(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-12
(54)【発明の名称】軌道加工のための装置
(51)【国際特許分類】
E01B 27/16 20060101AFI20230705BHJP
【FI】
E01B27/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577301
(86)(22)【出願日】2021-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2021065598
(87)【国際公開番号】W WO2021254862
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】102020207437.2
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507069564
【氏名又は名称】ローベル バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBEL Bahnbaumaschinen GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 31, D-83395 Freilassing, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】グレゴア シュミート
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ヴァイス
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ノット
【テーマコード(参考)】
2D057
【Fターム(参考)】
2D057AB24
(57)【要約】
軌道加工のための装置(1)が、固定装置(13)と、少なくとも1つの加工装置(14)と、固定装置(13)の運動を、少なくとも1つの加工装置(14)の運動から少なくとも部分的に分離するための、調節可能な剛性および/または調節可能な減衰を有する、少なくとも1つの加工装置(14)と固定装置(13)との間に作用する少なくとも1つの振動デカップラ(15a)とを有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道加工のための装置(1)であって、
固定装置(13)と、
路盤(19)を締固めるための、かつ/またはねじ結合部(49)を締め付けるかつ/または緩めるための少なくとも1つの加工装置(14)と、
を有する装置(1)において、
前記固定装置(13)と前記少なくとも1つの加工装置(14)とを少なくとも部分的に分離するための調節可能な剛性および/または調節可能な減衰を有した少なくとも1つの振動デカップラ(15a,15b)が設けられていることを特徴とする、装置(1)。
【請求項2】
前記剛性および/または前記減衰を調節するための、前記少なくとも1つの振動デカップラ(15a,15b)に信号接続された調節手段(45)が設けられていることを特徴とする、請求項1記載の装置(1)。
【請求項3】
前記剛性および/または前記減衰の自動化された調節のために、流体信号および/または機械信号を提供するための、前記調節手段(45)に接続された駆動ユニット(7)が設けられていることを特徴とする、請求項1または2記載の装置(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの振動デカップラ(15a,15b)は、流体を介した、前記固定装置(13)と前記少なくとも1つの加工装置(14)との間の力の少なくとも部分的な伝達のために、流体が充填されたチャンバ(27)を有していることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項5】
前記チャンバ(27)が可逆的に変形可能なチャンバ壁(30)を有していることを特徴とする、請求項4記載の装置(1)。
【請求項6】
前記チャンバ(27)内の前記流体の圧力(p
1,p
2,p
3)を制御するための圧力調整ユニット(45)が設けられていることを特徴とする、請求項4または5記載の装置(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの振動デカップラ(15a,15b)は、前記流体の流れを制限するための調節可能な絞り弁(35)を有していることを特徴とする、請求項4から6までの少なくとも1項記載の装置(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの振動デカップラ(15a,15b)は、前記固定装置(13)に対する、前記少なくとも1つの加工装置(14)の調節可能な制動のためのブレーキユニット(53)を有していることを特徴とする、請求項1から7までの少なくとも1項記載の装置(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの加工装置(14)を作動させるために必要な出力を提供するための少なくとも1つの機械モータ(22)であって、特に前記少なくとも1つの振動デカップラ(15a,15b)に関して、前記少なくとも1つの加工装置(14)の側に配置されている機械モータ(22)が設けられていることを特徴とする、請求項1から8までの少なくとも1項記載の装置(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの加工装置(14)は、路盤加工のためのタンピングユニット(18)を有していることを特徴とする、請求項1から9までの少なくとも1項記載の装置(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの加工装置(14)は、震動運動を発生させるための振動発生器(21)を有していることを特徴とする、請求項10記載の装置(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの加工装置(14)は、ねじ結合部(49)を締め付けるかつ/または緩めるためのねじユニット(48)を有していることを特徴とする、請求項1から11までの少なくとも1項記載の装置(1)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの加工装置(14)は、複数のねじユニット(48)を有していることを特徴とする、請求項12記載の装置(1)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの加工装置(14)をレール(4)に可逆的に固定するための緊締装置(57)が設けられていることを特徴とする、請求項12または13記載の装置(1)。
【請求項15】
ねじエレメント(49)を提供するための装填装置(62)が設けられていることを特徴とする、請求項12から14までの少なくとも1項記載の装置(1)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの加工装置(14)は、スタッドボルト(59)を切り離すための分離工具(58)を有していることを特徴とする、請求項1から15までの少なくとも1項記載の装置(1)。
【請求項17】
前記固定装置(13)に対する、前記少なくとも1つの加工装置(14)の摺動および/または旋回のための変位装置(24)が設けられていることを特徴とする、請求項1から16までの少なくとも1項記載の装置(1)。
【請求項18】
少なくとも2つのタンピングユニット(18)が、前記変位装置(24)によって、互いに対して摺動可能かつ/または互いに対して旋回可能であることを特徴とする、請求項17記載の装置(1)。
【請求項19】
前記軌道において前記少なくとも1つの加工装置(14)を位置決めするための、前記固定装置(13)が取り付けられている位置決め装置(2)が設けられていることを特徴とする、請求項1から18までの少なくとも1項記載の装置(1)。
【請求項20】
前記位置決め装置(2)は、前記固定装置(13)が取り付けられている多軸ロボット(5)を有していることを特徴とする、請求項19記載の装置(1)。
【請求項21】
前記位置決め装置(2)は走行車(3)を有していることを特徴とする、請求項19または20記載の装置(1)。
【請求項22】
前記少なくとも1つの加工装置(14)を前記走行車(3)に取外し可能に固定するための固定ユニット(44)が設けられていることを特徴とする、請求項21記載の装置(1)。
【請求項23】
前記軌道の加工対象物(19,49)の位置および/または向きを検出するための、かつ/または作業スペース(39)を監視するためのセンサ装置(37)が設けられていることを特徴とする、請求項1から22までの少なくとも1項記載の装置(1)。
【請求項24】
軌道加工のための装置(1)を作動させるための方法であって、以下のステップ、すなわち、
振動デカップラ(15a,15b)に配置されている少なくとも1つの加工装置(14)を準備するステップと、
前記振動デカップラ(15a,15b)を、
前記振動デカップラ(15a,15b)が第1の剛性および/または第1の減衰を有している第1の連結状態と、
前記振動デカップラ(15a,15b)が、前記第1の剛性とは異なる第2の剛性および/または前記第1の減衰とは異なる第2の減衰を有している第2の連結状態と
の間で調節するステップと、
前記少なくとも1つの加工装置(14)によって、路盤(19)を締固めるステップ、および/またはねじ結合部(49)を締め付けるかつ/または緩めるステップと、
を含む方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの加工装置(14)を戻し位置から作業位置へと変位させるステップであって、この場合、前記振動デカップラ(15a,15b)は前記第1の連結状態に調節されているステップを含むことを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項26】
軌道を加工するステップであって、この場合、前記振動デカップラ(15a,15b)は前記第2の連結状態に調節されているステップを含むことを特徴とする、請求項24または25記載の方法。
