(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-14
(54)【発明の名称】腸内マイクロバイオーム指数を決定するための装置、方法及び命令を記録した記録媒体
(51)【国際特許分類】
C12M 1/34 20060101AFI20230707BHJP
G16H 50/00 20180101ALI20230707BHJP
C12N 15/31 20060101ALN20230707BHJP
【FI】
C12M1/34 D ZNA
G16H50/00
C12N15/31
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577401
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-02-14
(86)【国際出願番号】 KR2021007567
(87)【国際公開番号】W WO2021256860
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】10-2020-0073197
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0000946
(32)【優先日】2021-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521440334
【氏名又は名称】シージェイ バイオサイエンス, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミン,ウィ・ギ
(72)【発明者】
【氏名】オ,ヒョン・ソク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ナム・イル
(72)【発明者】
【氏名】イム,ジョン・ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウン・ヘ
【テーマコード(参考)】
4B029
5L099
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029BB02
4B029BB20
4B029CC01
4B029FA01
4B029FA09
4B029FA11
5L099AA04
(57)【要約】
本開示は、腸内マイクロバイオーム指数を決定するための装置を提案する。本開示による装置は、検査装置から対象者の生体試料に関する検査情報を獲得し、検査情報に基づいて、腸内微生物の類似度に関する第1情報、腸内有害微生物の比率に関する第2情報、腸内有益微生物の比率に関する第3情報及び/又は腸内微生物の多様性に関する第4情報を決定し、決定された情報に基づいて、対象者の腸内マイクロバイオームの状態を示す腸内マイクロバイオーム指数を決定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回路;
1つ以上のプロセッサ;及び
前記1つ以上のプロセッサによる実行時、前記1つ以上のプロセッサが演算を行うようにする命令が格納された1つ以上のメモリを含み、
前記1つ以上のプロセッサは、
前記通信回路を用いて、1つ以上の検査装置から対象者の生体試料に関する検査情報を獲得し、
前記検査情報に基づいて、予め設定された基準試料と前記生体試料との間の微生物類似度に関する第1情報、前記対象者の腸内有害微生物の比率に関する第2情報、前記対象者の腸内有益微生物の比率に関する第3情報及び前記対象者の腸内微生物の多様性に関する第4情報を決定し、
前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報に基づいて、前記対象者の腸内マイクロバイオーム(microbiome)の状態を示す腸内マイクロバイオーム指数を決定する、装置。
【請求項2】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記通信回路を用いて、前記腸内マイクロバイオーム指数を示す情報を前記対象者の装置に伝達する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1つ以上のメモリは、前記基準試料に関する情報をさらに格納し、
前記1つ以上のプロセッサは、
前記検査情報及び前記基準試料に関する情報に基づいて、前記生体試料内の各微生物種の存在比率の分布と前記基準試料内の各微生物種の存在比率の分布との間の類似度を決定し、
前記類似度に基づいて、前記第1情報を決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記検査情報に基づいて、前記生体試料内に予め設定された共生微生物種及び有害微生物種に対する前記有害微生物種の存在比率を決定し、
前記存在比率に基づいて、前記第2情報を決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記検査情報に基づいて、前記生体試料内に予め設定された有益微生物種の存在比率を決定し、
前記存在比率に基づいて、前記第3情報を決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記検査情報に基づいて、前記生体試料内の全微生物種の個数及び前記全微生物種のそれぞれの存在比率の分布が均等な程度を決定し、
前記全微生物種の個数及び前記均等な程度に基づいて、前記第4情報を決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報のそれぞれに予め設定された加重値を適用して、前記腸内マイクロバイオーム指数を決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
1つ以上のプロセッサ及び前記1つ以上のプロセッサによって実行されるための命令が格納された1つ以上のメモリを含む装置で行われる方法において、
前記1つ以上のプロセッサが、1つ以上の検査装置から対象者の生体試料に関する検査情報を獲得する段階;
前記1つ以上のプロセッサが、前記検査情報に基づいて、予め設定された基準試料と前記生体試料との間の微生物類似度に関する第1情報、前記対象者の腸内有害微生物の比率に関する第2情報、前記対象者の腸内有益微生物の比率に関する第3情報及び前記対象者の腸内微生物の多様性に関する第4情報を決定する段階;及び
前記1つ以上のプロセッサが、前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報に基づいて、前記対象者の腸内マイクロバイオームの状態を示す腸内マイクロバイオーム指数を決定する段階を含む、方法。
【請求項9】
1つ以上のプロセッサによる実行時、前記1つ以上のプロセッサが演算を行うようにする命令を記録した非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサが、
1つ以上の検査装置から獲得された対象者の生体試料に関する検査情報に基づいて、予め設定された基準試料と前記生体試料との間の微生物類似度に関する第1情報、前記対象者の腸内有害微生物の比率に関する第2情報、前記対象者の腸内有益微生物の比率に関する第3情報及び前記対象者の腸内微生物の多様性に関する第4情報を決定し、
前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報に基づいて、前記対象者の腸内マイクロバイオームの状態を示す腸内マイクロバイオーム指数を決定するようにする、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
通信回路;
1つ以上のプロセッサ;及び
前記1つ以上のプロセッサによる実行時、前記1つ以上のプロセッサが演算を行うようにする命令が格納された1つ以上のメモリを含み、
前記1つ以上のプロセッサは、
前記通信回路を用いて、1つ以上の検査装置から対象者の生体試料に関する検査情報を獲得し、
前記検査情報のうち、前記生体試料に対する炎症特異的なバイオマーカーの数値及び/又は前記検査情報に基づいて決定された前記対象者の腸内マイクロバイオームの状態を示す腸内マイクロバイオーム指数に基づいて、前記対象者の腸類型を第1類型に決定し、
前記1つ以上のメモリから、前記腸類型と連関した腸管理情報を獲得し、
前記腸管理情報は、前記腸類型を有する前記対象者の腸内マイクロバイオーム調節案を示す、装置。
【請求項11】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記通信回路を用いて、前記腸類型を示す情報及び前記腸管理情報を前記対象者の装置に伝達する、請求項10に記載の装置
【請求項12】
前記炎症特異的なバイオマーカーはプロテオバクテリア(Proteobacteria)門(Phylum)微生物及びフソバクテリウム(Fusobacterium)属(Genus)微生物のうちで選択された少なくとも1つである、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記生体試料に対する前記プロテオバクテリア門微生物の存在比率が10%を超えるか、または前記生体試料に対する前記フソバクテリウム属微生物の存在比率が1%を超える場合、前記腸類型を前記第1類型に決定する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記生体試料に対する前記炎症特異的なバイオマーカーの数値が予め設定された第1基準を満たすか、及び/又は前記腸内マイクロバイオーム指数が予め設定された第2基準を満たせば、前記腸類型を前記第1類型に決定する、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記検査情報に基づいて、予め設定された基準試料と前記生体試料との間の微生物類似度に関する第1情報、前記対象者の腸内有害微生物の比率に関する第2情報、前記対象者の腸内有益微生物の比率に関する第3情報及び前記対象者の腸内微生物の多様性に関する第4情報を決定し、
前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報に基づいて、前記腸内マイクロバイオーム指数を決定する、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報のそれぞれに予め設定された加重値を適用して、前記腸内マイクロバイオーム指数を決定する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記通信回路を用いて、前記前記腸類型を示す情報、前記腸管理情報及び前記腸内マイクロバイオーム指数を示す情報を前記対象者の装置に伝達する、請求項10に記載の装置。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記対象者の前記腸類型が前記第1類型に決定されていない場合、
前記生体試料に対するプレボテラ(Prevotella)属微生物の存在比率が3%を超えれば前記腸類型を第2類型に決定し、3%以下であれば前記腸類型を第3類型に決定する、請求項10に記載の装置。
【請求項19】
前記腸管理情報の前記腸内マイクロバイオーム調節案は、前記腸類型に対応する特定プロバイオティクスの摂取、特定食物の摂取及び特定生活習慣の適用のうちで選択された少なくとも1つを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項20】
前記腸管理情報の前記腸内マイクロバイオーム調節案は、前記腸類型を有する前記対象者の前記腸内マイクロバイオーム指数を変化させる程度に応じて優先順位を有する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記腸内マイクロバイオーム調節案は、
(i)第1類型に分類された対象者に1つ以上のラクトバチルスパラカゼイ、1つ以上のラクトバチルスファーメンタム、1つ以上のラクトバチルスプランタルムグループ、及び/又は1つ以上のラクトコッカスラクティスグループを含む1種以上の微生物を含むプロバイオティクスを提案すること;
(ii)第2類型(1020)に分類される対象者に1つ以上のラクトバチルスファーメンタム、及び/又は1つ以上のラクトコッカスラクティスグループを含む1種以上の微生物を含むプロバイオティクスを提案すること;または
(iii)第3類型(1030)に分類される対象者に1つ以上のラクトバチルスファーメンタム、1つ以上のラクトバチルスプランタルムグループ及び/又は1つ以上のラクトコッカスラクティスグループを含む1種以上の微生物を含むプロバイオティクスを提案することである、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
ラクトバチルスパラカゼイはラクトバチルスパラカゼイsubsp. パラカゼイ、ラクトバチルスパラカゼイsubsp. トレランス、またはラクトバチルスパラカゼイsubsp. トレランス(Lactobacillus paracasei subsp. tolerance)HM0866(受託番号:KCTC14409BP)を含むものである、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
ラクトバチルスファーメンタムはラクトバチルスファーメンタム(Lactobacillus fermentum)HM0740(受託番号:KCTC14406BP)を含むものである、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
ラクトバチルスプランタルムグループはラクトバチルスプランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルスペントーサス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルスパラプランタルム(Lactobacillus paraplantarum)、ラクトバチルスファビファーメンタス(Lactobacillus fabifermentans)、ラクトバチルスシアンファンゲンシス(Lactobacillus xiangfangensis)、ラクトバチルスハーバラム(Lactobacillus herbarum)、ラクトバチルスモデスティサリトレランス(Lactobacillus modestisalitolerans)及びこれらの亜種(subsp.)からなる群から選択された1つ以上を含むものである、請求項21に記載の装置。
【請求項25】
ラクトバチルスプランタルムは、ラクトバチルスプランタルムsubsp. プランタルム(Lactobacillus plantarum subsp. plantarum)、ラクトバチルスプランタルムsubsp. アルゲントラテンシス(Lactobacillus plantarum subsp. argentoratensis)、またはラクトバチルスプランタルムsubsp. プランタルム(Lactobacillus plantarum subsp. plantarum)HM0782(受託番号:KCTC14407BP)を含むものである、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
ラクトコッカスラクティスグループはラクトコッカスラクティスsubsp. ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)、ラクトコッカスラクティスsubsp. ホールドニアエ(Lactococcus lactis subsp. hordniae)、ラクトコッカスラクティスsubsp. クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)、ラクトコッカスラクティスsubsp. トゥルクテ(Lactococcus lactis subsp. tructae)、及びラクトバチルスラクティスsubsp. ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)HM0850(受託番号:KCTC14408BP)からなる群から選択された1つ以上を含むものである、請求項21に記載の装置。
【請求項27】
ラクトバチルスパラカゼイはラクトバチルスパラカゼイsubsp. トレランス(Lactobacillus paracasei subsp. tolerance)HM0866(受託番号:KCTC14409BP)を含み、
ラクトバチルスファーメンタムはラクトバチルスファーメンタム(Lactobacillus fermentum)HM0740(受託番号:KCTC14406BP)を含み、
ラクトバチルスプランタルムはラクトバチルスプランタルムsubsp. プランタルム(Lactobacillus plantarum subsp. plantarum)HM0782(受託番号:KCTC14407BP)を含み、
ラクトコッカスラクティスグループはラクトバチルスラクティスsubsp. ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)HM0850(受託番号:KCTC14408BP)を含むものである、請求項21に記載の装置。
【請求項28】
1つ以上のプロセッサ及び前記1つ以上のプロセッサによって実行されるための命令が格納された1つ以上のメモリを含む装置で行われる方法において、
前記1つ以上のプロセッサが、1つ以上の検査装置から対象者の生体試料に関する検査情報を獲得する段階;
前記1つ以上のプロセッサが、前記検査情報のうち、前記生体試料に対する炎症特異的なバイオマーカーの数値に基づいて、前記対象者の腸類型を第1類型に決定する段階;及び
前記1つ以上のプロセッサが、前記1つ以上のメモリから前記腸類型と連関した腸管理情報を獲得する段階を含み、
前記腸管理情報は、前記腸類型を有する前記対象者の腸内マイクロバイオーム調節案を示す、方法。
【請求項29】
1つ以上のプロセッサによる実行時、前記1つ以上のプロセッサが演算を行うようにする命令を記録した非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサが、
1つ以上の検査装置から獲得された対象者の生体試料に関する検査情報のうちで、前記生体試料に対する炎症特異的なバイオマーカーの数値に基づいて、前記対象者の腸類型を第1類型に決定し、
1つ以上のメモリから前記腸類型と連関した腸管理情報を獲得するようにし、
前記腸管理情報は、前記腸類型を有する前記対象者の腸内マイクロバイオーム調節案を示す、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、腸内マイクロバイオーム指数を決定するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヒトの体には数多くの微生物が共生して生きており、このような微生物は呼吸器、口腔、皮膚等にも分布するが大腸をはじめとする消化器官にほぼ存在する。この際、共生する微生物らが疾病を引き起こさないまま群集をなす場合を正常菌叢という。正常菌叢はヒトに有害な病原性微生物が身体に定着できないように阻害する役割をする。特に、腸の場合、数百種の微生物が複雑な生態系をなして生きているので、ヒトが健康な状態を保つためには、正常菌叢が維持されることが重要で、正常菌叢と腸内免疫系が共に作動して均衡的な状態を維持することを恒常性(Homeostasis)という。しかし、外部要因によって正常菌叢に不均衡が生じたり、正常菌叢と有害な病原性微生物との間の比率に変化が生じたりして正常範囲を逸脱するようになれば、不均衡状態(dysbiosis)となる。最近の研究では、腸で発生した不均衡状態が各種症状または多様な疾病に関わっていることが明らかになっており、代表的に炎症性腸疾患をはじめ代謝症候群、肥満、糖尿、心血管疾患等と連関していると報告されている。
【0003】
従って、個人の健康状態または個人が有する疾病に対する危険性を判断するためには、腸内菌叢の状態を正確に把握することが重要である。NGS(Next-Generation Sequencing)技術と広範囲な遺伝体情報の分析を可能にする生物情報学の発展に伴い、腸内菌叢を短い時間に分析することが可能となっている。腸内マイクロバイオーム(microbiome)は、このように分析された腸内微生物群集の総体的遺伝情報を意味し、腸内マイクロバイオームは腸内菌叢の状態の把握のために活用され得る。
【0004】
ただし、腸内菌叢の状態は、いくつかの微生物種だけに基づいて単純化して導出できるものではなく、生態学的な側面で接近して把握しなければならない。腸内菌叢自体が数百種の微生物が複雑な生態系をなして構成されたものであるためである。しかし、既存の診断方法は腸内検出された微生物の既知の機能的特性に断片的に依存するか、または対象者の健康記録を用いるだけなので、制限的である。また、腸内マイクロバイオームの状態が正確に診断されなければ、腸内マイクロバイオームを調節しようとする試み(例:プロバイオティクスの摂取)は効率性が落ちることもある。
【0005】
