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特表2023-530222褥瘡の形成を予測する特徴を有する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-14
(54)【発明の名称】褥瘡の形成を予測する特徴を有する装置
(51)【国際特許分類】
   A61G 5/12 20060101AFI20230707BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20230707BHJP
   A47C 7/02 20060101ALI20230707BHJP
   A47C 27/00 20060101ALI20230707BHJP
   A61B 5/01 20060101ALI20230707BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20230707BHJP
【FI】
A61G5/12 701
A47C7/62 Z
A47C7/02
A47C27/00
A61B5/01 100
A61B5/00 102E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572794
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 US2021037618
(87)【国際公開番号】W WO2021262503
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】16/908,268
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519092129
【氏名又は名称】トヨタ モーター ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー エスピリトゥ
【テーマコード(参考)】
3B084
3B096
4C117
【Fターム(参考)】
3B084JA05
3B084JA08
3B084JC00
3B096AB08
4C117XB04
4C117XC03
4C117XE23
4C117XE43
4C117XE57
4C117XJ13
(57)【要約】
褥瘡形成を予測するための特徴を含む装置が開示される。車椅子装置は、対象者が車椅子装置に着座しているときに対象者と接触する表面を有するシートを有する。該表面は、1つ以上の材料を含む熱変色性層を有し、該材料は、対象者から放射された、基準体温に相当する熱エネルギの適用時に熱変色性層を第1の色に変化させ、対象者から放射された、基準体温との差が閾値を超える温度に相当する熱エネルギの適用時に、第1の色とは異なる第2の色に熱変色性層を変化させる。第2の色は、潜在的な褥瘡を表す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車椅子装置であって、
対象者が前記車椅子装置に着座しているときに前記対象者に接触する表面を有するシートを有し、
前記シートは、1つ以上の材料を含む熱変色性層を有し、
前記材料は、
前記対象者から放射された、基準体温に相当する熱エネルギの適用時に第1の色に変化し、
前記対象者から放射された、前記基準体温との差が閾値を超える温度に相当する熱エネルギの適用時に、前記第1の色とは異なる、潜在的な褥瘡を表す第2の色に変化する、
車椅子装置。
【請求項2】
前記熱変色性層の1つ以上の画像をキャプチャするように構成された1つ以上の撮像装置をさらに有する、請求項1に記載の車椅子装置。
【請求項3】
前記1つ以上の撮像装置に通信可能に接続されたプロセッサと、
プログラミング命令を含む非一時的なプロセッサ可読メモリモジュールと、をさらに有し、
前記プログラミング命令の実行により、前記プロセッサが、
前記熱変色性層の基準画像をキャプチャするように前記1つ以上の撮像装置に指示し、
前記基準画像を記憶し、
前記対象者が前記車椅子装置に着座していない旨の指示を受信し、
前記熱変色性層のさらなる画像をキャプチャするように前記1つ以上の撮像装置に指示し、
前記基準画像と前記さらなる画像とを比較して、温度上昇の指示の存否を判定する、請求項2に記載の車椅子装置。
【請求項4】
実行されたときに前記プロセッサに温度上昇の指示の存否を判定させる前記プログラミング命令により、前記プロセッサはさらに、
前記熱変色性層の前記第1の色を判定し、
前記熱変色性層上に前記第2の色が存在するか否かを判定し、
前記熱変色性層の1つ以上の位置を決定し、
1つ以上の関心領域が検出されたことを示し、かつ前記1つ以上の位置に関する情報を含むメッセージを送信する、請求項3に記載の車椅子装置。
【請求項5】
前記シートは、シート本体と、前記シート本体の上又は内部に配置された前記熱変色性層とを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の車椅子装置。
【請求項6】
前記シートは、前記熱変色性層の上に配置された保護層をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の車椅子装置。
【請求項7】
背もたれ及びアームレストの少なくとも1つをさらに有し、前記背もたれ及びアームレストの少なくとも1つは第2の熱変色性層を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の車椅子装置。
【請求項8】
前記熱変色性層は、前記第1の色及び前記第2の色を生成する液晶及びロイコ染料の少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の車椅子装置。
【請求項9】
前記シートの前記表面は複数の温度センサをさらに有し、前記複数の温度センサは、各々の温度センサが前記シートの前記表面の特定の部位を検出するように格子状に配置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の車椅子装置。
【請求項10】
人間支持装置であって、
本体と、
対象者が前記人間支持装置に支持されているときに前記対象者に接触する前記本体の部分の上に配置された熱変色性層と、を有し、
前記熱変色性層が1つ以上の材料を含むことにより、前記熱変色性層は、
前記対象者から放射された、基準体温に相当する熱エネルギの適用時に第1の色に変化し、
前記対象者から放射された、前記基準体温との差が閾値を超える温度に相当する熱エネルギの適用時に、前記第1の色とは異なる、潜在的な褥瘡を表す第2の色に変化する、
人間支持装置。
【請求項11】
前記熱変色性層の1つ以上の画像をキャプチャするように構成された1つ以上の撮像装置をさらに有する、請求項10に記載の人間支持装置。
【請求項12】
前記1つ以上の撮像装置に通信可能に接続されたプロセッサと、
プログラミング命令を含む非一時的なプロセッサ可読メモリモジュールと、をさらに有し、
前記プログラミング命令の実行により、前記プロセッサが、
前記熱変色性層の基準画像をキャプチャするように前記1つ以上の撮像装置に指示し、
前記基準画像を記憶し、
前記対象者が前記人間支持装置に支持されていない旨の指示を受信し、
前記熱変色性層のさらなる画像をキャプチャするように前記1つ以上の撮像装置に指示し、
前記基準画像と前記さらなる画像とを比較して、温度上昇の指示の存否を判定する、請求項11に記載の人間支持装置。
