IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コヘン,バールの特許一覧

<>
  • 特表-結合された砂の物体 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(54)【発明の名称】結合された砂の物体
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/32 20060101AFI20230706BHJP
【FI】
A63H33/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578606
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(85)【翻訳文提出日】2023-01-27
(86)【国際出願番号】 IB2021055348
(87)【国際公開番号】W WO2021255679
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】63/041,139
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522489923
【氏名又は名称】コヘン,バール
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】コヘン,バール
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA04
2C150BA17
2C150BA25
2C150BC02
2C150CA01
2C150CA02
2C150CA30
2C150FB36
(57)【要約】
水ガラスで結合された砂で作られた物体、そのような物体を作る方法、及びそのような物体を作るために有用なキット。いくつかの実施形態では、本明細書の教示による物体は、玩具、メダリオン、積み木、家具、壁、砂の城の一部、砂の城などの(中間品であるのとは対照的な)最終品である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水ガラスで結合された砂で作られる物体であって、最終的な商品であることを特徴とする物体。
【請求項2】
前記水ガラスで結合された砂を50重量%以上含む、請求項1に記載の物体。
【請求項3】
前記水ガラスで結合された砂がビーチの砂である、請求項1-2のいずれか1項に記載の物体。
【請求項4】
玩具、メダリオン、積み木、家具、壁、砂城の一部、及び砂城からなる群から選択される、請求項1-3のいずれか1項に記載の物体。
【請求項5】
玩具である、請求項1-3のいずれか1項に記載の物体。
【請求項6】
重量が1000g以下である、請求項5に記載の物体。
【請求項7】
前記物体は、人物フィギュア、動物フィギュア、乗り物フィギュア、容器、掘削具、および玩具用積み木からなる群から選択される玩具である、請求項5-6のいずれか1項に記載の物体。
【請求項8】
前記物体は、メダリオンであり、重量が400g以下である、請求項1-3のいずれか1項に記載の物体。
【請求項9】
前記物体は、積み木である、請求項1-3のいずれか1項に記載の物体。
【請求項10】
前記物体は、レンガ、ブロック、躯体、板材、および屋根瓦からなる群から選択される積み木である、請求項9に記載の物体。
【請求項11】
前記物体は家具である、請求項1-3のいずれか1項に記載の物体。
【請求項12】
前記物体は、ビーチチェア、ベンチ、サンベッド、スツール、テーブルおよびバーからなる群から選択される家具である、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
よい香りのする物体である、請求項1-12のいずれか1項に記載の物体。
【請求項14】
a.砂と水ガラスとの組み合わせを含む成形可能な組成物を提供することと、
b.前記成形可能な組成物を最終商品である物体の形状に成形することと、
c.前記成形した成形可能な組成物を前記物体の前記形状を有する水ガラスで結合された砂に変化させるのに十分な量の弱酸及び時間、前記成形した成形可能な組成物を接触させることと、
を含むことを特徴とする物体を製造する方法。
【請求項15】
a.砂と水ガラスとの組み合わせを含む成形可能な組成物を提供することと、
b.前記成形可能な組成物を請求項1~13のいずれか1項に記載の物体の形状に成形することと、
c.前記成形した成形可能な組成物を前記物体の形状を有する水ガラスで結合された砂に変化させるのに十分な量の酸及び時間、前記成形した成形可能な組成物を弱酸に接触させることと、
を含むことを特徴とする物体を製造する方法。
【請求項16】
前記提供することは、
ビーチから砂を採取することと、
前記採取した砂を水ガラス及び任意の少なくとも1つの追加の材料と結合することと、
