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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(54)【発明の名称】再構成可能な無人航空機
(51)【国際特許分類】
   B64U 20/50 20230101AFI20230706BHJP
   B64U 10/13 20230101ALI20230706BHJP
   B64U 20/87 20230101ALI20230706BHJP
   B64U 101/64 20230101ALN20230706BHJP
【FI】
B64U20/50
B64U10/13
B64U20/87
B64U101:64
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576193
(86)(22)【出願日】2021-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 IN2021050565
(87)【国際公開番号】W WO2021250701
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】202041024431
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518390550
【氏名又は名称】インターナショナル インスティテュート オブ インフォメーション テクノロジー ハイデラバード
(74)【代理人】
【識別番号】100107847
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 聡
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナ・ケイ・マーダヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ロイ・スパンダン
(72)【発明者】
【氏名】スラジュ・ボナジリ・ヴェンカタ・サイ・ゴーパーラ
(57)【要約】
本願の実施の形態は、ペイロードの形状、サイズ、重量に基づいてその形状を再構成し、ペイロード配送をリアルタイムで効率的に実行する、再構成可能な無人航空機(100)を提供する。再構成可能な無人航空機(100)は、コーナーに配置され、1又は2以上のシザーユニット(104A~N)により接続された1又は2以上のローターユニット(102A~N)を有する。再構成可能な無人航空機(100)は、第1の位置のペイロードに接近し、ペイロードの位置および寸法をカメラで分析し、1又は2以上のシザーユニット(104A~N)がペイロードのサイズ及び形状に応じて少なくとも1回の伸長または圧縮を行ってその長さを調整し、再構成可能な無人航空機(100)内にペイロードを取り込む。再構成可能な無人航空機(100)は、第1の場所からペイロードを運んで離陸し、第2の場所に着陸する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペイロードをリアルタイムで配送するために前記ペイロードの形状及びサイズに基づいてその形状を再構成する再構成可能な無人航空機(100)であって、
1つ又は複数のバッテリスロットと、データを遠隔装置に通信し、前記遠隔装置からコマンドを受信するように構成された通信モジュールとを備える1つ又は複数のロータユニット(102A~N)を備え、
前記1つ又は複数のロータユニット(102A~N)と接続され、前記1つ又は複数のロータユニット(102A~N)が前記遠隔装置から前記コマンドを受信したときに、前記ペイロードの前記形状及び前記サイズに基づいて前記再構成可能な無人航空機(100)の長さ及び向きを調整する1つ又は複数のシザーユニット(104A~N)であって、
シザー機構を使用して、前記再構成可能な無人航空機(100)内に前記ペイロードを収めるために、前記1つ又は複数のシザーユニット(104A~N)の伸長又は圧縮の少なくとも一方を実行する
ように構成された、1つ又は複数のシザーユニット(104A~N)と、
リアルタイムで第1の位置から第2の位置に前記ペイロードを配送するために、1つ又は複数のブラシレス直流(DC)モータ及び1つ又は複数のプロペラを備える1つ又は複数のパイプ(106A~N)と
を特徴とする、再構成可能な無人航空機(100)。
【請求項2】
前記1つ又は複数のロータユニット(102A~N)の各々は、前記再構成可能な無人航空機(100)を制御するために、前記1つ又は複数のロータユニット(102A~N)の間に分配する飛行コントローラ、パラシュートシステム、カメラ、全地球測位システム(GPS)モジュール、又はリアルタイムキネマティック(RTK)のいずれかを備える、請求項1に記載の再構成可能な無人航空機(100)。
【請求項3】
