(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-11
(54)【発明の名称】ロボット内視鏡的粘膜下層剥離術のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/35 20160101AFI20230704BHJP
【FI】
A61B34/35
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570496
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(85)【翻訳文提出日】2023-01-17
(86)【国際出願番号】 US2021035220
(87)【国際公開番号】W WO2021247551
(87)【国際公開日】2021-12-09
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522237117
【氏名又は名称】ノア メディカル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ロモ,エンリケ
【テーマコード(参考)】
4C130
【Fターム(参考)】
4C130AA13
4C130AA37
4C130AA42
4C130AB01
4C130AC11
(57)【要約】
ロボットデバイスが提供される。ロボットデバイスは、近位端及び遠位端を備え遠位端は第1の駆動機構を介して操縦可能である連接可能細長部材と、連接可能細長部材の第1のルーメンを介して連接可能細長部材に取り外し可能に結合され、その遠位部分に位置するカメラを有する連接可能画像化機器と、第2のルーメンを介して連接可能細長部材に取り外し可能に結合され、その動作が連接可能画像化機器のカメラによってキャプチャされる連接可能機器と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端及び遠位端を備える連接可能細長部材であって、前記遠位端は第1の駆動機構を介して操縦可能である、連接可能細長部材と、
前記連接可能細長部材の第1のルーメンを介して前記連接可能細長部材に取り外し可能に結合される連接可能画像化機器であって、前記連接可能画像化機器は前記連接可能画像化機器の遠位部分に位置するカメラを備える、連接可能画像化機器と、
第2のルーメンを介して前記連接可能細長部材に取り外し可能に結合される第1の連接可能機器であって、前記第1の連接可能機器の動作は前記連接可能画像化機器の前記カメラによってキャプチャされる、第1の連接可能機器と、
を備える、ロボットデバイス。
【請求項2】
第3のルーメンを介して前記連接可能細長部材に取り外し可能に結合される第2の連接可能機器を更に備え、
前記第1の連接可能機器、前記第2の連接可能機器、及び前記カメラは、三角構成に位置決めされる、請求項1に記載のロボットデバイス。
【請求項3】
前記連接可能細長部材は、曲げセクションを備える、請求項1に記載のロボットデバイス。
【請求項4】
前記曲げセクションは、1本以上の引きワイヤによって連接される、請求項3に記載のロボットデバイス。
【請求項5】
前記連接可能画像化機器は、曲げセクションを備える、請求項1に記載のロボットデバイス。
【請求項6】
前記曲げセクションは、1本以上の引きワイヤによって連接される、請求項5に記載のロボットデバイス。
【請求項7】
前記連接可能画像化機器は、前記連接可能画像化機器の前記遠位部分に位置する照明デバイスを備える、請求項1に記載のロボットデバイス。
【請求項8】
前記連接可能画像化機器は、カメラビューをクリアにするための1つ以上のノズルを備える、請求項1に記載のロボットデバイス。
【請求項9】
前記カメラは、前記連接可能細長部材の縦軸又は前記連接可能画像化機器の縦軸を中心に回転するように制御される、請求項1に記載のロボットデバイス。
【請求項10】
前記カメラは、前記連接可能細長部材に関して連接運動を有するように制御される、請求項1に記載のロボットデバイス。
【請求項11】
前記連接可能画像化機器及び前記第1の連接可能機器は、前記ロボットデバイスが第1のモードにあるとき、前記第1のルーメン及び前記第2のルーメン内に引き込まれる、請求項1に記載のロボットデバイス。
【請求項12】
前記連接可能画像化機器及び前記第1の連接可能機器は、前記ロボットデバイスが第2のモードにあるとき、前記連接可能細長部材の前記遠位端から外へ伸長される、請求項11に記載のロボットデバイス。
【請求項13】
前記連接可能画像化機器は、前記第1の駆動機構を介して操縦可能である、請求項1に記載のロボットデバイス。
【請求項14】
前記第1の駆動機構は、第1のロボットサポートシステムに装着される、請求項1に記載のロボットデバイス。
【請求項15】
前記第1の連接可能機器は、第2の駆動機構を介して連接される、請求項14に記載のロボットデバイス。
【請求項16】
前記第2の駆動機構は、第2のロボットサポートシステムに装着される、請求項15に記載のロボットデバイス。
【請求項17】
前記第1のロボットサポートシステム及び前記第2のロボットサポートシステムは、動作可能に結合される、請求項16に記載のロボットデバイス。
【請求項18】
前記連接可能細長部材の前記近位端は、前記第1の駆動機構に取り外し可能に結合される、請求項1に記載のロボットデバイス。
【請求項19】
第1のルーメン及び第2のルーメンを備える連接可能細長部材を提供することと、
連接可能画像化機器を前記第1のルーメンを介して前記連接可能細長部材に結合することであって、前記連接可能画像化機器は、前記連接可能画像化機器の遠位部分に位置するカメラを備えることと、
第1の連接可能機器を前記第2のルーメンを介して前記連接可能細長部材に結合することと、
前記連接可能画像化機器の前記カメラによって前記第1の連接可能機器の動作をキャプチャすることと、
を含む、ロボットデバイスのための方法。
【請求項20】
第2の連接可能機器を第3のルーメンを介して前記連接可能細長部材に結合することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記カメラは、前記連接可能細長部材に関して連接運動を有するように制御される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記連接可能細長部材は、第1の駆動機構を介して操縦される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の連接可能機器は、第2の駆動機構を介して始動される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の駆動機構及び前記第2の駆動機構は、動作可能に結合される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記連接可能画像化機器は、前記第1の駆動機構を介して連接及び操作される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連技術の相互参照
[0001] 本願は、2020年6月2日出願の米国仮出願第63/033,428号の利益を主張し、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002] 胃癌及び大腸癌は、一般的な種類の癌である。消化管(GI)癌は粘膜層から成長する。これらの癌を患っている患者の生存率は、前癌状態及び早期癌がリンパ節に転移する前の初期段階で除去された場合、向上し得る。
【0003】
[0003] 患者の身体に開口部を作る必要なしに消化(GI)管の疾患を検査及び治療するために、フレキシブル内視鏡が使われてきた。内視鏡は口又は肛門を介して、それぞれ上部又は下部GI管内に導入される。遠位端の小型カメラが、臨床医のGI疾患の診断を助けるGI壁の画像を取り込む。単純な外科的処置(ポリープ切除及び生体検査など)は、遠位端の対象部位に達するように、ワーキングチャネルを介してフレキシブルツールを導入することによって実行可能である。このようにして実行可能な処置のタイプは、ツールの操縦性の欠如によって制限される。動脈出血の止血、穿孔を修復するための縫合、胃食道逆流のための噴門形成術などの、より高度な技術が必要とされる外科的処置は、従来のフレキシブル内視鏡を用いて効果的に達成することはできない。これらの処置は現在のところ、しばしば開腹手術又は腹腔鏡手術の下で実行されている。
【0004】
