(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-12
(54)【発明の名称】疾患を治療するための化合物及び方法
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20230705BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230705BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230705BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
C07D487/04 138
C07D487/04 CSP
A61P43/00 105
A61P25/00
A61K31/4439
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577160
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(85)【翻訳文提出日】2022-12-14
(86)【国際出願番号】 AU2021050633
(87)【国際公開番号】W WO2021253091
(87)【国際公開日】2021-12-23
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517187935
【氏名又は名称】オールテリティ セラピューティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100131990
【氏名又は名称】大野 玲恵
(72)【発明者】
【氏名】ボンド,サイラス
(72)【発明者】
【氏名】ハギンズ,ペネロペ ジェーン
(72)【発明者】
【氏名】パーソンズ,ジャック ゴードン
【テーマコード(参考)】
4C050
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB05
4C050CC04
4C050EE02
4C050FF10
4C050GG01
4C050HH04
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB03
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZB21
(57)【要約】
本発明は、生体金属を調節する式(I)の複素環式化合物と、そのような化合物を含有する医薬組成物とを提供する。本発明は、特に、鉄を調節する化合物、並びに疾患、特に、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)、アルツハイマー型認知症、ハンチントン病(HD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、前頭側頭型認知症(FTD)、及び多系統萎縮症(MSA)などの神経疾患の治療のための化合物に関する。(I)
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物であって、
【化1】
式中、
X
1~X
8の各々が、独立して、N及びCR
3からなる群から選択され、X
1~X
8のうちの0、1、2、3、又は4つが、Nであり、
R
1が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、(C(R
7)
2)
mアリール、C(O)R
4、及びC(S)R
4からなる群から選択され、
R
2が、水素、ハロ、OR
5、SR
5、C(O)R
4、C(S)R
4、NO
2、CN、N(R
6)
2、OS(O)
nN(R
6)
2、及びOS(O)
nR
4からなる群から選択され、
各R
3が、独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、
R
4が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、OR
5、SR
5、及びN(R
6)
2からなる群から選択され、
R
5が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C(O)アルキル、C(O)アルケニル、C(O)アルキニル、S(O)
nR
4、及びS(O)
nN(R
6)
2からなる群から選択され、
R
6が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群から選択され、
各R
7が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びハロアルキルからなる群から選択され、
mが、0、又は1~6の整数であり、
nが、1又は2であり、
pが、1~4の整数であり、
各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールが、任意選択で置換される、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物。
【請求項2】
X
1~X
8が、独立して、CR
3.から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
X
1~X
8のうちの1つがNであり、残りがCR
3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
X
1~X
8のうちの2つがNであり、残りがCR
3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
以下、
i)X
1~X
4のうちの1つがNであること、
ii)X
5~X
8のうちの1つがNであること、
iii)X
1がNであること、
iv)X
5がNであること、
v)X
6がNであること、
vi)X
7がNであること、又は
vii)X
8がNであること、のうちの1つが当てはまる、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
R
1が、水素、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C(O)C
1-6アルキル、CH
2アリール、及びC(O)OC
1-6アルキルからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
R
1が、水素又はCH
2フェニルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
R
2が、水素、OH、SH、フルオロ、クロロ、ブロモ、OC
1-6アルキル、SC
1-6アルキル、C(O)OC
1-6アルキル、NO
2、CN、NH
2、OS(O)
2NH
2、OS(O)
2NH(C
1-6アルキル)、OS(O)
2N(C
1-6アルキル)
2、及びOS(O)
nC
1-6アルキルから選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
R
2がOHである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
各R
3が、独立して、水素、ハロ、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
1-6ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、(CH
2)
qシクロアルキル、(CH
2)
qシクロアルケニル、(CH
2)
qアリール、(CH
2)
qヘテロシクリル、(CH
2)
qヘテロアリール、OH、(CH
2)
qOH、SH、(CH
2)
qSH、OC
1-6アルキル、SC
1-6アルキル、(CH
2)
qOC
1-6アルキル、(CH
2)
qSC
1-6アルキル、OC(O)C
1-6アルキル、(CH
2)
qOC(O)C
1-6アルキル、C(O)C
1-6アルキル、(CH
2)
qC(O)C
1-6アルキル、CO
2H,(CH
2)
qCO
2H、C(O)OC
1-6アルキル、(CH
2)
qC(O)OC
1-6アルキル、CONH
2、(CH
2)
qCONH
2、CN、(CH
2)
qCN、NO
2、(CH
2)
qNO
2、NH
2、NH(C
1-6アルキル)、N(C
1-6アルキル)
2、(CH
2)
qNH
2、(CH
2)
qNH(C
1-6アルキル)、(CH
2)
qN(C
1-6アルキル)
2、SO
2H、(CH
2)
qSO
2H、SO
3H、(CH
2)
qSO
3H、S(O)
2C
1-6アルキル、(CH
2)
qS(O)
2C
1-6アルキル、S(O)
2OC
1-6アルキル、(CH
2)
qS(O)
2OC
1-6アルキル、S(O)
2NH
2、S(O)
2NH(C
1-6アルキル)、S(O)
2N(C
1-6アルキル)
2、(CH
2)
qS(O)
2NH
2、(CH
2)
qS(O)
2NH(C
1-6アルキル)、(CH
2)
qS(O)
2N(C
1-6アルキル)
2、NHC(O)NH
2、NHC(O)NH(C
1-6アルキル)、NHC(O)N(C
1-6アルキル)
2、(CH
2)
qNHC(O)NH
2、(CH
2)
qNHC(O)NH(C
1-6アルキル)、及び(CH
2)
qNHC(O)N(C
1-6アルキル)
2からなる群から選択され、qが、1~3の整数である、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
pが、1、2、又は3である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
式(II)の化合物であって、
【化2】
式中、R
1、R
2、R
3、及びpが、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3hが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
式(III)の化合物であって、
【化3】
式中、R
1、R
2、及びR
3、並びにpが、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3d及びR
3f~R
3hが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
式(IV)の化合物であって、
【化4】
式中、R
1、R
2、及びR
3、並びにpが、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3e及びR
3g~R
3hが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
式(V)の化合物であって、
【化5】
R
1、R
2、R
3、及びpが、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3f、及びR
3hが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
式(VI)の化合物であって、
【化6】
式中、R
1、R
2、R
3、及びpが、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3gが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
式(VII)の化合物であって、
【化7】
式中、R
1、R
2、R
3、及びpが、式(I)について定義したとおりであり、X
5が、N又はCR
3eであり、X
6が、N又はCR
3fであり、X
7が、N又はCR
3gであり、X
8が、N又はCR
3hであり、R
3b~R
3hが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物と、薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤と、を含む、医薬組成物。
【請求項19】
対象に、請求項1~17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含む、金属イオン関連障害を治療又は予防する方法。
【請求項20】
前記障害が神経障害である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
金属イオン関連障害の治療又は予防に使用するための、請求項1~17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項22】
金属イオン関連神経障害の治療又は予防に使用するための、請求項1~17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項23】
金属イオン関連障害を治療又は予防するための医薬品の製造における、請求項1~17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の使用。
【請求項24】
金属イオン関連神経障害を治療又は予防するための医薬品の製造における、請求項1~17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体金属を調節する化合物と、そのような化合物を含有する医薬組成物とを提供する。本発明は、特に、鉄を調節する化合物、並びに疾患、特に、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)、アルツハイマー型認知症、ハンチントン病(HD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、前頭側頭型認知症(FTD)、及び多系統萎縮症(MSA)などの神経疾患の治療のための化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄を含む生体金属は、生細胞の代謝に不可欠であるが、すべての生理学的条件において極めて厳しい制御下で保持されなければならない。ある特定の疾患状態では、金属イオン管理が妨害される可能性があり、これにより、組織又は臓器に蓄積する金属レベルが上昇する。例えば、過剰な鉄は、金属の酸化還元活性に応じて、組織に対して広範な毒性効果を示す。
【0003】
酸化ストレスは、パーキンソン病(PD)及びアルツハイマー病(AD)などの多くの神経変性疾患で観察される物理的損傷に大きく関連すると説明されている。分子酸素の存在下で、鉄は、2つの最も安定な酸化状態である鉄(II)と鉄(III)との間で酸化還元サイクルを行って、ヒドロキシルラジカル(・OR)などの酸素由来フリーラジカルを生成することができる。これらのラジカルは、複数の生体分子と相互作用することができ、これにより組織損傷が生じる。
【0004】
細胞は、そのような高反応性種の形成又は産生を防止するためにある数の保護戦略を採用するが、疾患の状態により、これらのプロセスが圧倒され得る。脳は、他のすべての組織と同様に、グルタチオンペルオキシダーゼ(GP)、カタラーゼ、及びスーパーオキシドジスムターゼ(SD)などの保護酵素によって、酸素フリーラジカルによる有害な影響から自らを保護する。保護は、比較的多量のグルタチオン及びアスコルビン酸塩によっても提供される。
【0005】
パーキンソン病は、患者の脳の黒質(SN)におけるドパミン作動性ニューロンの進行性神経変性である。PD患者は、重要な神経伝達物質ドパミン(DA)が必須の生理機能を有する脳のSNにおいて、より高いレベルの鉄を有すると特定される。
【0006】
パーキンソン病患者からの脳に関する死後研究により、細胞膜の脂質過酸化、続いて膜流動性の増加、そして最後に細胞死をもたらす酸素フリーラジカル誘発酸化ストレスの関与が示唆される。通常、DAは、鉄などの一過性金属の存在下で細胞傷害性酸素フリーラジカル、例えば、過酸化物及びヒドロキシルフリーラジカル(・OR)を生成する、・OHなどの過剰の毒性酸素種をもたらす方法で代謝される。
【0007】
PDでは、上記の細胞傷害性酸素フリーラジカルの形成に対する脳の防御機序が欠損している。パーキンソン脳のSNでは、SD及びGPの活性が低下し、グルタチオン及びアスコルビン酸塩の組織含有量が低下する。さらに、鉄濃度が、ドパミン神経細胞内のパーキンソン病SNにおいて著しく上昇する。金属調節物質クリオキノールによるマウスの処置は、パーキンソン症候群を引き起こす1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(MPTP)の影響からマウスを保護することが示されている。さらなる実験では、マウスSN中の天然鉄結合タンパク質であるフェリチンを発現するように遺伝子操作されたマウスは、脳内で利用可能な鉄が少なく、同じくMPTPの影響から保護されることが示されている。重要なことに、マウスは、鉄レベルがどのように低下しても、重篤な副作用なしに、結果として生じる脳内の利用可能な鉄の低減に耐えた。
【0008】
鉄自体が酸化過程を誘導することができるが、鉄結合部位を有するタンパク質も同じことができることが、証拠により示唆される。ADでは、プラーク形成Aβペプチドが鉄(III)の酸化還元サイクルを行い、O2への二電子移動によって過酸化水素(H2O2)を生成する。H2O2は、鉄(II)などの還元された金属イオンと反応して、フェントン反応を介して高反応性ヒドロキシルラジカル(・OH)を生成する酸化促進分子である。今度はこのプロセスにより、多くの付加物及びタンパク質修飾が誘導される。
【0009】
アルツハイマー病には、すべてのクラスの巨大分子に対する広範な変化、それと併せてH2O2によって部分的に媒介される細胞損傷/死滅のアポトーシス機序が不可欠である。主に、Aβペプチドフェントン酸化還元活性は、Aβペプチドの鉄金属結合部位に依存する。この部位の存在により、細胞内金属の濃度を含む金属を調節する能力、又は金属結合部位を遮断する能力を有する化合物が、ADの直接的治療となることが示唆される。
【0010】
次いで、これらの状態により、細胞傷害性フリーラジカルが放出され、神経細胞死が生じる。
【0011】
金属関連障害の治療に必要な残りの性質を呈する鉄調節物質を見出すことが非常に望ましい。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、ある特定の化合物が、鉄を調節することが可能であり、したがってパーキンソン病及び他の金属関連障害の治療に好適な候補となるという発見に少なくとも部分的に基づく。
【0013】
第1の態様では、本発明は、式(I)の化合物であって、
【化1】
式中、
X
1~X
8の各々が、独立して、N及びCR
3であり、X
1~X
8のうちの0、1、2、3、又は4つが、Nであり、
R
1が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、(C(R
7)
2)
mアリール、C(O)R
4、及びC(S)R
4からなる群から選択され、
R
2が、水素、ハロ、OR
5、SR
5、C(O)R
4、C(S)R
4、NO
2、CN、N(R
6)
2、S(O)
nN(R
6)
2、及びS(O)
nR
4からなる群から選択され、
各R
3が、独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、
R
4が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、OR
5、SR
5、及びN(R
6)
2からなる群から選択され、
R
5が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C(O)アルキル、C(O)アルケニル、C(O)アルキニル、S(O)
nR
4、及びS(O)
nN(R
6)
2からなる群から選択され、
R
6が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群から選択され、
各R
7が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びハロアルキルからなる群から選択され、
mが、0、又は1~6の整数であり、
nが、1又は2であり、
pが、1~4の整数であり、
各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールが、任意選択で置換される、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物、を提供する。
【0014】
本発明の別の態様では、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物と、薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤と、を含む、医薬組成物が提供される。
【0015】
本発明のなお別の態様では、対象に、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含む、金属イオン関連障害を治療又は予防する方法が提供される。
【0016】
本発明のなお別の態様では、対象に、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含む、金属イオン関連神経障害を治療又は予防する方法が提供される。
【0017】
本発明のさらなる態様では、金属イオン関連障害の治療又は予防に使用するための、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。さらなる実施形態では、障害は神経障害である。
【0018】
本発明のなおさらなる態様では、金属イオン関連障害を治療又は予防するための医薬品の製造における、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の使用が提供される。さらなる実施形態では、障害は神経障害である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
定義
別段の定義されない限り、本明細書で使用するすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様又は等価である任意の方法及び材料を本発明の実施又は試験に使用することができるが、好ましい方法及び材料が記載されている。本発明の目的のために、次の用語を以下に定義する。
【0020】
冠詞「a」及び「an」は、冠詞の文法的対象のうちの1つ又は1つ超を(すなわち、少なくとも1つを)指すために本明細書で使用される。例として、「要素(an element)」は、1つの要素又は1つ超の要素を意味する。
【0021】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、基準の量(quantity)、レベル、値、寸法、サイズ、又は量(amount)に対して最大15%又は10%変化する量、レベル、値、寸法、サイズ、又は量を指す。
【0022】
本明細書全体をとおして、文脈上別途求められない限り、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含む(comprising)」という用語は、述べられたステップ若しくは要素、又はステップ若しくは要素の群の包含を示唆するが、任意の他のステップ若しくは要素又はステップ若しくは要素の群の除外を示唆するものではないことが理解される。
【0023】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、1~10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐飽和炭化水素基を指す。適切な場合、アルキル基は、指定される数の炭素原子、例えば、線形又は分岐配置で1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子を有するアルキル基を含むC1-6アルキルを有してもよい。好適なアルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、4-メチルブチル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、5-メチルペンチル、2-エチルブチル、3-エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、及びデシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
本明細書で使用される「ハロアルキル」という用語は、1個以上の水素原子がハロゲン原子で代置されており、過ハロゲン化アルキル基を含む、上で定義したアルキル基を指す。好適なハロアルキル基の例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、クロロフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ブロモメチル、ヨードメチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、1-クロロエチル、2-クロロエチル、1-ブロモエチル、2-ブロモエチル、1-ヨードエチル、2-ヨードエチル、1-フルオロプロピル、2-フルオロプロピル、3-フルオロプロピル、1-クロロプロピル、2-クロロプロピル、3-クロロプロピルなどが挙げられる。
【0025】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、炭素原子間に1個以上の二重結合を有し、2~10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐炭化水素基を指す。適切な場合、アルケニル基は、指定される数の炭素原子を有してもよい。例えば、「C2-C6アルケニル」にあるC2-C6は、線形又は分岐配置で2、3、4、5、又は6個の炭素原子を有する基を含む。好適なアルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ブタジエニル、ペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、及びデセニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」という用語は、1個以上の三重結合を有し、2~10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐炭化水素基を指す。適切な場合、アルキニル基は、特定される数の炭素原子を有してもよい。例えば、「C2-C6アルキニル」にあるC2-C6は、線形又は分岐配置で2、3、4、5、又は6個の炭素原子を有する基を含む。好適なアルキニル基の例としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、及びヘキシニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、飽和環式炭化水素を指す。シクロアルキル環は、特定される数の炭素原子を含んでもよい。例えば、3~10員のシクロアルキル基は、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の炭素原子を含む。好適なシクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、及びシクロデシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
本明細書で使用される場合、「シクロアルケニル」という用語は、不飽和環式炭化水素を指す。シクロアルケニル環は、特定される数の炭素原子を含んでもよい。例えば、5~10員のシクロアルケニル基は、5、6、7、8、9、又は10個の炭素原子を含む。シクロアルケニル基は、1個以上の二重結合を有し、1個超の二重結合が存在するときには、これらの二重結合は抱合されていなくても抱合されていてもよいが、シクロアルケニル基は芳香族ではない。好適なシクロアルケニル基の例としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、シクロオクタトリエニル、シクロノネニル、シクロノナジエニル、シクロノナトリエニル、シクロデセニル、シクロデカジエニル、及びシクロデカトリエニル環が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、各環に原子が最大7個ある任意の安定した単環式、二環式、又は三環式の炭素環系を意味することが意図され、ここでは、少なくとも1個の環が芳香族である。そのようなアリール基の例としては、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、フルオレニル、フェナントレニル、ビフェニル、及びビナフチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
本明細書で使用される場合、「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、フッ素(フルオロ)、塩素(クロロ)、臭素(ブロモ)、及びヨウ素(ヨード)を指す。
【0031】
本明細書で使用される「複素環式」又は「ヘテロシクリル」という用語は、1~4個の炭素原子が、N、N(R)、S、S(O)、S(O)2、及びOからなる群から独立して選択されるヘテロ原子によって代置されている、上で定義したシクロアルキル又はシクロアルケニルなどの環式炭化水素を指す。複素環式環は、飽和であっても不飽和であってもよいが、芳香族ではない。好適なヘテロシクリル基の例としては、アゼチジン、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリジニル、2-オキソピロリジニル、ピロリニル、ピラニル、ジオキソラニル、ピペリジニル、2-オキソピペリジニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、チアゾリニル、ジチオリル、オキサチオリル、ジオキサニル、ジオキシニル、ジオキサゾリル、オキサチオゾリル、オキサゾロニル、ピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリニル、3-オキソモルホリニル、ジチアニル、トリチアニル、及びオキサジニルが挙げられる。
