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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-11
(54)【発明の名称】方法および組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/80 20060101AFI20230704BHJP
   A01N 31/04 20060101ALI20230704BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20230704BHJP
   A01N 25/02 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
A01N43/80 103
A01N31/04
A01P13/00
A01N25/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574272
(86)(22)【出願日】2021-06-04
(85)【翻訳文提出日】2023-01-24
(86)【国際出願番号】 IB2021054892
(87)【国際公開番号】W WO2021245607
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】765147
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522468434
【氏名又は名称】ティンドール、アーロン
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティンドール、アーロン
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BA01
4H011BB03
4H011BB10
4H011BC03
4H011BC16
4H011BC19
4H011DA13
4H011DC05
4H011DD03
4H011DE15
4H011DG16
4H011DH07
(57)【要約】
本発明は、液体担体中にサッカリンおよび浸透剤を含む除草性組成物に関する。除草性組成物は、望ましくない植物成長を排除または低減するために使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体担体、少なくとも1つの人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩、および浸透剤
を含む、望ましくない植物成長を排除または低減するための組成物。
【請求項2】
前記人工甘味料またはその農業上許容される塩が、サッカリン、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、ステビアまたはルグズナムである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物中の人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩の濃度が、約5~600g/リットル、好ましくは約5~400g/リットル、好ましくは約5~300g/リットル、好ましくは約10~200g/リットル、好ましくは約50~200g/リットルである、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩が、サッカリン、好ましくはサッカリンナトリウムである、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記浸透剤が、アルコキシル化アルコール、サポニンおよび/または有機シリコーン化合物を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記アルコキシル化アルコールが、アルコールエトキシラートまたはエトキシル化大豆油である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物中の浸透剤の濃度が、約0.5~20ml/L、好ましくは約0.5~15ml/L、好ましくは約0.5~10ml/Lである、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記浸透剤が、有機変性ポリジメチルシロキサン浸透剤である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩対前記浸透剤の重量比が、約1~150:1、好ましくは約2~120:1、好ましくは約5~100:1、好ましくは約10~80:1である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記液体担体が水を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
望ましくない植物成長を排除または低減する方法であって、請求項1~10のいずれか一項に記載の液体組成物を前記望ましくない植物成長に適用することを含む、方法。
【請求項12】
前記液体組成物が、接触、湿潤、ドージング、ドレンチング、ソーキング、ディッピング、塗布または噴霧によって、前記望ましくない植物成長に適用される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記液体組成物の前記適用が1回以上繰り返される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記適用が、最初の適用から約1ヶ月以内に繰り返される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記望ましくない植物成長が、所望の植物の一部であるサッカーまたは所望の球根または塊茎からのシュートである、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記方法の適用が、30日以内に少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、95または100%の前記植物のバイオマスの低減をもたらす、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記方法の適用が、7日以内に少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、95または100%の前記植物のバイオマスの低減をもたらす、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.技術分野
