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特表2023-529519微小電気機械システム(MEMS)マイクロフォンアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-11
(54)【発明の名称】微小電気機械システム(MEMS)マイクロフォンアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20230704BHJP
   H04R 1/28 20060101ALI20230704BHJP
   H04R 1/22 20060101ALI20230704BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20230704BHJP
   H04R 1/38 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
H04R1/02 108
H04R1/28 320Z
H04R1/22 320
B81B3/00
H04R1/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556545
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(85)【翻訳文提出日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 US2020029278
(87)【国際公開番号】W WO2021216058
(87)【国際公開日】2021-10-28
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512168283
【氏名又は名称】ハーマン インターナショナル インダストリーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ, ユー
【テーマコード(参考)】
3C081
5D017
5D018
【Fターム(参考)】
3C081AA01
3C081BA30
3C081BA33
3C081BA45
3C081BA48
3C081BA53
3C081EA21
5D017BC15
5D018BA02
(57)【要約】
少なくとも1つの実施形態では、筐体、第1のプリント回路基板(PCB)、及びマイクロフォンアセンブリを含むマイクロフォンアセンブリが提供される。マイクロフォンアセンブリには、サブケーシング、微小電気機械システム(MEMS)トランスデューサ、及び第2のPCBが含まれる。MEMSトランスデューサはサブケーシング内に配置され、第2のPCBはMEMSトランスデューサを支持する。第1のPCBは、第2のPCB及びMEMSトランスデューサの下に配置された第1の音響経路を画定する。第2のPCBは、MEMSトランスデューサの真下に配置された第1のオーディオポートを画定する。筐体は、オーディオ入力信号がMEMSトランスデューサの下側に到達できるようにするために、第1の音響経路の真下に配置される第1の音響開口部を画定する。筐体は、第1の音響開口部から3~30mmの距離に配置された第2の音響開口部を画定する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロフォンアセンブリであって、
筐体と、
第1のプリント回路基板(PCB)と、
マイクロフォンサブアセンブリであって、
サブケーシングと、
前記サブケーシング内に配置された微小電気機械システム(MEMS)トランスデューサと、
前記MEMSトランスデューサを支持する第2のPCBと、
を含む、前記マイクロフォンサブアセンブリと、
を備え、
前記第2のPCBは、前記MEMSトランスデューサの真下に配置された第1のオーディオポートを画定し、
前記第1のPCBは、前記第2のPCB及び前記MEMSトランスデューサの下に配置され、前記第1のオーディオポートと軸方向に整列された、第1の音響経路を画定し、
前記筐体は、オーディオ入力信号が前記第1のオーディオポートを通過して前記MEMSトランスデューサの下側に到達できるようにするために、前記第1の音響経路の真下に配置される第1の音響開口部を画定し、
前記筐体は、前記第1の音響開口部から3~30mmの距離を置いて配置される第2の音響開口部を画定する、
前記マイクロフォンアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の音響開口部及び前記第2の音響開口部が、前記筐体の同じ表面上に配置される、請求項1に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の音響開口部及び前記第2の音響開口部が、前記筐体の異なる表面上に配置される、請求項1に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の音響開口部の周りに配置された第1の音響抵抗と、前記第2の音響開口部の周りに配置された第2の音響抵抗とをさらに備える、請求項1に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項5】