前記カメラは、前記再構成可能な無人航空機(100)が前記ペイロードに接近したときの前記ペイロードの位置、前記ペイロードの長さ、又は前記ペイロードの幅のうちの少なくとも1つを分析する、請求項1に記載の再構成可能な無人航空機(100)。
【請求項4】
前記1つ又は複数のロータユニット(102A~N)は、前記再構成可能な無人航空機(100)内に前記ペイロードを収めるために、前記ペイロードの前記サイズ及び前記形状に基づいて前記1つ又は複数のシザーユニット(104A~N)の前記長さを調整する1つ又は複数のアクチュエータを備える、請求項1に記載の再構成可能な無人航空機(100)。
【請求項5】
前記1つ又は複数のシザーユニット(104A~N)の前記長さは、前記1つ又は複数のアクチュエータを使用して作動され、前記1つ又は複数のシザーユニット(104A~N)を伸長及び圧縮する、請求項1に記載の再構成可能な無人航空機(100)。
【請求項6】
前記1つ又は複数のアクチュエータは、前記シザー機構の長さを制御するための1つ又は複数のリニアアクチュエータを備え、前記1つ又は複数のシザーユニット(104A~N)は、平行シザー機構を使用して、前記1つ又は複数のシザーユニット(104A~N)の前記伸長又は圧縮のうちの少なくとも一方を実行する、請求項6に記載の再構成可能な無人航空機(100)。
【請求項7】
前記1つ又は複数のシザーユニット(104A~N)は、前記再構成可能な無人航空機(100)内に前記ペイロードが収まるときに前記1つ又は複数のシザーユニット(104A~N)をロックするロック機構を備える、請求項1に記載の再構成可能な無人航空機(100)。
【請求項8】
前記再構成可能な無人航空機(100)は、前記1つ又は複数のシザーユニット(104A~N)の長さを変更する際の自由度を使用して、前記ペイロードの前記形状及び前記サイズと一致するように1つ又は複数の異なる形状に再構成される、請求項1に記載の再構成可能な無人航空機(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の実施形態は、一般にペイロード輸送システムに関し、より詳細には、ペイロードを効率的かつ迅速に配送するためにペイロードに基づいて再構成可能な無人航空機に関する。
【背景技術】
【0002】
無人航空機(UAV)は、空気力を使用して機体を持ち上げ、自律的に飛行するか、又は人間のオペレータによって遠隔で操縦される、人間のオペレータのいない動力付き航空機として定義される。UAVは、致死的又は非致死的なペイロードを運搬するために使用することができる。ドローンは、自然環境及び人工環境で自律的に飛行することができる、無人航空機(UAV)とも呼ばれる種類のロボットである。これらのロボットは、それらの用途に関していくつかのサイズ及び仕様で設計されており、しばしば防御機構に関連付けられる場合もある。輸送、民間作業、通信、農業、災害軽減、環境保全、及び監視を含め、人間をドローンに置き換えることができる広範囲の用途がある。複雑な人間環境を切り抜けるためには、知覚知能を備えたドローンが必要である。
【0003】
今日では、ドローン配送は、ヘルスケア、食品配送、及び郵便のペイロード又は製品配送などの民間の側面で使用されている。ドローン配送が民間タスクに利用される場合、既存のシステムは、ペイロード重量(約2ポンド)、形状、制限された飛行範囲(約12マイル)、飛行時間、ペイロードの重心が明らかである通常のペイロードを可能にする固定シャーシなどのいくつかの制限を有する。既存のシステムは、ペイロードがドローンのクワドロータに取り付けられ、次いでドローンが目的地に飛行することを可能にする。しかし、重心を計算できない不規則な形状のペイロードに関しては、既存のシステムは好ましくない。
【0004】
既存のシステムは、取り付けられたペイロードの重心(COM)がドローンのCOMの近くにある場合、ペイロード配送において効率的である。一部のモータは、ヒューマンエラーに起因して適切に取り付けられていない場合、ペイロード配送中に他のモータよりも大きな力を及ぼす可能性があり、その結果、より高い電流引き出し、制御性の問題、及び他の非効率性が生じるため、ペイロードが細長い又は不規則な形状である場合、既存のシステムは好ましくない。すべてのペイロードが運搬されるドローンと同様のCOMを有しているわけではなく、その配送中により高い電流引き出し、制御性の問題、及び他の非効率性をもたらすため、これは、一般的なシナリオである。既存のシステムの別の欠点は、ペイロードをドローンに配置するための機械的グリッパ、電磁石、又はボックスのような追加の把持機構が必要であることである。機械的グリッパ及びボックスの使用は、ドローンが運搬することができるペイロードの最大サイズに制限を加える。ペイロードを保持するために電磁石を使用することは、ペイロードが磁性材料で作製される必要があることを意味する。