(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(54)【発明の名称】保持器を備えた深溝玉軸受
(51)【国際特許分類】
F16C 33/42 20060101AFI20230706BHJP
F16C 33/66 20060101ALI20230706BHJP
F16C 19/06 20060101ALI20230706BHJP
【FI】
F16C33/42 A
F16C33/66 Z
F16C19/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579045
(86)(22)【出願日】2021-09-16
(85)【翻訳文提出日】2022-12-21
(86)【国際出願番号】 CN2021118719
(87)【国際公開番号】W WO2023272954
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】202110736974.6
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522226410
【氏名又は名称】人本股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】C&U COMPANY LIMITED.
【住所又は居所原語表記】No.515,5th Binhai Street,Economic & Technological Development Zone,Wenzhou City,Zhejiang 325011,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】白 雪峰
(72)【発明者】
【氏名】徐 家良
(72)【発明者】
【氏名】劉 利▲ジャオ▼
【テーマコード(参考)】
3J701
【Fターム(参考)】
3J701AA02
3J701AA32
3J701AA42
3J701AA54
3J701AA62
3J701BA34
3J701BA45
3J701BA46
3J701CA08
3J701CA14
3J701CA15
3J701EA67
3J701EA76
3J701FA46
3J701FA55
3J701GA01
(57)【要約】
本発明は保持器を備えた深溝玉軸受を開示し、外輪、内輪、保持器及び玉を備え、前記保持器は外輪と内輪との間に設けられ、前記保持器にポケットが設けられ、前記玉がポケット内に設けられ、前記保持器の本体は上部保持器本体及び下部保持器本体を形成するように分割して設けられ、前記上部保持器本体及び下部保持器本体のそれぞれにポケット溝が間隔をおいて設けられ、前記上部保持器本体及び下部保持器本体のポケット溝を対応して組み合わせることでポケットを形成し、前記上部保持器本体の隣接するポケット溝の間に接続台が設けられ、前記下部保持器本体の隣接するポケット溝の間に位置決め台が設けられ、前記接続台と位置決め台との間に差し込み部材及び差し込み溝が設けられ、前記差し込み部材と差し込み溝が互いに固定されることで上部保持器本体と下部保持器本体との固定接続を形成する。構造がシンプルで、全体構造の取り付けが容易で、安定性がより高く、全体構造の使用効果及び生産加工効率を向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持器を備えた深溝玉軸受において、外輪、内輪、保持器及び玉を備え、前記保持器が外輪と内輪との間に設けられ、前記保持器にポケットが設けられ、前記玉がポケット内に設けられる深溝玉軸受であって、前記保持器の本体は上部保持器本体及び下部保持器本体を形成するように分割して設けられ、前記上部保持器本体及び下部保持器本体のそれぞれにポケット溝が間隔をおいて設けられ、前記上部保持器本体及び下部保持器本体のポケット溝を対応して組み合わせることでポケットを形成し、前記上部保持器本体の隣接するポケット溝の間に接続台が設けられ、前記下部保持器本体の隣接するポケット溝の間に位置決め台が設けられ、前記接続台と位置決め台との間に差し込み部材及び差し込み溝が設けられ、前記差し込み部材と差し込み溝が互いに固定されることで上部保持器本体と下部保持器本体との固定接続を形成する、ことを特徴とする保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項2】
