(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-18
(54)【発明の名称】改善された堆積のためのヘアコンディショニング組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/41 20060101AFI20230710BHJP
A61K 8/891 20060101ALI20230710BHJP
A61K 8/892 20060101ALI20230710BHJP
A61K 8/898 20060101ALI20230710BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20230710BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20230710BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
A61K8/41
A61K8/891
A61K8/892
A61K8/898
A61K8/31
A61K8/92
A61Q5/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022577347
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(85)【翻訳文提出日】2023-01-19
(86)【国際出願番号】 EP2021066152
(87)【国際公開番号】W WO2021255049
(87)【国際公開日】2021-12-23
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】バーフット,リチャード・ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】クック,マイケル・ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】メンドーサ・フェルナンデス,セザル・エルネスト
(72)【発明者】
【氏名】プライス,ポール・ダミアン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AC011
4C083AC691
4C083AC692
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083BB06
4C083BB11
4C083CC33
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE28
(57)【要約】
コンディショニング組成物は、毛髪への微粒子有益剤の堆積を改善し、該組成物は、(i)構造1およびその混合物から選択される、0.01~10重量%の直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤;(ii)0.1~10重量%の直鎖脂肪物質;(iii)コンディショニング活性物質およびそれらの混合物から選択される微粒子有益剤;(iv)構造2およびその混合物から選択される、0.01~5重量%の直鎖ジアルキルカチオン性共界面活性剤を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)下記構造1:
【化1】
(式中、
・R
1は、C
16~C
24、好ましくはC
18~C
22の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み;
・R
2は、プロトン、またはC
1~C
4、好ましくはC
1~C
2の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖、またはベンジル基を含み;
・Xは、有機アニオンまたは無機アニオンである)
およびその混合物から選択される、0.01~10重量%の直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤;
(ii)0.1~10重量%の直鎖脂肪物質;
(iii)コンディショニング活性物質およびそれらの混合物から選択される微粒子有益剤;
(iv)下記構造2:
【化2】
(式中、
・R
2は、プロトン、またはC
1~C
4、好ましくはC
1~C
2の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖、またはベンジル基を含み;
・R
3は、C
3からC
16未満、好ましくはC
10~C
14の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み;
・R
4は、C
3~C
24、好ましくはC
10~C
14の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み;
・Xは、有機アニオンまたは無機アニオンである)
およびその混合物から選択される、0.01~5重量%の直鎖ジアルキルカチオン性共界面活性剤;
を含むコンディショニング組成物であって、
構造1のR
1の前記炭素-炭素鎖長が、構造1のR
1の前記炭素-炭素鎖長が構造2のR
3の前記炭素-炭素鎖長よりも長いように、構造2のR
3の前記炭素-炭素鎖長と少なくとも3個の炭素原子異なり;
直鎖ジアルキルカチオン性共界面活性剤(iv)対直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤(i)のモル比が、1:20~1:1の範囲である、コンディショニング組成物。
【請求項2】
構造1のR
1の前記炭素-炭素鎖長が、構造1のR
1の前記炭素-炭素鎖長が構造2のR
3の前記炭素-炭素鎖長よりも長いように、構造2のR
3の前記炭素-炭素鎖長と3~12個、好ましくは6~10個の炭素原子異なる、請求項1に記載のコンディショニング組成物。
【請求項3】
R
3が、C
3~C
14、好ましくはC
10~C
14の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含む、請求項1または請求項2に記載のコンディショニング組成物。
【請求項4】
構造2では、前記R
4基が、前記R
3基と同じである、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項5】
構造2では、前記R
4基および前記R
3基が、C10~C14の炭素-炭素鎖長を有する、請求項4に記載のコンディショニング組成物。
【請求項6】
