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特表2023-529554歯周病に関連する口腔炎症をモニタリングするキット及び方法
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  • 特表-歯周病に関連する口腔炎症をモニタリングするキット及び方法 図1
  • 特表-歯周病に関連する口腔炎症をモニタリングするキット及び方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-11
(54)【発明の名称】歯周病に関連する口腔炎症をモニタリングするキット及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/50 20060101AFI20230704BHJP
   A61C 19/04 20060101ALI20230704BHJP
   G01N 21/78 20060101ALI20230704BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20230704BHJP
   G01N 33/49 20060101ALI20230704BHJP
   G01N 33/52 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
G01N33/50 G
A61C19/04 Z
G01N21/78 A
G01N33/53 K
G01N33/49 A
G01N33/52 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566113
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(85)【翻訳文提出日】2022-12-08
(86)【国際出願番号】 CA2021050604
(87)【国際公開番号】W WO2021217272
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】63/017,753
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522421967
【氏名又は名称】オーラル サイエンス インターナショナル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】グロガウア,マイケル
【テーマコード(参考)】
2G045
2G054
4C052
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045CB05
2G045CB07
2G045FB17
2G045GA03
2G054AA02
2G054AB05
2G054CA21
2G054EB05
2G054FA02
2G054GB01
2G054GB04
2G054GB05
4C052AA20
4C052NN05
4C052NN15
(57)【要約】
炎症を示すバイオマーカーに基づいて口腔の炎症レベルを検出するキットは、所定量の少なくとも1つの物質を収容するカップと、所定の炎症レベルに対応する比色基準と、比色基準に一致するように少なくとも1つのリンス物質中のバイオマーカーと反応する比色インジケータとを含む。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炎症を示すバイオマーカーに基づいて口腔の炎症レベルを検出する方法であって、
所定のリンス物質による前記口腔のリンスからの前記リンス物質を前記口腔から収集することと、
前記バイオマーカーと反応する比色インジケータを前記リンス物質に曝すことと、
前記比色インジケータを前記リンス物質との反応を可能にした後、前記口腔の前記炎症レベルを検出するべく、前記比色インジケータの色を比色基準と比較することと
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記収集の前に前記所定量の前記リンス物質で前記口腔の前記リンスを行うことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リンスを行う前に、前記口腔の予備リンスを行うことを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記予備リンスを行うことは、前記予備リンスを水で行うことを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記予備リンスを水で行うことは、前記予備リンスを滅菌水及び/又は蒸留水で行うことを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記リンスを行う前に、少なくとも1つのユーザ変数に基づいて前記リンス物質の前記所定量を決定することを含む、請求項2から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのユーザ変数に基づく前記リンス物質の前記所定量の決定は、体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数を前記少なくとも1つのユーザ変数として使用することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記リンスを行う前に、前記リンスの持続時間を決定することを含む、請求項2から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記リンスの持続時間の決定は、少なくとも1つのユーザ変数に基づき、前記少なくとも1つのユーザ変数は、前記少なくとも1つのユーザ変数としての体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記リンスを行うことは、水を用いて前記リンスを行うことを含み、前記水は、所