を含み、それによって前記成形可能な組成物を提供する、請求項14から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記結合は、前記ビーチで実行される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記成形は、前記ビーチで行われる、請求項16から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記接触は、前記ビーチで行われる、請求項16から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記砂は、未洗浄の砂である、請求項14から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記結合は、ビーチで行われる、請求項14から20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記成形は、ビーチで行われる、請求項14から21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記接触は、ビーチで行われる、請求項14から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記成形は、前記成形可能な組成物を成形すること、前記成形可能な組成物を積み重ねること、前記成形可能な組成物を彫刻すること、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される技術を用いて行われる、請求項14から23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
弱酸を前記成形可能な組成物と接触させることが、CO2を前記成形可能な組成物と接触させることを含む、請求項14から24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記CO2がガス状のCO2である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記気体状のCO2を前記成形可能な組成物に接触させることは、
二酸化炭素貯蔵器から前記成形可能な組成物に二酸化炭素を注入することと、
前記成形可能な組成物を二酸化炭素濃縮雰囲気中に浸すことと、
前記成形可能な組成物にその上部から気体状の二酸化炭素を当てることと、
前記成形可能な組成物上にドライアイスを置くことと、
からなる群から選ばれた少なくとも一つの方法を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
物体が香り付きの物体であるように、前記成形可能な組成物に、前記成形された成形可能な組成物に、及び/又は前記水ガラスで結合された砂に、香り材料を加えることをさらに含む、請求項14から27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
請求項15から27のいずれか1項に記載の方法を実施するためのキットであって、実質的に本明細書に記載されたとおりのキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年6月19日に出願された米国仮特許出願63/041,139から優先権を獲得し、この出願は、参照により本明細書に完全に規定されるかのように含まれる。
【0002】
本発明は、いくつかの実施形態において、製造の分野に関し、より詳細には、それに限定される訳ではないが、結合された砂で作られた物体、そのような物体の製造方法、およびそのような物体の製造に有用なキットに関する。
【背景技術】
【0003】
ビーチに行く人は、ビーチ玩具など、ビーチで使用するためプラスチック製品をよく持っていく。
【0004】
多くの場合、プラスチック製の物体は意図的または無意識にビーチに残される。ビーチの運営者は、プラスチック製品をビーチから撤去するために多大な費用を負担している。さらに悪いことに、プラスチック製品がビーチに残ったり、海に流されたりして、公害を引き起こすこともある。
【0005】
捨てても公害にならないような、ビーチなどで使用可能な物体があると有用であろう。
【発明の概要】
【0006】
本明細書の発明のいくつかの実施形態は、結合された砂で作られた玩具などの物体、そのような物体の製造方法、及びビーチ(海水浴場)のような場所で使用できるそのような物体を作るために有用なキットに関する。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、水ガラスで結合された砂で作られた物体が提供され、該物体は最終商品である。
【0008】
いくつかの実施形態では、物体は、50重量%以上の水ガラスで結合された砂を備える。
【0009】
いくつか実施形態では、水ガラスで結合された砂の砂は、ビーチの砂である。
【0010】
いくつかの実施形態では、物体は、玩具、メダリオン、積み木、家具、壁、砂の城の一部、及び砂の城からなる群から選択される。
【0011】
いくつかの実施形態では、物体は玩具である。いくつかのそのような実施形態では、物体は、1000g以下の重量である。 いくつかのそのような実施形態では、物体は、人物フィギュア、動物フィギュア、車両フィギュア、容器、掘削具、及び玩具積み木からなる群から選択される玩具である。
【0012】
いくつかの実施形態では、物体は、メダリオンである。いくつかのそのような実施形態において、物体は、400g以下の重さである。
【0013】
いくつかの実施形態では、物体は、レンガ、ブロック、躯体、板材、及び屋根瓦からなる群から選択される積み木である。
【0014】
いくつかの実施形態では、物体は家具であり、いくつかのそのような実施形態では、ビーチチェア、ベンチ、サンベッド、スツール、テーブル及びバーからなる群から選択される。
【0015】
いくつかの実施形態では、物体は、よい香りのする物体である。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、物体の製造方法であって、
