(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-14
(54)【発明の名称】リードフレームコンデンサ
(51)【国際特許分類】
H01L 25/00 20060101AFI20230707BHJP
H01L 23/50 20060101ALI20230707BHJP
【FI】
H01L25/00 B
H01L23/50 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577256
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(85)【翻訳文提出日】2023-02-14
(86)【国際出願番号】 US2021037410
(87)【国際公開番号】W WO2021257547
(87)【国際公開日】2021-12-23
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ヴィジャイラクシミ カノルカール
(72)【発明者】
【氏名】スリーラム スブラマンヤム ナサム
(72)【発明者】
【氏名】タランヴィル シンハ
【テーマコード(参考)】
5F067
【Fターム(参考)】
5F067AB02
5F067BE06
5F067CD10
(57)【要約】
電子デバイス(100)は、導電リード(102)を有するパッケージ構造(120)と、パッケージ構造(120)内の第1及び第2のダイ(106、108)と、それぞれの第1及び第2のダイ(106、108)に電気的に結合され、互いに離間され、互いに直接面するそれぞれの第1及び第2の側部(110、114)を有する第1及び第2の導電プレート(104、105)とを備える。パッケージ構造(120)の一部が、第1の導電プレート(104)の第1の側部(110)と第2の導電プレート(105)の第2の側部(114)との間に延在してコンデンサ(C1、C2)を形成する。第1の導電プレート(104)の他の側部は第2の導電プレート(105)の側部に直接面せず、第2の導電プレート(105)の他の側部は第1の導電プレート(104)の側部に直接面しない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスであって、
パッケージ構造と、
前記パッケージ構造の外側に部分的に露出される導電リードと、
前記パッケージ構造内の第1のダイ取り付けパッドに取り付けられる第1のダイと、
前記パッケージ構造内の第2のダイ取り付けパッドに取り付けられる第2のダイと、
前記パッケージ構造内の第1の導電プレートであって、第1の側部を有する前記第1の導電プレートと、
前記パッケージ構造内の第2の導電プレートであって、第2の側部を有する前記第2の導電プレートと、
前記パッケージ構造内の前記第1のダイと前記第1の導電プレートとに結合される第1のボンドワイヤと、
前記パッケージ構造内の前記第2のダイと前記第2の導電プレートとに結合される第2のボンドワイヤと、
を含み、
前記第2の導電プレートの前記第2の側部が、前記第1の導電プレートの前記第1の側部から離間され、前記第1の導電プレートの前記第1の側部に直接面しており、前記パッケージ構造の一部が、前記第1の導電プレートの前記第1の側部と前記第2の導電プレートの前記第2の側部との間に延在してコンデンサを形成し、前記第1の導電プレートの他の側部が前記第2の導電プレートの側部に直接面しておらず、前記第2の導電プレートの他の側部が前記第1の導電プレートの側部に直接面していない、
電子デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の電子デバイスであって、
前記第1の導電プレートの前記第1の側部が第1の平面内に延在し、
前記第2の導電プレートの前記第2の側部が第2の平面内に延在し、
前記第1及び第2の平面が互いに平行である、
電子デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載の電子デバイスであって、
前記第1の導電プレート及び前記第2の導電プレートが、前記第1の平面及び前記第2の平面に垂直な第3の平面において同一平面上にある、電子デバイス。
【請求項4】
請求項2に記載の電子デバイスであって、
前記パッケージ構造が第1及び第2の対向する側部を有し、
前記パッケージ構造の前記第1及び第2の側部が、第1の方向に沿って互いに離間され、
前記導電リードの一部が、前記パッケージ構造の前記それぞれの第1及び第2の側部に沿って前記パッケージ構造の外側に露出され、
前記導電リードが、前記パッケージ構造の前記それぞれの第1及び第2の側部に沿って第2の方向に沿って互いに離間され、
前記第2の方向が第1の方向に垂直であり、
前記第2の導電プレートの前記第2の側部が、前記第1及び第2の方向の一方に沿って前記第1の導電プレートの前記第1の側部から離間されている、
電子デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載の電子デバイスであって、
前記パッケージ構造が第1及び第2の対向する側部を有し、
前記パッケージ構造の前記第1及び第2の側部が、第1の方向に沿って互いに離間され、
前記導電リードの一部が、前記パッケージ構造の前記それぞれの第1及び第2の側部に沿って前記パッケージ構造の外側に露出され、
前記導電リードが前記パッケージ構造の前記それぞれの第1及び第2の側部に沿って第2の方向に沿って互いに離間され、
前記第2の方向が第1の方向に垂直であり、
前記第2の導電プレートの前記第2の側部が、前記第1の方向及び第2の方向に垂直な第3の方向に沿って前記第1の導電プレートの前記第1の側部から離間されている、
電子デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載の電子デバイスであって、
前記第1の導電プレートが、前記第1の側部を有する第1の部分と、第2の部分とを有し、
前記第1の導電プレートの前記第1及び第2の一部が同一平面上にない、