【請求項27】
前記軌道の2つのねじ結合部(49)を相次いでかつ/または同時に締め付けるかつ/または緩めるステップであって、特に2つの回転駆動可能なねじユニット(48)が同時に、前記ねじ結合部(49)のそれぞれ1つに係合するステップを含むことを特徴とする、請求項24から26までの少なくとも1項記載の方法。
【請求項28】
前記軌道の加工の際に、前記少なくとも1つの加工装置(14)を、少なくとも1つのレール(4)にロックするステップを含むこと特徴とする、請求項24から27までの少なくとも1項記載の方法。
【請求項29】
前記軌道の加工を分岐クロッシングで行うことを特徴とする、請求項24から28までの少なくとも1項記載の方法。
【請求項30】
路盤加工のためのタンピングアセンブリであって、
固定装置(13)と、
少なくとも1つのタンピングユニット(18)であって、
タンピングピッケル管として形成されている進入体(20)、および
振動発生器(21)
を備えた少なくとも1つのタンピングユニット(18)と、
を有しており、
前記タンピングアセンブリの前記振動発生器(21)および/または機械モータ(22)は、前記タンピングピッケル管内に配置されており、
前記固定装置(13)に対する、前記少なくとも1つのタンピングユニット(18)の摺動および/または旋回のための変位装置(24)を有している、
タンピングアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、独国特許出願第102020207437.2号明細書の優先権を主張するものであり、その内容は参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、軌道加工のための装置に関する。さらに本発明は、軌道加工のための装置を作動させるための方法に関する。本発明は、路盤加工のためのタンピングアセンブリにも関する。
【0003】
国際公開第2017097390号からは、軌道のまくらぎを突き固めるためのタンピングアセンブリが公知である。このタンピングアセンブリはタンピングピッケルを有しており、このタンピングピッケルはそれぞれタンピングレバーに接続されていて、旋回軸を中心として旋回可能に工具支持体に支持されている。各タンピングレバーには、工具支持体に関する旋回角度を検出するための角度センサが配属されている。タンピングアセンブリの使用および耐用期間をこれにより改善することができる。
【0004】
西独国特許出願公開第1904121号明細書には、ねじ結合部を締め付けかつ緩めるためのねじ工具を備えた装置が開示されている。各ねじ工具をねじ結合部に、位置公差に対して堅牢に係合させるために、ねじ工具は、予め規定された剛性を有するばねを介して弾性的にハウジングに支持されている。したがって、ねじ工具は、ハウジングに対して、かつ互いに対して可動に支持されている。しかしながら、この付加的な自由度は、特にモータまたは作動駆動装置に起因する震動が弾性的に支持されたねじ工具を振動させる場合、ねじ工具の位置決めを困難にする。さらに、ねじ結合部で達成可能な締付けモーメントおよび締付け精度が、ねじ工具の弾性的な支持に基づいて低減されているという欠点がある。
【0005】
本発明の根底をなす課題は、簡単、堅牢、かつフレキシブルに使用可能な、路盤加工のための装置を提供することである。
【0006】
この課題は、請求項1の特徴を備えた装置によって解決される。装置が、少なくとも1つの加工装置と固定装置との間に作用する、調節可能な剛性および/または調節可能な減衰を有した少なくとも1つの振動デカップラを有していることにより、一方では、少なくとも1つの加工装置を精密にガイドすることができ、かつ位置決めすることができる。他方では、少なくとも1つの加工装置と固定装置とを、所望の程度で分離することができる。固定装置の運動の少なくとも1つの加工装置の運動からの分離、および/または少なくとも1つの加工装置の運動の固定装置の運動からの分離は、少なくとも1つの振動デカップラによって調節可能である。これにより、少なくとも1つの加工装置から固定装置への震動運動の伝達を減らすことができる。したがって、装置をフレキシブルに使用することができ、かつ装置は堅牢である。装置は特に、部分的に自動化されたかつ/または完全に自動化された軌道加工のために使用される。装置は特に、レール上を走行可能な軌道加工機として形成されている。
【0007】
好ましくは、少なくとも1つの振動デカップラは、振動デカップラが第1の剛性および/または第1の減衰を有している第1の連結状態と、振動デカップラが、第1の剛性とは異なる、特により低い第2の剛性および/または第1の減衰とは異なる、特により低い第2の減衰を有している第2の連結状態との間で調節可能である。少なくとも1つの加工装置の位置決めのためには、少なくとも1つの振動デカップラを、より高い剛性を有する第1の連結状態に調節することができる。これにより、固定装置を介した少なくとも1つの加工装置の位置決めを特に精密かつ確実に行うことができる。軌道加工のためには、少なくとも1つの振動デカップラを、より低い剛性を有する第2の連結状態に調節することができる。軌道加工の際に生じる、少なくとも1つの加工装置の運動、特に振動運動および/または震動運動を、第2の連結状態で、所望の範囲でもしくは大幅に、固定装置の運動から分離することができる。したがって、固定装置に作用する負荷が減少する。減少した負荷により、装置は特に堅牢かつ経済的に作動する。
【0008】
剛性および/または減衰に関する少なくとも1つの振動デカップラの調節可能性とは、少なくとも1つの作動変数を変化させることにより、対応する特性を、特に可逆的に変化させることができることを意味する。この場合、少なくとも1つの振動デカップラの完全性は、好ましくは完全に維持される。特に、振動デカップラは、このためにその構成部材の1つを取り外す必要なく、かつ/または別の構成部材、特に別の剛性および/または減衰の構成部材に交換する必要なく、調節可能である。少なくとも1つの振動デカップラは、好ましくは異なる剛性および/または減衰値の間で切替可能であり、特に工具を用いずに切替可能である。
【0009】
振動デカップラは、特に少なくとも、少なくとも1つの加工装置の位置決めと、軌道加工とを含む1つの軌道加工サイクル内で、特に各軌道加工サイクル内で少なくとも1回、剛性および/または減衰の変更を行うことができるように形成されていてよい。有利にはこれにより、少なくとも1つの振動デカップラの剛性および/または減衰は、時間的にそれぞれ少なくとも1つの加工装置の軌道における位置決めと軌道加工との間で調節可能となる。
【0010】
好ましくは、少なくとも1つの振動デカップラは、その剛性および/または減衰に関して遠隔制御によって調節可能である。このために、振動デカップラは、信号接続のためのインターフェース、特に端子を有していてよい。インターフェースおよび/または信号接続部は、好ましくは、流体信号および/または機械信号および/または電気信号を案内するように形成されている。特に、剛性および/または減衰の調節は自動化されて行われてよい。これにより、振動デカップラは特に効率的かつ経済的に作動することができる。
【0011】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つの振動デカップラは、垂直方向でかつ/または少なくとも1つの水平方向で、特に各水平方向でかつ/または少なくとも1つの加工装置の送り方向、特に進入方向または係合方向に沿って、かつ/または送り方向に対して垂直な少なくとも1つの方向で、特にすべての方向で、少なくとも1つの加工装置と固定装置との間の相対運動を解放するように形成されている。少なくとも1つの振動デカップラは、垂直方向を中心としたかつ/または送り方向を中心とした、かつ/または垂直方向および/または送り方向に対して垂直な少なくとも1つの方向を中心とした少なくとも1つの加工装置の、固定装置に対する回転運動が許容されるように形成されていてよい。有利にはこれにより、加工装置と固定装置との間の振動の伝達が特に大幅に低減されるようになる。
【0012】
振動デカップラは、その剛性または減衰に関して調節可能な、特にこのような特性に関して可逆的に変更可能な1つまたは複数の分離エレメントを有していてよい。
【0013】
本発明の1つの別の態様によれば、少なくとも1つの振動デカップラは、それぞれ少なくとも20%、特に少なくとも50%、特に少なくとも100%、および/または最大で500%異なる、様々な剛性値および/または減衰値の間で調整可能である。これにより、特に高い加工柔軟性を達成することができる。
【0014】
好ましくは、少なくとも1つの加工装置は、剛性および/または減衰の調節、特に様々な剛性値および/または減衰値間の調節を、最大10秒、特に最大5秒、特に最大2秒、特に最大1秒、および/または少なくとも0.1秒の時間内で行うことができるように形成されている。これにより、軌道加工を特に時間的に効率よく行うことができる。
【0015】
少なくとも部分的な運動分離とは特に、分離が少なくとも単一の運動自由度に沿って行われる、かつ/またはこの運動自由度に沿って少なくとも部分的に行われることを意味する。例えば、少なくとも1つの直線自由度に関してかつ/または回転自由度に関して分離を行うことができる。少なくとも1つの加工装置は、好ましくは固定装置に対して摺動可能かつ/または旋回可能に支持されている。少なくとも1つの振動デカップラは、このために少なくとも1つの線形軸受、および/または回転ジョイント、特にユニバーサルジョイントを有していてよい。少なくとも1つの振動デカップラは、好ましくは、固定装置に対する少なくとも1つの加工装置の相対運動に対抗するように形成されている。
【0016】
好ましくは、少なくとも1つの振動デカップラは、それぞれ異なる剛性および/または減衰を有する少なくとも2つの、特に少なくとも3つの、特に少なくとも4つの、特に少なくとも5つの連結状態の間で調節可能である。少なくとも1つの振動デカップラは、好ましくは可逆的に調節可能である。さらに好適には、少なくとも1つの振動デカップラは、無段階式に、特に第1の連結状態と第2の連結状態との間で調節可能である。
【0017】
