(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-11
(54)【発明の名称】植物を刺激するための化合物及び方法
(51)【国際特許分類】
A01N 43/16 20060101AFI20230704BHJP
A01N 25/02 20060101ALI20230704BHJP
A01P 21/00 20060101ALI20230704BHJP
A01N 25/00 20060101ALI20230704BHJP
A01G 7/06 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
A01N43/16 C
A01N25/02
A01P21/00
A01N25/00 102
A01G7/06 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574108
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(85)【翻訳文提出日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 US2021035770
(87)【国際公開番号】W WO2021247915
(87)【国際公開日】2021-12-09
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516122405
【氏名又は名称】サウンド アグリカルチャー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バイヤー,トラヴィス エス.
(72)【発明者】
【氏名】シュワルツ,アリソン
(72)【発明者】
【氏名】イバラ,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】チャダ,シャイラジャ
【テーマコード(参考)】
2B022
4H011
【Fターム(参考)】
2B022EA01
4H011AB03
4H011BB09
4H011DA16
4H011DD03
(57)【要約】
植物の成長を増大させるための化合物又はその塩、及びその組成物が本明細書に開示される。本明細書に開示される化合物、塩又は組成物を使用して植物栄養素のレベルを増加させる方法も開示される。本明細書に記載の化合物、塩又は組成物を含むキットも本明細書に開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体組成物であって、
(a)式I、式II、又は式IIIの化合物又はその塩:
【化1】
であって、
式中、
A
1及びA
2は、独立して、O又はSであり、
R
1及びR
2は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、又は-X
pであり、ここで、-X
pは、
【化2】
であり、
式中、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、及びY
5は、独立して、-H、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、又は-O-Z
1であり、ここで、Z
1は、C
1~C
4アルキルであり、あるいは、
式中、R
1及びR
2は、それらを連結する炭素原子と共に、5若しくは6員のシクロアルキル環若しくはシクロアルケニル環、又は5若しくは6員のアリール環を形成し、
U
1、U
2、U
3、U
4、U
5、U
6、U
7、U
8、U
9、及びU
10は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、-COO-Z
1、又は-O-Z
1であり、ここで、Z
1はC
1~C
4アルキルであり、
R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、-H、-OH、-F、-Cl、-Br、-I又は-SHである、化合物又はその塩と、
(b)賦形剤、希釈剤又は担体と、
を含み、
(a)(i)600nmの光学密度(OD
600)が0.02の生きたバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)細菌株を最終濃度約50mMのリン酸三カルシウムと共に培養すること、
(ii)前記培養の72時間後に、生きたバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)細菌株から液体培養物の試料を採取すること、及び、
(iii)マラカイトグリーン法を用いて前記液体培養物中のオルトリン酸塩のレベルを定量すること、
を含むインビトロアッセイによって決定される、前記化合物又はその塩の量を生きたバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)細菌株と接触させた後の、その接触前に生きたバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)細菌株によって産生された可溶性オルトリン酸塩のレベルと比較した、少なくとも約20%の可溶性オルトリン酸塩のレベル上昇、あるいは、
(b)(i)レポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株を、窒素を含まない培地中、0.02のOD
600で好気的に培養することであって、レポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株は、窒素固定に応答してより高いレベルの発光を生じるように構成されたルシフェラーゼレポータープラスミドで形質転換される、培養すること、
(ii)レポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株を、前記培養の24時間後にルシフェリンと接触させること、及び、
(iii)ルミノメーターを使用して発光レベルを定量することであって、より高いレベルの発光がレポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株によるより高い窒素固定度に対応する、発光レベルを定量すること、
を含むインビトロアッセイによって決定される、前記化合物又はその塩の量をレポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株と接触させた後の、その接触前にレポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株によって産生される窒素固定のレベルと比較した、窒素固定のレベルの上昇、あるいは、
(c)それらの任意の組み合わせ、
を生じさせるのに少なくとも部分的に有効な前記化合物又はその塩の量を含む、液体組成物。
【請求項2】
液体組成物であって、
(a)式I、式II、又は式IIIの化合物又はその塩:
【化3】
であって、
式中、
A
1及びA
2は、独立して、O又はSであり、
R
1及びR
2は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、又は-X
pであり、ここで、-X
pは、
【化4】
であり、
式中、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、及びY
5は、独立して、-H、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、又は-O-Z
1であり、ここで、Z
1は、C
1~C
4アルキルであり、あるいは、
式中、R
1及びR
2は、それらを連結する炭素原子と共に、5若しくは6員のシクロアルキル環若しくはシクロアルケニル環、又は5若しくは6員のアリール環を形成し、
U
1、U
2、U
3、U
4、U
5、U
6、U
7、U
8、U
9、及びU
10は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、-COO-Z
1、又は-O-Z
1であり、ここで、Z
1はC
1~C
4アルキルであり、
R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、-H、-OH、-F、-Cl、-Br、-I又は-SHである、化合物又はその塩と、
(b)賦形剤、希釈剤又は担体と、
を含み、
前記化合物又はその塩が、前記組成物中に約0.1μMから30μMの濃度で存在する、液体組成物。
【請求項3】
液体組成物であって、
(a)式I、式II、又は式IIIの化合物又はその塩:
【化5】
であって、
式中、
A
1及びA
2は、独立して、O又はSであり、
R
1及びR
2は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、又は-X
pであり、ここで、-X
pは、
【化6】
であり、
式中、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、及びY
5は、独立して、-H、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、又は-O-Z
1であり、ここで、Z
1は、C
1~C
4アルキルであり、あるいは、
式中、R
1及びR
2は、それらを連結する炭素原子と共に、5若しくは6員のシクロアルキル環若しくはシクロアルケニル環、又は5若しくは6員のアリール環を形成し、
U
1、U
2、U
3、U
4、U
5、U
6、U
7、U
8、U
9、及びU
10は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、-COO-Z
1、又は-O-Z
1であり、ここで、Z
1はC
1~C
4アルキルであり、
R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、-H、-OH、-F、-Cl、-Br、-I又は-SHである、化合物又はその塩と、
(b)賦形剤、希釈剤又は担体と、
を含み、
(a)(i)600nmの光学密度(OD
600)が0.02の生きた微生物を最終濃度約50mMのリン酸三カルシウムと共に培養すること、
(ii)前記培養の72時間後に、前記生きた微生物から液体培養物の試料を採取すること、及び、
(iii)マラカイトグリーン法を用いて前記液体培養物中のオルトリン酸塩のレベルを定量すること、
を含むインビトロアッセイによって決定される、前記化合物又はその塩の量を前記生きた微生物と接触させた後の、その接触前に前記生きた微生物によって産生された可溶性オルトリン酸塩のレベルと比較した、少なくとも約20%の可溶性オルトリン酸塩のレベル上昇、あるいは、
(b)(i)前記生きた微生物を、窒素を含まない培地中、0.02のOD
600で好気的に培養することであって、前記生きた微生物は、窒素固定に応答してより高いレベルの発光を生じるように構成されたルシフェラーゼレポータープラスミドで形質転換される、培養すること、
(ii)前記生きた微生物を、前記培養の24時間後にルシフェリンと接触させること、及び、
(iii)ルミノメーターを使用して発光レベルを定量することであって、より高いレベルの発光が前記生きた微生物によるより高い窒素固定度に対応する、発光レベルを定量すること、を含むインビトロアッセイによって決定される、前記化合物又はその塩の量を前記生きた微生物と接触させた後の、その接触前に前記生きた微生物によって産生される窒素固定のレベルと比較した、窒素固定のレベルの上昇、あるいは、
(c)それらの任意の組み合わせ、
を生じさせるのに少なくとも部分的に有効である前記化合物又はその塩の量を含む、液体組成物。
【請求項4】
前記化合物又はその塩が約0.1μMから約20μMの濃度で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体組成物。
【請求項5】
前記希釈剤を含み、前記希釈剤が農業的に許容される、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体組成物。
【請求項6】
前記希釈剤が植物油を含む、請求項5に記載の液体組成物。
【請求項7】
前記植物油が、ヒマワリ油、キャノーラ油、アボガド種子油、ブドウ種子油、アーモンド油、ココアバター、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、麻油、オリーブ油、パーム核油、ピーナッツ油、カボチャ種子油、米ぬか油、サフラワー油、ゴマ種子油、大豆油、クルミ油、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項6に記載の液体組成物。
【請求項8】
前記化合物又はその塩が、式Ia、Ib、Ic、又はId:
【化7】
であり、
式中、R
1、R
2、R
4、R
6、Y
2、Y
3及びY
4が請求項1に定義される通りである、請求項1~7のいずれか一項に記載の液体組成物。
【請求項9】
前記化合物又はその塩が式Iaであり、
【化8】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択される、請求項8に記載の液体組成物。
【請求項10】
前記化合物又はその塩が式Ibであり、
【化9】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択される、請求項8に記載の液体組成物。
【請求項11】
前記化合物又はその塩が、式Ic又はその塩である、請求項8に記載の液体組成物。
【請求項12】
前記化合物又はその塩が、
【化10】
の構造を有する式Idのものである、請求項8に記載の液体組成物。
【請求項13】
前記化合物又はその塩が、式IIa:
【化11】
であり、
式中、R
2、R
4、R
6、Y
3及びY
4が、請求項1に定義される通りである、請求項1~7のいずれか一項に記載の液体組成物。
【請求項14】
前記化合物又はその塩が、
【化12】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択される、請求項13に記載の液体組成物。
【請求項15】
前記化合物又はその塩が式IIIa:
【化13】
であり、
式中、R
1、R
2、U
3、U
4、U
8及びU
10が請求項1に定義される通りである、請求項1~7のいずれか一項に記載の液体組成物。
【請求項16】
前記化合物又はその塩が、
【化14】
又はその塩である、請求項15に記載の液体組成物。
【請求項17】
前記生きた微生物が土壌中に存在する、請求項3に記載の液体組成物。
【請求項18】
前記生きた微生物が、細菌株、放線菌、真菌、原虫、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項17に記載の液体組成物。
【請求項19】
前記生きた微生物が、バチルス(Bacillus)属、アゾバクター(Azobacter).シュードモナス(Pseudomonas)属、ニトロバクター(Nitrobacter)属、クロストロジウム(Clostrodium)属の細菌株、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項18に記載の液体組成物。
【請求項20】
前記生きた微生物が、アゾトバクター・クロオコッカム(Azotobacter chroococcum)、シュードモナス・スタッツェリ(Pseudomonas stutzeri)、シュードモナス・シュードアルカリゲネス(Pseudomonas pseudoalcaligenes)、Massilia tieshanesis、Massilia aerilata、Massilia putida、Bacillus solisilvae、バチルス・ナイアシニ(Bacillus niacini)、Massilia agilis、Bacillus wiedmannii、Massilia brevitalea、Bacillus acidiceler、Bacillus toyonensis、Pseudomonas otitidis、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonascitronellolis)、Paenibacillus qinlingensis、Massilia solisilvae、Massilia terrae、Bacillus paramycoides、Massilia aurea、バチルス・アシディコーラ(Bacillus acidicola)、Panenibacillus alginolyticus、バチルス・ナバリス(Bacillus novalis)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、バチルス・ハルマパルス(Bacillus halmapalus)Pseudomonas knackmussii、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラ・バリイコーラ(Klebsiella variicola)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィカス(Gluconacetobacter diazotrophicus)、Massilia arvi、マシリア・アグリ(Massilia agri)、マシリア・ピニルス(Massilia pinisoli)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・バタビエンシス(Bacillus bataviensis)、Massilia chloroacetimidivorans、バチルス・マイコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・フレクス(Bacillus flexus)、バチルス・シンプレックス(Bacillus simplex)、シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)、シュードモナス・プレコアレリカ(Pseudomonas plecoglossicida)、Caballeronia turbans、Psychobacillus lasiicaptis、バチルス・ソリ(Bacillus soli)、バチルス・コーニイ(Bacillus cohnii)、キュープリアビダス・カムピネンシス(Cupriavidus campinensis)、ブレビバクテリウム・フリゴリトレランス(Brevibacterium frigoritolerans)、Bacillus pocheonensis、シュードモナス・モンテイリイ(Pseudomonas monteilii)、バチルス・ビレティ(Bacillus vireti)、Bacillus pacificus、Paenibacillus taihuensis、アゾトバクター・ベイジェリンキイ(Azotobacter beijerinckii)、Paenibacillus contaminans、バチルス・ドレンテンシス(Bacillus drentensis)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ファーマス(Bacillus firmus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・モビリス(Bacillus mobilis)、バチルス・ルシフェレンシス(Bacillus luciferensis)、Massilia niastensis、Bacillus cucumis、シュードモナス・フラベッセンス(Pseudomonas flavescens)、マシリア・チモナエ(Massilia timonae)、Massilia kyonggiensis、シュードモナス・インディカ(Pseudomonas indica)、バチルス・フィルロスファエラエ(Bacillus phyllosphaerae)、Pseudomonas guguanensis、Paenibacillus beijingensis、バチルス・シュードマイコイデス(Bacillus pseudomycoides)、Adhaeribacter terreus、Microvirga zambiensis、Pseudomonas oryzae、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項17に記載の液体組成物。
【請求項21】
組成物を生きた微生物と接触させることを含む方法であって、前記組成物が、
(a)式I、式II、又は式IIIの化合物又はその塩:
【化15】
であって、
式中、
A
1及びA
2は、独立して、O又はSであり、
R
1及びR
2は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、又は-X
pであり、ここで、-X
pは、
【化16】
であり、
式中、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、及びY
5は、独立して、-H、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、又は-O-Z
1であり、ここで、Z
1は、C
1~C
4アルキルであり、あるいは、
式中、R
1及びR
2は、それらを連結する炭素原子と共に、5若しくは6員のシクロアルキル環若しくはシクロアルケニル環、又は5若しくは6員のアリール環を形成し、
U
1、U
2、U
3、U
4、U
5、U
6、U
7、U
8、U
9、及びU
10は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、-COO-Z
1、又は-O-Z
1であり、ここで、Z
1はC
1~C
4アルキルであり、
R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、-H、-OH、-F、-Cl、-Br、-I又は-SHである、化合物又はその塩と、
(b)賦形剤、希釈剤又は担体と、
を含み、
前記接触させることが、
(a)(i)600nmの光学密度(OD
600)が0.02の生きたバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)細菌株を最終濃度約50mMのリン酸三カルシウムと共に培養すること、
(ii)前記培養の72時間後に、生きたバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)細菌株から液体培養物の試料を採取すること、及び、
(iii)マラカイトグリーン法を用いて前記液体培養物中のオルトリン酸塩のレベルを定量すること、
を含むインビトロアッセイによって決定される、前記化合物又はその塩の量を生きた微生物と接触させた後の、その接触前に生きた微生物によって産生された可溶性オルトリン酸塩のレベルと比較した、少なくとも約20%の可溶性オルトリン酸塩のレベル上昇、あるいは、
(b)(i)レポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株を、窒素を含まない培地中、0.02のOD
600で好気的に培養することであって、レポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株は、窒素固定に応答してより高いレベルの発光を生じるように構成されたルシフェラーゼレポータープラスミドで形質転換される、培養すること、
(ii)レポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株を、前記培養の24時間後にルシフェリンと接触させること、及び、
(iii)ルミノメーターを使用して発光レベルを定量することであって、より高いレベルの発光がレポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株によるより高い窒素固定度に対応する、発光レベルを定量すること、
を含むインビトロアッセイによって決定される、前記化合物又はその塩の量を生きた微生物と接触させた後の、その接触前に生きた微生物によって産生される窒素固定のレベルと比較した、窒素固定のレベルの上昇、あるいは、
(c)それらの任意の組み合わせ、
を生じさせるのに十分である、方法。
【請求項22】
前記希釈剤を含み、前記希釈剤が農業的に許容される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記希釈剤が植物油を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記植物油が、ヒマワリ油、キャノーラ油、アボガド種子油、ブドウ種子油、アーモンド油、ココアバター、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、麻油、オリーブ油、パーム核油、ピーナッツ油、カボチャ種子油、米ぬか油、サフラワー油、ゴマ種子油、大豆油、クルミ油、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記化合物又はその塩が、式Ia、Ib、Ic、又はId:
【化17】
であり、
式中、R
1、R
2、R
4、R
6、Y
2、Y
3及びY
4が請求項21に定義される通りである、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記化合物又はその塩が式Iaであり、
【化18】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記化合物又はその塩が式Ibであり、
【化19】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記化合物又はその塩が、式Icのもの又はその塩である、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記式Idの化合物が、
【化20】
又はその塩である、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記化合物又はその塩が、式IIa:
【化21】
であり、
式中、R
2、R
4、R
6、Y
3及びY
4が、請求項21に定義される通りである、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記化合物又はその塩が、
【化22】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記化合物又はその塩が式IIIa:
【化23】
であり、
式中、R
1、R
2、U
3、U
4、U
8及びU
10が請求項21に定義される通りである、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記化合物又はその塩が、
【化24】