また、機械的及び電磁的把持機構は、ドローン上にペイロードを保持するために追加の活性エネルギーを必要とする。電磁石グリッパは振動の影響を受けやすい。全体として、追加の把持機構は、運搬されるペイロードに制約を課す。既存の設計は、様々な形状、サイズなどを有するペイロードに起因して小さな非効率性が発生する可能性があるため、ドローンが毎日膨大な数のペイロードを配送しなければならない商業的な物流シナリオでは好ましくない。これらの小さな非効率性は、積み重なって、非常に非効率的なプロセスを作り出す可能性があり、商業的な物流シナリオに悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、現在のシステムに関連する欠点を克服するために、ペイロードを効率的かつ迅速に配送するように再構成可能な無人航空機が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記を考慮して、本明細書の一実施形態は、リアルタイムでペイロードを配送するためにペイロードの形状及びサイズに基づいてその形状を再構成する再構成可能な無人航空機を提供する。再構成可能な無人航空機は、1つ又は複数のロータユニットと、1つ又は複数のシザーユニットと、1つ又は複数のパイプとを含む。1つ又は複数のロータユニットは、1つ又は複数のバッテリスロットと、遠隔装置にデータを通信し、遠隔装置からコマンドを受信するように構成された通信モジュールとを含む。1つ又は複数のロータユニットに接続された1つ又は複数のシザーユニットは、1つ又は複数のロータユニットが遠隔装置からコマンドを受信したときに、ペイロードの形状及びサイズに基づいて再構成可能な無人航空機の長さ及び向きを調整する。1つ又は複数のシザーユニットは、シザー機構を使用して、再構成可能な無人航空機内にペイロードを収めるために、1つ又は複数のシザーユニットの伸長又は圧縮のうちの少なくとも一方を実行するように構成される。1つ又は複数のパイプは、リアルタイムで第1の位置から第2の位置にペイロードを配送するために、1つ又は複数のブラシレス直流(DC)モータと、1つ又は複数のプロペラとを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のロータユニットの各々は、再構成可能な無人航空機を制御するために1つ又は複数のロータユニット間に分散する飛行コントローラ、パラシュートシステム、カメラ、及び全地球測位システム(GPS)モジュール又はリアルタイムキネマティック(RTK)のいずれかを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、カメラは、再構成可能な無人航空機がペイロードに接近したときのペイロードの位置、ペイロードの長さ、又はペイロードの幅のうちの少なくとも1つを分析する。
【0009】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のロータユニットは、再構成可能な無人航空機内のペイロードのサイズ及び形状に基づいて1つ又は複数のシザーユニットの長さを調整する1つ又は複数のアクチュエータを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のシザーユニットを伸長及び圧縮させるために、1つ又は複数のシザーユニットの長さは、1つ又は複数のアクチュエータを使用して作動される。
【0011】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のアクチュエータは、シザー機構の長さを制御するための1つ又は複数のリニアアクチュエータを含む。1つ又は複数のシザーユニットは、平行シザー機構を使用して、1つ又は複数のシザーユニットの伸長又は圧縮のうちの少なくとも一方を実行する。
【0012】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のシザーユニットは、ペイロードが再構成可能な無人航空機内に収まるときに1つ又は複数のシザーユニットをロックするロック機構を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、再構成可能な無人航空機は、1つ又は複数のシザーユニットの長さを変更する際の自由度を使用して、ペイロードの形状及びサイズと一致するように1つ又は複数の異なる形状に再構成される。
【0014】
最大拡張範囲を変更するために、再構成可能な無人航空機の1つ又は複数のシザーユニットを追加/削除することができ、これによりモジュール性を提供する。1つ又は複数のシザーユニットにおけるシザー機構は、広範囲の拡張を可能にする。再構成可能な無人航空機は、1つ又は複数のシザーユニットを拡張することによって非常に大きな物体を把持し、1つ又は複数のシザーユニットを圧縮することによって非常に小さな物体を把持する。再構成可能な無人航空機は、保管目的のために小さな形態に圧縮することができる。