[0004] 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は、消化管内の病変を治療する際に使用されてきた。ESDは、胃、腸内などの病変部分が内視鏡監察下で全体として剥離される手術である。一般に、ESD手術の間、電気メスによって病変の縁がマーク付けされ、粘膜下注射を用いて病変が持ち上げられ、病変周辺で専用の内視鏡電気焼灼ナイフを用いて粘膜下層内への周縁切開が実行され、電気焼灼ナイフを用いてGI管壁の下にある深層部から病変が剥離され、除去される。ESDは初期の胃癌及び大腸癌を効果的に除去するが、ESDは、よりリスクの高い合併症に関連付けられる技術を必要とする処置である。例えば、現行のフレキシブル内視鏡は、単一の機器チャネルを有し得る。内視鏡専門医は、一度に単一の付属品を動作させることのみが可能であり、フレキシブル内視鏡の先端を管腔臓器内部の安定した位置で維持することは困難であり、機器の運転領域によってカメラビューが遮られる機器に、画像装置が結合される。加えて、現行のESD装置は、エンドエフェクタの反応性が乏しく、機器の能力が不十分であり、通常、医師がデバイスを動作させるための重要な学習曲線を必要とする。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本明細書では、患者のアウトカム及び処置効率が向上した、外科的処置又は診断動作を実行することが可能な、向上した内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)システムの必要性が認識されている。本開示は、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)のためのモジュール式ロボットシステム及びロボットプラットフォームを提供する。特に、本開示のモジュール式ロボットプラットフォームは、医師がGI管における内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を実行可能にし得る。ロボットプラットフォームは、様々なフレキシブル連接可能手術機器を収納する複数のルーメンを備える主フレキシブル連接可能デバイス(例えば主シース)を含む、モジュール式ロボットシステムを収容及び操作するように構成され得る。モジュール式ロボットシステムは、様々な構成要素の位置及び形状を追跡するための位置特定センサと共に、直接可視化構成要素を組み込み得る。このロボットプラットフォームは、ESDデバイスを制御するための様々なユーザインターフェースを提供し得る。例えばユーザインターフェースは、ハンドヘルド型ジョイスティックインターフェース又はマスタ入力インターフェースであり得る。ユーザインターフェースは、リアルタイム2D又はステレオビューアなどの、視覚化の様々なモダリティもユーザに提供し得る。このモジュール式ロボット内視鏡プラットフォームは、医師がGI管内の病変に到達し、フレキシブル機器の複数の自由度(DOF)、並びに、ロボットシステムによってフレキシブル機器に提供される強化された安定性及び制御を利用することによって、病変を切除することを可能にし得る。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態において、主連接可能フレキシブルデバイス(例えばGastroシース)は、複数の独立したフレキシブルデバイス又は機器のための複数のルーメンを備え得る。場合によっては、こうした独立機器は、個別に配設可能及び連接可能である。例えばフレキシブル機器は、各々、機器を操作するための追加の自由度を可能にする、連接セクション(例えば、手関節又は曲げセクション)を有し得る。連接セクションは、フレキシブル機器が主フレキシブルデバイスのカテーテルに関して移動できるようにする、フレキシブル機器のエンドエフェクタの基底部に位置し得る。「連接セクション」という用語は、本明細書全体を通じて交換可能に使用される曲げセクションを指し得る。
【0007】
[0007] フレキシブル機器は、フック型電気メス、はさみ、鉗子、針、及び把持器具を含むが限定されない、手術機能をユーザに提供するエンドエフェクタを有し得る。提示される連接可能デバイス及び/又はモジュール式ロボットシステムは、有利には、医師がフレキシブル連接可能ロボットデバイスを介して腔内アプローチにおいて手術機能を伝達できるようにし得る。
【0008】
[0008] 一態様において、本開示はロボットデバイスを提供する。ロボットデバイスは、近位端及び遠位端を備える連接可能細長部材であって、遠位端は第1の駆動機構を介して操縦可能である、連接可能細長部材と、連接可能細長部材の第1のルーメンを介して連接可能細長部材に取り外し可能に結合される連接可能画像化機器であって、連接可能画像化機器は連接可能画像化機器の遠位部分に位置するカメラを備える、連接可能画像化機器と、第2のルーメンを介して連接可能細長部材に取り外し可能に結合される第1の連接可能機器であって、第1の連接可能機器の動作は連接可能画像化機器のカメラによってキャプチャされる、第1の連接可能機器と、を備える。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態において、ロボットデバイスは、第3のルーメンを介して連接可能細長部材に取り外し可能に結合される第2の連接可能機器を更に備え、第1の連接可能機器、第2の連接可能機器、及びカメラは、三角構成に位置決めされる。いくつかの実施形態において、連接可能細長部材は、曲げセクションを備える。例えば曲げセクションは、1本以上の引きワイヤによって連接される。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態において、連接可能画像化機器は曲げセクションを備える。例えば曲げセクションは、1本以上の引きワイヤによって連接される。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態において、連接可能画像化機器は、連接可能画像化機器の遠位部分に位置する照明デバイスを備える。いくつかの実施形態において、連接可能画像化機器は、カメラビューをクリアにするための1つ以上のノズルを備える。いくつかの実施形態において、カメラは、連接可能細長部材の縦軸又は連接可能画像化機器の縦軸を中心に回転するように制御される。いくつかの実施形態において、カメラは、連接可能細長部材に関して連接運動を有するように制御される。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態において、連接可能画像化機器及び第1の連接可能機器は、ロボットデバイスが第1のモードにあるとき、第1のルーメン及び第2のルーメン内に引き込まれる。場合によっては、連接可能画像化機器及び第1の連接可能機器は、ロボットデバイスが第2のモードにあるとき、連接可能細長部材の遠位端から外へ伸長される。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態において、連接可能画像化機器は第1の駆動機構を介して操縦可能である。いくつかの実施形態において、第1の駆動機構は第1のロボットサポートシステムに装着される。場合によっては、第1の連接可能機器は、第2の駆動機構を介して連接される。場合によっては、第2の駆動機構は第2のロボットサポートシステムに装着される。例えば第1のロボットサポートシステム及び第2のロボットサポートシステムは、ロボットデバイスを制御するために動作可能に結合される。いくつかの実施形態において、連接可能細長部材の近位端は第1の駆動機構に取り外し可能に結合される。
【0014】
[0014] 別の態様において、本開示は、モジュール式ロボットデバイスを動作させるための方法を提供する。方法は、第1のルーメン及び第2のルーメンを備える主シースなどの連接可能細長部材を提供すること、連接可能画像化機器を第1のルーメンを介して連接可能細長部材に結合すること、第1の連接可能機器を第2のルーメンを介して連接可能細長部材に結合すること、及び、連接可能画像化機器のカメラによって第1の連接可能機器の動作をキャプチャすること、を含む。場合によっては、主シースは、第2の連接可能機器を受け入れるために第3のルーメンを備える。カメラは、連接可能画像化機器の遠位部分に位置し、主シースに関して少なくとも連接運動を有するように個別に制御される。
【0015】
