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特表2023-529837有効成分を放出および送達するためのデバイスおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-12
(54)【発明の名称】有効成分を放出および送達するためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 3/00 20060101AFI20230705BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20230705BHJP
   A61L 9/12 20060101ALI20230705BHJP
   A01N 65/00 20090101ALI20230705BHJP
   A01N 25/00 20060101ALI20230705BHJP
   A01N 25/18 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
A01N3/00
A61L9/01 H
A61L9/12
A01N65/00 A
A01N25/00 102
A01N25/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574457
(86)(22)【出願日】2021-06-04
(85)【翻訳文提出日】2023-01-27
(86)【国際出願番号】 US2021035836
(87)【国際公開番号】W WO2021247958
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】63/035,564
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/072,703
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518294764
【氏名又は名称】ヘイゼル テクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】タム, ユアン ファン
(72)【発明者】
【氏名】プレスラー, アダム トルエット
【テーマコード(参考)】
4C180
4H011
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA16
4C180CA01
4C180EA13Y
4C180EA28Y
4C180EB02X
4C180EB03X
4C180EB07X
4C180EB12X
4C180EC01
4C180FF07
4C180GG17
4C180LL20
4H011BB22
4H011BC01
4H011BC22
4H011CA04
4H011DA12
4H011DB07
4H011DC05
4H011DE17
4H011DF03
(57)【要約】
発芽抑制剤などの有効成分を放出および送達するためのデバイスおよび方法が一般に記載される。一態様においては、組成物が記載される。いくつかの実施形態においては、組成物が、細孔を含む多孔質吸着材料と、細孔の少なくとも一部と会合した補助材料と、多孔質吸着材料と会合した有効成分とを含み、有効成分が、補助材料よりも揮発性であり、組成物中に存在する補助材料および有効成分の総量が、多孔質吸着材料の湿潤点未満である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産物の発芽を抑制する方法であって、
放出デバイスから前記産物を含有する容器内に発芽抑制剤を放出すること
を含み、
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、少なくとも1ppmの濃度で維持される、方法。
【請求項2】
産物の発芽を抑制する方法であって、
前記産物を、少なくとも3日間にわたって、放出デバイスから発する少なくとも1ppmの濃度の発芽抑制剤に連続的に曝露すること
を含む、方法。
【請求項3】
発芽抑制剤の送達のための方法であって、
前記発芽抑制剤を含む放出デバイスを用意することと;
前記放出デバイスを容器内に配置することと;
前記容器内に前記発芽抑制剤を放出することと
を含み、前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、少なくとも1ppmの濃度で維持される、方法。
【請求項4】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも1ppmの濃度で維持される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも1.5ppmの濃度で維持される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも2ppmの濃度で維持される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも2.5ppmの濃度で維持される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも3ppmの濃度で維持される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも3.5ppmの濃度で維持される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも4ppmの濃度で維持される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも4.5ppmの濃度で維持される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも5ppmの濃度で維持される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも5.5ppmの濃度で維持される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約0.75ppm~約1.5ppmの濃度で維持される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約0.90ppm~約1.25ppmの間の濃度で維持される、請求項1から14の一項に記載の方法。
【請求項16】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約1ppm~約1.25ppmの間の濃度で維持される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約1ppm~約1.5ppmの間の濃度で維持される、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約1ppm~約2ppmの間の濃度で維持される、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約1ppm~約3ppmの間の濃度で維持される、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約1ppm~約4ppmの間の濃度で維持される、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約1ppm~約5ppmの間の濃度で維持される、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約1ppm~約5.5ppmの間の濃度で維持される、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、最大10日間、最大25日間、最大40日間、最大50日間、最大75日間、最大100日間、または最大150日間、少なくとも1ppmの濃度で維持される、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記容器内の前記発芽抑制剤が、少なくとも3日間、最大6ppm、最大8ppm、または最大10ppmの濃度で維持される、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記産物が、発芽する傾向がある収穫後農産物および/または園芸産物からなる、請求項1から2および4から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記産物がジャガイモを含む、請求項1から2および4から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記産物がジャガイモである、請求項1から2および4から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記発芽抑制剤が、蒸気相または気相で前記放出デバイスから放出される、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記放出デバイスが有機認証されている、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記発芽抑制剤が有機認証されている、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記発芽抑制剤が食品に使っても安全である、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記放出デバイスが、
発芽抑制剤が含浸された多孔質吸着材料を含む組成物
を含み、前記組成物がフォームファクタに組み込まれる、請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記組成物が、フォームファクタの内側に密封されることによって前記フォームファクタに組み込まれる、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記フォームファクタに沈着および密封される前に、前記多孔質吸着材料を発芽抑制剤と会合すること
をさらに含む、請求項32から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記多孔質吸着材料が湿潤点を有する、請求項32から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記多孔質吸着材料の前記湿潤点未満で前記多孔質吸着材料と前記発芽抑制剤を会合させること
をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記発芽抑制剤が、前記多孔質吸着材料の前記湿潤点未満で前記多孔質吸着材料と会合している、
請求項35から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記フォームファクタが、20~50秒/100cm-in、または30~40秒/100cm-in、または45~60秒/100cm-in、60~150秒/100cm-in、または100~400秒/100cm-in、または300~400秒/100cm-inのガーリー・ヒル多孔度測定値を有する、請求項32から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記フォームファクタ材料が食品に使っても安全である、請求項32から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記フォームファクタが、パケット、パウチ、サシェ、またはパッドのうちの1またはそれより多くを含む、請求項32から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記フォームファクタが、パケット、パウチ、サシェ、またはパッドのうちの1またはそれより多くである、請求項32から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
発芽抑制剤が、前記多孔質吸着材料および前記発芽抑制剤の総重量に対して、少なくとも約12重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約31重量%、少なくとも約32重量%、少なくとも約33重量%、少なくとも約34重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約36重量%、少なくとも約37重量%、少なくとも約38重量%、少なくとも約39重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約41重量%、少なくとも約42重量%、少なくとも約43重量%、少なくとも約44重量%、少なくとも約45重量%、少なくとも約46重量%、少なくとも約47重量%、少なくとも約48重量%、少なくとも約49重量%、または少なくとも約50重量%の量で前記多孔質吸着材料中に存在する、請求項32から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
発芽抑制剤が、前記多孔質吸着材料および前記発芽抑制剤の総重量に対して、約12重量%~約20重量%の間、約12重量%~約24重量%の間、約12重量%~約25重量%の間、約12重量%~約30重量%の間、12重量%~約40重量%の間、12重量%~約45重量%の間、12重量%~約50重量%の間、15重量%~約20重量%、約15重量%~約24重量%の間、約15重量%~約25重量%の間、約15重量%~約30重量%の間、15重量%~約40重量%の間、15重量%~約45重量%の間、15重量%~約50重量%の間、約30重量%~約48重量%の間、約31重量%~約48重量%の間、約35重量%~約48重量%の間、30重量%~約50重量%、約31重量%~約50重量%の間、約35重量%~約50重量%の間、約35重量%~約45重量%の間、約36重量%~約45重量%の間、約37重量%~約45重量%の間、約38重量%~約45重量%の間、約39重量%~約45重量%の間、または約40重量%~約45重量%の間の量で前記多孔質吸着材料中に存在する、請求項32から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記発芽抑制剤が、少なくとも約0.02g、少なくとも約0.04g、少なくとも約0.05g、少なくとも約0.1g、少なくとも約0.2g、少なくとも約0.4g、少なくとも約0.5g、少なくとも約0.8g、少なくとも約1g、少なくとも約1.2g、少なくとも約2g、少なくとも約2.2g、少なくとも約2.5g、少なくとも約3g、少なくとも約3.5g、少なくとも約4g、少なくとも約5g、少なくとも約6g、少なくとも約6.5g、少なくとも約7g、少なくとも約10g、少なくとも約13g、少なくとも約15g、少なくとも約20g、少なくとも約25g、少なくとも約30g、少なくとも約50g、少なくとも約60g、少なくとも約65g、少なくとも約100g、少なくとも約130g、少なくとも約200g、少なくとも約250g、少なくとも約400g、または少なくとも約1000gの量で前記放出デバイス中に存在する、請求項1から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記発芽抑制剤が、最大約0.03g、最大約0.05g、最大約0.07g、最大約0.15g、最大約0.25g、最大約0.3g、最大約0.5g、最大約0.75g、最大約1g、最大約1.2g、最大約1.5g、最大約2g、最大約2.5g、最大約2.75g、最大約3.5g、最大約4g、最大約4.5g、最大約7g、最大約8g、最大約10g、最大約15g、最大約17g、最大約25g、最大約30g、最大約35g、最大約50g、最大約67g、最大約100g、最大約110g、最大約150g、最大約200g、最大約220g、最大約275g、または最大約450g、最大約800g、または最大約1350gの量で前記放出デバイス中に存在する、請求項1から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記発芽抑制剤が、約0.025g~約0.075gの間、約0.04g~約0.15gの間、約0.5g~約0.15gの間、約0.1g~約0.25gの間、約0.1g~約0.3gの間、約0.2g~約0.45gの間、約0.2g~約0.5gの間、約0.25g~約1.5gの間、約0.4g~約2.5gの間、約0.5g~約2gの間、約1g~約2.5gの間、約0.8g~約3.5gの間、約2g~約2.75gの間、約2g~約3.75gの間、約2.5g~約4gの間、約3.5g~約4.5gの間、約3.75g~約8gの間、約4g~約6.75gの間、約5g~約10gの間、約6.5g~約13.5gの間、約7g~約17gの間、約10g~約27gの間、約15g~約35gの間、約25g~約55gの間、約30g~約55gの間、約30g~約70gの間、約50g~約110gの間、約65g~約150gの間、約100g~約220gの間、約125g~約275gの間、約220g~約450gの間、約250g~約800gの間、または約440g~約1350gの間の量で前記放出デバイス中に存在する、請求項1から45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記発芽抑制剤が代表的な活性揮発性物質を含む、請求項1から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
蒸気相または気相で前記放出デバイスから前記代表的な活性揮発性物質を放出すること
をさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記発芽抑制剤が、精油、植物抽出物、テルペン、テルペノイド、スペアミント油、キャラウェイ油、キャラウェイ種子油、イノンド種子油、橙皮油、マンダリンオレンジ果皮油、クロモジ油、ジンジャーグラス油、ペパーミント油、クローブ油、ニンニク油、コヘンルーダ油、ユーカリ油、コリアンダー油、ヤマヨモギ油、ローズマリー油、ムナ油、ジャスミン油、ジャスモン酸メチル、3-デセン-2-オン、1,4-ジメチルナフタレン、カルボン、および/またはナタネ油のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記発芽抑制剤が、精油、植物抽出物、テルペン、テルペノイド、スペアミント油、キャラウェイ油、キャラウェイ種子油、イノンド種子油、橙皮油、マンダリンオレンジ果皮油、クロモジ油、ジンジャーグラス油、ペパーミント油、クローブ油、ニンニク油、コヘンルーダ油、ユーカリ油、コリアンダー油、ヤマヨモギ油、ローズマリー油、ムナ油、ジャスミン油、ジャスモン酸メチル、3-デセン-2-オン、1,4-ジメチルナフタレン、カルボン、および/またはナタネ油からなる群から選択される、請求項1から49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記発芽抑制剤が精油を含む、請求項1から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記発芽抑制剤がカルボンを含む、請求項1から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記カルボンの少なくとも一部が(R)-(-)-カルボンである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記カルボンの少なくとも一部が(S)-(+)-カルボンである、請求項52から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記発芽抑制剤がカルボンを含む精油を含む、請求項1から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記発芽抑制剤がスペアミント油またはスペアミント抽出物を含む、請求項1から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記発芽抑制剤がキャラウェイ種子油を含む、請求項1から56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記発芽抑制剤がシトラールを含む、請求項1から57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記発芽抑制剤がシトラールを含む精油を含む、請求項1から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記発芽抑制剤がレモングラスを含む、請求項1から59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記代表的な活性揮発性物質が、ジャスモン酸メチル、オイゲノール、酢酸オイゲニル、3-デセン-2-オン、1,4-ジメチルナフタレン、およびカルボンからなる群から選択される、請求項47から60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記放出デバイスが多孔質吸着材料をさらに含む、請求項1から61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記放出デバイスが、約0.1g~約0.25gの間、約0.25g~約0.5gの間、約0.5g~約1gの間、約1g~約5gの間、約2g~約7gの間、約5g~約8gの間、約8g~約10gの間、約10g~約15gの間、約15g~約30gの間、約30g~約60gの間、約60g~約120gの間、約120g~250gの間、約250g~約500gの間、約500g~約1kgの間、約1kg~約3kgの間、約1kg~約3kgの間、約3kg~約5kgの間、約5kg~約10kgの間、または約10kg~約20kgの間の量で前記多孔質吸着材料を含有する、請求項32から62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記送達材料が、少なくとも約100m/gの、少なくとも約400m/gの、少なくとも約500m/gの、少なくとも約1000m/gの、または少なくとも約200m/gの内部および外部の全化学表面積を有する、請求項1から63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記送達材料が、約100~約1500m/gの範囲の、約300~約1500m/gの範囲の、約500~約1500m/gの範囲の、約600~約1500m/gの範囲の、約650~約1300m/gの範囲の、約650~約1200m/gの範囲の、約800~約1200m/gの範囲の、約850~約1200m/gの範囲の、約900~約1150m/gの範囲の、または約900~約1500m/gの範囲の内部および外部の全化学表面積を有する、請求項1から64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記多孔質吸着材料が、少なくとも約100m/gの、少なくとも約400m/gの、少なくとも約500m/gの、少なくとも約1000m/gの、または少なくとも約200m/gの内部および外部の全化学表面積を有する、請求項32から65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記多孔質吸着材料が、約100~約1500m/gの範囲の、約300~約1500m/gの範囲の、約500~約1500m/gの範囲の、約600~約1500m/gの範囲の、約650~約1300m/gの範囲の、約650~約1200m/gの範囲の、約800~約1200m/gの範囲の、約850~約1200m/gの範囲の、約900~約1150m/gの範囲の、または約900~約1500m/gの範囲の内部および外部の全化学表面積を有する、請求項32から66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記多孔質吸着材料が吸着修飾官能基を含む、請求項32から67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記多孔質吸着材料が、炭素材料およびケイ酸塩材料からなる群から選択される、請求項32から68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記多孔質吸着材料が炭素材料である、請求項32から69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記多孔質吸着材料が炭素材料を含む、