又はその塩である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記生きた微生物が土壌中に存在する、請求項21~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記生きた微生物が、細菌株、放線菌、真菌、原虫、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記生きた微生物が、バチルス属、アゾバクター(Azobacter).シュードモナス(Pseudomonas)属、ニトロバクター(Nitrobacter)属、クロストロジウム(Clostrodium)属の細菌株、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記生きた微生物が、アゾトバクター・クロオコッカム(Azotobacter chroococcum)、シュードモナス・スタッツェリ(Pseudomonas stutzeri)、シュードモナス・シュードアルカリゲネス(Pseudomonas pseudoalcaligenes)、Massilia tieshanesis、Massilia aerilata、Massilia putida、Bacillus solisilvae、バチルス・ナイアシニ(Bacillus niacini)、Massilia agilis、Bacillus wiedmannii、Massilia brevitalea、Bacillus acidiceler、Bacillus toyonensis、Pseudomonas otitidis、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)、Paenibacillus qinlingensis、Massilia solisilvae、Massilia terrae、Bacillus paramycoides、Massilia aurea、バチルス・アシディコーラ(Bacillus acidicola)、Panenibacillus alginolyticus、バチルス・ナバリス(Bacillus novalis)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、バチルス・ハルマパルス(Bacillus halmapalus)Pseudomonas knackmussii、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラ・バリイコーラ(Klebsiella variicola)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィカス(Gluconacetobacter diazotrophicus)、Massilia arvi、マシリア・アグリ(Massilia agri)、マシリア・ピニルス(Massilia pinisoli)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・バタビエンシス(Bacillus bataviensis)、Massilia chloroacetimidivorans、バチルス・マイコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・フレクス(Bacillus flexus)、バチルス・シンプレックス(Bacillus simplex)、シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)、シュードモナス・プレコアレリカ(Pseudomonas plecoglossicida)、Caballeronia turbans、Psychobacillus lasiicaptis、バチルス・ソリ(Bacillus soli)、バチルス・コーニイ(Bacillus cohnii)、キュープリアビダス・カムピネンシス(Cupriavidus campinensis)、ブレビバクテリウム・フリゴリトレランス(Brevibacterium frigoritolerans)、Bacillus pocheonensis、シュードモナス・モンテイリイ(Pseudomonas monteilii)、バチルス・ビレティ(Bacillus vireti)、Bacillus pacificus、Paenibacillus taihuensis、アゾトバクター・ベイジェリンキイ(Azotobacter beijerinckii)、Paenibacillus contaminans、バチルス・ドレンテンシス(Bacillus drentensis)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ファーマス(Bacillus firmus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・モビリス(Bacillus mobilis)、バチルス・ルシフェレンシス(Bacillus luciferensis)、Massilia niastensis、Bacillus cucumis、シュードモナス・フラベッセンス(Pseudomonas flavescens)、マシリア・チモナエ(Massilia timonae)、Massilia kyonggiensis、シュードモナス・インディカ(Pseudomonas indica)、バチルス・フィルロスファエラエ(Bacillus phyllosphaerae)、Pseudomonas guguanensis、Paenibacillus beijingensis、バチルス・シュードマイコイデス(Bacillus pseudomycoides)、Adhaeribacter terreus、Microvirga zambiensis、Pseudomonas oryzae、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記接触させることが、24時間の期間で少なくとも約1、2、3、4、5、又は6回行われる、請求項21~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記接触させることが、1週間に少なくとも約1、2、3、4、5、6、又は7回行われる、請求項21~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
植物の健康を改善する方法であって、生きた微生物を含む土壌中に存在する植物を請求項1~20のいずれか一項に記載の液体組成物と接触させることを含み、前記接触させることが、同程度の時間成長し、前記組成物と接触していない同様の植物のバイオマス又は青味の量と比較して、前記植物のバイオマス又は青味の量を増加させるのに十分であり、それにより前記植物の健康を改善する方法。
【請求項41】
前記接触させることが、前記植物の葉を接触させることを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記接触させることが、前記植物の茎を接触させることを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記接触させることが、前記植物の根を接触させることを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記接触させることが、前記同等の植物の青味の量と比較して、前記植物の青味の量をより長期間にわたって実質的に維持する、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
植物を作製する方法であって、
(a)植物種子を、式I、式II、又は式IIIの外因性化合物又はその塩:
【化25】
であって、
式中、
A
1及びA
2は、独立して、O又はSであり、
R
1及びR
2は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、又は-X
pであり、ここで、-X
pは、
【化26】
であり、
式中、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、及びY
5は、独立して、-H、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、又は-O-Z
1であり、ここで、Z
1は、C
1~C
4アルキルであり、あるいは、
式中、R
1及びR
2は、それらを連結する炭素原子と共に、5若しくは6員のシクロアルキル環若しくはシクロアルケニル環、又は5若しくは6員のアリール環を形成し、
U
1、U
2、U
3、U
4、U
5、U
6、U
7、U
8、U
9、及びU
10は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、-COO-Z
1、又は-O-Z
1であり、ここで、Z
1はC
1~C
4アルキルであり、
R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、-H、-OH、-F、-Cl、-Br、-I又は-SHである、外因性化合物又はその塩と接触させること、及び、
(b)前記植物種子を生きた微生物を含む土壌に植えることによって、植物を作製すること、を含む方法。
【請求項46】
前記接触させることが、前記組成物と接触せず、同等の時間成長した種子から生じた同様の植物のバイオマスに対して、前記植物のバイオマスを増加させるのに十分である、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記接触させることが、前記組成物と接触せず、同等の時間成長した種子から生じた同様の植物の青味の量に対して、前記植物の青味の量を増加させるのに十分である、請求項45又は46に記載の方法。
【請求項48】
前記化合物又はその塩が、式Ia、Ib、Ic、又はId:
【化27】
であり、
式中、R
1、R
2、R
4、R
6、Y
2、Y
3及びY
4が請求項45に定義される通りである、請求項45~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記化合物又はその塩が式Iaであり、
【化28】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記化合物又はその塩が式Ibのものであり、
【化29】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択される、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記化合物又はその塩が、式Icのもの又はその塩である、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記化合物又はその塩が、式Id:
【化30】
である、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記化合物又はその塩が、式IIa:
【化31】
であり、
式中、R
2、R
4、R
6、Y
3及びY
4が、請求項45に定義される通りである、請求項45~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記化合物又はその塩が、
【化32】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記化合物又はその塩が式IIIa:
【化33】
であり、
式中、R
1、R
2、U
3、U
4、U
8及びU
10が請求項45に定義される通りである、請求項45~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記化合物又はその塩が、
【化34】
又はその塩である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
請求項1~20のいずれか一項に記載の液体組成物を含む、単離された植物種子。
【請求項58】
容器中に請求項1~20のいずれか一項に記載の液体組成物を含むキット。
【請求項59】
前記容器が、スプレーボトル、シリンジ、バイアル、又はバケットである、請求項58に記載のキット。
【請求項60】
容器中に請求項57に記載の単離された植物種子を含むキット。
【請求項61】
前記容器がパウチである、請求項60に記載のキット。
【請求項62】
土壌、肥料、又はそれらの組み合わせをさらに含む、請求項58~61のいずれか一項に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月3日に出願された米国仮特許出願第63/034,228号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、(a)式I、式II、又は式IIIの化合物又はその塩:
【化1】
であって、
式中、A
1及びA
2は、独立して、O又はSであってもよく、R
1及びR
2は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、又は-X
pであってもよく、ここで、-X
pは、
【化2】
であってもよく、
式中、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、及びY
5は、独立して、-H、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、又は-O-Z
1であってもよく、ここで、Z
1は、C
1~C
4アルキルであってもよく、又は式中、R
1及びR
2は、それらを連結する炭素原子と共に、5若しくは6員のシクロアルキル環若しくはシクロアルケニル環、又は5若しくは6員のアリール環を形成することができ、U
1、U
2、U
3、U
4、U
5、U
6、U
7、U
8、U
9、及びU
10は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、-COO-Z
1、又は-O-Z
1であってもよく、ここで、Z
1はC
1~C
4アルキルであり、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、-H、-OH、-F、-Cl、-Br、-I又は-SHであってもよい、化合物又はその塩と、(b)賦形剤、希釈剤又は担体とを含み得る液体組成物が本明細書で開示され、ここで、液体組成物は、(a)(i)600nmの光学密度(OD
600)が0.02の生きたバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)菌株を最終濃度約50mMのリン酸三カルシウムと共に培養すること、(ii)上記培養の72時間後に、生きたバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)細菌株から液体培養物の試料を採取すること、及び、(iii)マラカイトグリーン法を用いて液体培養物中のオルトリン酸塩のレベルを定量すること、を含み得るインビトロアッセイによって決定される、上記化合物又はその塩の量を生きたバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)細菌株と接触させた後の、その接触前に生きたバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)細菌株によって産生された可溶性オルトリン酸塩のレベルと比較した、少なくとも約20%の可溶性オルトリン酸塩のレベル上昇、あるいは、(b)(i)レポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株を、窒素を含まない培地中、0.02のOD
600で好気的に培養することであって、レポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株は、窒素固定に応答してより高いレベルの発光を生じるように構成されたルシフェラーゼレポータープラスミドで形質転換される、培養すること、(ii)レポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株を、培養の24時間後にルシフェリンと接触させること、及び、(iii)ルミノメーターを使用して発光レベルを定量することであって、より高いレベルの発光がレポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株によるより高い窒素固定度に対応し得る、発光レベルを定量すること、を含み得るインビトロアッセイによって決定される、上記化合物又はその塩の量をレポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株と接触させた後の、その接触前にレポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株によって産生される窒素固定のレベルと比較した、窒素固定のレベルの上昇、あるいは、(c)それらの任意の組み合わせ、を少なくとも部分的に刺激することができる上記化合物又はその塩の量を含むことができる。
【0005】
別の態様では、(a)式I、式II、又は式IIIの化合物又はその塩:
【化3】
であって、
式中、A
1及びA
2は、独立して、O又はSであってもよく、R
1及びR
2は、独立して、-H、-OH、COOH、-SH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、又は-X
pであってもよく、ここで、-X
pは、
【化4】
であってもよく、
式中、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、及びY
5は、独立して、-H、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、又は-O-Z
1であってもよく、ここで、Z
1は、C
1~C
4アルキルであってもよく、又は式中、R
1及びR
2は、それらを連結する炭素原子と共に、5若しくは6員のシクロアルキル環若しくはシクロアルケニル環、又は5若しくは6員のアリール環を形成することができ、U
1、U
2、U
3、U
4、U
5、U
6、U
7、U
8、U
9、及びU
10は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、-COO-Z
1、又は-O-Z
1であってもよく、ここで、Z
1はC
1~C
4アルキルであり、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、-H、-OH、-F、-Cl、-Br、-I又は-SHであってもよい、化合物又はその塩と、(b)賦形剤、希釈剤又は担体とを含み得る液体組成物が本明細書で開示され、ここで、上記化合物又はその塩は、上記組成物中に約0.1μMから30μMの濃度で存在する。
【0006】
別の態様では、(a)式I、式II、又は式IIIの化合物又はその塩:
【化5】
であって、
式中、A
1及びA
2は、独立して、O又はSであってもよく、R
1及びR
2は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、又は-X
pであってもよく、ここで、-X
pは、
【化6】
であってもよく、
式中、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、及びY
5は、独立して、-H、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、又は-O-Z
1であってもよく、ここで、Z
1は、C
1~C
4アルキルであってもよく、又は式中、R
1及びR
2は、それらを連結する炭素原子と共に、5若しくは6員のシクロアルキル環若しくはシクロアルケニル環、又は5若しくは6員のアリール環を形成することができ、U
1、U
2、U
3、U
4、U
5、U
6、U
7、U
8、U
9、及びU
10は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、-COO-Z
1、又は-O-Z
1であってもよく、ここで、Z
1はC
1~C
4アルキルであり、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、-H、-OH、-F、-Cl、-Br、-I又は-SHであってもよい、化合物又はその塩と、(b)賦形剤、希釈剤又は担体とを含み得る液体組成物が本明細書で開示され、ここで、液体組成物は、(a)(i)600nmの光学密度(OD
600)が0.02の生きた微生物を最終濃度約50mMのリン酸三カルシウムと共に培養すること、(ii)上記培養の72時間後に、生きた微生物から液体培養物の試料を採取すること、及び、(iii)マラカイトグリーン法を用いて液体培養物中のオルトリン酸塩のレベルを定量すること、を含むインビトロアッセイによって決定される、上記化合物又はその塩の量を生きた微生物と接触させた後の、その接触前に生きた微生物によって産生された可溶性オルトリン酸塩のレベルと比較した、少なくとも約20%の可溶性オルトリン酸塩のレベル上昇、あるいは、(b)(i)生きた微生物を、窒素を含まない培地中、0.02のOD
600で好気的に培養することであって、生きた微生物は、窒素固定に応答してより高いレベルの発光を生じるように構成されたルシフェラーゼレポータープラスミドで形質転換される、培養すること、(ii)生きた微生物を、培養の24時間後にルシフェリンと接触させること、及び、(iii)ルミノメーターを使用して発光レベルを定量することであって、より高いレベルの発光が生きた微生物によるより高い窒素固定度に対応する、発光レベルを定量すること、を含み得るインビトロアッセイによって決定される、上記量の化合物又はその塩をレポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株と接触させた後の、その接触前にレポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株によって産生される窒素固定のレベルと比較した、窒素固定のレベルの上昇、あるいは、それらの任意の組み合わせ、を生じさせるのに少なくとも部分的に有効である上記化合物又はその塩の量を含む。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、約0.1μMから約20μMの濃度で存在し得る。いくつかの実施形態では、組成物は希釈剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、希釈剤は農業的に許容され得る。いくつかの実施形態では、希釈剤は植物油を含むことができる。いくつかの実施形態では、植物油は、ヒマワリ油、キャノーラ油、アボガド種子油、ブドウ種子油、アーモンド油、ココアバター、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、麻油、オリーブ油、パーム核油、ピーナッツ油、カボチャ種子油、米ぬか油、サフラワー油、ゴマ種子油、大豆油、クルミ油、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択することができる。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩を含む液体組成物は、式Ia、Ib、Ic、又はId:
【化7】
であり得、
式中、R
1、R
2、R
4、R
6、Y
2、Y
3及びY
4は先に定義される通りである。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式Iaのものであり得る。いくつかの実施形態では、化合物は、
【化8】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択することができる。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式Ibのものであり得る。いくつかの実施形態では、化合物は、
【化9】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択することができる。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式Icのもの又はその塩であり得る。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式Idのものであり得る。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式Id:
【化10】
のものである。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式IIa:
【化11】
のものであり得、
式中、R
2、R
4、R
6、Y
3及びY
4は先に定義される通りである。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、
【化12】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択することができる。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式IIIa:
【化13】
のものであり得、
式中、R
1、R
2、U
3、U
4、U
8及びU
10は先に定義される通りである。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、
【化14】

