(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-18
(54)【発明の名称】改善された付着のためのヘアコンディショニング組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/34 20060101AFI20230710BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20230710BHJP
A61K 8/40 20060101ALI20230710BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20230710BHJP
A61K 8/891 20060101ALI20230710BHJP
A61K 8/892 20060101ALI20230710BHJP
A61K 8/898 20060101ALI20230710BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20230710BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20230710BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20230710BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
A61K8/34
A61Q5/12
A61K8/40
A61K8/36
A61K8/891
A61K8/892
A61K8/898
A61K8/31
A61K8/92
A61K8/44
A61K8/81
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022577355
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(85)【翻訳文提出日】2023-01-19
(86)【国際出願番号】 EP2021066151
(87)【国際公開番号】W WO2021255048
(87)【国際公開日】2021-12-23
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】バーフット,リチャード・ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】クック,マイケル・ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】メンドーサ・フェルナンデス,セザル・エルネスト
(72)【発明者】
【氏名】プライス,ポール・ダミアン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC532
4C083AC581
4C083AC582
4C083AC691
4C083AC692
4C083AD021
4C083AD022
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083BB06
4C083BB11
4C083CC33
4C083EE28
(57)【要約】
毛髪への改善された粒子状有益剤付着が、(i)直鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤、(ii)直鎖脂肪質物質、(iii)粒子状有益剤、(iv)構造1から選択される分岐カチオン性補助界面活性剤を含み、分岐カチオン性補助界面活性剤(iv)対直鎖カチオン性界面活性剤(i)のモル比が1:20~1:1の範囲にある組成物を用いて達成される。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)0.01~10重量%の直鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤;
(ii)0.1~10重量%の直鎖脂肪質物質;
(iii)コンディショニング活性物質およびその混合物から選択される粒子状有益剤;
(iv)下記構造1:
【化1】
(式中、
・R
1およびR
2は、炭素-炭素鎖長がC
4~C
20である直鎖アルキル鎖(飽和型または不飽和型)を含み、
・R
3は、プロトン、あるいは炭素-炭素鎖長がC
1~C
5である直鎖または分岐のアルキル鎖(飽和型または不飽和型)のいずれかを含み、
・nは0~10の範囲を有し、
・Xは有機アニオンまたは無機アニオンである)
から選択される、100%活性での0.01~5重量%の分岐カチオン性補助界面活性剤
を含み、
分岐カチオン性補助界面活性剤(iv)対直鎖カチオン性界面活性剤(i)のモル比が1:20~1:1の範囲にある、コンディショニング組成物。
【請求項2】
前記直鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤が、式1: N
+(R
1)(R
2)(R
3)(R
4)(式中、R
1、R
2、R
3およびR
4は独立して、(C
1~C
30)アルキルまたはベンジルである)を有する、請求項1に記載のコンディショニング組成物。
【請求項3】
前記直鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤が、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトスルファート、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、およびそれらの混合物から選択される、請求項2に記載のコンディショニング組成物。
【請求項4】
前記コンディショニング活性物質がシリコーンエマルションおよびオイルから選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項5】
前記シリコーンエマルションが疎水性修飾を含まず、好ましくはミリスチルオキシル修飾シリコーンではない、請求項4に記載のコンディショニング組成物。
【請求項6】