請求項32から70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記炭素材料が、約75重量%~約100重量%の間の炭素、約80重量%~約100重量%の間の炭素、約90重量%~約100重量%の間の炭素、約95重量%~約100重量%の間の炭素、約93重量%~約99重量%の間の炭素、約94重量%~約98重量%の間の炭素、約90重量%~約95重量%の間の炭素の量の炭素を含む、請求項69から71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記炭素材料が活性化炭素を含む、請求項69から72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記多孔質吸着材料がケイ酸塩材料である、請求項32から73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記多孔質吸着材料がケイ酸塩材料を含む、請求項32から74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記ケイ酸塩材料が、少なくとも約1重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%の量のケイ酸塩を含む、請求項74から75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記ケイ酸塩材料が、少なくとも約1重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%の量の二酸化ケイ素を含む、請求項74から76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記ケイ酸塩材料がシリカを含む、請求項74から77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記産物の発芽活性を低下させることをさらに含む、請求項1から78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記放出デバイスを産物の容器に導入することをさらに含む、請求項1から79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記容器が、約5~約100ポンドの間の重量の量の前記産物を保持することができる、
請求項1から80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記容器が、前記産物の約5~約50ポンドの間の重量の量の前記産物を保持することができる、
請求項1から81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記容器が、約5~約25ポンドの間の重量の量の前記産物を保持することができる、
請求項1から82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記容器が、約5~10ポンドの間の重量の量の前記産物を保持することができる、
請求項1から83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記放出デバイスを前記容器に取り外し可能に(removeably)または永続的に貼り付けることをさらに含む、請求項1から84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記容器の内側に前記放出デバイスを自由に配置することをさらに含む、請求項1から85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記放出することが外部湿潤を加えることなく実施される、請求項1から86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
発芽抑制剤が含浸された多孔質吸着材料
を含む、放出デバイスであって、組成物がフォームファクタに組み込まれる、放出デバイス。
【請求項89】
フォームファクタ;および
多孔質吸着材料と;
前記多孔質吸着材料中に存在する発芽抑制剤と
を含む組成物
を含む、放出デバイス。
【請求項90】
前記発芽抑制剤が、精油、植物抽出物、テルペン、テルペノイド、スペアミント油、キャラウェイ油、キャラウェイ種子油、イノンド種子油、橙皮油、マンダリンオレンジ果皮油、クロモジ油、ジンジャーグラス油、ペパーミント油、クローブ油、ニンニク油、コヘンルーダ油、ユーカリ油、コリアンダー油、ヤマヨモギ油、ローズマリー油、ムナ油、ジャスミン油、ジャスモン酸メチル、3-デセン-2-オン、1,4-ジメチルナフタレン、カルボン、および/またはナタネ油のうちの少なくとも1つを含む、請求項88から89のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項91】
前記発芽抑制剤が、精油、植物抽出物、テルペン、テルペノイド、スペアミント油、キャラウェイ油、キャラウェイ種子油、イノンド種子油、橙皮油、マンダリンオレンジ果皮油、クロモジ油、ジンジャーグラス油、ペパーミント油、クローブ油、ニンニク油、コヘンルーダ油、ユーカリ油、コリアンダー油、ヤマヨモギ油、ローズマリー油、ムナ油、ジャスミン油、ジャスモン酸メチル、3-デセン-2-オン、1,4-ジメチルナフタレン、カルボン、および/またはナタネ油からなる群から選択される、請求項88から90のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項92】
前記発芽抑制剤が精油を含む、請求項88から91のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項93】
前記発芽抑制剤がカルボンを含む、請求項88から92のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項94】
前記カルボンの少なくとも一部が(R)-(-)-カルボンである、請求項93に記載の放出デバイス。
【請求項95】
前記カルボンの少なくとも一部が(S)-(+)-カルボンである、請求項93から94のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項96】
前記発芽抑制剤がカルボンを含む精油を含む、請求項88から95のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項97】
前記発芽抑制剤がスペアミント油またはスペアミント抽出物を含む、請求88から96のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項98】
前記発芽抑制剤がキャラウェイ種子油を含む、請求項88から97のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項99】
前記発芽抑制剤がシトラールを含む、請求項88から98のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項100】
前記発芽抑制剤がシトラールを含む精油を含む、請求項88から99のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項101】
前記発芽抑制剤がレモングラスを含む、請求項88から100のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項102】
前記多孔質吸着材料が炭素材料を含む、請求項88から101のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項103】
前記炭素材料が、約75重量%~約100重量%の間の炭素、約80重量%~約100重量%の間の炭素、約90重量%~約100重量%の間の炭素、約95重量%~約100重量%の間の炭素、約93重量%~約99重量%の間の炭素、約94重量%~約98重量%の間の炭素、約90重量%~約95重量%の間の炭素の量の炭素を含む、請求項88から102のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項104】
前記炭素材料が活性化炭素を含む、請求項88から103のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項105】
前記多孔質吸着材料がケイ酸塩材料を含む、請求項88から104のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項106】
前記ケイ酸塩材料がシリカを含む、請求項88から105のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項107】
前記多孔質吸着材料が、外部湿潤を加えることなく前記発芽抑制剤を放出するように構成される、請求項32から106のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項108】
前記フォームファクタが、蒸気相または気相で前記発芽抑制剤を放出することができる、請求項88から107のいずれか一項に記載の放出デバイス。
【請求項109】
前記放出デバイスが産物の容器中に存在する、請求項88から108の一項に記載の放出デバイス。
【請求項110】
請求項88から109のいずれか一項に記載の放出デバイスと産物とを含有する容器。
【請求項111】
前記容器内の発芽抑制剤が少なくとも1ppmの濃度である、請求項110に記載の容器。
【請求項112】
細孔を含む多孔質吸着材料と;
前記細孔の少なくとも一部と会合した補助材料と;
前記多孔質吸着材料と会合した有効成分と
を含む、組成物であって、
前記有効成分が前記補助材料よりも揮発性であり、
前記組成物中に存在する前記補助材料および前記有効成分の総量が、前記多孔質吸着材料の湿潤点未満である、組成物。
【請求項113】
多孔質吸着材料と;
前記多孔質吸着材料のバルク内の補助材料と;
前記多孔質吸着材料のバルク内の有効成分と
を含む、組成物であって、
前記有効成分が前記補助材料よりも揮発性である、組成物。
【請求項114】
炭素材料および/またはケイ酸塩材料を含む多孔質吸着材料であって、細孔を含む多孔質吸着材料と;
前記細孔の少なくとも一部と会合した補助油と;
前記多孔質吸着材料と会合したスペアミント油またはスペアミント抽出物と
を含む、組成物。
【請求項115】
炭素材料および/またはケイ酸塩材料を含む多孔質吸着材料であって、細孔を含む多孔質吸着材料と;
前記細孔の少なくとも一部と会合した補助油と;
前記多孔質吸着材料と会合したキャラウェイ種子油と
を含む、組成物。
【請求項116】
炭素材料および/またはケイ酸塩材料を含む多孔質吸着材料であって、細孔を含む多孔質吸着材料と;
前記細孔の少なくとも一部と会合した補助油と;
前記多孔質吸着材料と会合したレモングラスと
を含む、組成物。
【請求項117】
前記有効成分が精油を含む、請求項112から116のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項118】
前記有効成分が発芽抑制剤を含む、請求項112から117のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項119】
前記有効成分がスペアミント油またはスペアミント抽出物を含む、請求項112から118のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項120】
前記有効成分がカルボンを含む、請求項112から119のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項121】
前記カルボンの少なくとも一部が(R)-(-)-カルボンである、請求項120に記載の組成物。
【請求項122】
前記カルボンの少なくとも一部が(S)-(+)-カルボンである、請求項120から121のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項123】
前記有効成分がカルボンを含む精油を含む、請求項112から122のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項124】
前記有効成分がキャラウェイ種子油を含む、請求項112から123のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項125】
前記有効成分がシトラールを含む、請求項112から124のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項126】
前記有効成分がシトラールを含む精油を含む、請求項112から125のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項127】
前記有効成分がレモングラスを含む、請求項112から126のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項128】
前記有効成分が3-デセン-2-オンおよび/または1,4-ジメチルナフタレンを含む、請求項112から127のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項129】
前記有効成分がイソプロピル-N-(3-クロロフェニル)カルバメートを含む、請求項112から128のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項130】
前記有効成分がシクロプロペンを含む、請求項112から129のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項131】
前記シクロプロペンが1-メチルシクロプロペンである、請求項130に記載の組成物。
【請求項132】
前記有効成分がジャスモン酸および/またはその誘導体を含む、請求項112から131のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項133】
前記有効成分がグリオキシル酸および/またはその誘導体を含む、請求項112から132のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項134】
前記有効成分がギ酸エチルを含む、請求項112から133のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項135】
前記有効成分が、クローブ油、レモングラス、および/またはバニリンを含む、請求項112から134のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項136】
前記有効成分がホルモンを含む、請求項112から135のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項137】
前記ホルモンが鱗翅目ホルモンである、請求項136に記載の組成物。
【請求項138】
前記有効成分が、前記多孔質吸着材料の内面および/または外面に吸着されている、請求項112から137のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項139】
前記有効成分が、約263K~約313Kの少なくとも1つの温度で約0.2Paを超えるまたはそれと等しい蒸気圧を有する、請求項112から138のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項140】
前記補助材料が液体である、請求項112から139のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項141】
前記補助材料が、約263K~約313Kの少なくとも1つの温度で不揮発性である、請求項112から140のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項142】
前記補助材料が、約263K~約313の少なくとも1つの温度で約150Pa未満またはそれと等しい蒸気圧を有する、請求項112から141のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項143】
前記補助材料が油を含む、請求項112から142のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項144】
前記補助材料が、キャノーラ油、グリセリンコーン油、ヒマシ油、ヤシ油、および鉱油から選択される1またはそれを超える液体を含む、請求項112から143のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項145】
前記補助材料がグリセリンエステルを含む、請求項112から144のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項146】
前記グリセリンエステルがジアシルグリセロールまたはトリアシルグリセロールである、請求項145に記載の組成物。
【請求項147】
前記補助材料がコラーゲン系物質を含む、請求項112から146のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項148】
前記補助材料がリン脂質を含む、請求項112から147のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項149】
前記補助材料が水を含む、請求項112から148のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項150】
前記補助材料が、前記多孔質吸着材料に対する前記有効成分の吸着エンタルピーよりも大きな前記多孔質吸着材料に対する吸着エンタルピーを有する、請求項112から149のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項151】
前記補助材料が、モルパーセントで、前記有効成分よりも大量に前記多孔質支持材料中に存在する、請求項112から150のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項152】
前記多孔質吸着材料が炭素材料を含む、請求項112から151のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項153】
前記炭素材料が、約75重量%~約100重量%の間の炭素、約80重量%~約100重量%の間の炭素、約90重量%~約100重量%の間の炭素、約95重量%~約100重量%の間の炭素、約93重量%~約99重量%の間の炭素、約94重量%~約98重量%の間の炭素、約90重量%~約95重量%の間の炭素の量の炭素を含む、請求項152に記載の組成物。
【請求項154】
前記炭素材料が活性化炭素を含む、請求項152から153のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項155】
前記多孔質吸着材料がケイ酸塩材料を含む、請求項112から154のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項156】
前記ケイ酸塩材料がシリカを含む、請求項155に記載の組成物。
【請求項157】
前記多孔質吸着材料が珪藻土を含む、請求項112から155のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項158】
前記多孔質吸着材料がゼラチン状物質を含む、請求項112から157のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項159】
蒸気相または気相で前記有効成分を放出することができる、請求項112から158のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項160】
本質的に同一の条件下で、前記補助材料を欠く、他の点では同一の組成物よりも50時間以内により大量の前記有効成分を放出することができる、請求項112から159のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項161】
本質的に同一の条件下で、前記補助材料を欠く、他の点では同一の組成物よりも少ない量の前記有効成分が50時間の放出後に前記組成物中に存在したままである、請求項112から160のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項162】
放出デバイスの一部であるフォームファクタに組み込まれる、請求項112から161のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項163】
前記多孔質吸着材料が、外部湿潤を加えることなく前記有効成分を放出するように構成される、請求項112から162のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項164】
組成物から有効成分を放出すること
を含む、方法であって、
前記組成物が、
細孔を含む多孔質吸着材料と;
前記放出することの前の前記多孔質吸着材料と会合した前記有効成分と;
前記細孔の少なくとも一部と会合した補助材料と
を含み、前記有効成分が前記補助材料よりも揮発性である、方法。
【請求項165】
送達材料から有効成分を放出すること
を含む、方法であって、前記放出することの速度が、補助材料の非存在下での放出と比較して、前記送達材料内にのみ前記補助材料が存在することによって加速される、方法。
【請求項166】
組成物を作製する方法であって、多孔質吸着材料に不揮発性液体および有効成分を含浸させて前記組成物を形成することを含む、方法。
【請求項167】
前記多孔質吸着材料に前記不揮発性液体を含浸させて液体含浸多孔質吸着材料を形成することと;
前記液体含浸吸着材料に前記有効成分を含浸させて前記組成物を形成することと
を含む、請求項166に記載の方法。
【請求項168】
前記不揮発性液体と前記有効成分を組み合わせて混合物を形成することと;
前記多孔質吸着材料に前記混合物を含浸させて前記組み合わせを形成することと
を含む、請求項166に記載の方法。
【請求項169】
前記放出された有効成分を産物に曝露することをさらに含む、請求項164から165のいずれか一項に記載の方法。
【請求項170】
前記放出された有効成分を前記産物に曝露することが、前記産物上の発芽形成を減少させる、請求項169に記載の方法。
【請求項171】
前記産物が、根、主根、塊茎、茎根、根茎、および/または球根を含む、請求項164から165および169から170のいずれか一項に記載の方法。
【請求項172】
前記産物がジャガイモを含む、請求項164から165および169から171のいずれか一項に記載の方法。
【請求項173】
前記補助材料が、前記放出前に約50重量%未満またはそれと等しい量で前記組成物中に存在する、請求項164から172のいずれか一項に記載の方法。
【請求項174】
前記組成物中に存在する前記補助材料および前記有効成分の総量が、前記多孔質吸着材料の湿潤点未満である、請求項164から173のいずれか一項に記載の方法。
【請求項175】
前記有効成分が精油を含む、請求項164から174のいずれか一項に記載の方法。
【請求項176】
前記有効成分が発芽抑制剤を含む、請求項164から175のいずれか一項に記載の方法。
【請求項177】
前記有効成分がスペアミント油またはスペアミント抽出物を含む、請求項164から176のいずれか一項に記載の方法。
【請求項178】
前記有効成分がカルボンを含む、請求項164から177のいずれか一項に記載の方法。
【請求項179】
前記カルボンの少なくとも一部が(R)-(-)-カルボンである、請求項178に記載の方法。
【請求項180】
前記カルボンの少なくとも一部が(S)-(+)-カルボンである、請求項178から179のいずれか一項に記載の方法。
【請求項181】
前記有効成分がカルボンを含む精油を含む、請求項164から180のいずれか一項に記載の方法。
【請求項182】
前記有効成分がキャラウェイ種子油を含む、請求項164から181のいずれか一項に記載の方法。
【請求項183】
前記有効成分がシトラールを含む、請求項164から182のいずれか一項に記載の方法。
【請求項184】
前記有効成分がシトラールを含む精油を含む、請求項164から183のいずれか一項に記載の方法。
【請求項185】
前記有効成分がレモングラスを含む、請求項164から184のいずれか一項に記載の方法。
【請求項186】
前記有効成分が3-デセン-2-オンおよび/または1,4-ジメチルナフタレンを含む、請求項164から185のいずれか一項に記載の方法。
【請求項187】
前記有効成分がイソプロピル-N-(3-クロロフェニル)カルバメートを含む、請求項164から186のいずれか一項に記載の方法。
【請求項188】
前記有効成分がシクロプロペンを含む、請求項164から187のいずれか一項に記載の方法。