又はその塩のものであり得る。いくつかの実施形態では、生きた微生物は土壌中に存在する。いくつかの実施形態では、生きた微生物は、細菌株、放線菌、真菌、原虫、又はそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、生きた微生物は、バチルス(Bacillus)属、アゾバクター(Azobacter).シュードモナス(Pseudomonas)属、ニトロバクター(Nitrobacter)属、クロストロジウム(Clostrodium)属の細菌株、又はそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、生きた微生物は、アゾトバクター・クロオコッカム(Azotobacter chroococcum)、シュードモナス・スタッツェリ(Pseudomonas stutzeri)、シュードモナス・シュードアルカリゲネス(Pseudomonas pseudoalcaligenes)、Massilia tieshanesis、Massilia aerilata、Massilia putida、Bacillus solisilvae、バチルス・ナイアシニ(Bacillus niacini)、Massilia agilis、Bacillus wiedmannii、Massilia brevitalea、Bacillus acidiceler、Bacillus toyonensis、Pseudomonas otitidis、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)、Paenibacillus qinlingensis、Massilia solisilvae、Massilia terrae、Bacillus paramycoides、Massilia aurea、バチルス・アシディコーラ(Bacillus acidicola)、Panenibacillus alginolyticus、バチルス・ナバリス(Bacillus novalis)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、バチルス・ハルマパルス(Bacillus halmapalus)Pseudomonas knackmussii、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラ・バリイコーラ(Klebsiella variicola)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィカス(Gluconacetobacter diazotrophicus)、Massilia arvi、マシリア・アグリ(Massilia agri)、マシリア・ピニルス(Massilia pinisoli)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・バタビエンシス(Bacillus bataviensis)、Massilia chloroacetimidivorans、バチルス・マイコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・フレクス(Bacillus flexus)、バチルス・シンプレックス(Bacillus simplex)、シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)、シュードモナス・プレコアレリカ(Pseudomonas plecoglossicida)、Caballeronia turbans、Psychobacillus lasiicaptis、バチルス・ソリ(Bacillus soli)、バチルス・コーニイ(Bacillus cohnii)、キュープリアビダス・カムピネンシス(Cupriavidus campinensis)、ブレビバクテリウム・フリゴリトレランス(Brevibacterium frigoritolerans)、Bacillus pocheonensis、シュードモナス・モンテイリイ(Pseudomonas monteilii)、バチルス・ビレティ(Bacillus vireti)、Bacillus pacificus、Paenibacillus taihuensis、アゾトバクター・ベイジェリンキイ(Azotobacter beijerinckii)、Paenibacillus contaminans、バチルス・ドレンテンシス(Bacillus drentensis)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ファーマス(Bacillus firmus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・モビリス(Bacillus mobilis)、バチルス・ルシフェレンシス(Bacillus luciferensis)、Massilia niastensis、Bacillus cucumis、シュードモナス・フラベッセンス(Pseudomonas flavescens)、マシリア・チモナエ(Massilia timonae)、Massilia kyonggiensis、シュードモナス・インディカ(Pseudomonas indica)、バチルス・フィルロスファエラエ(Bacillus phyllosphaerae)、Pseudomonas guguanensis、Paenibacillus beijingensis、バチルス・シュードマイコイデス(Bacillus pseudomycoides)、Adhaeribacter terreus、Microvirga zambiensis、Pseudomonas oryzae、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0007】
組成物を生きた微生物と接触させることを含み得る方法も本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、組成物は、(a)式I、式II、又は式IIIの化合物又はその塩:
【化15】
を含み得、
式中、A
1及びA
2は、独立して、O又はSであってもよく、R
1及びR
2は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、又は-X
pであってもよく、ここで、-X
pは、
【化16】
であってもよく、
式中、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、及びY
5は、独立して、-H、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、又は-O-Z
1であってもよく、ここで、Z
1は、C
1~C
4アルキルであってもよく、あるいは、式中、R
1及びR
2は、それらを連結する炭素原子と共に、5若しくは6員のシクロアルキル環若しくはシクロアルケニル環、又は5若しくは6員のアリール環を形成することができ、U
1、U
2、U
3、U
4、U
5、U
6、U
7、U
8、U
9、及びU
10は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、-COO-Z
1、又は-O-Z
1であってもよく、ここで、Z
1はC
1~C
4アルキルであってもよく、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、-H、-OH、-F、-Cl、-Br、-I又は-SHであってもよい、化合物又はその塩と、(b)賦形剤、希釈剤又は担体とを含み得る液体組成物が本明細書で開示され、ここで、接触させることは、(a)(i)600nmの光学密度(OD
600)が0.02の生きたバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)細菌株を最終濃度約50mMのリン酸三カルシウムと共に培養すること、(ii)上記培養の72時間後に、生きたバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)細菌株から液体培養物の試料を採取すること、及び、(iii)マラカイトグリーン法を用いて液体培養物中のオルトリン酸塩のレベルを定量すること、を含み得るインビトロアッセイによって決定される、上記化合物又はその塩の量を生きた微生物と接触させた後の、その接触前に生きた微生物によって産生された可溶性オルトリン酸塩のレベルと比較した、少なくとも約20%の可溶性オルトリン酸塩のレベル上昇、あるいは、(b)(i)レポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株を、窒素を含まない培地中、0.02のOD
600で好気的に培養することであって、レポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株は、窒素固定に応答してより高いレベルの発光を生じるように構成されたルシフェラーゼレポータープラスミドで形質転換される、培養すること、(ii)レポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株を、培養の24時間後にルシフェリンと接触させること、及び、(iii)ルミノメーターを使用して発光レベルを定量することであって、より高いレベルの発光がレポーター・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)細菌株によるより高い窒素固定度に対応する、発光レベルを定量すること、を含み得るインビトロアッセイによって決定される、上記化合物又はその塩の量を生きた微生物と接触させた後の、その接触前に生きた微生物によって産生される窒素固定のレベルと比較した、窒素固定のレベルの上昇、あるいは、(c)それらの任意の組み合わせ、を生じさせるのに十分である。いくつかの実施形態では、組成物は希釈剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、希釈剤は農業的に許容され得る。いくつかの実施形態では、希釈剤は植物油を含むことができる。いくつかの実施形態では、植物油は、ヒマワリ油、キャノーラ油、アボガド種子油、ブドウ種子油、アーモンド油、ココアバター、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、麻油、オリーブ油、パーム核油、ピーナッツ油、カボチャ種子油、米ぬか油、サフラワー油、ゴマ種子油、大豆油、クルミ油、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択することができる。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式Ia、Ib、Ic又はId:
【化17】
であり得、
式中、R
1、R
2、R
4、R
6、Y
2、Y
3及びY
4は先に定義される通りである。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式Iaのものであり得る。いくつかの実施形態では、化合物は、
【化18】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択することができる。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式Ibのものであり得る。いくつかの実施形態では、化合物は、
【化19】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択することができる。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式Icのもの又はその塩であり得る。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式Idのものであり得る。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式Id:
【化20】
のものである。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式IIa:
【化21】
のものであり得、
式中、R
2、R
4、R
6、Y
3及びY
4は先に定義される通りである。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、
【化22】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択することができる。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式IIIa:
【化23】
のものであり得、
式中、R
1、R
2、U
3、U
4、U
8及びU
10は先に定義される通りである。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、
【化24】

又はその塩のものであり得る。いくつかの実施形態では、生きた微生物は土壌中に存在し得る。いくつかの実施形態では、生きた微生物は、細菌株、放線菌、真菌、原虫、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、生きた微生物は、バチルス(Bacillus)属、アゾバクター(Azobacter).シュードモナス(Pseudomonas)属、ニトロバクター(Nitrobacter)属、クロストロジウム(Clostrodium)属の細菌株、又はそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、生きた微生物は、アゾトバクター・クロオコッカム(Azotobacter chroococcum)、シュードモナス・スタッツェリ(Pseudomonas stutzeri)、シュードモナス・シュードアルカリゲネス(Pseudomonas pseudoalcaligenes)、Massilia tieshanesis、Massilia aerilata、Massilia putida、Bacillus solisilvae、バチルス・ナイアシニ(Bacillus niacini)、Massilia agilis、Bacillus wiedmannii、Massilia brevitalea、Bacillus acidiceler、Bacillus toyonensis、Pseudomonas otitidis、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)、Paenibacillus qinlingensis、Massilia solisilvae、Massilia terrae、Bacillus paramycoides、Massilia aurea、バチルス・アシディコーラ(Bacillus acidicola)、Panenibacillus alginolyticus、バチルス・ナバリス(Bacillus novalis)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、バチルス・ハルマパルス(Bacillus halmapalus)Pseudomonas knackmussii、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラ・バリイコーラ(Klebsiella variicola)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィカス(Gluconacetobacter diazotrophicus)、Massilia arvi、マシリア・アグリ(Massilia agri)、マシリア・ピニルス(Massilia pinisoli)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・バタビエンシス(Bacillus bataviensis)、Massilia chloroacetimidivorans、バチルス・マイコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・フレクス(Bacillus flexus)、バチルス・シンプレックス(Bacillus simplex)、シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)、シュードモナス・プレコアレリカ(Pseudomonas plecoglossicida)、Caballeronia turbans、Psychobacillus lasiicaptis、バチルス・ソリ(Bacillus soli)、バチルス・コーニイ(Bacillus cohnii)、キュープリアビダス・カムピネンシス(Cupriavidus campinensis)、ブレビバクテリウム・フリゴリトレランス(Brevibacterium frigoritolerans)、Bacillus pocheonensis、シュードモナス・モンテイリイ(Pseudomonas monteilii)、バチルス・ビレティ(Bacillus vireti)、Bacillus pacificus、Paenibacillus taihuensis、アゾトバクター・ベイジェリンキイ(Azotobacter beijerinckii)、Paenibacillus contaminans、バチルス・ドレンテンシス(Bacillus drentensis)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ファーマス(Bacillus firmus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・モビリス(Bacillus mobilis)、バチルス・ルシフェレンシス(Bacillus luciferensis)、Massilia niastensis、Bacillus cucumis、シュードモナス・フラベッセンス(Pseudomonas flavescens)、マシリア・チモナエ(Massilia timonae)、Massilia kyonggiensis、シュードモナス・インディカ(Pseudomonas indica)、バチルス・フィルロスファエラエ(Bacillus phyllosphaerae)、Pseudomonas guguanensis、Paenibacillus beijingensis、バチルス・シュードマイコイデス(Bacillus pseudomycoides)、Adhaeribacter terreus、Microvirga zambiensis、Pseudomonas oryzae、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、接触させることは、24時間の期間に少なくとも約1、2、3、4、5、又は6回行うことができる。いくつかの実施形態では、接触させることは、1週間に少なくとも約1、2、3、4、5、6、又は7回行うことができる。
【0008】
植物の健康を改善する方法も本明細書に開示される。方法は、生きた微生物を含み得る土壌中に存在する植物を本明細書に記載の組成物と接触させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、接触させることは、同程度の時間成長した本組成物と接触していない同様の植物のバイオマス又は青味の量と比較して、植物のバイオマス又は植物の青味の量を増加させるのに十分であり得、それによって植物の健康を改善する。いくつかの実施形態では、接触させることは、植物の葉に接触させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、接触させることは、植物の茎を接触させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、接触させることは、植物の根を接触させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、接触させることは、同様の植物の青味の量と比較して、植物の青味の量をより長期間にわたって実質的に維持することができる。
【0009】
植物を作製する方法も本明細書に開示される。方法は、(a)植物種子を式I、式II又は式IIIの外因性化合物又はその塩:
【化25】
と接触させることであって、
式中、A
1及びA
2は、独立して、O又はSであってもよく、R
1及びR
2は、独立して、-H、-OH、COOH、-SH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、又は-X
pであってもよく、ここで、-X
pは、
【化26】
であってもよく、
式中、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、及びY
5は、独立して、-H、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、又は-O-Z
1であってもよく、ここで、Z
1は、C
1~C
4アルキルであってもよく、あるいは、式中、R
1及びR
2は、それらを連結する炭素原子と共に、5若しくは6員のシクロアルキル環若しくはシクロアルケニル環、又は5若しくは6員のアリール環を形成することができ、U
1、U
2、U
3、U
4、U
5、U
6、U
7、U
8、U
9、及びU
10は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、-COO-Z
1、又は-O-Z
1であってもよく、Z
1はC
1~C
4アルキルであってもよく、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、-H、-OH、-F、-Cl、-Br、-I又は-SHであってもよい、接触させること、及び、上記植物種子を生きた微生物を含む土壌に植えることによって植物を作製すること、を含み得る。いくつかの実施形態では、接触させることは、組成物と接触せず、同等の時間成長した種子から生じた同様の植物のバイオマスと比較して、植物のバイオマスを増加させるのに十分であり得る。いくつかの実施形態では、接触させることは、組成物と接触せず、同等の時間成長した種子から生じた同様の植物の青味の量に対して、植物の青味の量を増加させるのに十分であり得る。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式Ia、Ib、Ic又はId:
【化27】
であり得、
式中、R
1、R
2、R
4、R
6、Y
2、Y
3及びY
4は先に定義される通りである。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式Iaのものであり得る。いくつかの実施形態では、化合物は、
【化28】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択することができる。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式Ibのものであり得る。いくつかの実施形態では、化合物は、
【化29】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択することができる。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式Icのもの又はその塩であり得る。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式Idのものであり得る。いくつかの実施形態では、式Idの化合物は、
【化30】
又はその塩である。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式IIa:
【化31】
のものであり得、
式中、R
2、R
4、R
6、Y
3及びY
4は先に定義される通りである。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、
【化32】
又はこれらのいずれかの塩からなる群から選択することができる。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、式IIIa:
【化33】
のものであり得、
式中、R
1、R
2、U
3、U
4、U
8及びU
10は先に定義される通りである。いくつかの実施形態では、化合物又はその塩は、
【化34】
又はその塩のものであり得る。
【0010】
本明細書に記載の液体組成物を含むことができる単離された植物種子も本明細書に開示される。
【0011】
本明細書に記載の液体組成物を容器内に含むことができるキットも本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、容器は、スプレーボトル、シリンジ、バイアル、又はバケットであり得る。
【0012】
本明細書に記載の単離された植物種子を容器内に含むことができるキットも本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、容器はパウチであり得る。いくつかの実施形態では、キットは、土壌、肥料、又はそれらの組み合わせをさらに含むことができる。
【0013】
参照による組み込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、及び特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許、又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
例示的な実施形態の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。この特徴及び利点のより良い理解は、例示的な実施形態の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、及び添付の図面を参照することによって得られるであろう。
【0015】
【
図1】本明細書に記載の例示的化合物を使用したモデル細菌株におけるリン酸塩可溶化の刺激を図示する。
【
図2】本明細書に記載の例示的化合物を使用した土壌コンソーシアムにおけるリン酸塩可溶化の刺激を図示する。
【
図3】細菌株を本明細書に記載の例示的化合物と接触させた後のレポーター細菌株における窒素固定遺伝子クラスターの誘導を図示する。
【
図4】植物を本明細書に記載の化合物と接触させた後の植物バイオマスの増加を図示する。植物を接触させると、化合物と接触していない植物と比較して、植物バイオマスが有意に増加した。
【
図5】バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)中の式Idによって誘導されるリン酸塩可溶化活性を示す。リン酸塩レベルを処理の4日後に測定した。2つ星印(**)はp<0.01で有意差を示す。各上清から得られた3つの技術的複製物を試験した。オルトリン酸は、マラカイトグリーンホスフェート法を用いて測定した。
【
図6】式IdによるnifH
pro::ルシフェラーゼバイオリポーターの活性化を示す。nifH
pro::ルシフェラーゼバイオリポーターは過剰対照で活性化され、自由生活性窒素固定細菌であるアゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)におけるニトロゲナーゼ遺伝子発現の増加を示した。
【
図7】式Idによるリン酸塩可溶化の刺激を図示する。それは植物の葉にスプレーとして塗布した場合に刺激された。B73トウモロコシ植物をV3成長段階まで成長させ、ポッティング土壌から取り出し、すすぎ、水道水に1.5週間入れて栄養ストレスを誘導した。植物に葉面処理(指先噴霧器を使用して3mL/植物)を施し、50mLのNBRIP増殖培地([53mM]Ca
3(PO
4)
2)及び500mgの2mm粒子サイズの圃場土壌が入った250mLバッフル付きフラスコに入れた。処理されたコーン及び滅菌された泡キャップを有するフラスコを、蛍光灯下、室温で1日間、100RPMのオービタルシェーカーに置いた。オルトリン酸は、マラカイトグリーンホスフェート法を用いて測定した。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の詳細な説明
植物に利用可能な栄養素(例えば、可溶性オルトリン酸塩又は窒素)の産生を増加させるための化合物、その塩、及び化合物又はその塩を含有する組成物が本明細書で開示される。植物に利用可能な栄養素の産生を増加させるために、本明細書に記載の化合物、塩又は組成物を使用する方法も本明細書に開示される。本明細書に記載の化合物、塩、又は組成物を容器に含むことができるキットも本明細書に開示される。
【0017】
いくつかの態様では、植物に栄養素を提供する土壌の能力を改善する標準化された方法のための可能な解決策である、農学的に重要な活性を増加させるための天然微生物への普遍的なシグナルとして機能し得る小分子化合物(例えば、500ダルトン未満の分子量)が本明細書に開示される。場合によっては、小分子はフラボノイドであり得る。場合によっては、小分子は土壌改良剤として作用し、微生物のリン酸可溶化及び窒素固定活性を刺激し得る。場合によっては、小分子は、モデル微生物系及び土壌微生物の多様なコンソーシアムにおいて細菌のリン酸塩可溶化及び窒素固定の増加を引き起こし得る。場合によっては、小分子は、いくつかのメトリクスにわたって植物の成長を改善することができる。場合によっては、小分子は、植物に有益であることが知られている微生物活性を増強し、植物の健康を改善するための土壌微生物叢の化学的リプログラミングに関する手段となり得る。
【0018】
場合によっては、オルトリン酸塩の量は、本明細書に記載の化合物、塩又は製剤の添加の有無にかかわらず、レポーター細菌株(バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)など)の液体培養物中で決定することができる。72時間で、オルトリン酸塩の平均濃度は、化合物、塩又は製剤との接触により、化合物、塩又は製剤と接触しなかった対照培養物と比較して有意に増加した。
【0019】
場合によっては、窒素固定の量は、本明細書に記載の化合物、塩又は製剤の添加の有無にかかわらず、レポーター細菌株の液体培養物中で決定することができる。レポーター細菌株は、ルシフェリンと接触すると、窒素固定の量に比例し得る発光を生じ得るルシフェラーゼレポーター遺伝子を含み得る。24時間で、窒素固定量は、化合物、塩又は製剤と接触させることにより、化合物、塩又は製剤と接触させなかった対照培養物と比較して有意に増加し得る。
