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特表2023-529784血管の血管内治療のためのシステム、方法、およびカテーテル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-12
(54)【発明の名称】血管の血管内治療のためのシステム、方法、およびカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/11 20060101AFI20230705BHJP
   A61B 18/08 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
A61B17/11
A61B18/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564558
(86)(22)【出願日】2020-04-28
(85)【翻訳文提出日】2022-10-24
(86)【国際出願番号】 US2020030178
(87)【国際公開番号】W WO2021221607
(87)【国際公開日】2021-11-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513114032
【氏名又は名称】ティーブイエー メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アケレレ-アレ, オラディポ ピーター
(72)【発明者】
【氏名】シン, アシーム
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC32
4C160KK03
4C160KK13
4C160KK47
4C160MM33
(57)【要約】
2つの血管間に瘻を形成するためのシステムが提供される。実施形態では、本システムは、筐体と、筐体に結合される治療部とを含む、カテーテルを含んでもよい。治療部は、筐体の外側に露出される露出表面と、露出表面に対向し、それに電気的に接続される隠蔽表面とを備える、熱電発生器を含んでもよい。熱電発生器は、露出表面および隠蔽表面のうちの一方に電流が印加されると、露出表面と隠蔽表面との間に温度差を生産し、それによって、露出表面が隠蔽表面を上回る温度まで加熱され、2つの血管をともに溶接するように、露出表面と隠蔽表面との間に温度差を生産するように構成されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの血管間に瘻を形成するためのカテーテルを備えるシステムであって、
前記カテーテルは、
筐体と、
前記筐体に結合される治療部と
を備え、
前記治療部は、前記筐体の外側に露出される露出表面と、前記露出表面に対向し、それに電気的に接続される隠蔽表面とを備える、熱電発生器を備え、
前記熱電発生器は、前記露出表面および前記隠蔽表面のうちの一方に電流が印加されると、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に温度差を生産し、それによって、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に前記温度差を生産し、前記2つの血管をともに溶接するように構成される、システム。
【請求項2】
前記熱電発生器に結合されるエネルギー源をさらに備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記エネルギー源は、前記熱電発生器に結合されるハンドヘルド式エネルギー源である、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記熱電発生器は、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に配置され、前記露出表面および前記隠蔽表面に電気的に接続される、少なくとも1つのn型半導体と、少なくとも1つのp型半導体とを備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記熱電発生器は、熱電材料から成る、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
対象を通して前進されるにつれて、前記カテーテルの治療部の場所情報を提供するように構成される、1つ以上の場所インジケータをさらに備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
血管の壁に接触し、前記血管の壁と接触させるように、前記カテーテルの治療部を付勢するように構成される、1つ以上の付勢機構をさらに備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
2つの血管間に瘻を形成するためのシステムであって、前記システムは、
第1の脈管内に受容されるように構成される、第1のカテーテルであって、前記第1のカテーテルは、筐体と、前記筐体に結合される治療部とを備え、前記治療部は、前記筐体の外側に露出される露出表面と、前記露出表面に対向し、それに電気的に接続される隠蔽表面とを備える、熱電発生器を備える、第1のカテーテルと、
前記第1の脈管に隣接する第2の脈管内に受容されるように構成される、第2のカテーテルと
を備え、
前記熱電発生器は、前記露出表面および前記隠蔽表面のうちの一方に電流が印加されると、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に温度差を生産し、それによって、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に前記温度差を生産し、前記2つの血管をともに溶接するように構成される、システム。
【請求項9】
前記熱電発生器に結合されるエネルギー源をさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記エネルギー源は、前記熱電発生器に結合されるハンドヘルド式エネルギー源である、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記熱電発生器は、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に配置され、前記露出表面および前記隠蔽表面に電気的に接続される、少なくとも1つのn型半導体と、少なくとも1つのp型半導体とを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2のカテーテルは、第2の筐体と、前記第2の筐体に結合される第2の治療部とを備え、前記第2の治療部は、第2の熱電発生器を備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のカテーテル、前記第2のカテーテル、または両方は、対象を通して前進されるにつれて、前記第1のカテーテル、前記第2のカテーテル、または両方の場所情報を提供するように構成される、1つ以上の場所インジケータを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記熱電発生器は、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に配置され、前記露出表面および前記隠蔽表面に電気的に接続される、少なくとも1つのn型半導体と、少なくとも1つのp型半導体とを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
瘻を形成する方法であって、前記方法は、
第1のカテーテルを第1の脈管の中に前進させることであって、前記第1のカテーテルは、筐体と、前記筐体に結合される治療部とを備え、前記治療部は、前記筐体の外側に露出される露出表面と、前記露出表面に対向し、それに電気的に接続される隠蔽表面とを備える、熱電発生器を備える、ことと、
第2の治療部を備える第2のカテーテルを第2の脈管の中に前進させることであって、前記第2の脈管は、前記第1の脈管に隣接する、ことと
を含み、
前記熱電発生器は、前記露出表面および前記隠蔽表面のうちの一方に電流が印加されると、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に温度差を生産し、それによって、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に前記温度差を生産するように構成され、前記露出表面は、前記第1の血管を前記第2の血管に溶接するように、前記隠蔽表面を上回る温度まで加熱される、方法。
【請求項16】
電流を前記熱電発生器に印加し、前記温度差を生産することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記露出表面が前記隠蔽表面より低い温度まで冷却されるように、前記電流を反転させ、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に温度差を生産することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のカテーテルはさらに、第1の磁石を備え、前記第2のカテーテルは、第2の磁石を備え、前記磁石は、前記第1のカテーテルおよび前記第2のカテーテルをより近接するようにもたらすように構成される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の磁石および前記第2の磁石を整合させ、前記第1のカテーテルの治療部および前記第2のカテーテルの第2の治療部を整合させることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の磁石および前記第2の磁石を整合させた後、電流を前記熱電発生器に印加し、前記温度差を生産することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、概して、血管の治療のためのシステム、方法、およびカテーテルに関し、より具体的には、血管の血管内治療のためのシステム、方法、およびカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