本開示は、望ましくない植物成長を排除または低減することに関する。
【背景技術】
【0002】
2.背景技術
望ましくない植物成長を排除または低減する能力は、現代の農業慣行にとって重要である。例えば、作物または観賞植物と競合する雑草または他の植物を死滅させることにより、望ましくない植物よりも望ましい植物をより強く成長させることができる。
【0003】
既存の除草剤に対する耐性も増大する問題である。これは、ほとんどの既存の除草剤が限られた数のみの作用様式のうちの1つを使用するので、特に問題である。耐性は、特定の除草剤よりもむしろ作用様式に対して発展することが多い。
【0004】
有機と考えられる、または少なくとも既存の除草剤に対する毒性および/または残留物が低減された農業慣行に対する需要も増加している。環境のすべての部分における農業薬品由来の有毒残留物が食物連鎖に浸透しており、世界の生態系の将来を脅かしている。最も広く使用されている農業用および工業用除草剤であるRoundup(グリホサート)は、現在、がんを引き起こすか否かに関して厳しい調査下にある。
【0005】
より環境に優しい植物成長制御の方法の使用は、特にワイン製造用のブドウなどの高価値作物について需要がある分野である。
【0006】
望ましくない成長が、望ましい植物ではあるが、望ましくない場所または望ましくないタイミングの植物に対してであり得る、他の農業慣行がある。例えば、デサッカリングは、ブドウから若い、結実していないシュートを除去して、ブドウの古い茎を結実させる慣行である。この種の望ましくない成長の除去は、残りの植物に損傷を与えることなく植物の正しい部分を除去するための特殊性を必要とし、したがって労働集約的で時間がかかる可能性がある。望ましくない成長タイミングのさらなる例は、群葉を破壊する噴霧液を使用して作物の同期的成熟を助ける場合である。例えば、ジクワットは、作物の成長部分を「乾燥させる」または「乾枯させる」ことで同じ成熟度で食用部分を残すために広く使用されている。例えば、ジャガイモの茎葉には、葉を枯らすジクワットが噴霧され、塊茎は収穫のために地中に残される。
【0007】
本明細書では、特許明細書および他の文書を含む外部情報源が参照されている場合、これは一般に、本発明の特徴を議論するための文脈を提供する目的のためである。特に明記しない限り、そのような情報源への言及は、いかなる管轄においても、そのような情報源が従来技術であるか、または当技術分野の共通の一般知識の一部を形成することの承認として解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0008】
3.発明の概要
本開示の目的は、望ましくない植物成長を排除もしくは低減する方法、および/または少なくとも何らかの方法で上述の問題または困難の1つ以上の克服に向かう、植物成長を死滅もしくは低減する組成物を提供すること、または少なくとも産業界/公衆に有用な選択肢を提供することである。
【0009】
第1の態様では、望ましくない植物成長を排除または低減する方法であって、
少なくとも1つの人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩および浸透剤を含む液体組成物を望ましくない植物成長に適用すること
を含む方法が提供される。
【0010】
いくつかの実施形態では、液体組成物は、接触、湿潤、ドージング、ドレンチング、ソーキング、ディッピング、塗布または噴霧によって、望ましくない植物成長に適用される。
【0011】
いくつかの実施形態では、液体組成物は、望ましくない植物成長に噴霧される。
【0012】
いくつかの実施形態では、液体組成物の適用は、1回以上繰り返される。いくつかの実施形態では、適用は、最初の適用から約1ヶ月以内に繰り返される。
【0013】
いくつかの実施形態では、望ましくない植物成長は、所望の植物の一部であるサッカーである。いくつかの実施形態では、望ましくない植物成長は、所望の球根または塊茎からのシュートである。
【0014】
第2の態様では、
液体担体、
少なくとも1つの人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩、および
浸透剤
を含む、望ましくない植物成長を排除または低減するための組成物が提供される。
【0015】
第3の態様では、
液体担体、
少なくとも1つの人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩、および
浸透剤
を含む、除草性組成物が提供される。
【0016】
第4の態様では、少なくとも1つの人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩、および浸透剤を液体担体に添加することを含む、第2または第3の態様の組成物を製造する方法が提供される。
【0017】
上記の態様では:
いくつかの実施形態では、人工甘味料またはその農業上許容される塩は、サッカリン、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、ステビアまたはルグズナムである。
【0018】
いくつかの実施形態では、糖アルコールまたはその農業上許容される塩は、キシリトール、ソルビトールまたはエリスリトールである。
【0019】
