(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-14
(54)【発明の名称】協働ロボットライン管理システム
(51)【国際特許分類】
B25J 19/00 20060101AFI20230707BHJP
【FI】
B25J19/00 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577277
(86)(22)【出願日】2021-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 US2021027512
(87)【国際公開番号】W WO2021257170
(87)【国際公開日】2021-12-23
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】グレッラ,ジョセフ イー.
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS10
3C707CY07
3C707CY12
3C707CY13
(57)【要約】
協働ロボットライン管理システムは、第1のブラケットと、第2のブラケットとを含む。協働ロボットライン管理システムは、協働ロボットに対する複数のフレキシブルラインの位置決めおよび経路指定を管理するように動作可能である。第1のブラケットは、その中に形成された複数の孔を有する支持部分と、協働ロボットの第1のマウントとインターフェース接続するように構成された協働ロボット取り付け部分とを含む。第2のブラケットは、その中に形成された複数の孔を有する支持部分と、協働ロボットの第2のマウントとインターフェース接続するように構成された協働ロボット取り付け部分とを含む。第1および第2のブラケットの協働ロボット取り付け部分は、それぞれ、第1および第2のブラケットの取り付け場所で協働ロボットへの第1および第2のブラケットの取り付けを容易にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの関節アームと、エンドエフェクタとを含み、第1の場所に配置される第1のマウントと、第2の場所に配置される第2のマウントとをさらに含む、協働ロボットと、
前記協働ロボットの前記エンドエフェクタの動作と関連付けられるタスクを容易にするように前記協働ロボットと共に動作可能な複数のフレキシブルラインと、
前記協働ロボットに対する前記複数のフレキシブルラインの位置決めおよび経路指定を管理するように動作可能な協働ロボットライン管理システムと、を含み、
前記協働ロボットライン管理システムは、
前記協働ロボットの前記第1のマウントに取り付けられる第1のブラケットであって、その中に形成される複数の孔を有する支持部分を含む、第1のブラケットと、
前記協働ロボットの前記第2のマウントに取り付けられる第2のブラケットであって、その中に形成される複数の孔を有する支持部分を含む、第2のブラケットと、を含み、
前記複数のフレキシブルラインのうちの第1のフレキシブルラインは、前記第1および第2のブラケットのうちの少なくとも1つのブラケットの孔を通じて受け入れられ、前記第1および第2のブラケットのうちの少なくとも1つのブラケットによって支持される、
協働ロボット作動システム。
【請求項2】
前記第1のブラケットは、前記第1のブラケットの前記支持部分によって支持され、前記第1のブラケットによって支持されるフレキシブルラインにクランプ力を適用して前記フレキシブルラインを前記第1のブラケットに固定するように動作可能である、1つ以上のラインクランプをさらに含む、請求項1に記載の協働ロボット作動システム。
【請求項3】
前記1つ以上のラインクランプは、前記第1のブラケットの前記支持部分によって支持される1つ以上のライングランドを含み、該1つ以上のライングランドは、それぞれ、前記第1のブラケットの前記支持部分に形成される前記複数の孔のうちの孔と整列させられる貫通穴を有する、請求項2に記載の協働ロボット作動システム。
【請求項4】
前記第2のブラケットは、前記第2のブラケットの前記支持部分によって支持され、前記第2のブラケットによって支持されるフレキシブルラインにクランプ力を適用して前記フレキシブルラインを前記第2のブラケットに固定するように動作可能である、1つ以上のラインクランプをさらに含む、請求項1に記載の協働ロボット作動システム。
【請求項5】
前記1つ以上のラインクランプは、前記第2のブラケットの前記支持部分によって支持される1つ以上のライングランドを含み、該1つ以上のライングランドは、それぞれ、前記第2のブラケットの前記支持部分に形成される前記複数の孔のうちの孔と整列させられる貫通穴を有する、請求項4に記載の協働ロボット作動システム。
【請求項6】
前記複数のフレキシブルラインのうちの第2のフレキシブルラインは、該第2のフレキシブルラインが前記第1および第2のブラケットの各々によって支持されるように、前記第1のブラケットの孔および前記第2のブラケットの孔を通じて受け入れられる、請求項1に記載の協働ロボット作動システム。
【請求項7】
前記複数のフレキシブルラインの長さに沿う特定の軸方向場所でグループにおいて前記フレキシブルラインを拘束するように前記複数のフレキシブルラインの周りに延在するラインタイをさらに含む、請求項1に記載の協働ロボット作動システム。
【請求項8】
協働ロボットに対する複数のフレキシブルラインの位置決めおよび経路指定を管理するように動作可能な協働ロボットライン管理システムであって、
その中に形成される複数の孔を有する支持部分と、協働ロボットの第1のマウントとインターフェース接続するように構成される協働ロボット取り付け部分とを含む、第1のブラケットと、
その中に形成される複数の孔を有する支持部分と、協働ロボットの第2のマウントとインターフェース接続するように構成される協働ロボット取り付け部分とを含む、第2のブラケットと、を含み、
前記第1および第2のブラケットの前記協働ロボット取り付け部分は、それぞれ、第1および第2の取り付け場所での前記協働ロボットへの前記第1および第2のブラケットの取り付けを容易にする、
協働ロボットライン管理システム。
【請求項9】
前記第1のブラケットは、前記第1のブラケットの前記支持部分によって支持され、前記第1のブラケットによって支持されるフレキシブルラインにクランプ力を適用して前記フレキシブルラインを前記第1のブラケットに固定するように動作可能である、1つ以上のラインクランプをさらに含む、請求項8に記載の協働ロボットライン管理システム。
