(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(54)【発明の名称】一体型拡散器を有する光学表面アプリケータ
(51)【国際特許分類】
A61N 5/06 20060101AFI20230706BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023506258
(86)(22)【出願日】2021-06-08
(85)【翻訳文提出日】2023-01-30
(86)【国際出願番号】 US2021036312
(87)【国際公開番号】W WO2022260650
(87)【国際公開日】2022-12-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522375637
【氏名又は名称】ルメダ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マクドウガル,トレヴァー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,イー
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082PC01
4C082PC03
4C082PE09
4C082PG13
4C082PG15
(57)【要約】
治療用光送達装置及び方法が開示される。装置は、光源と、一体型光学アプリケータと、を含む。一体型光学アプリケータは、可撓性マトリクス材料内に空間的に固定して位置決めされた、複数の発光デバイスと、検出器ファイバと、を含む。発光デバイスは、正確かつ繰り返し可能なスタンドオフ位置を含む、一体型光学アプリケータの適用側から既定された距離に位置決めすることができる。均一な照射パターン及び既定された流束量を生成するために高い散乱係数を有する可撓性マトリクス材料が開示される。治療光源に結合する一体型光学アプリケータを提供することと、患者の組織に光増感薬を提供することと、組織の標的領域に対して一体型光学アプリケータの適用側を位置決めすることと、治療光を標的領域に送達することと、照射パターンを生成することと、を含む、光線力学的療法処置を実施する方法が開示される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学光送達デバイスであって、
ソースに光学的に結合されるように構成された複数のソース放出デバイスと、
前記複数のソース放出デバイスをその中に封入し、空間的に固定する可撓性マトリクスと、を備え、
前記可撓性マトリクスが、前記複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つから放出された光を散乱させるように構成されている、光学光送達デバイス。
【請求項2】
前記複数のソース放出デバイスに近接して前記可撓性マトリクス内に封入されており、かつ空間的に固定されている、少なくとも1つの検出器ファイバを更に備え、前記少なくとも1つの検出器ファイバが、前記複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つから放出された光を検出するように構成されており、かつ検出器に結合されるように構成されている、請求項1に記載の光学光送達デバイス。
【請求項3】
前記複数のソース放出デバイスが、前記光学光送達デバイスの適用側から既定されたスタンドオフ位置に空間的に固定されている、請求項1に記載の光学光送達デバイス。
【請求項4】
前記複数のソース放出デバイスが、前記可撓性マトリクスの幅に沿って第1の既定された間隔で軸方向に整列されているとともに空間的に固定されており、前記少なくとも1つの検出器ファイバが、前記可撓性マトリクスの幅に沿って第2の既定された間隔で軸方向に整列されているとともに空間的に固定された複数の検出器ファイバを備える、請求項2に記載の光学光送達デバイス。
【請求項5】
前記複数のソース放出デバイスが、複数の円筒形光拡散器を備え、前記複数の円筒形光拡散器が、複数の光ファイバに光学的に結合されている、請求項1に記載の光学光送達デバイス。
【請求項6】
前記複数の検出器ファイバが、複数の光ファイバに光学的に結合されている、請求項4に記載の光学光送達デバイス。
【請求項7】
前記複数の検出器ファイバが、複数の等方性プローブを備える、請求項6に記載の光学光送達デバイス。
【請求項8】
前記可撓性マトリクスが、5cm
-1を超える散乱係数を有する材料群から選択される、請求項1に記載の光学光送達デバイス。
【請求項9】
前記適用側で既定された流束量を生成するように更に構成されている、請求項3に記載の光学光送達デバイス。
【請求項10】
光学光送達システムであって、
治療光源と、
一体型光学アプリケータであって、
前記治療光源に光学的に結合された複数のソース放出デバイスと、
前記複数のソース放出デバイスをその中に封入し、空間的に固定する可撓性マトリクスと、を備え、
前記可撓性マトリクスが、光散乱材料から構成されており、前記複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つから放出された治療光を散乱させるように構成されている、一体型光学アプリケータと、を備える、光学光送達システム。
【請求項11】
前記一体型光学アプリケータが、前記複数のソース放出デバイスに近接して前記可撓性マトリクス内に封入され、空間的に固定された複数の検出器ファイバを更に備え、前記複数の検出器ファイバが、検出器に光学的に結合されており、前記複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つから放出された治療光を検出するように構成されている、請求項10に記載の光学光送達システム。
【請求項12】
前記複数のソース放出デバイスが、前記一体型光学アプリケータの適用側から既定されたスタンドオフ位置に空間的に固定されている、請求項11に記載の光学光送達システム。
【請求項13】
前記複数のソース放出デバイスが、前記可撓性マトリクスの幅に沿って第1の既定された間隔で軸方向に整列されているとともに空間的に固定されており、前記複数の検出器ファイバが、前記可撓性マトリクスの幅に沿って第2の既定された間隔で軸方向に整列されているとともに空間的に固定されている、請求項12に記載の光学光送達システム。