血管内治療は、種々の血管障害を血管内から治療するために使用される。血管内治療は、限定ではないが、血管内動静脈瘻(endoAVF)形成、動静脈(AV)治療、および末梢動脈疾患(PAD)治療を含み得る。血管内瘻形成等の治療は、患者の静脈が縫合を介してその動脈に取り付けられる、侵襲的手技を含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
(要約)
血管内治療の1つの困難である側面は、精密かつ変調された温度制御を伴う、低侵襲的である瘻形成治療を提供することを伴う。故に、瘻形成を改良する、血管の血管内治療のための代替的なシステム、方法、およびカテーテルの必要性が、存在する。
【0004】
本実施形態は、上記の言及される問題に対処する。特に、本開示は、1つ以上のカテーテルを使用した、血管への治療(例えば、瘻形成)の送達のためのシステム、方法、およびカテーテルを対象とする。実施形態では、本開示されるカテーテルおよびカテーテルシステムは、精密かつ変調された温度制御を伴う、低侵襲的である、血管内瘻形成治療を提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面によると、2つの血管間に瘻を形成するためのシステムが、提供される。本システムは、筐体と、筐体に結合される治療部とを有する、カテーテルを含んでもよい。治療部は、筐体の外側に露出される露出表面と、露出表面に対向し、それに電気的に接続される隠蔽表面とを備える、熱電発生器を含んでもよい。熱電発生器は、露出表面および隠蔽表面のうちの一方に電流が印加されると、露出表面と隠蔽表面との間に温度差を生産し、それによって、露出表面と隠蔽表面との間に温度差を生産し、2つの血管をともに溶接するように構成されてもよい。
【0006】
第2の側面は、熱電発生器に結合されるエネルギー源をさらに備える、第1の側面を含んでもよい。
【0007】
第3の側面は、エネルギー源が、熱電発生器に結合されるハンドヘルド式エネルギー源である、任意の先行側面を含んでもよい。
【0008】
第4の側面は、熱電発生器が、露出表面と隠蔽表面との間に配置され、それらに電気的に接続される、少なくとも1つのn型半導体と、少なくとも1つのp型半導体とを備える、任意の先行側面を含んでもよい。
【0009】
第5の側面は、熱電発生器が、熱電材料から成る、任意の先行側面を含んでもよい。
【0010】
第6の側面は、対象を通して前進されるにつれて、カテーテルの治療部の場所情報を提供するように構成される、1つ以上の場所インジケータをさらに備える、任意の先行側面を含んでもよい。
【0011】
第7の側面は、血管の壁に接触し、血管の壁と接触させるように、カテーテルの治療部を付勢するように構成される、1つ以上の付勢機構をさらに備える、任意の先行側面を含んでもよい。
【0012】
本開示の第8の側面によると、2つの血管間に瘻を形成するためのシステムが、提供される。本システムは、第1の脈管内に受容されるように構成される、第1のカテーテルと、第1の脈管に隣接する第2の脈管内に受容されるように構成される、第2のカテーテルとを含んでもよい。第1のカテーテルは、筐体および筐体に結合される治療部を含んでもよく、治療部は、筐体の外側に露出される露出表面と、露出表面に対向し、それに電気的に接続される隠蔽表面とを備える、熱電発生器を備える。熱電発生器は、露出表面および隠蔽表面のうちの一方に電流が印加されると、露出表面と隠蔽表面との間に温度差を生産し、それによって、露出表面と隠蔽表面との間に温度差を生産し、2つの血管をともに溶接するように構成されてもよい。
【0013】
第9の側面は、熱電発生器に結合されるエネルギー源をさらに備える、第8の側面を含んでもよい。
【0014】
第10の側面は、エネルギー源が、熱電発生器に結合されるハンドヘルド式エネルギー源である、第8-第9の側面のいずれかを含んでもよい。
【0015】
第11の側面は、熱電発生器が、露出表面と隠蔽表面との間に配置され、それらに電気的に接続される、少なくとも1つのn型半導体と、少なくとも1つのp型半導体とを備える、第8-第10の側面のいずれかを含んでもよい。
【0016】
第12の側面は、第2のカテーテルが、第2の筐体と、第2の筐体に結合される第2の治療部とを備え、第2の治療部は、第2の熱電発生器を備える、第8-第11の側面のいずれかを含んでもよい。
【0017】
第13の側面は、第1のカテーテル、第2のカテーテル、または両方が、対象を通して前進されるにつれて、第1のカテーテル、第2のカテーテル、または両方の場所情報を提供するように構成される、1つ以上の場所インジケータを備える、第8-第12の側面のいずれかを含んでもよい。
【0018】
第14の側面は、熱電発生器が、露出表面と隠蔽表面との間に配置され、それらに電気的に接続される、少なくとも1つのn型半導体と、少なくとも1つのp型半導体とを備える、第8-第13の側面のいずれかを含んでもよい。
【0019】
本開示の第15の側面によると、瘻を形成する方法が、提供される。本方法は、第1のカテーテルを第1の脈管の中に前進させることと、第2のカテーテルを第2の脈管の中に前進させることとを含んでもよい。第2の脈管は、第1の脈管に隣接してもよい。第1のカテーテルは、筐体と、筐体に結合される治療部とを含んでもよく、治療部は、筐体の外側に露出される露出表面と、露出表面に対向し、それに電気的に接続される隠蔽表面とを備える、熱電発生器を含む。第2のカテーテルは、第2の治療部を含んでもよい。熱電発生器は、露出表面および隠蔽表面のうちの一方に電流が印加されると、露出表面と隠蔽表面との間に温度差を生産し、それによって、露出表面と隠蔽表面との間に温度差を生産するように構成されてもよく、露出表面は、第1の血管を第2の血管に溶接するように隠蔽表面を上回る温度まで加熱される。
【0020】
第16の側面は、電流を熱電発生器に印加し、温度差を生産することをさらに含む、第15の側面を含んでもよい。
【0021】
第17の側面は、露出表面が隠蔽表面より低い温度まで冷却されるように、電流を反転させ、露出表面と隠蔽表面との間に温度差を生産することをさらに含む、第15-第16の側面のいずれかを含んでもよい。
【0022】
第18の側面は、第1のカテーテルがさらに、第1の磁石を備え、第2のカテーテルが、第2の磁石を備え、磁石が、第1のカテーテルおよび第2のカテーテルをより近接するようにもたらすように構成される、第15-第17の側面のいずれかを含んでもよい。
【0023】
第19の側面は、第1の磁石および第2の磁石を整合させ、第1のカテーテルの治療部および第2のカテーテルの第2の治療部を整合させることをさらに含む、第18の側面を含んでもよい。
【0024】
第20の側面は、第1の磁石および第2の磁石を整合させた後、電流を熱電発生器に印加し、温度差を生産することをさらに含む、第15-第19の側面のいずれかを含んでもよい。
【0025】
本明細書に説明される実施形態によって提供されるこれらの付加的特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明に照らして、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図面に記載される実施形態は、本質的に例証的かつ例示的であり、請求項によって定義される主題を限定することを意図するものではない。例証的実施形態の以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号を用いて示される、以下の図面と併せて熟読されたときに理解されることができる。
【0027】
図1図1は、本明細書に示され、説明される、1つ以上の実施形態による、その中に血管内治療が送達され得る、腕の血管の解剖学的構造の例証的描写である。
【0028】
図2図2は、本明細書に示され、説明される、1つ以上の実施形態による、2カテーテルシステムを描写する。
【0029】
図3図3は、本明細書に示され、説明される、1つ以上の実施形態による、単一カテーテルシステムを描写する。
【0030】
図4A図4Aは、本明細書に示され、説明される、1つ以上の実施形態による、熱電発生器の上面図を描写する。
【0031】
図4B図4Bは、本明細書に示され、説明される、1つ以上の実施形態による、熱電発生器の側面図を描写する。
【0032】
図5A図5Aは、本明細書に示され、説明される、1つ以上の実施形態による、隣接する脈管内の2カテーテルシステムを描写する。
【0033】
図5B図5Bは、本明細書に示され、説明される、1つ以上の実施形態による、接着された脈管内の2カテーテルシステムを描写する。
【0034】
図6A図6Aは、本明細書に示され、説明される、1つ以上の実施形態による、接着された脈管の断面図を描写する。
【0035】
図6B図6Bは、本明細書に示され、説明される、1つ以上の実施形態による、接着された脈管の断面図を描写する。
【0036】
図7A図7Aは、本明細書に示され、説明される、1つ以上の実施形態による、瘻を備える接着された脈管の断面図を描写する。
【0037】
図7B図7Bは、本明細書に示され、説明される、1つ以上の実施形態による、瘻を備える接着された脈管の断面図を描写する。
【0038】
図8図8は、本明細書に示され、説明される、1つ以上の実施形態による、血管の血管内治療のためのシステム内の種々のモジュール間の通信を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0039】
(詳細な説明)
本明細書に説明されるような実施形態は、血管の血管内治療のためのシステム、方法、およびカテーテルを対象とする。血管内治療は、限定ではないが、瘻形成、脈管閉塞、血管形成術、血栓除去術、アテローム切除術、交差、薬物コーティングバルーン血管形成術、ステント留置(非被覆式および被覆式)、血栓溶解療法を含み得る。故に、種々の実施形態は、2つの血管間の瘻形成を対象とするが、他の血管治療も、想定され、可能性として考えられる。
【0040】
動静脈(AV)瘻生成は、例えば、血液透析患者のためにアクセス部位を生成するために使用される、外科手術手技である。動静脈瘻外科手術は、患者の静脈が縫合を介してその動脈に取り付けられる、侵襲的手技である。種々の要因が、AV瘻治療を受けるための能力を有する患者母集団のサイズを制限し得る。そのような要因は、限定ではないが、患者の健康および患者の血管構造の強度を含み得る。これらの要因は、AV瘻手技の成功の実現可能性に影響を及ぼす。二次的な手技選択肢は、AVグラフト設置を含み得る。