定の品質基準を満たす、請求項2から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記リンスを水で行うことは、前記リンスを滅菌水及び/又は蒸留水で行うことを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記リンスを行うことは、カップを使用することを含み、かつ前記リンス物質を収集することは、前記カップを使用することを含む、請求項2から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記比色インジケータを前記リンス物質に曝すことは、テストストリップを使用することを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記テストストリップを使用することは、前記テストストリップの少なくとも一部をリンス物質に浸漬することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記比較から炎症レベルに関連する値を取得することを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記値の関数として経口摂取される抗生物質の用量を決定することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記値の関数として、治療リンスの必要性を決定することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
処理部において前記炎症レベルに関連する前記色及び前記値を記録する及び/又は画像化することをさらに含む、請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
炎症レベルの変動を検出するために反復可能である、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記比色インジケータを前記リンス物質に曝すことは、前記比色インジケータを前記リンス物質中の好中球に曝すことを含み、前記比色インジケータは、前記好中球と反応する、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
炎症を示すバイオマーカーに基づいて口腔の炎症レベルを検出するキットであって、
所定の炎症レベルに対応する比色基準と、
前記比色基準に一致するようにリンス物質中のバイオマーカーと反応する比色インジケータと
を含む、前記キット。
【請求項22】
一定量の前記リンス物質を含む、請求項21に記載のキット。
【請求項23】
前記リンス物質は、水であり、前記水は、所定の品質基準を満たす、請求項22に記載のキット。
【請求項24】
前記水は、滅菌水及び/又は蒸留水である、請求項23に記載のキット。
【請求項25】
前記リンス物質は、体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数を含む少なくとも1つのユーザ変数に基づく所定量である、請求項22から24のいずれか一項に記載のキット。
【請求項26】
使用される前記リンス物質の量及び前記リンスの持続時間を決定する説明書を含む、請求項22から25のいずれか一項に記載のキット。
【請求項27】
前記説明書は、体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数を含む少なくとも1つのユーザ変数を考慮に入れることを含む、請求項26に記載のキット。
【請求項28】
一定量の予備リンス物質を含む、請求項21から27のいずれか一項に記載のキット。
【請求項29】
前記予備リンス物質は、水である、請求項28に記載のキット。
【請求項30】
予備リンス用の前記水は、滅菌水及び/又は蒸留水である、請求項29に記載のキット。
【請求項31】
前記予備リンス物質は、体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数を含む少なくとも1つのユーザ変数に基づく所定量である、請求項28から30のいずれか一項に記載のキット。
【請求項32】
使用される前記予備リンス物質の量及び前記予備リンスの持続時間を決定する説明書を含む、請求項28から31のいずれか一項に記載のキット。
【請求項33】
前記説明書は、体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数を含む少なくとも1つのユーザ変数を考慮に入れることを含む、請求項32に記載のキット。
【請求項34】
前記リンス物質と前記予備リンス物質は、同じである、請求項28から33のいずれか一項に記載のキット。
【請求項35】
前記リンス物質用に構成されたカップを含む、請求項21から34のいずれか一項に記載のキット。
【請求項36】
前記カップは、計量カップである、請求項35に記載のキット。
【請求項37】
前記カップは、滅菌カップである、請求項35及び36のいずれか一項に記載のキット。
【請求項38】
前記比色インジケータは、テストストリップの一部である、請求項21から37のいずれか一項に記載のキット。
【請求項39】
前記テストストリップは、前記比色インジケータを有する吸収性パッドを有する、請求項38に記載のキット。
【請求項40】
複数の前記テストストリップを含む、請求項38及び39のいずれか一項に記載のキット。
【請求項41】
前記比色基準は、比色チャートである、請求項21から40のいずれか一項に記載のキット。
【請求項42】
前記比色チャートは、複数の所定の炎症レベルのそれぞれに対応する複数の値を有する、請求項41に記載のキット。
【請求項43】
前記比色インジケータは、好中球反応性インジケータである、請求項21~42のいずれか一項に記載のキット。
【請求項44】
炎症を示すバイオマーカーに基づいてユーザの口腔の炎症レベルを検出するシステムであって、
処理部と、
非一時的なコンピュータ可読メモリであって、前記処理部と通信可能に結合され、かつ前記処理部によって、