前記直鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤が、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セチルトリメチルアンモニウムクロリドおよびそれらの混合物から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項7】
前記コンディショニング活性物質が、シリコーンエマルジョンおよび油から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項8】
前記コンディショニング活性物質が、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、炭化水素油、脂肪エステルおよびそれらの混合物のエマルジョンから選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記コンディショニング活性物質が、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、パラフィン油、鉱油、飽和および不飽和ドデカン、飽和および不飽和トリデカン、飽和および不飽和テトラデカン、飽和および不飽和ペンタデカン、飽和および不飽和ヘキサデカン、ポリイソブチレン、カカオ脂、パームステアリン、ヒマワリ油、ダイズ油、ヤシ油ならびにそれらの混合物のエマルジョンから選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記コンディショニング活性物質が、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびそれらの混合物のエマルジョンから選択される、請求項8または請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記微粒子有益剤コンディショニング活性物質が、前記組成物全体の0.1重量%~10重量%、より好ましくは0.1重量%~5重量%、最も好ましくは0.25重量%~3重量%の量で存在する、請求項1~10のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項12】
前記直鎖ジアルキルカチオン性共界面活性剤が、0.1~2重量%、好ましくは0.2~0.7重量%の量で存在する、請求項1~11のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項13】
直鎖ジアルキルカチオン性共界面活性剤(iv)対直鎖カチオン性界面活性剤(i)のモル比が、1:10~1:1、好ましくは1:5~1:2の範囲である、請求項1~12のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項14】
HelipathスタンドでSpindle AまたはBを0.5rpmで60秒間使用してBrookfield RVTで30℃で測定した場合に、5,000~750,000センチポアズの粘度を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項15】
コンディショニング活性物質およびそれらの混合物から選択される微粒子有益剤の、毛髪への堆積を増加させる方法であって、請求項1~15のいずれか一項に定義されたコンディショニング組成物を毛髪に塗布する工程、および水によって前記毛髪をすすぐ工程を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用中に毛髪上に堆積される有益剤を含む、直鎖アルキル基を有する主要な界面活性剤および補助的な界面活性剤の組合せを含有する、毛髪の処理のためのコンディショニング組成物に関し、特に、増加した量の有益剤を堆積させることを可能にするコンディショニング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアトリートメント組成物などのパーソナルケア組成物では、有益剤の堆積および送達が製品性能の重要な推進要因であることが多い。例えば、今日市場に出ているヘアコンディショナー製品の多くは、芳香材料、シリコーンおよびダメージリペア活性物質などの有益剤を洗浄およびケアプロセス中に毛髪上に堆積させることによって毛髪に利益をもたらすように機能する。
【0003】
しかしながら、消費者は、一部の組成物の使用から得られる利益のレベルに失望していると報告している。これは、通常、表面に送達される有益剤の量が不十分であることによって引き起こされる。したがって、毛髪などの表面への有益物質の送達を改善する組成物を開発することが望ましい。
【0004】
ヘアトリートメント組成物では、様々な利益のために、様々な種類のカチオン性化合物が知られている。
【0005】
国際公開第17/172117号は、定義された第1の第四級アンモニウム化合物とイミダゾリン化合物とを含むカチオン剤、変性デンプン、2つのシラン化合物、カチオン性ビニルピロリドンポリマー、および水を含む、ケラチン基質を処理するための組成物を開示している。該組成物によって処理された毛髪は、改善された質量、こし、体積を有し、容易にすすがれ、速く乾燥し、さらに長期間清潔に保たれ、十分にコンディショニングされると言われている。米国特許第2005/175569号明細書は、第四級アンモニウム塩であり得るカチオン性界面活性剤を含む、例えば、毛髪をコンディショニングおよびスタイリングするための化粧用組成物を開示している。
【0006】
日本国特許出願公開第2005-060271号公報は、[(B)+(C)]/(A)1以上の比で、(A)一般式(1)によって表されるジメチルポリシロキサン、(B)一般式(2)によって表されるジメチルポリシロキサン、(C)一般式(3)によって表される環状ジメチルポリシロキサンと、(D)追加の第四級アンモニウム成分とを含み得る水性ヘア化粧用組成物を開示している。該組成物は、湿潤段階、すすぎ段階および乾燥段階で毛髪に一連のコンディショニング利益を提供すると言われている。
【0007】
本発明者らの独自の公開出願である国際公開第02/102334号および国際公開第01/43718号は、定義されたヒドロカルビル鎖を有する第四級アンモニウム系カチオン性界面活性剤を含む、クレンジング特性およびコンディショニング特性を有する水性ヘアトリートメント組成物を提供する。
【0008】
家庭用製品およびパーソナルケア製品ではカチオン性材料が知られているが、毛髪上への有益剤の堆積を改善することは依然として必要とされている。
【0009】