【請求項14】
前記複数のソース放出デバイスが、複数の円筒形光拡散器を備え、前記複数の円筒形光拡散器が、光コネクタに光学的に結合されている、請求項13に記載の光学光送達システム。
【請求項15】
前記複数の検出器ファイバが、前記光コネクタに光学的に結合されている、請求項14に記載の光学光送達システム。
【請求項16】
前記複数の検出器ファイバが、複数の等方性プローブを備える、請求項15に記載の光学光送達システム。
【請求項17】
前記光コネクタ及び前記治療光源に光学的に結合された光学テザーを更に備える、請求項16に記載の光学光送達システム。
【請求項18】
前記一体型光学アプリケータが、非常に均一な照射パターンを生成するように構成されている、請求項17に記載の光学光送達システム。
【請求項19】
前記可撓性マトリクスが、5cm
-1を超える散乱係数を有する材料群から選択される、請求項18に記載の光学光送達システム。
【請求項20】
前記一体型光学アプリケータが、適用側で既定された流束量を生成するように構成されている、請求項19に記載の光学光送達システム。
【請求項21】
一体型光学アプリケータを製造する方法であって、
底部、長さ、及び幅を有するキャビティを画定する成形型アセンブリを提供することと、
前記長さに沿って、前記幅に沿って既定された間隔で、かつ前記底部から既定された距離で軸方向に整列された複数の円筒形光拡散器を前記成形型アセンブリ内に位置決めすることと、
前記複数の円筒形光拡散器に近接して前記成形型アセンブリ内に複数の検出器ファイバを位置決めすることと、
前記キャビティ内に硬化可能なマトリクス材料を供給するとともに、前記複数の円筒形光拡散器及び前記複数の検出器ファイバをその中に封入することと、
前記硬化可能なマトリクス材料を可撓性マトリクスに硬化させるとともに、前記複数の円筒形光拡散器及び前記複数の検出器ファイバをその中に空間的に固定することと、を含む、一体型光学アプリケータを製造する方法。
【請求項22】
前記可撓性マトリクスが、5cm
-1を超える散乱係数を有する光散乱材料から構成されている、請求項21に記載の一体型光学アプリケータを製造する方法。
【請求項23】
前記光散乱材料が、ガラス微小球、金属粒子、及び塩類のいずれかを含む光散乱粒子を更に含む、請求項22に記載の一体型光学アプリケータを製造する方法。
【請求項24】
前記硬化中に前記底部に対して位置決めされた前記可撓性マトリクスの一部分が、前記一体型光学アプリケータの適用側を生成し、前記底部からの前記既定された距離が、前記適用側からの前記複数の円筒形光拡散器のスタンドオフ位置を生成する、請求項21に記載の一体型光学アプリケータを製造する方法。
【請求項25】
反射コーティングが、前記適用側を除いて、前記一体型光学アプリケータの表面のいずれかに適用される、請求項24に記載の一体型光学アプリケータを製造する方法。
【請求項26】
光線力学的療法処置を実施する方法であって、
治療光源を提供することと、
一体型光学アプリケータを提供することであって、前記一体型光学アプリケータが、
複数のソース放出デバイスと、
前記複数のソース放出デバイスをその中に封入し、空間的に固定する可撓性マトリクスと、を備え、
前記可撓性マトリクスが、光散乱材料から構成されており、前記複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つから放出された治療光を散乱させるように構成されている、提供することと、
前記複数のソース放出デバイスを前記治療光源に光学的に結合することと、
患者の組織に光増感薬を提供することと、
前記組織の標的領域に対して前記一体型光学アプリケータの適用側を位置決めすることと、
前記複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つからの治療光を前記標的領域の少なくとも一部分に送達することと、
前記標的領域の前記少なくとも一部分に照射パターンを生成することと、を含む、光線力学的療法処置を実施する方法。
【請求項27】
前記標的領域の位置を含む、前記標的領域のデジタルファイルを取得することを更に含み、
前記組織の前記標的領域に対する前記一体型光学アプリケータの前記適用側の前記位置決めが、前記デジタルファイルに基づく、請求項26に記載の光線力学的療法処置を実施する方法。
【請求項28】
治療計画と、
前記一体型光学アプリケータが、前記複数のソース放出デバイスに近接して複数の検出器ファイバを空間的に固定するとともに、前記複数の検出器ファイバを検出器に光学的に結合することと、
前記検出器及び前記治療光源に電子的に結合されたマイクロプロセッサを提供することと、
前記複数の検出器ファイバのうちの少なくとも1つを用いて前記治療光を検出するとともに、前記マイクロプロセッサを使用して、治療光の用量を生成することと、
前記マイクロプロセッサを使用して、前記治療光の用量と前記治療計画とを比較することと、を更に含む、請求項26に記載の光線力学的療法処置を実施する方法。
【請求項29】
前記治療光の用量が前記治療計画に実質的に等しくなるまで、前記治療光を送達し、かつ前記治療光を検出し続けることを更に含む、請求項28に記載の光線力学的療法処置を実施する方法。
【請求項30】
前記標的領域の前記少なくとも一部分に前記照射パターンを生成することが、前記標的領域の前記少なくとも一部分にわたって実質的に等しい流束量を生成することを含む、請求項26に記載の光線力学的療法処置を実施する方法。
【請求項31】
治療光の用量を生成することが、前記光線力学的療法処置中に累積ベースで実施される、請求項28に記載の光線力学的療法処置を実施する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年6月9日の出願日を有する米国仮特許出願第63/036584号の利益を主張する。上記出願の開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
[本開示の分野]
本開示は、光線力学的療法に関する。
【背景技術】
【0003】
[関連技術の説明]
光療法は、複数の方法で疾患の治療に使用され得る。例えば、光療法は、標的腫瘍の近位又はその中に配置された光ファイバデバイスを介した治療用光の送達を伴う。
