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特表2023-529617家具の棚を支持して固定するためのデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-11
(54)【発明の名称】家具の棚を支持して固定するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   A47B 57/48 20060101AFI20230704BHJP
   F16B 12/22 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
A47B57/48 B
F16B12/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574248
(86)(22)【出願日】2021-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-01-16
(86)【国際出願番号】 EP2021051855
(87)【国際公開番号】W WO2021254665
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】102020000014326
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522468010
【氏名又は名称】エフェッジ ブレヴェッティ エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ジョヴァンネッティ,アントニオ
【テーマコード(参考)】
3J024
【Fターム(参考)】
3J024AA45
3J024CA13
(57)【要約】
書棚、棚ユニットなどの家具アイテム(20)の棚(21)を、支持して固定するためのデバイス(10)は、実質的に円筒形状のケーシング(11)を備える。その内側には、圧縮バネ(13)によって圧力を加えられたピン(12)が取り付けられる。このデバイス(10)は、棚(21)の縁部に挿入される。ピン(12)の先端部(31)は、通常は棚の縁部から突出し、棚が家具アイテム(20)の壁(22)に干渉するときに、ケーシング(11)の中に再入する傾向がある。カム要素(50)が、ケーシング(11)からの先端部(31)の最大飛出し位置と最小飛出し位置との間で、ピン(12)を作動させるために設けられる。ピン(12)は、カム要素が先端部(31)の最大飛出し位置及び最小飛出し位置にあるときに、ケーシング(11)に再入するための跳ね返りの影響を受けない。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
書棚、棚ユニットなどの家具アイテム(20)の棚(21)を、支持して固定するためのデバイス(10)であって、実質的に円筒形状のケーシング(11)を備え、その内側には、圧縮バネ(13)によって圧力を加えられたピン(12)が取り付けられ、前記デバイス(10)は、棚(21)の縁部に挿入され、前記ピン(12)の先端部(31)は、通常は前記棚の縁部から突出し、前記棚が前記家具アイテム(20)の壁(22)に干渉するときに、前記ケーシング(11)の中に再入する傾向があり、カム要素(50)が、前記ケーシング(11)からの前記先端部(31)の最大飛出し位置と最小飛出し位置との間で、前記ピン(12)を作動させるために設けられ、前記ピン(12)は、前記カム要素が前記先端部(31)の最大飛出し位置及び最小飛出し位置にあるときに、前記ケーシング(11)に再入するための跳ね返りの影響を受けず、
ここで前記デバイス(10)は、前記カム要素(50)が、前記ピン(12)の長手方向スロット(37)における2つの両端位置に位置付けることができる、偏心した出っ張り部(55)を有し、前記先端部(31)の前記最大飛出し位置及び前記最小飛出し位置を画定し、前記スロット(37)の一方の側から前記ピン(12)の輪郭を越えて突出した突起部(38)に対して作用して、前記カム要素(50)の回転後に、前記先端部を、前記最大飛出し位置から前記最小飛出し位置まで後退させることと、
前記ケーシング(11)が長手方向の側面窓部(40)を有し、その中で前記突起部(38)が、前記ケーシング(11)の中で前記ピン(12)が摺動する間に動くことと、
を特徴とする、デバイス。
【請求項2】