【0032】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、各環に原子が最大7個ある安定した単環式、二環式、又は三環式の環を表し、ここでは、少なくとも1つの環が芳香族であり、少なくとも1つの環が、O、N、及びSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を含む。この定義の範囲内のヘテロアリール基としては、アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ピラゾリル、インドリル、イソインドリル、1H,3H-1-オキソイソインドリル、ベンゾトリアゾリル、フラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキサン、ベンゾジオキシン、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,3,5-トリアジニル、1,2,4-トリアジニル、1,2,4,5-テトラジニル、及びテトラゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールは、個々の実体であっても、より大きな実体の一部であっても、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C3-6シクロアルキル、オキソ(=O)、-OH、-SH、C1-6アルキルO-、C2-6アルケニルO-、C3-6シクロアルキルO-、C1-6アルキルS-、C2-6アルケニルS-、C3-6シクロアルキルS-、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-NH2、-NH(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)2、-NH(フェニル)、-N(フェニル)2、-CN、-NO2、-ハロゲン、-CF3、-OCF3、-SCF3、-CHF2、-OCHF2、-SCHF2、-フェニル、-ヘテロシクリル、-ヘテロアリール、-Oヘテロアリール、-Oヘテロシクリル、-Oフェニル、-C(=O)フェニル、-C(=O)C1-6アルキルからなる群から選択される1つ以上の任意選択の置換基で、任意選択で置換されてもよい。好適な置換基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ビニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、ヒドロキシ、オキソ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、-CO2H、-CO2CH3、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、ジフルオロメチルチオ、モルホリノ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、フェニル、フェノキシ、フェニルカルボニル、ベンジル、及びアセチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態であってもよい。しかしながら、薬学的に許容されない塩も、これらが薬学的に許容される塩の調製における中間体として有用であり得るか、又は貯蔵若しくは輸送中に有用であり得るため、本発明の範囲に入ることが理解される。好適な薬学的に許容される塩としては、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、炭酸、ホウ酸、スルファミン酸、及び臭化水素酸などの薬学的に許容される無機酸の塩、又は酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フマル酸、クエン酸、乳酸、ムチン酸、マロン酸、リンゴ酸(L)、乳酸(DL)、マンデル酸(DL)、グルコン酸、炭酸、安息香酸、コハク酸、シュウ酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンフルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸、桂皮酸、シクラミン酸、スルファニル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、馬尿酸、エデト酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パントテン酸、タンニン酸、アスコルビン酸、及び吉草酸などの薬学的に許容される有機酸の塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
塩基性塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、リジン、ヒスチジン、メグルミン、アンモニウム、及びアルキルアンモニウムなどの薬学的に許容されるカチオンで形成されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
塩基性窒素含有基は、メチル、エチル、プロピル、及びブチル塩化物、臭化物、及びヨウ化物などの低級アルキルハロゲン化物、硫酸ジメチル及び硫酸ジエチルなどの硫酸ジアルキル、並びにその他のものなどの薬剤で四級化されてもよい。
【0037】
本発明の化合物はまた、水和物を含む溶媒和物の形態であってもよい。「溶媒和物」という用語は、溶質(式(I)の化合物)と溶媒とによって形成される可変化学量論の複合体を指して本明細書で使用される。そのような溶媒は、溶質の生物活性を妨げてはならない。溶媒和物に含まれ得る溶媒としては、水、エタノール、プロパノール、及び酢酸が含まれるが、これらに限定されない。溶媒和の方法は、概して、当該技術分野で既知である。
【0038】
「プロドラッグ」という用語は、その最も広い意味で使用され、インビボで式(I)の化合物に変換される誘導体を包含する。そのような誘導体は、当業者には容易に想起され、例えば、遊離ヒドロキシ基がエステル誘導体に変換される、又は環窒素がN-オキシドに変換される化合物を含む。エステル誘導体の例としては、アルキルエステル、リン酸エステル、及びアミノ酸から形成されるものが挙げられる。好適なプロドラッグを調製するための従来の手順は、「Design of Prodrugs」Ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985などの教書に記載されている。
【0039】
また、本発明の化合物は、不斉中心を保有してもよく、したがって、1つ超の立体異性体形態で存在することができることも認識される。このため、本発明はまた、1つ以上の不斉中心において実質的に純粋な、例えば、約95%若しくは97%ee又は99%ee超など、約90%ee超の異性体形態の化合物、及びそれらのラセミ混合物を含む混合物に関する。そのような異性体は、例えばキラル中間体を使用する不斉合成によって調製されても、キラル分解によって調製されてもよい。本発明の化合物は、幾何異性体として存在してもよい。本発明はまた、実質的に純粋なシス(Z)又はトランス(E)又はそれらの混合物にある化合物に関する。
【0040】
本発明の化合物はまた、単結合を中心とした回転が制限又は妨害されている回転異性体又は配座異性体の形態で存在してもよい。
【0041】
式(I)の化合物を含む、本明細書で付与されるいずれの式又は構造も、医薬品として又は研究ツールとして使用するための化合物の非標識形態及び同位体標識形態を表すことも意図される。これには、薬物若しくは基質組織分布アッセイを含む、又は患者の放射線治療における、代謝試験、反応速度論試験、検出又は画像化技法、例えば、陽電子放出断層撮影(PET)又は単光子放出コンピューター断層撮影(SPECT)が含まれてもよい。同位体標識された化合物は、1つ以上の原子が選択された原子質量又は質量数を有する原子によって代置されることを除いて、本明細書で付与される式によって示される構造を有する。本開示の化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、及び塩素の同位体、例えば、限定されないが、2H(重水素、D)、3H(トリチウム)、10B、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36C1、及び125Iが挙げられる。様々な同位体標識された本開示の化合物、例えば、3H、13C、及び14Cなどの放射性同位体が組み込まれる化合物。薬学的治療としての使用に加えて、そのような同位体標識された化合物は、有用であり得る。
【0042】
本発明の化合物
本発明は、金属イオン調節化合物、特に鉄選択性イオン調節化合物を提供する。そのような調節物質は、経口送達可能性、低い肝臓抽出、非毒性、及び中枢神経系(CNS)において金属、特に鉄を調節する能力という望ましい特性のうちの1つ以上を有し得る。形成された複合体の有利な金属選択性、親和性、及び動態安定性も、好ましい化合物によって提供される。
【0043】
調節化合物がその薬理学的効果を発揮するためには、十分な濃度で標的部位に到達できる必要がある。したがって、経口活性鉄調節物質の好ましい要となる特性は、消化管(GI)から効率的に吸収されるその能力である。
【0044】
調節物質の代謝特性は、その有効性と毒性との両方を決定する上で重要な役割を果たす。鉄と関連付けられる毒性は、ある数の要因に由来するが、決定的には、チロシンヒドロキシラーゼ(L-DOPAの生合成に関与する脳酵素)及びリボヌクレオチドレダクターゼのような多くの鉄含有酵素を阻害するそれらの能力による。このため、第1の態様では、本発明は、式(I)の化合物であって、
【化2】
式中、
X
1~X
8の各々が、独立して、N及びCR
3からなる群から選択され、X
1~X
8のうちの0、1、2、3、又は4つが、Nであり、
R
1が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、(C(R
7)
2)
mアリール、C(O)R
4、及びC(S)R
4からなる群から選択され、
R
2が、水素、ハロ、OR
5、SR
5、C(O)R
4、C(S)R
4、NO
2、CN、N(R
6)
2、OS(O)
nN(R
6)
2、及びOS(O)
nR
4からなる群から選択され、
各R
3が、独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、
R
4が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、OR
5、SR
5、及びN(R
6)
2からなる群から選択され、
R
5が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C(O)アルキル、C(O)アルケニル、C(O)アルキニル、S(O)
nR
4、及びS(O)
nN(R
6)
2からなる群から選択され、
R
6が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群から選択され、
各R
7が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びハロアルキルからなる群から選択され、
mが、0、又は1~6の整数であり、
nが、1又は2であり、
pが、1~4の整数であり、
各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールが、任意選択で置換される、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物、を提供する。
【0045】
いくつかの実施形態では、X1~X8は、各々独立して、CR3である。他の実施形態では、X1~X8のうちの1つがNであり、残りがCR3である。なお他の実施形態では、X1~X8のうちの2つがNであり、残りがCR3である。なお他の実施形態では、X1~X8のうちの3つがNであり、残りがCR3である。なおさらなる実施形態では、X1~X8のうちの4つがNであり、残りがCR3である。特定の実施形態では、X1~X8は、各々独立して、CR3であるか、又はX1~X8のうちの1つがNであり、残りがCR3である。
【0046】
いくつかの実施形態では、X1~X4のうちの1つがNである。他の実施形態では、X5~X8のうちの1つがNである。特定の実施形態では、X1、X5、X6、X7、及びX8のうちの1つがNである。
【0047】
いくつかの実施形態では、X1~X4のうちの1つがNであり、X5~X8のうちの2つがNである。他の実施形態では、X1~X4のうちの2つがNであり、X5~X8のうちの1つがNである。
【0048】
いくつかの実施形態では、X1~X4のうちの2つがNであり、X5~X8のうちの2つがNである。
【0049】
なお他の実施形態では、X1~X4のうちの1つ及びX5~X8のうちの1つがNである。いくつかの実施形態では、X1、X5、X6、X7、及びX8のうちの2つがNである。
【0050】
いくつかの実施形態では、X1~X8のうちの2つ又は3つがNである場合、2つ以下の窒素原子は、環内で互いに隣接して位置する。例えば、X5とX7とが両方ともNである場合、X6はNであり得ない。
【0051】
特定の実施形態では、以下のうちの1つ以上が適用される:
R1が、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、アリール、(CH2)qアリール、C(O)C1-6アルキル、及びC(O)OC1-6アルキル(式中、qは、1~3の整数である)、具体的には、水素、C1-6アルキル、CH2アリール、及びC(O)C1-6アルキル、より具体的には、水素、C1-3アルキル、及びCH2フェニル、最も具体的には、水素、CH3、及びCH2フェニルからなる群から選択され、
R2が、水素、OH、SH、フルオロ、クロロ、ブロモ、OC1-6アルキル、SC1-6アルキル、C(O)OC1-6アルキル、NO2、CN、NH2、OS(O)2NH2、OS(O)2NH(C1-6アルキル)、OS(O)2N(C1-6アルキル)2、及びOS(O)nC1-6アルキル、具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OC1-6アルキル、及びCO2C1-6アルキル、より具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OC1-6アルキル、及びCO2C1-6アルキル、さらにより具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OCH3、及びCO2CH3、最も具体的には、OHからなる群から選択され、
各R3が、水素、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C1-6ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、(CH2)qシクロアルキル、(CH2)qシクロアルケニル、(CH2)qアリール、(CH2)qヘテロシクリル、(CH2)qヘテロアリール、OH、(CH2)qOH、SH、(CH2)qSH、OC1-6アルキル、SC1-6アルキル、(CH2)qOC1-6アルキル、(CH2)qSC1-6アルキル、OC(O)C1-6アルキル、(CH2)qOC(O)C1-6アルキル、C(O)C1-6アルキル、(CH2)qC(O)C1-6アルキル、CO2H、(CH2)qCO2H、C(O)OC1-6アルキル、(CH2)qC(O)OC1-6アルキル、CONH2、(CH2)qCONH2、CN、(CH2)qCN、NO2、(CH2)qNO2、NH2、NH(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)2、(CH2)qNH2、(CH2)qNH(C1-6アルキル)、(CH2)qN(C1-6アルキル)2、SO2H、(CH2)qSO2H、SO3H、(CH2)qSO3H、S(O)2C1-6アルキル、(CH2)qS(O)2C1-6アルキル、S(O)2OC1-6アルキル、(CH2)qS(O)2OC1-6アルキル、S(O)2NH2、S(O)2NH(C1-6アルキル)、S(O)2N(C1-6アルキル)2、(CH2)qS(O)2NH2、(CH2)qS(O)2NH(C1-6アルキル)、(CH2)qS(O)2N(C1-6アルキル)2、NHC(O)NH2、NHC(O)NH(C1-6アルキル)、NHC(O)N(C1-6アルキル)2、(CH2)qNHC(O)NH2、(CH2)qNHC(O)NH(C1-6アルキル)、及び(CH2)qNHC(O)N(C1-6アルキル)2(式中、qは、1~3の整数である)、具体的には、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、(CH2)qヘテロシクリル、(CH2)qヘテロアリール、OH、(CH2)qOH、OC1-6アルキル、SC1-6アルキル、(CH2)qOC1-6アルキル、(CH2)qSC1-6アルキル、OC(O)C1-6アルキル、(CH2)qOC(O)C1-6アルキル、C(O)C1-6アルキル、(CH2)qC(O)C1-6アルキル、C(O)OC1-6アルキル、(CH2)qC(O)OC1-6アルキル、CN、(CH2)qCN、NO2、CH2NO2、NH2、NH(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)2、(CH2)qNH2、(CH2)qNH(C1-6アルキル)、(CH2)qN(C1-6アルキル)2、より具体的には、水素、ハロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、OH、OC1-3アルキル、SC1-3アルキル、CH2OC1-3アルキル、CH2SC1-3アルキル、C(O)C1-3アルキル、CH2C(O)C1-3アルキル、C(O)OC1-3アルキル、CH2C(O)OC1-3アルキル、CN、CH2CN、NO2、CH2NO2、NH2、NH(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)2、CH2NH2、CH2NH(C1-6アルキル)、CH2N(C1-6アルキル)2、CH2CH2NH2、CH2CH2NH(C1-6アルキル)、CH2CH2N(C1-6アルキル)2、CHCH2CH2NH2、CH2CH2CH2NH(C1-6アルキル)、CH2CH2CH2N(C1-6アルキル)2、ヘテロシクリル、CH2ヘテロシクリル、CH2CH2ヘテロシクリル、及びCH2CH2CH2ヘテロシクリル、さらにより具体的には、CH3、CH2CH3、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル、CO2CH3、CH2モルホリン、CH2CH2モルホリン、CH2CH2CH2モルホリン、CH2N(CH3)2、CH2CH2N(CH3)2、CH2CH2CH2N(CH3)2、CH2N(CH2CH3)2、CH2CH2N(CH2CH3)2、CH2CH2CH2N(CH2CH3)2、CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2CH2CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2-N-ピロリジン、CH2CH2-N-ピロリジン、及びCH2CH2CH2-N-ピロリジンからなる群から選択され、
R4が、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、OC1-6アルキル、及びOC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、OC1-3アルキル、及びOC1-3ハロアルキル、より具体的には、CH3、CF3、OCH3、及びOCF3からなる群から選択され、
R5が、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C(O)C1-6アルキル、S(O)2C1-6アルキル、S(O)2OC1-6アルキル、S(O)2NH2、S(O)2NH(C1-6アルキル)、及びS(O)2N(C1-6アルキル)2、具体的には、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキ、及びC(O)C1-3アルキルから選択され、
R6が、水素及びC1-6アルキル、具体的には、水素及びC1-3アルキルから選択され、
各R7が、独立して、水素、アルキル、及びハロアルキル、具体的には、水素からなる群から選択され、
mが、0、又は1~3の整数であり、具体的には、ここで、mが、0、1、又は2であり、
pが、1、2、又は3、具体的には、1又は2である。
【0052】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(II)の化合物であって、
【化3】
式中、R
1、R
2、R
3、及びpが、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3hが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0053】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、式(IIa)の化合物であって、
【化4】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3kが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0054】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、式(IIb)の化合物であって、
【化5】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3lが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0055】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、式(IIc)の化合物であって、
【化6】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3mが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0056】
式(II)の特定の実施形態では、以下のうちの1つ以上が適用される:
R1が、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、アリール、(CH2)qアリール、C(O)C1-6アルキル、及びC(O)OC1-6アルキル(式中、qは、1~3の整数である)、具体的には、水素、C1-6アルキル、CH2アリール、及びC(O)C1-6アルキル、より具体的には、水素、C1-3アルキル、及びCH2フェニル、最も具体的には、水素、CH3、及びCH2フェニルからなる群から選択され、
R2が、水素、OH、フルオロ、クロロ、ブロモ、OC1-6アルキル、SC1-6アルキル、C(O)OC1-6アルキル、NO2、CN、NH2、OS(O)2NH2、OS(O)2NH(C1-6アルキル)、OS(O)2N(C1-6アルキル)2、及びOS(O)nC1-6アルキル、具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OC1-6アルキル、及びCO2C1-6アルキル、より具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OC1-6アルキル、及びCO2C1-6アルキル、さらにより具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OCH3、及びCO2CH3、最も具体的には、OHからなる群から選択され、
R3aが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素及びフルオロからなる群から選択され、
R3bが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、及びCO2C1-6アルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、及びCO2C1-3アルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CH3、CF3、及びCO2CH3からなる群から選択され、
R3cが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、及び(CH2)qヘテロシクリル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、及びCH2ヘテロシクリル、より具体的には、水素、CH3、CF3、フルオロ、及びCH2モルホリンからなる群から選択され、
R3dが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、(CH2)qN(C1-6アルキル)2、及び(CH2)qヘテロシクリル(式中、qは、1~3である)、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、(CH2)qN(C1-3アルキル)2、(CH2)qモルホリン、(CH2)qピペラジン、(CH2)q-4-N-メチルピペラジン、及び(CH2)qピロリジン(式中、qは、1~3である)、より具体的には、水素、フルオロ、クロロ、CH3、CF3、CH2N(CH3)2、CH2CH2N(CH3)2、CH2CH2CH2N(CH3)2、CH2N(CH2CH3)2、CH2CH2N(CH2CH3)2、CH2CH2CH2N(CH2CH3)2、CH2モルホリン、CH2CH2モルホリン、CH2CH2CH2モルホリン、CH2ピペラジン、CH2CH2ピペラジン、CH2CH2CH2ピペラジン、CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2CH2CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2ピロリジン、CH2CH2ピロリジン、及びCH2CH2CH2ピロリジンからなる群から選択され、
R3eが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素及びフルオロからなる群から選択され、
R3fが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CF3、及びCH3からなる群から選択され、
R3gが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
R3hが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3iが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3jが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3kが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3lが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3mが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
mが、0、又は1~3の整数であり、具体的には、ここで、mが、0、1、又は2であり、
pが、1、2、又は3である、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物。
【0057】
式(II)の特定の化合物は、実施例に示す化合物7、8、9、10、12、36、37、及び38である。
【0058】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(III)の化合物であって、
【化7】
式中、R
1、R
2、及びR
3、並びにpが、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3d及びR
3f~R
3hが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0059】
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物は、式(IIIa)の化合物であって、
【化8】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3d及びR
3f~R
3kが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0060】
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物は、式(IIIb)の化合物であって、
【化9】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3d及びR
3f~R
3lが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0061】
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物は、式(IIIc)の化合物であって、
【化10】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3d及びR
3f~R
3mが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0062】
式(III)の特定の実施形態では、以下のうちの1つ以上が適用される:
R1が、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、アリール、(CH2)qアリール、C(O)C1-6アルキル、及びC(O)OC1-6アルキル(式中、qは、1~3の整数である)、具体的には、水素、C1-6アルキル、CH2アリール、及びC(O)C1-6アルキル、より具体的には、水素、C1-3アルキル、及びCH2フェニル、最も具体的には、水素、CH3、及びCH2フェニルからなる群から選択され、
R2が、水素、OH、フルオロ、クロロ、ブロモ、OC1-6アルキル、SC1-6アルキル、C(O)OC1-6アルキル、NO2、CN、NH2、OS(O)2NH2、OS(O)2NH(C1-6アルキル)、OS(O)2N(C1-6アルキル)2、及びOS(O)nC1-6アルキル、具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OC1-6アルキル、及びCO2C1-6アルキル、より具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OC1-6アルキル、及びCO2C1-6アルキル、さらにより具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OCH3、及びCO2CH3、最も具体的には、OHからなる群から選択され、
R3aが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素及びフルオロからなる群から選択され、
R3bが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、及びCO2C1-6アルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、及びCO2C1-3アルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CH3、CF3、及びCO2CH3からなる群から選択され、
R3cが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、及び(CH2)qヘテロシクリル(式中、qは、1~3の整数である)、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、及びCH2ヘテロシクリル、より具体的には、水素、CH3、CF3、フルオロ、及びCH2モルホリンからなる群から選択され、
R3dが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、(CH2)qN(C1-6アルキル)2、及び(CH2)qヘテロシクリル(式中、qは、1~3である)、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、(CH2)qN(C1-3アルキル)2、(CH2)qモルホリン、(CH2)qピペラジン、(CH2)q-4-N-メチルピペラジン、及び(CH2)qピロリジン(式中、qは、1~3である)、より具体的には、水素、フルオロ、クロロ、CH3、CF3、CH2N(CH3)2、CH2CH2N(CH3)2、CH2CH2CH2N(CH3)2、CH2N(CH2CH3)2、CH2CH2N(CH2CH3)2、CH2CH2CH2N(CH2CH3)2、CH2モルホリン、CH2CH2モルホリン、CH2CH2CH2モルホリン、CH2ピペラジン、CH2CH2ピペラジン、CH2CH2CH2ピペラジン、CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2CH2CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2ピロリジン、CH2CH2ピロリジン、及びCH2CH2CH2ピロリジンからなる群から選択され、
R3fが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CF3、及びCH3からなる群から選択され、
R3gが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
