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特表2023-529518適時ベンダー支出分析を含む加速したインテリジェントエンタープライズ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-11
(54)【発明の名称】適時ベンダー支出分析を含む加速したインテリジェントエンタープライズ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20230704BHJP
【FI】
G06Q40/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555130
(86)(22)【出願日】2021-03-10
(85)【翻訳文提出日】2022-11-11
(86)【国際出願番号】 US2021021789
(87)【国際公開番号】W WO2021183700
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】62/987,623
(32)【優先日】2020-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】522362626
【氏名又は名称】シーエックスオー ネクサス、インク.
【氏名又は名称原語表記】CXO Nexus, Inc.
【住所又は居所原語表記】115 E 23rd Street, 3rd Fl 1590, New York, New York 10010, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤング、バーリントン
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラワット、バーヌプラタープ
(72)【発明者】
【氏名】トトロ、ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】ベンフィールド、スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】マスクレット、セバスティアン
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB63
(57)【要約】
インテリジェントエンタープライズシステム及び方法を開示する。システム及び方法は、会計情報に関わる情報を受信するように構成された入力/出力(IO)インターフェースと、IOインターフェースからの受信情報を記憶し、その情報を分析して適時ベンダー支出分析を提供するように構成された、メモリーと相互接続したプロセッサーと、提供された適時ベンダー支出分析を表示するように構成された表示装置とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インテリジェントエンタープライズシステムであって、
会計情報に関する情報を受信するように構成された入力/出力(IO)インターフェースと、
前記IOインターフェースからの受信情報を記憶し、前記情報を分析して適時ベンダー支出分析を提供するように構成された、メモリーと相互接続したプロセッサーと、
提供された前記適時ベンダー支出分析を表示するように構成された表示装置と
を備える、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記受信情報が、カテゴリー別の支出を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記受信情報が、ベンダー別の支出を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記受信情報が、期間に亘る支出を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記期間が、選択された会計年度である、
ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記受信情報が、最近傍傾向スコアリングを用いて完全なマッチングを見つけるために前記プロセッサーによって処理される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記受信情報が、ファジーマッチングアルゴリズムを用いてマッチングを特定するために前記プロセッサーによって処理される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記受信情報が、少なくとも2つのファジーマッチングアルゴリズムを用いてマッチングを特定するために前記プロセッサーによって処理される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記マッチングがカットオフスコアに基づく、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
親会社情報が、少なくとも1つのベンダーについて特定される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
テキストトークン化が行われる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記受信情報に基づいてOEMが学習される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記受信情報に基づいてタクソノミーカテゴリーが判断される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
サポートベクターマシン(SVM)と、ランダムフォレスト(RF)と、ニューラルネットワーク(NN)と、エキスパートシステム(ES)とを組み合わせたハイブリッドモデルの少なくとも1つが利用される、
ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記表示装置が、ベンダー実支出、ピア比較、市場考察及び規範的考察面を選択するように構成された、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
ベンダー支出分析を提供する方法であって、
入力/出力(IO)インターフェースを介して、会計情報に関する情報を受信することと、
メモリーと相互接続したプロセッサーを介して、前記受信情報を記憶することと、
前記情報を分析して適時ベンダー支出分析を提供することと、
表示装置を介して、提供された前記適時ベンダー支出分析を表示することを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記受信情報が、カテゴリー別の支出及びベンダー別の支出の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記情報の分析が、最近傍傾向スコアリングを用いて完全なマッチングを見つけるための前記プロセッサーによる処理及びファジーマッチングアルゴリズムを用いてマッチングを特定するための前記プロセッサーによる処理の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