少なくとも1つの振動デカップラは、剛性を調節するために、様々な剛性を可逆的に連結するための連結ユニット、特に複数のばねエレメントを有することができ、かつ/または固定装置と少なくとも1つの加工装置との間の力経路における個々のばねエレメントの様々な領域を有することができる。少なくとも1つのばねエレメントは、コイルばねおよび/または板ばねおよび/または弾性体、特に軟弾性材料から成る、特にゴム材料から成る、特にアクリロニトリル・ブタジエン・ゴムから成る弾性体を有していてよい。好ましくは、連結ユニットは、様々な剛性の可逆的な連結のために作動モータを有している。
【0018】
少なくとも1つの振動デカップラは、減衰を調節するために、流体的な減衰エレメント、特に液体ダンパおよび/または気体ダンパおよび/または絞り弁および/または機械的な減衰エレメント、特に機械的なブレーキ、および/または電気的な減衰エレメント、特に渦電流ブレーキを有していてよい。好ましくは、減衰エレメントは、繰り返し使用可能である。
【0019】
好ましくは、少なくとも1つの振動デカップラは、剛性および/または減衰を、電気信号および/または流体信号、特に流体圧力によって調節可能であるように形成されている。したがって少なくとも1つの振動デカップラは、特に簡単かつ確実に、個々の連結状態の間で調節可能かつ/または切替可能である。
【0020】
好ましくは、装置は、少なくとも1つの振動デカップラの剛性および/または減衰を調節するための、特に少なくとも2つの異なる連結状態の間で少なくとも1つの振動デカップラを調節するための制御ユニットを有している。好ましくは、この制御ユニットは、少なくとも1つの振動デカップラの自動化された調節のために形成されている。制御ユニットは、好ましくは、装置を制御するための電子制御機器を有している。
【0021】
少なくとも1つの振動デカップラは、受動的なばねエレメントおよび/または受動的な減衰エレメントを有していてよい。受動的なばねエレメントもしくは受動的な減衰エレメントとは、その剛性および/または減衰に関して、調節可能ではないばねエレメントもしくは減衰エレメントを意味している。受動的なばねエレメントおよび/または受動的な減衰エレメントは、例えばゴム軸受であってよい。少なくとも1つの受動的なばねエレメントおよび/または受動的な減衰エレメントにより、少なくとも1つの振動デカップラが、特に電気エネルギ供給および/または流体エネルギ供給が故障した場合でも、作動中安全な少なくとも1つの連結状態に配置されることが確実に保証される。
【0022】
本発明の別の態様によると、少なくとも1つの加工装置の運動に対する固定装置の運動の分離が、少なくとも1つの振動デカップラによって、少なくとも1つの加工装置と固定装置との間の力経路に沿った、少なくとも2つの、特に少なくとも3つの、かつ/または最大で4つの、特に最大で3つの平面において行われる。
【0023】
少なくとも1つの加工装置は、加工機械および/または加工工具を有していてよい。加工機械は、加工工具とは異なり、軌道加工のために必要な出力を提供するための機械モータまたは駆動モータを有している。
【0024】
固定装置は、持続的に、取外し不能に、支持構造体に取り付けられるように形成されていてよい。好ましくは、固定装置は、取外し可能に、支持構造体に取り付けられるように形成されている。例えば、固定装置は、支持構造体との可逆的に取外し可能な、特に自動化可能な結合のために、クイック緊締カップリングを有していてよい。好ましくは、固定装置は、特に支持構造体との、少なくとも1つの流体接続部の可逆的に取外し可能な製作のための流体カップリングおよび/または少なくとも1つの電気接続部の可逆的に取外し可能な製作のための電流カップリングを有している。流体カップリングおよび/または電流カップリングは、好ましくは、少なくとも1つの、特に少なくとも2つの、特に少なくとも3つの、特に少なくとも4つの、かつ/または特に最大4つの流体接続部および/または電流接続部を可逆的に製作するように形成されている。これらの接続部は、好ましくは、制御信号および/または出力信号を、少なくとも1つの振動デカップラに、かつ/または少なくとも1つの加工装置に伝達するために形成されている。
【0025】
固定装置を介して、好ましくは、0.1kN~10kN、特に0.5kN~5kNの範囲の力が伝達される。
【0026】
好ましくは、装置は複数の加工装置を有している。複数の加工装置は、1つの共通の振動デカップラに、複数の振動デカップラに、かつ/または特にそれぞれ1つの振動デカップラに配属されていてよい。複数の加工装置は、1つの共通の固定装置に、複数の固定装置に、かつ/またはそれぞれ1つの固定装置に配属されていてよい。装置は、好ましくは少なくとも2つの、特に少なくとも3つの、特に少なくとも4つの加工装置を、かつ/または最大で8つの、特に最大で6つの、および特に最大で4つの加工装置を有している。
【0027】
本発明の態様によれば、装置は、特に少なくとも1つの振動デカップラは、特に固定装置と少なくとも1つの加工装置との間の、互いに対して可動な部分をカバーするハウジングを有している。これにより、人の負傷、ならびに進入する物体による機械の損傷を確実に阻止することができる。
【0028】
請求項2の装置は、特に経済的に作動する。少なくとも1つの振動デカップラに信号接続された調節手段が、振動デカップラに直接配置されていてもよいし、または振動デカップラから離間して配置されていてもよい。離間して配置されている場合、調節を遠隔制御により行うことができる。信号接続部は、流体信号および/または機械信号および/または電気信号を伝達するように形成されていてよい。調節手段は、圧力調整ユニットとして、かつ/または自動化されてまたは手動で操作可能な切替レバーとして、かつ/または電子制御ユニットとして形成されていてよい。
【0029】
請求項3による装置は、特に経済的に作動する。駆動ユニットは、好ましくは、剛性および/または減衰の調節のために必要な流体エネルギおよび/または機械エネルギを提供するように形成されている。駆動ユニットは、流体ポンプ、特に液圧ポンプおよび/またはニューマチックポンプ、および/または電気モータ、特にトルクモータおよび/またはリニアモータを有していてよい。
【0030】
請求項4による装置は、堅牢、かつ経済的に作動する。流体が充填されたチャンバにより、少なくとも1つの振動デカップラの剛性および/または減衰の調節を特に簡単に行うことができる。好ましくは、チャンバには可逆的に流体を充填可能である。特に、チャンバの充填は、制御ユニットの制御信号に基づき自動化されて行われてよい。剛性および/または減衰の調節のために、チャンバ内の流体の圧力を変化させることができる。
【0031】
流体は、液体、特に水および/またはオイル、特に液圧オイル、または気体、特に空気を含んでいてよい。
【0032】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つの振動デカップラは、少なくとも1つの、特に少なくとも2つの、特に少なくとも3つの、特に少なくとも4つのチャンバを有している。好ましくは、少なくとも2つのチャンバの間には、溢流通路が設けられている。好ましくは、少なくとも1つの振動デカップラは、振動デカップラに力が加えられる際に、少なくとも1つのチャンバによって取り囲まれた容積が増大し、同時に、少なくとも1つの振動デカップラに力が加えられる際に、別のチャンバによって取り囲まれた容積は減少するように形成されている。これら両チャンバ間では、流体が溢流通路を介して流れることができる。これにより、固定装置と少なくとも1つの加工装置との間の相対運動の減衰を達成することができる。
【0033】
少なくとも1つのチャンバは、ピストン・シリンダユニットの行程室として、かつ/またはベローズとして、かつ/または弾性的な気泡として形成されていてよい。ピストン・シリンダユニットは、好ましくは2経路のシリンダ・ピストンユニットとして形成されている。
【0034】
請求項5による装置は、堅牢、かつ経済的に作動し、簡単な運動分離を保証する。好ましくは、チャンバ壁は、弾性的な範囲でのみ変形する。好ましくは、チャンバ壁の壁厚さは、2mm~6mm、特に0.5mm~4mm、特に1mm~2mmの範囲内にある。好ましくは、チャンバ壁は、少なくとも2bar、特に少なくとも5bar、特に少なくとも10bar、特に少なくとも50bar、特に少なくとも100barの、チャンバ内の流体圧に耐えるように構成されている。チャンバ壁は、弾性材料、特にゴム材料、および/または繊維材料、特に炭素繊維および/またはガラス繊維および/または天然繊維および/またはプラスチック繊維、特にポリアミド繊維、および/またはこのような繊維を含むテキスタイル材料、および/またはプラスチック材料、および/または金属材料、特に鋼、特にばね鋼を含んでいてよい。特にチャンバは、フレキシブルなゴムベローズとして形成されていてよい。
【0035】
変形可能なチャンバ壁を有するチャンバの構成により、複数の直線自由度および/または回転自由度に同時に作用することができる。特にピストン・シリンダユニットとは異なり、変形可能なチャンバ壁を有するチャンバは、固定装置と少なくとも1つの加工装置との間の相対運動の少なくとも2つの運動成分に、特に互いに垂直に向けられた少なくとも2つの直線運動成分に、かつ/または少なくとも2つの回転運動成分に、かつ/または少なくとも1つの直線運動成分および/または少なくとも1つの回転運動成分に、同時に作用することができる。
【0036】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つの振動デカップラは、固定装置と少なくとも1つの加工装置との間の相対運動を制限するための少なくとも1つの端部ストッパを有している。これにより有利には、少なくとも1つの加工装置に対して固定装置が著しく変位した場合、少なくとも1つの振動デカップラが損傷を受けないことが保証される。特にこれにより、可逆的に変形可能なチャンバ壁の損傷を回避することができる。
【0037】
少なくとも1つの振動デカップラは、可逆的に変形可能なチャンバ壁の圧力に起因する膨張を制限する形状剛性のハウジングを有していてよい。これにより、装置は特に安全に運転可能である。
【0038】