電子デバイス。
【請求項7】
請求項6に記載の電子デバイスであって、
前記第2の導電プレートが前記第2の側部を有する第1の部分と、第2の部分とを有し、
前記第2の導電プレートの前記第1及び第2の一部が同一平面上にない、
電子デバイス。
【請求項8】
請求項6に記載の電子デバイスであって、
前記第1の導電プレートの前記第1の側部が第1の平面内に延在し、
前記第2の導電プレートの前記第2の側部が第2の平面内に延在し、
前記第1及び第2の平面が互いに平行である、
電子デバイス。
【請求項9】
請求項5に記載の電子デバイスであって、前記パッケージ構造内の埋め込み誘電体インサートを更に含み、前記第1の導電プレート及び前記第2の導電プレートの一方が、前記埋め込み誘電体インサートの上又は前記埋め込み誘電体インサート内にある、電子デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載の電子デバイスであって、前記埋め込み誘電体インサートの上又は中に複数の導電プレートを含む、電子デバイス。
【請求項11】
請求項9に記載の電子デバイスであって、
前記第1の導電プレートの前記第1の側部が第1の平面内に延在し、
前記第2の導電プレートの前記第2の側部が第2の平面内に延在し、
前記第1及び第2の平面が互いに平行である、
電子デバイス。
【請求項12】
請求項5に記載の電子デバイスであって、
前記第1の導電プレートの前記第1の側部が第1の平面内に延在し、
前記第2の導電プレートの前記第2の側部が第2の平面内に延在し、
第1及び第2の平面が互いに平行である、
電子デバイス。
【請求項13】
方法であって、
第1の導電プレートの第1の側部が、第2の導電プレートの第2の側部から離間され、それに直接面し、
前記第1の導電プレートの他の側部が前記第2の導電プレートの側部に直接面しておらず、
前記第2の導電プレートの他の側部が前記第1の導電プレートの側部に直接面していないように、
リードフレームを配置することと、
第1のボンドワイヤを第1のダイ及び前記第1の導電プレートに電気的に接続し、第2のボンドワイヤを第2のダイ及び前記第2の導電プレートに電気的に接続する接続プロセスを実施することと、
パッケージ構造を形成するモールディングプロセスを実施することであって、前記パッケージ構造が、前記第1のダイと、前記第2のダイと、前記第1のボンドワイヤと、前記第2のボンドワイヤと、前記第1の導電プレートの一部と、前記第2の導電プレートの一部とを囲む、前記モールディングプロセスを実施することと、
前記第1の導電プレートと、前記第2の導電プレートと、導電リードとを前記リードフレームの残りの部分から分離することと、
を含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記リードフレームを配置することが、第1のリードフレームを第2のリードフレームに対して、又は誘電体インサートに対して、
前記第1のリードフレームの前記第1の導電プレートの前記第1の側部が前記第2のリードフレームの前記第2の導電プレートの前記第2の側部又は前記誘電体インサートの第2の側部から離間され、それに直接面し、
前記第1の導電プレートの他の側部が前記第2の導電プレートの側部に直接面しておらず、
前記第2の導電プレートの他の側部が前記第1の導電プレートの側部に直接面していないように、
配置することを含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記リードフレームを配置することが、
前記誘電体インサートに対して前記第1のリードフレームを、
前記第1のリードフレームの前記第1の導電プレートの前記第1の側部が、前記誘電体インサートの前記第2の導電プレートの第2の側部から離間され、それに直接面し、
前記第1の導電プレートの他の側部が前記第2の導電プレートの側部に直接面しておらず、
前記第2の導電プレートの他の側部が前記第1の導電プレートの側部に直接面していないように、
配置することと、
前記誘電体インサートに対して前記第2のリードフレームを、
前記第2のリードフレームの第3の導電プレートの第1の側部が、前記誘電体インサートの第4の導電プレートの第2の側部から離間され、それに直接面し、
前記第3の導電プレートの他の側部が前記第4の導電プレートの側部に直接面しておらず、
前記第4の導電プレートの他の側部が前記第3の導電プレートの側部に直接面していないように、
配置することと、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法であって、前記リードフレームを配置することが、
誘電体インサートに対して第1のリードフレームを、
前記第1のリードフレームの前記第1の導電プレートの前記第1の側部が、前記誘電体インサートの前記第2の導電プレートの前記第2の側部から離間され、それに直接面し、
前記第1の導電プレートの他の側部が前記第2の導電プレートの側部に直接面しておらず、
前記第2の導電プレートの他の側部が前記第1の導電プレートの側部に直接面していないように、
配置することと、
誘電体インサートに対して第2のリードフレームを、
前記第2のリードフレームの第3の導電プレートの第1の側部が、前記誘電体インサートの第4の導電プレートの第2の側部から離間され、それに直接面し、
前記第3の導電プレートの他の側部が第4の導電プレートの側部に直接面しておらず、
前記第4の導電プレートの他の側部が第3の導電プレートの側部に直接面していないように、
配置することと、
を含む、方法。
【請求項17】
システムであって、
第1の電圧ドメインの第1の電子回路と、
第2の電圧ドメインの第2の電子回路と、
前記第1及び第2の電子回路に結合される絶縁デバイスと、
を含み、
前記絶縁デバイスが、
パッケージ構造と、
前記パッケージ構造の外側に部分的に露出され、前記第1の電子回路に結合される導電リードの第1のセットと、
前記パッケージ構造の外側に部分的に露出され、前記第2の電子回路に結合される導電リードの第2のセットと、
