IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新華三技術有限公司の特許一覧

特表2023-530364障害検出方法、装置及びPEデバイス
<>
  • 特表-障害検出方法、装置及びPEデバイス 図1
  • 特表-障害検出方法、装置及びPEデバイス 図2
  • 特表-障害検出方法、装置及びPEデバイス 図3a
  • 特表-障害検出方法、装置及びPEデバイス 図3b
  • 特表-障害検出方法、装置及びPEデバイス 図4
  • 特表-障害検出方法、装置及びPEデバイス 図5
  • 特表-障害検出方法、装置及びPEデバイス 図6
  • 特表-障害検出方法、装置及びPEデバイス 図7
  • 特表-障害検出方法、装置及びPEデバイス 図8
  • 特表-障害検出方法、装置及びPEデバイス 図9
  • 特表-障害検出方法、装置及びPEデバイス 図10
  • 特表-障害検出方法、装置及びPEデバイス 図11
  • 特表-障害検出方法、装置及びPEデバイス 図12
  • 特表-障害検出方法、装置及びPEデバイス 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-14
(54)【発明の名称】障害検出方法、装置及びPEデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04L 43/10 20220101AFI20230707BHJP
   H04L 45/247 20220101ALI20230707BHJP
   H04L 41/0663 20220101ALI20230707BHJP
【FI】
H04L43/10
H04L45/247
H04L41/0663
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578789
(86)(22)【出願日】2020-06-30
(85)【翻訳文提出日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 CN2020099258
(87)【国際公開番号】W WO2022000264
(87)【国際公開日】2022-01-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518056748
【氏名又は名称】新華三技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】NEW H3C TECHNOLOGIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳建
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA12
5K030HA08
5K030HD03
5K030JA11
5K030LB08
(57)【要約】
本願は、障害検出方法、装置およびPEデバイスを提供し、通信技術の分野に関す。本願はEVPNにおける第1のPEデバイスに適用され、第1のPEデバイスはSRv6 PWトンネルを介して第2のPEデバイスに接続され、当該方法は、SRv6パケットを生成し、SRv6パケットに含まれた第1の指示子は、SRv6パケットの内層パケットがBFDパケットであることを示すために用いられることと、SRv6パケットを第2のPEデバイスに送信し、前記第2のPEデバイスに、第2のPEデバイスがテールノードである場合、BFDパケットに基づいてヘッドノードとの間のBFDセッションを確立し、ヘッドノードはBFDセッションによってヘッドノードとテールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることを実行させ、或いは、前記第2のPEデバイスに、第2のPEデバイスがスプライスデバイスである場合、テールノードにBFDパケットを透過伝送することで、ヘッドノードとテールノードとの間にBFDセッションを確立し、ヘッドノードはBFDセッションによってヘッドノードとテールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることを実現させることと、を含む。本願によれば、サービスフローの伝送遅延を低減することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イーサネット仮想プライベートネットワークEVPNにおける第1のプロバイダーエッジPEデバイスに適用される障害検出方法であって、
前記第1のPEデバイスは、インターネットプロトコルバージョン6セグメントルーティング擬似ワイヤSRv6 PWトンネルを介して第2のPEデバイスに接続され、
前記障害検出方法は、
第1の指示子を含むインターネットプロトコルバージョン6 SRv6パケットを生成し、前記第1の指示子は前記SRv6パケットの内層パケットが双方向転送検出BFDパケットであることを示すために用いられることと、
前記SRv6パケットを前記第2のPEデバイスに送信し、前記第2のPEデバイスに、
前記第2のPEデバイスがテールノードである場合、前記第2のPEデバイスは前記BFDパケットに基づいてヘッドノードとの間のBFDセッションを確立し、前記ヘッドノードは前記BFDセッションによって前記ヘッドノードと前記テールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることを実行させ、
或いは、前記第2のPEデバイスに、前記第2のPEデバイスがスプライスデバイスである場合、前記第2のPEデバイスはテールノードに前記BFDパケットを透過伝送することで、ヘッドノードとテールノードとの間にBFDセッションを確立し、ヘッドノードは前記BFDセッションによって前記ヘッドノードと前記テールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることを実行させることと、
を含み、
前記ヘッドノードと前記テールノードは、いずれもカスタムエッジCEデバイスに接続されるノードであることを特徴とする障害検出方法。
【請求項2】
前記ヘッドノードは第1のマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSデバイスであり、前記第1のPEデバイスは、第1のマルチプロトコルラベルスイッチング擬似ワイヤMPLS PWトンネルを介して前記第1のマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSデバイスに接続され、
前記SRv6パケットを生成する前に、前記障害検出方法は、
前記第1のMPLSデバイスによって送信された第1のMPLSパケットを受信することと、
前記第1のMPLSパケットをカプセル化解除して、前記第1のMPLSパケットにおける擬似ワイヤ付随制御チャネルPW ACHフィールドを読み取ることと、
前記PW ACHフィールドの値がBFD制御語である場合、前記PW ACHフィールドの後のBFDパケットを抽出し、前記BFD制御語は、前記第1のMPLSパケットに含まれた内層パケットがBFDパケットであることを示すために用いられることと、
を含み、
前記SRv6パケットを生成することは、
前記BFDパケットをカプセル化処理して、前記SRv6パケットを取得し、前記SRv6パケットの内層ルーティングヘッダーフィールドの値は前記第1の指示子であること、を含むことを特徴とする請求項1に記載の障害検出方法。
【請求項3】
前記PW ACHフィールドの後のBFDパケットを抽出した後、前記障害検出方法は、
自身の構成情報にはスプライス構成情報を含むか否かを判断し、前記スプライス構成情報は、前記第1のPEデバイスがMPLSネットワークとSRv6ネットワークとの相互通信を実現するためのものであることを示すために用いられることと、
自身の構成情報には前記スプライス構成情報を含む場合、前記BFDパケットをカプセル化処理して、前記SRv6パケットを取得するステップを実行することと、
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の障害検出方法。
【請求項4】
イーサネット仮想プライベートネットワークEVPNにおける第2のプロバイダーエッジPEデバイスに適用される障害検出方法であって、
前記第2のPEデバイスは第1のインターネットプロトコルバージョン6セグメントルーティング擬似ワイヤSRv6 PWトンネルを介して第1のPEデバイスに接続され、
前記障害検出方法は、
前記第1のPEデバイスによって送信された第1の指示子を含むインターネットプロトコルバージョン6 SRv6パケットを受信し、前記第1の指示子は前記SRv6パケットの内層パケットが双方向転送検出BFDパケットであることを示すために用いられることと、
前記第2のPEデバイスがテールノードである場合、前記BFDパケットに基づいてヘッドノードとの間のBFDセッションを確立し、前記ヘッドノードは前記BFDセッションによって前記ヘッドノードと前記テールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることと、
前記第2のPEデバイスがスプライスデバイスである場合、テールノードに前記BFDパケットを透過伝送してヘッドノードとテールノードとの間にBFDセッションを確立し、前記ヘッドノードは前記BFDセッションによって前記ヘッドノードと前記テールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることと、を含み、
ここで、前記ヘッドノードと前記テールノードは、いずれもカスタムエッジCEデバイスに接続されるノードである、
ことを特徴とする障害検出方法。
【請求項5】
前記テールノードは第2のマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSデバイスであり、前記第2のMPLSデバイスは前記第2のPEデバイスに接続され、
前記第2のPEデバイスはテールノードではない場合、テールノードに前記BFDパケットを透過伝送する前に、前記障害検出方法は、さらに、
前記SRv6パケットの内層ルーティングヘッダーフィールドを読み取ることと、
前記内層ルーティングヘッダーフィールドの値が前記第1の指示子であると確定する場合、前記SRv6パケット内から前記BFDパケットを抽出することと、
前記BFDパケットをカプセル化処理して、第2のMPLSパケットを取得し、前記第2のMPLSパケットの付随制御チャネルPW ACHフィールドの値はBFD制御語であることと、
を含み、
前記テールノードに前記BFDパケットを透過伝送することは、
前記第2のMPLSデバイスに前記第2のMPLSパケットを送信することを含む
ことを特徴とする請求項4に記載の障害検出方法。
【請求項6】
前記第1のPEデバイスによって送信されたSRv6パケットを受信した後、前記障害検出方法は、
自身の構成情報にはスプライス構成情報を含むか否かを判断し、前記スプライス構成情報は、前記第2のPEデバイスがSRv6ネットワークとMPLSネットワークとの相互通信を実現するためのものであることを示すために用いられることと、
自身の構成情報には前記スプライス構成情報を含む場合、自身がスプライスデバイスであることを確定することと、
