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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(54)【発明の名称】最大空隅矩形ベースのプロセス開発
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/76 20060101AFI20230706BHJP
【FI】
B29C45/76
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577080
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-01-19
(86)【国際出願番号】 US2020065155
(87)【国際公開番号】W WO2021257112
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】63/039,243
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514159601
【氏名又は名称】アイエムフラックス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン マイケル バーチマイヤー
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AM23
4F206AP03
4F206AP10
4F206JA07
4F206JL01
4F206JL09
4F206JM04
4F206JN12
4F206JP13
4F206JP17
(57)【要約】
射出成形システムの最大空領域矩形最適化を使用して実験計画法パラメータを決定するためのシステム及び手法。システム及び方法は、複数の成形サイクルについての充填ステップ圧力及び対応する充填ステップ時間を示す圧力対時間データセットを取得することと、データセットから低圧及び高圧対時間曲線を画定することとを含み、低圧及び高圧対時間曲線は、幾何学的形状の2つの表面である。システム及び方法は、幾何学的形状の上面及び下面を識別することと、第1の幾何学的形状内に含まれる全ての矩形のうちの最大面積を有する矩形を識別することと、最大面積の矩形から実験計画法パラメータを生成することとを更に含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形サイクルを最適化するための方法であって、
プロセッサによって、圧力対時間座標空間において低圧対時間曲線を画定する第1の複数の圧力対時間データセットを取得することと、
前記プロセッサによって、圧力対時間座標空間において高圧対時間曲線を画定する第2の複数の圧力対時間データセットを取得することと、
前記プロセッサによって、第1の幾何学的形状の、前記低圧対時間曲線によって画定される第1の表面及び前記高圧対時間曲線によって画定される第2の表面を含む、前記第1の幾何学的形状の2つの表面、並びに前記第1及び第2の表面の最大圧力値データポイントを接続することによって画定される上面及び前記第1及び第2の表面の最小圧力値データポイントを接続することによって画定される底面を画定することと、
前記プロセッサによって、前記圧力対時間座標空間における前記第1の幾何学的形状内で、かつ前記第1の幾何学的形状によって制限される複数の幾何学的形状を画定することと、
前記プロセッサによって、前記複数の幾何学的形状のうちで、前記圧力対時間座標空間における最大面積を有する幾何学的形状を識別することと、
前記プロセッサによって、前記最大面積の幾何学的形状から実験計画法パラメータを生成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記低圧対時間曲線を画定する前記第1の複数の圧力対時間データセットを取得することが、
コントローラによって、射出成形機によって実施される成形サイクルに従って、低圧対時間曲線較正サイクルを実行することと、
前記コントローラによって、前記射出成形機によって実行される複数の成形サイクルを実行することであって、実行される前記成形サイクルの各々が、対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を有する、複数の成形サイクルを実行することと、
前記対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間の各々をメモリに記憶することと、
前記プロセッサによって、前記低圧対時間曲線を、前記メモリに記憶された前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間のサブセットとして画定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ユーザインターフェースにおいて、第1の成形サイクルの低充填ステップ圧力の指示を受信することと、
前記プロセッサによって、充填ステップ時間サイクル増分を識別することと、
前記プロセッサによって、前記第1の成形サイクルの充填ステップ圧力及び充填ステップ時間増分から各後続の成形サイクルの充填ステップ時間を定義することと、を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記高圧対時間曲線を画定する前記第2の複数の圧力対時間データセットを取得することが、
コントローラによって、射出成形機によって実施される成形サイクルに従って、高圧対時間曲線較正サイクルを実行することと、
前記コントローラによって、前記射出成形機によって実行される複数の成形サイクルを実行することであって、実行される前記成形サイクルの各々が、対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を有する、複数の成形サイクルを実行することと、
前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間の各々をメモリに記憶することと、
前記プロセッサによって、前記高圧対時間曲線を、前記メモリに記憶された前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間のサブセットとして画定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ユーザインターフェースにおいて、第2の成形サイクルの高充填ステップ圧力の指示を受信することと、
前記プロセッサによって、充填ステップ時間サイクル増分を識別することと、
前記プロセッサによって、前記第2の成形サイクルの充填ステップ圧力及び充填ステップ時間増分から、各後続の成形サイクルの充填ステップ時間を定義することと、を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記プロセッサによって、識別された前記最大面積の矩形の中心点を識別することを更に含み、前記中心点が、前記圧力対時間座標空間における充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記プロセッサによって、前記中心点を含む前記中心点の周りのステップ時間値の範囲を識別することと、
前記プロセッサによって、前記中心点を含む前記中心点の周りのステップ圧力値の範囲を識別することと、を更に含み、
前記最大面積の幾何学的形状から前記実験計画法パラメータを生成することが、識別された前記ステップ時間の範囲及び識別された前記ステップ圧力の範囲から前記実験計画法パラメータを生成することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記コントローラによって、射出成形システムを制御して、識別された前記中心点の前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間に従って射出成形サイクルを実行すること、を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
センサによって、現在の射出圧力値を検出することと、
前記ユーザインターフェースにおいて、圧力偏差値を受信することと、
前記プロセッサによって、前記識別された中心点の前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間、前記圧力偏差値、並びに前記現在の射出圧力値から射出圧力値の所定の範囲を識別することと、
前記プロセッサによって、射出圧力値の所定の範囲外で動作する成形サイクルを識別することと、
前記ユーザインターフェースによって、前記射出成形システムのオペレータに前記成形サイクルの障害を通知することと、を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記現在の射出圧力値が、空洞圧力センサ、カメラ、型内感知機器、測定された温度、及び測定されたひずみのうちの少なくとも1つによって検出される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記最大面積の幾何学的形状から前記実験計画法パラメータを生成することが、前記プロセッサによって、前記圧力対時間座標空間における一連の充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を識別することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記実験計画法パラメータが、冷却時間、圧力プロセス係数、ステップ時間、又はステップ圧力のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記低圧対時間曲線が、前記第1の複数の圧力対時間データセット内のデータのサブセットに対して数学的回帰が実行されることによって画定され、
前記高圧対時間曲線は、前記第2の複数の圧力対時間データセット内のデータのサブセットに対して数学的回帰が実行されることによって画定される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記低圧対時間曲線が、不十分な圧力と関連する欠陥なしに成形部品を製造する射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正するための最低充填ステップ圧力及び充填ステップ時間値の組み合わせを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記高圧対時間曲線が、過圧と関連する欠陥なしに成形部品を製造する射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正するための最高充填ステップ圧力及び充填ステップ時間値の組み合わせを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の幾何学的形状の各々が、前記低圧対時間曲線上のデータポイントである第1の頂点と、前記高圧対時間曲線上のデータポイントである第2の頂点とを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記プロセッサによって、冷却時間データセットを取得することであって、前記冷却時間データセットが、前記圧力対時間座標空間において前記最大面積を有する識別された前記矩形の境界を画定するデータポイントに対応する、取得することと、
前記プロセッサによって、低冷却時間を識別することであって、前記低冷却時間が、前記冷却時間データセット内の前記データポイントのうちの1つによって示される冷却時間である、識別することと、
前記プロセッサによって、高冷却時間を識別することであって、前記高冷却時間が、前記冷却時間データセット内の前記データポイントのうちの1つによって示される冷却時間である、識別することと、
前記コントローラによって、識別された前記低冷却時間と前記高冷却時間との間の冷却時間による射出成形サイクルを実行するように前記射出成形機を較正することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記プロセッサによって、圧力プロセス係数(PFA)データセットを取得することであって、前記圧力プロセス係数データベースセットが、前記圧力対時間座標空間における前記最大面積を有する識別された前記矩形の前記境界を画定するデータポイントに対応する、取得することと、
前記プロセッサによって、低圧プロセス係数値を識別することであって、前記低圧プロセス係数値が、前記圧力プロセス係数データセット内の前記データポイントのうちの1つによって示される値である、識別することと、
前記プロセッサによって、高圧プロセス係数値を識別することであって、前記高圧プロセス係数値が、前記圧力プロセス係数データセット内の前記データポイントのうちの1つによって示される値である、識別することと、
コントローラによって、識別された前記低圧プロセス係数値と高圧プロセス係数値との間の圧力プロセス係数による射出成形サイクルを実行するように前記射出成形機を較正することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
コントローラによって、前記圧力対時間座標空間における前記最大面積を有する識別された前記幾何学的形状内のデータポイントによって示される充填ステップ圧力及び対応する充填ステップ時間を使用して射出成形サイクルを実行するように前記射出成形機を較正すること、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
射出成形サイクルを最適化するための方法であって、
プロセッサによって、圧力対時間座標空間において低圧対時間曲線を画定する第1の複数の圧力対時間データセットを取得することと、
前記プロセッサによって、圧力対時間座標空間において高圧対時間曲線を画定する第2の複数の圧力対時間データセットを取得することと、
前記プロセッサによって、第1の幾何学的形状の、前記低圧対時間曲線によって画定される第1の表面及び前記高圧対時間曲線によって画定される第2の表面を含む、前記第1の幾何学的形状の2つの表面、並びに前記第1及び第2の表面の最大圧力値データポイントを接続することによって画定される上面及び前記第1及び第2の表面の最小圧力値データポイントを接続することによって画定される底面を画定することと、
前記プロセッサによって、前記圧力対時間座標空間における前記第1の幾何学的形状内で、かつ前記第1の幾何学的形状によって制限される複数の多角形を画定することと、
前記プロセッサによって、前記複数の多角形のうちで、前記圧力対時間座標空間における最大面積を有する多角形を識別することと、
前記プロセッサによって、前記最大面積の多角形から実験計画法パラメータを生成することと、を含む、方法。
【請求項21】
射出成形システムであって、
金型空洞を形成する金型、及び第1の位置から第2の位置に移動するスクリューを有する射出ユニットであって、溶融プラスチック材料を受け入れて、前記スクリューを介して前記金型空洞に射出し、成形部品を形成するように適合されている、射出ユニットと、
射出サイクルに従って前記射出成形機の動作を制御するように適合されている、コントローラと、
機械実行可能命令を実行するように構成されている、プロセッサと、を備え、前記機械実行可能命令が、前記プロセッサに、
圧力対時間座標空間において低圧対時間曲線を画定する第1の複数の圧力対時間データセットを取得させ、
圧力対時間座標空間において高圧対時間曲線を画定する第2の複数の圧力対時間データセットを取得させ、
第1の幾何学的形状の、前記低圧対時間曲線によって画定される第1の表面及び前記高圧対時間曲線によって画定される第2の表面を含む、前記第1の幾何学的形状の2つの表面、並びに前記第1及び第2の表面の最大圧力値データポイントを接続することによって画定される上面及び前記第1及び第2の表面の最小圧力値データポイントを接続することによって画定される底面を画定させ、
前記圧力対時間座標空間における前記第1の幾何学的形状内で、かつ前記第1の幾何学的形状によって制限される複数の幾何学的形状を画定させ、
前記複数の幾何学的形状のうちで、前記圧力対時間座標空間における最大面積を有する幾何学的形状を識別させ、
前記最大面積の幾何学的形状から実験計画法パラメータを生成させる、射出成形システム。
【請求項22】
前記低圧対時間曲線を画定する前記第1の複数の圧力対時間データセットを取得するために、前記システムが、
前記コントローラによって、前記射出成形機によって実施される成形サイクルに従って、低圧対時間曲線較正サイクルを実行することと、
前記コントローラによって、前記射出成形機によって実行される複数の成形サイクルを実行することであって、実行される前記成形サイクルの各々が、対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を有する、複数の成形サイクルを実行することと、
前記対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間の各々をメモリに記憶することと、
前記プロセッサによって、前記低圧対時間曲線を、前記メモリに記憶された前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間のサブセットとして画定することと、を行うように構成されている、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項23】
前記プロセッサが、
ユーザインターフェースにおいて、第1の成形サイクルの低充填ステップ圧力の指示を受信し、
充填ステップ時間サイクル増分を識別し、かつ
前記第1の成形サイクルの充填ステップ圧力及び充填ステップ時間増分から、各後続の成形サイクルの充填ステップ時間を定義するように更に構成されている、請求項23に記載の射出成形システム。
【請求項24】
前記高圧対時間曲線を画定する前記第2の複数の圧力対時間データセットを取得するために、前記システムが、
コントローラによって、射出成形機によって実施される成形サイクルに従って、高圧対時間曲線較正サイクルを実行することと、
前記コントローラによって、前記射出成形機によって実行される複数の成形サイクルを実行することであって、実行される前記成形サイクルの各々が、対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を有する、複数の成形サイクルを実行することと、
前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間の各々をメモリに記憶することと、
前記プロセッサによって、前記高圧対時間曲線を、前記充填ステップ圧力及び前記メモリに記憶された充填ステップ時間のサブセットとして画定することと、を行うように構成されている、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項25】
前記プロセッサが、
ユーザインターフェースにおいて、第2の成形サイクルの高充填ステップ圧力の指示を受信し、
充填ステップ時間サイクル増分を識別し、
前記第2の成形サイクルの充填ステップ圧力及び充填ステップ時間増分から、各後続の成形サイクルの充填ステップ時間を定義するように更に構成されている、請求項24に記載の射出成形システム。
【請求項26】
前記プロセッサが、識別された前記最大面積の矩形の中心点を識別するように更に構成され、前記中心点が、前記圧力対時間座標空間における充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を含む、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項27】
前記プロセッサが、
前記中心点を含む、前記中心点の周りのステップ時間値の範囲を識別し、
前記中心点を含む、前記中心点の周りのステップ圧力値の範囲を識別するように更に構成され、
前記最大面積の幾何学的形状から前記実験計画法パラメータを生成するために、前記プロセッサが、識別された前記ステップ時間の範囲及び識別された前記ステップ圧力の範囲から前記実験計画法パラメータを生成する、請求項26に記載の射出成形システム。
【請求項28】
前記コントローラが、前記射出ユニットを制御して、識別された前記中心点の前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間に従って射出成形サイクルを実行するように更に構成されている、請求項26に記載の射出成形システム。
【請求項29】
前記射出成形システムが、
センサによって、現在の射出圧力値を検出し、
前記ユーザインターフェースにおいて、圧力偏差値を受信し、
前記プロセッサによって、前記識別された中心点の前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間、前記圧力偏差値、及び前記現在の射出圧力値から射出圧力値の所定の範囲を識別し、