R3hが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3iが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3jが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3kが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3lが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3mが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
mが、0、又は1~3の整数であり、具体的には、ここで、mが、0、1、又は2であり、
pが、1、2、又は3である、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物。
【0063】
式(III)の特定の化合物は、実施例に示す化合物1、2、3、4、5、6、40、41、42、43、45、46、47、48、50、51、52、53、55、56、57、58、及び59である。
【0064】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(IV)の化合物であって、
【化11】
式中、R
1、R
2、及びR
3、並びにpが、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3e及びR
3g~R
3hが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0065】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物は、式(IVa)の化合物であって、
【化12】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3e及びR
3g~R
3kが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0066】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物は、式(IVb)の化合物であって、
【化13】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3e及びR
3g~R
3lが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0067】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物は、式(IVc)の化合物であって、
【化14】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3e及びR
3g~R
3lが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0068】
式(IV)の特定の実施形態では、以下のうちの1つ以上が適用される:
R1が、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、アリール、(CH2)qアリール、C(O)C1-6アルキル、及びC(O)OC1-6アルキル(式中、qは、1~3の整数である)、具体的には、水素、C1-6アルキル、CH2アリール、及びC(O)C1-6アルキル、より具体的には、水素、C1-3アルキル、及びCH2フェニル、最も具体的には、水素、CH3、及びCH2フェニルからなる群から選択され、
R2が、水素、OH、フルオロ、クロロ、ブロモ、OC1-6アルキル、SC1-6アルキル、C(O)OC1-6アルキル、NO2、CN、NH2、OS(O)2NH2、OS(O)2NH(C1-6アルキル)、OS(O)2N(C1-6アルキル)2、及びOS(O)nC1-6アルキル、具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OC1-6アルキル、及びCO2C1-6アルキル、より具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OC1-6アルキル、及びCO2C1-6アルキル、さらにより具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OCH3、及びCO2CH3、最も具体的には、OHからなる群から選択され、
R3aが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素及びフルオロからなる群から選択され、
R3bが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、及びCO2C1-6アルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、及びCO2C1-3アルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CH3、CF3、及びCO2CH3からなる群から選択され、
R3cが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、及び(CH2)qヘテロシクリル(式中、qは、1~3の整数である)、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、及びCH2ヘテロシクリル、より具体的には、水素、CH3、CF3、フルオロ、及びCH2モルホリンからなる群から選択され、
R3dが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、(CH2)qN(C1-6アルキル)2、及び(CH2)qヘテロシクリル(式中、qは、1~3である)、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、(CH2)qN(C1-3アルキル)2、(CH2)qモルホリン、(CH2)qピペラジン、(CH2)q-4-N-メチルピペラジン、及び(CH2)qピロリジン(式中、qは、1~3である)、より具体的には、水素、フルオロ、クロロ、CH3、CF3、CH2N(CH3)2、CH2CH2N(CH3)2、CH2CH2CH2N(CH3)2、CH2N(CH2CH3)2、CH2CH2N(CH2CH3)2、CH2CH2CH2N(CH2CH3)2、CH2モルホリン、CH2CH2モルホリン、CH2CH2CH2モルホリン、CH2ピペラジン、CH2CH2ピペラジン、CH2CH2CH2ピペラジン、CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2CH2CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2ピロリジン、CH2CH2ピロリジン、及びCH2CH2CH2ピロリジンからなる群から選択され、
R3eが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素及びフルオロからなる群から選択され、
R3gが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
R3hが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3iが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3jが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3kが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3lが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3mが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
mが、0、又は1~3の整数であり、具体的には、ここで、mが、0、1、又は2であり、
pが、1、2、又は3である、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物。
【0069】
式(IV)の特定の化合物は、実施例に示す化合物29及び30である。
【0070】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(V)の化合物であって、
【化15】
R
1、R
2、R
3、及びpが、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3f、及びR
3hが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0071】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物は、式(Va)の化合物であって、
【化16】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3f及びR
3h~R
3kが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0072】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物は、式(Vb)の化合物であって、
【化17】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3f及びR
3h~R
3lが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0073】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物は、式(Vc)の化合物であって、
【化18】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3f及びR
3h~R
3mが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0074】
式(V)の特定の実施形態では、以下のうちの1つ以上が適用される:
R1が、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、アリール、(CH2)qアリール、C(O)C1-6アルキル、及びC(O)OC1-6アルキル(式中、qは、1~3の整数である)、具体的には、水素、C1-6アルキル、CH2アリール、及びC(O)C1-6アルキル、より具体的には、水素、C1-3アルキル、及びCH2フェニル、最も具体的には、水素、CH3、及びCH2フェニルからなる群から選択され、
R2が、水素、OH、フルオロ、クロロ、ブロモ、OC1-6アルキル、SC1-6アルキル、C(O)OC1-6アルキル、NO2、CN、NH2、OS(O)2NH2、OS(O)2NH(C1-6アルキル)、OS(O)2N(C1-6アルキル)2、及びOS(O)nC1-6アルキル、具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OC1-6アルキル、及びCO2C1-6アルキル、より具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OC1-6アルキル、及びCO2C1-6アルキル、さらにより具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OCH3、及びCO2CH3、最も具体的には、OHからなる群から選択され、
R3aが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素及びフルオロからなる群から選択され、
R3bが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、及びCO2C1-6アルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、及びCO2C1-3アルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CH3、CF3、及びCO2CH3からなる群から選択され、
R3cが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、及び(CH2)qヘテロシクリル(式中、qは、1~3の整数である)、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、及び(CH2)qヘテロシクリル、より具体的には、水素、CH3、CF3、フルオロ、及びCH2モルホリンからなる群から選択され、
R3dが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、(CH2)qN(C1-6アルキル)2、及び(CH2)qヘテロシクリル(式中、qは、1~3である)、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、(CH2)qN(C1-3アルキル)2、(CH2)qモルホリン、(CH2)qピペラジン、(CH2)q-4-N-メチルピペラジン、及び(CH2)qピロリジン(式中、qは、1~3である)、より具体的には、水素、フルオロ、クロロ、CH3、CF3、CH2N(CH3)2、CH2CH2N(CH3)2、CH2CH2CH2N(CH3)2、CH2N(CH2CH3)2、CH2CH2N(CH2CH3)2、CH2CH2CH2N(CH2CH3)2、CH2モルホリン、CH2CH2モルホリン、CH2CH2CH2モルホリン、CH2ピペラジン、CH2CH2ピペラジン、CH2CH2CH2ピペラジン、CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2CH2CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2ピロリジン、CH2CH2ピロリジン、及びCH2CH2CH2ピロリジンからなる群から選択され、
R3eが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素及びフルオロからなる群から選択され、
R3fが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CF3、及びCH3からなる群から選択され、
R3hが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3iが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3jが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3kが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3lが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3mが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
mが、0、又は1~3の整数であり、具体的には、ここで、mが、0、1、又は2であり、
pが、1、2、又は3である、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物。
【0075】
式(V)の特定の化合物は、実施例に示す化合物21、22、23、24、25、26、27、及び28である。
【0076】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(VI)の化合物であって、
【化19】
式中、R
1、R
2、R
3、及びpが、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3gが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0077】
いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物は、式(VIa)の化合物であって、
【化20】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3g及びR
3i~R
3kが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0078】
いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物は、式(VIb)の化合物であって、
【化21】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3g及びR
3i~R
3lが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0079】
いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物は、式(VIc)の化合物であって、
【化22】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、R
3a~R
3g及びR
3i~R
3mが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0080】
式(VI)の特定の実施形態では、以下のうちの1つ以上が適用される:
R1が、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、アリール、(CH2)qアリール、C(O)C1-6アルキル、及びC(O)OC1-6アルキル(式中、qは、1~3の整数である)、具体的には、水素、C1-6アルキル、CH2アリール、及びC(O)C1-6アルキル、より具体的には、水素、C1-3アルキル、及びCH2フェニル、最も具体的には、水素、CH3、及びCH2フェニルからなる群から選択され、
R2が、水素、OH、フルオロ、クロロ、ブロモ、OC1-6アルキル、SC1-6アルキル、C(O)OC1-6アルキル、NO2、CN、NH2、OS(O)2NH2、OS(O)2NH(C1-6アルキル)、OS(O)2N(C1-6アルキル)2、及びOS(O)nC1-6アルキル、具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OC1-6アルキル、及びCO2C1-6アルキル、より具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OC1-6アルキル、及びCO2C1-6アルキル、さらにより具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OCH3、及びCO2CH3、最も具体的には、OHからなる群から選択され、
R3aが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素及びフルオロからなる群から選択され、
R3bが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、及びCO2C1-6アルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、及びCO2C1-3アルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CH3、CF3、及びCO2CH3からなる群から選択され、
R3cが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、及び(CH2)qヘテロシクリル(式中、qは、1~3の整数である)、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、及びCH2ヘテロシクリル、より具体的には、水素、CH3、CF3、フルオロ、及びCH2モルホリンからなる群から選択され、
R3dが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、(CH2)qN(C1-6アルキル)2、及び(CH2)qヘテロシクリル(式中、qは、1~3である)、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、(CH2)qN(C1-3アルキル)2、(CH2)qモルホリン、(CH2)qピペラジン、(CH2)q-4-N-メチルピペラジン、及び(CH2)qピロリジン(式中、qは、1~3である)、より具体的には、水素、フルオロ、クロロ、CH3、CF3、CH2N(CH3)2、CH2CH2N(CH3)2、CH2CH2CH2N(CH3)2、CH2N(CH2CH3)2、CH2CH2N(CH2CH3)2、CH2CH2CH2N(CH2CH3)2、CH2モルホリン、CH2CH2モルホリン、CH2CH2CH2モルホリン、CH2ピペラジン、CH2CH2ピペラジン、CH2CH2CH2ピペラジン、CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2CH2CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2ピロリジン、CH2CH2ピロリジン、及びCH2CH2CH2ピロリジンからなる群から選択され、
R3eが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素及びフルオロからなる群から選択され、
R3fが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CF3、及びCH3からなる群から選択され、
R3gが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3iが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3jが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3kが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3lが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3mが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
mが、0、又は1~3の整数であり、具体的には、ここで、mが、0、1、又は2であり、
pが、1、2、又は3である、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物。
【0081】
式(VI)の特定の化合物は、実施例に示す化合物13、14、15、16、17、18、19、20、及び39である。
【0082】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(VII)の化合物であって、
【化23】
式中、R
1、R
2、R
3、及びpが、式(I)について定義したとおりであり、X
5が、N又はCR
3eであり、X
6が、N又はCR
3fであり、X
7が、N又はCR
3gであり、X
8が、N又はCR
3hであり、R
3b~R
3hが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0083】
いくつかの実施形態では、式(VII)の化合物は、式(VIIa)の化合物であって、
【化24】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、X
5が、N又はCR
3eであり、X
6が、N又はCR
3fであり、X
7が、N又はR
3gであり、X
8が、N又はCR
3hであり、R
3b~R
3kが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、式中、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0084】
いくつかの実施形態では、式(VII)の化合物は、式(VIIb)の化合物であって、
【化25】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、X
5が、N又はCR
3eであり、X
6が、N又はCR
3fであり、X
7が、N又はR
3gであり、X
8が、N又はCR
3hであり、R
3b~R
3lが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、式中、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0085】
いくつかの実施形態では、式(VII)の化合物は、式(VIIc)の化合物であって、
【化26】
式中、R
1及びR
2が、式(I)について定義したとおりであり、X
5が、N又はCR
3eであり、X
6が、N又はCR
3fであり、X
7が、N又はR
3gであり、X
8が、N又はCR
3hであり、R
3b~R
3mが、各々独立して、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルキル、(C(R
7)
2)
mシクロアルケニル、(C(R
7)
2)
mアリール、(C(R
7)
2)
mヘテロシクリル、(C(R
7)
2)
mヘテロアリール、(C(R
7)
2)
mOR
5、(C(R
7)
2)
mSR
5、(C(R
7)
2)
mC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mOC(S)R
4、(C(R
7)
2)
mSC(O)R
4、(C(R
7)
2)
mCN、(C(R
7)
2)
mNO
2、(C(R
7)
2)
mN(R
6)
2、(C(R
7)
2)
mS(O)
nR
4、(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(O)N(R
6)
2、及び(C(R
7)
2)
mN(R
6)C(S)N(R
6)
2からなる群から選択され、式中、R
4、R
5、R
6、R
7、及びmが、式(I)について定義したとおりである、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物である。
【0086】
式(VII)の特定の実施形態では、以下のうちの1つ以上が適用される:
X5がCR3eであり、X6がCR3fであり、X7がCR3gであり、X8がCR3gであり、
X5、X6、X7、及びX8のうちの1つが、Nであり、
R1が、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、アリール、(CH2)qアリール、C(O)C1-6アルキル、及びC(O)OC1-6アルキル(式中、qは、1~3の整数である)、具体的には、水素、C1-6アルキル、CH2アリール、及びC(O)C1-6アルキル、より具体的には、水素、C1-3アルキル、及びCH2フェニル、最も具体的には、水素、CH3、及びCH2フェニルからなる群から選択され、
R2が、水素、OH、フルオロ、クロロ、ブロモ、OC1-6アルキル、SC1-6アルキル、C(O)OC1-6アルキル、NO2、CN、NH2、OS(O)2NH2、OS(O)2NH(C1-6アルキル)、OS(O)2N(C1-6アルキル)2、及びOS(O)nC1-6アルキル、具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OC1-6アルキル、及びCO2C1-6アルキル、より具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OC1-6アルキル、及びCO2C1-6アルキル、さらにより具体的には、水素、OH、ハロ、CN、NO2、OCH3、及びCO2CH3、最も具体的には、OHからなる群から選択され、
R3bが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、及びCO2C1-6アルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、及びCO2C1-3アルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CH3、CF3、及びCO2CH3からなる群から選択され、
R3cが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、及び及び(CH2)qヘテロシクリル(式中、qは、1~3の整数である)、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、及びCH2ヘテロシクリル、より具体的には、水素、CH3、CF3、フルオロ、及びCH2モルホリンからなる群から選択され、
R3dが、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、(CH2)qN(C1-6アルキル)2、及び(CH2)qヘテロシクリル(式中、qは、1~3である)、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、(CH2)qN(C1-3アルキル)2、(CH2)qモルホリン、(CH2)qピペラジン、(CH2)q-4-N-メチルピペラジン、及び(CH2)qピロリジン(式中、qは、1~3である)、より具体的には、水素、フルオロ、クロロ、CH3、CF3、CH2N(CH3)2、CH2CH2N(CH3)2、CH2CH2CH2N(CH3)2、CH2N(CH2CH3)2、CH2CH2N(CH2CH3)2、CH2CH2CH2N(CH2CH3)2、CH2モルホリン、CH2CH2モルホリン、CH2CH2CH2モルホリン、CH2ピペラジン、CH2CH2ピペラジン、CH2CH2CH2ピペラジン、CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2CH2CH2-4-N-メチルピペラジン、CH2ピロリジン、CH2CH2ピロリジン、及びCH2CH2CH2ピロリジンからなる群から選択され、
R3eが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素及びフルオロからなる群から選択され、
R3fが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CF3、及びCH3からなる群から選択され、
R3gが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
R3hが、水素、ハロ、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、フルオロ、クロロ、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、フルオロ、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3iが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3jが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3kが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3lが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
各R3mが、独立して、水素、C1-6アルキル、及びC1-6ハロアルキル、具体的には、水素、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキル、より具体的には、水素、CH3、及びCF3からなる群から選択され、
mが、0、又は1~3の整数であり、具体的には、ここで、mが、0、1、又は2であり、
pが、1、2、又は3である、化合物、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物。
【0087】
式(VII)の特定の化合物は、実施例に示す化合物11、44、49、及び54である。
