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特表2023-530136改善された沈着のための毛髪コンディショニング組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(54)【発明の名称】改善された沈着のための毛髪コンディショニング組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/891 20060101AFI20230706BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20230706BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20230706BHJP
   A61K 8/898 20060101ALI20230706BHJP
   A61K 8/892 20060101ALI20230706BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20230706BHJP
【FI】
A61K8/891
A61Q5/12
A61K8/41
A61K8/898
A61K8/892
A61K8/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577351
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(85)【翻訳文提出日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2021066153
(87)【国際公開番号】W WO2021255050
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】20181255.9
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】バーフット,リチャード・ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】クック,マイケル・ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】メンドーサ・フェルナンデス,セザル・エルネスト
(72)【発明者】
【氏名】プライス,ポール・ダミアン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC691
4C083AC692
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083BB06
4C083BB13
4C083BB53
4C083CC33
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE28
(57)【要約】
組成物は毛髪への有益剤の優れた沈着を提供し、前記組成物は、(i)構造1およびその混合物から選択され:構造1、式中、・Rが、C16~C24、好ましくはC18~C22の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み、・Rが、プロトン、またはC~C、好ましくはC~Cの炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖、またはベンジル基を含み、・Xが、有機または無機アニオンである、0.01~10重量%の直鎖カチオン性コンディショニング一主界面活性剤と、(ii)0.1~10重量%の直鎖脂肪物質と、(iii)コンディショニング活性物質およびその混合物から選択される粒子状有益剤と、(iv)構造2およびその混合物から選択され:構造2、式中、・Rが、プロトン、またはC~C、好ましくはC~Cの炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖、またはベンジル基を含み、・Rが、3~15、好ましくは10~14の原子-原子鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み、・Xが、有機または無機アニオンである、0.01~5重量%の直鎖カチオン性補助界面活性剤とを含み、構造1のRの原子-原子鎖長が構造2のRの原子-原子鎖長よりも長くなるように、構造1のRの炭素-炭素鎖長は、構造2のRの原子-原子鎖長と少なくとも3個の原子異なり、直鎖カチオン性補助界面活性剤(iv)対直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤(i)のモル比は1:20から1:1の範囲である。
【化1】
【化2】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)下記構造1:
【化1】
(式中、
・Rが、C16~C24、好ましくはC18~C22の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み、
・Rが、プロトン、またはC~C、好ましくはC~Cの炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖、またはベンジル基を含み、
・Xが、有機または無機アニオンである)
