IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴィレラックス インスペクション システムズ エスアーエールエルの特許一覧

<>
  • 特表-動的照明の検査トンネル 図1
  • 特表-動的照明の検査トンネル 図2
  • 特表-動的照明の検査トンネル 図3
  • 特表-動的照明の検査トンネル 図4
  • 特表-動的照明の検査トンネル 図5
  • 特表-動的照明の検査トンネル 図6
  • 特表-動的照明の検査トンネル 図7
  • 特表-動的照明の検査トンネル 図8
  • 特表-動的照明の検査トンネル 図9
  • 特表-動的照明の検査トンネル 図10
  • 特表-動的照明の検査トンネル 図11
  • 特表-動的照明の検査トンネル 図12
  • 特表-動的照明の検査トンネル 図13
  • 特表-動的照明の検査トンネル 図14
  • 特表-動的照明の検査トンネル 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-12
(54)【発明の名称】動的照明の検査トンネル
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/84 20060101AFI20230705BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
G01N21/84 E
G01N21/88 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578590
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(85)【翻訳文提出日】2023-01-30
(86)【国際出願番号】 EP2021066473
(87)【国際公開番号】W WO2021255191
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】LU101861
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522489819
【氏名又は名称】ヴィレラックス インスペクション システムズ エスアーエールエル
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ライヒェルト,トム
(72)【発明者】
【氏名】バソット,ジェラール
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA89
2G051AB07
2G051BA02
2G051BB07
2G051BC01
(57)【要約】
本発明は、検査される物体の外面を照らすための検査トンネル(2)に向けられ:検査トンネルのアーチ形状のフレーム(6);このフレーム(6)の内面に配分されて、物体の外面を照らすよう構成された光源;アーチ形状で、光源の前に拡がる光拡散スクリーン(8)、を備える。この光拡散スクリーン(8)は、光源のうち少なくともいくつかに接触する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査される物体(15)の外面(15.1)を照らすための検査トンネル(2)であって、
前記検査トンネルのアーチ形状を伴う、フレーム(6)と、
前記フレーム(6)の内面に配分され、前記物体(15)の前記外面(15.1)を照らすよう構成された、光源(12)と、
アーチ形状で、前記光源(12)の前に拡がる、光拡散スクリーン(8)と、を備え、
ここで前記検査トンネル(2)は、
前記光拡散スクリーン(8)が前記光源(12)のうち少なくともいくつかに接触することを特徴とする、検査トンネル(2)。
【請求項2】
前記光拡散スクリーン(8)は、2つの端部を伴う連続したアーチ形状のストリップを形成し、2つの前記端部における押圧力によって、前記光源(12)との接触が保持される、請求項1に記載の検査トンネル(2)。
【請求項3】
連続したストリップ(8)の2つの前記端部における押圧力は、2つの前記端部それぞれに対する制止ピース(6.3)によって実現される、請求項2に記載の検査トンネル(2)。
【請求項4】
前記光拡散スクリーン(8)は、前記光源(12)に接触した第1の透明層(8.1)と、前記第1の透明層(8.1)に重ねられて前記検査トンネルの外面を形成する第2の拡散層(8.2)と、を備える、請求項1~3のうちいずれか一項に記載の検査トンネル(2)。
【請求項5】