【0015】
再構成可能な無人航空機は、ペイロードの適切な配置を可能にするとともに、ペイロードの自律的なピックアップから、その好ましい位置におけるその配送までの動作を容易にする。再構成可能な無人航空機はまた、人間の介入なしにペイロードの重心(COM)を自動的に中心合わせし、それぞれ迅速かつ効率的なプロセスをもたらす。再構成可能な無人航空機は、人間の介入なしに、様々な形状及びサイズのクレートをピックアップしてフロントラインに輸送することができる緊急軍事作業中の防御に使用することができる。再構成可能な無人航空機は、様々な目的のために機体を再設計する必要なく、任意の種類のペイロードを収容する。ロック機構を用いてペイロードを把持するために、再構成可能な無人航空機のシャーシがそれに応じて再構成されるので、追加の把持機構はもはや必要なくなる。
【0016】
本明細書の実施形態のこれら及び他の態様は、以下の説明及び添付の図面と併せて考慮すると、よりよく理解される(appreciated and understood)であろう。しかしながら、以下の説明は、好ましい実施形態及びその多くの特定の詳細を示しているが、限定ではなく例示として与えられていることを理解されたい。本明細書の実施形態の趣旨から逸脱することなく、本明細書の実施形態の範囲内で多くの変更及び修正を行うことができ、本明細書の実施形態はすべてのそのような修正を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書の実施形態は、図面を参照した以下の詳細な説明からよりよく理解されるであろう。
【0018】
図1】本明細書のいくつかの実施形態による、再構成可能な無人航空機の概略図である。
【0019】
図2A】本明細書のいくつかの実施形態による、図1の再構成可能な無人航空機のロータユニットの等角正面図である。
【0020】
図2B】本明細書のいくつかの実施形態による、図1の再構成可能な無人航空機のロータユニットの等角背面図である。
【0021】
図3】本明細書のいくつかの実施形態による、図1の再構成可能な無人航空機のシザーユニットの等角正面図である。
【0022】
図4】本明細書のいくつかの実施形態による、クワドロータを有する再構成可能な無人航空機のシミュレーションのユーザインターフェースを示す図である。
【0023】
図5A】本明細書のいくつかの実施形態による、クワドロータを有する再構成可能な無人航空機の、正方形のペイロードについての追跡比較のグラフ表示を示す。
図5B】本明細書のいくつかの実施形態による、クワドロータを有する再構成可能な無人航空機の、正方形のペイロードについての追跡比較のグラフ表示を示す。
図5C】本明細書のいくつかの実施形態による、クワドロータを有する再構成可能な無人航空機の、正方形のペイロードについての追跡比較のグラフ表示を示す。
【0024】
図6】本明細書のいくつかの実施形態による、図1の再構成可能な無人航空機を使用してペイロードを効率的に運搬する方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書の実施形態並びにその様々な特徴及び有利な詳細は、添付の図面に示され、以下の説明に詳述される非限定的な実施形態を参照してより完全に説明される。本明細書の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、周知の構成要素及び処理技術の説明は省略する。本明細書で使用される例は、本明細書の実施形態が実施され得る方法の理解を容易にすること、及び当業者が本明細書の実施形態を実施することをさらに可能にすることのみを意図している。したがって、例は、本明細書の実施形態の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0026】
上述したように、ペイロード配送を効率的に実行するために、ペイロードの形状及びサイズに基づいてその形状をリアルタイムで再構成する無人航空機が必要とされている。ここで図面、より詳細には図1図6を参照する。同様の参照符号は図面全体を通して一貫して対応する特徴を示しており、好ましい実施形態が示されている。
【0027】
図1は、本明細書のいくつかの実施形態による、再構成可能な無人航空機100の概略図を示す。再構成可能な無人航空機100は、1つ又は複数のロータユニット102A~Nと、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nと、1つ又は複数のパイプ106A~Nとを含む。1つ又は複数のロータユニット102A~Nは、1つ又は複数のバッテリスロットを含む。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のバッテリスロットの各々は、1つ又は複数のロータユニット102A~Nに電力を供給するバッテリを含む。バッテリは、リチウムイオン電池及びリチウムポリマー電池の少なくとも一方であってもよい。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のロータユニット102A~Nは、再構成可能な無人航空機が機体データを遠隔装置に通信し、遠隔装置からコマンドを受信することを可能にする通信モジュールを含む。遠隔装置は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレット、又はデジタルアシスタント装置のいずれかであってもよい。いくつかの実施形態では、機体データは、位置データ及び機体形成データを含む。