いくつかの実施形態では、人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩は、サッカリンである。
【0020】
いくつかの実施形態では、液体組成物中の人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩の濃度は、約5~600g/リットルである。いくつかの実施形態では、液体組成物中の人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩の濃度は、約5~400g/リットルである。いくつかの実施形態では、人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩の濃度は、約5~300g/リットルである。いくつかの実施形態では、液体組成物中の人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩の濃度は、約10~200g/リットルである。いくつかの実施形態では、液体組成物中の人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩の濃度は、約50~200g/リットルである。
【0021】
いくつかの実施形態では、人工甘味料またはその農業上許容される塩は、サッカリン塩である。
【0022】
いくつかの実施形態では、人工甘味料またはその農業上許容される塩は、サッカリンナトリウムである。
【0023】
いくつかの実施形態では、液体組成物中のサッカリン塩の濃度は、約5~600g/リットルである。いくつかの実施形態では、液体組成物中のサッカリン塩の濃度は、約5~300g/リットルである。いくつかの実施形態では、液体組成物中のサッカリン塩の濃度は、約10~300g/リットルである。いくつかの実施形態では、液体組成物中のサッカリン塩の濃度は、約10~200g/リットルである。いくつかの実施形態では、液体組成物中のサッカリン塩の濃度は、約50~200g/リットルである。
【0024】
いくつかの実施形態では、組成物中の浸透剤の濃度は、約0.5~20ml/Lである。いくつかの実施形態では、組成物中の浸透剤の濃度は、約0.5~15ml/Lである。いくつかの実施形態では、組成物中の浸透剤の濃度は、約0.5~10ml/Lである。
【0025】
いくつかの実施形態では、浸透剤は、アルコキシル化アルコール、サポニンおよび/または有機シリコーン化合物を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、アルコキシル化アルコールは、アルコールエトキシラートである。いくつかの実施形態では、アルコールエトキシラートは、エトキシル化大豆油である。
【0027】
いくつかの実施形態では、有機シリコーン化合物は、有機変性ポリジメチルシロキサンまたは有機変性トリシロキサンである。
【0028】
いくつかの実施形態では、有機変性ポリジメチルシロキサン浸透剤の濃度は、約0.5~20ml/Lである。いくつかの実施形態では、有機変性ポリジメチルシロキサン浸透剤の濃度は、約2~10ml/Lである。いくつかの実施形態では、有機変性ポリジメチルシロキサン浸透剤の濃度は、約5ml/Lである。いくつかの実施形態では、有機変性ポリジメチルシロキサン浸透剤は、浸透剤1リットル当たり約600~1200gの有機変性ポリジメチルシロキサンを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩対浸透剤の重量比は、約1~150:1である。いくつかの実施形態では、人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩対浸透剤の重量比は、約2~120:1である。いくつかの実施形態では、人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩対浸透剤の重量比は、約5~100:1である。いくつかの実施形態では、人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩対浸透剤の重量比は、約10~80:1である。
【0030】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は水を含む。
【0031】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「含む(comprising)」という用語は、「の少なくとも一部からなる(consisting at least in part of)」を意味する。「含む(comprising)」という用語を含む本明細書および特許請求の範囲の各記述を解釈する場合、その用語で前置きされる特徴以外の特徴も存在し得る。「含む(comprise)」および「含む(comprises)」などの関連する用語は、同じように解釈されるべきである。
【0032】
本明細書に開示される数の範囲(例えば、1~10)への言及はまた、その範囲内のすべての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9および10)への言及、およびその範囲内の任意の範囲の有理数(例えば、2~8、1.5~5.5および3.1~4.7)への言及も組み込んでおり、したがって、本明細書に明示的に開示されるすべての範囲のすべての部分範囲が本明細書に明示的に開示されることを意図している。これらは、具体的に意図されるものの例にすぎず、列挙された最低値と最高値との間の数値のすべての可能な組み合わせは、本出願において同様に明示的に述べられていると見なされるべきである。
【0033】
本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、「および」もしくは「または」、またはその両方を意味する。
【0034】
本明細書で使用される場合、名詞に続く「(s)」は、名詞の複数形および/または単数形を意味する。
【0035】
