(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-14
(54)【発明の名称】粒子状材料を大量生産するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
C23C 16/26 20060101AFI20230707BHJP
【FI】
C23C16/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577241
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(85)【翻訳文提出日】2023-01-23
(86)【国際出願番号】 US2021037321
(87)【国際公開番号】W WO2022015445
(87)【国際公開日】2022-01-20
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508374807
【氏名又は名称】カンザス ステイト ユニバーシティ リサーチ ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【氏名又は名称】三橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100168985
【氏名又は名称】蜂谷 浩久
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】コーキル, ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ソーレンセン, クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ライト, ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】ネパール, アージュン
(72)【発明者】
【氏名】ボスマン, ステファン
【テーマコード(参考)】
4K030
【Fターム(参考)】
4K030AA09
4K030AA14
4K030BA27
4K030EA05
4K030FA01
4K030KA15
4K030KA30
4K030LA25
(57)【要約】
グラフェン粒子等の粒子状材料の大量生産が可能な装置及び方法が提供される。装置は、容易に交換可能な電極カセットを含むとともに粒子状材料が生成される燃焼サイクルと燃焼サイクルの間に自動クリーニングするように構成され得る、点火アセンブリを含む。粒子状材料を生成する方法は、燃焼反応を開始するために低エネルギーを必要とし、その後燃焼反応は反応物を使い果たすまで自立的に継続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応物の燃焼によって粒子状材料を製造するための装置であって、
炭素含有材料の供給源及び酸化剤の供給源に動作可能に連結される反応チャンバと、
前記反応チャンバに動作可能に接続され、前記反応チャンバの前記内容物の少なくとも一部を選択的に空にするように動作可能な真空供給源と、
各供給源から前記反応チャンバに搬送された大量の前記炭素含有材料及び大量の前記酸化剤の燃焼を開始させるように構成された点火アセンブリとを含み、
前記点火アセンブリは、その間にイオン化アークを発生させるように動作可能な一対の電極を含み、各電極は前記点火アセンブリ内に取外し可能に収容される各カセット内に収容される、装置。
【請求項2】
前記点火アセンブリは、炭素含有材料の前記供給源及び前記酸化剤の前記供給源に流体接続するように構成された入口ポートを有するハウジングを含み、前記ハウジングはまた前記反応チャンバに流体接続するように構成された出口ポートを有し、前記入口ポートと前記出口ポートはハウジングを通る通路で接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記点火アセンブリ内を流れる流体の少なくとも一部を、前記点火アセンブリへの流体流れの方向に対向していない前記電極の面全体に誘導するように、又は乱すように構成された一又は複数の流体ダイバータを更に含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記一又は複数の流体ダイバータは、前記通路に向かって突出する傾斜面を有する一又は複数のベンチュリを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記装置はフラッシングガスの供給源に動作可能に連結され、前記点火アセンブリを通る前記フラッシングガスを、前記炭素含有材料及び前記酸化剤の燃焼により前記電極上に付着した炭素及び/又は炭素含有化合物を除去するように誘導するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記フラッシングガスの前記供給源が前記酸化剤の前記供給源と同じである、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