前記コンディショニング活性物質が、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、炭化水素油、脂肪酸エステルおよびそれらの混合物のエマルションから選択される、請求項4または請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記コンディショニング活性物質が、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、パラフィン油、鉱油、飽和ドデカンおよび不飽和ドデカン、飽和トリデカンおよび不飽和トリデカン、飽和テトラデカンおよび不飽和テトラデカン、飽和ペンタデカンおよび不飽和ペンタデカン、飽和ヘキサデカンおよび不飽和ヘキサデカン、ポリイソブチレン、カカオバター、パームステアリン、ヒマワリ油、ダイズ油、ヤシ油ならびにそれらの混合物のエマルションから選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記コンディショニング活性物質が、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびそれらの混合物のエマルションから選択される、請求項6または請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記粒子状有益剤コンディショニング活性物質が総組成物の0.1重量%~10重量%、より好ましくは0.1重量%~5重量%、最も好ましくは0.25重量%~3重量%の量で存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項10】
前記分岐カチオン性補助界面活性剤が0.1~2重量%、より好ましくは0.1~1.0、最も好ましくは0.2~0.7重量%の量で存在する、請求項1~9のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項11】
分岐カチオン性補助界面活性剤(iv)対直鎖カチオン性界面活性剤(i)のモル比が1:10~1:1、好ましくは1:5~1:2の範囲にある、請求項1~10のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項12】
25℃および1Hzにて、30~200パスカル(Pa)、最も好ましくは40~150Paの範囲のピーク値の降伏応力を有する、請求項1~11のいずれかの一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項13】
X
-が、ハライド、メタンスルホナート基およびエタンスルホナート基から選択されるアニオンを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項14】
コンディショニング活性物質およびその混合物から選択される粒子状有益剤の毛髪への付着を増大させる方法であって、請求項1~13のいずれかに記載のコンディショニング組成物を毛髪に塗布する工程、および前記毛髪を水によりすすぐ工程を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、毛髪に使用期間中付着することになる分岐補助界面活性剤および有益剤を含有するヘアトリートメント用のコンディションニング組成物に関し、特に、増大した量の有益剤を付着させることを可能にするコンディショニング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
背景および先行技術
様々なパーソナルケア組成物において、例えば、ヘアトリートメント組成物などでは、有益剤の付着および送達が、製品の性能の重要な促進要因であることが多い。例えば、今日市場にあるヘアコンディショナー製品の多くが、様々な有益剤(例えば、芳香剤物質、シリコーンおよび損傷修復活性物質など)を洗浄プロセスおよびケアプロセスの期間中に毛髪に付着させることによって様々な利益を毛髪に送達するように機能する。
【0003】
しかしながら、消費者は、いくつかの組成物の使用からもたらされる利益レベルに失望していると報告している。これは通常、不十分な量の有益剤が表面に送達されることによって引き起こされている。したがって、表面への、例えば、毛髪などへの利益物質の改善された送達を提供する組成物を開発することが望ましい。
【0004】
様々なタイプの分岐カチオン性化合物が、様々な利益のためのヘアトリートメント組成物において知られている。
【0005】
国際公開第17/172117号には、定義された第1の第四級アンモニウム化合物と、イミダゾリン化合物とを含むカチオン性薬剤、修飾型デンプン、2つのシラン化合物、カチオン性ビニルピロリドンポリマー、および水を含むケラチン質基体を処置するための組成物が開示される。この組成物により処置された毛髪は、改善されたマス、ボディー、ボリュームを有する、すすぎ洗いが容易である、速く乾燥する、より長く清浄なままである、そして、十分にコンディショニングされると主張されている。米国特許出願公開第2005/175569号には、第四級アンモニウム塩であることがあるカチオン性界面活性剤を含む化粧品組成物、例えば、毛髪のコンディショニングおよびスタイリングのための化粧品組成物が開示される。
【0006】
特開2005-060271には、(A)一般式(1)によって表されるジメチルポリシロキサンと、(B)一般式(2)によって表されるジメチルポリシロキサンと、(C)一般式(3)によって表される環状ジメチルポリシロキサンとを1以上の[(B)+(C)]/(A)の比率で、かつ(D)さらなる第四級アンモニウム成分を含むことが可能である水性毛髪化粧組成物が開示される。この組成物は、毛髪に対する一連のコンディショニング利益を湿潤段階、すすぎ洗い段階および乾燥段階において与えると言われる。
【0007】
本発明者ら自身の公開された特許出願の国際公開第02/102334号および国際公開第01/43718号は、定義されたヒドロカルビル鎖を有する第四級アンモニウム型カチオン性界面活性剤を含むクレンジング特性およびコンディショニング特性を有する水性ヘアトリートメント組成物を提供する。
【0008】
様々な分岐物質が在宅ケア製品およびパーソナルケア製品において知られているが、それらは、有益剤の毛髪への改善された付着をもたらすために効果的に塗布されていない。
【0009】
製品レオロジーが、消費者に対する重要な属性である。しかしながら、本発明者らは、分岐界面活性剤物質をゲルネットワーク内に加えると、ゲル構造が破壊され、その結果、粘度および降伏応力が許容できないほど低いレベルにまで低下することを見出している。
【0010】
先行技術にもかかわらず、毛髪への様々な利益の改善された送達を、消費者が所望する粘度特性について妥協することなくもたらすことが依然として求められている。消費者は、製品がより濃厚であることを効力および品質と関連づけるので、より濃厚な製品を強く好む。しかしながら、製品が濃厚すぎるならば、ボトルから注ぐことが困難になる可能性がある。
