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特表2023-530061医療患者デバイスのためのビデオ通話コンフィグレーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(54)【発明の名称】医療患者デバイスのためのビデオ通話コンフィグレーション
(51)【国際特許分類】
   G16H 80/00 20180101AFI20230706BHJP
【FI】
G16H80/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568482
(86)(22)【出願日】2021-05-04
(85)【翻訳文提出日】2022-12-28
(86)【国際出願番号】 US2021030695
(87)【国際公開番号】W WO2021231135
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】16/875,449
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521177832
【氏名又は名称】ジェーエーエムエフ ソフトウェア,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】JAMF SOFTWARE, LLC
【住所又は居所原語表記】100 Wahington Square,100 S.Washington Avenue,Suite 1100,Minneapolis,Minnesota 55401(US)
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【弁理士】
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100129263
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 洋之
(72)【発明者】
【氏名】ユレスコ,ジョナサン ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】マフムード,アダム イーサン
(72)【発明者】
【氏名】ノックス,ティモシー カールトン
(72)【発明者】
【氏名】ラーベ,デヴィッド ベンジャミン
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
方法は、患者が患者デバイスに割り当てられたという示唆を受信することを含む。患者デバイスは、患者に関連する医療情報を保存する。方法は、患者が患者デバイスに割り当てられたという示唆の受信に応答して、患者デバイスをビデオ通話サービスに適合させて構成するためにコンフィグレーション・データを患者デバイスに送信することを含む。方法は、患者デバイスを構成することに応答して、患者用のビデオ通話認証情報を生成することを含む。ビデオ通話認証情報は、ビデオ通話サービスを通して患者とのビデオ通話を開催するために第三者デバイスによって使用可能な自動参加リンクを有効にする。上記方法は、ビデオ通話認証情報を第三者デバイスに送信することを含む。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルデバイス管理(MDM)サーバにおいて、患者が患者デバイスに割り当てられたという示唆を受信し、前記患者デバイスが前記患者に関連した医療情報を保存することと、
前記患者が前記患者デバイスに割り当てられたという前記示唆の受信に応答して、前記患者デバイスをビデオ通話サービスに適合させて構成するために、コンフィグレーション・データを前記患者デバイスに送信することと、
前記患者デバイスを構成することに応答して、前記ビデオ通話サービスを通して前記患者とのビデオ通話を開催するために第三者デバイスによって使用可能な自動参加リンクを有効にする、前記患者用のビデオ通話認証情報を生成することと、
前記ビデオ通話認証情報を前記第三者デバイスに送信することとを含む、方法。
【請求項2】
前記医療情報へのアクセスが前記MDMサーバから分離されており、前記医療情報が前記ビデオ通話認証情報から分離されていることを特徴とする、請求項1の方法。
【請求項3】
前記患者デバイスを前記ビデオ通話サービスに適合させて構成することが、
前記ビデオ通話サービスに関連付けられたアプリケーションを前記患者デバイスにインストールすることと、
前記アプリケーションを構成することと、
前記患者が前記アプリケーションを通じてシングルクリックでビデオ通話サービスにアクセスできるように前記患者デバイスにショートカットを作成することとを含む、請求項1の方法。
【請求項4】
ビデオ通話認証情報を生成することが、
認証情報リクエストをビデオ通話サーバへ送信することと、
前記ビデオ通話サーバからビデオ通話コードおよびパスワードを受信することと、
前記ビデオ通話コードおよび前記パスワードを前記自動参加リンクに埋め込むこととを含む、請求項1の方法。
【請求項5】
前記患者が前記患者デバイスに割り当てられたという示唆が、前記第三者デバイスから受信したメッセージに基づくことを特徴とする、請求項1の方法。
【請求項6】

前記患者が前記患者デバイスに割り当てられなくなったという通知を受信することと、
前記通知の受信に応答して、前記患者に関連した前記医療情報および前記ビデオ通話認証情報を消去するためにコマンドを前記患者デバイスに送信することとをさらに含む、請求項1の方法。
【請求項7】
前記コマンドが、前記患者デバイスを工場出荷状態にリセットするリセットコマンドに対応することを特徴とする、請求項6の方法。
【請求項8】
前記患者が前記ビデオ通話認証情報を前記第三者デバイスと共有するためのオプションを選択したという通知を受信することをさらに含み、前記通知の受信を条件に前記ビデオ通話認証情報が前記第三者デバイスに送信される、請求項1の方法。
【請求項9】
前記第三者デバイスと前記患者デバイスとの間の前記ビデオ通話が、前記患者デバイスにログイン情報の入力を促すことなく開始される、請求項1の方法。
【請求項10】
前記第三者デバイスと前記患者デバイスとの間の前記ビデオ通話が、前記第三者デバイスにログイン情報の入力を促すことなく開始される、請求項1の方法。
【請求項11】
前記第三者デバイスが医療提供者デバイスである、請求項1の方法。
【請求項12】
前記患者デバイスが前記医療提供者に関連する施設内にある、請求項11の方法。
【請求項13】
前記患者デバイスが前記医療提供者に関連する施設から離隔した位置にある、請求項11の方法。
【請求項14】
前記患者デバイスを前記医療提供者が所有している、請求項11の方法。
【請求項15】
前記第三者デバイスが、前記患者の友人または前記患者の家族のいずれか一方に関連付けられている、請求項1の方法。
【請求項16】
患者が患者デバイスに割り当てられたという示唆を受信し、前記患者デバイスが前記患者に関連した医療情報を保存し、
前記患者が前記患者デバイスに割り当てられたという示唆の受信に応答して、前記患者デバイスをビデオ通話サービスに適合させて構成するためにコンフィグレーション・データを前記患者デバイスに送信し、