先行技術にもかかわらず、消費者が所望する粘度特性を損なうことなく、毛髪への利益の送達を改善する必要性が依然として存在する。消費者は、濃厚度が高い製品と効果および品質とを関連付けるため、濃厚度が高い製品を強く好む。しかし、濃厚すぎると、ボトルから注ぐことが困難になることがある。
【0010】
当分野の経験豊富な処方者であれば、通常、ポリマー増粘剤などの粘度調整剤を加えることによって、粘度の低下を補う。しかし、これは、処理の複雑さ、塊状の外観(いわゆる「フィッシュアイ」の外観)、ならびに環境およびコストの影響などの他の問題をもたらす。
【0011】
本発明者らは、驚くべきことに、それぞれが定義された長さの直鎖アルキル鎖を有し、特定の比で使用される、カチオン性コンディショニング主界面活性剤と共界面活性剤との組合せを含む組成物が、優れた製品レオロジー、特に、粘度および降伏応力を維持しながら、有益剤の堆積を予想外に大きく向上させることを見出した。
【0012】
本明細書で引用されるパーセンテージはいずれも、別段の記載がない限り、総重量に基づく重量による。本明細書で引用される量はいずれも、別段の記載がない限り、材料の100%活性度に基づく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第17/172117号
【特許文献2】米国特許第2005/175569号明細書
【特許文献3】日本国特許出願公開第2005-060271号公報
【特許文献4】国際公開第02/102334号
【特許文献5】国際公開第01/43718号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の第1の態様では、
(i)下記構造1:
【化1】
(式中、
・R
1は、C
16~C
24、好ましくはC
18~C
22の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み;
・R
2は、プロトン、またはC
1~C
4、好ましくはC
1~C
2の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖、またはベンジル基を含み;
・Xは、有機アニオンまたは無機アニオンである)
およびその混合物から選択される、0.01~10重量%の直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤;
(ii)0.1~10重量%の直鎖脂肪物質;
(iii)コンディショニング活性物質およびそれらの混合物から選択される微粒子有益剤;
(iv)下記構造2:
【化2】
(式中、
・R
2は、プロトン、またはC
1~C
4、好ましくはC
1~C
2の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖、またはベンジル基を含み;
・R
3は、C
3からC
16未満、好ましくはC
10~C
14の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み;
・R
4は、C
3~C
24、好ましくはC
10~C
14の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み;
・Xは、有機アニオンまたは無機アニオンである)
およびその混合物から選択される、0.01~5重量%の直鎖ジアルキルカチオン性共界面活性剤;
を含むコンディショニング組成物であって、
構造1のR
1の炭素-炭素鎖長が、構造1のR
1の炭素-炭素鎖長が構造2のR
3の炭素-炭素鎖長よりも長いように、構造2のR
3の炭素-炭素鎖長と少なくとも3個の炭素原子異なり;
直鎖ジアルキルカチオン性共界面活性剤(iv)対直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤(i)のモル比が、1:20~1:1の範囲である、コンディショニング組成物が提供される。
【0015】
第2の態様では、本発明は、コンディショニング活性物質、好ましくはシリコーンエマルジョン、およびそれらの混合物から選択される微粒子有益剤の、毛髪への堆積を増加させる方法であって、第1の態様のコンディショニング組成物を毛髪に塗布する工程を含む方法を提供する。
【0016】
本発明の方法は、好ましくは、毛髪から組成物をすすぐ追加の工程を含む。
【0017】
好ましくは、該方法は、毛髪へのシリコーン堆積を増加させる方法であって、シリコーンエマルジョンを含む、本発明の第1の態様によって定義される組成物を毛髪に塗布する工程、および水によって毛髪をすすぐ工程を含む方法である。
【0018】
本発明による組成物は、好ましくは、毛髪の処理(典型的にはシャンプー後)、およびその後のすすぎのためのコンディショナーとして配合される。
【0019】
本発明のコンディショニング組成物は、クレンジング組成物ではなく、したがって、アニオン性クレンジング界面活性剤、例えばラウリルエーテル硫酸ナトリウムを含まない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
好ましくは、トリートメント組成物は、リンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスク、リーブオンコンディショナー組成物およびプレトリートメント組成物から選択され、さらに好ましくは、リンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスク、リーブオンコンディショナー組成物およびプレトリートメント組成物、例えばオイルトリートメントから選択され、最も好ましくは、リンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスクおよびリーブオンコンディショナー組成物から選択される。トリートメント組成物は、好ましくは、リンスオフヘアコンディショナーおよびリーブオンコンディショナーから選択される。
【0021】
本発明で使用するためのリンスオフコンディショナーは、典型的には、すすぎ落とされる前に濡れた毛髪上に1~2分間放置されるコンディショナーである。
【0022】
本発明で使用するためのヘアマスクは、典型的には、すすぎ落とされる前に毛髪上に3~10分間、好ましくは3~5分間、さらに好ましくは4~5分間放置されるトリートメントである。
【0023】
本発明で使用するためのリーブオンコンディショナーは、典型的には毛髪に塗布され、10分間超にわたって毛髪上に放置され、好ましくは洗浄後に毛髪に塗布され、次の洗浄まですすぎ落とされない。