【0041】
2つのカテーテルを使用し、瘻を形成する、または別様に治療を提供する(例えば、ワイヤを1つの血管から別の血管に前進させる)ことが、2011年11月16日に出願され、「Devices and Methods for Forming Fistula」と題された、米国特許第9,017,323号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)、2013年10月11日に出願され、「Devices and Methods for Fistula Formation」と題された、米国特許第9,486,276号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)、2014年3月14日に出願され、「Fistula Formation Devices and Methods Therefor」と題された、米国特許出願第14/214,503号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)、2015年3月13日に出願された、米国特許出願第14/657,997号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)、2016年2月9日に出願され、「Methods for Treating Hypertension」と題された、米国特許出願第15/019,962号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)、2017年1月15日に出願され、「Devices and Methods for Forming a Fistula」と題された、米国特許出願第15/406,755号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)、2017年1月15日に出願され、「Systems and Methods for Increasing Blood Flow」と題された、米国特許出願第15/406,743号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)、2018年6月29日に出願され、「Systems and Methods for Adhering Vessels」と題された、米国特許出願第16/024,241号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)、および2018年6月29日に出願され、「Devices and Methods for Advancing a Wire」と題された、米国特許出願第16/024,345号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0042】
しかしながら、AV瘻外科手術と関連付けられる、いくつかの一般的な合併症が、瘻の吻合における新生内膜過形成の増殖から結果として生じる。新生内膜過形成は、血管壁の肥大化および管腔開存性の漸進的損失につながる、内膜層内の血管平滑筋細胞の急増ならびに遊走から結果として生じる、血管再構築を指す。最終的には、新生内膜過形成は、血管不全症状の再発につながり得る。付加的な合併症が、瘻内の血流および圧力勾配の変化から生じる。
【0043】
また、合併症は、意図された組織部位(「標的組織」)に制御可能、アブレーション可能、または切断熱エネルギーを提供できないことから生じる。例えば、非精密な温度制御は、熱エネルギーを標的組織を囲繞する組織の中に消散させ得、これは、組織への損傷を引き起こし得る。故に、熱電発生器を組み込む、治療(例えば、瘻形成)の送達のためのシステム、方法、およびカテーテルを対象とする本実施形態は、瘻形成のための熱エネルギーのより精密かつ標的化された印加を提供し得る。これらおよび付加的な特徴が、下記により詳細に議論されるであろう。
【0044】
続いてより詳細に説明されるであろう、熱電発生器は、温度差から電気エネルギーを発生させる、または電力から温度差を提供し得る、ソリッドステートデバイスである。温度差を生成するための可動部品を要求しないことによって、熱電発生器は、熱エネルギーの送達のための2カテーテルシステムの複雑性を低減させ得る。加えて、熱電発生器は、燃料供給または冷却のためのいかなる流体も要求しない場合があるため、それらは、温度差を生産するために非配向依存性であり、これは、特に、対象の蛇行性血管系内での血管内治療の間に有利であり得る。したがって、本開示のカテーテル、カテーテルシステム、および方法は、精密かつ変調された温度制御を提供しながら、低侵襲的である、血管内瘻形成治療を提供し得る。付加的な実施形態は、さらに2カテーテルシステムの複雑性を低減させ得る、単一カテーテルシステムを対象とし得る。図は、概して、瘻形成のために使用される熱電発生器を組み込む、種々のシステム、方法、およびデバイスを描写する。
【0045】
図1は、血管治療のために標的化され得る、1つ以上の血管を含む、肘関節12の周囲の腕10の典型的血管解剖学的構造の簡略化された描写を図示する。示されるように、上腕動脈20が、上腕から表在的かつ遠位に延在し、肘関節12の近傍の腕の中に深在的に陥入し、そこで、上腕動脈20は、橈骨動脈18と、尺骨動脈24とに分岐する。尺骨動脈24の上側部分は、表在屈筋(図示せず)の真下の腕10内に深在的に着座され、前腕の尺骨側を辿って手首につながる。さらに腕10を辿って、典型的には、橈骨(図示せず)の橈骨粗面の直下で、尺骨動脈24が、骨間動脈26と、深在尺骨動脈22とに分岐する。骨間動脈26は、最終的には、後骨間動脈および前骨間動脈(図示せず)に注ぐ。
【0046】
また、図1に示されるものは、橈側皮静脈40および尺側皮静脈50である。橈側皮静脈40は、上側橈側皮静脈42と、橈側正中皮静脈44と、下側橈側皮静脈46とを含む。尺側皮静脈50は、上側尺側皮静脈52と、尺側正中皮静脈54と、下側尺側皮静脈56とを含む。上側橈側皮静脈42は、二頭筋(図示せず)の外側境界に沿って延び、前腕の中を辿って下側橈側皮静脈46として継続する。橈側正中皮静脈44は、肘関節12の近傍の上側橈側皮静脈42に継合する。上側尺側皮静脈52は、二頭筋(図示せず)の内側に沿って延び、前腕の中に下側尺側皮静脈56として継続する。下腕の下側尺側皮静脈56は、時として、総尺骨静脈とも称される。尺側正中皮静脈54(いくつかの事例では、肘正中皮静脈と称される)は、上側尺側皮静脈52および下側尺側皮静脈56に継合する。尺側正中皮静脈54および橈側正中皮静脈44は、前腕正中皮静脈58の分岐に形成される。尺側正中皮静脈54および橈側正中皮静脈44への前腕正中皮静脈58の分岐の近傍、すなわち、貫通枝30は、これらの脈管と前腕筋膜(図示せず)を通る腕の深在静脈を接続する。
【0047】
図1に示されるように、貫通枝30は、第1の深在尺骨静脈23および第2の深在尺骨静脈28と連通する。これらの深在尺骨静脈23/28は、深在尺骨動脈22の両側において、略平行に延び得る。深在尺骨動脈22は、尺骨動脈24から離れるように骨間動脈16の遠位に分岐し得る。上腕動脈20と骨間動脈26との間には、深在尺骨静脈23/28が、典型的には、深在尺骨動脈22に近接近して位置し、通常、深在尺骨動脈22を深在尺骨静脈23/28から2mm未満分離する。深在尺骨静脈23/28の長さに沿って、横方向分岐(図示せず)が、時として、深在尺骨静脈23/28に接続し得る。
【0048】
また、図1に示されるものは、第1の上腕静脈13および第2の上腕静脈15である。上腕静脈13/15は、概して、上腕動脈14に沿って延び、深在尺骨静脈23/24は、肘関節の近傍の上腕静脈13/15に注ぐ。加えて、一対の橈骨静脈17/19が、橈骨動脈18に沿って延び得、上腕静脈13/15の一方または両方に注ぎ得る。
【0049】
種々の実施形態では、尺骨動脈および/または尺骨静脈へのアクセスは、手首に形成されるアクセス部位を通して、もしくはさらに、表在静脈または動脈の中へと腕まで達成され得る。カテーテルが、次いで、血管系を通して治療場所まで前進され得る。例えば、多くの場合、透析等の目的のために、瘻を穿通枝(例えば、貫通枝30)に近接する静脈と動脈との間に形成し、深在動脈から表在静脈までの血流を増加させることが、望ましい。カテーテルを表在静脈または動脈から前進させることは、深在動脈/静脈系内の瘻形成のための部位にアクセスすることをより容易にする。
【0050】
腕内の血管系が、例示的目的のみのために図示されることに留意されたい。本明細書に説明されるようなシステムは、ヒトまたは動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ科等)の身体内の任意の場所の血管を治療するために使用され得ることが想定される。例えば、いくつかの実施形態では、標的化および治療される、血管は、大腿動脈ならびに大腿静脈または腸骨動脈および腸骨静脈を含んでもよい。他の実施形態では、身体導管間の治療は、静脈/動脈治療に限定され得ず、隣接する静脈、隣接する動脈、または任意の他の身体導管(例えば、胆管、食道等)間の治療もしくは瘻形成を含んでもよい。
【0051】
カテーテルおよびカテーテルシステム
【0052】
概して、本明細書に説明されるシステムは、血管の血管内治療を対象とする。例えば、本明細書に説明されるシステムは、瘻を形成するための組織を測定、修正、および/またはアブレートする際に有用であり得る。ここで説明されるシステムは、典型的には、1つ以上のカテーテルを含む。1つ以上のカテーテルは、1つ以上の治療部を備えてもよい。1つ以上の治療部は、1つ以上の熱電発生器を含む、1つ以上の瘻形成要素を含んでもよい。説明されるカテーテルはさらに、本明細書により詳細に説明されるように、精密かつ変調された温度制御を提供しながら、低侵襲的である、瘻形成を補助するための要素を備えてもよい。
【0053】