前記患者デバイスを構成することに応答して、前記患者デバイス上で前記ビデオ通話サービスを通して前記患者とのビデオ通話を開催するために第三者デバイスによって使用可能な自動参加リンクを含む、前記患者用のビデオ通話認証情報を生成し、
前記ビデオ通話認証情報を前記第三者デバイスに送信するよう構成されたモバイルデバイス管理(MDM)サーバを備える、コンピュータシステム。
【請求項17】
前記医療情報へのアクセスが前記MDMサーバから分離されており、前記医療情報が前記ビデオ通話認証情報から分離されていることを特徴とする、請求項16のコンピュータシステム。
【請求項18】
前記MDMサーバがさらに、
前記患者が前記患者デバイスに割り当てられなくなったという通知を受信し、
前記通知の受信に応答して、前記患者に関連した前記医療情報および前記ビデオ通話認証情報を消去するためにコマンドを前記患者デバイスに送信するよう構成されている、請求項16のコンピュータシステム。
【請求項19】
患者が患者デバイスに割り当てられたという示唆を受信し、前記患者デバイスが前記患者に関連した医療情報を保存することと、
前記患者が前記患者デバイスに割り当てられたという前記示唆の受信に応答して、前記患者デバイスをビデオ通話サービスに適合させて構成するために、コンフィグレーション・データを前記患者デバイスに送信することと、
前記患者デバイスを構成することに応答して、前記患者デバイス上で前記ビデオ通話サービスを通して前記患者とのビデオ通話を開催するために第三者デバイスによって使用可能な自動参加リンクを含む、前記患者用のビデオ通話認証情報を生成することと、
前記ビデオ通話認証情報を前記第三者デバイスに送信することとを含む動作を、プロセッサにより実行されると前記プロセッサに実施させる命令を保存する、コンピュータ可読記憶装置。
【請求項20】
ビデオ通話認証情報を生成することが、
認証情報リクエストをビデオ通話サーバへ送信することと、
前記ビデオ通話サーバからビデオ通話コードおよびパスワードを受信することと、
前記ビデオ通話コードおよび前記パスワードを前記自動参加リンクに埋め込むこととを含む、請求項19のコンピュータ可読記憶装置。

【発明の詳細な説明】
【優先権出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年5月15日に出願され、2020年12月22日に米国特許第10,873,855号として発行された、「VIDEO CONFERENCING CONFIGURATION FOR HEALTHCARE PATIENT DEVICE」と題された米国特許出願第16/875,449号の優先権を主張するものであり、その開示全てがここに参照により組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は一般に、モバイルデバイス管理に関する。
【背景技術】
【0003】
医療機関は、患者サービス向上のため日々模索を続けている。通常、患者は物理的に医療機関内に入り、医療提供者と直接対面で診察を受ける。しかしながら、患者が医療機関内に入ることが推奨されない状況もあり得る。非限定的な例として、患者が非常に感染力の高いウィルスを保有していると診断された場合に、医療提供者と直接対面での診察のために医療機関に入れば、医療提供者およびその医療機関の他のスタッフはそのウィルスに感染する危険にさらされることになる。このような場合、患者は、遠隔で医療提供者の診察を受けるために異なるコミュニケーション手段を使用することが考えられる。しかし、典型的なコミュニケーション手段は、ミーティングコードやパスワードなど手間のかかる準備のための入力が必要である。
【発明の概要】
【0004】
ビデオ通話サービス用に患者デバイスを構成するシステムおよび方法が開示される。本明細書で使用される「患者デバイス」または「医療患者デバイス」は、遠隔地(たとえば患者の自宅)での使用のために医療機関によって患者に割り当てられるモバイルデバイス、または医療機関内での使用のために患者に割り当てられるモバイルデバイスである。患者デバイスは、たとえば、携帯電話、タブレット、ノート型パソコン等であり得る。患者デバイスはそれぞれ、装置識別子(ID)を有しており、医療機関は、このIDを使用して、どの患者デバイスがどの患者に割り当てられているのかを追跡する。医療機関は、たとえば、複数のエントリを備えるデータログを有することができる。第1エントリは、第1患者氏名および第1患者デバイスに対応する第1デバイスIDを含むことができ、第2エントリは第2患者氏名および第2患者デバイスに対応する第2デバイスIDを含むことができる。上記の例では、第1患者に第1患者デバイスが割り当てられており、第2患者に第2患者デバイスが割り当てられている。本明細書で使用される「医療機関」は、医療機関に配置された医療提供者デバイスにも対応し得る。たとえば、複数のエントリを備えるデータログは、医療機関の医療提供者デバイス(たとえばコンピュータ)に保存可能である。
【0005】
医療機関は、第1患者デバイスが第1患者に割り当てられたという示唆をモバイルデバイス管理(MDM)サーバに送信できる。具体的には、医療機関は、第1デバイスIDおよび第1患者の患者IDをMDMサーバに送信できる。患者IDは、第1患者の氏名、第1患者の社会保障番号の下4桁、第1患者の生年月日、第1患者に関連する他の識別情報、またはこれらの組み合わせであり得る。第1患者への第1患者デバイスの割り当て後、医療機関は、第1患者が医療機関内にいない場合のデバイス使用のため、第1患者デバイスを第1患者に発送することができる。第1患者が医療機関内にいる場合は、第1患者デバイスを第1患者の部屋に割り当て可能である。
【0006】
医療機関から第1デバイスIDおよび患者IDを受信することに応答して、MDMサーバは第1患者に関連する医療情報を入力するよう第1患者に促すことができる。MDMサーバは、たとえば、医療アプリケーションへの「ショートカット」が第1患者デバイスのホーム画面に提示されるように、第1患者デバイスを構成することができる。第1患者は、医療アプリケーションを開くと、別サーバ(たとえば医療機関サーバ)を介して医療機関に提供される医療情報を入力するよう促されてよく、それにより、当該医療情報が患者のプライバシー保護のためMDMサーバから分離される。このように、MDMサーバは、医療アプリケーションを含む(たとえば、医療アプリケーションをインストールする)ように第1患者デバイスを構成するが、医療アプリケーションを通じて送信される全てのデータは、患者・医療提供者間の守秘義務を守るため、MDMサーバから分離される。医療アプリケーションは、医療機関の医療提供者によって作成された特定の問診事項に対する回答を第1患者が入力可能な複数のフィールドを含み得る。実施の形態によっては、MDMサーバは、第1患者デバイスの電源が投入されると自動的に医療アプリケーションが開く(または起動する)ように第1患者デバイスを構成することができる。その結果、第1患者は医療情報を迅速かつ効率的に医療アプリケーションに入力できる。
【0007】
