(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-14
(54)【発明の名称】プラスチック処理システム及び装置
(51)【国際特許分類】
C08J 3/11 20060101AFI20230707BHJP
【FI】
C08J3/11
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576845
(86)(22)【出願日】2021-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 IB2021055135
(87)【国際公開番号】W WO2021250621
(87)【国際公開日】2021-12-16
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522483127
【氏名又は名称】ニロ グローバル リミティド
(71)【出願人】
【識別番号】522483138
【氏名又は名称】フィリップ ケネス コベニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ケネス コベニー
【テーマコード(参考)】
4F070
【Fターム(参考)】
4F070AA13
4F070AA18
4F070AA29
4F070AA54
4F070AB11
4F070CA11
4F070CB05
4F070FA04
4F070FA17
(57)【要約】
【課題】バインダの製造方法、凝集体との混合を通じて道路設置混合物を製造するためのバインダの使用、又はバインダと粒状物質及び/又は繊維との混合を介した複合プラスチック製品。
【解決手段】バインダは、混合タンク中でプラスチックを2以上のエチレン性不飽和モノマーと混合することを含む。2以上のエチレン性不飽和モノマーは、異なるホモポリマーガラス転移温度(Tg)を有し、第1モノマー構造ユニットが、80℃超のホモポリマーTgを有し、第2モノマーが80℃未満のホモポリマーTgを有する。プラスチックは、スチレンホモポリマー、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートのコポリマー、アクリルポリマー、及び、ナイロン系のポリマー又はコポリマー、ポリエステル系の熱可塑性ポリマー樹脂、プロピレン系熱可塑ポリマー、及びアルケンのホモポリマー、並びにこれらの組み合わせを含むプラスチックから選択されうる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック含有エマルジョンを製造する方法であって、
混合タンク中でプラスチック原料を溶媒と混合することを含み、前記溶媒は、非反応性溶媒又は反応性溶媒から選択され、
前記非反応性溶媒は、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択され、
前記反応性溶媒は、2以上のモノエチレン性不飽和モノマーから選択され、かつ
非反応性溶媒を用いる場合には、前記プラスチック原料が、さらなるプラスチックを含み、このさらなるプラスチックは、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー若しくはコポリマー、又はこれらの組み合わせから選択されるプラスチックを含む、
方法。
【請求項2】
前記プラスチック原料が、前記溶媒に溶解している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プラスチック原料が、
・前記混合タンク中へのその添加の前に溶解され、又は、
・前記混合タンク中で溶解される、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
プラスチック原料の、溶媒に対する比が、40:60~60:40の間の比である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記混合タンク中に添加物を添加することを含み、前記添加物が、組成の20%以下であり、塗料、オイル、海洋廃プラスチック、プロピレン系熱可塑性ポリマー、エチレンのホモポリマー、有機物質、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
約2mm未満の粒子サイズを有する粒状プラスチックを、前記混合タンクに添加する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記粒状プラスチックが、PET、ポリプロピレン若しくは(高密度及び低密度を含む)ポリエチレン、又はこれらの組み合わせから選択される、方法。
【請求項7】
前記粒状プラスチックが、バインダ中のプラスチックの総量の約15重量%~約85重量%である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記粒状プラスチックが、PET、ポリプロピレン又は(高密度及び低密度を含む)ポリエチレンから選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記粒状プラスチックが、約2mm未満の粒子サイズを有する、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記混合タンクに流通しているホモゲナイザーを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
バインダ配合から溶媒を回収する溶媒回収システムを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記エマルジョンが、30%未満の溶媒を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記エマルジョンを粗い凝集体と混ぜ合わせて道路設置混合物を形成することを含み、前記粗い凝集体が、約60mm未満の粒子サイズを有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
凝集体のバインダに対する比が、凝集体に対して約7~約12%のバインダである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記道路設置混合物が、ビチューメンを含まない、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記混合物を、道路設置基礎経路の上に、50~約200mmの厚みで敷設する、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
道路のサブベース層の厚みが、120~200mmである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
道路設置プロセスが、プラスチックの表面層を含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
プラスチックの前記表面層を、2mm未満の粒子サイズを有する粒状PETを含むプラスチックスラリーから形成する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
プラスチックの前記表面層が、約50~約100mmの厚みを有する、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記プラスチック原料が、高融点プラスチックを含有する、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記高融点プラスチックが、ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂、プロピレン系熱可塑性ポリマー、ポリエチレンであるエチレンのホモポリマー、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
組成物を、約100~約200℃の温度に加熱する、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記高融点プラスチックが、ABS、ナイロン、EVA若しくはアクリル、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
前記高融点プラスチックが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
プラスチック複合製品を製造する方法であって、下記を含む方法:
・バインダ及び粒状又は繊維状の物質を混合して、成形可能混合物を製造すること、このバインダは、プラスチック原料及び溶媒を含み、
前記バインダは、
(i)8mm未満の粒子サイズを有する、ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂、プロピレン系熱可塑性ポリマー、エチレンのホモポリマー、又はこれらの組み合わせから選択されるプラスチック原料、及び溶媒としての水
(ii)総プラスチックの少なくとも30重量%の、スチレンユニットを有するプラスチックを含有するプラスチック原料、及び、総プラスチックの70重量%以下の、スチレンコポリマー、エチレンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー又はコポリマーから選択されるプラスチック原料、並びに、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択される溶媒、
又は、
(iii)前記(i)及び(ii)の組み合わせ
を含む、
・前記成形可能混合物を型の中に配置すること、並びに、
・前記混合物を圧縮して、前記プラスチック複合製品を製造すること。
【請求項27】
前記プラスチック原料が、8mm未満の平均粒子サイズを有する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記粒状又は繊維状の物質が、約50mm未満の粒子サイズを有する、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記粒状又は繊維状の物質が、木粒子(例えば、おがくず又は木の繊維若しくはフレーク)、細断された紙又は段ボール繊維、細断されたポリエチレン織物バッグ、細断されたポリエチレンバッグ、チップ状のPETボトル、破砕されたガラス、破砕された消耗品(例えば、破砕された玩具、電子製品、プリンタカートリッジ)、火山灰、及びポットアッシュ、粒状化されたゴム、粒状化されたタイヤ、又はこれらの混合物から選択される、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記型を、少なくとも100℃にまで加熱する、請求項26~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記スチレンコポリマーが、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)である、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記エチレンとビニルアセテートとのコポリマーが、エチレンビニルアセテート(EVA)である、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記アクリルポリマーが、ポリ(メチルメタクリレート)である、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記ナイロン系のポリマー又はコポリマーが、ナイロンである、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂が、ポリエチレンテレフタレート(PET)である、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記プロピレン系熱可塑性ポリマーが、ポリプロピレン(PP)である、請求項1~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記エチレンのホモポリマーが、(高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンを含む)ポリエチレン(PE)である、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記有機ハロゲン溶媒が、メチルクロリド、メチレンクロリド若しくはトリクロロエチレン、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記芳香族炭化水素溶媒が、トルエン若しくはキシレン、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記脱芳香族化溶媒が、Exxsol(商標)D40、Exxsol(商標)D60、Exxsol(商標)D80、若しくはExxsol(商標)D100、ShellSol D60、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項1~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
請求項26~40のいずれか一項に記載の方法から形成される複合製品。
【請求項42】
前記複合製品が、コンクリート複合製品、木に基づく複合製品である、請求項41に記載の複合製品。
【請求項43】
前記木に基づく複合製品が、合板、粒子ボード、及び中密度ボードから選択される、請求項42に記載の複合製品。
【請求項44】
前記複合製品が、パネル、ポスト又はブロックである、請求項42又は43に記載の複合製品。
【請求項45】
道路を製造する方法であって、
・総プラスチックの少なくとも30重量%の、スチレンユニットを含むプラスチックを含むプラスチック原料、
・アクリレートモノマー
・架橋剤
を含むバインダを提供すること、
前記バインダを凝集体と混ぜ合わせて、前記凝集体をコーティングすること、
この混合物を、道路設置基礎経路の上に、50~約200mmの厚みで敷設すること、及び、
この層を圧縮すること
を含む方法。
【請求項46】
前記バインダが、スチレンモノマーをさらに含有する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記バインダが、促進剤をさらに含有する、請求項45又は46に記載の方法。
【請求項48】
前記スチレンモノマーが、ポリスチレンである、請求項45~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記アクリレートモノマーが、軟性モノマーから選択される、請求項45~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記アクリレートモノマーが、剛性モノマーから選択される、請求項45~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記プラスチック原料が、前記バインダの約30~約50重量%で存在する、請求項45~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記バインダが、約30~約70重量%のモノマーを含有する、請求項45~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記バインダが、約5~約30重量%の架橋剤を含有する、請求項45~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記バインダが、約0.25~0.5重量%の促進剤を含有する、請求項45~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記バインダが、追加的に、過酸化物架橋剤を含有する、請求項45~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記過酸化物架橋剤が、前記バインダの約2~約5重量%で存在する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記過酸化物架橋剤が、過酸化ベンゾイルから選択される、請求項55又は56に記載の方法。
【請求項58】
前記バインダを、凝集体と混合する、請求項45~57のいずれか一項に記載の方法であって、前記バインダが、混合物全体の約8~約16重量%を構成する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックを処理するためのシステム及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック廃棄物は尋常でない規模になっており、廃棄プラスチックは、今や、深海トレンチを含む世界のほぼ全ての領域で見られる。ナショナルジオグラフィックによれば、これまでに製造されたすべてのプラスチックの半分が、過去15年間に作られたものであり、製造は、1950年における2.3百万トンから、2015年までに448百万トンにまで指数関数的に増加している。製造は、2050年までに二倍になると予測されている。プラスチック廃棄物の約8百万トンが、湾岸の国々から海へと逃れる。プラスチックは、分解するために最大400年を要しるうが、おそらく最も問題なのは、プラスチックが徐々に分解するときに形成されるマイクロプラスチックの生成である。
【0003】
プラスチックの再利用(リサイクル)が良く知られている一方で、多くの国は低いリサイクル率を有しており、リサイクルを行っている国であっても、それは、典型的には非経済的なプロセスであり、大規模な処理を要することがあり、例えば、プラスチックから有機物質を除去するための大規模な処理を要しうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、プラスチックを処理するための方法を提供することであり、上記の不利な点を解決することであり、又は、少なくとも、利用可能な選択肢を公共に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、プラスチック原料を提供することを含むプラスチック含有バインダの製造方法が記述され、このプラスチック原料は、
(a)総プラスチックの少なくとも30重量%の、スチレンユニットを含むプラスチック
又は、
(b)スチレン系モノマーを有する第1のプラスチック、及び、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー若しくはコポリマー、若しくは、これらの組み合わせから選択されるプラスチックを有するさらなるプラスチック、
を含有し、
(a)の場合に、バインダが、さらに、アクリレートモノマー及び架橋剤を含有し、(b)の場合に、バインダが、さらに、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択される溶媒を含有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本開示で記載されるプロセスのフロー図である。
【
図2】
図2は、本開示で記載されるプロセスのフロー図である。
【
図3A】
図3Aは、2以上の胴部を有する粉砕機の図を示しており、この胴部は、円筒形である。
【
図4】
図4は、記載された溶媒回収システムである。
【
図5】
図5は、記載された溶媒回収システムである。
【
図6】
図6は、点載荷試験の結果を示すグラフである。
【
図7A】
図7Aは、対石材比で10重量%で種々の促進剤(DMPT)及び架橋剤(BPO)、並びに3重量%の架橋剤(BPO)で種々のDMPTを有するPM2及びTM2に関する弾性係数を示すグラフである。
【
図7B】
図7Bは、対石材比で10重量%で種々の促進剤(DMPT)及び架橋剤(BPO)、並びに3重量%の架橋剤(BPO)で種々のDMPTを有するPM2及びTM2に関する弾性係数を示すグラフである。
【
図8A】
図8Aは、0.375重量%促進剤(DMPT)での種々の重量%のバインダでの一定範囲のモノマー配合に関する弾性係数を示すグラフである。
【
図8B】
図8Bは、3重量%促進剤(DMPT)での種々の重量%のバインダでの一定範囲のモノマー配合に関する弾性係数を示すグラフである。
【
図9A】
図9Aは、0.375重量%促進剤(DMPT)での石材に対する10、12又は14重量%バインダでの種々のモノマー配合物に関する弾性係数を示すグラフである。
【
図9B】
図9Bは、3重量%架橋剤(BPO)での石材に対する10、12又は14重量%での種々のモノマー配合物に関する弾性係数を示すグラフである。
【
図10A】
図10Aは、0.375重量%促進剤(DMPT)での種々の重量%バインダでの種々のモノマー配合物に関する弾性係数を示すグラフである。
【
図10B】
図10Bは、3重量%架橋剤(BPO)での種々の重量%バインダでの種々のモノマー配合物に関する弾性係数を示すグラフである。
【
図11】
図11は、石材比率に対して、10重量%バインダでの種々のモノマー混合物に関する弾性係数を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
第1の態様では、プラスチック含有バインダ組成物を製造する方法が記述され、これは、
プラスチック原料を溶媒と混合すること、
を含み、
この溶媒は、非反応性溶媒又は反応性溶媒から選択され、
非反応性溶媒は、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択され、
反応性溶媒は、2以上のモノエチレン性不飽和モノマーから選択され、
非反応性溶媒が用いられる場合には、プラスチック原料が、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー若しくはコポリマー、又は、これらの組み合わせから選択されるプラスチックを含有するさらなるプラスチックを有する。
さらなる態様では、プラスチック含有バインダ組成物を製造する方法が記述され、これは、
プラスチック原料を
(a)有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、若しくはこれらの組み合わせ、から選択される溶媒、
又は、
(b)硬化助剤と組み合わされた、2又は3のモノマー構造ユニットの混合物、それぞれのユニットは、異なるホモポリマーガラス転移温度(Tg)を有し、第1モノマー構造ユニットが、80℃超のホモポリマーTgを有し、第2モノマーが、80℃未満のホモポリマーTgを有する、
と混合することを含み、
(a)が存在する場合には、プラスチック原料が、さらに、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー若しくはコポリマー、又はこれらの組み合わせ、を含むプラスチックを含有する。
【0008】
さらなる態様では、プラスチック含有バインダ組成物を製造する方法が記述され、これは、
プラスチック原料を溶媒と混合して、プラスチック含有バインダ組成物を製造することを含み、
・プラスチック原料が、スチレンユニットを有する第1のプラスチック、及び、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー若しくはコポリマー、又はこれらの組み合わせから選択されるプラスチックを含有するさらなるプラスチックを含有し、
・溶媒が、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択される。
【0009】
さらなる態様では、プラスチック含有バインダ組成物を製造する方法が記述され、これは、
プラスチック原料を溶媒と混合して、プラスチック含有バインダ組成物を製造することを含み、
・プラスチック原料が、総プラスチックの少なくとも30重量%のスチレン系モノマー、及び、総プラスチックの70重量%以下の、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー若しくはコポリマー、又はこれらの組み合わせから選択されるプラスチック、を含有し、
・溶媒が、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択される。
【0010】
さらなる態様では、プラスチック含有バインダ組成物を製造する方法が記述され、これは、
混合タンクにおいて、プラスチック原料及び溶媒から本質的になる組成物を混合して、プラスチック含有バインダ組成物を製造することを含み、
・プラスチック原料が、総プラスチックの少なくとも30重量%のスチレンユニットを有するプラスチック、及び、総プラスチックの70重量%以下の、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー若しくはコポリマー、から選択されるプラスチック、を含有し、
・溶媒が、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、若しくはこれらの組み合わせから選択される。
【0011】
さらなる態様では、プラスチック含有バインダ組成物を製造する方法が記述され、これは、
混合タンクにおいて、プラスチック原料、溶媒、及び添加物から本質的になる組成物を混合して、プラスチック含有バインダ組成物を製造することを含み、
・プラスチック原料が、総プラスチックの少なくとも30重量%のスチレンユニットを有するプラスチック、及び、総プラスチックの70重量%以下の、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー若しくはコポリマー、から選択されるプラスチック、を含有し、
・溶媒が、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択され、かつ、
・添加物が、組成物の20%%以下で含有され、ペイント、オイル、海洋廃棄プラスチック、プロピレン系熱可塑性ポリマー、アルケンのホモポリマー、有機物質、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0012】
さらなる態様では、プラスチック含有バインダを製造する方法が記述され、これは、
混合タンクにおいてプラスチック原料を溶媒と混合してプラスチック含有バインダを製造することを含み、
プラスチック原料が、
(a)8mm超の平均粒子サイズを有するプラスチック粒子、
(b)8mm未満の平均粒子サイズを有するプラスチック粒子、
(c)(a)と(b)との任意の組み合わせ、
から選択され、
溶媒が、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択され:
(a)が存在する場合又は混合物が8mm超の平均直径を有する任意の粒子を含有する場合にホモゲナイザーが存在する場合には、随意に、混合タンクに流通した(流体的に通じている)ホモゲナイザーを提供することを含む。
【0013】
さらなる態様では、プラスチック複合製品を製造する方法が記述され、これは、下記を含む:
・水系バインダ、溶媒系バインダ、及び粒状又は繊維状の物質を混合して、成型可能な混合体を製造すること、
水系バインダは、第1のプラスチック原料及び水の混合物を含み、第1のプラスチック原料が、0.5mm未満の粒子サイズを有しており、ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂、プロピレン系熱可塑性ポリマー、及び、アルケンのホモポリマーから選択され、