およびその混合物から選択される、0.01~10重量%の直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤と、
(ii)0.1~10重量%の直鎖脂肪物質と、
(iii)コンディショニング活性物質およびその混合物から選択される粒子状有益剤と、
(iv)下記構造2:
【化2】
(式中、
・Rが、プロトン、またはC~C、好ましくはC~Cの炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖、またはベンジル基を含み、
・Rが、エステル基を含み、かつ3~15、好ましくは10~14の原子-原子鎖長を有する、直鎖アルキル鎖を含み、
・Xが、有機または無機アニオンである)
およびその混合物から選択される、0.01~5重量%の直鎖カチオン性補助界面活性剤と
を含み、
構造1のRの前記原子-原子鎖長が構造2のRの前記原子-原子鎖長よりも長くなるように、構造1のRの前記炭素-炭素鎖長が、構造2のRの前記原子-原子鎖長と少なくとも3個の原子異なり、
直鎖カチオン性補助界面活性剤(iv)対直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤(i)のモル比が1:20から1:1の範囲である、組成物。
【請求項2】
構造1のRの前記炭素-炭素鎖長が構造2のRの前記原子-原子鎖長よりも長くなるように、構造1のRの前記炭素-炭素鎖長が、構造2のRの前記原子-原子鎖長と原子3~12個、好ましくは6~10個異なる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
が、6~14、好ましくは10~14の原子-原子鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含む、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤が、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、およびそれらの混合物から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記コンディショニング活性物質がシリコーンエマルジョンである、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記シリコーンエマルジョンが、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびそれらの混合物のエマルジョンから選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記シリコーンエマルジョンが、前記組成物全体の0.1重量%~10重量%、最も好ましくは0.25重量%~3重量%の量で存在する、請求項5または請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記直鎖カチオン性補助界面活性剤が、0.1~2重量%、最も好ましくは0.2~0.7重量%の量で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
直鎖カチオン性補助界面活性剤(iv)対直鎖カチオン性界面活性剤(i)のモル比が、1:10から1:1、好ましくは1:5から1:2の範囲である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
ヘリパススタンド上でスピンドルAまたはBを0.5rpmで60秒間使用してブルックフィールドRVTで30℃にて測定したときに5,000~750,000センチポアズの粘度を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
が、ハロゲン化物、メタンスルホン酸基およびエタンスルホン酸基から選択されるアニオンを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物を毛髪に適用する工程と、前記毛髪を水ですすぐ工程とを含む、コンディショニング活性物質から選択される粒子状有益剤の毛髪への沈着を増加させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのエステル基を含む異なる鎖長の直鎖アルキル基を有する主要なおよび補助的な界面活性剤と、使用中に毛髪上に沈着する有益剤との組み合わせを含む、毛髪を処理するためのコンディショニング組成物に関し、特に、増加した量の有益剤が沈着することを可能にするコンディショニング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアトリートメント組成物などのパーソナルケア組成物では、有益剤の沈着および送達がしばしば製品性能の重要な推進要因である。例えば、今日市場にあるヘアコンディショナー製品の多くは、芳香材料、シリコーンおよび損傷修復活性物質などの有益剤を洗浄およびケアプロセス中に毛髪上に沈着させることによって毛髪に利益をもたらすように機能する。
【0003】
しかしながら、消費者は、いくつかの組成物の使用から得られる利益のレベルに失望していると報告している。これは、通常、表面に送達される有益剤の量が不十分であることによって引き起こされる。したがって、例えば毛髪などの表面への有益物質の改善された送達を提供する組成物を開発することが望ましい。
【0004】
