(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-14
(54)【発明の名称】LIDARシステム出力信号における振幅変動の低減
(51)【国際特許分類】
G01S 17/34 20200101AFI20230707BHJP
G01S 7/4911 20200101ALI20230707BHJP
【FI】
G01S17/34
G01S7/4911
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566317
(86)(22)【出願日】2021-05-05
(85)【翻訳文提出日】2022-12-25
(86)【国際出願番号】 US2021030963
(87)【国際公開番号】W WO2021226283
(87)【国際公開日】2021-11-11
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520437076
【氏名又は名称】シルク テクノロジーズ インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003007
【氏名又は名称】弁理士法人謝国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】タヴァリー、アミール アリ
(72)【発明者】
【氏名】ベローズプール、ベーナム
(72)【発明者】
【氏名】アスガリ、メヘディ
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AA07
5J084BA04
5J084BA36
5J084BA51
5J084BB02
5J084BB04
5J084BB14
5J084BB28
5J084CA08
(57)【要約】
LIDARシステムは、複数の光学コンポーネントを有している。少なくとも1つの光学コンポーネントは、LIDARシステムから離れて進み、LIDARシステムの外部に配置される物体によって反射される可能性があるLIDAR出力信号を出力するように構成されている。LIDARシステムは、また、LIDAR出力信号の振幅を変更することなく、LIDAR出力信号の周波数を調整するように、1つ以上の光学コンポーネントを操作するように構成される電子回路部を有する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光学コンポーネント、LIDARシステムから離れるように進み、及び、前記LIDARシステムの外部に配置される物体によって反射される可能性があるシステム出力信号を出力するように構成される少なくとも1つの光学コンポーネント、及び、
1つ以上の前記光学コンポーネントを操作し、前記システム出力信号の振幅を変化させることなく、前記システム出力信号の周波数を調整するように構成される電子回路部、
を有するLIDARシステム。
【請求項2】
前記光学コンポーネントは、
プリアンプ信号を受信し、及び、増幅光信号を出力する増幅器を有し、
前記システム出力信号は、
前記増幅される光信号からの光を有し、
前記電子回路部は、
前記増幅器が前記増幅光信号を出力する期間の間に、飽和状態で、前記増幅器を操作するように構成されている、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記システム出力信号は、
前記増幅光信号からの光で構成される、
請求項2のシステム。
【請求項4】
前記電子回路部は、
前記物体に関するLIDARデータを生成するように構成され、
前記LIDARデータは、
前記物体と前記LIDARシステムとの間の半径速度、及び/又は、距離を示す、
請求項1のシステム。
【請求項5】
前記物体から反射される光は、システム戻り信号として、前記LIDARシステムに戻り、
前記光学コンポーネントは、
前記システム戻りコンポーネントからの光を前記基準信号からの光と結合するように構成され、
前記基準信号は、
前記LIDARシステムから出ていかなかった光を有する、
請求項1のシステム。
【請求項6】
前記基準信号は、
出射LIDAR信号からの光を有し、
前記システム戻り信号は、
前記出射LIDAR信号からの光を有する、
請求項5のシステム。
【請求項7】
出射LIDAR信号を案内するように構成されるLIDARチップ、
を、さらに、有し、
前記システム出力信号は、
前記出射LIDAR信号からの光を有する、
請求項2のシステム。
【請求項8】
前記LIDARチップは、
シリコン・オン・インシュレータプラットフォームに構築される、
請求項7のシステム。
【請求項9】
前記増幅器は、
前記LIDARチップに配置される、
請求項7のシステム。
【請求項10】
前記増幅器は、
前記LIDARチップから離れて配置される、
請求項7のシステム。
【請求項11】
LIDARシステムから離れて進み、及び、前記LIDARシステムの外部に配置される物体によって反射される可能性があるシステム出力信号を出力するように構成される1つ以上の光学コンポーネント、
プリアンプ信号を受信し、及び、増幅光信号を出力する増幅器を有し、前記システム出力信号は、前記増幅光信号からの光を有するLIDARシステム、
及び、
前記増幅器が前記増幅光信号を出力する期間の間に、飽和状態で、前記増幅器を操作するように構成される電子回路部、
を有するLIDARシステム。
【請求項12】
前記システム出力信号は、
前記増幅光信号からの光で構成される、
請求項11のシステム。
【請求項13】
前記電子回路部は、
前記物体に関するLIDARデータを生成するように構成され、
前記LIDARデータは、
前記物体と前記LIDARシステムとの間の半径速度、及び/又は、距離を示す、
請求項11のシステム。
【請求項14】
前記物体から反射される光は、
システム戻り信号として前記LIDARシステムに戻り、
前記光学コンポーネントは、
前記システム戻りコンポーネントからの光を、前記基準信号からの光と結合するように構成され、
前記基準信号は、
前記LIDARシステムから出て行かなかった光を有する、
請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記基準信号は、
出射LIDAR信号からの光を有し、及び、
前記システム戻り信号は、
前記出射LIDAR信号からの光を有する、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
出射LIDAR信号を案内するように構成されるLIDARチップ、
を、さらに、有し、
前記システム出力信号は、
前記出力LIDAR信号からの光を有する、
請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記LIDARチップは、
シリコン・オン・インシュレータプラットフォームに構築される、
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記増幅器は、
前記LIDARチップに配置される、
請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記増幅器は、
前記LIDARチップに配置される光源からの光を受信する、
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記増幅器は、
前記LIDARチップから離れて配置される、
請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、全体に組み込まれる、米国特許出願番号第16/807,890号、出願日2020年5月8日、発明の名称「LIDARシステム出力信号の振幅変動の低減」を継続するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、光学装置に関する。特に、本発明は、LIDARシステムに関する。
【背景】
【0003】
ADAS(Advanced Driver Assistance systems)やAR(Augmented Reality)のようなアプリケーションに配置できるLIDARシステムの商業的需要が増加している。LIDAR(Light Detection and Ranging)システムは、典型的には、LIDARシステムの外部に配置された物体によって反射されるシステム出力信号を出力する。少なくとも一部の反射光信号は、LIDARシステムに戻って来る。LIDARシステムは、受信した光信号を、光信号を電気信号に変換する光センサに方向付ける。電子回路は、光センサ出力を用いて、物体とLIDARシステム(LIDARデータ)との間の半径速度、及び/又は、距離を示すLIDARデータを定量化できる。
【0004】
多くのLIDARシステムは、LIDARデータの測定中に、システム出力信号の周波数を調整する。システム出力信号の周波数の変動は、システム出力信号の振幅の変動を引き起こす。この振幅の変動は、LIDARデータの結果の信頼性を低下させる可能性がある。その結果、より信頼性の高いLIDARデータ結果を有するLIDARシステムが必要である。
【要約】
【0005】
LIDARシステムは、複数の光コンポーネントを有している。LIDARシステムから離れて進み、及び、LIDARシステムの外部に配置される物体によって反射され得るシステム出力信号を出力するように、少なくとも1つの光コンポーネントを、構成できる。LIDARシステムは、また、システム出力信号の振幅を変更することなく、1つ以上の光コンポーネントを操作し、システム出力信号の周波数を調整するようにせるように構成される電子回路部を有している。
【0006】
LIDARシステムの他の実施形態は、LIDARシステムから離れて進み、及び、LIDARシステムの外部に配置される物体によって反射され得るシステム出力信号を出力するように構成される1つ以上の光コンポーネントを有している。LIDARシステムは、プリアンプ信号を受信し、及び、増幅光信号を出力する増幅器を有している。システム出力信号は、増幅光信号からの光を有している。増幅器が増幅光信号を出力する期間の間で飽和状態にある増幅機を操作するように、電子回路部を、構成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】LIDAR出力信号を出力し、及び、共通の導波路のLIDAR入力信号を受信するLIDARチップを有し、又は、構成するLIDARシステムの概略的な平面図である。
【0008】
【
図1B】LIDAR出力信号を出力し、及び、異なる導波路のLIDAR入力信号を受信するLIDARチップを有し、又は、構成するLIDARシステムの概略的な平面図である。
【0009】
【
図1C】LIDAR出力信号を出力し、及び、異なる導波路のLIDAR入力信号を受信するLIDARチップを有し、又は、構成するLIDARシステムの別の実施形態の概略的な平面図である。
【0010】
【
図1D】LIDARチップから離れて配置される光源からの出射LIDAR信号を受信するLIDARチップを有するLIDARシステムの概略の平面図である。
【0011】
【
図1E】LIDARチップからLIDAR出力信号を受信する増幅器を有するように修正された
図1AのLIDARシステムの平面図である。
【0012】
【
図1F】LIDARチップの端部に配置される増幅器を有するように修正された
図1DのLIDARシステムの平面図である。
【0013】
【
図2】
図1BのLIDARチップとの使用に適したLIDARアダプタの一例の平面図である。
【0014】
【
図3】
図1CのLIDARチップとの使用に適したLIDARアダプタの一例の平面図である。
【0015】
【
図4】共通の支持体上にある
図1AのLIDARチップ、及び、
図2のLIDARアダプタを有するLIDARシステムの一例の平面図である。
【0016】
【
図5A】LIDARシステムとの使用に適した処理コンポーネントの一例を示す。
【0017】
【
図5B】
図5Aに従って構成される処理コンポーネントとの使用に適した電子回路部の概略を提供する。
【0018】
【
図5C】システム出力信号に関する周波数対時間のグラフである。
【0019】
【
図5D】LIDARシステムとの使用に好適な処理コンポーネントの他の例を示す。
【0020】
【
図5E】
図5Dに従って構成される処理コンポーネントとの使用に好適な電子回路部の概略を提供する。
【0021】
【
図6A】光増幅器に関する出力パワー対入力パワーを示すグラフである。
【0022】
【
図6B】光増幅器に関するゲイン対出力パワーを示すグラフである。
【0023】
【
図7】シリコン・オン・インシュレータ・プラットフォーム上に導波路を有するLIDARチップの一部の断面図である。
【0024】
【
図8A】LIDARチップを増幅器に光学的に結合するためのインタフェースを有するLIDARチップの一部の斜視図である。