【0020】
場合によっては、本明細書に開示される化合物、組成物、方法又はキットは、土壌に結合した栄養素を放出して植物の成長に利用可能にし、接種活性並びに内因性土壌微生物の活性を増強することができる。このような植物栄養の向上は、より高い生産力をもたらす。
【0021】
場合によっては、本明細書に開示される化合物、組成物、方法又はキットは、栄養素(窒素及びリン)を必要とするシグナル伝達化合物を土壌微生物に放出するように植物を強化することができる。樹枝状菌根菌(AMF)及びリン酸可溶化微生物(PSM)は、これらのシグナルを感知し、リン酸可溶化及び根の共生を増加させることができる。その結果、窒素及びリンが土壌から遊離し、植物が取り込めるようになる。
【0022】
場合によっては、本明細書に開示される化合物、組成物、方法又はキットは、フラボノイドに構造的に類似し得る。場合によっては、本明細書の化合物、組成物、方法又はキットは、微生物の非存在下で植物に影響を及ぼさない可能性がある。
【0023】
場合によっては、合成生物学、ハイスループットスクリーニング、及びビッグデータ分析を使用して分子入力を迅速に同定及び最適化して収量ギャップを縮める、農業のための創薬アプローチが本明細書に開示される。本明細書に開示される研究分野は、光合成、シュート構造、水捕捉及び効率、栄養素の取り込み、並びに根構造を含む。トウモロコシ、ダイズ、及び穀類などのブロードエーカー作物、並びにトマト及びレタスなどの特殊作物に関する独立した圃場試験及び内部圃場試験の両方の4シーズンにあっては、データは、本明細書の化合物、組成物、方法又はキットが効果的で信頼性の高い収量増幅剤であり、気候変動に強い作物を生産することを示す。
【0024】
場合によっては、本明細書の化合物、組成物、方法又はキットは、トウモロコシ、ダイズ及びコムギなどのブロードエーカー作物が、(本明細書中の化合物、組成物、方法又はキットの助けのない)対照植物が以前はアクセスできなかった栄養素にアクセスすることを可能にすることができる。場合によっては、本明細書に開示される化合物、組成物、方法又はキットは、収量性能を向上させるだけでなく、より健康的な植物及びより大きな高品質の作物、例えば、トウモロコシをもたらす。アイオワ州バッキンガムのトウモロコシ圃場試験は、本明細書の化合物、組成物、方法又はキットが窒素欠乏の損傷作用を軽減し、健康な植物成長及び穂の成長を促進するのに役立つことを示した。植物の窒素含有量は、組織試料を用いて定量することができる。窒素を施用しない植物の標準的な組織試料試験では、本化合物、組成物、方法又はキットは、より高い窒素含有量をもたらし得る。同じ効果は、タッセリング期のトウモロコシの大規模ストリップ試験にわたるドローン画像において見ることができる。例えば、本明細書に記載の化合物、塩又は製剤で処理された区画は、処理されたストリップにわたってより健康的な植物を示し得る。例えば、栄養ストレスを受けた基質上の小麦を用いた実験室試験は、本明細書の化合物、組成物、方法又はキットで処理された植物が、対照植物が利用できない栄養素にアクセスすることができることを示す。栄養ストレスにさらされたときに成長する植物の能力は、活発な発芽及び出芽を支援する。
【0025】
場合によっては、本明細書の化合物、組成物、方法又はキットを組み込むことにより、収率の増加に加えて、収穫時におけるより大きな農産物の割合が高くなる。
【0026】
定義
【0027】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。特に明記しない限り、本明細書で使用又は企図される技術は、標準的な方法である。材料、方法及び実施例は例示にすぎず、限定するものではない。
【0028】
1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面、特許請求の範囲、及び本明細書の説明に記載されている。本明細書に開示及び企図される本発明の実施形態の他の特徴、目的、及び利点は、明示的に除外されない限り、任意の他の実施形態と組合わせることができる。
【0029】
例えば「含む(contain)」、「含む(containing)」、「含む(include)」、「含む(including)」などのオープンな用語は、含むことを意味する場合がある。
【0030】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の言及を含み得る。
【0031】
別段の指示がない限り、本明細書のいくつかの例は、数値範囲を意図する。数値範囲が提供される場合、別段の指示がない限り、その範囲は範囲の終点を含むことができる。別段の指示がない限り、数値範囲は、あたかも明示的に書き出されているかのように、その中のすべての値及び部分範囲を含むことができる。
【0032】
参照数値に関する「約」という用語は、その値に対してプラスマイナス10%の値の範囲を含むことができる。例えば、「約10」という量は、9から11の量を含み、参照数として9、10、及び11を含む。参照数値に関する「約」という用語はまた、その値に対してプラスマイナス10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、又は1%の値の範囲を含むことができる。
【0033】
「化合物」という用語は、本明細書に開示される一般式によって包含される化合物、それらの一般式の任意の亜属、及びそれらの一般式又は亜一般式内の任意の特定の化合物を指す場合がある。化合物は、それらの化学構造及び/又は化学名のいずれかによって同定される特定の種、亜属又はより大きな属であり得る。さらに、化合物はまた、本明細書に記載されるそのような種、亜属又は属のいずれかの置換又は修飾も含む。化学構造と化学名が矛盾する場合、化学構造が化合物の正体を決定し得る。化合物は、1つ以上のキラル中心及び/又は二重結合を含むことができ、したがって、立体異性体、異性体、エナンチオマー又はジアステレオマーとして存在することができる。したがって、本明細書の範囲内の化学構造は、立体異性的な不純物が混じっていない形態(例えば、幾何学的な不純物が混じっていない、エナンチオマー的な不純物が混じっていない、又はジアステレオマー的な不純物が混じっていない)及び、鏡像異性体及び立体異性体の混合物を含む、例示された化合物の全ての可能な鏡像異性体及び立体異性体を包含する。さらに、化合物の部分構造を示す場合、アスタリスクは分子の残りの部分構造との結合点を示す。エナンチオマーの混合物及び立体異性体の混合物は、当業者に周知の分離技術又はキラル合成技術を使用して、そのエナンチオマー成分又は立体異性体成分に分割することができる。化合物は、化合物の任意の塩形態又は溶媒和物形態を含むことができる。化合物は、化合物の任意の誘導体を含むことができる。
【0034】
「誘導体」という用語は、「類似体」という用語と互換的に使用することができる。化合物Aの1、2、3、4、又は5個の原子が別の原子又は官能基(例えば、アミノ、ハロ、置換若しくは非置換アルキル、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換ヘテロアルキル、置換若しくは非置換アリールアルキル、置換若しくは非置換ヘテロアリール、置換若しくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換若しくは非置換シクロアルキル、又は置換若しくは非置換ヘテロシクロアルキル)で置換されて化合物Bを形成する場合、化合物Aは化合物Bの誘導体又は類似体であり得る。「誘導体」という用語はまた、別のものと構造的に類似しているが、組成がわずかに異なる化学化合物を指し得る(1個の原子が異なる元素の原子で置換されているか、又は特定の官能基が存在する場合のように)。
【0035】
「単離された」という用語は、混合物、例えば、土壌から単離された形態、または実質的に精製された形態、例えば、水以外のすべての成分またはすべての活性成分の80%以上の高い含有量を指す場合がある。
【0036】
「溶媒和物」という用語は、化合物の活性及び/又は特性の1つ以上を保持し、かつ、望ましくないものではない溶媒和物を含み得るが、これに限定されない。溶媒和物の例としては、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、エタノールアミン、又はそれらの組合わせと組合わせた化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
「塩」という用語は、遊離酸及び遊離塩基の活性及び特性の1つ以上を保持し、かつ、望ましくないものではない塩を含み得るが、これらに限定されない。塩の例示的な例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソブチレート、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオレート、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベレート、セバケート、フマレート、マレイン酸塩、ブチン-1,4-ジオエート、ヘキシン-1,6-ジオエート、安息香酸塩、クロロベンゾエート、メチルベンゾエート、ジニトロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、メトキシベンゾエート、フタレート、スルホネート、キシレンスルホネート、フェニルアセタート、フェニルプロピオネート、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、y-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、及びマンデル酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
別段の指示がない限り、化学構造は、その化学構造を有する任意の化合物を指す場合がある。
【0039】
別段の指示がない限り、本明細書の製剤は粉末状であり得る。
【0040】
別段の指示がない限り、本明細書の粉末製剤は、製剤の重量基準で、約0重量%から約15重量%、例えば、0~10重量%、0~5重量%、又は0~1重量%の量の水を含有し得、又は、約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、又は99重量%の水を含有し得る。
【0041】
別段の指示がない限り、本明細書中に開示又は例示される構造中に立体中心が存在するときはいつでも、立体中心は、それぞれの場合においてR又はSであり得る。
【0042】
別段の指示がない限り、本明細書中の分子構造の一部として使用される場合、記号
【化35】
があるときはいつでも、単結合を指すことができる。
【0043】
「アミノ」という用語は、孤立電子対を持つ塩基性窒素原子を含む官能基を指す場合がある。例えば、アミノは、ラジカル
【化36】
を含むことができ、ここで、各R’は、独立して、H、ハロ、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルである。
【0044】
「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素若しくはヨウ素又はそのラジカルを指す場合がある。
【0045】
「アルキル」という用語は、親アルカン、アルケン又はアルキンの単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される飽和又は不飽和、分岐、直鎖又は環状の一価炭化水素基を指す場合がある。典型的なアルキル基としては、メチル;エチル、例えば、エタニル、エテニル、エチニル;プロピル、例えば、プロパン-1-イル、プロパン-2-イル、シクロプロパン-1-イル、プロパ-1-エン-1-イル、プロパ-1-エン-2-イル、プロパ-2-エン-1-イル(アリル)、シクロプロパ-1-エン-1-イル;シクロプロパ-2-エン-1-イル、プロパ-1-イン-1-イル、プロパ-2-イン-1-イル;ブチル、例えば、ブタン-1-イル、ブタン-2-イル、2-メチル-プロパン-1-イル、2-メチル-プロパン-2-イル、シクロブタン-1-イル、ブタ-1-エン-1-イル、ブタ-1-エン-2-イル、2-メチル-プロパ-1-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-2-イル、ブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブタ-1,3-ジエン-2-イル、シクロブタ-1-エン-1-イル、シクロブタ-1-エン-3-イル、シクロブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブタ-1-イン-1-イル、ブタ-1-イン-3-イル、ブタ-3-イン-1-イル;などが挙げられるが、これに限定されない。
【0046】
「アリール」という用語は、親芳香環系の単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される一価芳香族炭化水素基を指す場合がある。典型的なアリール基としては、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ-2,4-ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の場合において、アリール基は、6個から20個の炭素原子を含む。
【0047】
「ヘテロアルキル、ヘテロアルカニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル」という用語は、それぞれ、1個以上の炭素原子(及び任意の関連する水素原子)がそれぞれ独立して同じ又は異なるヘテロ原子基で置き換えられている、アルキル、アルカニル、アルケニル及びアルキニル基を指す。典型的なヘテロ原子基としては、限定するものではないが、-O-、-S-、-O-O’、-S-S-、-O-S-、-NR’-、=N-N=、-N=N-、-N=N-NR’-、-PH-、-P(O)2-、-O-P(O)2-、-S(O)-、-S(O)2-、-SnH2-などが挙げられ、式中、R’は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール又は置換アリールである。
【0048】
「ヘテロアリール」という用語は、親ヘテロ芳香族環系の単一の原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される一価のヘテロ芳香族基を指す場合がある。典型的なヘテロアリール基としては、アクリジン、アルシンドール、カルバゾール、β-カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテンなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の場合において、ヘテロアリール基は、5~20員のヘテロアリールであり、他の場合においては、5~10員のヘテロアリールである。ある特定の場合において、ヘテロアリール基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、オキサゾール及びピラジンから誘導されるものである。
【0049】
「アリールアルキル」という用語は、炭素原子、典型的には末端又はsp3炭素原子に結合した水素原子の1つがアリール基で置き換えられている非環式アルキル基を指す場合がある。典型的なアリールアルキル基としては、ベンジル、2-フェニルエタン-1-イル、2-フェニルエテン-1-イル、ナフチルメチル、2-ナフチルエタン-1-イル、2-ナフチルエテン-1-イル、ナフトベンジル、2-ナフトフェニルエタン-1-イルなどが挙げられるが、これらに限定されない。特定のアルキル部分が意図される場合、アリールアルカニル、アリールアルケニル及び/又はアリールアルキニルという命名法が使用される。ある特定の場合において、アリールアルキル基は、(C6~C30)アリールアルキルであり、例えば、アリールアルキル基のアルカニル、アルケニル又はアルキニル部分は、(C1~C10)であり、アリール部分は、(C6~C20)である。
【0050】
「ヘテロアリール」という用語は、親ヘテロ芳香族環系の単一の原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される一価のヘテロ芳香族基を指す場合がある。典型的なヘテロアリール基としては、アクリジン、アルシンドール、カルバゾール、β-カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテンなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の場合において、ヘテロアリール基は、5~20員のヘテロアリールであり、他の場合においては、5~10員のヘテロアリールである。ある特定の場合において、ヘテロアリール基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、オキサゾール及びピラジンから誘導されるものである。
【0051】
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、炭素原子、典型的には末端又はsp3炭素原子に結合した水素原子の1つがヘテロアリール基で置き換えられている非環式アルキル基を指す場合がある。特定のアルキル部分が意図される場合、ヘテロアリールアルカニル、ヘテロアリールアルケニル及び/又はヘテロアリールアルキニルという命名法が使用される。ある特定の場合において、ヘテロアリールアルキル基は、6~30員のヘテロアリールアルキルであり、例えば、ヘテロアリールアルキルのアルカニル、アルケニル又はアルキニル部分は、1~10員であり、ヘテロアリール部分は、5~20員のヘテロアリールである。
【0052】
「シクロアルキル」という用語は、飽和又は不飽和環状アルキル基を指す場合がある。特定の飽和レベルが意図される場合、「シクロアルカニル」又は「シクロアルケニル」という命名法が使用される。典型的なシクロアルキル基としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の場合において、シクロアルキル基は、(C3~C10)シクロアルキルであり、又はある特定の場合においては、(C3~C6)シクロアルキルである。
【0053】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、1個以上の炭素原子(及び任意の関連する水素原子)が独立して同じ又は異なるヘテロ原子で置き換えられている飽和又は不飽和環状アルキル基を指す場合がある。炭素原子を置換する典型的なヘテロ原子としては、N、P、O、S及びSiが挙げられるが、これらに限定されない。典型的なヘテロシクロアルキル基としては、エポキシド、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピロリジン、キヌクリジンなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
「ジアステレオマー過剰率」(DE)という用語は、2つのジアステレオマーの相対的存在量との差を指す場合がある。例えば、2つのジアステレオマーが存在し、それらのモル又は重量百分率がA及びBである場合、DEは、DE=[(A-B)/(A+B)]*100%として計算することができる。例えば、混合物が一方のジアステレオマーを75%、他方のジアステレオマーを25%含有する場合、ジアステレオマー過剰率は50%である。別の例では、一方のジアステレオマーが95%の混合物の場合、ジアステレオマー過剰率は90%である。
【0055】
「鏡像体過剰率」(EE)という用語は、2つの鏡像体の相対的存在量との差を指す場合がある。例えば、2つのエナンチオマーが存在し、それらのモル又は重量百分率がA及びBである場合、EEは、EE=[(A-B)/(A+B)]*100%として計算することができる。例えば、混合物が一方のエナンチオマーを75%、他方のエナンチオマーを25%含有する場合、エナンチオマー過剰率は50%である。別の例では、一方のエナンチオマーが95%の混合物の場合、エナンチオマー過剰率は90%である。
【0056】
「置換された」という用語は、1個以上の水素原子がそれぞれ独立して同じ又は異なる置換基で置き換えられている基を指す場合がある。典型的な置換基としては、ハロ、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
別段の指示がない限り、「処理した」は、「接触した」を指し得る。同様に、「未処理」は、「未接触」を指す場合がある。
【0058】
「実質的に同じ植物」という用語は、先に言及された植物と同じ種の植物を指す場合がある。例えば、実質的に同じであるが、未接触の植物は、接触した植物と同じ種に属する。実質的に同じであるが未接触の植物は、接触した植物の約80%~120%の高さ(周囲の土壌から植物の最高点まで測定した場合)を有することができ、かつ/又は、接触した植物の約80%~120%の質量を有することができる。
【0059】
「干ばつ」という用語は、過去12か月以内に20インチ、15インチ、10インチ、又は5インチ未満の降雨量しかない状態を意味することができる。用語「干ばつ」はまた、-1.0未満のPalmer Drought Severity Index(PDSI)を有する状態を意味し得る。「十分に潅水された状態」という用語は、過去12ヶ月以内に20インチを超える降雨量がある状態を意味することができる。「十分に潅水された状態」という用語は、-1.0を超えるPDSIを有する状態を意味することができる。
【0060】
「植物」という用語は、「作物」という用語と互換的に使用することができ、食品、衣類、家畜飼料、バイオ燃料、医薬品、又は他の用途のために収穫され得る任意の作物、栽培植物、真菌、又は藻類を挙げられるが、これらに限定されない。例えば、植物としては、畑作物及び温室作物が挙げられ、ブロードエーカー作物、果実及び野菜、多年生木本作物、及び観賞植物が挙げられるが、これらに限定されない。植物としては、サトウキビ、カボチャ、トウモロコシ(コーン)、コムギ、イネ、キャッサバ、ダイズ、ヘイ、ジャガイモ、ワタ、トマト、アルファルファ及び緑藻類が挙げられるが、これらに限定されない。植物としては、また、キャベツ、カブ、カブ、ニンジン、パースニップ、ビート根、レタス、マメ、そらまめ、エンドウ豆、ジャガイモ、ナス、トマト、キュウリ、カボチャ(pumpkin)、カボチャ(squash)、タマネギ、ニンニク、ニラ、トウガラシ、ホウレンソウ、ヤマノイモ、サツマイモ、及びキャッサバなどの任意の野菜が挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
序論
【0062】
リン及び窒素は、農業システムにおける植物にとって重要な要素又は制限要素である。農耕用土壌にはリン及び窒素に富む肥料が頻繁に補充されているが、これらの重要な要素の大部分は、不動化、浸出、分解又は固定によって植物にすぐに利用できなくなる。肥料からの過剰な栄養素は、水路を汚染し、再生不可能な資源に依存し、環境に温室効果ガスをもたらす。したがって、持続可能な農業の将来は、収量を維持又は増加させながら肥料投入量を減少させる新しい技術にかかっている。土壌微生物は、リン及び窒素などの植物が必要とする栄養素を土壌から植物に送達するにあたって主要な役割を果たす。これらの微生物に基づく栄養移動プロセスは、現代の大規模農業では十分に利用されておらず、今日まで、土壌中のオルトリン酸塩及び固定窒素を増加させる土壌の生来の能力を改善するための拡張可能で効果的な解決策は、ブロードエーカー農業のためにまだ開発されていない(Lucy 2004)。
【0063】
細菌のリン酸可溶化の主な方法は、有機酸の分泌である。この自然のプロセスは、現代の大規模農業ではほとんど利用されておらず、今日まで、土壌の生来の微生物オルトリン酸生産を改善するための信頼できる効果的な解決策は、ブロードエーカー農業のためにまだ開発されていない。土壌中の利用可能なオルトリン酸塩のプールを増強する細菌能力が増加すると、農業システムでは、高価で非効率的な化学肥料の施用を制限しながら、植物の成長が向上する。単離された液体培養物中の土壌細菌及び土壌の生来の微生物群の両方において、土壌微生物のリン酸塩可溶化の有意な増加を引き起こす化合物及び製剤が本明細書に開示される。
【0064】
土壌中の細菌リン酸塩可溶化及び窒素固定を改善するための努力は、土壌への微生物接種剤の導入に依存してきた。この戦略は、ブロードエーカー農業では効果がなく、以下のいくつかの欠点、すなわち、1.)生きた微生物の生存率は、瓶詰めされ、適切な増殖条件で維持されないときに低下し、2.)多くの有益な土壌微生物を培養することができず、3.)添加された土壌微生物の持続性及び生物活性は、天然の確立された土壌微生物集団に負けて低い場合があり、4.)環境へ微生物を導入することには複雑な規制要件及び制限がある、という欠点がある。
【0065】
微生物接種剤に対する直交的アプローチは、内因性土壌微生物叢の能力を利用して植物成長促進活性を増強することである。根と土壌微生物叢との間の共生は、小分子シグナル伝達によって開始され、維持される。農学的に重要な活性を増加させるために天然微生物に対する普遍的なシグナルとして働くことができる小分子は、植物に栄養素を提供する土壌の能力を改善する標準化された方法のための可能な解決策である。植物は、その組織及び器官内で化学シグナル伝達を使用して、光、水、栄養素、有益な微生物、及び病原性微生物などの環境信号を伝達し、応答する。プラントが使用する化学シグナルの様々なカテゴリ/クラスがある。化学シグナルは、植物の水路を通って根とシュートとの間を移動することができ、土壌の中に、場合によってはなんと空気中のガスとして排出される場合がある。
【0066】
本明細書に記載の化合物、塩、溶媒和物、及び/又は製剤は、土壌又は植物に(例えば、植物の種子、根又は林冠に)施用することができる。本明細書に記載の化合物、塩、溶媒和物及び/又は製剤は、リン酸可溶化細菌の活性を刺激することによって、土壌中の利用可能なリン酸塩の増加をもたらし得る。本明細書に記載の化合物、塩、溶媒和物及び/又は製剤は、窒素固定細菌の活性を刺激することによって、土壌中の利用可能な窒素の増加をもたらし得る。利用可能な土壌リン酸塩及び窒素を改善することができる化合物及び製剤が本明細書に開示される。本化合物及び/又は製剤を作製する方法、並びに本化合物及び/又は製剤を使用する方法も本明細書に開示される。
【0067】