記フラッシングガスが空気を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記酸化剤が酸素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記炭素含有材料が一又は複数の炭化水素化合物を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記電極が前記点火アセンブリ内で選択的に回転可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記電極は導電体を囲む非多孔性素材を含み、前記導電体は、前記点火アセンブリ内において前記非多孔性素材を通って通路に向かって突出する電極チップを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記非多孔性素材がガラス又は施釉セラミックを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記真空供給源が真空ポンプ及びバラストタンクを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
反応チャンバ内で燃焼反応を開始させるように動作可能な電気点火アセンブリであって、
ガス状反応物材料の供給源に流体接続するように構成された入口ポートと、前記反応チャンバに流体接続するように構成された出口ポートとを有するハウジングであって、前記入口ポートと前記出口ポートは通路で接続される、ハウジングと、
前記通路に向かって延びる電極チップをそれぞれ有する一対の電極であって、各電極は前記ハウジング内に取外し可能に収容される各カセット内に収容される、一対の電極とを含む、電気点火アセンブリ。
【請求項15】
前記点火アセンブリは、前記点火アセンブリ内を流れる流体の少なくとも一部を、前記点火アセンブリへの流体流れの方向に対向していない前記電極の面全体に誘導するように構成された一又は複数の流体ダイバータを更に含む、請求項14に記載の電気点火アセンブリ。
【請求項16】
前記一又は複数の流体ダイバータは、前記通路に向かって突出する傾斜面を有する一又は複数のベンチュリを含む、請求項15に記載の電気点火アセンブリ。
【請求項17】
前記電極が前記点火アセンブリ内で選択的に回転可能である、請求項14に記載の電気点火アセンブリ。
【請求項18】
前記電極は導電体を囲む非多孔性素材を含み、前記導電体は、前記点火アセンブリ内において前記非多孔性素材を通って通路に向かって突出する電極チップを含む、請求項14に記載の電気点火アセンブリ。
【請求項19】
前記非多孔性素材がガラス又は施釉セラミックを含む、請求項18に記載の電気点火アセンブリ。
【請求項20】
グラフェン粒子を製造する方法であって、
炭素含有材料及び酸化剤を含む混合物を反応チャンバに導入するステップであって、前記炭素含有材料及び前記酸化剤は一対の電極を含む点火アセンブリを通って前記反応チャンバに導入されるステップと、
前記点火アセンブリ内で前記一対の電極間にイオン化アークを発生させることにより、前記炭素含有材料及び前記酸化剤を燃焼させるとともに前記反応チャンバ内に少なくとも3000Kの温度を生じさせてグラフェン粒子を含むエアロゾルを生成するステップと、
前記反応チャンバに動作可能に接続された真空供給源を使って前記エアロゾルを前記反応チャンバから排気するステップと、
前記反応チャンバから吸い出された前記エアロゾルから前記グラフェン粒子をグラフェン粉末として回収するステップとを含む方法。
【請求項21】
前記反応チャンバ内の真空状態を維持しつつ、フラッシングガスを前記点火アセンブリ内に通させるステップを更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記フラッシングガスが前記酸化剤と同じ組成のものである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記フラッシングガスが前記点火アセンブリ内を通っている間に前記点火アセンブリ内で前記一対の電極間にイオン化アークを発生させるステップを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
フラッシングガスを前記点火アセンブリ内に通させる前記ステップは、前記点火アセンブリ内を流れる前記フラッシングガスの少なくとも一部を、前記点火アセンブリ内を流れる前記炭素含有材料及び前記酸化剤の流れの方向とは反対側の一又は両方の前記電極の面全体にわたって流れるようにして、前記面上に堆積したグラフェン粒子を除去するステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記フラッシングガスを前記点火アセンブリ内に通させた後に、前記反応チャンバを前記真空供給源から切り離して追加の炭素含有材料及び酸化剤を前記反応チャンバに導入するステップを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記炭素含有材料及び前記酸化剤を燃焼させる前記ステップが爆轟反応である、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記炭素含有材料及び前記酸化剤を燃焼させる前記ステップが爆燃反応である、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2020年6月15日に出願された米国仮特許出願第63/039,087号の利益を主張するものであり、その全体を参照して本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