【請求項13】
実行されたときに前記プロセッサに温度上昇の指示の存否を判定させる前記プログラミング命令により、前記プロセッサはさらに、
前記熱変色性層の前記第1の色を判定し、
前記熱変色性層上に前記第2の色が存在するか否かを判定し、
前記熱変色性層の1つ以上の位置を決定し、
1つ以上の関心領域が検出されたことを示し、かつ前記1つ以上の位置に関する情報を含むメッセージを送信する、請求項12に記載の人間支持装置。
【請求項14】
前記熱変色性層の上に配置された保護層をさらに含む、請求項10~13のいずれか1項に記載の人間支持装置。
【請求項15】
前記熱変色性層は、前記第1の色及び前記第2の色を生成する液晶及びロイコ染料の少なくとも1つを含む、請求項10~13のいずれか1項に記載の人間支持装置。
【請求項16】
前記本体の上に配置された複数の温度センサをさらに有し、前記複数の温度センサは、各々の温度センサが前記本体の特定の部位を検出するように格子状に配置されている、請求項10~13のいずれか1項に記載の人間支持装置。
【請求項17】
車椅子装置であって、
対象者が前記車椅子装置に着座しているときに前記対象者に接触する表面を有するシートと、
前記シートの前記表面上に配置され、各々が前記シートの前記表面の特定の部位を検出するように格子状に配置された複数の温度センサと、
プロセッサ、及びプログラミング命令を含む非一時的なプロセッサ可読メモリモジュールを含む車椅子制御システムと、を有し、
前記プログラミング命令の実行により、前記プロセッサが、
前記複数の温度センサの少なくとも1つから、前記対象者が前記車椅子装置に着座しているときに検出された第1の温度を示す基準温度データを受信し、
前記複数の温度センサの少なくとも1つから、次の温度データを受信し、
前記次の温度データが、前記基準温度データとの差が閾値を超える温度を示しているか否かを判定し、
前記次の温度データが閾値を超える温度を示しているときは、前記複数の温度センサのうちの前記少なくとも1つの位置を決定し、超えられた閾値及び該位置に関する通知を送信する、
車椅子装置。
【請求項18】
前記プロセッサに通信可能に接続されたディスプレイをさらに有し、前記ディスプレイは、前記超えられた閾値及び前記位置に関する前記通知を提供する、請求項17に記載の車椅子装置。
【請求項19】
前記複数の温度センサの上に配置された保護層をさらに含む、請求項17に記載の車椅子装置。
【請求項20】
前記複数の温度センサの各々は、非接触式センサ又は接触式センサである、請求項17に記載の車椅子装置。
【請求項21】
前記複数の温度センサの各々は、赤外線センサ、熱電対又はサーミスタの少なくとも1つである、請求項17に記載の車椅子装置。
【請求項22】
背もたれ及びアームレストの少なくとも1つをさらに有し、前記背もたれ及びアームレストの少なくとも1つは第2の複数の温度センサを含む、請求項17に記載の車椅子装置。
【請求項23】
前記シート内に設けられた圧力センサをさらに有し、前記車椅子制御システムはさらに、前記圧力センサから受信した信号の変化に応じて、前記対象者が前記車椅子装置に着座していると判定するように構成されている、請求項17に記載の車椅子装置。
【請求項24】
前記車椅子制御システムはさらに、前記圧力センサからの信号が変化する前に前記複数の温度センサの少なくとも1つから受信した温度データは、前記基準温度データであると判定するように構成される、請求項23に記載の車椅子装置。
【請求項25】
前記車椅子制御システムはさらに、前記複数の温度センサの少なくとも1つから受信した温度データは、前記温度データに基づく周囲温度からの温度上昇の検出の前に受信したものであるときは、前記基準温度データであると判定するように構成される、請求項17に記載の車椅子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月22日付けで出願された「Apparatus Including Features For Predicting Pressure Wound Formation」なる名称の米国特許出願第16/908,268号の優先権の利益を主張するものであり、その内容の全ては、本参照を以って本明細書に包含されるものとする。
【0002】
本開示は、広くは車椅子装置に関し、特には、皮膚の温度に基づいて対象者の潜在的な褥瘡を含む領域をユーザが決定することを支援する特徴を有する車椅子装置に関する。
【背景技術】
【0003】
人をある場所から別の場所に搬送するために使用される電動車椅子装置が周知である。搬送は、電動車椅子装置の主たる操作であり得る。一部の対象者にとっては、電動車椅子装置は日常生活に不可欠な部分であり、対象者は長時間、電動車椅子に座る場合がある。その結果、電動車椅子に長時間座っていると、使用者が定期的に体位を変えないと褥瘡が生じる可能性がある。しかしながら、既存の車椅子装置では、対象者が着座している間は対象者を継続的に監視することができず、褥瘡が生じ得る対象者の潜在的な領域を目視で確認することもできない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、車椅子装置は、対象者が車椅子装置に座っているときに該対象者に接触する表面を備えたシートを含む。表面は1つ以上の材料を有する熱変色性層を含み、該材料は、対象者から放射された、基準(ベースライン)体温に相当する熱エネルギの適用時に熱変色性層を第1の色に変化させ、対象者から放射された、基準体温との差が閾値を超える温度に相当する熱エネルギの適用時に、熱変色性層を第1の色とは異なる第2の色に変化させる。第2の色は、潜在的な褥瘡を表す。
【0005】
他の態様では、人間支持装置は、本体と、対象者が人間支持装置に支持されているときに対象者と接触する本体の部分に配置された熱変色性層とを含む。熱変色性層は1つ以上の材料を有し、該材料は、対象者から放射された、基準体温に相当する熱エネルギの適用時に熱変色性層を第1の色に変化させ、対象者から放射された、基準体温と差が閾値を超える温度に相当する熱エネルギの適用時に、熱変色性層を第1の色とは異なる第2の色に変化させる。第2の色は、潜在的な褥瘡を表す。
【0006】
さらなる他の態様では、車椅子装置は、対象者が車椅子装置に座っているときに対象者と接触する表面を有するシートと、シートの表面に配置された複数の温度センサと、車椅子制御システムとを含む。複数の温度センサは、複数の温度センサの各々がシートの表面の特定の部分を検出するように格子状に配置される。車椅子制御システムは、プロセッサと、プログラミング命令を含む非一時的なプロセッサ可読メモリモジュールとを含み、該プログラミング命令の実行により、プロセッサが、複数の温度センサのうちの少なくとも1つから、対象者が車椅子装置に座っているときに検出された第1の温度を示す基準温度データを受信し、複数の温度センサのうちの少なくとも1つから次の温度データを受信し、該次の温度データが、基準体温データとの差が閾値を超える温度を示しているか否かを判定し、該次の温度データが閾値を超える温度を示しているときは、複数の温度センサのうちの該少なくとも1つの位置を決定し、超えられた閾値及び該位置に関する通知を送信する。
【0007】
本明細書に記載された実施形態によって提供されるこれらの及び追加の目的及び利点は、図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することにより、さらに十分に理解されよう。