【0024】
直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤(i)
本発明の組成物は、構造1およびその混合物から選択される、0.01~10重量%の直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤を含む:
【化3】
(式中、
・R
1は、C
16~C
24、好ましくはC
18~C
22の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み;
・R
2は、プロトン、またはC
1~C
4、好ましくはC
1~C
2の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖、またはベンジル基を含み;
・Xは、有機アニオンまたは無機アニオンである)。
【0025】
好ましくは、構造1のR1の炭素-炭素鎖長は、構造1のR1の炭素-炭素鎖長が構造2のR3の炭素-炭素鎖長よりも長いように、構造2のR3の炭素-炭素鎖長と3~12個、さらに好ましくは4~12個、さらになお好ましくは6~12個、最も好ましくは6~10個の炭素原子異なる。
【0026】
構造1では、アミン頭部基が、最終製剤内に装入される。ただし、原料には、電荷が永久的ではなく、強酸を使用した製剤中のプロトン化によって誘導され得る種が含まれる。したがって、R2が上記一般式中のプロトンである場合、プロトンは、原料中に存在し得るか、または配合中に会合し得る。
【0027】
アルキル基は、アルキル鎖内に、1つ以上のエステル(-OCO-または-COO-)、アミド(-NOC-またはNCO-)および/またはエーテル(-O-)結合を含んでいてもよい。アルキル基は、1つ以上のヒドロキシル基によって置換されていてもよい。アルキル基は、直鎖または分岐状であってよく、3個以上の炭素原子を有するアルキル基の場合、環状であってよい。アルキル基は、飽和であってよいか、または1つ以上の炭素-炭素二重結合(例えばオレイル)を含んでもよい。アルキル基は、1つ以上のエチレンオキシ基によって、アルキル鎖上でエトキシル化されていてもよい。
【0028】
本発明によるコンディショナー組成物に使用するのに適した第四級アミン塩は、12~24個の炭素原子、好ましくは16~22個の炭素原子を含む第四級アミン塩である。
【0029】
本発明によるコンディショナー組成物に使用するのに適した第四級アミン塩には、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘニルアミドプロピルジメチルアミン、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアラルコニウムクロリド、ステアラルコニウムメトサルフェート、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、タロウトリメチルアンモニウムクロリド。ジ水素化タロウジメチルアンモニウムクロリド(例えば、Akzo Nobel製のArquad 2HT/75)およびココトリメチルアンモニウムクロリドが含まれる。
【0030】
ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セチルトリメチルアンモニウムクロリドおよびそれらの混合物から選択される好ましい第四級アミン塩。
【0031】
本発明によるコンディショナーに使用するのに特に有用なカチオン性界面活性剤は、例えば、Hoechst CelaneseからGENAMIN CTACとして市販されているセチルトリメチルアンモニウムクロリドである。本発明によるコンディショナーに使用するための別の特に好ましいカチオン性界面活性剤は、例えば、ClariantからGENAMIN KDMPとして市販されているベヘニルトリメチルアンモニウムクロリドである。
【0032】
さらに好適なカチオン性界面活性剤には、CTFA名称Quaternium-5、Quaternium-31およびQuaternium-18を有する材料が含まれる。前述の材料のいずれかの混合物も好適であり得る。
【0033】
単独で、または1つ以上の他のカチオン性界面活性剤と一緒に、本発明で使用するのに適したカチオン性界面活性剤のクラスの別の例は、以下の(i)と(ii)との組合せである:
(i)一般式(II)に対応するアミドアミン:
R1CONH(CH2)mN(R2)R3(II)
(式中、R1は、10個以上の炭素原子を有するヒドロカルビル鎖であり、R2およびR3は、1~10個の炭素原子のヒドロカルビル鎖から独立して選択され、mは、1から約10の整数である);および
(ii)酸。
【0034】
本明細書で使用される場合、ヒドロカルビル鎖という用語は、アルキル鎖またはアルケニル鎖を意味する。
【0035】
好ましいアミドアミン化合物は、式(I)に対応するものであり、式中、
R1は、約11から約24個の炭素原子を有するヒドロカルビル残基であり、
R2およびR3は、それぞれ独立して、1から約4個の炭素原子を有するヒドロカルビル残基、好ましくはアルキル基であり、mは、1から約4の整数である。
【0036】
好ましくは、R2およびR3は、メチル基またはエチル基である。
【0037】
好ましくは、mは、2または3、すなわち、エチレン基またはプロピレン基である。
【0038】
本明細書で有用な好ましいアミドアミンには、ステアラミド-プロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピル-ジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチル-アミン、ベヘナミドプロピルジエチルミン(behenamidopropyldiethylmine)、ベヘナミドエチルジエチル-アミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピル-ジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミンおよびそれらの混合物が含まれる。
【0039】
本明細書で有用な特に好ましいアミドアミンは、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミンおよびそれらの混合物である。
【0040】
