IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メソライン インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-530038マイクロ成型によって電気デバイスを加工する方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-12
(54)【発明の名称】マイクロ成型によって電気デバイスを加工する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/12 20060101AFI20230705BHJP
   G01N 27/22 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
G01N27/12 C
G01N27/22 A
G01N27/12 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519160
(86)(22)【出願日】2021-06-08
(85)【翻訳文提出日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 US2021036450
(87)【国際公開番号】W WO2021252520
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】63/086,367
(32)【優先日】2020-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/036,357
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522476886
【氏名又は名称】メソライン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】レーベルヘン, マルニクス ペー.
(72)【発明者】
【氏名】ケルゼンバーグ, マイケル ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ルッセル, トーマス セー. エル.
(72)【発明者】
【氏名】ミトニク, セルヒー
【テーマコード(参考)】
2G046
2G060
【Fターム(参考)】
2G046AA01
2G046AA28
2G046BA01
2G046BA08
2G046BA09
2G046BB02
2G046EA02
2G046FB02
2G046FC07
2G046FE02
2G046FE03
2G046FE08
2G046FE10
2G046FE11
2G046FE12
2G046FE15
2G046FE21
2G046FE22
2G046FE29
2G046FE31
2G046FE34
2G046FE36
2G046FE39
2G046FE44
2G046FE45
2G046FE46
2G046FE48
2G060AA01
2G060AE19
2G060AF07
2G060AF10
2G060AG03
2G060BB08
2G060JA01
(57)【要約】
本発明は、概して、マイクロ成型によって電気デバイスを加工する方法およびシステムに関し、より具体的には、マイクロ成型プロセスを使用して高分解能特徴を有する電気デバイスを加工する方法およびシステムに関する。高分解能構成要素を伴う電気デバイスのシステムおよびマイクロ成型プロセスを使用して電気デバイスを加工する方法が、説明される。小さい占有面積の電気デバイスが、高伝導性材料を用いて、かつ密接に離間された構成要素を用いて構成要素を加工することによって達成されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ成型ガスセンサであって、
少なくとも1つのガスセンサ要素であって、前記少なくとも1つのガスセンサ要素は、ナノ多孔性電気導体を備え、前記ナノ多孔性電気導体は、溶融ナノ粒子を備える、少なくとも1つのガスセンサ要素と、
前記少なくとも1つのガスセンサ要素の第1の端部に電気的に接続される少なくとも1つの第1の電極と、
前記少なくとも1つのガスセンサ要素の第2の端部に電気的に接続される少なくとも1つの第2の電極と
を備え、
前記少なくとも1つのガスセンサ要素は、対応する第1の電極および第2の電極対を有し、
前記少なくとも1つの第1の電極および前記少なくとも1つの第2の電極によって測定される前記少なくとも1つのガスセンサ要素の電気特性は、前記ナノ多孔性電気導体と接触する周囲ガスに応答して変化する、
マイクロ成型ガスセンサ。
【請求項2】
第1のガスセンサ要素と、第2のガスセンサ要素とをさらに備え、前記第1のガスセンサ要素は、第1のナノ粒子組成物を備え、前記第2のガスセンサ要素は、前記第1のナノ粒子組成物と異なる第2のナノ粒子組成物を備える、請求項1に記載のマイクロ成型ガスセンサ。
【請求項3】
第1のガスセンサ要素と、第2のガスセンサ要素とをさらに備え、前記第1のガスセンサ要素は、第1の形状因子を有し、前記第2のガスセンサ要素は、前記第1の形状因子と異なる第2の形状因子を有する、請求項1に記載のマイクロ成型ガスセンサ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのガスセンサ要素を加熱するためのマイクロヒータをさらに備える、請求項1に記載のマイクロ成型ガスセンサ。
【請求項5】
前記マイクロヒータは、複数のマイクロヒータ区画のそれぞれにおいて異なる温度を同時に提供するように個々に制御可能である前記複数のマイクロヒータ区画を備える、請求項4に記載のマイクロ成型ガスセンサ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1の電極に電気的に接続され、前記少なくとも1つの第2の電極に電気的に接続されるセンサコントローラをさらに備え、前記センサコントローラは、前記少なくとも1つのガスセンサ要素に電流を提供し、その抵抗率を測定するように動作可能である、請求項1に記載のマイクロ成型ガスセンサ。
【請求項7】
基板と、
前記基板上に配置されるマイクロヒータと、
前記マイクロヒータ上に配置される電気絶縁層と
をさらに備え、
前記少なくとも1つの第1の電極および前記少なくとも1つの第2の電極は、前記電気絶縁層上に配置され、前記少なくとも1つのガスセンサ要素は、前記対応する第1の電極および第2の電極対上に配置される、請求項1に記載のマイクロ成型ガスセンサ。
【請求項8】
前記少なくとも1つのガスセンサ要素は、前記マイクロヒータを越えて延在しない、請求項7に記載のマイクロ成型ガスセンサ。
【請求項9】
前記基板は、少なくとも1つの膜を組み込み、前記膜は、約1ミクロン未満の厚さを有する、請求項7に記載のマイクロ成型ガスセンサ。
【請求項10】
前記ナノ粒子は、金属ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、およびドープされた金属酸化物ナノ粒子から成る群から選択される、請求項1に記載のマイクロ成型ガスセンサ。
【請求項11】
前記金属酸化物ナノ粒子は、SnO、TiO、WO、ZnO、In、Cd:ZnO、CrO、およびVのうちの1つまたはそれを上回るものである、請求項10に記載のマイクロ成型ガスセンサ。
【請求項12】
前記金属酸化物ナノ粒子は、Al、Pt、Pd、Au、Ag、Ti、Cu、Fe、Sb、Mo、Ce、Mn、Rh、またはカーボンナノチューブを用いてドープされる、請求項11に記載のマイクロ成型ガスセンサ。
【請求項13】
前記少なくとも1つのガスセンサ要素は、約1μm~約20μmの範囲内の高さと、約1μm~約50μmの範囲内の幅とを有する、請求項1に記載のマイクロ成型ガスセンサ。
【請求項14】
前記少なくとも1つのガスセンサ要素は、約100nm RMS未満の表面粗度を有する、請求項1に記載のマイクロ成型ガスセンサ。
【請求項15】
前記少なくとも1つのガスセンサ要素の要素高と前記少なくとも1つのガスセンサ要素の要素幅との間の比は、2以上である、請求項1に記載のマイクロ成型ガスセンサ。
【請求項16】
前記少なくとも1つのガスセンサ要素の要素高と前記少なくとも1つのガスセンサ要素の要素幅との間の比は、0.5以下である、請求項1に記載のマイクロ成型ガスセンサ。
【請求項17】
少なくとも2つの隣接するガスセンサ要素の間の間隔と前記少なくとも1つのガスセンサ要素の要素幅と間の比は、4以下である、請求項1に記載のマイクロ成型ガスセンサ。
【請求項18】
電流または電圧を前記少なくとも1つのガスセンサ要素の中に注入する少なくとも1つの力電極と、電気特性の変化を測定する少なくとも1つの感知電極とをさらに備える、請求項1に記載のマイクロ成型ガスセンサ。
【請求項19】
マイクロ成型機械であって、
スタンプの表面上に配置される第1のチャネルと、前記スタンプの表面上に配置される第2のチャネルとを有するスタンプと、
前記第1のチャネルに接続される第1の入口ポートおよび前記第2のチャネルに接続される前記第1の入口ポートと別個の第2の入口ポートと、
第1のナノ粒子インクを前記第1の入口ポートに供給するための第1のナノ粒子インク供給源および第2のナノ粒子インクを前記第2の入口ポートに供給するための前記第1のナノ粒子インク供給源と別個の第2のナノ粒子インク供給源であって、前記第1のナノ粒子インクは、第1のナノ粒子組成物を備え、前記第2のナノ粒子インクは、前記第1のナノ粒子組成物と異なる第2のナノ粒子組成物を備える、第1のナノ粒子インク供給源および第2のナノ粒子インク供給源と、
前記第1の入口ポートおよび前記第1のチャネルを通して前記第1のナノ粒子インクを圧送または分注し、前記第2の入口ポートおよび前記第2のチャネルを通して前記第2のナノ粒子インクを圧送または分注するためのポンプまたは分注器と、
前記スタンプの表面を基板に接触させるための接触機構と
を備える、マイクロ成型機械。
【請求項20】
前記第1のチャネルは、第1の形状因子を有し、前記第2のチャネルは、前記第1の形状因子と異なる第2の形状因子を有する、請求項18に記載のマイクロ成型機械。
【請求項21】
前記第1または第2のチャネルに接続される出口ポートをさらに備え、前記ポンプまたは分注器は、大気圧未満の圧力を前記出口ポートに提供するように動作可能である、請求項18に記載のマイクロ成型機械。
【請求項22】
ガスセンサ要素をマイクロ成型する方法であって、
基板表面を有する基板を提供するステップと、
支持側と、チャネル側とを有する金型層と、前記支持側と接触して配置される支持層とを備えるスタンプを提供するステップであって、前記金型層は、(i)前記チャネル側上に配置される第1の形状因子を有する第1のチャネルと、前記第1のチャネルに接続される第1の入口ポートと、前記第1のチャネルに接続される第1の出口ポートと、(ii)前記チャネル側上に配置される第2の形状因子を有する第2のチャネルと、前記第2のチャネルに接続される第2の入口ポートと、前記第2のチャネルに接続される第2の出口ポートとを備える、ステップと、
第1のナノ粒子組成物を備える第1のナノ粒子インクと、第2のナノ粒子組成物を備える第2のナノ粒子インクとを提供するステップと、
前記基板表面と接触して前記金型層を配置するステップと、
前記第1の入口ポートを通して前記第1のチャネルの中に前記第1のナノ粒子インクを圧送または分注し、前記第2の入口ポートを通して前記第2のチャネルの中に前記第2のナノ粒子インクを圧送または分注するステップと、
前記第1のチャネル内の前記第1のナノ粒子インクを硬化させ、第1のナノ多孔性溶融ナノ粒子電気導体と接触する第1の周囲ガスに応答して変化する電気伝導性を有する前記第1のナノ多孔性溶融ナノ粒子電気導体を形成するステップと、
前記第2のチャネル内の前記第2のナノ粒子インクを硬化させ、第2のナノ多孔性溶融ナノ粒子電気導体と接触する第2の周囲ガスに応答して変化する電気伝導性を有する前記第2のナノ多孔性溶融ナノ粒子電気導体を形成するステップと、
前記スタンプを除去し、前記基板表面上に自立ガスセンサ要素を形成するステップと
を含む、方法。
【請求項23】
前記第1のナノ粒子組成物は、前記第2のナノ粒子組成物と異なり、前記第1の形状因子は、前記第2の形状因子と同一である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のナノ粒子組成物は、前記第2のナノ粒子組成物と同一であり、前記第1の形状因子は、前記第2の形状因子と異なる、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のナノ粒子組成物は、前記第2のナノ粒子組成物と異なり、前記第1の形状因子は、前記第2の形状因子と異なる、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記支持層は、前記金型層よりも剛性である、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記チャネルは、前記チャネル側から前記金型層への方向においてある高さを有し、前記ある高さは、前記チャネル側上の前記チャネルの幅を上回る、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記ナノ粒子インクを加熱し、または前記ナノ粒子インクを電磁放射に暴露し、前記硬化ステップを加速させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記ナノ粒子を加熱することによって、または前記ナノ粒子を電磁放射に暴露することによって、前記ナノ粒子を焼結させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記圧送または分注ステップの間に前記入口ポートに入口圧力を提供し、前記出口ポートに出口圧力を提供するステップをさらに含み、前記入口圧力は、前記出口圧力を上回る、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記ナノ粒子インクを圧送または分注するステップは、前記ナノ粒子インクを前記チャネルを通して流動させ、前記ナノ粒子インクの流動は、少なくとも部分的に、前記チャネル内の毛管圧によって駆動される、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記ナノ粒子インクを圧送または分注するステップは、前記ナノ粒子インクを前記チャネルを通して流動させ、前記ナノ粒子インクの流動は、圧力を前記入口ポートに印加する、または真空を前記出口ポートに印加することによって駆動される、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
前記スタンプは、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルメタクリレート、およびポリウレタンから成る群から選択される材料を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも1つのインクリザーバが、前記スタンプに組み込まれる、請求項21に記載の方法。
【請求項35】
前記金型層は、ナノ粒子の組み込みによって、またはガラス、鋼、炭素、およびナイロンから成る群から選択される材料を含む繊維メッシュの包含によって補強される、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年6月8日に出願され、「Small-Footprint Antenna Structure with High-Aspect-Ratio Conductors」と題された米国仮特許出願第63/036,357号および2020年10月1日に出願され、「Micro-Molded Gas Sensor」と題された米国仮特許出願第63/086,367号の優先権の利益を主張する。米国仮特許出願第63/036,357号および第63/086,367号の開示は、あらゆる目的のために、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、マイクロ成型によって電気デバイスを加工する方法およびシステムに関し、より具体的には、マイクロ成型プロセスを使用して高分解能特徴を有する電気デバイスを加工する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロ成型は、ミクロン公差を伴う小さい高精度な部品および構成要素を生産し得る製造プロセスである。プロセスは、所望の部分の形状における空洞を有する金型を作成することによって開始されることができる。熱可塑性物質または樹脂が、空洞の中に急速に注入され、高速で部品または構成要素を作成することができる。ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、カーボン充填液晶ポリマー(LCP)、またはガラス充填ナイロン等の材料が、マイクロ成型プロセスにおいて使用されることができる。軟質デュロメータまたはエラストマ樹脂もまた、適用されることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の種々の実施形態によるシステムおよび方法は、マイクロ成型プロセスを使用して、(限定ではないが)ガスセンサ、アンテナ、およびインダクタを含む、電気デバイスの設計および加工を可能にする。多くの実施形態は、マイクロ成型プロセスにおいて使用されるマイクロ成型機械の設計および構造を提供する。いくつかの実施形態によるマイクロ成型機械は、高縦横比を伴う高分解能電気導体を加工することができる。多くの実施形態は、高縦横比構成要素を利用し、種々の構成におけるコンパクトな高性能電気デバイスを生産する。いくつかの実施形態は、低費用における高分解能および/または高縦横比構成要素の加工方法を提供する。いくつかの実施形態は、マイクロ成型プロセスが、一貫した繰り返し可能な簡略化された製造プロセスを提供することを提供する。
【0005】
いくつかの実施形態による、マイクロ成型プロセスを用いて加工されるガスセンサおよび/またはガスセンサ要素は、より低い電力消費、増加された感度、改良された選択性、増加された一貫性および制御性、および低減された占有面積を有する。多くの実施形態は、(限定ではないが)近接場アンテナまたは遠方場アンテナを含む、小占有面積アンテナのマイクロ成型加工を提供する。いくつかの実施形態は、所与のアンテナ占有面積および導体長に関する高インダクタンスおよび低直列抵抗を伴うコンパクトなアンテナコイル構造を提供する。アンテナ構造の高インダクタンスおよび低直列抵抗は、ある実施形態による、高伝導性材料を伴い、密接に離間された高縦横比電気導体(トレース)を伴うアンテナコイルを加工することによって達成されることができる。いくつかの実施形態は、電気デバイスの導電性構成要素が、(限定ではないが)金属ナノ粒子を含むナノ粒子から作製され得ることを提供する。
【0006】
本発明の一実施形態は、少なくとも1つのガスセンサ要素であって、少なくとも1つのガスセンサ要素は、ナノ多孔性電気導体を備え、ナノ多孔性電気導体は、溶融ナノ粒子を備える、少なくとも1つのガスセンサ要素と、少なくとも1つのガスセンサ要素の第1の端部に電気的に接続される、少なくとも1つの第1の電極と、少なくとも1つのガスセンサ要素の第2の端部に電気的に接続される、少なくとも1つの第2の電極とを備え、少なくとも1つのガスセンサ要素は、対応する第1の電極および第2の電極対を有し、少なくとも1つの第1の電極および少なくとも1つの第2の電極によって測定される少なくとも1つのガスセンサ要素の電気特性は、ナノ多孔性電気導体と接触する周囲ガスに応答して変化する、マイクロ成型ガスセンサを含む。
