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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-11
(54)【発明の名称】浄水器及びフィルタカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/50 20060101AFI20230704BHJP
   B01D 27/08 20060101ALI20230704BHJP
   C02F 1/44 20230101ALI20230704BHJP
   C02F 1/28 20230101ALI20230704BHJP
【FI】
B01D29/26 B
B01D27/08
C02F1/44 A
C02F1/28 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576199
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(85)【翻訳文提出日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 US2021032008
(87)【国際公開番号】W WO2021252121
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】63/038,314
(32)【優先日】2020-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ファンタッピエ,ジャンカルロ
(72)【発明者】
【氏名】ジャージー,スティーブン ティ
【テーマコード(参考)】
4D006
4D116
4D624
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006HA91
4D006KA02
4D006KB12
4D006KB14
4D006KD19
4D006PA01
4D006PB02
4D006PC51
4D116AA12
4D116BB01
4D116BC13
4D116BC27
4D116BC44
4D116BC47
4D116BC76
4D116DD05
4D116EE04
4D116FF03B
4D116FF09B
4D116FF15B
4D116FF18B
4D116GG01
4D116GG04
4D116GG08
4D116GG12
4D116HH14B
4D116KK04
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4D116QA41F
4D116UU16
4D116VV07
4D624AA01
4D624AB04
4D624AB11
4D624BA02
4D624BB05
4D624BC01
4D624CA04
4D624CA11
4D624CB23
4D624CB24
4D624CB25
4D624CB34
4D624DB03
4D624DB04
4D624DB05
(57)【要約】
浄水器カートリッジは、沈殿フィルタと、炭素フィルタと、水がコアを通って流れることを可能にする開口部を備えた管状本体を有するコアとを含む。コアは、開いた中央領域を画定し、コアは、沈殿フィルタ及び炭素フィルタを支持する。ナノ濾過ユニットは、コアの開いた中央領域内に配置される。ナノ濾過ユニットは、中央容積を画定する管状フィルタ要素と、中央容積内に配置された複数のフィラメントとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浄水器カートリッジであって、
沈殿フィルタと、
炭素フィルタと、
水がコアを通って流れることを可能にするように構成された複数の開口部を画定する管状本体を含む前記コアであって、前記コアが開いた中央領域を画定し、前記コアが前記沈殿フィルタ及び前記炭素フィルタを支持するコアと、
前記コアの前記開いた中央領域内に配置されたナノ濾過ユニットであって、
中央容積を画定する管状フィルタ要素と、
前記中央容積内に配置された複数のフィラメントと
を含むナノ濾過ユニットと
を備える、浄水器カートリッジ。
【請求項2】
前記複数のフィラメントがポリエーテルスルホンを備える、請求項1に記載の浄水器カートリッジ。
【請求項3】
前記沈殿フィルタが不織布沈殿フィルタを備える、請求項1に記載の浄水器カートリッジ。
【請求項4】
前記沈殿フィルタが活性アルミナ繊維を備える、請求項1に記載の浄水器カートリッジ。
【請求項5】
前記炭素フィルタが炭素ブロックを備える、請求項1に記載の浄水器カートリッジ。
【請求項6】
前記炭素ブロックが触媒炭素を備える、請求項5に記載の浄水器カートリッジ。
【請求項7】
前記炭素ブロックがキネティクデグラデーションフラクション媒体を備える、請求項6に記載の浄水器カートリッジ。
【請求項8】
ベーマイトフィブリルを含むフィルタ要素を更に備える、請求項1に記載の浄水器カートリッジ。
【請求項9】
前記炭素フィルタの少なくとも一部の周りに配置されたラッピングを更に備える、請求項1に記載の浄水器カートリッジ。
【請求項10】
前記コアが間隙によって前記ナノ濾過ユニットから分離されている、請求項1に記載の浄水器カートリッジ。