ここで図2および3を参照すると、1つ以上のカテーテルの種々の実施形態が、描写される。図2は、概して、2カテーテルシステム100の一実施形態を図示する。図3は、単一カテーテルシステム200のある実施形態を図示する。故に、単一カテーテルシステム200を組み込む実施形態では、第2のカテーテルは、所望の治療を血管に供給するために必要ではない場合がある。しかしながら、2カテーテルシステム100または単一カテーテルシステム200のいずれかの種々の特徴が、2つのシステムのいずれにも組み込まれ得ることに留意されたい。例えば、単一カテーテルシステム200に図示されるもの等の熱電発生器が、2カテーテルシステム100において使用される熱電発生器と同一であってもよい。
【0054】
図2は、概して、瘻を形成するために使用されるように構成される、2カテーテルシステム100の一実施形態を図示する。示されるように、本システムは、第1のカテーテル101と、第2のカテーテル103とを含んでもよい。第1のカテーテル101は、カテーテル本体105と、1つ以上の磁気要素107と、治療部109とを備えてもよい。同様に、第2のカテーテル103は、カテーテル本体115と、1つ以上の磁気要素107と、治療部116とを備えてもよい。第1のカテーテル101、第2のカテーテル103、または両方は、例えば、4フレンチ、5.7フレンチ、6.1フレンチ、7フレンチ、8.3フレンチ、4フレンチ~9フレンチ、4フレンチ~7フレンチ、4フレンチ~6フレンチ、もしくは同等物等、血管内使用のための任意の好適な直径を有してもよい。
【0055】
本明細書に説明されるように、実施形態は、瘻形成を対象とし得、故に、第1のカテーテル101は、瘻を形成するために使用され得る、瘻形成要素110を含んでもよい。瘻形成要素110は、続いてより詳細に説明されるであろう、熱電発生器106を備えてもよい。
【0056】
いくつかの変形例では、第1のカテーテル101は、筐体113を備えてもよく、これは、瘻形成の間、第1のカテーテル101の他の構成要素を保護することに役立ち得る。例えば、瘻形成要素110が、組織をアブレートするように構成される、熱電発生器106を備えるとき、筐体113は、1つ以上の絶縁材料から成ってもよく、これは、第1のカテーテル101の1つ以上の構成要素を、使用の間に熱電発生器106によって発生され得る熱から遮蔽もしくは別様に保護し得る。しかしながら、下記により詳細に説明されるであろうように、熱電発生器106は、温度差を提供するように構成され、これは、第1のカテーテル101内に組み込まれる絶縁材料の排除またはそのより少ないものを可能にし得る。すなわち、1つ以上の絶縁材料は、第1のカテーテル101の1つ以上の構成要素を、使用の間に熱電発生器106によって発生され得る熱から遮蔽もしくは別様に保護するために要求されない場合がある。
【0057】
いくつかの変形例では、瘻形成要素110は、カテーテル本体105の外径Dを超えてカテーテル本体105内の開口部111から外に突出するように、筐体113に添着されてもよい。いくつかの変形例では、瘻形成要素110は、カテーテル本体105内の開口部111から外に突出する、および/または開口部111の中に後退されるように前進されるように移動可能であってもよい。例えば、瘻形成要素110は、薄型構成と、カテーテル本体105から拡張する拡張構成との間で移行するように構成されてもよい。そのような実施形態では、瘻形成要素110は、第1のカテーテル101の設置の間、薄型構成に保持されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、瘻形成要素110は、カテーテル本体105によって、または瘻形成要素110にわたって前進可能かつ後退可能なスリーブ(図示せず)によって、薄型構成に保持されてもよい。瘻形成要素110は、瘻形成要素110が瘻形成のための場所に送達されると、薄型構成から解放されてもよい。
【0058】
いくつかの変形例では、瘻形成要素110は、拡張構成に向かってばね付勢されてもよい。すなわち、瘻形成要素110は、薄型構成から拡張構成に自己拡張するように構成されてもよい。さらに言い換えると、瘻形成要素110は、拡張構成においてその自然静止状態にあり得る。
【0059】
図2に戻って参照すると、本明細書に説明されるシステムのカテーテルが、1つ以上の磁石を含む磁気要素107を備え得、各カテーテルが、任意の数の個々の磁石(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または8つ、もしくはそれを上回る等)を備え得ることを理解されたい。このように、本明細書に説明されるシステムのカテーテルが、まとめられると、磁石の引力磁力は、カテーテルおよび血管をより近接するようにもたらし得る。カテーテルが複数の磁石を備える変形例では、これらの磁石は、1つ以上の磁石アレイに群化されてもよい。磁石は、カテーテル本体の内側および/または外側に位置してもよい。磁石は、カテーテルの長さに沿って、任意の好適な場所に位置付けられてもよい。概して、本明細書に説明される磁石の寸法は、磁石を有保するカテーテルのサイズに基づいて選択されてもよく、これは、ひいては、それを通してカテーテルが前進され得る脈管の解剖学的寸法に基づいて選択されてもよい。例えば、カテーテルが、約3mmの内径を有する血管を通して前進されるべきである場合、カテーテルの前進および操作の間の脈管壁への傷害のリスクを低減させるために、その断面の最も広い部分において約3mm未満であるような任意の磁石を構成することが、望ましくあり得る。各磁石は、任意の好適な長さ(例えば、約5mm、約10mm、約15mm、約20mm、または同等物)を有してもよいが、いくつかの事例では、より長い磁石が、組織を通して操縦するためのカテーテルの可撓性を限定し得ることを理解されたい。
【0060】
磁石要素107は、限定ではないが、希土類元素の合金(例えば、サマリウムコバルト磁石またはN52磁石等のネオジム磁石)またはアルニコ等の1つ以上の硬質磁性材料から成る、永久磁石であってもよい。いくつかの変形例では、磁石は、異方性磁石から成ってもよく、他の変形例では、磁石は、等方性磁石から成ってもよい。いくつかの変形例では、磁石は、圧縮された粉末から形成されてもよい。いくつかの変形例では、磁石の一部(例えば、透過性基材)は、限定ではないが、鉄、コバルト、ニッケル、またはフェライト等の1つ以上の軟質磁性材料から成ってもよい。
【0061】
磁石が、図2におけるように、カテーテル内に位置するとき、例えば、磁石サイズに対する限界を前提として、いくつかの事例では、所与のサイズの磁石を用いて発生され得る磁力を増加させる磁場を生産するように構成される、磁石を使用することが、望ましくあり得る。例えば、いくつかの変形例では、本システムは、2014年3月14日に出願され、「FISTULA FORMULATION DEVICES AND METHODS THEREFOR」と題された、米国特許出願第14/214,503号、および/または2015年3月13日に出願され、「FISTULA FORMATION DEVICES AND METHODS THEREFOR」と題された、米国特許出願第14/657,997号(その両方とも、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる)に説明される磁石のうちの1つ以上を備えてもよい。
【0062】
ここに説明されるシステムのうちのいくつかが、それぞれが、1つ以上の永久磁石を備える、第1のカテーテル101と、第2のカテーテル103とを備え、他の変形例では、第1のカテーテル101または第2のカテーテル103のうちのいずれも、強磁性要素(すなわち、永久磁場に誘引されるが、それを発生させない要素)を備え得ることを理解されたい。例えば、いくつかの変形例では、第1のカテーテル101は、1つ以上の強磁性要素のみを含んでもよい一方、第2のカテーテル103は、1つ以上の永久磁石を備える。他の変形例では、第2のカテーテル103は、1つ以上の強磁性要素のみを含んでもよい一方、第1のカテーテル101は、1つ以上の永久磁石を備える。しかしながら、他の変形例では、第1および第2のカテーテル101/103の一方または両方が、強磁性磁石、永久磁石、ならびに/もしくは他の好適な種類の磁石の任意の好適な組み合わせを含んでもよい。
【0063】
依然として図2を参照すると、第2のカテーテル103は、カテーテル本体115と、1つ以上の磁気要素107とを備えてもよい。第1のカテーテル101が、図2に描写される変形例等、第1のカテーテル101のカテーテル本体105から外に突出するように構成される、瘻形成要素110を備える、変形例では、第2のカテーテル103のカテーテル本体115は、組織を通して通過するにつれて、瘻形成要素110を受容するように構成され得る、その中に形成される陥凹117を含む、治療部116を備えてもよい。陥凹117を有するように図2に示されるが、また、いくつかの変形例では、第2のカテーテル103の治療部116が、陥凹117を含まない場合があることも理解されたい。
【0064】
実施形態では、陥凹117は、絶縁材料(図示せず)によってコーティングされてもよく、これは、第1のカテーテル101の1つ以上の構成要素を損傷させることなく、第1のカテーテルの熱電発生器106を受容し、それに接触するための補佐物として作用し得る。続いて、より詳細に説明されるであろうように、熱電発生器106の露出表面、すなわち、筐体113の外側に露出される表面は、熱電発生器106の隠蔽表面を上回る温度まで加熱されてもよい。加熱は、露出表面および隠蔽表面のうちの一方に電流を印加し、それによって、熱電発生器106の露出表面を加熱する、温度差を生産することによって、生じ得る。実施形態では、電流は、反転され、それによって、熱電発生器106の露出表面を冷却し、熱電発生器106の隠蔽表面を加熱し得る。したがって、熱電発生器106は、露出表面および隠蔽表面のうちの一方または両方を冷却するために利用されてもよく、熱電発生器106の組み込みは、それによって、陥凹117上の絶縁材料をコーティングする必要性を排除し得る。
【0065】
いくつかの変形例では、第2のカテーテル103の治療部116は、第1のカテーテル101の瘻形成要素110に加えて、またはその代わりに、瘻形成要素(図示せず)を含んでもよい。したがって、いくつかの変形例では、瘻は、1つのカテーテルの熱電発生器106によって形成され得る一方、他の変形例では、それぞれが熱電モジュールを備える、2つのカテーテルが、同時に、組織を対向側から加熱し、瘻を形成してもよい。例えば、第1の脈管内に設置される第1のカテーテルおよび第2のカテーテル内に設置される第2のカテーテルが、第1のカテーテルの熱電モジュールが第2のカテーテルの熱電モジュールと整合され、第1の脈管および第2の脈管の組織が熱電モジュール間に狭入されるように整合されてもよい。熱電モジュールの通電は、組織をともに溶接およびアブレートさせ、第1の脈管と第2の脈管との間に開口部を生成させ得る。