【0007】
別の実施形態では、マイクロ成型ガスセンサはさらに、第1のガスセンサ要素と、第2のガスセンサ要素とを備え、第1のガスセンサ要素は、第1のナノ粒子組成物を備え、第2のガスセンサ要素は、第1のナノ粒子組成物と異なる第2のナノ粒子組成物を備える。
【0008】
さらなる実施形態では、マイクロ成型ガスセンサはさらに、第1のガスセンサ要素と、第2のガスセンサ要素とを備え、第1のガスセンサ要素は、第1の形状因子を有し、第2のガスセンサ要素は、第1の形状因子と異なる第2の形状因子を有する。
【0009】
なおも別の実施形態では、マイクロ成型ガスセンサはさらに、少なくとも1つのガスセンサ要素を加熱するためのマイクロヒータを備える。
【0010】
またさらなる実施形態では、マイクロヒータは、複数のマイクロヒータ区画のそれぞれにおいて異なる温度を同時に提供するように個々に制御可能である複数のマイクロヒータ区画を備える。
【0011】
なおもさらなる実施形態では、マイクロ成型ガスセンサはまた、少なくとも1つの第1の電極に電気的に接続され、少なくとも1つの第2の電極に電気的に接続される、センサコントローラを含み、センサコントローラは、少なくとも1つのガスセンサ要素に電流を提供し、その抵抗率を測定するように動作可能である。
【0012】
また別の実施形態では、マイクロ成型ガスセンサはさらに、基板と、基板上に配置される、マイクロヒータと、マイクロヒータ上に配置される、電気絶縁層とを備え、少なくとも1つの第1の電極および少なくとも1つの第2の電極は、電気絶縁層上に配置され、少なくとも1つのガスセンサ要素は、対応する第1の電極および第2の電極対上に配置される。
【0013】
再び、さらなる実施形態では、少なくとも1つのガスセンサ要素は、マイクロヒータを越えて延在しない。
【0014】
なおもまたさらなる実施形態では、基板は、少なくとも1つの膜を組み込み、膜は、約1ミクロン未満の厚さを有する。
【0015】
別の付加的実施形態では、ナノ粒子は、金属ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、およびドープされた金属酸化物ナノ粒子から成る群から選択される。
【0016】
再び、別の実施形態では、金属酸化物ナノ粒子は、SnO、TiO、WO、ZnO、In、Cd:ZnO、CrO、およびVのうちの1つまたはそれを上回るものである。
【0017】
再び、またさらなる実施形態では、金属酸化物ナノ粒子は、Al、Pt、Pd、Au、Ag、Ti、Cu、Fe、Sb、Mo、Ce、Mn、Rh、またはカーボンナノチューブを用いてドープされる。
【0018】
なおもまたさらなる実施形態では、少なくとも1つのガスセンサ要素は、約1μm~約20μmの範囲内の高さと、約1μm~約50μmの範囲内の幅とを有する。
【0019】
なおもまた別の実施形態では、少なくとも1つのガスセンサ要素は、約100nm RMS未満の表面粗度を有する。
【0020】
再び、さらなる実施形態では、少なくとも1つのガスセンサ要素の要素高と少なくとも1つのガスセンサ要素の要素幅との間の比は、2以上である。
【0021】
なおもまた別の実施形態では、少なくとも1つのガスセンサ要素の要素高と少なくとも1つのガスセンサ要素の要素幅との間の比は、0.5以下である。
【0022】
再び、なおもさらなる実施形態では、少なくとも2つの隣接するガスセンサ要素の間の間隔と少なくとも1つのガスセンサ要素の要素幅と間の比は、4以下である。
【0023】
なおもさらなる付加的実施形態では、マイクロ成型ガスセンサはさらに、電流または電圧を少なくとも1つのガスセンサ要素の中に注入する、少なくとも1つの力電極と、電気特性の変化を測定する、少なくとも1つの感知電極とを備える。
【0024】
なおも別の付加的実施形態は、スタンプの表面上に配置される、第1のチャネルと、スタンプの表面上に配置される、第2のチャネルとを有する、スタンプと、第1のチャネルに接続される、第1の入口ポートおよび第2のチャネルに接続される、第1の入口ポートと別個の第2の入口ポートと、第1のナノ粒子インクを第1の入口ポートに供給するための第1のナノ粒子インク供給源および第2のナノ粒子インクを第2の入口ポートに供給するための第1のナノ粒子インク供給源と別個の第2のナノ粒子インク供給源であって、第1のナノ粒子インクは、第1のナノ粒子組成物を備え、第2のナノ粒子インクは、第1のナノ粒子組成物と異なる第2のナノ粒子組成物を備える、第1のナノ粒子インク供給源および第2のナノ粒子インク供給源と、第1の入口ポートおよび第1のチャネルを通して第1のナノ粒子インクを圧送または分注し、第2の入口ポートおよび第2のチャネルを通して第2のナノ粒子インクを圧送または分注するためのポンプまたは分注器と、スタンプの表面を基板に接触させるための接触機構とを備える、マイクロ成型機械を含む。
【0025】
別の付加的実施形態では、第1のチャネルは、第1の形状因子を有し、第2のチャネルは、第1の形状因子と異なる第2の形状因子を有する。
【0026】
再び、またさらなる実施形態は、第1または第2のチャネルに接続される、出口ポートを含み、ポンプまたは分注器は、大気圧未満の圧力を出口ポートに提供するように動作可能である。
【0027】
再び、別のさらなる実施形態は、
・ 基板表面を有する、基板を提供するステップと、
・ 支持側と、チャネル側とを有する、金型層と、支持側と接触して配置される、支持層とを備える、スタンプを提供するステップであって、金型層は、(i)チャネル側上に配置される、第1の形状因子を有する、第1のチャネルと、第1のチャネルに接続される、第1の入口ポートと、第1のチャネルに接続される、第1の出口ポートと、(ii)チャネル側上に配置される、第2の形状因子を有する、第2のチャネルと、第2のチャネルに接続される、第2の入口ポートと、第2のチャネルに接続される、第2の出口ポートとを備える、ステップと、
・ 第1のナノ粒子組成物を備える、第1のナノ粒子インクと、第2のナノ粒子組成物を備える、第2のナノ粒子インクとを提供するステップと、
・ 基板表面と接触して金型層を配置するステップと、
・ 第1の入口ポートを通して第1のチャネルの中に第1のナノ粒子インクを圧送または分注し、第2の入口ポートを通して第2のチャネルの中に第2のナノ粒子インクを圧送または分注するステップと、
・ 第1のチャネル内の第1のナノ粒子インクを硬化させ、第1のナノ多孔性溶融ナノ粒子電気導体と接触する第1の周囲ガスに応答して変化する電気伝導性を有する、第1のナノ多孔性溶融ナノ粒子電気導体を形成するステップと、
・ 第2のチャネル内の第2のナノ粒子インクを硬化させ、第2のナノ多孔性溶融ナノ粒子電気導体と接触する第2の周囲ガスに応答して変化する電気伝導性を有する、第2のナノ多孔性溶融ナノ粒子電気導体を形成するステップと、
・ スタンプを除去し、基板表面上に自立ガスセンサ要素を形成するステップと、
を含む、ガスセンサ要素をマイクロ成型する方法を含む。
【0028】
再び、また別の実施形態では、第1のナノ粒子組成物は、第2のナノ粒子組成物と異なり、第1の形状因子は、第2の形状因子と同一である。
【0029】
なおも別のさらなる実施形態では、第1のナノ粒子組成物は、第2のナノ粒子組成物と同一であり、第1の形状因子は、第2の形状因子と異なる。
【0030】
なおもさらなる付加的実施形態では、第1のナノ粒子組成物は、第2のナノ粒子組成物と異なり、第1の形状因子は、第2の形状因子と異なる。
【0031】
なおもまた別の実施形態では、支持層は、金型層よりも剛性である。
【0032】
なおも別の付加的実施形態では、チャネルは、チャネル側から金型層への方向においてある高さを有し、ある高さは、チャネル側上のチャネルの幅を上回る。
【0033】
再び、さらなる実施形態は、ナノ粒子インクを加熱し、またはナノ粒子インクを電磁放射に暴露し、硬化ステップを加速させるステップを含む。
【0034】
なおもさらなる実施形態は、ナノ粒子を加熱することによって、またはナノ粒子を電磁放射に暴露することによって、ナノ粒子を焼結させるステップを含む。
【0035】
なおも別の付加的実施形態は、圧送または分注ステップの間に入口ポートに入口圧力を提供し、出口ポートに出口圧力を提供するステップを含み、入口圧力は、出口圧力を上回る。
【0036】
またさらなる実施形態では、ナノ粒子インクを圧送または分注するステップは、ナノ粒子インクをチャネルを通して流動させ、ナノ粒子インクの流動は、少なくとも部分的に、チャネル内の毛管圧によって駆動される。
【0037】
再び、また別の実施形態では、ナノ粒子インクを圧送または分注するステップは、ナノ粒子インクをチャネルを通して流動させ、ナノ粒子インクの流動は、圧力を入口ポートに印加する、または真空を出口ポートに印加することによって駆動される。
【0038】
なおも別のさらなる実施形態では、スタンプは、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルメタクリレート、およびポリウレタンから成る群から選択される材料を含む。
【0039】
別のさらなる付加的実施形態では、少なくとも1つのインクリザーバが、スタンプに組み込まれる。
【0040】
なおもまた別の実施形態では、金型層は、ナノ粒子の組み込みによって、またはガラス、鋼、炭素、およびナイロンから成る群から選択される材料を含む繊維メッシュの包含によって補強される。
【0041】
付加的実施形態および特徴が、部分的に、続く説明に記載され、部分的に、本明細書の検討に応じて、当業者に明白となるであろう、または本開示の実践によって、学習され得る。本開示の性質および利点のさらなる理解が、本明細書の残りの部分および本開示の一部を形成する図面を参照することによって実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0042】
説明は、本発明の例示的実施形態として提示され、本発明の範囲の完全な列挙として解釈されるべきではない、以下の図を参照することによってより完全に理解されるであろう。
【0043】
図1図1は、本発明のある実施形態による、ガスセンサ要素の平面図を図示する。
【0044】
図2図2は、本発明のある実施形態による、ガスセンサ要素の断面図を図示する。
【0045】
図3図3は、本発明のある実施形態による、異なるガスセンサ要素の平面図を図示する。
【0046】
図4図4は、本発明のある実施形態による、異なるガスセンサ要素の断面図を図示する。
【0047】
図5図5は、本発明のある実施形態による、ガスセンサ内に組み込まれるマイクロヒータ区画の平面図を図示する。
【0048】
図6図6は、本発明のある実施形態による、ガスセンサ要素の詳細挿入図の斜視図および断面を図示する。
【0049】
図7図7は、本発明のある実施形態による、異なる基板厚を伴うガスセンサを図示する。
【0050】
図8図8は、本発明のある実施形態による、複数のガスセンサ要素を組み込むガスセンサの平面図を図示する。
【0051】
図9-1】図9A-9Dは、本発明のある実施形態による、マイクロ成型機械の平面図および断面を図示する。
図9-2】図9A-9Dは、本発明のある実施形態による、マイクロ成型機械の平面図および断面を図示する。
【0052】
図10図10は、本発明のある実施形態による、マイクロ成型加工プロセスのプロセスを図示する。
【0053】
図11図11A-11Dは、本発明のある実施形態による、ガスセンサを加工するマイクロ成型プロセスの間の順次的構造の連続する断面図を図示する。
【0054】
図12A図12Aは、本発明のある実施形態による、高縦横比アンテナの平面図を図示する。
【0055】
図12B図12Bは、本発明のある実施形態による、高縦横比アンテナの断面図を図示する。
【0056】
図13A図13Aは、本発明のある実施形態による、コイルアンテナの平面図を図示する。
【0057】
図13B図13Bは、本発明のある実施形態による、コイルアンテナの断面図を図示する。
【0058】
図14A図14Aは、本発明のある実施形態による、アンテナ長Lを伴うアンテナの平面図を図示する。
【0059】
図14B図14Bは、本発明のある実施形態による、アンテナ長Lを伴うアンテナの断面図を図示する。
【0060】
図15図15は、本発明のある実施形態による、熱歪み軽減体を組み込むコイルアンテナの平面図を図示する。
【0061】
図16A図16Aは、本発明のある実施形態による、マイクロ金型スタンプの平面図を図示する。
【0062】
図16B図16B-16Cは、本発明のある実施形態による、マイクロ金型スタンプの断面図を図示する。
図16C図16B-16Cは、本発明のある実施形態による、マイクロ金型スタンプの断面図を図示する。
【0063】
図17図17A-17Dは、本発明のある実施形態による、高縦横比アンテナを加工するマイクロ成型プロセスの間の順次的構造の連続する断面図を図示する。
【0064】
図18図18は、本発明のある実施形態による、アンテナシステムの断面図を図示する。
【0065】
図19図19は、本発明のある実施形態による、多層高縦横比アンテナの分解斜視図を図示する。
【0066】
本開示の特徴および利点は、同様の参照文字が全体を通して対応する要素を識別する、図面と併せて検討されるとき、下記に記載される詳細な説明からより明白となるであろう。図面では、同様の参照番号は、概して、同じ、機能的に類似する、および/または構造的に類似する要素を示す。図の種々の要素のサイズの変動が、大きすぎ、描写が縮尺通りであることを可能にしないため、図は、縮尺通りに描かれない。
【発明を実施するための形態】
【0067】
詳細な説明
ここで図面に目を向けると、マイクロ成型プロセスを使用して電気デバイスを加工するためのシステムおよび方法が、説明される。多くの実施形態は、マイクロ成型プロセスにおいて使用されるマイクロ成型機械の設計および構造を提供する。いくつかの実施形態による、マイクロ成型機械は、高縦横比を伴う高分解能電気導体を加工することができる。電気導体は、(限定ではないが)ガスセンサ、インダクタ、アンテナを含む、電気デバイス内に統合されることができる。多くの実施形態は、マイクロ成型機械が、少なくともスタンプを含むことを提供する。少なくとも1つのインク供給源が、マイクロ成型プロセスの間にスタンプに供給されることができる。いくつかの実施形態による、複数のインク供給源が、同一および/または異なるインクをマイクロ成型スタンプに供給することができる。いくつかの実施形態では、マイクロ成型機械は、同一および/または異なる形状因子のチャネルを有する。
【0068】
多くの実施形態は、高縦横比電気構成要素および/またはデバイスを作製するマイクロ成型プロセスを提供する。いくつかの実施形態による、マイクロ成型プロセスを用いて加工されるガスセンサおよび/またはガスセンサ要素は、より低い電力消費、増加された感度、改良された選択性、増加された一貫性および制御性、および低減された占有面積を有する。いくつかの実施形態は、マイクロ成型プロセスが、一貫した繰り返し可能な簡略化された製造プロセスを提供することを提供する。ある実施形態では、ガスセンサは、少なくとも1つのガスセンサ要素を含むことができる。多くの実施形態は、複数のガスセンサ要素が、同一または異なる材料を含む、および/または同一または異なる形状因子を有し得ることを提供する。いくつかの実施形態では、ガスセンサ要素は、少なくとも1つのマイクロヒータにわたる感知電極上に配置されることができる。いくつかの実施形態は、ガスセンサ要素が、周囲ガスに暴露され得ることを提供する。ある実施形態では、マイクロヒータは、ガスセンサ要素を加熱することができる。いくつかの実施形態は、感知電極が、ガスセンサ要素の電気特性を測定し得ることを提供する。ガスセンサ要素は、(限定ではないが)溶融ナノ粒子から作製されるナノ多孔性電気導体であり得る。多くの実施形態による、ガスセンサ要素の電気特性は、ナノ多孔性電気導体と接触する周囲ガスに応答して変化することができる。電気特性は、(限定ではないが)抵抗率、静電容量、インダクタンス、位相、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0069】
多くの実施形態では、マイクロヒータは、ガスセンサ要素の温度を制御するために、熱をガスセンサ要素に提供することができる。熱は、ガスセンサ要素の抵抗率を減少させ、標的ガス分子と感知材料との相互作用を強化することができ、したがって、標的ガスへのセンサ要素の感度を増加させることができる。多くの実施形態では、ガスセンサのマイクロヒータは、個々に制御可能なマイクロヒータ区画を含むことができる。いくつかの実施形態による、個々に制御可能なマイクロヒータ区画は、各マイクロヒータ区画において異なる温度を同時に提供するように個々に制御可能であり、その標的ガスに向かう各感知要素のより良好な選択性を可能にすることができる。いくつかの実施形態は、各マイクロヒータ区画が、異なるガスセンサ要素と関連付けられる、および/またはそれと熱接触し得ることを提供する。そのような実施形態では、複数のマイクロヒータ区画は、対応するガスセンサ要素を異なる温度まで同時に加熱することができる。多くの実施形態による、異なる温度まで加熱されたガスセンサ要素は、個々かつ別個のマイクロヒータ電極を通して、異なるガスおよび/またはガスの異なる濃度を検出するために適用されることができる。異なるように制御可能かつ異なるガスセンサ要素を提供することによって、ガスセンサは、異なるガスおよび/または異なるガス濃度を同時に測定することができ、(限定ではないが)エレクトロニックノーズを含む、感知デバイスとして使用されることができる。
【0070】
ガスセンサ要素の占有面積を減少させることは、ガスセンサ要素の温度均一性を損なうことなく、多くの実施形態に従って、マイクロヒータの合計面積を減少させることができる。マイクロヒータの電力引き込みは、面積に伴って増加し得、したがって、マイクロヒータの合計面積の減少は、ガスセンサ電力消費の減少をもたらし、バッテリ給電電子機器におけるいくつかの実施形態によるガスセンサの使用を促進することができる。
【0071】
多くの実施形態は、ガスセンサのガスセンサ要素が、(限定ではないが)線形および直線、曲線、または螺旋を含む、幾何学形状を有し得ることを提供する。ガスセンサ要素は、(限定ではないが)正方形、長方形、立方体、円形、または円筒形を含む、異なる断面を有することができる。いくつかの実施形態では、ガスセンサ要素高Hは、要素幅Wを上回り得る。ある実施形態では、ガスセンサ要素高Hは、要素幅Wよりも小さくあり得る。
【0072】
多くの実施形態による、複数の異なるガスセンサ要素は、同一または異なるナノ粒子から作製された電気導体を備えることができる。ある実施形態による、複数の異なるガスセンサ要素の異なるナノ粒子組成物は、異なるガスおよび/またはガス濃度に敏感であり得る。いくつかの実施形態による、異なるナノ粒子は、(限定ではないが)異なるナノ粒子材料、異なるナノ粒子ドーピング、異なるナノ粒子サイズ、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態による、異なるガスセンサ要素のナノ多孔性電気導体は、(限定ではないが)ナノ細孔サイズおよびナノ多孔性電気導体におけるナノ細孔の数量を含む、異なるナノ多孔度を有することができる。ある実施形態は、ガスセンサ要素のナノ粒子が、約1nm~約1ミクロンに及ぶ直径を有し得ることを提供する。