本発明が関連する当業者には、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の構成ならびに広く異なる実施形態および用途における多くの変更が示唆されるであろう。本明細書の開示および説明は、純粋に例示的なものであり、いかなる意味でも限定することを意図するものではない。
【0036】
本開示は前述のものからなり、また、以下に例を示すのみの構成を想定する。本明細書に開示された特徴は、同じまたは関連する発明概念に対処する互換性のある構成要素の新しい実施形態に組み合わせることができる。
【0037】
4.図面の簡単な説明
本発明を図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1A】例5に記載されているような、本発明の組成物を適用する前のサワギク(ragwort)(開花していない)を示す写真である。
図1B】例5に記載されているような、本発明の組成物を適用した後のサワギク(ragwort)(開花していない)を示す写真である。
図2A】例5に記載されているような、本発明の組成物を適用する前のアザミ(thistle)を示す写真である。
図2B】例5に記載されているような、本発明の組成物を適用した後のアザミ(thistle)を示す写真である。
図3A】例5に記載されているような、本発明の組成物を適用する前のサワギク(ragwort)(開花している)を示す写真である。
図3B】例5に記載されているような、本発明の組成物を適用した後のサワギク(ragwort)(開花している)を示す写真である。
図4A】例5に記載されているような、本発明の組成物を適用する前のハリエニシダ(gorse)を示す写真である。
図4B】例5に記載されているような、本発明の組成物を適用した後のハリエニシダ(gorse)を示す写真である。
図5A】例5に記載されているような、本発明の組成物を適用する前のタンポポ(dandelion)を示す写真である。
図5B】例5に記載されているような、本発明の組成物を適用した後のタンポポ(dandelion)を示す写真である。
図6A】例5に記載されているような、本発明の組成物を適用する前のサワギク(ragwort)(開花していないを示す写真である。
図6B】例5に記載されているような、本発明の組成物を適用した後のサワギク(ragwort)(開花していないを示す写真である。
図7A】例5に記載されているような、本発明の組成物を適用する前のハリエニシダ(gorse)およびベニテングタケを示す写真である。
図7B】例5に記載されているような、本発明の組成物を適用した後のハリエニシダ(gorse)およびベニテングタケを示す写真である。
図8A】例5に記載されているような、本発明の組成物を適用する前のハリエニシダ(gorse)を示す写真である。
図8B】例5に記載されているような、本発明の組成物を適用した後のハリエニシダ(gorse)を示す写真である。
図9】例10に記載されている用量濃度(ml a.i.L-1)に対応したダイコン(tillage radish)の生存率(%)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
5.発明の詳細な説明
本発明は、望ましくない植物成長を制御するための接触手段を提供する。接触によって作用するので、特定の植物が望ましい植物の中にある場合でも、特定の植物の成長を死滅、制御、低減、または遅くするために使用することができる。あるいは、本発明を使用して、例えば、ブドウのデサッカリング、球根または塊茎からのシュートの除去、および/または「弱剪定」(例えば、葉または群葉を植物から落とすためにワタ植物の栽培に使用するため)など、残りの部分を損傷することなく植物の部分を制御することができる。本発明は、転流がほとんどまたは全くないので、非標的植生の近くで使用することができると考えられる。
【0040】
本発明は、望ましくない植物成長を排除または低減する方法であって、少なくとも1つの人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩および浸透剤を含む液体組成物を望ましくない植物成長に適用することを含む方法に関する。有効量の組成物が望ましくない植物成長に適用されることが好ましい。一実施形態では、本方法は、30日以内に少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、95または100%の植物のバイオマスの低減をもたらす。一実施形態では、本方法は、7日以内に少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、95または100%の植物のバイオマスの低減をもたらす。
【0041】
本発明は、さらにまたはあるいは、液体担体、少なくとも1つの人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩、および浸透剤を含む、望ましくない植物成長を排除または低減するための組成物に関する。
【0042】
本発明は、さらにまたはあるいは、液体担体、少なくとも1つの人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩、および浸透剤を含む、除草性組成物に関する。
【0043】
本発明は、さらにまたはあるいは、望ましくない植物成長を排除または低減するための組成物、または除草性組成物を製造する方法であって、少なくとも1つの人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩、および浸透剤を液体担体に添加することを含む方法に関する。
【0044】
本発明は、場合により、他の除草剤および/または他の農業薬剤と組み合わせて使用されてもよい。除草剤の例は、グリホサートである。他の農業薬剤としては、限定されないが、殺真菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、土壌害虫駆除剤、抗ウイルス剤、誘引剤および植物成長調節剤が挙げられる。本発明の組成物は、さらなる除草剤および/または他の農業薬剤を含有してもよく、またはさらなる除草剤および/または他の農業薬剤が別々に適用されてもよい。本発明の組成物は、使用前に組み合わせるか、または別々に適用するためのさらなる除草剤および/または他の農業薬剤を含むキットで提供され得る。
