(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-11
(54)【発明の名称】非熱プラズマを用いた微生物を不活性化する装置および方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/44 20060101AFI20230704BHJP
H05H 1/24 20060101ALI20230704BHJP
A61L 2/14 20060101ALI20230704BHJP
A61L 2/24 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
A61N1/44
H05H1/24
A61L2/14
A61L2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576194
(86)(22)【出願日】2021-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 US2021036891
(87)【国際公開番号】W WO2021252816
(87)【国際公開日】2021-12-16
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522479201
【氏名又は名称】チスキャン ホールディングス、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】エッカート、ブラッドリー、エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】エッカート、ブライオン、ケー.
(72)【発明者】
【氏名】チュオン、フアン
【テーマコード(参考)】
2G084
4C053
4C058
【Fターム(参考)】
2G084AA24
2G084AA25
2G084BB05
2G084BB23
2G084BB24
2G084BB28
2G084CC03
2G084CC09
2G084CC22
2G084CC34
2G084DD01
2G084DD12
2G084DD14
2G084DD22
2G084DD25
2G084DD32
2G084EE10
2G084EE15
2G084FF02
2G084FF38
2G084FF39
2G084GG01
2G084GG07
2G084HH05
2G084HH21
2G084HH22
2G084HH23
2G084HH24
2G084HH25
2G084HH27
2G084HH28
2G084HH32
2G084HH43
2G084HH57
4C053MM02
4C053MM05
4C058AA28
4C058BB06
4C058KK06
(57)【要約】
【要約】非熱プラズマエミッタのアレイは、所望の周波数と制御された電力レベルの電流の印加に基づいてプラズマを放出するように制御される。アレイ制御装置の電源は、前記アレイと前記電源に接続するケーブルの結合容量の共振周波数で動作する変圧器を含む。前記アレイ内の電力は、前記制御装置によって監視され、ユーザーによって調整することができる。前記制御装置は、前記プラズマおよび/または共振周波数プラズマエミッタの開始電圧を決定するために、交流電流の高調波のような反射電力特性を監視する。前記非熱プラズマエミッタのアレイは、治療、診断、および/または医療用除菌用途、例えば、感染性物質によってヒトに引き起こされる疾患の発症を予防、制限、および/または治療するために使用することができる。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非熱プラズマ発生装置を動作させる方法であって、
前記装置の制御装置によって、前記装置のユーザの選択と関連づけられる周波数を決定する工程と、
前記制御装置によって、前記装置の電源に、前記装置のプラズマエミッタのアレイに電気エネルギーを供給させる工程と、
前記制御装置によって、前記プラズマエミッタのアレイに隣接する空気を電気的にイオン化させ、それによって、前記周波数に関連づけられる特性を有する非熱プラズマを生成させるために、前記周波数で前記プラズマエミッタのアレイに供給される前記電気エネルギーを変調する工程と、
前記プラズマエミッタが前記非熱プラズマをその表面に放出するように、前記アレイを前記表面に近接して配置する工程と
を有する、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記周波数がウイルスの一種の死滅と相関しており、前記アレイを前記表面に近接して配置する工程は、前記非熱プラズマが前記ウイルスの汚染と相互作用する位置を決定する工程有する、方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、前記周波数は、約1550Hzである、方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法において、前記ウイルスは、COVID-19に関連づけられる新規のコロナウイルスである、方法。
【請求項5】
請求項3記載の方法において、前記表面は、保護装置の表面を有し、前記表面に前記非熱プラズマを印加することによって前記表面を処理する工程は、
前記非熱プラズマを約3分~約10分の間の持続時間、前記表面に印加することによって前記表面を処理する工程を有する、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、前記プラズマエミッタのアレイは、複数の小さなアレイを組み合わせた大きなアレイである、方法であって、さらに、
制御装置によって、前記非熱プラズマを生成するために、前記複数の小さなアレイのうちの第1のアレイを制御する工程と、
前記制御装置によって、前記第1のアレイの制御とは独立して、前記非熱プラズマを生成するために、より小さいアレイの第2のアレイを制御する工程と
を有するものである、方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、さらに、
制御装置によって、前記プラズマエミッターのアレイのうちの選択されたプラズマエミッターのみに前記電気エネルギーを印加するように、前記電源を制御する工程を有するものである、方法。
【請求項8】
方法であって、
非熱プラズマ装置のプラズマエミッタのアレイで、前記非熱プラズマを生成するために空気を電気的にイオン化する工程と、
非熱プラズマ装置の制御装置で、非熱プラズマ発生装置のプラズマエミッタのアレイに交流電流を印加するために前記非熱プラズマ発生装置の電源を制御する工程と、
前記制御装置で、前記変調周波数に関連づけられる特性を有する第1の非熱プラズマを前記プラズマエミッタに生成させるために変調周波数で前記交流電流を変調する工程と、
微生物を死滅または不活性化させるために、前記第1の非熱プラズマを表面に印加する工程と
を有する、方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法において、前記交流電流を変調する工程は、COVID-19に関連づけられる新型コロナウイルスの形態を死滅させることと相関する速度で前記プラズマエミッターのアレイに電気エネルギーを供給するように前記電源を制御する工程を有する、方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法において、前記速度が約1550Hzであり、前記第1の非熱プラズマを印加する工程が、前記プラズマエミッタのアレイによって、前記第1の非熱プラズマを約10分~約30分の範囲内の持続時間、前記表面に印加する工程を有する、方法。
【請求項11】
請求項8記載の方法において、さらに、
前記電源が前記交流電流を印加している間に前記制御装置によって、前記非熱プラズマ装置内の電気エネルギーを測定する工程と、
前記測定された電気エネルギーに基づいて前記制御装置によって、プラズマパワーレベルを一定にするように前記電源を制御する工程と
を有するものである、方法。
【請求項12】
請求項11記載の方法において、さらに、
前記制御装置によって、前記電源と前記プラズマエミッターのアレイとの間に結合された変圧器の一次巻線上の電流および電圧の一方または両方の変化を検出する工程と、
前記変化に応答して前記制御装置によって、前記プラズマエミッターのアレイへの前記交流電流の印加を制限するように、前記電源を制御する工程と
を有するものである、方法。
【請求項13】
請求項8記載の方法において、さらに、
前記制御装置への入力に応答して前記制御装置によって、前記入力が選択可能な変調周波数の範囲内から前記変調周波数を特定すること、を決定する工程を有するものである、方法。
【請求項14】
方法であって、
電源によって、プラズマエミッターのアレイに電気エネルギーを印加する工程と、
前記プラズマエミッターのアレイによって、非熱プラズマを生成するために空気をイオン化する工程と、
制御装置によって、変調周波数で前記電気エネルギーの交流電流を前記プラズマエミッタのアレイの少なくとも第1のプラズマエミッタに印加して、前記第1のプラズマエミッタに、前記変調周波数に関連づけられる特性を有する第1の非熱プラズマを生成させるように制御する工程と、
前記プラズマエミッターのアレイで、1若しくはそれ以上の微生物を死滅させるために前記第1の非熱プラズマを印加する工程と
を有する、方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法において、前記交流電流の印加を制御する工程は、前記電源に、前記プラズマエミッターのアレイに供給される前記交流電流電気エネルギーを前記変調周波数で変調させる工程を有し、前記変調周波数は、約1Hzと約10kHzの間であり、前記1若しくはそれ以上の微生物を死滅させることと相関している、方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法において、さらに、
前記プラズマエミッターのアレイで、1若しくはそれ以上の微生物を死滅させて患者の感染症を治療するために前記非熱プラズマを前記患者に持続的に印加する工程を有するものである、方法。
【請求項17】