前記サブケーシングが、その上部側に配置される少なくとも1つのポート穴を画定する、請求項1に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項6】
前記少なくとも1つのポート穴が、前記サブケーシングの上部側で互いに離間した複数のポート穴を含む、請求項5に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項7】
前記筐体が、前記サブケーシングを封止するために前記少なくとも1つのポート穴の上に配置されたポストを含む、請求項5に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項8】
前記ポストが、前記サブケーシングの前記上部側から前記筐体の上部側の下側まで延在する、請求項7に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項9】
前記サブケーシングの上部側に配置されたカバーをさらに備える、請求項5に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項10】
前記カバーが前記少なくとも1つのポート穴に対してスライドして、前記アセンブリに複数の周波数応答を提供する、請求項9に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項11】
マイクロフォンアセンブリであって、
筐体と、
第1のプリント回路基板(PCB)と、
ポストと、
マイクロフォンサブアセンブリであって、
サブケーシングと、
前記サブケーシング内に配置されてオーディオ入力信号を受信する微小電気機械システム(MEMS)トランスデューサと、
前記サブケーシングの上部側に配置された少なくとも1つのポート穴と、
を含む、前記マイクロフォンサブアセンブリと、
を備え、
前記ポストは、前記サブケーシングを封止するために、少なくとも1つのポート穴の上に配置される、
前記マイクロフォンアセンブリ。
【請求項12】
前記MEMSトランスデューサを支持して第1のオーディオポートを画定する第2のPCBをさらに備える、請求項11に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項13】
前記第1のPCBは、前記第2のPCB及び前記MEMSトランスデューサの下に配置された、第1の音響経路を画定し、
前記筐体は、前記オーディオ入力信号が前記第1の音響ポートを通過して前記MEMSトランスデューサの下側に到達できるようにするために、前記第1の音響経路及び前記第1のオーディオポートの真下に配置される第1の音響開口部を画定する、
請求項12に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項14】
前記筐体が、前記オーディオ信号が前記MEMSトランスデューサの上部側に通過できるようにする、第2の音響開口部を画定する、請求項13に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項15】
前記第2の音響開口部が、前記MEMSトランスデューサの感度を高め、前記第1の音響開口部と前記第2の音響開口部での前記オーディオ入力信号の音圧振幅の差を最小化するために、前記第1の音響開口部から3~30mmの距離に配置される、請求項14に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項16】
前記第1の音響開口部及び前記第2の音響開口部が、前記筐体の同じ表面上に配置される、請求項13に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項17】
前記第1の音響開口部及び前記第2の音響開口部が、前記筐体の異なる表面上に配置される、請求項13に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項18】
前記ポストが、前記サブケーシングの前記上部側から前記筐体の上部側の下側まで延在する、請求項11に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【請求項19】
マイクロフォンアセンブリであって、
筐体と、
第1のプリント回路基板(PCB)と、
マイクロフォンサブアセンブリであって、
サブケーシングと、
前記サブケーシング内に配置されてオーディオ入力信号を受信する微小電気機械システム(MEMS)トランスデューサと、
前記サブケーシングの上部側に配置された少なくとも1つのポートと、
前記少なくとも1つのポート穴の上に配置され、前記第1のポート穴に対するカバーの位置に基づいて複数の周波数応答を提供するために、前記第1のポート穴の周りで移動可能な前記カバーと、
を含む、前記マイクロフォンサブアセンブリと、
を備える、前記マイクロフォンアセンブリ。
【請求項20】
