(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(54)【発明の名称】光通信用のシステム、デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
H04B 10/11 20130101AFI20230706BHJP
【FI】
H04B10/11
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023506117
(86)(22)【出願日】2021-05-28
(85)【翻訳文提出日】2023-01-27
(86)【国際出願番号】 US2021035020
(87)【国際公開番号】W WO2022026051
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520435267
【氏名又は名称】レイセオン ビービーエヌ テクノロジーズ コープ
【氏名又は名称原語表記】RAYTHEON BBN TECHNOLOGIES CORP.
【住所又は居所原語表記】10 Moulton Street Cambridge Massachusetts 02138 US
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リッター,スコット
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA21
5K102AB07
5K102AL23
5K102AL28
5K102PB01
5K102PH38
5K102RD28
(57)【要約】
光通信用の技術が記載される。当該技術の例は、イベントカメラのピクセルによって検出された独立したイベントの指示を含むイベントストリームを受信することを含むことができる。イベントは、ピクセル配列内のピクセルによって検出された輝度の変化でもよく、ピクセルはイベントを検出したことに応じてイベントの指示を独立して生成する。イベントストリームは、複数の通信元に関連する関連イベントを含む複数の通信ストリームに多重化解除できる。通信ストリームに含まれるイベントは、イベントをイベントストリームに含まれる他のイベントに関連付けるイベント近接性及びイベント時間に部分的に基づいて集約できる。複数の通信ストリームは、複数の通信ストリームから光伝送情報を抽出するために復調でき、光伝送情報がデータ消費側に送信できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光通信用のシステムであって、
複数のピクセルを含むピクセル配列を有するイベントカメラであり、前記ピクセル配列の各ピクセルは、前記ピクセルによって検出された輝度の変化を表すイベントを独立して検出し、前記イベントを検出したことに応じて前記イベントの指示を独立して生成するように構成される、イベントカメラと、
少なくとも1つのプロセッサと、
命令を含むメモリデバイスと
を含み、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記システムに、
前記イベントカメラから、前記イベントカメラにおける前記ピクセルの少なくとも一部によって検出されたイベントの指示を含むイベントストリームを受信させ、
イベント近接性及びイベント時間に部分的に基づいて、前記イベントストリーム内の関連イベントを識別させ、
前記関連イベントを通信元によって送信された通信として識別させ、
前記関連イベントを集約させて、前記通信元から送信された前記通信に関連する通信ストリームを形成させ、
前記通信ストリームを復調させて、前記通信ストリームから前記通信を抽出させる、システム。
【請求項2】
前記メモリデバイスは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記システムに、前記イベントストリームを複数の通信元に関連する複数の通信ストリームに多重化解除させる命令を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記メモリデバイスは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記システムに、前記イベントストリームに含まれる他のイベントに関連しない前記イベントストリームに含まれるイベントを廃棄させる命令を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記メモリデバイスは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記システムに、前記イベントカメラの焦点面配列をトラバースする前記通信元に関連する検出されたイベントの進行に部分的に基づいて前記通信元を追跡させる命令を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記メモリデバイスは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記システムに、
前記イベントカメラの焦点面配列をトラバースする前記通信元に関連する検出されたイベントに部分的に基づいて、三次元空間内の前記通信元の位置への方向ベクトルを決定させ、
前記通信元の前記位置への前記方向ベクトルに基づいて、前記通信元の識別情報を決定させる命令を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記メモリデバイスは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記システムに、受信した通信に関連する通信元が有効な通信元であると決定させる命令を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記システムに、前記通信ストリームを復調させる前記命令は、前記通信ストリーム内の前記イベントのイベント近接性及びイベント時間を更に分析して、前記通信ストリームに符号化された通信信号を識別する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
複数の通信元からの通信を含む複数のイベントストリームを生成するように構成されたイベントカメラの配列を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
光通信用の空間領域を監視するためのコンピュータ実施方法であって、
イベントカメラのピクセル配列内のピクセルによって検出された独立したイベントの指示を含むイベントストリームを受信するステップであり、前記ピクセル配列の各ピクセルは、前記ピクセルによって検出された輝度の変化を表すイベントを独立して検出し、前記イベントを検出したことに応じて前記イベントの指示を独立して生成するように構成される、ステップと、
前記イベントストリームを、複数の通信元に関連する関連イベントを含む複数の通信ストリームに多重化解除するステップであり、通信ストリームに含まれるイベントが、イベントを前記イベントストリームに含まれる他のイベントに関連付けるイベント近接性及びイベント時間に部分的に基づいて集約される、ステップと、
前記複数の通信ストリームを復調して、前記複数の通信ストリームから光伝送情報を抽出するステップと、
前記光伝送情報をデータ消費側に送信するステップと
を含む方法。
【請求項10】
前記イベントストリーム内の前記イベントの前記指示は、前記イベントを検出した前記ピクセル配列内のピクセルの位置と、前記イベントが検出された時間を示すタイムスタンプとを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記イベントストリームに含まれる他のイベントとは無関係である前記イベントストリームに含まれるイベントを識別するステップと、
前記イベントを前記イベントストリームに含まれるノイズとして破棄するステップと
