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  • 特表-コラーゲンペプチドの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-18
(54)【発明の名称】コラーゲンペプチドの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07K 1/12 20060101AFI20230710BHJP
   C07K 14/78 20060101ALI20230710BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
C07K1/12
C07K14/78
C12P21/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555586
(86)(22)【出願日】2021-04-14
(85)【翻訳文提出日】2021-09-14
(86)【国際出願番号】 CN2021087165
(87)【国際公開番号】W WO2022217490
(87)【国際公開日】2022-10-20
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521420163
【氏名又は名称】ハイナン サンユアンシィン バイオテクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HAINAN SANYUANXING BIOTECHNOLOGY CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グオ,ホンシィン
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,ジンシュエ
【テーマコード(参考)】
4B064
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG01
4B064CA21
4B064CB01
4B064CD25
4B064CE16
4B064DA01
4B064DA10
4H045AA10
4H045AA20
4H045BA09
4H045CA40
4H045CA52
4H045EA01
4H045EA15
4H045EA20
4H045FA16
(57)【要約】
本発明は、タンパク質抽出の技術分野、特に、コラーゲンペプチドの製造方法に関する。その方法は、氷酢酸及びペプシンを使用して魚の皮・肉からのコラーゲンペプチドを抽出する。ペプシンは、特定の作用部位を持つプロテアーゼを選択して、特定のペプチドを生成するための標的加水分解を達成し、酵素加水分解時間を調整して酵素加水分解の程度を制御することができ、また、温和な反応温度及び値を持ち、加水分解過程が制御しやすい利点を有し、酵素加水分解にはペプシンを使用すると、魚の皮・肉に含まれる脂肪が同時に除去されるため、脂肪が除去されたタンパク質はさらされやすくなり酵素と接触し、基質の加水分解を促進するとともに、コラーゲンペプチドの色及び風味を改善し、コラーゲンペプチドの活性がさらに高くなり、且つプロセスコストが低く、加水分解物が高いため、コラーゲンペプチドの調製及び製造に有益である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚の皮・肉を前処理した後、0.5monl/Lの氷酢酸溶液及び3質量%のペプシンを加えて撹拌し、10℃以下で酵素で48h加水分解し、コラーゲン酸性ストック溶液を得るステップと、
前記コラーゲン酸性ストック溶液をpHが7.0になるように調整し、コラーゲン中性ストック溶液を取得し、酵素の不活性化、遠心分離を経て上澄み液を得るステップと、
前記上澄み液を脱色・脱臭・濃縮・乾燥してコラーゲンペプチドを得るステップを含むことを特徴とするコラーゲンペプチドの抽出方法。
【請求項2】
前記前処理は、表面が乾燥して無水になるまで50~70℃で魚の皮を焼き、はさみを使用して魚の皮を4~6つの分に切り、さらに、乾いた魚の皮の6倍の体積に相当するジエチルエーテル、石油エーテルで48h静置して脱脂し、溶液を24hごとに1回交換し、脱脂終了後、水で洗浄する、ことを特徴とする請求項1に記載の抽出方法。