並べて配置され、かつ前記検査トンネルの主軸(4)に沿って延びたボックス(10)をさらに備え、前記ボックス(10)は、前記フレーム(6)によって保持され、前記光源(12)を支持する、請求項1~4のうちいずれか一項に記載の検査トンネル(2)。
【請求項6】
各ボックス(10)は、前記検査トンネル(2)の前記主軸(4)に向かって配向された光源(12)が設けられた、1つまたは複数の回路基板(14)を保持する、請求項5に記載の検査トンネル(2)。
【請求項7】
各ボックス(10)は、前記光源を冷却するよう前記光源(12)の背面に接触する空気を伴う、内容積を形成する、請求項5または6に記載の検査トンネル(2)。
【請求項8】
前記ボックス(10)の各々によって支持された前記光源(12)は、10mm以下及び/または少なくとも4mmのピッチの格子を形成する、請求項5~7のうちいずれか一項に記載の検査トンネル(2)。
【請求項9】
前記検査トンネル(2)は平均内側半径を示し、各ボックス(10)は、前記平均内側半径の10%以下、好ましくは8%以下の幅を示す、請求項5~8のうちいずれか一項に記載の検査トンネル(2)。
【請求項10】
前記光源(12)を個々に操作するための、制御ユニット(18)をさらに備える、請求項1~9のうちいずれか一項に記載の検査トンネル(2)。
【請求項11】
前記光源(12)及び前記制御ユニット(18)は、様々な照明パターンを選択的に形成するように構成される、請求項10に記載の検査トンネル(2)。
【請求項12】
前記照明パターンのうち少なくとも1つは、明暗交互の縞模様を形成し、それらの間に、好ましくは正弦曲線形状の漸進的なグレイレベルの変化を伴う、請求項11に記載の検査トンネル(2)。
【請求項13】
少なくとも1つの前記照明パターンは、変化させることができる周期及び配向を伴って周期的である、請求項12に記載の検査トンネル(2)。
【請求項14】
様々な前記照明パターンを、選択的に静的とするか、または方向に沿って、好ましくは前記検査トンネルの主軸(4)に沿って、動的とすることができる、請求項11~13のうちいずれか一項に記載の検査トンネル(2)。
【請求項15】
前記動的照明パターンは、調整可能なスピードで移動する、請求項14に記載の検査トンネル(2)。
【請求項16】
前記制御ユニット(18)は、検査される前記物体の、前記検査トンネルに対するスピードを表わす信号のための入力部を備え、前記制御ユニット(18)は、検査される前記物体のスピード未満の値で、前記動的照明パターンのスピードを調整するよう構成される、請求項15に記載の検査トンネル(2)。
【請求項17】
検査される前記物体(15)の前記外面(15.1)で反射された前記照明パターンの画像を捕捉するよう配置された、少なくとも1つのカメラ(16)をさらに備える、請求項11~16のうちいずれか一項に記載の検査トンネル(2)。
【請求項18】
前記制御ユニット(18)は、デフレクトメトリによって表面欠陥を識別するために、少なくとも1つの前記カメラ(16)で捕捉された画像を処理するよう構成される、請求項17に記載の検査トンネル(2)。
【請求項19】
少なくとも1つの前記カメラ(16)で捕捉された画像の処理は、位相をシフトするデフレクトメトリを使用する、請求項12、13、及び18のうちいずれか一項に記載の検査トンネル(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面検査、より詳細には、例えばデフレクトメトリなどの、反射光による表面検査に向けられる。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2019/223847号で公開された先行特許文献は、車両などの検査される物体の、反射する外面を照らすための、検査トンネルを開示している。このトンネルは全体的にアーチ形状であり、おおよそ半円を形成するフレームと、このフレームに保持された発光ダイオード(LED)タイプの一連の光源と、を備える。これらのLEDは、回路基板に格子状に配置される。この回路基板は、湾曲したものであるか、または初めは平坦だか後でアーチを形成するよう曲げられる。光拡散シートまたは光分散シートは、回路基板と光拡散シートまたは光分散シートとの間にスペーサを設けることで、ある距離をとってLEDと向かい合わせで設けられる。これは、光拡散シートまたは光分散シートの全てにわたって均質の光配分を実現するため、すなわち30%未満の光度変動で実現するために、特別に設計された二重壁構造をもたらす。この検査トンネルは、均質の照明を提供し、その一方で、軽量で可動性があり、かつモジュール構造で特別に設計される。この検査トンネルは、デフレクトメトリのため、すなわち照明パターンの変形によって表面欠陥を検出するため、には設計されていない。