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記イベントカメラの焦点面配列をトラバースする前記通信元に関連する前記イベントの進行に基づいて前記通信元を追跡するステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記イベントカメラの前記ピクセル配列の間でのイベントの経路に部分的に基づいて三次元空間における通信元の位置を決定するステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記通信元の前記位置を既知の通信元の位置と相互参照して前記通信元を識別するステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の通信ストリームを復調することは、前記通信ストリームに含まれる前記イベントに関連するイベント近接性及びタイムスタンプを分析して、前記通信ストリームに符号化された光伝送情報を識別することを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記イベントカメラは、1つ以上の人工衛星又は地上局から光伝送情報を受信する人工衛星に結合された光通信システムに含まれる、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
具体化された命令を含む非一時的な機械読み取り可能記憶媒体であって、
前記命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、
ピクセル配列を含むイベントカメラから、イベントストリームを受信し、イベントストリームは前記ピクセル配列内のピクセルによって検出された独立したイベントの指示を含み、イベントは前記ピクセル配列内のピクセルによって検出された輝度の変化であり、前記ピクセルは前記イベントを検出したことに応じて前記イベントの指示を独立して生成し、
イベント近接性及びイベント時間に部分的に基づいて、前記イベントストリーム内の関連イベントを識別し、
前記関連イベントを通信元からの通信としてラベル付けし、
前記通信としてラベル付けされた前記関連イベントを集約して、前記通信元に関連する通信ストリームを形成し、
前記通信ストリームを復調して、前記通信ストリームから光伝送情報を抽出し、前記通信ストリーム内の前記イベントのイベント近接性及びイベント時間は、前記通信ストリーム内の前記光伝送情報を識別するために分析される、非一時的な機械読み取り可能記憶媒体。
【請求項18】
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、三次元空間内で前記通信元を追跡する命令を更に含み、前記イベントカメラの焦点面配列をトラバースする前記通信元に関連するイベントの進行が、前記通信元の位置を決定し、前記通信元の前記位置を追跡するために使用される、請求項17に記載の非一時的な機械読み取り可能記憶媒体。
【請求項19】
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、
前記通信元の前記位置を信頼できる通信元にマッピングし、
前記通信元が信頼できる通信元として識別されることに部分的に基づいて、前記通信が信頼できる通信であると決定する命令を更に含む、請求項18に記載の非一時的な機械読み取り可能記憶媒体。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記通信ストリームを復調する前記命令は、隣接するピクセルの間のイベント遷移に基づいて、前記通信ストリームから前記光伝送情報を更に抽出する、請求項17に記載の非一時的な機械読み取り可能記憶媒体。
【請求項21】
通信の通信元を識別するためのシステムであって、
複数のピクセルを含むピクセル配列を有するイベントカメラであり、前記ピクセル配列の各ピクセルは、輝度の変化を表すイベントを独立して検出し、前記イベントを検出したことに応じて前記イベントの指示を生成するように構成される、イベントカメラと、
少なくとも1つのプロセッサと、
命令を含むメモリデバイスと
を含み、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記システムに、
前記イベントカメラによって生成されたイベントストリーム内で、通信元によって伝送された前記通信を表すイベントデータを識別させ、
前記通信を表す前記イベントデータを分析させて、三次元(3D)空間内の前記通信元の位置ベクトルを決定させ、
前記位置ベクトルに部分的に基づいて前記通信元の識別情報を決定させる、システム。
【請求項22】
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記システムに、前記イベントデータを分析させて、前記位置ベクトルを決定させる前記命令は、さらに、前記システムに、
前記イベントデータを分析させて、前記イベントカメラの焦点面配列における前記通信元からの全方向性通信放射の経路を決定させ、
前記イベントカメラの前記焦点面配列における前記全方向性通信放射の前記経路に部分的に基づいて3D空間内の方位及び仰角を決定させる、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記全方向性通信放射の前記経路は、前記イベントデータを分析して前記イベントカメラの前記ピクセル配列内のピクセルによって検出された連続イベントの進行を識別することによって決定される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記イベントデータを分析することは、前記イベントカメラの前記焦点面配列における前記全方向性通信放射の前記経路を示すイベントの間の空間時間関係を識別することを含み、前記空間時間関係は、前記ピクセル配列内の前記ピクセルによって前記イベントを検出する際のピクセル及び時間の近接性である、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記システムに、前記通信元の前記識別情報を決定させる前記命令は、さらに、前記システムに、
3D空間内の前記通信元の前記位置ベクトルを既知の通信元の位置と相互参照させ、
前記通信が前記既知の通信元によって伝送されたと決定させる、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記システムに、前記位置ベクトルを前記既知の通信元の前記位置と相互参照させる前記命令は、さらに、前記システムに、
前記通信元の前記位置ベクトルに対応する予想物理的位置を有する既知の通信元の記憶された通信元識別データを照会させる、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記メモリデバイスは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記システムに、
前記既知の通信元から伝送された信頼できる通信として前記通信を分類させる命令を更に含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
通信の通信元を識別するためのコンピュータ実施方法であって、
複数のピクセルを有するピクセル配列を含むイベントカメラによって生成されたイベントストリームを受信するステップであり、前記ピクセル配列の各ピクセルは、輝度の変化を表すイベントを独立して検出し、前記イベントを検出したことに応じて前記イベントの指示を生成するように構成される、ステップと、
前記イベントストリーム内で、通信元によって伝送された前記通信を表すイベントデータを識別するステップと、
前記通信を表す前記イベントデータを分析して、三次元(3D)空間内の前記通信元の位置ベクトルを決定するステップと、
前記位置ベクトルに部分的に基づいて前記通信元の識別情報を決定するステップと
を含む方法。
【請求項29】