本明細書で有用な市販のアミドアミンには、商品名LEXAMINE S-13でInolex(Philadelphia Pennsylvania,USA)から入手可能な、および商品名AMIDOAMINE MSPでNikko(Tokyo,Japan)から入手可能なステアラミドプロピルジメチルアミン、商品名AMIDOAMINE SでNikkoから入手可能なステアラミドエチルジエチルアミン、商品名INCROMINE BBでCroda(North Humberside,England)から入手可能なベヘナミドプロピルジメチルアミン、ならびに商品名SCHERCODINEシリーズでScher(Clifton New Jersey,USA)から入手可能な様々なアミドアミンが含まれる。
【0041】
酸は、コンディショナー組成物中のアミドアミンをプロトン化することができる任意の有機酸または鉱酸であり得る。本明細書で有用な好適な酸には、塩酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸およびそれらの混合物が含まれる。好ましくは、酸は、酢酸、酒石酸、塩酸、フマル酸、乳酸およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0042】
酸の主な役割は、ヘアトリートメント組成物中のアミドアミンをプロトン化し、ひいてはヘアトリートメント組成物中でインサイチュで第三級アミン塩(TAS)を形成することである。実際のTASは、非永久的な第四級アンモニウム、または擬第四級(pseudo-quaternary)アンモニウムカチオン性界面活性剤である。
【0043】
好適には、酸は、存在するアミドアミンの95モル%(293K)超をプロトン化するのに十分な量で含まれる。
【0044】
本発明の組成物では、直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤のレベルは、一般に、組成物の総重量の0.01~10%、さらに好ましくは0.05~7.5%、最も好ましくは0.1~5%の範囲である。
【0045】
直鎖脂肪物質(ii)
本発明の組成物は、0.1~10重量%の直鎖脂肪物質を含む。
【0046】
コンディショニング組成物中の脂肪物質およびカチオン性界面活性剤の併用は、カチオン性界面活性剤が分散された構造化ラメラまたは液晶相の形成をもたらすため、特に有利であると考えられる。
【0047】
「脂肪物質」とは、脂肪アルコール、アルコキシル化脂肪アルコール、脂肪酸またはそれらの混合物を意味する。好ましくは、直鎖脂肪物質は、脂肪アルコールおよび脂肪酸から選択され、最も好ましくは脂肪アルコールである。
【0048】
好ましくは、脂肪物質のアルキル鎖は、完全に飽和している。代表的な脂肪物質は、8~22個の炭素原子、さらに好ましくは16~22個を含む。
【0049】
好適な脂肪アルコールは、8~22個の炭素原子、好ましくは16~22個、最も好ましくはC16~C18を含む。脂肪アルコールは、典型的には、直鎖アルキル基を含む化合物である。好ましくは、アルキル基は飽和している。好ましい脂肪アルコールの例には、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびそれらの混合物が挙げられる。これらの材料の使用はまた、本発明で使用するための組成物の全体的なコンディショニング特性に寄与するという点で有利である。
【0050】
脂肪アルコール自体の代わりに、または脂肪アルコール自体に加えて、アルキル鎖中に約12から約18個の炭素原子を有するアルコキシル化(例えば、エトキシル化またはプロポキシル化)脂肪アルコールを使用することができる。好適な例には、エチレングリコールセチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)セチルエーテルおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0051】
本発明のコンディショナー中の脂肪物質のレベルは、好適には、組成物全体の0.01~10、好ましくは0.1~10、さらに好ましくは0.1~5重量パーセントである。カチオン性界面活性剤対脂肪アルコールの重量比は、好適には10:1~1:10、好ましくは4:1~1:8、最適には1:1~1:7、例えば1:3である。
【0052】
微粒子有益剤(iii)
本発明の組成物は、微粒子有益剤を含む。微粒子有益剤は、コンディショニング活性物質およびそれらの混合物から選択される。好ましくは、微粒子有益剤は、シリコーンエマルジョン、油およびそれらの混合物、最も好ましくはシリコーンエマルジョンから選択されるコンディショニング活性物質である。さらに好ましくは、コンディショニング活性物質は、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、炭化水素油、脂肪エステルおよびそれらの混合物のエマルジョンから選択され、最も好ましくは、コンディショニング活性物質は、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、パラフィン油、鉱油、飽和および不飽和ドデカン、飽和および不飽和トリデカン、飽和および不飽和テトラデカン、飽和および不飽和ペンタデカン、飽和および不飽和ヘキサデカン、ポリイソブチレン、カカオ脂、パームステアリン、ヒマワリ油、ダイズ油、ヤシ油ならびにそれらの混合物のエマルジョンから選択される。
【0053】
以下のシリコーンおよび油は、本発明の組成物中に乳化形態で存在する。
【0054】
好適な油は、炭化水素油、脂肪エステルおよびそれらの混合物から選択される。
【0055】
直鎖炭化水素油は、好ましくは、約12から約30個の炭素原子を含む。好ましくは約12から約42個の炭素原子を含む分岐鎖炭化水素油も適している。C2~C6アルケニルモノマーなどのアルケニルモノマーのポリマー炭化水素も適している。
【0056】
好適な炭化水素油の具体例には、パラフィン油、鉱油、飽和および不飽和ドデカン、飽和および不飽和トリデカン、飽和および不飽和テトラデカン、飽和および不飽和ペンタデカン、飽和および不飽和ヘキサデカン、ならびにそれらの混合物が挙げられる。これらの化合物の分岐鎖異性体、およびさらに高い鎖長の炭化水素の分岐鎖異性体も使用することができる。別の好適な材料はポリイソブチレンである。
【0057】
好適な脂肪エステルは、少なくとも10個の炭素原子を有することを特徴とし、脂肪酸またはアルコールから誘導されるヒドロカルビル鎖を有するエステルを含み、モノカルボン酸エステルは、式R’COOR(式中、R’およびRは、アルキルラジカルまたはアルケニルラジカルを独立して表し、R’およびRの炭素原子の合計は、少なくとも10、好ましくは少なくとも20である)のアルコールおよび/または酸のエステルを含む。カルボン酸のジアルキルエステルおよびトリアルキルエステルならびにアルケニルエステルも使用することができる。