前記先端部(31)の前記最大飛出し位置は、前記棚(21)の取り付け及び固定状態に対応し、前記先端部(31)の前記最小引出し位置は、前記先端部(31)を、前記家具アイテムの壁(22)に形成された穴(22)の縁部に対して摺動させることによる、前記棚(21)の取り外し状態、及び前記棚の可能な再組立て、に対応することを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記カム要素(50)は、前記出っ張り部(55)の直ぐ上に位置されたディスク(54)と、回転軸として作用する下部シャフト(51)と、操作キーのための座部(53)を伴う上部頭部(52)と、を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記長手方向スロット(37)は、前記カム要素(50)の前記ディスク(54)が載る上部平坦面(34)を有する、前記ピン(12)の中間セクション(32)に形成されることを特徴とする、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記ケーシング(11)は、下部半体シェル(14)及び上部半体シェル(15)から構成され、それらは互いに接合されて、前記長手方向の側面窓部(40)を画定することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記カム要素(50)の前記下部シャフト(51)は、前記下部半体シェル(14)の穴(56)に収納され、前記操作キーのための座部を伴う前記頭部(52)は、前記上部半体シェル(15)の対応した穴(57)に収納されることを特徴とする、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記先端部(31)は、曲線状の形状を有することを特徴とする、請求項1~6のうちいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記圧縮バネ(13)は、前記ケーシング(11)の閉鎖された壁(16)と、前記ピン(12)との間で作用することを特徴とする、請求項1~7のうちいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚受けとしても知られている、家具の棚を支持して固定するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
例として、書棚タイプの家具のアイテム、または棚ユニットに言及すると、それは一般的に、互いに対して平行である2つの直立壁または垂直壁を備え、それらの間には1つまたは複数の棚が装置され、これらの棚は、本、雑誌、花瓶、及び/または他の多様で様々な物体の支持、及び静止面を画定する機能を有する。
【0003】
これらの棚は、様々なタイプの手段を使用して、垂直壁間に配置されて固定される。これらの手段は、ブラケット、ネジ、ピンなどのように、通常は棚から分離しており、特別なツールを用いて取り付ける必要がある。このソリューションは要件を満たしていない。なぜなら、一方では棚の組立てをいくらか困難にし、他方では固定手段が見えたままであるためである。
【0004】
これらの課題を克服するよう努めるために、弾性ピンから構成された棚支持デバイスが提案されている。この弾性ピンは、棚の縁部の中に挿入され、かつ突出部を有する。この突出部は、家具アイテムの壁に形成された対応する座部に、バネの作用によって係合する。このピンは、バネの作用によって、通常はデバイスから突出している。棚を取り付ける際に、ピンは、家具アイテムの垂直壁と干渉し、デバイスの中に戻り、家具アイテムの壁に形成された特別な座部に対向したときに、デバイスから飛び出る。棚を分解するためには、棚に形成された開口部を通して、デバイスに特別なツールを使用して、ピンをバネの作用に対抗して戻す必要がある。
【0005】
ピンのための制止点を有さない、このようなデバイスは、設置するためにかなり複雑であり、使用するのに不便である。
【0006】
欧州特許出願公開第1228721号明細書は、棚の縁部の中に挿入されるケーシングを備えたデバイスを開示している。このケーシングの内側には弾性ピンが配置され、それは通常は棚から突出しており、棚が家具アイテムの壁に干渉したときに、ケーシングの中に後退できる。ピンにおいて、2対の突出部が設けられ、ケーシングの内側に突出した弾性舌状部と協働する。第1の対の突出部は、棚の組立て中にピンが出るのを可能にするよう、フィンの自由端部の不安定な係合を画定し、その一方で第2の対の突出部は、ピンが出るための端部制止部を構築する。棚を分解可能にするために、スクリュードライバなどのツールをピンの摺動部に使用して、ピンをケーシングの後退位置に保つよう、第1の対の突出部を、フィンとの安定した係合に至らせなければならない。この目的のため、ケーシングは、上記の摺動部が配置されるスロットを伴う基部を有する。ケーシングを棚に収納するのを可能にするために、縁部に開いた大きい窓部を伴った穴が作られ、それによって基部はこの窓部に配置され、棚の外側に残る。