【0011】
この分野における経験豊富な配合者は通常、低下した粘度を、粘度調整剤(例えば、ポリマー増粘剤など)を加えることによって補う。しかしながら、このことは、他の様々な問題、例えば、処理での厄介な問題、ごつごつした外観(いわゆる「フィッシュアイ」の外観)、同様にまた、環境およびコストでの影響などを引き起こしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第17/172117号
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/175569号
【特許文献3】特開2005-060271
【特許文献4】国際公開第02/102334号
【特許文献5】国際公開第01/43718号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
今回、本発明者らは驚くべきことに、直鎖コンディショニング界面活性剤と組み合わされて、かつ、特定の比率で使用されるある種の分岐補助界面活性剤の組み合わせを含む組成物が、優れた製品レオロジー(特に粘度および降伏応力)を維持しながら、有益剤(例えば、シリコーン)の付着における予想外に大きい増強をもたらすことを見出している。
【0014】
本明細書中で引用されるすべての百分率が、別途明記される場合を除き、総重量に基づく重量比である。本明細書中で引用されるすべての量が、別途明記される場合を除き、物質の100%の活性度に基づく。
【0015】
発明の定義
本発明によれば、下記のコンディショニング組成物が提供される:
(i)0.01~10重量%の直鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤;
(ii)0.1~10重量%の直鎖脂肪質物質;
(iii)コンディショニング活性物質およびその混合物から選択される粒子状有益剤;
(iv)下記構造1:
【化1】
(式中、
・R
1およびR
2は、炭素-炭素鎖長がC
4~C
20である直鎖アルキル鎖(飽和型または不飽和型)を含み、
・R
3は、プロトン、あるいは炭素-炭素鎖長がC
1~C
5である直鎖または分岐のアルキル鎖(飽和型または不飽和型)のいずれかを含み、
・nは0~10の範囲を有し、
・Xは有機アニオンまたは無機アニオンである)
から選択される、100%活性での0.01~5重量%の分岐カチオン性補助界面活性剤
を含み、
分岐カチオン性補助界面活性剤(iv)対直鎖カチオン性界面活性剤(i)のモル比が1:20~1:1の範囲にある、組成物。
【0016】
第2の局面において、本発明は、コンディショニング活性物質から選択される粒子状有益剤、好ましくはシリコーンエマルションおよびその混合物から選択される粒子状有益剤の毛髪への付着を増大させる方法であって、第1の局面のコンディショニング組成物を毛髪に塗布する工程を含む方法を提供する。
【0017】
本発明の方法は好ましくは、組成物を毛髪からすすぐ工程を含む。
【0018】
好ましくは、この方法は、毛髪へのシリコーン付着を増大させる方法であって、本発明の第1の局面によって定義されるような組成物を毛髪に塗布する工程、および前記毛髪を水によりすすぐ工程を含む方法である。
【0019】
本発明による組成物は好ましくは、毛髪の(典型的にはシャンプー後の)トリートメントおよびその後のすすぎ洗いのためのコンディショナーとして配合される。
【0020】
本発明のコンディショニング組成物はクレンジング組成物ではなく、そのようなものとして、アニオン性クレンジング界面活性剤、例えば、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムを含まない。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の一般的説明
好ましくは、本発明のトリートメント組成物は、リンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスク、リーブオンコンディショナー組成物およびプレトリートメント組成物から選択され、より好ましくは、リンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスク、リーブオンコンディショナー組成物およびプレトリートメント組成物(例えば、オイルトリートメント)から選択され、最も好ましくは、リンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスクおよびリーブオンコンディショナー組成物から選択される。本発明のトリートメント組成物は好ましくは、リンスオフヘアコンディショナーおよびリーブオンコンディショナーから選択される。
【0022】
本発明において使用されるためのリンスオフコンディショナーは、典型的には濡れた毛髪の表面に、洗い流される前の1分間~2分間にわたって放置されるコンディショナーである。
【0023】
本発明において使用されるためのヘアマスクは、典型的には毛髪表面に、洗い流される前の3分間~10分間にわたって、好ましくは3分間~5分間にわたって、より好ましくは4分間~5分間にわたって放置されるトリートメントである。
【0024】
本発明において使用されるためのリーブオンコンディショナーは典型的には毛髪に塗布され、毛髪表面に10分超にわたって放置され、好ましくは洗浄後の毛髪に塗布され、次の洗浄まで洗い流されない。
【0025】
直鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤(i)
コンディショナー組成物は、化粧品として許容可能であり、かつ、毛髪への局所的塗布のために好適である直鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤を含むであろう。
【0026】
好ましくは、直鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤は、式1: N+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1、R2、R3およびR4は独立して、(C1~C30)アルキルまたはベンジルである)を有する。
【0027】
式1において、好ましくは、R1、R2、R3およびR4のうちの1つ、2つまたは3つが独立して、(C4~C30)アルキルであり、それ以外のR1基、R2基、R3基およびR4基が、(C1~C6)アルキルまたはベンジルである。