【0058】
特に好ましい脂肪エステルは、モノ-、ジ-およびトリグリセリドであり、さらに具体的には、グリセロールおよび長鎖カルボン酸、例えばC1~C22カルボン酸のモノ-、ジ-およびトリ-エステルである。好ましい材料には、カカオ脂、パームステアリン、ヒマワリ油、ダイズ油およびヤシ油が含まれる。
【0059】
好ましいシリコーンは、ポリジメチルシロキサンおよびアミノ官能化シリコーンからなる群から選択され、さらに好ましくは、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。アミノ官能化シリコーンとジメチコンとのブレンドも好ましい。
【0060】
好ましくは、微粒子有益剤は、シリコーンエマルジョン、油およびそれらの混合物、最も好ましくはシリコーンエマルジョンから選択されるコンディショニング活性物質である。さらに好ましくは、コンディショニング活性物質は、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、炭化水素油、脂肪エステルおよびそれらの混合物のエマルジョンから選択され、最も好ましくは、コンディショニング活性物質は、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、パラフィン油、鉱油、飽和および不飽和ドデカン、飽和および不飽和トリデカン、飽和および不飽和テトラデカン、飽和および不飽和ペンタデカン、飽和および不飽和ヘキサデカン、ポリイソブチレン、カカオ脂、パームステアリン、ヒマワリ油、ダイズ油、ヤシ油ならびにそれらの混合物のエマルジョンから選択される。
【0061】
以下のシリコーンおよび油は、本発明の組成物中に乳化形態で存在する。
【0062】
好適な油は、炭化水素油、脂肪エステルおよびそれらの混合物から選択される。
【0063】
直鎖炭化水素油は、好ましくは、約12から約30個の炭素原子を含む。好ましくは約12から約42個の炭素原子を含む分岐鎖炭化水素油も適している。C2~C6アルケニルモノマーなどのアルケニルモノマーのポリマー炭化水素も適している。
【0064】
好適な炭化水素油の具体例には、パラフィン油、鉱油、飽和および不飽和ドデカン、飽和および不飽和トリデカン、飽和および不飽和テトラデカン、飽和および不飽和ペンタデカン、飽和および不飽和ヘキサデカン、ならびにそれらの混合物が挙げられる。これらの化合物の分岐鎖異性体、およびさらに高い鎖長の炭化水素の分岐鎖異性体も使用することができる。別の好適な材料はポリイソブチレンである。
【0065】
好適な脂肪エステルは、少なくとも10個の炭素原子を有することを特徴とし、脂肪酸またはアルコールから誘導されるヒドロカルビル鎖を有するエステルを含み、モノカルボン酸エステルは、式R’COOR(式中、R’およびRは、アルキルラジカルまたはアルケニルラジカルを独立して表し、R’およびRの炭素原子の合計は、少なくとも10、好ましくは少なくとも20である)のアルコールおよび/または酸のエステルを含む。カルボン酸のジアルキルエステルおよびトリアルキルエステルならびにアルケニルエステルも使用することができる。
【0066】
特に好ましい脂肪エステルは、モノ-、ジ-およびトリグリセリドであり、さらに具体的には、グリセロールおよび長鎖カルボン酸、例えばC1~C22カルボン酸のモノ-、ジ-およびトリ-エステルである。好ましい材料には、カカオ脂、パームステアリン、ヒマワリ油、ダイズ油およびヤシ油が含まれる。
【0067】
好ましいシリコーンは、ポリジメチルシロキサンおよびアミノ官能化シリコーンからなる群から選択され、さらに好ましくは、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。アミノ官能化シリコーンとジメチコンとのブレンドも好ましい。
【0068】
好ましいシリコーンエマルジョンは疎水性修飾を含まず、好ましくは、シリコーンエマルジョンは、ミリスチルオキシル修飾シリコーンではなく、最も好ましくは、ミリスチルオキシル修飾シリコーンまたはセチルオキシル修飾シリコーンではない。最も好ましくは、本発明の組成物に使用するためのシリコーンエマルジョンは、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびそれらの混合物のエマルジョンから選択される。
【0069】
好適なシリコーンには、CTFA名称ジメチコンを有するポリジメチルシロキサンが含まれる。また、本発明の組成物に使用するのに適しているのは、CTFA名称ジメチコノールを有する、ヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサンである。好ましくは、シリコーンは、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。アミノ官能化シリコーンとジメチコンとのブレンドも好ましい。
【0070】
乳化シリコーン自体(エマルジョンまたは最終ヘアコンディショニング組成物ではない)の粘度は、典型的には、25℃で少なくとも10,000cstである。シリコーン自体の粘度は、好ましくは少なくとも60,000cst、最も好ましくは少なくとも500,000cst、理想的には少なくとも1,000,000cstである。好ましくは、配合を容易にするために、粘度は109cstを超えない。
【0071】
本発明の組成物に使用するための乳化シリコーンは、典型的には、30未満、好ましくは20未満、さらに好ましくは10ミクロン未満、理想的には0.01~1ミクロンのD90シリコーン液滴サイズを組成物中に有する。0.15ミクロンの平均シリコーン液滴サイズ(D50)を有するシリコーンエマルジョンは、一般にマイクロエマルジョンと呼ばれる。
【0072】
シリコーン粒径は、例えば、Malvern Instruments製の2600D Particle Sizerを使用して、レーザー光散乱技術によって測定され得る。
【0073】
好適な予備形成エマルジョンの例には、Dow Corningから入手可能なXiameter MEM 1785およびマイクロエマルジョンDC2-1865が挙げられる。これらはジメチコノールのエマルジョン/マイクロエマルジョンである。また、架橋シリコーンガムが予備乳化形態で入手可能であり、これは配合を容易にするために有利である。
【0074】
