IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ショット アクチエンゲゼルシャフトの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(54)【発明の名称】導波路および導波路の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/06 20060101AFI20230706BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20230706BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20230706BHJP
【FI】
G02B6/06 A
G02B6/02 461
G02B6/02 401
G02B6/02 356
G02B6/00 301
G02B6/06 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579010
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(85)【翻訳文提出日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2021066986
(87)【国際公開番号】W WO2021259926
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】102020116444.0
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504299782
【氏名又は名称】ショット アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SCHOTT AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr. 10, 55122 Mainz, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス コーグルバウアー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス オアトナー
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァー ゾーア
(72)【発明者】
【氏名】ダーフィト ゾーア
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア ラヴァリ
【テーマコード(参考)】
2H038
2H250
【Fターム(参考)】
2H038AA13
2H250AA06
2H250AB02
2H250AB05
2H250AB18
2H250AB23
2H250AB32
2H250AB52
2H250AB60
2H250AC23
2H250AC24
2H250AC53
2H250AC61
2H250AC96
2H250AH31
2H250CA13
2H250CB01
(57)【要約】
本発明は、導波路(1)であって、導波路の近位端(2)から導波路の遠位端(4)まで、近位端と遠位端との間に延びる伝送方向(5)に沿って、伝送方向に対して横方向に延びる断面で電磁波を伝送するための、特に画像情報を伝送するための導波路(1)であって、導波路(1)は、複数の構造要素(10)を含み、少なくとも2種類の構造要素、すなわち、第1の屈折率を有する第1の種類(10a)と、第2の屈折率を有する第2の種類(10b)とが含まれており、構造要素(10)はそれぞれ、伝送方向(5)に沿って延びているとともに、導波路(1)の断面に割合に応じて広がっており、導波路(1)の断面において複数の断面領域(20)が画定されており、断面領域(20)はそれぞれ、個々の構造要素(10)の断面に対応している、導波路(1)において、構造要素(10)、特にその断面領域(20)は、不均一に、しかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されていることを特徴とする、導波路(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波路(1)であって、前記導波路の近位端(2)から前記導波路の遠位端(4)まで、前記近位端と前記遠位端との間に延びる伝送方向(5)に沿って、前記伝送方向に対して横方向に延びる断面で電磁波を伝送するための、特に画像情報を伝送するための導波路(1)であって、前記導波路(1)は、
複数の構造要素(10)を含み、少なくとも2種類の構造要素、すなわち、第1の屈折率を有する第1の種類(10a)と、第2の屈折率を有する第2の種類(10b)とが含まれており、
前記構造要素(10)はそれぞれ、前記伝送方向(5)に沿って延びているとともに、前記導波路(1)の前記断面に割合に応じて広がっており、前記導波路(1)の前記断面において複数の断面領域(20)が画定されており、前記断面領域(20)はそれぞれ、個々の構造要素(10)の前記断面に対応している、導波路(1)において、
前記構造要素(10)、特にその断面領域(20)は、不均一に、しかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されていることを特徴とする、導波路(1)。
【請求項2】
前記構造要素、特に断面領域は、所定の規則で明確に定められた不均一な、特に非周期的な所定の配置を有し、かつ/または
前記構造要素、特に断面領域は、所定の規則で明確に定められた不均一な、特に互いに異なる幾何学的形状、例えば不均一な直径を有し、かつ/または
前記構造要素は、所定の規則で明確に定められた不均一な、特に互いに異なる屈折率を有する、請求項1記載の導波路。
【請求項3】
前記構造要素、特にその断面領域は、不均一に形成されており、その結果、前記導波路によって伝送される電磁波は、前記伝送方向に対して横方向に延びる方向に局在した状態を保持し、それにより特に画像情報が伝送され、かつ/または
前記構造要素、特にその断面領域は、所定の規則で定められたとおりに形成されており、その結果、前記導波路は、再現性のある構造を有し、特に前記導波路と同一の構造を有するさらなる導波路を製造することができ、かつ/または
前記断面における前記構造要素の前記断面領域によって定められる前記導波路の構造は、前記伝送方向に沿って数学的な意味で類似しており、特に不変である、請求項1または2記載の導波路。
【請求項4】
特に前記断面領域の配置、前記断面領域の幾何学的形状および/または前記構造要素の屈折率を明確に定めた前記規則は、
特に各構造要素の前記断面領域の位置、前記断面領域の面積または屈折率を定めるための、決定論的規定による各構造要素の特性値の指定を含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の導波路。
【請求項5】
前記明確に定めた規則、特に特性値を指定するための決定論的規定は、設定値の特に数学的な列を含み、
前記値の列は、好ましくは超一様分布列として形成されており、かつ/または
前記値の列は、好ましくは決定論的列として、例えば、ハルトン列として、ソボル列として、ニーダーライター列として、ハマースレイ列として、ファウレ列として、または複数の列の組み合わせとして形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の導波路。
【請求項6】
前記明確に定めた規則、特に特性値を指定するための決定論的規定は、
特定の構造要素の特性値を指定するための決定論的列の特定の値を参照すること、
さらなる構造要素の特性値を指定するための前記決定論的列のさらなる値を参照すること、
前記さらなる構造要素の前記値または前記特性値が所定の条件に反するか否かを、特に前記特定の構造要素の前記値または前記特性値を考慮して確認し、前記所定の条件に反する場合には、
前記さらなる値を破棄し、前記さらなる構造要素の前記特性値を指定するための前記決定論的列のなおもさらなる値を参照するか、または前記所定の条件が満たされるかもしくはもはやこれに反しないように、前記さらなる値を所定の様式で修正すること
を含む、請求項1から5までのいずれか1項記載の導波路。
【請求項7】
前記所定の条件は、前記値または前記特性値の定められた最小差として、特に前記構造要素の断面エリアの位置間の定められた最小距離として形成されている、請求項6記載の導波路。
【請求項8】
少なくとも1種類の前記構造要素の前記断面エリアの、特に母点に対する位置に関するボロノイ領域の面積の分布は、以下の条件のうちの少なくとも1つ:
(1)前記分布の分散Vは、前記断面エリアのランダムな位置についての対応する分布の分散Vより小さく、比V/Vは、好ましくは0~10であり、特に1より大きく、好ましくは2より大きく、最も好ましくは2.5より大きく、かつ/または8より小さく、好ましくは7より小さく、最も好ましくは6.5より小さく、かつ/または
(2)前記分布の分散Vは、0.38/N2.033より小さく、ここで、Nは、少なくとも1種類の構造要素の数を表し、かつ/または
(3)前記分布の分散Vは、前記断面エリアの周期的な位置についての対応する分布の分散より大きく、前記分散Vは、好ましくは0より大きく、特に10-10より大きく、好ましくは10-9より大きく、最も好ましくは10-8より大きい
を満たす、請求項1から7までのいずれか1項記載の導波路。
【請求項9】
前記第1の種類の前記構造要素の前記断面領域の総面積と前記第2の種類の前記構造要素の前記断面領域の総面積との比は、1:9~9:1の範囲、好ましくは3:7~7:3の範囲、特に好ましくは4:6~6:4の範囲であり、かつ/または
各種類の前記構造要素の前記断面領域の前記総面積は、前記断面積の少なくとも1/(10×T)、好ましくは少なくとも1/(5×T)、特に好ましくは少なくとも1/(3×T)であり、ここで、Tは、前記種類の数を表し、かつ/または
前記第1の種類の前記構造要素の前記第1の屈折率と前記第2の種類の前記構造要素の前記第2の屈折率とは、少なくとも10-4だけ異なっており、特に少なくとも10-3だけ異なっており、特に少なくとも10-2だけ異なっており、特に少なくとも10-1だけ異なっており、特に少なくとも1だけ異なっており、特に少なくとも2だけ異なっており、特に少なくとも3だけ異なっており、特に少なくとも4だけ異なっている、請求項1から8までのいずれか1項記載の導波路。
【請求項10】
少なくとも1つの断面領域が、100nm~50μm、好ましくは400nm~20μm、特に好ましくは1μm~16μmの直径を有し、かつ/または
少なくとも1つの断面領域が、平均波長の0.1倍~10倍、好ましくは平均波長の0.2倍~5倍、特に好ましくは平均波長の0.5倍~2倍の直径を有し、かつ/または
少なくとも1つの断面領域が、多角形、例えば五角形または六角形の幾何学的形状を有する、請求項1から9までのいずれか1項記載の導波路。
【請求項11】
前記第1の種類の1つの構造要素と、前記第2の種類の複数の構造要素とが含まれており、
前記第1の種類の前記構造要素は特に、第1の媒体を用いてまたは第1の媒体から構成される一体型の基体として形成されており、前記第1の媒体は、前記第1の屈折率を有しており、
前記第2の種類の前記構造要素は、前記基体内のキャビティとして形成されており、前記キャビティは、好ましくは前記第2の屈折率を形成している、請求項1から10までのいずれか1項記載の導波路。
【請求項12】
前記基体内の前記キャビティは、フィラメント状チャネルとして形成されており、前記フィラメント状チャネルは特に、超短パルスレーザのレーザビームにより前記基体に導入されており、
前記基体内の前記フィラメント状チャネルには、前記チャネルの輪郭を平滑にするために、好ましくは化学的に、特にエッチングにより後処理が施されており、
前記導波路は、好ましくは、前記伝送方向沿いよりも前記断面においてより大きな寸法を有しており、前記導波路は、好ましくはフェースプレートとして形成されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の導波路。
【請求項13】
前記導波路は、前記断面において、少なくとも4平方ミリメートル、好ましくは少なくとも2500平方ミリメートル、特に好ましくは少なくとも10000平方ミリメートルの面積を有しており、かつ/または
前記導波路は、前記断面において、前記伝送方向に沿った寸法の少なくとも2倍、好ましくは前記伝送方向に沿った寸法の少なくとも5倍、特に好ましくは前記伝送方向に沿った寸法の少なくとも10倍の寸法を有している、請求項1から12までのいずれか1項記載の導波路。
【請求項14】
