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特表2023-530008バッテリーモジュール、その製造方法、およびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-12
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、その製造方法、およびその使用
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/213 20210101AFI20230705BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20230705BHJP
   H01M 50/509 20210101ALI20230705BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20230705BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20230705BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20230705BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20230705BHJP
   H01M 50/512 20210101ALI20230705BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20230705BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20230705BHJP
   H01M 50/574 20210101ALI20230705BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20230705BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20230705BHJP
   H01M 50/227 20210101ALI20230705BHJP
【FI】
H01M50/213
H01M50/291
H01M50/509
H01M50/284
H01M10/42 P
H01M50/289 101
H01M50/296
H01M50/512
H01M50/569
H01M50/293
H01M50/574
H01M50/249
H01M50/505
H01M50/227
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577532
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(85)【翻訳文提出日】2023-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2021065474
(87)【国際公開番号】W WO2021254847
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】102020207631.6
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】ティーフェンバッハ,アンディ
(72)【発明者】
【氏名】グライター,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】マンカ,ダニエル
【テーマコード(参考)】
5H030
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H030AA09
5H030AS06
5H030AS08
5H030FF41
5H040AA02
5H040AA03
5H040AA07
5H040AS05
5H040AS07
5H040AY04
5H040AY05
5H040AY08
5H040CC12
5H040CC32
5H040DD03
5H040DD26
5H040LL06
5H040NN03
5H043AA02
5H043AA05
5H043AA13
5H043AA19
5H043AA20
5H043BA19
5H043CA03
5H043DA06
5H043FA23
5H043FA24
5H043FA32
5H043GA01
5H043LA21F
(57)【要約】
本発明は、バッテリーモジュールに関し、複数の円筒形状のバッテリーセル(2)と、電気的に直列および/または並列に相互接続される第1の複数個(21)のバッテリーセル(2)が収容されている複数の円筒形状の第1の収容部(41)を含む第1のハウジング要素(31)と、電気的に直列および/または並列に相互接続される第2の複数個(22)のバッテリーセル(2)が収容されている複数の円筒形状の第2の収容部(42)を含む第2のハウジング要素(32)とを備え、第1のハウジング要素(31)は、第1の収容部(41)が配置される第1の基体(51)を有し、第2のハウジング要素(32)は、第2の収容部(42)が配置される第2の基体(52)を有し、第1の基体(51)と第2の基体(52)とは、収容空間(6)を形成するように互いに結合され、当該収容空間(6)には、第1の複数個(21)のバッテリーセル(2)と第2の複数個(22)のバッテリーセル(2)とを電気的に直列および/または並列に接続するためのセルコネクタ(7)が収容されており、第1のハウジング要素(31)は、第1の基体(51)に配置された第3の収容部(43)を有し、第3の収容部(43)には、バッテリーモジュール(1)の制御ユニット(10)が収容されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーモジュールであって
複数の円筒形状のバッテリーセル(2)、特にリチウムイオンバッテリーセル(20)と、
電気的に直列および/または並列に相互接続される第1の複数個(21)のバッテリーセル(2)が収容されている複数の円筒形状の第1の収容部(41)を含む第1のハウジング要素(31)と、
電気的に直列および/または並列に相互接続される第2の複数個(22)のバッテリーセル(2)が収容されている複数の円筒形状の第2の収容部(42)を含む第2のハウジング要素(32)と
を備え、
前記第1のハウジング要素(31)は、前記第1の収容部(41)が配置されている第1の基体(51)を有し、前記第2のハウジング要素(32)は、前記第2の収容部(42)が配置されている第2の基体(52)を有しており、
前記第1の基体(51)と前記第2の基体(52)とは、収容空間(6)を形成するように配置され、当該収容空間(6)には、前記第1の複数個(21)のバッテリーセル(2)と前記第2の複数個(22)のバッテリーセル(2)とを電気的に直列および/または並列に接続するためのセルコネクタ(7)が収容されており、
前記第1のハウジング要素(31)は、前記第1の基体(51)に配置された第3の収容部(43)を含み、当該第3の収容部(43)には、前記バッテリーモジュール(1)の制御ユニット(10)が収容されている、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記第1の基体(31)と前記第2の基体(32)とは、形状結合で相互に接合されていることを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記第1の基体(31)と前記第2の基体(32)とは、折り返し接合部(8)によって相互に接合されていることを特徴とする請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記バッテリーモジュール(1)は、前記第1の基体(31)および/または前記第2の基体(32)に組み込まれた電子端子(13)を含み、前記電子端子(13)が、前記バッテリーモジュール(1)の前記制御ユニット(10)に接触するように形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記バッテリーモジュール(1)は、前記第1の基体(31)および/または前記第2の基体(32)に組み込まれた電気端子(14、141、142)を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記第1の複数個(21)のバッテリーセル(2)は、前記第1の基体(31)の最長延在部(161)の方向において、複数の並列な第1の系列(171)内で並列に相互接続されており、かつ前記第2の複数個(22)のバッテリーセル(2)が、前記第2の基体(32)の最長延在部(162)の方向において、複数の並列な第2の系列(172)内で並列に相互接続されており、
前記バッテリーモジュール(1)の前記制御ユニット(10)は、前記並列な第1の系列(171)および/または前記並列な第2の系列(172)を監視するよう構成されており、
並列な第2の系列(172)の総数は、並列な第1の系列(171)の総数より少なくとも1つ多く、または1つの並列な第2の系列(172)のバッテリーセル(2)の総数は、1つの並列な第1の系列(171)のバッテリーセル(2)の総数より少なくとも1つ多い、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記バッテリーモジュール(1)は、前記第1の複数個(21)のバッテリーセル(2)のうちの1つのバッテリーセル(2)の状態変数を検出するように構成されている少なくとも1つの第1のセンサー要素(151)を含み、かつ/または、前記バッテリーモジュール(1)は、前記第2の複数個(22)のバッテリーセル(2)のうちの1つのバッテリーセル(2)の状態変数を検出するよう構成されている少なくとも1つの第2のセンサー要素(152)を含み、
前記少なくとも1つの第1のセンサー要素(151)または前記少なくとも1つの第2のセンサー要素(152)は、前記バッテリーモジュール(1)の前記制御ユニット(10)と制御技術のために結合されている、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
別の制御ユニット(100)が前記バッテリーモジュール(1)の前記収容空間(6)に配置されており、
前記制御ユニット(10)と前記別の制御ユニット(100)とは、制御技術のために相互に結合されている、ことを特徴とする請求項7に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記第1のセンサー要素(151)は、前記別の制御ユニット(100)に配置されており、前記第1の複数個(21)のバッテリーセル(2)の2つのバッテリーセル(2)を電気的に接続するセルコネクタ(7)と結合されており、かつ/または、前記第2のセンサー要素(152)は、前記別の制御ユニット(100)に配置されており、前記第2の複数個(22)のバッテリーセル(2)の2つのバッテリーセル(2)を電気的に接続するセルコネクタ(7)と結合されている、ことを特徴とする請求項7および8に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記第1のハウジング要素(31)および前記第2のハウジング要素(32)は、ポリマー素材から構成されている、請求項1から9のいずれか1項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