【請求項189】
前記シクロプロペンが1-メチルシクロプロペンである、請求項164から188のいずれか一項に記載の方法。
【請求項190】
前記有効成分がジャスモン酸および/またはその誘導体を含む、請求項164から189のいずれか一項に記載の方法。
【請求項191】
前記有効成分がグリオキシル酸および/またはその誘導体を含む、請求項164から190のいずれか一項に記載の方法。
【請求項192】
前記有効成分がギ酸エチルを含む、請求項164から191のいずれか一項に記載の方法。
【請求項193】
前記有効成分が、クローブ油、レモングラス、および/またはバニリンを含む、請求項164から192のいずれか一項に記載の方法。
【請求項194】
前記有効成分がホルモンを含む、請求項164から193のいずれか一項に記載の方法。
【請求項195】
前記活性ホルモンが鱗翅目ホルモンである、請求項194に記載の方法。
【請求項196】
前記有効成分が、前記多孔質吸着材料の内面および/または外面に吸着されている、請求項164から195のいずれか一項に記載の方法。
【請求項197】
前記有効成分が、約268K~約313Kの少なくとも1つの温度で約0.2Paを超えるまたはそれと等しい蒸気圧を有する、請求項164から196のいずれか一項に記載の方法。
【請求項198】
前記補助材料が液体である、請求項164から197のいずれか一項に記載の方法。
【請求項199】
前記補助材料または不揮発性液体が、約268K~約313Kの少なくとも1つの温度で不揮発性である、請求項164から198のいずれか一項に記載の方法。
【請求項200】
前記補助材料または不揮発性液体が、約268K~約313Kの少なくとも1つの温度で約150Pa未満またはそれと等しい蒸気圧を有する、請求項164から199のいずれか一項に記載の方法。
【請求項201】
前記補助材料または不揮発性液体が油を含む、請求項164から200のいずれか一項に記載の方法。
【請求項202】
前記補助材料または不揮発性液体が、キャノーラ油、コーン油、ヒマシ油、ヤシ油、および鉱油から選択される1またはそれを超える液体を含む、請求項164から201のいずれか一項に記載の方法。
【請求項203】
前記補助材料または不揮発性液体がグリセリンエステルを含む、請求項164から202のいずれか一項に記載の方法。
【請求項204】
前記グリセリンエステルがジアシルグリセロールまたはトリアシルグリセロールである、請求項203に記載の方法。
【請求項205】
前記補助材料または不揮発性液体が水を含む、請求項164から204のいずれか一項に記載の方法。
【請求項206】
前記補助材料または不揮発性液体がコラーゲン系物質を含む、請求項164から205のいずれか一項に記載の方法。
【請求項207】
前記補助材料または不揮発性液体がリン脂質を含む、請求項164から206のいずれか一項に記載の方法。
【請求項208】
前記補助材料または不揮発性液体が、前記多孔質吸着材料に対する前記有効成分の吸着エンタルピーよりも大きな前記多孔質吸着材料に対する吸着エンタルピーを有する、請求項164から207のいずれか一項に記載の方法。
【請求項209】
前記補助材料または不揮発性液体が、モルパーセントで、前記有効成分よりも大量に前記多孔質支持材料中に存在する、請求項164から208のいずれか一項に記載の方法。
【請求項210】
前記多孔質吸着材料が炭素材料を含む、請求項164から209のいずれか一項に記載の方法。
【請求項211】
前記炭素材料が、約75重量%~約100重量%の間の炭素、約80重量%~約100重量%の間の炭素、約90重量%~約100重量%の間の炭素、約95重量%~約100重量%の間の炭素、約93重量%~約99重量%の間の炭素、約94重量%~約98重量%の間の炭素、約90重量%~約95重量%の間の炭素の量の炭素を含む、請求項210に記載の方法。
【請求項212】
前記炭素材料が活性化炭素を含む、請求項210から211のいずれか一項に記載の方法。
【請求項213】
前記多孔質吸着材料がケイ酸塩材料を含む、請求項164から212のいずれか一項に記載の方法。
【請求項214】
前記ケイ酸塩材料がシリカを含む、請求項212に記載の方法。
【請求項215】
前記多孔質吸着材料が珪藻土を含む、請求項164から214のいずれか一項に記載の方法。
【請求項216】
前記多孔質吸着材料がゼラチン状物質を含む、請求項164から215のいずれか一項に記載の方法。
【請求項217】
前記補助材料の非存在下での放出と比較して少ない量の前記有効成分が50時間の放出することの後に前記組成物中に存在したままである、請求項164から216のいずれか一項に記載の方法。
【請求項218】
前記放出することが外部湿潤を加えることなく実施される、請求項164から165および169から216のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その各々があらゆる目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年6月5日に出願され、「Devices and Methods for Release and Delivery of Sprout Suppressants」と題された米国仮特許出願第63/035,564号に対する、および2020年8月31日に出願され、「Devices and Methods for Release and Delivery of Active Ingredients」と題された米国仮特許出願第63/072,703号に対する米国特許法第119条(e)の下での優先権を主張する。
【0002】
技術分野
発芽抑制剤などの有効成分を放出および送達するためのデバイスおよび方法が一般に記載される。
【背景技術】
【0003】
背景
ジャガイモは、典型的には収穫後6週間またはそれを超えて貯蔵される。ジャガイモは、一般に、発芽を軽減し、ジャガイモの貯蔵寿命を延ばすために、周囲温度未満(例えば、およそ21℃未満)の部屋で貯蔵される。発芽を阻害するために、貯蔵期間中にジャガイモをイソプロピルN-(3-クロロフェニル)カルバメート(CIPC)で処理することも一般的である。しかしながら、いったんジャガイモが貯蔵室から取り出され、流通および出荷のために包装されると、貯蔵後にCIPC噴霧処理は使用されない。さらに、CIPCは有機認証ジャガイモでは許可されていない。
【0004】
貯蔵後、ジャガイモは流通および出荷のために5~100ポンドのジャガイモ容器に、より典型的には5~50ポンドの重量を有するジャガイモ容器に包装される。例えば、包装されたジャガイモおよび発芽しやすい他の作物における貯蔵後の発芽抑制のための改善されたデバイスおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
発芽抑制剤などの有効成分を放出および送達するためのデバイス、システム、および方法が一般に記載される。本発明の主題は、場合によっては、相互関連製品、特定の問題に対する代替的な解決策、ならびに/あるいは1またはそれを超えるシステムおよび/または物品の複数の異なる使用を含む。
【0006】
一態様では、組成物が記載される。いくつかの実施形態では、組成物が、細孔を含む多孔質吸着材料と、細孔の少なくとも一部と会合した補助材料と、多孔質吸着材料と会合した有効成分とを含み、有効成分が、補助材料よりも揮発性であり、組成物中に存在する補助材料および有効成分の総量が、多孔質吸着材料の湿潤点未満である。
【0007】
いくつかの実施形態では、組成物が、多孔質吸着材料と、多孔質吸着材料のバルク内の補助材料と、多孔質吸着材料のバルク内の有効成分とを含み、有効成分が補助材料よりも揮発性である。
【0008】
いくつかの実施形態では、組成物が、炭素材料および/またはケイ酸塩材料を含む多孔質吸着材料であって、細孔を含む多孔質吸着材料と、細孔の少なくとも一部と会合した補助油と、多孔質吸着材料と会合したスペアミント油またはスペアミント抽出物とを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、組成物が、炭素材料および/またはケイ酸塩材料を含む多孔質吸着材料であって、細孔を含む多孔質吸着材料と、細孔の少なくとも一部と会合した補助油と、多孔質吸着材料と会合したキャラウェイ種子油とを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、組成物が、炭素材料および/またはケイ酸塩材料を含む多孔質吸着材料であって、細孔を含む多孔質吸着材料と、細孔の少なくとも一部と会合した補助油と、多孔質吸着材料と会合したレモングラスとを含む。
【0011】
別の態様では、方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法が、組成物から有効成分を放出することを含み、組成物が、細孔を含む多孔質吸着材料と、放出することの前の多孔質吸着材料と会合した有効成分と、細孔の少なくとも一部と会合した補助材料とを含み、有効成分が補助材料よりも揮発性である。
【0012】
いくつかの実施形態では、方法が、送達材料から有効成分を放出することを含み、放出の速度が、補助材料の非存在下での放出と比較して、送達材料内にのみ補助材料が存在することによって加速される。
【0013】
別の態様では、組成物を調製する方法が提供される。いくつかの実施形態では、組成物を調製する方法が、多孔質吸着材料に不揮発性液体および有効成分を含浸させて組成物を形成することを含む。
【0014】
別の態様では、産物の発芽を抑制する方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法が、放出デバイスから産物を含有する容器内に発芽抑制剤を放出することを含み、容器内の発芽抑制剤が、少なくとも3日間、少なくとも1ppmの濃度で維持される。
【0015】
いくつかの実施形態では、方法が、産物を、少なくとも3日間にわたって、放出デバイスから発する少なくとも1ppmの濃度の発芽抑制剤に連続的に曝露することを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、方法が、発芽抑制剤を含む放出デバイスを用意することと、放出デバイスを容器内に配置することと、容器内に発芽抑制剤を放出することとを含み、容器内の発芽抑制剤が、少なくとも3日間、少なくとも1ppmの濃度で維持される。
【0017】
別の態様では、放出デバイスが提供される。いくつかの実施形態では、放出デバイスが、発芽抑制剤が含浸された多孔質吸着材料を含み、組成物がフォームファクタに組み込まれる。
【0018】
いくつかの実施形態では、放出デバイスが、フォームファクタ;および多孔質吸着材料と、多孔質吸着材料中に存在する発芽抑制剤とを含む組成物を含む。
【0019】
本発明の他の利点および新規な特徴は、添付の図と併せて検討すれば、本発明の様々な非限定的な実施形態の以下の詳細な記載から明らかになる。本明細書および参照により組み込まれる文書が矛盾するおよび/または一致しない開示を含む場合、本明細書が優先するものとする。
図面の簡単な説明
【0020】
本発明の非限定的な実施形態は、添付の図面を参照して例として記載されるが、添付の図面は概略的なものであり、特に明記しない限り縮尺通りに描かれることを意図していない。図面では、例示される同一またはほぼ同一の各構成要素は、典型的には、単一の数字によって表されている。明確にするために、全ての構成要素が全ての図に示されているわけではなく、当業者が本発明を理解することを可能にするために例示が必要ではない本発明の各実施形態の全ての構成要素が示されているわけでもない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A図1Aは、いくつかの実施形態による、多孔質吸着材料と、多孔質吸着材料と会合した有効成分とを含む例示的な組成物の断面概略図を示す。
【0022】
図1B図1Bは、いくつかの実施形態による、多孔質吸着材料と、多孔質吸着材料と会合した補助材料と、多孔質吸着材料と会合した有効成分とを含む例示的な組成物の断面概略図を示す。
【0023】
図2A図2Aは、放出デバイスから放出された発芽抑制剤の非存在下で発芽している産物を含有する容器の断面概略図を示す。
【0024】
図2B図2Bは、放出デバイスから放出された発芽抑制剤の存在下で発芽が減少している産物を含有する容器の断面概略図を示す。
【0025】
図3A-3B】図3A図3Bは、いくつかの実施形態による、補助材料を欠く様々な例示的な組成物における、経時的なスペアミント精油(SEO)の平均損失(g)(図3A)およびSEO充填(重量%)(図3B)のプロットを示す。
【0026】
図4A-4B】図4A図4Bは、いくつかの実施形態による、補助材料を含む様々な例示的な組成物における、経時的なスペアミント精油(SEO)の平均損失(g)(図4A)およびSEO充填(重量%)(図4B)のプロットを示す。
【0027】
図5A-5B】図5A図5Bは、いくつかの実施形態による、様々な温度および期間条件下での様々な組成物における経時的なSEOの平均損失(g)(図5A)およびSEO充填(重量%)(図5B)のプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
詳細な説明
発芽抑制剤などの有効成分を放出するための放出デバイスおよび組成物、ならびに関連する方法が一般的に提供される。一態様では、有効成分とあまり揮発性でない補助材料の両方を含む組成物が提供される。いくつかのこのような実施形態では、補助材料(例えば、補助液)の存在が、(例えば、比較的迅速な放出を達成するために必要な有効成分が少なくて済むように)有効成分の放出を加速し得る。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤を含む放出デバイスが、産物を含有する容器に組み込まれる。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤を含む放出デバイスが、発芽しやすい作物または産物を含有する容器に組み込まれる。いくつかの実施形態では、産物がジャガイモを含む。いくつかの実施形態では、産物がジャガイモである。
【0029】
有効成分(例えば、揮発性有効成分)の放出は、場合によっては、所望の使用のために農産物の品質を低下させるある特定の生物学的プロセスを減速させることができる。例えば、有効成分は、貯蔵寿命を延ばすために、サプライチェーンに沿った様々な段階で産物に施用され得る。一例として、ジャガイモなどのある特定の産物は、収穫後に発芽しやすい可能性があるが、ある特定の有効成分(例えば、スペアミント油またはスペアミント抽出物)の施用を介して、発芽が減少、遅延、またはさらには防止され得る。燻蒸などを介して有効成分を産物に施用するためのある特定の既存の技術は、かなりの空間を必要とするため、サプライチェーンのある特定の部分にはあまり適さない場合があり、有効成分雰囲気を供給および維持するために資本設備が必要となる場合がある。例として、産物が比較的小さな容器内に含有され得る場合、燻蒸が出荷または貯蔵中に実用的ではない場合がある。本開示の発明者らは、有効成分(例えば、発芽抑制剤)の放出が、比較的小さな容器内であっても望ましいレベルおよび速度で可能であり得ることを認識した。本明細書に記載される組成物および放出デバイスは、場合によっては、安全で、実用的で、かつ比較的安価な方法でこのような有効成分の放出を提供することができる。例えば、本開示のいくつかの態様は、比較的少量の有効成分を使用して比較的高い速度で有効成分を放出することができる組成物に関する。このような効果は、少なくとも部分的に、有効成分と会合した多孔質吸着材料へのある特定の補助材料の組み込みに起因し得る。さらに、組成物および放出デバイスは、発芽抑制剤などの有効成分を、産物の容器内に、産物の発芽の抑制をもたらす濃度および期間にわたって放出する(例えば、制御放出)ように構成され得ることが観察されている。
【0030】
いくつかの実施形態では、多孔質吸着材料を含む組成物が記載される。図1Aは、いくつかの実施形態による、多孔質吸着材料20を含む組成物10の断面概略図を示す。多孔質吸着材料は、発芽抑制剤などの会合した有効成分の放出(例えば、制御放出)を促進することができる。例えば、図1Aにおいて、いくつかの実施形態によれば、有効成分30は、多孔質吸着材料20と会合しており、ある特定の条件下で組成物10から放出され得る。それだけに限らないが、炭素材料および/またはケイ酸塩材料を含む、様々な潜在的に適切な多孔質吸着材料が、本開示の指針で使用され得る。いくつかの実施形態では、多孔質吸着材料が、多孔質固体(例えば、珪藻土などの軟岩)の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、多孔質吸着材料がゼラチン状材料を含む。例えば、多孔質吸着材料はコラーゲン由来(例えば、ゼラチン)であり得る。いくつかの実施形態では、多孔質吸着材料が、異なる種類の材料の混合物(例えば、炭素材料とケイ酸塩材料の両方を含む混合物、または珪藻土とゼラチンの両方を含む混合物)を含む。
【0031】
吸着材料は、一般に、少なくとも1つのセットの条件下で第2の物質を会合および保持することができる。吸着材料は、場合によっては、吸着を介して(例えば、吸着剤の内面または外面に)第2の物質を会合させることができるが、それぞれの材料の物理的特性および化学的特性に応じて、様々な特異的または非特異的相互作用のいずれかが単独でまたは組み合わせて会合に寄与し得ることを理解すべきである。吸着材料は、吸着材料および会合物質の総重量に対して、0.01重量%を超えるまたはそれと等しい、0.1重量%を超えるまたはそれと等しい、1重量%を超えるまたはそれと等しい、5重量%を超えるまたはそれと等しい、および/または最大10重量%、最大25重量%、最大45重量%、または最大50重量%の量の他の物質を会合し得る。
【0032】
以下でより詳細に記載されるように、多孔質吸着材料は、マクロ細孔、メソ細孔、および/またはミクロ細孔などの様々な細孔のいずれかを含み得る。細孔の存在は、場合によっては、(例えば、会合した有効成分の拡散特性に影響を及ぼすことによって)放出速度を調整しながら、有効成分の会合に十分な表面積を提供することによって、有効成分(例えば、発芽抑制剤)の望ましい放出プロファイルを促進し得る。図1Aに示される例示的な実施形態では、多孔質吸着材料20が、マクロ細孔40、メソ細孔41、およびミクロ細孔42を含む。
【0033】
上記のように、本明細書の組成物は有効成分を含み得る。有効成分は、組成物の送達材料(例えば、多孔質吸着材料)と会合し得る。有効成分は、農業、ペストコントロール、臭気制御、および食品保存の少なくとも1つにおける用途に有用であり得る。いくつかの実施形態では、有効成分が発芽抑制剤を含む。換言すれば、有効成分は、発芽しやすい農産物、例えば発芽しやすい産物における発芽を減少、遅延、または防止することができる。有効成分は、ある特定の実施形態によれば、以下に記載される発芽抑制剤(単独で、または1またはそれを超える発芽抑制剤を含む混合物として)のいずれかであり得るか、またはそれを含み得る。例えば、有効成分は、スペアミント油またはスペアミント抽出物(例えば、カルボンを含む油または抽出物)などの精油を含み得る。別の例として、発芽抑制剤はイソプロピル-N-(3-クロロフェニル)カルバメートを含み得る。いくつかの実施形態では、有効成分が、クローブ油、レモングラス、および/またはバニリンを含む。いくつかの実施形態では、有効成分がシクロプロペンを含む。シクロプロペンは、当技術分野で公知の様々なシクロプロペン誘導体のいずれか、例えば1-メチルシクロプロペンであり得る。いくつかの実施形態では、有効成分がジャスモン酸および/またはその誘導体を含む。いくつかの実施形態では、有効成分がグリオキシル酸および/またはその誘導体を含む。ジャスモン酸またはグリオキシル酸などの酸種の誘導体は、例えば、酸の共役塩基(例えば、ジャスモネート、グリオキシレート)または酸のエステル(例えば、ジャスモン酸メチル、ジャスモン酸エチル、グリオキシル酸メチル、グリオキシル酸エチル等)であり得る。いくつかの実施形態では、有効成分がギ酸エチルを含む。いくつかの実施形態では、有効成分がホルモンを含む。有効成分として使用される潜在的なホルモンの一例は、鱗翅目(Lepidopteran)ホルモンなどの昆虫ホルモンである。
【0034】
いくつかの実施形態では、有効成分が多孔質吸着材料と会合している。有効成分は、様々な方法のいずれかで多孔質吸着材料と会合していてもよく、本明細書に記載される方法およびデバイスは、いかなる特定の会合機序にも限定されない。いくつかの実施形態では、有効成分が、多孔質吸着材料の内面および/または外面に吸着されている。有効成分の表面への吸着は、主にファンデルワールス力などの非特異的力に基づき得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、有効成分が、共有結合、静電相互作用、π-πスタッキング、または特異的非共有結合親和性相互作用(例えば、多孔質吸着材料の表面に固定された官能基および/または錯化剤を介して)などの様々な相互作用のいずれかを介して多孔質吸着材料と特異的に会合し得る。いくつかの実施形態では、有効成分が接着力を介して多孔質吸着材料と会合している。例えば、液体有効成分は、多孔質吸着材料の表面を濡らした場合の毛細管力を介して多孔質吸着材料と会合し得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、有効成分が多孔質吸着材料のバルク内にある。多孔質吸着材料の外部巨視的表面に会合しているだけであるのと対照的に、多孔質吸着材料のバルク内(例えば、多孔質吸着材料の巨視的体積の内側80%内)にあることは、少なくとも部分的に、有効成分の比較的高い充填ならびに有効成分の放出速度の調整に寄与し得る。いくつかの実施形態では、有効成分が、多孔質吸着材料の細孔の少なくとも一部の中にある(例えば、多孔質吸着基材の細孔内の表面に吸着される)。例えば、図1Aでは、有効成分30が、マクロ細孔40、メソ細孔41、およびミクロ細孔42の少なくとも一部の中に存在する(例えば、表面に吸着される)。
【0036】
組成物の有効成分(例えば、発芽抑制剤)は、1またはそれを超える物質の状態で存在し得る。例えば、有効成分は、気体(例えば、多孔質吸着材料の表面に吸着された気相分子)として存在し得る。いくつかの実施形態では、有効成分が液体(例えば、多孔質吸着材料の内部を含浸する液体)として存在する。いくつかの実施形態では、有効成分が、液相と気相の組み合わせで(例えば、ある量の有効成分蒸気が多孔質吸着材料のバルク内に存在する揮発性液体として)存在する。
【0037】
(例えば発芽抑制のための)本明細書に記載される組成物は、有効成分を放出することができ得る。以下に記載されるように、ある特定の組成物および組成物を含む放出デバイスは、有効成分(例えば、発芽抑制剤)を比較的長期間にわたって比較的多量に放出することができ得る。このような放出プロファイル(例えば、制御放出プロファイル)で有効成分を放出することは、産物を取り囲む雰囲気中で比較的高濃度の有効成分を維持するのに役立ち得る。小さな、場合によっては安価な組成物およびデバイスから長期間にわたってこのような雰囲気を維持する能力は、(例えば、貯蔵および/または出荷容器内の発芽しやすい産物における発芽を防止するための)そうでなければ処理が実用的でないであろう状況での産物処理を可能にし得る。
【0038】
本開示の文脈においては、組成物中の有効成分の量が、有効成分が組成物から放出される速度に影響を及ぼし得ることが認識されている。ある特定の有効成分(例えば、スペアミント油などの発芽抑制剤)について、より大量の有効成分が有効成分のより速い放出をもたらすことが本明細書で観察されている。このような迅速な放出は、場合によっては、(例えば、有意な発芽が起こる前に発芽を抑制することによって)産物を処理するのに有益であり得る。しかしながら、一部の有効成分は比較的高価であり得、高充填は、組成物およびデバイスの製造に関連するコストを増加させる。したがって、比較的低い充填の有効成分で速い放出速度を促進する方法および配合物が、場合によってより低いコストでの産物処理を提供することができる。
【0039】