またMDMサーバは、第1患者デバイスをビデオ通話サービスに適合させて構成するためにコンフィグレーション・データを第1患者デバイスに送信する。コンフィグレーション・データは、たとえば、第1患者デバイスのプロセッサによって実行されると第1患者デバイスにビデオ通話サービスをインストールするビデオ通話サービス・インストール・ファイルを含むことができる。コンフィグレーション・データは、第1患者が第1患者デバイスに割り当てられたという通知をMDMサーバが受信したことに応答して第1患者デバイスに送信可能である。また、MDMサーバは、第1患者がシングルクリックでビデオ通話サービスにアクセスできるように、第1患者デバイスにビデオ通話サービスへのショートカットを作成することもできる。たとえば、MDMサーバは、ビデオ通話サービスが第1患者デバイスのホーム画面に提示されるように第1患者デバイスを構成することができる。
【0008】
ビデオ通話サービスが第1患者デバイスにインストールされた後、MDMサーバは、第1患者用のビデオ通話認証情報を生成する。ビデオ通話認証情報は、第1患者に固有のビデオ通話コードおよびそのビデオ通話コードに固有のパスワードに対応する。通常、ビデオ通話サービスを通じて第1患者とのビデオ通話に入ることを希望する者は、ビデオ通話コードおよびパスワードを入力する必要がある。しかしながら、本明細書に記載の技術によると、MDMサーバは、ビデオ通話認証情報に含まれる自動参加リンクを生成する。たとえば、MDMサーバは、ビデオ通話サーバからのビデオ通話認証情報を要求することができ、ビデオ通話認証情報を受信すると、そのビデオ通話認証情報に基づいて自動参加リンクを生成することができる。参加希望者は、自動参加リンクをクリックすると、ビデオ通話コードおよびパスワードを手入力する必要なく、そのビデオ通話コードに関連付けられたビデオ通話に参加することが可能になる。たとえば、自動参加リンクにアクセスできる者はビデオ通話コードおよびパスワードを入力する必要なくビデオ通話に参加できるように、ビデオ通話コードおよびパスワードが自動参加リンクに埋め込まれる。MDMサーバは、ビデオ通話コードおよびパスワードを入力する第1患者の負担を軽減するために、自動参加リンクをビデオ通話サービス内に提示する。
【0009】
MDMサーバはまた、医療機関などの第三者に自動参加リンクを送信するよう構成される。実施の形態によっては、MDMサーバは自動参加リンクを医療機関に自動送信する。たとえば、第1患者デバイスが第1患者に割り当てられたという通知をMDMサーバが医療機関から受信したとき、MDMサーバは、その通知を送信したアドレスに自動参加リンクを送信する。他の実施の形態では、第1患者がMDMサーバに自動参加リンクを医療機関に送信する許可を与える。
【0010】
このように、第1患者の医療提供者(医療機関にいる)は、医療アプリケーションを通じて第1患者の医療情報を確認でき、ビデオ通話コードおよびパスワードを入力する必要性とは対照的な自動参加リンクのクリックにより、ビデオ通話サービスを通じて第1患者を診察することができる。自動参加リンクがビデオ通話サービスで第1患者に提示されるので、第1患者もビデオ通話コードおよびパスワードを入力する必要なく医療提供者とのビデオ通話に参加できる。その結果、第1患者が医療機関内に入ることが推奨されない状況においても、医療提供者はヴァーチャル診察を患者に容易に提供できる。第1患者は、ヴァーチャル訪問のために友人および家族に自動参加リンクを送信する選択ができることも理解されたい。したがって、第1患者が自宅または医療機関内で隔離を求められている状況で、誰も訪問ビデオ通話コードおよびパスワードの入力する必要なく、第1患者は友人および家族のヴァーチャル訪問を受けることができる。
【0011】
MDMサーバは、第1患者が第1患者デバイスに割り当てられなくなったと判断すると、第1患者デバイスが第1患者に割り当てられている間に第1患者デバイスにインストールされた全てのアプリケーション(たとえば、医療アプリケーションおよびビデオ通話サービス)を消去するためにリセットコマンドを送信する。さらに、リセットコマンドは、第1患者デバイスが第1患者に割り当てられている間に(第1患者によって)入力され第1患者デバイスに保存された全てのデータを消去する。このように、リセットコマンドは、第1患者に関連する個人特定可能情報、第1患者に関連する保護された健康情報、またはその両方が第1患者デバイスから削除されることになることを示す。実施の形態によっては、リセットコマンドは工場出荷状態リセットコマンドに対応し、全てのユーザデータが第1患者デバイスから削除されることを示してよい。第1患者デバイスは、リセットコマンドの受信に対応して、ユーザデータ(たとえば、第1患者に関連する情報を含むユーザデータ)を削除してよい。MDMサーバは、第1患者が第1患者デバイスに割り当てられなくなったことを、その旨を示す医療機関からのメッセージの受信に応答して、判断できる。
【0012】
ある特定の態様では、方法は、モバイルデバイス管理(MDM)サーバにおいて、患者が患者デバイスに割り当てられたという示唆を受信することを含む。患者デバイスは、患者に関連する医療情報を保存する。方法は、患者が患者デバイスに割り当てられたという示唆の受信に応答して、患者デバイスをビデオ通話サービスに適合させて構成するためにコンフィグレーション・データを患者デバイスに送信することも含む。方法は、患者デバイスを構成することに応答して、その患者用のビデオ通話認証情報を生成することも含む。ビデオ通話認証情報は、ビデオ通話サービスを通して患者とのビデオ通話を開催するために第三者デバイスによって使用可能な自動参加リンクを有効にする。方法は、ビデオ通話認証情報を第三者デバイスに送信することも含む。
【0013】
別の特定の態様において、コンピュータシステムは、患者が患者デバイスに割り当てられたという示唆を受信するよう構成されたモバイルデバイス管理(MDM)サーバを含む。患者デバイスは、患者に関連する医療情報を保存する。MDMサーバはまた、患者が患者デバイスに割り当てられたという示唆の受信に応答して、患者デバイスをビデオ通話サービスに適合させて構成するためにコンフィグレーション・データを患者デバイスに送信するように構成されている。MDMサーバはさらに、患者デバイスを構成することに応答して、その患者用のビデオ通話認証情報を生成するよう構成されている。ビデオ通話認証情報は、患者デバイス上でビデオ通話サービスを通して患者とのビデオ通話を開催するために第三者デバイスによって使用可能な自動参加リンクを含む。MDMサーバはまた、ビデオ通話認証情報を第三者デバイスに送信するよう構成されている。
【0014】
別の特定の態様では、コンピュータ可読記憶装置が、プロセッサにより実行されるとそのプロセッサに動作を実施させる命令を保存する。動作は、患者が患者デバイスに割り当てられたという示唆を受信することを含む。患者デバイスは、患者に関連する医療情報を保存する。動作は、患者が患者デバイスに割り当てられたという示唆の受信に応答して、患者デバイスをビデオ通話サービスに適合させて構成するためにコンフィグレーション・データを患者デバイスに送信することも含む。動作は、患者デバイスを構成することに応答して、その患者用のビデオ通話認証情報を生成することをさらに含む。ビデオ通話認証情報は、患者デバイス上でビデオ通話サービスを通して患者とのビデオ通話を開催するために第三者デバイスによって使用可能な自動参加リンクを含む。動作は、ビデオ通話認証情報を第三者デバイスに送信することも含む。
【0015】