前記差し込み溝は下部保持器本体の位置決め台に設けられ、前記差し込み溝内に隆起ブロックが形成され、前記差し込み部材は上部保持器本体の接続台に設けられ、前記差し込み部材の端部に係合ブロックが形成され、前記係合ブロックは隆起ブロックと差し込み溝の底面との間に係止される、ことを特徴とする請求項1に記載の保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項3】
前記隆起ブロックは差し込み溝の挿入口に近接して設けられ、前記隆起ブロックと係合ブロックとの接触面は弧状面を呈するように設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項4】
前記差し込み部材の両側に位置決め片が形成され、前記位置決め片は弾性的に設けられ、前記差し込み溝の位置決め片に対応する位置に収容溝が設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項5】
前記差し込み溝は収容溝を介してポケット溝に連通して設けられ、前記収容溝内に潤滑油貯蔵綿が設けられる、ことを特徴とする請求項4に記載の保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項6】
前記差し込み溝は下部保持器本体の位置決め台に設けられ、前記差し込み部材は上部保持器本体の接続台に設けられ、前記差し込み部材は2つの接続アームとして設けられ、前記接続アームは、一端が接続台に接続され、他端にフックが設けられ、前記接続アームは差し込み溝を貫通して設けられ、前記フックは位置決め台の外壁に掛設される、ことを特徴とする請求項1に記載の保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項7】
前記フックは楔状を呈するように設けられ、前記フックと差し込み溝との接触面は斜面を呈するように設けられる、ことを特徴とする請求項6に記載の保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項8】
2つの接続アームの間に接続ブリッジが設けられる、ことを特徴とする請求項7に記載の保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項9】
前記上部保持器本体の接続台はポケット溝の底面よりも低くなるように設けられ、前記フックは長さが接続台とポケット溝の底面との距離差よりも小さくなるように設けられる、ことを特徴とする請求項8に記載の保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項10】
前記外輪の内壁に第1接続段差が形成され、前記内輪の外壁に第2接続段差が形成され、前記第1接続段差と第2接続段差との間に防塵カバーが係止される、ことを特徴とする請求項1に記載の保持器を備えた深溝玉軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軸受の技術分野に関し、特に保持器を備えた深溝玉軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
新エネルギー自動車用の駆動モータは従来の燃料自動車のエンジンに取って代わるため、駆動モータは新エネルギー自動車の重要な部品となり、一般的なモータと比較して、通常、瞬時出力が大きく、過負荷能力が高く、変速範囲が広く、頻繁な始動、停止、加速、減速に適応できるという要件が必要とされ、低速登板時に高トルクが必要とされ、高速走行時に低トルクが必要とされる。駆動モータのこれらの特性のため、駆動モータの軸受は一般的な軸受よりも高い特性要件が必要とされ、そのため、高速特性、急変速性、低トルク、低ノイズ、低い温度上昇、長い寿命等の特性を備える必要がある。新エネルギー自動車の急加速特性を満たすために、高回転速度特性を有する深溝玉軸受は常に駆動モータに搭載されている。深溝玉軸受に保持器が設けられ、保持器は、内輪と外輪軌道との間に組み立てられ、通常、環状本体構造と、円周に沿って均等に分布するポケット部と、を備える。