これに関連して、組成物中の補助材料の存在が、有効成分の所望の放出特性を促進し得ることが発見された。例えば、有効成分の放出速度が組成物中の有効成分の量に比例するいくつかの例では、補助材料(例えば、補助液)の存在が、第1の量の有効成分での、第2のより大量の有効成分でのみ達成可能である(多孔質吸着材料、周囲雰囲気、および温度などの他の因子は同等である)放出速度をもたらし得る。したがって、予想外にも、組成物と会合した(例えば、多孔質吸着材料と会合した)有効成分の量のある特定の百分率(例えば、約5重量%を超えるまたはそれと等しい、約10重量%を超えるまたはそれと等しい、約15重量%を超えるまたはそれと等しい、および/または最大約18重量%、最大約20重量%、最大約23重量%、最大約25重量%、最大約50重量%、またはそれを超える)を補助材料で置き換えることができることが発見された。いくつかのこのような例では、置き換えが、有効成分のいずれも補助材料で置き換えていない他の点では同一の組成物と比較して、有効成分の放出特性にほとんど(例えば、約10%未満、約5%未満、約2%未満、および/または約1%程度の低さ)または全く影響を及ぼし得ない。例えば、いくつかの実施形態では、3gの有効成分を含む組成物中の有効成分の1/3を補助材料で置き換えること(2gの有効成分および1gの補助材料を含む組成物をもたらす)が、有効成分の放出特性にほとんどまたは全く影響を及ぼさない(例えば、有効成分が、3gの有効成分を有する試料とまさに同じ速さで放出される)。しかしながら、いくつかの実施形態では、補助材料の存在が、(例えば、多孔質吸着材料における表面結合について有効成分を打ち負かすことなどの化学的または物理的相互作用を介して)有効成分の放出特性に影響を及ぼす。
【0040】
「補助」材料という用語が、本明細書では、補助材料とは異なる物質である有効成分と区別するために使用されることを理解すべきである。いくつかの実施形態では、補助材料が液体として存在する。いくつかの実施形態では、補助材料が固体として存在する。いくつかの実施形態では、補助材料が、第1の温度の液体であり、第2の温度で固体である(例えば、補助材料は、高温で液体として組成物に組み込まれ、次いで、冷却すると組成物中で凝固し得る)。このような一例は、標準条件下で26℃の融解温度を有する未分留ヤシ油である。ヤシ油は、40℃で液体として多孔質吸着材料の細孔に導入され得、次いで、ヤシ油は、組成物が26℃未満に冷却されると細孔内で凝固し得る。
【0041】
「補助材料」という用語の使用は便宜上使用されており、有効成分の特定の物理的または化学的特性を意味することを意図するものではない。いくつかの実施形態では、補助材料が組成物中に存在し、組成物中の有効成分が気体または蒸気の形態である。しかしながら、いくつかの実施形態では、有効成分が組成物中の第1の液体であり、補助材料が組成物中の第2の異なる液体である。
【0042】
いくつかの実施形態では、補助材料が多孔質吸着材料と会合している。有効成分の場合と同様に、補助材料は、様々な方法のいずれかで多孔質吸着成分と会合していてもよく、本明細書に記載される方法およびデバイスは、いかなる特定の会合機序にも限定されない。いくつかの実施形態では、補助材料が、多孔質吸着材料の内面および/または外面に吸着されている。補助材料の表面への吸着は、主にファンデルワールス力などの非特異的力に基づき得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、補助材料が、共有結合、静電相互作用、π-πスタッキング、特異的非共有結合親和性相互作用(例えば、多孔質吸着材料の表面に固定された官能基および/または錯化剤を介して)などの様々な相互作用のいずれかを介して多孔質吸着材料と特異的に会合し得る。いくつかの実施形態では、補助材料が接着力を介して多孔質吸着材料と会合している。例えば、液体補助材料は、多孔質吸着材料の表面を濡らした場合の毛細管力を介して多孔質吸着材料と会合し得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、補助材料が多孔質吸着材料のバルク内にある。多孔質吸着材料の外部巨視的表面に会合しているだけであるのと対照的に、多孔質吸着材料のバルク内(例えば、多孔質吸着材料の巨視的体積の内側80%内)にあることは、少なくとも部分的に、補助材料の比較的高い充填に寄与し得、(例えば、多孔質吸着材料のミクロ細孔を充填することによって)有効成分の所望の放出特性に寄与し得る。いくつかの実施形態では、補助材料が、多孔質吸着材料の細孔の少なくとも一部の中にある(例えば、多孔質吸着基材の細孔内の表面に吸着される)。例えば、図1Bでは、図1Bの暗い色の充填ミクロ細孔42によって示されるように、補助材料50が、ミクロ細孔42の少なくとも一部の中に存在する(例えば、表面に吸着される)。
【0044】
補助材料と多孔質吸着材料の会合は、固体材料が一般に有し得る他のタイプの液体相互作用と区別されるべきである。例えば、本明細書に記載される補助材料は、(例えば、浸漬、懸濁、溶解等を介した)液体による外部湿潤を介した材料からの有効成分の放出の加速に関するある特定の既存の方法とは対照的である。いくつかの実施形態では、補助材料が、組成物の材料(例えば、多孔質吸着材料などの送達材料)内にのみ存在する。例えば、補助材料は、多孔質吸着材料の細孔、チャネル、または他の内部領域内にのみ存在し得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、有効成分(例えば、発芽抑制剤)が、外部湿潤なしに(例えば、放出デバイスの)多孔質吸着材料から放出される。ある特定の実施形態では、有効成分(例えば、発芽抑制剤)が、外部水和なしに(例えば、放出デバイスの)多孔質吸着材料から放出される。ある特定の実施形態では、有効成分(例えば、発芽抑制剤)が、多孔質吸着材料の表面から気相または蒸気相に直接放出される。
【0046】
補助材料は、様々な適切な液体のいずれかを含み得る。補助材料は、例えば低コスト(例えば、有効成分のコストに対して)に基づいて選択され得る。必ずしも全てではないが、いくつかの実施形態では、補助材料が、(例えば、組成物が貯蔵される、または産物を処理するために使用される条件下で)有効成分および/または処理される農産物(例えば、産物)に対して化学的に不活性(すなわち、非反応性)である。さらに、補助材料は、(ヒトに対して)生体適合性であり得る。いくつかの実施形態では、補助材料が、農業材料の生産、貯蔵、出荷、および/または使用に関連する時間尺度において、非汚損性であるか、または変敗することなく貯蔵することができる。いくつかの実施形態では、補助材料が、食品および農法の文脈において有機である(例えば、化学肥料、殺虫剤、または他の人工成分を使用せずに製造される)。
【0047】
補助材料の揮発性は、場合によっては補助材料にとって重要な因子であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、有効成分が補助材料よりも揮発性である。いくつかの実施形態では、有効成分が、農業処理に関連する少なくとも1つの温度で揮発性である。例えば、いくつかの実施形態では、有効成分が、約263K~約313K(例えば、約268K~約303K、約272K~約288K、または約293K)の少なくとも1つの温度で揮発性である。いくつかの実施形態では、有効成分が、上記の範囲内の温度の一部または全部で揮発性である。いくつかの実施形態では、補助材料が、農業処理に関連する少なくとも1つの温度で不揮発性である。例えば、いくつかの実施形態では、補助材料が、約263K~約313K(例えば、約268K~約303K、約272K~約288K、または約293K)の少なくとも1つの温度で不揮発性である。いくつかの実施形態では、補助材料が、上記の範囲内の温度の一部または全部で不揮発性である。2つの物質の相対揮発性は、一般に、2つの物質の蒸気圧に関連し、蒸気圧が高い物質ほど揮発性が高いと考えられる。いくつかの実施形態では、有効成分が、少なくとも1つのセットの条件(例えば、約293K)で補助材料の蒸気圧よりも高い蒸気圧を有する。いくつかの実施形態では、有効成分が、少なくとも1つの温度(例えば、約263K~約313K、約268K~約303K、約272K~約288K、または約293K)で、0.2Paを超えるまたはそれと等しい、0.5Paを超えるまたはそれと等しい、1Paを超えるまたはそれと等しい、約2Paを超えるまたはそれと等しい、約3Paを超えるまたはそれと等しい、約5Paを超えるまたはそれと等しい、約10Paを超えるまたはそれと等しい、約15Paを超えるまたはそれと等しい、および/または最大約20Pa、最大約50Pa、最大約100Pa、最大約200Pa、最大約500Pa、最大約600Pa、またはそれを超える蒸気圧を有する。いくつかの実施形態では、補助材料が、少なくとも1つの温度(例えば、約263K~約313K、約268K~約303K、約272K~約288K、または約293K)で、約150Pa未満またはそれと等しい、約100Pa未満またはそれと等しい、約50Pa未満またはそれと等しい、約25Pa未満またはそれと等しい、約20Pa未満またはそれと等しい、約15Pa未満またはそれと等しい、約10Pa未満またはそれと等しい、約8Pa未満またはそれと等しい、約5Pa未満またはそれと等しい、約4Pa未満またはそれと等しい、約3Pa未満またはそれと等しい、約2Pa未満またはそれと等しい、約1Pa未満またはそれと等しい、またはそれ未満の蒸気圧を有する。いくつかの実施形態では、有効成分が、少なくとも1つの温度(例えば、約263K~約313K、約268K~約303K、約272K~約288K、または約293K)で、補助材料の蒸気圧より少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.2倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、および/または最大20倍またはそれを超えて高い蒸気圧を有する。補助成分の揮発性よりも有効成分の揮発性が高いと、補助材料よりも大きな程度で有効成分を放出することが可能になり、これは有効成分の比較的迅速な放出が望まれる場合に有益であり得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、補助材料が油を含む。いくつかの実施形態では、補助材料が、比較的大量(例えば、補助材料の重量に対して、少なくとも約10重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも95重量%、またはそれを超える)の脂肪酸(例えば、オレイン酸)を含む。いくつかの実施形態では、補助材料が炭化水素(例えば、飽和および/または不飽和、分岐または非分岐、環状または非環状炭化水素)を含む。いくつかの実施形態では、補助材料が、比較的大量(例えば、補助材料の重量に対して、少なくとも約10重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも95重量%、またはそれを超える)の炭化水素(例えば、9個を超える炭素を有する炭化水素などの高級炭化水素)を含む。比較的大量の脂肪酸および/または炭化水素を有することは、比較的低い揮発性、比較的高い粘度、および場合によっては有効成分との不混和性などの、補助油のある特定の有利な属性に寄与し得る。いくつかの実施形態では、補助材料(例えば、補助液)が、(例えば、産物を処理するために組成物が使用される温度で)有効成分と非混和性である。上記のように、補助材料は液体であり得る。いくつかの実施形態では、補助材料が、産物を処理するために組成物が使用される温度で液体である。いくつかの実施形態では、補助材料が、約263K~約313K(例えば、約268K~約303Kまたは約272K~約288K)の少なくとも1つの温度で液体である。いくつかの実施形態では、補助材料が、上記の範囲内の温度の一部または全部で液体である。いくつかの実施形態では、有効成分が遊離され得るように、基材に対する補助材料の特定の結合親和性(結合エンタルピーによって測定される)が必要とされる。しかしながら、いくつかの実施形態では、(多孔質吸着材料に対する結合親和性が比較的低い補助材料を用いても)多孔質吸着材料の表面への有効成分の結合の程度を制限するために、組成物中の有効成分に対して過剰な補助材料(例えば、モル過剰)が使用され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、補助材料が1またはそれを超える植物油を含む。いくつかの実施形態では、補助材料が、キャノーラ油、グリセリンコーン油、ヒマシ油、ヤシ油、および鉱油から選択される1またはそれを超える液体を含む。いくつかの実施形態では、補助材料が界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、補助材料が両親媒性分子を含む。例えば、補助材料は、疎水性(例えば、極性)成分および親油性成分(例えば、脂肪酸尾部)を有する分子を含み得る。いくつかの実施形態では、補助材料がグリセリンエステルを含む。適切なグリセリンエステルの非限定的な例としては、ジアシルグリセロールおよびトリアシルグリセロールが挙げられる。いくつかの実施形態では、補助材料がコラーゲン系物質を含む。いくつかの実施形態では、補助材料がリン脂質を含む。いくつかの実施形態では、補助材料が水(例えば、液体水)を含む。例えば、補助材料は、少なくとも約10重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約98重量%、少なくとも約99重量%、少なくとも約99.9重量%、またはそれを超える量の水を含み得る。実施形態の一例として、組成物は、炭素材料(例えば、活性化炭素)および/またはケイ酸塩材料を含む多孔質吸着材料と、補助油の形態の補助材料と、スペアミント油もしくはスペアミント抽出物またはその成分(例えば、カルボン)の形態の発芽抑制剤とを含み得る。このような組成物は、場合によっては、ジャガイモなどのある特定の産物における発芽を抑制するのに有用であり得る。
【0050】
実施形態の一例として、組成物は、炭素材料(例えば、活性化炭素)および/またはケイ酸塩材料を含む多孔質吸着材料と、補助油の形態の補助材料と、キャラウェイ種子油またはその成分(例えば、カルボン)の形態の発芽抑制剤とを含み得る。このような組成物は、場合によっては、ジャガイモなどのある特定の産物における発芽を抑制するのに有用であり得る。
【0051】
補助材料は、組成物中に比較的多量に存在し得る(所望の放出速度を達成するのに必要な有効成分の量を減少させることによって組成物の全体的なコストを低減し得る)。いくつかの実施形態では、補助材料が、約1重量%を超えるまたはそれと等しい、約2重量%を超えるまたはそれと等しい、約5重量%を超えるまたはそれと等しい、約8重量%を超えるまたはそれと等しい、約15重量%を超えるまたはそれと等しい、約18重量%を超えるまたはそれと等しい、および/または最大約20重量%、最大約25重量%、最大約30重量%、またはそれを超える量で、組成物中(例えば、多孔質吸着材料のバルク内)に存在する。存在する補助材料の量は、有効成分または多孔質吸着材料の特性に依存し得る(例えば、ミクロ細孔である細孔の百分率に基づく)。いくつかの実施形態では、組成物中に存在する補助材料および有効成分の総量が、多孔質吸着材料の湿潤点未満である。湿潤点を決定する方法のさらなる説明を以下に提供する。多孔質吸着材料の湿潤点を超えないことによって、組成物は、外部液体を含まなくてもよく、これは、(例えば、産物を含有する容器において)実施に関してより高い耐久性および柔軟性を促進し得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、組成物中に存在する有効成分の量の組成物中に存在する補助材料(例えば、補助液)の量に対する比が、重量パーセントで約1:10を超えるまたはそれと等しい、約1:5を超えるまたはそれと等しい、約1:4を超えるまたはそれと等しい、約1:3を超えるまたはそれと等しい、約1:2を超えるまたはそれと等しい、約1:1を超えるまたはそれと等しい、約2:1を超えるまたはそれと等しい、約3:1を超えるまたはそれと等しい、約4:1を超えるまたはそれと等しい、および/または最大約5:1、最大約6:1、最大約7:1、最大約8:1、最大約9:1、最大約10:1、最大約20:1、またはそれを超える。いくつかの実施形態では、組成物中に存在する有効成分の量の組成物中に存在する補助材料(例えば、補助液)の量に対する比が、モルパーセントで約1:10を超えるまたはそれと等しい、約1:5を超えるまたはそれと等しい、約1:4を超えるまたはそれと等しい、約1:3を超えるまたはそれと等しい、約1:2を超えるまたはそれと等しい、約1:1を超えるまたはそれと等しい、約2:1を超えるまたはそれと等しい、約3:1を超えるまたはそれと等しい、約4:1を超えるまたはそれと等しい、および/または最大約5:1、最大約6:1、最大約7:1、最大約8:1、最大約9:1、最大約10:1、最大約20:1、またはそれを超える。存在する有効成分の量の組成物に使用される補助材料の量に対する比は、例えば、多孔質吸着材料の構造に依存し得る。例えば、補助材料が多孔質吸着材料のミクロ細孔を占有することによって少なくとも部分的に有効成分の放出を加速する実施形態では、多孔質吸着材料の微孔度(microporosity)が大きいほど、放出速度の所与の増加を達成するために使用される補助材料の量が多くなり得る。
【0053】
上記のように、組成物中の補助材料の存在は、有効成分の放出の加速を促進し得る。いくつかの実施形態では、有効成分と補助材料とを含む組成物が、本質的に同一の条件下で、補助材料を欠く、他の点では同一の組成物よりも50時間以内により大量の有効成分を放出することができる。いくつかの実施形態では、本質的に同一の条件下で、補助材料を欠く、他の点では同一の組成物よりも少ない量の前記有効成分が50時間(例えば、60時間後、72時間後、100時間後等)の放出後に組成物中に存在したままである。この文脈における「本質的に同一の条件」とは、存在する有効成分の量、多孔質吸着材料の種類、温度、および周囲雰囲気(組成と圧力の両方)などの、有効成分が放出される速度に影響を及ぼし得る他の因子を指す。
【0054】
補助材料の存在が、存在する所与の量の有効成分について有効成分の放出速度を増加させ得る様々な方法のいずれかが存在する。いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、ミクロ細孔などの比較的小さな細孔を含むある特定の多孔質吸着材料は、(ある量の有効成分の放出を介した)系の平衡時であっても、比較的小さな細孔(例えば、ミクロ細孔)内に会合した物質を保持する傾向があり得ると考えられる。保持される有効成分の量は、その細孔構造を含む多孔質吸着材料の物理化学的特性に依存し得る。例えば、有効成分が比較的揮発性であっても、有効成分が細孔内に会合したままであり得るように、比較的小さな細孔内の拡散を軽減することができる。いくつかのこのような例では、補助材料の組み込みが、比較的小さな細孔(例えば、ミクロ細孔)の一部または全部が有効成分の代わりに補助材料で少なくとも部分的に充填されることをもたらし得る。結果として、組成物中の有効成分のより大きな百分率が、放出がより容易な多孔質吸着材料の領域にあり得る(例えば、メソ細孔、マクロ細孔、ならびに他のよりアクセス可能な内面および/または外面から)。例えば、図1Bでは、補助材料50が存在しない図1Aに示されるシナリオよりも、有効成分30のより大きな百分率がマクロ細孔40およびメソ細孔41に位置するように、補助材料50がミクロ細孔42を占有し得る。
【0055】
上記のように、場合によっては、補助材料が、有効成分の放出中(例えば、産物への施用中)の状態とは異なる物質の状態で多孔質材料に導入される。非限定的な例では、ヤシ油(およそ26℃の融点を有する)が、約40℃の温度で多孔質吸着材料(有効成分と予め混合されているか、または別々に)に液体として導入され、その後、多孔質吸着材料内で凝固される。
【0056】
さらに、また、いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、場合によっては、補助材料が、有効成分よりも多孔質吸着材料の表面への吸着に対する親和性が高くてもよい。例えば、補助材料は、多孔質吸着材料に対する有効成分の吸着エンタルピーよりも大きな多孔質吸着材料に対する吸着エンタルピーを有し得る。このような吸着エンタルピーの差は、補助材料を表面に優先的に吸着させる傾向があり、それによって、有効成分吸着のために利用可能な表面積を減少させ得る。代替的または追加的に、補助材料が多孔質吸着材料の表面との相互作用について有効成分を打ち負かすように、補助材料が、有効成分に対してモル過剰で組成物中に存在してもよい(場合によっては、補助材料が有効成分よりも表面に対する結合親和性が低い)。
【0057】
組成物は、以下により詳細に記載されるものを含む様々な技術のいずれかを使用して調製され得る。いくつかの実施形態では、組成物の調製が、多孔質吸着材料に補助材料(例えば、不揮発性液体)および有効成分を含浸させて組成物を形成することを含む。
【0058】
例えば、(例えば、シリンジを介して)多孔質吸着材料に滴下するなどして、有効成分および/または補助材料を多孔質吸着材料と混合して混合物を形成してもよい。いくつかの実施形態では、有効成分と補助材料とを最初に混合して液体混合物を形成し、次いで、これを多孔質吸着材料に適用して(例えば、滴下、混合)含浸を達成する。しかしながら、予想外にも、補助材料および有効成分の段階的な添加が、得られる組成物の放出プロファイルに影響を及ぼし得る(例えば、より速い放出速度をもたらす)ことが観察された。一例として、いくつかの実施形態では、組成物が、多孔質吸着材料に補助材料(例えば、不揮発性液体)を含浸させて、液体含浸多孔質吸着材料を形成することによって調製される。次いで、得られた液体含浸吸着材料に有効成分をさらに含浸させて組成物を形成することができる。
【0059】
有効成分(例えば、精油などの発芽抑制剤)に関する本明細書に記載される組成物は、以下により詳細に記載されるように、フォームファクタ(例えば、サシェ)を含む放出デバイスに組み込まれ得る。
【0060】
本明細書に記載される放出デバイス、組成物、および組成物の使用のある特定のものは、蒸気相または気相発芽抑制剤の放出または制御放出送達に関する。いくつかの実施形態では、放出デバイスからの発芽抑制剤の放出が、目標産物の発芽活性を低下または遅延させるように機能する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物および組成物の使用が、多孔質吸着材料からの蒸気相または気相発芽抑制剤の放出または制御放出送達に関する。「蒸気相発芽抑制剤」または「気相発芽抑制剤」は、それぞれ蒸気相または気相で多孔質吸着材料から放出される発芽抑制剤である。一般に、蒸気相発芽抑制剤および/または気相発芽抑制剤は、所望の条件(例えば、周囲室温(約20℃~25℃)および大気圧)で放出される。ある実施形態では、発芽抑制剤が、放出の際に産物を取り囲む雰囲気中の蒸気相または気相にある。
【0061】
ある特定の実施形態によれば、放出デバイスは、多孔質吸着材料と、少なくとも1つの発芽抑制剤とを含む。いくつかの実施形態では、多孔質吸着材料が固体材料を含む。いくつかの実施形態では、多孔質吸着材料が固体材料である。ある実施形態では、多孔質吸着材料が炭素材料を含む。ある実施形態では、多孔質吸着(absorbent)材料がシリカ系材料を含む。ある実施形態では、多孔質吸着材料が炭素材料である。ある実施形態では、多孔質吸着(absorbent)材料がシリカ系材料である。
【0062】
一態様では、産物の発芽を抑制する方法が提供される。図2A図2Bは、放出デバイスおよび関連する方法が、少なくとも部分的に、発芽しやすい産物(例えば、ジャガイモ)における発芽の減少に寄与し得る方法の断面概略図を示す。図2Aは、本明細書に記載される組成物および放出デバイスの非存在下での産物200(例えば、ジャガイモ)を含有する容器100(例えば、貯蔵または出荷容器)を示す。図2Aに見られるように、産物200は芽210を成長させることができ、これは産物を所望の用途に使用できなくするおそれがある。対照的に、図2Bは、本明細書に記載されるある特定の実施形態の効果を示す。図2Bでは、ある特定の実施形態により、容器100が、発芽抑制剤30の形態の有効成分と会合した任意の多孔質吸着材料20を含む組成物10を含む放出デバイス300をさらに含む。放出デバイス300は、発芽抑制剤30を周囲雰囲気(例えば、容器100のヘッドスペース110)中に放出するように構成され得る。放出された発芽抑制剤330は、以下でより詳細に記載されるように、比較的長期間、比較的高い濃度で容器100内に維持され得る。産物を含む容器内での発芽抑制剤のこのような放出により、発芽を抑制することができる。例えば、図2Bでは、図2Aで観察されるよりも少ない芽210が産物200上に観察される。
【0063】