本発明の組成物に含めるためのさらに好ましいクラスのシリコーンは、アミノ官能性シリコーンである。「アミノ官能性シリコーン」とは、少なくとも1つの第一級、第二級もしくは第三級アミン基または第四級アンモニウム基を含むシリコーンを意味する。好適なアミノ官能性シリコーンの例には、CTFA名称「アモジメチコン」を有するポリシロキサンが挙げられる。好ましいアモジメチコンは、DC 7134としてDow Corningから市販されている。
【0075】
本発明で使用するのに適したアミノ官能性シリコーンの具体例には、アミノシリコーン油DC2-8220、DC2-8166およびDC2-8566(いずれもDow Corning製)がある。
【0076】
好適な第四級シリコーンポリマーは、欧州特許A-0530974号に記載されている。好ましい第四級シリコーンポリマーは、Goldschmidt製のK3474である。
【0077】
非イオン性および/またはカチオン性界面活性剤を含むアミノ官能性シリコーン油のエマルジョンも好適である。
【0078】
アミノ官能性シリコーンの予備形成エマルジョンは、シリコーン油の供給業者、例えば、Dow CorningおよびGeneral Electricからも入手可能である。具体的な例には、DC939カチオン性エマルジョンならびに非イオン性エマルジョンDC2-7224、DC2-8467、DC2-8177およびDC2-8154(いずれもDow Corning製)が挙げられる。
【0079】
好ましいコンディショニング活性物質は、ポリジメチルシロキサンおよびアミノ官能化シリコーン、アミノ官能化シリコーンとジメチコンとのブレンド、炭化水素油、脂肪エステル、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0080】
微粒子有益剤コンディショニング活性物質の総量は、好ましくは組成物全体の0.1重量%~10重量%、より好ましくは0.1重量%~5重量%であり、最も好ましくは0.25重量%~3重量%が好適なレベルである。
【0081】
シリコーンの総量は、好ましくは組成物全体の0.1重量%~10重量%、より好ましくは0.1重量%~5重量%であり、最も好ましくは0.25重量%~3重量%が好適なレベルである。
【0082】
直鎖ジアルキルカチオン性共界面活性剤(iv)
本発明の組成物は、構造2およびその混合物から選択される、0.01~5重量%の直鎖ジアルキルカチオン性共界面活性剤を含み
【化4】
(式中、
・R
2は、プロトン、またはC
1~C
4、好ましくはC
1~C
2の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖、またはベンジル基を含み;
・R
3は、C
3からC
16未満、好ましくはC
10~C
14の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み;
・R
4は、C
3~C
24、好ましくはC
10~C
14の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み;
・Xは、有機アニオンまたは無機アニオンである);
構造1のR
1の炭素-炭素鎖長は、構造1のR
1の炭素-炭素鎖長が構造2のR
3の炭素-炭素鎖長よりも長いように、構造2のR
3の炭素-炭素鎖長と少なくとも3個の炭素原子異なり;
直鎖ジアルキルカチオン性共界面活性剤(iv)対直鎖カチオン性コンディショニング主界面活性剤(i)のモル比は、1:20~1:1、好ましくは1:10~1:1、好ましくは1:5~1:2の範囲である。
【0083】
好ましくは、構造1のR1の炭素-炭素鎖長は、構造1のR1の炭素-炭素鎖長が構造2のR3の炭素-炭素鎖長よりも長いように、構造2のR3の炭素-炭素鎖長と3~12個、さらに好ましくは4~12個、さらになお好ましくは6~12個、最も好ましくは6~10個の炭素原子異なる。
【0084】
R3は、C3からC16未満、好ましくはC3~C14、さらに好ましくはC6~C14、さらになお好ましくはC8~C14、最も好ましくはC10~C14の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含む。
【0085】
構造2では、R4基は、好ましくはR3基と同じであり、最も好ましくは、R4基およびR3基は、C10~C14の炭素-炭素鎖長をそれぞれ有する。
【0086】
直鎖ジアルキルカチオン性共界面活性剤は、組成物全体の重量に基づいて0.01~5重量%、好ましくは0.1~2、さらに好ましくは0.1~1.0、最も好ましくは0.2~0.7重量%の量で存在する。
【0087】
Xは、有機アニオンまたは無機アニオンである。好ましくは、Xは、ハロゲン化物イオン;一般式RSO3
-(式中、Rは、1~4個の炭素原子を有する飽和または不飽和アルキルラジカル、および有機酸のアニオン性ラジカルである)のサルフェートから選択されるアニオンを含む。
【0088】
好ましいハロゲン化物イオンは、フッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物から選択される。有機酸の好ましいアニオン性ラジカルは、マレエート、フマレート、オキサレート、タータレート、シトレート、ラクテートおよびアセテートから選択される。好ましいサルフェートは、メタンスルホネートおよびエタンスルホネートである。
【0089】
最も好ましくは、X-は、ハロゲン化物、メタンスルホネート基およびエタンスルホネート基から選択されるアニオンを含む。
【0090】
構造2による好適な材料の例は、ジ-ドデシル-ジメチルアンモニウムブロミドである。
【0091】
組成物レオロジー
本発明の組成物は、良好な粘度および降伏応力特性を提供する。
【0092】
組成物は、30~200パスカル(Pa)、最も好ましくは25℃および1Hzで40~150Paのピーク値という好ましい降伏応力範囲を有する。降伏応力を測定する方法では、1Hzの一定周波数、および0.1%~2000%の範囲の振幅スイープで振動を加えることができる好適なレオメータに取り付けられた、直径40mmの鋸歯状平行平板形状が使用される。振幅スイープ範囲は、1振幅当たり4サイクル以下で包含される歪み範囲の10年当たり10ポイント以下で適用される。機器は、例えば、TA Instruments製のARES G2 Rheometerによる制御された歪み下で操作されるべきである。形状の温度は、例えば、ペルチェ制御プレートまたは再循環浴によって25℃に設定されるべきである。降伏応力は、弾性応力を歪み振幅に対してプロットすることによって決定され、曲線のピークでは、最大値が降伏応力として引用される。弾性応力は、それぞれ機器から容易に得られる(貯蔵弾性率)×(歪み振幅)の乗算として計算される。