前記イベントデータを分析して、前記位置ベクトルを決定するステップは、
前記イベントデータを分析して、前記イベントカメラの焦点面配列における前記通信元からの全方向性通信放射の経路を決定するステップと、
前記イベントカメラの前記焦点面配列における前記全方向性通信放射の前記経路に部分的に基づいて3D空間内の方位及び仰角を決定するステップと
を更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記全方向性通信放射の前記経路は、前記イベントデータを分析して前記イベントカメラの前記ピクセル配列内のピクセルによって検出された連続イベントの進行を識別することによって決定される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記イベントデータを分析することは、前記イベントカメラの前記焦点面配列における前記全方向性通信放射の前記経路を示すイベントの間の空間時間関係を識別することを含み、前記空間時間関係は、前記ピクセル配列内の前記ピクセルによって前記イベントを検出する際のピクセル及び時間の近接性である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記通信元の前記識別情報を決定するステップは、
3D空間内の前記通信元の前記位置ベクトルを既知の通信元の位置と相互参照するステップと、
前記通信が前記既知の通信元によって伝送されたと決定するステップと
を更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記位置ベクトルを前記既知の通信元の前記位置と相互参照するステップは、
前記通信元の前記位置ベクトルに対応する予想物理的位置を有する既知の通信元の記憶された通信元識別データを照会するステップを更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記既知の通信元から伝送された信頼できる通信として前記通信を分類するステップを更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
通信の通信元を識別するための、具体化された命令を含む非一時的な機械読み取り可能記憶媒体であって、
前記命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、
複数のピクセルを有するピクセル配列を含むイベントカメラによって生成されたイベントストリームを受信し、前記ピクセル配列の各ピクセルは、輝度の変化を表すイベントを独立して検出し、前記イベントを検出したことに応じて前記イベントの指示を生成するように構成され、
前記イベントストリーム内で、通信元によって伝送された前記通信を表すイベントデータを識別し、
前記通信を表す前記イベントデータを分析して、三次元(3D)空間内の前記通信元の位置ベクトルを決定し、
前記位置ベクトルに部分的に基づいて前記通信元の識別情報を決定する、非一時的な機械読み取り可能記憶媒体。
【請求項36】
前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記イベントデータを分析して、前記位置ベクトルを決定することは、さらに、
前記イベントデータを分析して、前記イベントカメラの焦点面配列における前記通信元からの全方向性通信放射の経路を決定し、
前記イベントカメラの前記焦点面配列における前記全方向性通信放射の前記経路に部分的に基づいて3D空間内の方位及び仰角を決定する、請求項35に記載の非一時的な機械読み取り可能記憶媒体。
【請求項37】
前記全方向性通信放射の前記経路は、前記イベントデータを分析して前記イベントカメラの前記ピクセル配列内のピクセルによって検出された連続イベントの進行を識別することによって決定される、請求項36に記載の非一時的な機械読み取り可能記憶媒体。
【請求項38】
前記イベントデータを分析することは、前記イベントカメラの前記焦点面配列における前記全方向性通信放射の前記経路を示すイベントの間の空間時間関係を識別することを含み、前記空間時間関係は、前記ピクセル配列内の前記ピクセルによって前記イベントを検出する際のピクセル及び時間の近接性である、請求項37に記載の非一時的な機械読み取り可能記憶媒体。
【請求項39】
前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記通信元の前記識別情報を決定することは、さらに、
3D空間内の前記通信元の前記位置ベクトルを既知の通信元の位置と相互参照し、
前記通信が前記既知の通信元によって伝送されたと決定する、請求項35に記載の非一時的な機械読み取り可能記憶媒体。
【請求項40】
前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記位置ベクトルを前記既知の通信元の前記位置と相互参照することは、さらに、
前記通信元の前記位置ベクトルに対応する予想物理的位置を有する既知の通信元の記憶された通信元識別データを照会する、請求項39に記載の非一時的な機械読み取り可能記憶媒体。
【請求項41】
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記既知の通信元から伝送された信頼できる通信として前記通信を分類する命令を更に含む、請求項39に記載の非一時的な機械読み取り可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2020年7月30日に出願された「Spatially Multiplexed Optical Receiver (SMOR)」という名称の米国仮特許出願第63/059,077号の利益を主張するものであり、その全内容を参照により援用する。
【0002】
[背景技術]
光通信は、光電気通信とも呼ばれ、情報を搬送するための光を使用した離れた場所での通信である。光通信システムは、メッセージを光信号に符号化するための送信機と、信号を宛先に搬送するためのチャネルと、受信した光信号からメッセージを再生するための受信機とを使用する。自由空間光通信(FSO, free-space optical communication)は、自由空間(例えば、空気、宇宙空間、真空等)を伝搬する光を使用して、電気通信又はコンピュータネットワークのためのデータを無線で伝送する光通信技術である。FSOシステムは、光受信機が光信号に含まれる伝送情報を確実に復号することを可能にする、通信元と通信先との間に明確な見通し線が存在する場合、数キロメートルの距離で機能できる。他の自由空間システムは、宇宙空間での通信に適するようにした小型、低質量、低消費電力のサブシステムを使用して、高データレート、長距離リンクを提供できる。グローバルなブロードバンドカバレッジを提供するように構成された様々な人工衛星コンステレーション(artificial satellite constellation)は、衛星の間の衛星間リンクにレーザー通信を使用することによって光通信の利点を活用し、宇宙ベースの光メッシュネットワークを効果的に作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
開示の特徴及び利点は、添付の図面と併せて、開示の特徴を例示する以下の詳細な説明から明らかになる。
【
図1】技術の一例による例示的な光通信システムを示すブロック図である。
【
図2A】技術の一例に従って通信元から受信した通信を追跡する例を示す図である。
【
図2B】技術の一例に従って通信元を識別するように構成された例示的な光通信システムを示すブロック図である。
【
図3】技術の一例に従って光伝送情報を検出して処理するための光通信システムの様々な例示的な構成を示す図である。
【
図4】技術の一例に従って光通信用の空間領域を監視するための例示的な方法を示すフロー図である。
【
図5】技術の一例に従って通信元から受信した通信を検証するための例示的な方法を示すフロー図である。
【
