IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スウィフト・ヘルス・システムズ・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-529942非滑り歯列弓形態を伴う歯列矯正器具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-12
(54)【発明の名称】非滑り歯列弓形態を伴う歯列矯正器具
(51)【国際特許分類】
   A61C 7/16 20060101AFI20230705BHJP
【FI】
A61C7/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576487
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(85)【翻訳文提出日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 US2021036675
(87)【国際公開番号】W WO2021252675
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】63/037,974
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/148,263
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/160,222
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522481042
【氏名又は名称】スウィフト・ヘルス・システムズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トッド・オダ
(72)【発明者】
【氏名】アルストン・チュン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・ロドリゲス
(72)【発明者】
【氏名】フォロック・ファルジン-ニア
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052AA20
4C052JJ03
(57)【要約】
摩擦のない機構を使用する歯列矯正ブラケットおよび歯列弓形態のシステムが開示されている。歯列弓形態は歯列矯正ブラケットの中に保持させることができる雄留め部を有し得る。歯列矯正ブラケットは、歯列弓形態とブラケットとの間の滑りを防止するために、雄留め部の特徴と協働することができる、歪み可能摘まみ、バネ、係止ピン、および他のものなどの様々な係止機構を有することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の歯に配置されるように構成される歯列矯正ブラケットであって、
歯列弓形態の雄留め部を受け入れるように構成されるスロットと、
前記ブラケットの歯肉側に配置される停止部であって、歯肉方向における前記雄留め部の移動を防止するように構成される、停止部と、
咬合方向、近心方向、および遠心方向における前記雄留め部の移動を防止するように構成される前記ブラケットの咬合側に配置される保持部であって、前記雄留め部が前記スロットへと挿入されること、または前記スロットから取り外されること、を容易にするために歪むように構成される係止ピンを備える、保持部と、
を備える、歯列矯正ブラケット。
【請求項2】
前記停止部は、前記雄留め部を前記スロットの中で保持するように構成される突き出し部を備える、請求項1に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項3】
前記保持部は、前記歯列矯正ブラケットの近心側および遠心側に配置される壁を備える、請求項1または2に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項4】
前記係止ピンは、前記保持部の前記壁のうちの一方における固定端と、前記保持部の他方の前記壁の開口の中に移動可能に配置される自由端と、を備え、前記自由端は、それ自体の下に前記雄留め部を位置決めさせるために、または、それ自体の下から前記雄留め部を取り外させるために、前記咬合方向において歪むように構成される、請求項3に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項5】
前記保持部の前記壁の前記開口は、前記雄留め部が前記係止ピンの下に配置されるとき、それ自体において前記係止ピンの前記自由端を保持するように構成される係止部分を備える、請求項4に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項6】
前記ブラケットは面と突起とを備え、前記突起は、前記面から離れるように延び、前記歯列弓形態と前記ブラケットとの間の滑りを防止するために、前記雄留め部を前記保持部および前記係止ピンに押し当てるように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項7】
前記雄留め部は、荷重の下で曲がるように構成されるアームを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項8】
前記雄留め部は、前記アーム同士を分離する空間を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項9】
前記アーム間で前記空間内へと延び、前記アームの過剰な歪みを防止するように構成されるブロックをさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項10】
前記歯列弓形態は、前記雄留め部の反対にある側において歯間ループを備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項11】
前記雄留め部は、前記係止ピンの下に位置決めされるように構成される摘まみを備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項12】
前記雄留め部は、前記ブラケットの前記スロットの中への前記雄留め部の挿入、および、前記ブラケットの前記スロットの中からの前記雄留め部の取り外しのための工具と相互作用するように構成される溝を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項13】
歯列弓形態をブラケットに結合する方法であって、
前記歯列弓形態の雄留め部を前記ブラケットの面に対して角度付けするステップと、
前記雄留め部の一部分を、前記ブラケットのスロットへと、前記ブラケットの歯肉側に配置される停止部に当てるように挿入するステップと、
前記雄留め部の摘まみ部分を、前記ブラケットの咬合側に配置される保持部によって支持される係止ピンへと位置決めするステップと、
工具を、前記係止ピンと、前記雄留め部の前記摘まみに配置される溝と、の間に挿入するステップと、
前記係止ピンが、その下に前記雄留め部の前記摘まみ部分を位置決めさせることを可能とするために歪むように、前記工具を前記ブラケットの前記停止部に向けて回転させるステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記工具を前記ブラケットの前記停止部に向けて回転させるステップは、前記雄留め部を前記ブラケットの前記面に向けて回転させる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記工具を前記ブラケットの前記停止部に向けて回転させるステップは、前記摘まみに配置される前記溝に力を加えて前記雄留め部のアームを歪ませる、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
患者の歯に配置されるように構成される歯列矯正ブラケットであって、
歯列弓形態の雄留め部を受け入れるように構成されるスロットと、
前記ブラケットの歯肉側に配置される停止部であって、歯肉方向における前記雄留め部の移動を防止するように構成される停止部と、
咬合方向、近心方向、および遠心方向における前記雄留め部の移動を防止するように構成される前記ブラケットの咬合側に配置される保持部であって、前記雄留め部が前記スロットへと挿入されること、または前記スロットから取り外されること、を容易にするために歪むように構成されるC字形バネを備える、保持部と、
を備える、歯列矯正ブラケット。
【請求項17】
前記C字形バネの中心軸が近心-遠心方向に延びる、請求項16に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項18】
前記C字形バネの端が、前記保持部のスロットの中に固定して位置決めされ、前記C字形バネの自由端が自由に歪む、請求項16または17に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項19】
前記C字形バネの前記自由端は、その下に前記雄留め部の摘まみを保持するように構成される、請求項16から18のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項20】
前記保持部は、前記C字形バネへのアクセスを提供する溝を備える、請求項16から19のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項21】
前記ブラケットは面と突起とを備え、前記突起は、前記面から離れるように延び、前記雄留め部を前記C字形バネの前記自由端および前記停止部の突き出し部に押し当てるように構成される、請求項16から20のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項22】
前記雄留め部は、荷重の下で曲がるように構成されるアームを備える、請求項16から21のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項23】
前記雄留め部は、前記アーム同士を分離する空間を備える、請求項16から22のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項24】
前記歯列弓形態は、前記雄留め部の反対にある側において歯間ループを備える、請求項16から23のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項25】
前記雄留め部は、前記ブラケットの前記スロットの中への前記雄留め部の挿入、および、前記ブラケットの前記スロットの中からの前記雄留め部の取り外しのための工具と相互作用するように構成される溝を備える、請求項16から24のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項26】
前記歯列弓形態と前記ブラケットとの間の滑りを低減するために、前記雄留め部を前記C字形バネの自由端および前記停止部の突き出し部に押し当てるように構成される突起をさらに備える、請求項16から25のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項27】
歯列弓形態をブラケットに結合する方法であって、
前記歯列弓形態の雄留め部を前記ブラケットの面に対して角度付けするステップと、
前記雄留め部の一部分を、前記ブラケットのスロットへと、前記ブラケットの歯肉側に配置される停止部に当てるように挿入するステップと、
前記雄留め部の摘まみ部分を、前記ブラケットの咬合側において保持部の中に配置されるC字形バネの一部分に当てるように位置決めするステップと、
工具を、前記雄留め部の前記摘まみに配置される溝と、前記保持部に配置される溝と、の間に、前記工具が前記C字形バネに接触するように挿入するステップと、
前記C字形バネの自由端が、その下に前記雄留め部の前記摘まみ部分を位置決めさせることを可能とするために歪むように、前記工具を前記ブラケットの前記停止部に向けて回転させる一方で、前記工具を前記ブラケットの表面に向けて前記C字形バネへと押すステップと、
を含む、方法。
【請求項28】
前記工具を前記ブラケットの前記停止部に向けて回転させるステップは、前記雄留め部を前記ブラケットの前記面に向けて回転させる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記工具を前記ブラケットの前記停止部に向けて回転させるステップは、前記摘まみに配置される前記溝に力を加えて前記雄留め部のアームを歪ませる、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
患者の歯に配置されるように構成される歯列矯正ブラケットであって、
歯列弓形態の雄留め部を受け入れるように構成されるスロットと、
前記ブラケットの歯肉側に配置される保持部であって、前記雄留め部が前記スロットの中で保持されること、または前記雄留め部が前記スロットから取り外されることを容易にするために歪むように構成されるC字形バネを備える、保持部と、
前記ブラケットの咬合側に配置される停止部であって、咬合方向における前記雄留め部の移動を防止するように構成される、停止部と、
を備える、歯列矯正ブラケット。
【請求項31】
前記C字形バネは前記ブラケットの面に対して垂直に配向される、請求項30に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項32】
前記C字形バネは、前記C字形バネの曲がりを容易にするように構成される前記保持部の開放部の中にあり、案内部において保持される、請求項30または31に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項33】
前記開放部は、楕円形にされ、前記C字形バネの過剰な歪みを防止するように構成される、請求項32に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項34】
前記C字形バネは、前記雄留め部を前記ブラケットの前記スロットの中に固定するために、力を前記雄留め部に提供するように構成される、請求項30から33のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項35】
前記停止部は、前記雄留め部の一部分を受け入れるように構成されるアンダーカットを備え、前記C字形バネは、前記雄留め部の前記一部分を前記アンダーカットの中に固定するために、力を前記雄留め部に加える、請求項30から34のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項36】
前記雄留め部の前記一部分は楔である、請求項35に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項37】
前記楔は、前記雄留め部を切り取るウォータージェットによって形成される、請求項36に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項38】
前記雄留め部は、前記雄留め部を前記スロットの中においてある角度で位置決めさせることができるように構成される角度付き表面および/または凹所を備える、請求項30から37のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項39】
前記雄留め部は、プライヤによって握られるように構成される取っ手を備え、前記取っ手は、前記プライヤによって損傷させられる場合、前記歯列弓形態の性能に悪影響を与えない、請求項30から38のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項40】
前記取っ手は、前記雄留め部を巧みに動かすための工具を受け入れるように構成される孔を備える、請求項39に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項41】
前記歯列弓形態は、前記雄留め部の反対にある側において歯間ループを備える、請求項30から40のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項42】
前記雄留め部に近接する前記歯列弓形態の一部分が、前記ブラケットの近心側および遠心側と相互作用するように構成される、請求項30から41のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項43】
前記雄留め部に近接する前記歯列弓形態の前記一部分は、前記雄留め部と前記歯列弓形態との間での側方滑りを防止するように構成される、請求項42に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項44】
歯列弓形態をブラケットに結合する方法であって、
前記歯列弓形態の雄留め部を前記ブラケットの面に対して角度付けするステップと、
前記雄留め部の一部分を、前記ブラケットのスロットへと、保持部の中に配置されるC字形バネに当てるように挿入するステップであって、前記保持部は前記ブラケットの歯肉側に位置決めされる、ステップと、
前記C字形バネが曲がるように前記雄留め部が前記C字形バネに押し当たるように、力を前記雄留め部に加えるステップと、
前記雄留め部を前記ブラケットの面に向けて回転させるステップと、
前記雄留め部が前記ブラケットの中に固定されるように、前記C字形バネが、前記ブラケットの咬合側に配置される停止部における切り欠きへと前記雄留め部の一部分を押すように、力を前記雄留め部に加えるのを止めるステップと、
を含む、方法。
【請求項45】
前記雄留め部を操作するために、前記雄留め部の取っ手を掴むステップをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記雄留め部を操作するために、前記雄留め部の取っ手の中の孔へ工具を挿入するステップをさらに含む、請求項44または45に記載の方法。
【請求項47】
歯列矯正用歯列弓形態であって、
それぞれのブラケットに連結するように構成される複数のブラケットコネクタと、
前記複数のブラケットコネクタの隣接の対のうちの少なくとも50%の間において複数の歯間構造であって、前記ブラケットコネクタがそれぞれの前記ブラケットに連結されるときに歪むように構成され、それによって歯列矯正歯の移動をもたらす、複数の歯間構造と、
を備え、
前記ブラケットコネクタは、中心部材によって結合され、空所領域を囲む複数の支柱を備え、
前記中心部材は、前記中心部材から離れるように延びる取っ手要素を備え、前記取っ手要素は、工具が前記取っ手を握り、前記歯列弓形態をそれぞれのブラケットへと挿入するのを可能にするように構成される、歯列矯正用歯列弓形態。
【請求項48】
前記取っ手要素は開口を備える、請求項47に記載の歯列弓形態。
【請求項49】
前記歯間構造はループを備える、請求項47または48に記載の歯列弓形態。
【請求項50】
中央セグメントが、前記取っ手要素が延びる表面と反対の湾曲表面を備える、請求項47から49のいずれか一項に記載の歯列弓形態。
【請求項51】
前記取っ手要素は弓形とされる、請求項47から49のいずれか一項に記載の歯列弓形態。
【請求項52】
前記複数の歯間構造のうちの少なくとも2つは異なる形状を備える、請求項47から49のいずれか一項に記載の歯列弓形態。
【請求項53】
リボン形とされた材料から形成される、請求項47から49のいずれか一項に記載の歯列弓形態。
【請求項54】
患者の歯に配置されるように構成される歯列矯正ブラケットであって、
前記ブラケットの近心壁と遠心壁との間に配置される通路と、
前記ブラケットの歯肉側に配置される停止部によって少なくとも部分的に形成されるスロットであって、前記通路は、雄留め部を前記スロットへと案内するように構成される、スロットと、
前記ブラケットの表面に配置される歪み可能摘まみであって、前記雄留め部を歯列弓形態に固定するために、前記歯列弓形態の前記雄留め部の1つ以上の表面と相互作用するように構成される、歪み可能摘まみと、
を備える、歯列矯正ブラケット。
【請求項55】
前記停止部は、前記雄留め部を前記スロットの中で保持するように構成される突き出し部を備える、請求項54に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項56】
前記停止部は、挿入および/または取り外しの間に前記雄留め部が前記スロットの中で回転させられるのを可能にする凹所および/または角度付き表面を有する、請求項54または55に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項57】
前記ブラケットは、前記雄留め部が異なる位置において前記スロットの中で保持され得るように、2つ以上の係合段階を有する、請求項54から56のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項58】
前記歪み可能摘まみは、様々な深さにおいて前記雄留め部を保持するために、前記雄留め部の異なる表面と係合することができる、請求項54から57のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項59】
前記雄留め部は、前記スロットの中の様々な深さにおいて保持されるように構成される、請求項54から58のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項60】
歯列弓形態をブラケットに結合する方法であって、
歯列弓形態の雄留め部を、近心壁と遠心壁との間でブラケットの面に位置決めするステップと、
前記ブラケットの歯肉側に配置される停止部によって少なくとも部分的に定められるスロットの中で前記雄留め部がしっかりと保持されるように保持表面と係合するために、前記ブラケットの前記面に配置される摘まみが、前記歯列弓形態の前記雄留め部の中の案内通路の表面と係合するように、前記雄留め部を前記スロットに向けて前進させるステップと、
を含む、方法。
【請求項61】
前記雄留め部と前記ブラケットとの間の遊びを排除および/または低減するために、前記雄留め部を前記スロットに固定するように、前記雄留め部を、前記スロットの突き出し部に配置される楔と係合させるステップを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記雄留め部を複数の係合段階のうちの1つにおいて位置決めするステップであって、臨床医が、所望の歯の制御に基づいて前記複数の係合段階の間で選択する、ステップを含む、請求項60または61に記載の方法。
【請求項63】
歯列弓形態をブラケットから結合解除する方法であって、
工具を、前記ブラケットの面に配置される工具受入凹所へと挿入し、前記工具を、前記歯列弓形態の雄留め部の工具受入通路を通じて、概して咬合の方向に移動させるステップであって、前記工具は、前記雄留め部が咬合方向に移動させられ得るように、前記ブラケットの摘まみと係合し、前記摘まみを前記歯列弓形態の前記雄留め部の保持表面から離れるように歪めるように案内され、前記工具は、前記雄留め部を前記咬合方向において前記ブラケットのスロットから外へ移動させるために、前記工具受入通路の周辺と係合する、ステップを含む、方法。
【請求項64】
歯列弓形態の雄留め部を、ブラケットに設置するため、またはブラケットから取り外すための工具であって、シャフトと、前記シャフトの遠心端に配置される円錐先端と、を備え、前記シャフトと前記円錐先端とは、設置および取り外しの間、前記雄留め部および前記ブラケットに等しい反対の力を加えるように構成される、工具。
【請求項65】
患者の歯に配置されるように構成される歯列矯正ブラケット組立体であって、
前記患者の歯に接合されるように構成され、ブラケットを受け入れるように構成されるポケットを備えるパッドと、
前記パッドに結合されるように構成されるブラケットであって、
歯列弓形態の雄留め部を受け入れるように構成されるスロット、
前記ブラケットの歯肉側に配置される保持部であって、前記雄留め部が前記スロットの中で保持されること、または前記雄留め部が前記スロットから取り外されること、を容易にするために歪むように構成されるC字形バネを備える、保持部、および、
前記ブラケットの咬合側に配置される1つ以上の停止部であって、咬合方向における前記雄留め部の移動を防止するように構成される、1つ以上の停止部、
を備える、ブラケットと、
を備える、歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項66】
前記パッドは、前記ポケットに対して前記パッドの反対にある側に配置されるアンダーカットを備え、前記アンダーカットは、前記パッドを前記患者の歯に接合するのを容易にするように構成される、請求項65に記載の歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項67】
前記パッドは、前記ブラケットを前記パッドにレーザー溶接するために使用されるように構成される充填材料を備える、請求項65または66に記載の歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項68】
前記1つ以上の停止部は、前記雄留め部が前記ブラケットの前記スロットの中に位置決めされるとき、前記雄留め部の楔に接触するように構成される斜面を含む、請求項65から67のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項69】
前記1つ以上の停止部は、前記雄留め部の楔の少なくとも一部分を受け入れるように構成される切り欠きを含む、請求項65から68のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項70】
前記パッドは、前記ブラケットの開口を通じて挿入されるように構成され、前記ブラケットに溶接される突起を備える、請求項65から69のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項71】
前記ブラケットは、前記ブラケットの面に配置される突起であって、前記雄留め部を前記ブラケットの前記スロットの中で保持するために、前記雄留め部を前記保持部に押し当てるように構成される、突起を備える、請求項65から70のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項72】
前記パッドは、前記ポケットの反対にある側に配置される隆起であって、前記雄留め部を前記保持部に押し当てるように構成される、隆起を備える、請求項65から71のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項73】
前記パッドは、回転制御を提供するために、前記雄留め部の一部分に係合するように構成される傾斜表面を備える、請求項65から72のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項74】
前記パッドは、前記雄留め部が前記ブラケットに保持されている状態で、前記雄留め部が前記患者の歯の前記表面に対して角度が付けられるように、前記ブラケットに角度を付けるように構成される、請求項65から73のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項75】
前記雄留め部は、前記雄留め部が前記ブラケットに保持されている状態で、前記患者の歯の前記表面に対して10度の角度が付けられる、請求項74に記載の歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項76】
前記雄留め部は、前記雄留め部が前記ブラケットに保持されている状態で、前記患者の歯の前記表面に対して5度の角度が付けられる、請求項74に記載の歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項77】
前記パッドは前記患者の歯に合わせてカスタマイズされ、前記ブラケットはカスタマイズされない、請求項65から76のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項78】
前記歯列弓形態は、弾性体と相互作用するように構成されるフックを備える、請求項65から77のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項79】
前記ブラケットは、前記C字形バネの弾性限界を超えて前記C字形バネが歪むのを防止するための特徴を含む、請求項65から78のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項80】
前記C字形バネは、前記C字形バネを配向し、前記弾性限界を超える歪みを防止する案内部の周りに配置される、請求項79に記載の歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項81】
前記ブラケットの表面が、前記C字形バネの前記弾性限界を超える歪みを防止するために、前記雄留め部の表面と係合するように構成される、請求項79に記載の歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項82】
不正咬合を治療する方法であって、
患者の歯にカスタマイズされたパッドを形成するステップと、
前記カスタマイズされたパッドを前記患者の前記歯に結合するステップと、
複数の第1の様式のブラケットのうちの1つを、前記患者の下顎前歯に結合された前記カスタマイズされたパッドの各々に結合するステップと、
複数の第2の様式のブラケットのうちの1つを、前記患者の他の歯に結合された前記カスタマイズされたパッドに結合するステップと、
歯列弓形態の雄留め部を、前記複数の第1の様式のブラケットの各々および前記複数の第2の様式のブラケットの各々に結合するステップと、
を含む、方法。
【請求項83】
弾性体との使用のために前記歯列弓形態にフックを形成するステップをさらに含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記歯列弓形態の雄留め部を、前記複数の第1の様式のブラケットの各々および前記複数の第2の様式のブラケットの各々に結合するステップは、
前記雄留め部の取っ手を鉗子で掴むステップと、
前記雄留め部が前記ブラケットに対して角度が付けられるように、前記取っ手と反対の前記雄留め部の一部分を、前記ブラケットの楕円バネに当てるように位置決めするステップと、
前記雄留め部の咬合表面および前記ブラケットの歯肉表面を鉗子の間で握るステップと、
前記楕円バネが歪むように前記雄留め部を前記ブラケットの前記楕円バネに押し当てるために、前記鉗子を絞るステップと、
前記雄留め部を前記ブラケットに向けて回転させるステップと、
前記雄留め部を前記ブラケットにおいてしっかりと保持するために、前記楕円バネに前記雄留め部を前記ブラケットの停止部の下で前記停止部に押し当てさせるように、前記鉗子を解放するステップと、
を含む、請求項82または83に記載の方法。
【請求項85】
患者の歯に配置されるように構成される歯列矯正ブラケットであって、
歯列弓形態の雄留め部を受け入れるように構成されるスロットと、
前記ブラケットの歯肉側に配置される保持部であって、前記雄留め部が前記スロットの中で保持されること、または前記雄留め部が前記スロットから取り外されること、を容易にするために歪むように構成されるC字形バネ、および、設置工具と係合するように構成される突起を備える、保持部と、
前記ブラケットの咬合側に配置される1つ以上の停止部であって、咬合方向における前記雄留め部の移動を防止するように構成される、1つ以上の停止部と、
を備える、ブラケット。
【請求項86】
前記ブラケットを前記患者の歯に接合することを容易にするように構成されるアンダーカットをさらに備える、請求項85に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項87】
前記1つ以上の停止部は、前記雄留め部が前記ブラケットの前記スロットの中に位置決めされるとき、前記雄留め部の楔に接触するように構成される斜面を含む、請求項85または86に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項88】
前記1つ以上の停止部は、前記雄留め部の少なくとも一部分を受け入れるように構成される切り欠きを含む、請求項85から87のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項89】
前記ブラケットは、前記ブラケットの面に配置される突起であって、前記雄留め部を前記ブラケットの前記スロットの中で保持するために、前記雄留め部を前記保持部に押し当てるように構成される、突起を備える、請求項85から88のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項90】
前記歯列弓形態は、弾性体と相互作用するように構成される歯間ループを備える、請求項85から89のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項91】
前記歯列弓形態は、前記ブラケットの前記1つ以上の停止部の間に配置されるように構成される舌部を備える、請求項85から90のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項92】
前記歯列弓形態は、前記ブラケットの前記保持部の近心側および遠心側と係合するように構成される2つのアームを備える、請求項85から91のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項93】
前記歯列弓形態は、前記患者の歯の回転制御を提供するために、前記ブラケットの前記保持部と係合するように構成される湾曲を備える、請求項85から92のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項94】
患者の口の歯列弓の少なくとも一部分の周りに配置されるように構成される歯列弓形態であって、
前記患者の歯に配置されるブラケットの中に位置決めされるように構成される複数の雄留め部であって、前記雄留め部は、前記ブラケットの停止部間に配置されるように構成される舌部、および、前記雄留め部の近心側および遠心側に配置され、前記舌部と反対の方向に延びる2つのアーム、を備え、前記2つのアームは、前記雄留め部を前記ブラケットに対して固定するための前記ブラケットの特徴と係合するように構成される、複数の雄留め部と、
前記複数の雄留め部のうちの隣接する雄留め部間に配置される複数の歯間ループと、
を備える、歯列弓形態。
【請求項95】