自身の構成情報には前記スプライス構成情報を含まない場合、自身がテールノードであることを確定することと、
をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の障害検出方法。
【請求項7】
イーサネット仮想プライベートネットワークEVPNにおける第1のプロバイダーエッジPEデバイスに適用される障害検出装置であって、
前記第1のPEデバイスはインターネットプロトコルバージョン6セグメントルーティング擬似ワイヤSRv6 PWトンネルを介して第2のPEデバイスに接続され、
前記障害検出装置は、
第1の指示子を含むインターネットプロトコルバージョン6 SRv6パケットを生成するための生成モジュールであって、前記第1の指示子は前記SRv6パケットの内層パケットが双方向転送検出BFDパケットであることを示すために用いられる生成モジュールと、
前記SRv6パケットを前記第2のPEデバイスに送信し、前記第2のPEデバイスに、
前記第2のPEデバイスがテールノードである場合、前記第2のPEデバイスは前記BFDパケットに基づいてヘッドノードとの間のBFDセッションを確立し、前記ヘッドノードは前記BFDセッションによって前記ヘッドノードと前記テールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることを実行させ、
或いは、前記第2のPEデバイスに、前記第2のPEデバイスがスプライスデバイスである場合、前記第2のPEデバイスはテールノードに前記BFDパケットを透過伝送することによって、ヘッドノードとテールノードとの間にBFDセッションを確立し、ヘッドノードは前記BFDセッションによって前記ヘッドノードと前記テールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることを実現させる、ための送信モジュールと、
を含み、
前記ヘッドノードと前記テールノードは、いずれもカスタムエッジCEデバイスに接続されるノードである、
ことを特徴とする障害検出装置。
【請求項8】
前記ヘッドノードは第1のマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSデバイスであり、前記第1のPEデバイスは、第1のマルチプロトコルラベルスイッチング擬似ワイヤMPLS PWトンネルを介して、前記第1のマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSデバイスに接続され、
前記障害検出装置は、さらに、
前記生成モジュールがSRv6パケットを生成する前に、前記第1のMPLSデバイスによって送信された第1のMPLSパケットを受信するための受信モジュールと、
前記第1のMPLSパケットをカプセル化解除して、前記第1のMPLSパケットにおける擬似ワイヤ付随制御チャネルPW ACHフィールドを読み取るためのカプセル化解除モジュールと、
前記PW ACHフィールドの値がBFD制御語である場合、前記PW ACHフィールドの後のBFDパケットを抽出するための抽出モジュールと、
を含み、
前記BFD制御語は、前記第1のMPLSパケットに含まれた内層パケットがBFDパケットであることを示すために用いられ、
前記生成モジュールは、具体的に、前記BFDパケットをカプセル化処理して、前記SRv6パケットを取得するために用いられ、前記SRv6パケットの内層ルーティングヘッダーフィールドの値は前記第1の指示子である、
ことを特徴とする請求項7に記載の障害検出装置。
【請求項9】
前記装置は、さらに判断モジュールを含み、
前記判断モジュールは、
自身の構成情報にはスプライス構成情報を含むか否かを判断し、前記スプライス構成情報は、前記第1のPEデバイスがMPLSネットワークとSRv6ネットワークとの相互通信を実現するためのものであることを示すために用いられ、
自身の構成情報には前記スプライス構成情報を含む場合、前記BFDパケットをカプセル化処理して、前記SRv6パケットを取得するように、前記生成モジュールをトリガする、
ために用いられる、
ことを特徴とする請求項8に記載の障害検出装置。
【請求項10】
イーサネット仮想プライベートネットワークEVPNにおける第2のプロバイダーエッジPEデバイスに適用される障害検出装置であって、
前記第2のPEデバイスは第1のインターネットプロトコルバージョン6セグメントルーティング擬似ワイヤSRv6 PWトンネルを介して第1のPEデバイスに接続され、
前記障害検出装置は、
前記第1のPEデバイスによって送信された第1の指示子を含むインターネットプロトコルバージョン6 SRv6パケットを受信するための受信モジュールであって、前記第1の指示子は前記SRv6パケットの内層パケットが双方向転送検出BFDパケットであることを示すために用いられる受信モジュールと、
前記第2のPEデバイスがテールノードである場合、前記BFDパケットに基づいてヘッドノードとの間のBFDセッションを確立し、前記ヘッドノードは前記BFDセッションによって前記ヘッドノードと前記テールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えるための確立モジュールと、
前記第2のPEデバイスがスプライスデバイスである場合、テールノードに前記BFDパケットを透過伝送することによって、ヘッドノードとテールノードとの間にBFDセッションを確立し、前記ヘッドノードは前記BFDセッションによって前記ヘッドノードと前記テールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えるための透過伝送モジュールと、を含み、
前記ヘッドノードと前記テールノードは、いずれもカスタムエッジCEデバイスに接続されるノードである、
ことを特徴とする障害検出装置。
【請求項11】
前記テールノードは第2のマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSデバイスであり、前記第2のMPLSデバイスは前記第2のPEデバイスに接続され、
前記障害検出装置は、さらに、
前記SRv6パケットの内層ルーティングヘッダーフィールドを読み取るための読取モジュールと、
前記内層ルーティングヘッダーフィールドの値が前記第1の指示子であると確定する場合、前記SRv6パケット内から前記BFDパケットを抽出するための抽出モジュールと、
前記BFDパケットをカプセル化処理して、第2のMPLSパケットを取得するためのカプセル化モジュールと、を含み、
前記第2のMPLSパケットの付随制御チャネルPW ACHフィールドの値はBFD制御語であり、
前記透過伝送モジュールは、具体的に、前記第2のMPLSデバイスに前記第2のMPLSパケットを送信するために用いられる、
ことを特徴とする請求項10に記載の障害検出装置。
【請求項12】
前記障害検出装置は、さらに、判断モジュールを含み、
前記判断モジュールは、
前記第2のPEデバイスの構成情報にはスプライス構成情報を含むか否かを判断し、前記スプライス構成情報は、前記第2のPEデバイスがSRv6ネットワークとMPLSネットワークとの相互通信を実現するためのものであることを示すために用いられ、
前記第2のPEデバイスの構成情報には前記スプライス構成情報を含む場合、前記第2のPEデバイスはスプライスデバイスであることを確定し、
前記第2のPEデバイスの構成情報には前記スプライス構成情報を含まない場合、前記第2のPEデバイスはテールノードであることを確定する、
ために用いられる、ことを特徴とする請求項10に記載の障害検出装置。
【請求項13】
プロセッサと、通信インターフェースと、メモリと、通信バスとを含むPEデバイスであって、
プロセッサと、通信インターフェースと、メモリとは通信バスによって互いに通信し、
メモリは、コンピュータープログラムを格納するために用いられ、
プロセッサは、請求項1~3または4~6のいずれか一項に記載の方法のステップを実現するように、メモリに格納されたプログラムを実行するために用いられる、
ことを特徴とするPEデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は通信技術の分野に関し、特に障害検出方法、装置およびPEデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
イーサネット仮想プライベートネットワーク(Ethernet Virtual Private Network、EVPN、「イーサネット」ならびに「Ethernet」は登録商標)の発展に伴い、ラベルディストリビューションプロトコル(Label Distribution Protocol、LDP)とインターネットプロトコルバージョン6セグメントルーティング(Internet Protocol version 6 Segment Routing、SRv6)とはEVPNに共存している状態が現れている。例えば、図1に示すように、A1はプロバイダーエッジ(Provider Edge、PE)1及びPE2に接続され、PE1はPE2、PE3に接続される。A2はPE3及びPE4に接続され、PE3はPE1、PE4に接続される。PE2はPE4に接続される。ここで、A1、PE1及びPE2はマルチプロトコルラベルスイッチング(Multi-protocol Label Switching、MPLS)ドメインを構成し、A1とPE1との間、およびA1とPE2との間には、MPLS擬似ワイヤ(Pseudo Wire、PW)により通信する。PE1、PE2、PE3、PE4はSRv6ドメインを構成し、PE1とPE3との間、およびPE2とPE4との間には、SRv6 PWにより通信する。A2、PE3及びPE4はMPLSドメインを構成し、A2とPE3との間、およびA2とPE4との間には、MPLS PWにより通信する。
【0003】
A1とA2の間には、複数の通信リンクが存在している。ここで、A1-PE1-PE3-A2をメインリンクとして設定し、A1-PE2-PE4-A2をメインリンクのバックアップリンクとして設定する。PE1は、SRv6の障害検出メカニズムにより、PE1とPE3の間にリンク障害があるか否かを検出する。例えば、PE1は、PE3にpingコマンドを送信することで、リンク障害があるか否かを検出する。特定の時間にわたってPE3からの応答メッセージを受信しなかった場合、PE1はリンク障害があると確定する。リンク障害が検出された場合、PE1はLDPプロトコルに従ってA1に伝送制御プロトコル(Transmission Control Protocol、TCP)メッセージを送信して、PE1とPE3の間にリンク障害があることをA1に通知する。A1は当該TCPメッセージを受信してから、A1-PE1-PE3-A2からなるメインリンクの障害を検知して、サービスフローをバックアップリンクに切り替える。
【0004】
しかしながら、PE1はPE1とPE3とのリンク障害を確定する時に、サービスフローには、伝送遅延がすでに発生した。この時点でも、PE1はTCPメッセージを生成して、当該TCPメッセージをA1に送信する必要がある。この過程により、サービスフローの伝送遅延をさらに延長するため、A1は、障害リンクによって伝送されたサービスフローを他のバックアップリンクにタイムリーに切り替えることができなく、伝送遅延をさらに延長する。