【0008】
図面に記載されている実施形態は、本来的に例示及び例証を目的としたものであり、特許請求の範囲に規定されている主題の限定を意図したものではない。例示的実施形態に関する以下の詳細な説明については、添付図面との関連において参照された際に理解可能であり、同様の構造は同一の参照符号によって示されており、図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態に係る、1つ以上の褥瘡表示面を有する例示的な車椅子装置の斜視図を概略的に示す。
【0010】
図2】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態に係る、例示的な褥瘡表示面の側断面図を示す。
【0011】
図3】本明細書に図示及び記載されている1つ又は複数の実施形態に係る、例示的な他の褥瘡表示面の側断面図を示す。
【0012】
図4】本明細書に図示及び記載されている1つ又は複数の実施形態に係る、表面上の温度センサの格子状配置を示す。
【0013】
図5】本明細書に図示及び記載されている1つ又は複数の実施形態に係る、図1の車椅子装置とともに使用されるディスプレイを概略的に示す。
【0014】
図6】本明細書に図示及び記載されている1つ又は複数の実施形態に係る、図1の車椅子装置とともに使用される車椅子制御システムを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書に記載のシステム及び方法は、広くは、ユーザが褥瘡形成の可能性を判断することを支援し、褥瘡の問題にできるだけ早く対処する様々な特徴を有する車椅子装置に関する。ユーザを支援する本明細書に記載のシステム及び方法の特徴は、広くは、対象者の身体と車椅子の表面との間の特定の接触位置における体温上昇に関するインジケータを提供することによって機能する。この特徴は、熱変色性の着色層が埋め込まれた表面等の受動的なものでもよいし、複数の電子温度センサを有する表面等の能動的なものでもよい。様々な特徴は、車椅子装置の通常の使用を妨げないように車椅子装置の内部に組み込み可能である一方で、シートや肘掛け等の電動車椅子装置の座席構造の内部に組み込むことができる。
【0016】
「創傷(wound)」は、広くは対象者の組織の損傷を指し、対象者の皮膚の開口部や、挫傷、充血等の他の損傷特性を呈する無傷の皮膚を含み得る。創傷の一種である褥創は、圧迫傷、床擦れ、褥瘡性潰瘍とも称され、皮膚への長時間の圧力から生じる皮膚及びその下の組織の損傷である。褥瘡は、非限定的ではあるが、踵、足首、臀部、尾骨等、骨の多い身体部分を覆う皮膚に発生し得る。そのため、対象者は、尾骨、臀部、肩甲骨、背骨、腕及び脚の後部等、車椅子装置の一部に寄りかかっている部位の皮膚において褥瘡を発症する可能性がある。褥瘡のリスクがある対象者は、体位を変える能力を制限したり、殆どの時間をベッド又は椅子(車椅子等)で動かずに過ごすことを強いたりする病状を持つことがある。褥瘡は、数時間又は数日かけて発生する場合がある。褥創の1つの例示的な警告サインには、非限定的ではあるが、触れると他の領域よりも冷たく又は温かく感じる対象者の皮膚の領域が含まれる。従って、本明細書に図示され記載される車椅子装置は、局所的な温度変化を検出し、かつ/又は局所的な温度変化のインジケータを提供することができるので、個人に通知することができ、状態の悪化を回避し又は患部を治療するための措置を採ることができる。本明細書に記載の車椅子装置は、広くは、褥瘡を含むターゲット領域を対象とし得るが、手術痕、病変(例えば黒子)、創傷を取り囲む解剖学的特徴等の他の対象も、本開示の範囲から逸脱することなくイメージできることが理解されるべきである。さらに本開示は、「ターゲット物(target object)」に言及する。本明細書に記載の車椅子装置の様々な構成要素が創傷に向けられる場合、ターゲット物は創傷であり得ることが理解されるべきである。故に用語「ターゲット物」及び「創傷」は、本明細書では交換可能に使用され得る。また、「ターゲット領域」とは、ターゲット物を含む領域全体を指す。
【0017】
本明細書で使用される「長手方向」なる用語は、車椅子装置の前後方向(すなわち、図1に示す座標軸の+/-X方向)を指す。「横方向」なる用語は、横断方向(すなわち、図1に示す座標軸のY軸に沿う方向)を指し、長手方向を横切る方向である。「垂直方向」なる用語は、装置の上下方向(すなわち、図1に示す座標軸の+/-Z方向)を指す。本明細書で使用されるとき、「上部」又は「頂部」は、一般に、図面に示される座標軸の正のZ方向に向かうものと定義される。「下部」又は「底部」は、一般に、図面に示される座標軸の負のZ方向に向かうものと定義される。
【0018】
図1を参照すると、車椅子装置100は一般に、ベース要素110及び椅子要素130を有する。車椅子装置100は、(図1の実施形態で示すような)電動車椅子、手動車椅子、又はパワーアシスト車椅子であり得る。他の種類の車椅子装置も考えられ、本開示の範囲内に含まれる。さらに、本開示は特には車椅子装置100における検出に関するが、本開示はこれに限定されない。すなわち、ベッド、ストレッチャー、担架、椅子、ベンチ、シート等を非限定的に含む任意の他の人間支持装置に、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の構成要素を組み込むことができる。
【0019】
さらに図1を参照すると、ベース要素110は、後方支持部14及び前方支持部116を有する車椅子本体112を備える。ベース要素110は、複数の車輪118を含み得る。図1の実施形態では、車いす装置100は電動車椅子であり、複数の車輪118は、1つ以上の無動力の車輪120aと、1つ以上の駆動車輪120bとを含み得る。無動力の車輪120aには、無動力の車輪120aの使用時にエネルギを吸収するサスペンション122を設けてもよい。
【0020】
車椅子装置100の椅子要素130は一般に、シート132、背もたれ138、第1のアームレスト140及び第2のアームレスト150を有する。いくつかの実施形態では、第1のアームレスト140の近位端142が背もたれ138に隣接し、遠位端144が近位端142からある距離だけ離れるように、第1のアームレスト140が前方方向(例えば図1の座標軸の+X方向)にある長さだけ延在する。いくつかの実施形態では、第2のアームレスト150の近位端152が背もたれ138に隣接し、遠位端154が近位端152からある距離だけ離れるように、第2のアームレスト150が前方方向(例えば図1の座標軸の+X方向)にある長さだけ延在する。いくつかの実施形態では、アームレスト140、150の各々にアームレストクッション146、156を配置してもよく、アームレストクッション146、156はアームレスと140、150のそれぞれの高さを増加させて、アームレストに載った腕の高さを上げることができ、対象者の腕が載ったときに作用する圧力の少なくとも一部を吸収するクッションを提供することができ、さらに、本明細書でより詳細に説明するように、1つ以上の温度検出及び/又は温度表示機能をその上又は内部に有する。
【0021】