図6】ここに記載の方法を実行するために使用され得るコンピューティングデバイスの例を示すブロック図である。 ここで、示される例示的な実施形態に参照が行われ、それを説明するために特定の用語がここで使用される。それにもかかわらず、技術の範囲の限定はそれによって意図されるものではないことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本技術について開示して説明する前に、本開示は、ここに開示される特定の構造、プロセスステップ又は材料に限定されるものではなく、関連する技術における当業者により認識されるこれらの均等物に拡張されることが理解されるべきである。ここで使用されている用語は、特定の例を説明する目的でのみ使用されており、限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。異なる図面における同じ参照番号は同じ要素を表す。フローチャート及びプロセスにおいて提供される番号は、ステップ及び動作を示すために明確性のために提供されるものであり、必ずしも特定の順序又はシーケンスを示すものではない。
【0005】
技術の実施形態の最初の概要が以下に提供され、次いで、具体的な技術の実施形態について後で更に詳細に説明する。この最初の概要は、読者が技術をより迅速に理解するのを助けるようにすることを意図しており、技術の主な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲の主題の範囲を限定することを意図するものでもない。
【0006】
通信元によって伝送される光伝送情報を受信するためにイベントカメラを使用する光通信のための技術について説明する。この技術の一例では、シーン照明の変化によって引き起こされるイベントの非同期ストリームを出力するイベントカメラを使用して、光通信のために空間領域が監視できる。イベントカメラは、光通信に関連するイベントを独立して検出し、光通信に関連するイベントの指示を独立して生成するように構成されたピクセルの配列を含む。ピクセル配列内のピクセルによって検出されたイベントは、輝度の変化とすることができる。輝度の変化の検出に応じて、ピクセルは、例えば、ピクセルアドレス及びタイムスタンプを含む情報の個別のパケット(例えば、データパケット又はメッセージ)を含むイベントの指示を生成する。
【0007】
イベントカメラによって出力されるイベントストリームは、1つ以上の通信元(例えば、人工衛星、航空機、地上局等)から受信した1つ以上の光信号(光伝送情報)を表すことができる。イベントストリームで表される光信号は、イベントストリームを複数の通信ストリームに多重化解除することによって分離でき、各通信ストリームは、通信元から受信した光信号を表すイベントデータを含む。イベントストリームの多重化解除は、空間的及び/又は時間的に関連するイベントを識別し、関連するイベントを通信元に関連する通信ストリームに集約することを含むことができる。例えば、空間的及び/又は時間的に関連するイベントは、共通の通信元から受信した通信としてラベル付けでき、ラベルは、空間的及び/又は時間的に関連するイベントを対応する通信ストリームに集約するために使用できる。通信ストリームは、通信ストリームから光信号を抽出するように復調でき、光信号は、光受信機、アプリケーション、プログラム、プロセス又は光信号の他の消費側のようなデータ消費側に送信できる。
【0008】
現在の技術を更に説明するために、図面を参照して例を提供する。
図1は、例示的な光通信システム100を示す図である。光通信システム100は、衛星、地上局、車両等のようなオブジェクトに結合又は統合され、送信元オブジェクトと宛先オブジェクトとの間で光通信を可能にできる。光通信システム100は、イベントカメラ102とイベントプロセッサ104とを含むことができる。ニューロモーフィック(neuromorphic)カメラ、シリコン網膜又はダイナミックビジョンセンサとも呼ばれるイベントカメラ104は、輝度の局所的な変化に応答するイメージングセンサである。従来の多くのカメラとは異なり、イベントカメラ104はカメラシャッターを使用して画像をキャプチャしない。代わりに、ピクセル配列110内の各ピクセル112は独立して且つ非同期的に動作し、それぞれが発生した輝度の変化(ここでは「イベント」と呼ばれる)を報告する。例えば、各ピクセル112は基準輝度レベル(例えば、予め設定された閾値)を記憶し、基準輝度レベルと現在の輝度レベルとを継続的に比較する。輝度の差が基準輝度レベルを超えた場合、ピクセル112は基準輝度レベルをリセットし、イベントの指示を生成する。イベントの指示は、ピクセルのアドレス(例えば、ピクセル配列110内のx、y又は他の空間座標)を含む情報又はメッセージのデータパケットと、イベントの時間(すなわち、イベントが発生した時間)を示すタイムスタンプとを含むことができる。現在の技術のいくつかの例では、イベントカメラ104におけるピクセル112によって生成されるイベントはまた、輝度の変化の極性(増加又は減少)、又は現在の照明レベルの測定値を含むことができる。
【0009】
イベントカメラ104は、ピクセル配列110内のピクセル112によって個別に独立して検出されたシーン照明の変化によってトリガされた非同期イベントストリーム114(例えば、非同期イベントのシリアルストリーム)を出力する。イベントストリーム114は、1つ以上のピクセル112によって非同期に生成されたイベントの指示(例えば、データパケット、メッセージ等)を含む。図示のように、イベントストリーム114はイベントプロセッサ104に提供され、イベントプロセッサ104は、イベントストリーム114を個々の通信ストリーム116に多重化解除し、各通信ストリーム116を復調して、通信ストリーム116に符号化された光伝送情報を抽出するように構成される。
【0010】
1つの例示的な構成では、イベントプロセッサ104は、イベントモジュール106と複数の復調器108a-n(「n」はいずれかの数の復調器を表す)とを含むことができる。イベントモジュール106は、イベントカメラ102からイベントストリーム114を受信し、イベントストリーム114を、1つ以上の通信元118a-n(「n」はいずれかの数の通信元を表す)に関連する1つ以上の通信ストリーム116に多重化解除するように構成されたハードウェア(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ、集積回路等)又はソフトウェア(イベントプロセッサ104のソフトウェアプログラムコンポーネント)でもよい。例えば、例として、通信元100a-nは、光通信を光通信システムに送信するように構成された衛星、地上局、車両若しくはいずれかの他のオブジェクト、又はこれらのいずれかの組み合わせとすることができる。認識されるように、
図1は、イベントストリーム114が2つの通信元118a-nに関連する2つの通信ストリーム116に多重化解除されることを示しているが、イベントストリーム114は、対応する通信ストリーム116に多重化解除できるいずれかの数の通信元118a-nに関連するいずれかの数の通信を含むことができる。
【0011】
