(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-11
(54)【発明の名称】グルタル酸尿症治療用組成物及びこの投与方法
(51)【国際特許分類】
A61K 38/44 20060101AFI20230704BHJP
A61P 13/02 20060101ALI20230704BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230704BHJP
C12N 9/04 20060101ALN20230704BHJP
【FI】
A61K38/44
A61P13/02
A61K45/00
C12N9/04 Z ZNA
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575842
(86)(22)【出願日】2020-06-16
(85)【翻訳文提出日】2022-12-08
(86)【国際出願番号】 KR2020007774
(87)【国際公開番号】W WO2021256579
(87)【国際公開日】2021-12-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520058239
【氏名又は名称】ノベルファーマ株式会社
【氏名又は名称原語表記】NOVEL PHARMA INC.
【住所又は居所原語表記】#902, 511, YEONGDONG-DAERO, GANGNAM-GU, SEOUL 06164, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ドン・キュ
【テーマコード(参考)】
4C084
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA19
4C084BA44
4C084DC23
4C084MA02
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA81
4C084ZC751
(57)【要約】
本開示は、グルタル酸尿症治療用組成物及びこの投与方法に関するものであって、具体的には、組換えヒトグルタリルCoA脱水素酵素(recombinant human Glutaryl-CoA dehydrogenase;rhGCDH)を含むグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物、及び前記薬剤学的組成物を投与する段階を含むグルタル酸尿症治療方法に関するものである。
本開示の一側面による組換えヒトグルタリル-CoA脱水素酵素(rhGCDH)を含むグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物及び前記薬剤学的組成物を体内(静脈内及び皮下内;i.v.及びs.c.)投与することを通じてグルタル酸尿症に対する新たな治療方法を提供したものであり、脳室内投与より顕著に容易な体内投与を通じても優れた効果を奏するところ、より効果的にグルタル酸尿症を調節及び治療できると期待される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組換えヒトグルタリル-CoA脱水素酵素(recombinant human Glutaryl-CoA dehydrogenase;rhGCDH)を含むグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物。
【請求項2】
前記rhGCDHが配列番号1のアミノ酸を含むものである、請求項1に記載のグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物。
【請求項3】
静脈内投与または皮下投与されるものである、請求項1に記載のグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物。
【請求項4】
前記グルタル酸尿症はグルタル酸尿症第1型であるものである、請求項1に記載のグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物。
【請求項5】
週1回、月2回、または、月1回投与されるものである、請求項1に記載のグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物。
【請求項6】
グルタル酸尿症のための食餌調節とともに投与される、請求項1に記載のグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物。
【請求項7】
前記グルタル酸尿症のための食餌調節は、低蛋白食餌、低-リシン食餌、リシン除去食餌、アルギニン、カルニチン、クロフィブラート(clofibrate)及び/又はリボフラビン補充療法またはこの組合わせであるものである、請求項6に記載のグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物。
【請求項8】
組換えヒトグルタリル-CoA脱水素酵素(recombinant human Glutaryl-CoA dehydrogenase;rhGCDH)を含むグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物を投与する段階を含む、グルタル酸尿症治療方法。
【請求項9】