本明細書に記載の化合物、塩、溶媒和物、及び/又は製剤は、微生物(例えば、細菌、放線菌、真菌又は原虫)と共に存在することができる。場合によっては、微生物は、単離された(例えば、精製された、又は実質的に精製された)細菌を含む。場合によっては、微生物は、接種又は培養された土壌由来の細菌を含む。場合によっては、微生物は、農業製剤1グラム当たり少なくとも約10(例えば、少なくとも約100又は少なくとも約1000)のコロニー形成単位で存在する。場合によっては、微生物は野生型細菌を含む。場合によっては、微生物は遺伝子操作された細菌を含む。場合によっては、微生物は、リン酸可溶化細菌、窒素固定細菌、又はそれらの組み合わせを含む。場合によっては、リン酸塩可溶化細菌は、バチルス属の細菌株を含む。場合によっては、バチルス属の細菌株はバチルス・メガタリウム(Bacillus megatarium)を含む。場合によっては、窒素固定細菌は、アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinlandii)を含む。場合によっては、微生物は、少なくとも1つのグラム陰性細胞を含む。場合によっては、少なくとも1つのグラム陰性細胞は、グラム陰性球菌、グラム陰性桿菌、又はそれらの組み合わせを含む。場合によっては、微生物は少なくとも1つのグラム陽性細胞を含む。場合によっては、少なくとも1つのグラム陽性細胞は、グラム陽性球菌、グラム陽性桿菌、又はそれらの組み合わせを含む。場合によっては、微生物は、クラミジア、緑色非硫化細菌、アシノバクテリア、プラントマイセス、スピロヘータ、フソバクテリア、シアノバクテリア、好熱性細菌、アシドバクテリア、プロテオバクテリア、アゾトバクター・クロオコッカム(Azotobacter chroococcum)、シュードモナス・スタッツェリ(Pseudomonas stutzeri)、シュードモナス・シュードアルカリゲネス(Pseudomonas pseudoalcaligenes)、Massilia tieshanesis、Massilia aerilata、Massilia putida、Bacillus solisilvae、バチルス・ナイアシニ(Bacillus niacini)、Massilia agilis、Bacillus wiedmannii、Massilia brevitalea、Bacillus acidiceler、Bacillus toyonensis、Pseudomonas otitidis、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)、Paenibacillus qinlingensis、Massilia solisilvae、Massilia terrae、Bacillus paramycoides、Massilia aurea、バチルス・アシディコーラ(Bacillus acidicola)、Panenibacillus alginolyticus、バチルス・ナバリス(Bacillus novalis)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、バチルス・ハルマパルス(Bacillus halmapalus)Pseudomonas knackmussii、Massilia arvi、マシリア・アグリ(Massilia agri)、マシリア・ピニルス(Massilia pinisoli)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・バタビエンシス(Bacillus bataviensis)、Massilia chloroacetimidivorans、バチルス・マイコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・フレクス(Bacillus flexus)、バチルス・シンプレックス(Bacillus simplex)、シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)、シュードモナス・プレコアレリカ(Pseudomonas plecoglossicida)、Caballeronia turbans、Psychobacillus lasiicaptis、バチルス・ソリ(Bacillus soli)、バチルス・コーニイ(Bacillus cohnii)、キュープリアビダス・カムピネンシス(Cupriavidus campinensis)、ブレビバクテリウム・フリゴリトレランス(Brevibacterium frigoritolerans)、Bacillus pocheonensis、シュードモナス・モンテイリイ(Pseudomonas monteilii)、バチルス・ビレティ(Bacillus vireti)、Bacillus pacificus、Paenibacillus taihuensis、アゾトバクター・ベイジェリンキイ(Azotobacter beijerinckii)、Paenibacillus contaminans、バチルス・ドレンテンシス(Bacillus drentensis)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ファーマス(Bacillus firmus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・モビリス(Bacillus mobilis)、バチルス・ルシフェレンシス(Bacillus luciferensis)、Massilia niastensis、Bacillus cucumis、シュードモナス・フラベッセンス(Pseudomonas flavescens)、マシリア・チモナエ(Massilia timonae)、Massilia kyonggiensis、シュードモナス・インディカ(Pseudomonas indica)、バチルス・フィルロスファエラエ(Bacillus phyllosphaerae)、Pseudomonas guguanensis、Paenibacillus beijingensis、バチルス・シュードマイコイデス(Bacillus pseudomycoides)、Adhaeribacter terreus、Microvirga zambiensis、Pseudomonas oryzae、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む。
【0068】
化合物
【0069】
式Iの化合物又はその塩:
【化37】
又はその任意の塩若しくは溶媒和物が本明細書に開示され、
式中、A
1及びA
2は、独立して、O又はSであってもよく、R
1及びR
2は、独立して、-H、-OH、-SH、COOH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、又は-X
pであってもよく、ここで、-X
pは、
【化38】
であり、
式中、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、及びY
5は、独立して、-H、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、又は-O-Z
1であってもよく、ここで、Z
1は、C
1~C
4アルキルであってもよく、又は式中、R
1及びR
2は、それらを連結する炭素原子と共に、5若しくは6員のシクロアルキル環若しくはシクロアルケニル環、又は5若しくは6員のアリール環を形成することができ、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、-H、-OH、-F、-Cl、-Br、-I又は-SHであってもよい。
【0070】
式IIの化合物又はその塩:
【化39】
又はその任意の塩若しくは溶媒和物もまた本明細書に開示され、
式中、A
1及びA
2は、独立して、O又はSであってもよく、R
1及びR
2は、独立して、-H、-OH、-SH、COOH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、又は-X
pであってもよく、ここで、-X
pは、
【化40】
であり、
式中、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、及びY
5は、独立して、-H、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、又は-O-Z
1であってもよく、ここで、Z
1は、C
1~C
4アルキルであってもよく、又は式中、R
1及びR
2は、それらを連結する炭素原子と共に、5若しくは6員のシクロアルキル環若しくはシクロアルケニル環、又は5若しくは6員のアリール環を形成することができ、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、-H、-OH、-F、-Cl、-Br、-I又は-SHであってもよい。
【0071】
式IIの化合物又はその塩:
【化41】
又はその任意の塩若しくは溶媒和物もまた本明細書に開示され、
式中、R
1及びR
2は、独立して、-H、-OH、COOH、-SH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、又は-X
pであってもよく、ここで、-X
pは、
【化42】
であってもよく、
式中、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、及びY
5は、独立して、-H、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、又は-O-Z
1であり、ここで、Z
1は、C
1~C
4アルキルであってもよく、又は式中、R
1及びR
2は、それらを連結する炭素原子と共に、5若しくは6員のシクロアルキル環若しくはシクロアルケニル環、又は5若しくは6員のアリール環を形成することができ、
U
1、U
2、U
3、U
4、U
5、U
6、U
7、U
8、U
9、及びU
10は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、-COO-Z
1、又は-O-Z
1であってもよく、ここで、Z
1はC
1~C
4アルキルであってもよい。
【0072】
場合によっては、化合物は、式Ia、式Ib、式Ic又は式Id:
【化43】
のものであり得、
式中、R
1及びR
2は、独立して、-H、-OH、-SH、COOH、C
1~C
6アルキル又はC
3~C
6シクロアルキルであってもよく、Y
3及びY
4は、独立して、-H、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I又は-O-Z
1であってもよく、Z
1は、C
1~C
4アルキルであってもよく、R
4及びR
6は、独立して、-H、-OH、-F、-Cl、-Br、-I又は-SHであってもよい。
【0073】
場合によっては、化合物又はその塩は式Iaのものであり得る。場合によっては、式Iaの化合物は、
【化44】
又はこれらのいずれかの塩を含み得る。
【0074】
場合によっては、化合物は、式Ibの化合物又はその塩であり得る。場合によっては、式Ibの化合物は、
【化45】
又はこれらのいずれかの塩を含み得る。
【0075】
場合によっては、化合物は、式Icの化合物又はその塩:
【化46】
であり得る。
【0076】
場合によっては、化合物は、式Idの化合物又はその塩であり得る。場合によっては、式Idの化合物は、
【化47】
又はこの塩を含み得る。
【0077】
場合によっては、化合物又はその塩は、式IIa:
【化48】
のものであり得、式中、R
2は、独立して、-H、-OH、-SH、C
1~C
6アルキル又はC
3~C
6シクロアルキルであってもよく、Y
3及びY
4は、独立して、-H、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I又は-O-Z
1であってもよく、ここで、Z
1は、C
1~C
4アルキルであってもよく、R
4及びR
6は、独立して、-H、-OH、-F、-Cl、-Br、-I又は-SHであってもよい。
【0078】
場合によっては、式IIaの化合物又はその塩は、
【化49】
又はこれらのいずれかの塩を含み得る。
【0079】
場合によっては、化合物又はその塩は、式IIIa:
【化50】
のもの、又はその任意の塩若しくは溶媒和物であり得、
式中、R
1及びR
2は、独立して、-H、-OH、COOH、-SH、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、又は-X
pであってもよく、ここで、-X
pは、
【化51】
であってもよく、
式中、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、及びY
5は、独立して、-H、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、又は-O-Z
1であり、ここで、Z
1は、C
1~C
4アルキルであってもよく、又は式中、R
1及びR
2は、それらを連結する炭素原子と共に、5若しくは6員のシクロアルキル環若しくはシクロアルケニル環、又は5若しくは6員のアリール環を形成することができ、
U
3、U
4、U
8、及びU
10は、独立して、-H、-OH、-COOH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、-COO-Z
1、又は-O-Z
1であってもよく、ここで、Z
1はC
1~C
4アルキルであってもよい。
【0080】
場合によっては、式IIIaの化合物又はその塩は、
【化52】
又はその塩若しくは溶媒和物を含み得る。
【0081】
場合によっては、化合物、塩又は溶媒和物は、任意の異性体を含み得る。場合によっては、化合物、塩又は溶媒和物は、任意の立体異性体を含み得る。場合によっては、化合物、塩又は溶媒和物は、本明細書に開示される化合物、塩又は溶媒和物の互変異性体であり得る。
【0082】
場合によっては、化合物、塩又は溶媒和物は、ジアステレオ異性体であり得る。場合によっては、化合物、塩又は溶媒和物は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%又は少なくとも約50%から100%のジアステレオマー過剰率を有するジアステレオ異性体であり得る。本明細書に開示される化合物、塩、又は溶媒和物は、少なくとも約15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、又は99%のジアステレオマー過剰率を有し得る。本明細書に開示される化合物、塩又は溶媒和物は、15%~99%、20%~99%、30%~99%、40~99%、50~99%、60~99%、70~99%、80~99%、90~99%、15%~90%、20%~90%、30%~90%、40~90%、50~90%、60~90%、70~90%、80~90%、15%~80%、20%~80%、30%~80%、40~80%、50~80%、60~80%、70~80%、15%~70%、20%~70%、30%~70%、40~70%、50~70%、60~70%、15%~60%、20%~60%、30%~60%、40~60%、50~60%、15%~50%、20%~50%、30%~50%、40~50%、15%~40%、20%~40%、30%~40%、15%~30%、20%~30%、又は15~20%のジアステレオマー過剰率を有し得る。場合によっては、本明細書に開示される化合物、塩又は溶媒和物は、少なくとも約50%から100%のジアステレオマー過剰率を有し得る。
【0083】
場合によっては、化合物、塩又は溶媒和物は、その任意のエナンチオマーを含み得る。場合によっては、化合物、塩又は溶媒和物は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、又は少なくとも約50%から100%の鏡像体過剰率を有する鏡像体であり得る。本明細書に開示される化合物、塩、又は溶媒和物は、少なくとも約15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、又は99%の鏡像体過剰率を有し得る。本明細書に開示される化合物、塩又は溶媒和物は、15%~99%、20%~99%、30%~99%、40~99%、50~99%、60~99%、70~99%、80~99%、90~99%、15%~90%、20%~90%、30%~90%、40~90%、50~90%、60~90%、70~90%、80~90%、15%~80%、20%~80%、30%~80%、40~80%、50~80%、60~80%、70~80%、15%~70%、20%~70%、30%~70%、40~70%、50~70%、60~70%、15%~60%、20%~60%、30%~60%、40~60%、50~60%、15%~50%、20%~50%、30%~50%、40~50%、15%~40%、20%~40%、30%~40%、15%~30%、20%~30%、又は15~20%の鏡像体過剰率を有し得る。場合によっては、本明細書に開示される化合物、塩又は溶媒和物は、少なくとも約50%から100%の鏡像体過剰率を有し得る。
【0084】
組成物
【0085】
本明細書に記載の1つ以上の化合物、塩又は溶媒和物を含むことができる組成物も本明細書に開示される。場合によっては、組成物は固体組成物であり得る。場合によっては、組成物は液体組成物であり得る。組成物は、種子処理、土壌灌注、顆粒製剤又は葉面散布の形で使用して、多種多様な作物の生産性を向上させることができる。
【0086】
本明細書に記載の1つ以上の化合物、塩又は溶媒和物を含有する本明細書に記載の組成物は、土壌中のリン酸塩可溶化の量を増加させることができる。例えば、組成物は、土壌中に存在する1つ以上の生きた微生物によって不溶性リン酸塩源(例えば、リン酸三カルシウム又は同等物)から産生される可溶性オルトリン酸塩の量を増加させるのに十分な量の化合物、塩又は溶媒和物を含み得る。本明細書に記載の1つ以上の化合物、塩又は溶媒和物を含有する本明細書に記載の組成物は、土壌中の利用可能な窒素の量を増加させることができる。例えば、組成物は、土壌中に存在する1つ以上の生きた微生物からの窒素固定量を増加させるのに十分な量の化合物、塩又は溶媒和物を含み得る。本明細書に記載の1つ以上の化合物、塩又は溶媒和物を含有する本明細書に記載の組成物は、植物の収穫量を増加させることができる。本明細書に記載の1つ以上の化合物、塩又は溶媒和物を含有する本明細書に記載の組成物は、植物のバイオマスを増加させることができる。本明細書に記載の1つ以上の化合物、塩又は溶媒和物を含有する本明細書に記載の組成物は、植物の青味のレベルを増加させることができる。
【0087】
組成物は、少なくとも約0.1%(w/w)の組成物、塩又は溶媒和物を含み得、例えば、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%の組成物、塩、又は溶媒和物を含み得る。
【0088】
組成物は、約95%(w/w)未満の組成物、塩又は溶媒和物を含み得、例えば、約0.1%未満、約0.2%未満、約0.3%未満、約0.4%未満、約0.5%未満、約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約45%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、約85%未満、約90%未満、又は約95%未満の組成物、塩又は溶媒和物を含み得る。
【0089】
組成物は、約0.1%~100%(w/w)のAB組成物、塩又は溶媒和物を含み得、例えば、約0.1%~1%、0.1%~5%、約0.1~10%、約0.1%~20%、約0.5%~1%、約0.5%~5%、約0.5%~10%、約0.5%~20%、約1%~5%、約1%~10%、約1%~20%、約5%~10%、約5%~20%、約10%~20%、約10%~30%、約20%~30%、約20%~40%、約30%~40%、約30%~50%、約40%~50%、約40%~60%、約50%~60%、約50%~70%、約60%~70%、約60%~80%、約70%~80%、約70%~90%、約80%~90%、約80%~95%、約90%~95%、約90%~99%、約90%~100%、約95%~99%、又は約99%~100%のAB組成物、塩又は溶媒和物を含み得る。
【0090】
組成物は、少なくとも約0.1%(w/w)の本明細書に記載の式I、式II、もしくは式IIIの化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含み得、例えば、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%の化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含み得る。
【0091】
組成物は、約95%(w/w)未満の式I、式II、もしくは式IIIの化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含み得、例えば、約0.1%未満、約0.2%未満、約0.3%未満、約0.4%未満、約0.5%未満、約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約45%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、約85%未満、約90%未満、又は約95%未満の式I、式II、もしくは式IIIの化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含み得る。
【0092】
組成物は、約0.1%~100%(w/w)の式I、式II、もしくは式IIIの化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和を含み得、例えば、約0.1%~1%、0.1%~5%、約0.1~10%、約0.1%~20%、約0.5%~1%、約0.5%~5%、約0.5%~10%、約0.5%~20%、約1%~5%、約1%~10%、約1%~20%、約5%~10%、約5%~20%、約10%~20%、約10%~30%、約20%~30%、約20%~40%、約30%~40%、約30%~50%、約40%~50%、約40%~60%、約50%~60%、約50%~70%、約60%~70%、約60%~80%、約70%~80%、約70%~90%、約80%~90%、約80%~95%、約90%~95%、約90%~99%、約90%~100%、約95%~99%、又は約99%~100%の式I、式II、もしくは式IIIの化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和を含み得る。
【0093】
組成物は、少なくとも約0.1%(w/w)の式Ia、式Ib、式Ic、もしくは式Idの化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含み得、例えば、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%の式Ia、式Ib、式Ic、もしくは式Idの化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含み得る。
【0094】
組成物は、約95%(w/w)未満の式Ia、式Ib、式Ic、もしくは式Idの化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含み得、例えば、約0.1%未満、約0.2%未満、約0.3%未満、約0.4%未満、約0.5%未満、約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約45%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、約85%未満、約90%未満、又は約95%未満の式Ia、式Ib、式Ic、もしくは式Idの化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含み得る。
【0095】
組成物は、約0.1%~100%(w/w)の式Ia、式Ib、式Ic、もしくは式Idの化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和を含み得、例えば、約0.1%~1%、0.1%~5%、約0.1~10%、約0.1%~20%、約0.5%~1%、約0.5%~5%、約0.5%~10%、約0.5%~20%、約1%~5%、約1%~10%、約1%~20%、約5%~10%、約5%~20%、約10%~20%、約10%~30%、約20%~30%、約20%~40%、約30%~40%、約30%~50%、約40%~50%、約40%~60%、約50%~60%、約50%~70%、約60%~70%、約60%~80%、約70%~80%、約70%~90%、約80%~90%、約80%~95%、約90%~95%、約90%~99%、約90%~100%、約95%~99%、又は約99%~100%の式Ia、式Ib、式Ic、もしくは式Idの化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和を含み得る。
【0096】
組成物は、少なくとも約0.1%(w/w)の式IIaの化合物、又はその任意の塩若しくは溶媒和物を含み得、例えば、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%の式IIaの化合物、又はその任意の塩若しくは溶媒和物を含み得る。
【0097】
組成物は、約95%(w/w)未満の式IIaの化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含み得、例えば、約0.1%未満、約0.2%未満、約0.3%未満、約0.4%未満、約0.5%未満、約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約45%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、約85%未満、約90%未満、又は約95%未満の式IIaの化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含み得る。
【0098】
組成物は、約0.1%~100%(w/w)の式IIaの化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含み得、例えば、約0.1%~1%、0.1%~5%、約0.1~10%、約0.1%~20%、約0.5%~1%、約0.5%~5%、約0.5%~10%、約0.5%~20%、約1%~5%、約1%~10%、約1%~20%、約5%~10%、約5%~20%、約10%~20%、約10%~30%、約20%~30%、約20%~40%、約30%~40%、約30%~50%、約40%~50%、約40%~60%、約50%~60%、約50%~70%、約60%~70%、約60%~80%、約70%~80%、約70%~90%、約80%~90%、約80%~95%、約90%~95%、約90%~99%、約90%~100%、約95%~99%、又は約99%~100%の式IIaの化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含み得る。
【0099】
組成物は、少なくとも約0.1%(w/w)の式:
【化53】
の化合物、又はその任意の塩若しくは溶媒和物を含み得、例えば、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%の化合物、又はその任意の塩若しくは溶媒和物を含み得る。
【0100】
組成物は、約95%(w/w)未満の式:
【化54】
の化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含み得、例えば、約0.1%未満、約0.2%未満、約0.3%未満、約0.4%未満、約0.5%未満、約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約45%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、約85%未満、約90%未満、又は約95%未満の化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含み得る。
【0101】
組成物は、約0.1%~100%(w/w)の式:
【化55】