従って、腸内マイクロバイオームの生態学的な指標を総合的に考慮して対象者の健康状態を診断する方法が求められる。また、対象者の腸内マイクロバイオームに基づいて腸類型を細部的に区分し、対象者の腸類型に適した腸内マイクロバイオームの調節方法を提示することが要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、腸内マイクロバイオーム指数を決定するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面として、腸内マイクロバイオーム指数を決定するための装置が提案され得る。本開示の一側面による装置は、通信回路;1つ以上のプロセッサ;及び前記1つ以上のプロセッサによる実行時、前記1つ以上のプロセッサが演算を行うようにする命令が格納された1つ以上のメモリを含み得る。前記1つ以上のプロセッサは、前記通信回路を用いて、1つ以上の検査装置から対象者の生体試料に関する検査情報を獲得し、前記検査情報に基づいて、予め設定された基準試料と前記生体試料との間の微生物類似度に関する第1情報、前記対象者の腸内有害微生物の比率に関する第2情報、前記対象者の腸内有益微生物の比率に関する第3情報及び前記対象者の腸内微生物の多様性に関する第4情報を決定し、前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報に基づいて、前記対象者の腸内マイクロバイオーム(microbiome)の状態を示す腸内マイクロバイオーム指数を決定することができる。
【0008】
一実施例で、前記1つ以上のプロセッサは、前記通信回路を用いて、前記腸内マイクロバイオーム指数を示す情報を前記対象者の装置に伝達することができる。
【0009】
一実施例で、前記1つ以上のメモリは、前記基準試料に関する情報をさらに格納し、前記1つ以上のプロセッサは、前記検査情報及び前記基準試料に関する情報に基づいて、前記生体試料内の各微生物種の存在比率の分布と前記基準試料内の各微生物種の存在比率の分布との間の類似度を決定し、前記類似度に基づいて、前記第1情報を決定することができる。
【0010】
一実施例で、前記1つ以上のプロセッサは、前記検査情報に基づいて、前記生体試料内に予め設定された共生微生物種及び有害微生物種に対する前記有害微生物種の存在比率を決定し、前記存在比率に基づいて、前記第2情報を決定することができる。
【0011】
一実施例で、前記1つ以上のプロセッサは、前記検査情報に基づいて、前記生体試料内に予め設定された有益微生物種の存在比率を決定し、前記存在比率に基づいて、前記第3情報を決定することができる。
【0012】
一実施例で、前記1つ以上のプロセッサは、前記検査情報に基づいて、前記生体試料内の全微生物種の個数及び前記全微生物種のそれぞれの存在比率の分布が均等な程度を決定し、前記全微生物種の個数及び前記均等な程度に基づいて、前記第4情報を決定することができる。
【0013】
一実施例で、前記1つ以上のプロセッサは、前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報のそれぞれに予め設定された加重値を適用して、前記腸内マイクロバイオーム指数を決定することができる。
【0014】
本開示の一側面として、腸内マイクロバイオーム指数を決定するための方法が提案され得る。本開示の一側面による方法は、1つ以上のプロセッサ及び前記1つ以上のプロセッサによって実行されるための命令が格納された1つ以上のメモリを含む装置で行われ得る。腸内マイクロバイオーム指数を決定するための方法は、前記1つ以上のプロセッサが、1つ以上の検査装置から対象者の生体試料に関する検査情報を獲得する段階;前記1つ以上のプロセッサが、前記検査情報に基づいて、予め設定された基準試料と前記生体試料との間の微生物類似度に関する第1情報、前記対象者の腸内有害微生物の比率に関する第2情報、前記対象者の腸内有益微生物の比率に関する第3情報及び前記対象者の腸内微生物の多様性に関する第4情報を決定する段階;及び前記1つ以上のプロセッサが、前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報に基づいて、前記対象者の腸内マイクロバイオームの状態を示す腸内マイクロバイオーム指数を決定する段階を含み得る。
【0015】
本開示の一側面として、腸内マイクロバイオーム指数を決定するための命令を記録した非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提案され得る。本開示の一側面による記録媒体に記録された命令は、コンピュータ上で行われるための命令であって、1つ以上のプロセッサによる実行時、1つ以上のプロセッサが、1つ以上の検査装置から獲得された対象者の生体試料に関する検査情報に基づいて、予め設定された基準試料と前記生体試料との間の微生物類似度に関する第1情報、前記対象者の腸内有害微生物の比率に関する第2情報、前記対象者の腸内有益微生物の比率に関する第3情報及び前記対象者の腸内微生物の多様性に関する第4情報を決定し、前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報に基づいて、前記対象者の腸内マイクロバイオームの状態を示す腸内マイクロバイオーム指数を決定するようにすることができる。
【0016】
本開示の一側面として、腸類型を決定するための装置が提案され得る。本開示の一側面による装置は、通信回路;1つ以上のプロセッサ;及び前記1つ以上のプロセッサによる実行時、前記1つ以上のプロセッサが演算を行うようにする命令が格納された1つ以上のメモリを含み得る。前記1つ以上のプロセッサは、前記通信回路を用いて、1つ以上の検査装置から対象者の生体試料に関する検査情報を獲得し、前記検査情報のうち、前記生体試料に対する炎症特異的なバイオマーカーの数値及び/又は前記検査情報に基づいて決定された前記対象者の腸内マイクロバイオームの状態を示す腸内マイクロバイオーム指数に基づいて、前記対象者の腸類型を第1類型に決定し、前記1つ以上のメモリから、前記腸類型と連関した腸管理情報を獲得し、前記腸管理情報は、前記腸類型を有する前記対象者の腸内マイクロバイオーム調節案を示すことができる。
【0017】
一実施例で、前記1つ以上のプロセッサは、前記通信回路を用いて、前記腸類型を示す情報及び前記腸管理情報を前記対象者の装置に伝達することができる。
【0018】
一実施例で、前記炎症特異的なバイオマーカーはプロテオバクテリア(Proteobacteria)門(Phylum)微生物及びフソバクテリウム(Fusobacterium)属(Genus)微生物のうちで選択された少なくとも1つであってもよい。
【0019】
一実施例で、前記1つ以上のプロセッサは、前記生体試料に対する前記プロテオバクテリア門微生物の存在比率が10%を超えるか、または前記生体試料に対する前記フソバクテリウム属微生物の存在比率が1%を超える場合、前記腸類型を前記第1類型に決定することができる。
【0020】
一実施例で、前記1つ以上のプロセッサは、前記生体試料に対する前記炎症特異的なバイオマーカーの数値が予め設定された第1基準を満たすか、及び/又は前記腸内マイクロバイオーム指数が予め設定された第2基準を満たせば、前記腸類型を前記第1類型に決定することができる。
【0021】
一実施例で、前記1つ以上のプロセッサは、前記検査情報に基づいて、予め設定された基準試料と前記生体試料との間の微生物類似度に関する第1情報、前記対象者の腸内有害微生物の比率に関する第2情報、前記対象者の腸内有益微生物の比率に関する第3情報及び前記対象者の腸内微生物の多様性に関する第4情報を決定し、前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報に基づいて、前記腸内マイクロバイオーム指数を決定することができる。
【0022】
一実施例で、前記1つ以上のプロセッサは、前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報のそれぞれに予め設定された加重値を適用して、前記腸内マイクロバイオーム指数を決定することができる。
【0023】
一実施例で、前記1つ以上のプロセッサは、前記通信回路を用いて、前記前記腸類型を示す情報、前記腸管理情報及び前記腸内マイクロバイオーム指数を示す情報を前記対象者の装置に伝達することができる。
【0024】
一実施例で、前記1つ以上のプロセッサは、前記対象者の前記腸類型が前記第1類型に決定されていない場合、前記生体試料に対するプレボテラ(Prevotella)属微生物の存在比率が3%を超えれば前記腸類型を第2類型に決定し、3%以下であれば前記腸類型を第3類型に決定することができる。
【0025】
一実施例で、前記腸管理情報の前記腸内マイクロバイオーム調節案は、前記腸類型に対応する特定プロバイオティクスの摂取、特定食物の摂取及び特定生活習慣の適用のうちで選択された少なくとも1つを含み得る。
【0026】
一実施例で、前記腸管理情報の前記腸内マイクロバイオーム調節案は、前記腸類型を有する前記対象者の前記腸内マイクロバイオーム指数を変化させる程度に応じて優先順位を有し得る。
【0027】
一実施例で、前記腸内マイクロバイオーム調節案は、(i)第1類型に分類された対象者に1つ以上のラクトバチルスパラカゼイ、1つ以上のラクトバチルスファーメンタム、1つ以上のラクトバチルスプランタルムグループ、及び/又は1つ以上のラクトコッカスラクティスグループを含む1種以上の微生物を含むプロバイオティクスを提案すること;(ii)第2類型(1020)に分類される対象者に1つ以上のラクトバチルスファーメンタム、及び/又は1つ以上のラクトコッカスラクティスグループを含む1種以上の微生物を含むプロバイオティクスを提案すること;または(iii)第3類型(1030)に分類される対象者に1つ以上のラクトバチルスファーメンタム、1つ以上のラクトバチルスプランタルムグループ及び/又は1つ以上のラクトコッカスラクティスグループを含む1種以上の微生物を含むプロバイオティクスを提案するものであってもよい。
【0028】
一実施例で、ラクトバチルスパラカゼイはラクトバチルスパラカゼイsubsp. パラカゼイ、ラクトバチルスパラカゼイsubsp. トレランス、またはラクトバチルスパラカゼイsubsp. トレランス(Lactobacillus paracasei subsp. tolerance)HM0866(受託番号:KCTC14409BP)を含むものであってもよい。
【0029】
一実施例で、ラクトバチルスファーメンタムはラクトバチルスファーメンタム(Lactobacillus fermentum)HM0740(受託番号:KCTC14406BP)を含むものであってもよい。
【0030】
一実施例で、ラクトバチルスプランタルムグループはラクトバチルスプランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルスペントーサス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルスパラプランタルム(Lactobacillus paraplantarum)、ラクトバチルスファビファーメンタス(Lactobacillus fabifermentans)、ラクトバチルスシアンファンゲンシス(Lactobacillus xiangfangensis)、ラクトバチルスハーバラム(Lactobacillus herbarum)、ラクトバチルスモデスティサリトレランス(Lactobacillus modestisalitolerans)及びこれらの亜種(subsp.)からなる群から選択された1つ以上を含むものであってもよい。
【0031】
一実施例で、ラクトバチルスプランタルムは、ラクトバチルスプランタルムsubsp. プランタルム(Lactobacillus plantarum subsp. plantarum)、ラクトバチルスプランタルムsubsp. アルゲントラテンシス(Lactobacillus plantarum subsp. argentoratensis)、またはラクトバチルスプランタルムsubsp. プランタルム(Lactobacillus plantarum subsp. plantarum)HM0782(受託番号:KCTC14407BP)を含むものであってもよい。
【0032】
一実施例で、ラクトコッカスラクティスグループはラクトコッカスラクティスsubsp. ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)、ラクトコッカスラクティスsubsp. ホールドニアエ(Lactococcus lactis subsp. hordniae)、ラクトコッカスラクティスsubsp. クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)、ラクトコッカスラクティスsubsp. トゥルクテ(Lactococcus lactis subsp. tructae)、及びラクトバチルスラクティスsubsp. ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)HM0850(受託番号:KCTC14408BP)からなる群から選択された1つ以上を含むものであってもよい。
【0033】
一実施例で、ラクトバチルスパラカゼイはラクトバチルスパラカゼイsubsp. トレランス(Lactobacillus paracasei subsp. tolerance)HM0866(受託番号:KCTC14409BP)を含み、ラクトバチルスファーメンタムはラクトバチルスファーメンタム(Lactobacillus fermentum)HM0740(受託番号:KCTC14406BP)を含み、ラクトバチルスプランタルムはラクトバチルスプランタルムsubsp. プランタルム(Lactobacillus plantarum subsp. plantarum)HM0782(受託番号:KCTC14407BP)を含み、ラクトコッカスラクティスグループはラクトバチルスラクティスsubsp. ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)HM0850(受託番号:KCTC14408BP)を含むものであってもよい。
【0034】
本開示の一側面として、腸類型を決定するための方法が提案され得る。本開示の一側面による方法は、1つ以上のプロセッサ及び前記1つ以上のプロセッサによって実行されるための命令が格納された1つ以上のメモリを含む装置で行われる方法であり得る。腸類型を決定するための方法は、前記1つ以上のプロセッサが、1つ以上の検査装置から対象者の生体試料に関する検査情報を獲得する段階;前記1つ以上のプロセッサが、前記検査情報のうち、前記生体試料に対する炎症特異的なバイオマーカーの数値に基づいて、前記対象者の腸類型を第1類型に決定する段階;及び前記1つ以上のプロセッサが、前記1つ以上のメモリから前記腸類型と連関した腸管理情報を獲得する段階を含み、前記腸管理情報は、前記腸類型を有する前記対象者の腸内マイクロバイオーム調節案を示すことができる。
【0035】
本開示の一側面として、腸類型を決定するための命令を記録した非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提案され得る。本開示の一側面による記録媒体に記録された命令は、コンピュータ上で行われるための命令であって、1つ以上のプロセッサによる実行時、1つ以上のプロセッサが、1つ以上の検査装置から獲得された対象者の生体試料に関する検査情報のうちで、前記生体試料に対する炎症特異的なバイオマーカーの数値に基づいて、前記対象者の腸類型を第1類型に決定し、1つ以上のメモリから前記腸類型と連関した腸管理情報を獲得するようにし、前記腸管理情報は、前記腸類型を有する前記対象者の腸内マイクロバイオーム調節案を示すことができる。
【発明の効果】
【0036】
本開示の多様な実施例によれば、対象者の腸内マイクロバイオームの多様な生態学的指標を総合的に考慮して対象者の健康状態を診断することができる。
【0037】
本開示の多様な実施例によれば、対象者の腸内マイクロバイオームに基づいて対象者の腸類型を細部的に区分することができる。
【0038】
本開示の多様な実施例によれば、対象者の腸類型に適した腸内マイクロバイオームの調節方法を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本開示の一実施例による装置の動作過程を示した図である。
【
図2】本開示の一実施例による装置のブロック図を示した図である。
【
図3】本開示の一実施例による微生物類似度関連指数を示した図である。
【
図4】本開示の一実施例による有害微生物関連指数を示した図である。
【
図5】本開示の一実施例による有益微生物関連指数を示した図である。
【
図6】本開示の一実施例による微生物多様性関連指数を示した図である。
【
図7】本開示の一実施例による、腸内マイクロバイオーム指数を決定するための関数を示した図である。
【
図8】本開示の一実施例による腸内マイクロバイオーム指数の精度の実験結果を示した図である。
【
図9】本開示の一実施例による腸内マイクロバイオーム指数の精度の実験結果を示した図である。
【
図10】本開示の一実施例による装置の動作過程を示した図である。
【
図11】本開示の一実施例による腸管理情報を示した図である。
【
図12】本開示の一実施例による腸内マイクロバイオーム指数決定方法を示した図である。
【
図13】本開示の一実施例による腸類型決定方法を示した図である。
【
図14】本開示の一実施例による、菌株摂取前後の平均腸内マイクロバイオーム指数の変化を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本文書に記載された多様な実施例は、本開示の技術的思想を明確に説明する目的で例示されたものであり、これを特定の実施形態に限定しようとするものではない。本開示の技術的思想は、本文書に記載された各実施例の多様な変更(modifications)、均等物(equivalents)、代替物(alternatives)及び各実施例の全部または一部から選択的に組み合わされた実施例を含む。また、本開示の技術的思想の権利範囲は以下に提示される多様な実施例やこれに関する具体的説明に限定されない。
【0041】
技術的か科学的な用語を含み、本文書で用いられる用語は、特に定義されない限り、本開示の属する技術分野において通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有し得る。
【0042】
本文書で用いられる「含む」、「含み得る」、「備える」、「備え得る」、「有する」、「有し得る」等の表現は、対象となる特徴(例:機能、動作または構成要素等)が存在することを意味し、他の追加の特徴の存在を排除しない。即ち、このような表現は、他の実施例を含む可能性を内包する開放型用語(open-ended terms)として理解されるべきである。
【0043】
本文書で用いられる単数型の表現は、文脈上異なって意味しない限り、複数型の意味を含み得、これは請求項に記載された単数型の表現にも同様に適用される。
【0044】
本文書で用いられる「第1」、「第2」、または「第1に」、「第2に」等の表現は、文脈上異なって意味しない限り、複数の同種対象を指すにおいて、ある対象を他の対象と区分するために用いられ、当該対象間の順序または重要度を限定するものではない。
【0045】
本文書で用いられる「A、B、及びC」、「A、B、またはC」、「A、B、及び/又はC」または「A、B、及びCの少なくとも1つ」、「A、B、またはCの少なくとも1つ」、「A、B、及び/又はCの少なくとも1つ」、「A、B、及びCのうちで選択された少なくとも1つ」、「A、B、またはCのうちで選択された少なくとも1つ」、「A、B、及び/又はCのうちで選択された少なくとも1つ」等の表現は、それぞれの羅列された項目または羅列された項目の可能な全ての組合わせを意味し得る。例えば、「A及びBのうちで選択された少なくとも1つ」は、(1)A、(2)Aの少なくとも1つ、(3)B、(4)Bの少なくとも1つ、(5)Aの少なくとも1つ及びBの少なくとも1つ、(6)Aの少なくとも1つ及びB、(7)Bの少なくとも1つ及びA、(8)A及びBをいずれも指し得る。
【0046】
本文書で用いられる「~に基づいて」という表現は、当該表現が含まれる語句または文章で記述される、決定、判断の行為または動作に影響を与える1つ以上の因子を記述するのに用いられ、この表現は当該決定、判断の行為または動作に影響を与える追加の因子を排除しない。
【0047】
本文書で用いられる、ある構成要素(例:第1構成要素)が他の構成要素(例:第2構成要素)に「連結されて」いたり「接続されて」いるという表現は、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結または接続されるだけでなく、新たな他の構成要素(例:第3構成要素)を媒介として連結または接続されることを意味し得る。
【0048】
本文書で用いられた表現「~するように構成された(configured to)」は文脈に応じて、「~するように設定された」、「~する能力を有する」、「~するように変更された」、「~するように作られた」、「~ができる」等の意味を有し得る。当該表現は、「ハードウェア的に特別に設計された」の意味に制限されず、例えば、特定動作を行うように構成されたプロセッサとは、ソフトウェアを実行することでその特定動作を行うことができる汎用プロセッサ(generic-purpose processor)を意味し得る。
【0049】