【0007】
このデバイスは、使用に実用的ではない。なぜなら静止状態にあるとき、したがって棚を取り付けるときも、ピンは常にケーシングから最大限まで突出しているからである。
【0008】
バネの作用に対抗する摺動部の直線的な作動も、容易ではない。
【0009】
追加として、摺動部にアクセスするためのスロットを伴う基部は、棚の外側で見えたままであり、それは幾分外観が悪い。
【0010】
国際公開第2015/158622号は、独立請求項1のプリアンブルによる、家具の棚を支持して固定するためのデバイスを、開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1228721号明細書
【特許文献2】国際公開第2015/158622号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、上述の欠点を克服することである。
【0013】
より詳細には、本発明の目的は、家具アイテムの美的価値を最適にするよう、実質的に視界から完全に隠されるような小型の構造である、家具の棚を支持して固定するためのデバイスを、提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、棚を、容易かつ迅速に組立てること、及び分解することが可能なデバイスを、提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、弾性ピンを、簡単かつ安全に作動させることができ、いくつかの動作位置において配置させることができて、棚の安定した固定を保証する、支持して固定するデバイスを提供することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、製造が簡単で経済的なデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
これら、及び他の目的は、請求項1に記載の特徴を有する、本発明のデバイスによって実現される。
【0018】
本発明によると、デバイスは、書棚、棚ユニットなどの家具の棚を支持して固定するために提供される。このデバイスは、実質的に円筒形状のケーシングを備え、その内側にはピンが取り付けられ、このピンは圧縮バネによって圧力が加えられる。このデバイスは、棚の縁部に挿入され、そのときピンの先端部は、一般に棚の縁部から突出し、棚が家具アイテムの壁と干渉するとき、ケーシングに再入する傾向がある。カム要素は、ピンをケーシングからの最大飛出し位置と最小飛出し位置との間で作動させるために設けられる。このピンは、カム要素が先端部の最大及び最小飛出し位置にあるときに、ケーシングに再入させるような跳ね返りの影響を受けない。デバイスは、カム要素が、ピンの長手方向スロットにおける2つの両端位置に位置付けることができる偏心した出っ張り部を有し、先端部の最大及び最小飛出し位置を画定し、カム要素の回転後に、スロットの一方の側部でピンの輪郭を越えて突出する突起部に対抗して作用して、先端部を最大飛出し位置から最小飛出し位置まで後退させることと、ケーシングが、長手方向の側面窓部を有し、ケーシングの中でピンが摺動する間に上記の突起部が動くことと、を特徴とする。
【0019】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項で開示される。
【0020】
本発明の、棚を支持して固定するためのデバイスの、構造的及び機能的特徴は、好ましい非限定の実施形態を表わした添付の図面を参照した、以下の詳細の説明によって、より明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の、家具の棚を支持して固定するためのデバイスの概略不等角投影図である。
図1a】反対側から見た、図1のデバイスの図である。
図2図1の装置を分解した不等角投影図である。
図2a】デバイスのカム要素を形成する部材の、側面図である。
図2b】デバイスのカム要素を形成する部材を、上から見た図である。
図2c】デバイスのカム要素を形成する部材を、下から見た図である。
図3】カム要素の位置付けを示す、図2aの方向におけるデバイスの部分切欠き図である。
図3a図3の拡大詳細を円内に示す図である。
図4】ケーシングの一部を取り除いた、棚を分解する間における弾性ピンの位置のシーケンスを示す、上から見た平面図である。
図4a図4のシーケンスにおける、カム要素の異なる位置を示す拡大図である。
図5】ケーシングの一部を取り除いた、棚を分解する間における弾性ピンの位置のシーケンスを示す、上から見た平面図である。
図5a図5のシーケンスにおける、カム要素の異なる位置を示す拡大図である。