【0066】
依然として図2を参照すると、変形例では、1つ以上のカテーテルはそれぞれ、本システムの制御ユニットが、対象(例えば、患者)の血管を通して前進されるにつれて、カテーテルの治療部の場所を判定することを可能にするために1つ以上のカテーテルの場所情報を提供するように構成される、1つ以上の場所インジケータ119を含んでもよい。例えば、一実施形態では、第1のカテーテル101および第2のカテーテル103はそれぞれ、エコー源性マーカを含んでもよい。エコー源性マーカは、カテーテルの治療部に近接して位置付けられてもよく、超音波撮像デバイス等の撮像デバイスに対して可視であってもよい。エコー源性マーカは、特定のパターン(例えば、バーコードに類似する、具体的間隔を伴う、一連の異なるサイズのエコー源性リング)を形成してもよく、これは、特定のカテーテルの認識を可能にし得る。そのようなパターンまたはリングは、カテーテルの治療部に近接するカテーテルに適用される、例えば、白金、イリジウム、もしくはそれらの組み合わせから作製される、マーカバンドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のカテーテルの画像データを捕捉するために撮像デバイスを使用する、制御ユニットが、エコー源性マーカに基づいて1つ以上のカテーテルの治療部の場所を判定するように構成されてもよい。図2に図示されるもの等の2カテーテルシステムでは、第1および第2のカテーテル101/103はそれぞれ、エコー源性マーカを含んでもよく、これは、相互に同じまたは異なってもよい。第1および第2のカテーテル101/103のそれぞれ上のエコー源性マーカが、相互から変動する場合、制御ユニットは、どちらがどのカテーテルであるかを判定することが可能であり得る。いくつかの実施形態では、エコー源性マーカは、1つ以上のカテーテルの回転配向を示すために使用されてもよい。例えば、エコー源性マーカのパターンは、超音波下で視認されるとき、特定のカテーテルの治療部が面している方向を示し得る。
【0067】
実施形態では、エコー源性マーカに加えて、またはその代わりに、カテーテル101/103は、カテーテル101/103(例えば、カテーテルの治療部)の場所を示す、信号を出力するように構成される、1つ以上の場所センサ121/123を含んでもよい。例えば、場所センサ121/123は、能動電磁センサ、受動電磁センサ、永久磁石、RFIDデバイス、および/または超音波送受信機を含んでもよい。実施形態では、制御ユニットは、場所センサ121/123から受信される信号に基づいて、カテーテル101/103の治療部109/116の場所を判定し、撮像デバイスを用いて、カテーテル101/103の場所をリアルタイムで追従してもよい。場所センサ121/123は、カテーテル101/103の筐体113に結合される、またはその中に位置付けられてもよい。例えば、場所センサ121/123は、カテーテル101/103の治療部109/116内に長手方向に位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、場所センサは、カテーテル101/103の治療部109/116の近位および/またはそこから遠位に位置付けられてもよい。1つ以上の場所センサ121/123が、治療部109/116に近接近しているように図示されるが、1つ以上の場所センサが、カテーテル101/103の筐体に沿って任意の場所に位置付けられ得ることに留意されたい。
【0068】
図3を参照すると、カテーテル201を含む、単一カテーテルシステム200のある実施形態が、示される。単一カテーテルシステム200のカテーテル201は、上記に説明される、2カテーテルシステムの第1のカテーテル101に実質的に類似し得る。図2に関して説明される、第1のカテーテル101と同様に、カテーテル201は、筐体202を含んでもよい。実施形態では、治療部210が、筐体202に結合されてもよい。
【0069】
血管内治療が瘻形成を対象とする実施形態では、治療部210は、瘻を形成するための瘻形成要素214または他の切断デバイスを含んでもよい。図示される実施形態は、瘻形成要素214をプレートとして描写するが、瘻形成要素214は、続いてより詳細に説明される熱電発生器106を備え得る、上記に説明される瘻形成要素110に実質的に類似し得る。
【0070】
カテーテル201が、図1に関して上記に説明されるように、1つ以上のエコー源性マーカ216および/または1つ以上の場所センサ218を含み得ることもまた、考えられる。
【0071】
実施形態では、カテーテル201は、1つ以上の付勢機構220を含んでもよい。1つ以上の付勢機構220は、血管の壁と接触し、血管の(例えば、標的治療場所における)壁と接触させるように、カテーテル201の治療部210を付勢するように構成されてもよい。すなわち、1つ以上の付勢機構220は、(図3に図示されるように)カテーテルの本体から離れるように拡張し、カテーテル201を宿主血管内で側方に移動させ、治療部210(例えば、熱電モジュール)を血管の壁に接触させてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の付勢機構220の力は、血管の形状を改変し、血管を付勢機構の移動に対向する方向に拡張させ得る。故に、1つ以上の付勢機構220は、カテーテルを血管内で横方向に移動させ、カテーテルの治療部を血管内の治療場所に接触させるように構成される、任意の機構であってもよい。1つ以上の付勢機構220は、カテーテル201の治療部210から筐体202の両側に位置付けられてもよい。実施形態では、1つ以上の付勢機構220は、限定ではないが、バルーン、ケージ、拡張可能ワイヤ、他の拡張可能/後退可能機構等を含んでもよい。
【0072】
熱電発生器(TEG)の実施形態が、ここで、2カテーテルシステム100または単一カテーテルシステム200のうちのいずれかにおける使用のために説明されるであろう。前述に記載されるように、電熱モジュール(ETM)、熱電モジュールまたはゼーベック発生器とも称され得る、熱電発生器(TEG)は、熱電発生器を横断して電気エネルギーを温度差に転換する、ソリッドステートデバイスである。熱電発生器はまた、温度差を(例えば、2つの電気的に接続される接合部間の温度差が、接合部間に電磁気力を生産する、ゼーベック効果現象を通して)電気エネルギーに転換し得る。熱電発生器はまた、本デバイスに電圧を印加することが、電圧の大きさおよび極性に応じて(例えば、2つの電気的に接続された接合部を横断して印加された電圧が、接合部間に温度差を生産する、ペルチェ効果現象を通して)これを加熱器または冷却器として作用させ得るように、動作してもよい。
【0073】
ここで図4A-4Bを参照すると、実施形態では、熱電発生器106は、電熱材料305/307を含んでもよい。本明細書で使用されるように、「熱電材料」は、温度差を生成することによって電位に応答する材料として定義され得る。好適な電熱材料は、比較的に高い導電性と比較的に高い熱伝導性の両方を有してもよい。低い熱伝導性を有することは、熱電発生器の一側が加熱されたときに、他側が冷却されることを確実にし得る。例えば、熱電材料は、半導体材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、電熱材料は、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、セレン(Se)、鉛(Pb)に基づく、1つ以上の合金を含んでもよい。さらなる実施形態では、熱電材料は、テルル化ビスマス(BiTe)、テルル化鉛(PbTe)、およびシリコンゲルマニウム(SiGe)のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0074】
熱電発生器106は、電熱材料305/307から成る、電気回路を含んでもよい。実施形態では、熱電発生器106は、熱電発生器106の両側に異種電熱材料305/307を含んでもよい。本明細書で使用されるように、「異種電熱材料」は、相互と異なる電熱性質を有する電熱材料を指す。実施形態では、熱電発生器106は、熱的に平行である、異種電熱材料305/307を含んでもよい。いくつかの実施形態では、熱電モジュールは、電気的に並列である、異種電熱材料305/307を含んでもよい。さらなる実施形態では、熱電モジュールは、熱的に平行かつ電気的に直列である、異種電熱材料305/307を含んでもよい。
【0075】
依然として図4A-4Bを参照すると、異種電熱材料305/307は、プレート315と接触してもよい。実施形態では、プレート315は、セラミックであり、第1のセラミックプレートおよび第2のセラミックプレートと称され得る。実施形態では、利用されるプレート315および電熱材料305/307のタイプは、身体内で実施される治療手技の機械的条件および熱的条件に基づいて選択されてもよい。例えば、熱電モジュールは、脈管を溶接する、および/または2つの脈管間に瘻を形成するために印加される必要があり得る具体的な温度勾配の結果として熱的に誘発される応力および負担を受け得る。加えて、熱電モジュールは、特定の治療のために要求される熱循環の数に応じて機械的疲労を被り得る。
【0076】
n型半導体320およびp型半導体340によって係合された異種電熱材料305/307間に生成された、矢印Tによって示される温度差が、回路を通して流動する電流によって引き起こされ得る。n型半導体320は、負電荷キャリアを有する半導体であってもよい。p型半導体340は、正電荷キャリアを有する半導体であってもよい。電流は、ワイヤ310によって熱電発生器106に結合されるエネルギー源によって生産され得る。実施形態では、電流の大きさは、異種電熱材料305/307間の温度差に正比例し得る。温度差は、プレート315のうちの一方を、プレート315の他方が冷却される間に加熱された状態にし得る。
【0077】