【0028】
シザーユニット104Aは、ロータユニット102A及び102Bに隣接して結合することができる。1つ又は複数のロータユニット102A~Nは、再構成可能な無人航空機100の角に配置することができる。1つ又は複数のロータユニット102A~Nに接続された1つ又は複数のシザーユニット104A~Nは、ペイロードの形状及びサイズに基づいて、再構成可能な無人航空機100の長さ及び向きを調整する。シザーユニット104Aの一端をロータユニット102Aに接続することができ、シザーユニット104Aの別の端部をロータユニット104Bに接続することができる。ペイロードは、正方形のペイロード又は長方形のペイロードであってもよい。
【0029】
1つ又は複数のシザーユニット104A~Nの長さは、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nの伸長プロセス又は圧縮プロセスのためのリニアアクチュエータを使用して、変更することができる。1つ又は複数のシザーユニット104A~Nは、シザー機構を使用して、再構成可能な無人航空機100内にペイロードを収めるために、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nの伸長又は圧縮のうちの少なくとも一方を実行するように構成される。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nは、高品質炭素繊維シートで作製される。いくつかの実施形態では、再構成可能な無人航空機100は、通信モジュールで受信されたコマンドに基づいて、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nの伸長又は圧縮のうちの少なくとも一方を実行する。
【0030】
1つ又は複数のパイプ106A~Nは、リアルタイムで第1の位置から第2の位置にペイロードを配送するために、1つ又は複数のブラシレス直流(DC)モータと、1つ又は複数のプロペラとを含む。1つ又は複数のパイプ106A~Nは、炭素繊維パイプであってもよい。1つ又は複数のブラシレスDCモータ及び1つ又は複数のプロペラは、1つ又は複数のパイプ106A~Nの各々の端部に取り付けることができる。1つ又は複数のパイプ106A~Nは、1つ又は複数のロータユニット102A~Nの各々の外側の角に挿入される。いくつかの実施形態では、ブラシレスDCモータ及び1つ又は複数のプロペラは、同軸に配置される。
【0031】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のロータユニット102A~Nは、飛行コントローラ及びパラシュートシステムを含む。飛行コントローラ及びパラシュートシステムを含むロータユニット102Aは、他のロータユニット102B~Nの間に分散することができる。飛行コントローラは、遠隔装置から受信したコマンドに基づいて、再構成可能な無人航空機100を制御する。いくつかの実施形態では、飛行コントローラは、再構成可能な無人航空機100を制御して第1の位置に正しく着陸させ、再構成可能な無人航空機100内にペイロードを収めるために、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nが伸長又は圧縮の少なくとも一方を行うことを可能にし、ペイロードを配送するために第2の位置に向けて離陸するように構成される。パラシュートシステムは、環境問題が発生した場合に、落下中にパラシュートを放出し、再構成可能な無人航空機100の安全な着陸を保証する。
【0032】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のロータユニット102A~Nは、ペイロードの位置、ペイロードの長さ、又はペイロードの幅のうちの少なくとも1つを分析するように構成されたカメラを含む。再構成可能な無人航空機100は、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nがペイロードの分析された位置、長さ、及び幅に基づいて長さ及び向きを調整することを可能にする。カメラは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)カメラであってもよい。いくつかの実施形態では、CMOSカメラは、CMOSカメラ内で画像を生成するCMOSセンサを含む。カメラを含むロータユニット102Aは、他のロータユニット102B~Nに分散することができる。いくつかの実施形態では、カメラは、ペイロードの正確な位置及び寸法を識別するために第1の位置の環境を分析する。