【請求項11】
前記沈殿フィルタ及び前記炭素フィルタが入れ子構成で配置される、請求項1に記載の浄水器カートリッジ。
【請求項12】
浄水器カートリッジであって、
活性アルミナ繊維フィルタと、
不織布沈殿フィルタと、
活性炭を含む炭素ブロックと、
前記炭素ブロック、前記不織布沈殿フィルタ、及び前記活性アルミナ繊維フィルタを支持するコアと、
前記コア内に配置されたナノ濾過媒体を含む管状フィルタ要素と、
前記管状フィルタ要素内に配置された複数のフィラメントと
を備える、浄水器カートリッジ。
【請求項13】
前記活性アルミナ繊維フィルタが前記不織布沈殿フィルタを取り囲み、前記不織布沈殿フィルタが、水が前記活性アルミナ繊維フィルタを通って前記不織布沈殿フィルタに流れ、前記水が前記不織布沈殿フィルタを通って前記炭素ブロックに流れるように前記炭素ブロックを取り囲む、請求項12に記載の浄水器カートリッジ。
【請求項14】
前記活性アルミナ繊維フィルタ、前記不織布沈殿フィルタ、及び前記炭素ブロックの各々が管状構造を有する、請求項12に記載の浄水器カートリッジ。
【請求項15】
前記複数のフィラメントの各々がポリエーテルスルホンを備える、請求項12に記載の浄水器カートリッジ。
【請求項16】
前記炭素ブロックが、前記炭素ブロックの少なくとも一部の周りのラッピングを備える、請求項12に記載の浄水器カートリッジ。
【請求項17】
前記炭素ブロックが、活性炭、触媒炭素、及びキネティクデグラデーションフラクション媒体を備える、請求項12に記載の浄水器カートリッジ。
【請求項18】
浄水器であって、
開いた第2の端部の反対側に閉じた第1の端部を有する管状ハウジングと、
前記第2の端部を取り囲むように前記管状ハウジングの前記第2の端部に取り外し可能に固定されたヘッドであって、原水入口及び浄水出口を備えるヘッドと、
前記管状ハウジング内に配置されたフィルタカートリッジであって、水が、前記原水入口を通って前記管状ハウジングの内壁に沿って前記管状ハウジングの長手方向に前記管状ハウジング内に流入し、前記フィルタカートリッジの中心に向かって半径方向に前記浄水器カートリッジを通って流れるように構成され、前記水が、前記浄水出口を通って前記管状ハウジングから長手方向に流出する、フィルタカートリッジとを備え、
前記フィルタカートリッジが、
沈殿フィルタと、
炭素フィルタと、
中央容積を画定する管状フィルタ要素及び前記中央容積内に配置された複数のフィラメントを備えるナノ濾過ユニットと
を備える、浄水器。
【請求項19】
前記ヘッドが水の逆流を防止するように構成された逆止弁を備える、請求項18に記載の浄水器。
【請求項20】
前記フィルタカートリッジが前記管状ハウジング内に取り外し可能に配置される、請求項18に記載の浄水器。
【請求項21】
スケーリング可能な浄水器カートリッジであって、
入れ子構成で配置された複数のフィルタ要素であって、前記浄水器カートリッジに供給される原水から汚染物質を化学的に分離するように構成されたナノ濾過ユニットを含む複数のフィルタ要素を備え、
前記浄水器カートリッジが、前記浄水器カートリッジに供給される前記原水を、30psi~40psiの水で、かつ0.1ガロン/分~5ガロン/分の水流量で濾過するように構成されている、スケーリング可能な浄水器カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明する実施形態は、概して、浄水器カートリッジに関する。具体的には、本明細書に説明する実施形態は、廃水を生成することなく水から汚染物質を除去するための複数のフィルタ要素を含む浄水器カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
水は、水の味や純度に悪影響を及ぼし得る多数の汚染物質を含有する可能性がある。浄水器は、汚染物質を低減して、きれいでおいしい飲料水を提供するために使用される場合がある。様々なタイプの浄水器が存在し、各タイプのフィルタは、水から特定のタイプの汚染物質を除去するのに適している可能性がある。更に、フィルタは特定の流量及び寿命を提供することができる。フィルタのタイプを選択することに加えて、各フィルタの性能を最大化するために、フィルタの配置も考慮され得る。適切に配置されていない場合、フィルタは、閉塞又は目詰まりする可能性があり、あるいは汚損又は汚染される可能性がある。これにより、流量が減少する可能性があり、フィルタカートリッジの交換頻繁が高くなる可能性がある。したがって、浄水器の設計には、数ある考慮事項の中でもとりわけ、濾過する原水の品質、低減する汚染物質のタイプ、所望の水の純度、浄水器の寿命、浄水器を通る水の所望の流量、及び浄水器のサイズなど、多くの考慮事項を含み得る。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に説明するいくつかの実施形態は、沈殿フィルタと、炭素フィルタと、コアを通って水が流れることを可能にするように構成された複数の開口部を画定する管状本体を備えるコアとを含む浄水器カートリッジであって、コアが開口した中央領域を画定し、コアが沈殿フィルタ及び炭素フィルタを支持する、浄水器カートリッジに関する。浄水器カートリッジは、コアの開口した中央領域内に配置されたナノ濾過ユニットを更に含み、ナノ濾過ユニットは、中央容積を画定する管状フィルタ要素と、中央容積内に配置された複数のフィラメントとを含む。