前記第1の複数個(21)のバッテリーセル(2)と前記第2の複数個(22)のバッテリーセル(2)とは、直接対向するように配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項12】
前記制御機構(10)は、前記第1の電気端子(141)または前記第2の電気端子(142)と前記電子端子(13)との間の接続を切断し得ることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項13】
複数の円筒形状のバッテリーセル(2)、特にリチウムイオンバッテリーセル(20)を備えた請求項1から11のいずれか1項に記載のバッテリーモジュール(1)の製造方法であって、
電気的に直列および/または並列に相互接続される第1の複数個(21)のバッテリーセル(2)が収容されている複数の円筒形状の第1の収容部(41)と、前記バッテリーモジュール(1)の制御ユニット(10)が収容されている第3の収容部とを含む第1のハウジング要素(31)の第1の基体(51)と、電気的に直列および/または並列に相互接続される第2の複数個(22)のバッテリーセル(2)が収容されている複数の円筒形状の第2の収容部(42)を含む第2のハウジング要素(32)の第2の基体(52)とが、前記バッテリーモジュール(1)の制御ユニット(10)が収容される収容空間(6)を形成しつつ相互に結合される、方法。
【請求項14】
軽電動車両(light electric vehicle)内での請求項1から11のいずれか1項に記載のバッテリーモジュール(1)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の分野に基づく、複数の円筒形状のバッテリーセルを備えたバッテリーモジュールによるものである。このようなバッテリーモジュールの製造方法およびこのようなバッテリーモジュールの使用も本発明の対象である。
【背景技術】
【0002】
先行技術によれば、バッテリーモジュールは、直列および/または並列に電気的に相互接続されていてもよい複数の個々のバッテリーセルからなり得、つまりこれらの個々のバッテリーセルがバッテリーモジュールと相互接続されていることが知られている。
【0003】
さらに、そのようなバッテリーモジュールを相互接続して、バッテリーまたはバッテリーシステム全体が構成される。
【0004】
とりわけ、英語でLEV(light electric vehicle)としても知られている軽電動車両のために、比較的軽く、好ましくはスケーリング(拡張)可能なバッテリーシステムが構成され得る。これに関しては、比較的小さく、通常は円筒形状の多数のバッテリーセルが、バッテリーモジュールまたはさらにバッテリーへと相互接続され得る。
【0005】
バッテリーモジュールのバッテリーセルを監視するため、通常は、バッテリーマネジメントシステム(BMS)としても知られる制御ユニットが利用される。これらの制御ユニットは、例えば電圧測定または温度測定のために、バッテリーセルに配置されたセンサーと結合される。このような制御ユニットは、通常、多くの端子を有しており、配線するのが煩雑である。
【0006】
例えば文献EP3472877A1および米国特許出願公開第2014/0234668号では、それぞれ、複数個のバッテリーセルを備えたバッテリーモジュールが開示されている。
【発明の概要】
【0007】
独立請求項の特徴を有する複数の円筒形状のバッテリーセルを備えたバッテリーモジュールは、既存の設置スペースが効率的に利用され得るという利点を提供する。とりわけ、制御ユニットを第3の収容部に配置することによってバッテリーモジュールの高さが低減され得る。さらに、例えばケーブルハーネスによる煩雑な配線が不要とされ得る。
【0008】
このために、複数の円筒形状のバッテリーセルを備えたバッテリーモジュールが提供される。特に、これらのバッテリーセルはリチウムイオンバッテリーセルとして構成されている。
【0009】
バッテリーモジュールが第1のハウジング要素を含み、第1のハウジング要素は複数の円筒形状の第1の収容部を有する。これらの第1の収容部内に、第1の複数個のバッテリーセルが収容されており、これらのバッテリーセルは電気的に直列および/または並列に相互接続されている。
【0010】
バッテリーモジュールが第2のハウジング要素を含み、第2のハウジング要素は複数の円筒形状の第2の収容部を有する。これらの第2の収容部内に、第2の複数個のバッテリーセルが収容されており、これらのバッテリーセルは電気的に直列および/または並列に相互接続されている。
【0011】
第1のハウジング要素はさらに、第1の収容部が配置されている第1の基体を含み、第2のハウジング要素は、第2の収容部が配置されている第2の基体を含む。
【0012】
この第1の基体と第2の基体とは、収容空間を形成しつつ相互に結合されている。この収容空間内には、第1の複数個のバッテリーセルおよび第2の複数個のバッテリーセルを電気的に直列および/または並列に接続するためのセルコネクタが配置されている。
【0013】
第1のハウジング要素はさらに、第1の基体に配置されている第3の収容部を有する。第3の収容部には、バッテリーモジュールの制御ユニットが収容されている。