溶媒系バインダは、第2のプラスチック原料及び溶媒の混合物を含み、溶媒は、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択され、第2のプラスチック原料が、第2のプラスチック原料の総プラスチックの少なくとも30重量%の、スチレンユニットを有するプラスチック、及び、第2のプラスチック原料の総プラスチックの70重量%以下の、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー又はコポリマーから選択されるものを含む、
・上記の混合体を、型に導入すること、並びに、
・上記の混合体を圧縮して、プラスチック複合製品を製造すること。
【0014】
さらなる態様では、プラスチック含有バインダを製造する方法が記述され、これは、
混合タンク中でプラスチック原料を水と混合して、プラスチック含有バインダを製造することを含み、
プラスチック原料が、
(a)0.5mm超の平均粒子サイズを有するプラスチック粒子、
(b)0.5mm未満の平均粒子サイズを有するプラスチック粒子、
(c)(a)及び(b)の任意の組み合わせ
から選択され、
プラスチック原料が、ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂、プロピレン系熱可塑性ポリマー、アルケンのホモポリマー、又はこれらの組み合わせ、から選択され、
(a)が存在する場合又は混合物が0.5mm超の平均直径を有する任意の粒子を含有する場合にホモゲナイザーが存在する場合には、随意に、混合タンクに流通した(流体的に通じている)ホモゲナイザーを提供することを含む。
【0015】
さらなる態様では、プラスチック系バインダ及び粒状又は繊維状の物質を含むプラスチック含有製品が記述され、
プラスチック系バインダが、0.5mm未満の粒子サイズを有しており、ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂、プロピレン系熱可塑性ポリマー及びアルケンのホモポリマーから選択されるプラスチック原料を含み、
バインダが、プラスチック原料と水系溶媒との混合物として形成されており、これは、粒状又は繊維状の物質と混合され硬化されたときに、プラスチック複合製品を生ずる。
【0016】
さらなる態様では、プラスチックを処理する方法が記述され、これは、
・混合タンク中で、プラスチックの原料を溶媒と混合して、プラスチックミックスを製造し、それによって、プラスチックスラリーを製造すること、を含み、
プラスチックの原料が、
(a)スチレンユニットを有するプラスチック、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー又はコポリマー、
(b)ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂、プロピレン系熱可塑性ポリマー、及びアルケンのホモポリマー、又は、
(c)(a)から(d)の任意の組み合わせ、
から選択され、かつ、
溶媒が、
(b)のプラスチックが存在する場合には、水
(a)が存在する場合には、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせ
から選択され、
・混合物が0.5mm超の平均直径を有する任意の粒子を含有する場合にホモゲナイザーが存在する場合には、随意に、混合タンクに流通した(流体的に通じている)ホモゲナイザーを提供すること、を含み、
プラスチックスラリーを溶媒回収システムに提供して、30%未満の溶媒を含有するエマルジョンを製造すること、を含む。
【0017】
さらなる態様では、プラスチック複合製品を製造する方法が記述され、これは、
混合タンク中で、プラスチック原料を溶媒と混合して、プラスチック含有バインダを製造することを含み、
プラスチック原料は、
(a)0.5mm超の平均粒子サイズを有するプラスチック粒子、
(b)0.5mm未満の平均粒子サイズを有するプラスチック粒子、
(c)(a)と(b)の任意の組み合わせ、
から選択され、
溶媒が、水、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせ、から選択され、
(a)が存在する場合又は混合物が0.5mm超の平均直径を有する任意の粒子を含有する場合にホモゲナイザーが存在する場合には、随意に、混合タンクに流通した(流体的に通じている)ホモゲナイザーを提供すること、を含み、
プラスチック含有バインダを粒状又は繊維状の物質と混合して、プラスチック複合製品を形成すること、を含む。
【0018】
さらなる態様では、道路を製造する方法が記述され、この方法は、
・プラスチック原料及び溶媒を含むプラスチック含有バインダを提供することを含み、
プラスチック原料が、総プラスチックの少なくとも30重量%の、スチレンユニットを有するプラスチック、及び、総プラスチックの70重量%以下の、スチレンコポリマー、エチレンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及び、ナイロン系のポリマー又はコポリマーから選択されるプラスチック、を含有し、
溶媒が、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択され、
・プラスチック含有バインダを、約60mm未満の粒子サイズを有する粗い凝集体と混ぜ合わせること、
・この混合体を、道路設置基礎経路の上に、50mm~約200mmの厚みで敷設すること、及び、
・敷設されたこの層を圧縮すること
を含む。
【0019】
さらなる態様では、道路設置基材を製造する方法が記述され、この方法は:
・下記を有するバインダを提供すること、
総プラスチックの少なくとも30重量%の、スチレンユニットを有するプラスチックを含有する、プラスチック原料、
アクリレートモノマー
架橋剤、
を含み、かつ、
・このバインダを凝集体と混ぜ合わせて、凝集体をコーティングすること、
を含む。
【0020】
さらなる態様では、道路を製造する方法が記述され、この方法は:
・下記を有するバインダを提供すること、
総プラスチックの少なくとも30重量%の、スチレンユニットを有するプラスチックを含有する、プラスチック原料、
アクリレートモノマー
架橋剤、
を含み、かつ、
・このバインダを凝集体と混ぜ合わせて、凝集体をコーティングすること、
・この混合体を、道路設置基礎経路の上に、50mm~約200mmの厚みで敷設すること、及び、
・敷設されたこの層を圧縮すること
を含む。
【0021】
さらなる態様では、溶媒回収システムが記述され、これは、プラスチック含有溶媒に基づくスラリーを受容するための入口(供給口)を有する加熱可能溶媒チャンバ、及び、溶媒チャンバ中で(プラスチック含有溶媒に基づくスラリーの)溶媒を加熱できる加熱システム、を有し、
溶媒回収システムは、蒸発した溶媒を受容するための溶媒チャンバからの出口を有し、蒸発した溶媒が、蒸発した溶媒の凝縮を促進する温度に保持された出口パイプに送られ、そのようにして、蒸発した溶媒が、受容タンクに送られる。
【0022】
さらなる態様では、上記の方法のいずれかによって製造されるバインダ配合物が記述される。
【0023】
下記の1以上の実施態様は、いずれも、ここで記載された態様のいずれか又はこれらの任意の組み合わせに関連しうる。
【0024】
1つの構成では、バインダが、さらに、架橋剤のための促進剤を含有する。
【0025】
1つの構成では、架橋剤が、多官能性である。好ましくは、これは、三官能性である。
【0026】
1つの構成では、架橋剤が、トリメチロールプロパントリアクリレート及び過酸化物架橋剤から選択される。
【0027】
1つの構成では、促進剤が、アミン系化合物である。1つの構成では、促進剤が、アニリン誘導体又はアナログである。
【0028】
1つの構成では、促進剤が、N,N-ジメチル-p-トルイジン(DMPT)、N,N-ジエチル-p-トルイジン(DEPT)又はこれらの組み合わせから選択される。
【0029】
1つの構成では、バインダが、スチレンモノマーを含む。
【0030】
1つの構成では、スチレンモノマーが、ポリスチレンである。
【0031】
1つの構成では、スチレンコポリマーが、スチレン及びアクリロニトリルのポリマーである。1つの構成では、スチレンコポリマーが、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)である。
【0032】
1つの構成では、アルケンのコポリマーが、エチレンのコポリマーである。
【0033】
1つの構成では、エチレン及びビニルアセテートのコポリマーが、エチレンビニルアセテート(EVA)である。
【0034】
1つの構成では、アクリルポリマーが、ポリ(メチルメタクリレート)である。
【0035】
1つの構成では、ナイロン系のポリマー又はコポリマーが、ナイロンである。
【0036】
1つの構成では、ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂が、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。
【0037】
1つの態様では、ポリプロピレン系熱可塑性ポリマーが、ポリプロピレン(PP)である。
【0038】
1つの態様では、アルケンのホモポリマーが、エチレンのホモポリマーである。
【0039】
1つの態様では、エチレンのホモポリマーが、(高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンを含む)ポリエチレン(PE)である。
【0040】
1つの態様では、有機ハロゲン溶媒が、有機クロリド溶媒である。1つの態様では、有機クロリド溶媒が、メチルクロリド、メチレンクロリド、若しくはトリクロロエチレン、又はこれらの組み合わせである。
【0041】
1つの態様では、芳香族炭化水素溶媒が、トルエン若しくはキシレン又はこれらの組み合わせから選択される。
【0042】
1つの態様では、脱芳香族化溶媒が、Exxsol(商標)D40、Exxsol(商標)D60、Exxsol(商標)D80、若しくはExxsol(商標)D100、ShellSol D60、又はこれらの組み合わせから選択される。
【0043】
1つの構成では、ペイント(塗料)が、アクリルペイント、油系ペイント、又は水系ペイントから選択される。
【0044】
1つの構成では、オイル(油)が、石油に基づくオイル、合成オイル、植物油、又はこれらの組み合わせから選択される。
【0045】
1つの態様では、有機物質が、残存有機物質である。
【0046】
1つの態様では、添加物が、バインダ組成物の、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、又は20%であり、適切な範囲は、これらの値のうちの任意の間で選択されうる。
【0047】
1つの構成では、道路設置組成物が、ビチューメンを含有しない。
【0048】
1つの構成では、プラスチック原料が、高融点プラスチックを含有する。
【0049】
1つの構成では、高融点プラスチックが、ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂、プロピレン系熱可塑性ポリマー、エチレンのホモポリマー、又はこれらの組み合わせから選択される。
【0050】
1つの構成では、組成物が、高融点プラスチックを含有し、凝集体との混ぜ合わせの間又はその後で、約、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、又は約200℃にまで加熱され、適切な範囲は、これらの値のうちの任意の間で選択されうる。
【0051】
1つの構成では、プラスチック原料が、ABS、ナイロン、EVA、若しくはアクリル、又はこれらの組み合わせから選択される。
【0052】
1つの構成では、ABS、ナイロン、EVA、又はアクリルが、溶媒に溶解される。
【0053】
1つの構成では、ABS、ナイロン、EVA、又はアクリルが、混合タンクへ添加される前に、溶解される。
【0054】
代替的な構成では、ABS、ナイロン、EVA、又はアクリルが、混合タンク中で溶解される。
【0055】
1つの構成では、添加物が、組成物の10重量%未満で存在する。
【0056】
1つの構成では、アクリレートモノマーが、軟性モノマーから選択される。
【0057】
1つの構成では、アクリレートモノマーが、剛性モノマーから選択される。
【0058】
1つの構成では、剛性アクリレートモノマーが、メチルメタクリレート、又はスチレンモノマーから選択される。
【0059】
1つの態様では、軟性アクリレートモノマーが、エチルヘキシルアクリレート(例えば、2-エチルヘキシルアクリレート)から選択される。
【0060】
1つの構成では、架橋剤が、多官能性である。好ましくは、これが、三官能性である。
【0061】
1つの構成では、架橋剤が、トリメチロールプロパントリアクリレート及び過酸化物架橋剤から選択される。
【0062】
1つの構成では、促進剤が、アミン系化合物である。1つの構成では、促進剤が、アニリンの誘導体又はアナログである。
【0063】
1つの構成では、促進剤が、N,N-ジメチル-p-トルイジン(DMPT)、N,N-ジエチル-p-トルイジン(DEPT)、又はこれらの組み合わせから選択される。
【0064】
1つの構成では、バインダが、剛性アクリレートモノマー及び軟性アクリレートモノマーの混合物を含む。
【0065】
1つの構成では、バインダが、約、0.2重量%、0.25重量%、0.3重量%、0.35重量%、0.4重量%、0.45重量%、又は0.5重量%の、促進剤を含有し、適切な範囲を、これらの値の任意の間で選択できる。
【0066】
1つの構成では、バインダが、約、1%、2%、3%、4%、又は5%の架橋剤を含有し、適切な範囲を、これらの値の任意の間で選択できる。
【0067】
1つの構成では、バインダが、凝集体と混ぜ合わされる。
【0068】
1つの構成では、道路設置組成物が、バインダ及び凝集体を含有する。1つの態様では、道路設置組成物が、約、7%、8%、9%、10%、11%又は12%の、バインダを含有し、適切な範囲を、これらの値の任意の間で選択できる。
【0069】
1つの構成では、道路設置組成物が、バインダ及び凝集体を、バインダの、凝集体に対する比で、1:8~約1:14で含み、適切な範囲をこれらの値の任意の間で選択できる。
【0070】
1つの構成では、道路が、凝集体と組み合わされたプラスチック含有道路設置バインダ組成物から形成されている基層から形成される。
【0071】
1つの構成では、道路サブベース層の厚みが、120mm、130mm、140mm、150mm、160mm、170mm、180mm、190mm、又は200mmであり、適切な範囲を、これらの値の任意の間で選択できる。
【0072】
1つの構成では、混合タンクが、水と非水性溶媒との混合物を含有する。
【0073】
1つの構成では、非水性溶媒が、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせ、から選択される。
【0074】
1つの構成では、水の、非水性溶媒に対する比が、約60:40~約40:60である。
【0075】
1つの構成では、スチレンが、軟性モノマーと共重合されている。
【0076】
1つの構成では、約40重量%~約70重量%のプラスチック原料が、ABS、ナイロン、EVA、若しくはアクリル、又はこれらの組み合わせである。
【0077】
1つの構成では、ABS又はアクリルが、製品又は道路設置基材の可鍛性を増加させる。
【0078】
1つの構成では、プラスチック原料が、PVCを含む。
【0079】
1つの構成では、プラスチック基材が、約1重量%~約5重量%の、PVCのプラスチック原料を含有する。
【0080】
1つの構成では、PVCが、製品又は道路設置基材の延性を増加させる。
【0081】
1つの構成では、プラスチック原料が、総プラスチックの量に基づいて少なくとも30重量%のポリスチレンを含有し、かつ、スチレンコポリマー、エチレンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及び、ナイロン系のポリマー又はコポリマーから選択される1つのプラスチックを、含有する。
【0082】
1つの構成では、プラスチック原料が、総プラスチックの量に基づいて少なくとも30重量%のポリスチレンを含有し、かつ、スチレンコポリマー、エチレンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及び、ナイロン系のポリマー又はコポリマーから選択される少なくとも2つの異なるプラスチックを、含有する。
【0083】
1つの構成では、プラスチック原料が、総プラスチックの量に基づいて少なくとも30重量%のポリスチレンを含有し、かつ、スチレンコポリマー、エチレンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及び、ナイロン系のポリマー又はコポリマーから選択される少なくとも3つの異なるプラスチックを、含有する。
【0084】
1つの構成では、プラスチック原料が、(バインダ中におけるプラスチックの総量に基づいて)下記を含む:
・30重量%のポリスチレン
・70重量%のABS、EVA、又はアクリル。
【0085】
1つの構成では、プラスチック原料が、(バインダ中におけるプラスチックの総量に基づいて)下記を含む:
・30重量%のポリスチレン
・25重量%のABS、
・25重量%のEVA
・20重量%のアクリル。
【0086】
1つの構成では、プラスチック原料が、(バインダ中におけるプラスチックの総量に基づいて)下記を含む:
・40重量%のポリスチレン
・60重量%のABS、EVA、又はアクリル。
【0087】
1つの構成では、プラスチック原料が、(バインダ中におけるプラスチックの総量に基づいて)下記を含む:
・40重量%のポリスチレン
・20重量%のABS
・20重量%のEVA
・20重量%のアクリル。
【0088】
1つの構成では、プラスチック原料が、(バインダ中におけるプラスチックの総量に基づいて)下記を含む:
・50重量%のポリスチレン
・50重量%の、ABS、EVA又はアクリル。
【0089】
1つの構成では、プラスチック原料が、(バインダ中におけるプラスチックの総量に基づいて)下記を含む:
・50重量%のポリスチレン
・20重量%のABS
・20重量%のEVA
・10重量%のアクリル。
【0090】
1つの構成では、プラスチック原料が、(バインダ中におけるプラスチックの総量に基づいて)下記を含む:
・60重量%のポリスチレン
・40重量%のABS、EVA又はアクリル。
【0091】
1つの構成では、プラスチック原料が、(バインダ中におけるプラスチックの総量に基づいて)下記を含む:
・60重量%のポリスチレン
・15重量%のABS、
・15重量%のEVA
・10重量%のアクリル。
【0092】
1つの構成では、プラスチック原料が、(バインダ中におけるプラスチックの総量に基づいて)下記を含む:
・30重量%のポリスチレン
・50重量%のABS、EVA又はアクリル、及び
・20重量%のPVC。
【0093】
1つの構成では、プラスチック原料が、(バインダ中におけるプラスチックの総量に基づいて)下記を含む:
・30重量%のポリスチレン
・60重量%のABS、EVA又はアクリル、及び
・10重量%のPVC。
【0094】
1つの構成では、プラスチック原料が、(バインダ中におけるプラスチックの総量に基づいて)下記を含む:
・30重量%のポリスチレン
・40重量%のポリエチレン
・10重量%のアクリル
・10重量%のEVA、及び
・10重量%の有機過酸化物。
【0095】
1つの構成では、非水性溶媒が、下記を含む:
・約50重量%のメチレンクロリド
・約40重量%のトルエン、及び、
・適量の、ホワイトスピリット、若しくはトリクロロエチレン又はその組み合わせ。
【0096】
1つの構成では、混合タンクが、30℃以下の温度まで加熱される。
【0097】
1つの構成では、道路設置方法が、プラスチックの表面層を含む。
【0098】
1つの構成では、プラスチックの道路表面層が、キャリア中における8mm未満の粒子サイズを有する粒状PETを含むプラスチックスラリーから形成されている。
【0099】
1つの構成では、プラスチックの道路表面層が、約50mm~約100mmの厚みを有する。
【0100】
1つの構成では、原料プラスチックが、約105℃~約160℃の融点を有するプラスチックを含む。
【0101】
1つの構成では、高融点プラスチックが、ポリエチレン、PET、ポリプロピレン、ナイロン、又はこれらの組み合わせから選択される。
【0102】
1つの構成では、約5重量%~約15重量%の高融点プラスチックが、凝集体と混ぜ合わされる。
【0103】
1つの構成では、プラスチックバインダが、混合タンク中に存在する間に、30℃以下の温度に加熱される。
【0104】
1つの構成では、プラスチックと凝集体の混合物が、100℃~200℃までの温度に加熱される。
【0105】
1つの構成では、加熱された、プラスチックと凝集体の混合物が、リサイクル不可プラスチックと混ぜ合わされており、リサイクル不可プラスチックの、高融点プラスチックに対する比が、約40:60である。
【0106】
1つの構成では、色剤が、混合物に添加される。
【0107】
1つの構成では、低温道路設置システムが、スチレン、ABS、ナイロン、PVC、又はこれらの組み合わせから選択されるプラスチックの原料を含む。
【0108】
1つの構成では、第1のタンクが、プラスチックと溶媒との混合物を含み、この混合物では、プラスチックの、溶媒に対する比が、約60:40~約40:60である。
【0109】
1つの構成では、溶媒が、下記を含む:
約40重量%のメチレン、
約10重量%のトリクロロエチレン
約10重量%のトルエン
約0.4重量%の酵素系界面活性剤の溶媒、及び
適量の、ホワイトスピリット。
【0110】
1つの構成では、粒状のプラスチックが、混合タンクに添加される。
【0111】
1つの構成では、粒状のプラスチックが、プラスチックの総量の約15重量%~約85重量%である。
【0112】
1つの構成では、粒状のプラスチックが、PET、ポリプロピレン又は(高密度及び低密度を含む)ポリエチレン、又はこれらの組み合わせから、選択される。
【0113】
1つの構成では、粒状のプラスチックが、PVCから選択される。
【0114】
1つの構成では、粒状のプラスチックが、約8mm未満の粒子サイズを有する。
【0115】
1つの構成では、複合製品が、コンクリート複合製品、木に基づく複合製品である。
【0116】
1つの構成では、複合製品が、パネル、ポスト、又はブロックである。
【0117】
1つの構成では、木に基づく複合製品が、合板、粒子ボード、及び、中密度ボードから選択される。
【0118】
1つの構成では、粒状又は繊維状の物質が、約10mm未満の粒子サイズを有する。
【0119】
1つの構成では、粒状又は繊維状の物質が、50mm未満の長さを有する。
【0120】
1つの構成では、粒状又は繊維状の物質が、木粒子(例えば、おがくず又は木の繊維若しくはフレーク)、細断された紙又は段ボールの繊維、細断されたポリエチレン織物バッグ、細断されたポリエチレンバッグ、チップ状のPETボトル、粉砕されたガラス、粉砕された日用品(例えば、粉砕されたプラスチック玩具、粉砕された電子機器、粉砕されたプリンタカートリッジ)、火山灰、及びポットアッシュ、粒状化されたゴム、粒状化されたタイヤ、又はこれらの組み合わせ、から選択される。
【0121】
1つの構成では、プラスチック含有バインダ及び粒状又は繊維状の物質が、混合され、型の中に配置される。
【0122】
1つの構成では、プラスチック含有製品が、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、又は1未満の、自由水を含む。本開示において、用語「自由水」は、化学結合(例えば、水素結合又は共有結合)によって他の分子に結合していない水を意味する。
【0123】
1つの構成では、ホモゲナイザーが、
スラリーの流れを受容するように構成されている、入口(供給口);このスラリーは、20mm未満の粒子サイズを有する粒子を含む、
出口(排出口)、
3以上の円筒状胴部;円筒状胴部の対が、互いに対して回転する内部円筒状胴部及び外部円筒状胴部を有し、それぞれの円筒状胴部が、それぞれの円筒状胴部を通る流れ経路を規定する複数の開口部を有する、
を有し、
スラリーは、それぞれの円筒状胴部の少なくとも1つの開口部を介して、ホモゲナイザーの入口からホモゲナイザーの出口までの流れ経路を横断し、それによって、出側スラリーを形成する。
【0124】
1つの構成では、このシステムが、3、4、5、6、又は7つの円筒状胴部を含む。
【0125】
1つの構成では、溶媒回収システムの入口が、加熱可能な溶媒チャンバへの溶媒の進入を制御するための1以上のバルブを有する。
【0126】
1つの構成では、加熱可能な溶媒チャンバが、封止されたふた部を有し、それにより、加熱可能な溶媒チャンバが耐空気漏洩性を有するようになっている。
【0127】
1つの構成では、加熱システムが、ジャケットヒーター又はコイルヒーターである。
【0128】
1つの構成では、加熱可能な溶媒チャンバが、加熱可能な溶媒チャンバ中における溶媒の温度を制御するためのサーモスタットを有しており、それによって、溶媒が蒸発する速度が制御される。
【0129】
1つの構成では、加熱可能な溶媒チャンバが、蒸発した溶媒を受容する吸引ヘッドを含む。
【0130】
1つの構成では、出側パイプが、チラー(冷却装置)を有する。
【0131】
1つの構成では、溶媒回収システムが、吸出しファンを有する。
【0132】
1つの構成では、溶媒回収システムが、吸出しファンによって生成される真空を含む真空配管を有し、この真空配管が、出側チューブ及び受容タンクに流体的に接続している。
【0133】
1つの構成では、真空配管への入口が、入口又はその近傍に配置された保護舌部を有し、それによって、蒸発した溶媒の吸出しファンへの移動が、防止される。
【0134】
1つの構成では、溶媒回収システムが、加熱可能な溶媒チャンバに導入されたスラリーから、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の、溶媒を除去し、適切な範囲は、これらの値の任意の間で選択することができる。
【0135】
1つの構成では、溶媒回収ユニットが、均質化された混合物(すなわちホモゲナイザー処理された混合物)からの少なくとも80%~約95%の液体溶媒(水及び非水性溶媒)を抽出する。
【0136】
1つの構成では、混合物が、少なくとも2つのホモゲナイザーを通過する。
【0137】
本開示に関して、用語「スチレンユニットを含む」は、スチレンのホモポリマー又はコポリマーであるプラスチックポリマーを意味している。すなわち、ホモポリマーの場合には、スチレンモノマーユニットのみを含有してポリスチレンを形成している。コポリマーである場合には、少なくとも1つのスチレンモノマーユニットを含有する。
【0138】
本願で開示されている数の範囲(例えば1~10)への参照は、この範囲内の全ての有理数への参照(例えば、1,1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9、及び10)並びにこの範囲内の有理数の任意の範囲への参照(例えば、2~8、1.5~5.5及び3.1~4.7)も含むことが意図されている。
【0139】
本発明は、概略的に言えば、本願明細書中で別個に又は集合的に言及又は示されている部分、要素、及び特徴からなっていてよく、これらの部分、要素、又は特徴の任意の2以上のいずれか又は全ての組み合わせからなってよく、本発明が関連する従来技術において等価物が知られている特定の整数が言及されている場合、そのような公知の等価物は、別個に言及されたものとして、本開示に取り込まれているとみなされる。
【0140】
