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特表2023-530111ナビゲーション及び/又はロボットによる追跡の方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(54)【発明の名称】ナビゲーション及び/又はロボットによる追跡の方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20230706BHJP
【FI】
A61B34/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576558
(86)(22)【出願日】2021-06-11
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 US2021036985
(87)【国際公開番号】W WO2021252882
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】63/037,699
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】522369979
【氏名又は名称】モノグラム・オーサピディクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Monogram Orthopaedics Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】セクソン,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】パティル,フリシェーケシュ
(57)【要約】
ナビゲーション及び/又はロボットによる追跡システムは、対象物または患者の骨に取り付けられた1つ以上の無線追跡装置を含む。無線追跡装置は、カメラ、一対のカメラ、及び/又はプローブ、および無線送信機を含んでもよい。外科方法は、基準データを無線で取得するステップを含み、基準データは、患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置を含んでもよく、基準データは複数のマーカと関連付けられ、方法は外科ナビゲーションシステムにおいて基準データを使用することを含む。外科方法はまた、位置および方向データ、及び/又は表面又は構造データを無線で取得するステップ、および位置および方向データ、及び/又は表面又は構造データを外科ナビゲーションシステムにおいて使用するステップを含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科方法であって、
方法は、基準データを無線で取得するステップを含み、
基準データは患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の少なくとも1つのカメラに基づき、
基準データは、複数のマーカと関連付けられており、
無線追跡装置は少なくとも1つのカメラ、および無線送信機を含み、
外科方法はまた、
基準データを外科ナビゲーションシステムで使用するステップを含む、
外科方法。
【請求項2】
複数のマーカが、ロボット、ロボットに取り付けられた外科ツール、ロボットのベース、カート、手術台に取り付けられた固定具、手術用照明、アウトサイドインナビゲーションカメラ、及び/又は手術室内の1つ以上の対象物に取り付けられる、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項3】
使用するステップが、ロボットの目標位置を更新するステップを含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項4】
基準データを無線で取得するステップが、開始位置を無線で取得するステップと、開始位置からの位置変化を無線で取得するステップとを含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項5】
使用するステップが、切削計画に基づいて患者の骨を切削または掘削するために外科ナビゲーションシステムにおいて基準データを使用するステップを含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項6】
使用するステップが、患者の骨を表現する画像を表示するステップを含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項7】
使用するステップが、患者の骨に相対的にツールを表現する画像を表示するステップを含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項8】
使用するステップが、外科ナビゲーションシステムにおいて、患者の骨に対する無線追跡装置のレジスターに関するデータおよび取得された基準データを使用するステップを含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項9】
患者の骨に対する無線追跡装置のレジスターに関するデータを生成するステップをさらに含み、
使用するステップが、外科ナビゲーションシステムにおいて、患者の骨に対する無線追跡装置のレジスターに関するデータおよび取得された基準データを使用するステップを含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項10】
患者の骨の骨データ、および患者および無線追跡装置から遠隔の二次カメラのデータに基づいて、患者の骨に対する無線追跡装置のレジスターに関するデータを生成するステップをさらに含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項11】
無線追跡装置の少なくとも1つのカメラが、少なくとも1つの赤外線カメラを含み、
複数のマーカが複数の赤外線エミッタ又は能動型赤外線ビーコンを含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項12】
少なくとも1つの複数の赤外線エミッタ又は能動型赤外線ビーコンが複数の赤外線LEDを含む、
請求項11に記載の外科方法。
【請求項13】
無線追跡装置の少なくとも1つのカメラが赤外線カメラを含み、
複数のマーカが再帰反射フィデューシャルマーカを含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項14】
無線追跡装置の少なくとも1つのカメラが少なくとも1つの光学カメラを含み、
複数のマーカが複数の視覚的フィデューシャルマーカを含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項15】
複数の視覚的フィデューシャルマーカが、複数のAprilTagを含む、
請求項14に記載の外科方法。
【請求項16】
複数のマーカが複数の静止マーカを含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項17】
複数のマーカが複数の可動マーカを含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項18】
複数の可動マーカが、ロボットの可動部分に、又はロボットに取り付けられた複数のツールに取り付けられる、
請求項17に記載の外科方法。
【請求項19】
ロボットの固有位置データを受けるステップと、
複数の可動マーカの位置および方向を決定するために固有位置データを使用するステップと、をさらに含む、
請求項18に記載の外科方法。
【請求項20】
二次カメラを提供するステップと、
二次カメラでロボットを追跡するステップと、
複数の可動マーカの位置を決定するために、追跡されたロボットを使用するステップと、をさらに含む、
請求項18に記載の外科方法。
【請求項21】
無線追跡装置が、約0.3ポンドの重さであり、0.8インチ×0.7インチ×0.7インチの大きさである、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項22】
追跡構成要素の少なくとも1つのカメラが、240度の視野を提供する、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項23】
動作可能に取り付けるステップが、無線追跡装置を患者の骨に固定的に取り付けるステップを含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項24】
無線追跡装置が、骨に堅く取り付けられた固定具に取り付けられる、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項25】
固定具が、無線追跡装置にロック可能で接続可能な、
請求項24に記載の外科方法。
【請求項26】
固定具が、患者の骨にレジスター可能な取付板を含み、
取付板および無線追跡装置がダブテール接続部を含む、
請求項24に記載の外科方法。
【請求項27】
患者に動作可能に取り付けられた対象物に、無線追跡装置を動作可能に取り付けるステップをさらに含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項28】
対象物がリトラクタを含む、
請求項27に記載の外科方法。
【請求項29】
複数のマーカが、3つ以上のマーカを含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項30】
無線追跡装置の少なくとも1つのカメラが、ロボットアームの方に向けられる、及び/又は無線追跡装置の少なくとも1つのカメラが、ロボットベースの方に向けられる、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項31】
無線追跡装置が使い捨てである、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項32】
無線追跡装置が再利用可能である、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項33】
無線追跡装置が、加速度計とジャイロスコープ、および磁力計をさらに含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項34】
無線追跡装置のカメラが複数のカメラを含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項35】
無線追跡装置が、
少なくとも1つのカメラと、
慣性測定ユニットと、
無線送信機を含み、
位置および方向データを無線で取得するステップをさらに含み、
位置および方向データは、患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の慣性測定ユニットに基づき、
使用するステップは、外科ナビゲーションシステムにおいて基準データおよび位置および方向データを使用することを含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項36】
無線追跡装置が、
複数のカメラを含む少なくとも1つのカメラと、
無線送信機と、を含み、
基準データは患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の複数のカメラに基づく、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項37】
無線追跡装置が、
一対のカメラを含む少なくとも1つのカメラと、
プローブと、
無線送信機と、を含み、
患者の骨の表面又は構造データを無線で取得するステップをさらに含み、
表面又は構造データは患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置のプローブに基づき、
使用するステップは、外科ナビゲーションシステムにおいて基準データおよび表面又は構造データを使用することを含む、
請求項1に記載の外科方法。
【請求項38】
プローブが超音波プローブを含む、
請求項37に記載の外科方法。
【請求項39】
プローブが患者の骨の空洞内に挿入される、
請求項37に記載の外科方法。
【請求項40】
無線送信機が内蔵測定ユニットを含む、
請求項37に記載の外科方法。
【請求項41】
位置および方向データを無線で取得するステップをさらに含み、
位置および方向データは、患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の慣性測定ユニットに基づき、
使用するステップは、外科ナビゲーションシステムにおいて基準データおよび位置および方向データを使用することを含む、
請求項40に記載の外科方法。
【請求項42】
外科方法であって、