【0073】
多くの実施形態は、ガスセンサのナノ粒子が、(限定ではないが)金属ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、またはドープされた金属酸化物ナノ粒子を含み得ることを提供する。ある実施形態による、金属酸化物ナノ粒子は、(限定ではないが)SnO、TiO、ITO、CdSe、WO、ZnO、In、Cd:ZnO、CrO、V、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、金属酸化物ナノ粒子は、センサの選択性を改良するために、Al、Pt、Pd、Au、Ag、Ti、Cu、Fe、Sb、Mo、Ce、Mn、Rh、またはカーボンナノチューブ(CNT)を用いてドープされることができる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子の集合体は、(限定ではないが)非伝導性材料および/または誘電性材料を含む材料を含むことができる。実施形態による、非伝導性材料は、ガスに敏感であり、ナノ多孔性電気導体における伝導性材料の応答に影響を及ぼすことができる、および/またはナノ多孔性電気導体を構築するために有用であり得る。いくつかの実施形態では、ナノ粒子インクは、(限定ではないが)水性分散剤および/または有機溶媒を含む、液体溶媒中の懸濁液として提供されることができる。いくつかの実施形態による、ナノ粒子は、約0.3センチポイズ~約300センチポイズの範囲内の粘度を有することができる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、異なる伝導性または非伝導性材料から作製された異なるナノ粒子を備え、ガスセンサ要素内で等方的または異方的に分配されることができる。
【0074】
多くの実施形態は、ガスセンサの基板が、(限定ではないが)ガラス、ポリマー、半導体、セラミック、石英、金属、紙、および/またはサファイアを含み得ることを提供する。いくつかの実施形態では、ガスセンサのための基板は、プリント回路板(PCB)基板または液晶ポリマー(LCP)材料であり得る。いくつかの実施形態は、基板が、剛性、可撓性、および/または略平面であり得ることを提供する。いくつかの実施形態では、基板は、ディスプレイ、集積回路、電子機器アセンブリ、または回路板産業において見出されることができる。いくつかの実施形態では、基板は、CMOSおよび/またはMEMSデバイス、集積回路、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、角度測定回路網、RF回路、および送受信機を含有してもよい。
【0075】
多くの実施形態は、(限定ではないが)マイクロ成型プロセスを使用して加工されるインダクタを含む、高縦横比アンテナを提供する。多くの実施形態は、高縦横比アンテナが、誘導コイルを備えることを提供する。いくつかの実施形態による、誘導コイルは、伝導性電気材料の渦巻および/または螺旋配列を有する。いくつかの実施形態では、電気導体は、高縦横比を有する。多くの実施形態では、高縦横比導体を伴うアンテナは、所与の導体幅に関して、導体の断面積を増加させ、したがって、アンテナの電気抵抗を低減させる。いくつかの実施形態は、アンテナ占有面積が、大幅に低減され得ることを提供する。
【0076】
多くの実施形態では、高縦横比電気導体は、(限定ではないが)近接場アンテナを含む、高性能インダクタおよびアンテナのための種々の構成において配列される。ある実施形態は、電気ワイヤおよび/またはトレースが、コイルを形成するために(限定ではないが)基板上の平面長方形、円形、および/または六角形の螺旋を含む構成において配列され得ることを提供する。多くの実施形態による、アンテナは、(限定ではないが)長方形、三角形、四辺形、または曲面を伴うものを含む断面を有することができる。いくつかの実施形態では、コイルは、導体が増加された縦横比を有するように、基板に対して法線方向に延在されることができる。アンテナは、アンテナを動作させる、またはそれに応答する回路に電気的に接続されることができる。多くの実施形態は、高縦横比アンテナが、(限定ではないが)同調アンテナシステムを含む、電子回路に統合され得ることを提供する。いくつかの実施形態では、(限定ではないが)回路、集積回路(IC)、抵抗器、およびコンデンサを含む構成要素が、アンテナシステムに組み込まれることができる。いくつかの実施形態による、追加された構成要素は、コイルの内側および/または外側に設置されることができる。ある実施形態では、構成要素は、異なる回路平面内に設置されることができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、いくつかのコイルは、コイルのインダクタンスを増加させるために、スタックされることができる。多くの実施形態では、高縦横比アンテナは、多層アンテナであり得る。いくつかの実施形態による、各アンテナ層は、隣接する層から絶縁体によって分離され、電気ビアを通して接続されることができる。いくつかの実施形態では、多層コイル構造のインダクタンスは、単層コイルと比較して改良されることができる。いくつかの実施形態による、コイルは、同一の平面および/または基板上に位置することができる。いくつかの実施形態では、コイルは、同一の軸に沿った後続平面および/または基板に設置されることができる。コイルの設計は、ある実施形態に従って、対称および/または非対称であり得る。
【0078】
多くの実施形態では、高縦横比を伴うアンテナコイルは、小占有面積を有し、高インダクタンスおよび低直列抵抗を呈する。いくつかの実施形態は、アンテナ構造の高インダクタンスおよび低直列抵抗が、高伝導性材料を伴い、密接に離間された高縦横比トレースを伴うアンテナコイルを加工することによって達成され得ることを提供する。いくつかの実施形態は、高縦横比アンテナの導電性トレースが、(限定ではないが)導電性粒子、金属ナノ粒子、非導電性(誘電性)粒子、および半伝導性粒子を含む粒子から作製され得ることを提供する。いくつかの実施形態では、粒子は、異なる伝導性および/または非伝導性材料から作製されるナノ粒子を備える。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、アンテナにおいて等方的及び/又は異方的に分配されることができる。金属ナノ粒子の実施例は、(限定ではないが)銀、銅、金、ニッケル、およびそれらの任意の組み合わせを含む。半伝導性粒子の実施例は、(限定ではないが)金属酸化物粒子を含む。多くの実施形態は、粒子が、液体溶媒中の懸濁液として提供され得ることを提供する。いくつかの実施形態による、ナノ粒子は、約1nm~約5μmの範囲内の直径を有することができる。
【0079】
多くの実施形態は、高縦横比アンテナ構造が、(限定ではないが)基板上に配置されるコイルアンテナを含む、複数のアンテナを含み得ることを提供する。いくつかの実施形態は、高縦横比アンテナが、マイクロ金型スタンプを使用して構築され得ることを提供する。多くの実施形態では、高縦横比導体は、基板表面上に適用されたマイクロ金型スタンプ内に配置されるチャネル内で硬化されたナノ粒子インクから構築されることができる。本プロセスは、アンテナおよびインダクタが、小型かつポータブルな電子デバイスのために好適な寸法を伴って作製されることを可能にする。いくつかの実施形態は、アンテナおよび導体が、約1μm~約100μmの範囲内の寸法を有することを提供する。ある実施形態では、アンテナは、1を上回る縦横比(導体高と導体幅との比)を有する。
【0080】
多くの実施形態は、高縦横比アンテナを加工するためのマイクロ成型プロセスを提供する。いくつかの実施形態は、アンテナを加工する際にマイクロ成型スタンプを含むマイクロ成型機械を組み込む。ある実施形態では、マイクロ成型スタンプは、基板上にナノ粒子を備える高縦横比導体を印刷し、高縦横比アンテナを形成することができる。多くの実施形態は、マイクロ成型スタンプの十分に制御された表面粗度およびナノ粒子インクの小さいサイズが、導体の表皮深さよりもはるかに小さい高縦横比の二乗平均平方根表面粗度を可能にすることを提供する。いくつかの実施形態では、アンテナにおいて生成される信号は、高周波数(1MHz~1THz)において低減された信号減衰を有する。高周波数(1MHzを上回る周波数)において、表皮効果は、有意になり得る。例えば、UHF帯では、表皮深さは、数ミクロンを備え、電流の大部分は、導体の表面の表皮深さの約5倍の距離内で流動し得る。導体の表面粗度は、したがって、抵抗の測定可能な変化につながり得、これは、ひいては、信号減衰の増加につながる。概して、二乗平均平方根表面粗度は、信号の付加的減衰を回避するために、導体における電場の表皮深さよりもはるかに小さくあるべきである。いくつかの実施形態は、マイクロ成型スタンプが、十分に制御された表面粗度を有し、ナノ粒子が、小さいサイズを有することを提供する。多くの実施形態による、高縦横比アンテナの印刷された電気導体は、(限定ではないが)スクリーン印刷およびインクジェット印刷を含む、従来の製造方法と比較して、大幅に減少された二乗平均平方根表面粗度を有する。いくつかの実施形態は、アンテナの表面粗度が、導体の表皮深さをはるかに下回り得、アンテナにおいて生成される信号が、高周波数(約1MHz~約1THzの周波数)において低減された信号減衰を有することを提供する。
【0081】
多くの実施形態は、合理的な費用において高縦横比アンテナおよび/またはコイルを製造するマイクロ成型方法を提供する。いくつかの実施形態では、高縦横比導体を伴うアンテナは、基板上に形成または堆積される自立構造として加工されることができる。いくつかの実施形態は、基板が、プリント回路板(PCB)基板であり得ることを提供する。基板は、ある実施形態に従って、ディスプレイ、集積回路、電子機器アセンブリ、または回路板産業において見出されることができる。いくつかの実施形態では、基板は、CMOSおよび/またはMEMSデバイス、集積回路、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、角度測定回路網、RF回路、および送受信機を含有してもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、高縦横比アンテナは、誘電体基板上に堆積されることができる。ある実施形態による、電流の大部分は、誘電体基板とアンテナとの間の界面に沿って流動してもよい。そのような実施形態では、基板/アンテナ界面の小さい表面粗度は、アンテナにおける対応して低い抵抗を可能にする。いくつかの実施形態による、高縦横比アンテナを加工するための方法は、電気めっきを伴わずに、小さい表面粗度を伴う平滑な界面を提供する。電気めっきは、基板上に形成される構造の分解能を低減させ得る。いくつかの実施形態では、1つのめっきステップにおいて配置される薄い電気めっき層が、導体表面上に伝導性コーティングを提供するために使用されることができる。いくつかの実施形態による、導電性コーティングは、導体の粒子構造を不明瞭にしないように十分に薄くあり得る。したがって、導体表面は、下層ナノ粒子構造の輪郭を共形的に辿り、導体のナノ粒子構造を暴露する、凸凹の非平面粒子定義を有することができる。ある実施形態は、薄い導電性層が、電気導体の空間分解能の損失を限定しながら、電気導体の表皮伝導を改良し得ることを提供する。
【0083】
多くの実施形態による、高縦横比アンテナ構造は、信号応答を改良する、より長く、より応答性のアンテナを可能にする。いくつかの実施形態では、アンテナ巻線が、より密接にともに形成されることができる。いくつかの実施形態は、アンテナ巻線が、電気めっき構造よりも近接して形成され得ることを提供する。
【0084】
多くの実施形態では、高縦横比アンテナ構造は、より小さい占有面積を伴うより小さい面積において、アンテナの所与の縦横比に関して減少された導体線間隔を伴う同一のインダクタンスを提供する。いくつかの実施形態による、高縦横比アンテナは、同一の占有面積であるが、低縦横比を伴うアンテナと比較して、アンテナの所与の縦横比に関して、減少された導体線間隔およびより多くの巻数を伴って増加されたインダクタンスおよび信号感度を提供する。いくつかの実施形態では、導体の縦横比は、縦横比に比例する静電容量の増加を提供する。
【0085】
多くの実施形態は、高伝導率を伴う高縦横比コイル構造が、高周波数電子回路設計における高Q低損失空芯インダクタの設計および加工に適用され得ることを提供する。いくつかの実施形態では、コイル構造は、(限定ではないが)スイッチモード電力供給源、無線周波数(RF)バンドパス、ハイパス、およびローパスフィルタ、低損失変圧器、誘導角度および位置センサ、LCまたはRLC共振器を含む分野におけるインダクタとして適用されることができる。いくつかの実施形態による、印刷されたインダクタおよび/またはコイルは、離散的構成要素として、より大きい分散要素ネットワークの一部として、および/または複数の受動的構成要素を含有するマイクロストリップとして統合されることができる。いくつかの実施形態は、印刷されたインダクタおよび/またはコイルの高正確度が、(限定ではないが)共振周波数のより正確な同調、より小さい占有面積、サブクオーター波長フィルタリング、およびより高い電力結合効率を含む利益を提供し得ることを提供する。
【0086】
実施形態のある実装を説明したが、ここで、本開示の概念を組み込む他の実装も使用され得ることが、当業者に明白となるであろう。したがって、本開示は、ある実装に限定されるべきではなく、むしろ、以下の請求項の精神および範囲によってのみ限定されるべきである。
【0087】
説明全体を通して、装置およびシステムが、具体的構成要素を有する、含む、または備えるものとして説明される場合、またはプロセスおよび方法が、具体的ステップを有する、含む、または備えるものとして説明される場合、加えて、列挙される構成要素から本質的に成る、またはそれから成る、開示される技術の装置およびシステムが存在し、列挙される処理ステップから本質的に成る、またはそれから成る、開示される技術によるプロセスおよび方法が存在することが想定される。
【0088】
開示される技術が動作可能なままである限り、ステップの順序またはあるアクションを実施するための順序が、重要ではないことを理解されたい。また、2つまたはそれを上回るステップまたはアクションは、いくつかの状況では、同時に行われることができる。本発明は、そのある実施形態を特に参照して詳細に説明されたが、変形例および修正が、本発明の精神および範囲内で影響を受け得ることを理解されたい。
(ガスセンサ)
【0089】
ガスセンサが、周囲ガスを検出し、雰囲気中に存在するガス濃度を測定するために使用されることができる。着目ガスは、毒性、爆発性、または環境ガスを含むことができる。ガスセンサは、工業製造、化学プロセス制御、自然保護、個人健康監視、スマートシティ監視、屋内/屋外空気質制御、および国防を含む、種々の用途において使用されてもよい。
【0090】
ガスセンサは、それに対応するガスセンサ要素が敏感である標的ガスに暴露されるガスセンサ要素の属性変化に依拠することができる。ガスセンサは、感知されたガスを電気化学、光学、音響、測温、または重量測定信号に変換する、種々の異なる感知アーキテクチャを含む。これらの中でもとりわけ、電気的に変換されるガスセンサが、広く研究されているもののうちの1つであり、一般的なセンサのうちの1つである。電気ガスセンサは、2つの主要な構成要素、すなわち、ガスセンサ要素を備える感知材料と、トランスデューサとを含んでもよい。ガスセンサ要素における感知材料は、周囲雰囲気に暴露されてもよく、標的ガスが、検出される場合、材料の伝導率、仕事関数、または誘電率等のその物理的性質のうちの1つまたはそれを上回るものの変化を受ける。感知材料が標的ガスと相互作用した後、トランスデューサは、変化した物理的性質を、静電容量(C)、インダクタンス(L)、または抵抗(R)等の感知材料の電気特性の変化に変換する。回路が、次いで、感知材料の電気特性の変化に対応する電流(I)または電圧(V)の大きさ、周波数(F)、または位相(φ)変動を測定する。
【0091】
電気的に変換されるガスセンサは、少なくとも4つの異なるデバイスアーキテクチャ、すなわち、抵抗、容量、誘導、および電界効果ベースのガスセンサアーキテクチャに分類されることができる。電子ガス感知材料は、概して、導体または半導体であり、標的ガスに暴露されると、電気的性質の変化を受ける。典型的なガス感知材料は、金属酸化物半導体、伝導性ポリマー、カーボンナノチューブ、および2D材料を含む。殆どの商業的なガスセンサは、金属酸化物半導体感知層、例えば、NiO、SnO、TiO、WO、Fe、およびZnOに基づく。
【0092】
金属酸化物ガスセンサは、1μm~100μmに及ぶ感知層厚を伴う厚膜デバイスまたは数nm~1μmに及ぶ感知層厚を伴う薄膜デバイスであり得る。公称上同一の材料の薄および厚膜金属酸化物ベースのガスセンサのガス感知性質は、異なる温度範囲における種々のガスに対して大きく異なる応答を呈する。
【0093】
異なる技法が、現在、薄膜および厚膜層金属酸化物感知膜を堆積させるために使用されている。薄膜堆積のための堆積方法は、物理蒸着、原子層堆積、分子蒸着、熱化学蒸着、または火炎噴霧熱分解等の真空蒸着技法を含む。厚膜堆積技術は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ドロップキャスティング、および電気流体力学的印刷を含む。高度かつ効果的な金属酸化物ガスセンサは、トランスデューサ電極上に厚い多孔性膜として堆積されるナノ構造化材料を含み得る。
【0094】
殆どの商業的ガスセンサは、ガスに対してガスセンサ要素を敏感にするために、ヒータを必要とし得る。殆どのガスセンサは、ポータブルな用途を意図しているため、ガスセンサによる電力使用およびガスセンサの物理的サイズは、重要な性能属性であり得る。
【0095】
以前の研究において、Graf et al.は、酸化スズ、酸化ガリウム、酸化インジウム、または酸化亜鉛等のワイドバンドギャップ半伝導性酸化物を含むガス感受性金属酸化物材料について議論している。(例えば、M. Graf, et al., Journal of Nanoparticle Research, 2006, 8, 823 - 839(その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)を参照されたい。)一般に、ガス状電子供与体または受容体は、金属酸化物に吸着し、表面状態を形成し、これは、半導体金属酸化物と電子を交換することができる。受容体分子は、金属酸化物半導体から電子を抽出し、したがって、その伝導率を減少させることができる。反対のことが、電子供与分子に当てはまる。空間電荷層が、したがって、形成されることができる。供与体/受容体の表面濃度を変化させることによって、空間電荷領域の伝導率は、金属酸化物半導体材料の伝導率が分析物ガス濃度変化に応答して変化するように、変調されることができる。これらの化学的に誘発された変化は、次いで、伝導率測定を行うための単純な電極構造を用いて、電気信号に変換されることができる。
【0096】