【発明の概要】
【0005】
本願は障害検出方法、装置及びPEデバイスを提供して、障害リンクによって伝送されたサービスフローを他のバックアップリンクにタイムリーに切り替えることを実現し、サービスフローには比較的に長い伝送遅延が存在することを避ける。技術案の詳細は以下の通りである。
【0006】
第1の態様において、本願は障害検出方法を提供し、当該方法はイーサネット仮想プライベートネットワークEVPNにおける第1のプロバイダーエッジPEデバイスに適用され、前記第1のPEデバイスはインターネットプロトコルバージョン6セグメントルーティング擬似ワイヤSRv6 PWトンネルを介して第2のPEデバイスに接続され、
前記方法は、
第1の指示子を含むインターネットプロトコルバージョン6 SRv6パケットを生成し、前記第1の指示子は前記SRv6パケットの内層パケットが双方向転送検出BFDパケットであることを示すために用いられることと、
前記SRv6パケットを前記第2のPEデバイスに送信し、前記第2のPEデバイスに、
前記第2のPEデバイスがテールノードである場合、前記第2のPEデバイスは前記BFDパケットに基づいてヘッドノードとの間のBFDセッションを確立し、前記ヘッドノードは前記BFDセッションによって前記ヘッドノードと前記テールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることを実行させ、
或いは、前記第2のPEデバイスに、前記第2のPEデバイスがスプライスデバイスである場合、前記第2のPEデバイスはテールノードに前記BFDパケットを透過伝送することで、ヘッドノードとテールノードとの間にBFDセッションを確立し、ヘッドノードは前記BFDセッションによって前記ヘッドノードと前記テールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることを実行させることと、を含み、
前記ヘッドノードと前記テールノードは、いずれもカスタムエッジCEデバイスに接続されるノードである。
【0007】
一可能な実施形態において、前記ヘッドノードは第1のマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSデバイスであり、前記第1のPEデバイスは、第1のマルチプロトコルラベルスイッチング擬似ワイヤMPLS PWトンネルを介して、前記第1のマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSデバイスに接続され、
前記SRv6パケットを生成する前に、前記方法は、
前記第1のMPLSデバイスによって送信された第1のMPLSパケットを受信することと、
前記第1のMPLSパケットをカプセル化解除して、前記第1のMPLSパケットにおける擬似ワイヤ付随制御チャネルPW ACHフィールドを読み取ることと、
前記PW ACHフィールドの値がBFD制御語である場合、前記PW ACHフィールドの後のBFDパケットを抽出し、前記BFD制御語は、前記第1のMPLSパケットに含まれた内層パケットがBFDパケットであることを示すために用いられることと、
を含み、
前記SRv6パケットを生成することは、
前記BFDパケットをカプセル化処理して、前記SRv6パケットを取得し、前記SRv6パケットの内層ルーティングヘッダーフィールドの値は前記第1の指示子であることを含む。
【0008】
一可能な実施形態において、前記PW ACHフィールドの後のBFDパケットを抽出した後、前記方法は、さらに、
自身の構成情報にはスプライス構成情報を含むか否かを判断し、前記スプライス構成情報は、前記第1のPEデバイスがMPLSネットワークとSRv6ネットワークとの相互通信を実現するためのものであることを示すために用いられることと、
自身の構成情報には前記スプライス構成情報を含む場合、前記BFDパケットをカプセル化処理して、前記SRv6パケットを取得するステップを実行することと、
を含む。
【0009】
第2の態様において、本願は障害検出方法を提供し、前記方法はイーサネット仮想プライベートネットワークEVPNにおける第2のプロバイダーエッジPEデバイスに適用され、前記第2のPEデバイスは第1のインターネットプロトコルバージョン6セグメントルーティング擬似ワイヤSRv6 PWトンネルを介して第1のPEデバイスに接続され、
前記方法は、
前記第1のPEデバイスによって送信された第1の指示子を含むインターネットプロトコルバージョン6 SRv6パケットを受信し、前記第1の指示子は前記SRv6パケットの内層パケットが双方向転送検出BFDパケットであることを示すために用いられることと、
前記第2のPEデバイスがテールノードである場合、前記BFDパケットに基づいてヘッドノードとの間のBFDセッションを確立し、前記ヘッドノードは前記BFDセッションによって前記ヘッドノードと前記テールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることと、
前記第2のPEデバイスがスプライスデバイスである場合、テールノードに前記BFDパケットを透過伝送して、ヘッドノードとテールノードとの間にBFDセッションを確立し、前記ヘッドノードは前記BFDセッションによって前記ヘッドノードと前記テールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることと、を含み、
ここで、前記ヘッドノードと前記テールノードは、いずれもカスタムエッジCEデバイスに接続されるノードである。
【0010】
一可能な実施形態において、前記テールノードは第2のマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSデバイスであり、前記第2のMPLSデバイスは前記第2のPEデバイスに接続され、
前記第2のPEデバイスはテールノードではない場合、テールノードに前記BFDパケットを透過伝送する前に、前記方法は、さらに、
前記SRv6パケットの内層ルーティングヘッダーフィールドを読み取ることと、
前記内層ルーティングヘッダーフィールドの値が前記第1の指示子であると確定する場合、前記SRv6パケット内から前記BFDパケットを抽出することと、
前記BFDパケットをカプセル化処理して、第2のMPLSパケットを取得し、前記第2のMPLSパケットの付随制御チャネルPW ACHフィールドの値はBFD制御語であることと、
を含み、
前記テールノードに前記BFDパケットを透過伝送することは、
前記第2のMPLSデバイスに前記第2のMPLSパケットを送信することを含む。
【0011】
一可能な実施形態において、前記第1のPEデバイスによって送信されたSRv6パケットを受信した後、前記方法は、さらに、
自身の構成情報にはスプライス構成情報を含むか否かを判断し、前記スプライス構成情報は、前記第2のPEデバイスがSRv6ネットワークとMPLSネットワークとの相互通信を実現するためのものであることを示すために用いられることと、
自身の構成情報には前記スプライス構成情報を含む場合、自身がスプライスデバイスであることを確定することと、
自身の構成情報には前記スプライス構成情報を含まない場合、自身がテールノードであることを確定することと、
を含む。
【0012】
第3の態様において、本願は障害検出装置を提供し、当該装置はイーサネット仮想プライベートネットワークEVPNにおける第1のプロバイダーエッジPEデバイスに適用され、前記第1のPEデバイスは、インターネットプロトコルバージョン6セグメントルーティング擬似ワイヤSRv6 PWトンネルを介して第2のPEデバイスに接続され、
前記装置は、
第1の指示子を含むインターネットプロトコルバージョン6 SRv6パケットを生成するための生成モジュールであって、前記第1の指示子は前記SRv6パケットの内層パケットが双方向転送検出BFDパケットであることを示すために用いられる生成モジュールと、
前記SRv6パケットを前記第2のPEデバイスに送信し、前記第2のPEデバイスに、
前記第2のPEデバイスがテールノードである場合、前記第2のPEデバイスは前記BFDパケットに基づいてヘッドノードとの間のBFDセッションを確立し、前記ヘッドノードは前記BFDセッションによって前記ヘッドノードと前記テールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることを実行させ、、
或いは、前記第2のPEデバイスに、前記第2のPEデバイスがスプライスデバイスである場合、前記第2のPEデバイスはテールノードに前記BFDパケットを透過伝送することによって、ヘッドノードとテールノードとの間にBFDセッションを確立し、ヘッドノードは前記BFDセッションによって前記ヘッドノードと前記テールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることを実現させる、ための送信モジュールと、を含み、
前記ヘッドノードと前記テールノードは、いずれもカスタムエッジCEデバイスに接続されるノードである。
【0013】
一可能な実施形態において、前記ヘッドノードは第1のマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSデバイスであり、前記第1のPEデバイスは、第1のマルチプロトコルラベルスイッチング擬似ワイヤMPLS PWトンネルを介して、前記第1のマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSデバイスに接続され、
前記装置は、さらに、
前記生成モジュールがSRv6パケットを生成する前に、前記第1のMPLSデバイスによって送信された第1のMPLSパケットを受信するための受信モジュールと、
前記第1のMPLSパケットをカプセル化解除して、前記第1のMPLSパケットにおける擬似ワイヤ付随制御チャネルPW ACHフィールドを読み取るためのカプセル化解除モジュールと、
前記PW ACHフィールドの値がBFD制御語である場合、前記PW ACHフィールドの後のBFDパケットを抽出するための抽出モジュールと、を含み、
前記BFD制御語は、前記第1のMPLSパケットに含まれた内層パケットがBFDパケットであることを示すために用いられ、
前記生成モジュールは、具体的に、前記BFDパケットをカプセル化処理して、前記SRv6パケットを取得するために用いられ、前記SRv6パケットの内層ルーティングヘッダーフィールドの値は前記第1の指示子である。
【0014】
一可能な実施形態において、前記装置は、さらに、判断モジュールを含み、
前記判断モジュールは、
自身の構成情報にはスプライス構成情報を含むか否かを判断し、前記スプライス構成情報は、前記第1のPEデバイスがMPLSネットワークとSRv6ネットワークとの相互通信を実現するためのものであることを示すために用いられ、
自身の構成情報には前記スプライス構成情報を含む場合、前記BFDパケットをカプセル化処理して、前記SRv6パケットを取得するように、前記生成モジュールをトリガする、
ために用いられる。
【0015】
第4の態様において、本願は障害検出装置を提供し、前記装置はイーサネット仮想プライベートネットワークEVPNにおける第2のプロバイダーエッジPEデバイスに適用され、前記第2のPEデバイスは第1のインターネットプロトコルバージョン6セグメントルーティング擬似ワイヤSRv6 PWトンネルを介して第1のPEデバイスに接続され、
