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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-14
(54)【発明の名称】銅箔用収納装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/672 20060101AFI20230707BHJP
   F16F 15/04 20060101ALI20230707BHJP
   F16F 15/08 20060101ALI20230707BHJP
   F16F 7/00 20060101ALI20230707BHJP
   B65D 81/113 20060101ALI20230707BHJP
【FI】
B65D85/672
F16F15/04 A
F16F15/08 E
F16F7/00 F
B65D81/113 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576541
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(85)【翻訳文提出日】2022-12-12
(86)【国際出願番号】 KR2021008134
(87)【国際公開番号】W WO2022005147
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】10-2020-0082233
(32)【優先日】2020-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518133500
【氏名又は名称】エスケー ネクシリス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120857
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】ジュン イン ス
(72)【発明者】
【氏名】チェ ヨン テ
(72)【発明者】
【氏名】キム スン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ヨン ギュ
【テーマコード(参考)】
3E037
3E066
3J048
3J066
【Fターム(参考)】
3E037AA02
3E037BA02
3E037BB03
3E037CA04
3E066AA64
3E066BA02
3E066DB01
3E066HA01
3E066JA05
3E066LA30
3E066NA60
3J048AA01
3J048BA11
3J048BA14
3J048CB23
3J048DA05
3J066AA26
3J066BA01
3J066BD05
3J066BE03
3J066BE05
(57)【要約】
本発明は、コアに巻き取られた銅箔を収納する収納空間を有する収納本体、収納本体に結合してコアの両端部を支持する支持部、及び支持部とコアの間に配置されてコアを支持する弾性部材を含み、弾性部材は、本体部、本体部の上面に配置されコアの長さ方向に延びる複数の第1突起、及び本体部の下面に配置され第1突起の延長方向と垂直な方向に延びる複数の第2突起を含み、運搬過程で発生する振動の周波数帯域で振動を緩衝することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアに巻き取られた銅箔を収納する収納空間を有する収納本体、
収納本体に結合してコアの両端部を支持する支持部、および
支持部とコアの間に配置してコアを支持する弾性部材を含み、
弾性部材が、
所定の長さを有する本体部、
本体部の上面に配置され、本体部の長さ方向に垂直な方向に延びる複数の第1突起、および
本体部の下面に配置され、本体部の長さ方向に延びる複数の第2突起を含む、銅箔用収納装置。
【請求項2】
弾性部材が、コアの長さ方向を基準に第1幅と、第1突起の延長方向および第2突起の延長方向の両方に垂直な方向を基準に第1厚さを有し、
第1幅は、第1厚さに対して2倍~4倍である、請求項1に記載の銅箔用収納装置。
【請求項3】
第1厚さが、8mm~10mmである、請求項2に記載の銅箔用収納装置。
【請求項4】
第1幅が、17mm~30mmである、請求項2に記載の銅箔用収納装置。
【請求項5】
銅箔用収納装置が、下記計算式により算出される共振周波数(fr)を有する、請求項1に記載の銅箔用収納装置。
