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特表2023-530018デジタル通貨指向性取引の方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-12
(54)【発明の名称】デジタル通貨指向性取引の方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20230705BHJP
【FI】
G06Q20/40 330
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578632
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(85)【翻訳文提出日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 CN2021116381
(87)【国際公開番号】W WO2022142437
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011637488.0
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514319869
【氏名又は名称】天地融科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】李 東声
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA72
(57)【要約】
デジタル通貨指向性取引の方法及びシステムであって、支払人のウォレットは発行装置によって発行された方向性デジタル通貨を受け取り、該方向性デジタル通貨を支払う場合、保管された全部のデジタル通貨からデジタル通貨組み合わせを選択して支払い、選択されたデジタル通貨組み合わせが条件を満たす場合のみ、受取人のウォレットに支払い、受取人のウォレットは支払情報を受信するとともに、検証が成功した後該支払情報を記憶し、方向性デジタル通貨の支払を完成し、これにより専用の資金を専用の目的に使用することを確保する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル通貨指向性取引の方法であって、
支払人のウォレットが発行装置によって発行された方向性デジタル通貨を受け取るステップであって、前記方向性デジタル通貨は前記発行装置により方向性識別をデジタル通貨に書き込んだ後に生成され、前記方向性識別は通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性のうちの1つを少なくとも含むステップと、
前記支払人のウォレットが前記方向性デジタル通貨を保管するステップと、
前記支払人のウォレットが受取人のウォレットと通信を確立し、前記受取人のウォレットによって送信された受取命令を受信するステップであって、前記受取命令は受取金額、受取人身元情報、通貨使用情報及び受取人情報を少なくとも含むステップと、
前記支払人のウォレットが前記受取人身元情報に応じて前記受取人のウォレット身元を検証し、前記受取人のウォレット身元が成功したことを検証する場合、前記受取金額に応じて支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択するステップと、
前記支払人のウォレットが、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が前記通貨使用情報に一致するかどうか、受取人属性が前記受取人情報に一致するかどうか、及び前記通貨流通属性が予め設定された属性に一致するかどうかを検証するステップと、
前記支払人のウォレットが、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が前記通貨使用情報に一致せず、受取人属性が前記受取人情報に一致せず、及び/又は前記通貨流通属性が予め設定された属性に一致しないことを検証する場合、残りのデジタル通貨組み合わせがあるかどうかを判断し、残りのデジタル通貨組み合わせがあると、前記受取金額に応じて支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択する操作を実行し、残りのデジタル通貨組み合わせがないと、取引を終止するステップと、
前記支払人のウォレットが、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が前記通貨使用情報に一致し、受取人属性が前記受取人情報に一致し、且つ前記通貨流通属性が予め設定された属性に一致することを検証する場合、支払情報を生成するステップであって、前記支払情報は、前記デジタル通貨組み合わせと前記デジタル通貨組み合わせに支払操作を実行することによって生成された支払データチェーンを少なくとも含むステップと、
前記支払人のウォレットが前記支払情報を前記受取人のウォレットに送信するステップと、
前記受取人のウォレットが、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性が予め設定された制限を満たすかどうかを検証するステップと、
前記受取人のウォレットが、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性がいずれも予め設定された制限を満たす場合、前記支払データチェーンを確認し、前記支払データチェーンの確認が成功した後前記支払情報を記憶するステップと、
前記受取人のウォレットが、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性の少なくとも1つが予め設定された制限を満たさないことを検証する場合、取引を終止するステップと、を含むことを特徴とするデジタル通貨指向性取引の方法。