前記プロセッサによって、射出圧力値の所定の範囲外で動作する成形サイクルを識別し、
前記ユーザインターフェースによって、前記射出成形システムのオペレータに前記成形サイクルの障害を通知するように更に構成されている、請求項28に記載の射出成形システム。
【請求項30】
前記現在の射出圧力値が、空洞圧力センサ、カメラ、型内感知機器、測定された温度、及び測定されたひずみのうちの少なくとも1つによって検出される、請求項29に記載の射出成形システム。
【請求項31】
前記最大面積の幾何学的形状から前記実験計画法パラメータを生成するために、前記プロセッサが、前記圧力対時間座標空間における一連の充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を識別する、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項32】
前記実験計画法パラメータが、冷却時間、圧力プロセス係数、ステップ時間、又はステップ圧力のうちの少なくとも1つを含む、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項33】
前記低圧対時間曲線が、前記第1の複数の圧力対時間データセット内の前記データのサブセットに対して数学的回帰が実行されることによって画定され、
前記高圧対時間曲線が、前記第2の複数の圧力対時間データセット内の前記データのサブセットに対して数学的回帰が実行されることによって画定される、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項34】
前記低圧対時間曲線が、不十分な圧力と関連する欠陥なしに成形部品を製造する射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正するための最低充填ステップ圧力及び充填ステップ時間値の組み合わせを示す、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項35】
前記高圧対時間曲線が、過圧と関連する欠陥なしに成形部品を製造する射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正するための最高充填ステップ圧力及び充填ステップ時間値の組み合わせを示す、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項36】
前記複数の幾何学的形状の各々が、前記低圧対時間曲線上のデータポイントである第1の頂点と、前記高圧対時間曲線上のデータポイントである第2の頂点とを有する、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項37】
前記システムが、
前記プロセッサによって、冷却時間データセットを取得することであって、前記冷却時間データセットが、前記圧力対時間座標空間において前記最大面積を有する識別された前記矩形の境界を画定するデータポイントに対応する、取得することと、
前記プロセッサによって、低冷却時間を識別することであって、前記低冷却時間が、前記冷却時間データセット内の前記データポイントのうちの1つによって示される冷却時間である、識別することと、
前記プロセッサによって、高冷却時間を識別することであって、前記高冷却時間が、前記冷却時間データセット内の前記データポイントのうちの1つによって示される冷却時間である、識別することと、
前記コントローラによって、識別された前記低冷却時間と高冷却時間との間の冷却時間によって射出成形サイクルを実行するように前記射出成形機を較正することと、を行うように更に構成されている、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項38】
前記システムが、
前記プロセッサによって、圧力プロセス係数(PFA)データセットを取得することであって、前記圧力プロセス係数データセットが、前記圧力対時間座標空間において前記最大面積を有する識別された前記矩形の境界を画定するデータポイントに対応する、取得することと、
前記プロセッサによって、低圧プロセス係数値を識別することであって、前記低圧プロセス係数値が、前記圧力プロセス係数データセット内の前記データポイントのうちの1つによって示される値である、識別することと、
前記プロセッサによって、高圧プロセス係数値を識別することであって、前記高圧プロセス係数値が、前記圧力プロセス係数データセット内の前記データポイントのうちの1つによって示される値である、識別することと、
前記コントローラによって、識別された前記低圧プロセス係数値と高圧プロセス係数値との間の圧力プロセス係数による射出成形サイクルを実行するように前記射出成形機を較正することと、を行うように更に構成されている、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項39】
コントローラによって、前記圧力対時間座標空間において前記最大面積を有する識別された前記幾何学的形状内のデータポイントによって示される充填ステップ圧力及び対応する充填ステップ時間を使用して射出成形サイクルを実行するように前記射出成形機を較正することを更に含む、請求項21に記載の射出成形システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、射出成形サイクルを最適化するための方法及びシステムに関し、具体的には、射出成形についての実験計画法を実行するための動作パラメータの範囲を決定することに関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形は、熱可塑性材料で構成された部品の大量生産に一般的に使用される技術である。反復射出成形プロセス中に、熱可塑性樹脂は、典型的には小さなペレット又はビーズの形態で、熱及び圧力下でペレットを溶融する射出成形機に導入される。射出サイクルでは、溶融材料は、特定の所望の空洞形状を有する金型空洞に強制的に射出される。射出されたプラスチックは、金型空洞内に圧力下で保持され、その後冷却されて、金型の空洞形状に非常に似た形状を有する固化部品として除去される。単一の金型は、溶融樹脂の流れを空洞内に向けるゲートによって流路に接続することができる任意の数の個別の空洞を有することができる。典型的な射出成形プロセスには、一般に4つの基本動作が含まれる。(1)射出成形機でプラスチックを加熱して、プラスチックが圧力下で流れることを可能にすること、(2)溶融したプラスチックを閉じている2つの金型の半分の間に画定された1つ以上の金型空洞内に射出すること、(3)圧力下でプラスチックを1つ以上の空洞内で冷却及び硬化させること、並びに(4)金型の半分を開き、金型から部品を取り出すこと。
【0003】
これらのシステムでは、制御システムが、射出成形機の様々な構成要素の制御パラメータについての一連の設定値を定義する射出パターンに従って射出成形プロセスを制御する。例えば、射出サイクルは、固定及び/又は可変の溶融圧力プロファイルによって駆動することができ、それによって、コントローラは、材料に加えられる駆動力を決定するための入力として、ノズルにおいて感知された圧力を使用する。
【0004】
各射出成形サイクルは、典型的には、射出成形システムが射出金型の圧力を設定圧力値まで急速に増大させる初期段階と、溶融材料を射出金型空洞内に射出しながら、射出金型の圧力を定常状態に保持する充填段階と、更なる溶融材料を射出金型空洞内に射出することなく、圧力を定常状態の圧力値に保持する保持段階と、最後に、射出金型空洞を開き、部品を射出成形システムから取り出す取り出しとを有する。これらの段階の各々は、欠陥のない射出成形部品を確実に適切に形成するように様々な圧力及び時間の長さを有することがある。例えば、説明した段階のうちの1つ以上の間に過度に低い圧力が加えられるか、又は段階が適切な時間の間実施されなかった場合、ショートショット欠陥が発生することがある。加えて、圧力が過度に高いか、又は段階が過度に長い時間の間実施された場合、バリ欠陥が発生する可能性がある。射出成形材料、金型の形状、環境要因に何らかの変更が加えられるか、又は他の要素及び要因が変更される場合、欠陥のない射出成形部品を製造するために、射出成形サイクルの異なる段階用に異なる圧力及び時間が必要になることがある。
【0005】
射出成形についての実験計画法(DOE)を実施することによって、ユーザは、射出成形サイクルを実施するための動作パラメータの範囲を決定することができる。例えば、DOEは、上述の成形サイクルを制御する設定値及び/又は持続時間を決定するために利用されてもよい。この目的のために、DOE解析は、潜在的に変化する環境条件、及び本明細書では成形サイクルパラメータと称されることもある動作パラメータ(例えば、充填圧力、充填時間、冷却時間など)のうちで、欠陥の数が減少した部品の製造を可能にするロバストな射出成形サイクル性能を実現する動作パラメータ範囲を提供することができる。DOEはまた、成形サイクルパラメータと射出成形部品のサイズ又は密度との関係を解析するのにも有用である場合がある。
【0006】
しかしながら、DOE実験の数は、テストされているパラメータの数と共に指数関数的に増加するので、DOE分析を実行するのは非常に時間がかかり、かつ費用がかかる可能性がある。例えば、2つのパラメータを検討するときは4回の実験を行い、3つのパラメータを検討するときは8回の実験を行う必要がある。したがって、射出成形サイクル性能に最も影響を与えることがあるパラメータのみを検討すると有益である。同様に、各パラメータについてテストされる値の数を減らすと有用であることがある。例えば、4つのパラメータ及び各パラメータでの3つのテスト値(例えば、充填圧力、充填時間など)についてテストするとき、DOEには3×3×3×3、したがって81回の実験が必要になる。射出成形の場合、複数の空洞を用いて、必要な実験の数が増大する可能性がある、いくつかの部品寸法についての統計データを収集することが一般的である。DOEについての実験を何度も実行すると、多くの場合、費用がかかり、かつ非常に時間がかかる。
【発明の概要】
【0007】
本開示の射出成形システムについての実験計画法(DOE)を最適化するための方法及びシステムは、圧力対時間データセットを取得することと、圧力対時間座標空間において、無欠陥射出成形サイクル動作パラメータを含む最大面積の幾何学的形状を画定することとを含む。説明する最適化プロセスは、射出成形システムに提供され得る動作パラメータ値の範囲を決定する最大空隅矩形(LECR)技術を利用して、所望の重量及び/又は密度の射出成形部品を、欠陥を最小限に抑えるか又は全くなくして製造するようにDOEを実行する。
【0008】
射出成形システムでは、制御システムが、射出成形機の様々な構成要素の制御パラメータについての設定値の範囲を定義する射出パターンに従って射出成形プロセスを制御する。例えば、射出サイクルは、固定及び/又は可変の溶融圧力プロファイルによって駆動することができ、それにより、コントローラは、材料に加えられる駆動力を決定するための入力として、ノズルにおいて感知された圧力を使用する。射出成形サイクルは、典型的には、射出成形システムが射出金型の圧力を設定圧力値まで急速に増大させる初期段階と、溶融材料を射出金型空洞内に射出しながら、射出金型の圧力を定常状態に保持する充填段階と、更なる溶融材料を射出金型空洞内に射出することなく、圧力を定常状態の圧力値に保持する保持段階と、射出金型空洞を開き、部品を射出成形システムから取り出す取り出しとを有する。これらの段階の各々は、欠陥のない射出成形部品の適切な形成を確実にするように様々な圧力及び時間の長さを有することがある。例えば、射出成形サイクル圧力及びステップ時間に起因して、ショートショット欠陥及びバリ欠陥が生じることがある。更に、射出成形材料、金型の形状、環境要因が変更されるか、又は他の要素及び要因が変更される場合、欠陥のない射出成形部品を製造するために、射出成形サイクルの異なる段階用に異なる圧力及び時間が必要になることがある。
【0009】
典型的には、DOE中、ユーザが、異なる変数(例えば、充填時間、充填圧力、保持時間など)を変更することによって、明らかな見た目の欠陥を生じさせることなくできるだけ多くの変形を部品に生じさせることが重要である。DOE分析は、複数のパラメータをテストする必要があり、それによって、DOE実験の回数が指数関数的に増加するので、時間がかかり、かつ費用がかかる。更に、最大及び最小充填圧力及び充填時間、並びに変数間の相互作用などの限界は、予測することが困難である場合がある。その結果、テストされる各独立変数の値の範囲を決定するために、DOEを複数回実行することが必要になることが多い。LECRは、プロセス開発においてDOEが1回で済むように変数の限界を事前に定義し、DOEの実行と製造された部品の検査の実施に費やす時間の両方において大幅に時間を節約する。プロセス開発中にDOEが1回で済むので、その後の実行と検査が不要になり、場合によっては開発時間が数日又は数週間節約される。
【0010】
開示されるシステム及び方法は、DOEを実行するための動作値の範囲を決定するための効率的な最適化技術を提供する。最適化は、充填圧力及び充填時間についての欠陥がないか又は最小限に抑えられた動作範囲を決定することによって必要なDOE実験の数を削減する。決定された動作値の範囲は、DOE実験によってテストする必要がある値の数を減らし、したがって、射出成形システムについてDOEの実行に費やす時間及び費用を削減する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面に記載された実施形態は、本質的に例解的かつ例示的であり、特許請求の範囲によって定義される本主題を限定することを意図するものではない。例解的な実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて読むと理解することができ、同様の構造は、同様の参照番号で示される。
【0012】
図1】一般に、射出成形サイクルを実行するための射出システム及びクランプシステムを含む射出成形装置を示す。
図2】射出成形機によって実行される成形サイクルについての時間に対する溶融圧力値のプロットである。
図3】最大空隅矩形(LECR)最適化方法で使用するための充填圧力対時間のプロットである。
図4】LECR最適化に従って射出成形サイクルについての最適化されたパラメータを決定するためのプロセスの実施形態を示すフローチャートである。
図5A】圧力対時間空間における低-低座標についての低圧力値を決定するための方法のフローチャートである。
図5B】圧力対時間空間における低-低座標についての低ステップ時間値を決定するための方法のフローチャートである。
図6】圧力対時間空間における高-低座標についての圧力及び時間値を決定するための方法のフローチャートである。
図7図6の方法におけるステップ圧力の各々についての低ステップ時間を決定するための方法のフローチャートである。
図8図6の方法におけるステップ圧力の各々についての高ステップ時間を決定するための方法のフローチャートである。
図9】LECR最適化に従って射出成形サイクルについての冷却時間範囲を決定するための方法のフローチャートである。
図10】LECR最適化に従って圧力プロセス係数(PFA)の範囲を決定するための方法のフローチャートである。
図11】成形サイクルが無欠陥パラメータの範囲外で実行されるか又は他の望ましいパラメータ範囲若しくは必要なパラメータ範囲外で実行された場合にユーザに通知を提供するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書では、射出成形サイクルの実験計画法(DOE)についての最適な動作パラメータを決定するための最適化プロセスについて説明する。説明する最適化プロセスは、射出成形システムに提供され得る動作パラメータ値の範囲を決定する最大空隅矩形(LECR)技術を利用して、所望の重量及び/又は密度の射出成形部品を、欠陥を最小限に抑えるか又は全くなくして製造するようにDOEを実行する。DOEを有効に使用するには、ユーザが、異なる変数(例えば、充填時間、充填圧力、保持時間など)を変更することによって、明らかな見た目の欠陥を生じさせることなくできるだけ多くの変形を部品に生じさせることがしばしば重要である。変形、及び変形の、テストされている他の変数との相互作用の限界を予測することが困難である場合がある。その結果、各独立変数の値の範囲が認識されるまでに、DOEを複数回実行することが必要になることがある。LECRは、プロセス開発においてDOEが1回で済むようにこれらの限界を事前に定義し、DOEの実行と製造された部品の検査の実施に費やす時間の両方において大幅に時間を節約する。ユーザは、プロセス開発中にDOEを1回で済ませることができるので、その後の実行と検査が不要になり、場合によっては開発時間が数日又は数週間節約される。
【0014】
射出成形コンテキストにおけるDOEは、異なる動作パラメータ(例えば、充填圧力、充填時間、保持時間、冷却時間など)が、製造される部品のサイズ、密度、及び欠陥にどのように影響するかを決定するための計画された研究又は実験のセットである。DOEに必要な実験の数は、パラメータの数、及び各パラメータについてテストされた値の数と共に指数関数的に増大する。例えば、2つのパラメータの場合、少なくとも4回の実験が必要であるが、4つのパラメータの場合、少なくとも16回の実験が必要である。更に、4つのパラメータの各々においてテストされる値が3つである場合、ロバストなDOEを実行するために81回の実験が必要である。したがって、DOEは、必要な実験の数に起因して非常に時間がかかり、かつコストがかかる場合がある。開示されるシステム及び方法は、DOEを実行するための動作値の範囲を決定するための効率的な最適化技術を提供する。最適化は、充填圧力及び充填時間についての欠陥がないか又は最小限に抑えられた動作範囲を決定することによって必要なDOE実験の数を削減する。決定された動作値の範囲は、DOE実験によってテストする必要がある値の数を減らし、したがって、射出成形システムについてDOEの実行に費やす時間及び費用を削減する。
【0015】
図面を詳細に参照すると、図1は、一般に、射出システム12及びクランプシステム14を含む、例示的な射出成形装置10を示す。射出成形装置10は、LECR技術を実装し得るか、又は本明細書で説明するLECR技術から得られるパラメータが設けられ得る射出成形システムの一例である。熱可塑性材料は、熱可塑性ペレット16の形態で射出システム12に導入され得る。熱可塑性ペレット16は、熱可塑性ペレット16を射出システム12の加熱バレル20に供給するホッパー18に入れることができる。熱可塑性ペレット16は、加熱バレル20に供給された後、往復スクリュー22によって加熱バレル20の端部まで駆動されてもよい。加熱バレル20の加熱及び往復スクリュー22による熱可塑性ペレット16の圧縮により、熱可塑性ペレット16が溶融し、溶融熱可塑性材料24が形成される。溶融熱可塑性材料は、典型的には、約130℃~約410℃の温度で処理される。
【0016】
往復スクリュー22は、熱可塑性材料24をノズル26に向かって押して、熱可塑性材料のショットを形成し、このショットが、1つ以上のゲート30を介して金型28の金型空洞32に射出され、このゲート30は溶融熱可塑性材料24の流れを金型空洞32内に導く。他の実施形態では、ノズル26は、供給システム(図示せず)によって1つ以上のゲート30から分離され得る。金型空洞32は、金型28の第1及び第2の金型側面25、27の間に形成され、第1及び第2の金型側面25、27は、プレス又はクランプユニット34によって圧力下で一緒に保持される。プレス又はクランプユニット34は、成形プロセス中に2つの金型半分25、27を分離するように作用する射出圧力によって加えられる力よりも大きいクランプ力を適用し、それによって溶融熱可塑性材料24が金型空洞32に射出される間、第1及び第2の金型側面25、27を一緒に保持する。これらのクランプ力をサポートするために、クランプシステム14は、金型フレーム及び金型ベースを含んでもよい。
【0017】
溶融熱可塑性材料24のショットが金型空洞32に射出されると、往復スクリュー22は前方への移動を停止する。溶融熱可塑性材料24は、金型空洞32の形態を取り、溶融熱可塑性材料24は、熱可塑性材料24が固化するまで金型28内で冷却する。熱可塑性材料24が固化すると、プレス34は、第1及び第2の金型側面25、27を解放し、第1及び第2の金型側面25、27は互いに分離され、完成部品は金型28から排出され得る。金型28は、全体の生産速度を高めるために複数の金型空洞32を含むことができる。複数の金型空洞の空洞の形状は、互いに同一、類似、又は異なっていてもよい。後者は、金型空洞のファミリーとみなされ得る。
【0018】