前記ユーザによるリンス後にリンス物質に曝された、既知のバイオマーカーと反応する比色インジケータの画像を取得し、
前記比色インジケータの色と比色基準とを比較して前記口腔の前記炎症レベルを検出し、かつ
前記口腔の前記炎症レベルを出力するように、実行可能な前記コンピュータ可読プログラム命令を含む前記非一時的なコンピュータ可読メモリと
を含む、前記システム。
【請求項45】
前記コンピュータ可読プログラム命令は、前記ユーザが前記リンスを行う前に少なくとも1つのユーザ変数に基づいて前記リンス物質の量を決定することを含むために、処理部によって実行可能である、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記コンピュータ可読プログラム命令は、体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数である前記少なくとも1つのユーザ変数に基づいて前記リンス物質の量を決定するために、処理部によって実行可能である、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記コンピュータ可読プログラム命令は、前記リンスを行う前に前記リンスの持続時間を決定するために、前記処理部によって実行可能である、請求項45及び46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項48】
前記コンピュータ可読プログラム命令は、体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数である前記少なくとも1つのユーザ変数に基づいて前記リンスの持続時間を決定するために、前記処理部によって実行可能である、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記コンピュータ可読プログラム命令は、前記口腔の前記炎症レベルの関数として経口摂取される抗生物質の用量を決定するために、前記処理部によって実行可能である、請求項44から48のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項50】
前記コンピュータ可読プログラム命令は、前記炎症レベルの関数として治療リンスの要否を決定するために、前記処理部によって実行可能である、請求項44から49のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項51】
前記コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザファイルに前記色及び/又は前記炎症レベルを記録するために、前記処理部によって実行可能である、請求項44から50のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項52】
前記コンピュータ可読プログラム命令は、炎症レベルの変動を検出するように、前記処理部によって反復的に実行可能である、請求項44から51のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年4月30日に出願され、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第63/017,753号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、ヒト患者における歯周病に関連する口腔炎症をモニタリングするための非侵襲的診断試験に関する。
【背景技術】
【0003】
歯周病のスクリーニングは、これまで、定期的な検査を実施するために歯科医への定期的な通院を必要とした。歯周病は、歯を支える骨、歯肉(歯茎)、及び靭帯の喪失をもたらす炎症状態である。歯支持組織(歯周組織)の破壊は、好中球と呼ばれる特殊な白血球が細菌感染を封じ込めようとするときに放出する酵素によって引き起こされる付随的な損傷の結果として発生する可能性がある。歯周病は、人間に発生する最も一般的な病気の1種である。
【0004】
通常、歯周病の重症度の診断は、失われた骨、靭帯及び歯肉組織の量の定期的な専門的な歯科検査によって決定される。この検査では、歯を取り囲む歯茎組織の下に薄い金属プローブを挿入する必要がある。プーロ部が伸びる深さは、歯の周囲の支持組織の「剥離」及び喪失の程度を示す。重要な尺度は、進行中の疾患活動を示唆する可能性のある炎症の程度を示すプローブ挿入の後に発生する出血の程度である。この出血は、進行中の疾患活動の大まかな定量的尺度を提供する。いくつかの研究では、出血の程度が、特定の歯の周囲の将来の歯周組織喪失の正確な予測因子であることが示される。この出血尺度は、臨床医が使用するプロービング力に依存するため、特定の患者について、設備の間又は臨床医の間で比較することができない。
【0005】
歯周組織及び免疫系の細胞によって口腔内に放出される酵素を特定するために開発された生化学的検査もある。ただし、これらの検査を実行するには、特殊な機器とトレーニングが必要である。
【0006】
歯周病が通常痛みを伴わないため、患者は常に自分の口内に発生する任意の活動性疾患があることに気付かない。自分の歯を磨くときに時折の出血に気付く人がいるが、出血が本質的に一過性であることが多いため、これを無視することを選択する人もいる。いくつかの研究では、口腔炎症の可能性のある尺度として、歯を取り囲む歯肉の隙間を通って口内に侵入する好中球の存在と相関する。さらに、口腔液は、他の状態を示す可能性のある細胞を運ぶ可能性がある。現在、顕微鏡は歯科医に販売されてそれらが歯の周囲のサンプルから採取した好中球を視覚的にカウント又は定量化することができる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の第1の態様では、炎症を示すバイオマーカーに基づいて口腔の炎症レベルを検出する方法を提供し、前記方法は、所定のリンス物質による前記口腔のリンスからの前記リンス物質を前記口腔から収集することと、前記バイオマーカーと反応する比色インジケータを前記リンス物質に曝すことと、前記比色インジケータを前記リンス物質との反応を可能にした後、前記口腔の前記炎症レベルを検出するべく、前記比色インジケータの色を比色基準と比較することと、を含む。