様々な種類のカチオン性化合物が、様々な利益のためにヘアトリートメント組成物において知られている。
【0005】
国際公開第17/172117号は、定義された第1の第4級アンモニウム化合物およびイミダゾリン化合物を含むカチオン性剤、変性デンプン、2つのシラン化合物、カチオン性ビニルピロリドンポリマーならびに水を含む、ケラチン基質を処理するための組成物を開示している。組成物で処理された毛髪は、改善された質量、はり、体積を有し、すすぎが容易であり、速く乾燥し、より長く清潔に保たれ、十分にコンディショニングされると言われている。米国特許第2005/175569号明細書は、第4級アンモニウム塩であり得るカチオン性界面活性剤を含む、例えば毛髪をコンディショニングおよびスタイリングするための化粧品組成物を開示している。
【0006】
特開2005-060271号公報には、(A)一般式(1)で表されるジメチルポリシロキサン、(B)一般式(2)で表されるジメチルポリシロキサン、(C)一般式(3)で表される環状ジメチルポリシロキサンを、[(B)+(C)]/(A)=1以上の割合で含み、(D)さらなる第4級アンモニウム成分を含むことができる、水性毛髪化粧料組成物が開示されている。組成物は、湿潤段階、すすぎ段階および乾燥段階において毛髪に一連のコンディショニング利益を提供すると言われている。
【0007】
本発明者らの独自の公開出願である国際公開第02/102334号および国際公開第01/43718号は、規定のヒドロカルビル鎖を有する第四級アンモニウム系カチオン性界面活性剤を含むクレンジングおよびコンディショニング特性を有する水性ヘアトリートメント組成物を提供する。
【0008】
カチオン性材料は家庭用およびパーソナルケア製品で知られているが、毛髪上への有益剤の改善された沈着を提供することが依然として必要とされている。
【0009】
先行技術にもかかわらず、消費者の所望の粘度特性を損なうことなく、毛髪への利益の改善された送達をもたらす必要性が依然として存在する。
【0010】
本発明者らは、驚くべきことに、それぞれが定義された長さの直鎖アルキル鎖を有するカチオン性コンディショニング主界面活性剤とカチオン性補助界面活性剤との組み合わせを含む組成物が、優れた製品レオロジーを維持しながら有益剤の沈着の予想外に大きな増強を提供することを見出した。
【0011】
本明細書で引用される全てのパーセンテージは、特に明記しない限り、総重量に基づく重量によるものである。本明細書で引用される全ての量は、特に明記しない限り、材料の100%活性に基づく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第17/172117号
【特許文献2】米国特許第2005/175569号明細書
【特許文献3】特開2005-060271号公報
【特許文献4】国際公開第02/102334号
【特許文献5】国際公開第01/43718号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、
(i)下記構造1:
【化1】
(式中、
・Rが、C16~C24、好ましくはC18~C22の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み、
・Rが、プロトン、またはC~C、好ましくはC~Cの炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖、またはベンジル基を含み、
・Xが、有機または無機アニオンである)
およびその混合物から選択される、0.01~10重量%の直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤と、
(ii)0.1~10重量%の直鎖脂肪物質と、
(iii)コンディショニング活性物質およびその混合物から選択される粒子状有益剤と、
(iv)下記構造2:
【化2】
(式中、
・Rが、プロトン、またはC~C、好ましくはC~Cの炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖、またはベンジル基を含み、
・Rが、エステル基を含み、かつ3~15、好ましくは10~14の原子-原子鎖長を有する、直鎖アルキル鎖を含み、
・Xが、有機または無機アニオンである)
およびその混合物から選択される、0.01~5重量%の直鎖カチオン性補助界面活性剤と
を含み、
構造1のRの原子-原子鎖長が構造2のRの原子-原子鎖長よりも長くなるように、構造1のRの炭素-炭素鎖長は、構造2のRの原子-原子鎖長と少なくとも3個の原子異なり、
直鎖カチオン性補助界面活性剤(iv)対直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤(i)のモル比が1:20から1:1の範囲である、組成物が提供される。
【0014】
第2の態様では、本発明は、コンディショニング活性物質、好ましくはシリコーンエマルジョンおよびその混合物から選択される粒子状有益剤の毛髪への沈着を増加させる方法であって、第1の態様の組成物を毛髪に適用する工程を含む方法を提供する。
【0015】
本発明の方法は、好ましくは、毛髪から組成物をすすぐ追加の工程を含む。
【0016】
好ましくは、この方法は、毛髪へのシリコーン沈着を増加させる方法であり、シリコーンエマルジョンを含む本発明の第1の態様によって定義される組成物を毛髪に適用する工程、および水で毛髪をすすぐ工程を含む。