ガスセンサ要素は、蒸発によって形成される薄膜を備える、または金属酸化物ガスセンサ要素をドロップキャスティングまたはスクリーン印刷することによって、またはマイクロヒータ上にインクジェットプリンタを用いて溶液中の金属酸化物ナノ粒子を堆積させることによって形成される厚膜を備えることができる。ガスセンサ要素は、毛管内マイクロ成型(MIMIC)方法を使用して構築されることができる。(例えば、M. Heule, et al., Adv. Mater., 2001, 13, 23, 1790-1793およびM. Heule, et al., Sensors and Actuators B, 2003, 93, 1-3, 100-106(その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)を参照されたい。)しかしながら、そのようなガスセンサは、広く変動し、一貫しない性能を有し、望ましいものよりも多くの電力を使用し得る。また、例えば、エレクトロニックノーズにおける、種々のガスを同時に感知し得るガスセンサが、有用であり得る。
【0097】
多くの実施形態は、マイクロ成型プロセスを用いて加工されるガスセンサを提供する。いくつかの実施形態による、ガスセンサは、より小さいサイズを有し、低減された電力使用を呈する。いくつかの実施形態は、ガスセンサが、性能においてより一貫していることを提供する。いくつかの実施形態では、ガスセンサは、多種多様なガスセンサ要素を含む。いくつかの実施形態による、マイクロ成型加工プロセスは、単純かつ繰り返し可能な製造プロセスである。本発明の種々の実施形態による、マイクロ成型プロセスを用いて加工される高分解能ガスセンサ要素を伴うガスセンサのシステムが、下記にさらに議論される。
(マイクロ成型ガスセンサ)
【0098】
多くの実施形態は、ガスセンサを作製するための構造および方法を提供する。いくつかの実施形態による、ガスセンサは、より低い電力消費、増加された感度、改良された選択性、増加された一貫性および制御性、低減された占有面積、および簡略化された製造プロセスを有する。ガスセンサの占有面積は、その上にガスセンサが配置される基板にわたるガスセンサの面積である。少なくとも1つのガスセンサ要素が、基板上にいくつかの実施形態によるマイクロ成型プロセスを使用して構築されることができる。多くの実施形態は、ガスセンサ要素が、異なる材料を含む、および/または異なる形状因子を有し得ることを提供する。いくつかの実施形態では、ガスセンサ要素は、少なくとも1つのマイクロヒータにわたる感知電極上に配置されることができる。感知電極上のガスセンサ要素は、少なくとも1つのマイクロヒータにわたって排他的かつ直接的にあり得る。いくつかの実施形態は、ガスセンサ要素が、周囲ガスに暴露され得ることを提供する。ある実施形態では、マイクロヒータは、ガスセンサ要素を加熱することができる。いくつかの実施形態は、感知電極が、ガスセンサ要素の電気特性を測定し得ることを提供する。
【0099】
多くの実施形態は、マイクロ成型プロセスを用いて作製されるガスセンサの構造を提供する。いくつかの実施形態では、ガスセンサの少なくとも1つの要素は、マイクロ成型プロセスを用いて作製されることができる。マイクロ成型ガスセンサは、少なくとも1つのガスセンサ要素を含むことができる。ガスセンサ要素は、(限定ではないが)溶融ナノ粒子から作製される、ナノ多孔性電気導体であり得る。いくつかの実施形態による、溶融ナノ粒子は、焼結または溶接されたナノ粒子であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロ成型ガスセンサは、複数のガスセンサ要素を含む。ガスセンサ要素は、要素長Lと、要素高Hと、要素幅Wとを有することができる。いくつかの実施形態では、ガスセンサ要素高Hは、要素幅Wを上回り得る。ある実施形態では、電極は、ガスセンサ要素に電気的に接続されることができる。いくつかの実施形態は、電極をガスセンサ電極と称する。いくつかの実施形態では、付加的電流および/または電圧注入力電極が、組み込まれることができる。いくつかの実施形態による、力電極は、ガスセンサ要素に接続し、4点プローブ測定構成を提供することができる。そのような実施形態は、測定に対する感知要素の間の接触抵抗の影響を減少または排除することによって、ガスセンサの長期安定性を改良することができる。多くの実施形態による、ガスセンサ要素の電気特性は、ナノ多孔性電気導体と接触する周囲ガスに応答して変化することができる。電気特性は、(限定ではないが)抵抗率、静電容量、インダクタンス、位相、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、ガスセンサは、電極に電気的に接続される、センサコントローラを含むことができる。いくつかの実施形態では、センサコントローラは、電極および/またはガスセンサ要素への他の電気接続を通して、ガスセンサ要素に電流を提供し、その抵抗率を測定するように動作可能であり得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、ガスセンサは、実質的に同じ(例えば、製造公差内)であり得る複数のガスセンサ要素を含むことができる。いくつかの実施形態による、複数の実質的に同じガスセンサ要素は、ガスセンサ測定における変動性を低減させ、一貫性および正確度を改良するために組み合わせられ得る、冗長測定を提供することができる。ある実施形態は、各ガスセンサ要素が、別個の第1の電極および別個の第2の電極によってセンサコントローラに接続され得ることを提供する。いくつかの実施形態は、ガスセンサ要素が、共通の第1の電極および/または共通の第2の電極に電気的に接続され得ることを提供する。
【0101】
多くの実施形態は、ガスセンサが、基板上の少なくとも1つのマイクロヒータ上に配置され得ることを提供する。いくつかの実施形態では、マイクロヒータは、電気マイクロヒータであり得る。いくつかの実施形態では、電気マイクロヒータは、(限定ではないが)抵抗性電気導体または抵抗性ワイヤを含む、少なくとも1つのマイクロヒータ電極を含むことができる。ある実施形態は、(限定ではないが)誘電体層またはSiO層を含む、少なくとも1つの電気絶縁層が、マイクロヒータ上に配置され得、ガスセンサ要素が、絶縁層上に配置され得ることを提供する。いくつかの実施形態による、絶縁層は、マイクロヒータ電極からガスセンサ要素を電気的に絶縁し、保護することができる。いくつかの実施形態では、マイクロヒータは、ガスセンサ要素が、基板上またはそれにわたる表面に平行な水平方向においてマイクロヒータによって囲繞され得るように、1つまたは2つの直交方向においてガスセンサ要素を越えて延在することができる。いくつかの実施形態は、表面が、その上にガスセンサ要素が配置される基板の表面またはその上にガスセンサ要素が配置される基板上に配置される任意の層の表面であり得ることを提供する。感知電極および/または力電極の間に位置する、マイクロヒータによってガスセンサ要素の一部を均一に加熱することによって、ガスセンサ要素の温度は、より一貫し、より良好に制御されることができ、いくつかの実施形態に従って、より信頼性の高い一貫した電気特性測定を提供することができる。
【0102】
多くの実施形態では、マイクロヒータは、ガスセンサ要素の温度を制御するために、熱をガスセンサ要素に提供することができる。熱は、ガスセンサ要素の抵抗率を減少させ、標的ガス分子と感知材料との相互作用を強化することができ、したがって、標的ガスへのセンサ要素の感度を増加させることができる。いくつかの実施形態では、ガスセンサ要素は、(限定ではないが)約150℃~約350℃等の周囲温度および/または室温を上回る温度を含む、高温においてより効果的に動作することができる。実施形態による、マイクロヒータは、センサ制御装置に電気的に接続され、それによって制御されることができる。
【0103】
本発明のある実施形態による、ガスセンサの平面図が、図1に図示される。マイクロ成型ガスセンサ99は、少なくとも1つのガスセンサ要素10を含む。ガスセンサ要素10は、溶融ナノ粒子を備える、ナノ多孔性電気導体を含むことができる。ガスセンサ要素10は、要素長Lと、要素高Hと、要素幅Wとを有することができる。少なくとも第1の電極30Aは、例えば、ガスセンサ要素10の第1の端部において、ガスセンサ要素10に電気的に接続されることができる。少なくとも第2の電極30Bは、例えば、第1の端部と反対のガスセンサ要素10の第2の端部において、ガスセンサ要素10に電気的に接続されることができる。第1の電極30Aおよび第2の電極30Bは、集合的に、ガスセンサ電極30と称される。ガスセンサ要素10の電気特性は、ナノ多孔性電気導体と接触する周囲ガスに応答して変化する。いくつかの実施形態では、ガスセンサ99は、第1の電極30Aに電気的に接続され、第2の電極30Bに電気的に接続される、センサコントローラ74を備えることができる。センサコントローラ74は、例えば、第1の電極30Aおよび第2の電極30Bまたはガスセンサ要素10への他の電気接続を通して、ガスセンサ要素10に電流を提供し、その抵抗率を測定するように動作可能であり得る。
【0104】
図1では、ガスセンサ99は、基板20と、基板20上に配置される、マイクロヒータ90とを備えることができる。電気マイクロヒータ90は、基板20上に配置される抵抗性電気導体または抵抗性ワイヤ等の少なくとも1つのマイクロヒータ電極92を含むことができる。マイクロヒータ90は、センサ制御装置74に電気的に接続され、それによって制御されることができる。
【0105】
本発明のある実施形態による、図1の断面線Aに沿って得られるガスセンサの断面図が、図2に図示される。マイクロ成型ガスセンサ99は、少なくとも1つのガスセンサ要素10を含む。ガスセンサ要素10は、溶融ナノ粒子12を備える、ナノ多孔性電気導体を含むことができる。溶融ナノ粒子12は、焼結または溶接されたナノ粒子12であり得る。ガスセンサ要素10は、要素長Lと、要素高Hと、要素幅Wとを有することができる。要素高Hは、要素幅Wを上回り得る。
【0106】
図2では、ガスセンサ99は、基板20を備えることができる。抵抗性電気導体または抵抗性ワイヤ等のマイクロヒータ電極92を備える、マイクロヒータ90が、基板20上に配置されることができる。電気絶縁層96(例えば、SiO等の誘電体)が、マイクロヒータ90上に配置されることができ、ガスセンサ要素10が、絶縁層96上に配置されることができる。絶縁層96は、マイクロヒータ電極92からガスセンサ要素10を電気的に絶縁し、保護する。マイクロヒータ90は、ガスセンサ要素10が、基板20上またはそれにわたる表面22に平行な水平方向においてマイクロヒータ90によって囲繞されるように、ガスセンサ要素10を越えて延在することができる。マイクロヒータ90によってガスセンサ要素10を囲繞することによって、ガスセンサ要素10の温度は、より一貫し、より良好に制御されることができ、より信頼性の高い一貫した電気特性測定を提供することができる。図1および図2は、具体的ガスセンサ構造スキームおよびガスセンサ要素組成物を図示するが、任意の構成および設計が、所与の用途の具体的要件に応じて、適宜利用されることができる。
【0107】
多くの実施形態は、マイクロ成型プロセスを用いて作製されるガスセンサが、相互と異なるガスセンサ要素を含み得ることを提供する。いくつかの実施形態は、ガスセンサにおける複数の異なるガスセンサ要素が、単一のガスセンサにおいて異なるガスおよび/またはガス濃度の測定を提供し得ることを提供する。いくつかの実施形態は、エレクトロニックノーズにおいてガスセンサを実装する。多くの実施形態による、複数の異なるガスセンサ要素は、異なるナノ粒子から作製される電気導体を備えることができる。ある実施形態による、複数の異なるガスセンサ要素の異なるナノ粒子組成物は、異なるガスおよび/またはガス濃度に敏感であり得る。いくつかの実施形態では、ガスセンサ要素の選択性は、標的ガスの存在下の出力信号変化と異なるガスが存在するときの出力信号変化との比によって特徴付けられることができる。
【0108】
多くの実施形態では、ガスセンサの複数の異なるガスセンサ要素は、異なるナノ粒子から作製されることができる。いくつかの実施形態による、異なるナノ粒子は、(限定ではないが)異なるナノ粒子材料、異なるナノ粒子ドーピング、異なるナノ粒子サイズ、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態による、異なるガスセンサ要素のナノ多孔性電気導体は、(限定ではないが)ナノ細孔サイズおよびナノ多孔性電気導体におけるナノ細孔の数量を含む、異なるナノ多孔度を有することができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、ガスセンサのガスセンサ要素は、同一のガスセンサの他のガスセンサ要素と同一および/または異なる形状因子を有することができる。形状因子の実施例は、(限定ではないが)ガスセンサ要素の長さ、ガスセンサ要素の高さ、ガスセンサ要素の幅、および要素形状を含む。
【0110】
多くの実施形態は、ガスセンサ要素が、要素幅Wを上回る要素高Hを有し得ることを提供する。いくつかの実施形態では、要素高Hと要素幅Wとの間の比は、最大2であって、2を上回る可能性もある。いくつかの実施形態では、要素高Hと要素幅Wとの間の比は、最大4であって、4を上回る可能性もあり、最大8であって、8を上回る可能性もあり、最大16であって、16を上回る可能性もある。ある実施形態では、要素高Hと要素幅Wとの間の比は、0.5未満であり得、0.25未満である可能性もある。多くの実施形態による、要素幅Wに対して増加された要素高H(例えば、増加された縦横比)を有するガスセンサ要素は、増加されたガスセンサ要素表面積を有することができる。いくつかの実施形態は、増加された表面積を伴うガスセンサ要素が、基板にわたって低減された面積においてともにより近接して配置され、ガスセンサの占有面積を低減させ得ることを提供する。いくつかの実施形態では、要素幅と要素の間の間隔との間の比は、4未満であり得る。いくつかの実施形態では、ガスセンサ要素の電気特性応答は、少なくとも部分的に、(限定ではないが)ナノ多孔性電気導体の表面積を含む、ガスセンサ要素表面積に依存し得る。いくつかの実施形態では、ナノ多孔性電気導体は、対応するガスに対するガスセンサ要素の応答が、増加され得るように、感知材料とガスとの間の界面面積を増加させることができる。いくつかの実施形態は、高縦横比ナノ多孔性ガスセンサ要素を備えるガスセンサが、増加された感度および低減された占有面積を有することを提供する。
【0111】
本発明のある実施形態による、異なるガスセンサ要素を伴うガスセンサの平面図が、図3に図示される。ガスセンサ99は、相互と異なる複数のガスセンサ要素10A、10B、10Cを備える。ガスセンサ99における複数のガスセンサ要素10A-Cは、単一のガスセンサ99において異なるガスおよび/またはガス濃度の測定を提供することができる。例えば、第1のガスセンサ要素10Aは、第2のガスセンサ要素10Bにおけるナノ粒子と異なるナノ粒子を備えることができる。ナノ粒子は、異なるガスおよび/またはガス濃度に敏感であり得る。
【0112】
ある実施形態による、図3の断面線Aに沿って得られる異なるガスセンサ要素を伴うガスセンサの断面図が、図4に図示される。ガスセンサ99は、相互と異なる複数のガスセンサ要素10A、10B、10Cを備える。複数のガスセンサ要素10A-Cは、単一のガスセンサ99において異なるガスおよび/またはガス濃度の測定を提供することができる。第1のガスセンサ要素10Aは、第1のナノ粒子12Aを備えることができ、第2のガスセンサ要素10Bは、第1のナノ粒子12Aと異なり、異なるガスまたはガス濃度に敏感である第2のナノ粒子12Bを備えることができる。第1および第2のナノ粒子12A、12Bは、集合的に、ナノ粒子12と称される。第3のガスセンサ要素10Cもまた、異なるナノ粒子12(図示せず)を備えることができる。ガスセンサ要素10Cは、第1のガスセンサ要素10Aと異なる形状因子を有することができる。異なる形状因子は、異なる長さL(図3に示されるようなガスセンサ要素10への第1の電極30Aと第2の電極30Bとの間の電気接続の長さ)、異なる断面(例えば、異なる要素高H、異なる要素幅W、または異なる要素形状)であり得る。
【0113】
図4では、要素幅Wに対して増加された要素高H(例えば、増加された縦横比)を有するガスセンサ要素10Aおよび10Bは、増加されたガスセンサ要素表面積15を有することができ、その上にガスセンサ要素10が配置される基板20にわたって低減された面積においてともにより近接して配置され、ガスセンサ99の占有面積を低減させることができる。ガスセンサ要素10の電気特性応答は、少なくとも部分的に、ガスセンサ要素表面積15、例えば、ナノ多孔性電気導体の表面積に依存し得る。ガスセンサ要素のナノ多孔性電気導体は、感知材料とガスとの間の界面面積を改良することができ、対応するガスに対するガスセンサ要素の応答は、増加される。図3および図4は、具体的ガスセンサ構造スキームおよび複数の異なるガスセンサ要素組成物を図示するが、任意の構成および設計が、所与の用途の具体的要件に応じて、適宜利用されることができる。
【0114】
多くの実施形態では、ガスセンサのマイクロヒータは、個々に制御可能なマイクロヒータ区画を含むことができる。いくつかの実施形態による、個々に制御可能なマイクロヒータ区画は、各マイクロヒータ区画において異なる温度を同時に提供するために、(限定ではないが)センサコントローラを含むことによって個々に制御可能であり得る。いくつかの実施形態は、各マイクロヒータ区画が、異なるガスセンサ要素と関連付けられる、および/またはそれと熱接触し得ることを提供する。そのような実施形態では、複数のマイクロヒータ区画は、対応するガスセンサ要素を異なる温度まで同時に加熱することができる。多くの実施形態による、異なる温度まで加熱されたガスセンサ要素は、個々かつ別個のマイクロヒータ電極を通して、異なるガスおよび/またはガスの濃度を検出するために適用されることができる。いくつかの実施形態は、基板および/または絶縁層が、異なるマイクロヒータ区画において異なる温度を可能にするように、比較的に高い熱抵抗を有し得ることを提供する。異なるように制御可能かつ異なるガスセンサ要素を提供することによって、ガスセンサは、異なるガスおよび/または異なるガス濃度を同時に測定することができ、エレクトロニックノーズを備えることができる。
【0115】
ガスセンサ要素の占有面積を減少させることによって、マイクロヒータの合計面積は、ガスセンサ要素の温度均一性を損なうことなく、多くの実施形態に従って、減少されることができる。マイクロヒータの電力引き込みは、面積に伴って増加し得る。マイクロヒータの合計面積の減少は、ガスセンサ電力消費の減少をもたらし、バッテリ給電電子機器におけるいくつかの実施形態によるガスセンサの使用を促進することができる。
【0116】