【0014】
従属請求項に挙げた措置により、独立請求項で提示した装置の有利な変形および改善が可能である。
【0015】
バッテリーモジュールの本発明による一実施形態は、円筒形状のバッテリーセルが第1のハウジング要素または第2のハウジング要素によって直接的に収容され得るという特別な利点を提供し、これにより例えば追加的なセルホルダー要素を省くことができる。ここで、第1のハウジング要素および第2のハウジング要素は、特に、バッテリーモジュールのハウジングにおける、このハウジングを共に構成するハーフシェル(Halbschalen)とも呼ばれ得ることに留意されたい。
【0016】
ここで、円筒形のバッテリーセルは丸型セルとも呼ばれ得ることに留意されたい。円筒形のバッテリーセルは、実質的に、断面が円形の円筒形の外面を有し、その対向する両側面はそれぞれ円形の底面またはカバー面によって閉じられている。例えばプラスチックで形成されたケーシングを有せず、例えば金属素材からなるように構成された導電性のハウジングを含む円筒形のバッテリーセルであって、それぞれ、約18mmの直径および約65mmの高さ、または約21mmの直径および約70mmの高さを有する18650型または21700型の丸型セルが、特に好ましい。この円筒形状のバッテリーセルのハウジングは、通常は負に帯電しており、かつそれぞれのバッテリーセルの負電圧タップを構成する。さらにカバー面には、バッテリーセルの正電圧タップが配置されており、この正電圧タップは、ハウジング、したがって負電圧タップに対して電気的に絶縁されている。
【0017】
総括すると、この場合、第1の複数個のバッテリーセルおよび第2の複数個のバッテリーセルの電気接続が形成され得、第1の基体または第2の基体内にセルコネクタが配置されていてもよい。さらに、セルコネクタは、第1の複数個のバッテリーセルと第2の複数個のバッテリーセルとの間に配置されている。収容部にはさらにバッテリーモジュールの制御ユニットも収容されている。このバッテリーモジュールの制御ユニットは、特には、バッテリーマネジメントシステム(BMS)である。
【0018】
円筒形の収容部は、ここではそれぞれ、断面が円形の円筒形の側面によって少なくとも部分的に定められた中空体である。円筒形の収容部はさらに、当該円筒形の収容部を底側で同様の定められた底面を有する。底側と対向する側では、円筒形の中空体が開口部を有し、この開口部を通ってバッテリーセルが収容部に嵌め込まれ得る。これに関し、ここで、バッテリーセルは、例えば絶縁層を配置することなく、また例えば空気なしに、それぞれの収容部に直接的に収容され得ることに留意されたい。
【0019】
これに関し、1つの収容部には、とりわけそれぞれ正確に1つのバッテリーセルが収容されている。
【0020】
ハウジング要素の基体に収容部を配置することとは、収容部が、例えば基体と一体的に接合されて構成されているということであり、基体は、収容部の円筒形の中空体の開口部に対応する開口部を有する。これにより、1つのバッテリーセルが、基体の開口部または収容部の開口部を通じてそれぞれの収容部に嵌め込まれ得る。これに関し、バッテリーセルの例えば円形断面が、収容部の円筒形中空体のそれぞれの円形断面と直接接触するように配置されていることが好ましい。これに加え、それぞれのバッテリーセルのハウジングと収容部との間に材料接合での接合が形成されていることが特に有利である。このような材料接合での接合は、例えば接着剤またはペーストによって実現可能であり、かつそれぞれのバッテリーセルとそれぞれの収容部との間の最適な熱的結合を形成し得る。
【0021】
本発明の好ましい一態様によれば、第1の基体と第2の基体とが形状接合で相互に接合されている。このような接合は、特に簡単に形成され得る。もちろん、第1の基体と第2の基体とが力接合で、とりわけ力接合および形状接合で相互に接合されていてもよい。このような接合は、例えばネジ留めによって追加的に形成され得る。第1の基体と第2の基体とを材料接合で相互に接合することもできる。このような材料接合での接合は、例えばポリマー素材のプラスチック溶接によって形成され得る。
【0022】
第1の基体と第2の基体とが折り返し接合部によって相互に接合されていることが特に好ましい。これに関してはとりわけ、折り返し接合部が、第1の基体と第2の基体との間の接合部全体を取り囲むように形成されている場合が好ましい。このために、例えば第1の基体は第1の折り返し要素を有してもよく、かつ第2の基体は第2の折り返し要素を有してもよく、これらの折り返し要素が、相当の折り返し接合部によって形状接合でまたは形状接合および力接合で接合され得る。これについて、折り返し接合部を形成するため、例えば第1の折り返し要素が第2の折り返し要素に差し込まれ得る。特に確実な接合を形成するため、第1の折り返し要素および/または第2の折り返し要素が、差込み後にさらに変形されてもよい。
【0023】
総括すると、これにより、第1のハウジング要素と第2のハウジング要素との間の密に形成された接合部を構成することができ、この接合部は、例えば気密性に関する相当の基準も満たし得る。このためにとりわけ、第1の折り返し要素および/または第2の折り返し要素が、気密性をさらに一層高められるような相当の封止要素を含み得る。例えば、封止要素が折り返し要素に組み込まれていてもよい。
【0024】
このような折り返し接合部が、同時に少なくとも1つのガイドレールも形成し得ることが特に好ましく、このガイドレールは、車両内でバッテリーモジュールを収容するために形成されている。これにより、車両内へのバッテリーの比較的簡単な挿入が提供され得、折り返し接合部が、車両内でのバッテリーの確実な固定をさらに提供し得る。総括すると、これにより車両のバッテリーが簡単に交換され得る。