前記雄留め部の近心側および遠心側に配置される湾曲をさらに備える、請求項94に記載の歯列弓形態。
【請求項96】
前記2つのアームは、前記ブラケットの前記特徴と係合するために、内向きに延びるフランジを各々が供える、請求項94または95に記載の歯列弓形態。
【請求項97】
前記歯列弓形態は、前記歯間ループに配置される1つ以上のシンボルを備える、請求項94または95に記載の歯列弓形態。
【請求項98】
前記シンボルは、メッセージを伝えるように構成される文字である、請求項97に記載の歯列弓形態。
【請求項99】
患者の口の歯列弓の少なくとも一部分の周りに配置されるように構成される歯列矯正器具であって、
前記患者のそれぞれの歯に結合されるように構成される複数の雄留め部、および歯間ループを備える歯列弓形態であって、前記歯間ループは、隣接する雄留め部間に配置される、歯列弓形態と、
前記複数の雄留め部のうちの1つと、前記患者のそれぞれの前記歯のうちの1つと、の間に配置され、第1の接着表面および第2の接着表面を備える装着パッドであって、前記第1の接着表面は前記複数の雄留め部のうちの前記1つに接着されるように構成され、前記第2の接着表面は、前記雄留め部が前記患者のそれぞれの前記歯のうちの前記1つに結合されるように、前記患者のそれぞれの前記歯のうちの前記1つに接着されるように構成される、装着パッドと、
を備える、歯列矯正器具。
【請求項100】
前記患者の口の前記歯列弓の少なくとも一部分の周りでの前記歯列矯正器具の設置の前に前記第2の接着表面を汚染から保護するために、前記第2の接着表面に取り外し可能に配置されるように構成される保護層をさらに備える、請求項99に記載の歯列矯正器具。
【請求項101】
前記装着パッドの前記第2の接着表面と前記患者のそれぞれの前記歯のうちの前記1つとの間の接着接合が、前記装着パッドが引っ張られるときに破壊されるように構成される、請求項99または100に記載の歯列矯正器具。
【請求項102】
前記装着パッドの前記第2の接着表面と前記患者のそれぞれの前記歯のうちの前記1つとの間の前記接着接合は、前記装着パッドが舌方向に引っ張られるときに破壊されるように構成される、請求項101に記載の歯列矯正器具。
【請求項103】
前記装着パッドの前記第2の接着表面と前記患者のそれぞれの前記歯のうちの前記1つとの間の前記接着接合は、前記装着パッドがそれぞれの前記歯のうちの前記1つの表面と平行な方向に引っ張られるときに破壊されるように構成される、請求項101に記載の歯列矯正器具。
【請求項104】
前記装着パッドの一部分が、前記雄留め部の周辺を越えて延びるように構成され、前記一部分が引っ張られるように構成される、請求項99から103のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項105】
前記装着パッドの前記一部分は、前記装着パッドの引っ張りを容易にするために工具と相互作用するように構成される孔を備える、請求項104に記載の歯列矯正器具。
【請求項106】
前記歯列弓形態は、前記患者の前記口における設置の後に観察者によって見られるように構成されるシンボルを備える、請求項99から105のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項107】
前記歯列矯正器具の特徴を隠すように前記患者の前記歯の唇表面に結合されるように構成されるキャップをさらに備える、請求項99から106のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項108】
前記装着パッドの前記第2の接着表面における接着が、前記患者の前記歯を白くするためのホワイトニング溶液を含む、請求項99から107のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項109】
前記キャップは、前記歯の前記唇表面に接着剤で接着されるように構成され、前記接着剤は、前記患者の前記歯を白くするためのホワイトニング溶液を含む、請求項99から108のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項110】
前記歯列弓形態を前記患者の前記口における設置のための構成で保持するように構成され、前記歯列弓形態が前記患者の前記口に設置された後に溶解させられるように構成される可溶性トレイをさらに備える、請求項99から109のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項111】
前記歯列弓形態は前記患者の口の3Dスキャンに基づいて形成され、前記3Dスキャンは持ち運び可能デバイスによって実施される、請求項99から110のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項112】
前記使用者の前記持ち運び可能デバイスに動作可能に連結するように構成されるデバイスが、前記3Dスキャンを実施することを容易にする、請求項111に記載の歯列矯正器具。
【請求項113】
前記歯列弓形態は、体温より下または上の温度に曝されるとき、可鍛性となる、請求項99から112のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項114】
患者の口の歯列弓の少なくとも一部分の周りに配置されるように構成される歯列矯正器具を設置する方法であって、
装着パッドの接着表面を露出させるために保護層を除去するステップであって、前記装着パッドは歯列弓形態の複数の雄留め部のうちの1つに結合される、ステップと、
前記装着パッドの前記接着表面が前記患者の前記歯の前記表面に接着するように、前記接着表面を前記患者の歯の表面に当てるように位置決めするステップと、
を含む、方法。
【請求項115】
前記歯列弓形態を設置のための構成で保持するように構成される可溶性トレイに前記歯列弓形態がある状態で、前記歯列弓形態を前記患者の前記口へと挿入するステップをさらに含む、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記可溶性トレイを溶解させるために、前記患者の前記口を液体で洗い流すステップをさらに含む、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記歯列弓形態の特徴を隠すために、前記患者の歯の唇表面にキャップを接着するステップをさらに含む、請求項114から116のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記患者によって実施される、請求項114から117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
歯列弓形態を製造する方法であって、
患者の口の3Dスキャンを前記患者の持ち運び可能デバイスで実施するステップと、
前記患者の前記口の前記3Dスキャンからのデータを、歯列矯正器具の設計者のデータセンタへ送るステップと、
前記患者の前記口の前記3Dスキャンからの前記データに基づいて歯列弓形態を形成するステップであって、前記歯列弓形態は、前記患者の歯の不正咬合状態に対応する形とされるように構成され、前記歯列弓形態は、前記患者の前記歯を前記不正咬合状態から他の状態へと移動させるように構成される、ステップと、
を含む、方法。
【請求項120】
前記歯列弓形態を前記不正咬合状態に対応する前記形で維持するように構成される可溶性トレイに前記歯列弓形態を配置するステップをさらに含み、前記可溶性トレイは液体において溶解するように構成される、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
装着パッドを前記歯列弓形態の雄留め部に接着するステップであって、前記装着パッドは、前記患者の前記歯の表面に接着するように構成される接着表面を有する、ステップをさらに含む、請求項119または120に記載の方法。
【請求項122】
前記接着表面を取り外し可能保護層で覆うステップをさらに含む、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
患者の歯に配置されるように構成される歯列矯正ブラケットであって、
歯列弓形態のコネクタを、前記コネクタが近心-遠心方向において前記歯列矯正ブラケットに対して滑らないように受け入れるように構成されるスロットと、
前記スロットの咬合側に配置され、少なくとも咬合方向における前記コネクタの移動を防止するように構成される停止部と、
前記スロットの歯肉側に配置され、少なくとも歯肉方向における前記コネクタの移動を防止するように構成される保持部であって、前記コネクタが前記スロットへと挿入されること、または前記コネクタが前記スロットから取り外されること、を容易にするために歪むように構成されるバネを備え、前記バネは、前記コネクタを前記ブラケットの前記スロットの中で係止させるために力を前記コネクタに加えるように構成される、保持部と、
を備える、歯列矯正ブラケット。
【請求項124】
前記バネはC字形バネである、請求項123に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項125】
前記バネは前記保持部の開放部の中に配置される、請求項123に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項126】
前記ブラケットの前記咬合側に配置され、隙間によって分離される2つの停止部を備える、請求項123から125のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項127】
前記隙間は前記コネクタの摘まみを受け入れるように構成される、請求項126に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項128】
前記ブラケットの面に配置され、前記コネクタを前記保持部の突き出し部に押し当てるように構成される突起を備える、請求項123から127のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項129】
前記ブラケットの面に配置され、前記コネクタを前記停止部の突き出し部に押し当てるように構成される斜面を備える、請求項123から128のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項130】
歯の表面に接合するように構成されるテクスチャ表面を備える、請求項123から129のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項131】
近心-遠心方向において延び、回転制御を容易にするために歯の表面に接合するように構成される側方羽根部を備える、請求項123から130のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項132】
患者の歯に配置されるように各々が構成される複数の歯列矯正ブラケットであって、
スロット、
前記スロットの咬合側に配置される停止部、および、
前記スロットの歯肉側に配置され、バネを備える保持部、
を各々が備える、複数の歯列矯正ブラケットと、
前記患者の歯を第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される歯列弓形態であって、
複数のコネクタであって、前記コネクタを前記停止部に押し当てて、前記コネクタの少なくとも一部分を係止構成において前記停止部および前記保持部の後方に固定するために、前記バネが力を前記コネクタに加えるように、前記複数のコネクタの各々のコネクタが前記複数の歯列矯正ブラケットのうちの1つの歯列矯正ブラケットの前記停止部と前記保持部との間で前記スロットの中に配置されるように構成される、複数のコネクタ、ならびに、
複数の歯間構造であって、前記複数の歯間構造のうちの少なくとも1つの歯間構造が、前記複数のコネクタのうちの少なくともいくつかの隣接するコネクタ間に位置決めされる、複数の歯間構造、
を備える、歯列弓形態と、
を備え、
前記複数のコネクタは、前記複数の歯列矯正ブラケットの前記スロットの中で係止構成にあるとき、前記複数の歯列矯正ブラケットに対して近心-遠心方向に滑らず、
前記複数の歯間構造は、前記患者の1つ以上の歯を移動させるために、力を前記複数のコネクタのうちの隣接するコネクタに加えるように構成される、歯列矯正器具。
【請求項133】
前記バネはC字形バネである、請求項132に記載の歯列矯正器具。
【請求項134】
前記バネは前記保持部の開放部の中に配置される、請求項132に記載の歯列矯正器具。
【請求項135】
前記複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、前記ブラケットの前記咬合側に配置され、隙間によって分離される2つの停止部を備える、請求項132から134のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項136】
前記隙間は、前記複数のコネクタのうちの1つのコネクタの摘まみを受け入れるように構成される、請求項135に記載の歯列矯正器具。
【請求項137】
前記複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、その面に配置される突起を備え、前記突起は、前記スロットの中に受け入れられた前記コネクタを、前記保持部の突き出し部に押し当てるように構成される、請求項132から136のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項138】
前記複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、その面に配置される斜面を備え、前記斜面は、前記スロットの中に受け入れられた前記コネクタを、前記停止部の突き出し部に押し当てるように構成される、請求項132から137のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項139】
前記複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、歯の表面に接合するように構成されるテクスチャ表面を備える、請求項132から138のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項140】
前記複数の歯列矯正ブラケットのうちの少なくとも1つの歯列矯正ブラケットは、近心-遠心方向において延び、回転制御を容易にするために歯の表面に接合するように構成される側方羽根部を備える、請求項132から139のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項141】
前記複数のコネクタのうちの少なくとも1つのコネクタは、前記保持部の近心側および遠心側を握るように構成されるアームの対を備える、請求項132から140のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項142】
前記複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、前記ブラケットの前記咬合側に配置され、隙間によって分離される2つの停止部を備え、前記複数のコネクタの各々のコネクタは、前記隙間の中に配置されるように構成される摘まみを備える、請求項132から141のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項143】
前記摘まみは、前記複数の歯列矯正ブラケットの前記スロットへの前記複数のコネクタの挿入、および/または前記スロットからの前記複数のコネクタの取り外しを容易にするために、工具に接触するように構成される溝を備える、請求項142に記載の歯列矯正器具。
【請求項144】
前記歯間構造の剛性が、中心部分と比較して、前記歯列弓形態の遠心端においてより大きい、請求項132から143のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項145】
前記複数の歯間構造は歯間ループを備える、請求項132から144のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項146】
前記歯列弓形態は材料の薄板から形成される、請求項132から145のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項147】
前記歯列弓形態の反対にある側が互いと平行である、請求項132から146のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項148】
歯列弓形態をブラケットに結合する方法であって、
前記歯列弓形態のコネクタを前記ブラケットの面に対して角度付けするステップと、
前記コネクタの一部分を、前記ブラケットのスロットへと、保持部の中に配置されるC字形バネに当てるように挿入するステップであって、前記保持部は前記ブラケットの歯肉側に位置決めされる、ステップと、
前記C字形バネが曲がるように前記コネクタが前記C字形バネに押し当たるように、力を前記コネクタに加えるステップと、
前記コネクタを前記ブラケットの面に向けて回転させるステップと、
前記コネクタが前記停止部および前記保持部の少なくとも一部分の下で固定されるように、前記C字形バネが前記コネクタの一部分を前記ブラケットの停止部に押し当てるように、力を前記コネクタに加えるのを止めるステップと、
を含む、方法。
【請求項149】
患者の歯を移動させる方法であって、
1つ以上のブラケットを患者の歯に接合するステップと、
第1の歯列弓形態を前記1つ以上のブラケットに結合するステップであって、前記第1の歯列弓形態は複数の第1の歯間ループを有し、前記複数の第1の歯間ループのうちの第1の歯間ループは第1の幅を有する、ステップと、
前記第1の歯列弓形態を前記1つ以上のブラケットから結合解除するステップと、
第2の歯列弓形態を前記1つ以上のブラケットに結合するステップであって、前記第2の歯列弓形態は、前記複数の第1の歯間ループに対応する複数の第2の歯間ループを有し、前記第1の歯間ループに対応する前記複数の第2の歯間ループのうちの第2の歯間ループは、前記第1の幅より大きい第2の幅を有する、ステップと、
を含む方法。
【請求項150】
前記第1の歯列弓形態および前記第2の歯列弓形態を材料の平坦な薄板から切り取らせるステップをさらに含む、請求項149に記載の方法。
【請求項151】
患者の歯に配置されるように構成される歯列矯正ブラケットであって、
歯列弓形態のコネクタを、前記コネクタが近心-遠心方向において前記歯列矯正ブラケットに対して滑らないように受け入れるように構成されるスロットと、
前記スロットの第1の側に配置され、少なくとも第1の方向における前記コネクタの移動を防止するように構成される停止部と、
前記スロットの第2の側に配置され、少なくとも第2の方向における前記コネクタの移動を防止するように構成される保持部であって、前記コネクタが前記スロットへと挿入されること、または前記コネクタが前記スロットから取り外されること、を容易にするために歪むように構成されるバネを備え、前記バネは、前記コネクタを前記ブラケットの前記スロットの中で係止させるために力を前記コネクタに加えるように構成される、保持部と、
を備える、歯列矯正ブラケット。
【請求項152】
前記バネはC字形バネである、請求項151に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項153】
前記バネは前記保持部の開放部の中に配置される、請求項151に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項154】
前記ブラケットの前記第2の側に配置され、隙間によって分離される2つの停止部を備える、請求項151から153のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項155】
前記隙間は前記コネクタの摘まみを受け入れるように構成される、請求項154に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項156】
前記ブラケットの面に配置され、前記コネクタを前記保持部の突き出し部に押し当てるように構成される突起を備える、請求項151から155のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項157】
前記ブラケットの面に配置され、前記コネクタを前記停止部の突き出し部に押し当てるように構成される斜面を備える、請求項151から156のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項158】
歯の表面に接合するように構成されるテクスチャ表面を備える、請求項151から157のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項159】
近心-遠心方向において延び、回転制御を容易にするために歯の表面に接合するように構成される側方羽根部を備える、請求項151から158のいずれか一項に記載の歯列矯正ブラケット。
【請求項160】
患者の歯に配置されるように各々が構成される複数の歯列矯正ブラケットであって、
スロット、
前記スロットの第1の側に配置される停止部、および、
前記スロットの第2の側に配置され、バネを備える保持部、
を各々が備える、複数の歯列矯正ブラケットと、
前記患者の歯を第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される歯列弓形態であって、
複数のコネクタであって、前記コネクタを前記停止部に押し当てて、前記コネクタの少なくとも一部分を係止構成において前記停止部および前記保持部の後に固定するために、前記バネが力を前記コネクタに加えるように、前記複数のコネクタの各々のコネクタが前記複数の歯列矯正ブラケットのうちの1つの歯列矯正ブラケットの前記停止部と前記保持部との間で前記スロットの中に配置されるように構成される、複数のコネクタ、ならびに、
複数の歯間構造であって、前記複数の歯間構造のうちの少なくとも1つの歯間構造が、前記複数のコネクタのうちの少なくともいくつかの隣接するコネクタ間に位置決めされる、複数の歯間構造、
を備える、歯列弓形態と、
を備え、
前記複数のコネクタは、前記複数の歯列矯正ブラケットの前記スロットの中で係止構成にあるとき、前記複数の歯列矯正ブラケットに対して近心-遠心方向に滑らず、
前記複数の歯間構造は、前記患者の1つ以上の歯を移動させるために、力を前記複数のコネクタのうちの隣接するコネクタに加えるように構成される、歯列矯正器具。
【請求項161】
前記バネはC字形バネである、請求項160に記載の歯列矯正器具。
【請求項162】
前記バネは前記保持部の開放部の中に配置される、請求項160に記載の歯列矯正器具。
【請求項163】
前記複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、前記ブラケットの前記第2の側に配置され、隙間によって分離される2つの停止部を備える、請求項160から162のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項164】
前記隙間は、前記複数のコネクタのうちの1つのコネクタの摘まみを受け入れるように構成される、請求項163に記載の歯列矯正器具。
【請求項165】
前記複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、その面に配置される突起を備え、前記突起は、前記スロットの中に受け入れられた前記コネクタを、前記保持部の突き出し部に押し当てるように構成される、請求項160から164のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項166】
前記複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、その面に配置される斜面を備え、前記斜面は、前記スロットの中に受け入れられた前記コネクタを、前記停止部の突き出し部に押し当てるように構成される、請求項160から165のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項167】
前記複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、歯の表面に接合するように構成されるテクスチャ表面を備える、請求項160から166のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項168】
前記複数の歯列矯正ブラケットのうちの少なくとも1つの歯列矯正ブラケットは、近心-遠心方向において延び、回転制御を容易にするために歯の表面に接合するように構成される側方羽根部を備える、請求項160から167のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項169】
前記複数のコネクタのうちの少なくとも1つのコネクタは、前記保持部の近心側および遠心側を握るように構成されるアームの対を備える、請求項160から168のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項170】
前記複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、前記ブラケットの前記第2の側に配置され、隙間によって分離される2つの停止部を備え、前記複数のコネクタの各々のコネクタは、前記隙間の中に配置されるように構成される摘まみを備える、請求項160から169のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項171】
前記摘まみは、前記複数の歯列矯正ブラケットの前記スロットへの前記複数のコネクタの挿入、および/または前記スロットからの前記複数のコネクタの取り外しを容易にするために、工具に接触するように構成される溝を備える、請求項170に記載の歯列矯正器具。
【請求項172】
前記歯間構造の剛性が、中心部分と比較して、前記歯列弓形態の遠心端においてより大きい、請求項160から171のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項173】
前記複数の歯間構造は歯間ループを備える、請求項160から172のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項174】
前記歯列弓形態は材料の薄板から形成される、請求項160から173のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項175】
前記歯列弓形態の反対にある側が互いと平行である、請求項160から174のいずれか一項に記載の歯列矯正器具。
【請求項176】
歯列弓形態をブラケットに結合する方法であって、
前記歯列弓形態のコネクタを前記ブラケットの面に対して角度付けするステップと、
前記コネクタの一部分を、前記ブラケットのスロットへと、保持部の中に配置されるC字形バネに当てるように挿入するステップであって、前記保持部は前記ブラケットの第1の側に位置決めされる、ステップと、
前記C字形バネが曲がるように前記コネクタが前記C字形バネに押し当たるように、力を前記コネクタに加えるステップと、
前記コネクタを前記ブラケットの面に向けて回転させるステップと、
前記コネクタが前記停止部および前記保持部の少なくとも一部分の下で固定されるように、前記C字形バネが前記コネクタの一部分を前記ブラケットの停止部に押し当てるように、力を前記コネクタに加えるのを止めるステップと
を含む、方法。
【請求項177】
患者の歯を移動させる方法であって、
1つ以上のブラケットを患者の歯に接合するステップと、
第1の歯列弓形態を前記1つ以上のブラケットに結合するステップであって、前記第1の歯列弓形態は複数の第1の歯間ループを有し、前記複数の第1の歯間ループのうちの第1の歯間ループは第1の幅を有する、ステップと、
前記第1の歯列弓形態を前記1つ以上のブラケットから結合解除するステップと、
第2の歯列弓形態を前記1つ以上のブラケットに結合するステップであって、前記第2の歯列弓形態は、前記複数の第1の歯間ループに対応する複数の第2の歯間ループを有し、前記第1の歯間ループに対応する前記複数の第2の歯間ループのうちの第2の歯間ループは、前記第1の幅より大きい第2の幅を有する、ステップと、
を含む、方法。
【請求項178】
前記第1の歯列弓形態および前記第2の歯列弓形態を材料の平坦な薄板から切り取らせるステップをさらに含む、請求項177に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月11日に出願された米国特許仮出願第63/037,974号、2021年2月11日に出願された米国特許仮出願第63/148,263号、および2021年3月12日に出願された米国特許仮出願第63/160,222号の優先権を主張し、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。外国または国内の優先権の主張は、米国特許法施行規則1.57条の下で参照により本明細書に組み込まれている本出願の出願データシートにおいて特定される。
【0002】
本発明は、いくつかの態様において、歯列矯正ブラケットおよび非滑り歯列弓形態を含む歯列矯正器具に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
いくつかの変形において、患者の歯に配置させることができる歯列矯正ブラケットが本明細書で開示されている。歯列矯正ブラケットは、歯列弓形態の雄留め部を受け入れることができるスロットを備え得る。歯列矯正ブラケットは、ブラケットの歯肉側に配置でき、歯肉方向における雄留め部の移動を防止することができる停止部を備え得る。歯列矯正ブラケットは、ブラケットの咬合側に配置でき、咬合方向、近心方向、および/または遠心方向における雄留め部の移動を防止することができる保持部を備え得る。保持部は、雄留め部がスロットへと挿入されること、または雄留め部がスロットから取り外されることを容易にするために歪むことができる係止ピンを備え得る。
【0004】
いくつかの変形において、停止部は、雄留め部をスロットの中で保持することができる突き出し部を備え得る。
【0005】
いくつかの変形において、保持部は、歯列矯正ブラケットの近心側および遠心側に配置させることができる壁を備え得る。
【0006】
いくつかの変形において、係止ピンは、保持部の壁のうちの一方における固定端と、保持部の他方の壁の開口の中に移動可能に配置され得る自由端と、を備え得る。自由端は、それ自体の下に雄留め部を位置決めさせるために、または、それ自体の下から雄留め部を取り外させるために、咬合方向において歪むことができる。
【0007】
いくつかの変形において、保持部の壁の開口は、雄留め部が係止ピンの下に配置されるとき、それ自体において係止ピンの自由端を保持することができる係止部分を備え得る。
【0008】
いくつかの変形において、ブラケットは面と突起とを備え得る。突起は、面から離れるように延びることができ、歯列弓形態とブラケットとの間の滑りを防止するために、雄留め部を保持部および係止ピンに押し当てることができる。
【0009】
いくつかの変形において、雄留め部は、荷重の下で曲がるように構成されるアームを備え得る。
【0010】
いくつかの変形において、雄留め部は、アーム同士を分離する空間を備え得る。
【0011】
いくつかの変形において、歯列矯正ブラケットは、アーム間で空間へと延びるブロックを備え得る。ブロックは、アームの過剰な歪みを防止することができる。
【0012】
いくつかの変形において、歯列弓形態は、雄留め部の反対にある側において歯間ループを備え得る。
【0013】
いくつかの変形において、雄留め部は、係止ピンの下に位置決めさせることができる摘まみを備え得る。
【0014】
いくつかの変形において、雄留め部は、ブラケットのスロットの中への雄留め部の挿入、および、ブラケットのスロットの中からの雄留め部の取り外しのための工具と相互作用することができる溝を備え得る。
【0015】
いくつかの変形において、歯列弓形態をブラケットに結合する方法が、本明細書で開示されている。方法は、歯列弓形態の雄留め部をブラケットの面に対して角度付けするステップを含み得る。方法は、雄留め部の一部分を、ブラケットのスロットへと、ブラケットの歯肉側に配置される停止部に当てるように挿入するステップを含み得る。方法は、雄留め部の摘まみ部分を、ブラケットの咬合側に配置される保持部によって支持される係止ピンへと位置決めするステップを含み得る。方法は、工具を、係止ピンと、雄留め部の摘まみに配置される溝と、の間に挿入するステップを含み得る。方法は、係止ピンが、その下に雄留め部の摘まみ部分を位置決めさせることを可能とするために歪むように、工具をブラケットの停止部に向けて回転させるステップを含み得る。
【0016】
いくつかの変形において、工具をブラケットの停止部に向けて回転させるステップは、雄留め部をブラケットの面に向けて回転させる。
【0017】
いくつかの変形において、工具をブラケットの停止部に向けて回転させるステップは、摘まみに配置される溝に力を加えて雄留め部のアームを歪ませる。
【0018】
いくつかの変形において、患者の歯に配置させることができる歯列矯正ブラケットが本明細書で開示されている。歯列矯正ブラケットは、歯列弓形態の雄留め部を受け入れることができるスロットを備え得る。歯列矯正ブラケットは、ブラケットの歯肉側に配置され、歯肉方向における雄留め部の移動を防止することができる停止部を備え得る。歯列矯正ブラケットは、ブラケットの咬合側に配置され、咬合方向、近心方向、および/または遠心方向における雄留め部の移動を防止することができる保持部を備え得る。保持部は、雄留め部がスロットへと挿入されること、または雄留め部がスロットから取り外されることを容易にするために歪むことができるC字形バネを備え得る。
【0019】
いくつかの変形において、C字形バネの中心軸が近心-遠心方向に延びる。
【0020】
いくつかの変形において、C字形バネの端が、保持部のスロットの中に固定して位置決めでき、C字形バネの自由端が自由に歪むことができる。
【0021】
いくつかの変形において、C字形バネの自由端は、その下に雄留め部の摘まみを保持することができる。
【0022】
いくつかの変形において、保持部は、C字形バネにアクセスを提供することができる溝を備え得る。
【0023】