前記rhGCDHが配列番号1のアミノ酸を含むものである、請求項8に記載のグルタル酸尿症治療方法。
【請求項10】
前記投与が静脈内投与または皮下投与である、請求項8に記載のグルタル酸尿症治療方法。
【請求項11】
前記グルタル酸尿症はグルタル酸尿症第1型であるものである、請求項8に記載のグルタル酸尿症治療方法。
【請求項12】
週1回、月2回、または、月1回投与されるものである、請求項8に記載のグルタル酸尿症治療方法。
【請求項13】
グルタル酸尿症のための食餌調節と並行して患者に投与される、請求項8に記載のグルタル酸尿症治療方法。
【請求項14】
前記グルタル酸尿症のための食餌調節は、低蛋白食餌、低-リシン食餌、リシン除去食餌、アルギニン、カルニチン、クロフィブラート(clofibrate)及び/又はリボフラビン補充療法またはこの組合わせであるものである、請求項13に記載のグルタル酸尿症治療方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、グルタル酸尿症治療用組成物及びこの投与方法に関するものであって、具体的には、組換えヒトグルタリルCoA脱水素酵素(recombinant human Glutaryl-CoA dehydrogenase;rhGCDH)を含むグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物、及び前記薬剤学的組成物を投与する段階を含むグルタル酸尿症治療方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
グルタル酸尿症(Glutaric aciduria)またはグルタル酸血症は、体内でアミノ酸であるリシン、ヒドロキシリシン(hydroxylysine)、トリプトファン(tryptophan)を分解できず、その中間代謝産物、例えば、グルタル酸や3-ヒドロキシグルタル酸などが体内に蓄積される疾患である。グルタル酸尿症は、1型(Glutaric aciduria type 1;GA-1)と2型(Glutaric aciduria type 2;GA-2)に分けられ、常染色体劣性先天性異常(autosomal recessive inborn error)による疾患である。
【0003】
グルタル酸尿症を病むほとんどの患児において大頭症が発生し、それ以外にも多様な程度の神経学的症状が発生し得るが、例えば、易怒性、後弓反張、低緊張性、易緊張性、舞踏病、けいれん、発達遅延などの症状が見られることがある。多くの患児が出生時に既に大頭症を示したり、出生直後から大頭症を示したりし、たいてい生後数週間から数ヶ月の間に頭周りが増加する症状が見られる。ただし、患児によっては2才まで正常に発達する場合もあり、6才以降に晩期発症(late-onset)する場合もある。
【0004】
グルタル酸尿症1型(GA-1)は、ミトコンドリアのグルタリル-CoA脱水素酵素(Glutary-CoA Dehydrogenase;GCDH)の欠陥または欠乏が原因として知られており、グルタル酸尿症2型(GA-2)は、ETFA、ETFB及びETFDH遺伝子の突然変異によって発生すると知られている。
【0005】
グルタル酸尿症は、治療をしなければ10才以内に死に至ることがある致命的な疾患であるが、早期に診断して治療及び管理をした軽微な症状の患者の場合には、蛋白質の制限と、カルニチン、リボフラビン補充療法を通じて正常な発達がなされることもある。しかし、既に損傷した脳に対しては治療効果が非常に低調なので、早期診断と治療及び管理が必須である。治療には応急治療、食餌療法、アルギニン、カルニチン、クロフィブラート(clofibrate)及び/又はリボフラビン補充療法、神経薬品、及び多方面の支持療法が用いられる。
【0006】
グルタル酸尿症を病む患児は低蛋白やリシンのない食餌をしなければならず、トリプトファンも減少させなければならないが、トリプトファンが全くない食餌は深刻な副作用を引き起こすことがあるため、低トリプトファン食餌をしなければならない。食餌療法とカルニチンの補充は、神経学的症状がある患児の主な臨床症状を好転させることはできないが、疾病の進行は調節できると知られている。
【0007】
単一酵素の欠陥または欠乏による疾病に対して当該欠乏した酵素を体内に投与して治療を図る酵素代替療法(Enzyme Replacement Treatment)を考慮してみることができる。しかし、脳の損傷を引き起こす多くの疾患は、治療剤を脳室内に直接投与しない以上、脳損傷の防止効果を奏することができないケースが多い。これは、脳実質組織と血液との間に物質交換を制限する血液脳関門(blood-brain barrier;BBB)のためであって、分子量が大きいほとんどの蛋白質と成分は当該関門を通過できない。
【0008】