【0028】
より好ましくは、R1、R2、R3およびR4のうちの1つまたは2つが独立して、(C6~C30)アルキルであり、それ以外のR1基、R2基、R3基およびR4基が、(C1~C6)アルキル基またはベンジル基である。必要に応じて、アルキル基は、1つまたは複数のエステル(-OCO-または-COO-)連結、アミド(-NOC-またはNCO-)連結および/またはエーテル(-O-)連結をアルキル鎖内に含む場合がある。アルキル基は1つまたは複数のヒドロキシル基により置換されていてもよい場合がある。アルキル基は直鎖または分岐である場合があり、また、3個以上の炭素原子を有するアルキル基については環状である場合がある。これらのアルキル基は飽和型である場合があり、あるいは1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を含有する場合がある(例えば、オレイル)。アルキル基は、アルキル鎖が1つまたは複数のエチレンオキシ基によりエトキシル化されていてもよい。
【0029】
本発明によるコンディショナー組成物において使用されるための好適な第四級アミン塩は、12個~24個の炭素原子を含む第四級アミン塩であり、好ましくは16個~22個の炭素原子を含む第四級アミン塩である。
【0030】
本発明によるコンディショナー組成物において使用されるための好適な第四級アミン塩には、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトスルファート、ベヘニルアミドプロピルジメチルアミン、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアラルコニウムクロリド、ステアラルコニウムメトスルファート、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、タロウトリメチルアンモニウムクロリド、ジ水素化タロウジメチルアンモニウムクロリド(例えば、Akzo Nobelから得られるArquad 2HT/75)、およびココトリメチルアンモニウムクロリドが含まれる。
【0031】
ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトスルファート、セチルトリメチルアンモニウムクロリドおよびそれらの混合物から選択される好ましい第四級アミン塩。
【0032】
本発明によるコンディショナーにおいて使用されるための特に有用なカチオン性界面活性剤がセチルトリメチルアンモニウムクロリドであり、例えば、GENAMIN CTACとして、Hoechst Celaneseから市販されているものである。本発明によるコンディショナーにおいて使用されるための別の特に好ましいカチオン性界面活性剤がベヘニルトリメチルアンモニウムクロリドであり、例えば、GENAMIN KDMPとして、Clariantから市販されているものである。
【0033】
さらなる好適なカチオン性界面活性剤には、Quaternium-5、Quaternium-31およびQuaternium-18のCTFA呼称を有するそのような物質が含まれる。前述物質のいずれかの混合物もまた好適である場合がある。
【0034】
本発明において、単独で、あるいは1つまたは複数の他のカチオン性界面活性剤と一緒でのどちらであれ使用されるための好適なカチオン性界面活性剤の部類の別の一例が、下記の(i)と(ii)との組み合わせである:
(i)下記一般式(II)に対応するアミドアミン:
R1CONH(CH2)mN(R2)R3(II)
(式中、R1は、10個以上の炭素原子を有するヒドロカルビル鎖であり、R2およびR3は独立して、1個~10個の炭素原子のヒドロカルビル鎖から選択され、mは1~約10の整数である);および
(ii)酸。
【0035】
本明細書中で使用される場合、ヒドロカルビル鎖の用語はアルキル鎖またはアルケニル鎖を意味する。
【0036】
好ましいアミドアミン化合物が、
R1が、約11個~約24個の炭素原子を有するヒドロカルビル残基であり、
R2およびR3が、それぞれが独立して、1個~約4個の炭素原子を有するヒドロカルビル残基であり、好ましくは1個~約4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、mが1~約4の整数である
式(I)に対応するアミドアミン化合物である。
【0037】
好ましくは、R2およびR3はメチル基またはエチル基である。
【0038】
好ましくは、mは2または3である(すなわち、エチレン基またはプロピレン基)。
【0039】
本明細書中において有用である好ましいアミドアミンには、ステアルアミド-プロピルジメチルアミン、ステアルアミドプロピルジエチルアミン、ステアルアミドエチルジエチルアミン、ステアルアミドエチルジメチルアミン、パルミトアミドプロピルジメチルアミン、パルミトアミドプロピルジエチルアミン、パルミトアミドエチルジエチルアミン、パルミトアミドエチルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジメチル-アミン、ベヘンアミドプロピルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジエチル-アミン、ベヘンアミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキド-アミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミン、およびそれらの混合物が含まれる。
【0040】
本明細書中において有用である特に好ましいアミドアミンが、ステアルアミドプロピルジメチルアミン、ステアルアミドエチルジエチルアミン、およびそれらの混合物である。
【0041】
本明細書中において有用である市販のアミドアミンには、
LEXAMINE S-13の商品名を有し、Inolex(Philadelphia、Pennsylvania、米国)から入手可能な、また、AMIDOAMINE MSPの商品名を有し、Nikko(東京、日本)から入手可能なステアルアミドプロピルジメチルアミン、AMIDOAMINE Sの商品名を有し、Nikkoから入手可能なステアルアミドエチルジエチルアミン、INCROMINE BBの商品名を有し、Croda(North Humberside、英国)から入手可能なベヘンアミドプロピルジメチルアミン、およびSCHERCODINEシリーズの商品名を有し、Scher(Clifton、New Jersey、米国)から入手可能な様々なアミドアミンが含まれる。