いくつかの変形において、ブラケットは面と突起とを備え得る。突起は、面から離れるように延びることができ、雄留め部をC字形バネの自由端および停止部の突き出し部に押し当てることができる。
【0024】
いくつかの変形において、雄留め部は、荷重の下で曲がることができるアームを備え得る。
【0025】
いくつかの変形において、雄留め部は、アーム同士を分離する空間を備え得る。
【0026】
いくつかの変形において、歯列弓形態は、雄留め部の反対にある側において歯間ループを備え得る。
【0027】
いくつかの変形において、雄留め部は、ブラケットのスロットの中への雄留め部の挿入、および、ブラケットのスロットの中からの雄留め部の取り外しのための工具と相互作用することができる溝を備え得る。
【0028】
いくつかの変形において、ブラケットは、歯列弓形態とブラケットとの間の滑りを低減するために、雄留め部をC字形バネの自由端および停止部の突き出し部に押し当てることができる突起を備え得る。
【0029】
いくつかの変形において、歯列弓形態をブラケットに結合する方法が、本明細書で開示されている。方法は、歯列弓形態の雄留め部をブラケットの面に対して角度付けするステップを含み得る。方法は、雄留め部の一部分を、ブラケットのスロットへと、ブラケットの歯肉側に配置される停止部に当てるように挿入するステップを含み得る。方法は、雄留め部の摘まみ部分を、ブラケットの咬合側において保持部の中に配置されるC字形バネの一部分に当てるように位置決めするステップを含み得る。方法は、工具を、雄留め部の摘まみに配置される溝と、保持部に配置される溝と、の間に、工具がC字形バネに接触するように挿入するステップを含み得る。方法は、C字形バネの自由端が、その下に雄留め部の摘まみ部分を位置決めさせることを可能とするために歪むように、工具をブラケットの停止部に向けて回転させる一方で、工具をブラケットの表面に向けてC字形バネへと押すステップを含み得る。
【0030】
いくつかの変形において、工具をブラケットの停止部に向けて回転させるステップは、雄留め部をブラケットの面に向けて回転させる。
【0031】
いくつかの変形において、工具をブラケットの停止部に向けて回転させるステップは、摘まみに配置される溝に力を加えて雄留め部のアームを歪ませる。
【0032】
いくつかの変形において、患者の歯に配置させることができる歯列矯正ブラケットが本明細書で開示されている。歯列矯正ブラケットは、歯列弓形態の雄留め部を受け入れることができるスロットを備え得る。歯列矯正ブラケットは、ブラケットの歯肉側に配置できる保持部を備え得る。保持部は、雄留め部がスロットの中で保持されること、または雄留め部がスロットから取り外されることを容易にするために歪むことができるC字形バネを備え得る。歯列矯正ブラケットは、ブラケットの咬合側に配置され、咬合方向における雄留め部の移動を防止することができる停止部を備え得る。
【0033】
いくつかの変形において、C字形バネはブラケットの面に対して垂直に配向され得る。
【0034】
いくつかの変形において、C字形バネは、C字形バネの曲がりを容易にすることができる保持部の開放部の中にあり得る。C字形バネは案内部において保持され得る。
【0035】
いくつかの変形において、開放部は、楕円形にでき、C字形バネの過剰な歪みを防止することができる。
【0036】
いくつかの変形において、C字形バネは、雄留め部をブラケットのスロットの中に固定するために、力を雄留め部に提供することができる。
【0037】
いくつかの変形において、停止部は、雄留め部の一部分を受け入れることができるアンダーカットを備え得る。C字形バネは、雄留め部の一部分をアンダーカットの中に固定するために、力を雄留め部に加えることができる。
【0038】
いくつかの変形において、雄留め部の一部分は楔であり得る。
【0039】
いくつかの変形において、楔は、雄留め部を切り取るウォータージェットによって形成され得る。
【0040】
いくつかの変形において、雄留め部は、雄留め部をスロットの中においてある角度で位置決めさせることができる角度付き表面および/または凹所を備え得る。
【0041】
いくつかの変形において、雄留め部は、プライヤによって握られ得る取っ手を備え得る。取っ手は、プライヤによって損傷させられる場合、歯列弓形態の性能に悪影響を与えないようにされ得る。
【0042】
いくつかの変形において、取っ手は、雄留め部を巧みに動かすための工具を受け入れることができる孔を備え得る。
【0043】
いくつかの変形において、歯列弓形態は、雄留め部の反対にある側において歯間ループを備え得る。
【0044】
いくつかの変形において、雄留め部に近接する歯列弓形態の一部分が、ブラケットの近心側および遠心側と相互作用することができる。
【0045】
いくつかの変形において、雄留め部に近接する歯列弓形態の一部分は、雄留め部と歯列弓形態との間での側方滑りを防止することができる。
【0046】
いくつかの変形において、歯列弓形態をブラケットに結合する方法が、本明細書で開示されている。いくつかの変形において、方法は、歯列弓形態の雄留め部をブラケットの面に対して角度付けするステップを含み得る。方法は、雄留め部の一部分を、ブラケットのスロットへと、保持部の中に配置されるC字形バネに当てるように挿入するステップを含み得る。保持部はブラケットの歯肉側に位置決めされ得る。方法は、C字形バネが曲がるように雄留め部がC字形バネに押し当たるように、力を雄留め部に加えるステップを含み得る。方法は、雄留め部をブラケットの面に向けて回転させるステップを含み得る。方法は、雄留め部がブラケットの中に固定されるように、C字形バネが、ブラケットの咬合側に配置される停止部における切り欠きへと雄留め部の一部分を押すように、力を雄留め部に加えるのを止めるステップを含み得る。
【0047】
いくつかの変形において、方法は、雄留め部を操作するために、雄留め部の取っ手を掴むステップを含み得る。
【0048】
いくつかの変形において、方法は、雄留め部を操作するために、雄留め部の取っ手の中の孔へ工具を挿入するステップを含み得る。
【0049】
いくつかの変形において、歯列矯正用歯列弓形態が本明細書で開示されている。歯列矯正用歯列弓形態は、それぞれのブラケットに連結することができる複数のブラケットコネクタを備え得る。歯列矯正用歯列弓形態は、複数のブラケットコネクタの隣接の対のうちの少なくとも50%の間において複数の歯間構造を備え得る。複数の歯間構造は、ブラケットコネクタがそれぞれのブラケットに連結されるときに歪むことができ、それによって歯列矯正歯の移動をもたらす。ブラケットコネクタは、中心部材によって結合され、空所領域を囲む複数の支柱を備え得る。中心部材は、中心部材から離れるように延びる取っ手要素を備え得る。取っ手要素は、工具が取っ手を握り、歯列弓形態をそれぞれのブラケットへと挿入するのを可能にすることができる。
【0050】
いくつかの変形において、取っ手要素は開口を備え得る。
【0051】
いくつかの変形において、歯間構造はループを備え得る。
【0052】
いくつかの変形において、中央セグメントが、取っ手要素が延びる表面と反対の湾曲表面を備え得る。
【0053】
いくつかの変形において、取っ手要素は弓形とされ得る。
【0054】
いくつかの変形において、複数の歯間構造のうちの少なくとも2つは異なる形状を備え得る。
【0055】
いくつかの変形において、歯列弓形態は、リボン形とされた材料から形成され得る。
【0056】
いくつかの変形において、患者の歯に配置させることができる歯列矯正ブラケットが本明細書で開示されている。歯列矯正ブラケットは、ブラケットの近心壁と遠心壁との間に配置され得る通路を備え得る。歯列矯正ブラケットは、ブラケットの歯肉側に配置される停止部によって少なくとも部分的に形成されるスロットを備え得る。通路は、雄留め部をスロットへと案内することができる。歯列矯正ブラケットは、ブラケットの表面に配置される歪み可能摘まみを備え得る。歪み可能摘まみは、雄留め部を歯列弓形態に固定するために、歯列弓形態の雄留め部の1つ以上の表面と相互作用することができる。
【0057】
いくつかの変形において、停止部は、雄留め部をスロットの中で保持することができる突き出し部を備え得る。
【0058】
いくつかの変形において、停止部は、挿入および/または取り外しの間に雄留め部がスロットの中で回転させられるのを可能にする凹所および/または角度付き表面を有する。
【0059】
いくつかの変形において、ブラケットは、雄留め部が異なる位置においてスロットの中で保持され得るように、2つ以上の係合段階を有することができる。
【0060】
いくつかの変形において、歪み可能摘まみは、様々な深さにおいて雄留め部を保持するために、雄留め部の異なる表面と係合することができる。
【0061】
いくつかの変形において、雄留め部は、スロットの中の様々な深さにおいて保持させることができる。
【0062】
いくつかの変形において、歯列弓形態をブラケットに結合する方法が、本明細書で開示されている。方法は、歯列弓形態の雄留め部を、近心壁と遠心壁との間でブラケットの面に位置決めするステップを含み得る。方法は、ブラケットの歯肉側に配置される停止部によって少なくとも部分的に定められるスロットの中で雄留め部がしっかりと保持されるように保持表面と係合するために、ブラケットの面に配置される摘まみが、歯列弓形態の雄留め部の中の案内通路の表面と係合するように、雄留め部をスロットに向けて前進させるステップを含み得る。
【0063】
いくつかの変形において、方法は、雄留め部とブラケットとの間の遊びを排除および/または低減するために、雄留め部をスロットに固定するように、雄留め部を、スロットの突き出し部に配置される楔と係合させるステップを含み得る。
【0064】
いくつかの変形において、方法は、雄留め部を複数の係合段階のうちの1つにおいて位置決めするステップを含み得る。臨床医は、所望の歯の制御に基づいて複数の係合段階の間で選択する。
【0065】
いくつかの変形において、方法は、歯列弓形態をブラケットから結合解除する方法を含み得る。いくつかの変形において、方法は、工具を、ブラケットの面に配置される工具受入凹所へと挿入し、工具を、歯列弓形態の雄留め部の工具受入通路を通じて、概して咬合の方向に移動させるステップを含み得る。工具は、雄留め部が咬合方向に移動させられ得るように、ブラケットの摘まみと係合し、摘まみを歯列弓形態の雄留め部の保持表面から離れるように歪めるように案内され得る。工具は、雄留め部を咬合方向においてブラケットのスロットから外へ移動させるために、工具受入通路の周辺と係合することができる。
【0066】
いくつかの変形において、歯列弓形態の雄留め部を、ブラケットに設置するため、またはブラケットから取り外すための工具が、本明細書で開示されている。工具は、シャフトと、シャフトの遠心端に配置されせることができる円錐先端と、を備え得る。シャフトと円錐先端とは、設置および取り外しの間、雄留め部およびブラケットに等しい反対の力を加えることができる。
【0067】
いくつかの変形において、患者の歯に配置させることができる歯列矯正ブラケット組立体が本明細書で開示されている。歯列矯正ブラケット組立体は、患者の歯に接合させることができるパッドを備え得る。パッドは、ブラケットを受け入れることができるポケットを備え得る。ブラケットはパッドに結合させることができる。ブラケットは、歯列弓形態の雄留め部を受け入れることができるスロットを備え得る。ブラケットは、ブラケットの歯肉側に配置される保持部を備え得る。保持部は、雄留め部がスロットの中で保持されること、または雄留め部がスロットから取り外されることを容易にするために歪むことができるC字形バネを備え得る。ブラケットは、ブラケットの咬合側に配置され、咬合方向における雄留め部の移動を防止することができる1つ以上の停止部を備え得る。
【0068】
いくつかの変形において、パッドは、ポケットに対してパッドの反対にある側に配置させることができるアンダーカットを備え得る。アンダーカットは、パッドを患者の歯に接合するのを容易にすることができる。
【0069】
いくつかの変形において、パッドは、ブラケットをパッドにレーザー溶接するために使用され得る充填材料を備え得る。
【0070】
いくつかの変形において、1つ以上の停止部は、雄留め部がブラケットのスロットの中に位置決めされるとき、雄留め部の楔に接触することができる斜面を含み得る。
【0071】
いくつかの変形において、1つ以上の停止部は、雄留め部の楔の少なくとも一部分を受け入れることができる切り欠きを含み得る。
【0072】
いくつかの変形において、パッドは、ブラケットの開口を通じて挿入させることができ、ブラケットに溶接させることができる突起を備え得る。
【0073】
いくつかの変形において、ブラケットは、ブラケットの面に配置され、雄留め部をブラケットのスロットの中で保持するために、雄留め部を保持部に押し当てることができる突起を備え得る。
【0074】
いくつかの変形において、パッドは、ポケットの反対にある側に配置され、雄留め部を保持部に押し当てることができる隆起を備え得る。
【0075】
いくつかの変形において、パッドは、回転制御を提供するために、雄留め部の一部分に係合するように構成される傾斜表面を備え得る。
【0076】
いくつかの変形において、パッドは、雄留め部がブラケットに保持されている状態で、雄留め部が患者の歯の表面に対して角度が付けられるように、ブラケットに角度を付けることができる。
【0077】
いくつかの変形において、雄留め部は、雄留め部がブラケットに保持されている状態で、患者の歯の表面に対して10度の角度が付けられ得る。
【0078】
いくつかの変形において、雄留め部は、雄留め部がブラケットに保持されている状態で、患者の歯の表面に対して5度の角度が付けられ得る。
【0079】
いくつかの変形において、パッドは患者の歯に合わせてカスタマイズさせることができ、ブラケットはカスタマイズされなくてもよい。
【0080】
いくつかの変形において、歯列弓形態は、弾性体と相互作用することができるフックを備え得る。
【0081】
いくつかの変形において、ブラケットは、C字形バネの弾性限界を超えてC字形バネが歪むのを防止することができる特徴を含み得る。
【0082】
いくつかの変形において、C字形バネは、C字形バネを配向し、弾性限界を超える歪みを防止する案内部の周りに配置され得る。
【0083】
いくつかの変形において、ブラケットの表面が、C字形バネの弾性限界を超える歪みを防止するために、雄留め部の表面と係合することができる。
【0084】
いくつかの変形において、不正咬合を治療する方法が、本明細書で開示されている。方法は、患者の歯にカスタマイズされたパッドを形成するステップを含み得る。方法は、カスタマイズされたパッドを患者の歯に結合するステップを含み得る。方法は、複数の第1の様式のブラケットのうちの1つを、患者の下顎前歯に結合されたカスタマイズされたパッドの各々に結合するステップを含み得る。方法は、複数の第2の様式のブラケットのうちの1つを、患者の他の歯に結合されたカスタマイズされたパッドに結合するステップを含み得る。方法は、歯列弓形態の雄留め部を、複数の第1の様式のブラケットおよび複数の第2の様式のブラケットの各々に結合するステップを含み得る。
【0085】
いくつかの変形において、方法は、弾性体との使用のために歯列弓形態にフックを形成するステップを含み得る。
【0086】
いくつかの変形において、歯列弓形態の雄留め部を、複数の第1の様式のブラケットおよび複数の第2の様式のブラケットの各々に結合するステップは、雄留め部の取っ手を鉗子で掴むステップ、雄留め部がブラケットに対して角度が付けられるように、取っ手と反対の雄留め部の一部分を、ブラケットの楕円バネに当てるように位置決めするステップ、雄留め部の咬合表面およびブラケットの歯肉表面を鉗子の間で握るステップ、楕円バネが歪むように雄留め部をブラケットの楕円バネに押し当てるために、鉗子を絞るステップ、雄留め部をブラケットに向けて回転させるステップ、および/または、雄留め部をブラケットにおいてしっかりと保持するために、楕円バネに雄留め部をブラケットの停止部の下で停止部に押し当てさせるように、鉗子を解放するステップ、を含み得る。
【0087】
いくつかの変形において、患者の歯に配置させることができる歯列矯正ブラケットが本明細書で開示されている。歯列矯正ブラケットは、歯列弓形態の雄留め部を受け入れることができるスロットを備え得る。歯列矯正ブラケットは、ブラケットの歯肉側に配置できる保持部を備え得る。保持部は、雄留め部がスロットの中で保持されること、または雄留め部がスロットから取り外されること、を容易にするために歪むことができるC字形バネと、設置工具と係合することができる突起と、を備え得る。保持部は、ブラケットの咬合側に配置され、咬合方向における雄留め部の移動を防止することができる1つ以上の停止部を備え得る。
【0088】
いくつかの変形において、歯列矯正ブラケットは、ブラケットを患者の歯に接合することを容易にすることができるアンダーカットを備え得る。
【0089】
いくつかの変形において、1つ以上の停止部は、雄留め部がブラケットのスロットの中に位置決めされるとき、雄留め部の楔に接触することができる斜面を含み得る。
【0090】
いくつかの変形において、1つ以上の停止部は、雄留め部の少なくとも一部分を受け入れることができる切り欠きを含み得る。
【0091】
いくつかの変形において、ブラケットは、ブラケットの面に配置させることができ、雄留め部をブラケットのスロットの中で保持するために、雄留め部を保持部に押し当てることができる突起を備え得る。
【0092】
いくつかの変形において、歯列弓形態は、弾性体と相互作用するように構成される歯間ループを備え得る。
【0093】
いくつかの変形において、歯列弓形態は、ブラケットの1つ以上の停止部の間に配置させることができる舌部を備え得る。
【0094】
いくつかの変形において、歯列弓形態は、ブラケットの保持部の近心側および遠心側と係合することができる2つのアームを備え得る。
【0095】
いくつかの変形において、歯列弓形態は、患者の歯の回転制御を提供するために、ブラケットの保持部と係合することができる湾曲を備え得る。
【0096】
いくつかの変形において、患者の口の歯列弓の少なくとも一部分の周りに配置されるように構成される歯列弓形態が、本明細書で開示されている。歯列弓形態は、患者の歯に配置されるブラケットの中に位置決めさせることができる複数の雄留め部を備え得る。雄留め部は、ブラケットの停止部間に配置されるように構成される舌部と、雄留め部の近心側および遠心側に配置され、舌部と反対の方向に延びる2つのアームと、を備え得る。2つのアームは、雄留め部をブラケットに対して固定するためのブラケットの特徴と係合することができる。歯列弓形態は複数の歯間ループを備え得る。複数の歯間ループは、複数の雄留め部のうちの隣接する雄留め部間に配置され得る。
【0097】
いくつかの変形において、歯列弓形態は、雄留め部の近心側および遠心側に配置される湾曲を備え得る。
【0098】
いくつかの変形において、2つのアームは、ブラケットの特徴と係合するために、内向きに延びることができるフランジを各々が供え得る。
【0099】
いくつかの変形において、歯列弓形態は、歯間ループに配置される1つ以上のシンボルを備え得る。
【0100】
いくつかの変形において、シンボルは、メッセージを伝えるように構成される文字であり得る。
【0101】
いくつかの変形において、患者の口の歯列弓の少なくとも一部分の周りに配置させることができる歯列矯正器具が、本明細書で開示されている。いくつかの変形において、歯列矯正器具は、患者のそれぞれの歯に結合させることができる複数の雄留め部と、歯間ループと、を備え得る歯列弓形態を含み得る。歯間ループは、隣接する雄留め部間に配置され得る。歯列矯正器具は、複数の雄留め部のうちの1つと、患者のそれぞれの歯のうちの1つと、の間に配置させることができる装着パッドを備え得る。装着パッドは第1の接着表面と第2の接着表面とを備え得る。第1の接着表面は複数の雄留め部のうちの1つに接着させることができ、第2の接着表面は、雄留め部が患者のそれぞれの歯のうちの1つに結合させることができるように、患者のそれぞれの歯のうちの1つに接着させることができる。
【0102】
いくつかの変形において、歯列矯正器具は、患者の口の歯列弓の少なくとも一部分の周りの歯列矯正器具の設置の前に第2の接着表面を汚染から保護するために、第2の接着表面に取り外し可能に配置させることができる保護層を備え得る。
【0103】
いくつかの変形において、装着パッドの第2の接着表面と患者のそれぞれの歯のうちの1つとの間の接着接合が、装着パッドが引っ張られるときに破壊させることができる。
【0104】
いくつかの変形において、装着パッドの第2の接着表面と患者のそれぞれの歯のうちの1つとの間の接着接合は、装着パッドが舌方向に引っ張られるときに破壊させることができる。
【0105】
いくつかの変形において、装着パッドの第2の接着表面と患者のそれぞれの歯のうちの1つとの間の接着接合は、装着パッドがそれぞれの歯のうちの1つの表面と平行な方向に引っ張られるときに破壊させることができる。
【0106】
いくつかの変形において、装着パッドの一部分が、雄留め部の周辺を越えて延びることができる。その一部分は引っ張られるように構成される。
【0107】
いくつかの変形において、装着パッドの一部分は、装着パッドの引っ張りを容易にするために工具と相互作用することができる孔を備え得る。
【0108】
いくつかの変形において、歯列弓形態は、患者の口における設置の後に観察者によって見られ得るシンボルを備え得る。
【0109】
いくつかの変形において、歯列矯正器具は、歯列矯正器具の特徴を隠すように患者の歯の唇表面に結合させることができるキャップを備え得る。
【0110】
いくつかの変形において、装着パッドの第2の接着表面における接着が、患者の歯を白くするためのホワイトニング溶液を含み得る。
【0111】
いくつかの変形において、キャップは、歯の唇表面に接着剤で接着させることができる。接着剤は、患者の歯を白くするためのホワイトニング溶液を含み得る。
【0112】
いくつかの変形において、歯列矯正器具は、歯列弓形態を患者の口における設置のための構成で保持することができる可溶性トレイを備え得る。可溶性トレイは、歯列弓形態が患者の口に設置された後に溶解させることができる。
【0113】
いくつかの変形において、歯列弓形態は患者の口の3Dスキャンに基づいて形成され得る。3Dスキャンは持ち運び可能デバイスによって実施され得る。
【0114】
いくつかの変形において、使用者の持ち運び可能デバイスに動作可能に連結するように構成されるデバイスが、3Dスキャンを実施することを容易にする。
【0115】
いくつかの変形において、歯列弓形態は、体温より下または上の温度に曝されるとき、可鍛性となることができる。推定される体温は、単一の温度または温度の範囲(例えば、上限および下限)であり得る。例えば、いくつかの変形において、歯列弓形態は、華氏99度、華氏100度、華氏101度、華氏102度以上において、および/またはその温度より上で、可鍛性となることができる。いくつかの変形において、歯列弓形態は、華氏97度、華氏96度、華氏95度、またはより低い温度において、および/またはその温度より下で、可鍛性となることができる。
【0116】
いくつかの変形において、患者の口の歯列弓の少なくとも一部分の周りに配置されるように構成される歯列矯正器具を設置する方法が、本明細書で開示されている。方法は、装着パッドの接着表面を露出させるために保護層を除去するステップを含み得る。装着パッドは歯列弓形態の複数の雄留め部のうちの1つに結合され得る。方法は、装着パッドの接着表面が患者の歯の表面に接着するように、接着表面を患者の歯の表面に当てるように位置決めするステップを含み得る。
【0117】
いくつかの変形において、方法は、歯列弓形態を設置のための構成で保持することができる可溶性トレイに歯列弓形態がある状態で、歯列弓形態を患者の口へと挿入するステップを含み得る。
【0118】
いくつかの変形において、方法は、可溶性トレイを溶解させるために、患者の口を液体で洗い流すステップを含み得る。
【0119】
いくつかの変形において、方法は、歯列弓形態の特徴を隠すために、患者の歯の唇表面にキャップを接着するステップを含み得る。
【0120】
いくつかの変形において、方法は患者によって実施され得る。
【0121】
いくつかの変形において、歯列弓形態を製造する方法が、本明細書で開示されている。方法は、患者の口の3Dスキャンを患者の持ち運び可能デバイスで実施するステップを含み得る。方法は、患者の口の3Dスキャンからのデータを、歯列矯正器具の設計者のデータセンタへ送るステップを含み得る。方法は、患者の口の3Dスキャンからのデータに基づいて歯列弓形態を形成するステップを含み得る。歯列弓形態は、患者の歯の不正咬合状態に対応して成形され得る。歯列弓形態は、患者の歯を不正咬合状態から他の状態へと移動させることができる。
【0122】
いくつかの変形において、方法は、歯列弓形態を不正咬合状態に対応する形で維持することができる可溶性トレイに歯列弓形態を配置するステップを含み得る。可溶性トレイは液体において溶解することができる。
【0123】
いくつかの変形において、方法は、装着パッドを歯列弓形態の雄留め部に接着するステップを含み得る。装着パッドは、患者の歯の表面に接着することができる接着表面を備え得る。
【0124】
いくつかの変形において、方法は、接着表面を取り外し可能保護層で覆うステップを含み得る。
【0125】
いくつかの変形において、患者の歯に配置させることができる歯列矯正ブラケットが本明細書で開示されている。歯列矯正ブラケットは、歯列弓形態のコネクタを、そのコネクタが近心-遠心方向において歯列矯正ブラケットに対して滑らないように受け入れることができるスロットを有し得る。歯列矯正ブラケットは、スロットの咬合側に配置させることができ、少なくとも咬合方向におけるコネクタの移動を防止することができる停止部を有し得る。歯列矯正ブラケットは、スロットの歯肉側に配置させることができ、少なくとも歯肉方向におけるコネクタの移動を防止することができる保持部を有し得る。保持部は、コネクタがスロットへと挿入されること、またはコネクタがスロットから取り外されることを容易にするために歪むことができるバネを備え得る。バネは、コネクタをブラケットのスロットの中で係止させるために力をコネクタに加えることができる。
【0126】
いくつかの変形において、バネはC字形バネである。
【0127】
いくつかの変形において、バネは保持部の開放部の中に配置され得る。
【0128】
いくつかの変形において、歯列矯正ブラケットは、ブラケットの咬合側に配置される2つの停止部を備え得る。2つの停止部は隙間によって分離され得る。いくつかの変形において、隙間はコネクタの摘まみを受け入れることができる。
【0129】
いくつかの変形において、歯列矯正ブラケットは、ブラケットの面に配置させることができる突起を備え得る。突起は、コネクタを保持部の突き出し部に押し当てることができる。
【0130】
いくつかの変形において、歯列矯正ブラケットは、ブラケットの面に配置させることができる斜面を備え得る。斜面は、コネクタを停止部の突き出し部に押し当てることができる。
【0131】
いくつかの変形において、歯列矯正ブラケットは、歯の表面に接合することができるテクスチャ表面を備え得る。
【0132】
いくつかの変形において、歯列矯正ブラケットは、近心-遠心方向において延びる側方羽根部を備え得る。側方羽根部は、回転制御を容易にするために歯の表面に接合することができる。
【0133】
いくつかの変形において、歯列矯正器具が本明細書で開示されている。歯列矯正器具は複数の歯列矯正ブラケットを備え得る。複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、患者の歯に配置させることができる。各々の歯列矯正ブラケットは、スロット、スロットの咬合側に配置される停止部、および/または、スロットの歯肉側に配置される保持部を備え得る。保持部はバネを有し得る。歯列矯正器具は、患者の歯を第1の位置から第2の位置へと移動させることができる歯列弓形態を備え得る。歯列弓形態は複数のコネクタを備え得る。コネクタを停止部に押し当てて、コネクタの少なくとも一部分を係止構成において停止部および保持部の後に固定するために、バネが力をコネクタに加えるように、複数のコネクタの各々のコネクタが複数の歯列矯正ブラケットのうちの1つの歯列矯正ブラケットの停止部と保持部との間でスロットの中に配置させることができる。歯列弓形態は複数の歯間構造を備え得る。複数の歯間構造のうちの少なくとも1つの歯間構造が、複数のコネクタのうちの少なくともいくつかの隣接するコネクタ間に位置決めさせることができる。複数のコネクタは、複数の歯列矯正ブラケットのスロットの中で係止構成にあるとき、複数の歯列矯正ブラケットに対して近心-遠心方向に滑らない。複数の歯間構造は、患者の1つ以上の歯を移動させるために、力を複数のコネクタのうちの隣接するコネクタに加えることができる。
【0134】
いくつかの変形において、バネはC字形バネである。
【0135】
いくつかの変形において、バネは保持部の開放部の中に配置される。
【0136】
いくつかの変形において、複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、ブラケットの咬合側に配置される2つの停止部を備え得る。2つの停止部は隙間によって分離され得る。
【0137】
いくつかの変形において、隙間は、複数のコネクタのうちの1つのコネクタの摘まみを受け入れることできる。
【0138】
いくつかの変形において、複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、その面に配置させることができる突起を備え得る。突起は、スロットの中に受け入れられたコネクタを、保持部の突き出し部に押し当てることができる。
【0139】
いくつかの変形において、複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、その面に配置させることができる斜面を備え得る。斜面は、スロットの中に受け入れられたコネクタを、停止部の突き出し部に押し当てることができる。
【0140】
いくつかの変形において、複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、歯の表面に接合することができるテクスチャ表面を備え得る。
【0141】
いくつかの変形において、複数の歯列矯正ブラケットのうちの少なくとも1つの歯列矯正ブラケットは、近心-遠心方向において延びることができる側方羽根部を備え得る。側方羽根部は、回転制御を容易にするために歯の表面に接合することができる。
【0142】
いくつかの変形において、複数のコネクタのうちの少なくとも1つのコネクタは、保持部の近心側および遠心側を握ることができるアームの対を備え得る。
【0143】
いくつかの変形において、複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、ブラケットの咬合側に配置され得る2つの停止部を備え得る。2つの停止部は隙間によって分離され得る。複数のコネクタの各々のコネクタは、隙間の中に配置させることができる摘まみを備え得る。
【0144】
いくつかの変形において、摘まみは、複数の歯列矯正ブラケットのスロットへの複数のコネクタの挿入、および/またはそのスロットからの複数のコネクタの取り外しを容易にするために、工具に接触することができる溝を備え得る。
【0145】
いくつかの変形において、歯間構造の剛性が、中心部分と比較して、歯列弓形態の遠心端においてより大きくできる。
【0146】
いくつかの変形において、複数の歯間構造は歯間ループを備え得る。
【0147】
いくつかの変形において、歯列弓形態は材料の薄板から形成され得る。
【0148】
いくつかの変形において、歯列弓形態の反対にある側が互いと平行であり得る。
【0149】
いくつかの変形において、歯列弓形態をブラケットに結合する方法が、本明細書で開示されている。方法は、歯列弓形態のコネクタをブラケットの面に対して角度付けするステップを含み得る。方法は、コネクタの一部分を、ブラケットのスロットへと、保持部の中に配置されるC字形バネに当てるように挿入するステップを含み得る。保持部はブラケットの歯肉側に位置決めされ得る。方法は、C字形バネが曲がるようにコネクタがC字形バネに押し当たるように、力をコネクタに加えるステップを含み得る。方法は、コネクタをブラケットの面に向けて回転させるステップを含み得る。方法は、コネクタが停止部および保持部の少なくとも一部分の下で固定されるように、C字形バネがコネクタの一部分をブラケットの停止部に押し当てるように、力をコネクタに加えるのを止めるステップを含み得る。
【0150】
いくつかの変形において、患者の歯を移動させる方法が、本明細書で開示されている。方法は、1つ以上のブラケットを患者の歯に接合するステップを含み得る。方法は、第1の歯列弓形態を1つ以上のブラケットに結合するステップを含み得る。第1の歯列弓形態は複数の第1の歯間ループを有し得る。複数の第1の歯間ループのうちの第1の歯間ループは第1の幅を有し得る。方法は、第1の歯列弓形態を1つ以上のブラケットから結合解除するステップを含み得る。方法は、第2の歯列弓形態を1つ以上のブラケットに結合するステップを含み得る。第2の歯列弓形態は、複数の第1の歯間ループに対応する複数の第2の歯間ループを有し得る。第1の歯間ループに対応する複数の第2の歯間ループのうちの第2の歯間ループは、第1の幅より大きくできる第2の幅を有し得る。
【0151】
いくつかの変形において、方法は、第1の歯列弓形態および第2の歯列弓形態を材料の平坦な薄板から切り取らせるステップを含み得る。
【0152】
いくつかの変形において、患者の歯に配置させるように構成される歯列矯正ブラケットが本明細書で開示されている。歯列矯正ブラケットは、歯列弓形態のコネクタを、そのコネクタが近心-遠心方向において歯列矯正ブラケットに対して滑らないように受け入れることができるスロットを備え得る。歯列矯正ブラケットは、スロットの第1の側に配置され、少なくとも第1の方向におけるコネクタの移動を防止することができる停止部を備え得る。歯列矯正ブラケットは、スロットの第2の側に配置され、少なくとも第2の方向におけるコネクタの移動を防止することができる保持部を備え得る。保持部は、コネクタがスロットへと挿入されること、またはコネクタがスロットから取り外されることを容易にするために歪むことができるバネを備え得る。バネは、コネクタをブラケットのスロットの中で係止させるために力をコネクタに加えることができる。
【0153】
いくつかの変形において、バネはC字形バネである。
【0154】
いくつかの変形において、バネは保持部の開放部の中に配置され得る。
【0155】
いくつかの変形において、ブラケットは、ブラケットの第2の側に配置される2つの停止部を備え得る。2つの停止部は隙間によって分離され得る。