【0017】
本発明による組成物は、好ましくは、毛髪のトリートメント(典型的にはシャンプー後)およびその後のすすぎのためのコンディショナーとして配合される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好ましくは、トリートメント組成物は、リンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスク、リーブオンコンディショナー組成物およびプレトリートメント組成物から選択され、より好ましくは、リンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスク、リーブオンコンディショナー組成物およびプレトリートメント組成物、例えばオイルトリートメントから選択され、最も好ましくは、リンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスクおよびリーブオンコンディショナー組成物から選択される。トリートメント組成物は、好ましくは、リンスオフヘアコンディショナーおよびリーブオンコンディショナーから選択される。
【0019】
本発明で使用するためのリンスオフコンディショナーは、典型的には、洗い流される前に濡れた毛髪上に1~2分間放置されるコンディショナーである。
【0020】
本発明で使用するためのヘアマスクは、典型的には、洗い流す前に毛髪上に3~10分間、好ましくは3~5分間、より好ましくは4~5分間放置されるトリートメントである。
【0021】
本発明で使用するためのリーブオンコンディショナーは、典型的には毛髪に適用され、10分を超えて毛髪上に放置され、好ましくは洗浄後に毛髪に適用され、次の洗浄まで洗い流さない。
【0022】
直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤(i)
本発明の組成物は、下記構造1:
【化3】
(式中、
・Rが、C16~C24、好ましくはC18~C22の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み、
・Rが、プロトン、またはC~C、好ましくはC~Cの炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖、またはベンジル基を含み、
・Xが、有機または無機アニオンである)
およびその混合物から選択される、0.01~10重量%の直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤を含む。
【0023】
好ましくは、構造1のRの炭素-炭素鎖長が構造2のRの原子-原子鎖長よりも長くなるように、構造1のRの炭素-炭素鎖長は、構造2のRの原子-原子鎖長と原子3~12個、より好ましくは4~12個、さらにより好ましくは6~12個、最も好ましくは6~10個異なる。
【0024】
構造1では、アミン頭部基は最終配合物内で荷電される。しかし、原料には、荷電が永久的ではなく、強酸を使用した製剤中のプロトン化によって誘導され得る種が含まれる。したがって、Rが上記一般式中のプロトンである場合、プロトンは原料中に存在するか、または製剤化中に会合することができる。
【0025】
アルキル基は、アルキル鎖内に1つ以上のエステル(-OCO-または-COO-)、アミド(-NOC-またはNCO-)および/またはエーテル(-O-)結合を含んでいてもよい。アルキル基は、1つ以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい。アルキル基は、直鎖または分岐鎖であってもよく、3個以上の炭素原子を有するアルキル基の場合、環状であってもよい。アルキル基は、飽和であってもよく、または1つ以上の炭素-炭素二重結合(例えば、オレイル)を含んでもよい。アルキル基は、アルキル鎖上で1つ以上のエチレンオキシ基でエトキシル化されていてもよい。
【0026】
本発明によるコンディショナー組成物に使用するのに適した第四級アミン塩は、12~24個の炭素原子、好ましくは16~22個の炭素原子を含む第四級アミン塩である。
【0027】
本発明によるコンディショナー組成物に使用するのに適した第4級アミン塩としては、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘニルアミドプロピルジメチルアミン、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアラルコニウムクロリド、ステアラルコニウムメトサルフェート、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、タロートリメチルアンモニウムクロリド、二水素化タロージメチルアンモニウムクロリド(例えば、Akzo Nobel製のArquad 2HT/75)およびココトリメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0028】
好ましい第4級アミン塩は、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、およびそれらの混合物から選択される。
【0029】