OEMが、前記受信情報に基づいて学習され、タクソノミーカテゴリーが、前記受信情報に基づいて判断される、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記分析において、サポートベクターマシン(SVM)と、ランダムフォレスト(RF)と、ニューラルネットワーク(NN)と、エキスパートシステム(ES)とを組み合わせたハイブリッドモデルの少なくとも1つが利用される、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年3月10日に出願されたACCELERATED INTELLIGENT ENTERPRISE INCLUDING TIMELY VENDOR SPEND ANALYTICSと題する米国特許出願第62/987,623号の利益を主張するものであり、完全に記載されるように参照によって組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、エンタープライズシステムを対象とし、より具体的には、適時ベンダー支出分析を含むインテリジェントエンタープライズシステムを対象とする。
【発明の概要】
【0003】
インテリジェントエンタープライズシステム及び方法を開示する。システム及び方法は、会計情報に関わる情報を受信するように構成された入力/出力(IO)インターフェースと、IOインターフェースからの受信情報を記憶し、その情報を分析して適時ベンダー支出分析を提供するように構成された、メモリーと相互接続したプロセッサーと、提供された適時ベンダー支出分析を表示するように構成された表示装置とを含む。
【0004】
システム及び方法は、カテゴリー別の支出を含む受信情報を含んでもよい。システム及び方法は、ベンダー別の支出を含む受信情報を含んでもよい。システム及び方法は、選択された会計年度といった期間に亘る支出を含む受信情報を含んでもよい。
【0005】
システム及び方法は、最近傍傾向スコアリングを用いて完全なマッチングを見つけるためにプロセッサーによって処理される受信情報を含んでもよい。システム及び方法は、ファジーマッチングアルゴリズムを用いてマッチングを特定するためにプロセッサーによって処理される受信情報を含んでもよい。システム及び方法は、少なくとも2つのファジーマッチングアルゴリズムを用いてマッチングを特定するためにプロセッサーによって処理される受信情報を含んでもよい。システム及び方法は、カットオフスコアに基づくマッチングを含んでもよい。システム及び方法は、少なくとも1つのベンダーについて特定される親会社情報を含んでもよい。
【0006】
システム及び方法は、テキストトークン化の実行を含んでもよい。システム及び方法は、受信情報に基づくOEMの学習を含んでもよい。システム及び方法は、受信情報に基づくタクソノミーカテゴリーの判断を含んでもよい。
【0007】
システム及び方法は、サポートベクターマシン(SVM)と、ランダムフォレスト(RF)と、ニューラルネットワーク(NN)と、エキスパートシステム(ES)とを組み合わせたハイブリッドモデルの少なくとも1つの利用を含んでもよい。
【0008】
システム及び方法は、表示装置が、ベンダー実支出、ピア比較、市場考察及び規範的考察面を選択するように構成されることを含んでもよい。
【0009】
添付の図面と共に例として与えられる以下の説明から、より詳細な理解が得られ、図面における同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、ベンダー支出分析を判断するための計算システムの例を示す。
【0011】
図2図2は、カテゴリー別の支出を提供することによってベンダー支出分析を伝える、図1のシステムの例示的なスクリーンショットを示す。
【0012】
図3図3は、ベンダー別の支出を提供することによってベンダー支出分析を伝える、図1のシステムの例示的なスクリーンショットを示す。
【0013】
図4図4は、図1の本エンタープライズと対応しているベンダーロールアップのフローを示す。
【0014】
図5図5は、図1のデータベース内の製品からOEMを検索するためのフローを示す。
【0015】
図6図6は、ベンダー実支出、ピア比較、市場考察及び規範的考察面を選択するためのナビゲーションウィンドウを示す、図1のエンタープライズシステムの画面描写を示す。
【0016】
図7図7は、本明細書に記載のカテゴリー支出におけるランディングページを示す、図1のエンタープライズシステムの画面描写を示す。
【0017】
図8
図9図8及び図9は、図7のウィンドウにおいてベンダー支出を選択した後のベンダー支出を示す、図1のエンタープライズシステムの画面描写を示す。
【0018】
図10図10は、図7又は図8及び図9において選択された特定のカテゴリーについてのベンダー支出を示す、図1のエンタープライズシステムの画面描写を示す。
【0019】
図11図11は、図10の描写において特定のベンダーを選択することによって提供される追加の詳細を示す、図1のエンタープライズシステムの画面描写を示す。
【0020】
図12図12は、図10のカテゴリーにおいて特定されたベンダーを選択することによって提供される追加の詳細を示す、図1のエンタープライズシステムの画面描写を示す。
【0021】
図13
図14図13及び図14は、描写によって支出傾向、戦略的価値、ベンダーリスク、好適なベンダー及び為替を示すことを可能にするユーザー選択可能トグルを示す、図1のエンタープライズシステムの画面描写を示す。
【0022】
図15図15は、カテゴリーに関わらず特定のベンダーの実支出を描写したものを示す、図1のエンタープライズシステムの画面描写を示す。
【0023】
図16図16は、特定のベンダー実支出へと進んだ際の描写を示す、図1のエンタープライズシステムの画面描写を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、ベンダー支出分析を含むインテリジェントエンタープライズを対象とする。本発明は、分析の人工知能を用いて、エンタープライズの知能を加速させうる。本エンタープライズは、適時に、透過的且つ規範的な考察を提供する。ユーザーは、エンタープライズの協働と規範的な知能の使用により、より賢明且つ迅速な判断をリスクを抑えながら下すことが可能となる。本エンタープライズは、稼働中の財務・ベンダー管理ソリューションと共に使用されてもよい。本エンタープライズは、全ての財務システムと連動してベンダー支出を分類及び可視化するSaaSアプリケーションである、非依存型のオーバーレイを利用する。
【0025】