【0025】
さらに、折り返し接合部に保持用ハンドルまたは運搬用ハンドルが組み込まれていてもよい。保持用ハンドルまたは運搬用ハンドルは、保持用バンドまたは運搬用バンドとして形成されていてもよい。折り返し接合部が、例えば、保持用ハンドルもしくは運搬用ハンドルが簡単に付けられ得るか、または、保持用バンドもしくは運搬用バンドが簡単に配置され得るように形成されることも可能である。その際、とりわけ気密性は損なわれない。
【0026】
バッテリーモジュールが、第1の基体および/または第2の基体に組み込まれた電子端子を含むことが有利である。この電子端子は、バッテリーモジュールの制御ユニットに接触するように形成されている。この電子端子はバッテリーモジュールの制御ユニットと、制御技術のために結合されている。これは、例えば電子端子だけがバッテリーモジュールの制御ユニットと接続できるようにして、電気的配線または電子的配線を減らし得るという利点を提供する。とりわけ、電子端子は差込み結合部として形成されている。
【0027】
本発明の好ましい一態様によれば、バッテリーモジュールが電気端子を含む。この電気端子は、第1の基体および/または第2の基体に組み込まれている。電気端子は、とりわけ、バッテリーモジュールから電圧を取り出すためにまたは複数個のバッテリーセルを充電し得るために形成されている。バッテリーモジュールが、2つの電気端子、例えば1つの正極の電気端子および1つの負極の電気端子を含むことが特に好ましい。とりわけ、1つまたは複数の電気端子はそれぞれ差込み結合部として形成されている。総括すると、これにより、バッテリーモジュールを例えば車両に電気接続することが可能である。差込み結合部の利点は、非常に簡単な接続にある。ここで、折り返し接合部が、電気端子の箇所では比較的大きな幅で実現されているようにして、電気端子が折り返し接合部に組み込まれ得ることが好ましいことにさらに留意されたい。
【0028】
車両内へのバッテリーモジュールの挿入方向が、差込み方向も決定することが好ましいことに留意されたい。組立プロセスの最後になってから、電子端子の最終的な配置を決められる形の形態が有利である。これにより、1つのデザインで様々な挿入方向が可能なので、このバッテリーモジュールの設計が、デザインの変更なく非常に様々な車両タイプにより良く適合され得る。
【0029】
電気端子および/または電子端子は、第1の基体および/または第2の基体のうち、ガイドレールとして形成された折り返し接合部に対して垂直に配置されている側に配置されていることが特に好ましい。これにより、車両または充電機器への特に確実な接続が形成され得る。
【0030】
第1の複数個のバッテリーセルは、第1の基体の最長延在部の方向において、複数の並列な第1の系列内で並列に相互接続されており、かつ第2の複数個のバッテリーセルは、第2の基体の最長延在部の方向において、複数の並列な第2の系列内で並列に相互接続されていることが有利な点である。このために例えば、1つの並列な第1の系列または1つの並列な第2の系列のバッテリーセルがそれぞれ、第1の基体または第2の基体の最長延在部の方向において互いに直接隣接して配置されているように、第1の複数個のバッテリーセルまたは第2の複数個のバッテリーセルが配置されており、バッテリーセルの長手方向はすべて、1つの同一面内に配置されている。この場合、第1の基体の最長延在部または第2の基体の最長延在部に垂直に配置された、第1の基体または第2の基体の最短延在部においては、複数の並列な第1の系列または複数の並列な第2の系列が相並んで配置されている。
【0031】
これに関し制御ユニットは、並列な第1の系列および並列な第2の系列を監視するように構成されている。
【0032】
並列な第2の系列の総数が並列な第1の系列の総数より少なくとも1つ多くてもよい。これにより、制御ユニットが収容されている第3の収容部が、少なくとも1つの並列な第1の系列の代わりに配置されていてもよい。並列な第2の系列の総数が並列な第1の系列の総数より1つ多いことが好ましい。1つの並列な第2の系列のバッテリーセルの総数が1つの並列な第1の系列のバッテリーセルの総数より少なくとも1つ多くてもよい。これにより、制御ユニットが収容されている第3の収容部は、各々の並列な第1の系列の並列接続された少なくとも1つのバッテリーセルの代わりに配置されていてもよい。1つの並列な第2の系列のバッテリーセルの総数が1つの並列な第1の系列のバッテリーセルの総数より1つ多いことが好ましい。
【0033】
例えば、7つの並列な第2の系列と6つの並列な第1の系列とが形成されていてもよい。これにより、いわゆる13s接続が形成されていてもよい。第1の複数個のバッテリーセルおよび第2の複数個のバッテリーセルはとりわけ電気的に直列および/または並列に相互接続されていてもよい。
【0034】
バッテリーモジュールが、第1の複数個のバッテリーセルの1つのバッテリーセルの状態変数を検出するために構成されている少なくとも1つの第1のセンサー要素を含む場合、および/または、バッテリーモジュールが、第2の複数個のバッテリーセルの1つのバッテリーセルの状態変数を検出するために構成されている少なくとも1つの第2のセンサー要素を含む場合が特に有利である。この1つのバッテリーセルの状態変数は、例えば温度、電圧、または老朽化状態であり得る。
【0035】