a.砂と水ガラスとの組み合わせを含む成形可能な組成物を提供するステップと、
b.成形可能な組成物を最終商品である物体の形状に成形するステップと、
c.成形した成形可能な組成物を物体の形状を有する水ガラスで結合された砂に変えるのに十分な量の弱酸と所定期間接触させるステップと、
を備え、それにより物品を作成する方法も提供される。
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、物体の製造方法であって、
a.砂と水ガラスとの組み合わせを含む成形可能な組成物を提供するステップと、
b.成形可能な組成物を本明細書に記載の本発明による物体の形状に成形するステップと、
c.成形した成形可能な組成物を物体の形状を有する水ガラスで結合された砂に変更するのに十分な弱酸の量と所定時間接触させるステップと、
を備え、それにより物品を作る方法もまた提供される。
【0017】
いくつかの実施形態において、成形可能な組成物を提供することは、ビーチから砂を採取すること、及び採取した砂を水ガラス、及び任意に少なくとも1つの追加の材料と結合し、それにより成形可能な組成物を提供することを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、収穫された砂を水ガラスと結合することは、ビーチ、好ましくは砂が収穫されたビーチで実行される。
いくつかの実施形態において、成形可能な組成物を物体の形状に成形することは、ビーチ、好ましくは砂が採取されたビーチで行われる。
【0019】
いくつかの実施形態において、成形された成形可能な組成物を所定量の弱酸と接触させることは、ビーチ、好ましくは砂が採取されたビーチで行われる。
いくつかの実施形態では、砂は未洗浄の砂である。
【0020】
いくつかの実施形態では、成形は、成形可能な組成物を成形すること、成形可能な組成物を積み重ねること、成形可能な組成物を彫刻すること、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される技法を用いて行われる。
【0021】
いくつかの実施形態において、弱酸を成形可能な組成物と接触させることは、C02を成形可能な組成物と接触させることを含んでいる。いくつかのそのような実施形態において、C0はガス状のC0である。
【0022】
いくつかの実施形態において、ガス状のC0を成形された成形可能な組成物に接触させることは、二酸化炭素貯蔵器から成形された成形可能な組成物に二酸化炭素を注入すること、成形された成形可能な組成物を二酸化炭素に富む雰囲気に浸すこと、ガス状の二酸化炭素をその上部から成形された成形可能な組成物に注ぐこと、及び成形された成形可能な組成物にドライアイスを配置することからなる群から選ばれた少なくとも一つの方法を含んでいる。
【0023】
いくつかの実施形態において、方法のいずれかが、成形可能な組成物に、成形された成形可能な組成物に、および/または水ガラスで結合された砂に、香り材料を加えることをさらに含み、物体が香り付きの物体となるようにすることである。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、本明細書に記載される方法のいずれかを実施するためのキットも提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明のいくつかの実施形態は、添付の図を参照して本明細書で説明される。説明と図とを合わせると、当業者であれば、本発明のいくつかの実施形態がどのように実施され得るかが明らかになる。図は、例示的な説明のためのものであり、本発明の基本的な理解に必要な以上に詳細に実施形態の構造的な詳細を示すことは試みられていない。明確にするために、図に描かれたいくつかの物体は、縮尺通りではない。
【0026】
図1】本明細書の教示に従った、環境に優しい物体の崩壊の段階を示す写真の複製である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書の発明のいくつかの実施形態は、結合された砂で作られた物体、ビーチのような場所で使用することができるような物体を作る方法およびそのような物体を作るのに有用なキットに関する。
【0028】
本発明の教示の原理、用途および実施は、添付の説明および図を参照することにより、よりよく理解され得る。本明細書に提示された説明および図を熟読すると、当業者は、過度の努力または実験なしに本発明の教示を実施することができる。図において、同様の参照数字は、全体を通して同様の部品を指す。
【0029】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用が必ずしも本明細書に規定された構成要素および/または方法の詳細および配置に限定されないことが理解される。本発明は、他の実施形態、または様々な方法で実施または実行することが可能である。本明細書で採用される語句および用語は、説明のためのものであり、限定的なものと見なしてはならない。
【0030】
本明細書の教示に従った物体
いくつかの実施形態では、本明細書の教示による物体は、本明細書に記載されるように、本明細書の教示による方法の実施形態によって作られる物体である。
【0031】
本明細書の教示による物体は、水ガラスを結合した砂で作られる。
砂は、二酸化ケイ素や炭酸カルシウムを主とする岩石や鉱物粒子の小粒子からなる周知の粒状物質である。
【0032】