以下に言及する際、用語「プロセッサー」には、シングル又はマルチコアの汎用プロセッサー、専用プロセッサー、従来のプロセッサー、デジタル・シグナル・プロセッサー(DSP)、複数のマイクロプロセッサー、DSPコアと関連する1つ以上のマイクロプロセッサー、コントローラー、マイクロコントローラー、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASICs)、1つ以上のフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)回路、その他の種類の集積回路(IC)、システム・オン・チップ(SOC)及び/又は状態機械が含まれるが、これに限定されない。以下に言及する際、用語「コンピューター可読記憶媒体」には、レジスター、キャッシュメモリー、読取専用メモリー(ROM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー(D-RAM)、スタティックRAM(S-RAM)若しくは他のRAMといった半導体メモリー装置、フラッシュメモリーといった磁気媒体、ハードディスク、磁気光学媒体、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVDs)若しくはブルーレイディスク(BD)といった光学媒体、他の揮発性若しくは非揮発性メモリー又は電子データ記憶用の他の種類の装置が含まれるが、これに限定されない。以下に言及する際、用語「メモリー装置」は、1つ以上のコンピューター可読記憶媒体に対するデータの読み取り及び/又は書き込みを行うように構成可能な装置である。
【0026】
以下に言及する際、用語「表示装置」には、モニター若しくはテレビジョン・ディスプレー、プラズマ・ディスプレー、液晶ディスプレー(LCD)、或いは前面若しくは背面投射といった技術に基づくディスプレー、発光ダイオード(LEDs)、有機発光ダイオード(OLEDs)又はデジタル光処理(DLP)が含まれるが、これに限定されない。以下に言及する際、用語「入力装置」には、キーボード、マウス、トラックボール、スキャナー、タッチスクリーン、タッチパッド、スタイラスパッド及び/又はユーザー人物との相互作用に基づいて電子信号を生成する他の装置が含まれるが、これに限定されない。入力装置は、ブルートゥース、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、PS/2又はデータ送信用の他の技術といった技術を用いて動作してもよい。
【0027】
図1は、ベンダー支出分析を判断するための、一例の計算システム100を示す。サービス・プロバイダーのベンダー支出分析では、理想的な性能基準と、同じ業種又は組織の他のサービス・プロバイダーの性能との両方と容易に比較される事項における、サービス・プロバイダー性能を示す。以下により詳細に説明するように、ベンダー支出分析は、性能基準値及び複数の重み付け係数に基づく加重合計である。ベンダー支出分析は、企業間取引に関するメタデータの財務システムからの支出データに関する情報を組み合わせることによって、算出されてもよい。例えば、リスクスコア、多様性評価及び他のデータフィールドといったベンダーメタデータを、支出データの文脈付けに利用してもよい。これらのデータポイントを複数の企業に亘って回収することによって、回収した情報についてのピア比較を提供してもよい。
【0028】
一例の計算システム100は、プロセッサー165と、メモリー装置170と、構成要素間におけるデータの通信のための通信バス180とを含む。計算システム100は、グラフィックスサブシステム(不図示)と、ネットワークインターフェース(不図示)と、入力インターフェース160と、プリンタードライバー(不図示)とを含む、複数の構成要素を任意で含む。グラフィックスサブシステムは、表示装置140にデータを提供し且つ/又は表示装置140を駆動してもよい。ネットワークインターフェースは、計算システム100が、ネットワークにつながったプリンター又はインターネットに接続しうる、有線又は無線のネットワーク接続を提供する。入力インターフェース160は、例えば、無線接続であってもよいし、或いは1つ以上の入力装置からデータを受信することが可能なデータポートであってもよい。プリンタードライバーは、ローカルプリンターにデータを提供し且つ/又はローカルプリンターを駆動する。
【0029】
計算システム100は、サービス・プロバイダー性能データを評価し、性能データに基づいてベンダー支出分析を判断し、結果を表示するためのグラフィカル出力データを生成し、ベンダー支出分析及び関連データを分析するための、サブシステムを含む。サブシステムは、性能データモジュールと、集約モジュールと、定量化モジュールと、ベンダー支出分析モジュールと、ディスプレーモジュールと、結果分析モジュールとを含む。モジュールは、ソフトウェアモジュール、専用プロセッサー要素又はそれらの組み合わせとして実施されてもよい。適切なソフトウェアモジュールには、例として、実行可能プログラム、機能、メソッド呼び出し、プロシージャ、ルーティン若しくはサブルーティン、プロセッサー実行可能指示のセット、スクリプト若しくはマクロ、オブジェクト又はデータ構造が含まれる。モジュールの一部又は全ては、更なる例として、マイクロソフトエクセル(登録商標)といったスプレッドシートプログラム、データベースプログラム又は他の種類のプログラムにおけるモジュール又はサブルーティンとして実施されてもよい。モジュールによって使用及び/又は生成されるデータは、メモリー装置170内に記憶されてもよい。プロセッサー165は、モジュールの動作を操作及び制御するように構成可能であり、また、モジュールと、プリンタードライバー、グラフィックスサブシステム、メモリー装置170、ネットワークインターフェース及び入力インターフェース160といった、計算システム100の他の構成要素との間の通信を制御するように構成可能である。
【0030】
一般的に、会計システム120は、企業の財務業務を要約、分析及び報告するのに使用される。会計システム120は、後述のように、台帳・出費・貸方・収益システム128と、債務システム126と、資産124と、予算122とを含んでもよい。会計システム100は、台帳・出費・貸方・収益システム128、債務システム126、資産124及び予算122等の情報を介し、ベンダー支出分析を判断する。会計システム100内の情報には、請求システム、発注書、買掛金、インボイス詳細、一般的な台帳勘定科目表及びビジネスヒエラルキーから供給されるデータが含まれる。これらの情報源からのデータは、本システム100によって相互参照されて、データが整理され、分類され、充実する。
【0031】
一般的に、台帳・出費・貸方・収益システム128の台帳は、一般的な台帳を備えても良い。一般的な台帳は、試算表によって確認される借方及び貸方勘定の記録を含む、企業の財務データ用の、記録保管システムを表す。一般的な台帳は、事業会社の操業において行われる各財務取引の記録を提供する。一般的な台帳は、企業の財務諸表を用意するのに必要な勘定情報を保持し、取引データは、資産、負債、自己資本、収益及び費用の勘定へと、種類別に分離される。
【0032】
台帳・出費・貸方・収益システム128の出費は、物品又はサービスとの引き換えにおける、支払い又は負債の発生を表す、台帳内の記録である。出費によって生じる文書化の証拠は、売上領収書又はインボイスである。
【0033】
貸方及び借方は、勘定台帳に記入されて、商取引による値の変化を記録する。勘定における借方の記入は、その勘定への値の移動を表し、貸方の記入は、勘定からの移動を表す。例えば、家主に賃借料を支払う賃借人が、家主と対応している賃借料費用の勘定に借方を記入し、家主が、賃借人と対応している売掛金の勘定に貸方を記入しうる。全ての取引において、関与する各当事者に対して、借方の記入と貸方の記入との両方が生じ、同じ取引に対する各当事者の借方の合計と貸方の合計とは等しくなる。
【0034】
台帳・出費・貸方・収益システム128の収益は、事業が、その通常の事業活動、通常は顧客に対する物品やサービスの販売によって得る収入である。収益は、売上又は売上高とも呼ばれる。