別の特定の態様では、方法は、患者が患者デバイスに割り当てられたという示唆を医療提供者デバイスからモバイルデバイス管理(MDM)サーバに送信することを含む。患者デバイスは、患者に関連する医療情報を保存する。医療情報へのアクセスはMDMサーバから分離されており、医療情報へのアクセスは医療提供者デバイスから可能である。方法は、示唆の送信に応答して、その患者用のビデオ通話認証情報を受信することも含む。ビデオ通話認証情報は、患者デバイス上でビデオ通話サービスを通して患者とのビデオ通話を開催するために医療提供者デバイスに関連付けられた第三者によって使用可能な自動参加リンクを有効にする。方法は、自動参加リンクがクリックされたという示唆をビデオ通話サーバに送信することも含む。ビデオ通話サーバは、その示唆の受信に応答して、医療提供者デバイスと患者デバイスとの間のビデオ通話を開始する。
【0016】
本開示の他の態様、利点、および特徴が、以下の図面の簡単な説明、発明を実施するための形態、および特許請求の範囲を含む本出願全体を参照すると明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】モバイルデバイス管理を実施するために動作可能なシステムの、特に説明的観点からのブロック図。
【0018】
図2】モバイルデバイス管理(MDM)サーバにより構成される患者デバイスの図。
【0019】
図3A】患者デバイスで起動されるビデオ通話アプリケーションの図。
【0020】
図3B】患者デバイスにおける、ビデオ通話サービス・アプリケーションを通じた、患者・医療提供者間のヴァーチャル訪問の図。
【0021】
図3C】患者デバイスにおける、ビデオ通話サービス・アプリケーションを通じた、患者、医療提供者、および第三者間のヴァーチャル訪問の図。
【0022】
図4A】医療管理システムのスクリーン上に表示されたデータログの図。
【0023】
図5】モバイルデバイス管理の方法のフローチャート。
【0024】
図6】例示的な実施形態による方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照すると、システムが示されており、このシステムを一般に100とする。システム100(たとえば、コンピュータシステム)は、医療管理システム102と、モバイルデバイス管理(MDM)サーバ104と、患者デバイス106と、第三者デバイス108と、医療サーバ110と、ビデオ通話サーバ192とを含む。
【0026】
医療管理システム102は医療機関内に配置可能である。医療管理システム102は、たとえば、病院や医院、医師のオフィスなどに配置されたコンピュータシステムに組み込むことができる。医療管理システム102は、医療機関の医療専門家がアクセス可能である。非限定的な例として、医療管理システム102は、医療提供者103がアクセス可能である。医療提供者103は、医師や看護師、准看護師等であり得る。医療管理システム102は、プロセッサ112と、メモリ114と、入力装置116とを含む。メモリ114は、プロセッサ112により実行可能な命令115を保存する非一時的コンピュータ可読記憶装置であり得る。入力装置116は、キーボード、タッチスクリーン、オーディオ入力、または医療提供者103による医療管理システム102への入力を可能にする他のいかなる入力手段も含み得る。
【0027】
MDMサーバ104は、プロセッサ122と、メモリ124と、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)196とを含む。メモリ124は、プロセッサ122により実行可能な命令125を保存する非一時的コンピュータ可読記憶装置であり得る。後述するように、MDMサーバ104は、患者と医療提供者間、患者と家族間、および患者と友人間のヴァーチャル訪問を支援するために患者デバイスを構成するよう動作可能である。MDMサーバと他のデバイス(たとえば、医療管理システム102、患者デバイス106、医療サーバ110、およびビデオ通話サーバ192)との間の通信(たとえば、メッセージやリクエストなど)は、API196を介して実施可能である。たとえば、API196は、プロセッサ122からコマンドを受信し、そのコマンドを適切なフォーマットに変換した上で指定のデバイスに送信することができる。さらに、API196は、他のデバイスからコマンドを受信し、そのコマンドを変換してプロセッサ122に提供することができる。
【0028】
患者デバイス106は、医療機関または医療機関に関連するスタッフ(たとえば医療提供者103)が所有するモバイルデバイスであり得る。患者デバイス106は、携帯電話、タブレット、ノート型パソコン、または他のモバイルデバイスであり得る。患者デバイス106は、患者107が利用することができる。後述のように、患者デバイス106は、ヴァーチャル患者訪問を支援するために、医療管理システム102によって患者107に割り当て可能である。患者デバイス106は、プロセッサ132と、メモリ134と、ディスプレイスクリーン136と、入力装置138とを含む。メモリ134は、プロセッサ132により実行可能な命令135を保存する非一時的コンピュータ可読記憶装置であり得る。入力装置138は、キーボード、タッチスクリーン、オーディオ入力、または患者107による患者デバイス107への入力を可能にする他のいかなる入力手段も含み得る。
【0029】
状況によっては、患者107が治療または検査のために医療機関内に入ることが推奨されないと医療提供者103が判断することがある。非限定的な例として、非常に感染力の高く危険なウィルスによる地球規模のパンデミックの間は、医療提供者103は、自宅にとどまったままヴァーチャル訪問するよう患者107に助言することがある。
【0030】
このような場合医療提供者140は、患者107に患者デバイス106を割り当てることができる。たとえば、医療提供者103は、医療管理システム102の入力装置116を使用して、患者107の患者識別子(ID)142と患者デバイス106のデバイスID144とを入力することができる。患者ID142は、患者107の氏名、患者107の社会保障番号、患者107の生年月日、患者107に関する他の識別情報、またはその組み合わせを含む。デバイスID144は、患者デバイス106のシリアルナンバーまたは患者デバイス106を識別するために使用される他の手段を含むことができる。プロセッサ112は、患者ID142およびデバイスID144に基づいて割当示唆140を生成するように構成される。割当示唆140は、たとえば、患者107に患者デバイス106が割り当てられていることを示す。割当示唆140は、どの患者デバイスがどの患者に割り当てられているのかを医療提供者103が容易に識別できるように、医療管理システム102にログ記録可能である。医療管理システム102は、割当示唆をMDMサーバ104に送信するよう構成されている。さらに医療機関は、割り当て後に患者デバイス106を患者107に発送することができる。
【0031】