前記基体内の前記キャビティは、前記基体のアディティブ・マニュファクチャリングによって形成されており、かつ/または特にボアとして、サブトラクティブプロセスにより前記基体に導入されており、前記ボアは、特に機械的穿孔加工によって前記基体に導入されており、
前記導波路は好ましくは特に、前記導波路が、前記複数の構造要素に加えて少なくとも1つの第2の複数の構造要素を含むようにマルチドロープロセスで製造されており、前記導波路は、前記断面において少なくとも2つの面領域を有しており、前記面領域はそれぞれ、双方の複数の構造要素のうちの一方の断面領域を含んでおり、回転を除いて同一の構造を有している、請求項1から13までのいずれか1項記載の導波路。
【請求項15】
特に前記導波路がフェースプレートとして形成されている場合に、前記導波路は、前記伝送方向に沿って10ミリメートル未満、好ましくは6ミリメートル未満、特に好ましくは5ミリメートル未満の寸法を有しているか、または
前記導波路は、前記伝送方向に沿って、特に前記断面の寸法よりも大きい、少なくとも10ミリメートル、好ましくは少なくとも20ミリメートル、特に好ましくは少なくとも50ミリメートル、さらに好ましくは少なくとも100ミリメートルの寸法を有している、請求項1から14までのいずれか1項記載の導波路。
【請求項16】
前記基体内の前記キャビティ、特に前記フィラメント状チャネルおよび/または前記ボアには第2の媒体が充填されており、前記第2の媒体は、前記第2の屈折率を有する、請求項15記載の導波路。
【請求項17】
少なくとも1つの構造要素、特に前記第1の種類の構造要素、特に基体として形成されている前記構造要素は、媒体として以下の材料:ガラス、石英ガラス、ポリマー、結晶、単結晶、多結晶材料および/またはガラスセラミックの1つ以上を含むかまたはそれからなり、かつ/または
少なくとも1つの構造要素、特に前記第1の種類の構造要素、特に基体として形成されている前記構造要素は、媒体として、2μm~20μmの波長範囲において50dB/m以下、特に10dB/m以下、特に1dB/m以下の減衰を有する、特に赤外線透過性の材料、特にカルコゲナイド、特に、酸素、硫黄、セレンおよびテルルの群からの少なくとも1つの元素と、ヒ素、ゲルマニウム、リン、アンチモン、鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタン、ナトリウムの群からの少なくとも1つの元素とを含む材料を含むかまたはそれからなる、請求項1から16までのいずれか1項記載の導波路。
【請求項18】
少なくとも1つの構造要素、特に前記第2の種類の構造要素、特に第2の媒体が充填される前記基体内のキャビティは、媒体として、前記第1の種類の構造要素に関して請求項1から17までのいずれか1項で挙げられた1つ以上の材料を含むかまたはそれからなり、特に、前記第1の種類の前記構造要素には含まれない材料を含むかまたはそれからなる、請求項1から17までのいずれか1項記載の導波路。
【請求項19】
前記第1の種類の複数の構造要素と、前記第2の種類の複数の構造要素とが含まれており、
前記第1の種類の前記構造要素は、第1の媒体を用いてまたは第1の媒体から構成される、特にロッド状または管状の物体として形成されており、前記第1の媒体は、前記第1の屈折率を有し、
前記第2の種類の前記構造要素は、第2の媒体を用いてまたは第2の媒体から構成される、特にロッド状または管状の物体として形成されており、前記第2の媒体は、前記第2の屈折率を有するか、または
前記第2の種類の前記構造要素は、前記第1の種類の前記構造要素内のキャビティとして形成されており、前記キャビティは、好ましくは前記第2の屈折率を形成する、請求項1から18までのいずれか1項記載の導波路。
【請求項20】
導波路であって、前記導波路の近位端から前記導波路の遠位端まで、前記近位端と前記遠位端との間に延びる伝送方向に沿って、前記伝送方向に対して横方向に延びる断面で電磁波を伝送するための、特に画像情報を伝送するための、特に請求項1から19までのいずれか1項記載の導波路において、前記導波路は、
複数の構造要素を含み、少なくとも2種類の構造要素、すなわち、第1の屈折率を有する第1の種類と、第2の屈折率を有する第2の種類とが含まれており、
前記構造要素はそれぞれ、前記伝送方向に沿って延びているとともに、前記導波路の前記断面に割合に応じて広がっており、前記導波路の前記断面において複数の断面領域が画定されており、前記断面領域はそれぞれ、個々の構造要素の前記断面に対応しており、
前記導波路は、前記伝送方向沿いよりも前記断面においてより大きな寸法を有する、導波路。
【請求項21】
前記第1の種類の1つの構造要素と、前記第2の種類の複数の構造要素とが含まれており、
前記第1の種類の前記構造要素は特に、第1の媒体を用いてまたは第1の媒体から構成される一体型の基体として形成されており、前記第1の媒体は、前記第1の屈折率を有しており、
前記第2の種類の前記構造要素は、前記基体内のキャビティとして形成されており、前記キャビティは、好ましくは前記第2の屈折率を形成しており、
前記基体内の前記キャビティは、フィラメント状チャネルとして形成されており、前記フィラメント状チャネルは特に、超短パルスレーザのレーザビームにより前記基体に導入されており、
前記基体内の前記フィラメント状チャネルには、前記チャネルの輪郭を平滑にするために、好ましくは化学的に、特にエッチングにより後処理が施されており、
前記フィラメント状チャネルとして形成された前記基体内のキャビティには、好ましくは第2の媒体が充填されており、前記第2の媒体は、前記第2の屈折率を有する、請求項20記載の導波路。
【請求項22】
前記導波路は、前記断面において、少なくとも4平方ミリメートル、好ましくは少なくとも2500平方ミリメートル、特に好ましくは少なくとも10000平方ミリメートルの面積を有しており、かつ/または
前記導波路は、前記断面において、前記伝送方向に沿った寸法の少なくとも2倍、好ましくは前記伝送方向に沿った寸法の少なくとも5倍、特に好ましくは前記伝送方向に沿った寸法の少なくとも10倍の寸法を有しており、かつ/または
前記導波路は、前記伝送方向に沿って10ミリメートル未満、好ましくは6ミリメートル未満、特に好ましくは5ミリメートル未満の寸法を有している、請求項20または21記載の導波路。
【請求項23】
導波路であって、前記導波路の近位端から前記導波路の遠位端まで、前記近位端と前記遠位端との間に延びる伝送方向に沿って、前記伝送方向に対して横方向に延びる断面で電磁波を伝送するための、特に画像情報を伝送するための、特に請求項1から19までのいずれか1項記載の導波路において、前記導波路は、
複数の構造要素を含み、少なくとも2種類の構造要素、すなわち、第1の屈折率を有する第1の種類と、第2の屈折率を有する第2の種類とが含まれており、
前記構造要素はそれぞれ、前記伝送方向に沿って延びているとともに、前記導波路の前記断面に割合に応じて広がっており、前記導波路の前記断面において複数の断面領域が画定されており、前記断面領域はそれぞれ、個々の構造要素の前記断面に対応しており、
少なくとも1つの前記構造要素は、2μm~20μmの波長範囲において、50dB/m以下、特に10dB/m以下、特に1dB/m以下の減衰を有し、特に赤外線透過性材料を含むかまたはそれからなる、特に請求項1から22までのいずれか1項記載の導波路。
【請求項24】
少なくとも1つの構造要素、特に基体として形成されている構造要素は、カルコゲナイドを含むかまたはそれからなり、前記カルコゲナイドは特に、酸素、硫黄、セレンおよびテルルの群からの少なくとも1つの元素と、ヒ素、ゲルマニウム、リン、アンチモン、鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタン、ナトリウムの群からの少なくとも1つの元素とを含む、請求項23記載の導波路。
【請求項25】
特に請求項1から24までのいずれか1項記載の導波路(1)の製造方法であって、前記方法は、
第1の媒体を用いてまたは第1の媒体から構成される特に一体型の基体の形態の、第1の屈折率を有する第1の種類の1つの構造要素(10a)を提供するステップと、
第2の屈折率を有する第2の種類の複数の構造要素(10b)を導入するステップであって、このために、前記基体にキャビティを導入し、前記キャビティに、好ましくは第2の媒体を充填するステップとを含み、
前記第2の種類の構造要素(10b)を導入し、その結果、前記構造要素(10b)はそれぞれ、前記導波路(1)の断面に割合に応じて広がっており、前記導波路(1)の前記断面において複数の断面領域(20)が画定されており、前記断面領域(20)はそれぞれ、前記第2の種類の個々の構造要素(10b)の前記断面に対応している、方法において、
前記第2の種類の構造要素(10b)を導入し、その結果、前記第2の種類の構造要素(10b)の前記断面領域(20)は、不均一で、特に非周期的であるがしかし所定の規則で明確に定められた配置を有し、かつ/または不均一であるがしかし所定の規則で明確に定められた幾何学的形状、例えば直径を有することを特徴とする、方法。
【請求項26】
特に前記断面領域の配置および/または前記幾何学的形状を明確に定めた規則が、
特に各構造要素の前記断面領域の位置および/または面積を定めるための、決定論的規定による前記第2の種類の各構造要素の特性値の指定を含む、請求項25記載の導波路の製造方法。
【請求項27】
前記明確に定めた規則、特に特性値を指定するための決定論的規定は、設定値の特に数学的な列を含み、
前記値の列は、好ましくは超一様分布列として形成されており、かつ/または
前記値の列は、好ましくは決定論的列として、例えば、ハルトン列として、ソボル列として、ニーダーライター列として、ハマースレイ列として、ファウレ列として、または複数の列の組み合わせとして形成されている、請求項25または26記載の導波路の製造方法。
【請求項28】
前記明確に定めた規則、特に特性値を指定するための決定論的規定は、
特定の構造要素の特性値を指定するための決定論的列の特定の値を参照すること、
さらなる構造要素の特性値を指定するための前記決定論的列のさらなる値を参照すること、
前記さらなる構造要素の前記値または前記特性値が所定の条件に反するか否かを、特に前記特定の構造要素の前記値または前記特性値を考慮して確認し、前記所定の条件に反する場合には、
前記さらなる値を破棄し、前記さらなる構造要素の前記特性値を指定するための前記決定論的列のなおもさらなる値を参照するか、または前記所定の条件が満たされるかもしくはもはやこれに反しないように、前記さらなる値を所定の様式で修正すること
を含む、請求項25から27までのいずれか1項記載の導波路の製造方法。
【請求項29】
前記所定の条件は、前記値または前記特性値の定められた最小差として、特に前記構造要素の断面エリアの位置間の定められた最小距離として形成されている、請求項25から28までのいずれか1項記載の導波路の製造方法。
【請求項30】
少なくとも1種類の前記構造要素の前記断面エリアの、特に母点に対する位置に関するボロノイ領域の面積の分布は、以下の条件のうちの少なくとも1つ:
(1)前記分布の分散Vは、前記断面エリアのランダムな位置についての対応する分布の分散Vより小さく、比V/Vは、好ましくは0~10であり、特に1より大きく、好ましくは2より大きく、最も好ましくは2.5より大きく、かつ/または8より小さく、好ましくは7より小さく、最も好ましくは6.5より小さく、かつ/または
(2)前記分布の分散Vは、0.38/N2.033より小さく、ここで、Nは、少なくとも1種類の構造要素の数を表し、かつ/または
(3)前記分布の分散Vは、前記断面エリアの周期的な位置についての対応する分布の分散Vより大きく、前記分散Vは、好ましくは0より大きく、特に10-10より大きく、好ましくは10-9より大きく、最も好ましくは10-8より大きい
を満たす、請求項25から29までのいずれか1項記載の導波路の製造方法。
【請求項31】
前記キャビティを、特に超短パルスレーザのレーザビームにより前記基体にフィラメント状チャネルとして導入し、
特に前記フィラメント状チャネルに第2の媒体を充填する前に、前記基体内の前記フィラメント状チャネルに、前記チャネルの輪郭を平滑にするために、好ましくは化学的に、特にエッチングにより後処理を施す、請求項25から30までのいずれか1項記載の導波路の製造方法。
【請求項32】
前記キャビティ同士を、前記キャビティの直径より大きい間隔、好ましくは前記キャビティの直径の2倍、特に好ましくは前記キャビティの直径の3倍の間隔で前記基体に導入する、請求項25から31までのいずれか1項記載の導波路の製造方法。
【請求項33】
前記基体内の前記キャビティを、前記基体のアディティブ・マニュファクチャリングによって製造し、かつ/またはサブトラクティブプロセスによって、特に機械的穿孔加工によって前記基体に導入する、請求項25から32までのいずれか1項記載の導波路の製造方法。
【請求項34】