このように、n型半導体320およびp型半導体340は、供給された電流がプレート315の一方を加熱し、熱電発生器106の他側のプレート315のうちの一方を冷却することをもたらすように構成される。第1の電流の反対の対向する供給された第2の電流は、プレート315のうちの一方を冷却し、プレート315のうちの1つを加熱することをもたらす。例えば、供給された電流は、カテーテルの筐体の外側に露出されるプレート315を加熱する一方、カテーテルの筐体内に隠蔽されるプレート315を冷却することをもたらし得る。第1の電流の対向する供給された第2の電流は、カテーテルの筐体の外側に露出されるプレート315を冷却する一方、カテーテルの筐体内に隠蔽されるプレート315を加熱することをもたらす。
【0078】
実施形態では、加熱および冷却の循環ならびに温度範囲を制御するために、回路網が、採用されてもよい。実施例として、限定ではなく、プレート315のうちの一方が、摂氏10度~摂氏120度の温度まで加熱され得る一方、対向するプレートは、冷却され、摂氏10度未満および摂氏120度超の他の温度が、想定され、可能性として考えられる。実施形態では、プレート315のうちの一方は、対向するプレートが冷却される間、摂氏10度~摂氏100度、摂氏10度~摂氏80度、摂氏10度~摂氏50度、摂氏10度~摂氏30度、摂氏30度~摂氏120度、摂氏30度~摂氏100度、摂氏30度~摂氏80度、摂氏30度~摂氏50度、摂氏50度~摂氏120度、摂氏50度~摂氏100度、摂氏50度~摂氏80度、摂氏80度~摂氏120度、摂氏80度~摂氏100度、または摂氏100度~摂氏120度の温度まで加熱されてもよい。加熱されるプレートと対向するプレートとの間の温度差は、少なくとも摂氏70度、少なくとも摂氏60度、少なくとも摂氏50度、少なくとも摂氏40度、少なくとも摂氏30度、少なくとも摂氏20度、または少なくとも摂氏10度であってもよい。次いで、電流は、反転され、プレート315の第1のものを冷却させ、対向するプレートを加熱させてもよい。そのような実施形態では、対向するプレートは、摂氏10度~摂氏120度、摂氏10度~摂氏100度、摂氏10度~摂氏80度、摂氏10度~摂氏50度、摂氏10度~摂氏30度、摂氏30度~摂氏120度、摂氏30度~摂氏100度、摂氏30度~摂氏80度、摂氏30度~摂氏50度、摂氏50度~摂氏120度、摂氏50度~摂氏100度、摂氏50度~摂氏80度、摂氏80度~摂氏120度、摂氏80度~摂氏100度、または摂氏100度~摂氏120度の温度まで加熱されてもよい。電流は、次いで、再び反転され、プレート315の第1のものを、対向するプレートが冷却される間に摂氏約10度~摂氏約120度の温度まで加熱してもよい。このように、電流は、所望の臨床転帰を提供するために十分な任意の回数だけ反転されてもよい。電流の反転は、所望の臨床転帰を提供するためにオペレータによって判定されるような、時間シーケンスサイクルの頻度に伴って生じてもよい。例示的実施形態では、電流の反転は、各電流反転の間におよそ2秒の切替周期によって定義される、時間シーケンスサイクルの頻度において生じてもよい。いくつかの実施形態では、プレート315は、それらの加熱および冷却を反転させ得るため、(図2の治療部116の)陥凹117上の絶縁材料をコーティングする必要性が、排除され得る。
【0079】
上記に記載されるように、電流が、熱電発生器106を通して駆動されると、プレート315のうちの一方が、加熱され、制御可能、アブレーション可能、または切断熱エネルギーを意図される組織部位(「標的組織」)に提供してもよい。例えば、熱の増加を提供するために、熱電発生器106を通して駆動される電流は、変調(例えば、増加)され、熱を提供し、組織をともにアブレートおよび/または溶接してもよい。故に、熱電発生器106は、精密かつ変調された温度制御を提供しながら、低侵襲的である、血管内瘻形成治療を提供し得る。温度差を生成するために可動部品を要求しないことによって、熱電発生器は、従来の2カテーテルシステムの複雑性を低減させ得る。加えて、熱電発生器は、燃料供給または冷却のためのいかなる流体も要求しない場合があるため、それらは、非配向依存性であり、これは、特に、対象の蛇行性血管系内での血管内治療の間に有利であり得る。
【0080】
システムおよび方法
【0081】
上記に説明されるカテーテルの種々の実施形態を含む、種々のシステムおよび方法が、ここで説明されるであろう。具体的実施形態のみが、図内に図示され得るが、本システムおよび方法が、本明細書に説明されるカテーテルシステムのいずれかにも適用可能であり得ることに留意されたい。
【0082】
図5A-5Bは、第1の血管1106内の第1のカテーテル1100と、第2の血管1114内の第2のカテーテル1108とを備える、血管系内のシステムを図示する。第1のカテーテル1100は、別様に記載されない限り、上記に記載される第1のカテーテル101に実質的に類似し得る。第2のカテーテル1108もまた、別様に記載されない限り、上記に記載される第2のカテーテル103に実質的に類似し得る。他の実施形態では、本システムは、1つのみのカテーテルを利用してもよい。第1のカテーテル1100は、熱電発生器1102を備えてもよく、第2のカテーテル1108は、熱電発生器1102を備えてもよい。熱電発生器1102/1110は、本明細書により詳細に説明されるように、電気導線1116/1118を介して電源(図示せず)に接続されてもよい。
【0083】
第1のカテーテル1100はさらに、熱電発生器1102の遠位および近位にあり得る、1つ以上の磁石1104を備えてもよい。第2のカテーテル1108はさらに、熱電発生器1102の遠位および近位にあり得る、1つ以上の磁石1112を備えてもよい。概して、磁石は、(例えば、他のカテーテルの1つ以上の磁石によって生産される)1つ以上の磁場に誘引されるように構成されてもよい。磁石は、血管系内に設置されると、カテーテル1100/1108を整合させる、または別様に再度位置付けることに役立ち得る。いったん第1および第2のカテーテル1100/1108が位置付けられると、引力磁力もまた、カテーテル1100/1108の相対位置を維持するように作用し得る。第1および第2のカテーテル1100/1108が、個別の血管1106/1114内に設置されると、血管間に位置付けられる組織ならびに/もしくは血管の限定された応柔性が、第1および第2のカテーテルの磁石が第1および第2のカテーテルを相互に向かってもたらす程度を限定し得る。磁石は、加えて、または代替として、カテーテル1100/1108が、相互に対して適切な軸方向ならびに/もしくは回転整合状態にあることを確実にすることに役立ち得る。カテーテル1100/1108のそのような軸方向および/または回転整合はまた、脈管接着のための標的場所に対する熱電発生器1102/1110の整合も促進し得る。
【0084】
本明細書に説明されるシステムはさらに、カテーテルが、組織を加熱することに先立って軸方向および/または回転的に整合されることを確実にするために役立つための、1つ以上の付加的な整合特徴を備えてもよい。例えば、第1および第2のカテーテルのうちの一方または両方は、その位置付けならびに/もしくは整合の間に蛍光透視、超音波等を介して、管状構造内、または別のカテーテルに対するカテーテルの整合を間接的もしくは直接的に可視化するための視覚整合支援を備えてもよい。
【0085】
カテーテル1100/1108が、まとめられると、磁石1104/1112の引力磁力が、図7Bに示されるように、カテーテル1100/1108および血管1106/1114をより近接するようにもたらし得る。熱電発生器1102/1110のうちの1つ以上が、前述により詳細に説明されるように、次いで、(例えば、電流の送達を通して)組織に熱を印加するように通電されてもよい。
【0086】
いったんカテーテルが、整合されると、1つ以上の熱電発生器が、アクティブ化され、第1のカテーテル1100と第2のカテーテル1108との間で衝突される脈管組織を接着し得る。前述で説明されたように、供給された電流は、熱電発生器1102/1110のプレートのうちの一方、例えば、カテーテルの筐体の外側に露出されるプレートを加熱しながら、カテーテル1100/1108の筐体内に隠蔽されるプレートを冷却することをもたらす。図4Bに関して説明されるように、第1の電流の対向する供給された第2の電流が、プレート315のうちの一方を冷却し、プレート315のうちの一方を加熱することをもたらす。図6Aに示されるように、1つ以上の熱電発生器からの熱は、第1の脈管1202と第2の脈管1204との間に熱的溶接部1206を形成し得る。図6Bは、第1の脈管1202と接触する熱電発生器の形状にある熱的溶接部1206を形成している、第1の脈管1202の平面図である。いくつかの事例では、組織は、脈管1202/1204の内膜、内側、および/または外膜の間に熱的溶接部を形成するように加熱されてもよい。熱的溶接部1206は、脈管間に密閉シールを形成し、それによって、加圧流体が溶接平面を通して進入または退出しないように防止してもよい。溶接部はまた、脈管が、身体の機能または運動に起因して、印加され得る力下において引き離されないように防止するために十分に強力であってもよい。他の事例では、熱的溶接部1206は、内部水圧が脈管を離れるように切開しないように耐えることが可能であり得る。いくつかの変形例では、溶接部は、約0.1mm~約15mmの幅と、約0.1mm~約10cmの範囲に及ぶ長さとを有し得るが、溶接長は、本範囲から変動し得る。いくつかの変形例では、複数の離散溶接部が、カテーテルシステムによって、複数の接着要素、または脈管を通したカテーテルの移動を使用して生産され得る。
【0087】
本明細書において前述に記載されるように、熱電発生器は、組織を加熱することによって組織を接着してもよい。すなわち、熱電発生器は、熱電発生器を通して電流を駆動することによって加熱されている熱電発生器の露出表面を通して組織を接着するように熱エネルギーを送達する。いくつかの変形例では、熱電発生器は、熱電エネルギーを送達することによって組織を加熱してもよい。
【0088】