水ガラスは、水中に二酸化ナトリウムとシリカを含むシロップ状のケイ酸ナトリウム溶液(CAS Nr.1344-09-08)の通称である。水ガラスは産業界で広く使用されており、多くの市販品の供給会社から入手可能である。
【0033】
当技術分野では、砂と水ガラスを結合させて、成形可能な組成物(湿った砂と同様の粘性と性質)を作ることはよく知られている。この組成物に弱酸を加えると、水ガラスが砂を結合して、ここでは水ガラスで結合された砂と呼ばれる硬い岩のような物質を作る。水ガラスで結合された砂は、例えば、溶融金属から金属製品を製造するのに適した鋳型の製造に使用することは、当業界ではよく知られている。
【0034】
発明者は、最終商品である物品の製造のため、水ガラスを結合した砂の使用を発見し、開発し、そして現在、開示している。当業界で知られているように、最終商品は、消費者が欲求や必要性を満たすために使用する物体である。これに対して、中間材は、鋳型のような他の物を製造するための道具として使用される物である。
【0035】
好ましい実施形態では、物体は、砂浜で作られ、使用される。砂は、水ガラスを結合した砂から物体を作るための主要な原料を提供する。物体が使用された後、物体はビーチに廃棄され、ビーチでの風と水の作用によって無に帰すように崩壊される。本教示は、通常、ビーチで使用され、廃棄される物体の環境に優しい代替物を提供するだけでなく、持続可能性と環境に対する配慮の重要な教訓をも与える。
【0036】
物体
したがって、本明細書の教示のいくつかの実施形態の一態様によれば、水ガラスで結合された砂で作られた物体が提供され、この物体は最終商品である。
【0037】
物体の構成
いくつかの実施形態において、物体は、水ガラスで結合された砂に加えて異なる材料、例えば、少なくとも1つの岩、小石、貝、木部分、金属部分、ガラスで作られているが、好ましい実施形態において、物体は、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、さらには90%以上の重量%の水ガラスで結合された砂を備えている。いくつかの実施形態では、物体は、95重量%以上、さらには98重量%以上の水ガラスで結合された砂を備えている。いくつかの代替的な実施形態では、物体は、95重量%以下、さらには90重量%以下の水ガラスで結合された砂を備えている。
物体の水ガラスで結合された砂の部分は、当技術分野で知られているように、水ガラスで結合された砂の任意の組成で作られている。
【0038】
砂は、任意の適切な種類の砂である。本明細書で使用されるように、本明細書の教示を実施するために使用される砂の粒の平均直径は、0.0625mm(~0.00012立方ミリメートルの体積)~2mm(~4.2立方ミリメートルの体積)である。好ましい実施形態では、砂はビーチの砂であり、いくつかの実施形態では、その砂は、(炭酸カルシウム及び/又はシチンで作られた、任意の生物、特に軟体動物、腕足動物、甲殻類、カブトガニ及び/又はウニからの)海の貝殻部分を含む。いくつかの実施形態において、砂は、洗われていない砂であり、すなわち、砂が収穫された場所の近くの水域、例えば海からの塩分を含む。
【0039】
水ガラスで結合された砂を作るのに適した任意の水ガラスは、本明細書の教示を実施するのに適している。いくつかの実施形態では、水ガラスは、メタケイ酸ナトリウムNaSi0、オルトケイ酸ナトリウムNaSi0 、およびピロケイ酸ナトリウムNaSi0などの化学式Na2xSi02+x又は(Na0)x・Si0を有する化学化合物の水溶液からなり、xは、任意の整数である。いくつかの実施形態では、水ガラスは、(Na0H)(NaSi0)y.z H0であり、x、yおよびzは任意の適切な整数であり、いくつかの実施形態では、Na0およびSi0、例えば8~15%w/w Na0および20~30%w/w/Si0を含む。
【0040】
砂の水ガラスの結合を開始するために知られている任意のタイプの弱酸を使用することができる。好ましい実施形態では、砂の結合を開始するために使用される弱酸は、水ガラス/砂の組成物中の水にガス状二酸化炭素を添加した結果である。
【0041】
物体の種類
物体は、最終商品である任意の適切な物体であり、好ましい実施形態では、玩具、メダリオン、積み木、家具、壁、砂城の一部および砂城からなる群から選択される。
【0042】
いくつかの実施形態では、物体は玩具である。いくつかのそのような実施形態では、物体は、簡単に遊ぶことを可能にする比較的軽いものである。したがって、いくつかの実施形態では、物体は、1000g以下、800g以下、600g以下、400g以下、さらには200g以下の重量の玩具である。物体が玩具である時のいくつかの実施形態では、玩具は、人間フィギュア(例えば、人形)、動物フィギュア、乗り物フィギュア、バケツ又は箱などの容器、鋤などの掘り具、及び玩具の積み木(例えば、Megablocks(登録商標)又はLego(登録商標)に相似、類似又は同一のもの)からなる群から選択される。
【0043】
いくつかの実施形態では、物体は、メダリオンである。いくつかのそのような実施形態では、物体は、比較的軽い。したがって、いくつかの実施形態では、物体は、400g以下、200g以下、100g以下、さらには50g以下の重さのメダリオンである。
【0044】
物体が積み木である時のいくつかの実施形態では、物体は、仮設構造物又はシェルターの建設を可能にし、いくつかの実施形態では、積み木は、レンガ、ブロック(すなわち、建築石工ユニット、CMU)、躯体(建築フレーム)、屋根板、及び屋根瓦からなる群から選択される。
【0045】