【0025】
【
図8B】
図8Aに示されるLIDARチップの部分との使用に好適な増幅チップの斜視図である。
【0026】
【
図8C】図 8Cは、システムの上面図である。
図8C、及び、
図8Dは、
図8Bの増幅器にインターフェイスされる
図8AのLIDARチップを有するシステムを示す。
【0027】
【
図8D】LIDARチップの導波路、及び、増幅チップの増幅導波路を通る
図8Cに示されるステムの断面図である。
【0028】
【
図9】増幅器導波路に入るときに光信号が進む方向と、増幅導波路を出るときに光信号が進む方向との間の角度が180°より小さくなるように修正される
図8Bから
図8Dの増幅器チップの斜視図である。
【説明】
【0029】
LIDARシステムから離れて進み、及び、LIDARシステムの外部に配置される物体によって反射され得るシステム出力信号を出力するように、LIDARシステムを、構成する。LIDARシステムは、反射光を用いて、物体のLIDARデータ(物体とLIDARシステムとの間の半径速度、及び/又は、距離)を定量化する。
【0030】
いくつかの例では、LIDARシステムは、プリアンプ信号を受信し、及び、増幅光信号を出力する増幅器を有している。LIDARシステムは、また、飽和状態の増幅器を操作する電子回路部を有している。光信号の振幅の変化は、飽和状態で動作する増幅器を通過しない。対照的に、光信号の周波数の変化は、飽和状態で動作する増幅器を通過する。その結果、プリアンプ信号の周波数を調整でき、また、プリアンプ信号の周波数は、増幅光信号に、はっきりと表れるが、プリアンプ信号に生ずる振幅の変化は、増幅光信号に、存在しない。システム出力信号は、増幅光信号からの光を有し、また、増幅光信号からの光から構成できる。その結果、LIDARシステムは、システム出力信号の振幅を変更することなく、又は、実質的に変更することなく、システム出力信号の周波数を調整するように、構成される。システム出力信号の一定の振幅は、LIDARデータの信頼性を高める。
【0031】
図1Aは、LIDARシステムとして機能する、又は、LIDARシステムに加えて、LIDARチップに追加のコンポーネントを有するLIDARシステムに含まれ得るLIDARチップの概略的な平面図である。LIDARチップは、フォトニック集積回路(PIC)を有することができ、また、フォトニック集積回路チップにできる。LIDARチップは、予備的な出射LIDAR信号を出力する光源4を有している。好適な光源4は、限定されないが、外部共振器レーザ(ECL)、分布帰還レーザ(DFB)、離散モード(DM)レーザ、及び、分布ブラッグ反射レーザ(DBR)などの半導体レーザを含む。
【0032】
LIDARチップは、また、光源4から予備出射LIDAR信号を受信し、及び、予備出射LIDAR信号を増幅器8に搬送する予備ユーティリティ導波路6を有している。増幅器8は、予備ユーティリティ導波路6からの予備出射LIDAR信号を受信する増幅器導波路10を有している。電子回路部32は、増幅器8がユーティリティ導波によって受信される増幅予備出射LIDAR信号を出力するように、増幅器8を操作できる。ユーティリティ導波路12によって受信される増幅予備出射LIDAR信号は、出射LIDAR信号として機能できる。
【0033】
ユーティリティ導波路12は、ファセット14で終端し、及び、出射LIDAR信号をファセット14へ搬送する。ファセット14を通って進む出射LIDAR信号が、LIDARチップから出て行き、また、LIDAR出力信号として機能するように、ファセット14を配置できる。例えば、ファセット14をチップの端部に配置でき、ファセット14を通って進む出射LIDAR信号は、チップから出て行き、また、LIDAR出力信号として機能する。場合によっては、LIDARチップから出て行ったLIDAR出力信号の一部を、システム出力信号と見なすことができる。一例として、LIDARチップからのLIDAR出力信号の出口も、また、LIDARシステムからのLIDAR出力信号の出口である場合、LIDAR出力信号も、また、システム出力信号とみなすことができる。
【0034】
LIDAR出力信号は、LIDARシステムが配置されている大気中の自由空間を通って、LIDARシステムから離れて進む。LIDAR出力信号は、LIDAR出力信号の経路内の1つ以上の物体によって反射され得る。LIDAR出力信号が反射されると、反射光の少なくとも一部は、LIDAR入力信号としてLIDARチップに向かって戻るように進む。いくつかの例では、LIDAR入力信号は、システムリターン信号と見なすこともできる。一例として、LIDARチップからのLIDAR出力信号の出口が、LIDARシステムからのLIDAR出力信号の出口でもある場合、LIDAR入力信号は、システムリターン信号と見なすこともできる。
【0035】
LIDAR入力信号は、ファセット14を通してユーティリティ導波路12に入ることができる。ユーティリティ導波路12に入るLIDAR入力信号の一部は、入射LIDAR信号として機能する。ユーティリティ導波路12は、出射LIDAR信号の一部を、ユーティリティ導波路12から、比較信号として比較導波路18に移動するスプリッタ16に、入射LIDAR信号を搬送する。比較導波路18は、さらなる処理のために、比較信号を、処理コンポーネント22に搬送する。
図1Aはスプリッタ16として動作する方向性カプラを示しているが、他の信号タップコンポーネントを、スプリッタ16として使用できる。好適なスプリッタ16は、限定されないが、方向性カプラ、光カプラ、y-結合器、テーパカプラ、及び、マルチモード干渉(MMI)デバイスを含む。
【0036】
ユーティリティ導波路12は、また、出射LIDAR信号をスプリッタ16に搬送する。スプリッタ16は、出射LIDAR信号の一部を、ユーティリティ導波路12から、基準信号として基準導波路20に移動する。基準導波路20は、さらなる処理のために、基準信号を、処理コンポーネント22に搬送する。
【0037】
スプリッタ16によってユーティリティ導波路12から転送される光の割合を、固定、又は、実質的に固定できる。例えば、スプリッタ16を、基準導波路20に転送される基準信号のパワーが、出射LIDAR信号のパワーの出射率であるように、又は、比較導波路18に転送される比較信号のパワーが、入射LIDAR信号のパワーの入射率であるように、構成できる。方向性カプラ、及び、マルチモード干渉計(MMIs)など、多くのスプリッタ16では、出射率は、入射率に等しい、又は、実質的に等しい。いくつかの例では、出射率は、30%、40%、又は、49%より大きく、及び/又は、51%、60%、又は、70%より小さく、及び/又は、入射率は、30%、40%、又は、49%より大きく、及び/又は、51%、60%、又は、70%より小さい。マルチモード干渉計(MMI)などのスプリッタ16は、一般的に、50%、又は、約50%の出射率、及び、入射率を提供する。しかしながら、マルチモード干渉計(MMIs)は、いくつかの代替案よりも、シリコン・オン・インシュレータ・プラットフォームなどのプラットフォームに、容易に作製できる。一例では、スプリッタ16は、マルチモード干渉計(MMI)であり、出射率、及び、入射率は、50%、又は、実質的に50%である。以下でより詳細に説明されるように、処理コンポーネント22は、比較信号を基準信号と結合して、視野上のサンプル領域に関するLIDARデータを搬送する複合信号を形成する。したがって、複合信号を処理し、サンプル領域に関するLIDARデータ(LIDARシステムとLIDARシステムの外部の物体との間の半径速度、及び/又は、距離)を抽出できる。
【0038】
LIDARチップは、光源4の動作を制御するための制御分岐を含むことができる。制御分岐は、出射LIDAR信号の一部をユーティリティ導波路12から制御導波路28に移動するスプリッタ26を有している。結合された出射LIDAR信号の一部は、タップ信号として機能する。
図1Aは、スプリッタ26として動作する方向性カプラを示しているが、他の信号タップコンポーネントをスプリッタ26として使用できる。好適なスプリッタ26は、これらに限定されないが、方向性カプラ、光カプラ、y-結合器、テーパカプラ、及び、マルチモード干渉(MMI)デバイスを含む。
【0039】
制御導波路28は、タップ信号を制御コンポーネント30に搬送する。制御コンポーネントは、電子回路部32と電気的に通信できる。動作中、電子回路部32は、制御コンポーネントからの出力に応じて、出射LIDAR信号の周波数を調整できる。制御コンポーネントの好適な構成の一例は、米国特許出願シリアル番号15/977,957、出願日2018年5月11日、発明の名称「光学センサチップ」において提供され、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0040】
LIDARシステムを、入射LIDAR信号、及び、出射LIDAR信号を異なる導波路で搬送できるように、修正できる。例えば、
図1Bは、入射LIDAR信号、及び、出射LIDAR信号を異なる導波路で搬送するように修正された
図1AのLIDARチップの平面図である。出射LIDAR信号は、ファセット14を介してLIDARチップから出て行き、また、LIDAR出力信号として機能する。LIDAR出力信号からの光がLIDARシステムの外部の物体によって反射されると、反射光の少なくとも一部は、第1LIDAR入力信号としてLIDARチップに戻って来る。第1LIDAR入力信号は、ファセット35を介して比較導波路18に入り、そして、比較信号として機能する。比較導波路18は、さらなる処理のために、比較信号を処理コンポーネント22に搬送する。
図1Aに関連して説明されているように、基準導波路20は、さらなる処理のために、基準信号を処理コンポーネント22に搬送する。以下でより詳細に説明されるように、処理コンポーネント22は、比較信号を基準信号と結合し、視野上のサンプル領域に関するLIDARデータを搬送する複合信号を形成する。
【0041】
LIDARチップを、複数のLIDAR入力信号を受信するように修正できる。例えば、
図1Cは、2つのLIDAR入力信号を受信するように修正された
図1BのLIDARチップを示している。スプリッタ40は、基準導波路20に搬送される基準信号の一部を、第1基準導波路42に、及び、基準信号の他の一部を、第2基準導波路44に、配置するように構成されている。これにより、第1基準導波路42は、第1基準信号を搬送し、及び、第2基準導波路44は、第2基準信号を搬送する。第1基準導波路42は、第1基準信号を第1処理コンポーネント46に搬送し、及び、第2基準導波路44は、第2基準信号を第2処理コンポーネント48に搬送する。好適なスプリッタ40の例は、これらに限定されないが、y-結合器、光カプラ、及び、マルチモード干渉カプラ(MMIs)を含む。
【0042】
出射LIDAR信号は、ファセット14を介してLIDARチップから出て行き、そして、LIDAR出力信号として機能する。LIDAR出力信号からの光がLIDARシステムの外部に配置された1つ以上の物体によって反射されると、反射光の少なくとも一部は、第1LIDAR入力信号としてLIDARチップに戻って来る。第1LIDAR入力信号は、ファセット35を介して比較導波路18に入り、そして、第1比較信号として機能する。比較導波路18は、さらなる処理のために、第1比較信号を第1処理コンポーネント46に搬送する。
【0043】
加えて、LIDAR出力信号からの光がLIDARシステムの外部に配置された1つ以上の物体によって反射されると、反射信号の少なくとも一部は、第2LIDAR入力信号として、LIDARチップに戻って来る。第2LIDAR入力信号は、ファセット52を介して第2比較導波路50に入り、そして、第2比較導波路50によって搬送される第2比較信号として機能する。第2比較導波路50は、さらなる処理のために、第2比較信号を第2処理コンポーネント48に搬送する。
【0044】
光源4、及び、増幅器8はLIDARチップ上に配置されるように示されているが、光源4、及び、増幅器8を、LIDARチップ外に配置することができる。例えば、ユーティリティ導波路12は、出射LIDAR信号が、LIDARチップ外に配置されている光源4から、ユーティリティ導波路12に入ることができる第2のファセットで終端できる。一例として、
図1AのLIDARシステムは、LIDARチップから離れて配置された光源4および増幅器8を含むように修正された
図1AのLIDARシステムを示す。ユーティリティ導波路12は、出射LIDAR信号がユーティリティ導波路12に入ることができる第2ファセット53を含む。
【0045】