本文書で用いられる「部」という表現は、ソフトウェア、またはFPGA(field-programmable gate array)、ASIC(application specific integrated circuit)のようなハードウェアの構成要素を意味し得る。しかし、「部」はハードウェア及びソフトウェアに限定されるものではない。「部」はアドレッシングできる格納媒体に格納されているように構成されることもでき、1つまたはそれ以上のプロセッサを実行させるように構成されることもできる。一実施例で、「部」はソフトウェアの構成要素、オブジェクト指向のソフトウェア構成要素、クラス構成要素及びタスク構成要素のような構成要素と、プロセッサ、関数、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバー、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ及び変数を含み得る。
【0050】
本文書で用いられる寸法、数値及びその範囲に関する記載は、文脈上異なって特定されない限り、当該寸法、数値及びその範囲だけに限定されるものではなく、これを含む同等の範囲を意味し得る。
【0051】
以下、添付の図面を参照して、本開示の多様な実施例を説明する。添付の図面及び図面に関する説明において、同一であるか実質的に同等の(substantially equivalent)構成要素には同一の参照符号が付与され得る。また、以下の多様な実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複して記述することが省略され得るが、これは当該構成要素がその実施例に含まれないことを意味するものではない。
【0052】
図1は、本開示の一実施例による装置(100)の動作過程を示した図である。本開示の一実施例による装置(100)は多様な要素を総合的に考慮して対象者の腸内マイクロバイオーム指数を決定することができる。
【0053】
対象者(110)とサービス提供者(120)は対象者(110)の腸内マイクロバイオーム指数を決定するために試料乃至情報等を交わすことができる。本開示で対象者(110)は自分の腸内マイクロバイオームの診断を受けようとする者(自然人)であってもよい。本開示でサービス提供者(120)は対象者(110)から提供された生体試料(112)を用いて、対象者(110)の腸内マイクロバイオームを診断することができる。サービス提供者(120)は1つ以上の検査装置(130)及び/又は腸内マイクロバイオーム指数を決定するための装置(100)等を運営する1つ以上の主体(entity)であってもよい。本開示で、マイクロバイオームは人体中、所定の環境で共生及び生存している微生物群集、微生物集団の全体乃至微生物生態系を意味し得る。腸内マイクロバイオームは、人間の腸内に棲息しながら人間と共生する微生物群集を意味し得る。場合によっては、マイクロバイオームは微生物群集の遺伝情報の全体を意味することもできる。本開示で、腸内マイクロバイオーム指数は対象者(110)の腸内マイクロバイオームの状態(例:生態学的均衡、不均衡等)を示す指数であり得る。
【0054】
対象者(110)はサービス提供者(120)側に生体試料(112)を提供することができる。本開示で、生体試料(bio sample)は対象者(110)の身体から獲得した人体由来物であり得る。一実施例で、生体試料は対象者(110)の大便サンプルであってもよい。一実施例で、生体試料は組織、細胞、血液、体液、血清、血しょう、染色体、たんぱく質、赤血球、体毛、小便、唾液または汗等であってもよい。
【0055】
1つ以上の検査装置(以下「検査装置」)(130)は生体試料(112)を多様な方法により検査することができる。一実施例で、検査装置(130)は生体試料(112)に対してNGS(Next Generation Sequencing)、PCR(Polymerase Chain Reaction)等の分子生物学的検査、バイオマーカーによる検査乃至遺伝子検査等を施行することができる。検査装置(130)が対象者(110)の生体試料(112)に対して施行した各種検査による情報(以下、「検査情報」)は装置(100)に伝達され得る。一実施例で、検査情報は生体試料(112)に対する各種ロー(raw)データであってもよく、検査装置(130)により所定の処理を経たデータであってもよい。一実施例で、装置(100)は検査装置(130)から検査情報(132)を直接的に伝達されることができる。即ち、装置(100)は多様な有/無線通信方法によって検査装置(130)と直接通信して、検査情報(132)を伝達されることができる。一実施例で、装置(100)は検査装置(130)から検査情報(132)を間接的に伝達されることもできる。即ち、検査装置(130)が検査情報(132)を一旦準備すれば、サーバーやその他の記録媒体が当該検査情報(132)を格納しておき、装置(100)がサーバーと通信して検査情報(132)を伝達されたり当該記録媒体から検査情報(132)を伝達されたりすることができる。または、サービス提供者(120)が検査情報(132)を装置(100)に入力する方式で、装置(100)が検査情報(132)を伝達されることもできる。
【0056】
一実施例で、対象者(110)の検査情報(132)は対象者の生体試料(112)から腸内微生物の遺伝体DNAを得、腸内微生物のDNAから腸内微生物の16S rRNA遺伝情報を得て、このように得られた腸内微生物の16S rRNA遺伝情報を分析して対象者(110)の腸内微生物群集に関する種(sepcies)水準に区別される菌種とこれらの菌種の占有比率を得る段階を行って得られた情報を含み得る。このような検査情報(132)に基づいて対象者の第1情報~第4情報を決定することができる。また、16S rRNA遺伝情報は次世代塩基配列分析(NGS;Next Generation Sequencing)プラットホームを用いて分析されることができる。
【0057】
一実施例で、腸内微生物の16S rRNA遺伝情報を分析することは、16S rRNAの可変領域を特異的に増幅できるプラミオセットを用いてPCRを行う段階、好ましくは16S rRNAのV3~V4領域を特異的に増幅できるプライマーセットを用いてPCRを行う段階、さらに好ましくは、下記の配列を有するuniversal primerを用いてPCRを行ってアンプリコンを生成する段階を含み得、universal primerの例示的な配列は、下記の通りである。
【0058】
正方向 universal primer(配列番号75):5'-CCTACGGGNGGCWGCAG-3'
【0059】
逆方向 universal primer(配列番号76):5'-GACTACHVGGGTATCTAATCC-3'
【0060】
一実施例で、腸内微生物群集に関する種(species)水準に区別される菌種とこれらの菌種の占有比率を得ることは、前記次世代遺伝体塩基配列分析(NGS)技法で、1つのサンプルで生成された数千個の遺伝子配列を標準菌株及び非培養微生物の16SリボソームRNA遺伝子配列データベース(EzTaxon)及びイージーバイオクラウド分析システム(http://www.ezbiocloud.com)で微生物コミュニティ(bacterial community)情報を門(phylum)から種(species)水準まで分析する段階で行われることができる。次世代遺伝体塩基配列分析技法の結果が同じであれば、群集情報分析のための方法はEzTaxon及びイージーバイオクラウド分析システムに限定されない。ここで、微生物の同定及び分類に用いられるデータベースは必要に応じて通常の技術者が適切に選択して用いることができ、例えば、EzBioCloud、SILVA、RDP及びGreengeneからなる群から選択される1つ以上のデータベースであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0061】
一実施例で、微生物群集の規模は全腸内微生物菌叢で特定微生物群集が占める比率(%)で示され得る。前記微生物群集が占める比率(%)は全シークエンシングリード数のうち、特定微生物の16S rRNAリード数の頻度(frequency)の百分率で示され得る。
【0062】
一実施例で、装置(100)は検査装置(130)から検査情報(132)を獲得し、検査情報(132)に基づいて、対象者(110)の腸内マイクロバイオームに関連した多様な情報を決定することができる。腸内マイクロバイオームは多数の微生物を含み得る。1つや2つの微生物種が健康異常乃至疾病をもたらすものではなく、腸内マイクロバイオーム内の全ての微生物が各自の役割または総合的な役割をして腸内生態学的均衡に寄与する。従って、腸内マイクロバイオームが生態学的不均衡状態か否かを診断するためには、多様な要素を生態学的な側面で総合的に考慮する必要がある。これにより、装置(100)は対象者(110)の腸内マイクロバイオームに関連した多様な情報を決定することができる。腸内生態学的均衡/不均衡に影響を与える要素には腸内微生物の類似度、腸内有害微生物の比率、腸内有益微生物の比率及び/又は腸内微生物の多様性等があり得る。ここで、腸内微生物の類似度は、対象者(110)の腸内マイクロバイオームが元気なヒト(以下、「健康人」)の腸内マイクロバイオームと類似する程度を意味し得る。健康人は、所定の基準によって腸内マイクロバイオームが正常または均衡状態にあると分類されたヒトをいうことができる。
【0063】
一実施例で、装置(100)は腸内微生物の類似度に関する情報(以下、「第1情報」)を決定することができる。即ち、第1情報は対象者(110)の腸内マイクロバイオームが健康人の腸内マイクロバイオームとどのくらい類似するかを示す情報であり得る。装置(100)は基準試料に関する情報(134)を格納することができる。基準試料に関する情報(134)は所定の基準試料(114)に対して前述した各種検査を実施して獲得した情報であり得る。基準試料(114)は予め設定された基準によって分類された健康人からの生体試料であり得る。装置(100)は生体試料(112)と基準試料(114)との間の微生物類似度に基づいて、前述した第1情報を決定することができる。
【0064】
一実施例で、装置(100)は対象者(110)の腸内有害微生物の比率に関する情報(以下、「第2情報」)を決定することができる。即ち、第2情報は対象者(110)の腸内有害微生物の存在比率乃至絶対量(豊富度)に関する情報、有害微生物種の多様性に関する情報、及び/又は各有害微生物種が有する存在比率の均等度に関する情報等を含み得る。一実施例で、第2情報は対象者(110)の腸内有益微生物に対する有害微生物の比率に関する情報を含み得る。一実施例で、装置(100)は微生物のいずれの微生物が有害微生物であるか、いずれの微生物が有益微生物であるかそれぞれ特定する情報を格納することができる。
【0065】
一実施例で、装置(100)は対象者(110)の腸内有益微生物の比率に関する情報(以下、「第3情報」)を決定することができる。即ち、第3情報は対象者(110)の腸内有益微生物の存在比率乃至絶対量(豊富度)に関する情報、有益微生物種の多様性に関する情報、及び/又は各有益微生物種が有する存在比率の均等度に関する情報等を含み得る。一実施例で、第3情報は対象者(110)の腸内有害微生物に対する有益微生物の比率に関する情報を含み得る。
【0066】
一実施例で、装置(100)は対象者(110)の腸内微生物の多様性に関する情報(以下、「第4情報」)を決定することができる。即ち、第4情報は対象者(110)の腸内にどのくらい多様な微生物種が分布するかに関する情報であり得る。
【0067】
装置(100)は対象者(110)の腸内マイクロバイオームに関する多様な生態学的情報を総合的に考慮して腸内マイクロバイオーム指数を決定することができる。一実施例で、腸内マイクロバイオーム指数は健康人と疾病を有するヒト(以下、「疾病人」)を区分するのに用いられ得る。疾病人は所定の基準によって腸内マイクロバイオームが不均衡状態にあると分類されたヒトをいうことができる。一実施例で、装置(100)は、第1情報、第2情報、第3情報及び/又は第4情報に基づいて、対象者(110)の腸内マイクロバイオーム指数を決定することができる。一実施例で、装置(100)は予め設定された関数に第1情報、第2情報、第3情報及び/又は第4情報を入力して腸内マイクロバイオーム指数を決定することができる。一実施例で、装置(100)は腸内マイクロバイオーム指数を決定するにおいて、第1情報、第2情報、第3情報及び/又は第4情報に予め設定された加重値をそれぞれ適用することができる。
【0068】
装置(100)によって決定された腸内マイクロバイオーム指数を示す情報(136)は多様な方法によって対象者(110)に提供され得る。一実施例で、装置(100)は腸内マイクロバイオーム指数を示す情報(136)を電子的情報伝達方法により対象者の装置(140)に伝達することができる。本開示で対象者の装置(140)は多様な形態の装置であってもよい。例えば、対象者の装置(140)は携帯用通信装置(例:スマートフォン)、コンピュータ装置(例:タブレットPC、ラップトップ(laptop))、携帯用マルチメディア装置、ウェラブル(wearable)装置、または前述した装置の組合わせによる装置であってもよい。一実施例で、サービス提供者(120)は腸内マイクロバイオーム指数を示す情報(136)を非電子的情報伝達方法(例:郵便、医療関係者等による対面伝達等)によって対象者(110)に伝達することもできる。
【0069】
図2は、本開示の一実施例による装置(100)のブロック図を示した図である。一実施例で、装置(100)は1つ以上のプロセッサ(210)及び/又は1つ以上のメモリ(220)を構成要素として含み得る。一実施例で、装置(100)の構成要素の少なくとも1つが省略されるか、または他の構成要素が装置(100)に追加され得る。一実施例で、追加で(additionally)または代替的に(alternatively)、一部の構成要素が統合されて具現されたり、単数または複数の個体で具現され得る。本開示で、1つ以上のプロセッサ(210)はプロセッサ(210)と表現され得る。プロセッサ(210)という表現は、文脈上明確に異なって表現しない以上、1つまたはそれ以上のプロセッサの集合を意味し得る。本開示で、1つ以上のメモリ(220)はメモリ(220)と表現され得る。メモリ(220)という表現は、文脈上明確に異なって表現しない以上、1つまたはそれ以上のメモリの集合を意味し得る。一実施例で、装置(100)内/外部の構成要素の少なくとも一部の構成要素はバス、GPIO(general purpose input/output)、SPI(serial peripheral interface)またはMIPI(mobile industry processor interface)等を通じて互いに連結され、情報(データ、信号等)を交わすことができる。
【0070】
プロセッサ(210)はソフトウェア(例:命令、プログラム等)を実行してプロセッサ(210)と連結された装置(100)の少なくとも1つの構成要素を制御することができる。また、プロセッサ(210)は、本開示と関連した多様な演算、処理、データ生成、加工等の動作を行うことができる。また、プロセッサ(210)はデータ等をメモリ(220)からロードしたり、メモリ(220)に格納したりすることができる。一実施例で、プロセッサ(210)は、後述する通信回路を用いて、検査装置(130)から検査情報(132)を獲得することができる。プロセッサ(210)は検査情報(132)に基づいて、前述した第1情報、第2情報、第3情報及び/又は第4情報を決定することができる。プロセッサ(210)は、第1情報、第2情報、第3情報及び/又は第4情報に基づいて、対象者(110)の腸内マイクロバイオーム指数を決定することができる。プロセッサ(210)は通信回路を用いて、腸内マイクロバイオーム指数を示す情報(136)を対象者の装置(140)に伝達することができる。
【0071】
メモリ(220)は多様なデータを格納することができる。メモリ(220)に格納されるデータは、装置(100)の少なくとも1つ構成要素によって獲得されたり、処理されたり、用いられたりするデータであって、ソフトウェア(例:命令、プログラム等)を含み得る。メモリ(220)は揮発性及び/又は非揮発性メモリを含み得る。本開示で、命令乃至プログラムはメモリ(220)に格納されるソフトウェアであって、装置(100)のリソースを制御するためのオペレーションシステム、アプリケーション及び/又はアプリケーションが装置(100)のリソースを活用することができるように多様な機能をアプリケーションに提供するミドルウェア等を含み得る。一実施例で、メモリ(220)はプロセッサ(210)による実行時にプロセッサ(210)が演算を行うようにする命令を格納することができる。一実施例で、メモリ(220)は上述した基準試料に関する情報(134)及び/又は有害微生物と有益微生物をそれぞれ特定する情報等を格納することができる。一実施例で、プロセッサ(210)は通信回路(230)を制御して所定のサーバーから情報を獲得することができる。サーバーから獲得された情報はメモリ(220)に格納され得る。一実施例で、基準試料に関する情報(134)及び/又は有害微生物と有益微生物をそれぞれ特定する情報等がサーバーから獲得されてメモリ(220)に格納され得る。
【0072】
一実施例で、装置(100)は通信回路(communication circuit、230)をさらに含み得る。通信回路(230)は実施例によっては装置(100)において省略され得る。通信回路(230)は、装置(100)とサーバー、または装置(100)と他の装置間の無線または有線通信を行うことができる。例えば、通信回路(230)はeMBB(enhanced Mobile Broadband)、URLLC(Ultra Reliable Low-Latency Communications)、MMTC(Massive Machine Type Communications)、LTE(Long-Term Evolution)、LTE-A(LTE Advance)、NR(New Radio)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、GSM(Global System for Mobile communications)、CDMA(Code Division Multiple Access)、WCDMA(登録商標)(Wideband CDMA)、WiBro(Wireless Broadband)、WiFi(Wireless Fidelity)、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)、NFC(Near Field Communication)、GPS(Global Positioning System)またはGNSS(Global Navigation Satellite System)等の方式による無線通信を行うことができる。例えば、通信回路(230)はUSB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)、RS-232(Recommended Standard-232)またはPOTS(Plain Old Telephone Service)等の方式による有線通信を行うことができる。一実施例で、通信回路(230)は検査装置(130)及び/又は対象者の装置(140)等と通信を行うことができる。一実施例で、装置(100)は他の装置(例:検査装置(130))と統合されて具現されることもできる。この場合、通信回路(230)は装置(100)と当該他の装置を連結する接続回路乃至インターフェースとして機能し得る。
【0073】
一実施例で、装置(100)は入出力インターフェース(240)をさらに含み得る。入出力インターフェース(240)は実施例によっては装置(100)において省略され得る。入出力インターフェース(240)は装置(100)の使用者から入力を受け、使用者に情報を出力(表出)することができる。使用者はサービス提供者(120)に属する装置(100)の運行者であってもよい。一実施例で、入出力インターフェース(240)は入力装置及び/又は出力装置を含み得る。入力装置は外部から装置(100)の少なくとも1つの構成要素に伝達するための情報の入力を受ける装置であってもよい。例えば、入力装置はマウス、キーボード、タッチパッド等を含み得る。出力装置は装置(100)の多様な情報を使用者に視聴覚的な形態で提供する装置であってもよい。例えば、出力装置はディスプレイ、プロジェクター、ホログラム等を含み得る。一実施例で、入出力インターフェース(240)は使用者から基準試料に関する情報(134)及び/又は有害微生物と有益微生物をそれぞれ特定する情報等の入力を受けることができる。一実施例で、入出力インターフェース(240)は腸内マイクロバイオーム指数を示す情報(136)等を使用者に表出することができる。
【0074】
一実施例で、装置(100)は多様な形態の装置であり得る。例えば、装置(100)はコンピュータ装置、バックエンド(back-end)サーバー、フロントエンド(front-end)サーバー、携帯用通信装置、携帯用マルチメディア装置、または上述した装置の組合わせによる装置であってもよい。ただし、本開示の装置(100)は前述した装置に限定されない。
【0075】