前記装置は、
前記第1のPEデバイスによって送信された第1の指示子を含むインターネットプロトコルバージョン6 SRv6パケットを受信するための受信モジュールであって、前記第1の指示子は前記SRv6パケットの内層パケットが双方向転送検出BFDパケットであることを示すために用いられる受信モジュールと、
前記第2のPEデバイスがテールノードである場合、前記BFDパケットに基づいてヘッドノードとの間のBFDセッションを確立し、前記ヘッドノードは前記BFDセッションによって前記ヘッドノードと前記テールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えるための確立モジュールと、
前記第2のPEデバイスがスプライスデバイスである場合、テールノードに前記BFDパケットを透過伝送することによって、ヘッドノードとテールノードとの間にBFDセッションを確立し、前記ヘッドノードは前記BFDセッションによって前記ヘッドノードと前記テールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えるための透過伝送モジュールと、を含み、
前記ヘッドノードと前記テールノードは、いずれもカスタムエッジCEデバイスに接続されるノードである。
【0016】
一可能な実施形態において、前記テールノードは第2のマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSデバイスであり、前記第2のMPLSデバイスは前記第2のPEデバイスに接続され、
前記装置は、さらに、
前記SRv6パケットの内層ルーティングヘッダーフィールドを読み取るための読取モジュールと、
前記内層ルーティングヘッダーフィールドの値が前記第1の指示子であると確定する場合、前記SRv6パケット内から前記BFDパケットを抽出するための抽出モジュールと、
前記BFDパケットをカプセル化処理して、第2のMPLSパケットを取得するためのカプセル化モジュールと、を含み、
前記第2のMPLSパケットの付随制御チャネルPW ACHフィールドの値はBFD制御語であり、
前記透過伝送モジュールは、具体的に、前記第2のMPLSデバイスに前記第2のMPLSパケットを送信するために用いられる。
【0017】
一可能な実施形態において、前記装置は、さらに、判断モジュールを含み、
前記判断モジュールは、
前記第2のPEデバイスの構成情報にはスプライス構成情報を含むか否かを判断し、前記スプライス構成情報は、前記第2のPEデバイスがSRv6ネットワークとMPLSネットワークとの相互通信を実現するためのものであることを示すために用いられ、
前記第2のPEデバイスの構成情報には前記スプライス構成情報を含む場合、前記第2のPEデバイスはスプライスデバイスであることを確定し、
前記第2のPEデバイスの構成情報には前記スプライス構成情報を含まない場合、前記第2のPEデバイスはテールノードであることを確定する、
ために用いられる。
【0018】
第5の態様において、本願はPEデバイスを提供し、プロセッサと、通信インターフェースと、メモリと、通信バスとを含むPEデバイスであって、プロセッサと、通信インターフェースと、メモリとは通信バスによって互いに通信し、
メモリは、コンピュータープログラムを格納するために用いられ、
プロセッサは、上記のいずれかの方法のステップを実現するように、メモリに格納されたプログラムを実行するために用いられる。
【0019】
第6の態様において、本願はコンピュータープログラムを格納しているコンピューター可読記憶媒体をさらに提供する。前記コンピュータープログラムがプロセッサにより実行されると、上記のいずれかの前記障害検出方法を実現する。
【0020】
第7の態様において、本願はコマンドを含むコンピュータープログラム製品をさらに提供する。そのコマンドがコンピューターによって実行されると、コンピューターに上記のいずれかの障害検出方法を実行させる。
【0021】
本願に係る障害検出方法、装置およびPEデバイスは、第1のPEデバイスはSRv6パケットを生成し、SRv6パケットに含まれた第1の指示子によって、当該SRv6パケットの内層パケットがBFDパケットであることを示す。第2のPEデバイスは当該SRv6パケットを受信した後、前記第1の指示子に基づいて、当該SRv6パケットからBFDパケットを抽出し、SRv6ドメイン内にBFDの方式で障害検出を行うことを実現することができる。また、当該第2のPEデバイスがスプライスデバイスである場合、第2のPEデバイスはテールノードに当該BFDパケットを透過伝送し、ヘッドノードとテールノードとの間に、ネットワークドメインを跨いでBFDセッションを確立することを実現できる。BFDセッションがミリ秒レベルの障害発見速度を実現できるため、ヘッドノードとテールノードとの間のBFDセッションによって、ヘッドノードとテールノードとの間のPWトンネルに障害があるか否かをタイムリーに検出できる。これにより、障害があることを検出した場合、サービスフローをバックアップトンネルにタイムリーに切り替え、サービスフローの伝送遅延を低減する。
【0022】
勿論、本願のいずれかの製品や方法を実施することは、必ず上記のすべての利点を同時に達成する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本願の実施例及び従来の技術の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例及び従来の技術に使用される図面について簡単に説明するが、以下に説明される図面は単に本願に係るいくつかの実施例によるものに過ぎず、当業者にとって、創造的な働きをせずに、これらの図面に基づいて他の図面が得られることは明らかである。
【0024】
図1図1は背景技術に係るEVPNネットワークアーキテクチャの例示的な模式図である。
図2図2は本願の実施例に係る障害検出方法のフローチャートである。
図3a図3aは本願の実施例に係るSRv6パケットヘッダーの例示的な模式図である。
図3b図3bは本願の実施例に係るSRv6パケットヘッダーの例示的な模式図である。
図4図4は本願の実施例に係る他の障害検出方法のフローチャートである。
図5図5は、本願の実施例に係るEVPNネットワークアーキテクチャの構造概略図である。
図6図6は本願の実施例に係る他の障害検出方法のフローチャートである。
図7図7は、本願の実施例に係る他のEVPNネットワークアーキテクチャの構造概略図である。
図8図8は本願の実施例に係る他の障害検出方法のフローチャートである。
図9図9は、本願の実施例に係る他のEVPNネットワークアーキテクチャの構造概略図である。
図10図10は本願の実施例に係る他の障害検出方法のフローチャートである。
図11図11は本願の実施例に係る障害検出装置の構造概略図である。
図12図12は本願の実施例に係る他の障害検出装置の構造概略図である。
図13図13は、本願の実施例に係るPEデバイスの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本願の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照して、実施例を挙げて、本願をさらに詳細に説明する。記載される実施例が全部の実施例ではなく、単に本願の一部の実施例にすぎないのは明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な働きをせずに得られるすべての他の実施例は、いずれも本願の保護請求する範囲に入る。
【0026】
本願の実施例は障害検出方法を提供し、当該方法はEVPNにおける第1のPEデバイスに適用され、第1のPEデバイスがSRv6 PWトンネルを介して第2のPEデバイスに接続される。図2のように、当該方法は、
S201において、第1の指示子を含むSRv6パケットを生成し、第1の指示子はSRv6パケットの内層パケットが双方向転送検出(Bidirectional Forwarding Detection、BFD)パケットであることを示すために用いられることと、
S202において、SRv6パケットを第2のPEデバイスに送信し、前記第2のPEデバイスに、第2のPEデバイスがテールノードである場合、第2のPEデバイスはBFDパケットに基づいてヘッドノードとの間のBFDセッションを確立し、ヘッドノードは、BFDセッションによって、ヘッドノードとテールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることを実行させ、或いは、前記第2のPEデバイスに、第2のPEデバイスがスプライス( splice)デバイスである場合、第2のPEデバイスはテールノードに前記BFDパケットを透過伝送することで、ヘッドノードとテールノードとの間にBFDセッションを確立し、ヘッドノードは、BFDセッションによって、ヘッドノードとテールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることを実行させることと、
を含む。
【0027】
ここで、スプライスデバイスとは、SRv6ドメインとMPLSドメインに接続されるデバイスを指す。第2のPEデバイスに接続されたMPLSデバイスがテールノードである場合、第2のPEデバイスは当該テールノードにBFDパケットを透過伝送する。第2のPEデバイスに接続されたMPLSデバイスがテールノードではない場合、第2のPEデバイスは当該MPLSデバイスに当該BFDパケットを透過伝送し、当該MPLSデバイスは、当該BFDパケットがMPLSドメイン内のテールノードに伝送されるまで、MPLSドメイン内に当該BFDパケットを転送する。
【0028】
ヘッドノードとテールノードは、いずれもカスタムエッジ(Custom Edge、CE)デバイスに接続されるノードである。ヘッドノードは、当該サービスフローを伝送するためのPWトンネルにおける最初のノードであり、テールノードは、当該サービスフローを伝送するためのPWトンネルにおける最後のノードである。
【0029】
一実施形態において、ヘッドノードとテールノードとの間のPWトンネルとバックアップトンネルの関係は、メイントンネルとバックアップトンネルの関係である。当該PWトンネルには障害がない場合、当該PWトンネルは、ヘッドノードとテールノードとの間のサービスフローを伝送し、バックアップトンネルは、サービスフローを伝送しない。当該PWトンネルには障害が発生した場合、PWトンネルによって伝送されるサービスフローをバックアップトンネルに切り替える。
【0030】
他の一実施形態において、ヘッドノードとテールノードとの間のPWトンネルとバックアップトンネルは、互いに等価トンネルである。これらの2つのトンネルにいずれも障害がない場合、これらの2つのトンネルはそれぞれヘッドノードとテールノードとの間のサービスフローの一部を伝送する。これらの2つのトンネルのうち1つのトンネルには障害がある場合、当該障害トンネルによって伝送されるサービスフローをもう1つのトンネルに切り替える。
【0031】