【0088】
式(I)の化合物は、当該技術分野で既知の方法により作製されてもよい。例えば、スキーム1は、主要な中間体I~IIの調製を示す。方法Aの代表的な方法論は、Tao X.et al.J.Org.Chem.2012,77,pp612-616、方法BはAzzouz,R.et al.Synlett,2006,12,pp1908-1912、方法CはDeane K.J.et al.,ACS Med.Chem.Lett.,2014,5,pp576-581及びShi J.et al,ACS Omega,2017,2,3406-3416に記載されている。スキーム1~3に示される方法D、E、及びGの一般的な変換は周知であり、Protective Groups in Organic Synthesis,Green T.W.and Wuts P.G.M.John Wiley & Sons,New York,1999、及びComprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations,Larock,R.C.John Wiley & Sons,New York,2018などの参照文献に概して記載されている。スキーム2は、主要中間体I/IIの式(I)の化合物への変換を概説し、スキーム3は、中間体III~IVの調製及び後続するそれらの式(I)の化合物への変換を概説する。追加の代表的な方法論は、これも文献に記載されており、この文献では、方法Fが広範に記載され、Wu,J.et al.Chem.Commun.,2010,46,pp3687-3689の研究によって例示され、方法Hは、Beak P.et al.J.Org.Chem.1993,58,pp1109-1117又はBarker G.et al.Org.Lett.2010,12,pp4176-4179によって概して記載されている方法を用いる。
【化27】
【化28】
【化29】
【0089】
本発明の方法
パーキンソン病などの金属関連神経障害の治療のためには、鉄調節物質を見出すことが非常に望ましい。ある特定の鉄調節物質が鉄を細胞から除去することが可能であり、したがってパーキンソン病及び他の金属関連神経障害の治療に好適な候補となるということが、本発明に従いここに見出された。
【0090】
本発明の一態様では、対象に、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含む、金属イオン関連障害を治療又は予防する方法が提供される。特定の実施形態では、障害は神経障害である。
【0091】
本発明のさらなる態様では、金属イオン関連神経障害の治療又は予防に使用するための、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。特定の実施形態では、障害は神経障害である。
【0092】
本発明のなおさらなる態様では、金属イオン関連障害を治療又は予防するための医薬品の製造における、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の使用が提供される。特定の実施形態では、障害は神経障害である。
【0093】
重要臓器内の過剰な鉄は、多くの疾患、肝疾患(がん、肝硬変)、心臓発作又は心不全、心毒性、糖尿病、変形性関節症、骨粗しょう症、代謝症候群、甲状腺機能低下症、性腺機能低下症のリスクを増加させ、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、癲癇、及び多発性硬化症などの神経変性疾患の発症又は加速と関連付けられる。
【0094】
特定の実施形態では、金属関連神経疾患は、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、前頭側頭型認知症(FTD)、多系統萎縮症(MSA)、遅発性ジスキネジア(TD)、ハレルフォルデン‐スパッツ症候群、フリードライヒ運動失調症、癲癇、及び多発性硬化症である。
【0095】
処置される対象、個体、又は患者は、ヒト、霊長類、家畜動物、例えば、ヒツジ、ウシ、ブタ、ウマ、ロバ、及びヤギ、研究所実験動物、例えば、マウス、ラット、ウサギ、及びモルモット、伴侶動物、例えば、ネコ及びイヌ、又は捕獲野生動物、例えば、動物園で飼育されているものを含むがこれらに限定されない、哺乳動物対象である。特定の実施形態では、対象はヒトである。
【0096】
「有効量」は、所望の応答を達成するために、又は発症を遅らせる若しくは進行を阻害するために、又は治療される特定の状態の発症若しくは進行をすべて停止させるために、少なくとも部分的に必要な量を意味する。この量は、治療される個体の健康及び身体状態、治療される個体の分類群、所望の保護の程度、組成物の配合、医学的状況の評価、並びに他の関連要因に応じて異なる。この量は、比較的広い範囲にあることが予想され、この範囲は、日常的な試みをとおして決定することができる。ヒト患者に関連する有効量は、例えば、用量当たり、体重1kg当たり約0.1ng~体重1kg当たり1gの範囲にあり得る。用量は、好ましくは、用量当たり、体重1kg当たり1μg~1gの範囲であり、例えば、用量当たり、体重1kg当たり1mg~1gの範囲である。一実施形態では、用量は、用量当たり、体重1kg当たり1mg~500mgの範囲である。別の実施形態では、用量は、用量当たり、体重1kg当たり1mg~250mgの範囲である。なお別の実施形態では、用量は、用量当たり、体重1kg当たり1mg~100mgの範囲、例えば、用量当たり、体重1kg当たり最大50mgである。なお別の実施形態では、用量は、用量当たり、体重1kg当たり1μg~1mgの範囲である。投薬制度は、最適な治療応答を提供するように調整され得る。例えば、いくつかの分割した用量を、毎日、毎週、毎月、又は他の好適な時間間隔で投与してもよく、あるいは用量を、状況の緊急性によって示されるとおりに、相対的に低減させてもよい。
【0097】
本明細書における「治療」及び「予防」への言及は、その最も広範な文脈において考慮されるべきである。「治療」という用語は、対象が全回復するまで治療されることを必ずしも暗示するものではない。「治療」はまた、既存の状態の重症度を低減するものであってもよい。「予防」という用語は、対象が最終的に疾患状態に陥らないことを必ずしも意味するものではない。「予防」という用語は、特定の状態の発症を遅延させることを含むと見なされ得る。したがって、治療及び予防は、特定の状態の症状を改善若しくは緩和するか、又は特定の状態を発展させるリスクを予防若しくは別様に低減することを含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、別の療法と一緒に投与されてもよい。投与は、化合物又は療法の両方が体内で同時に活性であるように、単一組成物中、又は別々の組成物中で、同時に又は連続して行われ得る。他の療法には、セレギリン、ラサギリン、ラザベミド、及びカロキサゾンなどのMAO-B阻害剤;ブロモクリプチン、カベルゴリン、リスリド、ペルゴリドなどのドパミンアゴニスト;レボドパ;カルビドパ;イニロール(inirole);アポモルフィン、スマニロール;ロチゴチン;タリペキソール;ジヒドロエルゴクリプチン又は;トルカポン若しくはエンタカポンなどのカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ阻害剤が含まれ得る。さらなる療法には、リルゾール又はエダラボンなどのALSに対して投与されるものも含まれ得る。
【0099】
本発明の組成物
療法に使用するために、本発明の化合物が純化学物質として投与され得ることは可能であるが、活性成分を医薬組成物として提示することが好ましい。
【0100】
このため、本発明のさらなる態様では、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは溶媒和物と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物が提供される。
【0101】
担体及び/又は賦形剤は、組成物の他の成分と適合性であるという意味で「許容される」ものでなければならず、その受容者に有害であってはならない。
【0102】
医薬製剤としては、経口、直腸、経鼻、局所(口腔内及び舌下を含む)、若しくは非経口(筋肉内、皮下、及び静脈内を含む)の投与に好適なもの、又は吸入若しくは吹送による投与に好適な形態のものが挙げられる。このため、本発明の化合物は、従来のアジュバント、担体、賦形剤、又は希釈剤と一緒に、医薬組成物及びその単位剤形の形態にされてもよく、そのような形態では、錠剤若しくは充填済みカプセル剤などの固体、又は溶液、懸濁液、エマルション、エリキシル、若しくはそれらを充填したカプセル剤などの液体として(すべて経口使用のため)、直腸投与には坐剤の形態で、又は非経口(皮下を含む)使用には滅菌注射用溶液の形態で、用いられてもよい。そのような医薬組成物及びその単位剤形は、追加の活性化合物又は原理を伴って又は伴わずに、従来の成分を従来の比率で含んでもよく、そのような単位剤形は、用いられる意図される1日の用量範囲に見合った任意の好適な有効量の活性成分を含んでもよい。1錠当たり10ミリグラム、又はより広くは0.1~1000ミリグラムの活性成分を含む製剤は、相応に好適な代表的単位剤形である。本発明の化合物は、多種多様な経口及び非経口剤形で投与することができる。以下の剤形が、活性成分として、本発明の化合物、又は本発明の化合物の薬学的に許容される塩若しくは誘導体のいずれかを含んでもよいことは、当業者には明白であろう。
【0103】
本発明の化合物から医薬組成物を調製するためには、薬学的に許容される担体は、固体又は液体のいずれであることもできる。固体形態調製物には、粉末剤、錠剤、丸薬、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散性顆粒剤が含まれる。固体担体は、希釈剤、香味剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁化剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤、又は封入材料としても作用し得る1つ以上の物質であることができる。
【0104】
粉末剤では、担体は微細に分割された固体であり、これは、微細に分割された活性成分との混合物中にある。
【0105】
錠剤では、活性成分は、必要な結合能力を有する担体と好適な割合で混合され、所望の形状及びサイズで圧縮される。
【0106】
粉末剤及び錠剤は、好ましくは、5又は10~約70%の活性化合物を含む。好適な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバターなどである。「組成物」という用語は、担体の有無にかかわらず活性成分が担体によって囲繞されており、したがってそれと会合しているカプセルを提供する、担体としてのカプセル化材料を有する活性化合物の製剤を含むことが意図される。同様に、カシェ剤及びトローチ剤も含まれる。錠剤、粉末剤、カプセル剤、カシェ剤、及びトローチ剤は、経口投与に好適な固体形態として使用することができる。
【0107】
坐剤を調製するためには、脂肪酸グリセリド又はココアバターの混合物などの低融点ワックスを最初に溶融させ、活性成分を撹拌によってその中に均一に分散させる。次に、溶融した均質な混合物を簡便なサイズの型に注ぎ、冷却させることで固化させる。
【0108】
液体形態調製物としては、溶液、懸濁液、及びエマルション、例えば、水又は水-プロピレングリコール溶液が挙げられる。例えば、非経口注射用液体調製物は、ポリエチレングリコール水溶液中の溶液として製剤化することができる。
【0109】
このため、本発明による化合物は、非経口投与(例えば、注射、例えば、ボーラス注射又は連続注入)のために製剤化されてもよく、単位用量形態で、アンプル、予め充填されたシリンジ、小容量注入、又は防腐剤を加えた複数用量容器中で提示されてもよい。本組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、又はエマルションなどの形態をとってもよく、懸濁化剤、安定化剤、及び/又は分散剤などの調合剤を含んでもよい。あるいは、活性成分は、使用前に、好適なビヒクル、例えば、滅菌されたパイロジェンフリー水を用いた再構成のための、滅菌固体の無菌単離によって又は溶液からの凍結乾燥によって得られる粉末形態であってもよい。
【0110】
経口使用に好適な水溶液は、活性成分を水に溶解させ、必要に応じて好適な着色剤、香味剤、安定化剤、及び増粘剤を加えることによって調製することができる。
【0111】
経口使用に好適な水性懸濁液は、微細に分割された活性成分を、天然若しくは合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、又は他の周知の懸濁化剤などの粘性材料とともに水に分散させることによって作製することができる。
【0112】
また、使用直前に、経口投与のための液体形態調製物に変換されることが意図される固体形態調製物も含まれる。そのような液体形態には、溶液、懸濁液、及びエマルションが含まれる。これらの調製物は、活性成分に加えて、着色剤、香味剤、安定化剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含んでもよい。
【0113】
溶液又は懸濁液は、従来の手段、例えば、スポイト、ピペット、又はスプレーにより、鼻腔に直接適用される。製剤は、単回投与形態で提供されても、多回投与形態で提供されてもよい。スポイト又はピペットの後者の場合、これは、患者が適切な所定体積の溶液又は懸濁液を投与することにより達成され得る。スプレーの場合、これは、例えば、計量噴霧スプレーポンプにより達成され得る。経鼻送達及び保持を改善するために、本発明による化合物は、シクロデキストリンでカプセル化されても、鼻粘膜における送達及び保持を増強すると予想される薬剤とともに製剤化されてもよい。
【0114】
気道への投与も、活性成分が、ヒドロフルオロアルカン(HFA)又はクロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、又はジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、又は他の好適なガスなどの好適な推進剤とともに加圧パックで提供される、エアゾル製剤によって達成され得る。エアロゾルはまた、レシチンなどの界面活性剤を簡便に含んでもよい。薬物の用量は、計量弁を設けることによって制御されてもよい。
【0115】
あるいは、活性成分は、乾燥粉末、例えば、ラクトース、デンプン、デンプン誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドン(PVP)などの好適な粉末基剤中の化合物の粉末混合物の形態で提供されてもよい。
【0116】
簡便には、粉末担体が鼻腔内にゲルを形成する。粉末組成物は、単位用量形態で、例えばゼラチンのカプセル若しくはカートリッジ、又は吸入器によって粉末を投与し得るブリスターパックで提示されてもよい。
【0117】
鼻内製剤を含む、気道への投与を意図した製剤では、化合物は、概して、例えば1~50ミクロン以下ほどの小さな粒径を有する。そのような粒径は、当該技術分野で既知の手段、例えば、微粉化によって得ることができる。
【0118】
所望される場合、活性成分の持続放出を付与するように適合された製剤を用いてもよい。
【0119】
本医薬組成物は、単位剤形であることが好ましい。そのような形態では、本組成物は、適切な量の活性成分を含む単位用量に細分化される。単位剤形は、パッケージ化された組成物であることができ、パッケージは、バイアル又はアンプルにパッケージ化された錠剤、カプセル剤、及び粉末剤などの別個の量の組成物を含む。また、単位剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、又はトローチ剤自体であることも、パッケージ化形態にある適切な数のこれらのもののうちのいずれかであることもできる。
【0120】
これより、本発明のいくつかの好ましい態様を例解する以下の実施例を参照して、本発明を説明する。しかしながら、本発明の以下の説明の特殊性は、本発明の前述の説明の一般性に代わるものではないことを理解されたい。
【実施例】
【0121】
【0122】
HPLC
HPLCを、以下のカラムを使用して実行した:Alltech Hypersil BDS C18 5μm、4.6mm×150mm、ともに0.1% TFAを含む水/ACN溶離液を使用。HPLC1又はHPLC2として指定され、以下のプロトコルで詳述する2つの勾配法を用いた。
【表2】
【0123】
以下の一般化した方法を使用して、スキーム1、2、及び3で言及する中間体I~VIIの化合物及び式Iの化合物を調製した。
【0124】
方法A
i)グリニャール:マグネシウム(1.1eq)をRBFに入れ、THFで覆った後、ヨウ素の結晶、続いて少量の純ブロモアニソールを加えた。別法として、混合物を超音波処理し、グリニャール形成が開始するまで加熱した。開始したら、THF中の残りのブロモアニソールを加え、得られた混合物を0.5時間加熱還流させた。グリニャール溶液を0℃に冷却し、その後、THF中の適切なニトリル、エステル、又はアミド(0.9eq)を滴加した後、1~2時間後又は4℃で一晩保管した後にクエンチした。反応物を飽和NH4Cl(水溶液)でクエンチし、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗ケトンを得た。ニトリルを使用した場合、単離したイミン中間体をエーテル及び濃縮HCl(3:1)中に懸濁/溶解させた。この混合物を0.5時間撹拌し、2M NaOH(水溶液)を使用して中和した後、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮して、粗ケトンを得た。粗ケトンをそのまま使用したか、又は結晶化若しくはフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0125】
ii)有機リチウム:Et2O又はTHF中のヨウ化アリール(1~2eq)を約-70℃に冷却した後、温度を-65℃未満に保ちながら、ヘキサン中のn-BuLiを混合物に緩徐に加えた。得られた溶液を15分間撹拌した後、Et2O又はTHF中のニトリル、エステル、又はアミド(1~2eq)を加えた。反応物を、冷えたままにするか、又はニトリルの場合、2時間かけて-10℃に温まらせた後、飽和NH4Cl(水溶液)でクエンチし、DCMで抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ、溶媒を蒸発させて、粗ケトンを得た。ニトリルを使用した場合、イミンをi)に記載したように処理して、粗ケトンを得た。粗ケトンをそのまま使用したか、又は結晶化若しくはフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0126】
方法B
3-(エトキシメトキシ)ピリジン(1eq)をTHFに溶解させ、-78℃に冷却した後、温度を-78℃以下に保ちながら、ヘキサン中のn-BuLi(1eq)を加えた。反応物を0.5時間撹拌し、その後、温度を-70℃以下に保ちながら、THFに溶解させたエステル又はアミド(1eq)を加えた。冷却を保ちながら、反応物を1.5時間撹拌し、その後、i-PrOH、続いて飽和NH4Cl(水溶液)でクエンチした。反応物を室温に温まらせた後、EtOAcで抽出し(3回)、乾燥させ、溶媒を蒸発させて、粗ケトンを得た。粗ケトンをそのまま使用したか、又は結晶化若しくはフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0127】
方法C
これらの方法は、Deane K.J.et al.,ACS Med.Chem.Lett.,2014,5,pp576-581及びShi J.et al,ACS Omega,2017,2,pp3406-3416により示されている文献に記載の方法に基づく。
【0128】
i)ヘキサン中のn-BuLi(1.17eq)を2-ブロモピリジン(1.0eq)のTHF及びエーテル(1:1)溶液に-110℃で加えた。反応物を0.5時間かけて-10℃に温めた。フラスコを再び-110℃に冷却し、エステル(1.0eq)のトルエン(1.3mL/mmol)溶液/懸濁液を加えた。反応物を室温で17時間撹拌した後、これを飽和NH4Cl(水溶液)、続いて水でクエンチした。混合物をEtOAcで抽出し(3回)、合わせた層を、水、ブラインで洗浄した後、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で濃縮した後、粗生成物をSiO2に吸着させ、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0129】
ii)THF(5.5mL/mmol)中の2-ブロモピリジン(1.0eq)をヘキサン中のn-BuLi(1.0eq)の溶液に1時間かけて-78℃で滴加した。反応物を-78℃でさらに1時間撹拌した後、エステル(1.0eq)の濃縮THF溶液を加え、反応物を緩徐に-20℃まで温まらせた後、2時間、又は出発物質がなくなったことがMSにより示されるまで、この温度で維持した。完了したら、反応を10% HCl(水溶液)でクエンチし、2M HCl(水溶液)を使用して、pHをpH6に調整した。混合物をDCM(3回)で抽出し、乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗ケトンを得た。粗ケトンをそのまま使用したか、又は結晶化若しくはフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0130】
方法D
Protective Groups in Organic Synthesis,Green,T.W.及びWuts P.G.M.John Wiley & Sons,New York,1999に記載されている標準技法を用いて、中間体I、III、IV、VI、又は式IAを脱保護した。概して、メチル及びベンジルエーテルを除去するために、HBr又はBBr3を、あるいは該当する場合には水素化を用いた。HCl、TFA、又はTMSOTfを使用して、アセタール又はBoc基を除去した。
【0131】
i)エーテルを48% HBr(水溶液)に懸濁させ、60~130℃で0.5~5日間加熱した。反応物を冷却した後、減圧下で濃縮して、固体を得た。固体を飽和NaHCO3(水溶液)で処理し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。別法として、反応物を水で希釈し、濃縮NH3(水溶液)で中和(必要に応じてAcOHで再緩衝)した後、EtOAcで抽出することができる。必要に応じて、試料を、フラッシュクロマトグラフィー又は結晶化によりさらに精製した。
【0132】
ii)エーテルをDCMに溶解させ、0℃に冷却した後、三臭化ホウ素(6~12eq)を滴加し、反応物を室温に温めた。混合物を17~48時間撹拌した後、MeOHを加え、溶媒を蒸発させた。MeOHを再び加え、溶媒を蒸発させ(2回)、残渣をEtOAcに溶解させ、水で洗浄した(1回)。有機抽出物を乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。さらなる精製を、研和、結晶化、又はクロマトグラフィーにより達成してもよい。
【0133】
方法E
Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations,Larock,R.C.John Wiley & Sons,New York,2018に記載されている標準技法を用いて、中間体IIIをIVに、又は中間体VIを中間体VIIに変換した。概して、SeO2、ピリジン、SO3、又はデス-マーチンペルヨージナンなどの低刺激の酸化剤を使用した。
【0134】
方法F
この一般的な方法論は、文献に広範に記載されており、Wu,J.et al.Chem.Commun.,2010,46,pp3687-3689によって記載されている方法論により例示される。
【0135】
中間体I、II、V、又はVII(1.0eq)、アルデヒド(1.5~3eq、中間体VIIを除く)、及びNH4OAc(5~10eq)を、密封バイアル中でAcOH中に懸濁させた。内容物を40~110℃で16~72時間加熱した後、冷却した。反応混合物を氷水に注ぎ、生成物を濾過又は抽出のいずれかによって単離し、必要に応じて、粗生成物を、研和、結晶化、又はフラッシュクロマトグラフィーによりさらに精製した。
【0136】
方法G
水素化を、10% Pd/C(0.1~1w/w等量)を使用してバルーンにより供給したH2(g)の雰囲気下、室温で実行した。出発物質を、低MWアルコール、THF、EtOAc、又はこれらの溶媒の組み合わせに溶解又は懸濁させた。反応時間は1~48時間の範囲であり、通常はMSによって決定する完了時に、反応触媒を濾過し、溶媒を蒸発させて粗生成物を得て、これを、必要に応じて通常の技法を使用して精製した。
【0137】
方法H
Boc-環式アミンを、Beak P.et al.J.Org.Chem.1993,58,pp1109-1117又はBarker G.et al.Org.Lett.2010,12,pp4176-4179のいずれかによって記載されている条件下で、適切な求電子剤を使用して、sec-BuLiにより金属化した。
【0138】
方法I
CDI(1.1eq)をTHF中のカルボン酸(1.5eq)に加え、溶液を50℃に加熱した。30分間撹拌した後、反応物を室温に冷却し、その後、アミン又はアンモニウム塩の溶液/懸濁液に加えた。得られた混合物を15~72時間撹拌し、その後、反応物を水で希釈し、EtOAcで抽出した(3回)。続いて、EtOAcを10% HCl(水溶液)で抽出し(2回)、得られた水性抽出物を飽和NaHCO3(水溶液)で中和した後、再びEtOAcで抽出した(3回)。合わせた抽出物を乾燥させ、溶媒を蒸発させて、粗生成物を得て、これを直接使用したか、又は標準技法を使用して精製した。
【0139】
方法J
CDI(2等量)を、1,4-ジオキサン(1mL)中のサリチル酸(2eq)に加え、混合物を50℃に加熱した。30分間撹拌した後、反応物を冷却して、アシル化溶液を得た。
【0140】
同時に、1,4-ジオキサン中のBoc-アミン(1eq)を1,4-ジオキサン中のHClで処理し、溶液を室温で撹拌した。約30分後、Et2O、ヘキサン、又は混合物を加えて、HCl塩の沈殿を補助した。溶媒をデカントし、吸湿性固体をEt2Oで洗浄するか、又は濾過してEt2Oで洗浄(3回)した後、真空で短時間乾燥させ、再び1,4-ジオキサンに懸濁させた。ピロリジン塩の場合、この懸濁液を冷却したアシル化溶液に加え、一方で、アシル化溶液は冷却したアゼパン塩溶液に加えた。反応物を一晩撹拌し、その後、試料を水で希釈し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた抽出物を、EtOAcで溶出させるSiO2プラグに通した後、溶液を蒸発させて、粗アシル化アミンを得た。標的をMSで確認した後、この物質をさらなる操作を行わずに使用した。粗生成物は、大抵は、アシル化がフェノールにあると推定されるジアシル化標的を伴う標的の混合物であった。このアシル基を、次のステップで用いる条件下で除去した。
【0141】
選択した出発物質及び凝縮前駆体の合成
置換ベンズアルデヒドの合成
2-ヒドロキシ-3-(モルホリノメチル)ベンズアルデヒド
【化30】
モルホリン(10.7g、12.2mmol)を、サリチルアルデヒド(10.0g、0.08mol)及びパラホルムアルデヒド(3.7g、12.2mmol)のEtOH(80mL)溶液に加え、17時間加熱還流させた。反応物を冷却し、減圧下で濃縮した後、残渣をDCMに再溶解させ、乾燥させた(Na
2SO
4)。再び濃縮すると、橙色油状物質が得られ、これをシリカに充填した(5g)。この生成物(2つのバッチ)を、ヘキサン(3CV)、その後ヘキサン中0から40%のEtOAcで溶出させるカラムクロマトグラフィー(シリカ、40g)により精製して、2-ヒドロキシ-3-(モルホリノメチル)ベンズアルデヒドを得た(合計収率1.00g、6%)。MS:m/z(MH
+)222.11.
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ 10.22(1H,s),7.60(1H,dd,J 1.8,7.8Hz),7.37(1H,d,J 7.2Hz),6.91(1H,t,7.2Hz),3.75(4H,t,J 4.8Hz),3.68(2H,s),2.57(4H,s).
【0142】
2-ヒドロキシ-3-(2-モルホリノエチル)ベンズアルデヒドの合成
【化31】
2-(2-メトキシフェニル)-1-モルホリノエタノン
2-(2-メトキシフェニル)酢酸(10.0g、0.06mol)をDCM(78mL)に溶解させ、これに、塩化チオニル(10.7g、0.09mol)及びDMF(0.04g、0.6mol)を加えた。反応物をアルゴン下室温で17時間撹拌した後、減圧下で濃縮して、黄色油状の塩化2-(2-メトキシフェニル)アセチルを得た。酸塩化物(2.0g、11.0mmol)をDCM(44mL)中で希釈し、0℃に冷却した。モルホリン(2.8g、0.03mol)をDCM(27mL)中で希釈し、冷却した溶液に滴加し、0℃で15分間放置した。その後、反応物を、室温で5.5時間、又はTLCにより1つのスポットが示されるまで、撹拌した。HCl(20mL)の10%水溶液を反応混合物に加え、DCM層を除去した。水溶液を再びDCMで抽出し(20mL×2)、合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させた(Na
2SO
4)。濃縮すると、黄色油状の2-(2-メトキシフェニル)-1-モルホリノエタノンが得られた(2.58g、100%)。
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ 7-24-7.21(2H,m),6.90(1H,td,0.6,7.2Hz),6.85(1H,d,J 8.4Hz),3.81(3H,s),3.68(2H,s),3.63(4H,bs),3.51(2H,bs),3.45(2H,bs).
【0143】
4-(2-メトキシフェネチル)モルホリン
THF(24mL)中の2-(2-メトキシフェニル)-1-モルホリノエタノン(2.87g、12.0mmol)をLiAlH4(0.65g、17.0mmol)のTHF(18mL)懸濁液に室温で滴加した。反応物を2時間撹拌した後、約0℃に冷却した。NaOHの2M水溶液を慎重に加えて、反応をクエンチした。反応物を、セライトを通して濾過し、エーテルで洗浄し(4回)、濾液を乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で濃縮すると、黄色油状の4-(2-メトキシフェネチル)モルホリンを得た(2.15g、81%)。1H NMR(CDCl3,600MHz)δ 7.16(1H,td,J 1.8,7.8Hz),7.13(1H,d,1.0,7.8Hz),6.89(1H,t,J 7.8Hz),6.83(1H,d,J 7.8Hz),3.80(3H,s),3.75(2H,s),3.74(2H,s),2.81(2H,m),2.56-2.54(6H,m).
【0144】
2-(2-モルホリノエチル)フェノール
4-(2-メトキシフェネチル)モルホリン(2.15g、9.70mmol)を48%HBr水溶液(1mL)中120℃で17時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、NaHCO3の水溶液を加えることにより塩基性にした。水性混合物をDCMで抽出した(50mL×3)。抽出物を合わせ、ブライン(5mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して、赤色固体/油状の2-(2-モルホリノエチル)フェノール(1.90g、95%)を得た。1H NMR(CDCl3,600MHz)δ 7.12(1H,td,J 1.8,8.4Hz),6.98(1H,dd,1.2,7.2Hz),6.87(1H,dd,J 1.2,8.4Hz),6.74(1H,td,J 1.2,7.2Hz),3.82(4H,t,J 4.2Hz),2.84(2H,t,J 4.8Hz),2.73(6H,m).
