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特表2023-530467異なるモバイルネットワーク事業者の基地局のためのスペクトル範囲共有
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-18
(54)【発明の名称】異なるモバイルネットワーク事業者の基地局のためのスペクトル範囲共有
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/14 20090101AFI20230710BHJP
   H04W 24/02 20090101ALI20230710BHJP
   H04W 24/08 20090101ALI20230710BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20230710BHJP
【FI】
H04W16/14
H04W24/02
H04W24/08
H04W88/18
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022577669
(86)(22)【出願日】2021-05-11
(85)【翻訳文提出日】2023-01-17
(86)【国際出願番号】 EP2021062478
(87)【国際公開番号】W WO2021254695
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】2009328.2
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390028587
【氏名又は名称】ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 Braham Street,London,E1 8EE,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 元嗣
(72)【発明者】
【氏名】マッケンジー、リチャード
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA28
5K067EE10
5K067EE16
5K067HH21
(57)【要約】
本発明は、セルラ電気通信ネットワークにおける方法を提供し、ここにおいて、セルラ電気通信ネットワークは、第1のスペクトル範囲において、第1のモバイルネットワーク事業者に第1のアクセス接続を提供するように構成された第1のトランシーバと、第2のスペクトル範囲において、第2のモバイルネットワーク事業者に第2のアクセス接続を提供するように構成された第2のトランシーバと、を含み、方法は、スペクトル共有を開始するための条件が満たされたと決定するステップ、ここにおいて、スペクトル共有を開始するための条件は、第1のモバイルネットワーク事業者に対する容量需要が第1のモバイルネットワーク事業者に利用可能な容量を超えること、および/または第1のモバイルネットワーク事業者に対するピークレート需要が第1のモバイルネットワーク事業者に利用可能な最大ピークレートを超えること、に基づく、と、決定に応答して、スペクトル共有ソリューションを識別するステップ、ここで、第1のトランシーバは、第2のスペクトル範囲において、第1のモバイルネットワーク事業者に第1のアクセス接続を提供するように構成され、第2のスペクトル範囲を使用する第1のアクセス接続の容量が、第1のモバイルネットワーク事業者に対する容量需要を満たす、と、識別されたスペクトル共有ソリューションに従って、基地局を再構成するステップと、備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラ電気通信ネットワークにおける方法であって、ここにおいて、前記セルラ電気通信ネットワークは、第1のスペクトル範囲において、第1のモバイルネットワーク事業者に第1のアクセス接続を提供するように構成された第1のトランシーバと、第2のスペクトル範囲において、第2のモバイルネットワーク事業者に第2のアクセス接続を提供するように構成された第2のトランシーバと、を含み、前記方法は、
スペクトル共有を開始するための条件が満たされたと決定するステップ、ここにおいて、前記スペクトル共有を開始するための条件は、前記第1のモバイルネットワーク事業者に対する容量需要が前記第1のモバイルネットワーク事業者に利用可能な容量を超えること、および/または前記第1のモバイルネットワーク事業者に対するピークレート需要が前記第1のモバイルネットワーク事業者に利用可能な最大ピークレートを超えること、に基づく、と、
前記決定に応答して、スペクトル共有ソリューションを識別するステップ、ここで、
前記第1のトランシーバは、前記第2のスペクトル範囲において、前記第1のモバイルネットワーク事業者に前記第1のアクセス接続を提供するように構成され、
前記第2のスペクトル範囲を使用する前記第1のアクセス接続の容量が、前記第1のモバイルネットワーク事業者に対する前記容量需要を満たす、と、
前記識別されたスペクトル共有ソリューションに従って、前記基地局を再構成するステップと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記識別されたスペクトル共有ソリューションはまた、前記第2のアクセス接続の前記第2のスペクトル範囲がエネルギー節約モードに入ること、および/または前記第1のアクセス接続の前記第1のスペクトル範囲がエネルギー節約モードに入ることを伴う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基地局は、前記第1のスペクトル範囲および第3のスペクトル範囲内で前記第1のアクセス接続を提供し、前記識別されたスペクトル共有ソリューションはまた、前記第1のアクセス接続が前記第3のスペクトル範囲においてエネルギー節約モードに入ることを伴う、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記スペクトル共有を開始するための条件は、エネルギー節約に関連する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記条件は、前記第1のアクセス接続および/もしくは前記第2のアクセス接続における負荷の尺度、ならびに/または前記第1のアクセス接続および/もしくは第2のアクセス接続のエネルギー消費の尺度を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
命令を備えるコンピュータプログラムであって、前記命令は、前記プログラムがコンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、請求項1~5のいずれか一項に記載のステップを実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のコンピュータプログラムを備えるコンピュータ可読キャリア媒体。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか一項に記載のステップを実行するように構成されたプロセッサを有するネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルラ電気通信ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ電気通信ネットワークは、ワイヤレス通信を介して複数のユーザ機器(UE)に音声およびデータサービスを提供する基地局を含む。基地局は、(少なくとも部分的に)セルサイトに位置し、セルサイトは、基地局を動作させるための支援インフラストラクチャ(電源など)をさらに含む。従来のアーキテクチャでは、セルサイトおよび基地局は、単一のモバイルネットワーク事業者(MNO)によって所有および運用され(operated)、基地局は、そのMNOのコアネットワークにのみ接続する。基地局は、典型的に、アンテナ支持体(例えば、マスト(mast)、アンテナフレーム、または屋上取付け具)と、1つまたは複数のアンテナと、1つまたは複数のコントローラ(例えば、無線ネットワークコントローラ(RNC))と、を含む。