[0015] いくつかの実施形態において、方法は更に、第2の連接可能機器を第3のルーメンを介して連接可能細長部材に結合することを含む。いくつかの実施形態において、カメラは、連接可能細長部材に関して連接運動を有するように制御される。いくつかの実施形態において、連接可能細長部材は第1の駆動機構を介して操縦される。場合によっては、第1の連接可能機器は第2の駆動機構を介して始動される。場合によっては、第1の駆動機構及び第2の駆動機構は動作可能に結合される。いくつかの実施形態において、連接可能画像化機器は、第1の駆動機構を介して連接及び操作される。
【0016】
[0016] 提供されるモジュール式ロボットシステム及びロボットプラットフォームの様々な構成要素は、心臓、膀胱、及び肺の組織を含む様々なタイプの組織に関与する、様々な低侵襲外科的処置、治療及び診断処置において、並びに、食道、肝臓、胃、結腸、尿路を含むが限定されない消化器系、又は、気管支、肺、及び様々なその他を含むが限定されない呼吸器系などの、患者の身体の他の解剖学的領域において、使用可能であることに留意されたい。
【0017】
[0017] 本開示の追加の態様及び利点は、当業者であれば、本開示の例示的な実施形態のみを図示及び説明している、下記の詳細な説明から容易に明らかとなろう。理解されるように、本開示はその他及び異なる実施形態も可能であり、そのいくつかの細部は、すべて本開示を逸脱することなく、様々な点で修正可能である。したがって、図面及び説明は本来例示的であり、限定的ではないものとみなされるべきである。
【0018】
参照による組み込み
[0018] 本明細書で言及されるすべての公開、特許、及び特許出願は、それぞれ個別の公開、特許、又は特許出願が具体的及び個別に参照により組み込まれるべきであると示された場合と同じ範囲まで、参照により組み込まれる。参照により組み込まれる公開、特許、又は特許出願が本明細書に含まれる開示に矛盾する範囲で、本明細書は、任意のこうした矛盾する資料に取って代わる、及び/又は優先するものと意図される。
【0019】
[0019] 本発明の新規の特徴は、添付の特許請求の範囲において具体的に示される。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的実施形態を示す下記の詳細な説明、及び添付の図面(本明細書では「Figure」及び「FIG.」とも示される)を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】[0020]本開示のいくつかの実施形態に従った、モジュール式ロボットシステムの一例を示す図である。
【
図2】[0021]本開示のいくつかの実施形態に従った、配設モードにおけるモジュール式ロボットシステムの一例を示す図である。
【
図3】[0022]本開示の実施形態に従った、フレキシブル連接可能機器の例を示す図である。
【
図4】[0023]ロボットプラットフォームの例を示す図である。
【
図5】[0024]アセンブルされた制御モジュールを伴うロボットプラットフォームの一例を示す図である。
【
図6】[0025]ロボットサポートシステムによってサポートされる主連接可能フレキシブルデバイスの一例を示す図である。
【
図7】[0026]ハンドル部分に機械的インターフェースを提供する、機器駆動機構の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0027] 本明細書において、本発明の様々な実施形態が図示及び説明されているが、当業者であれば、こうした実施形態は単なる例として提供されていることは明白であろう。当業者であれば、本発明を逸脱することなく多数の変形、変更、及び置き換えが思い付き得る。本明細書で説明する本発明の実施形態に対する様々な代替形態が採用可能であることを理解されたい。
【0022】
[0028] 例示的実施形態は、主に内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)のためのデバイス又はシステムを対象とするが、当業者であれば、これは限定的であることを意図せず、本明細書で説明するデバイスは、他の治療又は診断処置のために、並びに、食道、肝臓、胃、結腸、尿路を含むが限定されない消化器系、又は、気管支、肺、及び様々なその他を含むが限定されない呼吸器系などの、患者の身体の様々な解剖学的領域において、使用され得ることを理解されよう。
【0023】
[0029] 本明細書で開示される実施形態は、改良された診断及び療法を患者に提供するための多くの手法のうちの1つ以上において組み合わせることができる。開示される実施形態は、肺疾患の診断、手術、及び、例えば他の組織及び器官の手術の既知の方法との組み合わせなどの、改良された治療を提供するための既存の方法及び装置と組み合わせることができる。本明細書で説明する構造及びステップのうちの任意の1つ以上は、本明細書で説明する方法及び装置の任意の1つ以上の追加の構造及びステップと組み合わせ可能であり、図面及びサポートテキストは実施形態に従った説明を提供することを理解されたい。
【0024】
[0030] 本明細書で説明するロボットシステム、診断又は外科的処置の定義は、消化(GI)管についての診断又は手術との関連において提示されるが、本明細書で説明する方法及び装置は、脳、心臓、肺、腸、眼、皮膚、腎臓、肝臓、膵臓、胃、子宮、卵巣、精巣、膀胱、耳、鼻、口、骨髄などの軟組織、脂肪組織、筋肉、腺及び粘膜組織、脊髄及び神経組織、軟骨、歯や骨などの硬組織、並びに、洞、尿管、結腸、食道、肺管、血管、及び喉などの、身体のルーメン及び管、などの、身体の任意の組織、並びに、身体の任意の器官及び血管を治療するために、使用可能である。
【0025】
[0031] 「少なくとも」、「より多い」、又は「より多いか又は等しい」という用語が、一連の2つ以上の数値のうちの第1の数値の前に置かれるときは必ず、「少なくとも」、「より多い」、又は「より多いか又は等しい」という用語は、一連の数値における各々の数値に適用される。例えば、1、2、又は3より多いか又は等しいというのは、1より大きいか又は等しい、2より大きいか又は等しい、あるいは3より大きいか又は等しいというのと、等価である。
【0026】
[0032] 「以下」、「より小さい」、又は「より小さいか又は等しい」という用語が、一連の2つ以上の数値のうちの第1の数値の前に置かれるときは必ず、「以下」、「より小さい」、又は「より小さいか又は等しい」という用語は、一連の数値における各々の数値に適用される。例えば、3、2、又は1より小さいか又は等しいというのは、3より小さいか又は等しい、2より小さいか又は等しい、あるいは1より小さいか又は等しいというのと、等価である。
【0027】
[0033] 本明細書で使用される場合、プロセッサは、1つ以上のプロセッサ、例えば単一のプロセッサ、又は、例えば分散処理システムの複数のプロセッサを包含する。本明細書で説明するコントローラ又はプロセッサは、概して、プロセスのステップを実装するために命令を記憶するための有形媒体を含み、プロセッサは、例えば中央処理ユニット、プログラマブルアレイ論理、ゲートアレイ論理、又はフィールドプログラマブルゲートアレイのうちの、1つ以上を含み得る。場合によっては、1つ以上のプロセッサは、プログラマブルプロセッサ(例えば、中央処理ユニット(CPU)又はマイクロコントローラ)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び/又は1つ以上のAdvanced RISC Machine(ARM)プロセッサであってよい。場合によっては、1つ以上のプロセッサは、非一時的コンピュータ可読媒体に動作可能に結合され得る。非一時的コンピュータ可読媒体は、1つ以上のステップを実行するための1つ以上のプロセッサユニットによって実行可能な、論理、コード、及び/又はプログラム命令を記憶可能である。非一時的コンピュータ可読媒体は、1つ以上のメモリユニット(例えば、SDカード又はランダムアクセスメモリ(RAM)などの、取り外し可能媒体又は外部ストレージ)を含むことができる。本明細書で開示する1つ以上の方法又は動作は、ハードウェア構成要素、あるいは、例えば、ASIC、特定用途向けコンピュータ、又は汎用コンピュータなどの、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにおいて、実装可能である。
【0028】
[0034] 本明細書で使用する場合、遠位及び近位という用語は概して、装置から参照される場所を指し得、解剖学的参照とは正反対であり得る。例えば、主シース又はカテーテルの遠位の場所は、患者の細長部材の近位の場所に対応し得、主シース又はカテーテルの近位の場所は、患者の細長部材の遠位の場所に対応し得る。
【0029】