【請求項3】
pH8.0のNaOH溶液を使用し、前記コラーゲン酸性ストック溶液をpHが7.0になるように調整する、ことを特徴とする請求項1に記載の抽出方法。
【請求項4】
前記酵素の不活性化は、95℃以上で10min維持する、ことを特徴とする請求項1に記載の抽出方法。
【請求項5】
前記遠心分離条件は、回転速度400r/minで15min遠心分離する、ことを特徴とする請求項1に記載の抽出方法。
【請求項6】
前記脱色・脱臭は、前記上澄み液に活性炭を加え、40℃で30min脱色する、ことを特徴とする請求項2に記載の抽出方法。
【請求項7】
前記濃縮は、55℃、真空度0.09~0.1MPaの条件下で固形分の含有量が10~15%になるまで濃縮する、ことを特徴とする請求項1に記載の抽出方法。
【請求項8】
前記乾燥は、噴霧乾燥であり、前記噴霧乾燥は、入口空気温度が170~185℃であり、出口空気温度が70~85℃であり、供給温度が20~45℃であり、供給速度が10~20r/minである、ことを特徴とする請求項2に記載の抽出方法。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載の抽出方法により得られたコラーゲンペプチド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質抽出の技術分野に関し、特に、コラーゲンペプチドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コラーゲンは、細胞外タンパク質であって、2つ以上のアミノ酸からなるタンパク質ペプチドである。人体は、ペプチドの形で吸収し、食用タンパク質ペプチドの吸収率は、100%に達する可能性があり、コラーゲンは、細胞外マトリックスのうち最も重要な部分になり、コラーゲンペプチドは、骨の有機マトリックスの重要な部分であり、その加水分解生成物であるコラーゲンペプチドは、アミノ酸の吸収やタンパク質合成の促進、抗骨粗鬆症、血圧低下、抗酸化などの生理活性を持つ。コラーゲンペプチドは、細胞外タンパク質であり、3本のペプチド鎖がらせん状にねじれた繊維状のタンパク質である。コラーゲンは人体で最も豊富なタンパク質であり、体内のタンパク質の総量の1/3を占めている。60kgの成人の体内では、約3kgのコラーゲンがあり、主に人体の皮膚、骨、目、歯、腱、内臓(心臓、胃、腸、血管を含む。)などの部位に存在し、その機能は、皮膚や組織、臓器の形や構造を維持することであり、さまざまな損傷した組織を修復するための重要な原料でもある。人体の皮膚の組成は、70%がコラーゲンで構成されており、コラーゲンが不足すると、皮膚や骨だけでなく、内臓にも悪影響を及ぼす。言い換えれば、コラーゲンは、正常な身体活動を維持するために不可欠な重要な成分である。そして、体を若く保ち、老化を防ぐ物質でもある。また、コラーゲンは、病気の予防や体質の改善をもたらし、美容及び健康に非常に役立つ。コラーゲンペプチドは、消化されることなく人体に積極的かつバリアフリーで吸収され、体組織で十分に活用され得る。さらに、海洋コラーゲンペプチドの平均分子量は小さく、通常のペプチドよりもはるかに小さい2~4個のアミノ酸のみで構成されている。大連暁芹公司は、南極の深海魚を厳選し、海産魚の皮を原料として使用し、最新のバイオエンジニアリング技術及び酵素工学技術を活用して、最終的に海洋性コラーゲンペプチドとして抽出している。現在、コラーゲンは、美容及びスキンケアの分野に徐々に参入している。コラーゲンは、人体の組織構造の主成分の1つであり、人体内の含有量が最も高いタンパク質の1つでもあり、人体のタンパク質の総量の1/3を占め、人体の体重の6%に相当し、全身のさまざまな組織や臓器、例えば、皮膚、骨、軟骨、靭帯、角膜、各種な内膜、筋膜などにわたって存在し、皮膚や組織、臓器の形や構造を維持するための主成分であり、さまざまな損傷した組織を修復するための重要な原材料でもある。
【0003】