本発明によるコンディショナーに使用するのに特に有用なカチオン性界面活性剤は、例えば、Hoechst CelaneseからGENAMIN CTACとして市販されているセチルトリメチルアンモニウムクロリドである。本発明によるコンディショナーに使用するための別の特に好ましいカチオン性界面活性剤は、例えばClariantからGENAMIN KDMPとして市販されているベヘニルトリメチルアンモニウムクロリドである。
【0030】
さらに好適なカチオン性界面活性剤としては、CTFA名称Quaternium-5、Quaternium-31およびQuaternium-18を有する材料が挙げられる。前述の材料のいずれかの混合物も適切であり得る。
【0031】
本発明での使用に適したカチオン性界面活性剤の種類の別の例は、単独で、または1つ以上の他のカチオン性界面活性剤と一緒に、以下の(i)と(ii)の組み合わせであり、
(i)は一般式(II):
CONH(CHN(R)R (II)
(式中、Rは、10個以上の炭素原子を有するヒドロカルビル鎖であり、RおよびRは、独立して、1~10個の炭素原子を有するヒドロカルビル鎖から選択され、mは、1~約10の整数である。)
に対応するアミドアミンであり、
(ii)は酸である。
【0032】
本明細書で使用される場合、ヒドロカルビル鎖という用語は、アルキルまたはアルケニル鎖を意味する。
【0033】
好ましいアミドアミン化合物は、式(I)に対応するものであり、式中、
は、約11~約24個の炭素原子を有するヒドロカルビル残基であり、
およびRは、それぞれ独立して、1~約4個の炭素原子を有するヒドロカルビル残基、好ましくはアルキル基であり、mは1~約4の整数である。
【0034】
好ましくは、RおよびRはメチル基またはエチル基である。
【0035】
好ましくは、mは2または3、すなわちエチレンまたはプロピレン基である。
【0036】
本明細書で有用な好ましいアミドアミンには、ステアラミド-プロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピル-ジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチル-アミン、ベヘナミドプロピルジエチルミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピル-ジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、およびそれらの混合物が含まれる。
【0037】
本明細書で有用な特に好ましいアミドアミンは、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、およびそれらの混合物である。
【0038】
本明細書で有用な市販のアミドアミンには、LEXAMINE S-13の商品名でInolex(米国ペンシルベニア州フィラデルフィア)から入手可能およびAMIDOAMINE MSPの商品名でNikko(日本国東京都)から入手可能なステアラミドプロピルジメチルアミン、AMIDOAMINE Sの商品名でNikkoから入手可能なステアラミドエチルジエチルアミン、INCROMINE BBの商品名でCroda(英国ノースハンバーサイド)から入手可能なベヘナミドプロピルジメチルアミン、およびSCHERCODINEシリーズの商品名でScher(米国ニュージャージー州クリフトン)から入手可能な様々なアミドアミンが含まれる。
【0039】
酸は、コンディショナー組成物中のアミドアミンをプロトン化することができる任意の有機酸または鉱酸であり得る。本明細書で有用な適切な酸には、塩酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、およびそれらの混合物が含まれる。好ましくは、酸は、酢酸、酒石酸、塩酸、フマル酸、乳酸およびそれらの混合物で構成される群から選択される。
【0040】
酸の主な役割は、ヘアトリートメント組成物中のアミドアミンをプロトン化し、したがってヘアトリートメント組成物中でその場で第三級アミン塩(TAS)を形成することである。実際のTASは、非永久的な第4級アンモニウムまたは擬第4級アンモニウムカチオン性界面活性剤である。
【0041】
適切には、酸は、存在するアミドアミンの95モル%(293K)超をプロトン化するのに十分な量で含まれる。
【0042】
本発明の組成物において、直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤のレベルは、一般に、組成物の総重量の0.01~10%、より好ましくは0.05~7.5%、最も好ましくは0.1~5%の範囲である。
【0043】
直鎖脂肪物質(ii)
本発明の組成物は、0.1~10重量%の直鎖脂肪物質を含む。
【0044】
コンディショニング組成物における脂肪材料とカチオン性界面活性剤との併用は、カチオン性界面活性剤が分散された構造化ラメラまたは液晶相の形成をもたらすので、特に有利であると考えられる。
【0045】
「脂肪物質」とは、脂肪アルコール、アルコキシル化脂肪アルコール、脂肪酸またはそれらの混合物を意味する。好ましくは、直鎖脂肪物質は、脂肪アルコールおよび脂肪酸から選択され、最も好ましくは脂肪アルコールである。
【0046】
好ましくは、脂肪物質のアルキル鎖は完全に飽和している。代表的な脂肪物質は、8~22個の炭素原子、より好ましくは16~22個の炭素原子を含む。
【0047】