図3は、本開示の一実施例による微生物類似度関連指数を示した図である。前述した通り、多様な要素が腸内マイクロバイオームの生態学的均衡/不均衡に影響を与え得る。腸内生態学的均衡/不均衡に影響を与える要素には腸内微生物の類似度、腸内有害微生物の比率、腸内有益微生物の比率及び/又は腸内微生物の多様性等があり得る。
【0076】
[腸内微生物の類似度]
【0077】
腸内微生物の類似度について説明する。腸内マイクロバイオームは多様な環境刺激(例:疾病、食餌、薬、生活習慣等)により影響を受けられ得る。その結果、腸内マイクロバイオームの構成が変わり得る。しかし、健康人の腸内マイクロバイオームは恒常性(homeostasis)を有するため、刺激による影響で変わったマイクロバイオームの構成は、刺激による影響を受ける前の状態に回復し得る。恒常性により、健康人の腸内マイクロバイオームは構成が互いに類似し得る。それに対して、疾病人の腸内マイクロバイオームは不均衡状態であって、健康人の腸内マイクロバイオームと構成が異なり得る。従って、健康人の腸内マイクロバイオームとの微生物類似度を決定することによって、特定の腸内マイクロバイオームが均衡/不均衡状態にあるか否かが判断または決定され得る。即ち、前述した通り腸内微生物の類似度は対象者(110)の腸内マイクロバイオームが健康人の腸内マイクロバイオームと類似する程度で示され得る。
【0078】
装置(100)は多様な方法によって腸内微生物の類似度を決定することができる。上述した第1情報は腸内微生物の類似度を示す情報であり得る。一実施例で、装置(100)のプロセッサ(210)は検査情報(132)及び基準試料に関する情報(134)に基づいて腸内微生物の類似度を決定することができる。プロセッサ(210)は検査情報(132)に基づいて、対象者(110)の生体試料(112)内に各微生物種が存在する比率(即ち、存在比率)の分布を決定することができる。プロセッサ(210)は基準試料に関する情報(134)に基づいて、基準試料(114)内に各微生物種が存在する比率の分布を決定することができる。一実施例で、基準試料(114)内の各微生物種の存在比率の分布は既に算出され、基準試料に関する情報(134)に含まれていることもできる。プロセッサ(210)は生体試料(112)内の各微生物種の存在比率の分布と基準試料(114)内の各微生物種の存在比率の分布との間の類似度を決定することができる。プロセッサ(210)は、決定された類似度に基づいて、前述した第1情報を決定することができる。
【0079】
一実施例で、基準試料に関する情報(134)はサービス提供者(120)及び/又は第三者の腸内マイクロバイオームデータベースから構築、収得または加工されたものであってもよく、各データベースで健康人に分類した個体に関する情報であってもよい。例えば、健康人は、過敏性大腸症候群のような疾病を有する場合;感染性疾病を有する場合;BMIが特定数値(例:25)以上である場合;及び最近2週の間鎮痛剤等の薬品を服用した場合のうちの1つ以上に該当する個体を除いた個体の集合であってもよい。
【0080】
このようなプロセッサ(210)による第1情報の決定過程は、微生物類似度関連指数(310)のいずれか1つを算出することによって行われ得る。即ち、プロセッサ(210)は微生物類似度関連指数(310)のいずれか1つを算出し、その値に基づいて腸内微生物の類似度を示す第1情報を決定することができる。例えば、第1情報を決定するために、プロセッサ(210)は微生物類似度関連指数(310)のうち、+avg_jsd_ctl指数を算出できる。+avg_jsd_ctlは、生体試料(112)と健康人の試料のそれぞれとのJensen-Shannon距離(Jensen-Shannon Distance)の平均を意味し得る。Jensen-Shannon距離は、下記数学式1のように算出され得る。
【0081】
【0082】
PとQのそれぞれは生体試料(112)と比較対象試料であり得る。pi、qiは、それぞれP、Q試料内の特定微生物iの存在比率を示し得る。Mは、PとQの平均試料であって、P、Q内の各微生物種の存在比率の平均を当該微生物種の存在比率として有し得る。生体試料(112)と比較対象試料に関する情報に基づいて、KL発散度(KL-Divergence)、Jensen-Shannon発散度(Jensen-Shannon Divergence)及びJensen-Shannon距離が順に算出され得る。同じ方式で複数の比較対象試料に対してJensen-Shannon距離が算出されることができ、これに基づいて+avg_jsd_ctl指数が決定され得る。
【0083】
微生物類似度関連指数(310)には、±avg_jsd_case、±avg_jsd_ctl、±avg_braycurtis_case、±avg_braycurtis_ctl、±avg_aitchison_case、±avg_aitchison_ctl等があり得る。前述した通り、プロセッサ(210)はこのうちの1つを算出することで第1情報を決定することができる。ここで、±avg_jsd_caseは、生体試料(112)と疾病人の試料のそれぞれとのJensen-Shannon距離の平均を意味し得る。+avg_jsd_ctlについては前述した。-avg_jsd_ctlは、上述した+avg_jsd_ctlの値と符号が逆の値を有する指数であり得る。±avg_braycurtis_caseは、生体試料(112)と疾病人の試料のそれぞれとのBray-Curtis非類似度(Bray-Curtis Dissimilarity)の平均を意味し得る。±avg_braycurtis_ctlは、生体試料(112)と健康人の試料のそれぞれとのBray-Curtis非類似度の平均を意味し得る。±avg_aitchison_caseは、生体試料(112)と疾病人の試料のそれぞれとのAitchison距離(Aitchison Distance)の平均を意味し得る。±avg_aitchison_ctlは、生体試料(112)と健康人の試料のそれぞれとのAitchison距離の平均を意味し得る。本開示で、ある指数の数値と当該指数が健康人と疾病人を正確に区分する程度の間に正(+)の相関関係がある場合、当該指数は「+」の符号を有するものと表記され得る。一方、負(-)の相関関係がある場合、当該指数は「-」の符号を有するものと表記され得る。
【0084】
前述した微生物類似度関連指数(310)は、本開示に提示されたものに制限されず、2つの試料の間の微生物種間の類似度を示すことができる指数であれば、本開示による微生物類似度関連指数(310)として用いられ得る。
【0085】
[各情報を決定するための指数]
【0086】
第1情報~第4情報を決定するにおいて、どのような指数を用いるかは予め決定されていることができる。即ち、所定の指数の選定過程が先制的に行われて各情報を決定するのに用いる指数が選定されており、装置(100)は予め選定された指数に基づいて対象者(110)に対する第1情報~第4情報を決定するものであってもよい。この場合、当該指数選定過程は装置(100)により行われたものであってもよく、他の電子装置によって行われたものであってもよい。一方、実施例によって、装置(100)が各対象者ごとに毎回指数選定過程を行い、選定された指数によって第1情報~第4情報を決定することもできる。一実施例で、第1情報~第4情報を決定するのに用いる指数選定過程には、サービス提供者(120)及び/又は第三者の腸内マイクロバイオームデータベースが用いられ得るが、これに制限されはしない。
【0087】
以下、多様な指数のうちで第1情報~第4情報を決定するのに用いる指数を選定する方法を説明する。当該選定方法によって、多様な微生物類似度関連指数(310)、有害微生物関連指数(410)、有益微生物関連指数(510)、微生物多様性関連指数(610)のうち、それぞれ第1情報、第2情報、第3情報、第4情報を決定するのに用いる指数が選ばれ得る。
【0088】
まず、各指数が健康人と疾病人をどのくらい正確に区分するかを判断することができる。このために、複数の異種試料グループに対して各指数の数値が算出され得る。ある試料グループ(例:OO病院で行ったOO実験における試料束等)内の試料は、健康人または疾病人の生体試料であって、疾病人の疾病の中には、例えばクローン病、過敏性大腸症候群、肥満等があり得る。当該指数の数値により、所定の試料グループ内の各試料が健康人の試料なのか疾病人の試料なのか判断されることができる。当該指数が実際の健康人または疾病人の試料をそれぞれ健康人または疾病人の試料であると正確に判別する程度によって、当該指数の精度が決定され得る。
【0089】
このような指数別精度を数値化するために、各指数別平均均衡的精度(Mean Balanced Accuracy)及び有意味数(Number of Significance)が決定され得る。まず、ある1つの指数が所定の試料グループに対して有する均衡的精度(Balanced Accuracy)が算出され得る。均衡的精度は、下記数学式2のように算出され得る。
【0090】
【0091】
TP(True Positive)は、当該指数が当該試料グループ内の試料を判別するにおいて、実際の健康人の試料を健康人の試料と判断した場合の数を意味し得る。TN(True Negative)は、当該試料グループ内の実際の疾病人の試料を疾病人の試料と判断した場合の数、FP(False Positive)は、当該試料グループ内の実際の疾病人の試料を健康人の試料と判断した場合の数、FN(False Negative)は、当該試料グループ内の実際の健康人の試料を疾病人の試料と判断した場合の数を意味し得る。この数学式2を通じて、1つの指数の1つの試料グループに対する均衡的精度が算出され得る。同一の方式で、複数の試料グループのそれぞれに対する当該指数の均衡的精度が算出され得る。これら均衡的精度の平均値を算出することで、上述した平均均衡的精度が導き出され得る。上述した有意味数は、複数の試料グループのうち、当該指数によって有意味に健康人と疾病人が区分された試料グループの個数を意味し得る。
【0092】
一実施例で、第1情報~第4情報を決定するのに用いる指数の選定過程には平均均衡的精度、有意味数及び/又はその他の多様な要因が考慮され得る。一実施例で、平均均衡的精度が大きい指数が選定されることもでき、有意味数が大きい指数が選定されることもできる。一実施例で、平均均衡的精度が大きい所定個数(例:10個)の指数がまず選別され、選別された指数のうち有意味数が最も大きい指数が各情報決定に用いられる指数として選定され得る。逆に、有意味数によって指数をまず選別した後、選別された指数のうち平均均衡的精度が最も大きい指数が各情報決定に用いられる指数として選定されることもできる。図示された実施例(310)における平均均衡的精度及び有意味数は、例示的な値である。
【0093】
一実施例で、第1情報~第4情報を決定するのに用いる指数の選定過程に各指数間の共線性(correlation)が追加で考慮され得る。指数間の共線性は、例えばスピアマン共線性(Spearman Correlation)に基づいて算出され得る。指数間の共線性(p)は、次の数学式3のように算出され得る。
【0094】
【0095】
所定の試料グループに対して、x
iはi番目の試料に対する指数Xの値であり得る。例えば、x
3は、3番試料に対する+shannon指数の値であり得る。
は、各x
i値の平均値であり得る。同様に、y
iは、i番目の試料に対する指数Yの値であり得る。
は、各y
i値の平均値であり得る。
【0096】
前述した通り、平均均衡的精度、有意味数及び/又はその他の多様な要因に基づいて、第1情報~第4情報を決定するのに用いる指数が一次的に選定され得る。その後、一次的に選定された指数間に共線性が算出され得る。所定の2つの指数間の共線性が高い場合、これは2つの指数間の相関関係が強く、互いの値に有意味な影響を与えるという意味であり得る。逆に、2つの指数間の共線性が低い場合、これは2つの指数間の相関関係が弱いかないため、互いの値に有意味な影響を与えないという意味であり得る。共線性が高くて、指数値が互いに影響を与える場合、当該指数(例:+shannon)が特定カテゴリー(例:腸内微生物の多様性)を正確に示せない可能性もある。従って、一次的に選定された指数のうち、他の指数と高い共線性(例:0.7以上)を有する指数は排除され得る。
【0097】
例えば、第1情報~第4情報を決定するのに用いる指数として、-avg_jsd_ctl、-dysbiosis_index、+ben_sp_numotu及び+shannonが一次的に選定され得る。腸内微生物の類似度、腸内有害微生物の比率、腸内有益微生物の比率及び腸内微生物の多様性のそれぞれを1つのカテゴリーとして見たとき、当該指数は各カテゴリーで平均均衡的精度が最も高い指数であり得る。ここで、腸内微生物の多様性のカテゴリーの+shannonが腸内有益微生物のカテゴリーの+ben_sp_numotuと高い共線性(例:0.81)を見せる場合、+shannonは排除され、腸内微生物の多様性のカテゴリーで+shannonの次に平均均衡的精度が高い+numotuが選定され得る。ここで、+numotuも+ben_sp_numotuと高い共線性(例:0.93)を見せる場合、+numotuは排除され、腸内微生物の多様性のカテゴリーで+numotuの次に平均均衡的精度が高い+invsimpsonが選定され得る。+invsimpsonが他のカテゴリーの指数と高い共線性を見せなければ、-avg_jsd_ctl、-dysbiosis_index、+ben_sp_numotu及び+invsimpsonが最終的に第1情報~第4情報を決定するのに用いる指数として選定され得る。
【0098】
[腸内有害微生物の比率]
【0099】
図4は、本開示の一実施例による有害微生物関連指数を示した図である。腸内有害微生物は腸内感染及び炎症反応を起こしたり、大腸癌等の多様な疾病を誘発し得る。従って、腸内有害微生物が増加すれば、腸内マイクロバイオームが不均衡状態になり得る。ただし、腸内に常駐して人体と共生する微生物(以下、「共生微生物」)が十分にあれば、共生微生物による免疫調節等を通じて有害微生物の活動乃至増殖が抑制され得る。従って、腸内マイクロバイオームを診断するための要素の1つとして腸内有害微生物の比率が決定され得る。腸内有害微生物の比率は、腸内共生微生物と有害微生物の間の比率であり得る。本開示の一実施例では、既に知られている有害微生物または共生微生物に関する情報[当該微生物を探知することができる情報を含む(例:バイオマーカー)]が活用され得、通常の技術者が公開された情報から有害微生物または共生微生物と判断できることに関する情報を含み得る。このような有害微生物または共生微生物の選別時には、LEfSeのような統計的分析方法または文献の調査のような生物学的分析方法が用いられるが、これに制限されはしない。
【0100】
装置(100)は多様な方法によって腸内有害微生物の比率を決定することができる。上述した第2情報は腸内有害微生物の比率を示す情報であり得る。一実施例で、装置(100)のプロセッサ(210)は検査情報(132)に基づいて腸内有害微生物の比率を決定することができる。具体的には、プロセッサ(210)は生体試料(112)内の共生微生物種の存在比率を決定することができる。一実施例で、メモリ(220)は微生物のうちのいずれの微生物が予め設定された共生微生物であるか特定する情報を格納することができ、プロセッサ(210)は当該情報に基づいて生体試料(112)内の共生微生物種の存在比率を決定することができる。一方、プロセッサ(210)は生体試料(112)内の有害微生物種の存在比率を決定することができる。この際、プロセッサ(210)は、メモリ(220)内に格納された、予め設定された有害微生物を特定する情報を用いることができる。プロセッサ(210)は生体試料(112)内の共生微生物種及び有害微生物種に対する、有害微生物種の存在比率を決定することができる。即ち、当該比率は、共生微生物種の存在比率と有害微生物種の存在比率を合算した値に対する有害微生物種の存在比率の比であり得る。プロセッサ(210)は共生微生物種及び有害微生物種に対する有害微生物種の存在比率に基づいて、前述した第2情報を決定することができる。
【0101】
このようなプロセッサ(210)による第2情報の決定過程は、有害微生物比率関連指数(410)のいずれか1つを算出することで行われ得る。即ち、プロセッサ(210)は有害微生物比率関連指数(410)のいずれか1つを算出し、その値に基づいて腸内有害微生物の比率を示す第2情報を決定することができる。例えば、第2情報を決定するために、プロセッサ(210)は有害微生物比率関連指数(410)のうち、+dysbiosis_index指数を算出し得る。+dysbiosis_indexは、生体試料(112)に対するディスバイオシス指数(Dysbiosis Index)を意味し得る。ディスバイオシス指数は、下記数学式4のように算出され得る。
【0102】
【0103】
pkは、当該生体試料(112)内の微生物kの存在比率であり得る。「Pathobiont」は有害微生物を意味し、ここに属する微生物kは、例えば、Bacteroidaceae、Desulfovibrionaceae、Oscillospiraceae、Odoribacteraceae、Lachnospiraceae、Erysipelotrichaceae、Enterococcaceae、Lactobacillaceae、Veillonellaceae、Christensenellaceae、Enterobacteriaceae、Pasteurellaceae、Fusobacteriaceae、Neisseriaceae、Veillonellaceae、GemellaceaeまたはPorphyromonadaceae科(family)に属する微生物のうち1種以上であってもよいが、これに制限されはしない。「Commensal」は共生微生物を意味し、ここに属する微生物kは、例えば、Lachnospiraceae、Eggerthellaceae、Oscillospiraceae、Rikenellaceae、Erysipelotrichaceae、Christensenellaceae、Coriobacteriaceae、Peptostreptococcaceae、Bacteroidales、Clostridiales、Erysipelotrichaceae、ClostridialesまたはBifidobacteriaceae科(family)に属する微生物;またはMollicutes綱(class)に属する微生物のうち1種以上であってもよいが、これに制限されはしない。一実施例で、通常の技術者はマイクロバイオームデータベースから有害微生物または共生微生物を分析し、有害微生物比率関連指数(410)を用いて第2情報を導き出すことができる。一実施例で、前記有害微生物は表1に記載された微生物を含み得、前記共生微生物は表2に記載された微生物を含み得る。生体試料(112)に関する情報に基づいて、数学式4によりディスバイオシス指数、即ち、+dysbiosis_indexが算出され得る。
【0104】
下表1及び表2で16S rRNA配列情報は、記載された微生物の種類を代表する種(type species)の16S rRNA配列情報に該当する。
【0105】
【0106】
【0107】
有害微生物比率関連指数(410)には、±hrm_sum、±hrm_sp_numotu、±hrm_sp_shannon、±hrm_sp_invsimpson、±hrm_sp_berger_parker_d、±hrm_sp_shannon_e、±hrm_sp_simpson_e、±hrm_sp_heip_e、±hrm_sp_alatalo_e、±dysbiosis_index等があり得る。前述した通り、プロセッサ(210)はこのうち1つを算出することで第2情報を決定することができる。ここで、±hrm_sumは有害微生物種のそれぞれの存在比率を合算した値を示す指数であり得る。±hrm_sp_numotu、±hrm_sp_shannon、±hrm_sp_invsimpson、±hrm_sp_berger_parker_d、±hrm_sp_shannon_e、±hrm_sp_simpson_e、±hrm_sp_heip_e及び±hrm_sp_alatalo_eは後述する微生物多様性関連指数である±numotu、±shannon、±invsimpson、±berger_parker_d、±shannon_e、±simpson_e、±heip_e、及び±alatalo_eにそれぞれ対応する指数であり得る。即ち、当該指数は微生物多様性関連指数として用いられるだけでなく、有害微生物比率関連指数としても用いられ得る。±dysbiosis_indexはディスバイオシス指数であり得る。
【0108】
第2情報の決定に用いられる有害微生物関連指数は、前述した指数選定方法により予め選定されたものであってもよい。図示された実施例(410)における平均均衡的精度及び有意味数は例示的な値である。一方、有害微生物比率関連指数(410)は、本開示に提示されたものに制限されず、腸内有害微生物が占める比率を示すことができる指数であれば、本開示による有害微生物比率関連指数(410)として用いられ得る。
【0109】
[腸内有益微生物の比率]
【0110】
図5は、本開示の一実施例による、有益微生物関連指数を示した図である。腸内有益微生物は短鎖脂肪酸を合成し、免疫調節及び抗炎症反応を起こすなど、多様な機能をすることができる。従って、腸内有益微生物が減少すれば、腸内マイクロバイオームが不均衡状態になり得る。腸内マイクロバイオームを診断するための要素の1つとして腸内有益微生物の比率が決定され得る。