【0033】
1つ又は複数のロータユニット102A~Nは、地球上の場所の位置データ及び時刻データを計算するための全地球測位システム(GPS)モジュールを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のロータユニット102A~Nは、衛星ベースの測位システムから導出された位置データの精度を高めるためにリアルタイムキネマティック(RTK)システムを含む。衛星ベースの測位システムは、GPSを含む全地球航法衛星システム(GNSS)であってもよい。
【0034】
GPSを含むロータユニット102Aは、他のロータユニット102B~Nに分散することができる。飛行コントローラ、パラシュートシステム、カメラ、及びGPSモジュール又はRTKシステムを含むロータユニット102Aは、他のロータユニット102B~Nの飛行コントローラ、パラシュートシステム、カメラ、及びGPSモジュール又はRTKシステムに分散することができる。飛行コントローラ、パラシュートシステム、カメラ、及びGPSモジュール又はRTKシステムは、1つ又は複数のロータユニット102A~Nのいずれかに存在することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、通信は、シリアル周辺インターフェース(SPI)又は集積回路間(I2C)プロトコルのうちの少なくとも1つを使用して、1つ又は複数のロータユニット102A~Nの間で行われる。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のロータユニット102A~Nのうちの任意の2つのロータユニット間の配線は、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nを通る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nの様々な長さは、リニアアクチュエータによって達成される。いくつかの実施形態では、リニアアクチュエータは摺動機構を含む。
【0036】
再構成可能な無人航空機100は、ペイロードに接近し、ペイロードの上でホバリングする。1つ又は複数のロータユニット102A~Nのいずれかの内部のカメラは、着陸前のペイロードの位置、ペイロードの長さ、又はペイロードの幅のうちの少なくとも1つを分析する。再構成可能な無人航空機100は、ペイロードのサイズ及び形状に基づいて、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nが1つ又は複数のシザーユニット104A~Nの長さ及び幅を調整し、再構成可能な無人航空機100内にペイロードを収めることを可能にする。いくつかの実施形態では、再構成可能な無人航空機100は、再構成可能な無人航空機100内にペイロードを収めるための所望の長さを達成した後に、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nを保持するロック機構を含む。1つ又は複数のシザーユニット104A~Nは、圧縮してペイロードを堅固に保持し、そして、拡張しないようにロック機構を用いてロックする。
【0037】
再構成可能な無人航空機100は、ペイロードが再構成可能な無人航空機100の近傍内に来ると着陸することができ、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nが最大限に拡張する(すなわち、伸長する)ことを可能にする。ペイロードが配置された後、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nは、再構成可能な無人航空機100内にペイロードを収める(すなわち、圧縮する)。再構成可能な無人航空機100は、圧縮されると、ペイロードが1つ又は複数のロータユニット102A~Nの各々の支持プレート上に載置されることを保証する。再構成可能な無人航空機100は、第1の位置から離陸してペイロードを運搬し、第2の位置に着陸する。いくつかの実施形態では、再構成可能な無人航空機100は、シザー機構を使用することによって、第2の位置に到達した後に1つ又は複数のシザーユニット104A~Nがペイロードを解放する(すなわち、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nを拡張する)ことを可能にする。
【0038】