本願の実施例に係る障害検出方法では、第1のPEデバイスはSRv6パケットを生成し、SRv6パケットに含まれた第1の指示子によって、当該SRv6パケットの内層パケットがBFDパケットであることを示す。第2のPEデバイスが当該SRv6パケットを受信した後、前記第1の指示子に基づいて、当該SRv6パケットからBFDパケットを抽出し、SRv6ドメイン内でBFDによる障害検出を実現することができる。また、当該第2のPEデバイスがスプライスデバイスである場合、第2のPEデバイスはテールノードに当該BFDパケットを透過伝送して、ヘッドノードとテールノードとの間にネットワークドメインを跨いでBFDセッションを確立することを実現できる。BFDセッションがミリ秒レベルの障害発見速度を実現できるため、ヘッドノードとテールノードとの間のBFDセッションによって、ヘッドノードとテールノードとの間のPWトンネルに障害があるか否かをタイムリーに検出することができる。これにより、障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルにタイムリーに切り替え、サービスフローの伝送遅延を低減する。
【0032】
本願の一実施例において、上記ヘッドノードは第1のMPLSデバイスであり、第1のPEデバイスは第1のMPLS PWトンネルを介して第1のMPLSデバイスに接続される。ここで、第1のMPLSデバイスはMPLSドメイン内のPEデバイスである。上記S201において、SRv6パケットを生成する前に、当該方法は、さらに、
ステップ1において、第1のPEデバイスは、第1のMPLSデバイスによって送信された第1のMPLSパケットを受信することと、
ステップ2において、第1のPEデバイスは第1のMPLSパケットをカプセル化解除して、第1のMPLSパケットにおけるPW付随制御チャネル(Associated control channel、ACH)フィールドを読み取ることと、
ステップ3において、PW ACHフィールドの値がBFD制御語である場合、第1のPEデバイスはPW ACHフィールドの後のBFDパケットを抽出することと、
を含む。
【0033】
ここで、BFD制御語は、第1のMPLSパケットに含まれた内層パケットがBFDパケットであることを示すために用いられる。
【0034】
一実施形態において、第1のPEデバイスはBFDパケットを抽出した後、自身の構成情報にはスプライス構成情報を含むか否かを判断し、当該スプライス構成情報は、第1のPEデバイスがMPLSネットワークとSRv6ネットワークとの相互通信を実現するためのものであることを表すために用いられる。自身の構成情報にはスプライス構成情報を含む場合、上記S201を実行する。自身の構成情報にはスプライス構成情報を含まない場合、第1のPEデバイスは当該BFDパケットによって第1のMPLSデバイスとの間のBFDセッションを確立する。
【0035】
第1のPEデバイスが第1のMPLSパケットにおけるBFDパケットを抽出した上で、上記S201は、具体的に、当該BFDパケットをカプセル化処理して、SRv6パケットを得るように実現する。当該SRv6パケットの内層ルーティングヘッダーフィールドの値は第1の指示子である。
【0036】
第1のPEデバイスは、当該BFDパケットをカプセル化処理する過程において、基本的なカプセル化作業に加えて、SRv6パケットのヘッダーにおける内層ルーティングヘッダーフィールド(next header)の値を第1の指示子に設定する必要がある。
【0037】
例えば、図3aに示すように、SRv6パケットのヘッダーにはnext headerフィールドが1層のみある場合、当該next headerフィールドの値を第1の指示子に設定する。当該SRv6パケットのヘッダーはipv6基本ヘッダーである。
図3aにおいて、VerはVersion(バージョン番号)であり、プロトコルバージョンを表すために用いられ、その値が6である。
【0038】
Traffic class(トラフィッククラス)は、パケットのサービス品質(Quality of Service、Qos)を表すために用いられる。Flow label(フローラベル)は、同じデータフローにおけるパケットを示すために用いられる。payload length(ペイロード長)は、当該Ipv6基本ヘッダーの後に含まれるバイト数を示すために用いられる。next header(次のヘッダー)は、当該Ipv6基本ヘッダーの後に続く次のヘッダーのタイプを示すために用いられる。Hop limit(ホップ制限)は、パケットが転送されるたびにホップ数から1を減算し、当該フィールドの値が0になる場合、パケットは破棄される。Source address(発信元アドレス)は、当該パケットの発信元アドレスを示すために用いられる。Destination address(宛先アドレス)は、当該パケットの宛先アドレスを示すために用いられる。
【0039】
また、例えば、図3bに示すように、SRv6パケットのヘッダーには複数層のnext headerフィールドがある場合、最内層のnext headerフィールドの値を第1の指示子に設定する。
【0040】
図3bには、SRv6パケットのヘッダーは、Ipv6基本ヘッダーとルーティング拡張ヘッダーを含み、当該ルーティング拡張ヘッダーはIpv6 SRパケットヘッダー(Segment Identifier Header、SRH)である。図3bにおいて、最内層のnext headerフィールドは、SRHに含まれたnext headerフィールドである。
【0041】
SRHには下記の内容を含む。Next Headerは、次のヘッダーのタイプを示すために用いられる。Hdr Ext Len(拡張ヘッダー長)は、8バイトを単位とするSRHの長さを示し、当該長さにはSRHの最初の8バイトが含まれず、Hdr Ext Lenフィールドが占める長さは8bitsである。Routing Type(ルーティングタイプ)は、ルーティング拡張ヘッダーのタイプを示すために用いられ、その値が4であり、ルーティング拡張ヘッダーのタイプがSRHであることを示す。Routing Typeフィールドが占める長さは8bitsである。Segments Left(左のセグメント)は、ビューを必要とする次のセグメント識別子(Segment Identifier、SID)の番号を示すために用いられ、初期値がn-1(nはルーティング拡張ヘッダーにおけるSIDの数である)であり、1つのノードを通過するたびに値から1を減算する。Segments Leftフィールドが占める長さは8bitsである。Last Entry(最後のエントリ)は、SRHヘッダーにおけるパケット転送経路の最後のSIDの番号を示すために用いられ、その値が0である。Last Entryフィールドが占める長さは8bitsである。Flags(フラグ)は、フラグの情報であり、Flagsフィールドが占める長さは8bitsである。Tag(タグ)は、同じ特性を持つパケットのグループをマークするために用いられ、Tagフィールドが占める長さは168bitsである。Segment List(セグメントリスト)は、SIDリストを示すために用いられ、SIDリストにおけるSIDは、パケット転送経路上のノードが遠くから近くへの順で並べられている。すなわち、Segment List[0]は通信リンクの最後のSIDを示し、Segment List[1]は経路の最後から2番目のSIDを示し、このように類推する。Optional type length value objects(オプション・タイプ・長さ・値・オブジェクト)variableは、フィールドの値が変数であることを示す。
【0042】
本願の実施例において、SRv6パケットの最内層next headerフィールドの値を253に設定することができる。ここで、253タイプはプロトコルによって規定される実験的性質の予約タイプである。本願の実施例において、当該253タイプを第1の指示子として、SRv6パケットの内層パケットがBFDパケットであることを示す。
【0043】
図2における方法のプロセスに対応して、本願の実施例はさらに障害検出方法を提供し、当該方法はEVPNにおける第2PEデバイスに適用され、第2のPEデバイスが第1のSRv6 PWトンネルを介して第1のPEデバイスに接続される。図4のように、当該方法は、
S401において、第1のPEデバイスによって送信された第1の指示子を含むSRv6パケットを受信し、第1の指示子は、SRv6パケットの内層パケットがBFDパケットであることを示すために用いられることと、
S402において、第2のPEデバイスがテールノードである場合、BFDパケットに基づいてヘッドノードとの間のBFDセッションを確立し、ヘッドノードはBFDセッションによってヘッドノードとテールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることと、
S403において、第2のPEデバイスがスプライスデバイスである場合、テールノードにBFDパケットを透過伝送して、ヘッドノードとテールノードとの間にBFDセッションを確立し、且つヘッドノードはBFDセッションによってヘッドノードとテールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることと、
を含む。
【0044】
ここで、ヘッドノードとテールノードは、いずれもCEデバイスに接続されるノードである。
【0045】
ヘッドノード、テールノード及びバックアップトンネルに対する説明は、上記S202における関連する説明を参照することができる。
【0046】
本願の実施例に係る障害検出方法において、第2のPEデバイスは当該SRv6パケットを受信した後、第1の指示子によって、当該SRv6パケットの内層パケットがBFDパケットであることを確定する。さらに、第2のPEデバイスがテールノードである場合、ヘッドノードとの間のBFDセッションを確立する。第2のPEデバイスがスプライスデバイスである場合、テールノードに当該BFDパケットを透過伝送して、ヘッドノードとテールノードとの間にBFDセッションを確立する。BFDセッションがミリ秒レベルの障害発見速度を実現できるため、ヘッドノードとテールノードとの間のBFDセッションによって、ヘッドノードとテールノードとの間のPWトンネルに障害があるか否かをタイムリーに検出できる。これにより、障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルにタイムリーに切り替え、サービスフローの伝送遅延を低減する。
【0047】
一実施形態において、第2のPEデバイスは第1のPEデバイスによって送信されたSRv6パケットを受信した後、自身の構成情報にはスプライス構成情報を含むか否かを判断でき、スプライス構成情報は、第2のPEデバイスがSRv6ネットワークとMPLSネットワークとの間の相互通信を実現するためのものであることを示すために用いられる。
【0048】
自身の構成情報にはスプライス構成情報を含む場合、自身がスプライスデバイスであると判断し、自身の構成情報にはスプライス構成情報を含まない場合、自身がテールノードであると判断する。
本願の一実施例において、テールノードは第2のMPLSデバイスであり、第2のMPLSデバイスが第2のPEデバイスに接続される。上記S403において、第2のPEデバイスがテールノードではない場合、テールノードにBFDパケットを透過伝送する前に、当該方法は、さらに、下記のステップを含む。