本発明のある実施形態による、ガスセンサにおける個々に制御可能なマイクロヒータ区画の平面図が、図5に図示される。マイクロヒータ90は、各マイクロヒータ区画91において異なる温度を同時に提供するように(例えば、図1に示されるようなセンサコントローラ74によって)個々に制御可能である個々に制御可能なマイクロヒータ区画91を備える。各マイクロヒータ区画91は、異なるガスセンサ要素10と関連付けられ、またはそれと熱接触することができ、複数のマイクロヒータ区画91は、個々かつ別個のマイクロヒータ電極92(例えば、第1のマイクロヒータ電極92A、第2のマイクロヒータ電極92B、第3のマイクロヒータ電極92C、集合的に、マイクロヒータ電極92)を通して、例えば、異なるガスまたはガスの濃度を検出するために、異なる温度まで対応するガスセンサ要素10を同時に加熱することができる。基板20、絶縁層96、または両方は、異なるマイクロヒータ区画91において異なる温度を可能にするように、比較的に高い熱抵抗を有することができる。異なるように制御可能かつ異なるガスセンサ要素10を提供することによって、ガスセンサ99は、異なるガスまたは異なるガス濃度を同時に測定することができ、エレクトロニックノーズを備えることができる。ガスセンサ要素10の占有面積を減少させることは、ガスセンサ要素10の温度均一性を損なうことなく、マイクロヒータ90の合計面積を減少させることができる。マイクロヒータ90の電力引き込みが、面積に伴って増加するため、これは、ガスセンサ99の電力消費の減少をもたらし、バッテリ給電電子機器におけるそのようなガスセンサ99の使用を促進する。図5は、ガスセンサスキームにおける具体的マイクロヒータ組み込みを図示するが、任意の構成および設計が、所与の用途の具体的要件に応じて、適宜利用されることができる。
【0117】
多くの実施形態では、ガスセンサは、数ナノメートル、数ミクロン~数十ミクロンの範囲内のサイズを有する要素を有するマイクロセンサであり得る。いくつかの実施形態では、ガスセンサ要素は、約1ミクロン~約50ミクロンに及ぶ要素幅Wを有することができる。ある実施形態では、ガスセンサ要素は、約5ミクロン~約20ミクロンに及ぶ要素幅Wを有することができる。いくつかの実施形態では、ガスセンサ要素の幅Wは、約10ミクロンであり得る。いくつかの実施形態は、ガスセンサ要素が、約100ナノメートル~約20ミクロンに及ぶ要素高Hを有し得ることを提供する。いくつかの実施形態では、ガスセンサ要素は、約1ミクロン~約10ミクロンに及ぶ高さHを有することができる。ある実施形態では、ガスセンサ要素の高さHは、約5ミクロンであり得る。多くの実施形態では、ガスセンサ要素は、約1ミクロン~約50ミクロンに及ぶ距離だけ基板にわたって分離されることができる。いくつかの実施形態は、ガスセンサ要素が、約5ミクロン~約20ミクロンに及ぶ距離だけ基板にわたって分離され得ることを提供する。いくつかの実施形態では、ガスセンサ要素は、約15ミクロンの距離だけ基板にわたって分離されることができる。多くの実施形態は、ガスセンサ電極が、約10nm~約5ミクロンに及ぶ厚さを有し得ることを提供する。いくつかの実施形態では、ガスセンサ電極は、約100nmの厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、各ガスセンサ要素は、約1ミクロン~約20ミクロンの範囲内の高さH、約1ミクロン~約50ミクロンの範囲内の幅を有することができる。
【0118】
いくつかの実施形態による、ガスセンサ要素およびガスセンサ電極のサイズおよび分離は、インクジェット、ドロップキャスティング、および/またはスクリーン印刷技法を使用して構築されない場合がある。加えて、薄膜構造は、低減された表面積、したがって、低減された感度を有してもよい。多くの実施形態は、増加された感度および低減された占有面積を伴うガスセンサを可能にする。いくつかの実施形態は、電気特性測定が、より一貫し、繰り返し可能であり得るように、ガスセンサ要素が、より繰り返し可能に、(限定ではないが)電極の間の溶融ナノ粒子を含む、感知材料の量および構造のより良好な制御を伴って構築され得ることを提供する。いくつかの実施形態による、改良された加工忠実度および再現性は、ガスセンサ要素の表面性質のより良好な制御につながり、それによって、製造されるガスセンサの電気応答の変動性を減少させ、製造後のガスセンサの較正の必要性を軽減させることができる。
【0119】
多くの実施形態は、ガスセンサのガスセンサ要素が、(限定ではないが)線形および直線、曲線、または螺旋を含む、幾何学形状を有し得ることを提供する。いくつかの実施形態による、単一の第1の電極および単一の第2の電極を伴う単一のガスセンサ要素が、それぞれ異なるナノ多孔性電気導体に対応する、複数の部分を有することができる。いくつかの実施形態では、複数のガスセンサ要素は、交互嵌合されることができる、および/または異なるガスセンサ要素は、交互嵌合される異なるナノ多孔性電気導体を有することができる。ガスセンサ要素は、(限定ではないが)正方形、長方形、立方体、円形、または円筒形を含む、異なる形状および/または断面を有することができる。いくつかの実施形態では、(限定ではないが)高縦横比形状因子および要素幅Wまたは要素高Hをはるかに上回る要素長Lを含む線形形状因子を有するガスセンサ要素は、低減された表面積においてより大きいガスセンサ要素表面積を有することができる。ある実施形態による、ガスセンサ要素は、ドロップキャスティング、スクリーン印刷、またはインクジェット印刷を使用して提供されるガスセンサ材料とは対照的に、より大きいガスセンサ要素表面積を有する。いくつかの実施形態による、より大きいガスセンサ要素表面積を伴うガスセンサ要素は、特に、エレクトロニックノーズにおける複数のガスセンサ要素を備えるガスセンサに関して、ガスセンサの要素の感度を増加させ、ガスセンサのサイズを低減させることができる。
【0120】
多くの実施形態は、ガスセンサ要素のナノ粒子が、約1nm~約1ミクロンに及ぶ直径を有し得ることを提供する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約10nm~約500nmに及ぶ直径を有することができる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約100nmまたは約100nm未満の直径を有することができる。ある実施形態では、ナノ粒子は、約1nm~約5ミクロンに及ぶ直径を有する。
【0121】
多くの実施形態では、ガスセンサ要素のナノ多孔性電気導体におけるナノ粒子の集合体は、同じではない場合があり、サイズの分布を有してもよい。いくつかの実施形態による、ナノ粒子サイズの分布は、(限定ではないが)公称直径を中心とする直径の分布を含むことができる。したがって、実施形態による、約100nmの直径を有するものとして言及されるナノ粒子は、実際には、実質的に約100nmの平均を伴う(例えば、製造公差内の)直径の分布を有するナノ粒子の集合または集合体であり得る。いくつかの実施形態は、ガスセンサ要素が、約1ミクロンRMS未満の表面粗度を有し得ることを提供する。ある実施形態では、ガスセンサ要素は、約150nm RMS未満、約100nm RMS未満、および/または約50nm RMS未満の表面粗度を有することができる。
【0122】
多くの実施形態は、ガスセンサのナノ粒子が、(限定ではないが)金属ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、またはドープされた金属酸化物ナノ粒子を含み得ることを提供する。ある実施形態による、金属酸化物ナノ粒子は、(限定ではないが)SnO、TiO、ITO、CdSe、WO、ZnO、In、Cd:ZnO、CrO、V、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、金属酸化物ナノ粒子は、センサの選択性を改良するために、Al、Pt、Pd、Au、Ag、Ti、Cu、Fe、Sb、Mo、Ce、Mn、Rh、またはカーボンナノチューブ(CNT)を用いてドープされることができる。そのような材料は、種々の用途において着目ガスを検出するために効果的に使用されることができる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子の集合体は、(限定ではないが)非伝導性材料、半伝導性、および/または誘電性材料を含む材料を含むことができる。実施形態による、これらの材料は、ガスに敏感であり、ナノ多孔性電気導体における伝導性材料の応答に影響を及ぼすことができる、および/またはナノ多孔性電気導体を構築するために有用であり得る。いくつかの実施形態では、ナノ粒子インクは、(限定ではないが)水性分散剤および/または有機溶媒を含む、液体溶媒中の懸濁液として提供されることができる。有機溶媒の実施例は、(限定ではないが)イソプロパノール、エタノール、トルエン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、またはトリエチレングリコールモノメチルエーテルを含む。いくつかの実施形態による、ナノ粒子は、約0.3センチポイズ~約300センチポイズの範囲内の粘度を有することができる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、異なる伝導性、半伝導性、または非伝導性材料から作製された異なるナノ粒子を備え、ガスセンサ要素内で等方的または異方的に分配されることができる。
【0123】
多くの実施形態は、ガスセンサの基板が、(限定ではないが)ガラス、ポリマー、半導体、セラミック、石英、金属、紙、および/またはサファイアを含み得ることを提供する。基板を構成するポリマーの実施例は、(限定ではないが)カプトン(ポリイミド)、PET、PMMA、テフロン(登録商標)(PTFE)、およびETFEを含むことができる。半導体の実施例は、(限定ではないが)Si、SiO、Si、SiC、GaAs、GaInP、InP、およびこれらの材料の任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、ガスセンサのための基板は、(限定ではないが)FR2、FR4、または液晶ポリマー(LCP)材料を含む、プリント回路板(PCB)基板であり得る。いくつかの実施形態は、基板が、剛性、可撓性、および/または略平面であり得ることを提供する。いくつかの実施形態では、基板は、ディスプレイ、集積回路、電子機器アセンブリ、または回路板産業において見出されることができる。いくつかの実施形態では、基板は、CMOSおよび/またはMEMSデバイス、集積回路、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、角度測定回路網、RF回路、および送受信機を含有してもよい。
【0124】
本発明のある実施形態による、種々のサイズを伴うガスセンサ要素を有するガスセンサが、図6に図示される。ガスセンサ99は、ナノメートル、ミクロン、または数十ミクロン範囲内のサイズを有する要素を有するマイクロセンサであり得る。例えば、ガスセンサ要素10は、約1ミクロン~約50ミクロンに及ぶ、または約5ミクロン~約20ミクロンに及ぶ要素幅Wを有することができる。図6では、1つのガスセンサ要素10の幅Wは、約10ミクロンである。ガスセンサ要素10は、約100ナノメートル~約20ミクロンに及ぶ、または約1ミクロン~約10ミクロンに及ぶ要素高Hを有することができる。図6では、1つのガスセンサ要素10の高さHは、約5ミクロンである。ガスセンサ要素10は、約1ミクロン~約50ミクロンに及ぶ、または約5ミクロン~約20ミクロンに及ぶ距離だけ基板20にわたって分離されることができる。図6では、ガスセンサ要素の間の距離分離は、約15ミクロンである。ガスセンサ電極30は、約10nm~約5ミクロンに及ぶ厚さを有することができる。図6では、ガスセンサ電極の厚さは、約100nmである。ガスセンサ要素10は、ナノ粒子94を用いて作製されることができる。ナノ粒子94は、例えば、約1nm~約1ミクロンに及ぶ、または約10nm~約500nmに及ぶ、直径Dの範囲を有することができる。図6では、ナノ粒子94は、約100nmまたは約100nm未満、例えば、約1nm~約5ミクロンの直径を有する。図6は、具体的ガスセンサ構造寸法およびガスセンサ要素組成物を図示するが、任意の構成および設計が、所与の用途の具体的要件に応じて、適宜利用されることができる。
【0125】
多くの実施形態では、ガスセンサは、異なる厚さの区分を伴う基板を有することができる。いくつかの実施形態による、より薄い区分を伴う基板は、マイクロヒータに応答して、より速い温度変化およびガスセンサ要素に対するより良好な熱制御および温度分布を提供することができる。ある実施形態による、異なる厚さの区分を伴う基板を伴うガスセンサが、図7に図示される。基板20は、基板20の縁よりも基板20の中心においてより薄い基板21を有することができる。そのような薄化された基板21は、例えば、基板20を通した熱損失を低減させることによって、マイクロヒータ90に応答して、より速い温度変化およびガスセンサ要素10に対するより良好な熱制御および温度分布を提供することができる。いくつかの実施形態では、より薄い基板21は、約10nm~約1ミクロンの厚さを伴い、基板20内の開口にわたって懸架され得る、SiOまたはSi膜を備えることができる。いくつかの実施形態では、本膜は、熱損失をさらに低減させるための開口部を含有してもよい。
【0126】
多くの実施形態は、ガスセンサが、(下記にさらに議論される)マイクロ成型機械を使用して構築され得ることを提供する。本発明のある実施形態による、基板上またはそれにわたって配置されるガスセンサの平面図が、図8に図示される。図8では、ガスセンサ99は、複数のガスセンサ要素10(例えば、第1および第2のガスセンサ要素10A、10B)を備える。各ガスセンサ要素は、基板20上のマイクロヒータ電極92にわたって配置される、第1および第2の電極30A、30Bを有する(絶縁層96は示されない)。第1および第2の電極30A、30Bは、対応するガスセンサ要素10の伝導率感知を提供し、各ガスセンサ要素10のナノ多孔性電気導体を通して電流を伝導させる。
【0127】
図8に示されるように、付加的電流または電圧注入力電極31A、31Bが、組み込まれることができる。力電極31A、31Bは、ガスセンサ要素10に接続され、4点プローブ測定構成を提供することができる。これは、測定に対する感知要素(例えば、第1および第2の電極30A、30B)の間の接触抵抗の影響を減少または排除することによって、本デバイスの長期安定性を改良し得る。図7および図8は、具体的ガスセンサ構造および組成物を図示するが、任意の構成および設計が、所与の用途の具体的要件に応じて、適宜利用されることができる。
【0128】
本発明の種々の実施形態による、マイクロ成型プロセスにおいて利用され得るマイクロ成型機械のシステムが、下記にさらに議論される。
(マイクロ成型機械)
【0129】
多くの実施形態は、マイクロ成型プロセスにおいて使用され得るマイクロ成型機械を提供する。いくつかの実施形態による、マイクロ成型機械は、高縦横比を伴う高分解能電気導体を加工することができる。電気導体は、(限定ではないが)ガスセンサ、インダクタ、アンテナを含む、電気デバイス内に統合されることができる。多くの実施形態は、マイクロ成型機械が、マイクロ成型機械の少なくとも1つの表面内に埋設される種々の特徴を有することを提供する。いくつかの実施形態では、マイクロ成型機械は、基板上に埋設される特徴をインプリントするためのスタンプとして作用することができる。いくつかの実施形態では、マイクロ成型機械は、マイクロ成型プロセスの間にインクを供給するための少なくとも1つのインク供給源を有する。
【0130】
多くの実施形態は、マイクロ成型機械が、少なくともスタンプを含むことを提供する。スタンプは、いくつかの実施形態による、スタンプの表面上に配置される、第1のチャネルと、スタンプの表面上に配置される、第2のチャネルとを有することができる。いくつかの実施形態では、第1の入口ポートは、第1のチャネルに接続されることができ、第1の入口ポートと別個の第2の入口ポートは、第2のチャネルに接続されることができる。ある実施形態は、(限定ではないが)第1のインクを第1の入口ポートに供給するためのナノ粒子インク供給源を含む第1のインクと、(限定ではないが)第2のインクを第2の入口ポートに供給するための第1のインク供給源と別個のナノ粒子インク供給源を含む第2のインクとを提供する。いくつかの実施形態では、マイクロ成型機械は、第1の入口ポートおよび第1のチャネルを通して第1のインクを圧送および/または分注し、第2の入口ポートおよび第2のチャネルを通して第2のインクを圧送および/または分注するためのポンプおよび/または分注器を含む。多くの実施形態による、マイクロ成型機械は、スタンプの表面を基板に接触させるための接触機構を有することができる。いくつかの実施形態では、スタンプ内のチャネルは、基板上の特徴に対して位置付けられ、特徴が、(限定ではないが)1ミクロンまたは10ミクロンを含む規定された位置公差内で基板上の具体的場所に配置されることを確実にすることができる。ある実施形態では、スタンプ内のチャネルは、スタンプおよび基板上の基準マーカを光学的に使用して、基板上の特徴に対して位置付けられることができる。いくつかの実施形態では、スタンプ内のチャネルは、機械的接触によって基板上の特徴に対して位置付けられることができる。
【0131】
いくつかの実施形態では、第1のインクは、ナノ粒子を備えるインクであり得、第2のインクは、ナノ粒子を備えるインクであり得、第1のインク中のナノ粒子組成物は、第2のインク中のナノ粒子組成物と同一または異なり得る。いくつかの実施形態は、第1のチャネルが、第1の形状因子を有し得、第2のチャネルが、第1の形状因子と同一または異なる第2の形状因子を有し得ることを提供する。多くの実施形態では、マイクロ成型機械は、第1のチャネルまたは第2のチャネルに接続される、出口ポートを含むことができる。いくつかの実施形態による、ポンプおよび/または分注器は、大気圧を下回る負の空気圧または真空を出口ポートに提供することができる。
【0132】
いくつかの実施形態は、ガスセンサが、マイクロ金型機械を使用して構築され得ることを提供する。本発明のある実施形態による、マイクロ金型機械の平面図が、図9Aに図示される。図9Aの断面線Aを横断して得られるマイクロ金型機械の断面図が、図9Bに図示される。図9Aの断面線Bを横断して得られるマイクロ金型スタンプの断面図が、図9Cに図示される。本発明のある実施形態による、別個のインクリザーバを伴うマイクロ金型機械の平面図が、図9Dに図示される。
【0133】
マイクロ金型機械98は、支持側46と、チャネル側48とを有する、金型層44を備える、マイクロ金型スタンプ40を含むことができる。支持層42は、支持側46と接触して配置される。支持層42は、金型層44よりも剛性であり、寸法安定性を金型層44に提供し、マイクロ金型スタンプ40によって形成される構造に関する改良された分解能を可能にすることができる。金型層44は、金型層44内のチャネル側48上に配置される、少なくとも1つのチャネル50(例えば、示されるように、マイクロチャネルまたは複数のチャネル50)を備えることができる。入口ポート52は、チャネル50に接続され、出口ポート54は、チャネル50に接続される。チャネル50は、チャネル側48から離れて支持側46に向かう金型層44への方向においてある高さを有する(ガスセンサ要素高Hに対応する)。チャネル高は、チャネル側48上のチャネル50の幅(ガスセンサ要素幅Wに対応する)を上回り得る。いくつかの実施形態では、入口および出口ポート52および/または54は、金型層44のチャネル側48表面まで延在することができる。入口ポート52は、ナノ粒子インク56がチャネル50に進入するための経路を提供し、出口ポート54は、ナノ粒子インクがチャネル50の内外に引き込まれるための経路を提供する。金型層44は、(限定ではないが)画定されたマスタ、例えば、シリコンウエハに微細加工されたマスタ構造または、例えば、フォトリソグラフィを用いてシリコンウエハ等の基板上に加工されたポリマー構造上に鋳造および硬化される、ポリジメチルシロキサン、ポリウレタン、室温加硫シリコーンゴム、または光硬化性ゴムを含むエラストマ材料を含むることができる。支持層42は、金型層44よりも剛性の材料、例えば、ガラス、シリコン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、または石英を含むことができ、金型層44よりも薄くあり得る。いくつかの実施形態では、金型層44は、エラストマ材料へのナノ粒子の組み込みによって、または(限定ではないが)ガラス、鋼、炭素、またはナイロンを含むものから成る繊維メッシュの包含によって補強されることができる。支持層42は、(限定ではないが)ガラスを含む、金型層44よりも剛性の材料を含むことができ、金型層44よりも薄くあり得る。