MDMサーバ104は、医療管理システム102からの割当示唆140の受信に応答して、ヴァーチャル訪問を支援するために患者デバイス106を構成するよう動作可能である。たとえば、MDMサーバ104は、医療サーバ110を介した医療提供者103への医療情報190の通信用に医療アプリケーション170を含むように患者デバイス106を構成するよう動作可能である。具体的には、プロセッサ122は、患者デバイス106を構成するために患者デバイス106に送信されるコンフィグレーション・ルーチン150を生成する。コンフィグレーション・ルーチン150は、医療アプリケーション170に関連付けられた医療アプリケーション・コンフィグレーション・ルーチン152を含む。医療アプリケーション・コンフィグレーション・ルーチン152は、たとえば、医療アプリケーション170を患者デバイス106にインストールするために患者デバイス106のプロセッサ132が実行可能なインストール・ルーチンおよび命令を含む。医療アプリケーション・コンフィグレーション・ルーチン152が患者デバイス106に送信されると、MDMサーバ104は、医療アプリケーション170のインストール用のルーチンおよび命令を実行するために、患者デバイス106のプロセッサ132にコマンドを送信することができる。
【0032】
実施の形態によっては、医療アプリケーション・コンフィグレーション・ルーチン152は患者107に特有のものである。具体的には、割当示唆140は、医療提供者103と患者107との間のヴァーチャル訪問の目的を示すデータを含むことができる。非限定的な例として、割当示唆140は、定期健診用に患者デバイス106を構成するようMDMサーバ104に命令するデータを含むことができる。この場合、医療アプリケーション・コンフィグレーション・ルーチン152は、医療アプリケーション170の定期健診用のバージョンをインストールするためのインストール・ルーチンおよび命令を含むことができる。別の非限定的な例として、割当示唆140は、体調不良による受診用に患者デバイス106を構成するようMDMサーバ104に命令するデータを含むことができる。この場合、医療アプリケーション・コンフィグレーション・ルーチン152は、医療アプリケーションの体調不良による受診用のバージョンをインストールするためのインストール・ルーチンおよび命令を含むことができる。
【0033】
また、MDMサーバ104は、患者107がビデオ通話に使用するためのビデオ通話サービス・アプリケーション172を含むように患者デバイス106を構成するよう動作可能である。具体的には、コンフィグレーション・ルーチン150は、ビデオ通話サービス・アプリケーション172に関連付けられたビデオ通話アプリケーション・コンフィグレーション・ルーチン154を含む。ビデオ通話アプリケーション・コンフィグレーション・ルーチン154は、たとえば、ビデオ通話サービス・アプリケーション172を患者デバイス106にインストールするために患者デバイス106のプロセッサ132が実行可能なインストール・ルーチンおよび命令を含む。ビデオ通話アプリケーション・コンフィグレーション・ルーチン154が患者デバイス106に送信されると、MDMサーバ104は、患者デバイス106のプロセッサ132に、ビデオ通話サービス・アプリケーション172をインストールするための対応するルーチンおよび命令を実行するためのコマンドを送信することができる。
【0034】
コンフィグレーション・ルーチン150は、患者デバイス106のプロセッサ132によって実行される場合には医療アプリケーション170へのショートカットとビデオ通話サービス・アプリケーション172へのショートカットとを含むように患者デバイス106を構成する命令を含むこともある。たとえば、MDMサーバ104によるコマンドを受けて、プロセッサ132は、医療アプリケーション170およびビデオ通話サービス・アプリケーション172が患者デバイス106のホーム画面に表示されるようにコンフィグレーション・ルーチン150を実行することができる。
【0035】
医療アプリケーション170は、医療情報190を入力するように患者107に促すことができる。たとえば、患者107は、入力装置138を使用して、ヴァーチャル訪問の目的に関連する様々な質問に回答することができる。上記で参照したように、医療アプリケーション170のあるバージョンでの定期健診用の質問事項は、医療アプリケーション170の別のバージョンにおける体調不良による受診用の質問事項と異なり得る。たとえば、医療アプリケーション170の定期健診バージョンでの質問事項は、患者107の体重や、患者107の心拍数などが対象となり得る。それに対して、医療アプリケーション170の体調不良による受診バージョンでの質問事項は、患者107に発現した症状の記載が対象となり得る。
【0036】
プロセッサ132は、医療情報190(たとえば、質問事項に対する回答)を、医療機関に関連付けられた医療サーバ110に送信するよう構成され、医療サーバ110は、その医療情報190を医療管理システム102に送信するよう構成される。その結果、医療提供者103は患者107の医療情報190にアクセス可能であり、医療情報190はMDMサーバ104から分離されている。したがって、機密性の高い医療情報190が保護され、患者・医療提供者間の守秘義務が守られる。
【0037】
MDMサーバ104も、患者デバイス106の構成に応じて、ビデオ通話サービス・アプリケーション172用にビデオ通話認証情報160を生成するよう構成される。ビデオ認証情報160は、自動参加リンク162に埋め込まれるビデオ通話コードおよび対応するパスワードを含む。ビデオ通話認証情報160、具体的には自動参加リンク162を生成するために、MDMサーバ104は、ビデオ通話サーバ192に認証情報リクエスト194を送信する。認証情報リクエスト194は、ビデオ通話コードおよび対応するパスワードのリクエストを含む。ビデオ通話サーバ192は、ビデオ通話認証情報161をMDMサーバ104に送信する。ビデオ通話認証情報161は、ビデオ通話コードとそれに対応するパスワードとを含むが、ビデオ通話認証情報161は自動参加リンク162を含まない。MDMサーバ104のプロセッサ122はビデオ通話コードと対応するパスワードとを自動参加リンク162に埋め込み、ビデオ通話認証情報160を生成する。ビデオ通話サービス・アプリケーション172へのアクセス権を有するデバイスは、自動参加リンク162をクリックしてそのビデオ通話コードに関連付けられたビデオ通話に参加することができる。このように、自動参加リンク162がクリックされると、参加者は、ビデオ通話コードおよびパスワードを手入力する必要なく、そのビデオ通話コードに関連付けられたビデオ通話に参加することが可能になる。MDMサーバ104は、ビデオ通話認証情報160を患者デバイス106に送信して、患者107に自動参加リンク162を提供する。
【0038】
MDMサーバ104はさらに、ビデオ通話認証情報160を医療管理システム102に送信する。その結果、医療提供者103は自動参加リンク162をクリックして、患者107とのビデオ通話に入ることができる。結果的に、患者107と医療提供者103は、ログイン情報(たとえば、ビデオ通話コードやパスワード)の入力の必要なく、ビデオ通話サービス・アプリケーション172を通してヴァーチャル訪問(ビデオ通話)に参加することができる。
【0039】