(計算式)
fr=fs/√(2π)
(frは共振周波数、fsは減衰周波数帯域の開始周波数)
【請求項6】
銅箔用収納装置の減衰周波数帯域が、100Hz~400Hzであり、
減衰周波数帯域の開始周波数は、100Hzである、請求項5に記載の銅箔用収納装置。
【請求項7】
コアの長さ、コアの直径及びコアに巻き取られた銅箔の長さの比が、
1500:153:1358である、請求項1に記載の銅箔用収納装置。
【請求項8】
収納本体の底辺、高さ及び、コアの長さ方向における収納本体の長さの比が、
520:630:1620である、請求項1に記載の銅箔用収納装置。
【請求項9】
コアの長さと収納本体の長さの比が、
1500:1620である、請求項7に記載の銅箔用収納装置。
【請求項10】
支持部の上部に配置され、コアの端部を覆うスポンジをさらに含む、請求項1に記載の銅箔用収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池用負極、フレキシブルプリント回路基板等を製造するために用いられる銅箔を収納するための銅箔用収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
銅箔は、二次電池用負極、フレキシブルプリント回路基板(FFCB)など、様々な製品を製造するために用いられている。このような銅箔は、正極と負極の間に電解液を供給した後に電流を流す電気めっき方式によって製造される。このように電気めっき方式で銅箔を製造するには、電解銅箔製造装置が用いられる。
【0003】
電解銅箔製造装置によって製造された銅箔は、コア(Core)に巻き取られた状態で顧客に運ばれる。例えば、コアに巻き付けられた銅箔は、自動車、船舶、鉄道車両、飛行機などの運送手段に載せて運送することができる。
【0004】
このような運送過程で銅箔用収納装置は、コアに巻き取られた銅箔を収納する役割を担う。従来技術による銅箔用収納装置は、銅箔の両側に突出したコアを支持することにより、コアに巻き取られた銅箔を収納した。
【0005】
これにより、運送手段が移動する過程で発生する振動、揺れなどが銅箔用収納装置を介してコアに伝達され、コアを通じて銅箔に伝達した。銅箔に伝達した振動、揺れなどは、銅箔に鳴き等を発生させるため、運送過程で銅箔に対する不良を引き起こす問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述したような問題を解決しようと考え出されたものであり、運送過程で発生する振動、揺れ等により銅箔に発生する不良の率を低くすることができる銅箔用収納装置を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような課題を解決するために、本発明は以下の構成を含むことができる。
【0008】
本発明に係る銅箔用収納装置は、コアに巻き取られた銅箔を収納する収納空間を有する収納本体、収納本体に結合してコアの両端部を支持する支持部、及び支持部とコアの間に配置され、コアを支持する弾性部材を含み、弾性部材は、本体部、本体部の上面に配置されコアの長さ方向に延びた複数の第1突起、及び本体部の下面に配置され第1突起の延長方向と垂直な方向に延びた複数の第2突起を含むことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
【0010】
本発明は、コアと支持部の間に弾性部材を配置する。弾性部材は、本体部、第1突起および第2突起を含む。これにより、本発明は、運送過程で発生する振動、揺れなどを最適に緩衝させることができる。すなわち、コアに伝達される振動の強度を低減することができるので、振動、揺れ等により銅箔に発生する不良の率を低減することができる。したがって、本発明は、運送が完了した銅箔の品質を向上させることができるだけでなく、銅箔に対する運送作業の安定性と容易性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施例による銅箔用収納装置を概略的に示す図である。
図2図1に示したコアと弾性部材及び支持部を示す図である。
図3図2に示した弾性部材を概略的に示す斜視図である。
図4図3に示した弾性部材の正面図である。
図5図3に示した弾性部材の側面図である。
図6図3に示した弾性部材と支持部の結合状態を示す図である。
図7図1に示した銅箔用収納装置の振動減衰周波数帯域を示すグラフである。
図8図1に示したコアと銅箔を示す正面図である。