対象物に動作可能に取り付けられた無線追跡装置のレジスターを取得する、又は生成するステップを含み、
無線追跡装置は、
少なくとも1つのカメラと、
無線送信機と、を含み、
外科方法はまた、
基準データを無線で取得するステップを含み、
基準データは、対象物に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の少なくとも1つのカメラに基づき、
基準データは、複数のマーカに関連付けられ、
外科方法はまた、
外科ナビゲーションシステムにおいて基準データを使用するステップを含む、
外科方法。
【請求項43】
対象物がリトラクタを含む、
請求項42に記載の外科方法。
【請求項44】
使用するステップが、外科ナビゲーションシステムにおいて、切削計画に基づいて患者の骨を切削又は掘削するために基準データを使用することを含む、
請求項42に記載の外科方法。
【請求項45】
使用するステップが、外科ナビゲーションシステムにおいて、切削計画に基づいて患者の骨を切削又は掘削し、対象物との接触を回避するために基準データを使用することを含む、
請求項42に記載の外科方法。
【請求項46】
外科ナビゲーションシステムが、対象物を表現する画像を表示するように動作可能である、
請求項42に記載の外科方法。
【請求項47】
外科ナビゲーションシステムが、患者の骨に相対的に対象物を表現する画像を表示するように動作可能である、
請求項42に記載の外科方法。
【請求項48】
外科ナビゲーションシステムが、患者の骨に相対的にツールを表現する画像を表示するように動作可能である、
請求項42に記載の外科方法。
【請求項49】
無線追跡装置は、
少なくとも1つのカメラと、
慣性測定ユニットと、
無線送信機と、を含み、
位置および方向データを無線で取得するステップをさらに含み、
位置および方向データは、患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の慣性測定ユニットに基づき、
使用するステップは、外科ナビゲーションシステムにおいて基準データおよび位置および方向データを使用することを含む、
請求項42に記載の外科方法。
【請求項50】
無線追跡装置が、
一対のカメラを含む少なくとも1つのカメラと、
無線送信機と、を含み、
位置および方向データを無線で取得するステップをさらに含み、
位置および方向データは、対象物に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の一対のカメラに基づき、
使用するステップは、外科ナビゲーションシステムにおいて基準データおよび位置および方向データを使用することを含む、
請求項42に記載の外科方法。
【請求項51】
外科用ロボットシステムであって、
エンドエフェクタを有するロボットアームを含むロボットを含み、
ロボットアームは複数の関節および複数の本体部分を有し、
システムはまた、
メモリを含むコントローラを含み、
1つ以上のプロセッサがコントローラと通信し、
メモリを介して1つ以上のプロセッサによって実行可能なプログラム命令が方法を実施し、
方法は、
基準データを無線で取得するステップを含み、
基準データは、患者に動作可能に取り付けられた対象物の患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の少なくとも1つのカメラに基づき、
基準データは、複数のマーカに関連付けられ、
無線追跡装置は、
1つ以上のカメラと、
無線送信機と、を含み、
方法はまた、
外科ナビゲーションシステムにおいて基準データを使用するステップを含む、
システム。
【請求項52】
処理回路によって可読であり、方法を実施するために処理回路によって実行するための命令を記憶する非揮発性コンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、
方法は、
基準データを無線で取得するステップを含み、
基準データは、患者に動作可能に取り付けられた対象物の患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の少なくとも1つのカメラに基づき、
基準データは、複数のマーカに関連付けられ、
無線追跡装置は、
1つ以上のカメラと、
無線送信機と、を含み、
方法はまた、
外科ナビゲーションシステムにおいて基準データを使用するステップを含む、
コンピュータプログラム製品。
【請求項53】
外科方法であって、
患者の骨の表面又は構造データを無線で取得するステップを含み、
表面又は構造データは患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置のプローブに基づき、
無線追跡装置は、
プローブと、
無線送信機と、を含み、
方法はまた、
外科ナビゲーションシステムにおいて表面又は構造データを使用するステップを含む、
外科方法。
【請求項54】
無線追跡装置が、カメラを含まない、
請求項53に記載の外科方法。
【請求項55】
プローブが超音波プローブを含む、
請求項53に記載の外科方法。
【請求項56】
プローブが患者の骨の空洞内に挿入される、
請求項53に記載の外科方法。
【請求項57】
骨に動作可能に取り付けられたプローブのレジスターデータを取得する、又は生成するステップをさらに含み、
使用するステップは、表面又は構造データ、および基準データを外科ナビゲーションシステムにおいて使用することを含む、
請求項53に記載の外科方法。
【請求項58】
外科用ロボットシステムであって、
エンドエフェクタを有するロボットアームを含むロボットを含み、
ロボットアームは複数の関節および複数の本体部分を有し、
システムはまた、
メモリを含むコントローラを含み、
1つ以上のプロセッサがコントローラと通信し、
メモリを介して1つ以上のプロセッサによって実行可能なプログラム命令が方法を実施し、
方法は、
患者の骨の表面又は構造データを無線で取得するステップを含み、
表面又は構造データは、患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置のプローブに基づき、
無線追跡装置は、
プローブと、
無線送信機と、を含み、
方法はまた、
外科ナビゲーションシステムにおいて表面又は構造データを使用するステップを含む、
システム。
【請求項59】
処理回路によって可読であり、方法を実施するために処理回路によって実行するための命令を記憶する非揮発性コンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、
方法は、
患者の骨の表面又は構造データを無線で取得するステップを含み、
表面又は構造データは、患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置のプローブに基づき、
無線追跡装置は、
プローブと、
無線送信機と、を含み、
方法はまた、
外科ナビゲーションシステムにおいて表面又は構造データを使用するステップを含む、
コンピュータプログラム製品。
【請求項60】
外科方法であって、
方法は、基準データを無線で取得するステップを含み、
基準データは患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の少なくとも1つのカメラに基づき、
基準データは、複数のマーカと関連付けられており、
無線追跡装置は少なくとも1つのカメラ、および無線送信機を含み、
外科方法はまた、
基準データを外科ナビゲーションシステムで使用するステップを含む、
外科方法。
【請求項61】
複数のマーカが、ロボット、ロボットに取り付けられた外科ツール、ロボットのベース、カート、手術台に取り付けられた固定具、手術用照明、アウトサイドインナビゲーションカメラ、及び/又は手術室内の1つ以上の対象物に取り付けられる、
請求項60に記載の外科方法。
【請求項62】
使用するステップが、ロボットの目標位置を更新するステップを含む、
請求項60または61に記載の外科方法。
【請求項63】
基準データを無線で取得するステップが、開始位置を無線で取得するステップと、開始位置からの位置変化を無線で取得するステップとを含む、
請求項60~62のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項64】
使用するステップが、切削計画に基づいて患者の骨を切削または掘削するために外科ナビゲーションシステムにおいて基準データを使用するステップを含む、
請求項60~63のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項65】
使用するステップが、患者の骨を表現する画像を表示するステップを含む、
請求項60~64のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項66】
使用するステップが、患者の骨に相対的にツールを表現する画像を表示するステップを含む、
請求項60~65のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項67】
使用するステップが、外科ナビゲーションシステムにおいて、患者の骨に対する無線追跡装置のレジスターに関するデータおよび取得された基準データを使用するステップを含む、
請求項60~66のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項68】
患者の骨に対する無線追跡装置のレジスターに関するデータを生成するステップをさらに含み、
使用するステップが、外科ナビゲーションシステムにおいて、患者の骨に対する無線追跡装置のレジスターに関するデータおよび取得された基準データを使用するステップを含む、
請求項60~67のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項69】
患者の骨の骨データ、および患者および無線追跡装置から遠隔の二次カメラのデータに基づいて、患者の骨に対する無線追跡装置のレジスターに関するデータを生成するステップをさらに含む、
請求項60~68のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項70】
無線追跡装置の少なくとも1つのカメラが、少なくとも1つの赤外線カメラを含み、
複数のマーカが複数の赤外線エミッタ又は能動型赤外線ビーコンを含む、
請求項60~69のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項71】
少なくとも1つの複数の赤外線エミッタ又は能動型赤外線ビーコンが複数の赤外線LEDを含む、
請求項70に記載の外科方法。
【請求項72】
無線追跡装置の少なくとも1つのカメラが赤外線カメラを含み、
複数のマーカが再帰反射フィデューシャルマーカを含む、
請求項60~71のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項73】
無線追跡装置の少なくとも1つのカメラが少なくとも1つの光学カメラを含み、
複数のマーカが複数の視覚的フィデューシャルマーカを含む、
請求項60~72のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項74】
複数の視覚的フィデューシャルマーカが、複数のAprilTagを含む、
請求項73に記載の外科方法。
【請求項75】
複数のマーカが複数の静止マーカを含む、
請求項60~74のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項76】
複数のマーカが複数の可動マーカを含む、
請求項60~75のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項77】
複数の可動マーカが、ロボットの可動部分に、又はロボットに取り付けられた複数のツールに取り付けられる、
請求項76に記載の外科方法。
【請求項78】
ロボットの固有位置データを受けるステップと、
複数の可動マーカの位置および方向を決定するために固有位置データを使用するステップと、をさらに含む、
請求項77に記載の外科方法。
【請求項79】
二次カメラを提供するステップと、
二次カメラでロボットを追跡するステップと、
複数の可動マーカの位置を決定するために、追跡されたロボットを使用するステップと、をさらに含む、
請求項77に記載の外科方法。
【請求項80】
無線追跡装置が、約0.3ポンドの重さであり、0.8インチ×0.7インチ×0.7インチの大きさである、
請求項60~79のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項81】
追跡構成要素の少なくとも1つのカメラが、240度の視野を提供する、
請求項60~80のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項82】