例えば、ムコ多糖症(mucopolysaccharidosis)のうちハンター症候群(Hunter’s syndrome)やハーラー症候群(Hurler’s syndrome)、サンフィリポ症候群などは、本発明のグルタル酸尿症1型と同様に特定の酵素が欠乏して前駆物質が分解されることができず、脳損傷が生じる疾患である。この場合、血管内に当該欠乏した酵素を注射しても血液脳関門を通過できずに軟部組織のみが良くなり、脳損傷と脳機能が落ちることは防ぐことができなかった(Lamp, C.など、J. Inherit. Metab. Dis., 2014;Bradley, L.A.など、Genet. Med., 2017;Sohn, Y.B.など、Orphanet J. Rare Dis., 2013;Muenzer, J.など、Genet. Metab., 2007;Muenzer, J.など、Genet. Med., 2006;Muenzer, J.など、Genet. Med., 2011)。この場合、脳機能の低下を防ぐ唯一の方法は、欠乏酵素を脳室内に直接投与することであって、脳手術を通じて特定装置を挿入(Ommaya device)し、これを通じて欠乏酵素を直接投与してこそ脳に溜っている前駆物質を分解することができた(Sohn, Y.B.など、J. Inherit. Metab. Dis., 2018;Giugliani, R.など、Expert Opin. Orphan Drugs, 2018)。このような疾患としては、前記羅列した疾患の他にもGM1ガングリオシドーシス(GM1-gangliosidosis)やクラッベ病(Krabbe Disease)など多様な疾患がある。
【0009】
一方、グルタル酸尿症は、極度の食餌制限によって調節しても予後が良くなく、当該疾患を効果的に調節できる治療剤はまだ開発されていない状態である。これを効果的に治療するための治療剤及び治療方法の開発が要求されており、従来、脳損傷を引き起こす疾患のように脳室内に直接投与しなければならない煩わしさのない、静脈投与や皮下投与により治療効果を奏することができる治療剤及び治療方法が開発される必要がある。
【0010】
[先行技術文献]
(特許文献1)国際特許公開公報WO 2013133691 A1
(特許文献2)国際特許公開公報WO 2013133711 A1
(非特許文献1)Kolker et al., “Diagnosis and management of glutaric aciduria type I - revised recommendations”;Journal of Inherited Metabolic Disease, Published online Mar 23, 2011;34(3):pp 677-694.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本開示の目的は、グルタル酸尿症を効果的に治療できる治療剤及びこの投与方法を提供することである。
【0012】
このため、本開示の発明者らはグルタル酸尿症を効果的に治療できる治療剤を開発するために鋭意努力した結果、組換えヒトグルタリル-CoA脱水素酵素(rhGCDH)を含むグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物及び前記薬剤学的組成物を体内(静脈内及び皮下;i.v.及びs.c.)投与する方法を開発し、これを用いる場合、グルタル酸尿症動物モデルであるマウス(mouse)でグルタル酸(GA)の有意な減少を確認することによって本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本開示の一側面は、組換えヒトグルタリル-CoA脱水素酵素(rhGCDH)を含むグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物を提供する。
【0014】
本開示の組成物は、体内投与のためのグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物であり得、特に、静脈内または皮下投与のための治療用薬剤学的組成物であり得る。
【0015】
本開示の他の側面は、前記薬剤学的組成物を静脈内または皮下内投与する段階を含む、グルタル酸尿症治療方法を提供することである。
【発明の効果】
【0016】
本開示の一側面による組換えヒトグルタリル-CoA脱水素酵素(rhGCDH)を含むグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物及び前記薬剤学的組成物を体内(静脈内及び皮下内;i.v.及びs.c.)投与することを通じてグルタル酸尿症に対する新たな治療方法を提供したものであり、脳室内投与より顕著に容易な体内投与を通じても優れた効果を奏するところ、より効果的にグルタル酸尿症を調節及び治療できると期待される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、精製された組換えヒトグルタリル-CoA脱水素酵素(recombinant human Glutaryl-CoA dehydrogenase;rhGCDH)の純度をCoomassie Blue染色(
図1のA)とWestern blot(
図1のB)で確認した図面である。
【
図2】
図2は、正常なマウスとGCDH KOマウスの小便内のグルタル酸(GA)及び3-ヒドロキシグルタル酸(3-Hydroxyglutaric acid;3-OHGA)濃度をGC-MSD(気体クロマトグラフィー質量分析法)を用いて測定して製造されたGCDH KOマウスがグルタル酸尿症動物モデルであることを確認した結果である。図面において、赤色ボックスの中にある左側ピークはグルタル酸(Glutaric acid)ピークであり、右側ピークはヒドロキシグルタル酸(Hydroxyglutaric acid)ピークである。
【
図3】