[0035] 本開示の一態様において、モジュール式ロボットシステムが提供される。モジュール式ロボットシステムは、複雑及び精密な外科手術を実行するためにリアルタイム内視鏡ビジョン及び複数の機器が取り外し可能に結合された、主連接可能フレキシブルデバイス(例えばGastroシース)を備え得る。モジュール式ロボットシステムは、リアルタイム内視鏡ビューを提供し得るため、内臓器官にアクセスするために自然孔を使用する複雑及び困難な外科的処置を実行するための利点を、内視鏡専門医に与える。特にGI管は、患者にいかなる傷痕も残さないことができる。
【0030】
[0036] いくつかの実施形態において、主連接可能フレキシブルデバイス(例えばGastroシース)は、複数の独立したフレキシブルデバイス又は機器を収納するための複数のルーメンを備え得る。場合によっては、こうした独立機器は、個別に配設可能及び連接可能であり得る。例えばフレキシブル機器は、各々、機器を操作するための追加の自由度(DOF)を可能にする、連接セクション(例えば、手関節又は曲げセクション)を有し得る。連接セクションは、フレキシブル機器が主フレキシブルデバイスのカテーテルに関して移動できるようにする、フレキシブル機器のエンドエフェクタの基底部に位置し得る。フレキシブル機器は、フック型電気メス、はさみ、鉗子、針、及び把持器具を含むが限定されない、手術機能をユーザに提供するエンドエフェクタを有し得る。提示される連接可能デバイス及び/又はモジュール式ロボットシステムは、有利には、医師がフレキシブル連接可能ロボットデバイスを介して腔内アプローチにおいて手術機能を伝達できるようにし得る。
【0031】
[0037] 本明細書で説明するモジュール式ロボットシステム又は主連接可能フレキシブルデバイスは、カテーテルなどの細長部分又は細長部材を含む。「細長部材」、「カテーテル」、「シース」という用語は、文脈が示唆しない限り、本明細書全体を通じて交換可能に使用される。細長部材は、身体ルーメン又は体腔内に直接配置可能である。モジュール式ロボットシステムのハンドル部分又は近位部分は、体腔の外側に配置され得る。シース又はカテーテルは、デバイスを操縦するため及びデバイスに連接可能な、連接セクション及び制御機構を備え得る。
【0032】
[0038] モジュール式ロボットシステムは、モジュール式ロボットシステムの動き及び/又は動作を駆動、サポート、位置決め、又は制御するための、ロボットマニピュレータ(例えばロボットアーム)などの、サポート装置に結合され得る。代替又は追加として、モジュール式ロボットシステムは、ロボットシステムを含むか又は含まなくて良い、ハンドヘルドデバイス又は他の制御デバイスを介して制御可能である。いくつかの実施形態において、ロボットシステムは、対象者の身体内のターゲットサイトへの細長部材のナビゲーションを支援及び/又は容易にする、画像化システムなどの、周辺デバイス及びサブシステムを更に含み得る。
【0033】
[0039]
図1及び
図2は、本開示のいくつかの実施形態に従った、モジュール式ロボットシステム100の一例を示す。図に示されるように、モジュール式ロボットシステム100は、主シース又は主連接可能フレキシブルデバイス101、複数のフレキシブル及び操縦可能機器123、125、並びに内視鏡機器121を備え得る。場合によっては、内視鏡機器121は主連接可能フレキシブルデバイスに一体化され得る。例えば内視鏡機器121は、主連接可能フレキシブルデバイスに不可欠であり得る。代替の場合、内視鏡機器121は主連接可能フレキシブルデバイスに取り外し可能に結合され得る。複数のフレキシブル及び操縦可能機器123、125並びに内視鏡デバイス121は、主シースに関して移動可能な機器又は内視鏡機器の少なくとも一部とのアセンブリとして、モジュール式ロボットシステムに結合され得る。場合によっては、複数のフレキシブル及び操縦可能計器123、125は、主シースに取り外し可能に結合され得る。
【0034】
[0040]
図1に示されるように、主シース101は、検査すべき組織及び/又はエリアの近位に至るプロービング部分であり得る。主シース101は、操縦可能であり得、ロボット制御され得る。主シースを制御するためのロボット制御モジュール及びユーザインターフェースは、本明細書で後に説明する。
【0035】
[0041] 主シースは、所望の柔軟性又は曲げ剛性に適した材料で構成され得る。場合によっては、シースの材料は、内部構造(例えばワーキングチャネル)に対する構造支持を維持し得、並びに実質的にフレキシブルであり得る(例えば、様々な方向及び配向に曲がり得る)ように選択され得る。例えば、カテーテルは、Provista Copolymer、ビニル(ポリ塩化ビニルなど)、ナイロン(ベスタミド、グリルアミドなど)、ペレセン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、シリコンエラストマ、アセテートなどの、任意の適切な材料で作成可能である。場合によっては、材料は、ポリマ材料、生体適合ポリマ材料であり得、カテーテルは、患者に痛みを生じさせることなく、経路を介して前進するのに十分フレキシブルであり得る。
【0036】
[0042] 主シースは、シャフト、連接セクション103、及び操縦可能遠位部分105を備え得、連接セクション(曲げセクション)103は操縦可能遠位部分をシャフトに接続している。例えば、曲げセクションは第1の端部において遠位先端部分に接続され得、また第2の端部においてシャフト部分に接続され得、曲げセクションは1本以上の引きワイヤによって連接される。場合によっては、曲げセクションはモジュール式構成要素として別々に製造され、シャフトにアセンブルされ得る。場合によっては、曲げセクションは更に必要最小限のフィーチャを組み込み得、それによってコストを削減し、信頼性を向上させ得る。例えば曲げセクションは、有利には、シャフトに関して所望の先端移動を達成するために、より大きなチューブのたわみ度合いを可能にする、カットパターンを組み込み得る。場合によっては、曲げセクションはステンレス鋼リボンからなり得る。曲げセクションは、低い連接力を用いて所望の軸方向及びねじり剛性を維持しながら、所定の曲げ剛性を達成するために、他の適切な構造又は材料で形成され得る。例えば曲げセクションは、ねじり安定性のための編組構造を備え得る。
【0037】
[0043] 主シースの遠位部分は、1つ以上の引きワイヤ、歯車、滑車、又は他の駆動機構などの、制御要素によって操縦され得る。主シースの遠位部分105は、コポリマ、ポリマ、金属、又は合金などの、任意の適切な材料で作られ得、引きワイヤによって操縦可能である。場合によっては、遠位先端105は、電磁(EM)センサなどの位置決めセンサを遠位先端に埋め込むことが可能な硬質構成要素であり得る。
【0038】
[0044] 場合によっては、遠位部分105は、連接可能内視鏡機器と共に所望のカメラビューを提供するため、又は内視鏡の方向を制御するために、2以上の自由度で連接/湾曲するように構成され得る。いくつかの実施形態において、1本以上の引きワイヤの近位端又は部分は、ロボットアセンブリのハンドル/近位部分における様々な機構(例えば、歯車、滑車など)に、動作可能に結合され得る。場合によっては、引きワイヤは、主シースの遠位先端で固定され、曲げセクションを通過し、駆動構成要素(例えば滑車)に結合されるハンドルに入ることができる。
【0039】
[0045] 引きワイヤは、金属製のワイヤ、ケーブル、又はスレッドであり得るか、又はポリマ製のワイヤ、ケーブル、又はスレッドであり得る。引きワイヤは、天然又は有機の材料又はファイバで作ることもできる。引きワイヤは、変形、著しい変形、又は破損のない様々な種類の負荷を支持することが可能な、任意のタイプの適切なワイヤ、ケーブル、又はスレッドであり得る。1本以上の引きワイヤの遠位端又は遠位部分は、制御ユニットによる引きワイヤの動作が、主シースの少なくとも遠位部分(例えばフレキシブルセクション)105を(例えば、上、下、ピッチ、ヨー、又は中間の任意の方向に)操縦又は連接し得る遠位部分105に、力又は張力を印加し得るように、主シースの遠位部分105に固定又は統合され得る。
【0040】
[0046] モジュール式ロボットシステム100は、
図1に示されるような少なくとも内視鏡モード(例えば結腸鏡)及び、