【請求項10】
前記1つ以上のラインクランプは、前記第1のブラケットの前記支持部分によって支持される1つ以上のライングランドを含み、該1つ以上のライングランドは、それぞれ、前記第1のブラケットの前記支持部分に形成される前記複数の孔のうちの孔と整列させられる貫通穴を有する、請求項9に記載の協働ロボットライン管理システム。
【請求項11】
前記第2のブラケットは、前記第2のブラケットの前記支持部分によって支持され、前記第2のブラケットによって支持されるフレキシブルラインにクランプ力を適用して前記フレキシブルラインを前記第2のブラケットに固定するように動作可能である、1つ以上のラインクランプをさらに含む、請求項8に記載の協働ロボットライン管理システム。
【請求項12】
前記1つ以上のラインクランプは、前記第2のブラケットの前記支持部分によって支持される1つ以上のライングランドを含み、該1つ以上のライングランドは、それぞれ、前記第2のブラケットの前記支持部分に形成される前記複数の孔のうちの孔と整列させられる貫通穴を有する、請求項11に記載の協働ロボットライン管理システム。
【請求項13】
前記第1のブラケットの前記複数の孔は、第1の直径を有する第1のグループの孔と、第2の直径を有する第2のグループの孔とを含み、前記第1の直径は、前記第2の直径よりも大きい、請求項11に記載の協働ロボットライン管理システム。
【請求項14】
前記第1のブラケットは、前記支持部分から延びる協働ロボット取り付け部分を含む、請求項11に記載の協働ロボットライン管理システム。
【請求項15】
前記複数のフレキシブルラインの長さに沿う特定の軸方向場所でグループにおいて前記複数のフレキシブルラインを拘束するように前記複数のフレキシブルラインの周りに延在するように動作可能なラインタイをさらに含む、請求項11に記載の協働ロボットライン管理システム。
【請求項16】
協働ロボットのエンドエフェクタに取り付けられる工具類を作動させる複数のフレキシブルラインを固定する方法であって、
その中に形成された複数の孔を有する支持部分を含む第1のブラケットを協働ロボットの第1のマウントに固定することと、
その中に形成された複数の孔を有する支持部分を含む第2のブラケットを協働ロボットの第2のマウントに固定することと、
前記第1のブラケットの前記複数の孔のうちの第1の孔を通じて並びに前記第2のブラケットの前記複数の孔のうちの第1の孔を通じて前記協働ロボットに沿って複数のフレキシブルラインのうちの第1のフレキシブルラインを経路指定することと、
前記第1のブラケットの前記複数の孔のうちの第2の孔を通じて並びに前記第2のブラケットの前記複数の孔のうちの第2の孔を通じて前記協働ロボットに沿って複数のフレキシブルラインのうちの第2のフレキシブルラインを経路指定することと、を含む、
方法。
【請求項17】
前記第1のブラケットは、前記第1のブラケットの前記支持部分の前記複数の孔のうちの孔と関連付けられる少なくとも1つのクランプを含み、該少なくとも1つのクランプは、前記第1または第2のフレキシブルラインのうちの少なくとも1つを前記第1のブラケットに固定するように動作可能であり、当該方法は、前記第1のブラケットの前記1つ以上のクランプに圧縮力を適用させて、前記第1または第2のフレキシブルラインのうちの少なくとも1つを前記第1のブラケットに固定させることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のブラケットは、前記第2のブラケットの前記支持部分の前記複数の孔のうちの孔と関連付けられる少なくとも1つのクランプを含み、該少なくとも1つのクランプは、前記第1または第2のフレキシブルラインのうちの少なくとも1つを前記第2のブラケットに固定するように動作可能であり、当該方法は、前記第2のブラケットの前記1つ以上のクランプに圧縮力を適用させて、前記第1または第2のフレキシブルラインのうちの少なくとも1つを前記第2のブラケットに固定させることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1および第2のブラケットの前記クランプは、それぞれの前記第1および第2のブラケットの前記支持部分に形成される前記複数の孔のそれぞれの孔と整列させられる貫通穴を有するライングランドを含む、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のブラケットの前記第1の孔および前記第2のブラケットの前記第1の孔から前記第1のフレキシブルラインを除去することと、
前記第1のブラケットの前記複数の孔のうちの孔を通じて並びに前記第2のブラケットの前記複数の孔のうちの孔を通じて前記協働ロボットに沿って前記複数のフレキシブルラインのうちの第3のフレキシブルラインを経路指定することと、をさらに含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記複数のフレキシブルラインの周りにラインタイを固定することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
産業は、しばしば、製造および他の作業中にロボットを使う。ロボットは、非常に大きな利点があり得る一方で、安全上の危険を提示し得る。このため、多くのロボットは、典型的には、ロボットが作動している間に人間が入ることができないそれら自体の安全な封じ込め(エンクロージャ)を必要とする。他のロボットは、人間と共に動作するように設計されることができる。そのようなロボットは、協働ロボット(collaborative robots)と呼ばれ、それらは、典型的には、従来のロボットに比べてより低いペイロード(payload)を有する。より低いペイロードは、人間との衝突が起こる場合にロボットを停止させることを可能にする。これらの協働ロボットは、衝突が起こったときに感知し、ロボットのさらなる動きを停止するために、ロボットのベースに感応的な力センサを有することができる。
【0002】
