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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-12
(54)【発明の名称】保管・分配ステーション用保管容器
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20230705BHJP
【FI】
A61J3/00 310F
A61J3/00 310E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577240
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(85)【翻訳文提出日】2022-12-15
(86)【国際出願番号】 EP2021064000
(87)【国際公開番号】W WO2021254739
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】20180292.3
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516389064
【氏名又は名称】ベクトン・ディッキンソン・ロワ・ジャーマニー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トーマス リッシュ
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047JJ02
4C047JJ06
4C047JJ40
(57)【要約】
本発明は、小片商品のための貯蔵及び分配ステーションのための保管容器、特に薬物または栄養補助食品のための保管容器に関する。知られている保管容器では、分離されるべき小片商品は定期的に分離デバイスのチャネル内に引っかかる。この問題を解決するために、当該保管容器は、内側円筒形部分を含むハウジングと、前記内側円筒形部分に位置する分離デバイスであって、ベース本体及び複数のチャネルを有し、前記チャネルは前記分離デバイスの外周に開放され、かつ各チャネルは、周辺壁及び2つの半径方向壁を有する分離デバイスと、保持手段とを備える。本発明によれば、少なくとも1つの半径方向壁及び/または前記周辺壁は、小片商品とチャネル壁との間の接触面積を低減するための窪み及び/または隆起を有し、その形状及びサイズは、小片商品とチャネル壁との間の静電吸引力が低減されるように選択される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小片商品のための保管及び分配ステーションのための保管容器(1)であって、
小片商品の受容空間(2)を囲むハウジング(10)であって、内側円筒形部分(11)および分配開口部(16)を有するハウジング底面(15)を含むハウジング(10)と、
前記ハウジング(10)の前記内側円筒形部分(11)に位置する分離デバイス(30)であって、少なくとも1つの小片商品を受容するためのベース本体(31)及び複数のチャネル(32)を有し、前記チャネル(32)は、前記分離デバイスの外周に開放され、かつそれらの間に前記ベース本体上に形成されるウェブによって画定され、各チャネル(32)は、周辺壁(36)及び2つの半径方向壁(37)を有し、前記ハウジング底面(15)に面したベースエリア(39)を含み、前記ベースエリア(39)は、前記チャネル(32)の分配開口部(40)を有する分離デバイス(30)と、
位置決め手段(62)および保持部分(61)を含む保持手段(60)であって、前記位置決め手段(62)は、前記保持部分(61)を前記分配開口部(16)の上方に保持する保持手段(60)と、
を備え、
少なくとも1つの半径方向壁(37)及び/または前記周辺壁(36)は、小片商品とチャネル壁(36,37)との間の接触面積を低減するための窪み及び/または隆起(50,51)を有し、その形状及びサイズは、小片商品とチャネル壁(36,37)との間の静電吸引力が低減されるように選択されることを特徴とする小片商品のための保管及び分配ステーションのための保管容器(1)。
【請求項2】
前記窪み(50、51)は、水平溝として設計されることを特徴とする請求項1に記載の小片商品のための保管及び分配ステーションのための保管容器(1)。
【請求項3】
前記窪み(50、51)が垂直溝として設計されることを特徴とする請求項1または2に記載の小片商品のための保管及び分配ステーションのための保管容器(1)。
【請求項4】
前記垂直溝は、前記チャネル(32)の前記分配開口部(40)に開口するように設計されることを特徴とする請求項3に記載の小片商品のための保管及び分配ステーションのための保管容器(1)。
【請求項5】