コントローラ50は、ノズル26の近くに位置するノズルセンサ52、往復スクリュー22に近接して位置する線形変換器57、スクリュー制御装置36、及びクランプ制御装置38と1つ以上の通信リンクを介して通信可能に接続される。1つ以上の通信リンクは、有線接続、無線接続、機械的接続、油圧接続、空気圧接続、あるいは当業者に既知であり、コントローラ50が、センサ52若しくは57と共に、及び/又は、スクリュー制御装置36、クランプ制御装置38、若しくは射出成形装置10の任意の他の構成要素に制御信号を送信することを可能にする任意の他のタイプの有線若しくは無線通信接続を含んでもよい。ワークステーションコンピュータ40は、本明細書で説明するLECR最適化方法を実行するための動作パラメータをコントローラに提供するために、コントローラに通信可能に接続されている。ワークステーションコンピュータ40は、ワークステーションコンピュータ40のマイクロプロセッサによって実行されたとき、開示された技術を実施するプロセッサ実行可能命令を記憶するメモリを含んでもよい。実施形態では、ワークステーションコンピュータ40は、有線接続又は無線接続を介してコントローラ50に通信可能に結合されてもよい。
【0019】
線形変換器57は、往復スクリュー22の線形移動量を機械、光、空気圧、磁気、電気、超音波によって測定し得るか、又は線形移動を測定する任意の他の方法を使用し得る。同様に、ノズルセンサ52は、熱可塑性材料の到着に起因する変化を感知することにより、光、空気圧、電気、超音波、機械、又はそれ以外の方法によって熱可塑性材料の存在を感知してもよい。熱可塑性材料の圧力がノズルセンサ52によって測定されると、ノズルセンサ52は、通信リンクのうちの1つを介して圧力を示す信号をコントローラ50に送信してもよい。信号は、DOEを実行するためのLECRベースのパラメータ最適化を実行するためにコントローラ50及び/又はワークステーションコンピュータ40によって解析されてもよい。
【0020】
図1の実施形態では、ノズルセンサ52は、ノズル26の近くの溶融熱可塑性材料24の溶融圧力を(直接的又は間接的に)測定する圧力センサであってもよい。センサ52は、コントローラ50に送信される電気信号を生成する。コントローラ50は次いで、ノズル26内に溶融熱可塑性材料24の所望の溶融圧力を維持する速度でスクリュー22を前進させるようにスクリュー制御装置36に命令する。スクリュー制御装置36は、スクリュー22をどのように前進させるかを決定するための入力として空洞圧力を利用してもよい。これは圧力制御プロセスとして知られている。ノズルセンサ52は溶融圧力を直接測定し得るが、ノズルセンサ52はまた、溶融圧力を示す温度、粘度、流量などの溶融熱可塑性材料24の他の特性を測定することによって溶融圧力を間接的に測定してもよい。同様に、ノズルセンサ52は、ノズル26内に直接配置される必要はなく、むしろノズルセンサ52は、ノズル26と流体接続される射出システム12内の任意の場所に配置されてもよい。ノズルセンサ52がノズル26内に配置されていない場合、適切な補正係数を測定された特性に適用して、ノズル26内の溶融圧力の推定値を計算してもよい。圧力センサ52は、射出された流体と直接接触する必要はなく、代替的に、流体と動的に連通し、流体の圧力及び/又は他の流体特性を感知することが可能であってもよい。いくつかの実施形態では、ノズルセンサ22は、溶融熱可塑性材料24がノズル26を出るときの速度を感知する速度センサを追加的又は代替的に含んでもよい。
【0021】
射出成形サイクル中、センサ(ノズルセンサ52、線形変換器57、及び/又は他のセンサなど)は、空洞圧力、空洞温度などの様々なパラメータを測定するために使用されてもよい。センサは、パラメータを示す電気信号を生成してもよい。いくつかの実施形態では、センサは、ワークステーションコンピュータ40に直接電気信号を提供する。他の実施形態では、センサは、電気信号をコントローラ50に提供し、コントローラ50は次いで、更なる分析のために電気信号をワークステーションコンピュータ40に通信する。ワークステーションコンピュータ40は、信号からDOEについてのLECR最適化を実行するためのパラメータ値の範囲を決定してもよい。加えて、ワークステーションコンピュータ40は、センサからの受信信号に基づいて、次の成形サイクルを実行するための新しい設定及びパラメータ値をコントローラ50に設定してもよい。コントローラ50と通信するワークステーションコンピュータ40は、本明細書で説明するようなLECRベースの最適化を実行して、射出成形システムについてのDOEにおいて実行される実験の回数を削減してもよい。これにより、DOEの実行に必要な時間及びコストが削減される。
【0022】
図2は、射出成形機10によって実行される成形サイクルの時間に対する溶融圧力値102のプロット100である。この目的のために、溶融圧力値102は、ノズルセンサ52によって生成され、成形サイクルの実行中にコントローラ50に通信されてもよい。成形サイクルの初期段階104中に、圧力が設定値(設定点PFill)まで急速に増大する。充填段階106では、金型空洞32を充填しながら圧力を定常圧力値に保持する。溶融プラスチック材料24が金型空洞32の端部に近づくと、圧力が第2の、より低い、設定値(設定点PHold)に低減される。充填及び保持段階108では、金型空洞32内の材料24を冷却しながら、圧力を定常圧力値に保持する。材料24を冷却した後、金型28を開き、成形された部品を金型空洞32から取り出す。
【0023】
初期段階104、充填段階106、保持段階108、設定点PFill、及び設定点PHoldの各々についての時間及び圧力は、部品が、材料及び金型に依存する欠陥(例えば、バリ及びショートショット欠陥)を伴って製造されるかどうかに影響する。
【0024】
図3は、本明細書で説明する最大空隅矩形(LECR)最適化方法で使用するためのPFill圧力対時間のプロット200である。LECR最適化方法は、DOEに必要なサイクル数を減らすようにDOEの開始PFill圧力及びPFill持続時間を決定するために使用される。本明細書で説明するLECR最適化方法は、射出成形システムについてのDOEの時間を短縮することができ、それによって、射出成形機のより高速の試運転が可能になり、DOEと関連する材料の無駄及び余計なコストが防止される。
【0025】
図3のプロット200は、垂直PFill圧力軸、及び水平PFill時間持続時間軸を有する。図3にプロットされたデータは、無欠陥製造空間210の境界を共に画定し形成する、ショートショット限界線202、バリ限界線204、最大圧力限界206、及び最小圧力限界208を有する。無欠陥製造空間210と称されるが、欠陥を含む無欠陥製造空間210内のパラメータ値を用いて部品が製造されてもよい。無欠陥製造空間210の内部の動作パラメータ値は、目に見える欠陥のない部品を生成するように決定されているパラメータ値であり、無欠陥製造空間210内のパラメータ値を用いて製造されたあらゆる部品が必ずしも欠陥がないというわけではない。本明細書では、「無欠陥」という用語は、欠陥を示さない成形部品の期待される閾値割合(例えば、95%、99%、99.9%等)を指し得る。無欠陥製造空間210の様々な境界の間の距離は、特定の射出成形システム、並びに物理的射出金型の形状、温度要件、圧力要件、射出成形材料、及び射出成形システムの他の要因及び要素などの特性に依存する。加えて、バリ限界線204はまた、ゲートシールが達成されているとき、又は空洞が完全に充填され、金型に物理的にこれ以上の材料を射出することができないときを示す線である。無欠陥製造空間210の内部でPFill圧力及びPFill持続時間を有する射出成形サイクルを実行すると、欠陥のない射出成形部品が製造される。ショートショット限界線202より下方にPFill圧力及びPFill持続時間を有する射出成形サイクルを実施すると、射出成形部品がショートショット欠陥又は不十分な圧力による別の欠陥を有することになり、バリ限界線204より上方にPFill圧力及びPFill持続時間を有する射出成形サイクルを実施すると、射出成形部品がバリ欠陥又は過圧による別の欠陥を有することになる。
【0026】
実施形態では、ショートショット限界線202は、本明細書で更に説明するように、低圧対時間曲線とみなされることがあり、バリ限界線204は、高圧対時間曲線と称されることがある。ショートショット限界線202線は、低-低座標220における最小圧力値と、圧力対時間座標空間における高-低座標222における最大圧力値とを有する。バリ限界線204は、低-高座標226における最小圧力値と、高-高座標224における最大圧力値とを有する。最小圧力限界208は、ショートショット限界線202の最小圧力値データ点及びバリ限界線204を接続する線、すなわち、低-低座標220及び低-高座標226を接続することによって画定されてもよい。最大圧力限界線206は、ショート限界線202とバリ限界線204の最大圧力値を接続する線によって、すなわち、低-高座標222と高-高座標224とを接続することによって画定されてもよい。無欠陥製造空間210は、バリ限界線204、ショートショット限界線202、最大圧力限界206、及び最小圧力限界208によって画定される多角形又は他の幾何学的形状であってもよい。実施形態では、無欠陥製造空間210は、凸多角形、凹多角形、直交多角形、直線多角形、又は円、楕円、半円、半卵形、曲線及び直線の両方を含む幾何学的形状、又は別の幾何学的形状などの曲線を有する形状であってもよい。実施形態では、低圧対時間曲線及び高圧対時間曲線の各々は、無欠陥製造空間210を画定する、形状の表面であるとみなされてもよい。加えて、実施形態では、欠陥なし製造空間210は、2つ以上の寸法を含み得、欠陥なし製造空間210を画定する境界は、欠陥なし製造空間の寸法に応じて、2つの寸法、3つの寸法、又はそれ超の寸法であり得る。例えば、図3のショートショット制限202及びバリ制限204などの、無欠陥製造空間210の画定面又は境界は、無欠陥製造空間210の寸法に等しい寸法を有し得る。代替的に、無欠陥製造空間210の画定境界のうちの1つ以上は、次元数が無欠陥製造空間より少なくてもよい。実施形態では、無欠陥製造空間の境界は、2D無欠陥製造空間の円、及び3D無欠陥製造空間210の周囲の球など、無欠陥製造空間210を包含する曲線又は表面であってもよい。
【0027】
図3に示されるように、無欠陥製造空間210に複数の矩形を内接させることができ、各矩形は、PFill圧力及びPFill時間のセットを含む。複数の矩形の各々は、無欠陥製造空間210の境界上に頂点又は接触を有してもよい。頂点又は接点は、固定接点、独立スライド接点、従属スライド接点、反射接点、又は固定エッジ接点のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの矩形は、無欠陥製造空間210内に、無欠陥製造空間210の境界のいずれにも接しない頂点を有してもよい。矩形の各々は、無欠陥製造空間210の境界によって画定される点のサブセットに制限される。
【0028】
最大空隅矩形212(LECR)は、無欠陥製造空間210に内接させることができる最大面積の矩形である。LECRは、欠陥のない射出成形品の製造を可能にするPFill圧力とPFill持続時間の最大のセットを提供する。LECR212の中心点214は、射出成形システムについてのDOEの開始点を提示する。この目的のために、いくつかのシナリオでは、LECR212の中心点214は、温度、圧力、環境変化、及び射出成形システム内の他の変動若しくは不整合、又は射出成形システムのサイクル間の変動若しくは不整合に対してロバストであるPFill圧力及びPFill持続時間を提示する。図3では制限された矩形として示されているが、無欠陥製造空間210を画定する幾何学的形状によって制限される三角形、円、他の多角形又は非対称形状などの他の幾何学的形状を使用して、DOEパラメータが決定されてもよい。加えて、幾何学的形状は、無欠陥製造空間210を画定するより大きい幾何学的形状の境界内で、軸配向され得るか、又は任意に配向され得る。したがって、頭辞語の最大空隅矩形(LECR)を含む、本明細書における「矩形」という語の使用は、開示される技術を矩形に限定せず、無欠陥製造空間210内のこれらの他のタイプの幾何学的形状を画定する代替実装形態を想定する。
【0029】
実施形態では、DOEプロセスについてのパラメータの入力値は、LECR212の決定された中心点214から決定され得るか、中心点214の周りの値の範囲から決定され得るか、LECR212内の非中心点から決定され得るか、エラーフリー製造空間210における非LECR矩形内の点から決定され得るか、LECR212内の値の範囲から決定され得るか、圧力対時間空間における一連の充填ステップ時間及び充填ステップ圧力として決定され得るか、又はエラーフリー製造空間210の別の点から決定され得る。実施形態では、DOE入力パラメータ値は、中心点214の周りの値の範囲から決定され得るか、又はエラーフリー製造空間210における別の点の周りの値の範囲から決定され得る。加えて、DOE入力パラメータは、ステップ時間、ステップ圧力、冷却時間、及び/又は圧力プロセス係数を含んでもよい。DOEパラメータの可能な入力値の範囲を決定するために閾値が使用されてもよい。例えば、DOEパラメータの入力値が2秒のステップ時間を含み、0.5秒の閾値が許容されると判定されてもよく、したがって、DOEパラメータの値は、1.5~2.5秒の任意の値に決定されてもよい。閾値は、ユーザによって決定され、システムに入力されるか、LECR最適化プロセス中に決定されるか、又は複数の射出成形サイクルにわたる部品の欠陥解析を介して決定されてもよい。
【0030】
実施形態では、ユーザは、LECR以外の異なる矩形を選択してもよい。例えば、ユーザは、射出成形サイクルを所与の時間内に実行する必要があることがあり、したがって、最大許容時間は、無欠陥製造空間210のサブ領域を画定してサブ領域のLECRを決定し得る。加えて、射出システムは、無欠陥製造空間210における矩形のサイズを限定する最大PFill圧力を有することが必要になる場合がある。このような限界は、成形部品寸法のより大きい公差をもたらし得ることを理解されたい。それにもかかわらず、これにより、オペレータは、射出成形プロセスの他の動作態様を強調するようにDOE最適化プロセスを調整することが可能になる。実施形態では、ユーザは、ユーザインターフェースを介して(例えば、モバイルデバイス上のスクリーン、コンピューティングデバイス上のスクリーン、モニタを介して、データセットを通じて、など)無欠陥製造空間210における複数の矩形を提供されてもよく、ユーザは、射出成形システムのDOEのために、及び/又は射出成形システムを使用した部品の製造のために内部で動作する所与の矩形を選択してもよい。
【0031】
LECRは、無欠陥製造空間210における絶対最大面積矩形であるとは限らないことに留意されたい。LECRは、時間軸に平行な水平境界と、PFill圧力軸に平行な垂直境界を有する最大面積の矩形であり、本明細書では、この矩形を考察のために水平矩形として示す。LECRを確実に水平矩形に限定すると、PFill圧力及びPFill持続時間が互いに独立し、したがって、PFill圧力及び/又はPFill持続時間は、PFill圧力及びPFill持続時間が結合することも、又はPFill圧力がPFill持続時間に依存することも、又はPFill持続時間がPFill圧力に依存することもなしに、LECR内で独立に調整又は変更され得る。したがって、このことは、DOEプロセスの一部として実行される統計的回帰を簡略化し、DOEプロセスを完了するために必要な実験の回数を削減し得る。
【0032】
図4は、LECR最適化に従ってDOEを実行するための最適化されたパラメータを決定するために図1のワークステーションコンピュータ40などのコンピューティングデバイスのプロセッサによって実行されるプロセス400の実施形態を示すフローチャートである。図4は、本明細書で更に詳細に考察される方法の簡略化された説明を提供するために、ここで提示されるハイレベル図である。例えば、図4のブロック及びステップのうちのいくつかは、本開示では更に詳細なプロセスに分割される。プロセス400は、開示されるLECR技術を実施するための一例としてのプロセスであり、他の実施形態は、本明細書の他の部分で説明するプロセスを含む代替プロセスを実施し得ることを理解されたい。
【0033】
ブロック402において、ワークステーションコンピュータ40は、圧力対時間座標空間において低圧対時間曲線を画定する第1の複数の圧力対時間データセットを取得する。第1の複数の圧力対時間データセットは、図1の射出成形装置10などの射出成形機によって実行される複数の成形サイクルについての充填ステップ圧力及び対応する充填ステップ時間を示す。第1の複数の圧力対時間データセットを取得するために、ワークステーションコンピュータ40は、コントローラ50と通信して、成形サイクルごとに異なる制御パラメータを有する成形サイクルを実行するように射出成形機を構成してもよい。したがって、圧力対時間データセットは、制御パラメータを変更し、射出成形システム10から対応する測定値を取得するための反復プロセスを使用することによって取得される。
【0034】
センサは、圧力対時間データをコントローラ50及び/又はワークステーションコンピュータ40に提供してもよい。次いで、ワークステーションコンピュータ40は、第1の複数の圧力対時間データセット、又はそのサブセットから、圧力対時間座標空間における低圧対時間曲線(すなわち、図3のショートショット限界線202)を画定してもよい。実施形態では、低圧対時間曲線は、ワークステーションコンピュータ40によって画定又は決定されてもよく、ワークステーションコンピュータ40は、射出成形機10の低圧対時間較正サイクルを実行するようにコントローラ50を構成してもよい。低圧対時間較正サイクルは、ワークステーションコンピュータ40が、射出成形サイクルを実行するための複数のパラメータ値をコントローラ50に設定することを含んでもよい。コントローラ50は、射出成形機10を制御して成形サイクルを実行してもよく、各成形サイクルは、対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を有する。ワークステーションコンピュータ40は、充填ステップ圧力及び充填ステップ時間をメモリに記憶し、メモリに記憶された充填ステップ圧力及び充填ステップ時間からのサブセットとして低圧対時間曲線を画定してもよい。実施形態では、ユーザは、LECR最適化を実行するためのパラメータ値をワークステーションコンピュータ40に入力してもよい。例えば、ワークステーションコンピュータ40は、低圧対時間曲線を決定するための初期成形サイクル又は第1の成形サイクルについての充填ステップ圧力の指示をワークステーションコンピュータ40のユーザインターフェースを介して受信してもよい。加えて、ワークステーションコンピュータ40は、低圧対時間曲線を決定するための連続した成形サイクル間の充填ステップ時間を増分する充填ステップ時間増分を識別してもよく、更に、ワークステーションコンピュータ40は、受信された第1の成形サイクル充填ステップ圧力及び充填ステップ時間増分から複数の成形サイクルの各成形サイクルについての充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を定義してもよい。実施形態では、充填ステップ時間増分は、ワークステーションコンピュータ40のユーザによって入力され、メモリ又はネットワークからワークステーションコンピュータ40によって受信され得るか、又は他のパラメータ及び/又は要因に基づいてワークステーションコンピュータ40によって導出され得る。
【0035】
ブロック404において、ワークステーションコンピュータ40は、圧力対時間座標空間における高圧対時間曲線を画定する第2の複数の圧力対時間データセットを取得する。次いで、ワークステーションコンピュータ40は、第1の複数の圧力対時間データセット、又はそのサブセットから、圧力対時間座標空間における高圧対時間曲線(すなわち、図3のバリ限界線204)を画定してもよい。実施形態では、高圧対時間曲線は、ワークステーションコンピュータ40によって画定又は決定されてもよく、ワークステーションコンピュータ40は、射出成形機10の高圧対時間較正サイクルを実行するようにコントローラ50を構成してもよい。高圧対時間較正サイクルは、射出成形サイクルを実行するための複数のパラメータ値を伴うコントローラ50を構成するワークステーションコンピュータ40を含んでもよい。コントローラ50は、射出成形機10を制御して成形サイクルを実行してもよく、各成形サイクルは、対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を有する。ワークステーションコンピュータ40は、充填ステップ圧力及び充填ステップ時間をメモリに記憶し、高圧対時間曲線を、メモリに記憶された充填ステップ圧力及び充填ステップ時間からのサブセットとして画定してもよい。実施形態では、ユーザは、LECR最適化を実行するためのパラメータ値をワークステーションコンピュータ40に入力してもよい。例えば、ワークステーションコンピュータ40は、高圧対時間曲線を決定するための初期成形サイクル又は第1の成形サイクルについての充填ステップ圧力の指示をワークステーションコンピュータ40のユーザインターフェースにおいて受信することができる。加えて、ワークステーションコンピュータ40は、高圧対時間曲線を決定するための連続した成形サイクル間の充填ステップ時間を増分する充填ステップ時間増分を識別してもよく、更に、ワークステーションコンピュータ40は、受信された第1の成形サイクル充填ステップ圧力及び充填ステップ時間増分から複数の成形サイクルの各成形サイクルの充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を定義してもよい。実施形態では、充填ステップ時間増分は、ワークステーションコンピュータ40のユーザによって入力され、メモリ又はネットワークからワークステーションコンピュータ40によって受信され得るか、又は他のパラメータ及び/又は要因に基づいてワークステーションコンピュータ40によって導出され得る。