前記カバーが前記少なくとも1つのポート穴に対してスライドして、前記複数の周波数応答を提供する、請求項19に記載のマイクロフォンアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される態様は、概して、異なる指向性パターン(例えば、単方向対無指向性)及び/または周波数応答形状を有するマイクロフォンを形成するように適合され得る、マイクロフォンアセンブリ用の微小電気機械システム(MEMS)マイクロフォンなどのマイクロフォンに関する。開示されるMEMSマイクロフォンアセンブリは、アクティブノイズキャンセレーション(ANC)技術及びハンズフリー電話用途における音声ピックアップを含むがこれらに限定されない、任意の数の用途に使用され得る。これらの態様及び他の態様は、本明細書でより詳細に議論される。
【背景技術】
【0002】
Baumhauerらの米国特許第10,154,330号は、微小電気機械システム(MEMS)マイクロフォンアセンブリを提供する。このアセンブリは、筐体、MEMSトランスデューサ、及び複数の基板層を含む。単一のMEMSトランスデューサが筐体内に配置されている。複数の基板層は、単一のMEMSトランスデューサを支持する。複数の基板層は、単一のMEMSトランスデューサの第1の側がオーディオ入力信号を受信できるようにする第1の伝達機構と、単一のMEMSトランスデューサの第2の側がオーディオ入力信号を受信できるようにする第2の伝達機構とを画定する。
【0003】
Reeseらの米国特許第9,955,246号は、微小電気機械システム(MEMS)マイクロフォンアセンブリを提供する。このアセンブリには、筐体、単一の微小電気機械システム(MEMS)トランスデューサ、基板層、及びアプリケーションハウジングが含まれる。単一のMEMSトランスデューサが筐体内に配置されている。基板層は、単一のMEMSトランスデューサを支持する。アプリケーションハウジングは、基板層を支持し、単一のMEMSトランスデューサの第1の側がオーディオ入力信号を受信できるようにする第1の伝達機構の少なくとも一部と、単一のMEMSトランスデューサの第2の側がオーディオ入力信号を受信できるようにする第2の伝達機構の少なくとも一部とを画定する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
少なくとも1つの実施形態では、筐体、第1のプリント回路基板(PCB)、及びマイクロフォンアセンブリを含むマイクロフォンアセンブリが提供される。マイクロフォンアセンブリには、サブケーシング、微小電気機械システム(MEMS)トランスデューサ、及び第2のPCBが含まれる。MEMSトランスデューサはサブケーシング内に配置され、第2のPCBはMEMSトランスデューサを支持する。第1のPCBは、第2のPCB及びMEMSトランスデューサの下に配置された第1の音響経路を画定する。第2のPCBは、MEMSトランスデューサの真下に配置された第1のオーディオポートを画定する。筐体は、オーディオ入力信号が第1のオーディオポートを通過してMEMSトランスデューサの下側に到達できるようにするために、第1の音響経路の真下に配置される第1の音響開口部を画定する。筐体は、第1の音響開口部から3~30mmの距離に配置された第2の音響開口部を画定する。
【0005】
少なくとも別の実施形態では、筐体、第1のプリント回路基板(PCB)、ポスト、及びマイクロフォンサブアセンブリを含むマイクロフォンアセンブリが提供される。マイクロフォンサブアセンブリは、サブケーシング、微小電気機械システム(MEMS)トランスデューサ、少なくとも1つのポート穴を含む。微小電気機械システム(MEMS)トランスデューサは、オーディオ入力信号を受信するためにサブケーシング内に配置される。少なくとも1つのポートは、サブケーシングの上面に配置される。ポストは、サブケーシングを封止するために、少なくとも1つのポート穴の上に配置される。
【0006】
少なくとも別の実施形態では、筐体、第1のプリント回路基板(PCB)及びマイクロフォンサブアセンブリを含むマイクロフォンアセンブリが提供される。マイクロフォンサブアセンブリは、サブケーシング、微小電気機械システム(MEMS)トランスデューサ、少なくとも1つのポート穴、及びカバーを含む。微小電気機械システム(MEMS)トランスデューサは、オーディオ入力信号を受信するためにサブケーシング内に配置される。少なくとも1つのポートは、サブケーシングの上面に配置される。カバーが、少なくとも1つのポート穴の上に配置され、第1のポート穴に対するカバーの位置に基づいて複数の周波数応答を提供するために、第1のポート穴の周りを移動可能である。
【0007】
本開示の実施形態は、添付の特許請求の範囲で詳細に指し示されている。しかしながら、様々な実施形態の他の特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することにより、より明らかになり、最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】マイクロフォンの振幅応答曲線の一例を示す。
【0009】
図2】様々な自動車オーディオ用途における異なるカットオフ周波数の例を示す。
【0010】
図3】単一のカットオフ周波数を達成するためのMEMSマイクロフォンの一例を示す。
【0011】
図4】マイクロフォンアセンブリの一例を示す。
【0012】
図5】一実施形態によるマイクロフォンアセンブリを示す。
【0013】
図6】一実施形態によるマイクロフォンサブアセンブリの詳細な実装を示す。
【0014】
図7】一実施形態による周波数応答曲線の一例を示す。
【0015】