一例では、イベントプロセッサ104は、イベントストリーム114に含まれるイベント情報を分析し、特定の通信元a-nに関連する通信ストリーム116に集約できる関連イベントを識別することによって、イベントストリーム114を1つ以上の通信ストリーム116に多重化解除できる。一例では、イベントは、イベントストリーム114内のイベントの間の空間時間関係を使用して関連すると考えられることができ、空間時間関係はイベント近接性(位置近接性)及びイベント時間を使用して決定でき、これはイベントが共通の通信元118a-nに関連することを示すことができる。より具体的には、ピクセル112によって生成されるイベント情報はピクセルアドレス及びタイムスタンプを含むことができ、イベントモジュール106はピクセルアドレス及びタイムスタンプを使用して、イベントに近接して近い時間で発生した他のイベントを識別できる。時間の近さ及び近接性に基づいて、イベントが他のイベントと関連しており、関連するイベントが通信元118a-nによって伝送された光伝送情報と関連するという仮定が行われることができる。例として、通信元118a-nによって伝送された光伝送情報はイベントカメラ102において受信されてもよく、ピクセル配列110内で互いに隣接するピクセル112の少なくとも一部をトリガして、イベントストリーム114において出力されるイベントの指示(例えば、ピクセルアドレス及びタイムスタンプを含むデータパケット又はメッセージ)を生成してもよい。第1のイベントを検出する第1のピクセルと第2のイベントを検出する隣接の第2のピクセルとの間の時間(例えば、ミリ秒以下)が、第1のイベントと第2のイベントとが関連することを示すことができるように、隣接するイベントは時間的に近くてもよい。検出されたイベントを関連するものとして定める検出されたイベントの間の時間の差は、いずれかの予め決定された持続時間とすることができる。一例では、持続時間は1ミリ秒以下とすることができる。
【0012】
イベントモジュール106は、関連するイベントを通信ストリーム116に集約できる。光符号化信号(例えば、全方向性通信放射120a-n)が広角レンズを使用してピクセル配列110に局所的に焦点を合わすようにされ、イベントカメラ102の焦点面配列をトラバースするとき、光符号化信号を検出したことに応じてピクセル112によって生成された後続のイベントは、通信ストリーム116に集約されたイベントに関連するものとして識別でき、後続のイベントは通信ストリーム116に集約できる。
【0013】
イベントストリーム114内の他のイベントとは無関係であるイベントストリーム114内のイベントは、イベントモジュール106によってイベントストリーム114に含まれるノイズとして破棄できる。このタイプのノイズ除去は、空間・時間イベント密度に基づくものとすることができる。例えば、関連イベントを識別するためにイベントストリーム114内のイベントのイベント近接性及びイベント時間を分析する一部として、イベントモジュール106は、他のイベント又は十分な数の他のイベントに関連するものとして識別されていないイベントを破棄できる。イベントは、コンピュータのメモリからイベント情報を上書き又は削除することによって破棄できる。認識されるように、他の既知のノイズ除去方法及びフィルタが現在の技術で使用できる。
【0014】
イベントモジュール106は、通信ストリーム116を復調器108a-nに送信でき、復調器108a-nは、通信ストリーム116から光伝送情報を抽出することを試みることができる。イベントプロセッサ104は、イベントストリーム114内の通信ストリーム116の並列処理を可能にするために、復調器108a-nの複数のインスタンスを含むことができる。一例では、通信ストリーム116を処理するために利用可能な復調器108a-nの数は固定されてもよい。他の例では、通信ストリーム116を処理するために利用可能な復調器108a-nの数は、利用可能なコンピューティングリソースの量に基づいてもよい。例えば、イベントプロセッサ104は、復調器108a-nのインスタンスを実行するのに十分な量のコンピューティングリソースが利用可能である場合、イベントストリーム114内の通信ストリーム116毎に復調器108a-nのインスタンスを起動できる。
【0015】
復調器108a-nは、通信ストリーム116内のイベントの近接性(例えば、ピクセルアドレス)及びイベント時間(例えば、タイムスタンプ)を分析することによって、通信ストリーム116から光伝送情報を抽出し、通信ストリーム116に符号化された通信(例えば、光伝送情報)を識別することを試みることができる。簡略化された構成では、通信元a-nは、単一のピクセル112がイベントを検出できる周波数(例えば、1キロヘルツ)を使用して全方向性通信放射における通信を符号化でき、復調器108a-nは、通信元118a-nに関連する通信ストリーム116内のイベントに基づいて通信(例えば、矩形波)を再生できる。通信のデータ帯域幅は、イベントを検出して次のイベントを検出するためにリセットするピクセル112の能力(例えば、1ミリ秒の不応期(refractory period))に基づいてもよい。より複雑な構成では、不応期未満の間隔で発生し得る隣接ピクセル112によって検出されたイベントのイベント時間は、より高い帯域幅の通信を可能にするように処理できる。例えば、同じ多重化解除されたストリーム内の2つ以上のピクセル112からのイベントの時間と座標との組み合わせが、ピクセル不応期よりも優れた精度で矩形波変調信号のデューティサイクルを解決するために使用でき、より高いデータ帯域幅通信(例えば、10キロヘルツ)を可能にできる。例として、通信ストリーム116は、互いに隣接するピクセル112によって時間的に近くで検出されたイベントの集約グループについてのイベント時間データを含むことができ、復調器108a-nは、イベント時間データを処理して高帯域幅の光伝送情報を生成でき、これは、光伝送情報の光受信機、アプリケーション、プログラム、プロセス又は他の消費側のようなデータ消費側に出力できる。
【0016】
1つの例示的な構成では、イベントストリーム114で表される通信(例えば、光伝送情報)を識別して通信のための通信ストリーム116を生成する一部として、イベントプロセッサ104は、通信を追跡して通信に関連する通信元118a-nを識別するように構成できる。例えば、
図2Aに示すように、
図1を引き続き参照すると、通信元は、高輝度光デバイス(例えば、高輝度発光ダイオード(LED, light-emitting diode)又はレーザー)を使用してワイドビーム又は全方向性放射206を伝送する通信元衛星204を含むことができる。通信を含む全方向性放射206は光通信システム100で受信でき、これは宛先の衛星208に結合されてもよい。全方向性放射206は、光通信システム100のイベントカメラ102内のピクセル配列110に衝突し、全方向性放射206の経路202におけるピクセル112を活性化する通信元衛星204及び/又は宛先衛星208の軌道に対応する方向にピクセル配列110の焦点面をトラバースすることができる。全方向性放射206の経路202におけるピクセル112は、上記のように全方向性放射206を検出したことに応じて、イベントの指示(検出された輝度の変化)を生成する。イベントプロセッサ104は、全方向性放射206がピクセル配列110の焦点面をトラバースするとき、全方向性発光206の経路202を追跡でき、イベントプロセッサ104は、全方向性放射206の経路202に部分的に基づいて、三次元(3D)空間における通信元衛星204の一般化された位置を決定できる。例えば、コンテキスト情報が、2Dピクセル配列110から3D位置決定を実行するために使用できる。2D位置決定は通信元に対する相対的角度及び方位を提供することができる。
【0017】
図2Bに示すように、
図1を継続して参照すると、イベントプロセッサ104は、イベントモジュール106がイベントカメラ102のピクセル配列110をトラバースする連続イベントの進行を介して全方向性放射206の経路202を検出するように構成できる。イベントモジュール106は、イベントストリーム114に含まれるピクセルアドレス(例えば、ピクセル配列110におけるx、y座標)及びタイムスタンプを分析して、ピクセル配列110における全方向性放射206の経路202を識別し、イベントモジュール106は、経路202の経路情報216(例えば、経路の位置及び時間)を、経路情報216を3D空間内の受信機の位置に対する方位及び仰角の位置ベクトルに変換するように構成された識別モジュール214に送信する。識別モジュール214は、3D空間内の位置ベクトルを通信元の既知の位置と相互参照し、通信元衛星204を既知の通信元として分類又はタグ付けすることができる。識別モジュール214は、経路情報216に対応する既存の記憶された通信元識別データ212を求めてデータストア210に照会することによって、経路情報216を相互参照できる。通信元識別データ212は、指定の時間における既知の通信元の予想物理的位置を示してもよい。経路情報216に含まれる位置及び時間が、通信元識別データ212内の物理的位置及び指定の時間に対応する場合、通信元(例えば、通信元衛星204)は、通信元識別データ212に指定された既知の通信元として積極的に識別できる。通信元(例えば、通信元衛星204)が積極的に識別できない場合、イベントモジュール106は通信元に関連するイベントを破棄又は無視してもよい。また、一例では、通信元識別データ212は、既知の通信元が信頼できる通信元であるか否かを指定でき、イベントプロセッサ104は、既知の通信元が信頼できる通信元として識別されるか否かに部分的に基づいて、通信を信頼できるもの又は信頼できないものとして分類できる。