【0003】
独国特許出願公開第10129972号明細書で公開された先行特許文献は、前述の文献と同様に、車両などの検査される物体の、反射する外面を照らすための、検査トンネルを開示している。この検査トンネルはアーチ形状であり、やはり均質の光配分を実現するために、LEDタイプの光源の格子と、ある距離でこれらLEDに向かい合わせで配置された光拡散シートまたは光分散シートと、を備える。
【0004】
独国実用新案第202004009194号明細書で公開された先行特許文献は、前述の文献と同様に、車両などの検査される物体の、反射する外面を照らすための、検査トンネルを開示している。この検査トンネルは、隣接して並び、かつ検査トンネルの主軸に沿って配向された、一連のモジュールを備える。各モジュールは、一方の側にLEDを保持する平坦な基板と、反対の側に冷却リップと、を備える。平面的な光拡散シートまたは光分散シートが、均質の光配分を実現するために、ある距離でLEDに向かい合わせで配置される。
【0005】
国際公開第2009/007129号で公開された先行特許文献は、車両などの検査される物体の、反射する外面を照らすための、検査トンネルを開示している。このトンネルもアーチ形状であり、検査トンネルの内側に配置され、明暗交互の縞模様の照明パターンを生成するよう構成された、LEDタイプの光源の格子を備える場合がある。この検査トンネルは、検査される物体の外面で反射された照明パターンの画像を捕捉するよう配置された、カメラも備える。例えば車両である、検査される物体は、移動プラットフォームによって、検査トンネルを移動して抜ける。検査トンネルを通る物体の移動中に捕捉された画像は、その後表面欠陥の検出のために処理される。しかし、デフレクトメトリによる画像処理は、詳細に説明されていない。この検査トンネルの主な目的及び利点は、照明パターンが静的であるために、安価で簡易な手段で実現できることである。この教示による検査トンネルは、数台のカメラの各々が、検査される物体の外面で反射したパターンの画像を確実に捕捉するよう、特定の長さを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2019/223847号
【特許文献2】独国特許出願公開第10129972号明細書
【特許文献3】独国実用新案第202004009194号明細書
【特許文献4】国際公開第2009/007129号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の先行技術における欠点の少なくとも1つを克服するための、技術的課題を有する。より詳細には、本発明は、より小型かつより効率的な設計の検査トンネルを提供するための、技術的課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、検査される物体の外面を照らすための検査トンネルに向けられ:検査トンネルのアーチ形状のフレーム;このフレームの内面に配分されて、物体の外面を照らすよう構成された光源;アーチ形状で、光源の前に拡がる、光拡散スクリーン、を備える。この光拡散スクリーンは、光源の少なくともいくつかに接触する。
【0009】
好ましい実施形態によると、光拡散スクリーンは、2つの端部を伴う連続したアーチ形状のストリップを形成し、これら2つの端部における押圧力によって、光源との接触が保持される。
【0010】
好ましい実施形態によると、連続したストリップの2つの端部における押圧力は、2つの端部それぞれに対する制止ピースによって実現される。
【0011】
有利には、各制止ピースは、フレームに堅固に装着された支持部、光拡散スクリーンの縁部に係合するレール、及び支持部とレールとの間の相対位置を調整するための手段、を備える。これらの手段は、ネジ締めとすることができる。レールは、光拡散スクリーンの縁部を受け入れるスロットを示すことができる。
【0012】
好ましい実施形態によると、光拡散スクリーンは、光源に接触した第1の透明層と、第1の透明層に重ねられ、かつ検査トンネルの外面を形成する第2の拡散層と、を備える。
【0013】
好ましい実施形態によると、検査トンネルは、並べて配置されて検査トンネルの主軸に沿って延びた、ボックスをさらに備える。これらのボックスは、フレームによって保持され、光源を支持する。
【0014】
好ましい実施形態によると、各ボックスは、検査トンネルの主軸に向かって配向された光源が設けられた、1つまたは複数の回路基板を保持する。
【0015】
好ましい実施形態によると、各ボックスは、これらの光源を冷却するよう光源の背面に接触する空気を伴う、内容積を形成する。
【0016】