【0042】
酸は、アミドアミンをコンディショナー組成物においてプロトン化することができる有機酸または鉱酸であればどのようなものであってもよい。本明細書中において有用である好適な酸には、塩酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、およびそれらの混合物が含まれる。好ましくは、酸は、酢酸、酒石酸、塩酸、フマル酸、乳酸およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0043】
酸の主たる役割は、アミドアミンをヘアトリートメント組成物においてプロトン化し、したがって、第三級アミン塩(TAS)をヘアトリートメント組成物においてその場で形成させることである。TASは事実上、非永続的な第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤または疑似第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤である。
【0044】
好適には、酸は、存在するアミドアミンの95モル%超(293K)をプロトン化するための十分な量で含まれる。
【0045】
本発明において使用されるためのコンディショナーにおいて、直鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤のレベルが一般には、組成物の総重量に基づくカチオン性コンディショニング界面活性剤の総重量比で0.01~10%の範囲であろうし、より好ましくは0.05~7.5%の範囲であろうし、最も好ましくは0.1~5%の範囲であろう。
【0046】
直鎖脂肪質物質(ii)
本発明の組成物は、0.1~10重量%の直鎖脂肪質物質を含む。
【0047】
コンディショニング組成物における脂肪質物質とカチオン性界面活性剤との併用は、カチオン性界面活性剤が分散される構造化されたラメラ相または液晶相の形成をもたらすために、とりわけ好都合であると考えられる。
【0048】
「脂肪質物質」によって、脂肪アルコール、アルコキシル化脂肪アルコール、脂肪酸またはそれらの混合物が意味される。好ましくは、直鎖脂肪質物質は、脂肪アルコールおよび脂肪酸から選択され、最も好ましくは脂肪アルコールである。
【0049】
好ましくは、脂肪質物質のアルキル鎖は完全飽和である。代表的な脂肪質物質は8個~22個の炭素原子を含み、より好ましくは16個~22個の炭素原子を含む。
【0050】
好適な脂肪アルコールは8個~22個の炭素原子を含み、好ましくは16個~22個の炭素原子を含み、最も好ましくはC16~C18を含む。脂肪アルコールは典型的には、直鎖アルキル基を含有する化合物である。好ましくは、アルキル基は飽和している。好ましい脂肪アルコールの例には、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびそれらの混合物が含まれる。これらの物質の使用はまた、本発明において使用されるための組成物の全体的なコンディショニング特性にそれらが寄与するという点で好都合である。
【0051】
約12個から約18個までの炭素原子をアルキル鎖に有するアルコキシル化(例えば、エトキシル化またはプロポキシル化)脂肪アルコールを、脂肪アルコールそのものの代わりに、または脂肪アルコールそのものに加えて使用することができる。好適な例には、エチレングリコールセチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)セチルエーテル、およびそれらの混合物が含まれる。
【0052】
本発明のコンディショナーにおける脂肪質物質のレベルが好適には総組成物の重量比で0.01パーセントから10パーセントまでであり、好ましくは0.1パーセントから10パーセントまでであり、より好ましくは0.1パーセントから5パーセントまでである。カチオン性界面活性剤対脂肪アルコールの重量比が好適には10:1から1:10までであり、好ましくは4:1から1:8までであり、最適には1:1から1:7までであり、例えば1:3である。
【0053】
粒子状有益剤(iii)
本発明の組成物は粒子状有益剤を含む。粒子状有益剤は、コンディショニング活性物質およびその混合物から選択される。好ましくは、粒子状有益剤は、シリコーンエマルション、オイルおよびそれらの混合物から選択されるコンディショニング活性物質であり、最も好ましくはシリコーンエマルションから選択されるコンディショニング活性物質である。より好ましくは、コンディショニング活性物質は、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、炭化水素油、脂肪酸エステルおよびそれらの混合物のエマルションから選択され、最も好ましくは、コンディショニング活性物質は、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、パラフィン油、鉱油、飽和ドデカンおよび不飽和ドデカン、飽和トリデカンおよび不飽和トリデカン、飽和テトラデカンおよび不飽和テトラデカン、飽和ペンタデカンおよび不飽和ペンタデカン、飽和ヘキサデカンおよび不飽和ヘキサデカン、ポリイソブチレン、カカオバター、パームステアリン、ヒマワリ油、ダイズ油、ヤシ油ならびにそれらの混合物のエマルションから選択される。
【0054】
下記のシリコーンおよびオイルが本発明の組成物において乳化形態で存在する。
【0055】
好適なオイルが、炭化水素油、脂肪酸エステルおよびそれらの混合物から選択される。
【0056】
直鎖炭化水素油は好ましくは、約12個~約30個の炭素原子を含有するであろう。分岐鎖炭化水素油もまた好適であり、これは好ましくは、約12個~約42個の炭素原子を含有するであろう。アルケニルモノマー(例えば、C2~C6アルケニルモノマーなど)のポリマー炭化水素もまた好適である。
【0057】
好適な炭化水素油の具体的な例には、パラフィン油、鉱油、飽和ドデカンおよび不飽和ドデカン、飽和トリデカンおよび不飽和トリデカン、飽和テトラデカンおよび不飽和テトラデカン、飽和ペンタデカンおよび不飽和ペンタデカン、飽和ヘキサデカンおよび不飽和ヘキサデカン、ならびにそれらの混合物が含まれる。これらの化合物の分岐鎖異性体、同様にまた、より大きい鎖長の炭化水素もまた使用することができる。別の好適な物質がポリイソブチレンである。
【0058】