【0018】
光通信システム100内に含まれる様々な処理及び/又は他の機能は、1つ以上のメモリモジュールと通信する1つ以上のプロセッサで実行されてもよい。「データストア(data store)」という用語は、データを記憶、アクセス、整理及び/又は取得できるいずれかのデバイス又はデバイスの組み合わせを示してもよく、これは、いずれかの集中型、分散型又はクラスター化環境におけるいずれかの組み合わせ及びいずれかの数のデータサーバ、リレーショナルデータベース、オブジェクト指向データベース、クラスタストレージシステム、データストレージデバイス、データウェアハウス、フラットファイル及びデータストレージ構成を含んでもよい。データストアのストレージシステムコンポーネントは、SAN(Storage Area Network)、クラウドストレージネットワーク、揮発性若しくは不揮発性RAM、光媒体、又はハードドライブタイプの媒体のようなストレージシステムを含んでもよい。認識できるように、データストアは複数のデータストアを表してもよい。これらの図面は、上記の技術を実装し得るシステムの例を示しているが、多くの他の同様の環境又は異なる環境が可能である。上記に説明及び図示した例示的な環境は、単に代表的なものであり、限定するものではない。
【0019】
図3は、上記のように、光伝送情報を検出して処理するためのワイドビューイベントカメラ及びイベントプロセッサを含む光通信システム310の様々な例示的な構成を示す図である。図示のように、光通信システム310は、衛星302a-b、通信基地局306、有人及び無人航空機(例えば、UAV又は「ドローン(drone)」)304、地上の車両308等を含むがこれらに限定されない多くのタイプのプラットフォームに結合できる。光通信システム310は、より短い距離ではあるが、水中環境における異なるタイプのプラットフォームで使用できることが更に考えられる。
【0020】
例示的に、衛星コンステレーションは、これらの冗長で協調的な特性によって重要な利益をもたらす。衛星コンステレーション内の動的な衛星間光通信は、高帯域幅の協調衛星システム能力の基盤である。軌道面の間のコンステレーション間通信、又はメンバーの間の見通し線が動的に再確立されなければならない他の構成では、各衛星が有効な通信パートナーを繰り返し再取得する必要がある。時間的、位置的及び信号の不確実性の存在において高帯域幅の通信チャネルを確立することは、通信システムが通信リンクを確立するために十分な精度でレーザートランシーバをどこに、いつ、どのように向けるかを知る必要があるので、困難になり得る。さらに、これらの通信ネットワークは、敵対的な宇宙機による作為的な干渉(例えば、スプーフィング、ジャミング等)を受ける可能性がある。衛星の間の通信を確立するための過去の方法は、意図した通信パートナーが相互に位置決定して狙いを定めて接続することを可能にするために、時間的同期、自己局在化、及び逐次空間スキャンのコストの間のトレードオフを生じる。典型的には、同期したタイミング、局所的な検索、及び正確なトランシーバの照準のいくつかの組み合わせが使用される。これらの活動は、無線周波数(RF, radio frequency)を介して通信されるタイミング信号が妨害される可能性、機械的又はスラスタ手段を介した光トランシーバの再照準がエネルギー又は部品の摩耗の点で高価になる可能性、及び利用可能なトランシーバの数が不十分なこと(経済性又は消耗の場合)がメッシュ形成や再構成を妨げる可能性を含む課題を提示する。
【0021】
現在の技術は、衛星の間の通信に関連する上記の課題と、通信リンクを確立するために十分な精度で伝送をどこに、いつ、どのように向けるかを知る必要性を克服する。より具体的には、本技術は、高帯域幅イベントプロセッサ104とイベントカメラ102(上記)とを革新的且つ非従来的な方式で組み合わせることにより、各衛星302a-bが全ての潜在的な通信パートナーを同時に且つ並行して識別して位置決定し、空間的に多重された通信を提供するようにこれらの位置によって同時発生の通信を区別することを可能にすることにより、衛星302a-bの間の高速光リンクを確立する応答性及び効率を劇的に向上させる。
【0022】
図3は、本技術の例示的な実装例を示す。例えば、衛星302a-bは通信元及び宛先の双方として機能でき、全方向性光通信信号を放射するように構成できる。衛星302a-bの双方は、光通信信号を受信するためのそれぞれの光通信システム310を含む。広角レンズは、光通信システム310に含まれるイベントカメラの焦点面配列にこれらの放射を焦点合わせする。光変調信号は、非同期のピクセル活性化を発生させ、関連する輝度の変化を検出させ、それぞれが関連する読み取り電子機器によってイベントとしてカプセル化され、対応するピクセル位置及びタイムスタンプ(例えば、E(x,y,t))でタグ付けされる。1つ以上のイベントストリームがイベントプロセッサ(例えば、
図1に示すようなイベントプロセッサ104)に送信され、イベントプロセッサはイベントストリームを空間的に個々の通信ストリームに分離し、各イベントがその位置及びタイムスタンプ(例えば、E(L,t))でタグ付けされる。復調器108a-n(
図1に示す)は、通信ストリームを復調し、認証、優先順位付け、高速光トランシーバへのハンドオフのためにダウンストリームサブシステム(図示せず)に供給する光通信信号を再生する。光通信システム310は、衛星302a-bが大きい空間領域を同時に監視して複数の潜在的な通信パートナーからの複数の通信データストリームに応答することを可能にする。人工衛星に関して現在の技術が上記に記載されているが、上記の説明は、通信基地局306、空中機304、地上車両308及び同様のプラットフォーム、並びにこれらのいずれかの組み合わせを含む、他のタイプの通信元/通信先又はプラットフォームにも適用されることが認識される。
【0023】
図4は、光通信用の空間領域を監視するための例示的な方法400を示すフロー図である。ブロック410のように、イベントカメラのピクセル配列内のピクセルによって検出された独立したイベントの指示を含むイベントストリームが受信されてもよい。イベントは、ピクセル配列内のピクセルによって検出された輝度の変化であり、ピクセルはイベントを検出したことに応じてイベントの指示を個別に生成する。ピクセルによって生成された指示は、イベントを検出したピクセル配列内のピクセルのピクセルアドレスと、イベントがピクセルによって検出された時間を示すタイムスタンプとを含むデータパケット、メッセージ等でもよい。
【0024】