動作可能に取り付けるステップが、無線追跡装置を患者の骨に固定的に取り付けるステップを含む、
請求項60~81のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項83】
無線追跡装置が、骨に堅く取り付けられた固定具に取り付けられる、
請求項60~82のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項84】
固定具が、無線追跡装置にロック可能で接続可能な、
請求項83に記載の外科方法。
【請求項85】
固定具が、患者の骨にレジスター可能な取付板を含み、
取付板および無線追跡装置がダブテール接続部を含む、
請求項83に記載の外科方法。
【請求項86】
患者に動作可能に取り付けられた対象物に、無線追跡装置を動作可能に取り付けるステップをさらに含む、
請求項60~85のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項87】
対象物がリトラクタを含む、
請求項86に記載の外科方法。
【請求項88】
複数のマーカが、3つ以上のマーカを含む、
請求項60~87のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項89】
無線追跡装置の少なくとも1つのカメラが、ロボットアームの方に向けられる、及び/又は無線追跡装置の少なくとも1つのカメラが、ロボットベースの方に向けられる、
請求項60~88のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項90】
無線追跡装置が使い捨てである、
請求項60~89のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項91】
無線追跡装置が再利用可能である、
請求項60~90のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項92】
無線追跡装置が、加速度計とジャイロスコープ、および磁力計をさらに含む、
請求項60~91のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項93】
無線追跡装置のカメラが複数のカメラを含む、
請求項60~92のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項94】
無線追跡装置が、
少なくとも1つのカメラと、
慣性測定ユニットと、
無線送信機を含み、
位置および方向データを無線で取得するステップをさらに含み、
位置および方向データは、患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の慣性測定ユニットに基づき、
使用するステップは、外科ナビゲーションシステムにおいて基準データおよび位置および方向データを使用することを含む、
請求項60~93のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項95】
無線追跡装置が、
複数のカメラを含む少なくとも1つのカメラと、
無線送信機と、を含み、
基準データは患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の複数のカメラに基づく、
請求項60~93のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項96】
無線追跡装置が、
一対のカメラを含む少なくとも1つのカメラと、
プローブと、
無線送信機と、を含み、
患者の骨の表面又は構造データを無線で取得するステップをさらに含み、
表面又は構造データは患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置のプローブに基づき、
使用するステップは、外科ナビゲーションシステムにおいて基準データおよび表面又は構造データを使用することを含む、
請求項60~93のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項97】
プローブが超音波プローブを含む、
請求項96に記載の外科方法。
【請求項98】
プローブが患者の骨の空洞内に挿入される、
請求項96または97に記載の外科方法。
【請求項99】
無線送信機が内蔵測定ユニットを含む、
請求項96~98のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項100】
位置および方向データを無線で取得するステップをさらに含み、
位置および方向データは、患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の慣性測定ユニットに基づき、
使用するステップは、外科ナビゲーションシステムにおいて基準データおよび位置および方向データを使用することを含む、
請求項99に記載の外科方法。
【請求項101】
外科方法であって、
対象物に動作可能に取り付けられた無線追跡装置のレジスターを取得する、又は生成するステップを含み、
無線追跡装置は、
少なくとも1つのカメラと、
無線送信機と、を含み、
外科方法はまた、
基準データを無線で取得するステップを含み、
基準データは、対象物に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の少なくとも1つのカメラに基づき、
基準データは、複数のマーカに関連付けられ、
外科方法はまた、
外科ナビゲーションシステムにおいて基準データを使用するステップを含む、
外科方法。
【請求項102】
対象物がリトラクタを含む、
請求項101に記載の外科方法。
【請求項103】
使用するステップが、外科ナビゲーションシステムにおいて、切削計画に基づいて患者の骨を切削又は掘削するために基準データを使用することを含む、
請求項101または102に記載の外科方法。
【請求項104】
使用するステップが、外科ナビゲーションシステムにおいて、切削計画に基づいて患者の骨を切削又は掘削し、対象物との接触を回避するために基準データを使用することを含む、
請求項101~103のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項105】
外科ナビゲーションシステムが、対象物を表現する画像を表示するように動作可能である、
請求項101~104のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項106】
外科ナビゲーションシステムが、患者の骨に相対的に対象物を表現する画像を表示するように動作可能である、
請求項101~105のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項107】
外科ナビゲーションシステムが、患者の骨に相対的にツールを表現する画像を表示するように動作可能である、
請求項101~106のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項108】
無線追跡装置は、
少なくとも1つのカメラと、
慣性測定ユニットと、
無線送信機と、を含み、
位置および方向データを無線で取得するステップをさらに含み、
位置および方向データは、患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の慣性測定ユニットに基づき、
使用するステップは、外科ナビゲーションシステムにおいて基準データおよび位置および方向データを使用することを含む、
請求項101~107のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項109】
無線追跡装置が、
一対のカメラを含む少なくとも1つのカメラと、
無線送信機と、を含み、
位置および方向データを無線で取得するステップをさらに含み、
位置および方向データは、対象物に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の一対のカメラに基づき、
使用するステップは、外科ナビゲーションシステムにおいて基準データおよび位置および方向データを使用することを含む、
請求項101~107のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項110】
外科用ロボットシステムであって、
エンドエフェクタを有するロボットアームを含むロボットを含み、
ロボットアームは複数の関節および複数の本体部分を有し、
システムはまた、
メモリを含むコントローラを含み、
1つ以上のプロセッサがコントローラと通信し、
メモリを介して1つ以上のプロセッサによって実行可能なプログラム命令が方法を実施し、
方法は、
基準データを無線で取得するステップを含み、
基準データは、患者に動作可能に取り付けられた対象物の患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の少なくとも1つのカメラに基づき、
基準データは、複数のマーカに関連付けられ、
無線追跡装置は、
1つ以上のカメラと、
無線送信機と、を含み、
方法はまた、
外科ナビゲーションシステムにおいて基準データを使用するステップを含む、
システム。
【請求項111】
処理回路によって可読であり、方法を実施するために処理回路によって実行するための命令を記憶する非揮発性コンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、
方法は、
基準データを無線で取得するステップを含み、
基準データは、患者に動作可能に取り付けられた対象物の患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の少なくとも1つのカメラに基づき、
基準データは、複数のマーカに関連付けられ、
無線追跡装置は、
1つ以上のカメラと、
無線送信機と、を含み、
方法はまた、
外科ナビゲーションシステムにおいて基準データを使用するステップを含む、
コンピュータプログラム製品。
【請求項112】
外科方法であって、
患者の骨の表面又は構造データを無線で取得するステップを含み、
表面又は構造データは患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置のプローブに基づき、
無線追跡装置は、
プローブと、
無線送信機と、を含み、
方法はまた、
外科ナビゲーションシステムにおいて表面又は構造データを使用するステップを含む、
外科方法。
【請求項113】
無線追跡装置が、カメラを含まない、
請求項112に記載の外科方法。
【請求項114】
プローブが超音波プローブを含む、
請求項112または113に記載の外科方法。
【請求項115】
プローブが患者の骨の空洞内に挿入される、
請求項112~114のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項116】
骨に動作可能に取り付けられたプローブのレジスターデータを取得する、又は生成するステップをさらに含み、
使用するステップは、表面又は構造データ、および基準データを外科ナビゲーションシステムにおいて使用することを含む、
請求項112~115のいずれか1つに記載の外科方法。
【請求項117】
外科用ロボットシステムであって、
エンドエフェクタを有するロボットアームを含むロボットを含み、
ロボットアームは複数の関節および複数の本体部分を有し、
システムはまた、
メモリを含むコントローラを含み、
1つ以上のプロセッサがコントローラと通信し、
メモリを介して1つ以上のプロセッサによって実行可能なプログラム命令が方法を実施し、
方法は、
患者の骨の表面又は構造データを無線で取得するステップを含み、
表面又は構造データは、患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置のプローブに基づき、
無線追跡装置は、
プローブと、
無線送信機と、を含み、
方法はまた、
外科ナビゲーションシステムにおいて表面又は構造データを使用するステップを含む、
システム。
【請求項118】
処理回路によって可読であり、方法を実施するために処理回路によって実行するための命令を記憶する非揮発性コンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、
方法は、
患者の骨の表面又は構造データを無線で取得するステップを含み、
表面又は構造データは、患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置のプローブに基づき、
無線追跡装置は、
プローブと、
無線送信機と、を含み、
方法はまた、
外科ナビゲーションシステムにおいて表面又は構造データを使用するステップを含む、
コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年6月11日に出願された「Navigational And/Or Robotic Tracking Methods And Systems」と題する米国仮特許出願第63/037,699号に基づく優先権を主張し、その出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、外科手術方法及びシステムに関し、より詳細には、1つ以上の無線追跡装置を用いたインサイドアウト追跡(inside-out tracking)を採用するナビゲーション及び/又はロボットによる追跡方法及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
一般的に、コンピュータ支援外科手術アプリケーションでは、外科的処置を行うために、目標対象物(object)の正確な追跡が必要である。外科的追跡のための最も一般的で広く使用されている方法の1つは、アウトサイドインカメラ追跡として知られている。図1を参照すると、アウトサイドインロボットによる追跡システム10は、典型的には、術野(surgical field)から離れた固定位置に配置された静止カメラ20を含む。固定カメラの位置は、一般に、固定基準点を用いた三角測量の方法によって推測される。
【0004】
カメラ20は、光学カメラ又は赤外線カメラであってよく、例えば患者の骨などの関心対象物に堅く固定されている識別可能なアレイへの通視線を必要とする。固定されたカメラ位置が分かると、カメラは、カメラに対する、およびナビゲーションアプリケーションに対する追跡対象物の三次元位置を返すことができる。
【発明の概要】
【0005】
従来技術の欠点は、一実施形態において、外科手術方法の提供を通じて克服され、さらなる利点が提供され、この方法は、例えば、基準データを無線で取得するステップを含み、無線データは、患者の骨または対象物に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の少なくとも1つのカメラに基づき、基準データは複数のマーカと関連し、無線追跡装置は少なくとも1つのカメラ、および無線送信機を含み、この方法はさらに、基準データを手術ナビゲーションシステムで使用するステップを含む。
【0006】
別の実施形態では、外科方法は、例えば、基準データを無線で取得するステップを含み得て、無線データは、患者の骨又は対象物に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の複数のカメラに基づき、基準データは、複数のマーカに関連付けられ、無線追跡装置は、複数のカメラ、及び無線送信機を含み、方法はさらに、基準データを外科ナビゲーションシステムで用いるステップを含み得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、非限定的な例として、ロボット及び/又はロボットに取り付けられたツール、ロボットのベース、カート、手術台に取り付けられた固定具、手術用照明、又は手術室内の対象物に取り付けられ得るマーカに対するカメラの位置。
【0008】
いくつかの実施形態において、無線追跡装置の位置及び方向データを外科手術ナビゲーションアプリケーションに返すことは、例えば、外科手術ロボットの目標位置を更新することであってよい。
【0009】
いくつかの実施形態において、無線追跡装置の位置及び方向データを外科手術ナビゲーションアプリケーションに返すことは、慣性測定ユニットが開始位置からの位置の変化を返すことを含んでもよく、開始位置をレジスターする(register)ためにカメラが使用される。慣性測定ユニットは、時間の経過とともに追跡ドリフトの影響を受けることがある。カメラからの定期的な基準測定により、追跡ドリフトを修正することができる。カメラと慣性測定ユニットの組み合わせは、精度を向上させ、短期的な閉塞のリスクを軽減することができる。カメラは、既知の位置にあるマーカを参照することによって位置を返すように動作可能であってもよい。
【0010】
いくつかの実施形態において、データを使用する方法は、切削計画及び患者の骨にレジスターされた無線追跡装置の位置及び方向データに基づいて、患者の骨の切削又は掘削を行うステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、患者の骨に固定された無線追跡装置のカメラは、ロボット及び/又はカスタムツール等のロボット、又はアウトサイドインナビゲーションカメラ上の表面等に動作可能に取り付けられたツールの複数のマーカを参照してもよい。
【0011】
別の実施形態では、無線追跡装置のカメラは赤外線カメラであってもよく、マーカは赤外線エミッタ、例えば、赤外線LEDであってもよい。
【0012】
別の実施形態では、無線追跡装置のカメラは赤外線カメラであってもよく、マーカは再帰反射フィデューシャルマーカ(fiducial marker)であってもよい。
【0013】
別の実施形態では、無線追跡装置のカメラは光学カメラであってもよく、マーカは、例えばAprilTagのような視覚的フィデューシャルであってもよい。
【0014】
別の実施形態では、無線追跡装置のカメラから見えるマーカは、静止していなくてもよく、例えばロボット、または静止していないロボットに取り付けられたツールなどの移動する手術器具に取り付けられていてもよい。手術器具の構成要素の位置は、例えば、手術器具が例えば関節エンコーダなどの固有位置データを有する場合、又は手術器具が二次カメラで追跡される場合、既知であってもよい。外科器具からの位置参照は、無線追跡装置のカメラがマーカを参照するときにマーカの位置が分かるように、マーカの位置を出力するために使用することができる。リアルタイムのマーカの位置が分かっていれば、無線追跡装置のカメラの基準点として使用するために、それらは静止している必要はない。
【0015】
別の実施形態では、無線追跡装置の撮像及び追跡構成要素は、小型軽量であってよく、約0.3ポンドの重量及び0.8インチ×0.7インチ×0.7インチの大きさである。別の実施形態では、無線追跡装置の撮像及び追跡構成要素のカメラは、240度の視野を提供してもよい。他の実施形態では、無線追跡装置は、使い捨てであってもよいし、再利用可能であってもよい。
【0016】
別の実施形態では、無線追跡装置は、骨に堅く取り付けられる固定具に取り付けてもよい。別の実施形態では、無線追跡装置は、リトラクタのような外科用器具に取り付けてもよい。
【0017】
別の実施形態では、システムは、カメラとマーカの閉塞のリスクを最小化することを補助するために、大きい数のマーカ(3つ以上のマーカ)を使用してもよい。他の実施形態において、無線追跡装置は、カメラが概してロボットアームの方に向けられるように配置されてもよく、又は無線追跡装置は、カメラが概してロボットベースの方に向けられるように配置されてもよい。
【0018】
別の実施形態では、取り付け板は、骨に堅く取り付けられてもよい。骨のオリジンに対する取付板の位置は、既知であってもよい。取付板は、無線追跡装置が骨にレジスターされる必要がなく、固定された既知の位置に取り付けられるように、無線追跡装置のロック機能とインターフェースするように設計されたダブテール(dovetail)のようなロック位置決め機構を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本開示とみなされる主題は、本明細書の結論部分において特に指摘され、明確に請求されている。しかしながら、本開示は、様々な実施形態の以下の詳細な説明及び添付の図面を参照することによって最もよく理解され得る。
【0020】
図1図1は、先行技術のアウトサイドインロボット追跡システムの斜視図である。
図2図2は、本開示の一実施形態に係る、インサイドアウトロボット追跡システムの斜視図であり、システムは患者の骨に取り付けられた無線追跡装置、およびロボットに取り付けられた複数のマーカを有する。
図3図3は、本開示の一実施形態に係る、患者の骨に取り付けられた無線追跡装置の斜視図である。
図4図4は、本開示の一実施形態に係る、無線追跡装置のブロック図である。
図5図5は、本開示の一実施形態に係る、無線追跡装置およびビーコンのブロック図である。
図6図6は、本開示の一実施形態に係る、患者の骨に取り付けられた無線追跡装置およびロボットに取り付けられた複数のマーカを有するインサイドアウトロボット追跡システムの斜視図である。
図7図7は、本開示の一実施形態に係る、無線追跡装置およびロボットに取り付けられた複数のマーカを有するインサイドアウトロボット追跡システムの斜視図である。
図8図8は、本開示の一実施形態に係る、患者の骨に取り付けられた無線追跡装置およびロボットに取り付けられた複数のマーカを有するインサイドアウトロボット追跡システムの斜視図である。
図9図9は、本開示の一実施形態に係る、患者の骨に取り付けられた無線追跡装置を有するインサイドアウトロボット追跡システムの斜視図であり、無線追跡装置は複数のリトラクタに取り付けられ、複数のマーカはロボットに取り付けられている。
図10図10は、本開示の一実施形態に係る、無線追跡装置の模式図である。
図11図11は、本開示の一実施形態に係る、図10の無線追跡装置の模式図である。
図12図12は、本開示の一実施形態に係る、無線追跡装置を備えた患者固有の骨治具の第1の斜視図である。
図13図13は、本開示の一実施形態に係る、図10の無線追跡装置を備えた患者固有の骨治具の第2の斜視図である。
図14図14は、本開示の一実施形態に係る、外科手順のフロー図である。
図15図15は、本開示の一実施形態に係る、外科手順のフロー図である。
図16図16は、本開示の一実施形態に係る、外科手順のフロー図である。
図17図17は、本開示の一実施形態に係る、外科手順のフロー図である。
図18図18は、本開示の一実施形態に係る、外科手順のフロー図である。
図19図19は、本開示の一実施形態に係る、インサイドアウトロボット追跡システムのブロック図である。
図20図20は、本開示の一実施形態に係る、骨およびツールを示すディスプレイの図である。
図21図21は、本開示の一実施形態に係る、システムのブロック図である。
図22図22は、本開示の一実施形態に係る、無線追跡装置の模式図である。
図23図23は、本開示の一実施形態に係る、図22の無線追跡装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
一般に、本開示は、外科手術方法及びシステム、より詳細には、インサイドアウト追跡を採用するナビゲーション及び/又はロボットによる追跡方法及びシステムに向けられている。
【0022】
この詳細な説明及び以下の請求項において、近位、遠位、前、後、内側、外側、上、及び下という語は、自然の骨の相対的配置又は方向性の用語に従って骨又はインプラントの特定の部分を示すためのそれらの標準使用法によって定義されている。
【0023】
位置又は方向は、解剖学的構造又は表面を参照して本明細書で使用されてもよい。例えば、現在の装置および方法は、股関節の骨との使用を参照して本明細書に記載されているので、股関節の骨は、インプラント装置、インプラント設置装置、および外科的方法の表面、位置、方向または配向を説明するために使用されてもよい。さらに、本明細書に開示される装置および外科的方法、ならびにその態様、構成要素、特徴などは、簡潔さを目的として、身体の片側に関して説明される。しかしながら、人体は、対称線(正中線)に関して比較的対称であるか、または鏡面であるので、本明細書に記載および/または図示される装置および外科的方法、ならびにそれらの局面、構成要素、特徴などは、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、同じまたは同様の目的のために体の別の側面と使用または関連するために変更、変化、修正、再構成またはその他の変更が可能であると明示的に企図される。例えば、右大腿骨に関して本明細書に記載されたツール及び方法、並びにそれらの態様、構成要素、特徴などは、それらが同様に左大腿骨で機能するように鏡像されてもよく、その逆もまた然りである。
【0024】
いくつかの実施形態において、本開示の技術は、患者の骨又は患者に取り付けられた治具などの外科用対象物に取り付けられた光学又は赤外線マーカ及び無線追跡装置を採用し得る。無線追跡装置は、マーカに対する方向及び距離を返すことができる外科用対象物に取り付けるための統合された慣性測定ユニット(IMU)及び1つ以上のカメラセンサを有する小型装置であってもよい。本技術は、閉塞を低減し、又は回避し、排除することができる。慣性測定ユニットとカメラとの組み合わせは、距離及び方向をより正確に追跡することを可能にし得る。マーカは、術野の外側に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、マーカは、赤外線発光ダイオード(LED)及び/又は再帰反射フィデューシャルマーカなどの能動型赤外線マーカであってもよい。能動型赤外線マーカ又はビーコンは、無菌野の外側の保護ドレープの背後に配置されてもよい。他の実施形態では、無線追跡装置は光学カメラを含んでもよく、マーカは視覚的フィデューシャル、例えばAprilTagであってもよい。システム及び方法は、1つのマーカ、2つのマーカ、又は2つ以上のマーカを採用してもよい。いくつかの実施形態では、システム及び方法は、カメラ及びマーカの閉塞のリスクを最小化することを補助するために、大きい数のマーカ(3つ以上のマーカ)を使用してもよい。