【0035】
債務又は買掛金(AP)126は、債権者又はサプライヤーに対し短期負債を返済する企業の義務を表す、一般的な台帳における勘定である。AP126は、サプライヤー及び他の債権者に対して企業が支払うべき支払いを行うための会計を含む。AP126は、受け取った物品又はサービスのベンダー又はサプライヤーに対して支払うべき、まだ未払いの金額である。ベンダーに支払うべき全残高の合計は、買掛金残額として企業の賃借対照表に示される。
【0036】
資産124は、事業によって所有されるあらゆる資源である。所有又は制御を通して価値を生み出すことができ、企業によって保有されて有益な経済的価値が生み出される、有形又は無形のものが、資産である。端的に言えば、資産は、現金に変換できる、所有権の価値を表す。
【0037】
予算122は、財務情報と非財務情報との両方を含む財務計画を表す。その最も明らかな特徴は、収益の見積もり、所定の組織に対する販売費、そして費用である。予算は、従業員が何名必要と考えるかといった、非財務情報も含むことができる。予算122は予測の書類であるが、企業らは、これを財務制御ツールとしても使用している。財務制御は、自身の事業の活動を監視するためのツールである。
【0038】
ベンダー支出分析モジュールは、データシステム150及び/又は会計システム120内に含まれてもよい。ベンダー支出分析では、各定量的性能値に対して重み付け係数を決定し、各定量的性能値に、対応する重み付け係数を乗じ、乗算した定量的性能値と重み付け係数との積を合計することによって、ベンダー支出分析を判断してもよい。重み付け係数は、入力インターフェースを介して受信するユーザー入力に基づいてもよい。重み付け係数は、ユーザーが最も重要と判断した性能基準の面にベンダー支出分析が集中するように且つ/又はユーザーが重要でないと判断した基準を強調しないように、調整されてもよい。使用事例の一例では、ユーザーは、特定の性能基準が極めて重要であることを示すように、性能係数を設定してもよい。その後の時点において、ユーザーは、他の性能基準がより重要となったことを反映するように、重み付け係数を調整してもよい。
【0039】
ディスプレーモジュールは、定量化モジュール及びベンダー支出分析モジュールによって生成したデータを受信して、受信データを表示するためのデータを生成してもよい。表示データは、ディスプレーモジュールによって、プリンタードライバー及びプリンターに通信されてもよく、プリンターは、表示データの印刷バージョンを作成してもよい。表示データは、ディスプレーモジュールによって、表示装置140に対するグラフィックスサブシステムに通信されてもよく、表示装置140は、表示データをユーザーに向けてレンダリングしてもよい。ディスプレーモジュールによって生成されて、プリンターによって印刷されうる又は表示装置140によってレンダリングされうる表示データの、視覚的な描写例を、以下に詳細に説明する。
【0040】
ディスプレーモジュールによって生成される表示データは、ディスプレーモジュール及び計算システム100の様々な実装に従う、様々な形態をもちうる。例えば、生成される表示は、画像の内容、原稿内の1つ以上のページ又は他の視覚的人工物を表してもよい。生成される表示データは、Joint Photographic Experts Group(JPEG、ジェイペグ)、Tagged Image File Format(TIFF、ティフ)、Scalable Vector Graphics(SVG、エスブイジー)、ビットマップ又は他の形式といった形式に従う、圧縮又は非圧縮画像データであってもよい。生成される表示データは、ウィンドウマネージャー、デスクトップマネージャー、グラフィカルユーザーインターフェース、プリンタードライバー、グラフィックスドライバー、ワードプロセッサー、文書表示若しくは編集プログラム、又はユーザーインターフェース及び/若しくはグラフィックスの実装に関する他のソフトウェア若しくはハードウェア構成要素によって解釈可能な、データ又は指示であってもよい。
【0041】
結果分析モジュールは、ベンダー支出分析モジュールによって生成されたデータを受信して、会計システム120及びベンダー支出分析モジュールが使用するパラメータを変更すべきか否かを判断してもよい。例えば、結果分析モジュールは、複数のベンダーに対して生成されるベンダー支出分析値を比較してもよい。ベンダーの大半が、閾値を上回るベンダー支出分析値を有する場合、結果分析モジュールは、生成されるベンダー支出分析値が下がるように、他のモジュールで使用されるパラメータを調整してもよい。或いは、ベンダーの大半が、閾値を下回るベンダー支出分析値を有する場合、結果分析モジュールは、生成されるベンダー支出分析値が上がるように、他のモジュールで使用されるパラメータを調整してもよい。結果分析モジュールによって変更されうるパラメータには、性能値基準、性能値サブ基準及び他のモジュールが使用する重み付け係数が含まれる。
【0042】
また、会計システム120は、定量化モジュール及び/又はベンダー支出分析モジュールから受信したデータに基づいて、電子商取引又は銀行業務機能を行ってもよい。サービス・プロバイダーに対する過去の支払いを示すデータは、メモリー装置において及び/又はネットワークインターフェースを介して、結果分析モジュールにより使用可能であってもよい。サービス・プロバイダーに対する支払いは、その後のベンダー支出分析、性能基準値及び/又は性能サブ基準値を条件としてもよく、性能を報酬と関連付ける規則を、メモリー装置に記憶してもよい。会計システム120は、報酬規則並びに定量化モジュール及び/又はベンダー支出分析モジュールから受信したデータに基づいて、サービス・プロバイダーの勘定に対して借方又は貸方が発生するべきであると判断してもよい。そして、会計システム120は、電子取引を開始して、判断した借方又は貸方を発生させてもよい。例えば、結果分析モジュールが、サービス・プロバイダーが必要なベンダー支出分析又はサービス性能基準若しくはサブ基準を上回っていると判断した場合、結果分析モジュールは、サービス・プロバイダーに対してボーナスの支払いを開始してもよい。結果分析モジュールが、行われた業務に対してサービス・プロバイダーに支払い過ぎていると判断した場合、結果分析モジュールは、サービス・プロバイダーの勘定に対して借方を開始してもよい。結果分析モジュールは、ネットワークインターフェースを介して、Electronic Funds Transfer(EFT、電子資金移動)又は他の適当なサービス若しくはプロトコルといった技術を利用して、貸方又は借方を開始してもよい。
【0043】
また、会計システム120は、定量化モジュール及び/又はベンダー支出分析モジュールから受信したデータを、トリガーに基づいて分析し、トリガー対象のイベントが生じると、ユーザーに通知してもよい。例えば、トリガーは、サービス・プロバイダーが、必要なベンダー支出分析、1つ以上の性能基準値、又は1つ以上の性能サブ基準値を上回っているか否かに基づいて、設定されてもよい。或いは、トリガーは、複数のサービス・プロバイダーが、必要なベンダー支出分析、1つ以上の性能基準値、又は1つ以上の性能サブ基準値を有するか否かに基づいて、設定されてもよい。トリガー条件が存在する場合、結果分析モジュールは、ユーザーに送信する、トリガー条件が満たされたことを示す通知電子メールを生成してもよい。或いは、会計システム120は、ディスプレーモジュールと通信して、トリガー条件が満たされたことを示す表示データを生成してもよい。そして、対応する通知を、ユーザーに向けて表示装置140上に表示してもよい。ユーザーは、例えば、1つ以上のサービス・プロバイダーとSLAの条件を再交渉するための根拠として、通知を用いてもよい。