場合によっては、ビデオ通話認証情報160は、患者デバイス106から受信した共有通知180に応答して、医療提供者103に共有される。たとえば、患者107は、入力装置138を使用して、ビデオ通話サービス・アプリケーション172を用いたビデオ通話への参加者をリストにすることができる。プロセッサ132は、このリストに基づいて共有通知180を生成し、この共有通知180をMDMサーバ104に送信する。MDMサーバ104は、共有通知180内のビデオ通話参加者を特定し、ビデオ通話認証情報160(たとえば、自動参加リンク162)を参加者に送信する。たとえば、図1に示すように、MDMサーバ104は、ビデオ通話認証情報160を、医療提供者103に関連付けられた医療管理システム102と、第三者109に関連付けられた第三者デバイス108とに送信する。
【0040】
一実施の形態によると、第三者109は患者107の友人や、患者107の家族等であり得る。したがって、本明細書に記載の技術は、ログイン情報(たとえば、ビデオ通話コードやパスワード)の入力が不要な患者・医療提供者間のビデオ通話の開催に使用できるだけでなく、ログイン情報の入力が不要な、友人や家族とのビデオ通話の開催にも使用することができる。その結果、患者107が非常に感染力の高い状態であっても、その自宅隔離中や医療機関の訪問不可エリアに滞在中に、友人や家族がビデオ通話サービス・アプリケーション172を通じて患者107と連絡することができる。さらには、患者107の同意(たとえば、共有通知180)のもとで、患者107の友人や家族が患者107と医療提供者103とのヴァーチャル面談に参加することができる。
【0041】
医療提供者103、患者107、または第三者109の少なくとも1人が自動参加リンク162をクリックしたという通知の受信に応答して、ビデオ通話サーバ192はビデオ通話サービス・アプリケーション172を通じてビデオ通話接続を開始することができる。自動参加リンク162のクリックによって、追加のメンバーもそのビデオ通話に参加することができる。非限定的な例として、医療提供者103および患者107は自動参加リンク162をクリックすることができ、その結果、ビデオ通話サーバ192は、医療提供者103と患者107とのビデオ通話を開催することができる。第三者109が続いて自動参加リンク162をクリックすると、その第三者109も医療提供者103と患者107間のビデオ通話に参加可能である。
【0042】
診療またはビデオ通話の後、医療提供者103は、入力装置116を用いて患者107が解放されたまたは退出したことを示すことができる。プロセッサ112は、患者107が患者デバイス106に割り当てられなくなったという解除通知182を生成するよう構成されている。MDMサーバ104は、解除通知182の受信に応答して、患者107に関連する医療情報を患者デバイス106から消去しビデオ通話認証情報160を患者デバイス106から消去するための消去コマンド184を患者デバイス106に送信するよう構成されている。一実施の形態によると、消去コマンド184の受信に応答して、医療アプリケーション170およびビデオ通話サービス・アプリケーション172が患者デバイス106からアンインストールされる。一実施の形態によると、消去コマンド184は、患者デバイス106を工場出荷時の状態にリセットするリセットコマンドに対応する。
【0043】
図1に関連して記載した技術によって、患者107および医療提供者103がビデオ通話サービス・アプリケーション172を通してヴァーチャル面談を行うことが可能になる。MDMサーバ104がログイン情報をオーディオ参加リンク162に埋め込むため、患者107および医療提供者103は、ヴァーチャル面談に参加するためのログイン情報(たとえば、ビデオ通話コードおよびパスワード)を手作業で入力する手間を省くことができる。医療提供者103に提出される医療情報190は、医療提供者・患者間の守秘義務を守るためMDMサーバ104から分離されていることも理解されたい。
【0044】
図2は、MDMサーバ104により構成された患者デバイス106の図である。患者デバイス106はディスプレイスクリーン136を含む。実施の形態によっては、ディスプレイスクリーン136は患者107が指で操作可能なタッチスクリーン機能を含む。
【0045】
図2では、ディスプレイスクリーン136にホーム画面が表示されている。医療アプリケーション170へのショートカットとビデオ通話サービス・アプリケーション172へのショートカットとがホーム画面に表示される。上述したように、割当示唆140の受信に応答して、MDMサーバ104は、医療アプリケーション170へのショートカットとビデオ通話サービス・アプリケーション172へのショートカットとをホーム画面に提示するよう、患者デバイス106を構成する。患者107は入力装置138または指を使用してアプリケーション170、172を選択することができる。
【0046】
図3Aは患者デバイス106で起動されたビデオ通話サービス・アプリケーション172の図である。図3Aでは、ビデオ通話サービス・アプリケーション172内に患者107のライブ動画が表示されている。さらに、ビデオ通話サービス・アプリケーション172内に自動参加リンク162が表示されている。図3Aに示した例では、自動参加リンク162は「医療提供者とのビデオ通話に参加するにはここをクリックしてください」と書かれたハイパーリンクである。自動参加リンク162は単に説明のためのものであり、限定と解釈されるべきではないことに留意されたい。ユーザのクリック後すぐに患者107がビデオ通話に入れるように、ビデオ通話コードおよびパスワードは自動参加リンク162に埋め込まれている。
【0047】
図3Bは、患者デバイス106におけるビデオ通話サービス・アプリケーション172を通じた、患者107・医療提供者103間のヴァーチャル訪問の図である。患者107・医療提供者103間のヴァーチャル訪問は、両者103、107が自動参加リンク162をクリックすると開催される。このように、患者107および医療提供者103がログイン情報(たとえば、ビデオ通話コードおよびパスワード)を入力する必要なく、ヴァーチャル診察を実施することができる。医療提供者103は、ヴァーチャル診察に際して、MDMサーバ104およびビデオ通話サービス・アプリケーション172から分離された安全なサーバ(たとえば、医療サーバ110)を通じて患者107の医療情報190にアクセスできることをさらに理解されたい。
【0048】
図3Cは患者デバイス106における、ビデオ通話サービス・アプリケーション172を通じた、患者107・医療提供者103・第三者109間のヴァーチャル訪問の図である。図3Cに示した例では、第三者109は自動参加リンク162をクリックすることでヴァーチャル診察に参加している。このように、第三者109は、ログイン情報(たとえば、ビデオ通話コードおよびパスワード)を入力する必要なく、医療提供者103と患者107とのヴァーチャル訪問に参加することができる。
【0049】
図3A~3Cに関して記載した技術によって、患者107が社会からの隔離を推奨されている場合において、患者107がヴァーチャルに訪問を受けることが可能になることを理解されたい。たとえば、患者107が非常に感染力の高い状態である場合、または地球規模のパンデミックの場合、患者107が医療機関を訪れることは推奨できない。本明細書に記載の技術によって、患者107は自宅にとどまった状態で医療提供者103から質の高い医療を受けることが可能になる。
【0050】