前記基体は、媒体として以下の材料:ガラス、石英ガラス、ポリマー、結晶、単結晶、多結晶材料および/またはガラスセラミックの1つ以上を含むかまたはそれからなり、かつ/または
前記基体は、媒体として、2μm~20μmの波長範囲において50dB/m以下、特に10dB/m以下、特に1dB/m以下の減衰を有する、特に赤外線透過性の材料、特にカルコゲナイド、特に、酸素、硫黄、セレンおよびテルルの群からの少なくとも1つの元素と、ヒ素、ゲルマニウム、リン、アンチモン、鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタン、ナトリウムの群からの少なくとも1つの元素とを含む材料を含むかまたはそれからなり、かつ/または
前記第2の種類の少なくとも1つの構造要素は、媒体として、前記第1の種類の基体に関して前記で挙げられた1つ以上の材料を含むかまたはそれからなり、特に、前記第1の種類の前記構造要素には含まれない材料を含むかまたはそれからなる、請求項25から33までのいずれか1項記載の導波路の製造方法。
【請求項35】
請求項1から24までのいずれか1項記載の導波路(1)と、請求項1から24までのいずれか1項記載の1つ以上のさらなる導波路(1)とを、伝送方向が互いに平行になるように配列してプリフォーム(30)を形成し、
前記配列した導波路をまとめて前記伝送方向に沿って線引きする、特に請求項25から34までのいずれか1項記載の導波路の製造方法。
【請求項36】
前記配列してから線引きした導波路を、前記伝送方向に対して横方向に各セクションに分け、
前記セクションを再度、伝送方向が互いに平行になるように配列してプリフォーム(40)を形成し、
前記配列したセクションを再度、まとめて前記伝送方向に沿って線引きする、請求項35記載の導波路の製造方法。
【請求項37】
前記導波路および/または前記セクションをそれぞれ、前記配列の配置が特に請求項2から9までのいずれか1項の記載に従って所定の規則で明確に定められるように配列し、かつ/または
前記導波路および/または前記セクションをそれぞれ、前記断面における前記第2の構造要素の前記断面領域によって形成される構造が、特に所定の様式で互いに回転しており、特に互いに回転していないように配列してプリフォームを形成し、かつ/または
前記導波路および/または前記セクションをそれぞれ、自動化により、特にロボット支援により配列する、請求項25から36までのいずれか1項記載の導波路の製造方法。
【請求項38】
前記配列してから線引きした導波路および/または前記配列してから線引きしたセクションを、熱および/または圧力の印加により特に真空下で融着させる、請求項25から37までのいずれか1項記載の導波路の製造方法。
【請求項39】
前記第2の種類の前記構造要素の前記断面領域がそれぞれ、同一で不均一であるがしかし所定の規則で明確に定められた配置を有し、かつ/または同一で不均一であるがしかし所定の規則で明確に定められた幾何学的形状、例えば直径を有するように同様に形成されている2つ以上の導波路を製造する、請求項25から38までのいずれか1項記載の導波路の製造方法。
【請求項40】
請求項25から39までのいずれか1項記載の方法により製造されたまたは製造可能である、特に請求項1から24までのいずれか1項記載の導波路。
【請求項41】
導波路を2つ以上備えたセットであって、前記導波路はそれぞれ、特に請求項25から39までのいずれか1項記載の方法により製造されたまたは製造可能である、特に請求項1から24までのいずれか1項記載のものであり、
前記導波路はそれぞれ、複数の構造要素を含み、前記構造要素、特にその断面領域は、不均一に、しかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されており、
前記2つ以上の導波路は、前記構造要素、特にその断面領域が同様に不均一に形成されるように同様に形成されている、セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波を伝送するための、特に画像情報を伝送するための導波路、および導波路の、特にイメージガイドの製造方法に関する。
【0002】
イメージガイドは、通常それぞれコアとコアを囲むクラッドとからなる複数の個々の光導波路からなり、光導波路は束として配列され、断面で光入射面と光出射面とが1対1で格子状に配置されて複数の画素(ピクセル)を形成している。基本的に、各画素(ピクセル)は、イメージガイドを通じて輝度値や色情報を伝達する役割を担っている。
【0003】
実際には、イメージガイドの分解能をできるだけ高めることが望ましい場合が多い。原理的には、個々の光導波路の直径を小さくすることで、高い分解能を実現することができる。しかし、個々の光導波路の直径がより一層小さくなると、伝送モードの電界分布が光導波路、特にクラッドの寸法を超える割合が増え、隣接する光導波路間のクロストークが大きくなり、ぼやけが大きくなるため、分解能を随意に高めることは、物理法則上は不可能である。
【0004】
より高い分解能を有するイメージガイドを提供するための1つのアプローチとして、横方向のアンダーソン局在(TAL)の波動現象に基づくものがある。これは、イメージガイドの断面における屈折率のランダムな分布と同時に、イメージガイドの長さ方向での屈折率の不変性が、破壊的干渉に基づき断面での結合光の制限をもたらすことを利用したものである。実際には、例えば屈折率の異なる個々のガラス繊維を複数組み合わせて、ランダムな繊維束を形成することができる。このような導波路に光ビームを結合すると、光ビームは、断面において横方向の広がりが限定された状態でイメージガイドの長さ方向に伝搬する。
【0005】
横方向のアンダーソン局在の原理に基づくイメージガイドは、高分解能化を可能にする一方で、屈折率がランダムに分布するため、伝送される画像情報の画質、特に画像の鮮鋭度が局所的に変動する、あるいは制御が困難であるという欠点を有する。例えば、断面のある部分の画像の鮮鋭度が、断面の他の部分の画像の鮮鋭度とずれることがある。
【0006】
このような不均一性により、実際には一定の品質基準でイメージガイドを製造することは困難である。製造に適用される品質基準によっては、高度の欠陥が生じることもある。イメージガイドの断面積のサイズを大きくしようとすると、前記の問題はさらに深刻になる。特にフェースプレートでは、辺長や断面の直径がフェースプレートの厚みの何倍にもなることがある。
【0007】
フェースプレートとは通常、しばしば比較的短い(数mmの)融着された光ファイバ、または軸がプレート面に対して垂直な光学構造要素(数mmないし数cm)の群を意味する。その中心的な特性は、一方のプレート面から他方のプレート面へ、厳格な規律で、すなわち1:1で同一に、または規則に従って変化させた、例えば回転した状態で画像を伝送できることである。
【0008】
したがって、本発明の課題は、導波路の断面での均一性、特に画像の鮮鋭度の向上を保証する導波路、特にイメージガイド、およびその製造方法を提示することにある。本発明の課題の一態様は、例えば、製造時の欠陥品を回避し、品質基準を確実に保証できるようにするために、断面での均一性をより良好に制御可能にし、特に好ましくは再現性さえも持たせることである。
【0009】
本発明の課題の一態様は、大きな断面積を有すると同時に、上述の条件、特に所定の均一性を遵守する導波路、特にイメージガイドを提供できるようにすることである。これは、特にフェースプレートとして形成された導波路に関する。
【0010】
この課題を解決すべく、本発明は、導波路であって、該導波路の近位端から該導波路の遠位端まで、近位端と遠位端との間に延びる伝送方向に沿って、伝送方向に対して横方向に延びる断面で電磁波を伝送するための、特に画像情報を伝送するための導波路において、該導波路は、複数の構造要素を含むものとする、導波路を開示する。
【0011】
少なくとも2種類の構造要素、すなわち、第1の屈折率を有する第1の種類と、第2の屈折率を有する第2の種類とが含まれる。したがって、含まれる複数の構造要素は、第1の種類の少なくとも1つの構造要素と、第2の種類の1つ以上の構造要素とを含むことも、逆に、第1の種類の1つ以上の構造要素と、第2の種類の1つの構造要素とを含むこともでき、また第1の種類の複数の構造要素と、第2の種類の複数の構造要素との双方を含むこともできる。当然のことながら、2種類を上回る、例えば3種類の構造要素が含まれていてもよい。
【0012】
構造要素はそれぞれ、伝送方向に沿って延びているとともに、導波路の断面に割合に応じて広がっており、導波路の断面において複数の断面領域が画定されており、これらの断面領域はそれぞれ、個々の構造要素の断面に対応している。このように構造要素は、導波路の伝送方向に沿って互いに隣り合って、特に互いに平行に延びており、それらの断面はそれぞれ、導波路の断面の部分面を占め、したがってそれぞれ導波路の断面の断面領域を画定している。したがって、断面領域は特に、導波路の断面、例えば光入射面または光出射面を見たときに、構造要素によって形成される面領域に対応する。
【0013】
ここで、本発明によれば、構造要素、特にその断面領域は、不均一に、しかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されている。したがって、構造要素は、互いに不均一性を示し、すなわち、互いに不均一に形成されており、例えば、不均一に配置され、不均一な形状を有し、かつ/または不均一に構成されている。ここで、不均一性は、特に個々の構造要素自体にあるのではなく構造要素の総体にあるため、特に物理的な無秩序性、すなわち対称性からの逸脱が存在する。一方で、不均一に形成された構造要素は、所定の規則で定められたとおりに形成されており、つまりランダムに形成されているわけではない。このように、構造要素が互いに不均一性や無秩序性を有するという特徴は、特に不均一性や無秩序性がランダムではなく所定の規則に従っているという意味で、規則性と相対するものである。このように、不均一性や無秩序性は、特に規則で明確に予め定められているまたは予め与えられており、あるいは規則で特徴付けられているかまたは特徴付けることができる。
【0014】
構造要素の不均一性、特にその断面領域の不均一性は、様々な様式で表れ得るものである。
【0015】
例えば、構造要素の断面領域は、所定の規則で明確に定められた不均一な、特に非周期的な配置を有することができる。例えば、断面領域は、周期的な格子とは異なって配置されていてよい。しかし、断面領域は、例えば、周期的な格子上に不均一に分布していてもよい。
【0016】
代替的または付加的に、構造要素の断面領域は、所定の規則で明確に定められた、互いに不均一な、特に互いに異なる幾何学的形状、例えば不均一な直径を有することができる。しかし、断面領域の幾何学的形状は、特に非円形の形状を有する断面領域の場合、同様に、ただし互いに回転した状態で形成されていてもよい。
【0017】
さらに、構造要素は、代替的または付加的に、所定の規則で明確に定められた、互いに不均一な、特に互いに異なる屈折率を有することができる。
【0018】
特に、横方向のアンダーソン局在の物理的効果に基づき、構造要素の不均一性によって、導波路の断面の部分領域への伝送電磁波の特に振幅の制限を達成することができる。したがって、構造要素、特にその断面領域は、不均一に形成されており、その結果、特に導波路によって伝送される電磁波は、伝送方向に対して横方向に延びる方向に局在した状態を保持し、それにより特に、適宜選択された波長範囲の電磁波、特に可視光および/または赤外光および/または紫外光も、特に画像情報を指向的または限定的に伝送する。ここで、本発明による導波路では光の伝播が制限されているため、画像情報を高い鮮鋭度で伝送することができ、従来の光ファイバイメージガイドと比較して、鮮鋭度を向上させることができる。
【0019】
一方で、構造要素、特にその断面領域は、所定の規則で定められたとおりに形成されており、その結果、導波路は、再現性のある構造を有し、特に導波路と同一の構造を有するさらなる導波路を製造することができる。つまり、導波路が持つ不均一性や対称性からの逸脱を、所定の規則に基づいてのみ生成し、かつさらなる導波路に対して再現することができる。したがって、所定の規則には特に、複数の構造要素、特に断面領域によって形成されるその構造において導波路を記述および/または構築するための詳細情報が含まれる。
【0020】
断面における構造要素の断面領域によって定められる導波路の構造は、伝送方向に沿って不変であるか、また数学的な意味で類似していることができる。その場合、導波路は、伝送方向に沿ってある領域を有することができ、該領域は、その断面が、例えば近位端から遠位端まで、もしくはその間の少なくとも1つの領域において連続的に変動するか、または長さLの少なくとも1つのセクションにおいて連続的に変化する。その場合、好ましくは、長さLは、断面変化の最大の大きさまたは差と少なくとも同じ長さであるか、または少なくとも大きい入力断面の最大の大きさに相当する。