適切な脂肪アルコールは、8~22個の炭素原子、好ましくは16~22個、最も好ましくはC16~C18を含む。脂肪アルコールは、典型的には、直鎖アルキル基を含有する化合物である。好ましくは、アルキル基は飽和している。好ましい脂肪アルコールの例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびそれらの混合物が挙げられる。これらの材料の使用はまた、本発明で使用するための組成物の全体的なコンディショニング特性に寄与するという点で有利である。
【0048】
アルキル鎖中に約12~約18個の炭素原子を有するアルコキシル化(例えば、エトキシル化またはプロポキシル化)脂肪アルコールを、脂肪アルコール自体の代わりに、またはそれに加えて使用することができる。適切な例としては、エチレングリコールセチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)セチルエーテル、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0049】
本発明のコンディショナー中の脂肪物質の量は、適切には、組成物全体の0.01~10、好ましくは0.1~10、より好ましくは0.1~5重量%である。カチオン性界面活性剤と脂肪アルコールの重量比は、適切には10:1から1:10、好ましくは4:1から1:8、最適には1:1から1:7、例えば1:3である。
【0050】
粒子状有益剤(iii)
本発明の組成物は、粒子状有益剤を含む。粒子状有益剤は、コンディショニング活性物質およびそれらの混合物から選択される。より好ましくは、粒子状有益剤は、シリコーンエマルジョンおよびその混合物から選択される。
【0051】
好ましいコンディショニング活性物質はシリコーンエマルジョンである。
【0052】
好ましいシリコーンエマルジョンは疎水性修飾を含まず、好ましくはシリコーンエマルジョンはミリスチロキシル修飾シリコーンではなく、最も好ましくはミリスチロキシル修飾シリコーンまたはセチルオキシル修飾シリコーンではない。最も好ましくは、本発明の組成物に使用するためのシリコーンエマルジョンは、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびそれらの混合物のエマルジョンから選択される。
【0053】
適切なシリコーンとしては、CTFA名称ジメチコンを有するポリジメチルシロキサンが挙げられる。また、本発明の組成物の使用に適しているのは、CTFA名称ジメチコノールを有するヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサンである。好ましくは、シリコーンは、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびそれらの混合物から構成される群から選択される。アミノ官能化シリコーンとジメチコンとのブレンドも好ましい。
【0054】
乳化シリコーン自体(エマルジョンまたは最終ヘアコンディショニング組成物ではない)の粘度は、典型的には、25℃で少なくとも10,000cstであり、シリコーン自体の粘度は、好ましくは少なくとも60,000cst、最も好ましくは少なくとも500,000cst、理想的には少なくとも1,000,000cstである。好ましくは、配合を容易にするために、粘度は10cstを超えない。
【0055】
本発明の組成物に使用するための乳化シリコーンは、典型的には、組成物中のD90シリコーン液滴サイズが30ミクロン未満、好ましくは20ミクロン未満、より好ましくは10ミクロン未満、理想的には0.01~1ミクロンである。0.15ミクロンの平均シリコーン液滴サイズ(D50)を有するシリコーンエマルジョンは、一般にマイクロエマルジョンと呼ばれる。
【0056】
シリコーン粒径は、例えばMalvern Instruments製の2600D Particle Sizerを使用して、レーザー光散乱技術によって測定され得る。
【0057】
適切な予備形成エマルジョンの例としては、Dow Corningから入手可能なXiameter MEM1785およびマイクロエマルジョンDC2-1865が挙げられる。これらはジメチコノールのエマルジョン/マイクロエマルジョンである。架橋シリコーンガムはまた、予備乳化形態で入手可能であり、これは製剤の容易さに有利である。
【0058】
本発明の組成物に含めるためのシリコーンのさらに好ましい種類は、アミノ官能性シリコーンである。「アミノ官能性シリコーン」とは、少なくとも1つの第一級、第二級もしくは第三級アミン基または第四級アンモニウム基を含有するシリコーンを意味する。適切なアミノ官能性シリコーンの例としては、CTFA名称「アモジメチコン」を有するポリシロキサンが挙げられる。好ましいアモジメチコンは、DC7134としてDow Corningから市販されている。
【0059】
本発明での使用に適したアミノ官能性シリコーンの具体例は、アミノシリコーン油DC2-8220、DC2-8166およびDC2-8566(いずれもDow Corning製)である。
【0060】
適切な四級シリコーンポリマーは、欧州特許出願公開第0530974号に記載されている。好ましい四級シリコーンポリマーは、Goldschmidt製のK3474である。
【0061】
非イオン性および/またはカチオン性界面活性剤を含むアミノ官能性シリコーン油のエマルジョンも適している。
【0062】