【0008】
さらに第1の態様によれば、例えば、前記所定量の前記リンス物質での前記口腔の前記リンスは、前記収集の前に行われてもよい。
【0009】
さらに第1の態様によれば、例えば、前記口腔の予備リンスは、前記リンスを行う前に行われてもよい。
【0010】
さらに第1の態様によれば、例えば、前記予備リンスを行うことは、前記予備リンスを水で行うことを含む。
【0011】
さらに第1の態様によれば、例えば、前記予備リンスを水で行うことは、滅菌水及び/又は蒸留水で前記予備リンスを行うことを含む。
【0012】
さらに第1の態様によれば、例えば、少なくとも1つのユーザ変数に基づく前記リンス物質の前記所定量の決定は、前記リンスを行う前に行われてもよい。
【0013】
さらに第1の態様によれば、例えば、前記少なくとも1つのユーザ変数に基づく前記リンス物質の前記所定量の決定は、体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数を前記少なくとも1つのユーザ変数として使用することを含む。
【0014】
さらに第1の態様によれば、例えば、前記リンスの持続時間の決定は、前記リンスを行う前に行われてもよい。
【0015】
さらに第1の態様によれば、例えば、前記リンスの持続時間の決定は、少なくとも1つのユーザ変数に基づき、前記少なくとも1つのユーザ変数は、前記少なくとも1つのユーザ変数としての体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数を含む。
【0016】
さらに第1の態様によれば、例えば、前記リンスを行うことは、前記リンスを水で行うことを含み、前記水は、所定の品質基準を満たす。
【0017】
さらに第1の態様によれば、例えば、前記リンスを水で行うことは、滅菌水及び/又は蒸留水で前記リンスを行うことを含む。
【0018】
さらに第1の態様によれば、例えば、前記リンスを行うことは、カップを使用することを含み、かつ前記リンス物質を収集することは、前記カップを使用することを含む。
【0019】
さらに第1の態様によれば、例えば、前記比色インジケータを前記リンス物質に曝すことは、テストストリップを使用することを含む。
【0020】
さらに第1の態様によれば、例えば、前記テストストリップを使用することは、前記テストストリップの少なくとも一部をリンス物質に浸漬することを含む。
【0021】
さらに第1の態様によれば、例えば、前記炎症レベルに関連する値は、前記比較から取得されてもよい。
【0022】
さらに第1の態様によれば、例えば、経口摂取される抗生物質の用量は、前記値の関数として決定されてもよい。
【0023】
さらに第1の態様によれば、例えば、治療リンスの必要性は、前記値の関数として決定されてもよい。
【0024】
さらに第1の態様によれば、例えば、前記炎症レベルに関連する前記色及び前記値を記録する及び/又は画像化は、処理部において行われてもよい。
【0025】
さらに、第1の態様によれば、例えば、前記方法は、炎症レベルの変動を検出するように反復可能であってもよい。
【0026】
さらに第1の態様によれば、例えば、前記比色インジケータを前記リンス物質に曝すことは、前記比色インジケータを前記リンス物質中の好中球に曝すことを含み、前記比色インジケータは、前記好中球と反応する。
【0027】
本発明の第2の態様によれば、炎症を示すバイオマーカーに基づいて口腔の炎症レベルを検出するキットを提供し、前記キットは、所定の炎症レベルに対応する比色基準と、前記比色基準に一致するようにリンス物質中のバイオマーカーと反応する比色インジケータとを含む。
【0028】
さらに第2の態様によれば、例えば、一定量の前記リンス物質を含んでもよい。
【0029】
さらに第2の態様によれば、例えば、前記リンス物質は、水であり、前記水は、所定の品質基準を満たす。
【0030】
さらに第2の態様によれば、例えば、前記水は、滅菌水及び又は蒸留水である。
【0031】
さらに第2の態様によれば、例えば、前記リンス物質は、体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数を含む少なくとも1つのユーザ変数に基づく所定量である。
【0032】
さらに第2の態様によれば、例えば、使用される前記リンス物質の量及び前記リンスの持続時間を決定する説明書を含んでもよい。
【0033】
さらに第2の態様によれば、例えば、前記説明書は、体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数を含む少なくとも1つのユーザ変数を考慮に入れることを含んでもよい。
【0034】
さらに第2の態様によれば、例えば、一定量の前記予備リンス物質を含んでもよい。
【0035】
さらに第2の態様によれば、例えば、前記予備リンス物質は、水である。
【0036】
さらに第2の態様によれば、例えば、予備リンス用の前記水は、滅菌水及び又は蒸留水である。
【0037】
さらに第2の態様によれば、例えば、前記予備リンス物質は、体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数を含む少なくとも1つのユーザ変数に基づく所定量である。
【0038】
さらに第2の態様によれば、例えば、使用される前記予備リンス物質の量及び前記予備リンスの持続時間を決定する説明書を含んでもよい。
【0039】
さらに第2の態様によれば、例えば、前記説明書は、体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数を含む少なくとも1つのユーザ変数を考慮に入れることを含んでもよい。
【0040】