【0004】
光療法は、治療用光を吸収し、周囲の組織成分(例えば酸素)と相互作用して、標的組織を破壊することができる反応種を生成する光増感薬(すなわち、光増感剤)の事前投与と組み合わされることができる。この形態の療法は、光線力学的療法(「PDT」)として知られている。
【0005】
先行技術のPDTシステムの一実施形態を、断面で示されているアプリケータフラップ1を含む
図1を参照して示す。アプリケータフラップ1は、ソースエミッタ2~5と、任意選択的な検出器ファイバ6~9と、を含む。この構成では、ソースエミッタ2~5の形態のソース放出デバイス及び任意選択的な検出器ファイバ6~9は、チャネル10~13内に位置決めされている。チャネルの数及びそれらの位置は、製造によって既定されている。いくつかの既知のアプリケータフラップには、Elekta社製のFreiburgフラップ及びMick Radio-Nuclear Instruments社から入手可能なH.A.M.アプリケータが含まれる。また、光透過率特性も同様にメーカによって既定されている。PDTのある特定の実施形態では、放出された光14は、組織15の標的領域において所望の照明パターンを提供するのに十分に拡散されない。先行技術のPDTシステムのそのような制限は、有効な治癒的治療を提供する医師の能力を妨げる。いくつかの先行技術の実施形態では、別個の拡散層17が、散乱光パターン18を生成するために、アプリケータフラップ1と組織との間に位置決めされている。別個の拡散層17の追加は、システムの複雑さを増加させ、少なくともアプリケータフラップの位置決めに関連する可能性のある誤差をもたらす可能性がある。
【0006】
いくつかの先行技術のPDTは、Sarah Chamberlainらが、Lasers in Surgery and Medicine、2019において公開した、「An Optical Surface Applicator for Intraoperative Photodynamic Therapy」と題する論文に記載されており、その内容はその全体が本明細書に援用される。
【0007】
必要とされているのは、先行技術の欠点を克服するための改良されたアプリケータフラップである。
【発明の概要】
【0008】
1つ以上のコンピュータのシステムが、動作中にシステムにアクションを実施させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせをシステムにインストールすることによって、特定の動作又はアクションを実施するように構成され得る。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されたときに、装置にアクションを実施させる命令を含むことによって、特定の動作又はアクションを実施するように構成され得る。1つの一般的な態様は、光学光送達デバイスを含む。光学光送達デバイスは、ソースに光学的に結合されるように構成された複数のソース放出デバイスと、複数のソース放出デバイスをその中に封入し、空間的に固定する可撓性マトリクスと、を含み得、可撓性マトリクスは、複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つから放出された光を散乱させるように構成されている。この態様の他の実施形態は、それぞれが方法のアクションを実施するように構成された、対応するコンピュータシステムと、装置と、1つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムと、を含む。
【0009】
実装態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。光学光送達デバイスは、複数のソース放出デバイスに近接して可撓性マトリクス内に封入され、空間的に固定された少なくとも1つの検出器ファイバを含み得、少なくとも1つの検出器ファイバは、複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つから放出された光を検出するように構成されており、検出器に結合されるように構成されている。複数のソース放出デバイスは、光学光送達デバイスの適用側から既定されたスタンドオフ位置に空間的に固定されている。光学光送達デバイスにおいては、複数のソース放出デバイスは、可撓性マトリクスの幅に沿って第1の既定された間隔で軸方向に整列されているとともに空間的に固定されており、少なくとも1つの検出器ファイバは、可撓性マトリクスの幅に沿って第2の既定された間隔で軸方向に整列されているとともに空間的に固定された複数の検出器ファイバを含み得る。複数のソース放出デバイスは、複数の円筒形光拡散器を含み得、複数の円筒形光拡散器は、複数の光ファイバに光学的に結合されている。光学光送達デバイスにおいては、複数の検出器ファイバは、複数の光ファイバに光学的に結合されている。複数の検出器ファイバは、複数の光ファイバに光学的に結合されている。光学光送達デバイスにおいては、複数の検出器ファイバは、複数の等方性プローブを備える。複数のソース放出デバイスは、光学光送達デバイスの適用側から既定されたスタンドオフ位置に空間的に固定されている。可撓性マトリクスは、5cm-1を超える散乱係数を有する材料群から選択される。光学光送達デバイスは、適用側で流束量を生成するように更に構成されている。説明した技術の実装態様は、ハードウェア、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0010】