図8】一実施形態による様々な周波数応答曲線の一例を示す。
【0016】
図9】一実施形態による様々な指向性の一例を示す。
【0017】
図10】一実施形態によるマイクロフォンアセンブリの別の詳細な実装を示す。
【0018】
図11】A及びBは、一実施形態によるマイクロフォンサブアセンブリのサブケーシングのそれぞれの上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態が本明細書中に開示されるが、開示された実施形態は、様々なかつ代替の形式で具現化され得る発明の単なる例であることが理解されよう。図は必ずしも縮尺通りではなく、一部の特徴は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張または最小化される場合がある。したがって、本明細書に開示される具体的な構造的及び機能的詳細は、限定的と解釈されるべきではなく、単に、本発明を様々に用いるように、当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0020】
本明細書で言及され得る方向に関する用語(例えば、「上側」、「下側」、「内側」、「外側」、「上部」、「底部」など)は、単に、添付の図に示されているように、マイクロフォンアセンブリに関連するトランスデューサアセンブリの様々なコンポーネントの向きを指すことが認識されよう。このような用語は、本明細書に開示される実施形態の文脈及び理解のために提供される。
【0021】
マイクロフォンアセンブリには、微小電気機械システム(MEMS)ベースのマイクロフォン要素(トランスデューサなど)またはエレクトレットコンデンサマイクロフォン(ECM)、マイクロフォン要素が取り付けられるプリント回路基板(PCB)アセンブリ、及び前述の機能を囲むハウジング(またはケーシング)を含むマイクロフォンサブアセンブリが含まれ得るが、これらに限定されない。したがって、マイクロフォンアセンブリは、MEMSマイクロフォン要素パッケージ(またはECM)よりもサイズが大きいことが理解される。
【0022】
カスタマ用途では、様々な周波数応答形状及び/または指向性を提供するマイクロフォン要素が必要になる場合がある。これは、様々な特定の用途のマイクロフォンアセンブリ全体で、異なるマイクロフォン要素モデルが必要になる場合があることを意味する。本明細書に記載の実施形態は、音響設計パラメータをマイクロフォン要素レベル(例えば、MEMSマイクパッケージ設計)(またはサブアセンブリレベル)からアセンブリレベルに拡張しようとするものである。つまり、アセンブリハウジング/ケーシングの構造及び形状パラメータを変更することによって、単一の共通のマイクロフォン要素パッケージを、複数のマイクロフォンサブアセンブリ設計で使用できる。例えば、車両のマイクロフォンアセンブリの設計では、現在、ハンズフリー通信やアクティブノイズキャンセレーション(ANC)用途を満たすために、様々な専用のMEMSマイクロフォン要素が必要になる場合がある。本明細書に記載の実施形態は、モジュールハウジングレベルのいくつかの設計特徴のみしか変更する必要がない、両方の用途に使用できる単一の共通MEMSマイクロフォン要素モデルを提供することができる。
【0023】
自動車用途では、マイクロフォンアセンブリ全体に保護ハウジングを含めることができ、車体に取り付けられる。他の用途では、マイクロフォン要素とPCBを製品のハウジング(携帯電話など)に直接取り付けることができる。この場合、最終製品のハウジング(例えば、携帯電話)は、マイクロフォンアセンブリをマイクロフォンアセンブリの保護ハウジングに封入(または格納)することができる。
【0024】
図1は、マイクロフォンの振幅応答曲線の一例を周波数の関数として示している。曲線は通常、プロットで定義された最低周波数から始まり、カットオフ周波数によって特徴付けられる立ち上がり応答形状を示す。マイクロフォンのカットオフ周波数は、通常、感度が1kHzで測定された通常の感度よりも3dB(または他の適切な値)低い周波数ポイントとして定義される。図2は、様々な用途(例えば、ANCに関連して使用されるマイクロフォン、またはハンズフリー通信の実装に関連して使用されるマイクロフォン)のカットオフ周波数の一例を示している。これらのマイクロフォンベースの用途は、車両に適用可能であり得る。示されているように、ANCで使用されるマイクのカットオフ周波数は20Hz未満であり、ハンズフリー用途に使用されるマイクロフォンのカットオフ周波数は200Hzを超えている。
【0025】