アミノ官能性シリコーンの予備形成エマルジョンは、Dow CorningおよびGeneral Electricなどのシリコーン油の供給業者からも入手可能である。具体例としては、DC939カチオン性エマルジョンならびに非イオン性エマルジョンDC2-7224、DC2-8467、DC2-8177およびDC2-8154(全てDow Corning製)が挙げられる。
【0063】
シリコーンの総量は、好ましくは組成物全体の0.1重量%~10重量%であり、より好ましくは0.1重量%~5重量%、最も好ましくは0.25重量%~3重量%が適切な量である。
【0064】
直鎖カチオン性補助界面活性剤(iv)
本発明の組成物は、下記構造2:
【化4】
(式中、
・Rは、プロトン、またはC~C、好ましくはC~Cの炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖、またはベンジル基を含み、
・Rは、エステル基を含み、かつ3~15、好ましくは10~14の原子-原子鎖長を有する、直鎖アルキル鎖を含み、
・Xは、有機または無機アニオンである)
による直鎖カチオン性補助界面活性剤を含み、
構造1のRの炭素-炭素鎖長が構造2のRの原子-原子鎖長よりも長くなるように、構造1のRの炭素-炭素鎖長は、構造2のRの原子-原子鎖長と少なくとも3個の原子異なり、
直鎖カチオン性補助界面活性剤(iv)対直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤(i)のモル比は、1:20から1:1、好ましくは1:10から1:1、好ましくは1:5から1:2の範囲である。
【0065】
好ましくは、構造1のRの炭素-炭素鎖長が構造2のRの原子-原子鎖長よりも長くなるように、構造1のRの炭素-炭素鎖長は、構造2のRの原子-原子鎖長と原子3~12個、より好ましくは4~12個、さらにより好ましくは6~12個、最も好ましくは6~10個異なる。
【0066】
は、エステル基を含み、かつ3~15、好ましくは3~14、より好ましくは6~14、さらにより好ましくは8~14、最も好ましくは10~14の原子-原子鎖長を有する、直鎖アルキル鎖を含む。
【0067】
直鎖補助界面活性剤は、組成物全体の重量に基づいて0.01~5重量%、好ましくは0.1~2、より好ましくは0.1~1.0、最も好ましくは0.2~0.7重量%の量で存在する。
【0068】
Xは、有機または無機アニオンである。好ましくは、Xはハロゲン化物イオン、一般式RSO-の硫酸塩から選択されるアニオンを含み、式中、Rは、1~4個の炭素原子を有する飽和または不飽和アルキル基、および有機酸のアニオン性基である。
【0069】
好ましいハロゲン化物イオンは、フッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物から選択される。有機酸の好ましいアニオン性ラジカルは、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、乳酸塩および酢酸塩から選択される。好ましい硫酸塩は、メタンスルホン酸塩およびエタンスルホン酸塩である。
【0070】
最も好ましくは、Xは、ハロゲン化物、メタンスルホン酸基およびエタンスルホン酸基から選択されるアニオンを含む。
【0071】
好ましい実施形態では、
・Rは、エステル基を含み、かつ10~14の原子-原子鎖長を有する、飽和または不飽和の直鎖アルキル鎖を含み、
・Rは、プロトンまたはC~Cの炭素-炭素鎖長を有するアルキル鎖を含み、
・Xは、ハロゲン化物、メタンスルホン酸塩およびエタンスルホン酸塩から選択される。
【0072】
構造2による適切な材料の例は、N,N,N-トリメチル-2-(オクチルオキシ)-2-オキソエタン-1-アミニウムクロリドおよびN,N,N-トリメチル-2-(オクチルオキシ)-2-オキソエタン-1-アミニウムメタンスルホネートであり、これは、Chemistry,A European Journal,2008,14,382に概説されている方法の改変を用いて合成することができる。ベタインとオクタノールとの酸触媒縮合反応により、一工程で所望の生成物が得られる。
【0073】
組成物レオロジー
本発明の組成物は、良好な粘度および降伏応力特性を提供する。
【0074】
組成物は、30~200パスカル(Pa)、最も好ましくは25℃および1Hzで40~150Paのピーク値の好ましい降伏応力範囲を有する。降伏応力を測定する方法には、1Hzの一定周波数および0.1%~2000%の範囲の振幅掃引で振動を加えることができる適切なレオメーターに取り付けられた直径40mmの鋸歯状平行平板形状を使用する。振幅掃引範囲は、振幅当たり4サイクル以下でカバーされる歪み範囲の10年当たり10ポイント以下で適用される。装置は、TA Instruments製のARES G2レオメーターなどの制御された歪み下で操作されるべきである。幾何学的形状の温度は、例えばペルチェ制御プレートまたは再循環浴によって25℃に設定されるべきである。降伏応力は、弾性応力を歪み振幅に対してプロットすることによって決定され、曲線のピークにおいて、最大値が降伏応力として引用される。弾性応力は、(貯蔵弾性率)×(歪み振幅)の乗算として計算され、それぞれが機器から容易に得られる。
【0075】
組成物は、ヘリパススタンド上でスピンドルAまたはBを0.5rpmで60秒間使用してブルックフィールドRVTで30℃にて測定したときに、好ましくは5,000~750,000センチポアズ、好ましくは50,000~600,000センチポアズ、より好ましくは50,000~450,000の粘度を有する。