【0025】
本開示から理解されるように、先行技術のように静止カメラから対象物の位置を追跡するのではなく、対象物はそれ自身の位置を追跡する(人間の目が個人の位置を決定する方法と同様である)。カメラと慣性測定ユニットとを組み合わせることによって、装置の位置と向きの両方、ひいては、それが取り付けられている対象物を正確に決定することができる。
【0026】
一般に、初期位置はカメラによって捕捉され、位置は、慣性測定ユニットによって、カメラによる定期的な距離補正で更新される。対象物の位置は、ロボット制御アプリケーションで、及び/又は、ナビゲーションアプリケーションで使用するために、受信装置又はコントローラに無線で通信され得る。
【0027】
図2は、本開示の一実施形態による、患者101の骨102上など、患者101に対して外科的処置を動作可能に実行するためのインサイドアウト追跡を採用するロボットシステム100を示す図である。例えば、ロボットシステム100は、一般に、ロボット110と、ロボット110に動作可能に取り付けられたコントローラまたはコンピューティングユニット120とを含んでもよい。ロボット110は、ロボット110のエンドエフェクタ114に取り付けられたツール112を含んでもよい。複数のマーカ130は、ロボット110のアーム111の異なる部分など、ロボット110に動作可能に取り付けられてもよい。複数のマーカ132は、ロボット110のエンドエフェクタ114に動作可能に取り付けられてもよい。複数のマーカ134は、ロボット110のハンドル116に動作可能に取り付けられてもよい。マーカは、赤外線発光ダイオードなどの能動型赤外線ビーコンであってもよい。
【0028】
無線追跡装置150は、患者101の骨102に動作可能に取り付けられてもよい。無線追跡装置150は、概してロボット110及びベースの方を向くように位置決めされてもよい。ロボット110と無線追跡装置150が近接しているため、閉塞の危険性が低減され得る。コントローラ120は、ロボット110と無線通信し、無線追跡装置150から無線信号又はデータを受信してもよい。
【0029】
図3に示すように、無線追跡装置250は、支持体260の第1の端部に取り付けられてもよい。支持体260の第2の端部264は、患者の骨201に取り付けられてもよい。例えば、外科医は、患者の骨201に対する無線追跡装置250の位置及び方向をレジスターしてもよい。いくつかの実施形態において、ロボットシステム100は、無線追跡装置を患者の骨にレジスターするように動作可能であってもよい。
【0030】
図4は、本開示の一実施形態による無線追跡装置350を示す図である。この例示された実施形態では、無線追跡装置350は、中空本体312、そこに開口部315を有する第1のエンドキャップ314、および第2のエンドキャップ316を有するハウジング310を含んでもよい。ハウジング310内には、レンズ320、回路基板331上に配置されたセンサ330、バッテリ340などの電源、慣性測定ユニット355、および無線送信機390が配置されてもよい。慣性測定ユニット355は、方向及び線形加速度を決定するように動作可能であってよく、加速度計360、ジャイロスコープ370、及び磁力計380を含んでもよい。いくつかの実施形態では、慣性測定ユニット355は、3つの加速度計、3つのジャイロスコープ、および3つの磁力計を、例えば、無線追跡装置の3つの軸:ロール、ピッチ、およびヨーのそれぞれについて軸ごとに1つずつ含んでもよい。センサ330は、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサであってもよい。いくつかの実施形態では、センサ330は、その視野内の対象物から放射される赤外線(IR)光を測定する受動型赤外線センサ(PIRセンサ)であってよい。いくつかの実施形態では、一対のセンサ、例えば、一対の光学センサ又は光学センサ及び赤外線センサなどの複数のレンズ及びセンサが動作可能に採用されてもよい。カメラは、広い視野、例えば、240度又は他の適切な視野を有していてもよい。無線追跡装置350は、16ミリメートル(mm)の直径の本体(または16mmの高さと幅)および20mmの長さを有する小型化された装置であってよい。別の実施形態では、無線追跡装置350の撮像及び追跡構成要素は、約0.3ポンドの重さ及び0.8インチ×0.7インチ×0.7インチのサイズの小型軽量であってもよい。無線追跡装置350は、他の適切な構成及びサイズを有していてもよいことは理解されたい。無線追跡装置350は、低費用で製造されてもよく、使い捨てまたは再利用可能であってもよい。
【0031】
図5に示すように、レンズ及びセンサなどのカメラは、距離を決定するように動作可能であってもよく、慣性測定ユニットは、方向を決定するように動作可能であってもよい。
【0032】
図6は、本開示の一実施形態による、患者401の骨402上など、患者401に対して外科的処置を動作可能に実行するためのインサイドアウト追跡を採用するロボットシステム400を示す図である。例えば、ロボットシステム400は、一般に、ロボット410と、ロボット410に動作可能に取り付けられたコントローラ又はコンピューティングユニット420とを含んでもよい。複数のマーカ430は、ロボット410の腕の異なる部分、ロボット410のエンドエフェクタ、及びロボット410のハンドルのようなロボット410に動作可能に取り付けられてもよい。マーカは、赤外線発光ダイオードなどの能動型赤外線ビーコンであってもよい。無線追跡装置450は、患者401の骨402に動作可能に取り付けられてもよい。コントローラ420は、ロボット410と無線通信し、無線追跡装置450から無線信号又はデータを受信してもよい。
【0033】
図7は、本開示の一実施形態に係る、患者501の骨502上など、患者501に対して外科的処置を動作可能に実行するためのインサイドアウト追跡を採用したロボットシステム500を示す図である。この図示された実施形態では、複数の能動型赤外線ビーコン530は、視認性を高めるためにロボット510に取り付けるカスタムビーコンアレイ535に取り付けられてもよい。コントローラ520は、ロボット510と無線通信し、無線追跡装置550から無線信号またはデータを受信してもよい。
【0034】
図8は、本開示の一実施形態に係る、患者601の骨602上など、患者601に対して外科的処置を動作可能に行うためのインサイドアウト追跡を採用するロボットシステム600を例示している。この図示された実施形態では、複数の能動型赤外線ビーコン630は、視認性を高めるためにロボット610のベースに取り付けられるカスタムビーコンアレイ635に取り付けられてもよい。他の実施形態では、複数のマーカ640がカート642に取り付けられてもよく、複数のマーカ660が手術台664に取り付けられた固定具662に取り付けられてもよく、複数のマーカ670が手術用照明672に取り付けられてもよく、複数のマーカ690がアウトサイドインナビゲーションカメラ692上の表面に取り付けられてもよく、及び/又は複数のマーカが手術室内の他の対象物に取り付けられてもよい。コントローラ620は、ロボット610と無線で通信し、無線追跡装置650から無線信号又はデータを受信してもよい。
【0035】
図9は、本開示の一実施形態に係る、患者701の骨702などの患者701に対して外科的処置を動作可能に実行するためのインサイドアウト追跡を採用するロボットシステム700を例示する図である。この例示された実施形態では、無線追跡装置750は、リトラクタ770のような対象物に取り付けられてもよい。無線追跡装置750は、リトラクタ770の位置を返すために、リトラクタ770などの外科用対象物に取り付けられてもよい。カメラとIMUセンサとを組み合わせた無線追跡装置750の利点は、カメラが、IRビーコンの位置が既知であるため既知である距離を返すことができ、IMUセンサが、方向を返すことができることである。
【0036】
図10は、本開示の一実施形態に係る、無線追跡装置850を示す。この例示的な実施形態において、無線追跡装置850は、慣性測定ユニットを含まなくてもよい。さらに、無線追跡装置850は、複数のカメラを含まなくてもよい。例えば、無線追跡装置850は、1つの端部に、一対のカメラ(binocular)などの複数のカメラを有するカメラ部分851と、第2の端部に、センサ/プローブ部分852とを含んでもよい。センサ部分852は、使い捨てであってもよいし、患者の骨に挿入可能であってもよい。あるいは、無線追跡装置850は、患者の骨に堅く取り付けられるプレートにロックされてもよい。センサプローブ852は、骨の内面又は構造をスキャンし、骨に対する位置及び方向を返すように動作可能である。位置及び方向データから、カメラの位置が推測され、従って、患者の骨にレジスターされ得る。いくつかの実施形態では、無線追跡装置850は、電子機器を損傷することなくオートクレーブにかけることができるように、ケース又はハウジングに封入することができる。
【0037】
図11に示すように、無線追跡装置850は、中空本体812を有するハウジング810と、その中に第1の開口部817及び第2の開口部819を有する第1のエンドキャップ814と、第2のエンドキャップ816とを含んでもよい。ハウジング810内には、第1のレンズ821及び第2のレンズ822、第1のセンサ833及び第2のセンサ834が回路基板831上に配置されてもよく、バッテリ840などの電源、プローブ855、及び無線送信機890が配置されてもよい。プローブ855は、骨の内面又は構造を決定するように動作可能であってもよく、超音波プローブであってもよい。センサ833、834は、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサであってもよい。いくつかの実施形態では、センサ833、834は、その視野内の対象物から放射される赤外線(IR)光を測定する受動型赤外線センサ(PIRセンサ)であってもよい。カメラの各々は、例えば、240度又は他の適切な視野のような広い視野を有していてもよい。無線追跡装置850は、16ミリメートル(mm)の直径の本体(または16mmの高さと幅)および20mmの長さを有する小型化された装置であってよい。別の実施形態では、無線追跡装置850の構成要素は、約0.3ポンドの重量および0.8インチ×0.7インチ×0.7インチの大きさの小型軽量であってもよい。無線追跡装置850は、他の適切な構成およびサイズを有していてもよいことは理解されたい。無線追跡装置850は、低費用で製造されてもよく、使い捨てまたは再利用可能であってもよい。
【0038】
従来の追跡では、固定カメラから見えるフィデューシャルアレイマーカなどの対象物が患者の骨に堅く配置される。骨に対するこれらのマーカの位置は、一般に、様々な表面マッピング技法を介してレジスターされる。表面ポイントのサンプリングは、時間がかかり、非効率的である場合がある。追跡システムは、患者の骨に堅く取り付けられてもよい。骨腔に挿入されてもよく、追跡システムの構築物に堅く取り付け可能であってもよい超音波プローブは、追跡システムの位置をレジスターするために使用されてもよい。超音波プローブは、データを送受信することが可能であってよい。超音波プローブは、非限定的な例として、例えば密度の低い海綿骨と密度の高い皮質骨との間の相対的な骨密度の領域を検出することが可能である。超音波プローブによって、超音波プローブに対する皮質内壁を可視化する、ボリュームなどの形状が再構築されてもよい。アルゴリズム的には、サンプリングされた形状または体積を術前データと照合して、骨に対するプローブの位置を推測することができる。プローブは追跡システム構築物に堅く取り付けられているので、骨に対する追跡システムの位置を推測すること、すなわち、超音波プローブの読み取り値から追跡システムの位置をレジスターすることが可能であってもよい。
【0039】
別の実施形態では、超音波プローブは、骨腔内に挿入され、骨の位置をレジスターするために使用されてもよい。プローブは、骨内で移動可能であってもよい。プローブは、カメラで追跡されてもよいし、プローブの位置は、各位置読み取りにおいてアルゴリズム的に推測されてもよい。固定されたフィデューシャルアレイの位置は、プローブの位置読み取り値に対して推測されることがある。
【0040】