1つの一般的な態様は、治療光源と、一体型光学アプリケータであって、治療光源に光学的に結合された複数のソース放出デバイスと、複数のソース放出デバイスをその中に封入し、空間的に固定する可撓性マトリクスと、を含み得、可撓性マトリクスは、光散乱材料を含み得、複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つから放出された治療光を散乱させるように構成されている、一体型光学アプリケータと、を含み得る、光学光送達システムを含む。光学光送達システムにおいては、一体型光学アプリケータは、複数のソース放出デバイスに近接して可撓性マトリクス内に封入され、空間的に固定された複数の検出器ファイバを更に含み得、複数の検出器ファイバは、検出器に光学的に結合されており、複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つから放出された治療光を検出するように構成されている。光学光送達システムにおいては、複数のソース放出デバイスは、一体型光学アプリケータの適用側から既定されたスタンドオフ位置に空間的に固定されている。光学光送達システムにおいては、複数のソース放出デバイスは、可撓性マトリクスの幅に沿って第1の既定された間隔で軸方向に整列されているとともに空間的に固定されており、複数の検出器ファイバは、可撓性マトリクスの幅に沿って第2の既定された間隔で軸方向に整列されているとともに空間的に固定されている。光学光送達システムにおいては、複数のソース放出デバイスが、複数の円筒形光拡散器を含み得、複数の円筒形光拡散器は、光コネクタに光学的に結合されている。光学光送達システムにおいては、複数の検出器ファイバは、複数の等方性プローブを含み得、複数の等方性プローブは、光コネクタに光学的に結合されている。光学光送達システムは、光コネクタに光学的に結合された光学テザーを含み得る。一体型光学アプリケータは、非常に均一な照射パターンを生成するように構成されている。光学光送達システムにおいては、可撓性マトリクスは、5cm-1を超える散乱係数を有する材料群から選択される。光学光送達システムにおいては、一体型光学アプリケータは、適用側で既定された流束量を生成するように構成されている。説明した技術の実装態様は、ハードウェア、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0011】
1つの一般的な態様は、底部、長さ、及び幅を有するキャビティを画定する成形型アセンブリを提供することと、長さに沿って、幅に沿って既定された間隔で、かつ底部から既定された距離で軸方向に整列された複数の円筒形光拡散器を成形型アセンブリ内に位置決めすることと、複数の円筒形光拡散器に近接して成形型アセンブリ内に複数の検出器ファイバを位置決めすることと、キャビティ内に硬化可能なマトリクス材料を供給するとともに、複数の円筒形光拡散器及び複数の検出器ファイバをその中に封入することと、硬化可能なマトリクス材料を可撓性マトリクスに硬化させるとともに、複数の円筒形光拡散器及び複数の検出器ファイバをその中に空間的に固定することと、を含み得る、一体型光学アプリケータを製造する方法を含む。
【0012】
実装態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。一体型光学アプリケータを製造する方法であって、可撓性マトリクスは、5cm-1を超える散乱係数を有する光散乱材料を含み得る、一体型光学アプリケータを製造する方法。一体型光学アプリケータを製造する方法であって、光散乱材料は、ガラス微小球、金属粒子、及び塩類のいずれかを含む光散乱粒子を更に含む、一体型光学アプリケータを製造する方法。一体型光学アプリケータを製造する方法であって、硬化中に底部に対して位置決めされた可撓性マトリクスの一部分が、一体型光学アプリケータの適用側を生成し、底部からの既定された距離は、適用側からの複数の円筒形光拡散器のスタンドオフ位置を生成する、一体型光学アプリケータを製造する方法。一体型光学アプリケータを製造する方法であって、反射コーティングが、適用側を除いて、一体型光学アプリケータの表面のいずれかに適用され、反射コーティングが、一体型光学アプリケータの表面のいずれかに適用される、一体型光学アプリケータを製造する方法。
【0013】
1つ以上のコンピュータのシステムが、動作中にシステムにアクションを実施させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせをシステムにインストールすることによって、特定の動作又はアクションを実施するように構成され得る。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されたときに、装置にアクションを実施させる命令を含むことによって、特定の動作又はアクションを実施するように構成され得る。実装態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。光線力学的療法処置を実施する方法は、治療光源を提供することと、一体型光学アプリケータを提供することであって、一体型光学アプリケータは、複数のソース放出デバイスと、複数のソース放出デバイスをその中に封入し、空間的に固定する可撓性マトリクスと、を含み得、可撓性マトリクスは、光散乱材料を含み得、複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つから放出された治療光を散乱させるように構成されている、提供することと、を含み得る。方法はまた、複数のソース放出デバイスを治療光源に光学的に結合することと、患者の組織に光増感薬を提供することと、組織の標的領域に対して一体型光学アプリケータの適用側を位置決めすることと、複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つからの治療光を標的領域の少なくとも一部分に送達することと、標的領域の少なくとも一部分に照射パターンを生成することと、を含む。この態様の他の実施形態は、それぞれが方法のアクションを実施するように構成された、対応するコンピュータシステムと、装置と、1つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムと、を含む。
【0014】