椅子要素130は一般に、背もたれ138に結合されたシート132を含む。シート132は上面133を含み得、少なくとも前縁134a、第1の側縁135a、第2の側縁135b及び後縁134bを有し得る。シート132は、その上面133が前縁134a、第1の側縁135a、第2の側縁135b及び後縁134bのそれぞれの間を延びる(例えば、図1の座標軸のX軸及びY軸に沿って延びる)略平面であり得る。いくつかの実施形態では、シート132は、成形、成型、輪郭形成等が可能な材料で構成され得る。例えば、シート132、特にその上面133は、対象者の臀部に合わせて輪郭形成可能である。他の例では、シート132の上面133は、パッド材で埋められてもよい。いくつかの実施形態では、シート132は、液体を吸収する材料(例えばウィッキング材料)、コーティングされた材料、又はシート132の表面に付着した液体が表面上に溜まるか、表面から滴り落ちるか、材料を通過するかのいずれかになるように液体を吸収しない材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、シート132は、取り外し可能かつ/又は使い捨て可能のクッション等を支持することができる。
【0022】
図2-4を参照すると、シート132は、温度変化の受動的かつ/又は能動的な表示を可能にする様々な特徴を有することができ、これは、シート132に座っている対象者が褥瘡を発症しつつあるか、又は有しているかを、その褥瘡を含むターゲット領域とともに判断する目的で使用することができる。図2に示す実施形態では、シート132は、受動温度検出システムを有し得る。図3-4に示す実施形態では、シート132は能動的温度検出システムを有し得る。図2の実施形態と図3-4の実施形態は別個のものとして示されているが(例えば、図2の実施形態は受動温度検出システムのみを含み、図3-4は能動的温度検出システムのみを含む)、本開示はそれに限定されない。すなわち、シート132は、いくつかの実施形態では、受動温度検出システム及び能動温度検出システムの双方を含み得る。
【0023】
ここで図2を参照すると、シート132の上面133は、例えば、いくつかの実施形態におけるシート132のシート本体206の上又は内部に熱変色性層204を有し、それによりシート132の上面133は、熱変色特性を有する。すなわち、シート132はシート本体206及び熱変色性層204を有し、熱変色性層204がシート132の上面133となる。いくつかの実施形態では、熱変色性層204の上に保護層202を配置してもよく、それによりシート132の上面133は保護層202となる。いくつかの実施形態では、熱変色性層204は、シート本体206及び保護層202の構成要素間に配置可能である。
【0024】
一般にシート本体206は、支持座面を提供する種々の構成要素を含む。すなわち、シート本体206は、パッド材、ばね又は他の付勢要素、発泡体、構造的支持要素等を非限定的に含み得る。ユーザが座る支持面を提供するシート本体206の種々の構成要素(本明細書に具体的に記載されていない構成要素を含む)は、広く理解されるべきであり、本明細書ではこれ以上説明しない。
【0025】
シート本体206上に配置された熱変色性層204は一般に、1つ以上の材料を含む層であり、該層はシート本体206を被覆して熱変色特性を呈する。すなわち、熱変色性層204は、周辺温度とは異なる温度を有する物体と接触すると、その接触点において変色する液晶及び/又はロイコ染料を含む。このように、対象者がシート132に座ると、対象者の体温によって、対象者と接触する各点において熱変色性層204の色が局所的に変化し、熱変色性層204はシート132との接触点において第1の色に変化する。以下に詳述するように、褥瘡のリスクがある対象者の領域は、対象者の体温とは異なる局所的な温度(例えば、体温の上昇又は低下)となることがあり、これにより熱変色性層204は、対象者の体がシート132と接触する点において第2の色に変化する。従って、対象者がシート132から離れると、熱変色性層204は、第2の色を呈する領域、すなわち褥創形成のリスクがあるユーザの体の領域について視覚的に検査可能である。対象者の体が衣類、ドレッシングガウン、病院の衣服、シーツ等で覆われている場合であっても、対象者から放射される体熱が衣服、ドレッシングガウン、病院の衣服、シーツ等を通過して熱変色性層204の色を変化させるので、上述のようなインジケータが可能であることを理解されたい。
【0026】
熱変色性層204は、対象者の体温に相当する第1の温度範囲において特定の色変化が生じ、第1の温度範囲より高い又は低い第2の温度範囲(例えば、第1の温度範囲より高く又は低く、第1の温度範囲との差が閾値を超えている特定の温度)において別の特定の色変化が生じるように、液晶及び/又はロイコ染料から特別に形成可能である。温度範囲は、本開示に限定されるものではなく、必要に応じて化学組成を変更することによって特別に設定することができる。いくつかの実施形態では、温度範囲はユーザによって選択されてもよい。いくつかの実施形態では、温度範囲は、医学界によって確立され認識された温度範囲に従って設定されてもよい。すなわち、ある温度範囲が典型的な人間の体温を示し、他の温度範囲が潜在的な褥瘡形成を示すことを医学ジャーナルやデータ等が示している場合、熱変色性層204はそれに応じて色が変わるように(例えば、第1の温度範囲で第1の色に、第2の温度範囲で第2の色に)特別に形成可能である。例えば、一部の液晶は、異なる温度で異なる色を表示できる。この変化は、材料が比較的低温の結晶相から異方性キラル相又はねじれネマチック相を経て比較的高温の等方性液相に変化する際の、材料の結晶構造による特定の波長の選択的反射に依存する。ネマチック中間相は、材料の有効温度範囲を制限する熱変色特性を有し得る。ねじれネマチック相は、規則的に変化する配向で層状に配向された分子を有することができ、これによりそれらに周期的な間隔が付与される。結晶を通過する光は、これらの層でブラッグ回折を受け、建設的干渉が最も大きい波長が反射され、スペクトル色として認識される。結晶温度が変化すると、層間の間隔が変化し、故に反射波長が変化する可能性がある。よって熱変色性液晶の色は、温度に応じて、無反射(黒)からスペクトル色を経て再び黒まで連続的に変化する。いくつかの実施形態では、比較的高温の状態では青紫色が反射され、比較的低温の状態では赤橙色が反射される。青色は赤色よりも波長が短いため、このことは液晶状態を経た加熱により層間隔が減少することを示す。熱変色性層204に使用できる熱変色性液晶の非限定的な例としては、コレステリルノナノエート(cholesteryl nonanoate)及びシアノビフェニル(cyanobiphenyl)が挙げられる。実施形態において、液晶は、懸濁液等の形態でマイクロカプセル化され得る。
【0027】
ロイコ染料が使用される実施形態では、ロイコ染料は、温度に応じた色の変化(通常、無色のロイコ形態と有色形態との間)を示すために、様々な他の化合物と混合され得る。染料は、混合物が封入されたマイクロカプセルの形態でシート本体206上に配置されてもよい。ロイコ染料の具体例には、シート本体206に塗布されるドデカノールに溶解したクリスタルバイオレットラクトン、弱酸及び解離性塩を有するマイクロカプセルが含まれるが、これに限定されない。溶媒が固体の場合は、染料はラクトンロイコ形態で存在する。溶媒が熱エネルギの付与により(例えば、対象者とシート132との接触の結果として)融解すると、塩が解離し、マイクロカプセル内のpHが低下し、染料がプロトン化され、そのラクトン環が開き、その吸収スペクトルがシフトし、色が変化する。ロイコ染料の具体例には、スピロラクトン、フルオラン、スピロピラン及びフルギドが含まれるが、これらに限定されない。酸の具体例には、ビスフェノールA、パラベン、1,2,3-トリアゾール誘導体及び4-ヒドロキシクマリンが含まれるが、これらに限定されない。また酸は、プロトン供与体として作用し、染料分子をロイコ形態とプロトン化された着色形態との間で変化させる。いくつかの実施形態において、ロイコ染料は、いくつかの他の顔料と組み合わせて使用されてもよく、それにより、ベース顔料の色と、ロイコ染料の非ロイコ形態の色が混合した顔料の色との間で、色の変化を生じさせる。いくつかの実施形態では、ロイコ染料は、シート本体206上に堆積される熱変色性塗料の形態で提供されてもよい。熱エネルギが加えられたときに色が変わるように構成可能な他の材料及び組成物が考えられ、本開示の範囲に含まれる。