【0111】
本開示の一実施例では、既に知られている有益微生物に関する情報[当該微生物を探知できる情報を含む(例:バイオマーカー)]が活用され得、通常の技術者が公開された情報から有益微生物と判断できることに関する情報を含み得る。このような有益微生物の選別時にはLEfSeのような統計的分析方法または文献の調査のような生物学的分析方法が用いられ得るが、これに制限されはしない。
【0112】
本開示の一実施例で、有益微生物はLachnospiraceae、Eggerthellaceae、Oscillospiraceae、Rikenellaceae、Erysipelotrichaceae、Christensenellaceae、Coriobacteriaceae、Peptostreptococcaceae、Bacteroidales、Clostridiales、Erysipelotrichaceae、Clostridiales、またはBifidobacteriaceae科(family)に属する微生物;またはMollicutes綱(class)に属する微生物のうち1種以上であってもよいが、これに制限されはしない。本開示の一実施例で、有益微生物は、上記表2に記載された微生物を含み得るが、これに制限されはしない。
【0113】
装置(100)は多様な方法によって腸内有益微生物の比率を決定することができる。上述した第3情報は、腸内有益微生物の比率を示す情報であり得る。一実施例で、腸内有益微生物の比率は腸内の各有益微生物の存在比率の合計で決定され得る。一実施例で、装置(100)のプロセッサ(210)は検査情報(132)に基づいて腸内有益微生物の比率を決定することができる。具体的には、プロセッサ(210)は生体試料(112)内の有益微生物種の存在比率を決定することができる。この際、プロセッサ(210)はメモリ(220)内に格納された、予め設定された有益微生物を特定する情報を用いることができる。一実施例で、有益微生物種の存在比率は腸内マイクロバイオーム内の全ての微生物に対する有益微生物種の存在比率であり得る。プロセッサ(210)は有益微生物種の存在比率に基づいて、前述した第3情報を決定することができる。
【0114】
このようなプロセッサ(210)による第3情報の決定過程は、有益微生物比率関連指数(510)のいずれか1つを算出することで行われ得る。即ち、プロセッサ(210)は有益微生物比率関連指数(510)のいずれか1つを算出し、その値に基づいて腸内有益微生物の比率を示す第3情報を決定することができる。例えば、第3情報を決定するために、プロセッサ(210)は有益微生物比率関連指数(510)のうち、+ben_sp_numotu指数を算出し得る。+ben_sp_numotuは生体試料(112)内の有益微生物種のOTU(Operational Taxonomic Unit)個数を意味し得る。OTUは、NGS等の遺伝子シークエンシングの結果で獲得したDNA断片を微生物種の水準に分類した単位であり得る。即ち、有益微生物種のOTU個数は有益微生物種の個数に対応し得る。+ben_sp_numotuは、下記数学式5のように算出され得る。
【0115】
【0116】
Nは、予め設定された全有益微生物種の個数であり得る。piは生体試料(112)内のi番目の有益微生物種の存在比率を意味し得る。Ipiは生体試料(112)内のi番目の有益微生物種のOTUに関する指示関数であり得る。当該指示関数は生体試料(112)内の存在比率が0より大きい有益微生物種のOTUを示す関数であり得る。生体試料(112)に関する情報に基づいて、数学式5により有益微生物種のOTU個数、即ち、+ben_sp_numotuが算出され得る。
【0117】
有益微生物比率関連指数(510)には、±ben_sum、±ben_sp_numotu、±ben_sp_shannon、±ben_sp_invsimpson、±ben_sp_berger_parker_d、±ben_sp_shannon_e、±ben_sp_simpson_e、±ben_sp_heip_e、±ben_sp_alatalo_e等があり得る。前述した通り、プロセッサ(210)はこのうち1つを算出することで第3情報を決定することができる。ここで、±ben_sumは、有益微生物種のそれぞれの存在比率を合算した値を示す指数であり得る。±ben_sp_numotu、±ben_sp_shannon、±ben_sp_invsimpson、±ben_sp_berger_parker_d、±ben_sp_shannon_e、±ben_sp_simpson_e、±ben_sp_heip_e及び±ben_sp_alatalo_eは、後述する微生物多様性関連指数である±numotu、±shannon、±invsimpson、±berger_parker_d、±shannon_e、±simpson_e、±heip_e、及び±alatalo_eにそれぞれ対応する指数であり得る。即ち、当該指数は、微生物多様性関連指数として用いられるだけでなく、有益微生物比率関連指数(510)としても用いられ得る。
【0118】
第3情報の決定に用いられる有益微生物関連指数は、前述した指数選定方法により予め選定されたものであってもよい。図示された実施例(510)における平均均衡的精度及び有意味数は例示的な値である。一方、有益微生物比率関連指数(510)は、本開示に提示されたものに制限されず、腸内有益微生物が占める比率を示すことができる指数であれば、本開示による有益微生物比率関連指数(510)として用いられ得る。
【0119】
[腸内微生物の多様性]
【0120】
図6は、本開示の一実施例による、微生物多様性関連指数を示した図である。一般に、1つや2つの微生物が腸内に必要な全ての機能をすることは難しい。腸内マイクロバイオームの各微生物種は各自の役割をする。腸内マイクロバイオーム内の微生物種が多様なほど、より多くの腸内機能が行われ得、多様な刺激(例:外部疾病要因)にも腸内機能の回復力が改善できる。例えば、炎症性腸疾患(IBD)、大腸癌等の疾病人は健康人より腸内微生物の多様性が低いこともある。腸内微生物の多様性が低くなれば、腸内マイクロバイオームが不均衡状態になり得るので、腸内マイクロバイオームを診断するために腸内微生物の多様性が決定され得る。
【0121】
装置(100)は多様な方法によって腸内微生物の多様性を決定することができる。上述した第4情報は、腸内微生物の多様性を示す情報であり得る。一実施例で、装置(100)のプロセッサ(210)は検査情報(132)に基づいて腸内微生物の多様性を決定することができる。具体的には、プロセッサ(210)は生体試料(112)内の全微生物種の個数を決定することができる。プロセッサ(210)は生体試料(112)内の当該全微生物種のそれぞれの存在比率の分布が均等な程度を決定することができる。プロセッサ(210)は決定された全微生物種の個数及び均等な程度に基づいて、前述した第4情報を決定することができる。
【0122】
このようなプロセッサ(210)による第4情報の決定過程は、微生物多様性関連指数(610)のいずれか1つを算出することで行われ得る。即ち、プロセッサ(210)は微生物多様性関連指数(610)のいずれか1つを算出し、その値に基づいて腸内微生物の多様性を示す第4情報を決定することができる。例えば、第4情報を決定するために、プロセッサ(210)は微生物多様性関連指数(610)のうち+invsimpson指数を算出し得る。+invsimpsonは、生体試料(112)に対するSimpson指数(Simpson's Index)の逆を意味し得る。+invsimpsonは、下記数学式6のように算出され得る。
【0123】
【0124】
Sは、当該生体試料(112)内の全微生物種の個数を示すことができる。piは生体試料(112)内の微生物iの存在比率であり得る。生体試料(112)に関する情報に基づいて、数学式6により+invsimpsonが算出され得る。
【0125】
微生物多様性関連指数(610)には、±numotu、±shannon、±invsimpson、±berger_parker_d、±shannon_e、±simpson_e、±heip_e、±alatalo_e等があり得る。前述した通り、プロセッサ(210)はこのうちの1つを算出することで第4情報を決定することができる。ここで、±numotuはOTUの個数を意味し得る。±shannonはShannon指数(Shannon's Index)を意味し得る。±invsimpsonはSimpson指数の逆を意味し得る。±berger_parker_dは、Berger Parker指数(Berger Parker's Index)を意味し得る。±shannon_eはShannon公平度(Shannon's Equitability)を意味し得る。±simpson_eはSimpson均一度(Simpson's Evenness)を意味し得る。±heip_eはHeip指数(Heip's Index)を意味し得る。±alatalo_eはAlatalo指数(Alatalo Index)を意味し得る。例えば、生体試料(112)内の各微生物種の個数、存在比率等の情報を上述した微生物多様性関連指数(610)のいずれか1つに入力して計算すれば、その結果値(当該指数の値)は当該生体試料(112)がどのくらい多様な微生物種を有しているかを反映させて示すことができる。
【0126】
第4情報の決定に用いられる微生物多様性関連指数は、前述した指数選定方法により予め選定されたものであってもよい。図示された実施例(610)における平均均衡的精度及び有意味数は例示的な値である。一方、微生物多様性関連指数(610)は、本開示に提示されたものに制限されず、腸内微生物が多様な程度を示すことができる指数であれば、本開示による微生物多様性関連指数(610)として用いられ得る。
【0127】
[腸内マイクロバイオーム指数]
【0128】
図7は、本開示の一実施例による、腸内マイクロバイオーム指数を決定するための関数(700)を示した図である。前述した通り、プロセッサ(210)は
図1の対象者(110)の生体試料(112)に関する検査情報(132)に基づいて、対象者(110)の腸内マイクロバイオームに関する第1情報、第2情報、第3情報及び/又は第4情報を決定することができる。一実施例で、プロセッサ(210)は、第1情報、第2情報、第3情報及び第4情報で選択された少なくとも1つの情報に基づいて、多様な方法により対象者(110)の腸内マイクロバイオーム指数を決定することができる。
【0129】
一実施例で、プロセッサ(210)は、第1情報、第2情報、第3情報及び/又は第4情報のそれぞれに予め設定された加重値(c1、c2、c3、c4)のそれぞれを適用することができる。一実施例で、加重値(c1、c2、c3、c4)は、第1情報、第2情報、第3情報及び第4情報のそれぞれに対して異なる値を有することもできる。例えば、加重値(c1、c2、c3、c4)は、それぞれ-1.50751、-0.64560、0.98436、及び0.07459の値を有し得る。一実施例で、加重値(c1、c2、c3、c4)は線形混合効果モデル(Linear Mixed Effect Model)により予め決定され得る。第1情報~第4情報のそれぞれを線形混合効果モデルの独立変数、各情報が健康人と疾病人を正確に区分する程度を従属変数として置くことができる。第1情報~第4情報値のそれぞれの変動は従属変数値に混合された影響を与え得る。このような影響を示す線形混合効果モデルに基づいて、各加重値(c1、c2、c3、c4)が決定され得る。一実施例で、メモリ(220)は決定された加重値(c1、c2、c3、c4)を示す情報を格納することができる。
【0130】
一実施例で、プロセッサ(210)は加重値が適用されたそれぞれの情報のうちで選択された少なくとも1つに基づいて、腸内マイクロバイオーム指数を決定することができる。一実施例で、プロセッサ(210)は加重値が適用された第1情報~第4情報を合算した値に基づいて腸内マイクロバイオーム指数を決定することができる。一実施例で、プロセッサ(210)は図示された関数(700)に基づいて腸内マイクロバイオーム指数を決定することができる。関数(700)は、加重値が適用された第1情報~第4情報を合算した値にlogit演算を行う関数であり得る。一実施例で、メモリ(220)は腸内マイクロバイオーム指数を決定するための関数(700)を示す情報を格納することができる。
【0131】
図8は、本開示の一実施例による腸内マイクロバイオーム指数の精度の実験結果(800)を示した図である。本実験結果(800)は、本開示による腸内マイクロバイオーム指数に対する平均ROC曲線(Receiver Operating Characteristics Curve)とその他の異なる指数に対する平均ROC曲線をそれぞれ示したものである。本実験結果(800)で、横軸はFPR(False Positive Rate)であり得る。FPRは、当該指数が実際の疾病人の試料を健康人の試料として誤って分類した比率を意味し得る。FPRは、下記数学式7のように算出され得る。本実験結果(800)で、縦軸はTPR(True Positive Rate)であり得る。TPRは、当該指数が実際の健康人の試料を正確に健康人の試料であると分類した比率を意味し得る。TPRは前述した敏感度と同一に算出され得る。
【0132】
【0133】
ROC曲線は、左上段に偏るほど当該指数が健康人と疾病人の分類を正確に行うということを意味する。ROC曲線が左側に描かれるほど誤探知(健康人を疾病人と判定)が少なく、上側に描かれるほど誤拒否(疾病人を健康人と判定)が少ない。平均ROC曲線は複数の試料に対するROC曲線の平均を示した曲線であり得る。
【0134】
本実験結果(800)で腸内マイクロバイオーム指数のROC曲線(gmi_lmm)が+invsimpson、+avg_jsd_ctl、+ben_sp_numotu、+dysbiosis_index指数のROC曲線より左上段に偏ったと確認される。即ち、腸内マイクロバイオーム指数が+invsimpson、+avg_jsd_ctl、+ben_sp_numotu、+dysbiosis_index指数より精度が高いことを確認することができる。
【0135】
図9は、本開示の一実施例による腸内マイクロバイオーム指数の精度の実験結果(900)を示した図である。本実験結果(900)は、本開示による腸内マイクロバイオーム指数に対する精度-再現率曲線(Precision-Recall curve)とその他の異なる指数に対する精度-再現率曲線をそれぞれ示したものである。本実験結果(900)で横軸は再現率(Recall、True Positive Rate)であり得る。再現率は、当該指数が実際の健康人の試料を正確に健康人の試料であると分類した比率を意味し得る。再現率は前述した敏感度と同一に算出され得る。本実験結果(900)で縦軸は精度(Precision、Positive Predictive Value)であり得る。精度は、当該指数が健康人の試料であると分類した試料のうち実際の健康人の試料の比率を意味し得る。精度は、下記数学式8のように算出され得る。
【0136】
【0137】
精度-再現率曲線は、右上段に偏るほど当該指数が健康人と疾病人の分類を正確に行うということを意味する。精度-再現率曲線が右側に描かれるほど再現率が高く、上側に描かれるほど精度が高い。一般に、右上段を基準とした曲線が他の曲線を含むとき、含む当該曲線が他の曲線より優れた性能を有すると見ることができる。
【0138】
本実験結果(900)で腸内マイクロバイオーム指数の精度-再現率曲線(gmi_lmm)が+invsimpson、+avg_jsd_ctl、+ben_sp_numotu、+dysbiosis_index指数の精度-再現率曲線より右上段に偏ったと確認される。即ち、腸内マイクロバイオーム指数が+invsimpson、+avg_jsd_ctl、+ben_sp_numotu、+dysbiosis_index指数より精度が高いことを確認することができる。
【0139】
[腸類型の決定]
【0140】
図10は、本開示の一実施例による装置(100)の動作過程を示した図である。本開示の一実施例による装置(100)は多様な要素を総合的に考慮して対象者の腸類型を決定することができる。前述した通り、装置(100)のプロセッサ(210)は検査装置(130)から対象者(110)の生体試料(112)に関する検査情報(132)を獲得することができる。プロセッサ(210)は検査情報(132)に基づいて対象者(110)の腸類型を決定することができる。
【0141】
一実施例で、プロセッサ(210)は腸類型を第1類型(1010)、第2類型(1020)及び/又は第3類型(1030)に分類することができる。第1類型(1010)は腸内マイクロバイオームに炎症誘発微生物が多い類型であってもよい。第1類型(1010)は疾病人の腸内マイクロバイオームと類似のマイクロバイオームを有する腸類型であり得る。第2類型(1020)は腸内マイクロバイオームにプレボテラ(Prevotella)属(Genus)微生物が多い類型であり得る。第2類型(1020)は狩猟採集人と類似な腸内マイクロバイオームを有し得る。第3類型(1030)は腸内マイクロバイオームにバクテロイデス(Bacteroides)属の微生物が多い類型であり得る。第3類型(1030)は西洋人と類似な腸内マイクロバイオームを有し得る。
【0142】
プロセッサ(210)は多様な方法で対象者(110)の腸類型を決定することができる。実施例によって単一過程を通じて生体試料(112)から対象者(110)の腸類型を決定したり、2つ以上の過程を順次進めて対象者(110)の腸類型を決定したりすることもできる。一実施例で、プロセッサ(210)は、第1過程(1041)、第2過程(1042)及び第3過程(1043)のうちで選択された少なくとも1つに基づいて対象者(110)の腸類型を決定することができる。2つ以上の過程が行われる場合、プロセッサ(210)は所定の順序によって2つ以上の過程を順次的/並列的に進めることができる。
【0143】
まず、第1過程(1041)について説明する。第1過程(1041)で、プロセッサ(210)はJensen-Shannon距離に基づいて生体試料(112)を第1類型(1010)、第2類型(1020)及び第3類型(1030)の1つに該当する試料として決定することができる。メモリ(220)は第1類型(1010)、第2類型(1020)及び/又は第3類型(1030)のそれぞれに該当する基準試料に関する情報を格納することができる。プロセッサ(210)は生体試料(112)と各腸類型の基準試料とのJensen-Shannon距離を決定することができる。プロセッサ(210)はJensen-Shannon距離に基づいて生体試料(112)がどの類型の基準試料と類似するか決定した後、これにより生体試料(112)に該当する腸類型を決定することができる。例えば、生体試料(112)と第1類型(1010)に該当する基準試料の間のJensen-Shannon距離が近ければ、プロセッサ(210)は当該生体試料(112)が第1類型(1010)に該当すると決定することができる。一実施例で、所定の腸類型の基準試料とどの程度の類似度を有するとき、当該腸類型に分類するかは、任意のクラスタリングアルゴリズム(例:R Package)に基づいて行われ得る。
【0144】
次に、第2過程(1042)について説明する。第2過程(1042)で、プロセッサ(210)はプレボテラ属の微生物及び/又はバクテロイデス属の微生物に基づいて生体試料(112)を第2類型(1020)及び第3類型(1030)の1つに該当する試料として決定することができる。一実施例で、プロセッサ(210)は検査情報(132)に基づいて第2過程(1042)を行うことができる。一実施例で、検査情報(132)は生体試料(112)のプレボテラ属の微生物及び/又はバクテロイデス属の微生物の存在比率を示す情報を含み得る。一実施例で、生体試料(112)内のプレボテラ属の微生物の存在比率が所定の基準を満たすという決定によって、プロセッサ(210)は対象者(110)の腸類型を第2類型(1020)または第3類型(1030)に決定することもできる。一実施例で、プロセッサ(210)は、生体試料(112)内の全腸内微生物のうちプレボテラ属の微生物の存在比率が略3%を超えれば腸類型を第2類型(1020)に、略3%以下であれば腸類型を第3類型(1030)に決定することができる。一実施例で、生体試料(112)内のバクテロイデス属の微生物に対するプレボテラ属の微生物の比率(Prevotella-to-Bacteroides ratio)が所定の基準を満たすという決定によって、プロセッサ(210)は対象者(110)の腸類型を第2類型(1020)または第3類型(1030)に決定することができる。一実施例で、プロセッサ(210)は、生体試料(112)内のバクテロイデス属の微生物に対するプレボテラ属の微生物の比率が0.5を超えれば腸類型を第2類型(1020)に、0.5以下であれば腸類型を第3類型(1030)に決定することができる。
【0145】