さらに第2の態様によれば、例えば、前記リンス物質と前記予備リンス物質とは、同じである。
【0041】
さらに第2の態様によれば、例えば、カップは、存在し、かつ前記リンス物質用に構成されてもよい。
【0042】
さらに第2の態様によれば、前記カップは、計量カップである。
【0043】
さらに第2の態様によれば、例えば、前記カップは、滅菌カップである。
【0044】
さらに第2の態様によれば、例えば、前記比色インジケータは、テストストリップの一部である。
【0045】
さらに第2の態様によれば、例えば、前記テストストリップは、前記比色インジケータを有する吸収性パッドを有する。
【0046】
さらに第2の態様によれば、例えば、複数のテストストリップが存在する。
【0047】
さらに第2の態様によれば、例えば、比色基準は、比色チャートである。
【0048】
さらに第2の態様によれば、例えば、前記比色チャートは、複数の所定の炎症レベルのそれぞれに対応する複数の値を有する。
【0049】
さらに第2の態様によれば、例えば、前記比色インジケータは、好中球反応性インジケータである。
【0050】
本発明の第3の態様によれば、炎症を示すバイオマーカーに基づいてユーザの口腔の炎症レベルを検出するシステムを提供し、前記システムは、処理部と、前記処理部と通信可能に結合され、かつ前記処理部によって、前記ユーザによるリンス後にリンス物質に曝された、既知のバイオマーカーと反応する比色インジケータの画像を取得し、前記比色インジケータの色と比色基準とを比較して前記口腔の前記炎症レベルを検出し、かつ前記口腔の前記炎症レベルを出力するように実行可能なコンピュータ可読プログラム命令を含む非一時的なコンピュータ可読メモリとを含む。
【0051】
さらに第3の態様によれば、例えば、前記コンピュータ可読プログラム命令は、前記ユーザが前記リンスを行う前に少なくとも1つのユーザ変数に基づいて前記リンス物質の量を決定することを含むために、処理部によって実行可能である。
【0052】
また、第3の態様によれば、例えば、前記コンピュータ可読プログラム命令は、体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数である前記少なくとも1つのユーザ変数に基づいて前記リンス物質の量を決定するために、処理部によって実行可能である。
【0053】
さらに第3の態様によれば、例えば、前記コンピュータ可読プログラム命令は、前記リンスを行う前に前記リンスの持続時間を決定するために、前記処理部によって実行可能である。
【0054】
さらに第3の態様によれば、例えば、前記コンピュータ可読プログラム命令は、体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数である前記少なくとも1つのユーザ変数に基づいて前記リンスの持続時間を決定するために、前記処理部によって実行可能である。
【0055】
さらに第3の態様によれば、例えば、前記コンピュータ可読プログラム命令は、前記口腔の前記炎症レベルの関数として経口摂取される抗生物質の用量を決定するために、前記処理部によって実行可能である。
【0056】
さらに第3の態様によれば、例えば、前記コンピュータ可読プログラム命令は、前記炎症レベルの関数として治療リンスの要否を決定するために、前記処理部によって実行可能である。
【0057】
さらに第3の態様によれば、例えば、前記コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザファイル内の前記色及び/又は前記炎症レベルを記録するために、前記処理部によって実行可能である。
【0058】
さらに第3の態様によれば、例えば、前記コンピュータ可読プログラム命令は、炎症レベルの変動を検出するように、前記処理部によって反復的に実行可能である。
【0059】
ここで、以下の詳細な説明を、添付の図面と併せて参照する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】本発明の一態様にかかる口腔の炎症レベルを検出するキットの実施形態である。
図2】本発明の他の態様にかかる口腔の炎症レベルを検出する方法の一実施形態のステップのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本技術の一態様では、所与の被験者の口腔内の炎症レベルを検出するキット10を提供する。キット10による口腔内の炎症を示すバイオマーカーの検出は、歯周病の存在及び/又は重症度と相関し、その結果、歯科治療を求める必要性を示すことができる。したがって、キット10は、専門的な臨床監督なしで使用し、すなわち、エンドユーザによる自己管理を意図して提供することができる。キット10はまた、臨床医(例えば、歯科医、歯列矯正医、内科医、薬剤師)、と看護師、歯科衛生士などの関連職員とによって使用されてもよい。キット10の使用は、したがって、臨床的に使用されるか、予防に基づいて処方されてもよく、又は既存の歯周病症例の推移をモニタリングするために使用されてもよい。
【0062】
図1を参照すると、キット10は、一般に、第1のリンス物質20、第2のリンス物質30、カップ40などの容器、比色基準50及び/又は比色インジケータ60を含む(注:colourimetricは、colorimetricと表記することができる)。キット10は、より少ない又はより多くの品目を含むことができる。第1及び第2のリンス物質20、30は、例えば、所定量で提供された水ベースの物質であってもよい。実施形態では、第1及び第2のリンス物質20、30は両方とも、所定量の用量容器20a、30a、例えば、それぞれ約10mLの単一用量容器に包装された純水及び/又は滅菌水である。あるいは、第1及び第2のリンス物質20、30を、複数の用量を有するバルク容器に入れてもよい。第1及び第2のリンス物質20、30は、同じであってもよく、ボトルなどの単一の多用量容器に入ってもよい。第1及び第2のリンス物質20、30のいずれか又は両方は、所定の工業又は規制品質基準、例えば、USP(登録商標)規格を満たす水であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のリンス物質20は、代わりに蒸留水又は水道水であってもよい。いくつかの実施形態では、第1及び第2のリンス物質20、30のいずれかは、キット10から省略されてもよく、別の方法で提供されてもよい。第1及び/又は第2のリンス物質20(存在する場合)、30の容積は、ユーザの口腔サイズの関数として選択されてもよい。例えば、容積は、例えば容積測定によって得られる、年齢(例えば、子供、大人)、性別、ユーザの身長、又は口腔容積に基づくことができる。