用語「~を含んでいる」は、本明細書中において、「少なくとも部分的に~からなる」ことを意味する。この用語を含む本明細書中の記載を解釈する際には、それぞれの記載においてこの用語を有する特徴は、すべて存在する必要があるが、その他の特徴も存在できる。関連する用語、例えば「含む」及び「含まれる」も、同様に解釈される。
【0141】
図面の簡単な記載
本発明を、例示としてのみ、かつ図面を参照して、説明する。
【0142】
【0143】
【0144】
図3Aは、2以上の胴部を有する上記の粉砕機の図を示しており、この胴部は、円筒形である。
【0145】
【0146】
【0147】
【0148】
【0149】
図7Aは、対石材比で10重量%で種々の促進剤(DMPT)及び架橋剤(BPO)を有しており、0.375重量%の促進剤(DMPT)での種々のBPOを有する、PM2及びTM2に関する弾性係数を示すグラフである。
【0150】
図7Bは、対石材比で10重量%で種々の促進剤(DMPT)及び架橋剤(BPO)を有しており、3重量%の架橋剤(BPO)での種々のDMPTを有する、PM2及びTM2に関する弾性係数を示すグラフである。
【0151】
図8Aは、0.375重量%促進剤(DMPT)でかつ種々の重量%のバインダでの種々の範囲のモノマー配合に関する弾性係数を示すグラフである。
【0152】
図8Bは、3重量%架橋剤(BPO)でかつ種々の重量%のバインダでの種々の範囲のモノマー配合に関する弾性係数を示すグラフである。
【0153】
図9Aは、0.375重量%促進剤(DMPT)での石材に対する10、12又は14重量%バインダでの、種々のモノマー配合物に関する弾性係数を示すグラフである。
【0154】
図9Bは、3重量%架橋剤(BPO)での石材に対する10、12又は14重量%での、種々のモノマー配合物に関する弾性係数を示すグラフである。
【0155】
図10Aは、0.375重量%促進剤(DMPT)での種々の重量%バインダでの、種々のモノマー配合物に関する弾性係数を示すグラフである。
【0156】
図10Bは、3重量%架橋剤(BPO)での種々の重量%バインダでの、種々のモノマー配合物に関する弾性係数を示すグラフである。
【0157】
図11は、石材比で10重量%バインダでの種々のモノマー混合物に関する弾性係数を示すグラフである。
【0158】
本発明の詳細な記載
本開示では、バインダを調製する方法、及び、種々の製品の製造におけるこのバインダの使用を記載する。
【0159】
バインダは、下記を含むプラスチック原料を提供することによって調製できる:
(a)総プラスチックの少なくとも30重量%の、スチレンユニットを有するプラスチック、又は、
(b)スチレンユニットを含有する第1のプラスチック、並びに、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー又はコポリマー、若しくはこれらの組み合わせから選択されるプラスチックを含むさらなるプラスチック。
(a)の場合、バインダは、さらに、アクリレートモノマー及び架橋剤を含有する。(b)の場合、バインダは、さらに、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせ、から選択される溶媒をさらに含む。
【0160】
バインダは、プラスチック原料を溶媒と混合することによって調製でき、溶媒は、非反応性溶媒又は反応性溶媒から選択される。非反応性溶媒は、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択でき、反応性溶媒は、2以上のモノエチレン性不飽和モノマーから選択できる。非反応性溶媒を用いる場合、プラスチック原料は、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー若しくはコポリマー、又はこれらの組み合わせ、から選択されるプラスチックを含むさらなるプラスチックを、含んでよい。
【0161】
バインダは、プラスチック原料と、下記とを混合することによって調製できる:
(a)有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、若しくはこれらの組み合わせから選択される、溶媒、
又は、
(b)硬化助剤と組み合わされた、2以上のモノマー構造ユニットの混合物、それぞれのユニットは、異なるホモポリマーガラス転移温度(Tg)を有し、第1のモノマー構造ユニットが、80℃超のホモポリマーTgを有し、第2のモノマーが、80℃未満のホモポリマーTgを有する。
(a)が存在する場合、プラスチック原料は、さらに、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー若しくはコポリマー、若しくはこれらの組み合わせ、を含むプラスチックを、さらに含む。
【0162】
バインダは、プラスチック原料を溶媒と混合することによって調製できる。プラスチック原料は、スチレンユニットを有する第1のプラスチック、及び、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー若しくはコポリマー、又はこれらの組み合わせから選択されるプラスチックを含むさらなるプラスチックを、含有する。溶媒は、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択されてよい。
【0163】
バインダは、プラスチック原料を溶媒と混合することによって調製できる。プラスチック原料は、総プラスチックの少なくとも30重量%の、スチレンユニットを有するプラスチック、及び、総プラスチックの70重量%以下の、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー若しくはコポリマー、又はこれらの組み合わせから選択されるプラスチックを、含有しうる。溶媒は、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択されうる。
【0164】
バインダは、プラスチック原料を溶媒と混合することによって調製できる。プラスチック原料は、総プラスチックの少なくとも30重量%の、スチレンユニットを有するプラスチック、及び、総プラスチックの70重量%以下の、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー又はコポリマーから選択されるプラスチックを、含有しうる。溶媒は、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択されうる。
【0165】
バインダは、プラスチック原料、溶媒、及び添加物を混合することによって、調製できる。プラスチック原料は、総プラスチックの少なくとも30重量%の、スチレンユニットを有するプラスチック、及び、総プラスチックの70重量%以下の、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー又はコポリマーから選択されるプラスチックを、含有しうる。溶媒は、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択されうる。添加物は、組成の20%%以下で含有されてよく、ペイント、オイル(油)、海洋廃棄プラスチック、プロピレン系熱可塑性ポリマー、アルケンのホモポリマー、有機物質、及びこれらの任意の組み合わせから成る群から選択されうる。
【0166】
バインダは、混合タンク中でプラスチック原料を溶媒と混合することによって、形成することができる。プラスチック原料は、(a)8mm超の平均粒子サイズを有するプラスチック粒子、(b)8mm未満の平均粒子サイズを有するプラスチック粒子、又は、(a)と(b)の任意の組み合わせ、から選択できる。溶媒は、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択されうる。(a)が存在する場合、又は、混合物が、8mm超の平均直径を有する任意の粒子を含有する場合、混合タンクは、ホモゲナイザーと流体的に接続されてよい。
【0167】
バインダは、水系バインダ、溶媒系バインダ、及び、粒状又は繊維状の物質を混合して成形可能混合物を製造することによって、形成できる。水系バインダは、第1のプラスチック原料及び水の混合物を含有してよく、第1のプラスチック原料が、0.5mm未満の粒子サイズを有しており、ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂、プロピレン系熱可塑性ポリマー、及び、アルケンのホモポリマーから選択さる。溶媒系バインダは、第2のプラスチック原料及び溶媒の混合物を含み、溶媒は、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択される。第2のプラスチック原料は、第2のプラスチック原料の総プラスチックの少なくとも30重量%の、スチレンユニットを有するプラスチック、及び、第2のプラスチック原料の総プラスチックの70重量%以下の、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー又はコポリマーから選択されるものを含みうる。成形可能混合物を、型又はプレス機に導入し、圧縮して、プラスチック複合製品を製造することができる。
【0168】
バインダは、混合タンク中でプラスチック原料を水と混合することによって調製でき、プラスチック原料が、(a)0.5mm超の平均粒子サイズを有するプラスチック粒子、(b)0.5mm未満の平均粒子サイズを有するプラスチック粒子、(a)及び(b)の任意の組み合わせ、から選択される。プラスチック原料は、ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂、プロピレン系熱可塑性ポリマー、アルケンのホモポリマー、又はこれらの組み合わせ、から選択できる。(a)が存在する場合又は混合物が0.5mm超の平均直径を有する任意の粒子を含有する場合に、混合タンクは、ホモゲナイザーと流体的に接続されてよい。
【0169】
バインダは、
(a)プラスチックを非反応性溶媒中で溶解させることによって、又は
(b)プラスチックを反応性モノマー溶液中で溶解させることによって、
製造できる。
溶解のためのプラスチックは、適切な溶媒を必要とする。反応性モノマー溶液中で溶解させるためのプラスチックは、プラスチックを共重合するための架橋剤を必要とする。
【0170】
プラスチックを処理するための方法が記述される。プラスチックは、それらが用いられる方法に応じて、広い範囲の原料に由来してよく、例えば、ヴァージンプラスチック又は廃棄プラスチックに由来してよい。
【0171】
廃棄プラスチックは、この方法のために有用なプラスチックの原料を提供する。多くの国で、廃棄プラスチックは、環境問題を引き起こしており、社会は、そのようなプラスチックの再利用(リサイクル)又は処分のために、経済的かつ安全上の課題を有している。原料となる廃棄プラスチックは、例えば、廃棄リサイクルプロセスから由来するプラスチックのタイプであってよい。しかしながら、所望の出側スラリーに応じて、種々のタイプの入側プラスチックを使用できることも理解されるであろう。
【0172】
プラスチックは、スチレン系ホモポリマー、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー又はコポリマー、ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂、ポリプロピレン系熱可塑性ポリマー、及びアルケンのホモポリマー、又はこれらの組み合わせを含むプラスチックから選択されうる。
【0173】
廃棄プラスチックは、ポリエチレンテレフタレート(PETE又はPET)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリビニルクロリド(PVC)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン又はスチロフォーム(PS)、ポリカーボネート、ポリラクチド、アクリル、アクリロニトリルブタジエン、スチレン、繊維ガラス、ゴム、紙、及びナイロンの任意の混合物であってよい。この廃棄プラスチックの混合体は、例えば、混ざり合ったプラスチック廃棄流から由来してよい。
【0174】
社会におけるプラスチックの幅広い使用を考慮すると、廃棄プラスチックは、典型的に、日常的な廃棄製品から得られ、例えば、プラスチックボトル(例えば、ミルク、炭酸飲料、水のボトル、洗剤製品)、プラスチック容器(例えば、オイル、食品などの工業製品のためのプラスチック容器)、及び包装体(剛性又は軟性のもの)から得ることができる。しかしながら、廃棄製品の製品リストは、非常に広範囲であることが理解されるであろう。
【0175】
廃棄プラスチックは、慣用的に分類される。例えば、プラスチックは、多くの場合、下記に示すような、同定用数字を取り囲む、尾追い矢印の三角形で、押印されている。
【表1】
【0176】
プラスチックの1つの原料は、細断されたプラスチックである。細断されたプラスチックは、約20mm未満の粒子サイズにまで細断されてよい。
【0177】
プラスチック粒子は、光学顕微鏡を用いた直接的な画像化によって計測できる。サンプルを、まず、CILAS1180を用いたレーザー回折技術によって解析することができ、それによって、粒子サイズの分布の全体像を得る。プラスチックの懸濁体は、50行20列の格子状にエッチングされたSedgewick Rafter セル(SRC)に配置してよい。サイズ及び粒子カウントの計測値を、較正された接眼両眼顕微鏡オリンパスBX51で100倍及び200倍の倍率で、QCapture Pro 5.1画像解析ソフトウェアを用いて、決定できる。それぞれのサンプルに関して3つの再現サンプルを用いることができ、6つのランダムに選択された切断面において最初の100粒子の最長長さを計測することができる。粒子サイズ分布を決定するために、それぞれのサンプルから300粒子を計測してよい。長さは、接眼レンズの較正されたマイクロメータを用いて手動で決定してよく、値は、ミクロン又はmmに変換された。
【0178】
フローサイトメトリーを用いて、70μm以下の範囲における粒子を分析できる。
【0179】
細断されたプラスチックは、約、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20(mm)の、粒子サイズを有し、適切な範囲を、これらの値の任意の間で選択できる(例えば、約2~約20、約2~約18、約2~約15、約2~約10、約2~約8、約3~約20、約3~約17、約3~約16、約3~約12、約3~約10、約3~約7、約4~約20、約4~約18、約4~約14、約4~約10、約4~約8、約5~約20、約5~約19、約5~約15、約5~約10、約6~約20、約6~約17、約6~約13、約6~約10、約7~約20、約7~約18、約7~約16、約7~約10、約8~約20、約8~約18、約8~約15、約8~約10、約9~約20、約9~約16、約9~約14、約10~約20、約10~約17、約11~約20、約11~約17、約12~約20、約12~約18、又は約13~約20(mm))。
【0180】
上記のように、元のプラスチック製品をある粒子サイズにまで低減するための種々の方法が知られている。例えば、切断、及び/又は押出機、細断機、造粒器、又は破砕器の使用である。切断処理及び押出処理の機械(例えば米国特許9.744689参照)は、筐体中で回転する1以上のナイフ部を有することができ、それにより、筐体中に導入された任意のプラスチックが、このナイフ部によって、比較的小さい粒子へと切断される。ある種の機械では、プラスチックは、ナイフ部の動作に起因して(すなわち摩擦によって生じる熱によって)溶融を開始することがあり、又は溶融することがあり、そのような溶融した又は部分的に溶融したプラスチックを押出機へ送ることができ、この押出機中で、スクリューが、プラスチックを、切断ブレードから遠くへと運ぶ。そして、プラスチックを、押出してよく、かつ押出機の出側で、小さいペレットへと切断できる。
【0181】
細断器(例えば米国特許6,241,170参照)、造粒器(例えば米国特許6,749,138参照)及び破砕器(例えば米国特許5,547,136又は独国特許19614030A1参照)は、単一又は複数の切断ホイール又はローラーを有することができ、これもまた筐体中で回転し、切断ホイール又はローラーと筐体の内部側表面との間をプラスチックが通過する際に、プラスチックに対する切断ホイール又はローラーの作用を通じて、プラスチックのサイズが減少される。代替的には、プラスチックが、2以上の群のナイフ又はローラーの列の間を通過してよく、これらは重なり合っていてもよく、そのようにして、プラスチックが、この通過に起因して、切断され又は破砕される。
【0182】
そのようなプロセスは、典型的には、回転式のナイフ又は固定ナイフを用い、これらの回転が、プラスチックを比較的小さい粒子又は断片へと切断する。
【0183】
プラスチックのさらなる原料は、2mm未満の粒子サイズを有するプラスチックの均質化された(ホモゲナイザー処理された)スラリーを含んでよい。好ましくは、均質化されたプラスチックは、約、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、2mm未満の粒子サイズを有し、適切な範囲を、これらの値の任意の間で選択しうる(例えば、約0.05~約2、約0.05~約1、約0.05~約0.5、約0.1~約2、約0.1~約1、約0.1~約0.5、約0.2~約2、約0.2~約1、約0.2~約0.5、約0.3~約2、約0.3~約1、約0.3~約0.5、約0.4~約2、又は約0.4~約1(mm))。
【0184】
上記を達成するためのホモゲナイザーの例は、2以上の円筒形の同心円状の胴部を有する粉砕器の使用であり、これらの胴部が、互いに対して回転する。これは、下記のセクション4で記述される。そのような粉砕器で用いられるプラスチックは、HDPE、LDPE、PETE、PVC、PE、PP又はこれらの組み合わせを含んでよい。
【0185】
製造されるエマルジョンは、キャリア中に懸濁されたプラスチックであってよい。キャリアは、種々の溶媒の範囲から選択してよく、例えば、水又は有機溶媒から選択してよい。スラリーを形成するために適している溶媒としては、ハロアルカン(例えばメチルクロリド)が挙げられる。
【0186】
プラスチックのさらなる原料は、溶解されたプラスチックであり、例えば、溶解されたポリスチレンである。
【0187】
スチレンは、エテニルベンゼン、ビニルベンゼン、又はフェニルエテンとしても知られる。スチレン系モノマーは、(ビニル基によって促進されて)重合されてホモポリマー又はコポリマーを形成できる。例えば、スチレン系モノマーは、ホモポリマーとして重合されて、ポリスチレンを形成できる。
【0188】
スチレン系モノマーは、1又は複数の他の化合物とのコポリマーを形成できる。例えば、
・ポリブタジエンの存在下でアクリロニトリルとコポリマーを形成して、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を形成でき、
・ブタジエンとコポリマーを形成して、例えば、スチレンブタジエン又はスチレンイソプレンスチレンを形成でき、
・エチレン及び/又はブチレンとコポリマーを形成して、スチレンエチレンブチレンスチレン(S-BE-S)を形成でき、
・ジビニルベンゼンとコポリマーを形成して、例えば、スチレンジビニルベンゼン(S-DVB)を形成でき、
・アクリロニトリルとコポリマーを形成して、例えば、スチレンアクリロニトリル(SAN)を形成でき、
・樹脂及び熱硬化性化合物中で典型的に用いられる不飽和ポリエステルとコポリマーを形成できる。
【0189】
スチレンポリマーは、ラテックス、合成ゴム、及びポリスチレン樹脂を形成するために用いられ、そして、これらは、プラスチック包装体、使い捨てカップ、及び容器、遮断体、並びに他の製品を製造するために用いられる。スチレンポリマーは、剛性かつフィルム状のポリスチレン(剛性の食品提供容器で用いられるもの)、CDケース、家電製品の筐体、筐体ウィンドウ、ポリスチレン発泡体(食品提供製品及び建物遮断において用いられるもの)、タブ及びシャワーの囲い、自動車本体パネル、風力タービン部品、ボート、ABSプラスチック(冷蔵庫のライナーで用いられるもの)小さい家電製品及びかばん、を製造するためにも用いられる。
【0190】
スチレンポリマーは、まず、有機溶媒中に溶解してよく、この有機溶媒は、例えば、塩素化脂肪族炭化水素、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、メチルエチルケトン、エチルアセテートである。適切な有機溶媒の例としては、アセトン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン及びトルエンが挙げられる。
【0191】
例えば、スチレンポリマーを、適切な溶媒を有するタンク中に導入してよい。スチレンポリマーが適切に溶解したときに、
図1に示されるように、混合タンクへとポンプで供給してよい。
【0192】
スチレン系モノマーから形成されるプラスチックは、スチレンコポリマー、エチレンとビニルアセテートとのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー又はコポリマー、から選択されるプラスチックから選択される別のプラスチックと組み合わされる。
【0193】
スチレンコポリマーは、スチレンとアクリロニトリルとのポリマーであってよく、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)であってよい。バインダが2以上の異なるプラスチックの組み合わせでありプラスチックのうちの1つがスチレン及びアクリロニトリルのポリマーである場合には、他のプラスチックポリマーは、スチレン及びアクリロニトリルのポリマーではない。
【0194】
アルケンのコポリマーは、エチレンのコポリマーであってよい。エチレンのコポリマーは、例えば、エチレンとビニルアセテートとのコポリマーであってよい。エチレンとビニルアセテートとのコポリマーは、エチレンビニルアセテート(EVA)であってよい。
【0195】
アクリルポリマーは、ポリ(メチルメタクリレート)であってよい。
【0196】
ナイロン系のポリマー又はコポリマーは、典型的には、脂肪族ポリアミドであり、又は準芳香族ポリアミドである。
【0197】
ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂は、ポリエチレンテレフタレート(PET)であってよい。ポリプロピレン系熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレン(PP)であってよい。アルケンのホモポリマーは、エチレンのホモポリマーであってよい。エチレンのホモポリマーは、(高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンを含む)ポリエチレン(PE)であってよい。
【0198】
いくつかの構成では、プラスチックが、バージンプラスチック(ヴァージンプラスチック)であってよい。そのような場合には、プラスチック製品の熱硬化プロセスの間に行われるように、バージンプラスチックに架橋剤を添加する必要がありうる。慣用的な架橋剤は、過酸化架橋に基づく架橋、放射線架橋に基づく架橋、及びシラン架橋に基づく架橋をもたらす。
【0199】
図1で見られるように、プラスチックを溶解するための混合タンクは、導入されたプラスチック及び溶媒を混合する。
【0200】
タンク中に導入された溶媒は、混合タンク中で任意の1以上のプラスチックを(少なくとも部分的に)溶解させるために適している溶媒から選択されうる。いくつかの実施態様では、1以上のプラスチック原料は、混合タンク中に導入される際に、溶解された状態であってよい。この場合には、混合タンク中での溶媒は、溶解されたプラスチックが実質的に溶解された状態のままであることを保証するのに十分である必要がある。
【0201】
溶解可能なプラスチックを溶解するための1又は複数の溶媒は、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化炭化水素溶媒、又はこれらの組み合わせから選択できる。
【0202】
有機ハロゲン溶媒は、ハロゲン置換基を有するものである。例えば、ハロゲン基は、フッ化物又は塩化物から選択できる。有機ハロゲン溶媒は、ハロアルカンであってよい。有機ハロゲン溶媒は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、又はC10の、炭化水素であってよい。有機ハロゲン溶媒は、有機塩化物溶媒(有機クロリド溶媒)であってよい。有機塩化物溶媒は、少なくとも1つの共有結合で結合した塩素の原子を含有する化合物であり、例えば、メチル塩化物(1つのCl原子)又はメチレン塩化物(2つのCl原子)である。適切な有機塩化物溶媒の例は、メチルクロリド、メチレンクロリド、若しくはトリクロロエチレン、又はこれらの組み合わせである。
【0203】
芳香族炭化水素溶媒は、芳香族置換基を有するものである。1つの実施態様では、芳香族基が、ベンゼン環である。好ましくは、芳香族基が、1又は複数の官能基を有する。官能基は、1又は複数のメチル又はエチル基から選択されうる。芳香族炭化水素溶媒は、トルエン又はキシレンから選択でき、又はこれらの組み合わせから選択できる。トルエンは、芳香族炭化水素であり、ペイント(塗料)及び塗料希釈剤として慣用的に用いられる。
【0204】
ミネラルスピリット(ホワイトスピリット、石油スピリット、又はテレビン油とも呼ばれる)は、脂肪族、開環式、又は脂環式の、C7~C12の炭化水素の混合物である。
【0205】
脱芳香族化溶媒は、高度に水素化された溶媒であり、低い芳香族含有量を有し、かつ、一般的に、脂環式ミネラルスピリットとして分類される。脱芳香族化溶媒は、ExxonMobil Chemicalによって提供されるExxsol(商標)のシリーズの溶媒から選択できる。例えば、脱芳香族化溶媒は、Exxsol(商標)D40、Exxsol(商標)D60、Exxsol(商標)D80、若しくはExxsol(商標)D100、又はこれらの組み合わせから選択できる。脱芳香族化溶媒は、ShellSolシリーズから選択することができ、例えば、ShellSol D60を選択でき、これは、主に、C10~C12のパラフィン及びナフテンからなる。
【0206】
1つの実施態様では、溶媒が、トリクロロエチレンを含む。本件発明者らは、トリクロロエチレンが、ABSプラスチック及びスチレンの分解に効果的であることを見出した。
【0207】
1つの実施態様では、溶媒が、メチレンクロリドを含有する。本件発明者らは、メチレンクロリドが、ABSプラスチック及びスチレンの分解に効果的であることを見出した。
【0208】
上述したとおり、用いられる溶媒を、プラスチック原料に適合させることが重要である。例えば、脱芳香族化溶媒又はキシレン(単体)は、プラスチックがABSである場合には、効果的でないことがある。好ましくは、プラスチックがABSであるときに、溶媒が、有機ハロゲン溶媒、例えば、トリクロロエチレン又はメチレンクロリドから選択される。
【0209】
1つの実施態様では、溶媒の組み合わせが用いられる。
【0210】
例えば、溶媒の組み合わせは、溶媒及び共溶媒を含有し得る。この例として、(共溶媒として働く)溶媒、例えば有機ハロゲン溶媒(例えば、トリクロロエチレン又はメチレンクロリド)を、それが溶媒として用いられる場合に対して少ない量又は濃度で、用いることができる。この場合、第2の溶媒、例えば脱芳香族化溶媒を、プラスチックの分解を続けるために用いることができる。このようにして、この方法で用いられる環境適合性が比較的低い溶媒の量を、低減できる。