発芽の抑制は、様々な方法で定量され得る。例えば、所与のセットの条件下で、かつ容器における発芽抑制剤への一定期間の曝露(例えば、少なくとも約3日間および/または最大約75日間)後に、産物で観察される芽の数をカウントし、他の点では本質的に同一の条件下での発芽抑制剤処理の非存在下における同一セットの産物で観察される芽の数と比較することができる。別の例として、所与のセットの条件下で、かつ容器における発芽抑制剤への一定期間の曝露(例えば、少なくとも約1日間、少なくとも約3日間および/または最大約75日間)後に、産物上の芽の総重量をカウントし、他の点では本質的に同一の条件下での発芽抑制剤処理の非存在下における同一セットの産物で観察される芽の総重量と比較することができる。総重量は、産物から芽を除去することによって決定され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法が、3日間にわたって、10日間にわたって、20日間にわたって、50日間にわたって、または75日間にわたって、容器内の産物での発芽を、芽数で少なくとも約25%だけ、少なくとも約50%だけ、少なくとも約75%だけ、少なくとも約90%だけまたはそれを超える%だけ減少させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法が、3日間にわたって、10日間にわたって、20日間にわたって、50日間にわたって、または75日間にわたって、容器内の産物での発芽を、芽総重量で少なくとも約25%だけ、少なくとも約50%だけ、少なくとも約75%だけ、少なくとも約90%だけまたはそれを超える%だけ減少させる。
【0064】
ある実施形態では、放出デバイスが、多孔質吸着材料と少なくとも1つの発芽抑制剤とを含む組成物を含み、少なくとも1つの発芽抑制剤が多孔質吸着材料内に含有される。ある実施形態では、発芽抑制剤が、多孔質吸着材料の1またはそれを超える表面に吸着される。いくつかの実施形態では、1またはそれを超える発芽抑制剤が、本明細書で論じられる多孔質吸着材料中に貯蔵され、そこから放出され得る。非限定的な実施形態では、組成物が、多孔質吸着材料と、少なくとも1つの発芽抑制剤とから本質的になる。非限定的な実施形態では、組成物が、炭素送達材料と、少なくとも1つの発芽抑制剤とから本質的になる。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤が精油を含む。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤がスペアミント油を含む。非限定的な実施形態では、発芽抑制剤がスペアミント油から本質的になる。非限定的な実施形態では、組成物が、シリカ系送達材料と、少なくとも1つの発芽抑制剤とから本質的になる。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤が精油を含む。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤がスペアミント油を含む。非限定的な実施形態では、発芽抑制剤がスペアミント油から本質的になる。本開示の文脈では、組成物および放出デバイスの所望の特性(例えば、コスト、放出プロファイル等)に応じて、様々な適切な送達材料のいずれかが使用され得ることを理解すべきである。本明細書に記載される多孔質吸着材料は、送達材料(例えば、炭素送達材料は炭素多孔質吸着材料であり得る)の例の1つのセットである。
【0065】
いくつかの実施形態では、1またはそれを超える発芽抑制剤がカルボンを含む。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤がカルボンである。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤が精油である。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤が、発芽抑制品質を有する精油を含む。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤が、カルボンを含む精油を含む。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤が、カルボンを含む精油である。いくつかの実施形態では、放出デバイスの発芽抑制剤が、単一の精油を含み得る。他の実施形態では、放出デバイスの発芽抑制剤が、1種を超える精油、例えば、2種の精油、3種の精油、4種の精油、またはそれを超える精油を含み得る。放出デバイスは、任意の適切な量の発芽抑制剤を含み得る。
【0066】
場合によっては、発芽抑制剤は、多孔質吸着材料および発芽抑制剤の総重量に対して、少なくとも約12重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約31重量%、少なくとも約32重量%、少なくとも約33重量%、少なくとも約34重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約36重量%、少なくとも約37重量%、少なくとも約38重量%、少なくとも約39重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約41重量%、少なくとも約42重量%、少なくとも約43重量%、少なくとも約44重量%、少なくとも約45重量%、少なくとも約46重量%、少なくとも約47重量%、少なくとも約48重量%、少なくとも約49重量%、または少なくとも約50重量%で多孔質吸着材料中に存在する。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤は、多孔質吸着材料および発芽抑制剤の総重量に対して、約12重量%~約20重量%の間、約12重量%~約24重量%の間、約12重量%~約25重量%の間、約12重量%~約30重量%の間、12重量%~約40重量%の間、12重量%~約45重量%の間、12重量%~約50重量%の間、15重量%~約20重量%、約15重量%~約24重量%の間、約15重量%~約25重量%の間、約15重量%~約30重量%の間、15重量%~約40重量%の間、15重量%~約45重量%の間、15重量%~約50重量%の間、約30重量%~約48重量%の間、約31重量%~約48重量%の間、約35重量%~約48重量%の間、30重量%~約50重量%、約31重量%~約50重量%の間、約35重量%~約50重量%の間、約35重量%~約45重量%の間、約36重量%~約45重量%の間、約37重量%~約45重量%の間、約38重量%~約45重量%の間、約39重量%~約45重量%の間、または約40重量%~約45重量%の間で前記多孔質吸着材料中に存在する。
【0067】
場合によっては、発芽抑制剤が、少なくとも約0.04g、少なくとも約0.1g、少なくとも約0.2g、少なくとも約0.4g、少なくとも約0.8g、少なくとも約1g、少なくとも約1.2g、少なくとも約2g、少なくとも約2.2g、少なくとも約3g、少なくとも約3.5g、少なくとも約4g、少なくとも約6g、少なくとも約6.5g、少なくとも約10g、少なくとも約13g、少なくとも約20g、少なくとも約25g、少なくとも約50g、少なくとも約100g、少なくとも約200g、少なくとも約400g、または少なくとも約1000gの量で放出デバイス中に存在する。ある実施形態では、発芽抑制剤がスペアミント油を含む。ある実施形態では、発芽抑制剤がスペアミント油である。
【0068】
場合によっては、発芽抑制剤が、最大約0.05g、最大約0.15g、最大約0.25g、最大約0.5g、最大約1g、最大約1.2g、最大約2g、最大約2.5g、最大約3.5g、最大約4g、最大約4.5g、最大約7g、最大約15g、最大約30g、最大約50g、最大約110g、最大約220g、または最大約450g、最大約1350gの量で放出デバイス中に存在する。ある実施形態では、発芽抑制剤がスペアミント油を含む。ある実施形態では、発芽抑制剤がスペアミント油である。
【0069】
いくつかの実施形態では、発芽抑制剤が、約0.04g~約0.15gの間、約0.1g~約0.25gの間、約0.2g~約0.45gの間、約0.2g~約0.5gの間、約0.4g~約2.5gの間、約0.8g~約3.5gの間、約2g~約3.75gの間、約3.5g~約4.5gの間、約4g~約6.75gの間、約6.5g~約13.5gの間、約10g~約27gの間、約25g~約55gの間、約50g~約110gの間、約100g~約220gの間、約220g~約450gの間、または約440g~約1350gの間の量で放出デバイス中に存在する。ある実施形態では、発芽抑制剤がスペアミント油を含む。ある実施形態では、発芽抑制剤がスペアミント油である。
【0070】
場合によっては、発芽抑制剤が、少なくとも約0.02g、少なくとも約0.05g、少なくとも約0.1g、少なくとも約0.2g、少なくとも約0.5g、少なくとも約1g、少なくとも約2g、少なくとも約2.5g、少なくとも約3g、少なくとも約3.5g、少なくとも約5g、少なくとも約7g、少なくとも約10g、少なくとも約15g、少なくとも約20g、少なくとも約25g、少なくとも約30g、少なくとも約50g、少なくとも約60g、少なくとも約65g、少なくとも約100g、少なくとも約130g、少なくとも約200g、少なくとも約250g、少なくとも約200g、少なくとも約400g、または少なくとも約1000gの量で放出デバイス中に存在する。ある実施形態では、発芽抑制剤がカルボンを含む。ある実施形態では、発芽抑制剤がカルボンである。
【0071】
場合によっては、発芽抑制剤が、最大約0.03g、最大約0.07g、最大約0.15g、最大約0.25g、最大約0.3g、最大約0.5g、最大約0.75g、最大約1g、最大約1.5g、最大約2g、最大約2.75g、最大約4g、最大約8g、最大約10g、最大約17g、最大約25g、最大約35g、最大約50g、最大約67g、最大約100g、最大約150g、最大約200g、最大約275g、または最大約800gの量で放出デバイス中に存在する。ある実施形態では、発芽抑制剤がカルボンを含む。ある実施形態では、発芽抑制剤がカルボンである。
【0072】
いくつかの実施形態では、発芽抑制剤が、約0.025g~約0.075gの間、約0.5g~約0.15gの間、約0.1g~約0.3gの間、約0.25g~約1.5gの間、約0.5g~約2gの間、約1g~約2.5gの間、約2g~約2.75gの間、約2.5g~約4gの間、約3.75g~約8gの間、約5g~約10gの間、約7g~約17gの間、約15g~約35gの間、約30g~約55gの間、約30g~約70gの間、約65g~約150gの間、約125g~約275gの間、または約250g~約800gの間の量で放出デバイス中に存在する。ある実施形態では、発芽抑制剤がカルボンを含む。ある実施形態では、発芽抑制剤がカルボンである。
【0073】
ある実施形態では、発芽抑制剤が1またはそれを超える精油を含む。非限定的な実施形態では、発芽抑制剤が精油および/または植物抽出物である。ある実施形態では、発芽抑制剤が有機認証されている。いくつかの実施形態では、精油が、発芽抑制特性を提供する検出可能な濃度のテルペンおよび/またはテルペノイドを有する。非限定的な実施形態では、発芽抑制剤が、テルペンおよび/またはテルペノイドを含む。テルペンの非限定的な例としては、非環状および環状テルペン、モノテルペン、ジテルペン、オリゴテルペン、ならびに任意の置換度を有するポリテルペンが挙げられる。非限定的な実施形態では、精油が、テルペン、テルペノイド、フェノール、またはフェノール化合物の少なくとも1つを含む。ある実施形態では、発芽抑制剤が、スペアミント油、キャラウェイ種子油、イノンド種子油、橙皮油、マンダリンオレンジ果皮油、クロモジ油、ジンジャーグラス油、ペパーミント油、クローブ油、ニンニク油、コヘンルーダ(ruta chalepensis L.)油、ユーカリ油、コリアンダー油、ヤマヨモギ油(sagebrush oil)、ローズマリー油、ムナ油(muna oil)、ジャスミン油、ジャスモン酸メチル、カルボン、およびナタネ油のうちの1またはそれより多くを含む。ある実施形態では、発芽抑制剤がカルボンを含む。ある実施形態では、発芽抑制剤が、カルボンを含む精油である。ある実施形態では、発芽抑制剤が、スペアミント油、キャラウェイ種子油、イノンド種子油、橙皮油、マンダリンオレンジ果皮油、クロモジ油、ジンジャーグラス油、ペパーミント油、クローブ油、ニンニク油、コヘンルーダ油、ユーカリ油、コリアンダー油、ヤマヨモギ油、ローズマリー油、ムナ油、ジャスモン酸メチル、カルボン、ナタネ油、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。当業者によって理解されるように、発芽抑制剤が精油を含む実施形態では、多孔質吸着材料中の発芽抑制剤の重量パーセントが、多孔質吸着材料中に存在する精油発芽抑制剤の重量百分率の合計と同等である。
【0074】
上記のように、発芽抑制剤はカルボンを含み得る。カルボンが2つの可能なエナンチオマーを有することを理解すべきである。カルボンの一方のエナンチオマーは(R)-(-)-カルボンであり、カルボンの他方のエナンチオマーは(S)-(+)-カルボンである。一般的に理解されるように、本開示の他の箇所でカルボンを含む発芽抑制剤に言及する場合、各言及は、発芽抑制剤がカルボンの一方または両方のエナンチオマーを含むことを意味する。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤がカルボンを含み、発芽抑制剤のカルボンの少なくとも一部(例えば、少なくとも10重量%、少なくとも25重量%、少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、少なくとも99.9%、または全部)が(R)-(-)-カルボンである。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤がカルボンを含み、発芽抑制剤のカルボンの少なくとも一部(例えば、少なくとも10重量%、少なくとも25重量%、少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、少なくとも99.9%、または全部)が(S)-(+)-カルボンである。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤がカルボンを含み、発芽抑制剤のカルボンの少なくとも一部(例えば、少なくとも10重量%、少なくとも25重量%、少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、少なくとも99.9%)が(R)-(-)-カルボンであり、発芽抑制剤のカルボンの少なくとも一部(例えば、少なくとも10重量%、少なくとも25重量%、少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、少なくとも99.9%)が(S)-(+)-カルボンである。例えば、発芽抑制剤は、(R)-(-)-カルボンと(S)-(+)-カルボンのラセミ混合物を含み得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、発芽抑制剤が、(R)-(-)-カルボンを含む精油を含む。例えば、発芽抑制剤は、(R)-(-)-カルボンを含むスペアミント油(またはスペアミント抽出物)を含み得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、発芽抑制剤が、(S)-(+)-カルボンを含む精油を含む。例えば、発芽抑制剤は、(S)-(+)-カルボンを含むキャラウェイ種子油を含み得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、発芽抑制剤がシトラールを含む。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤が、シトラールを含む精油を含む。例えば、発芽抑制剤は、シトラールを含むレモングラスを含み得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、発芽抑制剤が、産物の生物学的機序に影響を及ぼし、それによって、産物における発芽を減少、遅延または排除することができる化合物を含む。例えば、発芽抑制剤は、通常は発芽をもたらす産物中の生物学的経路を阻害する部分を有する化合物を含み得る。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤が、産物の発芽を減少または排除する産物における生物学的経路を促進する部分を有する化合物を含む。1つの非限定的な例として、α,β-不飽和カルボニル基(例えば、α,β-不飽和ケトン、α,β-不飽和アルデヒド)を有することが、発芽抑制特性を有する化合物に寄与し得ると考えられる。α,β-不飽和カルボニル基を有する本開示に記載される化合物の例としては、カルボンおよびシトラールが挙げられる。
【0079】
ある実施形態では、発芽抑制剤が、3-デセン-2-オンおよび/または1,4-ジメチルナフタレンを含む。ある実施形態では、発芽抑制剤が、3-デセン-2-オン、1,4-ジメチルナフタレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0080】
いくつかの実施形態では、発芽抑制剤が、単一の発芽抑制剤を含み得る。他の実施形態では、発芽抑制剤が、1種を超える発芽抑制剤、例えば、2種の発芽抑制剤、3種の発芽抑制剤、4種の発芽抑制剤、またはそれを超える発芽抑制剤を含み得る。
【0081】
ある特定の実施形態によれば、多孔質吸着材料が、発芽抑制剤を貯蔵および/または放出するために使用される。いくつかの実施形態では、発芽抑制剤が、放出デバイスから放出されると蒸気相または気相であり得る。いくつかの実施形態では、発芽抑制品質を有する精油が、蒸気相または気相で組成物から放出される。いくつかの実施形態では、スペアミント油が、蒸気相または気相で組成物から放出される。いくつかの実施形態では、カルボンが、蒸気相または気相で組成物から放出される。
【0082】
いくつかの実施形態では、キャラウェイ種子油が、蒸気相または気相で組成物から放出される。
【0083】
いくつかの実施形態では、多孔質吸着材料が、マクロ細孔、メソ細孔、およびミクロ細孔のうちの1またはそれより多くを含む。非限定的な実施形態では、マクロ細孔が、50nmを超える直径を有する細孔である。例えば、マクロ細孔は、50~1000nmの間の直径を有し得る。非限定的な実施形態では、メソ細孔が、2nm~50nmの間の直径を有する細孔である。非限定的な実施形態では、ミクロ細孔が、2nm未満の直径を有する細孔である。例えば、ミクロ細孔は、0.2~2nmの間の直径を有し得る。細孔直径は、例えば、ASTM標準試験法D4641-17のBarrett、Joyner、およびHalendaの方法を使用して決定され得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、吸着材料の全細孔容積の少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、またはそれを超える%が、少なくとも約0.1nm、少なくとも約0.2nm、少なくとも約0.5nm、少なくとも約1nm、少なくとも約2nm、少なくとも約5nm、少なくとも約10nm、少なくとも約20nm、少なくとも約50nm、またはそれを超える細孔直径を有する細孔によって占められる。いくつかの実施形態では、吸着材料の全細孔容積の少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、またはそれを超える%が、約1000nm未満またはそれと等しい、約500nm未満またはそれと等しい、約200nm未満またはそれと等しい、約100nm未満またはそれと等しい、約50nm未満またはそれと等しい、約20nm未満またはそれと等しい、約10nm未満またはそれと等しい、約5nm未満またはそれと等しい、約2nm未満またはそれと等しい、またはそれ未満の細孔直径を有する細孔によって占められる。これらの範囲の組み合わせが可能である。
【0085】
いくつかの実施形態では、多孔質吸着材料が、本明細書でより詳細に記載されるように、高い表面積を有する固体材料である。いかなる特定の理論によっても機序によっても制限されることを望むものではないが、多孔質高表面積材料は、それらの吸着能力、およびニートな液体の蒸発保持よりも大きい揮発性物質保持(例えば精油の)を示すその吸着能力から生じる十分な親和性のために、本出願において有益である。非限定的な実施形態では、高表面積材料が、少なくとも約100m/gの内部および外部の全化学表面積を有する材料である。いくつかの実施形態では、高表面積材料が、約400m/gを超える内部および外部の全化学表面積を有する材料である。いくつかの実施形態では、高表面積材料が、少なくとも約500m/gの内部および外部の全化学表面積を有する材料である。いくつかの実施形態では、高表面積材料が、約1000m/gを超える内部および外部の全化学表面積を有する材料である。いくつかの実施形態では、高表面積材料が、約2000m/gを超える内部および外部の全化学表面積を有する材料である。「内部および外部の全化学表面積」、「化学的表面積」および「表面積」という用語は、本明細書において互換的に使用される。
【0086】
ある実施形態では、多孔質吸着材料が、約100~約1500m/gの範囲の表面積を有する。ある実施形態では、多孔質吸着材料が、約300~約1500m/gの範囲の表面積を有する。ある実施形態では、多孔質吸着材料が、約500~約1500m/gの範囲の表面積を有する。ある実施形態では、多孔質吸着材料が、約600~約1500m/gの範囲の表面積を有する。ある実施形態では、多孔質吸着材料が、約650~約1500m/gの範囲の表面積を有する。ある実施形態では、多孔質吸着材料が、約650~約1300m/gの範囲の表面積を有する。ある実施形態では、多孔質吸着材料が、約650~約1200m/gの範囲の表面積を有する。ある実施形態では、多孔質吸着材料が、約800~約1200m/gの範囲の表面積を有する。ある実施形態では、多孔質吸着材料が、約850~約1200m/gの範囲の表面積を有する。ある実施形態では、多孔質吸着材料が、約900~約1200m/gの範囲の表面積を有する。ある実施形態では、多孔質吸着材料が、約900~約1150m/gの範囲の表面積を有する。ある実施形態では、多孔質吸着材料が、約900~約1500m/gの範囲の表面積を有する。当業者であれば、例えば、ISO9277標準によるように、材料(例えば、多孔質材料)が所与の温度で真空に曝露された場合の窒素または希ガス脱着のBrunauer-Emmett-Teller(BET)分析を使用して、内部および外部の全化学表面積を決定する方法を認識する。
【0087】
非限定的な実施形態では、多孔質吸着材料が、必要に応じて吸着修飾官能基を含む。吸着修飾官能基は、化学官能基の導入が、(a)発芽抑制剤についての多孔質吸着材料の貯蔵容量を増加もしくは減少させる(化学官能基が存在しない送達材料の貯蔵容量に対して)、または(b)多孔質吸着材料からの発芽抑制剤の放出を加速もしくは減速させる(化学官能基が存在しない多孔質吸着材料からの発芽抑制剤の放出に対して)ように、発芽抑制剤と多孔質吸着材料との間の相互作用を修飾する任意の化学官能基である。このような修飾可能な相互作用には、それだけに限らないが、適切な発芽抑制剤の共有結合、供与結合、静電結合、ファンデルワールス結合、またはキレート結合が含まれる。吸着修飾官能基の非限定的な例は、グラフトを介して送達材料に組み込まれた1またはそれを超える疎水性基、例えばトリメチルシリル官能基である。ここでの組成物は、いかなる特定の理論にも機序にも限定されないが、送達材料の細孔空間内に疎水性基または脂肪族基を含む吸着修飾官能基が、疎水性発芽抑制剤とのファンデルワールス相互作用を促進して、疎水性発芽抑制剤の安定化を助けることが企図される。非限定的な実施形態では、多孔質吸着材料が、1種を超える吸着修飾官能基を含む。
【0088】
非限定的な実施形態では、組成物が、炭素材料である多孔質吸着材料と、少なくとも1つの発芽抑制剤とを含む。炭素材料は、それだけに限らないが、マクロ細孔性、メソ細孔性、およびミクロ細孔性炭素材料、モノリシック炭素材料、押出もしくはペレット化炭素材料、蒸気活性化炭素材料、酸化炭素材料、または酸もしくは塩基処理炭素材料を含む様々な幾何的配置(geometry)および構成のもの(formation)であり得る。いくつかの実施形態では、以下の炭素材料が本明細書に記載される放出デバイスのための多孔質吸収材料として使用され得る:カーボンブラック(例えば、CAS番号:1333-86-4によって一般的に示されている)またはランプブラック炭素;活性化炭素(活性炭とも呼ばれる)(例えば、CAS番号:7440-44-0によって一般的に示されている);粉末形態、顆粒形態、フィルム形態または押出物形態の炭素;必要に応じて、1またはそれを超える補助剤または希釈剤と混合された炭素;市販されている炭素(例えば、活性化炭素);ヤシ、石炭、木材、無煙炭、または砂由来の炭素(Carbon Activated Corporation)等;再活性化炭素;灰、煤、チャー、木炭、石炭、またはコークス;ガラス質炭素;ガラス状炭素;骨炭。これらの炭素の各々は、商業的に入手されたものであろうと、当技術分野で公知のように手で製造されたものであろうと、本明細書に記載される他の送達材料およびマトリックスに到達するための、それだけに限らないが、材料の熱処理、酸化、および/または酸もしくは塩基処理を含む操作によって、本明細書に記載される放出デバイスのための他の多孔質吸着材料を形成するようにさらに修飾することができる。したがって、例えば、カーボンブラックもしくはランプブラック炭素、活性化炭素もしくは活性炭、粉末形態、顆粒形態、フィルム形態もしくは押出物形態の炭素、再活性化炭素、灰、煤、チャー、木炭、石炭、もしくはコークス、ガラス質炭素、ガラス状炭素、または骨炭から誘導されるいずれの炭素も、例えば、吸着修飾官能基、1またはそれを超える酸、塩基、酸化剤、加水分解試薬、またはこれらの組み合わせで親炭素を修飾することによって使用して、本明細書に記載される組成物を形成することができる。炭素材料の非限定的な例は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年2月8日に公開された、「Compositions for Controlled Release of Active Ingredients and Methods of Making Same」と題された米国特許出願公開第2019/0037839号に記載されている。