好適な脂肪酸エステルが、少なくとも10個の炭素原子を有することによって特徴づけられ、好適な脂肪エステルには、脂肪酸または脂肪アルコールに由来するヒドロカルビル鎖を有するエステルが含まれる。モノカルボン酸エステルには、式R’COOR(式中、R’およびRは独立して、アルキル基またはアルケニル基を表し、R’およびRにおける炭素原子の合計が少なくとも10であり、好ましくは少なくとも20である)のアルコールおよび/または酸のエステルが含まれる。カルボン酸のジアルキルエステルおよびトリアルキルエステルならびにアルケニルエステルもまた使用することができる。
【0059】
特に好ましい脂肪酸エステルが、モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドであり、より具体的には、グリセロールと、長鎖カルボン酸(例えば、C1~C22カルボン酸など)とのモノエステル、ジエステルおよびトリエステルである。好ましい物質には、カカオバター、パームステアリン、ヒマワリ油、ダイズ油およびヤシ油が含まれる。
【0060】
好ましいシリコーンが、ポリジメチルシロキサンおよびアミノ官能化シリコーンからなる群から選択され、より好ましくは、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。アミノ官能化シリコーンのジメチコンとのブレンド物もまた好ましい。
【0061】
好ましくは、粒子状有益剤は、シリコーンエマルション、オイルおよびそれらの混合物から選択されるコンディショニング活性物質であり、最も好ましくはシリコーンエマルションから選択されるコンディショニング活性物質である。より好ましくは、コンディショニング活性物質は、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、炭化水素油、脂肪酸エステルおよびそれらの混合物のエマルションから選択され、最も好ましくは、コンディショニング活性物質は、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、パラフィン油、鉱油、飽和ドデカンおよび不飽和ドデカン、飽和トリデカンおよび不飽和トリデカン、飽和テトラデカンおよび不飽和テトラデカン、飽和ペンタデカンおよび不飽和ペンタデカン、飽和ヘキサデカンおよび不飽和ヘキサデカン、ポリイソブチレン、カカオバター、パームステアリン、ヒマワリ油、ダイズ油、ヤシ油ならびにそれらの混合物のエマルションから選択される。
【0062】
下記のシリコーンおよびオイルが本発明の組成物において乳化形態で存在する。
【0063】
好適なオイルが、炭化水素油、脂肪酸エステルおよびそれらの混合物から選択される。
【0064】
直鎖炭化水素油は好ましくは、約12個~約30個の炭素原子を含有するであろう。分岐鎖炭化水素油もまた好適であり、これは好ましくは、約12個~約42個の炭素原子を含有するであろう。アルケニルモノマー(例えば、C2~C6アルケニルモノマーなど)のポリマー炭化水素もまた好適である。
【0065】
好適な炭化水素油の具体的な例には、パラフィン油、鉱油、飽和ドデカンおよび不飽和ドデカン、飽和トリデカンおよび不飽和トリデカン、飽和テトラデカンおよび不飽和テトラデカン、飽和ペンタデカンおよび不飽和ペンタデカン、飽和ヘキサデカンおよび不飽和ヘキサデカン、ならびにそれらの混合物が含まれる。これらの化合物の分岐鎖異性体、同様にまた、より大きい鎖長の炭化水素もまた使用することができる。別の好適な物質がポリイソブチレンである。
【0066】
好適な脂肪酸エステルが、少なくとも10個の炭素原子を有することによって特徴づけられ、好適な脂肪エステルには、脂肪酸または脂肪アルコールに由来するヒドロカルビル鎖を有するエステルが含まれる。モノカルボン酸エステルには、式R’COOR(式中、R’およびRは独立して、アルキル基またはアルケニル基を表し、R’およびRにおける炭素原子の合計が少なくとも10であり、好ましくは少なくとも20である)のアルコールおよび/または酸のエステルが含まれる。カルボン酸のジアルキルエステルおよびトリアルキルエステルならびにアルケニルエステルもまた使用することができる。
【0067】
特に好ましい脂肪酸エステルが、モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドであり、より具体的には、グリセロールと、長鎖カルボン酸(例えば、C1~C22カルボン酸など)とのモノエステル、ジエステルおよびトリエステルである。好ましい物質には、カカオバター、パームステアリン、ヒマワリ油、ダイズ油およびヤシ油が含まれる。
【0068】
好ましいシリコーンが、ポリジメチルシロキサンおよびアミノ官能化シリコーンからなる群から選択され、より好ましくは、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。アミノ官能化シリコーンのジメチコンとのブレンド物もまた好ましい。
【0069】
好ましいシリコーンエマルションは疎水性修飾を含まない。好ましくは、シリコーンエマルションはミリスチルオキシル修飾シリコーンではなく、最も好ましくはミリスチルオキシル修飾シリコーンまたはセチルオキシル修飾シリコーンではない。最も好ましくは、本発明の組成物において使用されるためのシリコーンエマルションは、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびそれらの混合物のエマルションから選択される。
【0070】
好適なシリコーンには、ジメチコンのCTFA呼称を有するポリジメチルシロキサンが含まれる。本発明の組成物における使用のために同様に好適であるものが、ヒドロキシル末端基を有する各種のポリジメチルシロキサンであり、これらはジメチコノールのCTFA呼称を有する。好ましくは、シリコーンは、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。アミノ官能化シリコーンのジメチコンとのブレンド物もまた好ましい。
【0071】
乳化シリコーン自体(エマルションまたは最終ヘアコンディショニング組成物ではない)の粘度が典型的には25℃において少なくとも10,000cstであり、シリコーン自体の粘度が好ましくは少なくとも60,000cstであり、最も好ましくは少なくとも500,000cstであり、理想的には少なくとも1,000,000cstである。好ましくは、粘度は、配合の容易さのためには109cstを超えない。
【0072】