現在、コラーゲンペプチドの抽出製造プロセスは、実際に使用される場合、抽出原料として魚や動物などの抽出原料の違いにより対応する抽出分解プロセスを採用する必要があり、また、コラーゲンペプチドを抽出する際に原料中の脂肪の取り出しを無視しやすいため、得られたコラーゲンペプチドが酸化及び劣化しやすくなり、製品の色や風味に影響を及ぼし、脂肪の存在により、コラーゲンペプチドにおいてタンパク質が脂肪内に包まれやすく、加水分解して使用するのに不利であるため、コラーゲンペプチドの効果は大幅に低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術の欠点を考慮して、コラーゲンペプチドの製造方法を提供し、コラーゲンペプチドの製品のわずかな効果、容易に酸化変質するなどの問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の発明の目的を達成するために、本発明は、以下の技術を提供する。
本発明は、コラーゲンペプチドの抽出方法であって、
魚の皮・肉を前処理した後、0.5monl/Lの氷酢酸溶液及び3質量%のペプシンを加えて撹拌し、10℃以下で酵素で48h加水分解し、コラーゲン酸性ストック溶液を得、
前記コラーゲン酸性ストック溶液をpHが7.0になるように調整し、コラーゲン中性ストック溶液を得、酵素の不活性化、遠心分離を経て上澄み液を取得し、
前記上澄み液を脱色、脱臭、濃縮、乾燥してコラーゲンペプチドを得ることを含む方法を提供する。
好ましくは、前記前処理は、表面が乾燥して無水になるまで50~70℃で魚の皮を焼き、はさみを使用して魚の皮を4~6つの分に切り、さらに、乾いた魚の皮の6倍の体積に相当するジエチルエーテル、石油エーテルで48h静置して脱脂し、溶液を24hごとに1回交換し、脱脂終了後、水で洗浄することである。
【0006】
好ましくは、pH8.0のNaOH溶液を使用し、前記コラーゲン酸性ストック溶液をpHが7.0になるように調整する。
好ましくは、前記酵素の不活性化は、95℃以上で10min維持する。
好ましくは、前記遠心分離条件は、回転速度400r/minの条件下で15min遠心分離する。
【0007】
本発明で提供される製造方法では、コラーゲン酸性ストック溶液にPH8.0のNaOH水溶液を加え、PH7.0のコラーゲン中性ストック溶液になるまで調整する。
本発明は、活性炭の超吸着能力を利用して、コラーゲン中性ストック溶液を脱色するとともに、原料自体の魚臭を低減することができる。
【0008】
好ましくは、前記脱色・脱臭は、前記上澄み液に活性炭を加え、40℃で30min脱色する。
好ましくは、前記濃縮は、55℃、真空度0.09~0.1MPaの条件下で固形分の含有量が10~15%になるまで濃縮する。
好ましくは、前記乾燥は、噴霧乾燥であり、前記噴霧乾燥は、入口空気温度が170~185℃であり、出口空気温度が70~85℃であり、供給温度が20~45℃であり、供給速度が10~20r/minである。
【0009】
本発明では、前処理の温度制御装置は、SC-20Aデジタル制御超恒温槽を採用し、前処理のオーブンは、電気加熱ブラスト乾燥オーブンを採用し、酵素加水分解でPH値を測定するための装置は、STARTE2100型実験室用PHメーターであり、遠心分離処理で使用される装置は、TD5A-WS型遠心分離機であり、噴霧乾燥装置は、DC-1500型実験室用噴霧乾燥機である。
【0010】
本発明は、さらに、上記の製造方法により得られたコラーゲンペプチドを提供する。
本発明は、コラーゲンペプチドの製造方法であって、魚の皮・肉を前処理した後、0.5monl/Lの氷酢酸溶液及び3質量%のペプシンを加えて撹拌し、10℃以下で酵素で48h加水分解し、コラーゲン酸性ストック溶液を得るステップと;前記コラーゲン酸性ストック溶液にNaOH溶液を加え、コラーゲン中性ストック溶液を得、酵素の不活性化、遠心分離を経て上澄み液を得るステップと;前記の上澄み液を脱色、脱臭、濃縮、乾燥してコラーゲンペプチドを得るステップとを含む方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、0.5monl/Lの氷酢酸溶液及び3質量%のペプシンを使用して魚の皮・肉中のコラーゲンペプチドを抽出して酵素で加水分解することにより、魚の皮・肉に含まれる脂肪を効果的に除去することができ、脂肪が除去されたタンパク質が露出して酵素に接触しやすくなり、基質の加水分解に有益であると同時に、コラーゲンペプチドの色及び風味を改善し、コラーゲンペプチドの活性がより活性が高く、且つ製造コストが低くなる。