第1光リンク54は、光源4からの予備出射LIDAR信号を受信する。第1光リンク54は、予備出射LIDAR信号を増幅器8に搬送する。電子回路部32は、増幅器8が第2光リンク56で受信される増幅予備出射LIDAR信号を出力するように、増幅器8を操作する。増幅予備出射LIDAR信号が第2ファセット53を通ってユーティリティ導波路12に入ることができるように、第2光リンク56を、ユーティリティ導波路12に位置合わせする。ファイバブロックのような位置合わせ機構58は、第2光リンク56とユーティリティ導波路12との間の位置合わせを提供できる。光源4がLIDARチップの外部にあるとき、好適な光源は、限定されないが、外部共振器レーザ(ECL)、分布帰還レーザ(DFB)、離散モード(DM)レーザ、及び、分布ブラッグ反射器レーザ(DBR)のような半導体レーザを有する。いくつかの例では、LIDARシステムは、予備出射LIDAR源を増幅器57に、又は、第2予備出射LIDAR源をユーティリティ導波路12に、結合する1つ以上のレンズ(図示せず)を有している。第1光リンク54、及び/又は、第2光リンク56のために公的な光学コンポーネントは、限定されないが、光ファイバを含む。第1光リンク54、及び/又は、第2光リンク56として機能する光ファイバとの使用に好適な増幅器8は、限定されないが、半導体光増幅器(SOA)、ブースター光増幅器(BOAs)、及び、エルビウムイッテルビウム添加増幅器を含む。
【0046】
図1Aから
図1Dは、光源4、及び、スプリッタ16からの光路に配置される増幅器8を示している。しかしながら、増幅器8は、他の場所に配置できる。一例として、
図1Eは、LIDARチップから出力されるLIDAR出力信号を受信するように配置される増幅器を示す。
図1EのLIDARシステムでは、光リンク60は、LIDARチップからLIDAR出力信号を受信する。光リンク60は、LIDAR出力信号を増幅器8に搬送する。電子回路部32は、増幅器8が増幅LIDAR出力信号を出力するように、増幅器8を操作する。増幅器8からの増幅LIDAR出力信号の出力も、LIDARシステムからの増幅LIDAR出力信号の出力として機能できるように、LIDARシステムを構成できる。その結果、増幅LIDAR信号は、視野のサンプル領域に向かって、自由空間を通過できる。したがって、いくつかの例では、LIDARアダプタから出て行った増幅LIDAR出力信号は、システム出力として機能できる。あるいは、LIDARシステムは、増幅LIDAR出力信号を受信し、また、システム出力信号を出力する1つ以上の追加コンポーネント(図示せず)を有することができる。
【0047】
光リンク60のための好適な光学コンポーネントは、限定されないが、光ファイバを含む。光リンク60としての光ファイバに用いられる好適な増幅器8は、限定されないが、半導体光増幅器(SOA)、ブースター光増幅器(BOAs)、エルビウムイッテルビウム添加増幅器を含む。ファイバブロックのような位置合わせ機構58は、光リンク60とユーティリティ導波路12との間の位置合わせを提供できる。
【0048】
増幅器8がLIDARチップの端部に配置されるように、
図1D、及び、
図1Eに示されるLIDARシステムを修正できる。例えば、
図1Fは、LIDARチップに配置されるが、LIDARチップの端部に配置される増幅器を有するように修正される
図1DのLIDARシステムを示す。LIDARチップがLIDARチップの端部に配置される場合、LIDARチップは、増幅器の側面を取り囲まず、及び/又は、LIDARチップの側面は、LIDARチップによって覆われない。
【0049】
図1FのLIDARシステムでは、第1光リンク54は、光源4から予備出射LIDAR信号を受信する。第1光リンク54は、予備出射LIDAR信号をLIDRチップの増幅器8に搬送する。増幅導波路10は、第1光リンク54から予備出射LIDAR信号を受信し、また、予備出射LIDAR信号からの光を誘導する。電子回路部32は、第2ファセット53を通ってユーティリティ導波路12によって受信される増幅予備出射LIDAR信号を、増幅器8が出力するように、増幅器8を操作する。ユーティリティ導波路12によって受信される増幅予備出射LIDAR信号は、ユーティリティ導波路12によって誘導される出射LIDAR信号として機能できる。ファイバブロックのような位置合わせ機構58は、光リンク60と増幅導波路10との間の位置合わせを提供できる。
【0050】
いくつかの例では、
図1B、又は、
図1Cに従って構築されるLIDARチップを、LIDARアダプタと共に用いる。いくつかの例では、第1LIDAR入力信号、及び/又は、LIDAR出力信号がLIDARチップから視野に進む光学的経路がLIDARアダプタを通過するという点で、LIDARチップ、及び、1つ以上の反射物体、及び/又は、視野の間に、物理的で、LIDARアダプタを、物理的に、光学的に、位置決めできる。さらに、第1LIDAR入力信号、及び、LIDAR出力信号が、LIDARアダプタとLIDARチップとの間では、異なる光学的経路を進むが、LIDARアダプタと視野の反射物体との間では、同じ光学的経路を進むように、第1LIDAR入力信号、及び、LIDAR出力信号に影響を及ぼすように、LIDARアダプタを、構成できる。
【0051】
図1BのLIDARチップとの使用に好適なLIDARアダプタの例を、
図2に示す。LIDARアダプタは、ベースに配置される複数のコンポーネントを有している。例えば、LIDARアダプタは、ベース102上に配置されるサーキュレータ100を有している。図示される光サーキュレータ100は、3つのポートを有し、また、1つのポートに入る光が次のポートから出るように構成されている。例えば、図示の光サーキュレータは、第1ポート104、第2ポート06、及び、第3ポート108を有している。LIDAR出力信号は、LIDARチップのユーティリティ導波路12から第1ポート104に入り、また、第2ポート106から出て行く。
【0052】
第2ポート106からのLIDAR出力信号の出力も、LIDARアダプタから、したがってLIDARシステムからのLIDAR出力信号の出力として機能するように、LIDARアダプタを、構成できる。その結果、LIDAR出力信号が視野のサンプル領域に向かって進んでいくように、LIDARアダプタから、LIDAR出力信号を出力できる。したがって、いくつかの例では、LIDARアダプタから退出したLIDAR出力信号の一部も、システム出力信号とみなすことができる。一例として、LIDARアダプタからのLIDAR出力信号の出口が、LIDARシステムからのLIDAR出力信号の出口でもある場合、LIDAR出力信号を、また、システム出力信号とみなすことができる。
【0053】
LIDARアダプタから出力されるLIDAR出力信号は、LIDARチップから受信されるLIDAR出力信号からの光から構成されるか、又は、本質的に構成される。したがって、LIDARアダプタから出力されるLIDAR出力信号は、LIDARチップから受信されるLIDAR出力信号と同じ、又は、実質的に同じであってもよい。しかしながら、LIDARアダプタから出力されるLIDAR出力信号とLIDARチップから受信されるLIDAR出力信号との間に差異があってもよい。例えば、LIDAR出力信号は、LIDARアダプタ、及び/又は、LIDARアダプタを通って進む際に、光損失を経験でき、及び/又は、LIDARアダプタは、LIDARアダプタを通って進む際に、LIDAR出力信号を増幅するように構成される増幅器を、選択的に、有することができる。
【0054】
サンプル領域の1つ以上の物体がLIDAR出力信号を反射するとき、反射光の少なくとも一部は、システム戻り信号としてサーキュレータ100に戻って来る。システム戻り信号は、第2ポート106を通ってサーキュレータ100に入る。
図2は、同じ光学的経路に沿って、LIDARアダプタとサンプル領域との間を進むLIDAR出力信号、及び、システム戻り信号を示す。
【0055】
システム戻り信号は、第3ポート108を通ってサーキュレータ100を出て、そして、LIDARチップ上の比較導波路18に方向付けられる。したがって、システム戻り信号の全部、又は、一部は、第1LIDAR入力信号として機能でき、また、第1LIDAR入力信号は、システム戻り信号由来の光を有する、又は、構成する。したがって、LIDAR出力信号、及び、第1LIDAR入力信号は、LIDARアダプタとLIDARチップとの間で、異なる光学的経路に沿って進行する。
【0056】
図2から明らかなように、LIDARアダプタは、サーキュレータ100に加えて光学的コンポーネントを有することができる。例えば、LIDARアダプタは、LIDAR出力信号、及び、システム戻り信号の光学的経路を方向付け、及び、制御するコンポーネントを有することができる。一例として、
図2のアダプタは、LIDAR出力信号がサーキュレータ100に入る前に、LIDAR出力信号を受信し、そして、増幅するように配置される選択的な増幅器110を有している。電子回路部32がLIDAR出力信号の電力を制御できるように、電子回路部32は、増幅器110を操作できる。
【0057】
図2は、また、選択的な第1レンズ112、及び、選択的な第2レンズ114を有するLIDARアダプタを示している。LIDAR出力信号を所望の位置に結合するように、第1レンズ112を構成できる。場合によっては、所望の位置でLIDAR出力信号を焦点、又は、コリメートするように、第1レンズ112を構成する。一例では、LIDARアダプタが増幅器110を有さない場合、第1ポート104にLIDAR出力信号を結合するように、第1レンズ112を構成する。別の例として、LIDARアダプタが増幅器110を有する場合、増幅器110への入口ポートにLIDAR出力信号を結合するように、第1レンズ112を構成できる。所望の位置でLIDAR出力信号を結合するように、第2レンズ114を構成できる。場合によっては、所望の位置でLIDAR出力信号を焦点、又は、コリメートするように、第2レンズ114を構成できる。例えば、比較導波路18のファセット35にLIDAR出力信号を結合するように、第2レンズ114を構成できる。
【0058】
LIDARアダプタは、また、ミラーなどの1つ以上の方向変更コンポーネントを有することができる。
図2は、サーキュレータ100からのシステム戻り信号を比較導波路18のファセット20にリダイレクトする方向転換コンポーネント116としてのミラーを有するLIDARアダプタを示す。
【0059】
LIDARチップは、1つ以上の光信号の光学的経路を制約する1つ以上の導波路を有している。LIDARアダプタは、導波路を有する一方、LIDARアダプタのコンポーネントの間、及び/又は、LIDARチップとLIDARアダプタのコンポーネントとの間で、システム戻り信号、及び、LIDAR出力信号が進行する光学的経路は、自由空間にできる。例えば、システム戻り信号、及び/又は、LIDAR出力信号は、LIDARアダプタの異なるコンポーネントの間、及び/又は、LIDARアダプタのコンポーネントとLIDARチップとの間を進行するときに、LIDARチップ、LIDARアダプタ、及び/又は、ベース102が配置される環境を通って進行できる。その結果、レンズや方向変更コンポーネントのような光学的コンポーネント用い、システム戻り信号、及び、LIDAR出力信号が、LIDARアダプタ上で、LIDARアダプタに向かって、及び、LIDARアダプタから進行する光学的経路の特性を制御できる。
【0060】
LIDARアダプタのための好適なベース102は、これらに限定されないが、基板、プラットフォーム、及び、プレートを有する。好適な基板は、これらに限定されないが、ガラス、シリコン、及び、セラミックを含む。コンポーネントは、基板に取り付けられる分離コンポーネントにできる。ベース102に分離コンポーネントを取り付けるための好適な技術は、これらに限定されないが、エポキシ、ハンダ、及び、機械的クランプを含む。一例では、1つ以上のコンポーネントは、集積されたコンポーネントであり、また、残りのコンポーネントは、分離コンポーネントである。別の例では、LIDARアダプタは、1つ以上の集積された増幅器を有し、また、残りのコンポーネントは、分離コンポーネントである。
【0061】
LIDARシステムを、偏光を補償するように構成できる。レーザ光源からの光は、典型的には、直線偏光であり、それゆえ、LIDAR出力信号も、典型的には、直線偏光である。物体からの反射は、戻り光の偏光角を変化させるかもしれない。したがって、システム戻り信号は、異なる線形偏光状態の光を含む可能性がある。例えば、システム戻り信号の第1部分は、第1直線偏光状態の光を有する可能性があり、また、システム戻り信号の第2部分は、第2直線偏光状態の光を有する可能性がある。得られる複合信号の強度は、比較信号偏光場と基準信号偏光場との間の角度のコサインの二乗に比例する。角度が90度であれば、LIDARデータは、結果として得られる複合信号において、失われる可能性がある。しかしながら、LIDARシステムを修正し、LIDAR出力信号の偏光状態の変化を補償できる。
【0062】
図3は、LIDARアダプタが、