図4Aは、医療管理システム102のスクリーン402に表示されるデータログの図である。データログは、複数のエントリを含む。スクリーン402は、医療提供者103が所与のエントリから様々なオプションを選択することが可能な、インタラクティブなタッチスクリーンであり得る。
【0051】
各エントリは、それぞれ、患者、その患者に割り当てられたデバイス情報、その患者の医療情報、およびその患者とのビデオ通話に参加するための自動参加リンクを示す。具体的には、第1エントリは、患者107の患者ID142、デバイスID144、患者190の医療情報、および自動参加リンク162を示す。医療提供者103は、患者107が医療サーバ110を介して提供した医療情報190(たとえば問診に対する回答)を見るオプションを選択することができる。さらに、医療提供者103は、自動参加リンク162をクリックして患者107とのビデオ通話に参加することができる。
【0052】
一実施の形態によると、医療提供者103はデバイスID144オプションを選択することができ、サブ選択(図示せず)に基づいて患者デバイス106を患者107から解除することができる。患者デバイス106が患者107から解除されたことに応答して、医療管理システム102は、解除通知182をMDMサーバ104に送信し、MDMサーバ104は、医療情報190を消去するために消去コマンド184を患者デバイス184に送信する。
【0053】
図4Bは、医療管理システム102における、ビデオ通話サービス・アプリケーション172を通じた、患者107・医療提供者103間のヴァーチャル訪問の図である。患者107・医療提供者103間のヴァーチャル訪問は、両者103、107が自動参加リンク162をクリックすると開催される。このように、患者107および医療提供者103がログイン情報(たとえば、ビデオ通話コードおよびパスワード)を入力する必要なく、ヴァーチャル診察を実施することができる。医療提供者103は、ヴァーチャル診察に際して、MDMサーバ104およびビデオ通話サービス・アプリケーション172から分離された安全なサーバ(たとえば、医療サーバ110)を通じて患者107の医療情報190にアクセスできることをさらに理解されたい。
【0054】
図4A~4Bに関して記載した技術によって、患者107が社会からの隔離を推奨されている場合において医療提供者103が患者107をヴァーチャルに訪問することが可能になる。たとえば、患者107が非常に感染力の高い状態である場合、または地球規模のパンデミックの場合、患者107が医療機関を訪れることは推奨できない。本明細書に記載の技術によって、患者107は自宅にとどまった状態で医療提供者103から質の高い医療を受けることが可能になる。
【0055】
図5を参照すると、モバイルデバイス管理の方法が図示されており、この方法を一般に500とする。方法500は、図1のMDMサーバ104によって実行されてよい。
【0056】
方法500は、502で、患者が患者デバイスに割り当てられたという示唆をMDMサーバで受信することを含む。患者デバイスは、患者に関連する医療情報を保存する。たとえば、図1を参照すると、MDMサーバ104は、患者107が患者デバイス106に割り当てられたという示唆140を受信する。患者デバイス106は、患者107に関連する医療情報190を保存する。方法500の一実施の形態によると、患者106が患者デバイス106に割り当てられたという示唆は、医療提供者103から受信したメッセージなど、第三者から受信したメッセージに基づく。
【0057】
方法500は、504において、患者が患者デバイスに割り当てられたという示唆の受信に応答して、ビデオ通話サービスに適合させて患者デバイスを構成するために、コンフィグレーション・データを患者デバイスに送信することを含む。たとえば、図1を参照すると、MDMサーバ104は、示唆140の受信に応答して、ビデオ通話サービスに適合させて患者デバイス106を構成するために、コンフィグレーション・データ150を患者デバイス106に送信する。
【0058】
方法500の一実施の形態によると、ビデオ通話サービスに適合させて患者デバイス106を構成することは、ビデオ通話サービスに関連したアプリケーション(たとえば、ビデオ通話サービス・アプリケーション172)を患者デバイス106にインストールすることを含む。患者デバイス106を構成することは、患者07がシングルクリックでそのアプリケーションを通じてビデオ通話サービスにアクセスできるように、患者デバイス106にショートカットを作成することも含む。たとえば、図2Aに示すように、ショートカットが患者デバイス106のホーム画面に存在し得る。
【0059】
方法500は、506において、患者デバイスを構成することに応答して、患者用のビデオ通話認証情報を生成することも含む。ビデオ通話認証情報は、ビデオ通話サービスを通して患者とのビデオ通話を開催するために第三者デバイスによって使用可能な自動参加リンクを有効にする。たとえば、図1を参照すると、MDMサーバ104は、ビデオ通話サービス・アプリケーション172を備えて患者デバイス106を構成することに応答して、ビデオ通話認証情報160を生成する。ビデオ通話認証情報は、関係者103、107、109がビデオ通話を開催またはそれに参加するのに使用可能な自動参加リンク162を含む。
【0060】
方法500の一実施の形態によると、ビデオ通話認証情報の生成は、ビデオ通話サーバに認証情報リクエストを送信することを含む。たとえば図1を参照すると、ビデオ通話認証情報160、具体的には自動参加リンク162を生成するために、MDMサーバ104は、ビデオ通話サーバ192に認証情報リクエスト194を送信する。認証情報リクエスト194は、ビデオ通話コードおよび対応するパスワードのリクエストを含む。ビデオ通話認証情報の生成は、ビデオ通話サーバからのビデオ通話コードおよびパスワードの受信も含むことができる。たとえば、図1を参照すると、ビデオ通話サーバ192はビデオ通話認証情報161をMDMサーバ104に送信する。ビデオ通話認証情報161は、ビデオ通話コードとそれに対応するパスワードとを含むが、ビデオ通話認証情報161は自動参加リンク162を含まない。ビデオ通話認証情報の生成は、ビデオ通話コードおよびパスワードの自動参加リンクへの埋め込みも含むことができる。たとえば、図1を参照すると、MDMサーバ104のプロセッサ122はビデオ通話コードと対応するパスワードとを自動参加リンク162に埋め込み、ビデオ通話認証情報160を生成する。
【0061】
方法500は、508において、ビデオ通話認証情報を第三者デバイスに送信することも含む。たとえば、図1を参照すると、MDMサーバ104は、ビデオ通話認証情報160を、医療提供者103に関連付けられた医療管理システム102と、第三者109に関連付けられた第三者デバイス108とに送信する。
【0062】
一実施の形態によると、方法500は、患者がビデオ通話認証情報を第三者と共有するオプションを選択したという通知を受信することを含み、その通知の受信を条件にビデオ通話認証情報が送信される。たとえば、図1を参照すると、MDMサーバは、関係者103、109にビデオ通話認証情報160が共有されることを示す共有通知180を受信する。この実施の形態によると、ビデオ通話認証情報160、ひいては自動参加リンク162が、MDMサーバ104が共有通知180を受信したことを条件に、他の関係者103、109に送信される。