請求項16記載の方法において、前記変調周波数が約1550Hzであり、前記持続時間が約10分~約30分の範囲である、方法。
【請求項18】
請求項15記載の方法において、さらに、
前記電気エネルギーの1若しくはそれ以上の高調波周波数を選択的に遮断し、前記電気エネルギーの1若しくはそれ以上の基本周波数を選択的に通過させるために、前記プラズマエミッターのアレイに印加される前記電気エネルギーをフィルタリングする工程を有するものである、方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法において、さらに、
前記制御装置によって、前記電気エネルギーの前記1若しくはそれ以上の高調波周波数に基づいて前記非熱プラズマの開始電圧を決定する工程と、
前記制御装置によって、前記開始電圧で前記交流電流を印加するように前記電源を制御する工程と、
前記制御装置によって、前記開始電圧の変動を検出する工程と、
前記変動に応答する前記制御装置によって、一定のプラズマパワーレベルで前記非熱プラズマを生成するように前記電源を制御する工程と
を有するものである、方法。
【請求項20】
請求項14記載の方法において、さらに、
前記制御装置によって、前記制御装置によって受信された入力が、約1Hzと約10KHzの間の動作周波数の範囲内から前記変調周波数を特定することを決定する工程を有するものである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療・診断用途を含むプラズマ医療において、非熱プラズマエミッタの駆動と放出プラズマの制御に用いられる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラズマはイオンか状態の物質で、無生物表面や組織に適用する場合、洗浄、除染、殺菌、抗菌、治癒の効果があることが知られている。プラズマは、物質にエネルギーを与えると生成される。エネルギー入力が増加すると、物質の状態は固体から液体、気体へと変化する。気体の状態でさらにエネルギーを与えると、気体中の原子や分子がイオン化し、エネルギーが豊富なプラズマ状態、すなわち物質の第4の基本状態に変化する。
【0003】
プラズマには、熱プラズマと非熱プラズマがあり、冷プラズマとも呼ばれる。熱プラズマは、電子と重粒子が同じ温度になっている、いわば熱平衡の状態にあるプラズマである。現在の技術では、気体を加熱する、または発電機で強い電磁場をかけることによって熱プラズマを生成している。熱や電磁波などのエネルギーが加わると、電子の数が減少または増加し、イオンというプラスやマイナスに帯電した粒子が作られる。熱プラズマは、プラズマトーチや高圧放電によって発生させることができる。熱に敏感な素材や表面の処理に熱プラズマを用いると、著しい熱的乾燥、火傷、傷跡などのダメージを与えることがある。
【0004】
このようなダメージを軽減するために、熱に敏感な材料や表面に非熱プラズマを適用する方法や装置が生み出されてきた。熱プラズマでは重粒子と電子が互いに熱平衡にあるのに対し、非熱プラズマではイオンと中性子が電子よりはるかに低い温度(時には室温まで)にある。非熱プラズマは通常、接点で104度F未満で動作することができる。したがって、非熱プラズマは人体組織を損傷する可能性は低い。
【0005】
非熱的プラズマを生成するためには、2つの電極間に電位差を印加する。通常、前記電極はヘリウム、窒素、ヘリオックス、アルゴン、空気などの流体の環境下にある。高電圧電極と接地電極間の電位差が十分に大きい場合、電極間の流体がイオン化し、導電性を持つようになる。例えば、プラズマペンシルでは、誘電体チューブの中に、前記チューブとほぼ同じ直径の円盤状の電極が2つ、わずかな隙間を隔てて入っている。前記円盤には穴が開いている。前記2つの電極の間に高電圧をかけ、前記電極の穴からヘリウムと酸素のような混合ガスを流し込む。電位差が十分に大きい場合、前記電極間の隙間でプラズマが点火され、最大12cmの長さのプラズマプルームが外側の電極の開口部から周囲の室内の空気に放出される。
【0006】
強制的に気体を供給するプラズマ装置は、プラズマを発生させるために必要な液体を供給するガスタンクが必要で、非常に大型で扱いにくい装置となる可能性がある。また、前記プラズマプルームと接触する面との接触点が狭いという欠点もある。通常、プルームは直径1cmのオーダーが一般的だ。このため、広い面積を処理する場合、処理する領域内で前記接触点を往復させなければならず、時間と手間がかかる。また、前記処理領域全体の処理の均一性を制御することが困難な場合がある。
【0007】
非熱プラズマの生成によく用いられるもう1つの方法は、誘電体バリア放電(DBD)であって、それは、絶縁性の誘電体バリアによって隔てられた2つの電極間に高電圧を印加した後に生じる放電である。DBDは、常温の空気から非熱プラズマを生成する実用的な方法であり、いくつかのバリエーションが存在する。例えば、体積誘電体バリア放電(「VDBD」)は、一方の電極に誘電体バリアがあり、互いに向かい合った2つの同様の電極の間で発生する。VDBDは、前記2つの電極間の空間と前記電極の大きさによって制限され、異なる表面形状に適合することはできない。表面誘電体バリア放電(SDBD)は、一方の電極と皮膚、金属、プラスチックなどの表面との間で発生することがある。SDBDの具体例として、浮遊電極誘電体バリア放電(「FE-DBD」)のバリエーションとして知られ、電極の一方は石英などの誘電体で保護され、第2の電極は人間や動物の皮膚や臓器である。FE-DBDの設定では、前記第2の電極は接地されず、浮遊電位にとどまる。SDBDの治療領域は、前記電極のサイズによって制限され、前記VDBDのように電極が接触する表面に適合させることはできない。現在のSDBD技術では、前記プラズマプルームとそれが接触する表面との間には1つの接触点しかない。
【0008】
非熱プラズマのもう一つのタイプとして、コロナ放電が知られており、これは、帯電した導体の周囲の流体がイオン化によってもたらされる放電である。コロナ放電は、大気圧を含む比較的高い圧力で、電界が急激に不均一な領域で発生する。一方または両方の電極付近の電界が、流体の他の部分より強くなければならない。これは、鋭い点、エッジ、または小さな直径のワイヤで発生する。前記コロナは、前記導体の周囲の電界の電位勾配が、流体中に導電性領域を形成するのに十分高いが、近くの物体に電気分解やアーク放電を起こすほど高くないときに発生する。コロナのイオン化気体は化学的に活性である。空気中では、これによってオゾン(O3)や一酸化窒素(NO)、ひいては二酸化窒素(NO2)といった気体が発生する。オゾンは、オゾン発生装置で意図的にこのように生成されるが、それ以外では、これらの腐食性の強い物質は反応性が高いため、一般的に好ましくない。このような気体分子の反応特性を利用することが望まれる。
【0009】
非熱プラズマを発生させるだけでなく、プラズマを制御して有益な目的に利用できるようにすることが望まれる。プラズマを発生させる時間の長さ、プラズマの電力レベルを制御し、プラズマの周波数と波形を変調させることが望まれる。特定の変調周波数は、バクテリア、ウイルス、真菌、カビなど、特定の微生物の殺傷に相関している。したがって、このようなプラズマのパルス周波数も制御できることが望まれる。このようにして、プラズマを使用して、反応種によって生じる効果を超える生物学的効果を生み出すことができる。前記放出されたプラズマが所望のパラメータを満たすことを保証するために、前記所望のパラメータおよび許可された人による放出に制限することが有用であろう。また、このような制御装置は、利便性のために、携帯可能で電池式であることが望ましいであろう。さらに、この制御装置は、複数のサイズと形状のプラズマ発生装置に使用できることが望ましい。
【0010】
そこで、本発明の目的は、プラズマ処理に用いる非熱プラズマエミッタを駆動し、放出されるプラズマを制御する装置を提供することにある。
【発明の概要】
【0011】
本装置は、非熱プラズマエミッタのアレイを所望の周波数と制御された電力レベルで駆動および制御する電源装置である。高周波で高電圧を発生させる。その電源は極細同軸ケーブルでアレイに接続されている。前記電源は、昇圧変圧器、バランスドライバ、および制御装置で構成されている。前記電源は、前記変圧器が前記アレイと接続ケーブルの結合容量の共振周波数で動作するように設計されている。前記電源はバッテリーであることが好ましく、前記アレイへの電力は前記制御装置によって監視され、ユーザーによって調整することができる。
【0012】
ある実施形態では、バランス型ドライバは前記制御装置によって直接駆動される。前記制御装置は、前記変圧器の一次巻線電圧とゲート駆動電圧の位相関係を監視し、駆動周波数を共振に調整する。別の実施形態では、前記バランス型ドライバは発振器として構成され、デフォルト設定で前記変圧器を共振で駆動する。前記変圧器ドライバからの信号は、電力制御のために電流と電圧の測定値を同期させるための前記制御装置への割り込みを発生させる。
【0013】
この装置は、前記アレイへの制御された電流の印加により、特定の医療用途での使用に適した特定の変更可能な特性を有する非熱プラズマを発生させるものである。また、前記プラズマを生成する場合に、低温で治療上有効な量のオゾン状の非ラジカル酸素、フリーラジカル酸素、空気中の水と結合して過酸化水素を形成するための化学環境、可視およびUVA波長帯の光も生成する。インフルエンザやコロナウイルスなどのウイルス、MRSAなどの細菌、原虫などの寄生虫、およびその他の病原体を含む空気感染性および/または伝染性の感染体を、生体内および汚染された表面の両方で不活性化または破壊するために、本装置を使用する処置プロトコルが提供される。特に、床、カウンタートップ、金属製および非金属製の器具、換気装置、その他の緊急医療機器、マスクおよびそのフィルター、顔面シールドなどの除菌、感染症にかかる被験者を治療して感染が定着する前に感染症を不活化する、感染した被験者を治療して感染症を不活化し症状を緩和するなどのプロトコルが説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、非熱プラズマエミッタのアレイの第1の実施形態の上面図である。
【
図2】