前記パッケージ構造内の第1のダイ取り付けパッドに取り付けられ、前記導電リードの前記第1のセットに結合される第1のダイと、
前記パッケージ構造内の第2のダイ取り付けパッドに取り付けられ、前記導電リードの前記第2のセットに結合される第2のダイと、
前記パッケージ構造内の前記第1の導電プレートであって、第1の側部を有する前記第1の導電プレートと、
前記パッケージ構造内の前記第2の導電プレートであって、第2の側部を有する前記第2の導電プレートと、
前記パッケージ構造内の前記第1のダイ及び前記第1の導電プレートに結合される第1のボンドワイヤと、
前記パッケージ構造内の前記第2のダイ及び前記第2の導電プレートに結合される第2のボンドワイヤと、
を含み、
前記第2の導電プレートの前記第2の側部が、前記第1の導電プレートの第1の側部から離間され、前記第1の導電プレートの第1の側部に直接面しており、前記パッケージ構造の一部が、前記第1の導電プレートの前記第1の側部と前記第2の導電プレートの第2の側部との間に延在してコンデンサを形成し、前記第1の導電プレートの他の側部が前記第2の導電プレートの側部に直接面しておらず、前記第2の導電プレートの他の側部が前記第1の導電プレートの側部に直接面していない、
システム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムであって、
前記第1の導電プレートの前記第1の側部が第1の平面内に延在し、
前記第2の導電プレートの前記第2の側部が第2の平面内に延在し、
前記第1及び第2の平面が互いに平行であり、
前記第1の導電プレート及び前記第2の導電プレートが前記第1の平面及び第2の平面に垂直な第3の平面において同一平面上にある、
システム。
【請求項19】
請求項17に記載のシステムであって、
前記第1の導電プレートが、第1の側部を有する第1の部分と、第2の部分とを有し、
前記第1の導電プレートの前記第1及び第2の部分が同一平面上にない、
システム。
【請求項20】
請求項17に記載のシステムであって、前記絶縁デバイスが前記パッケージ構造内の埋め込み誘電体インサートを更に含み、前記第1の導電プレート及び前記第2の導電プレートの一方が、前記埋め込み誘電体インサート上又は前記埋め込み誘電体インサート内にある、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
信号絶縁は、例えば、異なる電圧ドメインの回路間で、信号伝達が絶縁バリアを横断しなければならない様々な用途において用いられる。製造された半導体ダイに絶縁構成要素を統合することは、ガルバニック絶縁を伴う容量性絶縁バリアのための誘電体材料として二酸化シリコンを用い、この統合により、製造プロセスにコスト及び複雑さが付加される。コンデンサはシリコンウェハ製造プロセス中にシリコン金属層内に形成され、コンデンサ構造は、特定の製造プロセスノードの幾何学的形状及び設計規則に依存する。また、デバイス設計は、所与の製造設備において、適格な絶縁構成要素を有するプロセスノードのサブセットを用いてのみ作製され得ることが多い。特定された各プロセスノードで製造される構造には絶縁認定及び認証が必要であり、その結果、コストが高くなる。統合された絶縁構成要素は、プロセスチームによる特別な開発を必要とすることが多く、特別な設計ルールを採用することが多い。幾つかの用途は、高電力及び/又は高電圧などの特定のニーズに対して最適化されたウェハ製造プロセスを用い得るが、これらのプロセスは堅牢な絶縁誘電性要件と互換性がない場合がある。新しい設計は、しばしば、電力及び高電圧などの特定のニーズに最適化されたプロセスを、それらの製造プロセスノードのための絶縁構成要素の再設計、並びにそれに続く、絶縁再認定及び認証なしに利用することができない。また、半導体ウェハ製造において絶縁構成要素を統合することは、絶縁ダイのための比較的大きな最小ダイサイズにつながる可能性がある。
【発明の概要】
【0002】
一態様において、電子デバイスが、半導体ウェハ製造プロセスに影響を与えず、追加の基板レベル構成要素を必要としない、低コストのコンパクトな絶縁解決策を提供するために、パターニングされたリードフレームを用いて作成された絶縁構造を含む。一例において、電子デバイスが、導電リードを備えるパッケージ構造と、パッケージ構造内の第1及び第2のダイと、それぞれの第1及び第2のダイに電気的に結合され、互いから離間され、互いに直接面するそれぞれの第1及び第2の側部を有する、第1及び第2の導電プレートとを含み、パッケージ構造の一部が、第1の導電プレートの第1の側部と第2の導電プレートの第2の側部との間に延在してコンデンサを形成する。第1の導電プレートの他の側部は第2の導電プレートの側部に直接面せず、第2の導電プレートの他の側部は第1の導電プレートの側部に直接面しない。
【0003】
一例において、第1の導電プレートの第1の側部は第1の平面内に延在し、第2の導電プレートの第2の側部は第2の平面内に延在し、第1及び第2の平面は互いに平行である。一例において、第1及び第2の導電プレートは、第1及び第2の平面に垂直な第3の平面において同一平面上にある。一実装において、パッケージ構造は、第1の方向に沿って互いに離間された第1及び第2の対向する側部を有し、導電リードは垂直な第2の方向に沿って互いに離間され、第2の導電プレートの第2の側部は、第1及び第2の方向のうちの1つに沿って第1の導電プレートの第1の側部から離間される。
【0004】
別の例において、第2の導電プレートの第2の側部は、第1の方向及び第2の方向に垂直な第3の方向に沿って第1の導電プレートの第1の側部から離間される。一実装において、第1の導電プレートは、第1の側部を有する第1の部分と、第2の部分とを有し、第1の導電プレートの第1の部分と第2の部分とは同一平面上にない。また、一例において、第2の導電プレートは、第2の側部を有する第1の部分と、第2の部分とを有し、第2の導電プレートの第1の部分と第2の部分とは同一平面上にない。別の実装において、電子デバイスは、パッケージ構造内に埋め込み誘電体インサートを更に含み、第1又は第2の導電プレートは埋め込み誘電体インサート上又は中にある。一実装において、複数の導電プレートが埋め込み誘電体インサートの上又は中にある。