【0003】
MNOがインフラストラクチャを共有するために協働し得るいくつかの方法がある。サイト共有として知られる、共有MNOインフラストラクチャの最も基本的な例は、物理的セルサイトがMNO間で共有されるが、各MNOが基地局機器(例えば、マスト、アンテナ、およびコントローラ)の所有権および制御を維持する場合である。基地局支援機器(例えば、電源)は、サイト共有アレンジメント(arrangement)においてMNO間で共有されることも、共有されないこともあり得る。マスト共有として知られる、共有MNOインフラストラクチャの更なる例では、基地局のマスト(または同等のアンテナ支持体)がMNO間で共有されるが、各MNOは、残りの基地局機器(アンテナおよびコントローラ)の所有権および制御を維持する。この場合も、基地局支援機器(例えば、電源)は、マスト共有アレンジメントにおいてMNO間で共有されることも、共有されないこともあり得る。
【0004】
共有MNOインフラストラクチャのより包括的な形態が、マルチオペレータ無線アクセスネットワーク(MORAN:Multi-Operator Radio Access Network)として知られており、ここで、セルサイト、基地局機器および基地局支援機器が、MNO間で共有される。基地局機器は、各事業者の公衆陸上移動体ネットワーク(PLMN)識別子をそれぞれの信号中で送信することなどによって、全てのMNOのUEと通信するように構成されなければならないが、各MNOの専用スペクトル範囲内で通信しなければならない。基地局機器はまた、適切なMNOのコアネットワークにトラフィックを向けるように構成されなければならない。同様のアレンジメントが、マルチオペレータコアネットワーク(MOCN:Multi-Operator Core Network)として知られており、ここで、セルサイト、基地局機器および基地局支援機器は、先と同様に、MNO間で共有され、異なるMNOのUEとの通信のために、共有スペクトル範囲も使用し得る。
【0005】
共有インフラストラクチャの更なる代替が、セルサイト、基地局および基地局支援機器が第三者によって所有および/または管理され、1つまたは複数のMNOが第三者のインフラストラクチャ上で運用する場合である。これは、「ニュートラルホスト(neutral host)」として知られている。
【0006】
現代のセルラ電気通信ネットワークにおける課題は、MNOがエネルギー効率目標を満たすことである。これらの目標は、MNOの基地局が提供し得る最大容量およびカバレッジに対して下方圧力を生じ得る。この懸念に対処するために、エネルギー節約メカニズムが導入され、これは、基地局が(全てでなければほとんどの動作が中断される)エネルギー節約モードに入ることを可能にする。エネルギー節約基地局によって以前にサービス提供されていたUEへのサービスの継続性を保証するために、UEは、1つまたは複数の隣接する基地局に転送され得る。隣接する基地局は、サービスを提供するために、そのカバレッジエリアを変更し得る。
【0007】
現代のセルラ電気通信ネットワークにおける更なる課題は、より高いデータレートなどの改善されたサービスに対するユーザ需要を満たすことであり、これは、一般にサービング基地局の容量によって制限される。
【発明の概要】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、セルラ電気通信ネットワークにおける方法が提供され、ここにおいて、セルラ電気通信ネットワークは、第1のスペクトル範囲において、第1のモバイルネットワーク事業者に第1のアクセス接続を提供するように構成された第1のトランシーバと、第2のスペクトル範囲において、第2のモバイルネットワーク事業者に第2のアクセス接続を提供するように構成された第2のトランシーバと、を含み、方法は、スペクトル共有を開始するための条件が満たされたと決定するステップ、ここにおいて、スペクトル共有を開始するための条件は、第1のモバイルネットワーク事業者に対する容量需要が第1のモバイルネットワーク事業者に利用可能な容量を超えること、および/または第1のモバイルネットワーク事業者に対するピークレート需要が第1のモバイルネットワーク事業者に利用可能な最大ピークレートを超えること、に基づく、と、決定に応答して、スペクトル共有ソリューションを識別するステップ、ここで、第1のトランシーバは、第2のスペクトル範囲において、第1のモバイルネットワーク事業者に第1のアクセス接続を提供するように構成され、第2のスペクトル範囲を使用する第1のアクセス接続の容量が、第1のモバイルネットワーク事業者に対する容量需要を満たす、と、識別されたスペクトル共有ソリューションに従って、基地局を再構成するステップと、を備える。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、命令を備えるコンピュータプログラムが提供され、命令は、プログラムがコンピュータによって実行されると、コンピュータに本発明の第1の態様のステップを実行させる。
【0010】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様のステップを実行するように構成されたプロセッサを有するネットワークノードが提供される。
【0011】
本発明がよりよく理解され得るように、次に、本発明の実施形態が、添付の図面を参照して、ほんの一例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明のセルラ電気通信ネットワークの一実施形態の概略図である。
図2図2は、本発明の方法の第1の実施形態において実施される第1のプロセスを例示するフロー図である。
図3図3は、本発明の方法の第1の実施形態において実施される第2のプロセスを例示するフロー図である。
図4図4は、第1の構成における、本発明の方法の第1の実施形態を実施するセルラ電気通信ネットワークの概略図である。
図5図5は、第2の構成における、図4のセルラ電気通信ネットワークの概略図である。
図6図6は、本発明の方法の第1の実施形態を例示するフロー図である。
図7図7は、第1の構成における、本発明の方法の第2の実施形態を実施するセルラ電気通信ネットワークの概略図である。
図8図8は、第2の構成における、図7のセルラ電気通信ネットワークの概略図である。