図3は、グルタル酸尿症動物モデルであるGCDH KOマウスに対する1次動物実験の概要図であって、組換えヒトGCDH 50及び100μgを尻尾静脈を通じて単回投与するものの、投与1週間前、及び投与2日後に小便を採取してグルタル酸数値をLC-MSで測定した。
【
図4】
図4は、グルタル酸尿症動物モデルであるGCDH KOマウスに組換えヒトGCDHを投与した1次動物実験の結果であって、投与1週間前及び投与2日後に小便を採取してグルタル酸数値をLC-MSで測定して開示したグラフである。
【
図5】
図5は、グルタル酸尿症動物モデルであるGCDH KOマウスに組換えヒトGCDHを投与した1次動物実験の結果であって、投与1週間前及び投与2日後に小便を採取してグルタル酸数値をLC-MSで測定するものの、投与前を基準(100%)に百分率で計算したグラフである。
【
図6】
図6は、グルタル酸尿症動物モデルであるGCDH KOマウスに対する2次動物実験の概要図であって、組換えヒトGCDHを尻尾静脈を通じては50及び100μg、皮下には50、150及び250μg単回投与するものの、投与3日前、投与2日後、及び投与1週間後に小便を採取してグルタル酸数値をLC-MSで測定した。
【
図7】
図7は、グルタル酸尿症動物モデルであるGCDH KOマウスに組換えヒトGCDHを静脈内投与した2次動物実験の結果であって、投与3日前、投与2日後、及び投与1週間後に小便を採取してグルタル酸数値と投与前を基準(100%)に百分率で計算したグラフである。
【
図8】
図8は、グルタル酸尿症動物モデルであるGCDH KOマウスに組換えヒトGCDHを皮下投与した2次動物実験の結果であって、投与3日前、投与2日後、及び投与1週間後に小便を採取してグルタル酸数値と投与前を基準(100%)に百分率で計算したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の実施例または一側面は、本開示の技術的思想を説明する目的で例示されたものである。本開示による権利範囲は、以下に提示される実施例または一側面やこれらに関する具体的説明に限定されるわけではない。
【0019】
また、本開示の属する技術分野で通常の知識を有する者は、通常の実験のみを用いて本発明に記載された本発明の特定の様態に関する多数の等価物を認知または確認することができる。このような等価物は、本開示に含まれるものと意図される。
【0020】
本開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、特に定義されない限り、本開示の属する技術分野で通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有する。本開示に用いられる全ての用語は、本開示を更に明確に説明する目的で選択されたものであり、本開示による権利範囲を制限するために選択されたものではない。
【0021】
本開示で用いられる「含む」、「備える」、「有する」等のような表現は、当該表現が含まれる語句または文章で特に言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放型用語(open-ended terms)として理解されるべきである。
【0022】
本開示で用いられる当該構成「のみで構成される」等のような表現は、当該構成以外に他の構成を含む可能性を排除する閉鎖型用語(closed-ended terms)として理解されるべきである。
【0023】
本開示で記述された単数形の表現は、特に言及しない限り、複数形の意味を含み得、これは請求の範囲に記載された単数形の表現にも同様に適用される。
【0024】
本開示の一側面において、用語「組換えヒトグルタリル-CoA脱水素酵素(recombinant human glutaryl-CoA dehydrogenase;rhGCDH)を含む組成物」は、ヒトグルタリル-CoA脱水素酵素遺伝子を遺伝子組換え技術で発現させて得られた蛋白質発現産物を含む組成物をいう。本開示の薬剤学的組成物は、本開示のrhGCDHを含むことを制限なく含む。本開示の一様態として、本開示の薬剤学的組成物は、薬剤学的有効量の本開示のrhGCDHを含み、追加で薬剤学的に許容される担体を含むものであり得る。
【0025】
本開示において、グルタル酸尿症はグルタル酸尿症第1型を意味し、これはGCDH欠陥または欠乏によって体内でアミノ酸であるリシン、ヒドロキシリシン(hydroxylysine)、トリプトファン(tryptophan)を分解できず、その中間代謝産物が体内に蓄積されることによって多様な症状を示す疾病である。ほとんどの患児において、大頭症をはじめとする多様な程度の神経学的症状(易怒性、後弓反張、低緊張性、易緊張性、舞踏病、けいれん、発達遅延など)が見られる。
【0026】
本開示において、グルタリル-CoA脱水素酵素(glutaryl-CoA dehydrogenase;GCDH)はリシンまたはトリプトファンの分解経路で生成されるグルタリル-CoAの酸化的脱炭酸によるクロトノイルCoA生成を触媒する酵素であって、国際生化学・分子生物学連合の酵素番号EC 1.3.99.7.のGCDHであり得る。本開示において、GCDHは配列番号1のアミノ酸配列を含み得、前記アミノ酸配列はNCBI accession No. NP_000150.1のHomo sapiens GCDH配列を基盤とする(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/protein/NP_000150.1)。