前記ウェブ(33)が、前記ウェブを上部ウェブ部分及び下部ウェブ部分(33a、33b)に分割し、前記チャネルを上部チャネル部分及び下部チャネル部分(32a、32b)に分割する水平スロット(35)を有し、前記窪み及び/または隆起(50、51)が、前記下部チャネル部分及び上部チャネル部分(32b、32a)の少なくとも1つの半径方向壁(37)及び/または1つの周辺壁(36)に配置されることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の小片商品のための保管及び分配ステーションのための保管容器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小片商品のための貯蔵及び分配ステーションのための保管容器、特に薬物または栄養補助食品のための保管容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されているような従来のブリスター包装機械は、拡張のレベルに応じて、数百の保管及び分配ステーションを含む。特定の薬物の複数の薬物部分は、これらのそれぞれに格納され、個々の薬物部分は、要求に応じて分配され得る。保管および調剤ステーションに保管されている薬物は、ブリスター包装機によりまとめられ、患者に特化して、医学的に処方された投与時間に従ってブリスター包装される。
【0003】
1つまたは複数の薬物部分を分配するための対応する保管及び分配ステーションが作動して、薬物部分をまとめる。保管及び分配ステーションが作動すると、保管及び分配ステーションの保管容器に位置する分離デバイスを使用して、単一の薬物部分を分離し、それを保管容器内の分離開口部を介してブリスター包装機械のガイドデバイスに移送する。ガイドデバイスの助けを借りて、任意選択で収集デバイスを介在させることによって、分配された薬物部分は、医療処方に従って個々のまたは複数の薬物部分をブリスター化する包装デバイスに供給される。
【0004】
保管及び分配ステーションの保管容器に保管された薬物部分を分離するために、分離デバイスは、通常、分離デバイスのベース本体の外周に配置される、複数のチャネルを備える。チャネルの寸法は、薬物部分が1つのチャネル内で、1つの薬物部分のみが他方の上に配置され得るが、互いに隣接しないように、分離される薬物部分に適合されなければならない。チャネルは、例えば、1つの薬物部分のみが1つのチャネルに収容され得るような方法で寸法決定され得る。
【0005】
薬物部分をチャネルから分配するために、チャネルは、保管容器のハウジングの底面の分配開口部の上に移動され、チャネルに位置する薬物部分(最下点に)は、重力によって分配開口部にスライドまたは落下する。チャネル内またはチャネル上に貯蔵された追加の薬物部分が分配されること、すなわち、未知の数の薬物部分が分配されることを防止するために、分配開口部の上の領域において、保持手段またはセパレータの保持部分が、分配開口部と整列するチャネル内またはその上に誘導されるか、または位置する。保持部分は、1つの薬物部分のみが保持部分の下に位置し得るような方法で、チャネルの高さに対してチャネル内または上方に位置する。保持部分がチャネル内に誘導されて最下部の薬物部分を上に位置する薬物部分から分離する場合、個々のチャネル分離突起は、保持部分を収容するスロットを有する。保持部分がチャネル上に位置するか、またはチャネル上に誘導される場合、薬物部分が分配されたときに追加の薬物部分がチャネルに入るのを防ぐために、突起の上端上にわずかに誘導されるのが通例である。
【0006】
上述のように、薬物部分は、分配開口部の上でチャネルを回転させることによって分離される。チャネル(または下部チャネル部分)に位置する薬物部分(通常1つ)は、チャネル(チャネル部分)からの引力により落下する。しかしながら、場合によっては、特に、チャネル壁に広範囲に当接する外面を有する軽いおよび/または薬物部分が分離される場合、重力は、分配開口部を通る分配を開始するのに十分ではなく、薬物部分は、薬物部分とチャネル壁との間の静電気誘引のためにチャネルに捕捉されたままであり、想定される分配中に、薬物部分が分配されることなく、チャネルは分配開口部の上で回転され離れる。これにより、誤った薬物まとまりが生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際出願公開第2013/034504号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、分離デバイスのチャネルに捕捉されたままの薬物部分から生じる誤った薬物分配が回避される、小片商品のための保管及び分配ステーションのための保管容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1に記載の保管容器によって達成される。小片商品のための保管及び分配ステーションのための本発明による保管容器は、内側円筒形部分を有する小片商品の受容空間を囲むハウジングと、分配開口部を有するハウジング底面と、少なくとも1つの小片商品を受容するためのベース本体及び複数のチャネルを有するハウジングの内側円筒形部分に位置する分離デバイスとを備え、チャネルは、分離デバイスの外周に開放され、かつそれらの間にベース本体上に形成されるウェブによって画定され、各チャネルは、周辺壁及び2つの半径方向壁を有し、ハウジング底面に面したベースエリアを含み、ベースエリアは、チャネルの分離開口部を有する。保管容器は、位置決め手段および保持部分を含む保持手段をさらに備え、位置決め手段は、保持部分を分配開口部の上方に保持する。