実装態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。光線力学的療法処置を実施する方法は、標的領域の位置を含む、標的領域のデジタルファイルを取得することを含み得、組織の標的領域に対する一体型光学アプリケータの適用側の位置決めは、デジタルファイルに基づく。光線力学的療法処置を実施する方法は、治療計画を含み得、一体型光学アプリケータは、複数のソース放出デバイスに近接して複数の検出器ファイバを空間的に固定するとともに、複数の検出器ファイバを検出器に光学的に結合することと、検出器及び治療光源に電子的に結合されたマイクロプロセッサを提供することと、複数の検出器ファイバのうちの少なくとも1つを用いて治療光を検出するとともに、マイクロプロセッサを使用して、治療光の用量を生成することと、マイクロプロセッサを使用して、治療光の用量と治療計画とを比較することと、を含み得る。光線力学的療法処置を実施する方法は、治療光の用量が治療計画に実質的に等しくなるまで、治療光を送達し、かつ治療光を検出し続けることを含み得る。標的領域の少なくとも一部分に照射パターンを生成することは、標的領域の少なくとも一部分にわたって実質的に等しい流束量を生成することを含み得る。光線力学的療法処置を実施する方法であって、治療光の用量を生成することは、光線力学的療法処置中に累積ベースで実施される、光線力学的療法処置を実施する方法。説明した技術の実装態様は、ハードウェア、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
上記の本開示の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡潔に要約された本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって行われ得、そのうちのいくつかが添付の図面に例解されている。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを例解しており、したがって、本開示が他の同様に有効な実施形態を認め得るため、その範囲を限定するものとみなされるべきではないことに留意されたい。
【0016】
【
図1】先行技術のPDTシステムの断面の概略図である。
【0017】
【
図2】本開示による一体型光学アプリケータを示す、
図3の線3-3に実質的に沿った断面端面図である。
【0018】
【
図3】本開示による一体型光学アプリケータを示す上面図である。
【0019】
【
図4】先行技術の光送達デバイスのシミュレーションの概略図である。
【0020】
【
図5】本開示による光送達デバイスのシミュレーションの概略図である。
【0021】
【
図6】本開示による光送達デバイスを利用するPDTシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施形態の以下の詳細な説明では、添付の図面を参照するが、図面は、本明細書の一部を形成し、その中で、本明細書において説明される実施例が実施され得る具体的な実施形態が、例解として示されている。他の実施形態が利用され得、本開示の範囲から逸脱することなく、構造の変更が行われ得ることを理解されたい。
【0023】
本開示は、拡散され制御可能な照射パターンを放出するように構成されている一体型光学光療法システムに関する。そのようなシステムは、がん性腫瘍及び腫瘍の外科的切除後の残留異常組織の治療において有用である。本開示はまた、治療光を効果的に散乱し、かつ非常に均一な照射パターンを生成するために、高い散乱係数を有する光散乱材料内に様々な光学構成要素を一体化するための方法を含む。一態様では、本開示は、治療光を患者の標的領域にわたって空間的に分散させるための方法を提供する。
【0024】
図2を参照すると、本開示による一体型光学アプリケータ20の形態の光学光送達デバイスの(
図3の線3-3に沿った)断面概略図が示されている。一体型光学アプリケータは、マトリクス材料28内に埋め込まれたソースエミッタ21~24と、検出器ファイバ25~27と、を含む。具体的な数のソースエミッタ及び検出器が示されているが、これは例示的な実施形態にすぎず、そのような構成要素のうちのより多いもの又はより少ないものを、本開示の範囲から逸脱することなく選択することができる。更に
図3を参照すると、ソースエミッタ21~24及び検出器ファイバ25~27は、それらの長さに対して平行にマトリクス材料28内に埋め込まれている。ソースエミッタ21~24は、複数の光ファイバに光学的に結合されており、かつ光コネクタ53を介して治療光源に選択的に光学的に結合される円筒形光拡散器を備えることができる。円筒形光拡散器は、既定された波長(nm)及び実質的に等しい流束量(J/cm
2)で光源からの光を透過させ、ある用量の治療光を組織29の標的領域に送達するように構成されている。好適な円筒形光拡散器の一実施形態は、Rakuten Medicalから入手可能なモデルRD-50である。ソースエミッタ21~24の位置は、X、Y、及びZ方向に一体型光学アプリケータ20内で空間的に固定され、Xは、光学アプリケータの長さに沿った位置であり、Yは、光学アプリケータの幅に沿った位置であり、Zは、光学アプリケータの厚さに沿った位置である。いくつかの実施形態では、ソースエミッタ21~24は、光学アプリケータの幅に沿って既定された間隔で軸方向に平行に整列されて、位置決めされている。同様に、検出器ファイバ25~27は、光学アプリケータの幅に沿って既定された間隔で軸方向に整列されて、位置決めされている。検出器ファイバ25~27は、送達された治療光30の様々なパラメータを検出するための任意の好適なタイプのデバイスであることができ、治療光を収集するように構成された点検出器を備えることができ、いくつかの実施形態では、Medlight S.A.から入手可能な等方性プローブモデルIP85を備えることができる。検出器ファイバ25~27は、複数の光ファイバに光学的に結合されており、光コネクタ53を介して検出器に選択的に光学的に結合される。
【0025】
マトリクス材料28は、治療光30を効果的に散乱させ、非常に均一な照射パターン31及び比較的低い吸収係数μaを生じさせるために、高い散乱係数μsを有する材料群から選択される。本開示のいくつかの実施形態では、μs>5cm-1である。一体型光学アプリケータ2のマトリクス材料28はまた、それが曲げられ、異なる組織表面に適合することを可能にする機械的な柔軟性を有する材料群から選択される。マトリクス材料28の選択における重要な要因は、その散乱係数及び光透過性である。マトリクス材料28の好適な実施形態は、硬化性マトリクス材料、プラスチゾル基材などの液体可塑剤中のポリ塩化ビニル又は他のポリマー粒子の懸濁液、及びFormlabsから入手可能なElastic 50Aなどのエンジニアリング樹脂を含む。硬化可能なマトリクス材料は、熱、化学的、光、及び他の方法を含む任意の既知の方法を使用して硬化され、その中の固定された空間位置に光学構成要素を封入する硬化された可撓性マトリクスを生じさせることができる。他の実施形態では、マトリクス材料28は、ガラス微小球、金属粒子、塩類、及び光散乱特性を有することが知られている他の物質などの既知の光散乱粒子を含むことができる。他の実施形態では、反射コーティングを、非接触側(上部及び側面)一体型光学アプリケータ20の一部又は全てに適用することができ、ソースエミッタ21~24によって放出される全ての光は、適用側(下部)32を通して光学アプリケータから出る。いくつかの実施形態では、反射コーティングは、適用側を除く全ての側に適用されて、適用側を通して散乱光を誘導することができる。