図9図9は、本発明の方法の第2の実施形態を例示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、セルラ電気通信ネットワーク1の第1の実施形態が、図1を参照して説明される。図1は、マスト20と、基地局支援機器30(単一のユニットとして示されているが、電源、冷却ユニットなどのような、いくつかの構成要素を備え得る)と、を含むセルサイト10を例示する。セルサイト10、マスト20および基地局支援機器30は、第1のモバイルネットワーク事業者(MNO)と第2のMNOによって共有されている。第1のMNOは、セルサイトにおいて第1の基地局100を配備し、これにより、1つまたは複数のトランシーバがマスト20上に配置され、任意の処理機器がセルサイト10内に位置する(および基地局支援機器30を利用し得る)。第2のMNOもまた、セルサイト10において第2の基地局200を配備し、これにより、第2の基地局200のための1つまたは複数のトランシーバがマスト20上に配置され、任意の処理機器がセルサイト10内に位置する(先と同様に、これは基地局支援機器30を利用し得る)。第1の基地局100および第2の基地局200の処理機器は、専用ハードウェア上で動作し得るか、または共通のハードウェアプラットフォーム上の仮想環境で動作し得る。
【0014】
図1はまた、ニュートラルホストサイト40を例示する。ニュートラルホストサイト40は、第1の基地局100および第2の基地局200とのトランスポート接続と、第1のMNOのコアネットワークとの第1のバックホール接続と、第2のMNOのコアネットワークとの第2のバックホール接続と、を有する。これらの接続は、典型的に光ファイバ接続である。ニュートラルホストサイト40は、コントローラ42と、ルータ44と、を含む。ルータ44は、第1の基地局100のためのトラフィックを、第1のMNOのコアネットワークへ/からルーティングすることと、第2の基地局200のためのトラフィックを、第2のMNOのコアネットワークへ/からルーティングすることと、を担う。コントローラ42は、セルサイトにおける共有運用の管理と、本発明の方法の実施形態の実施(以下で説明される)と、を担う。
【0015】
本発明の方法の実施形態をより詳細に説明する前に、(これらの実施形態で使用される)2つのプロセスの概要を説明する。第1のプロセスは、エネルギー節約トリガメカニズムである。(図2に示されるような)この第1のプロセスの第1のステップS101において、ニュートラルホストコントローラ42は、複数の基地局(第1の基地局100および第2の基地局200を含む)についての複数のメトリックを監視する。これらのメトリックは、以下を含む:
・無線容量の割合または使用されている無線リソースの割合としての無線スループットなどの、負荷の尺度(measure)、
・エネルギー消費の尺度(これは、二酸化炭素排出の単位(in units of carbon dioxide emissions)での等価な測定値に換算され得る)、
・増大したサービス(例えば、増大したデータレート)を求める要求のカウント。
【0016】
第2のステップS103において、ニュートラルホストコントローラ42は、複数のメトリックのうちの1つまたは複数が、以下のように、スペクトル共有ソリューションを開始するためのしきい値を満たすかどうかを決定する:
1.(複数の基地局のうちの1つまたは複数についての)増大したサービスを求める要求のカウントがしきい値を超えること、
2.(複数の基地局のうちの1つまたは複数についての)負荷の尺度が、追加の容量を提供するためにスペクトル共有が必要とされ得ることを示す、高負荷しきい値を超えること、
3.(複数の基地局のうちの1つまたは複数についての)負荷の尺度が、基地局がエネルギー節約モードに入り得ることを示す、低負荷しきい値を超えること、
4.(複数の基地局のうちの1つまたは複数についての)エネルギー消費の尺度が、基地局が過剰なエネルギーを消費したこと、および/または(MNOのエネルギー目標に基づいて)二酸化炭素排出の単位が多すぎる原因であることを示す、エネルギー消費しきい値を超えること。
【0017】
基地局についての複数のメトリックのうちの1つまたは複数が、その基地局がエネルギー節約モードに入ることが望ましいことを示す上記の条件のうちの1つ(すなわち、オプション3またはオプション4)を満たす場合には、その基地局は、(以下で説明される)第2のプロセスにおいて、潜在的なエネルギー節約基地局として含めるために(for)識別される。基地局についての全ての性能メトリックが、関連するしきい値を満たさない場合には、その基地局は、第2のプロセスにおいて潜在的なエネルギー節約基地局として識別されない。
【0018】
さらに、ステップS105において、複数のメトリックのうちの1つまたは複数がこれらのしきい値のうちのいずれか1つを満たす場合には、第2のプロセスが、スペクトル共有ソリューションを識別するためにトリガされる。全てのメトリックがこれらのしきい値のいずれも満たさない場合には、プロセスは、第2のプロセスをトリガすることなく終了する。
【0019】
好適なエネルギー節約ソリューションを決定するための第2のプロセスが図3に示される。概説すると、ニュートラルホストコントローラ42は、MNOが別のMNOとスペクトルを共有する、複数の候補スペクトル共有ソリューションを識別する。ニュートラルホストコントローラ42は、少なくとも1つの基地局がそのスペクトルを、そのスペクトルを使用しないMNO(すなわち、現在このスペクトル上でサービスが提供されているMNOのうちの1つではないMNO)と共有して、当該他のMNOについての追加の容量の必要性を満たす、候補スペクトル共有ソリューションの全ての可能なバリエーションを評価する。例えば、候補スペクトル共有ソリューションは、(第1のMNOによって所有および運用されている)第1の基地局が、そのスペクトルを第2のMNOと共有することを伴い得る。この場合、第2のMNOの総容量は、第1の基地局100の容量と第2の基地局200の容量の合計である。
【0020】
さらに、これらの候補スペクトル共有ソリューションはまた、エネルギー効率の良い方法で追加の容量の必要性を満たすソリューションを見つけるために、エネルギー節約モードのバリエーションも含む。したがって、これらのソリューションは、(第1のプロセスにおいて)潜在的なエネルギー節約基地局として識別された基地局のうちの1つまたは複数がエネルギー節約モードに入り、セルラ電気通信ネットワークにおける他の基地局のうちの1つまたは複数がエネルギー節約モード、通常(アクティブ)モード、または補償モードでそれぞれ動作する、バリエーションを含む。各候補について、ニュートラルホストコントローラ42は、その候補ソリューションにおいてエネルギー節約モードに入る各基地局についての、基地局がエネルギー節約モードに入ることの適合性(suitability)の重み付きスコア(「エネルギー節約スコア」)と、その候補ソリューションにおいて補償モードに入る各基地局についての、基地局が補償モードで動作する適合性を表す重み付きスコア(「補償スコア」)とを評価し、これらのエネルギー節約スコアと補償スコアを合計して、その候補ソリューションについての総合スコアを得る。
【0021】
例えば、ニュートラルホストコントローラ42は、第2の基地局200がそのスペクトルを第1の基地局100と共有し、第1の基地局100がエネルギー節約モードに入り、第2の基地局200が補償モードに入る、第1の候補スペクトル共有ソリューションを評価し得る。第1のステップS201において、ニュートラルホストコントローラ42は、第1の基地局100のエネルギー節約スコアおよび第2の基地局200の補償スコアを評価する。エネルギー節約スコアESは、以下のように評価される:
【0022】
【数1】
【0023】
ここで、
・nは、エネルギー節約モードに入ることについて評価されている基地局の識別子である、
・iは、評価されている候補ソリューションの識別子である(いくつかの異なる候補ソリューションが存在する場合、同じ基地局に対して異なるESスコアが存在し得るため)、
・Lは、0~1の間の値に正規化された、基地局nの負荷を表す、