【0005】
別の態様が、リードフレームを配置することと、接続及びモールディングプロセスを実施することと、分離プロセスとを含む方法に関する。リードフレームは第1の導電プレートの第1の側部が、第2の導電プレートの第2の側部から離間され、それに直接面するように配置され、第1の導電プレートの他の側部は第2の導電プレートの側部に直接面せず、第2の導電プレートの他の側部は第1の導電プレートの側部に直接面しない。接続プロセスは一例において、第1のボンドワイヤを第1のダイ及び第1の導電プレートに電気的に接続し、第2のボンドワイヤを第2のダイ及び第2の導電プレートに電気的に接続する。モールディングプロセスは、第1及び第2のダイと、第1及び第2のボンドワイヤと、第1及び第2の導電プレートの一部を囲むパッケージ構造を形成する。分離プロセスは、第1の導電プレート、第2の導電プレート、及び導電リードを、リードフレームの残りの部分から分離する。
【0006】
一例において、リードフレームを配置することは、第1のリードフレームの第1の導電プレートの第1の側が、第2のリードフレーム又は誘電体インサートの第2の導電プレートの第2の側から離間され、それに直接面するように、第2のリードフレーム又は誘電体インサートに対して第1のリードフレームを配置することを含む。一実装において、リードフレームを配置することは、第1のリードフレームの第1の導電プレートの第1の側が、誘電体インサートの第2の導電プレートの第2の側から離間され、それに直接面するように、誘電体インサートに対して第1のリードフレームを配置することを含む。この実装はまた、第2のリードフレームの第3の導電プレートの第1の側部が、誘電体インサートの第4の導電プレートの第2の側部から離間され、それに直接面するように、誘電体インサートに対して第2のリードフレームを配置することを含み、第3の導電プレートの他の側部は第4の導電プレートの側部に直接面せず、第4の導電プレートの他の側部は第3の導電プレートの側部に直接面しない。
【0007】
別の態様が、第1及び第2の電子回路又は異なる電圧ドメインを有するシステム、並びに第1及び第2の電子回路に結合される絶縁デバイスに関する。絶縁デバイスは、導電リードを有するパッケージ構造と、パッケージ構造内の第1及び第2のダイと、それぞれの第1及び第2のダイに電気的に結合され、互いに離間され、互いに直接面するそれぞれの第1及び第2の側部を有する第1及び第2の導電プレートとを含み、パッケージ構造の一部が、第1の導電プレートの第1の側部と第2の導電プレートの第2の側部との間に延在してコンデンサを形成する。第1の導電プレートの他の側部は、第2の導電プレートの側部に直接面せず、第2の導電プレートの他の側部は、第1の導電プレートの側部に直接面しない。
【0008】
一例において、第1の導電プレートの第1の側部は第1の平面内に延在し、第2の導電プレートの第2の側部は第2の平面内に延在し、第1及び第2の平面は互いに平行であり、第1の導電プレート及び第2の導電プレートは、第1及び第2の平面に垂直な第3の平面内で同一平面上にある。
【0009】
別の例において、第1の導電プレートは、第1の側部を有する第1の部分と、第2の部分とを有し、第1の導電プレートの第1及び第2の部分は同一平面にある。
【0010】
別の例において、絶縁デバイスは、パッケージ構造内に埋め込み誘電体インサートを含み、第1の導電プレート及び第2の導電プレートのうちの一方が、埋め込み誘電体インサートの上又は中にある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1及び第2の半導体ダイと、開始リードフレームから平面の導電プレートによって形成された絶縁コンデンサとを備える、パッケージ化された電子デバイスの切り欠き上面図である。
【0012】
【
図2】
図1のパッケージ化された電子デバイス内の半導体ダイ及び絶縁コンデンサに実装された回路の概略図である。
【0013】
【
図3】パッケージ化された電子デバイスを製造する方法のフローチャートである。
【0014】
【
図4】
図3の方法に従った製造の様々な段階における、
図1のパッケージ化された電子デバイスの部分平面図である。
【
図5】
図3の方法に従った製造の様々な段階における、
図1のパッケージ化された電子デバイスの部分平面図である。
【
図6】
図3の方法に従った製造の様々な段階における、
図1のパッケージ化された電子デバイスの部分平面図である。
【
図7】
図3の方法に従った製造の様々な段階における、
図1のパッケージ化された電子デバイスの部分平面図である。
【0015】
【0016】
【
図9】第1及び第2の半導体ダイと、第1及び第2の開始リードフレームから垂直方向に離間された導電プレートを有する絶縁コンデンサとを有する、別の例示のパッケージ化された電子デバイスの頂部斜視図である。
【0017】
【
図10】
図9のパッケージ化された電子デバイスを製造する際に用いられる第1及び第2の開始リードフレームの頂部斜視図である。
【0018】
【
図11】第1及び第2の半導体ダイと、第1及び第2の開始リードフレームから垂直方向に離間された導電プレートと、追加の導電コンデンサプレートを有するインサートとを有する絶縁コンデンサとを有する、別の例示のパッケージ化された電子デバイスの頂部斜視図である。
【0019】
【
図12】第1及び第2の開始リードフレーム、並びに
図11のパッケージ化された電子デバイスを製造する際に用いられるインサート構造の頂部斜視図である。
【0020】
【
図13】絶縁された一次及び二次回路と、
図1のパッケージ化された電子デバイスを含む制御又はフィードバック信号経路とを有する電力変換システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面において、全体を通して同様の参照番号は同様の要素を示し、種々の特徴