【0211】
ミネラルスピリットは、溶媒又は共溶媒として、混合物中に添加できる。1つの実施態様では、ミネラルスピリットが、バインダの乾燥時間を低減することを見出した。
【0212】
図4で示される混合タンク102は、セクション1で上述したプラスチック原料、及びセクション2で上述した溶媒を、受容する。混合タンクは、典型的には、容器又はタンクの形態であり、これが、少なくとも1つのブレードをその末端部に有する攪拌部105を有する。
【0213】
混合タンク102が、
図4に示されている。混合タンク102は、アクセスハッチ108を有しており、これを通じて、材料を、混合タンク中に導入できる。代替的には、混合タンクが、入口(供給口)を有してよく、これを通じて、プラスチックスラリーが、混合タンク102中に導入される。
【0214】
設計100は、溶媒保存タンク101も有してよく、これは、混合タンク102に流体的に接続している。これは、ポンプ104を有してよく、これは、溶媒保存タンク101から混合タンク102へと、溶媒をくみ上げる。
【0215】
混合タンク102は、システム入口(供給口)、及び1以上の出口(排出口)を有し、システム入口を通じて、溶媒が導入される。
【0216】
混合タンク102は、攪拌部105を含む容器を有してよい。攪拌部105は、混合タンク102内でシステム入側スラリーを攪拌するように構成されてよく、それによって、攪拌されたスラリーが生成される。好ましくは、攪拌部105が、容器内に渦を生成する。理論によって限定する意図はないが、渦は、廃棄プラスチック粒子が容器中に懸濁されたままでいることを助け、そのようにして、廃棄プラスチックが容器の底部に沈むことを防止する。
【0217】
代替的には、廃棄プラスチックの密度がキャリア液体の密度よりも小さい場合に、プラスチックが、少なくとも部分的に、容器中で浮いていてよい。そのような構成では、攪拌部は、好ましくは、容器内で渦又は流れを生成してよく、そのようにして、プラスチックを、容器中における浮遊から、容器の出口へと下方向に引き寄せ、例えば、ホモゲナイザー107へと引き寄せる。
【0218】
攪拌部105は、好ましくは、容器中において、プラスチックと、溶媒、例えば水との、均質な混合物を作り出す。
【0219】
攪拌器の攪拌部105は、好ましくは、スラリー内において材料の実質的な均質性を達成する回転速度で、作動する。「実質的」によって意味していることは、少なくとも、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%の均質性である。理論によって限定する意図はないが、この程度の均質性が、粉砕機のつまりを起こすことなく粉砕機10への材料の所望の入側供給速度を達成するために、十分である。例えば、攪拌部は、約100RPM~約5,000RPMの速度でモータ106によって作動してよい。
【0220】
いくつかの形態では、攪拌部105が、容器からの一定量のプラスチックの処理の間に、作動速度を増加させてよい。例えば、容器中における溶媒の体積に対するプラスチックの質量又は体積が方法の作動の間に減少する場合には、攪拌部の作動速度を増加させてよく、それによって、容器の出口からの、かつ粉砕機10への、プラスチックの、一定の、又は実質的に一定の、流量を維持する。例えば、攪拌部は、約2,000RPMで開始してよく、攪拌器からの一定量のプラスチックの処理の終結までに、約5,000RPMにまで増加してよい。
【0221】
追加的に又は代替的に、いくつかの形態では、攪拌部の作動速度を、容器内におけるプラスチック粒子のサイズ又は平均サイズに応じて、制御してよい。
【0222】
いくつかの実施態様では、混合タンク102が、1又は複数のバッフルを有し、この1又は複数のバッフルは、混合タンク102の容器の内壁から延在する。理論によって限定する意図はないが、バッフルは、容器の中央にプラスチック粒子を保持する役割を有しうる。
【0223】
攪拌部105は、プラスチックの粒子サイズをさらに低減する役割を有しうる。
【0224】
いくつかの実施態様では、プレートが、攪拌部の上方に位置している。プレートは、攪拌部ブレードの直径に略等しい直径を有する。好ましくは、ブレードの直径が、攪拌部ブレードの直径の、80%、95%、90%、95%、100%、105%、110%、115%、又は120%であり、好ましい範囲を、これらの値の任意の間から選択できる。
【0225】
いくつかの実施態様では、攪拌段階の出口からの廃棄プラスチックが、0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、又は4.0mmの粒子サイズを有し、適切な範囲を、これらの値の任意の間で選択できる(例えば、約0.5~約4.0mm、約0.5~約3.0mm、約0.5~約2.5mm、約0.5~約1.5mm、約1.0~約4.0mm、約1.0~約3.5mm、約1.0~約2.5mm、約1.5~約4.0mm、約1.5~約3.5mm、約1.5~約2.5mm、約2.0~約4.0mm、約2.0~約3.5mm、約2.0~約3.0mm、約2.5~約4.0mm、約2.5~約3.5mm、約2.5~約3.0mm、又は、約3.0~約4.0mm)。
【0226】
プラスチックは、上記のとおり、スラリーとして、混合タンク102の入口に進入してよい。プラスチック粒子と共にスラリーを形成している液体は、水であってよく、又は、溶媒であってよく、又はこれらの組み合わせであってよい。
【0227】
適切な溶媒が、上述されている。
【0228】
いくつかの実施態様では、攪拌部105が、少なくとも、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分にわたって作動し、適切な範囲を、これらの値の任意の間で選択できる。
【0229】
いくつかの実施態様では、攪拌部105が、連続プロセスとして作動し、スラリーが、プラスチック粒子を伴って攪拌器の出口から外に出、このプラスチック粒子が、0.5mm未満、1.0mm未満、1.5mm未満、2.0mm未満、2.5mm未満、3.0mm未満、3.5mm未満、又は4.0mm未満、の粒子サイズに達しており、適切な範囲を、これらの値の任意の間で選択できる(例えば、約0.5~約4.0mm、約0.5~約3.0mm、約0.5~約2.5mm、約0.5~約1.5mm、約1.0~約4.0mm、約1.0~約3.5mm、約1.0~約2.5mm、約1.5~約4.0mm、約1.5~約3.5mm、約1.5~約2.5mm、約2.0~約4.0mm、約2.0~約3.5mm、約2.0~約3.0mm、約2.5~約4.0mm、約2.5~約3.5mm、約2.5~約3.0mm、又は、約3.0~約4.0mm)。
【0230】
この粒子サイズ選択は、出側パイプにおける粒子サイズ選別器の使用を通じて達成でき、例えば、所望のサイズ未満のプラスチック粒子の通過を可能にするメッシュサイズを有するメッシュによって、達成できる。攪拌部105は、出口においてサイズ選別器の周辺に比較的サイズの大きいプラスチック粒子が蓄積することを防止する役割を有する。
【0231】
混合タンク102中のプラスチックスラリーは、ホモゲナイザー入口を介して、ホモゲナイザー107へとくみ上げてよく、均質化されたスラリー(ホモゲナイザー処理されたスラリー)を、ホモゲナイザー出口を介して、混合タンク102へと戻してよく、又は、保存タンク103に送ってよい。上記を達成するためのホモゲナイザーの例は、互いに対して回転する2以上の円筒状胴部を有する破砕器の使用である。これについては、下記のセクション4で詳細に記載する。
【0232】
ホモゲナイザーは、プラスチック粒子の粒子サイズを低減でき、また、より均質化された粒子サイズ分布を保証する。
【0233】
方法は、例えば
図3A及び
図3Bで示されているような、1以上のホモゲナイザー10の使用を含む。ホモゲナイザー10は、本記載に係るシステム又は方法の一部を形成することができる。ホモゲナイザー10は、入口11を有する。入口11は、混合タンクから、プラスチック粒子を含む入側スラリーの流れを受容する。ホモゲナイザー10は、また、出口12を有する。出口12は、ホモゲナイザー10から混合タンクへと、処理されたスラリーを提供する。
【0234】
ホモゲナイザー10は、1対又はそれ以上の対の円筒状胴部13を有してよい。円筒状胴部13の対(ペア)は、内部円筒状胴部14及び外部円筒状胴部15を有してよい。内部円筒状胴部14及び外部円筒状胴部15は、互いに対して回転してよい。
【0235】
内部円筒状胴部14及び外部円筒状胴部15は、下記の回転速度で、互いに対して回転する:およそ、100RPM、150RPM、200RPM、250RPM、300RPM、350RPM、400RPM、450RPM、500RPM、550RPM、600RPM、650RPM、700RPM、750RPM、800RPM、850RPM、900RPM、950RPM、又は1000RPM、適切な範囲をこれらの値のうちの任意の値の間で選択できる(例えば、約100~約1000,約100~約900、約100~約700、約100~約600、約100~約500、約200~約1000,約200~約800、約200~約700、約200~約600、約200~約500、約200~約400、約300~約1000、約300~約900、約300~約700、約300~約600、約300~約500、約300~約400、約400~約1000、約400~約700、約400~約600、約400~約500、約500~約1000、約500~約900、約500~約700、約500~約600、約600~約1000、又は、約600~約700(RPM))。
【0236】
より好ましくは、内部円筒状胴部14及び外部円筒状胴部15は、下記の回転速度で、互いに対して回転する:およそ、500RPM、520RPM、540RPM、560RPM、580RPM、600RPM、620RPM、640RPM、660RPM、680RPM、又は700RPM、適切な範囲をこれらの値のうちの任意の値の間で選択できる(例えば、約500~約700、約500~約660、約500~約600、約520~約700、約520~約640、約540~約700、約540~約660、約540~約600、約560~約700、約560~約660、約560~約620、約580~約700、約580~約660、約580~約620、約600~約700、約600~約680、約600~約640、約620~約700、約620~約680、約640~約700(RPM))。
【0237】
内部円筒状胴部14及び外部円筒状胴部15の相対的な回転の速度は、1又は複数の他の変数に依存して提供されてよく、例えば、プラスチック及びキャリア溶媒のホモゲナイザー10への供給速度、入側供給における、プラスチックの、キャリア溶媒に対する割合、キャリア溶媒のタイプ、入側プラスチックの最大粒子サイズ、入側プラスチックの平均粒子サイズ、a)入側の粒子サイズに対する、(b)入側のプラスチック及び/又はキャリアの流量に対する、(c)ホモゲナイザーへの入側配管の寸法に対する、かつ/又は(d)入側のプラスチックの1又は複数のタイプに対する、ホモゲナイザー10の寸法、に依存して提供されてよい。これは、また、別個に又は追加的に、撹拌器の寸法又は他の特徴、撹拌器の充填レベル、撹拌器におけるプラスチック及び溶媒の相対的な割合、並びに、撹拌器のRPM速度に依存してもよい。
【0238】
円筒状胴部におけるスロット又は開口部は、前端及び後端を有しておりスロット又は開口部に隣接する円筒状胴部の細長い部分を提供する。
【0239】
1つの実施態様では、円筒状胴部の細長い部分の前端及び後端が、円筒状胴部の回転軸の概念的な周縁に平行に配置される。
【0240】
代替的な実施態様では、円筒状胴部の細長い部分の前端が、円筒状胴部の回転軸の概念的な周縁に対して角度をもて配置される。好ましくは、前端が、円筒状胴部の回転軸の概念的な周縁に対して、約、5度、10度、15度、20度、25度、又は30度の角度で配置され、適切な範囲を、これらの値のうちの任意の値の間で選択できる(例えば、約5~約30度、約5~約25度、約5~約20度、約5~約15度、約10~約40度、約10~約20度、約10~約15度、約15~約30度、約15~約25度、又は、約20~約30度)。
【0241】
それぞれの回転体(内部円筒状胴部14及び外部円筒状胴部15)は、少なくとも1又は複数の開口部16を有してよい。この開口部16は、それぞれの胴部を通って延在してよい。開口部16は、それぞれの円筒状胴部を通る流れ経路を規定できる。
【0242】
入側スラリーは、ホモゲナイザー入口17からホモゲナイザー出口18への、それぞれの円筒状胴部の少なくとも1つの開口部16を介する流れ経路を横断することができ、それによって、出側スラリーが製造される。
【0243】
いくつかの実施態様では、ホモゲナイザー10が、1又は複数の入口17を有することができる。これらのホモゲナイザー入口17は、ホモゲナイザー筐体の周りで等間隔に配置されてよい。
【0244】
入側スラリーは、圧力下で、ホモゲナイザーの入口へ提供されてよい。いくつかの実施態様では、円筒状胴部の回転が、上記の入側スラリーを引き込むように構成されている。
【0245】
ホモゲナイザーの内部円筒状胴部及び外部円筒状胴部は、互いから、約20μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約80μm、約90μm、約100μm、約110μm、約120μm、約130μm、約140μm、約150μm、約160μm、約170μm、約180μm、約190μm、約200μm、離れており、適切な範囲を、これらの値のうちの任意の値で選択できる(例えば、約20~約200μm、約30μm~約200μm、約40μm~約200μm、約50μm~約200μm、約60μm~約200μm、約70μm~約200μm、約80μm~約200μm、約90μm~約200μm、約100μm~約200μm、約110μm~約200μm、約120μm~約200μm、約130μm~約200μm、約140μm~約200μm、約150μm~約200μm、約160μm~約200μm、約170μm~約200μm、約180μm~約200μm、約190μm~約200μm、約20μm~約30μm、約20μm~約40μm、約20μm~約50μm、又は、約20μm~約60μm)。
【0246】
代替的な実施態様では、ホモゲナイザーの内部円筒状胴部及び外部円筒状胴部が、約60μm未満、約55μm未満、約40μm未満、約35μm未満、約30μm未満、約25μm未満、又は約20μm未満で、互いから離れており、、適切な範囲を、これらの値のうちの任意の間で選択できる(例えば、約20~約25、約20~約30、約20~約35、約20~約40、約20~約55、約20~約60、約20~約25、約30~約40、約30~約55、約30~約60、約40~約55、又は、約40~約60)。
【0247】
外部円筒状胴部に対する内部円筒状胴部の回転は、プラスチック粒子が、外部円筒状胴部15の開口部16を通り、外部円筒状胴部15と内部円筒状胴部14との間の中間空間を通り、かつ内部円筒状胴部14の開口部16を通って、出口へと通過する際に、プラスチック粒子にせん断応力を適用する。
【0248】
図3A及び
図3Bは、内部円筒状胴部14における開口部16を示しているが、簡略さのために、外部円筒状胴部では、開口部16は示されていない。
【0249】
いくつかの実施態様では、内部円筒状胴部14の開口部16が、外部円筒状胴部15の開口部16のサイズの約半分のサイズであってよく、又は、外部円筒状胴部15の開口部16が、内部円筒状胴部14の開口部16のサイズの約2倍のサイズである。
【0250】
いくつかの実施態様では、ホモゲナイザーの出口12が、内部円筒状胴部14に対して内側に提供されており、入口11が、外部円筒状胴部15に対して外側に提供されている。
【0251】
ホモゲナイザー10は、対の円筒状胴部13を収容するための筐体を有してよい。いくつかの実施態様では、モーターがこの筐体に連結又は接続されていてよく、そのようにして、外部円筒状胴部15に対して内部円筒状胴部14を回転させるようになっている。
【0252】
ホモゲナイザー10からの出側スラリーは、所定のプラスチック粒子サイズよりも小さいプラスチック粒子サイズを有してよい。いくつかの実施態様では、この所定の粒子サイズが、約20μm未満、約19μm未満、約18μm未満、約17μm未満、約16μm未満、約15μm未満、約14μm未満、約13μm未満、約12μm未満、約11μm未満、約10μm未満、約9μm未満、約8μm未満、約7μm未満、約6μm未満、約5μm未満、約4μm未満、約3μm未満、約2μm未満、約1μm未満、又は約0.5μm未満、であり、適切な範囲を、これらの値のうちの任意の値の間で選択できる。
【0253】
開口部16は、1又は複数のスロット17であってよく、又は1又は複数のスロット17を含んでよい。スロット17は、鉛直に配置されてよく、かつ/又は、円筒状胴部の上部から円筒状胴部の底部への方向で配置されてよい。スロット17は、円筒状胴部の回転軸に沿って又はこれに平行な方向に、配向していてよい。いくつかの実施態様では、スロット17が、円筒状胴部の長さに対する方向で配向していてよい。
【0254】
いくつかの実施態様では、スロット17が、鉛直軸、軸方向軸、若しくは円筒状胴部の回転軸に対して、又は、鉛直軸、軸方向軸、若しくは円筒状胴部の回転軸に平行な軸に対して、角度を有してよい。いくつかの実施態様では、スロット17が、円筒状胴部の長さに対して角度を有してよい。
【0255】
いくつかの実施態様では、外部円筒状胴部のスロットが、内部円筒状胴部のスロットよりも広い幅を有する。例えば、外部円筒状胴部のスロットが、内部円筒状胴部のスロットよりも、約1.5~約2.5倍広い幅を有してよい。さらなる例として、外部円筒状胴部のスロットが、内部円筒状胴部のスロットよりも約2倍広い幅を有してよい。
【0256】
いくつかの実施態様では、外部円筒状胴部のスロットのうちの少なくとも1つが、外部円筒状胴部の外側表面からの突出部を有している。この突出部は、ブレードを有しうる。
【0257】
外部円筒状胴部の外側表面からの突出部は、好ましくは、外部円筒状胴部の回転の方向において、外部円筒状胴部の外側表面に対して鋭角で、延在する。例えば、この突出部は、約5度、約10度、約15度、約20度、約25度、又は約30度の角度で延在してよい。さらなる例として、この突出部は、約15度の角度で延在してよい。
【0258】
いくつかの実施態様では、1又は複数のスロット17の幅が、スロット17の長さに沿って実質的に一定である。いくつかの実施態様では、スロット17の幅が、スロット17の長さに沿って種々の値である。
【0259】
スロット17は、円筒状胴部の外側表面から円筒状胴部の内側表面へと、種々の幅を有してよい。スロット17は、円筒状胴部の外側表面から円筒状胴部の内側表面へと、又は、円筒状胴部の内側表面から円筒状胴部の外側表面へと、減少する幅を有してよい。
【0260】
外側表面におけるスロットは、内側表面におけるスロットの幅よりも大きくてよい。内側表面におけるスロットの幅は、外側表面におけるスロットの幅よりも大きい。
【0261】
1又は複数のスロット17の幅は、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、又は15mmであり、適切な範囲を、これらの値のうちの任意の値の間で選択できる(例えば、1~約15mm、約1~約12mm、約1~約10mm、約1~約8mm、約2~約15mm、約2~約13mm、約2~約11mm、約2~約9mm、約2mm~約7mm、約3~約15mm、約3~約14mm、約3~約10mm、約3~約8mm、約4~約15mm、約4~約13mm、約4~約11mm、約4~約10mm、約407、約5~約15mm、約5~約14mm、約5~約12mm、約5~約10mm、約5~約8mm、約6~約15mm、約6~約13mm、約6~約12mm、約6~約8mm、約7~約15mm、約7~約14mm、約7~約11mm、約7~約9mm、約8~約15mm、約8~約14mm、約8~約11mm、約9~約15mm、約9~約13mm、約9~約11mm、約10~約15mm、約10~約13mm、約11~約15mm、約11~約14mm、又は約12~約15mm)。
【0262】
1又は複数のスロット17の幅は、約1~約15mm、又は約1mm、又は約3mm、又は約4mm、又は約5mm、又は約6mm、又は約7mm、又は約8mm、又は約9mm、又は約10mm、又は約11mm、又は約12mm、又は約13mm、又は約14mm、又は約15mm、又は約16mm、又は約17mm、又は約18mm、又は約19mm、又は約20mmであってよい。
【0263】
内部円筒状胴部14は、軸方向軸の周りを回転してよく、かつ外部円筒状胴部15が、静止的であってよい。
【0264】
代替的には、外部円筒状胴部15が、軸方向軸の周りを回転してよく、内部円筒状胴部14が、静止的であってよい。
【0265】
いくつかの実施態様では、対の円筒状胴部のための入側流れ経路を提供するように構成されている入側胴部が、静止的であってよく、かつ、対の円筒状胴部のための出側流れ経路を提供するように構成されている出側胴部が、回転してよい。
【0266】
内部円筒状胴部14及び外部円筒状胴部15のうちの1以上が、軸方向軸の周りを回転できる。
【0267】
ホモゲナイザー10は、内部円筒状胴部シャフト20を有してよい。内部円筒状胴部シャフト20は、内部円筒状胴部14及び/又は1若しくは複数の内部円筒状胴部に連結されてよく、それによって、内部円筒状胴部及び/又は1若しくは複数の内部円筒状胴部の軸方向軸に対する、内部円筒状胴部14及び/又は1若しくは複数の内部円筒状胴部の回転を可能にする。いくつかの実施態様では、内部円筒状胴部シャフト20が、一対の高速水冷却ベアリングを備えており、それによって、内部円筒状胴部シャフト20の回転が可能になっている。
【0268】
ホモゲナイザー10は、外部円筒状胴部シャフト21を有してよい。外部円筒状胴部シャフト21は、外部円筒状胴部21及び/又は1若しくは複数の外部円筒状胴部に連結されるように構成されてよく、それによって、外部円筒状胴部15及び/又は1若しくは複数の外部円筒状胴部の軸方向軸に対する、外部円筒状胴部15及び/又は1若しくは複数の外部円筒状胴部の回転を可能にする。いくつかの実施態様では、外部円筒状胴部シャフト21が、一対の高速水冷却ベアリングを備えており、それによって、外部円筒状胴部シャフト20の回転が可能になっている。
【0269】
内部円筒状胴部シャフト20及び/又は外部円筒状胴部シャフト21は、少なくとも1つのモーター22に連結されてよい。この少なくとも1つのモーター22は、内部円筒状胴部シャフト20及び/又は外部円筒状胴部シャフト21を回転させるように構成されてよい。
【0270】
ホモゲナイザー10は、円筒状胴部シャフト上に、(示されていない)液体冷却ベアリングを有してよい。この設計の利点は、スラリー液体がベアリングを冷却するために用いられることであり、これは、さもなくば、プラスチックの破砕によって生じる熱に起因する高温下で作動することになる。
【0271】
内部円筒状胴部14又は外部円筒状胴部15は、対の円筒状胴部のための入側流れ経路を提供するように構成されている入側胴部であってよい。内部円筒状胴部14又は外部円筒状胴部15のうちの他方が、対の円筒状胴部のための出側流れ経路を提供するように構成されている出側胴部であってよい。
【0272】
入側胴部14の少なくとも1つの開口部16の、幅、若しくは他の寸法、又は最大寸法は、出側胴部15の少なくとも1つの開口部16の、幅、若しくは他の寸法、又は最大寸法よりも、大きくてよい。
【0273】
ホモゲナイザー10は、複数の対の円筒状胴部を有してよい。それぞれの対の円筒状胴部は、他の対の円筒状胴部それぞれに対して、同心円的に配置されてよい。
【0274】
ホモゲナイザー10は、少なくとも、第1対の円筒状胴部及び第2対の円筒状胴部を有してよい。いくつかの実施態様では、ホモゲナイザー10は、第3対の円筒状胴部を有してよい。いくつかの実施態様では、ホモゲナイザー10は、1又は複数のさらなる対の円筒状胴部を有してよい。
【0275】
ホモゲナイザー10の入口からホモゲナイザー10の出口までの流れ経路は、第1対の円筒状胴部を通り、そして、第2対の円筒状胴部を通り、随意に第3対の円筒状胴部を通り、随意に上記1又は複数のさらなる円筒状胴部の対を通ってよい。
【0276】
それぞれの対の円筒状胴部を通るスラリーの進行は、スラリー中のプラスチックの粒子サイズを徐々に減少させるように構成される。対の円筒状胴部の数、それぞれの円筒状胴部における開口部のサイズ、及び、対の円筒状胴部の間の距離は、入側スラリーの特徴及び出側スラリーの所望の特徴に基づいて個々に設定してよい。いくつかの実施態様では、円筒状胴部の表面面積が、入側スラリーの所望の流量及び/又は所望の出側粒子サイズに基づいてよい。
【0277】
第1対の円筒状胴部18は、入側胴部(これは、内部円筒状胴部又は外部円筒状胴部のうちの1つであってよい)を有してよく、この入側胴部の開口部の幅若しくは他の寸法又は最大寸法が、約20mmである。
【0278】
第1対の円筒状胴部18は、出側胴部(これは、内部円筒状胴部又は外部円筒状胴部のうちの他方であってよい)を有してよく、この出側胴部の開口部の幅若しくは他の寸法又は最大寸法が、約17mmである。
【0279】
第2対の円筒状胴部19は、入側胴部(これは、内部円筒状胴部又は外部円筒状胴部のうちの1つであってよい)を有してよく、この入側胴部の開口部の、幅、若しくは他の寸法、又は最大寸法が、約17mmである。
【0280】
第2対の円筒状胴部19は、出側胴部(これは、内部円筒状胴部又は外部円筒状胴部のうちの他方であってよい)を有してよく、この出側胴部の開口部の、幅、若しくは他の寸法、又は最大寸法が、約12mmである。
【0281】
第3対の円筒状胴部は、入側胴部(これは、内部円筒状胴部又は外部円筒状胴部のうちの1つであってよい)を有してよく、この入側胴部の開口部の、幅、若しくは他の寸法、又は最大寸法が、約12mmである。
【0282】
第3対の円筒状胴部は、出側胴部(これは、内部円筒状胴部又は外部円筒状胴部のうちの1つであってよい)を有してよく、この出側胴部の開口部の、幅、若しくは他の寸法、又は最大寸法が、約3mmである。
【0283】
ホモゲナイザー入口からホモゲナイザー出口への流れ経路は、円筒状胴部のそれぞれの対のそれぞれの円筒状胴部の開口部を通って提供されてよい。
【0284】
ホモゲナイザー入口からホモゲナイザー出口への流れ経路は、最内部の胴部から最外部の胴部へと、それぞれの中間的な胴部を介して、提供されてよい。
【0285】
ホモゲナイザー入口からホモゲナイザー出口への流れ経路は、最外部の胴部から最内部の胴部へと、それぞれの中間的な胴部を介して、提供されてよい。
【0286】
入側スラリーの流れは、内部円筒状胴部14の内部側表面に提供されてよく、かつ/又は、最内部の対の円筒状胴部の内部側円筒状胴部14の内部側表面に提供されてよい。例えば、最内部の対の円筒状胴部の内部側円筒状胴部14が、入側胴部として機能する。
【0287】
入側スラリーの流れは、外部円筒状胴部15の外部側表面に提供されてよく、かつ/又は、最外部の対の円筒状胴部の外部円筒状胴部15の外部側表面に提供されてよい。例えば、最外部の対の円筒状胴部の外部円筒状胴部15が、入側胴部として機能する。
【0288】
いくつかの実施態様では、入側胴部が、静止的であって、出側胴部が、入側胴部に対して回転する。
【0289】
入側スラリーは、4~20mm、随意に約8mmの粒子サイズを有するプラスチック粒子を有してよい。