【0045】
さらに、充填剤、担体、増粘剤、結合剤、安定剤、消泡剤、沈降防止剤、凍結防止剤、分散安定剤、防腐剤、着色剤、防カビ剤などの一般的に使用される様々な添加剤が組成物に使用されてもよい。
【0046】
4.1 人工甘味料および/または糖アルコール
本発明の組成物は、少なくとも1つの人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩(すなわち、人工甘味料または糖アルコールの農業上許容される塩)を含む。
【0047】
人工甘味料または糖アルコールの塩は、任意の農業上許容される塩であればよく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ジメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、アンモニウム塩などのアミン塩;塩酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの無機酸塩;または酢酸塩、メタンスルホン酸塩などの有機酸塩が挙げられる。
【0048】
人工甘味料もしくは糖アルコール人工甘味料もしくは糖アルコール、またはその農業上許容される塩は、水和物の形態であってもよい。
【0049】
人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩は、好ましくは、水和物であるか、または水和物を形成することができる。
【0050】
人工甘味料またはその農業上許容される塩の例としては、サッカリン、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、ステビアまたはルグズナムが挙げられる。
サッカリンの構造を以下に示す:
【化1】

ただし、その溶解性のために、農業上許容される塩が本発明の組成物に使用されることが好ましい。サッカリンを使用する場合、溶解性を助けるために浸透剤の濃度を増加させることが必要な場合がある。
【0051】
ナトリウム塩またはカルシウム塩のいずれか、好ましくはナトリウム塩が使用されることが好ましい。
【0052】
サッカリンを合成するための方法は、マウミー(Maumee)法として知られているが、他の選択肢も利用可能である。
【0053】
糖アルコールまたはその農業上許容される塩の例としては、キシリトール、ソルビトール、エリスリトールが挙げられる。
【0054】
他の人工甘味料または糖アルコールよりも優れた結果を与えることが分かっているので、サッカリン、好ましくはサッカリン塩、好ましくはサッカリンアルカリ金属塩が組成物に使用されることが好ましい。
【0055】
組成物中の人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩の濃度が有効量であることが好ましい。好ましくは、組成物中の人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩の濃度は、約5~600g/リットル、好ましくは約5~400g/リットル、好ましくは約5~300g/リットルである。いくつかの実施形態では、組成物中の人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩の濃度は、約10~200g/リットルである。いくつかの実施形態では、組成物中の人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩の濃度は、約50~200g/リットルである。しかしながら、濃度は、人工甘味料または糖アルコールの使用、植物の死滅の容易さ、または所望の成長速度の制御/もしくは減速のレベルに依存する。
【0056】
好ましくは、組成物中のサッカリン塩の濃度は、約5~600g/リットル、好ましくは約5~300g/リットル、好ましくは約10~300g/リットル、好ましくは約10~200g/リットル、好ましくは約50~200g/リットルである。
【0057】
4.2 浸透剤
本発明の組成物は、浸透剤を含む。「浸透剤」は、化合物を生細胞の内部に運搬もしくは移送する、および/または化合物の生細胞の内部への取り込みを可能にする、促進する、もしくは増加させる薬剤を指す。農業浸透剤は、葉のワックス状表面層を溶解するかまたはそこに浸透し、他の化学物質が細胞と接触し、それらの間の空間に入ることを可能にする。
【0058】
多くの浸透剤は界面活性特性も示すので、界面活性剤として分類することもできる。界面活性剤は、それが接触している他の材料の表面特性を改変する薬剤である。
【0059】
界面活性剤の例としては、(a)噴霧液滴の表面張力を低減し、液滴と葉または昆虫表面との間の接触を増加させる湿潤剤、および(b)葉または昆虫表面への溶液の接着を増加させる展着剤が挙げられる。乳化剤および拡展剤も界面活性剤の一種である。
【0060】
場合によっては、界面活性剤は浸透剤(界面活性剤浸透剤)として作用し得るが、すべての界面活性剤が浸透を増強するわけではない。
【0061】
界面活性剤浸透剤は、浸透剤を構成する化合物によって担持されるイオン電荷に応じて、非イオン性、アニオン性またはカチオン性であり得る。
【0062】
一実施形態では、本発明の組成物に使用するための浸透剤は、非イオン性界面活性剤浸透剤である。
【0063】
市販の浸透剤は、一般に、適切な溶媒中に1つ以上の浸透性化合物を含む組成物である。浸透剤はまた、非浸透性界面活性剤などの追加の薬剤を含んでもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、浸透剤は、1つ以上の浸透性化合物を含む使用準備の整った製剤で提供される。好ましくは、使用準備の整った製剤中の浸透性化合物の濃度は、約0.1~50重量%、約1~50重量%、約1~30重量%、約1~20重量%または約1~10重量%である。