図1は、一般的な協働ロボット10の一例を示している。協働ロボット10は、典型的には、工具類12(ツーリング)(tooling)が協働ロボット10のエンドエフェクタ14に取り付けられることを必要とする。工具類12は、協働ロボット10の動作のため、および様々なタスクを実行するために、外部供給源と通信することができる。外部供給源のタイプは、電力源、圧縮空気源、流体源、および/または他の外部供給源、ならびにコンピュータソースを含むが、これらに限定されず、協働ロボット10および/または工具類12は、1つ以上のデータ転送または他のタイプのケーブルを介して、コンピューティングデバイスと通信することができる。電力ケーブル、データケーブル、空気または他の流体ライン、液圧ライン、光ファイバケーブル、および/または他のタイプのラインのような外部ラインは、工具類12を外部供給源およびコンピューティングデバイスに接続することができる。ライン(配線)(lines)は、協働ロボット10から離れることができ、協働ロボット10のリンクまたはジョイント付き支持部材16に沿ってエンドエフェクタ14に進むことができる。ラインを保護し、ロボットの動作に干渉することがある緩いラインを防止するために、ラインは、シュラウドまたは導管18内に収容されて、一緒に束ねられることができる。加えて、導管18は、ロボットがロボットのジョイント20の周りで動くときに、導管18が曲がる(flex)ことを可能にするように、1つ以上のリンク16の周りに支持された取り付けハードウエア22を用いて、協働ロボット10に取り付けられることができる。よって、導管18は、協働ロボット10が動くときに、ラインが結び付くことを防止する。工具類12、ライン、導管18、および取り付けハードウエア22は、協働ロボット10の利用可能なペイロードを低減させることができる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の構成および利点は、添付の図面と併せて理解されるときに、以下の詳細な記述から明らかであり、それらは、一例として、本発明の構成を共に示している。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】例示的な従来技術の協働ロボット作動システムを示している。
【0005】
【
図2】本開示の一例による協働ロボットライン管理システムを有する協働ロボット作動システムの斜視図を示している。
【0006】
【
図3】
図2の協働ロボット作動システムの斜視図を示している。
【0007】
【
図4】
図3の協働ロボット作動システムのライン管理システムのブラケットの斜視図を示している。
【0008】
【
図5】ケーブルグランドを利用した
図4のブラケットの斜視図を示している。
【0009】
【
図6】
図5の協働ロボット作動システムのライン管理システムのブラケットの別の例の斜視図を示している。
【0010】
【
図7】ケーブルグランドを利用した
図6のブラケットの斜視図を示している。
【0011】
【
図8】協働ロボットのエンドエフェクタに取り付けられた工具類を作動させるための複数のフレキシブルラインを固定するための方法のブロック図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、図示される例を参照し、本明細書では、特定の言語が使用してこれらの例を記載する。それにもかかわらず、本発明の範囲の限定がそれによって意図されていないことが理解されるであろう。
【0013】
本発明の概念の最初の概要が以下に提供され、次に、具体的な例が後にさらに詳細に説明される。この最初の概要は、読者が例をより迅速に理解するのを助けることを意図するが、例の鍵となる構成または本質的な構成を特定することを意図せず、特許請求される主題事項の範囲を限定することを意図しない。
【0014】
一例において、開示されているのは、協働ロボット作動システムである。協働ロボット作動システムは、協働ロボットと、複数のフレキシブル(可撓性)ラインと、協働ロボットライン管理システムとを含む。協働ロボットは、少なくとも1つの関節アームおよびエンドエフェクタと、第1の場所に配置される第1のマウントと、第2の場所に配置される第2のマウントとを含む。複数のフレキシブルラインは、協働ロボットのエンドエフェクタの動作と関連付けられるタスクを容易にするように、協働ロボットと共に動作可能である。協働ロボットライン管理システムは、協働ロボットに対する複数のフレキシブルラインの位置決めおよび経路指定を管理するように動作可能である。協働ロボットライン管理システムは、協働ロボットの第1のマウントに取り付けられる第1のブラケットと、協働ロボットの第2のマウントに取り付けられる第2のブラケットとを含む。第1のブラケットは、その中に形成された複数の孔を有する支持部分を含み、第2のブラケットは、その中に形成された複数の孔を有する支持部分を含む。複数のフレキシブルラインの第1のフレキシブルラインは、第1および第2のブラケットのうちの少なくとも1つのブラケットの孔を通じて受け入れられ、第1および第2のブラケットのうちの少なくとも1つのブラケットによって支持される。
【0015】
より詳細な態様によれば、第1のブラケットは、第1のブラケットの支持部分によって支持され、第1のブラケットによって支持されるフレキシブルラインにクランプ力を加えてフレキシブルラインを第1のブラケットに固定するように動作可能である、1つ以上のラインクランプをさらに含むことができる。
【0016】
より詳細な態様によれば、1つ以上のラインクランプは、第1のブラケットの支持部分によって支持された1つ以上のライングランドを含むことができ、1つ以上のライングランドは、それぞれ、第1のブラケットの支持部分に形成された複数の孔のうちの孔と整列させられる貫通穴を有する。
【0017】
より詳細な態様によれば、第2のブラケットは、第2のブラケットの支持部分によって支持され、第2のブラケットによって支持されたフレキシブルラインにクランプ力を加えてフレキシブルラインを第2のブラケットに固定するように動作可能である、1つ以上のラインクランプをさらに含むことができる。
【0018】
より詳細な態様によれば、1つ以上のラインクランプは、第2のブラケットの支持部分によって支持された1つ以上のライングランドを含むことができ、1つ以上のライングランドは、それぞれ、第2のブラケットの支持部分に形成された複数の孔のうちの孔と整列させられる貫通穴を有する。
【0019】
より詳細な態様によれば、第2のフレキシブルラインが第1および第2のブラケットの各々によって支持されるように、複数のフレキシブルラインのうちの第2のフレキシブルラインが、第1のブラケットの孔および第2のブラケットの孔を通じて受け入れられることができる。
【0020】