【0004】
本明細書に説明するいくつかの実施形態は、活性アルミナ繊維フィルタと、不織布沈殿フィルタと、活性炭を含む炭素ブロックとを含む浄水器カートリッジに関する。浄水器カートリッジは、炭素ブロックを支持するコアと、活性アルミナ繊維フィルタと、不織布沈殿フィルタと、管状コア内に配置されたナノ濾過媒体を含む管状フィルタ要素と、管状フィルタ要素内に配置された複数のフィラメントとを更に含んでもよい。
【0005】
本明細書に説明するいくつかの実施形態は、開いた第2の端部の反対側に閉じた第1の端部を有する管状ハウジングと、第2の端部を包囲するように管状ハウジングの第2の端部に取り外し可能に固定されるヘッドとを含み、ヘッドが原水入口と浄水出口とを備える、浄水器に関する。浄水器は、管状ハウジング内に配置されたフィルタカートリッジを更に含み、水は、管状ハウジングの長手方向に管状ハウジングの内壁に沿って原水入口を通って管状ハウジング内に流入し、フィルタカートリッジの中心に向かって半径方向に浄水器カートリッジを通って流れ、管状ハウジングから長手方向に浄水出口を通って流出するように構成される。浄水器のフィルタカートリッジは、沈殿フィルタと、炭素フィルタと、ナノ濾過ユニットとを含み、ナノ濾過ユニットは、中央容積を画定する管状フィルタ要素と、中央容積内に配置された複数のフィラメントとを含む。
【0006】
本明細書に説明する種々の実施形態のいずれかにおいて、複数のフィラメントはポリエーテルスルホンを含んでもよい。
【0007】
本明細書に説明する様々な実施形態のいずれかにおいて、沈殿フィルタは不織布沈殿フィルタを含んでもよい。
【0008】
本明細書に説明する様々な実施形態のいずれかにおいて、沈殿フィルタは活性アルミナ繊維フィルタを含んでもよい。
【0009】
本明細書に説明する様々な実施形態のいずれかにおいて、炭素フィルタは炭素ブロックを含んでもよい。いくつかの実施形態では、炭素ブロックは触媒炭素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、炭素ブロックはキネティクデグラデーションフラクション(kinetic degradation fluxion)媒体を含んでもよい。
【0010】
本明細書に説明する様々な実施形態のいずれかにおいて、浄水器カートリッジはベーマイトフィブリルを有するフィルタ要素を含んでもよい。
【0011】
本明細書に説明する様々な実施形態のいずれかにおいて、浄水器カートリッジは炭素フィルタの少なくとも一部の周りに配置されたラッピングを更に含んでもよい。
【0012】
本明細書に説明する様々な実施形態のいずれかにおいて、コアは間隙によってナノ濾過ユニットから分離されてもよい。
【0013】
本明細書に説明する様々な実施形態のいずれかにおいて、沈殿フィルタ及び炭素フィルタは入れ子構成で配置されてもよい。
【0014】
本明細書に説明する様々な実施形態のいずれかにおいて、活性アルミナ繊維フィルタは不織布沈殿フィルタを取り囲み、不織布沈殿フィルタは、水が活性アルミナ繊維フィルタを通って流れて不織布沈殿フィルタに到達し、水が不織布沈殿フィルタを通って流れて炭素ブロックに到達するように、炭素ブロックを取り囲んでもよい。
【0015】
本明細書に説明する様々な実施形態のいずれかにおいて、活性アルミナ繊維フィルタ、不織布沈殿フィルタ、及び炭素ブロックのそれぞれは、管状構造を有する。
【0016】
本明細書に説明する様々な実施形態のいずれかにおいて、複数のフィラメントのそれぞれはポリエーテルスルホンを含んでもよい。
【0017】
本明細書に説明する様々な実施形態のいずれかにおいて、炭素ブロックは炭素ブロックの少なくとも一部の周りのラッピングを含んでもよい。
【0018】
本明細書に説明する様々な実施形態のいずれかにおいて、炭素ブロックは、活性炭、触媒炭素、及びキネティクデグラデーションフラクション媒体を含んでもよい。
【0019】
本明細書に説明する種々の実施形態のいずれかにおいて、ヘッドは水の逆流を防止するように構成される逆止弁を含んでもよい。
【0020】
本明細書に説明する様々な実施形態のいずれかにおいて、フィルタカートリッジは管状ハウジング内に取り外し可能に配置されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示を例解するものであり、説明と合わせて、本開示の原理を更に説明し、当業者が本開示を作製及び使用することを可能にする役割を果たす。
図1】一実施形態による浄水器カートリッジの斜視図を示す。
図2図1の浄水器カートリッジの横断面図を示す。
図3図1の線3-3に沿った図1のフィルタカートリッジの縦断面図を示す。
図4】一実施形態による浄水器カートリッジの斜視図を示す。
図5】一実施形態による浄水器カートリッジのナノ濾過ユニットの斜視図を示す。
図6】一実施形態による浄水器の斜視図を示す。
図7図6の線7-7に沿った図6の浄水器の断面図を示す。
図8】一実施形態による浄水器の斜視図を示す。