【0028】
熱変色性層204は、褥瘡を発症している可能性がある対象者の潜在的領域を受動的に検出する手段を提供する。このような潜在的領域の検出は、その上面133が見えるように対象者がシート132から離れたときにのみ可能であるため、熱変色性層204は受動的であると言える。すなわち、熱変色性層204は、対象者とシート132とが接触している特定の領域で第1の色に変化し、対象者から熱が放射されてユーザの基準体温とは異なる特定の領域では、第1の色とは異なる第2の色に変化する。シート132から対象者が離れると、第2の色を呈する熱変色性層204の領域は、ユーザ(例えば、対象者、介護者、家族等)によって視認されるか、或いは撮像装置(本明細書に記載)によって画像化され、対象者の領域に関連付けられる(例えば、対象者の関心領域の位置は、熱変色性層204上の位置に基づいて推定される)ので、様々な措置(例えば、対象者の褥創の検査、対象者の治療、通知の提供等)を採ることができる。
【0029】
保護層202は一般に、熱変色性層204上に堆積される材料の層であり、熱変色性層204及び/又はシート本体206を損傷から保護する。保護層202に使用される材料は、一般に本開示によって限定されず、一般に任意の透明な熱伝導性材料であり、それにより、対象者から放射される熱エネルギが保護層を通過して熱変色性層204に達して色の変化等が生じ、さらに色の変化は保護層を通して視覚的に検出可能である。例示的な材料には、酸化アルミニウム(Al)、窒化ホウ素(BN)、酸化マグネシウム(MgO)等のセラミック、ポリマー(例えばポリエチレン)、グラフェン等を含むフィルム等が含まれるが、これらに限定されない。そのような特性を有する様々な材料が考えられ、本開示の範囲に含まれる。
【0030】
いくつかの実施形態では、保護層202は省略され、熱変色性層204のみがシート本体206上に配置されてもよいことを理解されたい。さらに他の実施形態では、熱変色性層204はシート本体206の一部の内部に配置されてもよい(例えば、シート本体206に熱変色特性を有する材料を含浸させるか、シート本体206を該材料で部分的に構成することができる)。シート本体206と、シート132に座っている対象者の様々な部位の温度に応じて局所的に色を変化させる能力を有する熱変色性層204の熱変色性材料との他の組み合わせが考えられ、本開示の範囲に含まれる。
【0031】
図3-4を参照すると、いくつかの実施形態では、シート132の上面133は、、シート132のシート本体206の上又は内部に配置された感知層210を含み得る。すなわち、シート132はシート本体206及び感知層210を含み、感知層210は、シート132の上面133であるか、或いはシート132の上面133上に配置される。感知層210は、能動的に温度を検出し、検出された温度に相当するデータを送信するように構成された複数の温度センサ212を有する。図3-4に示されるように、温度センサ212は、複数の温度センサ212の各センサがシート132の上面133の特定領域の温度を検出するように、格子状(例えば格子形状)に配置される。しかしこのような実施形態は単なる例示であり、温度センサ212の他の非格子形状が考えられ、本開示の範囲に含まれることを理解されたい。
【0032】
温度センサ212は一般に、特にシート132が対象者によって占有されている場合に、シート132の上面133の特定位置における温度を求めるように構成された任意の電子デバイスであり得る。温度センサ212の各々は、赤外線(IR)センサ等の非接触式センサであってもよいし、熱電対又はサーミスタ等の接触式センサであってもよい。他のタイプの温度検出装置も考えられ、本開示の範囲に含まれる。
【0033】
図3-4の実施形態で示される複数の温度センサ212は、褥瘡を発症している可能性がある対象者の潜在的領域を能動的に検出する手段を提供する。複数の温度センサ212が能動的である理由は、対象者が着座している間に潜在的領域の検出が行われ、対象者がシート132に着座している限り継続的に潜在的領域を監視できるからである。信号を処理装置(以下に詳述)に継続的に送信することができ、その目的は、対象者の基準体温を求め、異常(例えば、基準体温から逸脱した温度)を求め、温度測定値を提供した複数の温度センサ212のうちの1つ以上のセンサに基づいて異常の位置を求め、その結果として採られるべき1つ以上のアクション(例えば、異常通知の送信、異常位置の送信等)を決定することである。
【0034】
保護層202は、図2の実施形態と同じ保護層であってもよいし、異なる保護層であってもよい。すなわち、保護層202は一般に、複数の温度センサ212及び/又はシート本体206を損傷から保護する、複数の温度センサ212を含む感知層210上に配置される材料の層である。前述したように、保護層202に使用される材料は一般に、本開示によって限定されず、一般に任意の熱伝導性材料であり得る。いくつかの実施形態では、保護層202は省略され、シート本体206上に感知層210のみが配置されてもよいことを理解されたい。さらに他の実施形態では、感知層210は、シート本体206の一部の内部に配置されてもよい(例えばシート本体206は、複数の温度センサ212と一体化されるか、複数の温度センサ212で部分的に構成することができる)。基準体温からの温度変化を局所的に検出する能力を有する感知層210及びシート本体206の他の組み合わせが考えられ、本開示の範囲に含まれる。
【0035】
図2-4の実施形態は一般に、車椅子装置100(図1)のシート132における能動的及び/又は受動的な温度検出に関するが、本開示はこれに限定されない。すなわち、図2-4に加えて再び図1を参照すると、車椅子装置100の他の様々な部分が、対象者が車椅子装置100に着座しているときの対象者と車椅子装置100との間の任意の接触点における対象者の体温を、能動的かつ/又は受動的に検出するように同様に構成可能であり、該部分は非限定的に、背もたれ138、第1のアームレスト140、第2の肘掛け150、レッグサポート(図示せず)などを含むが、これらに限定されない。例えば、背もたれ138、第1のアームレスト140、第2のアームレスト150、レッグサポート(図示せず)等を含む。例えば、背もたれ138、第1のアームレスト140、第2のアームレスト150、レッグサポート(図示せず)等も、熱変色性層204(例えば第2の熱変色性層、第3の熱変色性層等)、及び/又は感知層210(例えば第2の感知層、第3の感知層等)を含み得る。
【0036】