好ましい実施形態によると、ボックスの各々によって支持された光源は、10mm以下及び/または少なくとも4mmのピッチの格子を形成する。
【0017】
好ましい実施形態によると、上記の検査トンネルは平均内側半径を示し、各ボックスは、この平均内側半径の10%以下、好ましくは8%以下の幅を示す。
【0018】
好ましい実施形態によると、検査トンネルは、光源を個々に操作するための制御ユニットをさらに備える。この制御ユニットは、互いに電気接続され、検査トンネルのできるだけ様々な箇所に配置された、いくつかのサブユニットから成る場合がある。
【0019】
好ましい実施形態によると、光源及び制御ユニットは、様々な照明パターンを選択的に形成するように構成される。
【0020】
好ましい実施形態によると、照明パターンのうち少なくとも1つは、明暗交互の縞模様を形成し、それらの間に好ましくは正弦曲線形状の、漸進的なグレイレベルの変化を伴う。
【0021】
好ましい実施形態によると、少なくとも1つの照明パターンは、変化させることができる周期及び配向を伴って、周期的である。
【0022】
好ましい実施形態によると、様々な照明パターンを、ある方向に沿って、好ましくは検査トンネルの主軸に沿って、選択的に静的または動的とすることができる。
【0023】
好ましい実施形態によると、動的照明パターンは、調整可能なスピードで移動する。
【0024】
好ましい実施形態によると、制御ユニットは、検査される物体の検査トンネルに対するスピードを表わす信号のための、入力部を備える。この制御ユニットは、検査される物体のスピード未満の値で、動的照明パターンのスピードを調整するよう構成される。
【0025】
好ましい実施形態によると、検査トンネルは、検査される物体の外面で反射された照明パターンの画像を捕捉するよう配置された、少なくとも1つのカメラをさらに備える。
【0026】
好ましい実施形態によると、制御ユニットは、デフレクトメトリによって表面欠陥を識別するために、少なくとも1つのカメラで捕捉された画像を処理するよう構成される。
【0027】
好ましい実施形態によると、少なくとも1つのカメラで捕捉された画像の処理は、位相をシフトするデフレクトメトリを使用する。
【0028】
本発明は、検査される物体の外面を照らすための検査トンネルに向けることもでき:検査トンネルのアーチ形状のフレーム;このフレームの内面に配分されて、物体の外面を照らすよう構成された光源;これらの光源を個々に操作するための制御ユニット、を備える。光源及び制御ユニットは、様々な照明パターンを選択的に形成するよう構成される。
【0029】
好ましい実施形態によると、照明パターンのうち少なくとも1つは、明暗交互の縞模様を形成し、それらの間に好ましくは正弦曲線形状の、漸進的なグレイレベル変化を伴う。
【0030】
好ましい実施形態によると、少なくとも1つの照明パターンは、変化させることができる期間及び配向を伴って、周期的である。
【0031】
好ましい実施形態によると、様々な照明パターンを、ある方向に沿って、好ましくは検査トンネルの主軸に沿って、選択的に静的または動的とすることができる。
【0032】
好ましい実施形態によると、動的照明パターンは、調整可能なスピードで移動する。
【0033】
好ましい実施形態によると、制御ユニットは、検査される物体の、検査トンネルに対するスピードを表わす信号のための、入力部を備える。この制御ユニットは、検査される物体のスピード未満の値で、動的照明パターンのスピードを調整するよう構成される。
【0034】
好ましい実施形態によると、検査トンネルは、検査される物体の外面で反射された照明パターンの画像を捕捉するよう配置された、少なくとも1つのカメラをさらに備える。
【0035】
好ましい実施形態によると、制御ユニットは、デフレクトメトリによって表面欠陥を識別するために、少なくとも1つのカメラで捕捉された画像を処理するよう構成される。
【0036】
好ましい実施形態によると、少なくとも1つのカメラで捕捉された画像の処理は、位相をシフトするデフレクトメトリを使用する。
【発明の効果】
【0037】
本発明は、検査トンネルの性能が実質的に向上される点で、特に興味深い。
【0038】
実際、光拡散スクリーンと光源との間の接触は、画像の非常に高い解像度を維持し、その一方で画像が画素を示すのを防止する。検査トンネルの組立て作業も簡略化する。
【0039】
光源を支持するボックスの使用も、光源を効率的に冷却できる点、及び並べて置かれた一連の回路基板によって形成された、光源の連続した格子を設ける点で、興味深い。光源を、市販で限定されたコストの、平面的な回路基板上に設けることができる。光源及び光拡散スクリーンは、デフレクトメトリで有用な照明パターン、すなわち10~200mm、好ましくは20~150mm、より好ましくは30~120mmで構成できる幅を伴う干渉縞パターン、を生成するための非常に高い解像度を伴う、照明ディスプレイを形成する。