【0021】
導波路が伝送方向に沿って数学的な意味で類似している場合、これは、断面形状の変化を伴うことも、伴わないこともある。端部における1つ以上の構造要素の対応する位置は、これらが互いに回転した状態にあるように変化することもでき、これは例えば、製造時に導波路を回転させるもしくはねじることによって、および/または回転力もしくは対応する指向性の力の適用下に熱後処理することによって行うことができる。また、断面変化と回転との組み合わせも考えられる。
【0022】
特に断面領域の配置、断面領域の幾何学的形状および/または構造要素の屈折率を明確に定めた規則は、特に各構造要素の断面領域の位置、断面領域の面積または屈折率を定めるための、決定論的規定による各構造要素の特性値の指定を含むことができる。
【0023】
言い換えれば、所定の規則とは、好ましくは、導波路の構造をその構造要素により記述するために、明確にかつランダムとは無関係に構造要素の特性値を定める決定論的規則である。
【0024】
明確に定めた規則、特に特性値を指定するための決定論的規定は好ましくは、設定値の特に数学的な列を含む。この値の列は、超一様分布列として、および/または決定論的列として、例えば、ハルトン列として、ソボル列として、ニーダーライター列として、ハマースレイ列として、ファウレ列として、または複数の列を組み合わせ、連結し、もしくはつなげたものとして形成されていてよい。例えば、定められているように、特性値を指定するための第1の列の一部および他の列の一部も想定可能である。
【0025】
明確に定めた規則、特に特性値を指定するための決定論的規定は好ましくは、特定の構造要素の特性値を指定するための決定論的列の特定の値、特に決定可能な明確に設定された値を参照すること、さらなる構造要素の特性値を指定するための決定論的列のさらなる値を参照すること、さらなる構造要素の値または特性値が所定の条件に反するか否かを、特に特定の構造要素の値または特性値を考慮して確認し、所定の条件に反する場合には、さらなる値を破棄し、さらなる構造要素の特性値を指定するための決定論的列のなおもさらなる値を参照するか、または所定の条件が満たされるかもしくはもはやこれに反しないように、さらなる値を所定の様式で修正することを含む。ここで、所定の条件は、値または特性値の定められた最小差として、特に構造要素の断面エリアの位置間の定められた最小距離として形成されていてよい。これに関連して、以下の例示的な記述が参照される。
【0026】
導波路の好ましい一実施形態において、少なくとも1種類の構造要素の断面エリアの、特に母点に対する位置に関するボロノイ領域の面積の分布は、特にイメージガイドにおける画像の鮮鋭度の均一性基準として形成されていてよい以下の条件のうちの少なくとも1つを満たす。
【0027】
(i)分布の分散Vは、断面エリアのランダムな位置についての対応する分布の分散Vより小さく、比V/Vは、好ましくは1~10であり、特に1より大きく、好ましくは2より大きく、最も好ましくは2.5より大きく、かつ/または8より小さく、好ましくは7より小さく、最も好ましくは6.5より小さい。比V/Vは、特に好ましくは1~8の範囲、特に2~7の範囲、特に2.5~6.5の範囲である。本願の意味での分散とは、特に導波路の断面エリアAに対して正規化された分散を意味し、ここで、V=σ/Aが成り立ち、ここで、σは、エリアA内の構造要素の断面エリアの位置に対するボロノイ領域の面積の分布の分散を示すものとする。
【0028】
(ii)分布の分散Vは、0.38/N2.033より小さく、ここで、Nは、少なくとも1種類の構造要素の数を表し、分散は、ここでも特に正規化された分散を意味する。
【0029】
(iii)分布の分散Vは、断面エリアの周期的な位置についての対応する分布の分散より大きく、分散V/Aは、好ましくは0より大きく、特に10-10より大きく、好ましくは10-9より大きく、最も好ましくは10-8より大きく、分散は、ここでも正規化された分散を意味する。
【0030】
(iv)分布の歪度Sは、断面エリアのランダムな位置についての対応する分布の歪度Sより小さく、歪度Sは、0~1.5の範囲であり、特に0.01より大きく、好ましくは0.05より大きく、最も好ましくは0.1より大きく、かつ/または1.4より小さく、好ましくは1.2より小さく、最も好ましくは0.8より小さい。代替的または付加的に、S/Sの比はまた、1~50であってよく、特に1.1より大きく、好ましくは1.3より大きく、最も好ましくは1.9より大きく、かつ/または25より小さく、好ましくは15より小さく、最も好ましくは10より小さくすることができる。
【0031】
(v)分布の尖度Wは、断面エリアのランダムな位置についての対応する分布の尖度Wより小さく、尖度Wは、0~10であり、特に0.5より大きく、好ましくは1より大きく、最も好ましくは2より大きく、かつ/または10より小さく、好ましくは6より小さく、最も好ましくは5より小さい。代替的または付加的に、比W/Wはまた、1~5であってよく、特に1.1より大きく、好ましくは1.5より大きく、最も好ましくは2より大きく、かつ/または4.5より小さく、好ましくは4より小さく、最も好ましくは3より小さくすることができる。
【0032】
第1の種類の構造要素の断面領域の総面積と第2の種類の構造要素の断面領域の総面積との比は、例えば、1:9~9:1の範囲、好ましくは3:7~7:3の範囲、特に好ましくは4:6~6:4の範囲であり、特に5:5でもある。これは、充填度と理解することも可能である。
【0033】
特に、複数の構造要素がフィラメント状チャネルの形態で想定されている場合、第1の種類の構造要素の断面領域の総面積と第2の種類の構造要素の断面領域の総面積との比はまた、1:150~150:1の範囲、好ましくは1:100~100:1の範囲、特に好ましくは1:50~50:1の範囲であってよい。
【0034】
各種類の構造要素の断面領域の総面積は、例えば、断面積の少なくとも1/(10×T)、好ましくは少なくとも1/(5×T)、特に好ましくは少なくとも1/(3×T)であり、ここで、Tは、構造要素の種類の数を表す。
【0035】
第1の種類の構造要素の第1の屈折率と第2の種類の構造要素の第2の屈折率とは、例えば、少なくとも10-4だけ異なっていてよく、特に少なくとも10-3だけ異なっていてよく、特に少なくとも10-2だけ異なっていてよく、特に少なくとも10-1だけ異なっていてよく、特に少なくとも1だけ異なっていてよく、特に少なくとも2だけ異なっていてよく、特に少なくとも3だけ異なっていてよく、特に少なくとも4だけ異なっていてよい。
【0036】
構造要素の横方向の寸法に関して、少なくとも1つの断面領域が、100nm~50μm、好ましくは400nm~20μm、特に好ましくは1μm~16μmの直径を有することが想定可能である。
【0037】
さらに、少なくとも1つの断面領域が、特に好ましくは伝送すべき電磁波の波長範囲の平均波長の0.1倍~10倍、好ましくは平均波長の0.2倍~5倍、特に好ましくは平均波長の0.5倍~2倍の直径を有することが想定可能である。
【0038】
構造要素の幾何学的形状に関して、断面領域が非円形または多角形、例えば五角形または六角形の幾何学的形状を有することが想定可能である。
【0039】
既に述べたように、導波路は複数の構造要素を含み、その際、少なくとも2種類の構造要素が含まれている。ここで、導波路の一実施形態において、第1の種類の1つの構造要素と、第2の種類の複数の構造要素とが含まれていることが想定可能である。したがって、複数の構造要素は特に、第1の種類の構造要素をちょうど1つ含む。
【0040】
第1の種類の構造要素は特に、第1の媒体を用いてまたは第1の媒体から構成される例えば一体型の基体として形成されており、その際、第1の媒体は、第1の屈折率を有する。第2の種類の構造要素は、基体内のキャビティとして形成されてもよく、キャビティは好ましくは、例えば、空気またはキャビティ内の媒体として存在し得るガスの屈折率によって、第2の屈折率を形成している。
【0041】
基体内のキャビティは、フィラメント状チャネル、すなわち、例えば導波路の断面積と比較して著しく小さい面積を有するチャネルとして形成されていてよく、これは特に、超短パルスレーザのレーザビームにより基体に導入されていてよい。さらに、基体内のフィラメント状チャネルには、例えばフィラメント状チャネルの輪郭を平滑にするために、特に化学的または物理的にエッチングプロセスによって後処理が施されていてよい。
【0042】
特に、導波路がキャビティを有する基体として形成されている場合、しかしそれとは無関係にも、導波路は好ましくは、伝送方向沿いよりも断面においてより大きな寸法を有することができる。特に、導波路は、フェースプレートとして形成されていてよい。
【0043】
導波路は、断面において、少なくとも4平方ミリメートル、好ましくは少なくとも2500平方ミリメートル、特に好ましくは少なくとも10000平方ミリメートルの面積を有することが想定可能である。
【0044】
導波路は、断面において、伝送方向に沿った寸法の少なくとも2倍、好ましくは伝送方向に沿った寸法の少なくとも5倍、特に好ましくは伝送方向に沿った寸法の少なくとも10倍の寸法を有することができる。
【0045】
キャビティを有する基体は、様々な方法で製造可能であり、また製造されていてよい。一方では、基体内のキャビティは、例えば3D印刷法による基体のアディティブ・マニュファクチャリングによって形成されていてよい。代替的または追加的に、キャビティは、特にボアとして、サブトラクティブプロセスにより基体に導入されていてよく、このボアは、特に材料加工の研削プロセス、例えば機械的穿孔加工によって基体に導入されている。使用する方法に応じて、ボアは、円形の幾何学的形状にのみ限定されているわけではない。
【0046】
好ましくは、導波路は特に、導波路が、複数の構造要素に加えて少なくとも1つの第2の複数の構造要素を含むようにマルチドロープロセスで製造されており、導波路は、断面において少なくとも2つの面領域を有しており、これらの面領域はそれぞれ、双方の複数の構造要素のうちの一方の断面領域を含み、これらは、回転および/または鏡映を除いて同一の構造を有する。
【0047】
伝送方向に沿った導波路のサイズに関しては、特に導波路がフェースプレートとして形成されている場合に、導波路が、伝送方向に沿って10ミリメートル未満、好ましくは6ミリメートル未満、特に好ましくは5ミリメートル未満の寸法を有することが想定可能である。
【0048】
しかし、総じて、導波路が、伝送方向に沿って少なくとも10ミリメートル、好ましくは少なくとも20ミリメートル、特に好ましくは少なくとも50ミリメートル、さらに好ましくは少なくとも100ミリメートルの寸法を有することも想定可能である。
【0049】
導波路がキャビティを有する基体として形成されている場合、基体内のキャビティ、特にフィラメント状チャネルおよび/またはボアには、第2の媒体が充填されていてよく、その際、第2の媒体は、第2の屈折率を有する。
【0050】
材料に関して、少なくとも1つの構造要素、特に第1の種類の構造要素、特に基体として形成されている構造要素が、媒体として以下の材料:ガラス、石英ガラス、ポリマー、結晶、単結晶、多結晶材料および/またはガラスセラミックの1つ以上を含むかまたはそれからなることが想定可能である。
【0051】
さらに、少なくとも1つの構造要素、特に第1の種類の構造要素、特に基体として形成されている構造要素は、媒体として、伝送すべき波長範囲、特に2μm~20μmにおいて、100dB/m以下、特に50dB/m以下、特に10dB/m以下、特に1dB/m以下の減衰を有する、特に赤外線透過性の材料、特にカルコゲナイド、特に、酸素、硫黄、セレンおよびテルルの群からの少なくとも1つの元素と、ヒ素、ゲルマニウム、リン、アンチモン、鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタン、ナトリウムの群からの少なくとも1つの元素とを含む材料を含むかまたはそれからなることができる。
【0052】
さらに、例えば、媒体もしくは充填物の一部としての、および/またはロッドもしくは管として形成されている構造要素の配列体の上もしくは表面上の層もしくはコーティングもしくは他の変形形態としての光学活性材料が想定可能である。これにより、例えば、ガイドされた電磁波の例えば増強または変換の意味での変更を達成することができる。
【0053】
さらなる構造要素、特に第2の種類の構造要素は好ましくは、前述の材料のうちの別のものを有するかまたはそれからなる。言い換えれば、構造要素、特に第2の種類の構造要素、特に第2の媒体が充填される基体内のキャビティも、媒体として同様に、前述の材料の1つ以上を含むかまたはそれからなることができ、特に、前述の構造要素、特に第1の種類の構造要素には含まれない材料を含むかまたはそれからなることができる。