【0010】
本発明によれば、半径方向壁及び/または周辺壁は、小片商品とチャネル壁との間の接触面積を低減するための窪み及び/または隆起を有し、その形状及びサイズは、小片商品とチャネル壁との間の静電吸引力が低減されるように選択される。
【0011】
本発明によれば、窪み及び/または隆起という用語が使用される。なぜなら、平坦なベースエリアの場合、一方が他方を常に決定するからである。窪みが優勢である場合、隆起は「卓越した」特徴であり、隆起が優勢である場合、窪みは卓越した特徴である。薬物部分がベースエリア内に引き込まれたり、ベースエリアに付着したりするのを防ぐために、接触領域の縮小が静電引力の縮小につながることが不可欠である。窪み/隆起の設計はまた、分離される薬物部分の形状に依存する。例えば、平坦な円形薬物部分が分離される場合、例えば、窪みは、平坦な部分を有する平坦な薬物部分が多かれ少なかれ正確に窪みに収まるように選択されるべきではない。当業者にとって、適切な窪み/隆起の選択は、分離される薬物部分の正確な形状及びさらなる特徴から直ちに生じる。また、窪み/隆起は、薬物部分がチャネルを通って移動するときにそれらの形状がいかなる損傷も引き起こさないように選択されるべきであることは自明であり、したがって、特に突出した先端および鋭利な縁は避けるべきである。
【0012】
接触面積の減少は、チャネル壁と薬物部分との間の潜在的静電吸引を低減し、チャネル内での捕捉は発生せず、チャネルが適切に整列されている場合、薬物部分は重力によって分配開口部を通って落下し、薬物部分の誤った分配が回避される。
【0013】
加えて、窪み及び/または隆起は、チャネル壁と薬物部分との間の静電相互作用を低減するだけでなく、薬物部分自体の静電荷を低減することが見出されている。これは、ブリスター包装機を通る薬剤部分の更なる移動に関して肯定的な効果を有する。従来の保管容器を使用する場合、薬物部分の静電帯電により、それらがチャネル内ではなく、下流に位置する薬物部分を収集デバイスに誘導するためのガイドデバイスなどのブリスター包装機械の構成要素内で生じ得る。これはまた、誤った薬物まとまりをもたらす可能性がある。薬物部分の静電荷の減少はまた、下流に位置する構成要素における接着のリスクを低減し、誤った分配のリスクはさらに低減される。
【0014】
特に生産が容易な1つの好ましい実施形態では、窪みは、水平溝として設計される(少なくとも部分的に)ことが提供される。代替的または追加的に、窪みが垂直溝として設計されることが、さらなる好ましい実施形態において提供される。
【0015】
分離中に薬剤デブリが発生するため、分離デバイスの定期的な洗浄が必要である。薬物デブリによる汚染にかかわらず、別のタイプの薬物が保管容器と分離される場合には、すでに述べたように、分離デバイスを分離される薬物部分に適合させるために、薬物部分の形態および形状にチャネルを適合させる必要があるため、クリーニングも必要である。特に徹底的に洗浄することが容易な1つの好ましい実施形態では、垂直溝は、チャネル の分配開口部に開口するように設計されることが提供される。下部が開いているこの設計は、薬物デブリが窪みまたは溝に蓄積しないという利点もある。これにより、チャネルが分配開口部と位置合わせされるときに、分配開口部を通して分配される溝からの薬物デブリのより大きな蓄積を防ぐ。
【0016】
上述のように、ウェブは、ウェブ及びチャネルを下部及び上部部分内に分割するスロットを有し得る。そして、保持手段の保持部分は、スロット内に誘導される。ウェブ/チャネルの「2部構成」または1部構成のデザインが選択されるかどうかは、特に、薬物の種類の形状に依拠する。2つの部分(したがって、より長い)チャネルの使用は、特に、例えば、カプセル形態の非球対称な薬物部分の場合に有用である。なぜなら、より長いチャネルは、薬物部分がチャネル内でそれ自体を整列させるためのより多くの時間を提供し、これは次いで、分配中のエラー率を低減するからである。
【0017】
上部チャネル部分は、薬物部分の受容空間まで開いているため、薬物部分は上から定期的に押圧される。しかしながら、薬物部分の受容空間がほとんど空いている場合、追加の薬物部分からのこの圧力は欠落している。分配開口部の上を回転している場合も同様である。保持部分は当該部分を分離し、分配の瞬間に上からの押圧は行われず、キャッチングを排除することはできない。