【0290】
出側スラリーは、0.5μm~20μmの粒子サイズを有するプラスチック粒子を有してよい。
【0291】
(ホモゲナイザー10を通過した後の)出側スラリーは、プラスチック粒子サイズを有するプラスチック粒子を有してよい。このプラスチック粒子サイズは、所定のプラスチック粒子サイズよりも小さい。
【0292】
いくつかの実施態様では、この所定のプラスチック粒子サイズが、0.5μm未満、1μm未満、2μm未満、3μm未満、4μm未満、5μm未満、6μm未満、7μm未満、8μm未満、9μm未満、10μm未満、11μm未満、12μm未満、13μm未満、14μm未満、15μm未満、16μm未満、17μm未満、18μm未満、19μm未満、又は20μm未満である。
【0293】
いくつかの実施態様では、プラスチック粒子サイズが所定のプラスチック粒子サイズよりも大きい場合には、出側スラリーがこの所定のプラスチック粒子サイズよりも小さい粒子サイズを有するまで、出側スラリーを、ホモゲナイザー入口11に向かわせてよく(例えば、ホモゲナイザー10を通して再び循環させてよく)、かつ/又は、他のホモゲナイザー入口11に向かわせてよい(例えば、別のホモゲナイザー10のさらなるホモゲナイザー入口11に向かわせてよい)。
【0294】
いくつかの実施態様では、ホモゲナイザー10に提供される入側スラリーの流量が、下記の1又は複数に基づいてよい:プラスチックのタイプ及びその特定の特徴、例えば、プラスチック融点、円筒状胴部における開口部のサイズ、円筒状胴部の全体的な表面、又は、スラリー中における、液体の、プラスチックに対する比。
【0295】
プラスチックを処理するためのシステム50が、さらに開示される。このシステムは、プラスチック粒子を有するシステム入側スラリーを受容するように構成されている入口、及び、システム出側スラリーを送り出すように構成されている出口を、有してよい。システムは、破砕段階51を有してもよい。破砕段階50は、スラリーがこの破砕段階51を通過する際に、スラリー中のプラスチック粒子の粒子サイズを減少させる。破砕段階51は、上記のように、1又は複数のホモゲナイザー10を有してよい。システム入側スラリーを、破砕段階51に提供し、そのようにして、システム出側スラリーを生成してよい。
【0296】
このシステムは、複数のホモゲナイザーを有してよい。複数のホモゲナイザーのうちの少なくとも2つが、直列に配置されてよい。代替的に又は追加的に、複数のホモゲナイザーのうちの少なくとも2つが、並列に配置されてよい。
【0297】
1以上のホモゲナイザー10のうちの1つの出側スラリーは、1以上のホモゲナイザーのうちの別の入口に向けられるように構成されてよく、かつ/又は、同じホモゲナイザー10の入口に向けられるように構成されてよい。
【0298】
システム50は、少なくとも、第1のホモゲナイザー52、及び、第2のホモゲナイザー53を有してよく、システムは、随意に、第3のホモゲナイザー54、及び随意の1以上のさらなるホモゲナイザー55を有する。
【0299】
1以上のフィルター要素を、1つのホモゲナイザーの出口と他のホモゲナイザーの入口との間に配置してよい。1以上のフィルター要素は、一定の粒子サイズを超える粒子をフィルター除去でき、又は、そのような粒子の通過を防止できる。1以上のフィルター要素は、後続のホモゲナイザーにとって大きすぎる粒子(例えば、ホモゲナイザーを詰まらせるおそれのある粒子)が後続又は次のホモゲナイザーに提供されないことを保証するように構成されてよい。
【0300】
流れ経路は、システムの入口からシステムの出口へと、第1のホモゲナイザー52、それに続く第2のホモゲナイザー53、かつ随意にそれに続く第3のホモゲナイザー54、かつ随意にそれに続く1以上のさらなるホモゲナイザー55を介して、提供されてよい。
【0301】
第1のホモゲナイザー52は、入側胴部(これは、内部円筒状胴部14又は外部円筒状胴部15のうちの1つであってよい)を有してよく、この入側胴部の開口部16の幅若しくは他の寸法又は最大寸法が、約20mmであり、出側胴部(これは、内部円筒状胴部又は外部円筒状胴部のうちの他方であってよい)を有してよく、この出側胴部の開口部の幅若しくは他の寸法又は最大寸法が、約17mmである。
【0302】
第2のホモゲナイザー53は、入側胴部(これは、内部円筒状胴部又は外部円筒状胴部のうちの1つであってよい)を有してよく、この入側胴部の開口部の幅若しくは他の寸法又は最大寸法が、約17mmであり、出側胴部(これは、内部円筒状胴部又は外部円筒状胴部のうちの他方であってよい)を有してよく、この出側胴部の開口部の幅若しくは他の寸法又は最大寸法が、約12mmである。
【0303】
第3のホモゲナイザー54は、入側胴部(これは、内部円筒状胴部又は外部円筒状胴部のうちの1つであってよい)を有してよく、この入側胴部の開口部の幅若しくは他の寸法又は最大寸法が、約12mmであり、出側胴部(これは、内部円筒状胴部又は外部円筒状胴部のうちの他方であってよい)を有してよく、この出側胴部の開口部の幅若しくは他の寸法又は最大寸法が、約3mmである。
【0304】
システム出側スラリーは、プラスチック粒子サイズを有するプラスチック粒子を有してよい。いくつかの実施態様では、このプラスチック粒子サイズが、所定のプラスチック粒子サイズよりも小さい。
【0305】
この所定のプラスチック粒子サイズは、0.5μm未満、1μm未満、2μm未満、3μm未満、4μm未満、5μm未満、6μm未満、7μm未満、8μm未満、9μm未満、10μm未満、11μm未満、12μm未満、13μm未満、14μm未満、15μm未満、16μm未満、17μm未満、18μm未満、19μm未満、又は20μm未満であってよく、適切な範囲を、これらの値のうちの任意の値の間で選択できる。
【0306】
いくつかの実施態様では、プラスチック粒子サイズが所定のプラスチック粒子サイズよりも大きい場合に、複数のホモゲナイザーのうちの1つの出側スラリーを、出側スラリーがこの所定のプラスチック粒子未満の粒子サイズを有するまで、ホモゲナイザー入口に向け(例えば、同一のホモゲナイザーへと戻して循環させ)、かつ/又は、他のホモゲナイザー入口に向ける(例えば、複数のホモゲナイザーのうちの他のホモゲナイザーの入口に向ける)。
【0307】
入側スラリーは、出側スラリーが所定の粒子サイズよりも小さい粒子サイズを有するまで、破砕段階51を通して循環させてよい。
【0308】
ホモゲナイザーを通過させる時間は、内部円筒状胴部と外部円筒状胴部との間の相対的な回転の速度、及び/又は、内部円筒状胴部と外部円筒状胴部との間の空間、及び/又はスラリーの流量、及び/又はスラリーにおける粒子の粒子サイズ、を変更することによって、制御できる。
【0309】
いくつかの実施態様では、ホモゲナイザー10を通る溶媒の流量が、約10リットル/分~約1000リットル/分であってよい。特には、ホモゲナイザー10を通る溶媒の流量が、約100リットル/分であってよい。
【0310】
いくつかの実施態様では、キャリア溶媒、例えば水の、ホモゲナイザーに供給されるプラスチックに対する比が、約1リットル対0.2kgから、約1リットル対1.5kgである。
【0311】
いくつかの実施態様では、キャリア溶媒、例えば水の、ホモゲナイザーに供給されるプラスチックに対する比が、約1リットル対1kgの比である。
【0312】
図1で示されているように、いくつかの実施態様では、システムが、溶媒回収プロセスを有する。溶媒回収プロセスは、プラスチックスラリーから溶媒を抽出し、この溶媒を混合タンクに戻して供給できる。これは、システムから失われる溶媒の量を低減することを助け、プロセスを、より経済的かつより環境適合性なものにする。
【0313】
図4で示されているのは、溶媒回収システム200の例である。溶媒回収システムは、
図3の混合タンク102又は保存タンク103から溶媒を受容する入口201を有する。
【0314】
いくつかの実施態様では、溶媒回収システム200が、1以上のバルブ203を有しており、それによって、加熱チャンバ202への溶媒の進入を制御する。加熱チャンバ202は、封止ふた部208を有してよい。いくつかの実施態様では、バルブ203が、空気で作動するバルブである。加熱チャンバ202は、加熱装置204を有してよく、これは、ジャケットヒーター又はコイルヒーターであってよい。加熱は、循環される高温オイル、高温水、又はガス加熱体205によって提供されうる。加熱がオイル又は水の加熱体205によって提供される実施態様では、溶媒回収システム200が、加熱された作用液体を循環させるための循環ポンプ206を有してよい。加熱チャンバ202は、また、スラリーの温度を制御するためのサーモスタットを有してもよく、これは、溶媒が蒸発する速度を制御するであろう。
【0315】
溶媒回収システム200は、蒸発した溶媒を受容するための吸引ヘッド207を有してもよい。この場合、蒸発した溶媒は、吸引ヘッド207から冷却器209へと送られる。好ましくは、冷却器が、コイル冷却器であり、冷却水ユニット210又は冷凍ユニット211を有する。
【0316】
いくつかの実施態様では、溶媒回収システム200は、吸引ヘッド207から冷却ユニット209を介して受容タンク212までの溶媒の移動を助けるための真空を提供する。したがって、溶媒回収システム200は、チューブ214(配管214)内に真空ファン213(吸出しファン213)を有してよい。このチューブは、入口215を有してよく、これは、入口215の上方に配置されたスチール舌部216を有する。溶媒回収システム200は、受容タンク212の前に1以上のバルブ18を有してもよく、それによって、タンク212への溶媒の進入を制御する。
【0317】
溶媒回収システム200は、受容タンク212へのパイプ217を有してもよく、これは、蒸気が液体へと凝集することを可能にする角度を有する。この場合、液体は、パイプ27を下り、受容タンク212へと進む。
【0318】
溶媒回収システム200に入る材料は、溶解したプラスチック、水、及び有機溶媒の混合物を含んでよい。
【0319】
いくつかの実施態様では、溶媒回収システム200が、有機溶媒の、少なくとも、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%を除去し、適切な範囲を、これらの値のうちの任意の値の間で選択できる(例えば、約70%~約98%、約70%~約95%、約70%~約85%、約75%~約98%、約75%~約95%、約75%~約85%、約80%~約98%、約80%~約95%、約80%~約90%、約85%~約95%、約85%~約90%、約90%~約98%、約90%~約95%)。
【0320】
結果として得られるエマルジョンは、水エマルジョン中のプラスチックであり、多数の異なる製品に利用でき、例えば、低温又は高温の道路設置、コンクリート、又は水に基づく製品に利用できる。
【0321】
いくつかの実施態様では、エマルジョン化剤(例えば、アニオン性又は非アニオン性のエトキシ化脂肪酸)が添加され、それによって、プラスチックが溶媒から分離することが防止される。
【0322】
重合のためのバインダを、モノエチレン性不飽和モノマーから形成してよく、これは、硬化助剤と組み合わせて、2以上のモノマー構造ユニットの混合物を有してよい。それぞれのユニットは、異なるホモポリマーガラス転移温度(Tg)を有してよく、第1のモノマー構造ユニットが、80℃超のホモポリマーTgを有し、第2のモノマーが、80℃未満のホモポリマーTgを有する。
【0323】
第2のモノマーは、50℃未満のホモポリマーTgを有してよい。
【0324】
第2のモノマーは、25度未満のホモポリマーTgを有してよい。
【0325】
モノマーの大部分のホモポリマーに関するガラス転移温度(Tg)値が知られており、例えば、「Ullmann´s Encyclopedia of Industrial Chemistry, volume A21, page 169, 5th edition, VCH Weinheim, 1992」に列挙されている。そして、ランダム共重合体(ランダムコポリマー)のTg値を、Fox式 1/Tg=w1/Tg,1+w2/Tg,2+...+wn/Tg,n、を用いて算出でき、w1、w2...、wnは、モノマー1、2...、nの重量分率であり、Tg,1、Tg,2、…Tg,n、は、それらのそれぞれのホモポリマーの(ケルビンでの)ガラス転移温度である。代替的には、コポリマーのTg値は、ISO16805に従って示差走査熱量測定(DSC)によって決定できる。
【0326】
第1のモノマーは、好ましくは、80℃超のホモポリマーTgを有するモノマーであり、これは、バインダを取り込む製品に硬性を提供することを助ける。第1のモノマーは、エチレン性不飽和モノマーユニットに基づいてよい。エチレン性不飽和モノマーは、モノエチレン性不飽和モノマーユニット、及び/又は、複数の不飽和ユニット、例えば少なくとも1つのビニル基を、有してよい。
【0327】
ビニル基を有するモノマーユニットは、少なくとも1つのC=C二重結合を有し、これは、さらなるC=C二重結合又はC=C二重結合と反応できるさらなる官能基とともに既知の方法によって重合されることができ、それによって、少なくとも部分的にC-C繰り返しユニットに基づくポリマー鎖を生ずる。ポリマー鎖は、1又は複数の側鎖基を有してよく、例えば、イオン性、カチオン性、又はアニオン性の官能基を有してよい。そのような基は、解離可能である。
【0328】
モノエチレン性不飽和モノマーは、酸基を有してよく、例えば、カルボン酸基、スルホン酸、又はホスホン酸を有してよい。モノエチレン性不飽和モノマーは、窒素基を有してよく、例えば、アクリルアミド、アクリロニトリル、及びN-メチロールアクリルアミドである。
【0329】
エチレン性不飽和カルボン酸モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、アシアノアクリル酸、β-メタクリル酸(クロトン酸)、a-フェニルアクリル酸、β-アクリロキシプロピオン酸、ソルビン酸、2´-メチルイソクロトン酸、ケイ皮酸、β-ステアリン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、及びフマル酸から選択されうる。
【0330】
エチレン性不飽和スルホン酸モノマーは、アリルスルホン酸、脂肪族もしくは芳香族ビニルスルホン酸、またはアクリルもしくはメタクリルスルホン酸から選択することができる。脂肪族または芳香族のビニルスルホン酸は、ビニルスルホン酸、4-ビニルベンジルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸およびスチレンスルホン酸から選択することができる。アクリル-およびメタクリルスルホン酸は、スルホエチル(メタ)アクリル酸、スルホプロピル(メチル)アクリル酸、2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルスルホン酸および(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸、例えば2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸から選択されうる。
【0331】
エチレン性不飽和ホスホン酸モノマーは、ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸、ビニルベンジルホスホン酸(メタ)アクリルアミドアルキルホスホン酸、アクリルアミドアルキルジホスホン酸、ホスホノメチル化ビニルアミンおよび(メタ)アクリルホスホン酸誘導体から選択することができる。
【0332】
モノマーは、酸基を有する上記のモノマーの誘導体であってよい。モノマーは、エステル誘導体であってよく、特には、上記のカルボン酸のうちの1つと、直鎖又は分岐のC1~C20アルコール(好ましくは、直鎖又は分岐のC1~C12アルコール又は直鎖又は分岐のC1~C8アルコール又は直鎖又は分岐のC1~C4アルコール)との反応によって得られうるエステル誘導体であってよい。
【0333】
モノマーは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、又はブチルメタクリレートから選択されるエステル誘導体を有してよい。
【0334】
モノマーは、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、若しくは2-エチルヘキシルアクリレート、又はこれらの組み合わせの構造ユニットを有してよ。
【0335】
重合したときに、25℃超、好ましくは50℃超のTg値を有するホモポリマーを生ずる任意のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを、用いることができる。適切なモノマーエステルの例は、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、及びシクロヘキシルメタクリレートが挙げられる。
【0336】
モノマーは、20~80重量%の、好ましくは25~75重量%の、最も好ましくは30~70重量%の、ここで記載されたコポリマー分散体を生成するために用いられるモノマー組成物を含有してよい。
【0337】
第2のモノマーは、80℃未満のホモポリマーTg値を有してよく、最終製品特性の、ある程度の軟性を提供する。
【0338】
重合したときに、25℃未満、好ましくは0℃未満のTg値を有するホモポリマーを生ずる任意のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを、第2のモノマーとして用いることができる。適切なエステルの例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、1-ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、n-オクチルアクリレート、2-オクチルアクリレート、ドデシルメタクリレート、ドデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、メタクリル酸エステル17.4、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0339】
【表2】
1つの実施態様では、アクリレートモノマーが、表1のアクリレートモノマーから選択されるアクリレートモノマーである。
【0340】
バインダは、架橋部を有してもよい。架橋部は、2官能性又は3官能性のエステルモノマーを有してよく、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレートを有してよい。架橋剤は、最終製品の三次元構造を形成することを助ける。
【0341】
バインダは、架橋剤及び促進剤を含有してもよい。
【0342】
架橋剤は、過酸化物に基づく架橋剤であってよい。
【0343】
架橋剤は、1つのポリマー鎖を他方に連結するものである。この連結は、共有結合であってよく、又は、イオン結合であってよい。熱可塑性樹脂の架橋は、硬化プロセスの一部であり、これはなぜならば、ポリマー鎖が架橋する際に、材料がより高い剛性になるからである。
【0344】
架橋は、熱、圧力、pHの変化、又は照射によって開始されてよく、ここで用いられる架橋剤は、架橋を形成する化学反応をもたらす化学物質に言及している。このことは、架橋が、本方法で用いられる熱及び圧力に起因して起こり得ることを排除するものではない。
【0345】
1つの構成では、架橋剤が、過酸化物に基づく架橋剤であってよい。いくつかの構成において、過酸化物は、無機過酸化物(無機ペルオキシド)、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステルペルオキシジカルボナート、ジアルキルペルオキシド、ケトンペルオキシド、ペルオキシケタール、環状ペルオキシド、ペルオキシモノカーボネート、ヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-2,5ジメチル-3-ヘキシン、3,3,5,7,7-ペンタメチル1,2,4-トリオキセパン、ジラウリルペルオキシド、メチルエーテルケトンペルオキシド、t-アミルペルオキシアセテート、t-ブチルヒドロペルオキシド、t-アミルペルオキシベンゾエート、D-t-アミルペルオキシド、2,5-ジメチル2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、t-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、コハク酸ペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、2,4-ペンタンジオンペルオキシド、t-ブチルペルオキシベンゾエート、ジエチルエーテルペルオキシド、アセトンペルオキシド、アラキドン酸5-ヒドロペルオキシド、カルバミドペルオキシド、tert-ブチルヒドロペルオキシド、t-ブチルペルオクタエート、t-ブチルクミルペルオキシド、ジ-sec-ブチルペルオキシジカーボネート、D-2-エチルヘキシルペルオキシジカルボネート、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、3,3,5,7,7-ペンタメチル-1,2,4-トリオキセパン、ブチル4,4-ジ(tert-ブチルペルオキシ)バレラート、ジ(2,4-ジクロロベンゾイル)ペルオキシド、ジ(4-メチルベンゾイル)ペルオキシド、ジ(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、tert-ブチルクミルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルオキシ2-エチルヘキシルカーボネート、およびこれらの混合物から選択されうる。
【0346】
1つの構成では、架橋剤が、シラン架橋剤であってよい。シラン架橋剤は、アセトキシシラン架橋剤、オキシイミノシラン系架橋剤、メチルエチルケトオキシム(MEKO)系架橋剤、メチルイソブチルケトオキシム(MIBKO)系架橋剤、アセトオキシム系架橋剤、アルコキシシラン系架橋剤、またはそれらの組み合わせから選択され得る。いくつかの例では、架橋剤が、メチルトリス(MEKO)シラン、テトラ(MEKO)シラン、ビニルトリス(MEKO)シラン、メチルビニルジ(MEKO)シラン、フェニルトリス(MEKO)シラン、メチルトリス(MIBKO)シラン、テトラ(MIBKO)シラン、ビニルトリス(MIBKO)シラン、メチルトリス(アセトオキシム)シラン、ビニルトリス(アセトオキシム)シラン、又はそれらの混合物を含む。
【0347】
バインダは、促進剤を含有してもよい。促進剤は、重合の速度を増加しうる。理論によって限定する意図はないが、促進剤は、架橋剤による自由ラジカルの量を増加させることができ、これは、熱可塑性材料の熱硬化性材料への重合の速度を増加させる。促進剤は、N,N-ジメチル-p-トルイジン又はN,N-ジエチル-p-トルイジンから選択されてよい。
【0348】
上記のバインダは、道路設置組成物の製造のために用いられてよい。
【0349】
上記のように、バインダは、
図2で示されるように、少なくともプラスチックと溶媒との混合物から形成されてよく、又は、上記のように、アクリレートモノマーと架橋剤との組み合わせから形成されてよい。
【0350】
バインダは、段落[0322]~[0339]で記載したようなモノマーを含有しうる。
【0351】
モノマーバインダで用いるためのプラスチック原料は、上記の段落[0170]~[0198]で記載したようなプラスチックの組み合わせを有してよい。プラスチック原料は、総プラスチックの少なくとも30重量%の、スチレンユニットを有するプラスチックを含有してよい。いくつかの構成では、プラスチック原料は、総プラスチックの、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、又は60重量%の、スチレン系モノマーに由来するプラスチックを含有し、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、総プラスチックの、約30~約60重量%の、約30~約50重量%の、約30~約40重量%の、約35~約60重量%の、約35~約50重量%の、約40~約60重量%の、約40~約55重量%の、約45~約60重量%の、約50~約60重量%の、スチレン系モノマーに由来するプラスチック)。
【0352】
プラスチックの溶解のための溶媒は、上記の段落[0199]~[0211]で記載したように、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択されてよい。
【0353】
溶媒及びプラスチックは、混合タンク中で一緒に混合される。
【0354】
原料プラスチックは、多様な形態であってよく、例えば下記であってよい:
(a)チップ状のプラスチック
(b)8mm未満の粒子サイズへと処理されたプラスチック
(c)溶媒中に溶解されたプラスチック(若しくは一部が溶媒中に溶解されたプラスチック)、又は
(d)(a)~(c)の任意の組み合わせ。
【0355】
チップ状のプラスチックは、プラスチックを、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20(mm)の間の粒子サイズへと低減する任意の方法によって製造でき、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、約8~約20、約8~約16、約8~約12、約9~約20、約9~約18、約9~約16、約9~約13、約10~約20、約10~約18、約10~約16、約10~約13、約11~約20、約11~約18、約11~約14、約12~約20、約12~約16、約13~約20、約13~約19、約13~約16、約14~約20、約14~約18、約15~約20(mm))。種々の方法が、知られており、例えば、細断化、粒状化、及び破砕が知られている。
【0356】
細断に関連して、プラスチックを、好ましくは、まず最初に、10mm未満の粒子サイズへと細断する。好ましくは、細断されたプラスチックが、約、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、又は10mmの粒子サイズを有し、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、約2~約10mm、約2~約8mm、約2~約6mm、約2~約5mm、約3~約10mm、約3~約9mm、約3~約8mm、約3~約6mm、約4~約10mm、約4~約8mm、約4~約6mm、約5~約10mm、約5~約9mm、又は、約6~約10mm)。
【0357】
段落[0180]~[0182]で上述したような粒子サイズへと元のプラスチック製品を低減するための種々の方法が知られている。
【0358】
プラスチックのさらなる原料としては、2mm未満の粒子サイズを有するプラスチックの均質化されたスラリーが挙げられる。
【0359】
8mm未満の粒子サイズに処理されたプラスチックに関して、そのようなプラスチックは、段落[0233]からで上述したようなホモゲナイザーによって処理されうる。例えば、ホモゲナイザーが、一連の回転する円筒体を有する機械から構成されてよい。
【0360】
溶媒中に溶解されたプラスチック(又は一部が溶媒中に溶解されたプラスチック)は、溶媒中に溶解可能な任意のプラスチックであってよい。例えば、プラスチックは、スチレン系モノマー又はエチレンモノマーのホモポリマーであってよい。プラスチックは、アルケンとビニルアセテートのコポリマー、アクリルポリマーを含んでよく、又は、ナイロン系のポリマー若しくはコポリマーであってよい。