別の実施形態では、超音波プローブは、骨腔に挿入され、外科用ロボットシステム又は外科用ナビゲーションシステム(また、コンピュータ支援外科システム)用の術前データを生成するために使用されてもよい。多くのコンピュータ支援外科システムは、外科的処置を計画するために患者固有の撮像に依存している。このデータは、骨腔に挿入された超音波プローブによる読み取り値から生成されてもよい。
【0041】
他の実施形態では、無線追跡装置は、少なくとも1つのカメラ又は複数のカメラ、超音波プローブなどのプローブ、及び上述したような慣性測定ユニットを含んでもよい。
【0042】
赤外線ビーコンは、その位置が分かっている限り、静止していても移動していてもよいことに留意されたい。例えば、無線追跡装置のカメラから見えるマーカは、静止していなくてもよく、例えばロボット、又はロボットに取り付けられたツールなどの静止していないかもしれない手術器具に取り付けられていてもよい。手術器具の構成要素の位置は、例えば、手術器具が固有位置データ、例えば関節エンコーダを有する場合、又は手術器具が二次カメラで追跡される場合、知ることができる。外科器具からの位置参照は、無線追跡装置のカメラがマーカを参照するときにマーカの位置が分かるように、マーカの位置を出力するために使用することができる。リアルタイムのマーカの位置が分かっていれば、無線追跡装置のカメラの基準点として使用するために、それらは静止している必要はない。
【0043】
例えば、ビーコンがロボットに貼り付けられている場合、位置はロボットの制御ループを通じて知ることができる。また、能動ビーコンは、追跡性能の実質的な劣化なしに無菌ドレープの背後にあることができることに留意されたい。能動型赤外線ビーコンは、プラスチックや低密度の物体を透過することが可能である。追跡された対象物の位置は、例えば2.4GHzの無線信号で、案内アプリケーションまたは制御アプリケーションに無線で送信される。
【0044】
以下に説明するように、いくつかの実施形態では、無線追跡装置又はデバイスを採用するロボットシステムは、切削計画を自動的に作用させるために動作可能であってよい。他の実施形態では、ナビゲーションシステムは、手術を行っている間に外科医が使用するために画像がディスプレイ上に表示され得る1つ又は複数の無線追跡装置又はデバイスを採用してもよい。例えば、1つ以上の無線追跡装置又はデバイスは、外科手術のための部位の観察を得るために、患者に動作可能に取り付けられてもよい。
【0045】
図12を参照すると、そこには、本開示の一実施形態による、患者の脛骨の近位部分などの骨(図12には図示せず)に堅く取り付けられ得る取り付けプレート900が図示されている。骨のオリジンに対する取付板の位置は既知であってもよく、例えば、取付板は、患者固有のカスタム治具であってもよい。取付板又は治具900は、取付板又は患者固有の骨治具900に位置決めされてレジスターされる、ダブテールの雌部分などのロック位置決め機構970を特徴としてもよい。ロック位置決め機構970は、雄ダブテール部分981などのロック構造とインターフェースするように設計されてもよく、この雄ダブテール部分981は、無線追跡装置950が患者の骨に直接レジスターされる必要がなく、患者の骨への取付けプレート又は治具900の取付け及び固定時に固定された既知の位置に取り付けられるように無線追跡装置950に動作可能に取り付けられる。
【0046】
図12及び図13に示すように、取付板又は患者固有の骨治具900は、本体910を含んでもよい。この例示された実施形態では、取付板又は患者固有の骨治具900は、適切な配置及び位置合わせのために患者の骨の外面部分に一致するように輪郭付けされた内面912を含んでよく、適切な医療スキャンなどの術前画像又はデータから生成されてもよい。外科医が取付板又は患者固有の骨治具900を適切な骨表面位置に配置すると、無線追跡装置が患者の骨にレジスターされる。
【0047】
図14は、本開示の一実施形態による、外科手術方法1000を示す。この例示された実施形態においては、外科方法1000は、
1010において、基準データを無線で取得するステップを含み、
無線データは患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の少なくとも1つのカメラに基づき、
基準データは、複数のマーカと関連付けられており、
無線追跡装置は少なくとも1つのカメラ、および無線送信機を含み、
外科方法はまた、
1020において、基準データを外科ナビゲーションシステムで使用するステップを含む。
【0048】
図15は、本開示の一実施形態による、外科的方法1100を示す。この例示された実施形態では、外科方法1100は、
1110において、基準データを無線で取得するステップを含み、
無線基準データは、患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の少なくとも1つのカメラに基づいており、
基準データは、複数のマーカに関連付けられており、
無線追跡装置は、少なくとも1つのカメラ、及び無線送信機を含み、
外科方法はまた、
1120において、患者の骨に対する無線追跡装置のレジスターに関するデータを生成するステップと、
1130において、基準データ及び患者の骨に対する無線追跡装置のレジスターに関するデータ、並びに得られた基準データを、外科用ナビゲーションシステムで使用するステップと、を含む。
【0049】
図16は、本開示の一実施形態による、外科手術方法1200を示す。この例示された実施形態では、外科方法1200は、
1210において、基準データを無線で取得するステップを含み、
無線基準データは、患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の少なくとも1つのカメラに基づき、
基準データは、複数のマーカに関連付けられており、
無線追跡装置は、少なくとも1つのカメラ、慣性測定ユニット、及び無線送信機を含み、
外科方法はまた、
1220において、患者の骨に対する無線追跡装置のレジスターに関するデータを生成するステップと、
1230において、位置及び方向データを無線で取得するステップと、を含み、
無線位置及び方向データは、患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の慣性測定ユニットに関連付けられ、
外科方法はまた、
1240において、基準データ、位置及び方向データ、並びにレジスターデータを外科用ナビゲーションシステムで使用するステップと、を含む。
【0050】
図17は、本開示の一実施形態による、外科手術方法1300を示す。この例示された実施形態では、外科方法1300は、
1310において、基準データを無線で取得するステップを含み、
無線基準データは、対象物に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の少なくとも1つのカメラに基づき、
基準データは、複数のマーカに関連付けられ、
無線追跡装置は、少なくとも1つのカメラ、慣性測定ユニット、及び無線送信機を含み、
外科方法はまた、
1320において、対象物に対する無線追跡装置のレジスターに関するデータを取得又は生成するステップと、
1330において、位置及び方向データを無線で取得するステップと、を含み、
無線位置及び方向データは、対象物に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の慣性測定ユニットに関連付けられ、
外科方法はまた、
1340において、基準データ、位置及び方向データ、並びにレジスターデータを外科手術ナビゲーションシステムで使用するステップと、を含む。
【0051】
図18は、本開示の一実施形態による、外科的方法1400を示す。この例示された実施形態では、外科方法1400は、
1410において、基準データを無線で取得するステップを含み、
無線基準データは、患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置の一対のカメラに基づき、
基準データは、複数のマーカに関連付けられ、
無線追跡装置は、少なくとも1台のカメラ、プローブ、および無線送信機を含み、
外科方法はまた、
1420において、骨に関するデータを取得するステップを含み、
無線位置および方向データは、患者の骨に動作可能に取り付けられた無線追跡装置のプローブに関連付けられ、
外科方法はまた、
1430において、基準データ、および骨に関するデータを外科用ナビゲーションシステムで使用するステップと、を含む。
【0052】
開示された様々な実施形態において、無線追跡装置の位置及び方向データを外科用ナビゲーションアプリケーションに返すことは、例えば、外科用ロボットの目標位置を更新することであってよい。いくつかの実施形態において、無線追跡装置の位置及び方向データを手術ナビゲーションアプリケーションに返すことは、慣性測定ユニットが開始位置からの位置の変化を返すことを含んでもよく、開始位置をレジスターするためにカメラが使用される。慣性測定ユニットは、時間の経過とともに追跡ドリフトの影響を受けることがある。カメラからの定期的な基準測定により、追跡ドリフトを修正することができる。カメラと慣性測定ユニットの組み合わせは、精度を高め、短期的な閉塞のリスクを軽減することができる。カメラは、既知の位置にあるマーカを参照することによって位置を返すように動作可能であってもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、データを使用する方法は、切削計画及び患者の骨にレジスターされた無線追跡装置の位置及び方向データに基づいて、患者の骨の切削又は掘削を実施することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、患者の骨に固定された無線追跡装置のカメラは、ロボット、及び/又はカスタムツール又はアウトサイドインナビゲーションカメラ上の表面等、ロボットに取り付けられたツール、に動作可能に取り付けられた複数のマーカを参照してもよい。
【0054】
図19は、本開示の一実施形態による、例えば、外科方法1000(図14)、外科方法1100(図15)、外科方法1200(図16)、外科方法1300(図17)、及び外科方法1400(図18)を実施するためのシステム2000のブロック図である。システム2000は、一般に、処理ユニット又はプロセッサ2210、入力/出力装置2220、及びメモリ2230を含み得る。
【0055】
例えば、無線追跡装置データ2100は、画像データがカメラまたはイメージャ、赤外線センサから得られるように、および位置および方向データが慣性測定システムから得られるように、1つまたは複数の無線追跡装置から得られてもよい。
【0056】
患者の大腿骨の近位部などの患者の骨の少なくとも一部を表す三次元データなどの患者骨データ2202は、システム2000に取得又は入力されてもよい。患者の骨データ2202は、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、コンピュータ軸断層撮影(CAT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)スキャン、又は他の適切な二次元撮像もしくは三次元撮像もしくは処理によって得られる三次元データを含んでもよい。このようなデータは、画像処理装置から直接提供されてもよいし、保存された医療用画像データのデータベースから取得可能であってもよい。
【0057】
ロボットエンドエフェクタを表す三次元データまたはモデルなどのロボットエンドエフェクタデータ2204は、システム2200に取得または入力されてもよい。ロボットエンドエフェクタデータ2204は、例えば、ロボットエンドエフェクタのスキャンに基づいて、またはCADモデルに基づいて、以前に生成された三次元データを含んでもよい。
【0058】
ロボットツールの少なくとも一部を表す三次元データまたはモデルなどのツールデータ2206(例えば、切断端などの作業端)が、システム2000に取得または入力されてもよい。ツールデータ2206は、例えば、工具のスキャン又は工具を製作するためのデータに基づいて以前に生成された、三次元データを含んでもよい。例えば、ツールデータ2206は、ロボット切削計画での使用を可能にする患者固有の骨治具の一部を表すのに十分なデータに限定されてもよい。
【0059】
さらなる入力データは、位置、方向、ツール、患者固有の骨治具、または他のデータに関する所望の一般的なデータなどの外科医入力2208を含んでもよい。
【0060】