【0156】
いくつかの変形において、隙間はコネクタの摘まみを受け入れることができる。
【0157】
いくつかの変形において、ブラケットは、ブラケットの面に配置される突起を備え得る。突起は、コネクタを保持部の突き出し部に押し当てることができる。
【0158】
いくつかの変形において、ブラケットは、ブラケットの面に配置させることができる斜面を備え得る。斜面は、コネクタを停止部の突き出し部に押し当てることができる。
【0159】
いくつかの変形において、ブラケットは、歯の表面に接合することができるテクスチャ表面を備え得る。
【0160】
いくつかの変形において、ブラケットは、近心-遠心方向において延びる側方羽根部を備え得る。側方羽根部は、回転制御を容易にするために歯の表面に接合することができる。
【0161】
いくつかの変形において、歯列矯正器具が本明細書で開示されている。歯列矯正器具は複数の歯列矯正ブラケットを備え得る。複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、患者の歯に配置させることができる。各々の歯列矯正ブラケットはスロットを備え得る。各々の歯列矯正ブラケットは、スロットの第1の側に配置される停止部を備え得る。各々の歯列矯正ブラケットは、スロットの第2の側に配置される保持部を備え得る。保持部はバネを備え得る。歯列矯正器具は、患者の歯を第1の位置から第2の位置へと移動させることができる歯列弓形態を備え得る。歯列弓形態は複数のコネクタを備え得る。コネクタを停止部に押し当てて、コネクタの少なくとも一部分を係止構成において停止部および保持部の後に固定するために、バネが力をコネクタに加えるように、複数のコネクタの各々のコネクタが複数の歯列矯正ブラケットのうちの1つの歯列矯正ブラケットの停止部と保持部との間でスロットの中に配置させることができる。歯列弓形態は複数の歯間構造を備え得る。複数の歯間構造のうちの少なくとも1つの歯間構造が、複数のコネクタのうちの少なくともいくつかの隣接するコネクタ間に位置決めさせることができる。複数のコネクタは、複数の歯列矯正ブラケットのスロットの中で係止構成にあるとき、複数の歯列矯正ブラケットに対して近心-遠心方向に滑らないことができる。複数の歯間構造は、患者の1つ以上の歯を移動させるために、力を複数のコネクタのうちの隣接するコネクタに加えることができる。
【0162】
いくつかの変形において、バネはC字形バネとできる。
【0163】
いくつかの変形において、バネは保持部の開放部の中に配置され得る。
【0164】
いくつかの変形において、複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、ブラケットの第2の側に配置され得る2つの停止部を備え得る。2つの停止部は隙間によって分離され得る。
【0165】
いくつかの変形において、隙間は、複数のコネクタのうちの1つのコネクタの摘まみを受け入れることできる。
【0166】
いくつかの変形において、複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、その面に配置される突起を備え得る。突起は、スロットの中に受け入れられたコネクタを、保持部の突き出し部に押し当てることができる。
【0167】
いくつかの変形において、複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、その面に配置させることができる斜面を備え得る。斜面は、スロットの中に受け入れられたコネクタを、停止部の突き出し部に押し当てることができる。
【0168】
いくつかの変形において、複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、歯の表面に接合することができるテクスチャ表面を備え得る。
【0169】
いくつかの変形において、複数の歯列矯正ブラケットのうちの少なくとも1つの歯列矯正ブラケットは、近心-遠心方向において延びることができる側方羽根部を備え得る。側方羽根部は、回転制御を容易にするために歯の表面に接合することができる。
【0170】
いくつかの変形において、複数のコネクタのうちの少なくとも1つのコネクタは、保持部の近心側および遠心側を握るように構成されるアームの対を備え得る。
【0171】
いくつかの変形において、複数の歯列矯正ブラケットの各々の歯列矯正ブラケットは、ブラケットの第2の側に配置される2つの停止部を備え得る。2つの停止部は隙間によって分離され得る。複数のコネクタの各々のコネクタは、隙間の中に配置させることができる摘まみを備え得る。
【0172】
いくつかの変形において、摘まみは、複数の歯列矯正ブラケットのスロットへの複数のコネクタの挿入、および/またはそのスロットからの複数のコネクタの取り外しを容易にするために、工具に接触することができる溝を備え得る。
【0173】
いくつかの変形において、歯間構造の剛性が、中心部分と比較して、歯列弓形態の遠心端においてより大きくできる。
【0174】
いくつかの変形において、複数の歯間構造は歯間ループを備え得る。
【0175】
いくつかの変形において、歯列弓形態は材料の薄板から形成され得る。
【0176】
いくつかの変形において、歯列弓形態の反対にある側が互いと平行である。
【0177】
いくつかの変形において、歯列弓形態をブラケットに結合する方法が、本明細書で開示されている。方法は、歯列弓形態のコネクタをブラケットの面に対して角度付けするステップを含み得る。方法は、コネクタの一部分を、ブラケットのスロットへと、保持部の中に配置されるC字形バネに当てるように挿入するステップを含み得る。保持部はブラケットの第1の側に位置決めされ得る。方法は、C字形バネが曲がるようにコネクタがC字形バネに押し当たるように、力をコネクタに加えるステップを含み得る。方法は、コネクタをブラケットの面に向けて回転させるステップを含み得る。方法は、コネクタが停止部および保持部の少なくとも一部分の下で固定されるように、C字形バネがコネクタの一部分をブラケットの停止部に押し当てるように、力をコネクタに加えるのを止めるステップを含み得る。
【0178】
いくつかの変形において、患者の歯を移動させる方法が、本明細書で開示されている。方法は、1つ以上のブラケットを患者の歯に接合するステップを含み得る。方法は、第1の歯列弓形態を1つ以上のブラケットに結合するステップを含み得る。第1の歯列弓形態は複数の第1の歯間ループを有し得る。複数の第1の歯間ループのうちの第1の歯間ループは第1の幅を有し得る。方法は、第1の歯列弓形態を1つ以上のブラケットから結合解除するステップを含み得る。方法は、第2の歯列弓形態を1つ以上のブラケットに結合するステップを含み得る。第2の歯列弓形態は、複数の第1の歯間ループに対応する複数の第2の歯間ループを有する。第1の歯間ループに対応する複数の第2の歯間ループのうちの第2の歯間ループは、第2の幅を有し得る。第2の幅は第1の幅より大きくできる。
【0179】
いくつかの変形において、方法は、第1の歯列弓形態および第2の歯列弓形態を材料の平坦な薄板から切り取らせるステップを含み得る。
【0180】
これらの図面は、例示の実施形態であり、本発明のすべての可能な実施形態を提示しているのではない。図示されている実施形態は、保護の範囲を限定するのではなく、保護の範囲を例示するように意図されている。開示されている異なる実施形態の様々な特徴は、本開示の一部であるさらなる実施形態を形成するために、組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0181】
図1A】ブラケットの中に保持された歯列弓形態の図である。
図1B図1Aの歯列弓形態およびブラケットの他の図である。
図2A】ブラケットの中に保持された歯列弓形態の図である。
図2B図2Aの歯列弓形態およびブラケットの他の図である。
図2C図2Aの歯列弓形態およびブラケットの断面図である。
図2D図2Aの歯列弓形態およびブラケットの側面図である。
図2E】工具と一体に結合された図2Aの歯列弓形態およびブラケットの図である。
図2F】工具と一体に結合された図2Aの歯列弓形態およびブラケットの図である。
図2G】工具と一体に結合された図2Aの歯列弓形態およびブラケットの図である。
図2H】工具から結合解除された図2Aの歯列弓形態およびブラケットの図である。
図2I】工具から結合解除された図2Aの歯列弓形態およびブラケットの図である。
図3A】ブラケットの中に保持された歯列弓形態の図である。
図3B】ブラケットの中に保持された歯列弓形態の図である。
図4】ブラケットの中に保持された歯列弓形態の図である。
図5】ブラケットの中に保持された歯列弓形態の図である。
図6A】ブラケットを伴う歯列弓形態の図である。
図6B図6Aのブラケットの中で結合された歯列弓形態の図である。
図6C図6Bの断面図である。
図6D図6Bの断面図である。
図6E図6Aのブラケットの中のバネを曲げる工具の図である。
図7A】ブラケットを示す図である。
図7B】歯列弓形態を保持する図7Aのブラケットの図である。
図7C図7Bの他の図である。
図7D図7Bのブラケットへと挿入されている歯列弓形態の図である。
図7E図7Bの側面図である。
図7F図7Bの図である。
図7G】ブラケットと、下顎前ブラケットのための歯列弓形態の雄留め部との図である。
図8A】ブラケットの中に位置決めされた歯列弓形態の図である。
図8B図8Aのブラケットの中で保持された歯列弓形態の図である。
図8C図8Aのブラケットの図である。
図8D図8Aのブラケットの図である。
図9A】マルチパートブラケットの図である。
図9B】マルチパートブラケットの図である。
図10A】患者の大臼歯に配置され得るマルチパートブラケットの図である。
図10B】歯列弓形態の雄留め部が配置されている図10Aのマルチパートブラケットの図である。
図10C】歯列弓形態の雄留め部が配置されている図10Aのマルチパートブラケットの図である。
図11A】マルチパートブラケットの図である。
図11B図11Aのマルチパートブラケットの一部分の図である。
図11C図11Aのマルチパートブラケットの断面図である。
図12】歯列弓形態に結合された複数のマルチパートブラケットの図である。
図13A】ブラケットを示す図である。
図13B図13Aのブラケットの後面図である。
図13C】歯列弓形態に結合された図13Aのブラケットの図である。
図13D】歯列弓形態の図である。
図13E】カスタマイズされた特徴を伴う歯列弓形態の図である。
図14A】ブラケットの中に配置された歯列弓形態の一部分を掴む工具のである。
図14B】ブラケットを掴む図14Aの工具の一部分の拡大図である。
図14C】患者の口への歯列弓形態挿入のために使用され得る止血鉗子などの工具の図である。
図15A】患者の歯に接着または他の方法で固定され得る歯列弓形態の図である。
図15B】患者の歯に適用され得る歯列弓形態へと取り付けまたは他の方法で組み込みされ得るキャップの図である。
図15C】歯列弓形態を患者の歯に適用するために使用され得る可溶性トレイの図である。
図16A】少なくとも大臼歯に取り付けることができるブラケットの図である。
図16B図16Aに示されているブラケットの断面図である。
図16C図16Aに示されているブラケットの後面図である。
図16D】歯列弓形態の雄コネクタの図である。
図16E図16Aに示されているブラケットに結合された図16に示されている雄コネクタの図である。
図17A】少なくとも下顎前歯に取り付けることができる、歯列弓形態の雄コネクタに結合されたブラケットの図である。
図17B図17Aに示されている歯列弓形態の雄コネクタの図である。
図18】少なくとも上顎中央歯に取り付けることができる、歯列弓形態の雄コネクタに結合されたブラケットの図である。
図19】少なくとも小臼歯に取り付けることができる、歯列弓形態の雄コネクタに結合されたブラケットの図である。
図20A】上顎初期歯列弓形態の図である。
図20B】上顎中期歯列弓形態の図である。
図20C】上顎終期歯列弓形態の図である。
図21A】下顎初期歯列弓形態の図である。
図21B】下顎中期歯列弓形態の図である。
図21C】下顎終期歯列弓形態の図である。
図22】叢生歯を伴う患者のための歯列矯正器具の図である。
図23A】雄コネクタへのブラケットの設置または取り外しをするための工具の図である。
図23B】ある角度でブラケットのスロットへと挿入された雄コネクタの図である。
図23C】バネを圧縮し、雄コネクタをブラケットに向けて回転させるために、力を雄コネクタに加える図23Aに示されている工具の図である。
図23D】ブラケットのスロットの中の雄コネクタの図である。
図23E】再配向された図23Aにおける工具の図である。
図23F】バネを圧縮し、雄コネクタをブラケットから離すように回転させるために、力を雄コネクタに加える図23Eに示されている工具の図である。
図23G】ブラケットのスロットから外へ回転させられる雄コネクタの図である。
図24】患者に対応する印を伴う歯列弓形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0182】
歯の不正咬合は、歯列矯正ブラケットおよび歯列弓形態を使用して治療することができる。エッジワイズ装置は、円形、正方形、または長方形の直線ワイヤセグメントが挿入され得る長方形のスロットを備える従来からの歯列矯正ブラケットである。エッジワイズ装置は、従来、直線的なアーチワイヤをスロットにおいてエラストマまたは鋼鉄の結び目で保持する。アーチワイヤを各々のブラケットへ結ぶこの過程は、特に舌側の歯列矯正装置について、時間が掛かる手順であり得る。
【0183】
エッジワイズ装置は、歯列矯正歯の移動のために、歯列矯正ブラケットとアーチワイヤとの間で滑り機構を使用する。いくつかの場合における滑り機構の使用の不都合な点は、摩擦がブラケットとアーチワイヤとの間で起こることである。摩擦の大きさは、しばしば予測不可能であり、歯の移動が起こるために克服されなければならない。摩擦の大きさの多様性のため、歯の移動において誤りが起こり、歯列矯正治療を完了するためにより多くの診察が必要とされる可能性がある。
【0184】
歯の移動における摩擦の問題を解決する摩擦のない機構が、スナップ留めされる非滑りアーチワイヤを伴う歯列矯正ブラケットを使用して開発されてきた。しかしながら、これらのスナップ留めの連結は、いくつかの場合において、連結するのが難しく、信頼性が低く、患者の口の中で歯ごとに様々であり、さらには滑りを許し、アーチワイヤの性能を損なう可能性がある。本明細書で開示されているのは、向上した歯列弓形態およびブラケットの解決策である。
【0185】
図1Aおよび図1Bは、摩擦のない機構を使用する歯列矯正ブラケットおよび歯列弓形態のシステムを示している。図1Aは、ブラケット200に保持されている、アーチワイヤとも称され得る歯列弓形態100を示している。明確には、歯列弓形態100の、雄コネクタ、コネクタ、留め部、または雄構造とも称され得る雄留め部106が、ブラケット200のスロット202の中で保持され得る。歯列弓形態は、円形、楕円形、長方形、正方形、他の断面、またはそれらの組み合わせを伴うワイヤを備え得る。任意選択で、歯列弓形態は、例えば幅および/または厚さなど、一定または可変の寸法を含み得る。任意選択で、歯列弓形態は、形状記憶材料などの材料の薄板から作ることができ、材料の薄板からレーザー切断、ウォータージェット切断、または他の方法で得ることができる。
【0186】
歯列弓形態100は、例えばループ102、104といった複数の歯間構造を有し得る。歯間構造は、完全な円を形成しない不完全なループを含み得る。歯間構造は、弓形の表面を必ずしも含まない頂点を伴うV字形または他の構造を備えることもできる。歯間構造は、複数の平面を横切る複雑な3D構造を含むこともできる。歯間ループ102、104は様々な大きさおよび構成であり得る。歯間ループ102、104は歯列弓形態100における曲げであり得る。例えば、歯間ループ102は歯間ループ104より幅広(例えば、咬合-歯肉方向における)とでき、これは、歯間ループ102が歯間ループ104より大きな力を患者の歯に発揮するという結果をもたらすことができる。任意選択で、歯間ループ102は、異なる幅である一方で、歯間ループ104と同じ厚さ(例えば、舌-頬方向における)とできる。任意選択で、単一の歯間ループ102、104が、隣接する雄留め部106間に配置される。任意選択で、1つ以上の歯間ループ102、104が、隣接する雄留め部106間に配置される。任意選択で、1つ以上の歯間ループ102、104および/または直線セグメントが、雄留め部106間に配置される。任意選択で、歯間ループ102、104は、同じまたは異なる曲率を有することができ、歯肉方向および/もしくは咬合方向に延びることができ、ならびに/または、歯肉方向および/もしくは咬合方向において異なる長さまで延びることができる。任意選択で、歯間構造は、各々およびすべての雄留め部および/または歯の間に存在する。任意選択で、歯間構造は、隣接する雄留め部の大部分の間に存在するが、隣接する雄留め部のうちの約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、少なくともそれらの値、それらの値未満、または、それらの値より大きいもしくは小さいなど、すべての隣接する雄留め部の間に存在するわけではない。
【0187】
歯列弓形態100は雄留め部106を備え得る。雄留め部106と、ループ102、104などの歯間構造と、の間の結合は湾曲させることができ、これは、割れ、破断などをもたらし得る応力集中を軽減するのを助けることができる。雄留め部106は、任意選択で、歯間ループ102、104と同じ厚さ(例えば、舌-頬方向における)とできる。これは、製作過程の間に歯間ループ102、104および雄留め部106を均一な厚さ(例えば、平坦なリボン)を有する材料から切り取らせることを有利に可能にする。任意選択で、雄留め部106は、歯間ループ102、104と異なる厚さ(例えば、舌-頬方向における)を有し得る。任意選択で、雄留め部106は歯間ループ102、104の間に位置決めされ得る。
【0188】
雄留め部106はアーム108、110を備え得る。アーム108、110は、雄留め部106をブラケット200の中で係止させるために、曲がることができる。例えば、アーム108、110は、雄留め部106の長さを一時的に短くするために、圧縮荷重の下で曲がることができる。これは、雄留め部106をブラケット200のスロット202の中に位置決めおよび保持させることを有利に可能とすることができ、これは本明細書においてより詳細に記載されている。アーム108、110は、雄留め部106が圧縮荷重の下にあるときに内向きに歪むように、内向きに湾曲され得る(例えば、雄留め部106の中心平面に向けて湾曲され得る)。アーム108、110は、同じ荷重の下にあるときに実質的に同じ量まで曲がる(例えば、歪む)ように、同じ大きさおよび/または構成であり得る。開放部120(例えば、空所、空間、開口)が雄留め部106を通じて配置され得る。開放部120はアーム108、110の間に配置され得る。アーム108、110は、圧縮荷重の下にあるとき、開放部120へと曲がることができる。任意選択で、空所は、その周辺に沿って、アーム108、110および歯列弓形態100の他の特徴によって全体的に囲まれる。任意選択で、空所の表面積または体積は、各々の雄留め部要素の全体の表面積または体積の約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、少なくともそれらの値、それらの値より大きいもしくは小さい、または、それらの値の任意の2つを含む範囲である。
【0189】
雄留め部106は溝112を有し得る。溝112(例えば、工具受け、工具受部、開放部、工具界面)は、工具に係合するように構成され得る。工具は、本明細書でより詳細に記載されているように、雄留め部106がブラケット200のスロット202へと挿入できるように、またはスロット202から取り外しできるように、アーム108、110が曲がるように力を雄留め部106に加えるために、溝112と係合することができる。溝112は、雄留め部106の端に配置させることができる。任意選択で、溝112は、雄留め部106の咬合側に配置させることができる。溝112は、雄留め部106の中心平面において中心付けることができる。
【0190】
歯列弓形態100は、ニッケルチタン、ステンレス鋼、チタン-モリブデン合金、形状記憶合金、超弾性金属、および/もしくは他の適切な合金、またはそれらの組み合わせから作ることができる。歯列弓形態100は、平坦なリボン、材料の薄板などから、レーザー切断、ウォータージェット切断など、切り取ることができる。
【0191】
ブラケット200は停止部204を有し得る。停止部204はブラケット200の端に配置させることができる。明確には、任意選択で、停止部204は、ブラケット200の歯肉側に位置決めさせることができる。停止部204は、スロット202の一部分を定めることができる。停止部204は、雄留め部106をブラケット200のスロット202の中に保持する突き出し部206を有し得る。停止部204および/または本明細書で開示されている他の特徴は、舌への刺激を軽減するのを助ける湾曲表面を有することができる。
【0192】
ブラケット200は保持部208を有し得る。保持部208はブラケット200の端に配置させることができる。明確には、任意選択で、保持部208は、ブラケット200の咬合側に位置決めさせることができる。保持部208は、停止部204の反対にあるブラケット200の反対にある端に位置決めさせることができる。保持部208はスロット202の一部分を定めることができる。保持部208は、雄留め部106をブラケット200のスロットの中に保持する突き出し部210を有し得る。保持部208は、舌への刺激を軽減するのを助ける湾曲表面を有することができる。
【0193】
保持部208は溝212を有することができる。溝212は、雄留め部106をブラケット200のスロット202の中に配置することと、雄留め部106をスロット202から取り外すことと、を支援することができる。明確には、溝212は、雄留め部106をブラケット200のスロット202に配置するとき、または、雄留め部106をスロット202から取り外すとき、アーム108、110を曲げるために雄留め部106に力を付与するために使用される工具と係合することができる。任意選択で、溝212は、力を雄留め部106に加えるための工具を適切に位置決めおよび保持することができる(例えば、滑りを防止するのを助けることができる)。任意選択で、溝212は、挿入および取り外しの間に工具が力を雄留め部106に加えるとき、工具のための支点として作用することができる。ブラケット200の面214、保持部208、および/または停止部204は、雄留め部106を受け入れるように構成されるブラケット200のスロット202を定めるために協働することができる。溝212は、溝112に対して反対方向に湾曲することができる。溝212は、雄留め部106がブラケットのスロット202の中に保持されるとき、工具を溝112に到達させることができる。溝212は、ブラケット200の中心平面において中心付けることができる。
【0194】
挿入の間、雄留め部106がブラケット200の面214に対して角度が付けられるように、溝112と反対の雄留め部106の端は、停止部204に当てて、および/または突き出し部206の下に、配置させることができる。本明細書における他の所で開示されている工具などの工具が、溝212および溝112に係合し、停止部204の方向に回転させることができ、溝112が工具に沿ってブラケット200に向けて滑るように雄留め部106をブラケット200の面214に向けて回転させる間、雄留め部106を停止部204に押し当てる(例えば、圧縮する)。雄留め部106に加えられる力は、雄留め部106が保持部208の周りで巧みに動かされるように、アーム108、110を曲げさせることができる。工具は、アーム108、110が圧縮されていない構成へと戻るように歪む(例えば、跳ね返る)ように取り外すことができ、雄留め部106を突き出し部210、206の下で係止する。後で記載されている突起216が、雄留め部106を突き出し部206、210に押し当てることができる。任意選択で、突起216は、雄留め部106を曲げて突き出し部206、210に当てさせることができる。
【0195】
ブラケット200は突起(例えば、隆起)216を有し得る。突起216は、ブラケット200の面214に位置決めされ、面214から延び得る。突起216は丸められ得る。突起216は、雄留め部106を突き出し部206、210に押し当てて、歯列弓形態100(例えば、雄留め部106)とブラケット200との間の滑りを防止することができる。任意選択で、突起216は、雄留め部106がブラケット200のスロット202の中に位置決めされるとき、雄留め部106を曲げて突き出し部206、210に当てることができる。任意選択で、突起216は、近心-遠心方向においてブラケット200の面214の全体または一部分にわたって延びることができる。任意選択で、突起216は停止部204と保持部208との間に位置決めされ得る。
【0196】
取り外しの間、工具は溝212を通じて溝112へと挿入させることができる。工具は、溝112が工具に沿ってブラケット200から離れるように滑るように、アーム108、110を曲げ、溝112を伴う雄留め部106の端をブラケット200の面214から離すように回転させる力を工具が溝112に加えるように、溝212が支点として作用する状態で停止部204から離すように回転させることができる。アーム108、110の曲げは、溝112を伴う雄留め部106の端がブラケット200のスロット202から自由になるように、雄留め部106を保持部208の下から外へと移動させることができる。そのため、雄留め部106は、ブラケット200のスロット202から全体として取り外すことができる。
【0197】
図2A図2Iは、摩擦のない機構を使用する歯列矯正ブラケットおよび歯列弓形態のシステムを示している。図2Aは、ブラケット200において保持される歯列弓形態100を示している。明確には、歯列弓形態100の雄留め部106が、係止ピン226の下においてブラケット200のスロット202の中で保持されている。
【0198】
歯列弓形態100は、例えばループ102、104といった複数の歯間構造を有し得る。歯列弓形態100は雄留め部106を有し得る。雄留め部106はアーム108、110を備え得る。アーム108、110は、雄留め部106をブラケット200の中で係止させる(例えば、保持させる)ために、曲がることができる。雄留め部106は開放部120を有し得る。開放部120はアーム108、110の間に配置され得る。
【0199】
雄留め部106はブロック114(例えば、停止部)を有し得る。ブロック114はアーム108、110の間に配置され得る。ブロック114は開放部120へと延びることができる。ブロック114は、開放部120の周辺の一方の側から開放部120の周辺の他の側124(例えば、表面)の近接へと延びることができる。任意選択で、ブロック114は、開放部120の周辺の咬合側から開放部120の周辺の歯肉側の表面124の近接しているが離れているところへと延びることができる。図2Aに示されているように、隙間122が、開放部120の周辺の一部分を形成する表面124(例えば、開放部120の周辺の歯肉側)からブロック114を離間することができる。アーム108、110は圧縮力の下で曲がるため、ブロック114は表面124のより近くに移動することができ、隙間122を縮ませる。ブロック114は、雄留め部106が過剰に圧縮されるのを防止することができる。例えば、ブロック114は、表面124に向けて移動することができ、アーム108、110のさらなる曲げを防止するために、最終的に表面124に接触することができる。任意選択で、アーム108、110は、内向きに曲がることができ、アーム108、110のさらなる曲げを防止するために、最終的にブロック114に接触することができる。
【0200】
雄留め部106は係合表面116、118を有し得る。係合表面116、118は、本明細書における他の所でより詳細に記載されているブラケット200の保持表面222、224と係合することができる。係合表面116、118は、歯列弓形態100とブラケット200との間の滑りを防止する(例えば、スロップなどを低減または排除する)のを助けることができる。係合表面116、118は、近心-遠心方向における雄留め部106の側方移動を防止するのを助けることができる。係合表面116、118は、雄留め部106の中心平面に対して角度が付けられ得る。係合表面116、118は同じとでき、これは、同じ大きさ、角度などを含み得る。
【0201】
雄留め部106は溝112を有し得る。溝112(例えば、工具受け、工具受部、開放部、工具界面)は、工具を受け入れるように構成され得る。溝112は、雄留め部106をブラケット200の中で保持するために、係止ピン226の下に位置決めされ得る摘まみ126(例えば、フランジ)に配置され得る。係合表面116、118は摘まみ126の一部分を形成することができる。工具は、本明細書でより詳細に記載されているように、雄留め部106がブラケット200のスロット202へと挿入できるように、またはスロット202から取り外しできるように、アーム108、110が曲がるように力を雄留め部106に加えるために、溝112と係合することができる。溝112は、雄留め部106の端に配置させることができる。溝112は、摘まみ126に配置させることができる。任意選択で、溝112は、雄留め部106の咬合側に配置させることができる。溝112は、雄留め部106の中心平面において中心付けることができる。
【0202】
ブラケット200は停止部204を有し得る。停止部204は突き出し部206を有し得る。突き出し部206は、図2Cにおいて明確に示されているように、雄留め部106を受け入れるブラケット200のスロット202の上表面を定めることができる。突き出し部206は面取り238(例えば、角度付き表面)を有することができる。面取り238は、突き出し部206によって禁止されることなく、雄留め部106が、ブラケット200のスロット202から外へと、またはスロット202の中へと回転することを、可能にすることができる(例えば、容易にすることができる)。同様に、停止部204は、本明細書における他の所で詳述されているように、凹所240(例えば、アンダーカット)を有することができる。凹所240は、本明細書における他の所で詳述されているように、停止部204によって禁止されることなく、雄留め部106が、ブラケット200のスロット202から外へと、またはスロット202の中へと回転することを、可能にすることができる(例えば、容易にすることができる)。
【0203】
図2Aおよび図2Bに戻って、ブラケット200は保持部208を有し得る。保持部208はブラケット200の端に配置させることができる。明確には、任意選択で、保持部208は、ブラケット200の咬合側に位置決めさせることができる。保持部208は、停止部204の反対にあるブラケット200の端に位置決めさせることができる。保持部208はスロット202の一部分を定めることができる。保持部208は、舌への刺激を軽減するために、湾曲表面を有することができる。
【0204】
保持部208は壁218、220を有し得る。壁218、220は、ブラケット200の近心側および遠心側に配置させることができる。壁218、220は、それらの間で延びる壁232で互いから離間され得る。壁232は、壁218、220に対して垂直に配向され得る。壁232は、接着剤がブラケット200のスロット202に入るのを防止するのを助けることができる。壁232はブラケット200の端に配置させることができる。壁232は、任意選択で、ブラケット200の咬合側の端に配置させることができる。壁218、220は互いと平行であり得る。
【0205】
壁218、220は、図2Aにおいて明確に示されているように、保持表面222、224をそれぞれ有し得る。本明細書における他の所で提供されているように、保持表面222、224は係合表面116、118と係合することができる。保持表面222、224は壁218、220の内部側に配置され得る。保持表面222、224は、壁218、220の端に、および/または壁218、220の端に近接して配置され得る。
【0206】
壁218は開口228を有し得る。開口228は、係止ピン226(例えば、ロッド、棒)の端を受け入れるような大きさおよび構成とされ得る。任意選択で、開口228は、係止ピン226を固定的に受け入れるような大きさおよび構成とされ得る。任意選択で、係止ピン226は、実質的に固定されるように開口228に突き刺される(例えば、圧入、摩擦嵌めなどされ得る)。
【0207】
壁220は開口230を有し得る。開口230は、係止ピン226を移動可能に受け入れるような大きさおよび構成とされ得る。図2Bにおいてはっきりと示されているように、開口230は、係止部分234(例えば、戻り止め、凹所)と拡大部分236とを有し得る。任意選択で、拡大部分236は、係止部分234よりブラケット200の咬合端の近くにあり得る。拡大部分236は、ブラケット200のスロット202への雄留め部106の挿入、およびスロット202からの雄留め部106の取り外しの間、開口230の中でなおも保持されたまま係止ピン226を歪ませることができる。係止部分234は、係止ピン226が雄留め部106の挿入および取り外しの間に歪められないとき、係止ピン226を受け入れることができる。係止部分234は、雄留め部106がブラケット200のスロット202に配置されるとき、係止ピン226を保持することができる。係止部分234は、歯磨きなどの間に係止ピン226の不用意な歪みを防止することができ、これは、ブラケット200のスロット202からの雄留め部106の不用意な取り外しをもたらす。
【0208】
係止ピン226は、雄留め部106をブラケット200のスロット202の中で保持することができる。係止ピン226は壁218、220の間で延びることができる。係止ピン226の端は開口228の中で固定的に配置させることができ、一方、係止ピン226の反対にある端は開口230の中で移動可能に配置させることができる。係止ピン226は、工具がそれに力を加えるとき、歪む(例えば、曲がる)ことができる。係止ピン226の端は開口228の中で固定させることができ、一方、開口230の中の係止ピン226の端は、係止ピン226の歪みのため、移動することができる。明確には、係止ピン226は係止部分234から拡大部分236へと歪むことができ、雄留め部106を、ブラケット200のスロット202へと挿入させる、またはスロット202から取り外しさせることができる。任意選択で、開口230の中の係止ピン226の端は、雄留め部106がブラケット200のスロット202の中で保持されるとき、雄留め部106によって、開口230の係止部分234へと歪められる。