【0134】
図9A-9Dでは、マイクロ成型機械98は、マイクロ金型スタンプ40の表面上に配置される、第1のチャネル50Aと、マイクロ金型スタンプ40の表面上に配置される、第2のチャネル50Bとを有する、マイクロ金型スタンプ40を備える。(第1のチャネル50Aおよび第2のチャネル50Bは、集合的に、チャネル50である。)いくつかの実施形態では、チャネル50は、共通の実質的に同じ形状因子を有する(図9A、9Dに示されるように)。いくつかの実施形態では、第1のチャネル50Aは、第1の形状因子を有し、第2のチャネル50Bは、第1の形状因子と異なる第2の形状因子を有する(図9Bに示されるように)。第1の入口ポート52Aは、第1のチャネル50Aに接続され、第2の入口ポート52Bは、第2のチャネル50Bに接続される。
【0135】
いくつかの実施形態では、各チャネル50は、別個かつ個々の入口ポート52(例えば、第1の入口ポート52Aおよび第2の入口ポート52B)と、別個かつ個々の出口ポート54(例えば、第1の出口ポート54Aおよび第2の出口ポート54B)とを有する。いくつかの実施形態では、各チャネル50への個々の入口および出口ポート52、54は、ポートの任意の対の間の最小間隔が、約100ミクロン~約1mmに及ぶ所定の距離を上回るように、スタンプ内に位置付けられることができる。いくつかの実施形態では、複数のチャネル50は、入口ポート52、出口ポート54、または両方を共有する。共通入口ポート52は、共通入口ポート52に接続されるチャネル50が、共通ナノ粒子12材料を共有するとき、構造的簡易性および製造性を提供する。共通出口ポート54は、共通出口ポート54に接続されるチャネル50からナノ粒子12材料を引き込むための構造的簡易性および製造性を提供する。いくつかの実施形態では、共通入口ポート52および出口ポート54に接続されるチャネルは、単一のマイクロ金型スタンプ40を使用して共通基板20上に構築される複数の別個のガスセンサの一部である、ガスセンサ要素のためのナノ粒子インクを堆積させるために使用される。
【0136】
図9Aでは、同一のナノ粒子が、第1の入口ポート52Aおよび第2の入口ポート52Bの両方に供給され、第1のチャネル50Aおよび第2のチャネル50Bの両方に供給され得るように、第1の入口ポート52Aは、ナノ粒子インク(図示せず)供給源(インクリザーバ58)から給送され、第2の入口ポート52Bは、同一のナノ粒子インク供給源(インクリザーバ58)から給送される。
【0137】
図9Dでは、異なるナノ粒子(例えば、第1のナノ粒子12Aおよび第2のナノ粒子12B、図示せず)が、第1の入口ポート52Aおよび第2の入口ポート52Bに別個に供給され、第1のチャネル50Aおよび第2のチャネル50Bに別個に供給され得るように、第1の入口ポート52Aは、ナノ粒子インク供給源(第1のインクリザーバ58A)から給送され、第2の入口ポート52Bは、異なるナノ粒子インク供給源(第2のインクリザーバ58B)から給送される。(第1のインクリザーバ58Aおよび第2のインクリザーバ58Bは、集合的に、インクリザーバ58である。入口ポート52および出口ポート54は、インクリザーバ58を備えることができる。)
【0138】
図9Cでは、ポンプ70または分注器は、第1の入口ポート52Aおよび第1のチャネル50Aを通して第1のナノ粒子インクを圧送および/または分注し、第2の入口ポート52Bおよび第2のチャネル50Bを通して第2のナノ粒子インクを圧送および/または分注する。いくつかの実施形態では、第1および第2のナノ粒子インクは、同一のナノ粒子インクまたは異なるナノ粒子インクであり得る。ポンプまたは分注器70は、毛管作用を単独で適用するよりも高速で、かつ低減された費用でチャネル50内にナノ粒子インクを充填するための圧力を提供することができる。接触機構(例えば、機械的位置マイクロコントローラおよび位置センサ、例えば、光学センサを採用する、図9Bに示されるオプトメカトロニック運動制御プラットフォーム62)は、マイクロ金型スタンプ40の表面(例えば、チャネル側48)を表面22(例えば、基板20または絶縁層等の基板20上の層)上に接触させることができる。したがって、マイクロ成型機械98は、異なるナノ粒子インクを実質的に同じチャネル50に提供する、実質的に同じナノ粒子インクを異なるチャネル50(例えば、異なる形状因子を有するチャネル50)に提供する、または異なるナノ粒子インクを異なるチャネル50に提供することができる。
【0139】
入口ポート52は、ナノ粒子インク56供給源から給送されることができる。ポンプおよび/または分注器70は、入口ポート52およびチャネル50を通してナノ粒子インク56を圧送または分注する。ポンプまたは分注器70は、毛管作用単独で可能なものよりも高速で、かつ低減された費用でチャネル50内にナノ粒子インクを充填するための圧力を提供することができる。図11A-11Dでは、ポンプまたは分注器70は、ナノ粒子インク56(例えば、分散剤または溶媒57中のナノ粒子12を備える)を、ポンプリザーバ72およびインクリザーバ58から、圧力下でマイクロ金型スタンプ40の入口ポート52に提供し、真空(または部分的真空または低減された圧力)を出口ポート54に提供し、チャネル50の中に、それを通してナノ粒子インク56を引き込むことができる。マイクロ金型スタンプ40は、ナノ粒子インク56の体積および流率を制御するためのナノ粒子インク56リザーバ58を備えることができる。入口ポート52および出口ポート54はまた、統合されたインクリザーバ58としての役割を果たすことができる。いくつかの実施形態では、チャネル50を通してナノ粒子インク56を駆動する圧力は、ナノ粒子インク56とナノ粒子インク56と接触するマイクロチャネル50の表面積との間の力によって引き起こされる毛管圧であり得る。
【0140】
図9A-9Dは、具体的マイクロ成型機械構造スキームおよび組成物を図示するが、任意の構成および設計が、所与の用途の具体的要件に応じて、適宜利用されることができる。本発明の種々の実施形態による、電気デバイスを作製する際に利用され得るマイクロ成型加工プロセスのシステムおよび方法が、下記にさらに議論される。
(マイクロ成型プロセスを使用したガスセンサの加工)
【0141】
多くの実施形態は、電気構成要素および/またはデバイスのマイクロ成型プロセスを提供する。電気構成要素および/またはデバイスの実施例は、(限定ではないが)ガスセンサ要素、アンテナ、インダクタを含む。いくつかの実施形態による、マイク成型加工プロセスは、マイクロ成型機械を実装する。多くの実施形態は、マイクロ成型加工プロセスが、(限定ではないが)以下のステップ、すなわち、
・ 基板表面を有する、基板を提供するステップと、
・ 支持側と、チャネル側とを伴う、金型層と、支持側と接触して配置される、支持層とを有する、スタンプを提供するステップと、
・ (限定ではないが)ナノ粒子インクを含む、第1のインクと、(限定ではないが)ナノ粒子インクを含む、第2のインクとを提供するステップと、
・ 基板表面と接触して金型層を配置するステップと、
・ 第1の入口ポートを通して第1のチャネルの中に第1のナノ粒子インクを圧送または分注するステップと、
・ 第2の入口ポートを通して第2のチャネルの中に第2のナノ粒子インクを圧送または分注するステップと、
・ 第1のチャネル内の第1のナノ粒子インクを硬化させるステップと、
・ 第2のチャネル内の第2のナノ粒子インクを硬化させるステップと、
・ スタンプを除去し、基板表面上に自立構成要素を形成するステップと、
を含み得ることを提供する。
【0142】
いくつかの実施形態では、金型層は、チャネル側上に配置される、第1の形状因子を有する、第1のチャネルと、第1のチャネルに接続される、第1の入口ポートと、第1のチャネルに接続される、第1の出口ポートとを含むことができる。いくつかの実施形態では、金型層は、チャネル側上に配置される、第2の形状因子を有する、第2のチャネルと、第2のチャネルに接続される、第2の入口ポートと、第2のチャネルに接続される、第2の出口ポートとを含むことができる。ある実施形態による、金型スタンプは、(限定ではないが)ポリジメチルシロキサン、ポリメチルメタクリレート、およびポリウレタンを含む材料を用いて作製されることができる。いくつかの実施形態は、第1のチャネルの第1の形状因子および第2のチャネルの第2の形状因子が、同一または異なる形状因子を有し得ることを提供する。多くの実施形態では、支持層は、金型層よりも剛性であり得る。いくつかの実施形態は、チャネルが、チャネル側上のチャネルの幅を上回る、チャネル側から金型層への方向における高さ、または両方を有し得ることを提供する。いくつかの実施形態では、スタンプ内の特徴は、基板上の特徴に対して位置付けられ、マイクロ成型特徴が、(限定ではないが)1ミクロンまたは10ミクロンを含む規定された位置公差内で基板上の具体的場所に配置されることを確実にすることができる。ある実施形態では、スタンプ内の特徴は、スタンプおよび基板上の視覚的基準マーカを使用して、基板上の特徴に対して位置付けられることができる。
【0143】
ある実施形態は、第1のナノ粒子インクおよび第2のナノ粒子インクが、同一または異なるナノ粒子インクであり得ることを提供する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子インクを硬化させることは、ナノ多孔性溶融ナノ粒子電気導体を形成することができる。いくつかの実施形態による、ナノ多孔性溶融ナノ粒子電気導体は、ナノ多孔性溶融ナノ粒子電気導体と接触する周囲ガスに応答して変化する、電気伝導率を有することができる。いくつかの実施形態による、ナノ粒子インクを硬化させるステップは、ナノ粒子インクを加熱することによって、および/またはナノ粒子インクを電磁放射に暴露することによって加速されることができる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、ナノ粒子を加熱することによって、および/またはナノ粒子を電磁放射に暴露することによって焼結されることができる。
【0144】
多くの実施形態は、入口圧力が、出口圧力を上回る場合、入口ポートに入口圧力を提供し、出口ポートに出口圧力を提供するステップが、入口ポートを通してチャネルの中にナノ粒子インクを圧送し得ることを提供する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子インクを圧送および/または分注するステップは、ナノ粒子インクをチャネルを通して流動させることができ、ナノ粒子インクの流動は、少なくとも部分的に、チャネル内の毛管圧によって駆動されることができる。ある実施形態では、ナノ粒子インクを圧送および/または分注するステップは、ナノ粒子インクをチャネルを通して流動させることができ、ナノ粒子インクの流動は、圧力を入口ポートに印加する、および/または真空を出口ポートに印加することによって駆動されることができる。
【0145】
本発明のある実施形態による、マイクロ成型プロセスを使用して構成要素を加工するプロセスが、図10に図示される。加工プロセスは、構成要素のための基板を提供することによって開始される(100)。マイクロ成型スタンプが、構成要素を配置するために使用されることができる(105)。マイクロ成型スタンプの金型層は、基板の基板表面と接触して(例えば、共形的に接触して)配置されることができる(115)。液体またはガス状溶媒または分散剤中のナノ粒子を備えるナノ粒子インクが、提供されることができる(110)。ナノ粒子を備えるナノ粒子インクは、入口ポートを通してチャネルの中に圧送されることができる(120)。ナノ粒子が、チャネルを通して移動するにつれて、ナノ粒子インク中の溶媒が、金型層の中に拡散することができ、したがって、ナノ粒子は、チャネル内で緊密に充塞した状態になる。インクによるチャネルの完全な湿潤が、所望の形状を達成し、溶媒の高速抽出を促進することに対して重要であり得、これは、使用される溶媒およびスタンプの表面エネルギーの慎重な調整によって達成されることができる。プロセスは、硬化によって加速されることができる(125)。いくつかの実施形態による、硬化プロセスは、(限定ではないが)ナノ粒子インクを熱に、および/または電磁放射に暴露するステップを含む。電磁放射の実施例は、(限定ではないが)キセノン閃光、赤外線放射、紫外線放射、またはレーザ放射を含む。硬化プロセスの間、ナノ粒子インクの溶媒は、ナノ粒子インクおよび/または金型層から追い出され得ることができる。いくつかの実施形態では、追い出された溶媒は、マイクロ成型スタンプの金型層によって(少なくとも部分的に)吸収されることができる。マイクロ成型スタンプは、基板の基板表面上に自立ガスセンサ要素を形成するために、除去されることができる(130)。自立ガスセンサ要素は、基板内に形成されない、または支持構造および/または壁を有して形成されることができる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、焼結および/または溶融され、ガスセンサ要素を形成することができる(135)。ある実施形態による、ナノ粒子を焼結および/または溶融するステップは、ナノ粒子を熱、UV放射、レーザ放射、または電磁放射に暴露することによって遂行されることができる。いくつかの実施形態では、焼結プロセスは、(限定ではないが)窒素、ヘリウム、アルゴン、水素、二酸化炭素を含む、保護雰囲気内で実施されることができる。多くの実施形態は、複数のガスセンサ要素が、異なる形状因子を有する、および/または異なるナノ粒子を備えるときであって、ガスセンサが、単一の層内に、かつ単一の一連のステップにおいて構築され得ることを提供する。図10は、マイクロ成型加工プロセスの具体的ステップを図示するが、任意のステップおよび方法が、所与の用途の具体的要件に応じて、適宜利用されることができる。
【0146】
ある実施形態による、加工プロセスの間の高縦横比ガスセンサの連続する断面図が、図11A-11Dに図示される。図11A-11Dでは、ガスセンサ要素10が、基板20、マイクロ金型スタンプ40、および提供される液体またはガス状溶媒または分散剤57中のナノ粒子12を備えるナノ粒子インク56を提供することによって構築されることができる。マイクロ金型スタンプ40の金型層44は、図11Aに示されるように、表面22(例えば、基板20の表面または絶縁層96)と接触して(例えば、共形的に接触して)配置される。図11Bに図示されるように、ナノ粒子12を備えるナノ粒子インク56は、例えば、ポンプリザーバ72からポンプ70によって、入口ポート52を通してチャネル50の中に圧送されることができる。圧送は、少なくとも部分的に、入口ポート52と出口ポート54との間の圧力差を提供することによって提供されることができる。ナノ粒子12が、チャネル50を通して移動するにつれて、ナノ粒子インク56中の溶媒57が、金型層44の中に拡散し、入口および出口リザーバ58からより多くのインクを引き込み、したがって、ナノ粒子12は、チャネル50内で緊密に充塞した状態になる。本プロセスは、構造内の平均細孔サイズが、インク中のナノ粒子12の細孔サイズほどになり、全ての溶媒が、抽出され、最終的に、チャネル形状の完全な成型につながるまで継続する。インクによるチャネルの完全な湿潤が、所望の形状を達成し、溶媒の高速抽出を促進することに対して重要であり得、これは、使用される溶媒およびスタンプの表面エネルギーの慎重な調整によって達成されることができる。
【0147】
図11Cでは、硬化プロセスは、例えば、ナノ粒子インク56および/または金型層44を、熱および/または(限定ではないが)キセノン閃光、紫外線放射、またはレーザ放射を含む電磁放射60に暴露し、少なくとも部分的に、マイクロ金型スタンプ40の金型層44によって吸収され得る溶媒57を追い出すことによって加速される、および/または可能にされることができる。マイクロ金型スタンプ40は、次いで、除去され、表面22上に(随意に、高縦横比を有する)ガスセンサ要素10を形成する。ナノ粒子12は、次いで、ナノ粒子12を熱、UV放射、またはレーザ放射に暴露することによって、焼結または溶融され、ガスセンサ要素10を形成することができる。焼結プロセスは、(限定ではないが)窒素、ヘリウム、アルゴン、水素、二酸化炭素を含む、保護雰囲気内で実施されることができる。ガスセンサ要素10は、例えば、基板内に形成されない、または支持構造または壁を有する(下層表面22を除く)、自立型であり得る。図11A-11Dは、ガスセンサを加工するマイクロ成型プロセスの具体的ステップを図示するが、任意のステップおよび方法が、所与の用途の具体的要件に応じて、適宜利用されることができる。
【0148】
本発明の種々の実施形態による、アンテナの設計において利用され得る高縦横比導体を伴う高縦横比アンテナのシステムが、下記にさらに議論される。
(アンテナ)
【0149】
アンテナは、電圧および電流を電磁場に結合し、空間的に分離された電子デバイスの間の通信または電力転送を可能にする。多種多様なアンテナが、異なる用途、例えば、ラジオ、テレビ、WiFi、レーダ、および無線電力転送(WPT)のために使用されることができる。アンテナは、異なるサイズおよび構成を含み、種々の周波数、例えば、3kHz~300GHzにおいて動作し得る。電磁スペクトルの異なる帯域が、異なる用途、例えば、ラジオ、テレビ、およびセルラー電話通信(スマートフォン)のために確保されている。完全なアンテナシステムは、電磁場または誘導結合を介して、電気導体の1つのセット(「送信機」)に流動する電圧および電流から、電気導体の別のセット(「受信機」)において誘発される電圧および電流に電気エネルギーを無線で結合することによって動作する。
【0150】
遠方場(放射)アンテナシステムは、受信アンテナが存在するかどうかにかかわらず、送信機から遠い距離においても伝搬する電磁波を生成する傾向がある。対照的に、近接場(非放射)アンテナシステムは、送信機のすぐ近くで強いエバネッセント場を生成し、近傍の受信機に誘導結合するために好適であるが、伝搬する自由空間電磁モードに電力を放射しない。アンテナが遠方場(放射)領域において効率的に動作するために、アンテナの物理的範囲は、典型的には、伝送される信号の波長ほどである、または椀形アンテナ等の指向性アンテナに関してさらにはるかに大きい。遠方場アンテナは、周波数およびアンテナタイプに応じて、範囲において数ミクロンから数百メートルに及ぶことができる。近接場アンテナは、波長よりも劇的に小さくあり得るが、アンテナサイズと同一の桁の距離にわたってのみ効果的に動作する傾向があり、さらに、低損失導体、慎重な共振同調、および送信機と受信機との間の精密な整合を要求する傾向がある。多くの異なるアンテナ設計、例えば、ループアンテナ、ダイポールアンテナ、マイクロストリップアンテナ、モノポールアンテナ、アレイアンテナ、および円錐アンテナが、使用されている。
【0151】