【0026】
標的組織29に対するソースエミッタの位置(Z方向)、又はいわゆるスタンドオフ位置は、一体型光学アプリケータ20の底部から既定された距離であり、正確に制御及び維持するための重要なパラメータであることを、当業者は認識するべきである。一体型光学アプリケータ20は、マトリクス28内に既定された数及び位置の光拡散器及び検出器ファイバを提供するようにカスタマイズすることができる。実際に、一体型光学アプリケータ20の外形寸法を生成するための、キャビティと、好適な寸法と、特徴部と、を有する、成形型アセンブリを提供することができる。ソースエミッタ及び検出器ファイバは、成形型内で空間的に予め位置決めされ、固定され得る。次いで、マトリクス材料28が成形型に導入され、マトリクス内に光拡散器及び検出器ファイバを封入し得る。マトリクス材料が固化すると、光拡散器及び検出器ファイバの空間位置は、光学アプリケータ内で固定される。一体型光学アプリケータ20は、次いで、患者の標的組織上に効率的かつ正確に位置決めされ得る。
【0027】
一体型光学アプリケータの新規の効果は、
図4及び5に示されているシミュレーションを参照して最良に分かる。先行技術からの
図4は、ソースエミッタ2~5がその中に位置決めされているが、分離されていない、
図1のアプリケータフラップ1を示している。シミュレーションは、アプリケータフラップ1の下に位置決めされている基板40を含む。ソースエミッタ2~5が、それらの間に隙間が位置決めされた別個のそれぞれの照射パターン41~44を生成することが示されている。実際には、隙間は、標的組織のいくつかの部分が治療光を受けず、他の部分が、計画されたものよりも大きな用量の治療光を受け得ることを意味する。標的化された組織領域を効果的に適切に治療するために、個別のそれぞれの照射パターン41~44は、計算されなければならず、アプリケータは、処置中に第2の(又はより多くの)場所に移動されなければならない。ここで
図5を具体的に参照すると、
図2、3を参照して本明細書において上述した一体型光学アプリケータ20のシミュレーションが示されている。このシミュレーションでは、ソースエミッタ21~24は、既定された波長(nm)、及び電力レベル(W)で光源からの光を透過し、ある用量の治療光を送達するように構成されている。一体型光学アプリケータ20の光学特性は、ソースエミッタ単独よりも広い領域にわたって利用可能な全体の治療光を散乱させるように構成されている。この特定の実施形態では、照射パターン45は、隙間を有することなく、正確かつ予測可能な既定された流束量(J/cm
2)で所望の標的領域を覆う。これは、一体型光学アプリケータ20を含むPDTシステムのユーザが、計画された治療計画を考案し、効率的かつ正確に実施することを可能にする。
【0028】
図6は、本明細書において後でより詳細に開示される光線力学的療法の処置で使用するための一体型光学アプリケータ20を利用するPDTシステム50の形態の光学光送達システムの一実施形態の概略図を示している。PDTシステム50は、機器51と、一体型光学アプリケータ20と、光コネクタ53を介して機器を一体型光学アプリケータに光学的に結合する光学テザー52と、を含む、多数の構成要素から構成されている。機器51は、光源と、スペクトル分析器と、マイクロプロセッサと、任意選択的なディスプレイと、を含む。PDTシステム50では、治療光は、機器51の光源によって提供され、
図2、3を参照して本明細書において上記で開示したような一体型光学アプリケータ20を介してソースエミッタ2~5によって組織に送達される。検出器ファイバ25~27は、ソースエミッタ21~24から発せられる治療光を検出するために、一体型光学アプリケータ20内で分布している。光学テザー52は、検出器ファイバ6~9及びソースエミッタ21~24のうちの1つに光学的に結合するのに十分な数であり、かつ光コネクタ53によって接続され得る個々の光ファイバを含む。動作中、医療専門家は、PDT処置を使用して治療される異常な組織領域の位置のデジタルファイル(x線、MRI、CATスキャンなど)を取得することができる。デジタルファイルには、空間内の位置に対する領域の少なくともX及びY座標が含まれている必要がある。患者は、光増感薬を投与され、外科的治療のために準備される。PDT処置を使用して治療される異常な組織領域に密接に一致する標的照射パターンを生成するために、一体型光学アプリケータを、本明細書において上記に開示した適切な流束量で準備する。治療計画は、とりわけ、治療の種類、ソース、一体型光学アプリケータ20の流束量、治療光の用量、及び具体的な光増感薬に基づいて、医療従事者によって考案され、治療計画は、標的領域における異常組織の治療を対象とする。一体型光学アプリケータは、PDT処置を使用して治療される異常な組織領域の上部に位置決めされ、適用側が組織と直接接触して位置決めされる。一体型光学アプリケータは、デジタルファイルのX及びY座標、並びに組織からの既定されたスタンドオフ位置での標的照射パターンのデジタルファイルを使用して位置決めされる。機器51が電源投入され、治療光が光学テザー52を介してソースエミッタ21~24に送達され、治療光は、マトリクス28によって散乱され、一体型光学アプリケータ20の適用側32を通して標的領域に適用される。治療光の量は、検出器ファイバ25~27によって収集され、光学テザー52を介して機器51に送り返され、治療光の用量は累積的に計算される。治療光の用量が治療計画に実質的に等しくなるまで、処置は継続される。いくつかの実施形態では、治療計画は、元の治療計画、及び検出器ファイバ25~27によって収集された治療光からのフィードバックに基づいてマイクロプロセッサによって行われた計算に基づいて更新され得る。