【0209】
ブラケット200は突起216(例えば、隆起)を有し得る。突起216は丸められ得る。突起216は、ブラケット200の近心側から遠心側へと延びることができる。突起216は面214から延びることができる。突起216は、図2Cにおいてはっきりと示されているように、保持部208と停止部204との間に位置決めされ得る。突起216の一部分が突き出し部206の下に配置され得る。突起216は、雄留め部106がブラケット200のスロット202の中でしっかりと保持されるように、雄留め部106を突き出し部206および係止ピン226へと押すことができ、これは、歯列弓形態100(例えば、雄留め部106)とブラケット200との間の滑りを低減および/または排除することができる。
【0210】
挿入の間、図2Eおよび図2Fに示されているように、雄留め部106がブラケット200の面214に対して角度が付けられるように、溝112と反対の雄留め部106の端および/または摘まみ126は、停止部204に当てて、および/または突き出し部206の下に、配置させることができる。工具300(例えば、エキスプローラ工具、エキスプローラ)が、係止ピン226と溝112との間に挿入させることができる。明確には、シャフト部分302の遠心端における先端306(例えば、尖った先端、円錐先端)が、係止ピン226と溝112との間に挿入され得る。工具300は、第1の方向304において(例えば、停止部204に向けて、雄留め部106に向けて)回転させることができ、係止ピン226を開口230の拡大部分236へと歪ませ、図2Gに示されているように、溝112を伴う雄留め部106の一部分を、係止ピン226の下へ、スロット202へと回転させる。工具300は係止ピン226と溝112との間から取り外すことができ、図2Bに示されているように、係止ピン226を開口230の係止部分234へと曲げさせる。雄留め部106は、突起216によって突き出し部206および係止ピン226へと押すことができ、歯列弓形態100とブラケット200との間の滑り(例えば、スロップ)を低減および/または排除するのを助ける。雄留め部106の係合表面116、118は、ブラケット200の保持部208の保持表面222、224に係合することができ、歯列弓形態100とブラケット200との間の滑り(例えば、スロップ)を低減および/または排除するのを助ける。工具300は、設置および取り外しの間、ブラケット200および/または雄留め部106(またはブラケット自体)の1つ以上の構成要素に、等しい反対の力を加えることができる。等しい反対の力は、雄留め部106を、ブラケット200に挿入するとき、またはブラケット200から取り外すとき、患者への不快感を低減するために重要であり得る。例えば、工具300は、設置または取り外しの間、等しい力を係止ピン226および溝112に加えることができる。
【0211】
取り外しの間、工具300は、図2Hおよび図2Iに示されているように、係止ピン226と溝112との間に挿入され得る。明確には、下向きの力310が、シャフト部分302の先端306が係止ピン226と溝112との間にある状態で工具300に加えられ得る。工具300は第2の方向308に回転させることができ、係止ピン226を開口230の拡大部分236へと歪ませ、溝112および/または摘まみ126を伴う雄留め部106の一部分を、ブラケット200の面214から離し、係止ピン226の下から外へと回転させる。そのため、雄留め部106は停止部204の突き出し部206の下から取り外せる。
【0212】
図3Aおよび図3Bは、摩擦のない機構を使用する歯列矯正ブラケットおよび歯列弓形態のシステムを示している。図3Aおよび図3Bに示されているように、ブラケット200は握り表面242、244(例えば、握り位置)を有し得る。握り表面242、244は、取り扱うために、プライヤ、ディボンディングプライヤ、および/またはリンガルディボンディングプライヤなどの工具によって握られ得る。握り表面242、244は、ブラケット200を患者の歯に接合されていることから解除するために、工具によって握られ得る。握り表面242、244は、ブラケット200を接合のために患者の歯の舌側または唇側に位置決めするために、工具によって握られ得る。握り表面242、244は、ブラケット200の反対にある端に位置決めされ得る。任意選択で、握り表面242はブラケット200の咬合側に位置決めさせることができ、握り表面244はブラケット200の歯肉側に位置決めさせることができる。握り表面242、244は互いに対して角度が付けられ得る。握り表面242、244は保持部208および停止部204にそれぞれ近接し得る。握り表面242、244は、ブラケット200の中心平面に対して角度が付けられ得る。握り表面242、244は、図3Bに示されているように、ブラケット200の後表面246に対して角度が付けられ得る。ブラケットの後表面246は、患者の歯の舌側または唇側など、患者の歯に接合させることができる。距離248がブラケット200の後表面246と面214との間で延び得る。
【0213】
図4は、摩擦のない機構を使用する歯列矯正ブラケットおよび歯列弓形態のシステムを示している。図4に示されているように、ブラケット200は壁250を有する。壁250は、ブラケット200の近心側および遠心側に配置させることができる。壁250は、ブラケット200の面214および/またはスロット202への接着剤侵入を防止するのを助けることができる。壁250は、歯列弓形態100(例えば、雄留め部106)とブラケット200との間の滑りを防止するのを助けることができる。壁250は、保持部208および/または壁218、220の一部であり得る。任意選択で、工具との不用意な接触(例えば、誤使用)を防止するために、および/または接着剤の侵入を防止するために、カバー(例えば、天部、上部)が係止ピン226にわたって延びることができる。
【0214】
停止部204を伴うブラケット200の一部分が、図4に示されているように持ち上げることができ、これは、スロット202への接着剤の侵入を防止するのを助けることができる。任意選択で、ブラケット200の歯肉側の端が持ち上げられ得る。面214は、面214と後表面246との間の距離248が、保持部208(例えば、咬合側)より停止部204にはるかに近くなる(例えば、歯肉側に近くなる)ように、後表面246に対して角度が付けられ得る。
【0215】
図5は、摩擦のない機構を使用する歯列矯正ブラケットおよび歯列弓形態のシステムを示している。図5に示されているように、ブラケット200は、先に記載されているように、接着剤の侵入を防止することができる壁250を有する。壁250は、雄留め部106および/または歯列弓形態100がブラケット200において滑るのを防止するのを助けることもできる。図5に示されているブラケット200は、本明細書に示されているいくつかの他のブラケットより、近心-遠心方向においてより狭くなることができ、これは異なる寸法の歯を受け入れることができる。
【0216】
図6A図6Eは、摩擦のない機構を使用する歯列矯正ブラケットおよび歯列弓形態のシステムを示している。図6Aに示されているように、ブラケット200は保持部208を有する。任意選択で、保持部208は、ブラケット200の咬合側に位置決めさせることができる。保持部208は、歯列弓形態100の雄留め部106をブラケット200のスロット202の中に解放可能に保持する。保持部208は壁218、220を有する。壁218、220は、ブラケット200の近心側および遠心側にそれぞれ配置させることができる。壁218、220は、雄留め部106の側方移動および/またはブラケット200に対する歯列弓形態100の滑りを禁止または低減するために、それらの間に雄留め部106を固定することができる。壁218、220は接着剤の侵入を防止することができる。
【0217】
保持部208はC字形バネ256(例えば、バネ、板バネ、バネ係止ピン)を有し得る。C字形バネ256は雄留め部106を保持することができる。明確には、C字形バネ256は、雄留め部106がブラケット200のスロット202から取り外されるのを解除可能に防止するために、雄留め部106の摘まみ126を保持することができる。C字形バネ256は、荷重の下で歪む(例えば、曲がる)ことができ、荷重の取り除きにおいて、歪んでいない構成へと跳ね返ることができる。C字形バネ256は、それ自体へと圧縮することができ、内向きに歪む/曲がることができ、圧縮していない、歪んだ、および/または曲がった状態へと戻ることができる。C字形バネ256は近心-遠心方向に配向され得る。C字形バネ256の中心軸が近心-遠心方向に配向され得る。C字形バネ256は、雄留め部106がブラケット200のスロット202の中で保持されるときの雄留め部106の長手方向軸、および/またはブラケット200の長手方向軸に対して、垂直に配向され得る。C字形バネ256の一端が、保持部208のスロット258の中で保持でき、これは、固定的に保持されることを含み得る。C字形バネ256の他端(例えば、自由端)が、スロット258から外へ、保持部208の開放部252へと延び得る。凹所254が、力がC字形バネ256に加えられるときにC字形バネ256を歪むための空間を提供するために、開放部252の一部分で延びることができる。C字形バネ256の自由端は力の下で歪むことができ、これによって、C字形バネ256は、凹所254へと曲がることができる、および/または、加えられた力から離れる方向に曲がることができる。これは、雄留め部106をC字形バネ256の下で回転させることができる。力の取り除きにおいて、C字形バネ256は跳ねることができ、これは、歪んでいない状態へと戻って、雄留め部106(例えば、摘まみ126)を所定位置で保持することを含み得る。任意選択で、C字形バネ256の自由端は、雄留め部106(例えば、摘まみ126)に係合し、それに力を加えることができる。このC字形バネ装置は、バネの効果がその長さに依存しないようにできるため、狭いブラケットにとって有益であり得る。
【0218】
保持部208は溝212を有することができる。溝212は、C字形バネ256の少なくとも一部分へのアクセスを提供することができる。溝212は、工具がC字形バネ256に到達し、C字形バネ256に力を加えることを可能にする。溝212は、雄留め部106の摘まみ126を回転させてC字形バネ256に接触させることができる。溝212は、雄留め部106の溝112に対して反対方向に配向させることができる。
【0219】
ブラケット200は停止部204を有し得る。停止部204は、歯肉方向を含み得るある方向における雄留め部の移動を防止することができる。停止部204は、保持部208の反対にあるブラケット200の側に位置決めさせることができる。任意選択で、停止部204は、ブラケット200の歯肉側に位置決めさせることができる。停止部204は突き出し部206を有し得る。突き出し部206は、雄留め部106を受け入れることができるスロット202の一部分にわたって延びることができる。突き出し部206は、雄留め部106をブラケットのスロット202の中で保持することができる。
【0220】
停止部204は、図6Aに示されているように、凹所240を有し得る。凹所240は、雄留め部106の一部分が突き出し部206の下に位置決めされる間、雄留め部106を回転させることができる。停止部204は、図6Bに示されているように、雄留め部106の一部分を突き出し部206の下に都合よく位置決めさせることができる角度付き表面238を有し得る。停止部204は、任意選択で、それを通じて延びる孔264を有し得る。任意選択で、停止部204は孔264を備えない。
【0221】
ブラケット200は、ブラケットのスロット202の一部分(例えば、側面)を形成する面214を備え得る。ブラケットは、面214から延びる突起216(例えば、隆起)を備え得る。突起216は、雄留め部106がC字形バネ256の下で保持されるとき、雄留め部106をC字形バネ256の縁および突き出し部206に押し当てることができる。ブラケット200は、持ち上げられた面215を含み得る。持ち上げられた面215は、面214より、ブラケット200の後表面246から遠くに離れて位置決めされ得る。突起216は、持ち上げられた面215と面214との間に位置決めされ得る。通路260が、突起216の近心部分および遠心部分と、面214と、持ち上げられた面215と、を分離することができる。通路260は、ブラケット200の長手方向軸に沿って延び得る。通路260は、ブラケット200の近心側と遠心側との間に位置決めされ得る。
【0222】
歯列弓形態100は雄留め部106を有し得る。雄留め部106はアーム108、110を有し得る。アーム108、110は雄留め部106の反対にある側にあり得る。アーム108、110は雄留め部106の近心側および遠心側にあり得る。アーム108、110は、本明細書における他の所で記載されているように、力(例えば、荷重)の下で曲がる(例えば、歪む)ことができる。アーム108、110は、本明細書における他の所で記載されているように、力の加えられていないとき、歪んでいない構成へと戻ることができる。アーム108、110は空間120によって分離され得る。アーム108、110は空間120に向けて内向きに湾曲することができる。アーム108、110は空間120へと曲がることができる。
【0223】
歯列弓形態100は摘まみ126を有し得る。摘まみ126はC字形バネ256の下で保持され得る。摘まみ126は、工具と係合することができる溝112を有し得る。工具は、アーム108、110を歪ませる溝112に力を加えることができ、それによって、雄留め部106が、C字形バネの下で回転させることが、または、C字形バネの下から外へと回転させることができるように、雄留め部106の長さを縮小させる。溝112は、荷重を雄留め部106に加えるとき、工具が滑る可能性を低減することができる。
【0224】
設置の間、雄留め部106が面214および/または持ち上げられた面215に対して角度が付けられるように、摘まみ126と反対の雄留め部106の端は、スロット202へと、突き出し部206の下に位置決めさせることができる。摘まみ126はC字形バネ256と接触することができる。摘まみ126は溝212の中に少なくとも部分的にあり得る。工具は、溝212と溝112との間に、ならびに/または溝212および溝112の中に、位置決めされ得る。工具は、C字形バネ256に向けて押すことができ、および/または停止部204に向けて回転させることができ、C字形バネ256を歪ませ、アーム108、110を歪ませ、および/または、雄留め部106をC字形バネ256の下で回転させる。C字形バネ256の歪みの間、C字形バネ256は、凹所254へと、および、開放部252へと戻るように、曲がることができる。工具は取り外すことができる。C字形バネ256は、歪んでいない状態へと戻ることができる、および/または、図6Cに示されている境界面262において、保持力を雄留め部106に加えるために歪むことができる。明確には、自由端(例えば、C字形バネ256の縁)が、境界面262において雄留め部106に接触することができ、これは、保持力を雄留め部106に加えることを含み得る。雄留め部106は、突き出し部206およびC字形バネ256の下で保持され得る。突起216は、雄留め部106をC字形バネ256および突き出し部206に押し当てることができ、これは、歯列弓形態100(例えば、雄留め部106)とブラケット200との間の滑りを防止することができる。
【0225】
取り外しの間、工具は溝212とC字形バネ256との間に位置決めされ得る。工具は、停止部204から離れるように回転させることができ、C字形バネ256を歪ませ、アーム108、110を歪ませ、および/または、雄留め部106(例えば、摘まみ126)をC字形バネ256の下から外へ(例えば、C字形バネ256の自由端の下から外へ)回転させる。C字形バネ256は歪んでいない状態へと戻ることができる。雄留め部106は、スロット202から、および突き出し部206の下から取り外すことができる。雄留め部106の挿入および取り外しの間、力はC字形バネ256および工具300に集中させることができる一方で、ブラケット200の残りの部分は比較的小さい力を受けることになり得る。
【0226】
図7A図7Eは、摩擦のない機構を使用する歯列矯正ブラケットおよび歯列弓形態のシステムを示している。図7Aに示されているように、歯列矯正ブラケット200は、歯列弓形態100の雄留め部106を受け入れることができるスロット202を備え得る。スロット202の少なくとも一部分は、ブラケット200の面214によって定めることができる。スロット202の少なくとも一部分は、保持部208によって定めることができる。保持部208は、本明細書における他の所で記載されている突き出し部と同様の突き出し部210を有し得る。突き出し部210は、スロット202にわたって延びることができ、雄留め部106を保持するのを助けることができる。保持部208は、ブラケット200の歯肉側にあり得る。
【0227】
保持部208は、C字形バネ256(例えば、バネ、板バネ)を保持する開放部352を有し得る。開放部352は、C字形バネ256を曲げさせる(例えば、歪ませる)ために、楕円形であり得る。開放部352の周辺は、C字形バネ256が所望の範囲を越えて曲がるのを防止することができる。開放部352は、ブラケットの面214に対して垂直に配向され得る。保持部208は、C字形バネ256を開放部352の中で配向することができる案内部366(例えば、案内レール、突起、長手方向の突起、棒)を有することができる。案内部366は、C字形バネ256が捩じれること、ならびに/または他の方法で、C字形バネ256がブラケット200および/もしくは開放部352から不用意に取り外されること、を防止することができる。案内部366は、開放部352を通じて、および/または、開放部352の中で、延びることができる。案内部366は、ブラケット200の面214に対して垂直に配向され得る。C字形バネ256は、開放部352を通じて、案内部366にわたって位置決めされ得る。C字形バネ256の反対にある端は、案内部366の反対にある側に位置決めされ得る。C字形バネ256は、図7Dおよび図7Eに示されているように、スロット202の少なくとも一部分に露出され得る。雄留め部106は、スロット202へと挿入されるとき、C字形バネ256に接触してC字形バネ256を曲げることができる。C字形バネ256は力を雄留め部106に加えることができ、これは、雄留め部106をブラケット200のスロット202の中で保持することができる。C字形バネ256は、設置の間、雄留め部106の取っ手380から離して位置決めさせることができ、C字形バネ256が、プライヤ、エキスプローラ工具などの工具によって損傷させられる危険性を低減する。
【0228】
ブラケット200は停止部204、205を含み得る。停止部204、205は、それらの間の隙間368によって分離され得る。停止部204、205は、図7B図7D、および図7Eに示されているように、雄留め部106の楔382、383(例えば、指部)を受け入れる切り欠き374、375(例えば、凹所、空所、空間)を有し得る。切り欠き374、375と楔382、383とは、歯列弓形態100(例えば、雄留め部106)とブラケット200との間の滑りを防止するために(例えば、側方移動を低減するために)、協働することができる。停止部204、205は、図7Dに示されているように、雄留め部106をブラケット200のスロット202へとある角度で挿入させることができる角度付き表面384を有し得る。
【0229】
隙間368は、雄留め部106の取っ手380(例えば、摘まみ、舌部)を受け入れることができる。停止部204、205の間に位置決めされる取っ手380は、歯列弓形態100(例えば、雄留め部106)とブラケットとの間の滑りを防止することができる。持ち上げられた表面372が、停止部204、205間で隙間368に延び得る。持ち上げられた表面372は、取っ手380を、ブラケット200の面214から離して支持することができる。
【0230】
開口370が停止部204、205の間に位置決めされ得る。開口370は、ブラケットの中の雄留め部106の設置および取り外しの間、工具の少なくとも一部分を受け入れるような大きさおよび形とされ得る。開口370は、持ち上げられた表面372および/または面214の少なくとも一部分を通じて延びることができる。
【0231】
ブラケット200は、本明細書に記載されている他の突起216と同様である突起216を有し得る。突起216はブラケット200の面214から延び得る。突起は、ブラケット200の近心側および遠心側またはその近接から延びることができる。突起216は、雄留め部106を、ブラケット200の中に位置決めされるとき、突き出し部210および切り欠き374、375に押し当てることができる。
【0232】
ブラケット200は、雄留め部106をブラケット200の中に挿入することを容易にする傾斜表面376を有し得る。傾斜表面376は保持部208の反対にある側に位置決めされ得る。図7Dに示されているように、傾斜表面376は、雄留め部106が、ブラケット200の中にしっかりと保持される前、または、ブラケット200から取り外される前、ブラケット200のスロット202の中にある角度で位置決めさせられることを容易にすることができる。同様に、保持部208および/または突き出し部210は、雄留め部106が、ブラケット200の中にしっかりと保持される前、または、ブラケット200から取り外される前、ブラケット200のスロットの中にある角度で位置決めさせられることを容易にすることができる角度付き表面238を有し得る。
【0233】
歯列弓形態100は、図7Bに示されているように、雄留め部106を有し得る。雄留め部106は、ブラケット200(例えば、スロット202)へ挿入させることができ、ブラケット200(例えば、スロット202)によって保持させることができる。雄留め部106は取っ手380(例えば、摘まみ)を有し得る。取っ手380は、雄留め部106をブラケット200へと挿入するために、プライヤなどで歯列弓形態100を握らせることを可能にすることができる。取っ手380はプライヤの握り位置を提供することができる。取っ手380は、任意選択で、損傷させられた場合に歯列弓形態100が意図されているように性能を発揮するように、追加的な強度を歯列弓形態100に加えないように構成されている。したがって、任意選択で、取っ手380を傷つけるかまたは損傷させることは、歯列弓形態100の性能または疲労寿命に影響を与えない。これは、切り欠きに敏感であり得るニッケルチタンから作られた歯列弓形態100で特に有利である。取っ手380は孔378を備え得る。孔378は、雄留め部106を位置決めするために、工具(例えば、エキスプローラ、エキスプローラ工具)の少なくとも一部分を受け入れることができる。
【0234】
雄留め部106は楔382、383(例えば、指部)を備え得る。楔382、383は、楔382、383の少なくとも一部分を定める縁286を作り出すために、雄留め部106をレーザー切断および/またはウォータージェット切断することによって形成できる。図7Dに示されているように、雄留め部106は、面214および/または後表面246に対してある角度390で挿入でき、この角度390は、挿入/取り外し迎え角と称することができる。縁286を伴う楔382、383は挿入/取り外し迎え角を小さくすることができ、これは、ブラケット200の中への雄留め部106の挿入の容易性を向上することができる。楔382、383は、停止部204、205の切り欠き282、283の中に位置決めすることができる。
【0235】
挿入の間、雄留め部106はブラケット200のスロット202へとある角度390で挿入させることができる。傾斜表面376、角度付き表面384、楔382、383の縁286、および/または角度付き表面238は、ブラケット200のスロット202への雄留め部106の挿入を楽にすることができる(例えば、挿入角度390を小さくする)。力を雄留め部106に加えることができ、これは、C字形バネ256が圧縮されるように、取っ手380と相互作用する工具によってであり得る。雄留め部106は、面214と平行になるように、面214に向けて回転させることができる。雄留め部106に加えられた力は取り除くことができ、図7Eに示されているように、C字形バネ256に楔382、383を切り欠き374、375へと押させる。突起216は、雄留め部106を突き出し部210へと押すことができる、および/または、楔382、383を切り欠き374、375のそれぞれの表面に押し当てることができる。図7Bに示されているように、雄留め部106に近接する歯列弓形態100の一部分は、歯列弓形態100(例えば、雄留め部106)とブラケット200との間の側方移動を低減および/または防止するために、ブラケット200の側面(例えば、近心側および遠心側)と相互作用することができる。
【0236】
取り外しの間、工具は取っ手380の孔378へと挿入させることができる。任意選択で、工具は、取っ手380の孔378を通じて、孔370へと少なくとも部分的に挿入させることができる。工具は、保持部208の方向に傾ける(例えば、回転させる)ことができ、これはC字形バネ256を圧縮させ、楔382、383を切り欠き374、375から取り外し、取っ手380を伴う雄留め部106の側面をブラケット200のスロット202から外へ回転させることができる。そのため、雄留め部106は、ある角度においてブラケット200から取り外すことができる。
【0237】
図7Fおよび図7Gに示されているように、同様の保持機構が、図7Fに示されているような大臼歯ブラケット、および、図7Gに示されているような下顎前ブラケットのために使用できる。任意選択で、図7Gに示されている下顎前ブラケットは、歯の大きさのため、図7Fに示されている大臼歯ブラケットと比較して、いくつかの違いを有し得る。図7Gに示されているように、ブラケット200は停止部204を備え得る。停止部204は、本明細書における他の所で記載されているような切り欠きおよび/または突き出し部を備え得る。切り欠きおよび/または突き出し部は雄留め部106の楔382、383を受け入れることができる。
【0238】
ブラケット200は保持部208を備え得る。保持部208は突き出し部210を有することができる。保持部208は、C字形バネ256を収容する開放部352を有し得る。C字形バネ256の一端は、C字形バネ256の不用意な取り外れを防止するのを助けるために、フランジ367に結合させることができ、これは固定されることを含み得る。C字形バネ256の他端は自由とでき、C字形バネ256は、力の加わる下で曲がることができ、力の加わっていないときに曲がっていない構成へと戻ることができる。C字形バネ256の少なくとも一部分は、スロット202へと挿入された雄留め部106がC字形バネ256を圧縮することができるように、ブラケット200のスロット202を介してアクセス可能であり得る。
【0239】
歯列弓形態100は雄留め部106を有し得る。雄留め部106は取っ手288を有し得る。取っ手288は、歯列弓形態100の性能に悪影響を与えることなく歯列弓形態100を操作するために、プライヤなどの工具によって握られ得る。
【0240】
雄留め部106は、溝112によって分離され得る楔382、383を備え得る。溝112は、雄留め部106がC字形バネ256を圧縮し、雄留め部106の挿入および/または取り外しの間に楔382、383を停止部204の周りで巧みに動かすことができるように、溝112に力を加えることができる工具を受け入れることができる。雄留め部106は、本明細書における他の所で記載されている技術と同様の技術を用いて、ブラケット200に挿入させることができる、およびブラケット200から取り外すことができる。
【0241】
図8A図8Dは、摩擦のない機構を使用する歯列矯正ブラケットおよび歯列弓形態のシステムを示している。図8Aに示されているように、歯列弓形態100は雄留め部106を有し得る。雄留め部106は案内通路802(例えば、凹所、通路)を備え得る。案内通路802はブラケット200の摘まみ804を案内することができる。案内通路802は、保持表面806(例えば、表面)と係合するために、案内通路802の表面の周りで曲げるように摘まみ804を案内することができる。摘まみ804は、金属薄板などの様々な材料から作ることができる。摘まみ804は、雄留め部106をブラケット200のスロットの中で保持することができる。ブラケット200は、摘まみ804を保持表面806から歪めて雄留め部106をブラケットから結合解除するために工具を受け入れることができる工具受入通路808を備え得る。
【0242】
ブラケット200は壁218、220を有し得る。壁218、220は、雄留め部106をブラケット200の中で位置合わせすることができる。壁218、220は、歯列弓形態100とブラケット200との間の滑り(例えば、スロップ)を防止することができる。壁218、220は、ブラケット200の遠心側および近心側に位置決めさせることができる。壁218、220は、雄留め部106が方向816において移動するときに雄留め部106をブラケット200のスロット202へと案内するために、通路820を定めることができる。
【0243】
ブラケット200は停止部204を有し得る。停止部204は、ブラケット200の歯肉側の端を含み得るブラケット200の端に配置させることができる。停止部204は突き出し部206を有し得る。突き出し部206は、雄留め部106をスロット202の中で保持するように構成され得る。停止部204は、雄留め部106をスロット202の中で回転させることを可能とするために、凹所810を備え得る。突き出し部206は、雄留め部106をスロット202の中で回転させることを可能とするのを助けることができる面取り238を有し得る。突き出し部206は、突起812と同様である楔812(例えば、角度付き表面、先細り表面、突起)を有し得る。楔812は、突き出し部206から面214の方向に延びることができる。楔812は、雄留め部106を面214へ押し、歯列弓形態100(例えば、雄留め部106)とブラケット200との間の滑り(例えば、スロップ)を防止および/または低減することができる。
【0244】
ブラケット200は面214を有し得る。面214は、図8Dに示されているように、工具を受け入れることができる工具受入凹所822(例えば、凹所)を有することができ、工具は、摘まみ804を保持表面806から歪ませるために、工具受入通路808を通じて移動させられる。摘まみ804が保持表面806から取り外されると、雄留め部106はスロット202から取り外すことができる。
【0245】
設置の間、雄留め部106は、壁218、220の間でブラケット200の面214に(例えば、面214と平行に)位置決めされる。雄留め部106は方向816に移動させられる。雄留め部106が方向816に移動するとき、案内通路802はブラケット202の摘まみ804を案内する。任意選択で、雄留め部106は、摘まみ804が案内通路802の中に位置決めできるまで、面214に対して角度が付けられる。案内通路802は、保持表面806と係合し、雄留め部106をスロット202の中で保持するために、案内通路802の表面の周りで曲げるように摘まみ804を案内することができる。楔812は、雄留め部106を表面214へと押すことができる。
【0246】
取り外しの間、工具(例えば、エキスプローラ工具)が工具受入凹所822および/または工具受入通路808の中に位置決めされる。工具は、工具受入通路808を通じて摘まみ804に向けて移動させられる。工具は、雄留め部106がスロット202から取り外すことができるように、摘まみ804を保持表面806から歪める。工具は、雄留め部106をブラケット200および/またはスロット202から取り外すために、工具受入通路808の周辺に係合することができ、同時に含むことができる。
【0247】
任意選択で、摘まみ804は、2つ以上の係合段階(例えば、雄留め部106がスロット202に挿入される深さを臨床医が選択することができるように、保持表面806および/または雄留め部106の他の表面と係合することができる2つ以上の特徴など)を有し得る。柔軟な係止機構804(例えば、摘まみ)は、2つ以上の係合段階を有し得る。例えば、重度の不正咬合の歯のために、臨床医は歯列弓形態を部分的にスロット202に係合させたい可能性がある。これは、歯列弓形態100を転位歯により容易に連結させることができる歯列弓形態100の最大の咬交および柔軟性を可能にすることになる。歯が咬み合わさるとき、臨床医は、歯列弓形態100の完全な表現を得るために、歯列弓形態100をさらにスロット202へと押して係止することができる。スロット202は、雄留め部106がスロット202へと滑り込まされるとき、雄留め部106と接触する1つ以上の先細る側面を有することができる。これは、歯列弓形態100(例えば、雄留め部106)とブラケット200との間の遊びを排除することができ、向上した歯の制御を提供することができる。
【0248】
任意選択で、記載されているブラケットは、患者の歯の舌側または唇側に位置決めされる。
【0249】
任意選択で、本明細書で記載されているブラケットと非滑り歯列弓形態とは、患者の歯の並進移動をもたらすために協働することができる。任意選択で、同じ係止機構が、大臼歯および下顎前歯のために使用され得る。任意選択で、歯列弓形態の輪郭は、不正咬合治療の初期の段階の間に患者の歯を水平にして位置合わせするのに十分な柔軟性および伸張性を有し得る。任意選択で、本明細書で開示されているブラケットと歯列弓形態とは、例えば歯列弓形態を隣接するブラケットから取り外すとき、ブラケットと歯列弓形態との間の不用意な結合の危険性を低減するように設計され得る。任意選択で、ブラケットと歯列弓形態とは、歯列弓形態とブラケットとの間の滑り(例えば、スロップ)の量を低減する。任意選択で、歯列弓形態は、歯列弓形態を巧みに動かすために使用できる取っ手、摘まみなどの特徴を備え、歯列弓形態の変形および/または損傷を低減する。任意選択で、ブラケットは、不用意な接合解除の可能性を低減するのに十分なせん断強度および引張強度で患者の歯に接合される。任意選択で、ブラケットは、患者の歯のエナメル質を損傷することなく、リンガルディボンディングプライヤまたはディボンディングプライヤを用いて歯から接合解除させることができる。任意選択で、ニッケルチタン、ステンレス鋼、チタン-モリブデン合金、形状記憶合金、超弾性金属、および/または他の適切な合金から作られた歯列弓形態が使用され得る。任意選択で、ブラケットは、ブラケットへの接着剤の侵入を低減することができる。任意選択で、同じ係止機構がすべての歯のために使用され得る。任意選択で、ブラケットの表面(例えば、舌側の表面)および/または他の表面は丸められ、これは、0.050~0.010インチ、0.010~0.015インチ、0.015~0.020インチ、0.020~0.025インチ、および/または0.025インチ超より大きい半径を含み得る。任意選択で、ブラケットは、患者が歯磨きをするとき、不用意に開かない。任意選択で、結び目羽根が、本明細書で開示されている係止機構に加えて使用できる。任意選択で、歯列弓形態の歯間ループは、歯列弓形態の設置の間に患者の歯肉線に突き刺さらない。