ポケット部は通常、玉軸受の転動体と類似し且つ曲率半径がやや大きい凹球状面を採用し、保持器本体の内径面と外径面でそれぞれ開口している。しかしながら、使用過程において、急加速又は急減速の高速動作状態では、高い温度上昇が発生しやすく、その結果、保持器は分解して割れたり、保持器のポケット又は他の位置で衝撃を受けて破断したりしてしまい、保持器全体の使用効果が低下する。また、従来の保持器は組み立てや生産が不便であり、生産加工効率の向上に不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術の欠陥に対して、本発明は、構造がシンプルで、全体構造の取り付けが容易で、安定性がより高く、全体構造の使用効果及び生産加工効率を向上させる保持器を備えた深溝玉軸受を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を実現するために、本発明は、保持器を備えた深溝玉軸受において、外輪、内輪、保持器及び玉を備え、前記保持器が外輪と内輪との間に設けられ、前記保持器にポケットが設けられ、前記玉がポケット内に設けられる深溝玉軸受であって、前記保持器の本体は、上部保持器本体及び下部保持器本体を形成するように分割して設けられ、前記上部保持器本体及び下部保持器本体のそれぞれにポケット溝が間隔をおいて設けられ、前記上部保持器本体及び下部保持器本体のポケット溝を対応して組み合わせることでポケットを形成し、前記上部保持器本体の隣接するポケット溝の間に接続台が設けられ、前記下部保持器本体の隣接するポケット溝の間に位置決め台が設けられ、前記接続台と位置決め台との間に差し込み部材及び差し込み溝が設けられ、前記差し込み部材と差し込み溝が互いに固定されることで上部保持器本体と下部保持器本体との固定接続を形成することを特徴とする保持器を備えた深溝玉軸受を提供する。
【0005】
このような構成による有益な効果として、上記構成によれば、保持器が上部保持器本体及び下部保持器本体を形成するように上下に分割されているため、上部保持器本体及び下部保持器本体によって玉の取り付けや収容が容易である。また、2つの保持器本体が接続部材を介して接続されることによって、接続が容易かつ効率的であるとともに、構造がシンプルである。好ましい材料として、サブ保持器本体は射出成形材料を使用し、通常、PA66+ガラス繊維、PA46+ガラス繊維、PEEK+ガラス繊維等の材料であり、それによって保持器の強度を確保するとともに、構造が軽量であり、軸受の安定性を維持し、使用効果を向上させることに寄与する。
【0006】
本発明のさらなる態様として、前記差し込み溝は下部保持器本体の位置決め台に設けられ、前記差し込み溝内に隆起ブロックが形成され、前記差し込み部材は上部保持器本体の接続台に設けられ、前記差し込み部材の端部に係合ブロックが形成され、前記係合ブロックは隆起ブロックと差し込み溝の底面との間に係止される。
【0007】
このような構成による有益な効果として、上記構成によれば、上部保持器本体と下部保持器本体は、差し込み部材と差し込み溝との差し込み嵌合によって接続されるとともに、差し込み部材の係合ブロックは隆起ブロックに当接することで、両者の緩みを回避するとともに、構造がシンプルで、接続が容易かつ効率的である。
【0008】
本発明のさらなる態様として、前記隆起ブロックは差し込み溝の挿入口に近接して設けられ、前記隆起ブロックと係合ブロックとの接触面は弧状面を呈するように設けられる。
【0009】
このような構成による有益な効果として、上記構成によれば、係合ブロックの係合をよりスムーズにし、取り付け・生産のスムーズさを向上させ、生産加工効率を向上させる。
【0010】
本発明のさらなる態様として、前記差し込み部材の両側に位置決め片が形成され、前記位置決め片は弾性的に設けられ、前記差し込み溝の位置決め片に対応する位置に収容溝が設けられる。
【0011】
このような構成による有益な効果として、上記構成によれば、2つのサブ保持器本体をより強固に接続でき、緩みが発生し難いとともに、位置決め片は、2つのサブ保持器本体を分離する力を受けると、反力を生じさせることができ、それにより分解を回避し、全体構造の安定性を向上させる。
【0012】
本発明のさらなる態様として、前記差し込み溝は収容溝を介してポケット溝に連通して設けられ、前記収容溝内に潤滑油貯蔵綿が設けられる。