より詳細な態様によれば、協働ロボットライン管理システムは、複数のフレキシブルラインの長さに沿う特定の軸方向場所でグループにおいてフレキシブルラインを拘束するように複数のフレキシブルラインの周りに延在するラインタイをさらに含むことができる。
【0021】
同様に開示されているのは、協働ロボットに対する複数のフレキシブルラインの位置決めおよび経路指定を管理するように動作可能な協働ロボットライン管理システムである。協働ロボットライン管理システムは、第1のブラケットと、第2のブラケットとを含む。第1のブラケットは、その中に形成された複数の孔を有する支持部分と、協働ロボットの第1のマウントとインターフェース接続するように構成される協働ロボット取り付け部分とを含む。第2のブラケットは、その中に形成された複数の孔を有する支持部分と、協働ロボットの第2のマウントとインターフェース接続するように構成される協働ロボット取り付け部分とを含む。第1および第2のブラケットの協働ロボット取り付け部分は、それぞれ、第1および第2の取り付け場所での協働ロボットへの第1および第2のブラケットの取り付けを容易にする。
【0022】
より詳細な態様によれば、第1のブラケットは、第1のブラケットの支持部分によって支持され、第1のブラケットによって支持されたフレキシブルラインにクランプ力を加えてフレキシブルラインを第1のブラケットに固定するように動作可能である、1つ以上のラインクランプをさらに含むことができる。
【0023】
より詳細な態様によれば、1つ以上のラインクランプは、第1のブラケットの支持部分によって支持される1つ以上のライングランドを含むことができ、1つ以上のライングランドは、それぞれ、第1のブラケットの支持部分に形成される複数の孔のうちの孔と整列させられる貫通穴を有する。
【0024】
より詳細な態様によれば、第2のブラケットは、第2のブラケットの支持部分によって支持され、第2のブラケットによって支持されるフレキシブルラインにクランプ力を加えてフレキシブルラインを第2のブラケットに固定するように動作可能である、1つ以上のラインクランプをさらに含むことができる。
【0025】
より詳細な態様によれば、1つ以上のラインクランプは、第2のブラケットの支持部分によって支持される1つ以上のライングランドを含むことができ、1つ以上のライングランドは、それぞれ、第2のブラケットの支持部分に形成される複数の孔のうちの孔と整列させられる貫通穴を有する。
【0026】
より詳細な態様によれば、第1のブラケットの複数の孔は、第1の直径を有する第1のグループの孔と、第2の直径を有する第2のグループの孔とを含むことができ、第1の直径は、第2の直径よりも大きくあることができる。
【0027】
より詳細な態様によれば、第1のブラケットは、支持部分から延びる(例えば、支持部分から垂直に或いは支持部分に対して横方向に延びる)協働ロボット取り付け部分を有することができる。
【0028】
より詳細な態様によれば、協働ロボットライン管理システムは、複数のフレキシブルラインの長さに沿う特定の軸方向場所でグループにおいて複数のフレキシブルラインを拘束するために、複数のフレキシブルラインの周りに延在するラインタイをさらに含むことができる。
【0029】
同様に開示されているのは、協働ロボットのエンドエフェクタに取り付けられた工具類(tooling)を作動させるための複数のフレキシブルラインを固定するための方法である。当該方法は、その中に形成された複数の孔を有する支持部分を含む第1のブラケットを協働ロボットの第1のマウントに固定することと、その中に形成された複数の孔を有する支持部分を含む第2のブラケットを協働ロボットの第2のマウントに固定することと、第1のブラケットの複数の孔のうちの第1の孔を通じて並びに第2のブラケットの複数の孔のうちの第1の孔を通じて協働ロボットに沿って複数のフレキシブルラインのうちの第1のフレキシブルラインを経路指定することと、第1のブラケットの複数の孔のうちの第2の孔を通じて並びに第2のブラケットの複数の孔のうちの第2の孔を通じて協働ロボットに沿って複数のフレキシブルラインのうちの第2のフレキシブルラインを経路指定することと、を含む。
【0030】
より詳細な態様によれば、第1のブラケットは、第1のブラケットの支持部分の複数の孔のうちの孔と関連付けられる少なくとも1つのクランプを含むことができ、少なくとも1つのクランプは、第1または第2のフレキシブルラインのうちの少なくとも1つを第1のブラケットに固定するように動作可能であり、当該方法は、第1のブラケットの1つ以上のクランプに圧縮力を適用させて、第1または第2のフレキシブルラインのうちの少なくとも1つを第1のブラケットに固定させることをさらに含む。
【0031】
より詳細な態様によれば、第2のブラケットは、第2のブラケットの支持部分の複数の孔のうちの孔と関連付けられる少なくとも1つのクランプを含むことができ、少なくとも1つのクランプは、第1または第2のフレキシブルラインのうちの少なくとも1つを第2のブラケットに固定するように動作可能であり、当該方法は、第2のブラケットの1つ以上のクランプに圧縮力を適用させて、第1または第2のフレキシブルラインのうちの少なくとも1つを第2のブラケットに固定させることをさらに含む。
【0032】
より詳細な態様によれば、第1および第2のブラケットの各クランプは、それぞれの第1および第2のブラケットの支持部分に形成される複数の孔のそれぞれの孔と整列させられる貫通穴を有するライングランドを含むことができる。
【0033】
より詳細な態様によれば、当該方法は、第1のブラケットの第1の孔および第2のブラケットの第1の孔から第1のフレキシブルラインを除去することと、第1のブラケットの複数の孔のうちの第1の孔を通じて並びに第2のブラケットの複数の孔のうちの第1の孔を通じて協働ロボットに沿って複数のフレキシブルラインの第3のフレキシブルラインを経路指定することとをさらに含むことができる。
【0034】
より詳細な態様によれば、当該方法は、複数のフレキシブルラインの周りにタイを固定することをさらに含むことができる。
【0035】
本技術は、