は必ずしも一定の縮尺で描いてはいない。また、用語「結合する」は、間接的又は直接的な電気的又は機械的接続又はそれらの組み合わせを含む。例えば、第1のデバイスが第2のデバイスに結合するか又は第2のデバイスと結合される場合、その接続は、直接電気接続を介するものであり得、又は一つ又は複数の介在デバイス及び接続を介した間接的電気接続を介するものであり得る。様々な回路、システム、及び/又は構成要素の1つ又は複数の動作特性は、回路要素が給電され、動作するときに幾つかの場合において様々な構造の構成及び/又は相互接続から生じる機能の文脈において、以下に説明される。
【0022】
図1は導電リード102、一対の第1の導電プレート104、及び一対の第2の導電プレート105を含む、開始リードフレーム101(例えば、銅線、アルミ等)から形成される導電特徴を有するパッケージ化された電子デバイス100を示す。別の例において、単一の第1の導電プレート104及び単一の第2の導電プレート105のみが含まれる。他の例において、2つ以上の第1の導電プレート104及び2つ以上の第2導電プレート105が含まれる。電子デバイスは更に、第1のダイ取り付けパッド106と第2のダイ取り付けパッド107とを含み、これもまた、元は製造中の開始リードフレーム101の一部である。電子デバイス100は、第1のダイ取り付けパッド106に取り付けられた第1のダイ108と、第2のダイ取り付けパッド107に取り付けられた第2のダイ109とを含む。この例における第1の導電プレート104は各々、第1の側部110を含む。ダイ108及び109は、ボンドワイヤ又はフリップチップ電気接続を可能にする導電特徴(例えば、銅又はアルミニウムボンドパッドなど)を有するダイ構造に統合されたトランジスタ、抵抗器、コンデンサ、又は他の電子構成要素を含む、開始ウェハの半導体処理を用いて形成されるような、任意の適切な半導体ベースの回路ダイであり得る。
【0023】
電子デバイス100は更に、それぞれの第1及び第2のダイ108、109と、様々なリード及び導電プレートとの間の電気接続を含む。図示の実装において、ボンドワイヤ111が、第1のダイ108の導電特徴(例えば、ボンドパッド)を導電リード102の第1のセットのそれぞれに接続して、電子デバイス100がはんだ付けされるホストプリント回路基板(図示せず)との電気回路接続を行う。ボンドワイヤ111のうちの他のものは、第2のダイ109の導電特徴を導電リード102の第2のセットに接続する。図示の実装では、第1のダイ108に結合される導電リード102の第1のセットが、電子デバイス100の第1の側部側(例えば、
図1の左側)にあり、第2のダイ109に結合される導電リード102の第2のセットが、電子デバイス100の反対の第2の側部側(例えば、
図1の右側)にあるが、これはすべての可能な実装の厳密な要求ではない。電子デバイス100はまた、一対の第1のボンドワイヤ112を含み、その各々は、第1のダイ108の導電特徴と第1の導電プレート104のそれぞれ1つとの間に結合される。また、一対の第2のボンドワイヤ113が各々、第2のダイ109の導電特徴と第2の導電プレート105のそれぞれ1つとの間に結合される。
【0024】
この例では、第2の導電プレート105は各々、第2の側部114を有する。一例において、それぞれの導電プレート104の第1の側部110は、第1の平面(例えば、
図1のY-Z平面であり、ここでZ方向は、図中の紙面外である)に延在している。この例では、それぞれの第2の導電プレート105の第2の側部114は、第2の平面(例えば、これもY-Z平面である)に延在し、第1の平面及び第2の平面は互いに平行である。他の例において、第1及び第2の平面は、互いに厳密に平行ではない。別の例において、片側又は両側110及び/又は114が平面ではない。図示の実装において、第2の導電プレート105の各々の第2の側部114が、それぞれの第1の導電プレート104の第1の側部110から離間され、それに直接面する。また、第1の導電プレート104の他の側部は、それぞれの第2導電プレート105の側部に直接面することはなく、それぞれの第2導電プレート105の他の側部は、それぞれの第1の導電プレート104の側部に直接面することはない。本明細書で使用するとき、直接面する側部は、導電構造を介在させずに直線に沿って互いに面する導電プレート側部である。電子デバイス100は、非導電パッケージ構造120を更に含む。一例において、パッケージ構造120が、モールディングコンパウンドであるか、又はモールディングコンパウンドを含む。パッケージ構造120の一部が、それぞれの第1の導電プレート104の第1の側部110とそれぞれの第2の導電プレート105の第2の側部114との間に延在して、
図1に破線で概略的に示されるように、それぞれのコンデンサCl及びC2を形成する。それぞれのプレート側部110と114との間の介在パッケージ構造120は、それぞれのプレート104及び105の導電材料と共に、第1及び第2のダイ108及び109の第1及び第2の回路を絶縁するように動作するコンデンサ構造を形成する誘電体を提供する。電子デバイス100の動作において、例示のコンデンサC1及びC2は、それぞれの第1及び第2のダイ108及び109の第1及び第2の電圧ドメイン間にガルバニック容量性絶縁を提供する。
【0025】
他の実装において、単一の絶縁コンデンサが、対応する第1及び第2のプレート104及び105を用いて、それぞれの第1及び第2の側部110及び114とともに、電子デバイス100内に提供される。他の例において、それぞれの第1及び第2のプレート104及び105の対応する側部110及び114の配置によって3つ以上の絶縁コンデンサが提供され、ここで、第1の導電プレート104の第1の側部110は、第2の導電プレート105の第2の側部114から離間され、それに直接面し、第1の導電プレート104の他の側部が、第2の導電プレート105の側部に直接面せず、第2の導電プレート105の他の側部が、第1の導電プレート104の側部に直接面しない。
【0026】
一例において、