の化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含み得、例えば、約0.1%~1%、0.1%~5%、約0.1~10%、約0.1%~20%、約0.5%~1%、約0.5%~5%、約0.5%~10%、約0.5%~20%、約1%~5%、約1%~10%、約1%~20%、約5%~10%、約5%~20%、約10%~20%、約10%~30%、約20%~30%、約20%~40%、約30%~40%、約30%~50%、約40%~50%、約40%~60%、約50%~60%、約50%~70%、約60%~70%、約60%~80%、約70%~80%、約70%~90%、約80%~90%、約80%~95%、約90%~95%、約90%~99%、約90%~100%、約95%~99%、又は約99%~100%の化合物、またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含み得る。
【0102】
リン酸塩可溶化細菌
【0103】
リン酸塩可溶化細菌(PSB)は、不溶性化合物から無機リンを可溶化することができる有益な細菌を指す場合がある。多数の属及び種のリン酸塩可溶化細菌について説明がなされている。例えば、Y.P.Chen、P.D.Rekha、A.B.Arun、F.T.Shen、W.A.Lai、C.C.Young(2006).´´Phosphate solubilizing bacteria from subtropical soil and their tricalcium phosphate solubilizing abilities´´.Applied Soil Ecology.34(1):33-41.を参照されたい。場合によっては、リン酸塩可溶化細菌は、内因性土壌コンソーシアムのメンバーを指す。場合によっては、リン酸塩可溶化細菌は、非天然リン酸塩可溶化細菌を指す。場合によっては、非天然リン酸塩可溶化細菌は組換えである。場合によっては、非天然リン酸塩可溶化細菌は、非組換えリン酸塩可溶化細菌と比較して増加したリン酸塩可溶化活性を有する。
【0104】
場合によっては、農業製剤又は組成物は、農業製剤1グラム当たり約103~1011cfuのリン酸塩可溶化細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約104~1011cfuのリン酸塩可溶化細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約105~1011cfuのリン酸塩可溶化細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約106~1011cfuのリン酸塩可溶化細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約107~1011cfuのリン酸塩可溶化細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約108~1011cfuのリン酸塩可溶化細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約109~1011cfuのリン酸塩可溶化細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約1010~1011cfuのリン酸塩可溶化細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約106~1010cfuのリン酸塩可溶化細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約106~109cfuのリン酸塩可溶化細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約106~108cfuのリン酸塩可溶化細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約106~107cfuのリン酸塩可溶化細菌を含み得る。
【0105】
PSB株による無機リン酸塩可溶化の機構は、低分子量有機酸の放出を含み得、それを介してそれらのヒドロキシル基及びカルボキシル基がリン酸塩に結合したカチオンをキレート化し、それによってそれを可溶性形態に変換する。
【0106】
場合によっては、リン酸塩可溶化細菌はバチルス属から選択され得る。場合によっては、リン酸塩可溶化細菌は、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)種から選択される株であり得る。
【0107】
窒素固定細菌
【0108】
窒素固定細菌は、大気中の窒素をアンモニア又は他の生物が利用可能な他の分子に変換することができる細菌を指す場合がある。窒素固定細菌は、ダイズ、クローバー、アルファルファ、ナタネ及びエンドウ豆などのマメ科植物の根毛に感染することができる。その感染は、遊離窒素が結合窒素に変換される小結節の形成をもたらす(窒素固定)。窒素固定細菌は、シアノバクテリア(例えば、非常に有意なトリコデスミウム(Trichodesmium)及びシアノテース(Cyanothece))、並びに緑色硫黄細菌、アゾトバクテリア(Azotobacteraceae)科、根粒菌及びフランキア(Frankia)を含むドメイン細菌内に広く分布している。場合によっては、窒素固定細菌は、内因性土壌コンソーシアムのメンバーを指す。場合によっては、窒素固定細菌は、非天然窒素固定細菌を指す。場合によっては、非天然窒素固定細菌は組換えである。場合によっては、非天然窒素固定細菌は、非組換え窒素固定細菌と比較して窒素固定活性が増加している。
【0109】
場合によっては、農業製剤又は組成物は、農業製剤1グラム当たり約103~1011のコロニー形成単位(cfu)の窒素固定細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約104~1011cfuの窒素固定細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約105~1011cfuの窒素固定細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約106~1011cfuの窒素固定細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約107~1011cfuの窒素固定細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約108~1011cfuの窒素固定細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約109~1011cfuの窒素固定細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約1010~1011cfuの窒素固定細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約106~1010cfuの窒素固定細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約106~109cfuの窒素固定細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約106~108cfuの窒素固定細菌を含み得る。場合によっては、農業製剤は、農業製剤1グラム当たり約106~107cfuの窒素固定細菌を含み得る。
【0110】
賦形剤、希釈剤及び担体
【0111】
本明細書に開示される組成物は、1つ以上の賦形剤、希釈剤、又は担体をさらに含むことができる。賦形剤、希釈剤、又は担体は、1つ以上の農薬、1つ以上の安定剤、1つ以上の添加剤、1つ以上の担体、1つ以上の分散剤、1つ以上の肥料、又はそれらの任意の組合わせであり得る。一例では、1つ以上の賦形剤は、アセトンを含む。
【0112】
本明細書中に開示される組成物は、1つ以上の殺有害生物剤をさらに含むことができる。農薬は、バイオ農薬であり得る。バイオ農薬は、微生物又は天然産物に基づくことができる農薬の形態であり得る。バイオ農薬には、有害生物を防除する天然に存在する物質(バイオケミカル農薬)、有害生物を防除する微生物(マイクロバイオ農薬)、及び遺伝物質(植物に組み込まれた保護物質)又はPIPを添加した植物によって産生される農薬物質が含まれ得る。バイオ農薬の例としては、グルコシノレート、キトサン、スピノサド、アルカロイド、テルペノイド、フェノール類、ピレスロイド、ロテノイド、ニコチノイド、ストリキニン、シリロシド、キャノーラ油及び重曹が挙げられ得るが、これらに限定されない。農薬は、有機リン系農薬、カルバメート系農薬、有機塩素系殺虫剤、ピレスロイド系農薬、スルホニル尿素系農薬、又はそれらの組合わせであり得る。農薬は、除草剤、殺藻剤、殺鳥剤、殺菌剤、殺真菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、軟体動物駆除剤、殺線虫剤、殺鼠剤、殺ウイルス剤、又はそれらの組合わせであり得る。
【0113】
組成物は、1つ以上の安定剤、ポリマー、又は他の添加剤をさらに含み得る。安定剤、ポリマー又は添加剤には、浸透剤、接着剤、固化防止剤、染料、分散剤、湿潤剤、乳化剤、消泡剤、抗菌剤、不凍液、顔料、着色剤、緩衝剤及び担体が含まれ得るが、これらに限定されない。組成物は、界面活性剤及び/又はアジュバントをさらに含み得る。
【0114】
組成物は、1つ以上の希釈剤を含み得る。希釈剤は、農業的に許容される希釈剤であり得る。場合によっては、農業的に許容される希釈剤は、標準的な量で植物と接触した場合に、植物の成長を阻害しないか又は植物を死滅させない希釈剤を指す場合がある。場合によっては、希釈剤は植物油であり得る。植物油は、ヒマワリ油、キャノーラ油、アボガド種子油、ブドウ種子油、アーモンド油、ココアバター、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、麻油、オリーブ油、パーム核油、ピーナッツ油、カボチャ種子油、米ぬか油、サフラワー油、ゴマ種子油、大豆油、クルミ油、及びそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0115】
組成物は、1つ以上の担体を含むことができる。担体の例としては、固体担体、スポンジ、織物及び合成材料が挙げられるが、これらに限定されない。合成材料は、多孔質合成材料であってもよい。追加の担体としては、ワックス、リノリン、パラフィン、デキストロース顆粒、スクロース顆粒、及びマルトース-デキストロース顆粒などの有機担体を挙げることができる。あるいは、担体は、天然粘土、カオリン、パイロフィライト、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、チョーク、珪藻土、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム、硫黄、石灰、小麦粉、又はタルクなどの無機担体であり得る。組成物を担体に吸着させることができる。担体は、化合物、塩、溶媒和物又は製剤の放出を可能にすることによいって特徴付けられ得る。
【0116】
組成物は、1つ以上の分散剤をさらに含むことができる。分散剤は、負に帯電したアニオン分散剤であってもよい。分散剤は、非イオン性分散剤であってもよい。
【0117】
組成物は、肥料をさらに含むことができる。肥料は、化学肥料であってもよい。肥料は、有機肥料であってもよい。肥料は、無機肥料であってもよい。肥料は、粒状又は粉末状の肥料であってもよい。肥料は、液体肥料であってもよい。肥料は、徐放性肥料であってもよい。
【0118】
本明細書に開示される組成物は、乾燥噴霧可能製剤として製剤化することができる。乾燥噴霧可能製剤の例としては、水和剤及び水分散性顆粒が挙げられ得るが、これらに限定されない。湿潤性粉末は、微イオン化されて粉末形態になった化合物、塩、溶媒和物を含み得る。水に分散させた後、水和剤を懸濁粒子として利用してもよい。水分散性顆粒は、水の中で崩壊又は分散させてから利用する顆粒から構成され得る。水分散性顆粒は、0.2~4mmの範囲内の粒子を含み得る。水分散性顆粒は、凝集、噴霧乾燥又は押出技術によって形成され得る。
【0119】
組成物は、液体噴霧可能な製剤として製剤化することができる。液体噴霧可能製剤の例としては、可溶性濃縮物、懸濁濃縮物、乳化性濃縮物、マイクロエマルション、油分散物、及びマイクロカプセル化粒子を挙げることができるが、これらに限定されない。懸濁濃縮物は、通常、使用前に水で希釈することが意図される、化合物、塩、溶媒和物又は製剤を流体に懸濁した安定な懸濁液を含み得る。乳化性濃縮物は、水に添加するとエマルションを形成する水不溶性有機溶媒和物中に、乳化剤と共に化合物、塩、溶媒和物又は製剤を含み得る。マイクロエマルションは、水に添加すると溶液/エマルションを形成する水不溶性有機溶媒和物中に、乳化剤と共に化合物、塩、溶媒和物、又は製剤を含み得る。場合によっては、本明細書の液体製剤は、酸化防止剤、界面活性剤又は乳化剤(例えば、エトキシレート、エトキシル化エステル、エトキシル化ソルビトールエステル、ポリオールアルコキシル化エステル、ソルビトール系界面活性剤、又はアルコールエトキシレート)、油、水、潤滑剤(例えば、ポリアルキレングリコール)、凍結防止剤、消泡剤エマルジョン、保存剤、増粘剤、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0120】
組成物は、乾燥展延性顆粒製剤として製剤化することができる。乾燥展延性顆粒製剤は、不活性又は肥料担体上に土壌使用された顆粒を含み得る。
【0121】
組成物は、種子処理又は種子粉衣の形で製剤化することができる。
【0122】
迅速な放出を目的として組成物を製剤化することができる。組成物は、徐放を目的として製剤化することができる。
【0123】
キット
【0124】
本明細書に記載の化合物、塩、溶媒和物又は組成物を容器に含むことができるキットも本明細書に開示される。場合によっては、キットは、使用説明書をさらに含み得る。そのような説明書は、本明細書に記載の方法の任意のステップを実行するための説明書を含むことができる。例えば、説明書は、化合物、塩、溶媒和物又は組成物を植物、その一部、その種子又は土壌に施用することを含み得る。
【0125】
容器は、本明細書に記載の化合物、塩、溶媒和物、又は組成物を保存するための任意の適切な容器を含み得る。容器はまた、本明細書に記載の化合物、塩、溶媒和物、又は組成物を分注するための任意の適切な容器を含み得る。容器は、スプレーボトル、シリンジ、アンプル、バイアル、チューブ、バケット、バッグ、パウチなどを含み得る。
【0126】
場合によっては、キットは、農業で使用される他の構成要素をさらに含み得る。例えば、キットは、本明細書に記載の土壌、肥料、農薬、植物種子、除草剤、又は生きた微生物を含み得る。場合によっては、キットは、本明細書に記載の任意の微生物を含み得る。場合によっては、微生物は生きた微生物であり得る。本明細書に記載のキット中の生きた微生物は、有益な微生物、窒素固定微生物、リン酸可溶化微生物、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。場合によっては、キットは、胞子又は不活性微生物を含み得る。場合によっては、キットは、栄養微生物を含み得る。
【0127】
栄養素の利用可能性を高める方法
【0128】
土壌栄養素の利用可能性を増加させる方法、及び/又は植物の収量を増加させる方法(例えば、植物のバイオマスを増加させる方法、又は植物の青味を増加させる方法)も本明細書に開示される。この方法は、土壌又は植物を本明細書に開示される化合物、塩、溶媒和物又は組成物と接触させることを含み得る。
【0129】
場合によっては、本明細書に開示される化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、土壌の天然微生物コンソーシアム(細菌株、放線菌、真菌、原虫、及びそれらの任意の組み合わせを含む)のリン酸塩可溶化活性を直接刺激し、植物成長のためにより多くのリンを提供することができる。場合によっては、本明細書に開示されるリン酸可溶化微生物は、不溶性の植物が利用できないリン酸を可溶性の植物が利用できるリン酸に変換することができる。窒素固定細菌(マメ科植物)は、大気中の窒素を植物が利用可能な形態の窒素に変換することができる。
【0130】
場合によっては、本明細書に開示される化合物、塩、溶媒和物及び組成物は、土壌の天然微生物コンソーシアム(細菌株、放線菌、真菌、原虫、及びそれらの任意の組み合わせを含む)の窒素固定を誘導することができる。このように土壌中の窒素固定を活性化することによって、本明細書に開示される化合物、塩、溶媒和物及び組成物は、植物利用可能な追加の栄養を提供することができる。場合によっては、本明細書に開示される化合物、塩、溶媒和物及び組成物は、窒素制限環境で作物の健康及び収量を有意に高めることができる。
【0131】
土壌の天然微生物叢は、任意の数の細菌株、放線菌、真菌、原虫、又はそれらの組み合わせを含み得る。場合によっては、微生物コンソーシアムは生きた微生物を含み得る。場合によっては、微生物コンソーシアムは死んだ微生物を含み得る。場合によっては、微生物コンソーシアムは、アゾトバクター・クロオコッカム(Azotobacter chroococcum)、シュードモナス・スタッツェリ(Pseudomonas stutzeri)、シュードモナス・シュードアルカリゲネス(Pseudomonas pseudoalcaligenes)、Massilia tieshanesis、Massilia aerilata、Massilia putida、Bacillus solisilvae、バチルス・ナイアシニ(Bacillus niacini)、Massilia agilis、Bacillus wiedmannii、Massilia brevitalea、Bacillus acidiceler、Bacillus toyonensis、Pseudomonas otitidis、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)、Paenibacillus qinlingensis、Massilia solisilvae、Massilia terrae、Bacillus paramycoides、Massilia aurea、バチルス・アシディコーラ(Bacillus acidicola)、Panenibacillus alginolyticus、バチルス・ナバリス(Bacillus novalis)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、バチルス・ハルマパルス(Bacillus halmapalus)Pseudomonas knackmussii、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラ・バリイコーラ(Klebsiella variicola)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィカス(Gluconacetobacter diazotrophicus)、Massilia arvi、マシリア・アグリ(Massilia agri)、マシリア・ピニルス(Massilia pinisoli)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・バタビエンシス(Bacillus bataviensis)、Massilia chloroacetimidivorans、バチルス・マイコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・フレクス(Bacillus flexus)、バチルス・シンプレックス(Bacillus simplex)、シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)、シュードモナス・プレコアレリカ(Pseudomonas plecoglossicida)、Caballeronia turbans、Psychobacillus lasiicaptis、バチルス・ソリ(Bacillus soli)、バチルス・コーニイ(Bacillus cohnii)、キュープリアビダス・カムピネンシス(Cupriavidus campinensis)、ブレビバクテリウム・フリゴリトレランス(Brevibacterium frigoritolerans)、Bacillus pocheonensis、シュードモナス・モンテイリイ(Pseudomonas monteilii)、バチルス・ビレティ(Bacillus vireti)、Bacillus pacificus、Paenibacillus taihuensis、アゾトバクター・ベイジェリンキイ(Azotobacter beijerinckii)、Paenibacillus contaminans、バチルス・ドレンテンシス(Bacillus drentensis)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ファーマス(Bacillus firmus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・モビリス(Bacillus mobilis)、バチルス・ルシフェレンシス(Bacillus luciferensis)、Massilia niastensis、Bacillus cucumis、シュードモナス・フラベッセンス(Pseudomonas flavescens)、マシリア・チモナエ(Massilia timonae)、Massilia kyonggiensis、シュードモナス・インディカ(Pseudomonas indica)、バチルス・フィルロスファエラエ(Bacillus phyllosphaerae)、Pseudomonas guguanensis、Paenibacillus beijingensis、バチルス・シュードマイコイデス(Bacillus pseudomycoides)、Adhaeribacter terreus、Microvirga zambiensis、Pseudomonas oryzae、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0132】
本明細書に開示される本化合物、塩、溶媒和物及び組成物は、農業に使用することができる。本化合物、塩、溶媒和物及び組成物は、植物の成長を促進するために使用することができる。本明細書に開示される本化合物、塩、溶媒和物及び組成物は、植物のシュート安定性を高めるために使用することができる。本化合物、塩、溶媒和物及び組成物は、植物における輸送能力を高めるために使用することができる。本化合物、塩、溶媒和物及び組成物は、植物の干ばつ耐性を高めるために使用することができる。
【0133】
化合物、塩又は溶媒和物を含む組成物(例えば、液体組成物)を植物(例えば、植物の葉、根、茎、又は他の部分)又はその種子に施用し、それによって農業を改善することを含む、農業を改善する方法が本明細書でさらに開示される。農業を改善することは、植物の成長を促進することを含み得る。農業を改善することは、植物におけるシュートの安定性を高めることを含み得る。農業を改善することは、植物における輸送能力を高めることを含み得る。農業を改善することは、干ばつ耐性を高めることを含み得る。農業を改善することは、1つ以上の農薬の施用を減少させることを含み得る。農業を改善することは、1つ以上の農薬の施用を終了することを含み得る。農業を改善することは、植物に使用される給水量を減少させることを含み得る。農業を改善することは、植物への給水頻度を減少させることを含み得る。農業を改善することは、植物病原性真菌を防除することを含み得る。農業を改善することは、望ましくない植物の成長を防除することを含み得る。農業を改善することは、望ましくない昆虫又はダニの侵入を防除することを含み得る。農業を改善することは、植物の成長を調節することを含み得る。農業を改善することは、1つ以上の真菌の活性を促進又は刺激することを含み得る。
【0134】
本明細書に記載の化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物成長を少なくとも約5%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の成長を少なくとも約10%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の成長を少なくとも約15%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の成長を少なくとも約20%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の成長を少なくとも約25%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の成長を少なくとも約30%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の成長を少なくとも約50%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の成長を少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、100%又はそれ以上増加させることができる。
【0135】
本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の成長を少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、50倍又はそれ以上増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の成長を少なくとも約1.5倍又はそれ以上増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の成長を少なくとも約2倍又はそれ以上増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の成長を少なくとも約3倍又はそれ以上増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の成長を少なくとも約5倍又はそれ以上増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の成長を少なくとも約10倍又はそれ以上増加させることができる。植物成長又は組成物は、二次植物成長を含み得る。
【0136】
本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、シュート成長を少なくとも約5%促進することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、シュート成長を少なくとも約10%促進することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、シュート成長を少なくとも約15%促進することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、シュート成長を少なくとも約20%促進することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、シュート成長を少なくとも約25%促進することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、シュート成長を少なくとも約30%促進することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、シュート成長を少なくとも約50%促進することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、シュート成長を少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、100%又はそれ以上促進することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、シュート成長を少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、50倍又はそれ以上促進することができる。