【0013】
このような構成による有益な効果として、差し込み溝がポケット溝に連通するとともに、収容溝内に潤滑油貯蔵綿が設けられることで、サブ保持器本体の取り付け後、差し込み部材の両側の位置決め片が収容溝内に係合されるとともに潤滑油貯蔵綿に当接し、潤滑油貯蔵綿を玉に当接させることで、潤滑油貯蔵綿に貯蔵される潤滑油を玉に塗布でき、それによって玉を潤滑且つ降温させ、それによって全体構造の耐用年数を効果的に延ばす。
【0014】
本発明のさらなる態様として、前記差し込み溝は下部保持器本体の位置決め台に設けられ、前記差し込み部材は上部保持器本体の接続台に設けられ、前記差し込み部材は2つの接続アームとして設けられ、前記接続アームは、一端が接続台に接続され、他端にフックが設けられ、前記接続アームは差し込み溝を貫通して設けられ、前記フックは位置決め台の外壁に掛設される。
【0015】
このような構成による有益な効果として、上記構成によれば、接続アームの接続がより強固であり、全体的な安定性を高めるとともに、二重アーム構造によって緩みが発生し難く、全体構造の使用効果を向上させる。
【0016】
本発明のさらなる態様として、前記フックは楔状を呈するように設けられ、前記フックと差し込み溝との接触面は斜面を呈するように設けられる。
【0017】
このような構成による有益な効果として、上記構成によれば、接続アームがこのような構造として設けられることで、構造がシンプルであり、接続効果が良いとともに、フックと接続孔との接触面が斜面を呈するように設けられることで、良好な挿入ガイド効果を達成し、係合効果を高め、また、構造がシンプルであり、実現しやすい。
【0018】
本発明のさらなる設置として、2つの接続アームの間に接続ブリッジが設けられる。
【0019】
このような構成による有益な効果として、上記構成によれば、接続アームの強度をさらに高め、変形し難くするとともに、挿入や組み立てを容易にし、全体構造の使用効果を向上させる。
【0020】
本発明のさらなる態様として、前記上部保持器本体の接続台はポケット溝の底面よりも低くなるように設けられ、前記フックは長さが接続台とポケット溝の底面との距離差よりも小さくなるように設けられる。
【0021】
このような構成による有益な効果として、上記構成によれば、保持器の全体構造のレイアウトをより合理的にし、取り付け時に防塵カバー構造と干渉することはなく、全体構造の取り付けをよりコンパクトにし、全体構造の使用の安定性を向上させる。
【0022】
本発明のさらなる態様として、前記外輪の内壁に第1接続段差が形成され、前記内輪の外壁に第2接続段差が形成され、前記第1接続段差と第2接続段差との間に防塵カバーが係止される。
【0023】
このような構成による有益な効果として、玉への遮蔽を確保し、全体構造の使用効果を向上させるとともに、構造がシンプルであり、実現しやすく、潤滑油の漏れを効果的に回避し、全体的な潤滑効果を高め、また、構造がシンプルであり、実現しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施例及び第2実施例の分解構造模式図である。
【
図2】本発明の第2実施例における上部保持器本体の構造模式図である。
【
図3】本発明の第1実施例及び第2実施例における下部保持器本体の構造模式図である。
【
図4】本発明の第3実施例及び第5実施例の分解構造模式図である。
【
図5】本発明の第3実施例、第4実施例及び第5実施例における保持器の構造模式図である。
【
図6】本発明の第3実施例、第4実施例及び第5実施例における上部保持器本体の構造模式図である。
【
図7】本発明の第3実施例及び第4実施例における接続アームの部分拡大図である。
【
図8】本発明の第5実施例における接続アームの部分拡大図である。
【
図9】本発明の第4実施例の分解構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の保持器を備えた深溝玉軸受の第1実施例は、
図1及び