次に、第3過程(1043)について説明する。第3過程(1043)で、プロセッサ(210)は特定バイオマーカーの数値及び/又は腸内マイクロバイオーム指数に基づいて生体試料(112)を第1類型(1010)に決定することができる。一実施例で、プロセッサ(210)は生体試料(112)に対する1つ以上のバイオマーカーの数値(測定値)に基づいて対象者(110)の腸類型を決定することができる。一実施例で、検査情報(132)は当該生体試料(112)に対する1つ以上のバイオマーカー数値を含み得る。一実施例で、当該バイオマーカーの少なくとも1つは炎症特異的なバイオマーカーであってもよい。一実施例で、プロセッサ(210)は生体試料(112)に対する炎症特異的なバイオマーカーの数値に基づいて、対象者(110)の腸類型を第1類型(1010)に決定することができる。一実施例で、当該炎症特異的なバイオマーカーの数値が予め設定された基準(以下、「第1基準」)を満たすという決定によって、プロセッサ(210)は対象者(110)の腸類型を第1類型(1010)に決定することができる。本開示で、ある変数が所定の基準を満たすということは、実施例によって当該変数が当該基準の基準値以上、以下、超または未満である場合を意味し得る。一実施例で、当該炎症特異的なバイオマーカーは、プロテオバクテリア(Proteobacteria)門(Phylum)に属する微生物;フソバクテリウム(Fusobacterium)属(Genus)に属する微生物;プレボテラ(Prevotella)属に属する微生物;Bacteroidaceae、Desulfovibrionaceae、Oscillospiraceae、Odoribacteraceae、Lachnospiraceae、Erysipelotrichaceae、Enterococcaceae、Lactobacillaceae、Veillonellaceae、Christensenellaceae、Enterobacteriaceae、Pasteurellaceae、Fusobacteriaceae、Neisseriaceae、Veillonellaceae、GemellaceaeまたはPorphyromonadaceae科(family)に属する微生物;または表1に記載された微生物;のうちで選択された少なくとも1つであってもよいが、これに制限されはせず、通常の技術者に炎症特異的なバイオマーカーと知られている微生物も、第1類型を決定するのに用いられる。一実施例で、生体試料(112)内の全腸内微生物のうちプロテオバクテリア門(Phylum)に属する微生物の存在比率が略10%を超えるか、または生体試料(112)内の全腸内微生物のうちフソバクテリウム属(Genus)に属する微生物の存在比率が略1%を超えるという決定によって、プロセッサ(210)は対象者(110)の腸類型を第1類型(1010)に決定することができる。一実施例で、生体試料(112)内の全腸内微生物のうちプロテオバクテリア門に属する微生物の存在比率が略10%を超え、生体試料(112)内の全腸内微生物のうちフソバクテリウム属に属する微生物の存在比率が略1%を超えるという決定によって、プロセッサ(210)は対象者(110)の腸類型を第1類型(1010)に決定することができる。一実施例で、特定バイオマーカーの数値は、対象者(110)の生体紙料(112)内の全腸内微生物のうち当該バイオマーカーに属する微生物の存在比率を百分率で示したものであり得る。
【0146】
前述した通り、プロセッサ(210)は検査情報(132)に基づいて対象者(110)の腸内マイクロバイオーム指数を決定することができる。一実施例で、プロセッサ(210)は生体試料(112)に対して決定された腸内マイクロバイオーム指数に基づいて対象者(110)の腸類型を決定することができる。一実施例で、腸内マイクロバイオーム指数が予め設定された基準(以下、「第2基準」)を満たすという決定によって、プロセッサ(210)は対象者(110)の腸類型を第1類型(1010)に決定することができる。一実施例で、腸内マイクロバイオーム指数が略40未満であるという決定により、プロセッサ(210)は対象者(110)の腸類型を第1類型(1010)に決定することができる。
【0147】
一実施例で、プロセッサ(210)は生体試料(112)に対する炎症特異的なバイオマーカーの数値及び対象者(110)の腸内マイクロバイオーム指数の組合わせに基づいて、対象者(110)の腸類型を第1類型(1010)に決定することができる。一実施例で、生体試料(112)に対する炎症特異的なバイオマーカーの数値が上述した第1基準を満たすか、または対象者(110)の腸内マイクロバイオーム指数が上述した第2基準を満たすという決定によって、プロセッサ(210)は対象者(110)の腸類型を第1類型(1010)に決定することができる。一実施例で、生体試料(112)に対する炎症特異的なバイオマーカーの数値が上述した第1基準を満たし、対象者(110)の腸内マイクロバイオーム指数が上述した第2基準を満たすという決定によって、プロセッサ(210)は対象者(110)の腸類型を第1類型(1010)に決定することができる。
【0148】
上述した通り、第1過程(1041)、第2過程(1042)及び第3過程(1043)のうちで選択された少なくとも2つ以上の過程は所定の順序によって順次的/並列的に進められ得る。一実施例で、プロセッサ(210)は、第3過程(1043)を行うことができる。一次的に、プロセッサ(210)は上述した第3過程(1043)の方法の1つに基づいて対象者(110)の腸類型が第1類型(1010)であるか否かを決定することができる。対象者(110)の腸類型が第1類型(1010)に決定され得る場合、プロセッサ(210)は当該腸類型を第1類型(1010)に決定することができる。一実施例で、対象者(110)の腸類型が第1類型(1010)に決定されない場合、プロセッサ(210)は当該対象者(110)に対して上述した第1過程(1041)及び/又は第2過程(1042)による区分を追加で行うこともできる。例えば、プロセッサ(210)は、当該生体試料(112)内のプレボテラ属の微生物の存在比率が略3%を超えれば腸類型を第2類型(1020)に、略3%以下であれば腸類型を第3類型(1030)に決定することができる。
【0149】
一実施例で、プロセッサ(210)は、第2過程(1042)を行った後、第3過程(1043)を行うこともできる。一次的に、プロセッサ(210)は上述した第2過程(1042)の方法の1つに基づいて対象者(110)の腸類型が第2類型(1020)乃至第3類型(1030)であるか否かを決定することができる。二次的に、プロセッサ(210)は第2類型(1020)または第3類型(1030)に分類された対象者(110)に対して、再び第3過程(1043)を行って、当該対象者(110)の生体試料(112)が第1類型(1010)に決定されるための上述した条件に該当するか否かを決定することができる。生体試料(112)が第1類型(1010)に決定されるための上述した条件を満たせば、プロセッサ(210)は、当該対象者(110)の腸類型は第1類型(1010)に再び決定(オーバーライド)することができる。
【0150】
一実施例で、プロセッサ(210)は、第1過程(1041)、第2過程(1042)及び第3過程(1043)の順序で腸類型を決定することもできる。まず、プロセッサ(210)は、第1過程(1041)に基づいて生体試料(112)を第1類型(1010)、第2類型(1020)、第3類型(1030)の1つに決定することができる。次に、プロセッサ(210)は、第2過程(1042)により、生体試料(112)を再分類することができる。例えば、生体試料(112)が第1過程(1041)で第3類型(1030)に決定された場合、第2過程(1042)により生体試料(112)の分類が第2類型(1020)に再び決定されるか、または第3類型(1030)に維持され得る。その後、プロセッサ(210)は、第3過程(1043)を行うことができる。先の第1過程(1041)、第2過程(1042)を通じて生体試料(112)が第2類型(1020)または第3類型(1030)に分類された場合において、生体試料(112)が第1類型(1010)に決定されるための上述した条件を満たせば、プロセッサ(210)は当該生体試料(112)の分類を第1類型(1010)に再び決定(オーバーライド)することができる。
【0151】
一実施例で、プロセッサ(210)は対象者(110)の腸類型を第1類型(1010)~第3類型(1030)よりさらに細部的に区分することもできる。一実施例で、腸類型の細部区分には腸内マイクロバイオーム指数が活用され得る。一実施例で、腸類型の細部区分には全対象者の腸内マイクロバイオーム指数分布で対象者(110)の腸内マイクロバイオーム指数が有する位置が活用されることもできる。例えば、対象者(110)の腸内マイクロバイオーム指数が当該腸類型(例:第2類型(1020))内の腸内マイクロバイオーム指数のうち上位または下位の何%に該当するかに基づいて、対象者(110)の腸類型をさらに細部的に区分することができる(例:第2-1類型、第2-2類型、第2-3類型等)。例えば、第2類型(1020)に該当する対象者のうち、腸内マイクロバイオーム指数が略40未満の対象者は、第2-1類型に、略40超略70未満の対象者は、第2-2類型に、略70超である対象者は、第2-3類型に細部区分し得る。
【0152】
一実施例で、腸類型の細部区分のために既に区分された腸類型について上述した第1過程(1041)が追加で行われ得る。即ち、一次的に第1類型(1010)~第3類型(1030)の1つに腸類型が区分されれば、区分された腸類型内で当該生体試料と各細部腸類型の基準試料とのJensen-Shannon距離を通じて、腸類型がさらに細部的に区分され得る。第1過程(1041)については、前述した通りである。
【0153】
一実施例で、上述した方法の1つによって細部区分された腸類型(例:第2-1類型等)のそれぞれに特徴的なバイオマーカーが予め選別(決定)され得る。予め選別された当該バイオマーカーを用いて対象者(110)の細部腸類型が決定され得る。検査情報(132)は対象者(110)の生体試料(112)が各バイオマーカーに対して有する数値を含み得る。プロセッサ(210)は検査情報(132)に基づいて対象者(110)の細部腸類型を決定することができる。一実施例で、細部腸類型に特徴的なバイオマーカーは多様な文献に基づいて予め選別されることもできる。
【0154】
[腸類型によるカスタムソリューションの提供]
【0155】
上述した過程によって対象者(110)の腸類型が決定されれば、プロセッサ(210)は決定された腸類型に連関した腸管理情報(1060)をメモリ(220)から獲得することができる。一実施例で、メモリ(220)は各腸類型毎の腸管理情報を格納することができる。一実施例で、腸管理情報(1060)は当該腸類型を有する対象者(110)の腸内マイクロバイオームを調節するための案を示すことができる。
【0156】
プロセッサ(210)は通信回路(230)を用いて、決定された腸類型を示す情報及び/又は当該腸類型に連関した腸管理情報(1060)を対象者の装置(140)に伝達することができる。一実施例で、プロセッサ(210)は通信回路(230)を用いて、決定された腸類型を示す情報、当該腸類型に連関した腸管理情報(1060)及び/又は対象者(110)の腸内マイクロバイオーム指数を示す情報(136)を対象者の装置(140)に伝達することができる。
【0157】
図11は、本開示の一実施例による腸管理情報(1060)を示した図である。腸管理情報(1060)は腸内マイクロバイオームを調節するための1つ以上の案を含み得る。腸管理情報(1060)は特定腸類型と連関することができる。一実施例で、腸類型は前述した第1、2、3腸類型(1010、1020、1030)を意味することもでき、細部区分による腸類型を意味することもでき、ここで、細部区分は年代による区分であってもよい。腸管理情報(1060)は連関した腸類型を有する対象者(110)の腸内マイクロバイオームを有意味に変化(改善)させることができる腸内マイクロバイオーム調節案を含み得る。即ち、腸管理情報(1060)は当該腸類型を有する対象者(110)の腸内マイクロバイオーム指数を有意味に変化(増加)させられるか、当該腸類型を有する対象者(110)の年代によって腸内マイクロバイオーム指数を有意味に変化(増加)させらるか、当該腸類型を有する対象者(110)の腸内に存在する炎症誘発微生物を変化(減少)させたり、当該腸類型を有する対象者(110)の腸内に存在する炎症抑制微生物を変化(増加)させたり、当該腸類型を有する対象者(110)が有する便秘及び/又は下痢症状を改善させたりする腸内マイクロバイオーム調節案を含み得る。
【0158】
一実施例で、腸内マイクロバイオーム調節案は当該腸類型に対応する特定プロバイオティクスの摂取、特定食物の摂取及び特定生活習慣の適用のうちで選択された少なくとも1つを含み得る。一実施例で腸内マイクロバイオーム調節案は、当該腸類型を有する腸内で有意味に腸内マイクロバイオームを変化させることができる1つ以上のプロバイオティクスを特定する情報、1つ以上の食物を特定する情報及び/又は1つ以上の生活習慣を特定する情報を含み得る。一実施例でプロバイオティクスはカスタム型健康機能食品であってもよい。一実施例でプロバイオティクスを特定する情報は、一実施例による対象者に提案される1種以上の微生物を含むカスタム型健康機能食品を提案する情報であってもよい。
【0159】
一実施例で、腸内マイクロバイオーム調節案は、第1類型(1010)に分類された対象者に1つ以上のラクトバチルスパラカゼイ、1つ以上のラクトバチルスファーメンタム、1つ以上のラクトバチルスプランタルムグループ、及び/又は1つ以上のラクトコッカスラクティスグループを含む1種以上の微生物を含むプロバイオティクスを提案する情報を含み得る。第1類型(1010)の対象者に提案されるプロバイオティクス情報は多様性の増加のために同一の属に属する微生物のうちsubgroupを代表する1つ以上の微生物種をさらに提案することを含み得る。このように提案されたプロバイオティクスを摂取した対象者は菌株の摂取後、腸内マイクロバイオーム指数が増加し得る。第1類型に分類された対象者に提案される(i)ラクトバチルスパラカゼイはラクトバチルスパラカゼイsubsp. パラカゼイ、ラクトバチルスパラカゼイsubsp. トレランス、またはラクトバチルスパラカゼイsubsp. トレランスHM0866(受託番号:KCTC14409BP、以下同一)を含み得、(ii)ラクトバチルスファーメンタムはラクトバチルスファーメンタムHM0740(受託番号:KCTC14406BP、以下同一)を含み得;(iii)ラクトバチルスプランタルムグループはLactobacillus plantarum、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus paraplantarum、Lactobacillus fabifermentans、Lactobacillus xiangfangensis、Lactobacillus herbarum、Lactobacillus modestisalitolerans、またはこれらの亜種(subsp.)の1つ以上を含み得、ここで、Lactobacillus plantarumはLactobacillus plantarum subsp. plantarum、Lactobacillus plantarum subsp. argentoratensis、またはLactobacillus plantarum subsp. plantarum HM0782(受託番号:KCTC14407BP、以下同一)を含み得;(iv)ラクトコッカスラクティスグループはLactococcus lactis subsp. lactis(例:Lactococcus lactis subsp. lactis HM0850(受託番号:KCTC14408BP、以下同一))、Lactococcus lactis subsp. hordniae、Lactococcus lactis subsp. cremoris、またはLactococcus lactis subsp. tructaeを含み得る。
【0160】
一実施例で、腸内マイクロバイオーム調節案は、第2類型(1020)に分類される対象者に1つ以上のラクトバチルスファーメンタム、及び/又は1つ以上のラクトコッカスラクティスグループを含む1種以上の微生物を含むプロバイオティクスを提案する情報を含み得る。このように提案されたプロバイオティクスを摂取した対象者は菌株の摂取後、腸内マイクロバイオーム指数が増加し得る。第2類型に分類された対象者に提案される(i)ラクトバチルスファーメンタムはラクトバチルスファーメンタムHM0740を含み得;(ii)ラクトコッカスラクティスグループはLactococcus lactis subsp. lactis(例:Lactococcus lactis subsp. lactisHM0850)、Lactococcus lactis subsp. hordniae、Lactococcus lactis subsp. cremoris、またはLactococcus lactis subsp. tructaeを含み得る。
【0161】
一実施例で、腸内マイクロバイオーム調節案は、第3類型(1030)に分類される対象者に1つ以上のラクトバチルスファーメンタム、1つ以上のラクトバチルスプランタルムグループ及び/又は1つ以上のラクトコッカスラクティスグループを含む1種以上の微生物を含むプロバイオティクスを提案する情報を含み得る。第3類型(1030)の対象者に提案されるプロバイオティクス情報は食物繊維利用能力を改善するために、このような活性を高める微生物種をさらに提案することを含み得る。このように提案されたプロバイオティクスを摂取した対象者は菌株の摂取後、腸内マイクロバイオーム指数が増加し得る。第3類型に分類された対象者に提案される(i)ラクトバチルスファーメンタムはラクトバチルスファーメンタムHM0740を含み得;(ii)ラクトバチルスプランタルムグループはLactobacillus plantarum、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus paraplantarum、Lactobacillus fabifermentans、Lactobacillus xiangfangensis、Lactobacillus herbarum、Lactobacillus modestisalitolerans、またはこれらの亜種(subsp.)の1つ以上を含み得、ここで、Lactobacillus plantarumはLactobacillus plantarum subsp. plantarum、Lactobacillus plantarum subsp. argentoratensis、またはLactobacillus plantarum subsp. plantarum HM0782を含み得;(iii)ラクトコッカスラクティスグループはLactococcus lactis subsp. lactis(例:Lactococcus lactis subsp. lactis HM0850)、Lactococcus lactis subsp. hordniae、Lactococcus lactis subsp. cremoris、またはLactococcus lactis subsp. tructaeを含み得る。
【0162】
一実施例で、腸管理情報(1060)が特定の1つ以上の腸内マイクロバイオーム調節案の間には優先順位が指定され得る。当該優先順位は腸管理情報(1060)と連関した腸類型によって異なって指定され得る。即ち、腸管理情報(1060)内の1つ以上の腸内マイクロバイオーム調節案は、当該腸類型を有する対象者(110)の腸内マイクロバイオーム指数を変化(増加)させる程度に応じて優先順位を有し得る。
【0163】
図示された第1類型に関する腸管理情報の実施例(1110)で、腸管理情報(1060)は「堅果類摂取」、「野菜摂取」、「運動」、「ヨーグルト摂取」、「プロバイオティクス摂取」、「玄米摂取」、「果物摂取」等の腸内マイクロバイオーム調節案を示すことができる。当該腸内マイクロバイオーム調節案は1位から7位まで優先順位が指定されていることができる。「プロバイオティクス摂取」案において、腸管理情報(1060)はどのプロバイオティクスを摂取すべきか特定する情報をさらに含み得る。図示された第2類型に関する腸管理情報の実施例(1120)及び第3類型に関する腸管理情報の実施例(1130)も上述したことと類似の方式で第2類型(1020)及び第3類型(1030)の対象者(110)に対する腸内マイクロバイオーム調節案に関する情報を含み得る。
【0164】
一実施例で、腸管理情報(1060)は腸類型、腸内マイクロバイオーム数値、特定バイオマーカーの数値、プレボテラの数値、バクテロイデスの数値等の要素の少なくとも1つ以上により、互いに異なる腸内マイクロバイオーム調節案を含み得る。一実施例で、腸管理情報(1060)は腸類型、腸内マイクロバイオーム数値、特定バイオマーカーの数値、プレボテラの数値、バクテロイデスの数値等の要素の少なくとも1つ以上により、腸内マイクロバイオーム調節案の間の優先順位を異なって指定することができる。
【0165】
一実施例で、腸管理情報(1060)は対象者(110)の腸内マイクロバイオーム指数による対象者(110)の分類情報(1070)を含み得る。対象者(110)は腸内マイクロバイオーム指数により分類され得る。分類情報(1070)は対象者(110)が腸内マイクロバイオーム指数を基準にどの分類に属するかを示す情報であり得る。一実施例で、腸管理情報(1060)の腸内マイクロバイオーム調節案は分類情報(1070)が示す対象者(110)の特定分類と連関され得る。即ち、腸管理情報(1060)は特定分類に区分された対象者(110)の腸内マイクロバイオームを有意味に変化(改善)させることができる腸内マイクロバイオーム調節案を含み得る