【0044】
計算システム100は、例えば、コンピューター、システム・オン・チップ、又は他の計算若しくはデータ処理のデバイス若しくは装置で実装されてもよい。プロセッサー165は、図1を参照して上述したような、モジュールの機能を特定する指示を実行するように構成可能である。指示は、メモリー装置170及び/又は1つ以上の追加のコンピューター可読記憶媒体(描写せず)に記憶されてもよい。
【0045】
図2は、カテゴリー別の支出210を提供することでベンダー支出分析を伝える、図1のシステム100の例示的なスクリーンショット200を示す。スクリーンショット200では、企業が2019会計年度に1億4990万ドル使用したこと220が示されている。そして、この支出データは、特定の支出カテゴリーへと分けられ、表示部分の色及び大きさを用いて、各カテゴリーに使用された金額の方向及び大きさを示すように描写される。スクリーンショット200に示すように、アプリケーション230が、最大の描写ボックスに対応し且つ6690万ドルの使用額に対応する、最大の支出を有する。ビッグデータ240が、2番目に大きな支出であり、2710万ドルの使用額を表す2番目に大きなボックスを用いて、描写される。計算250が、2650万ドルを表す3番目に大きな支出であり、やや少ない支出を表すことから、ビッグデータの表現よりもやや小さい大きさである。更なる支出として、非IT260と、プラットホーム270と、エンドユーザー280と、配送285と、セキュリティ290と、IT管理295とを含む、他のカテゴリーの支出についても示される。各ボックスのそれぞれは、カテゴリーと対応している支出の金額に従った大きさである。
【0046】
例として、表示全体を利用して支出の全体を表してもよい。そこから、各カテゴリーそれぞれの大きさを、カテゴリーの支出が支出全体に占める割合を表すパーセンテージに従うようにしてもよい。
【0047】
描写されるボックスの大きさに加えて、ボックスの色も、追加情報を提供するのに用いられてもよい。こうした情報には、カテゴリーについての支出における傾向が含まれてもよい。
【0048】
図3は、ベンダー別の支出310を提供することでベンダー支出分析を伝える、図1のシステム100の例示的なスクリーンショット300を示す。図2の描写と同様に、図3のスクリーンショット300では、企業が2019会計年度に1億4990万ドル使用したこと320が再び示されている。そして、この支出データは、特定のベンダーへと分けられ、表示部分の色及び大きさを用いて、各ベンダーに使用された金額の方向及び大きさを示すように描写される。スクリーンショット300に示すように、第1のベンダー330が、最大の描写ボックスに対応し且つ3630万ドルの使用額に対応する、最大の支出を有する。第2のベンダー340が、2番目に大きな支出であり、2260万ドルの使用額を表す2番目に大きなボックスを用いて、描写される。第3のベンダー350が、1820万ドルを表す3番目に大きな支出であり、やや少ない支出を表すことから、第2のベンダー340の表現よりもやや小さい大きさである。更なる支出として、4番目360からベンダーxまでを含む、他のベンダーの支出についても示される。各ボックスのそれぞれは、ベンダーと対応している支出の金額に従った大きさである。
【0049】
例として、表示全体を利用して支出の全体を表してもよい。そこから、各ベンダーそれぞれの大きさを、ベンダーの支出が支出全体に占める割合を表すパーセンテージに従うようにしてもよい。
【0050】
描写されるボックスの大きさに加えて、ボックスの色も、追加情報を提供するのに用いられてもよい。こうした情報には、ベンダーについての支出における傾向が含まれてもよい。
【0051】
図4は、図1の本システム100と対応しているベンダーロールアップのフロー400を示す。図4に示すベンダーロールアップでは、ベンダーデータが、図1のシステム100のデータベース41から抽出される。この抽出されたベンダーデータによって、例えば、企業が、合併や買収活動といった企業買収によって一社にロールアップされた複数のベンダーに合計でいくら支出しているかを、CIO、CMO及びCFO等といったユーザーに示す、図3の図示が可能となる。ベンダーロールアップは、親子化(parentage)と称してもよい。
【0052】
ベンダーロールアップでは、購入品の製造業者がOEM公開で全て特定され、更に、OEM所有者のリンクが可能となる。自動的且つリアルタイム又は略リアルタイムな方法で、購買した企業に、一部のベンダーが他の企業によって買収されていることを通知してもよい。この特徴によって、潜在的に冗長且つ無駄で不十分な取引交渉に関する通知も可能となる。
【0053】
例えば、大手金融機関が、年間でVMWare(ヴイエムウェア)に3000万ドル、Pivotal(ピボタル)に500万ドル、EMC(イーエムシー)に2500万ドル、そしてDell(デル)に2000万ドルを支出している。企業の調達部門における購買担当者は、Dell(デル)がVMWare(ヴイエムウェア)、Pivotal(ピボタル)及びEMC(イーエムシー)を買収したことに気付いていない可能性がある。そこで、大手金融機関は、単独の交渉として各契約を少額で交渉するよりも、個別の金額よりもはるかに多いDell(デル)に対する7000万ドルの一括の支出金額としてみなしうる。このより高額な支出金額によって、共通して所有されているベンダーのそれぞれとの交渉において、よりよい価格設定を交渉するという視点が得られうる。数千万ドルにも及びうる、大幅な節約を達成しうる。
【0054】
実際の企業の特定には、サプライヤー名及びOEM企業名の正規化420を必要とする。図4の方法では、企業名を取り込む際に、頭文字、類義語、通称(DBA)又は別称(AKA)に短縮することを許容する。方法における更なる改良として、異なる州又は国に所在するだけのものを、同じ企業と見なしてもよい。また、正規化された名称を作るのに、名称を、一部又は全体をステミングしてもよい。この正規化された名称は、図1のデータベース内に保持され、適切な企業と対応付けられて再利用される。
【0055】
また、多段階ファジーマッチングアルゴリズム430、430が、更に正規化を行うのに利用される。アルゴリズムは、統計的に検定されたカットオフスコアを利用して、正確なマッチング結果を出す。図4は、プロセスフローの詳細な図を示す。
【0056】
具体的には、図4は、検索する新たな企業及びベンダーに伴う入力を、傾向スコアマッチングアルゴリズムで最近傍を特定して完全なマッチングを見つける第1のステップ420に提供する、図1の組織データベースを示す。この検定の出力は、ベンダー又は企業の親会社を判断するアルゴリズム450に提供される。アルゴリズムは、本明細書で上述した、ファジーマッチングを用いる第2のアルゴリズム430、430にも、完全なマッチングを出力する。ファジーマッチング430の出力は、第2のファジーマッチングアルゴリズム430に提供され、そして、予め定めたカットオフスコアによって、項目440がフィルタリングされる。そして、これらの値は、ベンダー又は企業の親会社を判断するアルゴリズム450に入力される。そして、結果が組織データベース470へとフィードバックされて、ベンダーOEMロールアップについての最終データセット460が出力される。