多種多様な近接場アンテナが、異なる用途、例えば、スマートフォン等の電子デバイスの間の近距離無線通信(NFC)、無線周波数識別(RFID)タグおよびリーダ、無線電力転送、スタックされたICにおけるデータ転送のために使用され、種々の周波数、例えば、約1kHz~約1THzにおいて動作する多くの異なるサイズおよび構成を含む。近接場アンテナは、データまたは電力を受信および/または送信するように構成されてもよく、近接場デバイスは、バッテリ等の外部電源によって、またはRFIDの場合におけるように近接場から捕捉される電力によって直接、給電されてもよい。
【0152】
電磁スペクトルの異なる帯域が、異なる用途、例えば、ラジオ、テレビ、およびセルラー電話通信(スマートフォン)のために確保されている。13.56MHz RFIDシステム等の近接場RFIDシステムは、典型的には、低周波数範囲(LF、125KHz~134KHz)または高周波数範囲(HF、3MHz~30MHz)帯域内で動作する。しかしながら、超高周波数範囲(UHF、300MHz~3GHz)帯域内の近接場RFIDの動作もまた、可能性として考えられる。
(近接場コイルアンテナ)
【0153】
アンテナシステムは、単一の伝送アンテナと、単一の受信アンテナとを備えることができる。現代のアンテナシステムは、それぞれ少なくとも1つの個々のアンテナを利用する、多数の送信機および受信機を含有することができる。いくつかのアンテナは、そのようなシステムにおいて送信機および受信機の両方として機能し得る。近接場アンテナシステムは、電気信号および/または電力を伝送するために、コイルタイプアンテナ等の2つのアンテナの間の誘導結合に依拠し得る。電気信号が、1つのコイルを通して通過されるとき、電磁場が、その近接場領域内に生成されることができ、これは、別のコイル内に2つのコイルの間の相互インダクタンスに比例する電圧または電流を誘発し得る。相互インダクタンスは、コイルが同心円状に、可能な限りともに近接して配向されるとき、および各コイル自体が最大のインダクタンスを有するとき、例えば、その占有面積内の巻線の数を最大限にすることによって、最大限にされることができる。内部空間の周囲のトレースの各巻は、巻線として公知である。それにわたって近接場アンテナが動作し得る距離をさらに改良するために、動作周波数において共振動作のために各コイルを同調し、抵抗損失を最小限にし、高品質係数(高Q)動作を可能にすることが、有用であり得る。これは、コイルの寸法に対する精密な制御を要求し得る。
【0154】
近接場アンテナは、遠方場に電磁エネルギーを放射することに依拠せず、したがって、それらは、非常に低い伝送損失を伴って動作されることができ、原則としてそれらの独自の抵抗損失によって限定される。これは、近接場アンテナを、RFID、短距離通信、および無線電力転送等の用途のために好都合にする。または、より一般的には、スタックされた集積回路(IC)等、データまたは電力伝送のためのデバイスへの直接電気接続を確立することが可能ではない、または望ましくない任意の用途に関して好都合である。
【0155】
ポータブル電子デバイスは、好ましくは、小型かつ軽量である。その結果、そのようなポータブル電子デバイスにおけるコイルアンテナおよびインダクタは、望ましくは、小さいが、性能を維持するために、密接して離間された低抵抗導体を伴うべきである。マイクロエレクトロニクスにおける多くの用途に関して、任意の所与のアンテナ占有面積および導体長に関して可能な限り高いインダクタンス(実践可能である限り多くの巻線)および低い直列抵抗を伴うコンパクトなアンテナコイルを生産することが、望ましくあり得る。プリント回路板および集積回路等の基板内またはその上に小さい電気導体を作製するための技法は、減法技法および加法技法を含む。減法技法は、光化学機械加工、エッチング、レーザ切断、および機械加工を含むことができる。加法技法は、伝導性インクまたはペーストのマスク物理蒸着(例えば真空蒸着)、電気めっき、3D印刷、インクジェット印刷、およびスクリーン印刷を含むことができる。しかしながら、インクジェット印刷およびスクリーン印刷は、サブミリメートルスケールにおいて限定された分解能および限定された再現性を有し、不良に制御された断面形状を伴う。PCB製造のために使用されるような化学エッチングが続くエッチングマスクのパターン化から成る、光化学機械加工が、マスクされた導体縁の等方性アンダーカットをもたらし得る。アンダーカットは、導体およびそれらを分離する間隙の達成可能な形態を限定し、導体分解能を低減させ得る。パターン化金属シード層上への電気めっきは、トレースの伝導率を改良することができるが、また、金属堆積が公称上等方性様式で進行するため、低減された導体分解能に悩まされ、再び、導体トレースの間の最小間隙を限定する。最後に、金属の代替としての導電性ポリマーは、伝導率において限定され、例えば、銅または銀のものを数桁下回り得る。
【0156】
以前の研究において、Ko et. al.は、ナノ粒子溶液を用いて基板をコーティングし、構造化ポリジメチルシロキサン金型を用いてコーティングをインプリントすることによって、電気導体をパターン化するための方法を説明している。(例えば、Ko, et. al., Nano Letters, 2007, vol. 7, No. 7 pp. 1869-1877(その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)を参照されたい。)MakihataおよびPisanoは、銀ナノ粒子インクを用いた印刷を説明している。(例えば、Makihata et al., The International Journal of Advanced Manufacturing Technology, 2019, 103, 1709-1719(その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)を参照されたい。)
【0157】
多くの実施形態は、種々の電気回路および無線デバイスの性能を改良するために、コンパクトな高Qアンテナ構造および/またはインダクタコイルの設計および加工方法を提供する。いくつかの実施形態は、密接して離間された高縦横比トレースを伴う高伝導性材料のコイルを加工することによって、高インダクタンスおよび低直列抵抗を伴うコンパクトなアンテナコイルを提供する。
【0158】
多くの実施形態による、高縦横比コイルが、高Q低損失空芯インダクタの加工において適用されることができる。高Q低損失空芯インダクタは、高周波数電子回路設計において重要な役割を果たす。多くの実施形態は、(限定ではないが)スイッチモード電力供給源、無線周波数(RF)バンドパス、ハイパス、およびローパスフィルタ、低損失変圧器、誘導角度および位置センサ、およびLCまたはRLC共振器を含む分野におけるインダクタとして高縦横比コイル構造を実装する。いくつかの実施形態による、印刷されたインダクタおよび/またはコイルは、離散的構成要素として、より大きい分散要素ネットワークの一部として、または複数の受動的構成要素を含有するマイクロストリップとして統合されることができる。そのような実施形態では、印刷されたインダクタ/コイルの高正確度は、(限定ではないが)共振周波数のより正確な同調、より小さい占有面積、サブクオーター波長フィルタリング、より高い電力結合効率を含む利益を提供することができる。
【0159】
本発明の種々の実施形態による、アンテナの設計において利用され得る高縦横比導体を伴う高縦横比アンテナのシステムが、下記にさらに議論される。
(高縦横比アンテナ)
【0160】
一般的なタイプの近接場アンテナは、伝導性電気材料の渦巻または螺旋配列を備える、誘導コイルである。そのような電気導体は、種々の断面プロファイルを伴うワイヤ、例えば、円筒形ワイヤ、長方形ワイヤ、または平面電気導体であり得る。多くの実施形態は、電気導体として高縦横比電気導体を実装する。実施形態による、これらのワイヤおよび/またはトレースは、(限定ではないが)基板上に平面長方形、円形、または六角形螺旋を含む構成において配列され、コイルを形成することができる。コイルは、約1×1μmおよび約1×1mの外形寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、コイルは、空芯インダクタ等のコイル状導体によって占有されない内部空間を含有することができる。いくつかの実施形態では、コイルの内部空間は、インダクタンスを増加させるために、磁性コアによって占有されてもよい。コイルは、導体が増加された縦横比を有するように、ある実施形態に従って、基板に対して法線方向に延在されることができる。いくつかの実施形態では、いくつかのコイルは、コイルのインダクタンスを増加させるために、スタックされることができる。いくつかの実施形態では、複数の同軸に位置するコイルが、同一の軸の周囲に設置されることができる。これらのコイルは、同一の平面または基板に位置する、または同一の軸に沿った後続平面または基板に設置されることができる。コイルの設計は、対称または非対称であり得る。
【0161】
2つの近接場アンテナの間の信号伝送の品質および帯域幅は、それらの相互インダクタンス、伝送アンテナを通して通過される電流の大きさ、およびコイルが駆動される周波数に依存する。相互インダクタンスは、2つのアンテナの間の物理的分離および配向およびそれらの個別の自己インダクタンスによって決定されることができる。アンテナの半径は、信号が受信されることが予期される距離に調整されるべきである。例えば、約10mmの外形寸法を伴うコイルアンテナの対が、分離距離が約12mmであるときに最良の伝送を与えることができる。相互インダクタンスは、コイルのそれぞれにおける巻数に伴って増加する。アンテナは、低電気抵抗を有するべきである。より高い抵抗は、場および信号強度の減衰、および本デバイスにおける所望されない電力散逸および加熱をもたらし得る。
【0162】
多くの実施形態は、(限定ではないが)近接場アンテナを含む、高性能インダクタおよびアンテナのための種々の構成において配列される、高縦横比電気導体を提供する。いくつかの実施形態では、高縦横比導体を伴うアンテナは、基板上に形成または堆積される自立構造として加工されることができる。いくつかの実施形態による、高縦横比導体は、基板表面上に適用されたスタンプ内に配置されるチャネル内で硬化されたナノ粒子インクから構築されることができる。いくつかの実施形態は、これらのプロセスが、アンテナおよびインダクタが、小型かつポータブルな電子デバイスのために好適な寸法を伴って作製されることを可能にすることを提供する。ある実施形態では、アンテナおよび導体は、約1μm~約100μmの範囲内の寸法を有する。
【0163】
多くの実施形態は、高縦横比アンテナの基板が、(限定ではないが)ガラス、ポリマー、カプトン(ポリイミド)、PET、PMMA、テフロン(登録商標)(PTFE)、ETFE、セラミック、低温共焼成セラミック(LTCC)、半導体、Si、SiO、Si、SiC、GaAs、GaInP、InP、石英、金属、紙、および/またはサファイアを含む、任意の好適な基板であり得ることを提供する。いくつかの実施形態では、基板は、(限定ではないが)FR2またはFR4を含む、プリント回路板(PCB)基板であり得る。いくつかの実施形態では、基板は、剛性、可撓性、または平面であり得る。いくつかの実施形態は、基板が、ディスプレイ、集積回路、電子機器アセンブリ、または回路板産業において見出され得ることを提供する。いくつかの実施形態では、基板は、CMOSおよび/またはMEMSデバイス、集積回路、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、角度測定回路網、RF回路、および送受信機を含有してもよい。
【0164】
多くの実施形態では、高縦横比アンテナは、(限定ではないが)導電性粒子、金属ナノ粒子、非導電性(誘電性)粒子、または半伝導性粒子を含む粒子を用いて作製されることができる。ナノ粒子の実施例は、(限定ではないが)銀、銅、金、ニッケルナノ粒子、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、焼結されることができる。ある実施形態では、ナノ粒子は、導体によってコーティングされることができる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、電気めっきによる薄い金属コーティングによってコーティングされることができる。電気めっきは、表面にわたって金属コーティングを提供することができるが、また、基板表面上に形成される構造の空間分解能を低減させ得る、コーティング材料を基板表面上に堆積させ得る。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、電気めっきされない。半伝導性粒子の実施例は、(限定ではないが)金属酸化物を含む。いくつかの実施形態では、粒子は、(限定ではないが)水性分散剤、有機溶媒、イソプロパノール、エタノール、トルエン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、またはトリエチレングリコールモノメチルエーテルを含む、液体溶媒中の懸濁液として提供されることができる。ある実施形態による、ナノ粒子は、約1nm~約5μmの範囲内の直径を有することができる。いくつかの実施形態は、好適なインクが、約0.3センチポイズ~約3,000センチポイズの範囲内の粘度を有し得ることを提供する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、異なる伝導性および/または非伝導性材料から作製される異なるナノ粒子を含むことができる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、アンテナ内で等方的または異方的に分配されることができる。
【0165】
多くの実施形態は、高縦横比アンテナ構造を提供する。いくつかの実施形態では、アンテナは、基板上にコイルを形成することができる。本発明のある実施形態による、高縦横比アンテナの平面図が、図12Aに図示される。高縦横比アンテナ構造10が、基板表面22を有する、基板20を含む。アンテナ30が、基板表面22上に配置される。アンテナ30は、基板表面22上の平面長方形、円形、または六角形螺旋であり、コイルを形成することができる。
【0166】
本発明のある実施形態による、図12Aの断面線Aに沿って得られる高縦横比アンテナの断面図が、図12Bに図示される。高縦横比アンテナ構造10が、基板表面22を有する、基板20を含む。アンテナ30が、基板表面22上に配置される。アンテナ30は、長方形断面、または(限定ではないが)三角形、四辺形、または曲面を伴うものを含む任意の他の望ましい断面を有することができる。アンテナ30は、アンテナ30を動作させる、またはそれに応答する回路(図示せず)に電気的に接続されることができる。アンテナ30は、溶融ナノ粒子12から作製されることができる。アンテナ30の電気導体は、基板表面22と接触する導体幅Wと、基板表面22から離れるように延在する方向における導体高Hとを有する、基部32を有する。アンテナ30は、基板20上の基部32からの支持以外の支持を伴わずに、基板表面22上で自立することができる。導体高Hは、導体幅Wを上回り得る。いくつかの実施形態では、アンテナ30は、導体に沿った少なくとも1つの点上に溶融ナノ粒子12の暴露された導体表面35を有することができる。いくつかの実施形態では、導体表面35は、溶融ナノ粒子12上に配置される伝導性材料を用いてコーティングされることができる。暴露された導体表面35は、随意に、基部32を除外する、アンテナ30の外縁または表面であり得る。種々の実施形態では、アンテナ30の電気導体は、基板20上の電気導体の長さにわたって、サイズ、高さ、幅、縦横比、組成、および密度において変動することができる。
【0167】
多くの実施形態では、基板表面上に配置されるアンテナの基部は、50ミクロンを下回る導体幅Wを有することができる。いくつかの実施形態は、25ミクロンを下回る、10ミクロンを下回る、5ミクロンを下回る、または2ミクロンを下回る導体幅Wを提供する。いくつかの実施形態による、基板表面から離れるように延在するアンテナの導体高Hは、5ミクロンを上回り得る。ある実施形態では、導体高Hは、10ミクロンを上回る、20ミクロンを上回る、50ミクロンを上回る、または100ミクロンを上回り得る。多くの実施形態では、アンテナは、1を上回る縦横比(導体高H対導体幅Wとの比)を有する。いくつかの実施形態では、アンテナの縦横比は、2.8を上回る、5を上回る、10を上回る、または20を上回り得る。ある実施形態は、2.8を上回る縦横比を伴うアンテナが、約2.5ミクロンの導体幅Wと、約7ミクロンの導体高とを有し得ることを提供する。
【0168】
多くの実施形態は、高縦横比電気導体を組み込むコイルアンテナを提供する。いくつかの実施形態では、コイルアンテナは、コイルアンテナの一方の端部からコイルアンテナの他方の端部まで延在する、導体長Lを有する。いくつかの実施形態による、コイルアンテナは、アンテナの巻線の間の分離距離Dを有する。多くの実施形態では、高縦横比アンテナ構造は、低減された面積および/または体積においてアンテナのより多い巻線数Nを提供し、周波数の範囲内で電磁放射に対する改良された感度を可能にすることができる。周波数範囲の実施例は、(限定ではないが)867MHz未満の周波数を含む。そのような感度は、ポータブル電子デバイスにおける小さい形状因子において有用であり得る。本発明のある実施形態による、コイルアンテナの平面図が、図13Aに図示される。図13Aでは、高縦横比コイルアンテナ10が、基板20の基板表面22上に配置される、コイルアンテナ30を含む。アンテナ30は、基板20上の第2の部分38に隣接する、基板20上の第1の部分36を有する。第1の部分36および第2の部分38は、基板表面22にわたって距離Dだけ離間される。
【0169】
図13Aでは、アンテナ30のコイル長Lは、(アンテナ30の第1および第2の部分36、38に対応する)アンテナ30の巻線の間の小さい分離距離Dを伴って、アンテナの第1の端部30Aからアンテナの第2の端部30Bまで延在する。したがって、高縦横比アンテナ構造10は、低減された面積または体積において基板20にわたってアンテナ30のより多い巻線数Nを提供し、所望の周波数の範囲内で電磁放射に対する改良された感度を可能にすることができる。
【0170】
本発明のある実施形態による、図13Aの断面線Aに沿って得られる高縦横比コイルアンテナの断面図が、図13Bに図示される。コイルアンテナ30は、基板20の基板表面22上に配置される。第1の部分36および第2の部分38は、基板表面22にわたって距離Dだけ離間される。距離Dは、導体高H以下であり得る。いくつかの実施形態では、第1の部分36は、50ミクロン未満の距離Dだけ第2の部分38から分離される。いくつかの実施形態では、第1の部分36と第2の部分38との間の距離Dは、25ミクロン未満、20ミクロン未満、15ミクロン未満、10ミクロン未満、および5ミクロン未満である。多くの実施形態は、アンテナ30の巻線が、ともに密接して離間され、基板20にわたって小さい面積においてアンテナ30の大きい導体長Lを可能にすることを提供する。いくつかの実施形態では、アンテナ30(例えば、コイル)は、単一の巻を有する。いくつかの実施形態では、コイルは、図13Aに示されるように、1つまたはそれを上回る隣接する第1および第2の部分36および38を伴う複数の巻を有する。ある実施形態では、アンテナ30は、不連続的な角においてともに継合される、直線区画を有する。いくつかの実施形態では、アンテナ30における電気導体の角は、直交する(90度)角である。いくつかの実施形態では、角は、直交しない。非直交角度の実施例は、(限定ではないが)60度、120度、または150度を含む。いくつかの実施形態は、アンテナ30が、直線区画を有することを提供する。いくつかの実施形態によると、アンテナ30は、曲線区画を有する、または完全に湾曲する。