【0166】
一実施例で、腸内マイクロバイオーム指数に基づいて多様な方式で対象者(110)が分類され得る。一実施例で、腸内マイクロバイオーム指数が高いほど健康人に近い状態に、低いほど疾病人に近い状態に分類され得る。一実施例で、腸内マイクロバイオーム指数に1つ以上の区間が設定され、その区間により対象者(110)が分類され得る。例えば、腸内マイクロバイオーム指数が0から100の間の値で表現される場合、腸内マイクロバイオーム指数が0以上40未満であれば「危険」に、40以上70未満であれば「注意」に、70以上100以下であれば「良好」に対象者(110)が分類され得る。実施例によって腸内マイクロバイオーム指数に設定される区間の個数や、区間の範囲が異なって設定され得る。
【0167】
一実施例で、腸内マイクロバイオーム指数に設定される区間は、全対象者の腸内マイクロバイオーム指数分布に基づいて設定されることもできる。例えば、全対象者の腸内マイクロバイオーム指数分布を四分位数で分けることができる。この場合、腸内マイクロバイオーム指数が上位25%未満に該当する場合「均衡」、上位25%以上50%未満である場合「若干均衡」、上位50%以上75%未満である場合「若干不均衡」、及び、上位75%以上100%以下である場合「不均衡」に対象者(110)が分類され得る。
【0168】
一実施例で、腸内マイクロバイオーム指数に設定される区間は、腸内マイクロバイオーム指数が有する精度に基づいて設定されることもできる。1つ以上の試料グループの各試料に対して腸内マイクロバイオーム指数を求め、その結果を検討することによって、腸内マイクロバイオーム指数の精度が算出され得る。例えば、所定の値(例:47)より大きい腸内マイクロバイオーム指数が算出される試料は実際の健康人の試料である確率が高く、当該値より小さい腸内マイクロバイオーム指数が算出される試料は実際の疾病人の試料である確率が高かったと仮定することができる。この場合、当該基準値(例:47)により腸内マイクロバイオーム指数の区間を分けることができる。即ち、腸内マイクロバイオーム指数が基準値(例:47)未満である場合、「不均衡」に、基準値(例:47)以上である場合「均衡」に対象者(110)を分類することができる。
【0169】
図12は、本開示の一実施例による腸内マイクロバイオーム指数決定方法(1200)を示した図である。本開示の多様な実施例による腸内マイクロバイオーム指数決定方法(1200)は装置(100)により行われ得る。本方法(1200)は、検査装置から対象者の生体試料に関する検査情報を獲得する段階(S1210)、検査情報に基づいて第1情報、第2情報、第3情報及び/又は第4情報を決定する段階(S1220)、及び/又は第1情報、第2情報、第3情報及び/又は第4情報に基づいて対象者の腸内マイクロバイオーム指数を決定する段階(S1230)を含み得る。
【0170】
段階S1210で、プロセッサ(210)は通信回路(230)を用いて検査装置(130)から対象者(110)の生体試料(112)に関する検査情報(132)を獲得することができる。段階S1220で、プロセッサ(210)は検査情報(132)に基づいて第1情報、第2情報、第3情報及び/又は第4情報を決定することができる。段階S1230で、プロセッサ(210)は第1情報、第2情報、第3情報及び/又は第4情報に基づいて、対象者(110)の腸内マイクロバイオーム指数を決定することができる。
【0171】
一実施例で、方法(1200)は、プロセッサ(210)が通信回路(230)を用いて腸内マイクロバイオーム指数を示す情報(136)を対象者の装置(140)に伝達する段階をさらに含み得る。
【0172】
一実施例で、メモリ(220)は基準試料に関する情報(134)を格納することができる。方法(1200)は、プロセッサ(210)が検査情報(132)及び/又は基準試料に関する情報(134)に基づいて、生体試料(112)内の各微生物種の存在比率の分布と基準試料(114)内の各微生物種の存在比率の分布の間の類似度を決定する段階、及び/又は決定された類似度に基づいて第1情報を決定する段階をさらに含み得る。
【0173】
一実施例で、本方法(1200)は、プロセッサ(210)が検査情報(132)に基づいて、生体試料(112)内に予め設定された共生微生物種及び有害微生物種に対する有害微生物種の存在比率を決定する段階、及び/又は決定された存在比率に基づいて第2情報を決定する段階をさらに含み得る。
【0174】
一実施例で、本方法(1200)は、プロセッサ(210)が検査情報(132)に基づいて生体試料(112)内に予め設定された有益微生物種の存在比率を決定する段階、及び/又は決定された存在比率に基づいて第3情報を決定する段階をさらに含み得る。
【0175】
一実施例で、本方法(1200)は、プロセッサ(210)が検査情報(132)に基づいて生体試料(112)内の全微生物種の個数及び全微生物種のそれぞれの存在比率の分布が均等な程度を決定する段階、及び/又は決定された全微生物種の個数及び/又は均等な程度に基づいて第4情報を決定する段階をさらに含み得る。
【0176】
一実施例で、本方法(1200)は、プロセッサ(210)が第1情報、第2情報、第3情報及び/又は第4情報のそれぞれに予め設定された加重値(c1、c2、c3、c4)を適用して、腸内マイクロバイオーム指数を決定する段階をさらに含み得る。
【0177】
図13は、本開示の一実施例による腸類型決定方法(1300)を示した図である。本開示の多様な実施例による腸類型決定方法(1300)は装置(100)により行われ得る。本方法(1300)は、検査装置から対象者の生体試料に関する検査情報を獲得する段階(S1310)、当該生体試料に対する炎症特異的なバイオマーカーの数値に基づいて、対象者の腸類型を第1類型に決定する段階(S1320)、及び/又はメモリから当該腸類型と連関した腸管理情報を獲得する段階(S1330)を含み得る。
【0178】
段階S1310で、プロセッサ(210)は通信回路(230)を用いて検査装置(130)から対象者(110)の生体試料(112)に関する検査情報(132)を獲得することができる。段階S1320で、プロセッサ(210)は検査情報(132)のうち生体試料(112)に対する炎症特異的なバイオマーカーの数値に基づいて、対象者(110)の腸類型を第1類型(1010)に決定することができる。段階S1330で、プロセッサ(210)は決定された当該腸類型と連関した腸管理情報(1060)をメモリ(220)から獲得することができる。
【0179】
一実施例で、方法(1300)は、プロセッサ(210)が通信回路(230)を用いて、腸類型を示す情報及び/又は腸管理情報(1060)を対象者の装置(140)に伝達する段階をさらに含み得る。
【0180】
一実施例で、方法(1300)は、プロセッサ(210)が生体試料(112)に対するプロテオバクテリアの数値が略10%を超えるか、または生体試料(112)に対するフソバクテリウムの数値が略1%を超える場合、腸類型を第1類型(1010)に決定する段階をさらに含み得る。
【0181】
一実施例で、方法(1300)は、プロセッサ(210)が検査情報(132)に基づいて、対象者(110)の腸内マイクロバイオームの状態を示す腸内マイクロバイオーム指数を決定する段階、及び/又は生体試料(112)に対する炎症特異的なバイオマーカーの数値及び腸内マイクロバイオーム指数に基づいて、腸類型を第1類型(1010)に決定する段階をさらに含み得る。
【0182】
一実施例で、方法(1300)は、プロセッサ(210)が生体試料(112)に対する炎症特異的なバイオマーカーの数値が予め設定された第1基準を満たすか、または腸内マイクロバイオーム指数が予め設定された第2基準を満たせば、腸類型を第1類型(1010)に決定する段階をさらに含み得る。
【0183】
一実施例で、方法(1300)は、プロセッサ(210)が検査情報(132)に基づいて第1情報、第2情報、第3情報及び/又は第4情報を決定する段階、及び/又は第1情報、第2情報、第3情報及び/又は第4情報に基づいて腸内マイクロバイオーム指数を決定する段階をさらに含み得る。
【0184】
一実施例で、方法(1300)は、プロセッサ(210)が第1情報、第2情報、第3情報及び/又は第4情報のそれぞれに予め設定された加重値(c1、c2、c3、c4)を適用して、腸内マイクロバイオーム指数を決定する段階をさらに含み得る。
【0185】
一実施例で、方法(1300)は、プロセッサ(210)が通信回路(230)を用いて、腸類型を示す情報、腸管理情報(1060)及び/又は腸内マイクロバイオーム指数を示す情報(136)を対象者の装置(140)に伝達する段階をさらに含み得る。
【0186】
一実施例で、対象者(110)の腸類型が第1類型(1010)に決定されていない場合、方法(1300)は、プロセッサ(210)が生体試料(112)に対するプレボテラの数値が略3%を超えるれば腸類型を第2類型(1020)に決定し、略3%以下であれば腸類型を第3類型(1030)に決定する段階をさらに含み得る。
【0187】
本開示による方法は、コンピュータで具現された方法であってもよい。本開示で、当該方法の各段階が所定の順に図示されて説明されたが、各段階は順次行われること以外に、本開示により任意に組み合わせられる順序で行われることもできる。一実施例で、少なくとも一部の段階が並列的、反復的またはヒューリスティックに行われることもできる。本開示は、当該方法に変化または修正を加えることを除かない。一実施例で、少なくとも一部の段階が省略されたり、他の段階が追加されたりすることができる。
【0188】
本開示の多様な実施例は、機器(machine)が読み取れる記録媒体(machine-readable recording medium)に記録されたソフトウェアで具現され得る。ソフトウェアは上述した本開示の多様な実施例を実現するためのソフトウェアであってもよい。ソフトウェアは、本開示が属する技術分野のプログラマーによって本開示の多様な実施例から推論されることができる。例えば、ソフトウェアは機器が読み取ることができる命令(例:コードまたはコードセグメント)またはプログラムであってもよい。機器は記録媒体から呼び出された命令語によって動作が可能な装置であって、例えばコンピュータであってもよい。一実施例で、機器は、本開示の実施例による装置(100)であってもよい。一実施例で、機器のプロセッサは呼び出された命令を実行し、機器の構成要素が当該命令に該当する機能を行うようにすることができる。一実施例で、プロセッサは、本開示の実施例によるプロセッサ(210)であってもよい。記録媒体は機器によって読み取られることができる、データが格納される全ての種類の記録媒体(recording medium)を意味し得る。記録媒体は、例えば、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ格納装置等を含み得る。一実施例で、記録媒体はメモリ(220)であってもよい。一実施例で、記録媒体はネットワークで連結されたコンピュータシステム等に分散した形態として具現されることもできる。ソフトウェアはコンピュータシステム等に分散して格納され、実行され得る。記録媒体は非一時的(non-transitory)記録媒体であってもよい。非一時的記録媒体は、データが半永久的または臨時に格納されることと無関係に実在する媒体(tangible medium)を意味し、一時的(transitory)に伝播される信号(signal)を含まない。
【0189】
[腸類型によるカスタム型健康機能食品]
【0190】
本開示の一側面として、対象者に提供するための健康機能食品組成物が提案され得る。一実施例で、健康機能食品組成物はカスタム型健康機能食品組成物であってもよく、健康機能食品組成物は特定腸類型に分類された対象者に提供するためのものであってもよい。ここで、特定腸類型は、本開示の一実施例による装置または方法によって決定されたものであってもよく、例えば、本開示の一実施例による第1類型、第2類型、及び/又は第3類型であってもよく、これよりも細分化された類型であってもよい。一実施例で、健康機能食品組成物は対象者の腸内マイクロバイオーム指数を増加させることができる。一実施例で、健康機能食品組成物は人体に有用な機能性を有する原料や成分を用いて製造及び加工した食品を意味し得る。このような健康機能食品組成物は、通常の技術者が当該組成物の製造及び流通のために考慮できる追加の成分[例:フラクト-オリゴサッカライド、イヌリン、部分的に加水分解されたグアーガム(PHGG:partically hydorlized guar gum)のようなプレバイオティクス活性を有する食物繊維]を含み得、特に、共に摂取されるプロバイオティクスの増殖を助けることができるプレバイオティクスを含み得る。
【0191】
一実施例で、プレバイオティクスは下表3及び表4に記載されたもののうち1種以上であってもよい。
【0192】
【0193】
【0194】
一実施例で、プレバイオティクスは(prebiotics)は大腸内で1つ以上のプロバイオティク微生物の成長及び活性を選択的に刺激して人間の健康を増進させることができる非消化性(nondigestible)食品成分を意味し得る。プレバイオティクスは非消化性炭水化物(オリゴ-または、ポリサッカライド)または消化管上部で分解されなかったり吸収されない糖アルコールであってもよい。例えば、イヌリン(inulin)、フラクト-オリゴサッカライド、キシロオリゴ糖またはトランスガラクト-オリゴサッカライド等が用いられ得る。
【0195】
一実施例で、健康機能食品組成物は、本開示の一実施例で対象者に提供されるものとして記載された1種以上の微生物を含むプロバイオティクスを含み得る。一実施例で、健康機能食品組成物は、本開示の一実施例で対象者に提供されるものとして記載された1種以上の微生物の組合わせを含み得る。
【0196】
一実施例で、第1類型に分類された対象者に提供するための、ラクトバチルスパラカゼイsubsp. トレランスHM0866、ラクトバチルスファーメンタムHM0740、ラクトバチルスプランタルムsubsp. プランタルムHM0782、及びラクトコッカスラクティスsubsp. ラクティスHM0850からなる群から選択された1つ以上の微生物を含むカスタム型健康機能食品組成物が提供され得る。
【0197】
一実施例で、第2類型に分類された対象者に提供するための、ラクトバチルスファーメンタムHM0740及びラクトコッカスラクティスsubsp. ラクティスHM0850からなる群から選択された1つ以上の微生物を含むカスタム型健康機能食品組成物が提供され得る。
【0198】
一実施例で、第3類型に分類された対象者に提供するための、ラクトバチルスファーメンタムHM0740、ラクトバチルスプランタルムsubsp. プランタルムHM0782、及びラクトコッカスラクティスsubsp. ラクティスHM0850からなる群から選択された1つ以上の微生物を含むカスタム型健康機能食品組成物が提供され得る。
【0199】
以上で多様な実施例によって本開示の技術的思想が説明されたが、本開示の技術的思想は、本開示が属する技術分野において通常の知識を有する者が理解できる範囲でなされ得る多様な置換、変形及び変更を含む。また、そのような置換、変形及び変更は添付の請求の範囲内に含まれることができるものと理解されるべきである。本開示による実施例は互いに組み合わせられ得る。各実施例は、場合の数によって多様に組み合わせられ得、組み合わせられて作られた実施例も本開示の範囲に属する。
【0200】
[実験例1]
【0201】
1.生体試料の収集
【0202】
本出願人であるサービス提供者の2次市民科学プロジェクト(保健福祉部指定の共用機関生命倫理委員会人体適用試験承認番号IRB No. P01-2019-05-11-004)では、満19歳以上の健康な韓国人男女から自発的支援者を募集して、試験対象として略1081名を選定した。対象者には採便キットを提供し、採便キットは採便桶、採便紙、キット使用説明書で構成され、研究同意のための研究説明書及び同意書が同封される。
【0203】
選定された対象者のうち452名に下表5の互いに異なる微生物菌株を2週の間摂取させ、摂取前と摂取後に対象者の生体試料を採取して腸内マイクロバイオーム指数を分析した。
【0204】
【0205】
対象者の糞便は微生物の変成を防ぐ緩衝液に浸して伝達された。緩衝液の組成は表6に示した。採便収集を完了した採便キットは採便後48時間以前に発送できるように勧め、発送時点前までは試料の変成を防ぐために日が当たらない涼しい場所に常温保管するように案内した。
【0206】
【0207】
2.腸内微生物群集の分析
【0208】
(1)16SリボソームRNA遺伝子配列の分析
【0209】
上記収集された大便サンプルを用いて大便の遺伝体DNAを抽出した。全てのサンプルはDNA緩衝液に浸されて収集された状態なので、具体的には、収集直後FastPrep(MP Biomedicals)にてspeed 6.0で40秒間均質化(homogenization)して物理的な方法で遺伝体DNA(genomic DNA)を抽出した。
【0210】
具体的には、上記遺伝体DNA抽出方法で抽出されたDNAを利用し、universal primerを用いて重合酵素連鎖反応(PCR reaction)を通じて広範囲なTaxonomic groupを対象とした多様な類型のアンプリコン(amplicon)を生成した。上記universal primerの配列は、下記の通りであり、アンプリコン形成のためのPCR premixの組成及びPCR実行条件を表7及び表8にそれぞれ示した。
【0211】
正方向universal primer (配列番号75):5-CCTACGGGNGGCWGCAG-3’
【0212】
逆方向universal primer (配列番号76):5-GACTACHVGGGTATCTAATCC-3'
【0213】
【0214】
【0215】
このように生成されたアンプリコンは精製した後、Bioanalyzer(Agilent)、qPCR等を用いてアンプリコン品質検査段階(Quality Control;QC)を行い、大便のgenomic DNAで抽出された腸内微生物の16S rRNA配列を得たことを確認した後、MiSeq(Illumina)装備を通じて次世代塩基配列分析技術(Next Generation Sequencing;NGS)を用いて、上記試料の16sリボソームRNA遺伝子配列の分析を施行した。
【0216】
試料の前処理及びQC過程は、試料の準備(試料の希薄及び溶解)、DNA抽出(菌体lysis及びDNA抽出)、PCRを用いたDNA増幅過程、Pooing(サンプル混合)、及びウム配列の分析(NGS機器を作用して配列分析)を含む。
【0217】
具体的には、DNA増幅過程でGel QC結果650bp付近でDNA bandが示されることを確認し、Picogreen試薬を用いたDNA定量分析の結果DNA濃度が5 ng/μl以上になるようにした。サンプル混合段階ではBioanalyzer QC結果DNA peakにmain peak以外のshort peakが観察されないか確認し、picogreen QC結果DNA濃度が5 ng/μl以上を基準としてquality controlを行った。
【0218】
(2)微生物群集の分析
【0219】
上記次世代塩基配列分析技法(NGS)にて1つのサンプルで数千個の遺伝子配列を生成した後には、標準菌株及び非培養微生物の16SリボソームRNA遺伝子配列データベース(EzTaxon)及びイージーバイオクラウド分析システム(http://www.ezbiocloud.com)で微生物群集(bacterial community)情報を門(phylum)から種(species)段階まで分析した。
【0220】
3.腸類型の分析
【0221】
上記2.の項目で分析された対象者の微生物群集分析データを用いて、本開示の一実施例による第1過程及び第2過程を用いて対象者の腸類型を第1類型、第2類型、及び第3類型に分析して分類した。各菌株を摂取した対象者の腸類型を分析した結果は下表9の通りである。
【0222】
【0223】
4.腸内マイクロバイオーム指数の分析
【0224】
前記2.の項目で分析された対象者の微生物群集分析データを用いて、本開示の一実施例による方法で腸内マイクロバイオーム指数を分析した。腸内マイクロバイオーム指数の増減確認のために当該指数によってサンプルを選別し、菌株の摂取前後の平均腸内マイクロバイオーム指数の変化を計算し、これを
図14に示した。
【0225】
第2類型の場合、腸内マイクロバイオーム指数が70点未満のサンプルを選別し、第1類型と第3類型の場合、腸内マイクロバイオーム指数が60点未満のサンプルを選別した。このように選別された結果は、下記の通りである。
【0226】
【0227】
具体的には、腸内マイクロバイオーム指数は
図7に示された関数を用いて計算され、この際、第1情報は上記数学式1により計算され、第2情報は数学式4により計算され、第3情報は数学式5により計算され、第4情報は数学式6により計算された。