【0057】
システムは、合併及び買収の結果として生じるベンダーの親子関係を知的に判断して、明らかにする。このソリューションは、どの既存のプロセス又はソリューションよりも短い時間で、重要な関係性データを明らかにできる。何故なら、現在の手法は企業名の正規化に失敗しているからである。この失敗は、例え関連付けができたとしても、不正確な関連付けに繋がる。システムは、既知の過去の全ての親組織と、親子化が変化した日付とを含むように親子化の情報を向上させて、特定の時間に関する支出を分析する能力を可能にする。これは、我々がベンチマーク及び傾向を考える際に特に重要となる。
【0058】
図4に対して上述したのと同様に、買掛金、インボイス及び発注書データを用いて、OEM及びベンダーの親レベルにおけるベンダーについての、企業の支出を判断する。人工知能及び機械学習をベンダータクソノミーに用いることで、誰から物品又はサービスを購入したか又は顧客のデータにOEMデータが含まれているか否かに関係なく、元のOEMが判断される。人工知能と機械学習との組み合わせによって、「再販業者支出可視性」が生まれる。この可視性によって、複数且つ無数の再販業者からの又はそれを通した購買に起因してほとんどのシステムではわからない、相手先商標製品製造業者(「OEM」)に対する企業の実際の支出額が、明らかになり、可視化される。
【0059】
例えば、企業は、Cisco(シスコ)製品に200万ドル/月(2400万ドル/年)を上回る支出を行っているが、このことは企業のどの財務記録からも明らかではない。何故なら、購買請求書、発注書及びインボイスでは、Cisco(シスコ)製品を多数のVAR(付加価値再販業者)及び再販業者を通して購入したと示されるためである。大手の組織は、企業のベンダーリストのどこにベンダーが存在するかを提示することで、よりよい条件を交渉することが可能である。この例では、Cisco(シスコ)がベンダーの上位5社の1つである場合に、例えば、この関係性に基づいてレバレッジを適用しうる。こうした情報は、OEMが組織に対して彼等の製品をVAR(付加価値再販業者)又は再販業者を通して購入することを求める場合、既存の財務システムでは明らかにされない。
【0060】
本システムは、上述したのと同様のベンダー集約を行う。これは、OEMレベルで生じるだけでなく、「非OEM」ベンダー支出も統合する。ベンダー集約の必要性は、原始データ内の複数のベンダーインスタンス(一貫性の無い取引先ベンダーテーブル)及び原始データの外部に存在する企業従属関係から生じる。支出額は、ベンダーに支払われた金銭が組織内でどのように配分又は使用されているかを示すために透明性を促進するように、規格化された技術事業管理カテゴリーに分類されてもよい。
【0061】
図1のデータベースにおける、コアOEM階層テーブルが構築される。テーブルはそれ自体にリンクして、親子階層を形成する。顧客からの支出データが取り込まれて、サプライヤー名(購買記録のベンダー)、OEM名、製造部品番号、モデル番号、及び取引先のデータに固有となりうる、機械学習による潜在的な命名とマッチングされる。この手法は、支出記述を処理するのに拡張NLP(自然言語処理)を用いる。そして、支出記述の結果は、速度及び規模を提供するヒューリスティックスを含む推論エンジンを含む、深層学習モデルへと渡される。また、線形サポートベクターマシン及びランダムフォレストが、最終出力を処理する。最終出力460は、入力されたOEM名が既存のOEM名とマッチングするかを判断するのに用いられる。システム100がマッチングについて十分な確実性を有していない場合、購買データと入力されたOEM名との組み合わせを、ニューラルネットワークに通す。それでもまだマッチングについて十分に高い確実性がない場合には、入力されたOEM名は、分析のために人的キュレーターに渡される。人的キュレーターは、既存のOEM名とのマッチングを試みるか、又はこれは新しいOEMであると指摘する。システムは、必要に応じて新たなOEMを作成する。人的に又はニューラルネットワークによりマッチングが示されると、入力されたOEM名を、既存のOEMに対する別名として追加するため、その後の人的なキュレーションは不要となる。支出データが分析されてマッチングされると、使用額を、支出時のOEM所有権階層に適した親OEM別に集約できる。
【0062】
OEM階層テーブルは、人的なキュレーションとLexisNexis(レクシスネクシス)、Dun&Bradstreet(ダンアンドブラッドストリート)、Moody’s(ムーディーズ)といった企業やオープンオーナーシップからの組織的階層データの自動取り込みとの組み合わせによって、最新に維持される。OEM階層は、組織の企業所有権が経時的に変化することから、日付期間によっても追跡される。
【0063】
ほとんどの企業が、ベンダー及びOEM支出を正確に報告することに失敗する。何故なら、買掛金及びPOシステムは、この水準の具体性で報告するように設計されておらず、また、製品情報といった、発注書を作る際の手動データ記入が体系化されていないことが多く、さらに、財務報告システムは財務報告を重視するものであるからである。買掛金システムは、製品情報に対する支払い記録の一部として、必ずしも詳細な勘定項目を取り込む必要はない。典型的には、財務報告システムは、固定資産システムを通して計上され且つ処理される出費に関し、ベンダーの詳細を含まない。財務システム報告でも、一般的な台帳勘定に基づいてデータを集約することがあるが、一般的に、正確なベンダー報告を提供するような、十分なベンダーの詳細の記録を保持することはない。本システム10は、技術の組み合わせを通してOEMを知的に判断して、既存のどのプロセス又はソリューションよりも高いマッチング率を短い時間で達成する。
【0064】
正確なベンダー支出集約は膨大な作業である。大手企業では、ベンダーは、買掛金及び発注書システムにおいて重複することが多いが、これは、複数住所への送金、所定のベンダーの世界中の地域インスタンス、例えば記入されるベンダー名における一貫性のない略語の利用といったユーザーバイアス、そして一般的な一貫性の無いベンダーテーブルの維持に起因する。本システムは、「名称を圧縮する」ことによって、一貫性のないベンダー名を正規化し、整理する。例えば、図1の買掛金ベンダーテーブルでは、IBM(アイビーエム)が複数の形で見られる。これらには、例えば、IBM(アイビーエム)、I.B.M.(アイ.ビー.エム.)、International Business Machine(インターナショナル ビジネス マシン)、International Business Machine S.A(インターナショナル ビジネス マシン エス.エー)が含まれてもよい。各名称を同じ組織として認識するようにシステムを訓練することは、正確なベンダー集約を効率的に行うために必須である。
【0065】