【0065】
一実施形態では、非イオン性界面活性剤浸透剤は、1つ以上の有機シリコーン化合物、1つ以上の複合アルコールおよび/または1つ以上のサポニンを含む。
【0066】
有機シリコーン化合物としては、(限定されないが、)有機変性ポリジメチルシロキサンおよび有機変性トリシロキサンが挙げられる。
【0067】
市販の有機シリコーン浸透剤としては、限定されないが、以下が含まれる。
・Yates Pulse(登録商標)-有機変性ポリジメチルシロキサン、
・Ecospread(登録商標)-有機変性トリシロキサン化学クラスのBioGro(登録商標)認定非イオン性界面活性剤、
・Silwet 625(登録商標)-トリシロキサンアルコキシラート系湿潤剤、および
・1020g/Lのポリエーテル変性ポリシロキサンを含有する、Apparent Devour 1020 Penetrant(登録商標)
【0068】
アルコキシル化アルコール(アルコールアルコキシラート);アルキルアリールエトキシラート、例えばノニルフェノールエトキシラートおよびオクチルフェノールエトキシラート;ポリアルコキシトリグリセリド、例えばエトキシル化大豆油;アルコキシル化脂肪アルコール、例えば脂肪酸エトキシラート;およびアルコキシル化脂肪アミン、例えば脂肪アミンエトキシラートを含む広範囲の複合アルコールも浸透剤として使用されている。
【0069】
市販の複合アルコール浸透剤としては、限定されないが、以下が挙げられる。
・Agnique(登録商標)SBO 10-エトキシル化大豆油アジュバント、
・アルコールエトキシラートおよび低温圧縮オレンジ油を含有する、Oro Agri International Ltd製のOroboost(登録商標)、
・オクチルフェノールエトキシラートおよびポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテルを含有するGlyAssist 1040(登録商標)界面活性剤、
・非イオン性アルコールアルコキシラートを含有するApparent Wetter 1000(登録商標)、
・非イオン性脂肪酸エトキシラートおよび緩衝剤を含有するBuff It(登録商標)、
・アルコールアルコキシラートを含有するChemwet 1000(登録商標)、
・非イオン性脂肪酸エトキシラートを含有するDeluge 1000(登録商標)湿潤剤、
・ノニルフェノールエチレンオキシド縮合物(600g/L)を含有するPCT Reactor Wetter 600 Surfactant(登録商標)、
・アルキルアリールポリオキシエチレングリコールホスファートエステル(780g/L)、プロピレングリコール(>100g/L)およびリン酸(10~50g/L)を含有するSprayPro 780(登録商標)Acidifying Surfactant Compatibility Agent
【0070】
サポニンは、界面活性および浸透特性を有することが分かっている様々な植物種に見られるグリコシドである。
【0071】
他の浸透剤としては、以下が挙げられる。
・Protec Plus(登録商標)、エステル化キャノーラ油と非イオン性界面活性剤(アルコールエトキシラート)とのブレンド、
・60%超のパラフィン系石油および非イオン性界面活性剤を含有する、In-bound Spray Adjuvant(登録商標)、
・大豆リン脂質(350g/L)、プロピオン酸(350g/L)および界面活性剤を含有するApparent Buffer 700 Surfactant(登録商標)、
・キャノーラ油および非イオン性界面活性剤を含有するNexus Spray Adjuvant(登録商標)、および
・パラフィン系石油(>90%)および非イオン性界面活性剤を含有するTrump(登録商標)Spray Oil
【0072】
一実施形態では、本発明の組成物中の浸透剤の濃度は、約0.5~20ml/L、約0.5~15ml/L、または約0.5~10ml/Lである。別の実施形態では、本発明の組成物中の浸透剤の濃度は、約1~20ml/L、約1~15ml/L、約1~10ml/Lである。
【0073】
いくつかの実施形態では、有機シリコーン化合物は、有機変性ポリジメチルシロキサンまたは有機変性トリシロキサンである。いくつかの実施形態では、浸透剤は、少なくとも600、700、800、900または1000g/Lの有機シリコーン化合物を含む。
【0074】
好ましくは、本発明の組成物中の有機変性ポリジメチルシロキサン浸透剤の濃度は、約1~20ml/L、約2~10ml/L、または約5ml/Lである。
【0075】
好ましくは、人工甘味料もしくは糖アルコールまたはその農業上許容される塩対浸透剤の重量比は、約1~150:1、約2~120:1、約5~100:1または約10~80:1である。
【0076】
一実施形態では、本発明は、液体担体(好ましくは水)中に、サッカリンまたはその農業上許容される塩および有機シリコーン浸透剤を含む除草性組成物であって、サッカリンの収縮が約50~250g/Lであり、有機シリコーン浸透剤の濃度が約0.5~10ml/Lであり、有機シリコン浸透剤が約600~約1200g/Lの有機シリコーン化合物を含む除草剤組成物を提供する。
【0077】
4.3 液体担体
本発明の組成物に好ましい液体担体は、環境的に健全で費用効果が高いため、水である。しかしながら、1つ以上の他の液体担体、例えばアルコール、アルカン、アルケン、ケトン(例えばアセトン)、芳香族化合物、DMSO、DMF、アセタート、アミン、アミド、ピロリドン、油(例えば植物油または鉱油)を、水の代わりに、または水に加えて使用してもよい。
【0078】
所望または必要に応じて、液体担体中の人工甘味料または糖アルコールの溶解性を高めるために、界面活性剤、共溶媒または溶媒の混合物を場合により使用してもよい。適切な界面活性剤の例は、洗剤、例えば市販の洗浄洗剤である。
【0079】
液体組成物への言及はまた、粘性液体またはペーストを意味すると解釈されるべきである。