ブロック420のように、イベントストリームは、複数の通信元に関連する関連イベントを含む複数の通信ストリームに多重化解除でき、通信ストリームに含まれる関連イベントは、イベントストリームに含まれる、イベントと他のイベントとを関連付けるイベント近接性及びイベント時間に部分的に基づいて集約される。例として、イベントストリームの多重化解除は、複数の光通信がイベントカメラで同時に受信され、複数の光通信に関連するイベントの指示(例えば、データパケット)を1つのイベントストリームに結合すること(多重化)に対するものである。イベントストリームで表される複数の光通信は、イベントストリーム内の関連するイベントを識別して関連するイベントを1つの通信ストリームに集約することによって、複数の通信ストリームに並列に分離できる。ピクセル近接性及びイベント時間の双方が近いイベントストリームで表されるイベントは、関連するものとして識別できる。例えば、イベントのピクセルアドレス及びタイムスタンプは、イベントに近い(例えば、隣接する)ピクセルアドレス及びタイムスタンプを有する他のイベントを識別するために使用できる。関連イベントは、通信元によって送信された通信(例えば、光伝送情報)として識別でき、関連イベント(例えば、ピクセルアドレス及びタイムスタンプを含むデータパケット)は、通信元に関連する通信ストリームに集約できる。通信ストリームは、イベントストリームで表される通信毎に生成できる。イベントストリーム内の他のイベントに関連するものとして識別されていないイベントは破棄できる(例えば、コンピュータメモリ内で削除又は上書きされる)。例えば、通信元と関連しない光は、イベントカメラによって検出される可能性があり、イベントストリームにノイズを発生させる可能性がある。イベントストリーム内のノイズを表すこれらのイベントは、イベントストリーム内の他のイベントとイベントを関連付けるピクセルアドレス及びタイムスタンプを有さないイベントストリーム内のイベントを無視することによって破棄できる。
【0025】
ブロック430のように、複数の通信ストリームは、複数の通信ストリームから光伝送情報を抽出するために復調できる。一例では、通信ストリーム内のイベントのイベント近接性及びイベント時間は、通信ストリームに符号化された通信を識別するために分析できる。より具体的には、復調器は、通信ストリームに含まれるイベント情報を使用して、光伝送情報(例えば、矩形波)を再生できる。例えば、イベントカメラ内の隣接するピクセルによって検出されたイベントのイベント時間が平均化され、イベントによって表される矩形波のデューティサイクルを解決できる。ブロック440のように、複数の通信ストリームから抽出された複数の通信はデータ消費側(例えば、光受信機、アプリケーション、プログラム、プロセス、又は光伝送情報の他の消費側)に送信でき、データ消費側は複数の通信に符号化された通信を抽出できる。
【0026】
図5は、通信元から受信した通信を検証するための例示的な方法500を示すフロー図である。ブロック510のように、方法500は、イベントカメラの焦点面配列をトラバースする通信元に関連するイベントの進行に基づいて通信元を追跡できる。一例として、方法500は、現在のイベントの周辺のタイムスタンプの分布を分析してコーナー(corner)の存在を判断し、コーナーを使用して通信を追跡する高速コーナー検出アルゴリズムを利用することを含むことができる。移動コーナーは、最近のイベント及び以前のイベントの2つの明確に分離された領域(すなわち、高い値及び低い値)を有するタイムスタンプのピクセルマップをローカルに作成する。コーナーは、他のピクセルよりも高いタイムスタンプを有する連続ピクセルを検索することによって検出され、移動コーナーが追跡できる。他の例として、方法500は、イベントストリームの空間畳み込みを計算し、空間畳み込みを追跡すること(例えば、各イベントがイベントカメラから到着したときに非同期に更新される畳み込み画像情報を符号化するイベントカメラの出力で線形空間カーネルの畳み込みを計算すること)を含むことができる。例えば、方法500は、正確な補間を使用して離散的な更新として非同期的に解決される連続時間フィルタの並列集合を含むことができる。フィルタの関連する常微分方程式の解が連続時間で計算され、離散的な時間インスタンスで評価できる。
【0027】
ブロック520のように、3D空間における通信元の位置が推定できる。通信元を追跡する一部として、イベントカメラ(又はイベントカメラが結合された車両)の位置及び方向データと、イベントカメラの焦点面配列をトラバースするイベントの経路とを使用して、通信元の位置が推定できる。ブロック530のように、3D空間における通信元の推定位置は既知の通信元と相互参照され、通信元を積極的に識別することを試みることができる。例として、推定位置は、指定の時間における通信元の予想物理的位置を含む通信元通信識別情報のデータテーブルに相互参照又はマッピングできる。一例では、イベントカメラを含む光通信システムによってデータテーブルが記憶できる。他の例では、データテーブルは遠隔で(例えば、データセンタで)記憶され、光通信システムはネットワークを介してデータテーブルを照会できる。ネットワークは、衛星ネットワークで実装された無線データネットワークを含むいずれかの有用なコンピューティングネットワーク、又はいずれかの他のこのようなネットワーク若しくはネットワークの組み合わせを含んでもよい。このようなネットワークに利用されるコンポーネントは、選択されたネットワーク及び/又は環境のタイプに少なくとも部分的に依存してもよい。ネットワーク上の通信は、有線又は無線接続及びこれらの組み合わせによって可能になってもよい。
【0028】
ブロック540のように、通信元が通信元の位置を使用して識別できる場合、ブロック560のように、通信元は信頼できる通信元と考えられ、通信元から受信した通信ストリームが受け入れられてもよい。認識されるように、通信ストリームを通信元からの有効な通信として受け入れる前に、更なる認証及びセキュリティプロトコルが実行できる。例えば、更なる認証、優先順位付け及び高速光トランシーバへのハンドオフのために、通信ストリームがダウンストリームサブシステムに提供されてもよい。通信元の推定位置が既知の通信元と相互参照できない場合、ブロック550のように、未知の通信元から受信した通信ストリームは信頼できないと考えられてもよく、通信ストリームは破棄又は無視できる。
【0029】
図6は、この技術のモジュールが実行できるコンピューティングデバイス610を示す。図示のコンピューティングデバイス610は、現在の技術が実行できるデバイスのハイレベルの例である。コンピューティングデバイス610は、1つ以上のメモリデバイス620と通信する1つ以上のプロセッサ612を含むことができる。一例では、コンピューティングデバイス610は、ここに記載の光通信方法を実行するようにプログラムされたフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA, field-programmable gate array)とすることができる。コンピューティングデバイス610は、コンピューティングデバイス610内のコンポーネントのためのローカル通信インタフェース618を含むことができる。例えば、ローカル通信インタフェース618は、必要に応じてローカルデータバス及び/又は関連するアドレス又は制御バスとすることができる。
【0030】
メモリデバイス620は、プロセッサ612によって実行可能なモジュール624とモジュール624のためのデータとを含むことができる。一例では、メモリデバイス620は、イベントモジュール、復調モジュール、識別モジュール及び他のモジュールを含むことができる。一例では、1つ以上のモジュールは、複数の個別の通信ストリームの同時復調を可能にするように並列に実行できる。モジュール624は上記の機能を実行できる。モジュール624及び他のアプリケーションに関連するデータを、プロセッサ612によって実行可能なオペレーティングシステムと共に記憶するために、データストア622もメモリデバイス620に位置できる。
【0031】
他のアプリケーションもメモリデバイス620に記憶でき、プロセッサ612によって実行されてもよい。この説明で記載されているコンポーネント又はモジュールは、ここに記載の方法のハイブリッドを使用してコンパイル、解釈又は実行されるハイレベルのプログラミング言語を使用してソフトウェアの形式で実装できる。
【0032】