【0049】
ステップAにおいて、SRv6パケットの内層ルーティングヘッダーフィールドを読み取る。
【0050】
例示として、図3aでは、当該内層ルーティングヘッダーフィールドが、ipv6基本ヘッダーにおけるnext headerフィールドである。図3bでは、当該内層ルーティングヘッダーフィールドは、SRHヘッダーにおけるnext headerフィールドである。
【0051】
ステップBにおいて、内層ルーティングヘッダーフィールドの値が第1の指示子であると確定する場合、SRv6パケット内からBFDパケットを抽出する。
【0052】
一実施形態において、当該第1の指示子の値は253である。
【0053】
ステップCにおいて、BFDパケットをカプセル化処理して、第2のMPLSパケットを取得し、第2のMPLSパケットのPW ACHフィールドの値はBFD制御語である。
【0054】
さらに、第2のPEデバイスはテールノードに当該第2のMPLSパケットを送信することにより、テールノードはBFD制御語を識別すると、当該第2のMPLSパケットをCEデバイスに転送せず、当該第2のMPLSパケットの内層のBFDパケットを処理する。
【0055】
以下、具体的なシーンにより、本願の実施例に係る障害検出方法を説明する。
【0056】
第1のシーンにおいて、図5に示すように、EVPNには第1のMPLSデバイスと、第1のPEデバイスと、第2のPEデバイスと、第2のMPLSデバイスとを含む。
【0057】
ここで、第1のMPLSデバイスと第2のMPLSデバイスはいずれもPEデバイスである。
【0058】
第1のMPLSデバイスはそれぞれ第1のPEデバイスと第3のPEデバイスに接続され、且つ第2のMPLSデバイスはそれぞれ第2のPEデバイスと第4のPEデバイスに接続される。
【0059】
第1のMPLSデバイスと第1のPEデバイスとの間に第1のMPLS PWトンネルがあり、第1のMPLSデバイスと第3のPEデバイスとの間に第3のMPLS PWトンネルがある。第1のMPLSデバイスと、第1のPEデバイスと、第3のPEデバイスは、MPLSネットワークを構成し、MPLSドメインに属する。
【0060】
第1のPEデバイスと第2のPEデバイスとの間に第1のSRv6 PWトンネルがあり、第3のPEデバイスと第4のPEデバイスとの間に第2のSRv6 PWトンネルがあり、第1のPEデバイスと、第2のPEデバイスと、第3のPEデバイスと、第4のPEデバイスはSRv6ネットワークを構成し、SRv6ドメインに属する。
【0061】
第2のMPLSデバイスと第2のPEデバイスとの間に第2のMPLS PWトンネルがあり、第2のMPLSデバイスと第4のPEデバイスとの間に第4のMPLS PWトンネルがある。第2のMPLSデバイスと、第2のPEデバイスと、第4のPEデバイスは、MPLSネットワークを構成し、MPLSドメインに属する。
【0062】
ここで、図5では、第1のMPLSデバイスと第2のMPLSデバイスとの間には複数の転送経路がある。その中の2つの転送経路を例として説明する。
【0063】
第1の経路は、第1のMPLSデバイス-第1のPEデバイス(MPLSインターフェース-SRv6インターフェース)-第2のPEデバイス(SRv6インターフェース-MPLSインターフェース)-第2のMPLSデバイスである。
【0064】
第2の経路は、第1のMPLSデバイス-第3のPEデバイス(MPLSインターフェース-SRv6インターフェース)-第4のPEデバイス(SRv6インターフェース-MPLSインターフェース)-第2のMPLSデバイスである。
【0065】
つまり、第1の経路は、第1のMPLS PWトンネルと、第1のSRv6 PWトンネルと、第2のMPLS PWトンネルとの接続による第1のトンネルである。第2の経路は、第3のMPLS PWトンネルと、第2のSRv6 PWトンネルと、第4のMPLS PWトンネルとの接続による第2のトンネルである。第1のトンネルと第2のトンネルは互いに等価トンネルであり、或いは第1のトンネルと第2のトンネルのうちの一方はメイントンネルであり、もう一方はバックアップトンネルである。
【0066】
第1のシーンでは、ヘッドノードは第1のMPLSデバイスであり、テールノードは第2のMPLSデバイスである。
【0067】
第1のシーンに基づいて、本願の実施例は障害検出方法を提供し、図6に示すように、当該方法は、
S601において、第1のPEデバイスは、第1のMPLSデバイスによって送信された第1のMPLSパケットを受信することと、
S602において、第1のPEデバイスは第1のMPLSパケットをカプセル化解除し、第1のMPLSパケットにおけるPW ACHフィールドの値がBFD制御語である場合、第1のMPLSパケットにおけるBFDパケットを抽出することと、
S603において、第1のPEデバイスはBFDパケットをカプセル化処理して、SRv6パケットを取得し、当該SRv6パケットの内層ルーティングヘッダーフィールドの値は第1の指示子であることと、
を含む。
【0068】
第1の指示子は、SRv6パケットにはBFDパケットがカプセル化されていることを示すために用いられる。
【0069】
一実施形態において、当該第1の指示子は具体的に、当該SRv6パケットを受信したPEデバイスがスプライスデバイスである場合、当該SRv6パケットにおけるBFDパケットをMPLSパケットにカプセル化し、且つ当該MPLSパケットにBFD制御語を追加し、当該SRv6パケットを受信したPEデバイスがテールノードである場合、当該SRv6パケットにおけるBFDパケットに基づいてヘッドノードとの間のBFDセッションを確立すること、を示すために用いられる。
【0070】
ここで、スプライスデバイスとは、MPLSネットワークとSRv6ネットワークに接続されるデバイスを指す。例えば、第1のシーンでは、第1のPEデバイスと第2のPEデバイスはいずれもスプライスデバイスである。テールノードは非スプライスデバイスであり、あるネットワークドメインの出口デバイスであり、例えば、第1のシーンにおける第2のMPLSデバイスである。
【0071】
S604において、第1のPEデバイスは第2のPEデバイスにSRv6パケットを送信する。
【0072】
S605において、第2のPEデバイスは、第1の指示子に基づいて、SRv6パケット内からBFDパケットを抽出し、BFDパケットを第2のMPLSパケットにカプセル化する。
【0073】
BFDパケットを第2のMPLSパケットにカプセル化する過程において、当該第2のMPLSパケットにおけるPW ACHフィールドの値をBFD制御語に設定する。
【0074】
S606において、第2のMPLS SWトンネルによって第2のMPLSデバイスに当該第2のMPLSパケットを送信する。
【0075】
S607において、第2のMPLSデバイスは、第2のMPLSパケットにおけるBFDパケットに基づいて、第1のMPLSデバイスとの間のBFDセッションを確立する。
【0076】
ここで、第2のMPLSデバイスは第2のMPLSパケットのPW ACHフィールドの値がBFD制御語に設置されていることを確定すると、当該第2のMPLSパケットの内層パケットが通常のトラフィックパケットではなく、BFDパケットであることを確定し、さらに、当該BFDパケットに基づいて、第1のMPLSデバイスとの間のBFDセッションを確立する。
【0077】
S608において、第1のMPLSデバイスはBFDセッションによって第1のMPLSデバイスと第2のMPLSデバイスとの間のPWトンネルには障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替える。
【0078】
ここで、第1のMPLSデバイスと第2のMPLSデバイスとの間のPWトンネルは上記第1のトンネルであり、バックアップトンネルは上記第2のトンネルである。
【0079】
当該BFDセッションは、第1のトンネルに障害があるか否かを検出するために用いられる。第1のトンネルに含まれたPWトンネルのいずれかに障害がある場合、サービスフローを第2のトンネルに切り替える。
【0080】
本願の実施例に係る障害検出方法では、第1のPEデバイスは、第1のMPLSデバイスによって送信された第1のMPLSパケットを受信した後、当該第1のMPLSパケット内にカプセル化されたBFDパケットをSRv6パケットに再カプセル化し、且つ当該SRv6パケットを第2のPEデバイスに送信する。第2のPEデバイスは、SRv6パケットにおける第1の指示子によって、当該SRv6パケットにBFDパケットがカプセル化されていることを確定し、さらに、当該SRv6パケット内にカプセル化されたBFDパケットをMPLSネットワークにおける第2のMPLSデバイスに透過伝送して処理する。これによって、第1のMPLSデバイスと第2のMPLSデバイスとの間にネットワークドメインに跨ってBFDセッションを確立することを実現する。BFDセッションがミリ秒レベルの障害発見速度を実現できるため、第1のMPLSデバイスと第2のMPLSデバイスとの間のトンネル障害の発見を更にタイムリーにさせる。これによって、サービスフローをタイムリーに切り替え、サービスフローの伝送遅延を低減する。
【0081】
本願の実施例の一実施態様において、図6の方法のプロセスを実現するために、上記第1のMPLSデバイス、第1のPEデバイス及び第2のPEデバイスに対して予めに構成する。
ここで、第1のMPLSデバイスの構成パラメータは次の通りである。
【0082】
ここで、xconnect-group 1は、第1のMPLSデバイスに接続されたPWトンネルが属する交差接続グループがgroup 1であることを示すために用いられる。connection 1は、第1のMPLSデバイスに接続されたPWトンネルの交差接続が接続1であることを示すために用いられる。ac interface GE 0/1は、第1のMPLSデバイス上のACインターフェースを示すために用いられる。bfd enable control-wordは、イネーブル制御語方式のBFDを示すために用いられる。bfd enable control-wordは本願の実施例における追加構成であり、当該構成によって、第1のMPLSデバイスはBFDパケットをカプセル化しているMPLSパケットを第1のPEデバイスに送信することができる。peer PE1_IP pw-id 1は、第1のMPLSデバイスがpw-id 1と識別されるPWトンネルを介してPE1に接続されることを示す。backup-peer PE2_IP pw-id 2は、第1のMPLSデバイスがpw-id 2と識別されるPWトンネルを介してPE1に接続されることを示す。
【0083】
第2のPEデバイスの構成パラメータは次の通りである。
【0084】
ここで、ac interface VE-L2VPN1 splicingは、第1のPEデバイスのVE-L2VPN1インターフェースがローカル・スプライスを必要とすることを示すために用いられる。ac interface VE-L2VPN1.1 splicingは、第1のPEデバイスのVE-L2VPN1.1インターフェースがローカル・スプライスを必要とすることを示すために用いられる。
【0085】