図9図8の線9-9に沿った図8の浄水器の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで、添付の図面に例解される代表的な実施形態を詳細に参照する。以下の説明は、複数の実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。それに対して、本発明は、特許請求の範囲によって定義される実施形態の趣旨及び範囲の範囲内に含まれ得る代替物、変形物、及び均等物を包含することを意図している。
【0023】
逆浸透(RO)は、汚染物質を低減することによって水を浄化するために使用され得る。ROは、圧力を利用して水を半透膜に通すことで、水からの汚染物質を低減するが、水分子は膜を通過できても汚染物質は通過できない。一方、ROは、ナノメートルサイズの汚染物質を含めて様々な汚染物質を水から除去することができる。したがって、ROは高純度の水を生成することができる。
【0024】
しかしながら、ROは廃水を生成するという欠点を有する。一定量の浄水を得るためには、より多くの原水をRO浄化器に供給する必要がある。更に、発生する廃水は環境に優しくなく、廃水を低減させるか処理しなければならない。したがって、本技術分野において、RO法と同様に水を浄化し、汚染物質を低減するが、廃水を発生させない浄水器が必要とされている。
【0025】
更に、大型の商業規模飲料ファウンテン用の浄水器は、より小型の装置での使用には適していない可能性がある。ナノメートルサイズの汚染物質を機械的に分離するためのナノ膜を有する浄水器は、ナノ膜の小さな孔を通して水を押し出すために、例えば、100psi以上の高圧を必要とする。フィルタを作動させるのに必要な高圧を得るためにブースタポンプが必要になる場合があり、これは面倒で高価なものになる可能性がある。更に、ナノ膜の小さな孔は目詰まりしやすい可能性があり、その結果、原フィルタがナノ膜を通って流れる前に原水を事前濾過して大きな粒子を除去する必要がある。その結果、ファウンテン用飲料ディスペンサなどの商業用途に好適であり得るこのような浄水器は、水筒や水差しを充填するために使用され得る家庭用飲料ディスペンサ内の水を濾過する際に使用するためなど、小さいサイズに容易に縮小することができない可能性がある。ナノ濾過による純度を有しつつナノメートルサイズの粒子を機械的に除去するナノ膜を使用しない水を製造することができれば、異なる用途で使用する浄水器のスケーリングを可能にすることができ、フィルタ設計の利便性及び有用性を増すことができるであろう。したがって、本技術分野では、異なる用途で使用するためにスケーリングすることができるフィルタカートリッジが必要とされている。
【0026】
本明細書に説明するいくつかの実施形態は、水から汚染物質を除去するための複数のフィルタ要素を含むフィルタカートリッジに関する。複数のフィルタ要素を使用することで、汚染物質を低減し、廃水を発生させずに、逆浸透によって達成される水浄化と同様の水浄化を提供することができる。本明細書に説明するいくつかの実施形態は、小型の個人サイズの飲料容器又は大型の商業規模飲料ファウンテンで使用するためにスケーリング可能なフィルタカートリッジに関する。
【0027】
本明細書で使用される場合、「原水」とは、浄水器によって濾過又は浄化される汚染物質を含有する水を指す場合がある。
【0028】
本明細書で使用される場合、「浄水」とは、浄水器によって濾過又は浄化され、少なくともいくつかの汚染物質が低減された水を指す場合がある。
【0029】
本明細書で使用される場合、「汚染物質」とは、特に、鉛及び水銀などの重金属、揮発性有機化合物、塩素、クロラミン、殺虫剤、除草剤、医薬品、微粒子、コロイド、多糖類(TEP)、シスト、細菌、レジオネラ、大腸菌、ウイルス、エンドトキシン、及び溶解塩を含むがこれらに限定されない、水中の様々な物質のいずれかを指す場合がある。
【0030】
本明細書に説明するフィルタカートリッジは、約0.1~約5ガロン/分の流量で水を濾過するのに使用できるようにスケーリングされてもよい。その結果、本フィルタカートリッジは、水筒、水差し、冷蔵庫、及び市販飲料ファウンテン内の水を濾過する際に使用するためなど、様々な用途のいずれにも使用することができる。水筒を充填する場合、流量は約0.1~約1ガロン/分であってもよい。市販飲料ファウンテンの場合、流量は約3~約5ガロン/分であってもよい。機械的ナノ濾過膜を使用する場合のように、原水をフィルタカートリッジに流す前に事前濾過する必要はない。更に、原水を、高圧、例えば、100psi以上の圧力で供給する必要はない。その結果、大量の原水、例えば、最大約5ガロン/分の原水を処理することができ、原水を比較的低圧、例えば、30psi~40psiで供給してもよい。流量を増やすために浄水器カートリッジをより大きいサイズにスケーリングする場合、浄水器カートリッジ内のフィルタ媒体の量、したがって浄水器カートリッジの寸法が大きくなる可能性があるが、本明細書に説明するフィルタ要素のタイプ及び配列は、同じままであってもよいことに留意されたい。
【0031】
いくつかの実施形態では、フィルタカートリッジ100は、図1に示すように、複数のフィルタ要素110を含んでもよい。フィルタカートリッジ100は、中央部分108を有する管状構造を含んでもよい。いくつかの実施形態では、フィルタカートリッジ100は、円錐形状を有してもよい。フィルタカートリッジ100は、下端部102と反対側の上端部104を含んでもよい。フィルタカートリッジ100は、フィルタカートリッジ100又はそのフィルタ要素110を定期的に交換できるように、浄水器ハウジング内に取り外し可能に配置されてもよい。