物体は家具である時のいくつかの実施形態では、物体は家具である。いくつかのそのような実施形態では、物体は、ビーチ家具である。いくつかの実施形態では、物体は、ビーチチェア、ベンチ、サンベッド、スツール、テーブル及びバーからなる群から選択される家具である。そのような実施形態は、例えば、ビーチで、例えば、パーティ又はレストランのための、一時的な家具を作ることを可能にする。
【0046】
物体が壁である場合のいくつかの実施形態では、物体は、例えばビーチパーティーのために、ビーチの異なる部分を一時的に分離することを可能にする。いくつかの実施形態では、物体は、その場で作られる壁である。いくつかの代替的な実施形態では、物体は、上述したように、積み木である本発明の物体で作られた壁である。
【0047】
好ましい実施形態では、作られた後、物体は、(例えば、波による水との接触により)濡れたとしても及び/又は遊んだとしても、数時間の間、耐久性がある。好ましい実施形態では、ビーチなどの水に数時間以上さらされた後、物体は、例えば、風及び/又は波の作用により、痕跡なく環境に優しい方法で、崩壊する。
【0048】
本明細書の教示による方法
本明細書の教示による物体は、上述したように、水ガラスで結合された砂で作られる。水ガラスで結合された砂を作るための任意の適切な組成物は、例えば、当技術分野で知られているように、本明細書の教示の物体を作るために使用されてもよい。水ガラスで結合された砂の物体を作るための任意の適切な方法は、例えば、当技術分野で知られているように、本明細書の教示の物体を作るために使用されてもよい。
【0049】
本明細書の教示のいくつかの実施形態の態様によれば、物体、特に本明細書の教示による物体を製造する方法が提供され、それは、
a.砂と水ガラスとの組み合わせを含む成形可能な組成物を提供し、
b.成形可能な組成物を最終商品である物体の形状に成形し、
【0050】
c.成形された成形可能な組成物を水ガラスで結合された砂に変化させるために十分な量の弱酸と所定期間、接触させ(すなわち、物品の形状を有する成形された成形可能な組成物を固化させ)、
それにより物品の製造を行う。
【0051】
形状は任意の適切な形状であり、物体は、最終商品である任意の適切な物体である。いくつかの好ましい実施形態では、物体は、本明細書に記載されるように、本明細書の教示に従った物体である。
【0052】
組成物の提供
砂と水ガラスとの結合を含む組成物の提供は、任意の適切な方法で行われる。いくつかの実施形態では、その提供は、砂と水ガラスとを結合する(混合する)ことを備える。いくつかの実施形態では、その提供は、砂と水ガラスと、さらに少なくとも1つの追加の異なる材料、例えば、上述したようなものを結合することを備える。いくつかの実施形態において、その提供は、最初にビーチから砂を採取し、その後に砂を水ガラスと結合することを備える。いくつかの好ましい実施形態において、採取された砂は洗浄されない。いくつかの好ましい実施形態では、砂は未洗浄の砂(すなわち、真水で洗浄またはすすぎ洗いされていない)であり、砂は砂が採取された場所の近くの水域、例えば海からの塩分を含むようになっている。好ましい実施形態では、砂と水ガラスとの結合は、砂が採取された場所、例えば、ビーチでその場で行われる。
いくつかの実施形態では、成形及び接触はビーチで行われる。
【0053】
提供される組成物は、砂、水ガラス、および任意に少なくとも1つの追加材料を含む任意の適切な組成物である。上述したことに対応して、好ましい実施形態では、提供される組成物は、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、さらには90重量%以上の砂および水ガラスを含んでいる。いくつかの実施形態において、提供される組成物は、95重量%以上、さらには98重量%以上の砂および水ガラスを備える。いくつかの代替的な実施形態では、提供される組成物は、95重量%以下、さらには90重量%以下の砂および水ガラスを備えている。
【0054】
提供された組成物中の水ガラスに対する砂の割合は、例えば、水ガラスで結合された砂の技術分野で知られているように、任意の適切な割合である。提供された組成物中に100割合の砂(w/w)に対して約3割合の水ガラスから、結果として得られる結合体は水ガラス含有量の増加とともに徐々に耐久性が高くなることが見出されている。提供される組成物中に約100割合の砂(w/w)に対して約10割合以上の水ガラスがあるとき、得られる接合体は、非常に高い水ガラス含有量のため、非常に耐久性があるが高価であることが見出された。したがって、好ましい実施形態では、提供される組成物は、100割合の砂(w/w)毎に約3割合~約10割合の間の水ガラスを含んでいる。いくつかの好ましい実施形態において、提供される組成物は、100割合の砂(w/w)毎に約5割合~約7割合の間の水ガラス、例えば、100割合の砂(w/w)毎に約6割合の水ガラスを含んでおり、この組成物は、海水中に7~8時間浸漬した後にのみ全ての構造完全性を失う物体をもたらすことが判明し、したがって、それによって、本明細書の教示の典型的目的のために十分に耐久性があり、経済的な量の水ガラスが使用されている。
好ましい実施形態において、成形可能な組成物及び成形された成形可能な組成物は、周囲温度を超えて加熱されない。
【0055】
物体を成形すること
所望の物体は、通常の方法で成形可能な組成物から、例えば上述したように、所望の最終商品である物体の形状に成形される。成形は、任意の適切な技術または技術の組み合わせを使用して、任意の適切な方法で行われる。