【請求項2】
デジタル通貨方向性取引のシステムであって、支払人のウォレットと受取人のウォレットとを含み、
前記支払人のウォレットは、発行装置によって発行された方向性デジタル通貨を受け取ることであって、前記方向性デジタル通貨は前記発行装置により方向性識別をデジタル通貨に書き込んだ後に生成され、前記方向性識別は通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性のうちの1つを少なくとも含むことと、前記方向性デジタル通貨を保管することと、受取人のウォレットと通信を確立し、前記受取人のウォレットによって送信された受取命令を受信することであって、前記受取命令は受取金額、受取人身元情報、通貨使用情報及び受取人情報を少なくとも含むことと、前記受取人身元情報に応じて前記受取人のウォレット身元を検証し、前記受取人のウォレット身元が成功したことを検証する場合、前記受取金額に応じて支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択することと、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が前記通貨使用情報に一致するかどうか、受取人属性が前記受取人情報に一致するかどうか、及び前記通貨流通属性が予め設定された属性に一致するかどうかを検証することと、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が前記通貨使用情報に一致せず、受取人属性が前記受取人情報に一致せず、及び/又は前記通貨流通属性が予め設定された属性に一致しないことを検証する場合、残りのデジタル通貨組み合わせがあるかどうかを判断し、残りのデジタル通貨組み合わせがあると、前記受取金額に応じて支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択する操作を実行し、残りのデジタル通貨組み合わせがないと、取引を終止することと、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が前記通貨使用情報に一致し、受取人属性が前記受取人情報に一致し、且つ前記通貨流通属性が予め設定された属性に一致することを検証する場合、支払情報を生成することであって、前記支払情報は、前記デジタル通貨組み合わせと前記デジタル通貨組み合わせに支払操作を実行することによって生成された支払データチェーンを少なくとも含むことと、前記支払情報を前記受取人のウォレットに送信することと、に用いられ、
前記受取人のウォレットは、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性が予め設定された制限を満たすかどうかを検証することと、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性がいずれも予め設定された制限を満たす場合、前記支払データチェーンを確認し、前記支払データチェーンの確認が成功した後前記支払情報を記憶することと、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性の少なくとも1つが予め設定された制限を満たさないことを検証する場合、取引を終止することと、に用いられることを特徴とするデジタル通貨方向性取引のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子技術分野に関し、特にデジタル通貨指向性取引の方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
国家特別基金補助金は、国家又は関連部門又は上位部門が特別に指定された目的又は特別な目的を持って割り当てた資金である。そのような資金は、別の会計、専用の資金を専用の目的に使用する必要とし、他の目的に使用することはできない。従来のモードでは、資金補助金が口座に発行された後、資金の使用状況を審査及び監督するために特別な機関が必要になる場合が多く、人件費がかかり、且つ詐欺が発生しやすい。専用の資金を専用の目的に使用することをより確保するように、デジタル通貨の技術的特性をどのように使用するかは、研究に値する問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の主な目的は、デジタル通貨指向性取引の方法を提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、デジタル通貨方向性取引のシステムを提供することである。
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の技術的解決手段は、具体的に以下のように実現される。
【0007】
本発明の一態様は、デジタル通貨指向性取引の方法を提供し、支払人のウォレットが発行装置によって発行された方向性デジタル通貨を受け取るステップであって、方向性デジタル通貨が発行装置により方向性識別をデジタル通貨に書き込んだ後に生成され、方向性識別は通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性のうちの1つを少なくとも含むステップと、支払人のウォレットが方向性デジタル通貨を保管するステップと、支払人のウォレットが受取人のウォレットと通信を確立し、受取人のウォレットによって送信された受取命令を受信するステップであって、受取命令は受取金額、受取人身元情報、通貨使用情報及び受取人情報を少なくとも含むステップと、支払人のウォレットが受取人の身元情報に応じて受取人のウォレット身元を検証し、受取人のウォレット身元が成功したことを検証する場合、受取金額に応じて支