【0361】
溶解されたもの(又はその一部)は、混合タンクへの添加の前に、溶解されてよい(又は少なくとも部分的に溶解されてよい)。プラスチックが部分的に溶解される場合には、プラスチックは、混合タンク中で完全に溶解されてよい。溶解可能なプラスチックを、混合タンク中で溶解してよい。
【0362】
複数のタイプのプラスチックを、混合タンク中で混合してよい。例えば、溶解可能なプラスチックとチップ状のプラスチックの組み合わせ、又は、溶解可能なプラスチックと処理されたプラスチックとの組み合わせ、又は、チップ状のプラスチックと処理されたプラスチックの組み合わせ。
【0363】
混合タンクがチップ状のプラスチックの添加を含む場合には、混合タンクは、チップ状のプラスチックのサイズを比較的小さい粒子サイズへと低減するホモゲナイザーに流体的に接続してよい。例えば、混合タンクが、ホモゲナイザーの入口への出口を有してよく、そのようにして、混合タンク中の材料が、ホモゲナイザーへと供給されるようにしてよい。この場合、1又は複数のホモゲナイザーは、保存タンクへと供給する出口を有してよく、又は、混合タンクに戻る出口を有してよい。すなわち、混合タンク中の材料が、1又は複数のホモゲナイザーと混合タンクとの間で循環してよい。
【0364】
混合タンク中の任意の未溶解のプラスチックは、好ましくは、0.1mm未満、0.5mm未満、1.0mm未満、1.5mm未満、2.0mm未満、2.5mm未満、3.0mm未満、3.5mm未満、又は4.0mm未満の粒子サイズへとサイズが低減され、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、約0.1~約4.0mm、約0.1~約3.0mm、約0.1~約1mm、約0.1~約0.5mm、約0.5~約4.0mm、約0.5~約3.5mm、約0.5~約2.0mm、約1.0~約4.0mm、約1.0~約3.0mm、約1.5~約4.0mm、約1.5~約3.0mm、約2.0~約4.0mm、約2.0~約3.5mm、約2.0~約3.5mm、又は約2.5~約4.0mm)。
【0365】
1つの実施態様では、混合タンク中のプラスチックの実質的にすべてが、溶解している。この記載で用いられているように、実質的にとは、少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも99%を意味する。
【0366】
混合タンク中のプラスチックの組み合わせは、道路設置バインダとして用いるためのバインダを提供する。混合タンク中のプラスチックの組み合わせは、総プラスチックの少なくとも、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、又は60重量%の、スチレン系モノマーを含有するプラスチックを有し、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、総プラスチックの、約30~約60重量%、約30~約45重量%、約35~約60重量%、約35~約55重量%、約35~約40重量%、又は約40~約60重量%、又は約40~約55重量%、又は約40~約50重量%、又は約45~約60重量%、又は約45~約55重量%)。そのようなプラスチックの例としては、ポリスチレンが挙げられうる。
【0367】
プラスチックの組み合わせは、また、総プラスチックの、少なくとも、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、又は70重量%の、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー又はコポリマーを含有するプラスチックを含み、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、総プラスチックの、約40~約70重量%、約40~約65重量%、又は約40~約55重量%、又は約45~約70重量%、又は約45~約65重量%、又は約45~約60重量%、又は約50~約70重量%、又は約50~約65重量%、又は約55~約70重量%、又は約55~約65重量%、又は約55~約60重量%、又は約60~約70重量%)。
【0368】
プラスチックの組み合わせは、下記を含みうる:
・ スチレンユニットを含むプラスチック、及び、
・ スチレンコポリマーを含むプラスチック。
【0369】
プラスチックの組み合わせは、下記を含みうる:
・ スチレンユニットを含むプラスチック、及び、
・ アルケンとビニルアセテートのコポリマーを含むプラスチック。
【0370】
プラスチックの組み合わせは、下記を含みうる:
・ スチレンユニットを含むプラスチック、及び、
・ アクリルポリマーを含むプラスチック。
【0371】
プラスチックの組み合わせは、下記を含みうる:
・ スチレンユニットを含むプラスチック、及び、
・ ナイロン系のポリマー又はコポリマーを含むプラスチック。
【0372】
バインダは、スチレン系モノマーを含むプラスチック及び2つの他のプラスチックを含有してよい。プラスチックの組み合わせは、下記を含みうる:
・ スチレンユニットを含むプラスチック、
・ スチレンコポリマーを含むプラスチック、及び
・ アルケンとビニルアセテートのコポリマーを含むプラスチック。
【0373】
プラスチックの組み合わせは、下記を含みうる:
・ スチレンユニットを含むプラスチック、
・ スチレンコポリマーを含むプラスチック、及び、
・ アクリルポリマーを含むプラスチック。
【0374】
プラスチックの組み合わせは、下記を含みうる:
・ スチレンユニットを含むプラスチック、
・ アクリルポリマーを含むプラスチック、及び
・ ナイロン系のポリマー又はコポリマーを含むプラスチック。
【0375】
プラスチックの組み合わせは、下記を含みうる:
・ スチレンユニットを含むプラスチック、
・ アルケンとビニルアセテートのコポリマーを含むプラスチック、及び
・ アクリルポリマーを含むプラスチック。
【0376】
プラスチックの組み合わせは、下記を含みうる:
・ スチレンユニットを含むプラスチック、
・ アルケンとビニルアセテートのコポリマーを含むプラスチック、及び
・ ナイロン系のポリマー又はコポリマーを含むプラスチック。
【0377】
プラスチックの組み合わせは、下記を含みうる:
・ スチレンユニットを含むプラスチック、
・ アクリルポリマーを含むプラスチック、及び
・ ナイロン系のポリマー又はコポリマーを含むプラスチック。
【0378】
バインダは、スチレン系モノマーを含むプラスチック及び3つの他のプラスチックを含有してよい。プラスチックの組み合わせは、下記を含みうる:
・ スチレンユニットを含むプラスチック、
・ スチレンコポリマーを含むプラスチック、
・ アルケンとビニルアセテートのコポリマーを含むプラスチック、
・ アクリルポリマーを含むプラスチック、及び
【0379】
プラスチックの組み合わせは、下記を含みうる:
・ スチレンユニットを含むプラスチック、
・ スチレンコポリマーを含むプラスチック、
・ アルケンとビニルアセテートのコポリマーを含むプラスチック、及び
・ ナイロン系のポリマー又はコポリマーを含むプラスチック。
【0380】
プラスチックの組み合わせは、下記を含みうる:
・ スチレンユニットを含むプラスチック、
・ スチレンコポリマーを含むプラスチック、
・ アクリルポリマーを含むプラスチック、及び
・ ナイロン系のポリマー又はコポリマーを含むプラスチック。
【0381】
プラスチックの組み合わせは、下記を含みうる:
・ スチレンユニットを含むプラスチック、
・ アクリルポリマーを含むプラスチック、
・ アルケンとビニルアセテートのコポリマーを含むプラスチック、及び
・ ナイロン系のポリマー又はコポリマーを含むプラスチック。
【0382】
バインダは、スチレン系モノマーを含むプラスチック及び4つの他のプラスチックを含有してよい。プラスチックの組み合わせは、下記を含みうる:
・ スチレンユニットを含むプラスチック、
・ スチレンコポリマーを含むプラスチック、
・ アルケンとビニルアセテートのコポリマーを含むプラスチック、
・ アクリルポリマーを含むプラスチック、及び
・ ナイロン系のポリマー又はコポリマーを含むプラスチック。
【0383】
記載されたプラスチックの組み合わせで用いるための溶媒は、溶媒の組み合わせを有してよい。例えば、バインダ組成物が、2以上の溶媒を含む溶媒システムを含有してよい。1つの実施態様では、バインダ組成物が、溶媒及び共溶媒を含んでよく、溶媒が、高い溶媒和特性を有してよく、共溶媒が、比較的低い溶媒和特性を有する。1つの実施態様では、共溶媒が、溶媒システムの総量の、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、又は20%を占めてよく、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、溶媒システムの総量の、約2~約20%、約2~約16%、約2~約14%、約2~約10%、約4~約20%、約4~約16%、約4~約14%、約4~約10%、約6~約20%、約6~約18%、約6~約14%、約6~約10%、約8~約20%、約8~約18%、約8~約14%、約10~約20%、約10~約18%、約10~約16%、約12~約20%、約12~約16%、約14~約20%、約14~約18%、約16~約20%)。
【0384】
例えば、共溶媒が、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、又はこれらの組み合わせから選択される溶媒と組み合わせられた、1以上の脱芳香族化溶媒であってよい。
【0385】
ある種のプラスチックの組み合わせ、又は溶媒とプラスチックとの組み合わせは、プラスチック凝集を起こすことがある。1つの実施態様では、所望の粒子サイズが、0.5mm未満、1mm未満、2mm未満、3mm未満、4mm未満、5mm未満、6mm未満、7mm未満、又は8mm未満であり、適切な範囲を、これらの値の任意の間で選択できる(例えば、約0.5~約8mm、約0.5~約6mm、約0.5~約4mm、約0.5~約2mm、約1~約8mm、約1~約7mm、約1~約5mm、約1~約4mm、約2~約8mm、約2~約7mm、約2~約5mm、約3~約8mm、約3~約6mm、約4~約8mm、約4~約7mm、約5~約8mm)。粒子サイズが所望の粒子サイズよりも大きい場合には、混合物を、ホモゲナイザーを通して処理してよく、例えば、上述のホモゲナイザーを通して処理してよい。
【0386】
ホモゲナイザーが含まれる場合、それは、混合タンクと流体的に接続されてよい。すなわち、混合タンクが、出口を有してよく、これが、ホモゲナイザーの入口に流体的に接続されて、混合タンクからホモゲナイザーへと材料が送られる。この場合、混合タンク中の材料は、ホモゲナイザーによって処理されてよく、それによって、混合タンク中のプラスチックの粒子サイズが所望のサイズへと低減される。ホモゲナイザーの出口が、混合タンクへと戻ってもよく、又は、得られるプラスチックエマルジョンを保存するための保存タンクにつながってもよい。
【0387】
ホモゲナイザープロセス(均質化処理)の利点は、プラスチック粒子のサイズが低減するに従って表面面積が増加することに基づいて、プラスチックの溶解の速度が上昇するということである。
【0388】
添加物を、混合タンクに添加してよい。添加物は、ペイント(塗料)、オイル(油)、有機物質、又は海洋性プラスチックから選択できる。ペイントは、アクリルペイント、油系ペイント、又は水系ペイントから選択されてよい。オイルは、石油に基づくオイル、合成オイル、植物オイル、又はこれらの組み合わせから選択されうる。有機物質は、残留有機物質(すなわち、プラスチックの元の使用からの残留有機物質)であってよい。
【0389】
添加物は、バインダ組成物の、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、又は20%であってよく、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、バインダ組成物の、約1~約20%、約1~約18%、約1~約12%、約1~約10%、約2~約20%、約2~約16%、約2~約12%、約2~約10%、約3~約20%、約3~約17%、約3~約11%、約3~約10%、約4~約20%、約4~約18%、約4~約14%、約4~約10%、約5~約20%、約5~約18%、約5~約16%、約5~約14%、約6~約20%、約7~約20%、約7~約18%、約7~約15%、約7~約13%、約8~約20%、約8~約18%、約8~約14%、約9~約20%、約9~約14%、約10~約20%、約10~約15%、約11~約20%、約11~約17%、約12~約20%
、約12~約19%)。
【0390】
混合タンクは、加熱されてよい。混合タンクの加熱は、溶解プロセスを助けることができ、特に、比較的高い融解温度を有するプラスチックを用いる場合に、溶解プロセスを助けることができる。廃プラスチックが用いられる場合、細断されたプラスチックの混合状態を考慮すると、混合タンク中におけるプラスチックの正確な組成を知ることは困難でありうる。比較的高い融解温度を有するプラスチックの割合が比較的高い場合には、混合タンクの加熱は、溶解プロセスの速度に有利でありうる。
【0391】
例えば、混合タンクを、30℃以下の温度にまで加熱してよい。
【0392】
プラスチックの溶解速度は、多くの変数に依存し、例えば、プラスチック原料の組成、用いられる溶媒、プラスチック粒子サイズ、及び、混合タンクの温度に依存する。これらの変数のすべてを、溶解速度に影響するように調節できる。例えば、下記の制御を通じて、溶解速度を増加できる:
・ 低融解プラスチック、例えば、スチレン、アクリル、ABS、及びポリプロピレンの使用を通じた、プラスチック原料の組成の制御
・ ある種の溶媒(例えばメチレンクロリド及びトリクロロエチレン)は他の溶媒よりも比較的早く特定のプラスチックを溶解することを理由とした、溶媒の使用の制御、
・プラスチック粒子サイズの低減がプラスチック粒子それぞれの表面面積を増加することを理由とした、プラスチック粒子サイズの制御、並びに、
・ 比較的高い融解温度を有するプラスチックに比較的高い混合タンク温度を適合させることによる、混合タンクの温度の制御。
【0393】
1つの構成では、プラスチック原料が、ABS、EVA、及びアクリルの組み合わせを有し、溶媒が、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択される。
【0394】
1つの実施態様では、バインダ及び凝集体が、約30℃未満の温度で、より好ましくは約25℃未満の温度で、一緒に混合される。
【0395】
代替的な実施態様では、バインダ及び凝集体が、約100℃、約110℃、約120℃、約130℃、約140℃、約150℃、約160℃、約170℃、約180℃、約190℃、又は約200℃で、一緒に混合され、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、約100~約200℃、約100~約180℃、約100~約160℃、約100~約140℃、約110~約200℃、約110~約190℃、約100~約180℃、約110~約160℃、約120~約200℃、約120~約190℃、約120~約170℃、約120~約150℃、約130~約200℃、約130~約180℃、約130~約160℃、約140~約200℃、約140~約180℃、約150~約200℃、約150~約190℃、約16~約200℃)。
【0396】
特に、高融点プラスチックをバインダ及び凝集体の混合物に添加する場合には、バインダ及び凝集体の混合物の加熱が用いられうる。下記の表2に、種々のプラスチックの融点を示す。
【0397】
【表3】
1つの実施態様では、バインダ-凝集体混合物に添加されるプラスチック粒子が、EVA、ナイロン、PET、PP、高融点PET、又はこれらの組み合わせを含有する。
【0398】
100~200℃の温度は、バインダ-凝集体混合物に添加されるプラスチック粒子の実際の融点よりも低いことがある一方で、本件発明者らは、他の(比較的低い融点を有する)プラスチックの共混合が、高融点プラスチックの融解を促進し又は助けるために十分であることを見出した。
【0399】
1つの実施態様では、漸進的な加熱システムを用いてよい。すなわち、第1温度T1にまでまず最初に加熱し、そして、混合タンク中の組成物の溶解特性を決定する。例えば、T1が、所望の時間枠内でプラスチックを溶解するために十分である場合には、加熱を、T1で維持してよい。しかしながら、プラスチックが所望の迅速さで溶解しない場合には、混合タンクを温度T2にまで加熱してよく、T2は、T1よりも高い温度である。
【0400】
バインダ-凝集体混合物に添加されるプラスチック粒子が、比較的高い融点を有するプラスチック(例えば、PET、ナイロン、EVA)を比較的高い割合で含有する場合には、比較的高い温度を用いてよい。例えば、約140~約200℃の温度、又は約160~約200℃の温度を用いてよい。
【0401】
理論によって限定する意図はないが、追加の加熱は、バインダ-被覆凝集体混合物へのプラスチックの溶融を助けることができる。
【0402】
バインダは、凝集体に、プラスチック粒子に続いて、添加されてよい。代替的には、バインダを、凝集体及びプラスチック粒子と同時に混合してよい。
【0403】
加熱プロセスの利点は、それが、道路設置の場所に送ることができる流動可能な粘性状態にプラスチックを維持するという点である。すなわち、凝集体と混合されたエマルジョンは、ヒートシンクとして機能し、それによって、熱を保持し、かつ、(遠すぎないことを条件として)使用の場所へと送ることができ、道路形成プロセスで敷設されることができる。
【0404】
図2で示されているように、混合タンク中の混合物は、例えば
図4及び上記の段落[0312]で示されているような溶媒回収に供されてよい。溶媒回収プロセスは、混合タンク中の混合物から、溶媒の、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、又は20%を除去し、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、溶媒の、約3~約20%、約3~約18%、約3~約15%、約3~約10%、約3~約8%、約3~約6%、約4~約20%、約4~約17%、約4~約12%、約4~約9%、約4~約7%、約4~約6%、約5~約20%、約5~約19%、約5~約18%、約5~約11%、約5~約9%、約6~約20%、約6~約18%、約6~約16%、約6~約10%、約7~約20%、約7~約19%、約7~約13%、約8~約20%、約8~約18%、約8~約16%、約9~約20%、約9~約17%、約9~約14%、約10~約20%、約10~約17%、約10~約15%、約11~約20%、約11~約17%、約12~約20%、約12~約18%、約12~約16%、約13~約20%、約13~約18%、約13~約16%、約14~約20%、約14~約17%、又は約15~約20%)。
【0405】
溶媒回収の使用は、混合物の粘性を増加させて、約1,000cP、約2,000cP、約3,000cP、約4,000cP、約5,000cP、約6,000cP、約7,000cP、約8,000cP、約9,000cP、約10,000cP、約11,000cP、約12,000cP、約13,000cP、約14,000cP、約15,000cP、約16,000cP、約17,000cP、約18,000cP、約19,000cP、又は約20,000cPの粘度を有するエマルジョンを生成するために使用でき、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、約1,000~約20,000cP、約1,000~約17,000cP、約1,000~約15,000cP、約1,000~約10,000cP、約1,000~約8000cP、約1,000~約6000cP、約1,000~約4000cP、約2,000~約20,000cP、約2,000~約18,000cP、約2,000~約15,000cP、約2,000~約10,000cP、約2,000~約8000cP、約2,000~約6000cP、約3,000~約20,000cP、約3,000~約10,000cP、約3,000~約9000cP、約3,000~約6000cP、約4,000~約20,000cP、約4,000~約10,000cP、約4,000~約8000cP、約5,000~約20,000cP、約5,000~約15,000cP、約5,000~約10,000cP、約5,000~約9,000cP、約6,000~約20,000cP、約6,000~約15,000cP、約6,000~約10,000cP、約7,000~約20,000cP、約7,000~約16,000cP、約8,000~約20,000cP、約8,000~約16,000cP、約9,000~約20,000cP、約9,000~約15,000cP、約10,000~約20,000cP)。
【0406】
1つの実施態様では、比較的多くの量の溶媒が、溶媒回収によって除去され、別の溶媒で置換される。これは、例えば、それが置換する溶媒よりも環境にやさしい溶媒中に置換するために、行ってよい。例えば、有機ハロゲン溶媒又は芳香族炭化水素溶媒は、上記の脱芳香族化溶媒(例えば、Exxsol及びShellSol系の溶媒)よりも、環境適合性が低い場合がある。すなわち、合計の溶媒回収は、上記のように、3~約20%よりも高くてよく、それにもかかわらず、実効的溶媒回収レベルが変化していなくてもよく、これはなぜならば、比較的環境にやさしい溶媒の置換を通じて合計の溶媒量が維持されるからである。
【0407】
エマルジョンバインダは、約、50%、60%、70%、80%、90%、又は95%の固体を含んでよく、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、約50~約95%、約50~約80%、約50~約7%、約55~約95%、約55~約90%、約55~約85%、約60~約95%、約60~約90%、約60~約75%、約65~約95%、約65~約85%、約70~約95%、約70~約90%、約70~約85%、約75~約95%、約75~約90%、約75~約85%、約80~約95%、約80~約90%の、合計の固体)。
【0408】
結果として得られるエマルジョンバインダを、道路設置製造で用いてよい。
【0409】
エマルジョンバインダは、凝集体と組み合わされてよく、それによって、凝集体がエマルジョンでコーティング(被覆)される。
【0410】
代替的には、バインダが、モノマーに基づくバインダシステムに由来してよい。
【0411】
バインダの、凝集体に対する相対的な量は、凝集体のサイズに依存してよい。例えば、(凝集体及びバインダを含む)道路設置組成物は、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、又は約15%のバインダを含んでよく、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、約7~約15%、約7~約12%、約7~約10%、約8~約15%、約8~約14%、約8~約11%、約9~約15%、約9~約13%、約9~約12%、約10~約15%、約10~約12%、又は約13~約15%の、バインダ)。すなわち、バインダの、凝集体に対する比は、約1:8~約1:14であってよく、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる。
【0412】
凝集体は、約1~20mmの平均サイズを有してよく、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる。
【0413】
道路は、複数の層を有してよい。例えば、最下層としての舗装層、路盤層(サブベース層)、及び上層。典型的な道路では、この舗装が、コンクリートから形成されてよく、サブベース層が、凝集体あり又はなしで、ビチューメン混合物から形成されてよく、そして、上層が、凝集体(すなわち細粒)と組み合わされたビチューメン混合物である。
【0414】
道路製造プロセスにおいて、エマルジョンはビチューメンに代わることができるので、エマルジョンを、これらの層の1又は複数で用いることができる。
【0415】
例えば、舗装層に関して、これは、200~300mmの深さであってよく、比較的大きな凝集体、例えば、20~約30mmの平均サイズを有する凝集体、と組み合わされたエマルジョンの混合物を含んでよい。
【0416】
サブベース層に関して、これは、50~60mmの層を有してよく、この層が、上記のような、バインダと、1~5mmの平均粒子サイズを有する凝集体との混合物を含んでよい。いくつかの実施態様では、ここで用いられる凝集体は、サイズが1~5mm粒子にまで低減された溶解されていないプラスチックである。1つの構成では、サブベース層が、バインダのみを含有してよい。
【0417】
凝集体、バインダ、及び随意のプラスチック粒子は、その場(現場)で混合し、道路に適用し、そして、ローラー処理してよく、それによって、道路表面が形成される。
【0418】
混合プロセスの間に、添加物(すなわちペイント又はオイル)を添加してよい。
【0419】
1つの実施態様では、(いかなる溶解していないプラスチック粒子も含まない)バインダ-凝集体混合物が、添加物と混合されてよい。そのような実施態様では、道路設置混合物が、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、又は50℃にまで加熱されてよく、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、約20~約50℃、約20~約45℃、約20~約40℃、約20~約30℃、約25~約50℃、約25~約40℃、約25~約35℃、約25~約30℃、約30~約50℃、約30~約40℃、約35~約50℃)。
【0420】
上層に関して、これは、慣用的なビチューメン凝集体(細粒)混合物で形成されてよく、又は、ビチューメンをバインダで置き換えてよい。いくつかの構成では、凝集体が、プラスチック凝集体によって提供され、このプラスチック凝集体は、溶解しておらず、かつそのサイズが1~5mm粒子へと低減されている。
【0421】
それぞれの層は、敷設後に圧縮され、例えば、ロードローラーによって圧縮され、このプロセスは、道路製造においてよく知られている。敷設プロセスの間には、バインダ-凝集体混合物が、トラックに保持されていてよく、道路上に投じられる。トラックは、溶媒回収システムを有してよく、これは、敷設プロセスの間に道路設置混合物から逃れる揮発性溶媒を回収することを助ける。
【0422】
1つの実施態様では、バインダが、その場プロセスを介して適用されてよく、新しい道路表面のために凝集体とともに用いられてよく、又はすでに敷設された道路表面を再構築するために、凝集体とともに用いられてよく、古い再破砕された凝集体と新しい加熱されたバインダとが混合され、その場で再敷設される。
【0423】
記載されたバインダは、複合プラスチック製品の製造のために用いることができる。バインダは、下記の1以上から選択される繊維又は廃材と組み合わされてよい:
・ ヘンプ
・ 木のおがくず(工業的な木繊維フレーク)
・ 細断された紙(段ボール繊維)
・ ポリエチレン織物バッグ
・ ポリエチレンバッグ
・ PETボトル
・ 破砕されたガラス
・ 破砕された玩具又は電気製品(例えば、TV裏打ち、プリンタカートリッジ)
・ 火山灰及びポットアッシュ、並びに/又は、
・ ゴム/タイヤ及びカーボンブラック(粒状化されたタイヤ)。
【0424】