図2に示されるような配設モードを有するように、構成され得る。内視鏡モードでは、複数のフレキシブル機器123、125及び連接可能内視鏡機器121は、主シースが患者内部のターゲットサイトに前進しているとき(例えば結腸挿管段階)、又はターゲットサイトから抜去するとき(例えば結腸鏡抜去)など、部分的又は完全に主シース101内に引き込まれ得る。場合によっては、モジュール式ロボットシステムがターゲットサイトへナビゲートしているときなど、内視鏡モードにあるとき、内視鏡の遠位端のロケーションおよび配向は、EMセンサ及びカメラによって追跡され得る。カメラは、主シース内部に引き込まれる連接可能内視鏡機器121に位置し得る。EMセンサは、遠位先端105内に埋め込み得る、及び/又は連接可能内視鏡機器121に位置し得る。
【0041】
[0047] 主シース100がターゲットサイト近くのロケーションへと前進すると、フレキシブル機器123、125及び連接可能内視鏡機器121の、フレキシブル且つ操縦可能なアームは、主シースの部分の外へ前進/伸長され得、更に、様々な診断又は治療動作を実行するための位置へ操縦又は操作され得る。操縦可能アームの各々は、フレキシブルシャフト、フレキシブル機器123、125又は連接可能内視鏡機器121の先端の連接を可能にする曲げセクションを備え得る。曲げセクション及び引きワイヤに関する上記の説明は、フレキシブル機器123、125又は連接可能内視鏡機器121に適用可能である。
【0042】
[0048] 主シース101は、複数のルーメン107、108、109を備え得る。前述のように、適切な手術機器は、様々な診断又は治療動作を実行するために、機器アセンブリの各ルーメンを介して前進し得る。場合によっては、第1のルーメン105は、独立した連接可能内視鏡機器121を収容し得る。連接可能内視鏡機器121は、主シース101又は遠位先端105に関して視野を操作又は制御できるようにし得る。これは有利なことに、機器、主シース、及び生体構造の位置又は安定性を損なうことなく、可視作業域又は視野を最適化するために、向上した柔軟性及び能力をユーザに提供し得る。
【0043】
[0049] ルーメン107のうち2つは、鉗子、捕捉器具、手術用クリップアプライヤ、注射針、又ははさみなどの、フレキシブル電気手術機器123、125を収容し得る。フレキシブル機器は、主シースに関して挿入、抜去、及び回転するように制御され得る。機器のこうした追加の自由度は、有利なことに、機器がGI病変と相互作用する間、主シースの解剖学的固着を損なうリスクを最小限にし得る。
【0044】
[0050] 主シースは、ルーメンが複数のフレキシブル機器を収容し得るように、任意の適切な寸法を有し得る。例えば、遠位先端の外径はおよそ20ミリメートル(mm)であり得、ルーメンのうちの1つ以上の直径はおよそ6mmであり得る。しかしながら、異なる適用例に基づき、外径は20mmより小さいか又は20mmより大きい任意の範囲内であることが可能であり、ルーメン又はワーキングチャネルは、ツールの寸法又は特定の適用例に従った任意の範囲内であることが可能であることに留意されたい。
【0045】
[0051] いくつかの実施形態において、主シースは、追加の制御可能機器アセンブリを収容するために、追加のワーキングチャネル/ツールポート108を備え得る。一例として、ワーキングチャネル108は、標準ツールに適合するために、およそ2mm又は6mmの直径などの寸法を有し得る。
【0046】
[0052] 主シースは、より少ないか又はより多いルーメンを備え得る。いくつかの実施形態において、主シースは、フレキシブル機器123、125のための2つのルーメンを備え得るが、画像化デバイス(例えばカメラ)は、主シースの遠位部分105に埋め込まれ得る。場合によっては、画像化デバイスは主シースの遠位部分に埋め込まれ得る。場合によっては、画像化デバイスは主シースの遠位部分105に結合され得るが、視野角は遠位部分に関して傾斜又は回転可能である。場合によっては、1つ以上の電子構成要素を主シースの遠位先端に統合可能である。例えば、カメラ及び/又は位置センサ(例えば電磁センサ)を、遠位先端105に埋め込み可能である。
【0047】
[0053]
図3は、本開示のいくつかの実施形態に従った、フレキシブル連接可能機器の例を示す。いくつかの実施形態において、複数のフレキシブル連接可能機器は、少なくとも連接可能内視鏡機器310及び各々がロボットアーム323、333を有する1つ以上の手術機器、並びに、主フレキシブル機器本体上のポートから伸長し得る、エンドエフェクタ又は機器ツール321、331を含み得る。
【0048】
[0054] 連接可能内視鏡機器310は、操縦可能及び連接可能アーム313、並びに、1つ以上の電子機器が位置する遠位先端311を備え得る。画像化デバイス又はカメラは、主シースに関する連接運動を有するように制御される。連接可能アームは、ロボット制御可能なロボットアームであり得る。1つ以上の電子機器は、少なくとも画像化デバイス315及び照明デバイス317を含み得る。
【0049】
[0055] 場合によっては、連接可能画像化機器は、カメラビューをクリアにするための1つ以上のノズルを備える。例えば遠位先端は、クリアなカメラビューを提供するための、前方洗浄ノズル319及びウィンドウクリーニングノズルなどの、1つ以上の洗浄ポートを更に備え得る。例えば、洗浄及び吸引システムが、コネクタ又はルアーを介して連接可能内視鏡機器のためのワーキングチャネルに接続し得る。洗浄システムは、生理食塩水などの流体を注入可能であり、吸引システムは、粘液又は生理食塩水又は他の材料を気道の外へ吸引し得る。
【0050】
[0056] 画像化デバイス315は、直視のためのカメラであり得る。画像化デバイスは、連接可能内視鏡機器310の遠位先端に位置し得る。いくつかの実施形態において、画像化デバイスはビデオカメラであり得る。画像化デバイスは、画像データをキャプチャするための光学要素及び画像センサを備え得る。画像センサは、光の波長に応答して画像データを生成するように構成され得る。相補型金属酸化膜半導体(CMOS)又は電荷結合素子(CCD)などの画像データをキャプチャするために、様々な画像センサが採用され得る。画像化デバイスは、低コストカメラであり得る。場合によっては、画像センサを回路板上に提供し得る。回路板は、画像化プリント回路板(PCB)であり得る。PCBは、画像信号を処理するための複数の電子要素を備え得る。例えば、CCDセンサのための回路は、CCDセンサによって提供されるアナログ信号を増幅及び変換するための、A/Dコンバータ及び増幅器を備え得る。任意選択として、画像センサは、回路板が必要でないように、アナログ信号をデジタル信号に変換するために増幅器及びコンバータと統合され得る。場合によっては、画像センサ又は回路板の出力は、カメラ回路又はカメラのプロセッサによって更に処理可能な、画像データ(デジタル信号)であり得る。場合によっては、画像センサは光学センサのアレイを備え得る。本明細書の他の場所で説明するように、画像化デバイスは、独立内視鏡機器310の遠位先端に位置し得るか、又は主シースの遠位先端に埋め込まれる。
【0051】
[0057] 照明デバイス317は、連接可能内視鏡機器310の遠位先端に位置決めされる1つ以上の光源を備え得る。光源は、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、量子ドット、又は任意の他の適切な光源であり得る。場合によっては、光源は、コンパクト設計又はデュアルトーンフラッシュLED照明のための小型LEDであり得る。
【0052】
[0058] フレキシブル内視鏡機器310は、主シースに関して、連接、回転、挿入、抜去などを行うように独立に制御され得る。例えば、フレキシブル内視鏡機器アセンブリは、遠位セグメントが主シースの遠位部分を出る間に、主シースに関して回転及び挿入するように制御され得、フレキシブル内視鏡機器の遠位部分311は、アーム313の連接及び/又はフレキシブル内視鏡機器の回転運動を制御することによって、誘導及び配向され得る。回転運動は、フレキシブル内視鏡機器の細長い本体を、主シース及び/又は遠位先端311の遠位基底部に関して回転させることによって達成可能である。例えばカメラは、フレキシブル内視鏡機器アセンブリを主シースの縦軸を中心に回転させることによって、主シースに関連する回転運動を有し得る。代替又は追加として、フレキシブル内視鏡機器アセンブリは、フレキシブル内視鏡機器アセンブリの縦軸を中心にカメラが回転できるようにする、回転可能な手関節を備え得る。代替としてカメラビューは(例えば、重力方向と位置合わせするように)画像化処理を介して回転され得る。連接は、主連接可能シースと同様に制御され得る。例えば、フレキシブル内視鏡機器310の動きを制御するために、個別の引きワイヤ及び他の制御要素が提供され得る。前述のように、連接可能アーム313は、主シースと同様に連接可能な、曲げセクションを備え得る。