・Dは、0~1の間の値に正規化された、基地局nのエネルギー節約の望ましさ(desirability)(以下でより詳細に説明される)を表す、および
・Cは、0~1の間の値に正規化された、評価されている候補ソリューションの1つまたは複数の補償基地局によって基地局nが補償されるときの、基地局nのユーザおよび各補償基地局のユーザに対するコスト(これも以下でより詳細に説明される)を表す。
【0024】
MNOのポリシーに基づいて、各係数(each factor)L、D、およびCに重み付けが適用され得る。
【0025】
補償スコアCompは、以下のように評価される:
【0026】
【数2】
【0027】
ここで、
・nは、補償モードに入ることについて評価されている基地局の識別子である、
・iは、評価されている候補ソリューションの識別子である(いくつかの異なる候補ソリューションが存在する場合、同じ基地局に対して異なる補償スコアが存在し得るため)、および
・SCは、(例えば、基地局の総容量に基づいて)0~1の間に正規化された、基地局nの予備容量を表す。
【0028】
ステップS203では、第1の候補エネルギー節約ソリューションについての総合スコアを決定するために、(1つまたは複数の)エネルギー節約スコアと(1つまたは複数の)補償スコアが合計される。次いで、第2のプロセスは、ステップS201にループバックして、残りの候補エネルギー節約ソリューションについての総合スコアを評価する。次いで、最も高い総合スコアを有するエネルギー節約ソリューションが、実施されるべきエネルギー節約ソリューションとして選択される(ステップS205)。
【0029】
望ましさ係数Dは、関連するMNOのポリシーに基づく、エネルギー節約モードに入ることの基地局nに対する利益の評価である。この評価を行うために、ニュートラルホストコントローラ42は、望ましさ係数を決定するための各MNOのポリシーをメモリに記憶し、基地局についての望ましさ係数を評価するときに、関連するポリシーを検索して取り出す(retrieves)。各ポリシーは、以下の1つまたは複数に基づき得る:
・そのエネルギー消費目標に対する基地局のエネルギー消費の尺度、および/または
・基地局nがエネルギー節約モードに入ることを補償するために、補償モードに入る1つまたは複数の基地局によって必要とされる追加のエネルギー分だけオフセットされた、組み合わせ(combination)iにおいてエネルギー節約モードに入ることによって、基地局nによって節約されるエネルギーの推定値。
【0030】
基地局のエネルギー消費の尺度は、MNOの目標に対する、エネルギーの単位または(エネルギーの各単位について排出される二酸化炭素の量に基づく)二酸化炭素排出の単位でのその等価物に基づき得る。MNOの目標はまた、例えば1ヶ月にわたる累積目標であり得る。
【0031】
コスト係数は、エネルギー節約モードに入る基地局のユーザに対する、あるいは1つまたは複数の補償基地局のユーザに対する、任意のコストを表す。これは、補償基地局によってサービス提供されているときにユーザによって経験される劣化したサービスのコスト、またはエネルギー節約基地局を補償するために(1つまたは複数の)補償基地局のうちの1つが負担するコスト(a cost incurred by)(エネルギー節約基地局および補償基地局が異なるモバイルネットワーク事業者のものである場合、MOCNモードに切り替るために必要とされるリソースなど)であり得る。先と同様に、この評価を行うために、ニュートラルホストコントローラ42は、コスト係数を決定するための各MNOのポリシーをメモリに記憶し、基地局についてのコスト係数を評価するときに、関連するポリシーを検索して取り出す。各ポリシーは、以下の1つまたは複数に基づき得る:
・エネルギー節約モードに入る基地局によって提供されるサービス、
・エネルギー節約モードに入る基地局のサービスコミットメント、および
・エネルギー節約モードに入る基地局のサービス提供/コミットメントを補償するための、補償モードに入る(1つまたは複数の)基地局に関する能力。
【0032】
サービス提供およびコミットメントは、特定のサービスを提供しないことに対する相対コストと相関するように重み付けされ得る。したがって、コミットされたサービスを提供しないことに対してより重大なペナルティが存在し得るので、サービスコミットメントは、サービス提供よりも大きい重みを与えられ得る。さらに、補償モードに入る基地局は、エネルギー節約モードに入る基地局よりも改善されたサービス(例えば、増大したデータレートをサポートするためのより多くの容量)を提供し得る。したがって、コスト係数は、負の値になり得る。
【0033】
上述されたように、各基地局がそのスペクトルを別のMNOと共有し得、各基地局がエネルギー節約モード、通常(アクティブ)モードまたは補償モードのいずれかで動作する、任意の所与のアレンジメントに利用可能な複数の候補スペクトル共有ソリューションが存在する。更なる利用可能なソリューションも存在し得、ここで:
・スペクトルの一部分が、別のMNOと共有され、および/またはエネルギー節約モードもしくは補償モードに切り替えられる、
・第3の基地局が、そのスペクトルを共有し、および/またはエネルギー節約モードもしくは補償モードに切り替えられる、
・各基地局が、複数のプロトコルに従ってユーザにサービス提供し、これらのサービスは、独立にスペクトルを共有し得、および/またはエネルギー節約モードもしくは補償モードに切り替えられ得る、および/または
・各基地局が、UEとの通信のために複数のスペクトル範囲(複数の「キャリア」)を使用し、各キャリアは、独立にスペクトル(もしくはその一部分)を共有し得、および/またはエネルギー節約モードもしくは補償モードに切り替えられ得る。
【0034】
基地局が(例えば、異なるプロトコルまたは異なるキャリアを介して)複数のアクセスオプションを提供するシナリオでは、第1および第2のプロセスは、複数のアクセスオプションの各々に対してそれらの分析を行い得る。すなわち、第1のプロセスは、スペクトル共有ソリューションがトリガされるべきかどうか、および各アクセスオプションがエネルギー節約モードに入るためにマーク付けされるかどうかを決定するために、各アクセスオプションについてのメトリックを分析し得、第2のプロセスは、各アクセスオプションが、エネルギー節約モード、通常(アクティブ)モード、または補償モードのいずれかで動作する、複数の候補スペクトル共有ソリューションを分析し得る。
【0035】
次に、本発明の方法の第1の実施形態が、図4図6を参照して説明される。セルラ電気通信ネットワークの初期状態が図4に示され、ここで、セルサイトは、MORANアレンジメントにおいて、第1の基地局100と、第2の基地局200と、を含み、ここで、第1の基地局100は、第1のMNOによって運用されており、第2の基地局200は、第2のMNOによって運用されている。第1の基地局100は、第1および第2のキャリア(C1、C2)を使用し、第2の基地局200は、第3および第4のキャリア(C3、C4)を使用する。第1、第2、第3および第4のキャリアは、UEとの通信のための別個のオーバーラップしないスペクトル範囲である。
【0036】