ここで図7A-7Bを参照すると、瘻が、接着の後に2つの脈管間に形成される変形例では、溶接部は、瘻が続いて、溶接部内に形成されるとき、2つの付着される脈管の接着を維持し得る。言い換えると、溶接部は、加圧流体が瘻を通して進行し、密閉シールを破壊しないように防止し得る。このように、溶接部は、流体の溢出または漏出を防止し得、したがって、増強された瘻を提供し得る。上記に記載されるように、熱電発生器を通して駆動される電流は、制御可能、アブレーション可能、または切断熱エネルギーを意図される組織部位(「標的組織」)に提供する。増加された熱を提供するために、熱電発生器を通して駆動される電流は、組織をアブレートするために十分な熱を提供するように変調(例えば、増加)されてもよい。故に、熱電発生器は、精密かつ変調された温度制御を提供しながら、低侵襲的である血管内瘻形成治療を提供し得る。図7Aは、第1の脈管1302と第2の脈管1304との間の瘻1308を囲繞する熱的溶接部1306の断面図を示す。図7Bは、第1の脈管1302および熱的溶接部1306と、それを通して瘻1308を通した流体連通を提供するように形成されながら、熱的溶接部1306の溶接された組織の周界を維持し、流体の漏出を防止するための、瘻1308との平面図を示す。
【0089】
図8は、概して、血管の血管内治療のためのシステム1500内の種々のモジュール間の通信を図式的に描写する。特に、システム1500は、通信経路1502と、制御ユニット1504と、制御ユニット1504に通信可能に結合される、エネルギー源1506とを含む。種々の実施形態では、概して、モジュール1508として表される、より少ないまたはより多い数のモジュールが、本開示の範囲から逸脱することなく、システム1500内に含まれ得ることに留意されたい。例えば、実施形態では、システム1500は、蛍光透視結像デバイスおよびディスプレイ、または他のモジュールを含んでもよい。加えて、システム1500は、上記の本明細書に説明される2カテーテルまたは単一カテーテルシステムのいずれか等の1つ以上のカテーテルを含む。すなわち、本システムは、瘻を発生させる、または別のタイプの血管治療を脈管内の標的場所に送達するように構成される、単一カテーテルシステム、もしくは瘻を2つのカテーテル間に発生させる、またはある他のタイプの血管治療を送達するように構成される、二重カテーテルシステムを含んでもよい。
【0090】
システム1500の種々のモジュールは、通信経路1502を経由して、相互に通信可能に結合されてもよい。通信経路1502は、例えば、伝導性ワイヤ、伝導性トレース、光導波路、または同等物等、信号を伝送することが可能である、任意の媒体から形成されてもよい。また、通信経路1502は、信号を伝送することが可能な媒体の組み合わせから形成されてもよい。いくつかの実施形態では、通信経路1502は、プロセッサ、メモリ、センサ、入力デバイス、出力デバイス、および通信デバイス等の構成要素の種々の構成要素間の電気データ信号の伝送を可能にするように協働する、伝導性トレース、伝導性ワイヤ、コネクタ、ならびにバスの組み合わせを含む。加えて、用語「信号」は、媒体を通して進行することが可能である、DC、AC、正弦波、三角波、方形波、振動、および同等物等の波形(例えば、電気、光学、磁気、機械、または電磁)を意味することに留意されたい。
【0091】
システム1500のエネルギー源1506は、電気導線を介して1つ以上のカテーテル(例えば、熱電発生器)に動作可能に結合されてもよい。エネルギー源1506は、上記に説明されるように、カテーテルの治療部の1つ以上の熱電モジュールにエネルギーを提供するためのハンドヘルド式エネルギー源であってもよい。他の実施形態では、エネルギー源1506は、移動可能カート(図示せず)に搭載されてもよい。実施形態では、1つ以上のユーザ入力デバイスが、制御ユニット1504の中にコマンドを入力し、瘻形成のためにエネルギー源1506を励起させるために使用されてもよい。実施形態では、エネルギー源は、システム全体が使い捨て可能であり、したがって、資本投資を要求しないように、カテーテルとともに使い捨て可能である。
【0092】
制御ユニット1504は、任意のタイプのコンピューティングデバイスであって、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のメモリモジュールとを含むことができる。1つ以上のプロセッサは、1つ以上のメモリモジュール上に記憶されるもの等の非一過性コンピュータ可読媒体上に記憶される、機械可読命令を実行することが可能な任意のデバイスを含んでもよい。故に、1つ以上のプロセッサはそれぞれ、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、ならびに/もしくは任意の他のコンピューティングデバイスを含んでもよい。
【0093】
制御ユニット1504の1つ以上のメモリモジュールは、1つ以上のプロセッサに通信可能に結合される。1つ以上のメモリモジュールは、揮発性および/または不揮発性メモリとして構成されてもよく、したがって、ランダムアクセスメモリ(SRAM、DRAM、および/または他のタイプのRAMを含む)、フラッシュメモリ、セキュアデジタル(SD)メモリ、レジスタ、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ならびに/もしくは他のタイプの非一過性コンピュータ可読媒体を含んでもよい。特定の実施形態に応じて、これらの非一過性コンピュータ可読媒体は、制御ユニット1504内に、および/または制御ユニット1504の外部に常駐してもよい。1つ以上のメモリモジュールは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、制御ユニットが、下記により詳細に説明されるであろう種々の機能を実施することを可能にする、論理(すなわち、機械可読命令)を記憶するように構成されてもよい。
【0094】
上記に述べられたように、システム1500はさらに、通信経路1502を経由して、システム1500の他のモジュールに通信可能に結合される、ディスプレイを含んでもよい。ディスプレイは、蛍光透視撮像デバイスまたは超音波撮像デバイス等の撮像デバイスからの画像データを表示するように構成される、任意のタイプのディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態では、制御ユニット1504は、画像データを処理し、ディスプレイを用いて、インジケータを画像上に投影し、例えば、回転整合、縦方向整合、血管間の距離、血管標識(動脈、カテーテル、穿通枝等)等を示してもよい。撮像デバイスがドップラ機能性を備える、実施形態では、制御ユニットは、流率、体積、脈管圧力等を含む、ドップラ情報を表示するように構成されてもよい。種々の実施形態では、制御ユニットは、治療部が患者の血管系を通して前進されるにつれて、カテーテルの治療部をリアルタイム表示してもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、血管治療の間に示されないが、その先端に近接して統合された追跡センサを有する、ガイドワイヤが、所望の静脈または動脈の中に挿入され、撮像デバイスの誘導の下、標的治療場所まで前進されてもよい。カテーテルは、次いで、本明細書に説明されるような1つ以上の場所センサもしくは1つ以上のエコー源性マーカまたはリングを使用して、ガイドワイヤを経由して、標的治療場所まで前進されてもよく、カテーテルの治療部は、蛍光透視法の使用の有無にかかわらず、追跡され、ディスプレイデバイスを使用して、リアルタイムで表示されてもよい。
【0096】
本明細書に記載されるように、本明細書に提供されるようなデバイスおよび方法は、瘻形成以外の目的のためにも使用され得る。例えば、本明細書に提供されるようなデバイスは、動脈化目的(例えば、脚部内の虚血のために、静脈を動脈化する)、脈管閉塞、血管形成術、血栓除去術、アテローム切除術、交差、薬物コーティングバルーン血管形成術、ステント留置(非被覆および被覆式)、血栓溶解療法等のために使用されてもよい。加えて、本明細書に提供される方法は、複数の治療および/または複数の治療部位を含んでもよい。
【0097】
ここで、本明細書に説明されるような実施形態が、血管の血管内治療のためのシステム、方法、およびカテーテルを対象とすることを理解されたい。特に、本明細書に説明されるような実施形態は、精密かつ変調された温度制御を提供しながら、低侵襲的である血管内瘻形成治療を提供する、熱電モジュールを含む。また、本明細書に説明される実施形態は、瘻形成等の治療のための単一カテーテルの使用を可能にし得る。したがって、オペレータおよび患者等にとって、そのような手技を簡略化する。
【0098】
用語「実質的に」および「約」が、本明細書では、任意の定量的比較、値、測定値、または他の表現に起因し得る、不確実性の固有の程度を表すために利用され得ることに留意されたい。これらの用語はまた、本明細書では、定量的表現が、論点となっている本主題の基本機能の変化をもたらすことなく、記載された基準から変動し得る程度を表すためにも利用される。
【0099】
特定の実施形態が、本明細書に例証され、説明されているが、種々の他の変更および修正が、請求される主題の精神ならびに範囲から逸脱することなく成され得ることを理解されたい。また、請求される主題の種々の側面が、本明細書に説明されているが、そのような側面は、組み合わせにおいて利用される必要はない。したがって、添付の請求項が、請求される主題の範囲内にある、全てのそのような変更および修正を網羅することが意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの血管間に瘻を形成するためのカテーテルを備えるシステムであって、
前記カテーテルは、
筐体と、
前記筐体に結合される治療部と
を備え、
前記治療部は、前記筐体の外側に露出される露出表面と、前記露出表面に対向し、前記露出表面に電気的に接続される隠蔽表面とを備える、熱電発生器を備え、
前記熱電発生器は、前記露出表面および前記隠蔽表面のうちの一方に電流が印加されると、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に温度差を生産し、それによって、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に前記温度差を生産し、前記2つの血管をともに溶接するように構成される、システム。
【請求項2】
前記熱電発生器に結合されるエネルギー源をさらに備える、請求項1に記載のシステム
【請求項3】
前記エネルギー源は、前記熱電発生器に結合されるハンドヘルド式エネルギー源である、請求項2に記載のシステム
【請求項4】