図9図1に示した銅箔用収納装置の第1実験例を示すグラフである。
図10図1に示した銅箔用収納装置の第2実験例を示すグラフである。
図11図9及び図10の実験例に係る振動減衰RMS値を表わした表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明に係る銅箔用収納装置1の一実施例を添付の図を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施例に係る銅箔用収納装置1を概略的に示す図であり、図2は、図1に示したコア11と弾性部材30及び支持部20を示す図である。図3は、図2に示した弾性部材30を模式的に示す斜視図であり、図4は、図3に示した弾性部材30の正面図であり、図5は、図3に示した弾性部材30の側面図であり、図6は、図3に示した弾性部材30と支持部20の結合状態を示す図である。
【0014】
図1図6を参照すると、本発明に係る銅箔用収納装置1は、運搬等の過程で発生する振動を緩衝して変形を防止するようにコア(Core)11に巻き取られた銅箔12を収納するものである。前記銅箔12は、二次電池用負極、フレキシブルプリント回路基板(FFCB)などを製造するために用いられるものである。
【0015】
銅箔用収納装置1は、収納本体10、支持部20及び弾性部材30を含む。収納本体10は、コア11に巻き取られた銅箔12を収納する収納空間を有する。収納本体10の上部にカバー13を結合して収納空間を形成することができる。支持部20は、収納本体10の両側に離隔して配置される。支持部20は、コア11の両端部を支持する。弾性部材30は、支持部20とコア11間に配置され、コア11を支持する。支持部20は、コア11の外周面に対応する曲面または曲率(R)を有する。
【0016】
一実施例では、弾性部材30は所定の長さを有し、本体部300、第1突起310、および第2突起320を含む。本体部300は、平板形状を有することができる。第1突起310は、本体部300の上面に配置され、弾性部材30の長さ方向に垂直な方向(A)に沿って延びる。すなわち、第1突起310は、コア11の長さ方向(A)に沿って延びる。第2突起320は、本体部300の下面に配置され、弾性部材30の長さ方向(B)に沿って延びる。すなわち、第2突起320は、第1突起310の延長方向(A)と垂直な方向(B)に延びる。第1突起310と第2突起320は、複数配置される。
【0017】
弾性部材30は、第1厚さ(T)と第1幅(W)を有する。第1幅(W)は、コア11の長さ方向(A:弾性部材の長さ方向に垂直な方向)を基準とする。第1厚さ(T)は、第1突起310の延長方向(A)と第2突起320の延長方向(B)の両方に垂直な方向を基準とする。ここで、第1幅(W)は、第1厚さ(T)に対して2倍~4倍であり得る。これにより、弾性部材のない従来技術または一般パッドを配置する従来技術に対して振動が緩衝される。これについての詳細な説明は後述する。
【0018】
図7は、図1に示した銅箔用収納装置1の振動減衰周波数帯域を示すグラフであり、図8は、図1に示したコア11と銅箔12を示す正面図である。図7において、横軸は固有振動数比であり、縦軸は伝達率である。固有振動数比は、共振周波数に対する特定周波数の比であり、伝達率は、銅箔用収納装置1の外部から加えられる外力に対する銅箔用収納装置1の内部に伝達される力の比である。
【0019】
図7及び図8を参照すると、本発明の一実施例による銅箔用収納装置1は、下記計算式により算出される共振周波数(fr)を有する。
【0020】
(計算式)
fr=fs/√(2π)
【0021】
ここで、frは共振周波数、fsは減衰周波数帯域の開始周波数である。
【0022】
本発明に係る銅箔用収納装置1は、その運搬過程で一般に100Hzから400Hzまでの周波数帯域に該当する振動が印加される。したがって、銅箔用収納装置1の場合、100Hz~400Hzの周波数帯域に対する振動絶縁設計が適用される。したがって、減衰周波数帯域の開始周波数(fs)は、100Hzである。これに基づいて、本発明による銅箔用収納装置1の共振周波数(fr)は約70Hzである。図7は、共振周波数70Hzの場合の周波数帯域に対する振動伝達率のグラフを示す。図7のように、本発明の銅箔用収納装置1の共振周波数が70Hzであるため、100Hz~400Hzの周波数帯域で振動絶縁が可能である。特に、ダンピング率(Damping Ratio)によって振動絶縁の性能が異なる。したがって、適切な振動絶縁性能を示すダンピング率を確保することが重要である。このために、本発明の銅箔用収納装置1は、弾性部材30を適用した。