図3に示すように、外輪2、内輪1、保持器及び玉を備え、前記保持器は外輪2と内輪1との間に設けられ、前記保持器にポケットが設けられ、前記玉はポケット内に設けられている。前記保持器の本体は、上部保持器本体4及び下部保持器本体3を形成するように分割して設けられ、前記上部保持器本体4及び下部保持器本体3のそれぞれにポケット溝41が間隔をおいて設けられ、前記上部保持器本体4及び下部保持器本体3のポケット溝41を対応して組み合わせることでポケットを形成する。前記上部保持器本体4の隣接するポケット溝41の間に接続台42が設けられ、前記下部保持器本体3の隣接するポケット溝41の間に位置決め台31が設けられ、前記接続台42と位置決め台31との間に差し込み部材43及び差し込み溝32が設けられ、前記差し込み部材43と差し込み溝32が互いに固定されることで上部保持器本体4と下部保持器本体3との固定接続を形成する。前記差し込み溝32は下部保持器本体3の位置決め台31に設けられ、前記差し込み溝32内に隆起ブロック33が形成され、前記差し込み部材43は上部保持器本体4の接続台42に設けられ、前記差し込み部材43の端部に係合ブロック44が形成され、前記係合ブロック44は隆起ブロック33と差し込み溝32の底面との間に係止される。前記隆起ブロック33は差し込み溝32の挿入口に近接して設けられ、前記隆起ブロック33と係合ブロック44との接触面は弧状面を呈するように設けられる。前記外輪2の内壁に第1接続段差が形成され、前記内輪1の外壁に第2接続段差11が形成され、前記第1接続段差と第2接続段差11との間に防塵カバー5が係止される。
【0026】
本発明の保持器を備えた深溝玉軸受の第2実施例は、
図1~
図3に示すように、外輪2、内輪1、保持器及び玉を備え、前記保持器は外輪2と内輪1との間に設けられ、前記保持器にポケットが設けられ、前記玉はポケット内に設けられている。前記保持器の本体は、上部保持器本体4及び下部保持器本体3を形成するように分割して設けられ、前記上部保持器本体4及び下部保持器本体3のそれぞれにポケット溝41が間隔をおいて設けられ、前記上部保持器本体4及び下部保持器本体3のポケット溝41を対応して組み合わせることでポケットを形成する。前記上部保持器本体4の隣接するポケット溝41の間に接続台42が設けられ、前記下部保持器本体3の隣接するポケット溝41の間に位置決め台31が設けられ、前記接続台42と位置決め台31との間に差し込み部材43及び差し込み溝32が設けられ、前記差し込み部材43と差し込み溝32が互いに固定されることで上部保持器本体4と下部保持器本体3との固定接続を形成する。前記差し込み溝32は下部保持器本体3の位置決め台31に設けられ、前記差し込み溝32内に隆起ブロック33が形成され、前記差し込み部材43は上部保持器本体4の接続台42に設けられ、前記差し込み部材43の端部に係合ブロック44が形成され、前記係合ブロック44は隆起ブロック33と差し込み溝32の底面との間に係止される。前記隆起ブロック33は差し込み溝32の挿入口に近接して設けられ、前記隆起ブロック33と係合ブロック44との接触面は弧状面を呈するように設けられる。前記差し込み部材43の両側に位置決め片45が形成され、前記位置決め片45は弾性的に設けられ、前記差し込み溝32の位置決め片45に対応する位置に収容溝34が設けられる。前記差し込み溝32は収容溝34を介してポケット溝41に連通して設けられ、前記収容溝34内に潤滑油貯蔵綿が設けられる。前記外輪2の内壁に第1接続段差が形成され、前記内輪1の外壁に第2接続段差11が形成され、前記第1接続段差と第2接続段差11との間に防塵カバー5が係止される。
【0027】
本発明の保持器を備えた深溝玉軸受の第3実施例は、
図4~
図7に示すように、外輪2、内輪1、保持器及び玉を備え、前記保持器は外輪2と内輪1との間に設けられ、前記保持器にポケットが設けられ、前記玉はポケット内に設けられている。前記保持器の本体は、上部保持器本体4及び下部保持器本体3を形成するように分割して設けられ、前記上部保持器本体4及び下部保持器本体3のそれぞれにポケット溝41が間隔をおいて設けられ、前記上部保持器本体4及び下部保持器本体3のポケット溝41を対応して組み合わせることでポケットを形成する。前記上部保持器本体4の隣接するポケット溝41の間に接続台42が設けられ、前記下部保持器本体3の隣接するポケット溝41の間に位置決め台31が設けられ、前記接続台42と位置決め台31との間に差し込み部材43及び差し込み溝32が設けられ、前記差し込み部材43と差し込み溝32が互いに固定されることで上部保持器本体4と下部保持器本体3との固定接続を形成する。