【0029】
本明細書において開示され特許請求される方法の全ては、本開示に照らして、過度の実験なしに作成され、実行され得る。本開示の装置及び方法は、好ましい実施形態に関して説明されてきたが、本開示の概念、趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書において記載されている方法及びステップ、又は方法の一連のステップに変形を適用され得ることが、当業者には明らかであろう。加えて、開示された装置に対して修正が行われ得、構成要素は、同じ又は類似の結果が達成されるであろう場合に、本明細書において記載されている構成要素に対して排除又は置換され得る。当業者に明らかな全てのそのような類似の置換及び修正は、本発明の趣旨、範囲、及び概念内にあるとみなされる。
【0030】
本発明は、具体的な実施形態を参照して本明細書において記載されているが、以下の特許請求の範囲に現在記載されているような本開示の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができる。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例解的な意味で考慮されるべきであり、全てのそのような修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。具体的な実施形態に関して本明細書において記載されている任意の恩恵、利点、又は課題に対する解決策は、いずれか又は全ての特許請求の範囲の重要な、必要な、若しくは不可欠な特徴又は要素として解釈されることを意図しない。
【0031】
別段の定めがない限り、「第1の」及び「第2の」などの用語は、そのような用語が説明する要素を任意に区別するために使用される。したがって、これらの用語は、そのような要素の時間的又は他の優先順位付けを示すことを必ずしも意図するものではない。「結合された」又は「動作可能に結合された」という用語は、必ずしも直接的ではなく、また必ずしも機械的にではないが、接続されていると定義される。散乱、拡散及び広がりという用語は、利用可能な全体の治療光を先行技術の方法よりも広い領域に送達することと同様の意味を有する同じ用語の中にある。「a」及び「an」という用語は、別段の定めがない限り、1つ以上として定義され、「comprise」(並びに「comprises」及び「comprising」などの任意の形態のcomprise)、「have」(並びに「has」及び「having」などの任意の形態のhave)、「include」(並びに「includes」及び「including」などの任意の形態のinclude)、並びに「contain」(並びに「contains」及び「containing」などの任意の形態のcontain)という用語は、オープンエンドの連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「備える(comprises)」、「有する(has)」、「含む(includes)」、又は「含有する(contains)」システム、デバイス、又は装置は、それらの1つ以上の要素を有するが、それらの1つ以上の要素のみを有することに限定されない。同様に、1つ以上の動作を「備える(comprises)」、「有する(has)」、「含む(includes)」、若しくは「含有する(contains)」方法又はプロセスは、それらの1つ以上の動作を有するが、それらの1つ以上の動作のみを有することに限定されない。
【0032】
上記は、本開示の実施形態を対象とするが、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が、それらの基本的な範囲から逸脱することなく考案され得、それらの範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0033】
【非特許文献1】Sarah Chamberlain、「An Optical Surface Applicator for Intraoperative Photodynamic Therapy」、Lasers in Surgery and Medicine、2019
【手続補正書】
【提出日】2023-01-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学光送達デバイスであって、
ソースに光学的に結合されるように構成された複数のソース放出デバイスであって、
前記ソースが、治療光を生成するように構成されており、前記複数のソース放出デバイスが、前記治療光を透過させるように更に構成されている、複数のソース放出デバイスと、
前記複数のソース放出デバイスをその中で
互いに平行に封入し、空間的に固定する、
5cm
-1
を超える散乱係数を有する材料群から選択される材料を含む可撓性マトリクスと、を備え、
前記可撓性マトリクスが、前記複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つから放出された光を散乱させるように構成されている、光学光送達デバイス。
【請求項2】
前記複数のソース放出デバイス
に平行にかつ近接して前記可撓性マトリクス内に封入されており、かつ空間的に固定されている、少なくとも1つの検出器ファイバを更に備え、前記少なくとも1つの検出器ファイバが、前記複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つから放出された光を検出するように構成されており、かつ検出器に結合されるように構成されている、請求項1に記載の光学光送達デバイス。
【請求項3】
前記複数のソース放出デバイスが、前記可撓性マトリクスの幅に沿って第1の既定された間隔で軸方向に整列されているとともに空間的に固定されており、前記少なくとも1つの検出器ファイバが、前記可撓性マトリクスの幅に沿って第2の既定された間隔で軸方向に整列されているとともに空間的に固定された複数の検出器ファイバを備える、請求項2に記載の光学光送達デバイス。
【請求項4】
前記複数のソース放出デバイスが、複数の円筒形光拡散器を備え、前記複数の円筒形光拡散器が、複数の光ファイバに光学的に結合されており、