【0171】
本発明のある実施形態による、アンテナ長Lを伴うアンテナの平面図が、図14Aに図示される。アンテナ30は、アンテナの第1の端部からアンテナの第2の端部までのアンテナ長Lを有し、基板20の基板表面22上に配置される。本発明のある実施形態による、図14Aの断面線Aに沿って得られるアンテナの断面図が、図14Bに図示される。アンテナ30は、アンテナ基部32と、アンテナ幅Wと、アンテナ高Hとを有する。
【0172】
いくつかの実施形態は、コイルアンテナが、(急速な)温度変化の間に区画の座屈を防止するために、熱歪み軽減体を組み込む区画を有し得ることを提供する。急速な温度変化は、アンテナの焼結または動作の間に起こり得る。いくつかの実施形態による、熱歪み軽減体は、これらの区画を複数のより短い区画に分割し、座屈を防止することができる。本発明のある実施形態による、熱歪み軽減体を組み込むコイルアンテナが、図15に図示される。熱歪み軽減体37は、コイルアンテナの区画内に組み込まれ、これらの区画を複数のより短い区画に分割することによって、(急速な)温度変化の間に区画の座屈を防止する。図12-15は、具体的高縦横比アンテナ構造スキームおよび組成物を図示するが、任意の構成および設計が、所与の用途の具体的要件に応じて、適宜利用されることができる。
【0173】
本発明の種々の実施形態による、アンテナの設計および/または加工において利用され得るマイクロ成型プロセスを使用して高縦横比導体を伴う高縦横比アンテナを作製するためのシステムおよび方法が、下記にさらに議論される。
(マイクロ成型プロセスを使用した高縦横比アンテナの加工)
【0174】
多くの実施形態は、高縦横比マイクロストリップアンテナが、(限定ではないが)ミリ波アンテナおよびマイクロ波アンテナを含む、高周波数(約100MHzよりも高い周波数)用途のために使用され得ることを提供する。典型的には、マイクロストリップアンテナは、フォトリソグラフィを使用してエッチングマスクを作成し、続けて金属をエッチングすることによって製造される。これは、その上でそのような回路が処理され得る基板の選択肢を限定し得る、多段階プロセスである。典型的には、金属エッチングステップは、基板上に存在するIC等の複雑な構造またはデバイスを損傷または劣化させることを回避するために、生産プロセスにおいて早期に行われる必要性がある。金属エッチングはまた、導体厚が、特徴間隔よりも小さい必要性があるため、アンテナ導体の実行可能な縦横比を限定し得る。また、一般的な金属エッチング技術は、エッチングプロセスの等方性の性質によって限定され得、これは、高縦横比構造のために達成され得る形態正確度を限定し得る。一方、高縦横比構造を形成するために、真空中でマスクされた基板上の金属の蒸発させ、続けてマスクを除去するための離昇ステップを行うことは、回収され得ない材料の大部分を浪費するであろう一方、金属の薄膜を蒸発させ、続けて金属の電気化学堆積を行うことは、特徴間隔および忠実度を限定し得る。
【0175】
多くの実施形態は、高縦横比アンテナ構造が、(限定ではないが)基板上に配置されるコイルアンテナを含む、複数のアンテナを含み得ることを提供する。いくつかの実施形態による、複数のアンテナは、位相配列アンテナを形成することができる。
【0176】
いくつかの実施形態は、高縦横比アンテナが、マイクロ金型スタンプを使用して構築され得ることを提供する。本発明のある実施形態による、マイクロ金型スタンプの平面図が、図16Aに図示される。図16Aの断面線Aを横断して得られるマイクロ金型スタンプの断面図が、図16Bに図示される。図16Aの断面線Bを横断して得られるマイクロ金型スタンプの断面図が、図16Cに図示される。マイクロ金型スタンプ40は、支持側46と、チャネル側48とを有する、金型層44を備えることができる。支持層42は、支持側46と接触して配置される。支持層42は、金型層44よりも剛性であり、寸法安定性を金型層44に提供し、マイクロ金型スタンプ40によって形成される構造に関する改良された分解能を可能にすることができる。金型層44は、金型層44内のチャネル側48上に配置される、少なくとも1つのチャネル50を備えることができる。入口ポート52は、チャネル50に接続され、出口ポート54は、チャネル50に接続される。チャネル50は、チャネル側48上のチャネル50の幅(導体幅Wに対応する)を上回る、チャネル側48から離れて支持側46に向かう金型層44への方向における高さを有する(導体高Hに対応する)。いくつかの実施形態では、入口および出口ポート52および/または54は、金型層44のチャネル側48表面まで延在することができる。入口ポート52は、ナノ粒子インク56がチャネル50に進入するための経路を提供し、出口ポート54は、ナノ粒子インクがチャネル50の内外に引き込まれるための経路を提供する。金型層44は、(限定ではないが)シリコンマスタ、石英マスタ、またはガラスマスタを含む、フォトリソグラフィ的に画定されたマスタ上に鋳造および硬化される、(限定ではないが)ポリジメチルシロキサンを含むエラストマ材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、金型層44は、エラストマ材料へのナノ粒子の組み込みによって、または(限定ではないが)ガラス、鋼、炭素、またはナイロンを含むものから成る繊維メッシュの包含によって補強されることができる。支持層42は、(限定ではないが)ガラスを含む、金型層44よりも剛性の材料を含むことができ、金型層44よりも薄くあり得る。
【0177】
図16Cでは、ポンプおよび/または分注器70は、ナノ粒子インクを、ポンプリザーバ72から、圧力下でマイクロ金型スタンプ40の入口ポート52に提供し、真空(または部分的真空または低減された圧力)を出口ポート54に提供し、チャネル50の中に、それを通してナノ粒子インク56を引き込むことができる。マイクロ金型スタンプ40は、ナノ粒子インク56の体積および流率を制御するためのナノ粒子インクリザーバ58を備えることができる。入口ポート52および出口ポート54はまた、統合されたインクリザーバ58としての役割を果たすことができる。いくつかの実施形態では、チャネルを通してインクを駆動する圧力は、ナノ粒子インク56とインクと接触するマイクロチャネル50の表面積との間の力によって引き起こされる毛管圧であり得る。
【0178】
本発明のある実施形態による、高縦横比アンテナを加工するプロセスが、図10に図示される。加工プロセスは、高縦横比アンテナのための基板を提供することによって開始される(100)。マイクロ成型スタンプが、アンテナを配置するために使用されることができる(105)。マイクロ金型スタンプの金型層は、基板の基板表面と接触して(例えば、共形的に接触して)配置されることができる(115)。液体またはガス状溶媒または分散剤中のナノ粒子を備えるナノ粒子インクが、提供されることができる(110)。ナノ粒子を備えるナノ粒子インクは、入口ポートを通してチャネルの中に圧送されることができる(120)。ナノ粒子が、チャネルを通して移動するにつれて、ナノ粒子インク中の溶媒が、金型層の中に拡散することができ、したがって、ナノ粒子は、チャネル内で緊密に充塞した状態になる。プロセスは、硬化によって加速されることができる(125)。いくつかの実施形態による、硬化プロセスは、(限定ではないが)ナノ粒子インクを熱に、および/または電磁放射に暴露するステップを含む。電磁放射の実施例は、(限定ではないが)キセノン閃光、赤外線放射、紫外線放射、またはレーザ放射を含む。硬化プロセスの間、ナノ粒子インクの溶媒は、ナノ粒子インクおよび/または金型層から追い出され得ることができる。いくつかの実施形態では、追い出された溶媒は、マイクロ金型スタンプの金型層によって(少なくとも部分的に)吸収されることができる。ある実施形態では、追い出された溶媒は、金型層を通してスタンプを囲繞する環境の中に拡散することができる。スタンプを囲繞する環境の実施例は、(限定ではないが)空気、真空、または(限定ではないが)窒素およびアルゴンを含む不活性ガスを含む。マイクロ金型スタンプは、基板の基板表面上に高縦横比導体を伴う自立アンテナを形成するために、除去されることができる(130)。自立アンテナは、次いで、ナノ粒子を熱、UV放射、またはレーザ放射に暴露することによって、焼結されることができる(135)。多くの実施形態は、アンテナが、単一の層内に、かつ単一の一連のステップにおいて構築され得ることを提供する。いくつかの実施形態による、アンテナの加工プロセスは、繰り返される堆積およびパターン化ステップを回避する。
【0179】
ある実施形態による、加工プロセスの間の高縦横比アンテナの連続する断面図が、図17A-17Dに図示される。いくつかの実施形態による、高縦横比アンテナ構造は、図17Aに示されるように、基板20、マイクロ金型スタンプ40を提供することによって構築されることができる。マイクロ金型スタンプの金型層44は、図17Aに示されるように、基板20の基板表面22と接触して(例えば、共形的に接触して)配置される。液体またはガス状溶媒または分散剤57中のナノ粒子12を備えるナノ粒子インク56が、図17Bに示されるように、例えば、ポンプによって、入口ポート52を通してチャネル50の中に圧送されることができる。ナノ粒子12が、チャネル50を通して移動するにつれて、ナノ粒子インク56中の溶媒が、金型層44の中に拡散し、したがって、ナノ粒子12は、チャネル50内で緊密に充塞した状態になる。図17Cでは、本プロセスは、ナノ粒子インク56および/または金型層44の熱および/または電磁放射60(例えば、キセノン閃光、赤外線放射、紫外線放射、またはレーザ放射)への暴露によって加速される、および/または可能にされることができる。プロセスは、少なくとも部分的に、マイクロ金型スタンプ40の金型層44によって吸収され得る、または金型層を通してスタンプを囲繞する環境の中に拡散し得る、溶媒57を追い出すことができる。マイクロ金型スタンプ40は、次いで、図17Dの基板20の基板表面22上に高縦横比導体30を伴う自立アンテナを形成するために、除去されることができる。自立アンテナ30は、次いで、ナノ粒子12を熱、UV放射、またはレーザ放射に暴露することによって、焼結されることができる。アンテナ30は、単一の層内に、かつ単一の一連のステップにおいて構築されることができる。
【0180】
図16A-16Cおよび図17A-17Dは、高縦横比アンテナのマイクロ成型加工プロセスの具体的ステップを図示するが、任意のステップおよび方法が、所与の用途の具体的要件に応じて、適宜利用されることができる。本発明の種々の実施形態による、回路構成要素を伴う高縦横比アンテナを統合するためのシステムおよび方法が、下記にさらに議論される。
(高縦横比アンテナの統合)
【0181】
多くの実施形態は、高縦横比アンテナが、(限定ではないが)同調アンテナシステムを含む、電子回路に統合され得ることを提供する。いくつかの実施形態では、(限定ではないが)回路、集積回路(IC)、抵抗器、およびコンデンサを含む構成要素が、アンテナシステムに組み込まれることができる。いくつかの実施形態による、追加された構成要素は、コイルの内側および/または外側に設置されることができる。ある実施形態では、構成要素は、異なる回路平面内に設置されることができる。
【0182】
コイルアンテナから信号を受信するために、螺旋導体トレースの両端は、外部回路に電気的に接続される必要があり、アンテナ螺旋の一方または両方の端部への平面外回路接続を要求し得る。多くの実施形態は、コイルアンテナからの励起および/または受信信号を可能にするためのアンテナシステム設計を提供する。いくつかの実施形態は、コイルの上方または下方のいずれかに加工される伝導性トレースを組み込む。ある実施形態による、伝導性トレースは、最内側コイルをコイルの外側の同一平面領域に接続することができる。いくつかの実施形態では、伝導性トレースは、最外側コイルをコイル内の同一平面領域に接続することができる。多くの実施形態は、電気接続が、コイルを形成するトレースまたはワイヤの上方または下方のいずれかに作製され得ることを提供する。いくつかの実施形態では、電気接続は、ワイヤ接合によって、またはコイルの上または下方に別個の導体を堆積させることによって作製されることができる。いくつかの実施形態では、電気接続は、高縦横比アンテナのコイルループの間の短絡を回避するために、電気絶縁(誘電体)層とともに作製されることができる。多くの実施形態は、高縦横比導体を伴うアンテナが、(限定ではないが)電気導体、誘電体、他の構造、他の高縦横比構造、層、MEMSデバイス、COMSデバイス、または構造化層を含む、少なくとも1つの構成要素上に配置され得ることを提供する。いくつかの実施形態は、アンテナが、(限定ではないが)集積回路コントローラ、高縦横比アンテナを通して提供される信号に応答する回路を含む、回路に電気的に接続され得ることを提供する。
【0183】
多くの実施形態では、高縦横比アンテナは、構造上に配置されるアンテナ部分と、異なる構造上に配置されるアンテナ部分とを備えることができる。いくつかの実施形態では、高縦横比アンテナの2つの端部は、アンテナの2つの異なる部分に接続される。いくつかの実施形態では、アンテナの一方の部分は、電気導体にわたって配置されることができ、アンテナの他方の部分は、電気絶縁誘電体にわたって配置されることができる。そのような構造は、電気導体が、アンテナの一方の端部に電気的に接続するが、アンテナの他方の端部に電気的に接続しないことを可能にすることができる。いくつかの実施形態による、独立した電気接続は、アンテナの異なる端部に作製されることができる。いくつかの実施形態では、独立した電気接続は、アンテナと、コイルアンテナの内部または外部における集積回路等の電気回路との間に作製されることができる。ある実施形態による、独立した電気接続は、アンテナの他の部分への所望されない電気接続を回避することができる。
【0184】
いくつかの実施形態では、高縦横比アンテナは、(限定ではないが)封止剤、誘電体封止剤、または金属コーティングを含む材料を用いてコーティングされることができる。封止剤の実施例は、(限定ではないが)硬化性ポリマー、エポキシ、ポリジメチルシロキサン、ポリウレタン、低温共焼成セラミック(LTCC)シートを含む、(限定ではないが)ポリマーを含むことができる。ある実施形態による、コーティングは、環境汚染物質からアンテナを保護することができる。いくつかの実施形態では、封止剤コーティング層は、アンテナのより機械的に堅牢な構造を形成することができる。いくつかの実施形態では、封止剤層は、その伝導率を改良することによって等、アンテナの電磁的性質を強化することができる。実施形態による、封止剤層は、アンテナを平坦化する、またはアンテナにわたって共形コーティングを形成することができる。
【0185】
本発明のある実施形態による、アンテナシステムが、図18に図示される。いくつかの実施形態では、高縦横比アンテナ30は、基板20の基板表面22上に設置されることができる。いくつかの実施形態では、高縦横比導体を伴うアンテナ30は、基板20上の構造26にわたって配置されることができる。ある実施形態では、アンテナ30は、アンテナ30への電気接続を提供する導電性基板接点24上に配置されることができる。基板接点24は、基板20にわたって延在する、または選択された面積のみを被覆することができる。アンテナ30の第1および第2の部分36、38は、基板20上の異なる構造、例えば、電気導体24および電気絶縁誘電体26にわたって配置されることができる。そのような構造は、電気導体が、アンテナ30の第1の部分36に電気的に接続するが、アンテナ30の第2の部分38に電気的に接続しないことを可能にすることができ、したがって、独立した電気接続が、コイルアンテナ30の第1の端部30A(図13Aに示される)およびコイルアンテナ30の第2の端部30B(図13Aに示される)に、またはアンテナ30の他の部分への所望されない電気接続を伴わずに、コイルアンテナ30の内部またはコイルアンテナ30の外部における電気回路28に作製されることができる。したがって、高縦横比アンテナ30は、第1の構造(例えば、基板接点24)上に配置される第1のアンテナ部分36を備えることができ、第2のアンテナ部分38が、第1の構造と異なる第2の構造(例えば、誘電体26)上に配置される。アンテナ30は、保護のために封止剤80を用いてコーティングされることができる。
【0186】
多くの実施形態では、高縦横比アンテナは、多層アンテナであり得る。いくつかの実施形態による、各アンテナ層は、隣接する層から絶縁体によって分離され、電気ビアを通して接続されることができる。いくつかの実施形態は、コイルアンテナの外側領域と内側領域との間の伝導性経路が、反対のカイラリティの第2のコイルによって作製され得ることを提供する。ある実施形態による、反対のカイラリティの第2のコイルは、第1のコイルと同心円状に、第1のコイルの上方または下方に設置されることができる。いくつかの実施形態は、第1および第2のコイルアンテナが、コイルの最内側または最外側範囲における接続点を除いて、絶縁体によって相互から電気的に絶縁され得ることを提供する。いくつかの実施形態では、ビアは、1つのアンテナ層における電気導体を別のアンテナ層における電気導体と電気的に接続することができる。そのような実施形態では、多層コイル構造のインダクタンスは、コイルを外部回路に接続するための同一平面点を提供しながら、単層コイルと比較して大幅に改良されることができる。
【0187】
本発明のある実施形態による、多層高縦横比アンテナが、図19の分解斜視図に図示される。コイルの外側領域と内側領域との間の伝導性経路が、第1のコイルの上方(図19に示されるように)または下方に設置され、第1のコイルと同心円状である、反対のカイラリティの第2のコイルによって作製され、コイルの最内側または最外側範囲における単一の接続点を除く全ての面積において絶縁体21によってそれから電気的に絶縁されることができる。図19の破線によって示される、ビアは、1つのアンテナ層における電気導体を別のアンテナ層における電気導体と電気的に接続することができる。このように、多層コイル構造のインダクタンスは、コイルを外部回路に接続するための同一平面点を提供しながら、単層コイルと比較して大幅に改良されることができる。図18および図19は、高縦横比アンテナに具体的要素および構成要素を実装することを図示するが、任意の構成および設計が、所与の用途の具体的要件に応じて、適宜利用されることができる。
均等論
【0188】
上記の議論から推測され得るように、上記に言及される概念は、本発明の実施形態による、種々の配列において実装されることができる。故に、本発明は、ある具体的側面において説明されたが、多くの付加的修正および変形例が、当業者に明白となるであろう。したがって、本発明が、具体的に説明されるものと別様に実践され得ることを理解されたい。したがって、本発明の実施形態は、あらゆる点で、例証的であり、制限的ではないと見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図17D
図18
図19
【国際調査報告】