図2は、
図1の線A-Aに沿ったプラズマエミッタの断面図である。
【
図3】
図3は、非熱プラズマエミッタの第2の実施形態の部分上面図である。
【
図4】
図4は、基板に貫通孔を有しない非熱プラズマエミッタの第3の実施形態の部分上面図である。
【
図5】
図5は、織物状プラズマエミッタを有するアレイの第4の実施形態の上面図である。
【
図6】
図6は、
図5のアレイの一部を透視して示す概略図である。
【
図7】
図7は、フレキシブル基板を有するアレイの第1の実施形態とその端子接続点を示す写真である。
【
図8】
図8は、制御装置および外部電源を有する非熱プラズマ装置の概観を示す図である。
【
図9】
図9は、フレキシブルなシースで部分的に覆われた非熱プラズマアレイの上面図である。
【
図10】
図10は、剛性シースで部分的に覆われたプラズマアレイの上面透視図である。
【
図11】
図11は、プラズマエミッタが長方形配列である本発明の非熱プラズマアレイの第5の実施形態の上面図である。
【
図12】
図12は、プラズマエミッタが六角形配列である、本発明の非熱プラズマアレイの第6の実施形態の上面図である。
【
図13】
図13は、非熱プラズマアレイを管として見た透視図である。
【
図14】
図14は、患者の顔を治療するために使用されるプラズマアレイの図であり、いくつかの小さいアレイが互いに接続されて、プラズマ放電のより大きな領域を効果的に形成している。
【
図15】
図15A~Dは、様々な形状のポイントを有する接地電極を示す図である。
【
図16】
図16は、プラズマエミッタのアレイに接続された本発明の電源の正面透視図であり、一部切断図で示されている。
【
図17】
図17は、提案された電源装置の1つの実施形態の概略図である。
【
図18】
図18は、提案された電源装置の第2の実施形態の概略図である。
【
図19】
図19は、平面型変圧器の好ましい実施形態の断面図である。
【
図20】
図20は、プラズマエミッタのアレイに接続された本発明の代替電源の正面透視図であり、部分切断図で示されている。
【
図22】
図22は、プラズマドライバにおける周波数スキャン機能のための回路の概略図である。
【
図23】
図23A~Dは、ドライバおよびアレイの代替配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
アレイ100は、剛性または可撓性基板上に配置された複数の非熱プラズマエミッタ107から構成される。前記エミッタ107は、前記アレイ100が電圧源に接続されたときに前記エミッタが複数のコロナ放電を発生するように配置されている。前記放電はイオン化気体が発生させ、このガスはオゾンや一酸化窒素などの活性種を生成する。
【0016】
最初に
図1を参照すると、非熱プラズマアレイが、100で示されている。前記アレイは、本明細書では便宜上時々上面と下面と呼ばれ、少なくとも2つの対向する表面を有する基板102を有する。前記基板102には、複数の貫通孔118が形成されている。複数の駆動電極110は、前記基板102の上面に、各駆動電極110が前記基板102の1つの貫通孔118の上に中心を合わせて配置される。複数の接地電極108は、前記基板102の底面に配置され、各接地電極108は、前記基板102の1つの貫通孔118の上に中心を置く。その結果、貫通孔、接地電極、および駆動電極の構造が、プラズマエミッタ107を構成する。
図2は、貫通孔を有するプラズマエミッタの断面図である。各駆動電極110および接地電極108は、概ね貫通孔118の中心に配置されているが、特定の実施形態では中心から外れていてもよい。各電極の110の形状は、六角形、円、三角形、長方形、正方形、または他の形状など、前記貫通孔118を中心に対称であることが好ましいが、特定の実施形態では非対称であってもよい。
図1および
図3は、前記駆動電極110が六角形である実施形態を示している。
【0017】
図4は、基板が貫通孔を有しない非熱、オゾンプラズマ・アレイ200の別の実施形態を示す。ここでは、複数の駆動電極110が前記基板102の上面に配置され、各駆動電極110は前記基板102の下面にある接地電極108の上に中心を合わせて配置されている。その結果、誘電体基板上の駆動電極が接地電極の上にある構造は、本明細書ではプラズマエミッタ107とも呼ばれる。
【0018】
前記基板102の上面にある導電性駆動トラック112は、少なくとも1つの駆動電極110に接続されている。前記基板102の底面にある導電性接地トラック104は、少なくとも1つの接地電極108に接続されている。1つ若しくはそれ以上の駆動トラック112は、所望の数だけ駆動電極110を一緒に相互接続するために使用されてもよい。同様に、1若しくはそれ以上の接地トラック104は、所望の数だけ接地電極108を一緒に相互接続するために使用されてもよい。エミッタは直列または並列に接続されてもよく、好ましくは、より低い駆動電圧のために並列に接続される。
【0019】
駆動端子111は前記駆動トラック112に接続され、接地端子106は前記接地トラック104に接続される。前記駆動電極110は、相互に接続され、駆動端子111に接続されている。同様に、前記接地電極は相互に接続され、接地端子106に接続されている。その結果として得られる構造は、プリント回路基板によく似ている。
【0020】
前記基板102は、アルミナ、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン入り織ガラス布、ポリプロピレン、ガラス強化エポキシ積層シートなどの誘電体材料で作られている。特定の実施形態では、基板は2つ以上の層を有し、前記層は異なる材料で作られてもよい。前記基板102は、粗面、ざらつきのある表面、平滑面などの様々な表面トポグラフィーおよび形状に適合させることができる剛性材料または可撓性材料で作られている。前記基板は、正方形、曲線、長方形、円形、または六角形のような2次元であることができる。また、曲面、立方体、筒状、球状などの3次元であってもよい。
【0021】
前記基板はまた、非一様な形状または非対称な形状を有していてもよい。剛性材料の基板は、そこに前記プラズマエミッタが製造される前または後に、所望の構造に成形されてもよい。可撓性材料の基板は、通常は、前記アレイが製造された後に前記所望の形状に形成される。
【0022】
好ましい実施形態では、前記基板は薄いFR-4で作られている。約0.2mmの厚さで、FR-4で作られた前記基板は、いくらか柔軟性がある。代替案として、ポリイミドフィルムやPTFE注入グラスファイバーなど、より柔軟性の高い材料でアレイを作製することも可能である。
【0023】
大量生産技術により、前記アレイの製造コストは十分に小さく、消耗品または使い捨てと考えることができ、1回または数回の使用後は単に捨てるか、リサイクルすることができる。前記アレイに含まれるポリマーは、酸素プラズマによって、通常灰化(アッシング)と呼ばれるプロセスで破壊される。この侵食プロセスは、前記アレイ全体の上面にガラスの薄層を追加することで遅らせることができる。ゾル-ゲルプロセスを用いれば、100nmm程度の厚い層を形成することができる。より薄いSi02、Al203、Y203の結晶層は、原子層堆積法またはプラズマアシスト原子層堆積法で堆積させることができ、オプションとして均一なプラズマのためのアレイバムイン後、堆積させることができる。
【0024】
貫通孔118は、前記アレイ容量の低減に役立ち、駆動電極110から接地電極108へ流体を流すための通風孔である。このような流体としては、酸素、ヘリウム、窒素、六フッ化硫黄、二酸化炭素、空気などの気体が挙げられる。好ましい実施形態では、前記流体は、常圧である1気圧程度の空気である。前記エミッタ107で発生した前記プラズマにより空気中の酸素がイオン化され、オゾンが生成される。前記貫通孔118は、ドリル、エッチング、切断、レーザー切断、パンチング、または他の方法によって作られる。特定の実施形態では、貫通孔は、パイプ、チューブ、チャネルなどの各電極に流体を導く構造で並べられている。貫通孔118は、円形、長方形、三角形、台形、六角形、または他の形状であってもよい。
【0025】
駆動電極110に十分な高電圧が印加されると、周囲の流体がイオン化されてプラズマが発生し、駆動電極110は、前記駆動電極と接地電極間に電子が流れるように、前記接地電極と接する点または点で接地電極108に容量結合される。
【0026】
前記プラズマの開始を助けるために使用されるため、前記プラズマを発生させる場所には、尖鋭な先端を有することが好ましい。前記尖鋭な先端は、尖鋭な先端、鈍い点、槍先点、橈骨点など、任意の形態をとることができる。
図3は、前記接地電極108が6つの尖鋭な先端120を有する星形である実施形態を示す。
図4は、前記接地電極108が3つの尖鋭な先端120を有する三角形である実施形態を説明する図である。
図15Aは、6つの尖鋭な先端を有する電極を示し、
図15Bは、先の丸い形を示し、
図15Cは、槍先を示し、
図15Dは、橈骨点を示している。
【0027】
駆動電極110、駆動トラック112、接地電極108、および接地トラック104は、前記基板102上に印刷、エッチング、ラミネート、またはその他の方法で配置することができる。これらは、銅、銀、ニッケル、または他の任意の導電性材料で作ることができる。これらは、ソルダーマスク、マイラー(登録商標)などのポリエステルフィルム、マイカ、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)などのポリテトラフルオロエチレンなどによって絶縁することができ、他の実施形態では絶縁されない。製造の便宜上、好ましくは、前記駆動電極110と接地駆動1122は、同じ材料で作られ、同時に前記基板102上に配置される。同様に、好ましくは、前記接地電極108および接地トラック104は、同じ材料で作られ、同時に前記基板102上に配置される。代替的に、前記駆動電極110、駆動トラック112、接地電極108、および接地トラック104は、異なる材料で作られ、同じ時間または異なる時間に発生するプロセスで前記基板上に配置されてもよい。
【0028】
図5および