図6】ケーシングの一部を取り除いた、棚を分解する間における弾性ピンの位置のシーケンスを示す、上から見た平面図である。
図6a図6のシーケンスにおける、カム要素の異なる位置を示す拡大図である。
図7】ケーシングの一部を取り除いた、棚を分解する間における弾性ピンの位置のシーケンスを示す、上から見た平面図である。
図7a図7のシーケンスにおける、カム要素の異なる位置を示す拡大図である。
図8】ケーシングの一部を取り除いた、棚を分解する間における弾性ピンの位置のシーケンスを示す、上から見た平面図である。
図8a図8のシーケンスにおける、カム要素の異なる位置を示す拡大図である。
図9】棚の組立て中の連続した段階を示す、切欠き部を伴う概略不等角投影図である。
図9a図9の詳細拡大を円内に示す図である。
図9b図9の詳細拡大を円内に示す図である。
図10】棚の組立て中の連続した段階を示す、切欠き部を伴う概略不等角投影図である。
図10a図10の詳細拡大を円内に示す図である。
図11】棚の組立て中の連続した段階を示す、切欠き部を伴う概略不等角投影図である。
図11a図11の詳細拡大を円内に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
前出の図面を参照すると、本発明による家具の棚を支持して固定するためのデバイスは、全体に参照番号10で示され、実質的に円筒形状の外部本体またはケーシング11を備え、その内側には、圧縮バネ13によって圧力が加えられたピン12が取り付けられる。
【0023】
デバイス10は、以下でより明確になるが、ケーシング11の前面を棚の縁部と同一面にして、家具アイテム20(図9図11)における棚21の厚み部分の中に挿入され、そこから突出したピン12は、家具のアイテムにおける対応した垂直壁22に形成された穴23に挿入される。
【0024】
ケーシング11は、下部半体シェルまたは基部14と、上部半体シェルまたはカバー15の、2つの半体シェルとして作られる。それらは共に接合され、前述の中空円筒構成を画定し、棚21の厚み部分の中に配置された一方の端部16で閉鎖され、反対側の端部17で開放され、そこからピン12は突出する。
【0025】
ケーシング11には、長手方向の展開における一部または全体に沿って軸方向に形成された鋸歯状部18が、外部に設けられ、それは家具の棚に形成された収納穴の内面における、大きい把持力を確保する機能を伴う。同様にケーシング11には、開放端部17に環状拡大部またはカラー19が設けられ、棚の穴の中に導入されたときに制止要素を画定する機能を有する。
【0026】
ケーシング11は、好ましくはプラスチック材料、もしくはナイロン、または目的に適合した別の公知の同等材料で作られ、金属製材料を除外しない。その一方でピン12は、金属または硬質プラスチックで作られる。バネ13は、もちろん金属製である。
【0027】
ピン12は、ケーシング11の開放端部17から少なくとも部分的に突出でき、曲線状の先端部31で終端する、円筒形の前部セクション30と、その詳細構成は以下で説明する中間セクション32と、やはり円筒形であるが、螺旋バネ13の中に嵌合できるよう、より小さい径である後部セクション33と、を有する。螺旋バネ13は、ピンの中央セクション32と、ケーシング11の閉鎖された後部壁16との間で当接する。
【0028】
当然ながら、ピンの先端部31は、例示のものとは異なる構成を有し得る。ピンの先端部31は、棚21の挿入及び引き出し中に、家具アイテムの対応した垂直壁22に干渉するときに、垂直壁22に対して容易に摺動するよう、丸められることが、いずれの場合でも好ましい。
【0029】
ピン12の中間セクション32は、頂部において平坦にされ、前部肩部35及び後部肩部36によって範囲が定められた平坦面34を有し、後部肩部36に対して前述のバネ13は当接する。
【0030】
この平坦面34において、長手方向スロット37が形成され、それは少なくとも部分的に、ピン12全体の厚み部分を含む。
【0031】
スロット37の一方の側において、2つの突起部38が設けられ、ピン12の輪郭を越えて突出する。2つの突起部38は、それらの間で開放空間39を画定する。開放空間39は、以下で言及する目的に役立つ。
【0032】
ケーシング11の2つの半体シェル14、15を連結した後、突起部38が設けられた側において、窓部40(詳細には図1a及び図3を参照)が画定され、ピン12の中間セクション32の長さに概ね沿って延びる。その中で、前述の突起部38は、次に記載するように、ピン12の軸方向運動の間に、摺動可能に収納される。
【0033】
実際、図2a、図2b、及び図2cでそれぞれ示されたカム要素50は、ピン12を動かすために設けられる。
【0034】