図1及び図5を参照すると、車椅子装置100はさらに、車椅子装置100の様々な機能を制御するために使用可能なユーザ入力装置170を非限定的に含むいくつかの使用機構を含む。いくつかの実施形態では、入力装置170は、車椅子装置100の様々な機能を制御する(例えば、車椅子装置100を駆動する)ために、複数の軸線について手動で動かすことができるジョイスティック172を含み得る。いくつかの実施形態では、ジョイスティック172は、アクセスを容易にするために、第1のアームレスト140の遠位端144及び/又は第2のアームレスト150の遠位端154に配置可能である。図1及び図5の実施形態では第1のアームレスト140にのみ示されているが、ジョイスティック172は、アームレスト140、150の一方又は双方に設けることができる。いくつかの実施形態では、ジョイスティック172は、車椅子装置100の駆動ユニットを制御するために使用可能である。
【0037】
いくつかの実施形態では、車椅子装置100はまた、シート132の上面133の画像を取得するように配置された1つ以上の撮像装置190を含み得る。図1及び図5に示されるように、撮像装置190は、第1のアームレスト140及び第2のアームレスト150に配置される(図1では隠れている)。しかし、車椅子装置100上の場所及び車椅子装置100から離れた場所(例えば、車椅子装置100が配置されている部屋又は空間内に配置された撮像装置190)を含む他の場所が考えられる。本明細書でより詳細に説明するように、撮像装置190は一般に、車椅子装置100の様々な部分の画像(例えば、可視スペクトル画像、赤外線画像等)をキャプチャできる任意の電子装置であり得る。撮像装置190によってキャプチャされた画像から得られる画像データは、受動的な温度検出(例えば、図2に示される熱変色性層204)が、褥瘡を示し得る温度変化をその位置とともに示すか否かを電子的に判断するために使用可能である。このような撮像機能を提供する様々なハードウェアは、一般的に理解されるべきであり、本明細書では詳細に説明しない。
【0038】
いくつかの実施形態では、車椅子装置100にディスプレイ180を設けることができる。ディスプレイ180は、図1及び図5の実施形態では第1のアームレスト140にのみ示されているが、アームレスト140、150の一方又は双方に設けることができる。後述するように、いくつかの実施形態では、ディスプレイ180はタッチスクリーンであり、ユーザの入力を可能にするものであってもよい。このようにユーザ入力デバイス170は、いくつかの実施形態ではディスプレイ180を含み得る。
【0039】
ここで図6を参照すると、車椅子装置100(図1)の車椅子制御システム300が概略的に示される。車椅子制御システム300は、通信経路302、プロセッサ304、メモリモジュール306及びユーザ入力装置170を含む。車椅子制御システム300は、撮像装置190、複数の温度センサ212、ネットワークインタフェースハードウェア312及び1つ以上の駆動要素314をさらに含み得る。本明細書で前述したように、ユーザ入力デバイス170は、ジョイスティック172及び/又はディスプレイ180を含み得る。
【0040】
車椅子制御システム300は、車椅子制御システム300内に配置された様々なモジュール間のデータ相互接続を行う通信経路302を含む。具体的には、各モジュールは、データを送信かつ/又は受信できるノードとして動作可能である。いくつかの実施形態では、通信経路302は、車椅子制御システム300全体のプロセッサ、メモリ、センサ及びアクチュエータへの電気データ信号の送信を可能にする導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、通信経路302は無線及び/又は光導波路であってもよい。通信可能に接続される構成要素には、例えば、導電媒体を介する電気信号、空気を介する電磁信号、光導波路を介する光信号等のデータ信号を交換できる構成要素が含まれ得る。
【0041】
車椅子制御システム300は、通信経路302を介してメモリモジュール306と通信可能に接続されたプロセッサ304を含む。プロセッサ304は、非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された機械可読命令を実行可能な任意のデバイスを含み得る。プロセッサ304は、1つ以上のプロセッサを含み得る。従って各プロセッサ304は、制御装置、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、及び/又は他の任意のコンピューティングデバイスを含み得る。
【0042】
メモリモジュール306は、通信経路302を介してプロセッサ304に通信可能に接続される。メモリモジュール306は、揮発性かつ/又は不揮発性のメモリとして構成可能であり、故に、ランダムアクセスメモリ(SRAM、DRAM、及び/又は他のタイプのRAMを含む)、フラッシュメモリ、セキュアデジタル(SD(登録商標))メモリ、レジスタ、コンパクトディスク(CD(登録商標))、デジタル多用途ディスク(DVD(登録商標))及び/又は他の非一時的なコンピュータ可読媒体を含み得る。特定の実施形態に応じて、これらの非一時的コンピュータ可読媒体は、車椅子制御システム300の内部及び/又は外部に配置可能である。メモリモジュール306は、以下に詳述するように、1つ以上のロジックのピースを格納するように構成可能である。メモリモジュール306は、1つ以上のメモリモジュールを含み得る。本明細書に記載の実施形態は、分散コンピューティング構成を利用して、本明細書に記載のロジックの任意の部分を実行することができる。
【0043】
本開示の実施形態は、メモリモジュール306に格納されたロジックを含み、これは機械可読命令及び/又は任意の世代(例えば、1GL、2GL、3GL、4GL及び/又は5GL)の任意のプログラミング言語で書かれたアルゴリズムを含む。この言語は例えば、プロセッサ304によって直接実行可能な機械語、アセンブリ言語、オブジェクト指向プログラミング(OOP)、スクリプト言語、マイクロコード等であり、機械可読命令にコンパイル又はアセンブル可能であり、機械可読媒体に格納可能である。同様に、ロジック及び/又はアルゴリズムは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)構成又は特定用途向け集積回路(ASIC)、及びそれらの同等物を介して実行されるロジック等のハードウェア記述言語(HDL)で記述されてもよい。従ってロジックは、予めプログラミングされたハードウェア要素として、かつ/又はハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントの組み合わせとして、任意の汎用のコンピュータプログラミング言語で実行可能である。ロジックは、プロセッサ304によって完了したときに、プロセッサ304が本明細書に記載の様々なプロセス(例えば、温度センサ212及び/又は撮像装置190からのデータ受信に関連するプロセス)を完了するように構成可能であり、閾値を決定し、温度が上昇しているか否かを判定し、温度が上昇している場所を特定し、1つ以上の追加タスク(例えば、通知の送信)を完了する。
【0044】