図1CのLIDARチップとの使用に好適であるに、
図3のLIDARシステムが修正されたものを示している。LIDARアダプタは、サーキュレータ100からシステム戻り信号を受信するビームスプリッタ120を有している。ビームスプリッタ120は、システム戻り信号を、システム戻り信号の第1部分、及び、システム戻り信号の第2部分に分割する。好適なビームスプリッタは、これらに限定されないが、ウォラストンプリズム、及び、MEMSベースのビームスプリッタを含む。
【0063】
システム戻り信号の第1部分は、LIDARチップ上の比較導波路18に方向付けられ、また、
図1Cに関連して説明される第1LIDAR入力信号として機能する。システム戻り信号の第2部分は、偏光回転子122に方向付けられる。偏光回転子122は、LIDARチップ上の第2入力導波路76に方向付けられ。また、第2LIDAR入力信号として機能する第2LIDAR入力信号を出力する。
【0064】
ビームスプリッタ120は、偏光ビームスプリッタにできる。偏光ビームスプリッタの一例は、システム戻り信号の第1部分が、第1偏光状態を有するが、第2偏光状態を有さない、又は、実質的に有さず、及び、システム戻り信号の第2部分が、第2偏光状態を有するが、第1偏光状態を有さない、又は、実質的に有さないように、構成される。第1偏光状態、及び、第2偏光状態は、直線偏光状態にでき、また、第2偏光状態は、第1偏光状態とは異なる。例えば、第1偏光状態をTEに、及び、第2偏光状態をTMにでき、又は、第1偏光状態をTMに、及び、第2偏光状態をTEにできる。場合によっては、LIDAR出力信号が第1偏光状態を有するように、レーザ光源を、直線的に偏光できる。好適なビームスプリッタは、これに限定されないが、ウォラストンプリズム、及び、MEMSベースの偏光ビームスプリッタを含む。
【0065】
システム戻り信号の第1部分、及び/又は、システム戻り信号の第2部分の偏光状態を変化させるように、偏光回転子を構成できる。例えば、システム戻り信号の第2部分の偏光状態を、第2偏光状態から第1偏光状態に変更するように、
図3に示される偏光回転子122を構成できるその。結果、第2のLIDAR入力信号は、第1の偏光状態を有するが、実質的に第2の偏光状態を有さないか、または実質的に有さない。したがって、第1LIDAR入力信号、及び、第2LIDAR入力信号は、それぞれ、同じ偏光状態(この例では第1偏光状態)を有する。同じ偏光状態の光を搬送しているにもかかわらず、第1LIDAR入力信号、及び、第2LIDAR入力信号は、偏光ビームスプリッタの使用の結果として、異なる偏光状態に関連付けられる。例えば、第1LIDAR入力信号は、第1偏光状態で反射された光を搬送し、及び、第2LIDAR入力信号は、第2偏光状態で反射された光を搬送する。その結果、第1LIDAR入力信号は、第1偏光状態と関連付けられ、及び、第2LIDAR入力信号は、第2偏光状態と関連付けられる。
【0066】
第1のLIDAR入力信号、及び、第2のLIDARは、同じ偏光状態の光を搬送するので、第1LIDAR入力信号に起因する比較信号は、第2LIDAR入力信号に起因する比較信号と同じ偏光角度を有する。
【0067】
好適な偏光回転子回は、これらに限定されないが、偏波保持ファイバの回転、ファラデー回転子、半波長板、MEMSベースの偏光回転子、及び、非対称y-分岐器、マッハ・ツェンダ干渉計、及び、マルチモード干渉カプラを用いる集積光学的偏光回転子を含む。
【0068】
出射LIDAR信号は、直線偏光されているため、第1基準信号は、第2基準信号と同じ直線偏光状態を有することができる。また、第1基準信号、第2基準信号、比較信号、及び、第2比較信号、それぞれが、同じ偏光状態を有するように、LIDARアダプタのコンポーネントを選択できる。
図3の関連で開示される例では、第1比較信号、第2比較信号、第1基準信号、及び、第2基準信号は、それぞれ、第1偏光状態の光を有することができる。
【0069】
以上の構成により、第1処理コンポーネント46で生成された第1複合信号、及び、第2処理コンポーネント48で生成された第2複合信号は、それぞれ、同じ偏光状態の基準信号と比較信号とを複合した結果となり、また、基準信号と比較信号との間で所望のうなりを提供する。例えば、複合信号は、第1偏光状態の第1基準信号と第1比較信号とを複合した結果であり、また、第2の偏光状態の光を除外し、又は、実質的に除外し、若しくは、第2偏光状態の第1基準信号と第1比較信号とを合成した結果であり、また、第1偏光状態の光を除外し、又は、実質的に除外する。同様に、第2複合信号は、第2基準信号を有し、また、同じ偏光状態の第2比較信号は、したがって、基準信号と比較信号との間の所望のうなりを提供する。例えば、第2複合信号は、第1偏光状態の第2基準信号と第2の比較信号とを複合した結果であり、また、第2偏光状態の光を除外し、又は、実質的に除外し、若しくは、第2複合信号は、第2偏光状態の第2基準信号と第2比較信号とを複合し、また、第1偏光状態の光を除外し、又は、実質的に除外する。
【0070】
上記の構成は、サンプル領域からの複数の異なる複合信号(すなわち、第1複合信号、及び、第2複合信号)から生成される視野の単一のサンプル領域に関するLIDARデータをもたらす。いくつかの例では、サンプル領域に関するLIDARデータを決定することは、異なる複合信号(すなわち、複合信号、及び、第2複合信号)からLIDARデータを結合する電子回路部を含む。LIDARデータを結合することは、異なる複合信号から生成されるLIDARデータの平均、中央値、又は、モードをとることを含むことができる。例えば、電子回路部は、第2複合信号から決定された距離を有する複合信号から決定される、LIDARシステムと反射物体との間の距離を平均することができ、及び/又は、電子回路部は、第2複合信号から決定された半径速度を有する複合信号から決定される、LIDARシステムと反射物体との間の半径速度を平均することができる。
【0071】
いくつかの例では、サンプル領域に関するLIDARデータを決定することは、1つ以上の複合信号(すなわち、複合信号、及び/又は、第2複合信号)を、最も現実を表すLIDARデータ(代表LIDARデータ)のソースとして識別する電子回路部を含む。そして、電子回路部は、識別された複合信号からのLIDARデータを、追加の処理に使用される代表LIDARデータとして利用できる。例えば、電子回路部は、代表LIDARデータを有するとして、より大きな振幅を有する信号(複合信号、又は、第2複合信号)を識別でき、また、LIDARシステムによるさらなる処理のために、識別された信号からのLIDARデータを利用できる。いくつかの例では、電子回路部は、異なるLIDAR信号からのLIDARデータを結合することに、代表LIDARデータで複合信号を識別することを結合する。例えば、電子回路部は、代表的なLIDARデータを有するとして、振幅閾値を超える振幅で各複合信号を識別でき、そして、2つ以上の複合信号が代表LIDARデータを有すると識別される場合、電子回路部は、識別された各複合信号のLIDARデータを結合できる。1つの複合信号が代表LIDARデータを有すると識別されると、電子回路部は、その複合信号からのLIDARデータを代表LIDARデータとして利用できる。いずれの複合信号も代表LIDARデータを有すると識別されない場合、電子回路部は、それらの複合信号に関連付けられたサンプル領域に関するLIDARデータを破棄できる。
【0072】
図3は、第1比較信号、第2比較信号、第1基準信号、及び、第2基準信号が、それぞれ、第1偏光状態を有するように配置されるコンポーネントに関連して説明されているが、複合信号が、同じ直線偏光状態の基準信号と比較信号とを複合した結果であり、また、第2複合信号が、同じ直線偏光状態の基準信号と比較信号とを複合した結果であるように、
図3のコンポーネントの他の構成を配置できる。例えば、システム戻り信号の第2部分が第1偏光状態を有し、システム戻り信号の第1部分が第2偏光状態を有するように、ビームスプリッタ120を構成でき、偏光回転子は、システム戻り信号の第1部分を受信し、及び、出射LIDAR信号は、第2偏光状態を有することができる。この例では、第1LIDAR入力信号、及び、第2LIDAR入力信号は、それぞれ、第2の偏光状態を有する。
【0073】
上記のシステム構成は、異なる複合信号に方向付けられるシステム戻り信号の第1部分、及び、システム戻り信号の第2部分をもたらす。その結果、システム戻り信号の第1部分、及び、システム戻り信号の第2部分は、それぞれ、異なる偏光状態に関連付けられるが、電子回路部は、各複合信号を処理できるので、LIDARシステムは、LIDAR出力信号の反射に応じて、LIDAR出力信号の偏光状態の変化を補償する。
【0074】
図3のLIDARアダプタは、受動光学コンポーネントを含む追加の光学コンポーネントを有することができる。例えば、LIDARアダプタは、選択的な第3レンズ126を有することができる。所望の位置で第2LIDAR出力信号を結合するように、第3レンズ126を構成できる。場合によっては、第3レンズ126は、所望の位置で第2LIDAR出力信号を焦点合わせし、又は、コリメートする。例えば、第2比較導波路50のファセット52で第2LIDAR出力信号を焦点合わせし、又は、コリメートするように、第3レンズ126を構成できる。LIDARアダプタは、また、ミラー、及び、プリズムなどの1つ以上の方向変換コンポーネント124を有している。
図3は、システム戻り信号の第2部分を、サーキュレータ100から第2比較導波路50のファセット52、及び/又は、第3レンズ126にリダイレクトする方向変換コンポーネント124としてのミラーを有するLIDARアダプタを示す。
【0075】
LIDARシステムが、LIDARチップ、及び、LIDARアダプタを有する場合、LIDARチップ、電子回路部、及び、LIDARアダプタは、共通マウント上に配置できる。好適な共通マウントは、これらに限定されないが、ガラス板、金属板、シリコン板、及び、セラミック板を含む。一例として、
図4は、
図1AのLIDARチップ、及び、電子機器32、及び、共通支持体140上の
図2のLIDARアダプタを有するLIDARシステムの平面図である。電子回路部32は、共通支持体に配置されているように図示されているが、電子回路部の全部、又は、一部を、共通支持体外に配置できる。光源4をLIDARチップ外に配置する場合、光源を、共通支持体240に、又は、共通支持体140外に配置できる。LIDARチップ、電子回路部、及び/又は、LIDARアダプタを共通支持体に取り付けるための好適なアプローチは、これらに限定されないが、エポキシ、はんだ、及び、機械的クランプを含む。
【0076】
LIDARシステムは、追加の受動的な、及び/又は、能動的な光学コンポーネントを有するコンポーネントを有することができる。1つ以上のコンポーネントから出るLIDAR出力信号の一部は、システム出力信号として機能できる。例えば、LIDARシステムは、LIDARチップから、又は、LIDARアダプタからLIDAR出力信号を受信し、及び、システム出力信号として機能するLIDAR出力信号の全部、又は、一部を出力する1つ以上のビーム操舵コンポーネントを有することができる。例えば、
図4は、LIDARアダプタからLIDAR出力信号を受信するビーム操舵コンポーネント142を示す。
図4は、共通支持体140に配置されるビーム操舵コンポーネントを示しているが、ビームステアリング構成要素を、LIDARアダプタに、LIDARチップに、又は、共通支持体140外に、配置できる。好適なビーム操舵コンポーネントは、これらに限定されないが、可動ミラー、MEMSミラー、及び、光フェーズドアレイ(OPAs)を含む。
【0077】
図5Aから
図5Cは、処理コンポーネント22、第1処理コンポーネント46、及び、第2処理コンポーネント48からなるグループから選択された処理コンポーネントの全部、又は、一部として使用するための適切な処理コンポーネントの例を示している。処理コンポーネントは、比較導波路196から比較信号を、及び、基準導波路198から基準信号を受信する。
図1A、及び、
図1Bに示す比較導波路18、及び、基準導波路20は、比較導波路196、及び、基準導波路198として機能でき、
図1Cに示す比較導波路18、及び、第1基準導波路42は、比較導波路196、及び、基準導波路198として機能でき、又は、
図1Cに示す第2比較導波路50、及び、第2基準導波路44は、比較導波路196、及び、基準導波路198として機能できる。
【0078】
処理コンポーネントは、比較導波路196に搬送される比較信号を、第1比較導波路204、及び、第2比較導波路206に分割する第2スプリッタ200を有する。第1比較導波路204は、比較信号の第1部分を光結合コンポーネント211に搬送する。第2比較導波路208は、比較信号の第2部分を第2光結合コンポーネント212に搬送する。