図面に示された方向を参照すると、カム要素50は、カム要素の回転軸として作用し、スロット37内を横断して、下部半体シェル14に形成された穴56に部分的に入る、より小さい径の下部円筒形セクションまたはシャフト51と、シャフト51と同軸で、例えば多角形断面を伴うよう形状付けられた、アレンキーなどの操作キーを係合するための座部53が設けられて、上部半体シェル15に形成された対応した穴57に入る、より大きい径の頭部52と、を有する。
【0035】
頭部52の下方では、拡大ディスク54が設けられ、それはピン12の中間セクション32における平坦面34に載ることになる。ディスク54の下方では、偏心した出っ張り部55が設けられる。出っ張り部55は、ディスク54を越えて突出し、適切なカムとして作用し、通常はスロット37の中に配置されるが、カム要素50の回転中に、その突出した部分が、突起部38の間の空間39を占有する可能性がある。
【0036】
本発明による棚の支持デバイスの構造を説明したが、その機能は、図4図8のシーケンスを参照して例示される。
【0037】
図4において、デバイスは、棚21が取り付けられた、使用中の構成で示される。そこでは、先端部31を伴うピン12の前部セクション30が、家具アイテム20の垂直壁22に、可能な最大伸長で挿入される。
【0038】
この状態において、カム要素50の出っ張り部55は、スロット37の前部分に配置され、ピン12は自由に跳ね返っており、先端部31の最大飛出しが、平坦面34の後部肩部36によって画定される。カム要素50のディスク55は、平坦面34の後部肩部36に対して当接する。
【0039】
棚を分解するために、図4の状態から開始する。ピン12の先端部を伴う前部セクションが、ケーシング11に再入することが必要である。
【0040】
この目的のため、操作キーを、棚に形成された穴25を介して、カム要素50の座部53の中に挿入することで、カム要素50を右回りに回転させ、偏心した出っ張り部55を、スロット37から突出した後部突起部38と係合させることによって、図5及び図6に示されるように、先端部を後退させる。
【0041】
カム要素50をさらに回転させることによって、出っ張り部55は、図4の反対側において、再びスロット37(図7)の中に配置される。この状態において、ピン12は、カム要素50によって画定された、ケーシング11の中における最大再入位置にあり、曲線状の先端部31のみがケーシング11から突出し、スロット37の壁の狭い部分58(図1も参照)に対して当接する出っ張り部55によって、この位置に保持される。
【0042】
図7の状態において、ピン12は、図8の矢印Fで示されるような、再びケーシング11の中にさらに後退するための跳ね返りの影響を受けない。
【0043】
したがって、棚に押力を加えることによって、曲線状の先端部31は、家具アイテムの垂直壁に形成された穴23の端部に対して干渉し、ケーシング11の中に完全に後退して、棚を解放することができる。
【0044】
棚の組立ては、図9図11のシーケンスにおいて、概略で例示される。
【0045】
カム要素は、先端部31がケーシング11から突出するように、180°の左回転によって、図4の位置に戻り、その中に再入するために自由に跳ね返ることができる。次に、先端部31を家具アイテムの垂直壁に干渉させ(図9)、先端部31は、嵌合する穴23と整合するまで(図11)、この壁に沿って摺動して後方に動く。
【0046】
本発明による、家具の棚を支持して固定するためのデバイスを用いると、棚の取り付けを容易に実施することができ、図7及び図8に示された位置に、すなわち、スロット37の後部分に配置された出っ張り部55を用いて、曲線状の先端部31のみがケーシング11から突出して、先端部31が家具アイテムの垂直壁に対して、より容易に摺動できるよう、かつ対応した穴23に挿入できるよう、カム要素50を保持すること、ならびに、その後バネ13を自由にするためにカム要素を180°回転させ、先端部31をさらに出して、棚の確実な固定を画定すること、に留意されたい。
【0047】
開示されたものから、家具の棚を迅速に組立てること、及び分解することを可能にする、本発明の利点は、見える部分を残すことなく、明確となる。
【0048】
本発明が、非限定の例として純粋に与えられた実施形態の1つを詳細に参照して、上記で説明したが、多くの変更及び変形が、上記で与えられた説明に照らして、当業者には明確となろう。したがって本発明は、以下の特許請求の範囲内となる全ての変更及び変形を含むよう意図される。
図1
図1a
図2
図2a
図2b
図2c
図3-3a】
図4-4a】
図5-5a】
図6-6a】
図7-7a】
図8-8a】
図9-9b】
図10-10a】
図11-11a】
【国際調査報告】