【0089】
非限定的な実施形態では、炭素材料である多孔質吸着材料が、約75重量%~約100重量%の炭素を含む。非限定的な実施形態では、炭素材料である多孔質吸着材料が、約80重量%~約100重量%の炭素を含む。非限定的な実施形態では、炭素材料である多孔質吸着材料が、約90重量%~約100重量%の炭素を含む。非限定的な実施形態では、炭素材料である多孔質吸着材料が、約95重量%~約100重量%の炭素を含む。非限定的な実施形態では、炭素材料である多孔質吸着材料が、93重量%~約99重量%の炭素を含む。非限定的な実施形態では、炭素材料である多孔質吸着材料が、約94重量%~約98重量%の炭素を含む。非限定的な実施形態では、炭素材料である多孔質吸着材料が、約90重量%~約95重量%の炭素を含む。当業者によって理解されるように、ある特定の重量百分率の炭素を含む炭素材料は、炭素がその量で材料中に存在することを意味する。例えば、約80重量%~約100重量%の炭素を含む炭素材料は、炭素が約80重量%~約100重量%の量で炭素材料中に存在することを意味する。
【0090】
多孔質吸着材料が炭素材料を含むいくつかの実施形態では、比較的高い百分率の炭素材料が元素状炭素(0の酸化状態を有する炭素)である。いくつかの実施形態では、炭素材料が、50原子パーセント(at%)を超えるまたはそれと等しい、75at%を超えるまたはそれと等しい、90at%を超えるまたはそれと等しい、95at%を超えるまたはそれと等しい、98at%を超えるまたはそれと等しい、および/または最大99at%、または最大100at%の量の元素状炭素を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、多孔質吸着材料が、比較的高いヨウ素価を有する。いくつかの実施形態では、多孔質吸着材料(例えば、炭素材料、ケイ酸塩材料)が、0mg/gを超えるまたはそれと等しい、100mg/gを超えるまたはそれと等しい、200mg/gを超えるまたはそれと等しい、500mg/gを超えるまたはそれと等しい、800mg/gを超えるまたはそれと等しい、1000mg/gを超えるまたはそれと等しい、および/または最大1200mg/g、最大1500mg/g、最大2000mg/g、またはそれを超えるヨウ素価を有する。これらの範囲の組み合わせ(例えば、0mg/gを超えるまたはそれと等しく2000mg/g未満またはそれと等しい、500mg/gを超えるまたはそれと等しく2000mg/g未満またはそれと等しい、または800mg/gを超えるまたはそれと等しく1200mg/g未満またはそれと等しい)が可能である。
【0092】
非限定的な実施形態では、組成物が、ケイ酸塩材料(本明細書ではシリカ系材料とも呼ばれる)である多孔質吸着材料と、少なくとも1つの発芽抑制剤とを含む。シリカ系材料は、一般に、ケイ素原子と、その少なくとも一部がケイ素原子に結合している酸素原子とを含む。ケイ素原子および酸素原子は、シリカ系材料中に、例えば酸化ケイ素の形態で存在し得る。シリカ系材料は、二酸化ケイ素、他の形態のケイ酸塩、およびこれらの組み合わせであるか、またはこれらを含む材料を含む。シリカ系材料は、ケイ素原子および酸素原子に加えて、金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム(Al))などの他の材料を含み得る。シリカ系材料は、有機ケイ酸塩ハイブリッドを含み得る。いくつかの実施形態では、シリカ系材料中のケイ素原子の量が、重量で、少なくとも約1重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、または少なくとも約20重量%である。いくつかの実施形態では、シリカ系材料中の酸素原子の量が、重量で、少なくとも約1重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、または少なくとも約20重量%である。ある特定の実施形態では、シリカ系材料内のケイ素原子および酸素原子の総量が、少なくとも約1重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%である。
【0093】
非限定的な実施形態では、多孔質吸着材料(例えば、シリカ系材料)がケイ酸塩であるか、またはケイ酸塩を含む。ケイ酸塩には、ネオケイ酸塩(neosilicate)、ソロケイ酸塩、環状ケイ酸塩(cyclosilicate)、イノケイ酸塩、フィロケイ酸塩、およびテクトケイ酸塩(tectosilicate)が含まれ得る。いくつかの実施形態では、多孔質吸着(absorbent)材料の少なくとも約1重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%がケイ酸塩でできている。
【0094】
いくつかの実施形態では、多孔質吸着材料の少なくとも約1重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%が二酸化ケイ素でできている。
【0095】
シリカ系材料は、それだけに限らないが、マクロ細孔性、メソ細孔性、およびミクロ細孔性シリカ系材料、非晶質シリカ、ヒュームドシリカ、あらゆるサイズの微粒子状シリカ、粉砕石英、粒子状、ヒュームド、結晶性、沈殿した、および粉砕二酸化ケイ素ならびに関連する誘導体、ならびにこれらの組み合わせを含む様々な幾何的配置および構成のものであり得る。いくつかの実施形態では、シリカ系材料が、シリカゲル、または沈殿した、結晶を含まないシリカゲル(例えば、CAS番号:112926-00-8によって一般的に示されている)、または非晶質のヒュームド(結晶を含まない)シリカ(例えば、CAS番号:112945-52-5によって一般的に示されている)、またはメソ構造非晶質シリカ(例えば、CAS番号7631-86-9によって一般的に示されている)を含む。いくつかの実施形態では、シリカ系材料が、金属酸化物、半金属酸化物、およびこれらの組み合わせのうちの1またはそれより多くをさらに含む。例えば、いくつかの実施形態では、シリカ系送達材料が、酸化亜鉛、酸化チタン、第13族または第14族酸化物、およびこれらの組み合わせのうちの1またはそれより多くをさらに含む。いくつかの実施形態では、シリカ系送達材料が、酸化アルミニウムまたは酸化アルミニウムの一部をさらに含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、シリカ系材料を含む送達材料がシリカを含む。ケイ酸塩材料は、表面積、多孔度、表面官能化度、酸度、塩基度、金属含有量、ならびに他の化学的および物理化学的特徴に関して広範囲の状態で商業的供給源から入手可能である。市販のケイ酸塩は、粉末、顆粒、ナノスケール粒子、および多孔質粒子の形態であり得る。いくつかの実施形態では、送達材料がシリカゲルを含む。いくつかの実施形態では、シリカ系送達材料がシリカゲルを含む。いくつかの実施形態では、シリカ系送達材料が、マクロ細孔性、メソ細孔性、およびミクロ細孔性シリカのうちの1またはそれより多くを含む。いくつかの実施形態では、送達材料が、沈殿した、結晶を含まないシリカゲル(例えば、CAS番号:112926-00-8によって一般的に示されている)を含む。いくつかの実施形態では、送達材料が、非晶質ヒュームド(結晶を含まない)シリカ(例えば、CAS番号112945-52-5によって一般的に示されている)を含む。いくつかの実施形態では、送達材料が、メソ構造非晶質シリカ(例えば、CAS番号7631-86-9によって一般的に示されている)を含む。
【0097】
ある実施形態では、放出デバイスが、発芽抑制剤が含浸された多孔質吸着材料を含む組成物を含み、組成物がフォームファクタに組み込まれる。例えば、図2Bにおいて、放出デバイス300は、組成物10を含む任意のフォームファクタ310を含む。ある実施形態では、フォームファクタが、例えば、パケット、パウチ、サシェ、またはパッドである。ある実施形態では、フォームファクタが、パケット、パウチ、サシェ、またはパッドを含む。非限定的な実施形態では、組成物が、フォームファクタの内側に密封されることによってフォームファクタに組み込まれる。ある実施形態では、フォームファクタが多孔質材料を含む。非限定的な実施形態では、フォームファクタが、食品に使っても安全である、非吸収性である、通気性である(但し、必ずしも多孔質ではない)のうちの1またはそれを超えるものである材料で構成される。非限定的な実施形態では、食品に使っても安全である、非吸収性である、通気性である(但し、必ずしも多孔質ではない)のうちの1またはそれを超える構造がサシェを含む。非限定的な実施形態では、サシェが多孔質である。ある実施形態では、多孔質吸着材料が、サシェに沈着および密封される前に、発芽抑制剤を装入される。例えば、サシェは、組成物をサシェ内に沈着させ、次いで、サシェを密封することによって調製され得る。
【0098】
ある実施形態では、フォームファクタが、PE(ポリエチレン)[HDPE(高密度ポリエチレン)であれLDPE(低密度ポリエチレン)であれ]、PLA(ポリ乳酸)、デンプン、PP(ポリプロピレン)、ナイロン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、不織布もしくは紙、紙、バーラップ(ジュート、麻もしくは別の繊維より)、セルロース系材料、ポリエステル、またはこれらの任意の組み合わせを含む。ある実施形態では、フォームファクタが、ポリエチレン(例えば、TYVEK(商標))を含むサシェである。ある実施形態では、フォームファクタが、ポリエチレン(例えば、TYVEK(商標))でできたサシェである。非限定的な実施形態では、サシェが穿孔処理され得る。非限定的な実施形態では、サシェ材料のガーリー・ヒル多孔度測定値が、20~50秒/100cm-in、または30~40秒/100cm-in、または45~60秒/100cm-in、60~150秒/100cm-in、または100~400秒/100cm-in、または300~400秒/100cm-inである。ある実施形態では、フォームファクタ材料が食品に使っても安全である。ある実施形態では、サシェ材料が食品に使っても安全である。
【0099】
非限定的な実施形態では、放出デバイスは、約0.1g~約0.25gの間、約0.25g~約0.5gの間、約0.5g~約1gの間、約1g~約5gの間、約2g~約7gの間、約5g~約8gの間、約8g~約10gの間、約10g~約15gの間、約15g~約30gの間、約30g~約60gの間、約60g~約120gの間、約120g~250gの間、約250g~約500gの間、約500g~約1kgの間、約1kg~約3kgの間、約1kg~約3kgの間、約3kg~約5kgの間、約5kg~約10kgの間、または約10kg~約20kgの間の量で多孔質吸着材料を含有する。
【0100】
本明細書に記載される放出デバイスは、様々な異なる方法で産物貯蔵施設および産物包装システムに組み込まれ得る。ある実施形態では、本明細書に記載される放出デバイスが、産物を含有する容器、例えば産物の流通および出荷のための容器に使用され得る。ある実施形態では、本明細書に記載される放出デバイスが、5~100ポンドのジャガイモの容器、より典型的には5~50ポンドの間の重量を有するジャガイモの容器に導入され得る。放出デバイスを含む容器は、例えば、放出デバイスを永続的にまたは取り外し可能に貼り付けることができる容器であり得る。あるいは、放出デバイスは、容器に貼り付けられていなくてもよく、代わりに容器の内側に自由に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、容器が、(例えば、開口部(取り外された蓋など)、穴などを介して)周囲雰囲気に開放された容器である。いくつかの実施形態では、容器が密封容器(例えば、実質的に流体密封容器)である。いくつかの実施形態では、容器が、所与の時点にどのように構成されているかに応じて、開放容器または密封容器のいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、容器が、約10m未満またはそれと等しい、約5m未満またはそれと等しい、約2m未満またはそれと等しい、約1m未満またはそれと等しい、またはそれ未満、および/または約0.5mほどの低さ、約0.1mほどの低さまたはそれ未満の容積を有する。燻蒸などの発芽抑制のためのある特定の既存の方法は小型容器には適していない場合があるため、本明細書に記載されるある特定の組成物、放出デバイス、および方法(例えば、発芽抑制剤などの有効成分の制御放出に関連する)は、比較的小型の容器で有用であり得る。
【0101】
ある実施形態では、発芽抑制剤が、多孔質吸着材料の湿潤点の閾値未満で多孔質吸着材料と会合しているか、またはこれに含浸されている。多孔質吸着材料の湿潤点は、滴定中に液体が多孔質吸着材料の空き容量(細孔)を完全に満たす比(またはパーセント)として定義される。油を多孔質吸着材料中に滴定する場合、油が多孔質吸着材料の表面上に目に見えるように集まり始め、多孔質吸着材料からワットマン濾紙(グレード1)の乾燥片に吸い取らせることができるときに湿潤点に達する。
【0102】
いかなる特定の理論によっても機序によっても制限されることを望むものではないが、湿潤点を過ぎて添加された油は放出デバイスの外側フォームファクタ材料(例えば、Tyvek、Mylar、および/またはLDPE)を通って流出し、これを潜在的に腐食するので、多孔質吸着材料の湿潤点未満で発芽抑制剤を多孔質吸着材料に装入することは有利であると考えられる。例えば、多孔質吸着材料の湿潤点が0.6gの油:1gの多孔質吸着材料である場合、0.6gの油:1gの多孔質吸着材料を超えるまたはそれと等しい比(またはそれを超える)を有する配合物は、触れると湿っており、包装を通して潜在的に「滲み」、これは商業的用途において望ましくない。さらに、(蒸気相発芽抑制剤に対して)湿潤油がジャガイモなどの産物と直接接触すると、産物は、高濃度の発芽抑制剤(および/または精油)で直接摩擦され、壊死および強い感覚刺激効果をもたらし得る。さらに、例えば、湿潤点を超える精油発芽抑制剤を含む多孔質吸着材料の場合、ヘッドスペース空気中の代表的な活性揮発性物質の濃度は、ニートな液体油の蒸気圧によって支配される。そのシナリオでは、ヘッドスペース空気中の代表的な活性揮発性物質が、蒸気相または気相発芽抑制剤の制御放出送達とは見なされない。
【0103】
ある実施形態では、放出デバイスが、多孔質吸着材料に発芽抑制剤を含浸させることによって調製される。多孔質吸着材料への発芽抑制剤の含浸、充填、または装入は、以下の一般的な方法によって実施することができる。多孔質吸着材料に、湿潤点未満の精油:多孔質吸着材料比に対応する量の精油を添加する。精油と多孔質吸着材料の混合物をドラムに入れ、ドラムローラ上で少なくとも30分間穏やかに回転する。次いで、慣用的な充填方法を使用して、得られたサブ湿潤点組成物を、商業的使用のためのサシェなどのフォームファクタに充填する。当業者によって理解されるように、上記の手順を、任意の精油または植物抽出物発芽抑制剤で使用して、多孔質吸着材料の湿潤点未満で発芽抑制剤を多孔質吸着材料と会合することができる。さらに、当業者によって理解されるように、上記の手順を、例えば3-デセン-2-オンおよび/または1,4-ジメチルナフタレンなどの非精油/非植物抽出物発芽抑制剤で使用して、多孔質吸着材料の湿潤点未満で発芽抑制剤を多孔質吸着材料と会合することができる。当業者が認識するように、異なる出発重量の発芽抑制剤および多孔質吸着材料を使用して、組成物中の異なる発芽抑制剤重量百分率に達することができる。
【0104】
放出デバイスからの発芽抑制剤放出の測定
いくつかの実施形態では、放出デバイスからの発芽抑制剤の放出特性を、経時的に容器のヘッドスペース内で維持された発芽抑制剤の濃度を測定することによって評価することができる。いくつかの実施形態では、容器のヘッドスペース中の濃度がppmで報告される。本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「ppm」は、20℃および1気圧で測定した場合の分析気体(または代表的な活性揮発性物質)の空気に対する比(μL/L)を意味する。いくつかの実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度が、組成物中の発芽抑制剤の代表的な活性揮発性成分のヘッドスペース分析(以下で論じられる放出試験中)を介して計算される。いくつかの実施形態では、ヘッドスペース分析の代表的な活性揮発性物質が、i)ガスクロマトグラフィー(GC)分析を介して分割可能であり(例えば、ピークを他のGCピークから分離することができ、揮発性物質は市販の標準物質を有する)、ii)発芽抑制活性を示すことが知られている、組成物からの放出時に蒸気相または気相化合物である組成物の1またはそれを超える発芽抑制剤精油または発芽抑制剤植物抽出物の揮発性成分である。いくつかの実施形態では、代表的な活性揮発性物質が、ヘッドスペースガスクロマトグラフィー分析下でのシグナルへの最大の寄与物質である。いくつかの実施形態では、代表的な活性揮発性物質がテルペンである。いくつかの実施形態では、代表的な活性揮発性物質がカルボンである。いくつかの実施形態では、代表的な活性揮発性物質がカルボン誘導体である。いくつかの実施形態では、代表的な活性揮発性物質がオイゲノールである。いくつかの実施形態では、代表的な活性揮発性物質が、オイゲノール誘導体、例えば酢酸オイゲニルである。非限定的な実施形態では、放出デバイスがスペアミント油またはスペアミント抽出物を含む場合、経時的な容器内の発芽抑制剤の濃度が、カルボンのヘッドスペース分析(以下で論じられる放出試験中)を介して計算される。非限定的な実施形態では、放出デバイスがキャラウェイ油またはキャラウェイ抽出物を含む場合、経時的な容器内の発芽抑制剤の濃度が、カルボンのヘッドスペース分析(以下で論じられる放出試験中)を介して計算される。非限定的な実施形態では、放出デバイスがクローブ油またはクローブ抽出物を含む場合、経時的な容器内の発芽抑制剤の濃度が、オイゲノールのヘッドスペース分析(以下で論じられる放出試験中)を介して計算される。非限定的な実施形態では、放出デバイスがクローブ油またはクローブ抽出物を含む場合、経時的な容器のヘッドスペース内の発芽抑制剤の濃度が、酢酸オイゲニルのヘッドスペース分析(以下で論じられる放出試験中)を介して計算される。ヘッドスペース分析を介して測定される純粋な化合物(例えば、カルボン、オイゲノール、または酢酸オイゲニル)について、モル量および質量量は相互変換可能であり、理想気体の法則を使用して決定する場合、気体の温度、圧力、および分子量が既知であれば、いずれも気体の体積に変換することがでることが当業者によって理解される。
【0105】
経時的に容器内に維持される発芽抑制剤の濃度を決定するための例示的な方法を以下に論じる。代表的な活性な揮発性物質、テルペン、カルボン、オイゲノール、または酢酸オイゲニルのヘッドスペース分析に依拠する放出試験のために、サンプリングされた化合物が、容器内の発芽抑制剤の濃度を報告するための代用として使用されることが当業者によって理解される。換言すれば、容器内の発芽抑制剤の濃度は、測定された発芽抑制剤の選択された代表的な活性揮発性物質の濃度と同等であると報告される。
【0106】
放出試験中の経時的な容器内の発芽抑制剤の濃度は、以下の通りである。発芽抑制剤を含む放出デバイスを、密封された気密容器内に配置する。放出試験用の容器の容積は、以下の比に従って選択される-0.061gの発芽抑制剤(すなわち、代表的な活性揮発性物質):1L容器容積。例えば、0.915gのカルボンを含む放出デバイスについて経時的に維持される発芽抑制剤の濃度を測定するための放出試験は、15Lの容積を有する容器内で試験されるべきである。容器は、非侵襲的気体サンプリングのためのセプタムポートを有するか、またはセプタムポートで修飾される。以下に記載されるように、放出試験中、容器内に放出された発芽抑制剤の試料は、慣用的なヘッドスペース方法論(サンプリングに気密シリンジを使用するなど)を使用して回収され、以下に論じられるように、確立された期間の後に測定される(例えば、ガスクロマトグラフ(GC)を使用して)。
【0107】
容器内の発芽抑制剤の濃度の測定方法の非限定的な例は、以下の通りである。放出試験は、放出デバイスを容器内に配置し、容器を密封した(例えば、蓋を閉じることによって)直後の時間0に開始する。ある実施形態では、容器を、時間0後24時間にわたって平衡化させる。時間0後24時間にわたって放出デバイスから放出された発芽抑制剤の試料を回収する(例えば、慣用的なヘッドスペース方法論を使用して)。次いで、発芽抑制剤の試料を測定する(例えば、ガスクロマトグラフ(GC)を使用して)。放出試験が継続する限り、放出試験の最後まで、容器内に維持された発芽抑制剤の濃度を経時的に測定するために、最初の試料から24時間毎に、容器を短時間(例えば、容器の蓋を取り外し、次いで、蓋を閉じることによって)通気する。この放出試験方法では、容器からそれぞれの新たな試料を採取する前に、容器が濃度を構築するのに24時間かかることが重要である。
【0108】
当業者であれば、例えばガスクロマトグラフィー(GC)を使用した慣用的なヘッドスペース方法論を承知している。ヘッドスペース分析を使用して発芽抑制剤の濃度を測定する方法の非限定的な例を以下の通り提供する。発芽抑制剤を含む放出デバイスを、上に論じられるセプタムを備えた容器内に配置する。GCピークの面積は、内部標準に対する比較によって較正され得る。各例において、GC機器の水素炎イオン化検出器(FID)の応答が、可変量の純粋な分析物の既知の標準の注入によって、当業者に理解されている方法を使用して較正される。いくつかの実施形態では、純粋な分析物が、上に論じられる代表的な活性揮発性物質である。
【0109】
確立された較正を使用したヘッドスペース濃度(ppm)のGC測定は、当業者によって理解されるであろう。また、本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「ppm」は、20℃および1気圧で測定した場合の分析気体(または代表的な活性揮発性物質)の空気に対する比(μL/L)を意味する。上に論じられる放出試験の場合、容器内の発芽抑制剤の濃度は、以下の方程式を使用して計算される:
【数1】
(式中、A=GCへの試料気体注入から得られたGC-FIDからのピーク面積、
C=線形GC較正の傾き(mol/任意のシグナル)、および
V=GCへの試料気体注入の体積(L))。
【0110】
ある実施形態では、放出デバイスからのカルボン(例えば、スペアミント油の放出を評価するための代理として)の放出を計算するために、GCピークの面積を既知の量のカルボンに対して較正することができる。カルボンは、溶媒(例えば、ヘキサン、ペンタン、またはメタノール)に既知の濃度に溶解し、GC測定のために既知の濃度の溶液として注入することができる98.5%純正液体(例えば、Sigma Aldrich社製)として得ることができる。ある実施形態では、放出デバイスからのオイゲノール(例えば、クローブ油の放出を評価するための代理として)の放出を計算するために、GCピークの面積を既知の量のオイゲノールに対して較正することができる。オイゲノールは、溶媒(例えば、ヘキサン、ペンタン、またはメタノール)に既知の濃度に溶解し、GC測定のために既知の濃度の溶液として注入することができる99%純正液体(例えば、Sigma Aldrich社製)として得ることができる。非限定的な実施形態では、精油発芽抑制剤の放出が、上に論じされる放出試験中のその代表的な活性揮発性物質のヘッドスペースサンプリングに基づいて計算され得る。放出試験の期間を通して、放出デバイスの周囲の温度および大気圧が実質的に一定に保たれることを理解すべきである。
【0111】