バインダは、繊維及び/又は廃材と混ぜ合わされてよく、それにより、バインダが、繊維及び/又は廃材を実質的にコーティングし、それによって、成型可能な混合物が製造される。そして、成型可能な混合物を、型に射出してよく、それによって、最終製品が製造される。
【0425】
上記のように、バインダは、
図2で示されているように、少なくとも、プラスチック及び溶媒の混合物から形成される。
【0426】
溶媒は、下記から選択されてよい:
(a)水
(b)上記の段落[0199]~[0211]で記載したような、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせ、
(c)段落[0322]で記載したような、モノマー、及び、
(d)(a)と(b)との組み合わせ。
【0427】
プラスチック原料は、プラスチックの組み合わせを有してよい。プラスチックは、スチレン系モノマー、スチレンコポリマー、アルケンとビニルアセテートのコポリマー、アクリルポリマー、及びナイロン系のポリマー若しくはコポリマー、又はこれらの組み合わせを含むプラスチックから選択してよい。
【0428】
プラスチックの組み合わせは、スチレン系モノマーを含むプラスチックを有してよい。
【0429】
スチレン系モノマーは、(ビニル基によって促進されて)重合されて、ホモポリマー又はコポリマーを形成してよい。たとえば、スチレン系モノマーは、ホモポリマーとして重合して、ポリスチレンを形成してよい。
【0430】
スチレン系モノマーは、1以上の他の化合物を有するコポリマーを形成できる。例えば、
・例えばポリブタジエンの存在下で、アクリロニトリルとコポリマーを形成して、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を形成でき、
・例えばブタジエンとコポリマーを形成して、スチレン-ブタジエン又はスチレン-イソプレン-スチレンを形成でき、
・例えばエチレン及び/又はブチレンとコポリマーを形成して、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(S-BE-S)を形成でき、
・例えばジビニルベンゼンとコポリマーを形成して、スチレン-ジビニルベンゼン(S-DVB)を形成でき、
・例えばアクリロニトリルとコポリマーを形成して、スチレンアクリロニトリル(SAN)を形成でき、
・樹脂及び熱硬化性化合物で典型的に用いられる不飽和ポリエステルとコポリマーを形成できる。
【0431】
スチレンコポリマーは、スチレンとアクリロニトリルのポリマーであってよく、例えば、アクリロニトリル-ブタジエンスチレン(ABS)であってよい。バインダが2以上の異なるプラスチックの組み合わせであるとすると、プラスチックの1つがスチレン及びアクリロニトリルのポリマーであり、他のプラスチックポリマーが、スチレン及びアクリロニトリルのポリマーではない。
【0432】
アルケンのコポリマーは、エチレンのコポリマーであってよい。エチレンのコポリマーは、例えば、エチレンとビニルアセテートのコポリマーであってよい。エチレンとビニルアセテートのコポリマーは、エチレン-ビニルアセテート(EVA)であってよい。
【0433】
アクリルポリマーは、ポリ(メチルメタクリレート)であってよい。
【0434】
ナイロン系のポリマー又はコポリマーは、典型的には、脂肪族ポリアミド又は半芳香族ポリアミドである。
【0435】
プラスチックは、ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂又はアルケンのホモポリマーを含有してよい。
【0436】
ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂は、ポリエチレンテレフタレート(PET)であってよい。プロピレン系熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレン(PP)であってよい。アルケンのホモポリマーは、エチレンのホモポリマーであってよい。エチレンのホモポリマーは、(高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンを含む)ポリエチレン(PE)であってよい。
【0437】
いくつかの構成では、プラスチックが、ヴァージンプラスチック(バージンプラスチック)であってよい。そのような場合には、プラスチック製品のための硬化プロセスの間に行われるように、ヴァージンプラスチックに架橋剤を添加する必要がある場合がある。慣用的な架橋剤は、過酸化物架橋、放射線架橋、及びシラン架橋に基づく架橋をもたらす。
【0438】
溶媒は、上記の段落[0201]~[0211]で論じたように、水、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、脱芳香族化溶媒、又はこれらの組み合わせから選択されてよい。
【0439】
溶媒及びプラスチックは、混合タンク中で一緒に混合される。
【0440】
プラスチックは、多様な形態であってよい。例えば、下記であってよい:
(a)チップ状のプラスチック
(b)0.5mm未満の粒子サイズへと処理されたプラスチック
(c)溶媒中に溶解されたプラスチック(若しくは一部が溶媒中に溶解されたプラスチック)、又は、
(d)(a)~(c)の任意の組み合わせ。
【0441】
チップ状のプラスチックは、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、又は20mmの間の粒子サイズへとプラスチックを低減する任意の処理によって製造できる。種々の方法が知られており、例えば、細断、造粒、及び粉砕が知られている。
【0442】
細断に関して、プラスチックは、好ましくは、まず最初に、20mm未満の粒子サイズへと細断される。好ましくは、細断されたプラスチックは、約、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15m、16mm、17mm、18mm、19mm、又は20mmの粒子サイズを有し、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択してよい(例えば、約2~約20mm、約2~約10mm、約2~約8mm、約2~約6mm、約2~約5mm、約3~約10mm、約3~約9mm、約3~約8mm、約3~約6mm、約4~約10mm、約4~約8mm、約4~約6mm、約5~約10mm、約5~約9mm、又は約6~約10mm)。
【0443】
20mm未満の粒子サイズへと処理されたプラスチックに関して、そのようなプラスチックは、段落[0233]からで上述したような、ホモゲナイザーによって、処理されてよい。例えば、ホモゲナイザーが、一連の回転円筒体を有する機械から構成されてよい。
【0444】
このようにして、プラスチックのさらなる原料は、約2mm未満の粒子サイズを有するプラスチックの均質化されたスラリーを含む。
【0445】
溶媒中に溶解されたプラスチック(又はその部分)は、溶媒中に溶解できる任意のプラスチックであってよい。例えば、プラスチックは、スチレン系モノマー又はエチレンモノマーのホモポリマーであってよい。プラスチックは、アルケンとビニルアセテートのコポリマー、アクリルポリマーを含有してく、又は、ナイロン系のポリマー又はコポリマーであってよい。
【0446】
溶解されたもの(又はその一部)は、混合タンク中に添加される前に、溶解(又は少なくとも部分的に溶解)されてよい。プラスチックが部分的に溶解される場合には、プラスチックを、混合タンク中で完全に溶解させてよい。溶解可能なプラスチックは、混合タンク中で溶解させてよい。
【0447】
複数のタイプのプラスチックを、混合タンク中で混合してよい。例えば、溶解可能なプラスチックとチップ状のプラスチックの組み合わせ、又は、溶解可能なプラスチックと処理されたプラスチックとの組み合わせ、又は、チップ状のプラスチックと処理されたプラスチックとの組み合わせ。
【0448】
バインダは、水系バインダであってよい。ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂、プロピレン系熱可塑性ポリマー、及びアルケンのホモポリマー(例えば、HDPE、LDPE、PVC、PE、PP、PET)から選択される1以上のプラスチックを、水とともに、混合タンク中で混ぜ合わせてよい。水系バインダは、下記を含んでよい:
・ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂、
・プロピレン系熱可塑性ポリマー、又は
・アルケンのホモポリマー。
【0449】
水系バインダは、下記を有してよい:
・ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂、及び
・プロピレン系熱可塑性ポリマー。
【0450】
水系バインダは、下記を有してよい:
・ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂、及び
・アルケンのホモポリマー。
【0451】
水系バインダは、下記を有してよい:
・プロピレン系熱可塑性ポリマー、及び
・アルケンのホモポリマー。
【0452】
水系バインダは、下記を有してよい:
・ポリエステル系熱可塑性ポリマー樹脂、
・プロピレン系熱可塑性ポリマー、及び
・アルケンのホモポリマー。
【0453】
記載されたプラスチックの組み合わせと共に用いられる溶媒は、溶媒の組み合わせを有してよい。例えば、バインダ組成物は、2以上の溶媒を有する溶媒システムを含んでよい。1つの実施態様では、バインダ組成物が、溶媒及び共溶媒を含有してよく、溶媒が、高溶媒和特性を有してよく、共溶媒が、比較的低い溶媒和特性を有する。1つの実施態様では、共溶媒が、溶媒システムの総量の、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、又は20%を占めてよく、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、溶媒システムの総量の、約2~約20%、約2~約16%、約2~約14%、約2~約10%、約4~約20%、約4~約16%、約4~約14%、約4~約10%、約6~約20%、約6~約18%、約6~約14%、約6~約10%、約8~約20%、約8~約18%、約8~約14%、約10~約20%、約10~約18%、約10~約16%、約12~約20%、約12~約16%、約14~約20%、約14~約18%、約16~約20%)。
【0454】
例えば、共溶媒が、1又は複数の脱芳香族化溶媒であってよく、これが、有機ハロゲン溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、又はこれらの組み合わせから選択される溶媒と組み合わされる。
【0455】
いくつかのプラスチックの組み合わせ又は溶媒とプラスチックの組み合わせは、所望のサイズよりも大きい、プラスチック集塊又はプラスチック粒子のサイズをもたらしうる。1つの実施態様では、所望の粒子サイズが、0.5mm未満、1mm未満、2mm未満、3mm未満、4mm未満、5mm未満、6mm未満、7mm未満、又は8mm未満であり、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、約0.5~約8mm、約0.5~約6mm、約0.5~約4mm、約0.5~約2mm、約1~約8mm、約1~約7mm、約1~約5mm、約1~約4mm、約2~約8mm、約2~約7mm、約2~約5mm、約3~約8mm、約3~約6mm、約4~約8mm、約4~約7mm、又は約5~約8mm)。粒子サイズが所望の粒子サイズよりも大きい場合には、混合物を、ホモゲナイザーを通して処理してよく、例えば、上述したようなホモゲナイザーを通して処理してよい。
【0456】
ホモゲナイザーが含まれる場合には、それは、混合タンクに流体的に接続されうる。すなわち、混合タンクは、ホモゲナイザーの入口に流体的に接続する出口を有してよく、それによって、混合タンクからホモゲナイザーへと材料を送る。この場合、混合タンク中の材料は、ホモゲナイザーによって処理されることができ、それによって、混合タンク中におけるプラスチックの粒子サイズを、所望のサイズへと低減する。ホモゲナイザーの出口は、混合タンクへと戻ってよく、又は、得られるプラスチックエマルジョンを保存するための保存タンクへと送られてよい。
【0457】
ホモゲナイザー処理(均質化処理)の利点は、プラスチック粒子のサイズが低減するに従って表面面積が増加することに基づいて、プラスチックの溶解速度が増加するということである。
【0458】
混合タンクは、加熱されてよい。1つの実施態様では、バインダが、30℃未満の温度で加熱され、より好ましくは、25℃未満の温度で加熱される。
【0459】
混合タンクの加熱は、溶解プロセスを助ける場合があり、特に、比較的高い融解温度を有するプラスチックが用いられる場合に、溶解プロセスを助ける場合がある。廃プラスチックが用いられる場合には、細断されたプラスチックの混合された性質を考慮すると、混合タンク中におけるプラスチックの正確な組成を知ることは困難である場合がある。比較的高い融点を有するプラスチックの割合が比較的高い場合には、混合タンクの加熱は、溶解プロセスの速度に有利でありうる。
【0460】
プラスチック原料の組成が未知である場合に、漸進的な加熱システムを用いることができる。すなわち、第1温度T1にまでまず最初に加熱し、そして、混合タンク中の組成物の溶解特性を決定する。例えば、T1が、所望の時間枠内でプラスチックを溶解するために十分である場合には、加熱を、T1で維持してよい。しかしながら、プラスチックが所望の迅速さで溶解しない場合には、混合タンクを温度T2にまで加熱してよく、T2は、T1よりも高い温度である。
【0461】
プラスチックの溶解速度は、多くの変数に依存し、例えば、プラスチック原料の組成、用いられる溶媒、プラスチック粒子サイズ、及び、混合タンクの温度に依存する。これらの変数のすべてを、溶解速度に影響を与えるために調節できる。例えば、下記の制御を通じて、溶解速度を増加できる:
・ 低融解プラスチック、例えば、スチレン、アクリル、ABS、及びポリプロピレンの使用を通じた、プラスチック原料の組成の制御
・ ある種の溶媒(例えばメチレンクロリド及びトリクロロエチレン)は他の溶媒よりも比較的早く特定のプラスチックを溶解することを理由とする、溶媒の使用の制御
・プラスチック粒子サイズの低減はそれぞれのプラスチック粒子の表面面積を増加することを理由とする、プラスチック粒子サイズの制御、並びに、
・ 比較的高い融解温度を有するプラスチックに比較的高い混合タンク温度を適合させることによる、混合タンクの温度の制御。
【0462】
図2で示されているように、混合タンク中の混合物は、例えば
図4及び上記の段落[0312]で示されているような溶媒回収に供されてよい。溶媒回収プロセスは、混合タンク中の混合物から、溶媒の、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、又は20%を除去し、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、溶媒の、約3~約20%、約3~約18%、約3~約15%、約3~約10%、約3~約8%、約3~約6%、約4~約20%、約4~約17%、約4~約12%、約4~約9%、約4~約7%、約4~約6%、約5~約20%、約5~約19%、約5~約18%、約5~約11%、約5~約9%、約6~約20%、約6~約18%、約6~約16%、約6~約10%、約7~約20%、約7~約19%、約7~約13%、約8~約20%、約8~約18%、約8~約16%、約9~約20%、約9~約17%、約9~約14%、約10~約20%、約10~約17%、約10~約15%、約11~約20%、約11~約17%、約12~約20%、約12~約18%、約12~約16%、約13~約20%、約13~約18%、約13~約16%、約14~約20%、約14~約17%、又は約15~約20%)。
【0463】
溶媒回収の使用は、混合物の粘性を増加させて、約1000cP、約2000cP、約3000cP、約4000cP、約5000cP、約6000cP、約7000cP、約8000cP、約9000cP、約10,000cP、約11,000cP、約12,000cP、約13,000cP、約14,000cP、約15,000cP、約16,000cP、約17,000cP、約18,000cP、約19,000cP、又は約20,000cPの粘度を有するエマルジョンを生成するために用いることができ、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、約1000~約20,000cP、約1000~約17,000cP、約1,000~約15,000cP、約1000~約10,000cP、約1000~約8000cP、約1000~約6000cP、約1000~約4000cP、約2000~約20,000cP、約2000~約18,000cP、約2000~約15,000cP、約2000~約10,000cP、約2000~約8000cP、約2000~約6000cP、約3000~約20,000cP、約3000~約10,000cP、約3000~約9000cP、約3000~約6000cP、約4000~約20,000cP、約4000~約10,000cP、約4000~約8000cP、約5000~約20,000cP、約5000~約15,000cP、約5000~約10,000cP、約5000~約9000cP、約6000~約20,000cP、約6000~約15,000cP、約6000~約10,000cP、約7000~約20,000cP、約7000~約16,000cP、約8000~約20,000cP、約8000~約16,000cP、約9000~約20,000cP、約9000~約15,000cP、約10,000~約20,000cP)。
【0464】
1つの実施態様では、比較的多くの量の溶媒が、溶媒回収によって除去され、別の溶媒で置換される。これは、例えば、それが置換する溶媒よりも環境にやさしい溶媒中に置換するために、行ってよい。例えば、有機ハロゲン溶媒又は芳香族炭化水素溶媒は、上記の脱芳香族化溶媒(例えば、Exxsol及びShellSol系の溶媒)よりも、環境適合性が低い場合がある。すなわち、合計の溶媒回収は、上記の3~約20%よりも高くてよく、それにもかかわらず、実効的溶媒回収レベルが変化していなくてもよく、これはなぜならば、比較的環境にやさしい溶媒の置換を通じて合計の溶媒量が維持されるからである。
【0465】
1つの実施態様では、エマルジョン含有有機溶媒が、溶媒回収に供される。溶媒がエマルジョンから蒸発するにしたがって、好ましくは、暖かい水が、体積におけるその位置を担う。これが完了しかつ溶媒が(可能な限り)除去されたときに、溶媒が冷却され、溶媒保持タンクへと戻される。そして、結果として得られる(粒状物質又は繊維を含有する)エマルジョンを、保存タンクへとくみ上げてよい。エマルジョンは、エマルジョンを安定化するための界面活性剤を有してもよい。
【0466】
エマルジョンは、50%、60%、70%、80%、90%、又は95%の固体を含んでよく、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、約50~約95%、約50~約80%、約50~約70%、約55~約95%、約55~約90%、約55~約85%、約60~約95%、約60~約90%、約60~約75%、約65~約95%、約65~約85%、約70~約95%、約70~約90%、約70~約85%、約75~約95%、約75~約90%、約75~約85%、約80~約95%、約80~約90%の、合計の固体)。
【0467】
結果として得られるエマルジョンは、複合製品、例えば、ポスト、ポール、ボード、又はブロックを製造するために用いることができる。
【0468】
エマルジョンは、繊維と混ぜ合わされてよく、それによって、繊維がエマルジョンでコーティングされる。エマルジョンの、繊維に対する相対的な量は、繊維のサイズに依存してよい。例えば、(繊維及びバインダを含む)複合製品組成物が、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、又は約15%のバインダを含んでよく、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる(例えば、約7~約15%、約7~約12%、約7~約10%、約8~約15%、約8~約14%、約8~約11%、約9~約15%、約9~約13%、約9~約12%、約10~約15%、約10~約12%、又は約13~約15%の、バインダ)。すなわち、バインダの、繊維に対する比は、約1:8~約1:14であってよく、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる。
【0469】
そして、エマルジョン-繊維混合物を、型へと射出又は注入してよい。型を閉じた後で、圧力を型に適用してよく、それによって、型を圧縮する。熱を、型に適用してもよい。
【0470】
1つの実施態様では、型が、繊維における配置の量に基づいて、漸進的に閉じられてよい。
【0471】
1つの実施態様では、バインダが、合板を作成するために用いられる。そのような実施態様では、バインダが、層を互いに圧縮する前に、合板層の間に噴霧される。1つの実施態様では、バインダが、約0.1mm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、又は4mmの層で噴霧され、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる。
【0472】
1つの構成では、バインダが、2つのプラスチックバインダ組成物の組み合わせから形成され、1つが、水系であり、1つが、溶媒系である。この場合、バインダは、廃材料と混ぜ合わせられる(例えば、木繊維材料、例えば、MDFで用いられるおがくず、粒子ボードで用いられる木繊維、廃材料、例えば、紙及び段ボールの繊維、粒状ゴム、破砕されたガラス、他のリサイクルされていない廃棄プラスチック、例えば、海洋に由来する廃プラスチック、PP及び廃PET、軽石、他の火山関連物質、米及びココナッツの殻)。
【0473】
バインダが水系バインダ及び溶媒系バインダから形成されているそのような実施態様では、溶媒系バインダが、溶媒回収に供されて、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約99%の溶媒が除去され、適切な範囲を、これらの値の任意の値の間で選択できる。
【実施例】
【0474】
1.実施例1 - 低温道路設置
この試験の目的は、低温道路設置の製造プロセスにおけるエマルジョンの特性を調べることである。
【0475】
4つのサンプルを試験した(1~4)。サンプル1及び2は、対になった再現サンプルである。サンプル3及び4は、対になった再現サンプルである。サンプル1及び2は、サンプル3及び4とは、それらのバインダの量の点で異なる。
【0476】
サンプル1及び2は、ABS(1kg)、アクリル(1kg)及びスチレン(1kg)を用いて形成された。サンプル3及び4は、ABS(1kg)、アクリル(1kg)及びスチレン(1.5kg)を用いて形成された。プラスチックは、1:1比のトリクロロエチレンとメチレンクロリドとの2kg重量の溶媒に溶解された。約2mgの着色剤を、10Lバケットに添加した。
【0477】
簡便な試験を用いて、いつプラスチックが適切に溶解されるかを決定した。スレンレス鋼の定規を溶解プラスチックと溶媒を含むバケット中に配置した。鋼定規を取り除いたときに、エマルジョンが鋼定規から滴り落ちたときには、プロセスが完了したとみなした。エマルジョンが鋼定規から流れ落ちたときは、プロセスが完了してないとみなした。
【0478】
そして、凝集体を、プラスチックエマルジョンに添加した。この試験では、非常に小さい凝集体は排除された(すなわち砂)。この試験は、比較的良好な結果をもたらすことが見いだされた8~9mmの凝集体を用いた。得られた混合物を、(円筒体の形状の)ブリケット型に入れ、静置して硬化させた(すなわち、化学物質を蒸発させた)。
【0479】
表3及び表4で示されるサンプルは、10重量%のエマルジョンを用いた。
【表4】
【表5】
【0480】
表5及び表6に示されるサンプルは、8重量%のエマルジョンを用いた。
【表6】
【表7】
【0481】
ブリケットを、試験に供した。最初の試験は、ノミを、ブリケットの上部に挿入したことである。必要とされた力をニュートンで示す。この力が大きいほど、ブリケットはより硬いことを意味する。
【0482】
第2のテストは、道路設置サンプルのストリップ片を、それらを曲げる機械に配置したことである。この機械は、サンプルが折れるまで作動する。上記の結果によれば、これらのサンプルは、ビチューメンよりも良い結果を示す。
【0483】
2.バインダの調製
下記の表は、調製され試験されたバインダ配合物をまとめている。溶媒を、プラスチック原料と組み合わせた。
【表8-1】
【表8-2】
【0484】
2.1 他のバインダ配合
下記のバインダ配合物を調製できる。溶媒は、プラスチック原料に添加されて、バインダ混合物が形成される。
【表9-1】
【表9-2】
【表9-3】
【表9-4】
【0485】
下記のバインダ配合物を調製できる。溶媒をプラスチック原料に添加して、バインダ混合物を形成する。
【表10-1】
【表10-2】
【表10-3】
【表10-4】
【0486】
下記の1又は複数を示す結果は、上記のバインダ配合物が効果的であることを示す:
・ 形成された製品のITS
・ 形成された製品のITSM
・ 濡れ性
・ 凝集体の範囲、及び/又は
・ 凝集体の接着性
【0487】
2.2 バインダC - 高温道路バインダ混合物
40kgのメチレンクロリドを60kgの溶解可能プラスチックに混合して、100kgのバインダを形成した。この溶解可能プロセスの間に、非プラスチック廃材流、オイル及び塗料を添加できる。例えば、100kgのバインダに関して、これは、80kgの溶解プラスチックと、20kgの非プラスチック(廃オイル及び廃塗料)を用いる。合計の混合物の20%以下を非プラスチックとすべきことが推奨される。
【0488】
すべての素材が混合された後に、混合物を、圧力下で、100℃~200℃の温度へと加熱できる。
【0489】
必要な温度は、添加された非プラスチック廃材の%によって決定され、また、プラスチック原料中で用いられているプラスチックの融点によっても決定される。
【0490】
非プラスチック流(例えば、塗料、食料、及び工業オイル)を添加するときには、これは、最大で5~20%の範囲であり、混ぜ合わされた混合物の加熱は、バッチ処理工場と、必要とされる場所での適用との間の輸送要件に適するように変更されてよい。例えば、エマルジョンを調製するバッチ処理工場と、使用の場所(道路が敷設される場所)との間の距離。この道路混合物オプションを、その場プロセスで用いることができることも想定される。
3.道路設置配合物の調製
表6のバインダ配合物を、凝集体と混ぜ合わせて、道路設置組成物を形成し、表10に示されるように試験した。
【表11-1】
【表11-2】
【0491】
下記の表11に、モノマー混合物を含むバインダ配合物を示す。
【表12】
【0492】
このバインダを、木繊維及びおがくずを含む木と混合して、約90%の木製品及び約10%のバインダを含む組成物を製造する。
【0493】
4.実施例2 - モノマーに基づく道路設置
この評価の目的は、道路設置用途に適した、モノマーに基づくバインダを調べることであった。
【0494】
特に、この例は、種々のモノマー混合物(クロライド非含有)の使用を調べ、下記を分析する:
・モノマー混合物は、ポリスチレン及び他のプラスチックを溶解できるか?