前記差し込み溝32は下部保持器本体3の位置決め台31に設けられ、前記差し込み部材43は上部保持器本体4の接続台42に設けられ、前記差し込み部材43は2つの接続アーム46として設けられ、前記接続アーム46は、一端が接続台42に接続され、他端にフック47が設けられ、前記接続アーム46は差し込み溝32を貫通して設けられ、前記フック47は位置決め台31の外壁に掛設される。前記フック47は楔状を呈するように設けられ、前記フック47と差し込み溝32との接触面は斜面を呈するように設けられる。2つの接続アーム46の間に接続ブリッジ48が設けられる。前記上部保持器本体4の接続台42はポケット溝41の底面よりも低くなるように設けられ、前記フック47は長さが接続台42とポケット溝41の底面との距離差よりも小さくなるように設けられる。前記外輪2の内壁に第1接続段差が形成され、前記内輪1の外壁に第2接続段差11が形成され、前記第1接続段差と第2接続段差11との間に防塵カバー5が係止される。
【0028】
本発明の保持器を備えた深溝玉軸受の第4実施例は、
図5、
図6及び
図9に示すように、外輪2、内輪1、保持器及び玉を備え、前記保持器は外輪2と内輪1との間に設けられ、前記保持器にポケットが設けられ、前記玉はポケット内に設けられている。前記保持器の本体は、上部保持器本体4及び下部保持器本体3を形成するように分割して設けられ、前記上部保持器本体4及び下部保持器本体3のそれぞれにポケット溝41が間隔をおいて設けられ、前記上部保持器本体4及び下部保持器本体3のポケット溝41を対応して組み合わせることでポケットを形成する。前記上部保持器本体4の隣接するポケット溝41の間に接続台42が設けられ、前記下部保持器本体3の隣接するポケット溝41の間に位置決め台31が設けられ、前記接続台42と位置決め台31との間に差し込み部材43及び差し込み溝32が設けられ、前記差し込み部材43と差し込み溝32が互いに固定されることで上部保持器本体4と下部保持器本体3との固定接続を形成する。前記差し込み溝32は下部保持器本体3の位置決め台31に設けられ、前記差し込み部材43は上部保持器本体4の接続台42に設けられ、前記差し込み部材43は2つの接続アーム46として設けられ、前記接続アーム46は、一端が接続台42に接続され、他端にフック47が設けられ、前記接続アーム46は差し込み溝32を貫通して設けられ、前記フック47は位置決め台31の外壁に掛設される。前記フック47は楔状を呈するように設けられ、前記フック47と差し込み溝32との接触面は斜面を呈するように設けられる。2つの接続アーム46の間に接続ブリッジ48が設けられる。前記上部保持器本体4の接続台42はポケット溝41の底面よりも低くなるように設けられ、前記フック47は長さが接続台42とポケット溝41の底面との距離差よりも小さくなるように設けられる。
【0029】
本発明の保持器を備えた深溝玉軸受の第5実施例は、
図4、
図5、
図6及び
図8に示すように、外輪2、内輪1、保持器及び玉を備え、前記保持器は外輪2と内輪1との間に設けられ、前記保持器にポケットが設けられ、前記玉はポケット内に設けられている。前記保持器の本体は、上部保持器本体4及び下部保持器本体3を形成するように分割して設けられ、前記上部保持器本体4及び下部保持器本体3のそれぞれにポケット溝41が間隔をおいて設けられ、前記上部保持器本体4及び下部保持器本体3のポケット溝41を対応して組み合わせることでポケットを形成する。前記上部保持器本体4の隣接するポケット溝41の間に接続台42が設けられ、前記下部保持器本体3の隣接するポケット溝41の間に位置決め台31が設けられ、前記接続台42と位置決め台31との間に差し込み部材43及び差し込み溝32が設けられ、前記差し込み部材43と差し込み溝32が互いに固定されることで上部保持器本体4と下部保持器本体3との固定接続を形成する。前記差し込み溝32は下部保持器本体3の位置決め台31に設けられ、前記差し込み部材43は上部保持器本体4の接続台42に設けられ、前記差し込み部材43は2つの接続アーム46として設けられ、前記接続アーム46は、一端が接続台42に接続され、他端にフック47が設けられ、前記接続アーム46は差し込み溝32を貫通して設けられ、前記フック47は位置決め台31の外壁に掛設される。前記フック47は楔状を呈するように設けられ、前記フック47と差し込み溝32との接触面は斜面を呈するように設けられる。前記上部保持器本体4の接続台42はポケット溝41の底面よりも低くなるように設けられ、前記フック47は長さが接続台42とポケット溝41の底面との距離差よりも小さくなるように設けられる。前記外輪2の内壁に第1接続段差が形成され、前記内輪1の外壁に第2接続段差11が形成され、前記第1接続段差と第2接続段差11との間に防塵カバー5が係止される。(ナックル構造は接続ブリッジ48がない)