【0093】
組成物は、HelipathスタンドでSpindle AまたはBを0.5rpmで60秒間使用してBrookfield RVTで30℃で測定した場合に、5,000~750,000センチポアズ、好ましくは50,000~600,000センチポアズ、さらに好ましくは50,000~450,000の粘度を有する。
【0094】
好ましいコンディショナーは、コンディショニングゲル相を含む。これらのコンディショナーは、小胞含有量がほとんどまたは全くない。かかるコンディショナーおよびその製造方法は、国際公開第2014/016354号、国際公開第2014/016353号、国際公開第2012/016352号および国際公開第2014/016351号に記載されている。
【0095】
かかるコンディショニングゲル相を含む組成物は、組成物によって処理された毛髪に、1~250g、好ましくは2~100g、さらに好ましくは2~50g、さらになお好ましくは5~40g、最も好ましくは5~25gの引っ張り質量(Draw Mass)を付与する。
【0096】
引っ張り質量とは、櫛またはブラシを通してヘアピースを引っ張るのに必要な質量である。したがって、毛髪が絡み合うほど、櫛またはブラシを通してヘアピースを引っ張るのに必要な質量が大きくなり、毛髪の状態のレベルが高くなるほど、引っ張り質量が低くなる。
【0097】
引っ張り質量は、ヘアピースの接着された端部に5~20cmの毛髪が吊るされたままであるように、最初にヘアピースを櫛またはブラシ上に置き、次いで、ヘアピースが櫛またはブラシを通って落下するまで、吊るされた端部に重量を加えることによって測定した場合に、例えば、重量1~20g、長さ10~30cm、および幅0.5~5cmのヘアピースを櫛またはブラシを通して引っ張るのに必要な質量である。
【0098】
好ましくは、ヘアピースは、1~20g、さらに好ましくは2~15g、最も好ましくは5~10gの重量のものである。好ましくは、ヘアピースは、10~40cm、さらに好ましくは10~30cmの長さと、0.5~5cm、さらに好ましくは1.5~4cmの幅とを有する。
【0099】
最も好ましくは、引っ張り質量は、ヘアピースの接着された端部に20cmの毛髪が吊るされたままであるように、最初にヘアピースを櫛またはブラシ上に置き、次いで、ヘアピースが櫛またはブラシを通って落下するまで、吊るされた端部に重量を加えることによって測定した場合に、例えば、重量10g、長さ20cm、および幅3cmのヘアピースを櫛またはブラシを通して引っ張るのに必要な質量である。
【0100】
追加の成分
本発明による組成物は、ヘアコンディショニング組成物に共通の多数の成分のいずれかを含み得る。
【0101】
他の成分には、防腐剤、着色剤、グリセリンおよびポリプロピレングリコールなどのポリオール、EDTAなどのキレート剤、ビタミンEアセテートなどの酸化防止剤、芳香剤、抗微生物剤、ならびに日焼け止め剤が含まれ得る。これらの成分のそれぞれは、その目的を達成するのに有効な量で存在する。一般に、これらの任意成分は、それぞれ組成物全体の最大約5重量%のレベルで含まれる。
【0102】
好ましくは、追加の成分には、香料、防腐剤、着色剤およびコンディショニングシリコーンが含まれる。
【0103】
上記活性成分のいずれかの混合物も使用され得る。
【0104】
一般に、かかる成分は、それぞれ組成物全体の最大2重量%、好ましくは最大1重量%のレベルで含まれる。
【0105】
本発明の組成物は、好ましくは増粘剤、例えば増粘ポリマーを含まない。増粘ポリマーの例には、ポリクオタニウム増粘剤(ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-39など);グアー系増粘剤(グアーヒドロキシアンモニウムクロリドなど);ポリエチレングリコール(PEG)系増粘剤(PEG 90M、PEG 14M、PEG 150ジステアレートなど)などが挙げられる。増粘ポリマーの例には、ポリクオタニウム増粘剤(ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-39など);グアー系増粘剤(グアーヒドロキシアンモニウムクロリドなど);ポリエチレングリコール(PEG)系増粘剤(PEG 90M、PEG 14M、PEG 150ジステアレートなど)などが挙げられる。
【0106】
本発明の実施形態は以下の実施例に示され、別段の記載がない限り、すべてのパーセンテージは総重量に基づく重量によって引用される。
【0107】
[実施例]
[実施例1]
本発明による組成物1~3、および比較組成物AおよびB
以下の組成物を調製した:
それぞれ、1:1の主界面活性剤対共界面活性剤のモル比でC10、C12、および3:1の主界面活性剤対共界面活性剤のモル比でC12の共界面活性剤ジアルキル鎖長を有する、本発明による実施例1~3。
直鎖アルキル鎖を有する共界面活性剤材料を含まない比較例A。
長さC16の共界面活性剤ジアルキル鎖を含む比較例B。
【0108】
【0109】
以下の方法を使用して、実施例A、Bおよび1~3のコンディショナー調製した:
1.界面活性剤および脂肪物質を好適な容器に加え、脂肪物質の融点を超えるまで加熱した。
2.溶融ブレンドを、室温と脂肪物質の融点未満との間の温度で、表1の組成に従って好適な量の水に加えた。
3.混合物を不透明で濃厚になるまで混合した。
4.次いで、加熱を止め、室温に冷却し、残りの水を残りの材料とともに加えた。
5.最後に、好適な均質化装置を使用して高剪断で製剤を混合した。
【0110】
[実施例2]
組成物AおよびBならびに1~3による毛髪の処理
使用した毛髪は、重量5gおよび長さ6インチのヘアピースの暗褐色西欧人毛髪であった。
以下の方法を使用して、クレンジングシャンプーによって毛髪を最初に処理した:-
毛髪繊維を流水下で30秒間保持し、シャンプーを毛髪1g当たりシャンプー0.1mlの用量で塗布し、30秒間毛髪にこすりつけた。流水下で30秒間保持することによって過剰な泡を取り除き、シャンプー段階を繰り返した。流水下で毛髪を1分間すすいだ。
次いで、以下の方法を使用して、組成物によって濡れた毛髪を処理した:-
濡れた毛髪に、毛髪1g当たり0.2mlのコンディショナーの用量でコンディショナーを塗布し、毛髪に1分間もみ込んだ。流水下で毛髪を1分間すすぎ、過剰な水を取り除いた。
【0111】
[実施例3]
組成物A、Bおよび1~3によって処理した毛髪へのシリコーン堆積
蛍光X線(XRF)を使用して、毛髪上に堆積したシリコーンの量を定量した。
【0112】
【国際調査報告】