【0079】
処理コンポーネントは、基準導波路196に搬送される基準信号を、第1基準導波路204、及び、第2基準導波路206に分割する第1スプリッタ202を有する。第1参照導波路204は、基準信号の第1部分を光結合コンポーネント211に搬送する。第2基準導波路208は、基準信号の第2部分を第2光結合コンポーネント212に搬送する。
【0080】
第2光結合コンポーネント212は、比較信号の第2部分、及び、基準信号の第2部分を、第2複合信号に結合する。比較信号の第2部分と基準信号の第2部分との間の周波数の差に起因して、第2複合信号は、比較信号の第2部分と基準信号の第2部分との間でうなる。
【0081】
第2光結合コンポーネント212は、また、結果として生じる第2複合信号を第1補助検出導波路214、及び、第2補助検出導波路216に分割する。第1補助検出導波路214は、第2複合信号の第1部分を、第2複合信号の第1部分を第1補助電気信号に変換する第1補助光センサ218に搬送する。第2補助検出導波路216は、第2複合信号の第2部分を、第2複合信号の第2部分を第2補助電気信号に変換する第2補助光センサ220に搬送する。好適な光センサの例は、ゲルマニウムフォトダイオード(PDs)、及び、アバランチフォトダイオード(APDs)を含む。
【0082】
場合によっては、第2光結合コンポーネント212は、第2複合信号の第1部分に含まれる比較信号の部分(すなわち、比較信号の第2部分の一部)が、第2複合信号の第2部分における比較信号の部分(すなわち、比較信号の第2部分の一部)に対して180°ずれた位相となるが、第2複合信号の第2部分における基準信号の部分(すなわち、基準信号の第2部分の一部)が、第2複合信号の第1部分における基準信号の部分(すなわち、基準信号の第2部分の一部)に対して位相ずれがないように、第2の複合信号を分割する。あるいは、第2光結合コンポーネント212は、第2複合信号の第1部分における基準信号の部分(すなわち、基準信号の第2部分の一部)が、第2複合信号の第2部分における基準信号の部分(すなわち、基準信号の第2部分の一部)に対して180°ずれた位相となるが、第2複合信号の第1部分における比較信号の部分(すなわち、比較信号の第2部分の一部)が、第2複合信号の第2部分における比較信号の部分(すなわち、比較信号の第2部分の一部)に対して位相ずれがないように、第2複合信号を分割する。好適な光センサの例は、ゲルマニウムフォトダイオード(PDs)、及び、アバランチフォトダイオード(APDs)を含む。
【0083】
第1光結合コンポーネン211は、比較信号の第1部分、及び、基準信号の第1部分を第1複合信号に結合する。比較信号の第1部分と基準信号の第1部分との間の周波数の差に起因して、第1複合信号は、比較信号の第1部分と基準信号の第1の部分との間でうなる。
【0084】
第1光結合コンポーネント211は、また、第1複合信号を、第1検出導波路221、及び、第2検出導波路222に分割する。第1検出導波路221は、第1複合信号の第1部分を、第2複合信号の第1部分を第1電気信号に変換する第1光センサ223に搬送する。第2検出導波路222は、第2複合信号の第2部分を第2電気信号に変換する第2光センサ224に搬送する。好適な光センサの例は、ゲルマニウムフォトダイオード(PDs)、及び、アバランチフォトダイオード(APDs)を含む。
【0085】
場合によっては、光結合コンポーネント211は、複合信号の第1部分に含まれる比較信号の部分(すなわち、比較信号の第1部分の一部)が、複合信号の第2の部分における比較信号の部分(すなわち、比較信号の第1部分の一部)に対して180°ずれた位相となるが、複合信号の第1部分における基準信号の部分(すなわち、比較信号の第1部分の一部)が、複合信号の第2部分における基準信号の部分(すなわち、基準信号の第1部分の一部)に対して位相ずれがないように、第1複合信号を分割する。あるいは、光結合コンポーネント211は、複合信号の第1部分における基準信号の部分(すなわち、基準信号の第1部分の一部)が、複合信号の第2部分における基準信号の部分(すなわち、基準信号の第1部分の一部)に対して180°ずれた位相となるが、複合信号の第1部分における比較信号の部分(すなわち、比較信号の第1部分の一部)が、複合信号の第2部分における比較信号の部分(すなわち、比較信号の第1部分の一部)に対して位相がずれないように、複合信号を分割する。
【0086】
第2光結合コンポーネント212が、第2複合信号の第1部分における比較信号の部分が、第2複合信号の第2部分における比較信号の部分に対して180°ずれた位相となるように、第2複合信号を分割するとき、光結合コンポーネント211も、また、複合信号の第1部分に含まれる比較信号の部分が、複合信号の第2の部分における比較信号の部分に対して180°ずれた位相となるように、複合信号を分割する。第2光結合コンポーネント212は、第2複合信号の第1部分における基準信号の部分が、第2複合信号の第2部分における基準信号の部分に対して180°ずれた位相となるように、第2複合信号を分割するとき、光結合コンポーネント211も、また、複合信号の第1部分における基準信号の部分が、複合信号の第2部分における基準信号の部分に対して180°ずれた位相となるように、複合信号を分割する。
【0087】
基準信号の第1部分と基準信号の第2部分との間に位相ずれを提供するように、第1基準導波路210、及び、第2基準導波路208を構成する。例えば、基準信号の第1部分と基準信号の第2部分との間に90度の位相ずれを提供するように、第1基準導波路210、及び、第2基準導波路208を構成できる。一例として、1つの基準信号の部分は、同相コンポーネントにし、及び、他方は、直交成分コンポーネントにできる。したがって、一方の基準信号の部分は、正弦関数に、及び、他方の基準信号の部分は、余弦関数にできる。一例では、第1基準信号の部分が余弦関数であり、第2基準信号の部分が正弦関数であるように、第1基準導波路210、及び、第2基準導波路208を構築する。したがって、第2複合信号における基準信号の部分は、第1複合信号における基準信号の部分に対して位相がずれているが、第1複合信号における比較信号の部分は、第2信号における比較信号の部分に対して位相がずれていない。
【0088】
第1光センサ223、及び、第2光センサ224を、平衡検出器として接続でき、また、第1補助光センサ218、及び、第2補助光センサ220も、また、平衡検出器として接続できる。例えば、
図5Bは、電子回路部、第1光センサ223、第2光センサ224、第1補助光センサ218、及び、第2補助光センサ220の間の関係の概略を提供する。第1光センサ223、第2光センサ224、第1補助光センサ218、及び、第2補助光センサ220を表すために、フォトダイオード用の記号を用いるが、これらのセンサのうちの1つ以上は、他の構成を有することができる。場合によっては、
図5Bの概略図に示される全てのコンポーネントは、LIDARチップに含まれる。場合によっては、
図5Bの概略図に示されるコンポーネントを、LIDARチップとLIDARチップ外に配置される電子回路部との間に分配する。
【0089】
電子回路部は、第1光センサ223、及び、第2光センサを、第1平衡検出器225として、並びに、第1補助光センサ218、及び、第2補助光センサ220を第2平衡検出器226として、接続する。特に、第1光センサ223と第2光センサ224とを直列に接続する。また、第1補助光センサ218と第2補助光センサ220とを直列に接続する。第1平衡検出器における直列接続は、第1平衡検出器からの出力を第1データ信号として搬送する第1データ線228と通信する。第2平衡検出器における直列接続は、第2平衡検出器からの出力を第2データ信号として搬送する第2データ線232と通信する。第1データ信号は、第1複合信号を電気的に表したものであり、また、第2データ信号は、第2複合信号を電気的に表したものである。したがって、第1データ信号は、第1波形、及び、第2波形からの寄与を含み、並びに、第2データ信号は、第1波形、及び、第2の波形の複合である。第1データ信号における第1波形の一部は、第1データ信号における第1波形の部分に対して位相がずれているが、第1データ信号における第2波形の一部は、第1データ信号における第2波形の部分に対して同相である。例えば、第2のデータ信号は、第1データ信号に含まれる基準信号の異なる部分に対して位相がずれた基準信号の一部を有している。加えて、第2データ信号は、第1データ信号に含まれる比較信号の異なる部分と同相の比較信号の一部を有している。第1のデータ信号および第2のデータ信号は、比較信号と基準信号との間のうなり、すなわち、第1複合信号における、及び、第2複合信号におけるうなり、の結果としてうなる。
【0090】
電子回路部32は、第1データ信号、及び、第2データ信号に数学的変換を実行するように構成される変換機構238を有している。例えば、数学的変換は、第1データ信号、及び、第2データ信号を入力とする複素フーリエ変換にできる。第1データ信号は、同相成分であり、また、第2データ信号は、その直交成分であるため、第1データ信号、及び、第2データ信号は、共に、第1データ信号が入力の実数成分であり、また、第2データ信号が入力の虚数成分である複素データ信号として作用する。
【0091】
変換機構238は、第1データ線228から第1データ信号を受信する第1アナログ-デジタル変換コンバータ(ADC)264を有する。第1アナログ-デジタル変換コンバータ(ADC)は、第1データ信号を、アナログ形式からデジタル形式に変換し、第1デジタルデータ信号を出力する。変換機構238は、第2データ線232から第2データ信号を受信する第2アナログ-デジタル変換コンバータ(ADC)266を有している。第2アナログ-デジタル変換コンバータ(ADC)226は、第2データ信号をアナログ形式からデジタル形式に変換し、第2デジタルデータ信号を出力する。第1デジタルデータ信号は、第1データ信号をデジタルで表したものであり、また、第2デジタルデータ信号は、第2データ信号をデジタルで表したものである。したがって、第1デジタルデータ信号、及び、第2デジタルデータ信号は、第1デジタルデータ信号が複素信号の実数成分として作用し、及び、第2デジタルデータ信号が複素データ信号の虚数成分として作用する複素信号として、共に、作用する。
【0092】
変換機構238は、複素データ信号を受信する変換コンポーネント268を有している。例えば、変換コンポーネント268は、第1アナログ-デジタル変換コンバータ(ADC)264から、第1デジタルデータ信号を入力として受信し、また、第1アナログ-デジタル変換器(ADC)266からも、第2デジタルデータ信号を入力として受信する。時間領域から周波数領域に変換するように、複素信号に対して数学的変換を実行するように、変換コンポーネント268を構成できる。数学的変換は、複素高速フーリエ変換(FFT)のような複素変換にできる。複素高速フーリエ変換(FFT)のような複素変換は、反射物体とLIDARチップとの間の半径速度によって引き起こされる、LIDAR出力信号に対するLIDAR入力信号の周波数のずれのための明確な解決策を提供する。電子回路部は、LIDARデータ(反射物体とLIDARチップ、又は、LIDARシステムとの間の距離、及び/又は、半径速度)を生成するさらなる処理のために、変換コンポーネント268から出力された1つ以上の周波数ピークを利用する。変換コンポーネント268は、ファームウェア、ハードウェア、又は、ソフトウェア、若しくは、それらの組み合わせを使用して、属性付き関数を実行できる。
【0093】
図5Cは、システム出力信号の周波数、時間、周期、及び、データ期間との間の関係の一例を示す。システム出力信号のベース周波数(f0)は、周期開始時のシステム出力信号の周波数にできる。
【0094】
図5Cは、周期j、及び、周期j+1でラベル付けられた2つの周期のシーケンスに関する周波数対時間を示す。いくつかの例では、周波数対時間パターンは、
図5Cに示されるような各周期において、繰り返される。図示される周期は、再配置期間を有しておらず、及び/又は、再配置期間は、周期間に配置されない。結果として、
図5Cは、連続スキャンの結果を示している。
【0095】
複数の周期の各周期は、それぞれが期間インデックスkに関連付けられ、また、DPkでラベル付けされるKのデータ期間を有している。
図5Cの例では、各周期は、k=1、2、及び、3のDPkでラベル付けられた3つのデータ期間を有している。場合によっては、
図5Cに示されるように、周波数対時間パターンは、異なる周期で互いに対応するデータ期間に関して同じである。対応するデータ期間は、同じ期間インデックスを有するデータ期間である。その結果、データ期間DP1のそれぞれを、対応するデータ期間とみなすことができ、また、関連する周波数対時間パターンは、