本発明の組成物において使用されるための乳化シリコーンは典型的には、組成物におけるD90シリコーン液滴サイズが30ミクロン未満であり、好ましくは20ミクロン未満であり、より好ましくは10ミクロン未満であり、理想的には0.01~1ミクロンである。平均シリコーン液滴サイズ(D50)が0.15ミクロンであるシリコーンエマルションが一般には、ミクロエマルションと称される。
【0073】
シリコーン粒径が、レーザー光散乱技術によって、例えば、Malvern Instrumentsから得られる2600D Particle Sizerを使用して測定される場合がある。
【0074】
好適な事前に形成されたエマルションの例として、Dow Corningから入手可能であるXiameter MEM 1785およびミクロエマルションDC2-1865が挙げられる。これらはジメチコノールのエマルション/ミクロエマルションである。架橋されたシリコーンガムもまた、配合の容易さのためには好都合である事前に乳化された形態で入手可能である。
【0075】
本発明の組成物に含めるためのさらなる好ましい部類のシリコーンがアミノ官能性シリコーンである。「アミノ官能性シリコーン」によって、少なくとも1つの第一級アミン基、第二級アミン基または第三級アミン基を含有する、あるいは第四級アンモニウム基を含有するシリコーンが意味される。好適なアミノ官能性シリコーンの例には、「アモジメチコン」のCTFA呼称を有するポリシロキサンが含まれる。好ましいアモジメチコンが、Dow CorningからDC7134として市販されている。
【0076】
本発明における使用のために好適であるアミノ官能性シリコーンの具体的な例が、DC2-8220、DC2-8166およびDC2-8566であるアミノシリコーンオイルである(これらはすべてがDow Corningから得られる)。
【0077】
好適な第四級シリコーンポリマーが欧州特許出願公開EP-A-0530974に記載される。好ましい第四級シリコーンポリマーが、Goldschmidtから得られるK3474である。
【0078】
非イオン性界面活性剤および/またはカチオン性界面活性剤を含むアミノ官能性シリコーンオイルのエマルションもまた好適である。
【0079】
アミノ官能性シリコーンの事前に形成されたエマルションもまた、シリコーンオイルの供給者から、例えば、Dow Corning、およびGeneral Electricなどから入手可能である。具体的な例には、カチオン性エマルションのDC939、ならびに非イオン性エマルションのDC2-7224、DC2-8467、DC2-8177およびDC2-8154が含まれる(これらはすべてが、Dow Corningから得られる)。
【0080】
好ましいコンディショニング活性物質が、ポリジメチルシロキサンおよびアミノ官能化シリコーン、アミノ官能化シリコーンのジメチコンとのブレンド物、炭化水素油、脂肪酸エステル、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0081】
粒子状有益剤コンディショニング活性物質の総量が好ましくは総組成物の0.1重量%~10重量%であり、より好ましくは0.1重量%~5重量%であり、最も好ましくは0.25重量%~3重量%が好適なレベルである。
【0082】
分岐カチオン性補助界面活性剤(iv)
本発明の組成物は分岐カチオン性補助界面活性剤を含む。
【0083】
分岐カチオン性補助界面活性剤は、下記構造1:
【化2】
(式中、
・R
1およびR
2は、炭素-炭素鎖長がC
4~C
20である直鎖アルキル鎖(飽和型または不飽和型)を含み、
・R
3は、プロトン、あるいは炭素-炭素鎖長がC
1~C
5である直鎖または分岐のアルキル鎖(飽和型または不飽和型)のどちらかを含み、
・nは0~10の範囲を有し、
・Xは有機アニオンまたは無機アニオンである)
から選択され、
ただし、分岐カチオン性補助界面活性剤(iv)対直鎖カチオン性界面活性剤(i)のモル比が1:20~1:1の範囲にある。
【0084】
R1およびR2は、炭素-炭素鎖長がC4~C20である、好ましくはC6~C18である直鎖アルキル鎖(飽和型または不飽和型)を含む。
【0085】
R3は、プロトン、あるいは炭素-炭素鎖長がC1~C5である、好ましくはC1~C3である直鎖または分岐のアルキル鎖(飽和型または不飽和型)のどちらかを含む。好ましくは、R3はプロトンである。
【0086】
nは0~10の範囲を有し、好ましくは0および1から選択される。
【0087】
分岐カチオン性補助界面活性剤(iv)対直鎖カチオン性界面活性剤(i)のモル比が1:20~1:1の範囲にあり、好ましくは1:10~1:1の範囲にあり、最も好ましくは1:5~1:2の範囲にある。
【0088】
構造1において、アミン頭部基は最終配合物内では帯電している。しかしながら、原料には、電荷が永久的でなく、強酸を使用する配合物においてプロトン化によって誘導され得る化学種が含まれる。したがって、R8が上記一般式においてプロトンであるとき、当該プロトンは原料において存在する場合があり、または配合時に結合させられる場合がある。
【0089】
分岐補助界面活性剤は、総組成物の重量に基づいて0.01~5重量%の量で、好ましくは0.1~2重量%の量で、より好ましくは0.1~1.0重量%の量で、最も好ましくは0.2~0.7重量%の量で存在する。
【0090】
Xは有機アニオンまたは無機アニオンである。好ましくは、Xは、ハライドドイオン、一般式RSO3
-(式中、Rは、1個~4個の炭素原子を有する飽和アルキル基または不飽和アルキル基である)のスルファート、および有機酸のアニオン性基から選択されるアニオンを含む。
【0091】
好ましいハライドイオンが、フルオリド、クロリド、ブロミドおよびイオダイドから選択される。有機酸の好ましいアニオン性基が、マレアート、フマラート、オキサラート、タルタラート、シトラート、ラクタートおよびアセタートから選択される。好ましいスルファートがメタンスルホナートおよびエタンスルホナートである。
【0092】
最も好ましくは、X-は、ハライド、メタンスルホナート基およびエタンスルホナート基から選択されるアニオンを含む。
【0093】
構造1に限定された好適な物質の一例が2-((2-オクチルドデシル)オキシ)-2-オキソエタン-1-アミニウムメタンスルホナートであり、これは、Chemistry、A European Journal、2008、14、382において概説される方法の改変を使用して合成することができる。グリシンのC20ゲルベアルコールとの酸触媒縮合反応により、所望の生成物が一工程でもたらされる。
【0094】
組成物のレオロジー