図1に示されるように、単一の開始リードフレーム101が、第1及び第2の導電プレート104及び105をつくるために用いられる。この例では、第1の導電プレート104及び第2の導電プレート105は、それぞれのプレート面110及び114の第1の平面及び第2の平面に垂直な第3の平面(例えば、X-Y平面)において同一平面上にあるが、これはすべての可能な実装の要件ではない。
図1の例において、更に、それぞれのプレート104及び105の間、及びそれぞれの第1及び第2のダイ108及び109の第1及び第2の電圧ドメインの間の絶縁が、横方向に沿って提供される。例えば、
図9~
図12に関連して以下に示され、説明されるように、他の実装において、垂直のコンデンサプレート間隔及び絶縁方向が提供される。
図1の例では、パッケージ構造120が、それぞれのリード102がそれに沿って配置される第1及び第2の対向する側部を有し、パッケージ構造120の第1及び第2の側部は、第1の方向(例えば、
図1のX方向)に沿って互いに離間され、導電リード102の一部が、パッケージ構造120のそれぞれの第1及び第2の側部に沿ってパッケージ構造120の外部に露出される。一例において、リードが、概して、パッケージ構成120の外側と同一平面上にあり、クワッドフラットノーリード(QFN)パッケージ又はMIS、RLF等のようなプレモールドパッケージを含むリードレスパッケージタイプの場合のように、底部及び側部に沿って部分的に露出される。この例では、導電リード102は、パッケージ構造120のそれぞれの第1及び第2の側部に沿って第2の方向(例えば、
図1のY方向)に沿って互いに離間され、ここで第2の方向Yが第1の方向Xに垂直である。また、図示の例において、第2の導電プレート105の第2の側部114が、第1の方向Xに沿って第1の導電プレート104の第1の側部110から離間される。他の例において、第1の(Y)方向に沿ってなど、X-Y平面内の異なる方向に沿った横方向コンデンサプレート間隔が可能である。
【0027】
図2は、
図1のパッケージ化された電子デバイス100内の半導体ダイ108及び109並びに絶縁コンデンサC1及びC2内に実装された絶縁通信回路200を示す。特定の用途において、
図1のコンデンサC1及びC2が、カスタムのパターン化されたリードフレーム101を用いて作成される単一又はマルチチャネルデジタルアイソレータを提供する。動作において、リードフレーム金属エリア104及び105間の横方向容量結合を用いて、それぞれの第1のダイ108及び第2のダイ109の異なる電圧ドメイン回路間で1つ又は複数の信号が転送される。絶縁通信回路200は、例えば、100kbpsから150Mbpsまでの帯域幅を有する高周波数データチャネルと、例えば、DCから100kbpsまでの帯域幅を有する低周波チャネルとを含む。1つの例示の実装において、高周波数データチャネルに入るシングルエンド入力信号が、入力においてインバータゲートを介して差動信号に分割される。次のコンデンサ-抵抗器ネットワークは信号を小さく狭い過渡に区別し、これらの過渡は2つのコンパレータによってレール・トゥー・レール差動パルスに変換される。コンパレータ出力は、マルチプレクサに給電する出力を有するNORゲートフリップフロップを駆動する。フリップフロップの駆動出力における決定論理(DCL)が、信号過渡間の持続時間を測定する。2つの連続する過渡間の持続時間が、(例えば、低周波信号の場合のように)或る時間制限を超える場合、DCLは、出力マルチプレクサを強制的に高周波数から低周波チャネルに切り替えさせる。一例において、低周波入力信号が、内部発振器の搬送周波数を用いてパルス幅変調(PWM)されて、容量性障壁を通過させることができる十分に高い周波数を生成する。入力が変調されると、ローパスフィルタ(LPF)が、高周波搬送波を出力マルチプレクサに送る前に、高周波搬送波を実際のデータから除去する。この例では、パッケージ構造120を形成する際に用いられるモールド化合物又は任意の他の封止材が、湿度、温度、及び信頼性応力条件にわたって堅牢な高誘電体強度障壁を提供するように設計された絶縁間隔を有する絶縁絶縁誘電体障壁として作用する。開始リードフレーム101は、所与の回路用途のために必要に応じて、回路性能のための相互静電容量のための所望のカスタム設計でパターン化することができる。キャパシタ絶縁は、ダイ108及び109を作成するために用いられる機能的シリコン又は他の半導体処理のための任意のプロセス製造ノードと組み合わせることができる。この点に関して、リードフレーム101は、ダイ108及び109を製造する際に用いられる製造処理を変更することなく、特定の絶縁用途に合わせることができ、半導体ダイの製造は、統合された絶縁構成要素解決策と比較して、簡略化され、費用効率が高い。また、記載された例は、既存のパッケージアセンブリプロセス及び装置を用いて製造することができ、それによって、コンパクトなコスト効率の高い絶縁解決策を提供する。
【0028】
図3~
図7も参照すると、
図3はパッケージ化された電子デバイスを製造する方法300を示し、
図4~
図7は、方法300に従った製造の様々な段階における、
図1のパッケージ化された電子デバイスの例100を示す。方法300は、
図3の302において、1つ又は複数のリードフレーム、例えば、
図4のリードフレーム101を配置することで開始し、第1の導電プレート104の第1の側部110が、第2の導電プレート105の第2の側部114から離間され、それに直接面し、第1の導電プレート104の他の側部が第2の導電プレート105の側部に直接面せず、第2の導電プレート105の他の側部が第1の導電プレート104の側部に直接面しないようにする。304においてダイ取り付けプロセスが実施され、
図5に示されるように、第1のダイ108を第1のダイ取り付けパッドに取り付け、第2のダイ109を第2のダイ取り付けパッド107に取り付ける。方法300は、306において、接続プロセスを実施することで継続する。
図6に示される一例において、接続プロセスは、第1のボンドワイヤ112を第1のダイ108及び第1の導電プレート104に電気的に接続するワイヤボンディングプロセスである。ワイヤボンディングプロセスはまた、第2のボンドワイヤ113を第2のダイ109及び第2の導電プレート105に電気的に接続する。