【0250】
任意選択で、歯列弓形態は、歯列弓形態をそのデフォルト位置から離すように歪め、歯に接合される歯列矯正ブラケットの中のスナップ留めの位置へと挿入することで、有効にされ得る。この弾性的な歪みが行われるとき、歯列弓形態は、歯列弓形態を設計された構成へと戻す方向に反力を発揮することができ、それによって、力を歯に伝え、歯列矯正歯の移動をもたらす。
【0251】
この歯列弓形態の有効化は、三次元空間におけるあらゆる歯の移動を完全に制御することができる。
【0252】
近心-遠心の歯の移動について、隣接する歯間に空間がある場合、アーチワイヤを歯列矯正ブラケットにスナップ留めすることで、歯間構造を1つ以上の方向に変形させることができ、これは歯列弓形態を有効にさせることができ、近心-遠心方向において空間が閉じることをもたらす。一方で、隣接する歯間に重なりがある場合、歯列弓形態が歯列矯正ブラケットにスナップ留めすることで、歯間構造を異なる方向に変形させることができ、これはアーチワイヤも有効にさせることができ、このとき近心-遠心方向において空間が開くことをもたらす。
【0253】
咬合-歯肉の歯の移動について、隣接する歯同士が同じ高さにない場合、歯列弓形態が歯列矯正ブラケットにスナップ留めすることで、アーチワイヤコネクタと歯間構造とを連結することを傾斜した様態で歪めさせることができ、これは歯列弓形態を有効にさせ、咬合-歯肉方向における歯の矯正をもたらす。
【0254】
顔-舌の歯の移動について、歯列弓形態が歯列矯正ブラケットにスナップ留めすることで、ワイヤをその元の位置から離すように押すことができ、これは歯列弓形態を有効にさせ、顔-舌方向における歯の矯正をもたらす。
【0255】
検討されてきた歯列弓形態および歯列矯正ブラケットの様々な構成が、本明細書に記載されているような1つ以上の利点を提供することができる。
【0256】
エッジワイズ装置の長方形の大きさと比較されるとき、鉛直方向の雄コネクタが、歯列矯正ブラケットへの結合力のためにより長いアームを提供し得るため、上近心-遠心アンギュレーションおよび顔-舌傾斜の歯列矯正の制御があり得る。さらに、いくつかの雄コネクタの2つの平行な側方の棒の広がりが、任意の軸方向の回転を取り扱うとき、それらの棒を偶力を提供する点において対の歯列矯正ブラケットのように機能させることができる。
【0257】
歯間構造は作業者に歯列弓形態の剛性を調整させることができ、これは、多様な場合において使用される同じ歯列弓形態の断面構成について多用途性を提供することができる。
【0258】
歯間構造は、歯列矯正治療を受ける間に患者が容易にデンタルフロスで掃除できるように設計され得る。
【0259】
歯間構造は、特定の種類の形(ループ、および複雑な3Dの形を含む)を有するように設計され得る。これらの形は、弾性ゴムバンドを保持するように設計され得る。
【0260】
歯列弓形態は、歯を移動させるように有効化できるように設計され得る。この種類の有効化は、歯を移動するために動力チェーンおよびコイルバネなどの外部からの力の使用を必要としないことができるため、自己有効化および自己制限的であり得る。この種類の有効化は、歯列弓形態が歯列弓形態をその元の形へと戻す力を発揮するだけであり、頻繁な診察の必要性を排除し得るため、自己制限的でもあり得る。
【0261】
この手法は、歯列矯正ブラケットに対する歯列弓形態の滑りを可能にしないこともでき、したがって、歯の移動をはるかにより予測可能なものにする。
【0262】
図9Aおよび図9Bはブラケット組立体201(例えば、2つの部品のブラケット組立体)を示している。図9Aに示されているように、ブラケット組立体201は、歯列矯正ブラケット200を受け入れることができるパッド(受入パッド、受入基部、基部)500を備えることができ、歯列矯正ブラケット200は、歯の移動を容易にするために歯列弓形態の雄留め部に結合させることができる。パッド500は、患者の歯に(例えば、患者の歯の舌側または唇側において)接合させることができ、ブラケット200を受け入れることができる。パッド500は、歯の大きさおよび/または所望の制御に依存して、様々な歯への取り付けのために変更することができる。例えば、より幅広なパッド500が、ブラケット200の幅を増加させることなく歯の回転制御を向上させるために使用できる。これは、ブラケット200を、ブラケット200を変更することなく異なる歯の間でより広く使用させることができる。任意選択で、パッド500は変更させることができるか、または、同じ様式のブラケット200(例えば、共通のブラケット)を異なる歯の間でより広く使用させることができるように、異なるパッド500が使用され得る。これは、治療計画に必要とされる様々なブラケットの数を低減することができ、これはコストおよび/または複雑性を低下させることができる。パッド500の形および/または輪郭は、パッド500がブラケット200と別体であるため、経済的に変化させることができる。任意選択で、ブラケット200とパッド500とは一緒に形成され得る。
【0263】
パッド500は、射出成形、鋳造、機械加工、付加製造など、様々な技術を介して製造できる。いくつかの例では、金属射出成形が好ましいとされ得る。パッド500は、ブラケット200を受け入れるために、ポケット(開放部、空所、窪み、孔、受入空間)502を含み得る。ポケット502の周辺の一部分が、ブラケット200をパッド500に溶接(例えば、レーザー溶接)するために使用できる溶加材504を備え得る。溶加材504は、ポケット502の周辺の側面(例えば、近心側および遠心側)がブラケット200の側面(例えば、近心側および遠心側)に溶接(例えば、レーザー溶接)できるように、ポケット502の周辺の側面(例えば、近心側および遠心側)に配置され得る。任意選択で、パッド500とブラケット200とは、レーザー溶接の前に一体的に仮溶接され得る。
【0264】
パッド500は、パッド500と患者の歯との間の向上した接合を容易にするために、アンダーカット(切り込み、隙間、テクスチャ表面、空所、スロット)506を含み得る。アンダーカット506はパッド500に型成形され得る。任意選択で、アンダーカット506はパッド500に機械加工され得る。アンダーカット506は、ポケット502の反対にあるパッド500の側面に配置され得る。アンダーカット506はパッド500の幅で延びることができる。アンダーカット506はパッド500の近心側と遠心側との間で延び得る。ブラケット200と別体であるパッド500は、それに都合よく型成形されたアンダーカット506を有し得る。
【0265】
パッド500は、本明細書における他の所で記載されている傾斜表面376と同様の傾斜表面508、509を有することができ、傾斜表面508、509は、雄留め部106をブラケット200の中へ挿入することを容易にすることができる。傾斜表面508、509は保持部208の反対にある側に位置決めされ得る。傾斜表面376は、雄留め部106が、可能性としてブラケット200の面214と平行に、ブラケット200の中にしっかりと保持される前、または、ブラケット200から取り外される前、ブラケット200のスロット202の中にある角度で位置決めさせられることを容易にすることができる。
【0266】
先に記載されているように、ブラケット200は、使用中にパッド500のポケット502の中に配置され得る。任意選択で、ブラケット200は、パッド500から独立して使用でき、患者の歯に接合させることができる。ブラケット200は、射出成形、鋳造、機械加工、付加製造など、様々な技術を介して製造できる。いくつかの例では、金属射出成形が好ましいとされ得る。
【0267】
ブラケット200は、非滑り機構を利用して患者の歯を移動させるために、歯列弓形態100と共に使用され得る。歯列矯正ブラケット200は、歯列弓形態の雄留め部を受け入れることができるスロット202を備え得る。スロット202の少なくとも一部分は、ブラケット200の面214によって定めることができる。スロット202の少なくとも一部分は、保持部208によって定めることができる。保持部208は、本明細書における他の所で記載されている突き出し部と同様の突き出し部210を有し得る。突き出し部210は、ブラケット200の面214にわたって延びる湾曲部分211を備え得る。湾曲部分211は、雄留め部106をブラケット200の中で保持するのを助けることができる。
【0268】
突き出し部210は、スロット202にわたって延びることができ、雄留め部を保持するのを助けることができる。保持部208は、ブラケット200の歯肉側にあり得る。任意選択で、保持部208は、ブラケット200の咬合側に配置させることができる。保持部208および/または突き出し部210は、雄留め部が、ブラケット200の中にしっかりと保持される前、または、ブラケット200から取り外される前、ブラケット200のスロット202の中にある角度で位置決めさせられることを容易にすることができる角度付き表面238を備え得る。同様に、保持部208は、本明細書における他の所で詳述されているように、凹所240(例えば、アンダーカット)を有することができる。凹所240は、本明細書における他の所で詳述されているように、保持部208によって禁止されることなく、雄留め部が、ブラケット200のスロット202から外へと、またはスロット202の中へと回転することを、可能にすることができる(例えば、容易にすることができる)。
【0269】
保持部208は、C字形バネ256(例えば、バネ、板バネ)を備えることができる。本明細書における他の所で記載されているように、C字形バネ256は、雄留め部をブラケット200の中でしっかりと保持するのを助けることができる。保持部208は、C字形バネ256を保持する開放部352を有し得る。開放部352は、C字形バネ256を曲げさせる(例えば、歪ませる)ために、楕円形であり得る。開放部352の周辺は、C字形バネ256が所望の範囲を越えて曲がるのを防止することができる。開放部352は、ブラケット200の面214に対して垂直に配向され得る。C字形バネ256は、ブラケット200の面214に対して垂直に配向され得る。C字形バネ256は、保持部208とブラケット200の面214との間で延び得る、および/または、保持部208とブラケット200の面214とを部分的に通じて延び得る。
【0270】
C字形バネ256は、スロット202の少なくとも一部分に露出され得る。雄留め部106は、スロット202へと挿入されるとき、C字形バネ256に接触してC字形バネ256を曲げることができる。C字形バネ256は力を雄留め部106に加えて雄留め部106を停止部204、205へと押すことができ、これは、雄留め部106をブラケット200のスロット202の中で保持することができる。C字形バネ256は、設置の間、雄留め部106の取っ手380から離して位置決めさせることができ、C字形バネ256が、プライヤ、エキスプローラ工具などの工具によって損傷させられる危険性を低減する。C字形バネ256は突起216を通じて延びることができる。任意選択で、突起216はC字形バネ256からずれ得る。
【0271】
ブラケット200は停止部204、205を含み得る。停止部204、205は、それらの間の隙間368によって分離され得る。停止部204、205は、雄留め部106の楔382、383(例えば、指部)を受け入れる切り欠き374、375(例えば、凹所、空所、空間)を有し得る。切り欠き374、375と楔382、383とは、歯列弓形態100(例えば、雄留め部106)とブラケット200との間の滑りを防止するために(例えば、側方移動を低減するために)、協働することができる。停止部204、205は、斜面(例えば、傾斜表面、角度付き表面、斜面)392、393を備え得る。斜面392、393は、面214から切り欠き374、375へと延びることができる。斜面392、393は、楔382、383と相互作用するために角度が付けられ得る。停止部204、205は、ブラケット200の側面(例えば、長手方向側、近心側、および遠心側)に近接して位置決めさせることができる。停止部204、205は、保持部208に対してブラケット200の反対にある側に配置され得る。
【0272】
隙間368は、雄留め部106の取っ手380(例えば、摘まみ)を受け入れることができる。停止部204、205の間に位置決めされる取っ手380は、歯列弓形態100(例えば、雄留め部106)とブラケットとの間の滑りを防止するのを助けることができる。
【0273】
ブラケット200は、本明細書に記載されている他の突起216と同様である突起216を有し得る。突起216はブラケット200の面214から延び得る。突起216は、ブラケット200の長手方向の側面間(例えば、近心側と遠心側との間)で延びることができる。突起216は、雄留め部106を、しっかりとした保持のためにブラケット200のスロット202の中に位置決めされるとき、突き出し部210および/または切り欠き374、375に押し当てることができる。
【0274】
図10Aは、パッド500およびブラケット200を伴うブラケット組立体201を示している。図10Aに示されているブラケット組立体201、パッド500、および/またはブラケット200は、図9Aおよび図9Bに示されているブラケット組立体201、パッド500、および/またはブラケット200と同じまたは同様の特徴を備え得る。任意選択で、図9Aおよび図9Bに示されているブラケット200は、患者の下顎前歯のために使用され得るが、図10Aに示されているブラケット200は、患者のすべての他の歯(例えば、大臼歯など)のために使用され得る。図10Aに示されているブラケット200は、患者の歯のほとんどで使用できるため、共通ブラケットと称することができる。
【0275】
図10Aに示されているブラケット200は、開口(孔、空所、開放部)394を備え得る。開口394は、パッド500の突起(円柱、突起、柱、ピン)510を受け入れることができる。突起510は開口394を通じて挿入され得る。本明細書における他の所で記載されているように、ブラケット200は、結合の間のレーザー溶接の前に、パッド500に仮溶接させることができる。しかしながら、図10Aに示されているように、突起510は、レーザー溶接の前に仮溶接の工程を除くために、開口394へと挿入され、ブラケット200にレーザー溶接させることができる。開口394の中に位置決めされるときに突起510をブラケット200にレーザー溶接することで、ブラケット200の長手方向の側面のうちの1つ(例えば、近心側または遠心側)がレーザー溶接されるとき、ブラケット200がポケット502の外へ持ち上がるのを防止することができる。
【0276】
図10Aに示されているブラケット200は、患者のほとんどの歯に使用されるに十分な狭さであり得るが、大臼歯のための効果的な回転制御にとって十分な広さがない可能性がある(例えば、長手方向の側面間の不十分な距離、近心側と遠心側との間の不十分な距離)。したがって、パッド500は、ブラケット200を広くさせる必要なく、大臼歯に効果的な回転制御を提供する幅を有し得る。図10Aに示されているパッド500は、図9Aおよび図9Bに示されているパッド500と比較して、向上した回転制御のためにより広くできる。
【0277】
図10Aに示されているパッド500は、狭いブラケット200をなおも使用する一方で回転制御を向上させるために、ブラケット200と同様の特徴を含み得る(例えば、ブラケットの特徴を引き継ぎ得る)。例えば、パッド500は、ブラケット200の突起216と同様であり得る突起(隆起)514、515を備えることができる。突起514、515は、ブラケット200の反対にある側に分配され得る。突起514、515は、ブラケット200の突起216の反対にある側に分配され得る。突起514、515は、ブラケット200の突起216と位置合わせされ得る。突起514、515は、非滑り機構を容易にするために、歯列弓形態100の雄留め部106をブラケット200の中で保持するのを助けることができる。突起514、515は、ブラケット200の突起216と同様に、歯列弓形態100の雄留め部106を突き出し部210および/または停止部204、205に押し当てることができる。任意選択で、突起514、515は、実際上は突起216の延在部であり得る。
【0278】
図10Aに示されているパッド500は、斜面392、393と同様であり得る傾斜表面(角度付き表面、斜面)512、513を備え得る。傾斜表面512、513は、ブラケット200の反対にある側に分配され得る。傾斜表面512は斜面392に近接して位置決めされ得る。傾斜表面513は斜面393に近接して位置決めされ得る。傾斜表面512、513は雄留め部106の楔382、383と相互作用することができる。傾斜表面512、513は、歯列弓形態100(例えば、雄留め部106)とブラケット200との間の滑りを防止するために(例えば、側方移動を低減するために)、および/または、歯の回転移動を制御するために、楔382、383と相互作用することができる。任意選択で、傾斜表面512、513は、中立位置において楔382、383からずれることができるが、回転移動に伴って楔382、383と接触することができる。任意選択で、傾斜表面512、513は、実際上は斜面392、393の延在部であり得る。
【0279】
図10Bおよび図10Cは、ブラケット200のスロット202の中に位置決めされた歯列弓形態100の雄留め部106を示している。雄留め部106は取っ手380を備えることができ、取っ手380は、雄留め部106を操作するために掴むことができる。取っ手380は、停止部204、205の間の隙間368に位置決めされ得る。取っ手380はフランジ(摘まみ)396を備え得る。フランジ396は、雄留め部106および/または取っ手380の端に位置決めされ得る。フランジ396は取っ手380の反対にある側に位置決めされ得る。フランジ396は、図示されているように、2つのフランジを備え得る。
【0280】
本明細書における他の所で記載されているように、雄留め部106は、ある角度でブラケット200のスロット202へと挿入させることができ、これは、突き出し部210の角度付き表面238および/または傾斜表面508、509によって容易にされ得る。雄留め部106はC字形バネ256に押し付けることができ、これはC字形バネ256を歪ませることができ、雄留め部106はブラケット200の面214に向けて回転させることができる。任意選択で、雄留め部106は、図10Bに示されているように、C字形バネ256と相互作用することができる凹所402(例えば、湾曲した凹所、溝)を備え得る。凹所402は取っ手380の反対に位置決めされ得る。
【0281】
雄留め部106がブラケット200の面214と実質的に平行であれば、雄留め部106はC字形バネ256によって停止部204、205に押し当てることができる。楔282、283は、切り欠き374、375の中に位置決めさせることができる、および/または、斜面392、393と接触させることができる。本明細書における他の所で記載されているような突起216が、雄留め部106を突き出し部210および/または停止部204、205に押し当てることができる。突起514、515が、雄留め部106を突き出し部210および/または停止部204、205に押し当てることができる。斜面392、393は楔282、283と接触することができ、これは楔282、283を停止部204、205に押し当てることを含み得る。雄留め部106がC字形バネ256によって停止部204、205に向けて押されるため、斜面392、393は楔282、283を切り欠き374、375へと押すことができる。任意選択で、パッド500の傾斜表面512、513は楔382、383と相互作用することができる。任意選択で、傾斜表面512、513は、中立位置において楔382、383からずれることができるが、回転移動において相互作用することができる。
【0282】
図10Cに示されているように、パッド500の特徴は、ブラケット200の実際の幅と比較して、ブラケット200の有効ブラケット幅を拡大することができる。傾斜表面512、513および/または突起514、515は、ブラケット200の有効ブラケット幅を増加させることができ、これは、増加した回転制御を提供することを含み得る。
【0283】
別体のパッド500およびブラケット200を伴うブラケット組立体201は、本明細書における他の所で記載されているように、患者を治療するために必要とされるブラケットの種類を少なくすることができる。任意選択で、1つのブラケット設計は下顎前歯のために使用できる一方、他のブラケット設計は大臼歯およびすべての他の歯のために使用できる。金属射出成形(MIM)技術で製造するとき、これは、必要とされるブラケット鋳型の品質を排除することで鋳型コストを低減することができる。これは、ブラケット200のより広い使用の適用性のため、より大量の製造運転をもたらすことができ、これによってコストを低減することができる。ブラケット組立体201は、ブラケット200の幅を増加させることなく(任意の所与の歯における)歯の回転制御を向上させることができる。
【0284】
図11Aはブラケット組立体201(例えば、2つの部品のブラケット組立体)を示している。ブラケット組立体201は、歯列矯正ブラケット200が結合されているパッド500を備え得る。歯列矯正ブラケット200は、歯の移動を容易にするために歯列弓形態の雄留め部106を受け入れることができる。図示されているように、雄留め部106は、停止部204、205および保持部208(例えば、突き出し部210)を介してブラケット200によってしっかりと保持される。
【0285】
本明細書における他の所で記載されているように、取っ手380は、ハンマーヘッドの形態の形を形成するとして表すことができるフランジ396を備え得る。取っ手380は、ブラケット200と雄留め部106との間の相対移動を防止するのを助けるために、停止部204、205の間に配置され得る。取っ手380は、雄留め部106をブラケット200から取り外すために、および/または、雄留め部106をブラケット200に配置するために、使用され得る。いくつかの変形において、取っ手380は、咬合方向においてブラケット200から延びることができる。いくつかの変形において、取っ手380は、歯肉方向においてブラケット200から延びることができる。いくつかの変形において、等しい反対の力を使用する開放/閉鎖工具が、歯列弓形態100の雄留め部106を配置および/または取り外しするために使用できる。いくつかの変形において、止血鉗子または鉗子の種類の工具が、歯列弓形態100の雄留め部106を配置および/または取り外しするために使用できる。
【0286】
例えば、雄留め部106を取り外すために、鉗子の一方の側が表面532(例えば、咬合側、表面)において取っ手380を握ることができ、鉗子の他方が表面354(例えば、歯肉側または歯肉側表面)において保持部208を握ることができる。作業者は、図11Bに示されているように、雄留め部106をC字形バネ256(例えば、楕円バネ)に押し当てるために鉗子を合わせるように絞り、これは、C字形バネ256が圧縮されるため、雄留め部106(例えば、取っ手380の反対にある側に配置される咬合側の縁)をブラケット200の停止部204、205の下から外に移動させることができる。鉗子は、雄留め部106がブラケット200から結合解除されるように雄留め部106を回転させるために、停止部204、205から離すように回転させることができる。
【0287】
ブラケット200および/または雄留め部106は、C字形バネ256(例えば、楕円バネ)の行き過ぎた進行(例えば、過剰な歪み)を防止するための特徴を含み得る。本明細書における他の所で記載されているように、ブラケット200は案内部366(例えば、案内レール、突起、長手方向の突起、棒)を備えることができる。案内部366は、開放部352の中でのC字形バネ256の位置を維持することができる、および/または、C字形バネ256が過剰に歪まされるのを防止することができる(例えば、弾性限界を超えて歪まされるのを防止することができる)。例えば、C字形バネ256は、いくつかの変形において、案内部366に接触するまで歪まされ得る。いくつかの変形において、開放部352の周辺は、行き過ぎた進行から保護するために、C字形バネ256の歪みを制限することができる。本明細書における他の所で記載されているように、開放部352は、保持部208に、および/または、保持部208と反対のブラケット200の一部分に、配置させることができる。いくつかの変形において、雄留め部106の表面130は、圧縮の間にC字形バネ256の行き過ぎた進行を防止するのを助けるために、ブラケット200(例えば、保持部208)の表面520と係合することができる。例えば、雄留め部106の表面130は、収縮するまでブラケット200の表面520に向けて変位でき、これは、C字形バネ256のさらなる歪みを防止することができる(例えば、楕円バネ256の行き過ぎた進行を防止することができる)。先に詳述されている特徴のうちの1つ以上は、作業者が鉗子を過剰に絞り得るときであっても、楕円バネ256が、行き過ぎた進行となること、または、楕円バネ256の弾性限界を超えて圧縮されることを防止することができる。
【0288】
設置のために、取っ手380と反対の雄留め部106の一部分は、雄留め部106がブラケット200に対して角度付けされるように、C字形バネ256に接触するために、および/または、C字形バネ256に近接して位置決めさせるために、ブラケット200の保持部208の突き出し部210の下に配置させることができる。いくつかの変形において、雄留め部106の凹所402はC字形バネ256と接触することができる。いくつかの変形において、作業者は、先に記載されているように、雄留め部106を位置決めするために雄留め部106の取っ手380を掴むことができる。傾斜表面508、509および/または面取り238は、先に記載されているように、雄留め部106を位置決めするときに作業者を支援することができる。
【0289】
雄留め部106をブラケット200にしっかりと結合するために、鉗子の一方の側が表面532の取っ手380を握ることができ、鉗子の他方の側が表面354において保持部208を握ることができる。作業者は、雄留め部106をC字形バネ256に押し当てるために鉗子を合わせるように絞ることができ、これによって作業者は、C字形バネ256が圧縮されるとき、雄留め部106をブラケット200に向けて停止部204、205の周りで旋回させることができる。作業者は、鉗子または同様の工具で絞ること(例えば、圧縮力を加えること)を停止することができ、これは、雄留め部106が停止部204、205に押し当てられるように、および/または停止部204、205の下に押されるように、雄留め部106に力を加えるためにC字形バネ256を解放することができる。C字形バネ256は、本明細書における他の所で記載されている特徴を少なくとも介して、弾性限界を超えての行き過ぎた進行または歪みに対して保護され得る。
【0290】
本明細書における他の所で記載されているように、パッド500とブラケット200とを伴うブラケット組立体201は、単一のブラケット設計をいくつかの歯にわたって使用させることができる。ブラケット200を歯ごとに変えることに代えて、パッド500は、歯ごとに必要とされるように変えることができる。例えば、パッド500は、パッド500が接合される歯に依存して、異なる大きさであり得る、および/または異なる特徴を有し得るが、ブラケット200を受け入れること、および/またはブラケット200に接合することがなおもできる。これはコストを低減することができる。例えば、ブラケット200の様式(例えば、SKU)の数が低減でき、これは、結果的にブラケット200のより大量の製造運転をもたらしてコストを低減することができる。パッド500は、パッドの型成形がブラケットの型成形より安価とできるため、ブラケット200より製造するのがより安くでき、これは、ブラケットの多様性よりパッドの多様性の方が多いため、より安価な製造コストをもたらすことができる。
【0291】
いくつかの変形において、図11A図11Cに示されているブラケット200などの下顎前ブラケットが、下3番~3番でパッド500と共に使用でき、例えば図12に示されている他の様式のブラケット200が、患者のすべての他の歯においてパッド500(歯ごとに異なる可能性がある)と共に使用できる。これは、2つのブラケット設計を、歯列矯正治療の間に様々な様式のパッド500と共に使用させることができる。
【0292】
先に記載されているように、同じブラケット200を使用するにも拘らず、パッド500は歯ごとで様々であり得る。例えば、異なる「トルク」が、歯列弓形態100の歯間ループ103を患者の歯肉から離して保つのを助けるために、いくつかのパッド500に加えられてもよい。「トルク」は、先に説明されているように、同じ様式のブラケット200を受け入れる一方でパッド500が歯ごとで様々であり得るため、ブラケット200の代わりにパッド500において実施され得る。いくつかの変形において、「トルク」は、「トルク」の大きさが患者の各々の具体的な歯について個別に仕立てられ得るため、ブラケット200の代わりにパッド500において実施され得る。いくつかの変形において、「トルク」は、患者の歯の表面534と雄留め部106の底表面との間で、図11Cに示されているように、角度Aであり得る。いくつかの変形において、例えば、下3番~3番の歯のためのパッド500は、(図11Cに示されているように)10度のトルクを有し得るが、5度、6度、7度、8度、9度、10度、11度、12度、13度、14度、15度、16度、17度、18度、19度、20度、または20度超など、他のトルク角が考えられる。いくつかの変形において、大臼歯のためのパッド500は0度のトルクを有し得るが、1度、2度、3度、4度、5度、またはより大きな角度など、他のトルク角が考えられる。いくつかの変形において、大臼歯および下3番~3番を除く他の歯のためのパッド500は、5度のトルクを有し得るが、5度、6度、7度、8度、9度、10度、またはより大きな角度など、他のトルク角が考えられる。
【0293】
図12は、歯列弓形態100に結合された複数のブラケット組立体201を示している。図示されているように、パッド500は、所与のパッド500が結合される歯の回転制御を増加させるための幅を有する。歯列弓形態100(例えば、アーチワイヤ)は、バンドなどの弾性体の使用を可能とすることができるフック107(例えば、ループ)を備え得る。これは、クラスIIおよびクラスIIIの不正咬合の治療を容易にすることができる。
【0294】
図13Aおよび図13Bはブラケット600を示している。ブラケット600は、本明細書に記載されている他のブラケットまたは組立体を参照して記載されている特徴のうちのいくつかまたはすべてを含み得る。ブラケット600は、前述のパッドを参照して記載されているものと同様のアンダーカット(切り込み、隙間、テクスチャ表面、空所、スロット)506を含み得る。アンダーカット506は、ブラケット600と患者の歯との間の向上した接合を容易にすることができる(例えば、接着剤がアンダーカット506へと流れることができる)。前述の組立体のうちのいくつかと対照的に、ブラケット600は、いくつかの変形では、別体のパッドを有しておらず、代わりに、ブラケット600の側においてアンダーカット506を備え得る。ブラケット600は、1つの部品のブラケットまたは1つの部品のブラケット/パッド組立体と称され得る。
【0295】
ブラケット600はC字形バネ256(例えば、バネ、板バネ、バネ係止ピン、係止バネ、丸い係止バネ)を備え得る。C字形バネ256は、ブラケット600の開放部352の中で、ブラケット600の突き出し部210の下に位置決めされ得る。開放部352は、ブラケット600の底(例えば、アンダーカット506のブラケット600の側)を通じて延びることができる。C字形バネ256は、ブラケット600の底を貫いて延びる開放部352を通じて設置され得る。C字形バネ256は、C字形バネ256を位置決めすることを容易にするために、開放部352の周辺と係合することができる1つ以上の摘まみ608(つまり、フランジ)を備え得る。開放部352は、ブラケット600の底側において、C字形バネ256を所定位置で固定するのを助けるために、および/または、接着剤が開放部352へと流れるのを妨げるために、覆うことができる。開放部352は、金属薄板、網パッド、および/または他のものでなど、様々な技術を介して覆うことができる。いくつかの変形において、開放部352を覆う金属薄板が、1つ以上の場所604において溶接され得る。いくつかの変形において、網パッドは、ブラケット600が位置付けられる歯の表面との向上した接合を容易にすることができる。いくつかの変形において、ブラケット600は、開放部352を覆うカバーの位置決めまたは取り外しを容易にすることができる溝606(つまり、通路)を備え得る。例えば、溝606は、開放部352を覆うカバーに工具をアクセスさせることが可能であり得る、および/または、開放部352を覆うカバーを工具に配置させることが可能であり得る。
【0296】
ブラケット600は、隆起、係合領域、突起などとも称される突出部602を備え得る。突出部602は保持部208に配置させることができ、これは、保持部208の一部として形成されることを含み得る。突出部602は、雄留め部106をブラケット600に設置するために、または、雄留め部106をブラケット600から取り外すために、工具(例えば、開放/閉鎖工具)によって係合させられ得る。
【0297】
図13Cは、ブラケット600と結合された歯列弓形態100のセグメントを示している。図示されている歯列弓形態100のセグメントは、前歯など、患者の特定の歯、または患者の歯列弓の特定の部分に対応することができる。歯列弓形態100は、ブラケット600に結合され得る雄留め部106を備える。雄留め部106は、停止部204、205の間に配置され得る舌部380(つまり、摘まみ、取っ手)を備えることができる。別の言い方をすれば、舌部380は、停止部204、205の間の隙間368に配置され得る。取っ手380は、雄留め部106をブラケット600に固定するのを助けることができるフランジ396(摘まみ)を備えることができる。
【0298】