【0054】
既に述べたように、導波路は複数の構造要素を含み、その際、少なくとも2種類の構造要素が含まれており、既に述べたように、例えば、第1の種類の1つの構造要素と、第2の種類の複数の構造要素とが含まれていてよい。
【0055】
さらなる実施形態において、第1の種類の複数の構造要素と、第2の種類の複数の構造要素とが含まれていることが想定されている。
【0056】
この場合、第1の種類の構造要素は、第1の媒体を用いてまたは第1の媒体から構成される、特にロッド状または管状の物体として形成されていてよく、その際、第1の媒体は、第1の屈折率を有する。
【0057】
この場合、第2の種類の構造要素は、第2の媒体を用いてまたは第2の媒体から構成される、特にロッド状または管状の物体として形成されていてよく、その際、第2の媒体は、第2の屈折率を有し、かつ/または第1の種類の構造要素内のキャビティとして形成されていてよく、その際、キャビティは好ましくは、第2の屈折率を形成するか、または第2の屈折率を有する第2の媒体が充填されている。
【0058】
特に、第2の種類の構造要素が第1の種類の構造要素内の充填キャビティとして存在する場合、構造要素は、コア-クラッド系として形成されていてよく、その際、コアは、充填キャビティに相当する。
【0059】
ここで、ロッド状または管状の物体とは、断面の幾何学的形状が円形のもののみを意味するわけではない。
【0060】
本発明はさらに、導波路であって、該導波路の近位端から該導波路の遠位端まで、近位端と遠位端との間に延びる伝送方向に沿って、伝送方向に対して横方向に延びる断面で電磁波を伝送するための、特に画像情報を伝送するための、特に前述の特徴のうちの1つ以上を有する導波路において、該導波路は、複数の構造要素を含み、少なくとも2種類の構造要素、すなわち、第1の屈折率を有する第1の種類と、第2の屈折率を有する第2の種類とが含まれており、構造要素はそれぞれ、伝送方向に沿って延びているとともに、該導波路の断面に割合に応じて広がっており、該導波路の断面において複数の断面領域が画定されており、これらの断面領域はそれぞれ、個々の構造要素の断面に対応しており、該導波路は、伝送方向沿いよりも断面においてより大きな寸法を有する、導波路に関する。
【0061】
本発明はさらに、導波路であって、該導波路の近位端から該導波路の遠位端まで、近位端と遠位端との間に延びる伝送方向に沿って、伝送方向に対して横方向に延びる断面で電磁波を伝送するための、特に画像情報を伝送するための、特に前述の特徴のうちの1つ以上を有する導波路において、該導波路は、複数の構造要素を含み、少なくとも2種類の構造要素、すなわち、第1の屈折率を有する第1の種類と、第2の屈折率を有する第2の種類とが含まれており、構造要素はそれぞれ、伝送方向に沿って延びているとともに、該導波路の断面に割合に応じて広がっており、該導波路の断面において複数の断面領域が画定されており、これらの断面領域はそれぞれ、個々の構造要素の断面に対応しており、少なくとも1つの構造要素は、2μm~20μmの波長範囲において、100dB/m以下、特に50dB/m以下、特に10dB/m以下、特に1dB/m以下の減衰を有し、かつ特に赤外線透過性材料を含むかまたはそれからなるものとする、導波路に関する。
【0062】
また、伝送方向への導波路の寸法により、以下の減衰も想定可能である。伝送方向に少なくとも5ミリメートルの寸法を有する導波路では、最大100dB/mの減衰が想定可能である。伝送方向に少なくとも10センチメートルの寸法を有する導波路では、最大50dB/mの減衰が想定可能である。伝送方向に少なくとも1メートルの寸法を有する導波路では、最大30dB/mの減衰が想定可能である。
【0063】
本発明はさらに、導波路、特に前述の特徴のうちの1つ以上を有する導波路の製造方法であって、第1の媒体を用いてまたは第1の媒体から構成される特に一体型の基体の形態の、第1の屈折率を有する第1の種類の1つの構造要素を提供するステップと、第2の屈折率を有する第2の種類の複数の構造要素を導入するステップであって、このために、基体にキャビティを導入し、これらのキャビティに、好ましくは第2の媒体を充填するステップとを含む、方法に関する。
【0064】
ここで、第2の種類の構造要素を導入し、その結果、構造要素はそれぞれ、該導波路の断面に割合に応じて広がっており、該導波路の断面において複数の断面領域が画定されており、これらの断面領域はそれぞれ、第2の種類の個々の構造要素の断面に対応している。
【0065】
本発明によれば、第2の種類の構造要素をさらに導入し、その結果、第2の種類の構造要素の断面領域は、不均一で、特に非周期的であるがしかし所定の規則で明確に定められた配置を有し、かつ/または不均一であるがしかし所定の規則で明確に定められた幾何学的形状、例えば直径を有する。
【0066】
導波路の製造方法において、特に断面領域の配置および/または幾何学的形状を明確に定めた規則が、特に各構造要素の断面領域の位置および/または面積を定めるための、決定論的規定による第2の種類の各構造要素の特性値の指定を含むことが想定可能である。
【0067】
明確に定めた規則、特に特性値を指定するための決定論的規定は、設定値の特に数学的な列の使用を特に含むことができる。また、上記の列が参照される。さらに、上記で詳細に示された、値を参照するステップ、値を確認するステップ、および必要に応じて値を破棄/修正するステップが参照される。
【0068】
好ましくは、少なくとも1つの種類の構造要素の断面エリアの、特に母点に対する位置に関するボロノイ領域の面積の分布は、上述の条件、特に(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)のうち少なくとも1つを満たす。
【0069】
導波路の製造方法において、キャビティを、特にレーザビーム、例えば超短パルスレーザにより、フィラメント状チャネルとして基体に導入することが可能である。さらに、特にフィラメント状チャネルに第2の媒体を充填する前に、例えばフィラメント状チャネルの輪郭を平滑にするために、基体内のフィラメント状チャネルに、特に化学的および/または物理的にエッチングプロセスによって後処理を施すことが可能である。
【0070】
キャビティ同士を、キャビティの直径より大きい間隔、好ましくはキャビティの直径の2倍、特に好ましくはキャビティの直径の3倍の間隔で基体に導入することができる。
【0071】
また、キャビティを、基体のアディティブ・マニュファクチャリングによって、および/またはサブトラクティブプロセスによって、特に材料加工の研削プロセス、例えば機械的穿孔加工によって基体に導入することもできる。
【0072】
材料に関しては、基体が媒体として前述の材料のうちの1つ以上を含むかまたはそれからなることが想定可能である。さらに、第2の種類の少なくとも1つの構造要素は、媒体として、第1の種類の基体について述べた材料のうちの1つ以上を含むかまたはそれからなることができ、特に、基体には含まれない材料を含むかまたはそれからなることができる。
【0073】
本発明はさらに、特に前述の方法ステップの1つ以上を含む導波路の製造方法であって、好ましくはドロープロセスまたはマルチドロープロセスと称することができる方法に関する。
【0074】
本方法では、前述の特徴のうちの1つ以上を有する導波路と、同様にそれぞれ前述の特徴のうちの1つ以上を有する1つ以上のさらなる導波路とを、導波路の伝送方向が互いに平行になるように配列して、プリフォームを形成する。
【0075】
そして、配列した導波路をまとめて伝送方向に沿って線引きする。ここで特に、少なくとも1:2、好ましくは少なくとも1:10、特に好ましくは少なくとも1:100の延伸比が考慮される。
【0076】
好ましくは、配列してから線引きした導波路を、次に伝送方向に対して横方向に各セクションに分け、各セクションを、この場合にも伝送方向が互いに平行になるように配列して、再度プリフォームを形成することができる。
【0077】
配列したセクションを、次に、再びまとめて伝送方向に沿って線引きすることができる。ここでも特に、少なくとも1:2、好ましくは少なくとも1:10、特に好ましくは少なくとも1:100の延伸比が考慮される。
【0078】
導波路および/またはセクションをそれぞれ、配列の配置が所定の規則で明確に定められるように、特に上記の詳説に従って配列して、プリフォームを形成することができる。
【0079】
導波路および/またはセクションをさらにそれぞれ、断面における第2の構造要素の断面領域によって形成される構造が、特に所定の様式で互いに回転しており、特に互いに回転していないように配列して、プリフォームを形成することができる。さらに、導波路および/またはセクションを、配列の際に縦向きに裏返して断面の鏡像が生成されるようにすることができる。
【0080】
その際に、少なくとも1つのさらなるプリフォームから製造されたセクションを配列することもできる。これらのプリフォームは、共通の1つの所定の規則に従って配列され、実質的に同一であることが好ましいが、異なる所定の規則に従ってもよい。
【0081】
さらに、導波路および/またはセクションをそれぞれ、自動化により、特にロボット支援により配列することができる。
【0082】
さらに、配列してから線引きした導波路および/または配列してから線引きしたセクションを、熱および/または圧力の印加により特に真空下で融着させることができる。
【0083】
本発明はさらに、導波路の製造方法であって、第2の種類の構造要素の断面領域がそれぞれ、同一で不均一であるがしかし所定の規則で明確に定められた配置を有し、かつ/または同一で不均一であるがしかし所定の規則で明確に定められた幾何学的形状、例えば直径を有するように同様に形成されている2つ以上の導波路を製造する方法に関する。
【0084】
本方法は特に、同一の導波路を複数製造する方法として構成されており、複数の導波路は、互いに独立して製造されることが好ましい。したがって特に、所定の規則に基づくだけで、同一の構造を有するさらなる導波路を製造することができる。
【0085】
本方法により同一の複数の導波路を製造できること以外に、本方法は、少なくともある特性に関して一致する複数の導波路の製造にも適している。例えば、複数の導波路は、画像の鮮鋭度に関する所定の均一性基準を満たすことができ、かつ/または少なくとも1種類の構造要素の断面エリアの、特に母点に対する位置に関するボロノイ領域の面積の分布についての上述の条件のうちの1つ以上を満たすことができる。
【0086】
本発明はさらに、導波路であって、特に導波路について前述した特徴のうちの1つ以上を有し、かつ前述した方法ステップのうちの1つ以上を有する方法により製造された、または製造することができる、導波路に関する。
【0087】
最後に、本発明はさらに、導波路を2つ以上備えたセットであって、該導波路はそれぞれ、特に導波路について前述した特徴のうちの1つ以上を有し、かつ特に前述した方法ステップのうちの1つ以上を有する方法により製造されたまたは製造することができ、該導波路はそれぞれ、複数の構造要素を含み、構造要素、特にその断面領域は、不均一に、しかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されており、2つ以上の導波路は、構造要素、特にその断面領域が同様に不均一に形成されるように同様に形成されている、セットに関する。
【0088】
以下に、本発明の好ましい実施形態例について図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
図1】(a)、(b)、(c)は2種類の構造要素、また(d)、(e)は3種類の構造要素を有する各導波路の断面の概略図であり、各構造要素の断面領域は、不均一に配置されている。
図2】(a)断面領域が格子上に不均一に分布するように配置されている2種類の構造要素、ならびに(b)不均一な屈折率(複数種類)および/または不均一な幾何学的形状(直径)を有する複数の構造要素を有する2つの導波路の概略斜視図である。
図3】断面領域が六角格子上に不均一に分布するように配置されている2種類の構造要素を有する導波路の概略断面図である。
図4】2種類の構造要素を有する導波路の概略断面図であり、各構造要素の種類/屈折率は、決定論的規定により定められているか、または定められる。
図5】第1の種類の1つの構造要素を基体とし、第2の種類の複数の構造要素を基体内のキャビティとする、例えばフェースプレートとして形成された導波路の概略断面図であり、基体内の第2の種類の構造要素の位置は、決定論的規定により定められているか、または定められる。
図6】第1の種類の構造要素内に配置された第2の種類の構造要素の断面エリアの位置に対するボロノイ領域の面積の分布の分散を、第2の種類の構造要素の数に対してプロットし、(a)対数表示、(b)両対数表示で示したグラフである。