【0053】
[0059] 例に示されるように、カメラは、動作シーンのリアルタイムビューが任意の多様な角度及び有利な地点で提供できるように、向上した柔軟性及び作業域と共に位置決め及び配向され得る。主シースに関連して個別に制御される連接可能アームの先端にカメラを提供することによって、他の機器320、330のロボットマニピュレータの動作に影響を及ぼすことなく、動作シーンのビューを提供することができる。これは有利なことに、ユーザ選択角度から外科医によってクリアに見える動作環境を可能にし得る。例えばユーザは、機器の動作に影響を及ぼすことなく、カメラの有利な地点、ロケーション、視野を、自由に調節し得る。
【0054】
[0060] 2つのフレキシブル機器320、330は、各々、近位セグメント及び遠位セグメントを含むロボットアーム323、333を備え得る。場合によっては、ロボットアームは近位基底部(図示せず)、遠位基底部335、及び遠位先端331を含む。遠位先端331は、本明細書の他の場所で説明するような捕捉器具又は他の電気手術機器などの任意の適切なツールを担持し得る。場合によっては、ツールは内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を実行するのに好適であり得る。近位基底部、遠位基底部、及び遠位先端は、対応するロボットアームの制御要素によって制御され得る。例えば制御要素は、本明細書の他の場所で説明するように、引きワイヤ及び他の制御要素を含み得る。
【0055】
[0061] 2つのフレキシブル機器320、330は、腔内動作についての柔軟性、器用さ、及び三角法要件を満たし得る。好ましい構成において、2つの機器ポートは、内視鏡機器のためのポートの両側に位置し得る。この構成は、機器アセンブリの遠位部分との手術用三角法を可能にし得る。
【0056】
[0062] 内視鏡機器及び2つのフレキシブル機器の連接可能アームによって与えられる柔軟性は、有利なことに、計器が対象となるエリア上で三角法及びカバレージを実行可能にし得る。例えば、収束トライアドを作る実質的に三角形の各下部ポイントにおいて、頂部及び機器上のカメラを配向することによって、機器の視界及び動作効率が最大化される。例えば、追加の自由度は、アームが主シースの遠位部分を出るときに、アームを広げるか又は基底部からそらすことによって、フレキシブル機器320及び330が三角法を有することを可能にし得る。次いで遠位部分は互いに向かって後方に操縦され、画像キャプチャデバイスの視野が、好ましくはこうした活動を機器320、330に関して任意の所望のロケーションからキャプチャする状態で、対象者の組織構造などにキャプチャリング及び/又は圧縮荷重を印加するために使用され得る。このようにして、ロボットマニピュレータのアームは内視鏡ビューを遮らないため、外科医が動作環境をクリアに見ること、及びカメラを個別に操作することが可能であり、機器の動作を含むことなく、リアルタイム画像化を、動作シーンに関する任意の所望の有利な地点からキャプチャすることができる。
【0057】
[0063] 一態様において、本開示は、モジュール式ロボットデバイスを動作させるための方法を提供する。方法は、第1のルーメン及び第2のルーメンを備える主シースなどの連接可能細長部材を提供すること、連接可能画像化機器を第1のルーメンを介して連接可能細長部材に結合すること、第1の連接可能機器を第2のルーメンを介して連接可能細長部材に結合すること、及び、連接可能画像化機器のカメラによって第1の連接可能機器の動作をキャプチャすること、を含む。場合によっては、主シースは、第2の連接可能機器を受け入れるために第3のルーメンを備える。カメラは、連接可能画像化機器の遠位部分に位置し、主シースに関して少なくとも連接運動を有するように個別に制御される。
【0058】
ロボットプラットフォーム
[0064] いくつかの実施形態において、医師がGI管内で内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を実行できるようにする、ロボットプラットフォームが提供され得る。プラットフォームは、前述のように、様々なフレキシブル連接可能手術機器を収容するモジュール式ロボットシステムと、モジュール式ロボットシステムの動き及び/又は動作を駆動、サポート、位置決め、又は制御するための、ロボットマニピュレータ(例えばロボットアーム)などのサポート装置とを、含み得る。ロボットプラットフォームは、対象者の身体内のターゲットサイトへの細長部材のナビゲーションを支援及び/又は容易にする、周辺デバイス及びサブシステムを、更に含み得る。
【0059】
[0065] 場合によっては、モジュール式ロボットシステムは、術前記録された手術画像と共に医学実装を登録及び表示するための、電磁(EM)センサ、光ファイバセンサ、及び/又は他のセンサなどの、位置感知システムも実装し得、それによって、患者の身体又はグローバル参照フレームに関して内視鏡の遠位部分の位置を特定する。位置センサは、外部生成電磁界にさらされ得る1つ以上の導電コイルを含む、EMセンサシステムの構成要素であってよい。次いで、位置センサシステムの実装に使用されるEMセンサシステムの各コイルは、外部生成電磁界に対するコイルの位置及び配向に依存する特徴を有する、誘発電気信号を生成する。場合によっては、位置感知システムを実装するために使用されるEMセンサシステムは、少なくとも3自由度、例えば、3つの位置座標、X、Y、Zを測定するように構成及び位置決めされ得る。代替又は追加として、EMセンサシステムは、例えば3つの位置座標X、Y、Zと基点のピッチ、ヨー、及びロールを示す3つの配向角度との、6自由度、又は、例えば3つの位置座標X、Y、Zと基点のピッチ及びヨーを示す2つの配向角度との、5自由度を測定するように、構成及び位置決めされ得る。位置センサは、前述のように、主連接可能フレキシブルデバイス、統合されたフレキシブル及び操縦可能機器、及び/又は、統合された内視鏡機器の、遠位先端に埋め込まれ得る。フレキシブル及び操縦可能機器、及び/又は、内視鏡機器は、取り外し可能なように、又は、主連接可能フレキシブルデバイスに不可欠に、統合され得る。
【0060】
[0066]
図4及び
図5は、ロボットプラットフォーム430の例を示す。いくつかの実施形態において、ロボットプラットフォームは、内視鏡機能性(例えば、結腸挿管、抜去など)のために主シースの動作を制御するための第1の制御モジュール410、及び、機器の動作(例えばESD動作)を制御するための第2の制御モジュール420を、含み得る。第1の制御モジュール及び第2の制御モジュールは、
図5に示されるように、ロボットプラットフォームの制御システム500を形成するために、取り外し可能に結合され得る。
【0061】
[0067] いくつかの実施形態において、各制御モジュール410、420は、ロボットアーム411、421、機器駆動機構413、423、ロボット制御ユニット、並びに、洗浄及び吸引システムなどの1つ以上の周辺機器を含む、ロボットサポートシステムを含むか又は統合され得る。第1の制御モジュール410のロボットアームは、モジュール式ロボットシステム又は他のロボット機器の位置決めを開始し得る。ロボットアーム411は、ターゲット組織にアクセスするために、モジュール式ロボットアセンブリ415を初期位置(例えばアクセスポイント)に自動的に位置決めし得る。いくつかの実施形態において、ロボットアームはオペレータによって受動的に移動可能である。このような場合、オペレータはアームを任意の位置で押すことが可能であり、アームはそれに従って移動する。ロボットは、人のロボット相互作用を向上させるために、服従モードでも制御可能である。例えば、ロボットアームの服従運動制御は、衝突回避ストラテジを採用し得、位置-力制御は、起こり得る衝突の衝撃を低減させながら、不必要なエネルギー消費を節約するように設計され得る。アームは、その肘部をアルゴリズム的又は受動的に、オペレータにとって便利な構成内に移動させることが可能な、冗長自由度を有し得る。
【0062】
[0068] いくつかの実施形態において、機器駆動機構413はロボットアーム411に装着され得る。モジュール式ロボットシステム415は、機器駆動機構413に解除可能に結合可能である。機器駆動機構は、ロボットサポートシステムのアーム又は任意の始動されたサポートシステムに、装着され得る。機器駆動機構は、モジュール式ロボットシステム415への機械的及び電気的インターフェースを提供し得る。機械的インターフェースは、モジュール式ロボットシステム415を機器駆動機構に解除可能に結合できるようにし得る。例えば、モジュール式ロボットシステム415のハンドル部分は、磁石及びばね留めレベルなどの即時設置/解除手段を介して、機器駆動機構に取り付け可能である。場合によっては、モジュール式ロボットシステム415は、ツールを使用せずに手動で、機器駆動機構に結合又は機器駆動機構から解除し得る。機器駆動機構413は、2以上の自由度(例えば連接)及び、本明細書の他の場所で説明する他の動きで、主シースを駆動するために使用され得る。