図1に示されるように、導管内にフレキシブルラインを収容する従来の技術と比較して、幾つかの利点を提供する。導管は、フレキシブルラインの全てを一緒に束ねて固定するために、より大きな直径を有さなければならない。大きな直径は、個々にフレキシブルラインの1つ以上よりも剛性の大きな導管をもたらし得る。加えて、導管内でラインを一緒に束ねることは、ラインの個々の剛性と比較して、剛性の増大をもたらし得る。さらに、関連する取り付けハードウエアは、導管の重量と共に、エンドエフェクタの利用可能なペイロードを減少させる。通常の使用において、この制限は認識できないことがあるが、協働ロボットが利用可能なペイロードに近づく重量の比較的重い工具類と共に使用されるとき、或いは複数のフレキシブルラインを必要とするとき、導管、束ねられたライン、および関連する取り付けシステムの剛性および重量の増大は、協働ロボットのペイロードを超えることがある。対照的に、本技術は、協働ロボットが、本技術を使用しないならば協働ロボットのペイロードを超え得る工具類を使用することを可能にする、柔軟なラインを管理するための軽量なソリューションを提供する。さらに、本技術は、協働ロボットからライン管理システム全体を除去することなく、単一のラインが置換または交換されることを可能にする点において有利である。
【0036】
本技術をさらに記載するために、図面を参照して例を提供する。
図2~
図7を参照すると、本開示は、協働ロボット30(collaborative robot)と、複数のフレキシブルライン34(flexible lines)と、協働ロボットライン管理システム36(collaborative robot line management system)とを含む、協働ロボット作動システム42(collaborative robot operating system)を示している。協働ロボット30は、少なくとも1つの関節アーム(
図2の例は、ジョイント38によって接続された第1の関節アーム32aと第2の関節アーム32bとを含む)と、第1の関節アーム32aのような関節アームに動作可能に連結されたエンドエフェクタ33とを含むことができる。各関節アームは、エンドエフェクタ33、別の関節アーム、またはベース37のうちの1つに動作可能に連結された端を有することができる。図示の例において、第1の関節アーム32aは、一端でエルボジョイント38によって第2の関節アーム32bに結合され、他端でエンドエフェクタ33に動作可能に結合されている。他の例において、関節アームは、球状関節、回転関節、および当技術分野で知られている他のロボットジョイントのような他のジョイントによって動作可能に結合されることができる。加えて、協働ロボット30は、任意の数の関節アームおよび関連するジョイントを含むことができる。従って、本明細書に示され、本明細書において図示され且つ記載される協働ロボット30は、如何様にも限定されることを意図しない。
【0037】
協働ロボット30は、協働ロボットライン管理システムを取り付けるための1つ以上のマウント(mounts)をさらに含むことができる。図示の例において、マウントは、第1の位置で第1の関節アーム32aにある第1のマウント40aと、第2の位置でベース37にある第2のマウント40bとを含む。マウントは、ネジ山付きファスナを受け入れるためのネジ山付き穴を含むことができる。他の例において、マウントは、ネジ山付きスタッドのような他のタイプのファスナを使用して、第1および第2のマウント40aおよび40bの取り付けを容易にするように構成されることができる。
【0038】
複数のフレキシブルライン34は、エンドエフェクタ33および協働ロボット30の動作に関連するタスクを容易にするよう、協働ロボット30のエンドエフェクタ33と共に動作可能である。例えば、フレキシブルライン34は、圧縮空気ライン、電気ライン、液圧または他の流体ライン、真空ライン、光ファイバライン、または当技術分野において知られている他のライン、またはこれらの任意の組み合わせのような、任意のタイプのフレキシブルラインを含むことができる。フレキシブルラインは、協働ロボット30の少なくとも一部分に沿ってエンドエフェクタ33に進むことができる。フレキシブルラインの第1の端が、協働ロボット30に、エンドエフェクタ33に、或いはエンドエフェクタ33に結合された工具類に動作可能に結合されることができ、フレキシブルラインの第2の端が、電源、圧縮空気源、流体源、データ接続のためのコンピュータソースなどのようなライン供給源に動作可能に結合されることができる。
【0039】
協働ロボットライン管理システム36は、協働ロボット30に対する複数のフレキシブルライン34の位置および経路指定(ルーティング)を管理するように作動可能である。例えば、協働ロボットライン管理システム36は、複数のフレキシブルライン34が動作中に協働ロボット30の動きを拘束または干渉しないように、協働ロボット30に対して複数のフレキシブルライン34を経路指定することができる。加えて、協働ロボットライン管理システム36は、複数のフレキシブルライン34を協働ロボット30に対する無限数の位置のうちの1つにおいて個別に結合することができるので、それらはそれらがそれらのそれぞれの利用可能な可動域(ranges of motion)を通じて移動する際に、協働ロボット30または(工具類を持つ或いは持たない)エンドエフェクタと干渉しない。実際には、以下にさらに記載するように、意図される目的のために協働ロボット30に関連付けられるか或いは利用されるようにされるフレキシブルライン34の各々は、複数のフレキシブルライン34の各フレキシブルラインが複数のフレキシブルライン34の他の任意のフレキシブルラインと独立して経路指定され且つ結合されることを可能にし、よって、フレキシブルライン34からの干渉を受けることなく協働ロボット30の動作ゾーンを最大化する、それらの長さに沿った結合位置で、個々に結合されることができる。
【0040】
協働ロボットライン管理システム36は、協働ロボット30の動作によって完成される1つ以上のタスクを容易にするために、フレキシブルラインが協働ロボット30の周りに個々に支持されるように、フレキシブルライン34を協働ロボット30の周りで或いは協働ロボット30に受け取り且つ結合するように機能する、複数のブラケットを含むことができる。図示の例において、協働ロボットライン管理システム36は、第1のブラケット44と、第2のブラケット46とを含む。他の例は、図示のブラケットの数よりも多い数のブラケットを有することができる。第1のブラケット44は、協働ロボット30の第1のマウント40aに取り付けられることができ、第2のブラケット46は、協働ロボット30の第2のマウント40bに取り付けられることができる。複数のブラケットの各ブラケットは、その中に形成された複数の孔を有する支持部分を含むことができる。複数のフレキシブルライン34のフレキシブルラインは、ブラケットのうちの少なくとも1つのブラケットの孔を通じて受け入れられることができ、ブラケットのうちの少なくとも1つのブラケットによって支持される。