発明の分野
本発明は全般に、粒子状材料、特にグラフェン等の炭素含有粒子状材料を大量生産するための装置及び方法を対象とする。粒子状材料は、反応物に含有される化学エネルギーが粒子状材料を生成するための反応を持続させるのに十分である燃焼工程において作られる。一又は複数の実施形態において、装置は一対の電極を含む点火アセンブリを含み、電極はそれぞれ前記点火アセンブリから取外し可能なカセットに収容される。点火アセンブリは、反応サイクルと反応サイクルの間に自動クリーニングするように構成されていてもよい。
【0003】
先行技術の説明
グラフェンは、六方晶構造でsp2結合した炭素原子の二次元単層である。グラフェンは、優れた機械的強度、室温における高い固有キャリア移動度、グラファイトの面内値と同等の電気及び熱伝導性等、いくつかの特別な物理的性質を有する。したがってグラフェンは、ナノエレクトロニクス及びセンサ、ナノコンポジット、バッテリ、スーパーキャパシタ、水素貯蔵等、数々の用途での使用について感心を集めている。しかしながら、グラフェンがそれらの分野で広く採用されることを妨げている欠点は、商業的量のグラフェンをコスト効率の高い方法で製造することができない点にある。現在のグラフェン製造方法は高価で、複雑で、エネルギーを大量消費し、往々にして腐食性の化学薬品や触媒を要する。
【0004】
米国特許第9,440,857号明細書(その全体は参照により本明細書に組み込まれる)は、炭素含有材料と酸化剤を反応槽内で爆轟させる、シンプルで制御された爆轟工程でグラフェン粒子を製造する方法を対象とする。反応槽には所望の量の反応物が入れられ、火花を使って材料を爆轟させる。グラフェン粒子を含むエアロゾルが生成される。しかしながら、上記の装置は、実験室規模の量のグラフェンを生成するのには適しているが、商業的量のグラフェン粒子を生成するのに効率的ではなく、また爆轟サイクルが繰り返された後の火花発生器の汚れに悩まされてきた。
【0005】
Luongらは、フラッシュ合成によりグラフェンを生成する方法を記載している。”Gram-scale bottom-up flash graphene synthesis” Nature 577, 647-651 (2020)。フラッシュ合成において、グラフェンは、石炭、石油コークス、バイオ炭、カーボンブラック等の固形炭素源から、炭素源を極めて急速に高温にさせるコンデンサバンクから放電される高圧電気を用いて生成される。グラフェン粒子のグラム規模での製造が報告されているが、このような方法は、急速な炭素源の加熱にコンデンサバンクが用いられるため、大きな資本及び大量のエネルギーを必要とすることが見込まれる。
【0006】
したがって、本技術分野においては、経済的であるとともに商業量のグラフェン粒子の製造を可能にするグラフェンの製造装置及び方法の必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第9,440,857号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】”Gram-scale bottom-up flash graphene synthesis” Nature 577, 647-651 (2020)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によると、反応物の燃焼によって粒子状材料を製造するための装置が提供される。装置は、反応チャンバと、反応チャンバに動作可能に接続される真空供給源と、点火アセンブリとを含む。反応チャンバは炭素含有材料の供給源及び酸化剤の供給源に動作可能に連結される。真空供給源は、特に粒子状材料の生成の後に、反応チャンバの内容物の少なくとも一部を選択的に空(真空状態)にするように動作可能である。点火アセンブリは、各供給源から反応チャンバに搬送された大量の炭素含有材料及び大量の酸化剤の燃焼を開始させるように構成される。点火アセンブリは、その間にイオン化アークを発生させるように動作可能な一対の電極を含み、各電極は点火アセンブリ内に取外し可能に収容される各カセット内に収容される。
【0010】
本発明の別の実施形態によると、反応チャンバ内で燃焼反応を開始させるように動作可能な電気点火アセンブリが提供される。電気点火アセンブリは、ガス状反応物材料の一又は複数の供給源に流体接続するように構成された入口ポートと、反応チャンバに流体接続するように構成された出口ポートとを有するハウジングを含む。入口ポートと出口ポートとは通路で接続される。点火アセンブリは、通路に向かって延びる電極チップをそれぞれ有する一対の電極を更に含む。各電極はハウジング内に取外し可能に収容される各カセット内に収容される。