いくつかの実施形態では、ペイロードが存在しないとき、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nのシザー関節の中央にある、角度が付いたばねは、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nを定位置に折り畳む。いくつかの実施形態では、長さ「L」mのシザーユニット、n個のシザーについて、シザーユニット104Aの範囲は[(n+1)*L*cos80°、(n+1)*L*cos10°]である。
【0039】
図2Aは、本明細書のいくつかの実施形態による、図1の再構成可能な無人航空機100のロータユニット102Aの等角正面図を示す。ロータユニット102Aは、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nに接続される。ロータユニット102Aは、開口部202と、回路204と、スライダ206と、1つ又は複数のトラス208A~Nとを含む。開口部202は、ロータユニット102Aとともに1つ又は複数のパイプ106A~Nを挿入するためのものである。いくつかの実施形態では、開口部202は折り畳みアームホルダである。回路204は、ロータユニット102Aのデータを記録するためのプリント回路基板(PCB)であってもよい。いくつかの実施形態では、回路204は飛行コントローラである。いくつかの実施形態では、回路204は、ロータユニット102Aの動作を制御する。スライダ206は、シザー機構を用いて1つ又は複数のシザーユニット104A~Nの摺動運動を可能にし、それにより、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nの伸長(拡張)又は圧縮のうちの少なくとも一方を可能にする。1つ又は複数のトラス208A~Nは、ロータユニット102Aに構造的強度を提供するように構成された枠組みである。
【0040】
いくつかの実施形態では、ロータユニット102Aは、再構成可能な無人航空機100を制御するために、飛行コントローラ、パラシュートシステム、カメラ、GPSモジュール、又はRTKシステムを含むことができる。いくつかの実施形態では、GPSモジュールは、衛星及び地上局のコンスタレーションを使用して地球上の場所の位置データ及び時刻データを計算するGPS受信機を含む。GPS受信機は、地球上の場所の位置データ及び時刻データを用いて、ペイロードが位置する場所の位置及び時刻を計算することができる。
【0041】
図2Bは、本明細書のいくつかの実施形態による、図1の再構成可能な無人航空機100のロータユニット102Aの等角背面図を示す。ロータユニット102Aは、1つ又は複数のトラス208A~Nと、トッププレート210と、ベースプレート212と、1つ又は複数のアクチュエータ214A~Nと、1つ又は複数のカラム216A~Nとを含む。ベースプレート212は、ペイロードの配送中にペイロードを支持するように構成される。いくつかの実施形態では、ベースプレート212は支持プレートである。いくつかの実施形態では、ペイロードはベースプレート212上に載置される。いくつかの実施形態では、ベースプレート212は炭素繊維プレートである。1つ又は複数のアクチュエータ214A~Nは、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nの長さを制御するように構成される。1つ又は複数のトラス208A~N及び1つ又は複数のカラム216A~Nは、ロータユニット102Aを支持する。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のカラム216A~Nは、炭素繊維で構成される。いくつかの実施形態では、ロータユニット102Aは、より良好な把持で、ペイロードが再構成可能な無人航空機100に保持されることを可能にする曲率を含む。いくつかの実施形態では、曲率の角度は、30度~80度の範囲である。以上で、ロータユニット102Aの機能及び説明について説明した。
【0042】
図3は、本明細書のいくつかの実施形態による、図1の再構成可能な無人航空機100のシザーユニット104Aの等角正面図を示す。シザーユニット104Aは、平行に配置された1つ又は複数のシザー機構を含む。シザーユニット104Aの端部は、ロータユニット102Aと接続するように構成される。いくつかの実施形態では、シザーユニット104Aの上部はアクチュエータと接続するように構成され、シザーユニット104Aの下部は1つ又は複数のトラス208A~Nのシザーユニットコネクタと接続するように構成される。シザーユニット104Aの長さは、リニアアクチュエータを使用して、シザーユニット104Aの伸長プロセス又は圧縮プロセスの少なくとも一方で作動される。いくつかの実施形態では、シザー機構を有するシザーユニット104Aによって、様々な長さのシザーユニット104Aが達成される。
【0043】