【0027】
前記アミノ酸は、前記配列番号1のアミノ酸配列だけではなく、前記配列と約80%以上、具体的には約90%以上、より具体的には約95%以上、更に具体的には約97%以上、最も具体的には約99%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含み得、このような相同性を有する配列として、実質的に配列番号1のアミノ酸配列を含む蛋白質と同一または対応する活性を有する蛋白質を示すアミノ酸配列であれば制限なく含む。また、このような相同性を有するアミノ酸配列であれば、一部の配列が結実、変形、置換または付加されたアミノ酸配列も本開示の範囲に含まれることは自明である。例えば、蛋白質の発現及び収得過程の最適化のために一部のアミノ酸配列が結実、変形、置換または付加され得、具体的には、配列番号2のシグナルアミノ酸配列などを更に含み得るが、これに制限されない。本開示において、GCDHはCHO細胞での発現及び収得向上のために配列番号1のアミノ酸配列のN末端付近に配列番号2のシグナルアミノ酸配列を付加して発現した。
【0028】
本開示において、「相同性」は蛋白質をコードする遺伝子のアミノ酸配列または核酸配列において、特定の比較領域で両配列を最大限一致するように整列(align)させた後、配列間の塩基またはアミノ酸残基の同一の程度を意味する。相同性が十分に高い場合、当該遺伝子の発現産物は同一または類似の活性を有し得る。前記配列同一性の百分率(%)は、公知の配列比較プログラム(例えば、Blast(NCBI)等)を用いて決定され得る。
【0029】
本開示の一側面において、用語「約」は、具体的な数値に含まれる製造工程上の誤差や、本開示の技術的思想の範疇に含まれる若干の数値の調整を含む意図で用いられた。例えば、用語「約」は、それが指す値の±10%、一側面において±5%、更に他の側面において±2%の範囲を意味する。本開示内容の分野において、値が具体的に更に狭い範囲を要求していると言及されないならば、この水準の近似値が適切である。
【0030】
本開示において、蛋白質は、本開示の属する技術分野で公知となった方法を通じて発現及び生産され得る。本開示において、蛋白質を発現及び生産するために適した宿主細胞は脊椎動物宿主細胞をはじめとして本願に記載された高等真核細胞を含む。培養液での脊椎動物細胞の増殖は一般的な技術になった。有用な哺乳動物宿主細胞株の例として、サル腎臓細胞(CV1)、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7)、ヒト胚芽腎臓株(293細胞)、乳児ハムスター腎臓細胞(BHK)、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、マウスセルトリ細胞(TM4)、アフリカミドリサル腎臓細胞(VERO-76)、ヒト子宮頸がん腫細胞(HELA)、イヌ腎臓細胞(MDCK)、バッファローラット肝細胞(BRL 3A)、ヒト肺細胞(W138)、ヒト肝細胞(Hep G2)、マウス乳房腫瘍(MMT 060562)、TRI細胞、MRC 5細胞、及びFS4細胞などがあるが、これに制限されない。
【0031】
本開示の蛋白質を生産するために用いられる宿主細胞は多様な培地で培養され得る。商業的に利用可能な培地、例えば、ハム(Ham)F10培地、最小必須培地、RPMI-1640、Dulbecco改質Eagle培地(DMEM)等と、その他の本開示の属する技術分野で用いられる任意の培地を宿主細胞培養のために用いることができる。任意のこれら培地には、必要であれば、ホルモン及び/又は成長因子(例えば、インスリン、トランスフェリンまたは表皮成長因子)、塩(例えば、塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム及びフォスフェイト)、緩衝剤(例えば、HEPES)、ヌクレオチド(例えば、アデノシン及びチミジン)、抗生剤(例えば、ゲンタマイシン(GENTAMYCIN)TM薬品)、微量元素、及びグルコースまたは同等エネルギー源などが補充され得る。任意の他の必須/補助補充物をまた、関連技術分野で通常の技術者に知られている適切な濃度で含ませることができる。その他の温度、pH、CO2濃度などの培養条件は、蛋白質発現のために選択された宿主細胞と関連して知られている適切な条件に設定され得、これは関連技術分野の通常の技術者に明白であるはずである。
【0032】
本開示において、蛋白質は、本開示の属する技術分野で公知となった任意の蛋白質精製方法で精製され得る。例えば、疎水性相互作用、免疫親和度またはイオン-交換カラム上の分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカ上のクロマトグラフィー、または、アニオンまたはカチオン-交換樹脂上のクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS-PAGE、硫酸アンモニウム沈殿、ゲル濾過、または、遺伝工学的方法(tagなど)等を含む多様な公知の精製方法を用いることができ、蛋白質の純度を高めるために複数の精製方法を任意に組み合わせて用いることができる。
【0033】
本開示において、前記方法を通じて精製された蛋白質は、動物、特に、ヒトに実験、臨床、及び治療の目的で投与されることができる水準に高い純度を有し得る。
【0034】