図6の例において、306におけるワイヤボンディングプロセスは、ダイ108及び109の導電特徴(例えば、ボンドパッド)間の複数ボンドワイヤ111、112及び113をリード102及び/又は導電プレート104及び105と相互接続して、絶縁コンデンサCl及びC2を含む電気回路を形成する。
【0029】
方法300は、
図3の308において、モールドパッケージ構造120を形成するモールディングプロセスを用いて継続する。
図7の例において、モールディングプロセスは、リードフレームアセンブリの各見込み電子デバイス領域に個別のモールドパッケージ構造120を作成する。この例における個々のパッケージ構造120は、各々、第1のダイ108、第2のダイ109、第1のボンドワイヤ112、第2のボンドワイヤ112、第1の導電プレート104の一部、及び第2の導電プレート105の一部を囲む。幾つかの実装はまた、
図3における310でのリードトリミング及び形成動作を含むが、これは全ての可能な実装の厳密な要求ではない。312において、方法300は、例えば、レーザー切断又はソーイングを用いて、リードフレーム101の残りの部分から、第1の導電プレート104、第2の導電プレート105、及び導電リード102を分離することを更に含む。
図8は、分離されたパッケージ化された電子デバイス100の例を示す。
【0030】
図9及び
図10も参照すると、
図9における別の例示のパッケージ化された電子デバイス900が、
図10に示されるそれぞれの第1及び第2の開始リードフレーム1001及び1002の導電プレート104及び105の配置及び位置決めを介して形成される、リードフレームベースの絶縁コンデンサを含む。この例は、Z方向に沿った垂直コンデンサプレート間隔を提供し、第1のリードフレーム1001のそれぞれの第1の導電プレート104は、上向きの略平面の第1の側部を有し、第2のリードフレーム1002の対応するそれぞれの第2の導電プレート105は、下向きの略平面の第2の側部を有する。この例における電子デバイス900は、上述のリード102、ダイ取り付けパッド106及び107、半導体ダイ108及び109、並びに、モールドされたパッケージ構造120、並びに、ダイ108及びリード102及び導電プレート104及び105間の相互接続を提供するボンドワイヤ(
図9には図示せず)を含み、パッケージ構造120の誘電材料によってそれぞれ分離される4つの導電プレート104及び4つの導電プレート105によって生成された4つのコンデンサを介して、2つの絶縁された電圧ドメイン及びコンデンサ接続を有する電気回路を形成する。
【0031】
図1の電子デバイス100と同様に、第2の導電プレート105の各々の下向きの第2の側部は、それぞれの第1の導電プレート104の上向きの第1の側部から離間され、それに直接面する。また、第1の導電プレート104の他の側部は、それぞれの第2導電プレート105の側部に直接面することはなく、それぞれの第2導電プレート105の他の側部は、それぞれの第1の導電プレート104の側部に直接面することはない。また、
図9及び
図10の例において、パッケージ構造120は、第1の方向Xに沿って互いに離間された第1及び第2の対向する側部を有し、導電リード102の一部は、パッケージ構造120のそれぞれの第1及び第2の側部に沿ってパッケージ構造120の外側に露出される。また、導電リード102は、パッケージ構造120のそれぞれの第1及び第2の側部に沿って第2の方向Yに沿って互いに離間される。この例では、それぞれの第2の導電プレート105の第2の側部が、第1の方向X及び第2の方向Yに垂直な第3の方向Zに沿って、それぞれの第1の導電プレート104の第1の側部から垂直に離間される。他の実装において、第1の導電プレート及び第2の導電プレートは、Y方向に沿ってなど、互いに横方向に離間される。
【0032】
図10に示されるように、第1の導電プレート104は各々、第1の側部を有する第1の部分と、屈曲部によって第1の部分に接合する第2の部分とを有し、それぞれの第1の導電プレート104の第1の部分及び第2の部分は同一平面上にない。同様に、それぞれの第2の導電プレート105は、第2の側部を含む第1の部分と、屈曲部によって第1の部分に接合する第2の部分とを有し、それぞれの第2の導電プレート105の第1及び第2の部分は同一平面上にない。製造中(例えば、上記の例示の方法300に従った302において)、第1のリードフレーム1001は、
図10に示されるように、第2のリードフレーム1002に対して位置決めされて、第1のリードフレーム1001の第1の導電プレート104の第1の側部が、第2のリードフレーム1002の第2の導電プレート105のそれぞれの第2の側部から離間され、それに直接面し、第1の導電プレート104の他の側部はそれぞれの第2の導電プレート105の側部に直接面せず、第2の導電プレート105の他の側部は第1の導電プレート104の側部に直接面しない。
【0033】
図11及び
図12も参照すると、
図11は、第1及び第2の半導体ダイ108及び109と、第1及び第2の開始リードフレーム1101及び1102から垂直方向に離間された導電プレートを有する絶縁コンデンサと、追加のそれぞれの第1及び第2の導電コンデンサプレート1104及び1105を有する誘電体インサート1103とを有する別の例示のパッケージ化された電子デバイス1100を示す。
図12は、第1及び第2の開始リードフレーム1101及び1102と、
図11のパッケージ化された電子デバイス1100を製造する際に用いられるインサート構造1103とを示す。インサート構造1103は、一例において、誘電性媒体によって分離されたそれぞれの第1及び第2の上面導電プレート1104及び1105を有する。インサート構造1103、1104、1105は、デュアルレベルラミネート構造、プレモールドリードフレーム(PMLF)、MISなどを含むが、これらに限定されない様々な手法によって製造することができる。様々な実装において、第1の導電プレート1104及び第2の導電プレート1105のうちの1つ又は複数が、埋め込み誘電体インサート1103上又はその中にある。