いくつかの例では、コンピューティングデバイス610は、コンピューティングデバイス610によって他のコンピューティングデバイスと通信する(例えば、ネットワークを通じて通信元識別データを取得する)ために使用可能な入出力(I/O, input/output)デバイス614にアクセスできる。ネットワークデバイス616及び同様の通信デバイスは、コンピューティングデバイス610に含まれることができる。ネットワークデバイス616は、インターネット、LAN、WAN又は他のコンピューティングネットワークに接続する有線又は無線のネットワークデバイスとすることができる。
【0033】
メモリデバイス620に記憶されていると示されているコンポーネント又はモジュールは、プロセッサ612によって実行できる。「実行可能」という用語は、プロセッサ612によって実行できる形式のプログラムファイルを意味することができる。例えば、よりハイレベルの言語のプログラムが、メモリデバイス620のランダムアクセス部分にロードされてプロセッサ612によって実行できる形式の機械コードにコンパイルでき、或いは、ソースコードが、他の実行可能プログラムにロードされて解釈され、メモリのランダムアクセス部分においてプロセッサによって実行される命令を生成ができる。実行可能プログラムは、メモリデバイス620のいずれかの部分又はコンポーネントに記憶できる。例えば、メモリデバイス620は、ランダムアクセスメモリ(RAM, random access memory)、読み取り専用メモリ(ROM, read only memory)、フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ、メモリカード、ハードドライブ、又はいずれかの他のタイプのメモリコンポーネントとすることができる。
【0034】
プロセッサ612は複数のプロセッサを表すことができ、メモリデバイス620は処理回路に並行して動作する複数のメモリユニットを表すことができる。これは、システム内のプロセス及びデータについての並列処理チャネルを提供できる。ローカル通信インタフェース618は、いずれかの複数のプロセッサと複数のメモリとの間の通信を容易にするネットワークとして使用できる。ローカル通信インタフェース618は、負荷分散、バルクデータ転送及び同様のシステムのような通信を調整するために設計された更なるシステムを使用してもよい。
【0035】
この技術について提示されるフローチャートは、特定の実行順序を意味することがあるが、実行順序は示されているものとは異なってもよい。例えば、2つ以上のブロックの順序は、示されている順序に対して再配置されてもよい。さらに、連続して示される2つ以上のブロックは並行して実行されてもよく、或いは、部分並列化して実行されてもよい。いくつかの構成では、フローチャートに示されている1つ以上のブロックが省略又はスキップされてもよい。拡張ユーティリティ、アカウンティング、パフォーマンス、測定、トラブルシューティングの目的又は同様の理由で、いずれかの数のカウンタ、状態変数、警告セマフォ又はメッセージが論理フローに追加されてもよい。
【0036】
この明細書に記載の機能ユニットのいくつかは、その実装の独立性を特に強調するために、モジュールとしてラベル付けされている。例えば、モジュールは、カスタムVLSI回路若しくはゲートアレイ、論理チップ、トランジスタのような既製の半導体又は他のディスクリートコンポーネントを含むハードウェア回路として実装されてもよい。モジュールはまた、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイス等のようなプログラマブルハードウェアデバイスに実装されてもよい。
【0037】
モジュールはまた、様々なタイプのプロセッサによって実行するためにソフトウェアに実装されてもよい。実行可能コードの識別されるモジュールは、例えば、コンピュータ命令の1つ以上のブロックを含んでもよく、これは、オブジェクト、プロシージャ又は関数として編成されてもよい。それにもかかわらず、識別されるモジュールの実行可能体は、物理的に一緒に位置する必要はなく、モジュールを含んでおり且つ論理的に一緒に結合されたときにモジュールの言及された目的を達成する異なる位置に記憶された異なる命令を含んでもよい。
【0038】
実際に、実行可能コードのモジュールは、単一の命令でもよく、或いは、複数の命令でもよく、いくつかの異なるコードセグメント、異なるプログラム及びいくつかのメモリデバイスの間に分散されることさえあってもよい。同様に、動作データは、モジュール内で識別されてここに示され、いずれかの適切な形式で具体化されていずれか適切なタイプのデータ構造内に編成されてもよい。動作データは、単一のデータセットとして収集されてもよく、或いは、異なるストレージデバイスを含む異なる位置に分散されてもよい。モジュールは、所望の機能を実行するために動作可能なエージェントを含むパッシブ又はアクティブなものでもよい。
【0039】
ここに記載の技術はまた、コンピュータ読み取り可能命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータのような情報を記憶するためのいずれかの技術で実装された揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不可能な媒体を含む、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶されてもよい。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術のような非一時的な機械が読み取り可能記憶媒体、又は所望の情報及び記載の技術を記憶するために使用され得るいずれかの他のコンピュータ記憶媒体を含むが、これらに限定されない。
【0040】
ここに記載のデバイスはまた、デバイスが他のデバイスと通信することを可能にする通信接続又はネットワーク装置及びネットワーク接続を含んでもよい。通信接続は通信媒体の一例である。典型的には、通信媒体は、搬送波又は他の転送メカニズムのように、コンピュータ読み取り可能命令、データ構造、プログラムモジュール及び他のデータを変調データ信号に具現化し、いずれかの情報配信媒体を含む。「変調データ信号」は、信号内の情報を符号化するように、その特性の1つ以上を設定又は変更させた信号を意味する。限定ではなく例として、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続のような有線媒体と、音響、無線周波数、赤外線及び他の無線媒体のような無線媒体とを含む。ここで使用されるコンピュータ読み取り可能媒体という用語は通信媒体を含む。
【0041】
図面に示す例に参照が行われ、ここでは特定の用語がそれを記述するために使用されている。それにもかかわらず、技術の範囲の制限はそれによって意図されないことが理解される。ここに示す特徴の変形及び更なる変更、並びにここに示す例の更なる適用は、説明の範囲内で考慮されるべきである。
【0042】
さらに、記載の特徴、構造又は特性は、1つ以上の例においていずれかの適切な方式で組み合わされてもよい。上記の説明では、記載の技術の例の十分な理解を提供するために、様々な構成の例のような多数の具体的な詳細が提供されている。しかし、1つ以上の具体的な詳細なしに、或いは、他の方法、コンポーネント、デバイス等を用いて技術が実施されてもよいことが認識される。他の場合にも、技術の側面が不明瞭になるのを回避するために、周知の構造又は動作は詳細に図示又は記載されていない。
【0043】
構造的特徴及び/又は動作に固有の用語で主題が記述されているが、添付の特許請求の範囲において定義される主題は、必ずしも上記の特定の特徴及び動作に限定されないことが理解されるべきである。むしろ、上記の特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実装する例示的な形式として開示される。記載の技術の真意及び範囲から逸脱することなく、多数の変更及び代替配置が考えられ得る。
【国際調査報告】