図3は、単一のカットオフ周波数を達成するためのMEMSマイクロフォントランスデューサ100の一例を示す。トランスデューサ100は、ダイアフラム102、バックプレート104、及びバッフル106を含む。ダイアフラム102は、一般に音圧励起下で動く。バックプレート104には複数の穴が設けられており、これにより、音響的に透過性であると考えられる音響波がそこを通過できるようになっている。ダイアフラム102及びバックプレート104は、ダイアフラム102の機械的運動をトランスデューサ100の電気(例えば、電圧)出力に伝達するコンデンサを形成する。ダイアフラム102は、オーディオ出力信号のカットオフ周波数を生成する経路108を画定する。MEMSマイクロフォンパッケージ(またはマイクロフォンアセンブリ)に組み立てられたとき、バッフル106及びパッケージケーシング(図3には示されていない)は、外部音波がダイアフラム102の一方の側から経路108を通って他方の側に到達できるだけであることを保証する。より長い波長を有する低周波音波が経路108を通過してダイアフラム102の両側に到達することはより容易であり得る。これにより、ダイアフラム102の2つの側の間の正味の圧力差は、高周波数よりも低周波数の方が少なくなるか全くなくなる(例えば、正味の動きがない)可能性がある。これは、経路108のサイズに比例するカットオフ周波数を有する一次ローパスフィルタを効果的に形成することができる。したがって、MEMSマイクロフォントランスデューサ100のカットオフ周波数を変更するには、経路108のサイズを調整する必要がある。そのため、既存の実装では、特定のカットオフ周波数ターゲットまたは特定の周波数応答を使用して、個々の用途ごとに異なるMEMS要素を使用する必要がある場合がある。
【0026】
図4は、マイクロフォンアセンブリ200(またはアセンブリ200)の一例を示している。マイクロフォンアセンブリ200は、保護ハウジングまたは筐体202、マイクロフォンサブアセンブリ204、電子回路206、及びプリント回路基板(PCB)208を含む。電子回路206は、マイクロフォンサブアセンブリ204と共にPCB208に取り付けられ、限定はしないが、ANC、ハンズフリー操作など、任意の数のオーディオ処理用途を実行することができる。電子回路206は、マイクロフォンサブアセンブリ204とインタフェースして、前述のオーディオ用途に関連する動作を実行することができる。
【0027】
マイクロフォンサブアセンブリ204は、サブケーシング220、MEMSトランスデューサ(またはマイクロフォン)222、特定用途向け集積回路(ASIC)224、及びPCBベース226を含む。MEMSトランスデューサ222及びASIC224は、PCBベース226上に配置される。サブケーシング220は、MEMSトランスデューサ222、ASIC224を囲み、その周囲に沿ってPCBベース226に(典型的にはんだ付けによって)封止する。MEMSトランスデューサ222は、ECMとして実装することもできることが認識される。PCBベース226は、第1のオーディオポート228を画定する。PCB208は、第1の音響経路230を画定し、ハウジング202のベース部分は、第1の音響開口部237を画定する。第1の音響経路230及び第1の音響開口部237は、第1のオーディオポート228と垂直に軸方向に整列する。図示されていないが、MEMSトランスデューサ222は、ダイアフラムに作用する音圧に応答して振動するかまたは励起されるダイアフラムを含む。ダイアフラムの下側は環境にさらされており、PCBベース226によって提供される第1のオーディオポート228、PCB208によって提供される第1の音響経路230、及びハウジング202によって提供される第1の音響開口部237にオーディオ信号が入ることができる。ASIC224は、MEMSトランスデューサ222によって捕捉された音を示す電気出力を提供する。
【0028】
図5は、一実施形態によるマイクロフォンアセンブリ300を示す。アセンブリ300は、保護ハウジング202、マイクロフォンサブアセンブリ204、電子回路206、及びPCB208を含む。同様に、図4に関連して上述したように、電子回路206は、マイクロフォンサブアセンブリ204と共にPCB208に取り付けられ、限定はしないが、ANC、ハンズフリー操作など、任意の数のオーディオ処理用途を実行することができる。電子回路206は、マイクロフォンサブアセンブリ204とインタフェースして、前述のオーディオ用途に関連する動作を実行することができる。
【0029】
同様に、図4に関連して述べたように、マイクロフォンアセンブリ204は、サブケーシング220、マイクロフォントランスデューサ222(MEMSまたはECM)、ASIC224、及びPCBベース226を含む。MEMSトランスデューサ222及びASIC224は、PCBベース226上に配置される。PCBベース226は、マイクロフォントランスデューサ222の真下に配置される第1のオーディオポート228aを画定する。第1の音響経路230は、PCB208によって画定される。筐体202のベース227は、第1の音響開口部237a及び第2の音響開口部237bを画定する。組み立てられると、PCBベース226によって提供される第1のオーディオポート228a、PCB208によって提供される第1の音響経路230、及び筐体202によって提供される第1の音響開口部237aは、垂直方向に軸方向に整列される。第2の音響開口部237bは、筐体202によって画定される空洞または容積302に直接開口する。第1の音響開口部237a及び第2の音響開口部237bは、筐体202(例えば、ベース227)の同じ表面上に配置され、距離dだけ離されてもよい。距離dは、好ましくは3~30mmの範囲内であり得る。マイクロフォンアセンブリ300が単方向マイクロフォンとして構成される場合、マイクロフォンの出力感度はdの値に比例する。dが小さすぎると、マイクロフォンの感度が非常に低くなり、最適ではない可能性がある。マイクロフォンアセンブリ300が様々なカットオフ周波数を有する無指向性マイクロフォンとして構成される場合、アセンブリ300は、互いに類似している第1及び第2の音響開口部237a、237bで示される音圧振幅に依存する。dが大きすぎると、第1及び第2の音響開口部237a、237bで示される音圧振幅に差が生じる可能性がある。第2の音響開口部237bは、累積距離dを好ましい範囲に維持しながら、筐体202の垂直に延びる側壁のいずれかに沿って配置することもできることが認識される。