また、反応温度及び値が比較的に温和であり、加水分解プロセスを容易に制御できるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、コラーゲンペプチドの調製プロセスを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、コラーゲンペプチドの製造方法を提供する。当業者は、本明細書を参照し、プロセスパラメータを適切に改良して実現することができる。特に、全ての類似する置換及び変更は、当業者にとって自明であり、それらはすべて本発明に含まれるとみなされることを指摘すべきである。本発明にかかる方法及び応用は、好ましい実施例により説明されているが、当業者は本発明の内容、精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書の方法および応用に改良又は適切な変更及び組合せを加え、本発明の技術を実現し、適用することができることは明らかである。
本発明で使用される試験材料は、すべて一般的な市販品であり、市場で購入することができる。
以下、実施例により、本発明をさらに説明する。
【実施例
【0014】
本発明に係るコラーゲンペプチドの製造プロセスは、図1に示し、具体的には、以下のステップを含む。
Sp1原料:原料は、新鮮な魚の皮から魚の鱗及び付着した魚の肉を除去し、洗浄してそれぞれ独立して包装した後、-18℃の冷蔵庫に保管して用意し、魚の皮、魚の鱗などは、血圧降下ペプチドを調製するための好ましい原料であり、魚の肉を原料とし、水生動物由来のコラーゲンに対する人々の需要が高まっており、狂牛病、口蹄疫、鳥インフルエンザなどの病気の発生により、陸生動物のコラーゲン及びその製品の安全性は非常に疑問視されるが、一方、イスラム教徒地域での陸生動物由来コラーゲンの利用は限られている。研究によると、水生動物由来のコラーゲンのある特定の特性は、陸生動物由来のコラーゲンよりも優れ、例えば、アミノ酸組成に有意差がなく、低抗原性、低変性温度、プロテアーゼ加水分解のされやすさ、一定のゲル特性、高分散性及び乳化性を有し、さらに、コラーゲンペプチドの抽出に寄与し、抽出されたコラーゲンペプチドの含有量が高くなる。
【0015】
Sp2前処理:前処理は、解凍した魚の皮をオーブンに入れ、乾燥させて、無水処理した後、脱脂処理を行い、脱脂した魚の皮・肉を得、-18℃の冷蔵庫に保管して用意し、ここで、前処理では、解凍後の魚の皮をオーブンに入れ、50~70℃で魚の皮を表面が乾燥し無水になるまで焼き、はさみを使用して魚の皮を4~6つの分に切り、さらに、乾いた魚の皮の6倍の体積に相当するジエチルエーテル、石油エーテルで48h静置して脱脂し、溶液を24hごとに1回交換し、脱脂終了後、魚の皮に残存するジエチルエーテル、石油エーテルを水で洗浄し、-18℃の冷蔵庫に入れて用意する。
Sp3酵素加水分解:酵素加水分解は、脱脂後の魚の肉・皮を冷蔵庫から取り出し、まず、脱脂魚肉1部に30倍の0.5monl/Lの氷酢酸溶液及び3質量%のペプシン1部を加えて撹拌し、10℃以下で酵素で48h加水分解し、コラーゲン酸性ストック溶液を得る。
【0016】
Sp4酵素の不活性化:酵素の不活性化は、酵素加水分解後、酵素の不活性化の十分な効果に達するために、コラーゲン中性ストック溶液を95℃以上に加熱して10min保持する。
Sp5遠心分離:酵素加水分解終了後、コラーゲン中性ストック溶液は、TD5A-WS型遠心分離機を使用して酵素の不活性化による溶液を遠心分離し、遠心分離条件は、回転速度400r/minの条件下で15min遠心分離する。
Sp6:脱色、脱色条件は、コラーゲン中性ストック溶液に0.75質量%の活性炭を加え、温度40℃の環境下で30min脱色し、コラーゲンペプチドの製造においてより高品質でより活性の高い製品を得るために、活性炭の脱色、膜ろ過などの処理が必要である。
【0017】
Sp7濃縮:濃縮は、コラーゲン中性ストック溶液をロータリーエバポレーターにより温度55℃、真空度0.09~0.1MPaの条件下で濃縮し、濃縮液の固形分の含有量が約10~15%になるように制御し、濃縮液を得る。