ここで、VE-L2VPN1インターフェースは、第1のPEデバイスのMPLSネットワークインターフェースである。VE-L2VPN1.1インターフェースは、第1のPEデバイスのSRv6ネットワークインターフェースである。上記2つの構成情報は、VE-L2VPN1インターフェースとVE-L2VPN1.1インターフェースがスプライスを必要とすることを示すために用いられる。
【0086】
peer A1_IP pw-id 1は、第1のPEデバイスが、pw-id 1と識別されるPWトンネルを介して、A1デバイスに接続されることを示すために用いられる。本願の実施例では、A1デバイスは上記の第1のMPLSデバイスである。
【0087】
evpn local-service-id 1 remote-service-id 2は、第1のPEデバイスがSRv6ネットワークによって第2のPEデバイスとのスプライスを行うことを示すために用いられる。
【0088】
vlan-type dot1q vid 1000は、サブインターフェースのdot1q終止機能を有効にすることを示すために用いられる。
【0089】
同様に、第3のPEデバイスの構成パラメータは次の通りである。
【0090】
上記構成によって、第1のPEデバイスと第3のPEデバイスはいずれもスプライスデバイスとして構成される。
【0091】
第2のシーンにおいて、図7に示すように、EVPNには第1のMPLSデバイスと、第1のPEデバイスと、第2のPEデバイスとを含む。
【0092】
ここで、第1のMPLSデバイスはPEデバイスであってもよい。第1のMPLSデバイスはそれぞれ第1のPEデバイスと第3のPEデバイスに接続される。
【0093】
第2のPEデバイスはCEデバイスに接続され、CEデバイスはデュアルホーミングで第2のPEデバイスと第4のPEデバイスに接続される。
【0094】
第1のMPLSデバイスと第1のPEデバイスとの間に第1のMPLS PWトンネルがあり、第1のMPLSデバイスと第3のPEデバイスとの間に第3のMPLS PWトンネルがある。第1のMPLSデバイス、第1のPEデバイス及び第3のPEデバイスは、MPLSネットワークを構成し、MPLSドメインに属する。
【0095】
第1のPEデバイスと第2のPEデバイスとの間に第1のSRv6 PWトンネルがあり、第3のPEデバイスと第4のPEデバイスとの間に第2のSRv6 PWトンネルがあり、第1のPEデバイス、第2のPEデバイス、第3のPEデバイス及び第4のPEデバイスはSRv6ネットワークを構成し、SRv6ドメインに属する。
【0096】
図7には、第1のMPLSデバイスは、第1のMPLSデバイスと第2のPEデバイスとの間のPWトンネルによって、CEデバイスにサービスフローを伝送してもよく、第1のMPLSデバイスと第4のPEデバイスとの間のPWトンネルによって、CEデバイスにサービスフローを伝送してもよい。この2つのトンネルは互いに等価トンネルであり、或いはこれらの2つのトンネルの一方はメイントンネルであり、もう一方はバックアップトンネルである。
【0097】
第2のシーンにおいて、第1のMPLSデバイスはヘッドノードであり、第2のPEデバイスはテールノードである。
【0098】
第2のシーンに基づいて、本願の実施例は障害検出方法を提供し、図8に示すように、当該方法はS801~S806を含む。
【0099】
ここで、S801~S804は、上記S601~S604と同様に、上記S601~S604における説明を参照することができる。
【0100】
S804において、第1のPEデバイスは第2のPEデバイスにSRv6パケットを送信した後、S805~S806を実行する。
【0101】
S805において、第2のPEデバイスは、第1の指示子に基づいて、SRv6パケット内からBFDパケットを抽出し、当該BFDパケットに基づいて第1のMPLSデバイスとの間のBFDセッションを確立する。
【0102】
S806において、第1のMPLSデバイスは、BFDセッションによって第1のMPLSデバイスと第2のPEデバイスとの間のPWトンネルには障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替える。
【0103】
本願の実施例に係る障害検出方法では、第1のPEデバイスは第1のMPLSデバイスによって送信された第1のMPLSパケットを受信した後、当該第1のMPLSパケット内にカプセル化されたBFDパケットをSRv6パケットに再カプセル化し、且つ第2のPEデバイスに当該SRv6パケットを送信する。第2のPEデバイスは、SRv6パケットにおける第1の指示子によって、当該SRv6パケットにBFDパケットが付加されていることを確定できる。さらに、当該SRv6パケット内にカプセル化されたBFDパケットを処理する。これによって、第1のMPLSデバイスと第2のPEデバイスとの間にネットワークドメインに跨ってBFDセッションを確立することを実現する。BFDセッションがミリ秒レベルの障害発見速度を実現できるため、第1のMPLSデバイスと第2のPEデバイスとの間のトンネル障害の発見を更にタイムリーにさせる。これによって、サービスフローをタイムリーに切り替え、サービスフローの伝送遅延を低減する。
【0104】
第3のシーンにおいて、図9に示すように、第1のCEデバイスはデュアルホーミングで第1のPEデバイスと第3のPEデバイスに接続され、第2のCEデバイスはデュアルホーミングで第2のPEデバイスと第4のPEデバイスに接続される。
【0105】
第1のPEデバイスと第2のPEデバイスとの間に第1のSRv6 PWトンネルがあり、第3のPEデバイスと第4のPEデバイスとの間に第2のSRv6 PWトンネルがあり、第1のPEデバイス、第2のPEデバイス、第3のPEデバイス及び第4のPEデバイスはSRv6ネットワークを構成し、SRv6ドメインに属する。
【0106】
ここで、第1のSRv6 PWトンネルと第2のSRv6 PWトンネルは互いに等価トンネルであり、或いはそのうちの一方はメイントンネルであり、もう一方はバックアップトンネルである。第1のSRv6 PWトンネルには障害が発生する場合、伝送されるサービスフローを第2のSRv6 PWトンネルに切り替えることができる。
【0107】
第3のシーンにおいて、ヘッドノードは第1のPEデバイスであり、テールノードは第2のPEデバイスである。
【0108】
第3のシーンに基づいて、本願の実施例は障害検出方法を提供し、図10に示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0109】
S1001において、第1のPEデバイスは第1の指示子を含むSRv6パケットを生成し、第1の指示子は、SRv6パケットの内層パケットがBFDパケットであることを示すために用いられる。
【0110】
ここで、第3のシーンにおいて、第1のPEデバイスはスプライスデバイスではなく、第1のPEデバイスの構成情報にはbfd enable control-wordを含む。第1のPEデバイスは、当該構成情報に基づいて、イネーブルBFD機能を必要とすることを確定し、さらに、当該SRv6パケットを生成する。
【0111】
S1002において、第1のPEデバイスは第2のPEデバイスにSRv6パケットを送信する。
【0112】
S1003において、第2のPEデバイスは、第1の指示子に基づいて、SRv6パケット内からBFDパケットを抽出し、当該BFDパケットに基づいて第1のPEデバイスとの間のBFDセッションを確立する。
【0113】
S1004において、第1のPEデバイスがBFDセッションによって第1のPEデバイスと第2のPEデバイスとの間のPWトンネルには障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替える。
【0114】
ここで、第1のPEデバイスと第2のPEデバイスとの間のPWトンネルのバックアップトンネルは、第3のPEデバイスと第4のPEデバイスとの間のバックアップトンネルである。
【0115】
本願の実施例に係る障害検出方法によれば、SRv6ネットワークにおけるデバイスに対して、本願の実施例は、SRv6パケットにBFDパケットをカプセル化すること及び第1の指示子によって、第2のPEデバイスは、SRv6パケットにおけるBFDパケットに基づいて第1のPEデバイスと第2のPEデバイスとの間のBFDセッションを確立することができる。SRv6ドメインのデバイス同士にも、BFDによって障害検出を行うことができ、検出効率を向上させる。これによって、サービスフローをタイムリーに切り替え、サービスフローの伝送遅延を低減することができる。
【0116】
本願の他の実施例において、上記第1のシーン~第3のシーンに基づいて、第1のPEデバイスと第2のPEデバイスとの間に伝送されるSRv6パケット内にカプセル化されたパケットは、BFDパケット以外の、他のMPLS操作管理メンテナンス(Operation Administration and Maintenance、OAM)パケットであってもよい。これによって、SRv6ネットワークにおけるPEデバイスにMPLS OAMパケットを処理させる目的に達する。例えば、当該MPLS OAMパケットはpingコマンドであってもよい。
【0117】
同じ発想に基づいて、本願の実施例は障害検出装置を提供し、当装置はEVPNにおける第1のPEデバイスに適用され、第1のPEデバイスがSRv6 PWトンネルを介して第2のPEデバイスに接続され、図11のように、当該装置は、生成モジュール1101と送信モジュール1102を含む。
【0118】
生成モジュール1101は第1の指示子を含むSRv6パケットを生成するためのものであり、第1の指示子は、SRv6パケットの内層パケットがBFDパケットであることを示すために用いられる。
【0119】
送信モジュール1102は、SRv6パケットを第2のPEデバイスに送信し、前記第2のPEデバイスに、第2のPEデバイスがテールノードである場合、第2のPEデバイスはBFDパケットに基づいてヘッドノードとの間のBFDセッションを確立し、ヘッドノードはBFDセッションによってヘッドノードとテールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることを実行させ、或いは、前記第2のPEデバイスに、第2のPEデバイスがスプライスデバイスである場合、第2のPEデバイスはテールノードにBFDパケットを透過伝送することによって、ヘッドノードとテールノードとの間にBFDセッションを確立し、ヘッドノードはBFDセッションによってヘッドノードとテールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えることを実現させるために用いられる。
【0120】
ここで、ヘッドノードとテールノードは、いずれもカスタムエッジCEデバイスに接続されるノードである。
【0121】
一実施形態において、ヘッドノードは第1のMPLSデバイスであり、第1のPEデバイスは、第1のマルチプロトコルラベルスイッチング擬似ワイヤMPLS PWトンネルを介して、第1のマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSデバイスに接続される。
【0122】
当該装置は、さらに、
生成モジュール1101がSRv6パケットを生成する前に、第1のMPLSデバイスによって送信された第1のMPLSパケットを受信するための受信モジュールと、