【0036】
ブロック406において、ワークステーションコンピュータ40は、図3の無欠陥製造空間210などの、第1の幾何学的形状の2つの表面を画定する。第1の表面は、低圧対時間曲線によって画定され、第2の表面は、高圧対時間曲線によって画定される。加えて、幾何学的形状の上面は、第1及び第2の表面の最大圧力値データポイントを接続することによって画定され、幾何学的形状の底面は、第1及び第2の表面の最小圧力値データポイントを接続することによって画定される。したがって、第1の幾何学的形状は、第1の表面、第2の表面、上面、及び底面によって画定される。
【0037】
ブロック408において、ワークステーションコンピュータ40は、図3を参照して説明するように、圧力対時間座標空間における第1の幾何学的形状内で、かつ第1の幾何学的形状によって制限される複数の幾何学的形状を画定する。
【0038】
ブロック410において、ワークステーションコンピュータ40は、複数の幾何学的形状のうちで、圧力対時間座標空間において最大面積を有する幾何学的形状である第2の幾何学的形状を識別し、ブロック412において、ワークステーションコンピュータ40は、識別された最大面積の幾何学的形状からDOEパラメータ値を生成する。この方法は、ワークステーションコンピュータ40を、図3の中心点214などの、最大面積の幾何学的形状の中心点を識別することを更に含んでもよい。先に考察されたように、最大面積の幾何学的形状の中心点214は、成形サイクルパラメータ変動(例えば、温度、圧力変化など)に対してロバストであり、欠陥が最小限に抑えられるか又は欠陥がない部品を製造する可能性が高い(すなわち、70%超、80%超、又は90%超の可能性)、DOEを実行するためのパラメータ値を提示し得る。加えて、ワークステーションコンピュータ40は、中心点214の周りのステップ時間値の範囲及びステップ圧力値の範囲を識別してもよく、ワークステーションコンピュータ40は、ステップ時間値及びステップ圧力値の識別された範囲からDOEパラメータ値を生成してもよい。更に、ワークステーションコンピュータ40は、射出成形サイクルを実行するための決定されたステップ時間及びステップ圧力値をコントローラ50に提供してもよい。
【0039】
境界を画定し、LECR内に位置する各データポイントは、圧力対時間座標空間において一般的な位置に位置する(すなわち、各データポイントは、ステップ時間及びステップ圧力値の独立したセットを有する)。当業者が認識するように、無欠陥製造空間(例えば、図3の空間210)の境界を画定するより大きい幾何学的形状のデータポイントは、無欠陥製造空間内に含まれる幾何学的形状の辺又は頂点が無欠陥製造空間の境界と接触する場合、この制限された内部幾何学的形状の支点又は接点とみなされる。幾何学的形状又は多角形は、多角形又は幾何学的形状の各辺が無欠陥製造空間の境界によって支持される場合、無欠陥製造空間内の最大サイズであるとみなされる。したがって、いくつかの実施形態では、LECRは、無欠陥製造空間内の各制限された矩形のサイズを最大化し、最大サイズの制限された矩形(又は他の幾何学的形状)のうちのどれが最大面積を有するかを判定することによって決定される。例えば、図3に示すように、矩形などの幾何学的形状は、低圧対時間曲線(すなわち、ショートショット限界線202)上のデータポイントである第1の頂点と、高圧対時間曲線(すなわち、バリ限界線204)のデータポイントである第2の頂点とを有してもよい。
【0040】
図5A、5B、及び図6~8は、射出成形を実行するためのパラメータのLECR最適化を実行するために必要なショートショット限界線202(すなわち、低圧対時間曲線)、バリ限界線204(すなわち、高圧対時間曲線)及び他のパラメータを決定するためにワークステーションコンピュータ40、コントローラ50、及び射出成形システム12によって実行され得る方法のフローチャートである。
【0041】
図5A及び5Bは、射出成形システム12を制御して、圧力対時間座標空間内の低ステップ時間座標(すなわち、図3の低-低座標220)における低圧力を決定するためにワークステーションコンピュータ40及びコントローラ50によって実行され得る方法500及び550のフローチャートである。方法500及び550は、低圧対時間曲線を示す第1の複数の圧力対時間データセットを取得するときに図4の方法400のブロック402の一部として実行されてもよい。図5Aの方法500は、図3の低-低座標220についての圧力値を決定するためにワークステーションコンピュータ40によって実施されてもよい。ブロック502において、方法500はまず、ワークステーションコンピュータ40が射出成形サイクルを実行するための初期パラメータ値をコントローラ50に設定することを含む。ワークステーションコンピュータ40は、ステップ時間を金型を充填するのに必要な時間よりも大きい初期値に設定する。例えば、決定された充填及び保持時間が約4秒である場合、金型を充填するには、ステップ時間を6秒又は8秒に設定するのが適切である。部品を充填するのに必要な時間よりも長いステップ時間を選択することにより、ステップ時間が製造中に欠陥の原因となる可能性がなくされ、最低圧力ポイントを決定することが可能になる。ユーザが、ワークステーションコンピュータ40のユーザインターフェースを介してワークステーションコンピュータ40に初期ステップ時間を入力し得るか、又は初期ステップ時間が、ワークステーションコンピュータ40と通信しているメモリ又はネットワークからワークステーションコンピュータ40によって取り込まれ得る。LECR最適化によって、コントローラ50に適切なパラメータ及び値を設定することができる。
【0042】
ブロック504において、ワークステーションコンピュータ40は、射出成形サイクルを実行するための初期ステップ圧力をコントローラ50に設定する。初期ステップ圧力は、所与のステップ時間で部品を充填するのに十分高い圧力値であるべきである。図2に示すプロファイルの場合、ステップ圧力はPFill圧力であってもよい。他の実施形態では、ステップ圧力はPHoldステップ圧力であってもよい。同様に、図2の部分108に対応するPHold圧力の低減を実施しない実施形態では、ステップ圧力は、圧力曲線102についての単一ステップ圧力値であってもよい。ワークステーションコンピュータ40が初期ステップ圧力を決定し得るか、又はワークステーションコンピュータ40が、ワークステーションコンピュータ40と通信しているメモリ又はネットワークから初期ステップ圧力を取り込み得る。代替的に、ユーザが、ワークステーションコンピュータ40のユーザインターフェースを介して、ワークステーションコンピュータ40に初期ステップ圧力を入力してもよい。
【0043】
ブロック506では、ワークステーションコンピュータ40は、射出成形装置10によって初期成形サイクルを実行するようにコントローラ50を構成する。初期成形サイクルによる製造品には欠陥がないことが期待される。初期成形サイクルによって製造された部品に欠陥がある場合、特定の金型形状及び射出成形システムを考慮して、欠陥のない部品の製造に十分な新しいステップ時間及びステップ圧力が設定される。
【0044】
初期成形サイクルによって欠陥のない部品が製造されると、ブロック508において、ワークステーションコンピュータ40は、低減させたステップ圧力を決定し、低減させたステップ圧力をコントローラ50に提示する。例えば、初期ステップ圧力が13000psiであり、製造された部品がいかなる欠陥も示さない場合、圧力は、LECR最適化に必要であるか又は望ましい分解能の量に応じて12500psi又は12000psiに低減させることができる。ステップ圧力は、100~500psi、500~1000psi、1000~1500psi、又は1500psiを超える増分によって低減させてもよい。圧力低減は、欠陥のない部分を形成する最高圧力と欠陥のない部分を形成する最低圧力(すなわち、低-高座標222の圧力値及び低-低座標220の圧力値)との差を、LECRの分解能に望ましいか又は必要とされるポイントの数で割った値によって決定されてもよい。例えば、最低無欠陥圧力が5,000であり、最高無欠陥圧力が10,000であり、LECRラインに必要な分解能が10ポイントである合、500psiの増分を使用してもよい。目標は、時間許容範囲が圧力許容範囲に対してどれだけより広いかを見出すことであり、典型的には、より低い圧力は、より高い圧力よりもはるかに大きい時間差を有する。ワークステーションコンピュータ40がステップ圧力低減の量を決定し得るか、又はワークステーションコンピュータ40が、ワークステーションコンピュータ40と通信しているメモリ若しくはネットワークからステップ圧力低減を取り込み得る。代替的に、ユーザが、ワークステーションコンピュータ40のユーザインターフェースを通じて、低減させたステップ圧力又はステップ圧力を低減させる量をワークステーションコンピュータ40に提示してもよい。
【0045】
ブロック510において、コントローラ50は、射出成形装置10を制御して、新しいステップ圧力による試験成形サイクルを実行する。ブロック512において、成形サイクルからの製造された部品を分析して、部品がショートショット欠陥、ヒケ、又は別の見える欠陥などの欠陥を有するかどうかを判定する。部品は、ワークステーションコンピュータ40のユーザによって目視検査され得るか、又は他の方法によって検査され得る。実施形態では、部品が、撮像機器によって外部及び/又は内部の欠陥について走査されてもよく、ワークステーションコンピュータ40などのシステムが、走査結果を解析して、部品が欠陥を有するかどうかを判定してもよい。部品が欠陥を有さないと判定された場合(「いいえ」)、方法はブロック508に戻り、ワークステーションコンピュータ40は更にステップ圧力を低減させる。ブロック510において、コントローラ50は、射出成形装置10を制御して、新しいステップ圧力による新しい試験成形サイクルを実行し、ブロック512において、より低いステップ圧力を用いて製造された新しい部品を検査して、部品が欠陥を有するかどうかを判定する。このサイクルは、製造された部品が欠陥を有すると判断されるまで反復される(「はい」)。
【0046】
部品が欠陥を有すると判定されると、ブロック512において、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック514において実行されたステップ圧力低減の最新の量よりも少ない量だけステップ圧力を増大させる。例えば、ブロック508において、ステップ圧力が最近13000psi~12000psiに低減した場合、ブロック514において、ステップ圧力を終了成形サイクルのために12000psi~12500psiに増大させてもよい。ブロック514における圧力増大の分解能は、ブロック508における圧力低減の分解能より小さくてもよい。ワークステーションコンピュータ40は、射出成形サイクルを実行するための新しい増大させたステップ圧力をコントローラ50に提示し、コントローラ50は、ブロック516で射出成形装置10を制御して終了成形サイクルを実行する。
【0047】
ブロック518において、部品を検査して、部品が欠陥を有するかどうかを判定する。先に考察されたように、部品は、見た目でわかる欠陥についてユーザによって解析され、かつ/又は製造された部品が欠陥を有するかどうかを判定するためにセンサシステム及び関連するワークステーションコンピュータ40又はプロセッサによって解析されてもよい。部品が欠陥を有する場合(「はい」)、方法500はブロック514に戻り、ワークステーションコンピュータ40は再びステップ圧力を増大させる。
【0048】
ブロック514に戻ると、ワークステーション40は、欠陥のない部品を製造した試験成形サイクルで使用された以前のステップ圧力と直前のステップ圧力との間の値にステップ圧力を増大させる。加えて、ステップ圧力の変更は、欠陥がほとんど又はまったくない部品を製造するための射出成形システムの所与の圧力許容範囲又は誤差許容範囲によって決定されてもよい。例えば、13000psiにおいて欠陥のない部品が製造され、現在の終了成形サイクルにおいて12500psiで欠陥のある部品が作製された場合、ステップ圧力は、12600psi、12750psi、12800psi、又は13000psi未満の別の圧力値に増大させてもよい。ワークステーションコンピュータ40がコントローラ50に新しいステップ圧力を提示すると、コントローラ50は、射出成形装置10を制御してブロック516で別の終了モールドサイクルを実行し、ブロック図518において得られた製造された部品に欠陥があるかどうかが検査される。代替的に、ブロック518において、部品に欠陥がないと判定された場合(「いいえ」)、終了モールドサイクルで使用された最新のステップ圧力は、LECR最適化に必要な低圧値であると判定され、ワークステーションコンピュータ40は、この低圧値をメモリに記録するか、そうでなければ、この低圧値を記憶する。
【0049】
実施形態では、低圧値を更に改善するために、ブロック518において、部品に欠陥がないと判定された場合(「いいえ」)、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック508に戻り、更に小さい分解能によって圧力を低減させ、同様に、ブロック514において更に小さい分解能によって圧力を増大させてもよい。結果として、ワークステーションコンピュータ40は、低-低座標220の圧力値をより正確に決定し得る。低-低座標220の精度を向上させることは、欠陥がないか又は最小限に抑えられた部品を製造するための特定の圧力許容範囲及び/又は誤差許容範囲内での動作を必要とする特定の射出成形システムに必要とされるか又は望ましい場合がある。
【0050】
図5Bにおいて、方法550は、低ステップ時間座標、すなわち低-低座標220における低圧のステップ時間値を決定するためにワークステーションコンピュータ40によって実施されてもよい。ブロック552において、方法550は、最初に、ワークステーションコンピュータ40が射出成形サイクルを実行するための初期パラメータ値をコントローラ50に提示することを含む。ワークステーションコンピュータ40は、ステップ圧力を方法500において決定された低圧力値に設定する。ステップ圧力は、低ステップ時間値を分離するために、方法550の残りの部分について低圧力値に維持される。ブロック554において、ワークステーションコンピュータ40は、コントローラ50に初期ステップ時間を提示する。実施形態では、初期ステップ時間は、方法500に使用されるステップ時間と同じ値、すなわち、8秒であってもよい。他の実施形態では、初期ステップ時間は、方法500に使用されるステップ時間よりも短い時間であり得るが、空洞圧力応答を達成することができるステップ時間よりも長い。例えば、5秒のステップ時間が空洞圧力応答を達成する場合、初期ステップ時間は、7秒、6秒、5.5秒、又は5秒~8秒の別のステップ時間であってもよい。ワークステーションコンピュータ40が初期ステップ時間を決定し得るか、又はワークステーションコンピュータ40が、ワークステーションコンピュータ40と通信しているメモリ又はネットワークから初期ステップ時間を取り込み得る。代替的に、ユーザが、ワークステーションコンピュータ40のユーザインターフェースを介して、ワークステーションコンピュータ40に初期ステップ時間を入力してもよい。
【0051】
ブロック556では、ワークステーションコンピュータ40は、射出成形装置10によって初期成形サイクルを実行するようにコントローラ50を構成する。製造された部材に欠陥がないことが期待される。部材に欠陥がない場合、新しい、より長いステップ時間が初期ステップ時間として使用されてもよい。新しいステップ時間は、ステップ時間増分値によって決定され得るか、プロセッサによって決定され得るか、コントローラ若しくはプロセッサによってメモリ若しくは他の機械可読媒体から取り込まれ得るか、又はユーザによって提供され得る。
【0052】
初期成形サイクルによって欠陥のない部品が製造されると、ブロック558において、ワークステーションコンピュータ40は、短縮させたステップ時間を決定し、短縮させたステップ時間をコントローラ50に提示する。例えば、初期ステップ時間が8秒であり、製造された部品がいかなる欠陥も示さない場合、ワークステーションコンピュータ40は、LECR最適化に必要とされるか又は望ましい分解能の量に応じて、ステップ時間を7秒又は6秒に短縮することができる。加えて、ステップ時間の短縮又は分解能は、射出成形装置10の誤差閾値又はステップ時間動作閾値によって決定されてもよい。ワークステーションコンピュータ40が、短縮させたステップ時間を決定し得るか、又はワークステーションコンピュータ40が、ワークステーションコンピュータ40と通信しているメモリ又はネットワークから短縮させたステップ時間を取り込み得る。代替的に、ユーザが、ワークステーションコンピュータ40のユーザインターフェースを介して、ワークステーションコンピュータ40に短縮させたステップ時間を入力してもよい。
【0053】
ブロック560において、コントローラ50は、射出成形装置10を制御して、新しいステップ時間による試験成形サイクルを実行する。ブロック562において、成形サイクルからの製造された部品を分析して、部品がショートショット欠陥、ヒケ、又は別の見える欠陥などの欠陥を有するかどうかを判定する。部品は、ワークステーションコンピュータのユーザによって目視検査され得るか、又は他の方法で検査され得る。実施形態では、部品が、撮像機器によって外部及び/又は内部の欠陥について走査されてもよく、ワークステーションコンピュータ40などのシステムが、走査結果を解析して、部品が欠陥を有するかどうかを判定してもよい。部品が欠陥を有さないと判定された場合、方法550はブロック558に戻り、ワークステーションコンピュータ40は更にステップ時間を短縮する。ブロック560では、コントローラ50は、射出成形装置10を制御して、新しいステップ圧力による新しい成形サイクルを実行し、ブロック562において、より低いステップ圧力によって製造された新しい部品を検査して、部品が欠陥を有するかどうかを判定する。このサイクルは、製造された部品が欠陥を有すると判定されるまで反復的かつ連続的に行われる。
【0054】
部品が欠陥を有すると判定されると、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック564においてステップ時間を延長させる。ステップ時間の延長は、ブロック566で実行される最新のステップ時間短縮の量未満であるべきであり、ブロック516における増大させたステップ時間で終了成形サイクルが実行される。例えば、ブロック558において、ワークステーションコンピュータ40が直近でステップ時間を8秒から6秒に短縮した場合、ブロック564において、ワークステーションコンピュータは、終了モールドサイクルのためにステップ時間を6秒から6.5秒に延長してもよい。ワークステーションコンピュータ40は、射出成形サイクルを実行するための新しい延長したステップ時間をコントローラ50に提示し、コントローラ50は、ブロック566において射出成形装置10を制御して終了成形サイクルを実行する。
【0055】