【0032】
フィルタカートリッジ100は、図2に示すように、複数のフィルタ要素110を含んでもよい。各フィルタ要素110は、フィルタカートリッジ100に供給される原水から1つ以上の汚染物質を低減するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、複数のフィルタ要素110は、同じタイプの汚染物質を低減するように構成されてもよい。しかしながら、各フィルタ要素110は、原水から異なる1つ又は複数の汚染物質を低減するように構成されてもよい。
【0033】
各フィルタ要素110は、フィルタカートリッジ100の中心に配置されたフィルタ要素180を除いて、略管状の形状を有してもよい。各フィルタ要素110は、環状の断面積(A)を有してもよい(例えば、図2参照)。フィルタ要素110は、第1の管状フィルタ要素を第2の管状フィルタ要素で取り囲み、第2の管状フィルタ要素を第3の管状フィルタ要素で取り囲むなど、入れ子構成で配置されてもよい。このようにして、原水は、フィルタ要素110が配置された順序で各フィルタ要素110を通って流れ得る。例えば、図2において、水は、フィルタ要素110を通って、フィルタカートリッジ100の外部からフィルタカートリッジ100の中心に向かう方向、フィルタ要素122からフィルタ要素124への方向、及びフィルタ要素124からフィルタ要素130への方向などに流れ得る。いくつかの実施形態では、フィルタ要素110は、同心円状に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、フィルタ要素110は、徐々に小さい汚染物質を低減するように配置されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、フィルタカートリッジ100は、沈殿フィルタ120、炭素フィルタ130、及びナノ濾過ユニット170を含んでもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、フィルタカートリッジ100はより少ない又は追加のフィルタ要素110を含んでもよい。
【0035】
フィルタカートリッジ100は沈殿フィルタ120を含んでもよい。沈殿フィルタ120は、1つ以上のフィルタ要素110を含んでもよい。いくつかの実施形態では、沈殿フィルタ120は、フィルタカートリッジ100に供給される原水から所定のサイズよりも大きい汚染物質を機械的に濾過し得る。いくつかの実施形態では、沈殿フィルタ120は、静電吸着などを介して汚染物質を化学的に低減させ得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、沈殿フィルタ120は、活性アルミナ繊維フィルタ122を含んでもよい。活性アルミナ繊維フィルタ122を使用して、シスト、細菌、微量のヒ素、及びフッ化物などの原水中の汚染物質を原水から静電的及び化学的に除去し得る。活性アルミナ繊維フィルタ122はまた、サイズに基づいて汚染物質を機械的に除去し得る。いくつかの実施形態では、活性アルミナ繊維フィルタ122はプリーツ加工されてもよい。活性アルミナ繊維フィルタ122は、フィルタカートリッジ100の最も外側のフィルタ要素であってもよく、それにより、フィルタカートリッジ100に供給される原水は、活性アルミナ繊維フィルタ122を最初に通過する。いくつかの実施形態では、沈殿フィルタ120は、代替的又は追加的に、不織布沈殿フィルタ124を含んでもよい。不織布沈殿フィルタ124は、水から粒子状物質を機械的に低減するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、不織布沈殿フィルタ124は、原水から約10μmより大きいサイズを有する汚染物質を低減するように構成されてもよい。したがって、10μmより大きい汚染物質は、不織布沈殿フィルタ124を通過し得ない。
【0037】
いくつかの実施形態において、フィルタカートリッジ100の沈殿フィルタ120は、図2に示すように、活性アルミナ繊維フィルタ122と不織布沈殿フィルタ124の両方を含んでもよい。このような実施形態では、不織布沈殿フィルタ124は、水が不織布沈殿フィルタ124に到達するために活性アルミナ繊維フィルタ122を通って流れるように、活性アルミナ繊維フィルタ122によって取り囲まれてもよい。活性アルミナ繊維フィルタ122と不織布沈殿フィルタ124は、同心円状に配置されてもよく、互いに接触してもよい。活性アルミナ繊維フィルタ122は、汚染物質を化学的に低減させ得、沈殿フィルタ124は、約10μm以上のサイズを有する粒子状物質を機械的に低減させ得る。
【0038】
フィルタカートリッジ100は、炭素フィルタ130を更に含んでもよい。炭素フィルタ130は、他の汚染物質の中でも、特に、揮発性有機化合物、塩素、及びクロラミンを低減するように構成されてもよい。炭素フィルタ130は、原水中の汚染物質を化学的に低減させ得る。いくつかの実施形態では、炭素フィルタ130は、約0.5μm以上のサイズを有する汚染物質を低減するように構成されてもよい。