本発明の組成物は粘度および降伏応力の良好な特性を与える。
【0095】
組成物は、好ましい降伏応力範囲が、25℃および1Hzにおいて、ピーク値で30~200パスカル(Pa)であり、最も好ましくは40~150Paである。降伏応力を測定するための方法では、振動を1Hzの一定の振動数で加えること、および0.1%~2000%の範囲での振幅掃引が可能である好適なレオメーターに取り付けられる、直径が40mmの鋸歯状平行板形状体が使用される。この振幅掃引範囲が、振幅あたりほんの4サイクルでカバーされる歪み範囲の一桁あたりほんの10個の点で適用される。計器は、制御された歪みのもとで、例えば、TA Instrumentsから得られるARES G2レオメーターなどを用いて操作されなければならない。形状体の温度は、例えば、ペルチエ制御プレートまたは再循環浴によって25℃で設定されなければならない。降伏応力が、弾性応力を歪み振幅に対してプロットすることによって求められ、曲線のピークにおいて、最大値が降伏応力として引用される。弾性応力が、(貯蔵弾性率)×(歪み振幅)の乗算として計算される(この場合、貯蔵弾性率および歪み振幅はそれぞれが計器から容易に得られる)。
【0096】
組成物は、A型またはB型のスピンドルをHelipathスタンドにおいて0.5rpmで60秒間使用してBrookfield RVTで30℃において測定される場合、粘度が5,000~750,000センチポアズであり、好ましくは50,000~600,000センチポアズであり、より好ましくは50,000~450,000である。
【0097】
好ましいコンディショナーはコンディショニングゲル相を含む。これらのコンディショナーはベシクル含有量をほとんど有していないか、または全く有していない。そのようなコンディショナーおよびその作製方法が、国際公開第2014/016354号、国際公開第2014/016353号、国際公開第2012/016352号および国際公開第2014/016351号に記載される。
【0098】
そのようなコンディショニングゲル相を含む組成物は、当該組成物により処理された毛髪に対して、1~250gのドローマス(Draw Mass)、好ましくは2~100gのドローマス、より好ましくは2~50gのドローマス、一層より好ましくは5~40gのドローマス、最も好ましくは5~25gのドローマスを付与する。
【0099】
ドローマスは、櫛またはブラシを通してヘアスイッチ(hair switch)を引き寄せるために要求される質量である。したがって、毛髪が絡まるほど、櫛またはブラシを通してヘアスイッチを引っ張るために要求される質量が大きくなり、また、毛髪の状態のレベルが大きくなるほど、ドローマスが小さくなる。
【0100】
ドローマスは、ヘアスイッチ(例えば、1~20gの重量、10~30cmの長さ、および0.5~5cmの幅)を、櫛またはブラシを通して引き寄せるために要求される質量であって、最初にヘアスイッチを、5~20cmの毛髪がヘアスイッチののり付け端部から垂れ下がったままにされるように櫛またはブラシに置き、その後、重りを、ヘアスイッチが櫛またはブラシから落下するまで、垂れ下がり端部に加えることによって測定されるような質量である。
【0101】
好ましくは、ヘアスイッチは重量が1~20gであり、より好ましくは2~15gであり、最も好ましくは5~10gである。好ましくは、ヘアスイッチは長さが10~40cmであり、より好ましくは10~30cmであり、幅が0.5~5cmであり、より好ましくは1.5~4cmである。
【0102】
最も好ましくは、ドローマスは、ヘアスイッチ(例えば、10gの重量、20cmの長さ、および3cmの幅)を、櫛またはブラシを通して引き寄せるために要求される質量であって、最初にヘアスイッチを、20cmからの毛髪がヘアスイッチののり付け端部から垂れ下がったままにされるように櫛またはブラシに置き、その後、重りを、ヘアスイッチが櫛またはブラシから落下するまで、垂れ下がり端部に加えることによって測定されるような質量である。
【0103】
さらなる成分
本発明による組成物は、ヘアコンディショニング組成物に共通する多数の成分のいずれかを含む場合がある。
【0104】
他の成分には、防腐剤、着色剤、ポリオール(例えば、グリセリンおよびポリプロピレングリコールなど)、キレート化剤(例えば、EDTAなど)、酸化防止剤(例えば、酢酸ビタミンEなど)、芳香剤、抗菌剤および日焼け止め剤が含まれる場合がある。これらの成分のそれぞれが、その目的を達成するために効果的である量で存在するであろう。一般に、これらの随意的成分は、総組成物の重量比で約5%に達するまでのレベルで個々に含まれる。
【0105】
好ましくは、さらなる成分には、香料、防腐剤、染料およびコンディショニングシリコーンが含まれる。
【0106】
上記有効成分のいずれかの混合物もまた使用される場合がある。
【0107】
一般に、そのような成分は、総組成物の重量比で2%に達するまでのレベルで、好ましくは1%に達するまでのレベルで個々に含まれる。
【0108】
本発明の組成物は好ましくは、増粘剤、例えば、増粘性ポリマーを含まない。増粘性ポリマーの例には、ポリクオタニウム増粘剤(例えば、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-39など);グアー系増粘剤(例えば、グアーヒドロキシアンモニウムクロリド);ポリエチレングリコール(PEG)系増粘剤(例えば、PEG90M、PEG14M、PEG150ジステアラート)、および同様なものが含まれる。
【0109】
本発明の様々な実施形態が下記の実施例において示され、ただし、実施例では、すべての百分率が、別途明記される場合を除き、総重量に基づく重量比によって引用される。
【0110】
[実施例]
[実施例1:本発明による組成物1および比較組成物A]
下記の組成物を調製した:
【0111】
【0112】
実施例Aおよび実施例1におけるコンディショナーを、下記の方法を使用して調製した。
1.界面活性剤および脂肪質物質を好適な容器に加え、脂肪質物質の融点を超えるまで加熱した。
2.溶融ブレンド物を室温と脂肪質物質の融点未満との間の温度で表1における組成に従って好適な量の水に加えた。
3.混合物を不透明かつ濃厚になるまで混合した。
4.その後、加熱を止め、室温に冷却し、残りの水を残りの物質と一緒に加えた。
5.最後に、配合物を、好適な均質化デバイスを使用して高剪断で混合した。
予測されたコンディショニング性能(XRFによるシリコーン付着)が、下記に示される表2に示される:
【0113】
【国際調査報告】