【0011】
本発明の更に別の実施形態によると、グラフェン粒子を製造する方法が提供される。方法は、炭素含有材料及び酸化剤を含む混合物を反応チャンバに導入することを含む。炭素含有材料及び酸化剤は、一対の電極を含む点火アセンブリを通って反応チャンバに導入される。点火アセンブリ内で一対の電極間にイオン化アークを発生させることにより、炭素含有材料及び酸化剤を燃焼させるとともに反応チャンバ内に少なくとも3000Kの温度を生じさせてグラフェン粒子を含むエアロゾルを生成する。反応チャンバに動作可能に接続された真空供給源を使ってエアロゾルを反応チャンバから排気する。反応チャンバから排気されたエアロゾルからグラフェン粒子をグラフェン粉末として回収する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一又は複数の実施形態に係る、反応物の燃焼によって粒子状材料を製造する装置の一例を示す概略図である。
【
図2】本発明の一又は複数の実施形態に係る反応チャンバ及び点火アセンブリの一例を示す図である。
【
図5】点火アセンブリに保持される一対の電極を示す、
図3の点火アセンブリの断面図である。
【
図7】点火アセンブリに導入される液体の流れを電極の周りで誘導する一対のベンチュリを示す、
図3の点火アセンブリの断面図である。 図面は図示された部品や構造体について必ずしも厳密な寸法や許容誤差を示すものではないが、図面に描かれた構造体の部品間の関係性について一定の縮尺で示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、本発明の一又は複数の実施形態に係る粒子状材料を製造する装置10が示される。装置10は概して、反応チャンバ12、真空システム14、粒子コレクタ20、及び点火アセンブリ22を含み、真空システム14は真空ポンプ16及び真空バラストタンク18を含む。炭素含有材料の供給源24及び酸化剤の供給源26は、ガスマニホルド28を介して動作可能に反応チャンバ12に連結されている。ある実施形態においては、空気等のフラッシングガスの供給源30がマニホルド28を介して反応チャンバ12に連結されていてもよい。しかしながら、フラッシングガス源を別途必要とするのではなく酸化剤源26をフラッシングガスとして用いることは、本発明の範囲内である。真空ポンプ16の入口は三方バルブ38bに接続される。バルブ38bはマニホルド28及び真空バラストタンク18にも接続される。このように、真空ポンプ16は、反応物を反応チャンバに充填する準備の際に反応チャンバ12を空(真空状態)にするように、又は、反応及び回収サイクル中にバラストタンク18の真空回復を促進するためにタンク18を空(真空状態)にするように構成することができる。ポンプ16とバルブ38bの間にHEPAフィルタ等のフィルタ32aを配置して、微粒子がポンプの中に吸い込まれるのを防ぐことができる。また、同じくHEPAフィルタ等のフィルタ32bをバラストタンクの上流に配置して、粒子コレクタ20からの気体流に含まれ得る粒子を捕獲することができる。別の実施形態において、第2の真空ポンプ(図示せず)を用いて継続的にバラストタンク18を排気してもよい。
【0014】
マニホルド28に導入される炭素含有材料及び酸化剤の質量は、質量計34、36で計測することができる。図示される単純な二成分混合物ではなくより複雑な反応物の混合物を反応させる機能を装置10に付与するため、他の反応物源に動作可能に接続された複数の質量計を設けてもよいことが理解される。更に、マニホルド28に流入出する反応物やフラッシングガスの流れは複数の制御バルブ38a~eで制御することができる。バルブ38の動作は中央電子制御部(図示せず)で制御することができる。中央制御部は、重要な工程パラメータのデータを監視且つ記録して品質管理、トレーサビリティ、文書化、及び平均故障間隔(MTBF)のモニタリングを提供するために、装置10全体に配置された様々なセンサ(図示せず)を含むこともできる。
【0015】
ある実施形態において、炭素含有材料として、炭素に富んだ前駆体、気体、気体混合物、粉体、エアロゾル等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、炭素含有混合物は炭化水素化合物を含み、好ましくは炭素数1~12の飽和又は不飽和炭化水素化合物を含む。ある実施形態においては、アセチレンが特に好ましい炭化水素材料である。炭素含有材料は単独の素材でも化合物でもよく、炭素含有化合物の混合物であってもよい。例えば、アセチレンが反応混合物内に存在する唯一の炭素含有化合物であってもよいし、反応混合物が炭化水素化合物の混合物を含んでいてもよい。更に、炭素含有材料を気体として供給する必要はない。炭素含有混合物は、反応槽内で微細に分散することができる固体又は液体(例えば、炭塵や石油コークス等の固体微粒子、及び/又は液体炭化水素等の液滴を含むエアロゾル)を含んでいてもよい。ある実施形態において、燃焼反応が急速に進行して所望反応温度の達成に必要な熱を生成するように、炭素含有材料はできる限り大きな表面積で存在する方がよい。