【0063】
カップ40は、キット10内で使用できる液体容器の一例であるが、ユーザは個人用のカップを使用することもできる。カップ40は、キット10の一部として提供される場合、少なくとも所定量の第2のリンス物質30を収容するようにサイズ付けられる。例えば、カップ40は、所定量、例えば50mL以上の容量を有してもよい。カップ40は、場合によっては所定量の第1及び第2のリンス物質20、30のいずれかを投与できるように、透明及び/又は目盛りで装飾されてもよい。カップ40は、それを滅菌可能にする構造を有してもよく、及び/又は滅菌で提供されてもよい。一実施形態では、カップ40は、使い捨てカップであってもよく、その滅菌状態を維持するラッパーに入ってもよい。
【0064】
基準50は、炎症の所定のレベルに関連する基準色50aを示す物品である。比色基準50は、カードなど、又は適切な精度で基準色50aを表示できる電子デバイスであってもよい。基準色50aに関連する炎症の所定のレベルは、例えば、歯周病状の発症を決定するための臨床的関連性閾値に対応してもよい。比色基準50はまた、追加の色50b、50cを示してもよい。色50a、50b、50c…50nは、少なくとも強度が互いに異なり、かつそれぞれ異なる所定レベルの炎症に対応する。
【0065】
インジケータ60は、視覚的に識別可能な色の変化を生じるように、バイオマーカーに特異的な試薬、すなわち、バイオマーカーに反応する物質を担持する物品である。試薬は、好中球などの特定の種類のバイオマーカーに特異的であってもよく、かつ参照により本明細書に組み込まれるカナダ特許第2562655号に開示される物質の1つに一般的に対応してもよい。基準50及びインジケータ60は、特定の状況下でインジケータ60が所定の濃度のバイオマーカーの存在下で色の変化を受けて基準色50a、50b…50nを呈することができるように配置される。一実施形態では、インジケータ60は、収集された溶液と混合される粉末形態又は液体形態である。使用される粉末/液体インジケータ60の量は、収集されたサンプルの容積の関数としてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、インジケータ60は、キャリア64に取り付けられてテストストリップ60aを形成するパッド62を含む。パッド62は、キャリア64の構造とは異なる構造を有してもよく、かつ例えば、吸収性材料で構築されてもよい。パッド62は、試薬を担持してもよく、かつ所定量の溶液(バイオマーカーを含む第2のリンス物質30など)をサンプリングして試薬を含浸させる手段を形成するように配置されてもよい。試薬は十分な量でパッド62に分散され、かつ提供されて所定量の溶液中に存在するバイオマーカーと反応してもよい。インジケータ60はまた、複数の所定の濃度のバイオマーカーのうちの任意の1つに反応し、その結果、インジケータ60は、基準50の色50a、50b、50c、50nなどの複数の色のうちの対応する1つを呈するように配置されてもよい。一実施形態では、インジケータ60は、パッド62なしのテストストリップであり、このテストストリップは、リンス物質中のバイオマーカーに曝される場合に反応する能力を有する試薬を含む。
【0067】
さらに、いくつかの実施形態では、キット10は、追加のインジケータ60と、そのようなインジケータ60を一般に不活性な環境に保管するために提供された容器66も含んでもよい。いくつかのそのような実施形態では、基準50は容器66に添付されてもよい。したがって、キット10は、例えば、異なる患者/ユーザに対して、及び/又は長期間にわたって、実行される複数の診断テスト用の必要な構成要素を有するマルチ試験キットであってもよい。キット10はまた、キット10を使用する際の説明書を含んでもよい。例えば、説明書は、キット10の使用を通じてユーザをガイドするパンフレット、アプリケーション、ウェブサイト、ウェブサイト又は取扱説明書につながるバーコード又はQRコード(商標)の形態であってもよい。説明書は、例えば、以下に詳述する方法100に記載されたガイドラインに従ってもよい。
【0068】
他の構成要素は、キット10の一部であってもよい。歯周練り歯磨きの1つ又は複数のチューブ及び/又はオーラルケア歯ブラシ、及び/又は炎症を軽減するための治療剤によるオーラルケアリンスは、存在してもよい。一実施形態では、オーラルケアリンスは、比色インジケータ60を使用して、炎症が検出された場合に使用される。また、一実施形態では、抗生物質は、例えば、方法100を使用して、比色インジケータ60を用いて炎症を検出した場合にのみ抗生物質を使用すべきとの指示などの、キット10のユーザに与えられる投与量に対する厳密な説明書とともに、提供されてもよい。キット100はさらに、ウェブベースのプラットフォームの一部である、モバイルデバイス用のアプリケーションであるシステム70とともに使用されてもよい。システム70は、処理部71と、処理部71に通信可能に結合された非一時的なコンピュータ可読メモリ72と、様々な機能を実行するために処理部71によって実行可能なコンピュータ可読プログラム命令とを有するタイプのものである。キット10のユーザを支援して、システム70によって実行できる機能のいくつかは、ユーザによるリンスの後にリンス物質に曝された、既知のバイオマーカーに反応する比色インジケータの画像を取得することと、比色インジケータの色を比色基準と比較して口腔の炎症レベルを検出することと、口腔の炎症レベルを出力することと、を含んでもよい。