・モノマー混合物の粘度はいくつであるか?また、道路設置用途での使用に適しているか?
・架橋剤を添加したときのモノマー混合物の硬化速度はどれほどであるか?硬化のために添加される促進剤及び架橋剤の有効な量はどれほどであるか?また、速度は、道路設置用途における要件に適合するために、架橋剤及び/又は促進剤の量を変更することによって変えることができるか?どの程度の発熱が、硬化の間に発生するか?
・硬化されたポリマーの強度はどれほどであるか?
・道路形成のために用いられる実際の石混合物(ストーン混合物)では、モノマー混合物はどのように挙動するか?石を結合できる場合に、弾性係数及び曲げ強さはどれほどであるか?
【0495】
試験したモノマーの範囲は、下記である:
・ p-スチレン
・ MMA - メチルメタクリレート(硬性モノマーとして用いられた)
・ EHA - エチルヘキシルアクリレート(軟性モノマーとして用いられた)
・ TMPTA - トリメチロールプロパントリアクリレート(架橋化合物として用いられた)
・ スチレンモノマー(硬性モノマー)
・ DMPT - N,N-ジメチル-p-トルジン(架橋のための促進剤として用いられた)
・ DEPT(促進剤)
・ BPO - 過酸化ベンゾイル(架橋剤/架橋体として用いられた)
【0496】
4.1 基礎モノマー混合物
モノマー混合物を、表12及び表13の配合に従って製造した。簡単に述べると、800gのそれぞれのモノマー混合物を調製し、15分にわたって攪拌タンク中で混合した。
【表13】
【表14】
【0497】
そして、100gのモノマー混合物を、促進剤(DPMT)及び架橋剤(BPO)と手動で混合した。そして、混合物を、回転粘度計(RVDV-1T)において粘度計測に供して、せん断速度、粘度、及び温度を、一定間隔で、ゲル化/固化に至るまで、監視した。ゲル化/固化は、スピンドルが作動を停止する点であるとし、粘度値は提供されない。スピンドル♯1を、100のRPMで用いた。
【0498】
固化した塊が室温にまで冷却された後で、固化した塊の硬さを、ショア硬さ計測器(ショアDデュロメーター)を用いて、計測した。
【0499】
促進剤組成物は、PM2及びTM2の配合で、一定の架橋剤組成において、促進剤の量を変更した硬化監視実験を行うことによって、決定した。
【0500】
そして、決定された促進剤組成で、架橋剤の量を変更することによって、架橋組成を決定した。ゲル化時間及び最大温度の架橋パラメータ、並びに、それぞれのゲル化塊のショア硬さを用いた。
・ 試験した促進剤組成:0.25%、0.5%、1%及び1.5%によって、有効範囲を決定する。
・ 試験した架橋剤組成:決定した促進剤組成における、1%、1.5%、2%、2.5%及び3%。
【0501】
TM2を用いた評価結果
ポリスチレンをモノマー混合物の残部に添加した際に、溶液は、まず最初に、2相の混合物になり、徐々にモノマー混合物へと溶解して、クリアな液体が提供された。これは、分析した全てのモノマー混合物で同様であった。
【0502】
表14で示されているのは、3%BPO(架橋剤)での最適化されたDMPT(促進剤)レベルである。これは、100gのTM2及び3gのBPOを用いた。
【表15】
【0503】
表14は、組成物中の促進剤の量が増加するほど、これが、到達最大温度を低減することを示しており、比較的低い程度の架橋を示す。ゲル化に達する時間も、組成物中の促進剤の量が増加するほど、低下する。
【表16】
【0504】
表15は、組成物中の架橋剤の量が増加するほど、到達最大温度が上昇することを示しており、比較的高い程度の架橋を示す。これは、ショア硬さの値によって確認され、この硬さは、架橋組成とともに増加する。
【0505】
表16は、0.375重量%の促進剤(DMPT)と3重量%の架橋剤(BPO)との組み合わせを用いた試験の結果を示す。この評価は、100gのPM2及び3gの架橋剤(BPO)を用いた。
【表17】
【0506】
表16は、促進剤の量が増加するほど、到達最大温度が低下することを示しており、比較的低い程度の架橋を示す。これは、再び、ショア硬さの値によって確認され、組成物中の促進剤の量の増加とともに、低下した硬さを示す。
【表18】
【0507】
表17は、組成物中の架橋剤の量が増加するほど、到達最大温度が増加することを示しており、比較的高い程度の架橋であることを示す。
【0508】
表18で示されるように、異なるモノマー混合物の範囲を、さらに分析した。
【表19】
【0509】
硬化監視試験
そして、一連の範囲の試験を、種々のモノマー混合物に関して、3重量%の架橋剤(BPO)及び0.375重量%の促進剤(DMPT)で行った。
【0510】
硬化監視試験のために、上記したのと同じ手順を用いた。表18の配合物を、架橋剤(BPO)及び促進剤(DMPT)組成それぞれ3重量%及び0.375重量%で、硬化処理に供した。得られた結果を表19に示す。
【0511】
【0512】
表19は、室温での種々のモノマーシステムに関する粘度のばらつきを示す。見られるように、TM2は、高い粘度を有しており、視覚的に、流動性の高い混合物ではなかった。
【0513】
4.2 道路設置サンプルの調製
道路設置サンプルを、種々のモノマー混合物及び代表的な石混合物(Stevenson Drury GAP20)を用いて調製した。用いた手順を下記に示す。
・個々のモノマー配合物を、促進剤及びアクセレーターと混合した(最終量が、3重量%架橋剤[BPO]及び0.375重量%促進剤[DMPT]であり、石混合物は、所定の比率(8、10、12、及び14重量%のバインダ)であった)。組成物の混合は、ハンドヘルド混合器で行った。モノマーへの添加の順番は、まず最初に促進剤(DMPT)の添加、そして、架橋剤(BPO)及び石混合物を同時に添加。
・そして、混合したサンプルを型に注ぎ込み、ラムを用いて手動で圧縮した。熱電温度計を混合物の中心部(コア)に挿入して、硬化の間の温度を計測した。
・型を、1870kN/m2(100mm直径の型にわたって15トン)の圧力に供して、5分間にわたって、空気圧プレス機において、混合物を固めた。
・混合物を、30分間にわたって型内で硬化させ、(効果の完了を示す、一定の発熱が達成されるまで、)中心部温度(コア温度)を計測した。
・ 硬化したサンプルを型から取り外し、電気炉内において夜通しで65℃で後硬化させた。
・ 代表的なサンプルを、弾性係数試験に供した。簡単に記載すると、およその寸法で直径100mm及び高さ65mmの円筒形のサンプルを用いて、弾性係数試験を行った。
【0514】
表20は、種々のバインダ比(8重量%、10重量%、12重量%、及び14重量%)で形成された道路設置サンプルからの結果を示す。
【0515】
図7は、(a)混合物中における一定のアクセレータ組成(0.38%DMPT)での種々の架橋剤(BPO)を用いた場合の弾性係数、及び、(b)混合物中における一定の架橋剤(BPO)(3%)での種々の促進剤(DMPT)を用いた場合の弾性係数を示す。混合物中の架橋剤(BPO)量が増加するほど、弾性係数も増加することがわかる。促進剤(DMPT)レベルの増加に伴って、弾性係数が減少することが見られる。
【0516】
図8~10は、考慮されている他のモノマー混合物とは異なるバインダ対石比での、種々のモノマー混合物に関する、弾性係数の比較を示す。PTS4組成は、比較的高い弾性係数を示しており、一般に、バインダ対石比の増加とともに、弾性係数が増加する。
【表21】
【0517】
4.3 モノマーシステムを有する種々のプラスチックの試験
この評価では、PT3樹脂を用い、ポリスチレン含有量を、他のプラスチックと置き換えた(それぞれの樹脂100g、架橋剤(BPO)3g、及び、促進剤(DMPT)0.375g)。
【表22】
【0518】
プラスチックは、ポリスチレンを除いては、モノマーシステム中で溶解しなかった。硬化による固形塊の形成は達成された。道路設置サンプルは、10重量%のバインダ対石比で形成されており、比較表を
図11に示す。
【0519】
これらの評価は、アクリルに基づくモノマー混合物を、ポリスチレンを溶解させるために用いることができることを示す。樹脂の流動性/粘性を、組成に基づいて変更でき、それによって、道路設置用途における要件に適合させることができる。他のポリマーをポリスチレンの代わりにできるが、溶解しない場合があり、したがって、補強フィラーとして機能することになりうる。弾性係数は、損なわれなかった(
図11参照)。
【0520】
モノマー混合物の硬化速度は、道路設置用途に適するように促進剤及び架橋剤の組成を変更することによって、変えることができる。3重量%の架橋剤(例えばBPO)の含有量及び0.375重量%の促進剤の含有量が有用な組成物であることを見出しており、これを、道路設置用途に用いることができる。
【0521】
硬化の間に達成される最大の発熱温度は、160℃である。発生する発熱は、道路設置用途において、室温で石と混合される場合に、管理可能である。コアサンプル形成の際に記録された最大温度上昇は、9℃であった(表20の14%バインダが言及される)。
【0522】
一般に弾性係数は、バインダ対石比の増加とともに増加した。試験した配合のうち、石の混合を伴う14重量%PTS4バインダは、最も高い弾性係数を有する(
図8参照)。
【0523】
5.コンクリート-プラスチック組成物
コンクリート-プラスチック組成物を、バインダAと、商業的なバッチ工場及びコンクリート供給会社からそれぞれ得た(1)破砕されたコンクリート廃材又は(2)セメントスラリーとを用いて調製し、(社内)試験した。
【0524】
コンクリート-プラスチック組成物から形成されたコアサンプルを、表22で見られるようにして評価した。この結果は、全圧の適用なしで、少なくとも20MPaの強度が達成されうることを示す。さらなるサンプル及び評価が行われる。
【表23】
【0525】
比較すると:
・泥レンガは、約1.6~約1.9MPaのMPa強度を有し
・粘土焼成レンガは、約14のMPa強度を有し、かつ
・コンクリートは、15~25MPaの範囲である。
【0526】
6.木-プラスチック複合体 - サンプルボードの製造
この方法は、複合MDF及び粒子ボード製品の調製のために行われる。
【0527】
6.1 成分
下記に示されるのは、ヴァージンプラスチック(表23)及び用いた廃材プラスチック(表24)についての融点である。
【表24】
【表25】
【0528】
スチレン/ポリスチレンは、低温であり、NILOエマルジョンステージに溶解している。
【0529】
下記に列記されているのは、表23及び表24において上述されたプラスチックと共に用いられた繊維である。
・ヘンプ
・木おがくず - 工業木材繊維フレーク
・細断された紙 - 段ボール繊維
・PP-ポリエチレン織物バッグ
・ポリエチレンバッグ
・PETボトル
・破砕されたガラス
・破砕された玩具-電気製品-TV裏打-プリンタカートリッジ
・火山灰及びポットアッシュ
・ゴム/タイヤ及びカーボンブラック(粒状化されたタイヤ)
【0530】
過酸化物に基づく架橋剤(Luperox130、粉体形態)を、表23及び表24で上述したプラスチックとともに用いた。
【0531】
6.2 プラスチックエマルジョンの調製
プラスチックエマルジョンを、バージンプラスチック若しくは廃プラスチック、又はこの2つの混合物から調製した。
【0532】
バインダエマルジョンを、スチレン、ABS、EVA及びアクリルプラスチックの混合物から、溶媒と組み合わせて、形成した。このプラスチックの混合物は、比較的高い硬さを有する木-プラスチック複合ボードをもたらすことが見いだされた。
【0533】
さらに試験されたものは、ポリエチレン、HDPEI、ABS及びナイロンを含有する、剛性プラスチック水系バインダであった。このプラスチックの混合物は、向上した柔軟性及び耐衝撃性を有するボードをもたらす。
【表26】
【0534】
バインダ及び木繊維は、90%の木繊維及び10%のバインダの比で混合され、型の中に配置された。型は、200℃の温度にまで加熱された。
【0535】
圧縮の程度は、材料中の湿分の量に依存しうる。例えば、100%乾燥材料(すなわち、2mm未満のプラスチック粒状体、架橋剤、結合乾燥フィラー)を押圧する場合には、100%に圧縮される(すなわち、完全に閉じた型)。例えば、湿った材料を押圧する場合には、圧縮の程度は、約80%~約90%であってよい。追加的に、コア温度は、約120℃~約140℃にまで上昇され、そして、型が完全に閉じられる。
【0536】
いくつかの状況では、プレスを閉じる際に、過剰な材料が型中に存在する場合がありうる。しかしながら、バインダ混合物は軟化するための時間を必要とすることに留意する必要がある。1つの構成では、型に適用される圧力の量が、増加する。例えば、1つの構成では、型が、最初に50トンに供され、プラスチックが軟化しはじめかつ圧力が低下したときに、型を閉じ、型の温度を約200℃にまで上昇させる。
【0537】
いくつかの構成では、架橋剤の使用が、圧力サイクルを変化させうる。理論によって限定する意図はないが、架橋剤の存在は、プラスチックが流れることを止めることができる。1つの構成では、架橋剤が、ヴァージンプラスチックとともに用いられることがある。1つの構成では、プラスチック原料が廃プラスチックである場合には架橋剤は用いられない。
【0538】
1つの構成では、バインダが、2つのプラスチックバインダ組成物の組み合わせから形成され、1つは水系であり、1つは溶媒系ある。この場合、バインダは、廃材料(例えば、MDFで用いられるおがくずや粒子ボードで用いられる木繊維などの木繊維材料、例えば紙及び段ボール繊維などの廃材料、粒状化されたゴム、破砕されたガラス、他の廃棄性再利用不可プラスチック、例えば、海洋由来廃プラスチック、PP及び廃PET、軽石、他の火山性材料、米及びココナッツの殻)。このようにして製造されるボードは、高い強度を有するボードをもたらす。
【0539】
6.3 サンプル1
このサンプルは、385mm幅、460mm長、及び35mm深さのサイズの型を有する複合材ボード混合物に関する。バインダは、下記の成分を含有していた。
・4.0kg 3mm未満の粒状体としてのプラスチック
1kgの廃sugarbio
2kgのヴァージンHDPE
1kgのHDPE廃材
・1.0kg 繊維廃材(細断された段ボール/紙)
・0.02g 架橋剤(ヴァージンプラスチックのみのためのもの)(過酸化物に基づく架橋剤、例えばLuperox130)
【0540】
プラスチックは、混合タンク中で水と混ぜられ、水溶媒中で細かい粉体へとすりつぶされる。その粘稠度に起因して、これを噴霧できる。そして、この噴霧可能な混合物を、繊維廃材の上に噴霧し、混合し、そして、型中に配置し、これを、100トンプレスに供し、加熱して、140~180℃のコア温度を達成する。
【0541】
試験-点載荷試験AS4068-1993
約459×110×35mmの寸法の1つのボードサンプルを、AS4068-1993に記載されている点載荷試験に供した。75mm直径及び60mm高さのスチール円筒体を用いて、100kgの荷重を、5分間にわたって、周囲温度で、加えた。
【0542】
たわみを、スパン(スパン距離370mm)の中央で、荷重適用前、荷重下5分時点、及び再び荷重が除去された状態で5分後の時点で、計測した。結果を、下記に示す。
【表27】
【0543】
【0544】
AS4068-1993に従う最大許容たわみは、2.5%未満であり、これは、370mmスパンで9.25mmに等しい。試験サンプル1は、この要件を満たし、0.68%又は2.5mmは、述べられたものよりも低い。サンプル1によって得られた残存たわみは、0.2%又は0.74mmであり、これは、AS4068-1993で述べられているように370mmのスパンに基づいて0.5%未満又は1.85mm未満の要求限界の範囲内である。
【0545】
さらなる4つのサンプルを、破壊するために、215mmのスパンで半径15mmを有する支持体にわたって50mm/分の速度で適用される力にさらした。ボードのサイズの概要を下記に示す:
・ボード2(衝撃複合体ボード混合物):459mm長、110mm幅、及び35mm厚
・ボード1(衝撃ボード紙ボード):450mm長、380mm幅、及び25mm厚
・木繊維ボード(WB):450mm長、380mm幅、及び25mm厚
【0546】
それぞれの上記ボードについて、結果を表27に示す。
【表28】
【0547】
ボード1(IB)は、385mm(幅)×460mm(長さ)及び25mm(深さ)にトリミングされ、4kgの重さであった。
【0548】
衝撃ボードは、下記から形成された:
・3.2kgの、3mm未満の粒状体としてのプラスチック
1kgの廃HDPE
1.7kgの、8mm未満のHDPE小片
0.5kgのヴァージンHDPE
・0.80kgの繊維廃材(細断された細粒/紙)
・0.01gの架橋剤(ヴァージンプラスチックのみのためのもの)(過酸化物に基づく架橋剤、例えばLuperox130)
【0549】
バインダ繊維混合物を、型の中に配置し、これを、100トンのプレスに供し、加熱して、180℃のコア温度を達成した。
【0550】
木繊維ボード(WB)は、385mm(幅)×460mm(長さ)及び21mm(深さ)にトリミングされ、3.2kgの重さであった。
【0551】
木繊維ボードは、産業的に供給された木繊維を用いて作られており、廃プラスチック粒状体水系バインダを用いて一緒に結合されていた。
・2.0kgの、3mm未満の粒状体としてのプラスチック
2kgの廃HDPE
・1.1kgの廃木
1.0kgの工業木繊維
0.1kgの木粉
・0.1kgのバインダA
・0.01gの架橋剤(ヴァージンプラスチックのみのためのもの)(過酸化物に基づく架橋剤、例えばLuperox130)
【0552】
バインダ-繊維混合物を、型中に配置し、これを、100トンのプレスに供し、加熱して180℃のコア温度を達成した。
【0553】
プレス処理のトン数は、ボードの所望の強度(及び追加された材料フィラーの量)に依存しうる。1つの構成では、ボードの強度が、(ボードの全体的な重量を増加させる)添加された材料フィラーの量、及び増加したトン数に依存しうる。
【0554】
ボードを、「落下試験」に供した。サンプル1のボード混合物を、型中で、100トンでプレスし、加熱して180℃のコア温度を達成した。ボードを、「ダーツ落下衝撃試験(」に供した。ダーツ落下衝撃試験は、所望の距離で20kgの半球状の湾曲した金属槍(金属ダーツ)を落下させて所望の試験結果を達成することを含む。
【0555】
ボードAは、3つの100mm(幅)、400mm(長さ)、30mm(深さ)の部分へと切断され、ダーツ落下衝撃試験に供された。ダーツを、300mmから、ボードの中心点へと落下させた。観察された結果は、試験されたボードが破壊されなかったというものであった。
【0556】
プレス内のサンプルボードが十分な内部コア温度に到達したときに、プレス圧力を、下記の工程に従って非常にゆっくりと開放してよい。
・5秒間にわたる99%保持
・5秒間にわたる98%保持
・5秒間にわたる97%保持
・5秒間にわたる96%保持
・5秒間にわたる95%保持
・5秒間にわたる94%保持
・5秒間にわたる93%保持
・5秒間にわたる92%保持
・5秒間にわたる91%保持、及び、
・90%5秒に続いて全開放。
【0557】
この手順は、湿った混合物で良好な結果をもたらし、なぜならば、蒸気が蓄積し、急速な開放は、けがを引き起こす可能性があり、またサンプルボードの不具合を引き起こす可能性があるからである。ボードが外にでたときに、100℃未満にまで冷却して、その後に型から取り出す。
【国際調査報告】