【0030】
第1の音響開口部237a、第1の音響経路230、及び第1のオーディオポート228aは、マイクロフォントランスデューサ222の下側をアセンブリ300の外部の音場に通気することを可能にする。サブケーシング220は、その上部側に配置された少なくとも1つの第2のオーディオポート228b(以下、ポート穴228b)を画定する。同様に、第2の音響開口部237bは、アセンブリ300の外部の音場が、筐体202によって画定される空洞または容積302に入ることを可能にすることができる。これにより、その後、マイクロフォントランスデューサ222の上面を、ポート穴228bを通して外部音場に通気することが可能になり得る。マイクロフォンアセンブリ300が様々なカットオフ周波数を有する無指向性マイクロフォンとして構成される場合、ポート穴228bの開口面積のサイズがカットオフ周波数を決定する。ポート穴228bが円形である場合、好ましい直径範囲は0.01mmから1mmの間である。これにより、ハンズフリーマイクロフォン用途に適したカットオフ周波数が得られる。ポート穴228bが他の幾何学的形状である場合及び/または複数の形態である場合、有効総開口面積は、直径0.01mmから1mmの円形のポート穴によって提供されるものと同等の範囲にあることが好ましい。
【0031】
ポスト304は、サブケーシング220の上部側に配置され、ポート穴228bの上部に直接取り付けられてもよい。ポスト304は、筐体202と一体化され得る。ポスト304は、サブケーシング220の上部側から筐体202の上部309の下側まで延在する。ポスト304は、提供される場合、封止機構として機能し、ポート穴228bを封止することができる。第1の音響抵抗要素310a(例えば、布、焼結材料、発泡体、微細機械加工またはレーザードリル穴アレイなど)は、筐体202のベース227の下に配置され得る。第1の音響抵抗要素310aは、第1の音響開口部237aの真下または真上に配置することができる。第2の音響抵抗要素310b(例えば、布、焼結材料、発泡体、微細機械加工またはレーザードリル穴アレイなど)も、筐体202のベース227の下に配置され得る。第2の音響抵抗要素310bは、第2の音響開口部237bの真下または真上に配置することができる。第1の音響抵抗要素310a及び第2の音響抵抗要素310bの追加はまた、外部環境の異物及び湿気がマイクロフォンアセンブリ300の内部に入るのを防ぐ侵入に対する保護機構として機能する。
【0032】
ポスト304、第1の音響抵抗要素310a、及び第2の音響抵抗要素310bのうちの任意の1つ以上が、アセンブリ300上で利用されても利用されなくてもよいことが認識される。ポスト304、第1の音響抵抗要素310a、及び第2の音響抵抗要素310bの利用は、アセンブリ300に異なる周波数応答または指向性パターンを提供し得る。例えば、ポスト304、第1の音響抵抗要素310a、及び第2の音響抵抗要素310bがアセンブリ300に実装されていない場合、ポート穴228bは封止されておらず、マイクロフォンダイアフラムの両側が外部音場に露出している。この場合、ポート穴228bは、図3に関連して説明した経路108として効果的に機能する。したがって、マイクロフォンサブアセンブリ204は、ポート穴228bの開口面積のサイズによって決定されるカットオフ周波数を有する立ち上がり周波数応答を可能にする。マイクロフォンアセンブリ300は、図7に示されるプロットの波形402に示されるように立ち上がり周波数応答を有する無指向性マイクロフォンとして機能する。波形402は、ハンズフリー通信などの用途に好ましい200Hzよりも高いカットオフ周波数を示す。
【0033】
アセンブリ300のポート穴228bを封止するためにポスト304が使用され、第1の音響抵抗要素310a及び第2の音響抵抗要素310bが存在しない場合、マイクロフォンダイアフラムの下側のみが外部音場に露出される。このような場合、マイクロフォンサブアセンブリ204及びマイクロフォンアセンブリ300は、図7に示すプロットの波形404に示すように、周波数応答が平坦な無指向性マイクロフォンとして機能する。波形404は、ANCなどの用途に適したものであり得る20Hz未満であるカットオフ周波数を示す。
【0034】
ポスト304を利用するか、ポスト304を利用しないかのいずれかによって、マイクロフォンアセンブリ300が様々なカットオフ周波数を有する無指向性マイクロフォンとして配置される場合、第1の音響抵抗要素310a及び第2の音響抵抗要素310bを実装する必要はない場合がある。しかし、実際には、抵抗値の小さい第1の音響抵抗要素310a及び第2の音響抵抗要素310bを含み、異物や水分の侵入を防ぐ侵入に対する保護機構として機能することは好ましいことであり得る。
【0035】