シリアル周辺インターフェース(SPI)又は集積回路間(I2C)プロトコルのうちの少なくとも1つを用いて隣接するロータユニット102A、102B間で通信するために、配線をシザーユニット104Aの内部に配置することができる。
【0044】
図4は、本明細書のいくつかの実施形態による、クワドロータを有する再構成可能な無人航空機100のシミュレーションのユーザインターフェース400を示す。シミュレーションは、質量1kgの正方形のペイロードを有する再構成可能な無人航空機100及びクワドロータを含む。正方形のペイロードは、長さ0.55m及び幅0.55mとすることができる。クワドロータは、ペリカンクワドロータであってもよい。ユーザインターフェース400は、再構成可能な無人航空機100の1つ又は複数のシミュレーション画像402A~Dと、クワドロータの1つ又は複数のシミュレーション画像404A~Dとを含む。再構成可能な無人航空機100の1つ又は複数のシミュレーション画像402A~Dは、再構成可能な無人航空機100によって実行された攻撃的操縦を示し、クワドロータの1つ又は複数のシミュレーション画像404A~Dは、攻撃的操縦を実行することによるクラッシュを示す。
【0045】
図5A図5Cは、本明細書のいくつかの実施形態による、クワドロータを有する再構成可能な無人航空機100の、正方形のペイロードについての追跡比較のグラフ表示を示す。図5Aは、再構成可能な無人航空機100及びクワドロータの正方形のペイロードの位置軌道のグラフ表示502を示す。グラフ表示502は、x方向、y方向、及びz方向の位置追跡を含む。t=18秒後の一定の線は、クワドロータのクラッシュを示し、再構成可能な無人航空機100は、所望の軌道との、正方形のペイロードについての改善された位置軌道追跡を示す。
【0046】
図5Bは、再構成可能な無人航空機100及びクワドロータの正方形のペイロードの位置追跡性能のグラフ表示504を示す。グラフ表示504は、x方向、y方向、及びz方向の位置誤差を含む。再構成可能な無人航空機100は、正方形のペイロードについて改善された位置追跡性能を示す。
【0047】
図5Cは、再構成可能な無人航空機100及びクワドロータの正方形のペイロードの姿勢追跡性能のグラフィック表現506を示す。グラフィック表現506は、φ(ファイ)度、θ(シータ)度、及びψ(プサイ)度の姿勢誤差を含む。再構成可能な無人航空機100は、正方形のペイロードについて改善された姿勢追跡性能を示す。
【0048】
再構成可能な無人航空機100は、質量中心(COM)の不均衡がない1kgの長方形ペイロードについても、改善された位置軌道追跡、位置追跡性能、及び姿勢追跡性能を示す。長方形のペイロードは、長さ0.55m及び幅0.33mとすることができる。
【0049】
図6は、本明細書のいくつかの実施形態による、図1の再構成可能な無人航空機100を使用してペイロードを効率的に運搬する方法600を示す流れ図である。ステップ602において、第1の位置の位置データ及び時刻データに基づいて、ペイロードは、再構成可能な無人航空機100によって接近される。ステップ604において、ペイロードの正確な位置及び寸法を識別するために、第1の位置の環境がカメラを用いて分析される。ステップ606において、再構成可能な無人航空機100は、再構成可能な無人航空機100内に収まるペイロードの近傍に着陸する。ステップ608において、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nのそれぞれの長さ及び向きがペイロードの寸法に基づいて調整され、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nは、シザー機構を使用して、1つ又は複数のシザーユニット104A~Nの伸長又は圧縮のうちの少なくとも一方を実行し、ペイロードを把持する。いくつかの実施形態では、ユーザは、再構成可能な無人航空機にペイロードを配置することができる。ステップ610において、再構成可能な無人航空機100はペイロードとともに第2の位置に向けて離陸する。
【0050】
特定の実施形態の前述の説明は、本明細書の実施形態の一般的な性質を十分に明らかにするので、他者は、現在の知識を適用することによって、一般的な概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができ、したがって、そのような適合及び修正は、開示された実施形態の均等物の意味及び範囲内で理解されるべきであり、理解されるように意図される。本明細書で使用される表現又は用語は、説明のためのものであり、限定のためのものではないことを理解されたい。したがって、本明細書の実施形態を好ましい実施形態に関して説明してきたが、当業者であれば、本明細書の実施形態は、添付の特許請求の趣旨及び範囲内で修正して実施し得ることを認識するであろう。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
【国際調査報告】