【0030】
以上の例は単に本発明の好ましい具体例の一種であり、当業者が本発明の技術的解決手段の範囲を逸脱せずに行う一般的な変化や置換はすべて本発明の特許範囲に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持器を備えた深溝玉軸受において、外輪、内輪、保持器及び玉を備え、前記保持器が外輪と内輪との間に設けられ、前記保持器にポケットが設けられ、前記玉がポケット内に設けられる深溝玉軸受であって、前記保持器の本体は上部保持器本体及び下部保持器本体を形成するように分割して設けられ、前記上部保持器本体及び下部保持器本体のそれぞれにポケット溝が間隔をおいて設けられ、前記上部保持器本体及び下部保持器本体のポケット溝を対応して組み合わせることでポケットを形成し、前記上部保持器本体の隣接するポケット溝の間に接続台が設けられ、前記下部保持器本体の隣接するポケット溝の間に位置決め台が設けられ、前記接続台と位置決め台との間に差し込み部材及び差し込み溝が設けられ、前記差し込み部材と差し込み溝が互いに固定されることで上部保持器本体と下部保持器本体との固定接続を形成
し、前記差し込み溝は下部保持器本体の位置決め台に設けられ、前記差し込み溝内に隆起ブロックが形成され、前記差し込み部材は上部保持器本体の接続台に設けられ、前記差し込み部材の端部に係合ブロックが形成され、前記係合ブロックは隆起ブロックと差し込み溝の底面との間に係止され、前記隆起ブロックは差し込み溝の挿入口に近接して設けられ、前記隆起ブロックと係合ブロックとの接触面は弧状面を呈するように設けられ、前記差し込み部材の両側に位置決め片が形成され、前記位置決め片は弾性的に設けられ、前記差し込み溝の位置決め片に対応する位置に収容溝が設けられ、前記差し込み溝は収容溝を介してポケット溝に連通して設けられ、前記収容溝内に潤滑油貯蔵綿が設けられる、ことを特徴とする保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項2】
前記差し込み溝は下部保持器本体の位置決め台に設けられ、前記差し込み部材は上部保持器本体の接続台に設けられ、前記差し込み部材は2つの接続アームとして設けられ、前記接続アームは、一端が接続台に接続され、他端にフックが設けられ、前記接続アームは差し込み溝を貫通して設けられ、前記フックは位置決め台の外壁に掛設される、ことを特徴とする請求項1に記載の保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項3】
前記フックは楔状を呈するように設けられ、前記フックと差し込み溝との接触面は斜面を呈するように設けられる、ことを特徴とする請求項
2に記載の保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項4】
2つの接続アームの間に接続ブリッジが設けられる、ことを特徴とする請求項
3に記載の保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項5】
前記上部保持器本体の接続台はポケット溝の底面よりも低くなるように設けられ、前記フックは長さが接続台とポケット溝の底面との距離差よりも小さくなるように設けられる、ことを特徴とする請求項
4に記載の保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項6】
前記外輪の内壁に第1接続段差が形成され、前記内輪の外壁に第2接続段差が形成され、前記第1接続段差と第2接続段差との間に防塵カバーが係止される、ことを特徴とする請求項1に記載の保持器を備えた深溝玉軸受。
【国際調査報告】