【0056】
いくつかの実施形態では、成形可能な組成物を鋳型に配置することによって、物体が成形される。いくつかの実施形態では、鋳型は二部式鋳型である。いくつかの実施形態では、鋳型は一部鋳型である。鋳型は、任意の適切な材料又は材料の組み合わせ、例えば、木材、アルミニウム、及びシリコーンゴムである。重要なことは、成形可能な組成物が水ガラスで結合された砂に変化した後、物体は好ましくは鋳型から取り除かれることである。
加えて又は代替的に、いくつかの実施形態において、物体は、成形可能な組成物の積み重ねにより形成され、成形可能な組成物山を作る。
【0057】
加えて又は代替的に、いくつかの実施形態では、物体は、(例えば、砂彫刻の技術分野で知られているように)彫刻により成形される。いくつかの実施形態では、彫刻は、成形可能な組成物の山のものである。
【0058】
物体を固めること
【0059】
上述のように、物体の形状に成形された成形可能な組成物は、成形可能な組成物を水ガラスで結合された砂に変化させるのに十分な量の酸及び時間、弱酸と接触される。上述のように、砂の水ガラス結合を開始するために知られている任意のタイプの弱酸が、成形された成形可能な組成物と接触されてもよい。好ましい実施形態では、接触は、COが組成物の水に溶解して弱酸を形成するように、COを成形された成形可能な組成物と接触させることを含む。好ましくは、二酸化炭素の適用量は、組成物全体が弱酸と接触し、内部部分まで水ガラスで結合された砂に変化するように、成形された成形可能な組成物のすべてを充填するような量である。
【0060】
好ましい実施形態では、二酸化炭素は、ガス状のCOとして適用される。
いくつかの実施形態では、二酸化炭素は、例えば、二酸化炭素の貯蔵器から針で、成形された成形可能な組成物に注入される。
【0061】
加えて又は代替的に、いくつかの実施形態において、成形された成形可能な組成物は、二酸化炭素を富化した雰囲気に浸され、例えば、二酸化炭素ガスで満たされた容器に入れられる。
【0062】
加えて又は代替的に、いくつかの実施形態では、二酸化炭素が成形された成形可能な組成物に定着するように、二酸化炭素が上部から成形された成形可能な組成物上に(例えば、注ぐことによって)加えられる。
【0063】
加えて又は代替的に、いくつかの実施形態において、ドライアイスは、ドライアイスからのガス状の二酸化炭素が成形された成形可能な組成物に定着するように、成形された成形可能な組成物の上に置かれる。
【0064】
物体の耐久性
一般に、本教示の物体が乾燥している限り、それは同等の砂岩の物体とほぼ同様の耐久性がある。
【0065】
水で濡れた場合、物体は、直ちに構造的完全性を失わず、乾燥させれば元の耐久性を回復する。いくつかの実施形態において、本明細書の教示による物体は、海水、例えば、例えば地中海の海水中に15分未満浸漬された場合、実質的な構造的完全性を失わない。いくつかの実施形態において、本明細書の教示による物体は、海水中に30分未満浸漬された場合、及び海水中に60分未満浸漬された場合でさえも、実質的な構造的完全性を失わない。
【0066】
ここで使用する「構造的完全性を失わない」とは、1mの高さから砂浜の海岸線に見られるような平らな濡れた砂の表面に落とされた時に物体が壊れないことを意味する。
【0067】
しかし、水にかなりの時間浸かっていると、物体は比較的短時間で構造的完全性を失い、環境にやさしい方法で砂に分解する。
【0068】
構造的完全性の喪失速度は、特に、水の塩分濃度(塩水中よりも淡水中で速く構造的完全性を失う)及び物体を作るために使用される組成物中の水ガラスと砂の割合(物体中の水ガラスが少ないと構造的完全性の喪失が速くなる)に依存する。例えば、好ましい物体は作られ、地中海の海水中に7時間から8時間浸漬されると、すべての構造的完全性が失われることが判明した。同一の物体は、真水中に1時間浸漬した後に全ての構造的完全性を失った。いくつかの実施形態では、本明細書の教示による物体は、海水中、例えば地中海の海水中への24時間以内の浸漬の後に、全ての構造的完全性を喪失する。つまり、いくつかの実施形態では、本明細書の教示による物体は、海水中への12時間以下、10時間以下、さらには8時間以下の浸漬の後に、すべての構造的完全性を失う。
【0069】
本明細書で使用する「すべての構造的完全性を失う」とは、通常の大人の人間が道具を使わずに手を使って物体を砂に押し広げ(例えば、こねる)、塊が残らない程度に弱体化することを意味する。
【0070】
香り
【0071】
いくつかの実施形態では、本明細書の教示による物体は、香り付きであり、すなわち、通常の嗅覚を有する通常の人間によって知覚可能な香りを提供する、水ガラス及び砂以外の香り材料を含む。いくつかの実施形態において、本方法は、物体が香り付き物体となるように、香り材料を加えることをさらに含む。
【0072】
いくつかの実施形態において、本方法は、
提供される成形可能な組成物が香り材料を含むことと、
成形前又は成形中に成形可能な組成物に香り材料を加えることと、
成形後及び弱酸との接触前に成形された成形可能な組成物に香り材料を加えることと、
弱酸との接触と同時及び/又は同時に成形可能な組成物に香り材料を加えることと、
及び水ガラスで結合された砂物体に香り材料を加えることと、