図6のフロー図に示されるような)第1のステップS301において、ニュートラルホストコントローラ42は、(図2を参照して上記で説明されたような)第1のプロセスを行って、第1の基地局100および/または第2の基地局200についての1つまたは複数のメトリックが、エネルギー節約基地局として識別されるためのしきい値を満たすかどうかを決定し、第1の基地局100および/または第2の基地局200についての1つまたは複数のメトリックが、スペクトル共有ソリューションをトリガするためのしきい値を満たすかどうかを決定する。この第1の実施形態では、スペクトル共有ソリューションをトリガするための最も関連のあるメトリックおよびしきい値は、上記で列挙した第1および第2のオプションである(増大したサービスを求める要求のカウントがしきい値を満たすこと、および/または、負荷メトリックが高負荷しきい値を上回ること)。決定は、これらのメトリックの一方または両方に基づき得るか、あるいはこれらのメトリックによってより大きな影響を受けるように重み付けを使用し得る。
【0037】
この例では、ニュートラルホストコントローラ42は、第2の基地局200の第4のキャリアのUEによる増大したサービスを求める要求のカウントがしきい値を上回ったと決定して、スペクトル共有ソリューションを識別するための第2のプロセスをトリガする。さらに、この例では、第1の基地局100および第2の基地局200の各キャリアについての1つまたは複数のメトリックは、エネルギー節約モードに入るために識別されるためのしきい値を満たさない。
【0038】
この第1の実施形態の第2のステップ(ステップS303)において、ニュートラルホストコントローラ42は、候補スペクトル共有ソリューションを識別する。上述されたように、第1の基地局100の第1および第2のキャリアならびに第2の基地局200の第3および第4のキャリアは、それらのスペクトルを別のMNOと共有し得る(例えば、第1の基地局100の第1および/または第2のキャリアが第2のMNOと共有され得るか、あるいは第2の基地局200の第3および/または第4のキャリアが第1のMNOと共有され得る)。さらに、各スペクトル共有ソリューションは、1つまたは複数の基地局の1つまたは複数のキャリアが、候補スペクトル共有ソリューションにおいて、エネルギー節約モード、通常(アクティブ)モード、または補償モードを使用することを伴い得る。この例では、第1の基地局100の第1および第2のキャリア、ならびに第2の基地局200の第3および第4のキャリアは、エネルギー節約モード、通常(アクティブ)モード、または補償モードのいずれかであり得る。スペクトル共有は、キャリアが、エネルギー節約モードに入る異なるMNOのキャリアを補償していない限り、キャリアのエネルギー節約/通常/補償モードステータスとは独立に有効にされ得る。
【0039】
ステップS305において、ニュートラルホストコントローラ42は、各候補スペクトル共有ソリューションについての各MNOに利用可能な容量を評価する。例となる候補スペクトル共有ソリューションでは、第1の基地局100の第1のキャリアは、そのスペクトルを第2のMNOと共有し、第1の基地局100のその他全てのキャリアは、通常(アクティブ)モードにあり、したがって、第2のMNOに利用可能な容量は、第1の基地局100の第1のキャリアと、第2の基地局200の第3および第4のキャリアとの組み合わされた容量である。これらの容量は、各MNOに対する容量需要と比較される(ここで、この例では、第2のMNOに対する容量需要が、現在の容量利用可能性(capacity availability)を超える)。第1のMNOに対する容量需要が、(排他的スペクトルと共有スペクトルの両方を通じて)候補スペクトル共有ソリューションにおいて第1のMNOに利用可能な容量を超え(あるいは、その90%、95%、99%などのしきい値内にあり)、第2のMNOに対する容量需要が、(排他的スペクトルと共有スペクトルの両方を通じて)候補スペクトル共有ソリューションにおいて第2のMNOに利用可能な容量を超え(あるいは、その90%、95%、99%などのしきい値内にあり)、ならびに/または第1および第2のMNOに対する追加の容量需要(すなわち、排他的スペクトルを通じて利用可能であるものを超える容量需要)が、共有スペクトルを通じて第1および第2のMNOに利用可能な容量を超える(あるいは、その90%、95%、99%などのしきい値内にある)場合には、その候補は除外される(そして、プロセスの残りのステップでは考慮されない)。
【0040】
この実施形態では、ニュートラルホストコントローラ42は、(例えば、ユーザからのサービス要求に基づいて)各基地局の各キャリアの現在の需要を監視するアドミッション制御機能を含む。しかしながら、代替の実装形態では、基地局は、各キャリアに対する現在の需要を監視し、これをニュートラルホストコントローラ42に報告し得る。
【0041】
ステップS307において、ニュートラルホストコントローラ42は、(図3を参照して上記で説明されたような)第2のプロセスを行い、ここで、候補スペクトル共有ソリューションは、ステップS305において除外されなかったものである。第2の基地局200の第3および第4のキャリアの現在の容量利用可能性よりも大きい、第2のMNOに対する容量需要が存在するこの例では、第1の基地局100の第1および第2のキャリアの一方または両方が第2のMNOと共有されることを伴う候補スペクトル共有ソリューションは、ステップS305において除外されない。しかしながら、第1の基地局100の第1のキャリアまたは第2のキャリアのいずれかが第2のMNOと共有されることを伴う候補スペクトル共有ソリューションは、シングルキャリア共有ソリューションがデュアルキャリア共有ソリューションよりもエネルギー効率が良いことを示す望ましさ係数のプラスの影響(the positive influence)に基づいて、(第1の基地局100の第1のキャリアと第2のキャリアの両方が第2のMNOと共有されることを伴うソリューションと比較して)より好ましい総合スコアを有し得る。したがって、MNOポリシーは、スコアリングシステムにおけるそれぞれの重みを調整することによって、容量需要を満たす利益とエネルギー節約の利益とのバランスをとり得る。
【0042】
この例では、最も高い総合スコアが付けられた候補スペクトル共有ソリューションは、第2の基地局200の第4のキャリアがエネルギー節約モードに入ることと、第1の基地局100の第1のキャリアが補償モードに入り、第2の基地局200の第4のキャリアを補償することと、第1の基地局100の第2のキャリアおよび第2の基地局200の第3のキャリアが通常(アクティブ)モードのままであることと、を伴う。第2の基地局200の第4のキャリアがエネルギー節約モードに入ることは、(第1の基地局100の第1のキャリアならびに第2の基地局200の第3および第4のキャリアが第2のMNOのためのサービスを提供するソリューションと比較して)第2のMNOに利用可能な容量を低減させるが、第2の基地局200の第4のキャリアがエネルギー節約モードに入ることについての望ましさ係数のプラスの影響が、このソリューションにより大きい総合スコアを与える。
【0043】
ステップS309において、ニュートラルホストコントローラ42は、第1の基地局100に命令メッセージを送って、第1の基地局100を、その第1のキャリアが第2の基地局200の第4のキャリアを補償するように再構成させる。これは、MORAN構成からMOCN構成への切り替えを含み、ここで、第1の基地局100は、(第1の基地局100と第1のMNOのUEとの間の送信のために)第1のMNOの公衆陸上移動体ネットワーク(PLMN)識別子と、(第2の基地局の第4のキャリアを補償するための、第1の基地局と第2のMNOのUEとの間の送信のために)第2のMNOのPLMN識別子とを送信し始める。第1の基地局100はまた、第2の基地局の第4のキャリアによってサービス提供されている全てのユーザのハンドオーバおよびリダイレクションを受け入れる。
【0044】