【0041】
第1のブラケット44は、協働ロボット取り付け部分48と、支持部分50とを含むことができる。支持部分50は、協働ロボット取り付け部分48に対する傾斜から延びることができ、そのような傾斜に形成されることができる。図示の例において、支持部分50は、協働ロボット取り付け部分48から延び、それに対して垂直に形成されているが、支持部分50は、取り付けインターフェース48に対する任意の傾斜に形成されることができるので、これは如何様にも限定的であることを意図しない。支持部分50は、その中に形成された複数の孔52を有することができる。複数の孔52は、様々なサイズを有することができる。例えば、孔56は、孔58の直径よりも小さい直径を有することができる。様々な直径のサイズは、異なる直径のフレキシブルラインに適合することができる。複数の孔52のうちの1つの孔に位置付けられるフレキシブルラインは、それが孔内で自由にスライドすることがあるように、孔の直径よりも小さいサイズにされることができる。複数の孔52は、規則的なパターンを有することができる。例えば、ブラケット44にある複数の孔52は、それぞれ3つの孔の3つの列を持つ線形パターンを有する。円形、線形、多角形などのような、他のパターンの孔も可能である。さらに他の例において、孔は、規則的なパターンなしに配置されてよい。直径の大きいフレキシブルラインは、直径の小さいフレキシブルラインよりも剛性が高い傾向があるので、より大きな直径を持つ孔(例えば、孔58)を、より小さな直径を持つ孔(例えば、孔56)と比較して、協働ロボット取り付け部分48により近くに配置して、より大きな孔58を通過するより大きな直径のフレキシブルラインの剛性によって引き起こされる如何なるモーメントも低減させることができる。
【0042】
第1のブラケット44の協働ロボット取り付け部分48は、第1の取り付け部分40aとインターフェース接続する(例えば、第1の取り付け部分40aと係合してその上に位置する)ように構成されることができる。例えば、協働ロボット取り付け部分48は、第1の取り付け部分40aへの協働ロボット取り付け部分48の取り付けを容易にする結合構成(coupling features)を有することができる。図示の例において、
図4の協働ロボット取り付け部分48は、協働ロボット取り付け部分48を第1の取り付け部分40aのようなマウントに固定するための2つの孔60を有する。2つの孔60は、マウント40aの2つのそれぞれのネジ山付きソケットと整列することができ、ネジ山付きファスナ(
図3を参照)は、孔60を通過してネジ山付きソケットに入って、協働ロボット取り付け部分48、よって、第1のブラケット44を、協働ロボット30に固定することができる。他の例では、ネジ山付きポストが孔を通過してよく、ナットを使用して、協働ロボット取り付け部分48をマウント40aに固定してもよい。当業者によって認識されるように、協働ロボット取り付け部分48をマウント40aに取り付けるために、溶接、接着剤、および他のもののような、他の取り付け構成(features)および形態(configurations)を利用することができる。
【0043】
協働ロボットライン管理システム36は、さらに、第1のブラケット44の支持部分50によって支持される1つ以上のラインクランプを含むことができる。1つ以上のラインクランプは、支持部分50にある複数の孔52のそれぞれの孔と関連付けられることができる。1つ以上のラインクランプは、ラインクランプと共に動作可能なそれぞれのフレキシブルラインにクランプ力を加えるように動作可能であることができ、フレキシブルラインをフレキシブルラインの長さに沿った無限数の位置のうちの1つの位置において第1のブラケット44に固定し且つ第1のブラケット44に対するフレキシブルラインの軸方向位置をロックするように第1のブラケット44によって支持されることができる。例えば、1つ以上のクランプは、クランプブロック、「CL」クランプ、または当技術分野において知られている他のラインクランプであることができる。図示の例(
図5を参照)において、1つ以上のラインクランプは、ライングランド62(line glands)として知られるタイプのクランプを含む。ライングランド62は、フレキシブルラインを保持するために圧縮されることができる、それぞれが貫通穴64を有する従来のライングランドであることができる。貫通穴64は、支持部分50に形成された複数の孔52のそれぞれの孔と整列することができる。幾つかの例において、複数の孔52は、一部の孔がライングランド62を有し且つ一部の孔が1つ以上の異なるタイプのクランプを有するか或いはクランプが全くない(ラインはそれぞれの孔によってのみ支持される)、混合形態を有することができる。ライングランド62は、フレキシブルラインの外面を選択的に圧縮して、それを第1のブラケット44に対する所定の位置に固定し、フレキシブルラインに加えられるあらゆる圧縮力を選択的に解放して、フレキシブルラインが孔および第1のブラケット44に対して軸方向に移動またはスライドして、例えば、フレキシブルラインの軸方向位置を調整することを可能にする。ライングランド62がフレキシブルラインの位置を固定するとき、フレキシブルラインは、第1のブラケット44に対して横方向または軸方向に移動することができない。対照的に、ライングランド62のない孔は、フレキシブルラインの横方向移動を制限することができるが、フレキシブルラインが軸方向に移動する(すなわち、孔内でスライドする)ことを可能にする。ライングランド62によって固定されるフレキシブルラインが、例えば、フレキシブルラインを交換または再位置決めするときに、軸方向移動を必要とするならば、ライングランド62を緩めて、フレキシブルラインの軸方向の移動を自由にすることができ、フレキシブルライン位置は調整され、ライングランド62は、再びフレキシブルラインに対して圧縮力を加えて、フレキシブルラインを調整された位置に固定させることができる。
【0044】