ポスト304がなく、第1の音響抵抗要素310a及び第2の音響抵抗要素310bがある場合、マイクロフォンアセンブリ300はまた、一方向(カーディオイド)応答特性を提供するように構成され得る。音源または話し手がアセンブリ300の左側に存在する場合、ピックアップ感度ビーム(極性パターン)を左側(θ=0°)に向けるが、他の方向(例えば、マイクロフォンアセンブリ300の右または後ろから)からの望ましくない音のピックアップを区別するのが望ましい場合がある。ポスト304がない場合、マイクロフォンアセンブリ300は、外部の音またはオーディオ信号が第1の音響開口部237aに入り、それによってトランスデューサ222の下側(したがってダイアフラム)に到達することを可能にする。同様に、外部の音またはオーディオ信号は、第2の音響開口部237bを通って伝達され、それによってトランスデューサ222の上側(したがってダイアフラム)に到達する。マイクロフォンサブアセンブリ204の出力は、トランスデューサ222(またはダイアフラム)の両側に衝突する2つの音圧の間の減算または「音響勾配」の関数であり得る。伝達経路の違いにより、音源がトランスデューサ222の両側に到達する時間差に対応する相対的な位相遅延が生じる。このような位相遅延により、マイクロフォンアセンブリ300は、特定の極性パターンのような望ましい性能を達成することができる。
【0036】
所望のカーディオイド指向性形状を達成するために、第2の音響抵抗要素310bの一定量の音響抵抗レベルRsbが、遅延距離d及び音響コンプライアンスCによって決定される特定の数学的関係を満たすために必要とされ得る。一般に、Rsbはd/Cの商に比例する必要があり、ここで、Cの値は、第2の音響開口部237b、空洞302、ポート穴228b、及びマイクロフォン要素204のサブケーシング220によって取り囲まれた容積231の組み合わされた空気容積によって決定される。第1の音響抵抗要素310aは省略してもよいし、含めてもよいことに留意されたい。第1の音響抵抗要素310aの音響抵抗値は、第2の音響抵抗要素310bの音響抵抗値より小さくてもよく、異物や水分の侵入を防ぐために使用してもよい。
【0037】
図8は、一実施形態による、図5に示されるような単方向マイクロフォンとして構成された場合のマイクロフォンアセンブリ300のシミュレートされた周波数応答形状の例を示す。具体的には、図8は、第1の音響開口部237aに対してθによって示される様々な方向から周波数に対して伝達される音響入力に対するマイクロフォンアセンブリ300の電気出力のdB単位の周波数応答比をプロットする。
【0038】
図9は、図5に関連して上述したマイクロフォンアセンブリ300に起因するカーディオイド極指向性または空間フィルタリングの一例を示すシミュレートされたプロットである。
【0039】
図6は、一実施形態によるマイクロフォンサブアセンブリ204の詳細図を示している。トランスデューサ222は、可動であるダイアフラム102と、固定されているがバックプレート104に分散された複数のスルーホールによって音響透過性であるバックプレート104とを含む。トランスデューサ222及びASIC224は、PCBベース226上に配置され、サブケーシング220によって形成された空洞231内に封入される。上述のように、PCBベース226は第1のオーディオポート228aを画定し、サブケーシング220はポート穴228bを画定する。外部オーディオ信号は、第1のオーディオポート228aと、トランスデューサ222及びPCBベース226の間で封止された空洞231とを通って、ダイアフラム102の下側に到達することができる。同様に、外部オーディオ信号は、ポート穴228bと、トランスデューサ222、サブケーシング220及びPCBベース226の間で封止された空洞231とを通って、ダイアフラム102の上面に到達することができる。さらに、オーディオ信号は、ダイアフラム102によって画定される経路108を介して、ダイアフラム102の一方の側から他方の側に到達することもできる。ダイアフラム102は、加えられる正味の音圧(すなわち、2つの側の間の圧力差)によって励起される。前述のように、外部オーディオ信号の場合、経路108とオーディオポート228bの両方が、それらの相対的なサイズに基づくカットオフ周波数値を持つリーク経路として機能する。この態様は、マイクロフォンアセンブリ300の立ち上がり周波数応答形状をもたらし得る。一般に、マイクロフォンサブアセンブリ204の全体サイズに加えて経路108のサイズを変更することはより困難であるため、マイクロフォンアセンブリ300は、ポート穴228bの封止または封止解除状態(すなわち、開口面積)を調整することによって立ち上がり応答のカットオフ周波数を調整するアプローチを開示する。例えば、マイクロフォンサブアセンブリ204のトランスデューサ222によって画定される経路108は、ポート穴228bが封止された状態で、マイクロフォンサブアセンブリ204の立ち上がり応答のカットオフ周波数が20Hzより低くなり得るように小さく維持される場合、省略または無視されてもよい。
【0040】