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択するステップと、支払人のウォレットがデジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が通貨使用情報に一致するかどうか、受取人属性が受取人情報に一致するかどうか、及び通貨流通属性が予め設定された属性に一致するかどうかを検証するステップと、支払人のウォレットが、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が通貨使用情報に一致せず、受取人属性が受取人情報に一致せず、及び/又は通貨流通属性が予め設定された属性に一致しないことを検証する場合、残りのデジタル通貨組み合わせがあるかどうかを判断し、残りのデジタル通貨組み合わせがあると、受取金額に応じて支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択する操作を実行し、残りのデジタル通貨組み合わせがないと、取引を終止するステップと、支払人のウォレットが、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が通貨使用情報に一致し、受取人属性が受取人情報に一致し、且つ通貨流通属性が予め設定された属性に一致することを検証する場合、支払情報を生成するステップであって、支払情報はデジタル通貨組み合わせとデジタル通貨組み合わせに支払操作を実行することによって生成された支払データチェーンを少なくとも含むステップと、支払人のウォレットが支払情報を受取人のウォレットに送信するステップと、受取人のウォレットがデジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性が予め設定された制限を満たすかどうかを検証するステップと、受取人のウォレットが、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性がいずれも予め設定された制限を満たすことを検証する場合、支払データチェーンを確認し、支払データチェーンの確認が成功した後に支払情報を記憶するステップと、受取人のウォレットが、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性の少なくとも1つが予め設定された制限を満たさないことを検証する場合、取引を終止するステップと、を含む。
【0008】
本発明の他の態様は、デジタル通貨方向性取引のシステムを提供し、支払人のウォレットと受取人のウォレットとを含み、支払人のウォレットは、発行装置によって発行された方向性デジタル通貨を受け取ることであって、方向性デジタル通貨は、発行装置により方向性識別をデジタル通貨に書き込んだ後に生成され、方向性識別は通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性のうちの1つを少なくとも含むことと、方向性デジタル通貨を保管することと、受取人のウォレットと通信を確立し、受取人のウォレットによって送信された受取命令を受信することであって、受取命令は受取金額、受取人身元情報、通貨使用情報及び受取人情報を少なくとも含むことと、受取人身元情報に応じて受取人のウォレット身元を検証し、受取人のウォレット身元が成功したことを検証する場合、受取金額に応じて支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択することと、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が通貨使用情報に一致するかどうか、受取人属性が受取人情報に一致するかどうか、及び通貨流通属性が予め設定された属性に一致するかどうかを検証することと、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が通貨使用情報に一致せず、受取人属性が受取人情報に一致せず、及び/又は通貨流通属性が予め設定された属性に一致しないことを検証する場合、残りのデジタル通貨組み合わせがあるかどうかを判断し、残りのデジタル通貨組み合わせがあると、受取金額に応じて支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択する操作を実行し、残りのデジタル通貨組み合わせがないと、取引を終止することと、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が通貨使用情報に一致し、受取人属性が受取人情報に一致し、且つ通貨流通属性が予め設定された属性に一致することを検証する場合、支払情報を生成することであって、支払情報はデジタル通貨組み合わせとデジタル通貨組み合わせに支払操作を実行することによって生成された支払データチェーンを少なくとも含むことと、支払情報を受取人のウォレットに送信することと、に用いられ、受取人のウォレットは、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性が予め設定された制限を満たすかどうかを検証することと、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性がいずれも予め設定された制限を満たすことを検証する場合、支払データチェーンを確認し、支払データチェーンの確認が成功した後に支払情報を記憶することと、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性の少なくとも1つが予め設定された制限を満たさないことを検証する場合、取引を終止することと、に用いられる。
【発明の効果】
【0009】