図6は、複数のプラズマエミッタ107が織り込まれたワイヤの交差点に作成される非熱伝導アレイ100の別の実施形態を示す図である。前記駆動電極408のワイヤ410は、前記接地電極404のワイヤ406と一緒に編まれ、編まれたアレイを形成する。一方の電極は複数の絶縁ワイヤに接続され、他方の電極は複数の非絶縁ワイヤに接続されている。前記ワイヤの絶縁体がポリマーである場合、灰化を防ぐためにSi02などのコーティングを施すことが好ましい。前記ワイヤの間隙にある空気を点火してプラズマを形成する。ワイヤは、銅、銀、ニッケル、または他の導電性材料であってもよい。前記ワイヤは、プラスチック、ゴム状ポリマー、またはワニスなどの非導電性材料または誘電性材料で絶縁される。
図5では、前記エミッタ107は、六角形の開口部621を有する剛性シース520によって覆われている。
【0029】
前記駆動端子111および接地端子106は、それぞれ前記駆動トラック112および接地トラック104に印刷、切断、打ち抜き、ラミネート、エッチング、接続、またはその他の方法で取り付けられる。エミッタの各アレイに対して少なくともそれら2つの端子があるが、所望の数だけ端子があってもよい。例えば、各エミッタ107に対して2つの端子があってもよいし、例えば、故障時の冗長性のために余分な端子が望まれる場合、または前記電圧源への接続のためにより良い配置を有するために、各エミッタ107に対して2つ以上の端子が存在してもよい。好ましくは、前記端子111および106は、はんだパッド、バナナプラグ、リング端子、スペード端子、ピン端子などを用いて、基板に取り付けられるか、または基板と一体化される。
【0030】
前記エミッタ107は、線状、同心円状、ランダム配置など、様々な相対位置で配置することができる。本明細書では、エミッタの配置をアレイと呼ぶことがある。アレイは、ユーザのニーズに合わせて、任意の形状をとることができる。通常は、前記エミッタ107の配置は、長方形または六角形のような一般的に対称的であるが、配置は非対称的でもよく、これは、単一の基板をプラズマの異なる濃度を有する別々の領域を対象として使用するのに有用である。
図1は、行に配置された前記エミッタ107を図示しており、各行は前の行からオフセットされている。この同じパターンは、前記アレイの所望のサイズを形成するためにユーザが必要とする行数だけ繰り返される。
図1に図示された前記行は、それぞれ8個のエミッタを有するが、任意の数のエミッタを各行で使用することができる。
図7に示す前記行は、それぞれ8個のエミッタを有するが、各行に任意の数のエミッタを使用することができる。
【0031】
前記アレイの大きさはミクロからマクロまであり、理論的には無制限だが、実際には製造技術によって制限される。実際には、前記アレイはどの寸法でも通常5インチ以下である。より大きな面積のプラズマ放電が望まれる場合、より小さなアレイを横に並べて互いに接続し、単一のアレイとして制御されるより大きなアレイを効果的に作成することができる。
図14は、患者の顔を治療するために使用されるプラズマアレイ100を示し、いくつかのより小さなアレイが互いに接続されて、プラズマ放電のより大きな領域を効果的に形成する。他の場合、前記より小さいアレイは、より大きいアレイを作るためにサイズごとに配置されるが、独立して制御できるように互いに接続されない。
【0032】
プラズマは、サイズ(通常はメートル単位)、寿命(秒)、密度(1立方メートル当たりの粒子)および温度を含む多くの特性で定義することができる。特定の実施形態では、第1のエミッタ107は、第2のエミッタ107と異なるプラズマ強度を有する。前記プラズマ強度は、誘電体の厚さ、駆動電圧(これは、プラズマが点火され保持される負荷サイクルを決定する)、および大気圧を含む多くの要因によって決定される。通常は、前記結果として生じるプラズマは、先端から約0.8mm、約120度の扇形に延在する。
【0033】
図7は、前記接地端子106およびドライバ端子111の下で、前記基板102に絶縁層304が付着された非熱プラズマアレイ100を示す図である。前記絶縁層304は、ネオプレン、ポリマーコーティング、マイラー(登録商標)、テフロン(登録商標)等とすることができる。
【0034】
図9は、前記プラズマエミッタで覆うシース520を有する非熱プラズマアレイ100を示す。いくつかの実施形態では、前記エミッタの一部のみが覆われている。好ましい実施形態では、前記シース520は、前記アレイと目的の表面間の障壁として機能する電気絶縁体である。前記電気絶縁体520は、前記アレイから生成されたプラズマが目的の表面に作用し反応することを可能にするが、流体が前記カバーを通過して生成されたプラズマ、および基板の表面に浸透することを可能にしない。したがって、それは、気体分子に対して通気性であり、可能な電気ショックからユーザまたは表面を保護し、電気ショートを引き起こす可能性のある液体が前記電極に到達するのを防止する。好ましくは、前記シース520は、可撓性であり、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)で作られ、耐水性でありながら通気性のある被覆を提供する。可撓性シースは、発泡ポリテトラフルオロエチレン、ネオプレン、疎水性ポリエステル、親水性ポリエステル等から作ることもできる。
図10は、前記非熱プラズマアレイ100上にある前記貫通孔118を中心とした開口部521を有する剛性シース520の一実施形態を示している。前記シース520は、非熱プラズマアレイのサイズおよび形状に適合するように、長さ、幅、および高さを変化できる。通常は、前記シースはまた、取り外し可能である。
【0035】
非熱プラズマアレイ100は、任意の形状またはサイズに適合でき、足指、耳、指、顔などの様々な解剖学的位置における人間の疾患を治療するために形成することができる。
図11、
図12および
図13は、前記アレイ100の追加の実施形態の例を示す。
図11は、前記アレイの一辺が他の辺よりも実質的に長いプラズマエミッタ107の矩形アレイ100を示す。この配列は、大きく狭い表面領域の処理に特に有用である。
図12は、プラズマエミッタ107の六角形のアレイ100を示す。
図13は、チューブに形成されたアレイ100を示し、前記チューブの表面に沿ってプラズマエミッタが配置されている。この配置は、前記チューブの内側が指の外側と接触したままになるように、指のような管状の部位を治療するために特に有用である。この配列はまた、前記チューブの外側が外耳道の内面と接触したままである、外耳道のような管状の人体部分の内面を治療するために特に有用である。前記管状アレイ100は、剛性または可撓性基板上に予め形成することができる。あるいは、可撓性基板上の矩形アレイ100は、治療時にチューブに曲げることができる。
【0036】
プラズマを生成するために、1若しくはそれ以上の駆動電極110に、本明細書ではドライバとも呼ばれることがある電源500で電圧を印加する。これは、高い周波数で高い電圧を作成する。前記駆動電極110が前記接地電極108に対して高電位にある状態で、電流は前記駆動電極110を通り、前記貫通孔118内の流体を通り、前記アレイの周囲を流れる。前記流体は、各駆動電極110、接地電極108、またはその両方の周囲にプラズマ領域を形成するためにイオン化される。前記イオン化された流体からのイオンは、複数の接地電極108に、またはより低い電位の領域に電荷を通過させる。好ましい実施形態では、前記電源500は、制御された電力レベルで所望の周波数で非熱プラズマエミッタのアレイ100を駆動し、制御する。前記電源500は、有線または無線で制御装置204に接続される。前記制御装置204は、時間のオン/オフ、プラズマの強さ、電極から電極へのプラズマ場の強さ、周波数、電力など、前記アレイ100の機能を制御する。前記電源の特性は、前記アレイのサイズに大きく依存する。
【0037】
前記電源500は、マイクロ同軸ケーブル、リード線502、または他のコネクタで前記アレイ100に接続され、本明細書では通常ケーブル202と称される。
図16を参照されたい。前記電源装置500は、昇圧器201と、平衡型ドライバと、制御装置204とから構成される。
図17を参照されたい。前記電源500は、さらに、好ましくはバッテリーである電源506を有する。前記アレイへの前記電力は、前記制御装置204によって監視され、ユーザによって調整することができる。
【0038】
前記変圧器の二次巻線のインダクタンスと、前記アレイとケーブルの結合容量とが、特定の共振周波数を持つ並列LC回路を形成する。この配置は、前記電源500のような振動するシステムまたは外力が、前記アレイ100のような別のシステムを特定の優先周波数でより大きな振幅で振動するように駆動するときに生じる共振現象を利用する。変調周波数は手動で設定することも可能である。しかし、共振回路のQファクターが比較的高く(300以上)、装置が共振する周波数の範囲が比較的小さいため、信頼性の高い動作のためには、自動チューニング機構が望ましい。これは、一次巻線の電圧と電流間の位相関係を監視することで、前記変圧器が共振で動作しているときを判断することによって行われる。好ましい実施形態では、前記駆動周波数は、比較的広い範囲の変調周波数を可能にするために、100kHzの範囲にある。しかしながら、記載された本発明は、駆動電子機器に応じて、10kHzから10MHz超の非常に広い範囲で動作できるだろう。
【0039】
好ましい実施形態は、前記アレイ100と前記ケーブル202の前記結合容量で同調昇圧器で共振し、前記アレイ100で高電圧交流を発生させることになる。同調回路の高いQは、高調波放射を最小化するためにクリーンな正弦波駆動波形を生成し、電圧ブーストを提供する。前記制御装置204は、変圧器駆動周波数を前記同調回路の共振周波数に調整する。その結果として生じるプラズマ周波数は、通常は安定したままであり、変調された治療周波数を作成するためにパルス化される。しかしながら、前記変調周波数が調整される際に、前記変圧器の二次電圧または一次電圧を監視して、変調周波数に対する絶縁破壊電圧の変化を検出することも可能である。これを利用して,治療効果が最大となるように前記変調周波数を調整することもできる。
【0040】