【0137】
本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、シュートの成長を少なくとも約1.5倍又はそれ以上高めることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、シュートの成長を少なくとも約2倍又はそれ以上高めることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、シュートの成長を少なくとも約3倍又はそれ以上高めることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、シュートの成長を少なくとも約5倍又はそれ以上高めることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、シュートの成長を少なくとも約10倍又はそれ以上高めることができる。
【0138】
本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物における輸送能力を少なくとも約5%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物における輸送能力を少なくとも約10%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物における輸送能力を少なくとも約15%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物における輸送能力を少なくとも約20%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物における輸送能力を少なくとも約25%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物における輸送能力を少なくとも約30%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物における輸送能力を少なくとも約50%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物における輸送能力を少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、100%又はそれ以上増加させることができる。
【0139】
本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物における輸送能力を少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、50倍又はそれ以上増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物における輸送能力を少なくとも約1.5倍又はそれ以上増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物における輸送能力を少なくとも約2倍又はそれ以上増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物における輸送能力を少なくとも約3倍又はそれ以上増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物における輸送能力を少なくとも約5倍又はそれ以上増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物における輸送能力を少なくとも約10倍又はそれ以上増加させることができる。
【0140】
本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約5%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約10%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約15%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約20%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約25%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約30%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約50%増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、100%又はそれ以上増加させることができる。
【0141】
本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、50倍又はそれ以上増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約1.5倍又はそれ以上増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約2倍又はそれ以上増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約3倍又はそれ以上増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約5倍又はそれ以上増加させることができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約10倍又はそれ以上増加させることができる。
【0142】
本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、1つ以上の農薬の施用を減少させることができる。1つ以上の農薬の施用を低減することは、植物に使用される1つ以上の農薬の量を低減することを含み得る。植物に使用される1つ以上の農薬の量は、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は100%低減し得る。植物に使用される1つ以上の農薬の量は、少なくとも約10%低減し得る。植物に使用される1つ以上の農薬の量は、少なくとも約20%低減し得る。植物に使用される1つ以上の農薬の量は、少なくとも約30%低減し得る。植物に使用される1つ以上の農薬の量は、少なくとも約50%低減し得る。
【0143】
代替的又は追加的に、1つ以上の農薬の施用を低減することは、1つ以上の農薬が植物に使用される頻度を低減することを含み得る。1つ以上の農薬が植物に使用される頻度は、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%低減し得る。1つ以上の農薬が植物に使用される頻度は、少なくとも約10%低減し得る。1つ以上の農薬が植物に使用される頻度は、少なくとも約20%低減し得る。1つ以上の農薬が植物に使用される頻度は、少なくとも約30%低減し得る。1つ以上の農薬が植物に使用される頻度は、少なくとも約40%低減し得る。1つ以上の農薬が植物に使用される頻度は、少なくとも約50%低減し得る。
【0144】
化合物、塩、溶媒和物の使用は、植物に施用される水の量の減少を可能にし得る。植物に使用される水の量は、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は100%低減し得る。植物に使用される水の量は、少なくとも約10%低減し得る。植物に使用される水の量は、少なくとも約20%低減し得る。植物に使用される水の量は、少なくとも約30%低減し得る。植物に使用される水の量は、少なくとも約50%低減し得る。
【0145】
化合物、塩、溶媒和物又は組成物の使用は、水が植物に施用される頻度の減少を可能にし得る。水が植物に使用される頻度は、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は100%低減し得る。水が植物に使用される頻度は、少なくとも約10%低減し得る。水が植物に使用される頻度は、少なくとも約20%低減し得る。水が植物に使用される頻度は、少なくとも約30%低減し得る。水が植物に使用される頻度は、少なくとも約40%低減し得る。水が植物に使用される頻度は、少なくとも約50%低減し得る。
【0146】
本明細書に開示される化合物、塩、溶媒和物、組成物は、植物病原性真菌を防除するために使用され得る。農業を改善することは、望ましくない植物の成長を防除することを含み得る。望ましくない植物の成長を防除することは、望ましくない植物の発芽活性を刺激することを含み得る。望ましくない植物は、寄生植物であってもよい。望ましくない植物は、根寄生植物であってもよい。寄生植物の例としては、ウィッチウィード(ストリガ種)、ハマウツボ(オロバンケ種、Phelipanche種)、アレクトラ、ドッダー及びヤドリギを挙げることができるが、これらに限定されない。望ましくない植物は、オオバコ科に属し得る。望ましくない植物は、ウィッチウィードであってもよい。望ましくない植物は、オロバンケ(Orobanche)種であってもよい。化合物、塩、溶媒和物又は製剤は、望ましくない植物に直接使用され得る。化合物、塩、溶媒和物又は製剤は、望ましくない植物に間接的に使用され得る。
【0147】
本明細書に開示される化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、望ましくない昆虫又はダニのまん延を防除するために使用することができる。昆虫及びダニの例としては、クモ、ブナ、コナカイガラムシ、コナヒョウダニ、天敵ダニ、クモダニ及びアブラムシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0148】
本明細書に開示される化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の成長を調節するために使用することができる。植物成長を調節することは、植物育種を調節することを含み得る。植物成長を調節することは、シュートの分岐を阻害することを含み得る。植物成長を調節することは、1つ以上の植物産物を調節することを含み得る。植物成長を調節することは、根の発達を阻害することを含み得る。
【0149】
本明細書に開示される化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、真菌の活性を促進又は刺激するために使用することができる。化合物、塩、溶媒和物又は製剤は、1つ以上の真菌の菌糸分岐活性を刺激し得る。化合物、塩、溶媒和物又は製剤は、1つ以上の真菌の胞子発芽を誘導し得る。1つ以上の真菌は、樹枝状菌根(AM)真菌であり得る。
【0150】
さらに、植物の寿命を維持又は延長する方法が本明細書に開示される。一般に、本方法は、植物(例えば、葉、茎、根、又は植物の任意の部分)を本明細書に開示される化合物、塩、溶媒和物又は組成物と接触させることを含み得る。植物の寿命を維持又は延長するのに使用するための本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、本明細書に開示される方法のいずれかによって製造することができる。
【0151】
本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、切断された植物の寿命を維持又は延長するために使用することができる。切断された植物は花であり得る。切断された植物は木であり得る。切断された植物は、ブッシュ又は低木であり得る。切断された植物は野菜であり得る。本化合物、塩、溶媒和物又は製剤は、切断されていない植物の寿命を維持又は延長するために使用され得る。切断されていない植物は花であり得る。切断されていない植物は木であり得る。切断されていない植物は、ブッシュ又は低木であり得る。切断されていない植物は、野菜であり得る。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、鉢植え植物の寿命を維持又は延長するために使用され得る。鉢植え植物は花であり得る。植え付けられた植物は木であり得る。鉢植え植物は、ブッシュ又は低木であり得る。鉢植え植物は野菜であり得る。
【0152】
本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、花の寿命を維持又は延長するために使用することができる。花の例としては、ユリ、ヒナギク、バラ、マリーゴールド、キダチチョウセンアサガオ、フロックス、ビンカ、キンギョソウ、ホソバウンラン、ラン、シダ、ブラック・アイド・スーザン、ハエマンツス・コッキネウス、ブルーロベリア、アサガオ、ケシ、カレンジュラ、ゼラニウム、インパチェンス、ランタナ、ヒエンソウ、阿蘭陀海芋、ヒヤシンス、アザレア、ポインセチア、及びベゴニアを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0153】
本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、ブッシュ又は低木の寿命を維持又は延長するために使用することができる。ブッシュ及び低木の例としては、レンギョウ、フクシア、ハイビスカス、スグリ、ライラック、バラ、アジサイ、ヤナギ、モクレン、タイム、セッコウボク、ハナミズキ、及びモチノキが挙げられるが、これらに限定されない。
【0154】
本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、樹木の寿命を維持又は延長するために使用することができる。樹木の例としては、ヒノキ、ポインセチア、ヤシ、モミ、マツ、トウヒ、スギ、オーク、クワ、クリ、サンザシ、ポプラ及びカエデが挙げられるが、これらに限定されない。木はモミの木であり得る。モミの木は、ダグラスモミ、バルサムモミ、又はフレーザーモミの木であり得る。木は、松の木であり得る。松の木は、スコッチパイン、又はホワイトパインの木であり得る。木は、トウヒの木であり得る。トウヒの木は、ホワイトトウヒ、ノルウェートウヒ、又はブルートウヒの木であり得る。木は、スギの木であり得る。スギの木は、ヒマラヤスギ、又はイースタンレッドシダーであり得る。木は、ヒノキの木であり得る。ヒノキの木は、アリゾナヒノキ、又はリーランドヒノキの木であり得る。
【0155】
植物を、本明細書中に開示される化合物、塩、溶媒和物又は組成物と接触させ、それにより、植物の寿命を延ばすか又は保存することができる。植物を本化合物、塩、溶媒和物又は組成物と接触させることは、本化合物、塩、溶媒和物又は組成物をスプレーとして投与することを含み得る。植物を本化合物、塩、溶媒和物又は組成物と接触させることは、植物成長物質を植物の灌水水に添加することを含み得る。植物を本化合物、塩、溶媒和物又は組成物と接触させることは、本化合物、塩、溶媒和物又は組成物を植物の生息地に施用することを含み得る。植物を本化合物、塩、溶媒和物又は組成物と接触させることは、本化合物、塩、溶媒和物又は組成物を植物容器(例えば、花瓶)に添加し、植物をその植物容器に入れることを含み得る。植物を本化合物、塩、溶媒和物又は組成物と接触させることは、本化合物、塩、溶媒和物又は組成物を土壌に添加することを含み得る。
【0156】
植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は97%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約20%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約30%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約40%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約50%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約55%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約60%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約65%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約70%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約75%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約80%延長され得る。植物の寿命は、植物の種子の最初の植え付けから植物の死までの成長時間を測定することによって決定することができる。
【0157】
植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約6、12、24、30、36、42、48、54、60、66、72、78、84、90、96,102,108,114、又は120時間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約24時間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約36時間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約48時間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約72時間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約96時間延長され得る。
【0158】
植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、又は7日間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20日間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約1日延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約2日間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約2.5日間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約3日間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約3.5日間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約4日間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約4.5日間延長され得る。
【0159】
植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、又は7週間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20週間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、又は7ヶ月延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20ヶ月延長され得る。
【0160】
植物の寿命を維持又は延長することは、植物のしおれを低減することを含み得る。植物のしおれを低減することは、植物の花又は葉の巻き込みを低減することを含み得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は97%低減され得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約10%低減され得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約30%低減され得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約50%低減され得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約70%低減され得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約80%低減され得る。
【0161】
植物ストレスの徴候は、植物のしおれを含み得る。例えば、ストレスを受けた植物は、葉又は花弁の巻き込みが生じる場合がある。本明細書に開示される植物成長材料は、植物のしおれを減少させることによって植物の寿命を延ばすことができる。植物のしおれを低減することは、未処理の植物と比較して、植物のしおれを遅らせることを含み得る。例えば、未処理の切断植物は、切断されてから36時間以内にしおれの兆候を示すことがあるが、植物成長材料で処理された切断された植物は、しおれが遅れることがある。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間遅延させることができる。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約12時間遅延し得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約24時間遅延し得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約36時間遅延し得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約48時間遅延し得る。
【0162】
植物ストレスのさらなる徴候は、膨らみの低下を含み得る。膨らみは、細胞の外側の低溶質濃度の領域から細胞の液胞への水の浸透流によって引き起こされる圧力を指し得る。膨らみを維持するために植物によって剛性が使用され得る。多くの場合、健康な植物は膨らんでいるが、不健康な植物は膨らみが少ない。植物の寿命を維持又は延長することは、植物の膨らみを延長又は維持することを含み得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみより大きくなり得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみよりも少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は97%大きくなり得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみより少なくとも約10%大きくなり得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみより少なくとも約15%大きくなり得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみより少なくとも約25%大きくなり得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみより少なくとも約35%大きくなり得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみより少なくとも約45%大きくなり得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみより少なくとも約60%大きくなり得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみより少なくとも約75%大きくなり得る。
【0163】
ストレスを受けた植物は、膨らんだ状態の減少も示し得る。膨らんだ状態は、植物がその剛性を維持する期間を指す場合がある。植物の剛性は、植物の茎の剛性を指す場合がある。例えば、切断された植物が枯れると、その植物の茎の剛性が低下し、それによって切断された植物が倒れたり曲がったりすることがある。ストレスを受けた植物は、それ自体を直立させることができない場合がある。植物の寿命を維持又は延長することは、植物が膨らんだ状態を延長することを含み得る。植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は97%増加し得る。植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約20%増加し得る。植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約30%増加し得る。植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約40%増加し得る。植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約50%増加し得る。
【0164】
植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間増加し得る。植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約6時間増加し得る。植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約12時間増加し得る。植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約24時間増加し得る。
【0165】
ストレスを受けた植物は、葉又は花弁を失うことがある。植物を植物成長材料と接触させることにより、植物の1つ以上の花弁又は葉の喪失を減少又は遅延させることができる。例えば、未処理の植物が、その葉又は花弁の50%を失い得るのに対し、処理した植物は、その葉又は花弁の10~25%を失い得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は97%減少し得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約10%減少し得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約20%減少し得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約35%減少し得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約50%減少し得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約60%減少し得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約70%減少し得る。
【0166】