【0039】
炭素フィルタ130は、沈殿フィルタ120によって取り囲まれてもよい。炭素フィルタ130は、沈殿フィルタ120と同心円状に配置されてもよく、炭素フィルタ130と沈殿フィルタ120とは互いに接触してもよい。沈殿フィルタ120は、比較的大きな汚染物質が炭素フィルタ130に到達するのを防止して、炭素フィルタ130が目詰まり又は汚染されたりして炭素フィルタ130の寿命や効率の低下を防止するのに役立ち得る。
【0040】
炭素フィルタ130は、炭素ブロック132を含んでもよい。炭素ブロック132は、管状形状を有し、開いた中央容積136を画定してもよい。炭素ブロック132は、活性炭、触媒炭素、キネティクデグラデーションフラクション(KDF)媒体、又はこれらの組合せを含んでもよい。触媒炭素は、水からクロラミン及び硫化水素を減少させるのに役立つ場合がある。KDF媒体は、KDF-55などの亜鉛-銅混合物であってもよい。KDF媒体は、炭素フィルタ130が塩素、並びに鉛及び水銀などの重金属を低減することを可能にし、抗菌効果を有し得る。結果として、KDF媒体は、炭素フィルタ130の寿命や機能を改善するのに役立つ可能性がある。いくつかの実施形態では、炭素フィルタ130は、60%の活性炭、30%の触媒炭素、及び10%のKDF-55を含んでもよい。しかしながら、原水中のクロラミンのレベルに応じて成分比率を調整してもよい。強い正電荷は、触媒炭素及びKDF-55の添加によって生成され得て、これは、負に帯電した汚染物質の吸着を促進するのに役立ち得る。
【0041】
炭素フィルタ130は、その少なくとも一部の周りにラッピング138を含んでもよい。ラッピング138は、炭素フィルタ130の開いた中央容積136を画定する炭素フィルタ130の内面135上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ラッピング138は、ポリプロピレンを含んでもよい。ラッピング138は、炭素フィルタ130からの炭素粒子が、以下で更に詳細に説明するが、フィルタカートリッジ100のナノ濾過ユニット170へ移動して、ナノ濾過ユニット170の閉塞を引き起こす可能性を防止するのに役立つ場合がある。ラッピング138は、炭素フィルタ130からの微粒子がナノ濾過ユニット170に移動するのを機械的に阻止し得る。
【0042】
フィルタカートリッジ100は、図4に示すように、フィルタカートリッジ100のフィルタ要素110に構造的支持及び安定性を提供するように構成されたコア140を含んでもよい。コア140は、炭素フィルタ130を支持するために炭素フィルタ130と接触してもよい。いくつかの実施形態では、コア140は、管状構造を有してもよく、円筒形であってもよい。コア140は、第2の端部143の反対側に第1の端部141を有する本体142を含んでもよい。各第1の端部141及び各第2の端部143は、開いていてもよい。コア140の本体142は、複数の開口部144を画定し得る。開口部144は、それを通る水の自由な流れを可能にし、かつ圧力降下が最小となるように、大きくてもよい。いくつかの実施形態では、開口部144は、略長方形の形状であってもよい。コア140の本体142は、少なくとも約80%開いていてもよく、少なくとも約85%開いていてもよく、又は少なくとも約90%開いていてもよい。コア140の本体142が開いていない場合、本体142はフィルタ媒体を塞ぎ、結果として、フィルタ媒体の一部が効率的に使用されず、フィルタカートリッジ100を通る優先的な流路が形成される可能性がある。開口部144の数やサイズが増すと、水はより自由に流れる可能性がある。しかしながら、開口部144の数やサイズが増すと、コア140の剛性、及びフィルタ要素110に構造的支持を提供するコア140の能力に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0043】
フィルタカートリッジ100は、ナノ濾過ユニット170を更に含んでもよい。ナノ濾過ユニット170は、コア140内に配置されてもよい(例えば、図2~3参照)。ナノ濾過ユニット170は、サブミクロン粒子、有機酸、ウイルス、細菌、シスト、細胞片、及び微量の医薬品、除草剤、殺虫剤を水から低減するように構成されてもよい。ナノ濾過ユニット170は、このような汚染物質を化学的に低減させ得る。沈殿フィルタ120及び炭素フィルタ130により、水がナノ濾過ユニット170に到達したとき、水には既に様々な大きな汚染物質が含まれていない可能性がある。ナノ濾過ユニット170に到達する前に大きな汚染物質を除去することは、このような大きな汚染物質によるナノ濾過ユニット170の閉塞又は汚損を防止するために重要であり、これらは、流量を減少させ、フィルタカートリッジ100の寿命に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0044】