【0016】
酸化剤は、燃焼反応において炭素含有材料を酸化させることができればいかなる素材でもよい。一又は複数の実施形態において、酸化剤は、元素形態で、又は他の元素と組み合わせた形態で酸素を含む。特定の実施形態において、酸化剤は、O2、N2O、NO、及びそれらの混合物からなる群から選択される。酸化剤がO2を含む場合、O2は、ほぼ純粋な形態で(即ち、99%以上)、空気として、又は他の不活性物質とともに供給されてもよい。
燃焼前の、反応槽内での炭素含有材料に対する酸化剤の比率は、反応混合物の燃焼により形成されるグラフェン粒子の特徴に寄与する。ある実施形態において、炭素含有材料に対する酸化剤のモル比は約1.5以下である。特定の実施形態において、炭素含有材料に対する酸化剤の比率は、約0.1~約1.5、約0.2~約1.2、約0.4~約1.0、又は約0.6~約0.8である。
【0017】
図2は、パイプニップル39、40及びパイプユニオン42で例示的な点火アセンブリ22に接続された例示的な反応チャンバ12を示す。ある実施形態において、点火アセンブリ22は、反応チャンバ12と別に設けられるのではなく、反応チャンバ12と一体化していてもよい。図示されるように、反応チャンバ12は略円筒状であり、反応物を反応チャンバ12に導入するように構成された入口ポート44と、反応チャンバ12で生成された粒子状材料がそこを通して取り出されて粒子コレクタ20に搬送される出口ポート46とを含む。ある実施形態において、反応チャンバ12は、反応物の燃焼で発生する高温や、それにより発生し得る衝撃波に耐えるように作られている。更に、反応チャンバ12には触媒又は消費可能な原料が入っていてもよい。
【0018】
図3~7は、点火アセンブリ22及びその部品の一実施形態を詳細に示す。図に示すように、点火アセンブリ22は、入口50及び出口52を有するハウジング48を含む。しかしながら、再度言うが、点火アセンブリ22が反応チャンバ12と切り離されたモジュールとして設けられるのではなく反応チャンバ12と一体化していることは、本発明の範囲内である。パイプニップル54は入口50内にねじ止めされて、入口をガスマニホルド28に連結している。パイプニップル39は出口52内にねじ止めされる。入口50及び出口52は、ハウジング48内を通って延びる通路56で接続されている。少なくとも一対の電極カセット58が、周りを囲むハウジング側壁62を通って延びるポート60内に取外し可能に収容される。好ましくは、カセット58は互いに対向して配置され、通路56内に延びる電極チップ64を含む。電極チップ64間の距離をアークギャップと呼ぶ。また、ポート68内に収容され、これもまた側壁62を通って延びる一以上の流体ダイバータカートリッジ66もハウジング内に配置される。図示される実施形態において、アセンブリ22は、各電極カセット58から約90°に配置された対向する二つの流体ダイバータカートリッジ66を含む。
【0019】
図6は、本発明にしたがって作られた例示的なカセット58の構造を示す。各カセット58は、電極チップ64間にイオン化アークを発生させるのに必要な電圧を供給することができる電源(図示せず)に接続されていてもよい、電気端子70を含む。電極チップ64は、本体76の孔74内に入れられる細長電極72の末端を含む。好ましくは、電極72は、胴、金、銀、アルミニウム、ニッケル、鉄、白金、真鍮、鋼鉄等の金属又は金属合金から形成されるフィラメント又は針金である。本体76は、電極72をカセット58の他の部分から電気的に絶縁させる絶縁材を含んでいる。一又は複数の実施形態において、本体76は比較的非多孔性でもあり、例えばガラス又は施釉セラミックを含んでいてもよい。以下で説明するように、本体76の非多孔性は、グラフェン粒子がカセット58の内部に入り込むこと(グラフェンの高導電性を考えるとこれはカセット内の短絡を引き起こし得る)を遅らせる又は防ぐのに役立つ。ある実施形態において、本体76を形成するとともに電極72を絶縁させる絶縁材は、直接体積法(direct volume method)、光学的方法、インビビション法(imbibition method)、又はガス膨張法(gas expansion method)等の、物質の多孔率を計測する容認された方法のうちのいずれかで測定される、0.1未満、0.01未満、又は0.001未満の多孔率を有し得る。
【0020】
本体76は、本体筒状部80がオリフィス82を通って突出した状態でホルダ78内に収容される。複数のワッシャ又はスペーサ84(集合的に)は、筒状部80の周りであってホルダ78の内部に配置される。スリーブ86もまた本体76の一部を囲みつつ、それ自体はホルダ78内に収容される。Oリング88によりスリーブ86と本体76の間が封止される。ワッシャ90及びナット92は、本体76に対するOリング94及びチップ64の密封圧力や位置的保障を維持するために長電極72にねじ止めされる。Oリング94により電極チップ64と本体76の間が封止される。Oリング96、98により、ホルダ78とハウジング48の間が封止される。