第1のMPLSパケットをカプセル化解除して、第1のMPLSパケットにおける擬似ワイヤ付随制御チャネルPW ACHフィールドを読み取るためのカプセル化解除モジュールと、
PW ACHフィールドの値がBFD制御語である場合、PW ACHフィールドの後のBFDパケットを抽出するための抽出モジュールであって、BFD制御語は、第1のMPLSパケットに含まれた内層パケットがBFDパケットであることを示すために用いられる抽出モジュールと、
を含む。
【0123】
生成モジュール1101は、具体的に、BFDパケットをカプセル化処理して、SRv6パケットを取得するために用いられ、SRv6パケットの内層ルーティングヘッダーフィールドの値は第1の指示子である。
【0124】
一実施形態において、当該装置は、さらに、
自身の構成情報にはスプライス構成情報を含むか否かを判断し、スプライス構成情報は、第1のPEデバイスがMPLSネットワークとSRv6ネットワークとの相互通信を実現するためのものであることを示すために用いられ、自身の構成情報にはスプライス構成情報を含む場合、BFDパケットをカプセル化処理して、SRv6パケットを取得するように、生成モジュールをトリガするための判断モジュールを含む。
【0125】
同じ発想に基づいて、本願の実施例は障害検出装置をさらに提供し、当装置はEVPNにおける第2PEデバイスに適用され、第2のPEデバイスが第1のSRv6 PWトンネルを介して第1のPEデバイスに接続される。図12に示すように、当該装置は、受信モジュール1201と、確立モジュール1202と、透過伝送モジュール1203とを含む。
【0126】
受信モジュール1201は、第1のPEデバイスによって送信された第1の指示子を含むSRv6パケットを受信するためのものである。第1の指示子は、SRv6パケットの内層パケットがBFDパケットであることを示すために用いられる。
【0127】
確立モジュール1202は、第2のPEデバイスがテールノードである場合、BFDパケットに基づいてヘッドノードとの間のBFDセッションを確立し、ヘッドノードはBFDセッションによってヘッドノードとテールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えるためのものである。
【0128】
透過伝送モジュール1203は、第2のPEデバイスがスプライスデバイスである場合、テールノードにBFDパケットを透過伝送することによって、ヘッドノードとテールノードとの間にBFDセッションを確立して、ヘッドノードはBFDセッションによってヘッドノードとテールノードとの間のPWトンネルに障害があることを検出すると、サービスフローをバックアップトンネルに切り替えるためのものである。
【0129】
ここで、ヘッドノードとテールノードは、いずれもカスタムエッジCEデバイスに接続されるノードである。
【0130】
一実施形態において、テールノードは第2のMPLSデバイスであり、第2のマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSデバイスが第2のPEデバイスに接続される。
【0131】
当該装置は、さらに、
SRv6パケットの内層ルーティングヘッダーフィールドを読み取るための読取モジュールと、
内層ルーティングヘッダーフィールドの値が第1の指示子であると確定する場合、SRv6パケット内からBFDパケットを抽出するための抽出モジュールと、
BFDパケットをカプセル化処理して、第2のMPLSパケットを取得すためのカプセル化モジュールと、を含み、
第2のMPLSパケットの付随制御チャネルPW ACHフィールドの値はBFD制御語である。
【0132】
透過伝送モジュール1203は、具体的に、第2のMPLSデバイスに第2のMPLSパケットを送信するために用いられる。
【0133】
一実施形態において、当該装置は、さらに、判断モジュールを含む。
【0134】
判断モジュールは、
第2のPEデバイスの構成情報にはスプライス構成情報を含むか否かを判断し、スプライス構成情報は、第2のPEデバイスがSRv6ネットワークとMPLSネットワークとの相互通信を実現するためのものであることを示すために用いられ、
第2のPEデバイスの構成情報にはスプライス構成情報を含む場合、第2のPEデバイスはスプライスデバイスであることを確定し、
第2のPEデバイスの構成情報にはスプライス構成情報を含まない場合、第2のPEデバイスはテールノードであることを確定する
ために用いられる。
【0135】
本願の実施例はPEデバイスをさらに提供し、当該PEデバイスは上記実施例における第1のPEデバイスや第2のPEデバイスであり、図13に示すように、プロセッサ1301と、通信インターフェース1302と、メモリ1303と、通信バス1304とを含み、プロセッサ1301、通信インタフェース1302、およびメモリ1303は、通信バス1304により互いに通信し、
メモリ1303は、コンピュータープログラムを格納するために用いられ、
プロセッサ1301は、上記方法の実施例における方法の内容を実現するように、メモリ1303に格納されたプログラムを実行するために用いられる。
【0136】
上記PEデバイスに係る通信バスは、周辺構成要素相互接続(Peripheral Component Interconnect、PCI)バスや拡張業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture、EISA)バスなどでもよい。当該通信バスは、アドレスバス、データバス、制御バス等に分けることができる。表示の便宜上、図面では、1本の太い線のみで表示しているが、1本のバス又は1種類のバスだけを表すわけではない。
【0137】
通信インターフェースは,上記PEデバイスと他のデバイスとの通信に用いられる。
【0138】
メモリは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)を含んでもよいし、不揮発性メモリ(Non-Volatile Memory、NVM)、例えば少なくとも1つのディスクメモリを含んでもよい。任意選択として、メモリは、上記プロセッサから離れた場所にある少なくとも1つの記憶装置であってもよい。
【0139】
上記プロセッサは、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、ネットワークプロセッサ(Network Processor、NP)などを含む汎用プロセッサでもよく、デジタル信号処理装置(Digital Signal Processing、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、現場プログラム可能ゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)、又は、他のプログラマブルロジックデバイスやディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントなどでもよい。
【0140】
本願に係る他の実施例において、コンピュータープログラムを格納しているコンピューター可読記憶媒体を提供し、前記コンピュータープログラムがプロセッサにより実行されると、上記のいずれかの障害検出方法のステップを実現する。
【0141】
本願に係る他の実施例において、コマンドを含むコンピュータープログラム製品をさらに提供し、そのコマンドがコンピューターによって実行されると、コンピューターに上記実施例におけるいずれかの障害検出方法を実行させる。
【0142】
上記実施例において、全部或は部分的にソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア或はそれらの任意の組合せによって実現できる。ソフトウェアを使用して実現する場合、全部又は部分的にコンピュータープログラム製品の形で実現できる。前記コンピュータープログラム製品は一つまたは複数のコンピューターコマンドを含む。コンピューターに前記コンピュータープログラムコマンドをロードして実行すると、全部或は部分的に本願の実施例によるプロセスや機能を生成する。前記コンピューターは汎用コンピューター、専用コンピューター、コンピューターネットワーク、または他のプログラム可能な装置であってもよい。前記コンピューターコマンドはコンピューター読取可能記憶媒体に記憶され、或は、一つのコンピューター読取可能記憶媒体から他のコンピューター読取可能記憶媒体に伝送されることができる。例えば、有線(例えば同軸ケーブル、光ファイバ、デジタル加入者線(DSL))或は無線(例えば赤外線、無線、マイクロ波など)によって、前記コンピューターコマンドは一つのウェブサイト、コンピューター、サーバー或はデータセンターから、他のウェブサイト、コンピューター、サーバー或はデータセンターに伝送することができる。前記コンピューター読取可能記憶媒体は、コンピューターによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であってもよく、或いは、1つまたは複数の利用可能な媒体が統合されたサーバー、データセンターなどを含むデータ記憶装置であってもよい。前記利用可能な媒体は、磁性媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光学媒体(例えば、DVD)、または半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスクSolid State Disk(SSD))などであってもよい。
【0143】
なお、本明細書では、「第1」や「第2」等のような関係用語は1つのエンティティ又は操作を他のエンティティ又は操作と区別するためのものに過ぎず、必ずしもこれらのエンティティ又は操作の間にこのような実際の関係又は順序があることを要求又は示唆するものではない。また、用語「含む」、「備える」又はほかの変形は非排他的に含むことをカバーすることで、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置はこれらの要素を含むだけでなく、明確に挙げられていないほかの要素をさらに含み、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有される要素をさらに含むことを意図する。特に限定しない限り、「1つの…を含む」という文により限定される要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品又は装置にはほかの同一の要素をさらに含むことを排除するものではない。
【0144】
本明細書における各実施例はいずれも関連する方式で説明され、各実施例同士の同一又は類似の部分は互いに参照すればよい。各実施例における重要な説明は、他の実施例との相違点である。特に、装置の実施例に関して、基本的に方法の実施例と似ているため、説明が比較的簡単であるが、関連する部分は方法の実施例の部分の説明を参照すればよい。
【0145】
上記の説明は本願の好ましい実施例に過ぎず、本願の保護範囲を制限するものではない。本願の主旨及び原則を逸脱しない範囲内でなされたいかなる補正、同等の置換、改良等は、いずれも本願の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】