システム70の他の機能は、ユーザがリンスを行う前に少なくとも1つのユーザ変数に基づいてリンス物質の量を決定することと、体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数である少なくとも1つのユーザ変数に基づいてリンス物質の量を決定することと、リンスを行う前にリンスの持続時間を決定することと、体重、年齢、性別、身長、口腔容積のうちの1つ又は複数である少なくとも1つのユーザ変数に基づいてリンスの持続時間を決定することと、口腔の炎症レベルの関数として経口摂取する抗生物質の用量を決定することと、炎症レベルの関数として治療リンスの必要性を決定することと、ユーザファイルに色及び/又は炎症レベルを記録することと、を含んでもよい。これは、炎症レベルの変動を検出するために、システム70によって反復的に行われてもよい。
【0069】
本技術の別の態様では、口腔内の炎症のレベルを検出する方法100を提供する。方法100は、いくつかの実施形態では、上記のキット10、又は他のキット、デバイス、又は構成要素を使用することを含んでもよい。いくつかのそのような実施形態では、方法100は、ユーザがキット10を取得することから開始してもよい。
【0070】
図2を参照すると、方法100は、所定量の第1のリンス物質20で口腔の第1のリンスを行うステップ110を含む。このステップによれば、ユーザは、第1のリンス物質20でそれらの口を洗い流して(すなわち、第1のリンスを行って)口腔内に残留する可能性のある異物及びバイオマーカーを除去することを引き受けてもよい。第1のリンス物質20は、例えば、キット10の用量容器20aから得られた滅菌水であってもよく、キット10に存在するかどうかにかかわらず、水道水、湧き水、ボトル入りの水、又は処理された水であってもよい。一実施形態では、ユーザは、カップ40を使用して所定量の第1のリンス物質20を測定してもよい。第1のリンスは、約10秒~30秒など、例えば、約15秒の一定の時間だけ実施されて口腔から異物を効果的に洗い流してもよい。次に、物質20は、第1のリンスの後に廃棄されてもよい。変形例では、方法100は、従うべきステップについてのガイダンスで、アプリケーション又はウェブベースのプラットフォームなどが並行して実行される間に行われる。例えば、アプリケーション、ウェブベースのプラットフォームなどは、クロック又はタイマーを統合して洗い流し期間を示してもよい。ユーザは、第1のリンスで洗い流し期間の終了を警告するアラームで、カウントダウンを開始するためにスタートを押してもよい。
【0071】
方法100はさらに、所定量の第2のリンス物質30で口腔の第2のリンスを行うステップ120を含んでもよい。このステップによれば、第1のリンスに続く遅延を待った後、例えば、アプリケーション、ウェブベースのプラットフォームなどによってガイダンスされるように、ユーザは、それらの口をもう一回リンスする(すなわち、第2のリンスを行う)ことを引き受ける。遅延は、約110秒~130秒の間、例えば約120秒であってもよい。ステップ120を行う前の遅延は、存在する場合、アプリケーション又はウェブベースのプラットフォームなどによって計られてもよい。第2のリンス物質30は、例えば、キット10の用量容器30aから得られる滅菌水であってもよく、キット10に存在するかどうかにかかわらず、水道水、湧き水、ボトル入りの水又は処理された水であってもよい。そうでなければ、ユーザは、カップ40を使用して所定量の第2のリンス物質30を測定してもよい。ユーザは、第2のリンスを、例えば、約25秒~35秒の間、例えば、約30秒の一定の時間だけ行って第2のリンス物質30でそれらの口腔内に存在する可能性のあるバイオマーカーをすすぎ落として溶液を形成してもよい。ステップ120を行うための遅延は、存在する場合、アプリケーション又はウェブベースのプラットフォームなどによって計られてもよい。ステップ120の一部として、又はステップ120の前に、ユーザは、とりわけ、年齢、性別、身長、体重、口サイズパラメータなどの要因の関数として、リンス物質30の量を選択しなければならない場合がある。次に、ユーザは、選択された量に基づいて第2のリンス物質30を測定してもよい。これはさらに、第1のリンス物質20で行われてもよい。別の実施形態では、要因に基づいてサンプルサイズは、ユーザに与えられる。一実施形態では、アプリケーション又はウェブベースのプラットフォームなどは、存在する場合、ユーザがこれらの要因を入力した後のリンス物質の容積を示してもよい。口腔容量とリンス物質容積との間の比例性が方法100の精度を左右する可能性があるから、リンス物質の容積、特にリンス物質30の容積は、バイオマーカーの濃度の決定における重要なパラメータであってもよい。
【0072】
第2のリンスから得られる溶液中に存在する物質量のバイオマーカーは、第1のリンスの完了後、口内の炎症レベルに対応する速度で口腔内に放出された可能性がある。したがって、溶液中のバイオマーカーの所定の濃度は、第1のリンス後の遅延、第2のリンスの持続時間及び/又は第2のリンス物質の所定量の関数であると言える。ステップ130において、方法100は、口腔から所定量の溶液を収集することを含む。ユーザは、所定量、例えば約10mLの溶液をカップ40に収集してもよい。空で清潔であれば、カップ40の代わりに他の容器を使用してもよい。一実施形態では、ユーザは、第2のリンス物質30のすべてをカップ40に収集する。
【0073】