図7】(a)円形の断面を有する第1の種類の構造要素内に配置されたハルトン列による第2の種類の構造要素の断面エリアの位置に対するボロノイ領域の例、(b)ソボル列による位置関係、(c)ランダムな位置関係、(d)さらなる比較例としての周期的な位置関係を示す図である。
図8】(a)正方形の断面を有する第1の種類の構造要素内に配置された第2の種類の構造要素の断面エリアの位置に対するボロノイ領域の例、(b)ソボル列による位置関係、(c)ランダムな位置関係、(d)さらなる比較例としての周期的な位置関係を示す図である。
図9】(a)導波路を配列してプリフォームを形成し、これを線引きし、(b)、(c)そこから導波路を再び配列してプリフォームを形成し、これを線引きし、(d)これを再び配列し、(e)導波路を加圧下に融着させたものの概略斜視図である。
図10図9において導波路を再び配列してプリフォームを形成したものの概略断面図であり、(a)、(b)は、線引きした1つの導波路から構成されたセクションとしてのプリフォームであり、(c)、(d)は、線引きした2つの導波路から構成されたセクションとしてのプリフォームであり、導波路(a)、(c)は、互いに回転していない状態にあり、(b)、(d)は、所定の様式で互いに回転した状態にある。
図11】構造要素またはその断面領域が不均一に、しかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されている導波路の様々な可能性を示す概略図である。
図12】構造要素またはその断面領域のバリエーションに関する様々な態様、およびこれらの態様の組み合わせの可能性を示す概略図である。
図13】構造要素またはその断面領域が不均一に、しかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されている導波路の様々なさらなる可能性を示す概略図であり、導波路はそれぞれ、第1の種類の1つの構造要素と、第2の種類の複数の構造要素とを含む。
図14】構造要素またはその断面領域が不均一に、しかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されている導波路の様々なさらなる可能性を示す概略図であり、導波路はそれぞれ、第1の種類の複数の構造要素と、第2の種類および任意にさらなる種類の複数の構造要素とを含む。
図15】第1の種類の構造要素が形成され、第1の種類の構造要素内に第2の種類の複数の構造要素がフィラメント状チャネルとして形成されるように製造された導波路の端面の写真である。
図16】第1の種類の複数の構造要素と第2の種類の複数の構造要素とを有するように製造された導波路の写真(および各種拡大断面図)である。
図17図16の導波路をイメージガイドとして適用した場合の写真である。
【0090】
図1は、特にイメージガイドとして使用可能な導波路1の様々な原則例を示す。断面が示されている導波路1はそれぞれ、複数の構造要素10を含み、これらの構造要素10はそれぞれ、ここでは図面に対して垂直に延びる導波路1の伝送方向に沿って延びているとともに、その断面に割合に応じて広がっている。したがって、各構造要素10は、断面領域20、すなわち導波路1の断面の部分面を画定する。示された導波路1の例はそれぞれ、屈折率が異なる少なくとも2種類の構造要素を有する。これらの原則的な図示は、不均一性の幾つかのバリエーションを説明するためのものであり、詳細には、本発明により定められる構造要素の決定論的な位置関係から逸脱し得るものである。
【0091】
図1(a)に断面を示す導波路は、基体として形成された第1の種類の構造要素10aを有し、この構造要素10aに、第2の種類の複数の構造要素10bが収容されている。ここで、第2の種類の構造要素10bは、例えば、第1の種類の構造要素10a内の伝送方向に沿って延びるキャビティまたは中空チャネルとして形成されていてよい。ここで、基体として形成されている第1の種類の構造要素10aは、第1の屈折率を有する第1の材料を含み、例えばキャビティとして形成されている第2の種類の構造要素10bは、例えばそこに存在する空気または他のガスによって、第2の屈折率を形成している。この場合、第1の種類の構造要素10aの断面領域20は、導波路の断面エリアから、このエリア内の、キャビティによって画定される孔を除いたものに相当し、一方で、第2の種類の構造要素10bの断面領域20はそれぞれ、キャビティの断面エリアに相当する。しかし、基体内のキャビティには、第2の種類の構造要素10bが充填キャビティに相当するように、第2の材料が充填されていてもよい。図に概略的に示すように、第2の種類の構造要素10bの断面領域20は、それらの位置が断面に不均一に分布しており、特に周期的な格子上には存在していないという点で不均一に形成されている。しかし同時に、以下に詳しく説明するように、構造要素の位置は、所定の規則で明確に定められている。
【0092】
図1(b)に断面を示す導波路も同様に、2種類の構造要素10a、10b、すなわちこの場合にも、基体として形成された第1の屈折率を有するちょうど1つの構造要素10aと、これとは異なる第2の屈折率を有する複数の構造要素10bとを有する。ここに示す例では、第2の種類の構造要素10bの断面領域20は、不均一に配置されているだけでなく、不均一な幾何学的形状、この場合は不均一な直径をも有しており、この場合、限られた数、すなわち2つの異なる直径が存在する。この場合、配置の不均一性および/または幾何学的形状の不均一性は、所定の規則で明確に定められている。
【0093】
図1(c)に断面を示す導波路も同様に、2種類の構造要素10a、10bを有し、第2の種類の構造要素10bの断面領域はそれぞれ、第1の種類の構造要素10a内に、特にコア-クラッド系として配置されている。したがって、この場合、第1の種類の複数の構造要素10aと、第2の種類の複数の構造要素10bとが想定されている。構造要素またはその断面領域は、(第2の種類の構造要素10bを収容している)第1の種類の構造要素10aが導波路の断面に不均一に、特に非周期的に配置されているという点で不均一に形成されており、この配置は、所定の規則で定められている。
【0094】
図1(d)および(e)に断面を示す導波路は、図1(a)または(b)に示す導波路と幾つかの態様において類似しているが、屈折率の異なる3種類の構造要素10a、10b、10cを有する。特に、基体として形成されている構造要素10a内のキャビティには、異なる媒体が充填されていてよい。したがって、特に構造要素10b、10cは、それらの屈折率が互いに異なるという点で不均一性を示しており、キャビティとして形成されている構造要素のうちのいずれがどのような屈折率となるかの決定は好ましくは、所定の規則に従う。
【0095】
図2は、特にイメージガイドとして使用可能な導波路1のさらなる2つの例を示す。導波路1は、この場合にも複数の構造要素10を含み、これらの構造要素10はそれぞれ、伝送方向5に沿って導波路1の近位端2から遠位端4まで延び、例えばロッド状に形成されている。
【0096】
図2(a)に示す導波路は、第1の種類の複数の構造要素10aと、第2の種類の複数の構造要素10bとを有する。本例では、構造要素の断面領域は、周期的な格子上に配置されている。しかし、構造要素は、第1の種類の構造要素10aおよび第2の種類の構造要素10b、ひいては屈折率が不均一に配置されかつ/または分布しているという点で不均一な配置を有しており、配置または分布は、この場合にも所定の規則で明確に定められている。
【0097】
図2(b)に示す導波路は、この場合にも周期的な格子上に配置された複数の構造要素10を有しており、本例では、構造要素の断面領域は、不均一な幾何学的形状を有する。この幾何学的形状は特に、構造要素またはその断面領域の直径が互いに異なるという点で異なり得る。好ましくは、この不均一性の形態も、所定の規則で明確に定められている。さらに、構造要素10は、構造要素の屈折率が互いに異なるという点で、特に所定の不均一性を有し得る。この場合、例えば2種類、3種類、4種類といった離散的な数の屈折率が想定され得るが、原理的には屈折率の連続的なバリエーションも想定され得る。
【0098】
図3は、図2(a)に示す導波路と幾つかの態様において類似している導波路のさらなる断面図である。図3に示す導波路は、複数の、特にロッド状の構造要素10、すなわち第1の種類の複数の構造要素10aおよび第2の種類の複数の構造要素10bを有し、構造要素10は、断面において、本例では六角格子に相当する周期的な格子上に配置されている。したがって、構造要素10の少なくとも1つ、またはその断面領域20は、すぐ近くの6つの構造要素10またはその断面領域20から等間隔にあり、好ましくはこれらに隣接していることが想定されている。
【0099】
図4および図5を参照して、構造要素が不均一に、しかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されていてよい例を以下に示す。これに関して、パラメータ、例えば位置、種類、屈折率、またはさらには幾何学的形状を明確に定めるための規則が想定されていてよく、この規則は好ましくは、決定論的列(例えば、ハルトン列)を含む。この列は、以下に詳述する構造要素のパラメータを指定するための決定論的規定の一部を構成するものである。わかりやすくするために、この規定を個々のステップで説明するが、その際、特に、各ステップで定められる導波路の全体構造が重要となり、これを導波路の製造の前に定めておくことができ、それによって導波路の全体構造が予め明確に定められる。
【0100】
本発明による導波路については、例えば所定のパラメータに従って、利用可能なエリア、例えば決定論的規則による導波路の断面エリアに、そのようにして決定可能な位置に構造要素が充填される。これらのパラメータには総じて、構造要素の寸法、特に形状およびサイズ、ならびにそれらの位置および間隔に関する情報、ならびに1種類以上の構造要素を充填すべきエリアの割合を示す充填率に関するデータが含まれる。
【0101】
例えば、円形の導波路1(図3参照)、特に例えばまたそのプリフォーム(図10参照)に関して、所定の配置および数の構造要素(ここで、例では同一の直径、六方最密充填)で、所定の充填率で、決定論的アルゴリズム(例えば、ハルトン列を含む)に従って、例えば第2の屈折率を有する媒体で占められる構造要素10bが選択される。
【0102】
このために、導波路1の円形を囲む正方形100において、例えば、2次元ハルトン列に従って点102を生成する。列の値は、[0,1)×[0,1)の範囲にあり、導波路の所定のエリアの寸法調整に応じてスケーリングされる。
【0103】
ハルトン列は、異なる基数で1次元のファンデルコルプト列を多次元に拡張したものである。ここで、基数bでのファンデルコルプト列x=φ(n)は、数nの基数b進表記を逆順にすることにより定義される。例えば、すべての自然数n≧0は、基数b≧2に関する和と表すことができ、
【数1】
ここで、係数a(n)は、bを法とする完全剰余系の要素であり(Z=(0,1,・・・,b-1))、mは、すべてのj>mに対してa(n)=0となる最小の整数である。そして、ファンデルコルプト列は、基数bに関する基底逆関数によって定義され、
【数2】
ここで、bは、素数である。
【0104】
構造要素10は、予め定められた位置に局在しており、列は、完全な範囲[0,1)×[0,1)をカバーするため、以下の割り当てが行われる:列要素を、順番に見ていく。構造要素、特に第2の種類10bへの割り当てを、最小のユークリッド距離により行う。こうして、既に選択された構造要素に割り当てられた列要素や、配置の外側にある列要素を無視し、次の列要素で続ける。これを、所望の充填率に対応する構造要素、特に第2の種類の構造要素10bの数が選択されるまで続ける。
【0105】
これを明確にするために2つの実施形態例によって説明する。
【0106】
第1の実施形態例は、円形の導波路または導波路1用プリフォーム(図4)を示し、この導波路1は、六角形の充填または配置で予め与えられた2つの異なる屈折率を有する少なくとも2種類の、同様に円形の構造要素から形成されている。
【0107】
この配置を、決定論的列の規定に従って、所定の充填度に達するまで2つの屈折率で占める。その結果、ある占有構造要素には一方の屈折率が与えられ、他の占有構造要素には他方の屈折率が与えられる。
【0108】
これを、次の条件で行う:列点102が円形内にあり、かつこれに属する位置またはこれに属する構造要素の占有(例えば、種類10bへの割り当て)がまだ行われていないことを条件として、列点102に最も近い構造要素の占有(例えば、種類10bへの割り当て)を行う。この場合、その列点は破棄し、次の列点を参照する。したがって、決定論的列で最初の点を決定し、スケーリングして形状に配置し(黒色の点)、上記の条件を確認し、この最初のケースでは、グレーでハイライトされた構造要素の占有を行う。以下の点についても、同様に処理する。