ここで第1のセンサー要素および/または第2のセンサー要素は、第1のハウジング要素および/または第2のハウジング要素と接合されている第1のクランプ接合部または第2のクランプ接合部と、電気的および機械的に結合され得る。これにより、バッテリーモジュールの制御ユニットを、バッテリーモジュール内で機械的に固定することもできる。
【0036】
さらに、少なくとも1つの第1のセンサー要素または少なくとも1つの第2のセンサー要素は、バッテリーモジュールの制御ユニットと制御技術のために結合されている。
【0037】
本発明の好ましい一態様によれば、収容空間にはバッテリーモジュールの別の制御ユニットが配置されている。この場合、制御ユニットと別の制御ユニットとは制御技術ためにに相互に結合されている。これにより、バッテリーモジュールの監視における機能を分割すること、言い換えれば、制御ユニットの2つの部分からなる構成を提供することができる。例えば、別の制御ユニットは、第1の複数個のバッテリーセルおよび第2の複数個のバッテリーセルのバッテリーセルの電圧および温度を検出するために構成されていてもよい。
【0038】
バッテリーモジュールの別の制御ユニットの配置は、この場合、特に第1のハウジング要素および/または第2のハウジング要素の方向に合わせられてもよい。バッテリーモジュールの別の制御ユニットは、特に、第1の基体の最短延在部または第2の基体の最短延在部の実質的に全長にわたって延在している。これにより、すべての並列な第1の系列およびすべての並列な第2の系列を監視できる。
【0039】
特に、第1の基体の最長延在部または第2の基体の最長延在部に沿ったバッテリーモジュールの別の制御ユニットの延在部は、監視への要求に合わせて適合され得る。
【0040】
言い換えれば、これは、バッテリーモジュールの別の制御ユニットの大きさが、所望の機能に応じて選択され得ることを意味する。
【0041】
別の制御ユニット上には、例えばフロントエンドチップ(ASIC)が配置されていてもよい。検出された測定値は、信号線によってマイクロチップに伝送され得る。例えばシャントセンサーのような電流検出用の機能群、および例えばソリッドステートリレー(SSR)のような切断経路用の機能群が制御ユニット上に構成されていてもよい。
【0042】
第1のセンサー要素が別の制御ユニットに配置されており、第1の複数個のバッテリーセルの2つのバッテリーセルを電気的に接続するセルコネクタと結合されていることが特に得策である。
【0043】
第2のセンサー要素が別の制御ユニットに配置されており、第2の複数個のバッテリーセルの2つのバッテリーセルを電気的に接続するセルコネクタと結合されていることが特に得策である。
【0044】
つまり、第1のセンサー要素が、第1の複数個のバッテリーセルの2つのバッテリーセルを電気的に接続するセルコネクタと結合されており、かつ第2のセンサー要素が、第2の複数個のバッテリーセルの2つのバッテリーセルを電気的に接続するセルコネクタと結合されていることが好ましい。この第1のセンサー要素および/または第2のセンサー要素が、スプリング式コンタクトピンとして、バッテリーモジュールの別の制御ユニットの基板上にハンダ付けされていてもよく、かつセルコネクタに直接的に機械的および電気的に接触できることが好ましい。
【0045】
これによりとりわけ、第1の並列な系列または第2の並列な系列の電圧が検出され得る。
【0046】
例えば、セルコネクタはそれぞれ、それぞれの接続領域の間に配置されている少なくとも1つのシャフトも含み得る。さらに、第1のセンサー要素または第2のセンサー要素が、それぞれのセルコネクタの少なくとも1つシャフトに機械的および電気的に接触し得る。とりわけ、セルコネクタのシャフトは追加的に、第1のセンサー要素または第2のセンサー要素を押すバネ要素として形成されていてもよい。
【0047】
ここで、第1のハウジング要素における各々の第1の収容部および第2のハウジング要素における各々の第2の収容部の円筒形状の側面は、温度調節流体が流通可能となるように配置されていることが有利であることに留意されたい。この温度調節流体は、温度調節ガス、例えば空気であることが好ましい。言い換えれば、これは、それぞれのバッテリーセルが収容されている収容部の内部空間と対向するように配置された収容部の外側が、周囲環境に直接隣接して配置されていることを意味する。総括すると、第1のハウジング要素および第2のハウジング要素が比較的大きな表面積をもっているので、これにより各バッテリーセルがパッシブ冷却され得る。これにより、真ん中に配置されたバッテリーセルも確実に温度調節され得ることが特に好ましい。
【0048】
ここで、第1のハウジング要素の1つの第1の収容部の円筒形の側面と、第2のハウジング要素の1つの第2の収容部の円筒形の側面との間に、さらなる補填材料を配置できることが有利な点であることに留意されたい。これにより、例えばバッテリーセルと周囲環境との間の比較的大きな温度勾配に基づいて、低い電流に基づいて、または内部抵抗が低いバッテリーセルの使用に基づいて熱的な要求が比較的低い適用形態の場合、バッテリーセルは、それぞれの収容部の円形の底面だけを介して温度調節され得る。言い換えれば、つまり、それぞれの円筒形の側面を介した例えば追加的な温度調節の代わりに、それぞれの収容部の円形の底面を介した温度調節をすることができるであろう。このために、それぞれの収容部の円筒形の側面の間の隙間が、さらなる補填材料素材で埋められていてもよい。これによりモジュールを、機械的に非常にロバストに実現すること、簡単に製作すること、および2つの収容部の間隔をさらに減らすことという可能性が生じる。
【0049】