からなる群の少なくとも一つの要素を更に含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、香り材料は、香水及び/又は香水成分である。いくつかのそのような実施形態では、香り材料は、任意の担体中の精油を含むか、または精油からなる。典型的な香り材料には、オールスパイス油、アンブレット油、アニス油、バジル油、ベルガモット油、ブラックペッパー油、ボルネオール油、カジェパット油、カラミンサ油、カンファー白油、ニンジン種子油、シダーウッド油、カモミール油、シナモン油、シトロドラ油、シトロネラ油、シトラス油、クラリセージ油、コリアンダー油、ヒバ油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、乳香油、ガルベナム油、ゼラニウム油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、へリクリズム油、へムロック油、ヒソップ油、ジャスミン油、ラベンダー油、ラベンジン油、レモン油、レモンバーム油、レモングラス油、ライム油、マンダリン油、マジョラム油、マスティック油、ミント油、ミルラ油、ニアウリ油、ネロリ油、ナツメグ油、オレンジ油、パルマローザ油、パチュリ油、ペパーミント油、プチグレン油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、セージ油、サンダルウッド油、シルバーファー油、スペアミント油、トウヒ油、スターアニス油、タイム油、ターメリック油、ターペン油、バニラ油、ベチバー油、ウィンターグリーン油、およびイランイラン油、およびそれらの組合せからなる群から選択された香り材料を含む。
【0074】
本明細書の教示によるキット
本明細書の教示によるキットは、本明細書の教示による方法を実施するのに有用なキットであり、好ましくは、ビーチなどの屋外で実施されるものである。
【0075】
いくつかの実施形態では、キットは、容器、例えば、プラスチックボトル又は水差しの中の水ガラスを含む。好ましいケイ酸ソジウム溶液は、上述した通りである。
【0076】
さらに、または代替的に、いくつかの実施形態において、キットは、測定される砂の体積および水ガラスの適切な体積を可能にする体積測定容器を含む。例えば、いくつかの実施形態において、キットは、砂の体積を測定するための第1の容器と、本明細書の教示を実施するための水ガラスの量に相当する水ガラスの体積を測定するための第2の容器とを含む。
【0077】
さらに、または代替的に、いくつかの実施形態において、キットは、
上記のように組成物の塊に挿入されるように構成されるべき遠位端を有し、組成物の塊への二酸化炭素の分配を可能にするする中空注射針と、
分配バルブおよび中空注射針に物理的に関連する二酸化炭素貯蔵器からの二酸化炭素の放出を可能にする制御可能な分配バルブと、
を有する二酸化炭素ディスペンサーを含む。
【0078】
いくつかの好ましい実施形態では、注射針は、可撓性チューブで二酸化炭素貯蔵器と物理的に関連付けられるように構成されている。
いくつかの好ましい実施形態では、二酸化炭素ディスペンサーの重量は、2kg以下、1kg以下、さらには500g以下である。
さらに、または代替的に、いくつかの実施形態では、キットは二酸化炭素貯蔵器を含む。
【0079】
いくつかの好ましい実施形態において、二酸化炭素ディスペンサーは物理的に関連付けられた二酸化炭素貯蔵器ともに、10kg以下、5kg以下、2kg以下、さらには1.5kg以下の重量を有する。
【0080】
実験
鋳型を作ること
【0081】
標準的な3Dプリンターはポリ乳酸から様式化された猫の模型を造形するために使用された。その模型は高さ15cmで最大直径10cmであった。その模型には、サンドスタンプとして機能するように構成された装飾体を有していた。
【0082】
30cmの幅、30cmの横幅、30cmの奥行きの内部空洞を規定するファイバーグラスの正方形の外型に,流動性のあるシリコーンゴム組成物を部分的に充填した。模型の第1の半分は造形粘土の保護層で覆われていた。模型の第2の半分は離型剤を吹き付けられ、外型内の流動性シリコーンゴム組成物中に浸され、流動性シリコーンゴム組成物が固化するまでそこに維持され、それによって内型の第2部分を形成した。
【0083】
模型が内型の第2部分に保持されたまま、模型の第1の半分から粘土が除去された。内型の第2部分の外周面および模型の露出した第1の半分は離型剤で噴霧された。ファイバーグラスの正方形の外型は流体シリコーンゴム組成物で部分的に充填され、模型の第1の半分が外型内の流体シリコーンゴム組成物中に浸され、流体シリコーンゴム組成物が固化するまでそこに維持され、それによって内型の第1部分が形成されるようになっている。
2枚の内型は分離され、模型が取り出された。
【0084】
成形可能な組成物の作製
所望の量の海浜砂(例えば、イスラエルのテルアビブのバナナビーチから採取したもの)と適量の水ガラス、海浜砂100割合に対して水ガラス3~10割合を混合して、均質な成形可能な組成物が作製された。
【0085】
炭酸ガスディスペンサー
1mの長さのゴムチューブの近位端は、(SodaStream International Ltd., Airport
City, Israelによる)市販の炭酸ガスディスペンサーのガス排出針にぴったりと配置された。皮下注射針はゴムチューブの遠位端の内側に配置された。チューブは、結束バンドで排出針と皮下注射針に固定された。
【0086】
物体の造形
上述した成形可能な組成物は、内型の両方の部分に配置され、突き固められた。両金型部分の組成物の層が金型部分の周壁面と面一になるように、余分な組成物は削り取られた。成形可能な組成物を有する第1の金型部分は、組成物を上にして地面に配置された。成形可能な組成物を有する第2の金型部分は、成形可能な組成物を下にして第1の金型部分の上に配置された。