本開示において、組換えヒトGCDHは、約0.001~約500mg/mlの濃度で組成物に含まれ得るが、これに制限されない。
【0035】
本開示において、組換えヒトGCDHを含む薬剤学的組成物は、医療実務に一致する方式で剤形化され、投与され得る。これと関連して考慮される因子は、治療される疾患、治療される特定動物、個別対象体の臨床病態、疾患の原因、物質の伝達部位、投与方法、投与計画、及び臨床医に知られている他の因子を含む。本開示において、剤形は、液体剤形、または、凍結乾燥粉末剤形などを含み得る。本開示の薬剤学的組成物は、アンプル、バイアル、ビン、カートリッジ、貯蔵庫、リオジェクト、または、事前充填型注射器などの形態で製造され得、単回投与型または多回投与型などで製造され得る。
【0036】
投与される組換えヒトGCDHの「薬剤学的有効量」、「投与用量」、「治療有効量」または「効果投与量」は、前記考慮事項によって決定されるものであり、特定の疾患の予防、改善または治療のために必要な最小量である。本開示において、組換えヒトGCDHの「薬剤学的有効量」、「投与用量」、「治療有効量」または「効果投与量」は、例えば1回約0.0001mg/kg~約100mg/kgであり得る。これにより、本開示の組成物は、1回の投与量として約0.001~約1000mgの組換えヒトGCDHを含み得る。本開示の薬剤学的組成物は、経験がある臨床医の判断により、1日1回、週3回、週2回、週1回、月3回、月2回、または、月1回などで周期的に投与され得、疾患の急性進行などの状況に非周期的に投与され得るが、これに制限されない。
【0037】
一方、本開示において、薬剤学的組成物は、既存のグルタル酸尿症治療療法と並行して患者に投与されるためのものであり得る。具体的には、本開示の薬剤学的組成物は、既存のグルタル酸尿症治療として通常行われるリシン-酸化の減少と、グルタリル-CoAの生理学的除毒化(physiologic detoxification)を増加させるための療法、アルギニン、カルニチン、クロフィブラート(clofibrate)及び/又はリボフラビン補充療法、低蛋白食餌や低-リシン/リシン除去食餌などの食餌調節などと並行して患者に投与され得る。より具体的には、本開示の薬剤学的組成物は、日常的に行われる食餌調節と並行して患者に投与されるためのものであり得る。
【0038】
本開示において、薬剤学的組成物は、目的とする程度の純度を有する組換えヒトGCDHを薬剤学的に、または、生理学上で許容される担体、賦形剤または安定化剤と混合されて当業界に公知となった標準方法を用いて製造され得る。許容される担体は、塩水または緩衝剤、例えばフォスフェイト、クエン酸及び他の有機酸;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸;低分子量ポリペプチド(約10個未満のアミノ酸残基を含む);蛋白質、例えば、血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン;親水性重合体、例えば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、または、リシン;単糖類、二糖類及び他の炭水化物、例えば、グルコース、マンノース、または、デキストリン;キレート剤、例えば、EDTA;糖アルコール、例えば、マンニトールまたはソルビトール;塩形成反対イオン、例えば、ナトリウム;及び/又は非イオン性界面活性剤、例えば、TWEENTM、PLURONICSTM、またはPEGを含む。
【0039】
本開示の薬剤学的組成物は、製薬上で許容される塩を略生理学的濃度で含有し得る。任意に、本発明の剤形は、製薬上で許容される保存剤を含有し得る。具体的には、保存剤の濃度は0.1~2.0%(典型的にはv/v)であり得る。本開示において、保存剤は製薬業界に公知となったものであり得、具体的には、ベンジルアルコール、フェノール、m-クレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベンまたはこれらの組合わせであり得る。本開示の薬剤学的組成物は、製薬上で許容される界面活性剤を0.005~0.02%の濃度で含み得る。
【0040】
本開示において、薬剤学的組成物は、グルタル酸尿症治療に必要な1つ以上の活性化合物、具体的には、組換えヒトGCDHと互いに有害な影響を与えない相補的な活性を有する活性化合物を更に含有し得る。前記化合物は、組成物に、意図する目的を達成するための効果的な量で含有され得る。
【0041】
本開示の一側面において、組換えヒトGCDHを含む薬剤学的組成物を投与する段階を含むグルタル酸尿症治療方法を提供する。本開示の用語「組換えヒトGCDH」、「組換えヒトGCDHを含む薬剤学的組成物」及び「グルタル酸尿症」は、前記で記載された通りである。
【0042】
本開示において、組換えヒトGCDHを含む薬剤学的組成物は、公知となった方法により、静脈内、筋肉内、腹腔内、脳脊髄内、皮下、関節内、滑液内、硬膜内、経口、局所、皮下、または、吸入経路などによってヒトまたは動物対象体に投与され得る。
【0043】
下記の実施例で見られる通り、本開示の組換えヒトGCDHを含む薬剤学的組成物は、静脈内または皮下内投与によって優れた効果を奏するので、静脈内または皮下内投与が特に望ましい。
【実施例】
【0044】
以下、実施例及び試験例を挙げて本開示の構成及び効果を更に具体的に説明する。しかし、これら実施例及び試験例は、本開示に関する理解を促進するために例示の目的のみで提供されたものに過ぎず、本開示の範疇及び範囲が下記の例によって制限されるわけではない。