Sp8噴霧乾燥:噴霧乾燥は、圧力式噴霧乾燥機を使用し、入口空気温度170~185℃、出口空気温度70~85℃、供給温度20~45℃、供給速度10~20r/minに設定し、得られた濃縮液を乾燥させ、白色粉末の粗ペプチドを得る。
Sp9分析測定:分析測定は、それぞれ105℃定重量法により粗ペプチドの水分含有量を測定し、ソックスレー抽出法により粗ペプチドの粗脂肪含有量を測定し、550℃燃焼定重量法により粗ペプチドの灰分を測定し、ケルダール法により粗ペプチドのタンパク質含有量を測定する。
【0018】
分析測定時に、タンパク質の残存率の計算式は、1-(M前-M後)/M前*100であり、M前は、活性炭処理前のタンパク質の総量であり、M後は、活性炭処理後のタンパク質の総量であり、粗ペプチド中のコラーゲンペプチドの含有量を測定する時に、まず、ヒドロキシプロリン標準曲線をプロットする必要があり、一定量のヒドロキシプロリン標準品を正確に秤量し、0.001mol/Lの塩酸で溶解させ、100ug/mLの標準溶液を調製し、ヒドロキシプロリン標準作業液1.0、2.5、5.0、7.5、10.0mLを吸い取り、それぞれ塩酸で100mLに定容し、濃度がそれぞれ1.0、2.5、5.0、7.5、10.0ug/mLであり、各々1mLを取り、0.001mol/Lの塩酸溶液をブランク溶液とし、それぞれクロラミン溶液2mLを加え、室温で20min静置し、さらに過塩素酸溶液2mLを加え、室温で5min静置し、最後にp-ジメチルアミノ安息香酸溶液2mLを加え、60℃で20min加熱して発色させ、冷却し、ブランク溶液でゼロ調整を施し、溶液の560nmにおける吸光度を測定し、FA2004電子天びんを使用してサンプル0.01gをアンプルに正確に秤量し、6mol/Lの塩酸1mLを加え、溶液1mLを採取して130℃のオーブン内にセットし、合計3h加水分解し、冷却後、蒸留水で100mLに定容し、濾紙でろ過し、1mLを取り、ヒドロキシプロリン標準曲線の測定方法に従って測定し、測定したヒドロキシプロリン標準曲線の含有量にさらに変換係数13.3を掛けて、コラーゲンの含有量を求める。
【0019】
本明細書では、1番目や2番目などの関係用語は、ある実体または操作を別の実体または操作から区別するためにのみ使用され、必ずしもこれらの実体または操作の間にそのような実際の関係または順序のいずれか1つが存在することを必要とするか、または暗示するものではないことに注意してください。しかも、「含む」という用語又は他の任意の変更は、非排他的な包含をカバーすることを意図しているので、一連の要素を含むプロセス、方法、物品またはデバイスは、それらの要素だけでなく、明示的にリストされていない他の要素、またはそのようなプロセス、方法、物品またはデバイスに固有の要素も含まれる。これ以上の制限なしに、「参照構造を含む」というという句によって限定される要素は、并不排除前記要素を含むプロセス、方法、物品またはデバイスにも他の同一要素が存在することを排除していない。
【0020】
本発明の実施例が例示されているが、当業者にとっては、本発明の原理及び精神から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な改良、修正、置換及び変更を行うことができ、本発明の範囲が添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物によって限定されることを理解することができる。
図1
【手続補正書】
【提出日】2021-09-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚の皮・肉を前処理した後、0.5mol/Lの氷酢酸溶液及び3質量%のペプシンを加えて撹拌し、10℃以下で酵素で48h加水分解し、コラーゲン酸性ストック溶液を得るステップと、
前記コラーゲン酸性ストック溶液をpHが7.0になるように調整し、コラーゲン中性ストック溶液を取得し、酵素の不活性化、遠心分離を経て上澄み液を得るステップと、
前記上澄み液を脱色・脱臭・濃縮・乾燥してコラーゲンペプチドを得るステップを含むことを特徴とするコラーゲンペプチドの抽出方法。
【請求項2】