請求項6による装置は、運動分離の簡単な調整を保証する。圧力調整ユニットは、少なくとも1つの振動デカップラの構成部分であってよい。代替的には、圧力調整ユニットは、少なくとも1つの振動デカップラに関して、固定装置の側に配置されていてよい。圧力調整ユニットは、好ましくは制御ユニットに信号接続されている。圧力調整ユニットおよび/または制御ユニットは、チャンバ内の流体の圧力の調整のために形成されていてよい。チャンバ内の圧力の制御可能性により、剛性および/または減衰は特に無段階に調節可能である。好ましくは、チャンバは、調節可能なガスばねおよび/または空気圧人工筋の形態で形成されている。
【0039】
請求項7による装置は、特に経済的に製造可能であり、運動分離を簡単かつ確実に保証する。好ましくは、絞り弁は、電気的にかつ/または流体的に、特に制御ユニットの信号に基づき調節可能である。絞り弁は好ましくは、流体が充填された2つのチャンバの間の溢流通路内に配置されている。絞り弁が調節可能であることにより、特に減衰の特性線は調節可能である。絞り弁の調節可能な開放幅に応じて、少なくとも1つの加工装置に対する固定装置の運動のための運動エネルギの様々な大きさの割合が、熱エネルギに変換され、ひいては運動システムから排出される。
【0040】
請求項8による装置により、少なくとも1つの振動デカップラの剛性および/または減衰の調節を特に簡単かつフレキシブルに行うことができる。ブレーキユニットは、流体的にかつ/または電気的に操作可能であってよい。このために、ブレーキユニットは、流体的にかつ/または電気的に操作可能な作動部材を有していてよい。ブレーキユニットは、ブレーキ力を発生させるために、電磁石および/または圧電素子および/またはピストン・シリンダユニットを有していてよい。特に好適な実施形態によれば、ブレーキユニットは、渦電流ブレーキを有している。ブレーキユニットのブレーキ作用が調節可能であることにより、少なくとも1つの振動デカップラの減衰および/または剛性に影響を与えることができる。ブレーキユニットは、好ましくは制御ユニットに信号接続されている。ブレーキ作用は、例えば、力センサで提供される力信号に基づきかつ/または距離センサで提供される距離信号に基づき調節することができる。力信号は好ましくは、固定装置と少なくとも1つの加工装置との間で伝達される力に相関する。距離センサは、好ましくは、固定装置に対する少なくとも1つの加工装置の位置の変化を検出するように形成されている。
【0041】
請求項9による装置は、簡単に振動分離を可能にする。少なくとも1つの加工装置に機械モータが配置されていることにより、構造的に手間のかかる、運動分離された機械的な出力伝達を省くことができる。さらに、少なくとも1つの機械モータの質量は、慣性質量体として、少なくとも1つの加工装置の側で作用する。少なくとも1つの加工装置における振動運動は、この慣性質量体によって減衰され、したがって部分的にのみさらに、少なくとも1つの振動デカップラと固定装置とに伝達される。機械モータは、流体的にまたは電気的に駆動される駆動モータであってよい。機械モータは、例えば、震動駆動装置、特にタンピングアセンブリの振動駆動装置、または回転駆動装置、特にねじ駆動装置、特にインパクトレンチ駆動装置であってよい。
【0042】
請求項10による装置は、堅牢、かつ経済的に作動する。路盤加工のためのタンピングユニットは、路盤の締固めのために震動運動を発生させるように形成されている。このために、タンピングユニットは、振動発生器を有している。路盤内に進入するために、タンピングユニットは、少なくとも1つの、特に少なくとも2つの、特に少なくとも3つの、特に少なくとも4つの進入体、特にタンピングピッケルを有していてよい。タンピングユニットは、少なくとも1つの進入体を可逆的に取外し可能に保持するための進入体チャックを有していてよい。タンピングユニット、特に少なくとも1つの進入体の震動時に生じる力は、装置の摩耗の大きな原因である。少なくとも1つのタンピングユニットと固定装置との間に、少なくとも1つの振動デカップラが配置されていることにより、固定装置の側における装置の摩耗を著しく減らすことができる。装置に関する保守整備コストおよび製造コストを削減することができる。
【0043】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つのタンピングユニットは、機械モータ、振動発生器、および少なくとも1つの進入体および/または進入体チャックを備えた振動タンピングユニットとして形成されている。装置は、好ましくは少なくとも2つの、特に少なくとも3つの、特に少なくとも4つのタンピングユニット、特に振動タンピングユニットを有している。振動タンピングユニットは、例えば、タンピングピッケル管内に配置されている駆動モータと振動発生器とを有していてよい。タンピングピッケル管は、進入体を形成する。
【0044】
代替的には、振動発生器は、少なくとも1つの振動デカップラに関して、固定装置の側に配置されていてよい。これにより、少なくとも1つの加工装置を、特に軽量に形成することができる。したがって、固定装置を介して支持される質量が減少する。
【0045】
請求項11による装置は、特に堅牢に作動する。少なくとも1つの加工装置が振動発生器を有していることにより、少なくとも1つの加工装置の震動運動を特に効果的に、固定装置の運動から分離することができる。さらに、振動発生器の質量は、震動運動を減衰するための慣性質量体として、少なくとも1つの加工装置の側で貢献する。
【0046】
請求項12による装置は、特に堅牢かつ経済的に作動する。ねじ、例えば、まくらぎねじを締め付けるかつ/または緩める際に生じる反力は、装置の摩耗の大きな原因である。少なくとも1つのねじユニットと固定装置との間で、少なくとも1つの振動デカップラが作用することにより、固定装置に伝達される力を減らすことができる。好ましくは、ねじユニットは、インパクトドライバとして、かつ/またはドリルとして、かつ/または穿孔機として形成されている。
【0047】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つのねじユニットはトルクセンサを有している。制御ユニットは、好ましくは、ねじ結合部の締付けの際にトルクを監視するために形成されている。制御ユニットは、このねじ結合部の固有の識別子および/または各レールに沿った各ねじ結合部の位置と共に、各ねじ結合部の締付けモーメントを記憶し記録するために形成されていてよい。
【0048】
請求項13による装置は、特に経済的に作動する。本発明の1つの態様によれば、装置は、少なくとも2つの、特に少なくとも3つの、特に少なくとも4つのねじユニットを有している。有利にはこれにより、複数のねじ結合部を同時に締め付けるかつ/または緩めることができるようになる。
【0049】
請求項14による装置は、特に堅牢、かつ経済的に作動する。緊締装置は、好ましくは、軌道のレールに少なくとも1つの加工装置を可逆的にクランプするために形成されている。このために、緊締装置は、レールに可逆的にクランプするためのクランプ力を提供する緊締アクチュエータを有していてよい。緊締装置は、少なくとも1つの加工装置に堅固に結合されていてよい。好ましくは、緊締装置は、少なくとも1つの加工装置に対して移動可能である。有利にはこれにより、各ねじユニットは、レールの位置に対するねじ結合部の位置に応じて移動可能となる。緊締装置に関しては、ねじ結合部を締め付けるかつ/または緩める際に生じる力を、レールに伝達することができる。これにより、固定装置および/または少なくとも1つの振動デカップラを、機械的に負荷軽減することができる。特に、ねじ結合部には特に高いねじモーメントを加えることができる。
【0050】
請求項15による装置は、特に経済的に作動する。ねじエレメントは、ナットおよび/またはねじおよび/またはねじ結合部のために必要なその他のねじエレメント、例えば、ワッシャおよび/またはばねリングを含むことができる。好ましくは、装填装置は、ねじエレメントが、所定の位置でかつ/または予め規定された向きで提供されるように形成されている。装填装置は、このために、振動コンベヤおよび/または振動テーブルおよび/または振動ボウルフィーダ、および/またはブリスタパックとして提供されたねじエレメントを取り扱うためのブリスタフィーダを有していてよい。装填装置は、有利には、ねじ結合部をほぼ、特に完全に自動化により組み立てることができることを保証する。
【0051】
請求項16による装置は、特に経済的に作動する。分離工具によって、特に、例えば少なくとも1つのねじユニットによっては緩めることができない固着したねじ結合部を取り外すことができる。分離工具は、好ましくは、分離のために必要な出力を提供するための分離工具モータを有している。分離工具は、特に分離ディスクを備えた分離グラインダとして、または分離トングとして形成されていてよい。分離工具は、少なくとも1つのねじユニットに堅固に結合されていてよい。代替的に、分離工具は、ねじユニット全体に対して移動可能に形成されていてよい。固着したねじ結合部を分離工具によって取り外すことができることにより、装置はほぼ、特に完全に自動化されて作動可能である。
【0052】
請求項17による装置は、特に経済的に作動する。変位装置は、好ましくは、少なくとも1つの加工装置、特に少なくとも1つのタンピングユニットおよび/または少なくとも1つのねじユニットを、固定装置に対して摺動させるようにかつ/または旋回させるように形成されている。これにより、少なくとも1つの加工装置は、特に精密に、各加工対象物に位置決めすることができ、かつ/または各加工対象物に対して方向付けることができる。特に、加工装置のうちの2つを、2つの加工対象物の相対位置および向きに応じて、互いに正確に方向付けかつ位置決めすることができる。好ましくは、変位装置は、少なくとも1つの加工装置、特に少なくとも1つのねじユニットを、垂直方向に沿ってかつ/または水平平面に対して平行に摺動させるように構成されている。変位装置は、特に制御ユニットに信号接続されている、変位運動を発生させるための作動駆動装置を有していてよい。これにより、装置は、特に簡単に自動化されて作動可能である。
【0053】
好ましくは、少なくとも1つの振動デカップラが固定装置と変位装置との間にかつ/または変位装置と少なくとも1つの加工装置との間に配置されている。例えば、変位装置と少なくとも1つの加工装置との間に、少なくとも2つの、特に少なくとも3つの、特に少なくとも4つの、かつ/または最大で8つの振動デカップラが設けられていてよい。これらの振動デカップラは、加工デカップラユニットと呼ばれる。