車椅子制御システム300は、通信経路302に接続されたユーザ入力装置170を含み、これにより通信経路302は、ユーザ入力装置170を車椅子制御システム300の他のモジュールに通信可能に接続する。上述したように、ユーザ入力装置170は手動で制御可能である。いくつかの実施形態では、ユーザ入力デバイスは複数であり得る。ユーザ入力装置170は、機械信号、光学信号又は電気信号を、通信経路302を介して送信可能なデータ信号に変換できる任意の装置であり得る。具体的には、ユーザ入力装置170は、物理的動作を、通信経路302を介して送信可能なデータ信号に変換する任意の個数の可動物、例えばボタン、スイッチ、ノブ、ジョイスティック172、マイクロフォン等を有し得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイ180及びユーザ入力デバイス170は、単一のモジュールとして組み合わされ、タッチスクリーン式ユーザ入力デバイスとして動作する。しかし、ディスプレイ180及びユーザ入力装置170は、互いに分離されてもよいことに留意されたい。いくつかの実施形態では、ディスプレイ180がない場合もある。ユーザ入力装置170により、ユーザ(例えば対象者)は、車椅子装置100(図1)の操作を制御し、かつ/又は、画像、テキスト、データ及び/又は温度検出に関連するもの等を視認することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、車椅子制御システム300は、車椅子制御システム300をネットワーク320に通信可能に接続するためのネットワークインタフェースハードウェア312をさらに含む。ネットワークインタフェースハードウェア312は、通信経路302に通信可能に接続可能であり、ネットワーク320を介してデータを送受信可能な任意のデバイスとなり得る。従ってネットワークインタフェースハードウェア312は、有線又は無線の通信を送受信するための通信トランシーバを含み得る。例えば、ネットワークインタフェースハードウェア312は、アンテナ、モデム、LANポート、Wi-Fi(登録商標)カード、WiMax(登録商標)カード、モバイル通信ハードウェア、近距離通信ハードウェア、衛星通信ハードウェア、及び/又は、他のネットワーク及び/又はデバイスと通信するための任意の有線又は無線のハードウェアを含み得る。ある実施形態では、ネットワークインタフェースハードウェア312は、ブルートゥース(登録商標)無線通信プロトコルに従って動作するように構成されたハードウェアを含む。別の実施形態では、ネットワークインタフェースハードウェア312は、外部コンピューティングデバイス322との間で(例えば、本明細書に記載の温度検出に関するデータを)ブルートゥース(登録商標)通信で送受信するためのブルートゥース(登録商標)送受信モジュールを含み得る。
【0046】
車椅子制御システム300は、ネットワークインタフェースハードウェア312を介してネットワーク320と通信可能であり、車椅子制御システム300は外部コンピューティングデバイス322と通信可能に接続される。ある実施形態では、ネットワーク320は、車椅子制御システム300及び外部コンピューティングデバイス322を通信可能に接続するブルートゥース(登録商標)技術を利用するパーソナルエリアネットワークである。他の実施形態では、ネットワーク320は、1つ以上のコンピュータネットワーク(例えば、パーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、又はワイドエリアネットワーク)、セルラーネットワーク、衛星ネットワーク、及び/又は全地球測位システム、これらの組み合わせを含み得る。従って車椅子制御システム300は、有線を介して、ワイドエリアネットワークを介して、ローカルエリアネットワークを介して、パーソナルエリアネットワークを介して、セルラーネットワークを介して、衛星ネットワーク等を介して、ネットワーク320に通信可能に接続可能である。適切なローカルエリアネットワークには、例えば有線イーサネット(登録商標)、及び/又は、無線フィデリティ(Wi-Fi(登録商標))等のワイヤレス技術が含まれ得る。適切なパーソナルエリアネットワークには、例えばIrDA(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、ワイヤレスUSB、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、及び/又は他の近距離通信プロトコル等の無線技術が含まれ得る。同様に、適切なパーソナルエリアネットワークには、例えばUSB及びFireWire(登録商標)等の有線コンピュータバスが含まれ得る。適切なセルラーネットワークには、LTE(登録商標)、WiMAX(登録商標)、UMTS、CDMA及びGSM(登録商標)等の技術が含まれるが、これらに限定されない。
【0047】
いくつかの実施形態では、外部コンピューティングデバイス322は、ユーザ入力デバイスとして含まれ得る。外部コンピューティングデバイス322は、プロセッサ304及びメモリモジュールを有し得る。プロセッサ304は、外部コンピューティングデバイス322から車椅子制御システム300に命令を送信して車椅子装置100(図1)を制御することと、車椅子装置100からデータ(例えば、温度検出に関するデータ)を受信することとを容易にするために、車椅子制御システム300と通信するためのロジックを実行することができる。外部コンピューティングデバイス322は、車椅子制御システム300と通信するための有線及び/又は無線の通信機能を備えて構成されてもよい。本明細書に記載の実施形態では、外部コンピューティングデバイス322は、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、専用モバイルメディアプレーヤー、モバイルパーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、及び/又は車椅子制御システム300に通信可能に接続可能な任意の他のモバイルデバイスを含み得る。この実施形態では、車椅子制御システム300は、外部コンピューティングデバイス322が車椅子装置100(図1)から離れていても、外部コンピューティングデバイス322と通信可能であることに留意されたい。このようにして、車椅子装置100(図1)は、車椅子装置100(図1)の外部から遠隔的に外部コンピューティングデバイス322によって制御可能である。
【0048】
車椅子制御システム300は、例えば地図、ナビゲーション、娯楽、情報、撮像装置190からの画像データ、複数の温度センサ212、又はそれらの組み合わせ等の視覚的出力を提供するためのディスプレイ180をさらに有し得る。ディスプレイ180は、通信経路302に接続される。従って通信経路302は、ディスプレイ180を車椅子制御システム300の他のモジュールに通信可能に接続する。ディスプレイ180は、例えば陰極線管、発光ダイオード、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の光学的出力を伝達可能な任意の媒体を有し得る。さらに、ディスプレイ180は、光学的情報を提供することに加えて、ディスプレイ180の表面上又はそれに近接する触覚的入力の有無及び位置を検出するタッチスクリーンであってもよい。従ってディスプレイ180は、ディスプレイ180によって提供される光学的出力上で機械的入力を直接受け取ることができる。このようにディスプレイ180は、ユーザ入力装置として含まれてもよい。さらに、ディスプレイ180は、プロセッサ304及びメモリモジュールを含み得ることに留意されたい。
【0049】
車椅子制御システム300は、通信経路302に接続された撮像装置190をさらに含むことができ、それにより通信経路302は撮像装置190を車椅子制御システム300の他のモジュールに通信可能に接続する。撮像装置190は、車椅子装置100(図1)の環境から画像データをキャプチャすることができる検出装置のアレイ(例えば複数のピクセル)を有する任意の装置を含み得る。撮像装置190は、任意の解像度を有し得る。上述のように、撮像装置190から受信された画像データは、ディスプレイ180に表示することができる。いくつかの実施形態では、車椅子制御システム300は、ユーザ入力装置170から命令を受信すると、撮像装置190を作動させることができる。