【0045】
[実施例]
実施例1.組換えヒトグルタリル-CoA脱水素酵素(GCDH)の製造及び精製
組換えヒトグルタリル-CoA脱水素酵素(Glutaryl-CoA Dehydrogenase;GCDH)を生産するために、pcDNA3.4-TOPOをバックボーンにしたプラスミドからCHO細胞(Cricetulus griseus;Chinese Hamster細胞)でのGCDH発現に適切になり得るように最適化プラスミドを製作した。これにより、配列番号1のアミノ酸配列を含むGCDH蛋白質を発現するプラスミドを製作した(p18AFUOQC_GCDH_pcDNA3.4-TOPO)。本実施では、発現及び収得の最適化のためにシグナル配列である配列番号2のアミノ酸配列をN末端付近に付加したGCDH蛋白質を発現して得た。
【0046】
前記製造したp18AFUOQCプラスミドをCHO細胞(ExpiTM CHO細胞)に形質転換して37℃、8% CO2濃度の条件で5日間培養及び発現させた後、細胞を採取した。
【0047】
これを免疫親和度カラム(HisTrap column)を用いて精製し、この精製をCoomassie Blue染色とWestern blotで純度を確認した(
図1)。これにより製造された蛋白質濃度は7.06mg/mlであった。
【0048】
実施例2.グルタル酸尿症動物モデル
グルタル酸尿症疾患モデルマウスとして用いられるGCDH KOマウスは、既に広く商用化されたマウスstrainである(例えば、Cyagen社、strain name:KO-C57BL/6J-Gcdhem1cyagen;Conditional KO-C57BL/6J-Gcdhem1.1cyagen)。一方、本開示では、各発明者が別途にクリスパー(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats;CRISPR)遺伝子ハサミ技術を用いてGCDH KOマウスを製作した。マウスGCDHのExon 2部分をターゲッティングしてKOマウスを製作し、具体的な製作はマクロジェン(社)に依頼した。製造したグルタル酸尿症疾患モデルマウス(GCDH KOマウス)のノックアウト(Knock-out;KO)の有無を確認するT7エンドヌクレアーゼI反応を通じた遺伝子型検査(Genotyping)を行った。Genotypingを通じてKOされたマウスを一次的に同定した(表1)。
【0049】
【0050】
具体的には、21匹のF0変異誘導マウスに対してT7エンドヌクレアーゼI反応で変異の有無を確認してみた結果、21匹のマウス全体において変異が生じたことを確認し、特に、F0 #4、#9、#13及び#20個体が両染色体においてKO変異が生じたhomo mutantであると推定された。このうちF0 #4個体を選択し、維持繁殖してその後の実験に用いた。
【0051】
製造されたGCDH KOマウスがグルタル酸尿症疾患動物モデルであることを下記の通り確認した。具体的には、正常マウスとGCDH KOマウスの小便内のグルタル酸(GA)及び3-ヒドロキシグルタル酸(3-Hydroxyglutaric acid;3-OHGA)濃度と血液内グルタリルカルニチン(glutarylcarnitine;C5DC)の濃度を測定した。
【0052】
GA及び3-OHGA数値はマウスの小便をGC-MS利用有機酸分析して確認し、C5DC数値は乾燥血斑(Dried-blood spot)分析を通じて確認した。当該結果は、下記の表2及び
図2の通りである。
【0053】
【0054】
前記結果で確認できるように、製造されたGCDH KOマウスは、C5DCとグルタル酸などの数値が顕著に高くてグルタル酸尿症1型患者と非常に類似している症状が見られるので、GA1の動物モデルとして用いられることができることを確認した。
【0055】
実施例3.グルタル酸尿症1型動物モデルでの組換えヒトグルタリル-CoA脱水素酵素投与実験
前記実施例1で生産した組換えヒトグルタリル-CoA脱水素酵素(GCDH)を、前記実施例2で生産/確認したグルタル酸尿症1型動物モデルに投与して、治療効果を2回にわたって確認した。
【0056】
実施例3-1.1次in vivo実験
5週齢GCDH KOマウスに尻尾静脈を通じて組換えヒトGCDHを単回投与する実験を行った。具体的には、rhGCDHを50及び100μgを単回投与し、小便内のグルタル酸(GA)数値をLC-MS/MS方法で測定した。GA数値はrhGCDH投与1週間前、及び投与2日後に各実験群別に小便を採取して測定した。1次動物実験の概ねの概要は
図4の通りであり、各実験群及び個体の数は下記の表3の通りである。
【0057】
【0058】
前記説明した方式で採取された小便内のグルタル酸数値をLC-MS/MS分析で測定した結果は下記の表4の通りである。一方、LC-MS/MS分析時に要求される小便量が多いので、実験群別に全ての個体の小便サンプルを統合して1つのサンプルとして分析した。
【0059】
【0060】
前記表4と
図4及び
図5で確認できるように、野生型マウスはグルタル酸数値が約100mmol/mol以下に維持される一方、GCDH KOマウスはrhGCDHを投与していない状態ではグルタル酸数値約6400~7500mmol/molが見られた。rhGCDHを投与した群では、用量と関係なく2日後のグルタル酸数値が約30~45%程度減少したことを確認した。