ナノ濾過ユニット170は、炭素フィルタ130及びコア140から間隙160だけ間隔を空けてもよい。間隙160は、ナノ濾過ユニット170がコア140の本体142、又は他のフィルタ要素110によって閉塞されないように、ナノ濾過ユニット170の周囲の水の流れを促進し、これにより、水がナノ濾過ユニット170の任意の部分を通過することが可能になる。これは、フィルタ媒体の効率的な使用を促進するのに役立ち得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、ナノ濾過ユニット170は、図5に示すように、管状フィルタ要素172及び/又は複数のフィラメント182を含んでもよい。管状フィルタ要素172は、下端部171の反対側の上端部173を有してもよい。各端部171、173は開いていてもよい。水は、管状フィルタ要素172の外面176を通って管状フィルタ要素172の中央容積174に流入し得る。管状フィルタ要素172は、ナノ濾過フィルタ媒体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、管状フィルタ要素172は不織布の材料である。いくつかの実施形態では、管状フィルタ要素172は、Ahlstromから市販されているようなDisruptor(登録商標)フィルタ媒体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、管状フィルタ要素172は、銀を含むDisruptor(登録商標)材料を含んでもよい。管状フィルタ要素172は、ガラスマイクロファイバに付着したカチオン性ベーマイト(AlO(OH))フィブリルを含んでもよい。この材料の組合せにより、管状フィルタ要素172は、その微細繊維構造を用いて粒子を機械的に分離することができ、また、動電学的引力によって汚染物質を分離することができる。銀及び活性炭の添加により、細菌の増殖を抑制する抗菌特性を管状フィルタ要素172に付与することができる。したがって、管状フィルタ要素172は、サイズによる機械的分離、抗菌作用、吸着、及び動電学的引力によって、汚染物質を低減させ得る。管状フィルタ要素172は、負に帯電したサブミクロン汚染物質を引き付ける正電荷を有する場合があるので、化学的な力及び静電気的な力によって汚染物質を低減するように、管状フィルタ要素172を構成してもよい。特に、管状フィルタ要素172は、水からサブミクロン微粒子、有機酸、ウイルス、細菌、シスト、細胞片、及び医薬品を低減するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、管状フィルタ要素172は、比較的薄くてもよく、約1mmの最大厚さを有してもよい。
【0046】
管状フィルタ要素172は、フィルタ要素180が配置された中央容積174を画定してもよい。フィルタ要素180は、複数のフィラメント182を含んでもよい。フィラメント182は、図3に示すように、フィルタカートリッジ100の長手方向軸Zに沿って整列されてもよい。いくつかの実施例では、フィラメント182は、ポリエーテルスルホン(PES)で形成されてもよい。複数のフィラメント182は、濾過能力を高めるために大きな表面積を有してもよい。いくつかの実施形態では、表面積は約350~500m/gであってもよい。フィラメント182は、負に帯電した汚染物質がフィラメント182の表面に吸着するように、正電荷を有し得る。いくつかの実施形態では、繊維は、0.1ミクロン~0.01ミクロンの平均直径を有してもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、フィルタカートリッジ100は、図3に最もよく示されるように、管状フィルタ要素172の第1の端部171に出口フィルタ190を更に含んでもよい。出口フィルタ190は、約5ミクロン以上など所定のサイズを有する沈殿物を機械的に濾過するように構成されてもよい。したがって、水が長手方向軸Zに沿って、かつフィラメント182に沿ってフィルタカートリッジ100の中央領域を流れるとき、水は出口フィルタ190を通ってフィルタカートリッジ100から流出しなければならない。いくつかの実施形態では、出口フィルタ190は、ポリプロピレンを含んでもよい。
【0048】
本明細書に説明する一部の実施形態は、例えば、図6及び図7に示すような、浄水器200に関する。浄水器200は、本明細書で説明するように、フィルタカートリッジ100などのフィルタカートリッジを収容するように構成されたフィルタハウジング210を含む。フィルタハウジング210は、管状形状を有してもよく、円筒形であってもよい。フィルタハウジング210は、開いた第2の端部214の反対側に、閉じた第1の端部212を含んでもよい。ヘッド220は、フィルタハウジング210の第2の端部214に配置されてもよく、フィルタハウジング210の開いた第2の端部214を包囲している。ヘッド220は、水が入口222と出口224を介してのみ浄水器200に出入りすることができるように、原水入口222と浄水出口224を含む。
【0049】