上記の本発明による技術的解決手段から分かるように、本発明はデジタル通貨指向性取引の方法及びシステムを提供し、支払人のウォレットは発行装置によって発行された方向性デジタル通貨を受け取り、該方向性デジタル通貨を支払う場合、保管された全部のデジタル通貨からデジタル通貨組み合わせを選択して支払い、選択されたデジタル通貨組み合わせが条件を満たす場合のみ、受取人のウォレットに支払い、受取人のウォレットは支払情報を受信するとともに、検証が成功した後該支払情報を記憶し、方向性デジタル通貨の支払を完成し、これにより専用の資金を専用の目的に使用することを確保する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施例の技術的解決手段をより明確に説明すべく、以下に、実施例を述べるにあたり必要とされる図面について簡単に説明する。なお、以下に記載する図面は本発明の一部実施例であって、当業者であれば、創造的労働を伴わないことを前提に、これら図面から他の図面を更に取得可能であることはいうまでもない。
【0011】
図1】本発明の実施例によるデジタル通貨指向性取引の方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例によるデジタル通貨方向性取引のシステムの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施例の図面と組み合わせて、本発明の実施例の技術的解決手段を明確に、完全に述べるが、なお、述べられる実施例は本発明の一部の実施例であり、すべての実施例ではないことが分かる。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的労働を伴わないことを前提に取得したその他のすべての実施例は、本発明の保護範囲内にある。
【0013】
以下、図面を組み合わせて本発明の実施例を更に詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の実施例によるデジタル通貨指向性取引の方法のフローチャートであり、図1を参照し、本発明の実施例によるデジタル通貨指向性取引の方法は、以下のステップを含む。
【0015】
S1では、支払人のウォレットは発行装置によって発行された方向性デジタル通貨を受け取り、方向性デジタル通貨は発行装置により方向性識別をデジタル通貨に書き込んだ後に生成され、方向性識別は通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性のうちの1つを少なくとも含む。
【0016】
具体的に、国家特別基金補助金のような方向性のあるデジタル通貨が発行されると、発行装置は方向性識別をデジタル通貨に書き込んで方向性デジタル通貨を生成し、後続で該方向性デジタル通貨を使用するとき、方向性のある支払のみを行うことができ、これにより、専用の資金を専用の目的に使用することをより良く確保することができる。
【0017】
方向性識別は通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性を含むことができ、
通貨使用属性は、科学研究の使用、機器の購入の使用、コンサルタント料など、デジタル通貨の使用を指定するために使用され、該通貨使用属性は実際の必要に応じて決定されることができ、
受取人属性は、大学、特定の分野の組織、テクノロジー企業など、デジタル通貨の支払の受取人を指定するために使用され、該受取人属性も実際の必要に応じて決定されることができ、
通貨流通属性は、デジタル通貨が流通できるかどうかを指定するために使用され、デジタル通貨流通属性が流通可能であると、該方向性デジタル通貨が譲渡可能であることを意味し、デジタル通貨属性が流通可能ではないと、譲渡できないことを意味する。
【0018】
S2では、支払人のウォレットは方向性デジタル通貨を保管する。
【0019】
具体的に、ウォレットは、デジタル通貨を保管し、デジタル通貨の支払に使用される機器である。支払人のウォレットは該方向性デジタル通貨を保管し、本発明における支払人のウォレットは発行装置によって発行された対象に使用されるウォレットであり、例えば、発行装置がある大学に発行すると、支払人のウォレットは該大学のウォレットである。
【0020】
S3では、支払人のウォレットは受取人のウォレットと通信を確立し、受取人のウォレットによって送信された受取命令を受信し、受取命令は受取金額、受取人身元情報、通貨使用情報及び受取人情報を少なくとも含む。
【0021】
支払人のウォレットと受取人のウォレットは、有線接続又は無線接続を確立することができ、有線接続は例えばUSB接続等であってもよく、無線接続は例えばNFC接続等であってもよく、直接接続するか、端末を介して間接的に接続することができ、本発明では具体的に制限されない。
【0022】
支払人のウォレットと受取人のウォレットは通信を確立した後、受取人のウォレットによって送信された受取命令を受信し、受取命令に受取金額、受取人身元情報、通貨使用情報及び受取人情報が含まれる。例えば、該受取命令には、20万元の受取金額、受取人のウォレットの証明書、機器購入の使用情報及び受取人がXX公司である情報が含まれることができ、それにより、支払人のウォレットに方向性デジタル通貨を支払うことができるかどうかを検証するように通知する。
【0023】
S4では、支払人のウォレットは受取人の身元情報に応じて受取人のウォレット身元を検証し、受取人のウォレット身元が成功したことを検証する場合、受取金額に応じて支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択する。
【0024】
具体的に、支払人のウォレットは受取人身元情報に応じて受取人身元を検証する場合、例えば受取人のウォレットの証明書を検証することができ、検証が成功した後、該受取人のウォレット身元が合法であることを確認し、受取人のウォレット身元が合法である場合、支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択する。本発明では、説明する必要がある点として、本発明におけるデジタル通貨組み合わせは1つのデジタル通貨であってもよいし、複数のデジタル通貨によって形成された組み合わせであってもよい。