ステップS311において、ニュートラルホストコントローラ42は、第1の基地局100によって現在サービス提供されている第2のMNOのユーザのための任意のトラフィックが、第1の基地局100と第2のMNOのコアネットワークとの間でルーティングされるように、ニュートラルホストルータを再構成する。
【0045】
ステップS313において、ニュートラルホストコントローラ42は、第2の基地局200に命令メッセージを送って、第2の基地局の第4のキャリアをエネルギー節約モードに入らせる。
【0046】
セルラ電気通信ネットワークの最終状態を図5に例示する。
【0047】
したがって、本発明のこの実施形態は、スペクトル共有ソリューションにおいてそれらのそれぞれのキャリアを共有する異なるMNOによる容量(例えば、より高いデータレート)に対する需要の増大に対するソリューションを提供する。さらに、この実施形態は、キャリアがエネルギー節約モードに切り替えられるスペクトル共有ソリューションを選択し、したがって、増大した容量に対する需要を依然として満たしながら、ネットワークにおけるエネルギー消費を低減させる。
【0048】
次に、本発明の方法の第2の実施形態が、図7図9を参照して説明される。この第2の実施形態の第1のステップS401において、ニュートラルホストコントローラ42は、第1のプロセスを行って、第1の基地局100および/または第2の基地局200についての1つまたは複数のメトリックが、エネルギー節約基地局として識別されるためのしきい値を満たすかどうかを決定し、第1の基地局100および/または第2の基地局200についての1つまたは複数のメトリックが、スペクトル共有ソリューションをトリガするためのしきい値を満たすかどうかを決定する。この第2の実施形態では、スペクトル共有ソリューションをトリガするための最も関連のあるメトリックおよびしきい値は、上記で列挙した第3および第4のオプションである(負荷メトリックが、基地局がエネルギー節約モードに入り得ることを示す、低負荷しきい値を満たすこと、ならびにエネルギー消費メトリックが、基地局(もしくはMNO)が過剰なエネルギーを消費したこと、および/または二酸化炭素排出の単位が多すぎる原因であることを示す、エネルギー消費しきい値を満たすこと)。決定は、これらのメトリックの一方または両方に基づき得るか、あるいはこれらのメトリックによってより大きな影響を受けるように重み付けを使用し得る。
【0049】
この例では、ニュートラルホストコントローラ42は、第1の基地局100の第2のキャリアの負荷メトリックが低負荷しきい値を満たすこと、および第2の基地局200の第3のキャリアの負荷メトリックが低負荷しきい値を満たすことを決定して、スペクトル共有ソリューションを識別するための第2のプロセスをトリガする。さらに、第1の基地局100の第2のキャリアと第2の基地局200の第3のキャリアとの両方が、エネルギー節約モードに入るために識別される。
【0050】
ステップS403において、ニュートラルホストコントローラ42は、候補スペクトル共有ソリューションを識別する。これらの候補スペクトル共有ソリューションは、エネルギー節約モードに入る第1の基地局100の第2のキャリアおよび第2の基地局200の第3のキャリア、ならびにエネルギー節約モード、通常(アクティブ)モードまたは補償モードのいずれかにある第1の基地局100の第1のキャリアおよび第2の基地局200の第4のキャリアの任意の組合せを含む。
【0051】
ステップS405において、ニュートラルホストコントローラ42は、各候補スペクトル共有ソリューションについての各MNOに利用可能な容量を評価する。これらの容量は、各MNOに対する容量需要と比較される(これは、第1の実施形態とは異なり、現在の容量利用可能性を超える増大ではない)。第1のMNOに対する容量需要が、(排他的スペクトルと共有スペクトルの両方を通じて)候補スペクトル共有ソリューションにおいて第1のMNOに利用可能な容量を超える(あるいは、その90%、95%、99%などのしきい値内にある)、ならびに/または第2のMNOに対する容量需要が、(排他的スペクトルと共有スペクトルの両方を通じて)候補スペクトル共有ソリューションにおいて第2のMNOに利用可能な容量を超える(あるいは、その90%、95%、99%などのしきい値内にある)、ならびに/または第1および第2のMNOに対する追加の容量需要(すなわち、排他的スペクトルを通じて利用可能であるものを超える容量需要)が、共有スペクトルを通じて第1および第2のMNOに利用可能な容量を超える(あるいは、その90%、95%、99%などのしきい値内にある)場合には、その候補は除外される(そして、プロセスの残りのステップでは考慮されない)。この例では、容量需要が低い(および全てのキャリアが通常(アクティブ)モードである場合の容量利用可能性内である)場合には、除外される唯一の候補ソリューションは、特定のMNOのために動作するキャリアが存在しない場合のものある(例えば、第2の基地局200の第3および第4のキャリアの両方がエネルギー節約モードに切り替えられ、第1の基地局100の第1および第2のキャリアは、通常(アクティブ)モードのままであり、それらのキャリアを第2のMNOと共有しない)。
【0052】
ステップS407において、ニュートラルホストコントローラ42は、(図3を参照して上記で説明されたような)第2のプロセスを行い、ここで、候補スペクトル共有ソリューションは、ステップS405において除外されなかったものである。現在の容量利用可能性よりも小さい、第1および第2のMNOに対する容量需要が存在するこの例では、総合スコアは、キャリアがエネルギー節約モードに入ることの利益を表す望ましさ係数によって(上記の第1の実施形態と比較して)より大きな影響を受ける。この例では、最も高い総合スコアが付けられた候補スペクトル共有ソリューションは、第1の基地局100の第2のキャリアならびに第2の基地局200の第3および第4のキャリアがエネルギー節約モードに入ることと、第1の基地局100の第1のキャリアが補償モードに入り、第1の基地局100の第2のキャリアならびに第2の基地局200の第3および第4のキャリアを補償することと、を伴う。
【0053】
ステップS409において、ニュートラルホストコントローラ42は、第1の基地局100に命令メッセージを送って、第1の基地局100を、その第1のキャリアが第1の基地局100の第2のキャリアならびに第2の基地局200の第3および第4のキャリアを補償するように再構成させる。これは、MORAN構成からMOCN構成への切り替えを含み、ここで、第1の基地局100は、(第1の基地局100と第1のMNOのUEとの間の送信のために)第1のMNOのPLMN識別子と、(第2の基地局の第3および第4のキャリアを補償するための、第1の基地局と第2のMNOのUEとの間の送信のために)第2のMNOのPLMN識別子とを送信し始める。第1の基地局100はまた、第1の基地局の第2のキャリアならびに第2の基地局の第3および第4のキャリアによってサービス提供されている全てのユーザのハンドオーバおよびリダイレクションを受け入れる。
【0054】
ステップS411において、ニュートラルホストコントローラ42は、第1の基地局100によって現在サービス提供されている第2のMNOのユーザのための任意のトラフィックが、第1の基地局100と第2のMNOのコアネットワークとの間でルーティングされるように、ニュートラルホストルータを再構成する。
【0055】