【0050】
車椅子制御システム300は、通信経路302に接続された複数の温度センサ212をさらに含むことができ、それにより通信経路302は複数の温度センサ212を車椅子制御システム300の他のモジュールに通信可能に接続する。本明細書で述べたように、複数の温度センサ212から受信したデータに関するデータは、基準体温とは異なる温度を示す任意の領域を示すためにディスプレイ180上に表示することができ、それにより潜在的な褥瘡形成を任意のユーザ(例えば対象者)に通知することができる。いくつかの実施形態では、車椅子制御システム300は、ユーザ入力装置170から命令を受信すると、複数の温度センサ212を作動させることができる。
【0051】
車椅子制御システム300は、通信経路302を介して他の車椅子モジュールに通信可能に接続された1つ以上の駆動要素314をさらに含むことができる。1つ以上の駆動要素314は、車椅子装置100(図1)の1つ以上の駆動モードを実行するように構成可能である。例えば、1つ以上の駆動要素314は、受信された1つ以上の入力(例えば、ユーザ入力装置170を介して受信された入力)に応じて、車椅子装置100の車輪を駆動する1つ以上のモータに電力を供給することができる。
【0052】
図1-2及び5-6を参照すると、操作中に、撮像装置190に加えて図2の実施形態に係る受動的検出が利用される場合、撮像装置190は、対象者が着座する前に基準画像をキャプチャすることができる。基準画像は、熱変色性層204が色の変化を示さないときのシート132の基準状態を示し、後のアクセスのためにメモリモジュール306に記憶される。対象者がシート132に座っている間、周期的に画像を取得して、対象者が着座していることを確認することができる。対象者がシート132から離れると、シート132の1つ以上の画像がキャプチャされ、プロセッサ304による基準画像との比較に使用される。いくつかの実施形態では、シート132から離れる対象者の検出は、周期的に取得された各画像を(プロセッサ304によって実行される画像分析ソフトウェアを介して)分析することによって完了することができ、これにより対象者がシート132にいるか否かが判定される。他の実施形態では、シート132から離れる対象者の検出は、プロセッサ304によって受信された信号の結果であってもよい(例えば、対象者又は他のユーザが、対象者がシート32から離れたことを示すユーザ入力装置170のボタンを押し、シート本体206に配置された圧力センサが、信号を送信する、等)。対象者がシート132から離れた時点で取得された画像と基準画像との比較は、プロセッサ304が画像比較ソフトウェアを使用して完了することができ、これにより温度が上昇した旨のインジケータが存在するか否かが判定される。すなわち、プロセッサ304は、(対象者がシート132に着座していた場所を示す)第1の色変化、及び(異なる温度が観察される対象者の領域を示す)第2の色変化を呈する1つ以上の領域を求めることができる。画像の分析が第2の色を示さない場合は、全く措置を採らなくてもよいし、関心領域が検出されなかったことを示すメッセージを(例えば外部コンピューティングデバイス322に)送信してもよい。画像の分析が1つ以上の領域において第2の色を示す場合は、その1つ以上の領域の位置を求めることができ、1つ以上の関心領域が検出された旨のメッセージを、その関心領域の位置とともに、(例えば外部コンピューティングデバイス322に)送信することができる。
【0053】
図1、3-6を参照すると、操作中に、図3-4の実施形態に係る能動的検出が利用される場合、複数の温度センサ212は、対象者が車椅子装置100に着座しているときの基準温度データを取得することができる。基準温度データは、対象者とシート132との間の接触が検出された領域における対象者の基準温度を示す。すなわち、複数の温度センサ212のうちの少なくとも1つは、送信を開始する指示を受信したら温度データを送信する(例えば、圧力センサがシート内の対象者を感知した場合、検出された温度が周辺温度から大幅に上昇した場合、かつ/又は対象者がシート132に着座していることを示すボタン等をユーザが作動した場合に、信号が送信され得る)。いくつかの実施形態では、基準温度データは、後のアクセスのためにメモリモジュール306に格納されてもよい。プロセッサ304による基準データとの比較のために、対象者がシート132に着座している間に温度データを周期的に取得することができる。取得されたデータと基準データとの比較は、比較ソフトウェアを使用してプロセッサ304によって完了することができ、これにより、閾値を超える温度変化を呈する1つ以上の領域が求められる。閾値は、本開示によって限定されるものではなく、基準読み取り値を超える又は下回る任意の度数(度数の割合を含む)であり得る。いくつかの実施形態では、閾値はユーザによって選択されてもよい。いくつかの実施形態では、閾値は基準温度に基づいて変化し得る。いくつかの実施形態では、閾値は医学界によって確立され認識された閾値に従って設定されてもよい。すなわち、ある量(例えば1℃)の閾値変化が潜在的な褥瘡形成を示すことを医学ジャーナルやデータ等が示している場合、閾値は(例えばユーザ入力装置170を介して)その量に応じて設定可能である。位置は、データが閾値より大きいと報告したセンサの既知の場所に基づいて求められる。データの分析が温度変化がないことを示す場合は、全く措置を採らなくてもよいし、関心領域が検出されなかったことを示すメッセージを(例えば外部コンピューティングデバイス322に)送信してもよい。データの分析が1つ以上の領域における温度変化を示す場合は、1つ以上の関心領域が検出された旨のメッセージを、その関心領域の位置とともに、(例えば外部コンピューティングデバイス322に)送信することができる。
【0054】
本明細書に記載の車椅子装置は、ユーザが褥瘡の問題にできるだけ早く対処できるように、ユーザが褥瘡形成の可能性を判断することを支援する様々な特徴を有することを理解されたい。車椅子装置は、対象者が車椅子装置のシートに着座しているときに対象者の身体から放射される温度偏差を能動的かつ/又は受動的に検出し、対象者の身体と車椅子装置の表面と間の特定の接触位置での体温上昇に関するインジケータを提供する機能を備える。受動的特徴は熱変色性層を含み、能動的特徴は複数の電子温度センサを有する表面等を含む。様々な特徴は、車椅子装置の通常の使用を妨げないように車椅子装置の内部に組み込むことができる一方で、シートやアームレスト等の電動車椅子装置のシート構造の内部に組み込むことができる。
【0055】
本明細書において特定の実施形態が図示及び記載されているが、特許請求の範囲の主題の精神及び範囲を逸脱することなく、様々な他の変更及び変形が可能であることを理解されたい。さらに、本明細書において特許請求の範囲の主題の様々な態様が記載されているが、このような態様は、組合せて利用する必要はない。従って、添付の請求項は、特許請求の範囲の主題の範囲に含まれる全てのそのような変更及び変形をカバーすることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】