ブロック568において、部品を検査して、部品が欠陥を有するかどうかを判定する。先に考察されたように、部品は、見た目でわかる欠陥についてユーザによって解析され、かつ/又は製造された部品が欠陥を有するかどうかを判定するためにセンサシステム及び関連するワークステーションコンピュータ40又はプロセッサによって解析されてもよい。部品が欠陥を有する場合(「はい」)、方法550はブロック564に戻り、ワークステーションコンピュータ40は再びステップ時間を延長する。ステップ時間は、欠陥のない部品を製造した試験成形サイクルで使用された直前のステップ時間を超える値に増大すべきではない。加えて、ステップ時間の変更は、欠陥がほとんど又は全くない部品を製造するための射出成形システムの所与のステップ時間許容範囲又は誤差許容範囲によって決定されてもよい。例えば、部品が8秒で欠陥なしに製造され、現在の最終成形サイクルが6.5秒で欠陥のある部品を製造した場合、ステップ時間は、6.75秒、7秒、7.5秒、又は8秒未満の別の時間値に増大させてもよい。ワークステーションコンピュータ40が、コントローラ50に新しいステップ時間を提示すると、コントローラ50は、ブロック566において、射出成形装置10を制御して別の終了モールドサイクルを実行し、ブロック568において、得られた製造された部品が欠陥について検査される。代替的に、ブロック568において、部品に欠陥がないと判定された場合、次いで、ブロック570において、終了モールドサイクルで使用される最新のステップ時間は、LECR最適化に必要な低時間値であると判定され、ワークステーションコンピュータ40は、低圧力値をメモリに記録するか、又は場合によっては、低圧力値を記憶する。低圧値及び低時間値は、無欠陥製造ゾーンの低ステップ時間点での低圧を共に表し、場合によっては、本明細書では低-低座標220と称される。
【0056】
実施形態では、低時間値を更に改善するために、ブロック568において、部品に欠陥がないと判定された場合(「いいえ」)、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック558に戻り、ステップ時間を更に小さい分解能によって短縮し、同様に、ブロック564においてステップ時間を更に小さい分解能によって延長してもよい。結果として、ワークステーションコンピュータ40は、より正確な時間値を決定し得る。低-低座標220の精度を向上させることは、欠陥がないか又は最小限に抑えられた部品を製造するための特定の時間許容範囲及び/又は誤差許容範囲内での動作を必要とする特定の射出成形システムに必要であるか又は望ましい場合がある。
【0057】
図6は、高圧及び低ステップ時間点座標LECR最適化(すなわち、図3の無欠陥製造空間210の低-高座標222)を判定するための方法600のフローチャートである。方法600は、ブロック402で第1の複数の圧力対時間データセットを取得し、低圧対時間曲線を決定するための方法400の一部として実行されてもよい。方法600は、ブロック602において、ワークステーションコンピュータ40が、コントローラ50のステップ時間及びステップ圧力を、図5A及び図5Bの方法500及び550によって決定される低-低座標220値に設定することから始まる。ブロック604において、ワークステーションコンピュータ40は、コントローラ50に提示される圧力値を増大させ、ワークステーションコンピュータ40は、コントローラ50に提示されるステップ時間を短縮する。実施形態では、ユーザが、圧力増大及び/又は時間延長を確認し得るか、又はコントローラ50が、ステップ時間、ステップ圧力などの他の指標に基づいて圧力増大及び/又は時間延長を決定し得る。所与のシステム及び金型形状についてのステップ圧力ウィンドウに応じて、ステップ時間を短縮して過充填又はバリの可能性を低減させる必要がある。ワークステーションコンピュータ40は、ステップ圧力を100~500psi、250~750psi、500~1000psi、1000psiを超える量、又は無欠陥製造空間及びLECR最適化の必要な分解能又は望ましい分解能に依存する別の圧力量を増大させてもよい。ワークステーションコンピュータ40によって決定され、成形サイクルに使用される圧力値の各々は、本明細書では圧力ステップと称される。
【0058】
ブロック606において、コントローラ50は、射出成形装置10を制御して試験成形サイクルを実行する。ブロック608において、部品は、欠陥について検査される。先に考察されたように、部品は、見た目でわかる欠陥についてユーザによって解析され、かつ/又は製造された部品が欠陥を有するかどうかを判定するためにセンサシステム及び関連するワークステーションコンピュータ40又はプロセッサによって解析されてもよい。部品が欠陥を有さないと判定された場合(「いいえ」)、方法600がブロック604に戻り、ワークステーションコンピュータ40が再びステップ圧力を増大させ、ステップ時間を短縮する。ワークステーションコンピュータ40は、新しいステップ圧力及びステップ時間をコントローラ50に提示し、コントローラ50は、ブロック606において射出成形装置10を制御して新しい試験成形サイクルを実行する。新たに成形された部材は、ブロック608で欠陥について検査される。欠陥があると判定される部材が成形されるまで、プロセスは反復的に実行される。LECR最適化は、所望又は必要に応じて、現在説明しているサイクルの3回、4回、又は5回以上の反復を使用して実行されてもよい。ブロック608において、部材が欠陥を有すると判定された場合(「はい」)、最新の試験成形サイクルで使用される圧力値は、高圧値であると判定され、ブロック610において記録又は記憶される。代替的に、ブロック608において、部材が欠陥を有すると判定された場合、ワークステーションコンピュータ40は、低-高座標222の分解能を増大させ得る成形サイクルを実行するための他の圧力値を決定してもよい。
【0059】
ブロック612において、ワークステーションコンピュータ40は、ステップ圧力を高圧値に維持し、一方、ワークステーションコンピュータ40は、ステップ時間を短縮し、追加の成形サイクルを実行するための新しいステップ時間をコントローラ50に提示する。ブロック614において、コントローラ50は、射出成形装置10を制御して、終了成形サイクルを実行する。得られた成形部品は、ブロック616において欠陥について検査される。部品が欠陥を有さないと判定された場合、方法はブロック612に戻り、ワークステーションコンピュータ40は、ステップ時間を更に短縮する。
【0060】
ワークステーションコンピュータ40は、コントローラ50に更に短縮したステップ時間を提供し、ブロック614において、コントローラ50は、射出成形装置10を制御して、新しい終了成形サイクルを実行する。ブロック614において、新たに製造された部材が欠陥について検査される。このサイクルは、製造された部材が欠陥を有すると判定されるまで反復的に実行される。ブロック614において、部材が欠陥を有すると判定された場合、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック616において、最新の終了成形サイクルに使用される現在のステップ時間を記憶するか又は場合によっては記録する。代替的に、ブロック614において、部材が欠陥を有すると判定された場合、ワークステーションコンピュータ40は、低-高座標222の分解能を増大させ得る成形サイクルを実行するための他の時間値を決定してもよく、ワークステーションコンピュータ40は、より高い分解能時間値を記憶又は記録してもよい。方法600において、記録された高圧値及び低ステップ時間は、無欠陥製造ゾーン210の高-低座標222を表す。方法600の全体にわたって、5000psi範囲、3000psi範囲、2000psi範囲、又は部品に使用される成形システム、金型形状、及び材料に依存する別のpsi範囲にわたる圧力を使用することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、本明細書で説明するように、LECR最適化を実行するには1000psiを超える圧力範囲が必要とされることがある。
【0061】
明確さ及び簡略化のために、方法600で使用される圧力値は、低-低圧(すなわち、低圧値)、第1の圧力ステップ、第2の圧力ステップ、第3の圧力ステップなどと称されることがあり、高-低圧値(すなわち、高圧値)で終了し、圧力ステップの数は、方法600において上部ループ(ブロック604、606、及び608)によって実行される反復の数によって決定される。以下の考察では、設定された回数の反復又は任意の反復方法サイクルが使用されてもよいが、明確さ及び考察のためにのみ特定の回数のサイクル又は反復が使用され、本明細書で説明する方法には任意の数の分解能、反復、又はサイクルが使用又は実行されてもよいことを理解されたい。
【0062】
図7は、方法600のステップ圧力の各々について低ステップ時間を決定するための方法700のフローチャートである。低ステップ時間及びステップ圧力を含む完成したデータセットは、低圧対時間曲線を定義する圧力対時間データセットとみなされてもよい。したがって、図5A、5B、6及び7の方法は、全体として、図4の方法400の一部を実行し、具体的には、ブロック402において第1の複数の圧力対時間データセットを取得し、低圧対時間曲線を決定するための方法の実施形態について説明するものとみなされてもよい。ブロック702において、ワークステーションコンピュータ40は、ステップ時間を低-低ステップ時間に設定し、ワークステーションコンピュータ40は、ステップ圧力を第1の圧力ステップに設定する(すなわち、第1の圧力ステップは、低-低ステップ圧力より高い方法600の第1の圧力である)。
【0063】
ワークステーションコンピュータ40は、コントローラ50にステップ時間及びステップ圧力を提示し、ブロック704において、コントローラ50は、射出成形装置10を制御して成形サイクルを実行する。得られた部材は、ブロック706において欠陥について検査される。部材が欠陥を有さないと判定された場合(「いいえ」)、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック708においてステップ時間を短縮する。ワークステーションコンピュータ40は、コントローラ50に短縮したステップ時間を提示し、コントローラ50は、ブロック704において射出成形装置10を制御して新しい成形サイクルを実行する。次いで、ブロック図706において、新しい部材が欠陥について検査される。部材が欠陥を有すると判定された場合(「はい」)、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック710において現在のステップ時間及びステップ圧力を記録し、これらの値を第1の圧力-時間低限界データポイントとして記憶する。
【0064】
ワークステーションコンピュータ40は次いで、第1、第2、第3などの圧力ステップ712の全てについて低ステップ時間が決定されているかどうかを検査する。ワークステーションコンピュータ40は、低ステップ時間の全てが決定されているとは限らないと判定した場合(「はい」)、ブロック714において、ワークステーションコンピュータは、圧力を次の圧力ステップの圧力値に増大させ、ステップ時間を低-低ステップ時間値に設定する。次いで、方法700は、ブロック704に戻り、ワークステーションコンピュータ40は、次の圧力ステップのための低ステップ時間を決定して記憶する。したがって、方法700は、圧力ステップの各々について低ステップ時間を反復的に決定する。ブロック712において、ワークステーションコンピュータ40が、次の圧力ステップはないと判定するか、又は次の圧力ステップは高圧値であると判定した場合(「いいえ」)、方法700は716において、ワークステーションコンピュータ40が圧力ステップの圧力の各々について低ステップ時間を決定し記憶した状態で終了する。
【0065】
図8は、方法600のステップ圧力の各々について高ステップ時間を決定するための方法800のフローチャートである。高ステップ時間及びステップ圧力を含む完成したデータセットは、高圧対時間曲線、すなわち、図3のバリ限界線204を画定する圧力対時間データセットとみなされてもよい。したがって、図8の方法は、図4の方法400の一部を実行し、具体的には、ブロック404において第2の複数の圧力対時間データセットを取得し、高圧対時間曲線を決定するための方法の実施形態について説明するものとみなされてもよい。
【0066】
ブロック802において、ワークステーションコンピュータ40は、ステップ時間を低-低ステップ時間値に設定し、ワークステーションコンピュータ40は、ステップ圧力を高-低座標222の高圧値に設定する。ワークステーションコンピュータ40は、コントローラ50にステップ時間及びステップ圧力を提示し、ブロック804において、コントローラ50は、射出成形装置10を制御して成形サイクルを実行する。ブロック806において、得られた部材が欠陥について検査されるか、又はコントローラ50及び/又はワークステーションコンピュータ40によって射出サイクル問題が検出される。欠陥は、射出問題、見た目の欠陥、又は部材重量が特定の点で増大しなくなることを含む場合があり、又はそれらに起因することがある。部材が欠陥を有さないか、又は成形サイクルの問題はなかったと判定された場合(「いいえ」)、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック808においてステップ時間を延長する。ワークステーションコンピュータ40は、延長したステップ時間をコントローラ50に提示し、ブロック804において、コントローラ50は、射出成形装置10を制御して新しい射出成形サイクルを実行する。ブロック806において、新しい部材が検査され、新しい部材が欠陥を有するかどうかが判定される。部材が欠陥を有するか、又は成形サイクル問題があったと判定された場合(「はい」)、ブロック810において、ワークステーションコンピュータ40は、以前のステップ時間及びステップ圧力を図3の高-高座標224としての高圧高ステップ時間データポイントとして記録し、又は場合によっては記憶する。記録された高ステップ時間値は、現在の圧力ステップについてのゲートシール時間とも称される。
【0067】
ワークステーションコンピュータ40は次いで、第1、第2、第3などの圧力ステップ812の全てについて高ステップ時間が決定されているかどうかを検査する。ワークステーションコンピュータ40が、低ステップ時間の全てが決定されているとは限らないと判定した場合(「はい」)、ワークステーションコンピュータ40は、圧力を次の低い圧力ステップの圧力に低減させ、ブロック814においてステップ時間を以前の圧力ステップのゲートシール時間値に設定し、方法はブロック804に戻り、ワークステーションコンピュータ40は、次の圧力ステップのための高ステップ時間を決定して記憶する。
【0068】
方法800は、ワークステーションコンピュータ40が、各圧力ステップについて高ステップ時間を反復的に決定することを可能にする。ワークステーションコンピュータ40が低-低圧値についての高ステップ時間値を決定した後(すなわち、次の圧力ステップは残っていない)(「いいえ」)、ワークステーションコンピュータ40はブロック816に進み、そこで方法800は、ワークステーションコンピュータ40が圧力ステップの圧力値の各々について低ステップ時間を決定し記憶した状態で終了する。決定された最高ステップ圧力値及び対応する高ステップ時間は、高-高座標224の圧力及び時間値であり、低ステップ圧力値及び対応する高ステップ時間は、図3の低-高座標226の圧力及び時間値である。
【0069】
図3の無欠陥製造空間210によって示されるように、線は、様々な圧力ステップ点、低-低座標220、高-低座標222、高-高座標224、及び低-高座標226の間で補間することができる。実施形態では、ワークステーションコンピュータ40は、数学的回帰を実行して圧力ステップ点間の線を補間してもよい。例えば、回帰は、分割補間、線形補間、多項式補間、スプライン補間、又は別の数学的補間回帰を含んでもよい。低-低点と高-低点との間に得られる曲線は、図3のショートショット限界線202、及び図4の方法400のブロック402で決定される低圧対時間曲線であってもよい。加えて、低-高座標226と高-高座標224との間に得られる曲線は、バリ限界線204、及び図4の方法400のブロック404で決定される高圧対時間曲線であってもよい。前述のように、ワークステーションコンピュータ40は次いで、低-低座標220、高-低座標222、低-高座標226、高-高座標224のいずれか、圧力ステップのいずれか、又は補間された線の境界のいずれかに頂点を有する矩形を決定してもよい。次いで、ワークステーションコンピュータ40は、最大面積の矩形、又は複数の矩形及び対応する中心点を決定してもよく、ワークステーションコンピュータ40は、決定された矩形を更に解析するか、又は場合によっては決定された矩形を使用して、本明細書で説明するようにLECR最適化を実行する。
【0070】
図9は、射出成形サイクルの冷却時間範囲を決定するための方法900のフローチャートである。方法900は、ブロック902において、ワークステーションコンピュータ40がステップ時間を低-低座標220ステップ時間値に設定することと、ブロック904において、ワークステーションコンピュータ40がステップ圧力を低-低座標220圧力値と高-低座標222圧力値との間の値に設定することとを含む。実施形態では、ワークステーションコンピュータ40は、初期ステップ時間及び初期ステップ圧力を、LECR最適化によって決定されるか又は場合によってはLECR最適化によって導出される値に設定してもよい。ワークステーションコンピュータ40は、LECR最適化によって定義される複数のステップ時間値及びステップ圧力値を含む複数の冷却時間データセットを決定して、冷却時間範囲を決定してもよい。任意の実施形態では、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック906において、初期冷却時間を、欠陥を形成することなく部材を確実に適切に冷却する時間に設定する。例えば、ワークステーションコンピュータ40は、冷却時間を8秒に設定し、射出成形サイクルを実行するための8秒の冷却時間をコントローラ50に提示してもよい。コントローラ50は、ブロック908において射出成形装置10を制御して成形サイクルを実行してもよい。製造された部材は、ブロック910において欠陥について検査される。部材が欠陥を有さないと判定された場合(「いいえ」)、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック912において冷却時間を短縮し、方法は、ブロック908に戻り、コントローラ50は、射出成形装置10を制御して、短縮された冷却時間による別の成形サイクルを実行する。
【0071】
ブロック914において、新たに製造された部材が検査され、新たに製造された部材が欠陥を有するかどうかが判定される。製造された部材が欠陥を有すると判定された場合(「はい」)、ワークステーションコンピュータ40は、低冷却時間ブロック914を記録するか又は場合によっては記憶し、低冷却時間は、決定された冷却時間データセットにおける冷却時間のうちの1つである。欠陥には、極端な反り、取り出し問題、プッシュピン、ヒートシンク、又は出現又は発生する可能性のある別の視覚的又は機械的エラー又は欠陥が含まれる場合がある。
【0072】
低冷却時間が確立されると、ワークステーションコンピュータ40は、高冷却時間を決定して低冷却時間と高冷却時間との間の冷却時間範囲を画定してもよい。実施形態では、ワークステーションコンピュータは、高冷却時間は低冷却時間よりも3倍長いと判定してもよい。例えば、低冷却時間が2秒であると判定された場合、高冷却時間は6秒として選択されてもよい。実施形態では、高冷却時間は、成形サイクルによって製造される部材についての望ましい製造速度又は需要量に基づいて選択又は決定されてもよい。ワークステーションコンピュータ40が高冷却時間を決定し得るか、又はワークステーションコンピュータ40は、ワークステーションコンピュータ40と通信しているメモリ又はネットワークから高冷却時間を取り込み得る。代替的に、ユーザは、ワークステーションコンピュータ40のユーザインターフェースを介してワークステーションコンピュータ40に高冷却時間を入力してもよい。更に、高冷却時間は、冷却時間データセット内のデータポイントのうちの1つによって示される冷却時間であってもよい。決定された冷却時間範囲は、射出金型システムが冷却時間範囲内の冷却時間による成形サイクルを実行することを可能にするために記憶されるか又はシステムに伝達されてもよい。更に、ワークステーションコンピュータ40は、冷却時間範囲をコントローラ50に提示してもよく、コントローラ50は、射出成形装置10を制御して冷却時間範囲に従って射出成形サイクルを実行してもよい。
【0073】