前記アレイドライバに使用される入力電力は通常直流(DC)であるが、前記アレイ自体は本質的に交流(AC)を必要とする。前記電源装置500は、DCをACに変換する。通常は、前記プラズマ周波数は、約50~100kHzの間の所与の周波数で動作することになる。好ましい実施形態において、前記駆動電極に印加されるAC電圧は、パルスで変調され、通常は、0Hz超~約10kHzの間の周波数で変調される。変調はこの周波数をON/OFFすることによって行われ、つまり、前記変圧器の一次側駆動波形をパルス幅変調することによってデジタル的に前記変調を生成している。これは矩形波変調でも良いし、正弦波など他の波形タイプでも良い。例えば、プラズマ周波数が50Hzの場合、前記アレイは50Hzのエネルギーの周期的なバーストを放射する。その代わりに、連続波の電圧が前記駆動電極に印加されることもある。
【0041】
変調周波数と生物学的効果の間に相関関係が観察されている。前記プラズマドライバの変調周波数スキャン機能は、前記相対的なプラズマパワーの測定値を用いて、特定の疾患を治療するための最適な変調周波数を決定する、または治療の進捗を測定することが可能である。前記プラズマアレイと前記生物学的相互作用との間のより詳細な情報を得るために、酸素分子増幅器の機構の範囲内の無線信号の探索が行われる。
図22を参照されたい。
【0042】
治療用のプラズマ周波数が見つかれば、適切な値の並列容量を追加することによって前記プラズマ周波数を調整することができる。前記電圧は約1kV RMSなので、これは通常、リレーで高電圧コンデンサを切り替えることによって行われる。実用的な解決策では、通常、7つの2進数の関連値のセットを使用する。また、治療用の変調周波数が見つかれば、前記AC駆動電圧を変調することも可能である。これは、前記ドライバ内の前記デジタル制御装置でタイマ値を調整することで行われる。
【0043】
好ましい実施形態は,変圧器の一次電圧と電流を監視し,このデータを電力制御と電子機器の壊滅的な故障を軽減するためのハードウェアインターロックに使用することである。過剰な電力は、前記アレイの寿命を縮める。前記アレイは誘電体の侵食により最終的に故障するので、高速電流制限により、優雅かつ安全に動作を終了させることができる。
【0044】
図18は、典型的なシステムレベルブロック図である。アレイ100は、ケーブル202で前記電源500に接続され、好ましくは、最終的なアレイの故障の場合に前記ケーブルを容易に取り外して再利用できるように、(ハードワイヤードではなく)コネクタを使用することである。ケーブル202は、好ましくは、両端にコネクタを有する。変圧器703は、前記プラズマアレイ100のための前記高電圧を提供する。抵抗器705は、二次電圧モニタ706のための高電圧モニタ点を提供する。二次電流モニタ704は、前記変圧器二次側の冷側に接続する。
【0045】
好ましい実施形態では、可変電圧電源506は、前記変圧器一次中心タップに接続され、一対のMOSFET708は、変圧器703の前記一次巻線に平衡駆動を提供する。一次電圧および電流の振幅および位相モニタ709は、制御装置204によって使用され、前記変圧器に対して適切な負荷サイクルおよび周波数を提供する。
【0046】
別の実施形態では、前記変圧器ドライバを発振器として構成し、前記変圧器がデフォルトで共振周波数で動作するようにすることも可能である。この場合、前記変圧器ドライバからの信号が前記制御装置に送られ、電圧と電流の測定が同期される。これは、例えば、正確な電力測定に利用できる。
【0047】
別の実施形態では、前記電源500は、共振昇圧器201で構成され、前記変圧器一次側にハーフブリッジドライバが設けられている。
図17を参照されたい。前記変圧器一次側のバイアスは、電源に接続されたブーストコンバータ212から得られる。前記電源は、電池208のように前記電源の内部であっても、主電源に接続された携帯電話の充電器や車両の電源コンセントのように外部であってもよい。正確な電力監視のために、前記変圧器の二次電圧はコンデンサ205および206を通して監視される。前記二次電流は、センス抵抗207を通して監視される。
【0048】
一例では、4フィートの長さのRG-178同軸ケーブルと組み合わせた典型的な大型アレイ(例えば、約2.5インチx6インチの領域で密接に間隔を置いたエミッタを有するアレイ)は、720pFの典型的な静電容量を有することになる。前記昇圧器201は、前記同軸ケーブル202と平面型マイクロプラズマアレイ100から構成される容量性負荷と共振する。前記主電源は、充電式リチウム電池208である。これは、制御装置204の外部データインタフェースでもあるUSBコネクタ223を介して充電される。
【0049】
アレイ故障による過電流時に前記アレイ電力を迅速に遮断できるように、前記ブーストコンバータ212のスイッチング素子は前記制御装置204によって駆動される。コンデンサ211は、前記ブーストインダクタ212を通る高電流パルスのための電荷蓄積を提供する。スイッチング素子213は、追加の駆動電流および/または電圧を得るために、増幅器を介して駆動されることがある。昇圧されたフライバック電圧は、ダイオード214によって整流され、コンデンサ215によってフィルタリングされる。抵抗器216は、前記電圧を前記制御装置204に適した範囲に降下させる。
【0050】
コイル217はオプションであるが、前記駆動スイッチング素子218の負荷サイクルを高くすることができ、EMC互換のために前記変圧器出力のスペクトル純度を向上させながらスイッチング素子の損失を低減させる。前記変圧器一次電圧は、抵抗器219を通してサンプリングされ、オートチューニングモードで前記変圧器共振周波数を決定する。
【0051】
好ましい実施形態では、「EI」型コアを有する平面型変圧器を使用する。
図19を参照されたい。「I」側601は、巻線PCB603から離れた上部に配置される。「E」側602は、下部に配置される。これにより、前記変圧器のインダクタンスを設定するために用いられるエアギャップ604は、前記コアの中央部ではなく上部に配置される。前記エアギャップ周辺に集中する磁束は交流損失を増加させるので、前記変圧器巻線、特に一次巻線は前記エアギャップからできるだけ離して配置される。通常の変圧器の設計では、平面フェライトコアに12層のFR-4プリント基板を使用している。135:1:1の巻数比で、典型的な大型アレイは50kHzで動作し、エアギャップAL値は700nH/N2である。
【0052】
好ましい実施形態では、マイクロ制御装置、FPGA、CPLDなどの制御装置を使用して、前記変圧器一次巻線の電流スイッチングを直接制御する。これは、一対のNチャンネルMOSFETを使用して、通常は50kHzから500kHzの間である。前記ゲート駆動電圧や電流を増加させるためにバッファアンプを使用することもある。この配置の利点は、アレイの故障による過電流状態が発生した場合、前記制御装置が即座にスイッチングを停止できることである。
【0053】
好ましい実施形態は、リチウム電池を電源とし、供給電圧は2.8~4.2Vである。
図17を参照されたい。変圧器一次センタータップ電圧はブーストコンバータ212から得られ、電流はNチャンネルMOSFETを使用して切り替えられる。前記ゲート駆動電圧および/または電流を増加させるために、バッファアンプが使用されてもよい。好ましい実施形態では、各変圧器FETの前記負荷サイクルは50%であり、バランス構成で動作する。前記ブーストコンバータ212は、前記変圧器駆動の2倍の周波数で動作し、前記制御装置204によって駆動される。前記変圧器センタータップ上のいかなるリップルも、切り替えられるどちらの側でも同じ瞬時値となる。
【0054】
別の実施形態では、前記変圧器一次側平衡型ドライバをクロス接続フィードバックで接続し、前記ドライバが自動的に前記変圧器共振周波数で動作するようにする。しかし、この場合、急速なシャットダウン、前記ブーストコンバータとの同期、前記制御装置との同期を可能にするために、追加の電子部品が必要となる。通常の実施形態では、前記制御装置への割り込み信号は、前記変圧器一次側の両足で生成される。
【0055】
好ましい実施形態では、前記制御装置は前記変圧器共振周波数を次のように決定する。このオートチューニングモードでは、前記制御装置は前記変圧器駆動負荷サイクルを小さな値に下げて電子機器を保護する。一次巻線よりも巻数の多い二次巻線を有する昇圧変圧器では、出力電圧が増加する。ある駆動周波数に対して、前記制御装置は前記変圧器二次側のプラズマ駆動電圧を測定します。前記変圧器一次側の電圧位相が駆動信号をリードしている場合、周波数が高すぎることになる。前記制御装置は周波数スイープを行い、最も高い共振ピークを見つける。また、前記変圧器一次側の波形とゲート駆動波形を比較し,前記駆動周波数をバイナリサーチで調整し,ゼロクロスでスイッチングする周波数を決定する方法もある。これは前記変圧器共振周波数で発生する。
【0056】
前記アレイ100への駆動電力は、前記変圧器二次側の電圧と電流を測定することで決定される。プラズマ開始電圧は、湿度および気圧の影響を受けるので、正確な電圧測定が望ましい。好ましい実施形態では、変圧器二次電流は、低値抵抗器にわたって感知される。
【0057】
前記アレイのプラズマパワーを測定する別の方法として、高次高調波周波数での反射(「逆」)パワーを測定することがある。前記プラズマアレイは比較的大きな静電容量に高い交流電圧をかけるので、誘電体中の無効電力量はプラズマ中の実電力量に比べ非常に大きくなる。したがって、基本駆動周波数で測定した場合、前記プラズマ内の実電力散逸を測定することは非常に困難である。前記プラズマの1/Vカーブは非線形であるが,前記アレイの静電容量は電圧に対して比較的平坦であるため,前記駆動周波数の高次高調波では測定が非常に容易になる。安価なセラミックフィルターが入手可能なため、実用的な測定周波数は10.7MHzである。これは共振回路の部品サイズも小さくすることができる。精密なチューニングが必要なため、前記コイルは非磁性体コアが望ましく、公差を厳しくすることができる。このため、アレイ負荷の大きな無効成分や前記アレイの誘電体加熱による電力損失を前記プラズマの影響から分離する問題が簡略化される。通常の実施形態では、並列共振素子同調LC回路701を使用して、10.7MHzの前記ドライバからのエネルギーを遮断することになる。