【0145】
2-ヒドロキシ-3-(2-モルホリノエチル)ベンズアルデヒド
2-(2-モルホリノエチル)フェノール(1.90g、9.20mmol)をMeCN(6mL)に溶解させ、トリエチルアミン(4.8mL、0.25mol)を加えた。パラホルムアルデヒド(1.86g、0.06mol)及び塩化マグネシウム(1.77g、18.0mmol)を加え、反応物をアルゴン下で17時間加熱還流させた。反応物を冷却した後、0.1M酒石酸Na/K水溶液(100mL)で希釈した。混合物をDCM(20mL×3)で抽出し、ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して、茶色油状の2-ヒドロキシ-3-(2-モルホリノエチル)ベンズアルデヒドを得て、これを追加の精製なしに次のステップで使用した(1.01g、47%)。1H NMR(CDCl3,600MHz)δ 11.95(1H,bs),10.05(1H,s),7.48(1H,d,J 7.8Hz),7.36(1H,d,6.6Hz),6.90(1H,t,J 7.2Hz),3.79(4H,bs),2.91(2H,s),2.45(6H,m).MS:m/z(MH+)236.13.
【0146】
3-(2-(ジエチルアミノ)エチル)-2-ヒドロキシベンズアルデヒドの合成
2-ヒドロキシ-3-(2-モルホリノエチル)ベンズアルデヒドの合成のための手順をジエチルアミンとともに使用して、黄色固体の3-(2-(ジエチルアミノ)エチル)-2-ヒドロキシベンズアルデヒドを得た(2.92g、26%)。1H NMR(CDCl3,600MHz)δ 10.31(1H,bs),7.55(1H,dd,J 1.8,7.8Hz),7.26(1H,d,6.6Hz),6.79(1H,t,J 7.2Hz),2.89(2H,bs),2.81-2.77(6H,m),1.16(6H,t,J 6.6Hz).MS:m/z(MH+)222.15.
【0147】
2-ヒドロキシ-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)ベンズアルデヒドの合成
2-ヒドロキシ-3-(2-モルホリノエチル)ベンズアルデヒドの合成のための手順を1-メチルピペラジンとともに使用して、茶色ゴム状固体の2-ヒドロキシ-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)ベンズアルデヒドを得た(0.22g、14%)。1H NMR(CDCl3,600MHz)δ 10.20(1H,s),7.51(1H,dd,J 1.2,7.2Hz),7.30(1H,dd,J 1.2,7.8Hz),6.84(1H,t,7.8Hz),2.86(2H,t,6.6Hz),2.69-2.40(10H,m),2.32(3H,s).MS:m/z(MH+)249.16.
【0148】
2-ヒドロキシ-3-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)ベンズアルデヒドの合成
2-ヒドロキシ-3-(2-モルホリノエチル)ベンズアルデヒドの合成のための手順をピロリジンとともに使用して、2-ヒドロキシ-3-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)ベンズアルデヒドを得た(0.22g、7%)。1H NMR(CDCl3,600MHz)δ 11.50(1H,bs),10.30(1H,s),7.55(1H,d,J 7.8Hz),7.24(1H,d,J 7.2Hz),6.77(1H,t,7.2Hz),2.87(2H,d,5.4Hz),2.82(2H,d,5.4Hz),2.77(4H,bs),1.89(4H,bs).MS:m/z(MH+)220.13.
【0149】
2-ヒドロキシ-3-(3-モルホリノプロピル)ベンズアルデヒドの合成
Fumitaka,I,.Hiroki K.,Asata M.,WO03064425(A1),2003の方法論に基づく。
【化32】
【0150】
(E)-3-(2-メトキシフェニル)アクリル酸
2-メトキシベンズアルデヒド(10.9g、0.08mol)、マロン酸(19.7g、0.16mol)、ピペリジン(3.1g、0.04mol)、及びピリジン(100ml)のよく撹拌した溶液を、80~90℃で2.5時間加熱した後、室温で一晩撹拌した。反応物を氷水(700mL)中のHClの3M水溶液に注ぎ、撹拌した。沈殿物を濾別した後、冷水(500mL)に再懸濁させ、10分間撹拌した。濾過した後、固体を水、ヘキサン、及びエーテルで洗浄し、白色固体を得て、これを減圧下で乾燥させた(11.6g、81%)。1H NMR(d6-アセトン,600MHz)δ 7.98(1H,d,J 16.2Hz),7.65(1H,dd,1.8,7.8Hz),7.39(1H,td,J 1.8,7.8Hz),7.07(1H,d,J 8.4Hz),6.98(1H,t,J 7.8Hz),6.53(1H,d,J 16.2Hz),3.92(3H,s).
【0151】
3-(2-メトキシフェニル)プロパン酸
(E)-3-(2-メトキシフェニル)アクリル酸(11.6g、0.07mol)を、一般方法Gに従い10% Pd-C(1.5g)を使用してEtOH(500mL)中で還元した。黄白色固体を単離し、これはさらなる精製を要しなかった(11.4g、定量的収率)。1H NMR(CDCl3,600MHz)δ 7.19(1H,td,J 1.2,7.8Hz),7.15(1H,dd,1.2,7.2Hz),6.87(1H,dd,1.2,7.8Hz),6.84(1H,d,8.4Hz),3.01(3H,s),2.94(2H,t,7.8Hz),2.65(2H,t,7.8Hz).
【0152】
3-(2-メトキシフェニル)プロパン-1-オール
エーテル(126mL)に溶解させた3-(2-メトキシフェニル)プロパン酸(11.4g、0.0mol)をエーテル(190mL)中のLiAlH4(6.0g、0.16mol)の懸濁液に室温で緩徐に加えた。反応物を一晩加熱還流させた後、室温に冷却し、その後、反応物を水(100mL)でクエンチした。反応物を、水(20mL)及びEtOAc(200mL)で洗浄しながらセライトのパッドを通して濾過した。EtOAc層を除去し、水層を追加のEtOAc(100mL×2)で抽出した。EtOAc層をブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。濃縮すると、黄色/茶色油状物質が得られた(5.1g)。水(100mL)及びDCM(200mL)でセライトパッドを再洗浄し、水層を追加のDCM(20mL×3)で抽出すると、追加の生成物(1.61g)が得られた。合計収率(6.71g、67%)。1H NMR(CDCl3,600MHz)δ 7.18(1H,t,J 7.8Hz),7.14(1H,d,J 6.6Hz),6.89(1H,t,J 7.2Hz),6.85(1H,d,J 7.8Hz),3.82(3H,s),3.60(2H,t,J 6.0Hz),2.71(2H,t,J 7.2Hz),1.90(1H,bs),1.84(2H,t,J 6.6Hz).
【0153】
1-(3-ブロモプロピル)-2-メトキシベンゼン
3-(2-メトキシフェニル)プロパン-1-オール(1.6g、9.7mmol)をDCM(43mL)に溶解させ、これにトリフェニルホスフィン(2.7g、0.01mol)を加えた。溶液を氷槽中で冷却し、臭素(1.6g、0.01mol)を4時間かけて滴加し、この間、反応物を0~5℃で維持した。反応物をNaHCO3の飽和水溶液(15mL)でクエンチし、DCM層を除去し、水層を追加のDCM(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して、黄色固体を得た。固体をシリカ(1g)に充填し、ヘキサン(3CV)、ヘキサン(40CV)中0から100%のEtOAc、EtOAc(CV)で溶出させるクロマトグラフィー(シリカ、24g)により精製した。透明な油状物質を得た(1.81g、81%)。1H NMR(CDCl3,600MHz)δ 7.19(1H,td,J 1.8,7.8Hz),7.14(1H,dd,J 1.2,7.2Hz),6.87(1H,td,J 0.6,7.2Hz),6.84(1H,d,J 8.4Hz),8.31(3H,s),3.39(2H,t,J 6.6Hz),2.75(2H,t,J 7.2Hz),2.13(2H,t,J 7.2Hz).
【0154】
4-(3-(2-メトキシフェニル)プロピル)モルホリン
1-(3-ブロモプロピル)-2-メトキシベンゼン(1.8g、7.9mmol)、炭酸カリウム(2.17g、16.0mmol)、及びモルホリン(1.1g、0.01mol)を、ACN(4mL)中で17時間加熱還流させた。反応物を濃縮した後、EtOAc(50mL)に再懸濁させ、HCl(50mL)の10%水溶液で洗浄した。水層をNaOHの2M水溶液で塩基性にし、DCM(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して、油状物質を得て、これをシリカ(2g)に充填した。ヘキサン(30CV)中0から100%のEtOAcで溶出させるクロマトグラフィー(シリカ、12g)により精製すると、無色の油状物質が得られた(0.88g、48%)。1H NMR(CDCl3,500MHz)δ7.18(1H,td,J 1.5,7.5Hz),7.13(1H,d,J 7.5Hz),6,88(1H,td,J 0.5,7.0Hz),6.84(1H,d,J 8.5Hz),3.82(3H,s),3.72(4H,m),2.64(2H,t,J 8.0Hz),2.45(4H,bs),2.38(2H,m),1.78(2H,m).
【0155】
2-(3-モルホリノプロピル)フェノール
4-(3-(2-メトキシフェニル)プロピル)モルホリン(0.88g、3.73mmol)をHBrの48%水溶液(7mL)で希釈し、120℃で17時間加熱した。反応物を濃縮した後、NaHCO3の飽和水溶液を残留物に加えた(pH10~12)。溶液をEtOAc(50mL)で抽出した後、水溶液のpHをpH9に調整し、溶液をEtOAc(2mL×2)で再度抽出した。合わせた有機層をブライン(15mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して、赤味を帯びた油状物質を得た(0.73g、93%)。1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 7.12(1H,td,J 2.0,7.0Hz),7.07(1H,dd,J 1.5,7.5Hz),6.88(1H,d,J 7.5Hz),6.84(1H,td,J 1.5Hz,7.5Hz),3.84(4H,bs),2.69(2H,t,J 6.0Hz),2.53(4H,bs),2.31(2H,t,4.5Hz),1.89(2H,t,6.0Hz).
【0156】
2-ヒドロキシ-3-(3-モルホリノプロピル)ベンズアルデヒド
2-(3-モルホリノプロピル)フェノール(0.73g、3.3mmol)をACN(33mL)中で希釈し、これにトリエチルアミン(1.0g、9.9mmol)、塩化マグネシウム(0.63g、6.6mmol)、及び最後にパラホルムアルデヒド(0.50g、16.0mmol)を加えた。反応物を17時間加熱還流させ、冷却した後、減圧下で濃縮した。HCl(50mL)及びDCM(50mL)の10%水溶液を加え、DCM層を除去した。水層をDCM(30mL×3)及びEtOAc(30mL×3)で徹底的に抽出した。合わせた有機層をNaHCO3(20mL)の飽和水溶液で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して、黄色ゴム状物質を得た(0.68g、83%)。1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 9.98(1H,s),7.45(1H,dd,J 1.5,8.0Hz),7.39(1H,dd,1.0,7.0Hz),6.95(1H,t,J 8.0Hz),3.78-3.77(4H,m),2.73-2.68(2H,m),2.52(4H,bs),2.46-2.38(2H,m),1.91-1.85(2H,m).MS:m/z(MH+)250.14.
【0157】
3-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)-2-ヒドロキシベンズアルデヒドの合成
2-ヒドロキシ-3-(3-モルホリノプロピル)ベンズアルデヒドの合成のための手順をジエチルアミンとともに使用して、ゴム状固体の3-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)-2-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.17g、78%)を得た。MS:m/z(MH+)236.16.
【0158】
2-ヒドロキシ-4-(モルホリノメチル)ベンズアルデヒドの合成
3-(モルホリノメチル)フェノール(1.60g、8.3mmol)をACN(42mL)中で希釈し、これにトリエチルアミン(4.2g、0.04mol)、塩化マグネシウム(1.6g、16.5mmol)、及び最後にパラホルムアルデヒド(2.5g、0.08mmol)を加えた。反応は、最初の抽出についてNaOHの2M水溶液を使用して水溶液のpHをpH7に調整したことを除き、2-ヒドロキシ-3-(3-モルホリノプロピル)ベンズアルデヒドのための方法に従って行った。黄色油状物質を得た(1.32g、72%)。1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 11.04(1H,s),9.87(1H,s),7.51(1H,d,J 8.0Hz),7.02(2H,m),3.73(4H,m),3.51(2H,s),2.45(4H,t,J 4.5Hz).
【0159】
ケトン前駆体の合成
(2-メトキシピリジン-3-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン
【化33】
THF(50mL)中の2-ブロモピリジン(1.86g、11.7mmol)及びヘキサン(5.0mL、11.7mmol)中の2.37M n-BuLi、その後THF(3mL)中の2-メトキシニコチン酸メチル(1.8g、11.7mmol)を使用して、一般方法C(ii)に従って、ケトンを形成させた。緑色固体を、いずれのさらなる精製も行わずに使用した(1.86g、74%)。
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ 8.62(1H,dq,J 1.2,5.4Hz),8.31(1H,dd,J 1.8,4.8Hz),8.01(1H,dd,J 1.2,7.8Hz),7.86(2H,dd,J 1.8,7.2Hz),7.44(1H,dddd,J 1.2,4.2,7.2,12.0Hz),6.99(1H,dd,J 5.4,7.2Hz),3.81(3H,s).MS:m/z(MH
+)215.08.
【0160】
(3-ヒドロキシピリジン-4-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン
【化34】
(3-メトキシピリジン-4-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン
THF(4mL)及びエーテル(4mL)中の2-ブロモピリジン(0.56g、3.5mmol)、続いてヘキサン(1.8mL、4.1mmol)中の2.28M n-BuLi溶液、その後、3-メトキシイソニコチン酸メチル(0.59g、3.5mmol)を使用して、一般方法C(i)に従って、ケトンを形成させた。茶色ゴム状物質をシリカに乾式充填した後、50CVにわたるヘキサン中0から100%のEtOAcで溶出させるクロマトグラフィー(シリカ、12g)により精製した。所望の生成物を最後にカラムから溶出させて、淡黄色固体を得た(0.30g、42%)。
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ 8.63(1H,dd,J 0.6,4.8Hz),8.43(1H,s),8.39(1H,d,J 4.8Hz),8.09(1H,d,J 7.8Hz),7.89(1H,td,J 1.2,7.8Hz),7.47(1H,dd,J 4.8,7.8Hz),7.31(1H,d,J 4.8Hz),3.79(3H,s).
【0161】
(3-ヒドロキシピリジン-4-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン
(3-メトキシピリジン-4-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン(0.30g、1.4mmol)を、一般方法D(i)に従ってHBr(4mL)の濃縮水溶液と反応させ、48時間加熱した。黄色固体を得た(0.24g、86%)。1H NMR(d6-DMSO,600MHz)δ 13.7(1H,bs),8.72(1H,ddd,J 1.2,1.8,5.4Hz),8.57(1H,d,J 1.8Hz),8.23(1H,dt,J 0.6,7.8Hz),8.21(1H,dd,J1.8,5.4Hz),8.06(1H,td,J 1.8,7.8Hz),7.96(1H,dd,J 1.2,5.4Hz),7.67(1H,td,J 4.8,7.2Hz).
【0162】
(4-メトキシピリジン-3-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン
【化35】
2-ブロモピリジン(0.87g、5.5mmol)、THF(2mL)中で希釈した4-メトキシニコチン酸メチル(0.92g、5.5mmol)、及びヘキサン(2.3mL、5.5mmol)中のn-ブチルリチウムの2.37M溶液を、一般方法C(ii)に従って、THF(25mL)中で反応させた。薄茶色ゴム状固体が得られ(0.78g、67%)、これを追加の精製なしに次のステップで使用した。
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ8.62(1H,dq,J 0.6,4.8Hz),8.61(1H,s),8.60(1H,d,J 6.0Hz),8.05(1H,td,J 1.2,7.8Hz),7.87(1H,td,J 1.2,7.8Hz),7.45(1H,dddd,J 1.2,4.8,7.8,12.0Hz),6.90(1H,d,J 5.4Hz),3.75(3H,s).MS:m/z(MH
+)215.08.
【0163】
(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン
【化36】
一般方法A ii)を使用し、3-(ベンジルオキシ)-2-ヨード-6-メチルピリジン(130mg)、溶媒としてTHFを含むピコリノニトリル(390mg)、及びヘキサン(1.94mL)中の2.27M n-BuLiを使用して調製した。粗生成物を、EtOAc/ヘキサン勾配0から0% 3CV、0から100% 30CVを使用する12gのSiO
2で精製した。生成物画分を合わせ、蒸発させて、油状の表題化合物を得て、これを緩徐に固化させて(456mg)、さらなる操作を行わずに使用した。
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ 8.63(1H,d,J 4.2Hz),8.12(1H,d,J 7.8Hz),7.84(1H,t,J 7.8Hz),7.42(1H,dd,J 4.7,7.4Hz),7.27-7.18(5H,m),7.07-7.03(2H,m),4.99(2H,s),2.55(3H,s).
【0164】
(2-ヒドロキシフェニル)(ピリジン-2-イル)メタノン
【化37】
(2-メトキシフェニル)(ピリジン-2-イル)メタノン
この化合物を、一般方法A(i)に従い、2-ブロモアニソール(6.0g、32mmol)、2-ピリジルカルボニトリル(3.0g、29mmol)、及びマグネシウム(0.86g、35mmol)から調製した。表題化合物を淡黄色結晶質として単離した(1.76g、26%)。
1H NMR(d
6-DMSO,600MHz)δ 8.63(1H,d,J 3.6Hz),7.97(1H,d,J 7.8Hz),7.84(1H,t,J 7.8Hz),7.52(1H,d,J 7.2Hz),7.47(1H,d,J 7.8Hz),7.41(1H,t,J 4.8Hz),7.04(1H,t,J 7.2Hz),7.96(1H,d,J 8.4Hz),3.64(3H,s).
【0165】
(2-ヒドロキシフェニル)(ピリジン-2-イル)メタノン
(2-メトキシフェニル)(ピリジン-2-イル)メタノン(0.15g、0.7mmol)を、一般方法D(i)に従ってHBr(水溶液)(12mL)と反応させ、17時間撹拌した。表題化合物を茶色油状物質として単離した(0.11g、78%)。1H NMR(d6-DMSO,600MHz)δ 10.90(1H,bs),8.65(1H,d,J 4.8Hz),8.02(1H,t,J 7.8Hz),7.90(1H,d,J 7.8Hz),7.61(2H,d,J 7.8Hz),7.44(1H,t,J 7.2Hz),6.88-6.93(2H,m).
【0166】
2-((3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ヒドロキシ)メチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル及び2-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピコリノイル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
【化38】
2-((3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ヒドロキシ)メチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(4g)をEt
2O(35mL)に溶解させ、-78℃に冷却した後、蒸留したTMEDA(3.3mL)で処理した。1.28M s-BuLi(17.2mL)を加え、その間温度を-78℃未満に保った。完了したら、反応物をこの温度で30分間撹拌し、その後、再び温度を-78℃未満に保ちながら、Et
2O(100mL)中の2-カルボキシ-3-ベンジルオキシ-6-メチルピリジン(4.0g)を加えた。反応物を約-60℃に温まらせながら、反応をさらに1.5時間継続した。反応物を飽和NH
4Cl
(水溶液)でクエンチし、室温に温まらせた後、Et
2Oで抽出した(3回)。合わせた抽出物を乾燥させ、溶媒を蒸発させて、粗生成物を得た(8.66g)。試料をSiO
2に吸着させた後、EtOAc/ヘキサン勾配0から0% 3CV、0から25% 20CV、25から50% 10CVを使用する40gのSiO
2(254/280nm)で精製して、ジアステレオマー及び回転異性体の混合物として表題化合物を得て(3.41g、m/z(MH
+)399.23)、これを、さらなる操作を行わずに使用した。
【0167】
2-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピコリノイル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
2-((3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ヒドロキシ)メチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.04g)をDCM(15mL)に溶解させ、デス-マーチンペルヨージナン(2.44g)を緩徐に加えた。反応物を室温で22時間撹拌し、その後、反応物を水(約10mL)で希釈し、10分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、DCM層を分離させた。DCM抽出物を、2M NaOH(水溶液)(2回)、その後飽和NaHCO3(水溶液)でさらに洗浄した。合わせた抽出物を乾燥させ、溶媒を蒸発させて、粗生成物を得た。粗生成物をSiO2に吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配0から0% 3CV、0から50% 30CVを使用する12gのSiO2カラム(254/280nm)で精製した。生成物を含む画分を合わせ、蒸発させ、油状の表題化合物を得て、これを長時間静置し固化させて、ワックス状固体を得た(805mg)。NMRにより、生成物は3:2の比の回転異性体の混合物であることが示された。別途指定のない限り、ピークは両方の回転異性体を指す。1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 7.49-7.44(2H,m),7.44-7.26(3H,m),7.23-7.14(2H,m),5.63(1Hマイナー回転異性体,dd,J 8.9, 3.1Hz),5.41(1Hメジャー,dd,J 8.9,4.5Hz),5.17(1Hマイナー,d 分解されず),5.16(2Hメジャー,s),5.14(1Hマイナー,d,J 12.6Hz),3.67-3.59(2H,m),3.55-3.50(2H,m),2.50(3Hメジャー,s),2.48(3Hマイナー,s),2.33-2.23(2Hメジャー,m),2.05-1.80(2Hメジャー4Hマイナー,m),1.45(9Hマイナー,s),1.27(9Hメジャー,s);m/z(MH+)397.21.