図5Cにおいて同じである。周期の終わりでは、電子回路部は、周波数を、前の周期を開始したのと同じ周波数レベルに戻す。
【0096】
データ期間DP1、及び、データ期間DP2の間、電子回路部は、システム出力信号の周波数が、線形変化率αで変化するように、光源を操作する。データ期間DP1における周波数変化の方向は、データ期間DP2における周波数変化の方向とは逆である。
【0097】
複素フーリエ変換から出力される周波数は、それぞれが基準信号に対してうなっている比較信号を有する複素信号のうなり周波数を表す。2つ以上の異なるデータ期間からのうなり周波数(fLDP)を結合し、LIDARデータを生成できる。例えば、
図5CのDP1から決定されるうなり周波数を、
図5CのDP22から決定されるうなり周波数と結合し、LIDARデータを決定できる。一例として、電子回路部が、
図5Cのデータ期間DP1に見られるような、データ期間中に出射LIDAR信号の周波数を増加させるデータ期間中に、以下の式が適用される。fub=-fd+ατ、ここで、fubは、変換コンポーネント268によって提供される周波(ここでは、DP1から決定されるfLDP)であり、fdは、ドップラーシフト(fd=2νfc/c)を表し、ここで、fcは光周波数(f0)を表し、cは光の速度を表し、νは反射物体とLIDARシステムとの間の半径速度を表し、vは反射物体とLIDARシステムとの間の半径速度であり、ここで、反射物体からLIDARシステムに向かう方向を、正の方向と仮定し、及び、cは光の速度である。電子回路部が、
図5Cの周期jのデータ期間DP2に見られるような、データ期間中に出射LIDAR信号の周波数を減少させるデータ期間中に、以下の式が適用される。fdb=-fd-ατ、ここで、fdbは、変換コンポーネント268によって提供される周波(ここでは、DP2から決定されるfi.LDP)である。これらの2つの式において、fd、及び、τは未知数である。電子回路部は、2つの未知数fd、及び、τに関するこれら2つの方程式を解く。そして、サンプル領域に関する半径速度を、ドップラシフト(ν=c×fd/(2fc))から、定量でき、及び/又は、サンプル領域に関する分離距離を、c×fd/2から、定量できる。
【0098】
いくつかの例では、1つ以上の物体がサンプル領域に存在する。異なる物体は、物理的に別個の物体である必要はなく、また、同じ物体の異なる表面にできる。1つ以上の物体がサンプル領域内に存在する場合、変換は、1つ以上の周波数を出力し、各周波数を、異なる物体に関連付ける可能性がある。同じ周期の異なるデータ期間において同じ物体から生じる周波数を、対応する周波数対とみなすことができる。LIDARデータを、変換によって出力される対応する周波数対ごとに生成できる。結果として、サンプル領域の物体の各物体に関して、異なるLIDARデータを生成できる。
【0099】
図5CのDP 3でラベル付けられるデータ期間は、同じ対応する周波数対に属する周波数を合わすことを可能にする。例えば、周期2のDP1のフィードバック期間の間、及び、周期2のDP2のフィードバック期間の間も、1つ以上の周波数対を合わすことができる。これらの状況では、どのDP2からの周波数ピークが、どのDP1からの周波数ピークに対応するのかが、明確でないことがある。その結果、サンプル領域の物体に関するLIDARデータを生成するために、どの周波数を、一緒に用いる必要があるのかが、明確でないことがある。その結果、対応する周波数を特定する必要があることがある。対応する周波数が、サンプル領域内の同じ反射物体からの周波数であるように、対応する周波数の識別を、実行できる。DP3でラベル付けられたデータ期間を用いて、対応する周波数を見つけることができる。LIDARデータを、対応する周波数の対ごとに生成でき、また、サンプル領域の異なる反射物体に関するLIDARデータとして、みなし、及び/又は、処理できる。
【0100】
対応する周波数の特定の例は、
図5Cに示すように、周期が3つのデータ期間(DP1、DP2、DP3)を有するLIDARシステムを使用する。システム出力信号によって照射されるサンプル領域に2つの物体が存在する場合、変換コンポーネント268は、DP1の間にfub:fu1、及び、fu2に関する2つの異なる周波数を出力し、また、DP2の間にfdb:fd1、及び、fd2に関する他の2つの異なる周波数を出力する。この場合、可能性のある周波数対は、(fd1、fu1);(fd1、fu2);(fd2、fu1);及び、(fd2、fdu2)である。fd、及び、τの値を、可能性のある周波数対のそれぞれに関して、計算できる。fd、及び、τの値の各対を、f3=-fd+α3τ0に代入し、可能性のある各周波数対に関する理論的なf3を生成できる。α3の値は、DP1、及び、DP2で用いられるαの値とは異なる。
図5Dでは、α3の値はゼロである。この場合、変換コンポーネント268は、また、それぞれが、サンプル領域内の1つの物体に関連付けられるf3に関する2つの値を出力する。実際のf3値のそれぞれに最も近い理論的なf3値を有する周波数ペアを、対応する対とみなす。上述したように、LIDARデータを、対応する対のそれぞれに関して生成でき、また、サンプル領域の異なる1つの反射物体に関するものとして、みなし、及び/又は、処理する。対応する周波数の各対を、上述の式で利用し、LIDARデータを生成できる。生成されたLIDARデータは、サンプル領域内の1つの物体に関するものであろう。その結果、サンプル領域に関して、複数の異なるLIDARデータ値を生成でき、異なるLIDARデータ値の各々が、サンプル領域の異なる1つの物体に対応する。
【0101】
図5Cは、基準信号の一部を比較信号の一部と結合する光結合コンポーネントを示しているが、処理コンポーネントは、基準信号を比較信号と結合し、複合信号を形成する単一の光結合コンポーネントを有することができる。その結果、基準信号の少なくとも一部、及び、比較信号の少なくとも一部を、合成し、合成信号を形成できる。基準信号の結合部分は、参照信号全体、又は、参照信号の一部にでき、また、比較信号の結合部分は、比較信号全体、又は、比較信号の一部にできる。
【0102】
基準信号、及び、比較信号を合成し、複合信号を形成する処理コンポーネントの一例として、
図5Dは、単一の光結合コンポーネントを有するように修正された
図5Cの処理コンポーネントを示す。比較導波路196は、比較信号を第1光結合コンポーネント211に、直接的に、搬送し、また、基準導波路198は、基準信号を第1光結合コンポーネント211に、直接的に、搬送する。
【0103】
第1光結合コンポーネン211は、比較信号の第1部分、及び、基準信号の第1部分を第1複合信号に結合する。比較信号の第1部分と基準信号の第1部分との間の周波数の差に起因して、第1複合信号は、比較信号の第1部分と基準信号の第1の部分との間でうなる。第1光結合コンポーネント211は、また、第1複合信号を、第1検出導波路221、及び、第2検出導波路222に分割する。第1検出導波路221は、第1複合信号の第1部分を、第2複合信号の第1部分を第1電気信号に変換する第1光センサ223に搬送する。第2検出導波路222は、第2複合信号の第2部分を第2電気信号に変換する第2光センサ224に搬送する。
【0104】
図5Eは、電子回路部、第1光センサ223、及び、第2光センサ224の間の関係の概略を提供する。第1光センサ223、及び、第2光センサ224を表すために、フォトダイオード用の記号を用いるが、これらのセンサのうちの1つ以上は、他の構成を有することができる。場合によっては、
図5Eの概略図に示される全てのコンポーネントは、LIDARチップに含まれる。場合によっては、
図5Eの概略図に示されるコンポーネントを、LIDARチップとLIDARチップ外に配置される電子回路部との間に分配する。
【0105】
電子回路部は、第1光センサ223、及び、第2光センサを、第1平衡検出器225として、接続する。特に、第1光センサ223と第2光センサ224とを直列に接続する。第1平衡検出器における直列接続は、第1平衡検出器からの出力を第1データ信号として搬送する第1データ線228と通信する。第1データ信号は、第1複合信号を電気的に表したものである。
【0106】
電子回路部32は、第1データ信号に数学的変換を実行するように構成される変換機構238を有している。数学的変換は、第1データ信号を入力とする実フーリエ変換にできる。電子回路部は、上述のような変換から出力された周波数を用いて、LIDARデータを抽出できる。
【0107】
図5Aから
図5Eに関連して開示される各平衡検出器を、単一の光センサに置き換えできる。結果として、処理コンポーネントは、複合信号の受信部分が、複合信号の全体、又は、複合信号の一部である可能性がある複合信号の少なくとも一部を、それぞれが、受信する1つ以上の光センサを有することができる。
【0108】
図5Cに関連して議論されるように、電子回路部32は、システム出力信号の周波数を調整する。この周波数チャープを生成する1つの方法は、電子回路部によって光源に印加される電流を変調することである。LIDARシステムの光源として利用できる半導体レーザでは、電流変調は、強い非線形搬送/光子結合を介する周波数変調をもたらす。しかしながら、この効果は、周波数変調とともに強度変調も生成する。この強度変調は、周波数変動を線形にしたとしても、非線形にできる。その結果、システム出力信号の周波数を同調させることによって、システム出力信号の振幅を変化できる。
【0109】
システム出力信号の振幅の変化は、複合信号の振幅における変動を引き起こす。合成信号の振幅におけるこれらの変動が、変換コンポーネント268によって実行される数学的変換に、正しいLIDARデータを提供する1つ以上の周波数に加えて、周波数を出力させる。どの周波数が正しい周波数であるのかを識別することは難しいため、複合信号の振幅における変動は、電子回路部によって定量化されるLIDARデータの信頼性を低下させる可能性がある。その結果、システム出力信号の振幅における変動は、LIDARデータ結果の信頼性を低下させる可能性がある。
【0110】
前述のLIDARシステムは、それぞれ、増幅器8を有している。電子回路部は、増幅器8を操作できる。増幅器8は、振幅増幅器であり得る。したがって、
図1Aから
図1D、及び、
図1FのLIDARシステムでは、電子回路部は、増幅器を操作し、出射LIDAR信号のパワーを増加できる。その結果、増幅器は、LIDAR出力信号、及び、システム出力信号のパワーを増加できる。
図1EのLIDARシステムでは、電子回路部は、増幅器を操作し、増幅LIDAR出力信号、したがって、システム出力信号のパワーを増加できる。LIDARシステムが増幅器チップに複数の増幅器(図示せず)を有する場合、電子回路部は、増幅器を、独立して、操作できる。あるいは、電子回路部は、増幅器を、同時に、操作できる。増幅器の同時操作の一例として、電子回路部は、直列、又は、並列に接続される増幅器を操作する。
【0111】
電子回路部は、飽和モードで、増幅器を操作できる。飽和モードで増幅器を操作することによって、システム出力信号の周波数のチャープに応じて、システム出力信号の振幅に生じる変動を、低減、又は、排除できる。前述の各増幅器8は、プリアンプ信号を受信し、及び、増幅光信号を出力する。
図1Aから
図1D、及び、
図1FのLIDARシステムでは、予備出射LIDAR信号は、プリアンプ信号として機能する。
図1EのLIDARシステムでは、LIDAR出力信号は、プリアンプ信号として機能する。
図1Aから
図1D、及び、
図1FのLIDARシステムでは、出射LIDAR信号は、増幅光信号として機能する。
図1DのLIDARシステムでは、増幅予備出射LIDAR信号は、増幅光信号として機能する。
図1EのLIDARシステムでは、増幅LIDAR出力信号は、増幅光信号として機能する。
【0112】
図6Aは、LIDARシステムでの使用に好適な光増幅器の性能を示すグラフの一例である。グラフは、増幅器への入力パワーの関数としての増幅器の出力パワーを示す曲線を有している。曲線は、線形領域、及び、非線形領域を有している。線形領域では、ゲイン(G=Pout/Pin)は、一定、又は、実質的に一定である。非線形領域では、ゲインのレベルは、降下し始める。
【0113】
図6Bは、
図6Aの線形領域における一定のゲインレベルが容易に明らかであるグラフである。
図6Bのグラフは、好適な増幅器によって提供される増幅器ゲインを、増幅光信号(Pout)のパワーの関数として、示す。
図6Bの曲線は、線形(不飽和)領域、及び、飽和領域を有している。飽和領域は、線形モードで達成できる最大ゲインレベルに対して、ゲインレベルが3dB低下したときに、開始する。増幅光信号(Pout)のために達成できる最大パワーは、一般的に、飽和パワー(Psat)より、約3dB高い。線形領域で操作している間に達成できるピークパワーは、一般的に、飽和パワー(Psat)よりも、3dB、又は、約3dB低い。