図10は、ワークステーションコンピュータ40が、取得されたPFAデータセットのうちのあるセットから圧力プロセス係数A(PFA)の範囲を決定するための方法1000のフローチャートである。PFAは、金型内で測定された空洞圧力の量の乗数であり、PFAは、空洞圧力と組み合わせて使用されてプラスチック溶融圧力設定値を調整する。言い換えると、空洞圧力が増大し始めると、プラスチック溶融圧力設定値は、初期プロセス開発中に決定されるプロセス係数を使用してアルゴリズムによって計算される量低減又は増大する。プロセス係数は、部品及び材料に依存する。空洞圧力が測定されると、典型的にはプロセスの検証中に決定されるPFA乗数に基づいて、溶融圧力設定値への調整が行われる。PFAは、高品質の部品を製造するために必要に応じて調整することができる。PFAデータセットは、識別された矩形又は最大を有する他の幾何学的形状の境界を画定するデータポイントに対応し、圧力対時間空間に存在する。方法1000は、ブロック1002において、ワークステーションコンピュータ40が、コントローラ50の初期ステップ圧力を低-低座標420圧力値に設定することと、ブロック1004において、ワークステーションコンピュータ40が、コントローラの初期ステップ時間を高-高座標224ステップ時間値に設定することとを含む。実施形態では、ワークステーションコンピュータ40は、初期ステップ時間及びステップ圧力を、LECR最適化プロセスによって決定される値に設定してもよい。ワークステーションコンピュータ40は、成形サイクルを実行するためにLECRによって定義される複数のステップ時間値及びステップ圧力値を含む複数のPFAデータセットを使用してPFA範囲を決定するようにコントローラ50を構成してもよい。
【0074】
ワークステーションコンピュータ40は、初期ステップ時間及び初期ステップ圧力をコントローラ50に提示し、ブロック1006において、コントローラ50は、射出成形装置10を制御して成形サイクルを実行する。得られる部材は、ブロック1008において検査され、欠陥を有するかどうかが判定される。部材が欠陥を有さないと判定された場合(「いいえ」)、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック1010においてステップ圧力を低減させ、それによって、PFAも低減する。欠陥は、ショートショット、ヒケ、又は部材に関する他の目に見えるか若しくは目に見えない欠陥若しくは問題を含んでもよい。部材が欠陥を有すると判定された場合(「はい」)、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック1012において低PFAを記録するか又は場合によっては記憶する。低PFA値は、圧力プロセス係数データセット内のデータポイントのうちの1つによって示される値である。低PFA値を検証するために、ワークステーションコンピュータ40は、コントローラ50を、射出成形装置10を制御して低PFA及び低ステップ時間値による成形サイクルを実行するように構成してもよい。低PFA値を検証することによって、低PFA値を成形サイクル中に使用して、低-低座標220ステップ時間値から高-高座標124ステップ時間値までのステップ時間値の範囲について欠陥のない部材を製造することができる。
【0075】
方法1000は、ブロック1014において、ワークステーションコンピュータ40が、ステップ圧力及びステップ時間を高-高座標224ステップ圧力及びステップ時間値に設定することを更に含む。ワークステーションコンピュータ40は、高-高座標224ステップ圧力及びステップ時間値をコントローラ50に提示し、コントローラ50は、ブロック1016において射出成形装置10を制御して成形サイクルを実行する。得られた部材は、ブロック1018において欠陥について検査される。部材が欠陥を有さないと判定された場合(「いいえ」)、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック1020においてステップ圧力を増大させ、それによって、PFAが増大する。ワークステーションコンピュータ40は、増大させたステップ圧力をコントローラ50に提示し、コントローラ50は、射出成形装置10を制御して新しい成形サイクルを実施する。ブロック1018において、部材が欠陥を有すると判定された場合(「はい」)、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック1022において高PFA値を記憶する。高PFA値は、圧力プロセス係数データセット内のデータポイントのうちの1つによって示される値である。次いで、ワークステーションコンピュータ40は、動作可能なPFA範囲が、低PFA値と高PFA値との間のPFA値の範囲であると判定してもよい。更に、ワークステーションコンピュータ40は、コントローラ50にPFA範囲を提示してもよく、コントローラ50は、射出成形装置10を制御して冷却時間範囲に従って射出成形サイクルを実行してもよい。
【0076】
DOEパラメータが決定された後、欠陥のない部品及び部材を製造するためのDOE実験について成形サイクルが実行されてもよい。図11は、成形サイクルが、無欠陥パラメータの範囲外で実行されるか、又は他の望ましいパラメータ範囲若しくは必要なパラメータ範囲外で実行された場合に、ユーザに通知を提供するために、図1の射出成形装置10によって実行され得る方法1100のフローチャートである。方法1100は、ワークステーションコンピュータ40が、ブロック1102において許容される圧力値の範囲を識別することを含む。許容される圧力値の範囲は、本明細書で説明するLECR最適化プロセスから、実施されたDOE実験によって決定されるか、又はワークステーションコンピュータ40若しくはコントローラ50のユーザインターフェースにおけるユーザ入力によって決定されてもよい。ワークステーションコンピュータ40のユーザインターフェースは、タッチスクリーン、キーボード、数値入力インターフェース、回転ノブ、又は別の機械的又はデジタルインターフェースを含んでもよい。実施形態では、圧力値の範囲は、プロセッサによって決定され得るか、又はメモリ、ネットワーク、若しくは他の機械可読媒体からプロセッサ若しくはコントローラによって取り込まれ得る。
【0077】
方法1100は、ブロック1104において、射出装置10のノズルセンサ52又はトランスデューサ57などのセンサによって、現在の射出成形サイクルの現在の射出圧力値を検出することを更に含む。加えて、空洞圧力センサ、カメラ、型内感知機器、温度センサ、ひずみセンサ、若しくは別のセンサなどのセンサ及び/又はデバイスが、現在の射出圧力値を検出するために使用されてもよい。センサ及び/又はデバイスは、温度及び/又はひずみを測定して現在の射出圧力を決定してもよい。
【0078】
次いで、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック1106において、測定された圧力値が許容される圧力値の範囲内にあるかどうかを判定してもよく、ワークステーションコンピュータ20は、圧力偏差値を決定し、圧力偏差値をユーザインターフェースに提示して、ユーザに対して表示させるか、又は他の方法で伝達させてもよい。圧力偏差値は、測定された圧力と許容される圧力範囲の最大又は最小圧力の差によって決定されてもよい。圧力が許容される圧力値範囲内にあると判定された場合(「はい」)、方法はブロック1104に戻り、センサは新しい現在の圧力値を測定し、新しい圧力値はワークステーションコンピュータ40に通信される。ブロック1106において、現在の測定された圧力が許容される圧力値の範囲内にないと判定された場合(「いいえ」))、ワークステーションコンピュータ40は、成形サイクルが射出圧力値の許容される範囲外で動作していることを確認してもよく、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック1108において、障害のある成形サイクルの、計算された圧力偏差値を含み得る通知を生成する。通知は、生成され、ワークステーションコンピュータ40のユーザインターフェース又はコントローラ50のユーザインターフェースを介してユーザに提示されてもよい。コントローラ50のユーザインターフェースは、タッチスクリーン、ワークステーションと通信するスマートデバイス、若しくは別のビジュアルディスプレイを含んでもよい。加えて、通知は、製造工場内でローカルに、又はオフィス若しくは他の場所からリモートに、現在、射出成形機を操作している可能性があるユーザに提示されるテキストメッセージ、電子メール、又は他の通信形態であってもよい。実施形態では、射出成形サイクルに障害があると判定された場合、ワークステーションコンピュータ40が、コントローラ50に射出成形装置10を制御させて現在の射出成形サイクルを停止し得るか、又はユーザに、現在の射出成形サイクルを停止若しくは継続するオプションが提示され得る。
【0079】
任意の実施形態では、様々なステップ圧力及びステップ時間、並びに射出成形サイクルを実行するための他の関連する設定及びパラメータは、ワークステーションコンピュータ40、コントローラ50、及び/又は射出成形装置10に通信可能に結合されたコントローラ又はプロセッサのユーザインターフェースを介することなどにより、ユーザによって提供されてもよい。代替的に、射出成形サイクルを実行するためのパラメータのうちの1つ以上は、プロセッサによって決定され得るか、又はメモリ、クラウドネットワーク、若しくはデータ及び情報を記憶するための他の媒体からワークステーションコンピュータ、プロセッサ、若しくはコントローラによって取り込まれ得る。
【0080】
全体として、方法400~800は、LECR最適化を実行して、DOEを実行するための1つ以上のステップ圧力及びステップ時間を決定し、方法900及び1000は、欠陥がないか又は最小限に抑えられた部品を実行するための冷却時間の範囲及びPFA値の範囲を決定する。次いで、PFA値の決定された範囲、冷却時間、ステップ圧力(又はステップ圧力の範囲)、及びステップ時間(又はステップ時間の範囲)を、欠陥がないか又は最小限に抑えられた部品を製造するための射出成形サイクルを実行するためのパラメータ又はレシピとして使用してもよい。レシピの様々な決定されたパラメータは、ある範囲の製造サイクル時間及び/又はある範囲の製造サイクルステップ圧力を有する欠陥がないか又は最小限に抑えられた部品を製造するために使用されてもよい。更に、様々なパラメータの値は射出成形サイクル中にリアルタイムで検出され、パラメータが、潜在的に障害のある射出成形サイクルを検出し、障害のある射出成形サイクルのユーザ又はシステムに通知を提供するための許容される動作範囲内にあるかどうかを判定してもよい。
【0081】
以下の態様のリストは、本開示によって明示的に企図される様々な実施形態を反映する。当業者は、以下の態様は、本明細書に開示される実施形態の限定ではなく、上記の開示から考えられる実施形態の全ての網羅的なものでもなく、代わりに本質的に例示的なものであることを容易に理解するであろう。
【0082】
「含む(includes)」又は「含む(including)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲内で使用される限り、その用語が特許請求の範囲内の移行語として用いられるとき解釈される「含む(comprising)」という用語と同様の方式で包括的であることを意図している。更に、「又は(or)」という用語が使用される限り(例えば、A若しくはB)、「A若しくはB、又は両方」を意味することを意図する。出願人らが、「A又はBのみであり、両方ではない」ことを指すときは、「A又はBのみであり、両方ではない」という用語を使用する。このため、本明細書における「又は」という用語の使用は、包括的であり、排他的使用ではない。Bryan A.Garner,A Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995)を参照のこと。また、「内(in)」又は「内へ(into)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲内で使用される限り、「上(on)」又は「上へ(onto)」を付加的に意味することが意図される。更に、「接続する」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲内で使用される限り、「直接接続されている」だけでなく、別の構成要素又は複数の構成要素を介して接続されているなどの「間接的に接続されている」ことも意味することが意図される。
【0083】
当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に関して多種多様な修正、変更、及び組み合わせを行うことができ、そのような修正、変更、及び組み合わせは本発明の概念の範囲内にあるとみなすべきであることを認識するであろう。
【0084】
また、本特許出願の最後にある特許請求の範囲は、特許請求項において明示的に列挙される「~するための手段」又は「~するためのステップ」などの、伝統的な手段・プラス・機能用語が明示的に列挙されていない限り、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されることを意図するものではない。本明細書に記載のシステム及び方法は、コンピュータ機能の改善、及び従来のコンピュータの機能の改善を対象とする。
【0085】
実施例/組み合わせ
A.射出成形サイクルを最適化するための方法であって、
プロセッサによって、圧力対時間座標空間において低圧対時間曲線を画定する第1の複数の圧力対時間データセットを取得することと、
プロセッサによって、圧力対時間座標空間において高圧対時間曲線を画定する第2の複数の圧力対時間データセットを取得することと、
プロセッサによって、第1の幾何学的形状の、低圧対時間曲線によって画定される第1の表面及び高圧対時間曲線によって画定される第2の表面を含む、第1の幾何学的形状の2つの表面、並びに第1及び第2の表面の最大圧力値データポイントを接続することによって画定される上面及び第1及び第2の表面の最小圧力値データポイントを接続することによって画定される底面を画定することと、
プロセッサによって、圧力対時間座標空間における第1の幾何学的形状内で、かつ第1の幾何学的形状によって制限される複数の幾何学的形状を画定することと、
プロセッサによって、複数の幾何学的形状のうちで、圧力対時間座標空間における最大面積を有する幾何学的形状を識別することと、
プロセッサによって、最大面積の幾何学的形状から実験計画法パラメータを生成することと、を含む、方法。
【0086】
B.低圧対時間曲線を画定する第1の複数の圧力対時間データセットを取得することが、
コントローラによって、射出成形機によって実施される成形サイクルに従って、低圧対時間曲線較正サイクルを実行することと、
コントローラによって、射出成形機によって実行される複数の成形サイクルを実行することであって、実行される成形サイクルの各々が、対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を有する、複数の成形サイクルを実行することと、
対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間の各々をメモリに記憶することと、
プロセッサによって、低圧対時間曲線を、メモリに記憶された充填ステップ圧力及び充填ステップ時間のサブセットとして画定することと、を含む、パラグラフAに記載の方法。
【0087】
C.ユーザインターフェースにおいて、第1の成形サイクルの低充填ステップ圧力の指示を受信することと、
プロセッサによって、充填ステップ時間サイクル増分を識別することと、
プロセッサによって、第1の成形サイクルの充填ステップ圧力及び充填ステップ時間増分からの各後続の成形サイクルの充填ステップ時間を定義することと、を更に含む、パラグラフBに記載の方法。
【0088】
D.高圧対時間曲線を画定する第2の複数の圧力対時間データセットを取得することが、
コントローラによって、射出成形機によって実施される成形サイクルに従って、高圧対時間曲線較正サイクルを実行することと、
コントローラによって、射出成形機によって実行される複数の成形サイクルを実行することであって、実行される成形サイクルの各々が、対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を有する、複数の成形サイクルを実行することと、
充填ステップ圧力及び充填ステップ時間の各々をメモリに記憶することと、
プロセッサによって、高圧対時間曲線を、メモリに記憶された充填ステップ圧力及び充填ステップ時間のサブセットとして画定することと、を含む、パラグラフA~Cのいずれか1つに記載の方法。
【0089】
E.ユーザインターフェースにおいて、第2の成形サイクルの高充填ステップ圧力の指示を受信することと、
プロセッサによって、充填ステップ時間サイクル増分を識別することと、
プロセッサによって、第2の成形サイクルの充填ステップ圧力及び充填ステップ時間増分から各後続の成形サイクルの充填ステップ時間を定義することと、を更に含む、パラグラフDに記載の方法。
【0090】
F.プロセッサによって、識別された最大面積の矩形の中心点を識別することを更に含み、中心点が、圧力対時間座標空間における充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を含む、パラグラフA~Eのいずれか1つに記載の方法。
【0091】
G.プロセッサによって、中心点を含む、中心点の周りのステップ時間値の範囲を識別することと、
プロセッサによって、中心点を含む、中心点の周りのステップ圧力値の範囲を識別することと、を更に含み、
最大面積の幾何学的形状から実験計画法パラメータを生成することが、識別されたステップ時間の範囲及び識別されたステップ圧力の範囲から実験計画法パラメータを生成することと、を含む、パラグラフFに記載の方法。
【0092】
H.コントローラによって、射出成形システムを制御して、識別された中心点の充填ステップ圧力及び充填ステップ時間に従って射出成形サイクルを実行することと、を更に含む、パラグラフFに記載の方法。
【0093】
I.センサによって、現在の射出圧力値を検出することと、
ユーザインターフェースにおいて、圧力偏差値を受信することと、
プロセッサによって、識別された中心点の充填ステップ圧力及び充填ステップ時間、圧力偏差値、並びに現在の射出圧力値から射出圧力値の所定の範囲を識別することと、
プロセッサによって、射出圧力値の所定の範囲外で動作する成形サイクルを識別することと、
ユーザインターフェースによって、射出成形システムのオペレータに成形サイクルの障害を通知することと、を更に含む、パラグラフHに記載の方法。
【0094】
J.現在の射出圧力値が、空洞圧力センサ、カメラ、型内感知機器、測定された温度、及び測定されたひずみのうちの少なくとも1つによって検出される、パラグラフIに記載の方法。
【0095】
K.最大面積の幾何学的形状から実験計画法パラメータを生成することが、プロセッサによって、圧力対時間座標空間における一連の充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を識別することを含む、パラグラフA~Jのいずれか1つに記載の方法。
【0096】
L.実験計画法パラメータが、冷却時間、圧力プロセス係数、ステップ時間、又はステップ圧力のうちの少なくとも1つを含む、パラグラフA~Kのいずれか1つに記載の方法。
【0097】
M.低圧対時間曲線が、第1の複数の圧力対時間データセット内のデータのサブセットに対して数学的回帰が実行されることによって画定され、
高圧対時間曲線が、第2の複数の圧力対時間データセット内のデータのサブセットに対して数学的回帰が実行されることによって画定される、パラグラフA~Lのいずれか1つに記載の方法。
【0098】
N.低圧対時間曲線が、不十分な圧力と関連する欠陥なしに成形部品を製造する射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正するための最低充填ステップ圧力及び充填ステップ時間値の組み合わせを示す、パラグラフA~Mのいずれか1つに記載の方法。
【0099】
O.高圧対時間曲線が、過圧と関連する欠陥なしに成形部品を製造する射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正するための最高充填ステップ圧力及び充填ステップ時間値の組み合わせを示す、パラグラフA~Nのいずれか1つに記載の方法。
【0100】
P.複数の幾何学的形状の各々が、低圧対時間曲線上のデータポイントである第1の頂点と、高圧対時間曲線上のデータポイントである第2の頂点とを有する、パラグラフA~Oのいずれか1つに記載の方法。
【0101】
Q.プロセッサによって、冷却時間データセットを取得することであって、冷却時間データセットが、圧力対時間座標空間において最大面積を有する識別された矩形の境界を画定するデータポイントに対応する、取得することと、
プロセッサによって、低冷却時間を識別することであって、低冷却時間が、冷却時間データセット内のデータポイントの1つによって示される冷却時間である、識別することと、
プロセッサによって、高冷却時間を識別することであって、高冷却時間が、冷却時間データセット内のデータポイントのうちの1つによって示される冷却時間である、識別することと、
コントローラによって、識別された低冷却時間と高冷却時間との間の冷却時間による射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正することと、を更に含む、パラグラフA~Pのいずれか1つに記載の方法。
【0102】