フィルタハウジング210は、上述したように、フィルタカートリッジ100を包囲し得る。図7に示すように、フィルタカートリッジ100はフィルタハウジング210内に配置されてもよい。カートリッジ100は、カートリッジ100を交換することができるように、フィルタハウジング210内に取り外し可能に固定されてもよい。カートリッジ100は、カートリッジ100とフィルタハウジング210の内壁217との間に流路218を画定するように、フィルタハウジング210の内壁217から間隔を空けて配置されてもよい。したがって、濾過される原水は、原水入口222を介してフィルタ200に入り、ヘッド220を通ってフィルタハウジング210の第1の端部212から第2の端部214に向かって流路218に流入し得る。次いで、水は、フィルタカートリッジ100及び浄水器200の長手方向軸Zに垂直な方向に、フィルタカートリッジ100を通って半径方向内向きに流れ得る。フィルタカートリッジ100の中央部分108において、水は、第2の端部214から第1の端部212に向かって長手方向に流れることができる。水は、フィルタカートリッジ100の中央部分108からヘッド220を通って流れ、浄水出口224を介して浄水器200から流出する。したがって、廃水は発生せず、原水入口222を通って流れる全ての水は、浄水出口224を介して流出する。
【0050】
いくつかの実施形態では、図7に示すように、浄水器200は、1つ以上の逆止弁232、234を含んでもよい。第1の逆止弁232は、原水入口222と連通して配置されてもよく、第2の逆止弁234は、浄水出口224と連通して配置されてもよい。逆止弁232、234は、浄水器200を通る水の逆流を防止するように構成されてもよい。逆止弁232、234は、フィルタハウジング210が取り外されたときに自動的に閉じるように構成されてもよい。このようにして、逆止弁232、234は、フィルタハウジング210が交換されるときに水漏れを防止するのを助けることができる。
【0051】
本明細書に説明するいくつかの実施形態は、図8図9に示すような浄水器300に関する。浄水器300は、浄水器200と同様であり、フィルタハウジング310及びヘッド320を含む。フィルタハウジング310は、フィルタカートリッジ100がフィルタハウジング210内に封止されることを除いて、フィルタハウジング210に関して上述したものと同様の構造及び特徴を有し得る。ヘッド320は、原水入口322と浄水出口324を含み得る。原水入口322と浄水出口324はそれぞれ、ヘッド320の側方に配置されてもよく、ヘッド320の対向する側方に配置されてもよい。したがって、水は、浄水器300の長手方向軸に垂直な方向にヘッド320に流入することができ、同様に、水は、浄水器300の長手方向軸に垂直な方向にヘッド320から流出することができる。
【0052】
浄水器300は、浄水器200と同様に作動し得る。濾過される原水は、入口322を通ってヘッド320に流入し、ハウジング310の内壁317に沿った流路318に沿ってヘッド320を通ってハウジング310に流入する。水は、フィルタカートリッジ100を通ってフィルタカートリッジ100の中央部分108まで半径方向に流れる。水は、ハウジング310の第1の端部312から第2の端部314に向かって長手方向に流れる。水は、フィルタカートリッジ100からヘッド320に流入し、浄水出口324を介して浄水器300から流出する。
【0053】
浄水器300は、同様に、1つ以上の逆止弁332を含んでもよい。図9に示すように、浄水器300は、単一の逆止弁332を含む。逆止弁332は、浄水器300を通る水の逆流を防止し得る。逆止弁332は、フィルタハウジング310が挿入されると自動的に開くことができ、フィルタハウジング310が取り外されると自動的に閉じることができる。単一の逆止弁を使用すると、浄水器300のコストを低減することができ、ツイストロック機構を使用してフィルタカートリッジの交換を可能にすることができ、その結果、特別な工具の使用が必要とされない。
【0054】
「発明の概要」及び「要約書」の項ではなく、「発明を実施するための形態」の項は、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。発明の概要及び要約の項は、本発明者らによって想到されるような、本発明の1つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を示し得、ひいては、本発明及び添付の特許請求の範囲をいかようにも限定することを意図するものではない。
【0055】
特定の機能の実装形態及びそれらの関係を例解する機能的ビルディングブロックの助けにより、本発明を上で説明してきた。これらの機能的ビルディングブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。特定の機能及びこれらの関係が適切に行われる限り、代替の境界を定義することができる。
【0056】
特定実施形態の前述の説明により、本発明の全般的な性質が完全に明らかになり、他者が、当業者の知識を適用することによって、過度の試行錯誤をすることなく、本発明の全般的な概念を逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示した教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、それ故、本明細書の用語法又は表現法は、本明細書の教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
図1
図2
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【国際調査報告】