【0054】
好ましくは、変位装置と固定装置との間に、少なくとも1つの、特に少なくとも2つの、特に少なくとも3つの、かつ/または最大で4つの振動デカップラが配置されている。この少なくとも1つの振動デカップラは、固定デカップラユニットと呼ばれる。
【0055】
請求項18による装置は、特に経済的に作動する。少なくとも2つのタンピングユニットが互いに対して摺動可能かつ/または互いに対して旋回可能であることにより、特に軌道まくらぎの下方の路盤の締固めを特に効率的に行うことができる。変位装置は、好ましくは、路盤内に進入する進入体を互いに対して摺動させるようにかつ/または旋回させるように形成されている。変位装置は、振動タンピングユニットのうちの少なくとも2つを互いに摺動させるようにかつ/または旋回させるように形成されていてよい。変位装置は、少なくとも1つの振動デカップラに関して、少なくとも1つの加工装置の側にかつ/または固定装置の側に配置されていてよい。好ましくは、少なくとも2つの、特に少なくとも4つの、特に少なくとも6つのタンピングユニットは、変位装置によって、常に対になって、特に互いに向かう方向に互いに対して摺動可能かつ/または旋回可能である。
【0056】
変位装置は、少なくとも2つのタンピングユニットの摺動のために、直線ガイドおよび/または直線駆動装置を有していてよい。少なくとも2つのタンピングユニットの旋回のために、変位装置は、旋回ジョイントと直線駆動装置および/または旋回駆動装置とを有していてよい。直線駆動装置は、好ましくは液圧シリンダとして形成されている。本発明の1つの態様によれば、変位装置は、少なくとも2つの、特にすべてのタンピングユニットを互いに独立的に、固定装置に対して摺動させるかつ/または旋回させるように形成されている。
【0057】
請求項19による装置は、特に経済的に作動する。位置決め装置は、固定装置と結合するために支持構造体を有していてよい。位置決め装置は、好ましくは制御ユニットに信号接続されている。制御ユニットによって、位置決め装置は好ましくは自動化されて、例えば部分的に自動化されてまたは完全に自動化されて、制御可能である。
【0058】
請求項20による装置は、特にフレキシブルに使用可能であり、かつ経済的に作動する。固定装置は、好ましくは、多軸ロボットのロボットヘッドに取り付けられている。固定装置および/またはロボットヘッドは、ロボットヘッドと固定装置との間の接続を介して流体信号および/または電気信号を伝達するように形成されていてよい。好ましくは、ロボットヘッドは、クイック緊締カップリングとして形成された固定装置と接続するために形成されている。多軸ロボットは、好ましくは、少なくとも1つの加工装置を、少なくとも3つの、特に少なくとも4つの軌道まくらぎを含む、レールに沿った区分にわたって変位させるように形成されている。
【0059】
多軸ロボットは、好ましくは少なくとも2つの、特に少なくとも3つの、特に少なくとも4つの、特に少なくとも6つの、および/または最大10の旋回ジョイントもしくは旋回軸を有している。多軸ロボットは、旋回ジョイントの間に、それぞれ1つのアーム区分を有していてよい。
【0060】
本発明の1つの態様によれば、位置決め装置は、特に軌道加工のために同時に使用することができる少なくとも2つの、特に少なくとも3つの多軸ロボットを有している。好ましくは、各多軸ロボットには、少なくとも1つの振動デカップラと少なくとも1つの加工装置とを備えた固定装置が取り付けられている。これにより、装置の加工能力を向上させることができる。
【0061】
請求項21による装置は、特にフレキシブルに使用可能であり、かつ経済的に作動する。走行車は、駆動モータを有さない付随車として形成されていてよく、または走行駆動装置を有していてもよい。好ましくは、少なくとも1つの多軸ロボットは、特に可逆的に取外し可能に走行車に取り付けられている。少なくとも1つの多軸ロボットは、走行車に対して変位可能であってよく、特に線形に走行可能であってよい。特に、少なくとも1つの多軸ロボットは、走行車に懸吊されて、かつ/または水平平面に対して斜めの、特に垂直な壁に取り付けられている。走行車は、好ましくはレールに沿って走行可能である。
【0062】
本発明の1つの態様によれば、走行車は、2ウェイ車両として形成されている。走行車は、レール走行用のレール走行機構および/または道路走行用の道路走行機構を有していてよい。好ましくは、走行機構のうちの少なくとも1つは高さ調節可能である。これにより、隣接するレール間で、装置の、特に走行機構の引き渡しを行うことができる。
【0063】
請求項22による装置は、特に確実に作動可能である。固定ユニットは、少なくとも1つの加工装置の形状接続的な支持のために、特に支持クランプおよび/または支持ケージの形態で形成されていてよい。好ましくは、固定ユニットは、少なくとも1つの加工装置を上方から固定ユニット内へと懸吊することができるように形成されている。固定ユニット内では、特にレールに沿って装置が移動する際に、少なくとも1つの加工装置を確実に保持することができる。したがって、少なくとも1つの加工装置が走行運転時に軌道内に侵入することが阻止され、これにより人または物体の損傷を回避することができる。好ましくは、少なくとも1つの加工装置は、多軸ロボットによって固定ユニットに可逆的に固定可能、特に懸吊可能である。
【0064】
請求項23による装置は、特に確実かつ経済的に作動可能である。加工対象物とは、少なくとも1つの加工装置によって加工すべき対象物を意味する。加工対象物は、例えば、路盤および/またはねじ結合部、特にねじ頭部である。加工対象物の位置および/または向きを検出するため、かつ/または作業スペースを監視するために、センサ装置は、カメラユニット、特に3Dカメラ、特にTOFカメラおよび/または赤外線カメラ、および/または地上監視レーダおよび/または三角測量ユニット、特にレーザ三角測量ユニット、および/またはGPSモジュールおよび/または光バリアおよび/または距離センサ、特に超音波センサを有することができる。センサ装置は、好ましくは制御ユニットに信号接続されている。本発明の1つの態様によれば、制御ユニットは、装置、特に位置決め装置および/または変位装置および/または少なくとも1つの加工装置を、センサ装置の信号に基づいて制御するように構成されている。
【0065】
本発明の1つの態様によれば、装置は、位置決め装置および/または少なくとも1つの加工装置および/または少なくとも1つの振動デカップラに、電力および/または流体出力を供給する供給ユニットを含む。供給ユニットは、好ましくは走行車に取り付けられている。これにより、装置は、自律的に、特に周辺の供給ユニットとは独立的に作動することができる。
【0066】
本発明のさらなる課題は、簡単で精密な、フレキシブルかつ経済的な軌道加工を可能にする、軌道加工のための装置を作動させるための方法を提供することにある。
【0067】
この課題は、請求項24の特徴を備えた方法によって解決される。方法の利点は、装置に関して上記に説明した利点に対応している。
【0068】
好ましくは、まず、上記の説明による装置を準備する。少なくとも1つの加工装置は、好ましくは少なくとも1つの加工装置が、加工対象物から離間して配置されている戻し位置と、少なくとも1つの加工装置が加工対象物に係合する作業位置とに変位可能である。作業位置では、少なくとも1つのタンピングユニット、特に進入体が、路盤内に沈められ、かつ/または少なくとも1つのねじユニット、特にねじレンチが、ねじ結合部、特にねじ頭部に係合する。
【0069】
好ましくは、第2の剛性は第1の剛性よりも低く、かつ/または第2の減衰は第1の減衰よりも低い。剛性の変化は、好ましくは1N/cm~1000N/cmの、特に10N/cm~100N/cmの範囲内、かつ/または0.1Nm/°~100Nm/°の、特に1Nm/°~10Nm/°の範囲内にある。好ましくは、固定装置に対する少なくとも1つの加工装置の運動は、第1の連結状態で完全に阻止され、かつ/または少なくとも部分的に阻止され、かつ/または第2の連結状態では完全に解放され、かつ/または部分的に解放されている。好ましくは、軌道加工は、軌道の直線区分の領域で、かつ/または分岐器の領域で行われる。
【0070】
本発明の1つの態様によれば、方法は、特に制御ユニットによって部分的に自動化されてかつ/または完全に自動化されて行われる。
【0071】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つの加工装置の変位は、少なくとも部分的に、特に専ら、センサ装置による、特にカメラシステムによる作業スペースの監視と同時に行われる。人および/または物体が作業スペース内に侵入する際には、装置の作動を中断することができる。人および/または物体の侵入は、センサ装置が好ましくは自動で検知し、対応する信号を制御ユニットに提供する。
【0072】
タンピングユニットの振動駆動および/またはねじユニットの回転駆動は、好ましくは専ら、振動デカップラが第2の連結状態に調節されている状態で行われる。
【0073】
請求項25による方法は、特に精密な軌道加工を保証する。戻し位置と作業位置との間の変位が、振動デカップラが、より剛性的な第1の連結状態に調節された状態で行われることにより、少なくとも1つの加工装置は、特に精密に、加工対象物に位置決めすることができる。
【0074】
請求項26による方法は、装置に作用する負荷の低減を保証する。振動デカップラが、軌道の加工の際に、より低い剛性を有する第2の連結状態に調節されていることにより、少なくとも1つの加工装置の運動を、固定装置の運動からより強力に分離させることができる。装置の摩耗が減り、装置を特に経済的に作動させることができる。
【0075】
請求項27による方法により、ねじ結合部に特に高いトルクを加えることができる。特に、固定装置を介したトルクの伝達を回避することができる。これにより、固定装置および/または位置決め装置および/または振動デカップラは負荷軽減される。ねじユニットのうちの少なくとも2つが同時に、一方のねじ結合部に係合することにより、各ねじ結合部の回転駆動の際に、対応する加工装置に作用する軸受モーメントは、それぞれ他方のねじ結合部を介して除去することができる。したがって固定装置および/または振動デカップラを介して、トルクを伝達する必要はない、またはいずれにせよ僅かにしか伝達する必要はない。