上記に照らして、アセンブリ300は、ダイアフラム102によって画定される経路108の全体サイズが固定されている単一のマイクロフォンサブアセンブリ204を利用しながら、複数の周波数応答形状または指向性を提供する。ポスト304、第1の音響抵抗要素310a、第2の音響抵抗要素310bの利用状況、及び第1の音響抵抗要素310a及び第2の音響抵抗要素310bの値に基づいて、マイクロフォンアセンブリ300は、フラットな周波数応答(つまり、カットオフ周波数が20Hz未満)の無指向性マイクロフォン、立ち上がり周波数応答を有する無指向性マイクロフォン、カーディオイド極指向性を有する単一指向性マイクロフォンとして動作することができる。
【0041】
図10は、一実施形態によるマイクロフォンサブアセンブリ204のサブケーシング220の別の詳細図を示す。可動カバー400は、ポート穴228bの上に置かれる。一例では、カバー400は、接着テープまたは他の適切な材料に対応することができる。図5のポスト304の機能と同様に、カバー400は、封止機構として機能し、ポート穴228bを封止することができる。別の例では、カバー400は、ポート穴228bに対してスライドすることができる。第1のガイドレール及び第2のガイドレールは、互いに軸方向に離間し、サブケーシング220の上部側に配置され得る。カバー400は、第1のガイドレール及び第2のガイドレールに沿ってスライドして、0%~100%のポート穴228bのカバー範囲のレベルを変化させてもよい。ポート穴228bは、カバー400がポート穴228bから離れるように移動されるとき、完全に開いていてもよい。逆に、ポート穴228bは、カバー400によって完全に閉じられているか、または覆われていてもよい。カバー400はまた、ポート穴228bが覆われていない、部分的に覆われている、または完全に覆われているように、ポート穴228bに対して任意の数の位置に配置することができる。
【0042】
上述のように、外部オーディオ信号は、第2のオーディオポート228bを通って、(例えば、第1のオーディオポート228a及び第1の音響経路230を介して)ダイアフラム102の下側及び(例えば、第2の音響開口部237b及びポート穴228bを介して)ダイアフラム102の上部側、の両方に到達する。より波長の長い低周波の音波ほど、小さな開口部を通過しやすい。したがって、ポート穴228bのサイズに応じて、カバー400をポート穴228bに関連する異なる位置に配置することにより、マイクロフォンサブアセンブリ204及びマイクロフォンアセンブリ300の全体的な設計を大幅に変更することなく、様々な周波数応答を有する無指向性マイクロフォンを提供することができる。例えば、カバー400が実装されていない場合、またはアセンブリ300の第2のオーディオポート228bを実質的に開いたままにするように配置されている場合、アセンブリ300は、図7に示されているプロットの波形402に示すように立ち上がり周波数応答を有する無指向性マイクロフォンとして機能する。カバー400がポート穴228bを完全に覆っている場合、マイクロフォンアセンブリ300は、図7に示されているプロットの波形404に示されているように、フラットな周波数応答を有する無指向性マイクロフォンとして動作する。カバー400が第2のオーディオポート228bを部分的に覆っている場合、マイクロフォンアセンブリ300は、カットオフ周波数が図7に示される波形402と404の間のプロットの波形403に示されるように、立ち上がり周波数応答を有する無指向性マイクロフォンとして機能する。
【0043】
第1の音響抵抗要素310a及び第2の音響抵抗要素310bはまた、カバー400が提供されるかどうかに関係なく、マイクロフォンアセンブリ300上に実装されてもよいことが認識される。第1の音響抵抗要素310a及び第2の音響抵抗要素310bは、単に異物や水分の侵入を防ぐために設けられてもよい。第1の音響抵抗要素310a及び第2の音響抵抗要素310bの実装が提供されている間、カバー400が使用されない場合、第2の音響抵抗要素310bの音響抵抗値が前述の数学的関係を満たす限り、マイクロフォンアセンブリ300は、カーディオイド指向性パターンを有する単方向マイクロフォンとして動作する。
【0044】
図11Aは、マイクロフォンサブアセンブリ204のサブケーシング220及びポート穴228bの上面図を示す。図11Bは、サブケーシング220及びポート穴228bの別の上面図を示す。この場合、ポート穴228bは、所望のパターンを呈する複数の穴420として形成されてもよい。複数の穴420のうちの1つまたは複数を封止して(または覆い)、漸進的に調整可能なカットオフ周波数を提供することができる。例えば、この態様は、アセンブリ300が、マイクロフォンサブアセンブリ204の全体的な設計を大幅に変更することなく、可変周波数応答を有する無指向性マイクロフォンを提供することを可能にし得る。穴420の数は、特定の実装の所望の基準に基づいて変化し得ることが認識される。
【0045】
例示的な実施形態を上述したが、これらの実施形態が本発明のあらゆる可能な形式を記載することは意図されない。むしろ、本明細書で用いられた語句は限定ではなく説明のための語句であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更が成され得ることが理解される。さらに、様々な実装する実施形態の特徴は組み合わされて本発明のさらなる実施形態を形成し得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
【国際調査報告】