【0040】
選択的な様々な照明パターンを生成することは、例えば表面形状及び/または検出される表面欠陥のタイプなど、関連のパターンを検査される外面に適応させるために、特に有用である。方形部分の輝度プロファイルを伴う干渉縞パターンを生成することは、車体の窪みなどの、より大きい欠陥を検出するために有用な場合があり、その一方で、正弦曲線部分の輝度プロファイルを伴う干渉縞パターンを生成することは、車体の塗料中における粒子または繊維含有物などの、より小さい欠陥を検出するために有用な場合がある。
【0041】
動的パターン、すなわち移動するパターンを生成することも、移動する検査される物体と照明パターンとの間の相対的スピードを低減させるなど、制御するのを可能にすることによって、検査条件すなわち検査スタッフを楽にする検査条件を向上させる点で、特に興味深い。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明による検査トンネルの正面斜視図である。
図2図1の検査トンネルの中央部分における、上部斜視図である。
図3図2の検査トンネルの中央部分における、ボックス及び光拡散スクリーンの斜視図である。
図4図1図3の検査トンネルにおけるボックスの斜視図である。
図5図1図3の検査トンネルの中央部分における、ボックスの正面図である。
図6図1図3の検査トンネルの中央部分における、分解組立図である。
図7】光拡散スクリーンの可能な構成の分解組立図である。
図8図6における制止ピースの一部の、詳細斜視図である。
図9】光源に接触した光拡散スクリーンの一部を示す図である。
図10】本発明の検査トンネルを用いて表面欠陥を検出する原理を示す、概略図である。
図11】本発明の検査トンネルによって生成できる、2つのタイプの照明パターンを示す図である。
図12図11の照明パターンの、反射画像を示す図である。
図13】正弦曲線、及び垂直方向の正弦曲線の、2つの照明パターンの反射画像を示す図である。
図14】異なる周期の、2つの正弦曲線の照明パターンにおける、周期の動的変化を示す図である。
図15】静的照明パターンと比較した、動的照明パターンの効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1図3は、本発明による検査トンネルの異なる図である。
【0044】
明白であるように、検査トンネル2は、一般的に主軸4を伴うアーチ形状である。アーチ形状は、円弧すなわち一定の半径Rを伴うものの一部であるか、または変化する半径Rを伴う、より複雑な外形を示す場合がある。検査トンネル2は、検査トンネルのアーチ形状を伴うフレーム6を備える。このフレームは、光源の格子(図1図3では視認できない)と、これら光源に向かい合わせで配置された光拡散スクリーン8と、を保持する。検査トンネル2は、隣接して互いに並べられ、かつ主軸4に沿って配向されて配置された、ボックス10をさらに備える。ボックス10は、フレーム6によって保持され、光源を支持する。ボックスは、光拡散スクリーン8と共に、主軸4に向けて配向されたアーチ形状の照明面を生成するよう、フレーム6のアーチ形状に沿って配置される。
【0045】
検査トンネルを、モジュール化で、すなわち共に組立てられる別個の部分で、作ることができる。例えば、180°より大きい、例えば200°より大きい、好ましくは220°より大きい扇形にわたって拡がるアーチ形状を形成するよう、図1の検査トンネル2を、その下端部において追加のモジュールによって補完することができる。
【0046】
図2は、図1の検査トンネルの中央部分を例示する。フレーム6は、例えば全体的にアーチ形状の2つの横断方向ビーム6.1と、アーチ形状の2つの横断方向ビーム6.1に相互接続したいくつかの長手方向ビーム6.2と、を備える。ボックス10は、アーチ形状である2つの横断方向ビーム6.1の間で長手方向に延び、かつそれらに締付けブラケット(図示せず)によって装着される。
【0047】
図3を参照すると、光拡散スクリーン8は、ボックス10の湾曲した外形に、すなわち2つの横断方向ビーム6.1におけるアーチ形状の外形に、追従する。その目的のため、光拡散スクリーン8は、ボックスに支持された光源の格子に対して押圧される。
【0048】
フレーム6、すなわち横断方向ビーム6.1及び長手方向ビーム6.2は、有利には鉄鋼などの金属で作られるが、他の材料が考慮される場合があることを理解されたい。