取引を処理する際、解消すべき最初の項目は、サプライヤーの名称及び製造業者の名称である。これらは、スペリング精度、仮名の使用及び短縮において、多様であってもよい。例えば、Dell(デル)、Dell Technologies, Inc.(デル テクノロジーズ、 インク.)、Dell Corp ltd(デル コーポ エルティーディー)は全て、Dell(デル)を指すべきである。例えば、HP(エイチピー)とHewlett Packard(ヒューレット パッカード)とは同じだが、HPS(エイチピーエス)は異なる。本システム100は、企業名の様々なバリエーションを解釈して正規化することによって、入力されたベンダー名を既存の階層とマッチングさせる。また、本システム100は、可視化エンジンを通してデータセットを単純化する。
【0066】
図5は、図1のデータベース内の製品からOEMを検索するためのフロー500を示す。項目記述は、OEMを分類するために単語を認識するように、モデルを訓練するのに用いられる。製造企業は、彼等の製品を差別化するために作られた言い回しを用いる。この言い回しは、必ずしも発注書の勘定項目レベルで取り込まれるものではないが、インボイスの勘定項目レベルで取り込まれることが多い。トピックモデリングでは、単語ベクターの概念を、関心のあるトピックを検索するために用いてもよく、本システムでは、製品説明からOEMを検索するために用いられる。この手法は、高い確実性に結び付くために、OEMからの大きなコーパスのデータを必要とする。
【0067】
実施されるフロー500は、OEMを学習するための漸増的な手法をとる。OEMは検証され、モデルは更新されて、次の訓練の反復を向上させる。
【0068】
フロー500は、カテゴリーを説明する単語が経時的に変化しうるという事実を考慮に入れる、徐々に向上させる強固な基盤を形成することによって、オンライン学習を更に活用することができるようにしてもよい。各単語を確率変数として取り、複数の結合を、それらの単語が与えられたOEMであるという条件付き確率とする。使用単語である特徴集合は、経時的に変化しうる。そして、この特徴集合は式1によって定義される。
【数1】



シグマは共分散である。速度及び容易さのために、変数又は単語のそれぞれは独立していると考えられ、確率の積が使用される。
例えば、式2において、カテゴリー又はOEMをCとすると、特徴x,x,…,xをもつ現在の記述が正しいカテゴリーに項目があることを示す確率はどうなるか。
【数2】







この公式によって、テキスト処理及びテキストレポジトリから、正しい特徴を選択することが可能になる。各カテゴリーには、クラス割り当てのために、それ自体の単語の分布と、中心周囲の群(band around center)とが提供されてもよい。最も高い確率を含むカテゴリーが選ばれる。Xは、項目をOEMカテゴリーへと分類するのに使用されている単語のベクターである。Yは、OEMカテゴリーラベルである。より多くの単語が、判断されるカテゴリーと対応しているほど、カテゴリーの確率が向上する。ある単語が変化すると、最新のサンプルから確率を更新することによって、モデルが自動的に調整される。
【0069】
他の組織がOEMによって製造された製品のカタログを使用するのに対し、本システムは、購買項目データ、再販業者情報及び支出分類を伴う、人工知能と機械学習との組み合わせを使用して、製品説明のみに基づいてOEMを判断する。また、本システムは、可視化エンジンにより製品レベル情報の使用を差別化する。
【0070】
具体的には、図5は、ステップ510において、データがPDF(ピーディーエフ)
、CSV(シーエスブイ)又は他のファイル形式の形態で入力されるフローを示す。ステップ520において、インボイスPO勘定項目のテキスト記述が判断される。カテゴリーを学習するのにランダムフォレスト方法を用いてもよく、使用される用語の辞書を刈り込むのに変数重要度を用いる。また、システムは、ステップ530において、テキストを用語に変換してから、用語頻度及び逆文書頻度を用いて、クラス分離をサポートしないNグラムを除去してもよい。
【0071】
ステップ540において、テキスト記述からトレランスを行ってもよい。これには、ストップワードの除去が含まれてもよく、順序を維持するように、1語から3語の長さをもつ、単語全体に亘るNグラムを作る。ステップ530における充実データを、更にトレランスへと供給してもよい。
【0072】
ステップ550において、システムは、どのNグラムがカテゴリーと一致しているかを学習してもよい。そこから、ステップ570において、OEMを学習してもよく、ステップ590において、記述からOEMを特定するために、タクソノミーカテゴリーを学習してもよい。
【0073】
企業が「誰」に金銭を使っているかについての透明性を提供することに加えて、同様に重要なデータポイントは、企業が「何」を購入しているかについての透明性を提供することである。タクソノミーを介してデータセットを表示する能力と組み合わせられた、予め定められ且つ認識されたタクソノミーを用いることによって、システムが、規格化されたコンテキストを支出集約に提供することが可能となる。規格化されたタクソノミーによって、ベンチマークテストや匿名ピアツーピア比較といった分析が可能となる。顧客ポータルを介する特注のタクソノミーは、顧客による更なるデータ表示の作成を可能とするように構成されてもよい。
【0074】
企業にとっては、彼等のタクソノミーに対して既定の数のレベルを定義し、データベース内で1行としてレンダリングすることが基本である。本システムは、全ての取引先に対応するために、任意の数のレベルを使用でき、最大限の柔軟性を提供する。このシステムは、ITと非IT支出との両方を包含するように使用されてもよい。
【0075】
設定されるタクソノミーは最初に定めてもよい。そして、モデルは、支出勘定項目を適当なカテゴリーへと自動的に分類することを学習しなければならない。この自動分類は、サポートベクターマシン(SVM)と、ランダムフォレスト(RF)と、ニューラルネットワーク(NN)と、エキスパートシステム(ES)とを組み合わせたハイブリッドモデルを用いることで実現される。ランダムフォレストは、カテゴリーと相関しているNグラムを検出するのに用いられてもよい。このプロセスによって、6,000から、200から500の間へと、多くの変数が減少する。これらの変数は、SVM及びNNの構築に用いられてもよい。SVM及びNNでは、結果は、項目が実際にクラスに属する確率を示すように、調整される。この確率は、適切なクラス割り当てのために、どの項目を人的に見直す必要があるかを判断するのに用いられる。SVMとNNとの両方を使用することは、2人の専門家によって確認することで専門家の合意を得て、項目が特定のクラスに属することを確認することと等しい。この方法が矛盾した結果を生んだ場合、方法の確実性によって、そしてその確実性の差によって、クラスを、その項目について選択するか、或いは見直しのために人に送る。
【0076】
エキスパートシステムであるESは、正しいクラスラベルを判断するための優れた推論規則をもつ項目のためのものである。これは、SVM、RF及びNNがカテゴリーを学習し自動分類を行うのに十分な容量が得られるまでの、予備のプロセスである。RFは、実行時間のコストが高いが、専門の人間がクラスラベルを判断する推論の仕方と極めて一致している。
【0077】