【0025】
S5では、支払人のウォレットはデジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が通貨使用情報に一致するかどうか、受取人属性が受取人情報に一致するかどうか、及び通貨流通属性が予め設定された属性に一致するかどうかを検証する。
【0026】
具体的に、支払人のウォレットはデジタル通貨組み合わせを選択した後、該デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が受取人のウォレットによって送信された通貨使用情報、例えば、機器購入の使用情報に一致するかどうかを判断するとともに、該デジタル通貨組み合わせのうちの受取人属性が受取人のウォレットによって送信された受取人情報、例えばXX公司に一致するかどうかを判断するとともに、通貨流通属性が流通可能であるかどうかを判断する。
【0027】
S6では、支払人のウォレットは、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が通貨使用情報に一致せず、受取人属性が受取人情報に一致せず、及び/又は通貨流通属性が予め設定された属性に一致しないことを検証する場合、残りのデジタル通貨組み合わせがあるかどうかを判断し、残りのデジタル通貨組み合わせがあると、受取金額に応じて支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択する操作を実行し、残りのデジタル通貨組み合わせがないと、取引を終止する。
【0028】
S7では、支払人のウォレットは、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が通貨使用情報に一致し、受取人属性が受取人情報に一致し、且つ通貨流通属性が予め設定された属性に一致することを検証する場合、支払情報を生成し、支払情報はデジタル通貨組み合わせとデジタル通貨組み合わせに支払操作を実行することによって生成された支払データチェーンを少なくとも含む。
【0029】
具体的に、支払人のウォレットはデジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用が通貨使用情報に一致しないこと、受取人属性が受取人情報に一致しないこと、通貨流通属性が流通できないことのいずれか1つを検証する場合、残りの通貨を判断し、残りの通貨があると、S4における受取金額に応じて支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択する操作を実行して戻し、保管された全部のデジタル通貨を検証するまで、条件を満たすかどうかを判断し、いずれも条件を満たさないと、十分な支払い用のデジタル通貨がなく、取引を終止し、条件を満たすデジタル通貨組み合わせがあると、S7に記載の支払情報を生成する操作を実行する。
【0030】
支払情報には、デジタル通貨組み合わせのうちのそれぞれのデジタル通貨、及び支払人のウォレットがデジタル通貨を計算することによって得られた支払データチェーンが含まれ、該支払データチェーンは今回の取引の情報を記録することができる。
【0031】
S8では、支払人のウォレットは支払情報を受取人のウォレットに送信する。
【0032】
S9では、受取人のウォレットはデジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性が予め設定された制限を満たすかどうかを検証する。
【0033】
S10では、受取人のウォレットはデジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性がいずれも予め設定された制限を満たすことを検証する場合、支払データチェーンを確認し、支払データチェーンの確認が成功した後に支払情報を記憶する。
【0034】
S11では、受取人のウォレットは、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性の少なくとも1つが予め設定された制限を満たさないことを検証する場合、取引を終止する。
【0035】
具体的に、支払人のウォレットは支払操作を実行した後、支払情報を受取人のウォレットに送信し、このとき、受取人のウォレットもデジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性が予め設定された制限を満たすかどうか、即ち通貨使用属性が通貨使用情報に一致するかどうか、受取人属性が受取人情報に一致するかどうか、及び通貨流通属性が予め設定された属性に一致するかどうかを検証し(流通可能である)、いずれも満たすと、支払データチェーンを確認し、今回の取引が正しく有効であることを確認し、支払データチェーンの確認が成功した後、該支払情報を記憶する。上記の条件のいずれか1つを満たさないと、取引を終止する。
【0036】
これから分かるように、本発明の実施例によるデジタル通貨指向性取引の方法によって、支払人のウォレットは発行装置によって発行された方向性デジタル通貨を受け取り、該方向性デジタル通貨を支払う場合、保管された全部のデジタル通貨からデジタル通貨組み合わせを選択して支払い、選択されたデジタル通貨組み合わせが条件を満たす場合のみ、受取人のウォレットに支払い、受取人のウォレットは支払情報を受信するとともに、検証が成功した後該支払情報を記憶し、方向性デジタル通貨の支払を完成し、これにより専用の資金を専用の目的に使用することを確保する。
【0037】