前記前処理は、表面が乾燥して無水になるまで50~70℃で魚の皮を焼き、はさみを使用して魚の皮を4~6つの分に切り、さらに、乾いた魚の皮の6倍の体積に相当するジエチルエーテル、石油エーテルで48h静置して脱脂し、溶液を24hごとに1回交換し、脱脂終了後、水で洗浄する、ことを特徴とする請求項1に記載の抽出方法。
【請求項3】
pH8.0のNaOH溶液を使用し、前記コラーゲン酸性ストック溶液をpHが7.0になるように調整する、ことを特徴とする請求項1に記載の抽出方法。
【請求項4】
前記酵素の不活性化は、95℃以上で10min維持する、ことを特徴とする請求項1に記載の抽出方法。
【請求項5】
前記遠心分離条件は、回転速度400r/minで15min遠心分離する、ことを特徴とする請求項1に記載の抽出方法。
【請求項6】
前記脱色・脱臭は、前記上澄み液に活性炭を加え、40℃で30min脱色する、ことを特徴とする請求項2に記載の抽出方法。
【請求項7】
前記濃縮は、55℃、真空度0.09~0.1MPaの条件下で固形分の含有量が10~15%になるまで濃縮する、ことを特徴とする請求項1に記載の抽出方法。
【請求項8】
前記乾燥は、噴霧乾燥であり、前記噴霧乾燥は、入口空気温度が170~185℃であり、出口空気温度が70~85℃であり、供給温度が20~45℃であり、供給速度が10~20r/minである、ことを特徴とする請求項2に記載の抽出方法。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載の抽出方法により得られたコラーゲンペプチド。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
上記の発明の目的を達成するために、本発明は、以下の技術を提供する。
本発明は、コラーゲンペプチドの抽出方法であって、
魚の皮・肉を前処理した後、0.5mol/Lの氷酢酸溶液及び3質量%のペプシンを加えて撹拌し、10℃以下で酵素で48h加水分解し、コラーゲン酸性ストック溶液を得、
前記コラーゲン酸性ストック溶液をpHが7.0になるように調整し、コラーゲン中性ストック溶液を得、酵素の不活性化、遠心分離を経て上澄み液を取得し、
前記上澄み液を脱色、脱臭、濃縮、乾燥してコラーゲンペプチドを得ることを含む方法を提供する。
好ましくは、前記前処理は、表面が乾燥して無水になるまで50~70℃で魚の皮を焼き、はさみを使用して魚の皮を4~6つの分に切り、さらに、乾いた魚の皮の6倍の体積に相当するジエチルエーテル、石油エーテルで48h静置して脱脂し、溶液を24hごとに1回交換し、脱脂終了後、水で洗浄することである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明は、さらに、上記の製造方法により得られたコラーゲンペプチドを提供する。
本発明は、コラーゲンペプチドの製造方法であって、魚の皮・肉を前処理した後、0.5mol/Lの氷酢酸溶液及び3質量%のペプシンを加えて撹拌し、10℃以下で酵素で48h加水分解し、コラーゲン酸性ストック溶液を得るステップと;前記コラーゲン酸性ストック溶液にNaOH溶液を加え、コラーゲン中性ストック溶液を得、酵素の不活性化、遠心分離を経て上澄み液を得るステップと;前記の上澄み液を脱色、脱臭、濃縮、乾燥してコラーゲンペプチドを得るステップとを含む方法を提供する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
Sp2前処理:前処理は、解凍した魚の皮をオーブンに入れ、乾燥させて、無水処理した後、脱脂処理を行い、脱脂した魚の皮・肉を得、-18℃の冷蔵庫に保管して用意し、ここで、前処理では、解凍後の魚の皮をオーブンに入れ、50~70℃で魚の皮を表面が乾燥し無水になるまで焼き、はさみを使用して魚の皮を4~6つの分に切り、さらに、乾いた魚の皮の6倍の体積に相当するジエチルエーテル、石油エーテルで48h静置して脱脂し、溶液を24hごとに1回交換し、脱脂終了後、魚の皮に残存するジエチルエーテル、石油エーテルを水で洗浄し、-18℃の冷蔵庫に入れて用意する。
Sp3酵素加水分解:酵素加水分解は、脱脂後の魚の肉・皮を冷蔵庫から取り出し、まず、脱脂魚肉1部に30倍の0.5mol/Lの氷酢酸溶液及び3質量%のペプシン1部を加えて撹拌し、10℃以下で酵素で48h加水分解し、コラーゲン酸性ストック溶液を得る。
【国際調査報告】