図21を参照されたい。直列共振素子同調LC回路702は、10.7MHzで低インピーダンス電流リターンを提供する。変圧器703は、高電圧絶縁を提供し、10.7MHzで電流から電圧への変換を実行する。フィルタ714は、共振回路によって遮断されないドライバからの高調波を遮断する。検出器715は、大きな電力範囲での測定を可能にするため、対数検出器であることが好ましい。前記高圧変圧器の巻線間容量が10.7MHzで高調波エネルギーを通過させることがあるため、これを遮断するために並列同調LC回路701が使用される。直列同調LC回路702は10.7MHzで低インピーダンスとなり、変圧器703を通した電流測定が可能となる。前記直列同調LC回路702の前記コンデンサは、通常は、1.5kVの定格となる。通常の実施形態では、変圧器703は、フェライトバーの周りにPTFE絶縁ワイヤを2本巻きしたものである。AC1kVの絶縁が必要であるため、巻線は通常、巻線間の空気放電を防止するために絶縁ワニスで覆われる。フィルタ714は、同調回路で遮断されない高調波エネルギーを除去するために必要である。検出器715は、通常はログ検出器である。高次高調波逆電力の相対レベルを高分解能で測定する手段をプラズマドライバに設ける場合、湿度や気圧に関係なく一定のプラズマパワーレベルを設定することができる。
【0058】
スタンドアロンのドライバにおいて、筐体501は、前記電源500、ユーザインタフェース222、前記電源への1若しくはそれ以上の入力、および前記アレイへの1若しくはそれ以上の出力を含む。
図16を参照されたい。入力部は、USBポート223、HDMIポート、ヘッドフォンジャック224、マイクロUSBジャック、ライトニングジャック、およびタッチボタンまたはタッチスクリーンを含む。前記アレイへの出力は、ヘッドフォンジャック2244、マイクロUSBジャック、ライトニングジャック、およびマルチピンジャックを含む。視覚障害者を支援するために、音声トランスデューサが使用されてもよい。ウェアラブルへの適用では、離散的なユーザーフィードバックのためにバイブレータが追加されてもよい。電池駆動の装置では、前記筐体には電池も含まれており、この電池は一次電池でも充電式電池でもよい。USBを介して接続する実施形態では、USBポートを入力とバッテリ充電に使用することができるため、バッテリは必要ない場合がある。
【0059】
前記ユーザーインターフェースは、通常、小型のLCDディスプレイ222である。スマートフォンとの接続に便利なように、Bluetoothハードウェアを追加することも可能である。前記制御装置204は、前記ユーザインタフェース222に接続される。好ましい実施形態では、多色LEDが、バッテリ充電を含む動作モードを示すことになる。前記ドライバのいくつかの実施形態は、変更することができない動作パラメータがあるように、予めプログラムされたメモリを使用するが、他の実施形態はプログラム可能である。前記入力は、動作時間や電力レベルなどのプラズマ動作パラメータをプログラムするために使用することができる。前記USB接続はまた、定義されたSSIDおよびネットワークパスワードへのWiFi接続などの追加機能を設定するために使用することができる。しかしながら、前記アレイ100を制御するためのユーザーの完全な自由は、すべての実施形態に対する最良の解決策ではない可能性がある。
【0060】
好ましい実施形態では、前記装置は、他の薬物送達装置で使用される医薬品の従来の処方箋のように、医師、薬剤師、または臨床医によって提供される所定の治療プロトコルでプラズマを放出するように構成されている。また、前記装置は、患者の情報を取得することもできる。前記ドライバおよびアレイは、そうするために多くの方法で構成される。
図23A~Dを参照されたい。一般的に、処方者は、低コストのアダプタボードまたはドングルをコンピューター・デバイスに接続する。前記コンピューター・デバイス上で動作するソフトウェアアプリケーションは、認証を行い、記録されたデータをロードし、前記処方箋をプログラムする。治療後のデータは、前記アダプターボードまたはドングルに記録され、治療後にコンピューター・デバイスにアップロードされる。このデータは、治療後に有効性を判断し、前記処方箋が適用されたことを確認するために使用することができる。より良い制御と、制御されたビジネスモデルを促進するために、処方者は処方箋を直接入力するのではなく、中央データベースからのダウンロードに限定することができる。
【0061】
一実施形態では、モバイルコンピューター・デバイス610は、アダプタボード225に接続され、このアダプタボード225は、ケーブル202によって前記アレイに接続されるドングル220に接続される。
図23Aを参照されたい。アダプタボード225は、医師、臨床医、薬剤師または薬局ごとに登録された認証コードを含む医師用処方箋帳として機能する。また、アダプタボード225は、ドングル220からアップロードおよびダウンロードされる暗号化されたプロトコルとユーザのプライバシーデータとの間のゲートキーパーである。前記アダプタボード225は、前記ドングル220と、モバイルコンピューター・デバイスまたはデスクトップコンピュータにインストールされた独自のソフトウェアアプリケーションとの間でインターフェースするためのMCUをオンボードで有する。
【0062】
前記ドングル220は、所望の治療の、パワーおよび変調の詳細、時間に関する設定を含む。したがって、前記ドングル220は、ドライバと共に使用するための治療処方箋でプログラムすることができる。前記ドングル220は、前記ドライバが所望の治療または患者のための適切なサイズまたは形状の前記アレイと共に使用されていることを確実にする識別機能を含んでもよい。好ましい実施形態において、識別機能は、許可されたアレイのみが所定の電源と共に使用されることを確認するために、前記アレイ100と前記ドングル220間の認証ハンドシェイクとして機能する埋め込みコードで符号化されたチップである。別の実施形態では、前記アレイ上の前記コネクタは、一致するコネクタを有するデバイスのみがプラズマを生成するために動作するように、前記電源上の前記コネクタに嵌合する物理的形状を有する。
【0063】
前記アレイが所望のパラメータでエネルギーを放出することを確実にするために、好ましい実施形態では、前記アレイは、その埋め込まれた識別コードがドングルに一致する場合にのみ動作する。例えば、プログラムされたドングル220およびその嵌合されたアレイは、患者の処方箋と共に患者に与えられることができる。次に、前記患者は、前記ドングル220を、それが専用装置であろうとモバイルコンピューター・デバイスであろうと、電源に取り付け、前記プラズマアレイに電力を供給して、プラズマエネルギーで治療する。必要なコードがなければ、前記アレイは動作しない。したがって、前記ドライバは、BandAids(登録商標)などの布製包帯と同様に、処方箋なしで店頭販売され、処方箋ドングル220と嵌合し、必要なときに配列されることが可能である。医師や薬剤師は、カスタマイズされたプロトコルで前記ドングル220を直接プログラムしてもよいし、集中処方データベースに保存されている一般的なプロトコルでプログラムしてもよい。前記ドングル220は、前記処方箋が適用されたことを確認し、その効力を判断するために、治療後に評価される前記治療のパラメータを記録するようにプログラムされる。以下の例を参照されたい。
【0064】
別の実施形態では、前記モバイルコンピューター・デバイス610は、前記アダプタボード225に接続され、このアダプタボードは、前記アレイに接続されるケーブル202に接続される。前記ドングルの機能、すなわち前記処方箋は、前記アレイ上または前記ケーブルに組み込まれる。前記アレイ100への前記ングル機能の統合は、本明細書では、スマートアレイ203と呼ばれる。
図23Bを参照されたい。フラッシュメモリは、前記アレイ上または前記ケーブル内に前記所望のデータを格納するために使用される。これは、カスタムケーブルを必要とするかもしれないが、前記アレイ上に温度センサの搭載も可能にするだろう。これは、感覚を失い、熱に鈍感な一部の糖尿病患者またはその他の人々にとって重要であろう。別の代替実施形態では、前記モバイルまたはデスクトップコンピューター・デバイスのメモリを使用する。
【0065】
別の実施形態では、前記ドライバ500は、ケーブル202によってアレイに接続される前記ドングル220に接続される。
図23Cを参照されたい。スマートアレイを使用する場合、前記ドライバは、ケーブルで直接接続することができる。
図23Dを参照されたい。
【0066】
通常、前記モバイルコンピューター・デバイスは、そのヘッドフォンジャック224またはUSBポートを使用して前記アレイ100に接続されるが、カスタムインターフェースで接続されてもよい。モバイルコンピューター・デバイスは、スマートフォン606、ラップトップコンピューター607、またはタブレットを含む。
図20上では、破線は、スマートフォンまたはラップトップのいずれかが前記アダプタボードおよび前記アレイに接続されてよいことを示す。デスクトップコンピューターもまた、前記アレイに電力を供給し、制御するために使用されてもよい。モバイルおよびデスクトップのコンピューター・デバイスは、ダウンロードされたモバイルアプリケーションまたはインストールされたプログラムにより、オンボードメモリを使用してプログラム可能である。
【0067】
本発明のプラズマ装置は、洗浄、除染、殺菌、治癒などの目的で、多くの種類の表面を処理するために使用することができる。例えば、以下のようなものが挙げられる。
【0068】
実施例1:携帯電話の除染
【0069】
携帯電話はどこにでも持ち運ばれ、人は、トイレ使用後や、汚れたドアノブに触れたり、握手をしたり、携帯電話を他の人と共有したり、お金に触れたりするものである。これらのものには細菌がたくさん付着しており、その細菌が個人の携帯電話に付着する可能性がある。その結果、携帯電話には公衆トイレの最大18倍もの細菌が存在する。特定の実施形態では、非熱アレイ100またはスマートアレイ203を携帯電話の周りに配置したり、携帯電話に組み込んだりすることができる。非熱アレイ100またはスマートアレイ203がオンになると、携帯電話上の微生物が不活性化され、事実上、携帯電話をあらゆる感染性物質から除菌することができる。