【0021】
フェルール100は電極72の末端部を囲むとともに、スリーブ86に当接するように構成されたカラー102内に収容される。好ましくは、フェルール100は電気絶縁材をふくみ、これは本体76のものと同じでも異なっていてもよい。カラー102はホルダ78にねじ止めされて、電極アセンブリの各部品に位置的保障を付与する。特に、カラー102は電極チップ64を通路56内の固定位置に保持する。止めネジ104を使ってカラー102とホルダ78を固定することができる。ナット106はフェルール100をカラー102内に固定する。端子70は電極72の末端に接続される。ベアリング108及びブッシュ110はホルダ78の各部分を囲み、止めネジ112を使ってブッシュ110をポート60内に固定することができる。
【0022】
電極カセット58はまた各ポート60内で調節可能なので、点火アセンブリ22を整備してカセットを交換する際にも所望のアークギャップを設定維持することができる。
【0023】
ある実施形態において、電極72は点火アセンブリ内で移動可能に構成される。以下に詳述するように、電極72を点火アセンブリ22から完全に取外すことなく動かせられる機能により、電極チップ64のクリーニングがしやすくなる。一又は複数の実施形態において、電極72は、サーボモータや空気圧ピストン等のアクチュエータ(図示せず)を電極自身又はカセット58に接続することにより、回転可能となる。アクチュエータは、各回の燃焼反応又は所定回数の燃焼反応毎に電極を一定角度回転させる又は間欠駆動するように動作することができる。他の実施形態において、電極72は、電極のクリーニング又は対称的な摩耗が可能となるように、点火アセンブリ22内で伸縮させる、及び/又は回転させてもよい。
【0024】
一又は複数の実施形態において、図示のように、点火アセンブリ22は一又は複数の、好ましくは2つの流体ダイバータカートリッジ66を含む。
図7に示すように、流体ダイバータカートリッジ66は、通路56に延びるベンチュリ構造体114を含んでいる。ベンチュリ構造体114は、通路56を流れる流体を、点火アセンブリを通る流体の流れ方向とは反対側の電極チップ64の面全体に(即ち、出口52に対向する側の電極チップ64の面に)誘導するように構成される傾斜面116を含む。このように、ベンチュリ構造体114は、通路56を流れるフラッシングガスが電極チップ64の略全面に接触して、そこに堆積した粒子、特に炭素質堆積物の除去を確実にできるようにする。
【0025】
ある実施形態において、カセット58及び/又はダイバータカートリッジ66は点火アセンブリ22から容易に取外せ、別のカセット及び/又はダイバータカートリッジがその場所に容易に設置可能なように構成される。したがって、点火アセンブリ22の整備は、極めて短い装置10の休止時間で行うことができる。点火アセンブリ22の自動クリーニング動作及びカセット58及び/又はカートリッジ66の迅速な交換は、粒子状材料を商業規模の量で生産する装置10の能力に大いに貢献する。
【0026】
上述のように、装置10は、燃焼反応による粒子状材料、特にグラフェン粒子の生産に使用することができる。炭素含有材料及び酸化剤は、マニホルド28及び点火アセンブリ22を通って反応チャンバ12に充填される。炭素含有材料及び酸化剤はマニホルド28の上流又はその内部で混合されてから反応チャンバ12に搬送されてもよい。燃焼前に反応チャンバ12内での反応混合物の圧力を変更させて、反応条件や反応生成物を制御してもよい。ある実施形態において、反応チャンバ12内の反応混合物の初期圧力は約0.1~約3atm、約0.5~約2atm、又は約1atmであり得る。反応物を反応チャンバ12に充填するのを補助するために真空システム14を採用することができる。真空システム14は、反応物を導入する前に反応チャンバ12を空(真空状態)にするのに用いることができる。ある実施形態において、反応チャンバは絶対圧力が0.2atm未満、0.1atm未満、又は0.05atm未満になるように空(真空状態)にされる。この排気により反応のための純粋環境が作り出され、反応物導入時に反応チャンバを抽気する必要なく、反応チャンバへの反応物の引きこみを補助する。
【0027】
所望量の炭素含有材料及び酸化剤が反応チャンバ12に充填されたら、点火アセンブリ22内で一対の電極72間にイオン化アークを発生させて炭素含有材料及び酸化剤の燃焼を開始する。開始後、燃焼反応は、反応チャンバ12内にある反応物を使い果たすまで自立的に継続される。尚、好ましい実施形態において燃焼反応は爆轟反応である。しかしながら、燃焼反応が爆燃又は焼成反応であることは本発明の範囲内である。ここでは、「爆轟」は炭素含有材料の単なる「爆燃」や「焼成」からは区別される。爆轟は一般的に、媒体中を加速する超音速発熱フロントを意味し、その媒体は、最終的にその前方に直接伝播する衝撃波フロントを駆動する。爆燃は一般的に、熱伝達を通して伝播する亜音速燃焼と述べられる。爆轟反応はまた、一般的に、反応物及び反応生成物における高温の生成によって特徴付けられる。