上述のように、協働ロボットライン管理システム36は、第2のブラケット46を含むことができる。第2のブラケット46は、協働ロボット取り付け部分65と、支持部分66とを含むことができる。支持部分66は、協働ロボット取り付け部分65から延びることができる。支持部分66は、その中に形成された複数の孔68を有することができる。複数の孔68は、様々なサイズを有することができる。例えば、孔70は、孔72の直径よりも小さい直径を有することができる。異なる直径のサイズは、異なる直径のフレキシブルラインに適合することができる。複数の孔68のうちの1つの孔に位置付けられるフレキシブルラインは、それが孔内で自由にスライドすることができるように、孔の直径に対して小さくされることができる。複数の孔68は、規則的なまたは不規則なパターンを有することができる。例えば、複数の孔68は、図示のように支持部分66に形成されることができる。支持部分66は、複数のセクションまたはセグメント(segments)を含むことができる。例えば、図示のように、支持部分66は、3つのセクション(sections)を含むことができる。第1のセクション74は、小さな孔70の第1の列を含むことができ、第2のセクション76は、小さな孔70の第2の列を含むことができ、第3のセクション78は、大きな孔72の不規則な配置を含むことができる。この例において、大きな孔72は、支持部分66の中心に近接して位置付けられる。
【0045】
第2のブラケット46の協働ロボット取り付け部分65は、第2のマウント40bとインターフェース接続するように構成されることができる。例えば、協働ロボット取り付け部分65は、第2のマウント40bへの協働ロボット取り付け部分65の取り付けを容易にする結合構成を有することができる。図示の例において、協働ロボット取り付け部分65は、協働ロボット取り付け部分65を第2のマウント40bのようなマウントに固定するための2つの孔80を有する。2つの孔80は、第2のマウント40bの2つのそれぞれのネジ山付きソケットと整列することができ、ネジ山付きファスナ(
図3を参照)は、孔80を通過してネジ山付きソケットに入って、協働ロボット取り付け部分65、よって、第2のブラケット46を、協働ロボット30に固定することができる。他の例では、ネジ山付きポストが孔を通過してもよく、ナットを使用して協働ロボット取り付け部分65をマウント40bに固定してよい。溶接物および接着剤、および当業者によって認識されるような他のもののような、他の取り付け構成および形態が、協働ロボット取り付け部分65をマウント40bに取り付けるために利用されることができる。
【0046】
協働ロボットライン管理システム36は、さらに、第2のブラケット46の支持部分66によって支持された1つ以上のラインクランプを含むことができる。1つ以上のラインクランプは、支持部分66にある複数の孔68のそれぞれの孔と関連付けられることができる。1つ以上のラインクランプは、ラインクランプと共に動作可能なそれぞれのフレキシブルラインにクランプ力を加えるように動作可能であることができ、フレキシブルラインをフレキシブルラインの長さに沿った無限数の位置のうちの1つの位置において第2のブラケット46に固定し且つ第1のブラケット46に対するフレキシブルラインの軸方向位置をロックするように第2のブラケット46によって支持されることができる。例えば、1つ以上のクランプは、クランプブロック、「CL」クランプ、または当技術分野において知られている他のラインクランプであることができる。図示の例(
図7を参照)において、1つ以上のラインクランプは、1つ以上のライングランド62を含む。ライングランド62の貫通穴64は、支持部分66に形成された複数の孔68のうちの孔と整列することができる。幾つかの例において、複数の孔68は、一部の孔がライングランド62と共に動作可能であり且つ一部の孔が1つ以上の異なるタイプのクランプと共に動作可能であるか或いはクランプが全くない(ラインはそれぞれの孔によってのみ支持される)、混合形態を有することができる。ライングランド62は、フレキシブルラインの外面を選択的に圧縮して、それを第2のブラケット46に対して所定の位置に固定し、フレキシブルラインに加えられるあらゆる圧縮力を選択的に解放して、フレキシブルラインが孔および第1のブラケット44に対して軸方向に移動またはスライドして、例えば、フレキシブルラインの軸方向位置を調整することを可能にすることができる。ライングランド62がフレキシブルラインの位置を固定するとき、フレキシブルラインは、第2のブラケット46に対して横方向または軸方向に移動することができない。対照的に、ライングランド62のない孔は、フレキシブルラインの横方向移動を制限することができるが、フレキシブルラインが軸方向に移動する(すなわち、孔内でスライドする)ことを可能にする。ライングランド62によって固定されるフレキシブルラインが、例えば、フレキシブルラインを交換または再位置決めするときに、軸方向移動を必要とするならば、ライングランド62を緩めて、フレキシブルラインの軸方向移動を自由にすることができ、フレキシブルライン位置は調整され、ライングランド62は、再びフレキシブルラインに対して圧縮力を加えて、フレキシブルラインを調整された位置に固定させることができる。
【0047】
第1のブラケット44および第2のブラケット46は、所要にまたは所望に構成されることができること、および上記で議論され且つ図示される第1のブラケット44および第2のブラケット46の特定の形態は、如何様にも限定的であることを意図しないことに留意されたい。
【0048】
幾つかの例において、協働ロボットライン管理システム36は、グループ内の複数のフレキシブルライン34のうちの少なくとも一部をフレキシブルライン34の長さに沿う特定の指定された軸方向位置において拘束するか或いは束ねるように動作可能なラインタイ35(line tie)をさらに含むことができる。ラインタイ35は、複数のフレキシブルライン34を抑制するために複数のフレキシブルライン34のうちの2つ以上のフレキシブルラインの周りに延在することができる。ラインタイ35は、従来技術において知られているような従来的なラインタイであることができる。他のタイプのシステムまたはデバイスを使用して、複数のライン34のうちの1つ以上を一緒に束ねることができる。
【0049】
図8は、
図2の協働ロボット30のような協働ロボットのエンドエフェクタに取り付けられた、結合された或いは他の方法で関連付けられた工具類を作動させる複数のフレキシブルラインを固定するための方法90を示している。本方法は、その中に形成された複数の孔を有する支持部分を含む第1ブラケットを、協働ロボットの第1マウントに固定する行為92を含む。例えば、
図2~
図7を参照すると、オペレータは、第1のブラケット44を協働ロボット30の第1のマウント40aに固定することができる。本方法は、その中に形成された複数の孔を有する支持部分を備えた第2のブラケットを、協働ロボットの第2のマウントに固定する行為94をさらに含む。例えば、