【0168】
2-(2-メトキシニコチノイル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
【化39】
ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.5mmol、0.26g)をTHF(10mL)で希釈し、-40℃に冷却した。この溶液にsec-BuLiを滴加し、反応物を-40℃で5分間維持した後、THF(2mL)中の2-メトキシニコチン酸メチル(3.0mmol、0.50g)を加えた。反応物を-40℃で10分間撹拌し、その後、15分かけて室温に温めた。反応物を塩化アンモニウムの飽和水溶液でクエンチした後、DCM(15mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、その後、減圧下で濃縮して、透明な油状物質を得た。油状物質をシリカに充填し、ヘキサン(3CV)、その後ヘキサン(40CV)中0から50%のEtOAc、その後ヘキサン(15CV)中50から80%のEtOAcで溶出させるクロマトグラフィー(シリカ、12g)により精製した。生成物はカラムから最後に出たものであり、透明なゴム状物質として単離した(0.20g、43%)。表題化合物は、回転異性体の1.1(メジャー):1(マイナー)混合物として現れた。指定のない限り、ピークは、両方の回転異性体を指す。
1H NMR(CDCl
3,500MHz)δ8.29(1Hメジャー,dd,J 1.5,5.9Hz),8.28(1Hマイナー,dd,J 2.0,4.5Hz),8.19(1Hマイナー,dd J 2.0,4.5Hz),8.11(1Hメジャー,dd J 2.0,7.5Hz),7.01-6.95(1Hメジャー,1H マイナー,m),5.29(1Hマイナー,dd,J 3.0,9.0Hz),5.21(1Hメジャー,dd,J 3.5,9.0Hz),4.04(3Hメジャー,s),4.02(3Hマイナー,s),3.66-3.56(2Hマイナー,m),3.48-3.41(2Hメジャー,m),2.30-2.24(2Hマイナー,m),1.95-1.92(2Hメジャー,m),1.91-1.86(2H,m),1.45(9Hメジャー,s),1.26(9Hマイナー,s).MS:m/z(MH
+)307.16.
【0169】
2-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピコリノイル)アゼパン-1-カルボン酸tert-ブチル
【化40】
2-((3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ヒドロキシ)メチル)アゼパン-1-カルボン酸tert-ブチル
一般方法HをBeak,P.et al.の手順に従って使用し、この手順では、アゼパン-1-カルボン酸tert-ブチル(2.6g)をEt
2O(20mL)に溶解させ、-78℃に冷却した後、蒸留したTMEDA(1.9mL)で処理し、続いて、1.28M sec-BuLi(10.2mL)を加え、その間は温度を-78℃未満に保った。完了したら、反応物を撹拌し、約1.5時間の間、-40℃に温まらせた。反応物を冷却し、Et
2O(50mL、穏やかに加熱して、滴下漏斗中で溶解させた)中の2-カルボキシ-3-ベンジルオキシ-6-メチルピリジン(2.3g)を調製し、温度を-78℃未満に保ちながら、反応物に加えた。反応をさらに1時間継続し、温度を約-60℃に上昇させた。反応物を飽和NH
4Cl
(水溶液)でクエンチし、室温に温まらせた後、Et
2Oで抽出した(3回)。合わせた抽出物を乾燥させ、溶媒を蒸発させて、粗アルコールを得た。試料をSiO
2に吸着させた後、EtOAc/ヘキサン勾配0から0% 2CV、0から25% 30CVを使用する40gのSiO
2(254/280nm)で精製した。標的塊を含む画分をMSにより特定し、合わせて、ジアステレオマー及び回転異性体の混合物として表題化合物を得て(898mg、m/z(MH
+)427.26)、これを、さらなる操作を行わずに使用した。
【0170】
2-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピコリノイル)アゼパン-1-カルボン酸tert-ブチル
2-((3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ヒドロキシ)メチル)アゼパン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.04g)をDCM(15mL)に溶解させ、DMP(2.44g)を緩徐に加えた。反応物を室温で18時間撹拌し、その後、反応物を水(約10mL)で希釈し、10分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、DCMを分離させた。DCM抽出物を、2M NaOH(水溶液)、その後飽和NaHCO3(水溶液)で洗浄した。合わせた抽出物を乾燥させ、溶媒を蒸発させて、粗ケトンを得た。粗生成物をSiO2に吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配0から0% 3CV、0から50% 30CVを使用する12gのSiO2カラム(254/280nm)で精製した。生成物を含む画分を合わせ、蒸発させ、油状の表題化合物を得て、これを長時間静置し固化させて、回転異性体の1.4:1混合物としてワックス状固体を得た(676mg)。別途指定のない限り、ピークは両方の回転異性体を指す。1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 7.45-7.41(2H,m),7.40-7.26(3H,m),7.22(1Hメジャー,d,J 8.5Hz),7.18(1Hマイナー,d,J 8.5Hz),7.15(1Hメジャー,d,J 8.6Hz),7.12(1Hマイナー,d,J 8.5Hz),5.78(1Hマイナー,dd,J 6.4,12.1Hz),5.39(1Hメジャー,dd,J 5.1,11.8Hz),5.17(1Hマイナー,d,J 12.7Hz),5.15(1Hマイナー,d 分解されず),5.15(1Hメジャー,d 分解されず),5,13(1Hメジャー,d,J 13.0Hz),3.94-3.85(1Hマイナー,m),3.22(1Hメジャー,dd,J 10.4,14.0Hz),3.07(1Hマイナー,ddd,J 1.6,11.6,14.8Hz),2.49(3Hメジャー,s),2.48(3Hマイナー,s),2.44(1Hマイナー,m),2.23-2.16(1Hメジャー,m),1.86-.1.67(4H,m),1.59-1.42(3H,m),1.43(9Hマイナー,s),1.27(9Hメジャー,s).
【0171】
式Iの化合物の合成
2-(3-(2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)-6-メチルピリジン-3-オール(1)
【化41】
2-(1-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)フェノール
AcOH(0.5mL)に懸濁させた、2-ヒドロキシベナズアルデヒド(39μL)、(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン(50mg)、及びNH
4OAc(126mg)を使用して一般方法Fを用い、反応物を40℃で40時間加熱しながら、表題化合物を調製した。抽出した粗生成物をSiO
2に吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配0から75% 30CVを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を合わせ、蒸発させて、表題化合物を得た(50mg)。
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ 12.5(1H,bs),8.56(1H,d,J 7.2Hz),8.43(1H,d,J 9.2Hz),7.80(1H,dd,J 1.0,7.7Hz),7.44(2H,bd,J 7.3Hz),7.33-7.28(3H,m),7.28-7.23(1H,m),7.20(1H,d,J 8.4Hz),7.16(1H,d,J 8.1Hz),7.00(1H,t,J 7.5Hz),6.95(1H,d,J 8.4Hz),6.91(1H,dd,J 6.6,8.9Hz),6.74(1H,t,J 6.9Hz),5.27(2H,s),2.56(3H,s).
【0172】
2-(3-(2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)-6-メチルピリジン-3-オール(1)
2-(1-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)フェノール(48mg)、EtOAc:EtOHの1:1混合物(4mL)中の10% Pd/C(25mg)を使用して一般方法Gを用い、表題化合物を調製した。反応物を室温で3時間撹拌し、濾過し、溶媒を蒸発させて、黄褐色固体の表題化合物を得た(26mg)。tR 4.64分(HPLC1);1H NMR(d6-アセトン,600MHz)δ 7.44(1H,dd,J 1.5,7.4Hz),7.39-7.31(1H,m),7.10-7.04(1H,bs),7.05(1H,d,8.2Hz),6.99(1H,t,7.4Hz),6.89(1H,d,8.2Hz),4.06(2H,bt,5.7Hz),3.35(2H,t,6.5Hz),2.42(3H,s),2.00-1.95(2H,m),1.94-1.89(2H,m);m/z(MH+)322.16,(MH2
2+)161.58.
【0173】
2-(3-(3-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)-6-メチルピリジン-3-オール(2)
【化42】
2-(1-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-6-フルオロフェノール
AcOH(0.5mL)に懸濁させた、3-フルオロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド(68mg)、(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン(50mg)、及びNH
4OAc(126mg)を使用して一般方法Fを用い、反応物を40℃で40時間加熱しながら、表題化合物を調製した。抽出した粗生成物をSiO
2に吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配0から75% 30CVを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を合わせ、蒸発させて、表題化合物を得た(40mg)。
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ 13.0(1H,vbs),8.57(1H,d,J 7.2Hz),8.50(1H,d,J 9.2Hz),7.60(1H,d,J 7.9Hz),7.43(2H,d,J 7.3Hz),7.34-7.29(2H,m),7.28-7.24(1H,m),7.21(1H,d,J 8.4Hz),7.13(1H,t,9.4Hz),6.99-6.89(3H,m),6.80(1H,t,J 6.7Hz),5.30(2H,s),2.57(3H,s).
【0174】
2-(3-(3-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)-6-メチルピリジン-3-オール(2)
2-(1-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-6-フルオロフェノール(41mg)、EtOAc:EtOHの1:1混合物(4mL)中の10% Pd/C(25mg)を使用して一般方法Fを用い、表題化合物を調製した。反応物を室温で3時間撹拌し、濾過し、溶媒を蒸発させて、ベージュ色固体の表題化合物を得た(24mg)。tR 4.74分(HPLC1);1H NMR(d6-アセトン,600MHz)δ 7.29-7.25(2H,m),7.05(1H,d,8.2Hz),6.98(1H,dt 4.9,8.0Hz),6.90(1H,d,8.2Hz),4.07(2H,t,5.9Hz),3.36(2H,t,6.6Hz),2.42(3H,s),2.01-1.96(2H,m),1.96-1.90(2H,m);m/z(MH+)340.15,(MH2
2+)170.58.
【0175】
2-(3-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)-6-メチルピリジン-3-オール(3)
【化43】
2-(1-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-4-フルオロフェノール
AcOH(0.5mL)に懸濁させた、5-フルオロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド(54mg)、(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン(50mg)、及びNH
4OAc(126mg)を使用して一般方法Hを用い、反応物を40℃で40時間加熱しながら、表題化合物を調製した。抽出した粗生成物をSiO
2に吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配0から75% 30CVを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を合わせ、蒸発させて、表題化合物を得た(48mg)。
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ 12.4(1H,vbs),8.53(1H,d,J 7.2Hz),8.46(1H,d,J 9.2Hz),7.50(1H,dd,J 2.9,9.5Hz),7.43(2H,d,J 7.3Hz),7.33-7.28(2H,m),7.28-7.24(1H,m),7.22(1H,d,J 8.4Hz),7.08(1H,dd,J 5.0,8.9Hz),7.01(1H,dt,J 3.0,9.0Hz),6.99-6.40(2H,m),6.82(1H,dt,1.2,6.7Hz),5.27(2H,s),2.57(3H,s).
【0176】
2-(3-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)-6-メチルピリジン-3-オール(3)
2-(1-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-4-フルオロフェノール(50mg)、EtOAc:EtOHの1:1混合物(4mL)中の10% Pd/C(25mg)を使用して一般方法Gを用い、表題化合物を調製した。反応物を室温で3時間撹拌し、濾過し、溶媒を蒸発させて、薄茶色固体の表題化合物を得た(32mg)。tR 4.84分(HPLC1);1H NMR(d6-アセトン,600MHz)δ 7.21(1H,dd,J 2.9,9.0Hz),7.16-7.10(1H,m),7.08-7.02(1H,bm),7.05(1H,d,J 8.2Hz),6.89(1H,d,J 8.2Hz),4.09(2H,bt,J 5.6Hz),3.35(2H,t,J 6.6Hz),2.42(3H,s),2.01-1.95(2H,m),1.95-1.89(2H,m);m/z(MH+)340.15,(MH2
2+)170.58.
【0177】
2-(3-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)-6-メチルピリジン-3-オール(4)
【化44】
2-(1-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-3-フルオロフェノール
AcOH(0.5mL)に懸濁させた、2-フルオロ-6-ヒドロキシベンズアルデヒド(68mg)、(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン(50mg)、及びNH
4OAc(126mg)を使用して、一般方法Fを用い、反応物を40℃で20時間、その後60℃でさらに20時間加熱しながら、表題化合物を調製した。抽出した粗生成物をSiO
2に吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配0から75% 30CVを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を合わせ、蒸発させて、表題化合物(43mg)を得た。
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ 11.4(1H,vbs),8.38(1H,d,J 9.1Hz),8.00(1H,dd,J 4.9,6.0Hz),7.44(2H,d,J 7.1Hz),7.33-7.25(4H,m),7.23(1H,d,J 8.3Hz),7.00-6.95(2H,m),6.93(1H,d,J 8.1Hz),6.80-6.75(2H,m),5.26(2H,s),2.58(3H,s).
【0178】
2-(3-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)-6-メチルピリジン-3-オール(4)
2-(1-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-3-フルオロフェノール(45mg)、EtOAc:EtOHの1:1混合物(4mL)中の10% Pd/C(25mg)を使用して一般方法Gを用い、表題化合物を調製した。反応物を室温で3時間撹拌し、濾過し、溶媒を蒸発させて、ベージュ色固体の表題化合物を得た(28mg)。tR 4.87分(HPLC1);1H NMR(d6-アセトン,600MHz)δ 7.38(1H,m),7.04(1H,d,J 8.2Hz),6.92-6.87(1H,bm),6.88(1H,d,J 8.2Hz),6.76(1H,t,J 8.8Hz),3.92(2H,t,J 5.9Hz),3.35(2H,t,J 6.5Hz),2.42(3H,s),2.00-1.95(2H,m),1.94-1.89(2H,m);m/z(MH+)340.15,(MH2
2+)170.58.
【0179】
2-(3-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)-6-メチルピリジン-3-オール(5)
【化45】
2-(1-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-4-メチルフェノール
AcOH(0.5mL)に懸濁させた、2-ヒドロキシ-5-メチルベンズアルデヒド(54mg)、(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン(50mg)、及びNH
4OAc(126mg)を使用して一般方法Fを用い、反応物を40℃で40時間加熱しながら、表題化合物を調製した。抽出した粗生成物をSiO
2に吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配0から75% 30CVを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を合わせ、蒸発させて、表題化合物を得た(46mg)。
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ 12.2(1H,vbs),8.59(1H,d,J 7.3Hz),8.42(1H,d,J 9.2Hz),7.60(1H,bs),7.43(2H,d,J 7.3Hz),7.33-7.28(2H,m),7.28-7.23(1H,m),7.20(1H,d,J 8.4Hz),7.12(1H,d,J 8.4Hz),7.06(1H,d,J 8.3Hz),6.95(1H,d,J 8.4Hz),6.92(1H,dd,J 6.4,9.2Hz),6.77(1H,t,J 6.8Hz),5.27(2H,s),2.57(3H,s),2.40(3H,s).
【0180】
2-(3-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)-6-メチルピリジン-3-オール(5)
2-(1-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-4-メチルフェノール(46mg)、EtOAc:EtOHの1:1混合物(4mL)中の10% Pd/C(25mg)を使用して一般方法Gを用い、表題化合物を調製した。反応物を室温で3時間撹拌し、濾過し、溶媒を蒸発させて、暗からし色固体の表題化合物を得た(25mg)。tR 4.94分(HPLC1);1H NMR(d6-アセトン,600MHz)δ 7.25-7.23(1H,m),7.17-7.14(1H,m),7.04(1H,d,J 8.2Hz),6.98-6.92(1H,bm),6.88(1H,d,J 8.2Hz),4.06-4.04(2H,m),3.35(2H,t,J 6.5Hz),2.42(3H,s),2.30(3H,s),1.99-1.94(2H,m),1.94-1.89(2H,m);m/z(MH+)336.17,(MH2
2+)168.59.
【0181】
2-(3-(2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)-6-メチルピリジン-3-オール(6)
【化46】
2-(1-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-6-メチルフェノール
AcOH(0.5mL)に懸濁させた、2-ヒドロキシ-3-メチルベンズアルデヒド(60μL)、(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン(50mg)、及びNH
4OAc(126mg)を使用して、一般方法Fを用い、反応物を40℃で40時間、その後60℃でさらに28時間加熱しながら、表題化合物を調製した。抽出した粗生成物をSiO
2に吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配0から75% 30CVを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を合わせ、蒸発させて、表題化合物を得た(47mg)。
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ 12.4(1H,bs),8.57(1H,d,J 7.2Hz),8.43(1H,d,J 9.1Hz),7.64(1H,d,J 7.5Hz),7.47(2H,d,J 7.1Hz),7.35-7.29(2H,m),7.29-7.22(2H,m),7.17(1H,d,J 7.0Hz),6.98(1H,d,J 8.4Hz),7.93-6.88(2H,m),6.73(1H,t,J 6.7Hz),5.27(2H,s),2.58(3H,s),2.38(3H,s).
【0182】
2-(3-(2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)-6-メチルピリジン-3-オール(6)
2-(1-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-6-メチルフェノール(48mg)、EtOAc:EtOHの1:1混合物(4mL)中の10% Pd/C(25mg)を使用して一般方法Gを用い、表題化合物を調製した。反応物を室温で3時間撹拌し、濾過し、溶媒を蒸発させて、黄褐色固体の表題化合物を得た(28mg)。tR 4.91分(HPLC1);1H NMR(d6-アセトン,600MHz)δ 7.33(1H,dd,J 1.5,7.6Hz),7.24(1H,dd,J 1.2,7.4Hz),7.08(1H,d,J 8.2Hz),6.92(1H,d,J 8.2Hz),6.91(1H,t,J 11.1Hz),4.12-4.10(2H,m),3.34(2H,t,J 6.5Hz),2.43(3H,s),2.29(3H,s),2.02-1.96(2H,m),1.96-1.90(2H,m);m/z(MH+)336.17,(MH2
2+)168.59.
【0183】
2,2’-(5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1,3-ジイル)ジフェノール(7)
【化47】
2,2’-(イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1,3-ジイル)ジフェノール(50mg)、EtOAc:EtOHの1:1混合物(4mL)中の10% Pd/C(25mg)を使用して一般方法Gを用い、表題化合物を調製した。反応物を室温で16時間撹拌し、濾過し、溶媒を蒸発させて、淡灰色固体の表題化合物を得た(44mg)。t
R 5.22分(HPLC1);
1H NMR(d
6-アセトン,600MHz)δ 11(1H,vbs),7.49(1H,dd,J 1.6,7.7Hz),7.48(1H,dd,J 1.6,7.7Hz),7.34(1H,t,J 7.6Hz),7.10(1H,dt,J 1.6,8.9Hz),7.04(1H,bd,J 8.1Hz),6.98(1H,t,J 7.5Hz),6.88-6.83(2H,m),4.17(2H,t,J 6.0Hz),3.09(2H,t,J 6.2Hz),2.02-1.93(4H,m);m/z(MH
+)307.14.
【0184】
2-(1-(2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-4-メチルフェノール(8)
【化48】
2-(1-(2-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-4-メチルフェノール(20mg)、EtOAc:EtOHの1:1混合物(1mL)中の10% Pd/C(25mg)を使用して一般方法Gを用い、表題化合物を調製した。反応物を室温で6時間撹拌し、濾過し、溶媒を蒸発させて、凍結乾燥した白色固体の表題化合物を得た(17mg)。t
R 5.42分(HPLC1);
1H NMR(d
6-アセトン,600MHz)δ 11.8(1H,vbs),9.6(1H,vbs),7.48(1H,d,J 7.8Hz),7.29(1H,bs),7.15(1H,bd,J 6.9Hz),7.09(1H,ddd,J 1.5,7.1,8.2Hz),6.93(1H,bd,J 7.9Hz),6.87-6.83(2H,m),4.11(2H,bt,J 5.5Hz),3.09(2H,bt,J 6.1Hz),2.30(3H,s),2.02-1.93(4H,m);m/z(MH
+)321.16.