雄留め部106は、雄留め部106とブラケット600とを一緒に固定するのを助けることができるアーム612を備え得る。例えば、雄留め部106はアーム612を備え得る。いくつかの変形において、雄留め部106は2つのアームを備え得る。いくつかの変形において、雄留め部106は、1つ、3つ、4つ、またはより多くのアーム216を備え得る。アーム612は、向上した握る制御を提供するために、ブラケット600(例えば、保持部208の近心側および遠心側)を握る、保持する、掴む、抱える、周りでスナップ留めする、および/または他の方法で、相互作用することができる。いくつかの変形において、アーム612は側方側(例えば、保持部208の近心側および遠心側)の周りでスナップ留めすることができる。アーム612は、舌部380と反対である方向に延びることができる。いくつかの変形において、アーム612は、雄留め部106の中心長手方向軸から離れるように外向きに湾曲することができる。アーム612は、本明細書において記載されているように、歯列弓形態100をブラケット600に固定するために作業者が工具(例えば、開放/閉鎖工具)を位置決めするとき、歯列弓形態100(例えば、雄留め部106)をブラケット600における所定の位置で保持することができる。明確には、アーム612は、設置過程の間に雄留め部106をブラケット600に、保持することができ、これは軽く保持することを含む可能性があり、さらに、設置の後に雄留め部106をブラケット600に固定することができる。例えば、アーム612は、臨床医が、歯列弓形態100をブラケット600に固定するために(例えば、雄留め部106をブラケット600の中に位置決めするために)、工具(例えば、開放/閉鎖工具)を位置決めする間、歯列弓形態100を所定位置で保持することができる(例えば、雄留め部106をブラケット600に結合することができる)。これは、工具(例えば、開放/閉鎖工具)を片方の手で再位置決めする間に歯列弓形態100を反対の手で保持しないように、臨床医を解放することができる。アーム612はブラケット600の保持部208に結合することができる。例えば、アーム612は、保持部208の近心側および遠心側に係合するために延びることができ、この係合は、結合、接触、握るなどを含み得る。いくつかの変形において、アーム612は、保持部208の周りに固定されるとき、力を保持部208に加えることができる。いくつかの変形において、アーム612は、雄留め部106から延びる歯間ループ103からずれることができる。いくつかの変形において、アーム612は、歯間ループの一部分に対応する湾曲を有することができる。
【0299】
図13Dは、本明細書における他の所で記載されている歯列弓形態の特徴の少なくとも一部または全部を含み得る歯列弓形態100のセグメントを示している。図13Dに示されている歯列弓形態100のセグメントは、大臼歯で使用できる。雄留め部106は、ブラケット600の保持部208に結合することができる凹所402(例えば、湾曲した凹所、溝)を備え得る。雄留め部106は、凹所402はC字形バネ256を受け入れるように、ブラケット600に配置させることができる。雄留め部106は、ヒップとも称される湾曲614を含み得る。湾曲614は、雄留め部106の反対にある側方側(例えば、近心側および遠心側)に配置され得る。湾曲614は、回転制御を容易にすることができるブラケット600の特徴と係合することができる。例えば、いくつかの変形において、湾曲614は、保持部208および/またはブラケット600の他の部分と係合することができる。
【0300】
歯列弓形態100はアーム612を備えることができる。アーム612は、舌部380と反対の方向に延びることができる。アーム612は様々な長さであり得る。アーム612は、直線、湾曲、および/または他の構成であり得る。アーム612は、雄留め部106をブラケット600に保持するために、保持部208などのブラケット600の特徴と係合することができる係合特徴部613(摘まみ、フランジなどとも称される)を備え得る。係合特徴部613はアーム612の端に近接して配置され得る。係合特徴部613は内向きに延びることができ、これは、雄留め部106の中心長手方向軸に向かうことを含み得る。設置の間、臨床医は最初に歯列弓形態100を大臼歯ブラケットと係合させることができる。アーム612は、歯列弓形態100を1つ以上のブラケット600に固定することができ、これは、臨床医が雄留め部106をブラケット600に配置するために開放/閉鎖工具を再位置決めするとき、歯列弓形態100がブラケット600から係合解除するのを防止することができる。
【0301】
歯列弓形態100は、図13Dに示されているように、所望の長さに都合よく切断させることができる。ブラケット600は、切断作業による不快なバリから患者を保護することができる。歯間ループ103は、治療計画の一部として、弾性体によって係合させることができる。いくつかの変形において、歯間ループ103は、弾性体に係合するためのフックとして作用することができる。
【0302】
図13Eは、カスタマイズされた特徴部616を伴う歯列弓形態100を示している。本明細書における他の所で記載されているように、歯列弓形態およびブラケットは、患者の歯の唇側または舌側に位置決めさせることができる。カスタマイズされた特徴部616が、美的に好ましくできる(例えば、定型化させることができる)か、または、メッセージを伝えることができる。したがって、カスタマイズされた特徴部616を伴う歯列弓形態100は歯の唇側に配置させることができる。いくつかの変形において、カスタマイズされた特徴部616は、文字、ロゴ、シンボル、および/または特徴を含み得る。例えば、図示されているように、カスタマイズされた特徴部616は、メッセージを伝える文字を含み、笑うと患者にメッセージを表示させることができる。カスタマイズされた特徴部616は、歯間ループ103の一部であり得る、および/または、歯間ループ103に配置され得る。いくつかの変形において、カスタマイズされた特徴部616は歯列弓形態100の他の部分に位置決めされ得る。いくつかの変形において、カスタマイズされた特徴部は、より容易な特定を可能とするために、歯列弓形態100の他の部分と異なる色とできる。
【0303】
図14A図14Bは、歯列弓形態100の雄留め部106をブラケット600に位置決めするために使用され得る開放/閉鎖工具とも称される工具700を示している。工具700は、設置および取り外しの間、雄留め部106を含む歯列弓形態100の一部分を掴むために使用できる。工具700は、枢動部704において互いに対して枢動する2つの部材702を備え得る。各々の部材702は、握り部分とも称されるループ703を備えることができ、ループ703は、部材702を互いに対して回転させて歯列弓形態100の一部分を掴むかまたは解放するために、臨床医によって握られ得る。例えば、図14Aは、雄留め部106をブラケット600の中で握る工具700を示している。図14Bに示されているように、部材702の各々が、雄留め部106、および/または、突出部602を含み得るブラケット600のしっかりとした握りを容易にすることができる溝706を備え得る。一方の部材702の溝706は雄留め部106の舌部708と係合することができ、他方の部材702の溝706はブラケット600の突出部602と係合することができる。工具700は、咬合/歯肉方向において歯列弓形態100と係合/係合解除することができる。工具700は、歯列弓形態100をブラケット600に挿入/取り外しするために、等しい反対の力を使用することができ、患者への不快感を低減することができる。工具700は、いくつかの変形において、1つのものとして型成形され得る。図14Cは、止血鉗子などの工具701を示している。工具701は、設置および取り外しの間、雄留め部106を含め、歯列弓形態100の一部分を掴むなど、掴むために使用され得る。工具701は、掴むために互いに対して枢動することができる2つの部材702を備え得る。工具701は先端703を備え得る。先端703は、金属射出成形(MIM)製造を用いることを含み得る様々な技術を介して形成できる。先端703は、例えば、1つの先端703を各々の部材702に取り付けるなど、部材702に取り付けることができる。先端703は、2つの部材にそれぞれ取り付けることができる(例えば、レーザーまたはロウ付け)。いくつかの変形において、先端703は、2つの部材の端にそれぞれ取り付けることができる(例えば、レーザーまたはロウ付け)。いくつかの変形において、工具701は、既製品を購入することができ、先端703を製造し取り付けることができる。
【0304】
設置の間、臨床医は、患者の大臼歯または歯列弓の他の一部分と結合される歯列弓形態100のセグメントを握ることができ、これは工具700を介してであり得る。臨床医は、雄留め部106のアーム216を、患者の大臼歯または他の歯に配置されたブラケット600と係合させることができ、これは、ブラケット600の保持部208の反対にある側(例えば、近心側および遠心側)にアーム216を位置決めすることを含み得る。雄留め部106は、本明細書における他の所で記載されているように、ブラケット600の面214に対してある角度で位置決めされ得る。例えば、傾斜表面508、509および/または角度付き表面238は、雄留め部106をブラケット600の面214に対してある角度で位置決めさせることができる。アーム216が雄留め部106をブラケット600の保持部208において保持する状態で、臨床医は、工具700を再位置決めするために、雄留め部106における工具700の握りを解放することができる。工具700は、一方の部材702が雄留め部106の舌部380と係合し、他方の部材702がブラケット600の突出部602と係合するように再位置決めさせることができ、これは、図14Bに示されているように溝706に係合することを含み得る。臨床医は、部材702で雄留め部106および保持部208の突出部602に反対の等しい力を加えるためにループ703同士を合わせるように絞ることができ、これはC字形バネ256を圧縮することができる。C字形バネ256が圧縮されている状態で、臨床医は、雄留め部106をブラケット600の面214に向けて回転させることができ、これは、雄留め部106をブラケット600の面214と平行に位置決めすることを含み得る。臨床医は、C字形バネ256に雄留め部106を停止部204、205の切り欠き374、375(空間またはポケットとも称される)へと押させ、雄留め部106をブラケット600のスロット202の中で固定するために、部材702を解放することができる。本明細書における他の所で記載されているように、突起216(隆起)は、雄留め部106をブラケット600のスロット202の中で固定するために、雄留め部106を突き出し部210に押し当てることができる。
【0305】
取り外しの間、臨床医は、図14Bに示されているように溝706に係合することを含み得る、一方の部材702が雄留め部106の舌部380と係合し、他方の部材702がブラケット600の突出部602と係合するように、雄留め部106およびブラケット600を握ることができ、これは工具700を介してであり得る。臨床医は、部材702で雄留め部106および保持部208の突出部602に反対の等しい力を加えるためにループ703同士を合わせるように絞ることができ、これはC字形バネ256を圧縮することができる。C字形バネ256が圧縮された状態で、雄留め部106は、停止部204、205の切り欠き374、375から外に移動させることができる。臨床医は、雄留め部106をブラケット600の面214から離れるように回転させることができ、これは、雄留め部106をブラケット600の面214に対してある角度で位置決めすることを含み得る。傾斜表面508、509および/または角度付き表面238は、雄留め部106をブラケット600の面214に対してある角度で位置決めさせることができる。臨床医は、雄留め部106および突出部602における工具700の握りを解放し、ブラケット600からの取り外しのために雄留め部106を握るために再位置決めすることができる。いくつかの変形において、ブラケット600は突出部602を有しておらず、部材702はブラケット600の他の特徴と係合することができる。
【0306】
図15Aは歯列弓形態800のセグメントを示している。歯列弓形態800は、個別の患者のために設定される構成を有し得る。歯列弓形態800は、患者の歯の唇側または舌側に設置させることができる。歯列弓形態800は、患者または臨床医によって患者の口に設置させることができる。患者による設置は、歯列矯正オフィスを直に訪問する必要性を有利に低減または排除することができる。いくつかの変形において、歯列弓形態800はブラケットなしで患者の歯に設置され得る。歯列弓形態800は縮小した輪郭を備えることができ、これは患者の快適性を向上させることができる。歯列弓形態800の小さい輪郭(つまり、低い輪郭)は、反対の歯列弓との咬合を低減または排除することができる。歯列弓形態800は、後で記載されているように患者の歯に接着させることができ、これは、接合に向けて歯を準備するための臨床医のオフィスにおけるチェアタイムを短縮することができる。歯列弓形態800は小さい輪郭を備えることができ、これは発話障害を低減することができる。いくつかの変形において、歯列弓形態800の小さい輪郭は、設置の後に患者の唇の膨らみを防止または軽減することができる。歯列弓形態800は、食べるまたは飲むために患者の口から取り外される必要のないようにでき、トレイで起こり得る適合性の問題を低減する。歯列弓形態800は、デンタルフロスでの掃除を容易にするように構成され得る。
【0307】
歯列弓形態800は複数の雄留め部106を備え得る。雄留め部106は平坦であり得る。雄留め部106は様々な形とでき、これは、一方の側が他方の側より大きい4つの丸められた角を有することを含み得る。隣接する雄留め部106同士は歯間ループ103によって分離され得、患者の歯に力を加えることができる、および/または、治療計画に従って弾性体と結合させることができる。いくつかの変形において、直線セグメントまたは他の構成が、隣接する雄留め部106同士を分離することができる。歯間ループ103は歯肉方向または咬合方向に延びることができる。
【0308】
雄留め部106は、接着発泡層、発泡解放摘まみ、摘まみ、発泡装着パッド、装着要素などとも称される装着パッド803に結合させることができ、これは、取り付け、接着、および/または他の方法で固定されることを含み得る。いくつかの変形において、装着パッド803は、反対にある側に接着剤を含み、一方の側は雄留め部106に接着され、他方の側は、保護剥離層とも称される保護層802に接着される。いくつかの変形において、装着パッド803は両面テープと称することができる。装着パッド803は、歯の大きさに依存して様々であり得る様々な形とできる。例えば、より大きい装着パッド803がより大きい歯に望まれ得る一方で、より小さい装着パッド803がより小さい歯に望まれ得る。いくつかの変形において、より大きい装着パッド803は、例えばより大きい接着表面を伴うものなど、増加した回転制御を提供することができる。装着パッド803は、装着パッド803の一方の側が他方の側より大きい状態で、3つの湾曲した角を伴う形を含み得る。装着パッド803は、雄留め部106の一部分と同じである周辺を有し得る。例えば、装着パッド803のより大きい端は、雄留め部106と同じまたは同様である周辺を有し得る。装着パッド803は、装着パッド803および/または歯列弓形態800を操作するために、工具によって係合させられ得る孔378を備え得る。孔378は、装着パッド803を操作するために、工具(例えば、エキスプローラ、エキスプローラ工具)の少なくとも一部分を受け入れることができる。
【0309】
保護層802は、装着パッド803の接着表面を露出させるために取り除くことができる。保護層802は、それに位置決めされるとき、装着パッド803の周辺を越えて延びる一部分805(摘まみとも称される)を有し得る。一部分805は、咬合方向、歯肉方向、または他の方向に延びることができる。いくつかの変形において、一部分805は雄留め部106から離れるように延び、これは歯間ループ103と同じ方向においてであり得る。
【0310】
歯列弓形態800は患者の治療計画ごとに形成され得る。例えば、歯列弓形態800は、歯を第1の位置から第2の位置へと移動させるために歯に力を発揮することができるように、患者の不正咬合の歯に配置されるように構成され得る。歯列弓形態800は、患者の歯のスキャンおよびデジタルモデルを介して形成できる。いくつかの変形において、歯列弓形態800は、歯列弓形態800の材料特性に依存して、体温より高いまたは低い水などの流体に浸漬されるとき、柔らかくなることができる、および/またはより柔軟になることができる。これは、設置の間に歯列弓形態800の操作をより容易にすることができる。
【0311】
設置の間、保護層802は、雄留め部106に取り付けられる装着パッド803の接着表面を露出させるために取り外すことができる。接着表面が露出されている装着パッド803は、装着パッド803を患者の歯のそれぞれの表面に接着するために、治療計画に応じて患者のそれぞれの歯に押し付けられ得る。歯列弓形態800を取り外すために、臨床医または患者は装着パッド803を引っ張ることができ、これは、装着パッド803の接着表面と歯との間の接着接合が破壊されるように、雄留め部106の周辺を越えて延びる一部分によって、装着パッド803を引き伸ばすことができる。いくつかの変形において、臨床医または患者は装着パッド803を引っ張ることができ、これは、装着パッド803と患者の歯との間の接着接合を破壊するために、装着パッド803が接着される歯の表面と平行である方向に装着パッド803を引き伸ばすことができる。いくつかの変形において、臨床医はまたは患者は、接着接合を破壊するために、装着パッド803を舌方向および/または咬合方向に引っ張ることができ、これは、接着接合および/または装着パッド803を引き伸ばして破壊することを含み得る。いくつかの変形において、臨床医または使用者は、装着パッド803を引っ張って接着接合を破壊するために、孔378と相互作用することができ、これは工具を介してであり得る。いくつかの変形において、臨床医または使用者は、歯列弓形態800と歯との間の発泡接着層を引き伸ばして破壊するために、装着パッド803を舌方向に引っ張ることができる。歯列弓形態800は、複数回の設置の試みを容易にするために、装着パッド803が損なわれた場合(例えば、装着パッド803の接着表面が露出されている状態で、歯列弓形態800が汚染された表面に落とされた場合)に交換できるように、過剰な装着パッド803を患者または臨床医に供給することができる。
【0312】
図15Bはキャップ804を示している。キャップ804は、いくつかの変形において、化粧板または磁器化粧板と称され得る。キャップ804は薄くされ得る。キャップ804は、歯列弓形態800の特徴を隠すために、および/または、美的な見た目を容易にするために、歯列弓形態800に組み込むことができる。例えば、キャップ804の後表面(例えば、他の表面)は、雄留め部106、歯列弓形態800の他の特徴、および/または患者の歯に結合させることができ、これは、少なくとも接着、固定、取り付けなどされることを含むことができ、歯列弓形態800の特徴を隠すために、および/または、美的な見た目を容易にするために、装着パッド803と同様の装着パッドを介してであり得る。いくつかの変形において、保護層が、患者のそれぞれの歯および/または雄留め部106の表面に押し当てることができる接着表面を露出してキャップ804を患者の歯に結合するために、患者または臨床医によって、キャップ804に接着された装着パッドから取り除かれ得る。いくつかの変形において、透明な摘まみまたは一部分であり得る、キャップ804に接着された装着パッドの一部分が、キャップ804が患者の歯および/または雄留め部106の表面に接着されるとき、キャップ804の周辺を越えて突出することができる。透明な摘まみまたは一部分であり得る、キャップ804の周辺を越えて突出する装着パッドの一部分は、患者の歯の表面と装着パッドの接着表面との間の接着接合を破壊するために、患者または臨床医によって引っ張るおよび/または引き伸ばすことができる。いくつかの変形において、接着剤は、患者が器具を着用する間に患者の歯を白くするためのホワイトニング溶液を含み得る。いくつかの変形において、キャップ804の後表面は、脱灰を防止するために、殺菌剤または他の溶液を含み得る。いくつかの変形において、キャップ804の後表面における装着パッドは、キャップ804と歯表面との間の隙間(例えば、隅および割れ目)の存在を防止または低減することができ、これは、脱灰を防止するために殺菌剤または他の溶液を含む必要性を排除または低減することができる。歯列弓形態800は、本明細書における他の所で記載されているように、複数の歯列弓形態800を使用する治療計画の一部であり得る。初期の歯列弓形態800は、本明細書に記載されているように取り外しでき、第2の歯列弓形態800が、不正咬合の歯をさらに移動させるために、必要に応じて設置され得る。いくつかの変形において、第3、第4、またはより多くの歯列弓形態800が、治療計画の一部として連続して設置および取り外しされ得る。
【0313】
キャップ804は三次元で歯の形とさせることができ、これは、それぞれの歯において優れた適合を提供することができる。キャップ804は患者のそれぞれの歯に対応するように成形でき、これは、患者の歯のデジタルスキャンおよび/またはモデルに基づかれ得る。いくつかの変形において、キャップ804は、様々な歯に対応するように概して成形され得る。いくつかの変形において、キャップ804は、設置されると、患者の笑顔に美的品質を提供するために、色付けおよび/または成形され得る。いくつかの変形において、キャップ804は、キャップ804をカスタマイズするために、様々な色、設計、ロゴ、文字、シンボルなどを含み得る。いくつかの変形において、キャップ804の色は患者の歯の色に合致することができる。
【0314】
いくつかの変形において、歯列弓形態800は、図15Cに示されているように、可溶性トレイまたはIDBトレイなど、可溶性構造808を使用して設置させることができる。いくつかの変形において、可溶性構造808は水溶性とでき、これは、溶解/乾燥された(カラメルにされた)砂糖またはセルロースから作られることを含み得る。可溶性構造は、現在の患者の不正咬合の形において間に組み込まれた歯列弓形態800を保持するために、乾燥するときに構造的に硬くなることができ、これによって、患者または臨床医は歯列弓形態800を容易に設置することができる。患者または臨床医は、設置の後に患者の口を水で濯ぐことができ、可溶性構造808を溶解させる。いくつかの変形において、可溶性構造808は、固体の廃棄物を残すことなく溶解することができる。可溶性構造808は、典型的なIDBトラップより使用するのが容易とでき、これは患者の設置を容易にすることができる。可溶性構造808は、より消費者の好みに合わせた外観を提供することができる。
【0315】
設置の間、歯列弓形態800のそれぞれの雄留め部106に取り付けられる、装着パッド803の接着表面を覆う保護層805が、取り除かれ得る。歯列弓形態800が可溶性構造808によって患者の現在の不正咬合の形で保持されている状態で、歯列弓形態800は可溶性構造808と共に患者の歯に配置させることができる。配置の後、患者の口が水などの液体で濯がれ、可溶性構造808を溶解させることができる。いくつかの変形において、キャップ804は雄留め部106および/または患者の歯に接着させることができる。
【0316】
図16Aはブラケット900を示している。ブラケット900は、本明細書に記載されている他のブラケットまたは組立体を参照して記載されている特徴の一部または全部を含み得る。ブラケット900の一部の特徴は、本明細書に記載されている他のブラケットまたは組立体を参照して記載されている特徴と置き換えることができる。ブラケット900は、患者の歯の舌側または頬側に配置させることができる。図16A図16Cおよび図16Eに示されているブラケット900は、患者の任意の歯に取り付けることができるが、特に大臼歯のために適合され得る。
【0317】
ブラケット900は、非滑り機構を利用して患者の歯を移動させることを容易にするために、歯列弓形態と結合することができる。いくつかの変形において、滑り機構および/または非滑り機構が使用され得る。いくつかの変形において、ブラケット900、および本明細書記載されている他のブラケットは、本明細書に記載されているものと異なる構成の歯列弓形態と使用されるとき、実用性を有し得る。ブラケット900は、受入領域または受入空間とも称されるスロット202を備えることができ、スロット202は、患者の口に設置されるときに歯列弓形態のコネクタ(例えば、雄コネクタ)がブラケット900に対して滑ることが防止されるようにコネクタを受け入れることができる。スロット202は、保持部208と停止部204、205との間に位置決めされ得る。スロット202は、保持部208と、停止部204、205と、ブラケット900の面214と、の間で少なくとも部分的に定められ得る。
【0318】
本明細書で記載されているように、保持部208は、雄コネクタをスロット202の中で保持するのを助けることができる。保持部208は、少なくともブラケット900の歯肉側もしくは咬合側に、またはそれに近接して位置決めさせることができる。保持部208はブラケット900の面214から延び得る。保持部208は、ブラケット900を取り扱うことを向上させるために、1つ以上の特徴を含み得る。例えば、保持部208は、ブラケット900の取り扱いの間に工具によって握ることができる、隆起、突起、または係合領域とも称される突出部602を有することができる。突出部602は歯肉方向または咬合方向に延びることができる。
【0319】
保持部208は、ブラケットのスロット202に受け入れられる雄コネクタの保持を向上させるために、1つ以上の特徴を含み得る。例えば、保持部208は、突き出し部などの延在部210を備え得る。突き出し部210は、雄コネクタをスロット202の中で保持するのを助けることができる。突き出し部210は面214からずれることができる。突き出し部210は、スロット202および/または面214にわたって延びることができる。突き出し部210は、ブラケット900の面214にわたって延びる湾曲部分211を備え得る。保持部208および/または突き出し部210は、雄コネクタが、ブラケットの面214に向けて回転させられ、スロット202などのブラケット900の中で係止される前、ブラケット900のスロット202の中にある角度で位置決めさせられることを容易にすることができる角度付き表面238を備え得る。保持部208は、本明細書で詳述されているように、雄コネクタがブラケット900のスロット202の中および外へ回転させられることを容易にすることができる、隙間、アンダーカット、切り欠き、空間などとも称される凹所240を備えることができる。
【0320】
ブラケット900は、歯列弓形態の雄留め部をブラケット900の中で係止することを容易にすることができるバネ256(例えば、係止バネ)を備え得る。バネ256は、特定の位置へと付勢させることができる弾性特性を伴う圧縮可能材料であり得る。バネ256は、C字形バネ、丸いバネ、板バネなどであり得る。バネ256は開放部352の中に収容され得る。開放部352は保持部208の少なくとも一部分を通じて配置され得る。図16Bおよび図16Cに示されているように、C字形バネ256が、面214と反対であるブラケット900の面を用いて、開放部352へと挿入させることができる。C字形バネ256は、雄コネクタがスロット202の中に位置決めされるときにC字形バネ256に接触できるように、スロット202に露出させられ得る。C字形バネ256は、その長手方向軸が面214の平面に対して垂直に配向された状態で配向され得る。開放部352は、開放部352の中でのC字形バネ256の傾斜および/またはがたつきを防止するような輪郭および/または形とされ得る。開放部352は、C字形バネ256が所望の範囲を越えて(例えば、弾性変形を超えて)歪むのを防止するのを助けることができる周辺によって境界付けられ得る。
【0321】
C字形バネ256は、図16Bおよび図16Cに示されているように、案内部366(例えば、案内レール、突起、長手方向の突起、棒)の周りに位置決めさせることができる。例えば、C字形バネ256の長手方向の自由端は、C字形バネ256を所定位置で固定するために圧縮力を加えるように、案内部366の反対にある側に位置決めさせることができる。長手方向の自由端間のC字形バネ256の隙間は、案内部366にわたって位置決めされ得る。案内部366は開放部352の周辺に配置され得る。案内部366は、開放部352の中でC字形バネ256の位置を維持するのを助けることができる。案内部366は、開放部352へとさらに奥に延びるにつれて大きさが増加する周辺および/または断面のサイズを備え得る。これは、C字形バネ256を案内部366に固定するのを助けることができる。例えば、C字形バネ256の長手方向の自由端は、C字形バネ256が開放部352へと挿入されるにつれて、案内部366のより大きな周辺をよりしっかりと握ることができる。
【0322】
バネ256は、いくつかの変形において、超弾性材料(例えば、NiTi)から作ることができる。バネ256は、バネ256を形成する材料の変態温度を上げるかまたは下げるために熱処理され得る。したがって、バネ256のバネ定数は熱処理を介して変更(例えば、最適化)させることができ、これは、雄コネクタ106をブラケット900のスロット202の中に挿入するために、またはスロット202の中から取り外すために、臨床医が提供する必要がある力の大きさを変えることができる。例えば、変態温度を上げるためにバネ256を熱処理することは、バネ定数を小さくし、雄コネクタ106の挿入および取り外しをより容易にすることができる(例えば、臨床医からのより小さい力を必要とする)。いくつかの変形において、バネ256を低い温度に曝すことで(例えば、冷水を噴霧する)、バネ256のバネ定数を小さくすることができる。低い温度は、いくつかの変形において、少なくとも体温より低い温度であり得る。低い温度に曝すことは、いくつかの変形において、バネ256をオーステナイト相からマルテンサイト相へと変化させることができる。体温がバネ256を温め、バネ定数を低い温度に曝す前のレベルまで回復させることができる。
【0323】
C字形バネ256が開放部352の中に位置決めされている状態で、接合剤などの接着剤が開放部352へと入るのを防止するのを助けるために、薄板が開放部352にわたって固定され得る。いくつかの変形において、ブラケット900と歯表面との間の接合強度を増加させるために、網を薄板にわたって適用させることができる。薄板は、レーザー溶接、接着剤などを含み得る様々な技術を介して、ブラケット900に結合させることができる。本明細書において記載されているように、歯列弓形態の雄コネクタがブラケット900にある状態で、C字形バネ256は、雄コネクタがブラケット900のスロット202の中で係止されるように、雄コネクタを停止部204、205に押し当てる、および/または停止部204、205の下に少なくとも部分的に押す力を、雄コネクタに加えることができる。
【0324】
停止部204、205は、保持部602に対してブラケット900の反対の端に近接することができる。いくつかの変形において、停止部204、205は、ブラケット900の中心平面の周りで鏡写しの構成にあり得る。停止部204、205は受入スペーサ374、375をそれぞれ備え得る。受入スペーサ374、375は、停止部204、205の延在(例えば、突き出し部)によって少なくとも部分的に境界付けられ得る。ポケットまたは切り欠きとも称され得る受入スペーサ374、375は、雄コネクタをスロット202の中に固定するために、雄コネクタの一部分をそれぞれ受け入れることができる。いくつかの変形において、ブラケット900は2つの停止部204、205を備えることができる。いくつかの変形において、ブラケット900は、歯列弓形態の雄コネクタをブラケットの中で保持するのを助けることができる1つ、3つ、4つ以上の停止部を備え得る。停止部204、205は互いから離間させることができ、これは近心-遠心方向においてであり得る。隙間368は停止部204、205を分離することができる。隙間368は、本明細書に記載されているように、雄コネクタの一部分を受け入れることができる。隙間368に及ぶ面214の一部分は、少なくとも平坦、角度付き、または湾曲とされ得る。隙間368に及ぶ面214の一部分は、面214の他の一部分に対して角度付きとさせることができ、ブラケット900の端において湾曲させることができる。
【0325】
ブラケット900は斜面392、393を備え得る。斜面392、393は、傾斜表面、突起、角度付き表面、楔、隆起などと称することもできる。斜面392、393はブラケット900の面214から離れるように延び得る。斜面392、393は、雄コネクタをスロット202の中で固定するのを助けるために、雄コネクタを停止部204、205に押し付けることができる。斜面392、393は、雄コネクタを停止部204、205の突き出し部に押し当てることができる。斜面392、393は、雄コネクタがスロット202の中で固定されるとき、雄コネクタに係合することができる平坦な表面を含み得る。いくつかの変形において、斜面392、393は、停止部204、205の幅をそれぞれ越えて延びることができ、これは歯の回転制御を向上させるのを助けることができる。
【0326】
ブラケット900は突起216(例えば、隆起)を備え得る。突起216は面214から延びることができる。突起216は、雄コネクタを停止部204、205および/または保持部208の突き出し部210に押し当てて雄コネクタを固定するのを助けるために、スロット202の中に位置決めされるとき、力を雄コネクタに加える。突起216は保持部208の幅を越えて側方へ延びることができる。突起216は停止部204、205を越えて側方へ延びることができる。いくつかの変形において、開放部352は突起216の一部分を邪魔することができ、これは、歯の回転中心を向上するのを助けることができる。
【0327】
ブラケット900は、雄コネクタを所定位置へ係止するためにブラケット900の面214に向けて回転させる前に、雄コネクタをブラケット900のスロット202の中に挿入することを容易にすることができる傾斜表面508、509を備え得る。傾斜表面508、509は保持部208の反対にある側に位置決めされ得る。
【0328】
ブラケット900は、側方羽根部とも称することができる側方延在部902、903を備え得る。側方延在部902、903は、ブラケット900が大臼歯の移動をより良く制御するのを助けることができる。例えば、側方延在部902、903はより良い回転制御を容易にすることができる。側方延在部902、903は、向上した接合のために、より大きな表面積をテクスチャ表面506に提供することもできる。