図2は本発明の実施例によるデジタル通貨方向性取引のシステムの構造模式図であり、該デジタル通貨方向性取引のシステムは上記方法に適用し、以下に、該デジタル通貨方向性取引のシステムの構造と功能のみを簡単に説明し、他の説明されていない事項について、上記デジタル通貨指向性取引の方法における関連説明を参照し、図2を参照し、本発明の実施例によるデジタル通貨方向性取引のシステムは、支払人のウォレットと受取人のウォレットを含み、
支払人のウォレットは、発行装置によって発行された方向性デジタル通貨を受け取ることであって、方向性デジタル通貨は、発行装置により方向性識別をデジタル通貨に書き込んだ後に生成され、方向性識別は通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性のうちの1つを少なくとも含むことと、方向性デジタル通貨を保管することと、受取人のウォレットと通信を確立し、受取人のウォレットによって送信された受取命令を受信することであって、受取命令は受取金額、受取人身元情報、通貨使用情報及び受取人情報を少なくとも含むことと、受取人身元情報に応じて受取人のウォレット身元を検証し、受取人のウォレット身元が成功したことを検証する場合、受取金額に応じて支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択することと、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が通貨使用情報に一致するかどうか、受取人属性が受取人情報に一致するかどうか、及び通貨流通属性が予め設定された属性に一致するかどうかを検証することと、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が通貨使用情報に一致せず、受取人属性が受取人情報に一致せず、及び/又は通貨流通属性が予め設定された属性に一致しないことを検証する場合、残りのデジタル通貨組み合わせがあるかどうかを判断し、残りのデジタル通貨組み合わせがあると、受取金額に応じて支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択する操作を実行し、残りのデジタル通貨組み合わせがないと、取引を終止することと、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が通貨使用情報に一致し、受取人属性が受取人情報に一致し、且つ通貨流通属性が予め設定された属性に一致することを検証する場合、支払情報を生成することであって、支払情報はデジタル通貨組み合わせとデジタル通貨組み合わせに支払操作を実行することによって生成された支払データチェーンを少なくとも含むことと、支払情報を受取人のウォレットに送信することと、に用いられ、
受取人のウォレットは、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性が予め設定された制限を満たすかどうかを検証することと、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性がいずれも予め設定された制限を満たすことを検証する場合、支払データチェーンを確認し、支払データチェーンの確認が成功した後に支払情報を記憶することと、デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性の少なくとも1つが予め設定された制限を満たさないことを検証する場合、取引を終止することと、に用いられる。
【0038】
これから分かるように、本発明の実施例によるデジタル通貨方向性取引のシステムによって、支払人のウォレットは発行装置によって発行された方向性デジタル通貨を受け取り、該方向性デジタル通貨を支払う場合、保管された全部のデジタル通貨からデジタル通貨組み合わせを選択して支払い、選択されたデジタル通貨組み合わせが条件を満たす場合のみ、受取人のウォレットに支払い、受取人のウォレットは支払情報を受信するとともに、検証が成功した後該支払情報を記憶し、方向性デジタル通貨の支払を完成し、これにより専用の資金を専用の目的に使用することを確保する。
【0039】
本発明の実施例を提示し記述したが、上記の実施例は例示的なものであり、本発明を制限するものとして理解されるべきではなく、当業者であれば、本発明の原理及び精神から逸脱せずに本発明の範囲で上記の実施例について変化、修正、置換及び変形が可能であることが理解でき、本発明の範囲は添付の請求項及びその同等物によって限定される。
【0040】
本出願は、天地融科技股▲ふん▼有限公司により2020年12月31日に提出された、発明名称が「デジタル通貨指向性取引の方法及びシステム」、中国特許出願番号が「202011637488.0」の優先権を主張する。
【0041】
(付記)
(付記1)
デジタル通貨指向性取引の方法であって、
支払人のウォレットが発行装置によって発行された方向性デジタル通貨を受け取るステップであって、前記方向性デジタル通貨は前記発行装置により方向性識別をデジタル通貨に書き込んだ後に生成され、前記方向性識別は通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性のうちの1つを少なくとも含むステップと、
前記支払人のウォレットが前記方向性デジタル通貨を保管するステップと、
前記支払人のウォレットが受取人のウォレットと通信を確立し、前記受取人のウォレットによって送信された受取命令を受信するステップであって、前記受取命令は受取金額、受取人身元情報、通貨使用情報及び受取人情報を少なくとも含むステップと、
前記支払人のウォレットが前記受取人身元情報に応じて前記受取人のウォレット身元を検証し、前記受取人のウォレット身元が成功したことを検証する場合、前記受取金額に応じて支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択するステップと、