第1のハウジング要素および第2のハウジング要素はポリマー素材から形成されている場合が得策である。例えば、ポリマー素材は、例えばPA66などのポリアミド(PA)として選択されていてもよい。これにより、バッテリーモジュールの重量を最小限に抑え、同時に十分な機械的強度を提供することが可能である。さらに、第1のハウジング要素および第2のハウジング要素がガラス繊維を含んでもよく、ガラス繊維は、例えばポリマー素材に埋め込まれていてもよい。第1のハウジング要素および第2のハウジング要素、とりわけ複数の第1の収容部および複数の第2の収容部が、2mm未満、とりわけ1mmの肉厚を有することが好ましい。これにより、十分な機械的強度の場合に、同時に、バッテリーモジュールの重量を、複数の円筒形状のバッテリーセルの確実な温度調節もさらに可能であるように、減らすことができる。
【0050】
第1のハウジング要素および第2のハウジング要素は、例えば深絞り加工などの様々な製作技術で安価に形成され得る。
【0051】
第1の複数個のバッテリーセルと第2の複数個のバッテリーセルとが直接的に互いに対向して配置されている場合が特に有利である。これは、円筒形状のバッテリーセルがそれぞれ長手方向を有し、第1の複数個のバッテリーセルの長手方向と第2の複数個のバッテリーセルの長手方向とが互いに平行に配置されているということである。さらに、第1の複数個のバッテリーセルの長手方向および第2の複数個のバッテリーセルの長手方向も互いに平行に配置されている。とりわけ、この場合、第1のハウジング要素と第2のハウジング要素も直接的に対向して配置されている。本発明の特別な利点はさらに、これによって小さな設置スペースだけでなく、個々のバッテリーセルの電気接続が比較的短いセルコネクタによって形成され得ることにある。
【0052】
軽電動車両(light electric vehicle:LEV)内での先述の本発明によるバッテリーモジュールの使用も本発明の対象である。これにより、軽電動車両(LEV)のためのバッテリーモジュールの、熱的に最適化された、かつスケーリング可能な全体コンセプトが提供され得る。
【0053】
これに加え、複数の円筒形状のバッテリーセル、とりわけリチウムイオンバッテリーセルを備えた先述のバッテリーモジュールの製造方法も本発明の対象である。これに関しては、電気的に直列および/または並列に相互接続される第1の複数個のバッテリーセルが収容されている複数の円筒形状の第1の収容部と、バッテリーモジュールの制御ユニットが収容されている第3の収容部とを備えた第1のハウジング要素の第1の基体と、電気的に直列および/または並列に相互接続される第2の複数個のバッテリーセルが収容されている複数の円筒形状の第2の収容部を備えた第2のハウジング要素の第2の基体とが、第1の複数個のバッテリーセルおよび第2の複数個のバッテリーセルを電気的に直列および/または並列に接続するためのセルコネクタが収容されている収容空間を形成しながら相互に接合される。
【0054】
本発明の例示的実施形態を図面に示しており、以下の説明においてより詳しく解説する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】バッテリーモジュールの本発明による一実施形態の分解図である。
図2】バッテリーモジュールの本発明によるさらなる一実施形態の分解図である。
図3】バッテリーモジュールの別の制御ユニットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、バッテリーモジュール1の本発明による一実施形態を分解図で示す。
【0057】
バッテリーモジュール1は、図1では識別できない、特にリチウムイオンバッテリーセル20として形成されている複数の円筒形状のバッテリーセル2を含む。
【0058】
バッテリーモジュール1は、第1のハウジング要素31および第2のハウジング要素32を有する。これらの第1のハウジング要素31および第2のハウジング要素32は、ポリマー素材、例えばポリアミドから形成されている。
【0059】
第1のハウジング要素31は、この場合、複数の円筒形状の第1の収容部41を有し、かつ第2のハウジング要素32は、この場合、複数の円筒形状の第2の収容部42を有する。第1のハウジング要素31における各々の第1の収容部41は、この場合、円筒形状の側面91を含み、側面91はいずれも、温度調節流体が流通可能となるように配置されている。第2のハウジング要素32における各々の第2の収容部42は、この場合、円筒形状の側面92を含み、側面92はいずれも、温度調節流体が流通可能となるように配置されている。ここで、第1の収容部41の円筒形状の側面91および第2の収容部42の円筒形状の側面92は、完全に、しかし少なくとも部分的には温度調節流体が流通可能となるように配置されていることが好ましいことに留意されたい。とりわけ、円筒形状の側面91同士または円筒形状の側面92同士は互いに接触し得る。
【0060】
第1のハウジング要素31はさらに、第3の収容部43を有する。
【0061】
第1の収容部41は、この場合、電気的に直列および/または並列に相互接続されている第1の複数個21のバッテリーセル2を収容する。第2の収容部42は、この場合、電気的に直列および/または並列に相互接続されている第2の複数個22のバッテリーセル2を収容する。
【0062】
これに関し例えばこれらのバッテリーセル2は、それぞれ、より長い側に沿って相互に並列接続されていてもよい。直列接続はより短い側に沿って行われ得る。
【0063】
第3の収容部43は、バッテリーモジュール1の制御ユニット10を収容する。
【0064】