前記熱電発生器は、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に配置され、前記露出表面および前記隠蔽表面に電気的に接続される、少なくとも1つのn型半導体と、少なくとも1つのp型半導体とを備える、請求項1に記載のシステム
【請求項5】
前記熱電発生器は、熱電材料を備える、請求項1に記載のシステム
【請求項6】
対象を通して前進されるにつれて、前記カテーテルの治療部の場所情報を提供するように構成される、1つ以上の場所インジケータをさらに備える、請求項1に記載のシステム
【請求項7】
血管の壁に接触し、前記血管の壁と接触させるように、前記カテーテルの治療部を付勢するように構成される、1つ以上の付勢機構をさらに備える、請求項1に記載のシステム
【請求項8】
2つの血管間に瘻を形成するためのシステムであって、前記システムは、
第1の脈管内に受容されるように構成される、第1のカテーテルであって、前記第1のカテーテルは、筐体と、前記筐体に結合される治療部とを備え、前記治療部は、前記筐体の外側に露出される露出表面と、前記露出表面に対向し、前記露出表面に電気的に接続される隠蔽表面とを備える、熱電発生器を備える、第1のカテーテルと、
前記第1の脈管に隣接する第2の脈管内に受容されるように構成される、第2のカテーテルと
を備え、
前記熱電発生器は、前記露出表面および前記隠蔽表面のうちの一方に電流が印加されると、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に温度差を生産し、それによって、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に前記温度差を生産し、前記2つの血管をともに溶接するように構成される、システム。
【請求項9】
前記熱電発生器に結合されるエネルギー源をさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記エネルギー源は、前記熱電発生器に結合されるハンドヘルド式エネルギー源である、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記熱電発生器は、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に配置され、前記露出表面および前記隠蔽表面に電気的に接続される、少なくとも1つのn型半導体と、少なくとも1つのp型半導体とを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2のカテーテルは、第2の筐体と、前記第2の筐体に結合される第2の治療部とを備え、前記第2の治療部は、第2の熱電発生器を備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のカテーテル、前記第2のカテーテル、または両方は、対象を通して前進されるにつれて、前記第1のカテーテル、前記第2のカテーテル、または両方の場所情報を提供するように構成される、1つ以上の場所インジケータを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記熱電発生器は、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に配置され、前記露出表面および前記隠蔽表面に電気的に接続される、少なくとも1つのn型半導体と、少なくとも1つのp型半導体とを備える、請求項8に記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
本明細書に説明される実施形態によって提供されるこれらの付加的特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明に照らして、より完全に理解されるであろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
2つの血管間に瘻を形成するためのカテーテルを備えるシステムであって、
前記カテーテルは、
筐体と、
前記筐体に結合される治療部と
を備え、
前記治療部は、前記筐体の外側に露出される露出表面と、前記露出表面に対向し、それに電気的に接続される隠蔽表面とを備える、熱電発生器を備え、
前記熱電発生器は、前記露出表面および前記隠蔽表面のうちの一方に電流が印加されると、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に温度差を生産し、それによって、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に前記温度差を生産し、前記2つの血管をともに溶接するように構成される、システム。
(項目2)
前記熱電発生器に結合されるエネルギー源をさらに備える、項目1に記載のカテーテル。
(項目3)
前記エネルギー源は、前記熱電発生器に結合されるハンドヘルド式エネルギー源である、項目2に記載のカテーテル。
(項目4)
前記熱電発生器は、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に配置され、前記露出表面および前記隠蔽表面に電気的に接続される、少なくとも1つのn型半導体と、少なくとも1つのp型半導体とを備える、項目1に記載のカテーテル。
(項目5)
前記熱電発生器は、熱電材料から成る、項目1に記載のカテーテル。
(項目6)
対象を通して前進されるにつれて、前記カテーテルの治療部の場所情報を提供するように構成される、1つ以上の場所インジケータをさらに備える、項目1に記載のカテーテル。
(項目7)
血管の壁に接触し、前記血管の壁と接触させるように、前記カテーテルの治療部を付勢するように構成される、1つ以上の付勢機構をさらに備える、項目1に記載のカテーテル。
(項目8)
2つの血管間に瘻を形成するためのシステムであって、前記システムは、
第1の脈管内に受容されるように構成される、第1のカテーテルであって、前記第1のカテーテルは、筐体と、前記筐体に結合される治療部とを備え、前記治療部は、前記筐体の外側に露出される露出表面と、前記露出表面に対向し、それに電気的に接続される隠蔽表面とを備える、熱電発生器を備える、第1のカテーテルと、
前記第1の脈管に隣接する第2の脈管内に受容されるように構成される、第2のカテーテルと
を備え、
前記熱電発生器は、前記露出表面および前記隠蔽表面のうちの一方に電流が印加されると、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に温度差を生産し、それによって、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に前記温度差を生産し、前記2つの血管をともに溶接するように構成される、システム。
(項目9)
前記熱電発生器に結合されるエネルギー源をさらに備える、項目8に記載のシステム。
(項目10)
前記エネルギー源は、前記熱電発生器に結合されるハンドヘルド式エネルギー源である、項目8に記載のシステム。
(項目11)
前記熱電発生器は、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に配置され、前記露出表面および前記隠蔽表面に電気的に接続される、少なくとも1つのn型半導体と、少なくとも1つのp型半導体とを備える、項目8に記載のシステム。
(項目12)
前記第2のカテーテルは、第2の筐体と、前記第2の筐体に結合される第2の治療部とを備え、前記第2の治療部は、第2の熱電発生器を備える、項目8に記載のシステム。
(項目13)
前記第1のカテーテル、前記第2のカテーテル、または両方は、対象を通して前進されるにつれて、前記第1のカテーテル、前記第2のカテーテル、または両方の場所情報を提供するように構成される、1つ以上の場所インジケータを備える、項目8に記載のシステム。
(項目14)
前記熱電発生器は、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に配置され、前記露出表面および前記隠蔽表面に電気的に接続される、少なくとも1つのn型半導体と、少なくとも1つのp型半導体とを備える、項目8に記載のシステム。
(項目15)
瘻を形成する方法であって、前記方法は、
第1のカテーテルを第1の脈管の中に前進させることであって、前記第1のカテーテルは、筐体と、前記筐体に結合される治療部とを備え、前記治療部は、前記筐体の外側に露出される露出表面と、前記露出表面に対向し、それに電気的に接続される隠蔽表面とを備える、熱電発生器を備える、ことと、
第2の治療部を備える第2のカテーテルを第2の脈管の中に前進させることであって、前記第2の脈管は、前記第1の脈管に隣接する、ことと
を含み、
前記熱電発生器は、前記露出表面および前記隠蔽表面のうちの一方に電流が印加されると、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に温度差を生産し、それによって、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に前記温度差を生産するように構成され、前記露出表面は、前記第1の血管を前記第2の血管に溶接するように、前記隠蔽表面を上回る温度まで加熱される、方法。
(項目16)
電流を前記熱電発生器に印加し、前記温度差を生産することをさらに含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記露出表面が前記隠蔽表面より低い温度まで冷却されるように、前記電流を反転させ、前記露出表面と前記隠蔽表面との間に温度差を生産することをさらに含む、項目15に記載の方法。
(項目18)
前記第1のカテーテルはさらに、第1の磁石を備え、前記第2のカテーテルは、第2の磁石を備え、前記磁石は、前記第1のカテーテルおよび前記第2のカテーテルをより近接するようにもたらすように構成される、項目15に記載の方法。
(項目19)
前記第1の磁石および前記第2の磁石を整合させ、前記第1のカテーテルの治療部および前記第2のカテーテルの第2の治療部を整合させることをさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記第1の磁石および前記第2の磁石を整合させた後、電流を前記熱電発生器に印加し、前記温度差を生産することをさらに含む、項目19に記載の方法。
【国際調査報告】