【0109】
さらに、列点102が、ここでは円形である形状の外側に存在するかまたは重複している場合には、これらの列点102を破棄し、所定の充填度に達するまで次の列点102で続ける。
【0110】
図には、円形の形状の外側にある点、あるいは重複する点である、廃棄すべき点102v(ここでは破棄されていない)、および充填度50%の場合の結果を示す。
【0111】
さらなる実施形態例(図5)は、所定のエリアの占有を示す。ここでの目的は、例えば、レーザフィラメントプロセスまたはドリルプロセスのために、ハルトン列に従って、辺長Dの正方形プレート110上で、構造要素、例えばある直径を有する穴を位置決めすることである。ここで、列点112を、値域[0,1)から、ここで予め与えられたエリアの寸法範囲[-D/2,D/2)にスケーリングする。これを、所定の充填度に達するまで行う。充填度は、基材面積に対する孔の総和の面積比から求められる。列点に応じて孔を設けることができる(図5a)。また、列点を孔の直径に仕上げることもできる(図5b)。孔が重なること(重なった孔の対114)が望ましくない場合には、そのような列点を破棄すべきである。それに応じて二重配置(図5b)を破棄し、さらに列を進める。同様に、ここでは、例えば構造要素の最小距離を定めるさらなる規定があってもよい。
【0112】
当然のことながら、上記で基本的に説明され、2つの実施例でより詳細に説明された方法は、さらなる可能なバリエーションに制限なく、任意の、必要に応じて予め定められたエリア上の2つ以上の屈折率および/もしくは様々なもしくは可変の幾何学的形状、寸法、例えば2つ以上の直径および/もしくは形状またはそれらの組み合わせを有する構造要素への適用も可能であり、またそれらの構造を明確に予め定めることができる。そして、利用可能なエリアの占有または占有可能性の条件を、各事例に応じて適切に適合または拡張することで、望ましい、要求される占有を達成することができる。
【0113】
図6を参照すると、本発明による導波路は特に、構造要素の不均一性に関して、また好ましくはイメージガイドとして形成された導波路の画像の鮮鋭度に関して、所定の均一性の基準を満たす。
【0114】
例えば、構造要素の断面エリアに対応するかまたは明確に割り当て可能な面積の分布は、所定の条件を満たすことができる。少なくとも1種類の構造要素の断面エリアの位置に対する、占有すべき断面の総面積のAの2乗に対するボロノイ領域の面積の分布の例示的分散(正規化された分散V=σ/A)をこの少なくとも1種類の構造要素の数Nに対してプロットしたものが、対数表示(図6a)および両対数表示(図6b)で示されている。
【0115】
本発明による導波路は、上述したように決定論的列により特徴付けることができる。したがって、分散曲線200は、ハルトン列により定められた断面エリアの位置に基づいており、分散曲線202は、ソボル列により定められた断面エリアの位置に基づいている。比較のため、ランダムに定められた断面エリアの位置に基づく分散曲線204、および分散曲線204に対応するフィッティング曲線206を示す(分散=0.38A/N2.033)。本発明による導波路の(各Nについての)分布の分散は、ランダムな無秩序性を有する導波路の分散より小さいことがわかる。
【0116】
なお、図示された曲線は、値域[0,1)に広がる分布に基づくものであることに留意されたい。
【0117】
図7および図8は、円形断面(図7)および正方形断面(図8、これは図6に基づくものである)を有する導波路について、構造要素の断面エリアの位置212に対する例示的なボロノイ領域210を示す。図7a、図8aは、ハルトン列に基づく位置212およびボロノイ領域210を示し、図7b、図8bは、ソボル列に基づくものであり、これらはそれぞれ、本発明による導波路の不均一性に対応している。比較のため、図7c、図8cは、ランダムな配置に基づく位置212およびボロノイ領域210を示し、図7d、図8dは、周期的な配置に基づくものである。本発明による導波路は、構造要素、特にその断面領域が不均一に、しかしランダムな配置に比べてより高い均一性をもって形成されていることを特徴とすることが明らかである。
【0118】
図9は、マルチドロープロセスによる導波路の製造方法のステップを示す。ここでは、複数の導波路1を配列してプリフォーム30とし、線引きする(図9a)。ここで、導波路1は例えば、例えば図3による構造要素10、20もしくは10a、10bの配置、または例えば図1(a)~図1(e)による他の構成であってよく、これらは好ましくは、既知の方法で既に延伸されているものである。
【0119】
配列してから線引きした導波路(「マルチファイバ」)を、次に各セクションに分け、再び配列してプリフォーム40を形成する(図9b、「マルチ・マルチアセンブリ」)。その後、プリフォーム40を再び線引きし(図9c)、必要に応じて再び各セクションに分けて配列することができる(図9d)。最後に、このようにして得られた配列を、熱および/または圧力の印加により特に真空下で融着させることができる(図9e)。
【0120】
図10を参照すると、配列してから線引きした導波路(「マルチファイバ」、ここでは「M1」と表記)を配列してさらなるプリフォームを形成する際に、互いに回転させずに配列することも(図10a)、特に所定の様式で互いに回転させて配列することもできる(図10b)。さらに、配列の際に、配列してから線引きした少なくとも2つの異なる導波路(「M1」、「M2」)から構成されたセクションを、回転させずに配列することも(図10c)、特に所定の様式で互いに回転させて配列することもできる(図10d)。図10a、図10bに示した配置と同様に、導波路は、第1のプリフォームの配列の際に、回転させずに配置されていてもよく、または配置することもでき、特に所定の様式で互いに回転させて配置されていてもよく、または配置することもできる。プリフォームを少なくとも2つの異なる導波路(「M1」、「M2」)のセクションから配列する場合、これらの異なる導波路の配置は、上述の異なる種類の構造要素の配置(例えば、図3)に従って行うことができ、したがってこの場合にも、所定の規則で明確に定められていてよい。
【0121】
図11から図14を参照して、本発明による構造要素の不均一性の様々な実施形態について、以下で再び例示的に説明する。前述のとおり、構造要素、特にその断面領域は、一方では互いの不均一性によって特徴付けられており、他方では、構造要素の不均一性が明確に予め定められており、特に決定論的でありかつ/または再現性があり、ランダムによるものではないという点での規則性によって特徴付けられている。
【0122】
例えば、構造要素またはその断面領域は、所定の規則で明確に定められた不均一な配置を有し、所定の規則で明確に定められた互いに不均一な幾何学的形状を有し、かつ/または所定の規則で明確に定められた互いに不均一な屈折率を有することができる。
【0123】
図11は、所定の規則で明確に定められた不均一な配置を実現するための様々な可能性を、樹形図によって示したものである。図11aでは、出発点として構造要素10aが示されており、これは、例えばマトリックス材料として形成されていてよい(構造要素10aが空気として形成されるか、または存在しないことも可能である)。図11bは、これから派生したさらなる出発点を、構造要素10a、および構造要素による占有の複数の周期的な位置Pにより示し、この場合、これらの構造要素は、周期的な位置関係を有する。図11dは、図11aから派生したさらなる出発点を、構造要素10a、および非周期的な位置関係を実現するための構造要素による占有の複数の非周期的な位置Pにより示す。図11bおよび図11dに示す出発点から出発して、以下に詳細に説明するように位置Pへの構造要素の占有を行うことによって、本発明による導波路が得られる。
【0124】
図11bから出発して、図11cは、その断面領域が周期的な位置関係を有し、かつ/または周期的な位置にある構造要素10b、10cを有する導波路1を示す。図11cに示す導波路は、それぞれ異なる屈折率を有し得る3種類の構造要素10a、10b、10cを有する。例えば、構造要素10aは、マトリックス材料として形成されていてよく、構造要素10bおよび10cは、マトリックス材料に屈折率の異なる材料を充填したキャビティであってよい。
【0125】
しかし、構造要素10bおよび10cの材料のうちの一方が、この場合にも構造要素10aのマトリックス材料に対応することや、これらの構造要素に対応するマトリックス材料中の(充填)キャビティが存在しないことも同様に考えられる(これに関しては後述の図13a参照)。また、構造要素10aが空気として形成されているかまたは存在せず、構造要素10bおよび10cが互いに隣接していることも同様に可能である(これに関しては後述の図14a参照)。
【0126】
図11cに示す導波路1は、周期的な位置関係を有する構造要素10b、10cを有する。しかし、構造要素10b、10cは異なる種類のものであり、規則的な格子上での異なる種類のものの占有状態は不均一であるが、所定の規則で定められている。特に、構造要素10b、10cの相互のバリエーションは、このように不均一であるが、所定の規則で定められている。構造要素10b、10cは、特に決定論的な無秩序性を示すものと記述することができる。したがって、図11cは、構造要素またはその断面領域が、所定の規則で明確に定められた不均一な配置を有する導波路1の場合を示す。ここで、配置という用語は、それぞれの周期的な位置における異なる種類の構造要素10b、10cの選択または占有状態が、不均一であるが、しかし所定の規則で定められており、すなわちランダムではないという意味であると理解されたい。
【0127】
さらに、構造要素10b、10cが、それらの屈折率に関して異なっておらず、すなわち、例えば同一の屈折率を有するかまたは同一の材料からなるが、他の態様に関して異なっていることも可能である(これに関しては後述の図12参照)。また、構造要素10b、10cが、それらの屈折率に関してだけでなく他の態様に関しても異なっていることも可能である。
【0128】
図11dから出発して、図11eは、2種類の構造要素、すなわち、例えばマトリックス材料として形成されていてよい構造要素10aと、例えば特にマトリックス材料内の充填キャビティとして形成されていてよい複数の構造要素10bとを有する導波路1を示す。構造要素10bの断面領域は、この場合、非周期的に配置されている。この場合、構造要素10bの位置関係は、所定の規則で定められた不均一性を表すことができる。特に、第2の種類の構造要素10bは、不均一な、しかし所定の規則で定められた位置を有することができる。したがって、図11eは、構造要素またはその断面領域が、所定の規則で明確に定められた不均一な配置を有する導波路1の場合を示す。ここで、配置という用語は、構造要素もしくはその断面領域またはその一部が非周期的に配置されており、その位置が所定の規則で定められており、すなわちランダムではないという意味であると理解されたい。図11eの場合には特に、第2の種類の構造要素10bが、均一な屈折率を有し、均一な幾何学的形状を有し、かつ/またはさらなる態様に関して均一に形成されており、特に同一に形成されていることが想定されている。この場合、非周期的な位置の均一な占有状態ということができる。
【0129】
これに対し、図11fは、図11dから出発して、同時に異なる種類の構造要素10b、10cを有する構造要素の非周期的な位置関係が想定されている導波路1を示す。この場合、所定の規則で明確に定められた不均一性は、構造要素10b、10cの非周期的な位置関係において存在することも、占有状態、すなわち構造要素10b、10cの相互のバリエーションにおいて存在することも、位置関係と占有状態との双方において存在することも可能である。
【0130】
図12は、構造要素同士が有し得る様々なバリエーションの可能性(中段)、およびそのバリエーションの例示的でありかつ非網羅的であると理解されるべき組み合わせの可能性(下段)を示す。示されているバリエーションは特に、不均一に形成されているがしかし所定の規則で明確に定められている構造要素による位置の占有状態に関して参照することができる。断面領域が、例えばマトリックス材料内に周期的またはさらには非周期的な位置に局在している構造要素は、例えば、その形状に関して互いに異なる、その種類もしくは屈折率に関して異なる、その下位構造に関して異なる、および/またはその回転(および/または局所的位置)に関して異なるものであり得る。
【0131】
例えば、構造要素、特にその断面領域の幾何学的形状のバリエーションは、形状(頂点の数、直径)のバリエーションとして形成されていてよい。幾何学的形状のバリエーションは、下位構造のバリエーションとしてされていてもよい。下位構造は特に、構造要素、特にその断面領域が、屈折率の異なる少なくとも2つの異なる領域、特にコアとその周囲のクラッドとを有することであり得る(コア-クラッド系)。