【0076】
好ましいコンディショナーは、コンディショニングゲル相を含む。これらのコンディショナーは、小胞含有量がほとんどまたは全くない。そのようなコンディショナーおよびその製造方法は、国際公開第2014/016354号、国際公開第2014/016353号、国際公開第2012/016352号および国際公開第2014/016351号に記載されている。
【0077】
このようなコンディショニングゲル相を含む組成物は、組成物で処理された毛髪に1~250g、好ましくは2~100g、より好ましくは2~50g、さらにより好ましくは5~40g、最も好ましくは5~25gの引っ張り質量を付与する。
【0078】
引っ張り質量は、櫛またはブラシを通してヘアピースを引っ張るのに必要な質量である。したがって、毛髪が絡み合うほど、櫛またはブラシを通してヘアピースを引っ張るのに必要な質量が大きくなり、毛髪の状態のレベルが高くなるほど、引っ張り質量が低くなる。
【0079】
引っ張り質量は、例えば重量1~20g、長さ10~30cm、および幅0.5~5cmのヘアピースを、櫛またはブラシを通して引っ張るのに必要な質量であり、最初にヘアピースを櫛またはブラシ上に置き、ヘアピースの接着された端部に5~20cmの毛髪を吊るしたままにし、次いで、ヘアピースが櫛またはブラシを通って落下するまで、吊るされた端部に重量を加えることによって測定する。
【0080】
好ましくは、ヘアピースは重量が1~20g、より好ましくは2~15g、最も好ましくは5~10gである。好ましくは、ヘアピースは、長さが10cm~40cm、より好ましくは10cm~30cm、幅が0.5cm~5cm、より好ましくは1.5cm~4cmである。
【0081】
最も好ましくは、引っ張り質量は、例えば重量10g、長さ20cm、および幅3cmのヘアピースを、櫛またはブラシを通して引っ張るのに必要な質量であり、最初にヘアピースを櫛またはブラシ上に置き、ヘアピースの接着された端部に20cmの毛髪を吊るしたままにし、次いで、ヘアピースが櫛またはブラシを通って落下するまで、吊るされた端部に重量を加えることによって測定する。
【0082】
その他の成分
本発明による組成物は、ヘアコンディショニング組成物に共通の多数の成分のいずれかを含み得る。
【0083】
他の成分としては、防腐剤、着色剤、グリセリンおよびポリプロピレングリコールなどのポリオール、EDTAなどのキレート剤、ビタミンEアセテートなどの酸化防止剤、香料、抗菌剤および日焼け止め剤が挙げられ得る。これらの成分の各々は、その目的を達成するのに有効な量で存在する。一般に、これらの任意成分は、個々に組成物全体の約5重量%までの量で含まれる。
【0084】
好ましくは、さらなる成分には、香料、防腐剤、着色剤およびコンディショニングシリコーンが含まれる。
【0085】
本発明の組成物は、好ましくは、粘度調整剤および増粘剤、例えば増粘ポリマーを含まない。
【0086】
上記活性成分のいずれかの混合物も使用され得る。
【0087】
一般に、そのような成分は、個々に組成物全体の最大2重量%、好ましくは最大1重量%の量で含まれる。
【0088】
本発明の実施形態は以下の実施例に示され、特に明記しない限り、全てのパーセンテージは総重量に基づく重量によって引用される。
【0089】
[実施例]
[実施例1]本発明による組成物1ならびに比較組成物AおよびB
以下の組成物を調製した:
長さ11のエステル含有鎖を有する補助界面活性剤を含有する、本発明による実施例1。
直鎖アルキル鎖を有する補助界面活性剤材料を含まない比較例A。
長さ21のエステル含有鎖を有する補助界面活性剤を含有する比較例B。
【0090】
【表1】
【0091】
例1、AおよびBのコンディショナーを、以下の方法を用いて調製した。
1.界面活性剤および脂肪物質を適切な容器に添加し、脂肪物質の融点を超えるまで加熱した。
2.溶融ブレンドを、室温と脂肪物質の融点未満の間の温度で、表1の組成に従って適切な量の水に添加した。
3.混合物を不透明で濃厚になるまで混合した。
4.次いで、加熱を止め、室温に冷却し、残りの水を残りの材料と共に添加した。
5.最後に、製剤を適切な均質化装置を使用して高剪断で混合した。
【0092】
[実施例2]組成物AおよびBならびに1による毛髪の処理
使用した毛髪は、重量5g、長さ6インチのヘアピースで、ヨーロッパ人の濃褐色の毛髪であった。
毛髪を、以下の方法を使用してクレンジングシャンプーで最初に処理した:-
毛髪繊維を流水下で30秒間保持し、毛髪1g当たり0.1mlのシャンプーの用量でシャンプーを塗布し、毛髪に30秒間擦り込んだ。流水下で30秒間保持することによって過剰な泡を除去し、シャンプー段階を繰り返した。毛髪を流水下で1分間すすいだ。
次いで、濡れた毛髪を、以下の方法を使用して組成物で処理した:-
濡れた毛髪に、毛髪1g当たり0.2mlのコンディショナーの用量でコンディショナーを塗布し、毛髪に1分間マッサージした。毛髪を流水下で1分間すすぎ、過剰な水を除去した。
【0093】
[実施例3]組成物1、AおよびBで処理した毛髪へのシリコーン沈着
毛髪上に沈着したシリコーンの量を、蛍光X線(XRF)を使用して定量した。
【0094】
【表2】
【0095】
実施例による組成物は、補助界面活性剤および比較例Bの約半量しか含有していないにもかかわらず、毛髪上へのシリコーン沈着のレベルを劇的に高くすることが分かる。
【国際調査報告】