【0329】
ブラケット900は、図16Cに示されている、アンダーカット、切り欠き、隙間、空所、および/またはスロットを伴う表面とも称されるテクスチャ表面506を備え得る。テクスチャ表面506は、面214の反対にあるブラケット900の側面に配置され得る。テクスチャ表面506は、ブラケット900を患者の歯の表面に接合するのを容易にすることができる。明確には、テクスチャ表面506に適用される接着剤は、テクスチャ表面506を患者の歯の表面に接合することができる。テクスチャ表面506は、非テクスチャ表面と比較して、増加した表面積を提供することで向上した接合を容易にすることができる。
【0330】
図16Dは、歯列弓形態100の雄コネクタ106を示している。雄コネクタ106は、コネクタ、留め具、雄留め部などと称することもできる。雄コネクタ106および/または歯列弓形態100は、本明細書に記載されている他のブラケットまたは組立体を参照して記載されている特徴の一部または全部を含み得る。雄コネクタ106および/または歯列弓形態100のいくつかの特徴は、他の雄コネクタ106および/または歯列弓形態100を参照して記載されている特徴と置き換えられてもよい。
【0331】
雄コネクタ106は、本明細書に記載されているように、ブラケット900のスロット202の中に保持され得る。雄コネクタ106は、患者の歯を移動させるために異なる配向に配向させることができる。雄コネクタ106は、歯間のループ、曲げ、角度、特徴などとも称することができる歯間構造103間に配置できる。歯間構造103は、本明細書に記載されているように、患者の歯を移動させるために、隣接する雄コネクタ106に力を加えることができる。歯間構造103は、様々な力を望まれているように加えるために、様々な幅、長さ、湾曲、曲げなどを有することができる。
【0332】
雄コネクタ106はアーム612を有し得る。アーム612は、摘まみ380(例えば舌部)の方向と反対である方向に延びることができる。アーム612は、少なくとも咬合方向または歯肉方向に延びることができる。アーム612は、雄留め部106を固定するのを助けるために、および/または、患者の歯の向上した制御を提供するために、ブラケット900の1つ以上の特徴を握ることができる。アーム612は保持部208を握ることができる。例えば、アーム612は、保持部208の近心側および遠心側を握る、保持する、掴む、抱える、周りでスナップ留めする、および/または他の方法で、相互作用することができる。いくつかの変形において、アーム612は、本明細書において記載されているように、歯列弓形態100をブラケット900に固定するために作業者が工具を位置決めするとき、歯列弓形態100(例えば、雄留め部106)をブラケット900における所定の位置で保持することができる。アーム612は、湾曲されている外側側面を備えることができ、これは、保持部208をより良く握るのを助けることができる。隙間とも称される凹所402が、アーム612間に配置され得る。凹所402は、雄コネクタ106がブラケット900のスロット202に係止されるとき、C字形バネ256を受け入れることができる。凹所402の少なくとも一部分を定める周辺は、C字形バネ256に接触することができる。C字形バネ256は、雄コネクタ106を停止部204、205に押し当てるために、凹所402の周辺に力を加えることができ、これによって、雄コネクタ106の一部分を停止部204、205の下に位置決めすることができる。雄コネクタ106は、停止部204、205と接触することができる接触表面910、911を備えることができる。接触表面910、911は、停止部204、205との確実な接触位置を提供するために、平坦であり得る。停止部204、205は、対応する平坦な表面を有し得る。接触表面910、911は、アーム612および/または凹所402と反対である雄留め部106の側面に配置され得る。接触表面910、911は、摘まみ380の反対にある側面に配置され得る。
【0333】
摘まみ380は、アーム612および/または凹所402と反対である雄コネクタ106の側面に配置され得る。摘まみ380は、雄コネクタ106がブラケット900のスロット202に配置されるとき、停止部204、205の間で隙間368に配置され得る。摘まみ380は停止部204、205の内側側面に接触することができ、これは、近心-遠心方向における雄コネクタ106のブラケット900に対する滑りを防止するのを助けることができる。摘まみ380は、所望の配向に依存して、歯肉方向または咬合方向に延びることができる。摘まみ380は溝112を備え得る。溝112は、摘まみ380の端に配置させることができる。溝112は、雄コネクタ106をブラケット900のスロット202の中に位置決めすること、または、雄コネクタ106をスロット202から取り外すことを容易にするために、工具を受け入れることができる。溝112は、雄コネクタ106をスロット202へと配置するために使用される工具の不用意な滑りを防止するのを助けることができる。雄コネクタ106は、応力集中を小さくするために湾曲を備え得る。
【0334】
本明細書において記載されているように、歯列弓形態100は様々な技術で形成され得る。いくつかの変形において、歯列弓形態100は、形状記憶材料および/または他のものを含み得る材料の薄板から切断される。材料の薄板は平坦とでき、2つの反対にある平行な側面を有する。歯列弓形態100は、材料の薄板から様々な技術(例えば、レーザー切断、ウォータージェット切断、プラズマ切断、打ち抜きなど)を介して切断され得る。材料の薄板は均一な厚さを有し得るが、歯列弓形態100の特徴は、治療計画に応じて歯に異なる力を加えるために、様々な幅を有するように切断され得る。例えば、歯列弓形態100は、患者が治療計画を通じて進むにつれて、より剛性のある特徴を有することができる。歯列弓形態100は、使用者の快適性を向上させるために、治療計画の開始において、より狭い幅を伴う歯間ループ103を有することができる。歯列弓形態100は、治療計画の中間または終了において、より広い幅を伴う歯間ループ103を有することができる。歯列弓形態100は、雄コネクタ106と歯間構造103とを交互のパターンで有することができる。いくつかの変形において、2つ以上の歯間構造103は、隣接する雄コネクタ106間に配置される。いくつかの変形において、歯間構造103が、隣接する雄コネクタ106間に配置されない。いくつかの変形において、歯列弓形態100は、患者の歯列弓の異なる部分に対応する別体のセグメントを含み得る。いくつかの変形において、歯列弓形態100は患者のすべての歯に結合されるとは限らない。いくつかの変形において、歯列弓形態100は患者のすべての歯に結合される。いくつかの変形において、歯列弓形態100は真っ直ぐな区域を含み得る。
【0335】
図16Eは、ブラケット900に結合される雄コネクタ106を示している。図示されているように、C字形バネ256は、雄コネクタ106を、停止部204、205に押し当てる、および/または、停止部204、205の少なくとも一部分の下に押す。接触表面910、911は停止部204、205と接触することができる。C字形バネ256によって適用される力は、停止部204、205の突き出し部および保持部208の突き出し部210の下で雄コネクタ106を係止することができる。
【0336】
歯列弓形態100のブラケット900および/または雄留め部106は、大臼歯、小臼歯、下顎前歯、上顎中央歯など、患者の様々な歯を受け入れるための変更を含むことができる。
【0337】
図17Aは、患者の任意の歯に取り付けることができるが、特に下顎前歯に適合され得るブラケット900を示している。図示されているように、ブラケット900は、下顎前歯の狭い幅を受け入れるために、側方延在部を省略することができる。下顎前歯のために構成されたブラケット900は、大臼歯または他のより大きい歯のために構成されたブラケット900と比較して、より狭い全体の幅を有することができる。保持部208の幅は、大臼歯のための構成と比較して狭くされ得る。停止部204、205は、ブラケット900の縁から内側に離間させることができ、これは、ブラケット900の歯肉側の縁または咬合側の縁からであり得る。
【0338】
図17Bに示されているように、雄コネクタ106が患者の下顎歯に位置決めされるように構成されていることを指示するために、雄コネクタ106は1つ以上の特徴を含むことができる。例えば、雄コネクタ106は開口912を備えることができる。雄コネクタ106は、摘まみ380の大きさ、アーム612間の距離、凹所402の大きさ、および/または他のことなど、患者の特定の歯における使用のために構成されたブラケット900と結合することを容易にするために、他の変更を含み得る。
【0339】
図18は、患者の任意の歯に取り付けることができるが、特に患者の上顎中央歯に適合され得るブラケット900を示している。図示されているように、ブラケット900は、大臼歯と比較して上顎中央歯のより狭い幅を受け入れるために、側方延在部を省略することができる。停止部204、205は、ブラケット900の縁から内側に離間させることができ、これは、ブラケット900の歯肉側の縁または咬合側の縁からであり得る。停止部204、205は、下顎前歯におけるより大きな度合いまで内向きに離間され得る。
【0340】
図19は、患者の任意の歯に取り付けることができるが、特に患者の小臼歯に適合され得るブラケット900を示している。ブラケット900は後方延在部902、903を備えることができるが、後方延在部902、903は、大臼歯の場合より小さい度合いまでで側方に延びることができ、これは、小臼歯のより小さい幅のためであり得る。停止部204、205は、ブラケット900の縁に、またはその縁に近接して位置決めさせることができ、これは、ブラケット900の歯肉側の縁または咬合側の縁においてであり得る。歯間ループ103は、雄コネクタ106に近接して、より水平に(例えば、より近心-遠心方向に)延びることができる。
【0341】
本明細書で記載されているように、患者のための治療計画は、段階的な歯列弓形態100を含み得る。例えば、複数の歯列弓形態100が、患者の歯を不正咬合位置から計画位置へと移動させるために、段階的な順序で使用され得る。図20A図20Cは、治療計画の間に使用され得る3つの上顎歯列弓形態100を示している。図20Aは上顎初期歯列弓形態100aを示しており、図20Bは上顎中期歯列弓形態100bを示しており、図20Cは上顎終期歯列弓形態100cを示している。いくつかの変形において、より少ない歯列弓形態100が使用されてもよく、これは1つまたは2つを含み得る。いくつかの変形において、より多くの歯列弓形態100が使用されてもよく、これは4つ、5つ、6つ、またはより多くを含み得る。治療計画は、歯を移動させるために上顎初期歯列弓形態100aの設置で始めることができる。初期歯列弓形態100aは、ある時間の期間の後に取り外され、上顎中期歯列弓形態100bと置き換えられ得る。中期歯列弓形態100bは、ある時間の期間の後に取り外され、患者の歯を最終的な構成へと移動させるために上顎終期歯列弓形態100cと置き換えられ得る。歯列弓形態100の歯間構造103は、患者が治療計画を通じて進むにつれて剛性が増加することができる(例えば、上顎終期歯列弓形態100cは初期歯列弓形態100aより大きな剛性であり得る)。いくつかの変形において、これは、患者が治療計画を通じて進むにつれて、歯間構造103の幅(例えば、寸法920)を増加させることを介して行うことができる。いくつかの変形において、治療計画は中期歯列弓形態または終期歯列弓形態で始まってもよい。いくつかの変形において、治療計画は初期歯列弓形態または中期歯列弓形態で終わってもよい。
【0342】
いくつかの変形において、雄コネクタ106は同じ大きさおよび/または形のままである。いくつかの変形において、雄コネクタ106の配向は治療の間に変化してもよい。いくつかの変形において、歯間構造103は治療計画の段階的な歯列弓形態100の間で変化することができ、これは、湾曲、幅、長さなどにおいて変化することを含み得る。例えば、歯間構造103は、ある段階から次の段階へと次第に広くなる(例えば、寸法920において広くなる)ことができる。例えば、上顎初期歯列弓形態100aにおける歯間ループ103の幅(例えば、寸法920)は治療計画のうちの最小のものとでき、上顎中期歯列弓形態100bは中間の幅を含むことができ、上顎終期歯列弓形態100cは最大の幅を含むことができる。段階的な手法は、治療の間の患者の快適性を向上することができ、患者の歯を徐々に移動させることができる。歯列弓形態100における歯間ループ103は、隣接する歯に加えられる力を変化させるために、幅(例えば、寸法920)が変化することができる。例えば、より大きい幅はより大きい力と一致することができる。歯間ループ103は、前歯と比較して、大臼歯を移動させるために望まれ得るより大きな力のため、歯列弓の大臼歯に対応する歯列弓形態100の一部分においてより広くてもよい。
【0343】
図21A図21Cは、患者の治療計画に応じて段階的な継承で使用され得る下顎歯列弓形態100を示している。下顎歯列弓形態100は、上顎歯列弓形態100を下顎歯列弓形態100から差別化するために、本明細書で記載されているように、雄コネクタ106において開口912などの印を含み得る。図21Aは下顎初期歯列弓形態100a´を示している。図21Bは下顎中期歯列弓形態100b´を示している。図21Cは下顎終期歯列弓形態100c´を示している。上顎歯列弓形態100を参照して記載されているように、下顎歯列弓形態100は、異なる力を患者の歯に加えるために、異なる段階の間に変更を含むことができ、これは、治療計画の間の使用者の快適性を向上させることができる。歯間構造103は、患者の歯に異なる力を付与するために(寸法920にわたる幅を増加させることで剛性において増加させるために)、本明細書に記載されているように変更させることができる。
【0344】
図22は、叢生歯を伴う患者のために構成された歯列弓形態100を示している。図示されているように、雄コネクタ106は、保持部208の近心側および遠心側を握るために、本明細書に記載されているアームを含まなくてもよい。代わりに、雄コネクタ106に近接する歯間曲げ103の一部分が、保持部208の近心側および遠心側を握ることができるように、歯肉方向または咬合方向において雄コネクタ106から離れるように延びることができる。これは、近心-遠心方向における雄コネクタ106とブラケット900との間の滑りを防止するのを助けることができ、および/または、設置を支援するのを助けることができる(例えば、臨床医が雄コネクタ106をブラケット900の中で固定するために工具を操作するとき、歯間曲げ103は雄コネクタ106をブラケット900において保持することができる)。
【0345】
図23A図23Gは、雄コネクタ106を設置および/または取り外しするのを支援するために使用できる、誘導具と称することもできる工具1000の端を示している。工具1000は、傾斜表面とも称され得る角度付き表面1002を備え得る。角度付き表面1002は直線および/湾曲であり得る。角度付き表面1002は自由端から湾曲部分1004へと延びることができる。角度付き表面1002と湾曲部分1004とは、雄コネクタ106をブラケット900に設置する、および/または、雄コネクタ106をブラケット900から取り外すのを助けるために、雄留め部106の摘まみ380に配置された溝112、および/または他の特徴に接触することができる(例えば、係合することができる)。いくつかの変形において、工具1000は中実の取っ手を備え得る。いくつかの変形において、工具1000は中空の取っ手を備え得る。工具1000の中空の取っ手は、雄コネクタ106がブラケットのスロットの中に挿入される(例えば、ブラケットに結合される)とき、またはスロットの中から取り外されるときに発せられ得る可聴音(例えば、クリック音)を増幅させることができる。発せられた音は、雄コネクタ106がブラケット900の中で係止されたことを臨床医に指示することができる。
【0346】
雄コネクタ106を設置するために、雄コネクタ106は、図23Bに図示されているように本明細書で記載されているように、ある角度でブラケット900のスロット202へと挿入させることができる(例えば、面214に対して角度を付けさせることができる)。雄コネクタ106の凹所402は、凹所402の周辺がC字形バネ256と接触するように、保持部208の突き出し部210の下に位置決めされ得る。
【0347】
工具1000の角度付き表面1002は、図23Bに示されているように、雄コネクタ106を設置するとき、ブラケット900の方を向くことができる。湾曲部分1004は溝112と接触させることができる。角度付き表面1002は、溝112を湾曲部分1004へと案内するのを助けることができる。工具1000を操作する臨床医は、工具1000を用いて、C字形バネ256およびブラケット900の面214に向けて力を溝112に加えることができる。結果として、C字形バネ256は、図23Dに示されているように、雄コネクタ106がスロット202の中で(例えば、面214と平行に)位置決めされるまで、雄コネクタ106が停止部204、205を越えてブラケット900の面214に向けて回転させることができるように、圧縮させることができる。臨床医は、C字形バネ256が力を停止部204、205の方向において雄コネクタ106に加えることで、雄コネクタ106が停止部204、205の一部分に押し当てられる、および/またはその一部分の下に押され、雄コネクタ106をブラケット900のスロット202の中で係止するように、工具1000を用いて、力を雄コネクタ106に加えることを停止することができる。雄コネクタ106へのC字形バネ256の力は、雄コネクタ106をブラケット900のスロットの中でしっかりと保持することができる。係止位置において、雄コネクタ106の1つ以上の一部分は、停止部204、205の受入スペーサ374、375の中に位置決めさせることができ、これは停止部204、205の突き出し部の後にあり得る。係止位置において、雄コネクタ106の接触表面910、911は停止部204、205と接触することができ、これは、停止部204、205の対応する接触表面を含み得る。係止位置において、雄コネクタ106は、保持部208の突き出し部210の後に配置され得る。係止構成でのブラケット900のスロット202の中への雄コネクタ106の配置は、可聴音(例えば、クリック音)を発することができる。本明細書に記載されているように、工具1000は、可聴音を増幅することができる中空の取っ手を有し得る。発せられた音は、雄コネクタ109がブラケット900の中で係止されたことを臨床医に指示することができる。
【0348】
工具1000によって雄コネクタ106をブラケット900から結合解除するために、工具1000は、図23Eおよび図23Fにおいて示されているように、角度付き表面1002がブラケット900から離れる方を向くように再配向させることができる。工具1000は、図23Fに示されているように、湾曲部分1004が溝112に接触し、角度付き表面が雄コネクタ106の摘まみ380の後に位置決めされるように、位置決めさせることができる。工具1000を操作する臨床医は、雄コネクタ106がC字形バネ256の方向に移動するように、工具1000を用いて力を雄コネクタ106に加えることができる。C字形バネ256は圧縮させることができ、雄コネクタ106は停止部204、205の延在部(例えば、突き出し部)の後から移動させられる(例えば、停止部204、205から係合解除する)。臨床医は、工具1000によって、ブラケット900から離す方に力を雄コネクタ106に加えることができ、これは、角度付き表面1002を介して力を雄コネクタ106に加えることを含み得る。これは、図23Gに示されているように、雄コネクタ106を面214から離してブラケット900のスロット202から外へ回転させることができる。いくつかの変形において、C字形バネ256に向けての工具1000の移動によって、雄コネクタ106は角度付き表面1002を滑り上がり、スロット202の外へ回転することができる。ブラケット900のスロット202の中での係止構成からの雄コネクタ106の取り外しは、雄コネクタ106が取り外されたことを臨床医に指示することができる可聴音(例えば、クリック音)を発することができる。工具1000の中空の取っ手は可聴音を増幅することができる。次に、雄コネクタ106は、雄コネクタ106をスロット202の中から取り外すために、止血鉗子などの工具によって掴むことができる。
【0349】
キットおよび/またはシステムが、本明細書に記載されている1つ以上の構成要素(例えば、ブラケット、歯列弓形態、トレイ、工具など)を含むことができる。例えば、いくつかの変形において、キットおよび/またはシステムは、複数のブラケット(例えば、大臼歯ブラケット、下顎前ブラケット、小臼歯ブラケット、および/もしくは上顎中央ブラケット)、1つ以上の歯列弓形態(例えば、上顎初期、下顎初期、上顎中期、下顎中期、上顎終期、および/もしくは下顎終期の歯列弓形態)、ブラケットおよび/もしくは歯列弓形態を取り扱うおよび/もしくは設置するための工具、接合のために患者の歯に複数のブラケットを位置決めするためのトレイ(例えば、間接的な接合トレイ)、ならびに/または、複数のブラケットを患者の歯に取り付けるための接着剤(例えば、接合剤)を含み得る。いくつかの変形において、キットおよび/またはシステムは、歯列矯正器具(例えば、ブラケットおよび歯列弓形態)を患者の口に設置するための構成要素を含み得る。キットは、いくつかの変形において、治療計画のためのすべての構成要素を含むことができ、これは、歯列矯正クリニックにおいて容易に見つけ出せない構成要素、および/または、患者のために特別に設計された構成要素を少なくとも含み得る。キットは、いくつかの変形において、患者の歯を不正咬合位置から計画位置へと移動させるために、治療計画に従って順序立てて使用される複数の歯列弓形態を含み得る。
【0350】
本明細書において記載されている歯列弓形態、ブラケット、キャップ、および/またはトレイは、患者の口の3D口腔内スキャンを介して行うことができる。例えば、患者の口の3Dスキャンが撮られ、歯列弓形態、ブラケット、キャップ、および/またはトレイを設計および製造させることができる。歯列弓形態は、患者の現在の不正咬合の形における患者の歯に適合し、患者の歯を第2の状態へと移動させるように設計され得る。いくつかの変形において、1つの歯列弓形態が、患者の歯の構成を不正咬合状態から完成した状態へと変化させることができる。いくつかの変形において、複数の歯列弓形態が、患者の歯を不正咬合状態から完成した状態へと移動させるために順序立てて使用される。本明細書に記載されている3Dスキャンは、スマートフォン、またはコンピュータなど、患者または臨床医の持ち運び可能デバイスを使用して実施させることができる。いくつかの変形において、3Dスキャンを実施するための器具が使用でき、スキャンをどのように実施するか、および、スキャンが成功したときについて、患者に命令を提供する。スキャンは、持ち運び可能デバイスの組み込みカメラを用いて、または、持ち運び可能デバイスもしくはコンピュータに動作可能に連結するアタッチメントを介して、実施され得る。3Dスキャンからのデータは、歯列弓形態、ブラケット、キャップ、および/またはトレイを設計および製造するために使用できる。3Dスキャンからのデータは、患者についての症状を作り出すために、歯列弓形態、ブラケット、キャップ、および/またはトレイの設計者および/または製造者のデータセンタ(つまり、クラウド)へとアップロードされ得る。
【0351】
本明細書に記載されている歯列弓形態は、形状記憶材料(例えば、ニチノール)などの材料の薄板から切断(例えば、レーザー、ウォータージェットなど)させることができる。材料の薄板は平坦であり得る。患者の口(例えば、歯、歯列弓形態)の3Dスキャンが、本明細書に記載されている方法のうちの1つ以上を使用して撮影され得る。患者の歯の仮想セットアップ(例えば、3Dモデル)が作り出され得る。歯は計画構成にデジタルで再構成させることができる。デジタルブラケットが計画構成において歯に配置され得る。固定具が、計画構成での歯の仮想セットアップに基づいて製造(例えば、3D印刷、機械加工、鋳造など)され得る。固定具は、仮想セットアップにおけるデジタルブラケットの位置に対応する位置に配置される保持特徴部(例えば、フック、スロットなど)を備え得る。歯列弓形態が、固定具に配置されるように歪められ得る。例えば、歯列弓形態のコネクタ(例えば、雄コネクタ、雄留め部など)が、固定具の保持特徴部に配置され、歯列弓形態を歪めることができる。歯列弓形態は、歯列弓形態の歪められた構成が歯列弓形態のデフォルト構成となるように、ヒートセット(例えば、熱に曝すこと)を介して特別に成形させることができる。本明細書に記載されているものを少なくとも含み得る歯列矯正ブラケットが、(例えば、仮想セットアップにおけるデジタルブラケットの位置に対応する位置において)患者の歯に接合され得る。特別に成形された歯列弓形態が、歯列矯正ブラケットに配置されるように歪められ得る。例えば、特別に成形された歯列弓形態のコネクタが、本明細書に記載されているように、歯列矯正ブラケットに結合され得る。歪められた特別に成形された歯列弓形態は、特別に成形された歯列弓形態がデフォルト構成に向けて戻るように移動するとき、1つ以上の力を患者の歯に加えて、1つ以上の歯を計画構成に向けて移動させることができる。本明細書に記載されているように、治療計画は、様々な特徴を伴う複数の歯列弓形態を組み込むことができる。例えば、治療計画は、患者の口に複数の歯列弓形態を順序立てて設置することを伴う可能性がある。複数の歯列弓形態は、患者が治療計画を通じて進むにつれて剛性が増加することができる。いくつかの変形において、歯列弓形態は、患者の口のスキャンに基づいて特別に切断させることができ、これは、欠損した歯などの異常を考慮することができる。
【0352】
図24は、患者に対応する印1300を伴う歯列弓形態100を示している。印1300は、患者に対応する文字、数、記号、図示、マーク、および/または他の特徴を含み得る。例えば、印1300は、患者と関連付けられた患者IDを含み得る。印1300は、正しい歯列弓形態100が患者の口に設置されることを確実にするために、システムおよび/または臨床医によって使用され得る。印1300は、歯列弓形態が上顎歯列弓への設置であるか、下顎歯列弓への設置であるかなど、他の情報を含むことができる。印1300は、コンピュータで読み取り可能な特徴を含むことができる。印1300は、雄コネクタ106(例えば、係止コネクタ)のうちの1つ以上に配置させることができる。印1300は、歯列弓形態100に、レーザーエッチング、レーザー彫刻、形成、塗装、および/または他の方法で配置され得る。
【0353】
本明細書で開示されている本発明の範囲は、先に記載されている具体的な開示されている実施形態によって限定されるべきではないことが、意図されている。本発明は、様々な変更および代替の形態の影響を受けやすく、特定の例が、図面において示されており、本明細書において詳細に記載されている。本発明は、開示されている詳細な形態または方法に限定されず、それどころか、記載されている様々な実施形態および添付の請求項の範囲および精神の中に入るすべての均等、変更、および代替を網羅する。本明細書に開示されている歯列矯正ブラケットおよび歯列弓形態の様々な特徴は、本開示の一部であるさらなる実施形態を形成するために、組み合わせることができる。本明細書で記載されている歯列矯正ブラケットは、患者の歯に接合させることができ、本明細書で記載されている歯列弓形態は、治療計画の一部として、歪めることができ、歯列矯正ブラケットに結合させることができる。歯列弓形態は、デフォルト位置に向けて移動することができ、患者の歯を第1の位置から第2の位置へと移動させることができる。本明細書で記載されている歯列弓形態は、患者の歯を移動させるために、順序立てて設置させられ得る。本明細書で記載されている歯列矯正ブラケットは、様々な配向で患者の歯に接合させることができ、これは、歯列矯正ブラケットを第1の歯肉-咬合配向で配向し、歯列矯正ブラケットを第2の歯肉-咬合配向へと180度で再配向すること(例えば、歯列矯正ブラケットを180度回転させること)を含み得る。
【0354】
歯列矯正ブラケットおよび/または歯列弓形態(デバイス、装置、組立体、構造などを含む)を使用する方法が本明細書において含まれており、使用の方法は、本開示において検討されているようなシステムの機能および/または特徴を達成するために、本明細書で開示されている特徴のうちのいずれか1つ以上を使用または組み立てることを含み得る。前述のシステムを製造する方法が含まれており、製造の方法は、本開示において検討されているようなシステムの機能および/または特徴を達成するために、本明細書で開示されているシステムの特徴のうちの任意の1つ以上を提供、作成、連結、組み立て、および/または設置することを含み得る。
【0355】
様々な他の変更、適合、および代替の設計が、当然ながら上記の教示に鑑みて可能である。そのため、添付の請求項の範囲内で、本発明が、本明細書に明示的に記載されている以外に実施され得ることは、理解されるべきである。先に開示されている実施形態の特定の特徴および態様の様々な組み合わせまたは部分組み合わせが行うことができ、なおも本発明のうちの1つ以上の中にあることは、検討されている。さらに、実施形態に関連しての任意の具体的な特徴、態様、方法、性質、特性、品質、属性、要素などの本明細書における開示は、本明細書において述べられたすべての他の実施形態において使用できる。したがって、開示されている実施形態の様々な特徴および態様が、開示されている発明の様々な様態を形成するために、互いと組み合わせることができる、または、互いと置き換えることができることは、理解されるべきである。したがって、本明細書で開示されている本発明の範囲は、先に記載されている具体的な開示されている実施形態によって限定されるべきではないことが、意図されている。さらに、本発明は、様々な変更および代替の形態の影響を受けやすいが、特定の例が、図面において示されており、本明細書において詳細に記載されている。しかしながら、本発明は、開示されている具体的な形態または方法に限定されず、逆に、本発明は、記載されている様々な実施形態および添付の請求項の範囲および精神の中に入るすべての変更、均等、および代替を網羅するものであることは、理解されるべきである。本明細書で開示されているいずれの方法も、提唱されている順番で必ずしも実施される必要はない。本明細書で開示されている方法は、実施者によって取られる特定の行為を含むが、明示的または暗示的に、それらの行為の第三者命令を含むこともできる。例えば、「歯列矯正ブラケットにおいて結び目を結ぶ」ことは、「歯列矯正ブラケットにおいて結び目を結ぶことを命令する」ことを含む。本明細書で開示されている範囲は、それらの任意およびすべての重なり、部分範囲、および組み合わせも網羅する。「最大」、「少なくとも」、「~より大きい」、「~より小さい」、「~の間」などの言葉は、提唱されている数字を含む。本明細書で使用されているような「おおよそ」、「約」、および「実質的」などの用語によって先行される数字は、提唱されている数を含み(例えば、約10%=10%)、所望の機能をなおも実施するかまたは所望の結果を達成する、述べられた量に近い量も表している。例えば、「おおよそ」、「約」、および「実質的」という用語は、述べられた量の10%未満内、5%未満内、1%未満内、0.1%未満内、および0.01%未満内である量に言及することができる。
【符号の説明】
【0356】
100 歯列弓形態、アーチワイヤ
100a 上顎初期歯列弓形態
100a´ 下顎初期歯列弓形態
100b 上顎中期歯列弓形態
100b´ 下顎中期歯列弓形態
100c 上顎終期歯列弓形態
100c´ 下顎終期歯列弓形態
102、104 歯間構造、歯間ループ、歯間曲げ
103 歯間構造、歯間ループ、歯間曲げ
106 雄留め部、雄コネクタ、雄構造
107 フック
108、110 アーム
112 溝
114 ブロック
116、118 係合表面
120 開放部、空間
122 隙間
124 開放部120の他の側、歯肉側の表面
126 摘まみ
130 表面
200 歯列矯正ブラケット
201 ブラケット組立体
202 スロット
204、205 停止部
206 突き出し部
208 保持部
210 突き出し部、延在部
211 湾曲部分
212 溝
214 面、表面
215 持ち上げられた面
216 突起
218、220 壁
222、224 保持表面
226 係止ピン
230 開口
234 係止部分
236 拡大部分
238 面取り、角度付き表面
240 凹所
242、244 握り表面
246 後表面
248 距離
250 壁
252 開放部
254 凹所
256 C字形バネ、楕円バネ
258 スロット
288 取っ手
260 通路
262 境界面
300 工具
302 シャフト部分
306 先端
310 下向きの力
352 開放部
354 表面
366 案内部
367 フランジ
368 隙間
370 開口、孔
374、375 切り欠き、受入スペーサ
376 傾斜表面
378 孔
380 取っ手、舌部、摘まみ
382、383 楔
384 角度付き表面
390 挿入/取り外し迎え角
392、393 斜面
394 開口
396 フランジ
402 凹所
500 パッド
502 ポケット
504 溶加材
506 アンダーカット、テクスチャ表面
508、509 傾斜表面
510 突起
512、513 傾斜表面
514、515 突起
520 表面
532 表面
600 ブラケット
602 突出部
604 場所
606 溝
608 摘まみ
612 アーム
613 係合特徴部
614 湾曲
616 カスタマイズされた特徴部
700 工具
701 工具
702 部材
703 ループ
703 先端
704 枢動部
706 溝
708 舌部
800 歯列弓形態
802 案内通路、保護層
803 装着パッド
804 摘まみ、係止機構、キャップ
805 一部分
806 保持表面
808 工具受入通路、可溶性構造
810 凹所
812 突起、楔
816 方向
822 工具受入凹所
900 ブラケット
902、903 側方延在部
910、911 接触表面
912 開口
920 寸法
1000 工具
1002 角度付き表面
1004 湾曲部分
1300 印
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図17A
図17B
図18
図19
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図21C
図22
図23A
図23B
図23C
図23D
図23E
図23F
図23G
図24
【国際調査報告】