ある実施形態では、放出試験の各時点で測定された容器内の発芽抑制剤の濃度が少なくとも1ppmである。ある実施形態では、発芽抑制剤がカルボンである。
【0112】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも1ppmの濃度で維持される。
【0113】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも1.5ppmの濃度で維持される。
【0114】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも2ppmの濃度で維持される。
【0115】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも2.5ppmの濃度で維持される。
【0116】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも3ppmの濃度で維持される。
【0117】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも3.5ppmの濃度で維持される。
【0118】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも4ppmの濃度で維持される。
【0119】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも4.5ppmの濃度で維持される。
【0120】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも5ppmの濃度で維持される。
【0121】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、少なくとも5.5ppmの濃度で維持される。
【0122】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約0.75ppm~約1.5ppmの濃度で維持される。
【0123】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約0.90ppm~約1.5ppmの間の濃度で維持される。
【0124】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約0.90ppm~約1.25ppmの間の濃度で維持される。
【0125】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約1ppm~約1.25ppmの間の濃度で維持される。
【0126】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約1ppm~約1.5ppmの間の濃度で維持される。
【0127】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約1ppm~約2ppmの間の濃度で維持される。
【0128】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約1ppm~約3ppmの間の濃度で維持される。
【0129】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約1ppm~約4ppmの間の濃度で維持される。
【0130】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約1ppm~約5ppmの間の濃度で維持される。
【0131】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度は、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、約1ppm~約5.5ppmの間の濃度で維持される。
【0132】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度が、最大10日間、最大25日間、最大40日間、最大50日間、最大75日間、最大100日間、または最大150日間、またはそれを超える期間、少なくとも約0.5ppm、少なくとも約0.1ppm、少なくとも約0.01ppm、少なくとも約1ppm、少なくとも約2ppm、少なくとも約3ppm、少なくとも約4ppm、少なくとも約5ppm、またはそれを超える濃度で維持される。
【0133】
容器が維持される発芽抑制剤の濃度は、達成される発芽抑制の程度と結果として生じる産物の特性の両方に影響を及ぼし得る。場合によっては、使用される濃度が、競合する効果のバランスが達成されるような濃度である。例えば、上記の期間にわたる比較的高レベルの一部の、しかし必ずしも全てではない発芽抑制剤が、得られた産物に味の影響を引き起こし得ることが観察されている(例えば、ジャガイモ)。上記の発芽抑制剤濃度の範囲は、場合によっては、一部の産物においては発芽を抑制するのに十分に高いが、その産物において望ましくない味の影響を引き起こすほど高くはないことが観察されている。
【0134】
ある実施形態では、容器内の発芽抑制剤の濃度が、少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間、または少なくとも8日間、または少なくとも9日間、または少なくとも10日間、または少なくとも12日間、または少なくとも15日間、または少なくとも20日間、または少なくとも25日間、または少なくとも30日間、または少なくとも35日間、または少なくとも40日間、または少なくとも45日間、または少なくとも50日間、または少なくとも55日間、または少なくとも60日間、または少なくとも75日間、またはそれを超える期間、最大6ppm、最大8ppm、最大10ppm、またはそれを超える濃度で維持される。
【0135】
いくつかの実施形態では、多孔質吸着材料が、ある温度で有効成分を放出するおよび/または放出するように構成される。これに関連して、温度は、有効成分(例えば、発芽抑制剤)の放出部位を取り囲む領域の温度を指す。例えば、有効成分(例えば、発芽抑制剤)が容器(例えば、ジャガイモなどの産物を含む)内に放出される実施形態では、温度が、その容器内の平均温度(例えば、エンクロージャ内の1またはそれを超える温度計によって測定される)を指す。多孔質吸着材料がその有効成分を放出する(および/または有効成分を放出するように構成される)温度は、例えば、熱電対を有効成分(例えば、発芽抑制剤)の放出部位を取り囲む領域内の流体(例えば、空気などの気体)と接触させることによって測定され得る。
【0136】
いくつかの実施形態では、放出デバイス(例えば、多孔質吸着材料を含む)が、-2℃を超えるまたはそれと等しい、-1℃を超えるまたはそれと等しい、0℃を超えるまたはそれと等しい、2℃を超えるまたはそれと等しい、4℃を超えるまたはそれと等しい、10℃を超えるまたはそれと等しい、15℃を超えるまたはそれと等しい、20℃を超えるまたはそれと等しい、またはそれを超える温度で有効成分(例えば、発芽抑制剤)を放出するおよび/または放出するように構成される。いくつかの実施形態では、放出デバイス(例えば、多孔質吸着材料を含む)が、50℃未満またはそれと等しい、40℃未満またはそれと等しい、30℃未満またはそれと等しい、25℃未満またはそれと等しい、22℃未満またはそれと等しい、20℃未満またはそれと等しい、15℃未満またはそれと等しい、11℃未満またはそれと等しい、10℃未満またはそれと等しい、6℃未満またはそれと等しい、またはそれ未満の温度で有効成分(例えば、発芽抑制剤)を放出するおよび/または放出するように構成される。これらの範囲の組み合わせが可能である。例えば、いくつかの実施形態では、放出デバイス(例えば、多孔質吸着材料を含む)が、-2℃を超えるまたはそれと等しく50℃未満またはそれと等しい、-2℃を超えるまたはそれと等しく30℃未満またはそれと等しい、2℃を超えるまたはそれと等しく25℃未満またはそれと等しい、または-2℃を超えるまたはそれと等しく15℃未満またはそれと等しい温度で有効成分(例えば、発芽抑制剤)を放出するおよび/または放出するように構成される。
【0137】
いくつかの実施形態では、有効成分(例えば、発芽抑制剤)の少なくとも一部(例えば、少なくとも10重量%、少なくとも25重量%、少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、少なくとも85重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%、または全部)の放出中の多孔質吸着材料の温度(この文脈においては、多孔質吸着材料の空間的に平均化された温度を指す)が、-2℃を超えるまたはそれと等しい、-1℃を超えるまたはそれと等しい、0℃を超えるまたはそれと等しい、2℃を超えるまたはそれと等しい、4℃を超えるまたはそれと等しい、10℃を超えるまたはそれと等しい、15℃を超えるまたはそれと等しい、20℃を超えるまたはそれと等しい、またはそれを超える。いくつかの実施形態では、有効成分(例えば、発芽抑制剤)の少なくとも一部(例えば、少なくとも10重量%、少なくとも25重量%、少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、少なくとも85重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%、または全部)の放出中の多孔質吸着材料の温度が、50℃未満またはそれと等しい、30℃未満またはそれと等しい、25℃未満またはそれと等しい、22℃未満またはそれと等しい、20℃未満またはそれと等しい、15℃未満またはそれと等しい、11℃未満またはそれと等しい、10℃未満またはそれと等しい、6℃未満またはそれと等しい、またはそれ未満である。これらの範囲の組み合わせが可能である(例えば、-2℃を超えるまたはそれと等しく50℃未満またはそれと等しい;-2℃を超えるまたはそれと等しく30℃未満またはそれと等しい;2℃を超えるまたはそれと等しく25℃未満またはそれと等しい;2℃を超えるまたはそれと等しく6℃未満またはそれと等しい;-2℃を超えるまたはそれと等しく15℃未満またはそれと等しい)。
【0138】
本明細書および上記で使用される「産物」は、発芽する傾向がある収穫後農産物および園芸産物を意味する。本明細書に記載される組成物および放出デバイスによって処理され得る産物の例としては、それだけに限らないが、様々な根、主根、塊茎、茎根、根茎、および球根、例えばジャガイモ(Solanum tuberosum)、サツマイモ、ヤムイモ、タロイモ、チョウセンニンジン、キャッサバ、ダリア、タマネギ(Allium種)、シャロット、カブ(Brassica rapa)、ショウガ(Zingiber officinale)、およびニンジン(Daucus)が挙げられる。本明細書に記載される組成物および放出デバイスによって処理され得る産物のさらなる例としては、それだけに限らないが、ホッグポテトもしくは落花生(Apios americana)、タイガーナッツもしくはチュファ(chufa)(Cyperus esculentus)、ヤムイモ(Dioscorea種)、ナガイモ(Dioscorea polystachya)、キクイモもしくはサンチョーク(sunchoke)(Helianthus tuberosus)、カンゾウ(Hemerocallis種)、キュウコンエンドウ(earthnut pea)(Lathyrus tuberosus)、オカもしくはニュージーランドヤム(Oxalis tuberosa)、ケムビリ(kembili)およびダゾ(dazo)(Plectranthus edulis)およびP.esculentus)、チョロギ(Stachys affinis)、マシュアもしくはアニュ(Tropaeolum tuberosum)、ウルク(ulluku)(Ullucus tuberosus)、ウコン(Curcuma longa)、チョウセンニンジン(Panax ginseng)、レンガレンガ(rengarenga)およびバニラユリ(Arthropodium種)、カンナ(Canna種)、ティー(ti)(Cordyline fruticosa)、クズウコン(Maranta arundinacea)、レンコン(Nelumbo nucifera)、ガマもしくはホタルイ(Typha種)、ショウガ(Zingiber officinale)、ネイティブジンジャー(Hornstedtia scottiana)、イエローリリーヤム(Amorphophallus galbra)、ピグナットもしくはアースナッツ(Conopodium majus)、サツマイモ(Ipomoea batatas)、デザートヤム(Ipomoea costata)、キャッサバもしくはユカもしくはマニオック(Manihot esculenta)、マヌカもしくはチャゴ(Mirabilis expansa)、ブレッドルート、ティプシン、もしくはプレーリーカブ(Psoralea esculenta)、ヤーコン(Smallanthus sonchifolius)、アラカチャ(Arracacia xanthorrhiza)、ビートおよびマンゲルワーゼル(Beta vulgaris)、ルタバガおよびカブ(Brassica種)、ブラッククミン(Bunium persicum)、ゴボウ(Asteraceae Arctium)、セルリアック(Apium graveolens rapaceum)、ダイコン(Raphanus sativus変種longipinnatus)、タンポポ(Taraxacum種)、マカ(Lepidium meyenii)、ムルノン(murnong)もしくはヤムデイジー(Microseris lanceolata)、ヒカマおよびアヒパ(Pachyrhizus種)、パースニップ(Pastinaca sativa)、パセリの根(Petroselinum種)、ラディッシュ(Raphanus sativus)、バラモンジン(Tragopogon種)、ブラック・サルシファイ(Scorzonera hispanica)、スキレット(Sium sisarum)、またはブッシュニンジンもしくはブッシュポテト(Vigna lanceolata)が挙げられる。本明細書に記載される組成物および放出デバイスによって処理され得る産物のさらなる例としては、それだけに限らないが、コンニャク(Amorphophallus konjac)、タロイモ(Colocasia esculenta)、イヌクログワイ(Eleocharis dulcis)、エンセーテ(Ensete種)、Nelumbo nucifera、スイレン(Nymphaea種)、Pteridium esculentum、クワイもしくはワパトー(wapatoo)(Sagittaria種)、Typha種、マランガ、ココヤム、タニア、もしくはヤウティア(Xanthosoma種)、またはヤマサトイモもしくはジャパニーズポテト(Colocasia antiquorum)が挙げられる。
【0139】
放出デバイスは、例えば、蒸気不透過性包装で貯蔵または輸送することができる。いくつかの実施形態では、放出デバイスが密封包装で輸送され得る。ある実施形態では、放出デバイスが酸素不透過性包装で貯蔵または輸送される。ある実施形態では、放出デバイスが、水蒸気(例えば、気相中の水)不透過性包装で貯蔵または輸送される。
【0140】
2020年6月5日に出願され、「Devices and Methods for Release and Delivery of Sprout Suppressants」と題された米国仮特許出願第63/035,564号、および2020年8月31日に出願され、「Devices and Methods for Release and Delivery of Active Ingredients」と題された米国仮特許出願第63/072,703号はそれぞれ、あらゆる目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0141】
これらの態様および他の態様は以下の実施例を考慮するとさらに理解され、これらの実施例は本発明のある特定の実施形態を説明することを意図しているが、特許請求の範囲によって定義されるその範囲を限定することを意図していない。
【実施例
【0142】
実施例1
放出デバイスの製造
本明細書に記載される放出デバイスを製造するための例示的なプロセスの非限定的な例を以下に示す。45.66%の湿潤点を有する活性化炭素(押出物形態)を、活性油と顆粒状炭素材料の容易な混合を可能にする容器に入れる。100gのスペアミント油(Jedwards International)を125gの活性化炭素に添加する。スペアミント油を炭素材料に添加する際、スペアミント油と活性化炭素との間の均一な接触を確実にするように注意を払う。油と活性化炭素との間の接触さえも、例えば、活性化炭素の充填床を形成し、床の上部にスペアミント油の単一アリコートを配置し、容器内の全ての活性化炭素が均一に曝露されるまで、または油の取り込みが完了するまで、床を通って油を浸透させることによって達成され得る。垂直充填床カラムをこの目的のために使用することができ、圧縮空気源を必要に応じて使用して油の進行を促進することができる。これにより、少なくとも44.4重量%のスペアミント油を含む組成物が得られる。得られた混合物をドラムに入れ、ドラムローラ上で30分間穏やかに回転する。得られた組成物は、必要に応じて分割され、慣用的な方法を使用してフォームファクタ、例えばTYVEK(登録商標)サシェ(複数可)に充填され得る。当業者が認識するように、活性化炭素と発芽抑制剤の会合が湿潤点未満で達成される限り、発芽抑制特性を有する任意の精油または植物抽出物を用いて上記の手順を繰り返すことができる。
【0143】
実施例2
本明細書に記載される放出デバイスを製造するための例示的なプロセスの別の非限定的な例を以下に示す。45.66%の湿潤点を有するシリカゲル(粉末形態)を、活性油とシリカゲルの容易な混合を可能にする容器に入れる。100gのスペアミント油(Jedwards International)を125gのシリカゲルに添加する。スペアミント油をシリカ材料に添加する際、スペアミント油とシリカ材料との間の均一な接触を確実にするように注意を払う。油とシリカ粉末との間の接触さえも、例えば、多孔質吸着材料への油の連続的または等分された送達中のシリカの回転、撹拌、または混合によって達成され得る。ドラムおよびドラムローラをこの目的のために使用することができる。これにより、少なくとも44.4重量%のスペアミント油を含む組成物が得られる。得られた組成物は、必要に応じて分割され、慣用的な方法を使用してフォームファクタ、例えばTYVEK(登録商標)サシェ(複数可)に充填され得る。当業者が認識するように、活性化炭素と発芽抑制剤の会合が湿潤点未満で達成される限り、発芽抑制特性を有する任意の精油または植物抽出物を用いて上記の手順を繰り返すことができる。
【0144】
当業者が認識するように、発芽抑制剤と多孔質吸着材料が湿潤点未満で組み合わされる限り、発芽抑制剤と多孔質吸着材料の異なる重量の組み合わせを使用して、最終組成物中の異なる重量百分率の発芽抑制剤に達することができる。
【0145】
放出デバイスの非限定的な具体例は以下である。
【0146】
試料1
49.9%の湿潤点を有する押出物形態の活性化炭素(0.8mm押出物、Cabot Corporation)を、発芽抑制剤と押出物炭素材料の容易な混合を可能にする容器に入れる。1.2gのスペアミント油(例えば、60重量%を超えるカルボンを有する、Sigma Aldrich)を1.5gの押出物活性化炭素に添加する。スペアミント油を活性化炭素に添加するときに、油の一部を炭素材料に注入し、短時間混合し、再び添加することを繰り返すことによって、スペアミント油と押出物活性化炭素材料との間の均一な接触を確実にするように注意を払う。これにより、およそ44.4重量%のスペアミント油を含む組成物が得られる。次いで、混合物を撹拌し、慣用的な方法を使用してTYVEK(登録商標)サシェに充填する。
【0147】
試料1からの放出試験-
フレームイオン化検出器を備えたガスクロマトグラフ(GC)で測定されるように、2.7gの試料1を含有する密封ボックスのヘッドスペース分析を使用して、容器内に保持された試料1の放出デバイスからの発芽抑制剤の濃度を決定した。放出デバイスを15L密封気密容器に入れた。この実験において、「時間0」を、試料1の放出デバイスを容器内に配置した後、15L容器を密封した時点として定義した。放出デバイスは、時間0後24時間の間、発芽抑制剤を容器内に放出することを可能にされる。放出試験中、24時間後に容器内に放出された発芽抑制剤の試料を、気密シリンジを使用して回収し、ガスクロマトグラフ(GC)を使用して測定する。GCオーブンの開始温度は140℃に設定した。カルボンのGCピークの面積を、真正カルボン標準(98.5%、Sigma Aldrich)の既知の面積と比較することによって較正して、容器内の発芽抑制剤の濃度を決定した。放出試験を、大気圧下、20℃で行った。
【0148】
最初の試料の後、容器を24時間毎に短時間通気した(例えば、容器の蓋を取り外し、次いで、蓋を閉じる)。放出試験が継続する限り、放出試験の最後まで、試料を採取する際に、各通気の前に気密シリンジを使用してヘッドスペース濃度をサンプリングする。
【0149】
12日間にわたるカルボンの濃度を表1で以下に示す。濃度(ppm)は、容器内の発芽抑制剤の濃度を測定するための放出試験について前に論じられる方法に従って計算した。容器内の発芽抑制剤の濃度を、代表的な活性揮発性物質カルボンの関数として報告する。容器に蓄積された試料1由来のカルボンの濃度を、デバイスに注入された既知の量のカルボンを使用して較正した。
【0150】
【表1】
【0151】
試料1からの産物有効性試験-有機ジャガイモにおける発芽抑制
サイズAの有機ジャガイモで試験を行って、試料1の放出デバイスからの発芽抑制剤の放出の産物に対する効果を試験した。有機レッドポテトを、35°Fで10か月間、商業的貯蔵条件に保った後、Alsum Farms and Produceから入手した。芽発生率を評価する際の潜在的なバイアスを排除するために、全てのジャガイモをスクリーニングして、実験開始前に蕾に芽またはピープ(peep)が観察されるジャガイモを除去した。各反復について、10個のランダムなジャガイモ(芽もピープもなし)を選択し、15L気密容器に入れた。処理されたジャガイモのセットについて、2.7gの試料1の組成物で満たされた3cm×5 cmのサシェ(TYVEK(登録商標)、Dupont)を特徴とする放出デバイスを、ジャガイモを含む15L容器内に配置した。対照(未処理)ジャガイモを含む15L容器には、放出デバイスを配置しなかった。処理に対して3回、対照に対して3回の、合計6回の反復を本実験について試験した。
【0152】
有効性試験中、ジャガイモを68°Fおよび65%の相対湿度で12日間保持した。蓋を5秒間開き、再び閉じることによって、全ての容器を毎日通気した。実験の0日目、4日目、8日目、および12日目に、容器内の各ジャガイモを技術者が個別に検査した。所与のジャガイモについて、いずれかの目に見える芽を有する各ジャガイモを不合格として示した;目に見える芽の成長がない各ジャガイモを合格として示した。
【0153】
処理群は、有意に少ない数の発芽ジャガイモを示した(すなわち、有意に少ない数の不合格)。これらの結果から、試料1の放出デバイスは、少なくとも8日間、市販のジャガイモにおける発芽を抑制する(すなわち、遅延させる)のに十分であると結論付けられる。
【0154】
実験では合計60個のジャガイモを評価した。表2は、不合格として示される発芽したジャガイモの百分率を示す。
【0155】
【表2】
【0156】
上に提供される有効性試験結果は、本明細書で論じられる放出デバイスの性能の商業的適切性を示す。
【0157】
本明細書に開示される放出デバイスの利点は、様々なサイズ、例えば5~50ポンド容器の商品食品包装に容易に組み込むことができることである。さらに、本明細書に開示される放出デバイスを使用して、発芽抑制剤をサプライチェーンの複数のレベルで、例えば、梱包作業所内、在庫中、輸送中、および/または最終消費者サイズの包装内で産物商品に送達することができる。ある実施形態では、放出デバイス中に存在する発芽抑制剤が有機認証されている。ある実施形態では、放出デバイスが有機認証されている。
【0158】
実施例3
この実施例は、ある特定の実施形態による、非限定的な有効成分の放出特性および充填考慮事項に対するある特定の多孔質吸着材料中の補助材料の存在の効果を記載する。この一連の非限定的な実施形態では、活性化炭素を多孔質吸着材料として使用し、スペアミント油(発芽抑制剤であり得る)を放出される有効成分として使用した。スペアミント油の放出速度を、充填されたスペアミントの量の関数として記録した。さらに、様々な不揮発性油の形態の様々な補助材料(この例では「補助材料」と呼ばれる)の存在下で、スペアミント油の放出速度を記録した。
【0159】