前記治療光を透過させるように構成されている、請求項1に記載の光学光送達デバイス。
【請求項5】
前記複数の検出器ファイバが、複数の光ファイバに光学的に結合されている、請求項
3に記載の光学光送達デバイス。
【請求項6】
前記複数の検出器ファイバが、複数の等方性プローブを備える、請求項
5に記載の光学光送達デバイス。
【請求項7】
光学光送達システムであって、
治療光源
と、
一体型光学アプリケータであって、
前記一体型光学アプリケータの適用側から既定されたスタンドオフ位置において互いに平行に空間的に固定された、前記治療光源に光学的に結合された複数のソース放出デバイスと、
前記複数のソース放出デバイスをその中に封入し、空間的に固定する可撓性マトリクスと、
前記複数のソース放出デバイスに平行にかつ近接して前記可撓性マトリクス内に封入され、空間的に固定された、複数の等方性プローブを備える複数の検出器ファイバであって、前記複数の検出器ファイバが、検出器に光学的に結合されており、前記複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つから放出された治療光を検出するように構成されている、複数の検出器ファイバと、を備え、
前記可撓性マトリクスが、光散乱材料から構成されており、前記複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つから放出された治療光を散乱させるように構成されており、
前記複数のソース放出デバイスが、前記可撓性マトリクスの幅に沿って第1の既定された間隔で軸方向に整列されているとともに空間的に固定されており、前記複数の検出器ファイバが、前記可撓性マトリクスの幅に沿って第2の既定された間隔で軸方向に整列されているとともに空間的に固定されており、
前記複数のソース放出デバイスが、複数の円筒形光拡散器を備え、前記複数の円筒形光拡散器が、光コネクタに光学的に結合されており、前記複数の検出器ファイバが、前記光コネクタに光学的に結合されている、一体型光学アプリケータと、
前記光コネクタ及び前記治療光源に光学的に結合された光学テザーと、を備える、光学光送達システム。
【請求項8】
前記一体型光学アプリケータが、均一な照射パターンを生成するように構成されている、請求項
7に記載の光学光送達システム。
【請求項9】
前記可撓性マトリクスが、5cm
-1を超える散乱係数を有する材料群から選択される、請求項
8に記載の光学光送達システム。
【請求項10】
前記一体型光学アプリケータが、適用側で既定された流束量を生成するように構成されている、請求項
9に記載の光学光送達システム。
【請求項11】
一体型光学アプリケータを製造する方法であって、
底部、長さ、及び幅を有するキャビティを画定する成形型アセンブリを提供することと、
前記長さに沿って
互いに平行に、前記幅に沿って既定された間隔で、かつ前記底部から既定された距離で軸方向に整列された複数の円筒形光拡散器を前記成形型アセンブリ内に位置決めすることと、
前記複数の円筒形光拡散器
に平行にかつ近接して前記成形型アセンブリ内に複数の検出器ファイバを位置決めすることと、
前記キャビティ内に硬化可能なマトリクス材料を供給するとともに、前記複数の円筒形光拡散器及び前記複数の検出器ファイバをその中に封入することと、
前記硬化可能なマトリクス材料を可撓性マトリクスに硬化させるとともに、前記複数の円筒形光拡散器及び前記複数の検出器ファイバをその中に空間的に固定することと、を含み、
前記硬化可能なマトリクス材料が、5cm
-1
を超える散乱係数を有する光散乱材料から構成されている、一体型光学アプリケータを製造する方法。
【請求項12】
前記硬化中に前記底部に対して位置決めされた前記可撓性マトリクスの一部分が、前記一体型光学アプリケータの適用側を生成し、前記底部からの前記既定された距離が、前記適用側からの前記複数の円筒形光拡散器のスタンドオフ位置を生成する、請求項
11に記載の一体型光学アプリケータを製造する方法。
【請求項13】
反射コーティングが、前記適用側を除いて、前記一体型光学アプリケータの表面のいずれかに適用される、請求項
12に記載の一体型光学アプリケータを製造する方法。
【請求項14】
光線力学的療法処置を実施する方法であって、
治療光源を提供することと、
一体型光学アプリケータを提供することであって、前記一体型光学アプリケータが、
互いに平行に位置決めされた複数のソース放出デバイスと、
前記複数のソース放出デバイスをその中に封入し、空間的に固定する可撓性マトリクスと、を備え、
前記可撓性マトリクスが、光散乱材料から構成されており、前記複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つから放出された治療光を散乱させるように構成されている、提供することと、
前記複数のソース放出デバイスを前記治療光源に光学的に結合することと、
患者の組織に光増感薬を提供することと、
前記組織の標的領域に対して前記一体型光学アプリケータの適用側を位置決めすることと、
前記複数のソース放出デバイスのうちの少なくとも1つからの治療光を前記標的領域の少なくとも一部分に送達することと、
前記標的領域の前記少なくとも一部分に照射パターンを生成すること
と、
前記標的領域の位置を含む、前記標的領域のデジタルファイルを取得することと、を含み、
前記組織の前記標的領域に対する前記一体型光学アプリケータの前記適用側の前記位置決めが、前記デジタルファイルに基づく、光線力学的療法処置を実施する方法。
【請求項15】
治療計画と、
前記一体型光学アプリケータが、前記複数のソース放出デバイス
に平行にかつ近接して複数の検出器ファイバを空間的に固定するとともに、前記複数の検出器ファイバを検出器に光学的に結合することを更に含むことと、
前記検出器及び前記治療光源に電子的に結合されたマイクロプロセッサを提供することと、
前記複数の検出器ファイバのうちの少なくとも1つを用いて前記治療光を検出するとともに、前記マイクロプロセッサを使用して、治療光の用量を生成することと、
前記マイクロプロセッサを使用して、前記治療光の用量と前記治療計画とを比較することと、を更に含む、請求項
14に記載の光線力学的療法処置を実施する方法。
【国際調査報告】