【0028】
一又は複数の実施形態において、燃焼反応は少なくとも3000K、少なくとも3500K、又は少なくとも4000Kの温度で起こる。特定の実施形態において、燃焼反応は約3000K~約5000K、約3500K~約4500K、又は約4000Kの温度で起こる。上記温度での炭素含有材料及び酸化剤の燃焼は、黒鉛すすとは対照的な高秩序のグラフェン粒子の形成に有利である。必要であれば、反応槽に充填される反応混合物にヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素等の不活性ガス材料を含ませて、燃焼中の温度制御を補助することができる。また、いくつかの実施形態に置いて、特に燃焼反応が爆轟である実施形態において、反応混合物の燃焼は極めて速く進行する。ある実施形態において、燃焼は約5~約100ミリ秒、約10~約75ミリ秒、又は約20~約50ミリ秒の間続く。
【0029】
ある実施形態において、燃焼反応で生成された粒子状材料(例えばグラフェン粒子)は、反応チャンバ12内でエアロゾル形態で分散される。粒子状材料は、形成されるとすぐに、平均粒径が約35~約250nm、約50~約200nm、又は約75~約150nmの粒子となるように凝集する傾向があり得る。いくつかの実施形態において、粒子の凝集が静止状態下で続くことが許容されている場合、粒子は一体となってゲルを形成する。粒子状材料が固形エアロゾルゲルへと凝集する条件及び要件は米国特許第7,691,909号に記載されており、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。ゲルを形成するためには、粒子は通常反応チャンバ内に残されて、かなりの期間実質的に乱されないでいる必要がある。一又は複数の実施形態において、粒子が十分に凝集してエアロゾルゲルを形成することができるようになる前に、粒子を反応槽から取り出すことが望ましい。したがって、本発明のいくつかの実施形態において、粒子がエアロゾルとして分散したままでいる間に粒子は反応槽から取り出され、ゲルの形成は回避される。
【0030】
反応中に生成された粒子状材料は通常大変微細なので、装置の表面上、特に電極72上に被膜を形成しやすく、汚損につながる可能性がある。しかしながら、一又は複数の実施形態において、電極カセット58は燃焼反応中に装置10内で発生する圧力に耐性があり、微粒子が入り込むのを防ぐように構成されるので、電気的に絶縁されたシステムを維持することができる。上記したように、電極72を非多孔性素材に埋め込むことにより、粒子がカセット58に入り込んで短絡事故を引き起こすことが防止される。電極72は圧力被覆グラフェン(pressure coated graphene)をはじくように構成することもできる。
【0031】
図1に示すように、エアロゾルを反応チャンバ12から粒子コレクタ20に排気するのに真空システム14を使用してもよい。一又は複数の実施形態において、粒子コレクタ20は、微粒子を気体流から取り出すための従来装置であり得る。例えば、粒子コレクタ20は、慣性集塵装置(例えば、沈殿室、沈降室、又はサイクロン等の遠心捕集器)、バグハウス等の繊維フィルタ装置、湿式スクラバ、又は電気集塵器等、いかなる集塵装置を含んでいてもよい。その後、粒子状材料、特にグラフェン粒子は粉末として粒子コレクタから取り出すことができる。
【0032】
粒子コレクタ20が並列に配置された複数の反応チャンバ12と動作可能に接続されることは、本発明の範囲内である。粒子状材料の連続的な製造、及び粒子コレクタ20内のそれら材料の連続的な捕集を確実に行うために、各反応チャンバ12内での反応サイクルはずらすことができる。
【0033】
エアロゾルを反応チャンバ12から排気する間、点火アセンブリ22の内側面から、特に電極チップ64から炭素付着物を除去するためにクリーニング又はフラッシング運転が行われる。マニホルド28へと向かう、供給源24からの炭素含有材料の流れ及び供給源26からの酸化剤の流れが停止し、フラッシングガスが供給源30から流れ始める。あるいは、フラッシングガスが別途提供されない実施形態においては、供給源24からの炭素含有材料の流れは停止される一方、酸化剤の流れは継続されて今度はフラッシングガスとして機能する。
【0034】
フラッシングガスはマニホルド28を通って点火アセンブリ22及び反応チャンバ12へと向かう。フラッシングガスは、点火アセンブリを通過する際に、反応チャンバ12及び通路56内でのグラフェンエアロゾルの発生に起因して電極チップ64の表面に付着した炭素質粒子、特にグラフェン粒子を除去するように機能する。フラッシングガスは、堆積した粒子を再度浮遊させて反応チャンバ12を通って粒子コレクタ20に搬送する。ある実施形態において、真空システム14によって反応チャンバ12内の真空状態が維持されて、浮遊グラフェン粒子を点火アセンブリ22から吸い出して粒子コレクタ20に送り込む。
【0035】
上述したように、また