ステップ140において、方法100は、インジケータ60を用いて溶液のサンプルを抽出するか、又は容器66に保管されたキット10のテストストリップ60aの1つなどのインジケータ60を溶液の収集されたサンプルに曝すことを含む。溶液を収集すると、ユーザは、テストストリップ60aを得ることができる。これは、例えば、存在する場合容器66を一時的に開けて、テストストリップ60aを回収し、その後にすぐに容器66を閉じて、テストトリップ60aの残りが外部汚染物質に過度に曝されるのを制限することで行われてもよい。次に、ユーザは、テストストリップ60aを収集された溶液に浸してパッド62などのインジケータ60の一部(存在する場合)を即座に浸漬してもよい。次に、ユーザは、溶液からインジケータ60が現れると、テストストリップ60aの反応を所定の期間だけ発生させることを可能にしてもよい。所定の期間は、約50~70秒の間、例えば、約60秒であってもよい。ステップ140を行うための遅延は、アプリケーション又はウェブベースのプラットフォームなどによって計られてもよい。この期間は、例として示したものにすぎない。ユーザは、この時点で(例えば、アプリケーション又はウェブベースのプラットフォームなどでの)タイマーを開始して、所定の期間が適切に守られることを確保してもよい。ユーザは、所定の持続時間が経過するまで、パッド62を上方に向ける状態で、テストストリップ60aを平坦で清浄な表面に曝して配置してもよい。
【0074】
次に、ステップ150において、方法100は、反応を所定の期間だけ発生させた後、インジケータ60の色をキット10の基準50と比較することを含む。したがって、ユーザは、キット10のインジケータ60によって示される色が基準色50aと一致すると、それらの口腔内での炎症の発生を検出することができる。所定の期間が終了するとすぐに、又は所与の時間が経過した後、ユーザは、例えば、メモを作成するか、カメラ又は他の適切な装置でインジケータ60の写真を撮ることにより、インジケータ60の色を記録してもよい。アプリケーション又はウェブベースのプラットフォームなどが存在する場合、画像及び/又はデータをアプリケーションにアップロードしてもよい。一実施形態では、比較は、プロセッサによって行われる。これは、画像キャプチャ時の周辺光に基づいて色を決定するために、洗い流しに関連する画像及びデータ(例えば、タイプ、強度など)をキャプチャすることを伴うことができる。一変形例では、使用されたインジケータ60の画像が、アプリケーション又はウェブベースのプラットフォームなどによって知られる較正基準色を相対的な基準として同時に画像に取り込むものであると考えてもよい。較正基準色は、処理部によって使用されて、画像化照明パラメータをデコードし、かつ比較の精度を高めることができる。インジケータ60の色を記録することは、基準50との比較の遅延を可能にするか、又は別のインジケータ60との最終的な比較を可能にしてもよい。実際には、方法100は、ユーザが口腔内の炎症レベルの変動を検出することを可能にするように、経時的に反復可能であってもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、方法100は、臨床的に行われてもよい。そのような実施形態では、条件が例示的な方式で提供されるにすぎないため、例として、第1のリンス物質20は、10mLの水道水であってもよく、第2のリンス物質30は、10mLの滅菌水であってもよく、カップ40は、50mLの容器であってもよく、容器66は、ボトルであってもよい。方法100は、例えばカップ40内の第1のリンス物質を患者に提供して患者が口腔予備リンス期間(例えば、2分間)後に口腔予備リンス(例えば、15秒間)を行うことと、例えばカップ40内の第2のリンス溶液30を患者に提供して患者が口腔リンス(例えば、30秒間)を行うことと、患者からの口腔リンスによって得られたリンス溶液をカップ40内に収集することと、1つのインジケータ60を(例えば、テストストリップ60aの形式で提供されたインジケータ60を収容する容器66を開け、1つのテストストリップ60aをボトルから取り外し、かつその後にすぐに容器66を閉じることで)取得することと、インジケータ60のパッド62又は他の部分を溶液に浸漬させることと、それを浸漬させた直後に溶液からインジケータ60を取り出すことと、インジケータ60を平坦で清浄な表面に(例えば、パッド62を上方に向ける状態で)載置することと、パッド62を溶液から取り出した後(例えば、約1分間)、色を基準50と比較することと、又はアプリケーション又はウェブベースのプラットフォームなどの処理部ユニットによる分析のためにそれを画像化することと、を含む。方法100は、例えば、スマートフォンなどのモバイルデバイスを用いて、インジケータ60の色を基準50とともに記録することを含んでももい。アプリケーション又はウェブベースのプラットフォームなどは、炎症の進行/緩解を決定するための、入力されたユーザのインジケータ60などのデータの履歴を保持してもよい。さらに、治療薬(例えば、歯周練り歯磨き粉、口内リンス剤)及び/又は抗生物質が使用される場合、炎症の進行/緩解は、ユーザに対する投与の効果をモニタリングするための、治療/薬物の投与の関数としてもよい。
【0076】
一実施形態では、口腔内の白血球レベルは、他の臨床状態に関連付けることができる。例えば、口内の白血球の存在と骨髄移植生着との間には、相関関係がある。一実施形態では、キット10及び/又は方法100を使用して骨髄移植の成功を示すことができる口内の白血球の存在を検出する。
【0077】
一実施形態では、方法100は、炎症を示すバイオマーカーに基づいて口腔の炎症レベルを検出するためにまとめられてもよく、かつ、所定のリンス物質による口腔のリンスからのリンス物質を口腔から収集し、バイオマーカーと反応する比色インジケータをリンス物質に曝し、そして比色インジケータをリンス物質との反応を可能にした後、比色インジケータの色を比色基準と比較して口腔の炎症レベルを検出することのうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0078】
以上の説明は、例示的ものに過ぎず、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱せずに説明の実施形態を変更できることが理解されるところである。本発明の範囲に含まれるその他の変形は、当業者には明らかであり、これらの変形例は、特許請求の範囲に記載された範囲内のものである。
図1
図2
【国際調査報告】