この手法では、ハイブリッドな手法と、タクソノミーに成功するよう学習を通してデータが用意された手法との両方を利用する。専門の人間から推論規則を取り込み、訓練のためにエンジンに結果を供給するために、エキスパートシステム規則へのトレードオフが不可欠である。初期のデータの容量は大きくなく、優れたラベル付きデータを取得する手段を要する。エキスパートシステムは、この架け橋を提供する。
【0078】
図6は、ベンダー実支出610、ピア比較620、市場考察630及び規範的考察面640を選択するためのナビゲーションウィンドウを示す、図1のエンタープライズシステム100の画面描写600を示す。この画面は、図1のデータベースから集約データを作り出して活用するのに用いられてもよい。システムは、実支出のナビゲーション選択ボタンを選択することで、実支出分析を起動する。
【0079】
図7は、本明細書に上述するカテゴリー支出610におけるランディングページを示す、図1のエンタープライズシステム100の画面描写700を示す。これは、アプリケーション230と、ビッグデータ240と、計算250と、プラットホーム270と、エンドユーザー280と、配送285と、セキュリティ及びコンプライアンス290と、IT管理295と、非IT(不図示)とを含む、図2において前述したタクソノミーを用いる。提示されるITパターンが提供され、この例では、年間支出710が提供される。例えば、変数のそれぞれを変更して、傾向に他の色を用いたり他の表示時間枠を用いたりして、提示を変更してもよい。
【0080】
図8及び図9は、図7のウィンドウ700においてベンダー支出610を選択した後のベンダー支出を示す、図1のエンタープライズシステム100の画面描写800を示す。図8は、図7の画面700から部分的に変形した画面描写800を表し、図9は、図7の画面700からより完全に変形した画面描写800を表す。画面描写800は、図7に表す、アプリケーション230と、ビッグデータ240と、計算250と、プラットホーム270と、エンドユーザー280と、配送285と、セキュリティ及びコンプライアンス290と、IT管理295と、非IT(不図示)とを再び含むことで、図2のタクソノミー内のベンダーに基づく支出データを提供する。具体的には、各ベンダーボックスの大きさ810が、タクソノミー内の支出レベルに基づいて割り当てられる。赤や緑といった色を、増加支出(赤)及び減少支出(緑)を示すのに用い、それぞれの色の濃淡が、増加又は減少の度合いを示すのに用いてもよい。更に、特定されたベンダーによって、チェーンに関与しうる再販業者が説明されてもよい。図8及び図9の描写との比較において明白であるように、ベンダーボックスは、図7に描写する支出値を置き換えている。図2のタクソノミーの一部を作り上げるベンダーのそれぞれは、本明細書に記載のように、データに内在する意味を提供する大きさ及び色によって表される。
【0081】
図10は、図7又は図8及び図9において選択された特定のカテゴリーについてのベンダー支出を示す、図1のエンタープライズシステム100の画面描写1000を示す。この描写では、タクソノミーの一部である計算250が選択されて示されている。画面描写1000は、選択した計算250についてのベンダー支出を提供する。図9との比較から明白なように、例えば、これによって、計算タクソノミー250及び計算250カテゴリーに対応している内在するベンダーの表示が、拡大される。画面描写1000は、達成されうるベンダー統合の利益についての詳細を強調する。
【0082】
図11は、図10からの追加の詳細及び例示的な計算250タクソノミーの選択を示し、更に、図10の描写において特定のベンダー1110を選択することによって詳細を提供する、図1のエンタープライズシステム100の画面描写1100を示す。例えば、VMware1110を選択することによって、このカテゴリーにおいての企業の中で名称によって特定される上位の支出者及びカテゴリーにおいての合計支出額に関する、追加の詳細が提供される。こうした情報によって、所定のベンダーに対する、企業内の担当者に関する情報が提供されてもよい。
【0083】
図12は、図10のカテゴリー250において特定されたベンダー1110を選択することによって提供される追加の詳細を示す、図1のエンタープライズシステム100の画面描写1200を示す。これによって、カテゴリー250及びベンダー1110における特定の注文1210を表示することが可能となる。また、画面1220との相互作用によって、注文番号、日付、費用、製品等といった、特定の注文に関する追加の情報1230も、ユーザーに提供されてもよい。
【0084】
図13及び図14は、支出傾向1310、戦略的価値1320、ベンダーリスク1330、好適なベンダー1340及び為替1350を描写によって示すことを可能にするユーザー選択可能トグル1305を示す、図1のエンタープライズシステム100の画面描写1300を示す。トグル1305によって、他のメタデータを選択してユーザーに提供することが可能となる。この可視化のシステムによって、システム100内で見つかる、任意の他のメタデータの出力描写が提供されてもよい。例えば、図7に表す、アプリケーション230と、ビッグデータ240と、計算250と、プラットホーム270と、エンドユーザー280と、配送285と、セキュリティ及びコンプライアンス290と、IT管理295と、非IT(不図示)とを再び含む、図2のタクソノミーにおけるベンダーのリスク1330が、この追加のトグル1305によるメタデータの選択により表示されて色で識別されてもよい。
【0085】
図15は、カテゴリーに関わらずに特定のベンダー1510の実支出1520を示す、図1のエンタープライズシステム100の画面描写1500を示す。描写されるように、各ベンダー1510は、本明細書に記載のように内在する関連組織を考慮しながら、支出1520の金額に基づいて、特定され、提示される。支出1520の金額はボックスの大きさを介して表され、支出1520の傾向方向は色識別で表される。
【0086】
図16は、特定のベンダー1610実支出へと進んだ際の描写を示す、図1のエンタープライズシステム100の画面描写1600を示す。これは、企業において、ベンダーに対して生じる従属的な支出を示す。
【0087】
特定の組み合わせにおいて、特徴及び要素を上述したが、当業者には、各特徴又は要素を、単体で又は他の特徴や要素とのどのような組み合わせでも用いることができることが理解されよう。また、本明細書に記載の方法は、コンピューター又はプロセッサーによる実行のためにコンピューター可読媒体に組み込まれる、コンピュータープログラム、ソフトウェア又はファームウェアで実装されてもよい。コンピューター可読媒体の例には、(有線又は無線接続を通じて送信される)電子信号と、コンピューター可読記憶媒体とが含まれる。コンピューター可読記憶媒体の例には、読取専用メモリー(ROM)、ランダム・アクセス・メモリー(RAM)、レジスター、キャッシュメモリー、半導体メモリー装置、内部ハードディスクやリムーバブル・ディスクといった磁気媒体、磁気光学媒体並びにCD-ROMディスクやデジタル多用途ディスク(DVD)といった光学媒体が含まれるが、これに限定されない。本明細書に記載のシステムや方法を実施するために、ソフトウェアと関連するプロセッサーを用いてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】