プロセッサ2210は、例えば、WINDOWS、OSX、UNIX(登録商標)またはLinux(登録商標)オペレーティングシステムなどのコンピュータオペレーティングシステムであってもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ処理装置2210は、ポータブル又は手持ちコンピューティングデバイスであってもよい。他の実施形態では、処理ユニット2210は、例えばインターネットなどのグローバル通信ネットワークなどの、1つ以上のネットワーク上でリンクされるか、または動作する、1つ以上の動作可能に接続された処理ユニット、コンピューティングデバイス、サーバであってもよい。
【0061】
メモリ2230は、入力データを処理するための様々なモジュールを含んでもよい。例えば、メモリ2230は、骨レジスター生成器2240、画像/マーカ監視器2250、位置/方向監視器2260、障害物回避器2270、及びロボット骨切削計画生成器2280への無線追跡装置を含んでもよい。
【0062】
骨レジスター生成器2240への無線追跡装置は、患者骨データ2202、無線追跡装置データ2100、及び外科医入力2208を受信し、患者が手術台上に配置されるときなど、患者の骨の実際の位置及び方向を決定するように動作可能であってよい。例えば、患者骨データ又は骨モデルを用いて、無線追跡装置データ及び観察された実際の患者固有の骨に基づいて実際の患者の骨の位置及び方向を決定するための適切なプログラミングが提供され得る。
【0063】
ロボット骨切削計画生成器2280は、患者の骨を切削するための外科用ロボット又は他の自動化装置を動作させるためのデータ又は命令を決定するように動作可能であってよい。いくつかの実施形態では、患者の大腿骨又は脛骨の切削された近位部分などの切削された骨の三次元モデルが、外科ロボットにアップロードされて、外科ロボットが、例えば、切削を形成し及び/又は骨に1つ又は複数の空洞を形成するために自立的に、又は半自立的に大腿骨又は脛骨の近位部分をサイズ変更する骨切削計画を実行できるよう動作可能であってよい。データ又は命令は、無線追跡装置から受信したデータと組み合わされてもよい。好適な外科用ロボットは、ミシガン州Shelby TownshipのKUKA ROBOTICS Corporationによって製造されたLBR iiwa Kukaロボットであってよく、1つまたは複数の骨鋸、やすり、鋸、ドリル、および/またはその他の装置で作動可能であってよい。ロボット骨切削計画生成器2280は、切削面または表面生成器、空洞生成器、および最適化生成器などの様々なモジュールを含んでもよい。ロボット骨切削計画生成器2280は、例えば、外科医が切削面を示すことを可能にしてもよいし、そのような面は、例えば外科医からの入力によって、又は所定のデータに基づいて、もしくは利用して提供され、自動的に生成されてもよい。ロボット骨切削計画生成器2280は、位置、幅、長さ、深さなどの外科医からの初期入力を受け取ることを含んでもよく、または、所定のデータに基づいて、または、所定のデータを利用していてもよい。
【0064】
図20は、本開示の実施形態による、ディスプレイまたはモニタ180を示す図である。例えば、無線追跡装置は、上述したように、患者の骨に動作可能に取り付けられてもよい。慣性測定ユニットは、レジスターされた無線追跡装置に関する位置及び方向データを提供してもよく、例えば、三次元骨データ(例えば、ブロック2202、図19)と組み合わせて、ディスプレイ又はモニタ180上に特許の骨182又は骨182の部分の表現を生成するために使用されてもよい。さらに、無線追跡装置のカメラは、ツールに関する画像データを提供し、例えば、三次元ツールデータ(例えば、ブロック2206、図19)と組み合わせて、ディスプレイまたはモニタ180上に特許のツール187またはツール187の部分の表現を生成するために使用されてもよい。望ましくは、骨およびツールの相対的な位置および方向は、骨およびツールの実際の位置および方向に対応してもよい。いくつかの実施形態では、ツールは、ロボットによって制御されてもよく、他の実施形態では、ツールは、外科医によって手動で制御されてもよい。いくつかの実施形態では、追加の情報がディスプレイまたはモニタ180に表示されてもよい。例えば、外科的処置において採用されるリトラクタまたは他の対象物は、1つまたは複数のリトラクタなどの対象物の表現(および三次元データ(例えば、ブロック2205、図19)を使用して)が、骨182およびツール187の表現とともにディスプレイ180上に示されることも可能にするために無線追跡装置を含んでもよい。
【0065】
本開示から、本インサイドアウト技術は、アウトサイドイン追跡と比較して欠点を克服し得ることが理解されるであろう。
【0066】
例えば、本インサイドアウト技術は、カメラが識別可能なアレイに対する通視線を常に維持しなければならず、外科医を助けることができるアシスタントの数を制限し、手術の自由度を制約し得るアウトサイドインシステムと比較して、閉塞問題の可能性を低減することができる。
【0067】
アウトサイドインシステムでは、空間におけるカメラのレジスターが必要である。カメラ位置は正確に知る必要がある。一般に、カメラは固定位置にレジスターされる必要があり、一般に、固定位置への通視線を維持する必要がある。例えば、カメラは、ロボットベースに取り付けられたアレイを介してロボットベースにレジスターすることができる。これらのアレイは、一般に、カメラへの視認性を維持するために無菌野の外に配置することができず、再滅菌が必要である。システム追跡の精度は、既知の位置に対するカメラのレジスターが不十分なために低下する可能性がある。このプロセスはまた、外科手術の手順に時間追加を必要とする。本開示の技術は、無線追跡装置が空間に固定される必要がないレジスターを可能にし得る。
【0068】
アウトサイドインシステムでは、カメラは、より遠くにあるため、非常に高い解像度を必要とし、非常に高速な処理が可能であるため、カメラのコストは高い。例えば、NDI Vega XTカメラは、カメラ一台当たり10,000ドルから20,000ドルの間であることが知られている。本開示の技術は、高解像度である必要がないカメラを有する無線追跡装置を採用可能とし得る。
【0069】
本開示の技術は、より高い精度を提供し得る。追跡対象物に対するカメラの距離は、追跡精度に影響を与える。一般に、追跡カメラから追跡対象が遠くなればなるほど、追跡精度は悪くなる。アウトサイドインシステムでは、カメラは無菌野の外側にあるため、追跡精度に悪影響を与える距離に配置しなければならない。
【0070】
また、アウトサイドインのシステムは、一般的にアウトサイドインのカメラが固定位置にレジスターされ、移動できないため、視野が制限される。
【0071】
本発明のインサイドアウト追跡技術は、高価なカメラや複雑なレジスターのコストを排除することができる。既知の場所に大きな視野のカメラを持つ複数の能動型赤外線ビーコンを導入することで、閉塞リスクを軽減することができる。
【0072】
図21は、本開示の実施形態の技術的アーキテクチャの一部である患者固有の骨治具を採用した患者の骨のレジスター及び/又は追跡に用いるための別のシステム3300のブロック図である。システム3300は、特定の実施形態ではマイクロプロセッサ3320を含むことができる回路3310を含んでもよい。システム3300はまた、メモリ3330(例えば、揮発性メモリデバイス)、及びストレージ3340を含んでもよい。システム3300は、メモリ3330、ストレージ3340、及び/又は回路3310にロード又は格納され、マイクロプロセッサ3320及び/又は回路3310によって実行され得るコード3352を含むプログラムロジック3350を含んでもよい。様々な構成要素は、システムバスを介して直接的又は間接的に動作可能に結合されてもよく、又は他のデータ処理システム及び構成要素に直接的又は間接的に結合されてもよい。プログラムロジック3350は、股関節全置換術のための大腿骨コンポーネントの患者固有の大腿骨ステムを形成する際に使用するための、本開示で上述したプログラムコードを含んでもよい。
【0073】
当業者には理解されるように、本技術の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化されてもよい。したがって、本技術の態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとることができ、これらはすべて、本明細書において「回路」、「モジュール」または「システム」として一般的に言及されることがある。
【0074】
フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図及び/又はブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実施できることが理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されて、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックにおいて指定される機能/行為を実施するための手段を生み出すような機械を作り出すことができる。フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実行するための1つまたは複数の実行可能な命令を含む、コードのモジュール、セグメント、または部分を表すことができる。
【0075】
ソフトウェア及び/又はプログラムコードとも呼ばれるこれらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他の装置が特定の方法で機能するように指示できるコンピュータ可読媒体に格納されてもよく、コンピュータ可読媒体に格納された命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロックにおいて指定される機能/行為を実施する命令を含む製品を作り出すようにされる。例えば、特定の構成において、市販のオペレーティングシステム、例えばWindows(登録商標)、OSX(登録商標)、UNIXまたはLinuxベースの実装を使用して、デスクトップまたはワークステーションコンピュータが採用されることがある。
【0076】
図21に示すように、コンピュータ可読記憶媒体3340は、例えば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、または半導体システム、装置、または前述の任意の適切な組み合わせであってもよいが、これらに限定されるものではない。ストレージ3340は、内部ストレージ装置、付属ストレージ装置及び/又はネットワークアクセス可能なストレージ装置を含んでもよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)としては、1つ以上のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、または前記の任意の適切な組み合わせ、がある。本書では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するためのプログラムを格納することができる任意の有形媒体とすることができる。
【0077】
本技術の態様のための操作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語、PHP、ASP、アセンブラまたは同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語、ならびに関数型プログラミング言語および技術計算用の言語などの1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。プログラムコードは、ユーザのコンピュータ上で完全に実行してもよいし、ユーザのコンピュータ上で部分的に、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして実行してもよいし、ユーザのコンピュータ上で部分的に、リモートコンピュータ上で部分的に、またはリモートコンピュータまたはサーバ上で完全に実行してもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、接続は外部のコンピュータに(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)行われることができる。さらに、クラウドコンピューティング環境における1つ以上のリソースを含むがこれに限定されない、プログラムコードの実装のために複数のコンピュータを使用することができる。
【0078】
図21に示すように、入力/出力またはI/Oデバイス3360(キーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイス、DASD、テープ、CD、DVD、サムドライブおよび他のメモリメディアなどを含むが、これらに限定されない)は、直接または介入するI/Oコントローラを通してシステムに結合されることができる。ネットワークアダプタは、データ処理システムが、介在するプライベートまたはパブリックネットワークを介して他のデータ処理システムまたはリモートプリンタまたはストレージデバイスと結合されることを可能にするために、システムに結合されることもできる。モデム、ケーブルモデム、イーサネットカードは、ネットワークアダプタの利用可能なタイプのほんの一部である。