【0063】
[0069] モジュール式ロボットシステム415は、ハンドル部分417を介して機器駆動機構413に解除可能に結合可能である。例えば主シースの引きワイヤは、曲げセクション、シースを通過し、駆動構成要素(例えば滑車)に結合されているハンドルに入ることができる。このハンドル滑車は、機器駆動機構内の出力シャフトと相互作用し得る。
【0064】
[0070] 場合によっては、ハンドル部分417は、画像データを処理するように、電力を提供するように、又は他の外部デバイスとの通信を確立するように構成された構成要素を、収容するか又は備え得る。場合によっては、通信はワイヤレス通信であってよい。例えばワイヤレス通信は、Wi-Fi、無線通信、Bluetooth、IR通信、又は他のタイプの直接通信を含み得る。こうしたワイヤレス通信機能は、モジュール式ロボットシステムをプラグアンドプレイ様式で可能にし得、また、1回の使用後、好都合に処分することができる。場合によっては、ハンドル部分は、モジュール式ロボットシステムの電子機器(例えば、カメラ及びLED光源)に電力を供給するための電源などの回路要素を備え得る。
【0065】
[0071]
図6は、ロボットサポートシステムによってサポートされる主連接可能フレキシブルデバイス610の一例を示す。主連接可能フレキシブルデバイス及びロボットサポートシステムは、前述のものと同じであり得る。例えば、主連接可能フレキシブルデバイスは、細長部材611及びハンドル部分613を備え得る。いくつかの実施形態において、主連接可能フレキシブルデバイス610は、細長部材の遠位部分に統合された画像化デバイス及び/又は位置センサも備え得る。代替として、主連接可能フレキシブルデバイス610は、内視鏡機能を提供するために内視鏡機器に結合され得る。細長部材611は、フレキシブルシャフト、シャフトを操縦可能先端に接続する曲げセクション、及び、複数の取り外し可能フレキシブルデバイス又は機器を収容するための複数のルーメンを、備え得る。細長部材611は、前述の主シースと同じであり得る。
【0066】
[0072] ハンドル部分613は、細長部材611に結合された1つ以上の電子構成要素と電気的に通信し得る。例えば、画像化デバイス、照明デバイス、及び/又はEMセンサが細長部材611に統合されるとき、画像/ビデオデータ及び/又はセンサデータは、ハンドル部分内の1つ以上のプロセッサに伝送され得る。場合によっては、ハンドル部分は、画像データを処理するように、電力を供給するように、又は他の外部デバイスとの通信を確立するように構成された構成要素を、収容するか又は備え得る。場合によっては、通信はワイヤレス通信であってよい。例えば、ワイヤレス通信は、Wi-Fi、無線通信、Bluetooth、IR通信、又は他のタイプの直接通信を含み得る。こうしたワイヤレス通信機能は、モジュール式ロボットシステム又は主連接可能フレキシブルデバイス機能をプラグアンドプレイ様式で可能にし得、また、1回の使用後、好都合に処分することができる。場合によっては、ハンドル部分は、モジュール式ロボットデバイス又は主シース内に配設された電子機器(例えば、カメラ及びLED光源)に電力を供給するための電源などの回路要素を備え得る。
【0067】
[0073] 場合によっては、ハンドル部分613は、主シースに統合されていない1つ以上の電子構成要素と電気的に通信し得る。例えば、画像化デバイス、EMセンサ、及び他の電子構成要素が、取り外し可能内視鏡機器に位置するとき、内視鏡機器の近位端はハンドル部分613と電気的に通信し得るか、又は、ハンドル部分613に接続され得る。
【0068】
[0074] 場合によっては、ハンドル部分は、電気的インターフェース(例えばプリント回路板)を介して、機器駆動機構(例えば機器駆動機構620)と電気的に通信し得るため、画像/ビデオデータ及び/又はセンサデータは、機器駆動機構の通信モジュールによって受信可能であり、他の外部デバイス/システムに伝送され得る。場合によっては、電気的インターフェースは、ケーブル又はワイヤなしで電気通信を確立し得る。例えばインターフェースは、プリント回路板(PCB)などの電子機器板上にはんだ付けされたピンを備え得る。例えば、レセプタクルコネクタ(例えばメスコネクタ)が、はめ合わせインターフェースとして機器駆動機構上に提供される。これにより有利なことに、特別なケーブルを利用せずに、内視鏡を迅速に機器駆動機構又はロボットサポートにプラグ接続させることが可能であり得る。こうしたタイプの電気的インターフェースは、ハンドル部分が機器駆動機構にプラグ接続されるときに、機械的及び電気的結合の両方が確立されるように、機械的インターフェースとして働くこともできる。代替又は追加として、機器駆動機構は機械的インターフェースのみを提供し得る。ハンドル部分は、センサデータの送信及び/又は制御信号の受信のために、モジュール式ワイヤレス通信デバイス又は任意の他のユーザデバイス(例えば、ポータブル/ハンドヘルドデバイス又はコントローラ)と、電気的に通信し得る。
【0069】
[0075] いくつかの実施形態において、フレキシブル細長部材611は、前述の複数のフレキシブル且つ操縦可能な機器及び/又は内視鏡機器を受け取るための、シャフト、操縦可能先端、連接セクション、及び複数のルーメンを備え得る。主連接可能フレキシブルデバイス610は、
図1及び
図2で説明した主シース又は主連接可能フレキシブルデバイスと同じであり得る。場合によっては、主連接可能フレキシブルデバイス610は、使い捨てデバイスであり得る。場合によっては、カテーテルのみが使い捨てであり得る。場合によっては、カテーテルの少なくとも一部が使い捨てであり得る。場合によっては、主連接可能フレキシブルデバイス610全体が機器駆動機構から解除され得、処分可能である。場合によっては、主連接可能フレキシブルデバイスは、機能動作を向上させるように、そのシャフトに沿って様々なレベルの剛性を含み得る。
【0070】
[0076] 主連接可能フレキシブルデバイス610は、機器駆動機構620に解除可能に結合可能である。機器駆動機構620は、本明細書の他の場所で説明する、ロボットサポートシステムのアームに、又は任意の始動されたサポートシステムに装着され得る。機器駆動機構は、主連接可能フレキシブルデバイス610への機械的及び電気的インターフェースを提供し得る。機械的インターフェースは、主連接可能フレキシブルデバイス610を機器駆動機構に解除可能に結合可能にし得る。例えば、主連接可能フレキシブルデバイス610のハンドル部分は、磁石及びばね留めレベルなどの即時設置/解除手段を介して、機器駆動機構に取り付け可能である。場合によっては、主連接可能フレキシブルデバイス610は、ツールを使用せずに手動で、機器駆動機構に結合又は機器駆動機構から解除し得る。主連接可能フレキシブルデバイスに関するハンドル部分又は機器駆動機構に関するいずれの説明も、複数の連接可能機器のためのハンドル部分又は機器駆動機構に適用可能であることに留意されたい。
【0071】
[0077]
図7は、主連接可能フレキシブルデバイス又はモジュール式ロボットシステムのハンドル部分713への機械的インターフェースを提供する、機器駆動機構720の一例を示す。例に示されるように、機器駆動機構720は、カテーテルの引きワイヤのセットを回転駆動するように始動されるモータのセットを備え得る。ハンドル部分713は、その滑車アセンブリがモータのセットによって駆動されるように、機器駆動機構上に装着され得る。滑車の数は、引きワイヤ構成に基づいて変動し得る。場合によっては、カテーテルを連接するために、1本、2本、3本、4本、又はそれ以上の引きワイヤを用いることができる。
【0072】
[0078] ハンドル部分は、主連接可能フレキシブルデバイスが低減されたコストで使い捨てにできるように設計され得る。例えば、従来の手動及びロボット内視鏡は、内視鏡ハンドルの近位端内にケーブルを有し得る。ケーブルはしばしば、照明ファイバ、カメラビデオケーブル、及び、電磁(EM)センサなどの他のセンサのファイバ又はケーブル、又は形状感知ファイバを含む。こうした複合ケーブルは、内視鏡のコストに加えて高価であり得る。提供されるモジュール式ロボットシステム又は主連接可能フレキシブルデバイスは、機械的及び電気的機能性を保持しながら、簡略化された構造及び構成要素が採用できるように、最適化された設計を有し得る。場合によっては、ハンドル部分は、カテーテルへの機械的/電気的インターフェースを提供しながら、ケーブルのない設計を採用し得る。