【0080】
本発明の組成物はまた、限定されないが、保湿剤、相溶性剤、消泡剤、ドリフト制御剤、堆積剤、水質調整剤、酸性化剤、緩衝剤および着色剤などの他の農業上許容される賦形剤を含んでもよい。
【0081】
4.4 適用方法
本発明の組成物は、好ましくは、地上部の望ましくない植物成長の一部に適用される。接触、湿潤、ドージング、ドレンチング、ソーキング、ディッピング、塗布または噴霧などの様々な適用手段を使用することができる。ブームスプレーヤー、ミスト器、ブランケットワイパー、またはロープウィックアプリケータ(rope wick applicator)などの装置を使用することができる。
【0082】
好ましくは、組成物は、望ましくない植物物質に噴霧され、好ましくは、標的材料を完全に被覆するようにである。あるいは、組成物は、例えば、切り株などの古い望ましくない植物成長に塗布されてもよい。そのような場合、組成物は、所望の領域の塗布を助けるために、より厚い粘度を有することが好ましい。
【0083】
組成物は、望ましくない植物成長に1回適用すればよいか、またはいくつかの望ましくない植物成長については、最初の適用後の一定期間、例えば約1週間、2週間、3週間、1ヶ月後、さらに1回または複数回適用を繰り返すことが望ましい場合がある。
【0084】
前述の説明において、整数またはその既知の同等物を有する構成要素が参照される場合、それらの整数は、個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。前述の特徴または実施形態または態様のいずれかは、本明細書に記載の他の特徴または実施形態または態様の1つ以上と組み合わせることができる。
【0085】
5.例
例1-乾枯剤としての使用
1Lの水、100gのサッカリンナトリウム水和物(CNNaOS.HO)、CAS番号82385-42-0、医薬品グレード(99~101%)、および5mlのYates Pulse(登録商標)組成物を含む組成物を、ハタケニラ(Onion Weed)(アリウム・トリケトラム(Allium triquetrum))に噴霧した。組成物を、夏(成長)期に緑色の茎、群葉および/または花に適用した。
【0086】
5日後、群葉は枯れ、黄色になった。時間が経つにつれて、茎は緑色から褐色に変化し、崩壊し始めた。
【0087】
30日以内に茎は完全に崩壊し、枯死した。茎を検査している間、白色の球根が土壌の上に「突き出す」のが見られた。これらはハタケニラ(Onion Weed)の球根であり、茎および根から分離しており、「繋がっていない」まま、土壌の上部で見ることができた。これは、本発明が、ジャガイモ、タマネギ、ニンニク、ニラなどの塊茎状/球根状顕花作物の収穫前に使用するための乾枯剤として使用され得ることを示す。本発明は、上部の群葉およびその下の根を球根から穏やかに分離することによって本方法を増強する。現在の方法は、化学的、機械的、および両方の組み合わせを含む。
【0088】
例2-除草剤としての人工甘味料および糖アルコールの使用
サッカリンナトリウム水和物(CNNaOS.HO、CAS番号82385-42-0、医薬品グレード99~101%)およびPulse(登録商標)浸透剤を含有する水を含む組成物を様々な植物種に適用して、本発明の広範な除草特性を実証した。結果を表2に示す。
【表1】
【0089】
糖アルコールであるエリスリトールおよびキシリトールを含む組成物を、ニュージーランドの小さな家庭の雑草(草状および葉状)に対して試みた。結果を表3に示す。エリスリトールおよびキシリトール組成物の両方が除草特性を示したが、サッカリン組成物ほど効果的ではなかった。サッカリン組成物は、糖アルコールであるエリスリトールおよびキシリトールと比較して、特に良好な除草特性を示した。
【表2】
【0090】
例4-タンポポ(dandelion)植物に対する除草剤としてのサッカリンナトリウム水和物の使用
水、サッカリンナトリウム水和物(様々な用量)(CNNaOS.HO、CAS番号82385-42-0、医薬品グレード)および浸透剤(Yates Pulse(登録商標))を含む組成物をタンポポ(dandelion)に適用した。結果を表4に示す。
【表3】
【0091】
例5-様々な植物種に対する除草剤としてのサッカリンナトリウムの使用
1Lの水、100gのサッカリンナトリウム(CNNaOS)、CAS 128-44-9および5mlのYates Pulse(商標)を含む組成物を植物に噴霧した。ニュージーランドのDunedinで夏の終わり頃に、組成物を緑色の茎、群葉および/または花に適用した。
A:サワギク(ragwort)(ヤコバエア・ブルガリス(Jacobaea vulgaris)、以前はセネシオ・ヤコバエア(Senecio jacobaea)):一部は栄養期(開花していない)、一部は生殖期(開花している)。
B:ハリエニシダ(gorse)(ウレックス・エウロパエウス(Ulex europaeus)):若い軟らかい実生~高さ600mm
C:開花しているフサスグリ(currant)(リベス・サングイネウム(Ribes sanguineum)):1本の低木、高さ500mm
D:タンポポ(dandelion)、ブタナ(Cat’s ear)(ヒポカエリス・ラディカータ(Hypochaeris radicata))単一のロゼット、匍匐性、開花していない
E:キツネノテブクロ(Foxglove)(ジキタリス・プルプレア(Digitalis purpurea))単一のロゼット、開花していない
【0092】
結果
先端のカール/しおれのみを示した、開花しているフサスグリ(currant)およびハリエニシダ(gorse)を除くすべての種で、適用4時間後に、しおれおよび壊死(褐色化)が観察された。30時間後、この段階で斑状の壊死を示した開花しているフサスグリ(currant)を除いて、すべての種の完全なしおれおよび壊死が見られた。56時間で、開花しているフサスグリ(currant)のしおれおよび壊死が完了した。
【0093】