【0023】
図9は、図1に示した銅箔用収納装置1の第1実験例を示すグラフである。
【0024】
図1図7図9を参照すると、本発明の一実施例による弾性部材30を適用した場合、従来技術と比較して運搬過程で発生する振動の周波数帯域で振動が緩和される。従来技術は、コア11と支持部20の間にパッドを未適用した実験例と一般パッドを適用した実験例を含む。本発明の場合、弾性部材30が、10T(10mm)の第1厚さ(T)と28mmの第1幅(W)を有する実験例と、10T(10mm)の第1厚さ(T)と20mmの第1幅(W)を有する実験例を適用した。本発明に係る弾性部材30を適用した場合、従来技術に比べて運搬過程による周波数帯域で振動が減衰した。約10dBの振動伝達関数(振幅)が減少した。すなわち、振動エネルギーが1/10に減少した。
【0025】
ここで、コア11の長さ(L1)、コア11の直径(D)、及びコア11に巻き取られた銅箔12の長さ(L2)の比は、1500:153:1358である。なお、収納本体10の下辺(L3)、高さ(L4)及びコア11の長さ方向における収納本体10の長さ(L5)の比は、520:630:1620である。また、コア11の長さ(L1)と収納本体10の長さ(L5)の長さの比は、1500:1620である。
【0026】
図10は、図1に示した銅箔用収納装置1の第2実験例を示すグラフである。
【0027】
図10を参照すると、従来技術は、コア11と支持部20の間にパッドを未適用の実験例と一般パッドを適用した実験例を含む。一般パッドの幅は、35mmを有する。本発明の場合、弾性部材30が、8T(8mm)の第1厚さ(T)と32mmの第1幅(W)を有する実験例と、8T(8mm)の第1厚さ(T)と17mmの第1幅(W)を有する実験例を適用した。本発明に係る弾性部材30を適用した場合、従来技術に比べて運搬過程による周波数帯域で振動が減衰することを確認することができる。
【0028】
図11は、図9及び図10の実験例に係る振動減衰RMS値を示した表である。図11において、従来技術は、パッド未適用の場合、一般パッドを適用した場合である。また、実験例1は、10Tの第1厚さ(T)と28mmの第1幅(W)を有する弾性部材30を適用した。実験例2は、8Tの第1厚さ(T)と32mmの第1幅(W)を有する弾性部材30を適用した。実験例3は、10Tの第1厚さ(T)と20mmの第1幅(W)を有する弾性部材30を適用した。実験例4は、8Tの第1厚さ(T)と17mmの第1幅(W)を有する弾性部材30を適用した。
【0029】
図9図11を参照すると、弾性部材30の第1厚さ(T)が、8mm~10mmで従来技術に対比して振動が減衰した。また、弾性部材30の第1幅(W)が17mm~30mmで従来技術に対比して振動が減衰した。特に、第1厚さ(T)が10T(10mm)で従来技術に比べて振動減衰が大きかった。また、弾性部材30が同じ第1厚さ(T)を有する場合、第1幅(W)が小さいほど振動減衰が大きかった。すなわち、弾性部材30の第1幅(W)と第1厚さ(T)の比が振動減衰に影響を与える。
【0030】
図11を参照すると、本発明の弾性部材30の第1幅(W)は、第1厚さ(T)に対して2倍~4倍を有する。この場合、従来技術に比べて弾性部材30の振動減衰効果が大きい。図11において、RMSは振動伝達関数(振幅)の平均値(dB)である。
【0031】
一方、本発明の一実施例に係る銅箔用収納装置1は、スポンジ40をさらに含むことができる。スポンジ40は、支持部20の上部に配置される。スポンジ40は、コア11の端部上面を覆う。スポンジ40は、弾性部材30に対して非常に大きな弾性を有する。これにより、スポンジ40がコア11の上部の自由度を制限しないことがあり得る。
【0032】
上述した本発明の場合、コア11に巻き取られた銅箔12を収納した銅箔用収納装置1を運搬する過程で、銅箔12に加わる振動を緩衝させる。これにより、振動によって銅箔12に発生し得るシワなどの不良発生の危険を排除することができる。
【0033】
以上説明した本発明は、上述した実施例及び添付の図に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で種々の置換、変形及び変更が可能であることが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】