【0076】
本発明の1つの態様によれば、両ねじ結合部が少なくとも部分的に、特に完全に同時に締め付けられるまたは緩められる。好ましくは、ねじユニットは、最初に緩める際にかつ/または最後に締め付ける際に交互に回転駆動される。したがって、この場合に生じる最大の軸受力は、互いに重畳しない。したがって、ねじ結合部の負荷は減少する。
【0077】
請求項28による方法は、特に経済的である。好ましくは、少なくとも1つの加工装置は、少なくとも1つのねじ結合部を締め付けるかつ/または緩める間に軌道にロックされている。したがって、各ねじユニットは、他方のねじユニットとは独立的に、フレキシブルにねじ結合部を締め付けるかつ/または緩めるために使用することができ、この場合、ねじユニットの回転駆動の際に生じる軸受モーメントはレールへと逃がされる。装置、特に固定装置および/または振動デカップラ、および/またはねじ結合部は、軸受モーメントによって負荷されない。好ましくは、2つのねじ結合部は、特に2つのねじユニットによって同時に完全に締め付けられるかつ/または緩められる。
【0078】
請求項29による方法は、特に経済的である。好ましくは、少なくとも1つの加工装置は自動化され、特に多軸ロボットを有した特に位置決め装置によって、軌道に対して動かされる。分岐器の複雑な領域における手作業による軌道加工は、軌道に対する少なくとも1つの加工装置のフレキシブルな変位可能性により回避することができる。したがって、本方法は特に経済的に実施可能である。
【0079】
本発明のさらなる課題は、作動および製造に関して特に経済的である、路盤加工のためのタンピングアセンブリを提供することである。
【0080】
この課題は、請求項30の特徴を備えたタンピングアセンブリによって解決される。このタンピングアセンブリの利点は、装置および方法に関して上記に説明した利点に対応している。
【0081】
好ましくは、少なくとも1つのタンピングユニットまたは振動タンピングユニットが、振動発生器を駆動するための機械モータまたは駆動モータを有している。タンピングユニットは、進入体、特にタンピングピッケル、および/または進入体を可逆的に取外し可能に取り付けるための進入体チャックを有していてよい。
【0082】
タンピングユニットは、進入体として、振動発生器および/または機械モータもしくは駆動モータが内部に配置されている管もしくはタンピングピッケル管を有している。好ましくは、振動発生器および/または機械モータは、鉛直方向に対して垂直にかつ/または送り方向に対して垂直に、少なくとも部分的に、特に完全に、進入体もしくはタンピングピッケル管によってオーバーラップされている。特に、振動発生器および/または機械モータは、進入体もしくはタンピングピッケル管の完全に内側に、特に進入体もしくはタンピングピッケル管の最も小さい凸状の包絡線の内側に配置されていてよい。したがって、タンピングアセンブリは、特にコンパクトな構造であり、作動時のエネルギ効率がよい。
【0083】
タンピングアセンブリは、少なくとも1つの振動デカップラを有していてよい。少なくとも1つの振動デカップラは、好ましくはタンピングユニットと変位装置との間に、かつ/またはタンピングユニットと固定装置との間に、かつ/または変位装置と固定装置との間に配置されている。少なくとも1つの振動デカップラは、特に調節可能な剛性および/または調節可能な減衰を有している。タンピングアセンブリは、装置に関して、特にタンピングユニットに関して上述した特徴によりさらに改良することができる。
【0084】
本発明のさらなる特徴、詳細、利点は、以下に述べる、図面に基づき説明する複数の実施例の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【
図1】レールを走行するための走行車と、走行車に取り付けられた多軸ロボットと、多軸ロボットに取り付けられた固定装置と、2つの加工装置とを備え、固定装置と加工装置との間に複数の振動デカップラが作用する、軌道加工のための装置を示す斜視図である。
【
図2】加工装置が、路盤加工のためのそれぞれ1つのタンピングユニットを有している、
図1の装置を示す側面図である。
【
図3】取り付けられた
図1の加工装置を備えた多軸ロボットを示す側面図である。
【
図4】固定装置、振動デカップラ、加工装置およびハウジングの正面図であって、振動デカップラは切断されて図示されている。
【
図5】進入位置に配置されている両加工装置を互いに旋回させるための変位装置を示すためにハウジングなしで示す、固定装置、振動デカップラ、および
図4の加工装置の正面図である。
【
図6】変位装置が送込み位置に配置されている状態で示す、固定装置、振動デカップラ、および
図5の加工装置の正面図である。
【
図7】両加工装置が、ねじ結合部を締め付けるかつ/または緩めるためのそれぞれ1つのねじユニットを有している、別の実施例による軌道加工のための装置を示す斜視図である。
【
図8】固定装置、振動デカップラ、および
図7の両加工装置、および工具係合方向に対して平行かつ垂直に加工装置を摺動させるための変位装置の正面図である。
【
図9】走行車と、走行車に取り付けられた2つの多軸ロボットと、各多軸ロボットに取り付けられたそれぞれ1つの固定装置とを備えた別の実施例による軌道加工のための装置を示す斜視図であって、固定装置には、それぞれ2つの加工装置が、固定装置と加工装置との間に作用する振動デカップラを介して配置されている。
【発明を実施するための形態】
【0086】
図1~
図6に基づき、軌道加工のための装置1の第1の実施例を説明する。この装置1は、レール4を走行するための走行車3と多軸ロボット5とを備えた位置決め装置2を含んでいる。走行車3は、レール4に沿って走行車3を移動させるための走行駆動装置6を有している。走行車3には、供給ユニット7、制御ユニット8、および軸受ユニット9が配置されている。
【0087】
多軸ロボット5は、軸受ユニット9に取り付けられている。多軸ロボット5は、軸受ユニット9に対してロボットヘッド11を変位させるための6つの旋回ジョイント10を有している。旋回ジョイント10の間には、多軸ロボット5のそれぞれ1つのアーム区分12が配置されている。
【0088】
装置1は、可逆的に取外し可能に位置決め装置2に、特にロボットヘッド11に取り付けられている固定装置13を有している。固定装置13には、2つの加工装置14が接続されている。加工装置14と固定装置13との間には、振動デカップラ15a,15bが作用している。振動デカップラ15a,15bは、固定装置13の運動を、少なくとも部分的に加工装置14の運動から分離するように形成されている。振動デカップラ15a,15bは、その剛性およびその減衰特性に関して調節可能である。
【0089】
固定装置13は、ロボットヘッド11との可逆的な結合のためにクイック緊締カップリング16を含む。さらに、固定装置13は、流体、特に液圧オイルおよび圧縮空気を伝達可能な流体カップリング17を有している。
【0090】
両加工装置14は、路盤加工のための、特に路盤19を締固めるためのそれぞれ1つのタンピングユニット18を有している。各タンピングユニット18は、路盤19内に進入するための進入体20と、進入体20に震動運動を発生させるための振動発生器21とを有している。進入体20は、管として形成されていて、タンピングピッケル管とも呼ばれる。各振動発生器21は、所属の進入体20に配置されている。振動発生器21は、震動運動を発生させるために、回転軸線に対して偏心的に支承された図示されていない偏心質量体を有している。タンピングユニット18の両振動発生器21は、タンピングユニット18のそれぞれ1つの機械モータ22または駆動モータを介して回転駆動可能である。機械モータ22は、電気的に駆動されている。必要な電力は、固定装置13の電流カップリング23を介して提供される。機械モータ22は、振動デカップラ15a,15bに関して、タンピングユニット18の側に配置されている。
【0091】
装置1の変位装置24は、固定装置13に対する、各加工装置14の、特に各タンピングユニット18の旋回のために形成されている。このために、各加工装置14は、変位装置24の送込みジョイント25を介して固定装置13に接続されている。変位装置24のピストン・シリンダユニット26は、各加工装置14の旋回のために必要な作動力FSを発生させる。変位装置24によって両タンピングユニット18は、互いに対して閉鎖するように旋回可能または互いに対して開放するように旋回可能でもある。
【0092】
振動デカップラ15a,15bは、固定装置13に取り付けられた固定デカップラユニット15aと、両加工装置14に取り付けられたそれぞれ1つの加工デカップラユニット15bとを有している。固定デカップラユニット15aと加工デカップラユニット15bとは、固定装置13と加工装置14との間の反力FRを少なくとも部分的に流体を介して伝達するために、流体で充填可能なそれぞれ少なくとも1つのチャンバ27を有している。
【0093】
固定デカップラユニット15aは、路盤19内への進入体20の進入方向28に沿って行われる固定装置13に対する加工装置14の変位運動を制御するように形成されている。加工デカップラユニット15bは、進入方向28に沿って、進入方向28に対して垂直に行われる固定装置13に対する各加工装置14の運動を制御するように形成されている。このような相対運動を制御するために、チャンバ27の内側の流体圧力p1,p2,p3が調節可能である。相対運動を直線的な運動自由度に限定するために、固定デカップラユニット15aは直線ガイド29を有している。加工デカップラユニット15bは、このようなガイドを有していない。両振動デカップラ15a,15bのチャンバ27は、可逆的に変形可能なチャンバ壁30を有している。加工装置14と固定装置13との間の所定の運動自由度への相対運動の限定は、加工デカップラユニット15bでは行われない。
【0094】
流体接続部31を介して、振動デカップラ15a,15bのすべてのチャンバ27が、特に流体カップリング17を介して供給ユニット7に接続されている。各チャンバ27の内側の流体圧力p1,p2,p3は、供給ユニット7に接続された制御ユニット8によって調節可能である。流体は、圧縮空気である。