【0049】
図4及び図5は、ボックス10の1つの、2種類の図である。
【0050】
明白であるように、各ボックス10は、長手方向に沿って延び、光源12の1つの主面を支持する。光源12は、4~10mmで構成され得るピッチで、格子状に配置される。光源12はLEDタイプの光源であり、有利にはx方向及びy方向の2つの方向において、同じピッチで配置される。それらは、ボックス10に取り付けられた1つまたはいくつかの回路基板14に配置される。各ボックス10は、ボックス全体にわたって連続した均質な光源の格子を形成するように、隣接して並べて配置された、いくつかの回路基板を備えることができる。より詳細には、各ボックス10は、1つまたは複数の回路基板14によって覆われた主な開口面を伴い、全体的に直方体とすることができる。ボックス10の内容積は、1つまたは複数の回路基板14の後面に接触する、空気を含む。内容積における空気の自然または強制的な循環で、光源12の冷却を実現することができる。1つまたはいくつかの電気ファンを、空気循環を強制するために、ボックス10に設けることができる。入口及び出口換気部(図示せず)を、適切な空気循環、すなわち自然または強制循環を可能にするために、ボックスに設けることができる。
【0051】
光源12を支持する1つまたは複数の回路基板14を、例えば検査トンネル2(図1及び図2)のフレーム6において、ボックス10上またはボックスの外側に取り付けられた専用のドライバに接続することができる。各光源12を、光度及び有利には色についても、個々に制御することができる。光源12の格子を伴う回路基板14及び好適なドライバは、市販されているので、さらに詳述する必要はない。
【0052】
有利には、各ボックス10は、光源12を伴う1つまたは複数の回路基板14を支持する主な開口面の周りに、フランジを形成する。このフランジは、光源12を伴う1つまたは複数の回路基板14の外側部を受け入れる。
【0053】
有利には、光源12を伴う各回路基板14は、隣のボックス10の回路基板に直接隣接するよう、対応したフランジの縁部まで、または縁部を越えて、横断方向に拡がる。それによって、検査トンネルのアーチ形状の外形に沿って光源の連続した格子を提供する。
【0054】
ボックス10は、有利には鉄鋼などの金属で作られるが、他の材料が考慮される場合があることを理解されたい。
【0055】
図6は、図2の検査トンネル2における中央部分の分解組立図である。光拡散スクリーン8が、ボックス(図示せず)において光源と接触する第1の層8.1と、光源の反対側で第1の層8.1に重ねられた第2の層8.2と、を備えるのを確認できる。第1の層8.1は、有利には透明であり、第2の層8.2は、有利には例えば粒子が大きい表面、及び/または透明材料または半透明材料の内側に拡散粒子、を伴う光拡散層である。光拡散スクリーン8は、フレーム6の横断方向ビーム6.1に装着された制止ピース6.3に当接した2つの端部を伴う、連続したストリップを形成する。制止ピース6.3は、例えば第1の層8.1及び第2の層8.2の各々における、光拡散スクリーン8の両端面に圧力を加えるよう、設計される。この圧力は、光拡散スクリーン8を形成する1つまたはいくつかの層が変形して、光源を支持する光源の外形に追従するのを可能にする。この追従は、光拡散スクリーン8の内側及び上側が、光源の50%より大きい、好ましくは60%より大きい、より好ましくは70%より大きい接触をもたらす。
【0056】
フレーム6は、その上面を覆うパネル6.4を備えることができる。
【0057】
光拡散スクリーン8と光源との密接な接触は、正確な照明パターンの形成を可能にし、その一方で視認できる画素の形成を防止する。実際、光拡散スクリーン8なしでは、生成された照明ビームは、光源のように多くの画素を示し、その一方で先行技術のような、光源から距離をおいて配置された光拡散スクリーンは、円滑な輝度の移行のみしか生成しないポイントまで、すなわち鮮明な移行のないポイントまで、照明ビームを均質にする。光源に対して、一定の距離に光拡散スクリーン8を位置付けることは、このように大きい規模では困難である場合がある。したがって、弾性的に光拡散スクリーン8を光源に対して押圧することは、画像の鮮明さと画素の影響との間の良好な折り合いを実現し、その一方で正確かつ簡単な取り付けを提供する点で、特に興味深い。
【0058】
さらに、2つの重ねた第1の透明層8.1及び第2の拡散層8.2を使用することは、第2の層8.2への光の拡散を制限する点で、興味深い。第1の層8.1は、ほとんど拡散なく光を透過する一方で、第2の層8.2は、光を透過し、かつ拡散する。第2の層8.2の厚さ及び特性は、光の拡散レベルを調整するために選択することができる。