【0079】
患者、例えば患者の骨盤及び股関節に関連するデータは、医療センサ装置によって作成されてもよいし、医療センサ装置からアクセスされてもよい。例えば、四肢の以前の医療スキャン、例えばコンピュータ軸断層撮影(CAT又はCT)又は磁気共鳴画像法(MRI)スキャンから得られたものは、医療記録保存装置、ストレージ3340に保存されてもよく、又はシステム3300によってアクセスされてもよい。そのような患者データは、所定の患者の他のデータ(例えば、骨密度、タイプ、長さ、病状など)を含んでもよい。非限定的な例として、患者データは、スキャン装置から得られた一連の二次元画像(例えば、CTスキャンスライス)を含むスキャンデータセットを含んでもよい。このように、スキャンデータセットは、スキャンデータの三次元的な表現である。
【0080】
本開示の技術は、多数の関心点を手動でサンプリングする現在の最先端のレジスター及び追跡の時間及び処理上の制約を克服し得ることが理解されよう。特に、本開示の技術は、現在のレジスター方法の欠点として、高精度のレジスターを達成するために多数の点を手動でサンプリングするのに必要な時間、及び熟練したユーザによってレジスターが実行される必要性を克服し得る。
【0081】
例えば、カメラを使用することにより、本技術では、数千のポイントを非常に短時間で「サンプリング」することができ、レジスターの精度を高め、時間を短縮することができる。また、レジスターは、あまり熟練していないユーザでも行うことができる。
【0082】
本明細書から、本開示の技術は、外科領域における深度カメラの有用性を高めるために、シーン、視野、及びターゲットを最適化する方法を提供し得ることが理解されよう。外科領域における撮像、レジスター、及び追跡のために無線追跡装置を利用するために、無線追跡装置のカメラは、1)追跡する臨床的に関連する対象物を識別するように動作可能であってもよく、2)無線追跡装置の慣性測定ユニットは、対象物の姿勢又は空間位置及び方向を決定するように動作可能であってもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、骨を掘削するように構成された器具のためのコントローラは、複数のナビゲーションシステムから入力を受信することができる。一実施形態では、骨の位置と同様に掘削器具の位置を追跡するように構成されるアウトサイドインナビゲーションシステムが存在する(例えばロボットの端部付近に貼付された追跡装置及び骨に貼付された追跡装置を介したロボットなど)。同じ実施形態において、リトラクタなどの外科用具を追跡するように構成されてもよい1つまたは複数のインサイドアウト型センサが存在してもよい。インサイドアウトナビゲーションシステムから返されたリトラクタの追跡位置は、器具の動きを案内するように構成されてもよい。コントローラは、骨を掘削するように構成された器具の動きを案内するために、アウトサイドインナビゲーションシステムから返された骨および器具の位置の入力、ならびに手術用具の位置からの入力を利用するように構成される。
【0084】
いくつかの実施形態では、骨を掘削するように構成された器具のコントローラは、複数のインサイドアウト型センサから位置データを受信してもよい。専用のインサイドアウト型センサは、骨を掘削するように構成された器具の位置を追跡してもよく、又は単一の専用センサが、骨を掘削するように構成された器具の位置と骨の位置の両方を追跡してもよい。インサイドアウトトラッカは、リトラクタなどの手術用具の相対位置を同時に追跡することもできる。骨を掘削するように構成された器具の追跡された位置、骨の位置、および追跡された手術器具の位置は、ロボットの動きを案内するために組み合わされ得る。
【0085】
一実施形態では、トラッカは、リトラクタなどの外科用具に追加されてもよい。カメラ、IMU、及び無線送信機を用いて構成されたインサイドアウトトラッカは、骨に取り付けられてもよい。カメラは、外科用具上のトラッカに対する通視線を有するように構成され、外科用具に対する相対的な位置を返すことができる。手術器具に対する骨の位置は、骨を掘削するように構成された器具を案内するためのいくつかの制御入力の1つとして使用され得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、インサイドアウトトラッカは、無線ではなく、有線で構成されてもよい。インサイドアウトトラッカは、カメラ、IMU、及びデータ転送用のケーブルで構成されてもよい。
【0087】
図22は、本開示の一実施形態による別の無線追跡装置4000を示す。この例示的な実施形態では、無線追跡装置4050は、1つ以上のカメラまたは慣性測定ユニットを含まなくてもよい。例えば、無線追跡装置4050は、一端に無線送信部4051を含み、第二端にセンサ/プローブ部4052を含んでもよい。センサ部分4052は、使い捨てであってもよいし、患者の骨に挿入可能であってもよい。あるいは、無線追跡装置4050は、患者の骨に堅く取り付けられるプレートにロックされてもよい。センサプローブ4052は、骨の内面又は構造をスキャンし、骨に対する位置及び方向を返すように動作可能である。いくつかの実施形態では、無線追跡装置4050は、電子機器を損傷することなくオートクレーブにかけることができるように、ケース又はハウジングに封入されてもよい。
【0088】
図23に示されるように、無線追跡装置4050は、中空本体4012、第1のエンドキャップ4014、および第2のエンドキャップ816を有するハウジング4010を含んでもよい。ハウジング4010内には、バッテリ4040などの電源、プロセッサ4070、プローブ4055、および無線送信機4090があってもよい。プローブ4055は、骨の内部表面又は構造を決定するように動作可能であってもよく、超音波プローブであってもよい。無線追跡装置4050は、16ミリメートル(mm)の直径の本体(又は16mmの高さ及び幅)及び20mmの長さを有する小型化された装置であってよい。別の実施形態では、無線追跡装置850の構成要素は、約0.3ポンドの重さと0.8インチ×0.7インチ×0.7インチの大きさの小型軽量であってよい。無線追跡装置4050は、他の適切な構成およびサイズを有していてもよいことが理解されよう。無線追跡装置4050は、低費用で製造されてもよく、使い捨てまたは再利用可能であってもよい。
【0089】
超音波プローブは、骨腔に挿入されてもよいし、追跡システム構成物に堅く取り付けられてもよく、追跡システムの位置をレジスターするために使用されてもよい。超音波プローブは、データを送信および受信することが可能であってよい。超音波プローブは、非限定的な例として、例えば密度の低い海綿骨と密度の高い皮質骨との間の相対的な骨密度の領域を検出することが可能である。超音波プローブに対して相対的に皮質内壁を視覚化する超音波プローブ(又はコントローラ120、図2などの遠隔コントローラ)によって、ボリュームなどの形状が再構築されてもよい。アルゴリズム的に、サンプリングされた形状又はボリュームは、骨に対するプローブの位置を推測するために、術前データと照合されてもよい。プローブは追跡システム構成物に堅く取り付けられているので、骨に対する追跡システムの位置を推測することが可能であり、すなわち、超音波プローブの読み取り値から追跡システムの位置をレジスターするように操作可能である。
【0090】
別の実施形態では、超音波プローブが、骨腔に挿入され、骨の位置をレジスターするために使用されてもよい。プローブは、骨内で移動可能であってもよい。プローブは、カメラで追跡されてもよく、又はプローブの位置は、各位置読み取りにおいてアルゴリズム的に推測されてもよい。別の実施形態では、超音波プローブは、骨腔内に挿入され、外科用ロボットシステムまたは外科用ナビゲーションシステム(また、コンピュータ支援外科システム)用の術前データを生成するために使用されてもよい。多くのコンピュータ支援外科システムは、外科的処置を計画するために患者固有の撮像に依存している。このデータは、骨腔に挿入された超音波プローブによる読み取り値から生成されてもよい。
【0091】
撮像及び/又は最小限の点サンプリングによる患者固有の骨治具を採用する本技術は、現在のレジスター及び追跡に関連する問題を克服している。解剖学的構造をアルゴリズム的に識別することは、機械学習又は複雑な幾何学的モデリング技術を含む可能性のある複雑な計算問題である。また、対象物の姿勢や空間的な位置と方向を決定することも困難である。臨床の場では、被写体が小さいことが多く、手術部位の特徴は大きく変化する可能性がある。空間的な方向を決定するためのアルゴリズムによる特徴検出は、困難であり得る。これらのアルゴリズムを「訓練」または「検証」するためのデータが利用可能であることも、開発の大きな障害となる。深度カメラに依存する従来の特徴検出アルゴリズムは、「ノイズの多い」環境(軟骨、血液、手術器具、その他の軟組織)において、表面の凹凸が少ない(滑らかな)小さな露光でモデルに相関させるのが困難である。アルゴリズムを学習させるための実世界の手術のデータセットは入手困難である。さらに、脊髄の解剖学とは異なり、膝や股関節の重要な解剖学的ランドマークを限られた露出で特定することは、非常に困難である。
【0092】
例えば、本開示の技術は、臨床的に知られている解剖学的ランドマークをサンプリングするユーザが主観的でエラーになりやすい従来のレジスターの問題点を克服することができる。本技術は、サンプリングの増加により手術時間が増加するため、精度を高めるために多数の点をサンプリングしなければならないという従来のレジスターにおける必要性を低減する。さらに、点のサンプリングは外科医のような高度なスキルを持つユーザを必要とするため、低スキルのユーザによるタスクのサポートに限界がある。高精度のレジスターをタイムリーに生成することは、業界における課題であり続けている。
【0093】
本明細書の教示に基づいて当業者が認識し得るように、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の上述および他の実施形態に対して多数の変更および修正を行うことができる。添付の要約および図面を含む本明細書に開示された装置および/または器具のインプラント、ねじ、および他の構成要素は、意図された目的のために同様の機能を提供するために、当業者に知られているように同一、同等または同様の目的を果たす、別の実施形態に開示されたものなどの代替構成要素または特徴により置き換えられてもよい。さらに、デバイス及び装置は、本明細書で説明及び図示されるような実施形態よりも多い又は少ない構成要素又は特徴を含むことができる。したがって、現在好ましい実施形態のこの詳細な説明は、本発明を限定するのとは対照的に、例示的なものとして受け取られるものである。
【0094】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のみのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるように、単数表現は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数の場合も含むことが意図される。用語「備える」、「有する」、「含む」、または「包含する」は、オープンエンドなリンク動詞であることが更に理解されるであろう。その結果、1つ以上のステップまたは要素を「含む」、「有する」、「含む」、または「包含する」方法または装置は、それらの1つ以上のステップまたは要素を保有するが、それらの1つ以上のステップまたは要素のみを保有することに限定されるものではない。同様に、1つ以上の特徴を「備える」、「有する」、「含む」、または「包含する」方法のステップまたは装置の要素は、それらの1つ以上の特徴を所有するが、それらの1つ以上の特徴のみを所有することに限定されない。さらに、ある方法で構成される装置または構造は、少なくともその方法で構成されるが、記載されていない方法で構成されることもある。
【0095】
本発明は、好ましい実施形態を参照して説明された。本明細書に記載された建築的および動作的な実施形態は、同じ一般的な特徴、特性、および一般的な装置動作を提供するための複数の可能な配置の例示であることが理解されよう。修正および変更は、先の詳細な説明を読み、理解することにより、生じるであろう。本発明では、そのようなすべての変更および修正を含むものとして解釈されることが意図されている。
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【国際調査報告】