【0185】
3-フルオロ-2-(1-(2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)フェノール(9)
【化49】
3-フルオロ-2-(1-(2-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)フェノール(15mg)、EtOAc:EtOHの1:1混合物(1mL)中の10% Pd/C(10mg)を使用して一般方法Gを用い、表題化合物を調製した。反応物を室温で5時間撹拌し、濾過し、溶媒を蒸発させて、凍結乾燥した白色固体の表題化合物を得た(14mg)。t
R 5.29分(HPLC1);
1H NMR(d
6-アセトン,600MHz)δ 12.4(1H,vbs),9.3(1H,vbs),7.50(1H,d,J 7.7Hz),7.39(1H,q,J 7.6Hz),7.08(1H,t,J 7.8Hz),6.91(1H,bd,J 8.1Hz),6.86-6.77(3H,m),3.96-3.93(2H,m),3.14-3.10(2H,m),2.03-1.96(4H,m);m/z(MH
+)325.13.
【0186】
4-ヒドロキシ-3-(1-(2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)安息香酸メチル(10)
【化50】
4-ヒドロキシ-3-(1-(2-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)安息香酸メチル(20mg)、EtOAc:EtOHの1:1混合物(1mL)中の10% Pd/C(10mg)を使用して一般方法Gを用い、表題化合物を調製した。反応物を室温で5時間撹拌し、濾過し、溶媒を蒸発させて、凍結乾燥した白色固体の表題化合物を得た(18mg)。t
R 5.33分(HPLC1);
1H NMR(d
6-アセトン,600MHz)δ 11.1(1H,vbs),8.16(1H,d,J 2.0Hz),7.96(1H,d,J 7.0Hz),7.47(1H,d,J 8.0Hz),7.14-7.08(2H,m),6.90-6.83(2H,m),4.15(2H,bt,J 5.7Hz),3.85(3H,s),3.08(2H,bt,J 6.3Hz),2.03-1.93(4H,m);m/z(MH
+)365.15.
【0187】
2-(3-(ピリジン-2-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)フェノール(11)
【化51】
2-(3-(ピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)フェノール(10mg)、EtOAc:EtOHの1:1混合物(1mL)中の10% Pd/C(5mg)を使用して一般方法Gを用い、表題化合物を調製した。反応物を室温で5時間撹拌し、濾過し、溶媒を蒸発させて、凍結乾燥した白色固体の表題化合物を得た(5mg);t
R 5.21分(HPLC1);
1H NMR(d
6-アセトン,600MHz)δ 12.6(1H,bs),8.65(1H.bd,J 4.8Hz),8.09(1H,d,J 8.0Hz),7.93(1H,dt,J 1.4,7.6Hz),7.52(1H,dd,J 1.3,7.8Hz),7.36(1H,dd,J 6.0,7.5Hz),7.11(1H,dt,J 1.3,8.3Hz),6.89(1H,d,J 8.2Hz),6.85(1H,t,J 7.5Hz),4.68(2H,t,J 6.0Hz),3.15(2H,t,J 6.4Hz),2.08-2.04(2H,m),2.00-1.96(2H,m);m/z(MH
+)292.14.
【0188】
2-(1-(2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-6-(モルホリノメチル)フェノール(12)の合成
【化52】
2-(1-(2-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-5-(モルホリノメチル)フェノール
2-ヒドロキシ-4-(モルホリノメチル)ベンズアルデヒド(0.26g、1.2mmol)、(2-ヒドロキシフェニル)(ピリジン-2-イル)メタノン(1.2g、6.0mmol)、及びNH
4OAc(2.3g、30.0mmol)をAcOH(3mL)に懸濁させ、一般方法Fに従って反応させた。粗生成物をEtOAcでの抽出(3回)により単離した。得られた茶色ゴム状物質をシリカ(0.5g)に吸着させ、25CVにわたるヘキサン中0から100%のEtOAc、続いてEtOAc(20CV)で溶出させるシリカクロマトグラフィー(12g)により精製した。固体を得て、これをEtOAc中で超音波処理し、濾過し、エーテルで洗浄し、空気乾燥した。淡黄色固体が生じた(120mg、50%)。HPLC(230nm;HPLC2)t
R 8.68(99%)分.
1H NMR(d
6-DMSO,600MHz)δ 12.01(1H,s),10.38(1H,s),8.08(1H,d,J 9.6Hz),7.85(2H,m),7.45(1H,d,7.8Hz),7.12(1H,td,J 1.8,9.0Hz),7.05(1H,s),7.00(1H,dd,J 5.4,9.0Hz),6.94-6.90(3H,m),6.82(1H,t,J 7.2Hz),3.58(4H,s),3.47(2H,s),2.47(4H,s).MS:m/z(MH
+)402.18.
【0189】
2-(1-(2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-6-(モルホリノメチル)フェノール(12)
2-(1-(2-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-5-(モルホリノメチル)フェノール(47.0mg、0.12mmol)をMeOH(7mL)及びTHF(7mL)に懸濁させ、これにパラジウム炭素(10重量%)(10mg)を加え、一般方法Gに従って17時間反応させた。クリーム色固体が得られ、これをEtOAc中で超音波処理し、濾過し、EtOAcで洗浄し、空気乾燥させて、白色固体の表題化合物(21.0mg、45%)を得た。HPLC(230nm;HPLC2)tR 11.13(99%)分.1H NMR(d6-DMSO,600MHz)δ 7.41(1H,dd,J 1.2,7.8Hz),7.18(1H,d,7.8Hz),7.04(1H,td,J 1.2,7.8Hz),6.82-6.78(2H,m),6.77(1H,s),6.70(1H,d,7.8Hz),3.89(2H,s),3.00(2H,s),2.47(4H,s),2.26(4H,s),1.84(6H,s).MS:m/z(MH+)406.21.
【0190】
3-(3-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-2-オール(13)、3-(3-(3-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-2-オール(14)、及び3-(3-(2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-2-オール(15)の合成
【化53】
3-(3-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-2-オール(13)
2-(1-(2-メトキシピリジン-3-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-4-メチルフェノール
(2-メトキシピリジン-3-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン(0.15g、0.70mmol)、5-メチルサリチルアルデヒド(0.29g、2.1mmol)、及びNH
4OAc(0.2g、3.5mmol)をAcOH(4.0mL)に懸濁させ、一般方法Fに従って反応させた。生成物をEtOAcでの抽出(3回)により単離した。得られた黄色固体を、ヘキサン(30CV)中0から30%のEtOAcで溶出させるシリカ(12g)で精製して、淡黄色固体を得た(0.14g、59%)。HPLC(280nm;HPLC2)t
R 8.60(99%)分.
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ 8.45(1H,bd,J 4.2Hz),8.20(1H,dd,1.8,4.8Hz),8.05(1H,d,J 6.6Hz),7.70(1H,td,J 1.2,9.6Hz),7.53(1H,s),7.12-7.03(3H,m),6.88(1H,dd,J 6.6,8.4Hz),6.75(1H,t,J 7.2Hz),4.05(3H,s),2.37(3H,s).MS:m/z(MH
+)332.14.
【0191】
3-(3-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-2-オール
2-(1-(2-メトキシピリジン-3-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-4-メチルフェノール(0.13g、0.40mmol)を、一般方法D(i)に従い、48% HBr(水溶液)(0.5mL)中120℃で17時間加熱した。得られた固体をNaHCO3の飽和水溶液(10mL)で処理し、超音波処理し、均一な懸濁液を得た後、濾過し、残留物を、水(2回)、ヘキサン(1回)、エーテル(1回)で洗浄し、空気乾燥させた。黄色の固体を得た(108mg、85%)。HPLC(280nm;HPLC2)tR 7.66(98%)分.1H NMR(CDCl3,600MHz)δ 12.21(1H,s),10.59(1H,s),8.06(1H,d,J 9.6Hz),7.99(1H,d,6.6Hz),7.95(1H,d,J 7.2Hz),7.54(1H,d,J 6.0Hz),7.40(1H,s),7.32(1H,d,J 7.8Hz),7.16(1H,t,J 7.2Hz),7.01-7.05(2H,m),6.43(1H,t,J 6.6Hz),2.29(3H,s).MS:m/z(MH+)318.12.
【0192】
3-(3-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-2-オール(13)
3-(3-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-2-オール(0.02g、0.06mmol)をMeOH(2mL)及びEtOAc(2mL)に溶解させ、これに、パラジウム炭素(10重量%)(2mg)を加えた。反応を一般方法Gに従って実施し、室温で1.5時間撹拌した。灰色固体を得た(17.1mg、84%)。HPLC(280nm;HPLC2)tR 7.55(94%)分.1H NMR(CDCl3,600MHz)δ 7.83(1H,d,J 6.6Hz),7.48(1H,d,6.0Hz),7.28(1H,s),7.22(1H,d,J 8.4Hz),6.88(1H,d,J 8.4Hz),6.51(1H,t,J 6.0Hz),4.09(2H,t,J 6.0Hz),2.95(2H,t,J 6.6Hz),2.30(3H,s),2.00(2H,m),1.92(2H,m).MS:m/z(MH+)322.16.
【0193】
3-(3-(3-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-2-オール(14)及び3-(3-(2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-2-オール(15)
2-クロロ-6-(1-(2-メトキシピリジン-3-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)フェノール
(2-メトキシピリジン-3-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン(0.15g、0.70mmol)、3-クロロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド(0.33g、2.1mmol)、及びNH4OAc(0.26g、3.5mmol)をAcOH(4.0mL)に懸濁させ、一般方法Fに従って反応させた。生成物をEtOAcでの抽出(3回)により単離した。得られた黄色固体を、ヘキサン(30CV)中0から30%のEtOAcで溶出させるシリカ(12g)で精製して、淡黄色固体を得た(0.17g、70%)。HPLC(280nm;HPLC2)tR 8.77(92%)分.1H NMR(CDCl3,600MHz)δ 8.48(1H,d,J 7.2Hz),8.21(1H,dd,1.8,5.4Hz),8.04(1H,dd,J 1.8,7.2Hz),7.75(1H,dt,J 1.2,9.0Hz),7.71(1H,dd,J 1.2,7.8Hz),7.41(1H,dd,J 1.2,7.8Hz),7.04(1H,dd,J 4.8,7.2Hz),6.97(1H,t,J 7.8Hz),6.91(1H,ddd,J 0.6,6.6,9.0Hz),6.78(1H,td,J 1.2,7.8Hz),4.06(3H,s).MS:m/z(MH+)352.08.
【0194】
3-(3-(3-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-2-オール
2-クロロ-6-(1-(2-メトキシピリジン-3-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)フェノール(0.16g、0.46mmol)を、一般方法D(i)に従い、48% HBr(水溶液)(0.5mL)中120℃で17時間加熱した。得られた固体をNaHCO3の飽和水溶液(10mL)で処理し、超音波処理し、均一な懸濁液を得た後、濾過し、残留物を、水(2回)、ヘキサン(2回)、エーテル(2回)で洗浄し、空気乾燥させた。黄色の固体を得た(15mg、100%)。HPLC(280nm;HPLC2)tR 7.45(100%)分.1H NMR(d6-DMSO,600MHz)δ 11.67(1H,s),8.11(1H,d,J 9.6Hz),7.97(1H,dd,1.8,6.6Hz),7.83(1H,bs),7.30(1H,bs),7.20(1H,bs),1.65(1H,bs),6.72(1H,t,J 7.2Hz),6.54(1H,bs),6.32(1H,bs),6.18(1H,bs).MS:m/z(MH+)338.07.
【0195】
3-(3-(3-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-2-オール(14)及び3-(3-(2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-2-オール(15)
3-(3-(3-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-2-オール(46mg、0.14mmol)をMeOH(10mL)及びEtOAc(10mL)に懸濁させ、これにパラジウム炭素(10重量%)(2mg)を加え、一般方法Gに従って48時間反応させた。灰色固体をシリカ(0.5g)に充填し、DCM(100CV)中0から10%のMeOHでで溶出させるカラムクロマトグラフィー(シリカ、4g)により精製した。3-(3-(3-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-2-オール(6.5mg、16%)を黄色固体として得た。HPLC(280nm;HPLC2)tR 9.10(84%)分.1H NMR(CDCl3,600MHz)δ 7.81(1H,dd,J 1.8,7.2Hz),7.49(1H,d,7.8Hz),7.37(1H,dd,J 1.8,6.6Hz),7.32(1H,d,J 8.4Hz),6.81(1H,t,J 7.8Hz),7.37(1H,t,J 6.6Hz),4.28(2H,m),3.05(2H,m),2.05(2H,m),1.9(2H,m).MS:m/z(MH+)342.10.3-(3-(2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-2-オールも白色固体として得た(4.8mg、10%)。HPLC(280nm;HPLC2)tR 8.66(99%)分.1H NMR(CDCl3,600MHz)δ 7.81(1H,d,J 6.0Hz),7.55(1H,d,7.8Hz),7.37(1H,d,J 6.0Hz),7.22(1H,m),7.08(1H,d,J 7.8Hz),6.87(1H,t,J 7.2Hz),6.38(1H,t,J 6.6Hz),4.29(2H,t,J 6.0Hz),3.05(2H,t,J 6.6Hz),2.03-2.00(2H,m),1.92-1.89(2H,m).MS:m/z(MH+)308.14.
【0196】
以下の化合物を類似の様式で調製した。
【化54】
【表3】
【0197】
4-(3-(2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-3-オール(21)及び4-(3-(3-(2-(ジエチルアミノ)エチル)-2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-3-オール(22)の合成
【化55】
4-(3-(2-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-3-オール
(3-ヒドロキシピリジン-4-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン(0.05g、0.24mmol)、サリチルアルデヒド(0.09g、0.72mmol)、及びNH
4OAc(0.09g、1.2mmol)をAcOH(2.5mL)に懸濁させ、一般方法Fに従って反応させた。粗生成物をEtOAcでの抽出(3回)により単離した。得られた固体をヘキサン/エーテル中で超音波処理して、濾過及び乾燥時に黄色固体を得た(48mg、66%)。HPLC(280nm;HPLC2)t
R 7.95(95%)分.
1H NMR(d
6-DMSO,500MHz)δ 12.16(1H,bs),10.37(1H,bs),8.25-8.24(2H,m),8.11(1H,d,J 5.0Hz),7.93(1H,d,J 7.0Hz),7.86(1H,d,J 5.5Hz),7.53(1H,d,J 6.5Hz),7.44(1H,t,J 8.0Hz),7.17(1H,dd,J 6.5,9.0Hz),7.09(1H,d,J 8.0Hz),7.05(1H,t,J 7.5Hz),6.92(1H,t,J 5.5Hz).MS:m/z(MH
+)304.11.
【0198】
4-(3-(2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-3-オール(21)
4-(3-(2-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-3-オール(0.2g、0.73mmol)をMeOH(10mL)及びEtOAc(10mL)に懸濁させ、これに10%パラジウム炭素(20mg)を加え、方法Gに従って48時間反応させた。茶色固体が得られ、これをEtOAc中で超音波処理して、黄色固体の4-(3-(2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-3-オール(84.0mg、37%)を得た。HPLC(254nm;HPLC2)tR 7.94(94%)分.1H NMR(d6-DMSO,500MHz)δ 8.13(1H,s),8.00(1H,d,5.4Hz),7.37(1H,d,J 4.8Hz),7.33-7.30(2H,m),6.99(1H,d,J 7.8Hz),6.90(1H,t,J 7.2Hz),3.89(2H,s),3.09(2H,bs),1.89(4H,bs),1.9(2H,m).MS:m/z(MH+)308.14.
【0199】
4-(3-(3-(2-(ジエチルアミノ)エチル)-2-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-3-オール(22)
(3-ヒドロキシピリジン-4-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン(0.05g、0.26mmol)、3-(2-ジエチルアミノ)エチル-2-ヒドロキシベンズアルデヒド(0.12g、0.52mmol)、及びNH4OAc(0.10g、1.3mmol)をAcOH(3.0mL)に再懸濁させ、方法Fに従って反応させた。粗生成物をEtOAcでの抽出(3回)により単離した。ヘキサン(2CV)、ヘキサン(20CV)中0から100%のEtOAc、及び最後にEtOAc(50CV)で溶出させるシリカ(4g)上のクロマトグラフィーにより、黄色油状/ゴム状物質を得た。黄色固体を得て、これを、EtOAc中の超音波処理の後で、4-(3-(3-(2-(ジエチルアミノ)エチル)-2-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-3-オールと特定した(34mg、34%)。HPLC(230nm;HPLC2)tR 9.05(99%)分.1H NMR(d6-DMSO,600MHz)δ 12.30(1H,bs),8.22(1H,d,J 9.6Hz),8.21(1H,s),8.08(1H,d,J 4.8Hz),7.86(1H,d,J 7.2Hz),7.84(1H,d,J 4.8Hz),7.31(1H,d,J 7.8Hz),7.23(1H,d,J 7.8Hz),7.14(1H,dd,J 6.6,7.2Hz),6.87(1H,t,J 7.2Hz),6.79(1H,t,J 7.8Hz),2.88(2H,t,J 3.6Hz),2.79(2H,t,J 5.4Hz),2.68(4H,q,J 7.2Hz),0.95(6H,t,J 7.2Hz) MS:m/z(MH+)403.22.
【0200】
4-(3-(3-(2-(ジエチルアミノ)エチル)-2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-3-オール(22)
4-(3-(3-(2-(ジエチルアミノ)エチル)-2-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-3-オール(0.02g、0.06mmol)をMeOH(10mL)及びTHF(10mL)に懸濁させ、これにパラジウム炭素(10重量%)(2mg)を加え、一般方法Gに従って17時間反応させた。灰色固体が得られ、これをエーテル中で超音波処理して、白色固体の表題化合物(8.0mg、37%)を得た。HPLC(230nm;HPLC2)tR 7.89(93%)分.1H NMR(d6-DMSO,500MHz)δ 8.11(1H,s),8.00(1H,d,4.8Hz),7.37(1H,d,J 4.8Hz),7.16(1H,dd,J 0.6,7.2Hz),7.11(1H,d,J 7.2Hz),6.19(1H,t,J 7.2Hz),3.87(2H,s),3.09(2H,m),2.81(2H,m),2.71(2H,m),2.62(4H,q,J 6.6Hz),1.85(4H,m),0.96(6H,t,J 7.2Hz).MS:m/z(MH+)407.24.
【0201】
追加の化合物を、同じ方法論を使用して調製した。
【化56】
【表4】
【0202】
3-(3-(2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-4-オール(29)及び3-(3-(3-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-4-オール(30)の合成
【化57】
2-(1-(4-メトキシピリジン-3-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-フェノール
(4-メトキシピリジン-3-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン(0.24g、1.1mmol)、サリチルアルデヒド(0.41g、3.4mmol)、及びNH
4OAc(0.26g、3.5mmol)をAcOH(10.0mL)に懸濁させ、一般方法Fに従って反応させた。粗生成物をEtOAcでの抽出(3回)により単離した。得られた茶色ゴム状物質を、ヘキサン(15CV)中0から100%のEtOAc、その後100%のEtOAc(15CV)で溶出させるシリカ(12g)で精製して、黄色固体を得た(166mg、36%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz)δ 8.81(1H,s),8.57(1H,d,6.0Hz),8.53(1H,d,J 6.0Hz),7.81(1H,dd,J 2.0,8.0Hz),7.62(1H,d,J 9.5Hz),7.33(1H,dt,J 2.0,8.5Hz),7.19(1H,dd,J 1.0,8.0Hz),7.03(1H,dt,J 1.5,9.0Hz),6.97(1H,d,6.0Hz),6.88(1H,dd,J 6.5,10.0Hz),6.75(1H,dt,1.5,7.5Hz),3.98(3H,s).MS:m/z(MH
+)318.12.
【0203】
3-(3-(2-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-4-オール
2-(1-(4-メトキシピリジン-3-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-フェノール(0.17g、0.52mmol)をHBrの48%水溶液(0.5mL)中で加熱し、一般方法D(i)に従って125℃の温度で24時間反応させた。ワークアップ時に固体沈殿物を単離し、溶媒による抽出は行わなかった。pHをpH6に調整した後、濾過した。黄色の固体を得た(80mg、60%)。1H NMR(d6-DMSO,600MHz)δ 10.4(1H,bs),8.39(1H,s),8.06(1H,d,9.6Hz),7.84(1H,bd,J 6.6Hz),7.81(1H,d,J 7.2Hz),7.51(1H,d,J 6.6Hz),7.36(1H,t,J 7.2Hz),7.04(1H,d,J 7.8Hz),6.98(1H,t,J 6.6Hz),6.81(1H,t,J 7.2Hz),6.72(1H,t,J 6.6Hz),6.53(1H,bd,J 5.4Hz).