【0034】
電子デバイス1100は、上述のリード102、ダイ取り付けパッド106及び107、半導体ダイ108及び109、並びにモールドパッケージ構造120、並びにダイ108とリード102及び導電プレート104、1104、105及び1105との間の相互接続を提供するボンドワイヤ111、112及び113を有し、それぞれパッケージ構造120の誘電体によって分離された、4つの導電プレート104及び4つの導電プレート105並びにインサート構造1103の関連する導電プレート1104及び1105によって生成された4つのコンデンサを介して、2つの絶縁された電圧ドメイン及びコンデンサ接続を有する電気回路を形成する。この例では、パッケージ構造120は、第1の方向Xに沿って互いに離間した第1及び第2の対向する側部を有し、導電リード102の一部が、それぞれの第1及び第2のパッケージ構造側部に沿ってパッケージ構造120の外側に露出される。この例における導電リード102は、第2の方向Yに沿って互いに離間され、それぞれの第2の導電プレート105、1105の第2の側部は、第3の方向Zに沿ってそれぞれの第1の導電プレート104、1104の第1の側部から離間される。この例はまた、垂直コンデンサプレート間隔を提供するが、これはインサート構造を使用するすべての可能な実装の厳密な要件ではない。
【0035】
製造中(例えば、上記の例示の方法300に従った302において)、第1のリードフレーム1101、第2のリードフレーム1102、及び誘電体インサート構造1103は、第1のリードフレーム1001の第1の導電プレート104の第1の側部が、誘電体インサート1103の第2の導電プレート1105のそれぞれの第2の側部から離間され、それに直接面するように、互いに対して位置決めされ、第1の導電プレート104の他の側部は、第2の導電プレート1105の側部に直接面せず、第2の導電プレート1105の他の側部は、第1の導電プレート104の側部に直接面しない。この例における302での相対的な位置決めはまた、第2のリードフレーム1102の第3の導電プレート105の第1の側が、誘電体インサート1103の第4の導電プレート1104の第2の側部と離間し、それに直接面し、第3の導電プレート105の他の側が、第4の導電プレート1104の側部に直接面せず、第4の導電プレート1104の他の側が、第3の導電プレート105の側部に直接面しないことを提供する。
【0036】
図13は、絶縁された一次及び二次回路と、
図1のパッケージ化された電子デバイス100を含む制御又はフィードバック信号経路とを有する電力変換システム1300を示す。この例は、絶縁変圧器1304の一次巻線の第1の端部に結合される出力を有するDC電源1302を含む。一次巻線の第2の端部が、一次側スイッチング回路1306に結合される。変圧器1304の二次巻線が、例えば、フライバックスイッチング電力変換システム1300を実装するために、二次回路1308に結合される。二次回路1308は、負荷1310を駆動するための調整された出力電力を提供するように結合される。この例における電子デバイス100は、フィードバック信号又はスイッチング制御信号を二次回路1308から一次側スイッチング回路1306に供給する絶縁デバイスである。一例において、二次回路1308は、例えば、変圧器1304の二次巻線に結合されるスイッチング回路のゼロ交差を表す、出力又は負荷側電圧ドメインに対する信号を絶縁デバイス100に提供する。この例では、絶縁デバイス100は、絶縁信号を一次側スイッチング回路1306に提供し、それに応答して、一次側スイッチング回路は、変圧器1304の一次巻線に電流を流すために、スイッチを閉じるための新しいスイッチングサイクルを開始する。別の例において、二次回路1308は、負荷1310の出力電圧又は出力電流を表すフィードバック信号を絶縁デバイス100に提供し、一次側スイッチング回路1306は、絶縁デバイス100からのフィードバック信号に従って、出力電圧又は出力電流を閉ループ方式で調整する。
【0037】
説明される例は、パッケージタイプ及びフットプリントにわたる適用性を備える、信号分離のためのグローバルな低コスト絶縁解決策を提供する。また、これらの例は、半導体ダイ108及び109上又はその中にコンデンサ絶縁構成要素を集積する必要なしに、単一のパッケージ電子デバイス100、900、1100内に高電圧絶縁を提供するために用いることができ、それによって、ダイ製造のコスト及び複雑さを低減する。また、説明された電子デバイス100、900、1100は、パッケージ化された電子デバイス自体内の集積を提供し、それによって、光カプラ又は他の外部絶縁構成要素の使用に関連する余分なコスト及び基板空間を軽減又は回避する。記載された例は、シリコン製造プロセスが不可知である解決策のためのリードフレーム金属構造を使用する信号分離を提供する。また、得られる解決策は、シリコン製造プロセスにおける絶縁構成要素の集積よりもはるかに低いコストを有する。また、電子デバイス100、900、及び1100は、現存のリードフレーム製造及びアセンブリインフラストラクチャ及びプロセスを用いて製造することができ、様々な様々な設計及び使用応用例に適応することができる。これらの絶縁解決策は、堅牢な絶縁バリアを提供しながら、すべてのリードフレーム及び/又は積層ベースのパッケージタイプ及びフォームファクタに拡張することができる。記載された例は、シリコン製造プロセスノードから絶縁構成要素従属性をなくし、絶縁絶縁解決策をリードフレーム自体に統合することによって、各プロセスノードのための個別の設計、資格、及び認可要件のために、高コスト、長いサイクル時間、及び絶縁技術に基づく開発限界の従来の問題に対する技術的解決法を提供する。
【0038】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例において改変が成され得、他の実装も可能である。
【国際調査報告】