【0059】
上記で説明した検査トンネルの中央部における構造は、検査トンネルにおける任意選択の追加部分か、またはモジュールに適用される。
【0060】
図7は、光拡散スクリーン8の可能な構成の、分解組立斜視図である。明白であるように、第1の層8.1は、例えば長手方向面に対して対称である、2つのセグメント8.1.1及び8.1.2から構成される。第2の層8.2は、例えば中央セグメント8.2.1と、例えば対称である2つの側方セグメント8.2.2及び8.2.3と、の3つのセグメントから構成される。それによって、2つの隣接したセグメント間の接合部における、光の攪乱を制限するために、両層8.1及び8.2の分割部を、ずらすことになる。層の隣接したセグメント間の2つの接合部を重ねることは、実際にこの接合部において、光学的摂動を強めることになる。機械的な調整及び嵌合の観点で、このずらした配置も、セグメントの隣接した端面を整合させる助けとなる点で、特に興味深い。セグメントの数、及びそれらの配分を、図7で例示したものとは異なるものとすることができる。
【0061】
図8は、図6に例示された制止ピース6.3の、一部の詳細図である。制止ピース6.3は、検査トンネルの主軸に沿って延びた支持部6.3.1と、やはり検査トンネルの主軸に沿って延び、かつ光拡散スクリーン8の縁部を受け入れるスロットを伴う、レール6.3.2と、支持部6.3.1及びレール6.3.2に係合する一連の締付けネジ6.3.3と、を備える。これらの締付けネジ6.3.3は、実質的に光拡散スクリーン8の縁部と同じ面に延びる。締付けネジ6.3.3は、支持部6.3.1に対するレール6.3.2の位置を繊細に調整することによって、光拡散スクリーン8の縁部に押圧力を加えることができる。
【0062】
明白であるように、レール6.3.2はスロットを示し、そこに光拡散スクリーン8の縁部が係合する。このスロットは、図8で視認できるように、段差が付いた底面を示し、光拡散スクリーン8の異なる層の縁部をずらすことを可能にする。
【0063】
図9は、光源に接触した光拡散スクリーンの一部を概略で示す。光源12を支持する3つの隣接した回路基板14と、光拡散スクリーン8の対応した部分とを示す。光拡散スクリーン8は、単層として概略で例示されるが、上述のように多層にできることを理解されたい。光拡散スクリーン8の両端部に加えられる押圧力が、2本の矢印で例示される。それは、光拡散スクリーン8が、回路基板14に支持された光源12の外形に、良好に追従するのを可能にする。この外形は、回路基板14の平面形状のために、完全に湾曲されず、その一方で、光拡散スクリーン8は、完全な湾曲外形をとる。光源12のほとんどは、光拡散スクリーン8によって接触される。しかし、光拡散スクリーン8によって接触されない光源12は、光拡散スクリーン8まで非常に限定された距離であり、例えば5mm未満である。
【0064】
回路基板14は、好ましくは平面であり、曲げられない。光源の格子を支持する可撓性回路基板を使用する可能性もある。そのときボックスを、回路基板を受け入れる主な開放面において、湾曲した断面外形を示すように構築することができ、それによって上記の基板が湾曲した外形をとるのを可能にする。しかしこのような構造は、より高価である。
【0065】
図10は、本発明の検査トンネルを用いて表面欠陥を検出する原理を示す、概略図である。
【0066】
検査トンネル2は、少なくとも1つのカメラ16、及び制御ユニット18または電子機器を備えることができる。制御ユニット18または電子機器は、カメラ16によって捕捉された画像を処理するため、及び外面15.1を検査される物体15に向けられた、光拡散スクリーン8によって発せられた照明パターンを制御するため、のものである。使用者によるパラメータの選択に基づく制御ユニット18は、所与の照明パターン、例えば明暗交互の縞模様で構成された干渉縞パターンを形成するよう、光源を制御する。このパターンは、検査される物体15に向けて発せられる。その反射する外面15.1は、この照明パターンを、カメラ16に向けて反射する。カメラ16は、反射した照明パターンの画像を捕捉する。物体15の照らされた外面15.1に欠陥が存在する場合、この欠陥は、縞干渉パターンまたは縞模様の照明パターンの、実質的な変形を示すことになる。この現象はデフレクトメトリに基づき、ここで欠陥の外面15.1の勾配における局所的変化は、この外面で反射されたパターンの形状を、実質的に変える。これは、画像を処理しながら、欠陥を、より可視化かつ検出可能にする。実際、画像処理は、画素の光度値に基づいて、明と暗との縞模様間の境界を判断できる。
【0067】