測定装置
有効成分放出プロファイルを記録するための測定装置は、質量天秤(±0.001g以内で質量測定することができる)、ペトリ皿、アルミニウム箔、蓋を有する500 mLの琥珀色ガラスジャー、マトリックス、および60%を超えるカルボン含有量を有するスペアミント精油(SEO)(Jedwards International,Inc.、Braintree MA、ロット番号Z1819A05)で構成された。
【0160】
SEO損失を定量するための秤量測定プロトコル
以下の節では、経時的なSEO充填炭素の重量損失を測定することによって、SEO充填炭素中に存在するスペアミント精油(SEO)を決定するために使用される方法を記載し、結果を重量%として表す。SEO充填炭素を質量測定し、アルミニウム箔で包んだペトリ皿に入れた。アルミニウム箔で包んだペトリ皿の質量を記録した。ある特定の時点で、SEO充填炭素を含むペトリ皿の質量を質量測定した。経時的な質量損失は、炭素からのSEOの放出によってのみ与えられると仮定した。
【0161】
この節に記載される計算を使用して、経時的なSEOの質量損失(g)、ならびに経時的な補助材料および/またはSEOの重量%充填を決定した。計算において、P=ペトリ皿の質量(g)、C=SEO充填炭素の質量(g)、I=充填されたSEOの初期質量(g)、M=各時点におけるペトリ皿+SEO充填炭素の質量(g)、およびD=添加された補助材料の質量(g)。
【数2】
【0162】
実験1、2、および3の実験プロトコル
材料の特性:
表3に示されるように、650m/gの表面積を有する活性化炭素を多孔質吸着材料として選択し、表4に示されるように、5つの異なる補助材料を選択した。
【0163】
【表3】
【0164】
【表4】
【0165】
方法論-実験1
最初に、200gの炭素多孔質吸着材料を秤量して、各ジャーにおいて50gを有する500mLの琥珀色ガラスジャーに入れた。ガラスジャーをオーブンに入れ、多孔質吸着材料を150℃で24時間乾燥させた。次いで、アルミニウム箔の層を12枚のペトリ皿の各々の周りにしっかりと巻き付け、次いで、これらのペトリ皿を計量し、それに応じてラベル付けした。各ペトリ皿の質量を記録した。第1の工程から調製されたそれぞれの量の炭素多孔質吸着材料を表5に従って秤量し、清潔な500mLの琥珀色ガラスジャーに入れ、次いで、これを質量天秤に置いた。ニードルアタッチメントを備えた10mLシリンジを使用して、多孔質吸着材料上にSEOをゆっくり滴下した(表5)。均質な充填のために、SEOを、同じスポットの代わりに多孔質吸着材料の周りの異なる位置に滴下した。5滴の滴下後、ジャーを蓋で閉じ、30秒間激しく振盪した。所望の量のSEOが充填されるまで、これらの工程を繰り返した。SEO充填多孔質吸着材料の各々をそれぞれペトリ皿に注ぎ入れた。ペトリ皿をラック上に置き、100ft/分の一定流速を有する開放された清潔なヒュームフードに入れた。毎日、ラックの位置をランダム化し、180°回転させて、全ての処理を通して均一な空気流を確保した。一定時間後、SEO充填炭素を含むペトリ皿を計量した。実験は3連で実施した。
【0166】
【表5】
【0167】
方法論-実験2
最初に、200gの炭素多孔質吸着材料を秤量して、各ジャーにおいて50gマトリックスを有する500mLの琥珀色ガラスジャーに入れた。ガラスジャーをオーブンに入れ、マトリックスを150℃で24時間乾燥させた。次いで、アルミニウム箔の層を21枚のペトリ皿の周りにしっかりと巻き付け、次いで、これらのペトリ皿を計量し、それに応じてラベル付けした。各ペトリ皿の質量を記録した。第1の工程から調製された5gのそれぞれの炭素多孔質吸着材料を秤量し、清潔な500mLの琥珀色ガラスジャーに入れ、次いで、これを質量天秤に置いた。ニードルアタッチメントを備えた10mLシリンジを使用して、マトリックス上に補助材料をゆっくり滴下した(表6)。均質な充填のために、補助材料を、同じスポットの代わりにマトリックスの周りの異なる位置に滴下した。5滴の滴下後、ジャーを蓋で閉じ、30秒間激しく振盪した。所望の量の補助材料が充填されるまで、これらの工程を繰り返した。材料を15mLコニカルチューブに移し、2時間密封して補助材料を平衡化させた。2時間後、上記と同じ方法を使用して、SEO(表6)を補助材料含浸多孔質吸着材料に充填した。これらの工程を各補助材料処理について繰り返した。SEOおよび/または補助材料充填多孔質吸着材料の各々をそれぞれペトリ皿に注ぎ入れた。ペトリ皿をラック上に置き、100ft/分の一定流速を有する開放された清潔なヒュームフードに入れた。毎日、ラックの位置をランダム化し、180°回転させて、全ての処理を通して均一な空気流を確保した。一定時間後、「重量」と記されたSEO充填炭素を含むペトリ皿を計量した。実験は3連で行った。
【0168】
【表6】
【0169】
方法論-実験3
実験2に記載されるのと同じ方法論および設定を実験3に使用した。しかしながら、補助油を平衡化するために使用した時間および温度は、示される表に従って変更した(表7)。適切な温度に調整された水浴中に、補助材料充填多孔質吸着材料を含有する密封コニカルチューブを入れることによって、温度を達成した。処理が完了したら、マトリックス上に補助材料を充填する工程を行った。
【0170】
【表7】
【0171】
実験1の結果
最初に多孔質吸着材料に異なる量のSEOを充填して、重量%で異なる初期SEO充填を達成した。処理の質量損失は、経時的なSEOの損失のみに起因していた。図3A図3Bは、実験1の4つの試料における経時的なSEOの平均損失(g)(図3A)およびSEO充填(重量%)(図3B)のプロットを示す。炭素の単位グラム当たりに添加されるSEOの質量が高いほど、及ぼされる揮発性物質の蒸気圧による多孔質吸着材料を通したSEO損失が高くなる。しかしながら、充填の平衡重量%は約15~23%で横ばいになり、最終的に保持され(多孔質吸着材料のミクロ細孔に吸着された可能性がある)、放出されなかった約20重量%のSEOが存在することを示した。要約すると、重量%による初期SEO充填が高いほど、より高い濃度のSEOで及ぼされる蒸気圧が高いため、経時的にSEOの総放出が高くなる。蒸気圧が平衡に達すると、SEOはもはや放出されない。SEOのコストのために、この一連の実験の文脈において、より安価な犠牲材料で多孔質吸着材料のミクロ細孔の15~23重量%を占めることがより経済的に実行可能となり得ることが分かった。したがって、実験2および3は、補助材料によるミクロ細孔の占有に取り組んだ。
【0172】
実験2の結果
1gの補助材料を多孔質吸着材料に添加した場合(例えば、ミクロ細孔を占有するために)、補助材料を添加しない処理(2gのSEO)と比較して、SEO質量損失の増加が観察された。図4A図4Bは、実験2の6つの試料における経時的なSEOの平均損失(g)(図4A)およびSEO充填(重量%)(図4B)のプロットを示す。キャノーラ油、ヒマシ油、コーン油、水、および鉱油処理の間でSEO質量損失の間に有意差はなかったが、ヤシ油は他の補助材料処理と比較して有意に低い放出を有していた。SEOを補助材料として添加した場合(1g SEO 2g SEO)、SEOの質量損失が最も高かった。水を補助材料として添加した場合、SEOの急速な放出が観察され、75重量%のSEOが最初の50時間以内に放出された。これは、補助材料の添加がマトリックス中のミクロ細孔を占有するという目標を達成することができたとしても、補助材料の高い沸点が混合物全体の揮発性を低下させることを示した。したがって、ミクロ細孔占有と混合物の揮発性との間のバランスが達成される必要があるだろう。要約すると、補助材料の添加は、測定された期間にわたって、補助材料を添加しなかった処理と比較して、マトリックスからのSEOの損失を増加させた。また、補助材料として水を添加すると、放出プロファイルが急速放出系に変化し、この実験で試験した試料のいずれにおいてもSEOの初期放出の最高速度が観察されることも観察された。さらに、全ての処理群が依然として18~23%の平衡重量%充填に達しており、ある割合の補助材料が多孔質吸着材料のミクロ細孔を占めていたことを示唆している。最後に、SEOを補助材料として添加した場合、SEOの最大質量損失が観察され、これは、補助材料がSEOの揮発性を低下させることを示した。キャノーラ油、コーン油、分留ヤシ油、ヒマシ油および鉱油をそれぞれ補助材料として添加した場合、SEOの放出速度が対照処理(補助材料なし)と比較して増加した。しかしながら、添加した初期SEOに加えて、SEOを補助材料として添加した場合、SEOの放出速度が最も高かった。最初に炭素上に補助材料を充填することによって、補助材料がミクロ細孔の一部を占めることができ、より多くのSEOがより高い放出のために炭素多孔質吸着材料のメソ細孔およびマクロ細孔を占めることを可能にしたと考えられる。しかしながら、補助材料はSEOと比較して揮発性が低いため、補助材料処理は組成物中の材料の全体的な揮発性を低下させた。
【0173】
実験3の結果
異なる補助材料の放出プロファイル間に有意差がなかったので、最も経済的に実行可能な選択であるため、鉱油からのデータを選択した。処理群については、上記の表7に示されるように、1gの補助材料を多孔質吸着材料に充填し、異なる時間および温度プロセスに供した。補助材料を添加しなかった群(「補助なし」および「SEO」)については、熱がSEO化合物を分解する可能性があるので、SEOを熱なしで2時間、炭素多孔質吸着材料に充填した。
【0174】
試料を加熱することにより、補助材料が速度論的障壁を克服してミクロ細孔にさらに浸透することが可能になり、多孔質吸着材料が最初に補助材料を吸着することを可能にすると仮定された。しかしながら、時間および温度を加えた場合に有意差は観察されず、これは、ミクロ細孔に浸透する補助材料の速度論的障壁が低く、室温でさえ迅速に達成され得ることを示した。図5A図5Bは、実験3の8つの試料における経時的なSEOの平均損失(g)(図5A)およびSEO充填(重量%)(図5B)のプロットを示す。要約すると、熱および時間は、補助材料が多孔質吸着材料のミクロ細孔に進入する程度にも速度にも影響を及ぼさず、この調製方法には熱および時間が必要ないことを示唆している。
【0175】
結論
表8は、この実施例で試験した組成物の配合および放出プロファイルの概要を示す提供する。
【0176】
【表8】
【0177】
この比較のために、「SEO 3g」処理が経時的に最も高いSEOの総放出を有したので、この処理の放出プロファイルを目標放出として選択した。補助油を含まない配合物と比較して、放出目標量を達成するためには、146%以上のSEOを最初に充填する必要があった。しかしながら、補助材料(キャノーラ油、ヒマシ油および鉱油)を配合物に添加した場合、目標放出を達成するために必要な総SEOの20%の減少が観察された。これは、補助材料を含めることにより、所与の放出プロファイルを達成するために組成物に必要な有効成分の量を減少させることができることを示している。安価な補助材料を選択すれば、このような有効成分の減少により、農産物を処理する(例えば、産物における発芽の抑制)ための組成物の調製に関連するコストを下げることができる。
【0178】
実施例4
この実施例は、放出デバイスからの放出の際の発芽抑制のためのある特定の非限定的な有効成分の有効性を記載する。この非限定的な一連の実験では、活性化炭素を多孔質吸着材料として使用し、ある特定の精油を試験し、比較した。それぞれ(R)-(-)-カルボン、(S)-(+)-カルボン、シトラール、およびリナロールの主活性成分を含むスペアミント(Jedwards Internationalロット番号Z1819A2)、キャラウェイ(Lebermuthロット番号1808001659)、レモングラス(Lebermuthロット番号1807001122)、およびコリアンダー(Wholesale Botanics)の精油を展開した。フィンガーリングポテト(fingerling potato)についての発芽抑制有効性を評価し、ジャガイモへの曝露中のこれらの有効成分のヘッドスペース濃度プロファイルを測定した。
【0179】
方法論
各実験の充填マトリックスは、650m/gの表面積を有する2.8gの活性化炭素を質量測定し、500mLジャーに入れることによって調製した。2.2gの試験する精油を活性化炭素に注いだ。ジャーを少なくとも1分間振盪することによって撹拌した。この実施例では、合計15.0gの各タイプのマトリックスを作製した。
【0180】
各実験のためのサシェは、サシェ材料(TYVEK(登録商標)、Dupont)の7インチ×1.5インチのストリップを切断することによって作製した。ストリップを折り曲げ(長軸)、長辺をインパルスシールした(温度レベル6、1秒オン、1秒冷却)。サシェを5gの充填マトリックスで満たし、その短辺をインパルスシールして閉じた。
【0181】
ジャガイモ塊茎は、以下のように設定した。有機フィンガーリングポテト(学名:Solanum tuberosum、品種:ロシアバナナ(Russian Banana))を、1.67℃で7か月間商業的貯蔵条件に保った後、Albert Bartlettから入手した。ジャガイモは、商業的貯蔵中に熱霧施用(thermo-fogging application)を介してクローブ油で処理されていた。芽発生率を評価する際の潜在的なバイアスを排除するために、全てのジャガイモをこの実施例の実験にわたって選別し、ランダム化した。欠陥のあるおよび/または発芽した塊茎を除去して、均一な初期条件を確保した。各反復について、ヘッドスペースガスクロマトグラフィー(GC)サンプリングのために、密封蓋およびセプタムを取り付けた15L貯蔵ボックスに800gのフィンガーリングポテト(約30個のジャガイモ)を入れた。様々な精油有効成分についての実験を3連で行った。
【0182】
実験中のジャガイモの貯蔵条件は以下の通りであった。サシェをサンプリングポートの正反対側の貯蔵ボックスの内側にテープで留め、20℃および35%の相対湿度で10日間保持した。対照ボックスはサシェを受けなかった。蓋を5秒間取り外し、再び閉じることによって、各容器を毎日通気した。各処理に対して3回の、合計18回の真の反復を本実験について試験した(表9)。
【0183】
0日目(サシェを密封ボックスに導入した日)、2日目、5日目、7日目、および9日目にデータを記録した。データ収集中、各サシェの質量を小数点以下3桁分析スケールで決定し、各反復からの全てのジャガイモを評価した。いずれかの目に見える芽を有する各ジャガイモを不合格として示した;目に見える芽がない各ジャガイモを合格として示した。
【0184】
各データ収集時点での有効成分のヘッドスペース濃度を以下のように決定した。密封された貯蔵ボックスを5秒間振盪することによって撹拌した。次いで、1mLの気密シリンジをセプタムに挿入し、5回圧送してヘッドスペース気体を均質化した。400μLの気体試料を取り出し、分析のためにGC-FIDに注入した。注入された有効成分の質量を、各関連有効成分の検量線との比較を介して決定した。既知濃度の有効成分の直接注入によって検量線を作成した。測定された有効成分の質量を、以下の式を使用してppm値に変換した:
【数3】
【0185】
実験設計および評価時点を表9に要約する。
【0186】
【表9】
【0187】
結果
実験の結果を、発芽の程度の目視評価と貯蔵容器内の有効成分濃度時間プロファイルの定量的測定値の両方に関して以下に記載する。
【0188】
表10は、様々な評価時点で不合格として示されたジャガイモの百分率を示す。貯蔵2日目に、対照、スペアミント油、キャラウェイ、およびコリアンダー処理ジャガイモでピープが観察された。発芽したジャガイモの数は、対照群のジャガイモと比較して、キャラウェイおよびスペアミント油処理ジャガイモで有意に少なかった。5日目に、レモングラス、キャラウェイ、およびスペアミント油処理ジャガイモでピープは観察されなかった。スペアミント精油およびキャラウェイ油からのカルボンが、2日目で成長したピープを有効に消散させ、ジャガイモに対する発芽抑制剤活性を示すことが観察された。コリアンダーおよび未処理(対照)ジャガイモが、より高い芽発生率を示し続けることが観察された。発芽抑制効果は主に、精油の主活性成分(例えば、スペアミント精油およびキャラウェイ種子油中のカルボン、レモングラス油中のシトラール)の結果であったと考えられる。
【0189】
7日目に、キャラウェイおよびレモングラス油処理ジャガイモでピープは観察されなかった。スペアミント油ジャガイモは、低レベルの発芽を示した。未処理(対照)およびコリアンダー処理ジャガイモでは、発芽抑制活性は観察されなかった。9日目に、レモングラス油処理ジャガイモでピープは観察されなかった。キャラウェイおよびスペアミント油処理ジャガイモは、低レベルの発芽を示した。未処理(対照)およびコリアンダー油処理ジャガイモは、芽発生率が増加し続けた。
【0190】
【表10】
【0191】
油放出およびヘッドスペース濃度
スペアミント油、キャラウェイ、レモングラス、およびコリアンダーで処理したジャガイモ貯蔵ボックスのヘッドスペース濃度を経時的に評価した(表11)。スペアミント油、キャラウェイ、およびレモングラス処理ボックスは、9日の評価日を通して2.0ppmを上回る濃度を達成した。コリアンダー処理ボックスは、容器ヘッドスペース内で最も低い有効成分濃度を示し、これは、経時的にサシェの質量を計量することによって測定された経時的な活性物質損失の平均質量と相関した(表4)。マトリックスが、充填された活性物質を放出するので、サシェの質量測定から得られた負の値は、経時的にマトリックスによって吸着された他の化合物に起因すると考えられる。
【0192】
特定の精油中に存在する主活性成分のみのヘッドスペース濃度を測定したが、精油は、典型的には、多くの他の揮発性成分および不揮発性成分で構成されている。例えば、キャラウェイは、この実施例ではGCヘッドスペースサンプリングを通して追跡されなかった約35%のリモネン成分を有する。しかしながら、各時点でサシェの計量によって収集された質量損失データは、経時的に放出された精油の全ての成分の放出の測定を可能にした。
【0193】
【表11】
【0194】
【表12】
【0195】
結論
スペアミント油、キャラウェイ、およびレモングラス油は、未処理(対照)およびコリアンダーと比較して有意な発芽抑制有効性を示した。いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、スペアミント油およびキャラウェイのカルボンならびにレモングラス油のシトラールのそれぞれにおけるα,β-不飽和カルボニルの存在が、それらの観察された発芽抑制剤有効性に寄与すると考えられる。
【0196】
本発明のいくつかの実施形態が本明細書に記載および例示されているが、当業者は、機能を実施する、ならびに/あるいは本明細書に記載される結果および/または1またはそれを超える利点を得るための様々な他の手段および/または構造を容易に想起し、このような変形および/または修正の各々は、本発明の範囲内にあると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書に記載される全てのパラメータ、寸法、材料および構成が例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料および/または構成が、本発明の教示が使用される具体的な用途に依存することを容易に理解する。当業者は、本明細書に記載される本発明の具体的な実施形態との多くの等価物を認識する、または日常的な実験のみを使用して確認することができる。したがって、前記実施形態は単なる例として提示されており、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内で、本発明が具体的に記載および特許請求される以外の方法で実施され得ることを理解すべきである。本発明は、本明細書に記載される各特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法のそれぞれに関する。さらに、このような特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法が相互に矛盾しない場合、2またはそれを超えるこのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせが、本発明の範囲に含まれる。
【0197】
明細書および特許請求の範囲において、本明細書で使用される不定冠詞「a」および「an」は、明確に指示しない限り、「少なくとも1つの」を意味すると理解されるべきである。
【0198】
明細書においておよび特許請求の範囲において、本明細書で使用される「および/または」という句は、そのように結合された要素の「いずれかまたは両方」、すなわち、ある場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。明確に反対に指示されない限り、具体的に特定される要素に関連するかどうかにかかわらず、「および/または」節によって具体的に特定される要素以外の他の要素が、必要に応じて存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む」などのオープンエンド言語と組み合わせて使用される場合、一実施形態では、Bを含まないA(必要に応じてB以外の要素を含む);別の実施形態では、Aを含まないB(必要に応じてA以外の要素を含む);さらに別の実施形態では、AとBの両方(必要に応じて他の要素を含む);等々を指すことができる。
【0199】
明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される場合、「または」は、上に定義される「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を区切る場合、「または」または「および/または」は包括的である、すなわち、ある数またはリストの要素のうちの少なくとも1つを含むが、1つを超えて含み、必要に応じて、追加の列挙されていない項目も含む。「ただ1つの」または「正確に1つの」、または特許請求の範囲で使用される場合、「からなる」などの明確に反対のことが示される用語のみが、ある数またはリストの要素うちの正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書で使用される「または」という用語は、「いずれか」、「の一方」、「の一方のみ」または「の正確に一方」などの排他性の用語が先行する場合にのみ、排他的代替(すなわち、「一方または他方であるが両方ではない」)を示すと解釈されるものとする。「本質的にからなる」は、特許請求の範囲で使用される場合、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0200】
明細書および特許請求の範囲において使用される場合、1またはそれを超える要素のリストに関連する「少なくとも1つの」という句は、その要素のリスト中のいずれかの1またはそれを超える要素から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、その要素のリスト内に具体的に列挙される各々のおよび全ての要素の少なくとも1つを必ずしも含むものではなく、その要素のリスト中の要素の任意の組み合わせを除外するものでもない。この定義はまた、具体的に特定される要素に関連するかどうかにかかわらず、「少なくとも1つの」という句が言及する要素のリスト内で具体的に特定される要素以外の要素が必要に応じて存在し得ることを可能にする。したがって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または、同等に、「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、必要に応じて1つを超えるAを含み、Bが存在しない(および必要に応じてB以外の要素を含む)少なくとも1つ;別の実施形態では、必要に応じて1つを超えるBを含み、Aが存在しない(および必要に応じてA以外の要素を含む)少なくとも1つ;さらに別の実施形態では、必要に応じて1つを超えるAを含む少なくとも1つ、および必要に応じて1つを超えるBを含む(および必要に応じて他の要素を含む)少なくとも1つ;等々を指すことができる。
【0201】
特許請求の範囲および上記明細書において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「保有する」、「有する」、「含有する」、「伴う」、「保持する」などの全ての移行句は、オープンエンドである、すなわち、含むがこれに限定されないことを意味すると理解される。米国特許庁の特許審査手続マニュアルの第2111.03節に示されるように、「からなる」および「から本質的になる」という移行句のみが、それぞれクローズまたはセミクローズ移行句であるものとする。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A-3B】
図4A-4B】
図5A-5B】
【国際調査報告】