【0070】
実施例2:生物兵器用除染スーツ
【0071】
戦争では、生物兵器が兵士に対して使用されることがある。特定の実施形態では、生物兵器用スーツは、非熱プラズマアレイ100またはスマートアレイ203で補強できる。兵士が生物兵器で汚染されたとき、前記兵士は、非熱プラズマで補強ちされたスーツを着ることができる。前記スーツを着用すると、前記アレイ100がオンになり、兵士を除染することができる。前記スーツは再利用可能である。
【0072】
実施例3:非熱プラズマ装置による真菌または細菌の死滅
【0073】
プラズマアレイに供給される電圧は、約1Hzと約10kHzで変調(パルス化またはキーON/OFF)させることができる。特定の変調周波数(いわゆるRife周波数)は、特定の周波数が細菌、ウイルス、真菌、カビなどの形態を含む特定の微生物を死滅するのに相関する治療効果がある。この制御装置は、これらの周波数を用いて、活性酸素種や活性窒素種によって生み出される以上の生物学的効果を生み出すことができる。大面積の非熱プラズマアレイがもたらす生物効果は、あらゆる種類の表面の微生物を除去することができる。
【0074】
実施例4:オゾンの生成方法
【0075】
オゾンは不安定だが、非常に有益な分子であり、プラズマによって生成される。プラズマは、中性粒子と荷電粒子の混合物である。酸素を含む気体中にあるプラズマエミッタ107のアレイ100に電圧をかけると、前記プラズマエミッタは電子の移動を発生させ、オゾンを生成する。オゾンは、治療効果のために人体に適用したり、体内の病原体や合成物質の残留物を酸化させるために水に適用したり、人にオゾンの安定した体内適用を与えるように摂取させるためにオリーブオイルに適用することができる。さらに、オゾンは空気中の殺菌剤としても使用でき、細菌、感染性微生物を死滅させ、細菌、ウイルス、カビ、化学物質の放出など多くの生物学的問題を中和することができる。
【0076】
実施例5:美容整形術
【0077】
一酸化窒素はフリーラジカルの一種であり、光線性皮膚障害の治療に有効であることが示されており、古い損傷した皮膚細胞を燃焼させ、新しい健康な皮膚細胞に置き換えることができる。窒素を含む気体中にあるプラズマエミッタのアレイを前記皮膚の所望の治療領域に配置し、前記プラズマエミッタは前記治療領域全体にわたって一酸化窒素を生成する。このとき、本装置を用いた治療は、プラズマプルームを前記治療領域全体に繰り返し通過させる、すなわちスキャンして治療する従来の方法よりもはるかに高速に行うことができる。
【0078】
実施例6:緑膿菌の治療
【0079】
ある実施例では、多剤耐性病原体である緑膿菌が足に付着した患者を治療するために、電源がアレイと併用される。医師は、241Hzを10分間、1日2回、7日間のプラズマ治療を処方する。薬剤師は、医師から治療ごとの処方箋を受け取り、アダプターボード225をデスクトップコンピュータに接続し、認証コードと前記プラズマエミッターアレイを241Hzを10分間動作させる指示を前記ドングル220に直接プログラムする。前記患者は、前記薬剤師から前記プログラムされたドングルと嵌合したアレイまたはスマートアレイ203を入手し、携帯電話の充電器などの電源に接続する。前記患者は前記アレイを感染している足の上に置く。前記電源は、許可されたアレイに取り付けられたことを確認し、治療を開始する。前記患者はプログラムされたプロトコルに沿って10分間の治療時間のために前記アレイをそのままにしておく。10分経過したら、前記患者は前記アレイを足からはずす。前記患者は1日2回の治療を6日間続ける。前記ドングルとアレイ、またはスマートアレイ、は薬剤師に返却し、過去の治療の使用データをアップロードし、新しいプロトコルを再使用するために再プログラムすることができる。
【0080】
実施例7:カンジダ・アルビカンスの治療法
【0081】
別の実施例では、電源とアレイを組み合わせて、口や性器の典型的な真菌感染症であるカンジダ・アルビカンスにかかった患者を治療するために使用される。医師は、482Hzを10分間、1日2回、7日間照射するプラズマ治療を処方する。薬剤師は処方箋を受け取り、アダプターボード225をデスクトップコンピューターに接続し、前記ドングル220に認証コードを直接プログラムし、前記プラズマエミッターアレイを482Hzで10分間動作させる指示する。前記患者は前記薬剤師から前記プログラムされたドングル、ケーブル、および付属のプラズマアレイを入手し、ドライバに装着する。前記ドライバは携帯可能で、USBの壁掛け充電器を使って充電する。前記ドライバは認可されたアレイに装着されたことを確認し、治療を開始する。前記患者は前記10分間の治療時間中、前記アレイを装着したままにしておく。10分が経過したら、前記患者は前記アレイを口から離す。前記患者は、前記治療を1日1回、6日間繰り返す。前記ドングルとアレイ(またはスマートアレイ)は薬剤師に返却され、過去の治療の使用データをアップロードし、再使用するために新しいプロトコルを再プログラムすることができる。
【0082】
実施例8:白癬菌の治療
【0083】
別の実施例では、水虫、足の爪の真菌感染、靴ずれ、白癬の最も一般的な原因である白癬菌を持つ患者を治療するために、電源とアレイが併用されている。前記治療は、775Hzを10分間、1日3回、症状が治まるまで行う。前記患者は電源、ドングル、アレイを店頭で購入し、治療回数を限定してカスタマイズして使用する。例えば、足の爪のカビの場合、患者は775Hzのプラズマを10分間で最大20回照射できる装置を購入する。前記患者は症状が治まるまで、感染した足の爪にプラズマアレイを毎日10分ずつ当てる。
【0084】
実施例9:白癬菌の治療
【0085】
別の実施例では、人間の皮膚感染症やマウスの皮膚感染症の原因である白癬菌を治療するために、プラグ付きケーブルをアレイと併用する。ドングルは、インターネットにアクセスできるアダプターボードに接続されたデスクトップコンピューターを使用してプログラムされる。認証ユーザーは、治療データベースからプロトコルを前記ドングルにダウンロードし、775Hz、1回あたり最大10分間、1日3回、4週間など、所定の時間、周波数、期間でプラズマ治療を行うよう前記電源に設定する。前記ドングルとアレイ(またはスマートアレイ)は薬剤師に返却し、過去の治療の使用データをアップロードし、新しいプロトコルを再プログラムして再使用することができる。
【0086】
現時点では本発明の好ましい実施形態と考えられるものを図示し、説明してきたが、本発明の真の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正がなされ、その要素に等価物が置換されてもよいことは、当業者には理解されよう。本明細書に記載された本発明の実施形態は、網羅的であること、または開示された正確な形態に本発明を限定することを意図していない。むしろ、説明のために選択された実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするために選択されたものである。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るすべての実施形態を含むことが意図される。
【0087】
実施例10:非加熱プラズマ装置による表面微生物の死滅
【0088】
人が接触する表面は、多孔質、無孔質を問わず、感染性物質や毒物で頻繁に激しく汚染されている可能性がある。実際、表面で生存できる物質による伝染病は、汚染された表面との接触を介して人から人へ感染することが最も多い。医療現場においては、床、カウンター、器具の外面などの表面が汚染されていないことが特に重要であるが、その他の環境においても表面は容易に汚染される可能性がある。例えば、携帯電話の表面(例:上記の実施例1)、生物兵器にさらされた戦争中の兵士の汚染された衣服やその他の物品(例:上記の実施例2)などが挙げられる。このような表面は、プラズマ装置を用いて除染することができる。プラズマアレイに供給される電圧は、約1Hz~約10kHzの割合で変調(パルス化またはキーイングオン/オフ)させることができる。特定の変調周波数は、1若しくはそれ以上の選択された変調周波数で対象に印加されるエネルギーが、細菌、ウイルス(例えば、インフルエンザ、コロナウイルス)、真菌、カビ、寄生虫、および他の感染性または毒物の形態を含む特定の微生物を死滅する、不活性化する、深刻な損傷を与える、抑制する、破壊する、または滅菌することと相関がある治療効果を有している。例えば、1550Hzの変調は、インフルエンザやすべてのコロナウイルスを含む40種類以上の空気感染および表面感染するウイルスを不活性化することが示されている。前記制御装置は、これらの周波数で前記アレイへの電力を変調して、プラズマ、活性酸素種、活性窒素種、オゾン、過酸化水素、および/または可視および/またはUVAスペクトル(すなわち、波長315~420nm)の光を生成することができる。オゾンは不安定だが、非常に有益な分子であり、プラズマによって生成される。プラズマは、中性粒子と荷電粒子の混合物である。酸素を含む気体中にあるプラズマエミッタ107のアレイ100に電圧をかけると、前記プラズマエミッタは電子の移動を発生させ、オゾンを生成する。オゾンは、治療効果のために人体に適用されたり、体内の病原体や合成物質の残留物を酸化させるために水に適用されたり、人にオゾンの安定した体内適用を与えるように摂取させるためにオリーブオイルに適用することができる。さらに、オゾンは空気中の殺菌剤としても使用でき、細菌、感染性微生物を殺し、バクテリア、ウイルス、カビ、化学物質の放出など多くの生物学的問題を中和することができる。
【0089】
前記アレイは、操作中に前記汚染された表面に近接して保持され、前記汚染物質における生物学的効果を開始させる。大きな表面積を持つ非熱プラズマアレイによって生じる前記生物学的効果は、多孔性または非多孔性のあらゆる表面タイプ上の微生物を除去することができ、その例としては、床およびフローリング、カウンタートップ、洗面器、布地(例えば、毛布および寝具、縫合糸)、金属製の工具、家具、ドア、および構造支持体、透過性および非透過性の硬質または軟質のプラスチック、ならびに木材、革、髪の毛、生体皮膚および他の生体組織などの有機表面に限定されないが、これらに相当する。