【0095】
固定デカップラユニット15aは、ピストン・シリンダユニットとして形成されている。加工デカップラユニット15bのチャンバ27は、ゴムベローズとして形成されている。圧力p1,p2,p3に応じて、各振動デカップラ15a,15bの剛性が調節可能である。圧力p1,p2,p3が増加するほど、各振動デカップラ15a,15bは、各チャンバ27によって取り囲まれる容積Vが最大である休止位置へと、より強力に予荷重をかけられる。変位位置に配置された振動デカップラ15a,15bは、圧力p1,p2,p3に応じた、休止位置への戻し力を生じさせる。
【0096】
ピストン・シリンダユニットとして形成された固定デカップラユニット15aのピストン32は、シリンダ33内で摺動可能に支持されており、2つのリング状チャンバ27を互いに分離するように画定している。ピストン32とシリンダ33との間には、コイルばね33aが作用している。流体カップリング17に流体を案内するように接続されている流体管路34を介して、チャンバ27内の圧力p1,p2を調節することができる。固定デカップラユニット15aの両チャンバ27は、電気制御可能な絞り弁35を介して流体を案内するように互いに接続されている。絞り弁35は、信号伝達可能に制御ユニット8に接続されている。特に、絞り弁35は、電流ライン36を介して電流カップリング23に接続されている。
【0097】
装置1は、さらに、軌道のまくらぎ38の位置を、特に路盤19に対する加工装置14の配置を検出するためのセンサ装置37を有している。センサ装置37はさらに、作業スペース39を監視するように、特に、作業スペース39内に物体または人が存在しているか否かかを検出するように形成されている。このために、センサ装置37は、2つのカメラ40と1つの地上監視レーダ41とを含む。三角測量ユニット42とGPSモジュール43とは、レール4に沿った装置1の位置を精密に検出するために用いられる。作業スペース39は、下方に向かって路盤19によって画定されており、側方、前方、および後方に向かっては、走行車3の前方部分を走行車3の後方部分に接続しているフレームブリッジ39aによって画定されている。
【0098】
レール4に沿って装置1が移動する際に走行車3に加工装置14を確実に取り付けるために、装置1は固定ユニット44を有している。固定ユニット44は支持フレームとして形成されており、この支持フレームには、変位装置24を、特に多軸ロボット5によって上方から懸吊させることができる。
【0099】
装置1の機能形式は以下の通りである。
【0100】
走行車3は、レール4上に配置されている。加工装置14は、変位装置24を介して固定ユニット44へと懸吊されている。変位装置24は、進入位置に位置している。振動デカップラ15a,15bのチャンバ27内の圧力p1,p2,p3は、周囲の圧力に相当する。
【0101】
走行駆動装置6が作動して、走行車3がレール4に沿って加工対象物へと、特に締固めるべき路盤19へと移動する。路盤19の加工すべき領域における装置1の配置は、制御ユニット8によって制御される。このために、センサ装置37によって、特に三角測量ユニット42とGPSモジュール43とによって検出された情報が制御ユニット8において処理される。加工装置14によって突き固めるべき軌道のまくらぎ38の精密な特定は、カメラ40を用いて行われる。
【0102】
多軸ロボット5によって、固定装置13と、固定装置に取り付けられた加工装置14とが、固定ユニット44から上方に向かって取り出され、路盤19の加工すべき区分の上方に配置される。両加工装置14は、対応するまくらぎ38の長手方向中心軸線を通る垂直平面に対して鏡像対称に配置される。多軸ロボット5の制御は制御ユニット8によって行われる。装置1は、戻し位置に位置している。
【0103】
制御ユニット8の圧力調整ユニット45を介して、振動デカップラ15a,15bのチャンバ27に、特に流体管路34を介して圧縮空気が供給される。チャンバ27内の圧力p1,p2,p3が上昇すると、振動デカップラ15a,15bの剛性が増大し、振動デカップラ15a,15bは休止位置に配置されている。固定デカップラユニット15aのチャンバ27内の圧力p1,p2は、例えば100barである。加工デカップラユニット15bのチャンバ27内の圧力p3は、例えば25barである。振動デカップラ15a,15bは、それぞれ第1の剛性を有する第1の連結状態に調整されている。
【0104】
制御ユニット8の信号に基づき、多軸ロボット5は、加工装置14を垂直方向下方に降下させる。加工装置14の進入体20は路盤19内に進入する。振動デカップラ15a,15bがチャンバ27内の圧力p
1,p
2,p
3によって剛性にされていることにより、路盤19における進入体20の位置決めを特に精密に行うことができる。装置1は、
図5に示した進入ポジションまたは進入位置に位置している。
【0105】
圧力調整ユニット45によって、チャンバ27内の圧力は、制御ユニット8の対応する信号に基づき減じられる。固定デカップラユニット15aのチャンバ27内の圧力p1,p2は、例えば10barである。加工デカップラユニット15bのチャンバ27内の圧力p3は、例えば5barである。振動デカップラ15a,15bのそれぞれ第2の剛性は、第2の連結状態で、路盤19内への進入時の第1の剛性よりも減少している。第2の連結状態における固定デカップラユニット15aの第2の減衰は、絞り弁35によって変更可能であり、第1の連結状態における第1の減衰とは異なるように調節可能である。
【0106】
加工装置14の機械モータ22には、制御ユニット8によって、特に電流カップリング23と電流ライン36とを介して電力が供給される。機械モータ22は、加工装置14の振動発生器21を駆動する。これにより、震動運動が発生し、進入体20に伝達される。
【0107】
変位装置24のピストン・シリンダユニット26には油圧液が供給され、この油圧液は、供給ユニット7から提供される、流体カップリング17と流体管路34とを介してピストン・シリンダユニット26へと導入される。ピストン・シリンダユニット26で生じる作動力F
Sは、送込みジョイント25を中心とする加工装置14の旋回運動を発生させる。変位装置24、特に加工装置14は、
図6に示された送込み位置に位置している。
【0108】
震動運動に基づき、かつ路盤19内に入り込む進入体20の旋回により、路盤19内へ進入体20が移動する際に、加工装置14に反力FRが作用する。反力FRは、加工デカップラユニット15b、変位装置24、および固定デカップラユニット15aを介して固定装置13に伝達される。この場合、反力FRの伝達は少なくとも部分的に、チャンバ27内にもたらされる圧縮空気を介して行われる。送込みジョイント25を中心とした加工装置14の旋回の際の圧力p1,p2,p3が、路盤19内への進入の際の圧力p1,p2,p3よりも小さいことにより、固定装置13に伝達される力を減らすことができる。特に、進入体20の震動運動の結果として生じる反力FRは、振動デカップラ15a,15bによって十分に吸収される。特に、路盤19に進入する際の垂直方向の反力FRzのピーク値は、振動デカップラ15a,15bによって減じられる。調節可能な絞り弁35により、固定装置13に対する加工装置14の垂直方向の相対運動の調節可能な減衰が可能である。
【0109】
制御ユニット8は、ピストン・シリンダユニット26によって加工装置14を進入位置へと変位させるための信号を提供する。加工装置14は、送込みジョイント25を中心として進入位置へと戻し旋回される。多軸ロボット5によって、加工装置14は制御ユニット8の信号に基づき戻し位置へと動かされる。振動デカップラ15a,15bは、再び第1の連結状態へと移行する。
【0110】
センサ装置37は、隣接するまくらぎ38の位置に関連する信号を制御ユニット8に提供する。多軸ロボット5は、加工装置14を、次に加工すべき路盤19の区分の上方の次の戻し位置へと変位させる。路盤19のさらなる加工は、上述した説明に相応して行われる。
【0111】
軌道加工の全期間にわたって、作業スペース39はセンサ装置37によって監視される。人または物体が作業スペース39内に進入すると、このことはセンサ装置37によって検知され、対応する信号が制御ユニット8へと提供される。制御ユニット8は、これに基づき、装置1の作動を中断させる。特に、多軸ロボット5、変位装置24、および振動発生器21の運動を中断させる。これにより、装置1の作動を特に安全な形式で行うことができる。
【0112】
走行車3は、マルチウェイ車両として形成されている。このために、走行車3は、レール4を走行するためのレール走行機構46の他に、補助走行機構47を有している。補助走行機構47は、特に、レール走行機構46の上方の位置とレール走行機構46の下方の位置との間で垂直方向に変位可能である。補助走行機構47は、平坦ではない地面および道路を走行するために形成されている。特に、補助走行機構47は、装置1を、隣接する2つの軌道の間で、特にレール4の縦方向延在に対して垂直に移動させるために形成されている。これにより、装置1の使用のフレキシビリティが著しく向上する。
【0113】
加工装置14と固定装置13との間に振動デカップラ15a,15bが作用していることにより、位置決め装置2、特に多軸ロボット5を備えた走行車3を負荷する強度が機械的に著しく低くなり、その摩耗は減じられる。したがって、位置決め装置2を、特に材料を節約して軽量に構成することができ、かつ特に経済的に製造し、作動させることができる。
【0114】
図7および
図8に基づき、本発明の別の実施例を説明する。上述した実施例とは異なり、装置1は、ねじ結合部49を締め付け緩めるためのそれぞれ1つのねじユニット48を備えた2つの加工装置14を有している。各ねじユニット48は、ねじユニット48のねじ工具50を回転駆動するための機械モータ22を有している。ねじ結合部49を回転駆動するためのソケットレンチ51は、可逆的に取外し可能に各ねじ工具50に取り付けられている。単に概略的に示された変位装置24は、両加工装置14が互いに独立的に、ねじ工具50の係合方向52に沿って変位するように形成されている。変位装置24はさらに、加工装置14が、係合方向52に対して垂直に互いに対して動かされるように形成されている。特に、変位装置24は、上述した実施例と同様に、各加工装置14が、所属の加工デカップラユニット15bと共に変位するように形成されている。