植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約6時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約12時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約18時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約36時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約48時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約60時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約72時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約96時間遅延され得る。
【0167】
ストレスを受けた植物は変色の兆候を示すことがある。ストレスを受けた植物は茶色がかって見えることがある。代替的又は追加的に、ストレスを受けた植物は、緑色の葉の外観の減少を示す。ストレスを受けた植物のクロロフィル含有量も減少し得る。植物の寿命を維持又は延長することは、植物のクロロフィル含有量を維持することを含み得る。例えば、未処理の植物のクロロフィル含有量の減少は、切断されてから48時間以内に現れ得る。しかし、処理した植物のクロロフィル含有量の減少は、切断の60時間後に現れ得る。植物のクロロフィル含有量は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間維持され得る。植物のクロロフィル含有量は、少なくとも約6時間維持され得る。植物のクロロフィル含有量は、少なくとも約12時間維持され得る。植物のクロロフィル含有量は、少なくとも約24時間維持され得る。葉の枯死(早期黄変)などの変色は、栄養素の可用性が低い結果として起こり得、植物の健康状態が悪いことの指標となり得る。例えば、葉の枯死は、窒素欠乏の結果であり得る。
【0168】
植物の寿命を維持又は延長することは、植物のクロロフィル含有量の喪失を低減又は遅延させることを含み得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物のクロロフィル含有量よりも多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は97%多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約20%多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約30%多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約40%多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約50%多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約60%多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、8、9、又は10倍多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100倍多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量より少なくとも約2倍多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量より少なくとも約3倍多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量より少なくとも約4倍多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量より少なくとも約5倍多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量より少なくとも約10倍多くなり得る。
【0169】
植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間遅延し得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100時間遅延し得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約6時間遅延され得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約12時間遅延され得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約24時間遅延され得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約36時間遅延され得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約48時間遅延され得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約60時間遅延され得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約72時間遅延され得る。
【0170】
植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、又は60%少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約65%、70%、72%、75%、77%、80%、85%、90%、92%、95%、又は97%少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約5%少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約10%少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約20%少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約30%少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約40%少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約50%少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約60%少なくなり得る。
【0171】
植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失の少なくとも約1/1.5、1/2、1/2.5、1/3、1/3.5、1/4、1/4.5、1/5、1/5.5、1/6、1/6.5、1/7、1/7.5、1/8、1/8.5、1/9、1/9.5、又は1/10倍であり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失の少なくとも約1/11、1/12、1/13、1/14、1/15、1/16、1/17、1/18、1/19、1/20、1/25、1/30、1/35、1/40、1/45、1/50、1/55、1/60、1/65、1/70、1/75、1/80、1/85、1/90、1/95、又は1/100倍であり得る。植物のクロロフィル含有量の減少は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失の少なくとも約1/2倍であり得る。植物のクロロフィル含有量の減少は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失の少なくとも約1/3倍であり得る。植物のクロロフィル含有量の減少は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失の少なくとも約1/5倍であり得る。植物のクロロフィル含有量の減少は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失の少なくとも約1/10倍であり得る。
【0172】
本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物に直本接施用することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、植物の1つ以上の部分に施用することができる。植物の1つ以上の部分は、末端芽、花、側芽、葉身、葉軸、節、節間、葉柄、一次根、側根、根毛、根冠、又はそれらの組合わせを含み得る。本組成物は、植物の葉身に施用することができる。本組成物は、植物の根に施用することができる。
【0173】
代替的又は追加的に、本化合物、塩、溶媒和物又は組成物を土壌に施用することができる。本組成物は、植物の周りの領域に施用することができる。植物の周りの領域は、土壌を含んでもよい。植物の周りの領域は、隣接する植物を含んでいてもよい。本組成物は、植物又は種子を土壌に入れる前に土壌に施用することができる。本組成物は、土壌中に存在する細菌コンソーシアムに施用することができる。本組成物は、土壌中の天然細菌コンソーシアムを補うために追加の細菌と共に施用することができる。
【0174】
本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、寄生雑草の影響を受けやすい植物に施用することができる。植物の例としては、トウモロコシ、イネ、モロコシ、キビ及びサトウキビが挙げられるが、これらに限定されない。植物はトウモロコシであり得る。植物はタバコであり得る。植物はイネであり得る。
【0175】
本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、シードコーティングの形で施用することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、種子処理の形で施用することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、種子粉衣の形で施用することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、スプレーの形で施用することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、葉面スプレーの形で施用することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、粉末の形で施用することができる。この粉末は、水和剤であってもよい。
【0176】
本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、1日に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10回又はそれ以上施用することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、1日1回施用することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、1日2回施用することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、1週間に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10回又はそれ以上施用することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、1週間に1回施用することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、1週間に2回施用することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、1週間に3回施用することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、1週間に4回施用することができる。本組成物は、1ヶ月に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10回又はそれ以上施用することができる。本組成物は、月に1回施用することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、1ヶ月に2回施用することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、1ヶ月に3回施用することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、1ヶ月に4回施用することができる。本組成物は、月に10回施用することができる。本化合物、塩、溶媒和物又は組成物は、月に15回施用することができる。本組成物は、月に20回施用することができる。
【0177】
場合によって、本明細書に記載の測定は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、6、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40℃の温度で行うことができる。
【実施例】
【0178】
実施例1 試験化合物は土壌細菌の純粋分離株のリン酸可溶化活性を刺激する
【0179】
B.メガテリウム(megaterium)の5mL培養物を単一コロニーからNutrient Broth(NB)に播種し、30℃振盪機内で一晩増殖させた。細胞ペレットを遠心分離によって回収し、2回洗浄し、水に再懸濁した。B.メガテリウム(megaterium)の濃度は、Nanodrop OD600読み取り値を用いて測定した。B.メガテリウム(megaterium)を、その唯一のリン源として不溶性リン酸三カルシウム[53mM]Ca3(PO4)2)を含有する液体NBRIP培地に接種した。NBRIP培地中のB.メガテリウム(megaterium)の最終濃度はOD600=0.02(3×103CFU/mL)であった。NBRIP培地に、1%DMSO溶液中の試験化合物を最終濃度100μg/mLまで添加した。本化合物及びDMSOを0.2μMフィルターで濾過滅菌した。
【0180】
実験開始時と72時間の増殖後に、培養チューブから1mLの培養物を収集した。上清を遠心分離(13,000rpmで5分間)によって回収した。清澄化した上清を分子グレードの水で1:00に希釈し、マラカイトグリーン法によるオルトリン酸分析に使用した。残りの4mLの上清を遠心分離によって回収し、pHの読み取りに使用した。
【0181】
図1は、例示的な化合物であるケルセチン(QC)が、B.メガテリウム(megaterium)レポーター株と接触した場合に可溶性オルトリン酸の産生を刺激することを示す。実際、細菌をQCと接触させると、QCと接触させていない細菌と比較して、可溶性オルトリン酸塩の濃度が有意に増加する。
【0182】
実施例2 試験化合物は土壌コンソーシアムにおけるリン酸塩可溶化を刺激する
【0183】
試験化合物QCが土壌の天然微生物群におけるリン酸塩可溶化を変化させるかどうかを調べるために、乾燥させ、ふるい分けした土壌を、QCありとQCなしのNBRIP培地における細菌接種材料として使用した。
図2に示すように、処理は、QCと接触させなかった土壌と比較して、土壌接種培養物の増殖培地中の検出可能なオルトリン酸の量を増加させた。さらに、50μg/mLのQCは25μg/mLのQCよりも大幅にリン酸塩可溶化を増加させるように見受けられることから、刺激の量は用量依存的であると思われる。
【0184】
実施例3 試験化合物が窒素固定遺伝子クラスターを誘導する
【0185】
アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)(nifHpro)のnifHDKのATGの300塩基対の上流を、pVSP61(kanR)中のルシフェラーゼの上流にインフレームでクローニングした。アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)(Lipman ATCC(登録商標)BAA-1303)を、三親交配を用いてレポータープラスミドで形質転換し、形質転換体を窒素非含有カナマイシンプレートで選択し、PCR及び配列決定で確認した。
【0186】
5ミリリットルのnifHpro::ルシフェラーゼバイオリポーター株No.171を、滅菌50mLフラスコ中、オートクレーブした、出発OD600=0.02の、1ug/mLのカナマイシンを含む窒素不含培地(Burks、HiMedia M707)中で一晩増殖させた。化学処理を100%EtOHに溶解し、体積を一定に保ちながら適切な濃度で添加した。溶媒は最終培養体積の2%以下であり、溶媒のみの対照を各実験に含めた。
【0187】
24時間後、各培養物の増殖密度を透明な平底マイクロプレートの中で、各ウェルに180μlを添加し(フラスコを三連で測定)、マイクロプレートリーダーで600nmの吸光度を測定することによって読み取った。試料を黒色の不透明な底のマイクロプレートに移し、10mMのルシフェリン(Thermo Scientific、カタログ番号88294)20μlを1mMの最終濃度を目指して加えた。試料をピペッティングによって十分に混合し、室温で10分間インキュベートした。
【0188】
各ウェルの発光をiD3プレートリーダー(Molecular Devices)で読み取った。培養密度を調整するために、各ウェルの発光(RLU、相対光単位として記録された)をそのOD600で割った。
【0189】
図3に示すように、アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)レポーター細菌を試験化合物QCと培養すると、QCと接触していない対照細菌と比較して、窒素固定の量が有意に増加する。具体的には、細菌株を1μMのQCと接触させると、QCと接触させていない対照細菌と比較して発光が有意に増加し、それによってQCによる窒素固定の有意な増加を示した。
【0190】
実施例4 本明細書に記載の化合物で植物を処理することによって、より健康的な植物が生産される。
【0191】
種子処理及び植付
【0192】
本明細書に記載される式の様々な化合物を、植物バイオマスの増加をもたらす能力についてスクリーニングした。本化合物をアセトンに溶解することによって、活性成分溶液を0.1mMで作製した。活性成分を含まないアセトンのみの用量(0mM)を対照として使用した。各用量溶液の最終体積は3.75mlであり、これを約360個の小麦種子(品種Patwin)(UC Davis Foundation Seed Program)を含むガラスシンチレーションバイアルに入れた。種子を処理溶液と共に激しく混合し、24時間乾燥させた。
【0193】
処理した種子及び対照の種子を、底部の給水を可能にするために8オンスの食事調製トレイ(Ez Prepa(商標))(6つのインサート/トレイ)に保持された標準的な植え付けインサートに植えた。使用した増殖培地は、不活性焼成粘土であるTurface(商標)(Profile Products LLC、バッファローグローブ、イリノイ州)であった。各インサートに約40mlのTurface(商標)を充填した。単一細胞インサート(2.35インチ×2.15インチ×2.33インチ)が1つの実験の代表を構成し、そこに約48個の種子が植えられた。植え付けは、噴霧ボトルからの水ミストで湿らせた後、増殖培地の上に種子を均一に広げることによって行った。次いで、インサートを250mlの水で底部を湿らし、ホイルで覆い、暗所で48時間インキュベートした。次いで、ホイルを取り出し、インサートを含むトレイを1週間の増殖期間にわたって増殖照明下に置いた。水100mlを添加することによって底部を水で湿すことを毎日行った。実生を最初に均一な種子発芽及び真菌汚染についてモニタリングした。0.001mM、0.01mM、0.1mM、1mM及び10mMの用量曲線をそれぞれ6回繰り返して使用し、対応する対照(0mM)を12回繰り返して使用して各化合物を試験した。全ての実験の繰り返し及び対照を成長光下で無作為化し、それらの位置を3日ごとに変更した。
【0194】
化合物評価のための植物表現型分析
【0195】
植物を、365PPF(μmol/秒)の光強度を有するLED光(Next Light(商標)、シンシナティ、オハイオ州)を使用して、24℃で16時間/L及び20℃で8時間/Dの明/暗(L/D)サイクルの下で育成室で3週間生育した。
【0196】
図4は、化合物を欠く対照溶液と接触させた対照植物と比較した、試験した化合物と接触させた植物間の植物バイオマスの変化倍率を示す。図に示すように、いくつかの化合物は、対照植物と比較して植物のバイオマスを有意に増加させることができ、対照植物と比較して約1倍から約2倍の範囲の増加であった。
【0197】
本明細書には例示的な実施形態を示して説明しているが、かかる実施形態は単なる例である。例示的な実施形態に対して、多数の変形、変更、及び置換を行うことができる。本明細書に記載の実施形態に対する様々な代替形態が使用され得ることを理解されたい。
【0198】
実施例5 土壌細菌(バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium))の純粋分離株のリン酸可溶化活性の刺激
【0199】
バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)は、リン酸塩可溶化活性を有することが知られている一般的な土壌細菌である。リンの不溶性形態のCa3(PO4)2のみを含有する固体培地(NBRIP+寒天)上で増殖させた場合の、B.メガテリウム(B.megaterium)コロニー周辺のクリアゾーン(又はハロ)を観察することによって、B.メガテリウム(B.megaterium)株をアイオワ州の土壌から単離し、そのリンを可溶化する能力を確認した。
【0200】
次いで、B.メガテリウム(megaterium)の培養物を、式Idあり及び式Idなしの液体NBRIP(不溶性Ca3(PO4)2のみを含有する)中で増殖させた。増殖培地上清を、増殖後4日目に、マラカイトグリーン定量法によってオルトリン酸について分析した。
【0201】
未処理培養物と比較して、式Idで処理したB.メガテリウム(megaterium)培養物におけるリン酸塩可溶化の統計学的に有意な増加が処理4日後に観察された(
図5)。
【0202】
実施例6 モデル窒素固定遊離土壌ジアゾトローフ(アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii))におけるnifHproの刺激
【0203】
nifHpro::ルシフェラーゼ・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)レポーター株の作製
【0204】
Gibson Assemblyを使用して、ルシフェラーゼ遺伝子(IDTから配列)をpE_Gmにクローニングし、LRをpVSP61にクローニングした(UC BerkeleyのStaskawicz LabのDoug Dahlbeckによって提供されたプラスミド)。(UC BerkeleyのStaskawicz LabのDoug Dahlbeckによって提供された)pRK600による標準的な三親交配を用いて、レポータープラスミドで形質転換されたアゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)の最終レポーター株を得た。
【0205】
nifHpro::ルシフェラーゼ・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)レポーター株によるニトロゲナーゼ(nifH)活性のアッセイ
【0206】
nifHpro::ルシフェラーゼ・アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)を、1ng/μLのカナマイシンを含む50mLの液体Burks-N培地(HiMedia Laboratories)中、100RPMで振盪しながらライトの下、約30℃で24時間増殖させた。24時間後、上清を12000Gで2分間遠心して細胞を回収した。上清を除去した後、細胞を透明化したBurks-N液体培地上清で洗浄し、再懸濁し、12000Gで再度遠心分離した。このプロセスを繰り返し、合計で2回洗浄した。
【0207】
再懸濁した細胞を1ng/μLのカナマイシンを含むBurks-N培地と組み合わせて、OD0.1の新鮮な培養物を得た。次いで、50mL振盪フラスコに、以下のスキームで5mLのこの培養物と適切な化学物質を接種した。ケルセチンのストック溶液をDMSO中で作製した。DMSO中の10μM、5μM、1μM、0.1μM及び0.001μMの式Idの10個の生物学的複製物、並びに10個の対照複製物を、50mL振盪フラスコ中で調製した。フラスコを固定し、ライトの下、約30℃で、100RPMで21時間振盪した。
【0208】
21時間後、50mLのフラスコをシェーカーから取り出した。各フラスコから上清試料を取り出し、OD0.3に対して正規化した。nifH/ルシフェラーゼの活性を測定するために、各試料から得られた3つの技術的複製物(それぞれ180μL)を黒色丸底96ウェルプレートにプレーティングし、10mMのルシフェリン20μLと共に5分間インキュベートした。プレートをプレートリーダーに挿入し、各ウェルの発光を分析した。このデータの収集後、Prismグラフソフトウェアを使用して濃度-発光応答グラフを生成した。
【0209】
反復実験室実験(n=9)では、式Idは対照よりもnifHpro::ルシフェラーゼバイオリポーターを活性化し、自由生活性窒素固定細菌であるアゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)におけるニトロゲナーゼ遺伝子発現の増加を示した(
図6)。
【0210】
実施例7トウモロコシに葉面スプレーの形で施用した場合の微生物リン酸可溶化の刺激
【0211】
植物に施用した場合と土壌に直接施用した場合のリン酸塩可溶化効果を刺激する式Idの能力を試験するために、3週齢のトウモロコシ植物を屋外土壌コンソーシアム培養物に導入した。
【0212】
実験の約2週間前に、トウモロコシを土壌から取り出し、根から培養土を取り除いた。植物は、水道水中に放置して栄養ストレスを誘導されると、リン酸欠乏に関連する表現型の徴候である紫色の縞模様を示した。トウモロコシの葉に式Idを噴霧し(噴霧施用中は根をホイルで保護)、根をNBRIP液体培地及び土壌接種剤のフラスコに入れた。フラスコを蛍光灯下の低速オービタルシェーカーに置き、24時間後に培地上清をリン酸塩濃度について試験した。
【0213】
B73トウモロコシ植物をV3成長段階まで成長させ、ポッティング土壌から取り出し、すすぎ、水道水に1.5週間入れて栄養ストレスを誘導した。植物に葉面処理(指先噴霧器を使用して3mL/植物)を施し、50mLのNBRIP増殖培地([53mM]Ca3(PO4)2)及び500mgの2mm粒子サイズの圃場土壌が入った250mLバッフル付きフラスコに入れた。処理されたコーン及び滅菌された泡キャップを有するフラスコを、蛍光灯下、室温で1日間、100RPMのオービタルシェーカーに置いた。オルトリン酸は、マラカイトグリーンホスフェート法を用いて測定した。
【0214】
図7に示すように、水対照と比較した場合、葉面スプレーの形でトウモロコシの葉に施用された式Id処理に応答して、リン酸塩可溶化の統計学的に有意な増加が観察された。
【国際調査報告】