【0018】
分割されたウェブまたはチャネルを有する分離デバイス内の下部チャネル部分及び上部チャネル部分における捕捉または付着を防止するために、受容空間がほぼ空であっても、1つの好ましい実施形態において、ウェブが、ウェブを上部及び下部ウェブ部分に分割し、チャネルを上部及び下部チャネル部分に分割する水平スロットを有し、窪み及び/または隆起が、下部チャネル部分及び上部チャネル部分の少なくとも1つの半径方向壁及び/または1つの周辺壁に配置されることが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明による保管容器の1つの好ましい実施形態は、添付の図面を参照して以下に記載されている。
図1a】第1の好ましい実施形態の異なる斜視図を示す。
図1b】第1の好ましい実施形態の異なる斜視図を示す。
図1c】第1の好ましい実施形態の異なる斜視図を示す。
図2】第1の実施形態の上面図を示す。
図3a】好ましい実施形態の断面図を示す。
図3b】好ましい実施形態の断面図を示し、分離デバイスの内部を示す。
図4a】第2の実施形態における組み合わせ分離デバイス/保持手段の斜視図を示す。
図4b】第2の実施形態における組み合わせ分離デバイス/保持手段の斜視図を示す。
図5】第3の実施形態における組み合わせ分離デバイス/保持手段の斜視図を示す。
図6】第4の実施形態における組み合わせ分離デバイス/保持手段の斜視図を示す。
図7】第1の実施形態の組み合わせ分離デバイス/保持手段の斜視図である。
図8図7からの部分詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1a~1cは、本発明による保管容器1の第1の好ましい実施形態の異なる斜視図を示す。本発明による保管容器1は、薬物部分のための受容空間2を囲み、下部部分に内側円筒形部分11を含むハウジング10を備える。保管容器1は、ベースプレート12と、保管及び分配ステーションの動作中にハウジング10上に位置し、補充のために取り外され得るカバー14とをさらに備える。より良い取り扱いのために、保管容器1は、「フロント」エリアにハンドル13を含む。図1cに特に見られるように、ベース本体31を有する分離デバイス30は、内側円筒形部分11上に位置する。
【0021】
図2では、示される実施形態では、3つの突起34がベース本体31上に配置され、これは、薬物部分の受容空間内での移動を確実にし、したがって、薬物部分のチャネル32への摺動を容易にすることが見られる。チャネル32は、分離デバイスの外周に対して開放されており、分離デバイスのベース本体上に配置された複数のウェブ33によって画定される。ウェブ自体は取り付けられてもよいが、チャネル32を削り出す(millng out)ことによって形成されてもよい。以下の図に見られるように、第1の実施形態におけるチャネル及びウェブの両方が、スロットによって下部及び上部部分に分割される。
【0022】
図3a及び3bは、本発明による保管容器の好ましい実施形態の断面図を示し、分離デバイスの内部は、図3bで認識可能である。図3a及び3bに見られるように、分離デバイス30は、連結手段70を介して円筒形部分11に保持される。すでに上述したように、ウェブ33は、スロット35によって下部部分及び上部部分に分割され、これは、後続の図においてより詳細に説明される。図3a及び3bにおいて、保持手段の保持部分61は、ハウジングの円筒形部分11内のスロットを介してスロット35に誘導され、このスロット内で分配開口部16と一貫して整列されたままであることも示される。これは、示される実施形態における保持部分が、分配開口部の上を回転されるチャネル部分の分配開口部の上に一貫して保持されることを確実にする。薬物部分が整列されたチャネルの下部部分に存在しなくなっても、さらなる薬物部分が下部チャネル部分に入ることは不可能である。保持部分のこの整列の結果として、多くの薬物部分が整列されたチャネルの下部部分から、チャネル内に位置するように分配開口部内に通過し得る限り、チャネルは通常、1つの薬物部分のみが各チャネル内に位置するように薬物部分に適合される。保持手段60の保持部分61は、示される実施形態では、ハウジングの外側に固定される位置決め手段62を介して保持される。しかしながら、保持手段がどのように正確に構築され、配置されるかは、本発明には無関係である。
【0023】
図3bにおいて、3つの垂直な窪みまたは溝50が、下部および上部チャネル部分の周辺壁36上に配置されていることがすでに示されており、実施形態では、下部チャネル部分の下部で開放されており、これにより、溝の洗浄および導入が簡素化される。溝を導入することによって、チャネル部分に潜在的に位置する薬物部分とチャネル壁との間の接触面積が減少し、それによってチャネル部分の壁と薬物部分との間の静電吸引を減少させ、それによって(チャネル部分が分配開口部16上で回転される場合)チャネルセクション内での捕捉を回避する。上記ですでに説明したように、チャネルを通って摺動する薬物部分の静電荷も低減され、これはまた、下流の構成要素に捕捉されるリスクを低減する。