【0061】
実施例3-2.2次in vivo実験
5~6週齢GCDH KOマウスに組換えヒトGCDHを尻尾静脈(i.v.)または皮下(s.c.)に単回投与する実験を行った。具体的には、尻尾静脈はrhGCDHを50及び100μg単回投与し、皮下にはrhGCDHを50、150及び250μg単回投与した。一般に、皮下投与用量は、静脈投与に比べて生体利用率(bioavailability;BA)が20%であるので(大韓民国公開特許第2017-0004814号参考)、静脈投与50μgに比べて1、3及び5倍に用量設定した。
【0062】
小便内のグルタル酸(GA)数値をLC-MS/MS方法で測定した。GA数値はrhGCDH投与3日前、投与2日後及び投与1週間後に各実験群の個体別の小便を採取して測定した。2次動物実験の概ねの概要は
図6の通りであり、各実験群及び個体の数は下記の表5及び表6の通りである。
【0063】
【0064】
【0065】
前記説明した方式で採取された小便内のグルタル酸数値をLC-MS/MS分析で測定した結果は下記の表7の通りである。2次実験では個体別に数値を測定した後、平均値を計算した。
【0066】
【0067】
【0068】
野生型マウスは、グルタル酸数値が平均約100mmol/molまたはそれ以下に維持され、有意なグルタル酸の減少を示さない一方(「-」で表記)、GCDH KOマウスはrhGCDHを投与していない状態ではグルタル酸数値が平均約3600~10000mmol/molの範囲を示した。rhGCDHを投与した群では、用量と関係なく2日後のグルタル酸数値が約30~40%程度減少したことを確認した。
【0069】
一方、静脈投与と皮下投与の効果を比較すると、下記の表9の通りである。
【0070】
【0071】
皮下投与の生体利用率が一般に静脈投与の20%であることを考慮すると(大韓民国公開特許第2017-0004814号参考)、(1)GCDH KO + rhGCDH 50μg i.v. 実験群と、(2)GCDH KO + rhGCDH 250μg s.c. 実験群において、投与2日後及び投与7日後に類似のGA減少効果を奏することを確認することができる。
【0072】
前記データを通じて確認できるように、グルタル酸尿症動物モデルにGCDHを投与した結果、グルタル酸数値を有効な程度に調節することができた。当該効果は投与1週間後に至っても有効に維持されたことがわかる。
【0073】
これを通じて、本開示の組換えヒトグルタリルCoA脱水素酵素(recombinant human Glutaryl-CoA dehydrogenase;rhGCDH)を含む薬剤学的組成物が脳室に直接投与されなくても通常用いられる体内投与経路を通じてグルタル酸数値を治療上で有意に減少及び維持させてグルタル酸尿症治療に効果的に用いられることができることがわかる。
【0074】
以上の説明から、本開示の属する技術分野の通常の技術者は、本開示の技術的思想や必須の特徴を変更しなくても他の具体的な形態で実施されることができるということを理解できるはずである。これと関連し、前記で記述した各実施例は全ての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。本開示の範囲は、前記詳細な説明よりは後述する請求の範囲の意味及び範囲、並びに、その等価概念から導き出される全ての変更または変形された形態が本開示の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2022-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組換えヒトグルタリル-CoA脱水素酵素(recombinant human Glutaryl-CoA dehydrogenase;rhGCDH)を含むグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物。
【請求項2】
前記rhGCDHが配列番号1のアミノ酸を含むものである、請求項1に記載のグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物。
【請求項3】
静脈内投与または皮下投与されるものである、請求項1に記載のグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物。
【請求項4】
前記グルタル酸尿症はグルタル酸尿症第1型であるものである、請求項1に記載のグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物。
【請求項5】
週1回、月2回、または、月1回投与されるものである、請求項1に記載のグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物。
【請求項6】
グルタル酸尿症のための食餌調節とともに投与される、請求項1に記載のグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物。
【請求項7】
前記グルタル酸尿症のための食餌調節は、低蛋白食餌、低-リシン食餌、リシン除去食餌、アルギニン、カルニチン、クロフィブラート(clofibrate)及び/又はリボフラビン補充療法またはこの組合わせであるものである、請求項6に記載のグルタル酸尿症治療用薬剤学的組成物。
【国際調査報告】