図11は、2つの照明パターンを示す。それらは、本発明による検査トンネルが、例えば縞模様間に鮮明な輝度の変化を伴う明暗交互の縞模様における第1のパターンと、縞模様間に漸進的な輝度の変化を伴う明暗交互の縞模様における第2のパターンと、を生成することができる。第1のパターンは、図8の左に例示され、その一方で第2のパターンは、図8の右に例示される。第1のパターンは、例えば矩形断面の輝度外形を示し、その一方で第2のパターンは、正弦曲線形断面の輝度外形を示す。これら2つのパターンを、上述の構造による検査トンネルによって、すなわち、基本的に光源の格子の解像度すなわちそのピッチと、光拡散スクリーンと、光源の個々の制御と、によって生成することができる。
【0068】
明暗交互の縞模様間の、鮮明な輝度の変化を伴うパターンは、突起または窪みなどの大きいスケールの表面欠陥を検出し、評価することで興味深い。その理由は、欠陥が縞模様の幅にわたって拡がり、それによる明暗の縞模様間における境界の変形によって、目立つことになるためである。
【0069】
明暗交互の縞模様間の、漸進的な輝度の変化を伴うパターンは、塗料における埃及び/もしくは繊維の含有物、または塗料の垂れなど、小さいスケールの表面欠陥を検出し、評価することで興味深い。このような欠陥は、明暗交互の縞模様間の鮮明な輝度の変化を伴うパターンの縞模様に、完全に含まれがちである。明暗交互の縞模様間の漸進的な輝度の変化を伴うパターンを用いると、欠陥は明暗の間におけるグレイスケールレベルの移行まで延び、視認可能となりがちである。
【0070】
上記は図12に例示され、左に、明暗交互の縞模様間の鮮明な輝度の変化を伴うパターンが示され、塗料中の粒状含有物である欠陥は、視認できない。右では、明暗交互の縞模様間の漸進的な輝度の変化を伴うパターンが使用され、欠陥は良好に視認できる。
【0071】
図13は、明暗交互の縞模様間の漸進的な輝度の変化を伴う2つのパターンを示し、左は長手方向に向けられたパターで、右は横断方向に向けられたパターンである。欠陥は、例えば塗料中の含有物である欠陥が、各パターンによって明らかにされていることが、確認できる。欠陥が細長い形状を示す場合、このような2つのパターンを使用することが、より良好な識別のために有用である。
【0072】
図14は、明暗交互の縞模様間の漸進的な輝度の変化、及び異なる周期を伴う、2つのパターンを示す。右のパターンは、左のパターンよりも長い周期を示す。本発明の検査トンネルは、パターンのタイプを選択するだけではなく、例えば周期であるその形状も調整することが可能である。これは、所与のスケールの欠陥に焦点を当てるために、特に有用となり得る。
【0073】
図15は、静的照明パターンではなく、検査される物体と同じ方向に移動する動的照明パターンを有することの、効果及び利点を、比較して例示する。
【0074】
図15中の1、2、3、及び4は、連続した段階に相当し、検査される物体は、検査トンネル2に対して前方(すなわち右から左)へ移動している。
【0075】
段階1において、検査トンネル2から発せられた照明パターンは、フロントウイングの後部及び前ドアを覆い、その一方で段階2、3、及び4において、照明パターンは漸進的に前輪泥よけを離れ、後ドアに到達する。物体に固定された垂直基準ラインが、表わされる。上部照明パターンは静的であり、下部照明パターンは動的である。
【0076】
段階1において、基準線は、静的及び動的パターンの各々における、明るい縞模様上にある。
【0077】
段階2において、基準線は、静的パターンにおいて明るい縞模様から離れて、暗い縞模様に到達している。その一方で基準線は、動的パターンにおいて明暗の縞模様間の境界にある。換言すると、検査される移動する物体と、照明パターンとの間の相対的スピードは、動的パターンでは低下する。なぜなら動的パターンは、物体と同じ方向に、しかしより低スピードで移動するからである。段階4において、段階1と比較すると、基準ラインは、動的パターンの1周期を越えて移動しており、その一方で静的パターンの約1.5周期を越えている。
【0078】
上記の動的パターンは、移動する物体に反射したパターンの目視検査を進めるオペレータに、より多くの時間を提供することが、特に興味深い。
【0079】
検査トンネルの制御ユニットは、検査トンネルに対する、検査される物体の移動スピードを表わす信号のための入力部を備えることができる。制御ユニットは、例えば一定である、制御された相対的スピードを提供するよう、検査される物体の移動スピードに依拠して、動的パターンの移動スピードを調節するよう構成することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】