前記支払人のウォレットが、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が前記通貨使用情報に一致するかどうか、受取人属性が前記受取人情報に一致するかどうか、及び前記通貨流通属性が予め設定された属性に一致するかどうかを検証するステップと、
前記支払人のウォレットが、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が前記通貨使用情報に一致せず、受取人属性が前記受取人情報に一致せず、及び/又は前記通貨流通属性が予め設定された属性に一致しないことを検証する場合、残りのデジタル通貨組み合わせがあるかどうかを判断し、残りのデジタル通貨組み合わせがあると、前記受取金額に応じて支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択する操作を実行し、残りのデジタル通貨組み合わせがないと、取引を終止するステップと、
前記支払人のウォレットが、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が前記通貨使用情報に一致し、受取人属性が前記受取人情報に一致し、且つ前記通貨流通属性が予め設定された属性に一致することを検証する場合、支払情報を生成するステップであって、前記支払情報は、前記デジタル通貨組み合わせと前記デジタル通貨組み合わせに支払操作を実行することによって生成された支払データチェーンを少なくとも含むステップと、
前記支払人のウォレットが前記支払情報を前記受取人のウォレットに送信するステップと、
前記受取人のウォレットが、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性が予め設定された制限を満たすかどうかを検証するステップと、
前記受取人のウォレットが、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性がいずれも予め設定された制限を満たす場合、前記支払データチェーンを確認し、前記支払データチェーンの確認が成功した後前記支払情報を記憶するステップと、
前記受取人のウォレットが、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性の少なくとも1つが予め設定された制限を満たさないことを検証する場合、取引を終止するステップと、を含むことを特徴とするデジタル通貨指向性取引の方法。
【0042】
(付記2)
デジタル通貨方向性取引のシステムであって、支払人のウォレットと受取人のウォレットとを含み、
前記支払人のウォレットは、発行装置によって発行された方向性デジタル通貨を受け取ることであって、前記方向性デジタル通貨は前記発行装置により方向性識別をデジタル通貨に書き込んだ後に生成され、前記方向性識別は通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性のうちの1つを少なくとも含むことと、前記方向性デジタル通貨を保管することと、受取人のウォレットと通信を確立し、前記受取人のウォレットによって送信された受取命令を受信することであって、前記受取命令は受取金額、受取人身元情報、通貨使用情報及び受取人情報を少なくとも含むことと、前記受取人身元情報に応じて前記受取人のウォレット身元を検証し、前記受取人のウォレット身元が成功したことを検証する場合、前記受取金額に応じて支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択することと、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が前記通貨使用情報に一致するかどうか、受取人属性が前記受取人情報に一致するかどうか、及び前記通貨流通属性が予め設定された属性に一致するかどうかを検証することと、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が前記通貨使用情報に一致せず、受取人属性が前記受取人情報に一致せず、及び/又は前記通貨流通属性が予め設定された属性に一致しないことを検証する場合、残りのデジタル通貨組み合わせがあるかどうかを判断し、残りのデジタル通貨組み合わせがあると、前記受取金額に応じて支払対象のデジタル通貨組み合わせを選択する操作を実行し、残りのデジタル通貨組み合わせがないと、取引を終止することと、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性が前記通貨使用情報に一致し、受取人属性が前記受取人情報に一致し、且つ前記通貨流通属性が予め設定された属性に一致することを検証する場合、支払情報を生成することであって、前記支払情報は、前記デジタル通貨組み合わせと前記デジタル通貨組み合わせに支払操作を実行することによって生成された支払データチェーンを少なくとも含むことと、前記支払情報を前記受取人のウォレットに送信することと、に用いられ、
前記受取人のウォレットは、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性が予め設定された制限を満たすかどうかを検証することと、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性がいずれも予め設定された制限を満たす場合、前記支払データチェーンを確認し、前記支払データチェーンの確認が成功した後前記支払情報を記憶することと、前記デジタル通貨組み合わせのうちの全部のデジタル通貨の通貨使用属性、受取人属性及び通貨流通属性の少なくとも1つが予め設定された制限を満たさないことを検証する場合、取引を終止することと、に用いられることを特徴とするデジタル通貨方向性取引のシステム。
図1
図2
【国際調査報告】