ステップS313において、ニュートラルホストコントローラ42は、第1の基地局100に命令メッセージを送って、第1の基地局の第2のキャリアをエネルギー節約モードに入らせ、第2の基地局200に更なる命令メッセージを送って、第2の基地局の第3および第4のキャリアをエネルギー節約モードに入らせる。
【0056】
セルラ電気通信ネットワークの最終状態を図8に例示する。
【0057】
上記の第2の実施形態の代替では、第1および第2の基地局のキャリアは、比較的高い負荷を有し得るが、スペクトル共有ソリューションプロセスは、第1および/または第2の基地局のエネルギー消費がしきい値を満たすことによってトリガされる。この代替例では、キャリアがエネルギー節約モードに入る可能性は低い(これは、そのようなソリューションは、ステップS405において除外され得るか、または劣化したサービスによる不十分なコスト係数を有し得るからである)。
【0058】
当業者であれば、候補スペクトル共有ソリューションを除外するステップは、別個のステップとして省略され、代わりに各ソリューションのコスト係数を評価することによって実施され得ることを理解されよう。さらに、候補スペクトル共有ソリューションは、全てのキャリアが通常(アクティブ)モードであることを伴い得る。これは、ネットワークの初期状態が、1つまたは複数のキャリアがエネルギー節約モードにあることであり、したがって、候補スペクトル共有ソリューションが、そのようなキャリアを通常(アクティブ)モードに切り替えることである場合に当てはまり得る。
【0059】
当業者であれば、第2の基地局が必須ではないことも理解されよう。すなわち、第1の基地局100は、第1のキャリアが第1のMNOのためのものであり、第2のキャリアが第2のMNOのためのものであり、第1のキャリアのためのスペクトルが第2のMNOと共有される、マルチキャリア基地局であり得る。したがって、上記の実施形態は、マルチキャリア基地局を伴ういくつかの候補エネルギー節約ソリューションからソリューションを識別する際の第2のプロセスの柔軟性を例示した。当業者であれば、第1のプロセスは、それぞれの基地局において実施され得、トリガ条件が満たされたことに続いて、メッセージがニュートラルホストコントローラに送られ得ることも理解されよう(基地局はまた、ネットワークワイドの応答(network-wide response)についてニュートラルホストに通知する前に、そのサービスのうちの1つについてエネルギー節約モードに入るなど、それ自体のエネルギー節約ソリューションも行い得る)。
【0060】
上記で詳述した全ての実施形態では、基地局がエネルギー節約モードを終了し、アクティブモードに再び切り替えるための後続の決定が存在し得る。これは、第1のプロセスで使用されたものと同じトリガに基づき得るか、または独立したトリガに基づき得る。(1つまたは複数の)基地局がアクティブモードに戻ると、ユーザは、アクティブモードの基地局に転送されて戻され得、補償モードの基地局は、アクティブモードに戻り得る。ニュートラルホストコントローラおよびルータはまた、ユーザのサービング基地局を介してユーザトラフィックをルーティングするように再構成され得る。
【0061】
さらに、上記の実施形態は、反復的に実行され、その結果、新しいスペクトル共有ソリューションが最も好適であると決定され得、ニュートラルホストコントローラは、関連する基地局に、この新しいスペクトル共有ソリューションに切り替るように命令し得る。
【0062】
当業者であれば、上記で説明された様々なプロセスがニュートラルホストコントローラ上で行われることは、必須ではないことを理解されよう。すなわち、セルラ電気通信ネットワークにおける任意のエンティティが、上記プロセスを実施し得、典型的に、事業者間の共有アレンジメントによってサポートされるであろう。さらに、スペクトル共有ソリューションに関与するキャリアが、同じ基地局または同じセルサイトの一部であることは必須ではない。
【0063】
上記の実施形態では、スペクトル共有ソリューションを開始するためのトリガ条件のうちの1つは、増大したサービスを求める要求のカウントである。これは、例えば、より大きい容量を必要とする要求、またはより高いピークレートを求める要求であり得る。
【0064】
当業者であれば、特徴の任意の組合せが、請求項に記載の本発明の範囲内で可能であることを理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラ電気通信ネットワークにおけるネットワークノードを動作させる方法であって、ここにおいて、前記セルラ電気通信ネットワークは、第1のスペクトル範囲において、第1のモバイルネットワーク事業者に対して第1のアクセス接続を提供するように構成された第1のトランシーバと、第2のスペクトル範囲において、第2のモバイルネットワーク事業者に対して第2のアクセス接続を提供するように構成された第2のトランシーバと、を含み、前記方法は、
スペクトル共有を開始するための条件が満たされたと決定するステップ、ここにおいて、前記スペクトル共有を開始するための条件は、前記第1のモバイルネットワーク事業者に対する容量需要が前記第1のモバイルネットワーク事業者に利用可能な容量を超えること、および/または前記第1のモバイルネットワーク事業者に対するピークレート需要が前記第1のモバイルネットワーク事業者に利用可能な最大ピークレートを超えること、に基づく、と、
前記決定に応答して、スペクトル共有ソリューションを識別するステップ、ここで、
前記第1のトランシーバは、前記第2のスペクトル範囲において、前記第1のモバイルネットワーク事業者に対して前記第1のアクセス接続を提供するように構成され、
前記第2のトランシーバは、前記第2のスペクトル範囲において、前記第2のモバイルネットワーク事業者に対して前記第2のアクセス接続を提供するように構成され、
前記第2のスペクトル範囲を使用する前記第1のアクセス接続の容量が、前記第1のモバイルネットワーク事業者に対する前記容量需要を満たす、と、
前記識別されたスペクトル共有ソリューションに従って、前記第1のトランシーバを再構成するステップと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記識別されたスペクトル共有ソリューションはまた、前記第2のアクセス接続の前記第2のスペクトル範囲がエネルギー節約モードに入ること、および/または前記第1のアクセス接続の前記第1のスペクトル範囲がエネルギー節約モードに入ることを伴う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基地局は、前記第1のスペクトル範囲および第3のスペクトル範囲内で前記第1のアクセス接続を提供し、前記識別されたスペクトル共有ソリューションはまた、前記第1のアクセス接続が前記第3のスペクトル範囲においてエネルギー節約モードに入ることを伴う、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記スペクトル共有を開始するための条件は、エネルギー節約に関連する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記条件は、前記第1のアクセス接続および/もしくは前記第2のアクセス接続における負荷の尺度、ならびに/または前記第1のアクセス接続および/もしくは第2のアクセス接続のエネルギー消費の尺度を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