【0114】
線形モードで、及び、増幅器を通る一定レベルの電流で、増幅器を操作するとき、ゲインレベルは、プリアンプ信号パワーの変化に応じて、一定、又は、実質的に一定を維持する。その結果、プリアンプ信号の振幅の変化は、増幅光信号の中で明らかである。対照的に、飽和モードで、増幅器を操作する場合、線形モードで達成できる最大ゲインレベルに対して、少なくとも3dB減少する。その結果、増幅光信号の振幅の変動は、線形モードで操作している増幅器に現れるだろう変動に対して、低くなる。また、増幅器を飽和モードで操作する場合、プリアンプ信号の振幅の変動に応じた増幅光信号の振幅の変動を、低減し、及び、除去、又は、実質的に除去できる。例えば、28%以上のプリアンプ信号の振幅の増加が、増幅光信号の振幅の14%未満の増加をもたらし、又は、22%以上のプリアンプ信号の振幅の増加が、増幅光信号の振幅の12%未満の増加をもたらし、又は、27%以上のプリアンプ信号の振幅の増加が、増幅光信号の振幅の11%未満の増加をもたらす飽和モードの位置で、増幅器を、操作できる。
【0115】
増幅光信号の振幅は、プリアンプ信号の振幅の変化に応じて、実質的に変化しない一方、増幅光信号の周波数は、プリアンプ信号の周波数の変化に応じて、変化する。その結果、電子回路部は、増幅光信号の振幅を実質的に変化させることなく、増幅光信号の周波数を調整できる。増幅器は、システム出力信号になる光、及び/又は、LIDAR出力信号になる光を受信するので、電子回路部は、光源を操作し、システム出力信号、及び/又は、LIDAR出力信号の振幅を実質的に変化させることなく、システム出力信号、及び/又は、LIDAR出力信号の周波数を調整できる。
【0116】
図1Aから
図1D、及び、
図1FのLIDARシステムでは、増幅光信号は、出射LIDAR信号として機能する。出射LIDAR信号からの光は、基準信号、システム出力信号、及び、比較信号に含まれる。電子回路部は、出射LIDAR信号の振幅を実質的に変化させることなく、出射LIDAR信号の周波数を調整できるので、電子回路部は、基準信号の振幅を実質的に変化させることなく、基準信号の周波数を調整することができ、電子回路部は、システム出力信号の振幅を実質的に変化させることなく、システム出力信号の周波数を調整でき、及び、電子回路部は、比較信号の振幅を実質的に変化させることなく、比較信号の周波数を調整できる。複合信号は、基準信号、及び、比較信号からの寄与を含むので、
図5Cに示されるようなLIDAR出力信号の周波数の変化は、合成信号の振幅に対して、実質的に、変化しない。複合信号の振幅は、システム出力信号の周波数の変化に応じて、実質的に、変化しないので、変換成分からの偽周波数の出力が、低減、又は、除去される。その結果、飽和状態の増幅器を操作することで、LIDARデータの信頼性を改善できる。
【0117】
図1EのLIDARシステムでは、増幅光信号は、システム出力信号として機能できる。その結果、電子回路部は、システム出力信号の振幅を、実質的に、変化させることなく、システム出力信号の周波数を調整できる。システム出力信号からの光は、比較信号に含まれる。電子回路部は、システム出力信号の振幅を、実質的に、変化させることなく、システム出力信号の周波数を調整できるので、電子回路部は、比較信号の振幅を、実質的に、変化させることなく、比較信号の周波数を調整できる。一方、システム出力信号からの光は、基準信号に含まれない。例えば、参照信号の光は、増幅器を通過しない。その結果、基準信号は、システム出力信号の周波数の調整に起因する振幅の変化を含むことができる。したがって、
図1EのLIDARシステムで生成される複合信号は、システム出力信号の周波数の調整に起因する振幅の何らかの変化を示すかもしれない。
【0118】
光増幅器では、増幅光信号パワーは、増幅器を通る電流、及び、増幅器へのプリアンプ信号パワーの両方の関数にできる。例えば、増幅器を通る電流を増加することにより、増幅光信号パワーを増加でき、及び、プリアンプ信号パワーを増加することにより、増幅光信号パワーを増加できる。したがって、飽和モードでの増幅器の操作によって、結果的に、増幅器を通過する電流、及び、プリアンプ信号パワーを選択し、所望の飽和レベルを達成できる。
【0119】
増幅器を飽和モードで操作するとき、増幅器を通るプリアンプ信号の振幅の変動の経過は、低減され、除去され、又は、実質的に除去される。その結果、増幅器は、増幅器によって見られる第1振幅に、増幅光信号の振幅を、効果的に、固定する。増幅光信号を動作振幅で出力するように、増幅器を、任意で、設定できる.例えば、電子回路部は、増幅器を通る動作電流レベルを通過させることができる。そして、動作振幅を有する光信号は、増幅器を通過できる。次に、増幅器を、動作電流で、操作できる。出射LIDAR信号、又は、システム出力信号が、(
図5Cでラベル付けられている)周波数f0を有するとき、好適な動作振幅の例は、出射LIDAR信号、又は、システム出力信号の振幅にできる。
【0120】
LIDARチップのための適切なプラットフォームは、これに限定されないが、シリカ、リン化インジウム、及び、シリコン・オン・インシュレータウェハを含む。
図6は、シリコン・オン・インシュレータウェハから構成されるチップの一部の断面である。SOI (Silicon-On-Insulator) ウエハは、基板312と光透過媒体314との間に埋め込み層310を有している。シリコン・オン・インシュレータウェハにおいて、埋め込み層310は、シリカである一方、基板312、及び、光透過媒体314は、シリコンである。SOIウエハのような光学的プラットフォームの基板31ウエハLIDARチップ全体のベースとして機能できる。例えば、
図1Aから
図1CのLIDARチップに示される光学的コンポーネントを、基板312の上面、及び/又は、側面接して、又は、その上に配置できる。
【0121】
図7は、シリコン・オン・インシュレータウェハから構成されるLIDARチップでの使用に好適な導波管構造を含むLIDARチップの一部分の断面図である。光伝送媒体のリッジ316は、光伝送媒体のスラブ領域318から離れて延びている。光信号を、リッジ316の頂点と埋め込み酸化物層310との間に拘束する。
【0122】
図7に、リッジ導波路の寸法をラベル付けする。例えば、リッジは、wでラベル付けられる幅、及び、hでラベル付けられる高さを有している。スラブ領域の厚さを、Tでラベル付ける。LIDARアプリケーションでは、これらの寸法は、他のアプリケーションで用いられるよりも、より高いレベルの光パワーを使用する必要があるため、他の寸法よりも、より重要であり得る。(wでラベル付けられる)リッジ幅は、1μmよりも大きく、4μmよりも小さく、(hでラベル付けられる)リッジ高さは、1μmよりも大きく、4μmよりも小さく、スラブ領域厚さは、0.5μmより大きく、3μmよりも小さい。これらの寸法は、導波路の直線の、又は、実質的に直線の部分、導波路の湾曲部分、及び、導波路のテーパ部分に適用できる。したがって、導波管のこれらの部分は、シングルモードとなるだろう。しかしながら、場合によっては、これらの寸法は、導波路の直線の、又は、実質的に直線の部分に適用する。加えて、又は、代替的に、導波路の湾曲部分は、導波路の湾曲部分における光損失を低減するために、薄くされたスラブ厚さを有することができる。例えば、導波管の湾曲部分は、0.0μm以上、0.5μmより小さい厚さのスラブ領域から離れて延びるリッジを有することができる。上記の寸法は、一般的に、シングルモード構造を有する導波路の直線なお、又は、実質的に直線の部分を提供する一方、それらは、マルチモードであるテーパ部分、及び/又は、湾曲部分という結果をもたらすことができる。実質的に高次モードを励起しないテーパを用いて、マルチモードの幾何学的形状の間でのシングルモードの幾何学的形状への結合を、行うことができる。したがって、導波路で搬送される信号が、マルチモード寸法を有する導波路部分で搬送される場合であっても、シングルモードで搬送されるように、導波路を構成できる。
図6に関連して開示される導波路構造は、
図1Aから
図1Dにしたがって構築されるLIDARチップの導波路の全部、又は、一部に適している。
【0123】
1つ以上の増幅器8を、LIDARチップのプラットフォームに、統合できる。例えば、1つ以上の増幅器8を、シリコン・オン・インシュレータウェハに構築されるLIDARチップに、統合できる。シリコン・オン・インシュレータウェハに集積できる増幅器構造の例を、全体に組み込まれる、米国特許出願番号第13/317,340号、出願日2011年10月14日、発明の名称「光学装置にレーザ、及び、増幅器機能を提供するゲイン媒体」に、見つけることができる。
【0124】
いくつかの例では、1つ以上の増幅器8は、LIDARチップとは別であり、及び、LIDARチップに取り付けられるチップに含められる。1つ以上の増幅器を含むチップをLIDARチップに取り付ける好適な方法は、これに限定されないが、フリップ・チップ・ボンディングを含む。
【0125】
図8Aは、LIDARチップを増幅チップに光学的に結合するためのインターフェイスを有するLIDARチップの一部の斜視図である。LIDARチップの図示される部分は、補助装置を受け入れるようにサイズ決めされる停止凹部330を有している。停止凹部330は、光伝送媒体314を通って、及び、LIDARチップのベースの中に延在する。図示されるバージョンでは、停止凹部330は、光透過媒体314、埋め込み層310、及び、基板312を通って延在する。
【0126】
ユーティリティ導波路12の第2ファセット53は、停止凹部330の側面として機能する。図示しないが、ユーティリティ導波路12の第2ファセット53は、反射防止コーティングを有することができる。好適な反射防止コーティングは、これに限定されないが、窒化ケイ素、又は、酸化アルミニウムのような単層コーティング、又は、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、及び/又は、シリカを有してもよい多層コーティングを含む。
【0127】
1つ以上の停止部332は、停止凹部330の底部から上方に延在している。例えば、
図8Aは、停止凹部330の底部から上方に延在する4つの停止部332を示している。停止部332は、基部336に配置される外装部334を有している。基板312は、停止部332の基部336として機能することができ、及び、停止部332は、埋め込み層310を排除できる。停止部332に含まれる基板312の一部は、停止凹部330の底部から埋め込み層310のレベルまで延在できる。例えば、埋め込み層310を通って、また、下にある基板312をエッチストップとして用いることによって、停止部332を、形成できる。その結果、埋め込み層310が第2導波路の底部を画定し、及び、基部336の頂部が埋め込み層310の直下に配置されることから、ユーティリティ導波路12における光信号の光学的モードに対する基部336の頂部の位置は、よく知られている。外装部334を、停止部332の基部336の上に形成し、ユーティリティ導波路12と増幅器チップの増幅導波路との間の所望の位置合わせを提供する高さを有する停止部332を提供できる。
【0128】
停止凹部330の底部に、付属パッド338を、配置する。いったん、増幅器チップをLIDARチップに配置すると、付属パッド338を用いて、増幅器チップをLIDARチップに対して固定できる。いくつかの例では、付属パッド338は、また、LIDARチップと増幅器チップの1つ以上の増幅器との間の電気通信を提供する。好適な付属パッド338は、限定されないが、はんだパッドを含む。
【0129】
図8Bは、増幅チップの一実施形態の斜視図である。図示される増幅チップは、平面光学デバイスとして知られるデバイスのクラスに属する。増幅チップは、ゲイン媒体340に画定される増幅導波路10を有している。好適なゲイン媒体は、限定されないが、リン化インジウム(InP)、InGaAsP、及び、ヒ化ガリウム(GaAs)を含む。
【0130】
ゲイン媒体340に延在するトレンチ374は、ゲイン媒体340におけるリッジ376を画定する。リッジ376は、増幅導波路10を画定する。いくつかの例では、ゲイン媒体340は、リッジに、及び/又は、リッジ376を横切って延在する1つ以上の層3341を有している。ゲイン媒体340の異なる領域の間に、1つ以上の層341を、配置できる。1つ以上の層341の上方のゲイン媒体340の領域は、1つ以上の層341の下方のゲイン媒体340の領域と同一に、又は、別にできる。層を選択し、増幅導波路10を通って、リッジ376に対して特定の位置に導かれるように、光信号を拘束できる。各層341は、インジウム(In)、リン(P)、ゲルマニウム(Ga)、及び、ヒ素(As)からなる群から選択される1つ以上の成分を含むか、又は、それらからなる材料の異なる組成を有することができる。一例では、ゲイン媒体340は、InPであり、及び、1つ以上の層341は、それぞれ、異なる比率で、ゲルマニウム(Ga)、及び、ヒ素(As)を含む。