図14によれば、第1類型を有する対象者においてはA菌株、B菌株、C菌株、及びD菌株の全てに対して5%以上腸内マイクロバイオーム指数が増加する結果が示された。特に、B菌株及びD菌株を摂取したときには、腸内マイクロバイオーム指数が略30%増加した。従って、第1類型を有する対象者に腸内マイクロバイオーム指数の増加のためにA菌株~D菌株を摂取するよう提案することができるものであり、このような菌株を1つ以上含むカスタム型健康機能食品は、摂取者の腸内マイクロバイオーム指数を増加させるはずである。さらに、このような菌株を組み合わせて提案したり摂取する場合、腸内マイクロバイオーム指数をより一層増加させることができるはずである。
【0228】
第2類型を有する対象者においてはB菌株及びD菌株を摂取した場合、5%以上腸内マイクロバイオーム指数が増加する結果が示された。従って、第2類型を有する対象者に腸内マイクロバイオーム指数の増加のためにB菌株及びD菌株を摂取するよう提案することができるものであり、このような菌株を1つ以上含むカスタム型健康機能食品は摂取者の腸内マイクロバイオーム指数を増加させるはずである。さらに、このような菌株を組み合わせて提案したり摂取する場合、腸内マイクロバイオーム指数をより一層増加させることができるはずである。
【0229】
第3類型を有する対象者においてはB菌株、C菌株及びD菌株を摂取した場合、5%以上腸内マイクロバイオーム指数が増加する結果が示された。従って、第3類型を有する対象者に腸内マイクロバイオーム指数の増加のためにB菌株、C菌株及びD菌株を摂取するよう提案することができるものであり、このような菌株を1つ以上含むカスタム型健康機能食品は摂取者の腸内マイクロバイオーム指数を増加させるはずである。さらに、このような菌株を組み合わせて提案したり摂取する場合、腸内マイクロバイオーム指数をより一層増加させることができるはずである。
[受託番号]
【0230】
寄託機関名:韓国生命工学研究院
【0231】
受託番号:KCTC14406BP
【0232】
受託日付:20201210
【0233】
寄託機関名:韓国生命工学研究院
【0234】
受託番号:KCTC14407BP
【0235】
受託日付:20201210
【0236】
寄託機関名:韓国生命工学研究院
【0237】
受託番号:KCTC14408BP
【0238】
受託日付:20201210
【0239】
寄託機関名:韓国生命工学研究院
【0240】
受託番号:KCTC14409BP
【0241】
受託日付:20201210
【0242】
【0243】
【0244】
【0245】
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2023-02-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回路;
1つ以上のプロセッサ;及び
前記1つ以上のプロセッサによる実行時、前記1つ以上のプロセッサが演算を行うようにする命令が格納された1つ以上のメモリを含み、
前記1つ以上のプロセッサは、
前記通信回路を用いて、1つ以上の検査装置から対象者の生体試料に関する検査情報を獲得し、
前記検査情報に基づいて、予め設定された基準試料と前記生体試料との間の微生物類似度に関する第1情報、前記対象者の腸内有害微生物の比率に関する第2情報、前記対象者の腸内有益微生物の比率に関する第3情報及び前記対象者の腸内微生物の多様性に関する第4情報を決定し、
前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報に基づいて、前記対象者の腸内マイクロバイオーム(microbiome)の状態を示す腸内マイクロバイオーム指数を決定する、装置。
【請求項2】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記通信回路を用いて、前記腸内マイクロバイオーム指数を示す情報を前記対象者の装置に伝達する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1つ以上のメモリは、前記基準試料に関する情報をさらに格納し、
前記1つ以上のプロセッサは、
前記検査情報及び前記基準試料に関する情報に基づいて、前記生体試料内の各微生物種の存在比率の分布と前記基準試料内の各微生物種の存在比率の分布との間の類似度を決定し、
前記類似度に基づいて、前記第1情報を決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記検査情報に基づいて、前記生体試料内に予め設定された共生微生物種及び有害微生物種に対する前記有害微生物種の存在比率を決定し、
前記存在比率に基づいて、前記第2情報を決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記検査情報に基づいて、前記生体試料内に予め設定された有益微生物種の存在比率を決定し、
前記存在比率に基づいて、前記第3情報を決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記検査情報に基づいて、前記生体試料内の全微生物種の個数及び前記全微生物種のそれぞれの存在比率の分布が均等な程度を決定し、
前記全微生物種の個数及び前記均等な程度に基づいて、前記第4情報を決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報のそれぞれに予め設定された加重値を適用して、前記腸内マイクロバイオーム指数を決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
1つ以上のプロセッサ及び前記1つ以上のプロセッサによって実行されるための命令が格納された1つ以上のメモリを含む装置で行われる方法において、
前記1つ以上のプロセッサが、1つ以上の検査装置から対象者の生体試料に関する検査情報を獲得する段階;
前記1つ以上のプロセッサが、前記検査情報に基づいて、予め設定された基準試料と前記生体試料との間の微生物類似度に関する第1情報、前記対象者の腸内有害微生物の比率に関する第2情報、前記対象者の腸内有益微生物の比率に関する第3情報及び前記対象者の腸内微生物の多様性に関する第4情報を決定する段階;及び
前記1つ以上のプロセッサが、前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報に基づいて、前記対象者の腸内マイクロバイオームの状態を示す腸内マイクロバイオーム指数を決定する段階を含む、方法。
【請求項9】
1つ以上のプロセッサによる実行時、前記1つ以上のプロセッサが演算を行うようにする命令を記録した非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサが、
1つ以上の検査装置から獲得された対象者の生体試料に関する検査情報に基づいて、予め設定された基準試料と前記生体試料との間の微生物類似度に関する第1情報、前記対象者の腸内有害微生物の比率に関する第2情報、前記対象者の腸内有益微生物の比率に関する第3情報及び前記対象者の腸内微生物の多様性に関する第4情報を決定し、
前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報に基づいて、前記対象者の腸内マイクロバイオームの状態を示す腸内マイクロバイオーム指数を決定するようにする、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
通信回路;
1つ以上のプロセッサ;及び
前記1つ以上のプロセッサによる実行時、前記1つ以上のプロセッサが演算を行うようにする命令が格納された1つ以上のメモリを含み、
前記1つ以上のプロセッサは、
前記通信回路を用いて、1つ以上の検査装置から対象者の生体試料に関する検査情報を獲得し、
前記検査情報のうち、前記生体試料に対する炎症特異的なバイオマーカーの数値及び/又は前記検査情報に基づいて決定された前記対象者の腸内マイクロバイオームの状態を示す腸内マイクロバイオーム指数に基づいて、前記対象者の腸類型を第1類型に決定し、
前記1つ以上のメモリから、前記腸類型と連関した腸管理情報を獲得し、
前記腸管理情報は、前記腸類型を有する前記対象者の腸内マイクロバイオーム調節案を示す、装置。
【請求項11】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記通信回路を用いて、前記腸類型を示す情報及び前記腸管理情報を前記対象者の装置に伝達する、請求項10に記載の装置
【請求項12】
前記炎症特異的なバイオマーカーはプロテオバクテリア(Proteobacteria)門(Phylum)微生物及びフソバクテリウム(Fusobacterium)属(Genus)微生物のうちで選択された少なくとも1つである、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記生体試料に対する前記プロテオバクテリア門微生物の存在比率が10%を超えるか、または前記生体試料に対する前記フソバクテリウム属微生物の存在比率が1%を超える場合、前記腸類型を前記第1類型に決定する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記生体試料に対する前記炎症特異的なバイオマーカーの数値が予め設定された第1基準を満たすか、及び/又は前記腸内マイクロバイオーム指数が予め設定された第2基準を満たせば、前記腸類型を前記第1類型に決定する、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記検査情報に基づいて、予め設定された基準試料と前記生体試料との間の微生物類似度に関する第1情報、前記対象者の腸内有害微生物の比率に関する第2情報、前記対象者の腸内有益微生物の比率に関する第3情報及び前記対象者の腸内微生物の多様性に関する第4情報を決定し、
前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報に基づいて、前記腸内マイクロバイオーム指数を決定する、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報及び前記第4情報のそれぞれに予め設定された加重値を適用して、前記腸内マイクロバイオーム指数を決定する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記通信回路を用いて
、前記腸類型を示す情報、前記腸管理情報及び前記腸内マイクロバイオーム指数を示す情報を前記対象者の装置に伝達する、請求項10に記載の装置。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記対象者の前記腸類型が前記第1類型に決定されていない場合、
前記生体試料に対するプレボテラ(Prevotella)属微生物の存在比率が3%を超えれば前記腸類型を第2類型に決定し、3%以下であれば前記腸類型を第3類型に決定する、請求項10に記載の装置。
【請求項19】
前記腸管理情報の前記腸内マイクロバイオーム調節案は、前記腸類型に対応する特定プロバイオティクスの摂取、特定食物の摂取及び特定生活習慣の適用のうちで選択された少なくとも1つを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項20】
前記腸管理情報の前記腸内マイクロバイオーム調節案は、前記腸類型を有する前記対象者の前記腸内マイクロバイオーム指数を変化させる程度に応じて優先順位を有する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記腸内マイクロバイオーム調節案は、
(i)第1類型に分類された対象者に1つ以上のラクトバチルスパラカゼイ、1つ以上のラクトバチルスファーメンタム、1つ以上のラクトバチルスプランタルムグループ、及び/又は1つ以上のラクトコッカスラクティスグループを含む1種以上の微生物を含むプロバイオティクスを提案すること;
(ii)第2類
型に分類される対象者に1つ以上のラクトバチルスファーメンタム、及び/又は1つ以上のラクトコッカスラクティスグループを含む1種以上の微生物を含むプロバイオティクスを提案すること;または
(iii)第3類
型に分類される対象者に1つ以上のラクトバチルスファーメンタム、1つ以上のラクトバチルスプランタルムグループ及び/又は1つ以上のラクトコッカスラクティスグループを含む1種以上の微生物を含むプロバイオティクスを提案することである、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
ラクトバチルスパラカゼイはラクトバチルスパラカゼイsubsp. パラカゼイ、ラクトバチルスパラカゼイsubsp. トレランス、またはラクトバチルスパラカゼイsubsp. トレランス(Lactobacillus paracasei subsp. tolerance)HM0866(受託番号:KCTC14409BP)を含むものである、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
ラクトバチルスファーメンタムはラクトバチルスファーメンタム(Lactobacillus fermentum)HM0740(受託番号:KCTC14406BP)を含むものである、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
ラクトバチルスプランタルムグループはラクトバチルスプランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルスペントーサス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルスパラプランタルム(Lactobacillus paraplantarum)、ラクトバチルスファビファーメンタス(Lactobacillus fabifermentans)、ラクトバチルスシアンファンゲンシス(Lactobacillus xiangfangensis)、ラクトバチルスハーバラム(Lactobacillus herbarum)、ラクトバチルスモデスティサリトレランス(Lactobacillus modestisalitolerans)及びこれらの亜種(subsp.)からなる群から選択された1つ以上を含むものである、請求項21に記載の装置。
【請求項25】
ラクトバチルスプランタルムは、ラクトバチルスプランタルムsubsp. プランタルム(Lactobacillus plantarum subsp. plantarum)、ラクトバチルスプランタルムsubsp. アルゲントラテンシス(Lactobacillus plantarum subsp. argentoratensis)、またはラクトバチルスプランタルムsubsp. プランタルム(Lactobacillus plantarum subsp. plantarum)HM0782(受託番号:KCTC14407BP)を含むものである、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
ラクトコッカスラクティスグループはラクトコッカスラクティスsubsp. ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)、ラクトコッカスラクティスsubsp. ホールドニアエ(Lactococcus lactis subsp. hordniae)、ラクトコッカスラクティスsubsp. クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)、ラクトコッカスラクティスsubsp. トゥルクテ(Lactococcus lactis subsp. tructae)、及びラクトバチルスラクティスsubsp. ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)HM0850(受託番号:KCTC14408BP)からなる群から選択された1つ以上を含むものである、請求項21に記載の装置。
【請求項27】
ラクトバチルスパラカゼイはラクトバチルスパラカゼイsubsp. トレランス(Lactobacillus paracasei subsp. tolerance)HM0866(受託番号:KCTC14409BP)を含み、
ラクトバチルスファーメンタムはラクトバチルスファーメンタム(Lactobacillus fermentum)HM0740(受託番号:KCTC14406BP)を含み、
ラクトバチルスプランタルムはラクトバチルスプランタルムsubsp. プランタルム(Lactobacillus plantarum subsp. plantarum)HM0782(受託番号:KCTC14407BP)を含み、
ラクトコッカスラクティスグループはラクトバチルスラクティスsubsp. ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)HM0850(受託番号:KCTC14408BP)を含むものである、請求項21に記載の装置。
【請求項28】
1つ以上のプロセッサ及び前記1つ以上のプロセッサによって実行されるための命令が格納された1つ以上のメモリを含む装置で行われる方法において、
前記1つ以上のプロセッサが、1つ以上の検査装置から対象者の生体試料に関する検査情報を獲得する段階;
前記1つ以上のプロセッサが、前記検査情報のうち、前記生体試料に対する炎症特異的なバイオマーカーの数値に基づいて、前記対象者の腸類型を第1類型に決定する段階;及び
前記1つ以上のプロセッサが、前記1つ以上のメモリから前記腸類型と連関した腸管理情報を獲得する段階を含み、
前記腸管理情報は、前記腸類型を有する前記対象者の腸内マイクロバイオーム調節案を示す、方法。
【請求項29】
1つ以上のプロセッサによる実行時、前記1つ以上のプロセッサが演算を行うようにする命令を記録した非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサが、
1つ以上の検査装置から獲得された対象者の生体試料に関する検査情報のうちで、前記生体試料に対する炎症特異的なバイオマーカーの数値に基づいて、前記対象者の腸類型を第1類型に決定し、
1つ以上のメモリから前記腸類型と連関した腸管理情報を獲得するようにし、
前記腸管理情報は、前記腸類型を有する前記対象者の腸内マイクロバイオーム調節案を示す、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
一実施例で、前記1つ以上のプロセッサは、前記通信回路を用いて、前記腸類型を示す情報、前記腸管理情報及び前記腸内マイクロバイオーム指数を示す情報を前記対象者の装置に伝達することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
一実施例で、前記腸内マイクロバイオーム調節案は、(i)第1類型に分類された対象者に1つ以上のラクトバチルスパラカゼイ、1つ以上のラクトバチルスファーメンタム、1つ以上のラクトバチルスプランタルムグループ、及び/又は1つ以上のラクトコッカスラクティスグループを含む1種以上の微生物を含むプロバイオティクスを提案すること;(ii)第2類型に分類される対象者に1つ以上のラクトバチルスファーメンタム、及び/又は1つ以上のラクトコッカスラクティスグループを含む1種以上の微生物を含むプロバイオティクスを提案すること;または(iii)第3類型に分類される対象者に1つ以上のラクトバチルスファーメンタム、1つ以上のラクトバチルスプランタルムグループ及び/又は1つ以上のラクトコッカスラクティスグループを含む1種以上の微生物を含むプロバイオティクスを提案するものであってもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
一実施例で、対象者(110)の検査情報(132)は対象者の生体試料(112)から腸内微生物の遺伝体DNAを得、腸内微生物のDNAから腸内微生物の16S rRNA遺伝情報を得て、このように得られた腸内微生物の16S rRNA遺伝情報を分析して対象者(110)の腸内微生物群集に関する種(species)水準に区別される菌種とこれらの菌種の占有比率を得る段階を行って得られた情報を含み得る。このような検査情報(132)に基づいて対象者の第1情報~第4情報を決定することができる。また、16S rRNA遺伝情報は次世代塩基配列分析(NGS;Next Generation Sequencing)プラットホームを用いて分析されることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
一実施例で、腸内微生物の16S rRNA遺伝情報を分析することは、16S rRNAの可変領域を特異的に増幅できるプライマーセットを用いてPCRを行う段階、好ましくは16S rRNAのV3~V4領域を特異的に増幅できるプライマーセットを用いてPCRを行う段階、さらに好ましくは、下記の配列を有するuniversal primerを用いてPCRを行ってアンプリコンを生成する段階を含み得、universal primerの例示的な配列は、下記の通りである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0216
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0216】
試料の前処理及びQC過程は、試料の準備(試料の希薄及び溶解)、DNA抽出(菌体lysis及びDNA抽出)、PCRを用いたDNA増幅過程、Pooing(サンプル混合)、及びDNA配列の分析(NGS機器を作用して配列分析)を含む。
【国際調査報告】