R.プロセッサによって、圧力プロセス係数(PFA)データセットを取得することであって、圧力プロセス係数データベースセットが、圧力対時間座標空間における最大面積を有する識別された矩形の境界を画定するデータポイントに対応する、取得することと、
プロセッサによって、低圧プロセス係数値を識別することであって、低圧プロセス係数値が、圧力プロセス係数データセット内のデータポイントのうちの1つによって示される値である、識別することと、
プロセッサによって、高圧プロセス係数値を識別することであって、高圧プロセス係数値が、圧力プロセス係数データセット内のデータポイントのうちの1つによって示される値である、識別することと、
コントローラによって、識別された低圧プロセス係数値と高圧プロセス係数値との間の圧力プロセス係数による射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正することと、を更に含む、パラグラフA~Qのいずれか1つに記載の方法。
【0103】
S.コントローラによって、圧力対時間座標空間における最大面積を有する識別された幾何学的形状内のデータポイントによって示される充填ステップ圧力及び対応する充填ステップ時間を使用して射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正することを更に含む、パラグラフA~Rのいずれか1つに記載の方法。
【0104】
T.射出成形サイクルを最適化するための方法であって、
プロセッサによって、圧力対時間座標空間において低圧対時間曲線を画定する第1の複数の圧力対時間データセットを取得することと、
プロセッサによって、圧力対時間座標空間において高圧対時間曲線を画定する第2の複数の圧力対時間データセットを取得することと、
プロセッサによって、第1の幾何学的形状の、低圧対時間曲線によって画定される第1の表面及び高圧対時間曲線によって画定される第2の表面を含む、第1の幾何学的形状の2つの表面、並びに第1及び第2の表面の最大圧力値データポイントを接続することによって画定される上面及び第1及び第2の表面の最小圧力値データポイントを接続することによって画定される底面を画定することと、
プロセッサによって、圧力対時間座標空間における第1の幾何学的形状内で、かつ第1の幾何学的形状によって制限される複数の幾何学的形状を画定することと、
プロセッサによって、複数の多角形のうちで、圧力対時間座標空間における最大面積を有する多角形を識別することと、
プロセッサによって、最大面積の多角形から実験計画法パラメータを生成することと、を含む、方法。
【0105】
U.射出成形システムであって、
金型空洞を形成する金型、及び第1の位置から第2の位置に移動するスクリューを有する射出ユニットであって、溶融プラスチック材料を受け入れて、スクリューを介して金型空洞に射出し、成形部品を形成するように適合されている、射出ユニットと、
射出サイクルに従って射出成形機の動作を制御するように適合されている、コントローラと、
機械実行可能命令を実行するように構成されている、プロセッサと、を備え、機械実行可能命令が、プロセッサに、
圧力対時間座標空間において低圧対時間曲線を画定する第1の複数の圧力対時間データセットを取得させ、
圧力対時間座標空間において高圧力対時間曲線を画定する第2の複数の圧力対時間データセットを取得させ、
第1の幾何学的形状の、低圧対時間曲線によって画定される第1の表面及び高圧対時間曲線によって画定される第2の表面を含む、第1の幾何学的形状の2つの表面、並びに第1及び第2の表面の最大圧力値データポイントを接続することによって画定される上面及び第1及び第2の表面の最小圧力値データポイントを接続することによって画定される底面を画定させ、
圧力対時間座標空間における第1の幾何学的形状内で、かつ第1の幾何学的形状によって制限される複数の幾何学的形状を画定させ、
複数の幾何学的形状のうちで、圧力対時間座標空間における最大面積を有する幾何学的形状を識別させ、
最大面積の幾何学的形状から実験計画法パラメータを生成させる、射出成形システム。
【0106】
V.低圧対時間曲線を画定する第1の複数の圧力対時間データセットを取得するために、システムが、
コントローラによって、射出成形機によって実施される成形サイクルに従って、低圧対時間曲線較正サイクルを実行することと、
コントローラによって、射出成形機によって実行される複数の成形サイクルを実行することであって、実行される成形サイクルの各々が、対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を有する、複数の成形サイクルを実行することと、
対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間の各々をメモリに記憶することと、
プロセッサによって、低圧対時間曲線を、メモリに記憶された充填ステップ圧力及び充填ステップ時間のサブセットとして画定することと、を行うように構成されている、パラグラフUに記載の射出成形システム。
【0107】
W.プロセッサが、
ユーザインターフェースにおいて、第1の成形サイクルの低充填ステップ圧力の指示を受信し、
充填ステップ時間サイクル増分を識別し、かつ
第1の成形サイクルの充填ステップ圧力及び充填ステップ時間増分から各後続の成形サイクルの充填ステップ時間を定義するように更に構成されている、パラグラフU又はVに記載の射出成形システム。
【0108】
X.高圧対時間曲線を画定する第2の複数の圧力対時間データセットを取得するために、システムが、
コントローラによって、射出成形機によって実施される成形サイクルに従って、高圧対時間曲線較正サイクルを実行することと、
コントローラによって、射出成形機によって実行される複数の成形サイクルを実行することであって、実行される成形サイクルの各々が、対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を有する、複数の成形サイクルを実行することと、
充填ステップ圧力及び充填ステップ時間の各々をメモリに記憶することと、
プロセッサによって、高圧対時間曲線を、メモリに記憶された充填ステップ圧力及び充填ステップ時間のサブセットとして画定することと、を行うように構成されている、パラグラフUに記載の射出成形システム。
【0109】
プロセッサが、
ユーザインターフェースにおいて、第2の成形サイクルの高充填ステップ圧力の指示を受信し、
充填ステップ時間サイクル増分を識別し、
第2の成形サイクルの充填ステップ圧力及び充填ステップ時間増分から各後続の成形サイクルの充填ステップ時間を定義するように更に構成されている、パラグラフXに記載の射出成形システム。
【0110】
Z.プロセッサが、識別された最大面積の矩形の中心点を識別するように更に構成され、中心点が、圧力対時間座標空間内の充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を含む、パラグラフU~Yのいずれか1つに記載の射出成形システム。
【0111】
AA.プロセッサが、
中心点を含む、中心点の周囲のステップ時間値の範囲を識別し、
中心点を含む、中心点の周りのステップ圧力値の範囲を識別するように更に構成され、
最大面積の幾何学的形状から実験計画法パラメータを生成するために、プロセッサが、識別されたステップ時間の範囲及び識別されたステップ圧力の範囲から実験計画法パラメータを生成する、パラグラフU~Zのいずれか1つに記載の射出成形システム。
【0112】
AB.コントローラが、射出ユニットを制御して、識別された中心点の充填ステップ圧力及び充填ステップ時間に従って射出成形サイクルを実行するように更に構成される、パラグラフZに記載の射出成形システム。
【0113】
AC.射出成形システムが、
センサによって、現在の射出圧力値を検出し、
ユーザインターフェースにおいて、圧力偏差値を受信し、
プロセッサによって、識別された中心点の充填ステップ圧力及び充填ステップ時間、圧力偏差値、並びに現在の射出圧力値から射出圧力値の所定の範囲を識別し、
プロセッサによって、所定の射出圧力値の範囲外で動作する成形サイクルを識別し、かつ
ユーザインターフェースによって、射出成形システムのオペレータに成形サイクルの障害を通知するように更に構成されている、パラグラフABに記載の射出成形システム。
【0114】
AD.現在の射出圧力値が、空洞圧力センサ、カメラ、型内感知機器、測定された温度、及び測定されたひずみのうちの少なくとも1つによって検出される、パラグラフACに記載の射出成形システム。
【0115】
AE.最大面積の幾何学的形状から実験計画法パラメータを生成するために、プロセッサが、圧力対時間座標空間における一連の充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を識別する、パラグラフU~ADのいずれか1つに記載の射出成形システム。
【0116】
AF.実験計画法パラメータが、冷却時間、圧力プロセス係数、ステップ時間、又はステップ圧力のうちの少なくとも1つを含む、パラグラフU~AEのいずれか1つに記載の射出成形システム。
【0117】
AG.低圧対時間曲線が、第1の複数の圧力対時間データセット内のデータのサブセットに対して数学的回帰が実行されることによって画定され、
高圧対時間曲線が、第2の複数の圧力対時間データセット内のデータのサブセットに対して数学的回帰が実行されることによって画定される、パラグラフU~AFのいずれか1つに記載の射出成形システム。
【0118】
AH.低圧対時間曲線が、不十分な圧力と関連する欠陥なしに成形部品を製造する射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正するための最低充填ステップ圧力及び充填ステップ時間値の組み合わせを示す、段落U~AGのいずれか1つに記載の射出成形システム。
【0119】
AI.高圧対時間曲線が、過圧と関連する欠陥なしに成形部品を製造する射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正するための最高充填ステップ圧力及び充填ステップ時間値の組み合わせを示す、段落U~AHのいずれか1つに記載の射出成形システム。
【0120】
AJ.複数の幾何学的形状の各々が、低圧対時間曲線上のデータポイントである第1の頂点と、高圧対時間曲線上のデータポイントである第2の頂点とを有する、パラグラフU~AIのいずれか1つに記載の射出成形システム。
【0121】
AK.システムが、
プロセッサによって、冷却時間データセットを取得することであって、冷却時間データセットが、圧力対時間座標空間において最大面積を有する識別された矩形の境界を画定するデータポイントに対応する、取得することと、
プロセッサによって、低冷却時間を識別することであって、低冷却時間が、冷却時間データセット内のデータポイントのうちの1つによって示される、識別することと、
プロセッサによって、高冷却時間を識別することであって、高冷却時間が、冷却時間データセット内のデータポイントのうちの1つによって示される、識別することと、
コントローラによって、識別された低冷却時間と高冷却時間との間の冷却時間による射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正することと、を行うように更に構成されている、U~AJのいずれか1つに記載の射出成形システム。
【0122】
AL.システムが、
プロセッサによって、圧力プロセス係数(PFA)データセットを取得することであって、圧力プロセス係数データセットが、圧力対時間座標空間において最大面積を有する識別された矩形の境界を画定するデータポイントに対応する、取得することと、
プロセッサによって、低圧プロセス係数値を識別することであって、低圧プロセス係数値が、圧力プロセス係数データセット内のデータポイントのうちの1つによって示される値である、低圧プロセス係数値を識別することと、
プロセッサによって、高圧プロセス係数値を識別することであって、高圧プロセス係数値が、圧力プロセス係数データセット内のデータポイントのうちの1つによって示される値である、高圧プロセス係数値を識別することと、
コントローラによって、識別された低圧プロセス係数値と高圧プロセス係数値との間の圧力プロセス係数による射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正することと、を行うように更に構成されている、U~AKのいずれか1つに記載の射出成形システム。
【0123】
AM.コントローラによって、圧力対時間座標空間において最大面積を有する識別された幾何学的形状内のデータポイントによって示される充填ステップ圧力及び対応する充填ステップ時間を使用して射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正することを更に含む、U~ALのいずれか1つに記載の射出成形システム。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-03-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形サイクルを最適化するための方法であって、
プロセッサによって、圧力対時間座標空間において低圧対時間曲線を画定する第1の複数の圧力対時間データセットを取得することと、
前記プロセッサによって、圧力対時間座標空間において高圧対時間曲線を画定する第2の複数の圧力対時間データセットを取得することと、
前記プロセッサによって、第1の幾何学的形状の、前記低圧対時間曲線によって画定される第1の表面及び前記高圧対時間曲線によって画定される第2の表面を含む、前記第1の幾何学的形状の2つの表面、並びに前記第1及び第2の表面の最大圧力値データポイントを接続することによって画定される上面及び前記第1及び第2の表面の最小圧力値データポイントを接続することによって画定される底面を画定することと、
前記プロセッサによって、前記圧力対時間座標空間における前記第1の幾何学的形状内で、かつ前記第1の幾何学的形状によって制限される複数の幾何学的形状を画定することと、
前記プロセッサによって、前記複数の幾何学的形状のうちで、前記圧力対時間座標空間における最大面積を有する幾何学的形状を識別することと、
前記プロセッサによって、前記最大面積の幾何学的形状から実験計画法パラメータを生成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記低圧対時間曲線を画定する前記第1の複数の圧力対時間データセットを取得することが、
コントローラによって、射出成形機によって実施される成形サイクルに従って、低圧対時間曲線較正サイクルを実行することと、
前記コントローラによって、前記射出成形機によって実行される複数の成形サイクルを実行することであって、実行される前記成形サイクルの各々が、対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を有する、複数の成形サイクルを実行することと、
前記対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間の各々をメモリに記憶することと、
前記プロセッサによって、前記低圧対時間曲線を、前記メモリに記憶された前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間のサブセットとして画定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ユーザインターフェースにおいて、第1の成形サイクルの低充填ステップ圧力の指示を受信することと、
前記プロセッサによって、充填ステップ時間サイクル増分を識別することと、
前記プロセッサによって、前記第1の成形サイクルの充填ステップ圧力及び充填ステップ時間増分から各後続の成形サイクルの充填ステップ時間を定義することと、を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記高圧対時間曲線を画定する前記第2の複数の圧力対時間データセットを取得することが、
コントローラによって、射出成形機によって実施される成形サイクルに従って、高圧対時間曲線較正サイクルを実行することと、
前記コントローラによって、前記射出成形機によって実行される複数の成形サイクルを実行することであって、実行される前記成形サイクルの各々が、対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を有する、複数の成形サイクルを実行することと、
前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間の各々をメモリに記憶することと、
前記プロセッサによって、前記高圧対時間曲線を、前記メモリに記憶された前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間のサブセットとして画定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ユーザインターフェースにおいて、第2の成形サイクルの高充填ステップ圧力の指示を受信することと、
前記プロセッサによって、充填ステップ時間サイクル増分を識別することと、
前記プロセッサによって、前記第2の成形サイクルの充填ステップ圧力及び充填ステップ時間増分から、各後続の成形サイクルの充填ステップ時間を定義することと、を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記プロセッサによって、識別された前記最大面積の矩形の中心点を識別することを更に含み、前記中心点が、前記圧力対時間座標空間における充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記プロセッサによって、前記中心点を含む前記中心点の周りのステップ時間値の範囲を識別することと、
前記プロセッサによって、前記中心点を含む前記中心点の周りのステップ圧力値の範囲を識別することと、を更に含み、
前記最大面積の幾何学的形状から前記実験計画法パラメータを生成することが、識別された前記ステップ時間の範囲及び識別された前記ステップ圧力の範囲から前記実験計画法パラメータを生成することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記コントローラによって、射出成形システムを制御して、識別された前記中心点の前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間に従って射出成形サイクルを実行すること、を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
センサによって、現在の射出圧力値を検出することと、
前記ユーザインターフェースにおいて、圧力偏差値を受信することと、
前記プロセッサによって、前記識別された中心点の前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間、前記圧力偏差値、並びに前記現在の射出圧力値から射出圧力値の所定の範囲を識別することと、
前記プロセッサによって、射出圧力値の所定の範囲外で動作する成形サイクルを識別することと、
前記ユーザインターフェースによって、前記射出成形システムのオペレータに前記成形サイクルの障害を通知することと、を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記現在の射出圧力値が、空洞圧力センサ、カメラ、型内感知機器、測定された温度、及び測定されたひずみのうちの少なくとも1つによって検出される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記最大面積の幾何学的形状から前記実験計画法パラメータを生成することが、前記プロセッサによって、前記圧力対時間座標空間における一連の充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を識別することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記実験計画法パラメータが、冷却時間、圧力プロセス係数、ステップ時間、又はステップ圧力のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記低圧対時間曲線が、前記第1の複数の圧力対時間データセット内のデータのサブセットに対して数学的回帰が実行されることによって画定され、