【0024】
上記ですでに説明したように、異なるタイプの薬物は、保管容器を使用して分離され、これにより、薬物部分とチャネル壁との間の接触面積を減少させる方法を薬物製品のタイプに適合させることが実用化される。図3bに示される実施形態では、3つの溝は、チャネルセクションの周辺壁36、すなわち、チャネルセクションの「広い」壁に配置される(この点に関しては、図2を参照されたい)。対応する構成は、特に、薬物部分と周辺壁との間に大きな潜在的接触領域を有し得る丸い、平坦な薬物部分に有用である。細長く狭い形状などの他の形態の薬物部分については、他の構成を選択することが実用的であり得る。第1の実施形態の分離デバイスが再び議論される前に、3つのさらなる実施形態を以下に簡単に説明する。
【0025】
図4a及び図4bは、第2の実施形態の分離デバイス/保持手段の組み合わせを示す。図において、チャネル32及びウェブ33は、スロット35によって上部チャネル部分32a及び下部チャネル部分32bならびに上部ウェブ部分33a及び下部ウェブ部分33bに分割されることが明確に分かりうる。保持手段60の保持部分61は、スロットに位置する。先の図で説明したように、保持部分61は、分配開口部(図示せず)の上に保持され、その結果、分配開口部と整列したチャネル内の薬物部分が、上部チャネル部分32aから下部チャネル部分32bに落下するのを防ぐ。図4a及び4bによる実施形態では、2つの窪み50は、チャネルの周辺壁36 (この場合、下部チャネル部分)に配置される。図4bでは、複数の水平方向の半径方向の溝38が分離デバイスのベース表面上に配置され、分離デバイスの周囲に向かって開放されたままであることも見られ得る。これらの水平方向の半径方向の溝は、薬剤部分がベースエリアに付着するのを防ぐ。この場合も、接触面積が減少することで静電吸引力が減少する。例えば、分離される薬物部分が実施形態1よりも重い場合、2つの窪みのみを有する構成を選択することができるが、窪みがないと重力のために薬物部分が分配されないほど強い静電吸引が依然として存在する。
【0026】
図5は、窪みがチャネル部の周辺壁に配置されていない第3の実施形態を示す。この実施形態では、3つの窪み51は、分離される薬物部分の形状に一致するように、下部チャネル部分32bの半径方向壁37に配置される。このような構成は、薬物部分と半径方向壁との間の接触面積が、チャネル部分の周辺壁のそれよりも大きい場合に理にかなっている。
【0027】
図6は、窪み50が周辺壁36に配置され、窪み51が半径方向壁37に配置される、第4の実施形態を示す。
【0028】
すでに述べたように、上記の実施形態では、上部チャネル部分32aの窪みは必要ではない。これらの実施形態では、上を覆う薬物部分は十分な圧力を提供し、したがって、それらが(薬物部分が分配され、分離デバイスがさらに回転される場合に)自由チャネル部分に摺動することを保証するからである。上述の実施形態に基づいて、窪み/隆起は、分離される薬物部分に正確に適合され得ることが明らかにされ得る。例えば、1つまたは2つの窪みのみが必要な場合、それらの導入はもちろん、例えば、図6に示される実施形態において、より有利である。したがって、分離デバイスを“適応させる(テーラリング)する”可能性がある。
【0029】
図7は、第1の実施形態に係る分離デバイスの斜視図である。第1の実施形態では、チャネルは下部チャネル部分と上部チャネル部分に分離され、窪みは両方のチャネル部分に設けられる。この拡大図に明確に見られるように、下部チャネル部分内の窪み50は、チャネルまたはチャネル部分の分離開口部または分配開口部40のベースエリアに向かって開いており、すなわち、それらは、出口開口部52を有し、これの詳細な図が図8に示される。これらの出口開口部は、薬剤デブリが窪みに蓄積するのを防ぐ。薬剤デブリは窪みから連続的に落下するため、大量の薬剤デブリが出口開口部を通って放出されるのを防ぐことができる。加えて、出口開口部は、溝の洗浄および導入を簡素化する。
【0030】
図7では、分離デバイスのベースエリア39内の半径方向溝55も明確に見ることができる。これらはまた、出口開口部56を備えて設計されるが、しかしながら、この出口開口部は、分離デバイスの周辺部に開口する。これらの溝の機能は、上記で既に説明されている。最後に、図7は、分離デバイス30が保管及び分配ステーションのモータユニット(図示せず)に連結され得る連結手段70を示す。保管および分配ステーションは、モータユニットを介してブリスター包装機械に着脱可能に固定され得る。
図1a
図1b
図1c
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】