【0063】
方法500によると、第三者と患者とのビデオ通話は、第三者にログイン情報の入力を促すことなく開始される。たとえば、第三者は、ビデオ通話コードまたはパスワードを入力するよう促されない。
【0064】
方法500の他の実施の形態によると、第三者は医療提供者、患者の友人、患者の家族、またはその他の者であり得る。患者デバイスは医療提供者に関連する施設に配置可能であり、あるいは、医療提供者に関連した施設から離隔して配置することもできる。一実施の形態によると、患者デバイスは医療提供者が所有している。
【0065】
方法500の一実施の形態によると、医療情報190へのアクセスはMDMサーバ104から分離されている。さらに、医療情報190は、医療提供者・患者間の守秘義務を確実に守るために、ビデオ通話認証情報160からも分離できる。
【0066】
一実施の形態によると、方法500は、患者が患者デバイスに割り当てられなくなったという通知を受信することも含む。たとえば、図1を参照すると、MDMサーバ104は、患者107が患者デバイス106に割り当てられなくなったいう解除通知を受信する。方法500は、この通知の受信に応答して、患者に関連した医療情報およびビデオ通話認証情報を消去するためにコマンドを患者デバイスに送信することも含む。たとえば、図1を参照すると、MDMサーバ104は、患者107に関連する医療情報190とビデオ通話認証情報160とを消去するために、消去コマンドを患者デバイス106に送信する。一実施の形態によると、そのコマンド(たとえば消去コマンド184)は、患者デバイス106を工場出荷時の状態にリセットするリセットコマンドに対応する。
【0067】
図5の方法500によって、患者107および医療提供者103がビデオ通話サービス・アプリケーション172を通してヴァーチャル面談を行うことが可能になる。MDMサーバ104がログイン情報をオーディオ参加リンク162に埋め込むため、患者107および医療提供者103は、ヴァーチャル面談に参加するためのログイン情報(たとえば、ビデオ通話コードおよびパスワード)を手作業で入力する手間を省くことができる。医療提供者103に提出される医療情報190は、医療提供者・患者間の守秘義務を守るためMDMサーバ104から分離されていることも理解されたい。
【0068】
図6を参照すると、方法が示されており、この方法を一般に600とする。方法600は、図1の医療管理システム102によって実行されてよい。
【0069】
方法600は、602で、患者が患者デバイスに割り当てられたという示唆を医療提供者デバイスからMDMサーバに送信することを含む。患者デバイスは、患者に関連する医療情報を保存する。医療情報へのアクセスはMDMサーバから分離されており、医療情報へのアクセスは医療提供者デバイスから可能である。
【0070】
方法600は604で、上記示唆の送信に応答して、その患者用のビデオ通話認証情報を受信することも含む。ビデオ通話認証情報は、患者デバイス上でビデオ通話サービスを通して患者とのビデオ通話を開催するために医療提供者デバイスに関連付けられた第三者によって使用可能な自動参加リンクを有効にする。
【0071】
方法600はさらに、606で、自動参加リンクがクリックされたという示唆をビデオ通話サーバに送信することを含む。方法600は、608で、ビデオ通話サーバが患者デバイスとのビデオ通話を開始できるようにビデオ通話サーバとデータ通信を行うことも含む。
【0072】
図1~6の一または複数の図は、本開示の教示事項によるシステム、デバイス、および/または方法を示し得るが、本開示は、これらの図示されたシステム、デバイス、および/または方法に限定されない。本開示の態様は、メモリ、プロセッサ、およびオンチップ回路を含む集積回路を含むいかなる機器にも適宜採用されてよい。
【0073】
ここで描写または記載された、図1~6のいずれかの一または複数の機能または要素は、図1~6の他の図の一または複数の他の部分と組み合わされてよい。したがって、本明細書に記載のいかなる態様も限定と解釈されるべきではなく、本開示の態様は、本開示の教示から逸脱することなく適宜組み合わされてよい。
【0074】
本明細書に開示された態様に関連して記載された、種々の説明用的論理ブロック、構成、モジュール、回路、および、アルゴリズムステップは、電子ハードウェア、プロセッサにより実行されるコンピュータソフトウェア、またはその両者の組み合わせとして実施されてよいことは、当業者に理解されよう。説明のための様々な要素、ブロック、構成、モジュール、回路、およびステップがそれらの機能面に関して一般的に上述された。このような機能がハードウェアによって実施されるかプロセッサが実行可能な命令によって実施されるかは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課された設計制約に依存する。当業者は、各特定の用途のために種々の方法で上記の機能を実施してよいが、このような実施の判断は、本開示の範囲からの逸脱になると解釈されるべきではない。
【0075】
本明細書に開示の態様に関連して記載された方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接実施されるか、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュールにおいて、またはこれらの組み合わせにおいて実施されてよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取専用メモリ(ROM)、プログラム可能読取専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読取専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読取専用メモリ(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、または当業界で知られている任意の他の形態の非一時的な記憶媒体内に存在してよい。例示的な記憶媒体(たとえば、コンピュータ可読記憶装置)が、プロセッサが記憶媒体に対して情報を読み取りおよび書き込みできるように、プロセッサに接続される。代替的には、記憶媒体はプロセッサと一体化されてよい。プロセッサおよび記憶媒体は、特定用途向け集積回路(ASIC)に存在してよい。ASICは、コンピュータデバイスまたはユーザ端末内に存在してよい。代替的には、プロセッサおよび記憶媒体は、コンピュータデバイスまたはユーザ端末内にディスクリート部品として存在してよい。記憶装置はシグナルではない。
【0076】
上記開示された態様の記述は、開示された態様を当業者に作製または使用可能にするために提供される。これらの態様に対する種々の変更は当業者には容易に明らかであり、本明細書に定義された原理は本開示の範囲から逸脱することなく他の態様に適用されてよい。したがって、本開示は、本明細書に示された態様を限定することを意図するものではなく、以下の請求の範囲に定義された原理および新規な特徴と一致する可能な限り最も広い範囲が認められるべきである。

図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6
【国際調査報告】