【0087】
二酸化炭素ディスペンサーの皮下注射針の遠位端は、2つの金型部分の間の隙間から針を押し込むか、或いは一方の金型の空洞のシリコーン壁を押し通すことによって、金型の空洞内に配置された。
【0088】
二酸化炭素ディスペンサーは、通常の方法(バルブを開く)で約30秒間作動され、ディスペンサーからの二酸化炭素が金型の空洞内と成形可能な組成物全体にある空気を完全に置換するようになっている。
2つの金型は分離され、完全な固形物、様式化された猫の人形が回収された。
【0089】
物体を彫刻すること
上述したような成形可能な組成物は、通常の道具、例えば、クレネル付きプラスチックバケツを用いて、通常の方法で砂の城を作るために使用された。砂の城が完成した時、炭酸ガスディスペンサーの皮下注射針の遠位端は砂の城の一部に挿入され、30秒程度の時間、通常の方法で炭酸ガスディスペンサーが作動された。針付近の砂の組成物は固められた。この針の挿入は、砂の城全体が一つの固形物になるまで、砂の城の異なる場所で何度か繰り返された。
【0090】
物体の耐久性
100割合の海浜砂に対して3割合の水ガラスを有する組成物から作られる物体は凝集性がなく、触ると崩壊する。
【0091】
3割合の水ガラスから100割合の砂浜まで始めると、硬くて丈夫で壊れ難くなる物体を作ることができる。
【0092】
100割合の海浜砂に対して10割合以上の水ガラスを有する組成物から作られた物体は、非常に硬く丈夫であった。
【0093】
100割合の砂に対して少なくとも3割合の水ガラスを有する物体は、乾燥した状態で手を触れずに維持すると、無限の耐久性を発揮するようであった。
【0094】
上述した猫の大きさの物体は、水道水に3時間、塩水(地中海)に6時間浸漬した後、顕著に崩壊し始めた。
【0095】
猫の大きさの物体は、4歳の子供が活発に遊んでも、塩水中に断続的に浸すことで少なくとも3時間は顕著な崩壊しなかった。
【0096】
図1は、本明細書の教示に従った物体の耐久性と環境に優しい分解の段階を示す写真の複製である。具体的には、本明細書の教示に従って、2部構成のシリコーン型と、イスラエルのテルアビブのバナナビーチから採取された100割合の砂に対して6割合の水ガラスとを用いて、6つの同一の様式化されたネコが作製された。物体はビーチの海岸線に配置され、地中海で継続して浸され、波の動き又は子供による遊びでたたかれた。左から右に、20分後の最初の物体、40分後の第2の物体、60分後の第3の物体、80分後の第4の物体、100分後の第5の物体、120分後の第6及び最後の物体である。
【0097】
特に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野における通常の技術者が一般的に理解するのと同じ意味を有する。矛盾が生じた場合は、定義を含む本明細書が優先される。
【0098】
本明細書で使用される場合、用語「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」及びその文法的変形は、記載された特徴、整数、ステップ又は成分を特定するものとみなされるが、1以上の追加の特徴、整数、ステップ、成分又はそれらの群の追加を排除するものではない。
【0099】
本明細書で使用される不定冠詞「a」および「an」は、文脈から明らかにそうでないと判断されない限り、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味する。
【0100】
本明細書で使用される場合、数値の前に「約」が付く場合、「約」は±10%を示すことを意図している。
【0101】
本明細書で使用される場合、「Aおよび/またはB」という形式のフレーズは、(A)、(B)または(AおよびB)からなる群からの選択を意味する。本明細書で使用される場合、「A、B及びCの少なくとも1つ」という形式のフレーズは、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)又は(A及びB及びC)からなる群からの選択物を意味する。
【0102】
明瞭さのために、別々の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されることもできることが理解される。逆に、簡潔さのために、単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴はまた、別々に、または任意の好適なサブコンビネーションで、または本発明の任意の他の説明された実施形態において好適に提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、その実施形態がそれらの要素なしでは動作しない場合を除き、それらの実施形態の本質的な特徴とみなされるべきではない。
【0103】
本発明は、その特定の実施形態と関連して説明されてきたが、多くの代替案、修正および変形が当業者に明らかであることは明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るそのような代替案、修正および変形をすべて包含することが意図される。
【0104】
本出願における文献の引用または特定は、当該文献が本発明の先行技術として利用可能であることを認めるものと解釈してはならない。
【0105】
本明細書では、明細書の理解を容易にするために節見出しを使用しており、必ずしも限定的に解釈されるべきものではない。
図1
【国際調査報告】