第1のハウジング要素31はさらに、第1の収容部41および第3の収容部43が配置されている第1の基体51を含む。
【0065】
第2のハウジング要素32はさらに、第2の収容部52が配置されている第2の基体52を含む。
【0066】
とりわけ、第1の基体31および/または第2の基体32は、実質的に直方体形の基本形状を有する。
【0067】
この第1の基体51と第2の基体52は、図1では認識できない収容空間6を形成しながら相互に接合される。これに関し、第1の基体31と第2の基体32とは、折り返し接合部8によって形状接合で相互に接合される。この折り返し接合部8は、第1の基体31と第2の基体32との間の接合部を取り囲むように配置され、かつバッテリーモジュール1を、バッテリーモジュール1の周囲環境に対して密閉する。収容空間6内には、この場合、これも図1では認識できないセルコネクタ7が配置され得る。セルコネクタ7は、第1の複数個21のバッテリーセル2または第2の複数個22のバッテリーセル22を、電気的に直列および/または並列に相互接続する。
【0068】
これに加え、第1の複数個21のバッテリーセル2が、第1の基体31の最長延在部161の方向において、複数の並列な第1の系列171内で並列に相互接続されていることが図1から認識され得る。
【0069】
これに加え、第2の複数個22のバッテリーセル2が、第2の基体32の最長延在部162の方向において、複数の並列な第2の系列172内で相互に並列に接続されていることも図1から認識され得る。バッテリーモジュール1の制御ユニット10は、並列な第1の系列171および/または並列な第2の系列172を監視するように構成されている。
【0070】
この場合、並列な第2の系列172の総数は並列な第1の系列171の総数よりも1つ多い。したがって、第3の収容部43は、1つの並列な第1の系列171に代わって配置されている。
【0071】
さらに、その代わりに、1つの並列な第2の系列172のバッテリーセル2の総数が1つの並列な第1の系列171におけるバッテリーセル2の総数より1つ多くてもよい。したがって、第3の収容部43は、各々の並列な第1の系列171における1つの並列に接続されたバッテリーセル2に代わって配置されることになる。
【0072】
第1の複数個21のバッテリーセル2と第2の複数個22のバッテリーセル2とは、直接対向して配置されている。
【0073】
この場合、バッテリーモジュール1は、第1の基体31および/または第2の基体32に組み込まれた電子端子13を有し、この電子端子13は、バッテリーモジュール1の制御ユニット10に接触するように形成されている。
【0074】
この電子端子13は、第1の基体31および/または第2の基体32に組み込まれている。電子端子13は、特にプラグとして形成されていてもよい。このようなプラグは、例えば車両または充電機器に対する高電流経路の接触を可能にし、かつ例えば示していない制御機構の制御信号を転送し得る。
【0075】
バッテリーモジュール1は、この場合、電気端子14を含む。この電気端子14は、バッテリーモジュール1のバッテリーセル2を放電または充電するために形成されている。特に、バッテリーモジュール1は第1の電気端子141および第2の電気端子142を有する。第1の電気端子141は、この場合、特に正極の電気端子であってよく、第2の電気端子142は、この場合、特に負極の電気端子であってよい。
【0076】
この第1の電気端子141により、例えば第1の基体31のバッテリーセル2への電気接続が形成され得、この第2の電気端子142により、例えば第2の基体32のバッテリーセル2への電気接続が形成され得る。
【0077】
制御機構10は、電子端子13と第1の基体31のバッテリーセル2との間の接続または電子端子13と第2の基体32との間の接続を切断することができる。これにより、切断経路が形成される。
【0078】
このために、図面では認識できないいくつかの半導体の複数個が制御ユニット10上に配置されていることが好ましい。
【0079】
図2は、バッテリーモジュール1の本発明によるさらなる一実施形態を分解図で示す。この場合、図1とは異なり、収容空間6にはバッテリーモジュール1の別の制御ユニット100が収容されている。制御ユニット10と別の制御ユニット100とは制御技術のために相互に結合されている。
【0080】
図3は、バッテリーモジュール1の別の制御ユニット10の平面図を示す。
【0081】
バッテリーモジュール1は、第1の複数個21のバッテリーセル2の1つのバッテリーセル2の状態変数をそれぞれ検出するために構成されている第1のセンサー要素151を含み、かつ第2の複数個22のバッテリーセル2の1つのバッテリーセル2の状態変数をそれぞれ検出するために構成されている第2のセンサー要素152を含む。
【0082】
第1のセンサー要素151または第2のセンサー要素152は、バッテリーモジュール1の制御ユニット10と制御技術のために結合されている。第1のセンサー要素151は、別の制御ユニット100に配置されており、第1の複数個21のバッテリーセル2の2つのバッテリーセル2を電気的に接続するセルコネクタ7と結合されている。第2のセンサー要素152は、別の制御ユニット100に配置されており、第2の複数個22のバッテリーセル2の2つのバッテリーセル2を電気的に接続するセルコネクタ7と結合されている。別の制御ユニット100上には、例えばフロントエンドチップ(ASIC)17が配置されている。さらに、別の制御ユニット100は端子18を有し、この端子18は、別の制御ユニット100を制御ユニット100と制御技術のために結合するように形成されている。
図1
図2
図3
【国際調査報告】