【0115】
加工デカップラユニット15bは、ゴムベローズの形態の弾性変形可能なチャンバ壁30を有している。このような加工デカップラユニット15bの構造は、実質的に、上述した実施例による加工デカップラユニット15bに相当する。
【0116】
固定デカップラユニット15aは、上述した実施形態とは異なり、固定装置13に対する加工装置14の運動の調節可能な制動のためのブレーキユニット53を有している。ブレーキユニット53は、ブレーキアクチュエータ55によって可逆的にブレーキ体56に圧着可能であるブレーキパッド54を有している。ブレーキユニット53によって、固定デカップラユニット15aを介して伝達される運動の減衰が、ブレーキアクチュエータ55により発生する圧着力FAによって調節可能である。加工装置14の運動からの固定装置13の運動の分離は、専ら係合方向52に沿って、固定デカップラユニット15aによって行われる。係合方向52に対して垂直に向けられた力は、ブレーキユニット53とばねエレメント33aとを介して伝達される。係合方向52に対して垂直方向で運動の分離は行われない。対応する運動が、固定デカップラユニット15aの直線ガイド29を介して実質的に剛性的に伝達される。
【0117】
装置1は、加工装置14をレール4に可逆的に固定するための、概略的にのみ図示された緊締装置57を有している。緊締装置57は変位装置24に取り付けられている。緊締装置57は、レール4に可逆的にクランプするための図示されていない作動エレメントを有している。この作動エレメントは、制御ユニット8の信号により操作可能である。
【0118】
さらに、装置1は、
図8には単に概略的に示された、もはや取外し不能に固着したねじ結合部49のスタッドボルト59を切り離すための分離工具58を有している。分離工具58はこのために、分離工具モータ61によって回転駆動可能な分離研磨盤60を有している。
【0119】
装置1は、ねじエレメント、特にねじおよび/またはナットを提供するための装填装置62を有している。装填装置62は、ブリスタを取り扱うように形成されている。これにより、ねじエレメントを規定可能なポジションおよび位置で提供することができ、これにより自動化して、特に多軸ロボット5によって、加工装置14に供給することができる。
【0120】
図7および
図8に示した実施形態による装置1の機能形式は以下の通りである。
【0121】
上述した実施例に相応して、装置1は、加工対象物へと、特に解除すべきねじ結合部49へと動かされる。装置1は、戻し位置に位置している。振動デカップラ15a,15bは、第2の連結状態よりも高い剛性を有する第1の連結状態に調整されている。
【0122】
レール4およびねじ結合部49の位置がセンサ装置37によって検出される。制御ユニット8によって制御されながら、変位装置24に堅固に取り付けられた緊締装置57がレール4を把持する。緊締装置57の作動駆動装置が、制御ユニット8によって作動させられる。レール4は、緊締装置57の緊締ジョーの間にクランプされる。加工装置14は、変位装置24と緊締装置57とを介してレール4に支持される。
【0123】
制御ユニット8の信号に基づき、加工装置14は、変位装置24によって互いに対して、かつ係合方向52に対して垂直に、ねじ結合部49の相対位置に応じて互いに位置決めされる。
【0124】
制御ユニット8の別の信号により、加工装置14は、多軸ロボット5によって係合方向52で降下する。ソケットレンチ51が、スタッドボルト59のねじ頭部に係合する。振動デカップラ15a,15bは、第1の連結状態よりも低い剛性を有する第2の連結状態に調整される。
【0125】
機械モータ22が作動して、ソケットレンチ51はねじ工具50を介して回転駆動される。ねじ工具50は、インパクトレンチとして形成されている。これにより、固定されたねじ結合部49を特に確実に緩めることができる。
【0126】
振動デカップラ15a,15bは、固定装置13の運動を、両加工装置14の運動から分離する。垂直方向の反力FRzの力ピークは、固定デカップラユニット15aによって吸収される。直線ガイド29およびばねエレメント33aに基づく垂直方向のばね支持により、加工装置14の一連の降下の際にねじ結合部49に接触する際の固定装置13に対する衝撃負荷の伝達が阻止される。したがって、衝撃負荷に対しては、装置1の、特に加工装置14および変位装置24の上流に配置された構成部分の慣性によって対抗することができる。ブレーキユニット53は、固定装置13に対する加工装置14の垂直方向の運動を減衰し、これにより固定装置13に作用する力が再度減じられる。
【0127】
ねじユニット48をインパクトレンチユニットとして形成することにより、固着したねじ結合部49を特に確実に緩めることができる。インパクトレンチ使用時に生じる震動は、特に水平平面における反力FRx,FRyを生じさせる。これらの反力FRx,FRyの力ピークは、加工デカップラユニット15bで吸収される。加工装置14の運動は、変位装置24の運動から、加工デカップラユニット15bによって少なくとも部分的に分離される。
【0128】
ねじ結合部49を緩めた後、緊締装置57はレール4から取り外される。振動デカップラ15a,15bは、第2の連結状態よりも高い剛性を有する第1の連結状態に調整される。多軸ロボット5によって、加工装置14は固定装置13を介して持ち上げられる。
【0129】
センサ装置37によって、ねじ結合部49が緩められたか否かがコントロールされる。少なくとも1つのねじ結合部49が、ねじ工具50によって緩めることができないように固着している場合、対応するスタッドボルト59は切断される。このために、分離工具58を、多軸ロボット5によって対応するねじ結合部49へと移動させる。振動デカップラ15a,15bは、この場合、第1の連結状態に調整されている。分離工具モータ61が作動して、分離研磨盤60がスタッドボルト59の方向で送り込まれる。スタッドボルト59が切断される。分離工程は終了し、装置1は戻し位置へと戻るように移動する。
【0130】
装置1を、ねじ結合部49の製造のためにも、特に組立ておよび締付けのためにも使用することができる。このためにねじユニット48を、多軸ロボット5によって装填装置62へと移動させる。振動デカップラ15a,15bは、この場合、第1の連結状態に調整されている。ソケットレンチ51は、ねじが充填されたブリスタ内に導入される。ソケットレンチ51には、ねじが、例えばクランプ結合により、特に押圧部材によって、かつ/または磁石、特に電磁石によって保持される。加工装置14が、製作すべきねじ結合部49の方向で移動する際に、ねじがブリスタから取り出される。ねじは、制御ユニット8の信号に基づいて、特にセンサ装置37から提供された測定値に支持されて、予め規定されたねじ穴内に導入される。
【0131】
緊締装置57によって、加工装置14はレール4で固定される。振動デカップラ15a,15bは、この場合、第2の連結状態に調整されている。機械モータ22が作動する。ねじ結合部49が、特に同時に締め付けられる。
【0132】
図示されていない別の実施形態によれば、装置1は、最後に記載された実施例とは異なり、緊締装置57を有していない。加工装置14の両ねじユニット48は、ねじ結合部49を締め付ける際にかつ/または緩める際に、互いに支持される。特に、各ねじ結合部49に伝達されるトルクは、それぞれ他方のねじ結合部49に作用する対応する反力FRによって相殺される。
【0133】
このような反力FRによるねじ結合部49の負荷を減じるために、最初に緩める際にかつ/または最後に締め付ける際に、両加工装置14を同時に作動させず、ねじユニット48を交互に作動させる。これに対して、ねじ結合部49を最初に締め付ける際にかつ/または最後に緩める際には、両ねじユニット48を同時に作動させる。
【0134】
好ましくは、ねじユニット48は、力センサ、特にトルクセンサを有している。ねじユニット48の同時の作動と交互の作動との切替は、好ましくは、特に制御ユニット8による各力センサの信号に基づき行われる。
【0135】
図9に基づき、本発明の別の実施例を説明する。上述した実施形態とは異なり、装置1は2つの多軸ロボット5を有しており、この多軸ロボットには、それぞれ2つの加工装置14が固定装置13を介して取り付けられている。加工装置14はねじユニット48として形成されている。代替的に、加工装置14はタンピングユニット18として形成されていてもよい。制御ユニット8と供給ユニット7とは、両多軸ロボット5と加工装置14とを作動させるために形成されている。両多軸ロボット5と4つの加工装置14とを備えた装置1を形成することにより、軌道の両レール4において同時に軌道加工を行うことができる。これにより、装置1の作業効率はさらに向上する。
【0136】
レール4の間の中央領域における唯一の軸受ユニット9における配置とは異なり、この実施例では、多軸ロボット5の支持のために2つの軸受ユニット9が設けられていて、走行車3に取り付けられている。フレームブリッジ39aは、特にレール4の間の真ん中に延在する中央のフレーム支持体39bによって代替されている。装填装置62は、フレーム支持体39bに配置されている。これにより装填装置62には、すべての加工装置14が到達することができる。
【0137】
センサ装置37のカメラ40は、走行車3の側面領域に配置されている。両作業スペース39は、センサ装置37によって、上記に説明した実施形態と同様に監視される。
【0138】
装置1の機能形式は、上記に説明した実施形態による装置1の機能形式に相当する。
【0139】
装置1が振動デカップラ15a,15bを有していることにより、固定装置13の運動は、少なくとも部分的に、少なくとも1つの加工装置14の運動から分離される。これにより、固定装置13に、特に位置決め装置2に伝達される負荷を著しく減らすことができる。装置1は、作動中、特に堅牢かつ確実であり、特に経済的に製造することができ、かつ作動させることができる。
【0140】
個々の実施例の特徴は、必要に応じて任意に互いに組み合わせることができる。
【国際調査報告】