ハリエニシダ(gorse)の実生への影響は非常に顕著であった。グリホサートおよびPulse(登録商標)の適用は、数時間~数日後に若い先端の項垂れ(しおれ)を与えることがあるが、適用後10日まではしおれおよび壊死は納得のいくものではないことが多い。本発明の組成物の適用は、グリホサートの適用時に起こる褐色化ではなく、若いハリエニシダ(gorse)植物の明確な脱色を引き起こした。結果を図1図8に示す。
【0094】
例6-サッカリンナトリウムおよび様々な浸透剤の使用
水、サッカリンナトリウム(CNNaOS、食品グレード、CAS番号128-44-9)および浸透剤を含む組成物を、群葉に噴霧することによって様々な植物種に適用した。結果を表5に示す。
【表4】
【0095】
本発明の組成物のすべてが効果的な除草剤であったが、有機シリコン浸透剤を含む組成物が最も効果的であり、迅速に作用し、植物を完全に死滅させることが分かった。
【0096】
例7-サッカリンカルシウムの使用
20gのサッカリンカルシウム(CAS番号6381-91-5)、1~2mlの浸透剤(Devour 1020(商標))および98mlの水を含む組成物を、様々な植物の群葉に噴霧した。植物の色の変化、しおれを伴う、即時の反応があった。
【0097】
例8-サッカリンナトリウム二水和物の使用
50gのサッカリンナトリウム二水和物(CAS番号6155-57-3)、1~2mlの浸透剤(Devour 1020(商標))および268mlの水を含む組成物を、様々な植物の群葉に噴霧した。植物の色の変化、しおれを伴う、即時の反応があった。
【0098】
例9-サッカリンナトリウム組成物の使用
20gのサッカリンナトリウム(CAS番号6381-91-5)、0.5mlの浸透剤(Devour 1020(商標))および1Lの水を含む組成物を、様々な植物の群葉に噴霧した。
試行日:2021年3月15日~4月15日
試行場所:Lansdowne farm,University of Sydney,Camden。
手順:Lansdowne farmで一般的に見られる雑草の範囲を、フラットファンスプレーノズルを備えた標準的な背負噴霧機を使用してスポット噴霧試験のために選択した。雑草としては、アオイ(mallow)、ノゲシ(sowthistle)、アカザ(pigweed)、ナズナ(Shephard’s purse)、カラクサナズナ(swine watercress)、タツノツメガヤ(crowsfoot grass)、ブタクサ(carrot weed)、ワタゲハナグルマ(cape dandelion)、シロザ(fat hen)、イヌビエ(barnyard grass)、ウマゴヤシ(medic weed)およびヒメジョオン(fleabane)が挙げられる。選択したすべての雑草に赤いピンの旗を付けた。完全に飽和し、溶液が滴り落ち始めるまで、雑草に噴霧した。噴霧したら、任意の症状の発生について植物を連続的に観察した。
条件:本発明の組成物を、晴天条件下、午前11:00、風速5km/時で適用した。
結果:合計17個の雑草(草および広葉の両方)を処理のために選択した。群葉の損傷症状は、すべての雑草で、24時間の噴霧で現れ始めた。17個の植物のうち15個が死滅し、アカザ(pigweed)および未確認の種1個のみが30DASを生き残った(噴霧の数日後)。
【0099】
例10-サッカリンナトリウム/Devour 1020組成物に対する用量反応
200gのサッカリンナトリウム(CAS番号6381-91-5)および5mlの浸透剤(Devour 1020(商標))のストック溶液を1Lの水に対して成し、次いで様々な濃度で使用し、以下に示すようにさらに水で希釈した。
試行日:2021年4月15日~5月15日
試行場所:Hoop-house facility,Lansdowne,University of Sydney,Camden。
手順:代表的な草(エンバク(forage oat)、アベナ・サティバ(Avena sativa))および広葉雑草(ダイコン(tillage radish)、ラファヌス・サティバス(Raphanus sativus))種を別々のポッティングミックス充填実生用容器に確立した。各雑草種について10個の複製容器があり、各々について6つの除草剤処理を行った。実生が5~6枚の本葉段階に達したら、6つの濃度の候補除草剤でスクリーニングする。除草剤希釈系列を使用して、除草剤濃度の低減が有効性に及ぼす影響を調べた。各実生に、フラットファンノズルを使用して前後に噴霧した。各実生を、約10mlの除草剤溶液を2秒間の処理期間中に適用して、除草剤溶液で完全に覆った。処理の約4週間後に植物の生存を評価した。次いで、各生存植物の地上部の植物材料を収穫し、70℃で72時間オーブン乾燥し、乾燥物生成量を決定するために秤量した。未処理対照に対する生存率および乾燥物生成量を計算して、植物生存および植物成長に対する処理効果をそれぞれ決定した。
条件:本発明の組成物を、晴れた日の午前11:00、風速5km/時で適用した。
投与量:300ml/L、150ml/L、75ml/L、37.5ml/L、18.75ml/L、0ml/L(対照)
結果:ダイコン(tillage radish)は、エンバク(forage oat)と比較して候補除草剤に対してより感受性であった。ダイコン(tillage radish)の生存率(%)は、除草剤用量の濃度の増加と共に徐々に減少した(図9)。
【0100】
本開示を特定の実施形態に関して説明したが、当業者に明らかな他の実施形態も本開示の範囲内である。したがって、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を行うことができる。例えば、様々な構成要素を必要に応じて再配置することができる。さらに、本開示を実施するために、本特徴、態様、および利点のすべてが必ずしも必要とされるわけではない。したがって、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ定義されることが意図される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
【国際調査報告】