【0204】
3-(3-(2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-4-オール(29)
3-(3-(2-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-4-オール(0.08g、0.2mmol)をMeOH(15mL)及びEtOAc(15mL)に懸濁させ、これにパラジウム炭素(10重量%)(8mg)を加え、一般方法Gに従って72時間反応させた。灰色固体が得られ、これをシリカに充填し、DCM(70CV)中0から15%のMeOHで溶出させるカラムクロマトグラフィー(シリカ、4g)により精製した。透明なゴム状物質/固体を得て、これをエーテル/EtOAc中で超音波処理して、白色固体の表題化合物(10.0mg、12%)を得た。HPLC(254nm;HPLC2)tR 7.14(93%)分.1H NMR(CD3OD,600MHz)δ 8.09(1H,s),7.82(1H,d,7.2Hz),7.48(1H,d,J 6.6Hz),7.42(1H,t,J 7.8Hz),7.02-7.00(2H,m),6.57(1H,d,J 7.2Hz),4.09(2H,t,5.4Hz),2.92(2H,t,6.6Hz),2.01(2H,m),1.93(2H,m).MS:m/z(MH+)308.14.
【0205】
3-(3-(3-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-4-オール(30)
2-フルオロ-6-(1-(4-メトキシピリジン-3-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)フェノール
(4-メトキシピリジン-3-イル)(ピリジン-2-イル)メタノン(0.24g、1.1mmol)、3-フルオロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド(0.47g、3.4mmol)、及びNH4OAc(0.43g、5.6mmol)をAcOH(10.0mL)に再懸濁させ、一般方法Fに従って反応させた。粗生成物をEtOAcでの抽出(3回)により単離した。得られた茶色ゴム状物質を、ヘキサン(15CV)中0から100%のEtOAc、その後100%のEtOAc(15CV)で溶出させるシリカ(12g)で精製して、黄色固体を得た(164mg、44%)。1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 8.79(1H,s),8.56-8.54(2H,m),7.66(1H,d,J 9.5Hz),7.60(1H,d,J 8.5Hz),7.16(1H,t,J 9.0Hz),7.00-6.69(2H,m),6.92(1H,t,J 7.0Hz),6.80(1H,t,6.0Hz),3.98(3H,s).MS:m/z(MH+)336.11.
【0206】
3-(3-(3-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-4-オール
2-フルオロ-6-(1-(4-メトキシピリジン-3-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)フェノール(0.16g、0.49mmol)をHBrの48%水溶液(0.5mL)中で加熱し、一般方法D(i)に従って125℃の温度で24時間反応させた。ワークアップ時に沈殿物を単離し、溶媒による抽出は行わなかった。pHをpH6に調整した後、濾過した。黄色の固体を得た(91mg、58%)。1H NMR(d6-DMSO,600MHz)δ 8.19(1H,bs),8.05(1H,d,J 9.0Hz),7.86(1H,d,7.2Hz),7.66(1H,bs),7.21(1H,bs),7.10(1H,bs),6.75(1H,bs),6.63(1H,bs),6.55(1H,bs),6.32(1H,bs).
【0207】
3-(3-(3-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-4-オール(30)
3-(3-(3-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル)ピリジン-4-オール(0.09g、0.28mmol)をMeOH(15mL)及びEtOAc(15mL)に懸濁させ、これにパラジウム炭素(10重量%)(8mg)を加え、一般方法Gに従って17時間反応させた。茶色ゴム状物質が得られ、これをEtOAc/MeOH中で超音波処理して、固体を得た。これをTHF中でさらに超音波処理して、灰色固体の表題化合物(10.0mg、12%)を得た。HPLC(254nm;HPLC2)tR 7.85(90%)分.1H NMR(CD3OD,600MHz)δ 8.09(1H,s),7.82(1H,d,J 6.6Hz),7.32(1H,d,9.6Hz),7.30(1H,d,J 7.8Hz),6.98-7.01(1H,m),6.58(1H,d,J 7.2Hz),4.11-4.06(2H,m),2.93(2H,t,J,6.6Hz),2.02-2.04(2H,m),1.95-1.93(2H,m).MS:m/z(MH+)326.13.
【0208】
2,2’-(6-(トリフルオロメチル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1,3-ジイル)ジフェノール(36)の合成
【化58】
2,2’-(6-(Triフルオロメチル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1,3-ジイル)ジフェノール(36)
2,2’-(6-(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1,3-ジイル)ジフェノール(15mg、0.044mmol)のMeOH(7mL)溶液に、10% Pd/C(8mg)を加えた。反応を、一般方法Gで概説したように実施し、薄茶色粉末の表題化合物を得た(4.0mg、24%)。
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ 7.41(1H,dd,J 1.2,8.4Hz),7.37-7.33(2H,m),7.22-7.19(1H,m),7.10(1H,dd,J 1.2,8.4Hz),7.01(2H,m),6.91(1H,dt,J 1.2,7.2Hz),4.46(1H,dq,J 5.4,13.2Hz),4.17(1H,t,J 11.4Hz),3.5-3.32(1H,m),3.15-3.09(1H,m),2.78-2.68(1H,m),2.45-2.40(1H,m),1.92(1H,ddd,J 13.2,5.4Hz).MS:m/z(MH
+)375.13.
【0209】
2-(1-(2-ヒドロキシフェニル)-6-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-4-メチルフェノール(37)
2-(1-(2-ヒドロキシフェニル)-6-メチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-4-メチルフェノール(12mg、0.03mmol)のMeOH(7mL)溶液に、10% Pd/C(9mg)を加えた。反応を、一般方法Gで概説したように実施し、薄灰色粉末の表題化合物を得た(1.5mg、12%)。1H NMR(CDCl3,600MHz)δ 10.01(1H,bs),9.90(1H,s),7.58-7.52(1H,m),7.37(1H,d,J 7.8Hz),7.24(1H,m),7.18(1H,t,J 7.2Hz),7.11(1H,d,J 7.8Hz),7.04-6.98(1H,m),6.92(1H,t,J 7.2Hz),4.32-4.28(1H,m),4.21-4.15(1H,m),3.23-3.18(1H,m),2.67-2.62(1H,m),2.34(3H,s),2.10(1H,d,J 13.0Hz),2.08-2.01(1H,m),1.67-1.62(1H,m),1.24(3H,d,J 6.0Hz).MS:m/z(MH+)335.17.
【0210】
2-(1-(2-ヒドロキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-4-メチルフェノール(38)
MeOH(8mL)中の2-(1-(2-ヒドロキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-4-メチルフェノール(21mg、0.054mmol)の溶液に、10% Pd/C(11mg)を加えた。反応を、一般方法Gで概説したように実施し、ピンク色固体の表題化合物を得た(10mg、20%)。1H NMR(CDCl3,600MHz)δ 9.77(2H,bs),7.34(1H,d,J 7.2Hz),7.21(1H,t,J 7.2Hz),7.19-7.14(2H,m),7.01(2H,t,J 9.0Hz),6.92(1H,t,J 7.2Hz),4.43(1H,dd,J 4.2,12.0Hz),4.16(1H,t,J 12.0Hz),3.36-3.32(1H,m),3.15-3.10(1H,m),3.12-3.08(1H,m),2.77-2.73(1H,m),2.37(3H,s),1.96-1.92(1H,m).MS:m/z(MH+)389.14.
【0211】
2-(1-(2-メトキシピリジン-3-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-3-イル)フェノール(39)の合成
【化59】
(2-メトキシピリジン-3-イル)(ピロリジン-2-イル)メタノン
2-(2-メトキシニコチノイル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(0.20g、0.66mmol)を、HClの4M水溶液(0.66mL)を含む1,4-ジオキサン(5mL)で希釈した。この溶液を室温で2.5時間撹拌した。反応物をNaOHの2M水溶液で塩基性にし、DCM(15mL×3)で抽出し、乾燥させ(Na
2SO
4)、その後、減圧下で濃縮して、茶色ゴム状物質(0.10g)を得て、これを次のステップで直接使用した。MS:m/z(MH
+)207.11.
【0212】
2-(1-(2-メトキシピリジン-3-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-3-イル)フェノール(39)
(2-メトキシピリジン-3-イル)(ピロリジン-2-イル)メタノン(0.10g、0.48mmol)、サリチルアルデヒド(0.18g、1.5mmol)、及びNH4OAc(0.19g、2.4mmol)をAcOH(4.5mL)中で加熱し、一般方法Fに従って反応させた。粗生成物をEtOAc(15mL×3)での抽出により単離した。茶色ゴム状物質をシリカに充填し、ヘキサン(3CV)、ヘキサン(30CV)中0から60%のEtOAc、その後60から100%(20CV)で溶出させるクロマトグラフィー(シリカ、12g)により精製した。2-(1-(2-メトキシピリジン-3-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-3-イル)フェノールを黄褐色固体として単離した(6.2mg、4%)。1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 8.14(1H,dd,J 1.5,7.5Hz),8.09(1H,dd,J 1.5,4.5Hz),7.57(1H,J 1.0,7.5Hz),7.24(1H,dd,J 1.0,8.0Hz),7.08(1H,dd,J 1.0,8.5Hz),6.99(1H,dd,J 5.0,7.5Hz),6.89(1H,td,J 1.0,8.0Hz),4.38(2H,t,J 7.0Hz),4.04(3H,s),3.16(2H,t,J 7.5Hz),2.73(2H,m).MS:m/z(MH+)308.14.
【0213】
6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール及び6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[1,5-a]アゼピンの合成
【化60】
(2-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピコリノイル)ピロリジン-1-イル)(2-ヒドロキシフェニル)メタノン(A)
【化61】
一般方法Jを、アシル化溶液のために、1,4-ジオキサン(1mL)中のCDI(106mg)及びサリチル酸(91mg)とともに使用した。別個に、1,4-ジオキサン(1mL)中の2-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピコリノイル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(130mg)を、1,4-ジオキサン(1mL)中のHClで、室温で処理した。固体を、Et
2O/ヘキサン混合物で研和することにより単離した。残留溶媒を真空中で除去した後、固体を1,4-ジオキサンに再懸濁させ、一般方法に記載のように、アシル化溶液とともに使用した。MSにより完了となったら、反応物を、概説したように処理し、粗生成物を単離した(42mg、m/z(MH
+)417.18)。粗生成物は、標的及びジアシル化標的両方の混合物であった(m/z(MH
+)537.20)。試料を、さらなる操作を行わずに使用した。
【0214】
同じ方法論を使用して、以下の実施例も調製した。
【化62】
【表5】
【0215】
2-(1-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-3-イル)フェノール(40)
【化63】
一般方法Fを、AcOH(1mL)中の(2-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピコリノイル)ピロリジン-1-イル)(2-ヒドロキシフェニル)メタノンA(42mg)及びNH
4OAc(10等量)とともに使用し、混合物を50℃で40時間加熱し、その後、反応物を、十分な飽和NaCl
(水溶液)を用いて水とEtOAcとに分割して、有機層の分離を可能にした。EtOAc層を分離させ、水層をEtOAcでさらに抽出した(3回)後、合わせた抽出物を乾燥させ、溶媒を蒸発させて、粗生成物を得た。試料をSiO
2に吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配0から0% 3CV、0から100% 30CVを使用して4gのSiO
2(254/280nm)上で精製し、標的をMSにより特定した。所望の画分を合わせ、溶媒を蒸発させて、白色固体の表題化合物(26mg)を得た。
1H NMR(CDCl
3,500MHz)δ 9.1(1H,vbs),7.51(1H,d,J 8.3Hz),7.41(2H,d,J 7.5Hz),7.34(2H,t,J 7.3Hz),7.31-7.26(1H,m),7.21(1H,t,J 7.6Hz),7.11(1H,d,J 8.5Hz),7.07(1H,d,J 8.1Hz),6.90(1H,d,J 8.4Hz),6.84(1H,t,J 7.4Hz),5.18(2H,s),4.29(2H,t,J 7.5Hz),3.01(2H,t,J 7.5Hz),2.63(2H,p,J 7.5Hz),2.50(3H,s).
【0216】
同じ方法論を使用して、以下の実施例も調製した。
【化64】
【表6-1】
【表6-2】
【0217】
2-(3-(2-ヒドロキシフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-6-メチルピリジン-3-オール(50)
【化65】
一般方法Gを使用し、ここでは、2-(1-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-3-イル)フェノール(40)(26mg)をEtOAc/EtOH(約1:2、6mL)に溶解/懸濁させた。10% Pd/C(約20mg)を加え、システムをH
2(g)の雰囲気下に30分間置くと、その後、MSにより反応の完了が示された。触媒を濾別し、溶媒を蒸発させて、粗生成物を得た。試料をSiO
2に吸着させ、MeOH/DCM勾配0から0% 5CV、0から5% 20CVを使用して精製した。標的画分を合わせて、淡黄色非晶質固体の表題化合物を得た(6.5mg)。HPLC1 t
R 5.74分.
1H NMR(d
6-アセトン,500MHz)δ 10.5-10(1H,bs),7.65(1H,dd,J 1.2,7.8Hz),7.31(1H,t,7.5Hz),7.11(1H,d,J 8.3Hz),7.03(1H,d,J 8.2Hz),6.99(1H,t,J 7.6Hz),6.94(1H,d,J 8.2Hz),4.38(2H,t,J 7.1Hz),3.26(2H,t,J 7.3Hz),2.77(2H,p,J 7.2Hz),2.42(3H,s,);m/z(MH
+)308.14,(M2H
2+)154.57.
【0218】
同じ方法論を使用して、以下の実施例も調製した。
【化66】
【表7-1】
【表7-2】
【0219】
2-(3-(3-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-6-メチルピリジン-3-オール(59)
【化67】
(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ピロリジン-2-イル)メタノール
2-((3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ヒドロキシ)メチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(245mg)をDCM(10mL)に溶解させ、0℃に冷却した後、TMSOTf(222μL)で処理した。反応物を1時間撹拌し、その後、反応物を飽和NaHCO
3(水溶液)で希釈し、DCM層を分離させた。水層をDCMでさらに抽出した(2回)後、合わせた抽出物を乾燥させ、溶媒を蒸発させて、粗生成物(163mg、m/z 299.175(MH
+))をジアステレオマーの混合物として得て、これを、さらなる操作を行わずに使用した。
【0220】
(2-((3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ヒドロキシ)メチル)ピロリジン-1-イル)(3-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)メタノン
一般方法Iを、CDI(90mg)及び3-フルオロ-2-ヒドロキシ安息香酸(117mg)とともに使用した。調製したら、アシル化剤を(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ピロリジン-2-イル)メタノール(150mg)に加えた。得られた溶液を合計72時間撹拌すると、その後、表題化合物は、少量のジアシル化物質を伴う主生成物であった。反応物を、一般方法に記載のように処理して、粗表題生成物(184mg、m/z 437.187(MH+))を得て、これを、ここでもさらなる操作を行わずに使用した。
【0221】
(2-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピコリノイル)ピロリジン-1-イル)(3-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)メタノン
(2-((3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ヒドロキシ)メチル)ピロリジン-1-イル)(2-ヒドロキシフェニル)メタノン(93mg)をDMSO(1mL)に溶解させ、トリエチルアミン(310μL)で処理した。ピリジン三酸化硫黄錯体(354mg)をDMSO(1mL)に溶解させ、5分間静置した後、アルコールの冷却した(約10℃)溶液に加えた。反応物を室温に温まらせ、1時間撹拌した後、反応物をCHCl3及び氷冷水で希釈した。有機層を分離させ、水層をCHCl3で抽出(2回)した後、合わせた水層を水及び飽和NaHCO3(水溶液)で洗浄し、乾燥させ、溶媒を蒸発させて、粗生成物を得た(256mg)。試料をSiO2に吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配0から0% 3V、0から75% 30CVを使用して5g(254/280nm)上で精製した。表題化合物を含む画分(m/z 435.172(MH+))を合わせたが、これは、標的及びSM両方のチオメチルエーテル副産物から分解されなかった(m/z 497.191(MH+))。試料を、さらなる操作を行わずに使用した。
【0222】
2-(1-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-3-イル)-6-フルオロフェノール(58)
(2-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピコリノイル)ピロリジン-1-イル)(3-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)メタノン及び(2-((3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)(ヒドロキシ)メチル)ピロリジン-1-イル)(3-フルオロ-2-ヒドロキシ-4-(メチルチオメチル)フェニル)メタノンの混合物(約96mg)並びにNH4OAc(256mg)をAcOH(2mL)に溶解させ、混合物を23時間80℃に加熱した。試料を水で希釈した後、EtOAcで抽出し(3回)、合わせた抽出物を水及び飽和NaCl(水溶液)で洗浄し、乾燥させ、溶媒を蒸発させて、粗生成物(82mg)を得た。試料をSiO2に吸着させ、MeOH/DCM勾配0から0% 3CV、0から10% 30CV、10から20% 20CVを使用して4gのSiO2(254/280nm)上で精製し、所望の化合物を含む画分を合わせて、表題化合物を得た(28mg)。1H NMR(CDCl3,600MHz)δ 7.41-7.39(2H,m),7.35-7.32(2H,m),7.30-7.26(2H,m),7.11(1H,d,J 8.5Hz),7.02(1H,ddd,J 1.4,8.1,8.4Hz),6.90(1H,d,J 8.4Hz),6.73(1H,dt,J 4.8,8.0Hz),5.20(2H,s),4.28(2H,t,J 7.2Hz),3.04(2H,t,J 7.3Hz),2.64(2H,p,J 7.3Hz),2.49(3H,s).m/z 416.172(MH+).
【0223】
2-(3-(3-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-6-メチルピリジン-3-オール(59)
2-(1-(3-(ベンジルオキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-3-イル)-6-フルオロフェノール(58)(28mg)をEtOH(約4mL)に溶解させた後、10%のPd/C(約15mg)で処理し、混合物をH2(g)の雰囲気下に置いた。反応物を23時間撹拌し、その後、反応物を濾過し、溶媒を蒸発させて、粗生成物を得た。試料をSiO2に吸着させ、MeOH/DCM勾配0から0% 3CV、0から10% 30CVを使用して4gのSiO2(254/280nm)上で精製した。所望の画分を合わせ、溶媒を蒸発させて、淡黄色固体の表題化合物(7.2mg)を得た。HPLC(HPLC1) tR 5.84分,1H NMR(d6-DMSO,600MHz)δ 12.0(1H,vbs),11.2(1H,bs),7.39(1H,d,J 7.8Hz),7.26(1H,dd,J 8.3,11.1Hz),7.12(1H,d,J 8.3Hz),6.94(1H,d,J 8.2Hz),6.93-6.90(1H,m),4.24(2H,t,J 7.2Hz),3.14(2H,t,J 7.3Hz),2.64(2H,p,J 7.3Hz),2.39(3H,s);m/z(MH+)326.13.
【0224】
生物学的実施例
細胞からのFe排出の測定
本発明の化合物を、以下のプロトコルを使用して、鉄(Fe)を細胞から排出させる能力について評価した。
【0225】
ヒト神経芽細胞腫株BE(2)-M17(M17)細胞培養物をSigma Aldrichから入手した(カタログ番号:95011816)。M17細胞を、10%ウシ胎仔血清(Bovogen、SFBSF)を補充したOpti-MEM還元血清培地中で維持し、週2回継代した。細胞を5%CO2の存在下37℃で培養した。別途記載のない限り、培養供給物はThermo Fisherから得た。
【0226】
57Fe同位体の溶液を、57Fe金属(95%超富化、Trace Sciences International)を濃縮HClに溶解させて、573mMの最終濃度を得ることによって調製した。このマスター溶液から、10mMの作業溶液を滅菌水中で調製した。作業溶液は、調製後2か月以内に使用した。
【0227】
まず0.5mL培地中のウェル当たり0.15×106細胞の密度で48ウェルプレートに播種することによって、M17細胞に鉄をロードした。48時間後、古い培地を廃棄した。10mMの57Fe作業溶液から補充した新鮮な培地を加え、20μMの57Fe同位体を含む培地を得た。細胞にこの57Fe富化培地を0.2mL与え、インキュベーターに20時間戻した。
【0228】
実験化合物が鉄を排出する能力を、化合物をDMSOに溶解させ、M17細胞の処理のためにハンクス平衡塩溶液(HBSS)中で希釈することにより決定した。57Fのインキュベーション後、細胞をHBSSで2回すすぎ、0.15mlの試験化合物で2時間処理した。実験物質を、20μ Mの濃度で定期的にスクリーニングしたが、1~40μMの範囲の希釈を時折適用して、主要化合物の特性をさらに解明した。すべてのアッセイに、関連するビヒクル(0.4%~0.8%DMSO)及び陽性対照を含めた。処置期間の後、0.1mLの培地を細胞から収集し、細胞外57Fe含有量を誘導結合質量分析(ICP-MS、Agilent 7700xシリーズ機器)を介して分析した。
【0229】
本発明の化合物が細胞からFeを排出させる能力を、上記のプロトコルを使用して決定し、ここから続いて、培地中でFeにより24時間前処理した細胞を洗浄し、化合物(20μM)を含む又は含まない、新鮮なFe不含培地で処理した。2時間後、培地中のFeレベルを測定し、増加を、化合物の非存在下での細胞培地と比べた増加率として決定した。
【数1】
【0230】
代表的なデータを表1に提供し、表中、本発明の特定の化合物のFe排出%は以下の範囲にある。A<30%、B 30~100%、C 100~150%、D>150%
【表8】
【国際調査報告】