【0090】
除染の別の実施例では、前記アレイへの電力は1550Hzで変調され、低温でプラズマ、オゾン、過酸化水素、UVAスペクトル(315~420nm)光を発生させることができる。特に、温度は、人工呼吸器、フェイスマスク(例えば、N95サージカルマスク)、フェイスシールド、およびゴーグルなどの顔にフィットする呼吸および/または眼球保護装置を構成する織綿、フィルターメディア、透明プラスチック、および他の材料を分解しないように十分に低い。前記保護装置は、前記保護装置を作前記動アレイに3分以上10分以下露出させることによって汚染除去することができる。一実施例では、上述したような手持ち可能なアレイを作動させ、10分間前記保護装置に近づける、または、前記アレイをテーブルまたは他の表面にセットし、前記保護装置を前記アレイ上に配置してもよい。別の実施例では、1若しくはそれ以上の電源にそれぞれ取り付けられた1若しくはそれ以上のアレイが、所望の容積の密閉可能な容器に取り付けられるか、さもなければ配置される。前記容器の大きさは、所望の数の保護装置を入れるように選択され、アレイの大きさと数は、協働して動作する場合に前記アレイによってプラズマの実質的に均一な分布が生成されるように選択される。前記所望の数の汚染された保護装置を容器に入れ、前記容器を任意に密閉し、前記アレイを1550Hzで最大10分間活性化して変調し、前記保護装置を除菌することができる。その後、前記保護装置は再利用でき、その処理による悪影響はない。
【0091】
実施例11:感染予防のための治療法
【0092】
実施例1に記載されたように、前記アレイへの電力を1550Hzで変調することにより、人にとって治療上有益なプラズマを生成し、また人に有害でないレベルのオゾンおよび他の成分を生成することができる。したがって、人間の皮膚上、あるいは人間の鼻、副鼻腔、または喉の中に存在する感染性物質を殺傷するかまたは不活性化するために、前記プラズマ装置を用いて治療プロトコルを適用することができる。新型コロナウイルスなどの感染症にかかった人の予防対策として、1550Hzで変調した前記アレイを副鼻腔、鼻、口、および/または喉の皮膚に接触させるか、ほぼ接触させた状態で保持する。毎日10~30分間程度印加し続けることで、被験者が感染する前に感染物質を中和することができる。例えば、鼻や副鼻腔に存在する新型コロナウイルスは、被験者の肺に移行する前に破壊される。
【0093】
実施例12:COVID-19の治療
【0094】
新型コロナウイルスの感染は、COVID-19という病気を引き起こし、その症状は重く、呼吸不全になり死に至ることもある。COVID-19患者を治療するための前記プラズマ装置の別の適用では、前記アレイを1550Hzで活性化して変調し、副鼻腔、喉、胸骨、および下部左右前および/または後部胸郭(すなわち、肺の上)の皮膚に接触またはほぼ接触するように保持される。少なくとも毎日、任意に1日に複数回、10~30分間の持続時間印加し続けることで、前記COVID-19の症状を緩和し、炎症サイクルを減少または短縮し、ウイルスの一部または全部を不活性化させることができる。
【0095】
実施例13:マラリアの治療
【0096】
寄生虫原虫の感染は、マラリアという病気を引き起こし、その症状は重く、寄生虫が肝臓で生存し繁殖するため複数回繰り返すことがある。COVID-19患者を治療するための前記プラズマ装置の別の適用では、前記アレイを1550Hzで活性化し変調し、下前腹部および/または後腹部の上(すなわち肝臓の上)の皮膚に接触またはほぼ接触した状態で保持する。少なくとも毎日、任意に1日複数回、10~30分間の持続時間印加し続けることで、マラリアの症状を緩和し、病原体の一部または全部を不活性化することができる。
【0097】
実施例14:疼痛管理
【0098】
別の実施例では、上記のようにアレイドライバ/制御装置および電源に電気的に接続されたプラズマエミッタのアレイを含むプラズマデバイスは、さらに、痛みに苦しむ人を治療するために局所的に適用されるカンナビノイドまたはカンナビノイド化合物と共に使用することができる。局所適用されたカンナビノイドは、組織に経皮的に通過し、内因性受容体に結合することによって痛みを治療する。カンナビノイドの他の痛み緩和様式が存在し、本例の治療において利用される。前記非熱プラズマ治療と前記局所カンナビノイド治療との間には、複数の相乗効果が存在する。1つの相乗効果は、前記プラズマが前記カンナビノイドの経皮通過の速度および効率を増加させることである。別の相乗効果は、前記カンナビノイドが前記プラズマの特徴的な治癒様式を増大させることである。
【0099】
例示的な治療プロトコルは、人が局所カンナビノイド媒体(例えば、軟膏、クリーム、オイル、ワックス、軟膏、鎮静薬、チンキ剤)を患部疼痛組織近くの皮膚に塗布することから始まる。前記媒体は、1若しくはそれ以上の活性カンナビノイド(例えば、9-テトラヒドロカンナビノール(デルタ-9THC)、9-THCプロピルアナログ(THC-V)、カンナビジオール(CBD)、カンナビジオールプロピルアナログ(CBD-V)、カンナビノール(CBN)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビクロメンプロピルアナログ(CBC-V)、カンナビジェロル(CBG)、テルペノイドおよびフラボノイド)などを含んでいる。前記活性カンナビノイドは、天然または合成であることができ、天然カンナビノイドは、カンナビス属の任意の植物、またはそれらを産生する他の天然に存在する植物もしくは遺伝子組換えの植物から得ることができる。いくつかの実施形態では、前記媒体は、前記供給源植物全体を前記媒体に還元することによって得られる、広域カンナビノイド、テルペンなどを含むことができる。人は、前記特定のビークルの標準的な使用法に従って、かつ人の耐性に従って、前記局所カンナビノイドの所望の用量を含む前記媒体の量を塗布する。例示的な用量は、前記活性カンナビノイドの典型的な経口用量(例えば、CBDの10~30mg)にほぼ等しい。
【0100】
前記局所カンナビノイド媒体の適用に続いて、前記プラズマデバイスからの非熱プラズマを処置された皮膚に適用する。前記アレイは、上記のような絶縁シースによって覆われ、そして患部皮膚上またはその真上に直接配置することができる。次いで、前記アレイにプラズマを生成させるために、前記電源が起動される。前記制御装置は、所望のプラズマ周波数および/または持続時間を選択するためのインターフェースを含むことができ、またはこれらのプロトコルは、前記制御装置に予めプログラムできる。プラズマを生成し、前記カンナビノイドを経皮的に前記疼痛受容体に駆動するのに適した時間印加する。例示的な治療は、2720Hzのプラズマ周波数で、20~40分間のプラズマを適用するが、約100Hz~約10000Hzの範囲の他のプラズマ周波数が有効であることが示されている。皮膚への刺激を避けるため、連続した治療には少なくとも1日の間隔をあけてもよい。急性または慢性の疼痛症状の管理には、必要に応じて治療を継続する。非熱プラズマと局所カンナビノイドによる痛みの治療の組み合わせは、どちらかの方法単独よりも相乗的な痛みの緩和療法を提供する。
【0101】
実施例15:不眠症の改善
【0102】
別の実施例では、上記のようにアレイドライバ/制御装置および電源に電気的に接続されたプラズマエミッタのアレイを含むプラズマデバイスは、人の不眠症を緩和または解消するために使用することができる。その治療は、人の就寝時またはそれに近い時刻に適用される。前記アレイは、上記のように絶縁シースによって覆われ、人の額の上または真上に直接置かれる。その後、前記アレイにプラズマを発生させるため、電源を起動する。前記制御装置は、所望のプラズマ周波数および/または持続時間を選択するためのインターフェースを含むことができ、またはこれらのプロトコルは、前記制御装置に予めプログラムされることができる。適切なプラズマ周波数は、880Hz、1550Hz、2720Hz、および2728Hz、ならびにそれらの高調波および副高調波であるが、約100Hz~約10000Hzの範囲の他のプラズマ周波数が有効であることが示されている。プラズマは、20~40分間発生させ、連続的に照射するか、患者の快適さを回復するのに十分な時間の休止をはさんで、より短い治療(例えば、10分刻み)に分けることができる。
【0103】
局所的に適用される経皮カンナビノイドまたはカンナビノイド化合物は、不眠症の治療の効果を改善するために使用することができる。特定の精神活性および非精神活性カンナビノイドの研究により、鎮静効果および痛み(上記参照)、炎症、および不安の軽減を含む、睡眠および眠気に対する前記カンナビノイドの好ましい効果が示されている。前記非加熱プラズマ治療と前記局所カンナビノイド治療の間には、複数の相乗効果が存在する。1つの相乗効果は、前記プラズマが前記カンナビノイドの経皮通過の速度と効率を向上させることである。別の相乗効果は、前記カンナビノイドが前記プラズマの特徴的な治癒様式を増大させることである。
【0104】
人は、上記の前記プラズマ処置を施す前に、局所カンナビノイド媒体(例えば、軟膏、クリーム、オイル、ワックス、鎮静薬、チンキ剤)を額の皮膚に塗布する。前記媒体は、1若しくはそれ以上の活性カンナビノイド(例えば、デルタ-9THC、THC-V、CBD、CBD-V、CBN、CBC、CBC-V、CBG、テルペノイドおよびフラボノイド)を含有する。前記活性カンナビノイドは、天然または合成であることができ、天然カンナビノイドは、カンナビス属の任意の植物、またはそれらを産生する他の天然に存在する植物もしくは遺伝子組換えの植物から得ることができる。いくつかの実施形態では、前記媒体は、前記供給源植物全体を前記媒体に還元することによって得られる、広域カンナビノイド、テルペンなどを含むことができる。人は、前記特定のビークルの標準的な使用法に従って、かつ人の耐性に従って、前記局所カンナビノイドの所望の用量を含む前記媒体の量を塗布する。例示的な用量は、前記活性カンナビノイドの典型的な経口用量(例えば、CBDの10~30mg)にほぼ等しい。
【国際調査報告】