図2~
図7を参照すると、オペレータは、第2のブラケット46を協働ロボット30の第2のマウント40bに固定することができる。本方法は、第1のブラケットの複数の孔のうちの第1の孔を通じて並びに第2のブラケットの複数の孔のうちの第1の孔を通じて協働ロボットに沿って複数のフレキシブルラインのうちの第1のフレキシブルラインを経路指定する行為96をさらに含む。
図2~
図7を参照すると、オペレータは、第1のフレキシブルラインを協働ロボット30に沿って経路指定して、フレキシブルラインを第1のブラケット44の複数の孔52のうちの第1の孔を通じて並びに第2のブラケット46の複数の孔60のうちの第2の孔を通じて進めることができる。本方法は、第1のブラケットの複数の孔のうちの第2の孔を通じて並びに第2のブラケットの複数の孔のうちの第2の孔を通じて協働ロボットに沿って複数のフレキシブルラインのうちの第2のフレキシブルラインを経路指定する行為98をさらに含む。
図2~
図7を参照すると、オペレータは、協働ロボット30に沿って第2のフレキシブルラインを経路指定して、第2のフレキシブルラインを第1のブラケット44の複数の孔52のうちの第2の孔を通じて並びに第2のブラケット46の複数の孔60のうちの第2の孔を通じて進めることができる。幾つかの例において、本方法は、例えば、第1または第2のブラケットの複数の支持部分の複数の孔のそれぞれの孔と関連付けられるクランプ(例えば、ライングランドタイプのクランプ)を用いて1つ以上のフレキシブルラインをクランプすることによって、1つ以上のフレキシブルラインを第1または第2のブラケットのうちの少なくとも1つに固定し、第1または第2のブラケットのうちの少なくとも1つのブラケットのそれぞれの孔を通じて経路指定される1つ以上のフレキシブルラインの軸方向移動をロックする行為をさらに含むことができる。これらの行為は、本明細書において議論されるような協働ロボットライン管理システムを用いて任意の数のフレキシブルラインを協働ロボットに結合し、任意的に、所定の場所に固定するために、必要な頻度で繰り返されることができる。
【0050】
協働ロボットライン管理システムの記載された現在の技術は、従来のライン管理システムに対して多くの利点を提供する。1つの利点は、本技術の協働ロボットライン管理システムが、協働ロボットと共に動作中のフレキシブルラインの集合を容易にして、その関連ハードウエアと共に導管内に一緒に束ねられたフレキシブルラインと比較して、より低い全体的且つ集合的な剛性および重量を有することである。より低い剛性は、ユーザが、協働ロボットの利用可能なペイロードに近い工具類を使用して協働ロボットを操作することを可能にし、よって、協働ロボットの利用可能なタスク能力を拡張することができる。その上、本技術の協働ロボットライン管理システムは、フレキシブルラインが、協働ロボットの移動に応答して互いに独立して移動することを可能にする(すなわち、各フレキシブルラインが、他のフレキシブルラインからの干渉なく、自由空間内で実質的に移動させられる)ことを可能にする一方で、依然として組織的な方法において協働ロボットに固定される。フレキシブルラインのそのような独立した動きにより、協働ロボットの移動に応答して互いに作用し合うフレキシブルラインからの相互作用力は、導管またはシース内で一緒に束ねられて支持されるフレキシブルラインと比較して、特に協働ロボットの近傍で、有意に減少されるか或いは排除される。協働ロボットライン管理システムによって支持されるフレキシブルライン間の何らかの単一の点間接触は、ライン経路指定パスおよび協働ロボットの異なる動作に依存して発生することがあるが、協働ロボットのペイロード容量に影響を及ぼす負の相互作用力を引き起こすこれらの影響は、無視できることが理解されるであろう。何故ならば、他のフレキシブルラインとの単一の点間接触は、典型的には導管またはシース内に一緒に束ねられて収容される隣接するフレキシブルライン間に生じる複数の接触点よりも少ない相互作用力を生じさせるからである。本技術の協働ロボットライン管理システムのさらに別の利点は、フレキシブルラインのいずれかを、残りのフレキシブルラインから独立して、残りのフレキシブルラインを中断、除去または切断することなく、ブラケットおよび/または協働ロボットに対して個別に調整し得ること、またはブラケットおよび/または協働ロボットから切断および除去さえし得ることである。
【0051】
本明細書に記載される例は、開示される特定の構造、プロセスステップ、または材料に限定されず、当業者によって認識されるようなそれらの均等物に拡張されることが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、特定の例のみを記載する目的で使用されており、限定的であることを意図しないことも理解されるべきである。
【0052】
さらに、記載される構成、構造または特徴は、1つ以上の例において、任意の適切な方法で組み合わされることがある。本明細書では、記載されている技術の完全な理解を提供するために、長さ、幅、形状などの例のような、多数の特定の詳細が提供されている。しかしながら、当業者は、具体的な詳細のうちの1以上を用いないで、或いは他の方法、コンポーネント(構成部品)、材料などを用いて、本発明を実施し得ることを認識するであろう。他の例では、本発明の態様を曖昧にすることを避けるため、よく知られている構造、材料または動作は、詳細に示されないか或いは記載されない。
【0053】
本開示は、本明細書に記載される幾つかの実施形態または構成が、本明細書に記載される他の実施形態または構成と組み合わされる場合があることを明示的に開示するものではないが、この開示は、当業者によって実施可能な任意のそのような組み合わせを記載するように読まれるべきである。本開示における「または」の使用は、本明細書に別段の記載がない限り、非排他的に、或いは、すなわち、「および/または」を意味すると理解されるべきである。
【0054】
前述の例は、1つ以上の特定の用途における本発明の原理を例示するものであるが、形態、用法および実施の詳細における多数の修正が、本明細書に記載される原理および概念から逸脱することなく、発明的能力を行使することなく行われ得ることが当業者に明らかであろう。従って、本発明が限定されることは、以下に記載する請求項による場合を除き意図されていない。
【国際調査報告】