【0073】
[0079] 洗浄及び吸引システムは、ロボットアーム基底部カート又はシステムの任意の他の部分上に常駐し得る。洗浄及び吸引システムは、コネクタ又はルアーを介して連接可能内視鏡機器のためのワーキングチャネルに接続し得る。洗浄システムは、生理食塩水などの流体を注入可能であり、吸引システムは、粘液又は生理食塩水又は他の材料を気道の外へ吸引し得る。前述のように、洗浄及び吸引システムは、カメラの視覚化に使用され得る。
【0074】
[0080] いくつかの実施形態において、第1の制御モジュール410及び第2の制御モジュール420は、モジュール式ロボットシステム415を集合的に制御し得る。いくつかの実施形態において、第1の制御モジュール410の機器駆動機構及びロボット制御ユニットは、主シース及び統合内視鏡機器(例えばカメラ)を制御及び操作するように構成され得る。第2の制御モジュール420の機器駆動機構423及びロボット制御ユニットは、ESDを実行するための機器のペアなどの、複数のフレキシブル機器を操作するために使用され得る。例えば、フレキシブル機器の連接、挿入、抜去、及び様々な他の動きは、機器駆動機構423によって駆動される。
図5に示されるように、第2の制御モジュールの駆動機構423は、第1の制御モジュールの駆動機構413に結合され得、それによってモジュール式ロボットシステムの複数の機器を駆動する。例えば、フレキシブル機器の近位部分又はハンドル511は、フレキシブル機器の1本以上の引きワイヤを駆動させるために、機器駆動機構423に接続され得る。場合によっては、第2の制御モジュールの機器駆動機構423及び第1の制御モジュールの機器駆動機構413は、動作可能に結合され得る。例えば2つの機器駆動機構は、モジュール式ロボットシステム415を集合的に制御するために、同調して移動するようにロボット制御され得る。
【0075】
[0081] ロボットプラットフォーム500は、患者及びロボット側に位置するユーザインターフェース510を備え得る。ユーザインターフェースは、オペレータ又はユーザを外科手術中にロボットシステムと相互作用可能にし得る。いくつかの実施形態において、ユーザインターフェース510は、ハンドヘルドコントローラ上に実装され得る。ユーザインターフェース510は、場合によっては、ユーザ入力体験を向上させるために、既存のユーザデバイスに取り外し可能に結合される、プロプライエタリユーザ入力デバイス及び1つ以上のアドオン要素を備え得る。例えば、物理的トラックボール又はローラは、置き換えるグラフィカル要素と同様の機能性を与えることによって、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)上に表示される少なくとも1つの仮想グラフィカル要素(例えば、タッチパッド上に表示されるナビゲーション矢印)の機能を、置換又は補足することができる。ユーザデバイスの例は、モバイルデバイス、スマートフォン/携帯電話、タブレット、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ又はノート型コンピュータ、デスクトップコンピュータ、メディアコンテンツプレーヤなどを含み得るが、限定されない。場合によっては、ユーザインターフェース510は、医師がGI管内の病変に到達し、機器の複数の自由度(DOF)、並びに、ロボットシステムによって機器に提供される強化された安定性及び制御を利用することによって、病変を切除することを可能にし得る、リアルタイムビジョン及びビジョンガイダンスを提供し得る。
【0076】
[0082] いくつかの実施形態において、ロボットシステムは、術前画像(例えば術前CT画像)に基づいて仮想気道モデルを構築するように構成される、ナビゲーション及び位置特定サブシステムを含み得る。ナビゲーション及び位置特定サブシステムは、3Dレンダリング気道モデルにおいて、病変のロケーションに基づいて、おおよそ区分化された病変ロケーションを識別するように構成され得、ナビゲーション及び位置特定サブシステムは、手術手順(例えばESD)を実行するために、病変に向かう推奨される接近角度で、GI管内の病変への最適な経路を生成し得る。例えば処理ユニットは、治療ロケーション又は病変のロケーションなどの増補情報を含む、増補層を生成するように構成され得る。場合によっては、増補層は、このターゲットサイトへの経路を示すグラフィカルマーカも備え得る。増補層は、1つ以上のグラフィカル要素(例えば、ボックス、矢印など)を含むほぼ透明の画像層であり得る。増補層は、透視(トモシンセシス)画像化システムによってキャプチャされ、及び/又は、ディスプレイデバイス上に表示される、光学画像又はビデオストリームの光学ビュー上に重畳され得る。増補層の透明度により、グラフィカル要素の重ね合わせを用いてユーザが光学画像を見ることができるようになる。場合によっては、区分化された病変画像と、病変に到達するための細長部材のナビゲーションに最適な経路との両方が、仮想気道モデル又は術前画像上に重ね合わされ得る。これにより、手術者又はユーザが、病変のおおよそのロケーション、並びに、主シースの動きの計画された経路を、可視化できるようにし得る。場合によっては、システムの動作に先立って提供される、区分及び再構築された画像(例えばCT画像)は、リアルタイム画像上に重ね合わされ得る。
【0077】
[0083] モジュール式ロボットシステムをターゲットサイトへ駆動する前の登録ステップにおいて、システムは、気道のレンダリングされた仮想ビューを患者の気道と位置合わせし得る。画像登録は、単一の登録ステップ、又は、単一の登録ステップと登録情報へのリアルタイム感覚更新との組み合わせからなり得る。登録されると、すべての気道は術前レンダリングされた気道と位置合わせされ得る。ターゲットサイトに向かうモジュール式ロボットシステムの駆動の間、気道内部の主シースのロケーションは追跡及び表示され得る。場合によっては、気道に関した主シースの先端のロケーションは、位置決めセンサを使用して追跡され得る。センサ融合技法を使用する位置決めセンサの代わりに、又はこれに関連して、他のタイプのセンサ(例えばカメラ)も使用可能である。電磁(EM)センサなどの位置決めセンサは、(例えばカメラの隣の)主シース/又はフレキシブル内視鏡機器の遠位先端に組み込まれ得、EM場生成器は、手順の間、患者の胴体の隣に位置決めされ得る。EM場生成器は、3D空間内のEMセンサ位置を特定し得るか、或いは、5D又は6D空間内のEMセンサの位置及び配向を特定し得る。これにより、ロボットシステムをターゲットサイトに向けて駆動するときに、手術者に視覚ガイドを提供し得る。
【0078】
[0084] 動作の間、病変ロケーション及び1つ以上のフレキシブル機器の様々な動作は、カメラによってリアルタイムで追跡され得る。いくつかの実施形態において、ユーザインターフェースは、例えば、医師がロボット内視鏡(例えば結腸鏡)を容易に制御できるようにする、ユーザインターフェースハンドヘルドデバイスを含み得る。
【0079】
[0085] 場合によっては、ユーザインターフェース、ロボット制御モジュール、及びロボットアームは、別々のモバイルカートに装着され得る。モバイルカートは、
ユーザインターフェースのための特定用途向けソフトウェアを記憶する1つ以上のコンピュータを含む、オンボード機器のための電源として、複数のAC及びDCレセプタクルのための、ポータブル電子デバイス、コンバータ、変換器、及びサージ保護装置に充電ポートを提供する、電気パネルと電気的に通信する再充電可能電源などの、様々な要素を含み得る。
【0080】
[0086] 本明細書において、本発明の好ましい実施形態を図示及び説明してきたが、当業者であれば、こうした実施形態が単なる例として提供されることが明白となろう。次に当業者であれば、本発明を逸脱することなく、多数の変形、変更、及び置換を想起するであろう。本明細書で説明する本発明の実施形態の様々な代替が、本発明の実践において採用され得ることを理解されたい。下記の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義し、それらによって、これら請求項及びそれらの等価物の範囲内の方法及び構造がカバーされることが意図される。
【国際調査報告】