【0131】
増幅導波路10は、第1ファセット378と第2ファセット380との間に光学的経路を提供する。図示しないが、第1ファセット378、及び/又は、3第2ファセット380は、任意で、反射防止コーティングを有することができる。好適な反射防止コーティングは、限定されないが、窒化ケイ素、又は、酸化アルミニウムなどの単層コーティング、若しくは、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、及び/又は、シリカを有してもよい多層コーティングを含む。
【0132】
増幅チップは、LIDARチップに対する増幅チップの固定に使用できる1つ以上の取り付けパッド354を有している。適切な取り付けパッド354は、これに限定されないが、はんだパッドを含む。
【0133】
増幅チップは、また、1つ以上の直列配置凹部356を有している。
図8Bの破線は、直列配置凹部356の1つの深さ、及び、形状を示す。
【0134】
図8C、及び、
図8Dは、
図8Bの増幅チップとインターフェイス接続する
図8AのLIDARチップを有するLIDARシステムを示す。
図8Cは、LIDARシステムの平面図である。
図8Dは、LIDARチップのユーティリティ導波路12、及び、増幅器チップの増幅導波路10を通る断面の側面図である。例えば、
図8Dの断面を、
図8CのBでラベル付けられる、ブラケットを通って延在する長線で、取ることができる。
図8C、及び、
図8Dは、それぞれ、システムの他の特徴物の背後に位置する特徴物を示す破線を有している。例えば、
図8Cは、リッジ376がゲイン媒体340の下に位置しているが、増幅導波路10のリッジ376を示す破線を有している。また、
図8Dは、増幅導波路10のリッジ376の後方に位置する停止部332の一部の位置、及び、位置合わせ凹部356を示す破線を有している。
図8Dは、また、ユーティリティ導波路12のリッジ316が、ユーティリティ導波路12を画定するスラブ領域318とインタフェース接続する位置を示す破線を有している。加えて、破線は、増幅導波路10のリッジ376が、増幅チップのスラブ領域374とインタフェース接続する位置を示す。
【0135】
増幅チップは、LIDARチップの停止凹部330に配置される。増幅器チップは、増幅導波路10のリッジ376が、増幅チップの底部とLIDARチップの基板との間に位置するように配置される。したがって、増幅チップは、停止凹部330で反転される。はんだ、又は、他の接着部材358は、停止凹部330の底部の取り付けパッド338、及び、増幅チップの取り付けパッド354に接する。例えば、はんだ、又は、他の接着部材358は、停止凹部330の底部の取り付けパッド338から、補助デバイスの取り付けパッド354まで延在する。したがって、はんだ、又は、他の接着部材358は、LIDARチップに対して補助デバイスを固定する。
【0136】
ユーティリティ導波路12の第2ファセット53は、ユーティリティ導波路12、及び、増幅導波路10が光信号を交換できるように、増幅導波路10の第1ファセット378と位置合わせされる。Aでラベル付けられる線によって示されるように、システムは、LIDARチップと増幅チップとの間を進む光信号が、ベース21の上面、及び/又は、仮面に対して、平行、又は、実質的に平行である方向に、水平な遷移経路を提供する。増幅導波路10の第1ファセット378の頂部は、ユーティリティ導波路の第2ファセット53の頂部より下のレベルにある。
【0137】
LIDARチップの1つ以上の停止部332は、それぞれ、補助デバイスの直列配置凹部356に受け入れられる。各停止部332の頂部は、直列配置凹部356の底部に接触する。その結果、停止部332と直接配置凹部356の底部との間の相互作用によって、LIDARチップに向かう増幅チップのさらなる移動が防止される。場合によっては、補助デバイスは、停止部332の頂部で支えられる。
【0138】
図8Dから明らかなように、増幅導波路10の第1ファセット378は、LIDARチップのユーティリティ導波路12の第2ファセット53と垂直方向に整列配置される。8Cから明らかなように、増幅導波路10の第1ファセット378は、LIDARチップのユーティリティ導波路12の第2ファセット53と水平方向に整列配置される。水平方向の整列配置を、増幅チップ、及び、LIDARチップのマーク、及び/又は、特徴の位置合わせによって、達成できる。
【0139】
垂直方向の整列配置を、LIDARチップの停止部332の高さを制御することによって、達成できる。例えば、停止部332の基部336のクラッド334を、LIDARチップのユーティリティ導波路12の第2ファセット53に対して、増幅導波路10の第1ファセット378を特定の高さに配置する高さまで成長させることができる。1つ以上のクラッド層を堆積する、蒸着、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)、及び/又は、スパッタのような堆積技術を用いて、所望のクラッド334の厚さを、正確に達成できる。その結果、停止部332の基部336に、1つ以上のクラッド層を、堆積し、所望の垂直方向の整列配置を提供する高さに、停止部332を、形成できる。クラッド334の層の好適な材料は、限定されないが、シリカ、窒化ケイ素、及び、ポリマーを含む。
【0140】
図1Dでは、第1ファセット378は、Dでラベル付けられる距離だけ、第2ファセット53から離れて配置されている。増幅器導波路は、1つの導波路とのみ、光学的に一直線に配置されるので、第1ファセット378を、以前の構成で可能であったよりも、第2ファセット53に、より近くにできる。例えば、第1ファセット378と第2ファセット53との間の距離を、5μm、3μm、又は、1μmより小さく、及び/又は、0.0μmよりも大きくできる。
図1Dでは、LIDARチップが配置される環境が、第1ファセット378と第2ファセット53との間のギャップに配置されている。しかし、他のギャップ材料を、ギャップに、配置できる。例えば、ギャップに、固体ギャップ材料を、配置できる。適切なギャップ材料の例は、限定されないが、エポキシ、及び、ポリマーを含む。
【0141】
図8Bから
図8Dの増幅チップを修正し、増幅導波路10に入るときに光信号が進む方向と増幅導波路10を出るときに光信号が進む方向との間の角度が、180°より小さくし、
図1Aから
図1C、及び、
図4のLIDARシステムでの使用に好適な増幅チップを提供できる。例えば、
図9は、光信号が増幅導波路10に入るときに進む方向が、光信号が増幅導波路10を出るときに進む方向と、平行、又は、実質的に平行であるように修正される
図8Bから
図8Dの増幅器チップの斜視図である。その結果、出射LIDAR信号が増幅導波路に入るときに進む方向と、出射LIDAR信号が増幅導波路を出るときに進む方向との間の角度は、0°である。増幅チップは、上面と底面との間に複数の側面を有している。光信号は、光信号が増幅導波路10から出る同じ側面と同じ側面を通って、増幅導波路10に入る。
【0142】
LIDARチップにおいて導波路と接続される光センサを、チップから分離し、その後にチップに取り付けられるコンポーネントにできる。例えば、光センサは、フォトダイオード、又は、アバランチフォトダイオードにできる。好適な光センサコンポーネントの例は、限定されないが、日本の浜松市に位置する浜松により製造されるInGaAs PIN フォトダイオード、又は、日本の浜松市に位置する浜松により製造されるInGaAs APD(アバランチフォトダイオード)を含む。これらの光センサを、LIDARチップに、中心に配置できる。あるいは、光センサで終端する導波路の全部、又は、一部は、チップの端部に配置されるファセットで終端でき、光センサがファセットを通過する光を受光するように、光センサを、ファセットを超えて、チップの端部に取り付けできる。チップから分離するコンポーネントである光センサの使用は、第1補助光センサ218、第2補助光センサ220、第1光センサ223、及び、第2光センサ224からなるグループから選択される光センサの全部、又は、一部に適している。
【0143】
分離コンポーネントである光センサの代わりとして、光センサの全部、又は、一部を、チップに統合できる。例えば、シリコン・オン・インシュレータウェハから構成されるチップのリッジ導波路と接続する光センサの例を、その全体が本明細書に組み込まれる、光学エクスプレスVol.15、No.21、13965-13971(2007);米国特許番号第8,093,080号、発行日2012年1月10日;米国特許番号第8,242,432号、発行日2012年8月14日;及び、米国特許番号第6,108,472号、発行日2000年8月22日に見つけることができる。チップに統合された光センサの使用は、補助光センサ218、第2補助光センサ220、第1光センサ223、及び、第2光センサ224からなるグループから選択される光センサの全部、又は、一部に適している。
【0144】
ユーティリティ導波路12に接続する光源4は、LIDARチップから分離し、そして、LIDARチップに取り付けられるレーザチップにできる。例えば、光源4は、フリップ-チップ配置を用いてチップに取り付けられるレーザチップにできる。フリップ-チップ配置の使用は、光源4が、シリコン・オン・インシュレータウェハから構成されるチップのリッジ導波路と接続される場合に、好適である。あるいは、ユーティリティ導波路12は、外部の共振器レーザのための反射器として作用するブラッグ格子のような光学格子(図示せず)を有することができる。これらの例では、光源4は、LIDARチップから分離し、そして、フリップ-チップ配置でLIDARチップに取り付けられる利得要素を有することができる。シリコン・オン・インシュレータウェハからシリコン・オン・インシュレータウェハ得要素とリッジ導波路との間の好適なインタフェースの例を、その全体が本明細書に組み込まれる、米国特許番号第9,700,278号、発行日2017年7月11日、及び、米国特許番号第5,991,484号、発行日1999年11月23日に見つけることができる。光源4が利得要素、又は、レーザチップである場合、電子回路部32は、利得要素、又は、レーザキャビティを通して印加される電流のレベルを変化させることによって、出射LIDAR信号の周波数を変更できる。
【0145】
好適な電子回路部32は、これらに限定されないが、アナログ電気回路、デジタル電気回路、プロセッサ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンピュータ、マイクロコンピュータ、又は、上記の操作、監視、及び、制御機能を実行するために好適な組み合わせを有し、又は、構成する制御部を有することができる。いくつかの例では、制御部は、操作、制御、及び、監視機能の実行中に、制御部によって実行される命令を有するメモリへアクセスする。電子回路部を、単一の位置に単一のコンポーネントとして図示しているが、電子回路部は、互いに独立し、及び/又は、異なる場所に配置される複数の異なるコンポーネントを有することができる。加えて、上述のように、開示される電子回路部の全部、又は、一部を、チップの統合される電子回路部を有するチップに含めることができる。
【0146】
上述のLIDARシステムは、LIDARチップ、LIDARアダプタ、光源、光センサ、導波路、及び、増幅器のような複数の光学コンポーネントを有している。いくつかの例では、LIDARシステムは、図示される光学コンポーネントに加えて、又は、図示される光学コンポーネントの代替として、1つ以上の受動的な光学コンポーネントを有する。受動的な光学コンポーネントは、可動部分を除くソリッドステートのコンポーネントにできる。好適な受動光学コンポーネントは、これらに限定されないが、レンズ、ミラー、光学格子、反射面、スプリッタ、分波器、マルチプレクサ、偏光子、偏光スプリッタ、及び、偏光回転子を含む。いくつかの例では、LIDARシステムは、図示される光学コンポーネントに加えて、又は、図示される光学コンポーネントの代替として、1つ以上の能動的な光学コンポーネントを有する。好適な能動的なコンポーネントは、これらに限定されないが、光スイッチ、位相チューナ、減衰器、操舵可能ミラー、操舵可能なレンズ、チューナブルデマルチプレクサ、チューナブルマルチプレクサを含む。
【0147】
本発明の他の実施形態、組み合わせ、及び、修正は、当業者にとって、これらの教示の観点で、容易に行われるであろう。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲のみによって限定されるものであり、それは、上記の明細書、及び、添付図面と併せて見たときに、そのような実施形態、及び、修正の全てを含む。
【国際調査報告】