【0132】
組み合わせると、例えば、第1の種類の構造要素が、多角形のクラッドおよび/または多角形のコアを有し、第2の種類の構造要素が、円形のクラッドおよび多角形のコアを有することができる(下段、1列目)。その場合、この2種類の構造要素を使用して、例えば周期的な位置またはさらには非周期的な位置の占有を行うことができる。
【0133】
さらに、例えば、第1の種類の構造要素が、第1の屈折率と第1の直径とを有し、第2の種類の構造要素が、第2の屈折率と第2の直径とを有することも(下段、2列目);第1の種類の構造要素が、第1の直径を有するコアを有するコア-クラッド系を有し、第2の種類の構造要素が、第2の直径を有するコアを有するコア-クラッド系を有することも(下段、3列目);第1の種類の構造要素が、第1の屈折率を有するコアを有するコア-クラッド系を有し、第2の種類の構造要素が、第2の屈折率を有するコアを有するコア-クラッド系を有することも(下段、4列目);第1の種類の構造要素が、第1の直径を有し、かつ構造要素の外部にある支点を中心として回転しており、第2の種類の構造要素が、第2の直径を有し、かつ構造要素の外部にある支点を中心として回転していることも(下段、5列目);第1の種類の構造要素が、中心コアを有するコア-クラッド系を有し、第2の種類の構造要素が、コアを有するコア-クラッド系を有し、このコアが、このコアの外部にある支点を中心として回転していること(下段、6列目)なども可能である。
【0134】
図13aは、それぞれ幾つかの態様で図11cの導波路と類似している導波路1を示す。導波路は、第1の構造要素10aを有し、これは例えば、マトリックス材料として形成されていてよい。さらに、導波路は、複数の構造要素10bを含み、これらの構造要素は、例えば、マトリックス材料内のフィラメント状キャビティとして形成されていてよい。構造要素10bは、周期的な位置に配置されているが、すべての周期的な位置が構造要素で占められているわけではない。したがって、図13aは、構造要素またはその断面領域が、所定の規則で明確に定められた不均一な配置を有する導波路1の場合を示す。ここで、配置という用語は、構造要素もしくはその断面領域またはその一部が周期的に配置されており、周期的な位置の一部が占有され、周期的な位置の一部が占有されておらず、占有が、所定の規則で明確に定められたとおりに形成されており、すなわちランダムではないという意味に理解されるものである。
【0135】
図13bは、それぞれ幾つかの態様で図11fの導波路と類似している導波路1を示す。導波路は、第1の構造要素10aを有し、これは例えば、マトリックス材料として形成されていてよい。さらに、導波路は、第1の直径を有する複数の構造要素10bと、第2の直径を有する複数の構造要素10cとを有する。本例では、構造要素が非周期的に配置されており、非周期的な位置関係は、不均一に、しかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されていてよい。したがって、図13bは、構造要素またはその断面領域が、所定の規則で明確に定められた不均一な配置を有する導波路1の場合を示す。ここで、配置という用語は、構造要素もしくはその断面領域またはその一部が非周期的に配置されており、非周期的な位置が、所定の規則で定められており、すなわちランダムではなく、かつ/または構造要素同士が、不均一であるがしかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されているバリエーションを有し、そのバリエーションが、例えば異なる直径を有する2種類の構造要素として形成されているという意味に理解されるものである。
【0136】
図14は、それぞれが第1の種類の複数の構造要素と第2の種類(および図14dでは場合によってはさらなる種類)の複数の構造要素とを有する、幾つかの導波路1を示す。ここに示す導波路1は特に、マトリックス材料を有しておらず(すなわち、特に、フェースプレートとして形成されておらず)、構造要素が互いに隣接している。図14に示す導波路1は、様々な種類の構造要素、特にその断面領域が周期的に配置されているが、その種類の構造要素の周期的な位置の占有が、不均一に、しかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されているという点で共通している。したがって、図14に示す導波路1は、構造要素またはその断面領域が、所定の規則で明確に定められた不均一な配置を有することを特徴とし、ここで、配置という用語は、周期的な位置への様々な種類の構造要素の選択または占有が、不均一であるがしかし所定の規則で定められており、すなわちランダムではないという意味に理解されるものである。
【0137】
図14aは、例えば、屈折率の異なる複数の構造要素10aおよび複数の構造要素10bを有する導波路1を示す図である。
【0138】
図14bは、異なる屈折率および異なる下位構造を有する、複数の構造要素10dおよび複数の構造要素10eを有する導波路1を示し、下位構造は、下位構造要素10aおよび10b(屈折率aおよびbを有する)あるいは10aおよび10c(屈折率aおよびcを有する)により画定されている。ここで、下位構造では、構造要素10dおよび10eがコア-クラッド系として形成されており、コアが異なっている。
【0139】
図14cは同様に、異なる屈折率および異なる下位構造を有する、複数の構造要素10dおよび複数の構造要素10eを有する導波路1を示し、下位構造は、下位構造要素10aおよび10b(屈折率aおよびbを有する)あるいは10cおよび10b(屈折率cおよびbを有する)により画定されている。ここで、下位構造では、構造要素10dおよび10eがコア-クラッド系として形成されており、クラッドが異なっている。
【0140】
図14dは同様に、異なる屈折率および異なる下位構造を有する、複数の構造要素10e、複数の構造要素10f、複数の構造要素10g、および複数の構造要素10hを有する導波路1を示し、下位構造は、下位構造要素10aおよび10b(屈折率aおよびbを有する)あるいは10aおよび10c(屈折率aおよびcを有する)あるいは10bおよび10d(屈折率bおよびdを有する)あるいは10cおよび10d(屈折率cおよびdを有する)により画定されている。ここで、下位構造では、構造要素10e、10f、10gおよび10hがコア-クラッド系として形成されており、クラッドとコアとの双方が異なっている。
【0141】
図14eは、異なる幾何学的形状および異なる下位構造を有する、複数の構造要素10cおよび複数の構造要素10dを有する導波路1を示し、構造要素10cの下位構造は、下位構造要素10aおよび10b(屈折率aおよびbならびに第1のコア径を有する)により画定されており、構造要素10dの下位構造は、下位構造要素10aおよび10b(屈折率aおよびbならびに第2のコア径を有する)により画定されている。
【0142】
図14fは、異なる幾何学的形状および異なる下位構造を有する、複数の構造要素10cおよび複数の構造要素10dを有する導波路1を示し、構造要素10cの下位構造は、下位構造要素10aおよび10b(屈折率aおよびbならびに中心に配置されたコアを有する)によって画定されており、構造要素10dの下位構造は、下位構造要素10aおよび10b(屈折率aおよびbならびに偏心的に配置されたコアを有する)によって画定されている。
【0143】
図15aおよび図15bは、第1の種類の構造要素10aとしての一体型の基体に、第2の種類の構造要素10bとしての複数のフィラメント状チャネルがレーザフィラメンテーションによって導入され、これらのチャネルが非周期的な位置関係を有し、非周期的な位置は、不均一であるがしかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されている導波路1を実際に製造した例としての写真を示す。ただし、レーザフィラメンテーションにおいて、例えばレーザが基材を1本ずつ走査して周期性や格子を生じさせることも想定可能である。特にこのような場合、フィラメント状チャネルとして形成される第2の種類の構造要素10bは、周期的な位置に配置されていてもよく、この場合、周期的な位置の一部が占有されており、周期的な位置の一部は占有されておらず、占有は、所定の規則で明確に定められたとおりに形成されている。
【0144】
図16aは、第1の種類の構造要素10aとして第1の屈折率を有する複数のファイバと、第2の種類の構造要素10bとして第2の屈折率を有する複数のファイバとを有する導波路1を実際に製造した例としての写真を示し、図16bは、その拡大図および略図を示す図である。この場合、構造要素10aおよび10bのファイバは互いに隣接し、周期的な格子に従って配置されており、種類10aおよび10bによる位置の占有は、不均一に、しかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されている。第1の種類の構造要素10aおよび第2の種類の構造要素10bは、ジャケット管として形成された第3の種類の構造要素10cによって包囲されていてよい。ここで好ましくは、ジャケット管は、第1の種類の構造要素10aの屈折率および第2の種類の構造要素10bの屈折率の双方よりも低い屈折率を有する。
【0145】
図17は、図16aの導波路1をイメージガイドとして適用し、数字5を示す画像を伝送している状態を示す写真である。ここでは、構造要素の配置が不均一であるため、横方向のアンダーソン局在現象に基づき、高分解能の画像伝送が実現される。同時にここでは、所定の規則に従った配置により、局所的に制御可能な画像の鮮鋭度や均一性が実現される。
【0146】
総括すると、例えば、構造要素、特にその断面領域が、所定の規則で明確に定められた不均一な配置を有しており、所定の規則で明確に定められた不均一な配置が、
(a)構造要素、特にその断面領域の周期的な位置関係として形成されており、周期的に配置された構造要素同士が、不均一に、しかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されているバリエーションを有しており、
周期的に配置された構造要素同士のバリエーションは好ましくは、構造要素の種類、構造要素の屈折率および/または構造要素の幾何学的形状(例えば、形状、直径および/または下位構造)のバリエーションとして形成されているものとする、
(b)構造要素、特にその断面領域の非周期的な位置関係として形成されており、構造要素の非周期的な位置は、不均一に、しかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されており、
任意に、構造要素同士はさらに、不均一であるがしかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されているバリエーションを有するものとする、
および/または(c)周期的な位置での構造要素、特にその断面領域の位置関係として形成されており、周期的な位置の一部は占有されており、周期的な位置の一部は占有されておらず、占有は、所定の規則で明確に定められたとおりに形成されており、
任意に、構造要素同士はさらに、不均一であるがしかし所定の規則で明確に定められたとおりに形成されているバリエーションを有するものとする、
導波路1が想定可能である。
【0147】
前述のとおり、構造要素は、その形状あるいは幾何学的形状が互いに異なっていてもよい。特に、導波路を、必要に応じて複数回繰り返されるプリフォームのファイバ延伸プロセスによってファイバロッドとして形成する場合には、初期の形状または幾何学的形状を保持することができるが、熱的影響や、その際に場合により生じ得る機械的影響によって導波路に変形として表れる可能性もある。特に、少なくとも一部の構造要素は、六角形および/または双曲多角形、特に三角形または六角形の形態をとり得る。レーザ加工による構造要素の導入も、例えば、レーザビームやレーザ放射線を適宜誘導し、かつ/またはそのビームプロファイルを光学的に調整することによって、このような幾何学的形状のバリエーションを含み得る。
図1(a)】
図1(b)】
図1(c)】
図1(d)】
図1(e)】
図2(a)】
図2(b)】
図3
図4(a)】
図4(b)】
図4(c)】
図4(d)】
図4(e)】
図4(f)】
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7(a)】
図7(b)】
図7(c)】
図7(d)】
図8(a)】
図8(b)】
図8(c)】
図8(d)】
図9
図10(a)】
図10(b)】
図10(c)】
図10(d)】
図11
図12
図13(a)】
図13(b)】
図14(a)】
図14(b)】
図14(c)】
図14(d)】
図14(e)】
図14(f)】
図15(a)】
図15(b)】
図16
図17
【国際調査報告】