図7に示すように、流体ダイバータカートリッジ66が通路56を通るフラッシングガスの流れを変えることにより、フラッシングガスは、点火アセンブリ22を通る流れの正方向とは反対側の電極チップ64の面全体にわたって流れることになる。この実施形態において、もしダイバータカートリッジ66が存在しない場合、点火アセンブリ22を通る流体の流れの正方向に対向する電極チップ64の面により、グラフェン粒子が堆積して影響を受けずにいられるデッドスペースを生む反対側の面は効果的に守られるだろう。しかしながら、ベンチュリ構造体114の傾斜面116により、フラッシングガスは、これらのデッドスペースになり得る箇所及び点火アセンブリ出口52に対向する電極チップ64の面全体に向かう。
【0036】
これもまた上述したように、ダイバータカートリッジ66の代わりに又はダイバータカートリッジ66と連動して、電極カセット58を回転するように構成して、出口52に対向する電極チップ64の面が周期的に変わるようにしてもよい。その際、グラフェン粒子が電極チップ64の表面のいずれかの部分に堆積することは大幅に少くなる。
【0037】
ある実施形態において、フラッシングガスが点火アセンブリ22を通過している最中にイオン化アークを一対の電極チップ64間に発生させてもよい。フラッシングガス及び再度浮遊させた炭素質材料の存在下で一つのアーク又は一連の複数アークを発生させると、炭素質材料を気化することができ、更に確実にこれらの材料を点火アセンブリ22から搬送することができる。更に、電極クリーニング工程中における一又は複数のイオン化アークの発生を、一又は複数のセンサで監視することができる。この工程中にアークを検出することで、反応チャンバ12に炭素含有材料及び酸化剤を再充填して行われる次の粒子生成反応の成功に対して高い信頼性が付与される。
【0038】
フラッシングガスを点火アセンブリ22に通過させるクリーニング運転の後、反応チャンバ12は真空システム14から切り離されて、追加の炭素含有材料及び酸化剤が反応チャンバ12に導入される。これで反応チャンバには反応物が充填されて、点火アセンブリ22が反応物の燃焼を始めて更なる量の粒子状材料、特にグラフェン粒子を生成する準備が整う。上記した工程は複数回繰り返すことができる。尚、ある実施形態において、上記したクリーニング運転を反応チャンバ12内で起こる毎回の燃焼反応後に行う必要はない。このような実施形態において、フラッシングガスを用いたクリーニングサイクルを開始する前に、所定回数の燃焼及びエアロゾル吸い出しサイクルを行ってもよい。
【0039】
以下に装置10の動作の一形態の例を示す。t=0において、ガスマニホルド28及び反応チャンバ12の圧力は1atmであり、粒子コレクタ20及び真空バラストタンク18は排気されており圧力が約0.1atmである。バルブ38c及び38eは開かれ、バルブ38bは反応チャンバ12を真空に引くようにセットされる。真空バラストシステムの大きな真空溜めにより、バルブ38eを開くと、ガスマニホルド28及び反応チャンバ12内の圧力が約1/3atmへと急速に排気され、これによりバルブ38eは閉じられる。反応チャンバ12及びガスマニホルド28は、バルブ38b及び38cを通して約0.1atmに達するまで圧力を下げ続ける。t=0.5~5秒において、バルブ38bはバラストタンク18の排気へと切り替わり、質量計34、36は反応物材料をプログラムされた速度及び濃度で正確に反応チャンバ12に供給し始める。供給体積は、反応チャンバが通常15~50秒間で1atmに戻り、充填されるように計算される。すべての反応物が供給されると、バルブ38a及び38cが閉じる一方、バルブ38dは安全圧力解放として開く。そのとき制御システムは、点火アセンブリ22が反応を開始する前に、プログラムされた遅延、通常は1秒間待つことができる。制御システムが順調な反応を検出し、必要に応じて設けられるプログラムされた遅延(通常は0秒だが場合によっては1又は2秒)の後、バルブ38eは開いて、反応チャンバを急速に約1/3atmに戻すことによって捕集工程を開始する。そのすぐ後にバルブ38cは開き、すでに開いているバルブ38dを通して反応チャンバ12を1atmになるまでガス抜きする。これにより、高速空気流をガスマニホルド28を通じて反応チャンバ12へと導入する。この空気流はグラフェンエアロゾルを反応チャンバ12から粒子コレクタ20へと押し込み、ここで特別に改良された工業用バグフィルタに捕集される。同時に、高速空気流は点火システム電極72(及び電極チップ64)に当たりつつ流れ、特別なスパークシーケンスと組み合わせて電極を効果的にクリーニングして次の反応に備えさせる。このプログラム可能な捕集/クリーニング期間は通常5~20秒続き、その後点火アセンブリ22はスイッチオフし、バルブ38dは閉じ、バルブ38aは開き、バルブ38bは真空ポンプ16をマニホルド28に切り替え、バルブ38cが開きバルブ38dが閉じた状態で反応チャンバ12は急速に約1/3atmへと排気され、サイクルが繰り返される。ある実施形態において、一サイクルを完了するのに必要な時間は120秒未満であり、好ましくは約20~約100秒、約30~約90秒、又は約35~約75秒である。
【国際調査報告】