命令を備えるコンピュータプログラムであって、前記命令は、前記プログラムがコンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、請求項1~5のいずれか一項に記載のステップを実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のコンピュータプログラムを備えるコンピュータ可読キャリア媒体。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか一項に記載のステップを実行するように構成されたプロセッサを有するネットワークノード。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
当業者であれば、特徴の任意の組合せが、請求項に記載の本発明の範囲内で可能であることを理解されよう。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] セルラ電気通信ネットワークにおける方法であって、ここにおいて、前記セルラ電気通信ネットワークは、第1のスペクトル範囲において、第1のモバイルネットワーク事業者に第1のアクセス接続を提供するように構成された第1のトランシーバと、第2のスペクトル範囲において、第2のモバイルネットワーク事業者に第2のアクセス接続を提供するように構成された第2のトランシーバと、を含み、前記方法は、
スペクトル共有を開始するための条件が満たされたと決定するステップ、ここにおいて、前記スペクトル共有を開始するための条件は、前記第1のモバイルネットワーク事業者に対する容量需要が前記第1のモバイルネットワーク事業者に利用可能な容量を超えること、および/または前記第1のモバイルネットワーク事業者に対するピークレート需要が前記第1のモバイルネットワーク事業者に利用可能な最大ピークレートを超えること、に基づく、と、
前記決定に応答して、スペクトル共有ソリューションを識別するステップ、ここで、
前記第1のトランシーバは、前記第2のスペクトル範囲において、前記第1のモバイルネットワーク事業者に前記第1のアクセス接続を提供するように構成され、
前記第2のスペクトル範囲を使用する前記第1のアクセス接続の容量が、前記第1のモバイルネットワーク事業者に対する前記容量需要を満たす、と、
前記識別されたスペクトル共有ソリューションに従って、前記基地局を再構成するステップと、
を備える、方法。
[C2] 前記識別されたスペクトル共有ソリューションはまた、前記第2のアクセス接続の前記第2のスペクトル範囲がエネルギー節約モードに入ること、および/または前記第1のアクセス接続の前記第1のスペクトル範囲がエネルギー節約モードに入ることを伴う、C1に記載の方法。
[C3] 前記基地局は、前記第1のスペクトル範囲および第3のスペクトル範囲内で前記第1のアクセス接続を提供し、前記識別されたスペクトル共有ソリューションはまた、前記第1のアクセス接続が前記第3のスペクトル範囲においてエネルギー節約モードに入ることを伴う、C1または2に記載の方法。
[C4] 前記スペクトル共有を開始するための条件は、エネルギー節約に関連する、C1~3のいずれか一項に記載の方法。
[C5] 前記条件は、前記第1のアクセス接続および/もしくは前記第2のアクセス接続における負荷の尺度、ならびに/または前記第1のアクセス接続および/もしくは第2のアクセス接続のエネルギー消費の尺度を含む、C4に記載の方法。
[C6] 命令を備えるコンピュータプログラムであって、前記命令は、前記プログラムがコンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、C1~5のいずれか一項に記載のステップを実行させる、コンピュータプログラム。
[C7] C6に記載のコンピュータプログラムを備えるコンピュータ可読キャリア媒体。
[C8] C1~5のいずれか一項に記載のステップを実行するように構成されたプロセッサを有するネットワークノード。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラ電気通信ネットワークにおけるネットワークノードによって行われる方法であって、ここにおいて、前記セルラ電気通信ネットワークは、第1のスペクトル範囲において、第1のモバイルネットワーク事業者に対して第1のアクセス接続を提供する第1のトランシーバと、第2のスペクトル範囲において、第2のモバイルネットワーク事業者に対して第2のアクセス接続を提供する第2のトランシーバと、を含み、前記方法は、
スペクトル共有を開始するための条件が満たされたと決定するステップ、ここにおいて、前記スペクトル共有を開始するための条件は、前記第1のモバイルネットワーク事業者に対する容量需要が前記第1のモバイルネットワーク事業者に利用可能な容量を超えること、および/または前記第1のモバイルネットワーク事業者に対するピークレート需要が前記第1のモバイルネットワーク事業者に利用可能な最大ピークレートを超えること、に基づく、と、
前記決定に応答して、スペクトル共有ソリューションを識別するステップ、ここで、
前記第1のトランシーバは、前記第2のスペクトル範囲において、前記第1のモバイルネットワーク事業者に対して前記第1のアクセス接続を提供
前記第2のトランシーバは、前記第2のスペクトル範囲において、前記第2のモバイルネットワーク事業者に対して前記第2のアクセス接続を提供し続け
前記第2のスペクトル範囲を使用する前記第1のアクセス接続の容量が、前記第1のモバイルネットワーク事業者に対する前記容量需要を満たす、と、
前記識別されたスペクトル共有ソリューションに従って、前記第1のトランシーバを再構成するステップと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記識別されたスペクトル共有ソリューションはまた、前記第2のアクセス接続の前記第2のスペクトル範囲がエネルギー節約モードに入ること、および/または前記第1のアクセス接続の前記第1のスペクトル範囲がエネルギー節約モードに入ることを伴う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基地局は、前記第1のスペクトル範囲および第3のスペクトル範囲内で前記第1のアクセス接続を提供し、前記識別されたスペクトル共有ソリューションはまた、前記第1のアクセス接続が前記第3のスペクトル範囲においてエネルギー節約モードに入ることを伴う、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記スペクトル共有を開始するための条件は、エネルギー節約に関連する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記条件は、前記第1のアクセス接続および/もしくは前記第2のアクセス接続における負荷の尺度、ならびに/または前記第1のアクセス接続および/もしくは第2のアクセス接続のエネルギー消費の尺度を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
命令を備えるコンピュータプログラムであって、前記命令は、前記プログラムがコンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、請求項1~5のいずれか一項に記載のステップを実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のコンピュータプログラムを備えるコンピュータ可読キャリア媒体。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか一項に記載のステップを実行するように構成されたプロセッサを有するネットワークノード。
【国際調査報告】