は、エネルギー消費及び多量栄養素組成物の操作が、満腹感及び飽満感を高めるためにいくらかのエネルギー及び栄養素を提供しながら、水ファスティングと同様に生理学的ケトン生成を延長できることを実証した。
図6は、Fasting bar(商標)消費の3時間後の主観的尺度の変化をプロットしている。
図6Aは、質問「食欲はどれくらい強いですか?」に対処し、
図6Bは、質問「どのくらい空腹を感じますか?」に対処し、
図6Cは、質問「満腹感はどのくらいですか?」に対処し、
図6Dは、質問どのくらいの量の食べ物を食べることができると思いますか?」に対処する。
図6A、
図6B及び
図6Cは、ファスティングバーが水ファスティングと比較して肯定的な知覚をもたらしたことを示す。
【0099】
3.ファスティングバー試験2
図7A~
図7Bを参照すると、15時間の一晩のファスティング後のコーヒー/茶の有無にかかわらずFasting bar(商標)の消費は、水ファスティングと比較してケトン生成及びグルコースレベルに関して同様の生理学的変化をもたらした。驚くべきことに、コーヒー又は茶の消費は、ファスティング状態に影響を及ぼさなかった。
【0100】
4.ファスティングバー2試験3
図8A~
図8Dを参照すると、夜又は朝のFasting bar(商標)の消費は、水ファスティングと比較して、ケトン生成及びグルコースレベルに関して15時間の一晩のファスティングを妨げない。
【0101】
5.ファスティングドリンク試験の概要
図9A~
図9Dを参照すると、一晩15時間のファスティング後、Fasting bar(商標)及びFast Drink(商標)の消費は、水のみのファスティングの場合と同様のレベルの食後3時間の血中ケトン及びケトン曲線下面積(AUC0-4)をもたらした。朝食の消費は、食物消費の1時間後に血糖上昇をもたらした。しかしながら、Fasting bar(商標)又はFast Drink(商標)のいずれかを消費している対象では、食後のグルコースレベルの上昇はなかった。実際、Fasting bar(商標)群及びFast Drink(商標)群の食後グルコースAUC0-4は、水ファスティング群のものと同様であった。
【0102】
例示的な実施形態を上述したが、これらの実施形態は、本発明のすべての可能な形態を説明するものではない。むしろ、本明細書で使用される単語は、限定ではなく説明の単語であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更が行われ得ることが理解される。さらに、様々な実装する実施形態の特徴を組み合わせて、本発明のさらなる実施形態を形成することができる。
【国際調査報告】