前記高圧対時間曲線は、前記第2の複数の圧力対時間データセット内のデータのサブセットに対して数学的回帰が実行されることによって画定される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記低圧対時間曲線が、不十分な圧力と関連する欠陥なしに成形部品を製造する射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正するための最低充填ステップ圧力及び充填ステップ時間値の組み合わせを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記高圧対時間曲線が、過圧と関連する欠陥なしに成形部品を製造する射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正するための最高充填ステップ圧力及び充填ステップ時間値の組み合わせを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の幾何学的形状の各々が、前記低圧対時間曲線上のデータポイントである第1の頂点と、前記高圧対時間曲線上のデータポイントである第2の頂点とを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記プロセッサによって、冷却時間データセットを取得することであって、前記冷却時間データセットが、前記圧力対時間座標空間において前記最大面積を有する識別された前記矩形の境界を画定するデータポイントに対応する、取得することと、
前記プロセッサによって、低冷却時間を識別することであって、前記低冷却時間が、前記冷却時間データセット内の前記データポイントのうちの1つによって示される冷却時間である、識別することと、
前記プロセッサによって、高冷却時間を識別することであって、前記高冷却時間が、前記冷却時間データセット内の前記データポイントのうちの1つによって示される冷却時間である、識別することと、
前記コントローラによって、識別された前記低冷却時間と前記高冷却時間との間の冷却時間による射出成形サイクルを実行するように前記射出成形機を較正することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記プロセッサによって、圧力プロセス係数(PFA)データセットを取得することであって、前記圧力プロセス係数データベースセットが、前記圧力対時間座標空間における前記最大面積を有する識別された前記矩形の前記境界を画定するデータポイントに対応する、取得することと、
前記プロセッサによって、低圧プロセス係数値を識別することであって、前記低圧プロセス係数値が、前記圧力プロセス係数データセット内の前記データポイントのうちの1つによって示される値である、識別することと、
前記プロセッサによって、高圧プロセス係数値を識別することであって、前記高圧プロセス係数値が、前記圧力プロセス係数データセット内の前記データポイントのうちの1つによって示される値である、識別することと、
コントローラによって、識別された前記低圧プロセス係数値と高圧プロセス係数値との間の圧力プロセス係数による射出成形サイクルを実行するように前記射出成形機を較正することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
コントローラによって、前記圧力対時間座標空間における前記最大面積を有する識別された前記幾何学的形状内のデータポイントによって示される充填ステップ圧力及び対応する充填ステップ時間を使用して射出成形サイクルを実行するように前記射出成形機を較正すること、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
射出成形サイクルを最適化するための方法であって、
プロセッサによって、圧力対時間座標空間において低圧対時間曲線を画定する第1の複数の圧力対時間データセットを取得することと、
前記プロセッサによって、圧力対時間座標空間において高圧対時間曲線を画定する第2の複数の圧力対時間データセットを取得することと、
前記プロセッサによって、第1の幾何学的形状の、前記低圧対時間曲線によって画定される第1の表面及び前記高圧対時間曲線によって画定される第2の表面を含む、前記第1の幾何学的形状の2つの表面、並びに前記第1及び第2の表面の最大圧力値データポイントを接続することによって画定される上面及び前記第1及び第2の表面の最小圧力値データポイントを接続することによって画定される底面を画定することと、
前記プロセッサによって、前記圧力対時間座標空間における前記第1の幾何学的形状内で、かつ前記第1の幾何学的形状によって制限される複数の多角形を画定することと、
前記プロセッサによって、前記複数の多角形のうちで、前記圧力対時間座標空間における最大面積を有する多角形を識別することと、
前記プロセッサによって、前記最大面積の多角形から実験計画法パラメータを生成することと、を含む、方法。
【請求項21】
射出成形システムであって、
金型空洞を形成する金型、及び第1の位置から第2の位置に移動するスクリューを有する射出ユニットであって、溶融プラスチック材料を受け入れて、前記スクリューを介して前記金型空洞に射出し、成形部品を形成するように適合されている、射出ユニットと、
射出サイクルに従って前記射出成形機の動作を制御するように適合されている、コントローラと、
機械実行可能命令を実行するように構成されている、プロセッサと、を備え、前記機械実行可能命令が、前記プロセッサに、
圧力対時間座標空間において低圧対時間曲線を画定する第1の複数の圧力対時間データセットを取得させ、
圧力対時間座標空間において高圧対時間曲線を画定する第2の複数の圧力対時間データセットを取得させ、
第1の幾何学的形状の、前記低圧対時間曲線によって画定される第1の表面及び前記高圧対時間曲線によって画定される第2の表面を含む、前記第1の幾何学的形状の2つの表面、並びに前記第1及び第2の表面の最大圧力値データポイントを接続することによって画定される上面及び前記第1及び第2の表面の最小圧力値データポイントを接続することによって画定される底面を画定させ、
前記圧力対時間座標空間における前記第1の幾何学的形状内で、かつ前記第1の幾何学的形状によって制限される複数の幾何学的形状を画定させ、
前記複数の幾何学的形状のうちで、前記圧力対時間座標空間における最大面積を有する幾何学的形状を識別させ、
前記最大面積の幾何学的形状から実験計画法パラメータを生成させる、射出成形システム。
【請求項22】
前記低圧対時間曲線を画定する前記第1の複数の圧力対時間データセットを取得するために、前記システムが、
前記コントローラによって、前記射出成形機によって実施される成形サイクルに従って、低圧対時間曲線較正サイクルを実行することと、
前記コントローラによって、前記射出成形機によって実行される複数の成形サイクルを実行することであって、実行される前記成形サイクルの各々が、対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を有する、複数の成形サイクルを実行することと、
前記対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間の各々をメモリに記憶することと、
前記プロセッサによって、前記低圧対時間曲線を、前記メモリに記憶された前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間のサブセットとして画定することと、を行うように構成されている、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項23】
前記プロセッサが、
ユーザインターフェースにおいて、第1の成形サイクルの低充填ステップ圧力の指示を受信し、
充填ステップ時間サイクル増分を識別し、かつ
前記第1の成形サイクルの充填ステップ圧力及び充填ステップ時間増分から、各後続の成形サイクルの充填ステップ時間を定義するように更に構成されている、請求項21又は22に記載の射出成形システム。
【請求項24】
前記高圧対時間曲線を画定する前記第2の複数の圧力対時間データセットを取得するために、前記システムが、
コントローラによって、射出成形機によって実施される成形サイクルに従って、高圧対時間曲線較正サイクルを実行することと、
前記コントローラによって、前記射出成形機によって実行される複数の成形サイクルを実行することであって、実行される前記成形サイクルの各々が、対応する充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を有する、複数の成形サイクルを実行することと、
前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間の各々をメモリに記憶することと、
前記プロセッサによって、前記高圧対時間曲線を、前記充填ステップ圧力及び前記メモリに記憶された充填ステップ時間のサブセットとして画定することと、を行うように構成されている、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項25】
前記プロセッサが、
ユーザインターフェースにおいて、第2の成形サイクルの高充填ステップ圧力の指示を受信し、
充填ステップ時間サイクル増分を識別し、
前記第2の成形サイクルの充填ステップ圧力及び充填ステップ時間増分から、各後続の成形サイクルの充填ステップ時間を定義するように更に構成されている、請求項24に記載の射出成形システム。
【請求項26】
前記プロセッサが、識別された前記最大面積の矩形の中心点を識別するように更に構成され、前記中心点が、前記圧力対時間座標空間における充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を含む、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項27】
前記プロセッサが、
前記中心点を含む、前記中心点の周りのステップ時間値の範囲を識別し、
前記中心点を含む、前記中心点の周りのステップ圧力値の範囲を識別するように更に構成され、
前記最大面積の幾何学的形状から前記実験計画法パラメータを生成するために、前記プロセッサが、識別された前記ステップ時間の範囲及び識別された前記ステップ圧力の範囲から前記実験計画法パラメータを生成する、請求項26に記載の射出成形システム。
【請求項28】
前記コントローラが、前記射出ユニットを制御して、識別された前記中心点の前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間に従って射出成形サイクルを実行するように更に構成されている、請求項26に記載の射出成形システム。
【請求項29】
前記射出成形システムが、
センサによって、現在の射出圧力値を検出し、
前記ユーザインターフェースにおいて、圧力偏差値を受信し、
前記プロセッサによって、前記識別された中心点の前記充填ステップ圧力及び充填ステップ時間、前記圧力偏差値、及び前記現在の射出圧力値から射出圧力値の所定の範囲を識別し、
前記プロセッサによって、射出圧力値の所定の範囲外で動作する成形サイクルを識別し、
前記ユーザインターフェースによって、前記射出成形システムのオペレータに前記成形サイクルの障害を通知するように更に構成されている、請求項28に記載の射出成形システム。
【請求項30】
前記現在の射出圧力値が、空洞圧力センサ、カメラ、型内感知機器、測定された温度、及び測定されたひずみのうちの少なくとも1つによって検出される、請求項29に記載の射出成形システム。
【請求項31】
前記最大面積の幾何学的形状から前記実験計画法パラメータを生成するために、前記プロセッサが、前記圧力対時間座標空間における一連の充填ステップ圧力及び充填ステップ時間を識別する、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項32】
前記実験計画法パラメータが、冷却時間、圧力プロセス係数、ステップ時間、又はステップ圧力のうちの少なくとも1つを含む、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項33】
前記低圧対時間曲線が、前記第1の複数の圧力対時間データセット内の前記データのサブセットに対して数学的回帰が実行されることによって画定され、
前記高圧対時間曲線が、前記第2の複数の圧力対時間データセット内の前記データのサブセットに対して数学的回帰が実行されることによって画定される、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項34】
前記低圧対時間曲線が、不十分な圧力と関連する欠陥なしに成形部品を製造する射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正するための最低充填ステップ圧力及び充填ステップ時間値の組み合わせを示す、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項35】
前記高圧対時間曲線が、過圧と関連する欠陥なしに成形部品を製造する射出成形サイクルを実行するように射出成形機を較正するための最高充填ステップ圧力及び充填ステップ時間値の組み合わせを示す、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項36】
前記複数の幾何学的形状の各々が、前記低圧対時間曲線上のデータポイントである第1の頂点と、前記高圧対時間曲線上のデータポイントである第2の頂点とを有する、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項37】
前記システムが、
前記プロセッサによって、冷却時間データセットを取得することであって、前記冷却時間データセットが、前記圧力対時間座標空間において前記最大面積を有する識別された前記矩形の境界を画定するデータポイントに対応する、取得することと、
前記プロセッサによって、低冷却時間を識別することであって、前記低冷却時間が、前記冷却時間データセット内の前記データポイントのうちの1つによって示される冷却時間である、識別することと、
前記プロセッサによって、高冷却時間を識別することであって、前記高冷却時間が、前記冷却時間データセット内の前記データポイントのうちの1つによって示される冷却時間である、識別することと、
前記コントローラによって、識別された前記低冷却時間と高冷却時間との間の冷却時間によって射出成形サイクルを実行するように前記射出成形機を較正することと、を行うように更に構成されている、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項38】
前記システムが、
前記プロセッサによって、圧力プロセス係数(PFA)データセットを取得することであって、前記圧力プロセス係数データセットが、前記圧力対時間座標空間において前記最大面積を有する識別された前記矩形の境界を画定するデータポイントに対応する、取得することと、
前記プロセッサによって、低圧プロセス係数値を識別することであって、前記低圧プロセス係数値が、前記圧力プロセス係数データセット内の前記データポイントのうちの1つによって示される値である、識別することと、
前記プロセッサによって、高圧プロセス係数値を識別することであって、前記高圧プロセス係数値が、前記圧力プロセス係数データセット内の前記データポイントのうちの1つによって示される値である、識別することと、
前記コントローラによって、識別された前記低圧プロセス係数値と高圧プロセス係数値との間の圧力プロセス係数による射出成形サイクルを実行するように前記射出成形機を較正することと、を行うように更に構成されている、請求項21に記載の射出成形システム。
【請求項39】
コントローラによって、前記圧力対時間座標空間において前記最大面積を有する識別された前記幾何学的形状内のデータポイントによって示される充填ステップ圧力及び対応する充填ステップ時間を使用して射出成形サイクルを実行するように前記射出成形機を較正することを更に含む、請求項21に記載の射出成形システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
図10は、ワークステーションコンピュータ40が、取得されたPFAデータセットのうちのあるセットから圧力プロセス係数A(PFA)の範囲を決定するための方法1000のフローチャートである。PFAは、金型内で測定された空洞圧力の量の乗数であり、PFAは、空洞圧力と組み合わせて使用されてプラスチック溶融圧力設定値を調整する。言い換えると、空洞圧力が増大し始めると、プラスチック溶融圧力設定値は、初期プロセス開発中に決定されるプロセス係数を使用してアルゴリズムによって計算される量低減又は増大する。プロセス係数は、部品及び材料に依存する。空洞圧力が測定されると、典型的にはプロセスの検証中に決定されるPFA乗数に基づいて、溶融圧力設定値への調整が行われる。PFAは、高品質の部品を製造するために必要に応じて調整することができる。PFAデータセットは、識別された矩形又は最大面積を有する他の幾何学的形状の境界を画定するデータポイントに対応し、圧力対時間空間に存在する。方法1000は、ブロック1002において、ワークステーションコンピュータ40が、コントローラ50の初期ステップ圧力を低-低座標420圧力値に設定することと、ブロック1004において、ワークステーションコンピュータ40が、コントローラの初期ステップ時間を高-高座標224ステップ時間値に設定することとを含む。実施形態では、ワークステーションコンピュータ40は、初期ステップ時間及びステップ圧力を、LECR最適化プロセスによって決定される値に設定してもよい。ワークステーションコンピュータ40は、成形サイクルを実行するためにLECRによって定義される複数のステップ時間値及びステップ圧力値を含む複数のPFAデータセットを使用してPFA範囲を決定するようにコントローラ50を構成してもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
次いで、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック1106において、測定された圧力値が許容される圧力値の範囲内にあるかどうかを判定してもよく、ワークステーションコンピュータ40は、圧力偏差値を決定し、圧力偏差値をユーザインターフェースに提示して、ユーザに対して表示させるか、又は他の方法で伝達させてもよい。圧力偏差値は、測定された圧力と許容される圧力範囲の最大又は最小圧力の差によって決定されてもよい。圧力が許容される圧力値範囲内にあると判定された場合(「はい」)、方法はブロック1104に戻り、センサは新しい現在の圧力値を測定し、新しい圧力値はワークステーションコンピュータ40に通信される。ブロック1106において、現在の測定された圧力が許容される圧力値の範囲内にないと判定された場合(「いいえ」))、ワークステーションコンピュータ40は、成形サイクルが射出圧力値の許容される範囲外で動作していることを確認してもよく、ワークステーションコンピュータ40は、ブロック1108において、障害のある成形サイクルの、計算された圧力偏差値を含み得る通知を生成する。通知は、生成され、ワークステーションコンピュータ40のユーザインターフェース又はコントローラ50のユーザインターフェースを介してユーザに提示されてもよい。コントローラ50のユーザインターフェースは、タッチスクリーン、ワークステーションと通信するスマートデバイス、若しくは別のビジュアルディスプレイを含んでもよい。加えて、通知は、製造工場内でローカルに、又はオフィス若しくは他の場所からリモートに、現在、射出成形機を操作している可能性があるユーザに提示されるテキストメッセージ、電子メール、又は他の通信形態であってもよい。実施形態では、射出成形サイクルに障害があると判定された場合、ワークステーションコンピュータ40が、コントローラ50に射出成形装置10を制御させて現在の射出成形サイクルを停止し得るか、又はユーザに、現在の射出成形サイクルを停止若しくは継続するオプションが提示され得る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
全体として、方法400~800は、LECR最適化を実行して、DOEを実行するための1つ以上のステップ圧力及びステップ時間を決定し、方法900及び1000は、欠陥がないか又は最小限に抑えられた部品を製造するための冷却時間の範囲及びPFA値の範囲を決定する。次いで、PFA値の決定された範囲、冷却時間、ステップ圧力(又はステップ圧力の範囲)、及びステップ時間(又はステップ時間の範囲)を、欠陥がないか又は最小限に抑えられた部品を製造するための射出成形サイクルを実行するためのパラメータ又はレシピとして使用してもよい。レシピの様々な決定されたパラメータは、ある範囲の製造サイクル時間及び/又はある範囲の製造サイクルステップ圧力を有する欠陥がないか又は最小限に抑えられた部品を製造するために使用されてもよい。更に、様々なパラメータの値は射出成形サイクル中にリアルタイムで検出され、パラメータが、潜在的に障害のある射出成形サイクルを検出し、障害のある射出成形サイクルのユーザ又はシステムに通知を提供するための許容される動作範囲内にあるかどうかを判定してもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正の内容】
図11
【国際調査報告】